以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図2は、本発明の一実施の形態に係る車両周囲監視装置のシステム構成図である。本実施の形態に係る車両周囲監視装置は、車両の上方から車両の周囲を見た画像である俯瞰画像と、車両から車両の周囲を見た画像である補助画像とを1つの画面に配置した複合画像を表示する装置に、本発明を適用した例として説明する。
図2において、車両周囲監視装置100は、大別して、第1~第4のカメラ110-1~110-4、データ記憶部120、表示切替部130、表示制御部140、およびモニタ150から構成されている。
第1~第4のカメラ110-1~110-4は、同一の構成を有しているため、カメラ110としてまとめて説明を行う。カメラ110は、撮像部111と、フレームメモリ112を有するフレーム切替部113とから構成されている。ここで、撮像部111は、CCD(charge coupled device)やCMOS(complementary metal oxide)などの撮像素子と、撮像素子の撮像面に光学像を結像させる光学系とを有し(いずれも図示せず)、撮像素子で撮像した画像をフレームメモリ112に出力するように構成されている。フレームメモリ112は、撮像部111で撮像した画像を一時的に格納するメモリである。フレーム切替部113は、撮像部111で撮影した画像の入力先を各フレームメモリ112に切り替えることができ、また、表示制御部140に出力する画像の参照先であるフレームメモリ112を切り替えることができるように構成されている。なお、撮像素子としてCMOSを採用する場合には、撮像素子にフレームメモリ112の機能を持たせるようにしてもよい。
図3は、図1の車両周囲監視装置の第1~第4のカメラ110-1~110-4およびモニタ150の取り付け位置の一例を示す斜視図である。
図3に示すように、第1のカメラ110-1は、車両200前部のバンパーを含む車両200の前方を撮像するために、車両200の正面中央に取り付けられている。第2のカメラ110-2は、車両200の後部のバンパーを含む車両200の後方を撮像するために、車両200の後部中央に取り付けられている。第3のカメラ110-3は、車両200の左側方を撮像するために、車両200の左サイドミラーに取り付けられている。第4のカメラ110-4は、車両200右側方を撮像するために、車両200の右サイドミラーに取り付けられている。また、モニタ150は、車両200のダッシュボードの運転者から見える位置に取り付けられている。
第1~第4のカメラ110-1~110-4の撮像範囲110a-1~110a-4は、いずれも、車両200の周囲の地面を含む。また、第1~第4のカメラ110-1~110-4の撮像範囲110a-1~110a-4のうち、隣り合う撮像範囲110aは、少なくとも地面において、接するか、重なり合っている。これにより、第1~第4のカメラ110-1~110-4は、全体で、車両200周囲の地面を360度撮像することができる。また、第1~第4のカメラ110-1~110-4の撮像画像を表示することにより、運転者に対し、地面の障害物の有無を画像で示すことができる。
俯瞰画像および補助画像は、後述するが、第1~第4のカメラ110-1~110-4の撮像画像に基づいて合成される。したがって、車両周囲監視装置100は、車両200の移動に追従して、車両200周囲の様子をほぼリアルタイムで表示する俯瞰画像および補助画像を、運転者に提示することができる。
図2のデータ記憶部120は、第1~第3のマッピングテーブル121-1~121-3と、これに対応する第1~第3のカメラ表示領域データ122-1~122-3が予め記憶されて構成されている。
マッピングテーブル121は、複合画像の画素ごとのマッピングデータの集合である。マッピングデータは、複合画像の各画素が、フレームメモリ112に格納された画像のどの画素に対応するかを示すデータである。すなわち、マッピングテーブル121は、第1~第4のカメラ110-1~110-4の撮像画像から複合画像を合成するためのテーブルである。カメラ表示領域データ122は、マッピングテーブル121に基づいて生成される複合画像のうち、補助画像に対応する画像領域を示すデータである。本実施の形態では、カメラ表示領域データ122は、俯瞰画像のうち補助画像に対応する画像領域を囲む枠線を、俯瞰画像に重ねて表示するための画像データであるものとする。
