明 細 書 通信制御装置及び通信制御方法 技術分野
本発明は、 通信制御装置及び通信制御方法に関し、 特にパスを設定する通信制 御装置及び通信制御方法に関する。 背景技術
近年、 I Pネットワークにおいて、 音声やストリーム系トラヒックに対する通 信品質の保証を実現できるパケット伝送方式として MP LS (Mu I t i -P r o t o c o I — L a b e I — S w i t c h i n g 力 λ注曰 れてしゝる。
MP LSは、 コネクションレスの I Pネッ トワーク上に L S P (L a b e l Sw i t c h e d P a t ) というパスを作成し、 コネクション型の通信を可 能とする技術である。
一般にインターネッ卜で利用されているルータ間のデータ転送では、 ルーティ ング (経路選択) 情報として I Pヘッダを利用するが、 MP LSは、 I Pヘッダ の代わりにラベルと呼ばれる短い固定長の識別標識を利用する。 MP LS対応ル ータ (La b e l— Sw i t c h i n g Ro u t e r) によって構成されたネ ットワーク内では、 転送処理と経路計算処理の分離が可能となり、 個々のルータ の負担が軽減されて処理の高速化が実現される。又、より高度な通信品質制御(Q o S) や、 ネットワーク構成に依存しないプライベートネットワークの構築も可 能となる。
MP LSによるネットワークでは、 現在確保しているパス (以下、 現用パスと 呼ぶ) の他、 現用パスに障害が発生した時に切り替えられるパス (以下、 予備パ スと呼ぶ) が設定されており、 障害発生を検知すると、 ルータ内の通信制御装置 はパスの切り替えを行ない、障害を迂回して ケットを伝送することができる。 又、 仮想パスを利用する ATMによるネットワークにおいても、 同様に現用パ スと予備パスを設定し、 障害が発生した場合、 現用パスを予備パスに切り替えて
障害の迂回を行なっている。
従来のパスの切リ替え方法は、 特許文献 1 (特開 2 0 0 3— 2 4 4 2 2 0 2号 公報) に開示されているように、 現用パスと予備パスを予め設定し、 ネッ卜ワ一 ク内の各回線に対して当該回線を識別する回線識別番号を割り振り、通信に影響 しない回線番号の集合を各パス毎にパス管理テーブルとして登録 '管理し、 ネッ トワーク内の故障が発生した場合、 故障を検出した装置から当該回線識別番号を 目的の装置に通知し、 その通知を基にパス管理テーブルを参照して切り替えの要 否を判断してパスを切り替えるという方法が用いられている。
図 1に、 従来技術による、 現用パスに発生した障害の検知からパス確保までの 流れを示す。従来の通信制御装置は、パスの障害を検知すると (ステップ S 1 )、 上述した方法によって現用パスを予備パスに切り替え (ステップ S 3 )、 ルーテ イングテーブルを更新し (ステップ S 5 )、 切リ替えられた予備パスをシグナリ ングによリ確保する (ステップ S 7 )。 この時、 ネッ卜ワーク内の他ノードとの 間で、 更新されたルーティング情報の送受信や、 パスを確保するためのシグナリ ング情報の送受信を行なう。
従来技術では、 障害が発生する度に、 シグナリングや、 変更されるルーティン グ情報のやリ取リが行なわれるので、 狭帯域ネッ卜ワークや、 回線が安定しない 無線区間を利用するネットワークのような回線障害が頻発するネットワークで ある場合、これらの情報による負荷が増大し、データの伝送の妨げになっている。 発明の開示
本発明の目的は、 ネットワーク内において発生する回線障害時のルーティング 情報やシグナリング情報による高負荷状態を軽減することができる通信制御装 置及び通信制御方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、 ネッ卜ワークの特性やユーザのニーズに応じた回線障害 の対応ができる通信制御装置及び通信制御方法を提供することにある。
本発明による通信制御装置、 本発明による通信制御方法、 及び本発明による通 信制御プログラムは、 以下のとおりである。
( 1 ) 通信網を介して少なくとも 1つの他ノードと接続されるルーティング
情報処理部と、
前記通信網を介して前記他ノードと接続されるシダナリングプロセッサと、 前記ルーティング情報処理部と前記シグナリングプロセッサとに接続される パス管理処理部とを備え、
