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WO2026009609A1 - キメラリガーゼ - Google Patents

キメラリガーゼ

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WO2026009609A1
WO2026009609A1 PCT/JP2025/019618 JP2025019618W WO2026009609A1 WO 2026009609 A1 WO2026009609 A1 WO 2026009609A1 JP 2025019618 W JP2025019618 W JP 2025019618W WO 2026009609 A1 WO2026009609 A1 WO 2026009609A1
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裕嗣 久保
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Abstract

本発明は、キメラリガーゼであって、好熱菌由来のリガ―ゼにおけるOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインが、好熱菌由来の異なる種の対応するドメインで置換されており、置換前のリガーゼとの比較でミスマッチ塩基対に対する識別能が向上している、キメラリガーゼ、を提供する。

Description

キメラリガーゼ
 本発明は広く、キメラリガーゼ等に関する。
 リガーゼは、遺伝子工学実験等に必要不可欠な酵素である。リガーゼの中には、接合部付近におけるミスマッチ塩基対を識別することができるリガーゼが存在し、そのようなリガーゼは、変異を有する遺伝子の検出に適用することができる。
 具体的には、例えば、変異型配列に相補的な、隣接する2つのプローブと、変異型配列とを含む核酸試料を、ミスマッチ塩基対を識別することができるリガーゼで処理すると、変異型配列にハイブリダイズした2つのプローブは、変異型配列との間でミスマッチ塩基対を生じないため、当該リガーゼによって接合される。一方で、変異型配列に相補的な、隣接する2つのプローブと、野生型配列とを含む核酸試料とを含む試料を、ミスマッチ塩基対を識別することができるリガーゼで処理すると、野生型配列にハイブリダイズした2つのプローブは、野生型配列との間でミスマッチ塩基対を生じるため、低頻度でしか、当該リガーゼによって接合されない。よって、核酸試料に変異型配列が含まれる場合に、より高頻度で、リガーゼによって接合された2つのプローブを含む産物が得られるため、当該産物を解析することで、変異の有無等を知ることができる。よって、ミスマッチ塩基対を識別することができるリガーゼを用いて、変異を有する遺伝子を検出することが可能になる。
 ミスマッチ塩基対の識別能を有するリガーゼの中でも、耐熱性を有する、好熱菌由来のリガーゼは、加熱処理工程を含むLDR法(Ligase Detection Reaction)やLCR法(Ligation Chain Reaction)等の遺伝子変異検出法に適用することができるため、非常に有用である。ミスマッチ塩基対の識別能を有する、好熱菌由来のリガーゼとして、例えば、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)、サーマス・フィリフォルミス(Thermus filiformis)、サーマス・アクアティカス(Thermus aquaticus)、及びサーマス・スピーシーズ(Thermus Species)由来のリガーゼが知られている(非特許文献1~4)。
 しかし、これら好熱菌由来のリガーゼが有するミスマッチ塩基対の識別能の正確性の程度は由来する菌によって様々であり、識別能の正確性の決定する因子については、これまで明らかになっていなかった。
Gregory J. S. Lohman et al. A high-throughput assay for the comprehensive profiling of DNA ligase fidelity. Nucleic Acids Research. 2016, 44(2), e14. Jae Young Lee et al. Crystal structure of NAD+-dependent DNA ligase: modular architecture and functional implications. The EMBO Journal. 2000, 19, 1119-1129. Greg Lohman. Substrate specificity and mismatch discrimination in DNA ligases. New England Biolabs, Feature Articles. Jie Tong. Biochemical properties of a high fidelity DNA ligase from Thermus species AK16D. Nucleic Acids Research. 1999, 27(3), 788-794.
 発明が解決しようとする課題は、好熱菌由来のリガーゼのアミノ酸配列における、ミスマッチ塩基対の識別能に関与している領域を明らかにすること、及び、当該領域を修飾することで、ミスマッチ塩基対に対する識別能が向上した、新規なリガーゼを提供することである。
 本発明者が、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、好熱菌由来のリガーゼにおけるオリゴマー/オリゴヌクレオチド/オリゴ糖結合性ドメイン(OBフォールドドメイン)又はアデニル化ドメインを、好熱菌由来の異なる種の対応するドメインで置換することで、置換前のリガーゼとの比較で、ミスマッチ塩基対に対する識別能が向上することを見出した。
 すなわち、本願は以下の発明を包含する。
[1]
 キメラリガーゼであって、好熱菌由来のリガ―ゼにおけるOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインが、好熱菌由来の異なる種の対応するドメインで置換されており、置換前のリガーゼとの比較でミスマッチ塩基対に対する識別能が向上している、キメラリガーゼ。
[2]
 好熱菌由来の異なる種の対応するドメインが、サーマス・スピーシーズ(Thermus Species)に由来する、[1]に記載のキメラリガーゼ。
[3]
 キメラリガーゼであって、好熱菌由来のリガ―ゼにおけるOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインが、
1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるリガーゼ;
2)配列番号1に示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるリガーゼ;
3)配列番号1に示されるアミノ酸配列の1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるリガーゼ;並びに
4)配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列によってコードされるリガーゼ
からなる群から選択される、好熱菌由来の異なる種のリガーゼの対応するドメインで置換されている、キメラリガーゼ。
[4]
 OBフォールドドメインに対応するドメインが、配列番号1の320番目~406番目のアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、[3]に記載のキメラリガーゼ。
[5]
 アデニル化ドメインに対応するドメインが、配列番号1の73番目~319番目のアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、[3]に記載のキメラリガーゼ。
[6]
 置換前のリガーゼとの比較で、リガーゼによる接合部の両側3塩基以内にミスマッチ塩基対が存在する場合の接合率が低くなっている、[1]~[5]のいずれか1つに記載のキメラリガーゼ。
[7]
 置換前の好熱菌由来のリガーゼが、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)、サーマス・ブロキアヌス(Thermus brockianus)、サーマス・フィリフォルミス(Thermus filiformis)、又はサーマス・オシマイ(Thermus oshimai)由来のリガーゼである、[1]~[6]のいずれか1つに記載のキメラリガーゼ。
[8]
 置換前の好熱菌由来のリガーゼが、
1)配列番号2~5のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列からなるリガーゼ;
2)配列番号2~5のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるリガーゼ;
3)配列番号2~5のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列の1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるリガーゼ;並びに
4)配列番号2~5のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列によってコードされるリガーゼ
からなる群から選択されるリガーゼである、[1]~[7]のいずれか1つに記載のキメラリガーゼ。
[9]
 変異した標的配列を検出するためのキットであって、[1]~[8]のいずれか1つに記載のキメラリガーゼを含む、キット。
[10]
 リガーゼ検出反応(LDR)又はリガーゼ連鎖反応(LCR)に使用される試薬を更に含む、[9]に記載のキット。
[11]
 試料において変異した標的配列を検出する方法であって、前記試料と[1]~[8]のいずれか1つに記載のキメラリガーゼとを接触させる工程と
リガーゼ反応を解析する工程と、
を含む、方法。
[12]
 変異が一塩基多型である、[11]に記載の方法。
[13]
 リガーゼ反応を解析する工程が、リガーゼ検出反応(LDR)又はリガーゼ連鎖反応(LCR)を含む、[11]又は[12]に記載の方法。
[14]
 試料における変異した標的配列の有無が、LDR又はLCRの反応産物の有無に基づいて決定される、[13]に記載の方法。
 本発明によれば、高い正確性でミスマッチ塩基対を識別することができる、好熱菌由来の新規なキメラリガーゼを提供することができる。また、高い正確性でミスマッチ塩基対を識別可能な好熱菌由来のキメラリガーゼの、新規な製造方法を提供することもできる。
 さらには、当該新規なキメラリガーゼを用いて、変異した標的配列を検出することもできる。
Thermus属細菌由来のリガーゼにおける、アデニル化ドメイン(アデニル化)、OBフォールドドメイン(OB)、亜鉛フィンガードメイン(Zn)、ヘリックスーヘアピン―ヘリックスドメイン(HhH)、及びBRCTドメイン(BRCT)の位置関係を示す。 架橋核酸としてssDNAオリゴを用いた場合の、Tth LigAの正確性を評価した結果を示す。 架橋核酸としてdsDNAアンプリコンを用いた場合の、Tth LigAの正確性を評価した結果を示す。 架橋核酸としてssDNAオリゴを用いた場合の、Tsp LigAの正確性を評価した結果を示す。 架橋核酸としてdsDNAアンプリコンを用いた場合の、Tsp LigAの正確性を評価した結果を示す。 架橋核酸としてdsDNAアンプリコンを用いた場合のTth LigAの相対接合効率を100%としたときの、Tsp LigAの相対接合効率を評価した結果を示す。 架橋核酸としてssDNAオリゴを用いた場合の、Tth LigA及びTsp LigAの反応速度を評価した結果を示す。 架橋核酸としてssDNAオリゴを用いた場合の、Tth LigAにおけるドメイン1~4を、それぞれTsp LigAの対応するドメインで置換したTth/TspキメラLigA、Tth LigA、及びTsp LigAの正確性を評価した結果を示す。 Tth/Tsp ドメイン1 キメラLigA、Tth/Tsp ドメイン2 キメラLigA、Tth LigA、及びTsp LigAの反応速度を評価した結果を示す。 架橋核酸としてssDNAオリゴを用いた場合の、Tth/Tsp ドメイン2 キメラLigA、Tth LigA、及びTsp LigAの正確性を評価した結果を示す。
 以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について説明するが、本発明の範囲は以下の実施形態に限定して解釈されない。
 第一の実施態様において、好熱菌由来のリガ―ゼにおけるOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインが、好熱菌由来の異なる種の対応するドメインで置換されており、置換前のリガーゼとの比較でミスマッチ塩基対に対する識別能が向上している、キメラリガーゼが提供される。
 本明細書で使用する場合、「キメラリガーゼ」とは、異なる種に由来する領域を含むリガーゼ、例えば、リガーゼを構成するアミノ酸配列における1つ以上の任意の領域であって、好ましくは活性部位を構成する領域(ドメイン)が、自身とは異なるリガーゼ由来のものに置換され、ある特性が、異なるリガーゼ由来のものに変化したリガ-ゼ、又は、自身とは異なるリガーゼを構成するアミノ酸配列における1つ以上の任意の領域であって、好ましくは活性部位を構成する領域(ドメイン)が付加されることで、新たな特性が付与されたリガーゼのことを指す。本実施形態で提供されるキメラリガーゼは、OBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインが、異なる種の対応するドメインで置換されたリガーゼである。
