明 細 書
多孔性フィルム及び多孔性フィルムを用いた積層体
技術分野
[0001] 本発明は、基材の少なくとも片面に、連続微小孔が多数形成された多孔質層が積 層されて ヽる多孔膜積層体とその製造方法、及びこれを用いた複合材料とその製造 方法に関する。この多孔膜積層体は、多孔質層が有する空孔特性をそのまま利用し たり、または空孔を機能性材料で充填することにより、回路用基板、放熱材 (ヒートシ ンク、放熱板)、電磁波シールドや電磁波吸収体などの電磁波制御材、電池用セパ レーター、コンデンサー(紙コンデンサー、プラスチックフィルムコンデンサー、セラミツ クコンデンサー、マイ力コンデンサー、電解コンデンサーなど)、低誘電率材料、セパ レーター、クッション材、インク受像シート、試験紙、絶縁材、断熱材、細胞培養基材 、触媒基材 (触媒担体)等、広範囲な基板材料として利用可能である。
本発明は、また、電気、電子、通信等の分野で用いられる配線基板とその製造方 法、特に、配線密着性と配線描写性に優れた配線基板とその製造方法、並びに同 分野で用いられる印刷配線基板等の印刷物を得るのに有用な印刷パターンの製造 方法、及び該製造方法により得られる印刷物に関する。
背景技術
[0002] 基材と多孔質層とで構成される積層体として、例えば、特開 2000— 143848号公 報及び特開 2000— 158798号公報には、榭脂とこの榭脂に対する良溶媒及び貧溶 媒とを含む塗膜を乾式層転換して多孔質層を形成することにより製造されたインク受 像シートが開示されている。このような乾式層転換法は、前記塗膜に含まれる溶媒を 揮発させてミクロ相分離を生じさせる方法であるため、多孔質層を構成する榭脂 (高 分子化合物)が低沸点の良溶媒に溶解可能なものに限定され、分子量が大きぐ本 質的に難溶性の高分子化合物を使用できないという問題があった。
[0003] また、高分子化合物を溶解でき、しかも塗膜形成後に溶媒を速やかに揮発させるた めには、低粘度の塗布液が好ましく用いられる力 結果的に十分な厚みの塗膜が得 られにくい点、塗膜の構成成分のうち、溶媒揮発時に除去されない成分は多孔質層
に残存するため、不揮発性の添加剤を利用しにくい点、製造工程中の加熱条件や 製造環境条件により得られる多孔質層の構造が大きく依存するため安定な製造が困 難であり、孔径、開孔率、空孔率、厚み等の膜質がばらつく傾向がある点などの不具 合があった。
[0004] 一方、上記以外の製法による基材と多孔質層とで構成される積層体として、国際公 開第 W098Z25997号パンフレットには、基材上に流延して得られた塗膜を、高湿 度下、二段階で乾燥する湿式相転換法により積層体を製造する方法が開示されてい る。この方法によれば、製造環境条件を安定化させることはできるが、基本的に加熱 乾燥と 、う手法を用いて 、るために、膜質のばらつきなどの乾式相転換法における 上記問題を解決することはできな力つた。
[0005] ところで、近年、半導体等の電気電子部品の高集積化、小型化が進み、これに伴 つて、プリント配線基板においても高密度高機能実装を実現するため、導体配線のフ ァインパターン化、ファインピッチ化が進められて!/、る。
[0006] プリント配線基板の代表的な製法であるサブトラクティブ法では、通常、絶縁体上に 銅箔を積層し、該銅箔上にレジストを塗布してレジスト膜を形成し、このレジスト膜に 対してマスクを介してパターン露光し、現像した後、エッチングを施し、次いでレジスト 膜を除去することにより配線基板を得る (特許文献 1、 2参照)。この場合、通常、絶縁 体と銅箔との間の密着強度を高めるため、銅箔の絶縁体と接する側の面に粗面処理 を施している。し力しながら、導体配線のファインピッチ化を進めた場合には、銅箔に 粗面処理が施されていると、エッチング時に銅箔の凹凸が原因で配線が切断或いは 剥離するという問題が生じる。一方、粗面処理が施されていない銅箔を用いると、エツ チングはきれいにできるものの、絶縁体と銅箔との密着強度が低くなり、配線全体が 剥離しやすくなる。
[0007] また、銅箔の厚みが大きいと、エッチングの際に銅箔の厚み方向の中央部におい て、厚み方向に直交する方向にえぐれて配線の断面が四角形とはならず、ファインピ ツチ化を進めると、配線が切断したり剥離するという問題が生じる。したがって、フアイ ンピッチ化を進めるためには銅箔の厚みを薄くする必要がある力 銅箔の厚みを薄く すると、銅箔の製造や取り扱いが困難になる。よって、現行のサブトラクティブ法では
配線のファインピッチ化には限界があると言われている。
[0008] 配線基板の製造には、 PET (ポリエチレンテレフタレート)フィルム、 PI (ポリイミド)フ イルム等の榭脂フィルム上へペーストを印刷して配線を作製する方法が従来行われ ていたが、微細配線を描写する場合には、印刷にじみなどにより配線間がつながるな どの問題があった。
[0009] 特開平 5— 85815号公報には、アルミナ粉末、石英ガラス粉末、ホウケィ酸カルシ ゥム系ガラス粉末を混練し、グリーンシートを作製し、この上に導体ペーストを印刷し た後、焼成してガラスセラミック基板を製造する方法が開示されている。しかし、粉末 混合物のグリーンシートは微細配線の印刷性に優れるものの、 1000°C近 、温度で の焼成工程が必要で割高であり、また、できあがった製品には可撓性がなく脆いとい う欠点があった。
[0010] 特開 2006— 135090号公報には、基板の表面にレーザー照射により溝パターン を形成した後、溝パターン中に導電材料を含むインクを入れて微細配線を作製する 方法が開示されている。しかし、この方法はレーザー照射工程が必要で生産性が低 くコスト高になること、溝パターンにインクを入れる高度な技術が必要で、量産性に乏 しい等の欠点を有している。
[0011] 特開 2001— 298253号公報には、銅箔上に微細な印刷を行うために、特定の粒 子径の粒子群を有するアミン系化合物の多孔質材を成膜して印刷用下地膜を形成 する技術が開示されている。しかし、この技術では、粒子状のものをコートするため、 皮膜強度が弱ぐ配線材料として使用に耐えない。
[0012] 特許文献 1 :特開 2000— 143848号公報
特許文献 2:特開 2000— 158798号公報
特許文献 3:国際公開第 W098Z25997号パンフレット
特許文献 4:特開 2003— 243799号公報
特許文献 5 :特開 2004— 63575号公報
特許文献 6:特開平 5— 85815号公報
特許文献 7:特開 2006 - 135090号公報
特許文献 8:特開 2001— 298253号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0013] 本発明の目的は、空孔特性に優れ、柔軟性を有し、しかも取扱性及び成形加工性 に優れた多孔膜積層体及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記特性を有する多孔膜積層体を用いた複合材料及びそ の製造方法を提供することにある。
[0014] また、本発明の目的は、配線密着性とともに配線描写性に優れた配線基板を提供 することにある。
本発明の他の目的は、配線密着性とともに配線描写性に優れた配線基板を、簡便 に且つ効率よく製造できる方法を提供することにある。
[0015] さらに、本発明の目的は、細線描写性に優れた印刷物を提供することにある。
本発明の他の目的は、簡便に且つ生産性よく安価に製造できるとともに、強度が高 く壊れにくい細線描写性に優れた印刷物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、上記特性に加え、印刷描写再現性に優れた印刷物を 提供することにある。
本発明の目的は、また、細線描写性に優れるとともに、被印刷部の強度及び印刷 の密着強度が高く壊れにくい印刷パターンを簡便に且つ生産性よく製造できる印刷 パターンの製造方法、及び該製造方法により得られる印刷物を提供することにある。 課題を解決するための手段
[0016] 本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、以下の知見を得て、 本発明を完成した。すなわち、
( 1)基材表面上に多孔質層を製膜と同時に積層することにより、優れた空孔特性を 有し、柔軟性を備え、しカゝも十分な強度を有するため、取扱性及び成形加工性に優 れた多孔膜積層体が得られる;
(2)特に、貫通穴を多数有する基材表面上に多孔質層を製膜と同時に積層すること により、優れた空孔特性を有し、柔軟性を備え、しカゝも十分な強度を有するため、取 扱性及び成形加工性に優れた多孔膜積層体が得られ、また、金属箔基材表面上に 多孔質層を製膜と同時に積層することにより、優れた空孔特性を有し、柔軟性を備え
、しかも十分な強度を有するため、取扱性及び成形加工性に優れた多孔膜積層体 が得られる;
(3)榭脂の極性溶媒溶液を基板上にフィルム状に流延し、所定の条件下に保持した のち、凝固液に浸漬すると、平均孔径の極めて小さい孔が均一に形成された多孔質 フィルム層が得られること、この多孔質フィルム層表面に印刷法により導体配線を形 成すると、配線幅及びピッチ幅を極めて小さくできるとともに、密着性に優れた導体配 線が簡便に得られること、また、この多孔質フィルム層表面に印刷を施すと、細線描 写性、印刷描写再現性に優れしかも強度が高く壊れにくい印刷物が簡便に得られる
(4)多孔質フィルム層に印刷を施した後、印刷を施した多孔質フィルム層を溶剤又は 溶剤及び熱により溶解させた状態を経て、該溶剤を除去すると、緻密化された層が 形成され、細線描写性に優れるとともに、被印刷部の強度及び印刷の密着強度が高 い印刷パターンを簡便に且つ生産性よく製造できる。
[0017] すなわち、本発明は、基材の少なくとも片面に、連通性を有する多数の微小孔を有 し、該微小孔の平均孔径が 0. 01〜: LO mである多孔質層が積層されている多孔膜 積層体であって、下記方法に基づくテープ剥離試験により基材と多孔質層とが界面 剥離を起こさな ヽ多孔膜積層体を提供する。
テープ剥離試験
多孔膜積層体の多孔質層表面に 24mm幅の寺岡製作所社製マスキングテープ [ フィルムマスキングテープ No.603(#25) ]を貼り、直径 30mm、 200gf荷重のローラー で圧着した後、引張試験機を用いて剥離速度 50mmZ分で T型剥離を行う。
[0018] 前記基材は、貫通穴を多数有する基材又は金属箔基材であってもよい。前記貫通 穴を多数有する基材を構成する材料には、織布、メッシュクロス、パンチングフィルム 、金網、パンチングメタル、エキスパンドメタル、及びエッチングメタル等が含まれる。 前記金属箔基材を構成する材料には、銅箔、アルミ箔、鉄箔、ニッケル箔、金箔、銀 箔、錫箔、亜鉛箔、及びステンレス箔等が含まれる。
[0019] 本発明の多孔膜積層体は、高分子溶液を基材上へフィルム状に流延した後、凝固 液に導き、次いで乾燥に付すことにより基材の少なくとも片面に形成されているもの
であってもよい。前記高分子溶液は、例えば、高分子成分 8〜25重量%、水溶性ポ リマー 5〜50重量%、水 0〜10重量%、水溶性極性溶媒 30〜82重量%からなる混 合溶液である。
[0020] 本発明の多孔膜積層体において、多孔質層を構成する高分子成分は、ポリイミド 系榭脂、ポリアミドイミド系榭脂、ポリエーテルスルホン系榭脂、ポリエーテルイミド系 榭脂、ポリカーボネート系榭脂、ポリフエ二レンスルフイド系榭脂、液晶'性ポリエステノレ 系榭脂、芳香族ポリアミド系榭脂、ポリアミド系榭脂、ポリベンゾォキサゾール系榭脂 、ポリべンゾイミダゾール系榭脂、ポリべンゾチアゾール系榭脂、ポリスルホン系榭脂 、セルロース系榭脂、アクリル系榭脂からなる群より選択された少なくとも一種であつ てもよく、基材を構成する材料は、ポリイミド系榭脂、ポリアミドイミド系榭脂、ポリエー テルスルホン系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカーボネート系榭脂、ポリフエ二 レンスルフイド系榭脂、液晶性ポリエステル系榭脂、芳香族ポリアミド系榭脂、ポリアミ ド系榭脂、ポリベンゾォキサゾール系榭脂、ポリべンゾイミダゾール系榭脂、ポリベン ゾチアゾール系榭脂、ポリスルホン系榭脂、セルロース系榭脂、アクリル系榭脂、ポリ エチレンテレフタレート系榭 S旨、ポリエチレンナフタレート系榭 S旨、ポリブチレンテレフ タレート系榭脂、ポリエーテルエーテルケトン系榭脂、フッ素系榭脂、ォレフィン系榭 脂、ポリアリレート系榭脂からなる群より選択された少なくとも一種であってもよい。
[0021] 本発明の多孔膜積層体は、例えば、多孔質層を構成する高分子成分が、ポリイミド 系榭脂、ポリアミドイミド系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、芳香族ポリアミド系榭脂、 及びポリアミド系榭脂から選択される少なくとも一種であり、基材を構成する材料が、 ポリイミド系榭脂、ポリアミドイミド系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、液晶'性ポリエス テル系榭脂、芳香族ポリアミド系榭脂、ポリエチレンテレフタレート系榭脂、ポリエチレ ンナフタレート系樹脂から選択される少なくとも一種であってもよい。
[0022] 本発明の多孔膜積層体は、また、多孔質層を構成する高分子成分が、ポリイミド系 榭脂、ポリアミドイミド系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、芳香族ポリアミド系榭脂、及 びポリアミド系榭脂から選択される少なくとも一種であり、貫通穴を多数有する基材を 構成する材料が、織布、メッシュクロス、パンチングフィルム、金網、パンチングメタル 、エキスパンドメタル、及びエッチングメタルカゝら選択される少なくとも一種であっても
よい。
[0023] 本発明の多孔膜積層体は、さらに、多孔質層を構成する高分子成分が、ポリイミド 系榭脂、ポリアミドイミド系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、芳香族ポリアミド系榭脂、 及びポリアミド系榭脂から選択される少なくとも一種であり、金属箔基材を構成する材 料が、銅箔、アルミ箔、鉄箔、ニッケル箔、金箔、銀箔、錫箔、亜鉛箔、ステンレス箔 力も選択される少なくとも一種であってもよい。
[0024] 本発明の多孔膜成形体は、多孔質層の厚みが例えば 0. 1〜: LOO μ m程度であり、 多孔質層の空孔率が例えば 30〜80%程度であり、基材の厚みが例えば 1〜300 μ m程度である。
[0025] 本発明にお ヽては、例えば、貫通穴を多数有する基材で構成される多孔膜成形体 は、フィルター、電池用セパレーター、コンデンサー用セパレーター、燃料電池用電 解質膜又は触媒担体等として好ましく用いられ、金属箔基材で構成される多孔膜成 形体は、電磁波制御材、回路基板、又は放熱板として好ましく用いられる。
[0026] 本発明は、また、高分子溶液を基材上へフィルム状に流延した後、凝固液に導き、 次いで乾燥に付して基材の少なくとも片面に多孔質層を積層することにより上記本発 明の多孔膜積層体を得る多孔膜積層体の製造方法を提供する。前記高分子溶液は 、高分子成分 8〜25重量%、水溶性ポリマー 5〜50重量%、水 0〜10重量%、水溶 性極性溶媒 30〜82重量%からなる混合溶液であってもよい。
[0027] さらに、本発明は、上記本発明の多孔膜積層体を構成する少なくとも一つの多孔 質層表面に、金属メツキ層及び Z又は磁性メツキ層が積層されて ヽる複合材料を提 供する。本発明の複合材料は、例えば回路基板、放熱材又は電磁波制御材に用い ることがでさる。
[0028] 本発明は、また、上記本発明の多孔膜積層体を構成する少なくとも一つの多孔質 層表面に、金属メツキ層を積層することにより複合材料を得る複合材料の製造方法で あって、前記多孔膜積層体の多孔質層表面に、光により反応基を生成する化合物か らなる感光性組成物を塗布して感光層を設ける工程、前記感光層にマスクを介して 露光し、露光部に反応基を生成させる工程、及び露光部に生成された反応基を金属 と結合させて導体パターンを形成する工程カゝらなる複合材料の製造方法を提供する
[0029] また、本発明は、上記本発明の多孔膜積層体を構成する少なくとも一つの多孔質 層表面に、金属メツキ層を積層することにより複合材料を得る複合材料の製造方法で あって、前記多孔膜積層体の多孔質層表面に、光により反応基を消失する化合物か らなる感光性組成物を塗布して感光層を設ける工程、前記感光層にマスクを介して 露光し、露光部に反応基を消失させる工程、及び未露光部に残る反応基を金属と結 合させて導体パターンを形成する工程カゝらなる複合材料の製造方法を提供する。
[0030] 本発明の複合材料の製造方法は、例えば回路基板、放熱材又は電磁波制御材に 用いられる複合材料を得る方法であってもよ ヽ。
[0031] さらに、本発明は、上記本発明の多孔膜積層体を構成する少なくとも一つの多孔 質層表面に、印刷技術により導電体が形成されている複合材料を提供する。前記複 合材料としては、例えば回路基板、放熱板、電磁波制御材、電池用部材、及びコン デンサ一用部材等が挙げられる。前記印刷技術としては、例えば、インクジェット印刷 、スクリーン印刷、デイスペンサ印刷、凸版印刷 (フレキソ印刷)、昇華型印刷、オフセ ット印刷、レーザープリンタ印刷(トナー印刷)、凹版印刷 (グラビア印刷)、コンタクト 印刷、及びマイクロコンタクト印刷等が挙げられる。前記導電体としては、例えば、銀 、金、銅、ニッケル、 ITO、カーボン、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
[0032] 本発明の複合材料は、また、多孔質表面に、導電体粒子を含むインクを用いた印 刷技術によって導電体が形成されて!、る複合材料であって、多孔質層表層の平均 開孔径を Rl、導電体粒子の平均粒子径を R2とした場合、式: 0. 0001≤R2/R1 ≤ 1000を満たしていることが好ましい。前記導電体は、例えばメツキまたは絶縁材で 被覆した構成のものであってもよぐより好ましくは、導電体が銀であり、銀の表面にメ ツキまたは絶縁材で被覆した構成が挙げられる。前記メツキとしては、例えば、銅メッ キ、金メッキ、ニッケルメツキ等が挙げられる。
[0033] 本発明の複合材料には、例えば、多孔質層の空孔がそのまま残されているもの、多 孔質層の空孔に榭脂が充填されているもの、溶剤処理により多孔質層の空孔構造が 失われているもの等が含まれる。前記多孔質層の空孔に充填される榭脂としては、例 えば、エポキシ榭脂、ォキセタン榭脂、アクリル榭脂、ビュルエーテル榭脂、ポリイミド
榭脂、ポリエステル榭脂、ポリアミドイミド榭脂等が挙げられる。前記複合材料は、さら に、多孔質層上にカバーレイが積層されて 、てもよ 、。
[0034] また、本発明は、連通性を有する微小孔が多数存在する多孔質フィルム層の少なく とも片面に導体配線を有する配線基板であって、セロハン粘着テープ [-チバン (株) 製、商品名「セロテープ (登録商標) No. 405」、幅 24mm]による剥離試験(180° 剥離、剥離速度 50mmZ分)で配線の欠落が生じな!/ヽ配線基板を提供する。
[0035] 本発明は、また、連通性を有する微小孔が多数存在する多孔質フィルム層の少なく とも片面に導体配線を有する配線基板であって、紙粘着テープ [ニチバン (株)製、 商品名「紙粘着テープ No. 208」、幅 24mm]による剥離試験(180° 剥離、剥離速 度 50mmZ分)で配線の欠落が生じな 、配線基板を提供する。
[0036] 前記各配線基板において、多孔質フィルム層の平均孔径は、例えば 0. 01-10 ^ mである。
[0037] 本発明は、また、連通性を有する微小孔が多数存在する多孔質フィルム層の少なく とも片面に導体配線を有する配線基板であって、多孔質フィルム層の平均孔径が 0. 01〜: LO /z mであり、導体配線が印刷法により形成されている配線基板を提供する。
[0038] 前記各配線基板において、多孔質フィルム層の空孔率は、例えば 30〜80%であ る。多孔質フィルム層の厚みは、例えば 0. 1〜: L00 mである。多孔質フィルム層は 、榭脂からなる層であるのが好ましい。多孔質フィルム層には、ポリアミドイミド系榭脂 、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカーボネート系榭脂、ポリエーテルスルホン系榭脂、 及びポリイミド系榭脂から選択された少なくとも 1種の榭脂を主体とした素材力もなる 層が含まれる。また、多孔質フィルム層には、相転換法により形成された多孔質榭脂 フィルム層が含まれる。
[0039] 多孔質フィルム層は、該多孔質フィルム層を構成する素材と水溶性ポリマーとを極 性溶媒に溶解した溶液を基板上へフィルム状に流延し、相対湿度 70〜 100%の雰 囲気下に 0. 2〜15分保持し、前記素材の非溶剤力 なる凝固液に浸漬した後、乾 燥、脱溶剤して作製された多孔質フィルム力もなる層であるのが好ま 、。
[0040] 多孔質フィルム層は、実質的に孔を有しない緻密層の片面又は両面に形成されて V、てもよ 、。導体配線は印刷法により形成されて!、てもよ!/、。
[0041] 本発明は、さらに、前記の配線基板の製造方法であって、連通性を有する微小孔 が多数存在し、平均孔径が 0. 01〜10 mである多孔質フィルム層の少なくとも片面 に導体配線を形成することを特徴とする配線基板の製造方法を提供する。
[0042] この製造方法において、多孔質フィルム層が相転換法により形成された榭脂層で あってもよい。また、実質的に孔を有しない緻密層の片面又は両面に形成された平 均孔径 0. 01〜10 mの多孔質フィルム層の表面に導体配線を形成してもよい。導 体配線は、多孔質フィルム層の表面に印刷法により形成できる。例えば、導体配線 は、(1)多孔質フィルム層の表面に、導電インクをインクジェット方式で適用すること により形成してもよぐ(2)配線パターン状に凹凸を形成した版に導電インクを塗布し 、これを多孔質フィルム層の表面に転写することにより形成してもよぐ(3)多孔質フィ ルム層の表面に、導体ペーストをシリンジ力も押出し、描写することにより形成してもよ く、 (4)多孔質フィルム層の表面に、導体ペーストをスクリーン印刷により描写すること により形成してもよい。こうして形成された導体配線上には、さらにメツキを施してもよ い。
[0043] 導体配線は、また、(5)多孔質フィルム層の表面に、配線パターン状にメツキ触媒を インクジェット方式で印刷した後、メツキを施すことにより形成してもよく、(6)配線パタ ーン状に凹凸を形成した版にメツキ触媒を塗布し、これを多孔質フィルム層の表面に 転写した後、メツキを施すことにより形成してもよく、(7)多孔質フィルム層の表面に、 メツキ触媒をシリンジ力も押出して配線パターン状に描写した後、メツキを施すことに より形成してもよく、(8)多孔質フィルム層の表面に、メツキ触媒をスクリーン印刷によ り配線パターン状に描写した後、メツキを施すことにより形成してもよい。
[0044] さらに、本発明は、多孔質フィルム層の表面に少なくとも平均ライン幅 10〜1000 μ mで長さ 500 m以上の直線部を有する印刷が施された印刷物であって、下記式(1 )で表されるライン幅の変動値 Fが 30%以下であることを特徴とする印刷物(以下、「 本発明の印刷物 1」と称することがある)を提供する。
F= (LMax- LMin) /L Ave X 100 ( 1 )
(式中、 LAveは長さ 500 μ mの直線部における平均ライン幅、 LMaxは該長さ 500 μ mの直線部における最大ライン幅、 LMinは該長さ 500 mの直線部における最
小ライン幅を示す)
[0045] 本発明は、また、多孔質フィルム層の表面に少なくとも平均ライン幅 10〜1000 μ m で長さ 500 m以上の直線部を有する印刷が施された印刷物であって、下記式(2) で表されるライン幅の標準偏差∑が 7以下であることを特徴とする印刷物(以下、「本 発明の印刷物 2」と称することがある)を提供する。
∑ = (( (LAve LMax) 2 + (LAve— LMin) 2) /2) ( 2)
(式中、 LAveは長さ 500 μ mの直線部における平均ライン幅、 LMaxは該長さ 500 μ mの直線部における最大ライン幅、 LMinは該長さ 500 mの直線部における最 小ライン幅を示す)
[0046] また、本発明は、多孔質フィルム層の表面に版を用いて印刷が施された印刷物で あって、版の開孔幅 L1と印刷後の対応する印刷幅 L2の比 (L2ZL1)が 0. 8〜1. 2 であることを特徴とする印刷物 (以下、「本発明の印刷物 3」と称することがある)を提 供する。
[0047] 上記各印刷物には、(i)多孔質フィルム層表面での接触角が、該多孔質フィルム層 表面に滴下した後 300 sec以内に 60° 以下となるような液体を主溶剤として含む 印刷インク又はペーストを用いて印刷が施された印刷物、(ii)多孔質フィルム層表面 での接触角が、該多孔質フィルム層表面に 1 μ 1の液滴を滴下した後 300 sec以内 に 60° 以下となり、且つ 300 μ sec経過時の液滴半径が 1600 μ m以下である液体 を主溶剤として含む印刷インク又はペーストを用いて印刷が施された印刷物、(iii)粘 度が 0. 05〜lPa' sの印刷インク又はペーストを用いて印刷が施された印刷物が含 まれる。これらの印刷物は、スクリーンメッシュ又はメタルマスクを通じてペーストを押 出すことにより印刷が施されたものであってもよい。
[0048] 多孔質フィルム層の平均孔径は、例えば 0. 01〜: LO μ mであり、多孔質フィルム層 の空孔率は、例えば 30〜80%であり、多孔質フィルム層の厚みは、例えば 0. 1〜1 00 μ mである。
[0049] 多孔質フィルム層は榭脂からなる層であってもよい。この場合、多孔質フィルム層を 構成する榭脂は耐熱性榭脂であるのが好ましい。耐熱性榭脂として、ポリアミドイミド 系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカーボネート系榭脂、ポリエーテルスルホン
系榭脂からなる群より選択された榭脂を使用できる。
[0050] 多孔質フィルム層は相転換法により形成された多孔質榭脂フィルム層であるのが好 ましい。例えば、多孔質フィルム層は、該多孔質フィルム層を構成する素材と水溶性 ポリマーとを極性溶媒に溶解した溶液を基板上へフィルム状に流延し、相対湿度 70 〜100%の雰囲気下に 0. 2〜15分保持し、前記素材の非溶剤からなる凝固液に浸 漬した後、乾燥、脱溶剤して作製された多孔質フィルムカゝらなる層であってもよい。
[0051] 印刷物には印刷配線基板が含まれる。
[0052] さらに、本発明は、(1)多孔質フィルム層に印刷を施す工程、(2A)印刷を施した多 孔質フィルム層を溶剤と接触させる工程、及び (3A)溶剤を乾燥させる工程、を経る ことにより緻密化された層を形成する工程を含む印刷パターンの製造方法 (以下、「 本発明の印刷パターンの製造方法 1」と称することがある)を提供する。
[0053] 本発明は、また、(1)多孔質フィルム層に印刷を施す工程、(2B)印刷を施した多 孔質フィルム層を熱融解させる工程、及び (3B)冷却固化して緻密化された層を形成 する工程力 なることを特徴とする印刷パターンの製造方法 (以下、「本発明の印刷 パターンの製造方法 2」と称することがある)を提供する。前記工程 (3B)において冷 却固化して得られる緻密化された層の引張り強度 F2と、工程(1)において用いる多 孔質フィルム層の引張り強度 F1との比 F2ZF1は 1より大きい値であるのが好ましい
[0054] この製造方法においては、工程(1)において用いる多孔質フィルム層の表面に水 を滴下後 1000 sec経過時の接触角 ΘΑ と、工程(3A)において溶剤を乾燥さ
1000
せた後の緻密化された層又は工程(3B)において冷却固化して得られる緻密化され た層の表面に水を滴下後 1000 sec経過時の接触角 ΘΒ との比 ΘΑ /ΘΒ
1000 1000 1 力 未満であるのが好ましい。
000
[0055] また、工程(1)において用いる多孔質フィルム層の水との接触角を測定したとき、多 孔質フィルム層の表面に水を滴下後 1000 sec経過時の接触角 ΘΑ と 100 /z se
1000 c経過時の接触角 ΘΑ との比 ΘΑ ΖΘΑ が 0. 6未満であり、工程(3A)にお
100 1000 100
V、て溶剤を乾燥させた後の緻密化された層又は工程 (3B)にお 、て冷却固化して得 られる緻密化された層の水との接触角を測定したとき、緻密化された層の表面に水を
滴下後 1000 μ sec経過時の接触角 ΘΒ と 100 μ sec経過時の接触角 ΘΒ との
1000 100 比 ΘΒ ΖΘΒ が 0. 6より大きい値であるのが好ましい。
1000 100
[0056] 印刷方法としては、インクジェット方式、スクリーン印刷、オフセット印刷、昇華方式、 感熱方式、グラビア印刷、レーザー印刷、ペースト印刷、ナノコンタクトプリントなどが 挙げられる。
[0057] 多孔質フィルム層の平均孔径は、例えば 0. 01〜: L0 μ mであり、多孔質フィルム層 の空孔率は、例えば 30〜80%であり、多孔質フィルム層の厚みは、例えば 0. 1〜1 00 μ mである。
[0058] 多孔質フィルム層は榭脂からなる層であってもよい。この場合、多孔質フィルム層を 構成する榭脂は耐熱性榭脂であるのが好ましい。耐熱性榭脂として、ポリアミドイミド 系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカーボネート系榭脂及びポリエーテルスルホ ン系榭脂からなる群より選択された榭脂を使用できる。
[0059] 多孔質フィルム層は相転換法により形成された多孔質榭脂フィルム層であるのが好 ましい。例えば、多孔質フィルム層は、該多孔質フィルム層を構成する素材と水溶性 ポリマーとを極性溶媒に溶解した溶液を基板上へフィルム状に流延し、相対湿度 70 〜100%の雰囲気下に 0. 2〜15分保持し、前記素材の非溶剤からなる凝固液に浸 漬した後、乾燥、脱溶剤して作製された多孔質フィルムカゝらなる層であってもよい。
[0060] 本発明は、また、上記の印刷パターンの製造方法により印刷パターンが形成された 印刷物を提供する。
[0061] このような印刷物には印刷配線基板が含まれる。
発明の効果
[0062] 本発明の多孔膜積層体は、多数の微小孔カもなる多孔質層を有するため柔軟性 に優れると共に、優れた空孔特性を有し、しかも該多孔質層は基材に裏打ちされて いるため、空隙率を有する場合であっても十分な強度を発揮でき、耐折性、取扱性 に極めて優れている。本発明によれば、上記特性を有し、膜質が均一な多孔膜積層 体を簡易な方法で安定して製造することができる。こうして得られる多孔膜積層体は 、上記特性を有するため、低誘電率材料、フィルター、セパレーター、燃料電池用電 解質膜、触媒基材 (触媒担体)、クッション材、インク受像シート、試験紙、絶縁材、断
熱材等に利用できるほか、多孔質層の空孔を機能性材料で充填することにより、回 路用基板、放熱材 (ヒートシンク、放熱板)、電磁波シールドや電磁波吸収体などの 電磁波制御材、電池用セパレーター、コンデンサー(紙コンデンサー、プラスチックフ イルムコンデンサー、セラミックコンデンサー、マイ力コンデンサー、電解コンデンサー など)、細胞培養基材、触媒基材 (触媒担体)等として広く利用することができる。
[0063] また、本発明の配線基板は、連通性を有する微小孔 (連続微小孔)が多数、均一に 存在する多孔質フィルム層の少なくとも片面に導体配線を有する配線基板であって、 例えば幅 50〜200 mの導体配線に対して、セロハン粘着テープ [-チバン (株)製 、商品名「セロテープ (登録商標) No. 405」、幅 24mm]による剥離試験(180° 剥 離、剥離速度 50mmZ分)を行った場合に、配線の欠落が生じないという特性を持つ ている。上記テープ剥離試験においては、セロハン粘着テープとして、前記「セロテ ープ(登録商標) No. 405」の代わりに、これと同等の粘着力(4. OONZlOmm)を 有するセロハン粘着テープを用いることもできる。
[0064] さらに、本発明の方法によれば、多孔質フィルム層に印刷を施すので、印刷インク 又はペースト中の溶剤が速やかに孔に吸収され、インクの粘度が上昇して流動性が 無くなるため、細線描写性に優れた印刷が可能であり、しかも印刷後には多孔質フィ ルム層をー且溶剤又は溶剤及び熱により溶解させた上で該溶剤を除去するので、多 孔質フィルム層が緻密化され、それにより被印刷部の強度及び印刷の密着強度が向 上し、また水等の液体の吸収を防止できるので、精密な印刷が施された壊れにくい 印刷パターンを簡便に且つ生産性よく製造することができる。また、多孔質フィルム 層が緻密化されるので、ガスノ リア性や耐擦過性も向上する。そのため、配線基板を 初めとする印刷物の信頼性を高めることができる。
発明を実施するための最良の形態
[0065] 本発明の多孔膜積層体は、基材の少なくとも片面に多孔質層が積層され、且つテ ープ剥離試験により基材と多孔質層とが界面剥離を起こさない構成を有している。前 記テープ剥離試験は、多孔膜積層体の多孔質層表面に 24mm幅の寺岡製作所社 製マスキングテープ [フィルムマスキングテープ No.603(#25) ]を貼り、直径 30mm、 2 OOgf荷重のローラーで圧着した後、引張試験機を用いた剥離速度 50mmZ分で T
型剥離により行われる。すなわち、基材と多孔質層とが、上記テープ剥離試験で界 面剥離が起こらな 、程度の層間密着強度で積層されて 、ることを意味して 、る。
[0066] 本発明の多孔膜積層体は、上記のように、基材と多孔質層とが特定の層間密着強 度で直接積層された構成を有するため、柔軟性と優れた空孔特性を備える一方、適 度な剛性を有するため取扱性が向上している。し力も、多孔質層を構成する高分子 成分を広く選択することができるため、多様な分野の材料として適用可能であるという 利点がある。基材と多孔質層との層間密着強度は、各層を構成する素材の種類ゃ界 面の物理的特性を適宜設定することにより調整することができる。
[0067] 基材を構成する材料としては、上記テープ剥離試験により多孔質層と界面剥離を 生じな!/ヽ基材を形成可能であれば特に限定されず、多孔質層を構成する材料に応 じて適宜選択できる。基材を構成する材料としては、例えば、ポリイミド系榭脂、ポリア ミドイミド系榭 S旨、ポリエーテルスルホン系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカー ボネート系榭脂、ポリフエ-レンスルフイド系榭脂、液晶性ポリエステル系榭脂、芳香 族ポリアミド系榭脂、ポリアミド系榭脂、ポリベンゾォキサゾール系榭脂、ポリべンゾィ ミダゾ一ル系榭脂、ポリべンゾチアゾール系榭脂、ポリスルホン系榭脂、セルロース系 榭脂、アクリル系榭脂、ポリエチレンテレフタレート系榭脂、ポリエチレンナフタレート 系榭脂、ポリブチレンテレフタレート系榭脂、ポリエーテルエーテルケトン系榭脂、フ ッ素系榭脂、ォレフィン系榭脂 (環状ォレフィン系榭脂等を含む)、ポリアリレート系榭 脂等のプラスチック等が挙げられる。これらの材料は単独で又は 2種以上混合して使 用してもよぐまた、上記樹脂の共重合体 (グラフト重合体、ブロック共重合体、ランダ ム共重合体等)を単独で又は組み合わせて用いることも可能である。さらに、上記榭 脂の骨格 (ポリマー鎖)を主鎖又は側鎖に含む重合物を用いることも可能である。こ のような重合物の具体例として、ポリシロキサンとポリイミドの骨格を主鎖に含むポリシ ロキサン含有ポリイミド等が挙げられる。
[0068] 本発明における基材としては、以下に例示される市販品のフィルム等を用いることも できる。ポリイミド系榭脂フィルムとしては、東レ 'デュポン株式会社製の「カプトン」、 株式会社カネ力製の「アビカル」、宇部興産株式会社の「ユーピレックス」等が巿販さ れている。ポリエチレンテレフタレート系榭脂フィルムとしては、帝人デュポンフィルム
株式会社製の「ティジンテトロンフィルム」、「メリネックス」、「マイラー」等が市販されて いる。ポリエチレンナフタレート系榭脂フィルムとしては、帝人デュポンフィルム株式会 社製の「テオネックス」等が市販されて 、る。
[0069] 液晶性ポリエステル系榭脂として、ポリプラスチックス株式会社製の「ベクトラ」、東レ 株式会社製の「シベラス」、住友化学工業株式会社製の「スミカスーパー LCP」等の 市販の榭脂をフィルム化して用いる事が可能である。
[0070] ォレフィン系榭脂フィルムとして最も汎用的に使用されるフィルムにはポリプロピレン のフィルムが挙げられ、市販のものを容易に入手する事ができる。その他にも環状構 造を持つ環状ォレフィン系榭脂製のフィルムを使用することもでき、例えば三井ィ匕学 株式会社製の「TPX」、 日本ゼオン株式会社製の「ゼォノア」、ポリプラスチックス株式 会社製の「TOPAS」等の市販の榭脂をフィルム化して用いる事が可能である。
[0071] 先に述べたように、基材の片面に粘着剤層が形成された基材を使用することもできる 。このようなものとして、例えば、寺岡製作所社が市販している電機'電子用テープを 挙げることができる。 「カプトン粘着テープ」、 「PPSフィルム粘着テープ」、 「PEIフィル ム粘着テープ」、「PENフィルム粘着テープ」、「ポリエステルフィルム粘着テープ」等 を用いることが可能である。
[0072] 本発明では、基材として、貫通穴を多数有する基材ゃ金属箔基材等を用いることも できる。
[0073] ここで、「貫通穴を有する基材」とは、基材平面に対してほぼ垂直方向に貫通した空 孔を有する基材を意味している。貫通穴を多数有する基材としては、貫通穴が多数 形成され、上記テープ剥離試験により多孔質層と界面剥離を生じなければ特に限定 されない。このような貫通穴を多数有する基材を構成する材料としては、例えば、織 布、不織布、メッシュクロス、パンチングフィルム等のプラスチックフィルム又はシート; 金網、パンチングメタル、エキスパンドメタル、エッチングメタル等の金属箔又はシート 等が挙げられ、耐水性、耐熱性、耐薬品性等の特性に応じて適宜選択して利用でき る。なかでも、微細で規則正しい構造を持つメッシュクロスが好ましく用いられる。また 、不織布も、相対的に低コストであるため好ましく用いられる。
[0074] 織布としては、例えば、綿繊維や絹繊維等の天然繊維;ガラス繊維、 PEEK繊維、
芳香族ポリアミド繊維、ポリべンゾォキサゾール繊維 (ザィロン等)等の榭脂繊維、力 一ボンファイバ一等力 選択される一種又は 2種を組み合わせて形成された織布を 利用できる。
[0075] 不織布としては、例えば、綿、羊毛、麻、パルプ、絹、鉱物繊維等の天然繊維;レー ヨン、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリル繊維、ビニロン、ァラミド繊維、 液晶性ポリエステル (LCP)等の化学繊維;ガラス繊維等カゝら選択される一種又は二 種以上を組み合わせて形成された不織布を利用できる。不織布の基材を構成する 榭脂の種類は、耐熱性、耐薬品性、強度やコスト等に応じて選択できる。
[0076] メッシュクロスには、 目開き(糸と糸の間の隙間の大きさのミクロン数)、糸径(糸の太 さのミクロン数)、メッシュ(1インチ間の糸の本数)、 目開き率 (メッシュ全体に対する開 孔部の割合)、厚さ (メッシュの厚さのミクロン数)等によって多種の品番が存在する。 メッシュクロスの織り方も色々あり、 ASTM (米国工業規格)、 DIN (ドイツ工業規格)、 HD、 XX、 GG、 HC&P、シュリンガー等の種類がある。これらの中から、 目的に応じ た物性を備えたものを適宜選択して用いることができる。
[0077] パンチングフィルムとしては、 PET、ポリイミド等のフィルムに打抜力卩ェ等を施すこと により、円形、正方形、長方形、楕円等の孔を開けたものが挙げられる。
[0078] 金網としては、市販の平織金網、綾織金網、平畳織金網、綾畳織金網等を利用で きる。材質としては、鉄、ステンレス、銅、ニッケル等が挙げられる。
[0079] パンチングメタルとしては、金属の箔又はシートに打抜力卩ェ等を施すことにより、円 形、正方形、長方形、楕円等の孔を開けたものが挙げられる。材質としては、鉄、ァ ルミ、ステンレス、銅、チタン等を挙げることができる。
[0080] エキスパンドメタルとしては、 JIS規格の形状のものを挙げることができる。例えば、 X S63、 XS42フラット等がある。材質としては、鉄、アルミ、ステンレス、等を挙げること ができる。
[0081] 上記貫通穴を多数有する基材は、エッチング加工、打抜加工、レーザー照射等の 加工方法等材料に応じた慣用の方法により製造することができる。このような貫通穴 を多数有する基材によれば、該表面へ高分子溶液を塗布して多孔質層を積層する ことにより、優れた層間密着強度で積層することができるという利点がある。また、柔
軟性と優れた空孔特性を備える一方、適度な剛性を有するため、取扱性を向上する 効果を得ることができる。
[0082] 貫通穴を多数有する基材カ ッシュクロスの場合は、基材表面の平均孔径(目開き :線材と線材の間の隙間の大きさ)力 例えば 30〜1000 μ m、好ましくは 40〜200 μ m程度であり、表面開孔率(目開き率:メッシュ全体に対する開孔部の割合)が、例 えば 20〜70%であり、好ましくは 25〜60%程度である。前記目開き及び目開き率 の各数値が低すぎる場合には、層間密着性が不十分となったり、柔軟性が低くなりや すぐ前記各数値が高すぎる場合には、機械的強度に剛性が低下しやすく取扱性に 劣る傾向にあり、いずれも好ましくない。
[0083] 貫通穴を多数有する基材がパンチングフィルムやパンチングメタルの場合は、表面 開孔率が 20〜80%程度であり、好ましくは 30〜70%程度である。表面開孔率の数 値が低すぎる場合には気体や液体の透過性が悪くなりやすぐ数値が高すぎる場合 は強度が低下しやすく取扱性に劣る傾向がありいずれも好ましくない。
[0084] 貫通穴を多数有する基材が金網の場合は、表面開孔率が 20〜80%程度であり、 好ましくは 25〜70%程度である。表面開孔率の数値が低すぎる場合には、気体や 液体の透過性が悪くなりやすぐ数値が高すぎる場合は強度が低下しやすく取扱性 に劣る傾向があり、いずれも好ましくない。
[0085] 貫通穴を多数有する基材がエキスパンドメタルの場合は、表面開孔率が 20〜80% 程度であり、好ましくは 25〜70%程度である。表面開孔率の数値が低すぎる場合に は気体や液体の透過性が悪くなりやすぐ数値が高すぎる場合は強度が低下しやす く取扱性に劣る傾向があり、 、ずれも好ましくな 、。
[0086] 基材は単層であってもよぐ同一又は異なる素材力 なる複数の層からなる複合フ イルムであってもよい。複合フィルムは、複数のフィルムを必要に応じて接着剤等を用 いて積層した積層フィルムであってもよぐコーティング、蒸着、スパッタ等の処理が 施されて得られるものでもよ 、。
[0087] また、基材の片面に多孔質層が形成される場合は、多孔質層が積層されている面 と反対側の面には粘着剤層が形成されて 、てもよく、さらに取り扱 、やす 、ように粘 着剤層上に保護フィルム (離型フィルム)が貼られていてもよい。粘着剤層は、多孔質
層を形成した後に基材の反対面に形成することもできるし、片面に粘着剤層を形成し た基材の反対面に多孔質層を形成してもよい。粘着剤層は塗布によって形成されて もよいし、粘着剤フィルムを貼り付けてもよい。または、両面テープを貼り付ける方法 でもよい。
[0088] 本発明における基材は、多孔質層の形成に用いる高分子溶液 (塗布液)を塗布し た時に、フィルムが溶解したり激しく変形するなどの膜質の変化が生じな 、か極めて 少ないものが好ましい。
[0089] 本発明における貫通穴を多数有する基材は、市販品を利用できる。例えば、不織 布としては、日本バイリーン社製のポリプロピレン系不織布(商品名「FC— 310」)、ポ リエステル系不織布(商品名「MF— 80 :」);デュポン帝人アドバンスドペーパー社 製のァラミド不織布(商品名「ノーメッタス紙」タイプ 410、タイプ 411、タイプ 414、タイ プ 418等);クラレ社製の液晶性ポリエステル (LCP)不織布(商品名「ベクルス」 MBB K— CKJタイプ、 MBBK— KJタイプ等)等が巿販されている。また、 SEFAR社製のメ ッシュクロスには、素材とする榭脂に応じて多くの種類が存在し、具体的には、ポリエ ステルメッシュクロス(商品名「PETEX」)、ナイロンメッシュクロス(商品名「NYTAL」 )、カーボンメッシュクロス(商品名「CARBOTEX」)、テフロン(登録商標)メッシュク ロス(商品名「FLUORTEX」)、ポリプロピレンメッシュクロス(商品名「PROPYLTE X」)、シルクメッシュクロス(商品名「SIL :」)等の他、ポリエチレンメッシュクロス等が 市販されている。メッシュクロス等の基材を構成する榭脂の種類は、耐熱性ゃ耐薬品 性等に応じて選択できる。
[0090] 基材には、粗化処理、易接着処理、静電気防止処理、サンドブラスト処理 (サンドマ ット処理)、コロナ放電処理、プラズマ処理、ケミカルエッチング処理、ウォーターマット 処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理、酸化処理、紫外線照射処理、シランカップ リング剤処理等表面処理が施されていてもよぐこのような表面処理が施された巿販 品も使用可能である。このような基材としては、例えばカーボンコーティングされたナ イロンゃポリエステルのメッシュクロス等が挙げられる。
[0091] また、上記表面処理を複数を組み合わせて行うことも可能である。例えば、基材に 対し、まず、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理、酸ィ匕
処理、紫外線照射処理等の何れかの処理を施した後、シランカップリング剤処理を 行う方法等を利用できる。基材の種類によっては、上記方法は、シランカップリング剤 の単独処理と比較して処理が強化される場合があり、特にポリイミド系基材等で高い 効果が期待できる。シランカップリング剤としては、信越ィ匕学工業社製やジャパンェ ナジ一社製の製品を挙げることができる。
[0092] 金属箔基材を構成する材料としては、上記テープ剥離試験により多孔質層と界面 剥離を生じな 、基材を形成可能であれば特に限定されず、多孔質層を構成する材 料に応じて適宜選択できる。金属箔基材を構成する材料としては、例えば、銅箔、ァ ルミ箔、鉄箔、ニッケル箔、金箔、銀箔、錫箔、亜鉛箔、ステンレス箔等が挙げられる 。これらの材料は単独で又は 2種以上混合して使用することも可能である。
[0093] 金属箔基材は単層であってもよぐ同一又は異なる素材力 なる複数の層からなる 複合フィルムであってもよい。複合金属箔は、複数の金属箔を必要に応じて接着剤 等を用いて積層した積層フィルムであってもよぐコーティング、蒸着、スノッタ等の処 理が施されて得られるものでもよい。また、金属箔基材の片面に多孔質層が形成され る場合は、多孔質層が積層されていると面と反対側の面には粘着剤層が形成されて V、てもよく、さらに取り扱 、やす 、ように粘着剤層上に保護フィルム (離型フィルム)が 貼られていてもよい。
[0094] 本発明における金属箔基材は、多孔質層の形成に用いる高分子溶液 (塗布液)を 塗布した時に、フィルムが溶解したり激しく変形するなどの膜質の変化が生じな 、か 極めて少な 、ものが好まし 、。
[0095] 本発明における金属箔基材としては、以下に例示される市販品のフィルム状の金 属箔を用いることもできる。
[0096] 銅箔としては、福田金属箔粉工業株式会社製の電解銅箔(品種: HTE、 VP、 HS、 SV)、圧延銅箔(品種: RCF、 RCF— AN)、三井金属鉱業株式会社製の電解銅箔( 品種: HTE、 VLP)、日本製箔株式会社製の圧延銅箔等が市販されて!ヽる。
[0097] アルミ箔としては、福田金属箔粉工業株式会社製のもの、日本製箔株式会社製の もの、住軽アルミ箔株式会社製のものが市販されている。
[0098] 鉄箔としては、東邦亜鉛株式会社製のものが市販されて!、る。
[0099] また、金属箔の片面に粘着剤が塗られているものも使用することができ、前記構成 を有する市販品として、株式会社寺岡製作所の銅箔粘着テープ、アルミ箔粘着テー プ、ステンレス箔粘着テープ、導電性銅箔粘着テープ、導電性アルミ箔粘着テープ、 シールド粘着テープ (導電性布粘着テープ)等が入手可能である。また、株式会社二 トムズのステンレステープなどの巿販品も利用できる。
[0100] 金属箔基材には、粗化処理、易接着処理、静電気防止処理、サンドブラスト処理( サンドマット処理)、コロナ放電処理、プラズマ処理、ケミカルエッチング処理、ウォー ターマット処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理、酸化処理等の表面処理が施され ていてもよぐこのような表面処理が施された市販品も使用可能である。このような金 属箔基材としては、例えば粗ィ匕処理が施された銅箔等が挙げられる。
[0101] 金属箔基材の厚みは、例えば 1〜300 μ m、好ましくは 5〜200 μ m、さらに好まし くは 5〜: LOO /z mである。厚みが薄くなりすぎると取り扱いが困難になり、一方厚すぎ る場合には柔軟性が低下する場合がある。上記に例示の市販の基材には、厚みが 9 m、 12 m、 18 m、 35 m、 70 m等のもの力あり、いずれも禾 IJ用できる。
[0102] 多孔質層は、主成分が例えば高分子成分で構成されている。多孔質層を構成する 高分子成分としては、上記テープ剥離試験により多孔質層と界面剥離を生じない金 属箔基材を形成可能であれば特に限定されず、金属箔基材を構成する材料に応じ て適宜選択できる。前記高分子成分としては、例えば、ポリイミド系榭脂、ポリアミドィ ミド系榭脂、ポリエーテルスルホン系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカーボネー ト系榭脂、ポリフエ-レンスルフイド系榭脂、液晶性ポリエステル系榭脂、芳香族ポリ アミド系榭脂、ポリアミド系榭脂、ポリベンゾォキサゾール系榭脂、ポリべンゾイミダゾ 一ル系榭脂、ポリべンゾチアゾール系榭脂、ポリスルホン系榭脂、セルロース系榭脂 、アクリル系榭脂等のプラスチック等が挙げられる。これらの高分子成分は単独で又 は 2種以上混合して使用してもよぐまた、上記樹脂の共重合体 (グラフト重合体、ブ ロック共重合体、ランダム共重合体等)を単独で又は組み合わせて用いることも可能 である。さらに、上記榭脂の骨格 (ポリマー鎖)を主鎖又は側鎖に含む重合物を用い ることも可能である。このような重合物の具体例として、ポリシロキサンとポリイミドの骨 格を主鎖に含むポリシロキサン含有ポリイミド等が挙げられる。
[0103] なかでも、多孔質層を構成する高分子成分として好ましい例として、耐熱性があり、 熱成形が可能で、機械的強度、耐薬品性、電気特性に優れているポリアミド系榭脂、 ポリアミドイミド系榭脂又はポリイミド系榭脂を主成分とするものが挙げられる。ポリアミ ドイミド系榭脂は、通常無水トリメリット酸とジイソシァネートとの反応、又は無水トリメリ ット酸クロライドとジァミンとの反応により重合した後、イミド化することによって製造す ることができる。ポリイミド系榭脂は、例えば、テトラカルボン酸成分とジァミン成分との 反応によりポリアミック酸を得て、それをさらにイミドィ匕することにより製造することがで きる。多孔質層をポリイミド系榭脂で構成する場合には、イミドィ匕すると溶解性が悪く なるために、まずポリアミック酸の段階で多孔膜を形成してからイミド化 (熱イミド化、 化学イミドィ匕等)されることが多!ヽ。