前記ルーティング情報処理部は、 前記他ノードとの間で、 データをルーティン グするためのルーティング情報を送受信し、 受信される前記ルーティング情報を 基にパスの障害を検知すると前記パス管理処理部に障害情報を送信し、
前記パス管理処理部は、 最低限確保しておくパスの数 Tを保持し、 受信される 前記障害情報を考慮に入れた、 現在確保しているパスの数 Rを計算し、 該 Rを前 記 Tと比較し、 R < Tの時、 パスを新たに確保することを決定し、 前記パスを新 たに確保するためのパス設定を行なうとともに、 前記パス設定の内容を前記ルー ティング情報処理部に通知し、前記シグナリングプロセッサに前記パス設定の内 容に基づいたパス設定命令を送信し、
前記ルーティング情報処理部は、前記パス設定の内容に基づいたルーティング 情報を前記他ノードに送信し、
前記シグナリングプロセッサは、 受信される前記パス設定命令に基づき、 前記 他ノードとシグナリングを行ない、前記パス管理処理部に設定されたパスを新た に確保することを特徴とする通信制御装置。
( 2 ) 上記 (1 ) に記載の通信制御装置であって、
新たに確保するパスの数を D、
最大限確保できるパスの数を Mとすると、
前記/ ス管理処理部は、 T≤ R + D≤ Mを満たす任意の固定値である前記 Dを 保持し、 R < Tの時、前記 D本のパスを新たに確保するためのパス設定を行ない、 前記 D本のパスを新たに確保することを特徴とする通信制御装置。
( 3 ) 上記 (2 ) に記載の通信制御装置において、
前記パス管理処理部は、 外部装置と接続され、 外部装置から T≤R + D≤Mを 満たす任意の前記 Dを受信し、 R < Tの時、 前記 D本のパスを新たに確保するた めのパス設定を行ない、 前記 D本のパスを新たに確保することを特徴とする通信 制御装置。
( 4 ) 上記 (2 ) に記載の通信制御装置であって、
履歴記憶部を備え、
前記履歴記憶部は、 過去におけるパスの確保された持続時間と、 前記パスに障 害が起きた確率を記録し、
前記パス管理処理部は、前記持続時間及び前記確率から前記 Dを算出すること を特徴とする通信制御装置。
( 5 ) 上記 (4 ) に記載の通信制御装置であって、
前記履歴記憶部は、パスの確保されている持続時間及び前記パスに障害が起き た確率を時系列的に記録し、
前記パス管理処理部は、前記持続時間及び前記確率から前記 Dを算出すること を特徴とする通信制御装置。
( 6 ) 上記 (1 ) に記載の通信制御装置であって、
前記ルーティング情報処理部に接続されるルーティングテーブルを備え、 前記ルーティングテーブルには、前記他ノードから受信されるデータのルーテ ィングを行なうためのルーティング情報が記録されておリ、前記ルーティング情 報処理部は、前記パス管理処理部から受信される前記パス設定の内容に基づきル ーティングテーブルの書き換えを行なうとともに、前記他ノードに前記パス設定 の内容に基づいた前記ルーティング情報を送信することを特徴とする通信制御 装置。
( 7 ) 上記 (1 ) に記載の通信制御装置であって、
データバッファと、前記他ノードとネッ卜ワークを介して接続されるデータ受 信部と、 データ送信部とを備え、
前記データバッファは、 前記データ受信部と、 前記データ送信部に接続され、 前記 Rが 0の場合、 前記データ受信部に受信されるデータを記録し、
前記パス力《新たに確保され 0 < Rになると、 データ送信部は、 前記データバッ ファが記憶した前記データを前記他ノ一ドに送信することを特徴とする通信制 御装置。
( 8 ) 複数のノードによってリンクが形成される通信網において、 前記ノードに実装され、 データの伝送に使用するためのパスを設定する通信制
御方法であって、
障害を有する前記パスの障害を検出するステップと、
検出される障害の情報を考慮に入れた、現在確保しているパスの数 Rを計算す るステップと、
最低限確保しておくパスの数 Tと比較し、 R<Tの時、 パスを新たに確保する ためのパス設定を行なうステップと、
前記パス設定の内容に基づいたルーティング情報を前記他ノードに送信する ステップと、
前記パス設定の内容に基づいて、前記他ノードとシグナリングを行ない前記パ スを新たに確保するステップとを備えることを特徴とする通信制御方法。
(9) 上記 (8) に記載の通信制御方法において、
新たに確保するパスの数を D、
最大限確保できるパスの数を Mとすると、
丁≤ +0≤1\/1を満たす前記0を保持し、 R<Tの時、 前記 D本のパスを新た に確保するためのパス設定を行なうステップと、
