JP2000064092A - アルミニウム基合金部材とその陽極酸化方法及び用途 - Google Patents
アルミニウム基合金部材とその陽極酸化方法及び用途Info
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- JP2000064092A JP2000064092A JP22783698A JP22783698A JP2000064092A JP 2000064092 A JP2000064092 A JP 2000064092A JP 22783698 A JP22783698 A JP 22783698A JP 22783698 A JP22783698 A JP 22783698A JP 2000064092 A JP2000064092 A JP 2000064092A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】黄色化を防止した高耐食性Si7.5〜18重
量% を含むアルミニウム合金部材とその陽極酸化方法
及び用途を提供する。 【解決手段】Si7.5〜18 重量%を含有するアルミ
ニウム合金部材表面に内層に多孔質の酸化皮膜とその表
面に緻密な酸化皮膜を有する部材と、部材表面をベーマ
イト処理した後、陽極酸化処理を施す処理方法とその用
途。
量% を含むアルミニウム合金部材とその陽極酸化方法
及び用途を提供する。 【解決手段】Si7.5〜18 重量%を含有するアルミ
ニウム合金部材表面に内層に多孔質の酸化皮膜とその表
面に緻密な酸化皮膜を有する部材と、部材表面をベーマ
イト処理した後、陽極酸化処理を施す処理方法とその用
途。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なアルミニウ
ム合金部材とその陽極酸化法及び用途に関するものであ
る。
ム合金部材とその陽極酸化法及び用途に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金ダイカストの生産量は
近年、自動車用途の急激な伸びをはじめ、ますます増加
する傾向にある。これは主として、次に示すようなアル
ミニウム合金ダイカストの特徴によるものである。
近年、自動車用途の急激な伸びをはじめ、ますます増加
する傾向にある。これは主として、次に示すようなアル
ミニウム合金ダイカストの特徴によるものである。
【0003】(1)軽量である。
【0004】(2)鋳造性に優れ、薄肉・複雑な形状に
も適する。
も適する。
【0005】(3)寸法精度が良い。
【0006】(4)生産性が良い。
【0007】合金種類別では、Al−Cu−Si系合金
のADC12が生産量の大部分を占めている。ADC1
2は、耐摩耗性,ダイカスト性の向上及び熱膨張率低下
のためにSiを9.6〜12wt% 、また機械的性質向
上のためにCuを1.5〜3.5wt%含んでおり、表1に
その合金組成を示した。一般に、産業機械,計測機及び
輸送機器のハウジングやカバー及び支持材といった各種
部品に広く使用されているものである。
のADC12が生産量の大部分を占めている。ADC1
2は、耐摩耗性,ダイカスト性の向上及び熱膨張率低下
のためにSiを9.6〜12wt% 、また機械的性質向
上のためにCuを1.5〜3.5wt%含んでおり、表1に
その合金組成を示した。一般に、産業機械,計測機及び
輸送機器のハウジングやカバー及び支持材といった各種
部品に広く使用されているものである。
【0008】
【表1】
【0009】この合金は、耐食性や外観上の問題から表
面処理が必要とされる場合があり、他のアルミニウム材
料同様、陽極酸化,化成処理,めっき及び塗装などの方
法が用いられる。なかでも、耐食性や耐摩耗性に優れる
陽極酸化処理が望まれている。
面処理が必要とされる場合があり、他のアルミニウム材
料同様、陽極酸化,化成処理,めっき及び塗装などの方
法が用いられる。なかでも、耐食性や耐摩耗性に優れる
陽極酸化処理が望まれている。
【0010】しかし、ADC12を代表とするAl−C
u−Si系をはじめ、Al−Si系やAl−Si−Mg
系といった合金、すなわちSiを7.5〜18.0wt%
含有する合金の場合、チル層と呼ばれる表面近傍の急冷
組織に高密度に存在するSiの影響等により、表面処理
特に陽極酸化する上で幾つかの問題が生じる。その一つ
