明糸田書
ォキソピペラジン誘導体
技術分野
本発明はォキソピペラジン誘導体に関する。
背景技術
グルタミン酸は中枢神経系において、 興奮性伝達を媒介している神経伝達物質で ある。 グルタミン酸は、 種々の神経伝達作用に加えて神経細胞の生存と死、'分化 及び増殖、 神経及びグリア細胞の発達、 成熟あるいは発達脳の神経伝達効率の可 塑的な変化といった多くの重要な脳機能に関係している(例えば、ァニュアル レ ビュー ォブ バイオフィジックス アンド バイオモレキュラー ス トラクチ ャ一 (An n u a 1 R e v i ew o f B i o p h y s i c s a n d B i omo l e c u l a r S t r u c t u r e)、 23卷、 3 1 9頁(1 994年) 等参照)。
薬理学的、 分子生物学的研究により、 ほ乳類の中枢神経系のグルタミン酸受容 体は、 イオンチャンネル型グルタミン酸受容体とメタボトロピックグルタミン酸 受容体 (以下、 「mG 1 uR」 という) の 2種類に分類されている。 イオンチャン ネル型グルタミン酸受容体は、 異なるサブュニット蛋白の複合体からなり、 リガ ンドの結合により開閉されるイオンチャンネルである。 一方、 mG l uRは GT P結合蛋白に共役し、 GTP結合蛋白を介して細胞内セカンドメッセンジャーの 産生あるいはイオンチャンネルの活性を調節して作用を示す (例えば、 ブレイン リサーチ レビューズ(B r a i n R e s e a r c h R e v i ew s)、 26 卷、 230頁 (1998年) 等参照)。
これまでの研究により mG 1 uRは、 mG 1 u R 1乃至 8の異なる 8種類のサ ブタイプとして存在することが報告されている。 これらは、 アミノ酸配列の相同 性、 シグナル伝達、 薬理学的特性により、 3つのサブグループに分類される。 細 胞内シグナル伝達に対してグループ I (mG l uR l及び 5) はホスホリパ一ゼ
Cを活性化し、 グループ I I (mG 1 uR 2及ぴ 3) 及びグループ I I I (mG 1 uR4、 6、 7及び 8)はアデ二レートシクラ一ゼ活性を調節することにより、 サイクリックアデノシン 1 リン酸 (cAMP) のホルスコリン刺激による蓄積を 抑制する。また、 グループ I Iは、例えば、 ジャーナル ォブ メデイシナル ケ ミス卜リー (j o u r n a l o f Me d i c i n a l し h em i s t r y、 42卷、 1027頁 (1 999年) 等に記載の LY 354740によって選択的 に活性化され、 グループ I I Iは L— AP 4により選択的に活性化される。 さら に各種受容体は、 網膜に特異的に存在する mG 1 uR6を除いて、 脳,神経系の 広い範囲に発現し、 しかもそれぞれは特徴的な脳内分布を示し、 それぞれの受容 体が異なる生理的役割を果たしていると考えられている (例えば、 ニューロケミ ストリー ィンターナショナル (Ne u r o c h em i s t r y I n t e r n a t i o n a 1 )、 24卷、 439頁 ( 1 994年) 及ぴョ一口ビアン ジャーナ ノレ オフ、' フ了一マコ口ジー (Eu r o p e a n J o u r n a l o f P h a rma c o l o g y)、 375卷、 277頁 (1 999年) 等参照)。
また、 本発明に係る化合物と近似する化合物としては、 例えば、 式 (A)
(A) で表される化合物が記載されている(WOO 3/026652号公報)。
上記化合物 (A) は、 ォキソピペラジン環上に、 一 NH—S (O) 2— Phを 有し、 かつ、 ォキソピペラジン環上の 4位に、 ベンジルォキシカルボ二ル基を有 しており、 本願発.明に係る化合物とは構造上異なる。
発明の開示
そこで、 本発明は、 mG 1 uR 1阻害作用を有する新規物質を提供することを 目的とする。
本発明者らは、 特定のォキソピペラジン誘導体が mG 1 uR l阻害作用を有す ることを見出し、 本発明を完成させた。
すなわち、 本発明は、 上記目的を達成するために、 下記 (1) 〜 (7) 記載の 化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
(1) 式 (I)
[式中、 R1は、
(a) 直鏔若しくは分岐の低級アルコキシ基、 シクロアルコキシ基又は直鎖若し くは分岐の低級アルキル基を示すか、 或いは
(b) 式 (I I)
式中、 R4及び R5は、 それぞれ独立して、 水素原子、 直鎖若しくは分岐の低級ァ ルキル基又はシクロアルキル基、 或いは式 (I I) 中の窒素原子、 R4及び R5が 一緒になつて、 形成する 4乃至 7員の含窒素脂肪族複素環基 (該複素環基は、 該 環の構成原子として、 酸素原子を 1有していてもよい) を示し、
R2は、 ハロゲン原子、 低級アルキル基、 シァノ基、 ニトロ基、 アルコキシ基、 低級アルキルスルホニル基及びヒ ドロキシ基からなる群より選択される置換基を 環内に 1乃至 3有していてもよレ、、
フエニル基又は窒素原子、 硫黄原子及び酸素原子からなる群より選択されるへテ 口原子を環内に 1乃至 3有する 5乃至 6員の不飽和の、 若しくは部分的に不飽和 の複素環を示すか、 或いは、 炭素数 3乃至 10の分岐のアルキル基を示し、 R3は、 水素原子、 ハロゲン原子又は低級アルキル基を示し、
は、 フヱニル基又は窒素原子を環內に 1若しくは 2有する 6員のへテロァリ 一ル基を示すか、 或いは、 と R2とが一緒になつて形成する縮合環を示す] で 表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
(2) R2が、 ハロゲン原子、 低級アルキル基、 シァノ基、 ニトロ基、 低級ァ ルコキシ基、 低級アルキルスルホニル基及びヒ ドロキシ基からなる群より選択さ れる置換基を環内に 1乃至 3有していてもよい、 フエニル基又は窒素原子を環内 に 1又は 2有する 6員のへテロアリール基である前記 (1) 記載の化合物又はそ の薬学的に許容される塩。
(3) R2が、 炭素数 3乃至 10の分岐の低級アルキル基である前記 (1) 記 載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(4) 式 ( I ) 中の一 Xi— R2が、
[式中、 乃至 A5は、 それぞれ独立して、 メチン基を示すか、 或いは、 乃 至 A5のうちの任意の 1又は 2が、 窒素原子であり、 かつ、 残りの 3又は 4がメ チン基を示し、 Α10乃至 A40は、 。乃至 A4。のうちの任意の 1又は 2が、 窒 素原子であり、 残りの 2又は 3がメチン基を示し、 R6、 R6G、 R61は、 それぞ れ独立して、 水素原子、 ハロゲン原子、 低級アルキル基、 シァノ基、 ニトロ基、 低級アルコキシ基、 低級アルキルスルホニル基又はヒ ドロキシ基を示す] で表さ れる基である前記 (1) 記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(5) R1が直鎖若しくは分岐の低級アルキル基、 シクロアルコキシ基である 前記 (1) 乃至 (4) のいずれか 1つに記載の化合物又はその薬学的に許容され る塩。
(6) R1が、 式 ( I I ) ー
R5
(Π)
で表される基である前記 (1) 乃至 (5) のいずれか 1つに記載の化合物又はそ の薬学的に許容される塩。
(7) 式 (I ) で表される化合物が、 4— (2 '—フルオロービフヱ二ルー 3 —ィル) _ 3—ォキソピペラジン一 1 _カルボン酸 t e r t—ブチルエステル、 4 - (ビフエニル一 3—ィル) 一 3—ォキソピペラジン一 1 _カルボン酸 t e r t—ブチノレエステノレ、
4— (2 '―メチル一ビフエニル一 3—ィル) 一 3—ォキソ一ピペラジン一 1— カルボン酸 t e r t—ブチノレエステル、
4— (2 ' —クロロ一ビフエニル一 3—ィル) - 3—ォキソ一ピペラジン一 1― カルボン酸 t e r t—プチルエステル、
3—ォキソ一4— ( 3—ピリジン一 2—ィノレ一フエニル) 一ピペラジン一 1一力 ルボン酸 t e r t—ブチルエステル、
3—ォキソ一4— ( 3— t e r t—ブチル一フエ二ノレ) ーピペラジン一 1—カル ボン酸 t e r t—ブチルエステル、
4—ナフタレン一 2—ィル一 3—ォキソ一ピペラジン一 1—カルボン酸 t e r t
—ブチノレエステノレ、
3—ォキソ一4— (3—ピリジン一 3—ィルーフエニル) 一ピペラジン一 1—力 ノレボン酸 t e r t—ブチルエステル、
3—ォキソ一4— (6—フエニル一ピリジン一 2—^ Tル) 一ピペラジン一 1—力
ルボン酸 t e r t_ブチルエステル、 又は
3—ォキソ一4— (5—フエ二ルーピリジン一 3—ィル) 一ピペラジン一 1—力 ルボン酸 t e r t—ブチルエステルである化合物又はその薬学的に許容される塩。 上記 (1) 〜 (7) の化合物又はその薬学的に許容される塩は、 mG l uR l 阻害作用を有する。 すなわち、 本発明は、 (1) 〜 (7) に記載の化合物又はその 薬学的に許容される塩からなる mG 1 uR 1阻害剤を提供する。
グループ Iに選択的な作働薬である 3, 5-d i h y d r o x y p h e n y g l y c i n e (以下 DHPGという) は脳室内に投与されたとき、 痙攣を生ずる ことが報告されている (例えば、 ジャーナル ォブ ニューロサイエンス リサ ーチ (J o u r n a l o f Ne u r o s c i e n c e R e s e a r c h)、
5 1卷、 339頁 (1 998年) 等参照)。
一方、 mG 1 uR 1選択的拮抗薬を用いた試験では、 抗痙攣薬の作用評価に汎 用されている p e n t y l e n e t e t r a z o l e誘発痙攣モデルにおいて R 1— am i n o i n d a n—丄, o— d i c a r b o x y l i c a c i d (以下 A I DAという) が用量依存的な抗痙攣作用を示すこと (例えば、 ニュー 口ファーマコ口ジー (Ne u r o p h a rma c o l o g y、 37卷、 1465 頁 (1 998年) 等参照) に加えて、 遺伝的に易痙攣性を示すマウス及びラット において音刺激誘発痙攣に対して抑制作用を示す (例えば、 ョ一口ビアン ジャ —ナノレ オフ ファ一マコ口ジー (Eu r o p e a n J o u r n a l o f Ph a rma c o l o g y)、 368卷、 1 7頁 (1 999年) 等参照) と報告さ れている。 さらに、 他の選択的拮抗薬である LY456236がヒ 卜の痙攣のモ デルとして知られている扁桃核キンドリングラットで痙攣持続時間およびその度 合いを低下させると報告されている (例えば、 ニューロファーマコロジー (Ne u r o p h a rma c o l o g y)、 43卷、 308頁 (2002年) 等参照)。 これらの知見は、 mG 1 uR 1阻害剤が痙攣の予防又は治療に有用であること を示唆する。
