WO2006009140A1

WO2006009140A1 - 無線ｉｃタグ付き包装体

Info

Publication number: WO2006009140A1
Application number: PCT/JP2005/013245
Authority: WO
Inventors: Kazuyuki Takasawa; Kiyoshi Imaizumi
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 2004-07-20
Filing date: 2005-07-19
Publication date: 2006-01-26
Anticipated expiration: 2007-01-20
Also published as: TW200607717A; US20060220868A1

Abstract

　金属を含む収納物又は金属材料を含む包装材で包装された収納物が収納されている場合であっても、装着された無線ＩＣタグに記憶させた情報の読み出し、又は、読み出し／書き込みなどを外部から支障なく行うことができる無線ＩＣタグ付き包装体を提供する。　無線ＩＣタグ付き包装体（１００）は、縦断面が矩形状の外箱（３）の外面の一部に無線ＩＣタグ（２０）が装着され、外箱（３）の内部に内容物（１）を密封包装した内袋（２）が収納されている。この無線ＩＣタグ付き包装体（１００）は、外箱（３）の無線ＩＣタグ（２０）が装着された面板（４）と内袋（２）との間に、間隔保持手段として、所定の厚みの板状の間隔保持部材（５）が挿入されている。　

Description

明細書

無線 ICタグ付き包装体

技術分野

[0001] 本発明は、収納物を収納する無線 ICタグ付き包装体に関するものである。

背景技術

[0002] 近年、無線 ICタグ (RFIDタグ）は、半導体技術の進展により、その種類、性能の多様化と共に、小型化及び製造コストの低減が進められ、ァバレル、食品、流通など、多くの業界において、バーコードとの置き換えにより、物流の効率ィ匕を目指して導入の検討が進められている。

このような状況の中で、食品、化粧品、医薬品、玩具、雑貨など殆どの商品は、包装が施され、包装体として流通、販売されている。この包装体に用いる容器は、袋、箱、プラスチックボトル、ガラス瓶、金属缶などの単独のほか、例えば、袋と箱、プラスチックボトルと箱、ガラス瓶と箱、金属缶と箱などのように、複数の容器を組み合わせて用いた容器がある。

上述した箱は、主に板紙、または、複数の紙および/または板紙、更にはプラスチックフィルムなどを貼り合わせたラミネート材、或いは、段ボールなど、紙を主体とする材料で作製された紙箱が使用されることが多い。

[0003] 一方、無線 ICタグは、大別して、（1)読み出し専用の無線 ICタグ、（2)読み出し及び書き込みが可能な無線 ICタグ、（3)マイクロプロセサー内蔵型無線 ICタグ、（4)センサー付き無線 ICタグなどの種類がある。これらの無線 ICタグは、包装体に取り付けて物流の効率ィ匕などを行うためには、例えば、コストの面では、前記（1)の読み出し専用の無線 ICタグ、又は、（2)の読み出し及び書き込みが可能な無線 ICタグが安価であり使用し易いが、要望される機能に応じて、（3)のマイクロプロセサー内蔵型無線 ICタグや、（4)のセンサー付き無線 ICタグなども使用することができる。

[0004] 特許文献 1は、非接触通信機能を有する無線 ICタグを装着した包装体であって、少なくとも基材フィルムまたはシート上の一部分に導電性インキ力もなるアンテナが任意パターンで印刷されており、そのアンテナ印刷面に ICタグラベルが装着され、さらにその ICタグラベル面上に、シーラントフィルムが積層された積層体力なる ICタグ付き包装体が開示されており、流通過程において、無線 ICタグが剥落することを防止している。

[0005] しかし、このような無線 ICタグは、上述した包装体に装着したときに、例えば、包装体の収納物が、アルミニウム箔などの金属層を含む積層フィルムで形成された袋や、金属缶などの場合には、その包装体の表面に無線 ICタグを貼り付けても、無線 ICタグの背面に金属があるので、通信方式が電磁誘導方式の 13. 56MHz帯の場合には、磁界がアンテナの周りを通らなくなり、また、 2. 45GHz帯や UHF帯の場合には、アンテナの同調がずれて、通信できなくなるおそれがあった。

[0006] 特許文献 1 :特開 2003— 158414号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] 本発明の課題は、金属を含む収納物又は金属材料を含む包装材で包装された収納物が収納されて、る場合であっても、装着された無線 ICタグに記憶させた情報の読み出し、又は、読み出し Z書き込みなどを外部力支障なく行うことができる無線 I Cタグ付き包装体を提供することである。

課題を解決するための手段

[0008] 第 1の発明は、金属を含む収納物又は金属材料を含む包装材で包装された収納物を収納する無線 ICタグ付き包装体であって、前記収納物を内部に収納するケースと；前記ケースの、ずれかの面に装着された無線 ICタグと；前記ケースの少なくとも前記無線 ICタグが装着された部分の内側に設けられ、前記収納物と前記無線 ICタグとの間隔を、所定の距離以上に保っための間隔保持手段と;を含む無線 ICタグ付き包装体を提供する。

[0009] 第 2の発明は、第 1の発明の無線 ICタグ付き包装体において、前記収納物は、金属箔又は金属蒸着層を含む積層フィルムで形成された包装材によって、内容物を密封包装してあること；を特徴とする無線 ICタグ付き包装体を提供する。

[0010] 第 3の発明は、第 1の発明の無線 ICタグ付き包装体において、前記間隔保持手段は、前記ケースの前記無線 ICタグが装着された部分と前記収納物との間に挿入され、空気層及び Z又は気泡層を有する所定厚みのシートであること；を特徴とする無線 icタグ付き包装体を提供する。

[0011] 第 4の発明は、第 1の発明の無線 ICタグ付き包装体において、前記間隔保持手段は、前記ケースの少なくとも前記無線 ICタグが装着された部分の内側に貼付され

、空気層及び Z又は気泡層を有する所定厚みのシートであること；を特徴とする無線

ICタグ付き包装体を提供する。

[0012] 第 5の発明は、第 1の発明の無線 ICタグ付き包装体において、前記間隔保持手段は、前記ケースの内部を、前記無線 ICタグが装着された領域を含む第 1の部分と、前記無線 ICタグが装着されて、な、第 2の部分とに区画する仕切り板であること；及び、前記収納物は、前記第 2の部分に収納されていること;ことを特徴とする無線 ICタグ付き包装体を提供する。

[0013] 第 6の発明は、第 1の発明の無線 ICタグ付き包装体において、前記ケースは、その外面に凹部が形成されていること;及び、前記無線 ICタグは、前記凹部に装着されて

