明 細 書
スクロール流体機械
技術分野
[0001] 本発明は、固定スクロールと可動スクロールとを備えたスクロール流体機械に関し、 特に、可動スクロールの公転半径を調整する可変クランク機構としてスライドブッシュ を備えたスクロール流体機械に関するものである。
背景技術
[0002] 従来より、特開平 11— 141472号公報に開示されているように、可変クランク機構を 備えたスクロール流体機械として、可動スクロールと、該可動スクロールを駆動する駆 動軸とが、スライドブッシュを介して連結されたスクロール圧縮機がある。
[0003] 図 12は、このスクロール圧縮機における上記可動スクロール(102)と駆動軸(111) との連結部分の概略構造を示している。このスクロール圧縮機は、固定スクロール( 101)と可動スクロール (102)とから構成された圧縮機構 (100)と、電動機(図示せず) に駆動軸(111)が連結された駆動機構 (110)とを備えている。駆動軸(111)と圧縮機 構(100)は、スライドブッシュ(120)を介して連結されている。固定スクロール(101)及 び可動スクロール(102)は、それぞれ、鏡板(101a, 102a)と、各鏡板(101a, 102a)に 形成された渦巻き状のラップ(101b, 102b)とを有している。固定スクロール(101)は、 図示しないケーシングに固定され、可動スクロール(102)は、駆動軸(111)の回転中 心の周りで公転はするが自転はしないように構成されている。そして、可動スクロール (102)の公転動作により両スクロール(101, 102)間の圧縮室の容積が変化して、冷 媒などガスが圧縮されるようになって!/、る。
[0004] ここで、両スクロール(101, 102)のラップ(101b, 102b)の渦巻き形状は、予め定めら れた最適公転半径に基づいて設計されている。しかし、ラップ(101b, 102b)は、実際 には寸法公差の範囲内で僅かに(例えば数十ミクロン程度)波打っている。このため 、可動スクロール(102)を駆動軸(111)の偏心部(111a)に固定して公転半径を完全 に一定にすると、公転動作の際に両ラップ(101b, 102b)間で僅かにシール不可にな る部分が生じ、冷媒などのガスが漏れてしまうことがある。そこで、上記スライドブッシ
ュ(120)を用いた可変クランク機構は、可動スクロール(102)の公転時に常にラップ( 101b, 102b)同士が接した状態となるように、その公転半径 (クランク半径)を自動的 に調整するようにしている。
[0005] 上記スライドブッシュ(120)は、駆動軸(111) (クランク軸)の上端部分に設けられて V、る偏心部(111a)と、可動スクロール(102)の鏡板(102a)の下面に設けられて!/、る 筒状の軸受部(102c)との間に装着されている。スライドブッシュ(120)は、図 13にも 示すように、スリーブ(121)と、ノ ランスウェイト(122)と、連接部(123)とが一体に形成 されている。
[0006] スリーブ(121)は、駆動軸(111)の偏心部(11 la)に遊嵌し、かつ可動スクロール(
102)の軸受部(102c)には滑り軸受(130)を介して嵌合している。そして、該スリーブ( 121)は、駆動軸(111)の偏心部(111a)に対して可動スクロール(102)とともに駆動軸 ( 111 )の径方向ヘスライド可能に構成されて ヽる。上記偏心部(111a)の外周面とスラ イドブッシュ(120)の内周面には、駆動軸(111)に対するスライドブッシュ(120)のスラ イド動作を案内するためのガイド面(図示せず)が形成されていて、スリーブ(121)が 偏心部(111a)に対して回転しな 、ようになって 、る。
[0007] バランスウェイト(122)は、スリーブ(121)の外周側の一部分に位置し、連接部(123) はスリーブ(121)とバランスウェイト(122)とをスリーブ(121)の下端において連結して いる。なお、スリーブ(121)の外周面は、最適軸受プロファイルとして、例えば、軸方 向の中央部の直径が両端部よりも大きなクラウ-ング形状に形成されることがある。
[0008] 以上の構成において、駆動軸(111)が回転すると、その回転力がスライドブッシュ( 120)を介して可動スクロール(102)に伝達され、該可動スクロール(102)が公転する。 このとき、スライドブッシュが駆動軸に対して径方向へスライドすることにより、可動スク ロールの公転半径が調整される。
[0009] 可動スクロールの公転半径は、主に圧縮室内で圧縮される冷媒ガスの反力により 調整される。具体的には、圧縮室内で圧縮される冷媒ガスの反力の径方向成分は、 上記ガイド面に対して斜め方向に作用するようになっている。したがって、該ガス力の 分力のうち、上記ガイド面に直交する方向の分力によってスライドブッシュ(120)が駆 動軸(111)の偏心部(111a)に押し付けられ、かつ、上記ガイド面に沿った方向の分