従って、 mG 1 uR 1阻害作用を有する上記 (1) 〜 (7) 記載の化合物は又 はその薬学的に許容される塩は、痙攣の予防又は治療に有効であると考えられる。 また、 DHPGを脊髄腔内に投与したとき、 ラットにおいて、 機械刺激に対する 異痛および疼痛過敏または温熱刺激に対する疼痛過敏が生じる (例えば、 ニュー 口リポート(Ne u r o r e p o r t)、 9卷、 1 1 69頁(1 998年)等参照)。 一方、 拮抗薬を用いた検討においては、 脳内に A I DAを投与した場合に、 痛覚 閾値が上昇すること (例えば、 ザ ジャーナル ォブ ファーマコロジー アン ド ェクスペリメンタノレ セラピューティクス (Th e J o u r n a l o f Ph a rma c o l o g y & E x p e r i me n t a l f h e r a p e u t i c s), 28 1巻、 721頁 (1 997年) 等参照)、 脊髄腔内への A I DA の投与によって脊髄損傷痛覚過敏モデル (例えば、 ジャーナル ォブ ニューロ トラウマ(J o u r n a l o f N e u r o t r a u m a )、 1 9卷、 23頁( 2 002年) 等参照) および関節炎モデル (例えば、 ザ ジャーナル ォブ フ ァーマコロジー アンド ェクスペリメンタノレ セラピューテイクス (Th e J o u r n a l o f Ph a rma c o l o g y & e x p e r i me n t a 1 Th e r a p e u t i c s), 300巻、 149頁 (2002年) 等参照) 等の持続的疼痛モデルにおいて鎮痛作用を示す。
これらの知見は、 mG l uR l阻害剤が、 急性疼痛のみならず炎症性疼痛ゃ慢 性疼痛に対して、 鎮痛作用を有する可能性を示唆する。
従って、 mG 1 uR 1阻害作用を有する上記 (1) 〜 (7) の化合物又はその 薬学的に許容される塩は、 急性疼痛、 炎症性疼痛又は慢性疼痛の予防又は治療に 有用であると考えられる
また、 一過性全脳虚血—再灌流モデルにおいて認められる海馬の遅発性神経細 胞死に対する A I DAの抑制作用 (例えば、 ニューロファーマコロジー (Ne u r o p h a rma c o l o g y), 38卷、 1607頁 (1 999年) 及びェュ 一口サイエンス レターズ (Ne u r o s c i e n c e L e t t e r s), 29
3卷、 1頁 (2000年) 等参照)、 mG 1 uR 1選択的拮抗薬(3 a S, 6 a S) — 6 a— n a p h t a 1 e n— 2— y 1 m e t h y 1— 5— me t h y 1 i d e n— h e x a h y d r o— e y e 1 o p e n t a [ c ] f u r a n— 1— o n e (以下、 「B AY 36— 7620」 とレヽう) による、 ラット硬膜下出血モデルにお ける大脳皮質梗塞容積の減少作用(例えば、ユーロビアン ジャーナル ォブ フ ァ— コロン一 (Eu r o p e a n J o u r n a l o f Ph a r ma c o l o g y), 428卷、 203頁 (2001年) 等参照) および他の選択的拮抗薬 R 1 28494では、ラット中大脳動脈結紮モデルにおける梗塞総容積の減少(例 えば、 ニューロファーマコ口ジー (Ne u r o p h a rma c o l o g y) 43 卷、 295頁 (2002年) 等参照) が見られる。
これらの知見は、 niG l uR l阻害剤が、 脳梗塞或いは一過性脳虚血発作等の 脳障害に対する保護作用を有する可能性を示唆する。
従って, mG 1 uR 1阻害作用を有する上記 (1) 〜 (7) の化合物又はその 薬学的に許容される塩は、 脳梗塞或いは一過性脳虚血発作等の脳障害の予防又は 治療に有用であると考えられる。
また、 DHPGを脳側坐核内に投与することにより自発運動量の増加が認めら れ、 その作用はドパミン受容体刺激薬を投与した際の反応に類似しており (例え ば、 ョ一口ビアン ジャーナノレ ォブ ニューロサイエンス E u r o p e a n J o u r n a l o f Ne u r o s c i e n c e 1 3卷、 2 1 57頁 (20 01年) 等参照)、 さらに、 例えば、 サイコファーマコロジー (P s y c h o p h a r ma c o l o g y)、 141卷、 405頁 (1 999年) 等には、 DHPGを 脳側坐核内に投与した際、 実験的動物モデル及び統合失調症患者で認められるプ レパルスインヒピション障害が生じている。 DHPGにより生じたこれらの反応 は、 いずれもアポモルヒネを始めとするドパミン受容体刺激薬或いはアンフエタ ミン、 メタンフェタミン等のドパミン遊離薬で認められる反応に類似している。 一方、 既存の抗精神病薬は、 過剰に興奮したドパミン神経を抑制することにより
作用を発現するものと考えられる。
D H P Gによってドパミン刺激作用と類似の反応が認められたことは側坐核に おける mG 1 uR l及びmG 1 u R 5の精神機能障害への関与が示唆され、 mG 1 uR l阻害剤は、 それらの症状を改善させる可能性を示唆する。
従って、 mG 1 uR 1阻害作用を有する上記 (1) 〜 (7) の化合物又はその 薬学的に許容される塩は、 統合失調症等の精神機能障害の予防又は治療に有用で あると考えられる。
また、 薬剤の抗不安作用を検出可能な評価系として汎用されているラットを用 いた Vo g e 1型葛藤試験において、 選択的拮抗薬 R 1 28494が罰を伴う飲 水を増加させたとの報告がある (例えば、 ニューロファーマコロジー (Ne u r o p h a rma c o l o g y)、 43巻、 295頁 (2002年) 等参照)。
この知見は、 mG 1 uR 1阻害剤が抗不安作用を有する可能性を示唆している。 従って、 上記 (1) 〜 (7) の化合物又はその薬学的に許容される塩は、 不安 の予防又は治療に有用であると考えられる。
また、 先に記載した非特許文献 1 6では、 mG 1 u R 1選択的拮抗薬である B
AY 36 _ 7620が、 NMD A受容体拮抗薬である MK _ 801により促進さ れる脳内自己刺激を抑制するとの記載がある。 NMDA受容体拮抗薬は、 その多 くが依存性を生じると臨床的に明らかになつていることから、 本試験系は MK— 801による依存性の一部を反映しているモデルと考えられている。
これらの知見は、 mG 1 u R 1受容体の選択的拮抗薬は、 薬物依存の予防又は 治療薬になる可能性を示唆する。
従って、 上記 (1) 〜 (7) の化合物又はその薬学的に許容される塩は、 薬物 依存の予防又は治療に有用であると考えられる。
また、 ラットの視床下核を含んだ脳スライスを用いて細胞外電位を記録した試 験において、 DHPGの局所適用により活動電位の発生頻度の増加が観察されて いる(例えば、ブレイン リサーチ(B r a i n R e s e a r c h )、 766卷、
1 62頁 (1 997年) 参照) ことから、 mG l uR 1または mG 1 uR 5によ り視床下核の活性化が生じると示唆されている。 視床下核の興奮は、 パーキンソ ン病の特徴であることはよく知られていることである。
これらの知見は、 mG l uR l阻害剤は、 パーキンソン病の予防又は治療薬に なる可能性を示唆する。
従って、 上記 (1) 〜 (7) の化合物又はその薬学的に許容される塩は、 パー キンソン病の予防又は治療に有用であると考えられる。 また、 逆流性食道炎 (GERD) は最も一般的な上部消化管障害である。 現在 の薬物療法は胃酸分泌の抑制あるいは食道内での胃酸中和を目的としている。 逆 流に関わる主なメカニズムは下部食道括約筋の慢性的な緊張低下によるとこれま で考えられていた。 しかしながら、 例えば、 ガストロェンテロール クリニカル ノース アメリカ(Ga s t r o e n t e r o l C l i n. No r t h Am. ) 1 9卷、 51 7頁一 535頁 ( 1 990年) の報告では、 下部食道括約筋の一時 的弛緩 (TLESR s) すなわち嚥下以外で生じる弛緩、 によりほとんどの逆流 エピソードが生じていることが示されてきている。 さらに、 GERD患者におけ る通常の胃酸分泌は正常であることも見出されてきている。 下部食道括約筋 (LE S) は間歇的に弛緩しやすい。 その結果、 括約筋の弛緩 時には機械的バリアが暫定的に失われるため、 胃液が食道内に流入できる、 この 現象を 「逆流」 と定義する。
下部食道括約筋の一時的弛緩を示す 「TLE SR」 との単語はガストロェンテ ロロジー (Ga s t r o e n t e r o l o g y)、 1 09卷 (2)、 601頁一 6 10頁 (1 995年) に従った定義である。
「逆流」 との用語は、胃から食道内に流入しうる胃液として定義する。なぜなら、 このような状態では機械的バリアが一時的に失われているからである。 逆流性食 道炎を示す 「GERD」 との単語はべイリヤ一ズ クリニカル ガストロェンテ
口口ジ一 (B a i l l ier e ' s C l i n i c a l Ga s t r o e n t e r o l o g y)、 14卷、 759頁一 774頁 (2000年) に従った定義である。 上記の生理学的および病態生理学的な意義により、 上記 (1) 〜 (7) の化合 物又はその薬学的に許容される塩は、 胃腸障害の予防又は治療に有用であると考 えられる。
発明を実施するための最良の形態
以下に本明細書において用いられる用語の意義を説明し、 本発明に係る化合物に ついてさらに説明する。
以下に本明細書において用いられる用語の意義を説明し、 本発明に係る化合物に ついてさらに説明する。
「ァリール基」 とは、 炭素数 6乃至 14の炭化水素環ァリール基を意味し、 例 えば、 フエニル基、 ナフチル基等が挙げられる。
「低級アルキル基」 とは、 炭素数 1乃至 6の直鎖又は分岐を有するアルキル基 を意味し、 例えば、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基、 イソプロピル基、 ブチル 基、 イソブチル基、 s e c—ブチル基、 t e r t—ブチル基、 ペンチル基、 イソ アミル基、 ネオペンチル基、 イソペンチル基、 1, 1—ジメチルプロピル基、 1 —メチルブチル基、 2—メチルブチル基、 1 , 2—ジメチルプロピル基、 へキシ ル基、 イソへキシル基、 1—メチルペンチル基、 2—メチルペンチル基、 3—メ チルペンチル基、 1, 1—ジメチルブチル基、 1, 2—ジメチルブチル基、 2 , 2 -ジメチルブチル基、 1 , 3—ジメチルブチル基、 2 , 3—ジメチルブチル基、
3, 3—ジメチルブチル基、 1 _ェチルブチル基、 2—ェチルブチル基、 1, 2, 2—トリメチルプロピル基、 1—ェチルー 2—メチルプロピル基等が挙げられる。
「シクロアルキル基」 とは、 炭素数 3乃至 9のシクロアルキル基を意味し、 例 えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シク口ペンチル基、シク口へキシル基、 シクロへプチル基、 シクロォクチル基、 シクロノニル基が挙げられる。
「アルコキシ基」 とは、 ヒ ドロキシ基の水素原子が前記低級アルキル基で置換
された基を意味し、 例えば、 メ トキシ基、 エトキシ基、 プロポキシ基、 イソプロ ポキシ基、 ブトキシ基、 s e c—ブトキシ基、 t e r t—ブトキシ基、 ペンチル ォキシ基、 イソペンチルォキシ基、 へキシルォキシ基、 イソへキシルォキシ基等 が挙げられる。
「ハロゲン原子」 とは、 例えばフッ素原子、 塩素原子、 臭素原子、 ヨウ素原子 等を意味する。
「アルキルスルホニル基」 とは、 前記アルキル基とスルホニル基とが結合した 基を意味し、 例えばメチルスルホニル基、 ェチルスルホニル基、 プロピルスルホ 二ノレ基、 イソプロピルスノレホニノレ基、 ブチルスルホニノレ基、 等が挙げられる。 本発明に係る化合物は、 mG 1 uR 1阻害作用を有するが、 ここで、 「mG 1 uR l阻害作用」 とは、 mG 1 uR 1の機能を阻害するものであればよく、 例え ば、 mG 1 uR 1拮抗作用を有するものや、 非拮抗的であって mG 1 uR 1受容 体拮抗作用を有するものなどが含まれる。
