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WO2026004963A1 - 分離材、分離材の製造方法、標的分子の分離方法、混合物、及びクロマトグラフィー用カラム - Google Patents

分離材、分離材の製造方法、標的分子の分離方法、混合物、及びクロマトグラフィー用カラム

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WO2026004963A1
WO2026004963A1 PCT/JP2025/023045 JP2025023045W WO2026004963A1 WO 2026004963 A1 WO2026004963 A1 WO 2026004963A1 JP 2025023045 W JP2025023045 W JP 2025023045W WO 2026004963 A1 WO2026004963 A1 WO 2026004963A1
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carbon atoms
structural unit
mol
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智誠 土屋
郁充 飛嶋
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

本発明の課題は、核酸のような大きい分子においても分離精製能が向上した分離材及びその応用技術を提供することにある。 【解決手段】陰イオン交換基が担体に結合してなる分離材であって、陰イオン交換基が式(A1)で表される構造単位(ただし、n1は1以上10以下、Ra0は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Ra1はO又はNH、Ra2~Ra7は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基、Ra2は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって置換基として有していてもよい。)を含む分離材。

Description

分離材、分離材の製造方法、標的分子の分離方法、混合物、及びクロマトグラフィー用カラム
 本発明は、分離材、分離材の製造方法、標的分子の分離方法、混合物、及びクロマトグラフィー用カラムに関する。
 本願は、2024年6月26日に日本に出願された特願2024-103085号、2024年7月2日に日本に出願された特願2024-106985号、及び2024年7月23日に日本に出願された特願2024-117565号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
 核酸等の生体高分子の研究、開発において、それらの吸着、分離、精製にはクロマトグラフィーが多く用いられている。液体クロマトグラフィー用分離材に用いられる担体としては、シリカゲル、ヒドロキシアパタイト等の無機系担体、アガロース、デキストラン、セルロース、キトサン等の天然高分子系担体、及び、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等の合成高分子系担体が知られている。
 これらの担体はそのままで、又は多様な分離モードでの使用を可能とするため、必要に応じて各種官能基を付与して用いられる。また、近年では核酸の分離精製において、分離精製能の更なる向上が望まれている。
 例えば、特許文献1には、アニオン交換基がグラフト鎖を介して多孔膜に固定化した分離材が開示されており、本技術に拠ればグリシジルメタクリレートを多孔膜にグラフト重合し、その後陰イオン交換基を導入することで、優れた核酸分離性能を有する分離材が得られる。
特開2010-187615号公報
 しかしながら、特許文献1で開示されている分離材による核酸の精製方法は、一度モジュール内に核酸を吸着させ、その後分離を行なっている。この吸着過程は分離材のイオン交換容量に依存しているが、特許文献1で開示されている分離材は単量体由来の構造に対して陰イオン交換基が1つであり、近年求められる分離性能を有するにはイオン交換容量が不十分であった。
 また、特許文献1で開示されている分離材による核酸の精製方法は、核酸の不純物として宿主細胞破片、エンドトキシン、BSA(Albumin from bovine serum)を添加して実施している。一方で近年の核酸医薬用途で用いられる核酸の合成方法は、化学合成が主流とされており、その不純物は目的物である核酸の1量体差であることから分離材の分離性能もさらなる向上が求められる。
 本発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、核酸のような大きい分子においても分離精製能が向上した分離材、分離材の製造方法、混合物、及びその応用技術に関するものである。
 第一の発明に関し、本発明者らは鋭意研究を行なった結果、1つの単量体由来の構造単位に対して2以上のイオン交換基を持つ(共)重合体を担体に固定化することで分離材の分離精製能が向上することを見出した。
 即ち、第一の発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 陰イオン交換基が担体に結合してなる分離材であって、陰イオン交換基が式(A1)で表される構造単位を含む分離材。
(式(A1)中、n1は1以上10以下である。Ra0は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Ra1はO又はNHを表す。Ra2及びRa3は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Ra4は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。Ra5、Ra6及びRa7は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)
[2] 前記陰イオン交換基が、更に式(A2)で表される構造単位を含む、[1]に記載の分離材。
(式(A2)中、m1は1以上10以下である。Ra8は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Ra9はO又はNHを表す。Ra10は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。Ra11、Ra12及びRa13は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)
[3] 前記陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、上記式(A1)で表される構造単位を10mol%以上100mol%以下の範囲で含む、[1]又は[2]の分離材。
[4] 前記陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、上記式(A1)で表される構造単位を20mol%以上50mol%以下の範囲で含む、[1]~[3]のいずれかの分離材。
[5] 前記陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、上記式(A1)で表される構造単位を40mol%以上100mol%以下の範囲で含む、[1]~[3]のいずれかの分離材。
[6] 交換容量が0.08mmol/mL-R以上0.20mmol/mL-R以下である、[1]~[5]のいずれかの分離材。
[7] 以下の工程(1-a)及び(1-b)を含むことを特徴とする、標的分子の分離方法;
(1-a):標的分子を含む溶液を[1]~[6]のいずれかの分離材に接触させ、標的分子を分離材に吸着させる工程、
(1-b):工程(1-a)で処理した分離材から標的分子を溶離する工程。
[8] 前記標的分子が生体高分子、生体高分子の部分構造物、又は生体高分子の化学変性物のいずれかである、[7]の標的分子の分離方法。
[9] 前記標的分子がオリゴ核酸、オリゴ核酸の部分構造物、又はオリゴ核酸の化学変性物のいずれかである、[8]の標的分子の分離方法。
[10] [1]~[6]のいずれかの分離材を充填材として含み、少なくとも1つの容器を備える、クロマトグラフィー用カラム。
 第二の発明に関し、本発明者らは鋭意研究を行なった結果、下記構造を持つ(共)重合体を担体に固定化することで分離材の分離精製能が向上することを見出した。
 即ち、第二の発明の要旨は以下のとおりである。
[11] 陰イオン交換基が担体に結合してなる分離材であって、陰イオン交換基が式(B1)で表される構造単位を含む分離材。
(式(B1)中、n2は1以上10以下である。Rb0は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rb1はO又はNHを表す。Rb2は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。Rb3、Rb4及びRb5は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)
[12] 前記担体が、球状粒子からなる、[11]の分離材。
[13] 前記式(B1)中、Rb1がNHである、[11]又は[12]の分離材。
[14] 前記式(B1)中、n2は2以上3以下である、[11]~[13]のいずれかの分離材。
[15] 前記陰イオン交換基が、更に式(B2)で表される構造単位を含む、[11]~[14]のいずれかの分離材。
(式(B2)中、m2は1以上10以下である。Rb6は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rb7はO又はNHを表す。Rb8及びRb9は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rb10は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。Rb11、Rb12及びRb13は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)
[16] 前記陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、上記式(B1)で表される構造単位を10mol%以上100mol%以下の範囲で含む、[11]~[15]のいずれかの分離材。
[17] 前記陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、上記式(B1)で表される構造単位を60mol%以上100mol%以下の範囲で含む、[11]~[15]のいずれかの分離材。
[18] 前記陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、上記式(B1)で表される構造単位を20mol%以上60mol%以下の範囲で含む、[11]~[15]のいずれかの分離材。
[19] 交換容量が0.08mmol/mL-R以上0.20mmol/mL-R以下である、[11]~[18]のいずれかの分離材。
[20] 以下の工程(2-a)及び(2-b)を含むことを特徴とする、標的分子の分離方法;
(2-a):標的分子を含む溶液を[1]~[19]のいずれかの分離材に接触させ、標的分子を分離材に吸着させる工程、
(2-b):工程(2-a)で処理した分離材から標的分子を溶離する工程。
[21] 前記標的分子が生体高分子、生体高分子の部分構造物、又は生体高分子の化学変性物のいずれかである、[20]の標的分子の分離方法。
[22] 前記標的分子がオリゴ核酸、オリゴ核酸の部分構造物、又はオリゴ核酸の化学変性物のいずれかである、[20]又は[21]の標的分子の分離方法。
[23] [11]~[19]のいずれかの分離材を充填材として含み、少なくとも1つの容器を備える、クロマトグラフィー用カラム。
 第三の発明に関し、本発明者らは鋭意研究を行なった結果、1つの単量体由来の構造単位に対して2以上のイオン交換基を持つ(共)重合体を担体に結合させることで分離材の分離精製能が向上することを見出した。
 即ち、第三の発明の要旨は以下のとおりである。
[24] 陰イオン交換基が担体に結合してなる分離材の製造方法であって、
 陰イオン交換基として、式(C1)で表される構造単位を含み、数平均分子量が100000以下である重合体を得た後、後反応を経て式(C2)で表される構造単位を含む重合体を得る、分離材の製造方法。
(式(C1)中、n3は1以上10以下である。Rc0は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rc1はO又はNHを表す。Rc2及びRc3は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)
(式(C2)中、n3は1以上10以下である。Rc0は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rc1はO又はNHを表す。Rc2及びRc3は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rc4は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。Rc5、Rc6及びRc7は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)
[25] 前記陰イオン交換基として、式(C3)で表される構造単位を更に含み、数平均分子量が100000以下である重合体を得た後、後反応を経て式(C2)及び式(C4)で表される構造単位を含む重合体を得る、[24]の分離材の製造方法。
(式(C3)中、m3は1以上10以下である。Rc8は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rc9はO又はNHを表す。)
(式(C4)中、m3は1以上10以下である。Rc8は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rc9はO又はNHを表す。Rc10は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。Rc11、Rc12及びRc13は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)
[26] 前記陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、上記式(C2)で表される構造単位を10mol%以上100mol%以下の範囲に配合する、[24]又は[25]の分離材の製造方法。
[27] [24]~[26]のいずれかの分離材の製造方法で製造された分離材。
[28] 交換容量が0.08mmol/mL-R以上0.20mmol/mL-R以下である、[27]に記載の分離材。
[29] [27]の分離材と、式(C2)で表される構造単位を含み、数平均分子量が200000以下である重合体と、の混合物。
[30] 以下の工程(3-a)及び(3-b)を含むことを特徴とする、標的分子の分離方法;
(3-a):標的分子を含む溶液を[27]に記載の分離材又は[29]に記載の混合物に接触させ、標的分子を分離材に吸着させる工程、
(3-b):工程(3-a)で処理した分離材から標的分子を溶離する工程。
