明 細 書 夕ンパク質複合体およびその製造方法 技術分野
本発明は、 タンパク質複合体およびその製造方法、 より詳しくは 抗癌夕 パク質ワクチンの夕ンパク質抗原およびその製造方法に関 する。 本発明は、 分子中に 2個以上のシスティン残基を有する抗癌 夕ンパク質ワクチンの癌特異的タンパク質抗原およびその製造方法 に特に好適に適用可能である。 一つの態様において、 本発明は、 例 えば、 癌精巣抗原 (C TA) のごとく分子中に 2個以上のシスティ ン残基を有する抗癌タンパク質ワクチンの癌特異的タンパク質抗原 のシスティン残基を酸化的スルホ化することにより保護して、 効率 よく精製する製造方法に関する。 背景技術
本発明は、 分子中にシスティン残基を 2個以上有するタンパク質 について、 特に制限なく適用することが可能であるが、 説明の便宜 のため、 上記した癌精巣抗原 (C TA) に関連する背景技術につい て、 先ず説明する。
癌細胞に特異的に発現する抗原を患者の細胞障害性 Tリンパ球 ( C TL) が認識して攻撃するらしいことが知られ、 メラノ一マ癌細 胞株から MAGE— A 1抗原の遺伝子配列が Gene Trans fee t ion Ap proachによって初めて同定された (非特許文献 1 ; van der Brugg en P, et al. , Science; 2 5 4 : 1 6 4 3 - 7 ( 1 9 9 1 ) ) 。 この MAGE—A l遺伝子に由来するプローブを含むコスミ ドで D N Aライブラリに対してハイブリダィズすることによって、 新たに
1 1種の密接に関連した MAG E ファミ リ一が同定された。 (非 特許文献 2 ; De Plaen E, et al. , Immunogene t ics ; 4 0 : 3 6 0 - 9 ( 1 9 9 4 ) ) 。 これらの 1 2種の MAG E— A遺伝子の局在 は X染色体の q 2 8領域に同定された (非特許文献 3 ; Rogner UC, et al. , Genomics. 2 9 : 7 2 5 - 3 1 ( 1 9 9 5 ) ) 。
その後も癌精巣抗原 (C TA) は S E R E X法 (例えば Sahin, U . ら (1995) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 9 2 , 1 1 8 1 0 - 3 、 Chen YTら ( 1 9 9 7 ) Proc Natl Acad Sci U S A. ; 9 4 : 1 9 1 4— 8、 Tureci 0ら ( 1 9 9 6 ) Cancer Res. 5 6 : 4 7 6 6— 7 2 を参照) 等によって引き続き発見された。 これらの C TA の多くは正常細胞では精巣細胞内にしか存在せず、 癌細胞に高頻度 で発現することが明らかになった。 こうした性質から C T Aは、 癌 ワクチンの理想的な標的抗原といわれている。 実際、 C T Lがこの C T A陽性細胞を認識するェピトープ ( 8— 1 0残基のアミノ酸よ りなるオリゴペプチド) を抗原としたペプチドワクチンの開発がこ れまで数多くなされている。
しかしながら、 C T Lだけを活性化させてもワクチン効果として は不充分であることが多く、 更にはヒ ト白血球抗原 (H L A) の夕 イブによってその認識ェピトープは異なるため、 ペプチドワクチン の臨床応用には限界があると考えられている。 これに対して、 C T Aの全長もしくは部分長を抗原とするタンパク質性ワクチンでは、 抗原中に C T Lの認識ェピト一プだけでなくヘルパー T細胞の認識 ェピトープも含むことにより様々なタイプの T細胞を同時に活性化 でき、 また、 異なる HL Aに対応する認識ェピト一プも複数含む、 いわゆる多価性ワクチンとして機能し得ることが知られている。 タンパク質性ワクチンでは、 癌特異的抗原の抗原提示細胞 (例え ば樹状細胞) への効率的な送達を図るため、 あるいは癌特異的抗原
の安定化を図るために、 癌特異的抗原をリボソーム等の高分子キヤ リアに包埋して用いることがある。 そう した高分子キャリアの一種 として、 プルランなどの多糖類にコレステロールなどの疎水性基を 付加して得られる疎水化多糖類 (例えば CHP) の会合体がある。 CHPは、 これに癌特異的抗原全体を包埋させることによって、 抗 原提示細胞に抗原提示させやすくする性質を有し、 しかも C H P内 にて癌特異的抗原を保護することで製剤としての安定性を向上させ る効果も有する。 (特許文献 l ; WO 9 8 / 0 9 6 5 0.号公報) こ のような高分子キヤ リアとしては、 I S C OMATR I Xアジュバ ントも知られている。 (特許文献 X ; WO 2 0 0 5 0 3 2 4 7 5 ) 包埋剤となる高分子キャ リアとしては、 周知のもの、 たとえばリ ポゾームやイスコマトリ ックスも含まれる。
リボソームはこのような目的には一般的に使われるもので当業者 には周知のものであり、 リ ン脂質とそれ以外のコレステロールや様 々な物質と組み合わせたり、 また抗体や磁性粒子などを用いて目的 とする標的部位に集中する機能を付与して DD Sシステムに使われ ているが、 たとえば白血病細胞のブ夕ノール抽出物を含むワクチン (Shibata R. ら、 ( 1 9 9 1年) Int J Cancer. May 3 0 ; 4 8 ( 3) : 4 3 4 - 4 2 ) や膜タンパクからのワクチン (Sunamoto J . ら、 ( 1 9 9 0年) Ann NY Acad Sci. 6 1 3 : 1 1 6 - 2 7 ) を参照することができる。
イスコマ卜リックスもがん抗原を包埋してワクチンにすることが できる公知の物質で、 サポニン、 コレステロールおよびリン脂質か ら構成されている。 オース トラリアの C S L社で開発が進められて いて既に臨床試験の報告が出されている。 (たとえば、 B u t t s
C . ら、 ( 2 0 0 5年) J Clin Oncol. 2 0 ; 2 3 ( 2 7 ) : 6 6 7 4 - 8 1や、 North S. ら、 ( 2 0 0 5年) Expert Rev Vac
cine s. 4 ( 3 ) : 2 4 9— 5 7、 D a v i s D. ら、 ( 2 0 0 4年) P Natul Acad Sci. 1 0 1 ( 2 9 ) 1 0 6 9 7 を参照す ることができる。 )