が陽極酸化皮膜の局部的な黄色化である。すなわち、全
体としては黒灰色に発色しながら一部が黄色を呈し、外
観性に劣るという問題である。
u−Si系をはじめ、Al−Si系やAl−Si−Mg
系といった合金、すなわちSiを7.5〜18.0wt%
含有する合金の場合、チル層と呼ばれる表面近傍の急冷
組織に高密度に存在するSiの影響等により、表面処理
特に陽極酸化する上で幾つかの問題が生じる。その一つ
が陽極酸化皮膜の局部的な黄色化である。すなわち、全
体としては黒灰色に発色しながら一部が黄色を呈し、外
観性に劣るという問題である。
【0011】従来、この問題に対しては、1)合金成分
の添加量を減らす等の材料側からの検討、2)鋳造欠陥
を減少させるための鋳造条件及び鋳造法の改善、3)前
処理も含めた陽極酸化処理方法の改良といった三方向か
らの検討がなされてきた。しかし、1)に関しては、合
金成分は前述のアルミニウム合金ダイカストの特性、特
に鋳造性,寸法精度及び生産性と機械的特性の点から現
状より大きく変更することは難しく、また2)に関して
も生産性等の制約があり問題を解決するまでには至って
いない。よって、従来通りの材料及び鋳造法でつくられ
たものをいかにして表面処理するかという3)の検討が
現状では最も重要となる。
の添加量を減らす等の材料側からの検討、2)鋳造欠陥
を減少させるための鋳造条件及び鋳造法の改善、3)前
処理も含めた陽極酸化処理方法の改良といった三方向か
らの検討がなされてきた。しかし、1)に関しては、合
金成分は前述のアルミニウム合金ダイカストの特性、特
に鋳造性,寸法精度及び生産性と機械的特性の点から現
状より大きく変更することは難しく、また2)に関して
も生産性等の制約があり問題を解決するまでには至って
いない。よって、従来通りの材料及び鋳造法でつくられ
たものをいかにして表面処理するかという3)の検討が
現状では最も重要となる。
【0012】これに関連し、特開平9−1319 号公報で
は、研掃処理,フッ酸及びフッ素化合物処理,化学研磨
を順に行った後に陽極酸化処理を施すことが紹介されて
いる。物理的あるいは化学的に表面を削ることで表面性
状を均一にすることにより、均一染色性と光輝性のある
陽極酸化皮膜を形成させるものである。
は、研掃処理,フッ酸及びフッ素化合物処理,化学研磨
を順に行った後に陽極酸化処理を施すことが紹介されて
いる。物理的あるいは化学的に表面を削ることで表面性
状を均一にすることにより、均一染色性と光輝性のある
陽極酸化皮膜を形成させるものである。
【0013】このように従来技術では、アルミニウム合
金ダイカストを陽極酸化処理する際の前処理として、ブ
ラスト処理等の機械加工やフッ酸浴処理及び化学研磨と
いった工程が入る。
金ダイカストを陽極酸化処理する際の前処理として、ブ
ラスト処理等の機械加工やフッ酸浴処理及び化学研磨と
いった工程が入る。
【0014】更に、特開平9−184093 号公報には、Al
又はAl合金に対しベーマイト処理後0.07〜0.3μ
m厚さの無孔質陽極酸化皮膜を形成することが開示され
ている。
又はAl合金に対しベーマイト処理後0.07〜0.3μ
m厚さの無孔質陽極酸化皮膜を形成することが開示され
ている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来の方法では工程が複雑になれば作業性及び経済性が
低下するとともに、度重なる研掃,研磨処理によりアル
ミニウム合金ダイカストの特徴である寸法精度に誤差を
生じる可能性がある。ゆえに、簡易かつ寸法精度を維持
できる方法で陽極酸化皮膜の黄色化を防止することが求
められる。更に、後者の方法には本発明に係る特定の合
金に対する処理法は示されていない。
従来の方法では工程が複雑になれば作業性及び経済性が
低下するとともに、度重なる研掃,研磨処理によりアル
ミニウム合金ダイカストの特徴である寸法精度に誤差を
生じる可能性がある。ゆえに、簡易かつ寸法精度を維持
できる方法で陽極酸化皮膜の黄色化を防止することが求
められる。更に、後者の方法には本発明に係る特定の合
金に対する処理法は示されていない。
【0016】本発明の目的は、Siを多く含むAl−S
i合金において新規な課題である黄色化を防止するアミ
ニウム合金とその陽極酸化方法及び用途を提供すること
にある。
