“ごはんのおとも”で350品目
丸美屋にはロングセラー商品が多い、というのは必ずしも正確な表現ではない。
広報宣伝部部長の青木勇人さんによれば、丸美屋が販売する商品数は350品目にも上る。
その中に、突出して長期間売れ続けている商品が何点かある、というのが正確な表現だろう。
以下の商品は、いずれも日本食糧新聞社が主宰する食品ヒット大賞で「ロングセラー賞」を受賞している。
・「とり釜めしの素」 昭和45年発売 平成13年受賞
・「麻婆豆腐の素」 昭和46年発売 平成9年受賞
・「混ぜ込みわかめ」 昭和63年発売 平成24年受賞
「これらの商品はロングセラーであるだけでなく、各カテゴリーでトップシェアを持っています。特にふりかけは過去10年間の弊社の売上を牽引しており、丸美屋はふりかけ市場全体の実に40%のシェアを持っています。そのうち約7%を『のりたま』が占めています」(青木さん)
発売から66年たっても売れ続ける、まさに怪物商品と言っていいと思うが、「混ぜ込みわかめ」が全種類の合計では「のりたま」を凌ぐ売上高であることは、前回述べた通りである。
果たしてロングセラーとは、いかにしてロングセラーになるのだろうか?
ロングセラーを支える“おいしさ”以外の要素
「のりたま」(66周年)「混ぜ込みわかめ」(38周年)という超ロングセラー商品を担当する丸美屋マーケティング部部長の丸山すみれさんは、ロングセラーには絶対的な前提条件があるという。
「感動的においしいということは、絶対的な前提条件ですね。『のりたま』も『混ぜ込みわかめ』も感動的においしい。私自身、子どもの頃『のりたま』を、“ご飯をおいしくする黄色い魔法の粉”だと思っていました」
前提条件をクリアした上で重要になるのが、思い出。丸山さん曰く、ロングセラーは必ず思い出と紐づいているという。
「これには面白い調査データがあるんです。年配になっても『のりたま』を好きだと言える人と、『のりたま』を使うなんておかずがあるのに失礼だと考える人の、『のりたま』との接触時期を調べたことがあるのです」
すると、昭和39年という明確な境界線が浮上してきたという。いったい、昭和39年に何があったというのだろうか。