WO2026009965A1 - L10型のFeNi規則合金、永久磁石およびL10型のFeNi規則合金の製造方法 - Google Patents
L10型のFeNi規則合金、永久磁石およびL10型のFeNi規則合金の製造方法Info
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Abstract
L10型の規則構造を有し、6族または7族の遷移金属元素2を含むL10型のFeNi規則合金5とする。これにより、L10型のFeNi規則合金5の保磁力をより高くすることが可能となる。
Description
本出願は、2024年7月3日に出願された日本特許出願番号2024-107632号に基づくもので、ここにその記載内容が参照により組み入れられる。
本開示は、L10型の規則構造を有するL10型のFeNi(鉄-ニッケル)規則合金(以下、FeNi超格子ともいう)、永久磁石およびL10型のFeNi規則合金の製造方法に関するものである。
近年、自動車をはじめとしたモビリティの電動化が推進されており、電動モータに使用される永久磁石の材料として、FeNi規則合金の開発が行われている。例えば、特許文献1に、高品質なFeNi超格子の製造方法が開示されている。ここに示される製造方法では、まず、窒化処理によってFeNi合金を窒化してFeおよびNiを含む窒化物(以下、FeNi窒化物という)を得たのち、脱窒素処理によって窒化物から窒素を脱離させるという窒化脱窒素法を用いている。加えて、軽元素をドープすることで高品質なFeNi超格子を製造している。軽元素としては、C(炭素)、B(ボロン)、N(窒素)が用いられており、軽元素をドープすることで高い飽和磁化と高い保磁力の両立を実現している。
L10型のFeNi規則合金は、ネオジウム磁石などと比べて、熱による磁気特性の低下が少ないため、熱による電動モータの性能低下の回避を期待できるが、磁気異方性エネルギーが小さいため保磁力が小さく、特に室温で要望する保磁力が得られない。そのため、磁石化には、更なる保磁力の向上が必須であるが、特許文献1のような格子間への侵入型のドープによって軽元素をドープする手法では、L10型のFeNi規則合金へのドープ量が制限されてしまい、保磁力の向上に限度がある。
本開示は、より高い保磁力を得ることができるL10型のFeNi規則合金、永久磁石およびL10型のFeNi規則合金の製造方法を提供することを目的とする。
本開示の1つの観点にかかるL10型のFeNi規則合金は、L10型の規則構造を有し、6族または7族の遷移金属元素を含んでいる。
このように、6族または7族の遷移金属元素を含むL10型のFeNi規則合金とすることで、より高い保磁力を得ることができる。また、このような6族または7族の遷移金属元素を含むL10型のFeNi規則合金を磁性材料として用いて永久磁石を製造すれば、より高い保磁力を有する永久磁石にできる。
本開示のもう1つの観点にかかるL10型のFeNi規則合金の製造方法は、
6族または7族の遷移金属元素を含むFeNiを生成することと、
前記FeNiを窒化処理することで、前記6族または7族の遷移金属元素を含むFeNi窒化物を形成することと、
前記FeNi窒化物から窒素を離脱させる脱窒素処理を行うことで、前記6族または7族の遷移金属元素を含むL10型のFeNi規則合金を形成することと、を含んでいる。
6族または7族の遷移金属元素を含むFeNiを生成することと、
前記FeNiを窒化処理することで、前記6族または7族の遷移金属元素を含むFeNi窒化物を形成することと、
前記FeNi窒化物から窒素を離脱させる脱窒素処理を行うことで、前記6族または7族の遷移金属元素を含むL10型のFeNi規則合金を形成することと、を含んでいる。
このように、6族または7族の遷移金属元素を含むFeNiを形成したのち、FeNi窒化物を形成する窒化処理と、窒素を離脱させる脱窒素処理を行うことにより、6族または7族の遷移金属元素を含むL10型のFeNi規則合金を形成することができる。これにより、より高い保磁力が得られるL10型のFeNi規則合金を製造できる。
以下、本開示の実施形態について詳述する。ただし、以下に示す実施形態は、本開示の技術思想を具体化するための一例であり、本開示を以下のものに限定するものではない。なお、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
<L10型のFeNi規則合金>
本実施形態にかかるL10型のFeNi規則合金は、例えば磁性粉末および磁性材料として使用され、このFeNi規則合金を主相とした焼結磁石やボンド磁石を製造することで、永久磁石とすることができる。本実施形態にかかるL10型FeNi規則合金は、L10型の規則構造を有し、室温で強磁性を示さない6族または7族の遷移金属元素を含む。ここでいうL10型の規則合金とは規則度が0.1以上であることを意味し、好ましくは0.5以上とすることができる。また、規則度の上限は1以下であってよい。ここで説明するL10型のFeNi規則合金の規則度は、実測値で0.6~0.7もしくはそれ以上となっている。
本実施形態にかかるL10型のFeNi規則合金は、例えば磁性粉末および磁性材料として使用され、このFeNi規則合金を主相とした焼結磁石やボンド磁石を製造することで、永久磁石とすることができる。本実施形態にかかるL10型FeNi規則合金は、L10型の規則構造を有し、室温で強磁性を示さない6族または7族の遷移金属元素を含む。ここでいうL10型の規則合金とは規則度が0.1以上であることを意味し、好ましくは0.5以上とすることができる。また、規則度の上限は1以下であってよい。ここで説明するL10型のFeNi規則合金の規則度は、実測値で0.6~0.7もしくはそれ以上となっている。
