JP2000061683A - はんだめっき線 - Google Patents
はんだめっき線Info
- Publication number
- JP2000061683A JP2000061683A JP10241846A JP24184698A JP2000061683A JP 2000061683 A JP2000061683 A JP 2000061683A JP 10241846 A JP10241846 A JP 10241846A JP 24184698 A JP24184698 A JP 24184698A JP 2000061683 A JP2000061683 A JP 2000061683A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- solder
- wire
- tin
- plating
- silver
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Coating With Molten Metal (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高温環境下においても熱的クリープ現象を生
じ難くはんだ接続部における耐熱強度に優れ、有害な鉛
成分を含有しないはんだめっき線を提供する。 【解決手段】 ビスマスが1.0 〜30.0重量%、銀が0.5
〜10.0重量%、銅が0.01〜2.0 重量%、残部が錫および
不可避的不純物からなる組成のめっき層3を金属素線2
の外周に設けたはんだめっき線1。
じ難くはんだ接続部における耐熱強度に優れ、有害な鉛
成分を含有しないはんだめっき線を提供する。 【解決手段】 ビスマスが1.0 〜30.0重量%、銀が0.5
〜10.0重量%、銅が0.01〜2.0 重量%、残部が錫および
不可避的不純物からなる組成のめっき層3を金属素線2
の外周に設けたはんだめっき線1。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明ははんだめっき線に関する
もので、特には、はんだ付け性およびはんだ接続部の耐
熱強度が改善され、鉛成分を含有しないはんだめっき線
に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、はんだめっき線としては、金
属素線の外周に錫−鉛合金はんだめっき層を設けたもの
が、はんだめっき作業性やはんだ接続作業性に優れるこ
とから電気機器や電子機器用の部材として一般に広く使
用されている。しかし、近時、電気機器や電子機器の低
価格化に伴って製造コストの引下げ(工数削減)が必要
となり、今まで以上に短時間で接続できるはんだ濡れ性
に優れたはんだめっき線が要求されるようになってい
る。また、電気機器や電子機器の小型化、高性能化に伴
い、機器内が高温環境となることが多くなり、高温環境
下における機器の信頼性を高める目的からはんだ接続部
の耐熱強度の向上が求められるようになり、はんだめっ
き線についても耐熱強度の優れたものが要求されるよう
になってきている。また、電気機器や電子機器の生産が
急増するのに伴い、産業廃棄物として処分される電気機
器や電子機器の数量も増大しており、これら廃棄処分さ
れた機器から散失する有害物質による環境汚染の問題が
指摘されるようになり、電気機器や電子機器には有害物
質を含有しないはんだめっき線の使用が要求されるよう
にもなってきた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来より多用されてい
る錫−鉛合金はんだめっき線は、はんだ接続作業性には
優れているが、近時要求の強いはんだ接続作業時間短縮
に対してははんだ濡れ性が十分でなかった。また、錫−
鉛合金はんだめっき線は、特性上の問題としてはんだ接
続部の耐熱強度の点で信頼性に劣っており、殊に高温環
境で使用した場合に錫−鉛合金はんだめっき線と他の部
材とのはんだ接続部において熱的クリープ現象を生じ易
く、はんだめっき線がはんだ接続部から抜け落ちるとい
う大きな欠点があった。一方、環境上の問題として、産
業廃棄物として処分された錫−鉛合金はんだめっき線か
ら鉛が酸性雨等によって地下水中に溶出して環境を汚染
し、更にはこれが人体内に摂取される危険性が指摘され
ている。即ち、鉛は体内に摂取されると、貧血、腹部疝
痛、急性脳症、末梢神経障害、腎障害といった中毒症状
を引き起こす要因となるため、人体に有害な鉛を含有し
ないはんだめっき線の開発が要望されていた。 【0004】そこで本発明の目的は、はんだ濡れ性(接
続作業性)に優れ、高温環境下においても熱的クリープ
現象を生じ難く耐熱強度に優れ、有害な鉛を含有しない
はんだめっき線を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のはんだめっき線は、ビスマスが1.0 〜30.0
重量%、銀が0.5 〜10.0重量%、銅が0.01〜2.0 重量
%、残部が錫および不可避的不純物からなる組成のめっ