Vヽること；を特徴とする無線 ICタグ付き包装体を提供する。

[0014] 第 7の発明は、第 1の発明の無線 ICタグ付き包装体において、前記ケースは、少なくとも 1枚の紙シートを含む複数のシートを貼り合わせたラミネート材で形成されていること;及び、前記無線 ICタグは、前記ラミネート材のシート間に装着されていること；を特徴とする無線 ICタグ付き包装体を提供する。

[0015] 第 8の発明は、第 7の発明の無線 ICタグ付き包装体において、前記ラミネート材は、少なくとも 1枚の紙シートを含んでいること；前記紙シートは、凹部が形成されていること;及び、前記無線 ICタグは、前記凹部に装着されていること；を特徴とする無線 IC タグ付き包装体を提供する。

[0016] 第 9の発明は、第 7の発明の無線 ICタグ付き包装体において、前記ケースは、前記無線 ICタグの装着部分の外面に、その無線 ICタグによる表面の変形を視認しにくくする迷彩印刷層が設けられて、ること；を特徴とする無線 ICタグ付き包装体を提供する。

[0017] 第 10の発明は、第 1の発明の無線 ICタグ付き包装体において、前記ケースは、紙を含まなヽ積層フィルムカゝらなること；を特徴とする無線 ICタグ付き包装体を提供する [0018] 第 11の発明は、第 1の発明の無線 ICタグ付き包装体において、前記ケースは、複数のシートを貼り合わせたラミネート材で形成されて、ること;及び、前記無線 ICタグは、前記ラミネート材のシート間に装着されて、ること；を特徴とする無線 ICタグ付き包装体を提供する。

[0019] 第 12の発明は、第 1の発明の無線 ICタグ付き包装体において、前記間隔保持手段は、前記無線 ICタグと所定の距離以上の部位に、前記ケースの内部と前記収容物とを接着すること；を特徴とする無線 ICタグ付き包装体を提供する。

発明の効果

[0020] 以上説明したように、本発明によれば、ケース内に、金属を含む収納物又は金属材料を含む包装材で包装された収納物が収納されてヽる場合であっても、ケースの少なくとも無線 ICタグが装着された部分の内側に、収納物と無線 ICタグとの間隔を、所定の距離以上に保っための間隔保持手段を設けたので、収納物が無線 ICタグの背面から、少なくとも所定の距離だけは離され、無線 ICタグに書き込まれた包装体の収納物に関する情報を外部から確実に読み出し、或いは、読み出しと新たな情報の書き込みなどを行うことができ、商品流通の一層の効率ィ匕を実現することができる。図面の簡単な説明

[0021] [図 1]本発明の無線 ICタグ付き包装体の実施例 1を模式的に示す断面図である。

[図 2]実施例 1の無線 ICタグ付き包装体に用いる無線 ICタグの一例を模式的に示す平面図である。

[図 3]本発明の無線 ICタグ付き包装体の実施例 2を模式的に示す断面図である。

[図 4]本発明の無線 ICタグ付き包装体の実施例 3を模式的に示す断面図である。

[図 5]本発明の無線 ICタグ付き包装体の実施例 4を模式的に示す断面図である。

[図 6]本発明の無線 ICタグ付き包装体の実施例 5である無線 ICタグ付き紙箱を模式的に示す断面図である。

[図 7]実施例 5の無線 ICタグ付き包装体に用いる紙箱用ラミネート材の一例を模式的に示す断面図である。

[図 8]本発明の無線 ICタグ付き包装体の実施例 6である無線 ICタグ付き紙箱を模式的に示す断面図である。

[図 9]本発明の無線 ICタグ付き包装体の実施例 7である無線 ICタグ付き紙箱を模式的に示す断面図である。

符号の説明

[0022] 1;内容物， 2;内袋， 3;外箱， 4;面板， 5;間隔保持部材， 6;仕切り板， 7a, 7b;接着片， 8;成形凹部， 9;他の収納物， 10;紙箱用ラミネート材， 11;外側の紙層， 12; 内側の紙層， 13;印刷層， 14;接着層， 20, 20a;無線 ICタグ， 21;支持体， 22;アンテナ， 23;ICチップ， 50;金属を含む収納物， 100, 200, 300, 400;無線 ICタグ付き包装体， 500, 600, 700;無線 ICタグ付き紙箱

発明を実施するための最良の形態

[0023] 本発明は、金属を含む収納物又は金属材料を含む包装材で包装された収納物が収納されてヽる場合であっても、装着された無線 ICタグに記憶させた情報の読み出し、又は、読み出し Z書き込みなどを外部力も支障なく行うことができるという目的を、外箱の少なくとも無線 ICタグが装着された部分の内側に、収納物と無線 ICタグとの間隔を、所定の距離以上に保っための間隔保持部材等を配置することによって実現する。

以下、図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。但し、本発明は、その要旨を越えない限り、これらの図面に限定されるものではない。

実施例

[0024] [実施例 1]

図 1は、本発明による無線 ICタグ付き包装体の実施例 1を模式的に示す断面図である。

実施例 1の無線 ICタグ付き包装体 100は、縦断面が矩形状の外箱 3の外面の一部に無線 ICタグ 20が装着され、外箱 3の内部に内容物 1を密封包装した内袋 2が収納されている。この無線 ICタグ付き包装体 100は、外箱 3の無線 ICタグ 20が装着された面板 4と内袋 2との間に、間隔保持手段として、所定の厚みの板状の間隔保持部材 5が挿入されている。

なお、内袋 2は、アルミニウムや銅などの金属箔ゃ金属蒸着層を含む積層フィルムで形成されているものであり、この点は、後述する図 3〜図 5に示す無線 ICタグ付き包装体においても同様である。

[0025] 間隔保持部材 5は、所定の厚みがあり、その厚み方向にフルートの波形状による空気層を有する段ボールや、発泡による気泡層を有する発泡プラスチックなどのシートを使用することができる。この間隔保持材 5は、紙やシートを折曲加工して 3次元状にしたもの、または、プラスチックを射出成形して、 3次元状にしたものでもよい。また、間隔保持部材 5は、その挿入を容易にするために、面板 4の寸法よりも多少小さくしているが、大差はないので横方向に動いたとしても、無線 ICタグ 20と内袋 2との間隔を、少なくともその厚み分だけは確実に維持することができる。従って、無線 ICタグ 2 0は、書き込まれた情報を外部から確実に読み出すことができ、また、書き込まれた情報の読み出しと新たな情報の書き込みとを行うことができる。

この間隔保持部材 5は、外箱 3に内袋 2を挿入するときに、同時に挿入することができるので、特別な手間が力からず、生産性よく挿入することができる。この間隔保持部材 5は、安価な材料で段ボールや発泡プラスチックなどで容易に設けることができ、無線 ICタグ付き包装体を、一層低コストで生産性よく提供することができる。