本発明に係る前記式 ( I) についてさらに具体的に開示するため、 式 ( I )
(I)
において用いられる各種記号について、 具体例を挙げて説明する。
R1が示す 「直鎖又は分岐の低級アルコキシ基」 としては、 例えば、 メ トキシ 基、 エトキシ基、 n—プロポキシ基、 イソプロポキシ基、 n—ブトキシ基、 t e r t—ブトキシ基等が挙げられ、 これらのうち、 n—プロポキシ基、 イソプロボ キシ基、 t e r t一ブトキシ基等が好ましい。
R1が示す 「直鎖又は分岐の低級アルキル基」 としては、 例えば、 メチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 イソプロピル基、 n—ブチル基、 1—メチル—プロ
ピル基、 t e r t—ブチル基、 1—ェチノレ一プロピル基等が挙げられ、 これらの うち、 イソプロピル基、 ブチル t e r t—基、 1—メチル—プロピル基、 1—ェ チループ口ピル基等が好ましく、 イソプロピル基又は t e r t—プチル基がより 好ましい。
R1が示す「シクロアルコキシ基」 としては、例えばシクロプロピルォキシ基、 シクロブチルォキシ基、 シクロペンチルォキシ基、 シクロへキシルォキシ基、 シ クロへプチルォキシ基等が挙げられ、 これらのうち、 シクロプロピルォキシ基、 シクロブチルォキシ基、 シクロペンチルォキシ等が好ましく、 シクロプロピルォ キシ基がより好ましい。
R1が示す式 (I I )
N一
/
R5
(Π)
について説明する。
R4又は R5が示す 「直鎖又は分岐の低級アルキル基」 としては、 例えば、 メチ ル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 イソプロピル基、 n—ブチル基、 t e r t— ブチル基、 1 _メチノレ—プロピル基、 1ーェチルーブチル基等が挙げられ、 これ らのうち、 メチル基、 ェチル基、 ィソプロピル基、 t e r t—ブチル基等が好ま しく、 メチル基、 イソプロピル基又は t e r t—ブチル基がより好ましい。
R 4又は R 5が示す「シクロアルキル基」 としては、例えば、シクロプロピル基、 シクロブチル基、 シクロペンチル基、 シクロへキシル基、 シクロへプチル基等が 挙げられ、 シクロプロピル基又はシクロブチル基等が好ましく、 シクロプロピル 基がより好ましい。
1 4及ぴ1 5が、 低級アルキル基又はシクロアルキル基である場合には、 R3及 び R4は、 同一又は異なっていてもよい。
また、 R4及び R5が、前記式( I I ) 中の窒素原子と一緒になつて形成する 「4
乃至 7員の含窒素脂肪族複素環基」としては、例えば、ピロリジン一 1ーィル基、 ピペリジン一 1一ィル基又はホモピぺリジン一 1一ィル基等が挙げられ、 これら のうち、 ピロリジン _ 1 _ィル基又はピぺリジン一 1ーィル基が好ましく、 ピロ リジン一 1ーィル基がより好ましい。
また、 該 4乃至 7員の含窒素脂肪族複素環基を構成するメチレン基の 1つが、 酸素原子で置換されていてもよく、 例えば、 モルホリン— 1一ィル基又はォキサ ゾリジン— 1—ィル基等が挙げられ、 これらのうち、 モルホリン一 1—ィル基等 が好ましい。
R 1としては、 アルコキシ基、 シクロアルコキシ基又は式 ( I I ) ー
R5
(Π)
[式中、 各記号は前記に同じ] で表わされる基が好ましい。
R 2が示す 「窒素原子、 硫黄原子及び酸素原子からなる群より選択されるへテ 口原子を環内に 1乃至 3有する、 5乃至 6員の不飽和の複素環」 としては、 より 具体的には、 例えば、 フリル基、 チェニル基、 ピロリル基、 イミダゾリル基、 ト リアゾリル基、 ピラゾリル基、 チアゾリル基、 チアジアゾリル基、 イソチアゾリ ル基、 ォキサゾリル基、 ィソキサゾリル基、 ピリジニル基、 ピリミジニル基、 ピ リダジニル基、 ピラジュル基等が挙げられ、 これらのうち、 ピリジニル基、 チェ ニル基、 ビラジニル基又はピリミジニル基等が好ましく、 ピリジニル基又はチェ ニル基がより好ましく、 ピリジニル基が特に好ましい。
R 2が示す 「窒素原子、 硫黄原子及び酸素原子からなる群より選択されるへテ 口原子を環内に 1乃至 3有する部分的に不飽和の複素環」 としては、 例えば、 下 記式—( I I I )
で表される基が好ましい。
R 2が、 フエニル基又は窒素原子、 硫黄原子及び酸素原子からなる群より選択 されるヘテロ原子を環内に 1乃至 3有する 5乃至 6員の不飽和の、 若しくは部分 的に不飽和の複素環である場合には、ハロゲン原子、低級アルキル基、シァノ基、 ニトロ基、 アルコキシ基、 アルキルスルホニル基及びヒ ドロキシ基からなる群よ り選択される置換基を該フエニル基又は該不飽和の若しくは部分的に不飽和の複 素環上に 1乃至 3有していてもよい。
R 2が、 該置換基を 2又は 3有する場合には、 これらは、 同一又は異なってい てもよレ、。
該置換基の 「ハロゲン原子」 としては、 例えば、 フッ素原子、 塩素原子、 臭素 原子等が好適である。
該置換基の 「低級アルキル基」 としては、 例えば、 メチル基、 ェチル基、 イソ プロピル基等が好適である。
該置換基の 「アルコキシ基」 としては、 例えば、 メ トキシ基、 エトキシ基、 n
—プロポキシ基、 イソプロポキシ基等が好適である。
R 2が示す 「炭素数 3乃至 1 0の分岐のアルキル基」 とは、 例えば、 下記式 (I V)
(IV)
等で表される基が挙げられる。
以上より、 R 2としては、 より具体的には、 例えば、 t e r t—ブチル基、 フ ェニル基、 フルオロフェニノレ基、 メチノレフェニル基、 シァノフエニル基、 ニトロ フエニル基、 メ トキシフエニル基、 ヒ ドロキシフエニル基、 ピリジニル基等が挙 げられ、 これらのうち、 t e r t—ブチル基、 フエニル基、 フルオロフェニル基、 ピリジニル基が好ましい。
R 3が示す 「ハロゲン原子」 としては、 例えば、 フッ素原子、 塩素原子又は臭 素原子等が挙げられ、 これらのうち、 フッ素原子又は塩素原子が好ましい。
R 3が示す 「低級アルキル基」 としては、 例えば、 メチル基、 ェチル基、 イソ プロピル基、 n—プロピル基等が挙げられ、これらのうち、メチル基が好ましい。 次に、 について、 説明する。
が示す 「窒素原子を環内に 1又は 2有する 6員のへテロアリール基」 とし ては、 具体的には、 例えば、 ピリジニル基、 ピラジュル基、 ピリミジニル基又は ピリダジニル基等が挙げられ、 これらのうち、 ピリジニル基、 ピリミジニル基等
が好ましい。
「X と R2とが一緒になつて形成するナフチル基、 キノリニル基、 イソキノリ ニル基、 キナゾリニル基、 キノキサリニル基又はシンノリニル基」 のうち、 ナフ チル基、 キノリニル基、 イソキノリニル基等が好ましい。
また、 と R2とが一緒になつてナフチル基、 キノリニル基、 イソキノリニル 基、キナゾリニル基、キノキサリニル基又はシンノリ二ル基を形成する場合には、 該基の置換基として、 ハロゲン原子又は低級アルキル基を 1乃至 3有していても よい。 R2上に置換基を 2又は 3有する場合には、 これらは同一又は異なってい てもよい。
以上より、 1乃至 3のハロゲン原子又は低級アルキル基で置換されていてもよ い、 と R2とが一緒になつて形成する縮合環」 としては、 より具体的には、 例えば、 ナフチル基、 キノリニル基、 イソキノリニル基等が挙げられ、 これらの うち、 ナフチル基等が好ましい。
従って 式 (I ) 中の一 Xi— R2としては、 例えば、 下記式 (V)
(V)
[式中、 乃至 A5は、 それぞれ独立して、、メチン基を示すか、 或いは、 A b 至 A 5のうちの任意の 1又は 2が、 窒素原子であり、 かつ、 残りの 3又は 4がメ チン基を示し、 。乃至 A4。は、 。乃至 A4。のうちの任意の 1又は 2が、 窒 素原子であり、 残りの 2又は 3がメチン基を示し、 R6、 R6G、 R61は、 それぞ れ独立して、 水素原子、 ハロゲン原子、 低級アルキル基、 'シァノ基、 ニトロ基、 低級アルコキシ基、 低級アルキルスルホニル基又はヒ ドロキシ基を示す] で表さ れる化合物が好ましい。
以上より、 本発明に係る式 ( I )
[式中、 各記号は前記に同じ] で表わされる化合物としては、 具体的には、 例え ば、 4— (2 ' ―フルォロ一ビフエ二ルー 3—^ fル) 一 3—ォキソピペラジン一 1—力ノレボン酸 t e r t—ブチルエステル、 4— (ビフエ二ノレ _ 3—ィノレ) - 3 ーォキソピペラジン一 1 _力ノレボン酸 t e r t—ブチノレエステノレ、 4— ( 2 ' - メチル一ビフエニル一 3—ィル) 一 3—ォキソーピペラジン一 1—カルボン酸 t e r t—ブチノレエステノレ、 4 - ( 2 '―クロ口一ビフエ-ノレ一 3—ィノレ) 一 3— ォキソ一ピペラジン一 1—カルボン酸 t e r t一ブチルエステル、 3 _ォキソ一 4— (3—ピリジン一 2—ィル一フエニル) 一ピペラジン一 1—カルボン酸 t e r t—ブチルエステル、 3—ォキソ一4— (3— t e r t—ブチル一フエニル) —ピペラジン一 1—カルボン酸 t e r t—ブチノレエステル、 4一ナフタレン一 2 —ィル一 3—ォキソ一ピぺラジン一 1—カルボン酸 t e r t—ブチルエステル、 3—ォキソ一4— (3—ピリジン一 3—ィル一フエニル) 一ピペラジン一 1—力 ルボン酸 t e r t—ブチルエステル、 3 _ォキソ _4 _ (6—フエ二ノレ一ピリジ ン一 2—ィル) 一ピペラジン _ 1—カルボン酸 t e r t—ブチルエステル又は 3 —ォキソ一 4— (5—フエニル一ピリジン一 3 fル) 一ピペラジン一 1一カル ボン酸 t e r t—プチルエステル等が挙げられ、 これらのうち、 4— (2 '—フ ルォ口一ビフエニル一 3—ィル) 一 3—ォキソピペラジン一 1—カルボン酸 t e r t—ブチルエステル、 4— (ビフエニル _ 3—^ fル) 一 3—ォキソピペラジン — 1—力ノレボン酸 t e r t—ブチノレエステノレ、 4— ( 2 '―メチノレービフエ-ノレ — 3—ィル) 一 3—ォキソ一ピペラジン一 1—カルボン酸 t e r t—プチルエス テル又は 4— (2 '―クロ口一ビフエニル一 3—ィル) 一 3—ォキソ一ピペラジ
ン一 1—力ノレボン酸 t e r t—ブチルエステルが好ましい。
本発明に係る化合物 ( I ) は、 公知の反応手段を用いるか、 或いはそれ自体公 知の方法に従って製造することができる。 なお、 本発明に係る化合物 ( I ) は、 通常の液相における合成法のみならず、 近年発達の目覚ましい例えばコンビナト リアル合成法やパラレル合成法等の固相を用いた方法によっても製造することが できる。
本発明に係る化合物 ( I ) に包含される (1— 1)、 ( 1—2)、 (1 -3) 又は (1 -4) は、 例えば、 以下の方法により製造することができる。
(1) 工程- 工程 2
.[式中、 各記号は前記に同じ]
(工程 I )
本工程は、 塩基及び触媒の存在下、 4一 B o c—ピペラジノン (I) と Iーブ 口モー 3 _ョードベンゼン (2) とを反応させて、 化合物 (3) を製造する方法
である。
本工程において用いられる塩基としては、 例えば、 リン酸カリウム、 炭酸ナト リウム又は炭酸カリウム等が挙げられる。
本工程において用いられる塩基の量は、 化合物 (1) 1当量に対して、 通常 1 乃至 100当量、 好ましくは 2乃至 1 0当量である。
用いられる化合物 (2) の量は、 化合物 (1) .1当量に対して、 通常 1乃至 1 0当量、 好ましくは、 1乃至 3当量である。
ィ匕合物 (2) の代わりに、 1, 3—ジブロモベンゼン、 1, 3—ジョードベン ゼン等を用いて反応を行うことができる。