 「対応するドメイン」とは、置換前のドメインと同じ機能を有する、又は、相同性の高い配列を有する別のドメインのことを指し、「対応するドメインで置換される」とは、置換前のリガーゼにおける、あるドメインと同じ位置に、別のドメインが配置されることを指す。本実施形態においては、置換前のリガーゼにおけるOBフォールドドメインの位置に、異なる種の別のOBフォールドドメインが配置されるか、置換前のリガーゼにおけるアデニル化ドメインの位置に、異なる種の別のアデニル化ドメインが配置されるか、置換前のリガーゼにおけるOBフォールドドメイン及びアデニル化ドメインの位置に、異なる種の別のOBフォールドドメイン及びアデニル化ドメインが配置される。
 本明細書で使用する場合、「好熱菌」とは、一般に高温の環境で生育可能な微生物を指す。そのような微生物として、細菌、真菌、古細菌、ウイルス等が挙げられる。菌が生育できる限り高温の下限は特に限定されないが、好熱菌の最適生育温度は、例えば40℃以上である。
 好熱性の細菌としては、例えば、サーマス属(Thermus)、サーモトガ属(Thermotoga)、サーモアクチノマイセス属(Thermoactinomyces)、サーモバチルス属(Thermobacillus)、サーモビフィダ属(Thermobifida)、アクイフェックス属(Aquifex)、ジオバチルス属(Geobacillus)、及びバチルス属(Bacillus)等に属する細菌が挙げられる。中でも、サーマス属(Thermus)に属する細菌が好ましい。
 一実施形態において、サーマス属(Thermus)に属する細菌は、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus;Tth)、サーマス・ブロキアヌス(Thermus brockianus;Tbr)、サーマス・スピーシーズ(Thermus Species;Tsp)、サーマス・オシマイ(Thermus oshimai;Tos)、又はサーマス・フィリフォルミス(Thermus filiformis;Tfi)である。
 好熱菌性の真菌としては、例えば、ラサムソニア属(Rasamsonia)、サーモマイセス属(Thermomyces)、ビソクラミス属(Byssochlamys)、ユーペニシリウム属(Eupenicillium)、及びネオサルトリア属(Neosartorya)等に属する真菌が挙げられる。
 好熱性の古細菌としては、例えば、サーモコッカス属(Thermococcus)、パイロコッカス属(Pyrococcus)、サーモプロテウス属(Thermoproteus)、サーモプラズマ属(Thermoplasma)、メタノサーマス属(Methanothermus)、アーキオグロバス属(Archaeoglobus)、スルホロブス属(Sulfolobus)、アエロパイラム属(Aeropyrum)、パイロロブス属(Pyrolobus)、パイロディクティウム属(Pyrodictium)、及びパイロバキュラム属(Pyrobaculum)等に属する古細菌が挙げられる。中でも、サーモコッカス属(Thermococcus)に属する古細菌が好ましい。
 好熱性のウイルスとしては、例えば、原核生物に感染するバクテリオファージ等が挙げられる。
 本明細書における細菌、真菌、及び古細菌の表記は、新分類の表記で示されていてよく、旧分類の表記で示されていてもよい。
 本明細書で使用する場合、「リガーゼ」とは、核酸間のリン酸ジエステル結合の形成を触媒する酵素を指す。「リガーゼ」として、例えば、DNAリガーゼ等が挙げられる。リガーゼは、用いられる補因子によって、ATP依存性リガーゼと、NAD依存型リガーゼとが挙げられる。
 本明細書で使用する場合、「OBフォールドドメイン」とは、オリゴマー/オリゴヌクレオチド/オリゴ糖結合性ドメインであり、一般的に、一本鎖DNAへの結合に関与するドメインを指す。
 本明細書で使用する場合、「アデニル化ドメイン」とは、一般的に、アデノシン一リン酸(AMP)を共有結合させる反応に関与するドメインを指し、ライゲーション反応においては、アデニル化された反応中間体の形成に関与している。
 図1に、Thermus属細菌由来のリガーゼを例として、各ドメインの位置関係を示す。
 本明細書で使用する場合、「ミスマッチ塩基対」とは、アデニンとチミン、アデニンとウラシル、グアニンとシトシン、といった塩基のペアが水素結合して対合するワトソン-クリック型の塩基対ではなく、例えば、アデニンとシトシン、チミンとグアニン等の、ワトソン-クリック型の塩基対ではない塩基対を指す。
 本明細書で使用する場合、「ミスマッチ塩基対に対する識別能」とは、とは、接合する配列におけるミスマッチ塩基対の有無を識別して、ミスマッチ塩基対を有さない配列を優先的に接合する能力のことを指す。例えば、あるリガーゼが、ミスマッチ塩基対を有さない配列を、ミスマッチ塩基対を有する配列よりも、高い頻度で接合するとき、そのリガーゼは、ミスマッチ塩基対に対する識別能を有すると言うことができる。
 ミスマッチ塩基対に対する識別能が向上すると、より正確に、ミスマッチ塩基対の有無を識別することが可能になる。すなわち、より正確に、ミスマッチ塩基対を有さない配列を優先的に接合することが可能になる。
 また、「ミスマッチ塩基対に対する識別能が向上している」とは、特定のミスマッチ塩基対に対する識別能が向上していてもよく、複数の種類のミスマッチ塩基対に対する識別能が向上していてもよい。
 本実施形態のキメラリガーゼが、接合する配列におけるミスマッチ塩基対の有無を識別する際、当該配列におけるミスマッチ塩基対の位置は任意であってよいが、より高い正確性で、ミスマッチ塩基対を有さない配列を接合するために、ミスマッチ塩基対は、リガーゼによる接合部の両側の、好ましくは5塩基以内、より好ましくは、3塩基以内、2塩基以内又は1塩基以内に存在する。接合部の、好ましくは両側5塩基以内、より好ましくは3塩基以内にミスマッチ塩基が存在する場合には、リガーゼによる接合率が低くなる。
 接合部の両側3塩基以内とは、接合部から3塩基隣の位置、2塩基隣の位置、又は1塩基隣の位置(接合部に隣接する位置)を指す。また、接合部の5’側のみにミスマッチ塩基対があってもよく、接合部の3’側のみにミスマッチ塩基対があってもよく、接合部の5’側及び3’側の両方にミスマッチ塩基対があってもよい。
 本実施形態のキメラリガーゼは、好ましくは、OBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインが置換される前との比較で、リガーゼによる接合部の両側3塩基以内にミスマッチ塩基対が存在する場合の接合率が低くなる。
 ここで、本明細書で使用する場合、「接合部」とは、リガーゼによって接合された部分、又は、リガーゼの標的となり得る部分を指し、具体的には、リガーゼによって核酸間に形成されたホスホジエステル結合、当該ホスホジエステル結合を含む部分、又は、ホスホジエステル結合が形成される前の、隣接する核酸同士の間の部分等を指す。また、二本鎖核酸におけるニックのような、ホスホジエステル結合が切断された部分も、本明細書において、接合部に含まれる。
 リガーゼによる接合率が低くなる場合の例を、以下に示す。
 例えば、本実施形態のキメラリガーゼによって、平滑末端を有する二本鎖核酸Aの5’末端と、平滑末端を有する二本鎖核酸Bの3’末端を接合するときに、二本鎖核酸Aの5’末端から1~3塩基の位置に、及び/又は、二本鎖核酸Bの3’末端から1~3塩基の位置に、ミスマッチ塩基対が存在する場合、二本鎖核酸Aの5’末端と、二本鎖核酸Bの3’末端とが接合される頻度は、ミスマッチ塩基対が存在しない核酸同士を接合する場合との比較で、低くなる。
 また、例えば、本実施形態のキメラリガーゼによって、5’突出末端を有する二本鎖核酸Aと、3’突出末端を有する二本鎖核酸Bとを接合するときに、当該突出末端同士が二本鎖を形成して、接合部の両側3塩基以内にミスマッチ塩基が生じる場合、当該2つの二本鎖核酸AとBとが接合される頻度は、ミスマッチ塩基対が存在しない核酸同士を接合する場合との比較で、低くなる。
 また、例えば、本実施形態のキメラリガーゼによって、二本鎖核酸におけるニックを接合するときに、当該ニック(接合部)の両側3塩基以内にミスマッチ塩基対が存在する場合、ニックが接合される頻度は、ミスマッチ塩基対が存在しない核酸におけるニックを接合する場合との比較で、低くなる。
 本実施形態のキメラリガーゼが、接合する配列におけるミスマッチ塩基対の有無を識別する際の、当該配列におけるミスマッチ塩基対の数は、接合する配列によって異なり、1つに限られない。例えば、本実施形態のキメラリガーゼが、接合部の両側3塩基以内にミスマッチ塩基対が存在するときに、ミスマッチ塩基対の有無を正確に識別することができる場合であって、当該キメラリガーゼが、ある配列同士を接合しなかった場合、接合部の両側3塩基以内にミスマッチ塩基対が存在していた蓋然性が高い。その場合、接合部の両側3塩基以内には、最大6つのミスマッチ塩基対が存在することになる。
 ミスマッチ塩基対の識別能が低いリガーゼの場合、2つの二本鎖核酸は、それらがミスマッチ塩基対を有しているか否かにかかわらず、また、それらの接合部の両側3塩基以内にミスマッチ塩基対が存在しているか否かにかかわらず、核酸同士が接合されてしまうが、本実施形態におけるキメラリガーゼは、2つの二本鎖核酸がミスマッチ塩基対を有するかどうかを正確に識別して、それらがミスマッチ塩基対を有さない場合、ミスマッチ塩基対を有する場合と比較して、より高頻度で核酸同士を接合する。接合部の両側3塩基以内にミスマッチ塩基対がある場合は、より正確に、2つの二本鎖核酸がミスマッチ塩基対を有するかどうかを識別することで、ミスマッチ塩基対を有さない配列を、より高頻度で接合することができる。
 本実施形態のキメラリガーゼは、OBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインが置換されていることで、置換される前との比較で、さらに正確にミスマッチ塩基対を識別する。本実施形態におけるキメラリガーゼは、ミスマッチ塩基対を有さない核酸同士を、好ましくは、接合部付近にミスマッチ塩基対がない核酸同士を、優先的に接合する。
 リガーゼにおけるOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインは、リガーゼのミスマッチ塩基対に対する識別能に関与しているため、当該ドメインを置換することで、リガーゼのミスマッチ塩基対に対する識別能を調節することが可能になる。すなわち、リガーゼにおけるOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインを、ミスマッチ塩基対の識別能が置換前のリガーゼよりも高いリガーゼ由来のOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインで置換することで、置換前との比較で、ミスマッチ塩基対に対する識別能が向上しているリガーゼを提供することが可能になる。また、置換前のリガーゼは、ミスマッチ塩基対の識別能を有さないリガーゼであってもよく、そのようなリガーゼは、OBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインが識別能を有するものと置換されることで、ミスマッチ塩基対の識別能が付与される場合がある。
 本実施形態のキメラリガーゼは、OBフォールドドメインのみが置換されたリガーゼであってよく、アデニル化ドメインのみが置換されたリガーゼであってよく、OBフォールドドメイン及びアデニル化ドメインの両方が置換されたリガーゼであってもよいが、OBフォールドドメインのみ、又は、アデニル化ドメインのみが置換されたリガーゼであることが好ましい。
 ここで、本明細書において、置換前の好熱菌由来のリガ―ゼをリガーゼI、好熱菌由来の異なる種のリガーゼをリガーゼIIとすると、本実施形態のキメラリガーゼは、OBフォールドドメイン又はアデニル化ドメイン以外の領域がリガーゼI由来で、OBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインがリガーゼII由来である、キメラリガーゼである。あるいは、本実施形態のキメラリガーゼは、OBフォールドドメイン及びアデニル化ドメイン以外の領域がリガーゼI由来で、OBフォールドドメイン及びアデニル化ドメインがリガーゼII由来である、キメラリガーゼである。
 リガーゼIと、リガーゼIIは、用いられる補因子が同じリガーゼ同士であることが好ましく、NAD依存型リガーゼ同士、又は、ATP依存性リガーゼ同士であることが好ましい。
 リガーゼIの由来の好熱菌と、リガーゼIIの由来の好熱菌は、置換後のリガーゼが置換前との比較でミスマッチ塩基対の識別能が向上する限り、互いに属も種も異なる任意の好熱菌であってよいが、同じ属由来の、異なる種であることが好ましく、サーマス属細菌由来の、互いに異なる種の細菌であることがより好ましい。
 サーマス属細菌由来の、互いに異なる種の細菌の例として、リガーゼIが、サーマス・サーモフィルス、サーマス・ブロキアヌス、サーマス・フィリフォルミス、サーマス・オシマイ又は由来のリガーゼであって、リガーゼIIが、サーマス・スピーシーズ由来のリガーゼである場合が挙げられる。サーマス・スピーシーズ由来のリガーゼは、サーマス・サーモフィルス、サーマス・ブロキアヌス、サーマス・フィリフォルミス、又はサーマス・オシマイ由来のリガーゼと比べて、より高い正確性でミスマッチ塩基対ミスを識別し得る。サーマス・サーモフィルス、サーマス・ブロキアヌス、サーマス・フィリフォルミス、又はサーマス・オシマイ由来のリガーゼが、低い正確性でしか識別できない特定のミスマッチ塩基対の組み合わせに対して、サーマス・スピーシーズ由来のリガーゼが、より高い正確性で識別する場合がある。よって、サーマス・サーモフィルス、サーマス・ブロキアヌス、サーマス・フィリフォルミス、又はサーマス・オシマイ由来のリガーゼにおけるOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインを、サーマス・スピーシーズ由来のリガーゼにおけるOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインで置換したキメラリガーゼは、置換前との比較で、ミスマッチ塩基対の識別能が向上している。