き層3を金属素線2外周に設けたことを構成上の特徴と
するものである。 【0006】 【作用】本発明の錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっ
き線は、めっき層に適量含有されたビスマスにより、は
んだ濡れ性が改善され、はんだ接続作業性が向上する。
本発明の錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき線によ
る作用、効果を図3により具体的に説明する。図3(a)
は、本発明のはんだめっき線1をプリント基板14のスル
ーホール15へろう材5で接合した状態を示す断面図で、
スルーホール15へ挿入されたはんだめっき線1はプリン
ト基板14の銅張り層16とろう材5によりはんだ付けされ
る。図3(b)は同図(a) のはんだめっき線1の錫−ビスマ
ス−銀−銅合金めっき層3とろう材5との接合部分Aの
拡大図である。例えば、ろう材5に錫−鉛合金はんだを
用いた場合は、ろう接過程ではんだめっき線1の錫−ビ
スマス−銀−銅合金めっき層3が融けだし、めっき層3
中の銀が接合部分Aのろう材5中へ拡散するとともにめ
っき層3中の錫が接合部分Aのろう材5中へ溶出し、接
合部分Aには耐熱強度を向上させる銀と錫の含有量が増
加し、耐熱強度を低下させる鉛の含有量の減少した層4
が形成される。この結果、錫−ビスマス−銀−銅合金は
んだめっき線1とろう材5との接合部Aは、銀と錫成分
が増加して耐熱強度の向上した層が厚く形成され、耐熱
クリープ特性も向上することになる。一方、ろう材5に
錫−銀合金ろう材を用いた場合には、接合部分Aには耐
熱強度を低下させる鉛成分を含有しない層が形成される
ので、錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき線1とろ
う材5との接合部Aの耐熱強度は一層高まりクリープ特
性も一段と向上することになる。 【0007】また、本発明の錫−ビスマス−銀−銅合金
はんだめっき線1は、合金はんだめっき層3に鉛を含有
していないので、健康面や環境に有害な影響をおよぼす
ことがない。 【0008】次に、発明の錫−ビスマス−銀−銅合金は
んだめっき線1において、合金はんだめっき層3のビス
マスの含有量を1.0 %〜30.0%に限定した理由は、ビス
マスの含有量が1.0 %未満でははんだ濡れ性向上の効果
がみられず、合金はんだの溶融温度も下がらないためで
ある。また、ビスマスの含有量が30.0%より多くなる
と、合金はんだめっき層3が硬く脆くなり、曲げ加工時
のめっき表面に割れが生じ易くなる欠点があるためであ
る。銀の含有量を0.5 %〜10.0%に限定した限定した理
由は、銀の含有量が0.5 %未満では耐熱クリープ特性向
上の効果が見られず、銀の含有量が10.0%より多くなる
と、耐熱クリープ特性は向上するものの合金はんだの融
点が高くなりすぎて溶融めっき性に劣る上、めっき線1
の材料コストが高くなる欠点があるためである。また、
本合金はんだめっき層3に銅成分を添加するのは、合金
はんだめっき線1の光沢や表面滑らかさ等のめっき外観
特性を向上させるためと合金はんだの溶融温度を下げ溶
融めっき作業をし易くするためである。銅の含有量を0.
01%〜2.0 %に限定する理由は、銅の含有量が0.01%未
満ではめっき外観特性向上の効果が少なく、合金はんだ
の溶融温度も下がらないためであり、銅の含有量が2.0
%より多くなると溶融めっき浴中に銅−錫合金が沈澱し
てきて、これがめっき層3の表面に付着してめっき外観
を悪化させる原因となるためである。 【0009】 【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
なお、これにより本発明が限定されるものではない。図
1は、はんだめっき線1の断面図である。錫−ビスマス
−銀−銅合金はんだめっき線1は、銅線或いは銅合金線
等の金属素線2と、金属素線2の外周に形成したビスマ
スが1.0 〜30.0重量%、銀が0.5〜10.0重量%、銅が0.0
1〜2.0 重量%、残部が錫および不可避的不純物からな
る組成の溶融錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき層
3とからなる。 【0010】次に、はんだめっき線1の製造工程を図2
により説明する。溶融錫−ビスマス−銀−銅合金はんだ
めっき浴槽6は、溶融錫−ビスマス−銀−銅合金はんだ
めっき液7の入っためっき液部と、溶融はんだめっき液
7の液面より上部に設けた金属素線2の導入口11と不活
性ガス導入口10と、溶融はんだめっき液7の液面垂直上
方に設けた錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき線1
の導出口12とを有し、溶融はんだめっき液7の液面上方
全体が不活性ガス8の雰囲気層で覆われた構成となって
いる。かかる構成の溶融錫−ビスマス−銀−銅合金はん
だめっき浴槽6内に、ビスマス8.5 %、銀3.5 %、銅0.