[0104] 基材は単層であってもよぐ同一又は異なる素材力もなる複数の層からなる複合フ イルムであってもよい。複合フィルムは、複数のフィルムを必要に応じて接着剤等を用 いて積層した積層フィルムであってもよぐコーティング、蒸着、スパッタ等の処理が 施されて得られるものでもよ 、。
[0105] 本発明における基材は、多孔質層の形成に用いる高分子溶液 (塗布液)を塗布し た時に、フィルムが溶解したり激しく変形するなどの膜質の変化が生じな 、か極めて 少ないものが好ましい。
[0106] 基材には、易接着処理、静電気防止処理、サンドブラスト処理 (サンドマット処理)コ ロナ放電処理、プラズマ処理、ケミカルエッチング処理、ウォーターマット処理、火炎 処理、酸処理、アルカリ処理、酸化処理、紫外線照射処理、シランカップリング剤処 理等表面処理が施されていてもよぐこのような表面処理が施された市販品も使用可 能である。このような基材としては、例えば易接着処理や静電気防止処理が施された PETフィルムや、プラズマ処理されたポリイミドフィルム等が挙げられる。
[0107] また、上記表面処理を複数を組み合わせて行うことも可能である。例えば、基材に 対し、まず、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理、酸化 処理、紫外線照射処理等の何れかの処理を施した後、シランカップリング剤処理を 行う方法等を利用できる。基材の種類によっては、上記方法は、シランカップリング剤 の単独処理と比較して処理が強化される場合があり、特にポリイミド系基材等で高い
効果が期待できる。シランカップリング剤としては、信越ィ匕学工業社製やジャパンェ ナジ一社製の製品を挙げることができる。
[0108] 基材の厚みは、例えば 1〜300 μ m、好ましくは 5〜200 μ m、さらに好ましくは 5〜 100 /z mである。厚みが薄くなりすぎると取り扱いが困難になり、一方厚すぎる場合に は柔軟性が低下する場合がある。上記に例示の市販の基材には、厚みが 12 /ζ πι、 1 2. 5 /ζ πι、 25 ^ m, 50 ^ m, 75 m、 125 m等のもの力あり、いずれも禾 lj用できる
[0109] 特に貫通穴を多数有する基材を用いる場合には、貫通穴を多数有する基材の厚 みは、例えば 1〜: LOOO μ m、好ましくは 5〜200 μ m、さら〖こ好ましくは 5〜: LOO μ m である。貫通穴を多数有する基材の厚みが薄くなりすぎると取り扱いが困難になり、 一方厚すぎる場合には柔軟性が低下する場合がある。
[0110] 多孔質層は、主成分が例えば高分子成分で構成されている。多孔質層を構成する 高分子成分としては、上記テープ剥離試験により多孔質層と界面剥離を生じない基 材を形成可能であれば特に限定されず、基材を構成する材料に応じて適宜選択で きる。前記高分子成分としては、例えば、ポリイミド系榭脂、ポリアミドイミド系榭脂、ポ リエーテルスルホン系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカーボネート系榭脂、ポリ フエ-レンスルフイド系榭脂、液晶性ポリエステル系榭脂、芳香族ポリアミド系榭脂、 ポリアミド系榭脂、ポリベンゾォキサゾール系榭脂、ポリべンゾイミダゾール系榭脂、ポ リベンゾチアゾール系榭脂、ポリスルホン系榭脂、セルロース系榭脂、アクリル系榭脂 等のプラスチック等が挙げられる。これらの高分子成分は単独で又は 2種以上混合し て使用してもよぐまた、上記樹脂の共重合体 (グラフト重合体、ブロック共重合体、ラ ンダム共重合体等)を単独で又は組み合わせて用いることも可能である。さらに、上 記榭脂の骨格 (ポリマー鎖)を主鎖又は側鎖に含む重合物を用いることも可能である 。このような重合物の具体例として、ポリシロキサンとポリイミドの骨格を主鎖に含むポ リシロキサン含有ポリイミド等が挙げられる。
[0111] なかでも、多孔質層を構成する高分子成分として好ましい例として、耐熱性があり、 熱成形が可能で、機械的強度、耐薬品性、電気特性に優れているポリアミドイミド系 榭脂又はポリイミド系榭脂を主成分とするものが挙げられる。ポリアミドイミド系榭脂は
、通常無水トリメリット酸とジイソシァネートとの反応、又は無水トリメリット酸クロライドと ジァミンとの反応により重合した後、イミドィ匕することによって製造することができる。ポ リイミド系榭脂は、例えば、テトラカルボン酸成分とジァミン成分との反応によりポリアミ ック酸を得て、それをさらにイミド化することにより製造することができる。多孔質層を ポリイミド系榭脂で構成する場合には、イミドィ匕すると溶解性が悪くなるために、まず ポリアミック酸の段階で多孔膜を形成してからイミド化 (熱イミド化、化学イミドィ匕等)さ れることが多い。
[0112] 多孔質層の厚みは、例えば 0. 1〜: LOO μ m、好ましくは 0. 5〜70 μ m、さらに好ま しくは 1〜50 mである。厚みが薄くなりすぎると安定して製造するのが困難になり、 一方厚すぎる場合には孔径分布を均一に制御することが困難になる。
[0113] 特に貫通穴を多数有する基材を用いる場合には、多孔質層の厚みは、例えば 0. 1 〜1000 m、好ましくは 0. 5〜500 m、さらに好ましくは 1〜200 mである。厚み が薄くなりすぎると安定して製造するのが困難になり、一方厚すぎる場合には孔径分 布を均一に制御することが困難になる。
[0114] 本発明の多孔膜積層体は、基材と多孔質層とが他の層を介することなぐ上記テー プ剥離試験で界面剥離が起こらな 、程度の層間密着強度で積層されて 、る。基材と 多孔質層との密着性を向上させる手段としては、例えば、基材における多孔質層を 積層する側の表面に、サンドブラスト処理 (サンドマット処理)コロナ放電処理、酸処 理、アルカリ処理、酸化処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、ケミカルエッチング処 理、ウォーターマット処理、火炎処理、シランカップリング剤処理等の適宜な表面処理 を施す方法;基材と多孔質層とを構成する成分として、良好な密着性 (親和性、相溶 性)を発揮しうる素材を組み合わせて用いる方法等が挙げられる。シランカップリング 剤としては、上記に例示のものを用いることができる。前記表面処理は、複数を組み 合わせて施されてもよぐ基材によっては、シランカップリング剤処理と、その他の処 理を組み合わせて施されることが好まし 、。
[0115] 基材と多孔質層との密着性の観点から、本発明の多孔膜積層体は、例えば、多孔 質層を構成する高分子成分が、ポリイミド系榭脂、ポリアミドイミド系榭脂、ポリエーテ ルイミド系榭脂、芳香族ポリアミド系、及びポリアミド系榭脂から選択される少なくとも
一種であり、基材を構成する材料が、ポリイミド系榭脂、ポリアミドイミド系榭脂、ポリエ 一テルイミド系榭脂、液晶性ポリエステル系榭脂、芳香族ポリアミド系榭脂、ポリェチ レンテレフタレート系榭脂、ポリエチレンナフタレート系榭脂から選択される少なくとも 一種で構成されていることが好ましい。同様の観点から、多孔膜積層体の好ましい態 様として、基材と多孔質層を構成する各成分の一部又は全部が同一、例えば両層を 構成する高分子化合物のモノマー単位の少なくとも一部が共通である構成が挙げら れる。このような多孔膜積層体には、例えば、基材 Z多孔質層を構成する材料が、ポ リイミド Zポリイミド、ポリアミドイミド Zポリイミド、ポリイミド Zポリアミドイミド、ポリエーテ ルイミド Zポリイミド、ポリイミド Zポリエーテルイミド、ポリアミドイミド Zポリエーテルイミ ド、ポリエーテルイミド zポリアミドイミドなどの組み合わせ力 なる積層体が含まれる。
[0116] また、貫通穴を多数有する基材と多孔質層との密着性の観点から、本発明の多孔 膜積層体は、例えば、多孔質層を構成する高分子成分が、ポリイミド系榭脂、ポリアミ ドイミド系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、芳香族ポリアミド系、及びポリアミド系榭脂 カゝら選択される少なくとも一種であり、貫通穴を多数有する基材を構成する材料が、 織布、不織布、メッシュクロス、パンチングフィルム、金網、パンチングメタル、エキスパ ンドメタル、エッチングメタルカゝら選択される少なくとも一種で構成されて ヽることが好 ましい。
[0117] さらに、金属箔基材と多孔質層との密着性の観点から、本発明の多孔膜積層体は
、例えば、多孔質層を構成する高分子成分が、ポリイミド系榭脂、ポリアミドイミド系榭 脂、ポリエーテルイミド系榭脂、芳香族ポリアミド系、及びポリアミド系榭脂から選択さ れる少なくとも一種であり、金属箔基材を構成する材料が、銅箔、アルミ箔、鉄箔、二 ッケル箔、金箔、銀箔、錫箔、亜鉛箔、ステンレス箔力 選択される少なくとも一種で 構成されて ヽることが好ま ヽ。
[0118] 本発明における多孔質層は、連通性を有する微小孔が多数存在し、該微小孔の平 均孔径(=フィルム内部の平均孔径)が 0. 01〜10 /ζ πιである。微小孔の平均孔径 は、好ましくは 0. 05〜5 /ζ πιである。平均孔径が上記範囲外である場合には、用途 に応じた所望の効果が得られにくい点で空孔特性に劣り、例えばサイズが小さすぎる 場合には、クッション性能の低下、インクの浸透性の低下、絶縁性や断熱性の低下等
を引き起こす場合があり、大きすぎる場合にはインクが拡散したり、微細な配線を形 成しにくくなる場合がある。
[0119] 多孔性フィルムの内部の平均開孔率 (空孔率)は、例えば 30〜80%、好ましくは 4 0〜80%、さらに好ましくは 45〜80%である。空孔率が上記範囲外である場合には 、用途に対応する所望の空孔特性が得られにくぐ例えば空孔率が低すぎると、誘電 率が上がったり、クッション性能が低下したり、インクが浸透しな力つたり、断熱性が低 下したり、機能性材料を充填しても所望の効果が得られない場合があり、空孔率が高 すぎると、強度ゃ耐折性に劣る可能性がある。また、多孔性フィルムの表面の開孔率 (表面開孔率)としては、例えば 48%以上 (例えば 48〜80%)であり、好ましくは 60 〜80%程度である。表面開孔率が低すぎると透過性能が充分でな 、場合が生じる 他、空孔に機能性材料を充填してもその機能が十分に発揮できないことがあり、高す ぎると強度、耐折性が低下しやすくなる。
[0120] 多孔質層は、基材の少なくとも片面に形成されていればよぐ両面に形成する事も できる。基材の両面に多孔質層が形成することにより、その空孔特性を生力して、両 面に低誘電率性、クッション性、インク受像性、断熱性等が付与された多孔膜積層体 を得ることができる。さらに、両面の空孔を機能性材料で充填することにより、回路用 基板、放熱材 (ヒートシンク、放射板)、電磁波シールドや電磁波吸収体などの電磁 波制御材、電池用セパレーター、コンデンサー(紙コンデンサー、プラスチックフィル ムコンデンサー、セラミックコンデンサー、マイ力コンデンサー、電解コンデンサーなど )、低誘電率材料、セパレーター、クッション材、インク受像シート、試験紙、絶縁材、 断熱材、細胞培養基材、触媒基材 (触媒担体)等、広範囲な基板材料としての利用 が可能である。両面の空孔に違った機能性材料を充填することで複数の機能を与え ることもできる。もちろん、片面を空孔のまま、他方に機能性材料を充填して使用する 事もできる。
[0121] 本発明の多孔膜積層体は、多孔質層に耐薬品性の付与処理が施されていてもよ い。多孔膜積層体に耐薬品性を付与することにより、多孔膜積層体の多様な利用形 態において、溶剤、酸、アルカリ等に接触した場合に、層間剥離、膨潤、溶解、変質 等の不具合を避けることができる点で有利である。耐薬品性の付与処理としては、熱
、紫外線、可視光線、電子線、放射線等による物理的処理;多孔質層に耐薬品性高 分子等を被覆する化学的処理等が挙げられる。
[0122] 本発明の多孔膜積層体は、例えば多孔質層が耐薬品性高分子により被覆されて いてもよい。このような多孔膜積層体は、例えば多孔質層の表面や内部の微小孔の 表面に耐薬品性の被膜が形成され、耐薬品性を有する積層体を構成しうる。ここで、 薬品とは、従来の多孔性フィルムを構成する榭脂を溶解、膨潤、収縮、分解して、多 孔性フィルムとしての機能を低下させるものとして公知のものであり、多孔質層及び基 材の構成樹脂の種類によって異なり一概に言うことは出来ないが、このような薬品の 具体例として、ジメチルスルホキシド(DMSO)、 N, N—ジメチルホルムアミド(DMF )、 N, N—ジメチルァセトアミド(DMAc)、 N—メチル— 2—ピロリドン(NMP)、 2— ピロリドン、シクロへキサノン、アセトン、酢酸メチル、酢酸ェチル、乳酸ェチル、ァセト 二トリル、塩化メチレン、クロ口ホルム、テトラクロルェタン、テトラヒドロフラン (THF)等 の強い極性溶媒;水酸ィ匕ナトリウム、水酸ィ匕カリウム、水酸ィ匕カルシウム、炭酸ナトリウ ム、炭酸カリウム等の無機塩;トリェチルァミン等のアミン類;アンモニア等のアルカリ を溶解した水溶液や有機溶媒等のアルカリ溶液;塩化水素、硫酸、硝酸等の無機酸 ;酢酸、フタル酸等のカルボン酸を持つ有機酸等の酸を溶解した水溶液や有機溶媒 等の酸性溶液;及びこれらの混合物等が挙げられる。
[0123] 耐薬品性高分子化合物としては、強い極性溶媒、アルカリ、酸等の薬品に優れた 耐性を有していれば特に制限されないが、例えば、フエノール系榭脂、キシレン系榭 脂、尿素系榭脂、メラミン系榭脂、ベンゾグアナミン系榭脂、ベンゾォキサジン系榭脂 、アルキド系榭脂、トリアジン系榭脂、フラン系榭脂、不飽ポリエステル、エポキシ系榭 脂、ケィ素系榭脂、ポリウレタン系榭脂、ポリイミド系榭脂などの熱硬化性榭脂又は光 硬化性榭脂;ポリビニルアルコール、酢酸セルロース系榭脂、ポリプロピレン系榭脂、 フッ素系榭脂、フタル酸系榭脂、マレイン酸系榭脂、飽和ポリエステル、エチレンービ -ルアルコール共重合体、キチン、キトサンなどの熱可塑性榭脂等が挙げられる。こ れらの高分子化合物は、一種または二種以上混合して使用することができる。また、 高分子化合物は、共重合物でもよぐグラフト重合物であってもよい。
[0124] このような耐薬品性高分子により被覆された多孔質層で構成されている多孔膜積
層体は、前記強い極性溶媒、アルカリ、酸等の薬品と接触した場合にも、多孔質層が 溶解したり、膨潤して変形するなどの変質が全く生じないか、使用目的や用途に影響 のない程度に変質を抑制することができる。例えば、多孔質層と薬品とが接触する時 間が短!、用途では、その時間内で変質しな 、程度の耐薬品性が付与されて!ヽれば よい。
[0125] なお、前記耐薬品性高分子化合物は、同時に耐熱性を有する場合が多いため、多 孔質層が耐薬品性高分子化合物で被覆される前と比較して耐熱性が低下するおそ れは少ない。
[0126] また、本発明にお ヽては、多孔質層を構成する微小孔に機能性材料を充填した構 成であってもよい。機能性材料としては、例えば、フェライト微粒子、金属微粒子 (金 属酸ィ匕物微粒子等の金属含有微粒子を含む)、カーボンブラック、カーボンナノチュ ーブ、フラーレン、酸化チタン、チタン酸バリウム等が挙げられる。機能性材料の充填 条件は、特に限定されないが、サブミクロン〜ミクロン単位の分解能で充填することに より、多孔質層が本来有する空孔特性の損失を抑え、しかも機能性材料の充填量を 調整しやすいなどの取扱性、操作性を向上でき好ましい。機能性材料を充填する場 合、多孔質層の微小孔が小さすぎると機能性材料が充填されにくぐ大きすぎると機 能性材料の充填をサブミクロン〜ミクロン単位に制御することが困難となるため、微小 孔の平均孔径は上記数値範囲内であることが好ましく、フィルム表面の最大孔径は 1 5 m以下が好ましい。
[0127] 本発明の多孔膜積層体は、多孔質層の空孔率を上げたり、孔径を微小化していく と、多孔構造ゆえに、多孔質層部の強度が弱くなつたり、基材との密着強度が低下し たりする場合がある。後述する方法により、多孔構造を消失させることで、多孔質層部 の強度を強くしたり、基材との密着強度を上げることが可能となる。また、多孔構造を 消失させることで、可視光の乱反射をおさえ、透明にすることができるため、広範な用 途に利用可能である。
[0128] 本発明の多孔膜積層体は、柔軟な多孔質膜に基材が積層された構成であるため、 上記のような優れた空孔特性を有すると同時に十分な耐折性を備えて!/ヽる。耐折性 は、下記条件に基づく折り曲げ試験を繰り返し行い、被検材が切断されるまでの回数
力 SlO回以上である場合に耐折性を有すると評価する。また、切断までの折り曲げ回 数が高!ヽほど優れた耐折性を有すると判断され、例えば電子材料等で繰り返し折り 曲げが要求される用途においては切断までの回数が 100回以上程度の耐折性を備 えていることが好ましい。折曲げ試験は、東洋精機製作所製 MIT耐揉疲労試験機 M IT— Dを使用し、サンプル形状 15 X 110mm、折り曲げ角度 135° 、折り曲げ面の 曲率半径 (R) 0. 38mm、折り曲げ速度 175cpm、張力 4. 9Nの条件下、 JIS C 50 16の耐折性試験に準じて行われる。
[0129] 本発明の多孔膜積層体によれば、折り曲げ回数が 20000回でも切断されず、極め て優れた耐折性を有しているものも含まれる。このため、優れたカ卩ェ性、成形性を発 揮でき、多様な形態で広範な用途に利用できる。
[0130] また、貫通穴を多数有する基材で構成される多孔膜積層体は、貫通穴を多数有す る基材と高分子多孔質層とが優れた密着性で一体化した構造を有するため、高い機 械的強度を備えている。そのため、多孔膜積層体の総厚みが、例えば 100 /z m未満 程度の薄い場合にも十分な強度を発揮できる点で有利である。
[0131] 本発明の好ましい形態は、基材の片面又は両面が多孔質層により被覆されており 、連通性を有する多数の微小孔を有し、該微小孔の平均孔径が 0. 01〜10 /ζ πιであ る多孔質層を有する多孔膜積層体であり、その多孔質層の厚みが 0. 1〜: LOO /z mで あり、空孔率が 30〜80%であって、基材の厚みが 1〜300 /ζ πιである。このような多 孔膜積層体は、多孔質層及び基材を構成する材料や厚み、製造条件等を適宜設定 すること〖こより製造できる。
[0132] また、基材が貫通穴を多数有する基材で構成される場合の好ま Uヽ形態は、基材 の片面又は両面が多孔質層により被覆されており、連通性を有する多数の微小孔を 有し、該微小孔の平均孔径が 0. 01〜10 ;ζ ΐηである多孔質層を有する多孔膜積層 体であり、その多孔質層の厚みが 0. 1〜: LOOO /z mであり、空孔率が 30〜80%であ つて、基材の厚みが 1〜: LOOO /z mである。このような多孔膜積層体は、多孔質層及 び基材を構成する材料や厚み、製造条件等を適宜設定することにより製造できる。
[0133] このような多孔膜積層体は、例えば、高分子溶液を基材上へフィルム状に流延し、 凝固液に接触させて多孔化処理を施した後、そのまま乾燥に付して基板と多孔質層
との積層体を得る方法;前記多孔化処理を施した後、支持体等の表面に転写して乾 燥に付すことにより多孔性フィルムが支持体に積層した積層体を得る方法等により製 造できる。本発明では以下に詳述するように前者の方法が好ましく用いられる。凝固 液に接触させて多孔質ィ匕する方法としては、例えば、湿式相転換法によりフィルムを 得る方法 (例えば、特開 2001— 145826号公報参照)、乾式相転換法 (例えば、国 際公開公報 W098Z25997号パンフレット等参照)、及び溶媒置換速度調整材を 用いる方法 (例えば、特開 2000— 319442号公報、特開 2001— 67643号公報参 照)等の公知の方法を利用可能である。
[0134] 本発明の多孔膜積層体の製造方法は、高分子溶液を基材上へフィルム状に流延 した後、凝固液に導き、次いで乾燥に付して基材の少なくとも片面に多孔質層を積 層することにより多孔膜積層体を得ることを特徴としている。この方法によれば、湿式 相転換法を用いて基材上に多孔質層を形成した後、そのまま乾燥に付すため、多孔 質層の形成と同時に基材表面に密着して積層することができるため、製造効率を向 上することができる。また、多数の微小孔を有する多孔質層は柔軟なため、多孔質層 を構成するフィルム単体では取扱に《積層工程が困難であるが、製膜と同時に積 層する本発明の製造方法によれば、このような問題を回避でき、優れた空孔特性を 有する多孔質層と基材とが直接積層された多孔膜積層体を容易に得ることができる
[0135] 基材としては、凝固液に接触した場合に劣化しにくいものが好ましく用いられ、例え ば、多孔膜積層体を構成する基材を形成する材料として上記に例示のものが挙げら れる。
[0136] 上記方法において、基材が、不織布、パンチングフィルム、パンチングメタル又はェ ツチングメタルからなる貫通穴を多数有する基材で構成される場合は、基材表面の 構造が、貫通穴部以外は平面で構成されているため、多孔質層は平面上に形成さ れることが好ましい。一方、貫通穴を多数有する基材が、織布、メッシュクロス、金網、 エキスパンドメタルで構成される場合は、基材表面の構造が、平面がほとんどなぐ繊 維状に入り組んだ構成を有するため、高分子溶液はその空隙に入り込みやすぐ多 孔質層が基材を覆って一体ィ匕した状態になる場合が多い。
[0137] 貫通穴を多数有する基材としては、凝固液に接触した場合に劣化しにくいものが好 ましく用いられ、例えば、多孔膜積層体を構成する基材を形成する材料として上記に 例示のものが挙げられる。
[0138] 流延に付す高分子溶液としては、例えば、多孔質層を構成する素材となる高分子 成分、水溶性ポリマー、水溶性極性溶媒、必要に応じて水力ゝらなる混合溶液等を用 いることがでさる。
[0139] 多孔質層を構成する素材となる高分子成分としては、水溶性極性溶媒に溶解性を 有し相転換法によりフィルムを形成しうるものが好ましぐ上記に例示のものを一種又 は二種以上混合して利用できる。また、多孔質層を構成する高分子成分の代わりに 、該高分子成分の単量体成分 (原料)や、そのオリゴマー、イミドィヒや環化等の前の 前駆体等を用いてもよい。
[0140] 流延に付す高分子溶液への水溶性ポリマーや水の添加は、膜構造をスポンジ状に 多孔化するために効果的である。水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンダリ コール、ポリビュルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリビュルアルコール、ポリア クリル酸、多糖類等やその誘導体、及びこれらの混合物などが挙げられる。なかでも ポリビュルピロリドンは、フィルム内部におけるボイドの形成を抑制し、フィルムの機械 的強度を向上しうる点で好ましい。これらの水溶性ポリマーは単独で又は 2種以上を 組み合わせて使用できる。多孔化の観点から、多孔化のためには、水溶性ポリマー の分子量は 200以上が良ぐ好ましくは 300以上、特に好ましくは 400以上(例えば、 400〜20万程度)であり、特に分子量 1000以上であってもよい。水の添カ卩によりボイ ド径を調整でき、例えばポリマー溶液への水の添加量を増やすとボイド径を大きくす ることが可能となる。
[0141] 水溶性ポリマーは、膜構造をスポンジ状にするのに非常に有効であり、水溶性ポリ マーの種類と量を変更する事により多様な構造を得ることが可能である。このため、 水溶性ポリマーは、所望の空孔特性を付与する目的で、多孔質層を形成する際の添 加剤として極めて好適に用いられる。一方、水溶性ポリマーは、最終的には多孔質 層を構成しない、除去すべき不要な成分である。湿式相転換法を利用する本発明の 方法においては、水溶性ポリマーは水等の凝固液に浸漬して相転換する工程にお
いて洗浄除去される。これに対し、乾式相転換法においては、多孔質層を構成しな い成分 (不要な成分)は加熱により除去され、水溶性ポリマーは通常加熱除去に不 向きであるため添加剤として利用することは極めて困難である。このように、乾式層転 換法によっては多様な空孔構造を形成することは困難であるのに対し、本発明の製 造方法は、所望の空孔特性を有する多孔膜積層体を容易に製造することが可能で ある点で有利である。
[0142] 水溶性極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド, N, N ジメチルホルム アミド、 N, N ジメチルァセトアミド(DMAc)、 N—メチル— 2—ピロリドン(NMP)、 2 ピロリドン及びこれらの混合物などが挙げられ、前記高分子成分として使用する榭 脂の化学骨格に応じて溶解性を有するもの (高分子成分の良溶媒)を使用することが できる。
[0143] 流延に付すポリマー溶液としては、多孔性フィルムを構成する素材となる高分子成 分 8〜25重量%、水溶性ポリマー 5〜50重量%、水 0〜10重量%、水溶性極性溶 媒 30〜82重量%からなる混合溶液などが好ましい。この際に、高分子成分の濃度 が低すぎると多孔質層の厚みが不十分となったり、所望の空孔特性が得られにくく、 また高すぎると空孔率が小さくなる傾向にある。水溶性ポリマーは、フィルム内部を均 質なスポンジ状の多孔構造にするために添加する力 この際に濃度が低すぎるとフィ ルム内部に 10 mを超えるような巨大ボイドが発生し均質性が低下する。また水溶 性ポリマーの濃度が高すぎると溶解性が悪くなる他、 50重量%を超える場合には、フ イルム強度が弱くなるなどの不具合が生じやすい。水の添加量はボイド径の調整に 用いることができ、添加量を増やすことで径を大きくすることが可能となる。
[0144] 高分子溶液をフィルム状に流延する際に、該フィルムを相対湿度 70〜: LOO%、温 度 15〜90°C力もなる雰囲気下に 0. 2〜15分間保持した後、高分子成分の非溶剤 力もなる凝固液に導くのが望ましい。流延後のフィルム状物を上記条件におくことに より、多孔質層を均質で連通性の高い状態にすることができる。この理由としては、加 湿下に置くことにより水分力フィルム表面力 内部へと侵入し、高分子溶液の相分離 を効率的に促進するためと考えられる。特に好ましい条件は、相対湿度 90〜: LOO% 、温度 30〜80°Cであり、相対湿度約 100% (例えば、 95〜100%)、温度 40〜70°C
である。空気中の水分量力 Sこれよりも少ない場合は、表面の開孔率が充分でなくなる 不具合が発生する場合がある。
[0145] 上記方法によれば、例えば、連通性を有する多数の微小孔を有し、該微小孔の平 均孔径が 0. 01〜: LO mである多孔質層を容易に成形することができる。本発明に おける多孔膜積層体を構成する多孔質層の微小孔の径、空孔率、開孔率は、上記 のように、高分子溶液の構成成分の種類や量、水の使用量、流延時の湿度、温度及 び時間などを適宜選択することにより所望の値に調整することができる。
[0146] 相転換法に用いる凝固液としては、高分子成分を凝固させる溶剤であればよぐ高 分子成分として使用する高分子の種類によって適宜選択されるが、例えば、ポリアミ ドイミド系榭脂又はポリアミック酸を凝固させる溶剤であればよぐ例えば、水;メタノー ル、エタノール等の 1価アルコール、グリセリン等の多価アルコールなどのアルコール ;ポリエチレングリコール等の水溶性高分子;これらの混合物などの水溶性凝固液な どが使用できる。
[0147] 本発明の製造方法においては、凝固液に導いて基材表面に多孔質層を成形した 後、そのまま乾燥に付すことにより、基材の表面に多孔質層が直接積層された構成 を有する多孔膜積層体が製造される。乾燥は、凝固液等の溶剤成分を除去しうる方 法であれば特に限定されず、加熱下でもよぐ室温による自然乾燥であってもよい。 加熱処理の方法は特に制限されず、熱風処理、熱ロール処理、あるいは、恒温槽ゃ オーブン等に投入する方法でもよぐ多孔膜積層体を所定の温度にコントロールでき るものであればよい。加熱温度は、例えば室温〜 600°C程度の広範囲力も選択する ことができる。加熱処理時の雰囲気は空気でも窒素や不活性ガスでもよい。空気を使 用する場合が最も安価であるが、酸化反応を伴う可能性がある。これを避ける場合は 、窒素や不活性ガスを使用するのがよぐコスト面からは窒素が好適である。加熱条 件は、生産性、多孔質層及び基材の物性等を考慮して適宜設定される。乾燥に付す ことにより、基材表面に多孔質層が直接成形された多孔膜積層体を得ることができる
[0148] こうして得られた多孔膜積層体には、さらに、熱、可視光線、紫外線、電子線、放射 線等を用いて架橋処理を施してもよい。前記処理により、多孔質層を構成する前駆
体の重合、架橋、硬化等が進行して高分子化合物を形成し、高分子多孔質層が高 分子化合物で構成されて!ヽる場合には架橋や硬化等が進行し、剛性ゃ耐薬品性等 の特性が一層向上した多孔質層を有する多孔膜積層体を得ることができる。例えば 、ポリイミド系前駆体を用いて成形した多孔質層には、さらに熱イミド化あるいは化学 イミドィ匕等を施すことによりポリイミド多孔質層を得ることができる。ポリアミドイミド系榭 脂を用いて成形された多孔質層には熱架橋を施すことができる。なお、熱架橋は、凝 固液に導いた後、乾燥に付すための加熱処理と同時に施すことも可能である。
[0149] 上記の架橋処理は、場合により高分子多孔質層と基材フィルムの間でも架橋反応 を引き起こすことがある。これにより、基材フィルムと多孔質層との密着性が向上する 。例えば、ポリイミド系前駆体の多孔質層を形成したポリイミドフィルムを熱処理すると 、前駆体はポリイミドになると同時にポリイミドフィルムに密着する。また、ポリアミドイミ ド榭脂の多孔質層を形成したポリイミドフィルムを熱処理すると多孔質層はポリイミドフ イルムに密着する。
[0150] 本発明の製造方法によれば、基材フィルムの片面、又は両面が高分子多孔質層に より被覆されており、高分子多孔質層は連通性を有する多数の微小孔を有し、該微 小孔の平均孔径が 0. 01-10 μ mである多孔質層を有するフィルムを容易に得るこ とがでさる。
[0151] 本発明の多孔膜積層体は、基材の少なくとも片面に多孔質層が積層されていれば よぐ基材の両面に多孔質層を有していてもよい。また、多孔質層には機能性材料が 充填されていてもよぐ複数の多孔質層を有する場合には同一又は異なる種類の機 能性材料が充填されていてもよい。さらに、多孔膜積層体には、所望の特性を付与 するため、必要に応じて熱処理や被膜形成処理を施されて!/ヽてもよ ヽ。
[0152] 本発明の多孔膜積層体は、上記構成を有するため、広範な分野において多様な 用途に適用できる。具体的には、多孔質層が有する空孔特性をそのまま利用して、 例えば、低誘電率材料、セパレーター、クッション材、インク受像シート、試験紙、絶 縁材、断熱材等として利用できる。さらに、多孔膜積層体に他の層 (金属メツキ層、磁 性メツキ層等)を積層した複合材料として、また、多孔質層の空孔に機能性材料を充 填した形態で用いることにより、例えば回路用基板、放熱材 (放熱板等)、電磁波シ
一ルドや電磁波吸収体などの電磁波制御材、電池用セパレーター、コンデンサー( 紙コンデンサー、プラスチックフィルムコンデンサー、セラミックコンデンサー、マイカコ ンデンサ一、電解コンデンサーなど)、細胞培養基材、触媒基材 (触媒担体)等として 利用可能である。
[0153] また、本発明の多孔膜積層体は、試験紙として利用することもできる。試験紙は、実 験用、医療用等で広く用いられており、例えば、 pH試験紙 (例えばリトマス試験紙)、 水質検査試験紙 (例えばイオン試験紙)、オイル試験紙、水分試験紙、オゾン試験紙 、尿試験紙、血液試験紙等を挙げることができる。前記イオン試験紙は、金属イオン や陰イオンを定性的、又は定量的に調べることができる。尿試験紙は、尿糖、尿タン パク、潜血等を定量的に調べることができる。血液試験紙は、血糖値等を定量的に 調べることができる。これらの試験紙は、測定方法が簡易なため、使用機会が年々増 加している。
[0154] 本発明の多孔膜積層体は、多孔質層が基材に密着しているため、取り扱う上で十 分な強度を確保することができる。また、多孔質層は、判定に使用される指示薬を吸 着することができるため、好ましい媒体である。また、水等の溶剤、尿、血液等のサン プルを保持できるため、これらの用途での使用に好適である。
[0155] なかでも、貫通穴を多数有する基材で構成される多孔膜積層体はフィルタ一として 好適に利用できる。貫通穴を多数有する基材に多孔質層が形成されているため、基 材は十分な強度を確保することが出来る。多孔性フィルムは空孔率が高いため、多 孔性フィルム単体では強度が十分でな力つた用途へも展開できる可能性がある。本 発明の多孔膜積層体を用いたフィルタ一としては、例えば水等の水溶液のろ過や空 気等の気体のろ過用フィルター;サブミクロン以上の異物を除去しうる廃水処理用フィ ルター;赤血球の分離等の血液等のろ過用フィルター;粉塵、花粉、カビ、ダニの死 骸等を空気力 分離するエアコン用フィルタ一等が挙げられる。本発明の多孔膜積 層体は、また、エアコンに用いられる酸素富化膜用の基材として用いることも可能で ある。
[0156] 本発明の多孔膜積層体は、また、電池用セパレーターとして好ましく利用できる。
電池用セパレータは、正負極を分離すると共に、電解液の保持性に優れイオン導電
性が良好である必要がある。また、耐熱性、柔軟性、強度等の種々の特性を備えて いることが求められる。本発明の多孔膜積層体によれば、これらの特性をバランス良 く発揮することができるため、各種電池用セパレーターとして極めて有用である。
[0157] 本発明の多孔膜積層体は、燃料電池用電解質膜の基材として用いることも可能で ある。近年、携帯機器用電源として、直接メタノール型燃料電池 (DMFC)の開発が 進められている。 DMFCとは、メタノールを直接セル内に導入して燃料とする燃料電 池である。従来、 DMFCにはデュポン社の「ナフイオン」に代表されるポリパーフルォ 口アルキルスルホン酸系電解質膜 (フッ素系電解質膜)の検討例が多カゝつたが、これ らの膜はメタノールとの親和性が高くメタノールによる電解質膜の膨潤により、メタノー ルクロスオーバー(メタノールの電解質膜透過)が起こり、エネルギーロスの問題がク ローズアップされている。本発明の多孔質積層体によれば、上記問題を解決しうる燃 料電池用電解質膜を提供することができる。
[0158] 本発明の多孔膜積層体は、さらに、電解質膜の骨格として使用することができる。
多孔膜積層体ではメタノール等の溶剤に耐性のあるメッシュクロス (例えば、ナイロン 、ポリエステル、ポリプロピレン、四フッ化工チレン榭脂等のメッシュクロス)を基材とし て使用することが出来るため、基材の膨潤を防ぐことが出来る。そして、多孔質層部 は連通性に優れており、微細な空孔を形成しているため、孔内に電解質を充填する ことで、燃料電池用電解質膜とすることが出来る。
[0159] 燃料電池の種類としては、他にも自動車用バッテリー等として使用される、固体高 分子型燃料電池 (PEFC)がある。これは水素ガスを燃料として使用するものであるが 、やはりフッ素系電解質膜では水素ガスクロスオーバーの問題がある。プロトンの導 電性を確保するために電解質膜を水で湿潤させた状態で使用する必要があり、フッ 素系電解質膜ではやはり水による膨潤が起こり、水素ガスクロスオーバーが問題とな る。
[0160] 多孔膜積層体では水に耐性のあるメッシュクロス (例えば、ナイロン、ポリエステル、 ポリプロピレン、四フッ化工チレン榭脂等のメッシュクロス)を基材として使用すること が出来るため、基材の膨潤を防ぐことが出来る。そして、多孔質層部は連通性に優れ ており、微細な空孔を形成しているため、孔内に電解質を充填することで、 PEFC用
燃料電池用電解質膜とすることが出来る。
[0161] 本発明の複合材料は、上記本発明の多孔膜積層体を構成する少なくとも一つの多 孔質層の表面に、金属メツキ層及び/又は磁性メツキ層が積層されていることを特徴 としている。
[0162] 金属メツキ層は、例えば、多孔質層表面及び内部の微小孔表面に薄い金属被覆と して形成されていてもよぐ空孔を金属で充填された形態であってもよい。金属メツキ 層を構成する金属としては、例えば、銅、ニッケル、銀、金、すず、ビスマス、亜鉛、ァ ルミ-ゥム、鉛、クロム、鉄、インジウム、コノ レト、ロジウム、白金、パラジウムやこれら の合金等を挙げることができる。さらにニッケル一りん、ニッケル一銅一りん、ニッケル 一鉄一りん、ニッケル一タングステン一りん、ニッケル一モリブデン一りん、ニッケル一 クロム一りん、ニッケル一ホウ素一りん等多種多様の金属以外の元素を含む合金皮 膜も挙げることができる。金属メツキ層は、上記の金属を単独で又は複数を組み合わ せて用いてもよぐ単層であってもよぐ複数の層を積層してもよい。
[0163] 磁性メツキ層を構成する材料としては、磁性を有する化合物であれば特に限定され ず、強磁性体及び常磁性体の何れであってもよぐ例えばニッケル コバルト、コバ ルト一鉄 りん、コバルト—タングステン—りん、コバルト—ニッケル—マンガン等の合 金;メトキシァセトニトリル重合体等のラジカルを発生し得る部位を有する化合物、デ カメチルフヱ口センの電荷移動錯体等の金属錯体系化合物、グラフアイトイ匕途上炭素 材料であるポリアクリロニトリルなどの化合物力もなる有機磁性体等が例示できる。
[0164] このような複合材料は、上記本発明の多孔膜積層体の多孔質層表面に、金属や有 機化合物を用いて層を形成する方法として公知の方法を利用して製造することがで きる。
[0165] 金属メツキ層の形成には、例えば無電解メツキ及び電解メツキ等の公知の方法を利 用できる。本発明の多孔膜積層体においては、多孔質層が高分子成分で構成され ている点で、後述する無電解メツキが好ましく用いられ、無電解メツキと電解メツキを 組み合わせて用いることもできる。
[0166] 金属メツキ層の形成に用いるメツキ液は、各種の組成のものが知られており、メーカ 一が販売しているものを入手する事もできる。メツキ液の組成は特に制限されず、各
種の要望 (美観、硬さ、耐磨耗性、耐変色性、耐食性、電気伝導性、熱伝導性、耐熱 性、摺動性、撥水性、ぬれ性、半田ぬれ性、シール性、電磁波シールド特性、反射 特性等)に合ったものを選択すればよい。
[0167] 本発明の複合材料の製造方法は、上記本発明の多孔膜積層体を構成する少なく とも一つの多孔質層表面に、光により反応基を生成する化合物力 なる感光性組成 物を塗布して感光層を設ける工程、前記感光層にマスクを介して露光し、露光部に 反応基を生成させる工程、及び露光部に生成された反応基を金属と結合させて導体 パターンを形成する工程を含む方法、又は上記本発明の複合材料の製造方法にお いて、光により反応基を生成する化合物の代わりに光により反応基を消失する化合 物を用い、露光部に反応基を消失させる工程、未露光部に残る反応基を金属と結合 させて導体パターンを形成する工程を含む方法で行われる。
[0168] 光により反応基を生成する化合物としては、金属 (金属イオンを含む)と結合形成可 能な反応基を分子内に生成する化合物であれば特に限定されず、例えば、ォニゥム 塩誘導体、スルフォ -ゥムエステル誘導体、カルボン酸誘導体およびナフトキノンジ アジド誘導体から選択される少なくとも 1種の誘導体を含有する感光性化合物等が挙 げられる。これらの感光性ィ匕合物は、汎用性に富み、光照射により金属と結合可能な 反応基を容易に生成しうるため、微細なパターンを有する導電部を精度良くできる。
[0169] 光により反応基を消失する化合物としては、例えば、金属 (金属イオンを含む)と結 合形成可能な反応基を有する化合物であって、光の照射により該反応基が疎水性 官能基を生成して、水に溶解あるいは膨潤しにくくなる化合物などが挙げられる。
[0170] 上記光により生成又は消失する反応基とは、前記金属 (金属イオンを含む)と結合 形成可能な反応基であれば特に限定されず、例えば金属イオンとイオン交換可能な 官能基などが例示でき、好ましくは陽イオン交換性基が挙げられる。陽イオン交換性 基には、例えば— COOX基、 -SO X基あるいは— PO X基等の酸性基 (但し、 Xは
3 3 2
水素原子、アルカリ金属やアルカリ土類金属及び周期律表 I、 Π族に属する典型金属 、アンモ-ゥム基)等が含まれる。なかでも、 pKa値が 7. 2以下の陽イオン交換性基 によれば、単位面積当たりに十分な金属との結合を形成しうるため、所望の導電性を 容易に得ることができ好ましい。このような反応基は、次工程において、金属イオン交
換され、金属還元体や金属微粒子による安定した吸着能を発揮することができる。
[0171] 照射光としては、反応基の生成又は消失を促進できれば特に限定されず、例えば 280nm以上の波長の光を用いることができるが、多孔膜積層体の露光による劣化を 避けるため、好ましくは波長が 300nm以上(300〜600nm程度)、特に 350nm以上 の光が好ましく用いられる。
[0172] マスクを介して光照射後、必要に応じて洗浄することにより、露光部又は未露光部 に反応基で構成されたパターンを形成できる。こうして多孔質層表面に設けられた反 応基を、以下に示す方法により金属と結合させて導体パターンが形成される。
[0173] 本発明では、反応基を金属と結合する方法として無電解メツキによる方法が好まし く用いられる。無電解メツキは、一般的にプラスチック等で形成された榭脂層に金属 を積層する方法として有用であることが知られている。多孔膜積層体の多孔質膜表 面は、金属との密着性を向上する目的で、予め脱脂、洗浄、中和、触媒処理等の処 理が施されてもよい。前記触媒処理としては、例えば被処理面に金属の析出を促進 しうる触媒金属を付着させる触媒金属核形成法等を利用できる。触媒金属核形成法 は、触媒金属 (塩)を含むコロイド溶液に接触させた後、酸若しくはアルカリ溶液又は 還元剤に接触させて化学メツキを促進させる方法 (キヤタライザ一 (触媒)ーァクセレ ータ (促進剤)法);触媒金属の微粒子を含むコロイド溶液に接触させた後、加熱等に より溶媒や添加剤等を除去して触媒金属核を形成する方法 (金属微粒子法);還元 剤を含む酸又はアルカリ溶液に接触させた後、触媒金属の酸又はアルカリ溶液に接 触させてァクチべ一ティング (賦活化)液を接触させて触媒金属を析出させる方法 (セ ンシタイジング (感作)ーァクチべ一ティング (賦活化)法)等が挙げられる。
[0174] キヤタライザ一一ァクセレータ法における触媒金属 (塩)含有溶液としては、例えば すず一パラジウム混合溶液、硫酸銅等の金属 (塩)含有溶液などを用いることができ る。キヤタライザ一—ァクセレータ法は、例えば多孔膜積層体を硫酸銅水溶液中に浸 漬した後、必要に応じて過剰な硫酸銅を洗浄除去し、次いで水素化ホウ素ナトリウム の水溶液に浸漬することにより、多孔膜積層体の多孔質層表面に銅微粒子力 なる 触媒核を形成できる。金属微粒子法は、例えば、銀のナノ粒子が分散したコロイド溶 液を多孔質層表面に接触させた後、加熱して界面活性剤やバインダー等の添加剤
を除去することにより、多孔質層表面に銀粒子力 なる触媒核を析出させることがで きる。センシタイジング―ァクチべ一ティング法は、例えば、塩化すずの塩酸溶液に 接触させた後、塩化パラジウムの塩酸溶液に接触させることによりパラジウム力もなる 触媒核を析出させることができる。これらの処理液に多孔膜積層体を接触させる方法 としては、金属メツキ層を積層させる多孔質層表面に塗布する方法、多孔膜積層体 を処理液に浸漬する方法等を用いることができる。
[0175] 上記触媒金属核形成法において、一方の表面が基材、他の表面が多孔質層で構 成されて!/ヽる多孔膜積層体を処理液に浸漬させる場合には、基材が均質な層で形 成されていることが好ましい。均質な基材を片面に有する多孔膜積層体を処理液に 浸潰した場合、多孔膜積層体の多孔質層表面のみならず、基材表面にも触媒核が 形成されるが、表面積が大きい多孔質層表面には多量の触媒核が付着し、しかも保 持されやすいのに対し、均質な基材には、基材フィルム表面は平滑であるため触媒 核が析出しにくぐまた脱落しやすい。こうして触媒核が十分量形成された多孔質層 表面には、続く無電解メツキにより金属メツキ層を選択的に形成することが可能となる
[0176] 無電解メツキに用いられる主な金属としては、例えば、銅、ニッケル、銀、金、 -ッケ ル一りん等を挙げることができる。無電解メツキに用いるメツキ液には、例えば、上記 金属又はその塩が含まれている他、ホルムアルデヒド、ヒドラジン、次亜リン酸ナトリウ ム、水素化ホウ素ナトリウム、ァスコルビン酸、ダリオキシル酸等の還元剤、酢酸ナトリ ゥム、 EDTA、酒石酸、リンゴ酸、クェン酸、グリシン等の錯化剤や析出制御剤等が 含まれており、これらの多くは市販されており簡単に入手することができる。無電解メ ツキは、上記のメツキ液に上記処理を施した多孔膜積層体を浸漬することにより行わ れる。なお、多孔膜積層体の片面に保護シートを貼った状態で無電解メツキを施すこ とにより、他の面にのみ無電解メツキが施されるため、例えば基材等への金属の析出 を防止することができる。
[0177] 金属メツキ層の厚みは、特に限定されず用途に応じて適宜選択でき、例えば 0. 01 〜20 m程度、好ましくは 0. 1〜10 m程度である。金属メツキ層の厚みを効率よく 厚くするため、例えば無電解メツキと電解メツキとを組み合わせて金属メツキ層を形成
する方法が行われる場合がある。すなわち、無電解メツキにより金属被膜が形成され た多孔質層表面は導電性が付与されるため、次いでより効率のよい電解メツキを施 すことによりにより短時間で厚い金属メツキ層を得ることが可能となる。
[0178] 上記方法は、特に回路基板、放熱材又は電磁波制御材に用いられる複合材料を 得る方法として好適である。
[0179] 回路基板は、一般にガラス ·エポキシ榭脂ゃポリイミド等を素材とする基板表面に銅 箔を貼り合わせ、エッチングにより銅箔の不要な部分を除去することにより配線を形 成する方法により製造されていた。しかし、このような従来法では、高密度化する回路 基板に対応しうる微細な配線の形成が困難になりつつあった。配線の微細化を進め るためには、非常に薄い銅箔をガラス'エポキシ榭脂ゃポリイミド等を素材とする基板 に強く密着させる必要があるが、薄い銅箔は取扱性にきわめて劣り、基板への積層 工程が非常に困難であった。また、薄い銅箔の製造はそれ自体が困難で、高価であ り、しカゝも、基材の素材に用いられるガラス ·エポキシ榭脂ゃポリイミドと銅箔はもともと 密着力が大きくないため、微細化を進めると配線が基板力も剥離してしまうという問題 かあつた。
[0180] このような背景において、本発明の複合材料によれば、多孔膜積層体が上記構成 を有するため、金属メツキ層と十分な密着力を確保でき、微細配線を有する回路基 板用材料に好適である。また、本発明の複合材料は、金属メツキ層が多孔質層の表 層部に存在する空孔に充填されて、金属が多孔質層に絡みついた形態で成形され ているため、微細な配線であっても強い密着力を発揮することができる。回路基板用 材料を構成する場合には、金属メツキ層は、銅、ニッケル、銀等で構成されていること が好ましい。
[0181] 本発明の多孔膜積層体は、多孔質層表面に直接微細配線を形成する方法で製造 される回路基板として極めて有用である。このような回路基板を製造する方法として は、上記本発明の複合材料の製造方法として記載されている方法を利用できる。こ の方法によれば、本発明の多孔膜積層体を用いるため、多孔質層に強固に絡みつ いた微細配線を形成することができ、し力も露光技術を用いて精度よく簡単に配線を 形成することができる。片面に多孔質層を有するフィルムでは片面配線を形成できる
し、両面に多孔質層を有するフィルムでは両面配線を形成できる。両面をつなぐビア 配線が必要な場合は従来力も用いられているドリル又はレーザーにより穴を開け、導 電ペーストの充填ゃメツキにより形成することができる。これまで、多孔体に無電解メッ キ法を用いて配線を形成する方法が知られている力 従来の多孔体は強度が弱いた め取扱性に劣り、製造工程中に破損するなどの問題があった。これに対し、本発明 の多孔膜積層体を用いる場合には、多孔質層が基材に密着して成形されるため、十 分な強度を確保することができ、取扱性に優れた回路基板を提供することができる。
[0182] 放熱材 (放熱板等)は、ノートパソコン、光ディスク装置、プロジェクタ、携帯電話など 多くの機器の筐体内に設置して利用される。近年、高密度に実装する技術の進歩と デバイスの高出力、高速化が進むにつれて部品の発熱量が増加し、今後もこの傾向 はいつそう進むため、放熱冷却技術の重要性が増す中、拡散したり、放熱したりする 放熱材 (ヒートシンク、放熱板)の使用機会が増えてきている。本発明の複合材料によ れば、上記のように優れた空孔特性を有する多孔質層により放熱面積が広く放熱効 率に優れ、コンパクトィ匕でき、しかも金属メツキ層により優れた熱伝導を付与すること ができるため、優れた放熱材として利用可能である。上記の効果を向上しうる点で、 放熱材を構成する金属メツキ層は熱伝導度の高 ヽ金属で形成されることが好ましく、 例えば、銅、銀、金、コバルト、クロム、ニッケル、すず、亜鉛等が好適である。
[0183] 電磁波制御材は、電磁波を遮断 (シールド)又は吸収する材料として、周囲の電磁 環境に及ぼす影響や、機器自体が周囲の電磁環境力 受ける影響を軽減又は抑制 するために利用されている。デジタル電子機器の普及、パソコンや携帯電話など、わ れわれの身近には、電気'電子機器や無線機器、システムなど、多くの電磁波発生 源が存在し、それらは様々な電磁波を放射している。これらの機器カゝら放射される電 磁波は、周囲の電磁環境に影響を及ぼす可能性があり、また、機器自体も周囲の電 磁環境から影響を受ける。これらの対策として電磁波シールド材料、電磁波吸収体 材料等の電磁波制御材が年々重要となってきている。本発明の複合材料は、例えば
、金属メツキ層による導電性の付与によって電磁波を遮断して電磁波シールド性を付 与でき、また、多孔質層を構成する空孔に電磁波吸収材料を充填して電磁波吸収性 を付与できるため、優れた電磁波制御材として極めて有用である。
[0184] 電磁波制御材を構成する金属メツキ層は、導電性を付与することができるものが好 ましぐ例えば、ニッケル、銅、銀等で形成されることが効果的である。また、複合材料 力 無電解メツキで多孔質層表面に磁性メツキ層が成形された層構成を有する場合 には電磁波吸収体材料として有用である。無電解メツキにより磁性メツキ層を形成す る際に用いる材料としては、例えば、ニッケル、ニッケル一コバルト、コノ レトー鉄一り ん、コバルト一タングステン一りん、コバルト一ニッケル一マンガン等の合金等の磁性 材料が挙げられる。本発明の複合材料は、非常に薄く柔軟性の高いものが得られ、メ ツキにより形成された金属や磁性体は多孔質層に絡み付 ヽて ヽるため、メツキ層が剥 離しにくぐ折り曲げ耐性 (耐折性)を改善する事ができる。このような複合材料は、電 子機器の任意の場所に設置したり、貼り付けたりして使用することができる。
[0185] 本発明の多孔膜積層体は、低誘電率材料としても有用である。ブロードバンド時代 の到来により、大容量の情報を高速で伝達する必要が生じている。そのため、電子機 器で使用される周波数も高まってきており、その中で使われる電子部品も高周波信 号に対応する必要がある。これまでの配線基板 (主にガラスエポキシ榭脂)を高周波 回路に使用すると、(1)高い誘電率による伝達信号の遅れや、(2)高い誘電損失に よる、信号の混信'減衰の発生、消費電力の増加、回路内の発熱などの問題が生じ る。これらの問題を解決するための高周波用配線基板材料としての多孔性の材料が 有用であるとされている。それは、空気の比誘電率は 1と低いのに対して、多孔性の 材料にすれば、低い比誘電率を達成可能なためである。このため、従来、多孔性基 板材料が必要とされてきた力 低誘電率にするためには空孔率を上げる必要があり、 その結果、基板としての強度が低下してしまうという問題があった。本発明の多孔膜 積層体は、多孔質層が基材に積層されており、低誘電率特性を持っているのみなら ず、多孔質層が基材に密着しているため取り扱う上で十分な強度を確保することがで き、低誘電率材料として好ましい媒体である。