[31] 前記標的分子が生体高分子、生体高分子の部分構造物、又は生体高分子の化学変性物のいずれかである、[30]に記載の標的分子の分離方法。
[32] 前記標的分子がオリゴ核酸、オリゴ核酸の部分構造物、又はオリゴ核酸の化学変性物のいずれかである、[31]に記載の標的分子の分離方法。
[33] [27]に記載の分離材又は[29]に記載の混合物を充填材として含み、少なくとも1つの容器を備える、クロマトグラフィー用カラム。
 本発明の分離材及び混合物は、標的分子、特に生体高分子、核酸の分離精製に好適であり、クロマトグラフィー用充填剤としても有用である。
 本発明の分離材の製造方法は、標的分子、特に生体高分子及びその部分構造ないしその化学変性物、核酸及びその部分構造物ないしその化学変性物の分離精製に好適である分離材を製造することができ、更に、クロマトグラフィー用充填材としても有用である。
 本発明の標的分子の分離方法は、不純物を含む標的分子の溶液から標的分子を分離する際の分離性能が良好であり、標的分子、特に生体高分子及びその部分構造ないしその化学変性物、核酸及びその部分構造物ないしその化学変性物の分離精製に有用である。
 以下に本発明について詳述するが、以下に記載する例示は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を逸脱しない限り、これらの内容に限定されるものではない。
 なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」と「メタクリル」の一方又は双方を指し、「(メタ)アクリレート」についても同様である。また、「(共)重合」とは「単独重合」と「共重合」の一方又は双方を意味する。
1.第一の発明
1.1.分離材
 第一の発明の一実施形態は、分離材に関する。
 第一の発明の分離材は、陰イオン交換基が担体に結合してなる分離材あって、陰イオン交換基が下記式(A1)で表される構造単位を含む分離材である。第一の発明の分離材が有する陰イオン交換基は、更に下記式(A2)で表される構造単位を含んでもよい。
 第一の発明の分離材が有する陰イオン交換基は、前記陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、下記式(A1)で表される構造単位を10mol%以上100mol%以下の範囲で含むことが好ましい。
 式(A1)中、n1は1以上10以下である。すなわち、(CHn1は炭素数1以上10以下のアルキレン基を表す。Ra0は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Ra1はO又はNHを表す。Ra2及びRa3は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Ra4は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。Ra5、Ra6及びRa7は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。
 式(A2)中、m1は1以上10以下である。すなわち、(CHm1は炭素数1以上10以下のアルキレン基を表す。Ra8は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Ra9はO又はNHを表す。Ra10は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。Ra11、Ra12及びRa13は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。
〔陰イオン交換基〕
 第一の発明の分離材が有する陰イオン交換基は、上記式(A1)で表される構造単位を含み、更に上記式(A2)で表される構造単位を含んでもよい。すなわち、第一の発明の分離材が有する陰イオン交換基は、上記式(A1)で表される構造単位を少なくとも含み、更に上記式(A2)で表される構造単位を含んでもよい(共)重合体からなる。以下、式(A1)で表される構造単位を「構造単位(A1)」とも称し、他の式で表される構造単位も同様に称することがある。
 第一の発明の分離材が有する陰イオン交換基は、単量体の重合反応性が良好であること、後処理、後反応が容易であること、種類が豊富であること、工業的に入手、合成が容易であることから、構造単位(A1)を含む。
 上記式(A1)中、n1は1以上10以下であり、分離材の水への親和性の観点から、1以上4以下が好ましい。すなわち、(CHn1は1以上10以下のアルキレン基であり、分離材の水への親和性の観点から、1以上4以下のアルキレン基が好ましい。
 Ra0は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。水溶性と高い分離性を有する観点から、Ra0は水素原子、又は、炭素数1又は2のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
 Ra1はO又はNHを表す。分離材の安定性が良好となる点から、Ra1はNHが好ましい。
 Ra2及びRa3は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、水溶性と高い分離性能を有する観点から、炭素数1又は2のアルキル基が好ましく、炭素数1のアルキル基、即ち、メチル基がより好ましい。
 Ra4は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。水溶性と高い分離性能を有する観点から、Ra4は炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基が好ましく、炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基で置換基を有していることがより好ましく、炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基でヒドロキシ基又はアルコキシ基を置換基として有していることが更に好ましい。
 Ra4のアルキレン基が有する置換基の数は、1つでもよく、2つ以上でもよく、例えば1~4であってよい。
 Ra5、Ra6及びRa7は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、水溶性と高い分離性能を有する観点から、炭素数1又は2のアルキル基が好ましい。
 構造単位(A1)としては、以下の構造単位(A1-1)~構造単位(A1-3)が好ましく、構造単位(A1-2)、構造単位(A1-3)がより好ましく、構造単位(A1-3)が特に好ましい。
 構造単位(A1-1):上記式(A1)中のn1が1以上4以下、Ra0が水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基、Ra1がNH、Ra2及びRa3が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基、Ra4が炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基、Ra5~Ra7が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基である構造単位
 構造単位(A1-2):上記式(A1)中のn1が1以上4以下、Ra0が水素原子又はメチル基、Ra1がNH、Ra2及びRa3が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基、Ra4が炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基で置換基を有し、Ra5~Ra7が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基である構造単位
 構造単位(A1-3):上記式(A1)中のn1が1以上4以下、Ra0が水素原子又はメチル基、Ra1がNH、Ra2及びRa3がメチル基、Ra4が炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基でヒドロキシ基又はアルコキシ基を置換基として有し、Ra5~Ra7が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基である構造単位
 上記式(A2)中、m1は1以上10以下であり、分離材の水への親和性の観点から、1以上4以下が好ましい。すなわち、(CHm1は1以上10以下のアルキレン基であり、分離材の水への親和性の観点から、1以上4以下のアルキレン基が好ましい。
 Ra8は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。水溶性と高い分離性を有する観点から、Ra8は水素原子又は炭素数1又は2のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
 Ra9はO又はNHを表す。分離材の安定性が良好となる点から、Ra9はNHが好ましい。
 Ra10は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。水溶性と高い分離性能を有する観点から、Ra10は炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基が好ましく、炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基で置換基を有していることがより好ましく、炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基でヒドロキシ基又はアルコキシ基を置換基として有していることが更に好ましい。
 Ra10のアルキレン基が有する置換基の数は、1つでもよく、2つ以上でもよく、例えば1~4であってよい。
 Ra11、Ra12及びRa13は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、水溶性と高い分離性能を有する観点から、炭素数1又は2のアルキル基が好ましい。
 構造単位(A2)としては、以下の構造単位(A2-1)~構造単位(A2-3)が好ましく、構造単位(A2-2)、構造単位(A2-3)がより好ましく、構造単位(A2-3)が特に好ましい。
 構造単位(A2-1):上記式(A2)中、m1が1以上4以下、Ra8が水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基、Ra9がNH、Ra10が炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基、Ra11~Ra13が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基である構造単位
 構造単位(A2-2):上記式(A2)中、m1が1以上4以下、Ra8が水素原子又はメチル基、Ra9がNH、Ra10が炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基で置換基を有し、Ra11~Ra13が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基である構造単位
 構造単位(A2-3):上記式(A2)中、m1が1以上4以下、Ra8が水素原子又はメチル基、Ra9がNH、Ra10が炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基でヒドロキシ基又はアルコキシ基を置換基として有し、Ra11~Ra13が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基である構造単位
 第一の発明の分離材が有する陰イオン交換基が構造単位(A1)及び構造単位(A2)の両方を含む場合、上記構造単位(A1-1)~(A1-3)のいずれかと、上記構造単位(A2-1)~(A2-3)のいずれかとの組み合わせが好ましく、上記構造単位(A1-2)~(A1-3)のいずれかと、上記構造単位(A2-2)~(A2-3)のいずれかとの組み合わせがより好ましく、上記構造単位(A1-3)と上記構造単位(A2-3)の組み合わせが特に好ましい。
 第一の発明の分離材が有する陰イオン交換基は、陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、構造単位(A1)を10mol%以上100mol%以下の範囲で含むことが好ましく、20mol%以上100mol%以下の範囲で含むことがより好ましく、20mol%以上50mol%以下の範囲で含むことが更に好ましい。また、第一の発明の分離材における前記構造単位(A1)の含有率は40mol%以上100mol%以下とすることも好ましい。
 第一の発明の分離材が有する陰イオン交換基は、陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、構造単位(A2)を含んでもよく、構造単位(A2)を0mol%以上90mol%以下の範囲で含むことが好ましく、0mol%以上80mol%以下の範囲で含むことがより好ましく、50mol%以上80mol%以下の範囲で含むことが更に好ましい。また、第一の発明の分離材における前記構造単位(A2)の含有率は0mol%以上60mol%以下とすることも好ましい。
 第一の発明の分離材が有する陰イオン交換基は、構造単位(A1)、及び、構造単位(A2)以外に、その他の構造単位(A3)を含んでもよい。
 その他の構造単位(A3)としては、例えば、スチレン等の芳香族ビニル単量体に由来する構造単位、(メタ)アクリルアミドに由来する構造単位、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位が挙げられる。
 第一の発明の分離材が有する陰イオン交換基におけるその他の構造単位(A3)の含有率は、陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して5mol%以下が好ましい。
 第一の発明の分離材が有する陰イオン交換基としては、陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、構造単位(A1)の含有率が10mol%以上100mol%以下、構造単位(A2)の含有率が0mol%以上90mol%以下、その他の構造単位(A3)の含有率が5mol%以下の陰イオン交換基が好ましく、構造単位(A1)の含有率が20mol%以上100mol%以下、構造単位(A2)の含有率が0mol%以上80mol%以下、その他の構造単位(A3)の含有率が5mol%以下の陰イオン交換基がより好ましく、構造単位(A1)の含有率が20mol%以上50mol%以下、構造単位(A2)の含有率が50mol%以上80mol%以下、その他の構造単位(A3)の含有率が5mol%以下の陰イオン交換基が更に好ましい。また、第一の発明の分離材が有する陰イオン交換基としては、構造単位(A1)の含有率が40mol%以上100mol%以下、構造単位(A2)の含有率が0mol%以上60mol%以下、その他の構造単位(A3)の含有率が5mol%以下の陰イオン交換基も好ましい。ただし、構造単位(A1)~(A3)の含有率の合計は100mol%を超えない。
 第一の発明の分離材が有する陰イオン交換基を構成する重合体の数平均分子量は、100000以下が好ましく、52000以下がより好ましい。上記重合体の数平均分子量が上記上限以下であれば核酸とその不純物の選択性が増加する。また、上記重合体の数平均分子量は20000以上が好ましく、30000以上がより好ましい。上記重合体の数平均分子量の下限と上限は任意に組み合わせることができ、例えば20000以上100000以下、又は30000以上52000以下とすることができる。