[0026] 間隔保持部材 5は、 3〜5mm以上、 10mm程度の厚みでよい。段ボールは、片面段ボール、両面段ボール、複両面段ボールのいずれか、又は、これらの複数を積層したシートを用いることができる。また、発泡プラスチックのシートは、発泡ポリスチレン、発泡ポリプロピレンなどのシートが好ましぐこれらのプラスチック自体は、コスト低減のため再生プラスチックであってもよ、。

[0027] 図 2は、実施例 1の無線 ICタグ付き包装体に用いる無線 ICタグの一例を模式的に示す平面図である。

無線 ICタグ 20は、ポリエチレンテレフタレートシートなどの支持体 21の上に、電磁波によって情報の入出力を行うための銅製などの導電性のアンテナ 22と、そのアンテナ 22に接続された情報処理のための記憶素子、即ち、 ICチップ 23とが設けられている。また、この無線 ICタグ 20は、必要に応じて、アンテナ 22及び ICチップ 23を力バーするように、支持体 21の上に保護フィルムなどの保護層（図示せず)を設けてもよい。 [0028] この無線 ICタグ 20を外箱 3のいずれかの面に装着する方法は、特に限定はされないが、ホットメルト接着剤または粘着剤を用いる方法が、貼付速度も速ぐその操作も容易であるため簡便である。特に、粘着剤を使用する場合は、予め離型紙を用いてセパレート加工を施すことにより、ラベラーを使用した自動貼りが容易であり、生産性よく貝占付することができる。

[0029] [実施例 2]

図 3は、本発明の無線 ICタグ付き包装体の実施例 2を模式的に示す断面図であるなお、以下に説明する各実施例では、前述した実施例 1と同様な機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明や図面を適宜省略する。

実施例 2の無線 ICタグ付き包装体 200は、外箱 3の無線 ICタグ 20が装着された面板 4と内袋 2との間に挿入した間隔保持部材 5の寸法を、少なくとも面板 4の無線 ICタグ 20が装着された部分の内面を覆える程度に小さくした点、および、外面に無線 IC タグ 20が装着されている部分の面板 4の内面に、間隔保持部材 5を接着剤で貼付した点が、図 1に示した実施例 1の無線 ICタグ付き包装体 100と相違する。

[0030] 間隔保持部材 5の装着は、外箱 3の形式に応じて、外箱 3の製函の工程で所定の位置に予め装着できるほか、組み立てた外箱 3に内袋 2を挿入する工程で所定の位置に装着することもできる。

実施例 2の無線 ICタグ付き包装体 200は、外箱 3の外面の一部に装着された無線 I Cタグ 20と内袋 2との間隔が、少なくとも間隔保持部材 5の厚み分だけは確実に保持されるので、内袋 2の積層フィルムに含まれるアルミニウムや銅などの金属箔または金属蒸着層の悪影響を受けることがなくなり、無線 ICタグ 20に書き込まれた情報を外部から確実に読み出し、或いは、読み出しと新たな情報の書き込みとを行うことができる。

[0031] [実施例 3]

図 4は、本発明の無線 ICタグ付き包装体の実施例 3を模式的に示す断面図である実施例 3の無線 ICタグ付き包装体 300は、外箱 3の外面の一部に無線 ICタグ 20を装着してある。仕切り板 6 (間隔保持手段）は、外箱 3の内部に斜め方向に設けてあり、外箱 3を外面に無線 ICタグ 20が装着された第 1の部分と、無線 ICタグ 20が装着されていない第 2の部分とに区画してある。そして、無線 ICタグ付き包装体 300は、無線 ICタグ 20が装着されて、な、第 2の部分に、内袋 2が収納されて、る。

[0032] 仕切り板 6は、その一方の端部のみに接着片 7aを設けてある。この接着片 7aは、外面に無線 ICタグ 20が装着された上部の面板 4の内面に接着されている。仕切り板 6 のもう一方の端部は、フリーの状態である。仕切り板 6のフリーとした端部は、外箱 3を組み立てたときに、外箱 3の下部の角部に当接して固定される長さにしてあり、仕切り板 6が斜め方向に配置されるようになって、る。

実施例 3の無線 ICタグ付き包装体 300は、仕切り板 6が、外箱 3の内部に収納された内袋 2の動きを、外面に無線 ICタグ 20が装着されていない部分に限定するので、無線 ICタグ 20と内袋 2との間には、十分な間隔をとることができる。この無線 ICタグ付き包装体 300は、無線 ICタグ 20と内袋 2との間隔を、例えば、 10mm以上のように大きくすることち簡単である。

従って、実施例 3の無線 ICタグ付き包装体 300は、内袋 2の積層フィルムに含まれるアルミニウムや銅などの金属箔または金属蒸着層の悪影響を受けることがなぐ無線 ICタグ 20に書き込まれた情報を外部力も一層確実に読み出し、或いは、読み出しと新たな情報の書き込みとを行うことができる。

[0033] [実施例 4]

図 5は、本発明の無線 ICタグ付き包装体の実施例 4を模式的に示す断面図である実施例 4の無線 ICタグ付き包装体 400は、外箱 3の上部の面板 4の無線 ICタグ 20 を装着した位置に、略無線 ICタグ 20の厚みに相当する深さの成形凹部 8を設け、その成形凹部 8内に無線 ICタグを装着してある。

[0034] 成形凹部 8は、この部分に無線 ICタグ 20を装着したときに、無線 ICタグ 20が外箱 3 の外面力外側に突出することを防止するために設けるものであり、その深さは、無線 ICタグ 20の厚みと略同一の深さに設ければよい。通常、無線 ICタグ 20の厚みは、 lmm程度以下であるため、それに合わせた深さに設けることができる。また、外箱 3 の外面に装着された無線 ICタグ 20が、外箱 3の外面力も外側に突出しないように装着することができるので、無線 ICタグ付き包装体 400は、輸送ゃノヽンドリングの際に、無線 ICタグ 20が傷つけられたり、剥がれたりすることを防止でき、一層安全に使用することがでさる。

[0035] 仕切り板 6 (間隔保持手段）は、外箱 3の内部を区画するために縦方向に配置されている。この仕切り板 6は、その両方の端部に接着片 7a、 7bを設けてあり、それぞれの接着片 7aまたは接着片 7bを外箱 3の上下の面板に接着して、る。この仕切り板 6 は、外箱 3の内部を、外面に無線 ICタグ 20が装着された部分と、無線 ICタグ 20が装着されていない部分とに区画するためのものである。この無線 ICタグ付き包装体 400 は、無線 ICタグ 20が装着されていない部分に、内袋 2を収納するようにしたものである。