 一実施形態として、本実施形態のキメラリガーゼは、サーマス・サーモフィルス由来のリガーゼにおけるOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインを、サーマス・スピーシーズ由来のリガーゼにおけるOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインで置換したキメラリガーゼである。サーマス・スピーシーズ由来のリガーゼは、サーマス・サーモフィルス由来のリガーゼと比べてミスマッチ塩基対に対する識別能が高い一方で、反応速度は遅い。従って、リガーゼIが、サーマス・サーモフィルス由来であって、リガーゼIIが、サーマス・スピーシーズ由来のリガーゼであるキメラリガーゼは、ミスマッチ塩基対に対する識別能が向上していて、かつ、反応速度も速いキメラリガーゼとなり得る。
 リガーゼIが、リガーゼIIとの比較で、OBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインが関与しないある利点を有している場合であって、リガーゼIIが、リガーゼIとの比較で、高いミスマッチ塩基対の識別能を有する場合、リガーゼI由来の利点を保持しつつ、置換前との比較でミスマッチ塩基対の識別能が向上した、リガーゼI及びリガーゼII由来のキメラリガーゼを提供することが可能になる。
 本実施形態におけるリガーゼI及びリガーゼIIは、修飾されたリガーゼであってよく、1若しくは複数のアミノ酸が、付加、置換、及び/又は欠失していてよい。付加、置換、及び/又は欠失しているアミノ酸の数は、リガーゼ活性を有する限り任意であってよく、当業者によって適宜決定することができる。
 本実施形態におけるリガーゼIが、例えば、サーマス・サーモフィルス、サーマス・ブロキアヌス、サーマス・オシマイ、又はサーマス・フィリフォルミス由来のリガーゼである場合、これらのリガーゼは、一実施形態において、配列番号2~5に示されるアミノ酸配列のいずれか1つにおいて、1~67個、1~60個、1~50個、1~40個、1~30個、1~20個、1~10個、又は1~5個のアミノ酸が、付加、置換、及び/又は欠失している酵素である。ここで、配列番号2~5の配列は、それぞれ、サーマス・サーモフィルス、サーマス・ブロキアヌス、サーマス・フィリフォルミス、サーマス・オシマイ由来のリガーゼの配列の一例である。
 また、本実施形態におけるリガーゼIIが、例えば、サーマス・スピーシーズ由来のリガーゼである場合、当該リガーゼは、一実施形態において、配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1~67個、1~60個、1~50個、1~40個、1~30個、1~20個、1~10個、又は1~5個のアミノ酸が、付加、置換、及び/又は欠失している酵素である。ここで、配列番号1の配列は、サーマス・スピーシーズ由来のリガーゼの配列の一例である。
 また、本実施形態におけるリガーゼI又はリガーゼIIは、それぞれ、配列番号2~5に示されるアミノ酸配列のいずれか1つ、又は配列番号1に示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるリガーゼであってよい。
 本明細書で使用する場合、「同一性」とは、2つのアミノ酸配列をアライメントした際に、同じ位置又は列に並ぶアミノ酸が、同一のアミノ酸である割合(%)を指す。2つのアミノ酸配列をアライメントした際に、同じ位置又は列に並ぶアミノ酸が、同一又は類似のアミノ酸である割合(%)は、相同性と呼ぶ。本明細書において、配列の相同には、「同一」の場合も含まれる。
 ある酵素が、100個のアミノ酸からなる特定の酵素と80%の同一性を有する場合、例えば、当該100個のアミノ酸からなる特定の酵素のアミノ酸配列とアライメントしたとき、同一のアミノ酸が、同じ位置又は列に並ぶ箇所が80箇所ある。
 また、本明細書で使用する場合、「類似のアミノ酸」とは、化学的又は物理的性質が互いに類似する2つ以上のアミノ酸を指す。そのような類似性を判断するには一般的なアミノ酸の分類が参考となる。例えば、2つのアミノ酸が、それぞれ酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、芳香族アミノ酸、脂肪族アミノ酸、水酸基を有するアミノ酸、親水性アミノ酸、又は疎水性アミノ酸等の、同じアミノ酸のグループに分類される場合、その2つのアミノ酸は、化学的又は物理的性質が類似する、と判断される。
 一実施形態において、本実施形態におけるリガーゼI又はリガーゼIIは、それぞれ、配列番号2~5に示されるアミノ酸配列のいずれか1つ、又は配列番号1に示されるアミノ酸配列と80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%の同一性を有する酵素である。
 また、一実施形態において、本実施形態におけるリガーゼI又はリガーゼIIは、それぞれ、配列番号2~5に示されるアミノ酸配列のいずれか1つ、又は配列番号1に示されるアミノ酸配列と80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%の相同性を有する酵素である。
 また、本実施形態におけるリガーゼI又はリガーゼIIは、それぞれ、配列番号2~5に示されるアミノ酸配列のいずれか1つ、又は配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列によってコードされるリガーゼであってもよい。
 本明細書で使用する場合、「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列」とは、配列番号1~5に示されるアミノ酸配列をコードする野生型遺伝子の相補配列をプローブとして使用し、コロニーハイブリダイゼーション法、プラークハイブリダイゼーション法、サザンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることにより得られるDNAの塩基配列を意味する。
 本明細書で使用する場合、「ストリンジェントな条件」とは、特異的なハイブリッドのシグナルが非特異的なハイブリッドのシグナルと明確に識別される条件であり、使用するハイブリダイゼーションの系と、プローブの種類、配列及び長さによって異なる。そのような条件は、ハイブリダイゼーションの温度を変えること、洗浄の温度及び塩濃度を変えることにより決定可能である。
 例えば、非特異的なハイブリッドのシグナルまで強く検出されてしまう場合には、ハイブリダイゼーション及び洗浄の温度を上げるとともに、必要により洗浄の塩濃度を下げることにより特異性を上げることができる。また、特異的なハイブリッドのシグナルも検出されない場合には、ハイブリダイゼーション及び洗浄の温度を下げるとともに、必要により洗浄の塩濃度を上げることにより、ハイブリッドを安定化させることができる。
 一部の態様において、ストリンジェントな条件の具体例としては以下のものを含む。例えば、プローブとしてDNAプローブを用い、ハイブリダイゼーションは、5×SSC、1.0%(w/v)核酸ハイブリダイゼーション用ブロッキング試薬(ベーリンガ・マンハイム社製)、0.1%(w/v)N-ラウロイルサルコシン、0.02%(w/v)SDSを用い、一晩(8~16時間程度)で行う。洗浄は、0.1~0.5×SSC、0.1%(w/v)SDS、好ましくは0.1×SSC、0.1%(w/v)SDSを用い、15分間、2回行う。ハイブリダイゼーション及び洗浄を行う温度は65℃以上、好ましくは68℃以上である。
 ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列としては、例えば、コロニー若しくはプラーク由来の野生型遺伝子の相補配列を有するDNA又は該DNAの断片を固定化したフィルターを用いて、上記したストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーションすることによって得られるDNAや、0.5~2.0MのNaCl存在下にて、40~75℃でハイブリダイゼーションを実施した後、好ましくは0.7~1.0MのNaCl存在下にて、65~68℃でハイブリダイゼーションを実施した後、0.1~1×SSC溶液(1×SSC溶液は、150mM 塩化ナトリウム、15mM クエン酸ナトリウム)を用い、55~65℃条件下でフィルターを洗浄することにより同定できるDNA等を挙げることができる。プローブの調製やハイブリダイゼーションの方法は、Moleular Cloning:A laboratory Manual,2nd-Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY.,1989、Current Protocols in Molecular Biology,Supplement 1-38,John Wiley&Sons,1987-1997等に記載されている方法に準じて実施することができる。
 高度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列としては、例えば、1.0MのNaCl存在下にて、65℃でハイブリダイゼーションを実施した後、0.5×SSC溶液(1×SSC溶液は、150mM 塩化ナトリウム、15mM クエン酸ナトリウム)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄することにより同定できるDNA等を挙げることができる。
 なお、当業者であれば、このようなバッファーの塩濃度や温度等の条件に加えて、その他のプローブ濃度、プローブ長さ、反応時間等の諸条件を加味して、野生型遺伝子の相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を得るための条件を適宜設定することができる。
 本実施形態における、配列番号1~5に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列によってコードされるリガーゼは、野生型遺伝子の塩基配列によってコードされるリガーゼが有するアミノ酸配列において1から複数個、好ましくは数個のアミノ酸の欠失、置換、付加等を有するアミノ酸配列を有するリガーゼである蓋然性があるが、野生型遺伝子の塩基配列によってコードされるリガーゼと同じリガーゼ活性及びその他の活性を有するものである。
 一実施形態において、本実施形態におけるリガーゼIは、
1)配列番号2~5のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列からなるリガーゼ;
2)配列番号2~5のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるリガーゼ;
3)配列番号2~5のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列の1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるリガーゼ;並びに
4)配列番号2~5のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列によってコードされるリガーゼ
からなる群から選択されるリガーゼである。
 すなわち、本実施形態は、キメラリガーゼであって、
1)配列番号2~5のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列からなるリガーゼ;
2)配列番号2~5のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるリガーゼ;
3)配列番号2~5のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列の1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるリガーゼ;並びに
4)配列番号2~5のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列によってコードされるリガーゼ
からなる群から選択されるリガーゼにおけるOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインが、好熱菌由来の異なる種の対応するドメインで置換されており、置換前のリガーゼとの比較でミスマッチ塩基対に対する識別能が向上している、キメラリガーゼ、も提供する。
 一実施形態において、本実施形態におけるリガーゼIIは、
1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるリガーゼ;
2)配列番号1に示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるリガーゼ;
3)配列番号1に示されるアミノ酸配列の1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるリガーゼ;並びに
4)配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列によってコードされるリガーゼ
からなる群から選択されるリガーゼである。
 すなわち、本実施形態は、キメラリガーゼであって、
好熱菌由来のリガ―ゼにおけるOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインが、
1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるリガーゼ;
2)配列番号1に示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるリガーゼ;
3)配列番号1に示されるアミノ酸配列の1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるリガーゼ;並びに
4)配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列によってコードされるリガーゼ
からなる群から選択される、好熱菌由来の異なる種のリガーゼの対応するドメインで置換されている、キメラリガーゼ、も提供する。当該リガーゼは、置換前との比較で、ミスマッチ塩基対に対する識別能が向上している。
 本実施形態は、キメラリガーゼであって、