7 %、残部錫からなる組成の溶融錫−ビスマス−銀−銅
合金はんだめっき液7を液温250 ℃に保持し、また不活
性ガス導入口10から不活性ガス8として窒素ガスを導入
し、溶融錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき液7の
液面上方全体を窒素ガス雰囲気層で覆っている。次に、
外径0.5mm の軟銅線2を銅線導入口11より溶融錫−ビス
マス−銀−銅合金はんだめっき液7中に導入し、溶融錫
−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき液7内にて滑車13
で走行方向を転換し溶融錫−ビスマス−銀−銅合金はん
だめっき液7の液面から垂直上方へと引き出し、錫−ビ
スマス−銀−銅合金はんだめっき線導出口12から導出、
大気冷却して、めっき厚さ10μm 、仕上り外径0.52mmの
錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき線1を得た。 【0011】なお、この溶融錫−ビスマス−銀−銅合金
はんだめっき浴槽6では、錫−ビスマス−銀−銅合金は
んだめっき線1を溶融錫−ビスマス−銀−銅合金はんだ
めっき液7から垂直上方へ引き出すことにより、仕上り
ダイスを用いることなく、めっき線速を制御するだけで
所望のめっき厚さに調整することができる。 【0012】上記実施例では、金属素線2に断面円形状
の軟銅線を用いたが、金属素線2の形状は、用途に応じ
断面長方形状或いは断面正方形状の軟銅線であってもよ
く、また金属素線2の材質は銅合金であっても、何ら本
発明を逸脱するものでないことは勿論である。 【0013】上記により製造した本発明の錫−ビスマス
−銀−銅合金はんだめっき線1について、はんだ濡れ性
と耐熱クリープ特性およびめっき表面硬さの評価試験を
行った結果を以下に記す。 【0014】−はんだ濡れ性試験− 本発明の実施例試料には、上述の製造工程により製造し
ためっき厚さ10μm 、仕上り外径0.52mmの錫−ビスマス
−銀−銅合金はんだめっき線1を用いた。なお、従来例
試料として、外径0.52mmの軟銅線に鉛37%−錫63%合金
をめっき厚さ10μm に溶融めっきした仕上り外径0.52mm
の錫−鉛合金はんだめっき銅線を用いた。試料としては
実施例,従来例とも各5本を用意した。はんだ濡れ性試
験は、はんだ濡れ性試験機を使用し、メニスグラフ法に
より測定した。使用したはんだは230 ℃の溶融した鉛37
%−錫63%合金で、各試料ともロジン35%含有したイソ
プロピルアルコールのフラックスを塗布して試験を行
い、はんだ濡れ時間を測定し、その結果を表1に示し
た。なお、表1のはんだ濡れ時間は試料5本の平均値で
ある。この結果から明らかなように、本発明の錫−ビス
マス−銀−銅合金はんだめっき線1は、はんだ濡れ時間
が短く、はんだ濡れ性に優れることが確認された。 【0015】 【0016】−耐熱クリープ特性試験− 本発明の実施例試料には、上記はんだ濡れ性試験に用い
たと同じ構造のめっき厚さ10μm 、仕上り外径0.52mmの
錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき線1を用いた。
なお、従来例試料には、外径0.50mmの軟銅線に鉛37%−
錫63%合金をめっき厚さ10μm に溶融めっきした仕上り
外径0.52mmの錫−鉛合金はんだめっき銅線を用いた。試
料は実施例試料、従来例試料とも各5本を用意した。試
験方法は、図4に図示するように、銅張りプリント基板
14の穴径1mmのスルホール15に試料Wを通し、鉛37%−
錫63%合金ろう材17にて各試料Wをプリント基板14には
んだ付けした後、試料Wの端末に1kgの荷重を吊るした
状態で温度130 ℃の恒温槽内に入れる。そして、恒温槽
に入れてから試料Wがプリント基板14のスルホール15か
ら抜け落ちるまでの経過時間を測定した。この経過時間
をもって耐熱クリープ特性の評価とし、その結果を表2
