WO2006019069A1 - 血管剥離具 - Google Patents

Abstract

　細い棒状に形成された金属製の先端側部２０とこの先端側部２０よりも太くかつ長い棒状に形成された樹脂製の基端側部３０とで血管剥離具１を構成する。先端側部２０の先端に静脈を引っ掛けて保持するフック状の保持部２５を形成する。先端側部２０の保持部２５よりも基端側に湾曲部２４を形成する。先端側部２０の湾曲部２４よりも基端側にテーパ面部２６を形成する。基端側部３０に先端側部２０のテーパ面部２６に連続するようにテーパ面部３１を形成する。保持部２５に引っ掛けた静脈と支持組織との間に湾曲部２４及びテーパ面部２６、３１を順に挿入して静脈を支持組織から離れる方向に引っ張って該支持組織から剥がす。

Description

明 細 書

血管剥離具

技術分野

[0001] 本発明は、血管を周囲の組織力 剥がす血管剥離具に関する。

背景技術

[0002] 従来より、人間の下肢等の血管のうち伏在静脈に発生した静脈瘤を治療する方法 として、静脈の静脈瘤が形成された箇所を取り除く方法が知られている。この静脈を 取り除く際には該静脈を周囲の組織力 剥がす必要があり、一般には、表皮を切開 して露出した静脈と周囲の組織との間にメスを入れて静脈を剥がすことが行われてい る。しかし、メスを使用して静脈を剥がす場合には、メスにより周囲の組織に大きな侵 襲を与えてしまう場合があるので、例えば特許文献 1に開示されている器具を使用す ることによりメスによる侵襲を回避しながら静脈を剥がす場合がある。

[0003] 上記特許文献 1の器具は静脈内に挿入可能な棒状に形成されたものであり、この 器具を使用して静脈を取り除く場合には、まず、下肢の表皮を切開して静脈の剥離 範囲の一端部を露出させ、この剥離範囲の一端部において静脈を切断する。この切 断した部分カゝら静脈の剥離範囲内に上記器具を先端側カゝら挿入していき、該器具の 先端部が静脈の剥離範囲の他端部に到達したところで、器具の先端部に対応する 表皮を切開して該器具の先端部のみを表皮外へ押し出す。そして、器具の基端側に 形成された段部に静脈の剥離範囲の一端部を糸で結びつけた後、器具の先端部を 表皮外へ牽引することにより、静脈の一端部が他端側へ引っ張られて該静脈内に入 り込んでいき、静脈が一端側力も他端側へ順次周囲の組織力も剥がれて取り除かれ る。

特許文献 1 :特開 2003— 61967公報 (第 5頁、図 1)

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] しかし、特許文献 1のように、棒状の器具に結びつけた静脈を引っ張るようにした場 合には、静脈が器具から滑って外れないようにしつ力りと器具に結び付けなければな らず、施術が面倒である。また、特許文献 1では、静脈を剥がす際に、該静脈を一端 部から該静脈内に入り込ませる必要があるため、この静脈を入り込まる際に静脈を強 く引っ張らなければならず、静脈が剥離範囲の途中で断裂して静脈を完全に取り除 くことができない場合がある。

[0005] 本発明は斯力る点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、血管を周 囲の組織から剥がす処置を行う場合に、血管が途中で断裂することなぐしかも簡単 に行えるようにすることにある。

課題を解決するための手段

[0006] 上記目的を達成するために、本発明では、保持部で保持した血管と周囲の組織と の間に、血管を周囲の組織力も離れる方向に案内するガイド部を挿入するようにした

[0007] 具体的には、第 1の発明では、生体表皮の切開箇所力 露出した血管を引っ掛け て保持する保持部を先端に備え、該保持部には、保持部で保持した血管と該血管 周囲の組織との間に挿入され、この挿入動作により上記血管を周囲の組織力 離れ る方向に案内するガイド部を連続して設ける構成とする。