 重合体の数平均分子量は、実施例に記載の方法で測定される。
〔担体〕
 第一の発明で用いる担体は、球状粒子、不定形粒子、繊維、中空糸膜、多孔質平膜、モノリス状担体等が挙げられ、工業的スケールアップや工業的操作方法に優れる球状粒子が好ましく、オリゴ核酸の負荷量特性に優れる球状多孔性粒子が特に好ましい。材質は、特に限定されるものではないが、物理強度的な観点からシリカゲル、ヒドロキシアパタイト等の無機系担体;アガロース、デキストラン、セルロース、キトサン等の天然高分子系担体;ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等の合成高分子が好ましく、ポリスチレン及びポリ(メタ)アクリル酸エステルがより好ましい。
〔分離材〕
 第一の発明の分離材は、陰イオン交換基が担体に結合してなる分離材である。
 陰イオン交換基と担体の結合方法としては、例えば、予め陰イオン交換基を持つ(共)重合体を作成して担体と結合させる方法、陰イオン交換基を持つ単量体と担体を反応溶液に加えて重合する方法、担体と反応性官能基を持つ単量体を重合し、その後、官能基を修飾させる方法が挙げられる。
 第一の発明の分離材は、例えば、後述の第三の発明の分離材の製造方法と同様の方法によって得ることができる。
 第一の発明の分離材の交換容量は、0.08mmol/mL-R以上0.20mmol/mL-R以下が好ましく、0.10mmol/mL-R以上0.20mmol/mL-R以下がより好ましく、0.12mmol/mL-R以上0.17mmol/mL-R以下が更に好ましい。
 分離材の交換容量が上記下限以上であれば核酸のピーク形状が潰れにくく、上記上限以下であれば核酸とその不純物の選択性が増加する。
 第一の発明の分離材は、核酸医薬製造過程で生産される核酸とその不純物との分離性能が優れているため、バイオ医薬品などの精製工程において好適に使用することができる。具体的には第一の発明の分離材をカラムに充填し、標的分子と不純物が混合された液を通液する。この通液工程で標的分子又は不純物のみを吸着させて分離をする、又は、標的分子と不純物を共に吸着させ、溶出時の塩濃度を増加させることで分離材への吸着性の違いを利用して標的分子と不純物の分離をする用途がある。
1.2.標的分子の分離方法
 第一の発明の別の実施形態は、標的分子の分離方法に関する。
 第一の発明の標的分子の分離方法は、以下の工程(1-a)及び(1-b)を含むことを特徴とする。
工程(1-a):標的分子を含む溶液を第一の発明の分離材に接触させ、標的分子を分離材に吸着させる工程、
工程(1-b):工程(1-a)で処理した分離材から標的分子を溶離する工程。
 標的分子としては、例えば、無機イオン、アミノ酸や核酸等の低分子化合物、生体高分子が挙げられ、近年求められる分離ターゲットの点から生体高分子及びその部分構造物ないし化学変性物が好ましい。
 生体高分子及びその部分構造物ないし化学変性物としては、例えば、抗体やペプチド等に代表されるタンパク質及びその部分構造物ないし化学的変性物、オリゴ核酸、オリゴ核酸の部分構造物ないし化学変性物が挙げられ、近年、世界中で臨床開発ならびに実用化が大きく進んでいるという観点からオリゴ核酸、オリゴ核酸の部分構造物ないし化学変性物が好ましい。
 オリゴ核酸とは数個から数百個の核酸が連なったものであり、具体的にはアンチセンスオリゴ、siRNA、アプタマー、ヘテロ2本鎖核酸に代表される核酸医薬モダリティが挙げられる。オリゴ核酸の残基数は、例えば、3~200、又は4~150とすることができる。
 オリゴ核酸の部分構造物ないし化学変性物とは、オリゴ核酸に対して、本来持っている特異な塩基対形成能を化学修飾により強化させたものであり、具体的にはオリゴ核酸にリン酸化、アミノ化、ビオチン化、チオール化、S化(硫黄化)、蛍光修飾等を施したものが挙げられる。
 例えば、第一の発明の分離材を充填したカラムを用いたクロマトグラフィー法、より具体的にはHPLC等の液体クロマトグラフィーによって工程(1-a)、工程(1-b)を実施することができる。第一の発明の分離材を充填したカラムを用いる以外は、公知のクロマトグラフィー法を利用することができる。公知のクロマトグラフィー法としてはアニオン交換クロマトグラフィー等が挙げられる。
 標的分子を含む溶液としては、例えば、標的分子であるオリゴ核酸及び不純物が混合された溶液が挙げられる。不純物としては、オリゴ核酸及びオリゴ核酸の部分構造物ないし化学変性物に対して、1残基以上短いもの又は1残基以上長いもの、又はオリゴ核酸にリン酸化、アミノ化、ビオチン化、チオール化、S化(硫黄化)、蛍光修飾等が施されなかったもの、保護基が残存しているもの等が挙げられる。
 標的分子を分離材に吸着させる工程及び分離材から標的分子を溶離する工程としては、例えば、標的分子を含む溶液を分離材に負荷し、所定塩濃度の塩基性溶離液を前記分離材に流通させ、塩濃度を低塩濃度から高塩濃度に変化させることにより、前記標的分子を不純物から分離する方法である。
 塩基性溶離液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニウム水等の無機塩基;モルホリン、4-メチルモルホリン、ピペラジン、ピリジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリス(ヒドロキシエチル)アミノメタン等の有機塩基からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む溶液が挙げられる。
 また、溶離液のpHを調整する目的で塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸やギ酸、酢酸、クエン酸等の有機酸を添加してもよい。
 塩基性溶離液のpHとしては、8以上14以下が好ましい。pHが8以上であると標的分子と不純物の分離性が向上する。また、pHが14以下であると分離材の耐久性が向上する。
 塩基性溶離液に添加する塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、硫酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム等が挙げられる。
〔クロマトグラフィー用カラム〕
 第一の発明の更に別の実施形態は、クロマトグラフィー用カラムに関する。
 第一の発明のクロマトグラフィー用カラムは、第一の発明の分離材を充填材として含み、少なくとも1つの容器を備えるものであればよく、特に限定されるものではない。すなわち、第一の発明のクロマトグラフィー用カラムは、第一の発明の分離材を充填材として用いる以外は、公知の形態を特に制限なく採用することができる。
2.第二の発明
2.1.分離材
 第二の発明の一実施形態は、分離材に関する。
 第二の発明の分離材は、陰イオン交換基が担体に結合してなる分離材あって、陰イオン交換基が下記式(B1)で表される構造単位を含む分離材である。第二の発明の分離材が有する陰イオン交換基は、更に下記式(B2)で表される構造単位を含んでもよい。
 第一の発明の分離材が有する陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、下記式(B1)で表される構造単位を10mol%以上100mol%以下の範囲で含むことが好ましい。
 式(B1)中、n2は1以上10以下である。すなわち、(CHn2は1以上10以下のアルキレン基を表す。Rb0は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rb1はO又はNHを表す。Rb2は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。Rb3、Rb4及びRb5は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。
 式(B2)中、m2は1以上10以下である。すなわち、(CHm2は1以上10以下のアルキレン基を表す。Rb6は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rb7はO又はNHを表す。Rb8及びRb9は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rb10は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。Rb11、Rb12及びRb13は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。
〔陰イオン交換基〕
 第二の発明の分離材が有する陰イオン交換基は、上記式(B1)で表される構造単位を含み、更に上記式(B2)で表される構造単位を含んでもよい。すなわち、第二の発明の分離材が有する陰イオン交換基は、上記式(B1)で表される構造単位を少なくとも含み、更に上記式(B2)で表される構造単位を含んでもよい(共)重合体からなる。
 第二の発明の分離材が有する陰イオン交換基は、単量体の重合反応性が良好であること、後処理、後反応が容易であること、種類が豊富であること、工業的に入手、合成が容易であることから、構造単位(B1)を含む。
 上記式(B1)中、n2は1以上10以下であり、分離材の水への親和性の観点から、1以上4以下が好ましい。すなわち、(CHn2は1以上10以下のアルキレン基であり、分離材の水への親和性の観点から、1以上4以下のアルキレン基が好ましい。
 Rb0は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。水溶性と高い分離性を有する観点から、Rb0は水素原子又は炭素数1又は2のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
 Rb1はO又はNHを表す。分離材の安定性が良好となる点から、Rb1はNHが好ましい。
 Rb2は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。水溶性と高い分離性能を有する観点から、Rb2は炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基が好ましく、炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基で置換基を有していることがより好ましく、炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基でヒドロキシ基又はアルコキシ基を置換基として有していることが更に好ましい。
 Rb2のアルキレン基が有する置換基の数は、1つでもよく、2つ以上でもよく、例えば1~4であってよい。
 Rb3、Rb4及びRb5は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、水溶性と高い分離性能を有する観点から、炭素数1又は2のアルキル基が好ましい。
 構造単位(B1)としては、以下の構造単位(B1-1)~構造単位(B1-3)が好ましく、構造単位(B1-2)、構造単位(B1-3)がより好ましく、構造単位(B1-3)が特に好ましい。
 構造単位(B1-1):上記式(B1)中、n2が1以上4以下、Rb0が水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基、Rb1がNH、Rb2が炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基、Rb3~Rb5が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基である構造単位
 構造単位(B1-2):上記式(B1)中、n2が1以上4以下、Rb0が水素原子又はメチル基、Rb1がNH、Rb2が炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基で置換基を有し、Rb3~Rb5が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基である構造単位
 構造単位(B1-3):上記式(B1)中、n2が1以上4以下、Rb0が水素原子又はメチル基、Rb1がNH、Rb2が炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基でヒドロキシ基又はアルコキシ基を置換基として有し、Rb3~Rb5が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基である構造単位
 上記式(B2)中、m2は1以上10以下であり、分離材の水への親和性の観点から、1以上4以下が好ましい。すなわち、(CHm2は1以上10以下のアルキレン基であり、分離材の水への親和性の観点から、1以上4以下のアルキレン基が好ましい。
 Rb6は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。水溶性と高い分離性を有する観点から、水素原子又は炭素数1又は2のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
 Rb7はO又はNHを表す。分離材の安定性が良好となる点から、Rb7はNHが好ましい。
 Rb8及びRb9は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、水溶性と高い分離性能を有する観点から、炭素数1又は2のアルキル基が好ましく、炭素数1のアルキル基、即ち、メチル基がより好ましい。
 Rb10は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。水溶性と高い分離性能を有する観点から、Rb10は炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基が好ましく、炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基で置換基を有していることがより好ましく、炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基でヒドロキシ基又はアルコキシ基を置換基として有していることが更に好ましい。
 Rb10のアルキレン基が有する置換基の数は、1つでもよく、2つ以上でもよく、例えば1~4であってよい。
 Rb11、Rb12及びRb13は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、水溶性と高い分離性能を有する観点から、炭素数1又は2のアルキル基が好ましい。
 構造単位(B2)としては、以下の構造単位(B2-1)~構造単位(B2-3)が好ましく、構造単位(B2-2)、構造単位(B2-3)がより好ましく、構造単位(B2-3)が特に好ましい。
 構造単位(B2-1):上記式(B2)中のm2が1以上4以下、Rb6が水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基、Rb7がNH、Rb8及びRb9が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基、Rb10が炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基、Rb11~Rb13が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基である構造単位