表示切替部130は、車両200の運転状況に応じて、データ記憶部120に格納された第1~第3のマッピングテーブル121-1~121-3を切り替えて選択するとともに、選択したマッピングテーブル121に対応するカメラ表示領域データ122を選択するように構成されている。
表示制御部140は、第1~第4のカメラ110-1~110-4の各フレームメモリ112に格納された画像から、表示切替部130により選択されたマッピングテーブル121およびカメラ表示領域データ122を用いて、複合画像を生成するように構成されている。表示制御部140は、マッピングテーブル参照部141、画像合成部142、枠線重畳部143、映像信号生成部144、およびタイミング生成部145から構成されている。
マッピングテーブル参照部141は、表示切替部130により選択されたマッピングテーブル121を一時的に格納し、このマッピングテーブル121を参照して、複合画像の各画素のマッピングデータを画像合成部142に出力するように構成されている。
画像合成部142は、マッピングテーブル参照部141から出力されるマッピングデータに従って、第1~第4のカメラ110-1~110-4のフレームメモリ112に格納された画像を読み取り、読み取った画像のマッピングを行うように構成されている。すなわち、画像合成部142から出力される画像データは、表示切替部130により選択されたマッピングテーブル121に基づく複合画像の画像データとなる。
枠線重畳部143は、画像合成部142から出力される画像データと、表示切替部130により選択されたカメラ表示領域データ122とを合成し、補助画像に対応する画像領域を囲む枠線の画像を複合画像に重畳した画像(以下「枠線重畳画像」という)を生成するように構成されている。
映像信号生成部144は、枠線重畳部143で生成されたフレームごとの枠線重畳画像から、動画系列を表示するための映像信号を生成するように構成されている。
タイミング生成部145は、第1~第4のカメラ110-1~110-4のフレーム切替部113が接続状態を切り替えるタイミングと、マッピングテーブル参照部141がマッピングデータを出力するタイミングと、映像信号生成部144の動作タイミングとを制御するタイミング信号を生成するように構成されている。
モニタ150は、任意のディスプレイから構成されており、表示制御部140で生成された映像信号に基づいて、枠線重畳画像を表示することができるように構成されている。
なお、車両周囲監視装置100は、図示しないが、CPU(central processing unit)や、制御プログラムを格納したROM(read only memory)などの記憶媒体、RAM(random access memory)などの作業用メモリなどを有する。例えば、CPUが制御プログラムを実行することで、上記した各部の機能は実現される。
次に、第1~第3のマッピングテーブル121-1~121-3および第1~第3のカメラ表示領域データ122-1~122-3の内容について説明する。
第1~第3のマッピングテーブル121-1~121-3は、第1~第4のカメラ110-1~110-4の撮像画像から複合画像を合成するためのマッピングテーブルである。本実施の形態の複合画像は、車両200上方に固定された仮想視点による俯瞰画像と、補助画像とを、左右に並べて配置したものである。このような表示形態を採ることにより、運転者に対し、車両200の周囲の広い範囲と狭い範囲との両方の様子を、表示画像で確認させることができる。また、俯瞰画像は車両200の周囲360度の画像を表示するので、運転者に対し、全ての方向の様子を表示画像で確認させることができる。
第1のマッピングテーブル121-1は、車両200前方の画像を補助画像として表示するためのマッピングテーブルである。また、第2のマッピングテーブル121-2は、車両200後方の画像を補助画像として表示するためのマッピングテーブルである。また、第3のマッピングテーブル121-3は、車両200左方向の画像および右方向の画像を並べた側方画像を補助画像として表示するためのマッピングテーブルである。