上記 C T Aなどの癌特異的抗原は組換え大腸菌によって発現させ て製造することが出来るが、 医薬品としてのグレードの品質を確保 するためには、 通常は、 いくつかの精製工程を経ることが必要とな る。 H i s — T a gと呼ばれる、 ヒスチジンが複数個並んだ配列で 金属イオンとキレートを形成するタグを癌特異的タンパク質の N末 端または C末端に付加し、 ニッケルイオンの固定化カラムを用いて 癌特異的タンパク質をァフィ二ティ一精製することが多い。 (Sker ra A. ら、 Biotechnology ( 1 9 9 1年) M a r ; 9 ( 3 ) 2 7 3 一 8や Crowe J ら、 Methods Mo 1 Biol. ( 1 9 9 4年) ; 3 1 : 3 7 1 - 3 8 7. 参照) しかしながら、 C T A等癌特異的抗原タンパ クにはシスティンのチオール (一 S H) 基が配列の中に複数存在す ることが多く、' 夕ンパク質分子間でジスルフィ ド (― S— S— ) 結 合して多量体を形成する傾向がある。
一部のタンパク質では、 リフォールディ ング操作によって分子内 架橋させることで性状改善、 すなわち単量体化を図り、 純度の良い タンパク質として精製することが出来る。 しかし、 C TA等癌特異 的抗原タンパクでは分子内ジスルフィ ド結合を形成し難く、 リフォ —ルディ ング操作によっても単量体が得られにくい傾向にある。 こ のため、 C TA等癌特異的抗原タンパクを精製するに際しては、 下 記のような種々の問題点がある。
( 1 ) システィンを含むタンパクは精製工程中に濃縮されると分子 間スルフィ ド結合によって縮合が進み、 多量体を形成して収率が低 下してしまう。
( 2 ) チオール基を有するタンパク質は、 一般に不安定で、 医薬品
として使用する場合には品質安定性上にも課題がある。
( 3 ) ワクチン製剤のタンパク抗原の場合、 チオール基を保護して 精製しょうとする時、 抗原提示されるェピトープのチオール基が復 元されなくてはならない。 (即ち可逆的保護でなくてはならない。 )
NY— E S O— 1 という C TAを抗原としたワクチンの製造では 、 非還元 S D S— PAGEでは多量体の割合をコントロールできず 、 還元 S D Sでのみ品質管理を行い、 8 M尿素で変性させたまま原 薬としている (非特許文献 4 ; Preparat ive Biochem & Biotech, 3 5 : 1 1 9 - 1 3 4, 2 0 0 5) 。 しかし、 製剤化の段階で尿素 を除去する必要があり、 恐らく この操作で多量体形成が再発するた めに、 キャリアである I S COMATR I Xアジュバントに包含す ると普通のタンパク質では 4 0 nmのナノ粒子になるところを NY - E S O - 1の場合には 2 0 0 0 nmの巨大な凝集体になったとの 報告 (非特許文献 5 ; Clin Cancer Res, 1 0 : 2 8 7 9 - 2 8 9 0, 2 0 0 4 ) がある。
上記した問題を解決する試みとして、 MAGE— A 3という C T Aに 2—メルカプトエタノールで還元した後にヨウ化ァセトアミ ド を作用させてカルポキシメチル化によってチオール基をブロック保 護する方法が考案された (特許文献 2 ; WO 9 9 / 4 0 1 8 8公報 ) 。 このようなチオール基を選択的に保護する方法として、 ョ一ド 酢酸やヨウ化ァセトアミ ドなどによるカルボキシメチル化が一般に 行われている。 しかしながら、 この方法では非可逆的にチオール基 をブロックしてしまうためシスティンを含むタンパク抗原ェピトー プの場合には同ェピトープを失活させてしまう欠点を有する。
また、 大腸菌を宿主としたシスティン含有組み換えたんぱく質の 製造には R E D 0 X試薬 (ダル夕チオン一ダルタチオン酸化体或い
はシスティン一システィン等) による再構成 (リフォールデイ ング
) が必要とされるが、 ある種のタンパク質、 例えば、 GM— C S F
(非特許文献 6 ; Behring Inst Mitt. 1 9 8 8 A u ; ( 8 3 ) : 2 4 6 — 9 ) やインスリン (非特許文献 Ί ; J Biol Chem. 1 9 9 2 J a n 5 ; 2 6 7 ( 1 ) : 4 1 9 — 2 5、 非特許文献 8 ; Anal Chem. 1 9 9 2 M a r 1 ; 6 4 ( 5 ) : 5 0 7 - 1 1 ) の製造などでは亜硫酸ナトリウムとテトラチオン酸ナトリウムを 作用させてスルフイ ド (一 S H) 基をスルホ (一 S S O.3 ) 化して 精製した後にリフォールディ ングするという方法も報告されている スルホ化は免疫グロブリンなどに用いられて当業者には周知の方 法である。 (例えば、 乾燥スルホ化人免疫グロブリ ン献血べ二ロン 一 I 添付文書参照)
[特許文献 1 ] W0 9 8 / 0 9 6 5 0号公報
[特許文献 2 ] W〇 9 9 / 4 0 1 8 8公報
[非特許文献 1 ] v an der Bruggen P, et al. , Science; 2 5 4 : 1 6 4 3 - 7 ( 1 9 9 1 )
[非特許文献 2 ] De Plaen E, et al. , Immunogene t ics ; 4 0 : 3 6 0 - 9 ( 1 9 9 4 )
[非特許文献 3 ] Rogner UC, et al. , Genomics. 2 9 : 7 2 5 - 3 1 ( 1 9 9 5 )
[非特許文献 4 ] Preparative Bioc em & Biotech, 3 5 : 1 1 9 - 1 3 4 , 2 0 0 5
[非特許文献 5 ] Clin Cancer Res, 1 0 : 2 8 7 9 - 2 8 9 0 , 2 0 0 4
[非特許文献 6 ] Behring Inst Mitt, 1 9 8 8 A u g ; ( 8 3 ) : 2 4 6 - 9
[非特許文献 7 ] J B i o l Chem. 1 9 9 2 J a n 5 ; 2 6 7 ( 1 ) : 4 1 9— 2 5
. [非特許文献 8 ] Ana l Chen. 1 9 9 2 M a r 1 ; 6 4 ( 5 ) : 5 0 7 - 1 1 発明の開示
本発明の目的は、 上記した従来技術の欠点を解消したタンパク質 複合体およびその製造方法を提供することにある。
本発明の目的は、 さらに詳しくは、 タンパク質抗原の分子間ジス ルフィ ド結合形成による凝集を生じせしめることなく高収率で精製 し、 複合体を形成するタンパク質抗原の複合体の製造方法を提供す ることにある。
本発明者は鋭意研究の結果、 分子中にシスティン残基を 2個以上 有するタンパク質のチオール基をスルホ化してからカラムクロマト グラフィ一等の方法によって単量体を維持しつつ精製し、 しかる後 に、 疎水化多糖類等の微粒子形成物質と複合体を形成させ、 さらに 必要なら複合体中のスルホ化タンパク質を還元することで上記目的 を達成できることを見い出した。