1)配列番号2~5のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列からなるリガーゼ;
2)配列番号2~5のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるリガーゼ;
3)配列番号2~5のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列の1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるリガーゼ;並びに
4)配列番号2~5のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列によってコードされるリガーゼ
からなる群から選択されるリガーゼにおけるOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインが、
1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるリガーゼ;
2)配列番号1に示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるリガーゼ;
3)配列番号1に示されるアミノ酸配列の1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるリガーゼ;並びに
4)配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列によってコードされるリガーゼ
からなる群から選択される、好熱菌由来の異なる種のリガーゼの対応するドメインで置換されている、キメラリガーゼ、も提供する。好ましくは、本実施形態におけるキメラリガーゼは、キメラリガーゼであって、配列番号2~5のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列からなるリガーゼにおけるOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインが、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるリガーゼの対応するドメインで置換されている、キメラリガーゼ、である。これらのリガーゼは、置換前との比較で、ミスマッチ塩基対に対する識別能が向上している。
 本実施形態におけるキメラリガーゼは、リガーゼIのOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインが、リガーゼIIのOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインで置換されたキメラリガーゼである。リガーゼI又はリガーゼIIのアミノ酸配列における、OBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインの位置は、NCBI等の公知のデータベースにおいて開示されている情報に基づき、当業者が適宜決定することができるが、例えば、リガーゼI又はリガーゼIIが、それぞれ、配列番号2~5に示されるアミノ酸配列のいずれか1つ、又は配列番号1であるときの、それぞれのアミノ酸配列におけるOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインの位置の例を、以下に示す。
 本実施形態におけるリガーゼIがサーマス・サーモフィルス由来のリガーゼである場合、OBフォールドドメインの位置は、例えば、配列番号2に示されるアミノ酸配列において323番目~409番目であり、アデニル化ドメインの位置は、例えば、配列番号2に示されるアミノ酸配列において73番目~322番目である。
 本実施形態におけるリガーゼIがサーマス・ブロキアヌス由来のリガーゼである場合、OBフォールドドメインの位置は、例えば、配列番号3に示されるアミノ酸配列において320番目~406番目であり、アデニル化ドメインの位置は、例えば、配列番号3に示されるアミノ酸配列において73番目~319番目である。
 本実施形態におけるリガーゼIがサーマス・フィリフォルミス由来のリガーゼである場合、OBフォールドドメインの位置は、例えば、配列番号4に示されるアミノ酸配列において320番目~406番目であり、アデニル化ドメインの位置は、例えば、配列番号4に示されるアミノ酸配列において73番目~319番目である。
 本実施形態におけるリガーゼIがサーマス・オシマイ由来のリガーゼである場合、OBフォールドドメインの位置は、例えば、配列番号5に示されるアミノ酸配列において320番目~406番目であり、アデニル化ドメインの位置は、例えば、配列番号5に示されるアミノ酸配列において73番目~319番目である。
 本実施形態におけるリガーゼIIがサーマス・スピーシーズ由来のリガーゼである場合、OBフォールドドメインの位置は、例えば、配列番号1に示されるアミノ酸配列において320番目~406番目であり、アデニル化ドメインの位置は、例えば、配列番号1に示されるアミノ酸配列において73番目~319番目である。
 リガーゼIIがサーマス・スピーシーズ由来のリガーゼである場合、本実施形態におけるキメラリガーゼは、一実施形態において、リガーゼIのOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインが、配列番号1の320番目~406番目のアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む配列、又は配列番号1の73番目~319番目のアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む配列、で置換されたキメラリガーゼである。
 すなわち、リガーゼIIがサーマス・スピーシーズ由来のリガーゼである場合の、本実施形態におけるOBフォールドドメインが置換されたキメラリガーゼは、一実施形態において、配列番号1の320番目~406番目のアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、アデニル化ドメインが置換されたキメラリガーゼは、一実施形態において、配列番号1の73番目~319番目のアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、OBフォールドドメイン及びアデニル化ドメインが置換されたキメラリガーゼは、一実施形態において、配列番号1の320番目~406番目のアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列、及び配列番号1の73番目~319番目のアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
 本実施形態におけるリガーゼIがサーマス・サーモフィルス由来のリガーゼであって、リガーゼIIがサーマス・スピーシーズ由来のリガーゼであり、OBフォールドドメインが置換される場合、一実施形態において、本実施形態におけるキメラリガーゼは、キメラリガーゼにおける1番目~322番目、及び410番目~676番目のアミノ酸配列はサーマス・サーモフィルス由来であり、323番目~409番目のアミノ酸配列は、サーマス・スピーシーズ由来である、リガーゼである。
 また、一実施形態において、本実施形態におけるキメラリガーゼは、配列番号6、7、及び10~12のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列からなるリガーゼである。
 また、リガーゼIにおけるOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインは、ドメインを構成するアミノ酸配列の全てが置換されてもよいが、置換されるドメインの活性が失われる限り、リガーゼIにおけるドメインの一部が置換されてよい。また、リガーゼIにおけるOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインは、リガーゼIIの対応するドメインを構成するアミノ酸配列の全てによって置換されてもよいが、活性を有する限り、リガーゼIIにおけるドメインの一部によって置換されてよい。
 さらにまた、アミノ酸配列のN末端側及び/又はC末端側にアミノ酸リンカーが付加された、リガーゼIIにおけるOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインによって、リガーゼIにおける対応するドメインが置換されてもよい。
 リンカーは、好ましくは1~15個のアミノ酸、より好ましくは1~10個のアミノ酸、さらに好ましくは1~6個のアミノ酸のペプチドからなるアミノ酸リンカーである。また、上記1~15個の範囲内あるいは好適な範囲内で、2個以上であってもよく、3個以上、4個以上であってもよい。
 当該リンカーとしては、ペプチド同士を連結する際に用いられるリンカーを用いることができ、例えば、グリシンとセリンを含むGSリンカー等が挙げられる。
 また、リンカーとしては、OBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインが存在する元のリガーゼIIのアミノ酸配列におけるOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインのN末端側又はC末端側に存在するアミノ酸配列をリンカーとしてもよい。好ましくは、リガーゼI及びリガーゼIIの共通配列をリンカーとして用いる。
 置換前のリガーゼとの比較でミスマッチ塩基対に対する識別能が向上している限り、任意のリンカーを選択することができる。
 本実施形態は、キメラリガーゼをコードする核酸も提供する。当該核酸は、DNA又はRNAのいずれであってもよく、DNA/RNAのキメラ核酸であってもよい。また、当該核酸は、本実施形態におけるキメラリガーゼを発現し得る核酸であれば特に限定されないが、キメラリガーゼのアミノ酸配列の各アミノ酸をコードするコドンが連続する核酸であることが好ましく、また、キメラリガーゼをコードする核酸と相補的な塩基配列を有する核酸であってもよい。キメラリガーゼをコードする核酸と相補的な塩基配列を有する核酸は、宿主細胞内で、キメラリガーゼをコードする核酸を産生してもよく、例えば、キメラリガーゼをコードする核酸と相補的な塩基配列を有するDNAを鋳型として、キメラリガーゼをコードする配列を有するRNAが産生されてもよい。
 本実施形態における核酸は、ベクター中に含まれていてもよい。ベクターの種類は特に限定されず、当業者に公知のいかなるベクターを用いてもよく、例えば、プラスミド、コスミド、エピソーム、人工染色体、ファージ及びウイルスベクター等を用いることができる。よって、本実施形態は、キメラリガーゼをコードする核酸を含むベクターも提供する。核酸がベクター中に含まれる場合、ベクター中において、核酸は、転写や翻訳に必要な因子、例えば、プロモーター、エンハンサー、ターミネーター等の調節因子と共に取り込まれてよく、ベクター中において核酸はそれらと連続して、あるいは、不連続に存在していてよい。
 本明細書で使用する場合、「ベクター」とは、クローニングベクターや、発現ベクターを包含する概念を指し、宿主、好ましくは細胞を形質転換し、導入された配列の発現(例えば転写及び翻訳)を促進するように、目的の遺伝子を運ぶ核酸のことを意味する。
 本実施形態はまた、上記ベクターが導入された形質転換体も提供する。本実施形態における形質転換体としては、キメラリガーゼを発現させる宿主、好ましくは細胞(宿主細胞)である。
 本明細書で使用する場合、「形質転換」とは、宿主が導入後の遺伝子(核酸)を発現して、目的のペプチドを産生するように、核酸やベクターを宿主に導入することを指す。核酸を含む宿主、好ましくは核酸をベクターの形態で含む宿主は、形質転換体とも称される。
 本実施形態における核酸、ベクター、形質転換体は、当業者に公知のいかなる方法によって製造されてよく、製造されたこれらは本実施形態におけるキメラリガーゼを製造するために用いることができる。また、本実施形態における核酸として、キメラリガーゼをコードする核酸と相補的な塩基配列を有する核酸も、当業者に公知のいかなる方法によって製造されてよい。
 本実施形態のキメラリガーゼは、当業者に公知のいかなる方法によって製造されてもよいが、例えば、目的のキメラリガーゼを発現する遺伝子を含むベクターを、宿主に導入して形質転換し、宿主に発現させることで製造されることが好ましい。本実施形態における、核酸、ベクター、形質転換体を用いて製造することもできる。
 本明細書で使用する場合、「宿主」とは、所望とするタンパク質を発現するように形質転換された生物体、例えば細菌、真菌、又は植物細胞等を指す。宿主となる細菌は、大腸菌、枯草菌、又は放線菌等であってよく、宿主となる真菌は、酵母、又は糸状菌等であってよい。
 一実施形態において、宿主は大腸菌である。
 宿主細胞の形質転換は、当業者に公知のいかなる方法により実施されてもよい。形質転換法として、エレクトロポレーション法やヒートショック法等がある。
 宿主を形質転換するために、目的のキメラリガーゼをコードする外来のベクターが調製される。ベクターは複数の目的のキメラリガーゼをコードしてもよい。ベクターは、形質転換体の選択に使用する選択マーカー、例えば抗生物質耐性遺伝子をコードしてもよい。
 形質転換効率を増大させる観点から、宿主は形質転換前に熱処理又は電気的処理にかけられることが好ましい。このような処理により、得られるコンピテントセルは、ベクターの取り込み効率が増大したものとなる。
 形質転換後の宿主は形質転換体ともいう。形質転換体の選択、形質転換体の増殖、目的のリガーゼの発現誘導、及び目的のキメラリガーゼを発現した宿主回収も、当業者に公知のいかなる方法により実施されてよい。
 例えば、ベクターと宿主のコンピテントセルの混合液を、ベクターがコードする選択マーカーに相当する抗生物質を含む培地中で培養し、形成されたコロニーを選択することで、形質転換体が選択される。そのような培地は宿主細胞によって異なるが、大腸菌の培地としてLB培地がある。形質転換体の選択に使用する培地は平板培地が好ましい。培養条件は、例えば、30℃~37℃程度の培養温度、12時間~一晩程度の培養時間の間で適宜調節される。