力によってスライドブッシュ(120)のスライド動作が行われる。このことにより、上記ガス 力により可動スクロール(102)のラップ(102b)が固定スクロール(101)のラップ(101b) に圧接した状態となるように、公転半径が自動的に調整される。なお、スライドブッシ ュ(120)のバランスウェイト(122)は、可動スクロール(101)の遠心力を部分的または 全体的に相殺するような遠心力を発生させるために設けられて 、る。
[0010] 解決手段
しかし、上記の構成においては、駆動軸(111)の偏心部(111a)とスライドブッシュ( 120)のスリーブ(121)と可動スクロール(102)の軸受部(102c)による連結部分が、固 定スクロール(101)と可動スクロール(102)の間の圧縮室よりも下方に位置しているた めに、上記ガスの反力によりスライドブッシュ(120)を傾けるようなモーメントが発生す る。つまり、駆動軸(111)の偏心部(111a)にスライドブッシュ(120)を装着した状態で は図 13 (A)に示すようにスライドブッシュ(120)は傾斜しないが、運転中には上記モ 一メントの作用によりスライドブッシュ(120)が図 13 (B)に示すように傾斜してしまうこと になる。
[0011] そして、このことにより、駆動軸(111)の偏心部(111a)にたわみが生じ、滑り軸受( 130)に対してスライドブッシュ(120)が傾くことで片当たり(スライドブッシュ(120)の外 周面の一端が滑り軸受(130)の内周面に強く圧接する状態をいう)が起こり、滑り軸受 (130)の偏摩耗や焼き付き等の不具合が発生するおそれがあった。特に、過負荷運 転等の軸受負荷荷重が大きい条件では、滑り軸受(130)に対しスライドブッシュ(120 )の傾きが大きくなりやすいため、軸受負荷容量が低下し、軸受信頼性を大きく低下 させる要因となっていた。
[0012] 本発明は、このような問題点に鑑みて創案されたものであり、その目的は、スライド ブッシュを備えたスクロール圧縮機の軸受信頼性を高めることである。
発明の開示
[0013] 本発明は、駆動軸 (22)とスライドブッシュ(25)のガイド面を傾斜面にすることによつ て、運転時の偏心部(22b)の傾きを上記傾斜面で相殺して、運転中にスライドブッシ ュ(25)が傾かな!/、ようにしたものである。
[0014] 第 1の発明は、回転動作をする駆動軸 (22)の偏心部 (22b)と公転動作をする可動
スクロール (32)との間に偏心部(22b)の径方向へスライド可能に装着されるスライドブ ッシュ(25)を備えたスクロール流体機械を前提として 、る。
[0015] そして、このスクロール流体機械は、上記スライドブッシュ(25) 1S 上記偏心部(22b )に遊嵌するスリーブ (26)の内周面に、該スライドブッシュ(25)のスライド動作を案内 するスリーブ側平面部 (P1)を有し、上記駆動軸 (22)が、上記偏心部 (22b)の外周面 に、上記スリーブ側平面部 (P1)と協働する駆動軸側平面部 (P2)を有し、スリーブ側 平面部 (P1)と駆動軸側平面部 (P2)の少なくとも一方が傾斜面に形成され、上記偏 心部 (22b)の先端側力 基端側に向力うほど両平面部 (PI, P2)間の隙間が大きくな るように構成されて 、ることを特徴として 、る。
[0016] この第 1の発明では、運転時に駆動軸 (22)の偏心部(22b)にたわみが生じた場合 でも、スリーブ側平面部(P1)と駆動軸側平面部(P2)の少なくとも一方を傾斜面にし て 、るので、スリーブ (26)の中心線を駆動軸 (22)の中心線と平行に維持することが できる。このことにより、スライドブッシュ (25)が傾くのを防止できるので、軸受に対す る片当たりを防止できる。
[0017] 第 2の発明は、第 1の発明のスクロール流体機械において、スリーブ側平面部(P1) 力 スリーブ (26)の中心線を通る平面と平行な平面に形成され、駆動軸側平面部( P2)は、偏心部(22b)の中心線から該駆動軸側平面部(P2)までの径方向寸法が、該 偏心部 (22b)の先端側寸法 (W1)よりも基端側寸法 (W2)の方が小さ ヽ寸法となる傾 斜面に形成されて 、ることを特徴として 、る。
[0018] 第 3の発明は、第 1の発明のスクロール流体機械において、スリーブ側平面部(P1) は、スリーブ (26)の中心線力 該スリーブ側平面部(P1)までの径方向寸法力 該スリ ーブ (26)の先端側寸法 (XI)よりも基端側寸法 (X2)の方が大き!/、寸法となる傾斜面 に形成され、駆動軸側平面部 (P2)は、偏心部 (22b)の中心線を通る平面と平行な平 面に形成されて 、ることを特徴として 、る。
[0019] 第 4の発明は、第 1の発明のスクロール流体機械において、スリーブ側平面部(P1) は、スリーブ (26)の中心線力 該スリーブ側平面部(P1)までの径方向寸法力 該スリ ーブ (26)の先端側寸法 (XI)よりも基端側寸法 (X2)の方が大き!/、寸法となる傾斜面 に形成され、駆動軸側平面部 (P2)は、偏心部 (22b)の中心線から該駆動軸側平面