本発明のタンパク質複合体の製造方法は、 上記知見に基づく もの であり、 より詳しくは、 分子中にシスティン残基を 2個以上有する 夕ンパク質を包埋剤と複合体化させるタンパク質包埋剤複合体の製 造方法であって ; 前記包埋剤への包埋の前に、 前記タンパク質のシ スティン残基を修飾して精製することを特徴とするものである。 本発明によれば、 分子中にシスティン残基を 2個以上有する C T A等癌特異的タンパク質抗原を安定な単量体として高収率で得るこ とが出来る。
本発明によれば、 更に、 疎水化多糖類等高分子キャリアに包埋さ
せる前または後に還元して、 タンパク質分子間のジスルフィ ド結合 を形成することなくスルホ化リコンビナント癌特異的タンパク質抗 原のチオール基を復元させることが出来る。
本発明者の知見によれば、 本発明において、 分子中にシスティン 残基を 2個以上有する癌特異的タンパク質抗原を、 酸化的スルホ化 することにより、 該癌特異的タンパク質抗原が安定化されて、 該夕 ンパク質抗原の分子間結合形成が効果的に防止され、 これにより、 タンパク質抗原単量体を収率高く精製することが可能と.なるものと 推定される。
これに対して従来の C T A (タンパク質抗原の一種) 等の癌特異 的抗原の精製方法においては、 本発明者の知見によれば、 多くの癌 特異的抗原が奇数個のシスティン残基を含んでおり、 これらシステ インは分子内ジスルフィ ド結合を形成せずチオール基のままで存在 しているか、 または分子間でジスルフィ ド結合を形成して C T Aの 多量体形成に寄与しているものが一定量存在するため、 このような チオール基の存在が癌特異的抗原の収率の良い精製を阻害していた ものと推定される。
本発明は、 E r b B— 2タンパク質などの癌遺伝子産物および腫 瘍血管の抗原タンパク質 (V E G F R ) などにも適用可能である。
本発明は、 例えば、 以下の態様を含む。
[ 1 ] 分子中にシスティン残基を 2個以上有するタンパク質を 包埋剤と複合体化させるタンパク質包埋剤複合体の製造方法であつ て ;
前記包埋剤への包埋の前に、 前記タンパク質のシスティン残基を 修飾して精製することを特徴とするタンパク質複合体の製造方法。
[ 2 ] 前記包埋剤が疎水化多糖類である [ 1 ] に記載のタンパ ク質複合体の製造方法。
[ 3 ] 前記包埋剤がリボソームである [ 1 ] に記載のタンパク 質複合体の製造方法。
[ 4 ] 前記包埋剤がイスコマ卜リ ックスである [ 1 ] に記載の 夕ンパク質複合体の製造方法。
[ 5 ] 前記修飾が可逆的である [ 1 ] 〜 [4 ] のいずれかに記 載のタンパク質複合体の製造方法。
[ 6 ] 前記修飾がスルホ化である [ 1 ] 〜 [4 ] のいずれかに 記載のタンパク質複合体の製造方法。
[ 7 ] 前記タンパク質が、 癌精巣抗原 (C TA) である [ 1 ] 〜 [ 6 ] のいずれかに記載のタンパク質複合体の製造方法。
[ 8 ] 前記癌精巣抗原 (C TA) が、 組換え大腸菌を用いて発 現されるリコンビナント精巣抗原である [ 7 ] に記載のタンパク質 複合体の製造方法。
[ 9 ] 前記タンパク質の精製後、 包埋剤との複合体化の前に精 製したタンパク質をスルフィ ド結合還元剤で還元する工程を含む [ 1 ] に記載のタンパク質複合体の製造方法。
[ 1 0 ] 前記タンパク質を包埋剤と複合体化させた後複合体を スルフイ ド結合還元剤で還元する工程を含む [ 1 ] に記載のタンパ ク質複合体の製造方法。
[ 1 1 ] 前記修飾をタンパク質にチォ硫酸塩とテ卜ラチオン酸 塩を作用させて、 該タンパク質のチオール基をスルホ化させて保護 する [ 6 ] に記載のタンパク質複合体の製造方法。
[ 1 2 ] 前記精製をクロマトグラフィーで行う [ 1 ] に記載の 夕ンパク質複合体の製造方法。
[ 1 3 ] 疎水化多糖類 (A) と、 これに包埋された、 分子中に システィン残基を 2個以上有するスルホ化リコンビナント精巣抗原 (B) とを少なく とも含むことを特徴とする包埋タンパク質抗原。
[ 1 4 ] 前記スルホ化リコンビナン卜精巣抗原が還元されてな る [ 1 3 ] に記載の包埋タンパク質抗原。
[ 1 5 ] 疎水化多糖類 (A) と、 これに包埋されたスルホ化リ コンビナント精巣抗原 (C TA) とを少なく とも含むことを特徴と する C H P— C TAワクチン。
[ 1 6 ] 前記スルホ化リコンビナン卜精巣抗原が、 還元された スルホ化リコンビナント精巣抗原 (C TA S H) である [ 1 5 ] に記載の C H P— C TAワクチン。
[ 1 7 ] 前記リコンビナント精巣抗原が、 MAG E A 1 , M AG E A 2 , MAG E A 3 , MAG E A 4 , MAG E A 5 , MA G E A 6 , MA G E A 7 , MAG E A 8 , MA G E A 9 , MAG E A 1 0 , MAG E A l l , MA G E A 1 2 , MA G E B 1 , AG E B 2 , MAG E B 3 , MAG E B 4 , MAG E C I , MAG E C 2の MAG E ファミ リ一から
1ないし複数選択された C T Aである [ 1 5 ] または [ 1 6 ] に記 載の C H P— C TAワクチン。
[ 1 8 ] 前記リコンビナント精巣抗原が、 N Y— E S O— 1、
L A G E ファミ リ一、 G AG E ファミ リー、 S A G E フアミ リー、 XAG E フアミ U一から 1ないし複数選択された C T Aで ある [ 1 5 ] または [ 1 6 ] に記載の C H P— C T Aワクチン。
[ 1 9 ] 前記リコンビナント精巣抗原が、 H i s — T a gを付 加した H i s — T a g— C T Aである [ 1 5 ] または [ 1 6 ] に記 載の C H P— C TAワクチン。
[発明の効果]
上述したように本発明によれば、 癌特異的タンパク質抗原の重合 多量体化を極力抑制しつつ、 該タンパク質抗原の好適な精製を可能 とする癌特異的タンパク質抗原およびその製造方法が提供される。
図面の簡単な説明
図 1 は、 MAG E— A 4組換え大腸菌を培養して得られる菌体破 砕液の還元 S D S— P AG Eで破砕液上清に MAG E— A 4が存在 することを示す。
図 2は、 H i s — T a g— MA G E— A 4発現大腸菌の菌破砕液 とそれを N i 一ァフィ二ティカラムで粗画分の還元 S D S— P AG Eで、 1回の精製で 9 5 %以上の純度の MA G E— A 4が得られる ことを示す。