[0186] インク受像シートは、印刷メディアとも呼ばれ、印刷技術においてしばしば使用され てる。一方、現在、多くの印刷法が実用ィ匕、利用されており、このような印刷技術とし て、例えば、インクジェット印刷、スクリーン印刷、デイスペンサ印刷、凸版印刷 (フレキ ソ印刷)、昇華型印刷、オフセット印刷、レーザープリンタ印刷(トナー印刷)、凹版印
刷 (グラビア印刷)、コンタクト印刷、マイクロコンタクト印刷等を挙げることができる。使 用されるインクの構成成分としては、特に制限されないが、例えば導電体、誘電体、 半導体、絶縁体、抵抗体、色素等が挙げられる。
[0187] 電子材料を印刷法で作成するメリットとしては、(1)シンプルなプロセスで製造でき る、(2)廃棄物の少ない低環境負荷プロセスである、(3)低エネルギー消費によって 短時間で製造できる、(4)初期投資額が大幅に低減できる等があるが、その一方、こ れまでにない高精細な印刷が要求され、技術的に困難であることも事実である。従つ て、特に電子材料の製造に利用される印刷に関しては、印刷機械の性能だけでなく 、インクやインク受像シートの特性が印刷結果に大きな影響を与える。本発明の多孔 膜積層体は、多孔質層が基材に密着しており、多孔質層の微細な多孔構造はインク を吸ったり、インクを精密に固定することができるため、これまでにない高精細な印刷 を達成することができ、非常に好ましく用いられる。また、多孔質層が基材に密着して いるため、取り扱う上で十分な強度を確保することができ、例えば、ロールツーロール で連続的に印刷することもでき、生産効率を著しく向上することができる。
[0188] 電子材料を印刷により製造する場合、印刷法としては上述の方法を利用できる。印 刷により製造される電子材料の具体例としては、液晶ディスプレイ、有機 ELディスプ レイ、フィールドェミッションディスプレイ(FED)、 ICカード、 ICタグ、太陽電池、 LED 素子、有機トランジスタ、コンデンサー(キャパシタ)、電子ペーパー、フレキシブル電 池、フレキシブルセンサ、メンブレンスイッチ、タツチパネル、 EMIシールド等を挙げる ことができる。
[0189] 上記電子材料を製造する方法は、例えば導電体、誘電体、半導体、絶縁体、抵抗 体等の電子素材を含むインクを多孔質層(基板)表面に印刷する工程を含んで ヽる。 例えば多孔質層(基板)表面に誘電体を含むインクで印刷することにより、コンデンサ 一(キャパシタ)を形成できる。このような誘電体としては、チタン酸バリウム、チタン酸 ストロンチウム等を挙げることができる。また、半導体を含むインクで印刷することによ り、トランジスタ等を形成することができる。半導体としては、ペンタセン、液状シリコン 、フルオレン ビチォフェンコポリマー(F8T2)、ポリ(3 へキシルチオフェン)(P3H T)等を挙げることができる。
[0190] 導電体を含むインクで印刷することにより、配線を形成することができるため、フレキ シブル基板や TAB基板、アンテナ等を製造することができる。前記導電体としては、 銀、金、銅、ニッケル、 ITO、カーボン、カーボンナノチューブ等の導電性を有する無 機粒子;ポリア-リン、ポリチォフェン、ポリアセチレン、ポリピロール等の導電性の有 機高分子力もなる粒子を挙げることができる。前記ポリチォフェンとしては、ポリ(ェチ レンジォキシチォフェン)(PEDOT)等を挙げることができる。これらは、溶液ゃコロイ ド状のインクとして用いることができる。なかでも、無機粒子からなる導電体粒子が好 ましぐ特に電気特性やコストのバランスから、銀粒子や銅粒子が特に好ましく用いら れる。粒子の形状としては、球状、鱗片状 (フレーク状)等が挙げられる。粒子サイズ は、特に限定されないが、例えば平均粒径数 m程度のものから、数 nmのいわゆる ナノ粒子も使用できる。これらの粒子は複数の種類を混合して使用することもできる。 導電性のインクとして、容易に入手可能な銀インク (銀ペースト)を例に挙げて以下に 説明するが、これに限定されず、他の種類のインクも適用可能である。
[0191] 銀インクは、その構成成分として、一般に銀粒子、界面活性剤、ノインダー、溶剤 等が含まれている。また、他の例として、酸化銀が加熱により還元される性質を利用し て、酸ィ匕銀の粒子を含むインクを印刷し、後で加熱還元して銀配線とするものもある 。さらに他の例として、有機銀ィ匕合物を含むインクを印刷し、後で加熱分解して銀配 線とするものもある。有機銀化合物には、溶剤に溶解するものも利用できる。銀インク を構成する粒子として、銀粒子、酸化銀、有機銀ィ匕合物等は単独で又は複数を組み 合わせて用いてもよぐまた異なる粒子径のものを混合して用いることもできる。銀イン クを用いて印刷後、インクを硬化させる際の温度 (焼成温度)は、インクの組成、粒子 径等に応じて適宜選択できる力 通常、 100〜300°C程度の範囲内であることが多 い。本発明の多孔膜積層体は有機材料であるため、劣化を回避するため焼成温度 は比較的低温であることが好ましいが、配線の電気抵抗を小さくするため、一般に高 温で焼成されることが好ましぐ適当な硬化温度をもつインクを選択して用いる必要が ある。このような銀インクの市販品としては、大研ィ匕学工業 (株)製の商品名「CA— 25 03」、藤倉化成 (株)製の商品名「ナノ'ドータイト XA9053」、ハリマ化成 (株)製の商 品名「NPS」、 「NPS— J」(平均粒子径約 5nm)、 日本ペイント (株)製の商品名「ファ
· インスフェア SVW102J (平均粒子径約 30ηπι)等が知られている。
[0192] 図 1は、導電体粒子を含むインクを印刷して多孔質層(基板)表面に配線が形成さ れた配線基板の概略断面図を示している。このうち、図 1 (A)〜(C)は、高粘度のィ ンクを用いて多孔質層 1表面に配線 2を形成した配線基盤を、図 1 (D)〜(F)は、低 粘度のインクを用レ、て多孔質層 1表面に配線 2を形成した配線基盤を示してレ、る。こ うして形成される配線は、例えば、多孔質層表層の開孔径 (例えば平均開孔径)、導 電体粒子等のインクに添加する粒子の大きさ及びその分布(例えば粒子径、粒度分 布)、前記開孔径と粒子径の比等に応じて異なる形態を有している。
[0193] 図 1 (A)及び (D)は、多孔質層表層の平均開孔径に対して粒子径の小さい粒子を 多く含むインクで形成された配線基盤の一例が示されている。この場合、配線 2は主 に多孔質層 1内に形成される。このため、多孔質層 1に配線 2が絡みつくため配線の 密着性は向上するが、配線 2内に多孔質層 1を構成する樹脂が含まれるため、相対 的に電気抵抗が高くなる傾向がある。
[0194] 図 1 (C)及び (F)は、多孔質層表層の平均開孔径に対して粒子径の大きい粒子を 多く含むインクで形成された配線基盤の一例が示されている。この場合、配線 2は主 に多孔質層 1上に形成される。このため、配線 2内に多孔質層 1を構成する樹脂がほ とんど含まれないため電気抵抗が低くなるが、相対的に配線密着性は低下する傾向 にある。
[0195] 図 1 (B)及び (E)は、多孔質層表層の平均開孔径に近い粒子径の粒子を多く含む インクで形成された配線基盤の一例が示されている。この場合、配線 2は一部が多孔 質層 1内に入り込み、一部が多孔質層 1上に露出した状態で形成される。このため、 一定の基板密着性があり、配線 2の電気抵抗がやや高くなるが、基板密着性は、前 2 例と比較して中程度となる。
[0196] 以上の観点から、配線基板に要求される電気抵抗と配線密着性のバランスを考慮 して、インクに添加する導電体等の粒子径の大きさや粒度分布、混合比率を選択す ることが好ましい。
[0197] より具体的には、多孔質層表層の平均開孔径を Rl、インクに含まれる導電体粒子 の平均粒子径を R2とした場合、 R1が 0. 01〜10 111程度、1^2カ . OOl-lO ^ m
訂疋された用紙 (S ^)
程度の範囲内であるのが好ましい。すなわち、式: 0. 0001≤R2/R1≤ 1000¾- 満たす関係が好ましい。特に、多孔質表面に、導電体粒子を含むインクを用いた印 刷技術によって導電体が形成されて!、る複合材料の例では、多孔質層表層の平均 開孔径を Rl、導電体粒子の平均粒子径を R2とした場合、式: 0. 0001≤R2/R1 ≤ 1000を満たす関係が好ま 、。
[0198] インクジェット印刷の場合は、インクがノズルに詰まるのを避けるため、インクの粘度 は低ぐインクに添加する粒子は小さい粒子径のものが好ましい。従って、 R1が 0. 0 1〜5 /ζ πι程度、 R2力 SO. 001〜0. 2 m程度であるのが好ましい。すなわち、式: 0 . 0002≤R2/R1≤ 20を満たす関係が好まし!/、。
[0199] スクリーン印刷の場合は、粘度が低すぎるとスクリーンにインクを保持しにくいので、 むしろ粘度がある程度高い方が好ましぐインクに含まれる粒子の粒子径は大きくて も特に問題はなぐまた、粒子径が小さい場合は溶剤量を低減することが好ましい。 従って、 R1が 0. 01〜10 111程度、1^2カ 0. 001〜 10 m程度であるのが好ましい 。すなわち、式: 0. 0001≤R2ZR1≤ 1000を満たす関係が好ましい。
[0200] 配線は、多孔質層の片面のみに形成されてもよぐ両面に形成されてもよい。両面 に配線を形成する場合は、必要に応じて、両面の配線をつなぐビアを形成することも できる。ビアホールはドリルで形成してもよいし、レーザーで形成してもよい。ビアホー ル内の導電体は、導電ペーストで形成してもよいし、メツキで形成してもよい。
[0201] また、導電性のインクで形成した配線表面をメツキ又は絶縁体で被覆して使用する ことができる。特に、銀配線は、銅配線と比較したときに、エレクト口マイグレーション やイオンマイグレーションを起こしやすいとの指摘がある(日経エレクトロニクス 2002 . 6. 17号 75頁)。そのため、配線の信頼性を向上する目的で、銀インクで形成した 配線表面をメツキで被覆することが有効である。メツキとしては、銅メツキ、金メッキ、二 ッケルメツキ等が挙げられる。メツキは公知の方法で行うことができる。
[0202] さらに、導電性のインクで形成した配線表面を榭脂で被覆して使用することもできる 。上記構成は、配線の保護、配線の絶縁、配線の酸化やマイグレーションの防止、屈 曲性向上などの目的に好適に利用できる。例えば、銀配線は酸ィ匕により酸ィ匕銀に、 銅配線は酸化銅となって導電性が低下していくおそれがあるが、配線表面を前記榭
脂で被覆することにより、配線が酸素や水分と接触するのを回避でき、導電性の低下 を抑制することができる。配線表面を選択的に榭脂被覆する方法としては、例えば、 空孔に充填する榭脂として後述する硬化性榭脂ゃ可溶性榭脂を用いた、スポイト、 デイスペンサ、スクリーン印刷、インクジェット等の方法が挙げられる。
[0203] 配線が形成された後の多孔質部は空孔のままであってもよいし、空孔に榭脂等を 充填してもよぐ配線基板の用途に応じて適宜選択できる。空孔のままの場合は、多 孔質部は低誘電率となるため、高周波用配線基板として好ましく用いられる。空孔に 榭脂等を充填した場合は、榭脂等で配線が保護されるため、配線が切断されにくくな つたり、絶縁信頼性も増すという利点がある。多孔構造を消失させた場合には、多孔 質層部の強度を強くしたり、基材との密着強度を上げることが可能となる。また、多孔 構造を消失させることで、可視光の乱反射をおさえ、透明にすることができる。
[0204] 本発明においては、複合材料の層構成として、例えば多孔質層の空孔がそのまま 残されていてもよぐ多孔質層の空孔に榭脂が充填されていてもよぐ溶剤処理により 多孔質層の空孔構造が失われて 、る構成であってもよ 、。
[0205] 多孔質層の空孔に充填される榭脂としては、特に限定されないが、例えば、無溶剤 で用いられる硬化性榭脂や、溶剤に溶解して利用される可溶性榭脂等が挙げられる 。可溶性榭脂を使用する場合には、溶剤が揮発したときの体積減少分を考慮して充 填する必要がある。可溶性榭脂は、上述のように、充填時に体積減少分により樹脂が 充填されない空孔が生じるおそれがある。そのため、空孔を榭脂で完全に充填する 目的においては、無溶剤の硬化性榭脂がより好ましく用いられる。
[0206] 硬化性榭脂としては、例えば、エポキシ榭脂、ォキセタン榭脂、アクリル系榭脂、ビ -ルエーテル榭脂等を挙げることができる。
[0207] エポキシ榭脂には、ビスフエノール A型やビスフエノール F型等のビスフエノール系 、フエノールノボラック型やクレゾ一ルノボラック型等のノボラック系等のグリシジルェ 一テル系エポキシ榭脂;脂環式エポキシ榭脂及びこれらの変性榭脂等の多様な榭 脂が含まれる。エポキシ榭脂の市販品としては、ハンツマン 'アドバンスト'マテリアル ズ社の「ァラルダイト」、ナガセケムテックス社の「デナコール」、ダイセルィ匕学工業社 の「セロキサイド」、東都化成社の「ェポトート」等を利用できる。エポキシ榭脂硬化物
は、例えば、エポキシ榭脂に硬化剤を混合して得た硬化性榭脂組成物により硬化反 応を開始させ、加熱により反応を促進させる方法により得ることができる。前記ェポキ シ榭脂の硬化剤には、例えば有機ポリアミン、有機酸、有機酸無水物、フエノール類 、ポリアミド榭脂、イソシァネート、ジシアンジアミド等を利用できる。
[0208] エポキシ榭脂硬化物は、また、エポキシ榭脂に潜在性硬化剤と言われる硬化触媒 を混合して得た硬化性榭脂組成物に、加熱又は紫外線などの光照射によって硬化 反応を開始させる方法により得ることもできる。前記潜在性硬化剤としては、三新ィ匕 学工業社の「サンエイド SI」等の市販品を利用できる。
[0209] エポキシ榭脂硬化物として、可撓性の高 、ものを用いれば、フレキシブル基板のよ うな柔軟性のあるものとすることができる。また、耐熱性や高い寸法安定性が要求さ れる場合は、硬化性榭脂組成物として硬化後に硬度が高くなる組成物を用いること で、リジッド基板 (硬質基板)として用いることも可能である。
[0210] エポキシ榭脂を空孔に充填するためには、充填時の硬化性榭脂組成物は低粘度 であることが好ましい。このような特徴を持つものとして、ビスフエノール F系の組成、 脂肪族ポリグリシジルエーテル系の組成を挙げることができる。
[0211] ォキセタン榭脂としては、東亞合成社の「ァロンォキセタン」等をあげることができる 。ォキセタン榭脂硬化物は、ォキセタン榭脂に、例えば、チバ 'スペシャルティ 'ケミカ ルズ社製のカチオン系光重合開始剤「IRGACURE 250」等を混合し、紫外線照射す ることで硬化反応を開始させる方法により得ることができる。
[0212] 可溶性榭脂としては、三菱ガス化学社製の低誘電性榭脂「オリゴ ·フエ-レン ·エー テル」、東洋紡績社製のポリアミドイミド榭脂「バイ口マックス」、宇部興産社製のポリィ ミドインク「ュピコート」、東都化学工業製のポリイミドインク「エバーレック」、ェヌアイマ テリアル社製のポリイミドインク「ULIN COAT」、ピーアイ技術研究所製のポリイミド インク「Q— PILON」、 日本合成化学社製の飽和ポリエステル榭脂「二チゴーポリエス ター」、アクリル溶剤型粘着剤「コーポニール」、紫外線'電子線硬化型榭脂「紫光」等 の市販品を用いることができる。
[0213] 充填時に用いられる可溶性榭脂を溶解する溶剤としては、公知の有機溶剤から榭 脂の種類に応じて適宜選択して用いることができる。可溶性榭脂を溶剤に溶解した
榭脂溶液 (可溶性榭脂溶液)の代表的な例としては、例えば、「オリゴ 'フエ-レン'ェ 一テル」をメチルェチルケトンやトルエンなどの汎用溶剤に溶解した榭脂溶液;「バイ 口マックス」をエタノール,トルエン混合溶媒に溶解した榭脂溶液 (商品名「HR15E Tj );「ュピコート」をトリグライムに溶解した榭脂溶液等を用いることができる。
[0214] 多孔質層の空孔へ榭脂を充填する方法としては、特に限定されないが、スポイト、さ じ、デイスペンサ、スクリーン印刷、インクジェット等の手段を用いて、上記の硬化性榭 脂組成物や可溶性榭脂溶液を多孔質層表面へ展開 (塗布)し、必要に応じてヘラ等 で余分な榭脂を除去する方法等を用いることができる。前記ヘラとして、例えば、ポリ プロピレン、テフロン (登録商標)等のフッ素系榭脂、シリコーンゴム等のゴム、ポリフエ 二レンサルファイド等の榭脂製;ステンレス等の金属製のものを使用できる。なかでも 、配線や多孔質層を傷つけにくい点で榭脂製のヘラが好ましく用いられる。また、へ ラ等を使用することなぐスポイト、デイスペンサ、スクリーン印刷、インクジェット等の吐 出量をコントロール可能な手段を用いて、適量を多孔質層表面に滴下する方法も可 能である。
[0215] 多孔質層の空孔に榭脂をスムーズに充填するため、未硬化の榭脂として粘度の低 いものが好ましく用いられる。また、粘度が高い榭脂は、適温で加熱するなどの手段 を用いて粘度を下げて用いることにより充填性を上げることが可能である。但し、硬化 性榭脂を用いる場合には、加熱により硬化反応速度を上昇させてしまうため、必要以 上の加熱は作業性や充填性を悪化させるため好ましくない。
[0216] 上記榭脂成分を多孔質層表面へ展開し、空孔へ充填させた後、榭脂の硬化を促 進したり、溶剤を揮発する目的で加熱処理が施されることが好ましい。加熱方法は、 特に限定されないが、急激な加熱は、榭脂ゃ硬化剤が揮発したり、溶剤が激しく揮 発することによりムラができるおそれがあるため、穏やかに昇温する方法が好ましい。 昇温は、連続的、逐次的のいずれであってもよい。硬化や乾燥における温度及び時 間は、榭脂ゃ溶剤の種類に応じて適宜調整することが好ましい。
[0217] 一般に、榭脂充填前の多孔質層は、層内の空孔に可視光が乱反射して不透明を 呈し、透明性が低いため片側力 反対側を透視できない構成を有している。これに 対し、空孔に榭脂が充填された多孔質層は、乱反射を起こさないため透明になる場
合が多い。透明な多孔質層は、例えば配線基板に用いた場合に配線の検査を容易 にすることができ、また配線基板をデバイスに組み付ける際には部品の位置関係を 認識しやすいなどの取扱性に優れる点で有利である。さらに、多孔膜積層体を、 PE T、 PEN等の無色透明の基材で構成した場合には、配線部以外の領域の透明度が 非常に高い。このような多孔膜積層体によれば、ディスプレイ画面自体に配線や回路 を形成できるため、回路基板を省略してディスプレイ自体の薄型化が可能となり、ま た、構造の簡略ィ匕によりコストダウンを図ることが可能となる。
[0218] 多孔膜積層体における多孔質層の空孔に榭脂を充填して透明化することにより、 上述のような用途へ展開する可能性が生まれる。透明性に優れた多孔膜積層体を得 るためには、多孔質層は、構成する榭脂自体の色が薄いもの、層の厚みが薄いもの が好ましぐまた充填する榭脂も、榭脂自体の色が薄ぐ透明性の高いものが好ましく 用いられる。
[0219] 一方、 PDP等のディスプレイからは電磁波が発生し、周辺機器への悪影響 (ノイズ) を生じさせる。このような電磁波を防止(シールド)するため、 PDP前面に配置される フィルターには、電磁波遮蔽機能を付与することが必要とされており、このようなフィ ルターとして、格子状やノヽ-カム状 (六角形状)等の配線が設けられたフィルムが用 いられている。
[0220] 上記用途の電磁波シールドフィルムは、一般に、高 、透明性を有するフィルム(高 透明フィルム)に金属層が積層された構成を有している。このようなフィルムは、例え ば高透明フィルムに金属層をスパッタリングで設ける方法;高透明フィルムに銅箔等 を貼り付けた後にエッチングを行って金属メッシュを設ける方法等により形成できる。 このような電磁波シールドフィルムの一例としては、線幅 20〜30 /z mでピッチ(繰り返 し間隔)約 200〜400 μ mの格子状パターンのものを挙げることができる。
[0221] 本発明によれば、多孔膜積層体に格子状ゃハ-カム状 (六角形状)等の配線を形 成した後に榭脂充填することにより、上記構成の電磁波シールドフィルムを提供する ことができる。この際、スクリーン印刷などの印刷法を用いて配線を付与するなど簡単 に作成することで、コストダウンを図ることが可能になると考えられる。
[0222] さらに、透明(可視光の透過率が約 90%)な導電体である ITO (酸化インジウムスズ
)インクを用いて印刷することでさらに配線部の透明度を上げることも可能となる。シ 一アイ化成社製の ITOインクやアルバックマテリアル社製の ITOインク「ナノメタルイ ンク」等を使用することができる。透明な導電体を使用することで、液晶パネルや有機
ELなどのフラット 'パネル'ディスプレイ、太陽電池、抵抗膜方式のタツチパネル等に 使用できる可能性がある。他の透明な導電体として酸化亜鉛インクを用いて配線を 形成する方法を挙げることちでさる。
[0223] 本発明の複合材料は、多孔質層の空孔がそのまま残されている構成であってもよ い。多孔質層の空孔がそのまま残されている複合材料とは、多孔質層が多孔体とし ての特性を備えていることを意味しており、具体的には、例えば、複合材料が、印刷 技術により導電体が形成された時点における多孔質層と同程度の空孔構造を保持し ていることを意味している。このような複合材料は、多孔質層が多孔体としての特性を 保持可能な範囲で、他の層が積層されたり、種々の処理が施された構成であっても よい。また、このような複合材料は、多孔質層の空孔に榭脂が充填されている複合材 料や、溶剤処理等により多孔質層の空孔構造が失われている複合材料を含むもの ではない。
[0224] 例えば、低誘電率ィ匕等のために多孔質層の空孔をそのまま残す場合は、榭脂充填 は行わない。ただし、配線の保護、配線の絶縁、配線の酸化防止、屈曲性向上の目 的のために、上記に例示の方法で配線部だけを榭脂で被覆してもよ 、。
[0225] 本発明の複合材料は、上記以外の構成として、溶剤処理により多孔質層の空孔構 造が失われている構成であってもよい。具体的には、多孔質層上に配線パターンを 形成後、多孔質層を溶剤に濡らし、膨潤 '軟化させた後、乾燥することにより、多孔構 造を消失させることができる。
[0226] 本発明の多孔膜積層体は、多孔質層の空孔率を上げたり、孔径を微小化していく と、多孔構造ゆえに、多孔質層部の強度が弱くなつたり、基材との密着強度が低下し たりする場合がある。上記の方法により、多孔構造を消失させることで、多孔質層部 の強度を強くしたり、基材との密着強度を上げることが可能となる。また、多孔構造を 消失させることで、可視光の乱反射をおさえ、透明にすることができる。
[0227] 多孔質部への榭脂充填のところで述べたのと同じ理由で、この場合もやはり、検査
を容易にしたり、部品の位置を認識しやすくしたり、ディスプレイ用の配線を形成した り、電磁波シールド用フィルムを形成したりする用途への展開を図ることが可能となる
[0228] 多孔質層の透明化は、例えば、配線を形成した多孔膜積層体を溶剤に濡らすこと で多孔質層部が膨潤 ·軟ィ匕し、さらにその後乾燥させることで多孔質部の空孔構造 が消失することにより実現される。多孔膜積層を溶剤に濡らす方法としてはデイツピン グでもいいし、スプレーによる噴霧でもよい。溶剤に濡らした後の乾燥は、自然乾燥 でもよいし、加熱によるものでも構わない。溶剤の沸点等を考慮して選択すればよい 。均質に透明化するためにはゆっくり乾燥させて!/、くのが好ま 、。
[0229] 多孔構造を消失させるのに適当な溶剤は多孔質層の榭脂によって違っておりー概 には言えないが、多孔質層の榭脂を膨潤 ·軟ィ匕できるものであれば制限されない。し かし、多孔質層の榭脂を完全に溶解し、流動化してしまうものは好ましくないので、避 けなければならな!/、。多孔質上に形成された配線パターンが崩壊してしまうからであ る。溶剤は必ずしも単一のものである必要は無ぐ二種以上の溶剤を混合したもので も構わない。むしろ、溶剤を混合することにより、適当なレベルで膨潤 '軟化させること が可能となる。
[0230] 具体例として、例えば多孔質層に使用することができるポリアミドイミドは、多くの溶 剤に対して難溶である力 幾つかの極性溶剤(NMP、 DMF、 DMSO、 DMAc等) には可溶である。多孔膜積層体をこれらの極性溶剤そのものに濡らすと多孔質層が 溶解し、配線パターンが崩壊してしまうが、これらの極性溶媒と混合でき、多孔質層を 溶解しない溶剤(水、アセトン、 THF、メタノール、エタノール、 IPA、メチルェチルケ トン等)と混合することで、多孔質層を膨潤 ·軟ィ匕することができるようになる。
[0231] このような混合溶剤系では二段階で乾燥することもできる。例えば、低沸点の溶剤 ( 水、アセトン、 THF、メタノール、エタノール、 IPA、メチルェチルケトン等)を自然乾 燥又は相対的に低い温度で乾燥させた後に、高沸点の溶剤 (NMP、 DMF、 DMS 0、 DMAc等)を乾燥機等で高温で乾燥させることが考えられる。最終的な乾燥温度 と時間は、高沸点の溶剤が十分に揮発する条件を選択すればよい。他の方法として 、室温からゆっくりと昇温していく方法を挙げることができる。ディスプレイ用途などで
高い透明性を要求される場合は、多孔質層にはより無色で透明度の高い榭脂を選 択するのが好ましいし、多孔質層の厚みも極力薄いものを選択する方が好ましい。さ らに基材も PETや PEN等のような透明度の高いものを選択するのが好ましい。
[0232] 多孔質層を溶剤で膨潤 '軟化させて多孔構造を消失させてしまう場合、多孔膜積 層体の基材は使用する溶剤に対して不溶または難溶なものが好まし 、。多孔質層と 同じように基材が膨潤 ·軟ィ匕を起こすと基材の変形が起こり、配線基板としての寸法 安定性を低下させてしまうことになるからである。基材によって不適切な溶剤は違って おり一概には言えないが、 PETや PEN、ポリイミドは多くの溶剤に対して不溶又は難 溶であるために好ましいものである。
[0233] 多孔質層への榭脂充填のところで述べたように、透明な導電体である ITOや酸ィ匕 亜鉛のインクを用いて配線を形成すればさらに透明度を上げることも可能となり、そ のような特性が要求される用途への展開が図れるようになる。上記の方法で多孔構 造を消失させて透明化することができる力 この場合、配線は裸のままである恐れが ある。これまで述べてきたような榭脂ゃ異方導電材料 (異方導電フィルム又は異方導 電ペースト)による被覆をしたり、カバーレイを形成したりしてきちんと絶縁することが 好ましい。
[0234] 配線基板は、通常、電気を流すためにハンダゃコネクタ等で他の部品や基板と接 合される。よってその接点部分は、マスキングをした状態で榭脂充填したり、接点部 分を避けて榭脂で被覆したりしなければならない。このような榭脂としては、多孔質層 の空孔に充填する榭脂として上記例示の硬化性榭脂ゃ可溶性榭脂を用いることが できる。
[0235] また、配線基板は配線だけで形成されるだけではなく、 TABや COF等のように半 導体チップ、コンデンサ、抵抗などをノヽンダゃワイヤー 'ボンディング等で配線基板上 に接合することができる。さらに、配線形成や部品実装は多孔膜積層体の片面だけ ではなく両面にすることもできるし、基板を複数積層して多層化することも可能である
[0236] 本発明の複合材料は、また、多孔質層上にカバーレイが積層されていてもよい。例 えば、フレキシブル基板の場合は、一般的に配線は、配線の保護、配線の絶縁、配
線の酸化防止、屈曲性向上の目的で、ポリイミドフィルムや PETフィルム等の榭脂フ イルムからなるカバーレイで覆われることが多!、。このようなカバーレイ用フィルムとし ては、二ツカン工業社製の「二カフレックス」や有沢製作所製の製品を挙げることがで きる。
[0237] カバーレイを積層する方法としては、例えば、多孔質層への榭脂充填後すぐに直 接、ポリイミドフィルム等のカバーレイを被せる方法;多孔質層への榭脂充填、硬化後 に、ポリイミドフィルムや PETフィルム等のカバーレイの片面に接着剤が塗布された力 バーレイ用フィルムを加熱圧着する方法等が挙げられる。カバーレイ用フィルムの接 着剤としては、公知のものを用いることができ、取り扱いやすいように、半硬化 (Bステ ージ)の状態である場合が多 、。
[0238] 多孔質層への榭脂充填や配線の榭脂被覆だけで十分に配線の保護、配線の絶縁 、配線の酸化防止、屈曲性確保ができる場合は、必ずしもカバーレイは必要というわ けではなぐ省略することも可能である。
[0239] また、配線基板には補強板が付けられて!/ヽてもよ!/ヽ。本発明の配線基板は柔軟性 を持つので、フレキシブル基板として使用することができるが、機械的な強度や硬さ が要求される部分では補強板を貼り付けることが可能である。具体的には、部品を搭 載したりコネクタに挿入するような部分には適当な材質の補強板を貼り付けることが 好ましい場合がある。補強板として使用する材料は目的に適合すれば何でも可能で あるが、一般的には、基板の基材と同様のフィルムや硬質プリント基板用の材料が使 用されることが多い。補強板としては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィル ム、ガラスエポキシ基板、フエノール基板、紙フエノール基板、金属板(アルミニウム板 、ステンレススチール板等)等を挙げることができる。ポリエステルフィルム、ポリイミド フィルムとしては、 10〜300 /ζ πι程度のものがよく用いられる。ガラスエポキシ基板、 フエノール基板、紙フ ノール基板としては、 0. l〜3mm程度のものがよく用いられ る。金属板は特に厚みの制限無く用いられる。配線基板と補強板とは、どのような方 法で接着してもよいが、フィルム状の接着剤を用いることができ、接着剤としては粘着 剤タイプと熱硬化性タイプがある。他に、補強板に接着剤が塗布されたものを配線基 板に張り合わせて使用することもできる。
上述のように、目的に合わせて、リジッド部 (硬質部)とフレックス部(屈曲可能部)を 自由に組み合わせることができるので、一種のリジッド 'フレックス基板として使用する ことも可能である。
[0240] 本発明の配線基板は、連通性を有する微小孔 (連続微小孔)が多数、均一に存在 する多孔質フィルム層の少なくとも片面に導体配線を有する配線基板であって、例え ば幅 50〜200 /ζ πιの導体配線に対して、セロハン粘着テープ [-チバン (株)製、商 品名「セロテープ (登録商標) No. 405」、幅 24mm]による剥離試験(180° 剥離、 剥離速度 50mmZ分)を行った場合に、配線の欠落が生じな ヽと ヽぅ特性を持って いる。上記テープ剥離試験においては、セロハン粘着テープとして、前記「セロテー プ(登録商標) No. 405」の代わりに、これと同等の粘着力(4. OONZlOmm)を有 するセロハン粘着テープを用いることもできる。
[0241] 本発明には、連通性を有する微小孔が多数存在する多孔質フィルム層の少なくとも 片面に導体配線を有する配線基板であって、例えば幅 50〜200 /z mの導体配線に 対して、紙粘着テープ [-チバン (株)製、商品名「紙粘着テープ No. 208」、幅 24m m]による剥離試験(180° 剥離、剥離速度 50mmZ分)を行った場合に、配線の欠 落が生じな 、と 、う特性を有する配線基板も含まれる。このテープ剥離試験にぉ 、て は、紙粘着テープとして、前記「紙粘着テープ No. 208」の代わりに、これと同等の粘 着力(1. 7NZl0mm)を有する紙粘着テープを用いることができる。
[0242] 本発明の配線基板は連続微小孔が多数存在する多孔質フィルム層の表面に導体 配線が形成されているため、多数の微小孔によって導体配線の投錨性が高められ、 高い配線密着強度が得られる。また、多数の微小孔によって導体配線形成時のイン ク等の拡散が抑制される (線がにじまない)ため、配線幅を狭くでき、微細な配線バタ ーンが可能である。すなわち、高い配線密着強度と高い配線描写性とを両立でき、フ ァインピッチ化を実現できる。例えば、前記のテープ剥離試験で配線の欠落が生じず 、しかもテープ剥離試験後の抵抗値変化も非常に小さい。より具体的には、本発明 の配線基板は、テープ剥離試験前の抵抗を Rl、テープ剥離試験後の抵抗を R2とし たとき、通常 R2ZR1く 5であり、好ましくは R2ZR1く 3、さらに好ましくは R2ZR1 < 1. 5である。また、本発明の配線基板は、例えば、 30plの導電インクを用いてイン
クジェット方式により印刷した場合、ドットサイズは、通常 200 m以下となる。
[0243] 多孔質フィルム層の平均孔径(フィルム表面の平均孔径)は、好ましくは 0. 01-10 mであり、さら〖こ好ましくは 0. 05〜5 m、特〖こ好ましくは 0. 1〜2 111である。孔 のサイズが小さすぎると、導体配線を例えば印刷法により形成する場合に、インク等 の浸透性が低下し配線密着性が低下しやすくなる。また、孔のサイズが大きすぎると 、導体配線を例えば印刷法により形成する場合に、インク等の投錨性が低下してや はり配線密着性が低下しやすくなつたり、インクが拡散して線がにじみ配線描写性が 低下しやすくなるとともに、機械的強度が低下して変形しやすくなる。多孔質フィルム 層の平均孔径が上記の範囲にある場合には、インク等が多孔質フィルム層に円滑に 吸収されるとともに高い投錨効果が得られるため、配線密着強度が極めて高くなると ともに、インク等の拡散が抑制されて優れた配線描写性が得られる。これより、本発明 は、連通性を有する微小孔が多数存在する多孔質フィルム層の少なくとも片面に導 体配線を有する配線基板であって、多孔質フィルム層の平均孔径が 0. Ol-lO ^ m であり、導体配線が印刷法により形成されている配線基板をも提供する。
[0244] なお、多孔質ではな ヽ緻密な基材上に導体配線を印刷法により形成する場合には 、インク等が基材に吸収されないので該基材と配線との間の密着強度は低ぐまたィ ンク等が基材表面で拡散するので線がにじみやすぐ微細配線を形成しにくい。また
、撥水性の基材上に導体配線を印刷法により形成する場合には、インク等が基材の 表面ではじいて、線描写が不能となる。
[0245] 多孔質フィルム層の空孔率(空隙率)は、例えば 30〜80%、好ましくは 40〜80% 、さらに好ましくは 50〜80%である。空孔率が低すぎると、導体配線を印刷法により 形成する場合に、インク等の浸透性が低下し配線密着性が低下しやすくなる。一方、 空孔率が高すぎると、機械的強度に劣る場合がある。また、多孔質フィルム層の表面 の開孔率 (表面開孔率)としては、例えば 48%以上 (例えば 48〜80%)であり、好ま しくは 60〜80%程度である。表面開孔率が低すぎると、導体配線を印刷法により形 成する場合に、インク等の浸透性が低下し配線密着性が低下しやすくなる。一方、表 面開孔率が高すぎると、機械的強度が低下しやすくなる。
[0246] 多孔質フィルム層の厚みは、例えば 0. 1-100 μ mである。配線基板の基材が多
孔質フィルム層単体である場合には、多孔質フィルム層の厚みは、例えば 5〜: LOO /z m、さらに好ましくは 25〜70 /ζ πιである。また、配線基板の基材が緻密層と多孔質フ イルム層との積層体である場合には、多孔質フィルム層の厚みは、例えば 0. 1-100 μ m、好ましくは 0. 5〜70 μ m、さらに好ましくは 1〜50 μ mである。多孔質フィルム 層の厚みが薄くなりすぎると安定して製造することが困難になり、一方厚すぎる場合 には孔径分布を均一に制御することが困難になりやすい。多孔質フィルム層の厚み は、平均孔径の 2倍以上であるのが好ましぐ特に好ましくは 10倍以上である。
[0247] 多孔質フィルム層の 2つの表面の微小孔の平均孔径は、多孔質フィルム層形成時 の微小孔の生成環境が異なるため、互いに異なる空孔特性を有することがある。多 孔質フィルム層の一方の面側の微小孔の平均孔径 A1と他方の面側の微小孔の平 均孔径 A2とは、そのバランス上、 0. 1≤A1ZA2≤10 (特に、 0. 2≤AlZA2≤5) の関係を満たして 、るのが好ま 、。
[0248] 多孔質フィルム層に存在する微小孔の連通性は、透気度を表すガーレー値、及び 純水透過速度などを指標とすることができる。多孔質フィルム層のガーレー値は、例 えば 0. 2〜2000秒 Zl00cc、好ましくは 1〜: L000秒 Zl00cc、さらに好ましくは 1 〜500秒 ZlOOccである。数値が大きすぎると、実用上の透過性能が充分でなかつ たり、機能性材料を充分に充填できな 、ためにその機能が発揮できな 、ことがある。 一方、数値が小さすぎると、機械的強度に劣る可能性がある。
[0249] 多孔質フィルム層の導体配線が形成されて!ヽる側の面の平均孔径 Aと導体配線の 幅 Wの関係としては、 WZA≥5であるのが好ましぐより好ましくは WZA≥10、特 に好ましくは WZA≥50である。 WZAが 5未満である場合には、導体配線を例えば 印刷法により形成する場合に、インク等の投錨性が低下して配線密着性が低下した り、インクが拡散して線がにじみ配線描写性が低下しやすくなる。
[0250] 導体配線の幅 Wとしては、例えば 200 μ m以下(例えば 10〜200 μ m)、好ましく は 150 m以下(例えば 10〜150 μ m)、さらに好ましくは 100 m以下(例えば 10 〜: LOO /z m)である。本発明の配線基板は、配線描写性に優れ、例えば 30plの導電 インクを用いて印刷した場合にドットサイズを 200 m以下とすることができるため、上 記のような狭い配線幅の導体配線が可能である。また、導体配線の幅が狭くても、配
線密着強度が高 、ため剥離しにく 、。
[0251] 多孔質フィルム層を構成する材料 (素材)としては、絶縁性を有するものであれば特 に限定されないが、榭脂が好ましい。榭脂としては、例えば、ポリイミド系榭脂、ポリア ミドイミド系榭 S旨、ポリエーテルスルホン系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカー ボネート系榭脂、ポリフエ-レンスルフイド系榭脂、液晶性ポリエステル系榭脂、芳香 族ポリアミド系榭脂、ポリアミド系榭脂、ポリベンゾォキサゾール系榭脂、ポリべンゾィ ミダゾ一ル系榭脂、ポリべンゾチアゾール系榭脂、ポリスルホン系榭脂、セルロース系 榭脂、アクリル系榭脂などが挙げられる。なかでも、耐熱性があり、機械的強度、耐薬 品性、電気特性に優れているという観点から、ポリイミド系榭脂、ポリアミドイミド系榭 脂、ポリエーテルスルホン系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカーボネート系榭 脂、芳香族ポリアミド系榭脂、ポリアミド系榭脂、ポリベンゾォキサゾール系榭脂、ポリ ベンゾイミダゾール系榭脂、ポリスルホン系榭脂、セルロース系榭脂等が好適であり、 特に、ポリアミドイミド系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカーボネート系榭脂、ポ リエーテルスルホン系榭脂が好ましい。榭脂は共重合体でもよぐグラフト重合体でも よい。これらの材料は単独で又は 2種以上を組み合わせて用いることができる。また、 多孔質フィルム層は、層表面及び孔の内表面が耐薬品性高分子化合物で被覆され ていてもよい。
[0252] 多孔質フィルム層は単独で導体配線の基材として用いることができる力 多孔質フ イルム層が実質的に孔を有しない緻密層の片面又は両面に形成されている積層体 を導体配線の基材として用いてもよい。このような積層体を用いることにより、基材の 機械的強度を高くすることができる。
[0253] また、本発明における多孔質フィルム層は、その表面に導体配線を印刷法により形 成した場合にインク等が吸収されやすいと、配線との密着性に優れ、またインク等が 表面で拡散して線がにじみにくぐ微細配線を形成しやすくなるため、特定の表面特 性を有していることが好ましい。上記観点から、好ましい多孔質フィルム層は、粘度 0 . 00001〜lPa ' sの溶液 1 /zを該層表面に滴下した後、 1000 sec以内の接触角 Θ力^ 0° 以下である層で構成される。このような多孔質フィルム層としては、粘度 0. 00001〜lPa ' sの溶液 1 μを該層表面に滴下した後、 100 sec経過時の接触角
θ と、 1000 μ sec経過時の接触角 0 との比 0 / Θ が 0. 9未満である層
100 1000 1000 100
が好ましぐ特に上記特性に加えて、前記 Θ 力 ½0° 以下である層が好ましく用い
1000
られる。前記粘度 0. 00001〜lPa'sの溶液としては、後述する印刷インク又はぺー スト中の溶剤として例示のものが挙げられる。
[0254] 本発明の配線基板の態様として、例えば図 2〜図 6に示す態様が挙げられる。図 2 〜図 6は、それぞれ本発明の配線基板の例を示す概略断面図である。各図において 、 1は多孔質フィルム層、 2は導体配線、 3は緻密層を示す。図 2は多孔質フィルム層 1の片面に導体配線 2が形成された配線基板、図 3は多孔質フィルム層 1の両面に導 体配線 2が形成された配線基板、図 4は緻密層 3の上に多孔質フィルム層 1が積層さ れ、該多孔質フィルム層 1の表面に導体配線 2が形成された配線基板、図 5は緻密 層 3の両面に多孔質フィルム層 1が積層され、該多孔質フィルム層 1のうち一方の表 面に導体配線 2が形成された配線基板、図 6は緻密層 3の両面に多孔質フィルム層 1 が積層され、該多孔質フィルム層 1の両方の表面に導体配線 2が形成された配線基 板である。本発明の配線基板にはビアが形成されてレ、てもよレ、。
[0255] 多孔質フィルム層 1の表面に導体配線 2を形成する際、一般に、図 1 (A)又は (D) に示されるように、導体配線 2が多孔質フィルム層 1にめり込んで、導体配線 2のほぼ すべてが多孔質フィルム層 1に埋め込まれた状態 (埋設状態)となる場合、図 1 (B)又 は )に示されるように、導体配線 2が多孔質フィルム層 1に一部めり込んで、導体配 線 2の半分ほどが多孔質フィルム層 1に埋め込まれた状態 (半埋設状態)となる場合、 及び図 1 (C)又は (F)に示されるように、導体配線 2が多孔質フィルム層 1にめり込ま ず、多孔質フィルム層 1の表面に積層された状態 (堆積状態)となる場合がありうる。こ のうち、図 1 (A)及び図 1 (B)の状態が配線密着強度の点力も好ましい。電気抵抗の 低い導体が求められる場合には、図 1 (C)又は (F)の状態が好ましい。本発明では、 多孔質フィルム層に連通性を有する微小孔が多数存在するので、例えばインクジェ ット方式を用いた印刷法により導体配線を形成した場合、図 1 (A)又は (D)の状態と なることが多レ、。スクリーン印刷方式を用いた印刷法により導体配線を形成した場合 、図 1 (B) (C) (E) (F)で示される状態となることが多い。
[0256] より具体的には、多孔質層表層の平均開孔径を Rl、インクに含まれる粒子の平均
訂正された用紙 (攝 1)
粒子径を R2とした場合、 Rlが 0. 01〜10 111程度、1^2カ . 001〜10 /ζ πι程度の 範囲内であるのが好ましい。すなわち、式: 0. 0001≤R2ZR1≤1000を満たす 関係が好ましい。
[0257] インクジェット印刷の場合は、インクがノズルに詰まるのを避けるため、インクの粘度 は低ぐインクに添加する粒子は小さい粒子径のものが好ましい。従って、 R1が 0. 0 1〜5 /ζ πι程度、 R2力 SO. 001〜0. 2 m程度であるのが好ましい。すなわち、式: 0 . 0002≤R2/R1≤ 20を満たす関係が好まし!/、。
[0258] スクリーン印刷の場合は、粘度が低すぎるとスクリーンにインクを保持しにくいので、 むしろ粘度がある程度高い方が好ましぐインクに含まれる粒子の粒子径は大きくて も特に問題はなぐまた、粒子径が小さい場合は溶剤量を低減することが好ましい。 従って、 R1が 0. 01〜10 111程度、1^2カ 0. 001〜 10 m程度であるのが好ましい 。すなわち、式: 0. 0001≤R2ZR1≤ 1000を満たす関係が好ましい。
[0259] 緻密層を構成する材料 (素材)としては、多孔質フィルム層を形成する際に、溶解し たり激しく変形したりするものでなければ特に制限されないが、絶縁性を有する榭脂 が好ましい。前記榭脂として、例えば、ポリイミド系榭脂、ポリアミドイミド系榭脂、ポリ エーテルスルホン系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカーボネート系榭脂、ポリ ァリレート系榭脂、ポリフエ-レンスルフイド系榭脂、液晶性ポリエステル系榭脂、芳香 族ポリアミド系榭脂、ポリアミド系榭脂、ポリベンゾォキサゾール系榭脂、ポリべンゾィ ミダゾ一ル系榭脂、ポリべンゾチアゾール系榭脂、ポリスルホン系榭脂、セルロース系 榭脂、アクリル系榭脂、ポリエチレンテレフタレート系榭脂、ポリエチレンナフタレート 系榭脂、ポリブチレンテレフタレート系榭脂、ポリエーテルエーテルケトン系榭脂、フ ッ素系榭脂、ォレフィン系榭脂、スチレン系榭脂、塩ィ匕ビ二ル系榭脂等の樹脂が挙 げられる。榭脂は共重合体でもよぐグラフト重合体でもよい。これらの材料は単独で 又は 2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0260] 緻密層の厚みは、例えば 1〜300 μ m、好ましくは 5〜: L00 μ m、さらに好ましくは 5 〜50 ;ζ ΐηである。厚みが薄くなりすぎると取り扱いが困難になり、一方厚すぎる場合 には柔軟性が低下する場合がある。
[0261] 本発明の配線基板において、多孔質フィルム層は相転換法により形成することがで
きる。例えば、多孔質フィルム層を構成する素材 (榭脂成分)、水溶性ポリマー、極性 溶媒、及び必要により水からなる混合溶液を、均質な基板上へ流延した後、凝固液 に導く湿式相転換法により多孔質フィルム層を形成できる。多孔質フィルム層を構成 する素材 (榭脂成分)としては、水溶性の極性溶媒に溶解し、且つ相転換法によりフ イルムを形成しうるものが好ましぐ具体的には、前記多孔質フィルム層を構成する榭 脂として例示したものを用いることができる。なお、この樹脂の代わりに、該榭脂の単 量体成分 (原料)やそのオリゴマーなどの前駆体を用いてもよい。例えば、ポリイミド系 榭脂からなる多孔質フィルム層を得る場合には、ポリイミド系榭脂の前駆体 (ポリイミド 系前駆体)であるポリアミック酸を使用して同様の方法により多孔質フィルム層を得た 後、熱イミドィ匕又は化学的イミドィ匕により所望のポリイミド系榭脂からなる多孔質フィル ムを得ることができる。
[0262] 流延に付すポリマー溶液への水溶性ポリマーや水の添カ卩は、膜構造をスポンジ状 に多孔化するために効果的である。水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレング リコール、ポリビュルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリビュルアルコール、ポリア クリル酸、多糖類等やその誘導体、及びこれらの混合物などが挙げられる。なかでも ポリビュルピロリドンは、フィルム内部におけるボイドの形成を抑制し、フィルムの機械 的強度を向上しうる点で好ましい。これらの水溶性ポリマーは単独で又は 2種以上を 組み合わせて使用できる。多孔化の観点から、水溶性ポリマーの分子量は、例えば 2 00以上、好ましくは 300以上、より好ましくは 400以上(例えば 400〜20万程度)、特 に好ましくは 1000以上(例えば 1000〜20万程度)である。
[0263] 水溶性ポリマーは、特に膜構造をスポンジ状にするのに非常に有効であり、水溶性 ポリマーの種類と量を変更する事により多様な構造を得ることが可能となり、重要な添 加剤である。しかし、水溶性ポリマーは最終的には不必要な成分であるので、水等に 浸漬して多孔質層を凝固させる時に洗浄除去されるものである。一方、乾式相転換 法で多孔質構造を形成する時には不溶成分は基本的に加熱除去されなければなら ないので、水溶性ポリマーを添加することはできない。よって、乾式相転換法で多様 な多孔性構造を形成するのは困難であると言える。
[0264] 前記極性溶媒としては、使用する榭脂の化学骨格に応じて溶解性を有するもの(良
溶媒)を使用することができる。ポリアミドイミド系榭脂、ポリアミック酸、ポリエーテルィ ミド系榭脂、ポリカーボネート系榭脂等の良溶媒としては、例えば、ジメチルァセトアミ ド(DMAc)、 N—メチルー 2—ピロリドン(NMP)、 N, N—ジメチルホルムアミド、 NM PZキシレン、 NMPZキシレン Zメチルェチルケトン、エチルアルコール Zトルエン、 ジメチルスルホキシド、 2—ピロリドン等が挙げられる。極性溶媒は単独で又は 2種以 上を組み合わせて使用できる。
[0265] 流延に付すポリマー溶液としては、例えば、多孔質フィルム層を構成する素材とな る高分子成分 8〜25重量%、水溶性ポリマー 10〜50重量%、水 0〜10重量%、水 溶性極性溶媒 30〜82重量%からなる混合溶液などが好ましい。
[0266] 前記ポリマー溶液は、多孔質フィルム層の主体となるポリマー(高分子成分)の濃度 が低すぎるとフィルムの強度が弱くなり、また高すぎると空孔率が小さくなる。該ポリマ 一溶液を構成する水溶性ポリマーは、フィルム内部を均質なスポンジ状の多孔構造 にするために添加するが、この際に濃度が低すぎるとフィルム内部に 10 mを超える ような巨大ボイドが発生し均質性が低下し、濃度が高すぎると溶解性が悪くなる。水 の添加量はボイド径の調整に用いることができ、添加量を増やすことで径を大きくす ることが可能となる。
[0267] ポリマー溶液を流延する際に用いる均質な基板の材料 (素材)としては、前記緻密 層を構成する材料 (素材)として例示した榭脂のほか、ガラスなどが挙げられる。均質 な基板として、表面素材と内部素材とが異なる複数の素材を組み合わせた複合フィ ルム又はシートを用いることもできる。複合フィルム又はシートは貼り合わせにより形 成されてもよいし、コーティング、蒸着、スパッタ等の表面処理によって得られるもので もよい。また、表面に、易接着処理、静電気防止処理、サンドブラスト処理、コロナ放 電処理等が施されたものを使用することもできる。ここで用いる均質な基板を、そのま ま緻密層を有する配線基板の該緻密層として使用する場合には、多孔質フィルム層 を構成する材料と親和性を有する素材 (例えば、同種のモノマー単位を有する榭脂 等)、或いは榭脂に易接着処理やコロナ放電処理等の表面処理を施したものを選択 して使用するのが好ましい。
[0268] 前記ポリマー溶液をフィルム状に流延する際の好ましい条件としては、相対湿度 70
〜100% (好ましくは 90〜: L00%)、温度 15〜90。C (好ましくは 30〜80。C)であり、 特に好ましい条件は、相対湿度約 100% (例えば、 95〜100%)、 40〜70°Cである 。空気中の水分量がこれよりも少ない場合は、表面の開孔率が充分でなくなる不具 合が発生する場合がある。ポリマー溶液をフィルム状に流延する際に、該フィルムを 相対湿度 70〜100%、温度 15〜90°Cからなる雰囲気下に 0. 2〜15分間保持した 後、高分子成分の非溶剤力 なる凝固液に導くのが望ましい。流延後のフィルム状 物を上記条件におくことにより、多孔質フィルム層を均質で連通性の高い状態にする ことができる。この理由としては、加湿下に置くことにより水分がフィルム表面から内部 へと侵入し、ポリマー溶液の相分離を効率的に促進するためと考えられる。
[0269] 相転換法に用いる凝固液としては、ポリマー成分を凝固させる溶剤であればよぐ 高分子成分として使用する榭脂の種類によって適宜選択されるが、例えば、ポリアミ ドイミド系榭脂、ポリアミック酸、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカーボネート系榭脂等 を凝固させる溶剤として、例えば、水;メタノール、エタノール等の 1価アルコール、グ リセリン等の多価アルコールなどのアルコール;ポリエチレングリコール等の水溶性高 分子;これらの混合物などの水溶性凝固液などが使用できる。