前記パス設定に基づいて前記 D本のパスを新たに確保するステップとを備え ることを特徴とする通信制御方法。
(1 0) 上記 (9) に記載の通信制御方法において、
外部から T≤ R + D≤ Mを満たす前記 Dを受信するステップと、
R<Tの時、前記 D本のパスを新たに確保するためのパス設定を行なうととも に、前記パス設定に基づいて前記 D本のパスを新たに確保するステップとを備え ることを特徴とする通信制御方法。
(1 1 ) 上記 (9) に記載の通信制御方法であって、
過去におけるパスが確保された持続時間と、前記パスに障害が起きた確率を記 録するステップと、
前記持続時間及び前記確率から前記 Dを算出するステツプとを備えることを 特徴とする通信制御方法。
(1 2) 上記 (9) に記載の通信制御方法であって、
前記パスの確保された持続時間と前記パスに障害が起きた確率を時系列的に
記録するステップと、
前記持続時間及び前記確率から前記 Dを算出するステツプとを備えることを 特徴とする通信制御方法。
( 1 3 ) 上記 (8 ) に記載の通信制御方法であって、
前記パス設定の内容を含むルーティング情報に基づき、前記ノードに受信され るデータのルーティングを行なうためのルーティングテ一ブルの書き換えを行 なうステップと、
他ノ一ドに前記ルーティング情報を送信するステツプとを備えることを特徴 とする通信制御方法。
( 1 4 ) 上記 (8 ) に記載の通信制御方法であって、
前記 Rが 0の場合、 前記ノードに受信されるデータを記録するステップと、 前記パスを確保し、 0 < Rになると、 データを前記他ノードに送信するステツ プとを備えることを特徴とする通信制御方法。
( 1 5 ) 計算機により、 請求項 8記載の通信制御方法を実現する通信制御プ ログラム。
本発明による通信制御装置は、パスを設定することでコネクション型の通信を 可能とする伝送方式であれば、 どのような形態のバケツ卜通信網にも適用できる。 発明の効果
本発明の通信制御装置及び方法によれば、 ネッ卜ワーク内において発生する回 線障害時のルーティング情報ゃシグナリング情報による高負荷状態を軽減する ことができる。
更に、 本発明の通信制御装置及び方法によれば、 ネットワークの特性やユーザ のニーズに応じた回線障害の対応ができる。 図面の簡単な説明
図 1は、従来技術による障害の検知からパス確保までの動作を説明するための フローチヤ一トである。
図 2は、 本発明が適用される、 複数のノードによって構成されたネッ卜ワーク
を示した図である。
図 3は、 図 2に示されたネットワークにおいて構成される仮想パスの例を説明 するための図である。
図 4は、 本発明の第 1の実施例による通信制御装置のブロック図である。 図 5は、 図 4の通信制御装置がネッ卜ワークにおける或るノードに実装された 場合の該通信制御装置の動作の説明に使用する図である。
図 6は、本発明による通信制御装置の障害検知から新たなパス確保までの動作 を説明するためのフローチヤ一卜である。
図 7は、 本発明の第 2の実施例による通信制御装置のブロック図である。
図 8は、 本発明の第 3の実施例による通信制御装置のプロック図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 図面を参照して、 本発明の実施例について説明する。
図 2は、 本発明が適用される、 複数のノード 3 0、 5 0、 …によって構成され たネットワーク 1 0 0を示した図である。 このネットワーク 1 0 0は、 例えば、 無線通信網によるネッ卜ワークや狭帯域のネットワークのような障害が発生し 易い不安定な回線を持つネットワークである。
このようなネッ卜ワーク 1 0 0においては、 各ノード (例えば、 或るノード 3 0 ) は、 図 3に示されるような複数の仮想パス (例えばパス 1 1 1からパス 1 1 5 ) を構成して、 或るノード 3 0から音声や画像等の各種パケットデータを相手 ノード 5 0に伝送するコネクション型の通信を確保することができる。
図 4を参照すると、 本発明の第 1の実施例による通信制御装置 2 0 0が示され ている。 この通信制御装置 2 0 0は、 図 1 (あるいは、 図 2 ) に示されたネット ワーク 1 0 0の各ノードに実装される。