図4A~図4Cは、第1~第3のマッピングテーブル121-1~121-3から生成される複合画像の例を示す平面図である。
図4Aに示すように、第1のマッピングテーブル121-1が用いられる場合には、複合画像300として、俯瞰画像310と、車両200前方の画像を表示する補助画像320とが表示される。補助画像320の画像は、俯瞰画像310のうち、車両200前方の画像領域200fに対応している。画像領域200fは、例えば、第1のカメラ110-1の撮像範囲110a-1に対応している。
図4Bに示すように、第2のマッピングテーブル121-2が用いられる場合には、複合画像300として、俯瞰画像310と、車両200後方の画像を表示する補助画像320とが表示される。補助画像320の画像は、俯瞰画像310のうち、車両200後方の画像領域200bに対応している。画像領域200bは、例えば、第2のカメラ110-2の撮像範囲110a-2に対応している。
図4Cに示すように、第3のマッピングテーブル121-3が用いられる場合には、複合画像300として、俯瞰画像310と、車両200左側方の画像および車両200右側方の画像を表示する補助画像320とが表示される。補助画像320の画像は、俯瞰画像310のうち、車両200左側方の画像領域200lおよび右側方の画像領域200rに対応している。画像領域200lは、例えば、第3のカメラ110-1の撮像範囲110a-3に対応している。画像領域200rは、例えば、第4のカメラ110-4の撮像範囲110a-4に対応している。
表示切替部130は、車両200がリバース以外のギア設定で走行している間は、第1のマッピングテーブル121-1を選択し、車両200がリバースのギア設定で走行している間は、第2のマッピングテーブル121-2を選択する。これにより、走行時に車両200の進行方向の画像が補助画像320に表示され、運転者は、より安全な走行を行うことができる。また、表示切替部130は、車両200が走行していない間やサイドドアが開かれている間は、第3のマッピングテーブル121-3を選択する。これにより、乗降時に車両200のサイドドア周囲の画像が補助画像320に表示され、運転者は、安全な乗降を図ることができる。すなわち、運転者が特に安全確認を行うべき範囲の画像を、自動で選択して表示することができる。また、不要な補助画像320は表示されないので、個々の補助画像320を比較的大きいサイズで表示することができる。
また、ここで、車両のギアがリバースに設定されているときの、カメラ表示領域データおよび枠線重畳画像の例について説明する。
図5A~図5Cは、車両200のギアがリバースに設定されているときの、複合画像の一例と、カメラ表示領域データによる枠線の画像の一例と、これらの画像から生成される枠線重畳画像の一例とを示す平面図である。
図5Aに示すように、複合画像300の俯瞰画像310の中央には、車両200を上方からみたときの画像330が配置される。車両200のギアがリバースに設定されているときには、上述したように第2のマッピングテーブル121-2が選択されるため、図5Aに示すように、複合画像300の画像データは、補助画像320として車両200後方の画像を表示するデータとなる。この画像は、上述したように、俯瞰画像310のうち、車両200後方の画像領域に対応する。したがって、第2のカメラ表示領域データ122-2は、図5Bに示すように、俯瞰画像310のうち車両200後方の画像領域を囲む枠線340を表示する画像データ350となっている。
枠線重畳部143で、図5Aに示す複合画像300の画像データに、図5Bに示すカメラ表示領域データ122-2が重畳されることにより、図5Cに示すような枠線重畳画像360が生成される。枠線重畳画像360は、俯瞰画像310のうち、補助画像320に対応する車両200後方の画像領域が、枠線340により囲まれた状態となる。また、車両200の画像330と枠線340とにより、補助画像320に対応する画像領域は、閉じられた領域となっている。