[0270] 凝固液に導かれて析出した多孔質フィルムは、均質な基材を緻密層として使用す る場合には、そのまま乾燥に付すことにより、緻密層と多孔質フィルム層との積層体( 配線基板の基材)を得ることができる。緻密層の両面に多孔質フィルム層を有する積 層体は、緻密層の片面に多孔質フィルム層を形成した後、再度上記の操作を行うこ とにより製造できる。また、凝固液に導かれて析出した多孔質フィルムを均質な基材 力 支持体上へ転写して乾燥に付すことにより、多孔質フィルム層を単体として取得 することができる。この多孔質フィルム層は単体で配線基板の基材として使用できる。 前記支持体としては、凝固液耐性を有する材質からなるとともに、乾燥速度を速くす るため、フィルムと接触する側の表面に微小孔が多数存在しているもの、特に凝固溶 媒を適切な速度で透過することができる程度の透過性を有するものが好まし 、。この ような支持体は、例えば、透気度が 1000秒 ZlOOcc未満 (好ましくは 100秒 ZlOOc c未満)、膜厚が 5〜: L000 m (好ましくは 50〜500 m)、フィルム断面方向に貫通 した 0. 01〜10 111(好ましくは0. 03〜1 /ζ πι)の孔が十分な密度で分散している。
具体的には、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ ン、セルロース、テフロン (登録商標)などを材料とした不織布或いは多孔膜などが利 用できる。なお、こうして得られた多孔質フィルム単体を別途準備した緻密層上に、 例えば接着剤等を用いた慣用のフィルム積層手段により積層して、前記緻密層の片 面又は両面に多孔質フィルム層を有する積層体 (配線基板の基材)を得ることもでき る。
[0271] 上記の方法により形成した多孔質フィルム (層)には、さらに、前駆体の重合ゃ耐薬 品性の向上のため、熱、可視光線、紫外線、電子線、放射線等を用いて重合を進行 させたり、架橋 (硬化)処理を施してもよい。例えば、前述したように、ポリイミド系前駆 体を用 、て成形したフィルムには、さらに熱イミドィ匕ある 、は化学イミド化等を施すこと によりポリイミド系榭脂からなる多孔質フィルム層を得ることができる。また、ポリアミドィ ミド系榭脂等を用いて多孔質フィルム層を形成したフィルムは熱架橋を施すことがで きる。また、得られた多孔質フィルム (層)を耐薬品性を有するポリマーの溶液に浸漬 し、乾燥して、フィルム表面及び孔の内表面に耐薬品性被膜を形成してもよい。耐薬 品性を有するポリマーとしては、例えば、フエノール系榭脂、尿素系榭脂、メラミン系 榭脂、ベンゾグアナミン系榭脂、ポリイミド系榭脂、エポキシ榭脂、ベンゾォキサジン 系榭脂、ポリプロピレン系榭脂、ポリウレタン系榭脂、フッ素系榭脂、アルキド系榭脂 、酢酸セルロース系榭脂、フタル酸系榭脂、マレイン酸系榭脂、ケィ素系榭脂、トリア ジン系榭脂、フラン系榭脂、ポリエステル系榭脂、キシレン系榭脂、ポリビュルアルコ ール、エチレン ビニルアルコール共重合体、キチン、キトサン等が挙げられる。
[0272] 上記方法によれば、例えば、連通性を有する微小孔が多数、均一に存在するポリ アミドイミド系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカーボネート系榭脂等の樹脂で構 成された多孔質フィルム層であって、該多孔質フィルム層の微小孔の平均孔径が 0. 01〜10 m、空孔率が 30〜80%であり、厚みが 0. 1〜: LOO mである多孔質フィ ルム (層)を得ることができる。
[0273] 多孔質フィルム層の微小孔の径、空孔率、開孔率は、上記のように、ポリマー溶液 の構成成分の種類や量、水の使用量、流延時の湿度、温度及び時間、流延に用い る均質な基材の種類、後処理などを適宜選択することにより所望の値に調整すること
ができる。
[0274] 本発明の配線基板は、例えば上記のようにして得られる連通性を有する微小孔が 多数存在し、平均孔径が 0. 01〜10 /ζ πιである多孔質フィルム層の少なくとも片面に 導体配線を形成することにより製造できる。この多孔質フィルム層は相転換法、特に 前記のような湿式相転換法により形成された榭脂層であるのが好ま ヽ。前記多孔 質フィルム層は、前記のように、単体で配線基板の基材となりうる力 実質的に孔を有 しない緻密層の片面又は両面に平均孔径 0. 01〜10 mの多孔質フィルム層が積 層された積層体も配線基板の基材となる。
[0275] 多孔質フィルム層の表面に導体配線を形成する方法としては、特に限定されない 力 印刷法により導体配線を形成するのが好ましい。印刷法としては、特に限定され ず、例えば、凸版印刷 (フレキソ印刷)、インクジェット方式、スクリーン印刷、オフセッ ト印刷、昇華 (溶融)方式、感熱方式、グラビア印刷、レーザー印刷、ペースト描写、 ナノコンタクトプリントなどの何れであってもよい。これらの印刷法は公知乃至慣用の 方法で行うことができる。
[0276] 印刷法を用いて導体配線を形成する代表的な方法として、導電インク又は導体べ 一ストを多孔質フィルム層上に印刷する方法、例えば、(1)多孔質フィルム層の表面 に、導電インクをインクジェット方式で適用して導体配線を形成する方法、(2)配線パ ターン状に凹凸を形成した版に導電インクを塗布し、これを多孔質フィルム層の表面 に転写して導体配線を形成する方法、(3)多孔質フィルム層の表面に、導体ペースト をシリンジカゝら押出し、描写することで導体配線を形成する方法、(4)多孔質フィルム 層の表面に、導体ペーストをスクリーン印刷により描写することで導体配線を形成す る方法などが挙げられる。
[0277] 導電インクとしては、特に限定されず、例えば、金インク、銀インク、銀ナノメタルイン ク、銅インク、カーボンインク、銀一カーボンインクなどを使用できる。また、導体ぺー ストとしては、特に限定されず、例えば、銀導体ペースト、銅導体ペースト、金導体べ 一スト、パラジウム導体ペースト、パラジウム—銀導体ペースト、白金導体ペースト、白 金 銀導体ペースト、ニッケル導体ペーストなどを使用できる。なお、上記の方法に お!ヽては、形成された導体配線上にさらに慣用の方法でメツキを施してもょ ヽ。
[0278] また、印刷法を用いて導体配線を形成する他の代表的な方法として、メツキ触媒を 多孔質フィルム層上に印刷した後、メツキを施す方法、例えば、(5)多孔質フィルム 層の表面に、配線パターン状にメツキ触媒をインクジェット方式で印刷した後、メツキ を施して導体配線を形成する方法、 (6)配線パターン状に凹凸を形成した版にメツキ 触媒を塗布し、これを多孔質フィルム層の表面に転写した後、メツキを施して導体配 線を形成する方法、(7)多孔質フィルム層の表面に、メツキ触媒をシリンジ力 押出し て配線パターン状に描写した後、メツキを施して導体配線を形成する方法、(8)多孔 質フィルム層の表面に、メツキ触媒をスクリーン印刷により配線パターン状に描写した 後、メツキを施して導体配線を形成する方法などが挙げられる。
[0279] メツキ触媒としては、無電解メツキ処理の触媒として作用する金属の塩を使用できる 。具体的には、例えば、金、銀及び銅力 なる銅族元素、パラジウム及び白金等の白 金族元素、並びにニッケル等の鉄族元素力 選ばれる金属のォキシカルボン酸塩 ( クェン酸塩、酒石酸塩等)又は無機金属塩 (硫酸塩、塩酸塩等)などが挙げられる。メ ツキ触媒の印刷は、例えば、メツキ触媒と、適宜なビヒクルと、必要に応じて添加剤等 とを含むインキを調製し、これを適宜な印刷法で印刷することにより行うことできる。メ ツキ触媒の印刷後、メツキ触媒を還元処理して金属とした後、無電解メツキ処理、必 要に応じてさらに電気メツキ処理を施すことにより導体配線を形成できる。メツキ触媒 の還元処理には、例えば、次亜リン酸又はその塩、ヒドラジン又はその塩、水素化ホ ゥ素系化合物、ァミノボラン系化合物、ブドウ糖、ホルムアルデヒドなどの還元剤を用 いることができる。還元処理は、例えば、 0. 5〜10重量%の還元剤の水溶液を用い 、室温〜 50°C程度の温度で行うことができる。無電解メツキ処理は、例えば、無電解 銅メツキ液、無電解ニッケルメツキ液等を用いた公知の方法で行うことができる。また 、電気メツキ処理も、例えば硫酸銅等を用いた公知の方法で行うことができる。
[0280] 印刷に用いる印刷インク又はペーストとしては、少なくとも固形物(固形分)と溶剤か らなるインク又はペーストが用いられるが、多孔質フィルム層表面での接触角が、該 多孔質フィルム層表面に 1 μ 1の液滴を滴下して 300 sec以内に 60° 以下(より好 ましくは 50° 以下、さらに好ましくは 40° 以下)となるような液体、特に、多孔質フィ ルム層表面に 1 1の液滴を滴下して 300 sec以内に 60° 以下(より好ましくは 50
° 以下、さらに好ましくは 40° 以下)となり、且つ 300 /z sec経過時の液滴半径が 16 00 μ m以下(好ましくは 1500 μ m以下、さらに好ましくは 1400 μ m以下)である液 体を主溶剤(最も多く含まれて 、る溶剤)として含む印刷インク又はペーストが好まし い。このような印刷インク又はペーストを用いると、印刷インク又はペースト中の溶剤 が多孔質フィルム層の孔へ速やかに吸収され、インク又はペーストの粘度が上昇し、 インク又はペーストの流動性が無くなり、多孔質フィルム層表面にインク又はペースト 中の固形分が残るので、滲みが発生せず、細線描写性に優れた印刷物を得ることが できる。
[0281] 印刷インク又はペースト中の固形物(固形分)としては、配線やインダクタ、発光体、 抵抗体、コンデンサや半導体形成の目的により選定することができ、公知の無機物、 有機物など用いることができる。無機物の例としては、金属 (金、銀、銅、ニッケル、ァ ルミ-ゥムなど)やガラス、無機 EL材料(ZnS、 Mn/CdSSe, ZnS :TbOF、 ZnS :T b、 SrS : Ce、 (SrS : CeZnS) 、 CaCa S : Ce、 SrGa S : Ce、 SrS : Ce/ZnS : Mn n 2 4 2 4
など)、カーボン、その他無機材料 (シリカ、ジルコユアなどのセラミック材料など)が用 いることができる。有機物としては有機顔料、導電性高分子、有機半導体材料 (ペン タセン類ゃチオフ ン類など)を用いることができる。固形分の形状は特に限定され ず、印刷性を阻害しないものであればよぐ粒子状、フレーク状、繊維状など燐片状、 中空粒子、中空繊維状など様々な形状のものを使用することができる。
[0282] 印刷インク又はペースト中の溶剤としては、印刷インク又はペースト中の樹脂の種 類等により適宜選択でき、例えば、炭化水素系溶剤、ハロゲン化炭化水素系溶剤、 アルコール系溶剤、フエノール系溶剤、ケトン系溶剤、脂肪酸'酸無水物、エステル 系溶剤、含窒素'含硫黄極性溶剤、水などを使用できる。具体的には、例えば、トル ェン、テルピネオール、デカリン、テトラデカン、デカノール、ジエチレングリコールモ ノエチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノブチノレエーテノレエチレングリコーノレモノ メチノレエーテノレ、エチレングリコーノレモノェチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノ メチノレエーテル、トリエチレングリコーノレモノメチノレエーテル、プロピレングリコーノレモ ノメチノレエーテル、ジプロピレングリコーノレモノメチノレエーテル、プロピレングリコーノレ モノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコ
ールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ェ チレングリコーノレモノブチノレエーテノレ、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリ エチレングリコーノレモノブチノレエーテノレ、プロピレングリコーノレモノブチノレエーテノレ、 ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエー テル、ジエチレングリコーノレモノイソブチノレエーテル、エチレングリコーノレモノへキシ ノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノへキシノレエーテノレ、エチレングリコーノレモノ 2 ーェチノレへキシノレエーテノレ、エチレングリコーノレモノァリノレエーテノレ、エチレングリコ 一ノレモノフエニノレエーテノレ、エチレングリコーノレジメチノレエーテノレ、ジエチレングリコ ーノレジメチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレジェチノレエーテノレ、ジエチレングリコー ルジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ブチルカルビトール アセテート、ターピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブタノール、プロパンジ オール、ブタンジオール、ペンタンジオール、エチレングリコール、グリセリン、水など が挙げられる。これらの溶剤は 1種単独で使用してもよぐ 2種以上を混合して使用し てもよい。なお、インク溶剤については、特開 2004— 319281号公報、特開 2004— 111057号公報、特開 2006— 059669号公報、特開 2004— 143325号公報など に技術開示されている。なかでも、多孔質フィルム層へ良好に吸収される点で、粘度 が 0. 00001〜lPa ' sである溶剤が好ましく用いられる。
[0283] また、印刷に用いる印刷インク又はペーストとしては、粘度が 0. 05〜lPa ' sの印刷 インク又はペーストが好ましい。このような印刷インク又はペーストを用いる場合にも、 印刷インク又はペースト中の溶剤が多孔質フィルム層の孔へ速やかに吸収され、多 孔質フィルム層表面に固形分が残るため、滲みが発生せず、細線描写性に優れた 印刷物を得ることができる。なお、印刷インク又はペーストの粘度は、固形分の種類 や濃度、榭脂等の添加物の種類や濃度、溶剤の種類等を変えることにより調整でき る。
[0284] 本発明の配線基板の製造方法によれば、連通性を有する微小孔が多数存在し、 平均孔径が 0. 01〜: L0 mである多孔質フィルム層の少なくとも片面に導体配線を 形成するため、多数の微小孔の作用により、配線密着強度が高くし力も配線描写性 の高い配線基板を簡便に且つ効率よく製造できる。
[0285] 本発明の印刷物 1は、多孔質フィルム層の表面に少なくとも平均ライン幅 10〜: LOO 0 mで長さ 500 m以上の直線部を有する印刷が施された印刷物であって、下記 式(1)で表されるライン幅の変動値 Fが 30%以下であると 、う特徴を有して!/、る。
F= (LMax- LMin) /L Ave X 100 ( 1 )
(式中、 LAveは長さ 500 μ mの直線部における平均ライン幅、 LMaxは該長さ 500 μ mの直線部における最大ライン幅、 LMinは該長さ 500 mの直線部における最 小ライン幅を示す)
また、本発明の印刷物 2は、多孔質フィルム層の表面に少なくとも平均ライン幅 10 〜1000 μ mで長さ 500 μ m以上の直線部を有する印刷が施された印刷物であって 、下記式(2)で表されるライン幅の標準偏差∑が 7以下であるという特徴を有している
∑ = (( (LAve LMax) 2 + (LAve LMin) 2) /2) ( 2)
(式中、 LAveは長さ 500 μ mの直線部における平均ライン幅、 LMaxは該長さ 500 μ mの直線部における最大ライン幅、 LMinは該長さ 500 mの直線部における最 小ライン幅を示す)
[0286] 本発明では、ライン幅の変動値 F及び標準偏差∑は、平均ライン幅が 10〜: L000 μ mで長さ 500 μ m以上の直線部における値である力 平均ライン幅が 10〜500 μ mで長さ 500 μ m以上の直線部における値であるのがより好ましぐ平均ライン幅が 1 5- 100 μ mで長さ 500 μ m以上の直線部における値であるのが特に好ましい。平 均ライン幅が 10 μ m未満では印刷が困難であり、平均ライン幅が 1000 μ mを超える と配線が太くなり、回路全体が大きくなつて実用的でない。
[0287] 最大ライン幅 LMax、最小ライン幅 LMinは、印刷物の平均ライン幅が 10〜 1000 μ mで長さ 500 mの直線部を拡大写真撮影し、その写真より測定することができる (図 11参照)。平均ライン幅 LAveは、透明フィルムにラインをトレースし、その重量か ら換算して算出することができる。 Fが 30%以下又は∑が 7以下であれば、細線描写 性 (直線性)に優れた優良な印刷 (配線)と判断できる。 Fは好ましくは 20%以下、さら に好ましくは 10%以下である。∑は、好ましくは 5以下、さらに好ましくは 3以下である 。また、 Fが上記所定の数値以下で且つ∑が上記所定の数値以下であるのが特に好
ましい。多孔質フィルム層に印刷を施す場合には、印刷インク (ペースト)が多孔質フ イルム(多孔膜)と接すると同時にインク中の主溶剤が多孔質フィルムに吸液され、ィ ンクの粘度が上昇し、流動性が無くなり、多孔質フィルム上で滲みが発生しないため 、種々のインク (ペースト)による細線描写性 (直線性)に優れた直線描写が可能であ る。一方、通常の PETフィルムや PIフィルムなどでは、印刷を施すと、印刷インク(ぺ 一スト)が滲んで周辺に拡がるため、細線描写性 (直線性)の良好な直線描写が困難 である。
[0288] 本発明の印刷物 3は、多孔質フィルム層の表面に版を用いて印刷が施された印刷 物であって、版の開孔幅 L1と印刷後の対応する印刷幅 L2の比 (L2ZL1)が 0. 8〜 1. 2であることを特徴とする。
[0289] 版の開孔幅 L1とは、版の開口部の形状が例えば直線の場合はその直線の線幅を 意味し、版の開孔部の形状が円の場合はその円の直径を意味する。なお、版の開孔 部の形状は直線や円に限らず、曲線、三角形や四角形などの多角形、星形等の何 れであってもよい。印刷後の対応する印刷幅 L2は電子顕微鏡による拡大写真により 求めることができる。直線描写の場合は長さ 500 mの直線の平均線幅を L2として 採用できる。印刷の外形が凹凸などにより測定困難な場合は、透明フィルムに外形を トレースし、その重量力も換算して印刷幅 L2を求めることができる。図 4の上図は版の 開口部が直線の場合の L1と L2との関係を示す説明図であり、図 4の下図は版の開 口部が円の場合の L1と L2との関係を示す説明図である。 L2ZL1力^). 8〜1. 2の 範囲であれば、印刷描写再現性に優れた優良な印刷 (配線)と判断できる。版の開 孔幅 L1の範囲は、例えば 10〜: LOOO m (好ましくは 10〜500 m、さらに好ましく は 15〜: LOO m)である。 L2ZL1の値は、好ましくは 0. 9〜1. 1の範囲である。多 孔質フィルム層に版を用いて印刷を施す場合には、印刷インク (ペースト)が多孔質 フィルム(多孔膜)と接すると同時にインク中の主溶剤が多孔質フィルムに吸液され、 インクの粘度が上昇し、流動性が無くなり、多孔質フィルム上で拡散しないため、種 々のインク (ペースト)による印刷描写再現性に優れた印刷が可能である。一方、通 常の PETフィルムや PIフィルムなどでは、版を用いて印刷を施すと、印刷インク(ぺー スト)がフィルム表面において周辺に拡がるため、印刷描写再現性の良好な印刷が
困難である。
[0290] 本発明にお 、て、多孔質フィルム層としては、連通性を有する微小孔 (連続微小孔 )が多数、均一に存在するものが好ましい。多孔質フィルム層としては、印刷部の最 表面力も少なくとも 10 mが均質な多孔質であることが好ましぐ印刷部の最表面か ら少なくとも 20 mが均質な多孔質であることがより好ましい。特に多孔質フィルム層 全体が均質な多孔質であることが望ま 、。
[0291] 多孔質フィルム層の平均孔径(フィルム表面の平均孔径)は、好ましくは 0. 01-20 m (例えば 0. 01〜10 m)であり、さらに好ましくは 0. 5〜15 m、特に好ましく は 1〜: LO /z mである。孔のサイズが小さすぎると、印刷インクの浸透性が低下し印刷 の密着性が低下しやすくなる。また、孔のサイズが大きすぎると、インクの投錨性が低 下してやはり印刷の密着性が低下しやすくなつたり、インクが拡散して線がにじみ直 線描写性が低下しやすくなるとともに、機械的強度が低下して変形しやすくなる。多 孔質フィルム層の平均孔径が上記の範囲にある場合には、インクが多孔質フィルム 層に円滑に吸収されるとともに高 、投錨効果が得られるため、印刷の密着強度が極 めて高くなるとともに、インクの拡散が抑制されて優れた細線描写性が得られる。
[0292] 多孔質フィルム層の空孔率(空隙率)は、例えば 30〜80%、好ましくは 40〜80% 、さらに好ましくは 50〜80%である。空孔率が低すぎると、印刷インクの浸透性が低 下し印刷の密着性が低下しやすくなる。一方、空孔率が高すぎると、機械的強度に 劣る場合がある。また、多孔質フィルム層の表面の開孔率 (表面開孔率)としては、例 えば 30%以上(例えば 30〜80%)であり、好ましくは 50〜80%程度である。表面開 孔率が低すぎると、印刷インクの浸透性が低下し印刷の密着性が低下しやすくなる。 一方、表面開孔率が高すぎると、機械的強度が低下しやすくなる。
[0293] 多孔質フィルム層の厚みは、例えば 0. 1-100 μ mである。印刷物の基体 (被印刷 体)が多孔質フィルム層単体である場合には、多孔質フィルム層の厚みは、好ましく は 5〜: LOO /z m さらに好ましくは 25〜70 /ζ πιである。また、印刷物の基体 (被印刷 体)が緻密層等の支持体と多孔質フィルム層との積層体である場合には、多孔質フィ ルム層の厚みは、好ましくは 0. 1〜25 /ζ πι、さらに好ましくは 1〜: LO /z mである。多 孔質フィルム層の厚みが薄くなりすぎると印刷インク (ペースト)の主溶剤の吸収性に
劣り、一方厚すぎる場合には孔径分布を均一に制御することが困難になりやすい。 多孔質フィルム層の厚みは、平均孔径の 2倍以上であるのが好ましぐ特に好ましく は 10倍以上である。
[0294] 多孔質フィルム層の 2つの表面の微小孔の平均孔径は、多孔質フィルム層形成時 の微小孔の生成環境が異なることに起因して、互いに異なる空孔特性を有することが ある。例えば、多孔質フィルムを構成する榭脂を溶解したポリマー溶液を基材 (基板) 上へフィルム状に流延した後、凝固させることを基本とする相転換法により多孔質フィ ルムを製造する場合、得られる多孔質フィルムは、基材と接触していない側の表面( 空気側表面)と、基材と接触して!/ヽる側の表面 (基材側表面)にお!ヽて、微小孔形成 環境が異なるので、それぞれ異なる空孔特性を有している場合が多い。本発明にお いては、多孔質フィルム層の一方の面側の微小孔の平均孔径 φ Aと他方の面側の 微小孔の平均孔径 Φ Βとは、 0. 1≤ φ ΑΖ φ Β≤10の関係を満たしているのが好ま しい。 φ Α, φ Βが 0. 1未満や 10を超える場合には、フィルム両面に設けられている 微小孔のノランスが悪ぐ細線描写性が低下しやすくなる。また、 φ Αを多孔質フィル ムの空気側表面の微小孔の平均孔径とし、 φ Bを基材側表面の微小孔の平均孔径 とすると、 0. 15≤ φ ΑΖ φ Β≤8力 子ましく、 0. 2≤ φ ΑΖ φ Β≤5がさらに好ましい 。なお、 φ ΑΖ φ Βの値は、多孔質フィルムの製造条件を適宜設定することにより調 整できる。具体的には、例えば、多孔質フィルムを構成する素材を含むポリマー溶液 を流延する基材の種類、該基材の表面特性、微小孔形成時の雰囲気 (温度、湿度 等)を適宜設定することにより制御することができる。
[0295] 多孔質フィルム層に存在する微小孔の連通性は、透気度を表すガーレー値、及び 純水透過速度などを指標とすることができる。多孔質フィルム層のガーレー値は、好 ましくは 0. 2〜: L00秒 Zl00cc、さらに好ましくは 1〜50秒/ lOOccである。数値が 大きすぎると、印刷インキの溶剤の吸収性が低下しやすくなり、一方、数値が小さす ぎると、機械的強度に劣る可能性がある。
[0296] 多孔質フィルム層の印刷が施されて 、る側の面の平均孔径 Aと印刷の直線部の幅 Wの関係としては、 WZA≥5であるのが好ましぐより好ましくは WZA≥ 10である。 WZAが 5未満である場合には、印刷インク等の投錨性が低下して印刷の密着性が
低下したり、インクが拡散して線がにじみ細線描写性が低下しやすくなる。
[0297] 本発明の印刷物は、少なくとも平均ライン幅が 10〜1000 μ mで、長さが 500 μ m 以上の直線部を有して 、るが、これより幅の狭!、直線部やこれより幅の広 、直線部、 非直線部等をさらに有して 、てもよ 、。
[0298] 多孔質フィルム層を構成する材料 (素材)としては、絶縁性を有するものが好ましぐ 榭脂が好適である。榭脂としては、例えば、ポリイミド系榭脂、ポリアミドイミド系榭脂、 ポリエーテルスルホン系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカーボネート系榭脂、 ポリアリレート系樹脂、ポリフエ二レンスルフイド系樹脂、液晶'性ポリエステノレ系榭脂、 芳香族ポリアミド系榭脂、ポリアミド系榭脂、ポリベンゾォキサゾール系榭脂、ポリベン ゾイミダゾール系榭脂、ポリべンゾチアゾール系榭脂、ポリスルホン系榭脂、セルロー ス系榭脂、アクリル系榭脂、エポキシ榭脂、ポリオレフイン系榭脂(ポリメチルペンテン 系榭脂、環状ポリオレフイン系榭脂など)、フッ素系榭脂 (ポリフッ化ビ-リデン系榭脂 など)などが挙げられる。なかでも、耐熱性があり、機械的強度、耐薬品性、電気特性 に優れているという観点から、ポリイミド系榭脂、ポリアミドイミド系榭脂、ポリエーテル スルホン系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカーボネート系榭脂、芳香族ポリアミ ド系榭脂、ポリアミド系榭脂、ポリベンゾォキサゾール系榭脂、ポリべンゾイミダゾール 系榭脂、ポリスルホン系榭脂、セルロース系榭脂等が好適であり、特に、ポリアミドイミ ド系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカーボネート系榭脂、ポリエーテルスルホン 系榭脂が好ましい。榭脂は共重合体でもよぐグラフト重合体でもよい。これらの材料 は単独で又は 2種以上を組み合わせて用いることができる。また、多孔質フィルム層 は、層表面及び孔の内表面が耐薬品性高分子化合物で被覆されて 、てもよ 、。
[0299] 多孔質フィルム層は単独で印刷物の基体 (被印刷体)として用いることができるが、 多孔質フィルム層力 例えば実質的に孔を有しない緻密層等の支持体の片面又は 両面に形成されて ヽる積層体を印刷物の基材として用いてもょ ヽ。このような積層体 を用いることにより、基材の機械的強度を高くすることができる。印刷物の基体 (被印 刷体)が多孔質フィルム層単体の場合、多孔質フィルム層の片面又は両面に印刷す ることができ、従って片面又は両面に回路等を形成できる。また、印刷物の基体 (被 印刷体)が支持体とその片面又は両面に設けられた多孔質フィルム層とで構成され
る積層体の場合にも、該基体の片面又は両面に印刷することができ、従って片面又 は両面に回路等を形成できる。
[0300] 前記支持体を構成する材料 (素材)としては、特に制限されず、榭脂、繊維、金属、 セラミックなどの種々の材料を使用できる。支持体は、フィルム状、繊維状、板状等の 何れの形状であってもよい。支持体を構成する材料の代表例として、例えば、ポリイミ ド系榭脂、ポリアミドイミド系榭脂、ポリエーテルスルホン系榭脂、ポリエーテルイミド系 榭脂、ポリカーボネート系榭脂、ポリアリレート系榭脂、ポリフエ二レンスルフイド系榭 脂、液晶性ポリエステル系榭脂、ポリエステル榭脂、芳香族ポリアミド系榭脂、ポリアミ ド系榭脂、ポリベンゾォキサゾール系榭脂、ポリべンゾイミダゾール系榭脂、ポリベン ゾチアゾール系榭脂、ポリスルホン系榭脂、ポリオレフイン系榭脂、セルロース系榭脂 、アクリル系榭脂、フッ素系榭脂、ウレタン系榭脂、シリコーン榭脂、エポキシ榭脂、な どのプラスチックス;鉄、アルミニウム、銅、チタン、スズ、亜鉛等の金属;ガラス、セラミ ッタス、コンクリート、岩石等の無機物;木材、竹等が例示される。これらの素材は単独 で又は 2種以上を組み合わせて使用できる。支持体としては、取り扱いの容易性、強 度、耐熱性などの点から、ポリイミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートゃポリエチレ ンナフタレート、ァラミドなどのフィルム、ガラスエポキシ基板などが好適である。
[0301] 支持体の厚みは、例えば 1〜300 μ m、好ましくは 5〜: LOO μ mである。厚みが薄く なりすぎると取り扱いが困難になり、一方厚すぎる場合には柔軟性が低下する場合が ある。
[0302] 本発明の印刷物において、多孔質フィルム層は相転換法により形成することができ る。例えば、多孔質フィルム層を構成する素材 (榭脂成分)、水溶性ポリマー、極性溶 媒、及び必要により水からなる混合溶液を、均質な基板上へ流延した後、凝固液に 導く湿式相転換法により多孔質フィルム層を形成できる。多孔質フィルム層を構成す る素材 (榭脂成分)としては、水溶性の極性溶媒に溶解し、且つ相転換法によりフィ ルムを形成しうるものが好ましぐ具体的には、前記多孔質フィルム層を構成する榭 脂として例示したものを用いることができる。なお、この樹脂の代わりに、該榭脂の単 量体成分 (原料)やそのオリゴマーなどの前駆体を用いてもよい。例えば、ポリイミド系 榭脂からなる多孔質フィルム層を得る場合には、ポリイミド系榭脂の前駆体 (ポリイミド
系前駆体)であるポリアミック酸を使用して同様の方法により多孔質フィルム層を得た 後、熱イミドィ匕又は化学的イミドィ匕により所望のポリイミド系榭脂からなる多孔質フィル ムを得ることができる。
[0303] 流延に付すポリマー溶液への水溶性ポリマーや水の添カ卩は、膜構造をスポンジ状 に多孔化するために効果的である。水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレング リコール、ポリビュルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリビュルアルコール、ポリア クリル酸、多糖類等やその誘導体、及びこれらの混合物などが挙げられる。なかでも ポリビュルピロリドンは、フィルム内部におけるボイドの形成を抑制し、フィルムの機械 的強度を向上しうる点で好ましい。これらの水溶性ポリマーは単独で又は 2種以上を 組み合わせて使用できる。多孔化の観点から、水溶性ポリマーの分子量は、例えば 2 00以上、好ましくは 300以上、より好ましくは 400以上(例えば 400〜20万程度)、特 に好ましくは 1000以上(例えば 1000〜20万程度)である。
[0304] 水溶性ポリマーは、特に膜構造をスポンジ状にするのに非常に有効であり、水溶性 ポリマーの種類と量を変更する事により多様な構造を得ることが可能となり、重要な添 加剤である。しかし、水溶性ポリマーは最終的には不必要な成分であるので、水等に 浸漬して多孔質層を凝固させる時に洗浄除去されるものである。乾式相転換法及び 湿式相転換法の何れの方法によっても多孔性構造の形成は可能であるが、上記の 点から、湿式相転換法により多孔性構造を形成するのが望ま ヽ。
[0305] 前記極性溶媒としては、使用する榭脂の化学骨格に応じて溶解性を有するもの(良 溶媒)を使用することができる。ポリアミドイミド系榭脂、ポリアミック酸、ポリエーテルィ ミド系榭脂、ポリカーボネート系榭脂等の良溶媒としては、例えば、ジメチルァセトアミ ド(DMAc)、 N—メチルー 2—ピロリドン(NMP)、 N, N—ジメチルホルムアミド、 NM PZキシレン、 NMPZキシレン Zメチルェチルケトン、エチルアルコール Zトルエン、 ジメチルスルホキシド、 2—ピロリドン等が挙げられる。極性溶媒は単独で又は 2種以 上を組み合わせて使用できる。
[0306] 流延に付すポリマー溶液としては、例えば、多孔質フィルム層を構成する素材とな る高分子成分 8〜25重量%、水溶性ポリマー 10〜50重量%、水 0〜10重量%、水 溶性極性溶媒 30〜82重量%からなる混合溶液などが好ましい。
[0307] 前記ポリマー溶液は、多孔質フィルム層の主体となるポリマー(高分子成分)の濃度 が低すぎるとフィルムの強度が弱くなり、また高すぎると空孔率が小さくなる。該ポリマ 一溶液を構成する水溶性ポリマーは、フィルム内部を均質なスポンジ状の多孔構造 にするために添加するが、この際に濃度が低すぎるとフィルム内部に 10 mを超える ような巨大ボイドが発生し均質性が低下し、濃度が高すぎると溶解性が悪くなる。水 の添加量はボイド径の調整に用いることができ、添加量を増やすことで径を大きくす ることが可能となる。
[0308] ポリマー溶液を流延する際に用いる均質な基板の材料 (素材)としては、前記積層 体における支持体を構成する材料 (素材)として例示したものなどが挙げられる。均質 な基板として、表面素材と内部素材とが異なる複数の素材を組み合わせた複合フィ ルム又はシートを用いることもできる。複合フィルム又はシートは貼り合わせにより形 成されてもよいし、コーティング、蒸着、スパッタ等の表面処理によって得られるもので もよい。また、表面に、易接着処理、静電気防止処理、サンドブラスト処理、コロナ放 電処理等が施されたものを使用することもできる。ここで用いる均質な基板を、そのま ま前記積層体における支持体として使用する場合には、多孔質フィルム層を構成す る材料と親和性を有する素材 (例えば、同種のモノマー単位を有する榭脂等)、或い は榭脂に易接着処理やコロナ放電処理等の表面処理を施したものを選択して使用 するのが好ましい。
[0309] 前記ポリマー溶液をフィルム状に流延する際の好ましい条件としては、相対湿度 70 〜100% (好ましくは 90〜: LOO%)、温度 15〜90。C (好ましくは 30〜80。C)であり、 特に好ましい条件は、相対湿度約 100% (例えば、 95〜100%)、 40〜70°Cである 。空気中の水分量がこれよりも少ない場合は、表面の開孔率が充分でなくなる不具 合が発生する場合がある。ポリマー溶液をフィルム状に流延する際に、該フィルムを 相対湿度 70〜100%、温度 15〜90°Cからなる雰囲気下に 0. 2〜15分間保持した 後、高分子成分の非溶剤力 なる凝固液に導くのが望ましい。流延後のフィルム状 物を上記条件におくことにより、多孔質フィルム層を均質で連通性の高い状態にする ことができる。この理由としては、加湿下に置くことにより水分がフィルム表面から内部 へと侵入し、ポリマー溶液の相分離を効率的に促進するためと考えられる。
[0310] 相転換法に用いる凝固液としては、ポリマー成分を凝固させる溶剤であればよぐ 高分子成分として使用する榭脂の種類によって適宜選択されるが、例えば、ポリアミ ドイミド系榭脂、ポリアミック酸、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカーボネート系榭脂等 を凝固させる溶剤として、例えば、水;メタノール、エタノール等の 1価アルコール、グ リセリン等の多価アルコールなどのアルコール;ポリエチレングリコール等の水溶性高 分子;これらの混合物などの水溶性凝固液などが使用できる。
[0311] 凝固液に導かれて析出した多孔質フィルムは、均質な基材を前記積層体における 支持体として使用する場合には、そのまま乾燥に付すことにより、支持体と多孔質フィ ルム層との積層体 (被印刷体)を得ることができる。支持体の両面に多孔質フィルム 層を有する積層体は、支持体の片面に多孔質フィルム層を形成した後、再度上記の 操作を行うことにより製造できる。また、凝固液に導かれて析出した多孔質フィルムを 均質な基材力 支持板上へ転写して乾燥に付すことにより、多孔質フィルム層を単体 として取得することができる。この多孔質フィルム層は単体で配線基板の基材として 使用できる。前記支持板としては、凝固液耐性を有する材質からなるとともに、乾燥 速度を速くするため、フィルムと接触する側の表面に微小孔が多数存在しているもの 、特に凝固溶媒を適切な速度で透過することができる程度の透過性を有するものが 好ましい。このような支持板は、例えば、透気度が 1000秒 ZlOOcc未満 (好ましくは 100秒 ZlOOcc未満)、膜厚力 〜 1000 m (好ましくは 50〜500 μ m)、フィルム 断面方向に貫通した 0. 01〜10 111(好ましくは0. 03〜1 /ζ πι)の孔が十分な密度 で分散している。具体的には、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン 等のポリオレフイン、セルロース、テフロン (登録商標)などを材料とした不織布或いは 多孔膜などが利用できる。なお、こうして得られた多孔質フィルム単体を別途準備し た支持体 (緻密層等)上に、例えば接着剤等を用いた慣用のフィルム積層手段により 積層して、前記支持体の片面又は両面に多孔質フィルム層を有する積層体 (被印刷 体)を得ることちできる。
[0312] 上記の方法により形成した多孔質フィルム (層)には、さらに、前駆体の重合ゃ耐薬 品性の向上のため、熱、可視光線、紫外線、電子線、放射線等を用いて重合を進行 させたり、架橋 (硬化)処理を施してもよい。例えば、前述したように、ポリイミド系前駆
体を用 、て成形したフィルムには、さらに熱イミドィ匕ある 、は化学イミド化等を施すこと によりポリイミド系榭脂からなる多孔質フィルム層を得ることができる。また、ポリアミドィ ミド系榭脂等を用いて多孔質フィルム層を形成したフィルムは熱架橋を施すことがで きる。また、得られた多孔質フィルム (層)を耐薬品性を有するポリマーの溶液に浸漬 し、乾燥して、フィルム表面及び孔の内表面に耐薬品性被膜を形成してもよい。耐薬 品性を有するポリマーとしては、例えば、フエノール系榭脂、尿素系榭脂、メラミン系 榭脂、ベンゾグアナミン系榭脂、ポリイミド系榭脂、エポキシ榭脂、ベンゾォキサジン 系榭脂、ポリプロピレン系榭脂、ポリウレタン系榭脂、フッ素系榭脂、アルキド系榭脂 、酢酸セルロース系榭脂、フタル酸系榭脂、マレイン酸系榭脂、ケィ素系榭脂、トリア ジン系榭脂、フラン系榭脂、ポリエステル系榭脂、キシレン系榭脂、ポリビュルアルコ ール、エチレン ビニルアルコール共重合体、キチン、キトサン等が挙げられる。
[0313] 上記方法によれば、例えば、連通性を有する微小孔が多数、均一に存在するポリ アミドイミド系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカーボネート系榭脂、ポリエーテル スルホン系榭脂等の樹脂で構成された多孔質フィルム層であって、該多孔質フィル ム層の微小孔の平均孔径が 0. 01〜10 /ζ πι、空孔率が 30〜80%であり、厚みが 0. 1-100 μ mである多孔質フィルム(層)を得ることができる。
[0314] 多孔質フィルム層の微小孔の径、空孔率、開孔率は、上記のように、ポリマー溶液 の構成成分の種類や量、水の使用量、流延時の湿度、温度及び時間、流延に用い る均質な基板の種類、後処理などを適宜選択することにより所望の値に調整すること ができる。
[0315] 本発明の印刷物 1, 2は、例えば上記のようにして得られる連通性を有する微小孔 が多数存在し、平均孔径が 0. 01〜10 mである多孔質フィルム層の少なくとも片面 に、少なくとも平均ライン幅 10〜: LOOO μ mで長さ 500 μ m以上の直線部を有する印 刷を施すことにより製造できる。この多孔質フィルム層は相転換法、特に前記のような 湿式相転換法により形成された榭脂層であるのが好ま ヽ。前記多孔質フィルム層 は、前記のように、単体で印刷物の基体となりうるが、実質的に孔を有しない緻密層 等の支持体の片面又は両面に平均孔径 0. 01〜20 /z mの多孔質フィルム層が積層 された積層体も印刷物の基体となる。
[0316] 多孔質フィルム層の表面に印刷を施す方法としては、特に限定されず、例えば、ィ ンクジェット方式、スクリーン印刷、オフセット印刷、昇華 (溶融)方式、感熱方式、ダラ ビア印刷、レーザー印刷、ペースト描写、ナノコンタクトプリントなどの何れであっても よい。これらの印刷法は公知乃至慣用の方法で行うことができる。これらのなかでも、 スクリーンメッシュ又はメタルマスクを通じてペーストを押し出すことにより印刷を施す 方法が好ましい。
[0317] 本発明の印刷物 3は、例えば上記のようにして得られる連通性を有する微小孔が多 数存在し、平均孔径が 0. 01〜10 /ζ πιである多孔質フィルム層の少なくとも片面に、 版を用いて印刷を施すことにより製造できる。この多孔質フィルム層は相転換法、特 に前記のような湿式相転換法により形成された榭脂層であるのが好まし ヽ。前記多孔 質フィルム層は、前記のように、単体で印刷物の基体となりうる力 実質的に孔を有し ない緻密層等の支持体の片面又は両面に平均孔径 0. 01〜10 mの多孔質フィル ム層が積層された積層体も印刷物の基体となる。
[0318] 多孔質フィルム層の表面に版を用いて印刷を施す方法としては、特に限定されず、 例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷などの何れであってもよい。こ れらの印刷法は公知乃至慣用の方法で行うことができる。これらのなかでも、スクリー ンメッシュ又はメタルマスクを通じてペーストを押し出すことにより印刷を施す方法が 好ましい。
[0319] 以下、印刷により印刷物を作製する代表的な例として、多孔質フィルム層の表面に 導電インク又は導体ペーストを印刷して導電配線 (回路)を形成することにより印刷配 線基板を作製する方法につ!ヽて説明する。このような導電配線を形成する具体的な 方法として、例えば、(1)多孔質フィルム層の表面に、導電インクをインクジェット方式 で適用して導体配線を形成する方法、 (2)配線パターン状に凹凸を形成した版に導 電インクを塗布し、これを多孔質フィルム層の表面に転写して導体配線を形成する方 法、(3)多孔質フィルム層の表面に、導体ペーストをシリンジ力も押出し、描写するこ とで導体配線を形成する方法、(4)多孔質フィルム層の表面に、導体ペーストをスクリ ーン印刷により描写することで導体配線を形成する方法などが挙げられる。
[0320] 導電インクとしては、特に限定されず、例えば、金インク、銀インク、銀ナノメタルイン
ク、銅インク、カーボンインク、銀一カーボンインクなどを使用できる。また、導体ぺー ストとしては、特に限定されず、例えば、銀導体ペースト、銅導体ペースト、金導体べ 一スト、パラジウム導体ペースト、パラジウム—銀導体ペースト、白金導体ペースト、白 金 銀導体ペースト、ニッケル導体ペーストなどを使用できる。なお、上記の方法に お!ヽては、形成された導体配線上にさらに慣用の方法でメツキを施してもょ ヽ。
[0321] また、導体配線を印刷により形成する他の代表的な方法として、メツキ触媒を多孔 質フィルム層上に印刷した後、メツキを施す方法、例えば、(5)多孔質フィルム層の表 面に、配線パターン状にメツキ触媒をインクジェット方式で印刷した後、メツキを施して 導体配線を形成する方法、 (6)配線パターン状に凹凸を形成した版にメツキ触媒を 塗布し、これを多孔質フィルム層の表面に転写した後、メツキを施して導体配線を形 成する方法、(7)多孔質フィルム層の表面に、メツキ触媒をシリンジ力 押出して配線 パターン状に描写した後、メツキを施して導体配線を形成する方法、(8)多孔質フィ ルム層の表面に、メツキ触媒をスクリーン印刷により配線パターン状に描写した後、メ ツキを施して導体配線を形成する方法などが挙げられる。
[0322] メツキ触媒としては、無電解メツキ処理の触媒として作用する金属の塩を使用できる 。具体的には、例えば、金、銀及び銅力 なる銅族元素、パラジウム及び白金等の白 金族元素、並びにニッケル等の鉄族元素力 選ばれる金属のォキシカルボン酸塩 ( クェン酸塩、酒石酸塩等)又は無機金属塩 (硫酸塩、塩酸塩等)などが挙げられる。メ ツキ触媒の印刷は、例えば、メツキ触媒と、適宜なビヒクルと、必要に応じて添加剤等 とを含むインキを調製し、これを適宜な印刷法で印刷することにより行うことできる。メ ツキ触媒の印刷後、メツキ触媒を還元処理して金属とした後、無電解メツキ処理、必 要に応じてさらに電気メツキ処理を施すことにより導体配線を形成できる。メツキ触媒 の還元処理には、例えば、次亜リン酸又はその塩、ヒドラジン又はその塩、水素化ホ ゥ素系化合物、ァミノボラン系化合物、ブドウ糖、ホルムアルデヒドなどの還元剤を用 いることができる。還元処理は、例えば、 0. 5〜10重量%の還元剤の水溶液を用い 、室温〜 50°C程度の温度で行うことができる。無電解メツキ処理は、例えば、無電解 銅メツキ液、無電解ニッケルメツキ液等を用いた公知の方法で行うことができる。また 、電気メツキ処理も、例えば硫酸銅等を用いた公知の方法で行うことができる。
[0323] 印刷に用いる印刷インク又はペーストとしては、少なくとも固形物(固形分)と溶剤か らなるインク又はペーストが用いられるが、多孔質フィルム層表面での接触角が、該 多孔質フィルム層表面に 1 μ 1の液滴を滴下して 300 sec以内に 60° 以下(より好 ましくは 50° 以下、さらに好ましくは 40° 以下)となるような液体、特に、多孔質フィ ルム層表面に 1 1の液滴を滴下して 300 sec以内に 60° 以下(より好ましくは 50 ° 以下、さらに好ましくは 40° 以下)となり、且つ 300 /z sec経過時の液滴半径が 16 00 μ m以下(好ましくは 1500 μ m以下、さらに好ましくは 1400 μ m以下)である液 体を主溶剤(最も多く含まれて 、る溶剤)として含む印刷インク又はペーストが好まし い。このような印刷インク又はペーストを用いると、印刷インク又はペースト中の溶剤 が多孔質フィルム層の孔へ速やかに吸収され、インク又はペーストの粘度が上昇し、 インク又はペーストの流動性が無くなり、多孔質フィルム層表面にインク又はペースト 中の固形分が残るので、滲みが発生せず、細線描写性に優れた印刷物を得ることが できる。
[0324] 印刷インク又はペースト中の固形物(固形分)としては、配線やインダクタ、発光体、 抵抗体、コンデンサや半導体形成の目的により選定することができ、公知の無機物、 有機物など用いることができる。無機物の例としては、金属 (金、銀、銅、ニッケル、ァ ルミ-ゥムなど)やガラス、無機 EL材料(ZnS、 Mn/CdSSe, ZnS :TbOF、 ZnS :T b、 SrS : Ce、 (SrS : CeZnS) 、 CaCa S : Ce、 SrGa S : Ce、 SrS : Ce/ZnS : Mn n 2 4 2 4
など)、カーボン、その他無機材料 (シリカ、ジルコユアなどのセラミック材料など)が用 いることができる。有機物としては有機顔料、導電性高分子、有機半導体材料 (ペン タセン類ゃチオフ ン類など)を用いることができる。固形分の形状は特に限定され ず、印刷性を阻害しないものであればよぐ粒子状、フレーク状、繊維状など燐片状、 中空粒子、中空繊維状など様々な形状のものを使用することができる。
[0325] 印刷インク又はペースト中の溶剤としては、印刷インク又はペースト中の樹脂の種 類等により適宜選択でき、例えば、炭化水素系溶剤、ハロゲン化炭化水素系溶剤、 アルコール系溶剤、フエノール系溶剤、ケトン系溶剤、脂肪酸'酸無水物、エステル 系溶剤、含窒素'含硫黄極性溶剤、水などを使用できる。具体的には、例えば、トル ェン、テルピネオール、デカリン、テトラデカン、デカノール、ジエチレングリコールモ
ノエチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノブチノレエーテノレエチレングリコーノレモノ メチノレエーテノレ、エチレングリコーノレモノェチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノ メチノレエーテル、 トリエチレングリコーノレモノメチノレエーテル、プロピレングリコーノレモ ノメチノレエーテル、ジプロピレングリコーノレモノメチノレエーテル、プロピレングリコーノレ モノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコ ールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ェ チレングリコーノレモノブチノレエーテノレ、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリ エチレングリコーノレモノブチノレエーテノレ、プロピレングリコーノレモノブチノレエーテノレ、 ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエー テル、ジエチレングリコーノレモノイソブチノレエーテル、エチレングリコーノレモノへキシ ノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノへキシノレエーテノレ、エチレングリコーノレモノ 2 ーェチノレへキシノレエーテノレ、エチレングリコーノレモノァリノレエーテノレ、エチレングリコ 一ノレモノフエニノレエーテノレ、エチレングリコーノレジメチノレエーテノレ、ジエチレングリコ ーノレジメチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレジェチノレエーテノレ、ジエチレングリコー ルジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ブチルカルビトール アセテート、ターピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブタノール、プロパンジ オール、ブタンジオール、ペンタンジオール、エチレングリコール、グリセリン、水など が挙げられる。これらの溶剤は 1種単独で使用してもよぐ 2種以上を混合して使用し てもよい。なお、インク溶剤については、特開 2004— 319281号公報、特開 2004— 111057号公報、特開 2006— 059669号公報、特開 2004— 143325号公報など に技術開示されている。
また、印刷に用いる印刷インク又はペーストとしては、粘度が 0. 05〜: LPa' sの印刷 インク又はペーストが好ましい。このような印刷インク又はペーストを用いる場合にも、 印刷インク又はペースト中の溶剤が多孔質フィルム層の孔へ速やかに吸収され、多 孔質フィルム層表面に固形分が残るため、滲みが発生せず、細線描写性に優れた 印刷物を得ることができる。なお、印刷インク又はペーストの粘度は、固形分の種類 や濃度、榭脂等の添加物の種類や濃度、溶剤の種類等を変えることにより調整でき る。
[0327] 本発明の印刷パターンの製造方法は、(1)多孔質フィルム層に印刷を施す工程、 ( 2A)印刷を施した多孔質フィルム層を溶剤と接触させる工程、及び(3A)溶剤を乾燥 させる工程、を経ることにより緻密化された層を形成する工程を含むものである。図 2 7は本発明の印刷パターンの製造方法の一例を示す各工程の説明図(断面図による )である。 1は多孔質フィルム層、 6は支持体、 7は印刷、 8は溶剤、 9は溶剤がしみ込 んだ多孔質フィルム層、 11は緻密化された層を示す。
[0328] [工程(1) ]