用いられる触媒としては、 ヨウ化銅、 塩化銅 (1)、 酢酸銅 ( I I) 等が挙げら れ、 これらのうち、 ヨウ化銅が好ましい。
用いられる触媒の量は、 化合物 (1) 1当量に対して、 1%モル乃至 200% モル、 好ましくは、 5%モル乃至 20%モルである。
本工程において用いられる反応溶媒は、 反応に支障のないものであれば、 特に 限定されないが、 具体的には、 例えば、 DMF、 N—メチルピロリ ドン、 ジォキ サン、 THF、 DMS O又は水等が挙げられ、 これらのうち、 DMF、 N—メチ ルピロリ ドン又はジォキサンが好ましい。
本工程における反応温度は、 通常 0°C乃至 1 50°C、 好ましくは、 50°C乃至 1 20°Cである。
本工程における反応時間は、 通常 30分乃至 7日間、 好ましくは、 6時間乃至
1 2時間である。
このようにして得られる化合物 (3) は、 公知の分離精製手段、 例えば濃縮、 減圧濃縮、 結晶化、 溶媒抽出、 再沈殿、 クロマトグラフィー等により、 単離精製 するか又は単離精製することなく、 次工程に付すことができる。
(工程 2)
本工程は、 触媒及び塩基の存在下、 前記工程 1で得られた化合物 (3) と化合
物 (4) とを反応させて、本発明に係る化合物 ( I一 1) を製造する方法である。 本工程における反応は、 いわゆる S u z u k i カップリング反応である。 用いられる化合物 (3) の量は、 化合物 (4) 1当量に対して、 通常 1乃至 1
0当量、 好ましくは、 1乃至 3当量である。
用いられる触媒としては、 例えば、 P d (PPh3) 4、 P d 2 (d b a) 3、 P d C 12 (d p p f ) 2等が挙げられる。
用いられる触媒の量は、 化合物 (4) 1当量に対して、 通常 1乃至 200%モ ノレ、 好ましくは、 5乃至 20%モルである。
用いられる塩基としては、 例えば、 炭酸ナトリウム、 炭酸カリウム等が挙げら れる。
用いられる塩基の量は、 化合物 (4) 1当量に対して、 通常 1乃至 10当量、 好ましくは、 1乃至 5当量である。
用いられる化合物 (4) としては、 例えば、 2 _ピリジンホウ酸、 3—ピリジ ンホウ酸、 4一ピリジンホウ酸、 ピリミジン一 5 _ホウ酸等が挙げられる。 反応溶媒としては、 反応に支障をきたさないものであれば、 いかなるものを用 いてもよいが、 例えば、 トルエン、 N, N—ジメチルホルムアミ ド (以下、 「DM F」 とレヽう)、 N—メチルピロリ ドン (以下、 「NMP」 という)、 ジォキサン、 テ トラヒ ドロフラン (以下、 「THF」 という)、 ジメチルスルホキシド (以下、 「D MSO」 とレ、う)、 水等が挙げられ、 これらのうち、 トルエン、 DMF、 NMPが 好ましレ、。
反応温度は、通常 0°C乃至 1 50°C、好ましくは、 50°C乃至 1 20°Cである。 反応時間は、 通常 30分乃至 7日間、 好ましくは、 6乃至 1 2時間である。 このようにして得られる化合物 (1— 1) は、 公知の分離精製手段、 例えば、 濃縮、 減圧濃縮、 溶媒抽出、 結晶化、 再沈殿、 クロマトグラフィー等により単離 精製するか、 又は次工程に付すことができる。
(工程 3)
本工程は、 前記工程 2で得られた化合物 ( I一 1) の有する B o c基を除去し て、 化合物 (5) を製造する方法である。
本反応は、 文献記載の方法 (例えば、 プロテクティブ グループス イン ォ —ガニック シンセシス (P r o t e c t i v e G r o u p s i n O r g a n i c S y n t h e s i s)、 T. W. G r e e n著、第 2te、 J o h n W i 1 e y &S o n s社、 1 991年、等)、 それに準じた方法又はこれらと常法と を組み合わせることにより行うことができ、 具体的には、 例えば、 塩酸一メタノ ール又は TF A等が挙げられる。
用いられる塩酸一メタノール又は TF A等の量は、 1乃至溶媒量である。 反応溶媒は、 反応に支障のないものであれば、 特に限定されないが、 例えば、 クロロホノレム、 THF、 ジェチルエーテノレ、 トノレエン、 へキサン、 ピリジン、 D MF、 NMP、 メタノール、 エタノール、 等が挙げられ、 これらのうち、 クロ口 ホルム、 THF、 メタノールが好ましレ、。
反応温度は、 通常一 78°C乃至 100°Cであり、 好ましくは、 0°〇乃至30 である。
反応時間は、 通常 10分乃至 2日であり、 好ましくは、 1 0分乃至 2時間であ る。
このようにして得られる化合物 (5) は、 公知の分離精製手段、 例えば濃縮、 減圧濃縮、 結晶化、 溶媒抽出、 再沈殿、 クロマトグラフィー等により単離精製す るか又は単離精製することなく、 次工程に付すことができる。
(工程 4_ 1)
本工程は、 前記工程 3で得られた化合物 (5) とカルボン酸化合物 (6— 1) 又はその反応性誘導体とを反応させて、 本発明に係る化合物 ( 1—2) を製造す る方法である。
本反応は文献記載の方法 (例えば、 ペプチド合成の基礎と実験、 泉屋信夫他、 丸善、 1 983年、 コンプリへンシブ オーガニック シンセシス (C omp r
e h e n s i v e O r g a n i c S y n t h e s i s)、第 6卷、 P e r g a mo n P r e s s社、 1 99 1年、 等)、 それに準じた方法又はこれらと常法と を組み合わせることにより、 通常のアミ ド形成反応を行えばよく、 即ち、 当業者 に周知の縮合剤を用いて行う力、 或いは、 当業者に利用可能なエステル活性化方 法、 混合酸無水物法、 酸クロリ ド法、 カルボジィミ ド法等により行うことができ る。このようなアミ ド形成試薬としては、例えば塩化チォニル、塩化ォキザリル、 N, N—ジシクロへキシルカルボジイミ ド、 1—メチルー 2 _ブロモピリジニゥ ムアイオダイ ド、 N, N' —カルボニノレジイミダゾール、 ジフエニルフォスフォ リノレクロリ ド、 ジフエ二 フォスフォリルアジド、 Ν, Ν' —ジスクシニミジノレ カノレボネート、 N, N' —ジスクシ-ミジルォキザレート、 1一ェチル一3— (3 ージメチルァミノプロピル) カルボジイミ ド塩酸塩、 クロ口ギ酸ェチル、 クロ口 ギ酸ィソブチル又はべンゾトリアゾ一 1—ィル一ォキシ一トリス (ジメチルアミ ノ) フォスフォニゥムへキサフルオロフォスフェイ ト等が挙げられ、 中でも例え ば塩化チォ -ル、 1 _ェチル_3_ (3—ジメチルァミノプロピル) カルボジィ ミ ド塩酸塩、 Ν, Ν—ジシク口へキシルカルボジィミ ド又はべンゾトリアゾ一 1 —ィル一ォキシ一トリス (ジメチルァミノ) フォスフォニゥムへキサフルオロフ ォスフヱイ ト等が好適である。 またアミ ド形成反応においては、 上記アミ ド形成 試薬と共に塩基、 縮合補助剤を用いてもよい。
用いられる塩基としては、 例えばトリメチルァミン、 トリェチルァミン、 Ν, Ν—ジイソプロピルェチルァミン、 Ν—メチルモルホリン、 Ν—メチルピロリジ ン、 Ν—メチルビペリジン、 Ν, Ν—ジメチルァニリン、 1, 8 _ジァザビシク 口 [5. 4. 0] ゥンデ力一 7—ェン (DBU)、 1, 5—ァザビシクロ [4. 3. 0] ノナ— 5—ェン (DBN) 等の第 3級脂肪族ァミン;例えばピリジン、 4— ジメチルァミノピリジン、 ピコリン、 ルチジン、 キノ リン又はイソキノリン等の 芳香族ァミン等が挙げられ、 中でも例えば第 3級脂肪族ァミン等が好ましく、 特 に例えばトリエチルァミン又は N, N—ジィソプロピルェチルァミン等が好適で
ある。
用いられる縮合補助剤としては、 例えば N—ヒ ドロキシベンゾトリアゾール水 和物、 N—ヒ ドロキシスクシンィミ ド、 N—ヒ ドロキシー 5—ノルボルネンー 2, 3—ジカルボキシィミ ド又は 3—ヒ ドロキシ一3, 4—ジヒ ドロー 4—ォキソ一 1, 2 , 3—べンゾトリアゾール等が挙げられ、 中でも例えば N—ヒ ドロキシべ ンゾトリァゾール等が好適である。
用いられる化合物 (6— 1) 又はその反応性誘導体の量は、 用いられる化合物 及び溶媒の種類、 その他の反応条件により異なるが、 化合物 (5) 1当量に対し て、 通常 1乃至 50当量、 好ましくは、 2乃至 10当量である。
用いられるアミ ド形成試薬の量は、 用いられる化合物及び溶媒の種類、 その他 の反応条件により異なるが、 通常化合物 (5) 1当量に対して、 通常 1乃至 50 当量、 好ましくは 2乃至 1 0当量である。
用いられる縮合補助剤の量は、 用いられる化合物及び溶媒の種類その他の反応 条件により異なるが、 化合物 (5) 1当量に対して、 通常 1乃至 50当量、 好ま しくは 2乃至 10当量である。
用いられる塩基の量は、 用いられる化合物及び溶媒の種類その他の反応条件に より異なるが、 通常化合物 (5) 1当量に対して、 通常 1乃至 50当量、 好まし くは 2乃至 5当量である。
本工程において用いられる反応溶媒としては、 特に限定されないが、 具体的に は、例えば、 クロロホノレム、塩ィ匕メチレン、 THF、 ジェチルエーテル、 DMF、
NMP、 ジォキサン、 DMSO、 トルエン、ベンゼン又はキシレン等が挙げられ、 これらのうち、 例えば、 クロ口ホルム、 塩化メチレン、 THF、 ジェチルエーテ ノレ、 DMF、 NMP、 トルエン、 ベンゼン又はキシレンが好ましい。
本工程における反応温度は、 通常一 78°C乃至 1 50°C、 好ましくは 0°C乃至 50°Cである。
本工程における反応時間は、 通常 30分乃至 7日間、 好ましくは、 30分乃至
1 2時間である。
本工程において用いられる塩基、 アミ ド形成試薬、 縮合補助剤は、 1種又はそ れ以上組み合わせて、 使用することができる。
このようにして得られる化合物 (1—2) は、 公知の分離精製手段、 例えば濃 縮、 減圧濃縮、 結晶化、 溶媒抽出、 再沈殿、 クロマトグラフィー等により、 単離 精製することができる。
(工程 4— 2)
本工程は、 塩基の存在下、 前記工程 3で得られた化合物 (5) と化合物 (6— 2) とを反応させて、 本発明に係る化合物 ( I一 3) を製造する方法である。 本工程において用いられる塩基としては、 例えば、 トリメチルァミン、 トリェ チルァミン、 N, N—ジイソプロピルェチルァミン、 N—メチルモルホリン、 N —メチルピロリジン、 N—メチルビペリジン、 N, N—ジメチルァニリン、 1, 8—ジァザビシクロ [5. 4. 0] ゥンデ力一 7—ェン (DBU)、 1, 5—ァザ ビシクロ [4. 3. 0] ノナ一 5—ェン (DBN) 等の第 3級脂肪族ァミン;例 えばピリジン、 4—ジメチルァミノピリジン、 ピコリン、 ルチジン、 キノ リン又 はイソキノリン等の芳香族ァミン等が挙げられ、 中でも例えば第 3級脂肪族アミ ン等が好ましく、 特に例えばトリェチルァミン又は N, N—ジイソプロピルェチ ルァミン、 ピリジン等が好適である。
用いられる塩基の量は、 化合物 (5) 1当量に対して、 通常 1乃至溶媒量であ る。
本工程において用いられる化合物 (6— 2) としては、 例えば、 t e r t—ブ チルイソシァネート、 ィソプロピルシアネート又はィソブチルシアネート等が挙 げられる。
用いられる化合物 (6— 2) の量は、 化合物 (5) 1当量に対して、 通常 1乃 至 50当量、 好ましくは 2乃至 10当量である。
本工程において用いられる反応溶媒としては、 反応に支障のない限り、 特に限
定されないが、 具体的には、 例えば、 クロ口ホルム、 塩化メチレン、 THF、 ジ ェチルエーテル、 DMF、 NMP、 ジォキサン、 DMSO、 トルエン、 ベンゼン、 キシレン等が挙げられ、 これらのうち、 クロ口ホルム、 塩化メチレン、 THF、 ジェチルエーテル、 DMF、 NMP、 トルエン、 ベンゼン又はキシレンが好まし レ、。