i合金において新規な課題である黄色化を防止するアミ
ニウム合金とその陽極酸化方法及び用途を提供すること
にある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、Si7.5〜
18 重量%を含むアルミニウム基合金部材の表面に酸
化アルミニウムを主体とする酸化皮膜が形成され、該酸
化皮膜が多孔質の内層と該内層より緻密な表面層よりな
ることを特徴とするアルミニウム基合金部材にある。
18 重量%を含むアルミニウム基合金部材の表面に酸
化アルミニウムを主体とする酸化皮膜が形成され、該酸
化皮膜が多孔質の内層と該内層より緻密な表面層よりな
ることを特徴とするアルミニウム基合金部材にある。
【0018】前記外層の空孔率が30体積%以下及び前
記内層の空孔率が30%を超え50体積%以下であるの
が好ましい。
記内層の空孔率が30%を超え50体積%以下であるの
が好ましい。
【0019】前記外層の厚さが0.06〜0.3μm及び
前記内層が3〜70μmであるのが好ましい。
前記内層が3〜70μmであるのが好ましい。
【0020】本発明は、Siを7.5〜18.0wt%含
有するアルミニウム合金にベーマイト処理を施した後、
陽極酸化処理することにより寸法精度を維持し、かつ均
一な黒灰色を有する酸化皮膜を形成するものである。
有するアルミニウム合金にベーマイト処理を施した後、
陽極酸化処理することにより寸法精度を維持し、かつ均
一な黒灰色を有する酸化皮膜を形成するものである。
【0021】更に、前記アルミニウム合金が、Al−C
u−Si系,Al−Si系及びAl−Si−Mg系合金
のいずれかである。特に、機械的強度及び鋳造性の向上
を目的としてCuを0.6〜5.0wt%、Mgを0.3
〜0.7wt%、Mnを0.3〜0.5wt% 含むことが
でき、また、Znを3.0wt% 以下、Feを1.3w
t%以下含むことができる。
u−Si系,Al−Si系及びAl−Si−Mg系合金
のいずれかである。特に、機械的強度及び鋳造性の向上
を目的としてCuを0.6〜5.0wt%、Mgを0.3
〜0.7wt%、Mnを0.3〜0.5wt% 含むことが
でき、また、Znを3.0wt% 以下、Feを1.3w
t%以下含むことができる。
【0022】本発明において更に、前記アルミニウム合
金ダイカストが、鋳造後一部又は全体に機械加工,化学
処理等を施したものである。
金ダイカストが、鋳造後一部又は全体に機械加工,化学
処理等を施したものである。
【0023】本発明は、前記ベーマイト処理が純水中に
浸漬して煮沸または加圧水蒸気に接触させることにより
行われるものである。この方法により、アルミニウム合
金ダイカストの表面をベーマイト皮膜と呼ばれるアルミ
ニウムの水和酸化皮膜がほぼ均一に覆って表面の組成の
むらを減らし、その後の陽極酸化皮膜も均一に成長す
る。
浸漬して煮沸または加圧水蒸気に接触させることにより
行われるものである。この方法により、アルミニウム合
金ダイカストの表面をベーマイト皮膜と呼ばれるアルミ
ニウムの水和酸化皮膜がほぼ均一に覆って表面の組成の
むらを減らし、その後の陽極酸化皮膜も均一に成長す
る。
【0024】前記ベーマイト処理は処理温度と処理時間
をそれぞれ80〜200℃,5〜30分とするのが好ま
しい。この方法により、膜厚が0.06〜0.3μmの緻
密なベーマイト皮膜が形成した後、より厚い陽極酸化皮
膜が形成される。
をそれぞれ80〜200℃,5〜30分とするのが好ま
しい。この方法により、膜厚が0.06〜0.3μmの緻
密なベーマイト皮膜が形成した後、より厚い陽極酸化皮
膜が形成される。
【0025】前記陽極酸化処理は、硫酸,しゅう酸,り
ん酸,クロム酸を少なくとも一種以上含む溶液中で、直
流法,交流法,交直流重畳法,波形制御法等により電解
することにより行われるものである。この方法により、
厚い多孔質な陽極酸化皮膜を形成して耐食性を向上させ
ることができる。
ん酸,クロム酸を少なくとも一種以上含む溶液中で、直
流法,交流法,交直流重畳法,波形制御法等により電解
することにより行われるものである。この方法により、
厚い多孔質な陽極酸化皮膜を形成して耐食性を向上させ
ることができる。
【0026】前記陽極酸化処理の電解液として上記酸を
濃度で2〜30wt%含有し、浴温が10〜42℃で、
電解電圧が直流で10〜50V、交流で30〜120V