[0036] 実施例 4の無線 ICタグ付き包装体 400は、外箱 3の外面に装着された無線 ICタグ 2 0がその装着位置に設けられた成形凹部 8内に装着されているので、外箱 3の表面力突出することがなぐ外部からの摩擦などで傷つけられたり、剥がされたりすることがなくなり、一層安全に使用することができる。

また、無線 ICタグ付き包装体 400は、縦方向の仕切り板 6が外箱 3の内部に収納された内袋 2の動きを、外面に無線 ICタグ 20が装着されて、な、部分に限定させると同時に、外面に無線 ICタグ 20が装着された部分のスペースを、実施例 3の無線 ICタグ付き包装体 300の場合よりも大きくできるので、無線 ICタグ 20と内袋 2との間隔を更に大きくすることができる。

従って、無線 ICタグ付き包装体 400は、内袋 2の積層フィルムに含まれるアルミ-ゥムゃ銅などの金属箔または金属蒸着層の悪影響を一層確実になくすことができ、無線 ICタグ 20に書き込まれた情報を外部力も一層確実に読み出し、或いは、読み出しと新たな情報の書き込みとを行えるようになる。

[0037] この場合、無線 ICタグ付き包装体 400は、外面に無線 ICタグ 20が装着された部分のスペースが比較的大きいため、例えば、外箱 3に収納する収納物として、内袋 2のほかに、金属を含まない収納物がある場合は、この部分に、他の収納物 9を収納することができる。 [0038] なお、実施例 3, 4の無線 ICタグ付き包装体 300、 400では、外箱 3の内部に設けた仕切り板 6は、それぞれ外箱 3の奥行き方向（図において前後方向）の全長に設けてもよいが、無線 ICタグ 20が装着された部分にその長さに対応して設けてもよい。

[0039] 以下に、製造例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。

(製造例 1)

製造例 1の無線 ICタグ付き包装体は、実施例 1の無線 ICタグ付き包装体 100を、以下の材料と寸法で作製したものである。

(1)外箱 3は、板紙 (コートボール、坪量 310g/m²)を用いて、シールカートン形式で外形寸法が縦 170mm X横 130mm X厚み 25mmとなるように製函して作製した。

(2)内袋 2は、下記の構成の積層フィルムを用いて四方シール形式の袋に製袋し、内容物 1としては、レトルト用カレーを用いてそれを 220g充填、密封し、レトルト処理を

施して作製した。

(内袋用積層フィルムの構成）

二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム (厚み 12 m) Z接着剤 Z二軸延伸ナイロンフィルム (厚み 15 m) Z接着剤 Zアルミニウム箔 (厚み 7 μ m) Z接着剤 Z 無延伸ポリプロピレンフィルム（厚み 60 μ m)〔シ一ラント層〕

上記各フィルムの積層は、ドライラミネーシヨン法で貼り合わせたものであり、各フィルムの間の接着剤には、ドライラミネート用の二液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いたものである。

(3)間隔保持部材 5は、厚み 4mmの両面段ボールを縦 160mm X横 120mmの寸法に打ち抜、たものを用いた。

(4)無線 ICタグ 20は、電磁誘導方式で通信を行うもので、縦 45mm X横 50mmの寸法で厚みが 0. 7mmのシート状のものを用いた。

外箱 3の内部に、図 1に示した配置になるように、内袋 2と間隔保持部材 5とを重ねて収納し、外箱 3を封止した後、外箱 3の上部の面板 4のコーナー寄りの位置に、無線 ICタグ 20をホットメルト接着剤で貼付して製造例 1の無線 ICタグ付き包装体を作製した。 [0040] (製造例 2)

製造例 2の無線 ICタグ付き包装体は、実施例 2の無線 ICタグ付き包装体 200に対応するものであり、外箱 3、内袋 2、無線 ICタグ 20は、製造例 1に使用したものと同じものを用いた。間隔保持部材 5は、厚み 4mmの両面段ボールを縦 60mm X横 65m mの寸法に打ち抜、たものを作製し、これを外箱 3の外面の無線 ICタグ 20を装着する位置の内面に予め接着剤（エチレン '酢酸ビュル共重合体系ェマルジヨン）を用いて接着した。このほかは、製造例 1と同様にして、製造例 2の無線 ICタグ付き包装体を作製した。

[0041] (製造例 3)

製造例 3は、実施例 4の無線 ICタグ付き包装体 400に対応するものであり、外箱 3、内袋 2、無線 ICタグ 20は、製造例 1に使用したものと同じものを用いた。外箱 3は、その外面の無線 ICタグ 20を装着する部分に、製函前のカートンブランクの段階で、熱エンボス方式で深さ 0. 9mmの成形凹部 8を設けて、その成形凹部 8内に無線 ICタグ 20をホットメルト接着剤で貼付した。また、外箱 3の内部を区画する仕切り板 6は、外箱 3に用いた板紙と同じコートボール (坪量 310gZm²)を用いて、外箱 3 (シールカートン)の製函 (胴貼り）の際に、その全長に貼り渡して設けた。このほかは、製造例 1と同様にして、製造例 3の無線 ICタグ付き包装体を作製した。

[0042] (比較例 1)

比較例 1の無線 ICタグ付き包装体は、製造例 1の無線 ICタグ付き包装体と比較して、外箱 3の内部に、内袋 2と共に収納した間隔保持部材 5を挿入していない点、及び、外箱 3の厚みを 25mmから 21mmに、間隔保持部材 5の厚み（4mm)だけ減らして外箱 3を作製した点以外を、全て製造例 1と同様に作製した。

[0043] 以上のように作製した製造例 1〜3および比較例 1の無線 ICタグ付き包装体を評価するため、それぞれの無線 ICタグ付き包装体を試料として、リーダー Zライター（電磁誘導方式)を用いて、 30cmの距離力も無線 ICタグ 20に記憶させた情報の読み出し試験を行った。

[0044] 上記読み出し試験の結果は、製造例 1、 2、 3の各試料については、いずれも無線 I Cタグ 20と、その背面側の内袋 2の積層フィルムに積層されたアルミニウム箔との間隔カ間隔保持部材 5または仕切り板 6により、少なくとも 4mm以上には離されているので、特に問題なく読み出すことができた。

これに対して、比較例 1の試料は、外箱 3と内袋 2との間に間隔保侍部材 5が挿入されていないので、外箱 3の外面に装着された無線 ICタグ 20と、その背面の内袋 2の積層フィルムに積層されたアルミニウム箔とが lmm程度に接近することがあり、アルミユウム箔による悪影響を受け、無線 ICタグ 20に記憶させた情報を正確に読み出すことができない問題があり好ましくな力つた。