図 3は、 粗精製 H i s — T a g— MA G E— A 4とそのスルホ化 保護体の非還元 S D S— P A G Eである。 保護反応前の粗精製 M A G E— A 4が非還元状態では多量体 ( 6 0 — 1 1 0 k d ) や構造異 性体 ( 3 8 — 4 8 k d) の集合であることを示すとともにスルホ化 保護反応をすることによって一つのバンド ( 4 9 k d) に収束する ことを示す。
図 4は、 粗精製 H i s — T a g— MA G E— A 4とそのスルホ化 保護体の過酷条件で処理したときの非還元 S D S— P AG Eである 。 図 4は、 保護する前には加熱によって高分子化凝集するのに対し てスルホ化保護体が熱や凍結融解に安定であることを示す。
図 5は、 D E A Eカラムによる精製チャートである。 ここで溶出 ピークが 2本認められたが、 S D S— P AG E , R P Cでは区別が つかず、 コンフオメ一ショ ンの違いによるものと推測された。
図 6 は、 C H P— H i s — T a g— MAG E— A 4の E L I S P O Tアツセィ結果を示すチャートである。 Negative Control (Non- treat, C H P - H e r 2 ) に比べて有意に多くの I N F—ァスポ ッ 卜が認められ、 C H P— MA G Eが D Cに取り込まれて C T Lを 活性化させていることが確認された。
図 7は、 C H P— MAG E— A 4の E L I S P O Tアツセィ結果
を示すチャートである。 Negative Control (Non-treat, CHP— H e r 2 ) に比べて有意に多くの I FN—ァスポッ 卜が認められ、 CHP—H i s — T a g— MAGE— A4が樹状細胞に取り込まれ て C T Lを活性化させていることが確認された。
図 8は、 表 2に示した、 包埋生成物のサイズ分布 (定ピーク強度 による) を示すグラフである。 発明を実施するための最良の形態
以下、 必要に応じて図面を参照しつつ本発明を更に具体的に説明 する。 以下の記載において量比を表す 「部」 および 「%」 は、 特に 断らない限り質量基準とする。
(抗癌タンパク質ワクチン)
本発明の抗癌タンパク質ワクチンは、 分子中にシスティン残基を 2個以上有する癌特異的タンパク質抗原を疎水化多糖類等高分子キ ャリアに包埋させることによって製剤化される。
(チオール基の復元)
本発明において、 タンパク質抗原はスルホ化されたまま疎水化多 糖類等に包埋してよいが、 疎水化多糖類に包埋する直前に還元して もよく、 或いは疎水化多糖類に包埋させた後に還元することが出来 る。 この還元方法に関しては 2mM以上の 2—メルカプトエタノー ル、 ジチォスライ トール、 システィンなどを作用することで達成で きる。' '
(高分子キヤリア)
本発明において使用すべき高分子キャリアは、 リボソーム、 疎水 化多糖類、 イスコマトリ ックス等癌特異的タンパク抗原の疎水性部 分を包埋してナノゲル形成性を有するものである限り、 任意の高分 子キャリアを特に制限なく使用可能である。
疎水化多糖類 ( 「疎水化多糖類集合体微粒子」 を包含する意味で 用いる ; 以下同様) は、 例えば、 Akiyoshi et al. , Macromolecule s, .6 , p p. 3 0 6 2 - 3 0 6 8 , 1 9 9 3 ; Akiyoshi et al. , J. Proc. Japan. Acad. , 7 1 , 7 1 B , p . 1 5 , 1 9 9 5 ; 特 開昭 6 1— 6 9 8 0 1号公報、 特開平 3— 2 9 2 3 0 1号公報、 特 開平 7— 9 7 3 3 3号公報等に記載された、 それ自体公知の方法で 製造することができる。
疎水化多糖類における多糖類は、 糖残基がグリコシド結合した高 分子である限り、 特に限定されない。 多糖類を構成する糖残基とし ては、 例えば、 グルコース、 マンノース、 ガラク ト一ス、 フコース 等の単糖類、 または二糖類またはオリゴ糖類などの糖類に由来する 残基を用いることができる。 糖残基は 1 , 2—、 1 , 3—、 1, 4 —または 1, 6—グリコシド結合していてもよく、 その結合は α _ または i8—型結合のいずれであってもよい。 また、 多糖類は直鎖状 でも分枝鎖状のいずれでもよい。 糖残基としてはグルコース残基が 好ましく、 多糖類としては、 天然または合成由来のプルラン、 デキ ス トラン、 アミロース、 アミロぺクチン、 又はマンナン、 好ましく はマンナンまたはプルランなどが使用可能である。
疎水基は特に制限されず、 包埋 (ないし封入) される抗原の分子 量ゃ等電点に応じて封入率の高いものを選択できる。 ワクチン製剤 としての安全性の観点から、 疎水基としては代謝されて安全な 1本 鎖及び 2本鎖のアルキル基またはステロール残基を 1 0 0単糖あた り 1〜 5個 (重量比で 5 %以下) 導入したものが望ましい。
ステロール残基としては、 例えば、 コレステロール、 スチグマス テロール、 ;6—シトステロール、 ラノステロール、 エルゴステロ一 ル残基などが挙げられるが、 ワクチン製剤としての安全性の観点か らは、 コレステロール残基を用いることが望ましい。 また、 アルキ
ル基としては、 好ましくは炭素数 2 0以下、 さらに好ましくは炭素 数 1 0〜 1 8のアルキル基を用いることができ、 これらは直鎖又は 分岐鎖のいずれであってもよい。
好適な疎水化多糖類の一態様としては、 例えば、 多糖類を構成す る糖単位 1 0 0個あたり 1〜 5個の糖単位の 1級水酸基が下記式 ( I ) :
— O - ( C H 2 ) m C O N.H ( C H 2 ) n NH - C O - O - R ( I ) (式中、 Rはアルキル基またはステロール残基を示し ; m は 0 または 1 を示し ; nは任意の正の整数を示す) で表されるもの を挙げることができる。 ここで、 アルキル基又はステロール残基と しては好ましくは上記のものを用いることができ、 nは好ましくは 1〜 8である。 なお、 疎水化多糖類としては、 特開平 7 — 9 7 3 3 3号公報に記載されたようなリンカ一を介して結合したものであつ てもよい。
(好適な高分子キャリアの具体例)
より具体的には、 本発明においては、 下記のような疎水化多糖類
( A) を用いることが好ましい。
( 1 ) C H P (コレステロール疎水化プルラン) ( 2 ) C HM (コ レステロール疎水化マンナン) ( 3 ) I S C OMAT R I X