 選択された形質転換体は培養により増殖される。本培養前に前培養を行ってもよい。形質転換体の増殖も形質転換体の選択において使用された培養条件で実施することができるが、培地は液体培地であることが好ましい。培養温度と培養時間は、所望とする形質転換体の増殖の程度に応じて適宜調節されるため、限定することを意図するものではないが、16℃~37℃程度の培養温度、12時間~一晩程度の培養時間の間で適宜調整される。
 目的のリガーゼの発現を誘導する条件は、使用する発現系により異なる。限定することを意図するものではないが、大腸菌を宿主とする場合の発現系はpETシステムが好ましい。pETシステムは、lacUV5 プロモーターに制御されアロラクトースやラクトース類似体であるIPTG(イソプロピル-β-チオガラクトピラノシド)存在下で発現誘導が起こるT7 RNAポリメラーゼが標的遺伝子の転写を行うタンパク質発現系である。
 pETシステムを用いた発現系の場合、培地にIPTGを添加し、所定の条件の下で培養することで目的のキメラリガーゼの発現を誘導することができる。培養温度と培養時間は、所望とする発現量の程度に応じて適宜調節されるため、限定することを意図するものではないが、1時間~一晩程度の培養時間、16℃~37℃程度の培養温度の間で適宜調節される。
 発現したキメラリガーゼを宿主から回収するために、宿主細胞は破壊工程にかけられる。ここで、本明細書で使用する場合、細胞の破壊とは、細胞壁が破壊されていればよい。破壊の手段は特に限定されないが、その手段は大きく分けて機械的方法又は非機械的方法に分けられる。機械的方法の例としては、超音波破壊、ホモジナイザー、ブレンダー等の公知の装置を用いた等の破壊が挙げられる。非機械的方法は機械的方法に含まれないその他の方法であり、その例としては、界面活性剤等の化学薬品や、リゾチーム等の酵素を用いた化学的方法が挙げられる。界面活性剤等の化学薬品や、リゾチーム等の酵素を用いて宿主細胞を破壊する際、界面活性剤やリゾチーム等の他に、必要に応じてプロテアーゼインヒビターやDNase等を添加してもよい。非機械的方法は化学的方法に限定されず、浸透圧の差を利用してもよい。
 宿主細胞を破壊する工程における各種の条件、例えば温度条件は当業者により適宜決定される。例えば、機械的方法は破壊工程で熱を発生させるため一般的には氷上で実施される。非機械的方法としての化学的方法には溶菌試薬法が含まれるが、これは、界面活性剤、又はリゾチームを添加したバッファー中に宿主を懸濁して室温で処理することで細胞壁を破壊するものである。しかしながら、本発明において非機械的方法が宿主細胞の破壊に使用される場合、その処理温度は室温ではないことが好ましい。室温とは、例えば、10~30℃であってよい。
 室温ではない処理温度の下で宿主細胞を非機械的方法により破壊する方法の条件は、当業者により適宜決定される。例えば、非機械的方法の中でも、溶菌試薬法によって破壊する場合、処理温度の調節は、界面活性剤、リゾチーム等の必要な試薬を適宜添加したバッファー中に宿主を混合する操作を氷上で行うことにより実施される。試薬を添加したバッファーと宿主の混合液を、氷上から離し、ボルテックスミキサー等の公知の装置を用いて懸濁する場合は、混合液の温度が室温まで上がらないように速やかに、例えば、10秒間以内で混合液を懸濁することが好ましい。氷上から離してボルテックスミキサー等を用いて懸濁した後、混合液を氷上に戻し、また氷上から離してボルテックスミキサー等を用いて懸濁するという操作を繰り返し行ってもよい。ボルテックスミキサー等の公知の装置を用いずに混合液を懸濁する場合は、常に氷上で懸濁操作を行うことが好ましい。混合、懸濁させた後、室温でのインキュベーションを行わないことで、加熱工程への速やかな移行が可能になる。混合、懸濁させた後、速やかに加熱工程へ移行しない場合は、氷上等で保管しておくことが好ましい。
 宿主細胞は、破壊工程後に、加熱工程にかけられる。加熱工程は、宿主細胞由来のタンパク質を変性させるために行われ、その温度は64℃未満の温度であって、宿主細胞由来のタンパク質が変性する温度で行われる。加熱工程で使用される温度は、「加熱温度」又は「処理温度」ともいい、互いに同義で使用される。変性は、タンパク質のらせん構造やシート構造が破壊されることにより生じるが、タンパク質が変性する温度は、円二色性スペクトルや蛍光スペクトルのように、タンパク質の二次構造解析手法として公知のものにより決定することができる。
 本明細書で使用する場合、「64℃未満の温度であって、宿主細胞由来のタンパク質が変性する温度」とは、宿主細胞由来のタンパク質の構造が変化し、そのタンパク質の機能が失われる、特定の温度以上であって、64℃未満である温度のことである。また、宿主細胞由来のタンパク質は変性するが、好熱菌由来のタンパク質又はその相同体は変性しない温度のことである。
 加熱温度は、好熱菌の生育温度に応じて当業者が適宜決定することもできる。
 一実施形態において、加熱温度は50℃以上である。
 加熱温度は、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃又は63℃である。加熱温度は、53℃~62℃であることが好ましく、55℃~60℃であることがより好ましい。また、加熱工程の時間は、加熱温度によって変動するが、宿主細胞由来のタンパク質が変性すれば任意の時間であってよい。
 一実施形態において、加熱温度は約53~62℃、好ましくは約55~60℃である。
 一実施形態において、加熱温度が50~60℃の範囲内である場合、加熱工程の時間は、例えば5分、6分、7分、8分、9分、10分、11分、12分、13分、14分、15分、16分、17分、18分又は19分である。
 加熱は、当業者に公知のいかなる装置を用いてもよく、例えば、ヒートブロック等のインキュベーターを用いて加熱を行ってよい。また、工業的に生産する場合は、例えば、加熱用のタンクを用いて加熱を行ってもよい。
 宿主及び/又は宿主から産生されるタンパク質は、加熱工程後に冷却されてもよい。宿主で産生されたタンパク質は通常遠心分離等の工程によりその他の成分と分離されるが、宿主及び/又は宿主から産生されるタンパク質を冷却することで、冷却しない場合よりも、不溶性画分と可溶性画分とを明確に分離することができ、それにより、どちらかの画分に含まれる目的のリガーゼの回収量が増加し得る。冷却は、氷上で冷却されることが好ましいが、例えば、室温より低い温度で冷却されればよく、例えば、0~10℃で冷却されればよい。また、冷却する時間は、不溶性画分と可溶性画分とを明確に分離することができれば任意であってよいが、例えば、1~30分である。冷却工程は、加熱処理後速やかに行われることが好ましい。
 遠心分離法等を用いて宿主から産生されたキメラリガーゼは、冷却した後に回収される。
 産生されたキメラリガーゼは、当業者に公知の方法、例えば、アフィニティクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、又はゲルろ過クロマトグラフィー等によって精製されてよい。
 本実施形態は、キメラリガーゼの製造方法であって、好熱菌由来のリガ―ゼにおけるOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインを、好熱菌由来の異なる種の対応するドメインで置換する工程を含み、置換前のリガーゼとの比較でミスマッチ塩基対に対する識別能が向上している、方法、も提供する。置換する工程に代えて、所望とする配列を合成してもよい。例えば、形質転換体を通じでキメラリガーゼを製造する場合、キメラリガーゼを発現する遺伝子を含むベクターを合成してもよい。
 本実施形態のキメラリガーゼの性能の評価は、コントール、例えば置換前のリガーゼとの比較で行われる。両者の比較により、例えば、ミスマッチ塩基対の識別能の向上が決定される。
 ここで、ミスマッチ塩基対に対する識別能は、当業者に公知のいかなる方法によって評価されてもよいが、例えば、ミスマッチ塩基対を有する核酸と、その接合相手となる核酸とを含む試料をキメラリガーゼで処理した後、そのライゲーション産物を解析することで、ミスマッチ塩基対を有する配列を識別できるかどうかを評価することができる。ある特定のミスマッチ塩基対に対する識別能を評価する場合は、当該ミスマッチ塩基対を有する核酸と、その接合相手となる核酸とを含む試料をリガーゼで処理した後、そのライゲーション産物を解析することで、特定のミスマッチ塩基対に対する識別能を評価することができる。
 ライゲーション産物を解析することで評価する方法としては、例えば、相対接合率(%)(相対接合効率(%)であってもよい。)を用いて評価する方法がある。相対接合率(%)の算出方法は、接合する配列や比較対象に応じて、適宜決定することができる。例えば、比較対象がドメイン置換前のリガーゼの正確性である場合は、ある核酸試料をドメイン置換後のキメラリガーゼで処理した場合のライゲーション産物の量を、ミスマッチ塩基対を有さない当該核酸試料をドメイン置換前のリガーゼで処理した場合のライゲーション産物の量で割った値に100をかけた値を、相対接合率(%)とすることができる。また、ある核酸試料をリガーゼで処理した場合のライゲーション産物の量を、試料に含まれる当該核酸が全て接合された場合の量で割った値に100をかけて算出した値を、相対接合率(%)とすることもできる。ライゲーション産物の増幅産物を解析してミスマッチ塩基対の識別能を評価する場合は、増幅反応における、PCR効率(e)、比較対象とのCt値の差(ΔCt)等から、相対接合率(%)を算出してもよく、例えば、以下の式1で算出することができる。
<式1>
相対接合率(%)={1/(1+e)ΔCt}×100
 相対接合率(%)を用いて、本実施形態におけるキメラリガーゼが、置換前のリガーゼとの比較でミスマッチ塩基対に対する識別能が向上したことを評価する場合、例えば以下のように評価する。
 ミスマッチ塩基対を有するある核酸に対する置換前のリガーゼの相対接合率と、同じ核酸に対する置換後のキメラリガーゼの相対接合率とを比較することで、ドメイン置換前のリガーゼとドメイン置換後のキメラリガーゼの、ミスマッチ塩基対の識別能の正確性を比較し、ドメインを置換することで識別能の正確性が向上したかどうかを評価する。
 ミスマッチ塩基対を有する核酸試料をリガーゼで処理した場合の相対接合率(%)は、ミス接合率(%)と呼んでもよい。
 ミス接合率(%)が0%に近いほど、ミスマッチ塩基対を有する核酸を接合しなかったと評価することができる。また、ミスマッチ塩基対を有さない核酸試料をリガーゼで処理した場合の相対接合率(%)が、100%に近いほど、接合活性の高いリガーゼであると評価することができる。よって、例えば、ミスマッチ塩基対を有さない核酸試料をキメラリガーゼで処理した場合の相対接合率(%)が100%に近く、ミス接合率(%)が0%に近いキメラリガーゼは、高い正確性で、ミスマッチ塩基対を有さない配列を接合するキメラリガ-ゼであると評価することができる。
 ドメイン置換後のキメラリガーゼが、ドメイン置換前のリガーゼとの比較で、ミス接合率がより低く、かつ、ミスマッチ塩基対を有さない核酸試料を処理した場合の相対接合率が同等又はより高い場合に、ドメインを置換することでミスマッチ塩基対に対する識別能が向上したと評価してよい。
 第二の実施態様において、試料において変異した標的配列を検出する方法であって、前記試料と第一の実施態様として提供されるキメラリガーゼとを接触させる工程と、リガーゼ反応を解析する工程と、を含む、方法、が提供される。
 本明細書で使用する場合、「変異」とは、塩基の置換、欠失、又は塩基の挿入等が生じた1つ又は複数の塩基、また、その塩基の置換等が生じている状態を指す。「変異」は、「多型」と互換的に使用することができる。塩基の置換、欠失、又は塩基の挿入等が生じる塩基の位置や、置換、欠失する塩基数、また、挿入される塩基数は解析される標的配列によって異なる。変異の種類としては、特に限定されないが、ミスセンス変異、ナンセンス変異、フレームシフト変異、又はサイレント変異等が挙げられる。本実施形態において、変異は多型であってよく、一塩基多型であることが好ましい。
 本実施形態における変異した標的配列の検出は、キメラリガ-ゼの、ミスマッチ塩基対を識別することができる特性、すなわち、高い正確性で、ミスマッチ塩基対を有さない配列を接合するという特性を利用することで、可能になる。
 具体的には、変異の検出を必要とする試料であって、変異した配列が存在する場合に、キメラリガーゼによって高い正確性で接合される核酸を含む試料を、当該キメラリガーゼで処理すると、試料に変異した標的配列が存在する場合に、当該キメラリガーゼによる反応産物が得られるため、キメラリガーゼによって変異した標的配列を検出することが可能になる。
 そのような検出にはプローブが使用される。具体的には、変異した標的配列に相補的な、隣接する2つのプローブを、変異の検出を必要とする試料に添加して、その試料を当該リガーゼで処理すると、試料に変異した標的配列が含まれる場合、変異した標的配列にハイブリダイズした2つのプローブは、変異した標的配列との間でミスマッチ塩基対を生じないため、キメラリガーゼによって、高い正確性で接合される。一方で、試料に野生型配列が含まれる場合、野生型配列にハイブリダイズした2つのプローブは、野生型配列との間でミスマッチ塩基対を生じるため、キメラリガーゼによって、低頻度でしか接合されないか、又は全く接合されない。よって、キメラリガーゼで処理する試料に、変異した標的配列が含まれる場合には、キメラリガーゼによって接合された2つのプローブからなる反応産物が高頻度で得られるため、キメラリガーゼで処理したこの試料を解析することで、変異の有無等を知ることができる。すなわち、変異した標的配列を検出することができる。
 本実施形態において、変異の検出を必要とする試料には、変異の検出の対象となる標的配列や、変異の検出に必要なプローブが含まれ得る。標的配列は、任意の形態で試料に含まれてよく、例えば、ゲノムDNA、細胞サンプル、組織サンプル等の一部として、また、標的配列を含む領域を、PCR等によって増幅した増幅産物として、試料に含まれてよいが、増幅産物として試料に含まれることが好ましい。標的核酸が増幅産物として試料に含まれる場合、増幅する領域や、その長さは、当業者が適宜決定してよい。標的核酸は、一本鎖の核酸であってよく、二本鎖の核酸であってよい。試料に含まれる標的配列は、変異した標的配列と野生型の標的配列とが混合したものであってよく、変異した標的配列のみからなるものであってもよく、野生型の標的配列のみからなるものであってもよい。また、試料は、標的配列の他に、任意の配列、バッファー、試薬等も含んでいてもよい。