に示した。なお、表2の測定時間は試料5本の平均値で
ある。この結果から明らかなように、本発明の錫−ビス
マス−銀−銅合金はんだめっき線1は、耐熱クリープ特
性に優れ、はんだ接続部の耐熱強度が向上していること
がわかる。 【0017】 【0018】−めっき表面硬さ試験− 本発明の実施例試料には、上記はんだ濡れ性試験に用い
たと同じ構造のめっき厚さ10μm 、仕上り外径0.52mmの
錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき線1を用いた。
なお、従来例試料には、外径0.50mmの軟銅線に鉛37%−
錫63%合金をめっき厚さ10μm に溶融めっきした仕上り
外径0.52mmの錫−鉛合金はんだめっき銅線を用いた。試
料は実施例試料、従来例試料とも各5本を用意した。め
っき硬さ試験は、ビッカース硬度測定器を使用して測定
し、測定荷重は10gで行った。その結果を表3に示し
た。なお、表3のビッカース硬度は試料5本の平均値で
ある。この結果から、本発明の錫−ビスマス−銀−銅合
金はんだめっき線1は、めっき表面が硬くなることが確
認される。 【0019】 【0020】 【発明の効果】本発明の錫−ビスマス−銀−銅合金はん
だめっき線は、電子機器等の接続線として用いたとき次
のような効果を奏する。(1) はんだ濡れ性が向上するた
め、はんだ接続作業性が向上し、電子機器等の製造工数
が削減される。(2) はんだ付け部における耐熱強度が向
上し、高温雰囲気に置かれた場合にも熱的クリープ現象
を生じ難くなり、はんだめっき線がはんだ付け部から脱
落する事故がなくなってはんだ接続部の信頼性が向上す
る。(3) めっき表面が硬くなり、傷がつき難くくはんだ
めっき線の外観不良が減少する。(4) 人体に有害な鉛成
分を含有していないので、健康面、環境面の安全性が確
保される。
もので、特には、はんだ付け性およびはんだ接続部の耐
熱強度が改善され、鉛成分を含有しないはんだめっき線
に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、はんだめっき線としては、金
属素線の外周に錫−鉛合金はんだめっき層を設けたもの
が、はんだめっき作業性やはんだ接続作業性に優れるこ
とから電気機器や電子機器用の部材として一般に広く使
用されている。しかし、近時、電気機器や電子機器の低
価格化に伴って製造コストの引下げ(工数削減)が必要
となり、今まで以上に短時間で接続できるはんだ濡れ性
に優れたはんだめっき線が要求されるようになってい
る。また、電気機器や電子機器の小型化、高性能化に伴
い、機器内が高温環境となることが多くなり、高温環境
下における機器の信頼性を高める目的からはんだ接続部
の耐熱強度の向上が求められるようになり、はんだめっ
き線についても耐熱強度の優れたものが要求されるよう
になってきている。また、電気機器や電子機器の生産が
急増するのに伴い、産業廃棄物として処分される電気機
器や電子機器の数量も増大しており、これら廃棄処分さ
れた機器から散失する有害物質による環境汚染の問題が
指摘されるようになり、電気機器や電子機器には有害物
質を含有しないはんだめっき線の使用が要求されるよう
にもなってきた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来より多用されてい
る錫−鉛合金はんだめっき線は、はんだ接続作業性には
優れているが、近時要求の強いはんだ接続作業時間短縮
に対してははんだ濡れ性が十分でなかった。また、錫−
鉛合金はんだめっき線は、特性上の問題としてはんだ接
続部の耐熱強度の点で信頼性に劣っており、殊に高温環
境で使用した場合に錫−鉛合金はんだめっき線と他の部
材とのはんだ接続部において熱的クリープ現象を生じ易
く、はんだめっき線がはんだ接続部から抜け落ちるとい
う大きな欠点があった。一方、環境上の問題として、産
業廃棄物として処分された錫−鉛合金はんだめっき線か
ら鉛が酸性雨等によって地下水中に溶出して環境を汚染