規則度Sとは、FeNi超格子における規則化の度合を示している。L10型の規則構造は、面心立方格子を基本とした構造となっており、図1に示すような格子構造を有している。図中の金属Aと金属Bは、Fe、Niを示しており、Fe、Niのいずれが金属Aでも金属Bでも構わない。この図において、面心立方格子の(001)面の積層構造における最も上面側の層をIサイト、最も上面側の層と最も下面側の層との間に位置している中間層をIIサイトとする。この場合、Iサイトに金属Aが存在する割合をx、金属Bが存在する割合を1-xとすると、Iサイトにおける金属Aと金属Bが存在する割合はAxB1-xと表される。同様に、IIサイトに金属Bが存在する割合をx、金属Aが存在する割合を1-xとすると、IIサイトにおける金属Aと金属Bが存在する割合はA1-xBxと表される。なお、xは、0.5≦x≦1を満たす。そして、この場合において、規則度Sは、S=2x-1で定義される。
規則度は次の数式1に示されるL10型のFeNi規則合金における規則度Sの見積もり式により見積もることができる。
L10型のFeNi規則合金における6族または7族の遷移金属元素の含有量の下限は、例えば、0.3at%以上とすることができ、好ましくは0.5at%以上とすることができる。また、L10型のFeNi規則合金における6族または7族の遷移金属元素の含有量の上限は、例えば、1.19at%以下とすると良く、好ましくは1at%以下とすると良い。6族または7族の遷移金属元素の含有量の上限については、含有させる遷移金属元素が異なっていても同様の傾向があることを実験で確認しており、含有量が多すぎると好ましくない現象が生じ得る。具体的には、含有量を多くすると保磁力向上に寄与するものの、L10型のFiNi規則合金の規則化ができなくなったり、副相が現れるという現象が生じた。つまり、保磁力向上とトレードオフの現象が発生するため、両者が適切な範囲に設定するために、6族または7族の遷移金属元素の含有量の上限を決めることが好ましい。実験によれば、1.19at%以下とすれば、好ましくは1at%以下とすれば、規則化できなくなったり副相が現れたりする現象を抑制しつつも、高い保磁力を得ることができていた。一方、6族または7族の遷移金属元素の含有量の下限については、要求される保磁力に応じて設定すれば良く、任意である。ただし、含有量を少なくとも0.3at%以上とすると良く、好ましくは0.5at%以上とすることで、6族または7族の遷移金属元素を含んでいない場合と比較して保磁力を増加させることが可能になる。
L10型のFeNi規則合金は、膜状とされていても良いし、後述の図5に示されるような粒子10によって構成されていてもよい。L10型のFeNi規則合金は、L10型の規則構造を有した粒子10によって構成されている場合、6族または7族の遷移金属元素が粒子全体に存在した状態になっていても良いし、粒子10の内部に偏析した状態になっていても良く、粒子表面に偏析した状態になっていても良い。粒子全体に存在した状態になっている場合、均一に存在していても良いし、不均一に存在していても良い。また、粒子10の内部に存在しつつ、粒子表面に偏析した状態になっていても良い。粒子表面に偏析した状態の場合、表面の全域に偏析していても良いし、表面の一部に偏析していても良い。L10型のFeNi規則合金が膜状とされている場合も同様、6族または7族の遷移金属元素が膜の内部全体に存在した状態、表面に偏析した状態いずれでも良い。また、膜の内部や表面に均一に存在していても良いし、不均一に存在していても良く、さらに、膜の内部に存在しつつ表面に偏析した状態になっていても良いし、表面の全域に偏析していても、一部に偏析していても良い。
L10型のFeNi規則合金におけるFeとNiの合計のat%に対するFeのat%の比は、0.4~0.6であってよく、好ましくは0.45~0.55であってよく、より好ましくは0.48~0.52であってよい。FeおよびNiのat%は、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光法や電子顕微鏡を用いたEDXRFなどによって各元素のモル数を測定することで計測できる。
<L10型のFeNi規則合金の製造方法>
本実施形態のL10型のFeNi規則合金の製造方法は、室温で強磁性を示さない6族または7族の遷移金属元素を含んだFeNiの生成工程を含む。この生成工程では、FeNi内に6族または7族の遷移金属元素がドープされたものを生成できれば良い。また、本実施形態のL10型のFeNi規則合金の製造方法は、6族または7族の遷移金属元素を含んだFeNi窒化物を形成する窒化工程を含んでいる。窒化工程に用いられるFeNiは、先に行われる生成工程で得た6族または7族の遷移金属元素を含んだものであり、それを窒化工程によって窒化することで、6族または7族の遷移金属元素が含まれたFeNi窒化物を得ることができる。さらに、本実施形態のL10型のFeNi規則合金の製造方法は、6族または7族の遷移金属元素が含まれたFeNi窒化物から窒素を離脱させる脱窒素工程を含んでいる。このような脱窒素工程を経ることで、6族または7族の遷移金属元素を含んだL10型のFeNi規則合金を製造できる。このときに得られるL10型のFeNi規則合金は、例えば無数の粒子10で構成された膜状のもので構成され、粒子10に分断することで粉末状にできる。この粉末状のL10型のFeNi規則合金は、磁性粉末および磁性材料として使用され、焼結磁石やボンド磁石を製造することで、永久磁石とすることができる。以下、これら生成工程、窒化工程、脱窒素工程について、一例を挙げて説明する。