 構造単位(B2-2):上記式(B2)中のm2が1以上4以下、Rb6が水素原子又はメチル基、Rb7がNH、Rb8及びRb9が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基、Rb10が炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基で置換基を有し、Rb11~Rb13が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基である構造単位
 構造単位(B2-3):上記式(B2)中のm2が1以上4以下、Rb6が水素原子又はメチル基、Rb7がNH、Rb8及びRb9がメチル基、Rb10が炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基でヒドロキシ基又はアルコキシ基を置換基として有し、Rb11~Rb13が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基である構造単位
 第二の発明の分離材が有する陰イオン交換基が構造単位(B1)及び構造単位(B2)の両方を含む場合、上記構造単位(B1-1)~(B1-3)のいずれかと、上記構造単位(B2-1)~(B2-3)のいずれかとの組み合わせが好ましく、上記構造単位(B1-2)~(B1-3)のいずれかと、上記構造単位(B2-2)~(B2-3)のいずれかとの組み合わせがより好ましく、上記構造単位(B1-3)と上記構造単位(B2-3)の組み合わせが特に好ましい。
 第二の発明の分離材が有する陰イオン交換基は、陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、構造単位(B1)を10mol%以上100mol%以下の範囲で含むことが好ましく、30mol%以上100mol%以下の範囲で含むことがより好ましく、60mol%以上100mol%以下の範囲で含むことが更に好ましい。また、第二の発明の分離材における前記構造単位(B1)の含有率は20mol%以上60mol%以下とすることも好ましい。
 構造単位(B1)の含有率が上記下限以上、上限以下であれば核酸とその不純物の選択性が向上する。
 第二の発明の分離材が有する陰イオン交換基は、陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、構造単位(B2)を含んでもよく、構造単位(B2)を0mol%以上90mol%以下の範囲で含むことが好ましく、0mol%以上70mol%以下の範囲で含むことがより好ましく、0mol%以上40mol%以下の範囲で含むことが更に好ましい。また、第二の発明の分離材における前記構造単位(B2)の含有率は40mol%以上80mol%以下とすることも好ましい。
 第二の発明の分離材が有する陰イオン交換基は、構造単位(B1)、及び、構造単位(B2)以外に、その他の構造単位(B3)を含んでもよい。
 その他の構造単位(B3)としては、例えば、スチレン等の芳香族ビニル単量体に由来する構造単位、(メタ)アクリルアミドに由来する構造単位、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位が挙げられる。
 第二の発明の分離材が有する陰イオン交換基におけるその他の構造単位(B3)の含有率は、陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して5mol%以下が好ましい。
 第二の発明の分離材が有する陰イオン交換基としては、陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、構造単位(B1)の含有率が10mol%以上100mol%以下、構造単位(B2)の含有率が0mol%以上90mol%以下、その他の構造単位(B3)の含有率が5mol%以下の陰イオン交換基が好ましく、構造単位(B1)の含有率が30mol%以上100mol%以下、構造単位(B2)の含有率が0mol%以上70mol%以下、その他の構造単位(B3)の含有率が5mol%以下の陰イオン交換基がより好ましく、構造単位(B1)の含有率が60mol%以上100mol%以下、構造単位(B2)の含有率が0mol%以上40mol%以下、その他の構造単位(B3)の含有率が5mol%以下の陰イオン交換基が更に好ましい。第二の発明の分離材が有する陰イオン交換基としては、構造単位(B1)の含有率が20mol%以上60mol%以下、構造単位(B2)の含有率が40mol%以上80mol%以下、その他の構造単位(B3)の含有率が5mol%以下の陰イオン交換基も好ましい。ただし、構造単位(B1)~(B3)の含有率の合計は100mol%を超えない。
 第二の発明の分離材が有する陰イオン交換基を構成する重合体の数平均分子量は、100000以下が好ましく、52000以下がより好ましい。上記重合体の数平均分子量が上記上限以下であれば核酸とその不純物の選択性が増加する。また、上記重合体の数平均分子量は20000以上が好ましく、30000以上がより好ましい。上記重合体の数平均分子量の下限と上限は任意に組み合わせることができ、例えば20000以上100000以下、又は30000以上52000以下とすることができる。
 重合体の数平均分子量は、実施例に記載の方法で測定される。
〔担体〕
 第二の発明で用いる担体は、球状粒子、不定形粒子、繊維、中空糸膜、多孔質平膜、モノリス状担体等が挙げられ、工業的スケールアップや工業的操作方法に優れる球状粒子が好ましく、オリゴ核酸の負荷量特性に優れる球状多孔性粒子が特に好ましい。材質は、特に限定されるものではないが、物理強度的な観点からシリカゲル、ヒドロキシアパタイト等の無機系担体;アガロース、デキストラン、セルロース、キトサン等の天然高分子系担体;ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等の合成高分子が好ましく、ポリスチレン及びポリ(メタ)アクリル酸エステルがより好ましい。
〔分離材〕
 第二の発明の分離材は、陰イオン交換基が担体に結合してなる分離材である。
 陰イオン交換基と担体の結合方法としては、例えば、予め陰イオン交換基を持つ(共)重合体を作成して担体と結合させる方法、陰イオン交換基を持つ単量体と担体を反応溶液に加えて重合する方法、担体と反応性官能基を持つ単量体を重合し、その後、官能基を修飾させる方法が挙げられる。
 第二の発明の分離材は、例えば、後述の第三の発明の分離材の製造方法と同様の方法によって得ることができる。より具体的には、構造単位(B1)は後述の構造単位(C4)と同様の方法で形成でき、構造単位(B2)は後述の構造単位(C2)と同様の方法で形成することができる。
 第二の発明の分離材の交換容量は、0.08mmol/mL-R以上0.20mmol/mL-R以下が好ましく、0.10mmol/mL-R以上0.15mmol/mL-R以下がより好ましく、0.10mmol/mL-R以上0.13mmol/mL-R以下が更に好ましい。
 分離材の交換容量が上記下限以上であれば核酸のピーク形状が潰れにくく、上記上限以下であれば核酸とその不純物の選択性が増加する。
 第二の発明の分離材は、核酸医薬製造過程で生産される核酸とその不純物との分離性能が優れているため、バイオ医薬品などの精製工程において好適に使用することができる。具体的には第二の発明の分離材をカラムに充填し、標的分子と不純物が混合された液を通液する。この通液工程で標的分子又は不純物のみを吸着させて分離をする、又は、標的分子と不純物を共に吸着させ、溶出時の塩濃度を増加させることで分離材への吸着性の違いを利用して標的分子と不純物の分離をする用途がある。
2.2.標的分子の分離方法
 第二の発明の別の実施形態は、標的分子の分離方法に関する。
 第二の発明の標的分子の分離方法は、以下の工程(2-a)及び(2-b)を含むことを特徴とする。
工程(2-a):標的分子を含む溶液を第二の発明の分離材に接触させ、標的分子を分離材に吸着させる工程、
工程(2-b):工程(2-a)で処理した分離材から標的分子を溶離する工程。
 標的分子としては、例えば、無機イオン、アミノ酸や核酸等の低分子化合物、生体高分子が挙げられ、近年求められる分離ターゲットの点から生体高分子及びその部分構造物ないし化学変性物が好ましい。
 生体高分子及びその部分構造物ないし化学変性物としては、例えば、抗体やペプチド等に代表されるタンパク質及びその部分構造物ないし化学的変性物、オリゴ核酸、オリゴ核酸の部分構造物ないし化学変性物が挙げられ、近年、世界中で臨床開発ならびに実用化が大きく進んでいるという観点からオリゴ核酸、オリゴ核酸の部分構造物ないし化学変性物が好ましい。
 オリゴ核酸とは数個から数百個の核酸が連なったものであり、具体的にはアンチセンスオリゴ、siRNA、アプタマー、ヘテロ2本鎖核酸に代表される核酸医薬モダリティが挙げられる。オリゴ核酸の残基数は、例えば、3~200、又は4~150とすることができる。
 オリゴ核酸の部分構造物ないし化学変性物とは、オリゴ核酸に対して、本来持っている特異な塩基対形成能を化学修飾により強化させたものであり、具体的にはオリゴ核酸にリン酸化、アミノ化、ビオチン化、チオール化、S化(硫黄化)、蛍光修飾等を施したものが挙げられる。
 例えば、第二の発明の分離材を充填したカラムを用いたクロマトグラフィー法、より具体的にはHPLC等の液体クロマトグラフィーによって工程(2-a)、工程(2-b)を実施することができる。第二の発明の分離材を充填したカラムを用いる以外は、公知のクロマトグラフィー法を利用することができる。
 標的分子を含む溶液としては、例えば、標的分子であるオリゴ核酸及び不純物が混合された溶液が挙げられる。不純物としては、オリゴ核酸及びオリゴ核酸の部分構造物ないし化学変性物に対して、1残基以上短いもの又は1残基以上長いもの、又はオリゴ核酸にリン酸化、アミノ化、ビオチン化、チオール化、S化(硫黄化)、蛍光修飾等を施されなかったもの、保護基が残存しているもの等が挙げられる。
 標的分子を分離材に吸着させる工程及び分離材から標的分子を溶離する工程としては、例えば、標的分子を含む溶液を分離材に負荷し、所定塩濃度の塩基性溶離液を前記分離材に流通させ、塩濃度を低塩濃度から高塩濃度に変化させることにより、前記標的分子を不純物から分離する方法である。
 塩基性溶離液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニウム水等の無機塩基;モルホリン、4-メチルモルホリン、ピペラジン、ピリジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリス(ヒドロキシエチル)アミノメタン等の有機塩基からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む溶液が挙げられる。
 また、溶離液のpHを調整する目的で塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸やギ酸、酢酸、クエン酸等の有機酸を添加してもよい。
 塩基性溶離液のpHとしては、8以上14以下が好ましい。pHが8以上であると標的分子と不純物の分離性が向上する。また、pHが14以下であると分離材の耐久性が向上する。
 塩基性溶離液に添加する塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、硫酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム等が挙げられる。
〔クロマトグラフィー用カラム〕
 第二の発明の更に別の実施形態は、クロマトグラフィー用カラムに関する。
 第二の発明のクロマトグラフィー用カラムは、第二の発明の分離材を充填材として含み、少なくとも1つの容器を備えるものであればよく、特に限定されるものではない。すなわち、第二の発明のクロマトグラフィー用カラムは、第二の発明の分離材を充填材として用いる以外は、公知の形態を特に制限なく採用することができる。
3.第三の発明
3.1.分離材の製造方法
 第三の発明の一実施形態は、分離材の製造方法に関する。
 第三の発明の分離材の製造方法は、陰イオン交換基が担体に結合してなる分離材の製造方法であって、陰イオン交換基として、下記式(C1)で表される構造単位を含み、数平均分子量が100000以下である重合体を得た後、後反応を経て下記式(C2)で表される構造単位を含む重合体を得る。
 第三の発明の分離材の製造方法で用いる担体は、球状粒子、不定形粒子、繊維、中空糸膜、多孔質平膜、モノリス状担体等が挙げられ、工業的スケールアップや工業的操作方法に優れる球状粒子が好ましく、オリゴ核酸の負荷量特性に優れる球状多孔性粒子が特に好ましい。材質は、特に限定されるものではないが、物理強度的な観点からシリカゲル、ヒドロキシアパタイト等の無機系担体;アガロース、デキストラン、セルロース、キトサン等の天然高分子系担体;ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等の合成高分子が好ましく、ポリスチレン及びポリ(メタ)アクリル酸エステルがより好ましい。
 第三の発明の分離材の製造方法においては、前記陰イオン交換基として、下記式(C3)で表される構造単位を更に含み、数平均分子量が100000以下である重合体を得た後、後反応を経て下記式(C2)及び下記式(C4)で表される構造単位を含む重合体を得てもよい。
 第三の発明の分離材の製造方法においては、前記陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、下記式(C2)で表される構造単位を10mol%以上100mol%以下の範囲に配合することが好ましい。
 以下、式(C1)で表される構造単位を含み、数平均分子量が100000以下である重合体を「重合体(X)」とも称し、重合体(X)から後反応を経て得られる、構造単位(C2)を含む重合体を「重合体(Y)」とも称する。
 式(C1)中、n3は1以上10以下である。すなわち、(CHn3は1以上10以下のアルキレン基を表す。Rc0は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rc1はO又はNHを表す。Rc2及びRc3は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。
 式(C2)中、n3は1以上10以下である。すなわち、(CHn3は1以上10以下のアルキレン基を表す。Rc0は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rc1はO又はNHを表す。Rc2及びRc3は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rc4は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。Rc5、Rc6及びRc7は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。
 式(C3)中、m3は1以上10以下である。すなわち、(CHm3は1以上10以下のアルキレン基を表す。Rc8は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rc9はO又はNHを表す。