し、更にはこれが人体内に摂取される危険性が指摘され
ている。即ち、鉛は体内に摂取されると、貧血、腹部疝
痛、急性脳症、末梢神経障害、腎障害といった中毒症状
を引き起こす要因となるため、人体に有害な鉛を含有し
ないはんだめっき線の開発が要望されていた。 【0004】そこで本発明の目的は、はんだ濡れ性(接
続作業性)に優れ、高温環境下においても熱的クリープ
現象を生じ難く耐熱強度に優れ、有害な鉛を含有しない
はんだめっき線を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のはんだめっき線は、ビスマスが1.0 〜30.0
重量%、銀が0.5 〜10.0重量%、銅が0.01〜2.0 重量
%、残部が錫および不可避的不純物からなる組成のめっ
き層3を金属素線2外周に設けたことを構成上の特徴と
するものである。 【0006】 【作用】本発明の錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっ
き線は、めっき層に適量含有されたビスマスにより、は
んだ濡れ性が改善され、はんだ接続作業性が向上する。
本発明の錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき線によ
る作用、効果を図3により具体的に説明する。図3(a)
は、本発明のはんだめっき線1をプリント基板14のスル
ーホール15へろう材5で接合した状態を示す断面図で、
スルーホール15へ挿入されたはんだめっき線1はプリン
ト基板14の銅張り層16とろう材5によりはんだ付けされ
る。図3(b)は同図(a) のはんだめっき線1の錫−ビスマ
ス−銀−銅合金めっき層3とろう材5との接合部分Aの
拡大図である。例えば、ろう材5に錫−鉛合金はんだを
用いた場合は、ろう接過程ではんだめっき線1の錫−ビ
スマス−銀−銅合金めっき層3が融けだし、めっき層3
中の銀が接合部分Aのろう材5中へ拡散するとともにめ
っき層3中の錫が接合部分Aのろう材5中へ溶出し、接
合部分Aには耐熱強度を向上させる銀と錫の含有量が増
加し、耐熱強度を低下させる鉛の含有量の減少した層4
が形成される。この結果、錫−ビスマス−銀−銅合金は
んだめっき線1とろう材5との接合部Aは、銀と錫成分
が増加して耐熱強度の向上した層が厚く形成され、耐熱
クリープ特性も向上することになる。一方、ろう材5に
錫−銀合金ろう材を用いた場合には、接合部分Aには耐
熱強度を低下させる鉛成分を含有しない層が形成される
ので、錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき線1とろ
う材5との接合部Aの耐熱強度は一層高まりクリープ特
性も一段と向上することになる。 【0007】また、本発明の錫−ビスマス−銀−銅合金
はんだめっき線1は、合金はんだめっき層3に鉛を含有
していないので、健康面や環境に有害な影響をおよぼす
ことがない。 【0008】次に、発明の錫−ビスマス−銀−銅合金は
んだめっき線1において、合金はんだめっき層3のビス
マスの含有量を1.0 %〜30.0%に限定した理由は、ビス
マスの含有量が1.0 %未満でははんだ濡れ性向上の効果
がみられず、合金はんだの溶融温度も下がらないためで
ある。また、ビスマスの含有量が30.0%より多くなる
と、合金はんだめっき層3が硬く脆くなり、曲げ加工時
のめっき表面に割れが生じ易くなる欠点があるためであ
る。銀の含有量を0.5 %〜10.0%に限定した限定した理
由は、銀の含有量が0.5 %未満では耐熱クリープ特性向
上の効果が見られず、銀の含有量が10.0%より多くなる
と、耐熱クリープ特性は向上するものの合金はんだの融
点が高くなりすぎて溶融めっき性に劣る上、めっき線1
の材料コストが高くなる欠点があるためである。また、
本合金はんだめっき層3に銅成分を添加するのは、合金
はんだめっき線1の光沢や表面滑らかさ等のめっき外観
特性を向上させるためと合金はんだの溶融温度を下げ溶
融めっき作業をし易くするためである。銅の含有量を0.