[0008] この構成によれば、表皮の切開箇所力 露出した血管を保持部に引っ掛けることで 、血管が保持部に保持されて血管剥離具力 脱落するのが防止される。そして、ガイ ド部を保持部に保持した血管とその周囲の組織との間に挿入して ヽくと、ガイド部に より血管が周囲の組織力 離れる方向に引っ張られて該周囲の組織力 剥がれる。 この際、ガイド部は血管を該血管の径方向に引っ張ることとなり、従来の器具を使用 した場合のように血管を該血管内に入り込ませるように強く引っ張る必要がなくなる。

[0009] 第 2の発明では、第 1の発明において、ガイド部は、挿入方向に延びる棒状をなし 径外方へ湾曲形成された湾曲部と、該湾曲部の挿入方向基端側に連続し拡径して 反挿入方向に延びるテーパ面部とを備えて ヽる構成とする。

[0010] この構成によれば、血管を周囲の組織力 剥がし始めるときには血管と周囲の組織 との隙間が狭いが、この狭い隙間に比較的細い湾曲部が挿入されることになるので、 ガイド部を血管と周囲の組織との間に無理なく挿入することが可能になる。このガイド 部を血管と周囲の糸且織との間に挿入していくと、湾曲部により血管が周囲の糸且織から 離れる方向に案内されて該周囲の組織力 剥がれ、血管と周囲の組織との隙間が拡 大する。そして、ガイド部をさらに挿入して行くと、上記のように血管と周囲の組織との 隙間が拡大しているので、この隙間にテーパ面部を無理なく挿入することが可能にな る。これにより、テーパ面部により血管がさらに周囲の組織力も離れる方向に引っ張ら れるので、血管を広い範囲に亘り剥がすことが可能になる。

[0011] 第 3の発明では、第 2の発明において、ガイド部のテーパ面部の挿入方向基端側 に連続して反挿入方向に延び、血管と周囲の組織との間に挿入される棒状部を備え 、該棒状部の外側には、該棒状部と共に上記血管と周囲の組織との間に挿入される 管状部材を取り外し可能に設け、上記管状部材の挿入方向先端側をその先端側へ 行くほど縮径するように形成する構成とする。

[0012] この構成によれば、管状部材を棒状部力 取り外した場合には、上述の如くガイド 部のテーパ面部の形状に対応した長さの血管が周囲の組織力 剥がれる。一方、管 状部材を棒状部に取り付けた場合には、テーパ面部よりも外径が大きい管状部材の 挿入方向先端側により血管が周囲の組織力も離れる方向に引っ張られることになり、 これにより、管状部材を取り外した場合に比べて血管の剥離長さが長く確保される。 発明の効果

[0013] 第 1の発明によれば、生体表皮の切開箇所力 露出した血管を保持する保持部と 、この保持部で保持した血管と周囲の組織との間への挿入動作により血管を周囲の 組織力ゝら離れる方向に案内するガイド部とを備えているので、血管を保持部で保持し て力もこの血管と周囲の組織との間にガイド部を挿入するだけで、血管を該血管の径 方向に引っ張ることができて周囲の組織力も簡単に剥がすことができる。この際、血 管はガイド部により強く引っ張られることはないので、血管が途中で断裂するのを防ぐ ことができる。

[0014] 第 2の発明によれば、ガイド部が湾曲部と挿入方向基端側へ行くほど拡径するテー パ面部とを備えているので、湾曲部により血管と周囲の糸且織との隙間を無理なく拡大 させた後、その隙間にテーパ面部を挿入して血管を広い範囲に亘つて周囲の組織 力も剥がすことができる。これにより、血管の剥離長さが長い場合においても、血管を 断裂させることなく簡単に周囲の組織力も剥がすことができる。 [0015] 第 3の発明によれば、ガイド部のテーパ面部に連続して延びる棒状部を備え、この 棒状部の外側に管状部材を取り外し可能に設けたので、血管の剥離長さが異なる場 合に、保持部及びガイド部を共通にしながら管状部材の取り付け及び取り外しにより 容易に対応することができる。