本実施形態のL10型のFeNi規則合金の製造方法は、室温で強磁性を示さない6族または7族の遷移金属元素を含んだFeNiの生成工程を含む。この生成工程では、FeNi内に6族または7族の遷移金属元素がドープされたものを生成できれば良い。また、本実施形態のL10型のFeNi規則合金の製造方法は、6族または7族の遷移金属元素を含んだFeNi窒化物を形成する窒化工程を含んでいる。窒化工程に用いられるFeNiは、先に行われる生成工程で得た6族または7族の遷移金属元素を含んだものであり、それを窒化工程によって窒化することで、6族または7族の遷移金属元素が含まれたFeNi窒化物を得ることができる。さらに、本実施形態のL10型のFeNi規則合金の製造方法は、6族または7族の遷移金属元素が含まれたFeNi窒化物から窒素を離脱させる脱窒素工程を含んでいる。このような脱窒素工程を経ることで、6族または7族の遷移金属元素を含んだL10型のFeNi規則合金を製造できる。このときに得られるL10型のFeNi規則合金は、例えば無数の粒子10で構成された膜状のもので構成され、粒子10に分断することで粉末状にできる。この粉末状のL10型のFeNi規則合金は、磁性粉末および磁性材料として使用され、焼結磁石やボンド磁石を製造することで、永久磁石とすることができる。以下、これら生成工程、窒化工程、脱窒素工程について、一例を挙げて説明する。
[生成工程]
生成工程では、6族または7族の遷移金属元素を含んだFeNiを生成する。FeNi中への6族または7族の遷移金属元素のドープの形態については任意であるが、FeNi中に均等な密度でドープされると好ましい。ここでは、図2の状態1に示すように、SiO2等で構成された平板状のガラス基板1を用意し、このガラス基板1の平坦面上に、6族または7族の遷移金属元素2をドープしたFeNi3を生成している。
生成工程では、6族または7族の遷移金属元素を含んだFeNiを生成する。FeNi中への6族または7族の遷移金属元素のドープの形態については任意であるが、FeNi中に均等な密度でドープされると好ましい。ここでは、図2の状態1に示すように、SiO2等で構成された平板状のガラス基板1を用意し、このガラス基板1の平坦面上に、6族または7族の遷移金属元素2をドープしたFeNi3を生成している。
FeNi3については、不規則構造で構成されていても良い。ここでいう不規則構造とは、原子の配列が規則性を持たないランダムなもの、所謂ランダムFeNiであってもよいし、X線回折法で測定した場合に、L10型の規則構造のピークが観察されないものであってもよい。FeNi3については、例えば45~50nmの厚みの薄膜として形成しており、コンマ数nm~数nmのNi膜とコンマ数nm~数nmのFe膜を繰り返し交互に積み重ねた積層構造で薄膜を形成している。そして、Ni膜の形成後かつFe膜の形成前、もしくはFe膜の形成前かつNi膜の形成後の少なくとも一方で、6族または7族の遷移金属元素2のドープを行う。例えば、6族または7族の遷移金属元素2の薄膜を成膜している。6族の遷移金属元素2としては、Cr(クロム)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)などを適用することができる。7族の遷移金属元素2としては、Mn(マンガン)、Tc(テクネチウム)、Re(レニウム)などを適用することができる。
例えば、ガラス基板1の平坦面上にNi膜、Mn膜、Fe膜をこの順に形成することによって、6族または7族の遷移金属元素2を含んだランダムFeNi3を生成することができる。各膜については、例えばスパッタリング法によって成膜することができる。各膜の厚みについては、FeとNiおよび6族または7族の遷移金属元素2の組成比、つまり含有率に応じて決めれば良い。例えば、6族または7族の遷移金属元素2を1at%とし、残部をFeとNiを同割合、つまり49.5at%で含有させる場合、その割合に応じた膜厚で各膜を成膜すれば良い。各膜を繰り返し成膜する際の繰り返し数や、各膜の膜厚および全膜の膜厚については、組成比が保たれていれば任意であり、また、各膜の膜厚が異なっていても良い。ただし、繰返し回数が多いほど、6族または7族の遷移金属元素2がFeNi中に均等にドープされることになるため好ましい。
[窒化工程]
窒化工程では、6族または7族の遷移金属元素2を含むFeNi3を窒化処理してFeNi窒化物4を得る。窒化処理は、6族または7族の遷移金属元素2を含むFeNi窒化物4が得られれば、特に限定されないが、アンモニアガスや窒素によるガス窒化や、プラズマ窒化や、金属アミドを用いた窒化などがあげられる。具体的には、上記生成工程を経て生成した6族または7族の遷移金属元素2を含むFeNi3をアンモニアガスフロー下において熱処理することで窒化処理を行う。窒化処理におけるアンモニアガスの流量は、1gの6族または7族の遷移金属元素2を含むFeNi3に対して0.1~10リットル/minとすることができ、好ましくは0.5~5リットル/minとすることができる。熱処理温度は、例えば300~500℃とすることができ、好ましくは310~475℃とすることができ、より好ましくは330℃~450℃とすることができる。熱処理時間は、例えば5~50時間とすることができ、好ましくは10~20時間とすることができる。