 本実施形態の方法は、試料とキメラリガーゼとを接触させる工程を含む。試料とキメラリガーゼとを接触させることで、試料に含まれる、変異があった場合に接合されるプローブのライゲーション反応が、キメラリガーゼによって触媒される。
 本実施形態において、キメラリガーゼは、任意のタイミングで試料に添加されてよい。試料に始めから含まれていてもよく、プローブを標的配列にハイブリダイズさせる工程が終わってから添加されてもよい。ハイブリダイズ工程と、キメラリガーゼによるライゲーション反応は、並行してよいし、又は、ハイブリダイズ工程の後に、ライゲーション反応を実施してもよい。また、キメラリガーゼと試料とを反応させる時間、及び処理温度等の各反応条件は、当業者が適宜決定することができる。
 本実施形態の方法は、リガーゼ反応を解析する工程を含んでもよい。リガーゼ反応の解析は、広くキメラリガーゼによるライゲーション反応の解析を指し、具体的には、変異した標的配列を検出するためのライゲーション反応の解析を指す。変異した標的配列を検出するためのライゲーション反応の解析は、特に限定されず、当業者に公知のいかなる方法であってもよいが、これまでに知られている、リガーゼを利用した、変異した標的配列の検出方法として、例えば、リガーゼ検出反応(LDR法:Ligase Detection Reaction)や、リガーゼ連鎖反応(LCR法:Ligation Chain Reaction)等がある。リガーゼ反応を解析する工程は、LDR法又はLCR法を含むことが好ましい。
 本実施形態における、リガーゼ反応を解析する工程は、ライゲーション反応産物を解析することを含む。ライゲーション反応産物には、変異した標的配列が存在する場合に高頻度で接合されることで生じる反応産物が含まれ得る。当該ライゲーション反応産物を解析することで、変異した標的配列の有無を決定することができる。
 ライゲーション反応産物を解析する方法は、特に限定されず、当業者に公知のいかなる方法によっても実施することができ、例えば、電気泳動、PCR等の増幅反応、マイクロアレイ解析、磁気ビーズを用いた解析等によって、解析することができる。反応産物を、蛍光物質や特定の配列等、任意の方法で標識して、解析してもよい。
 ミスマッチ塩基対の識別能を有さないリガーゼは、ライゲーションする、標的配列と検出のために用いられるプローブとが形成する二本鎖配列がミスマッチ塩基対を有していても、識別できずライゲーションしてしまうところ、キメラリガーゼは、ライゲーションにおいて、接合部付近にミスマッチ塩基対がない配列を識別することができる。この特性を利用して、キメラリガーゼは、変異した標的配列を検出することができる。本実施形態は、変異した標的配列を検出するための、キメラリガーゼ、も提供する。
LDR法
 本実施形態において、リガーゼ反応を解析する工程がLDR法を含む場合、すなわち、LDR法によって変異した標的配列を検出する場合、キメラリガーゼと接触させる試料は、変異の検出の対象となる標的配列、変異した標的配列と相補的な配列を含む核酸(以降、第1核酸とする)、及び標的配列の5’側又は3’側隣接配列と、相補的な配列を含む核酸(以降、第2核酸とする)の3つを含むことが好ましい。
 第1核酸、及び第2核酸は、二本鎖の核酸であってもよいが、一本鎖の核酸であることが好ましい。また、第1核酸、及び第2核酸は、それぞれ、標識プライマー、及び共通プライマーと呼んでもよい。
 第1核酸、及び第2核酸の長さは、数ヌクレオチド~数百ヌクレオチド、好ましくは、約10~200ヌクレオチドである。
 一実施形態において、第1核酸、及び第2核酸の長さは、数ヌクレオチド~数百ヌクレオチド、例えば、10~200ヌクレオチド、10~150ヌクレオチド、好ましくは、12~100ヌクレオチドである。
 LDR法の具体的な手順は、当業者が適宜決定することができるが、各手順の一例を、以下に記載する。
 まず、キメラリガーゼと接触させる試料において、第1核酸、及び第2核酸を、標的配列を含む一本鎖配列にハイブリダイズさせる。標的配列が二本鎖を形成した状態で試料に含まれる場合は、試料を加熱して、標的配列の二本鎖を変性させて一本鎖にしてから、ハイブリダイズさせてもよい。
 ハイブリダイズと並行して、又はハイブリダイズが完了した後、試料はキメラリガーゼと接触される。
 標的配列に変異が含まれる場合、核酸は、キメラリガーゼによって、高い正確性で、接合され得る。例えば、変異した標的配列を含む一本鎖配列が、第1核酸と、相補的な二本鎖配列を形成する結果、変異した標的配列を含む一本鎖配列にハイブリダイズした、第1核酸、及び第2核酸は、ミスマッチ塩基対の識別能を有するキメラリガーゼによって、高い正確性で、接合される。
 一方で、標的配列に変異が含まれない場合、核酸は、キメラリガーゼによって、低頻度でしか接合されないか、又は全く接合されない。例えば、変異していない野生型の標的配列を含む一本鎖配列が、第1核酸と、ミスマッチ塩基対を有する二本鎖配列を形成する結果、変異した標的配列を含む一本鎖配列にハイブリダイズした、第1核酸、及び第2核酸は、ミスマッチ塩基対の識別能を有するキメラリガーゼによって、低頻度でしか接合されないか、又は全く接合されない。
 キメラリガーゼと試料とを接触させる際、キメラリガーゼによるミスマッチ塩基対の識別をより正確にするために、接合部の両側3塩基以内にミスマッチ塩基対が存在することが好ましい。すなわち、変異を有さない標的配列を含む一本鎖配列にハイブリダイズした際に、接合部の両側3塩基以内にミスマッチ塩基対が存在するように、第1核酸の塩基配列を設計することが好ましい。例えば、第1核酸、及び第2核酸が、標的配列を含む一本鎖配列にハイブリダイズした際に、第1核酸の3’末端側に、第2核酸が存在する場合を例に説明する。この場合、標的配列における変異した塩基と相補的な塩基が、第1核酸の3’末端、3’末端の1塩基隣、及び/又は3’末端の2塩基隣に、位置することが好ましい。このような配置では、標的配列における変異した塩基と相補的な塩基が存在する場合、第1核酸が、変異を有さない標的配列を含む一本鎖配列にハイブリダイズした際に、接合部の両側1、2、及び/又は3塩基以内に、ミスマッチ塩基対が生じることになるため、キメラリガーゼは、より正確にミスマッチ塩基対を認識することができるようになる。よって、接合部の両側3塩基以内にミスマッチ塩基が存在する場合には、キメラリガーゼによる接合率が低くなる。
 ここで、第1核酸、及び第2核酸は、それぞれ、それらと相補的な配列を連続した配列として含む限り、他に、任意の配列を含んでもよい。当該任意の配列の、各核酸における位置、長さは、当業者によって適宜決定されてよいが、標的配列を含む一本鎖配列にハイブリダイズした際に、接合部の両側3塩基以内となる位置以外に、当該任意の配列を含むことが好ましい。また、当該任意の配列は、試料を解析する際に標識となるような配列であってもよい。
 リガーゼ反応後、試料内に変異した標的配列が存在する場合には、キメラリガーゼによってライゲーションされた、第1核酸、及び第2核酸を含む反応産物が生じるが、変異した標的配列が存在しない場合には、そのような反応産物が、低頻度でしか生じないか、又は全く生じない。よって、試料における変異した標的配列の有無は、LDR法の反応産物の有無に基づいて決定され得る。
 以上から、キメラリガーゼは、正確性の高いミスマッチ識別能を持ったリガーゼが必要とされるLDR法にも適用することができるため、本実施形態は、LDR法によって変異した標的配列を検出する方法も提供する。また、本実施形態は、LDR法によって変異した標的配列を検出するための、キメラリガーゼ、も提供する。
 また、本実施形態の、LDR法による方法で検出される、変異した標的配列は、1種類に限られない。複数の種類の、変異した標的配列の検出は、複数の変異に対応した、第1核酸を、試料に含ませることで、可能になる。
LCR法
 本実施形態において、リガーゼ反応を解析する工程がLCR法を含む場合、すなわち、LCR法によって変異した標的配列を検出する場合、キメラリガーゼと接触させる試料は、変異の検出の対象となる標的配列、変異した標的配列と相補的な配列を含む核酸(第1核酸)、標的配列の5’側又は3’側隣接配列と、相補的な配列を含む核酸(第2核酸)、変異した標的配列を含む核酸(以降、第3核酸とする)、及び標的配列の5’側又は3’側隣接配列を含む核酸(以降、第4核酸とする)の5つを含むことが好ましい。
 第1核酸、第2核酸、第3核酸、及び第4核酸は、二本鎖の核酸であってもよいが、一本鎖の核酸であることが好ましい。
 第1核酸、第2核酸、第3核酸、及び第4核酸の長さは、数ヌクレオチド~数百ヌクレオチド、好ましくは、約10~200ヌクレオチドである。
 一実施形態において、第1核酸、第2核酸、第3核酸、及び第4核酸の長さは、数ヌクレオチド~数百ヌクレオチド、例えば、10~200ヌクレオチド、10~150ヌクレオチド、好ましくは、12~100ヌクレオチドである。
 LCR法の具体的な反応工程は、当業者が適宜決定することができるが、各工程の一例を、以下に記載する。
 まず、リガーゼと接触させる試料において、第1核酸、及び第2核酸は、標的配列を含む一本鎖配列にハイブリダイズされ、さらに、第3核酸、及び第4核酸を、変異した標的配列を含む一本鎖配列の相補鎖にハイブリダイズされる。標的配列が二本鎖を形成した状態で試料に含まれる場合は、試料を加熱して、標的配列の二本鎖を変性させて一本鎖にしてから、ハイブリダイズさせてもよい。
 ハイブリダイズが完了した後、試料はキメラリガーゼと接触される。
 標的配列に変異が含まれる場合、核酸は、キメラリガーゼによって、高い正確性で、接合され得る。例えば、変異した標的配列を含む一本鎖配列が、第1核酸と、相補的な二本鎖配列を形成する結果、変異した標的配列を含む一本鎖配列にハイブリダイズした、第1核酸、及び第2核酸は、ミスマッチ塩基対の識別能を有するキメラリガーゼによって、高い正確性で、接合される。あるいは、変異した標的配列を含む一本鎖配列の相補鎖が、第3核酸と相補的な二本鎖配列を形成する結果、変異した標的配列を含む一本鎖配列の相補鎖にハイブリダイズした、第3核酸、及び第4核酸は、ミスマッチ塩基対の識別能を有するキメラリガーゼによって、高い正確性で、接合される。
 一方で、標的配列に変異が含まれない場合、核酸は、キメラリガーゼによって、低頻度でしか接合されないか、又は全く接合されない。例えば、変異を有さない標的配列を含む一本鎖配列が、第1核酸と、ミスマッチ塩基対を有する二本鎖配列を形成する結果、変異した標的配列を含む一本鎖配列にハイブリダイズした、第1核酸、及び第2核酸は、ミスマッチ塩基対の識別能を有するキメラリガーゼによって、低頻度でしか接合されないか、又は全く接合されない。あるいは、変異を有さない標的配列を含む一本鎖配列の相補鎖が、第3核酸と、ミスマッチ塩基対を有する二本鎖配列を形成する結果、変異した標的配列を含む一本鎖配列の相補鎖にハイブリダイズした、第3核酸、及び第4核酸は、ミスマッチ塩基対の識別能を有するキメラリガーゼによって、低頻度でしか接合されないか、又は全く接合されない。
 キメラリガーゼと試料とを接触させる際、キメラリガーゼによるミスマッチ塩基対の識別をより正確にするために、接合部の両側3塩基以内にミスマッチ塩基対が存在することが好ましい。すなわち、変異を有さない標的配列を含む一本鎖配列、又は変異を有さない標的配列を含む一本鎖配列の相補鎖にハイブリダイズした際に、接合部の両側3塩基以内にミスマッチ塩基対が存在するように、第1核酸、又は第3核酸の塩基配列を設計することが好ましい。
 例えば、第1核酸、及び第2核酸が、標的配列を含む一本鎖配列にハイブリダイズした際に、第1核酸の3’末端側に、第2核酸が存在する場合、標的配列における変異した塩基と相補的な塩基が、第1核酸の3’末端、3’末端の1塩基隣、及び/又は3’末端の2塩基隣に、位置することが好ましい。
 また、例えば、第3核酸、及び第4核酸が、標的配列を含む一本鎖配列の相補鎖にハイブリダイズした際に、第3核酸の3’末端側に、第4核酸、が存在する場合、標的配列における変異した塩基が、第3核酸の3’末端、3’末端の1塩基隣、及び/又は3’末端の2塩基隣に、位置することが好ましい。
 このような配置では、標的配列における変異した塩基と相補的な塩基、又は標的配列における変異した塩基が存在する場合、第1核酸、又は第3核酸が、それぞれ、変異を有さない標的配列を含む一本鎖配列、又は変異を有さない標的配列を含む一本鎖配列の相補鎖にハイブリダイズした際に、接合部の両側1、2、及び/又は3塩基以内に、ミスマッチ塩基対が生じることになるため、キメラリガーゼは、より正確にミスマッチ塩基対を認識することができるようになる。よって、接合部の両側3塩基以内にミスマッチ塩基が存在する場合には、リガーゼによる接合率が低くなる。
 ここで、第1核酸、第2核酸、第3核酸、及び第4核酸は、それぞれ、核酸に含まれる各配列を連続した配列として含む限り、他に、任意の配列を含んでもよい。当該任意の配列の、各核酸における位置、長さは、当業者によって適宜決定されてよいが、標的配列を含む一本鎖配列、又はその相補鎖にハイブリダイズした際に、接合部の両側3塩基以内となる位置以外に、当該任意の配列を含むことが好ましい。また、第1核酸、第2核酸、第3核酸、及び第4核酸に含まれる任意の配列は、試料を解析する際に標識となるような配列であってもよい。
 リガーゼ反応後、試料内に変異した標的配列が存在する場合には、キメラリガーゼによってライゲーションされた、第1核酸、及び第2核酸を含む反応産物、及び、第3核酸、及び第4核酸を含む反応産物、が生じる。これらの2つの反応産物は、2本鎖を形成していてもよい。