上記の C H P、 C HM等としては、 必要に応じて、 市販品 (例え ば、 日本油脂株式会社から商業的に入手可能な製品で、 分子量 6万 、 1 0万等のもの ; 糖残基 1 0 0個当たり、 1. 6個程度のコレス テロールが存在する) を利用することもできる。
(タンパク質抗原)
本発明において、 上記した疎水化多糖類等高分子キャリアに包埋 させるべき癌特異的タンパク質抗原としては、 その分子中にシステ イン残基を 2個以上有する癌細胞に特異的に発現するタンパク質抗
原を用いる。
(好適な抗原)
本発明においては、 上記の癌特異的タンパク質抗原として、 例え ば、 以下のものが好適に使用可能である。
( 1 ) 癌精巣抗原 (C TA)' ( 2 ) 組換え大腸菌を用いて発現され る組み換え癌精巣抗原
例えば、 MA G E— A l , MAG E— A 2, MAG E— A 3, M A G E - A 4 , MAG E - A 5, MAG E— A 6, MAG E— A 7 , MA G E— A 8 , MA G E— A 9, MAG E— A 1 0, MAG E -A l l , MAG E - A l 2 , MAG E— B l , MAG E - B 2 , MA G E— B 3, A G E - B 4 , MAG E— C l, MAG E - C 2の MAG Eファミ リーから 1ないし複数選択された癌精巣抗原 ; NY— E S O— 1、 L AG E ファミ リ一、 GAG E ファミ リ ―、 S AG E ファミ リ一、 XAG E ファミ リ一から 1ないし複 数選択された癌精巣抗原 ;
( 3 ) E r b B _ 2夕ンパク質などの癌遺伝子産物および腫瘍血管 の抗原タンパク質 (V E G F R) など
( 4 ) 上記 ( 1 ) 、 ( 2 ) または ( 3 ) の抗原に H i s — T a gを 付加した H i s — T a g—癌特異的抗原
(疎水化多糖類による抗原の包埋方法)
疎水化多糖類と抗原との複合体は、 尿素等の変性剤存在下に疎水 化多糖類と抗原とを室温で混合した後に、 限外ろ過またはゲルクロ マ卜グラフ法で変性剤を除去することにより製造することができる
(Nishikawa, Macromolecules, 2 7 , p p . 7 6 5 4 - 7 6 5 9 , 1 9 9 4 ) 。 或いは変性剤なしでも疎水化多糖類と抗原とを 5 0 一 6 0 °Cで混合するだけでも製造可能である。 このようにして得ら れた疎水化多糖類と抗原との複合体は、 そのまま本発明のワクチン
製剤として用いることができるが、 必要に応じて常法に従ってろ過 滅菌等の操作を施すことも可能である。
(疎水化多糖類と抗原との複合体による免疫)
本発明により製造可能なワクチン製剤は、 他の公知のワクチン製 剤等と同様に、 その所定量を動物に投与することによって該動物を 免疫することができ、 同様にしてヮクチン製剤の力価を評価するこ とができる。 本発明のワクチン製剤の投与経路は皮下または皮内注 射が一般的である。 免疫感作に必要な本発明のヮクチン製剤の投与 量は適宜決定できるが、 例えば、 通常投与量としては抗原として 5 0〜 1 5 0 O g Z回程度好ましくは 1 0 0〜 6 0 0 i g Z回の量 を目安とし、 投与は 3〜 3 0回行うのが適当である。 また、 GM— C S F、 I L— 2、 C p Gや〇K— 4 3 2のごとき免疫賦活剤を併 用することも効果的である。
なお、 本発明のワクチン製剤を製剤化する際には、 それ自体公知 の通常使用され得る製剤、 担体及び希釈剤を、 採用される投与経路 にしたがって適宜使用することができる。
(リコンビナント抗原の製造)
組換え大腸菌の調製は一般的なプラスミ ドに C Τ Αの D NAを組 み込むことで達成される。 C T Aの D NA配列は公知であり (米国 特許第 5 3 4 2 7 7 4号等) 、 バイオ製造業者にとって容易に達成 できる。
(抗原のスルホ化)
システィン残基の修飾法の 1例として、 スルホ化を例として説明 する。
本発明において、 分子中にシスティン残基を 2個以上有する癌特 異的タンパク質抗原のスルホ化に際しては、 例えば、 スルホ化条件 として、 8 M 尿素または 6 Mグァニジン存在下、 3 0— 3 0 0 0
m (好ましくは 2 0 0 — 5 0 O mM) の亜硫酸ナトリウム、 6 _ 6 0 0 m (好ましくは 3 0— 1 0 O mM) のテトラチオン酸を 1 0〜 5 0 °Cで作用させることが好ましい。
(スルホ化タンパク抗原の純度確認方法)
スルホ化したタンパク抗原の純度は逆相 H P L Cまたは電気泳動 でチェックすることが出来る。 この安定性は、 例えば中性緩衝液中 で 6 0 °C、 1 0分間加熱しても電気泳動で 1バンドであることで確 認できる。 スルホ化保護をしていない場合には重合体 ' 多量体と考 えられる高分子のバンドが増加してくる。 (後述実施例 に対応す る電気泳動パターンを参照)
スルホ化以外にも、 グル夕チオン化などシスティンの一 S H基を 可逆的に修飾することができる方法は利用可能である。
(疎水化多糖類への包埋方法)
包埋方法の 1例として、 C H Pを用いる場合について説明する。
C H Pに包埋させる方法は、 それ自体は既に公知の方法 (例えば 、 W〇 9 8 / 0 6 5 0公報) を使用することができる。 この包埋方 法の概略は、 6〜 8 M尿素または 6 Mグァニジンなどの変性剤溶液 に C H Pを溶解させ、 もしくは C H Pを水または緩衝剤溶液に溶解 させて、 タンパク質 1 に対して重量比 1 0 — 2 0倍量の C H Pを混 合し、 限外ろ過またはゲルろ過などの方法で製剤処方緩衝液に交換 し、 必要に応じて無菌ろ過処理する方法である。 GH Pの榕解は常 温で十分であるが、 加温下に行っても差し支えない。 C H Pの分子 量は、 5 0 — 1 0 0 k dが望ましい。 また、 C H Pは、 例えば日本 油脂株式会社から市販されている。
リボソームやイスコマトリックスとの複合体化については前述の 文献などを参照すれば、 当業者にとっては容易に実施することが可 能である。
(複合体の粒度分布の測定)
本発明の疎水化多糖類 (A) と、 タンパク抗原 (B) との複合体 の粒度分布は粒度分布計 (DR I ) を用いて確認することが出来る 。 (実施例 図 8参照)
(包埋されたことの確認)