[0045] [実施例 5]

図 6は、本発明の無線 ICタグ付き包装体の実施例 5である無線 ICタグ付き紙箱を模式的に示す断面図である。

図 7は、実施例 5の無線 ICタグ付き包装体に用いる紙箱用ラミネート材の一例を模式的に示す断面図である。

[0046] 実施例 5の無線 ICタグ付き紙箱 500は、図 7に示す紙箱用ラミネート材 10を用いて、打ち抜きおよび製函加工により、胴部の縦断面が矩形状となる横型のシールカートンと同様な形状に作製したものである。

無線 ICタグ付き紙箱 500は、胴部が、図 6の左下の角部の接着部 8で胴貼りされて角筒形に形成されている。無線 ICタグ 20aは、右側の壁板を形成するラミネート材 10 の中間部よりやや上寄りの位置の紙層の間に装着されて！、る。無線 ICタグ付き紙箱 500は、その内部に金属を含む収納物 50を収納する際に、無線 ICタグ 20aが装着された壁板の内側と収納物 50との間に、間隔保持手段として、所定の厚みの板状の間隔保持部材 5を挿入したものである。

紙箱 500に収納される金属を含む収納物 50は、各種の電子部材などのように、内容物自体が金属を含むもののほか、内容物を密封包装する包装材料がアルミニウム箔ゃアルミニウム蒸着層などの金属層を含むものの場合の両方を意味するものである。

[0047] 間隔保持部材 5は、先にも説明したように、例えば、段ボールシートまたは発泡ブラスチックシートで厚みが 3〜5mm以上、 10mm程度のものを好適に使用することができる。 [0048] 図 7に示すように、紙箱用ラミネート材 10は、外側の紙層 11の表面（図において上側の面）に文字、絵柄等の印刷層 13を設け、その裏面（図において下側の面）の一部に、文字、絵柄等の印刷層 13を基準にして、このラミネート材 10を紙箱に製函したときに、紙箱の所定の位置となる位置に無線 ICタグ 20aを装着し、紙層 11の下側に接着層 14を介して内側の紙層 12を貼り合わせたものである。

印刷層 13は、無線 ICタグ 20aの装着部分の外面に、その無線 ICタグ 20aによる表面の変形を視認しに《する迷彩印刷を施すこともできる。

[0049] このラミネート材 10は、紙層の間に無線 ICタグ 20aを装着する際に、両側の紙層のうち、少なくとも片側の紙層に、エンボスまたは熱プレス手段で成形凹部が設けられ、その成形凹部に、無線 ICタグ 20aを装着するようにしてもよい。この成形凹部は、無線 ICタグ 20aを紙層の間に装着する際に、その装着位置を一層確実にするために設けるものであり、その深さは、特に限定はされないが、無線 ICタグ 20aの厚みの 1 Z2程度から略同一の厚みの深さに設けることが適当である。具体的には、無線 ICタグの厚みは、 0. 06〜lmm程度であるため、 0. 03〜lmm程度の範囲の深さに設けることが好ましい。

[0050] この成形凹部は、無線 ICタグ 20aを紙層の間に装着する際に、位置ズレなどを生じることがなくなり、一層確実に紙箱 500の所定の位置に無線 ICタグ 20aを装着することができる。なお、この成形凹部は、例えば、紙箱 500の外側の紙層に設けた場合には、紙箱 500の外面に成形凹部の形状の膨らみが現れるので、外部から無線 ICタグ 20aの装着位置を目視で確認することもでき、安心感も得られるようになる。

[0051] 無線 ICタグ 20aは、例えば、図 2に示したような無線 ICタグ 20を使用することができる。無線 ICタグ 20aを外側の紙層 11の裏面に装着する方法は、特に限定はされず、例えば、粘着剤を使用して貼付してもよぐまた、ホットメルト接着剤、ヒートシール剤（感熱接着剤)などを使用して貼付してもよい。

外側の紙層 11および内側の紙層 12は、それぞれ板紙または紙を単独で用いてもよいが、複数の紙および Zまたは板紙を貼り合わせて用いてもよい。更に、複数の紙および Zまたは板紙を貼り合わせて用いる場合は、紙、板紙のほかに、例えば、各種のプラスチックフィルムや合成紙などの金属を含まないフィルム状材料を貼り合わせて用いることちでさる。

[0052] また、外側の紙層 11と内側の紙層 12との貼り合わせは、接着層 14に酢酸ビニル系ェマルジヨン接着剤などを用いるウエットラミネーシヨン方式で貼り合わせてもよぐまた、接着層 14にポリエチレンなどの接着性榭脂を用いる押し出しラミネーシヨン方式で貼り合わせてもよい。特に、後者の押し出しラミネーシヨン方式で貼り合わせる場合は、接着層 14に厚みをもたせることができるので、無線 ICタグ 20aの埋め込み効果も得られる点で好ましい。

紙箱用ラミネート材 10は、表面の文字、絵柄等の印刷層 13を基準として、通常の紙器の製造と同様に、打ち抜きおよび製函加工を行って、所望の形状の無線 ICタグ付き紙箱とすることができる。

[0053] 実施例 5の無線 ICタグ付き紙箱 500は、無線 ICタグ 20aと金属を含む収納物 50との間隔を、確実に 3〜5mm以上、 10mm程度に離すことができるので、無線 ICタグ 2 Oaに書き込まれた情報を外部力確実に読み出し、或いは、読み出しと新たな情報の書き込みとを行うことができ、商品流通の一層の効率ィ匕を実現することができる。また、無線 ICタグ 20aは、紙箱 500の紙層の間に装着されているので、外部から見ることができず、紙箱 500のデザイン面での違和感をなくすことができ、印刷デザインに影響を及ぼすこともなくなる。

さらに、当事者以外は、紙箱 500に無線 ICタグ 20aが装着されていることが分からないので、悪戯防止効果も得ることができる。

[0054] [実施例 6]

図 8は、本発明の無線 ICタグ付き包装体の実施例 6である無線 ICタグ付き紙箱を模式的に示す断面図である。

実施例 6の無線 ICタグ付き紙箱 600は、実施例 5の無線 ICタグ付き紙箱 500と異なるのは、紙箱 600の無線 ICタグ 20aが装着された壁板と収納物 50との間に挿入した間隔保持部材 5の寸法を、少なくとも壁板の無線 ICタグ 20aが装着された部分の内面を覆うことができる程度に小さくした点、および、その間隔保持部材 5を、壁板の無線 ICタグ 20aが装着されている部分の内面に接着剤で貼付した点であり、それら以外の部分は、無線 ICタグ付き紙箱 500と同様である。 [0055] 間隔保持部材 5の装着は、紙箱 600の形式に応じて、紙箱 600の製函の工程で所定の位置に予め装着できるほか、組み立てた紙箱 600に収納物 50を挿入する工程で所定の位置に装着することもできる。