図面の簡単な説明

[0016] [図 1]実施形態 1に係る血管剥離具の側面図である。

[図 2] (a)は先端側部の側面図であり、 (b)は基端側部の側面図である。

[図 3]血管剥離具を使用して伏在静脈を支持組織力 剥がす要領を説明する図であ り、（a)は保持部で静脈を引っ掛けた状態の図であり、（b)は血管剥離具を倒して保 持部側から見た図であり、 (c)は静脈と支持組織との間に湾曲部を挿入した状態の 図であり、 (d)は静脈と支持組織との間にテーパ面部を挿入した状態の図である。 圆 4]実施形態 2に係る血管剥離具の部分断面図である。

[図 5]実施形態 1、 2の変形例 1に係る図 1相当図である。

[図 6]実施形態 1、 2の変形例 1に係る図 2 (b)相当図である。

[図 7]実施形態 1、 2の変形例 2に係る図 1相当図である。

符号の説明

[0017] 1 血管剥離具

24 湾曲部 (ガイド部）

25 保持部

26 テーパ面部 (ガイド部）

30 基端側部 (棒状部）

40 静脈 (血管）

42 支持組織 (周囲の組織）

50 第 1管状部材

52 第 2管状部材

発明を実施するための最良の形態

[0018] 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい 実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途 を制限することを意図するものではない。

[0019] 《発明の実施形態 1》

図 1は、本発明の実施形態に係る血管剥離具 1を示し、この血管剥離具 1は静脈 4 0 (図 3に示す)の静脈瘤が形成された箇所を取り去る際に静脈 40を周囲の組織 42 力 剥がすための器具である。

[0020] この血管剥離具 1は、細い棒状に形成された金属製の先端側部 20と該先端側部 2 0の基端側（図 1及び図 2の右側）に位置し先端側部 20よりも太い棒状に形成された 榭脂製の基端側部 30とで構成されて 、る。

[0021] 上記先端側部 20の長手方向の寸法は約 60mmとされ、図 2 (a)に示すように、この 先端側部 20の基端側約 1Z3の部分は略真っ直ぐに延びて 、る。この先端側部 20 の基端部には大径部 21が形成され、この大径部 21よりも先端側（図 1及び図 2の左 側）には小径部 22が形成されていて、これら大径部 21と小径部 22とで段差部 23が 構成されている。先端側部 20の小径部 22よりも先端側は該小径部 22よりも大径とさ れ、この大径部分には先端側へ行くほど縮径するテーパ面部 26が連続している。こ のテーパ面部 26よりも先端側には、上記先端側部 20の径方向一側へ向けて湾曲形 成された湾曲部 24が連続している。つまり、テーパ面部 26は、その基端側へ行くほ ど拡径するとともに湾曲部 24の基端側に連続している。また、この湾曲部 24及び上 記テーパ面部 26は本発明のガイド部を構成している。

[0022] 上記先端側部 20の先端には、上記静脈 40を引っ掛けて保持するフック状の保持 部 25が連続して形成されている。該保持部 25は、その基端側が上記湾曲部 24から 先端側へ向かい先端側部 20の径方向について湾曲部 24と反対側に比較的きつく 湾曲しており、先端側が基端側と反対に湾曲して先端側部 20の径方向中心部まで 延びている。この保持部 25の先端側が開放していて、この開放部分から静脈 40が保 持部 25内に導入されるようになって!/、る。

[0023] 上記先端側部 20はその基端側の中心線が上記基端側部 30の中心線と略一致す るように配置され、先端側部 20の基端側は、基端側部 30の成形時に該基端側部 30 の先端側にインサートされて基端側部 30と一体ィ匕している。この一体化した状態で は、先端側部 20の段差部 23により該先端側部 20の基端側部 30からの抜けが阻止 されるようになつている。