工程(1)では多孔質フィルム層 1に印刷 7を施す。多孔質フィルム層としては、連通 性を有する微小孔 (連続微小孔)が多数、均一に存在するものが好ましい。多孔質フ イルム層としては、印刷部の最表面力も少なくとも 10% (厚み全体に対して)が均質な 多孔質であることが好ましぐ印刷部の最表面力 少なくとも 20% (厚み全体に対し て)が均質な多孔質であることがより好ましい。特に多孔質フィルム層全体が均質な 多孔質であることが望ましい。
[0329] 多孔質フィルム層の平均孔径(フィルム表面の平均孔径)は、好ましくは 0. 01-20 m (例えば 0. 01〜10 m)であり、さらに好ましくは 0. 5〜15 m、特に好ましく は 1〜: LO /z mである。孔のサイズが小さすぎると、印刷インクの浸透性が低下し印刷 の密着性が低下しやすくなる。また、孔のサイズが大きすぎると、インクの投錨性が低 下してやはり印刷の密着性が低下しやすくなつたり、インクが拡散して線がにじみ直 線描写性が低下しやすくなるとともに、機械的強度が低下して変形しやすくなる。多 孔質フィルム層の平均孔径が上記の範囲にある場合には、インクが多孔質フィルム 層に円滑に吸収されるとともに高 、投錨効果が得られるため、印刷の密着強度が極 めて高くなるとともに、インクの拡散が抑制されて優れた細線描写性が得られる。
[0330] 多孔質フィルム層の空孔率(空隙率)は、例えば 30〜80%、好ましくは 40〜80% 、さらに好ましくは 50〜80%である。空孔率が低すぎると、印刷インクの浸透性が低 下し印刷の密着性が低下しやすくなる。一方、空孔率が高すぎると、機械的強度に 劣る場合がある。また、多孔質フィルム層の表面の開孔率 (表面開孔率)としては、例 えば 30%以上(例えば 30〜80%)であり、好ましくは 50〜80%程度である。表面開 孔率が低すぎると、印刷インクの浸透性が低下し印刷の密着性が低下しやすくなる。
一方、表面開孔率が高すぎると、機械的強度が低下しやすくなる。
[0331] 多孔質フィルム層の厚みは、例えば 0. 1-100 μ mである。印刷物の基体 (被印刷 体)が多孔質フィルム層単体である場合には、多孔質フィルム層の厚みは、好ましく は 5〜: LOO /z m さらに好ましくは 25〜70 /ζ πιである。また、印刷物の基体 (被印刷 体)が緻密層等の支持体と多孔質フィルム層との積層体である場合には、多孔質フィ ルム層の厚みは、好ましくは 0. 1〜25 /ζ πι、さらに好ましくは 1〜: LO /z mである。多 孔質フィルム層の厚みが薄くなりすぎると印刷インク (ペースト)の主溶剤の吸収性に 劣り、一方厚すぎる場合には孔径分布を均一に制御することが困難になりやすい。 多孔質フィルム層の厚みは、平均孔径の 2倍以上であるのが好ましぐ特に好ましく は 10倍以上である。
[0332] 多孔質フィルム層の 2つの表面の微小孔の平均孔径は、多孔質フィルム層形成時 の微小孔の生成環境が異なることに起因して、互いに異なる空孔特性を有することが ある。例えば、多孔質フィルムを構成する榭脂を溶解したポリマー溶液を基材 (基板) 上へフィルム状に流延した後、凝固させることを基本とする相転換法により多孔質フィ ルムを製造する場合、得られる多孔質フィルムは、基材と接触していない側の表面( 空気側表面)と、基材と接触して!/ヽる側の表面 (基材側表面)にお!ヽて、微小孔形成 環境が異なるので、それぞれ異なる空孔特性を有している場合が多い。本発明にお いては、多孔質フィルム層の一方の面側の微小孔の平均孔径 φ Aと他方の面側の 微小孔の平均孔径 Φ Βとは、 0. 1≤ φ ΑΖ φ Β≤10の関係を満たしているのが好ま しい。 φ Α, φ Βが 0. 1未満や 10を超える場合には、フィルム両面に設けられている 微小孔のノ ランスが悪ぐ細線描写性が低下しやすくなる。また、 φ Αを多孔質フィル ムの空気側表面の微小孔の平均孔径とし、 φ Bを基材側表面の微小孔の平均孔径 とすると、 0. 15≤ φ ΑΖ φ Β≤8力 子ましく、 0. 2≤ φ ΑΖ φ Β≤5がさらに好ましい 。なお、 φ ΑΖ φ Βの値は、多孔質フィルムの製造条件を適宜設定することにより調 整できる。具体的には、例えば、多孔質フィルムを構成する素材を含むポリマー溶液 を流延する基材の種類、該基材の表面特性、微小孔形成時の雰囲気 (温度、湿度 等)を適宜設定することにより制御することができる。
[0333] 多孔質フィルム層に存在する微小孔の連通性は、透気度を表すガーレー値、及び
純水透過速度などを指標とすることができる。多孔質フィルム層のガーレー値は、好 ましく ίま 0. 2〜: LOO禾少/ 100cc、さら【こ好ましく ίま 1〜50禾少/ 100cc、特【こ好ましく【ま 1〜: LO秒 ZlOOccである。数値が大きすぎると、印刷インキの溶剤の吸収性が低下 しゃすくなり、一方、数値が小さすぎると、機械的強度に劣る可能性がある。
[0334] 多孔質フィルム層を構成する材料 (素材)としては、絶縁性を有するものが好ましぐ 榭脂が好適である。榭脂としては、例えば、ポリイミド系榭脂、ポリアミドイミド系榭脂、 ポリエーテルスルホン系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカーボネート系榭脂、 ポリアリレート系樹脂、ポリフエ二レンスルフイド系樹脂、液晶'性ポリエステノレ系榭脂、 芳香族ポリアミド系榭脂、ポリアミド系榭脂、ポリベンゾォキサゾール系榭脂、ポリベン ゾイミダゾール系榭脂、ポリべンゾチアゾール系榭脂、ポリスルホン系榭脂、セルロー ス系榭脂、アクリル系榭脂、エポキシ榭脂、ポリオレフイン系榭脂(ポリメチルペンテン 系榭脂、環状ポリオレフイン系榭脂など)、フッ素系榭脂 (ポリフッ化ビ-リデン系榭脂 など)などが挙げられる。なかでも、耐熱性があり、機械的強度、耐薬品性、電気特性 に優れているという観点から、ポリイミド系榭脂、ポリアミドイミド系榭脂、ポリエーテル スルホン系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカーボネート系榭脂、芳香族ポリアミ ド系榭脂、ポリアミド系榭脂、ポリベンゾォキサゾール系榭脂、ポリべンゾイミダゾール 系榭脂、ポリスルホン系榭脂、セルロース系榭脂等が好適であり、特に、ポリアミドイミ ド系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカーボネート系榭脂、ポリエーテルスルホン 系榭脂が好ましい。榭脂は共重合体でもよぐグラフト重合体でもよい。これらの材料 は単独で又は 2種以上を組み合わせて用いることができる。また、多孔質フィルム層 は、層表面及び孔の内表面が耐薬品性高分子化合物で被覆されて 、てもよ 、。
[0335] 多孔質フィルム層 1は単独で印刷物の基体 (被印刷体)として用いることができるが 、多孔質フィルム層 1が、例えば実質的に孔を有しない緻密層等の支持体 6の片面 又は両面に形成されて ヽる積層体を印刷物の基材として用いてもょ ヽ。このような積 層体を用いることにより、基材の機械的強度を高くすることができる。印刷物の基体( 被印刷体)が多孔質フィルム層単体の場合、多孔質フィルム層の片面又は両面に印 刷することができ、従って片面又は両面に回路等を形成できる。また、印刷物の基体 (被印刷体)が支持体とその片面又は両面に設けられた多孔質フィルム層とで構成さ
れる積層体の場合にも、該基体の片面又は両面に印刷することができ、従って片面 又は両面に回路等を形成できる。
[0336] 前記支持体を構成する材料 (素材)としては、特に制限されず、榭脂、繊維、金属、 セラミックなどの種々の材料を使用できる。支持体は、フィルム状、繊維状、板状、箔 状等の何れの形状であってもよい。また、支持体は緻密な支持体、貫通穴を多数有 する支持体等の何れであってもよ 、。
[0337] 支持体を構成する材料の代表例として、例えば、ポリイミド系榭脂、ポリアミドイミド 系榭脂、ポリエーテルスルホン系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカーボネート 系榭脂、ポリアリレート系榭脂、ポリフエ二レンスルフイド系榭脂、液晶'性ポリエステノレ 系榭脂、ポリエステル榭脂、芳香族ポリアミド系榭脂、ポリアミド系榭脂、ポリべンゾォ キサゾ一ル系榭脂、ポリべンゾイミダゾール系榭脂、ポリべンゾチアゾール系榭脂、ポ リスルホン系榭脂、ポリオレフイン系榭脂、セルロース系榭脂、アクリル系榭脂、フッ素 系榭脂、ウレタン系榭脂、シリコーン榭脂、エポキシ榭脂、などのプラスチックス;鉄、 アルミニウム、銅、チタン、スズ、亜鉛等の金属;ガラス、セラミックス、コンクリート、岩 石等の無機物;木材、竹等が例示される。これらの素材は単独で又は 2種以上を組 み合わせて使用できる。支持体としては、取り扱いの容易性、強度、耐熱性などの点 から、ポリイミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ァラ ミドなどのフィルム、ガラスエポキシ基板などが好適である。
[0338] なお、支持体が金属箔の場合、該金属箔としては、銅箔、アルミ箔、鉄箔、ニッケル 箔、金箔、銀箔、錫箔、亜鉛箔、ステンレス箔などを使用できる。金属箔は単層であ つてもよく、同一又は異なる素材力 なる複数の層で構成された複合金属箔であって もよい。金属箔の両面のうち多孔質フィルム層とは反対側の面に、粘着剤層、或いは さらにその外側に保護フィルム (離型フィルム)が設けられていてもよい。
[0339] また、支持体が貫通穴を多数有する支持体である場合、その例として、織布 (綿繊 維等の天然繊維、ガラス繊維、 PEEK繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリべンゾォキサ ゾール繊維等の榭脂繊維などにより形成された織布など)、メッシュクロス (ポリエステ ルメッシュクロス、ナイロンメッシュクロス、カーボンメッシュクロス、テフロン(登録商標) メッシュクロス、ポリプロピレンメッシュクロス、シノレクメッシュクロス、ポリエチレンメッシ
ュクロスなど)、パンチングフィルム (PET、ポリイミド等のフィルムに打抜力卩ェ等を施 すことにより形成されたものなど)等の貫通穴を多数有するプラスチックフィルム又は シート;金網(平織金網、綾織金網、平畳織金網、綾畳織金網など)、パンチングメタ ル (金属の箔又はシートに打抜加工等を施すことにより形成されたもの)、エキスパン ドメタル、エッチングメタル等の貫通穴を多数有する金属箔又はシート等が挙げられ る。これらのなかでも、水に耐性のあるメッシュクロスが好ましく用いられる。
[0340] 支持体の厚みは、例えば 1〜300 μ m、好ましくは 5〜: LOO μ mである。厚みが薄く なりすぎると取り扱いが困難になり、一方厚すぎる場合には柔軟性が低下する場合が ある。
[0341] 多孔質フィルム層は相転換法により形成することができる。例えば、多孔質フィルム 層を構成する素材 (榭脂成分)、水溶性ポリマー、極性溶媒、及び必要により水から なる混合溶液を、均質な基板上へ流延した後、凝固液に導く湿式相転換法により多 孔質フィルム層を形成できる。多孔質フィルム層を構成する素材 (榭脂成分)としては 、水溶性の極性溶媒に溶解し、且つ相転換法によりフィルムを形成しうるものが好ま しぐ具体的には、前記多孔質フィルム層を構成する榭脂として例示したものを用い ることができる。なお、この樹脂の代わりに、該榭脂の単量体成分 (原料)やそのオリ ゴマーなどの前駆体を用いてもよい。例えば、ポリイミド系榭脂からなる多孔質フィル ム層を得る場合には、ポリイミド系榭脂の前駆体 (ポリイミド系前駆体)であるポリアミツ ク酸を使用して同様の方法により多孔質フィルム層を得た後、熱イミドィ匕又は化学的 イミドィ匕により所望のポリイミド系榭脂からなる多孔質フィルムを得ることができる。
[0342] 流延に付すポリマー溶液への水溶性ポリマーや水の添カ卩は、膜構造をスポンジ状 に多孔化するために効果的である。水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレング リコール、ポリビュルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリビュルアルコール、ポリア クリル酸、多糖類等やその誘導体、及びこれらの混合物などが挙げられる。なかでも ポリビュルピロリドンは、フィルム内部におけるボイドの形成を抑制し、フィルムの機械 的強度を向上しうる点で好ましい。これらの水溶性ポリマーは単独で又は 2種以上を 組み合わせて使用できる。多孔化の観点から、水溶性ポリマーの重量平均分子量は 、例えば 200以上、好ましくは 300以上、より好ましくは 400以上(例えば 400〜20万
程度)、特に好ましくは 1000以上 (例えば 1000〜20万程度)である。
[0343] 水溶性ポリマーは、特に膜構造をスポンジ状にするのに非常に有効であり、水溶性 ポリマーの種類と量を変更する事により多様な構造を得ることが可能となり、重要な添 加剤である。しかし、水溶性ポリマーは最終的には不必要な成分であるので、水等に 浸漬して多孔質層を凝固させる時に洗浄除去されるものである。乾式相転換法及び 湿式相転換法の何れの方法によっても多孔性構造の形成は可能であるが、上記の 点から、湿式相転換法により多孔性構造を形成するのが望ま ヽ。
[0344] 前記極性溶媒としては、使用する榭脂の化学骨格に応じて溶解性を有するもの(良 溶媒)を使用することができる。ポリアミドイミド系榭脂、ポリアミック酸、ポリエーテルィ ミド系榭脂、ポリカーボネート系榭脂等の良溶媒としては、例えば、ジメチルァセトアミ ド(DMAc)、 N—メチルー 2—ピロリドン(NMP)、 N, N—ジメチルホルムアミド、 NM PZキシレン、 NMPZキシレン Zメチルェチルケトン、エチルアルコール Zトルエン、 ジメチルスルホキシド、 2—ピロリドン等が挙げられる。極性溶媒は単独で又は 2種以 上を組み合わせて使用できる。
[0345] 流延に付すポリマー溶液としては、例えば、多孔質フィルム層を構成する素材とな る高分子成分 8〜25重量%、水溶性ポリマー 10〜50重量%、水 0〜10重量%、水 溶性極性溶媒 30〜82重量%からなる混合溶液などが好ましい。
[0346] 前記ポリマー溶液は、多孔質フィルム層の主体となるポリマー(高分子成分)の濃度 が低すぎるとフィルムの強度が弱くなり、また高すぎると空孔率が小さくなる。該ポリマ 一溶液を構成する水溶性ポリマーは、フィルム内部を均質なスポンジ状の多孔構造 にするために添加するが、この際に濃度が低すぎるとフィルム内部に 10 mを超える ような巨大ボイドが発生し均質性が低下し、濃度が高すぎると溶解性が悪くなる。水 の添加量はボイド径の調整に用いることができ、添加量を増やすことで径を大きくす ることが可能となる。
[0347] ポリマー溶液を流延する際に用いる均質な基板の材料 (素材)としては、前記積層 体における支持体を構成する材料 (素材)として例示したものなどが挙げられる。均質 な基板として、表面素材と内部素材とが異なる複数の素材を組み合わせた複合フィ ルム又はシートを用いることもできる。複合フィルム又はシートは貼り合わせにより形
成されてもよいし、コーティング、蒸着、スパッタ等の表面処理によって得られるもので もよい。また、表面に、易接着処理、静電気防止処理、サンドブラスト処理、コロナ放 電処理等が施されたものを使用することもできる。ここで用いる均質な基板を、そのま ま前記積層体における支持体として使用する場合には、多孔質フィルム層を構成す る材料と親和性を有する素材 (例えば、同種のモノマー単位を有する榭脂等)、或い は榭脂に易接着処理やコロナ放電処理等の表面処理を施したものを選択して使用 するのが好ましい。
[0348] 前記ポリマー溶液をフィルム状に流延する際の好ましい条件としては、相対湿度 70 〜100% (好ましくは 90〜: LOO%)、温度 15〜90。C (好ましくは 30〜80。C)であり、 特に好ましい条件は、相対湿度約 100% (例えば、 95〜100%)、 40〜70°Cである 。空気中の水分量がこれよりも少ない場合は、表面の開孔率が充分でなくなる不具 合が発生する場合がある。ポリマー溶液をフィルム状に流延する際に、該フィルムを 相対湿度 70〜100%、温度 15〜90°Cからなる雰囲気下に 0. 2〜15分間保持した 後、高分子成分の非溶剤力 なる凝固液に導くのが望ましい。流延後のフィルム状 物を上記条件におくことにより、多孔質フィルム層を均質で連通性の高い状態にする ことができる。この理由としては、加湿下に置くことにより水分がフィルム表面から内部 へと侵入し、ポリマー溶液の相分離を効率的に促進するためと考えられる。
[0349] 相転換法に用いる凝固液としては、ポリマー成分を凝固させる溶剤であればよぐ 高分子成分として使用する榭脂の種類によって適宜選択されるが、例えば、ポリアミ ドイミド系榭脂、ポリアミック酸、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカーボネート系榭脂等 を凝固させる溶剤として、例えば、水;メタノール、エタノール等の 1価アルコール、グ リセリン等の多価アルコールなどのアルコール;ポリエチレングリコール等の水溶性高 分子;これらの混合物などの水溶性凝固液などが使用できる。
[0350] 凝固液に導かれて析出した多孔質フィルムは、均質な基材を前記積層体における 支持体として使用する場合には、そのまま乾燥に付すことにより、支持体と多孔質フィ ルム層との積層体 (被印刷体)を得ることができる。支持体の両面に多孔質フィルム 層を有する積層体は、支持体の片面に多孔質フィルム層を形成した後、再度上記の 操作を行うことにより製造できる。また、凝固液に導かれて析出した多孔質フィルムを
均質な基材力 支持板上へ転写して乾燥に付すことにより、多孔質フィルム層を単体 として取得することができる。この多孔質フィルム層は単体で配線基板の基材として 使用できる。前記支持板としては、凝固液耐性を有する材質からなるとともに、乾燥 速度を速くするため、フィルムと接触する側の表面に微小孔が多数存在しているもの 、特に凝固溶媒を適切な速度で透過することができる程度の透過性を有するものが 好ましい。このような支持板は、例えば、透気度が1000 36。7100 未満(好まし くは 100秒 ZlOOcc未満)、膜厚力 〜 1000 m (好ましくは 50〜500 μ m)、フィル ム断面方向に貫通した 0. 01〜10 111(好ましくは0. 03〜1 /ζ πι)の孔が十分な密 度で分散している。具体的には、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレ ン等のポリオレフイン、セルロース、テフロン (登録商標)などを材料とした不織布或い は多孔膜などが利用できる。なお、こうして得られた多孔質フィルム単体を別途準備 した支持体 (緻密層等)上に、例えば接着剤等を用いた慣用のフィルム積層手段によ り積層して、前記支持体の片面又は両面に多孔質フィルム層を有する積層体 (被印 刷体)を得ることもできる。
上記の方法により形成した多孔質フィルム (層)には、さらに、前駆体の重合ゃ耐薬 品性の向上のため、熱、可視光線、紫外線、電子線、放射線等を用いて重合を進行 させたり、架橋 (硬化)処理を施してもよい。例えば、前述したように、ポリイミド系前駆 体を用 、て成形したフィルムには、さらに熱イミドィ匕ある 、は化学イミド化等を施すこと によりポリイミド系榭脂からなる多孔質フィルム層を得ることができる。また、ポリアミドィ ミド系榭脂等を用いて多孔質フィルム層を形成したフィルムは熱架橋を施すことがで きる。また、得られた多孔質フィルム (層)を耐薬品性を有するポリマーの溶液に浸漬 し、乾燥して、フィルム表面及び孔の内表面に耐薬品性被膜を形成してもよい。耐薬 品性を有するポリマーとしては、例えば、フエノール系榭脂、尿素系榭脂、メラミン系 榭脂、ベンゾグアナミン系榭脂、ポリイミド系榭脂、エポキシ榭脂、ベンゾォキサジン 系榭脂、ポリプロピレン系榭脂、ポリウレタン系榭脂、フッ素系榭脂、アルキド系榭脂 、酢酸セルロース系榭脂、フタル酸系榭脂、マレイン酸系榭脂、ケィ素系榭脂、トリア ジン系榭脂、フラン系榭脂、ポリエステル系榭脂、キシレン系榭脂、ポリビュルアルコ ール、エチレン ビニルアルコール共重合体、キチン、キトサン等が挙げられる。
[0352] 上記方法によれば、例えば、連通性を有する微小孔が多数、均一に存在するポリ アミドイミド系榭脂、ポリエーテルイミド系榭脂、ポリカーボネート系榭脂、ポリエーテル スルホン系榭脂等の樹脂で構成された多孔質フィルム層であって、該多孔質フィル ム層の微小孔の平均孔径が 0. 01〜10 /ζ πι、空孔率が 30〜80%であり、厚みが 0. 1-100 μ mである多孔質フィルム(層)を得ることができる。
[0353] 多孔質フィルム層の微小孔の径、空孔率、開孔率は、上記のように、ポリマー溶液 の構成成分の種類や量、水の使用量、流延時の湿度、温度及び時間、流延に用い る均質な基板の種類、後処理などを適宜選択することにより所望の値に調整すること ができる。
[0354] 多孔質フィルム層の表面に印刷を施す方法としては、特に限定されず、例えば、ィ ンクジェット方式、スクリーン印刷、オフセット印刷、昇華 (溶融)方式、感熱方式、ダラ ビア印刷、レーザー印刷、ペースト描写、ナノコンタクトプリントなどの何れであっても よい。これらの印刷法は公知乃至慣用の方法で行うことができる。これらの中でも、ィ ンクジェット方式、スクリーン印刷が特に好まし 、。
[0355] 以下、印刷により印刷パターンを作製する代表的な例として、多孔質フィルム層の 表面に導電インク又は導体ペーストを印刷して導電配線 (回路)を形成することにより 印刷配線基板を作製する方法につ!ヽて説明する。このような導電配線を形成する具 体的な方法として、例えば、(1)多孔質フィルム層の表面に、導電インクをインクジヱ ット方式で適用して導体配線を形成する方法、 (2)配線パターン状に凹凸を形成し た版に導電インクを塗布し、これを多孔質フィルム層の表面に転写して導体配線を形 成する方法、(3)多孔質フィルム層の表面に、導体ペーストをシリンジ力 押出し、描 写することで導体配線を形成する方法、(4)多孔質フィルム層の表面に、導体ペース トをスクリーン印刷により描写することで導体配線を形成する方法などが挙げられる。
[0356] 導電インクとしては、特に限定されず、例えば、金インク、銀インク、銀ナノメタルイン ク、銅インク、カーボンインク、銀一カーボンインクなどを使用できる。また、導体ぺー ストとしては、特に限定されず、例えば、銀導体ペースト、銅導体ペースト、金導体べ 一スト、パラジウム導体ペースト、パラジウム—銀導体ペースト、白金導体ペースト、白 金 銀導体ペースト、ニッケル導体ペーストなどを使用できる。なお、上記の方法に
おいては、形成された導体配線上にさらに慣用の方法でメツキを施してもよい。メツキ を行うタイミングは特に限定されず、例えば、工程(1)で印刷を施し、工程 (2)、(3)を 経て緻密化された層を形成した後にメツキを施してもよぐまた、工程(1)で印刷を施 した後にメツキを行い、次いで工程(2)、(3)を経て緻密化された層を形成してもよい
[0357] また、導体配線を印刷により形成する他の代表的な方法として、メツキ触媒を多孔 質フィルム層上に印刷した後、メツキを施す方法、例えば、(5)多孔質フィルム層の表 面に、配線パターン状にメツキ触媒をインクジェット方式で印刷した後、メツキを施して 導体配線を形成する方法、 (6)配線パターン状に凹凸を形成した版にメツキ触媒を 塗布し、これを多孔質フィルム層の表面に転写した後、メツキを施して導体配線を形 成する方法、(7)多孔質フィルム層の表面に、メツキ触媒をシリンジ力 押出して配線 パターン状に描写した後、メツキを施して導体配線を形成する方法、(8)多孔質フィ ルム層の表面に、メツキ触媒をスクリーン印刷により配線パターン状に描写した後、メ ツキを施して導体配線を形成する方法などが挙げられる。
[0358] メツキ触媒としては、無電解メツキ処理の触媒として作用する金属の塩を使用できる 。具体的には、例えば、金、銀及び銅力 なる銅族元素、パラジウム及び白金等の白 金族元素、並びにニッケル等の鉄族元素力 選ばれる金属のォキシカルボン酸塩 ( クェン酸塩、酒石酸塩等)又は無機金属塩 (硫酸塩、塩酸塩等)などが挙げられる。メ ツキ触媒の印刷は、例えば、メツキ触媒と、適宜なビヒクルと、必要に応じて添加剤等 とを含むインキを調製し、これを適宜な印刷法で印刷することにより行うことできる。メ ツキ触媒の印刷後、メツキ触媒を還元処理して金属とした後、無電解メツキ処理、必 要に応じてさらに電気メツキ処理を施すことにより導体配線を形成できる。メツキ触媒 の還元処理には、例えば、次亜リン酸又はその塩、ヒドラジン又はその塩、水素化ホ ゥ素系化合物、ァミノボラン系化合物、ブドウ糖、ホルムアルデヒドなどの還元剤を用 いることができる。還元処理は、例えば、 0. 5〜10重量%の還元剤の水溶液を用い 、室温〜 50°C程度の温度で行うことができる。無電解メツキ処理は、例えば、無電解 銅メツキ液、無電解ニッケルメツキ液等を用いた公知の方法で行うことができる。また 、電気メツキ処理も、例えば硫酸銅等を用いた公知の方法で行うことができる。
[0359] 印刷に用いる印刷インク又はペーストとしては、少なくとも固形物(固形分)と溶剤か らなるインク又はペーストが用いられるが、多孔質フィルム層表面での接触角が、該 多孔質フィルム層表面に 1 μ 1の液滴を滴下して 300 sec以内に 60° 以下(より好 ましくは 50° 以下、さらに好ましくは 40° 以下)となるような液体、特に、多孔質フィ ルム層表面に 1 1の液滴を滴下して 300 sec以内に 60° 以下(より好ましくは 50 ° 以下、さらに好ましくは 40° 以下)となり、且つ 300 /z sec経過時の液滴半径が 16 00 μ m以下(好ましくは 1500 μ m以下、さらに好ましくは 1400 μ m以下)である液 体を主溶剤(最も多く含まれて 、る溶剤)として含む印刷インク又はペーストが好まし い。このような印刷インク又はペーストを用いると、印刷インク又はペースト中の溶剤 が多孔質フィルム層の孔へ速やかに吸収され、インク又はペーストの粘度が上昇し、 インク又はペーストの流動性が無くなり、多孔質フィルム層表面にインク又はペースト 中の固形分が残るので、滲みが発生せず、細線描写性に優れた印刷物を得ることが できる。
[0360] 印刷インク又はペースト中の固形物(固形分)としては、配線やインダクタ、発光体、 抵抗体、コンデンサや半導体形成の目的により選定することができ、公知の無機物、 有機物など用いることができる。無機物の例としては、金属 (金、銀、銅、ニッケル、ァ ルミ-ゥムなど)やガラス、無機 EL材料(ZnS、 Mn/CdSSe, ZnS :TbOF、 ZnS :T b、 SrS : Ce、 (SrS : CeZnS) 、 CaCa S : Ce、 SrGa S : Ce、 SrS : Ce/ZnS : Mn n 2 4 2 4
など)、カーボン、その他無機材料 (シリカ、ジルコユアなどのセラミック材料など)が用 いることができる。有機物としては有機顔料、導電性高分子、有機半導体材料 (ペン タセン類ゃチオフ ン類など)を用いることができる。固形分の形状は特に限定され ず、印刷性を阻害しないものであればよぐ粒子状、フレーク状、繊維状など燐片状、 中空粒子、中空繊維状など様々な形状のものを使用することができる。
[0361] 印刷インク又はペースト中の溶剤としては、印刷インク又はペースト中の樹脂の種 類等により適宜選択でき、例えば、炭化水素系溶剤、ハロゲン化炭化水素系溶剤、 アルコール系溶剤、フエノール系溶剤、ケトン系溶剤、脂肪酸'酸無水物、エステル 系溶剤、含窒素'含硫黄極性溶剤、水などを使用できる。具体的には、例えば、トル ェン、テルピネオール、デカリン、テトラデカン、デカノール、ジエチレングリコールモ
ノエチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノブチノレエーテノレエチレングリコーノレモノ メチノレエーテノレ、エチレングリコーノレモノェチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノ メチノレエーテル、 トリエチレングリコーノレモノメチノレエーテル、プロピレングリコーノレモ ノメチノレエーテル、ジプロピレングリコーノレモノメチノレエーテル、プロピレングリコーノレ モノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコ ールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ェ チレングリコーノレモノブチノレエーテノレ、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリ エチレングリコーノレモノブチノレエーテノレ、プロピレングリコーノレモノブチノレエーテノレ、 ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエー テル、ジエチレングリコーノレモノイソブチノレエーテル、エチレングリコーノレモノへキシ ノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノへキシノレエーテノレ、エチレングリコーノレモノ 2 ーェチノレへキシノレエーテノレ、エチレングリコーノレモノァリノレエーテノレ、エチレングリコ 一ノレモノフエニノレエーテノレ、エチレングリコーノレジメチノレエーテノレ、ジエチレングリコ ーノレジメチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレジェチノレエーテノレ、ジエチレングリコー ルジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ブチルカルビトール アセテート、ターピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブタノール、プロパンジ オール、ブタンジオール、ペンタンジオール、エチレングリコール、グリセリン、水など が挙げられる。これらの溶剤は 1種単独で使用してもよぐ 2種以上を混合して使用し てもよい。なお、インク溶剤については、特開 2004— 319281号公報、特開 2004— 111057号公報、特開 2006— 059669号公報、特開 2004— 143325号公報など に技術開示されている。
また、印刷に用いる印刷インク又はペーストとしては、粘度が 0. 05〜: LPa' sの印刷 インク又はペーストが好ましい。このような印刷インク又はペーストを用いる場合にも、 印刷インク又はペースト中の溶剤が多孔質フィルム層の孔へ速やかに吸収され、多 孔質フィルム層表面に固形分が残るため、滲みが発生せず、細線描写性に優れた 印刷物を得ることができる。なお、印刷インク又はペーストの粘度は、固形分の種類 や濃度、榭脂等の添加物の種類や濃度、溶剤の種類等を変えることにより調整でき る。
[0363] 工程(1)により、細線描写性に優れた印刷が得られる。例えば、多孔質フィルム層 の表面に平均ライン幅 10〜: LOOO μ mで長さ 500 μ m以上の直線部を有する印刷が 施されたとき、下記式(1)で表されるライン幅の変動値 Fが 30%以下である印刷が可 能である。
F= (LMax- LMin) /L Ave X 100 ( 1 )
(式中、 LAveは長さ 500 μ mの直線部における平均ライン幅、 LMaxは該長さ 500 μ mの直線部における最大ライン幅、 LMinは該長さ 500 mの直線部における最 小ライン幅を示す)
また、多孔質フィルム層の表面に少なくとも平均ライン幅 10〜1000 μ mで長さ 500 μ m以上の直線部を有する印刷が施されたとき、下記式(2)で表されるライン幅の標 準偏差∑が 7以下である印刷が可能である。
∑ = (( (LAve LMax) 2 + (LAve LMin) 2) /2) ( 2)
(式中、 LAveは長さ 500 μ mの直線部における平均ライン幅、 LMaxは該長さ 500 μ mの直線部における最大ライン幅、 LMinは該長さ 500 mの直線部における最 小ライン幅を示す)
[0364] なお、上記のライン幅の変動値 F及び標準偏差∑は、平均ライン幅が 10〜: L000 μ mで長さ 500 μ m以上の直線部における値である力 平均ライン幅が 10〜500 μ m で長さ 500 μ m以上の直線部における値であるのがより好ましぐ平均ライン幅が 15 〜100 μ mで長さ 500 μ m以上の直線部における値であるのが特に好ましい。平均 ライン幅が 10 μ m未満では印刷が困難であり、平均ライン幅が 1000 μ mを超えると 配線が太くなり、回路全体が大きくなつて実用的でない。
[0365] 最大ライン幅 LMax、最小ライン幅 LMinは、印刷物の平均ライン幅が 10〜 1000 μ mで長さ 500 mの直線部を拡大写真撮影し、その写真より測定することができる (図 13参照)。平均ライン幅 LAveは、透明フィルムにラインをトレースし、その重量か ら換算して算出することができる。 Fが 30%以下又は∑が 7以下であれば、細線描写 性 (直線性)に優れた優良な印刷 (配線)と判断できる。 Fは好ましくは 20%以下、さら に好ましくは 10%以下である。∑は、好ましくは 5以下、さらに好ましくは 3以下である 。また、 Fが上記所定の数値以下で且つ∑が上記所定の数値以下であるのが特に好
ましい。多孔質フィルム層に印刷を施す場合には、印刷インク (ペースト)が多孔質フ イルム(多孔膜)と接すると同時にインク中の主溶剤が多孔質フィルムに吸液され、ィ ンクの粘度が上昇し、流動性が無くなり、多孔質フィルム上で滲みが発生しないため 、種々のインク (ペースト)による細線描写性 (直線性)に優れた直線描写が可能であ る。一方、通常の PETフィルムや PIフィルムなどでは、印刷を施すと、印刷インク(ぺ 一スト)が滲んで周辺に拡がるため、細線描写性 (直線性)の良好な直線描写が困難 である。
[0366] [工程(2A) ]
工程(2A)では、印刷 7を施した多孔質フィルム層 1を溶剤 8と接触させ、多孔質フィ ルム層 1に溶剤 8をしみ込ませ、多孔質フィルム層を溶剤に溶解させる。図 27におけ る 9が溶剤のしみ込んだ多孔質フィルム層である。なお、多孔質フィルム層は必ずし も工程(2A)の段階で溶剤に溶解しなくてもよぐ次の工程(3A)において乾燥させる ため熱をカ卩える際に初めて溶剤に溶解してもよい。また、多孔質フィルム層は工程(2 A)及び工程 (3A)の両工程で溶剤に溶解してもよ ヽ。多孔質フィルム層が溶剤に溶 解する工程は用いる溶剤の種類及び乾燥温度等により変化する。例えば、多孔質フ イルム層に対して溶解性の高い溶剤を用いた場合には、工程(2A)にて溶解した後、 工程 (3A)にて溶剤が乾燥して緻密化された層が形成される。また、多孔質フィルム 層に対して溶解性の低い溶剤を用いた場合には、工程(3A)において、乾燥時の熱 により多孔質フィルム層が溶剤に溶解すると同時に乾燥し、緻密化された層が形成さ れる。
[0367] 前記溶剤としては、印刷を溶解せず、多孔質フィルム層を構成する素材 (榭脂等) を室温又は加熱下で溶解する溶剤であれば特に制限はなぐ種々の溶剤を単独で 又は 2種以上を混合して使用できる。また、多孔質フィルム層に対して単独で溶解性 を示す溶剤の 1種又は 2種以上と、多孔質フィルム層に対して単独では溶解性を示さ ない非溶剤(アルコール、炭化水素等)又は水等の 1種又は 2種以上との混合液であ つて、実質的に多孔質フィルム層を溶解するものも使用することができる。多孔質フィ ルム層に対して高 ヽ溶解性を示す溶剤に、多孔質フィルム層に対して単独では溶解 性を示さな!/ヽ非溶剤や水を混合することで、多孔質フィルム層の溶解性や乾燥時間
をコントロールすることができる。例えば、溶解性の高い溶剤を単独で用いた場合、 多孔質フィルム層の溶解が早ぐ乾燥工程に移る前に施された印刷が溶解した多孔 質フィルム層と共に流れてしまう懸念がある。これに対し、溶解性の高い溶剤に非溶 剤や水を添加すると、多孔質フィルム層の溶解性が低下するため、施された印刷が 溶解した多孔質フィルム層と共に流れるのを防止できる。また、溶解性の高い溶剤に 該溶剤よりも揮発性の高!ヽ非溶剤や水を添加すると、乾燥する前までは非溶剤が存 在するため溶解性を低く保持でき、乾燥時には非溶剤及び溶解性の高 ヽ溶剤が徐 々に揮発していくので、施された印刷の流出を防止しつつ緻密層を形成できる。
[0368] 使用できる溶剤としては、多孔質フィルム層を構成する素材の種類により適宜選択 でき、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、 N, N ジメチルホルムアミド(DMF) 、 N, N ジメチルァセトアミド(DMAc)、 N—メチル 2—ピロリドン(NMP)、テトラヒ ドロフラン(THF)、 1, 3 ジォキソラン、 1, 3 ジォキサン、 1, 4 ジォキサン、 γ - プチ口ラタトン (GBL)、これらの混合物、これらの溶剤の 1種又は 2種以上と多孔質フ イルム層を単独では溶解しな 、溶剤又は水との混合物などが挙げられる。前記例示 の溶剤の 1種又は 2種以上と多孔質フィルム層を単独では溶解しない溶剤又は水と の混合物を用いる場合、前者 (前記例示の溶剤の 1種又は 2種以上)と後者 (多孔質 フィルム層を単独では溶解しな 、溶剤又は水)の比率 (前者の総量と後者の総量の 重量比)は、例えば前者 Ζ後者 = 10Z90〜99Zl、好ましくは前者 Ζ後者 =20Ζ 80〜95Ζ5、さらに好ましくは前者 Ζ後者 =30Z70〜90ZlO、特に好ましくは前 者 Ζ後者 =40Ζ60〜80Ζ20である。
[0369] 例えば、多孔質フィルム層を構成する素材がポリアミドイミド系榭脂の場合は、前記 溶剤として、ジメチルスルホキシド(DMSO)、 Ν, N ジメチルホルムアミド(DMF)、 N, N ジメチルァセトアミド(DMAc)、 N—メチル 2—ピロリドン(NMP)、テトラヒド 口フラン (THF)、 γ—プチ口ラタトン (GBL)、これらの混合物、これらの溶剤と多孔 質フィルム層を単独では溶解しな 、溶剤又は水との混合物などを使用できる。また、 多孔質フィルム層を構成する素材がポリエーテルイミド系榭脂の場合は、前記溶剤と して、ジメチルスルホキシド(DMSO)、 N, N ジメチルホルムアミド(DMF)、 N, N —ジメチルァセトアミド(DMAc)、 N—メチルー 2 ピロリドン(NMP)、 1, 3 ジォキ
ソラン、 1, 4 ジォキサン、 γ ブチロラタトン(GBL)、これらの混合物、これらの溶 剤の 1種又は 2種以上と多孔質フィルム層を単独では溶解しない溶剤又は水との混 合物などを使用できる。
[0370] 多孔質フィルム層と接触させる溶剤中には、必要に応じて、添加剤、榭脂、無機物 などを添加しておいてもよい。これらの成分を溶剤に添加することにより粘度をコント ロールすることができ、溶剤の塗布性を向上させることができる。また、榭脂などの不 揮発成分を溶剤に添加しておくと、印刷表面に該不揮発成分が残り、施された印刷 が保護されるという利点がある。さらに、添加剤や無機物などの不揮発成分を溶剤に 添加しておくと、緻密化された層上に該不揮発成分が残り、緻密化された層の上に 2 度目の印刷を行う場合に、印刷性が向上する。
[0371] 印刷を施した多孔質フィルム層を溶剤と接触させる方法としては、特に限定されず 、例えば、印刷を施した多孔質フィルム層を溶剤中に浸漬する方法、ダイコーターや ロールコーター、ノーコーター、グラビアコーター、スピンコーターなどの塗布手段に より溶剤を多孔質フィルム層表面に塗布する方法、スプレーなどで溶剤を多孔質フィ ルム層表面に吹き付ける(噴霧する)方法、溶剤を多孔質フィルム表面に滴下する方 法、溶剤を加熱して揮発した溶剤の蒸気を多孔質フィルム層表面に当てる方法、不 織布やスポンジなどの吸液体に溶剤を含浸させたものを多孔質フィルム層に接触さ せることで溶剤を転写する方法、インクジェット印刷方法、スクリーン印刷方法、オフ セット印刷方法、グラビア印刷方法、凸版印刷方法などが挙げられる。多孔質フィル ム層は全面を溶解させてもよぐ別の印刷をさらに施すなどの目的のため、部分的に 溶解させてもよい。この場合、従来用いられている印刷法、例えば、インクジェット印 刷方法、スクリーン印刷方法、オフセット印刷方法、グラビア印刷方法、凸版印刷方 法などが有効である。
[0372] 印刷を施した多孔質フィルム層を溶剤と接触させる際、常温で接触させてもよぐ多 孔質フィルム層及び溶剤のうち少なくとも一方を加温して、溶解性を高めて接触させ てもよい。
[0373] 多孔質フィルム層を溶解させる程度は、印刷が変形しな 、程度であればよ!、。例え ば、印刷部位以外の多孔質フィルム層の全体を溶解してもよぐ印刷部位以外の多
孔質フィルム層の表層部のみを溶解してもよい。また、乾燥後に液体吸収を防止可 能な緻密性が確保できる程度の溶解であってもよ ヽ。
[0374] [工程 (3A) ]
工程(3A)では溶剤を乾燥させる。前記のように、多孔質フィルム層は工程(2A)及 び Z又は工程(3A)において溶剤に溶解する。そしてその溶剤を乾燥することにより 緻密化された層 10が形成される。多孔質フィルム層を溶解させた後、溶剤を乾燥さ せると、多孔質の孔がつぶれ緻密化される。そのため、被印刷部の強度及び印刷の 密着強度が向上するとともに、被印刷体が支持体と多孔質フィルム層の積層体であ る場合にはそれらの層間の密着強度も向上する。また、印刷物の表層部が緻密化さ れることにより、多孔質の場合に生じやすい水等の液体の吸収による膨潤等の問題 も解消され、またガスバリア性や耐擦過性が向上する。さらに、得られる印刷物の強 度も向上する。
[0375] 溶剤の乾燥は通常加熱によって行われる。加熱温度や加熱時間は使用する溶剤 の種類によって適宜設定できる。例えば、揮発性の低い高沸点溶剤(例えば、 NMP など)を用いた場合には、 200°C X 10分程度の加熱処理により溶剤を乾燥除去でき る。また、揮発性の高い溶剤(例えば、 THFなど)を用いた場合には、 100°C X 10分 程度の加熱処理により溶剤を乾燥除去できる。さらに高い温度で処理してもよい。
[0376] 本発明では、工程(1)において用いる多孔質フィルム層の水との接触角(温度 25 。C、湿度 60%)を測定したとき、多孔質フィルム層の表面に水(1 μ 1)を滴下して 100 0 μ sec経過時の接触角 ΘΑ と 100 μ sec経過時の接触角 ΘΑ との比 ΘΑ
1000 100 1000
Ζ ΘΑ が 0. 6未満である(ΘΑ Ζ ΘΑ く 0. 6)のが好ましぐまた、工程(3A
100 1000 100
)において溶剤を乾燥させた後の緻密化された層の水との接触角を測定したとき、該 緻密化された層の表面に水を滴下して 1000 sec経過時の接触角 Θ Β と 100
1000 sec経過時の接触角 Θ Β との比 Θ Β / Θ Β が 0· 6より大きい値である(Θ Β
100 1000 100 100
Ζ Θ Β 〉0. 6)のが好ましい。
0 100
[0377] ΘΑ Ζ ΘΑ が 0. 6未満であることは、水滴が多孔質フィルム層の孔へ速やか
1000 100
に吸収されることを意味する(水滴が吸収されると接触角が小さくなる)。 ΘΑ Ζ Θ
1000
A < 0. 6の関係式は、多孔質フィルム層の平均孔径、空孔率、厚み、透気度等を
調整することにより満たすことができる。この関係式を満たす場合は、一般に、印刷時 に印刷インク又はペースト中の溶剤が多孔質フィルム層の孔へ速やかに吸収され、 インク又はペーストの粘度が上昇し、インク又はペーストの流動性が無くなり、多孔質 表面にインク又はペースト中の固形分が残るので、滲みが発生せず、細線描写性に 優れた印刷パターンを得ることができる。 ΘΑ Ζ ΘΑ の値は、 0. 6未満、好まし
1000 100
くは 0. 55以下、さらに好ましくは 0. 5以下である。 ΘΑ Ζ ΘΑ の値の下限は、
1000 100
例えば 0. 1、好ましくは 0. 2である。なお、 ΘΑ の値は、好ましくは 10° 〜80° 、
100
さらに好ましくは 20° 〜60° である。
[0378] Θ Β Ζ Θ Β が 0. 6より大きいことは、水滴が緻密化された層に吸収される速度
1000 100
が遅いこと、すなわち多孔質の孔がつぶれ緻密化されていることを意味する。 Θ Β
100
Ζ Θ Β >0. 6の関係式は、工程(2A)における多孔質フィルム層と溶剤との接触
0 100
方法、溶剤の種類及び使用量、溶剤との接触温度及び接触時間等を調整すること により満たすことができる。この関係式を満たす場合は、印刷後の印刷物の表面が緻 密化されて 、るので、印刷や表層(被印刷体が積層体の場合)の密着強度が高 、。
Θ Β / Θ Β の値は、 0. 6より大きい、好ましくは 0. 65以上である。 Θ Β / Θ
1000 100 1000
B の値の上限は 1である。なお、 Θ Β の値は、好ましくは 10° 〜80° 、さらに好
100 100
ましくは 20° 〜60° である。
[0379] 多孔質フィルム層は水などの液体を吸収すると膨潤するなどの問題が生じることが ある。本発明の方法によれば、多孔質フィルム層を熱融解して孔をつぶして表面を緻 密化するので、液体の吸収による膨潤等を防止できる。多孔質フィルム層の溶剤によ る溶解 乾燥処理による緻密化の度合いは、 ΘΑ と Θ Β との比 ΘΑ Ζ Θ Β
1000 1000 1000 1 によって判定できる。本発明においては、 Θ A Ζ Θ Β は 1未満であり、好まし
000 1000 1000
くは 0. 85未満、さらに好ましくは 0. 7未満である。 ΘΑ Ζ Θ Β の下限は、例え
1000 1000
ば 0. 02、好ましくは 0. 05である。
[0380] 本発明の印刷パターンの製造方法 2は、(1)多孔質フィルム層に印刷を施す工程、
(2B)印刷を施した多孔質フィルム層を熱融解させる工程、及び (3B)冷却固化して 緻密化された層を形成する工程からなるものである。図 28は本発明の印刷パターン の製造方法の他の例を示す各工程の説明図(断面図による)である。 1は多孔質フィ
ルム層、 6は支持体、 7は印刷、 10は溶融した多孔質フィルム層、 11は緻密化された 層を示す。
[0381] [工程(1) ]
工程(1)は、多孔質フィルム層の厚み以外は、前記印刷パターンの製造方法 1に おける工程(1)と同様である。
[0382] 多孔質フィルム層の厚みは、例えば 0. 1-1000 μ mである。印刷物の基体 (被印 刷体)が多孔質フィルム層単体である場合には、多孔質フィルム層の厚みは、好まし くは 5〜: LOO /z m さらに好ましくは 25〜70 /ζ πιである。また、印刷物の基体 (被印刷 体)が緻密層からなる支持体と多孔質フィルム層との積層体である場合には、多孔質 フィルム層の厚みは、通常 0. 1〜: L00 μ m、好ましくは 0. 1〜25 μ m、さらに好ましく は 1〜: LO /z mである。また、印刷物の基体 (被印刷体)が貫通穴を多数有する支持体 (例えば、メッシュクロス等)と多孔質フィルム層との積層体である場合には、多孔質フ イルム層の厚みは、通常 0. 5〜: L000 m、好ましくは 1〜: L000 m、さらに好ましく は 5〜500 μ mである。多孔質フィルム層の厚みが薄くなりすぎると印刷インク(ぺー スト)の主溶剤の吸収性に劣り、一方厚すぎる場合には孔径分布を均一に制御する ことが困難になりやすい。多孔質フィルム層の厚みは、平均孔径の 2倍以上であるの が好ましぐ特に好ましくは 10倍以上である。
[0383] [工程(2B) ]
工程(2B)では、印刷 3を施した多孔質フィルム層 1を熱融解させる。図 28における 10が熱融解により溶融した多孔質フィルム層である。多孔質フィルム層を熱融解させ る方法としては、特に制限はなぐ例えば、多孔質フィルム層を赤外線ヒーターでカロ 熱する方式や、加熱ロールに接触させる方法、加熱オーブン中に入れるなどの方法 があげられる。多孔質フィルム層の熱融解の程度としては、多孔質フィルム層が完全 に溶融してもよ 、し、例えば表層部のみが溶融して一部多孔質の部分が残って 、て もよ 、。多孔質フィルム層の熱融解は冷却固化後の表面の吸液性の消失などで確 認できる。多孔質フィルム層の熱融解の程度は、冷却固化後に液体吸収を防止可能 な緻密性が確保できる程度であってもよ 、。
[0384] 多孔質フィルム層を熱融解させる際の温度や時間は、多孔質フィルム層を構成す
る素材の融点 'ガラス転移点によって異なり、また印刷が変形しない範囲で適宜選択 できるが、一般には、熱融解させる際の温度は 180〜450°C、好ましくは 200〜420 °Cであり、時間は 1分〜 5時間、好ましくは 10分〜 1時間程度である。例えば、加熱ォ ーブンにて 30分加熱する方法では、加熱温度は、多孔質フィルム層がポリカーボネ ートの場合は 220°C〜270°Cが好ましぐ多孔質フィルム層がポリエーテルイミドの場 合は 270°C〜400°Cが好ましぐまた多孔質フィルム層がポリエーテルサルホンの場 合は 250°C〜360°Cが好まし!/、。
[0385] [工程 (3B) ]
工程 (3B)では、溶融した多孔質フィルム層 10を冷却固化して緻密化された層 11 を形成する。多孔質フィルム層を熱融解させた後、冷却固化すると、多孔質の孔がつ ぶれ緻密化される。そのため、被印刷部の強度及び印刷の密着強度が向上するとと もに、被印刷体が支持体と多孔質フィルム層の積層体である場合にはそれらの層間 の密着強度も向上する。また、印刷物の表層部が緻密化されることにより、多孔質の 場合に生じやすい水等の液体の吸収による膨潤等の問題も解消され、またガスバリ ァ性ゃ耐擦過性が向上する。さらに、得られる印刷物の強度も向上する。
[0386] 冷却固化の方法は特に制限はなぐ放冷によって行ってもよぐ強制的に冷却して もよい。
[0387] 本発明では、工程(1)において用いる多孔質フィルム層の水との接触角(温度 25 。C、湿度 60%)を測定したとき、多孔質フィルム層の表面に水(1 μ 1)を滴下して 100 0 μ sec経過時の接触角 ΘΑ と 100 μ sec経過時の接触角 ΘΑ との比 ΘΑ
1000 100 1000
Ζ ΘΑ が 0. 6未満である(ΘΑ Ζ ΘΑ く 0. 6)のが好ましぐまた、工程(3)
100 1000 100
において冷却固化して得られる緻密化された層の水との接触角を測定したとき、該 緻密化された層の表面に水を滴下して 1000 sec経過時の接触角 Θ Β と 100
1000 sec経過時の接触角 Θ Β との比 Θ Β / Θ Β が 0· 6より大きい値である(Θ Β
100 1000 100 100
Ζ Θ Β 〉0. 6)のが好ましい。
0 100
[0388] ΘΑ Ζ ΘΑ が 0. 6未満であることは、水滴が多孔質フィルム層の孔へ速やか
1000 100
に吸収されることを意味する(水滴が吸収されると接触角が小さくなる)。 ΘΑ Ζ Θ
1000
A < 0. 6の関係式は、多孔質フィルム層の平均孔径、空孔率、厚み、透気度等を
100
調整することにより満たすことができる。この関係式を満たす場合は、一般に、印刷時 に印刷インク又はペースト中の溶剤が多孔質フィルム層の孔へ速やかに吸収され、 インク又はペーストの粘度が上昇し、インク又はペーストの流動性が無くなり、多孔質 表面にインク又はペースト中の固形分が残るので、滲みが発生せず、細線描写性に 優れた印刷パターンを得ることができる。 ΘΑ ΖΘΑ の値は、好ましくは 0. 55
1000 100
以下、さらに好ましくは 0. 5以下である。 ΘΑ ΖΘΑ の値の下限は、例えば 0.