 式(C4)中、m3は1以上10以下である。すなわち、(CHm3は1以上10以下のアルキレン基を表す。Rc8は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rc9はO又はNHを表す。Rc10は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。Rc11、Rc12及びRc13は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。
〔陰イオン交換基〕
 第三の発明で製造される分離材が有する陰イオン交換基は、構造単位(C1)から後反応を経て形成される構造単位(C2)を含む。また、第三の発明で製造される分離材が有する陰イオン交換基は、構造単位(C3)から後反応を経て形成される構造単位(C4)を更に含んでもよい。すなわち、第三の発明で製造される分離材が有する陰イオン交換基は、上記式(C2)で表される構造単位を少なくとも含み、更に上記式(4)で表される構造単位を含んでもよい(共)重合体からなる。
 陰イオン交換基は、単量体の重合反応性が良好であること、後処理、後反応が容易であること、種類が豊富であること、工業的に入手、合成が容易であることから、構造単位(C2)を含む。
 上記式(C1)及び式(C2)中、n3は1以上10以下であり、分離材の水への親和性の観点から、n3は1以上4以下が好ましい。すなわち、(CHn3は1以上10以下のアルキレン基であり、分離材の水への親和性の観点から、1以上4以下のアルキレン基が好ましい。
 Rc0は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。水溶性と高い分離性を有する観点から、Rc0は水素原子又は炭素数1又は2のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
 Rc1はO又はNHを表す。分離材の安定性が良好となる点から、Rc1はNHが好ましい。
 Rc2及びRc3は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、水溶性と高い分離性能を有する観点から、炭素数1又は2のアルキル基が好ましく、炭素数1のアルキル基、即ち、メチル基がより好ましい。
 Rc4は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。水溶性と高い分離性能を有する観点から、Rc4は炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基が好ましく、炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基で置換基を有していることがより好ましく、炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基でヒドロキシ基又はアルコキシ基を置換基として有していることが更に好ましい。
 Rc4のアルキレン基が有する置換基の数は、1つでもよく、2つ以上でもよく、例えば1~4であってよい。
 Rc5、Rc6及びRc7は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、水溶性と高い分離性能を有する観点から、炭素数1又は2のアルキル基が好ましい。
 構造単位(C1)としては、以下の構造単位(C1-1)~構造単位(C1-3)が好ましく、構造単位(C1-2)、構造単位(C1-3)がより好ましく、構造単位(C1-3)が特に好ましい。
 構造単位(C1-1):上記式(C1)中のn3が1以上4以下、Rc0が水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基、Rc1がNH、Rc2及びRc3が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基である構造単位
 構造単位(C1-2):上記式(C1)中のn3が1以上4以下、Rc0が水素原子又はメチル基、Rc1がNH、Rc2及びRc3が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基である構造単位
 構造単位(C1-3):上記式(C1)中のn3が1以上4以下、Rc0が水素原子又はメチル基、Rc1がNH、Rc2及びRc3がメチル基である構造単位
 構造単位(C2)としては、以下の構造単位(C2-1)~構造単位(C2-3)が好ましく、構造単位(C2-2)、構造単位(C2-3)がより好ましく、構造単位(C2-3)が特に好ましい。
 構造単位(C2-1):上記式(C2)中のn3が1以上4以下、Rc0が水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基、Rc1がNH、Rc2及びRc3が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基、Rc4が炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基、Rc5~Rc7が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基である構造単位
 構造単位(C2-2):上記式(C2)中のn3が1以上4以下、Rc0が水素原子又はメチル基、Rc1がNH、Rc2及びRc3が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基、Rc4が炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基で置換基を有し、Rc5~Rc7が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基である構造単位
 構造単位(C2-3):上記式(C2)中のn3が1以上4以下、Rc0が水素原子又はメチル基、Rc1がNH、Rc2及びRc3がメチル基、Rc4が炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基でヒドロキシ基又はアルコキシ基を置換基として有し、Rc5~Rc7が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基である構造単位
 上記式(C3)及び式(C4)中、m3は1以上10以下であり、分離材の水への親和性の観点から、m3は1以上4以下が好ましい。すなわち、(CHm3は1以上10以下のアルキレン基であり、分離材の水への親和性の観点から、1以上4以下のアルキレン基が好ましい。
 Rc8は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。水溶性と高い分離性を有する観点から、Rc8は水素原子又は炭素数1又は2のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
 Rc9はO又はNHを表す。分離材の安定性が良好となる点から、Rc9はNHが好ましい。
 Rc10は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。水溶性と高い分離性能を有する観点から、Rc10は炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基が好ましく、炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基で置換基を有していることがより好ましく、炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基でヒドロキシ基又はアルコキシ基を置換基として有していることが更に好ましい。
 Rc10のアルキレン基が有する置換基の数は、1つでもよく、2つ以上でもよく、例えば1~4であってよい。
 Rc11、Rc12及びRc13は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、水溶性と高い分離性能を有する観点から、炭素数1又は2のアルキル基が好ましい。
 構造単位(C3)としては、以下の構造単位(C3-1)~構造単位(C3-3)が好ましく、構造単位(C3-2)、構造単位(C3-3)がより好ましく、構造単位(C3-3)が特に好ましい。
 構造単位(C3-1):上記式(C3)中、m3が1以上4以下、Rc8が水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基、Rc9がNHである構造単位
 構造単位(C3-2):上記式(C3)中、m3が1以上4以下、Rc8が水素原子又はメチル基、Rc9がNHである構造単位
 構造単位(C3-3):上記式(C3)中、m3が1以上2以下、Rc8が水素原子又はメチル基、Rc9がNHである構造単位
 構造単位(C4)としては、以下の構造単位(C4-1)~構造単位(C4-3)が好ましく、構造単位(C4-2)、構造単位(C4-3)がより好ましく、構造単位(C4-3)が特に好ましい。
 構造単位(C4-1):上記式(C4)中、m3が1以上4以下、Rc8が水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基、Rc9がNH、Rc10が炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基、Rc11~Rc13が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基である構造単位
 構造単位(C4-2):上記式(C4)中、m3が1以上4以下、Rc8が水素原子又はメチル基、Rc9がNH、Rc10が炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基で置換基を有し、Rc11~Rc13が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基である構造単位
 構造単位(C4-3):上記式(C4)中、m3が1以上2以下、Rc8が水素原子又はメチル基、Rc9がNH、Rc10が炭素数1以上4以下の直鎖のアルキレン基でヒドロキシ基又はアルコキシ基を置換基として有し、Rc11~Rc13が互いに独立して炭素数1又は2のアルキル基である構造単位
 重合体(X)が構造単位(C1)及び構造単位(C3)の両方を含む場合、上記構造単位(C1-1)~(C1-3)のいずれかと、上記構造単位(C3-1)~(C3-3)のいずれかとの組み合わせが好ましく、上記構造単位(C1-2)~(C1-3)のいずれかと、上記構造単位(C3-2)~(C3-3)のいずれかとの組み合わせがより好ましく、上記構造単位(C1-3)と上記構造単位(C3-3)の組み合わせが特に好ましい。
 重合体(Y)が構造単位(C2)及び構造単位(C4)の両方を含む場合の好ましい組み合わせは、重合体(X)が構造単位(C1)及び構造単位(C3)の両方を含む場合と同様である。
 第三の発明で製造される分離材が有する陰イオン交換基では、陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、構造単位(C2)を10mol%以上100mol%以下の範囲に配合することが好ましく、20mol%以上100mol%以下の範囲に配合することがより好ましく、30mol%以上80mol%以下の範囲に配合することが更に好ましい。
 第三の発明で製造される分離材が有する陰イオン交換基は、陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、構造単位(C4)を含んでもよく、構造単位(C4)を0mol%以上90mol%以下の範囲に配合することが好ましく、0mol%以上80mol%以下の範囲に配合することがより好ましく、20mol%以上70mol%以下の範囲に配合することが更に好ましい。
 第三の発明で製造される分離材が有する陰イオン交換基は、構造単位(C2)及び構造単位(C4)以外に、その他の構造単位(C5)を含んでもよい。
 その他の構造単位(C5)としては、例えば、スチレン等の芳香族ビニル単量体に由来する構造単位、(メタ)アクリルアミドに由来する構造単位、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位が挙げられる。構造単位(C1)、構造単位(C3)が後反応で未反応で残ったものは、その他の構造単位(C5)に含まれる。
 第三の発明で製造される分離材が有する陰イオン交換基におけるその他の構造単位(C5)の含有率は、陰イオン交換基を含む構造単位の全体に対して5mol%以下である。
 第三の発明で製造される分離材が有する陰イオン交換基としては、陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、構造単位(C2)の含有率が10mol%以上100mol%以下、構造単位(C4)の含有率が0mol%以上90mol%以下、その他の構造単位(C5)の含有率が5mol%以下の陰イオン交換基が好ましく、構造単位(C2)の含有率が20mol%以上100mol%以下、構造単位(C4)の含有率が0mol%以上80mol%以下、その他の構造単位(C5)の含有率が5mol%以下の陰イオン交換基がより好ましく、構造単位(C2)の含有率が30mol%以上80mol%以下、構造単位(C4)の含有率が20mol%以上70mol%以下、その他の構造単位(C5)の含有率が5mol%以下の陰イオン交換基が更に好ましい。ただし、構造単位(C2)、(C4)、(C5)の含有率の合計は100mol%を超えない。
 重合体(X)の数平均分子量は100000以下であり、52000以下であることが好ましい。上記上限以下であれば核酸とその不純物の選択性が増加する。また、重合体(X)の数平均分子量は20000以上が好ましく、30000以上がより好ましい。上記重合体(X)の数平均分子量の下限と上限は任意に組み合わせることができ、例えば20000以上100000以下、又は30000以上52000以下とすることができる。
 重合体(Y)の数平均分子量は100000以下であることが好ましく、52000以下であることがより好ましい。重合体(Y)の数平均分子量の上記上限以下であれば核酸とその不純物の選択性が増加する。また、重合体(Y)の数平均分子量は20000以上が好ましく、30000以上がより好ましい。上記重合体(Y)の数平均分子量の下限と上限は任意に組み合わせることができ、例えば20000以上100000以下、又は30000以上52000以下とすることができる。
 重合体の数平均分子量は、実施例に記載の方法で測定される。
〔重合体(X)の製造〕
 重合体(X)は、公知の重合開始剤を用いて、下記式(c-1)で表される単量体を少なくとも含み、好ましくは下記式(c-2)で表される単量体を更に含み、必要に応じてスチレン等の芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリルアミド等の他の単量体を含む単量体成分を公知の方法で重合することによって製造できる。以下、式(c-1)で表される単量体を「単量体(c-1)」とも称し、他の式で表される単量体も同様に称する。
 上記式(c-1)、(c-2)におけるn3、m3、Rc0、Rc1~Rc3、Rc8、Rc9は、上記式(C1)、(C3)と同義であり、好ましい態様及び組み合わせも同様である。
 重合体(X)の製造に用いる単量体成分の全体に対する各単量体の割合としては、単量体(c-1)の割合が10mol%以上100mol%以下、単量体(c-2)の割合が0mol%以上90mol%以下であることが好ましく、単量体(c-1)の割合が20mol%以上100mol%以下、単量体(c-2)の割合が0mol%以上80mol%以下であることがより好ましく、単量体(c-1)の割合が30mol%以上80mol%以下、単量体(c-2)の割合が20mol%以上70mol%以下であることが更に好ましい。ただし、単量体(c-1)と単量体(c-2)の割合の合計は100mol%を超えない。