[0024] また、上記基端側部 30の長手方向の寸法は約 80mmとされ、先端部の外径は、上 記先端側部 20における基端側部 30との境界近傍の外径と略同じに設定され、基端 側部 30の外面と先端側部 20の外面とは滑らかに連続して 、る。基端側部 30の先端 側部 20との境界部分よりも基端側は、その基端側へ行くほど拡径して延びるように形 成されたテーパ面部 31とされている。また、基端側部 30のテーパ面部 31よりも基端 側は、全体が同じ円形断面を有し略真っ直ぐに延びている。尚、図 1の符号 Aは、血 管剥離具 1の不使用時に先端側を覆っておくための着脱式のキャップである。

[0025] 上記構成の血管剥離具 1を使用して伏在静脈 40の静脈瘤が形成された箇所を取 り除く要領について図 3に基づき説明する。同図において符号 41は、表皮及び該表 皮の下層の脂肪等の皮下組織を示しており、これら表皮及び皮下組織 41の下層に は、上記伏在静脈 40の周囲を支持する支持組織 42が位置して ヽる。

[0026] まず、静脈瘤が形成されている箇所に対応する表皮及び皮下組織 41を切開すると ともに、同様に支持組織 42の静脈 40よりも上側の部分を切開することにより、静脈 4 0の静脈瘤が形成された箇所を露出させる。この静脈 40の露出した部分が剥離範囲 であり、図示しないが、この剥離範囲の中心部を鉗子等で摘んで持ち上げることによ り、剥離範囲の中心部を下側の支持組織 42から剥がして該支持組織 42との間に隙 間 Sを形成する。図 3 (a)に示すように、この隙間 Sに上記保持部 25の先端を差し込 んで該保持部 25で静脈 40をすく 、上げるように基端側部 30を持って動かし、静脈 4 0を保持部 25に引っ掛けて保持する。そして、図 3 (b)に示すように、基端側部 30の 中心線と静脈 40の延びる方向とを交差させた状態で血管剥離具 1を倒していき、基 端側部 30の外面を表皮に接触させる。このとき、静脈 40が保持部 25により上方、即 ち静脈 40の径方向へ引っ張られて支持組織 42から剥がれ、隙間 Sが拡大する。ま た、静脈 40を保持部 25に保持させた状態では、保持部 25がフック状に形成されて いるので上記のように血管剥離部 1を倒しても静脈 40が保持部 25から脱落すること はない。

[0027] その後、血管剥離具 1の先端側部 20をその先端側から静脈 40と支持組織 42との 間に挿入していく。この際、静脈 40と支持組織 42との隙間 Sは比較的狭いが、先端 側部 20は比較的細く形成されて 、るので無理なく容易に挿入することが可能となる。 先端側部 20を挿入して行くと、図 3 (c)に示すように、静脈 40は先端側部 20の外面 を滑って湾曲部 24に達してこの湾曲部 24により上方へ引っ張られて、静脈 40がさら に支持組織 42から剥がれる。

[0028] 血管剥離具 1をさらに挿入方向に移動させると、図 3 (d)に示すように、静脈 40がテ ーパ面部 26を滑り上方へ引っ張られて支持組織 42から剥がれ、同様に静脈 40が基 端側部 30のテーパ面部 31を滑ることによりさらに支持組織 42から剥がれる。そして、 血管剥離具 1を先端側部 20側から引っ張って基端側部 30を静脈 40と支持組織 42 との間から抜く。剥がされた静脈 40を取り除く際には、図示しないが、該静脈 40を鉗 子等で摘み上げて剥離範囲の両端部近傍をそれぞれ切断する。

[0029] したがって、この実施形態に係る血管剥離具 1によれば、静脈 40を保持部 25に引 つ掛けて保持してカゝら先端側部 20及び基端側部 30を静脈 40と支持組織 42との間 に挿入するだけで、湾曲部 24及びテーパ面部 26、 31により静脈 40を支持組織 42 力も離れる方向に引っ張って該支持組織 42から簡単に剥がすことができる。また、こ の際、静脈 40を引っ張る方向が径方向であるので、従来の器具ように静脈 40を強く 引っ張る必要がなぐ静脈 40が途中で断裂するのを防ぐことができる。