1000 100
1、好ましくは 0. 2である。なお、 ΘΑ の値は、好ましくは 10° 〜80° 、さらに好ま
100
しくは 20° 〜60° である。
[0389] ΘΒ ΖΘΒ が 0. 6より大きいことは、水滴が緻密化された層に吸収される速度
1000 100
が遅いこと、すなわち多孔質の孔がつぶれ緻密化されていることを意味する。 ΘΒ
100
ΖΘΒ >0. 6の関係式は、工程(2B)における熱融解の温度や時間等を調整す
0 100
ることにより満たすことができる。この関係式を満たす場合は、印刷後の印刷物の表 面が緻密化されて 、るので、印刷や表層 (被印刷体が積層体の場合)の密着強度が 高い。 ΘΒ ΖΘΒ の値は、好ましくは 0. 65以上である。 ΘΒ /ΘΒ の値
1000 100 1000 100 の上限は 1である。なお、 ΘΒ の値は、好ましくは 10° 〜80° 、さらに好ましくは 2
100
0° 〜60° である。
[0390] 多孔質フィルム層は水などの液体を吸収すると膨潤するなどの問題が生じることが ある。本発明の方法によれば、多孔質フィルム層を熱融解して孔をつぶして表面を緻 密化するので、液体の吸収による膨潤等を防止できる。多孔質フィルム層の熱融解 冷却固化による緻密化の度合いは、 ΘΑ と ΘΒ との比 ΘΑ ΖΘΒ に
1000 1000 1000 1000 よって判定できる。本発明においては、 Θ A ΖΘΒ は 1未満であり、好ましくは
1000 1000
0. 85未満、さらに好ましくは 0. 7未満である。 Θ A ΖΘΒ の下限は、例えば 0
1000 1000
. 02、好ましくは 0. 05である。
[0391] 本発明では、多孔質フィルム層の熱融解 冷却固化により、多孔質が緻密化する ので、層の引張り強度が向上する。すなわち、工程(3B)において冷却固化して得ら れる緻密化された層の引張り強度 F2と、工程(1)において用いる多孔質フィルム層 の引張り強度 F 1との比 F2ZF 1は 1より大き 、値となる。 F2ZF 1の値は緻密化の度 合いの指標ともなり、好ましくは 1. 5以上、さらに好ましくは 2以上である。 F2ZF1の
値の上限は、例えば 100である。
[0392] 本発明の印刷パターンの製造方法により印刷パターンを形成した印刷物は、滲み 等が無く細線描写性に優れるとともに、印刷及び表層(被印刷体が積層体の場合)の 密着強度が高く壊れにくいという特色を持っている。該印刷物としては、印刷配線基 板 (印刷回路基板)のほか、インダクタ、 ELなどの発光体、抵抗'コンデンサ 'トランジ スタなどの部品(電気'電子部品)、電磁波シールドフィルム等が挙げられる。
実施例
[0393] 以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実 施例により限定されるものではない。テープ剥離試験、平均孔径、空孔率は以下の 方法で算出、測定した。これらの平均孔径及び空孔率は、電子顕微鏡写真の最も手 前に見えている微小孔のみを対象として求められており、写真奥に見えている微小 孔は対象外とした。
[0394] (測定方法)
テープ剥離試験
(0多孔質層上に下記のテープを貼り、ローラーで接着部分をなぞる。
(ii)万能引張試験機 [ (株)オリエンテック社製、商品名「TENSILON RTA— 500」] を用いて 50mmZ分の条件で T型剥離を行う。
(iii)多孔質層と基材の界面剥離の有無を観察する。
'テープ:寺岡製作所製フィルムマスキングテープ No.603(#25)、 24mm幅
'ローラー: φ 30ηιπι、 200gl 重
[0395] 平均孔径
電子顕微鏡写真から、積層体の表面又は断面の任意の 30点以上の孔につ 、てそ の面積を測定し、その平均値を平均孔面積 Saveとした。孔が真円であると仮定し、 下記式を用いて平均孔面積力 孔径に換算した値を平均孔径とした。ここで πは円 周率を表す。
表面又は内部の平均孔径 [ m] = 2 X (Save/ π ) 1/2
[0396] 空孔率
多孔質層内部の空孔率は下記式より算出した。 Vはフィルムの体積 [cm3]、 Wは多
孔質層の重量 [g]、 は多孔質層素材の密度 [g/cm3]を示す。ポリアミドイミドの密 度は 1. 45 [g/cm3]、ポリイミドの密度は 1. 42 [g/cm3]とした。
空孔率[%] = 100—100 XWZ ( /o -V)
[0397] 貫通穴が形成された基材と一体ィ匕した多孔質層の空効率
多孔質層は貫通穴が形成された基材と一体ィ匕しているため、そのままでは多孔質 層内部の空孔率の測定は困難である。よって、基材としてメッシュクロスの代わりに P ETフィルム(帝人デュポン社製、製品名「Sタイプ」)を用い、原液を PETフィルム上 にキャスト後、水中に浸積して凝固させ、次いで PETフィルム力 剥離して乾燥させ て得た多孔性フィルムを用いて測定し、内部の空孔率を下記式より算出した。
Vはフィルムの体積 [cm3]、 Wは多孔質層の重量 [g]、 は多孔質層素材の密度 [ g/cm3]を示す。ポリアミドイミドの密度は 1. 45 [g/cm3] ,ポリイミドの密度は 1. 42 [gZ cm」とした。
空孔率[%] = 100—100 XWZ ( /0 -V)
[0398] 実施例 1
ポリアミドイミド系榭脂溶液 (東洋紡績社製の商品名「バイ口マックス HR11NN」;固 形分濃度 15重量%、溶剤 NMP、溶液粘度 20dPa' sZ25°C) 100重量部に、水溶 性ポリマーとしてポリビニルピロリドン (分子量 5万) 30重量部をカ卩えて製膜用の原液 とした。この原液を 25°Cとし、基材である帝人デュポン社製 PETフィルム(Sタイプ、 厚み 100 m)上に、フィルムアプリケーターを使用して、フィルムアプリケーターと基 材とのギャップ 127 mの条件でキャストした。キャスト後速やかに湿度約 100%、温 度 50°Cの容器中に 4分間保持した。その後、水中に浸漬して凝固させ、次いで基材 力 剥離させることなく室温下で自然乾燥することによって基材上に多孔質層が積層 された積層体を得た。多孔質層の厚みは約 50 mであり、積層体の総厚みは約 15 0 μ mであつ 7こ。
[0399] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、基材と多孔質層とが界面 剥離を起こさな力つた。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層が PET フィルムに密着しており、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 1. で あり、多孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 1. の連通性を
持つ微小孔が存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 70%であった。
[0400] 実施例 2
実施例 1において、水溶性ポリマーを 33. 3重量部使用し、フィルムアプリケーター と PETフィルム基材とのギャップ 102 μ mの条件でキャストした点以外は実施例 1と同 様の操作を行って、基材上に多孔質層が積層された積層体を得た。多孔質層の厚 みは約 35 μ mであり、積層体の総厚みは約 135 μ mであった。
[0401] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、基材と多孔質層とが界面 剥離を起こさな力つた。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層が基材 に密着しており、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 0. 5 mであり、多 孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 0. 5 mの連通性を持つ微 小孔が存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 70%であった。
[0402] 実施例 3
実施例 1において、水溶性ポリマーを 40重量部使用し、フィルムアプリケーターと P ETフィルム基材とのギャップ 51 μ mの条件でキャストした点以外は実施例 1と同様の 操作を行って、基材上に多孔質層が積層された積層体を得た。多孔質層の厚みは 約 15 mであり、積層体の総厚みは約 115 μ mであった。
[0403] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、基材と多孔質層とが界面 剥離を起こさな力つた。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層が基材 に密着しており、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 0. 3 mであり、多 孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 0. 3 mの連通性を持つ微 小孔が存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 70%であった。
[0404] 実施例 4
ポリアミドイミド系榭脂溶液 (東洋紡績社製の商品名「バイ口マックス HR11NN」;固 形分濃度 15重量%、溶剤 NMP、溶液粘度 20dPa' sZ25°C) 100重量部に、水溶 性ポリマーとしてポリビニルピロリドン (分子量 5万) 40重量部をカ卩えて製膜用の原液 とした。この原液を 25°Cとし、基材である帝人デュポン社製 PETフィルム(G2タイプ、 厚み 50 μ m)上に、フィルムアプリケーターを使用して、フィルムアプリケーターと基 材とのギャップを 51 mの条件でキャストした。キャスト後速やかに湿度約 100%、温
度 50°Cの容器中に 4分間保持した。その後、水中に浸漬して凝固させ、次いで基材 力 剥離させることなく室温下で自然乾燥することによって基材上に多孔質層が積層 された積層体を得た。多孔質層の厚みは約 15 mであり、積層体の総厚みは約 65 μ mであった。
[0405] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、基材と多孔質層とが界面 剥離を起こさなカゝつた。得られた多孔質層の膜構造を電子顕微鏡で観察したところ、 多孔質層が PETフィルムに密着しており、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔 径は約 0. 3 mであり、多孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 0. 3 mの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 70 %であった。
[0406] 実施例 5
実施例 4において、基材として、 G2タイプ PETフィルムの代わりに、帝人デュポン社 製 PETフィルム (HSタイプ、静電気防止処理、厚み 100 /z m)を用いた点以外は実 施例 4と同様の操作を行い、基材上に多孔質層が積層された積層体を得た。得られ た多孔質層の厚みは約 15 mであり、積層体の総厚みは約 115 mであった。
[0407] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、基材と多孔質層とが界面 剥離を起こさな力つた。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層が PET フィルムに密着しており、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 0. で あり、多孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 0. 3 mの連通性を 持つ微小孔が存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 70%であった。
[0408] 実施例 6
実施例 4において、水溶性ポリマーを 30重量部使用し、基材として PETフィルムの 代わりにポリプロピレンフィルム (厚み 50 μ m)を用いた点以外は実施例 4と同様の操 作を行い、基材上に多孔質層が積層された積層体を得た。得られた多孔質層の厚 みは約 15 μ mであり、積層体の総厚みは約 65 μ mであった。
[0409] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、基材と多孔質層とが界面 剥離を起こさな力つた。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層が PET フィルムに密着しており、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 0. で
あり、多孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 0. 3 mの連通性を 持つ微小孔が存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 70%であった。
[0410] 実施例 7
ポリアミドイミド系榭脂溶液 (東洋紡績社製の商品名「バイ口マックス HR11NN」;固 形分濃度 15重量%、溶剤 NMP、溶液粘度 20dPa' sZ25°C) 100重量部に、水溶 性ポリマーとしてポリビニルピロリドン (分子量 5万) 40重量部をカ卩えて製膜用の原液 とした。この原液を 25°Cとし、基材であるポリイミドフィルム (東レ 'デュポン社製の商品 名「カプトン 100H」、厚み 25 μ m)上に、フィルムアプリケーターを使用して、フィルム アプリケーターと基材とのギャップを 51 μ mの条件でキャストした。キャスト後速やか に湿度約 100%、温度 50°Cの容器中に 4分間保持した。その後、水中に浸漬して凝 固させ、次 、で基材力 剥離させることなく室温下で自然乾燥することによって基材 上に多孔質層が積層された積層体を得た。多孔質層の厚みは約 20 /z mであり、積 層体の総厚みは約 45 μ mであった。
[0411] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、テープと多孔質層の界 面で剥離し、基材と多孔質層との界面剥離は起こらず互いに密着したままであった。 この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層がポリイミドフィルムに密着して おり、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 0. であり、多孔質層内部 はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 0. 3 mの連通性を持つ微小孔が存在し ていた。また、多孔質層内部の空孔率は 70%であった。
[0412] 比較例 1
実施例 7において、基材として、ポリイミドフィルムの代わりに PETフィルム(帝人デ ュポン社製、商品名「Sタイプ」)を用い、原液を PETフィルム上にキャスト後、水中に 浸漬して凝固させ、次いで、ポリイミドフィルム (東レ 'デュポン社製の商品名「カプトン 100HJ、厚み 25 μ m)上に多孔質層を転写した後、乾燥することによって多孔フィル ムを得た。
[0413] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、テープと多孔質層の界 面で剥離する前に、ポリイミドフィルムと多孔質層とが界面剥離を起こした部分があつ た。これは、多孔質層をポリイミドフィルムに転写する際に、薄い多孔質層を取扱う過
程でシヮが生じ、多孔質層とポリイミドフィルムとの層間に空隙を含む部位が複数箇 所生じていたためと思われる。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層 がポリイミドフィルムに密着していない部分が複数個所見られた。多孔質層の表面に 存在する孔の平均孔径は約 0. 3 mであり、多孔質層内部はほぼ均質で全域に亘 つて平均孔径が約 0. 3 /z mの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、多孔質層 内部の空孔率は 70%であった。
[0414] 実施例 8
ポリイミド前駆体のポリアミック酸溶液 (宇部興産社製の商品名「U ワニス A」;固 形分濃度 18重量%、溶剤 NMP、溶液粘度 5Pa' sZ30°C)、水溶性ポリマーとして のポリビュルピロリドン(分子量 5万)、及び溶剤としての NMPを、ポリアミック酸 ZN MP/ポリビュルピロリドンとの重量比が 15/85/33. 3となる割合で混合して製膜 用の原液とした。この原液を 25°Cとし、基材である東レ 'デュポン社製のポリイミドフィ ルム(カプトン 100H、厚み 25 μ m)上に、フィルムアプリケーターを使用して、フィル ムアプリケーターと基材とのギャップを 25 mの条件でキャストした。キャスト後速や かに湿度約 100%、温度 50°Cの容器中に 8分間保持した。その後、水中に浸漬して 凝固させ、次いで基材カも剥離させることなく温度 30°Cの温度槽で乾燥した。次いで 、 270°Cの温度槽の中で 30分間加熱して多孔質層を構成するポリアミック酸をイミド 化することによって、基材上にポリイミドからなる多孔質層が積層された積層体を得た 。多孔質層の厚みは約 20 μ mであり、積層体の総厚みは約 45 μ mであった。
[0415] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、テープと多孔質層の界 面で剥離し、基材と多孔質層との界面剥離は起こらず互いに密着したままであった。 この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層がポリイミドフィルムに密着して おり、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 0. であり、多孔質層内部 はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 0. 3 mの連通性を持つ微小孔が存在し ていた。また、多孔質層内部の空孔率は 70%であった。
[0416] 実施例 9
実施例 8において、水溶性ポリマーとして、ポリビニルピロリドンの代わりにポリェチ レングリコール(分子量 400)を用い、ポリアミック酸 ZNMPZポリプロピレングリコー
ルとの重量比が 15Z85Z20となる割合で混合して製膜用の原液として用いた点以 外は実施例 8と同様の操作を行って、基材上に多孔質層が積層された積層体を得た 。多孔質層の厚みは約 4 μ mであり、積層体の総厚みは約 29 μ mであった。
[0417] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、基材と多孔質層とが界面 剥離を起こさな力つた。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層がポリ イミドフィルムに密着しており、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 0. 1 μ mであり、多孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 0. の連通 性を持つ微小孔が存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 70%であった。
[0418] 実施例 10
実施例 7で得た積層体 (基材 /多孔質層がポリイミド/ポリアミドイミド)を 270°Cの 温度槽の中で 30分間加熱処理を施すことにより、多孔質層を構成するポリアミドイミド を熱架橋させて不溶化させ、多孔質層に耐薬品性を付与した。加熱処理により耐溶 剤性が付与された多孔質層を有する積層体は、 NMPに浸漬して 10分後でも溶解し なかったのに対し、実施例 7で得た積層体 (加熱処理前)は NMPに浸漬して数秒以 内に溶解してしまった。
[0419] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、テープと新たに成形され た多孔質層の界面で剥離し、基材と該多孔質層との界面剥離は起こらず互いに密 着したままであった。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、新たに成形された 多孔質層が基材に密着しており、この多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は 約 0. 3 mであり、多孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 0. 3 μ mの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、新たに成形された多孔質層内部の 空孔率は 70%であった。
[0420] 実施例 11
実施例 7で得た積層体 [基材 /多孔質層がポリイミドフィルム(25 μ m) /ポリアミド イミド(20 μ m) ]における基材の多孔質層非形成面に、実施例 7と同様の操作を行つ てポリアミドイミドからなる多孔質層を厚み約 20 mで形成し、多孔質層/基材/多 孔質層がポリアミドイミド(20 μ m) Zポリイミド(25 μ m) Zポリアミドイミド(20 μ m)か らなる層構成を有する両面多孔膜積層体を総厚み約 65 μ mで得た。
[0421] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、基材と多孔質層とが界面 剥離を起こさな力つた。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層がポリ イミドフィルムに密着しており、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 0. 3 μ mであり、多孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 0. 3 mの連通 性を持つ微小孔が存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 70%であった。
[0422] 実施例 12
ポリエーテルイミド系榭脂溶液(日本 GEプラスチック製、商品名「ウルテム 1000」; 固形分濃度 15重量%、溶剤 NMP) 100重量部に、水溶性ポリマーとしてポリビニル ピロリドン (分子量 5万) 45重量部を加えて製膜用の原液とした。この原液を 25°Cとし 、フィルムアプリケーターを、フィルムアプリケーターとポリイミドフィルム基材とのギヤッ プを 51 μ mの条件で使用して、基材である東レ 'デュポン社製のポリイミドフィルム( カプトン 100H、厚み 25 m)上にキャストした。キャスト後速やかに湿度約 80%、温 度 50°Cの容器中に 30秒間保持した。その後、水中に浸漬して凝固させ、次いでポリ イミドフィルム力 剥離させることなく室温で自然乾燥することによって基材上に多孔 質層が積層された積層体を得た。多孔質層の厚みは約 20 mであり、積層体の総 厚みは約 45 μ mであった。
[0423] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、基材と多孔質層とが界面 剥離を起こさな力つた。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層がポリ イミドフィルムに密着しており、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 0. 5 μ mであり、多孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 0. 5 mの連通 性を持つ微小孔が存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 80%であった。
[0424] 実施例 13
ノボラック型エポキシ榭脂 (東都化成株式会社製、商品名「YDCN— 701」)をキシ レンで希釈し、ノボラック型エポキシ榭脂 Z溶剤が 5重量部 Z100重量部である耐薬 品性改善処理液を調製した。この耐薬品性改善処理液に、実施例 7で得た積層体( 基材 Z多孔質層がポリイミドフィルム Zポリアミドイミド)を 3分間浸漬した後、塗布液 から取り出して自然乾燥させた。乾燥後の積層体をテフロン (登録商標)製のプレート 上にポリイミドテープで固定し、 220°Cの温度槽中で 30分間加熱してノボラック型ェ
ポキシ榭脂を硬化させた。得られた積層体を電子顕微鏡で観察したところ、実施例 7 で得た積層体と同様、多孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて連通性を有する微 小孔で構成されていた。
[0425] 実施例 14
旭硝子株式会社製塗料用フッ素榭脂(商品名「ルミフロン LF— 200」 )とポリイソシ ァネートイ匕合物(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「コロネート HX」)をキシ レンで希釈し、フッ素榭脂 Zポリイソシァネートイ匕合物 Z溶剤が 0. 86重量部 ZO. 1 4重量部 Z 100重量部である塗布液を調製した。
実施例 7で作成した多孔質層を有するフィルム (多孔質層;ポリアミドイミド、基材フィ ルム;ポリイミド)を上記塗布液に 3分間浸漬した後に、塗布液から取り出し、自然乾 燥させた。次に、乾燥した多孔質層を有するフィルムをテフロン (登録商標)製のプレ ート上にポリイミドテープで固定し、 270°Cの温度槽中で 30分間加熱してフッ素榭脂
Zポリイソシァネートイ匕合物を硬化させた。得られた積層体を電子顕微鏡で観察した ところ、実施例 7で得た積層体と同様、多孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて連 通性を有する微小孔で構成されて!ヽた。
[0426] 実施例 15
実施例 13で作成した積層体を用いて以下の方法により配線基板を作成した。 ナフトキノンジアジド含有フエノール榭脂(ナフトキノンジアジド含有率; 33当量 mol %)をアセトンに溶解して、 lwt。/c^濃度の感光性組成物溶液を調整した。得られた 溶液を用いて、ディップ法にて実施例 13で作成した積層体の両面にコーティングし た。この操作により、多孔質層の内部空孔表面がナフトキノンジアジド含有フエノール 榭脂で被覆された。さらに、室温で 30分乾燥させて、感光性組成物被覆層を形成し た。
[0427] 感光性組成物被覆層を設けた積層体の多孔質層側に対して、ライン幅 lmm、スぺ ース lmmのマスクを介して光量 500mjZcm2 (波長 436nm)の条件で露光し、イン デンカルボン酸カゝらなる潜像を形成させた。パターン潜像が形成された積層体に、キ ャタライザ一一ァクセレータ法による触媒処理を施した。具体的には、 0. 5Mに調整 した硫酸銅水溶液に 5分浸漬後、蒸留水による洗浄を 3回繰り返した。用いた硫酸銅
水溶液の pHは 4. 1であった。洗浄後のフィルムを、水素化ホウ素ナトリウム 0. 01M 水溶液に 30分浸漬後、蒸留水で洗浄した。上記触媒処理により、パターン潜像部に 還元銅が存在する部材を作成した。得られた配線基板用材料には、ライン幅 lmm、 スペース lmmのパターンが形成されて 、た。このようにして得た配線基板用材料を、 さらに無電解銅メツキ液に 30分浸漬して、露光パターン部に銅メツキを施すことにより ライン幅 lmm、スペース lmmの配線パターンを持つ配線基板を作成した。
[0428] 実施例 16
実施例 15にお 、て、実施例 8で作成した積層体を用 、た点以外は実施例 15と同 様の操作により露光パターン部にライン幅 lmm、スペース lmmの銅配線パターンを 持つ配線基板を作成した。
[0429] 実施例 17
積層体として実施例 7で得た積層体 [基材 /多孔質層がポリイミドフィルム (25 μ m ) Zポリアミドイミド(20 m) ]を用い、触媒処理としてセンシタイジング一ァクチべ一 ティング法を用いて配線基板用材料を作成した。センシタイジングーアクチべ一ティ ング法は、具体的には下記の方法により行った。
[0430] 0. 89mol/m3SnCl
2、 2. 4molZm3HClからなる塩化第一すず溶液を調製し、 センシタイジング液として用いた。また、 0. 56mol/m3PdCl
2、 12. 0mol/m3HClか らなる塩化パラジウム溶液を調製し、ァクチべ一ティング液として用いた。
積層体に、センシタイジング液に 120秒間浸漬した後、イオン交換水で洗浄した。 次に、ァクチべ一ティング液に 60秒間浸漬した後、イオン交換水で洗浄することによ り、積層体の表面に触媒処理 (触媒核形成による活性化処理)を施した。
イオン交換水 100mlに、 NiSO · 6Η 03gを溶解した後、クェン酸ナトリウム二水和
4 2
物 lgをカ卩えて溶解し、次いで次亜リン酸ナトリウム一水和物 lgをカ卩えて溶解して得ら れた溶液を、ニッケルメツキ液として用いた。
[0431] 触媒処理後の多孔膜積層体を、 90°Cに加熱したニッケルメツキ液に浸漬したところ 、すぐに泡が発生し、多孔質層表面にニッケルの被膜が形成された。 10分後に多孔 膜積層体を取り出し、イオン交換水で洗浄した後、自然乾燥した。ニッケルの被膜は 、多孔膜積層体における多孔質層表面に選択的に析出していた。基材 (均質なポリ
イミド層)にはニッケルの被膜のわずかな析出が見られたが、続いてイオン交換水を 用いた洗浄によりニッケル被膜は全て脱落した。こうして得られた積層体は、触媒処 理により表面積の大きい多孔質層に触媒が多量に付着したことでニッケルの析出が 加速され、さらに析出したニッケルは多孔質層に絡みつくことで強固に固定されたた めと考えられる。基材表面は触媒の付着量が著しく少ない上に、均質な表面で構成 されて 、るためニッケルは絡みつくことはできな 、ため、ニッケル被膜は形成できなか つたと考えられる。
[0432] 実施例 18
実施例 17において、積層体として実施例 8で得た積層体 [基材 /多孔質層がポリ イミドフィルム(25 m) Zポリイミド(20 m) ]を用いた点以外は実施例 17と同様の 方法により配線基板用材料を作成した。
[0433] 実施例 19
積層体として実施例 7で得た積層体 [基材 /多孔質層がポリイミドフィルム (25 μ m ) Zポリアミドイミド (20 m) ]に、導電インク [藤倉化成株式会社製銀ペースト ナノ' ドータイト XA9053]で、印刷スピードは 30mmZsec、印圧 0. IMPaの条件で、 20 μ mのラインアンドスペース(L/S = 20 μ m/20 μ m)の配線パターンを用いてスク リーン印刷方式にて印刷を行った。使用したスクリーン印刷機はニューロング精密ェ 業株式会社製 LS— 25TVAであった。印刷後、 180°Cで 30分間保持し、導電インク を硬化させて配線を形成した。使用したインクは酸化銀が加熱により還元されて銀に なるタイプのものであって、印刷直後は黒色であった力 加熱後には金属銀の光沢 を示した。電子顕微鏡で観察したところ、 LZS = 20 /z πιΖ20 /ζ mの配線パターンが 形成されていた。
[0434] 実施例 20
ポリアミドイミド系榭脂溶液 (東洋紡績社製の商品名「バイ口マックス N— 100H」;固 形分濃度 15重量%、溶剤 NMP、溶液粘度 60dPa' sZ25°C) 100重量部に、水溶 性ポリマーとしてポリビニルピロリドン (分子量 5万) 15重量部をカ卩えて製膜用の原液 とした。この原液を 25°Cに保持し、基材であるポリイミドフィルム (東レ'デュポン社製 の商品名「カプトン 100H」、厚み 25 μ m)上に、フィルムアプリケーターを使用してキ
ャストした。このとき、フィルムアプリケーターと基材とのギャップを 89 μ mの条件で行 つた。キャスト後、速やかに湿度約 100%、温度 50°Cの容器中に 4分間保持した。そ の後、水中に浸積して凝固させ、次いで基材力 剥離させることなく室温下で自然乾 燥することによって基材上に多孔質層が積層された積層体を得た。多孔質層の厚み は約 14 μ mであり、積層体の総厚みは約 39 μ mであった。
[0435] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、テープと多孔質層の界 面で剥離し、基材と多孔質層との界面剥離は起こらず、互いに密着したままであった 。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層がポリイミドフィルムに密着し ており多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 1 μ mであり、多孔質層内部は ほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 1 μ mの連通性を持つ微小孔が存在してい た。多孔質層内部の空効率は 70%であった。
[0436] 実施例 21
実施例 7において、水溶性ポリマーとしてポリビュルピロリドン (分子量 5万) 30重量 部を用いた点以外は実施例 7と同様の操作を行い、基材上に多孔質層が積層され た積層体を得た。得られた多孔質層の厚みは約 23 mであり、積層体の総厚みは 約 48 μ mであった。
[0437] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、テープと多孔質層の界 面で剥離し、基材と多孔質層との界面剥離は起こらず互いに密着したままであった。 この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層がポリイミドフィルムに密着して おり、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 1 mであり、多孔質層内部は ほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 1 μ mの連通性を持つ微小孔が存在してい た。また、多孔質層内部の空孔率は 70%であった。
[0438] 実施例 22
実施例 1において、基材として、帝人デュポン社製 PETフィルム(商品名「HS74A S」、厚み 100 m)を用い、該フィルムの AS面 (静電気防止処理面)上に製膜用の 原液を、フィルムアプリケーターと基材とのギャップ 13 mの条件でキャストした点以 外は実施例 1と同様の操作を行い、基材上に多孔質層が積層された積層体を得た。 得られた多孔質層の厚みは 7 mであり、積層体の総厚みは約 107 mであった。
[0439] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、テープと多孔質層の界 面で剥離し、基材と多孔質層との界面剥離は起こらず互いに密着したままであった。 この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層が PETフィルムに密着しており 、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 1 mであり、多孔質層内部はほぼ 均質で全域に亘つて平均孔径が約 1 μ mの連通性を持つ微小孔が存在していた。ま た、多孔質層内部の空孔率は 70%であった。
[0440] 実施例 23
実施例 19において、積層体として実施例 21で得た積層体 [基材 /多孔質層がポリ イミドフィルム(25 m) Zポリアミドイミド(23 m) ]を用いた点以外は実施例 19と同 様の操作を行 、、 L/S = 20 μ m/20 μ mの配線パターンを用いてスクリーン印刷 方式にて印刷を施して配線基板を製造した。得られた配線基板を電子顕微鏡で観 察したところ、 LZS = 20 μ m/20 μ mの配線パターンが形成されて!、た。
[0441] 実施例 24
実施例 19において、積層体として実施例 22で得た積層体 [基材 Z多孔質層が PE Tフィルム(100 μ m) Zポリアミドイミド(7 m) ]を用いた点以外は実施例 19と同様 の操作を行 、、 L/S = 20 μ m/20 μ mの配線パターンを用いてスクリーン印刷方 式にて印刷を施して配線基板を製造した。得られた配線基板を電子顕微鏡で観察し たところ、 LZS = 20 μ m/20 μ mの配線パターンが形成されて!、た。
[0442] 実施例 25
実施例 23で得られた配線基板に対し、以下の方法に従ってポリアミドイミド多孔質 層の空孔に榭脂を充填した。
上記配線基板を、 KPI社製ホットプレート(商品名「MODEL HP- 19U300」)の天板 上にポリイミドテープで固定して 60°Cに昇温した。ハンツマン ·アドバンスト 'マテリア ルズ社製エポキシ榭脂(商品名「ァラルダイト 2020」、 2液性エポキシ榭脂)の A液 Z B液を重量比で 100Z30で混合して得た硬化性榭脂 (未硬化のエポキシ榭脂)を配 線基板の多孔質層側表面に載せた。硬化性榭脂をフッ素榭脂製のヘラで全体的に 広げ、多孔質層の空孔部に未硬化のエポキシ榭脂を完全に充填した。余分のェポ キシ榭脂はヘラと紙ウェスで除去した後、そのまま 60°Cで 1. 5時間加熱を続けてェ
ポキシ榭脂を硬化させ、多孔質層の空孔に榭脂を充填された配線基板を製造した。
[0443] 実施例 26
実施例 25において、エポキシ榭脂として、「ァラルダイト 2020」の代わりに同社製の 商品名「ァラルダイト 2011」(2液性エポキシ榭脂)の A液/ B液を重量比で 100/8 0で混合して得た硬化性榭脂を用いた点以外は実施例 25と同様の操作を行 ヽ、多 孔質層の空孔に榭脂を充填された配線基板を製造した。
[0444] 実施例 27
実施例 23で得られた配線基板に対し、以下の方法に従ってポリアミドイミド多孔質 層の空孔に榭脂を充填した。
上記配線基板を、 KPI社製ホットプレート(商品名「MODEL HP- 19U300」)の天板 上にポリイミドテープで固定して 60°Cに昇温した。ハンツマン ·アドバンスト 'マテリア ルズ社製エポキシ榭脂(商品名「ァラルダイト 2020」、 2液性エポキシ榭脂)の A液 Z B液を重量比で 100Z30で混合して得た硬化性榭脂 (未硬化のエポキシ榭脂)を配 線基板の多孔質層側表面に載せた。硬化性榭脂をフッ素榭脂製のヘラで全体的に 広げ、多孔質層の空孔部に未硬化のエポキシ榭脂を完全に充填し、余分のェポキ シ榭脂はヘラと紙ウェスで除去した。
さらに、配線基板の上記方法で榭脂充填された多孔質層表面に、カバーレイとして ポリイミドフィルム(商品名「カプトン 100HJ、厚み 25 m)を層間に気泡が入らないよ うに注意深く載せ、さらにヘラで密着させた。そのまま 60°Cで 1. 5時間加熱を続けて エポキシ榭脂を硬化させることにより、多孔質層の空孔に榭脂が充填され、且つポリ イミド製カバーレイが積層されたフレキシブル配線基板を製造した。
[0445] 実施例 28
実施例 25で得られた多孔質層の空孔に榭脂を充填された配線基板を、多孔質層 側が表面となるように KPI社製ホットプレート(商品名「MODEL HP- 19U300」)の天板 上にポリイミドテープで固定した。この配線基板の上面に、ニツカン工業株式会社製 のポリイミドフィルム基材カバーレイ用フィルム [商品名「CISV— 2525DB」、層構成 (厚み) =ポリイミドフィルム基材 (25 ^ m) Z熱硬化性榭脂製接着剤層(25 m) ]を 、接着剤層表面が接触するように重ね、ヘラで層間の気泡を除いた。 1. 5kgの鉄製
の重り(底面積 100cm2)をカバーレイ用フィルム上に載せ、 150°Cに昇温し、 1. 5時 間加熱した。そのままの状態で加熱を止め、室温まで自然冷却することによりカバー レイ用フィルムの接着剤層が硬化されて、多孔質層の空孔に榭脂が充填され、且つ ポリイミド製カバーレイが積層されたフレキシブル配線基板を製造した。
[0446] 実施例 29
ポリイミドフィルム(倉敷紡績社製の商品名「ミドフィル NS」、厚み 50 μ m)を 0. IN NaOH水溶液に 60分間浸漬し、ポリイミドフィルムの表面処理 (アルカリ処理)を行つ た。
次に、ポリアミドイミド系榭脂溶液 (東洋紡績社製の商品名「バイ口マックス HR11N N」;固形分濃度 15重量%、溶剤 NMP、溶液粘度 20dPa' sZ25°C) 100重量部に 、水溶性ポリマーとしてポリビニルピロリドン (分子量 5万) 30重量部をカ卩えて製膜用 の原液とした。この原液を 25°Cとし、前記ポリイミドフィルム(ミドフィル NS)の表面処 理を施した側の面に、フィルムアプリケーターを使用して、フィルムアプリケーターと基 材とのギャップを 51 mの条件でキャストした。キャスト後速やかに湿度約 100%、温 度 50°Cの容器中に 4分間保持した。その後、水中に浸漬して凝固させ、次いで基材 力 剥離させることなく室温下で自然乾燥することによって基材上に多孔質層が積層 された積層体を得た。多孔質層の厚みは約 25 mであり、積層体の総厚みは約 75 μ mであった。
得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、テープと多孔質層の界 面で剥離し、基材と多孔質層との界面剥離は起こらず互いに密着したままであった。 この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層がポリイミドフィルムに密着して おり、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 1 mであり、多孔質層内部は ほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 1 μ mの連通性を持つ微小孔が存在してい た。また、多孔質層内部の空孔率は 70%であった。
[0447] 参考例 1
実施例 29において、ポリイミドフィルムとして、表面処理(アルカリ処理)を行ってい ないものを用いた点以外は実施例 29と同様の操作を行った。しかし、水中に浸漬後 しばらくすると多孔質層がポリイミドフィルム力 剥離してしまい、積層体を得ることが
できなかった。
[0448] 実施例 30
実施例 23で得られた配線基板に対し、以下の方法に従ってポリアミドイミド多孔質 層の空孔に榭脂を充填した。
上記配線基板を、 KPI社製ホットプレート(商品名「MODEL HP- 19U300」)の天板 上にポリイミドテープで固定した。可溶性榭脂が溶剤に溶解された榭脂溶液として、 東洋紡績社製バイ口マックス HR15ET (榭脂成分:ポリアミドイミド系榭脂、溶剤:溶 剤エタノール 50重量%Zトルエン 50重量%、固形分濃度 25重量%、溶液粘度 7dP a' s/25°C)を用い、該榭脂組成物を配線基板の多孔質層上に載せ、フッ素榭脂製 のヘラで全体的に広げて多孔質層の空孔部に樹脂溶液を充填し、余分の溶液はへ ラと紙ウェスで除去した。その後 60°Cで 1. 5時間加熱を続けた。溶剤は揮発し、榭 脂充填された積層体が得られた。
[0449] 参考例 2
実施例 23で得られた配線基板を、ガラス製シャーレ中の NMP溶剤に浸漬した後、 直ちに引き上げてウェスの間に挟んで過剰の NMPを除去した。しかし、配線基板の 多孔質層は直ちに NMPに溶解してしまい、多孔質層上に描かれた配線は流れ出し てパターンは完全に崩れてしまった。
[0450] 参考例 3
実施例 23で得られた配線基板に対し、以下の方法で溶剤処理を施したが、多孔質 層の空孔構造に変化は見られな力つた。
上記配線基板を、ガラス製シャーレ中のアセトン溶剤に浸漬した後、直ちに引き上 げてウェスの間に挟んで過剰のアセトンを除去した。次いで、自然乾燥させ、 KPI社 製ホットプレート(商品名「MODEL HP-19U300」)の天板上にポリイミドテープで固定 し、 150°Cで 20分間加熱した。得られた配線基板の多孔質層は、溶剤処理前とほと んど変化が見られな力つた。
[0451] 実施例 31〜44及び参考例 4、 5
実施例 23で得られた配線基板を用いて、表 1に示される各組成の混合溶剤を用い て以下の方法で溶剤処理を施して多孔質層の空孔構造が失われた配線基板を製造
した。
上記配線基板を、ガラス製シャーレ中の混合溶剤に浸漬した後、直ちに引き上げ てウェスの間に挟んで過剰の混合溶剤を除去した。次いで、自然乾燥させ、 KPI社 製ホットプレート(商品名「MODEL HP-19U300」)の天板上にポリイミドテープで固定 し、 150°Cで 20分間加熱した。後述する評価基準に基づき、多孔質層の透明性と配 線パターンの保持性につ 、て評価した。その結果を表 1に示す。
[0452] 実施例 45
実施例 24で得られた配線基板を用いて、以下の方法で溶剤処理を施して多孔質 層の空孔構造が失われた配線基板を製造した。
上記配線基板を、ガラス製シャーレ中の混合溶剤 [NMPZ水 (重量比) = 1Z2]に 浸漬した後、直ちに引き上げてウェスの間に挟んで過剰の混合溶剤を除去した。次 V、で、自然乾燥させ、 KPI社製ホットプレート(商品名「MODEL HP-19U300J )の天 板上にポリイミドテープで固定し、 150°Cで 20分間加熱した。上記溶剤処理によりポ リアミドイミド多孔質層が透明化され、得られた配線基板は、全体としてわずかに黄色 力 Sかった透明フィルムに配線が形成された形態として得られた。
[0453] 実施例 46
積層体として実施例 22で得た積層体 [基材,多孔質層が PETフィルム(100 μ m) Zポリアミドイミド (7 m) ]に、導電インク [藤倉化成株式会社製銀ペースト ナノ'ド 一タイト XA9053]で、印刷スピードは 10mmZsec、印圧 0. 2MPaの条件で、線幅 20 でピッチ (繰り返し間隔) 300 mの格子パターンのスクリーン版を用いてスクリ ーン印刷方式にて印刷を行った。使用したスクリーン印刷機は-ユーロング精密工業 株式会社製 LS— 150TVAであった。印刷後、 150°Cで 30分間保持し、導電インク を硬化させて配線を形成した。使用したインクは酸ィ匕銀が加熱により還元されて銀に なるタイプのものであって、印刷直後は黒色であった力 加熱後には金属銀の光沢 を示した。電子顕微鏡で観察したところ、線幅 20 μでピッチ (繰り返し間隔) 300 μ m の格子パターンが形成されて 、た。電磁波シールドフィルムとして使用することができ る。
[0454] 実施例 47
実施例 46で得られた格子パターン印刷品に対し、以下の方法に従ってポリアミドィ ミド多孔質層の空孔に榭脂を充填した。
上記配線基板を、 KPI社製ホットプレート(商品名「MODEL HP- 19U300」)の天板 上にポリイミドテープで固定して 60°Cに昇温した。ハンツマン ·アドバンスト 'マテリア ルズ社製エポキシ榭脂(商品名「ァラルダイト 2020」、 2液性エポキシ榭脂)の A液 Z B液を重量比で 100Z30で混合して得た硬化性榭脂 (未硬化のエポキシ榭脂)を格 子パターン印刷品の多孔質層側表面に載せた。硬化性榭脂をフッ素榭脂製のヘラ で全体的に広げ、多孔質層の空孔部に未硬化のエポキシ榭脂を完全に充填した。 余分のエポキシ榭脂はヘラと紙ウェスで除去した後、そのまま約 30°Cの室温下で 10 時間放置してエポキシ榭脂を硬化させ、多孔質層の空孔に榭脂が充填された格子 ノ ターン印刷品を製造した。電磁波シールドフィルムとして使用することができる。
[0455] 実施例 48
実施例 46で得られた格子パターン印刷品を用いて、以下の方法で溶剤処理を施 して多孔質層の空孔構造が失われた格子パターン印刷品を製造した。
上記格子パターン印刷品に、混合溶剤 [NMPZアセトン (重量比) = 1Z4]をフル プラ社製スプレー(商品名「ダイヤスプレーエクセレント NO.3530」 )で噴霧し全体を均 質に濡らした。次いで、自然乾燥させ、 KPI社製ホットプレート(商品名「MODEL HP - 19U300」)の天板上にポリイミドテープで固定し、 60°Cで 60分間加熱した。上記溶 剤処理によりポリアミドイミド多孔質層が透明化され、得られた格子パターン印刷品は 、全体としてわずかに黄色が力つた透明フィルム上に格子パターンが形成された形 態として得られた。電磁波シールドフィルムとして使用することができる。
[0456] 実施例 49
実施例 1にお 、て、基材として PETフィルムの代わりにカプトン粘着テープ(寺岡製 作所社製、商品名「650R# 25 (離型フィルム付)」、カプトン厚み 25 μ m、粘着剤厚 み 25 μ m)を用い、フィルムアプリケーターとカプトン粘着テープ基材とのギャップ 51 μ mの条件でキャストした点以外は実施例 1と同様の操作を行って、基材上に多孔 質層が積層された積層体を得た。多孔質層の厚みは約 20 mであり、積層体の総 厚みは約 45 μ mであった。
得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、基材と多孔質層とが界面 剥離を起こさな力つた。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層が基材 に密着しており、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 1. O /z mであり、多 孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 1. 0 /z mの連通性を持つ微 小孔が存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 70%であった。
[0457] 実施例 A1