同様に、第1のカメラ表示領域データ122-1は、第1のマッピングテーブル121-1に基づいて生成される俯瞰画像のうち、車両200前方の画像領域を囲む枠線を表示する画像データとなっている。また、第3のカメラ表示領域データ122-3は、第3のマッピングテーブル121-3に基づいて生成される俯瞰画像のうち、車両200左右側方の画像領域を囲む2つの枠線を表示する画像データとなっている。マッピングテーブル121と表示領域データ122との組を切り替えることにより、枠線が重畳された複数種類の複合画像300を簡単に切り替えて表示することができる。
第1~第3のカメラ表示領域データ122-1~122-3は、様々な手法により生成することができる。
例えば、第1~第3のカメラ表示領域データ122-1~122-3は、オペレータが、第1~第3のマッピングテーブル121-1~121-3に基づいて生成される3つの複合画像を目視で確認しながら、枠線340の位置を手動で設定することにより、生成される。
また、例えば、第1~第3のカメラ表示領域データ122-1~122-3は、各マッピングテーブル121から、所定の面(例えば地面)について補助画像が映し出す範囲を演算し、演算された範囲を基準に、枠線を自動設定することによって、生成される。
また、例えば、第1~第3のカメラ表示領域データ122-1~122-3は、補助画像の画像範囲がカメラ110ごとの撮像範囲に対応している場合には、補助画像に対応するカメラ110の撮像画像がマッピングされたときのマッピング先の領域を基準に、枠線を自動設定することによって、生成される。
枠線の位置、色、線種、大きさ、および太さなどの形態は、補助画像の方向および俯瞰画像の画像を運転者が容易に認識することができる形態であればよい。また、枠線は、領域や障害物接近などの各種条件に応じて、色、太さ、点滅状態を変化するようにしてもよい。また、枠線が囲む範囲は、必ずしも、補助画像で映し出され、かつ俯瞰画像で表示可能な範囲に完全に一致させる必要は無く、補助画像の方向を正しく認識することが可能な範囲とすればよい。
次に、このように構成された車両周囲監視装置100の動作について説明する。
図6は、車両周囲監視装置100の動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、車両200がパーキングギアに設定されている状態で、車両周囲監視装置100の動作が開始されるものとする。
まず、ステップS1000で、表示切替部130は、初期状態として、第3のマッピングテーブル121-3を選択し、マッピングテーブル参照部141に設定する。また、このとき、表示切替部130は、第3のカメラ表示領域データ122-3を選択し、枠線重畳部143に設定する。
そして、ステップS2000で、表示切替部130は、車両200のギアがフォワードギアに切り替えられたか否かを判断する。表示切替部130は、ギアがフォワードギアに切り替えられた場合には(S2000:YES)、ステップS3000に進み、ギアがフォワードギアに切り替えられていない場合には(S2000:NO)、ステップS4000に進む。
ステップS3000で、表示切替部130は、第1のマッピングテーブル121-1を選択し、マッピングテーブル参照部141に設定する。また、このとき、表示切替部130は、第1のカメラ表示領域データ122-1を選択し、枠線重畳部143に設定する。
そして、ステップS5000で、車両周囲監視装置100は、カメラ110、マッピングテーブル参照部141、画像合成部142、枠線重畳部143、および映像信号生成部144によるフレーム処理を実行する。フレーム処理については後述する。
そして、ステップS6000で、車両周囲監視装置100は、処理を継続するか否かを判断し、継続する場合には(S6000:YES)、ステップS2000に戻り、継続しない場合には(S6000:NO)、一連の処理を終了する。
また、ステップS4000で、表示切替部130は、車両200のギアがリバースギアに切り替えられたか否かを判断する。表示切替部130は、ギアがリバースギアに切り替えられた場合には(S4000:YES)、ステップS7000に進み、ギアがリバースギアに切り替えられていない場合には(S4000:NO)、ステップS8000に進む。