窒化工程では、6族または7族の遷移金属元素2を含むFeNi3を窒化処理してFeNi窒化物4を得る。窒化処理は、6族または7族の遷移金属元素2を含むFeNi窒化物4が得られれば、特に限定されないが、アンモニアガスや窒素によるガス窒化や、プラズマ窒化や、金属アミドを用いた窒化などがあげられる。具体的には、上記生成工程を経て生成した6族または7族の遷移金属元素2を含むFeNi3をアンモニアガスフロー下において熱処理することで窒化処理を行う。窒化処理におけるアンモニアガスの流量は、1gの6族または7族の遷移金属元素2を含むFeNi3に対して0.1~10リットル/minとすることができ、好ましくは0.5~5リットル/minとすることができる。熱処理温度は、例えば300~500℃とすることができ、好ましくは310~475℃とすることができ、より好ましくは330℃~450℃とすることができる。熱処理時間は、例えば5~50時間とすることができ、好ましくは10~20時間とすることができる。
窒化工程で得られるFeNi窒化物としては、FeNiN、Fe2Ni2Nなどが挙げられ、L10型のFeNi規則合金を得るためにFeNiNの割合が大きい方が好ましい。例えば、ガラス基板1の上に6族または7族の遷移金属元素2を含むFeNi3を生成したものに対して窒化工程を行うと、図2の状態2に示すように、主にFeNiNで構成されたFeNi窒化物4が形成される。このFeNi窒化物4中に6族または7族の遷移金属元素2が含まれる。FeNi3が窒化することで膨張するため、FeNi窒化物4は、FeNiよりも体積が多くなる。
FeNiNは、図3に示されるような結晶構造を有しており、XRD回折パターンから同定することができる。FeNi窒化物4は、すべてが完全に窒化されている必要は無く、窒化されていないFeNi3が残っていて良い。FeNi窒化物4中における窒化されている部分の割合は、FeNiおよび6族または7族の遷移金属元素2も含めた全体の50at%以上であれば良いが、80at%以上であると好ましく、90at%以上であるとより好ましい。FeNi窒化物4中における窒化されている部分の割合、およびその窒化されている部分中のFeNiNの割合はXRD回折パターンを参照強度比(RIR)法で解析することで算出することができる。
窒化工程で得られるFeNi窒化物4におけるFeとNiの合計のat%に対するFeのat%の比は、0.4~0.6であってよく、好ましくは0.45~0.55であってよく、より好ましくは0.48~0.52であってよい。FeおよびNiのat%についても、ICP発光分光法や電子顕微鏡を用いたEDSなどによって各元素のモル数を測定することで計測できる。
窒化工程で得られるFeNi窒化物4中に含まれる6族または7族の遷移金属元素2の含有量の下限は、例えば、0.3at%以上とすることができ、好ましくは0.5at%以上とすることができる。また、FeNi窒化物4中に含まれる6族または7族の遷移金属元素2の含有量の上限は、例えば、1.19at%以下とすることができ、好ましくは1.0at%以下とすることができる。6族または7族の遷移金属元素2のat%についても、ICP発光分光法や電子顕微鏡を用いたEDSなどによってモル数を測定することで計測できる。
FeNi窒化物4については、ガラス基板1上に形成したFeNi3を窒化することで形成する場合、FeNi3より膨張した薄膜として得られるが、粒子10で構成されていても良い。FeNi窒化物4が粒子10で構成される場合、6族または7族の遷移金属元素2が粒子全体に存在した状態になっていても良いし、粒子内部にて偏析した状態になっていても良い。また、6族または7族の遷移金属元素2が粒子表面に偏析した状態になっていても良い。粒子全体に存在した状態になっている場合、均一に存在していても良いし、不均一に存在していても良い。また、粒子10の内部に存在しつつ、粒子表面に偏析した状態になっていても良い。粒子表面に偏析した状態の場合、表面の全域に偏析していても良いし、表面の一部に偏析していても良い。例えば、ガラス基板1との界面において、他の部分よりも多く偏析した状態になっていても良い。薄膜である場合も同様、6族または7族の遷移金属元素2が膜の内部全体に存在した状態、表面に偏析した状態いずれでも良い。また、膜の内部や表面に均一に存在していても良いし、不均一に存在していても良く、さらに、膜の内部に存在しつつ表面に偏析した状態になっていても良いし、表面の全域に偏析していても、一部に偏析していても良い。
窒化工程においては、FeNi合金として6族または7族の遷移金属元素2を含むL10型のFeNi規則合金を用いてもよい。6族または7族の遷移金属元素2を含むL10型のFeNi規則合金は、本願実施形態の他に、公知の方法により作製されたL10型のFeNi規則合金に対して、必要に応じて所定の量の6族または7族の遷移金属元素2を添加することにより作製することができる。L10型のFeNi規則合金と6族または7族の遷移金属元素2とを混合した後、熱処理することにより作製することもできる。
[脱窒素工程]