本工程における反応温度は、 一 78°C乃至 1 50°C、 好ましくは、 0°C乃至 5 0°Cである。
本工程における反応時間は、 通常 30分乃至 7日間、 好ましくは、 30分乃至 1 2時間である。
このようにして得られる本発明に係る化合物 (1—3) は、 公知の分離精製手 段、 例えば濃縮、 減圧濃縮、 結晶化、 溶媒抽出、 再沈殿、 クロマトグラフィー等 により、 単離精製することができる。
(工程 4一 3)
本工程は、 化合物 (5) と化合物 (6— 3) とを反応させて、 本発明に係る化 合物 ( I一 3) を製造する方法である。
本工程において用いられる化合物 (6— 3) としては、 例えば、 ジメチルカル バモイノレクロリ ド、 ジェチルカルバモイルクロリ ド、 ジイソプロピル力ルバモイ ルクロリ ド、 イソプロピルメチルカルバモイルクロリ ド、 1—ピロリジン力ルバ モイノレクロリ ド、 1—ピぺリジンカルバモイルク口リ ド、 4一モルホリン一カル バモイルクロリ ド等が挙げられる。
用いられる (6— 3) の量は、 化合物 (5) 1当量に対して、 通常 1乃至 50 当量、 好ましくは、 2乃至 10当量である。
また、 塩基を用いて本工程における反応を行ってもよい。
用いられる塩基としては、 例えば、 トリメチルァミン、 トリェチルァミン、 N, N—ジイソプロピルェチルァミン、 N—メチルモルホリン、 N—メチノレピロリジ ン、 N—メチルビペリジン、 N, N—ジメチルァニリン、 1, 8—ジァザビシク
口 [5. 4. 0] ゥンデ力一 7—ェン (DBU)、 1, 5—ァザビシクロ [4. 3. 0] ノナ一 5—ェン (DBN) 等の第 3級脂肪族ァミン;例えばピリジン、 4_ ジメチルァミノピリジン、 ピコリン、 ルチジン、 キノリン又はイソキノリン等の 芳香族ァミン等が挙げられ、 中でも例えば第 3級脂肪族ァミン等が好ましく、 特 に例えばトリェチルァミン又は N, N—ジイソプロピルェチルァミン、 ピリジン 等が好適である。 '
本工程において用いられる反応溶媒としては、 反応に支障のない限り、 特に限 定されないが、 具体的には、 例えば、 クロ口ホルム、 塩化メチレン、 THF、 ジ ェチノレエーテル、 DMF、 NMP、 ジォキサン、 DMSO、 トルエン、 ピリジン、 ベンゼン又はキシレン等が挙げられ、 これらのうちピリジン、 クロ口ホルム、 塩 化メチレン、 THF、 ジェチルエーテル、 DMF、 NMP、 トルエン、 ベンゼン 又はキシレンが好ましい。 本工程における反応温度は、 通常— 78°C乃至 1 5 0°C、 好ましくは、 0°C乃至 50°Cである。
本工程における反応時間は、 通常 30分乃至 7日間、 好ましくは、 30分乃至 1 2時間である。
このようにして得られる化合物 (1 _4) は、 公知の分離精製手段、 例えば濃 縮、 減圧濃縮、 結晶化、 溶媒抽出、 再沈殿、 クロマトグラフィー等により、 単離 精製することができる。
また、 本発明に係る化合物 (I一 1) は、 以下の方法によっても製造すること ができる。
[式中、 Rは、 低級アルキル基を示し、 他の記号は前記に同じ]
(工程 2— 1)
本工程は、 触媒の存在下、 前記工程 1で得られた化合物 (3) と (4 a) とを 反応させて、 本発明に係る化合物 (1— 1) を製造する方法である。
本工程における反応は、 いわゆる S t i 1 1 e カップリング反応である。 化合物 (4 a) 中の Rは、 低級アルキル基を示すが、 例えば、 メチル基、 ェチ ル基、 プロピル基、 ブチル基等が好適である。
用いられる化合物 (4 a) としては、 具体的には、 例えば、 4—トリブチルス タン二ルビリジン、 2— トリブチルスタン二ノレピリジン、 2_トリブチルスタン ニノレチォフェン、 2—トリブチノレスタン二ルフラン、 2 _ トリブチルスタン二ノレ ピラジン、 2—トリブチルスタンニルピリ ミジン、 トリメチルフエニルスズ、 ト リメチル (2—ピリジル) スズ等が挙げられる。
用いられる化合物 (4 a) の量は、 化合物 (3) 1当量に対して、 通常 1乃至 10当量、 好ましくは、 1乃至 3当量である。
用いられる触媒としては、 例えば、 P d (P P h 2) 4、 P d 2 (d b a) 2等が 挙げられる。
用いられる触媒の量は、 化合物 (3) 1当量に対して、 通常 1乃至 200%モ ル、 好ましくは、 5乃至 20%モルである。
反応溶媒としては、 反応に支障をきたさないものであれば、 特に限定されない 力 例えば、 トルエン、 DMF、 NMP、 THF、 DMSO等が挙げられ、 こら れのうち、 トルエン、 DMF、 NMP等が好ましい。
反応温度は、 通常 0乃至 1 50°C、 好ましくは、 50乃至 1 20°Cである。 反応時間は、 通常 30分乃至 7日間、 好ましくは、 6乃至 1 2時間である。 このようにして得られる化合物 ( 1 _ 1) は、 公知の分離精製手段、 例えば濃 縮、 減圧濃縮、 結晶化、 溶媒抽出、 再沈殿、 クロマトグラフィー等により単離精 製するか又は単離精製することなく、 次工程に付すことができる。
また、 本発明に係る化合物 ( I ) に包含される化合物 ( I一 5) 、 ( 1 -6) ,
( I _ 7)又は( I— 8) は、例えば、以下の方法により製造することができる。
工程
(1-5) (5-1)
(1-6)
(1-8)
[式中、 R 2 Gは、 ハロゲン原子、 低級アルキル基、 シァノ基、 ニトロ基、 低級ァ ルコキシ基、 低級アルキルスルホニル基及びヒ ドロキシ基からなる群より選択さ れる置換基を環内に 1乃至 3有していてもよい、 フユニル基又は窒素原子、 硫黄
原子及び酸素原子からなる群より選択されるへテロ原子を 1乃至 3有する 5乃至 6員の不飽和の複素環を示し、 他の記号は前記に同じ]
(工程 5 )
本工程は、 塩基及び触媒の存在下、 4一 B o c—ピペラジノン (1) と化合物 (2- 1) とを反応させて、 化合物 (3— 1) を製造する方法である。
本工程において用いられる塩基としては、 例えば、 リン酸カリウム、 炭酸ナト リゥム又は炭酸力リゥム等が挙げられる。
本工程において用いられる塩基の量は、 化合物 (1) 1当量に対して、 通常 1 乃至 100当量、 好ましくは 2乃至 10当量である。
用いられる化合物 (2— 1) としては、 例えば、 2, 6_ジブロモピリジン、
3, 5 _ジブロモピリジン、 3 _ブロモ— 5 _ョードピリジン、 2_ブロモ _4 —ョードピリジン等が挙げられる。
用いられる化合物 (2— 1) の量は、 化合物 (1) 1当量に対して、 通常 1乃 至 10当量、 好ましくは、 1乃至 3当量である。
用いられる触媒としては、 ヨウ化銅、 塩化銅 (1)、 酢酸銅 (I I) 等が挙げら れ、 これらのうち、 ヨウ化銅が好ましい。
用いられる触媒の量は、 化合物 (1) 1当量に対して、 1%モル乃至 200% モル、 好ましくは、 5 %モル乃至 20 %モルである。
本工程において用いられる反応溶媒は、 反応に支障のないものであれば、 特に 限定されないが、 具体的には、 例えば、 DMF、 NMP、 ジォキサン、 THF、
DMS O又は水等が挙げられ、 これらのうち、 DMF、 NMP又はジォキサンが 好ましい。
本工程における反応温度は、 通常 0°C乃至 150°C、 好ましくは、 50°C乃至 120°Cである。
本工程における反応時間は、 通常 30分乃至 7日間、 好ましくは、 6時間乃至
12時間である。
このようにして得られる化合物 (3_ 1) は、 公知の分離精製手段、 例えば濃 縮、 減圧濃縮、 結晶化、 溶媒抽出、 再沈殿、 クロマトグラフィー等により、 単離 精製するか又は単離精製することなく、 次工程に付すことができる。
(工程 6)
本工程は、 触媒及び塩基の存在下、 前記工程 5で得られた化合物 (3— 1) と 化合物 (4— 1) とを反応させて、 本発明に係る化合物 ( 1—5) を製造する方 法である。
本工程における反応は、 いわゆる S u z u k i カップリング反応である。 用いられる化合物 (3— 1) の量は、 化合物 (4— 1) 1当量に対して、 通常 1乃至 10当量、 好ましくは、 1乃至 3当量である。
用いられる化合物 (4_ 1) としては、具体的には、例えば、 フエエルホウ酸、 メ トキシフエ二ノレホウ酸、 メチノレフエ二ノレホウ酸、 ブロモフエ二ノレホウ酸、 クロ 口フエ二ノレホウ酸、 ニトロフエ二ノレホウ酸、 ァセチノレフエ二ノレホウ酸、 チォフエ ン一 2—ホウ酸、 チォフェン _3_ホウ酸、 ピリジン一 2—ホウ酸、 ピリジン一 3—ホウ酸、ピリジン一 4—ホウ酸、フラン一 2—ホウ酸、フラン一 3—ホウ酸、 ピリミジン一 2 _ホウ酸、 ピリミジン一4—ホウ酸、 ピリミジン一5—ホウ酸等 が挙げられる。
用いられる触媒としては、 例えば、 P d (PP h3) 4、 P d 2 (d b a) 3、 P d C 12 (d p p f ) 2等が挙げられる。
用いられる触媒の量は、化合物(4— 1) 1当量に対して、通常 1乃至 200% モル、 好ましくは、 5乃至 20%モルである。
用いられる塩基としては、 例えば、 炭酸ナトリウム、 炭酸カリウム等が挙げら れる。
用いられる塩基の量は、 化合物 (4— 1) 1当量に対して、 通常 1乃至 1 0当 量、 好ましくは、 1乃至 5当量である。
反応溶媒としては、 反応に支障をきたさないものであれば、 いかなるものを用
いてもよいが、 例えば、 トルエン、 DMF、 NMP、 ジォキサン、 THF、 DM SO、 水等が挙げられ、 これらのうち、 トルエン、 DMF、 NMPが好ましい。 反応温度は、通常 0°C乃至 1 50°C、好ましくは、 50°C乃至 1 20°Cである。 反応時間は、 通常 30分乃至 7日間、 好ましくは、 6乃至 12時間である。 このようにして得られる本発明に係る化合物 (1—5) は、 公知の分離精製手 段、 例えば、 濃縮、 減圧濃縮、 溶媒抽出、 結晶化、 再沈殿、 クロマトグラフィー 等により単離精製するか又は単離精製することなく、次工程に付すことができる。
(工程 7 )
本工程は、 前記工程 6で得られた化合物 (I一 5) の有する B o c基を除去し て、 化合物 (5— 1) を製造する方法である。
本工程における反応は、 文献記載の方法 (例えば、 プロテクティブ グループ ス イン オーガニック シンセシス (P r o t e c t i v e Gr o u p s i n O r g a n i c S y n t h e s i s)、 T. W. G r e e n著、 第 2fe、 J o h n Wi l e y&S o n s社、 1991年、等)、 それに準じた方法又はこ れらと常法とを組み合わせることにより行うことができ、 具体的には、 例えば、 塩酸一メタノール又は TF A等が挙げられ、 工程 2と同様の方法、 これに準じた 方法又はこれらと常法とを組み合わせて行うことができる。
(工程 8— 1)
本工程は、 前記工程 7で得られた化合物 (5— 1) とカルボン酸誘導体 (6— 1) 又はその反応性誘導体とを反応させて、 本発明に係る化合物 ( I一 6) を製 造する方法である。 '
本工程における反応は、 前記工程 4一 1と同様の方法、 これに準じた方法又は これらと常法とを組み合わせて行うことができる。
このようにして得られるィヒ合物 (1 -6) は、 公知の分離精製手段、 例えば濃 縮、 減圧濃縮、 結晶化、 溶媒抽出、 再沈殿、 クロマトグラフィー等により、 単離 精製することができる。
本工程は、 前記工程 5で得られた化合物 (I一 5) と化合物 (6— 2) とを反 応させて本発明に係る化合物 (I一 7) を製造する方法である。