 これらの2つの反応産物、及び試料に含まれる標的配列は、変異した標的配列を含む一本鎖配列、又は、変異した標的配列を含む一本鎖配列の相補鎖として働き、試料における、第1核酸、第2核酸、第3核酸、及び第4核酸と反応することができるため、上記のハイブリダイズ工程及びライゲーション工程を更に繰り返すことで、試料が変異した標的配列を含む場合、変異した標的配列を含む配列、及びその相補鎖を指数関数的に増やすことができる。試料において、変異した標的配列が存在しない場合には、そのような反応産物が、低頻度でしか生じないか、又は全く生じない。よって、試料における変異した標的配列の有無は、LCR法の反応産物の有無から決定され得る。
 以上から、キメラリガーゼは、正確性の高いミスマッチ識別能を持ったリガーゼが必要とされるLCR法にも適用することができるため、本実施形態は、LCR法によって変異した標的配列を検出する方法も提供する。また、本実施形態は、LCR法によって変異した標的配列を検出するための、第一の実施態様として提供されるリキメラガーゼ、も提供する。
 また、本実施形態の、LCR法による方法で検出される、変異した標的配列は、1種類に限られない。複数の種類の、変異した標的配列の検出は、複数の変異に対応した、第1核酸、及び第3核酸を、試料に含ませることで可能になる。
 キメラリガーゼがLDR法やLCR法に適用可能か否かは、ミスマッチ塩基対の識別能を確認する手段を用い、任意の方法により評価することができる。例えば、LDR法やLCR法における工程を再現した実験に供与することで評価することができ、また、LDR法やLCR法に準じた工程を実施する実験に供与することでも、評価することができる。
 また、キメラリガーゼがLDR法やLCR法に適用可能か否かは、例えば、変異した標的配列、変異した標的配列に相補的な配列、変異していない標的配列に相補的な配列、及び標的配列の隣接配列に相補的な配列を含む試料に対して、キメラリガーゼを反応させた際の、変異した標的配列に相補的な配列、及び標的配列の隣接配列に相補的な配列を含むライゲーション産物と、変異していない標的配列に相補的な配列、及び標的配列の隣接配列に相補的な配列を含むライゲーション産物とを比較することで評価することができる。すなわち、キメラリガーゼがLDR法やLCR法に適用可能か否かは、ミスマッチ塩基対が接合部付近にあるのにもかかわらず、接合されることで生じる、変異していない標的配列に相補的な配列、及び標的配列の隣接配列に相補的な配列を含むライゲーション産物の量や、割合等によって、評価することができる。例えば、ミス接合率(%)に基づいて、評価してよい。
 キメラリガーゼがLDR法やLCR法に適用可能か否かは、また、例えば、変異した標的配列、変異していない標的配列、及び、変異した標的配列に相補的な配列を含む一本鎖環状配列の、変異を有する部位付近にニックが入って開環した一本鎖配列、を含む試料に対して、リガーゼを反応させることでも、評価することができる。試料における、変異した標的配列、変異していない標的配列は、増幅産物として含まれることが好ましい。
 この場合、ニックがライゲーションされることで、変異した標的配列に相補的な配列を含む環状配列がライゲーション産物として生じる。よって、ミスマッチ塩基対を識別できるキメラリガーゼかどうかは、変異した標的配列を添加した際の、環状配列を含むライゲーション産物と、変異していない標的配列を添加した際の、環状配列を含むライゲーション産物とを比較することで、評価することができる。キメラリガーゼがLDR法やLCR法に適用可能か否かは、また、ライゲーションにより環状化して、ニックを含む領域をPCR等によって増幅することができるようになるため、当該増幅産物を解析することでも、評価することができる。すなわち、キメラリガーゼがLDR法やLCR法に適用可能か否かは、ミスマッチ塩基対が接合部付近にあるのにもかかわらず、接合されることで生じる、環状配列を含むライゲーション産物、又はニックを含む領域の増幅産物の量や、割合等によって、評価することができる。例えば、ミス接合率(%)に基づいて、評価してよい。
(変異した標的配列を検出するためのキット)
 第三の実施態様において、変異した標的配列を検出するためのキットであって、第一の実施態様として提供されるキメラリガーゼを含む、キット、が提供される。
 本実施形態のキットとして提供されるキメラリガーゼは、任意のバッファー、核酸、その他必要な試薬等と一緒に提供されてよい。キメラリガーゼは、特に、リガーゼ検出反応(LDR)又はリガーゼ連鎖反応(LCR)に使用される試薬と一緒に提供されることが好ましく、他には、例えば、ジチオトレイトール、水、塩化カリウム、EDTA、Tris-HCl、BSA、DMSO、グリセロール、DNA又はRNA分解酵素阻害剤、界面活性剤等と一緒に提供されてもよい。LDRに使用される試薬は、変異した標的配列と相補的な配列を含む核酸、及び標的配列の5’側又は3’側隣接配列と、相補的な配列を含む核酸を含んでいてもよい。LCRに使用される試薬は、変異した標的配列と相補的な配列を含む核酸、変異した標的配列を含む核酸、標的配列の5’側又は3’側隣接配列と、相補的な配列を含む核酸、及び標的配列の5’側又は3’側隣接配列を含む核酸を含んでいてもよい。
 本実施形態のキットは、キメラリガーゼと、任意のバッファー、核酸、その他必要な試薬等とが一緒の容器に入れられて提供されてもよく、試薬はそれぞれ別の容器で提供されてもよい。また、試薬がそれぞれ別の容器に入れて提供される場合、それらの容器は1つの箱等にまとめて提供されてもよい。
 本実施形態のキットは、キットに含まれるキメラリガーゼ、及び、必要に応じて、一緒に提供される試薬等を、変異の検出を必要とする試料と反応させることで、変異した標的配列を検出することを可能にする。変異した標的配列の検出は、好ましくは、変異の検出を必要とする試料を、キメラリガーゼを含む本実施形態のキットで処理した後、当該試料を解析することで可能になる。変異した標的配列の検出は、より好ましくは、変異の検出を必要とする試料を、キメラリガーゼを含む本実施形態のキットで処理した後、変異があった場合に生じるライゲーション産物を解析することで可能になる。
 本実施形態のキットは、LDRによって変異した標的配列を検出するためのキットであってもよく、LCRによって変異した標的配列を検出するためのキットであってもよい。
 本実施形態は、キメラリガーゼを含む、キットを用いて、変異した標的配列を検出する方法も提供する。
 以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<キメラタンパク質組み換え部位の設計>
 Thermus species(Tsp)由来LigA(配列番号1)、Thermus thermofilus(Tth)由来LigA(配列番号2)、Thermus brockianus(Tbr)由来LigA(配列番号3)、Thermus thermophilus(Tfi)由来LigA(配列番号4)、Thermus Oshimai(Tos)由来LigA(配列番号5)のアミノ酸相同性解析を行い、316番目から329番目アミノ酸(AYKFPAEEKETRLL=配列X)、421番目から443番目アミノ酸(KEGKVHRCPNPLCPAKRFEAIRH=配列Y)、602番目から616番目アミノ酸(TGELSRPREEVKALL=配列Z)が種間でアミノ酸配列が保存されていることを見出した。配列Xの上流にはアデニル化ドメイン(ドメイン1)が、配列Xと配列Yの間はオリゴマー結合ドメイン(OBフォールドドメイン)及び亜鉛フィンガードメイン(両者でドメイン2)が、配列Yと配列Zの間にはヘリックスーヘアピン―ヘリックスドメイン(ドメイン3)が、配列Zの下流にはBRCTドメイン(ドメイン4)が存在する。図1に、Thermus属細菌由来のリガーゼにおける、アデニル化ドメイン(アデニル化)、OBフォールドドメイン(OB)、亜鉛フィンガードメイン(Zn)、ヘリックスーヘアピン―ヘリックスドメイン(HhH)、及びBRCTドメイン(BRCT)の位置関係の例を示した。
 種間で保存されている領域である配列X~Zを利用して、Gibson Assembly組換え法により、Tth LigAのドメイン1~4をTsp LigAの同ドメインと各々組換えたキメラLigA発現コンストラクトを作製した(配列番号6~9)。配列X~Zを末端に含む領域を、それぞれ組換えた。
 また、Tbr LigA,Tfi LigA,Tos LigAのドメイン2をTsp LigAの同ドメインと組み替えたキメラLigA発現コンストラクトを作製した(配列番号10~12)。
 なお、全てのコンストラクトのN末端には6×His配列及びTEVプロテアーゼ認識配列を付加した(配列番号13)。
<形質転換>
 Tsp LigAコンストラクト、Tth LigAコンストラクト、Tbr LigAコンストラクト、Tfi LigAコンストラクト、Tos LigAコンストラクト、Tth/Tsp(ドメイン1) LigAコンストラクト、Tth/Tsp(ドメイン2) LigAコンストラクト、Tth/Tsp(ドメイン3) LigAコンストラクト、Tth/Tsp(ドメイン4) LigAコンストラクト、Tbr/Tsp(ドメイン2) LigAコンストラクト、Tfi/Tsp(ドメイン2) LigAコンストラクト、Tos/Tsp(ドメイン2) LigAコンストラクトが組み込まれたpETベクターをBL21(DE3)コンピテントセル(Thermo Fisher社、Cat:EC0114)に形質転換した。形質転換した大腸菌をアンピシリン含有LBプレートに播種して一晩37℃条件で培養し、大腸菌コロニーを形成させた。
<酵素タンパク質発現誘導>
 シングルコロニーを少量のカルベニシリン含有液体LB培地に播種し、一晩37℃条件で振盪培養した(225rpm、前培養)。翌日、新しいカルベニシリン含有液体LB培地に1/40量の前培養液を加えて4時間37℃条件で振盪培養した(225rpm、本培養)。本培養液のOD600値が0.4-0.6の間であることを確認し、終濃度0.1mMのIPTG(富士フイルム和光、Cat:099-05013)を添加し、3時間30℃条件で振盪培養した(225rpm、IPTG誘導)。IPTG誘導大腸菌液を回収し、遠心分離(10,000xg, 10分, 4℃)により大腸菌ペレットを回収し、湿重量を測定した上で、-80℃冷凍庫内で一晩以上凍結させた。
<大腸菌の溶菌及び可溶性画分採取>
 凍結大腸菌を氷上に移し、1,000U/mL rLysozyme(Novagen、Cat:71110-4)+1/200 Volume Protease inhibitor cocktail(Millipore、Cat:539134-1MLCN)含有BugBuster(Novagen、Cat:70921-4)を大腸菌湿重量1gあたり5mL添加し、温まらないように速やかにボルテックスで完全に懸濁させた。大腸菌懸濁液を1.5mLマイクロチューブに分注し、60℃に設定した各ヒートブロックに移し、15分間振盪反応させた(600rpm)。加熱処理後速やかに氷上に設置したアルミブロック上に移し、15分間冷却処理し沈殿を熟成させた。遠心分離処理(16,000xg,20分,4℃)後、可溶性画分を回収し、新しい1.5mLマイクロチューブに移した。
<Hisアフィニティ精製>
 250μLのHis-Affinity Gel(His-Spin Protein Miniprep kit(ZymoResearch、Cat:P2002)同梱品)をHis-Spin cplumnHis-Spin Protein Miniprep kit同梱品)に移し、遠心分離処理(15,000xg,20秒,4℃)でゲル分散液を除去した。可溶性画分300μLを添加し、25℃で5分間振盪処理した(1,500rpm)。遠心処理(同上)し、フロースルー液をデカントで廃棄した。250μLの洗浄バッファー(10mMイミダゾール(ナカライテスク、Cat:08787-22)、0.03%トライトンX(登録商標)-100(富士フイルム和光、Cat:160-24751)を添加して、穏やかにボルテックスで混和し、遠心処理(同上)する。フロースルー液を廃棄し、同洗浄操作をさらに2回繰り返した。カラムを新しい1.5mLマイクロチューブにセットし、250μLのHis-Elution Buffer(His-Spin Protein Miniprep kit同梱品)を添加して、ボルテックスにより10秒程度混和し、氷上で1分以上静置した。遠心処理(同上)により、溶出液を回収した。 溶出液量を正確に記録した。
<溶出液中タンパク質濃度測定>
 吸光度計を用いてタンパク質を構成する芳香族アミノ酸(チロシン,トリプトファン)の側鎖に由来する280nmの吸収量を測定することでタンパク質濃度を計測した。測定に際しては、ブランク液としてHis-Elution Bufferを用いた。溶出液量と測定値の乗算値を用いた大腸菌湿重量で除することで、収量(μgタンパク質/μg菌体湿重量)を算出した。
<リガーゼ活性評価―ssDNAオリゴ架橋リガーゼ反応>
 各LigAのタンパク質濃度が3.4ng/μLとなるようにLigA希釈液(10mM Tris-HCl、pH7.4、100mM塩化カリウム(ナカライテスク、Cat:28538-75)、0.1mM EDTA(Thermo Fisher Scientific、Cat:15575-020)、1mM ジチオトレイトール、0.1% トライトンX(登録商標)-100、50%グリセロール)で各溶出液を希釈した。20nM鋳型DNAオリゴ(配列番号14から配列番号20のいずれかのDNAオリゴ)、20nM架橋ssDNAオリゴ(配列番号21から配列番号28のいずれかのDNAオリゴ)、1×HiFi Taq Ligase Buffer(New England Biolabs、Cat:M0647S添付バッファー)を含む反応液に10v/v%となるように上記希釈LigA液を添加して、よく混和した。95℃で5分間熱変性処理を行い、特に断りがない限りは、50℃で1時間リガーゼ反応を行った。反応終了後速やかに冷却し、反応停止液(80%ホルムアミド(富士フイルム和光、Cat:066-02301)、100mM EDTA)を反応液の1.5倍量添加して、混和後氷上に静置した。
<リガーゼ活性評価―dsDNAアンプリコン架橋リガーゼ反応>