にし、10〜60分通電するのが好ましい。この方法に
より、膜厚が3〜62μm、好ましくは8〜14μmの
陽極酸化皮膜が得られる。
濃度で2〜30wt%含有し、浴温が10〜42℃で、
電解電圧が直流で10〜50V、交流で30〜120V
にし、10〜60分通電するのが好ましい。この方法に
より、膜厚が3〜62μm、好ましくは8〜14μmの
陽極酸化皮膜が得られる。
【0027】本発明は、Si7.5〜18 重量%を含む
アルミニウム基合金部材からなるガスメータ配管用継手
であって、該継手表面に酸化アルミニウムを主体にした
酸化皮膜が形成され、該酸化皮膜が多孔質の内層と該内
層より緻密な表面層よりなることを特徴とする。
アルミニウム基合金部材からなるガスメータ配管用継手
であって、該継手表面に酸化アルミニウムを主体にした
酸化皮膜が形成され、該酸化皮膜が多孔質の内層と該内
層より緻密な表面層よりなることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】〔実施例〕図1は本発明に従った
皮膜の処理工程を示したものである。図2は本発明の一
実施例であるガスメータ配管継手用安全弁フランジの平
面図で、表2にその合金成分を示した。本実施例におけ
るフランジは表2からなる合金を金型によるダイカスト
によって製造されたものである。図3は図2の3−3の
断面図である。
皮膜の処理工程を示したものである。図2は本発明の一
実施例であるガスメータ配管継手用安全弁フランジの平
面図で、表2にその合金成分を示した。本実施例におけ
るフランジは表2からなる合金を金型によるダイカスト
によって製造されたものである。図3は図2の3−3の
断面図である。
【0029】
【表2】
【0030】図1(a)は、表2の合金を金型にてダイ
カストされた被処理材1の断面における表面状態を概念
的に表したものであり、内部組織2と表面近傍のチル層
3と呼ばれる厚さ数μm〜数十μmの急冷凝固組織から
なっている。チル層は、急冷されたために微細な組織と
なり易く、またAlと合金元素との共晶,固溶体及び金
属間化合物が複雑に形成されている場合が多い。このよ
うな組織の不均一性が陽極酸化時における挙動の不均一
性、すなわち生成する皮膜の不健全性の主な原因とされ
る。特にSi粒子は、皮膜中に分散することによって黒
色化を引き起こすなど影響が大きい。なお、最表面にあ
る極めて薄い自然酸化膜は省略している。
カストされた被処理材1の断面における表面状態を概念
的に表したものであり、内部組織2と表面近傍のチル層
3と呼ばれる厚さ数μm〜数十μmの急冷凝固組織から
なっている。チル層は、急冷されたために微細な組織と
なり易く、またAlと合金元素との共晶,固溶体及び金
属間化合物が複雑に形成されている場合が多い。このよ
うな組織の不均一性が陽極酸化時における挙動の不均一
性、すなわち生成する皮膜の不健全性の主な原因とされ
る。特にSi粒子は、皮膜中に分散することによって黒
色化を引き起こすなど影響が大きい。なお、最表面にあ
る極めて薄い自然酸化膜は省略している。
【0031】上記被処理材1は、アセトン等による脱脂
を行った後、ベーマイト処理される。このベーマイト処
理は、純水中に浸漬して煮沸処理あるいは加圧水蒸気に
接触処理することにより、アルミニウムが水と反応して
Al2O3,H2O の水和酸化皮膜である厚さ0.1μm
のベーマイト4を生成するものである(図1b)。本実
施例では脱脂をアセトン中で10分間超音波洗浄により
行い、乾燥後、ベーマイト処理として比抵抗7.2MΩc
m の脱イオン純水中で10分間煮沸した。ベーマイト処
理後の試料表面は若干の光沢を残しつつやや黒味を帯び
た灰色となった。
を行った後、ベーマイト処理される。このベーマイト処
理は、純水中に浸漬して煮沸処理あるいは加圧水蒸気に
接触処理することにより、アルミニウムが水と反応して
Al2O3,H2O の水和酸化皮膜である厚さ0.1μm
のベーマイト4を生成するものである(図1b)。本実
施例では脱脂をアセトン中で10分間超音波洗浄により
行い、乾燥後、ベーマイト処理として比抵抗7.2MΩc
m の脱イオン純水中で10分間煮沸した。ベーマイト処
理後の試料表面は若干の光沢を残しつつやや黒味を帯び
た灰色となった。
【0032】ベーマイト処理した後に施す陽極酸化条件
は、15wt%硫酸溶液中、浴温25℃,電流密度2A