 重合方法としては、例えば、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法等の公知の重合方法が適用できる。
 重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が好ましい。
 ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)及び2,2’-アゾビス(2,4-ジメチル-4-メトキシバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]等のアゾ系のラジカル重合開始剤;1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシピバレート、o-メチルベンゾイルパーオキサイド、ビス-3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、シクロヘキサノンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド及びジ-t-ブチルパーオキサイド等の過酸化物系のラジカル重合開始剤が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
 ラジカル重合の際には、連鎖移動剤を用いることができる。
 連鎖移動剤としては、例えば、ブタンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、シクロヘキシルメルカプタン、チオフェノール、チオグリコール酸オクチル、2-メルカプトプロピオン酸オクチル、3-メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸2-エチルヘキシルエステル、チオグリコール酸2-エチルへキシル、ブチル-3-メルカプトプロピオネート、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチル-3-メルカプトプロピオネート、2,2-(エチレンジオキシ)ジエタンチオール、エタンチオール、4-メチルベンゼンチオール、オクタン酸2-メルカプトエチルエステル、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン、デカントリチオール、ドデシルメルカプタン、ジフェニルスルホキシド、ジベンジルスルフィド、2,3-ジメチルカプト-1-プロパノ-ル、メルカプトエタノール、チオサリチル酸、α-チオグリセロール、チオグリコール酸、3-メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、メルカプト酢酸、メルカプト琥珀酸、2-メルカプトエタンスルホン酸等のチオール系化合物等が挙げられる。これらの連鎖移動剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
 重合においては、酸性条件下で反応させる目的で、硫酸、塩酸、硝酸等の酸を用いてもよい。これらの酸は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、2価の強酸の点から、硫酸が好ましい。
〔重合体(Y)の製造〕
 重合体(X)に対し、例えばグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド等のグリシジル基含有四級アンモニウム化合物を反応させることにより、重合体(Y)を得ることができる。この反応は、例えば水中で行うことができる。
 重合体(X)から重合体(Y)を得る後反応の反応温度は、5~70℃が好ましく、25~50℃がより好ましい。
〔担体〕
 第三の発明で用いる担体は、特に限定されるものではないが、物理強度的な観点からシリカゲル、ヒドロキシアパタイト等の無機系担体;アガロース、デキストラン、セルロース、キトサン等の天然高分子系担体;ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等の合成高分子が好ましく、ポリスチレン及びポリ(メタ)アクリル酸エステルがより好ましい。
3.2.分離材
 第三の発明の別の実施形態は、分離材に関する。
 第三の発明の分離材は、上述した第三の発明の分離材の製造方法で製造された分離材であり、陰イオン交換基が担体に結合してなる分離材である。
 陰イオン交換基と担体の結合方法としては、例えば、予め重合体(X)を作成し、後反応を行なった重合体(Y)を担体と結合させる方法、予め重合体(X)を作成し、担体と結合後に後反応を行なって重合体(Y)とする方法、担体と反応性官能基を持つ単量体を重合し、その後、官能基を修飾させる方法が挙げられる。
 第三の発明で製造される分離材の交換容量は、0.08mmol/mL-R以上0.20mmol/mL-R以下が好ましく、0.10mmol/mL-R以上0.16mmol/mL-R以下がより好ましく、0.10mmol/mL-R以上0.14mmol/mL-R以下が更に好ましい。
 分離材の交換容量が上記下限以上であれば核酸のピーク形状が潰れにくく、上記上限以下であれば核酸とその不純物の選択性が増加する。
 第三の発明の分離材と、構成単位(C2)を含み、数平均分子量が200000以下である重合体(以下、「重合体(Z)」ともいう。)と、の混合物とすることもできる。すなわち、第三の発明の分離材と、担体に結合されていない重合体(Z)と、を含む混合物とすることもできる。
 重合体(Z)は、構成単位(C4)、その他の構造単位(C5)をさらに含んでもよい。
 重合体(Z)における構造単位(C2)の含有率は、重合体(Z)が含む構造単位の全体に対して、10mol%以上100mol%以下が好ましく、20mol%以上100mol%以下がより好ましく、30mol%以上80mol%以下が更に好ましい。
 重合体(Z)における構造単位(C4)の含有率は、重合体(Z)が含む構造単位の全体に対して、0mol%以上90mol%以下が好ましく、0mol%以上80mol%以下がより好ましく、20mol%以上70mol%以下が更に好ましい。
 重合体(Z)におけるその他の構造単位(C5)の含有率は、重合体(Z)が含む構造単位の全体に対して、陰イオン交換基を含む構造単位の全体に対して5mol%以下である。
 重合体(Z)としては、構造単位の全体に対して、構造単位(C2)の含有率が10mol%以上100mol%以下、構造単位(C4)の含有率が0mol%以上90mol%以下、その他の構造単位(C5)の含有率が5mol%以下の重合体が好ましく、構造単位(C2)の含有率が20mol%以上100mol%以下、構造単位(C4)の含有率が0mol%以上80mol%以下、その他の構造単位(C5)の含有率が5mol%以下の重合体がより好ましく、構造単位(C2)の含有率が30mol%以上80mol%以下、構造単位(C4)の含有率が20mol%以上70mol%以下、その他の構造単位(C5)の含有率が5mol%以下の重合体が更に好ましい。ただし、構造単位(C2)、(C4)、(C5)の含有率の合計は100mol%を超えない。
 重合体(Z)の数平均分子量は、20000以上200000以下が好ましく、40000以上120000以下がより好ましい。重合体(Z)の数平均分子量が上記下限値以上であれば、核酸のピーク形状が潰れにくく、重合体(Z)の数平均分子量が上記上限値以下であれば、核酸とその不純物の選択性が増加する。
 重合体の数平均分子量は、実施例に記載の方法で測定される。
 重合体(Z)は、担体に結合させない以外は、重合体(Y)と同様の方法で製造することができる。
 混合物中の重合体(Z)の割合は、第三の発明の分離材100質量部に対し、5質量部以上50質量部以下が好ましく、5質量部以上20質量部以下がより好ましい。重合体(Z)の割合が上記下限値以上であれば、核酸のピーク形状が潰れにくく、重合体(Z)の割合が上記上限値以下であれば、核酸とその不純物の選択性が増加する。
3.3.標的分子の分離方法
 第三の発明の更に別の実施形態は、標的分子の分離方法に関する。
 第三の発明の標的分子の分離方法は、以下の工程(3-a)及び(3-b)を含むことを特徴とする。
工程(3-a):標的分子を含む溶液を第三の発明の分離材又は混合物に接触させ、標的分子を分離材に吸着させる工程、
工程(3-b):工程(3-a)で処理した分離材から標的分子を溶離する工程。
 標的分子としては、例えば、無機イオン、アミノ酸や核酸等の低分子化合物、生体高分子が挙げられ、近年求められる分離ターゲットの点から生体高分子及びその部分構造物ないし化学変性物が好ましい。
 生体高分子及びその部分構造物ないし化学変生物としては、例えば、抗体やペプチド等に代表されるタンパク質及びその部分構造物ないし化学的変性物、オリゴ核酸、オリゴ核酸の部分構造物ないし化学変性物が挙げられ、近年、世界中で臨床開発ならびに実用化が大きく進んでいるという観点からオリゴ核酸、オリゴ核酸の部分構造物ないし化学変性物が好ましい。
 オリゴ核酸とは数個から数百個の核酸が連なったものであり、具体的にはアンチセンスオリゴ、siRNA、アプタマー、ヘテロ2本鎖核酸に代表される核酸医薬モダリティが挙げられる。オリゴ核酸の残基数は、例えば、3~200、又は4~150とすることができる。
 オリゴ核酸の部分構造物ないし化学変性物とは、オリゴ核酸に対して、本来持っている特異な塩基対形成能を化学修飾により強化させたものであり、具体的にはオリゴ核酸にリン酸化、アミノ化、ビオチン化、チオール化、S化(硫黄化)、蛍光修飾等を施したものが挙げられる。
 例えば、第三の発明の分離材を充填したカラムを用いたクロマトグラフィー法、より具体的にはHPLC等の液体クロマトグラフィーによって工程(3-a)、工程(3-b)を実施することができる。第三の発明の分離材を充填したカラムを用いる以外は、公知のクロマトグラフィー法を利用することができる。
 標的分子を含む溶液としては、例えば、標的分子であるオリゴ核酸及び不純物が混合された溶液が挙げられる。不純物としては、オリゴ核酸及びオリゴ核酸の部分構造物ないし化学変性物に対して、1残基以上短いもの又は1残基以上長いもの、又はオリゴ核酸にリン酸化、アミノ化、ビオチン化、チオール化、S化(硫黄化)、蛍光修飾等を施されなかったもの、保護基が残存しているもの等が挙げられる。
 標的分子を分離材に吸着させる工程及び分離材から標的分子を溶離する工程としては、例えば、標的分子を含む溶液を分離材に負荷し、所定塩濃度の塩基性溶離液を前記分離材に流通させ、塩濃度を低塩濃度から高塩濃度に変化させることにより、前記標的分子を不純物から分離する方法である。
 塩基性溶離液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニウム水等の無機塩基;モルホリン、4-メチルモルホリン、ピペラジン、ピリジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリス(ヒドロキシエチル)アミノメタン等の有機塩基からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む溶液が挙げられる。
 また、溶離液のpHを調整する目的で塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸やギ酸、酢酸、クエン酸等の有機酸を添加してもよい。
 塩基性溶離液のpHとしては、8以上14以下が好ましい。pHが8以上であると標的分子と不純物の分離性が向上する。また、pHが14以下であると分離材の耐久性が向上する。
 塩基性溶離液に添加する塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、硫酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム等が挙げられる。
3.4.クロマトグラフィー用カラム
 第三の発明の更に別の実施形態は、クロマトグラフィー用カラムに関する。
 第三の発明のクロマトグラフィー用カラムは、第三の発明の分離材を充填材として含み、少なくとも1つの容器を備えるものであればよく、特に限定されるものではない。すなわち、第三の発明のクロマトグラフィー用カラムは、第三の発明の分離材を充填材として用いる以外は、公知の形態を特に制限なく採用することができる。
4.実験結果
 以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
 なお、以下の記載において、「部」及び「%」は、特記あるものを除き、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
4.1.第一の発明について
[評価・評価方法]
<交換容量の測定>
 分離材を含むスラリー水溶液を10mLメスシリンダーに入れ、タップしながら分離材を沈降させ、分離材5.0mLを量り取った。この分離材を濾別し、カラムに入れて2M水酸化ナトリウム水溶液100mLを流して再生し、水で十分水洗し、流出水のpHが中性になったことを確認した。
 得られた分離材を濾別し、それを5%塩化ナトリウム水溶液60mLと混合し、遊離した酸を滴定し、滴定値を分離材体積で割って、分離材1mLあたりの交換容量とした。
<不純物を含むS化核酸の分取>
(1)使用機器及び試薬
 LCシステム:Shimadzu CBM-20A
 Aバッファー:10mM水酸化ナトリウム水溶液
 Bバッファー:2M NaCl+10mM水酸化ナトリウム水溶液
 カラム:直径4.6mm、長さ50mm
 サンプル:21量体S化核酸(不純物として20量体S化核酸を26%含む)
(2)測定方法
 分離材を充填したカラムをLCシステムに接続し、Aバッファーで平衡化した。次にBバッファー25容量%まで増加させ平衡化した。不純物として20量体S化核酸を26%含む21量体S化核酸溶液を10mg/mL-Rになるようにカラムへアプライした。アプライ終了後、Bバッファーを25容量%から100容量%まで増加させ、吸着した21量体S化核酸を溶出させた。0.4mL間隔で分取し純度95%での21量体S化核酸の回収率の算出を行なった。流速は全て1.0mL/minで行なった。
<不純物を含むS化核酸の回収率の算出方法>
(1)使用機器及び試薬
 LCシステム:Shimadzu CBM-20A
 Aバッファー:10mM水酸化ナトリウム水溶液
 Bバッファー:1M NaClO+10mM水酸化ナトリウム水溶液
 カラム:CQA35S(三菱ケミカル社製)
(2)S化核酸溶液の分析
 カラムをLCシステムに接続し、Aバッファーで平衡化した。次にBバッファー38容量%まで増加させ平衡化した。分取した21量体S化核酸溶液を10μLアプライし、Bバッファーを58容量%まで増加させ流速0.8mL/minで分析を行なった。これを分取したサンプル数の分、繰り返し行なった。
(3)21量体S化核酸回収率の計算方法
 (2)の分析によって、21量体S化核酸のピーク、及び、不純物のピークが得られた。
 各ピークの吸光度が295nmにおける面積値を分取時間でプロットし、クロマトグラムを描画した。ある範囲の分取サンプルにおける21量体S化核酸の面積値総和をA、全分取サンプルの21量体S化核酸及び不純物の面積値総和をAtotalとして式(I)より純度Pを算出した。
 次に純度95%時の21量体S化核酸の面積値総和をA95、21量体S化核酸の面積値総和をAS21として式(II)より純度95%時の21量体S化核酸回収率Rを算出した。