本工程における反応は、 前記工程 4一 2と同様の方法、 これに準じた方法又は これらと常法とを組み合わせて行うことができる。
このようにして得られる化合物 (I一 6) は、 公知の分離精製手段、 例えば濃 縮、 減圧濃縮、 結晶化、 溶媒抽出、 再沈殿、 クロマトグラフィー等により、 単離 精製することができる。
(工程 8— 3)
本工程は、 前記工程 5で得られた化合物 (5) と化合物 (6— 3) とを反応さ せて、 本発明に係る化合物 ( I一 7) を製造する方法である。
本工程における反応は、 前記工程 4一 3と同様の方法、 これに準じた方法又は これらと常法とを組み合わせて行うことができる。
このようにして得られる化合物 (I一 8) は、 公知の分離精製手段、 例えば濃 縮、 減圧濃縮、 結晶化、 溶媒抽出、 再沈殿、 クロマトグラフィー等により、 単離 精製することができる。
また、前記化合物( I _5) は、以下の方法によっても製造することができる。
[式中、 RGは、 低級アルキル基を示し、 他の記号は前記に同じ]
(工程 6— 1)
本工程は、 触媒の存在下、 前記化合物 (3— 1) と化合物 (4一 b) とを反応 させることにより、 本発明に係る化合物 ( I一 5) を製造する方法である。 本工程における反応は、 いわゆる S t i l l eカップリング反応である。 用いられる化合物 (4 b) としては、 具体的には、 例えば、 4一トリブチルス
タン二ルビリジン、 2 _ トリブチルスタン二ルビリジン、 2—トリブチルスタン ニノレチォフェン、 2— トリブチ^/スタンニノレフラン、 2 _ トリブチ スタン二ノレ ピラジン、 2— トリブチルスタンニルピリ ミジン、 トリメチルフエニルスズ、 ト リメチル (2—ピリジル) スズ等が挙げられる。
化合物 (4 b) 中の RGは、 低級アルキル基を示すが、 例えば、 メチル基、 ェ チル基、 プロピル基、 ブチル基等が好適である。
用いられる化合物 (4 b) の量は、 化合物 (3— 1) 1当量に対して、 通常 1 乃至 10当量、 好ましくは、 1乃至 3当量である。
用いられる触媒としては、 例えば、 P d (PPh2) 4、 P d 2 (d b a) 2等が 挙げられる。
用いられる触媒の量は、化合物(3— 1) 1当量に対して、通常 1乃至 200% モル、 好ましくは、 5乃至 20%モルである。
反応溶媒としては、 反応に支障をきたさないものであれば、 特に限定されない 力 例えば、 トルエン、 DMF、 NMP、 THF、 DMSO等が挙げられ、 こら れのうち、 トルエン、 DMF、 NMP等が好ましい。
反応温度は、通常 0°C乃至 150°C、好ましくは、 50°C乃至 120°Cである。 反応時間は、 通常 30分乃至 7日間、 好ましくは、 6乃至 12時間である。 このようにして得られる化合物 (1 _5) は、 公知の分離精製手段、 例えば、 濃縮、 減圧濃縮、 再沈殿、 溶媒抽出、 結晶化、 クロマトグラフィー等により単離 精製するか又は単離精製することなく、 次工程に付すことができる。 また、 本発明に係る化合物 ( I ) に包含される化合物 (I— 9) 、 ( 1 -9- 1) 、 ( 1— 9— 2) 、 ( 1—9一 3) 、 (1 - 10) , ( 1— 1 0— 1) 、 ( 1 - 10-2) 又は ( I— 1 0— 3) は、 例えば、 以下の方法により製造するこ とができる。
R! 又は R1
工程 11 -3 t-Bu
(1-9-3) (1-10-3)
[式中、 t _Buは、 t e r t _ブチル基を示し、 他の記告は前記に同じ] (工程 9) '
本工程は、 4—B o c—ピペラジノン (1) と化合物 (2— 2) 又は (2— 3 ) とを反応させて、 本発明に係る化合物 ( I一 9) 又は ( I一 1 0) を製造する 方法である。
本工程における反応は、 前記工程 1と同様の方法、 これに準じた方法又はこれ らと常法とを組み合わせて行うことができる。
このようにして得られる化合物 (1—9) 又は ( 1— 10) は、 公知の分離精 製手段、 例えば濃縮、 減圧濃縮、 結晶化、 溶媒抽出、 再沈殿、 クロマトグラフィ
一 等により単離精製するか又は単離精製することなく、 次工程に付すことがで きる。
(工程 10)
本工程は、 前記工程 9で得られた化合物 ( 1 _9) 又は (1— 10) の有する B o c基を除去して、 化合物 (5— 2) 又は (5— 3) を製造する方法である。 本工程における反応は、 文献記載の方法 (例えば、 プロテクティブ グループ ス イン オーガニック シンセシス (P r o t e c t i v e G r o u p s l n O r g a n i c S y n t h e s i sノ 、 T. W, G r e e n 第 2版、 J o h n Wi l e y&S o n s社、 199 1年、 等) 、 それに準じた方法又は これらと常法とを組み合わせることにより行うことができ、具体的には、例えば、 塩酸一メタノール又は TF A等が挙げられ、 工程 2と同様の方法、 これに準じた 方法又はこれらと常法とを組み合わせて行うことができる。
このようにして得られる化合物 (5— 2) 又は (5— 3) は、 公知の分離精製 手段、 例えば濃縮、 減圧濃縮、 結晶化、 溶媒抽出、 再沈殿、 クロマトグラフィー 等により単離精製するか又は単離精製することなく、次工程に付すことができる。
(工程 1 1— 1)
本工程は、 前記工程 10で得られた化合物 (5— 2) 又は (5— 3) とカルボ ン酸化合物 (6— 1) 又はその反応性誘導体とを反応させて、 本発明に係る化合 物 ( I _ 9— 1 ) 又は ( I _ 1 0 _ 1 ) を製造する方法である。
本工程における反応は、 前記工程 4一 1と同様の方法、 これに準じた方法又は これらと常法とを組み合わせて行うことができる。
このようにして得られる本発明に係る化合物 ( I一 9一 1) 又は (1— 10_
1) は、 公知の分離精製手段、 例えば濃縮、 減圧濃縮、 結晶化、 溶媒抽出、 再沈 殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか又は単離精製することができる。
(工程 1 1一 2)
本工程は、 前記工程 10で得られた化合物 (5— 2) 又は (5— 3) と化合物
(6-2) とを反応させて、 本発明に係る化合物 ( 1—9— 2) 又は (1— 10 -2) を製造する方法である。
本工程における反応は、 前記工程 4— 2と同様の方法、 これに準じた方法又は これらと常法とを組み合わせて行うことができる
このようにして得られる化合物(26)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、 減圧濃縮、 結晶化、 溶媒抽出、 再沈殿、 クロマトグラフィー等により単離精製す るか又は単離精製することができる。
(工程 1 1一 3 )
本工程は、 前記工程 10で得られた化合物 (5_2) 又は (5— 3) と化合物 (6-3) とを反応させて、 本発明に係る化合物 (1—9— 3) 又は ( 1— 10
-3) を製造する方法である。
本工程における反応は、 前記工程 4一 3と同様の方法、 これに準じた方法又は これらと常法とを組み合わせて行うことができる。
このようにして得られる化合物 (1—9— 3) 又は (1— 10— 3) は、 公知 の分離精製手段、 例えば濃縮、 減圧濃縮、 結晶化、 溶媒抽出、 再沈殿、 クロマト グラフィ一等により単離精製することができる。
本発明に係る化合物は、 常法により医薬として許容されうる塩又はエステルと することができ、 当該塩又はエステルは、 発明に係る化合物 (I) 又は (I ) に 包含される化合物を用いて、 常法に従って製造することができる。
具体的には、 上記 (I ) の化合物が、 当該分子内に例えばアミノ基、 ピリジニ ル基等に由来する塩基性基を有している場合には、 当該化合物を酸で処理するこ とにより、 相当する薬学的に許容される塩に変換することができる。
当該酸付加塩としては、 例えば塩酸塩、 フッ化水素酸塩、 臭化水素酸塩、 ヨウ 化水素酸塩等のハロゲン化水素酸塩;硝酸塩、 過塩素酸塩、 硫酸塩、 燐酸塩、 炭 酸塩等の無機酸塩; メタンスルホン酸塩、 トリフルォロメタンスルホン酸塩、 ェ タンスルホン酸塩等の低級アルキルスルホン酸塩;ベンゼンスルホン酸塩、 p—
トルエンスルホン酸塩等のァリ—ルスルホン酸塩; フマル酸塩、 コハク酸塩、 ク ェン酸塩、 酒石酸塩、 シユウ酸塩、 マレイン酸塩等の有機酸塩;及びグルタミン 酸塩、 ァスパラギン酸塩等のアミノ酸等の有機酸である酸付加塩を挙げることが できる。
また、 本発明の化合物が酸性基を当該基内に有している場合、 例えばカルボキ シル基等を有している場合には、 当該化合物を塩基で処理することによつても、 相当する薬学的に許容される塩に変換することができる。 当該塩基付加塩として は、 例えば例えばナトリウム、 カリウム等のアルカリ金属塩、 カルシウム、 マグ ネシゥム等のアルカリ土類金属塩、 アンモ-ゥム塩、 グァニジン、 トリェチルァ ミン、 ジシクロへキシルァミン等の有機塩基による塩が挙げられる。
さらに本発明の化合物は、 遊離化合物又はその塩の任意の水和物又は溶媒和物 として存在してもよレ、。 '
また逆に塩又はエステルから遊離化合物への変換も常法に従って行うことがで さる。
また、 本発明に係る化合物は、 その置換基の態様によって、 光学異性体、 ジァ ステレオ異性体、 幾何異性体等の立体異性体又は互変異性体が存在する場合があ る。 これらの異性体は、 すべて本発明に係る化合物に包含されることは言うまで もない。 更にこれらの異性体の任意の混合物も本発明に係る化合物に包含される ことは言うまでもない。
なお、 本発明に係る化合物は、 該化合物中の芳香族水素をトリチウムに、 メチ ル基を3 H 3 C、 1 4 C H 3、 η〇Η 3に、 フッ素を1 8 Fに、 カルボニル基の炭素を1 1 C等のアイソトープに変換することによりラジォラベル体として用いることも できる。
本発明の化合物を臨床的に用いる際には、 その投与形態に合わせ、 薬剤学的に 許容される添加剤を加えて製剤化してもよい。 その際の添加剤としては、 製剤分 野において通常用いられる各種の添加剤が使用可能であり、 例えば、 ゼラチン、
乳糖、 白糖、 酸化チタン、 デンプン、 結晶セルロース、 ヒ ドロキシプロピルメチ ノレセルロース、 カルボキシメチルセノレロース、 トウモロコシデンプン、 マイクロ クリスタリンワックス、 白色ワセリン、 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、 無 水リン酸カルシウム、 クェン酸、 クェン酸三ナトリ ウム、 ヒ ドロキシプロピルセ ノレロース、 ソルビトール、 ソルビタン脂肪酸エステル、 ポリ ソルベート、 ショ糖 脂肪酸エステル、 ポリオキシエチレン、 硬化ヒマシ油、 ポリビュルピロリ ドン、 ステアリン酸マグネシウム、 軽質無水ケィ酸、 タルク、 植物油、 ベンジルアルコ ール、 アラビアゴム、 プロピレングリコール、 ポリアルキレングリコール、 シク ロデキス トリン、 ヒ ドロキシプロピルシクロデキス トリン等が挙げられる。 本発明の化合物と上記添加剤との混合物は、 固形製剤 (錠剤、 カプセル剤、 顆 粒剤、 散剤、 坐剤等) 又は液体製剤 (シロップ剤、 エリキシル剤、 注射剤等) と して用いることができる。 これらの製剤は、 製剤分野における通常の方法に従つ て調製することができる。 なお、 液体製剤は、 用時に水又は他の適当な媒体に溶 解又は懸濁させるものであってもよい。 また、 特に注射剤の場合、 必要に応じて 生理食塩水又はブドゥ糖液に溶解又は懸濁させてもよく、 更に緩衝剤や保存剤を 添カ卩してもよレ、。 これらの製剤は、 本発明の化合物を 1 . 0〜1 0 0重量%、 好 ましくは 1 . 0〜6 0重量%の割合で含有することができる。