dm-2で30分間電解とした。水洗,乾燥後に陽極酸化
皮膜5の膜厚を断面の直接観察により求めた結果、約1
0μmであった(図1c)。以上のように処理された陽極
酸化皮膜は、その表面での空孔率が20〜30体積%で
ある全表面に渡り黄色化部のない、均一な黒灰色の優れ
た表面観察を示す。色差計による色調の測定結果を表3
に示した。比較例として、陽極酸化処理を施す前のベー
マイト処理を省略した他は実施例と同様の処理をしたも
のについて測定結果も併せて表3に示した。
は、15wt%硫酸溶液中、浴温25℃,電流密度2A
dm-2で30分間電解とした。水洗,乾燥後に陽極酸化
皮膜5の膜厚を断面の直接観察により求めた結果、約1
0μmであった(図1c)。以上のように処理された陽極
酸化皮膜は、その表面での空孔率が20〜30体積%で
ある全表面に渡り黄色化部のない、均一な黒灰色の優れ
た表面観察を示す。色差計による色調の測定結果を表3
に示した。比較例として、陽極酸化処理を施す前のベー
マイト処理を省略した他は実施例と同様の処理をしたも
のについて測定結果も併せて表3に示した。
【0033】
【表3】
【0034】表中のL,a,bはそれぞれ明度,赤色
度,黄色度を表しており、数値が大きいほど各度合いも
大きい。本発明例は、L及びbが小さくなっていること
から、より黒い色調を示しているといえる。従って、本
発明の明度として20〜35、赤色度として−0.1〜
−0.25及び黄色度として0.5〜2.0とするものが
好ましい。
度,黄色度を表しており、数値が大きいほど各度合いも
大きい。本発明例は、L及びbが小さくなっていること
から、より黒い色調を示しているといえる。従って、本
発明の明度として20〜35、赤色度として−0.1〜
−0.25及び黄色度として0.5〜2.0とするものが
好ましい。
【0035】図3は、本発明例を適用したADC12の
0.5mol/lNaCl,37℃,相対湿度95%による
300時間後の塩水噴霧試験による腐食量を示してい
る。ベーマイト処理又は陽極酸化処理のいずれか単独の
場合の結果も併せて示した。図3にみられるように、ベ
ーマイト処理(約15.5g/m2)のみもしくは陽極酸
化(約0.4g/m2)のみと比較して、本発明例ではベ
ーマイト処理による効果と陽極酸化による膜厚増加は約
0.1g/m2以下とその効果が相乗して著しい耐食性を
付与できる。
0.5mol/lNaCl,37℃,相対湿度95%による
300時間後の塩水噴霧試験による腐食量を示してい
る。ベーマイト処理又は陽極酸化処理のいずれか単独の
場合の結果も併せて示した。図3にみられるように、ベ
ーマイト処理(約15.5g/m2)のみもしくは陽極酸
化(約0.4g/m2)のみと比較して、本発明例ではベ
ーマイト処理による効果と陽極酸化による膜厚増加は約
0.1g/m2以下とその効果が相乗して著しい耐食性を
付与できる。
【0036】また、本発明で用いるベーマイト処理工程
は、研掃処理工程と比較して、被処理材の形状をほとん
ど問題にしない。よって、本実施例の安全弁フランジ6
は、ガスを流すための穴7と漏れ防止のために設けられ
た内側凸部8と外側凸部9,配管と接合するためのボル
ト穴10から構成されているが、これらの形状,位置及
び数等は用途に応じて適宜変更することが可能である。
は、研掃処理工程と比較して、被処理材の形状をほとん
ど問題にしない。よって、本実施例の安全弁フランジ6
は、ガスを流すための穴7と漏れ防止のために設けられ
た内側凸部8と外側凸部9,配管と接合するためのボル
ト穴10から構成されているが、これらの形状,位置及
び数等は用途に応じて適宜変更することが可能である。
【0037】また、本発明は、上記実施例ではAl−C
u−Si系合金のADC12に適用した例について示し
たが、これに限らず同系合金のADC10,Al−Si
系合金のADC1,Al−Si−Mg系合金のADC3
その他Siを7.5〜18.0wt%含むようなアルミニ
ウム合金ダイカストに適用することができる。
u−Si系合金のADC12に適用した例について示し
たが、これに限らず同系合金のADC10,Al−Si
系合金のADC1,Al−Si−Mg系合金のADC3
その他Siを7.5〜18.0wt%含むようなアルミニ
ウム合金ダイカストに適用することができる。
【0038】また、本発明の被処理材は、上記実施例で