   P=A/Atotal×100   式(I)
   R=A95/AS21×100   式(II)
<19及び20量体オリゴ核酸の分離度の算出>
(1)使用機器及び試薬
 LCシステム:Shimadzu CBM-20A
 Aバッファー:10mM水酸化ナトリウム水溶液
 Bバッファー:2M NaCl+10mM水酸化ナトリウム水溶液
 カラム:直径4.6mm、長さ50mm
 サンプル:19量体オリゴ核酸、20量体オリゴ核酸混合物(50:50wt%)
 19量体オリゴ核酸:下記式で表される配列のオリゴ核酸(配列番号1)
 20量体オリゴ核酸:下記式で表される配列のオリゴ核酸(配列番号2)
 上記の19量体オリゴ核酸及び20量体オリゴ核酸の式は、いずれも便宜上、2列で示しているが、点線で示されている部分を含むリボース間の結合も通常のリン酸ジエステル結合である。
(2)測定方法
 分離材を充填したカラムをLCシステムに接続し、Aバッファーで平衡化した。次にBバッファー15容量%まで増加させ平衡化した。19及び20量体オリゴ核酸混合物を1.0mg/mL-Rアプライした。アプライ終了後、Bバッファーを15容量%から50容量%まで増加させ、19及び20量体オリゴ核酸混合物を溶出させた。
(3)分離度(Rs)の計算方法
 (2)の分析によって19量体オリゴ核酸及び20量体オリゴ核酸のそれぞれのピークが得られた。19量体オリゴ核酸のピークトップとなる時間をt(min)、ピークの半値幅をW0.5h1、20量体オリゴ核酸のピークトップとなる時間をt(min)、ピークの半値幅をW0.5h2として以下の式よりRsを算出した。
 Rs=1.18×(t-t)/(W0.5h1+W0.5h2
[実施例A1]
 グリシジルメタクリレート70部、エチレングリコールジメタクリレート30部から成り、平均粒径30μm、比表面積30~56m/g、細孔容積0.90~1.20mL/g、細孔直径500~1250Åである(メタ)アクリル系高分子担体100部に、水883部、N-ヒドロキシエチルアクリルアミド(東京化成製)184部、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド(東京化成製)62部、47%硫酸(富士フイルム和光純薬)83部、α-チオグリセロール(東京化成製)1部、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(富士フイルム和光純薬製)2部を混合し、溶解させた。この反応液を50℃で反応させ、反応後粒子を濾過、洗浄した。
 この担体にグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド600部、水260部、2M水酸化ナトリウム260部を加え30℃で反応させた。反応後粒子を濾過し、洗浄した。
 ここで、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミドとN-ヒドロキシエチルアクリルアミドとの比率(モル比)は20:80であった。
 N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミドに由来する構造単位は、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドとの反応により、式(A1)で表される構造単位となる。
 N-ヒドロキシエチルアクリルアミドに由来する構造単位は、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドとの反応により、式(A2)で表される構造単位となる。
 実施例A1の分離材について、分離性能を評価した。純度95%時の21量体S化核酸回収率は92.0%であった。結果を表1に示す。
[実施例A2~A7]
 N-ヒドロキシエチルアクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、47%硫酸の量を表2に記載の通り変更したこと以外は、実施例A1と同様にして分離材を得て、分離性能を評価した。結果を表1に示す。
[比較例A1]
 グリシジルメタクリレート70部、エチレングリコールジメタクリレート30部から成り、平均粒径30μm、比表面積30~56m/g、細孔容積0.90~1.20mL/g、細孔直径500~1250Åである(メタ)アクリル系高分子担体100部に、水883部、N-ヒドロキシエチルアクリルアミド(東京化成製)69部、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(東京化成製)75%水溶液386部、α-チオグリセロール(東京化成製)1部、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(富士フイルム和光純薬製)2部を混合し、溶解させた。この反応液を50℃で反応させ、反応後粒子を濾過、洗浄した。
 ここで、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドとN-ヒドロキシエチルアクリルアミドとの比率(モル比)は70:30であった。
 比較例A1の分離材について、実施例A1と同様に分離性能を評価した。結果を表1に示す。
 表1に示すように、比較例A1は、交換容量、回収率、分離度Rsのいずれも実施例A1~A7に及ばないことが分かる。さらに、実施例A1~A4は、回収率が著しく優れ、実施例A3~A6は、分離度Rsに優れることが分かる。
4.2.第二の発明について
[評価・評価方法]
<交換容量の測定>
 分離材を含むスラリー水溶液を10mLメスシリンダーに入れ、タップしながら分離材を沈降させ、分離材5.0mLを量り取った。この分離材を濾別し、カラムに入れて2M水酸化ナトリウム水溶液100mLを流して再生し、水で十分水洗し、流出水のpHが中性になったことを確認した。
 得られた分離材を濾別し、それを5%塩化ナトリウム水溶液60mLと混合し、遊離した酸を滴定し、滴定値を分離材体積で割って、分離材1mLあたりの交換容量とした。
<20量体及び21量体S化核酸の分離度の算出>
(1)使用機器及び試薬
 LCシステム:Shimadzu CBM-20A
 Aバッファー:10mM水酸化ナトリウム水溶液
 Bバッファー:2M NaCl+10mM水酸化ナトリウム水溶液
 カラム:直径4.6mm、長さ50mm
 サンプル:20量体S化核酸及び21量体S化核酸
(2)測定方法
 分離材を充填したカラムをLCシステムに接続し、Aバッファーで平衡化した。次にBバッファー25容量%まで増加させ平衡化した。20量体S化核酸を0.24mg/mL-Rアプライした。アプライ終了後、Bバッファーを25容量%から100容量%まで増加させ、20量体S化核酸を溶出させた。21量体S化核酸についても同様に実施した。
(3)分離度(Rs)の計算方法
 (2)の分析によって20量体S化核酸及び21量体S化核酸のそれぞれのピークが得られた。20量体S化核酸のピークトップとなる時間をt(min)、ピークの半値幅をW0.5h1、21量体S化核酸のピークトップとなる時間をt(min)、ピークの半値幅をW0.5h2として以下の式よりRsを算出した。
   Rs=1.18×(t-t)/(W0.5h1+W0.5h2
<19及び20量体オリゴ核酸の分離度の算出>
(1)使用機器及び試薬
 LCシステム:Shimadzu CBM-20A
 Aバッファー:10mM水酸化ナトリウム水溶液
 Bバッファー:2M NaCl+10mM水酸化ナトリウム水溶液
 カラム:直径4.6mm、長さ50mm
 サンプル:19量体オリゴ核酸、20量体オリゴ核酸混合物(50:50wt%)
(2)測定方法
 分離材を充填したカラムをLCシステムに接続し、Aバッファーで平衡化した。次にBバッファー15容量%まで増加させ平衡化した。19及び20量体オリゴ核酸混合物を1.0mg/mL-Rアプライした。アプライ終了後、Bバッファーを15容量%から50容量%まで増加させ、19及び20量体オリゴ核酸混合物を溶出させた。
(3)分離度(Rs)の計算方法
 (2)の分析によって19量体オリゴ核酸及び20量体オリゴ核酸のそれぞれのピークが得られた。19量体オリゴ核酸のピークトップとなる時間をt(min)、ピークの半値幅をW0.5h1、20量体オリゴ核酸のピークトップとなる時間をt(min)、ピークの半値幅をW0.5h2として以下の式よりRsを算出した。
   Rs=1.18×(t-t)/(W0.5h1+W0.5h2
[実施例B1]
 グリシジルメタクリレート70部、エチレングリコールジメタクリレート30部から成り、平均粒径30μm、比表面積30~56m/g、細孔容積0.90~1.20mL/g、細孔直径500~1250Åである(メタ)アクリル系高分子担体100部に、水883部、N-ヒドロキシエチルアクリルアミド(東京化成製)46部、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド(東京化成製)250部、47%硫酸(富士フイルム和光純薬)334部、α-チオグリセロール(東京化成製)1部、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(富士フイルム和光純薬製)2部を混合し、溶解させた。この反応液を50℃で反応させ、反応後粒子を濾過、洗浄した。
 この担体にグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド600部、水260部、2M水酸化ナトリウム260部を加え30℃で反応させた。反応後粒子を濾過し、洗浄した。
 ここで、N-ヒドロキシエチルアクリルアミドとN-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミドとの比率(モル比)は20:80であった。
 N-ヒドロキシエチルアクリルアミドに由来する構造単位は、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドとの反応により、式(B1)で表される構造単位となる。
 N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミドに由来する構造単位は、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドとの反応により、式(B2)で表される構造単位となる。
 実施例B1の分離材について、分離性能を評価した。
[実施例B2~B7]
 N-ヒドロキシエチルアクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、47%硫酸の量を表4に記載の通り変更したこと以外は、実施例B1と同様にして分離材を得て、分離性能を評価した。結果を表3に示す。
[比較例B1]
 グリシジルメタクリレート70部、エチレングリコールジメタクリレート30部から成り、平均粒径30μm、比表面積30~56m/g、細孔容積0.90~1.20mL/g、細孔直径500~1250Åである(メタ)アクリル系高分子担体100部に、水883部、N-ヒドロキシエチルアクリルアミド(東京化成製)69部、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(東京化成製)75%水溶液386部、α-チオグリセロール(東京化成製)1部、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(富士フイルム和光純薬製)2部を混合し、溶解させた。この反応液を50℃で反応させ、反応後粒子を濾過、洗浄した。
 ここで、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドとN-ヒドロキシエチルアクリルアミドとの比率(モル比)は70:30であった。
 比較例B1の分離材について、実施例B1と同様に分離性能を評価した。結果を表3に示す。
 表3に示すように、比較例B1は、交換容量、回収率、分離度Rsのいずれも実施例B1~B7に及ばないことが分かる。さらに、実施例B3~B7は、回収率が著しく優れ、実施例B1~B4は、分離度Rsに優れることが分かる。
4.3.第三の発明について
[評価・評価方法]
<共重合体の数平均分子量>
(1)使用機器及び試薬
 ポリエチレンオキシド:GLサイエンス
 LCシステム:Shimadzu CBM-20A
 移動相:0.1M硝酸ナトリウム水溶液
 カラム:TSKgel G5000PWXL-CP
(2)数平均分子量の測定方法
 カラムをシステムに接続し移動相で平衡化した。実施例の重合反応液を濾過して粒子を取り除いた後、反応溶液を10倍希釈してサンプルを調製した。このサンプルをカラムへアプライし、ゲルろ過クロマトグラフィーを行なった。その後、異なる分子量をもつポリエチレンオキシドから作成した検量線を用いて数平均分子量を算出した。
<交換容量の測定>
 分離材を含むスラリー水溶液を10mLメスシリンダーに入れ、タップしながら分離材を沈降させ、分離材5.0mLを量り取った。この分離材を濾別し、カラムに入れて2M水酸化ナトリウム水溶液100mLを流して再生し、水で十分水洗し、流出水のpHが中性になったことを確認した。
 得られた分離材を濾別し、それを5%塩化ナトリウム水溶液60mLと混合し、遊離した酸を滴定し、滴定値を分離材体積で割って、分離材1mLあたりの交換容量とした。
<不純物を含むS化核酸の分取>
(1)使用機器及び試薬
 LCシステム:Shimadzu CBM-20A
 Aバッファー:10mM水酸化ナトリウム水溶液
 Bバッファー:2M NaCl+10mM水酸化ナトリウム水溶液
 カラム:直径4.6mm、長さ50mm
 サンプル:21量体S化核酸(不純物として20量体S化核酸を26%含む)
(2)測定方法
 分離材を充填したカラムをLCシステムに接続し、Aバッファーで平衡化した。次にBバッファー25容量%まで増加させ平衡化した。不純物として20量体S化核酸を26%含む21量体S化核酸溶液を10mg/mL-Rになるようにカラムへアプライした。アプライ終了後、Bバッファーを25容量%から100容量%まで増加させ、吸着した21量体S化核酸を溶出させた。0.4mL間隔で分取し純度95%での21量体S化核酸の回収率の算出を行なった。流速は全て1.0mL/minで行なった。
<オリゴ核酸回収率の算出方法>
(1)使用機器及び試薬
 LCシステム:Shimadzu CBM-20A
 Aバッファー:10mM水酸化ナトリウム水溶液
 Bバッファー:1M NaClO+10mM水酸化ナトリウム水溶液
 カラム:CQA35S(三菱ケミカル社製)
(2)オリゴ核酸溶液の分析
 カラムをLCシステムに接続し、Aバッファーで平衡化した。次にBバッファー38容量%まで増加させ平衡化した。分取した21量体S化核酸溶液を10μLアプライし、Bバッファーを58容量%まで増加させ流速0.8mL/minで分析を行なった。これを分取したサンプル数の分、繰り返し行なった。
(3)21量体S化核酸回収率の計算方法
 (2)の分析によって、21量体S化核酸のピーク、及び、不純物のピークが得られた。
 各ピークの吸光度が295nmにおける面積値を分取時間でプロットし、クロマトグラムを描画した。ある範囲の分取サンプルにおける21量体S化核酸の面積値総和をA、全分取サンプルの21量体S化核酸及び不純物の面積値総和をAtotalとして式(I)より純度Pを算出した。
 次に純度95%時の21量体S化核酸の面積値総和をA95、21量体S化核酸の面積値総和をAS21として式(II)より純度95%時の21量体S化核酸回収率Rを算出した。