ポリアミドイミド系榭脂溶液 (東洋紡績社製の商品名「バイ口マックス HR11NN」;固 形分濃度 15重量%、溶剤 NMP、溶液粘度 20dPa' sZ25°C) 100重量部に、水溶 性ポリマーとしてポリビニルピロリドン (分子量 5万) 30重量部をカ卩えて製膜用の原液 とした。ガラス板上に SEFAR社製のメッシュクロス(厚み 50 m:商品名「PETEX PET 64HCJ )を置き、該メッシュクロス上に 25°Cに保持した原液をフィルムアプリケ 一ターを使用してキャストした。キャスト時のフィルムアプリケーターとメッシュクロスと のギャップは 51 mで行った。キャスト後速やかに湿度約 100%、温度 50°Cの容器 中に 4分間保持した。その後、水中に浸漬して凝固させ、次いでメッシュクロス力も剥 離させることなく室温下で自然乾燥することによってメッシュクロスと多孔質層とがー 体ィ匕した積層体を得た。積層体の総厚みは約 62 mであった。
[0458] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、メッシュクロスと多孔質層 とが界面剥離を起こさな力つた。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質 層がメッシュクロスに密着しており、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 1 . であり、多孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 1. の 連通性を持つ微小孔が存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 70%であつ た。
[0459] 実施例 A2
実施例 A1において、メッシュクロスとして、 SEFAR社製の商品名「NYTAL NY9 0HC」のメッシュクロス (厚み 61 μ m)を用いた点以外は実施例 A1と同様の操作を行 つて、メッシュクロスと多孔質層が一体ィ匕した積層体を得た。積層体の総厚みは約 70 μ mであった。
[0460] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、メッシュクロスと多孔質層
とが界面剥離を起こさな力つた。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質 層がメッシュクロスに密着しており、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 1 . O /z mであり、多孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 1. O /z mの 連通性を持つ微小孔が存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 70%であつ た。
[0461] 実施例 A3
実施例 A1において、メッシュクロスとして、 SEFAR社製の商品名「NYTAL PAC F130— 49、」のメッシュクロス(厚み 90 m)を用いた点以外は実施例 A1と同様の 操作を行って、メッシュクロスと多孔質層が一体化した積層体を得た。積層体の総厚 みは約 97 μ mであった。
[0462] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、メッシュクロスと多孔質層 とが界面剥離を起こさな力つた。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質 層がメッシュクロスに密着しており、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 1 . O /z mであり、多孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 1. O /z mの 連通性を持つ微小孔が存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 70%であつ た。
[0463] 実施例 A4
積層体として実施例 A1で得た積層体 [総厚み約 62 m:メッシュクロス (PETEX PET 64HC) /多孔質層がポリアミドイミドフィルム]を用い、触媒処理としてセンシ タイジングーアクチべ一ティング法を用いて電磁波制御材を作成した。センシタイジ ングーアクチべ一ティング法は、具体的には下記の方法により行った。
[0464] 0. 89mol/m3SnCl、 2. 4mol/m3HClからなる塩化第一すず溶液を調製し、セ
2
ンシタイジング液として用いた。また、 0. 56mol/m3PdCl
2、 12. OmolZm3HClか らなる塩化パラジウム溶液を調製し、ァクチべ一ティング液として用いた。
積層体に、センシタイジング液に 120秒間浸漬した後、イオン交換水で洗浄した。 次に、ァクチべ一ティング液に 60秒間浸漬した後、イオン交換水で洗浄することによ り、積層体の表面に触媒処理 (触媒核形成による活性化処理)を施した。
イオン交換水 100mlに、 NiSO · 6Η 03gを溶解した後、クェン酸ナトリウム二水和
物 lgをカ卩えて溶解し、次いで次亜リン酸ナトリウム一水和物 lgをカ卩えて溶解して得ら れた溶液を、ニッケルメツキ液として用いた。
[0465] 触媒処理後の多孔膜積層体を、 90°Cに加熱したニッケルメツキ液に浸漬したところ 、すぐに泡が発生し、多孔質層表面にニッケルの被膜が形成された。 10分後に多孔 膜積層体を取り出し、イオン交換水で洗浄した後、自然乾燥した。ニッケルの被膜は 、多孔膜積層体における多孔質層表面に選択的に析出していた。こうして得られた 積層体は、触媒処理により表面積の大き 、多孔質層に触媒が多量に付着したことで ニッケルの析出が加速され、さらに析出したニッケルは多孔質層に絡みつくことで強 固に固定されたためと考えられる。
[0466] 実施例 A5
実施例 A1において、メッシュクロスの代わりに日本バイリーン社製の商品名「MF— 80KJのポリエステル系不織布 (厚み約 100 μ m)を用いた点以外は実施例 A1と同 様の操作を行って、不織布と多孔質層が一体化した積層体を得た。積層体の総厚み は約 127 /z mであった。
得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、不織布と多孔質層とが界 面剥離を起こさな力つた。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層が不 織布に密着しており、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 1. O /z mであり 、多孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 1. O /z mの連通性を持つ 微小孔が存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 70%であった。
[0467] 実施例 A6
ポリエーテルスルホン(住友化学社製の商品名「スミカエタセル PES 5200PJ )、 水溶性ポリマーとしてのポリビュルピロリドン (分子量 5万)、及び溶剤としての NMPを 、ポリエーテルスルホン ZNMPZポリビュルピロリドンとの重量比が 15Z85Z30と なる割合で混合して製膜用の原液とした。この原液を 25°Cとし、基材である日本バイ リーン社製の商品名「MF— 80K」のポリエステル系不織布(厚み約 100 μ m)上に、 フィルムアプリケーターを使用して、フィルムアプリケーターと基材とのギャップを 102 mの条件でキャストした。キャスト後速やかに湿度約 100%、温度 50°Cの容器中に 4分間保持した。その後、水中に浸漬して凝固させ、次いで基材力 剥離させること
なく室温下で自然乾燥することによって、不織布と多孔質層とがー体ィ匕した積層体を 得た。積層体の総厚みは約 122 mであった。
得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、不織布と多孔質層とが界 面剥離を起こさな力つた。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層が不 織布に密着しており、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 3. O /z mであり 、多孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 3. O /z mの連通性を持つ 微小孔が存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 70%であった。
[0468] 実施例 A7
積層体として実施例 A5で得た積層体 [基材,多孔質層がポリエステル系不織布( 約 100 m) Zポリアミドイミドで総厚みは約 127 m]に、導電インク [藤倉化成株式 会社製銀ペースト ナノ'ドータイト XA9053]で、印刷スピードは 30mmZsec、印圧 は 0. IMPaの条件で、 20 μ mのラインアンドスペース(LZS = 20 μ m/20 m)の スクリーン版を用いてスクリーン印刷方式にて印刷を行った。使用したスクリーン印刷 機は-ユーロング精密工業株式会社製 LS— 25TVAであった。印刷後、 180°Cで 3 0分間保持し、導電インクを硬化させて配線を形成した。使用したインクは酸化銀が 加熱により還元されて銀になるタイプのものであって、印刷直後は黒色であつたが、 加熱後には金属銀の光沢を示した。電子顕微鏡で観察したところ、 \,/3 = 20 β ΐη /20 μ mの配線パターンが形成されて 、た。
[0469] 実施例 A8
実施例 A7で得られた配線基板に対し、以下の方法に従ってポリアミドイミド多孔質 層の空孔に榭脂を充填した。
上記配線基板を、 KPI社製ホットプレート(商品名「MODEL HP- 19U300」)の天板 上に置いたテフロン (登録商標)シート (厚み 50 m)にポリイミドテープで固定して 6 0°Cに昇温した。ハンツマン 'アドバンスト'マテリアルズ社製エポキシ榭脂(商品名「 ァラルダイト 2020」、 2液性エポキシ榭脂)の A液 ZB液を重量比で 100Z30で混合 して得た硬化性榭脂 (未硬化のエポキシ榭脂)を配線基板の多孔質層側表面に載せ た。硬化性榭脂をフッ素榭脂製のヘラで全体的に広げ、多孔質層の空孔部に未硬 化のエポキシ榭脂を完全に充填した。余分のエポキシ榭脂はヘラと紙ウェスで除去
した後、そのまま約 30°Cの室温下で 10時間放置してエポキシ榭脂を硬化させ、多孔 質層の空孔に榭脂が充填された配線基板を製造した。
[0470] 実施例 A9
実施例 A1で得た積層体を整形し、各辺の長さが 8〜30mmの範囲である直角三 角形の頂点を形成する 3点の小さな孔を開けたサンプル (30mm X 20mm)を作成し 、 3点間 a、 b、 cの距離を測定することによりサンプルの形状の変化を評価した。まず 、初期の距離 al、 bl、 clを測定した。次に、径が約 100mmのシャーレに溶剤のメタ ノールを約 50cc入れ、その中にサンプルを投入した。浸漬して 10分後にサンプルを 取り出し、乾燥しないようにスライドガラスではさんだ後、距離 a2、 b2、 c2を測定した。 下記式を用いて、 a、 b、 cのそれぞれの変化率を計算した。
浸漬後の aの変化率 (%) ={(a2— al) Zal} X 100
b及び cの変化率も同様の方法で算出した。
その結果浸漬後の変化率は a、 b、 cとも全て 0%であり、積層体のメタノールによる 形状の変化は見られな力つた。メッシュクロスが形状の維持に非常に有効であること が確認された。
[0471] 実施例 A10
実施例 A9にお ヽて、溶剤としてイオン交換水を用いた点以外は実施例 A9と同様 の操作を行って、サンプルの形状の変化を評価した。
その結果、浸漬後の変化率は a、 b、 cとも全て 0%であり、積層体のイオン交換水に よる形状の変化は見られな力つた。メッシュクロスが形状の維持に非常に有効である ことが確認された。
[0472] 実施例 B1
ポリアミドイミド系榭脂溶液 (東洋紡績社製の商品名「バイ口マックス HR11NN」;固 形分濃度 15重量%、溶剤 NMP、溶液粘度 20dPa' sZ25°C) 100重量部に、水溶 性ポリマーとしてポリビニルピロリドン (分子量 5万) 30重量部をカ卩えて製膜用の原液 とした。この原液を 25°Cとし、基材である三井金属鉱業株式会社製銅箔 (商品名「3E C— HTE」、厚み 18 μ m)粗面上に、フィルムアプリケーターを使用して、フィルムァ プリケーターと基材とのギャップ 51 μ mの条件でキャストした。キャスト後速やかに湿
度約 100%、温度 50°Cの容器中に 4分間保持した。その後、水中に浸漬して凝固さ せ、次いで基材力 剥離させることなく室温下で自然乾燥することによって基材上に 多孔質層が積層された積層体を得た。多孔質層の厚みは約 15 mであり、積層体 の総厚みは約 33 μ mであった。
[0473] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、基材と多孔質層とが界面 剥離を起こさな力つた。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層が PET フィルムに密着しており、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 0. で あり、多孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 0. 5 mの連通性を 持つ微小孔が存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 60%であった。
[0474] 実施例 B2
実施例 B1において、水溶性ポリマーを 10重量部使用し、フィルムアプリケーターと 銅箔基材とのギャップ 152 μ mの条件でキャストした点以外は実施例 B1と同様の操 作を行って、基材上に多孔質層が積層された積層体を得た。多孔質層の厚みは約 3 7 μ mであり、積層体の総厚みは約 55 μ mであった。
[0475] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、基材と多孔質層とが界面 剥離を起こさな力つた。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層が基材 に密着しており、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 7 mであり、多孔 質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 7 mの連通性を持つ微小孔が 存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 60%であった。
[0476] 実施例 B3
実施例 B1において、基材として、銅箔の代わり〖こ日本製箔株式会社製アルミ箔( 商品名「-ッパクホイル」、厚み 12 m)を用い、該アルミ箔の粗面上にフィルムアプリ ケーターとアルミ箔基材とのギャップ 89 μ mの条件でキャストした点以外は実施例 B1 と同様の操作を行って、基材上に多孔質層が積層された積層体を得た。多孔質層の 厚みは約 23 μ mであり、積層体の総厚みは約 35 μ mであった。
[0477] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、基材と多孔質層とが界面 剥離を起こさな力つた。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層が基材 に密着しており、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 0. 5 mであり、多
孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 0. 5 mの連通性を持つ微 小孔が存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 60%であった。
[0478] 実施例 B4
実施例 B3にお 、て、基材であるアルミ箔の光沢面上に原液をキャストした点以外 は実施例 B3と同様の操作を行って、基材上に多孔質層が積層された積層体を得た 。多孔質層の厚みは約 18 mであり、積層体の総厚みは約 30 mであった。
[0479] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、基材と多孔質層とが界面 剥離を起こさな力つた。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層が基材 に密着しており、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 0. 5 mであり、多 孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 0. 5 mの連通性を持つ微 小孔が存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 60%であった。
[0480] 比較例 B1
実施例 B1において、基材として、銅箔の代わりに PETフィルム (帝人デュポン社製 、商品名「Sタイプ」)を用い、原液を PETフィルム上にキャスト後、水中に浸漬して凝 固させ、次いで、銅箔 (三井金属鉱業株式会社製の商品名「3EC—HTE」、厚み 18 μ m)粗面上に多孔質層を転写した後、乾燥することによって多孔フィルムを得た。
[0481] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、テープと多孔質層の界 面で剥離する前に、銅箔基材と多孔質層とが界面剥離を起こした部分があった。こ れは、多孔質層を銅箔基材に転写する際に、薄い多孔質層を取扱う過程でシヮが生 じ、多孔質層と銅箔基材との層間に空隙を含む部位が複数箇所生じて 、たためと思 われる。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層が銅箔基材に密着し ていない部分が複数個所見られた。多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 0. 3 mであり、多孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 0. 3 μ ηι の連通性を持つ微小孔が存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 70%であ つた ο
[0482] 実施例 Β5
実施例 B1で得た積層体 (基材 Ζ多孔質層が、銅箔 Ζポリアミドイミド)を 270°Cの温 度槽の中で 30分間加熱処理を施すことにより、多孔質層を構成するポリアミドイミドを
熱架橋させて不溶化させ、多孔質層に耐薬品性を付与した。加熱処理により耐溶剤 性が付与された多孔質層を有する積層体は、 NMPに浸漬して 10分後でも溶解しな カゝつたのに対し、実施例 B1で得た積層体 (加熱処理前)は NMPに浸漬して数秒以 内に溶解してしまった。
[0483] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、テープと新たに成形され た多孔質層の界面で剥離し、基材と該多孔質層との界面剥離は起こらず互いに密 着したままであった。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、新たに成形された 多孔質層が基材に密着しており、この多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は 約 0. 5 mであり、多孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 0. 5 μ mの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、新たに成形された多孔質層内部の 空孔率は 60%であった。
[0484] 実施例 B6
実施例 B1で得た積層体 [基材 Z多孔質層が、銅箔(18 ;ζ ΐη)Ζポリアミドイミド(15 μ m) ]における銅箔基材の多孔質層非形成面に、実施例 B1と同様の操作を行って ポリアミドイミドからなる多孔質層を厚み約 15 mで形成し、多孔質層 Z基材 Z多孔 質層が、ポリアミドイミド( 15 m) Z銅箔( 18 m) Zポリアミドイミド( 15 m)力 な る層構成を有する両面多孔膜積層体を総厚み約 48 μ mで得た。
[0485] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、基材と多孔質層とが界面 剥離を起こさな力つた。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層がポリ イミドフィルムに密着しており、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 0. 5 μ mであり、多孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 0. 5 mの連通 性を持つ微小孔が存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 60%であった。
[0486] 実施例 B7
ノボラック型エポキシ榭脂 (東都化成株式会社製、商品名「YDCN— 701」)をキシ レンで希釈し、ノボラック型エポキシ榭脂 Z溶剤が 5重量部 Z100重量部である耐薬 品性改善処理液を調製した。この耐薬品性改善処理液に、実施例 B1で得た積層体 (基材 Z多孔質層が、銅箔 Zポリアミドイミド)を 3分間浸漬した後、塗布液力 取り出 して自然乾燥させた。乾燥後の積層体をテフロン (登録商標)製のプレート上にポリィ
ミドテープで固定し、 220°Cの温度槽中で 30分間加熱してノボラック型エポキシ榭脂 を硬化させた。得られた積層体を電子顕微鏡で観察したところ、実施例 B1で得た積 層体と同様、多孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて連通性を有する微小孔で構 成されていた。
[0487] 実施例 B8
旭硝子株式会社製塗料用フッ素榭脂(商品名「ルミフロン LF— 200」 )とポリイソシ ァネートイ匕合物(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「コロネート HX」)をキシ レンで希釈し、フッ素榭脂 Zポリイソシァネートイ匕合物 Z溶剤が 0. 86重量部 ZO. 1 4重量部 Z 100重量部である塗布液を調製した。
実施例 B1で作成した多孔質層を有するフィルム [基材 Z多孔質層が、銅箔 Zポリ アミドイミド]を上記塗布液に 3分間浸漬した後に、塗布液力も取り出し、自然乾燥さ せた。次に、乾燥した多孔質層を有するフィルムをテフロン (登録商標)製のプレート 上にポリイミドテープで固定し、 270°Cの温度槽中で 30分間加熱してフッ素榭脂 Z ポリイソシァネートイ匕合物を硬化させた。得られた積層体を電子顕微鏡で観察したと ころ、実施例 B1で得た積層体と同様、多孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて連 通性を有する微小孔で構成されて!ヽた。
[0488] 実施例 B9
実施例 B1において、銅箔基材として、三井金属鉱業株式会社製銅箔の代わり〖こ 福田金属箔粉工業株式会社製銅箔 (商品名「RCF— T5B— 18」、厚み 18 m)を 用いた点以外は実施例 B1と同様の操作を行って、基材上に多孔質層が積層された 積層体を得た。多孔質層の厚みは約 21 μ mであり、積層体の総厚みは約 39 μ mで めつに。
[0489] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、基材と多孔質層とが界面 剥離を起こさな力つた。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層が基材 に密着しており、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 0. 5 mであり、多 孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 0. 5 mの連通性を持つ微 小孔が存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 60%であった。
[0490] 実施例 B 10
実施例 B9にお 、て、基材であるアルミ箔の粗面上に原液をキャストした点以外は 実施例 B9と同様の操作を行って、基材上に多孔質層が積層された積層体を得た。 多孔質層の厚みは約 19 mであり、積層体の総厚みは約 37 mであった。
[0491] 得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、基材と多孔質層とが界面 剥離を起こさな力つた。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質層が基材 に密着しており、多孔質層の表面に存在する孔の平均孔径は約 0. 5 mであり、多 孔質層内部はほぼ均質で全域に亘つて平均孔径が約 0. 5 mの連通性を持つ微 小孔が存在していた。また、多孔質層内部の空孔率は 60%であった。
[0492] (評価試験)
耐折性
実施例 7で得た積層体 [基材 /多孔質層がポリイミドフィルム(25 μ m) /ポリアミド イミド (20 m) ]、及び実施例 B1で得た積層体 [基材 Z多孔質層が、銅箔 Zポリアミ ドイミド]について、東洋精機製作所製 MIT耐揉疲労試験機 MIT—Dを使用して JIS
C 5016の耐折性試験を行った。試験条件は、サンプル形状 15 X 110mm,折り 曲げ角度 135° 、折り曲げ面の曲率半径 (R) O. 38mm,折り曲げ速度 175cpm、張 力 4. 9Nとした。この試験の結果、いずれの積層体も、折り曲げ回数 20000回でも切 断されず、多孔質層に僅かに折り曲げ跡が見られるのみで高い耐折性を示し、優れ た柔軟性を備えていた。
透明性
実施例 31〜44及び参考例 4、 5で得られた配線基板の配線パターンと多孔質層の 透明性を目視観察し、以下の基準で評価した。その結果を表 1に示す。
•配線パターンの保持性の評価
X:多孔質層の溶解により配線が流れて配線パターンが完全に失われた
〇:配線パターンは保持された状態であった
•多孔質層の透明性の評価
一 :多孔質層は溶解し、評価不能であった
X:多孔質層は溶解しな力つた力 ほとんど透明化しな力つた
△:多孔質層の一部に透明化して 、な 、部分があった
〇:多孔質層全体が透明化した
[0493] [表 1] 表 1
[0494] 以下の実施例について、多孔質フィルムの透気度、表面の平均孔径、空孔率の測 定、セロハン粘着テープによる剥離試験、及び接触角の測定は以下の方法により行 つた。結果を表 C1〜表 C4に示す。
[0495] [透気度]
YOSHIMITSU社製の Gurle s Densometerを用い、 JIS P8117に準じて測定した。 但し、測定面積が標準の 1Z10の装置を使用したので、 JIS P8117の付属書 1に 準じて標準のガーレー値に換算して求めた。
[0496] [表面の平均孔径]
電子顕微鏡写真から、フィルム表面の任意の 30点以上の孔につ 、てその面積を 測定しまずその平均値を平均孔面積 Saveとした。次に、次式力もその孔が真円であ ると仮定した時の孔径に換算し、その値を平均孔径とした。ここで πは円周率を表す 表面の平均孔径 = 2 X (Save/ π ) 1/2
[0497] [空孔率]
フィルムの空孔率は次式により求めた。ここで Vはフィルムの体積(cm3)、 Wはフィ ルムの重量 (g)、 Dはフィルム素材の密度 (gZcm3)であり、例えば、製造例 C3で用 いたポリカーボネートの密度は 1. 2 (g/cm3)とした。
空孔率(%) = 100—100 X WZ (V· D)
[0498] [セロハン粘着テープによる剥離試験]
配線を作製した多孔質フィルム (配線基板の基材)の両面に、セロハン粘着テープ [ニチバン (株)製、商品名「セロテープ (登録商標) No. 405」、幅 24mm]を貼り、口 一ラー( φ 30mm, 200gf荷重)で接着部分をなぞる。次いで、万能引張試験機 [ (株 )オリエンテック、商品名「TENSILON RTA— 500」]を用い、 50mmZ分の引張 速度で 180° 剥離を行う。なお、この方法は、 JIS K 6854— 2の方法〖こおいて、接 着剤をつけて剥離する代わりにセロハン粘着テープを用いて剥離するというものであ る。
[0499] [接触角の測定]
接触角の測定には協和界面科学 (株)製の接触角測定装置「Drop Master700j を使用した。 1 μ 1の試験液をフィルム表面に滴下し、液滴の接触角と液滴半径を測 定した (図 9参照)。製造例 C1で得られた ΡΑΙ多孔質フィルム (空気側表面)に、(0蒸 留水(表面張力 73duneZcm)、(ii)トルエン(表面張力 28. 4duneZcm)、(iii)ブチ ルカルビトールアセテート(表面張力 29. 9duneZcmZ20°C)、(iv)高粘度水溶液 A [蒸留水に 0. 5重量%のアーネストガム (ダイセル化学工業 (株)製のカルボキシメチ ルセルロース榭脂)が添加された水溶液]、(V)高粘度水溶液 B [蒸留水に 2. 0重量% のアーネストガム (ダイセル化学工業 (株)製のカルボキシメチルセルロース榭脂)が 添加された水溶液]をそれぞれ滴下した場合の、滴下後の経過時間と接触角 Θとの 関係を図 10に示す。さらに、前記 (i)〜(v)の液体の物性と、滴下後 100 sec及び 10 00 sec経過時点の接触角を表 5に示す。
[0500] 製造例 C1
東洋紡績 (株)製の商品名「バイ口マックス HR11N」 [ポリアミドイミド系榭脂 (PAI) 溶液、固形分濃度 15重量0 /0、溶剤 N—メチル—2—ピロリドン (NMP)、溶液粘度 20 dPa' sZ25°C]を使用し、この溶液 100重量部に対し、水溶性ポリマーとしてポリビ-
ルピロリドン (分子量 5. 5万)を 30重量部を加えて製膜用の原液とした。この原液を 2 5°Cとし、フィルムアプリケーターを使用して、多孔質フィルムの厚みが 50 mとなる ようにギャップ調整を行 、、基材 (均質な基板)である帝人デュポン (株)製 PETフィル ム(Sタイプ、厚み 100 m)上にキャストした。キャスト後速やかに相対湿度 100%、 温度 40°Cの容器中に移し、 3分間保持した後、水中に浸漬して凝固させた。次いで 、ポリプロピレン製不織布 (支持体:透気度 1秒 ZlOOcc未満、膜厚 260 /z m)を用い 、この支持体上にフィルムを転写し、支持体ごと乾燥することによって多孔質フィルム (多孔膜 A)を得た。
得られた多孔質フィルムの膜構造を電子顕微鏡 (SEM)で観察したところ、キャスト 時に空気側に接して 、た表面の平均孔径 A1は約 1. 1 m、基材側に接して 、た表 面の平均孔径 A2は約 0. 9 ^ πι, Al/A2= l . 22であり、フィルム内部はほぼ均質 で、全域にわたって連通性を持つ微小孔が存在していた。フィルムの空孔率は 80% であり、透過性能を測定したところ、ガーレー透気度で 9. 5秒であった。
得られた多孔質フィルムに対して接触角を測定した結果を表 5に示す。表 5に示さ れるように、この多孔質フィルムは (0蒸留水、(ii)トルエン、(iii)ブチルカルビトールァセ テート、 Gv)高粘度水溶液 A、(V)高粘度水溶液 Bのいずれに対しても良好な吸液性を 発揮することができる。
製造例 C2
ポリエーテルイミド (PEI) [日本 GEプラスチック (株)製、商品名「ウルテム 1000」]と ポリビニルピロリドン (分子量 5. 5万)を、それぞれ 17重量%となるように溶剤 NMPに 溶解して製膜用の原液とした。この原液を 25°Cとし、フィルムアプリケーターを使用し て、多孔質フィルムの厚みが 50 mとなるようにギャップ調整を行い、基材 (均質な基 板)である帝人デュポン社製 PETフィルム(Sタイプ、厚み 100 μ m)上にキャストした 。キャスト後、相対湿度 100%、温度 25°Cの雰囲気中にて 3分間保持した後、水中に 浸漬して凝固させた。次いで、ポリプロピレン製不織布 (支持体:透気度 1秒 ZlOOcc 未満、膜厚 260 m)を用い、この支持体上にフィルムを転写し、支持体ごと乾燥す ることによって多孔質フィルム (多孔膜 B)を得た。
得られた多孔質フィルムの膜構造を電子顕微鏡 (SEM)で観察したところ、キャスト
時に空気側に接していた表面の平均孔径 Alは 3. 2 /ζ πι、基材側に接していた表面 の平均孔径 Α2は 3. 5 ^ πι, Al/A2 = 0. 91であり、フィルム内部はほぼ均質で、 全域にわたって連通性を持つ微小孔が存在して 、た。フィルムの空孔率は 70%であ り、透過性能を測定したところ、ガーレー透気度で 7. 2秒であった。
[0502] 製造例 C3
ポリカーボネート(PC) [住友ダウ (株)製、商品名「カリバー 200— 3」]を N—メチル — 2—ピロリドン (NMP)に溶解し、ポリカーボネート系榭脂濃度が 20重量%の溶液 を得た。この溶液 100重量部に対して、ポリビニルピロリドン (分子量 5. 5万)を 20重 量部添加し、溶解して製膜用の原液とした。この原液を、フィルムアプリケーターを使 用して、乾燥後の厚みが となるようにギャップを調整して、基材 (均質な基板) である帝人デュポン社製 PETフィルム(Sタイプ、厚み 100 μ m)上にキャストした。キ ヤスト後、相対湿度 100%、温度 25°Cの雰囲気中にて 3分間保持した後、水中に浸 漬して凝固させた。次いで、ポリプロピレン製不織布 (支持体:透気度 1秒 ZlOOcc未 満、膜厚 260 m)を用い、この支持体上にフィルムを転写し、支持体ごと乾燥するこ とによって多孔質フィルム (多孔膜 C)を得た。
得られた多孔質フィルムの膜構造を電子顕微鏡 (SEM)で観察したところ、キャスト 時に空気側に接していた表面の平均孔径 A1は 2. 4 /ζ πι、基材側に接していた表面 の平均孔径 Α2は 3. 3 ^ πι, Al/A2 = 0. 73であり、フィルム内部はほぼ均質で、 全域にわたって連通性を持つ微小孔が存在して 、た。フィルムの空孔率は 70%であ り、透過性能を測定したところ、ガーレー透気度で 11. 2秒であった。
[0503] 製造例 C4
製造例 C1にお 、て、ポリビュルピロリドンの使用量を 40重量部とした点以外は製 造例 C1と同様方法を用いて乾燥後の厚みが 50 μ mの多孔質フィルム (多孔膜 D)を 得た。
得られた多孔質フィルムの膜構造を電子顕微鏡 (SEM)で観察したところ、キャスト 時に空気側に接していた表面の平均孔径 A1は 0. であり、フィルム内部はほぼ 均質で、全域にわたって連通性を持つ微小孔が存在していた。フィルムの空孔率は 80%であった。
[0504] 製造例 C5
製造例 C2において、ポリビュルピロリドンの使用量を 25重量%とした点以外は製 造例 C2と同様方法を用いて乾燥後の厚みが 50 μ mの多孔質フィルム (多孔膜 E)を 得た。
得られた多孔質フィルムの膜構造を電子顕微鏡 (SEM)で観察したところ、キャスト 時に空気側に接していた表面の平均孔径 A1は 2 mであり、フィルム内部はほぼ均 質で、全域にわたって連通性を持つ微小孔が存在していた。フィルムの空孔率は 70 %であった。
[0505] 製造例 C6
製造例 C2において、ポリビュルピロリドンの使用量を 12重量%とした点以外は製 造例 C2と同様方法を用いて乾燥後の厚みが 50 μ mの多孔質フィルム (多孔膜 F)を 得た。
得られた多孔質フィルムの膜構造を電子顕微鏡 (SEM)で観察したところ、キャスト 時に空気側に接していた表面の平均孔径 A1は 6 mであり、フィルム内部はほぼ均 質で、全域にわたって連通性を持つ微小孔が存在していた。フィルムの空孔率は 70 %であった。
[0506] 実施例 C1
製造例 C1で得られた多孔膜 Aに、導電インク [アルバックマテリアル (株)製、商品 名「Agナノメタルインク AglTeH」 ]を用いてインクジェット(U)方式にて印刷を行った 。まず、 1つのドット (30pl)を印刷し、平均直径 (楕円の場合は長軸'短軸の平均値) を求めたところ 120 mであった。次に、図 7に示す形状 [平行に配置された 2個の 5 mm口の正方形(パッド) 4の対向する辺の中点同士を長さ 10mmのライン 5で連結し た形状]に印刷を行った。なお、ライン部分は、ドット間隔を平均直径の半分 (60 m )で 1列描写した。ライン幅は 130 mであった。
印刷後、 200°Cにて 30分保持し、導電インクを硬化させて配線を形成した。配線の 導電性を以下のように測定した。
図 7における両端のパッド 4に導電性接着剤 Cu線を密着させ、そこに 2Vの電圧を かけ、流れた電流を検出し、その電流力も抵抗値(Ω )を算出した。
その結果、配線の導電性は 45 Ωであった。次に、この配線に対してセロハン粘着 テープによる剥離試験を行ったところ、粘着テープは剥離した力 配線は欠落しなか つた。剥離試験後、再度配線の導電性を測定した結果、 47 Ωであった。
[0507] 実施例 C2
製造例 C2で得られた多孔膜 Βに、導電インク [アルバックマテリアル (株)製、商品 名「Agナノメタルインク AglTeH」]を用いてインクジェット方式にて印刷を行った。ま ず、 1つのドット(30pl)を印刷し、平均直径 (楕円の場合は長軸'短軸の平均値)を求 めたところ 85 mであった。次に、図 7に示す形状に印刷を行った。なお、ライン部分 は、ドット間隔を平均直径の半分 (43 μ m)で 1列描写した。ライン幅は 90 μ mであつ た。
印刷後、 200°Cにて 30分保持し、導電インクを硬化させて配線を形成した。配線の 導電性を実施例 C1と同様にして測定した結果、 50 Ωであった。次に、この配線に対 してセロハン粘着テープによる剥離試験を行ったところ、粘着テープは剥離したが、 配線は欠落しなカゝつた。剥離試験後、再度配線の導電性を測定した結果、 54 Ωであ つた o
[0508] 実施例 C3
製造例 C3で得られた多孔膜 Cに、導電インク [アルバックマテリアル (株)製、商品 名「Agナノメタルインク AglTeH」]を用いてインクジェット方式にて印刷を行った。ま ず、 1つのドット(30pl)を印刷し、平均直径 (楕円の場合は長軸'短軸の平均値)を求 めたところ 140 mであった。次に、図 7に示す形状に印刷を行った。なお、ライン部 分は、ドット間隔を平均直径の半分(70 m)で 1列描写した。ライン幅は 140 mで めつに。
印刷後、 200°Cにて 30分保持し、導電インクを硬化させて配線を形成した。配線の 導電性を実施例 C1と同様にして測定した結果、 42 Ωであった。次に、この配線に対 してセロハン粘着テープによる剥離試験を行ったところ、粘着テープは剥離したが、 配線は欠落しなカゝつた。剥離試験後、再度配線の導電性を測定した結果、 51 Ωであ つた o
[0509] 比較例 C1
ポリイミドフィルム(PIフィルム) [東レデュポン (株)製、商品名「カプトン:¾、厚み 50 μ m]に、導電インク [アルバックマテリアル (株)製、商品名「Agナノメタルインク Agl TeH」]を用いてインクジェット方式にて印刷を行った。まず、 1つのドット(30pl)を印 刷し、平均直径 (楕円の場合は長軸.短軸の平均値)を求めたところ 170 mであつ た。次に、図 7に示す形状に印刷を行った。なお、ライン部分は、ドット間隔を平均直 径の半分(85 μ m)で 1列描写した。ライン幅は 230 μ mであった。
印刷後、 200°Cにて 30分保持し、導電インクを硬化させて配線を形成した。配線の 導電性を実施例 C1と同様にして測定した結果、 40 Ωであった。次に、この配線に対 してセロハン粘着テープによる剥離試験を行ったところ、配線が粘着テープにくっつ いてポリイミドフィルム力も剥離した。剥離試験後、再度配線の導電性を測定したが、 電流値は検出下限以下で測定不能 (抵抗値∞)であった。なお、セロハン粘着テー プの代わりに、セロハン粘着テープよりも粘着力の弱 、紙粘着テープ [-チバン (株) 製、商品名「紙粘着テープ No. 208」、幅 24mm]を用いて同様に剥離試験を行った 場合にも、配線が粘着テープにくっついてポリイミドフィルム力も剥離した。
比較例 C2
フッ素榭脂系フィルム (ETFEフィルム) [ダイキン工業 (株)製、商品名「ネオフロン E TFE EF— 0050」、厚み 50 m]に、導電インク [アルバックマテリアル(株)製、商 品名「Agナノメタルインク AglTeH」 ]を用いてインクジェット方式にて印刷を行った。 まず、 1つのドット(30pl)を印刷し、平均直径 (楕円の場合は長軸'短軸の平均値)を 求めたところ 80 mであった。次に、図 7に示す形状に印刷を行った。なお、ライン部 分は、ドット間隔を平均直径の半分 (40 m)で 1列描写した。ライン幅は 110 mで あつたが、ラインにハジキが見られ、断線する箇所があった。
印刷後、 200°Cにて 30分保持し、導電インクを硬化させて配線を形成した。配線の 導電性を実施例 C1と同様にして測定したが、電流値は検出下限以下で測定不能( 抵抗値∞)であった。次に、この配線に対してセロハン粘着テープによる剥離試験を 行ったところ、配線が粘着テープにくっついてフッ素榭脂系フィルム力も剥離した。剥 離試験後、再度配線の導電性を測定したが、電流値は検出下限以下で測定不能( 抵抗値∞)であった。なお、セロハン粘着テープの代わりに、セロハン粘着テープより
も粘着力の弱い紙粘着テープ [-チバン (株)製、商品名「紙粘着テープ No. 208」、 幅 24mm]を用いて同様に剥離試験を行った場合にも、配線が粘着テープにくっつ V、てポリイミドフィルム力も剥離した。
[表 2] 表 2
[0512] 実施例 C4
製造例 C4で得られた多孔膜 Dに、導電インク [アルバックマテリアル (株)製、商品 名「Agナノメタルインク AglTeH」 ]を用いてインクジェット方式にて印刷を行った。 印刷後、 200°Cにて 30分保持し、導電インクを硬化させて配線を形成した。次に、 この配線に対してセロハン粘着テープによる剥離試験を行ったところ、粘着テープは 剥離したが、配線は欠落しな力つた。
[0513] 実施例 C5
製造例 C5で得られた多孔膜 Eに、導電インク [アルバックマテリアル (株)製、商品 名「Agナノメタルインク AglTeH」 ]を用いてインクジェット方式にて印刷を行った。 印刷後、 200°Cにて 30分保持し、導電インクを硬化させて配線を形成した。次に、 この配線に対してセロハン粘着テープによる剥離試験を行ったところ、粘着テープは 剥離したが、配線は欠落しな力つた。
[0514] 実施例 C6
製造例 C6で得られた多孔膜 Fに、導電インク [アルバックマテリアル (株)製、商品 名「Agナノメタルインク AglTeH」 ]を用いてインクジェット方式にて印刷を行った。 印刷後、 200°Cにて 30分保持し、導電インクを硬化させて配線を形成した。次に、 この配線に対してセロハン粘着テープによる剥離試験を行ったところ、粘着テープは 剥離したが、配線は欠落しな力つた。
[0515] 比較例 C3
ポリアミドイミドフィルム(PAI) [厚み 25 μ mの緻密膜:平均孔径 0. 001 μ m、空効 率 50%]に、導電インク [アルバックマテリアル (株)製、商品名「Agナノメタルインク A glTeHj ]を用いてインクジェット方式にて印刷を行った。
印刷後、 200°Cにて 30分保持し、導電インクを硬化させて配線を形成した。次に、 この配線に対してセロハン粘着テープによる剥離試験を行ったところ、配線が粘着テ ープにくつついてポリアミドイミドフィルム力も剥離した。剥離試験後、配線の導電性を 測定したが、電流値は検出下限以下で測定不能 (抵抗値∞)であった。なお、セロハ ン粘着テープの代わりに、セロハン粘着テープよりも粘着力の弱い紙粘着テープ [二 チバン (株)製、商品名「紙粘着テープ No. 208」、幅 24mm]を用いて同様に剥離 試験を行った場合にも、配線が粘着テープにくっつ 、てポリアミドイミドフィルムから 剥離した。
[0516] 比較例 C4
ポリイミドフィルム(PIフィルム) [厚み 100 μ mの緻密膜:平均孔径 0. 005 m、空 効率 60%]に、導電インク [アルバックマテリアル (株)製、商品名「Agナノメタルインク AglTeH」 ]を用いてインクジェット方式にて印刷を行った。
印刷後、 200°Cにて 30分保持し、導電インクを硬化させて配線を形成した。次に、 この配線に対してセロハン粘着テープによる剥離試験を行ったところ、配線が粘着テ ープにくつついてポリアミドイミドフィルム力も剥離した。剥離試験後、配線の導電性を 測定したが、電流値は検出下限以下で測定不能 (抵抗値∞)であった。なお、セロハ ン粘着テープの代わりに、セロハン粘着テープよりも粘着力の弱い紙粘着テープ [二 チバン (株)製、商品名「紙粘着テープ No. 208」、幅 24mm]を用いて同様に剥離
試験を行った場合にも、配線が粘着テープにくっつ 、てポリアミドイミドフィルムから 剥離した。
[0517] 比較例 C5
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム) [厚み 25 μ mの緻密膜:平均孔 径 0. 008 m、空効率 60%]に、導電インク [アルバックマテリアル (株)製、商品名「 Agナノメタルインク AglTeH」 ]を用いてインクジェット方式にて印刷を行った。
印刷後、 200°Cにて 30分保持し、導電インクを硬化させて配線を形成した。次に、 この配線に対してセロハン粘着テープによる剥離試験を行ったところ、配線が粘着テ ープにくつついてポリアミドイミドフィルム力も剥離した。剥離試験後、配線の導電性を 測定したが、電流値は検出下限以下で測定不能 (抵抗値∞)であった。なお、セロハ ン粘着テープの代わりに、セロハン粘着テープよりも粘着力の弱い紙粘着テープ [二 チバン (株)製、商品名「紙粘着テープ No. 208」、幅 24mm]を用いて同様に剥離 試験を行った場合にも、配線が粘着テープにくっつ 、てポリアミドイミドフィルムから 剥離した。
[0518] [表 3]
表 3
実施例 C7
製造例 C1で得られた多孔膜 Aに、導電インク [Agペースト:大研化学工業 (株)製、 商品名「CA— 2503」 ]を用いてスクリーン印刷方式にて印刷を行った。
ノターン 1として、線幅 50 m (Ll)の直線部を有する版を用いて、スクリーン印刷 を行った。直線部を電子顕微鏡を用いて倍率 200倍の拡大写真撮影し、長さ 500 mにおける平均線幅 (L2)を測定したところ、 100 μ mであった。
また、パターン 2として、線幅 20 111 (し1)の直線部を有する版を用いて、スクリーン 印刷を行い、同様に平均線幅を測定したところ、 40 /z mであった。パターン 2の版を
. , 用いて得られた印刷物の印刷面を倍率 200倍に拡大して撮影した電子顕微鏡写真 を図 8 (a)に示す。図 8 (a)より明らかなように、印刷描写再現性に優れた印刷が得ら れた。さらに、図 8 (a)の A— A'線断面を 1000倍に拡大した電子顕微鏡写真を図 8 ( b)に示す。図 8 (b)より明らかなように、導電インクが多孔膜表面に密着された安定性 に優れた印刷が得られた。
印刷後、 100°Cにて 30分保持して溶剤を乾燥させた後、 200°Cにて 30分保持し、 導電インクを硬化させて配線を形成した。この配線に対してセロハン粘着テープによ る剥離試験を行ったところ、粘着テープは剥離したが、配線は欠落しな力 た。
[0520] 実施例 C8
実施例 C7において、多孔膜として、製造例 C2で得られた多孔膜 Bを用いた点以 外は、実施例 C7と同様の方法に従ってスクリーン印刷を行レ、、パターン 1の版を用い て平均線幅 100 μ m、パターン 2の版を用いて平均線幅 40 IX mの印刷物を得た。こ の配線に対してセロハン粘着テープによる剥離試験を行ったところ、粘着テープは剥 離したが、配線は欠落しな力つた。
[0521] 実施例 C9
実施例 C7において、多孔膜として、製造例 C3で得られた多孔膜 Cを用いた点以 外は、実施例 C7と同様の方法に従ってスクリーン印刷を行い、パターン 1の版を用い て平均線幅 100 w m、パターン 2の版を用いて平均線幅 40 i mの印刷物を得た。こ の配線に対してセロハン粘着テープによる剥離試験を行ったところ、粘着テープは剥 離したが、配線は欠落しなかった。
[0522] [表 4] 表 4
訂正された用紙 (l¾ 9i)
[0523] [表 5]
表 5
[0524] 以下の実施例につ!、て、上記の評価にカ卩えて、接触角及び液滴半径の測定、細 線描写性及び印刷描写再現性の評価は以下の方法により行った。
[0525] [接触角及び液滴半径の測定]
接触角の測定には協和界面科学 (株)製の接触角測定装置「Drop Master700j を使用した。 1 μ 1の試験液をフィルム表面に滴下し、液滴の接触角と液滴半径を測 定した(図 9参照)。製造例 D1で得られた ΡΑΙ多孔質フィルム (空気側表面)、製造例 D2で得られた ΡΕΙ多孔質フィルム(空気側表面)、比較例 D1で用いた PETフィルム 、及び比較例 D2で用いた PIフィルムの各フィルム表面にブチルカルビトールァセテ ートを滴下した場合の、滴下後の経過時間と接触角との関係を図 11に示す。また、 製造例 1で得られた PAI多孔質フィルム (空気側表面)、製造例 D2で得られた PEI多 孔質フィルム (空気側表面)、比較例 1で用いた PETフィルム、及び比較例 2で用い た PIフィルムの各フィルム表面にブチルカルビトールアセテートを滴下した場合の、 滴下後の経過時間と液滴半径との関係を図 12に示す。