01%〜2.0 %に限定する理由は、銅の含有量が0.01%未
満ではめっき外観特性向上の効果が少なく、合金はんだ
の溶融温度も下がらないためであり、銅の含有量が2.0
%より多くなると溶融めっき浴中に銅−錫合金が沈澱し
てきて、これがめっき層3の表面に付着してめっき外観
を悪化させる原因となるためである。 【0009】 【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
なお、これにより本発明が限定されるものではない。図
1は、はんだめっき線1の断面図である。錫−ビスマス
−銀−銅合金はんだめっき線1は、銅線或いは銅合金線
等の金属素線2と、金属素線2の外周に形成したビスマ
スが1.0 〜30.0重量%、銀が0.5〜10.0重量%、銅が0.0
1〜2.0 重量%、残部が錫および不可避的不純物からな
る組成の溶融錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき層
3とからなる。 【0010】次に、はんだめっき線1の製造工程を図2
により説明する。溶融錫−ビスマス−銀−銅合金はんだ
めっき浴槽6は、溶融錫−ビスマス−銀−銅合金はんだ
めっき液7の入っためっき液部と、溶融はんだめっき液
7の液面より上部に設けた金属素線2の導入口11と不活
性ガス導入口10と、溶融はんだめっき液7の液面垂直上
方に設けた錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき線1
の導出口12とを有し、溶融はんだめっき液7の液面上方
全体が不活性ガス8の雰囲気層で覆われた構成となって
いる。かかる構成の溶融錫−ビスマス−銀−銅合金はん
だめっき浴槽6内に、ビスマス8.5 %、銀3.5 %、銅0.
7 %、残部錫からなる組成の溶融錫−ビスマス−銀−銅
合金はんだめっき液7を液温250 ℃に保持し、また不活
性ガス導入口10から不活性ガス8として窒素ガスを導入
し、溶融錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき液7の
液面上方全体を窒素ガス雰囲気層で覆っている。次に、
外径0.5mm の軟銅線2を銅線導入口11より溶融錫−ビス
マス−銀−銅合金はんだめっき液7中に導入し、溶融錫
−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき液7内にて滑車13
で走行方向を転換し溶融錫−ビスマス−銀−銅合金はん
だめっき液7の液面から垂直上方へと引き出し、錫−ビ
スマス−銀−銅合金はんだめっき線導出口12から導出、
大気冷却して、めっき厚さ10μm 、仕上り外径0.52mmの
錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき線1を得た。 【0011】なお、この溶融錫−ビスマス−銀−銅合金
はんだめっき浴槽6では、錫−ビスマス−銀−銅合金は
んだめっき線1を溶融錫−ビスマス−銀−銅合金はんだ
めっき液7から垂直上方へ引き出すことにより、仕上り
ダイスを用いることなく、めっき線速を制御するだけで
所望のめっき厚さに調整することができる。 【0012】上記実施例では、金属素線2に断面円形状
の軟銅線を用いたが、金属素線2の形状は、用途に応じ
断面長方形状或いは断面正方形状の軟銅線であってもよ
く、また金属素線2の材質は銅合金であっても、何ら本
発明を逸脱するものでないことは勿論である。 【0013】上記により製造した本発明の錫−ビスマス
−銀−銅合金はんだめっき線1について、はんだ濡れ性
と耐熱クリープ特性およびめっき表面硬さの評価試験を
行った結果を以下に記す。 【0014】−はんだ濡れ性試験− 本発明の実施例試料には、上述の製造工程により製造し
ためっき厚さ10μm 、仕上り外径0.52mmの錫−ビスマス
−銀−銅合金はんだめっき線1を用いた。なお、従来例
試料として、外径0.52mmの軟銅線に鉛37%−錫63%合金
をめっき厚さ10μm に溶融めっきした仕上り外径0.52mm
の錫−鉛合金はんだめっき銅線を用いた。試料としては
実施例,従来例とも各5本を用意した。はんだ濡れ性試
験は、はんだ濡れ性試験機を使用し、メニスグラフ法に
より測定した。使用したはんだは230 ℃の溶融した鉛37
%−錫63%合金で、各試料ともロジン35%含有したイソ
プロピルアルコールのフラックスを塗布して試験を行
い、はんだ濡れ時間を測定し、その結果を表1に示し
た。なお、表1のはんだ濡れ時間は試料5本の平均値で
ある。この結果から明らかなように、本発明の錫−ビス
マス−銀−銅合金はんだめっき線1は、はんだ濡れ時間
が短く、はんだ濡れ性に優れることが確認された。 【0015】 【0016】−耐熱クリープ特性試験− 本発明の実施例試料には、上記はんだ濡れ性試験に用い
たと同じ構造のめっき厚さ10μm 、仕上り外径0.52mmの
錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき線1を用いた。
なお、従来例試料には、外径0.50mmの軟銅線に鉛37%−
錫63%合金をめっき厚さ10μm に溶融めっきした仕上り
外径0.52mmの錫−鉛合金はんだめっき銅線を用いた。試
料は実施例試料、従来例試料とも各5本を用意した。試
験方法は、図4に図示するように、銅張りプリント基板
14の穴径1mmのスルホール15に試料Wを通し、鉛37%−
錫63%合金ろう材17にて各試料Wをプリント基板14には
んだ付けした後、試料Wの端末に1kgの荷重を吊るした
状態で温度130 ℃の恒温槽内に入れる。そして、恒温槽
に入れてから試料Wがプリント基板14のスルホール15か
ら抜け落ちるまでの経過時間を測定した。この経過時間
をもって耐熱クリープ特性の評価とし、その結果を表2
に示した。なお、表2の測定時間は試料5本の平均値で
ある。この結果から明らかなように、本発明の錫−ビス