脱窒素工程では、上述の窒化工程で得られた6族または7族の遷移金属元素2を含むFeNi窒化物4を脱窒素処理して6族または7族の遷移金属元素2を含むL10型のFeNi規則合金5を得ることができる。脱窒素処理を行うと、図2の状態3に示すように、L10型のFeNi規則合金5が6族または7族の遷移金属元素2を含んだ状態で得られる。FeNi窒化物4が薄膜状とされていた場合、脱窒素処理によって得た6族または7族の遷移金属元素2を含むL10型のFeNi規則合金5も、薄膜状として視認されるが、分離されて粒子10になっていても良い。
脱窒素工程では、上述の窒化工程で得られた6族または7族の遷移金属元素2を含むFeNi窒化物4を脱窒素処理して6族または7族の遷移金属元素2を含むL10型のFeNi規則合金5を得ることができる。脱窒素処理を行うと、図2の状態3に示すように、L10型のFeNi規則合金5が6族または7族の遷移金属元素2を含んだ状態で得られる。FeNi窒化物4が薄膜状とされていた場合、脱窒素処理によって得た6族または7族の遷移金属元素2を含むL10型のFeNi規則合金5も、薄膜状として視認されるが、分離されて粒子10になっていても良い。
具体的には、窒化工程で得られた6族または7族の遷移金属元素2を含むFeNi窒化物4を水素雰囲気下熱処理することで脱窒素処理を行うことができる。脱窒素処理における水素の流量は、1gの6族または7族の遷移金属元素2を含むFeNi窒化物4に対して0.01~10リットル/minとすることができ、好ましくは0.1~5リットル/minとすることができる。熱処理温度は、例えば100~400℃とすることができ、好ましくは200~350℃とすることができる。熱処理時間は、例えば1~24時間とすることができ、好ましくは2~10時間とすることができる。
上記した各実施形態の製造方法に基づいて、室温で強磁性を示さない6族または7族の遷移金属元素2を含むL10型のFeNi規則合金5を製造した。実施例1では、7族の遷移金属元素としてMnを用い、実施例2では、6族の遷移金属元素としてCrを用いた。また、比較例として、6族および7族の遷移金属元素を含まないL10型のFeNi規則合金5についても製造した。具体的には、図4に示す製造プロセスのフローチャートに従って実施例1、2の6族または7族の遷移金属元素2を含むL10型のFeNi規則合金5を製造した。また、同様の製造プロセスにより、比較例1の6族または7族の遷移金属元素2を含まないL10型のFeNi規則合金5を製造した。
実施例1、2では、ステップS1の処理として、ガラス基板1の上に、45~50nmの厚みで6族または7族の遷移金属元素2を含むFeNi3の薄膜を成膜した。各元素の含有率については、6族または7族の遷移金属元素2を1at%とし、Fe、Niについてはそれぞれ49.5at%とした。比較例1では、ガラス基板1の上に6族または7族の遷移金属元素2を含まないFeNi3の薄膜を成膜し、Fe、Niの含有率を共に50at%とした。そして、ステップS2、S3に示す窒化処理および脱窒素処理として上記した窒化工程および脱窒素工程を行うことで、実施例1、2として、ステップS4のように6族または7族の遷移金属元素2を含むL10型のFeNi規則合金5を製造した。同様に、比較例1として6族または7族の遷移金属元素2を含まないL10型のFeNi規則合金5を製造した。
図5は、実施例1について、窒化工程前、窒化工程後および脱窒化工程後に透過電子顕微鏡を用いて撮影した断面TEM画像であり、全元素の断面TEM画像と、Mn、Fe、Niのみを抽出した断面TEM画像を示した図である。断面TEM画像中、下方の黒色部分は、ガラス基板1を示している。断面TEM画像中、白色部分は、6族または7族の遷移金属元素2を含むFeNi3やFeNi窒化物4、もしくは脱窒素処理後のL10型のFeNi規則合金5を示している。断面TEM画像中、上方の黒色部分は、断面TEM画像作成のために表面キャップ層として形成したカーボン膜6である。カーボン膜6については、断面TEM画像を得るために、その都度形成している。また、Mn、Fe、Niを抽出した断面TEM画像では、FeNi3、FeNi窒化物4もしくはFeNi規則合金5と対応する位置に点在している点が各元素を示している。
この図に示すように、窒化工程前には、薄膜状のFeNi3中にMnが均等に存在した状態になっている。また、Fe、Niについても、薄膜状のFeNi3の全域において均等に存在した状態になっている。
また、この状態において、EDXRFによって各元素のモル数を計測してat%を測定した。試料に対してX線を放出すると、X線照射によって励起され、蛍光を引き起こすため、そのエネルギースペクトルを測定することで、物体に含まれる各元素と量が分かる。図6は、エネルギースペクトルの抽出結果を示しており、図7は、図6中の破線で囲んだ部分、つまりMn、Fe、Niに起因するエネルギースペクトラムからat%を測定した結果を示している。図6中に、各スペクトルがどの元素を示しているか示してある。図6中のGaは、TEM分析を行う前にサンプリングをGaイオンで行うことから、残留物として検出されたものである。また、Siは、ガラス基板1の構成材料である。また、図7中において、Mn、Fe、Niそれぞれの元素線名をMnK、FeK、NiKとして表記している。ネットカウントは、元素由来の蛍光X線の検出積分強度を示しており、元素の重量%は、各積分強度の和に対する各元素の割合を示している。各元素の重量%比を変換してat%比を算出している。この結果から分かるように、窒化工程前の状態において、Mnが1.06at%となっており、概ね1at%でMnが導入されていた。