ステップS7000で、表示切替部130は、第2のマッピングテーブル121-2を選択し、マッピングテーブル参照部141に設定し、ステップS5000のフレーム処理に進む。また、このとき、表示切替部130は、第2のカメラ表示領域データ122-2を選択し、枠線重畳部143に設定する。
また、ステップS8000で、表示切替部130は、車両200のギアがパーキングギアに切り替えられたか否かを判断する。表示切替部130は、ギアがパーキングギアに切り替えられた場合には(S8000:YES)、ステップS9000に進み、ギアがパーキングギアに切り替えられていない場合には(S8000:NO)、ステップS5000のフレーム処理に進む。
なお、ギアの切り替えが行われていない間は、ステップS5000のフレーム処理が繰り返されることになる。
このような動作により、車両200のギアがパーキング、フォワードギア、およびリバースギアの間で切り替えられる度に、使用されるマッピングテーブル121およびカメラ表示領域データ122は切り替わり、その結果、補助画像の方向および俯瞰画像の枠の位置が切り替わる。そして、フレーム単位で複合画像に枠線を重畳して映像信号を生成する、以下に説明するフレーム処理が繰り返される。
図7は、フレーム処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS5100で、第1~第4のカメラ110-1~110-4は、カメラ画像が書き込まれるフレームメモリ112と、画像合成部142によって参照されるフレームメモリ112とを切り替える。
具体的には、各カメラ110のフレーム切替部113は、撮像部111からの画像の入力が完了したフレームメモリ112が、表示制御部140による画像の参照先となるように、各フレームメモリ112と撮像部111との接続状態、および各フレームメモリ112と表示制御部140との接続状態を切り替える。これらの接続状態の切り替えタイミングは、表示制御部140から出力されるタイミング信号によって制御される。画像合成部142から参照されるカメラ画像の画素の位置は、撮像部111の書き込みの順序とは関係無く飛び飛びになる。したがって、各カメラ110において、このようにフレーム切替部113が複数のフレームメモリ112を切り替えることにより、書き込みと参照が干渉しないようにすることができる。
そして、ステップS5200で、タイミング生成部145は、合成出力のタイミングに合わせて、マッピングテーブル参照部141が現在マッピングデータを出力すべき画素を設定する。タイミング生成部145は、ステップS5200で複合画像のフレームの各画素を1つずつ順に選択し、設定する。
そして、ステップS5300で、マッピングテーブル参照部141は、ステップS5200で設定された画素に対応する要素を、現在格納しているマッピングテーブルから読み出し、マッピングデータとして画像合成部142に出力する。
そして、ステップS5400で、画像合成部142は、入力されたマッピングデータに従って、各カメラ110のフレームメモリ112に記録されたカメラ画像の、対応する画素の値を合成することにより、複合画像の画像データを生成し、枠線重畳部143に出力する。例えば、画素の値の最も簡単な決定方法は、フレームメモリ112の対応する画素データの値をそのまま画素の値とすることである。
そして、ステップS5500で、枠線重畳部143は、入力された複合画像の画像データと、カメラ表示領域データ122とから、複合画像に補助画像の方向を示す枠線を重畳した枠線重畳画像の画像データを生成し、映像信号生成部144に出力する。
枠線重畳部143は、カメラ表示領域データ122が、枠線の部分に色彩を付し他の部分を透明とした画像の画像データである場合には、その画像を複合画像に重ね合わせる画像処理により、枠線重畳画像の画像データを生成する。また、枠線重畳部143は、カメラ表示領域データ122が、枠線の部分の画素を示すデータである場合には、複合画像のうち該当する箇所の画素値を変換することにより、枠線重畳画像の画像データを生成する。
枠線重畳部143には、上述の通り、常に、画像合成部142が使用しているマッピングテーブル121に対応するカメラ表示領域データ122が設定された状態となっている。したがって、枠線重畳部143では、常に、補助画像に対応する画像領域を囲む枠線が、俯瞰画像に重畳されることになる。