本発明の化合物の製剤化は、例えば、下記の製剤例に従って行うことができる。 (製剤例 1 )
後述の実施例 1の化合物 1 0部、 重質酸化マグネシゥム 1 5部及び乳糖 7 5部 を均一に混合して、 3 5 0 /x m以下の粉末状又は細粒状の散剤とする。 この散剤 をカプセノレ容器に入れてカプセル剤とする。
(製剤例 2 )
後述の実施例 1の化合物 4 5部、 澱粉 1 5部、 乳糖 1 6部、 結晶性セルロース 2 1部、 ポリビュルアルコール 3部及び蒸留水 3 0部を均一に混合した後、 破砕 造粒して乾燥し、 次いで篩別して直径 1 4 1 0乃至 1 7 7 /z mの大きさの顆粒剤
とする。
(製剤例 3 )
製剤例 2と同様の方法で顆粒剤を作製した後、 この顆粒剤 96部に対して、 ス テアリン酸カルシウム 3部を加えて圧縮成形し、直径 1 Ommの錠剤を作製する。
(製剤例 4)
製剤例 2の方法で得られた顆粒剤 90部に対して、 結晶性セルロース 1 0部及 びステアリン酸カルシウム 3部を加えて圧縮成形し、直径 8 mmの錠剤とした後、 これにシロップゼラチン、 沈降性炭酸カルシウム混合懸濁液を加えて糖衣錠を作 製する。
本発明の化合物を臨床の場で使用する場合、 その投与量及び投与回数は患者の 性別、 年齢、 体重、 症状の程度、 目的とする処置効果の種類 ·範囲等により異な る。 一般に経口投与の場合、 成人 1 日当り 0. 01〜100mg/k g、 好まし くは 0. 0 S lmgZk gを Γ〜数回に分けて投与する。 また、 非経口投与の 場合は、 0. 001〜: 1 OmgZk g、 好ましくは 0. 00 1〜0· lmgZk gを 1〜数回に分けて投与する。
通常の内科医、 獣医又は臨床医は病状進行を阻止し、 抑制し又は停止させるに 必要な有効薬物量を容易に決定することができる。
(実施例)
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、 本発明はこれらの実 施例によって何ら限定されるものではない。
実施例のシリ力ゲル力ラムクロマトグラフィーには、 和光純薬社製 W a k o g e l (登録商標) C— 300またはバイオタージ社製 KP— S i 1 (登録商標) S i l i c aプレパック ドカラムを用いた。 分取用薄層クロマトグラフィ一はメ ルク社製 K i e s e 1 g e 1™60 F 254, Ar t. 5744を用いた。 塩基性 シリカゲルカラムクロマトグラフィ一は富士シリシァ化学社製 Ch r o m a t o r e x (登録商標) NH (1 00— 250me s hまたは 200— 350me s
h) を用いた。
マススぺク トノレは W a t e r s社製 m i c r o m a s s ZQを使用しエレク ト ロスプレイイオン化法 (E S I) 又は大気圧化学イオン化法 (APC I) で測定 した。
NMRスペク トルは、 重ジメチルスルホキシド溶液で測定する場合には内部標 準としてジメチルスルホキシドを用い、 G em i n i— 200 (20 OMH z ;
Va r i a n)、 Gem i n i— 300 (30 OMH z ; Va r i a n)、 Me r c u r y 400 ( 400 MH z ; V a r i a n ) 又は I n o v a 400 (400
MHz ; V a r i' a n ) 型スぺク トロメーターを用いて測定し、全 δ値を p p m で示した。
以下に後述の実施例における略号の意味を示す。
i -B u :イソブチル基
n -B u : n—ブチル基
t -B u : t -ブチル基
M e : メチル基
E t : ェチル基
P h : フエニル基
i -P r : ィソプロピル基
n -P r : n—プロピル基
CDC 13 :重クロロホルム
CD3OD :重メタノール
DMS 0- d 6 :重ジメチルスルホキシド
以下に核磁気共鳴スぺク トルにおける略号の意味を示す。
s : シンク'レツ ト
d : ダブレツ ト
d d : ダブノレダブレツト
t : トリプレット
m : マノレチプレツ ト
b r :ブロード
q :力ノレテット
J :カップリング定数
H z :ヘルツ
実施例 1
4— (2 —フノレオ口一ビフエニル一 3—ィル) 一 3—ォキソピペラジン _ 1— カルボン酸 t e r t _ブチルエステル
1 ) 4— (3—ブロモフエニル) 一 3—ォキソピペラジン一 1—カルボン酸 t e r t—ブチルエステルの製造
窒素雰囲気下、 3—才キソピペラジン _ 1 _カルボン酸 t e r t一ブチルエステ ル 4 gのジォキサン 2 Om 1溶液に 3—ブロモ―ョ一ドベンゼン 1 1 g、 りん酸 三力リウム 1 3 g、 ョゥ化銅 (I ) 200mg、 t r a n s— 1, 2—ジアミノ シクロへキサン 0. 5 m 1を順次加え 90度にて終夜攪拌した。 水を加えた後、 生成物を酢酸ェチルで抽出し、 有機層を水で洗浄後、 無水硫酸ナトリゥムで乾燥 した。 溶媒を減圧留去して得られた残渣を、 シリカゲルクロマトグラフィー (へ キサン:酢酸ェチル =3 : 1) にて精製し、 表題化合物を白色固体として 3. 7 g得た。
4 - (2 フルォロ一ビフエ二ノレ一 3—ィル) 一3—ォキソピペラジン
一力ルボン酸 t e r _t—ブチルエステルの製造
窒素雰囲気下、 上記 1) で得られた化合物 38m gのエチレングリコールジメチ ルエーテル 1. 5m l溶液に水 0. 5 m 1を加えた後 2—フルオロフェニルボロ ン酸 1 7mg、 炭酸ナトリウム 33mg、 [1, 1 '—ビス (ジフエニルホスフ イノ)フエ口セン]ジクロロパラジウム 3mgを加え、 90度にて終夜攪拌した。 水を加えた後、 生成物を酢酸ェチルで抽出し、 有機層を水で洗浄後、 無水硫酸ナ トリウムで乾燥した。 溶媒を減圧留去して得られた残渣を、 分取用薄層シリカゲ ルクロマトグラフィー (へキサン:酢酸ェチル = 3 : 1) にて精製し、 表題化合 物を白色固体として 33mg得た。
JHNMR (400MHz、 CDC 13) δ : 1. 50 ( 9 H, s), 3. 79 (4 H, s), 4. 26 (2H, s), 7. 10— 7. 50 (8H, m)
E S I—MS F o u n d : m/ z 37 1. 3 [M + H] + 実施例 2
4— (ビフエ二ルー 3 _ィル) _ 3—ォキソピペラジン一 1一力ルボン酸 t e r tーブチノレエステノレ 窒素雰囲気下、 3—ォキソピペラジン一 1一力ルボン酸 t e r t—ブチルエステ ル 20 Omgのジォキサン lm 1溶液に 3—ブロモビフエニル 235mg、 りん 酸三力リウム 420mg、 ョゥ化銅 ( I) 1 0mg、 t r a n s— 1, 2—ジァ ミノシクロへキサン 0. 0 1 5m 1を順次加え 90度にて終夜攪拌した。 水を加
えた後、 生成物を酢酸ェチルで抽出し、 有機層を水で洗浄後、 無水硫酸ナトリウ ムで乾燥した。 溶媒を減圧留去して得られた残渣を、 分取用薄層シリカゲルクロ マトグラフィ— (へキサン:酢酸ェチル = 3 : 1) にて精製し、 表題化合物を白 色固体として 2 Om g得た。
^NMR (40 OMH z、 CDC l 3) δ : 1. 5 1 (9H, s), 3. 79 (4 H, b r s), 4. 27 (2H, s), 7. 30- 7. 60 (9 H, m)
E S I -MS F o u n d : m/ z 353. 3 [M + H] + 実施例 3
4— (2 メチル一ビフエニル一 3—ィル) 一 3—ォキソ一ピペラジン一 1— カルボン酸 t e r t一ブチルエステル 窒素雰囲気下、 実施例 1の 1) で得られた 4 _ ( 3 _ブロモフエニル) _3—ォ キソピペラジン一 1—カルボン酸 t e r t—プチ/レエステノレ 380 m gのェチレ ングリコールジメチルエーテル 1 5m 1溶液に水 5m 1を加えた後 2—メチルフ ェニルボロン酸 140mg、 炭酸ナトリゥム 33 Omg、 [1, 1 '—ビス (ジフ ェニルホスフイノ) フエ口セン] ジクロロパラジウム 3 Omgを加え、 90度に て終夜攪拌した。 水を加えた後、 生成物を酢酸ェチルで抽出し、 有機層を水で洗 浄後、 無水硫酸ナトリウムで乾燥した。 溶媒を減圧留去して得られた残渣を、 分 取用薄層シリカゲルクロマトグラフィー (へキサン:酢酸ェチル = 3 : 1) にて 精製し、 表題化合物を白色固体として 96mg得た。
JHNMR (40 OMH z N CDC ") 5 : 1. 50 (9 H, s), 2. 22 (3 H, s), 3. 80 (4H, b r s), 4. 24 (2 H, s), 7. 1 5— 7. 55 (8H, m)
ES I—MS F o u n d : m/ z 367. 3 [M + H] + 実施例 4
4— (2 '―クロロービフエニル一 3 Tル) 一 3—ォキソ一ピペラジン一 1— 力ノレボン酸 t e r t—ブチノレエステノレ 窒素雰囲気下、 実施例 1の 1) で得られた 4 _ (3—ブロモフエニル) 一 3—ォ キソピペラジン一 1—カルボン酸 t e r t—ブチルエステノレ 38 Omgのェチレ ングリコールジメチルエーテル 1 5m l溶液に水 5 m 1を加えた後 2—クロロフ ェニルボロン酸 1 60mg、 炭酸ナトリウム 33 Omg、 [1, 1 '一ビス (ジフ ェニルホスフイノ) フエ口セン] ジクロロパラジウム 3 Omgを加え、 90度に て終夜攪拌した。 水を加えた後、 生成物を酢酸ェチルで抽出し、 有機層を水で洗 浄後、 無水硫酸ナトリウムで乾燥した。 溶媒を減圧留去して得られた残渣を、 分 取用薄層シリカゲルクロマトグラフィー (へキサン:酢酸ェチル = 3 : 1) にて 精製し、 表題化合物を白色固体として 72mg得た。
XHNMR (400MHz、 CDC 13) δ : 1. 50 (9 H, s), 3. 78 (4 H, b r s), 4. 26 (2H, s), 7. 23— 7. 50 (8H, m)
E S I -MS F o u n d : m/ z 3 8 7. 3 [M + H] + 実施例 5
3—ォキソ一 4— (3—ピリジン一 2—ィル一フエニル) 一ピペラジン一 1—力 ノレボン酸 t e r t—ブチルエステル 窒素雰囲気下、 実施例 1の 1 ) で得られた 4— (3—ブロモフエニル) _ 3—ォ キソピペラジン一 1—力ノレボン酸 t e r t—ブチノレエステノレ 3 8 m gのエチレン グリコールジメチルエーテル 1. 5 m 1溶液に水 0. 5 m 1を加えた後ピリジン—
3—ボロン酸 1 5m g、 炭酸ナトリウム 3 3 mg、 [ 1, 1 '—ビス (ジフエニル ホスフイノ) フエ口セン] ジクロロパラジウム 3m gを加え、 9 0度にて終夜攪 拌した。 水を加えた後、 生成物を酢酸ェチルで抽出し、 有機層を水で洗浄後、 無 水硫酸ナトリウムで乾燥した。 溶媒を減圧留去して得られた残渣を、 分取用薄層 シリカゲルクロマトグラフィー (へキサン:酢酸ェチル = 3 : 1 ) にて精製し、 表題化合物を白色固体として 1 Om g得た。
'HNMR (4 0 OMH z、 CDC l 3) δ : 3. 8 1 (4 H, s), 4. 2 7 ( 2 H, s ), 7. 2 0 - 7. 2 5 ( 1 H, m), 7. 3 2— 7. 3 7 ( 1 H, m), 7. 5 0 ( 1 H, t ), 7. 6 8 - 7. 8 0 (2 H, m), 7. 8 2— 7. 8 7 ( 1 H, m), 7. 9 5 ( 1 H, b r s), 8. 6 4 - 8. 6 9 ( 1 H, m)