マス−銀−銅合金はんだめっき線1は、耐熱クリープ特
性に優れ、はんだ接続部の耐熱強度が向上していること
がわかる。 【0017】 【0018】−めっき表面硬さ試験− 本発明の実施例試料には、上記はんだ濡れ性試験に用い
たと同じ構造のめっき厚さ10μm 、仕上り外径0.52mmの
錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき線1を用いた。
なお、従来例試料には、外径0.50mmの軟銅線に鉛37%−
錫63%合金をめっき厚さ10μm に溶融めっきした仕上り
外径0.52mmの錫−鉛合金はんだめっき銅線を用いた。試
料は実施例試料、従来例試料とも各5本を用意した。め
っき硬さ試験は、ビッカース硬度測定器を使用して測定
し、測定荷重は10gで行った。その結果を表3に示し
た。なお、表3のビッカース硬度は試料5本の平均値で
ある。この結果から、本発明の錫−ビスマス−銀−銅合
金はんだめっき線1は、めっき表面が硬くなることが確
認される。 【0019】 【0020】 【発明の効果】本発明の錫−ビスマス−銀−銅合金はん
だめっき線は、電子機器等の接続線として用いたとき次
のような効果を奏する。(1) はんだ濡れ性が向上するた
め、はんだ接続作業性が向上し、電子機器等の製造工数
が削減される。(2) はんだ付け部における耐熱強度が向
上し、高温雰囲気に置かれた場合にも熱的クリープ現象
を生じ難くなり、はんだめっき線がはんだ付け部から脱
落する事故がなくなってはんだ接続部の信頼性が向上す
る。(3) めっき表面が硬くなり、傷がつき難くくはんだ
めっき線の外観不良が減少する。(4) 人体に有害な鉛成
分を含有していないので、健康面、環境面の安全性が確
保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】はんだめっき線の構成を示す断面図である。
【図2】はんだめっき線の製造工程の1例を示す説明図
である。 【図3】はんだめっき線をプリント基板へろう接した状
態の説明図であり、同図(a) は接合状態を示す断面図、
同図(b) は同図(a) のA部拡大図である。 【図4】耐熱クリープ特性試験の試験方法を示す説明図
である。 【符号の説明】 1 錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき線 2 金属素線 3 錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき層 4 錫、銀拡散層 5 ろう材 6 錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき浴槽 7 錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき液 8 不活性ガス 9 不活性ガス雰囲気層 10 不活性ガス導管 11 金属素線導入口 12 錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき線導出口 13 滑車 14 プリント基板 15 スルーホール 16 銅張り層
である。 【図3】はんだめっき線をプリント基板へろう接した状
態の説明図であり、同図(a) は接合状態を示す断面図、
同図(b) は同図(a) のA部拡大図である。 【図4】耐熱クリープ特性試験の試験方法を示す説明図
である。 【符号の説明】 1 錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき線 2 金属素線 3 錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき層 4 錫、銀拡散層 5 ろう材 6 錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき浴槽 7 錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき液 8 不活性ガス 9 不活性ガス雰囲気層 10 不活性ガス導管 11 金属素線導入口 12 錫−ビスマス−銀−銅合金はんだめっき線導出口 13 滑車 14 プリント基板 15 スルーホール 16 銅張り層
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 坂 研二
長野県上田市大字大屋300番地 東京特殊
電線株式会社上田工場内
Fターム(参考) 4K027 AA06 AA25 AB08 AB50 AE03
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ビスマスが1.0 〜30.0重量%、銀が0.5
〜10.0重量%、銅が0.01〜2.0 重量%、残部が錫および
不可避的不純物からなるはんだめっき層3を金属素線2
外周に設けたことを特徴とするはんだめっき線。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10241846A JP2000061683A (ja) | 1998-08-27 | 1998-08-27 | はんだめっき線 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10241846A JP2000061683A (ja) | 1998-08-27 | 1998-08-27 | はんだめっき線 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000061683A true JP2000061683A (ja) | 2000-02-29 |
Family
ID=17080386