そして、ステップS5600で、映像信号生成部144は、入力された枠線重畳画像の画像データを映像信号に変換し、映像信号をモニタ150に出力する。
そして、ステップS5700で、タイミング生成部145は、フレームの最終画素に対する処理が完了したか否かを判断する。タイミング生成部145は、最終画素に対する処理がまだ終了していない場合は(S5700:NO)、ステップS5800に進む。
ステップS5800で、タイミング生成部145は、次の画素の処理へ移行し、ステップS5200に戻る。
そして、車両周囲監視装置100は、ステップS5200~S5700の処理を繰り返した結果、合成画像のフレームの最終画素に対する処理が完了すると(S5700:YES)、図6の処理に戻る。そして、車両周囲監視装置100は、適宜次のフレームに対するフレーム処理を開始する。
このようなフレーム処理により、車両周囲監視装置100は、補助画像に対応する画像領域を囲む枠線を俯瞰画像に重畳した枠線重畳画像を、モニタ150に表示させる。
なお、ここでは、フレーム単位で合成処理を行う場合について説明したが、フィールド単位で合成処理を行う場合にも、同様の処理で枠線重畳画像を表示することができる。
以上説明した動作により、車両周囲監視装置100は、車両200の動作状態に応じた補助画像を示すとともに、その補助画像の方向を、俯瞰画像に重畳した枠線によって示すことができる。これにより、俯瞰画像と、車両200の動作状態に応じた種類の補助画像と、補助画像の方向を、高い視認性で同時表示することができる。
上述のように、車両周囲監視装置100では、補助画像の方向は、俯瞰画像のうち補助画像に対応する画像領域を目立たせることで示され、この画像領域は、画像領域を囲む枠線を俯瞰画像に重畳することによって示される。俯瞰画像に重畳された枠線は、車両200周辺の、車両200に対して閉じた1つまたは複数の領域を、明瞭に示す。すなわち、車両周囲監視装置100は、枠線により画像領域を囲むという複合画像の表示形態を採ることにより、補助画像の方向を、対応する画像領域という比較的大きなサイズの視覚情報によって示すことができる。しかも、枠線であるため、その領域の画像の視認性には、ほとんど影響を及ぼすことが無い。
以下、本実施の形態による複合画像の表示形態と、従来の形態を含む他の複合画像の表示形態との、視認性についての比較実験結果について説明する。
視認性についての比較実験は、本実施の形態に係る複合画像と、他の表示形態を採る複合画像と、従来の表示形態を採る複合画像とを、複数の被験者に見せ、各被験者が補助画像に対応する画像領域を最も把握し易いと評価した表示形態にポイントを付け、ポイントの集計結果を比較することにより行った。
図8は、上記比較実験の評価対象を示す図である。
図8に示すように、本実験では、本実施の形態に係る複合画像、つまり俯瞰画像に枠線を重畳する表示形態を、第1案とした。また、俯瞰画像および補助画像とは別の領域に、文字情報を用いて補助画像の方向を示すアイコンを表示する形態を、第2案とした。また、従来の表示形態、つまり、俯瞰画像および補助画像とは別の領域に、補助画像の方向を図で示すアイコンを表示する形態を、第3案とした。また、それぞれの案において、車両の後退シーンおよび前進シーンの複合画像の静止画を用意した。
第1案は、補助画像の方向を示す画像を俯瞰画像に重ねて配置しているものの、枠線で領域を囲むという形態を採っているため、俯瞰画像の視認性はほとんど低下しない。また、第2案および第3案とも、補助画像の方向を示すアイコンは、俯瞰画像および補助画像の表示範囲の縮小による視認性の低下を最小限に抑えるべく、十分小さい大きさで表示されている。したがって、第1案~第3案のいずれも、俯瞰画像および補助画像の視認性はほぼ同レベルとなっている。
図9は、上記比較実験の被験者のデータを示す図である。
図9に示すように、被験者は、20代~60代の男女24人である。いずれの被験者も、月1回以上、軽度に普通乗用車を運転している者である。本実験では、各被験者に対し、図8に示す3案の画像を見せ、補助画像の方向について見間違えを起こさないかどうかという観点で、被験者の主観による3案の順位付けを回答させた。