通信制御装置 2 0 0は、 例えば、 図 5に示された状態のネットワーク 1 0 0に おける、 或るノード 3 0に実装され、 通信に使用するために現在確保しているパ ス (以下、 現用パスと呼ぶ) に伝送障害や、 装置故障等の障害が発生した時、 使 用していない予備のパス (以下、 予備パスと呼ぶ) に切り替え、 予備パスを確保 することで障害を迂回し、 信頼性のあるネッ卜ワークを獲得するものである。
図 4において、 通信制御装置 2 0 0は、 ルーティング情報処理部 3 1と、 シグ ナリングプロセッサ 3 2と、 パス管理処理部 3 3とを有する。 ルーティング情報 処理部 3 1は、 隣接する他ノード 4 0とネットワーク 1 0 0 (図 5 ) を介して接 続されている。 シグナリングプロセッサ 3 2も、 他ノード 4 0と前記ネットヮ一 ク 1 0 0を介して接続されている。 パス管理処理部 3 3は、 ルーティング情報処 理部 3 1及びシグナリングプロセッサ 3 2に接続される。
ルーティング情報処理部 3 1は、他ノード 4 0との間で現用パス上のノード情 報や使用帯域に関する情報やルーティングに必要な情報を含むルーティング情 報 2 0 1の送受信を行なって、 現用パスの状態監視を実施し、 現用パスの障害の 発生を検知すると、 障害情報 2 0 2をパス管理処理部 3 3に送信する部分である。 シグナリングプロセッサ 3 2は、 パス管理処理部 3 3によって制御され、 パス 管理処理部 3 3からのパス設定命令 2 0 3により、 相手ノード 5 0 (図 5 ) との 間の予備パスを確保するため、 予備パス上のノードとシグナリングを行ないパス を確保する。
パス管理処理部 3 3は、 障害情報 2 0 2から障害の検出を行ない、 現用パスと 予備パスを管理し、 最低限確保しておくパスの数 Tを保持し、 障害情報 2 0 2を 考慮に入れた、 現用パス (現在確保しているパス) の数 Rを決定して、 パス設定 を行ない、 パス設定の内容をルーティング情報処理部 3 1に通知し、 シグナリン グプロセッサ 3 2を制御する部分である。
具体的には、 パス管理処理部 3 3は、 ルーティング情報処理部 3 1を監視し、 ルーティング情報処理部 3 1から受信される障害情報 2 0 2を基に障害が発生 した現用パスを特定し、 障害が発生した現用パス以外の現用パスの数 Rを算出す る。 次に、 パス管理処理部 3 3は、 保持している最低限確保しておくパスの数 T と比較し、 R < Tである場合、 新たに確保するパスの数 Dを決定し、 D本の予備 パスを新たな現用パスとして設定するパス設定を行なう。 このようにして、 パス 管理処理部 3 3は、 D本のパスを新たに確保するためのパス設定を行なうと、 ι ス設定の内容 2 0 3をルーティング情報処理部 3 1に通知し、 シグナリングプロ セッサ 3 2にパス設定の内容に基づいたパス設定命令 2 0 4を送信する。
ルーティング情報処理部 3 1は、 パス設定の内容 2 0 2に基づいたルーティン
グ情報を他ノード 4 0に送信する。 シグナリングプロセッサ 3 2は、 受信される パス設定命令 2 0 4に基づき、 他ノード 4 0とシグナリングを行ない、 パス管理 処理部 3 3に設定されたパスを新たに確保する。 このようにして、 シグナリング プロセッサ 3 2は、 パス設定命令 2 0 4に基づき、 D本の予備パスの新たな現用 パスとしての確保を実施する。
図 6には、 図 5に示されたネットワーク 1 0 0において、 障害 1が発生した時 の、 或るノード 3 0内の通信制御装置 2 0 0 (図 4 ) の障害検知から、 パス設定 までの動作が示されている。
図 6を参照して、 図 5において、 ネットワーク 1 0 0内のノード 3 0とノード 5 0との間に、 現用パスが 3本 (パス 1 1 1からパス 1 1 3 )、 予備パスが 3本 (パス 2 1 1からパス 2 1 3 ) 設定されている時、 パス 1 1 3に障害 1が発生し た場合の或るノード 3 0の通信制御装置 2 0 0 (図 4 ) の動作を説明する。 或るノード 3 0に隣接するノードを他ノード 4 0とすると、 パス 1 1 3に障害 1が発生した時、 或るノード 3 0内のルーティング情報処理部 3 1は、 他ノード 4 0から受信されるルーティング情報に基づき障害を検知し、 障害情報 2 0 2を パス管理処理部 3 3に送信する (ステップ S 2 )。