は表面近傍のチル層と内部組織とを区別できるものとし
たが、これに限らず、チル層と内部組織が明瞭に区別で
きない組織、チル層が極微量表面に存在する組織又はこ
れらの組織が混在しているものでもよい。
は表面近傍のチル層と内部組織とを区別できるものとし
たが、これに限らず、チル層と内部組織が明瞭に区別で
きない組織、チル層が極微量表面に存在する組織又はこ
れらの組織が混在しているものでもよい。
【0039】また、本発明は、鋳造後に機械加工や化学
研磨等の処理を施した被処理材に適用することもでき
る。
研磨等の処理を施した被処理材に適用することもでき
る。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、Si7.5〜18% を
含むアルミニウム基合金部材、特にダイカスト部材に対
し、黄色化部位のない均一な黒灰色の優れた表面外観を
有する高耐食性の陽極酸化皮膜を得ることができる。
含むアルミニウム基合金部材、特にダイカスト部材に対
し、黄色化部位のない均一な黒灰色の優れた表面外観を
有する高耐食性の陽極酸化皮膜を得ることができる。
【0041】他、本発明は、前述のアルミニウム合金の
ダイカスト部材からなるモーターのハウジング,排風機
の羽根,医瞭用の分析機の試料保持台,洗濯機脱水機の
フランジ,カーステレオスピーカーの本体,脚立のレバ
ー,防犯カメラの本体,ヒートシンクのカバーなどに適
用できるものである。
ダイカスト部材からなるモーターのハウジング,排風機
の羽根,医瞭用の分析機の試料保持台,洗濯機脱水機の
フランジ,カーステレオスピーカーの本体,脚立のレバ
ー,防犯カメラの本体,ヒートシンクのカバーなどに適
用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従った皮膜の処理工程を示す図。
【図2】本発明の一実施例である安全弁フランジの平面
図。
図。
【図3】図2の安全弁フランジの断面図。
【図4】本発明の皮膜の腐食試験結果を示す棒グラフ。
1…被処理材、2…内部組織、3…チル層、4…ベーマ
イト皮膜、5…陽極酸化皮膜、6…安全弁フランジ、7
…穴、8…内側凸部、9…外側凸部、10…ボルト穴。
イト皮膜、5…陽極酸化皮膜、6…安全弁フランジ、7
…穴、8…内側凸部、9…外側凸部、10…ボルト穴。
Claims (9)
- 【請求項1】Si7.5〜18 重量%を含むアルミニウ
ム基合金部材の表面に酸化アルミニウムを主体とする酸
化皮膜が形成され、該酸化皮膜が多孔質の内層と該内層
より緻密な表面層よりなることを特徴とするアルミニウ
ム基合金部材。 - 【請求項2】前記外層の空孔率が30体積%以下及び前
記内層の空孔率が30%を超え50体積%以下であるこ
とを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム基合金部
材。 - 【請求項3】前記外層の厚さが0.06〜0.3μm及び
前記内層が3〜70μmである請求項1又は2に記載の
アルミニウム基合金部材。 - 【請求項4】前記アルミニウム合金部材が、Al−Cu
−Si系,Al−Si系及びAl−Si−Mg系合金の
いずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
かに記載のアルミニウム合金部材。 - 【請求項5】Si7.5〜18 重量%を含有するアルミ
ニウム合金部材をベーマイト処理を施した後、陽極酸化
処理を施すことを特徴とするアルミニウム合金部材の陽
極酸化方法。 - 【請求項6】前記アルミニウム合金部材はダイカストに
よる鋳造後前記ベーマイト処理前に一部又は全体に機械
加工又は化学処理を施すことを特徴とする請求項6に記
載のアルミニウム合金部材の陽極酸化方法。 - 【請求項7】前記ベーマイト処理を比抵抗1MΩcm以上
の純水中に浸漬して煮沸処理または加圧水蒸気に接触処
理するものであることを特徴とする請求項5又は6に記
載のアルミニウム合金部材の陽極酸化方法。 - 【請求項8】前記陽極酸化処理が、硫酸,しゅう酸,り
ん酸,クロム酸を少なくとも一種以上含む溶液中で、直
流法,交流法,交直流重畳法及び波形制御法のいずれか
により電解するものであることを特徴とする請求項5〜
7のいずれかに記載のアルミニウム合金部材の陽極酸化
方法。 - 【請求項9】Si7.5〜18 重量%を含むアルミニウ