実施例 6の無線 ICタグ付き紙箱 600は、紙箱 600の壁板の一部の紙層の間に装着された無線 ICタグ 20aと収納物 50との間隔力少なくとも間隔保持部材 5の厚み分だけは確実に保持されるので、外部からのリーダー Zライターによる無線 ICタグ 20aへの読み出し/書き込みに際して、収納物 50に含まれる金属の悪影響を受けることがなくなり、無線 ICタグ 20aに書き込まれた情報を、外部力も確実に読み出し、或いは、読み出しと新たな情報の書き込みとを行うことができる。

[0056] [実施例 7]

図 9は、本発明の無線 ICタグ付き包装体の実施例 7である無線 ICタグ付き紙箱を模式的に示す断面図である。

実施例 5の無線 ICタグ付き紙箱 500は、無線 ICタグ 20aと金属を含む収納物 50との間隔を所定の距離以上に保っための間隔保持手段として、無線 ICタグ 20aを装着した壁板と収納物 50との間に所定の厚みの間隔保持部材 5を挿入する方法を採用していた。これに対して、実施例 7の無線 ICタグ付き紙箱 700は、紙箱 700の内部に、図示したように、仕切り板 6をその接着片 7a、 7bで上下に貼り渡して、紙箱 700 の内部を、無線 ICタグ 20aが装着された位置を含む部分と、無線 ICタグ 20aが装着された位置を含まなヽ部分とに区画し、無線 ICタグ 20aが装着された位置を含まな、部分に収納物 50を収納するようにして、間隔保持手段としたものである。

[0057] 実施例 7の無線 ICタグ付き紙箱 700は、紙箱 700に収納された収納物 50が、その動きが仕切り板 6により、無線 ICタグ 20aが装着された位置を含まない部分に限定されると同時に、無線 ICタグ 20aが装着された位置を含む部分のスペースを大きくとることも容易であるため、無線 ICタグ 20aと収納物 50との間隔を容易に 10mm以上に大きくすることができる。

従って、実施例 7の無線 ICタグ付き紙箱 700は、収納物 50に含まれる金属の悪影響を一層確実になくすことができ、無線 ICタグ 20aに書き込まれた情報を外部から一層確実に読み出し、或いは、読み出しと新たな情報の書き込みとを行えるようになる [0058] 以下に、製造例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。

(製造例 4)

製造例 4の無線 ICタグ付き紙箱は、実施例 5の無線 ICタグ付き紙箱 500を、以下の材料と寸法で作製したものである。

(1)紙箱 500は、外形寸法が縦 120mm X横 200mm X高さ 80mmで、横型のシールカートン形式の箱を作製した。

(2〉紙箱用ラミネート材 10は、外側の紙層 11にコートボール (坪量 310gZm²)を用い、その表面に多色グラビア輪転印刷機を用いて文字、絵柄等の印刷層を印刷した後、その裏面の所定の位置に、無線 ICタグ 20aとして、電磁誘導方式で通信を行うもので、縦 45mm X横 45mmの寸法で厚みが 0. 6mmの無線 ICタグを、ヒートシール剤を用いて熱接着方式で貼付した。次いで、その上に内側の紙層 12としてコートボール (坪量 230g/m²)を用い、その裏面を貼り合わせ面として、両者の間に接着層 1 4として低密度ポリエチレン (厚み 30 m)を用いる押し出しラミネーシヨン法で貼り合わせて作製した。

(3〉紙箱用ラミネート材 10を、カートンブランク形状に打ち抜いた後、接着部 8での胴貼りを行ってシールカートン形式の紙箱 500を作製した。

(4)間隔保持部材 5は、厚みが 6mmの複両面段ボールシートを縦 72mm X横 190 mmの寸法に打ち抜、たシートを用いた。

(5)紙箱 500に収納する金属を含む収納物 50は、下記の構成の積層フィルムをヒートシールして作製した袋に、 PTP包装した錠剤を詰め合わせて密封包装したものを用いた。

[0059] (袋の積層フィルムの構成）

二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム (厚み 12 m) Z接着剤 Z二軸延伸ポリプロピレンフィルム (厚み 25 μ m) Z接着剤 Zアルミニウム箔 (厚み 7 μ m〉 Z接着剤 Z直鎖状低密度ポリエチレンフィルム (厚み 80 m)〔シーラント層〕

収納物 50は、その袋と PTP包装の両方にアルミニウム箔が含まれるものである。紙箱 500の内部に、図 6に示した配置になるように、収納物 50と間隔保持部材 5とを重ねて挿入し、開口部のフラップを閉じ、ホットメルト接着剤で封止して製造例 4の無線 ICタグ付き紙箱を作製した。

[0060] (製造例 5)

製造例 5の無線 ICタグ付き紙箱は、実施例 6の無線 ICタグ付き紙箱 600に対応したものであり、間隔保持部材 5の寸法を、縦 65mm X横 65mmの寸法に変更して打ち抜くと共に、紙箱 600の接着部 8の胴貼りの際に、無線 ICタグ 20aが装着された位置の壁板の内面に、予め酢酸ビュル系ェマルジヨン接着剤で貼付したほかは、総て製造例 4と同様に作製した。

[0061] (製造例 6)

製造例 6の無線 ICタグ付き紙箱は、実施例 7の無線 ICタグ付き紙箱 700に対応したものであり、紙箱の内部に、図 9に示したように、紙箱 700の内部を区画する仕切り板 6として、紙箱用ラミネート材 10の構成のうち、外側の紙層 11と内側の紙層 12のみを接着層 14で貼り合わせたラミネート材を作製し、これを打ち抜き加工して、両側の端部に接着片 7a、 7bを有する仕切り板 6を作製し、紙箱 700の胴貼りの際に、同時に紙箱 700の天板と底板の間に接着片 7a、 7bで貼り渡して、無線 ICタグ 20aを装着した壁板と収納物 50との間に略 12mm程度の間隔をとれるようにしたほかは、総て製造例 4と同様に作製した。

[0062] (比較例 2)

比較例 2の無線 ICタグ付き紙箱は、製造例 4の無線 ICタグ付き紙箱から、間隔保持部材 5の挿入のみを取り止めたほかは、総て製造例 4と同様に作製した。

[0063] 以上のように作製した製造例 4〜6および比較例 2の無線 ICタグ付き紙箱を評価するため、それぞれの無線 ICタグ付き紙箱を試料として、リーダー Zライター (電磁誘導方式)を用いて、 30cmの距離力も無線 ICタグ 20aに記憶させた情報の読み出し試験を行った。