パス管理処理部 3 3は、 受信される障害情報 2 0 2に基づき、 障害を有するパ スがパス 1 1 3であることを特定し、 現用パスの数 Rを 3から 2に変更する (ス テツプ S 4 )。
次に、 現用パス数 Rが 0である (障害を有さない正常なパスが無い) かどうか を確認し (ステップ S 6 )、 現用パス数が R = 2であるので、 確保するパス数 D を決定する処理が行なわれる (ステップ S 8 )。
パス管理処理部 3 3は、 最大限確保できるパス数を Mとして、 最低限確保して おくパス数 T ( T≤M) を保持している。 最低限確保しておくパス数 Tと現用パ ス数 Rを比較して、 Rが Tより下まわった場合、 すなわち R < Tの場合、 パスの 切り替えを決定し、 新たに確保するパス数 Dを決定する。 R≥Tの場合は、 D = 0となる。
例えば、 最低限確保しておくパスの数が T = 1、 又は、 2とすると、 R = 2で あるので、 R≥Tとなり、 新たに確保するパスの数は D = 0となる。 しかし、 T
= 3である場合は、 Rく Tとなるので、新たに確保するパスの数 Dが決定される。 更に、最大限確保できるパスの数を Mとして、 T≤R + D≤Mを満たす固定値 Dを新たに確保するパスの数として設定することで、新たに確保するパスの数を 制限するとともに、 R<Tとなった時、 最低限 D本のパスを確保することができ る。 例えば M=5、 T = 3と設定する場合、 新たに確保するパスの数 Dは、 1か ら 3の範囲で任意の固定値で設定され、 最大 3本のパスの新たな確保 (最大 3本 のパスの切り替え) が可能となる。 この時、 例えば、 D=2と設定すると、 R< Tとなった場合、 すなわち Rが 0、 1、 2であれば、 必ず 2本のパスを新たに確 保するように動作し、 R≥Tとなるまで、 1本づつのパスの新たな確保 (1本づ つのパスの切り替え) を行なう。
図 7を参照すると、 本発明の第 2の実施例による通信制御装置 200' が示さ れている。 この通信制御装置 200' は、 同様の参照符号で示された同様の部分 を含む。 この通信制御装置 200' では、 パス管理装置 33に設定される Tや D は、 例えば、 N M S (N e t wo r k Ma n a g eme n t S y s t em) である外部装置 500によって設定され、 或いは、 例えば、 入力装置である外部 装置 500を用いてユーザによって設定され、 任意の時間、 任意の場所から変更 可能である。
図 6に戻って、 図 5のネッ卜ワーク 1 00の或るノード 30に設けられた通信 制御装置 200 (図 4) の動作の続きを説明する。
パス管理処理部 33は、 上述したように、 Rと Tの比較によって新たに確保す るパスの数 Dがステツプ S 8において決定した後、 Dが 0かどうかを確認する (ステップ S 1 0)。 D = 0の場合、 新たなパスの設定は行なわない。 しかし、 Dが 0でない場合、例えば D = 2の時は 2本の予備パスを現用パスとして設定す る新たなパス設定 (パス切り替え) を行ない、 パス設定の内容 (パス切り替えの 内容) 203をルーティング情報処理部 3 1に通知する (ステップ S 1 2)。 パ ス設定の内容 (パス切り替えの内容) 203を通知されたルーティング情報処理 部 3 1は、 他ノード 40にパス設定の内容 (パス切り替えの内容) を含むルーテ イング情報 20 1を送信するとともに必要な場合ルーティングテーブルを更新 する (ステップ S 1 4)。
新たなパス設定 (パス切り替え) を決定したパス管理処理部 3 3は、 新たに確 保するパスを選択し、 シグナルプロセッサ 3 2にパス設定命令 2 0 4を送信する。 パス管理処理部 3 3は、 例えば、 D = 2の時、 新たに確保するパスとして、 図 5 の予備パスの中からパス 2 1 1とパス 2 1 2を選択し、 シグナリングプロセッサ にパス 2 1 1 とパス 2 1 2を確保するためのパス設定命令 2 0 4を送信する。 シ グナリングプロセッサ 3 2は、 パス 2 1 1とパス 2 1 2上にあるノードのシグナ リングプロセッサとシグナリングを行ない、 新たなパスを確保する (ステップ S 1 6 )。 このようにして、 シグナリングプロセッサ 3 2は、 D本の予備パスの新 たな現用パスとしての確保を実施する。