ム基合金部材からなるガスメータ配管用継手であって、
該継手表面に酸化アルミニウムを主体にした酸化皮膜が
形成され、該酸化皮膜が多孔質の内層と該内層より緻密
な表面層よりなることを特徴とするガスメータ配管用継
手。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22783698A JP2000064092A (ja) | 1998-08-12 | 1998-08-12 | アルミニウム基合金部材とその陽極酸化方法及び用途 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22783698A JP2000064092A (ja) | 1998-08-12 | 1998-08-12 | アルミニウム基合金部材とその陽極酸化方法及び用途 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000064092A true JP2000064092A (ja) | 2000-02-29 |
Family
ID=16867141
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22783698A Pending JP2000064092A (ja) | 1998-08-12 | 1998-08-12 | アルミニウム基合金部材とその陽極酸化方法及び用途 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000064092A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7005194B2 (en) * | 2003-01-23 | 2006-02-28 | Kobe Steel, Ltd. | Aluminum alloy member superior in corrosion resistance and plasma resistance |
| JP2008104936A (ja) * | 2006-10-25 | 2008-05-08 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 超撥水性アルミ箔及びその製造方法 |
| CN102560490A (zh) * | 2010-12-28 | 2012-07-11 | 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 | 铝及铝合金表面防腐处理方法及其制品 |
| WO2025158630A1 (ja) * | 2024-01-25 | 2025-07-31 | 株式会社日立ハイテク | 陽極酸化被膜の製造方法、アルマイト部品およびプラズマ処理装置 |
-
1998
- 1998-08-12 JP JP22783698A patent/JP2000064092A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7005194B2 (en) * | 2003-01-23 | 2006-02-28 | Kobe Steel, Ltd. | Aluminum alloy member superior in corrosion resistance and plasma resistance |
| JP2008104936A (ja) * | 2006-10-25 | 2008-05-08 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 超撥水性アルミ箔及びその製造方法 |
| CN102560490A (zh) * | 2010-12-28 | 2012-07-11 | 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 | 铝及铝合金表面防腐处理方法及其制品 |
| WO2025158630A1 (ja) * | 2024-01-25 | 2025-07-31 | 株式会社日立ハイテク | 陽極酸化被膜の製造方法、アルマイト部品およびプラズマ処理装置 |
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