   P=A/Atotal×100   式(I)
   R=A95/AS21×100   式(II)
<19及び20量体オリゴ核酸の分離度の算出>
(1)使用機器及び試薬
 LCシステム:Shimadzu CBM-20A
 Aバッファー:10mM水酸化ナトリウム水溶液
 Bバッファー:2M NaCl+10mM水酸化ナトリウム水溶液
 カラム:直径4.6mm、長さ50mm
 サンプル:19量体オリゴ核酸、20量体オリゴ核酸混合物(50:50wt%)
(2)測定方法
 分離材を充填したカラムをLCシステムに接続し、Aバッファーで平衡化した。次にBバッファー15容量%まで増加させ平衡化した。19及び20量体オリゴ核酸混合物を1.0mg/mL-Rアプライした。アプライ終了後、Bバッファーを15容量%から50容量%まで増加させ、19及び20量体オリゴ核酸混合物を溶出させた。
(3)分離度(Rs)の計算方法
 (2)の分析によって19量体オリゴ核酸及び20量体オリゴ核酸のそれぞれのピークが得られた。19量体オリゴ核酸のピークトップとなる時間をt(min)、ピークの半値幅をW0.5h1、20量体オリゴ核酸のピークトップとなる時間をt(min)、ピークの半値幅をW0.5h2として以下の式よりRsを算出した。
   Rs=1.18×(t-t)/(W0.5h1+W0.5h2
[実施例C1]
 グリシジルメタクリレート70部、エチレングリコールジメタクリレート30部から成り、平均粒径30μm、比表面積30~56m/g、細孔容積0.90~1.20mL/g、細孔直径500~1250Åである(メタ)アクリル系高分子担体100部に、水883部、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド(東京化成製)312部、47%硫酸(富士フイルム和光純薬)417部、α-チオグリセロール(東京化成製)4部、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(富士フイルム和光純薬製)2部を混合し、溶解させた。この反応溶液を50℃で重合反応させ、重合反応液を得た。その後、粒子を濾過し、重合反応液を回収、粒子は洗浄した。
 この担体にグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド600部、水260部、2M水酸化ナトリウム260部を加え30℃で反応させた。反応後、粒子を濾過し、洗浄した。
 式(C1)で表される、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミドに由来する構造単位は、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドとの反応により、式(C2)で表される構造単位となる。
 実施例C1の分離材について、分離性能を評価した。純度95%時の21量体S化核酸回収率は93.0%であった。結果を表5に示す。
[実施例C2~C7]
 N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N-ヒドロキシエチルアクリルアミド、47%硫酸、α-チオグリセロールの量を表6に記載の通り変更したこと以外は、実施例C1と同様にして分離材を得て、分離性能を評価した。
 式(C3)で表される、N-ヒドロキシエチルアクリルアミドに由来する構造単位は、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドとの反応により、式(C4)で表される構造単位となる。結果を表5に示す。
[比較例C1]
 グリシジルメタクリレート70部、エチレングリコールジメタクリレート30部から成り、平均粒径30μm、比表面積30~56m/g、細孔容積0.90~1.20mL/g、細孔直径500~1250Åである(メタ)アクリル系高分子担体100部に、水883部、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド75%水溶液(東京化成製)551部、α-チオグリセロール(東京化成製)1部、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(富士フイルム和光純薬製)2部を混合し、溶解させた。この反応溶液を50℃で重合反応させ、重合反応液を得た。その後、粒子を濾過、洗浄した。
 比較例C1の分離材について、実施例C1と同様に分離性能を評価した。結果を表5に示す。
 表5に示すように、比較例C1は、回収率、分離度Rsのいずれも実施例C1~C7に及ばないことが分かる。さらに、実施例C1、C2、C5~C7は、回収率が著しく優れ、実施例C1~C3、C7は、分離度Rsに優れることが分かる。
 本発明の分離材、及び本発明の製造方法で製造される分離材は、特にオリゴ核酸に対する高い選択率で分離・吸着性能を示しており、医薬・診断分野おける実用上の価値は高い。

Claims (33)

  1.  陰イオン交換基が担体に結合してなる分離材であって、陰イオン交換基が式(A1)で表される構造単位を含む分離材。
    (式(A1)中、n1は1以上10以下である。Ra0は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Ra1はO又はNHを表す。Ra2及びRa3は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Ra4は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。Ra5、Ra6及びRa7は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)
  2.  前記陰イオン交換基が、更に式(A2)で表される構造単位を含む、請求項1に記載の分離材。
    (式(A2)中、m1は1以上10以下である。Ra8は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Ra9はO又はNHを表す。Ra10は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。Ra11、Ra12及びRa13は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)
  3.  前記陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、上記式(A1)で表される構造単位を10mol%以上100mol%以下の範囲で含む、請求項1又は2に記載の分離材。
  4.  前記陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、上記式(A1)で表される構造単位を20mol%以上50mol%以下の範囲で含む、請求項3に記載の分離材。
  5.  前記陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、上記式(A1)で表される構造単位を40mol%以上100mol%以下の範囲で含む、請求項3に記載の分離材。
  6.  交換容量が0.08mmol/mL-R以上0.20mmol/mL-R以下である、請求項1又は2に記載の分離材。
  7.  以下の工程(1-a)及び(1-b)を含むことを特徴とする、標的分子の分離方法;
    (1-a):標的分子を含む溶液を請求項1又は2に記載の分離材に接触させ、標的分子を分離材に吸着させる工程、
    (1-b):工程(1-a)で処理した分離材から標的分子を溶離する工程。
  8.  前記標的分子が生体高分子、生体高分子の部分構造物、又は生体高分子の化学変性物のいずれかである、請求項7に記載の標的分子の分離方法。
  9.  前記標的分子がオリゴ核酸、オリゴ核酸の部分構造物、又はオリゴ核酸の化学変性物のいずれかである、請求項8に記載の標的分子の分離方法。
  10.  請求項1又は2に記載の分離材を充填材として含み、少なくとも1つの容器を備える、クロマトグラフィー用カラム。
  11.  陰イオン交換基が担体に結合してなる分離材であって、陰イオン交換基が式(B1)で表される構造単位を含む分離材。
    (式(B1)中、n2は1以上10以下である。Rb0は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rb1はO又はNHを表す。Rb2は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。Rb3、Rb4及びRb5は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)
  12.  前記担体が、球状粒子からなる、請求項11に記載の分離材。
  13.  前記式(B1)中、Rb1がNHである、請求項11に記載の分離材。
  14.  前記式(B1)中、n2は2以上3以下である、請求項11に記載の分離材。
  15.  前記陰イオン交換基が、更に式(B2)で表される構造単位を含む、請求項11に記載の分離材。
    (式(B2)中、m2は1以上10以下である。Rb6は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rb7はO又はNHを表す。Rb8及びRb9は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rb10は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。Rb11、Rb12及びRb13は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)
  16.  前記陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、上記式(B1)で表される構造単位を10mol%以上100mol%以下の範囲で含む、請求項11又は15に記載の分離材。
  17.  前記陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、上記式(B1)で表される構造単位を60mol%以上100mol%以下の範囲で含む、請求項16に記載の分離材。
  18.  前記陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、上記式(B1)で表される構造単位を20mol%以上60mol%以下の範囲で含む、請求項16に記載の分離材。
  19.  交換容量が0.08mmol/mL-R以上0.20mmol/mL-R以下である、請求項11又は15に記載の分離材。
  20.  以下の工程(2-a)及び(2-b)を含むことを特徴とする、標的分子の分離方法;
    (2-a):標的分子を含む溶液を請求項11又は15に記載の分離材に接触させ、標的分子を分離材に吸着させる工程、
    (2-b):工程(2-a)で処理した分離材から標的分子を溶離する工程。
  21.  前記標的分子が生体高分子、生体高分子の部分構造物、又は生体高分子の化学変性物のいずれかである、請求項20に記載の標的分子の分離方法。
  22.  前記標的分子がオリゴ核酸、オリゴ核酸の部分構造物、又はオリゴ核酸の化学変性物のいずれかである、請求項21に記載の標的分子の分離方法。
  23.  請求項11又は15に記載の分離材を充填材として含み、少なくとも1つの容器を備える、クロマトグラフィー用カラム。
  24.  陰イオン交換基が担体に結合してなる分離材の製造方法であって、
     陰イオン交換基として、式(C1)で表される構造単位を含み、数平均分子量が100000以下である重合体を得た後、後反応を経て式(C2)で表される構造単位を含む重合体を得る、分離材の製造方法。
    (式(C1)中、n3は1以上10以下である。Rc0は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rc1はO又はNHを表す。Rc2及びRc3は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)
    (式(C2)中、n3は1以上10以下である。Rc0は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rc1はO又はNHを表す。Rc2及びRc3は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rc4は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。Rc5、Rc6及びRc7は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)
  25.  前記陰イオン交換基として、式(C3)で表される構造単位を更に含み、数平均分子量が100000以下である重合体を得た後、後反応を経て式(C2)及び式(C4)で表される構造単位を含む重合体を得る、請求項24に記載の分離材の製造方法。
    (式(C3)中、m3は1以上10以下である。Rc8は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rc9はO又はNHを表す。)
    (式(C4)中、m3は1以上10以下である。Rc8は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rc9はO又はNHを表す。Rc10は炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐のアルキレン基であって、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲンから選ばれる1つ以上を置換基として有していてもよい。Rc11、Rc12及びRc13は互いに独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)
  26.  前記陰イオン交換基が含む構造単位の全体に対して、上記式(C2)で表される構造単位を10mol%以上100mol%以下の範囲に配合する、請求項24又は25に記載の分離材の製造方法。
  27.  請求項24又は25に記載の分離材の製造方法で製造された分離材。
  28.  交換容量が0.08mmol/mL-R以上0.20mmol/mL-R以下である、請求項27に記載の分離材。
  29.  請求項27に記載の分離材と、式(C2)で表される構造単位を含み、数平均分子量が200000以下である重合体と、の混合物。
  30.  以下の工程(3-a)及び(3-b)を含むことを特徴とする、標的分子の分離方法;
    (3-a):標的分子を含む溶液を請求項27に記載の分離材又は請求項29に記載の混合物に接触させ、標的分子を分離材に吸着させる工程、
    (3-b):工程(3-a)で処理した分離材から標的分子を溶離する工程。
  31.  前記標的分子が生体高分子、生体高分子の部分構造物、又は生体高分子の化学変性物のいずれかである、請求項30に記載の標的分子の分離方法。
  32.  前記生体高分子がオリゴ核酸、オリゴ核酸の部分構造物、又はオリゴ核酸の化学変性物のいずれかである、請求項31に記載の標的分子の分離方法。
  33.  請求項27に記載の分離材又は請求項29に記載の混合物を充填材として含み、少なくとも1つの容器を備える、クロマトグラフィー用カラム。
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