包埋は、 GP C (ゲル浸透クロマトグラフィー ; 例えば、 後述す る 「CHP包埋化」 の記載を参照) によりチェックすることができ る。 GP Cチャートにおいて、 C H Pおよび癌特異的抗原タンパク 質それぞれのピークが、 包埋により完全に CHPピークの位置に移 動することで、 この 「包埋」 を確認することが出来る。 本発明にお いて、 この 「包埋」 の収率は 9 5 %以上であることが望ましく、 更 には 9 9 %以上が好ましい。
(好適な 「コレステリル多糖—抗原分子」 の組合せスクリーニング
)
上記したような包埋の確認方法 (G P C) を利用して、 本発明に おいて 「コレステリル多糖一抗原分子」 の組合せを探索するための スクリーニングテス トに使用することができる。 このようなスクリ 一二ングにおいては、 「包埋」 の収率を求めることができる。 本発 明においては、 この 「包埋」 の収率は 9 5 %以上であることが望ま しく、 更には 9 9 %以上が好ましい。
(包埋後の抗原活性)
包埋後の抗原活性を検定する方法は種々あり得るが、 例えば in V it で、 抗原提示細胞とキラーまたはヘルパー T細胞を組み合わせ た実験系で測定できる。 すなわち、 包埋タンパク質抗原を例えば樹 状細胞などの抗原提示細胞に取り込ませ、 その抗原提示細胞による キラー T細胞の活性化を、 イン夕一フエロンァを測定対象とする E L I S A法 (Enzyme- 1 inked immunosorbent assay) や E L I S P
〇T法 (Enzyme- linked-ImmunoS Ρ Ο Τ) で確認することができる 。 こう した実験系では、 抗原活性を観測することが可能である。
(ワクチン)
本発明の包埋タンパク質抗原は、 ワクチンとして使用することが できる。 このワクチンは、 いわゆる 「抗原医薬」 であるため、 通常 は、 いわゆる 「抗体医薬」 より、 一桁以上少ない量で免疫の効果を 得ることができる。
(好適なワクチンの態様)
本発明において、 好適なワクチンの態様は、 以下の通りである。
( 1 ) 組換え大腸菌を用いて発現される組み換え癌特異的夕ンパク 質抗原 (以下 「S H抗原」 という) に亜硫酸塩、 テトラチオン酸塩 を作用させて得られるスルホ化組み換え癌特異的タンパク質抗原 ( 以下 「スルホ化抗原」 という) を精製し、 スルホ化リコンビナント 精巣抗原を疎水化多糖類に包埋させた C HP—スルホ化抗原ワクチ ン。
( 2) 上記 ( 1 ) のスルホ化組換え癌精巣抗原を還元した CHP— S H抗原ワクチン。
( 3 ) 上記 ( 1 ) または ( 2) の組換え癌特異的タンパク質抗原が 、 MAGE— A l , M A G E - A 2 , MAGE— A 3 , MAGE— A 4 , MAGE— A 5, M A G E - A 6 , MAGE— A 7, MAG E - A 8 , A G E - A 9 , MAGE - A 1 0 , MAGE - A l l
, MAGE -A 1 2 , MAGE— B l, MAGE— B 2, MAGE 一 B 3, M A G E - B 4 , M A G E - C 1 , MAGE— C 2の MA G Eファミ リーから 1ないし複数選択された C TAである CHP— C T A スルホ化抗原ワクチンまたはその還元体である C H P— C T A S H抗原ワクチン。
(4) 上記 ( 1 ) または ( 2) のリコンビナント精巣抗原が、 NY
— E S O— 1、 L A G E ファミ リ—、 GAG E ファミ リー、 S AG E ファミ リ一、 XA G E ファミ リ一から 1ないし複数選択 された C TAである C H P— C TA スルホ化抗原ワクチンまたは その還元体である C H P— C T A S H抗原ワクチン。
( 5 ) 上記 ( 1 ) または ( 2 ) のリコンビナント癌精巣抗原が、 H i s — T a gを付加した H i s — T a g— C TAである C H P— H i s T a g C TA スルホ化抗原ワクチンまたは C H P _ H i s T a g C TA S H抗原ワクチン。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、 本発明の範 囲は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例
製造例 1
( 1 ) H i s — T a g— MAG E— A 4の組み込みとシ一ドス トツ クの調製
下記配列 : Forward primer: 5 ' - G GAT C C AT G T C T T C T GAG C AGAA GAG T - 3 '
Reverse primer: 5 ' - AAG C T T C T C AT G C T C AGA C T C C C T C - 3 '
をプライマ一として、 メラノ一マ細胞株 S K— ME L— 3 7 由来の RNAに対して R T— P C Rを実施し、 その結果、 両端に B a mH I部位 (G GAT C C) および H i n d i I I部位 ( A A G C T T) を有する MAG E— Α 4の全長 c D NAを得た (米国コ一ネル 大学医学部の D r . Y a o - T s e n g C h e nにより実施) この c— D NAを H i s - T a g融合タンパク質発現用の p Q E 9ベクター (キアゲン) に組み込み、 P Q E 9 ZMAG E— A 4プ ラスミ ドを得た (米国コーネル大学医学部の D r . Y a o - T s e n g C h e nにより実施) 。 これを C o mp e t e n t e e l
1 M 1 5 [p R E P 4 ] (キアゲン) に導入した菌株を D r . K u z u s h i m a (愛知県がんセンター) より提供を受けた。 発現が確認された形質転換株について、 培養プレート上のシング ルコロニ一を採取して 5 0 mLの L B ( 2 5 g /m 1 カナマ イシンおよび 1 0 0 gノ m 1 アンピシリンを含む) 培地に接 種し 1 6時間培養した。 菌体を集めて培地を抗生物質を含まない L B培地に交換した後、 終濃度 2 0 %となるようグリセロールを添加 し一 8 0 °Cで保存した (シードス トック) 。 このシードス トックを 抗生物質 ( 2 5 u g ZmL カナマイシン, l O O u gZmL ァ ンピシリン) 含有 L B培地に接種し培養を行い、 培養後遠心分離に て抗生物質含有培地を除去し, 抗生物質不含 L B培地で洗浄し培地 交換した後, 4 0 %グリセロール水溶液と等量で混合し一 8 0 °Cに 保存, M C Bとした。
( 2 ) 培養