続いて、窒化工程を行うと、FeNi3の薄膜に対して、Nが取り込まれることで、図5に示すように膨張したFeNi窒化物4になった。この状態においても、FeNi窒化物4中にMnが概ね均等に存在した状態となるが、ガラス基板1との界面においてMnがより多く偏析した状態になっていた。Fe、Niについては、膨張に伴ってFeNi窒化物4が変形しているものの、概ね均等に存在した状態になっていた。
また、窒化工程後についても、窒化工程前と同様に、EDXRFによって各元素のモル数を計測してat%を測定した。図8および図9中の表記については、それぞれ図6、図7と同様である。この結果から分かるように、窒化工程後においては、Mnが1.01at%となっており、概ね1at%でMnが導入されていた。
さらに、脱窒素工程を行うと、窒素の脱離が生じてL10型のFeNi規則合金5が生成される。ここでは、図5に示すように、窒素の脱離に伴って、FeNi規則合金5が分離して粒子10の状態になっていた。この状態においても、FeNi規則合金5中にMnが概ね均等に存在した状態になっており、ガラス基板1との界面においてMnがより多く偏析した状態になっていた。また、Fe、Niについては、窒素の脱離に伴ってFeNi窒化物4の場合より収縮しているものの、概ね均等に存在した状態になっていた。
また、脱窒素工程後についても、窒化工程前と同様に、EDXRFによって各元素のモル数を計測してat%を測定した。図10および図11中の表記については、それぞれ図6、図7と同様である。この結果から分かるように、脱窒素工程後においては、Mnが1.19at%となっており、概ね1at%でMnが導入されていた。
このように、MnをドープしたL10型のFeNi規則合金5が得られた。また、Mnを用いた場合には、ガラス基板1との界面により多く偏析した状態、つまりMnがFeNi規則合金5の粒子全体に偏析しつつ、粒子表面にも偏析した状態のFeNi規則合金5が得られた。さらに、断面TEM画像で抽出された各元素の面積が各元素の含有率を示していることから、その面積を測定することでMnの含有率を算出したところ、ドープした量と同様に約1at%であった。したがって、FeNi中に6族または7族の遷移金属元素2をドープする場合、そのドープ割合が窒化工程および脱窒素工程を経た後にも維持されるため、FeNi中へのドープ割合を調整することで、L10型のFeNi規則合金5中の含有量も調整できる。
なお、Mnを用いた場合、粒子表面、特にガラス基板1との界面により多く偏析し易いという結果が得られたが、実験では、他の6族または7族の遷移金属元素2であっても、使用した元素もしくは窒化および脱窒素のプロセスに応じて様々な偏析の形態になった。具体的には、6族または7族の遷移金属元素が粒子全体に存在した状態、粒子10の内部に偏析した状態、粒子表面に偏析した状態のFeNi規則合金5が得られた。粒子全体に存在した状態になっている場合、均一に存在している場合もあるし、不均一に存在している場合もある。粒子10の内部に存在しつつ、粒子表面に偏析した状態になっている場合もあるし、粒子表面に偏析した状態の場合、表面の全域に偏析している場合もあれば、表面の一部に偏析している場合もあった。いずれの場合も、6族または7族の遷移金属元素2をドープしたL10型のFeNi規則合金5であり、良好な磁気特性を得ることができた。以下、これについて説明する。
上記のようにして製造した実施例1、2における6族または7族の遷移金属元素2を含むL10型のFeNi規則合金5と、比較例1における6族または7族の遷移金属元素2を含まないL10型のFeNi規則合金5について、磁気特性を調べた。図12は、室温、例えば27℃の温度下でのそれぞれのヒステリシスカーブを示しており、このヒステリシスカーブのX軸での切片が保磁力Hc[Oe]を表している。
この図に示すように、比較例1の保磁力Hcは1022[Oe]、実施例2の保磁力Hcは1395[Oe]、実施例1の保磁力Hcは最も大きく1621[Oe]であった。つまり、実施例1、2いずれの場合にも、比較例1よりも保磁力Hcを高くでき、共に、1400[Oe]近くもしくはそれ以上という高い値にできていることが確認された。このように、6族または7族の遷移金属元素2を含むL10型のFeNi規則合金5とすることで、室温下においても、高い保磁力Hcを得ることができる。したがって、この6族または7族の遷移金属元素2を含むL10型のFeNi規則合金5を磁性材料として使用することができ、例えば焼結磁石やボンド磁石とすることで永久磁石を製造すれば、より高い保磁力Hcを有する永久磁石とすることが可能になる。
さらに、比較例1および実施例1について、保磁力Hcの温度変化を調べたところ、図13に示す特性が得られた。具体的には、室温の際に測定した保磁力Hcを室温保磁力Hc1、室温から温度上昇させた時の保磁力Hcを高温保磁力Hc2とし、室温保磁力Hc1に対する高温保磁力Hc2の割合を計測し、その割合を温度毎にプロットした。具体的には、保磁力Hcを下記の数式に基づいて算出した。温度300[K]のときの保磁力Hcは、室温保磁力Hc1であるため、割合は100%になっている。
(数2)
Hc(%)=(Hc2/Hc1)×100
(数2)
Hc(%)=(Hc2/Hc1)×100