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10241846A Pending JP2000061683A (ja) | 1998-08-27 | 1998-08-27 | はんだめっき線 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000061683A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1284301A1 (en) * | 2001-08-14 | 2003-02-19 | Marjan, Inc. | Tin-silver coatings |
| KR100431090B1 (ko) * | 2001-06-20 | 2004-05-12 | 정재필 | 저융점 도금층을 이용한 무연솔더 |
| KR100743190B1 (ko) | 2005-12-26 | 2007-07-27 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 저융점 무연 솔더 및 그의 제조 방법 |
| CN111020443A (zh) * | 2019-12-26 | 2020-04-17 | 无锡市斯威克科技有限公司 | 一种专用于超薄光伏电池片焊接用的低熔点光伏焊带及其制备方法与应用 |
-
1998
- 1998-08-27 JP JP10241846A patent/JP2000061683A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100431090B1 (ko) * | 2001-06-20 | 2004-05-12 | 정재필 | 저융점 도금층을 이용한 무연솔더 |
| EP1284301A1 (en) * | 2001-08-14 | 2003-02-19 | Marjan, Inc. | Tin-silver coatings |
| US6924044B2 (en) | 2001-08-14 | 2005-08-02 | Snag, Llc | Tin-silver coatings |
| US7147933B2 (en) | 2001-08-14 | 2006-12-12 | Snag, Llc | Tin-silver coatings |
| KR100743190B1 (ko) | 2005-12-26 | 2007-07-27 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 저융점 무연 솔더 및 그의 제조 방법 |
| CN111020443A (zh) * | 2019-12-26 | 2020-04-17 | 无锡市斯威克科技有限公司 | 一种专用于超薄光伏电池片焊接用的低熔点光伏焊带及其制备方法与应用 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| Zoran Miric et al. | Lead‐free alloys | |
| KR100309229B1 (ko) | 납석출 땜납과 납땜된 물품 | |
| AU757312B2 (en) | Leadless solder | |
| Amagai et al. | High drop test reliability: Lead-free solders | |
| JPS59145553A (ja) | 複合構造体及びその形成方法 | |
| TWI819210B (zh) | 無鉛焊錫合金及焊錫接合部 | |
| JP2001096394A (ja) | はんだ、それを使用したプリント配線基板の表面処理方法及びそれを使用した電子部品の実装方法 | |
| EP3707285B1 (en) | Low-silver tin based alternative solder alloy to standard sac alloys for high reliability applications | |
| KR100768904B1 (ko) | 땜납 합금 및 땜납 접합부 | |
| JPH10314980A (ja) | はんだ材料 | |
| US20060011702A1 (en) | Solder and packaging therefrom | |
| WO2007081775A2 (en) | Lead-free solder with low copper dissolution | |
| JP3446517B2 (ja) | Pbフリーはんだ材料及びそれを用いた電子機器 | |
| JP2000061683A (ja) | はんだめっき線 | |
| JP2005052869A (ja) | 高温はんだ付用ろう材とそれを用いた半導体装置 | |
| JPS6247117B2 (ja) | ||
| JP2005131705A (ja) | 鉛フリーはんだ合金と、それを用いたはんだ材料及びはんだ接合部 | |
| JP3545549B2 (ja) | 電気・電子回路部品 | |
| KR102667729B1 (ko) | 전자 응용을 위한 비용-효율적인 무연 땜납 합금 | |
| JP2000073154A (ja) | はんだめっき線 | |
| CN1168571C (zh) | 无铅软钎焊料合金 | |
| EP4140636B1 (en) | Solder alloy and its use for a solder joint | |
| JP3501700B2 (ja) | 銅くわれ防止無鉛はんだ | |
| JPH0422595A (ja) | クリームはんだ | |
| JP2002180226A (ja) | 無鉛錫合金はんだめっき線 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040921 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050223 |