以上のように、 現用パスに障害が起きた時、 最低限確保しておくパスの数 Tを 設定しておくことで、 現用パス数 Rが R < Tになるまではパス設定 (パス切リ替 え) を行わずにすみ、 パス設定 (パス切り替え) の度に生じるルーティング情報 の送受信や、 パスを確保するためのシグナリングを頻繁にする必要がなくなリ、 頻繁に障害が発生するネットワークにおけるルーティング情報の送受信や、 パス を確保するためのシグナリングによる負荷を軽減することができる。
上述のステップ S 6において、 全ての現用パスに障害が生じ、 現用パスの数が 無くなった場合 (R = 0 )、 パス管理処理部 3 3は、 予備パスの残数を調べ、 新 たなパスの確保が可能かどうかを判断する(ステップ S 9 )。予備パスが存在し、 パスの確保が可能な場合、 新たに確保するパス数 Dを決定するステップ S 8に移 行する。
図 6に加えて、 再び、 図 7を参照して、 通信制御装置 2 0 0 ' は、 データバッ ファ 3 6を備え、 新たなパスの確保ができない場合、 他ノードの他通信制御装置 3 0 0からデータ受信部 3 8に受信されるデータ 3 0 1を、 一時データバッファ 3 6に記憶させる (ステップ S 1 1 )。
他ノードからのルーティング '清報 2 0 1によリ障害復旧や新たなリンクがル 一ティング情報処理部 3 1に通知され、 そこから新たなパスの確保が可能になる ことがパス管理処理部 3 3に通知されると (ステップ S 1 3 )、 新たに確保する パス数 Dを決定するステップ S 8に移行する。
図 7において、 通信制御装置 2 0 0 ' では、 新たなパスが確保されると、 デー
タバッファ 3 6に記憶されているデータはデータ送信部 3 7から新たに確保さ れたパス上の他ノードの他通信制御装置 4 0 0にデータ 3 0 2として送信され る。
この通信制御装置 2 0 0 ' は、 データをルーティングするためのルーティング テーブル 3 5を備えている。 回線障害に伴うパス設定の際、 パス管理処理部 3 3 からルーティング情報処理部 3 1へ送信されるパス設定の内容 2 0 3によって、 ルーティング情報処理部 3 1は、必要に応じルーティングテーブル 3 5を書き換 え、 その内容を含むルーティング情報 2 0 1を他ノード 4 0に送信する。
図 8を参照すると、 本発明の第 3の実施例による通信制御装置 2 0 0 "が示さ れている。 この通信制御装置 2 0 0 " は、 同様の参照符号で示された同様の部分 を含む。 この通信制御装置 2 0 0 ' は、 履歴記憶部 3 4を備えている。 パス管理 処理部 3 3は、 履歴記憶部 3 4に、 過去におけるパス毎の確保された累計持続時 間と累計障害発生時間と障害発生確率を履歴情報として記録する。パス管理処理 部 3 3は、 その履歴情報から必要な新たに確保するパス数 Dを算出して、 パス設 定を行なう。 パス管理処理部 3 3は、 例えば、 障害が頻繁に起きるパスを有する ネットワークでは、 新たに確保するパス数 Dに大きめの値を設定し、 一度に多く のパスを確保することで、 信頼性を高めることができる。 又、 障害の発生の少な いパスを有するネッ卜ワークでは、 シグナリング等のやり取りを極力少なくする ため、 パス管理処理部 3 3は、 少ない値の Dに設定する。
更に、 履歴記憶部 3 4は、 パス管理処理部 3 3から受信するパス毎の確保され る持続時間と障害時間を時系列的に記録し、 それらから障害確率を算出し、 それ らを時系列的に障害履歴として記録する。 パス管理処理部 3 3は、 その障害履歴 から時系列的に変化する確保するパス数 Dを算出して、 パスの設定を行なう。 こ れにより、 1曰の障害発生率の特性に基づいた Dを決定することができ、例えば、 日中は、 障害が少ないので Dを小さい値に設定し、 夜間は、 障害が多く発生する ので、 Dを増大させて確保するパスの数を増やし、 信頼性の高いネットワークに することができる。
本発明による通信制御方法を実現する通信制御装置は、装置でもプログラムで も構わない。
本発明による通信制御装置、 通信制御方法及び通信制御プログラムは、 回線障 害の起き易いネットワークの他、 故障の起き易いノードや、 移動体を用いたノー ドによリネットワークの形態が頻繁に変更するような場合においても、 重要な音 声や画像を含むバケツトデータを相手ノードに確実に送信できる信頼性の高い 通信を提供することができる。