この図に示すように、500[K]以下の温度域では、比較例1と実施例1が共に保磁力Hcが同等になっている。この温度域では、比較例1と実施例1が共に保磁力Hcの低下率が同様になる。しかしながら、600[K]付近になると、比較例1の方が実施例1よりも室温保磁力Hc1に対する高温保磁力Hc2の割合が低下し始め、温度上昇に伴って低下の度合が大きくなっていた。室温保磁力Hc1に対する高温保磁力Hc2の割合が90%になるときの温度を見積もったところ、比較例1では608[K]であったが、実施例1では654[K]であった。つまり、比較例1と比べて、実施例1では、室温保磁力Hc1に対する高温保磁力Hc2の割合が90%になるときの温度を50[K]近く高くできた。このことは、実施例1は、温度上昇に伴う保磁力Hcの低下が少なく、熱に対して優れた磁気特性を有していること、つまりFeNi超格子構造が保たれていて、FeNi超格子の安定性が向上していることを示している。
なお、ここでは7族の遷移金属元素としてMnを用いた実施例1について、保磁力Hcの温度変化を調べたが、7族の他の遷移金属元素や6族の遷移金属元素を用いる場合にも、温度上昇に伴う保磁力Hcの低下の度合が比較例1よりも少なかった。つまり、6族または7族の遷移金属元素2を含むL10型のFeNi規則合金5とすることで、L10型規則構造の耐熱性を向上させることができていた。ただし、特にMnを用いた場合に、温度上昇に伴う保磁力Hcの低下の度合が少なくできており、Mnを用いることでより高い耐熱性を得ることが可能になると言える。
以上説明したように、6族または7族の遷移金属元素2を含むL10型のFeNi規則合金5とすることで、より高い保磁力Hcを得ることができ、磁性材料として永久磁石を製造すれば、より高い保磁力Hcを有する永久磁石にできる。また、6族または7族の遷移金属元素2を含むL10型のFeNi規則合金5とすること、特にMnを含有させることで、耐熱性を向上させることも可能になる。
また、600[K]以上、つまり300[℃]以上においても、高い熱耐性を有していることから、磁石化のための成形温度を300[℃]以上の高温とすることが可能になるため、磁石化をより容易に行うことが可能になる。
(他の実施形態)
本開示は、上記した実施形態に準拠して記述されたが、当該実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
本開示は、上記した実施形態に準拠して記述されたが、当該実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
例えば、上記実施形態ではFeNiを薄膜として形成する場合を例に挙げたが、粒子状のもので形成しても良い。また、FeNiを構成する各膜をスパッタリング法によって成膜する場合を例に挙げたが、スパッタリング法に限らない。粒子状のFeNiを形成する場合、例えば強酸性の溶液にFe原料や原料を溶解してFeとNiを含む溶液を調製し、その溶液に沈殿剤を導入することでFeとNiを含む沈殿物を得るという沈殿工程によって形成できる。また、6族または7族の遷移金属元素2を膜状で形成する場合について説明したが、これも膜状で形成する必要はなく、他の手法でFeNi中にドープされるようにしても良い。
なお、本開示は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。また、上記実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。
(本開示の観点)
上記した本開示については、例えば以下に示す観点として把握することができる。
[第1の観点]
L10型の規則構造を有し、6族または7族の遷移金属元素(2)を含むL10型のFeNi規則合金。
[第2の観点]
前記6族または7族の遷移金属元素は、室温で強磁性を示さない元素である、第1の観点に記載のL10型のFeNi規則合金。
[第3の観点]
前記6族または7族の遷移金属元素がCr、Mo、W、Mn,Tc、Reのいずれかである、第1または第2の観点に記載のL10型のFeNi規則合金。
[第4の観点]
前記6族または7族の遷移金属元素がMnである、第1または第2の観点に記載のL10型のFeNi規則合金。
[第5の観点]
前記6族または7族の遷移金属元素が1.19at%以下である、第1ないし第4の観点のいずれか1つに記載のL10型のFeNi規則合金。
[第6の観点]
粒子で構成されており、該粒子の内部および表面に前記6族または7族の遷移金属元素が存在している、第1ないし第5の観点のいずれか1つに記載のL10型のFeNi規則合金。
[第7の観点]
粒子で構成されており、該粒子の表面に前記6族または7族の遷移金属元素が偏析している、第1ないし第6の観点のいずれか1つに記載のL10型のFeNi規則合金。
[第8の観点]
第1ないし第7の観点のいずれか1つに記載の6族または7族の遷移金属元素を含むL10型のFeNi規則合金を主相として構成された永久磁石。
[第9の観点]
L10型の規則構造を有するL10型のFeNi規則合金の製造方法であって、
6族または7族の遷移金属元素(2)を含むFeNi(3)を生成することと、
前記FeNiを窒化処理することで、前記6族または7族の遷移金属元素を含むFeNi窒化物(4)を形成することと、
前記FeNi窒化物から窒素を離脱させる脱窒素処理を行うことで、前記6族または7族の遷移金属元素を含むL10型のFeNi規則合金(5)を形成することと、
を含む、L10型のFeNi規則合金の製造方法。
上記した本開示については、例えば以下に示す観点として把握することができる。
[第1の観点]