[0030] また、上記ように静脈 40を引っ掛ける保持部 25と、静脈 40を剥がす湾曲部 24及 びテーパ面部 26、 31とが一体であることから、血管剥離具 1だけを用いて静脈 40を 剥がすことが可能になり、コッヘル等の器具を別に容易する必要がなくなる。

[0031] また、挿入方向先端側に細い棒状の湾曲部 24を形成し、この湾曲部 24の挿入方 向基端側に、基端側へ行くほど拡径するテーパ面部 26を連続させたので、静脈 40 を剥がし始めるときに静脈 40と支持組織 42との隙間が狭い場合、湾曲部 24により無 理なく隙間 Sを拡大させることができ、この拡大した隙間 Sに先端側部 20のテーパ面 部 26を挿入して静脈 40を広い範囲に亘つて支持組織 42から剥がすことができる。さ らに、このテーパ面部 26により静脈 40を剥がした後に、比較的大径の基端側部 30 のテーパ面部 31を挿入するようにしたので、静脈 40をより広い範囲に亘つて容易に 剥がすことができる。これにより、静脈 40の剥離長さが長い場合であっても断裂させ ることなく簡単に剥がすことができる。 [0032] 《発明の実施形態 2》

図 4は、本発明の実施形態 2に係る血管剥離具 1を示し、この血管剥離具 1は、棒 状部としての基端側部 30の外側に榭脂製の第 1管状部材 50及び第 2管状部材 52 が設けられている点で実施形態 1のものと異なり、他の部分は同一であるため、以下 実施形態 1と同一の部分には同じ符号を付して説明を省略し異なる部分のみ詳細に 説明する。

[0033] 上記第 1管状部材 50は上記基端側部 30の外側に取り外し可能に設けられたもの であり、この第 1管状部材 50の中心線方向の寸法は、基端側部 30の中心線方向の 寸法よりも短く設定されている。この第 1管状部材 50の先端側（図 4の左側）には、そ の基端側へ行くほど縮径するテーパ面部 51が形成され、また、第 1管状部材 50の内 周面は上記基端側部 30の外周面に密着するように形成されている。

[0034] また、上記第 2管状部材 52は上記第 1管状部材 50の外側に取り外し可能に設けら れたものであり、この第 2管状部材 52の中心線方向の寸法は、上記第 1管状部材 50 の中心線方向の寸法よりも短く設定されている。この第 2管状部材 52の先端側には 上記第 1管状部材 50のテーパ面部 51と同様のテーパ面部 53が形成され、また、第 2管状部材 52の内周面は第 1管状部材 50の外周面に密着するように形成されてい る。これら第 1管状部材 50及び第 2管状部材 52は別体であるため、第 1管状部材 50 のみを基端側部 30に取り付けることが可能となっている。

[0035] 上記基端側部 30の基端部には、上記管状部材 50、 52が基端側部 30から脱落す るのを防止するためのストッパ部材 54が配設されている。このストッパ部材 54は、上 記第 2管状部材 52の内径よりも大きい外径を有する環状に形成されている。ストツバ 部材 54の内周面には雌ネジ部（図示せず)が形成される一方、基端側部 30の基端 部外周面には雄ネジ部（図示せず)が形成され、ストツバ部材 54の雌ネジ部を基端 側部 30の雄ネジ部に螺合させることでストツバ部材 54が基端側部 30に固定され、各 管状部材 50、 52が基端側部 30の基端側力も脱落するのが防止される。

[0036] 上記第 1管状部材 50を基端側部 30に取り付けることで、先端側部 20及び基端側 部 30のテーパ面部 26、 31を通過した静脈 40が第 1管状部材 50のテーパ面部 51を 通過する際にさらに上方へ引っ張られ、これにより、静脈 40の剥離長さが長く確保さ れる。また、第 2管状部材 52を取り付けることで、第 1管状部材 50のテーパ面部 51を 通過した静脈 40が第 2環管状部材 52のテーパ面部 53を通過する際にさらに上方へ 引っ張られて静脈 40の剥離長さがより長く確保される。