抗生物質不含 L B培地 1 0 Lに対して MAG E—A 4 M C B を 5 mL接種した。 3 7 °C、 2 5 0 r p m、 l v vmで 6 — 1 5 時間前培養を行い、 L B培地 2 0 0 Lに対して前培養液を 1 0 L接 種し、 3 0 °C、 6 0 r p m、 l v vmで培養を開始した。 OD 6 0 0が約 1 になったら I P T Gを終濃度 0. 3 mm o 1 ZLで添加し 、 誘導を開始し、 D O制御は攪拌により約 6 0 % (約 4. 5 p p m ) 以上に保持して、 誘導開始から 5 h r後、 培養を終了した。
( 3 ) 菌体回収と菌体破碎
デユラポア P VD F G V P P 0. 2 2 m (Vスクリーン ) 0. 5 m2 の平膜 (M i 1 1 i p o r e ) を用いて、 使用菌体 濃縮 (約 6— 1 0倍) 後、 同量の 2 0 mm o l /L T r i s — H C I ( p H 8. 0 ) バッファ一を 3回以上添加し、 菌体洗浄を行い 、 菌体を湿重量で 8 0 0 g、 2 0 Lの菌体スラリ一液を得た。 菌体
は冷蔵または冷凍で保存した。
解凍した菌体に 2 0 mM T r i s -H C l ( p H 8. 0 ) 1 2 L を加えて懸濁させて菌体スラリー液を調製し、 高圧ホモジナ ィザ一を用いて 1 0 , 0 0 0 p s i にて透明になるまで破砕した 。 ゼ一夕一電位フィルター キュノ バイオキャップ 2 0 0 0 ( 6 0 M/ 1 2 0 M 2 7 0 0 c m2 ) (C u n o ) および 除菌フィ ルター ステラシェア ( 0. 2 im、 1 0 i n c h 8 6 0 0 c m2 ) (C u n o ) を 直列に接続し ≤ 0. 3 9 し/ m i n ( 上記 フィル夕一 1 s e t 当り) で破碎液をろ過して、 デブリ スを除去し清澄化した。
図 1 に得られた破砕液上清の電気泳動パターンを示す。
図 1 (菌体破砕のパス回数と可溶化) は、 MA G E— A 4組換え 大腸菌を培養して得られる菌体破碎液の還元 S D S— P AG Eで破 碎液上清に MAG E— A 4が存在することを示す。
図 1 中の記夸の意味は、 以下の通りである。 M : 分子量マーカ 一 ; P C : 陽性対照 ; C S : 培養上清 ; S : 上清 ; P : 沈 製造例 2
(ァフィ二ティカラムクロマト)
N i —ΝΤΑカラム (Q I AG E N N i — N T a g a r o s e、 2 5 c m径、 約 4 L) を用いて破砕ろ液から MAG E— A 4た ん白を分離した。 次の通りステップ溶出にて実施する。 (流速 5 6
[表 1 ]
溶出開始後、 A 2 8 0のピークを分取した。
得られた溶出液の電気泳動パターンを図 2 に示す。 図 2において 、 各記号の意味は、 以下の通りである。
[表 6 ]
M : Maker
PC: Positive Control
C : 培養液
L : 破碎上清
図 2は H i s - T a g— MA G E— A 4発現大腸菌の菌破砕液と それを N i —NTAァフィ二ティカラムで粗精製した画分の還元 S D S— P AG Eで、 1回の精製で 9 5 %以上の純度の MAG E— A 4が得られることを示す。
ミ リポア ペリコン 2 ウルトラセル P L C G C 1 0 K 0. 1 m 2 X 1枚の平膜 (Millipore) を用いて N i — N T Aカラ ム溶出プール液を約 5 m g/mLまで濃縮し、 濃縮後 8倍量以上の 2 0 mM T r i s -H C l ( H 8. 0 ) にてバッファー交換 を行い、 イミダゾ一ルを除去した。
実施例 1
上記濃縮液に終濃度 8 Mになるように 尿素を添加 2 0 mM T r i s -H C l ( p H 8. 0 ) を用いてメスアップしながら 溶解した後、 終濃度で 6 0 m Mテトラチオン酸二水和物と 3 0 0 m
M亜硫酸ナトリウム を順に加え 室温で一晩撹拌した。 反応液を 1 0 mM リ ン酸ナトリウムバッファー 8 m o l /L 尿素 ( p H. 8. 0 ) で平衡化した Sephadex G - 2 5 Coarse (G Eヘルス ケア) 2 5 c m径 約 1 2 Lに通してバッファーを交換した。 実施例 2
実施例 1 の反応を 8 M尿素の代わりに 6 Mグァニジン存在下でも 行ってみた。
結果は、 図 3 (粗精製 H i s — T a g MA G E— A 4とそのス ルホ化保護体の非還元 S D S— P A G E) に示すように 8 M尿素の 場合も 6 Mグァニジンの場合も一つのバン ド ( 4 9 k d ) に収束し た。
図 3 において、 各記号の意味は、 以下の通りである。
[表 7 ]
M: Maker
PC: control
1:反 前
(xl, 1.3mg/mし)
2:反 前
(x4, 5.2mg/mL)
3:反応精製後 (xl)
4:反 精製後 (x4)
6M グァニジン塩酸
5:反 JiSi精製後 (XI)
6:反 精製後 (X4)
8M 尿素 実施例 3
実施例 1で得た 「粗精製 H i s — T a g— MAG E— A 4」 を用 いて、 以下の実施例 3〜実施例 8の実験を行った。
図 3は粗精製 H i s — T a g— MAG E— A 4とそのスルホ化保 護体の非還元 S D S— P A G Eで保護反応前の粗精製 MA G E— A
4が非還元状態では多量体 ( 6 0 — 1 1 0 k d ) や構造異性体 ( 3 8 - 4 8 k d ) の集合であることを示すとともに、 スルホ化保護反 応.をすることによって一つのバンド ( 4 9 k d) に収束することを 示す。
これは S H体と考えられるバンド ( 4 5 k d ) より も僅かに大き な分子容積となっている。 この保護体は H2 O 2 による酸化で変化 する傾向が見られたが、 熱や凍結融解には未保護の H i s - T a g MA G E— A 4と比べて安定であることが示された .(図 4 ) 。 図 4において、 各記号の意味は、 以下の通りである。
[表 8 ]
M: Maker
1:MA40.3%H2〇2処理
2:MA4 加熱処理
3:MA 凍結融解
4:MA4 無処理
5:保護体 0.3%H2O2処理
6:保護体 加熱処理
7:保護体 凍結融解
8:保護体 無処理 図 4 (粗精製 H i s - T a g— MA G E— A 4とそのスルホ化保 護体の過酷条件で処理したときの非還元 S D S— P A G E) は、 保 護する前には加熱によって高分子化凝集するのに対してスルホ'化保 護体が熱や凍結融解に安定であることを示す。
実施例 4 .