図10は、上記比較実験の結果を、どの案の複合画像に対して何人の被験者が最も見易いと評価したかを示す円グラフである。
図10に示すように、第1案(本実施の形態)の複合画像を最も見易いと評価した被験者の数は、17人と最も多く、第2案の5人、第3案の2人と続いた。第2案および第3案の俯瞰画像および補助画像の表示サイズは、アイコンの表示領域のために、第1案よりも小さくせざるを得ない。したがって、第2案および第3案の俯瞰画像および補助画像の視認性は、第1案の俯瞰画像および補助画像の視認性よりも劣る。したがって、本実験結果は、補助画像の方向の視認性の比較結果を示すものであるといえる。この実験結果より、本実施の形態に係る複合画像は、第2案および第3案に係る複合画像に比べて、俯瞰画像、補助画像、および補助画像の方向を、より高い視認性で同時表示することができることが明らかであり、特に、従来の車両周囲監視装置に係る複合画像に対して優位性を有することは明らかである。
以上説明したように、本実施の形態によれば、補助画像に対応する画像領域を囲む枠線を俯瞰画像に重ねて表示することができるので、画面領域を新たに消費することなく、かつ俯瞰画像の視認性に支障をきたすことなく、補助画像の方向を表示することができる。すなわち、俯瞰画像、補助画像、および補助画像の方向を、高い視認性で同時表示することができる。
また、補助画像の方向を、対応する画像領域を囲む枠線で示すので、補助画像の方向を、俯瞰画像の視認性低下を最小限に抑えながら、視覚的により目立つ状態で示すことができる。
また、俯瞰画像および補助画像のいずれも、車両の周囲の地面の画像を含んでいるので、運転者は、地面の障害物を視認することができるとともに、地面の画像を基準として俯瞰画像と補助画像との対応付けを行うことができる。
なお、本実施の形態では、マッピングテーブルとカメラ表示領域データとを別個に用意した場合について説明したが、マッピングテーブルにカメラ表示領域データを含むようにしてもよい。この場合には、例えば、マッピングテーブルは、複合画像のうち枠線の部分とすべき画素の画素値を、枠線の色の画素値とする。これにより、枠線重畳部143を設けることなく、マッピング処理のみによって、俯瞰画像に枠線が重畳された画像を表示することができる。
また、本実施の形態では、複合画像全体のマッピングテーブルを用意する場合について説明したが、例えば、俯瞰画像と補助画像とで別に用意し、俯瞰画像のマッピングテーブルと補助画像のマッピングテーブルとを組み合わせて用いるようにしてもよい。また、カメラの撮像画像をそのまま補助画像として用いる場合には、補助画像部分のマッピングテーブルは不要である。
また、本実施の形態では、枠線を俯瞰画像に重ねて表示するための手法として、カメラ表示領域データを画像データとしてマッピングテーブルとは別個に用意する場合について説明したが、他の手法を用いてもよい。例えば、マッピングデータのうち、枠線の部分に対応する画素に、カメラ画素の情報ではなく枠線の色情報を入れることにより、枠線の情報をマッピングテーブルに埋め込んでおく手法が考えられる。
また、本実施の形態では、補助画像の方向が前方、後方、および左右側方の3つのパターンで切り替わる場合について説明したが、より多くの方向で補助画像の方向が切り替わるようにしてもよい。この場合には、それぞれの方向に対応するマッピングテーブルおよびカメラ表示領域データを用意すればよい。
また、補助画像の方向を任意に設定したり、補助画像の方向をスムーズに変化させるようにしてもよい。この場合には、補助画像が映し出す地面の範囲をリアルタイムで演算し、演算された地面の範囲を基準に、俯瞰画像における枠線の位置を更にリアルタイムで演算すればよい。
また、俯瞰画像の仮想視点が固定されている場合について説明したが、この仮想視点の位置、向き、および画角等は、可変としてもよい。この場合には、俯瞰画像のうち、補助画像が映し出す地面の範囲に対応する画像領域を、仮想視点の状態に基づいてリアルタイムで演算し、演算された画像領域を囲む枠線を、更にリアルタイムで複合画像に描画すればよい。
また、本実施の形態では、車両周囲の撮像を4つのカメラで行う場合について説明したが、4つ未満、または5つ以上のカメラで行うようにしてもよい。