[0037] したがって、この実施形態に係る血管剥離具 1によれば、第 1管状部材 50及び第 2 管状部材 5を取り付けたり取り外したりすることで、症状により静脈 40の剥離長さが異 なる場合に、先端側部 20及び基端側部 30を共通化しながら容易に対応することが できる。

[0038] 尚、上記実施形態では、血管剥離具 1の挿入方向先端側を金属製とする一方、基 端側を榭脂製としたが、両方を同じ材料で構成してもよぐこの場合には、挿入方向 基端側と先端側とを一体成形してもよ ヽ。

[0039] また、上記実施形態 1、 2の変形例 1として、図 5及び図 6に示すように、基端側部 3 0に目印部 Lを設けるようにしてもよい。この目印部 Lは、保持部 25が生体組織内に 挿入されて術者から見えな ヽ場合に、該保持部 25の開放部分がどの方向に向 ヽて いるかを示すためのものである。すなわち、図 6に示すように、上記目印部 Lは、血管 剥離具 1を保持部 25側から見たときに、基端側部 30の外周面において保持部 25の 開放部分と略一致する箇所に位置付けられ、基端側部 30の長手方向両端近傍に亘 つて連続して延びている。この目印部 Lは、基端側部 30を構成する部材の色とは異 なる色を該基端側部 30の外周面に線状に着色することにより構成されている。

[0040] また、図 7に示す変形例 2のように、目印部 Lをテーパ面部 31以外の部分に設ける ようにしてもよい。この変形例 2の基端側部 30は、成形型内に基端側部 30を構成す る榭脂材を射出し固化させた後、脱型せずに同じ成形型内に目印部 Lを構成する榭 脂材を射出し固化させてなるものであり、いわゆる 2色成形品である。このように目印 部 Lを基端側部 30に一体成形することで、基端側部 30の外周面に凹凸を生じさせ ないようにして滑らかな面にすることが可能になる。これにより、静脈 40を剥離する際 に、基端側部 30が静脈 40に引っ掛力るようになることはなぐ静脈 40をスムーズに剥 離することができる。

[0041] また、目印部 Lとしては、上記した形態のものに限られず、術者が視覚や触覚で認 識できる形態のものであればよぐ例えば、図示しないが、基端側部 30の外周面に 形成した突出部や凹部等であってもよい。

[0042] また、上記血管剥離具 1は、静脈 40以外にも動脈を剥離する際に用いることができ る。

産業上の利用可能性

[0043] 以上説明したように、本発明に係る血管剥離具は、例えば下肢の伏在静脈に発生 した静脈瘤を治療するのに用レ、ることができる。

Claims

請求の範囲

[1] 生体表皮の切開箇所力 露出した血管を引っ掛けて保持する保持部を先端に備 え、該保持部には、保持部で保持した血管と該血管周囲の組織との間に挿入され、 この挿入動作により上記血管を周囲の組織力 離れる方向に案内するガイド部が連 続して設けられて！/、ることを特徴とする血管剥離具。

[2] 請求項 1に記載の血管剥離具にお!/、て、

ガイド部は、挿入方向に延びる棒状をなし径外方へ湾曲形成された湾曲部と、該 湾曲部の挿入方向基端側に連続し拡径して反挿入方向に延びるテーパ面部とを備 えて 、ることを特徴とする血管剥離具。

[3] 請求項 2に記載の血管剥離具において、

ガイド部のテーパ面部の挿入方向基端側に連続して反挿入方向に延び、血管と周 囲の組織との間に挿入される棒状部を備え、

上記棒状部の外側には、該棒状部と共に上記血管と周囲の組織との間に挿入され る管状部材が取り外し可能に設けられ、

上記管状部材の挿入方向先端側がその先端側へ行くほど縮径するように形成され て!、ることを特徴とする血管剥離具。