L10型の規則構造を有し、6族または7族の遷移金属元素(2)を含むL10型のFeNi規則合金。
[第2の観点]
前記6族または7族の遷移金属元素は、室温で強磁性を示さない元素である、第1の観点に記載のL10型のFeNi規則合金。
[第3の観点]
前記6族または7族の遷移金属元素がCr、Mo、W、Mn,Tc、Reのいずれかである、第1または第2の観点に記載のL10型のFeNi規則合金。
[第4の観点]
前記6族または7族の遷移金属元素がMnである、第1または第2の観点に記載のL10型のFeNi規則合金。
[第5の観点]
前記6族または7族の遷移金属元素が1.19at%以下である、第1ないし第4の観点のいずれか1つに記載のL10型のFeNi規則合金。
[第6の観点]
粒子で構成されており、該粒子の内部および表面に前記6族または7族の遷移金属元素が存在している、第1ないし第5の観点のいずれか1つに記載のL10型のFeNi規則合金。
[第7の観点]
粒子で構成されており、該粒子の表面に前記6族または7族の遷移金属元素が偏析している、第1ないし第6の観点のいずれか1つに記載のL10型のFeNi規則合金。
[第8の観点]
第1ないし第7の観点のいずれか1つに記載の6族または7族の遷移金属元素を含むL10型のFeNi規則合金を主相として構成された永久磁石。
[第9の観点]
L10型の規則構造を有するL10型のFeNi規則合金の製造方法であって、
6族または7族の遷移金属元素(2)を含むFeNi(3)を生成することと、
前記FeNiを窒化処理することで、前記6族または7族の遷移金属元素を含むFeNi窒化物(4)を形成することと、
前記FeNi窒化物から窒素を離脱させる脱窒素処理を行うことで、前記6族または7族の遷移金属元素を含むL10型のFeNi規則合金(5)を形成することと、
を含む、L10型のFeNi規則合金の製造方法。
Claims (9)
- L10型の規則構造を有し、6族または7族の遷移金属元素(2)を含むL10型のFeNi規則合金。
- 前記6族または7族の遷移金属元素は、室温で強磁性を示さない元素である、請求項1に記載のL10型のFeNi規則合金。
- 前記6族または7族の遷移金属元素がCr、Mo、W、Mn,Tc、Reのいずれかである、請求項1に記載のL10型のFeNi規則合金。
- 前記6族または7族の遷移金属元素がMnである、請求項1に記載のL10型のFeNi規則合金。
- 前記6族または7族の遷移金属元素が1.19at%以下である、請求項1に記載のL10型のFeNi規則合金。
- 粒子で構成されており、該粒子の内部および表面に前記6族または7族の遷移金属元素が存在している、請求項1に記載のL10型のFeNi規則合金。
- 粒子で構成されており、該粒子の表面に前記6族または7族の遷移金属元素が偏析している、請求項1に記載のL10型のFeNi規則合金。
- 請求項1ないし7のいずれか1つに記載の6族または7族の遷移金属元素を含むL10型のFeNi規則合金を主相として構成された永久磁石。
- L10型の規則構造を有するL10型のFeNi規則合金の製造方法であって、
6族または7族の遷移金属元素(2)を含むFeNi(3)を生成することと、
前記FeNiを窒化処理することで、前記6族または7族の遷移金属元素を含むFeNi窒化物(4)を形成することと、
前記FeNi窒化物から窒素を離脱させる脱窒素処理を行うことで、前記6族または7族の遷移金属元素を含むL10型のFeNi規則合金(5)を形成することと、
を含む、L10型のFeNi規則合金の製造方法。
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| JP2014105376A (ja) * | 2012-11-29 | 2014-06-09 | Kyushu Univ | L10型FeNi規則合金の製造方法、及びL10型FeNi規則合金 |
| WO2016171232A1 (ja) * | 2015-04-23 | 2016-10-27 | 国立大学法人東北大学 | L10型FeNi規則相を含むFeNi合金組成物、L10型FeNi規則相を含むFeNi合金組成物の製造方法、アモルファスを主相とするFeNi合金組成物、アモルファス材の母合金、アモルファス材、磁性材料および磁性材料の製造方法 |
| JP2017535062A (ja) * | 2014-09-02 | 2017-11-24 | ノースイースタン・ユニバーシティ | Fe−Niに基づくレアアースフリー永久磁性材料 |
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| WO2022176842A1 (ja) * | 2021-02-16 | 2022-08-25 | 株式会社デンソー | FeNi規則合金構造体およびその製造方法 |
-
2025
- 2025-07-03 WO PCT/JP2025/024070 patent/WO2026009965A1/ja active Pending
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| JP2018041873A (ja) * | 2016-09-08 | 2018-03-15 | 国立大学法人東北大学 | L10型FeNi規則合金の製造方法 |
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