E S I -MS F o u n d : m/ z 3 5 4. 3 [M + H] +
実施例 6
3—ォキソ一 4— (3— t e r t—ブチル一フエニル) ーピペラジン一 1—カル ボン酸 t e r t—ブチノレエステノレ 窒素雰囲気下、 3—ォキソピペラジン一 1—カルボン酸 t e r t一ブチルエステ ノレ 200 m gのジォキサン 1 m 1溶液に 1 _ t e r t—ブチル一 3—ョードベン ゼン 20 Omg、 りん酸三力リウム 420mg、 ョゥ化銅 ( I) 1 0mg、 t r a n s— l, 2—ジアミノシクロへキサン 0. 020 m 1を順次加え 90度にて 終夜攪拌した。 水を加えた後、 生成物を酢酸ェチルで抽出し、 有機層を水で洗浄 後、 無水硫酸ナトリウムで乾燥した。 溶媒を減圧留去して得られた残渣を、 分取 用薄層シリカゲルクロマトグラフィー (へキサン:酢酸ェチル = 3 : 1) にて精 製し、 表題化合物を白色固体として 62 m g得た。
^NMR (400MHz、 CDC 13) δ : 1. 32 (9 Η, s), 1. 50 (9 Η, s), 3. 70-3. 8 1 (4 Η, m), 4. 24 (2 Η, s), 7. 03- 7. 35 (4 Η, m)
Ε S I -MS F o u n d : / z 333. 3 [M + H] + 実施例 7
4—ナフタレン一 2—ィル一 3—ォキソ一ピぺラジン一 1—カルボン酸 t e r t ーブチノレエステノレ 窒素雰囲気下、 3—ォキソピペラジン一 1一力ルボン酸 t e r t—ブチルエステ ル 20 Omgのジォキサン lm 1溶液に 2—ブロモナフタレン 210mg、 りん 酸三力リウム 420mg、 ョゥ化銅 (I) 10mg、 t r a n s— 1, 2—ジァ ミノシクロへキサン 0. 02 Om 1を順次加え 90度にて終夜攪拌した。 水を加 えた後、 生成物を酢酸ェチルで抽出し、 有機層を水で洗浄後、 無水硫酸ナトリウ ムで乾燥した。 溶媒を減圧留去して得られた残渣を、 分取用薄層シリカゲルクロ マトグラフィ一 (へキサン :酢酸ェチル =3 : 1) にて精製し、 表題化合物を白 色固体として 72mg得た。
^NMR (40 OMH z、 CDC l 3) δ : 1. 5 1 (9H, s), 3. 82 (4 H, s), 4. 29 (2H, s), 7. 36— 7. 89 ( 7 H, m)
E S I -MS F o u n d : m/ z 327. 3 [M + H] +
実施例 8
3ーォキソ一 4 - (3—ピリジン一 3—ィル一フエニル) 一ピペラジン一 1—力 ルボン酸 t e r t—ブチルエステル
1) 1) 4一 (4, 4, 5, 5—テトラメチル一 [1 , 3, 2] ジォキサボラン —ィノレ) 一 3—ォキソピペラジン _ 1—力ノレボン酸 t e r t—ブチノレエステルの
製造
窒素雰囲気下、 実施例 1の 1) で得られた 4— (3—ブロモフエニル) 一3—ォ キソピペラジン一 1一力ルボン酸 t e r t—ブチルエステノレ 2. 6 gのジメチル スルホキシド 1 Om 1溶液にビスピナコレートジボラン 74 Omg、 酢酸力リゥ ム 800mg、 [1, 1 '—ビス (ジフエニルホスフイノ) フエ口セン] ジクロロ パラジウム 65mgを加え、 室温にて 2時間攪拌した。 反応液をセライ トで濾過 した後、 溶媒を留去し、 残渣に水を加えて生成物を酢酸ェチルで抽出した。 有機 層を水で洗浄後、 無水硫酸ナトリウムで乾燥した。 溶媒を減圧留去して得られた 残渣を、 シリカゲルクロマトグラフィー (へキサン:酢酸ェチル = 5 : 1) にて 精製し、 表題化合物を白色固体として 67 Omg得た。
2) 3—ォキソ一4一 (3—ピリジン一 3 _ィル一フエニル) 一ピペラジン一 1 一力ルボン酸 t e r t—ブチルエステルの製造
窒素雰囲気下、 上記 1) で得られた化合物 2 Omgのジメチルホルムアミ ド lm 1溶液に 2—ブロモピリジン 3 lmg、 炭酸カリ ウム 42mg、 [1, 1 '一ビス (ジフエニノレホスフイノ) フエ口セン] ジクロロパラジウム 3mgを加え、 90 度にて 6時間攪拌した。水を加えた後酢酸ェチルで抽出し、有機層を水で洗浄後、 無水硫酸ナトリゥムで乾燥した。 溶媒を減圧留去して得られた残渣を、 シリカゲ ルクロマトグラフィー (へキサン:酢酸ェチル = 3 : 1) にて精製し、 表題化合 物を白色固体として 5 m g得た。
JHNMR (40 OMH z、 CDC l 3) δ : 1. 5 1 (9H, s ), 3. 80 (4 H, b r s), 4. 28 (2 H, s), 7. 30— 7. 55 (5H, m), 7. 83 ( 1 H, d t, J = 2. 0, 8. 0Hz), 8. 58 (1 H, d d, J = 1. 4, 4. 6Hz), 8. 8 1 ( 1 H, d, J = 2. 0 H z )
E S I -MS F o u n d : m/ z 354. 3 [M + H] +
3—ォキソ一4— (6—フエ二ノレ一ピリジン一 2—ィル) 一ピペラジン一 1—力 ノレボン酸 t e r t—ブチルエステノレ
4— (6—ブロモピリジン一 2—ィル) 一 3—ォキソ一ピペラジン一 1—カルボ ン酸 t e r t—ブチノレエステノレ
3—ォキソ一ピペラジン一 1—カルボン酸 t e r t—ブチノレエステノレ 1 80 m g 2, 6 _ジブロモピリジン 238mg、 炭酸セシウム 4 1 0 m g、 触媒量のトリ ス (ジベンジリデンアセトン) 二パラジウム (0)、 触媒量の 4, 5—ビス (ジフ ェニルホスフイノ) _ 9, 9—ジチメルキサンテンの 1, 4_ジォキサン 5m l 懸濁液を 100°Cで 5時間攪拌した。 反応液を酢酸ェチルで希釈し、 水次いで飽 和食塩水で洗浄後、 無水硫酸ナトリウムで乾燥した。 溶媒を減圧留去して得られ た残渣を、 分取用薄層シリカゲルクロマトグラフィー (へキサン:酢酸ェチル = 7 : 3) にて精製し、 表題化合物を無色油状物として 95. 3mgを得た。
'HNMR (300MHz、 CDC 13) δ : 1. 49 ( 9 H, s), 3. 73— 3. 76 (2H, m), 4. 1 1 -4. 1 5 (2 H, m), 4. 28 (2H, s ), 7. 28 - 7. 30 ( 1 H, m), 7. 54— 7. 59 ( 1 H, m), 8. 05 ( 1 H, d, J = 8. 2 H z )
ES I -MS F o u n d : m/ z 358. 0 [ + H] +
3—ォキソ一4— (6—フエニル一ピリジン一 2—ィル) 一ピペラジン一 1—力 ルボン酸 t e r t—ブチルエステル
W
4— (6—ブロモピリジン一 2—ィル) 一 3—ォキソ一ピぺラジン一 1 一カルボ ン酸 t e r t—ブチルエステル 9 2. 7 m g、 フエ二ノレボロン酸 7 0. 4 m g、 炭酸力リウム 2 1 4m g、 触媒量のテトラキス (トリフエニルホスフィン) パラ ジゥムの 1, 4—ジォキサン 3 m 1懸濁液を 2時間加熱還流した。 反応液を酢酸 ェチルで希釈し、水次いで飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリゥムで乾燥した。 溶媒を減圧留去して得られた残渣を、 分取用薄層シリカゲルクロマトグラフィー (へキサン:酢酸ェチル = 7 : 3) にて精製し、 表題化合物を無色油状物として 8 2. 3m gを得た。
'HNMR (3 0 0MH z、 CDC 1 3) δ : 1. 5 1 ( 9 H, s ), 3. 7 8— 3. 8 1 (2 H, m), 4. 2 6 - 4. 2 8 (2 H, m), 4. 3 0 (2 H, s ), 7. 4 0 - 7. 5 0 (3 H, m), 7. 5 6 - 7. 5 9 ( 1 H, m), 7. 7 5— 7. 8 1 ( 1 H, m), 7. 9 5— 8. 0 1 (3 H, m)
E S I -MS F o u n d : m/ z 3 5 4. 2 [M + H] +
3—ォキソ一 4 _ ( 5—フエニル一ピリジン一 3—ィル) 一ピペラジン一 1 —力 ルボン酸 t e r tーブチノレエステノレ
2, 6—ジブロモピリジンの代わりに 3 , 5—ジブロモピリジンを用い、 実施例 9と同様な方法で表題化合物を無色油状物として 1 4 2m gを得た。
!HNMR (3 0 0MH z、 CDC 1 3) δ : 1. 5 1 ( 9 H, s ), 3. 8 4 (4 Η, s ), 4. 3 1 (2 Η, s), 7. 4 0— 7. 6 0 (5 Η, m), 7. 8 8 ( 1 H, s ), 8. 5 6 ( 1 H, s ), 8. 7 5 ( 1 H, s )
E S I -MS F o u n d : m/ z 3 54. 2 [M + H] + 本発明に係る化合物を被検化合物として行った薬理試験例を以下に示す。 (薬理試験例 1 : mG 1 u R 1阻害作用)
本発明に係る実施例 1の化合物を用いて、 mG 1 u R 1阻害作用について測 定した。
(細胞培養)
L I POFECTAM I NE (G i b c o B R L社製) を使用して、 ヒ トメタ ボトロピック.グルタミン酸受容体 1 a (mG l u R l a) の c DNAを CHO細 胞にトランスフエ.タ トし、 mG 1 uR 1 a安定発現株を得た。 mG 1 uR 1 aを 発現させた CHO細胞は、 1 0%透析胎児牛血淸、 1 %プロリン、 1 00 u n i t s / m 1 p e n i c i 1 1 i n s 0. 1 m g / m 1 s t r e p t omy c i n s u l f a t e , 2 mMグルタミンを含む DMEM培地で培養した。
(細胞内カルシウム濃度測定)
測定前日に 9 6ゥエルブラックプレート (パッカード社製、 V i e w P 1 a t e ) 1ゥヱルにっき 5 000 0細胞でプレーティングされた mG 1 u R 1 a発現 CHO細胞に、 4 / M F 1 u o— 3を CO 2インキュベーター内で 1時間イン キュペートした。 次に 20 mM HE PE S, 2. 5 mM P r o b e n e c i dを含んだ HB S S溶液で 4回細胞を洗浄後、 F l u o r e s c e n c e I m a g i n g P l a t e R e a d e r ( F L I P R、 モリキュラーデバイス社 製) を用いて細胞内カルシウム濃度を測定した。 なお、 被検化合物及びダルタミ ン酸は 20mM HE PE S, 2. 5 mM P r o b e n e c i dを含んだ H B S S溶液を用いて調整された。 また、 被検化合物はァゴニス ト刺激 5分前に添加 され、 ァゴニストとして 1 0 μΜのグルタミン酸を用いた。
その結果、 mG 1 u R 1に対して、 以下の実施例 1に記載の本発明に係る化合 物は、 1 0; uMまでァゴニスト性は認められなかった。 1 0 μΜのグルタミン酸
で上昇したカルシウム上昇を用量依存的に抑制した。 その I C 50値は、 38 η Μであった。
産業上の利用可能性 '
本発明により、 mG 1 uR l阻害作用を有する新規物質が提供される。
本発明が提供する、 式 (I) で表されるジァリール置換複素 5員環誘導体又は その薬学的に許容される塩は、 強力な mG l uR l阻害作用を有しており痙攣、 急性疼痛、 炎症性疼痛、 慢性疼痛、 脳梗塞又は一過性脳虚血発作の脳障害、 統合 失調症等の精神機能障害、 不安、 薬物依存、 パーキンソン病又は胃腸障害の予防 又は治療に有用である。