[0526] [細線描写性の評価]
ΨΙ 10- 1000 μ m、 500 μ m以上の長さの直線部を電子顕微鏡を用いて拡大写真 撮影 (200倍)する。長さ 500 μ mにおける平均ライン幅 (LAve)、最大ライン幅 (LMa x)、最小ライン幅 (LMin)を測定し、下記式(1)により変動値 F、下記式(2)により標 準偏差∑を算出した (図 13参照)。
F= (LMax- LMin) /LAve X 100 ( 1 )
∑ = (( (LAve LMax) 2 + (LAve LMin) 2) /2) ( 2)
なお、平均ライン幅(LAve)については、透明フイノレムにラインをトレースし、その重
量力も換算して平均ライン幅を算出した。
[0527] [印刷描写再現性の評価]
ΨΙ 10-1000 μ m、 500 μ m以上の長さの直線部を電子顕微鏡を用いて拡大写真 撮影 (200倍)する。透明フィルムに長さ 500 mの直線部をトレースし、その重量から 換算して平均線幅 (L2)を算出した。この平均線幅 (L2)をスクリーンの版の直線部の 開孔幅 (L1)で割ることにより、 L2ZL1の値を求めた(図 14参照)。
[0528] 製造例 D1
ポリアミドイミド (PAI)榭脂溶液 [東洋紡績 (株)製、商品名「バイ口マックス HR11NJ ] 100重量部とポリビニルピロリドン (分子量 5. 5万;水溶性ポリマー) 35重量部を混 合'溶解して製膜用のポリマー溶液とした。このポリマー溶液を、フィルムアプリケータ 一を使用して、乾燥後の厚みが約 30 mとなるようにギャップ調整を行い、ポリイミド( PI)製フィルム(均質な基材;厚み 25 m)上にキャストした。キャスト後、フィルムを 2 5°C、 100%RHの雰囲気中に 3分間保持し、水中に浸漬して凝固させた後、乾燥し て多孔質フィルムを得た。
得られた多孔質フィルムの膜構造を観察したところ、キャスト時に空気側に接してい た表面の微小孔の平均孔径 A1は 0. 2 /ζ πι、基材側に接していた表面の微小孔の 平均孔径 Α2は 0. 2 m、 AlZA2= 1であり、表裏均一な孔径を有するフィルムで あることが確認された。さら〖こ、フィルムの表面及び断面を電子顕微鏡 (SEM)で観 察したところ、フィルムの空気側表面、及び基材側表面は、ともに均一な孔径を有す る微小孔が分散して形成されており、内部はほぼ均質で、全域にわたって連通性を 持つ微小孔が存在していた。フィルムの空孔率は 80%であり、ガーレー値は 10秒以 下であった。なお、 A2、ガーレー値は PIフィルム基材力 PAI多孔質フィルムを剥離 した後、測定を行った。
[0529] 製造例 D2
ポリエーテルイミド (PEI) [日本 GEプラスチック (株)製、商品名「ULTEM 1000」 ]とポリビニルピロリドン (分子量 5. 5万;水溶性ポリマー)を、それぞれ 17重量%とな るように溶剤 N—メチル - 2-ピロリドン (NMP)に溶解して製膜用のポリマー溶液と した。このポリマー溶液を、フィルムアプリケーターを使用して、乾燥後の厚みが約 30
μ mとなるようにギャップ調整を行 、、ポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム( 均質な基材;厚み 100 m)上にキャストした。キャスト後、フィルムを 25°C、 100%R Hの雰囲気中に 10秒間保持し、水中に浸漬して凝固させた後、乾燥して多孔質フィ ルムを得た。
得られた多孔質フィルムの膜構造を観察したところ、キャスト時に空気側に接してい た表面の微小孔の平均孔径 A1は 3. 2 /ζ πι、基材側に接していた表面の微小孔の 平均孔径 Α2は 3. 5 ^ πι, Al/A2 = 0. 91であり、表裏均一な孔径を有するフィル ムであることが確認された。さらに、フィルムの表面及び断面を電子顕微鏡 (SEM)で 観察したところ、フィルムの空気側表面、及び基材側表面は、ともに均一な孔径を有 する微小孔が分散して形成されており、内部はほぼ均質で、全域にわたって連通性 を持つ微小孔が存在していた。フィルムの空孔率は 60%であり、ガーレー値は 10秒 以下であった。なお、 Α2、ガーレー値は PETフィルム基材から ΡΕΙ多孔質フィルムを 剥離した後、測定を行った。
実施例 D1
製造例 D1で得られた PAI多孔質フィルムの表面 (空気側表面)に、パターン図(直 線;直線幅の設定値 50 m)を用いて、スクリーン印刷を行った。印刷に使用したィ ンクは、大研ィ匕学工業 (株)製の導電塗料「CA— 2503」(主溶剤:プチルカルビトー ルアセテート)である。印刷後、 100°Cで 30分間インク乾燥させた。直線部を電子顕 微鏡を用いて拡大写真撮影 (200倍)し、長さ 500 mにおける平均ライン幅 (LAve) 、最大ライン幅 (LMax)、最小ライン幅 (LMin)を測定したところ、それぞれ、 47. 0 m、 48. 5 /z m、 47. 0 /z mであった。この数値を前記式(1)に代入して変動値 Fを 算出した結果、 3%であった。また、この数値を前記式(2)に代入して標準偏差∑を 算出した結果、 1. 1であった。得られた印刷物の印刷面の拡大写真図を図 15に示 す。図より明らかなように、直線性 (細線描写性)に優れた印刷が得られた。
なお、製造例 D1で得られた PAI多孔質フィルムの表面 (空気側表面)に、プチルカ ルビトールアセテートを滴下し、接触角を測定したところ、滴下後 300 sec時の接触 角は 19. 5° であり、そのときの液滴半径は 1290 mであった。また、ブチルカルビ トールアセテートに代えて、水、トルエン、デカノールを多孔質フィルムの表面に滴下
して接触角を測定したところ、滴下後 300 sec時の接触角は、それぞれ、 17. 2° 、 13. 7° 、25. 2° であった。これらの溶媒を主溶剤とするインクを用いても、細線描 写性に優れた印刷物が得られる。
[0531] 実施例 D2
製造例 D1で得られた PAI多孔質フィルムの表面 (空気側表面)に、パターン図(直 線;直線幅の設定値 20 m)を用いて、スクリーン印刷を行った。印刷に使用したィ ンクは、大研ィ匕学工業 (株)製の導電塗料「CA— 2503」(主溶剤:プチルカルビトー ルアセテート)である。印刷後、 100°Cで 30分間インク乾燥させた。直線部を電子顕 微鏡を用いて拡大写真撮影 (200倍)し、長さ 500 mにおける平均ライン幅 (LAve) 、最大ライン幅 (LMax)、最小ライン幅 (LMin)を測定したところ、それぞれ、 21. 2 m、 24. 2 /ζ πι、 23. であった。この数値を前記式(1)に代入して変動値 Fを 算出した結果、 6%であった。また、この数値を前記式(2)に代入して標準偏差∑を 算出した結果、 2. 5であった。得られた印刷物の印刷面の拡大写真図を図 16に示 す。図より明らかなように、直線性 (細線描写性)に優れた印刷が得られた。
[0532] 実施例 D3
製造例 D2で得られた PEI多孔質フィルムの表面 (空気側表面)に、パターン図(直 線;直線幅の設定値 50 m)を用いて、スクリーン印刷を行った。印刷に使用したィ ンクは、大研ィ匕学工業 (株)製の導電塗料「CA— 2503」(主溶剤:プチルカルビトー ルアセテート)である。印刷後、 100°Cで 30分間インク乾燥させた。直線部を電子顕 微鏡を用いて拡大写真撮影 (200倍)し、長さ 500 mにおける平均ライン幅 (LAve) 、最大ライン幅 (LMax)、最小ライン幅 (LMin)を測定したところ、それぞれ、 47. 0 m、 48. 5 /z m、 47. 0 /z mであった。この数値を前記式(1)に代入して変動値 Fを 算出した結果、 3%であった。また、この数値を前記式(2)に代入して標準偏差∑を 算出した結果、 1. 1であった。得られた印刷物の印刷面の拡大写真図を図 17に示 す。図より明らかなように、直線性 (細線描写性)に優れた印刷が得られた。
なお、製造例 D2で得られた PEI多孔質フィルムの表面 (空気側表面)に、プチルカ ルビトールアセテートを滴下し、接触角を測定したところ、滴下後 300 sec時の接触 角は 20. 8° であり、そのときの液滴半径は 1340 mであった。また、ブチルカルビ
トールアセテートに代えて、水、トルエン、デカノールを多孔質フィルムの表面に滴下 して接触角を測定したところ、滴下後 300 sec時の接触角は、それぞれ、 17° 、 12 ° 、 29. 5° であった。これらの溶媒を主溶剤とするインクを用いても、細線描写性に 優れた印刷物が得られる。
[0533] 実施例 D4
製造例 D2で得られた PEI多孔質フィルムの表面 (空気側表面)に、パターン図(直 線;直線幅の設定値 20 m)を用いて、スクリーン印刷を行った。印刷に使用したィ ンクは、大研ィ匕学工業 (株)製の導電塗料「CA— 2503」(主溶剤:プチルカルビトー ルアセテート)である。印刷後、 100°Cで 30分間インク乾燥させた。直線部を電子顕 微鏡を用いて拡大写真撮影 (200倍)し、長さ 500 mにおける平均ライン幅 (LAve) 、最大ライン幅 (LMax)、最小ライン幅 (LMin)を測定したところ、それぞれ、 23. 3 m、 24. 2 /ζ πι、 18. であった。この数値を前記式(1)に代入して変動値 Fを 算出した結果、 26%であった。また、この数値を前記式(2)に代入して標準偏差∑を 算出した結果、 3. 7であった。得られた印刷物の印刷面の拡大写真図を図 18に示 す。図より明らかなように、直線性 (細線描写性)に優れた印刷が得られた。
[0534] 比較例 D1
ポリエチレンテレフタレート (PET)フィルム [帝人デュポンフィルム (株)製、商品名「テ トロン S 100」、厚み 100 m]に、パターン図(直線;直線幅の設定値 20 m)を用い て、スクリーン印刷を行った。印刷に使用したインクは、大研化学工業 (株)製の導電 塗料「CA— 2503」(主溶剤:ブチルカルビトールアセテート)である。印刷後、 100°C で 30分間インク乾燥させた。直線部を電子顕微鏡を用いて拡大写真撮影 (200倍)し 、長さ 500 μ mにおける平均ライン幅(LAve)、最大ライン幅(LMax)、最小ライン幅 (LMin)を測定したところ、それぞれ、 43. 9 m、 48. 5 m、 33. 3 μ mであった。 この数値を前記式(1)に代入して変動値 Fを算出した結果、 34%であった。また、こ の数値を前記式(2)に代入して標準偏差∑を算出した結果、 8. 2であった。得られ た印刷物の印刷面の拡大写真図を図 19に示す。図より明らかなように、直線性 (細 線描写性)に乏し 、印刷しか得られな力つた。
なお、上記ポリエチレンテレフタレート (PET)フィルムの表面に、ブチルカルビトール
アセテートを滴下し、接触角を測定したところ、滴下後 300 sec時の接触角は 14. 7° であり、そのときの液滴半径は 1690 μ mであった。
[0535] 比較例 D2
ポリイミドフィルム(PIフィルム) [東レ 'デュポン (株)製、商品名「カプトン 100H」、厚 み 25 μ m]に、パターン図(直線;直線幅の設定値 50 μ m)を用いて、スクリーン印刷 を行った。印刷に使用したインクは、大研ィ匕学工業 (株)製の導電塗料「CA— 2503」 (主溶剤:ブチルカルビトールアセテート)である。印刷後、 100°Cで 30分間インク乾 燥させた。直線部を電子顕微鏡を用いて拡大写真撮影 (200倍)し、長さ 500 /z mに おける平均ライン幅 (LAve)、最大ライン幅 (LMax)、最小ライン幅 (LMin)を測定し たところ、それぞれ、 65. 9 m、 83. 3 m、 50. 0 μ mであった。この数値を前記式 (1)に代入して変動値 Fを算出した結果、 51%であった。また、この数値を前記式(2 )に代入して標準偏差∑を算出した結果、 16. 7であった。得られた印刷物の印刷面 の拡大写真図を図 20に示す。図より明らかなように、直線性 (細線描写性)に乏しい 印刷しか得られな力つた。
なお、上記ポリイミドフィルム(PIフィルム)フィルムの表面に、ブチルカルビトールァ セテートを滴下し、接触角を測定したところ、滴下後 300 sec時の接触角は 12. 8 。 であり、そのときの液滴半径は 1630 μ mであった。
[0536] 実施例 El
製造例 D1で得られた PAI多孔質フィルムの表面 (空気側表面)に、線幅 m (L 1)の直線部を有する版を用いて、スクリーン印刷を行った。印刷に使用したインクは 、大研ィ匕学工業 (株)製の導電塗料「CA— 2503」(主溶剤:プチルカルビトールァセ テート)である。印刷後、 100°Cで 30分間インク乾燥させた。直線部を電子顕微鏡を 用いて拡大写真撮影 (200倍)し、長さ 500 mにおける平均線幅 (L2)を測定したと ころ、 47. であり、 L2/L1 = 0. 94であった。得られた印刷物の印刷面の拡大 写真図を図 21に示す。図より明らかなように、印刷描写再現性に優れた印刷が得ら れた。
なお、製造例 D1で得られた PAI多孔質フィルムの表面 (空気側表面)に、プチルカ ルビトールアセテートを滴下し、接触角を測定したところ、滴下後 300 sec時の接触
角は 19. 5° であり、そのときの液滴半径は 1290 /z mであった。また、ブチルカルビ トールアセテートに代えて、水、トルエン、デカノールを多孔質フィルムの表面に滴下 して接触角を測定したところ、滴下後 300 sec時の接触角は、それぞれ、 17. 2° 、 13. 7° 、 25. 2° であった。これらの溶媒を主溶剤とするインクを用いても、印刷描 写再現性に優れた印刷物が得られる。
[0537] 実施例 E2
製造例 D1で得られた PAI多孔質フィルムの表面 (空気側表面)に、線幅 m (L 1)の直線部を有する版を用いて、スクリーン印刷を行った。印刷に使用したインクは 、大研ィ匕学工業 (株)製の導電塗料「CA— 2503」(主溶剤:プチルカルビトールァセ テート)である。印刷後、 100°Cで 30分間インク乾燥させた。直線部を電子顕微鏡を 用いて拡大写真撮影 (200倍)し、長さ 500 mにおける平均線幅 (L2)を測定したと ころ、 21. 2 mであり、 L2/L1 = 1. 06であった。得られた印刷物の印刷面の拡大 写真図を図 22に示す。図より明らかなように、印刷描写再現性に優れた印刷が得ら れた。
[0538] 実施例 E3
製造例 D2で得られた PEI多孔質フィルムの表面 (空気側表面)に、線幅 m(Ll )の直線部を有する版を用いて、スクリーン印刷を行った。印刷に使用したインクは、 大研化学工業 (株)製の導電塗料「CA— 2503」(主溶剤:プチルカルビトールァセテ ート)である。印刷後、 100°Cで 30分間インク乾燥させた。直線部を電子顕微鏡を用 V、て拡大写真撮影 (200倍)し、長さ 500 μ mにおける平均線幅 (L2)を測定したとこ ろ、 47. であり、 L2ZL1 = 0. 94であった。得られた印刷物の印刷面の拡大 写真図を図 23に示す。図より明らかなように、印刷描写再現性に優れた印刷が得ら れた。
なお、製造例 D2で得られた PEI多孔質フィルムの表面 (空気側表面)に、プチルカ ルビトールアセテートを滴下し、接触角を測定したところ、滴下後 300 sec時の接触 角は 20. 8° であり、そのときの液滴半径は 1340 mであった。また、ブチルカルビ トールアセテートに代えて、水、トルエン、デカノールを多孔質フィルムの表面に滴下 して接触角を測定したところ、滴下後 300 sec時の接触角は、それぞれ、 17° 、 12
° 、 29. 5° であった。これらの溶媒を主溶剤とするインクを用いても、細線描写性に 優れた印刷物が得られる。
[0539] 実施例 E4
製造例 D2で得られた PEI多孔質フィルムの表面 (空気側表面)に、線幅 m(Ll )の直線部を有する版を用いて、スクリーン印刷を行った。印刷に使用したインクは、 大研化学工業 (株)製の導電塗料「CA— 2503」(主溶剤:プチルカルビトールァセテ ート)である。印刷後、 100°Cで 30分間インク乾燥させた。直線部を電子顕微鏡を用 V、て拡大写真撮影 (200倍)し、長さ 500 μ mにおける平均線幅 (L2)を測定したとこ ろ、 23. 3 1!1でぁり、1^27 1 = 1. 17であった。得られた印刷物の印刷面の拡大 写真図を図 24に示す。図より明らかなように、印刷描写再現性に優れた印刷が得ら れた。
[0540] 比較例 E1
ポリエチレンテレフタレート (PET)フィルム [帝人デュポンフィルム (株)製、商品名「テ トロン S 100」、厚み 100 μ m]に、線幅 20 μ m (L1)の直線部を有する版を用いて、 スクリーン印刷を行った。印刷に使用したインクは、大研化学工業 (株)製の導電塗料 「CA— 2503」(主溶剤:ブチルカルビトールアセテート)である。印刷後、 100°Cで 3 0分間インク乾燥させた。直線部を電子顕微鏡を用いて拡大写真撮影 (200倍)し、長 さ 500 mにおける平均線幅(L2)を測定したところ、 43. 9 mであり、 L2/L1 = 2 . 20であった。得られた印刷物の印刷面の拡大写真図を図 25に示す。図より明らか なように、印刷描写再現性に乏 、印刷し力得られな力つた。
なお、上記ポリエチレンテレフタレート (PET)フィルムの表面に、ブチルカルビトール アセテートを滴下し、接触角を測定したところ、滴下後 300 sec時の接触角は 14. 7° であり、そのときの液滴半径は 1690 μ mであった。
[0541] 比較例 E2
ポリイミドフィルム(PIフィルム) [東レ 'デュポン (株)製、商品名「カプトン 100H」、厚 み 25 μ m]に、線幅 m (Ll)の直線部を有する版を用いて、スクリーン印刷を行 つた。印刷に使用したインクは、大研ィ匕学工業 (株)製の導電塗料「CA— 2503」(主 溶剤:プチルカルビトールアセテート)である。印刷後、 100°Cで 30分間インク乾燥さ
せた。直線部を電子顕微鏡を用いて拡大写真撮影 (200倍)し、長さ 500 mにおけ る平均線幅(L2)を測定したところ、 65. 9 1!1でぁり、1^27 1 = 1. 32であった。得 られた印刷物の印刷面の拡大写真図を図 26に示す。図より明らかなように、印刷描 写再現性に乏 、印刷しか得られな力つた。
なお、上記ポリイミドフィルム(PIフィルム)フィルムの表面に、ブチルカルビトールァ セテートを滴下し、接触角を測定したところ、滴下後 300 sec時の接触角は 12. 8 。 であり、そのときの液滴半径は 1630 μ mであった。
[0542] 以下の実施例について、上記の評価に加えて、密着性の評価、及び引張り強度の 測定は以下の方法により行った。
[0543] [密着性の評価]
JIS K 5600— 5— 4の引つ搔き硬度 (鉛筆法)試験に準拠し、溶剤を乾燥して得 られた印刷物の表面を各硬度の鉛筆で引つ搔いて、表面の傷の有無、表層(緻密化 された層又は多孔質フィルム層)の剥離が認められる力否かを観察し、下記の基準で 密着性を評価した。なお、少なくとも鉛筆硬度 6Bで「〇」であることが好ましぐ鉛筆 硬度 2Bでも「〇」であることがさらに好ましぐ鉛筆硬度 2Hでも「〇」であることが特に 好ましい。
〇:表面に傷が付かず、表層の剥離もない
X:表面に傷が付くか、又は表層が剥離する
なお、測定条件は下記の通りである。
鉛筆とサンプルフィルムの角度: 45°
荷重: 750g
測定温度: 23°C
[0544] [引張り強度の測定]
JIS— K7127に準じ、引張り強さを測定した。実際の測定では、万能引張り試験機 [ (株)オリエンテック、商品名「TENSIRON RTA— 500」]を用いた。 F1の測定に は溶融前の多孔質フィルム単体サンプルを用いた。 F2の測定には、多孔質フィルム 単体サンプルをテフロン (登録商標)フィルムなど剥離可能な支持体上に置き、加熱 溶融した後、支持体から剥離し、測定に用いた。
なお、測定条件は下記の通りである。
引張り速度: 50mmZ分
試料: 10mm幅の短冊状
[0545] 製造例 F1
ポリアミドイミド (PAI)榭脂溶液 [東洋紡績 (株)製、商品名「バイ口マックス HR11NJ ] 100重量部とポリビニルピロリドン (分子量 5. 5万;水溶性ポリマー) 35重量部を混 合'溶解して製膜用のポリマー溶液とした。このポリマー溶液を、フィルムアプリケータ 一を使用して、乾燥後の厚みが約 30 mとなるようにギャップ調整を行い、ポリイミド( PI)製フィルム (均質な基材=支持体;厚み 25 /z m)上にキャストした。キャスト後、フ イルムを 25°C、 100%RHの雰囲気中に 3分間保持し、水中に浸漬して凝固させた 後、乾燥して支持体上に多孔質フィルムが積層された積層体を得た。
得られた多孔質フィルムの膜構造を観察したところ、キャスト時に空気側に接してい た表面の微小孔の平均孔径 A1は 0. 2 /ζ πι、基材側に接していた表面の微小孔の 平均孔径 Α2は 0. 2 ^ πι, Al/A2 = l . 0であり、表裏均一な孔径を有するフィルム であることが確認された。さらに、フィルムの表面及び断面を電子顕微鏡 (SEM)で 観察したところ、フィルムの空気側表面、及び基材側表面は、ともに均一な孔径を有 する微小孔が分散して形成されており、内部はほぼ均質で、全域にわたって連通性 を持つ微小孔が存在していた。フィルムの空孔率は 80%であり、ガーレー値は 10秒 以下であった。なお、 Α2、ガーレー値は PIフィルム基材力 ΡΑΙ多孔質フィルムを剥 離した後、測定を行った。
多孔質フィルム層側の表面の水との接触角を測定したところ、 ΘΑ は 25. 4°
100 、
ΘΑ は 13. 0。 であり、 ΘΑ / ΘΑ 0· 51であった。また、多孔質フィルム
1000 1000 100
層側の表面にプチルカルビトールアセテートを滴下し、接触角を測定したところ、滴 下後 300 μ sec時の接触角は 19. 5° であり、そのときの液滴半径は 1290 μ mであ つた。また、ブチルカルビトールアセテートに代えて、水、トルエン、デカノールを多孔 質フィルムの表面に滴下して接触角を測定したところ、滴下後 300 sec時の接触角 は、それぞれ、 17. 2° 、 13. 7° 、 25. 2° であった。
[0546] 製造例 F2
ポリエーテルイミド (PEI) [日本 GEプラスチック (株)製、商品名「ULTEM 1000」 ]とポリビニルピロリドン (分子量 5. 5万;水溶性ポリマー)を、それぞれ 13. 8重量0 /0、 25. 1重量0 /0となるように溶剤 N—メチル 2 ピロリドン (NMP)に溶解して製膜用 のポリマー溶液とした。このポリマー溶液を、フィルムアプリケーターを使用して、乾燥 後の厚みが約 30 μ mとなるようにギャップ調整を行 、、ポリエチレンテレフタレート(P ET)製フィルム(均質な基材;厚み 100 m)上にキャストした。キャスト後、フィルムを 25°C、 100%RHの雰囲気中に 10秒間保持し、水中に浸漬して凝固させた後、乾燥 して支持体上に多孔質フィルムが積層された積層体を得た。
得られた多孔質フィルムの膜構造を観察したところ、キャスト時に空気側に接してい た表面の微小孔の平均孔径 A1は 3. 2 /ζ πι、基材側に接していた表面の微小孔の 平均孔径 Α2は 3. 5 ^ πι, Al/A2 = 0. 91であり、表裏均一な孔径を有するフィル ムであることが確認された。さらに、フィルムの表面及び断面を電子顕微鏡 (SEM)で 観察したところ、フィルムの空気側表面、及び基材側表面は、ともに均一な孔径を有 する微小孔が分散して形成されており、内部はほぼ均質で、全域にわたって連通性 を持つ微小孔が存在していた。フィルムの空孔率は 60%であり、ガーレー値は 10秒 以下であった。なお、 Α2、ガーレー値は PETフィルム基材から PEI多孔質フィルムを 剥離した後、測定を行った。
多孔質フィルム層側の水との表面の接触角を測定したところ、 ΘΑ は 27. 1° 、
100
ΘΑ は 9. 5。 であり、 ΘΑ / ΘΑ 0· 35であった。また、多孔質フィルム層
1000 1000 100
側の表面にプチルカルビトールアセテートを滴下し、接触角を測定したところ、滴下 後 300 μ sec時の接触角は 20. 8° であり、そのときの液滴半径は 1340 μ mであつ た。また、ブチルカルビトールアセテートに代えて、水、トルエン、デカノールを多孔 質フィルムの表面に滴下して接触角を測定したところ、滴下後 300 sec時の接触角 は、それぞれ、 17° 、 12° 、 29. 5° であった。
製造例 F3
ポリカーボネート(PC) [住友ダウ (株)製、商品名「カリバー 200 · 3」]とポリビュルピ 口リドン (分子量 5. 5万;水溶性ポリマー)を、それぞれ 15重量%、 23重量%となるよ うに溶剤 N—メチル 2—ピロリドン (NMP)に溶解して製膜用のポリマー溶液とした
。このポリマー溶液を、フィルムアプリケーターを使用して、乾燥後の厚みが約 30 mとなるようにギャップ調整を行 、、ポリイミド (PI)製フィルム (均質な基材;厚み 50 μ m)上にキャストした。キャスト後、フィルムを 25°C、 100%RHの雰囲気中に 60秒間 保持し、水中に浸潰して凝固させた後、乾燥して支持体上に多孔質フィルムが積層 された積層体を得た。
得られた多孔質フィルムの膜構造を観察したところ、キャスト時に空気側に接してい た表面の微小孔の平均孔径 A1は 2. 4 /ζ πι、基材側に接していた表面の微小孔の 平均孔径 Α2は 3. 3 ^ πι, Al/A2 = 0. 72であり、表裏均一な孔径を有するフィル ムであることが確認された。さらに、フィルムの表面及び断面を電子顕微鏡 (SEM)で 観察したところ、フィルムの空気側表面、及び基材側表面は、ともに均一な孔径を有 する微小孔が分散して形成されており、内部はほぼ均質で、全域にわたって連通性 を持つ微小孔が存在していた。フィルムの空孔率は 70%であり、ガーレー値は 10秒 以下であった。なお、 Α2、ガーレー値は PIフィルム基材力 PC多孔質フィルムを剥 離した後、測定を行った。
多孔質フィルム層側の水との表面の接触角を測定したところ、 ΘΑ は 44. 3° 、
100
ΘΑ は 8. 8。 であり、 ΘΑ / ΘΑ 0· 20であった。また、多孔質フィルム層
1000 1000 100
側の表面にプチルカルビトールアセテートを滴下し、接触角を測定したところ、滴下 後 300 μ sec時の接触角は 14. 5° であり、そのときの液滴半径は 1320 μ mであつ た。また、ブチルカルビトールアセテートに代えて、水、トルエン、デカノールを多孔 質フィルムの表面に滴下して接触角を測定したところ、滴下後 300 sec時の接触角 は、それぞれ、 18° 、 13° 、 33. 2° であった。
実施例 F1
製造例 F1で得られた積層体の PAI多孔質フィルム層側の表面に、パターン図(直 線;直線幅の設定値 50 m)を用いて、スクリーン印刷を行った。印刷に使用したィ ンクは、大研ィ匕学工業 (株)製の導電塗料「CA— 2503」(主溶剤:プチルカルビトー ルアセテート)である。印刷後、 100°Cで 30分間インクを乾燥させた。
次に、印刷を施した積層体の多孔質フィルム層側表面に、 N—メチル—2—ピロリド ン (NMP) (23°C)を 3滴 (約 0. lg)滴下し、多孔質フィルム層の全面 (約 4cm2)に含
浸させ、過剰の NMPを不織布で軽く押さえ拭った後、 250°Cで 30分間乾燥して NM Pを除去した。
得られた印刷物の印刷面を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質の孔がつぶれて 緻密化されていることが確認された。また、印刷の直線部を電子顕微鏡を用いて拡 大写真撮影 (200倍)し、長さ 500 μ mにおける平均ライン幅 (LAve)、最大ライン幅( LMax)、最小ライン幅(LMin)を測定したところ、それぞれ、 47. 0 m、 48. 5 m 、 46. であった。この数値を前記式(1)に代入して変動値 Fを算出した結果、 1 . 1%であった。また、この数値を前記式 (2)に代入して標準偏差∑を算出した結果、 4であった。
得られた印刷物の印刷面の接触角を測定したところ、 ΘΒ は 90. 0° 、 ΘΒ は
100 1000
81. 5。 であり、 ΘΒ ΖΘΒ =0. 91、 ΘΑ /ΘΒ =0. 15であった。また
1000 100 1000 1000
、得られた印刷物について引つ搔き硬度試験により密着性を調べたところ、鉛筆硬度
2B、 2Hの何れの場合も異常が無く評価は「〇」であった。
実施例 F2
製造例 F1で得られた積層体の PAI多孔質フィルム層側の表面に、パターン図(直 線;直線幅の設定値 50 m)を用いて、スクリーン印刷を行った。印刷に使用したィ ンクは、大研ィ匕学工業 (株)製の導電塗料「CA— 2503」(主溶剤:プチルカルビトー ルアセテート)である。印刷後、 100°Cで 30分間インクを乾燥させた。
次に、印刷を施した積層体の多孔質フィルム層側表面に、水と N—メチル—2—ピ 口リドン (NMP)との混合液 [水 ZNMP (重量比) = 7Z3] (23°C)を 3滴(約 0. lg) 滴下し、多孔質フィルム層の全面 (約 4cm2)に含浸させ、過剰の水及び NMPを不織 布で軽く押さえ拭った後、 150°Cで 10分間乾燥して水と NMPを除去した。
得られた印刷物の印刷面を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質の孔がつぶれて 緻密化されていることが確認された。また、印刷の直線部を電子顕微鏡を用いて拡 大写真撮影 (200倍)し、長さ 500 μ mにおける平均ライン幅 (LAve)、最大ライン幅( LMax)、最小ライン幅(LMin)を測定したところ、それぞれ、 47. 0 m、 48. 5 m 、 46. であった。この数値を前記式(1)に代入して変動値 Fを算出した結果、 1 . 1%であった。また、この数値を前記式 (2)に代入して標準偏差∑を算出した結果、
4であった。
得られた印刷物の印刷面の接触角を測定したところ、 ΘΒ は 89. 3° 、 ΘΒ は
100 1000
80. 4。 であり、 ΘΒ ΖΘΒ =0. 90、 ΘΑ /ΘΒ =0. 16であった。また
1000 100 1000 1000
、得られた印刷物について引つ搔き硬度試験により密着性を調べたところ、鉛筆硬度
2B、 2Hの何れの場合も異常が無く評価は「〇」であった。
[0550] 実施例 F3
製造例 F1で得られた積層体の PAI多孔質フィルム層側の表面に、パターン図(直 線;直線幅の設定値 50 m)を用いて、スクリーン印刷を行った。印刷に使用したィ ンクは、大研ィ匕学工業 (株)製の導電塗料「CA— 2503」(主溶剤:プチルカルビトー ルアセテート)である。印刷後、 100°Cで 30分間インクを乾燥させた。
次に、印刷を施した積層体の多孔質フィルム層側表面に、水と γ—プチ口ラタトン( GBL)との混合液 [水 ZGBL (重量比) = 5Z5] (23°C)を 3滴 (約 0. lg)滴下し、多 孔質フィルム層の全面 (約 4cm2)に含浸させ、過剰の水及び GBLを不織布で軽く押 さえ拭った後、 200°Cで 60分間乾燥して水と GBLを除去した。
得られた印刷物の印刷面を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質の孔がつぶれて 緻密化されていることが確認された。また、印刷の直線部を電子顕微鏡を用いて拡 大写真撮影 (200倍)し、長さ 500 μ mにおける平均ライン幅 (LAve)、最大ライン幅( LMax)、最小ライン幅(LMin)を測定したところ、それぞれ、 47. 0 m、 48. 5 m 、 46. であった。この数値を前記式(1)に代入して変動値 Fを算出した結果、 1 . 1%であった。また、この数値を前記式 (2)に代入して標準偏差∑を算出した結果、 4であった。
得られた印刷物の印刷面の接触角を測定したところ、 ΘΒ は 87. 0° 、 ΘΒ は
100 1000
81. 0。 であり、 ΘΒ ΖΘΒ =0. 93、 ΘΑ /ΘΒ =0. 15であった。また
1000 100 1000 1000
、得られた印刷物について引つ搔き硬度試験により密着性を調べたところ、鉛筆硬度
2B、 2Hの何れの場合も異常が無く評価は「〇」であった。
[0551] 比較例 F1
製造例 F1で得られた積層体の PAI多孔質フィルム層側の表面に、パターン図(直 線;直線幅の設定値 50 m)を用いて、スクリーン印刷を行った。印刷に使用したィ
ンクは、大研ィ匕学工業 (株)製の導電塗料「CA— 2503」(主溶剤:プチルカルビトー ルアセテート)である。印刷後、 100°Cで 30分間インクを乾燥させた。
得られた印刷物の印刷の直線部を電子顕微鏡を用いて拡大写真撮影 (200倍)し、 長さ 500 μ mにおける平均ライン幅(LAve)、最大ライン幅(LMax)、最小ライン幅( LMin)を測定したところ、それぞれ、 47. 0 m、 48. 5 m、 46. 5 μ mであった。こ の数値を前記式(1)に代入して変動値 Fを算出した結果、 1. 1%であった。また、こ の数値を前記式 (2)に代入して標準偏差∑を算出した結果、 4であった。
得られた印刷物の印刷面の接触角を測定したところ、 ΘΒ は 25. 4° 、 ΘΒ は
100 1000
13. 0。 であり、 ΘΒ ΖΘΒ =0. 51、 ΘΑ /ΘΒ =0. 96であった。また
1000 100 1000 1000
、得られた印刷物について引つ搔き硬度試験により密着性を調べたところ、鉛筆硬度
6Bで傷が付き、 2Bでは表層が剥離し、何れの場合も評価は「 X」であった。
実施例 F4
製造例 F2で得られた積層体の PEI多孔質フィルム層側の表面に、パターン図(直 線;直線幅の設定値 50 m)を用いて、スクリーン印刷を行った。印刷に使用したィ ンクは、大研ィ匕学工業 (株)製の導電塗料「CA— 2503」(主溶剤:プチルカルビトー ルアセテート)である。印刷後、 100°Cで 30分間インクを乾燥させた。
次に、印刷を施した積層体の多孔質フィルム層側表面に、 N—メチル—2—ピロリド ン (NMP) (23°C)を 3滴 (約 0. lg)滴下し、多孔質フィルム層の全面 (約 4cm2)に含 浸させ、過剰の NMPを不織布で軽く押さえ拭った後、 250°Cで 30分間乾燥して NM Pを除去した。
得られた印刷物の印刷面を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質の孔がつぶれて 緻密化されていることが確認された。また、印刷の直線部を電子顕微鏡を用いて拡 大写真撮影 (200倍)し、長さ 500 μ mにおける平均ライン幅 (LAve)、最大ライン幅( LMax)、最小ライン幅(LMin)を測定したところ、それぞれ、 47. 0 m、 48. 5 m 、 46. であった。この数値を前記式(1)に代入して変動値 Fを算出した結果、 1 . 3%であった。また、この数値を前記式 (2)に代入して標準偏差∑を算出した結果、 5であった。
得られた印刷物の印刷面の接触角を測定したところ、 ΘΒ は 21. 3° 、 ΘΒ は
14. 4° であり、 ΘΒ ΖΘΒ =0. 68、 ΘΑ /ΘΒ =0. 66であった。また
1000 100 1000 1000
、得られた印刷物について引つ搔き硬度試験により密着性を調べたところ、鉛筆硬度
2Β、 2Ηの何れの場合も異常が無く評価は「〇」であった。
[0553] 実施例 F5
製造例 F2で得られた積層体の ΡΕΙ多孔質フィルム層側の表面に、パターン図(直 線;直線幅の設定値 50 m)を用いて、スクリーン印刷を行った。印刷に使用したィ ンクは、大研ィ匕学工業 (株)製の導電塗料「CA— 2503」(主溶剤:プチルカルビトー ルアセテート)である。印刷後、 100°Cで 30分間インクを乾燥させた。
次に、印刷を施した積層体の多孔質フィルム層側表面に、ジォキソラン(23°C)を 3 滴 (約 0. lg)滴下し、多孔質フィルム層の全面 (約 4cm2)に含浸させ、過剰のジォキ ソランを不織布で軽く押さえ拭った後、 150°Cで 10分間乾燥してジォキソランを除去 した。
得られた印刷物の印刷面を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質の孔がつぶれて 緻密化されていることが確認された。また、印刷の直線部を電子顕微鏡を用いて拡 大写真撮影 (200倍)し、長さ 500 μ mにおける平均ライン幅 (LAve)、最大ライン幅( LMax)、最小ライン幅(LMin)を測定したところ、それぞれ、 47. 0 m、 48. 5 m 、 46. であった。この数値を前記式(1)に代入して変動値 Fを算出した結果、 1 . 3%であった。また、この数値を前記式 (2)に代入して標準偏差∑を算出した結果、 5であった。
得られた印刷物の印刷面の接触角を測定したところ、 ΘΒ は 20. 2° 、 ΘΒ は
100 1000
15. 6。 であり、 ΘΒ ΖΘΒ =0. 77、 ΘΑ /ΘΒ =0. 61であった。また
1000 100 1000 1000
、得られた印刷物について引つ搔き硬度試験により密着性を調べたところ、鉛筆硬度
2B、 2Hの何れの場合も異常が無く評価は「〇」であった。
[0554] 比較例 F2
製造例 F2で得られた積層体の PEI多孔質フィルム層側の表面に、パターン図(直 線;直線幅の設定値 50 m)を用いて、スクリーン印刷を行った。印刷に使用したィ ンクは、大研ィ匕学工業 (株)製の導電塗料「CA— 2503」(主溶剤:プチルカルビトー ルアセテート)である。印刷後、 100°Cで 30分間インクを乾燥させた。
得られた印刷物の印刷の直線部を電子顕微鏡を用いて拡大写真撮影 (200倍)し、 長さ 500 μ mにおける平均ライン幅(LAve)、最大ライン幅(LMax)、最小ライン幅( LMin)を測定したところ、それぞれ、 47. 0 m、 48. 5 m、 46. 0 μ mであった。こ の数値を前記式(1)に代入して変動値 Fを算出した結果、 1. 3%であった。また、こ の数値を前記式 (2)に代入して標準偏差∑を算出した結果、 5であった。
得られた印刷物の印刷面の接触角を測定したところ、 ΘΒ は 27. 1° 、 ΘΒ は
100 1000
9. 5。 であり、 ΘΒ ΖΘΒ =0. 35、 ΘΑ /ΘΒ = 1. 00であった。また、
1000 100 1000 1000
得られた印刷物について引つ搔き硬度試験により密着性を調べたところ、鉛筆硬度 6 Bで傷が付き、 2Bでは表層が剥離し、何れの場合も評価は「 X」であった。
比較例 F3
製造例 F2で得られた積層体の PEI多孔質フィルム層側の表面に、パターン図(直 線;直線幅の設定値 50 m)を用いて、スクリーン印刷を行った。印刷に使用したィ ンクは、大研ィ匕学工業 (株)製の導電塗料「CA— 2503」(主溶剤:プチルカルビトー ルアセテート)である。印刷後、 100°Cで 30分間インクを乾燥させた。
次に、印刷を施した積層体の多孔質フィルム層側表面に、イソプロピルアルコール ( IPA) (23°C)を 3滴 (約 0. lg)滴下し、多孔質フィルム層の全面 (約 4cm2)に行き渡 らせ、 IPAを不織布で軽く押さえ拭った後、 150°Cで 10分間乾燥して IPAを除去した 得られた印刷物の印刷面を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質の孔がそのまま 残っており、緻密化された層は形成されていな力 た。また、印刷の直線部を電子顕 微鏡を用いて拡大写真撮影 (200倍)し、長さ 500 mにおける平均ライン幅 (LAve) 、最大ライン幅 (LMax)、最小ライン幅 (LMin)を測定したところ、それぞれ、 47. 0 m、 48. 5 /z m、 46. 0 /z mであった。この数値を前記式(1)に代入して変動値 Fを 算出した結果、 1. 3%であった。また、この数値を前記式(2)に代入して標準偏差∑ を算出した結果、 5であった。
得られた印刷物の印刷面の接触角を測定したところ、 ΘΒ は 27. 1° 、 ΘΒ は
100 1000
9. 5。 であり、 ΘΒ ΖΘΒ =0. 35、 ΘΑ /ΘΒ = 1. 00であった。また、
1000 100 1000 1000
得られた印刷物について引つ搔き硬度試験により密着性を調べたところ、鉛筆硬度 6
Bで傷が付き、 2Bでは表層が剥離し、何れの場合も評価は「 X」であった。
[0556] 実施例 G1
製造例 F2で得られた積層体の PEI多孔質フィルム層側の表面に、パターン図(直 線;直線幅の設定値 50 m)を用いて、スクリーン印刷を行った。印刷に使用したィ ンクは、大研ィ匕学工業 (株)製の導電塗料「CA— 2503」(主溶剤:プチルカルビトー ルアセテート)である。印刷後、 100°Cで 30分間インクを乾燥させた。
次に、印刷を施した積層体を加熱オーブンに入れ、 300°Cで 30分間保持して多孔 質フィルム層を溶融させた後、室温まで冷却して固化させた。
得られた印刷物の印刷面を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質の孔がつぶれて 緻密化されていることが確認された。また、印刷の直線部を電子顕微鏡を用いて拡 大写真撮影 (200倍)し、長さ 500 μ mにおける平均ライン幅 (LAve)、最大ライン幅( LMax)、最小ライン幅(LMin)を測定したところ、それぞれ、 48. 0 m、 49. 5 m 、 47. であった。この数値を前記式(1)に代入して変動値 Fを算出した結果、 1 . 1%であった。また、この数値を前記式 (2)に代入して標準偏差∑を算出した結果、 4であった。
得られた印刷物の印刷面の接触角を測定したところ、 ΘΒ は 21. 3° 、 ΘΒ は
100 1000
14. 4。 であり、 ΘΒ ΖΘΒ =0. 68、 ΘΑ /ΘΒ =0. 66であった。また
1000 100 1000 1000
、得られた印刷物について引つ搔き硬度試験により密着性を調べたところ、鉛筆硬度
2B、 2Hの何れの場合も異常が無く評価は「〇」であった。さらに、引張り強度を測定 したところ、 F1は 6. 9MPa、F2は 66. lMPa、 F2/F1 = 9. 6であった。
[0557] 比較例 G1
製造例 F2で得られた積層体の PEI多孔質フィルム層側の表面に、パターン図(直 線;直線幅の設定値 50 m)を用いて、スクリーン印刷を行った。印刷に使用したィ ンクは、大研ィ匕学工業 (株)製の導電塗料「CA— 2503」(主溶剤:プチルカルビトー ルアセテート)である。印刷後、 100°Cで 30分間インクを乾燥させた。
次に、印刷を施した積層体を加熱オーブンに入れ、 100°Cで 30分間保持した後、 室温まで冷却した。
得られた印刷物の印刷の直線部を電子顕微鏡を用いて拡大写真撮影 (200倍)し、
長さ 500 μ mにおける平均ライン幅(LAve)、最大ライン幅(LMax)、最小ライン幅( LMin)を測定したところ、それぞれ、 48. 3 m、 49. 1 μ m、 47. 0 μ mであった。こ の数値を前記式(1)に代入して変動値 Fを算出した結果、 1. 1 %であった。また、こ の数値を前記式 (2)に代入して標準偏差∑を算出した結果、 4であった。
得られた印刷物の印刷面の接触角を測定したところ、 Θ Β は 26. 2° 、 Θ Β は
100 1000
9. 2。 であり、 Θ Β Ζ Θ Β = 0. 35、 ΘΑ / Θ Β = 1. 03であった。また、
1000 100 1000 1000
得られた印刷物について引つ搔き硬度試験により密着性を調べたところ、鉛筆硬度 6 Bで傷が付き、 2Bでは表層が剥離し、何れの場合も評価は「X」であった。さらに、引 張り強度を測定したところ、 F1は 6. 9MPa、 F2は 6. 9MPa、 F2/F1 = 1. 0であつ た。
実施例 G2
製造例 F3で得られた積層体の PC多孔質フィルム層側の表面に、パターン図(直 線;直線幅の設定値 50 m)を用いて、スクリーン印刷を行った。印刷に使用したィ ンクは、大研ィ匕学工業 (株)製の導電塗料「CA— 2503」(主溶剤:プチルカルビトー ルアセテート)である。印刷後、 100°Cで 30分間インクを乾燥させた。
次に、印刷を施した積層体を加熱オーブンに入れ、 250°Cで 30分間保持して多孔 質フィルム層を溶融させた後、室温まで冷却して固化させた。
得られた印刷物の印刷面を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質の孔がつぶれて 緻密化されていることが確認された。また、印刷の直線部を電子顕微鏡を用いて拡 大写真撮影 (200倍)し、長さ 500 μ mにおける平均ライン幅 (LAve)、最大ライン幅( LMax)、最小ライン幅(LMin)を測定したところ、それぞれ、 52. 0 m、 54. 2 m 、 49. であった。この数値を前記式(1)に代入して変動値 Fを算出した結果、 2 . 2%であった。また、この数値を前記式 (2)に代入して標準偏差∑を算出した結果、 8であった。
得られた印刷物の印刷面の接触角を測定したところ、 Θ Β は 23. 3° 、 Θ Β は
100 1000
19. 6。 であり、 Θ Β Ζ Θ Β = 0. 84、 ΘΑ / Θ Β = 0. 45であった。また
1000 100 1000 1000
、得られた印刷物について引つ搔き硬度試験により密着性を調べたところ、鉛筆硬度
2B、 2Hの何れの場合も異常が無く評価は「〇」であった。さらに、引張り強度を測定
, したところ、 F1は 9. 2MPa、F2は 87. 2MPa、 F2/F1 = 9. 5であった。
図面の簡単な説明
[図 1] (A)〜 (F)は、導電体粒子を含むインクを印刷して多孔質層(基板)表面に配 線が形成された配線基板の一例を示す概略断面図であり、導電体粒子を含むインク として、(A)は、多孔質層表層の平均開孔径に対して粒子径の小さい粒子を多く含 む高粘度のインク、 (B)は、多孔質層表層の平均開孔径に近い粒子径の粒子を多く 含む高粘度のインク、 (C)は、多孔質層表層の平均開孔径に対して粒子径の大きい 粒子を多く含む高粘度のインク (D)は、多孔質層表層の平均開孔径に対して粒子径 の小さい粒子を多く含む低粘度のインク、 (E)は、多孔質層表層の平均開孔径に近 い粒子径の粒子を多く含む低粘度のインク、(F)は、多孔質層表層の平均開孔径に 対して粒子径の小さい粒子を多く含む低粘度のインクで形成された配線基盤の一例 を示す概略断面図である。
[図 2]本発明の配線基板の態様の 1例を示す概略断面図である。
[図 3]本発明の配線基板の態様の他の例を示す概略断面図である。
[図 4]本発明の配線基板の態様のさらに他の例を示す概略断面図である。
[図 5]本発明の配線基板の態様の別の例を示す概略断面図である。
[図 6]本 明の配線基板の態様のさらに別の例を示す概略断面図である。
[図 7]実施例 C1〜C6及び比較例 C1〜C3における印刷形状を示す図である。
[図 8] (a)は、実施例 7で得たパターン 2を用いて印刷された配線基板の電子顕微鏡 写真であり、(b)は、(a)における A—A'線断面の電子顕微鏡写真である。
園 9]接触角及び液滴半径の説明図である。
[図 10]製造例 C1で得られた PAI多孔質フィルム表面(空気側表面)に、各種液体を 滴下した場合の、滴下後の経過時間と接触角との関係を示すグラフである。
[図 11]製造例 D1で得られた PAI多孔質フィルム(空気側表面)、製造例 2で得られた
PEI多孔質フィルム(空気側表面)、比較例 D1で用いた PETフィルム、及び比較例 2 で用いた PIフィルムの各フィルム表面にブチルカルビトールアセテートを滴下した場 合の、滴下後の経過時間と接触角との関係を示すグラフである。
[図 12]製造例 D1で得られた PAI多孔質フィルム (空気側表面)、製造例 2で得られた 差替え用紙(耀 026)
PEI多孔質フィルム(空気側表面)、比較例 Dlで用いた PETフィルム、及び比較例 D 2で用いた PIフィルムの各フィルム表面にブチルカルビトールアセテートを滴下した 場合の、滴下後の経過時間と液滴半径との関係を示すグラフである。
[図 13]ライン幅の標準偏差の求め方を示す説明図である。
圆 14]上図は版の開口部が直線の場合の L1と L2との関係を示す説明図であり、下 図は版の開口部が円の場合の L1と L2との関係を示す説明図である。
圆 15]実施例 D1で得られた印刷物の印刷面の電子顕微鏡を用いた拡大写真図で ある。
圆 16]実施例 D2で得られた印刷物の印刷面の電子顕微鏡を用いた拡大写真図で ある。
圆 17]実施例 D3で得られた印刷物の印刷面の電子顕微鏡を用いた拡大写真図で ある。
圆 18]実施例 D4で得られた印刷物の印刷面の電子顕微鏡を用いた拡大写真図で ある。
圆 19]比較例 D1で得られた印刷物の印刷面の電子顕微鏡を用いた拡大写真図で ある。
圆 20]比較例 D2で得られた印刷物の印刷面の電子顕微鏡を用いた拡大写真図で ある。
圆 21]実施例 E1で得られた印刷物の印刷面の電子顕微鏡を用いた拡大写真図で ある。
圆 22]実施例 E2で得られた印刷物の印刷面の電子顕微鏡を用いた拡大写真図で ある。
圆 23]実施例 E3で得られた印刷物の印刷面の電子顕微鏡を用いた拡大写真図で ある。
圆 24]実施例 E4で得られた印刷物の印刷面の電子顕微鏡を用いた拡大写真図で ある。
圆 25]比較例 E1で得られた印刷物の印刷面の電子顕微鏡を用いた拡大写真図で ある。
[図 26]比較例 E2で得られた印刷物の印刷面の電子顕微鏡を用いた拡大写真図で ある。
[図 27]本発明の印刷パターンの製造方法の一例を示す各工程の説明図(断面図に よる)である。
[図 28]本発明の印刷パターンの製造方法の他の例を示す各工程の説明図(断面図 による)である。
符号の説明
1 多孔質フィルム層
2 導体配線
3 緻密層
4 ノ ッド、
5 配線 (ライン)
6 支持体
7 印刷
8 溶剤
9 溶剤がしみ込んだ多孔質フィルム層
10 溶融した多孔質フィルム層
11 緻密化された層