(陰ィオンクロマト)
1 0 mM リン酸ナトリウムバッファー S m o l ZL 尿素 ( p H 8. 0 ) で平衡化した D E A E S e p h a r o s e F a s t F l o w 1 3 c m径 約 2 L (G Eヘルスケア) にてさら に精製した。 カラム操作は以下の通り、 グラジェント溶出で行った
。 流速は、 アプライおよび洗浄 2 5 c mノ h、 その他 7 5 c mZh にて実施した。
• [表 2 ]
実施例 5
(ハイ ドロキシァパタイ 卜カラムクロマト)
ペリコン 2 ウルトラセル P L C GC 1 0 K 0. 1 m 2 X I 枚の平膜 (Millipore) を用いて D E A E溶出プール液を約 3 m g /mLまで濃縮し、 濃縮後 6倍量以上の 1 / 2 D— P B S 8 mo l /L 尿素にてバッファー交換脱塩を行った。 これを 1 / 2
D— P B S 8 m o 1 / L 尿素 で平衡化した HA UL TR OGE L 1 0 c m径 約 3 L (ポール) に載せ更に精製した。 クロマトの条件は、 次の通りグラジェント溶出にて実施した。 流 速は、 平衡化から溶出 2 5 cm/h、 その他 4 0 cm / hにて実施 した。 '
[表 3 ]
菌体破砕液上清 (総タンパク量 5 7 g) からの各精製ステップで の不純物プロファイルを下記の表に示す。 N i — N T A粗精製夕ン パクから効率的にエンド トキシン、 宿主由来タンパク、 D N Aな の不純物が除去されていることが示された。
[表 4 ]
実施例 6
( C H P包埋化)
こう して得られたスルホ化保護 H i s — T a g— MAG E— A 4 に重量比 1 2倍の C H P 6 0 Tまたは 1 0 0 T (日本油脂社製) を 6 M尿素存在下、 または 6 M尿素 + 2 - メルカプトエタノール ( 2 ME) 存在下に混合した。 これを一度緩衝液で希釈した後、 限外 ろ過によって濃縮 · 希釈を繰り返すことによって緩衝液交換ととも に過剰の試薬を除去した。 得られた原液を無菌ろ過した後にバイァ ルに分注しワクチン製剤とした。
得られた 「C H Pとタンパク質を混合した直後の S E— H P L C チャート」 において、 UV ( 2 8 0 n m) 検出で 9. 7分に現れる
タンパク質ピークは認められず、 C H Pのピークに一致して 6. 5 分に移動した。 1 4. 1分のピークは尿素のピークであった。
他方、 希釈 · 濃縮によって緩衝液を交換 (尿素の除去) 後の 「 S E— H P L Cチャート」 においては、 1 4. 1分の尿素ピークが消 え、 6. 5分の C H P— H i s — T a g— MA G E— A 4ピークが 認められた。
実施例 7
(ワクチン効果の確認)
こう して得られた C H P— H i s _ T a g— MA G E— A 4ワク チンの免疫活性を以下のように E L I S P〇 T法を用いて確認した
D a y— 7 に H L A - A 2 4陽性健常人ドナーより末梢血を採取 し 抗 C D 1 4抗体をコートしたマグネッ 卜ビーズ (M i 1 t e n y i社) を用いて C D 1 4陽性単球細胞を分離し GM— C S Fと
I L一 4の存在下で培養した 。 これら C D 1 4陽性単球細胞は培養 中に樹状細胞に分化するが、 D a y 1 にこれらを回収し、 1 X 1
0 6 個 ZmLの濃度になるように培地に懸獨した。
の樹状細胞に C H P— H i s — T a g - A G E - A 4 ( 7.
5 1 1 H g 蛋白質 Zm L ) C H P一 H i s - T a g - H e r 2 ( 2 0 H 蛋白質/ m L ) または MAG E— A 4由来
A ― A 2 4拘束性抗原べプチ H ( P 1 4 3 1 0 g /m L) を 添加し、 3 7 ° C 5 % C 02で 3時間インキュベートした。
これらの細胞を新しい培地で洗浄した後、 あらかじめ抗ヒ ト I F N—ァ抗体をコートして 1 0 % ゥシ胎児血清含有培地でブロック した E L I S P O Tプレート (ミ リポア) に 5 X 1 04 個 ゥェ ルの濃度で播種した。 これに様々な濃度の!^1八0 £—八 4— ( 丁 1^ クローン 2— 2 8 ( R e f . Miyahara Y. ら、 CI in Cancer Res.
2 0 0 5 1 1 ( 1 5 ) : 5 5 8 1 - 9. ) を添加し、 3 7 ° C、 5 % C O 2で培養した。
.2 4時間後に 0. 0 1 % T w e e n - 2 0 を含むリ ン酸緩衝生理 食塩水 ( P B S ) で洗浄し、 ピオチン化抗ヒ ト I F N—ァ抗体を添 加して 4 °Cでー晚インキュベートした。 0. 0 1 % Tw e e n _ 2 0含有 P B Sで洗浄後、 ス トレプトアビジン標識アルカリフォスフ ァターゼを加え、 室温で 1時間半反応させた。 さらに 0. 0 1 % T w e e n - 2 0含有 P B Sで洗浄後、 アルカリフォスファタ一ゼ用 の発色基質 (バイオラッ ド) を添加し、 発色反応を数分間行った。 プレー卜を蒸留水で洗浄して発色反応を停止し、 得られた I F N— ァ特異的スポッ トをカウントした。
得られた結果を、 図 6、 図 7 に示す。 図 6 において、 条件等は以 下の通りである。
[表 9 ]
Evaluation of the Activity of CHP-MAGE-A4 by EL I SPOT assay.Dec-29,2005
(Immature DC from Wang-san was used as APC.) 図 7において、 条件等は以下の通りである。
[表 1 0 ]
Evaluation of the Activity of CHP-MAGE-A4 by EL I SPOT assay'Dec-29,2005
(Immature DC from Okumura-san was used as APC.) 図 6、 7において、 C H P— H i s — T a g— MAG E— A 4投 与群では陰性対照 ( N o n— t r e a t または C H P— H i s — T a g - H e r 2投与群) に比べてより多くの I F N—ァスポッ 卜力 認められ、 C H P— H i s — T a g— M A G E— A 4が樹状細胞に 取り込まれて C T Lを活性化させていることが確認された。
実施例 8 (サイズ分布の測定)
包埋生成物のサイズ分布を測定した。 測定条件は、 以下の表 5 に
示す通りである。
[表 5 ]
Size Distribution Report by Intensity
Sample Details
Sample Name CHP-MAGE-A4
SOP Name Manual measurement settings
General Notes Lot. No. ISOl, non filtered
File Name: sawada. dts Dispersant Name: PBS
Record Number: 45 Dispersant RI: 1.335
Material RI: 1.45 Viscosity (cP): 1.0200
Material Absorbtion: 0.00 Measurement Date and Tiie: 2006年 1月 17日 19:54:13
System
Temperature (°C): 25.0 Duration Used (s): 60
Count Rate (kcps): 354.1 Measurement Position (mm): 4.20
Cell Description: Low volume glass cuvette (4··· Attenuator: 7
Resul ts
Diam. (nm) %Intensity Width (nm)
Z - Average (d. nm): 48.4 Peakl 72.9 100.0 52.7
Pdl: 0.271 Peak2 0.00 0.0 0.00 Intercept: 0.951 Peak3 0.00 0.0 0.00 測定結果を、 図 8のグラフ (Size Distribution by Intensity) に示す。