[0064] 上記読み出し試験の結果は、製造例 4、 5、 6の各試料については、いずれも紙箱の紙層の間に装着された無線 ICタグ 20aと、その背面側に収納された収納物 50との間隔が、間隔保持部材 5または仕切り板 6により、少なくとも 6mm以上には離されているので、特に問題なく読み出すことができた。

これに対して、比較例 2の試料では、無線 ICタグ 20aと収納物 50との間に、間隔保持部材 5が挿入されていないので、無線 ICタグ 20aと、その背面側に収納された収納物 50との間隔が lmm程度に接近することがあり、収納物 50に含まれるアルミニウム箔による悪影響を受け、無線 ICタグ 20aに記憶させた情報を正確に読み出すことができない問題があり好ましくな力つた。

[0065] (製造例 7)

製造例 7の無線 ICタグ付き包装体は、図には示していないが、ケースが紙を含まない袋体 (以下、外袋という）であり、その外袋に収納物が複数の内袋を集積包装したものである。

(内袋）

内袋は、下記の構成の積層フィルムを用いて、 4方シール形式の小袋が縦方向に 3 個、横方向に 2個 (合計 6個）、それぞれミシン目線を介して連結された連続袋形式であり、それぞれの小袋に、顆粒状の内容物を密封包装して作製した。内袋の外形寸法は、幅 84mm、長さ 180mmである。

(内袋用積層フィルム）

内袋用積層フィルムは、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム (厚み 12 m ) Z接着剤 Zアルミニウム箔 (厚み 7 μ m) Z接着剤 Z無延伸線状低密度ポリエチレンフィルム（厚み 40 μ m)の積層体である。

[0066] (外袋）

外袋は、下記の構成の積層フィルムを用いて、ガセット形式の袋とし、幅 84mm、長さ 180mm、両側のガゼット折込み部の折込み幅が各 20mm (袋を起こしたときの厚みは 40mm)となるように作製した。

なお、上記外袋を製袋のときに、袋の前面側の積層フィルムの内側面 (シーラント層側の面）に、無線 ICタグをホットメルト接着剤で貼付した。

外袋は、その内部に前記顆粒状の内容物を密封包装した連続袋形式の内袋を 8 個挿入することができる。

(外袋用積層フィルム）

外袋用積層フィルムは、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム (厚み 12 m ) Z接着剤 Z二軸延伸ナイロンフィルム (厚み 15 m) Z接着剤 Z無延伸線状低密度ポリエチレンフィルム（厚み 100 μ m)の積層体である。

[0067] 製造例 7の無線 ICタグ付き包装体は、以上のように作製したガセット形式の外袋の内部に、顆粒状の内容物を密封包装した連続袋形式の内袋 8個を積み重ね、さらに、その上に間隔保持部材として、内袋の幅と長さが略同寸法で厚みが 5mmの発泡ポリプロピレンの板状体を重ね、その発泡ポリプロピレンの板状体力外袋に貼着した無線 ICタグ側に位置するように挿入した後に、外袋の開口をヒートシールして作製した。

[0068] (製造例 8)

製造例 8は、上記製造例 7で袋の前面側の積層フィルムの内側面 (シーラント層側の面）に、無線 ICタグをホットメルト接着剤で貼着したことに変えて、外袋用積層フィルムの層間に、無線 ICタグを挿入した点が異なる。

[0069] (外袋用積層フィルム）

外袋用積層フィルムは、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム (厚み 12 m ) (裏面印刷) Zアンカーコート Z無線 ICタグ Z低密度ポリエチレン熔融押出（厚み 5 O /z m)の積層体である。

この外袋用積層フィルムは、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの裏面から印刷すると同時に、見当あわせの印も同時に印刷し、前記印刷面上にアンカーコートを行い、さらに、見当あわせの印に従い、後程、ガゼット袋の大きさに断裁する周期（一つのガゼット形式袋体に付き、 1つの無線 ICタグが割り当てられるように)で、前記アンカーコート面上の一部に、無線 ICタグを接着剤により貼付した。

この外袋用積層フィルムは、アンカーコート面のすべてを、無線 ICタグが被わず、前記アンカーコート面が面積比 20%以上露出している状態である。この理由は、前記無線 ICタグ上に低密度ポリエチレンを溶融押し出ししても、接着強度が得られないため、接着強度の得られるアンカーコート面と接触する部分を広くすることにより、接着強度を維持するためである。さらに、外袋用積層フィルムは、その上からシーラント層低密度ポリエチレンを 50 μ mの厚みでエタストルージョンコート（熔融押出コート）を行った。

[0070] 製造例 8の無線 ICタグ付き包装体は、この外袋用積層フィルムを用いて、上記製造例 7と同様の形態に作製したガセット形式の外袋の内部に、顆粒状の内容物を密封包装した連続袋形式の内袋 8個を積み重ね、さらに、その上に間隔保持部材として、内袋の幅と長さが略同寸法で厚みが 5mmの発泡ポリプロピレンの板状体を重ね、その発泡ポリプロピレンの板状体力積層フィルムに封入されて!ヽる無線 ICタグ側に位置するように挿入した後に、外袋の開口をヒートシールして作製した。

[0071] (比較例 3)

比較例 3の無線 ICタグ付き包装体は、製造例 7の無線 ICタグ付き包装体から、間隔保持部材の貼付を取り止めたほかは、総て製造例 7と同様に作製した。

[0072] (比較例 4)

比較例 4の無線 ICタグ付き包装体は、製造例 8の無線 ICタグ付き包装体から、間隔保持部材の挿入のみを取り止めたほかは、総て製造例 8と同様に作製した。

[0073] 以上のように作製した製造例 7, 8および比較例 3, 4の無線 ICタグ付き包装体を評価するため、それぞれの無線 ICタグ付き包装体を試料として、リーダー Zライター（電磁誘導方式)を用いて、 30cmの距離力無線 ICタグに記憶させた情報の読み出し試験を行った。

[0074] 上記読み出し試験の結果は、製造例 7, 8の各試料については、いずれも外袋に装着された無線 ICタグと、その背面側に収納された収納物との間隔が、間隔保持部材により、少なくとも 5mm以上には離されているので、特に問題なく読み出すことができた。