 各LigAのタンパク質濃度が3.4ng/μLとなるようにLigA希釈液(10mM Tris-HCl、pH7.4、100mM塩化カリウム(ナカライテスク、Cat:28538-75)、0.1mM EDTA(Thermo Fisher Scientific、Cat:15575-020)、1mM ジチオトレイトール、0.1% トライトンX(登録商標)-100、50%グリセロール)で各溶出液を希釈した。10nM鋳型DNAオリゴ(配列番号14から配列番号20のいずれかのDNAオリゴ)、10nM架橋dsDNAアンプリコン(配列番号29から配列番号36のいずれかのDNAオリゴ)、1×HiFi Taq Ligase Buffer(New England Biolabs、Cat:M0647S添付バッファー)を含む反応液に10v/v%となるように上記希釈LigA液を添加して、良く混和した。95℃で5分間熱変性処理を行い、50℃で3分間、80℃で15秒を1サイクルとして15サイクルリガーゼ反応を行った。
<リガーゼ活性評価―定量リアルタイムPCR反応>
 反応停止処理済み反応液をUltraPure DNase/RNase-Free Distilled Waterで40,000倍希釈し、1XPrime Time PCR Assay(Integrated DNA Technologies、20 μMの配列番号37及び38、10μMの配列番号39のDNAオリゴから構成される。配列番号39には5’末端に蛍光分子であるFAMが、3’末端に消光分子であるIowa Black(登録商標) FQが修飾されている)、1XPrimeTime Gene Expression Master Mix(Integrated DNA Technologies 、Cat;1055771)から成る定量リアルタイムPCR反応液に2μL添加した。3分間の95℃熱変性処理後、15秒の95℃熱変性処理、30秒の60℃伸長反応を1サイクルとして計45サイクルのPCR反応を行った。蛍光シグナルは各サイクル終了後に1回検出した。測定した蛍光シグナル増幅曲線の二次導関数(2回微分した曲線)が最大となる位置をCt値として算出した。
<実施例1>
 各BRAF遺伝子変異を検出するための検出鋳型DNAオリゴの5’側及び3’側の各13塩基ずつに対して完全相補的な配列を含み、検出鋳型DNAオリゴの5’側及び3’側にアニーリングした際ニックを形成する架橋ssDNAオリゴ(検出鋳型DNAオリゴと架橋ssDNAオリゴの変異バリアントが対応した条件)、あるいは、同様に検出鋳型DNAオリゴにアニーリングした際ニックを形成するが、検出鋳型DNAオリゴと完全相補的でなく、検出鋳型DNAオリゴと3’側にミスマッチを生じるBRAF 架橋ssDNAオリゴ(ミスマッチ条件)の存在下において、ニックが接合されて検出鋳型DNAオリゴが環状化した効率(%)を評価した。
 Tth LigAを用い、検出鋳型DNAオリゴと架橋ssDNAオリゴの変異バリアントが対応した条件の接合量を100%とした場合の、各ミスマッチ条件における、上記で算出したCt値を用いた相対接合率を図2に示した。いずれのミスマッチの組合せにおいても、相対接合率が概ね1%未満と良好な正確性を示したものの、8つの組合せにおいて、1%を上回り、最大3.65%のミス接合が生じた。なお、Tth LigAは先行文献1(Nucleic Acids Research, 1996, Vol. 24, No. 14 3071-3078)において正確性が高いと言われている。
<実施例2>
 実施例1の試験に対して、架橋核酸としてssDNAオリゴではなく、各BRAF遺伝子変異を有するプラスミドDNAから増幅して精製したアンプリコンを架橋核酸(架橋dsDNAアンプリコン)として使用した場合の、正確性を評価した。Tth LigAを用い、検出鋳型DNAオリゴと架橋dsDNAアンプリコンの変異バリアントが一致した条件の接合量を100%とした場合の、各ミスマッチ条件における、上記で算出したCt値を用いた相対接合率を図3に示した。架橋dsDNAアンプリコンを使用した場合において、正確性が5%を上回る組み合わせが13通り観察された。正確性が1%を上回る組み合わせは合計19つであった。
<実施例3>
 先行文献2(Nucleic Acids Research, 1999, Vol. 27, No. 3)において、Tsp LigAはTth LigAよりも正確性が高いと報告されているため、実施例1で使用したTth LigAの代わりにTsp LigAを用いて、その正確性を評価した(図4)。Tth LigA(図2)に比べて、正確性が向上し、わずかに1つの組合せにおいてのみ正確性が1%を上回った。
<実施例4>
 同様に架橋核酸としてdsDNAアンプリコンを使用して、実施例2の試験で使用したTth LigAの代わりにTsp LigAを用いて、その正確性を評価した(図5)。Tth LigA(図3)に比べて、正確性が向上し、正確性が5%を上回る組み合わせが3通、正確性が1%を上回る組み合わせは合計8つに減った。
 一方、Tsp LigAはTth LigAに比べて、架橋核酸としてdsDNAアンプリコンを用いた完全相補条件での環状化効率が低く、特にE1,D,Gの検出鋳型DNAオリゴを用いた場合に半分以下であった(図6)。すなわち、長鎖dsDNAを架橋核酸として使用した時の接合効率が低いと考えられた。
<実施例5>
 Tsp LigAを用いて、dsDNAアンプリコンを架橋核酸とした場合の接合活性の低さは、反応速度に起因すると考え、ssDNAオリゴを架橋核酸として用いた場合の反応速度を評価した。実施例1、3の試験条件のうち、リガーゼ反応時間を5,10,20,30,45,60分とし、検出鋳型DNAオリゴ及び架橋ssDNAオリゴにBRAF E1を用いた。Tth LigAが反応時間10分で接合反応がほぼプラトーに達していたのに対して、Tsp LigAはプラトーに達するまで約45分を要した。予想した通り、反応速度の低さが架橋核酸をdsDNAにした場合の反応率の低さの原因であると考えた。
<実施例6>
 Tsp LigAの高い正確性と、Tth LigAの高速な反応性の特性を併せ持つ酵素を作製するため、Tth LigAにおけるドメイン1~4を、それぞれTsp LigAの対応するドメインで置換したTth/TspキメラLigAを合成し、実施例1の試験条件のうち、検出鋳型DNAオリゴにBRAF E1を用いて、完全相補的な架橋核酸としてBRAF E1 ssDNAオリゴを、ミスマッチ架橋核酸としてBRAF G ssDNAオリゴを用いた。図8に示した通り、完全相補鎖となる架橋核酸を用いた条件(Perfect Match)において、いずれのキメラLigAもTsp LigAの反応効率を上回り、ミスマッチ架橋核酸を用いた条件(Mis-match)において、Tsp LigAのドメイン1とドメイン2を組み込んだキメラLigA(chimera1, chimera2)についてはTth LigAよりも正確性が向上した。
<実施例7>
 実施例6でTsp LigAよりも反応性が向上し、Tth LigAよりも正確性が向上したTth/Tsp ドメイン1 キメラLigA(図9、Chimera1)及びTth/Tsp ドメイン2 キメラLigA(図9、Chimera2)に関して、実施例5と同様に反応速度を評価した。検討の結果、両キメラLigAともTsp LigAは元より、Tth LigAよりも、接合産物量が増大し、反応速度もTsp LigAに比して大幅に向上した。その効果は、Tth LigAのドメイン2をTsp LigAのドメイン2で組み替えたTth/Tsp ドメイン2 キメラLigAでより顕著であった。
<実施例8>
 実施例6,7において、Tsp LigAの正確性とTth LigAの反応性を持ち合わせたTth/Tsp ドメイン2 キメラLigAについて、架橋核酸としてdsDNAアンプリコンを用いた場合の反応性及び正確性を評価した。検出鋳型DNAオリゴにBRAF E1を用いて、完全相補的な架橋核酸としてBRAF E1 dsDNAアンプリコンを、ミスマッチ架橋核酸としてBRAF G dsDNAアンプリコンあるいはBRAF K dsDNAアンプリコンを用いた。図10に示した通り、Tth LigAを用いた場合の相対接合率を100%とした場合の、上記で算出したCt値を用いたTth/Tsp ドメイン2 キメラLigA(図9、Chimera2)の相対接合効率は、Tsp LigA使用時に半分まで低下していたところ、約80%まで回復した。一方、BRAF G dsDNAアンプリコンを架橋核酸に用いた場合に、Tth LigAでは約20%のミス接合が起こっていたものが、キメラLigAではTsp LigAと同等の正確性が付与されていた。
<実施例9>
 Tsp LigAのドメイン2を組み込んだキメラLigAは高正確性が付与される効果が普遍的にあることを確認するため、Tbr LigA、Tfi LigA、Tos LigAのドメイン2をTsp LigAのドメイン2で組み替えたキメラLigAをそれぞれ作製し、正確性改善効果を評価した。
 リガーゼ反応時の検出鋳型DNAオリゴには配列番号40、43、46、49、14、52のいずれかを用い、各検出鋳型DNAオリゴに完全相補的な架橋ssDNAオリゴには配列番号41、44、47、50、21、53のいずれかを、ミスマッチ架橋ssDNAオリゴには配列番号42、45、48、51、28、24のいずれかを用いた。
 また、定量リアルタイムPCR反応時には、配列番号54から配列番号62のうち、解析する遺伝子バリアント種にマッチした3種類のプライマー・プローブセットを使用した。
 表7に示す通り、16通りの検出鋳型DNAオリゴとミスマッチ架橋ssDNAオリゴの使用組合せにおいて、キメラLigAを使用することで、14個で正確性改善効果が見られた。特に、野生型LigA使用時の正確性が低かった組合せにおいて、Tsp LigAドメイン2組み替えによる正確性改善効果がより顕著であった。

Claims (14)

  1.  キメラリガーゼであって、好熱菌由来のリガ―ゼにおけるOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインが、好熱菌由来の異なる種の対応するドメインで置換されており、置換前のリガーゼとの比較でミスマッチ塩基対に対する識別能が向上している、キメラリガーゼ。
  2.  好熱菌由来の異なる種の対応するドメインが、サーマス・スピーシーズ(Thermus Species)に由来する、請求項1に記載のキメラリガーゼ。
  3.  キメラリガーゼであって、好熱菌由来のリガ―ゼにおけるOBフォールドドメイン又はアデニル化ドメインが、
    1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるリガーゼ;
    2)配列番号1に示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるリガーゼ;
    3)配列番号1に示されるアミノ酸配列の1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるリガーゼ;並びに
    4)配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列によってコードされるリガーゼ
    からなる群から選択される、好熱菌由来の異なる種のリガーゼの対応するドメインで置換されている、キメラリガーゼ。
  4.  OBフォールドドメインに対応するドメインが、配列番号1の320番目~406番目のアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項3に記載のキメラリガーゼ。
  5.  アデニル化ドメインに対応するドメインが、配列番号1の73番目~319番目のアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項3に記載のキメラリガーゼ。
  6.  置換前のリガーゼとの比較で、リガーゼによる接合部の両側3塩基以内にミスマッチ塩基対が存在する場合の接合率が低くなっている、請求項1~5のいずれか1項に記載のキメラリガーゼ。
  7.  置換前の好熱菌由来のリガーゼが、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)、サーマス・ブロキアヌス(Thermus brockianus)、サーマス・フィリフォルミス(Thermus filiformis)、又はサーマス・オシマイ(Thermus oshimai)由来のリガーゼである、請求項1~5のいずれか1項に記載のキメラリガーゼ。
  8.  置換前の好熱菌由来のリガーゼが、
    1)配列番号2~5のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列からなるリガーゼ;
    2)配列番号2~5のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるリガーゼ;
    3)配列番号2~5のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列の1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるリガーゼ;並びに
    4)配列番号2~5のうちいずれか1つに示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列によってコードされるリガーゼ
    からなる群から選択されるリガーゼである、請求項1~5のいずれか1項に記載のキメラリガーゼ。
  9.  変異した標的配列を検出するためのキットであって、請求項1~5のいずれか1項に記載のキメラリガーゼを含む、キット。
  10.  リガーゼ検出反応(LDR)又はリガーゼ連鎖反応(LCR)に使用される試薬を更に含む、請求項9に記載のキット。
  11.  試料において変異した標的配列を検出する方法であって、
    前記試料と請求項1~5のいずれか1項に記載のキメラリガーゼとを接触させる工程と
    リガーゼ反応を解析する工程と、
    を含む、方法。
  12.  変異が一塩基多型である、請求項11に記載の方法。
  13.  リガーゼ反応を解析する工程が、リガーゼ検出反応(LDR)又はリガーゼ連鎖反応(LCR)を含む、請求項11に記載の方法。
  14.  試料における変異した標的配列の有無が、LDR又はLCRの反応産物の有無に基づいて決定される、請求項13に記載の方法。
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