これに対して、比較例 3, 4の試料では、無線 ICタグと収納物との間に、間隔保持部材が揷入されていないので、無線 ICタグと、その背面側に収納された収納物との間隔が lmm程度に接近することがあり、収納物に含まれるアルミニウム箔による悪影響を受け、無線 ICタグに記憶させた情報を正確に読み出すことができない問題があり好ましくな力つた。 [0075] 以上説明した実施例に限定されることなぐ種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。

(1)本発明において、包装体は、一個の外箱に一個の内袋 (収納物）を収納する形態のほか、一個の外箱に複数個の内袋を収納する集合包装の形態であってもよい。

(2)外箱に無線 ICタグを装着する際の装着面は、内部に収納される内袋との間隔をより多くとるためには、外箱の外面が好ましいが、特に限定はされず、外箱の内面であってもよい。

(3)間隔保持手段は、内袋と無線 ICタグとの間隔を所定の距離に保持できるものであれば、特に限定はされず、外箱の内部に、内袋と共に金属を含まない添付物などを収納できる場合は、その添付物などを、外箱の無線 ICタグが装着された部分の内側と、内袋との間に収納して無線 ICタグと内袋との間に、所定の間隔がとれるようにする包装形態であってもよ、。

(4)仕切り板 6は、板紙や段ボールなど外箱と同じ材料を用いることが、加工性がよく、強度のバランスにも優れ、材料入手も容易であることから好ましいが、特に限定はされず、剛性など必要な強度を有するものであれば、外箱と異なる材料を用いてもよい

(5)無線 ICタグ付き包装体は、収納物や用途に関して、内容物を金属箔ゃ金属蒸着層を有する包装材で包装するガスバリヤ一性や遮光性を必要とする場合に好適に使用できるが、特に制限はない。

(6)実施例 1は、外箱の無線 ICタグが装着された面板と内袋との間に、間隔保持手段として、所定の厚みの板状の間隔保持部材を挿入したものである力間隔保持部材を挿入することなぐ外箱の内面と内袋が無線 ICタグと距離を持った部分で接着されているだけでもよい。この接着は、部分的に接着されていればよぐ輸送中に動かないようであればよい。また、この接着は、内袋を外箱から取り出すときに剥離することが、使用上好ましい場合が多い。この接着は、公知の接着剤、ホットメルトなどが好適である。

産業上の利用可能性

[0076] 本発明の無線 ICタグ付き包装体は、内容物を密封包装した内袋 (収納物）の場合に、その内袋が、内容物の保存性を高めるため、ガスバリヤ一層、遮光層として、ァルミ-ゥムゃ銅などの金属箔ゃ金属蒸着層を含む積層フィルムで形成されているとき等でも、ケースのいずれかの面に無線 ICタグを装着することにより、外部から電磁波により ICチップに記憶させた情報を支障なく読み出し、或いは、読み出しと書き込みをできるようにして、その包装体 (商品〉の流通の効率ィ匕を可能としたものである。

Claims

請求の範囲

[1] 金属を含む収納物又は金属材料を含む包装材で包装された収納物を収納する無線 ICタグ付き包装体であって、

前記収納物を内部に収納するケースと；

前記ケースの、ずれかの面に装着された無線 ICタグと；

前記ケースの少なくとも前記無線 ICタグが装着された部分の内側に設けられ、前記収納物と前記無線 ICタグとの間隔を、所定の距離以上に保っための間隔保持手段と；

を含む無線 ICタグ付き包装体。

[2] 請求項 1に記載の無線 ICタグ付き包装体にぉ、て、

前記収納物は、金属箔又は金属蒸着層を含む積層フィルムで形成された包装材によって、内容物を密封包装してあること；

を特徴とする無線 ICタグ付き包装体。

[3] 請求項 1に記載の無線 ICタグ付き包装体にぉ、て、

前記間隔保持手段は、前記ケースの前記無線 ICタグが装着された部分と前記収納物との間に挿入され、空気層及び Z又は気泡層を有する所定厚みのシートであること；

を特徴とする無線 ICタグ付き包装体。

[4] 請求項 1に記載の無線 ICタグ付き包装体にぉ、て、

前記間隔保持手段は、前記ケースの少なくとも前記無線 ICタグが装着された部分の内側に貼付され、空気層及び Z又は気泡層を有する所定厚みのシートであること；を特徴とする無線 ICタグ付き包装体。

[5] 請求項 1に記載の無線 ICタグ付き包装体にぉ、て、

前記間隔保持手段は、前記ケースの内部を、前記無線 ICタグが装着された領域を含む第 1の部分と、前記無線 ICタグが装着されていない第 2の部分とに区画する仕切り板であること;及び、

前記収納物は、前記第 2の部分に収納されてヽること；

ことを特徴とする無線 ICタグ付き包装体。

[6] 請求項 1に記載の無線 ICタグ付き包装体にぉ、て、

前記ケースは、その外面に凹部が形成されて、ること;及び、

前記無線 ICタグは、前記凹部に装着されて!ヽること；

を特徴とする無線 ICタグ付き包装体。

[7] 請求項 1に記載の無線 ICタグ付き包装体にぉ、て、

前記ケースは、少なくとも 1枚の紙シートを含む複数のシートを貼り合わせたラミネ一ト材で形成されてヽること；及び、

前記無線 ICタグは、前記ラミネート材のシート間に装着されていること；を特徴とする無線 ICタグ付き包装体。

[8] 請求項 7に記載の無線 ICタグ付き包装体にぉ、て、

前記ラミネート材は、少なくとも 1枚の紙シートを含んで、ること；

前記紙シートは、凹部が形成されていること;及び、

前記無線 ICタグは、前記凹部に装着されて!ヽること；

を特徴とする無線 ICタグ付き包装体。

[9] 請求項 7に記載の無線 ICタグ付き包装体にぉ、て、

前記ケースは、前記無線 ICタグの装着部分の外面に、その無線 ICタグによる表面の変形を視認しに《する迷彩印刷層が設けられていること；

を特徴とする無線 ICタグ付き包装体。

[10] 請求項 1に記載の無線 ICタグ付き包装体にぉ、て、

前記ケースは、紙を含まな、積層フィルム力なること；

を特徴とする無線 ICタグ付き包装体。

[11] 請求項 1に記載の無線 ICタグ付き包装体にぉ、て、

前記ケースは、複数のシートを貼り合わせたラミネート材で形成されていること;及び前記無線 ICタグは、前記ラミネート材のシート間に装着されていること；を特徴とする無線 ICタグ付き包装体。

[12] 請求項 1に記載の無線 ICタグ付き包装体にぉ、て、

前記間隔保持手段は、前記無線 ICタグと所定の距離以上の部位に、前記ケースの内部と前記収容物とを接着すること；を特徴とする無線 ICタグ付き包装体。