部 (P2)までの径方向寸法が、該偏心部 (22b)の先端側寸法 (W1)よりも基端側寸法(
W2)の方が小さ ヽ寸法となる傾斜面に形成されて!ヽることを特徴として ヽる。
[0020] 上記第 2から第 4の発明にお 、ては、スリーブ側平面部 (P1)と駆動軸側平面部 (P2
)の一方または両方を傾斜面にしているので、スライドブッシュ(25)が傾くのを容易に 防止できる。
[0021] —効果—
上記第 1の発明によれば、スリーブ側平面部 (P1)と駆動軸側平面部 (P2)の少なく とも一方を傾斜面にしているので、運転時に駆動軸 (22)の偏心部(22b)にたわみが 生じた場合でも、スリーブ (26)の中心線を駆動軸 (22)の中心線と平行に維持するこ とが可能となり、スライドブッシュ(25)が傾くのを防止できる。したがって、軸受に対す るスライドブッシュ (25)の片当たりを防止できるので、軸受の偏摩耗や焼き付き等の 不具合を防止できる。また、過負荷運転等の軸受荷重が大きい条件でも、軸受負荷 容量が低下するのを防止できるため、軸受信頼性を高められる。
[0022] 上記第 2の発明によれば、駆動軸側平面部 (P2)を傾斜面にして 、るので、スライド ブッシュ (25)が傾くのを確実に防止できる。したがって、軸受の偏摩耗や焼き付き等 の不具合を防止でき、軸受信頼性を高められる。
[0023] 上記第 3の発明によれば、スリーブ側平面部(P1)を傾斜面にしているので、スライド ブッシュ (25)が傾くのを確実に防止できる。したがって、軸受の偏摩耗や焼き付き等 の不具合を防止でき、軸受信頼性を高められる。
[0024] 上記第 4の発明によれば、スリーブ側平面部 (P1)と駆動軸側平面部 (P2)を傾斜面 にしているので、スライドブッシュ(25)が傾くのを確実に防止できる。したがって、軸受 の偏摩耗や焼き付き等の不具合を防止でき、軸受信頼性を高められる。
図面の簡単な説明
[0025] [図 1]本発明の実施形態 1に係るスクロール圧縮機の構造を示す縦断面図である。
[図 2]駆動軸と可動スクロールの連結構造を示す拡大図であり、図 2 (A)は図 2 (B)の A-A線断面図、図 2 (B)は縦断面図である。
[図 3]駆動軸にスライドブッシュを装着した状態の拡大断面図であり、図 3 (A)は静止 状態を示し、図 3 (B)は運転状態を示している。
[図 4]滑り軸受に対するスライドブッシュの傾斜角度と軸受負荷容量との関係を示す グラフである。
[図 5]実施形態 1における軸受の特性図であり、 (A)図が滑り軸受に対するスライドブ ッシュの傾斜角度と軸受負荷との関係を示すグラフ、 (B)図が軸受負荷と軸受負荷 容量との関係を示すグラフである。
[図 6]従来技術における軸受の特性図であり、 (A)図が滑り軸受に対するスライドブッ シュの傾斜角度と軸受負荷との関係を示すグラフ、 (B)図が軸受負荷と軸受負荷容 量との関係を示すグラフである。
[図 7]実施形態 1の変形例において駆動軸にスライドブッシュを装着した状態の拡大 断面図であり、図 7 (A)は静止状態を示し、図 7 (B)は運転状態を示している。
[図 8]実施形態 2において駆動軸にスライドブッシュを装着した状態の拡大断面図で あり、図 8 (A)は静止状態を示し、図 8 (B)は運転状態を示している。
[図 9]実施形態 2の変形例において駆動軸にスライドブッシュを装着した状態の拡大 断面図であり、図 9 (A)は静止状態を示し、図 9 (B)は運転状態を示している。
[図 10]実施形態 3において駆動軸にスライドブッシュを装着した状態の拡大断面図で あり、図 10 (A)は静止状態を示し、図 10 (B)は運転状態を示している。
[図 11]実施形態 3の変形例において駆動軸にスライドブッシュを装着した状態の拡大 断面図であり、図 11 (A)は静止状態を示し、図 11 (B)は運転状態を示している。
[図 12]従来のスクロール圧縮機における可動スクロールと駆動軸との連結部分の概 略構造を示す断面図である。
[図 13]図 12のスクロール圧縮機において駆動軸にスライドブッシュを装着した状態の 拡大断面図であり、図 13 (A)は静止状態を示し、図 13 (B)は運転状態を示している
発明を実施するための最良の形態
[0026] 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[0027] 《発明の実施形態 1》
図 1は、本実施形態に係るスクロール圧縮機(1)の構造を示す縦断面図である。こ のスクロール圧縮機(1)は、図示していないが、例えば空気調和装置等の蒸気圧縮
式冷凍サイクルを行う冷凍装置の冷媒回路において、蒸発器力 吸入した低圧の冷 媒を圧縮して凝縮器へ送り出すのに用いられる。このスクロール圧縮機(1)は、図 1 に示すように、ケーシング(10)の内部に、駆動機構 (20)と圧縮機構 (30)とを備えて いる。上記圧縮機構 (30)はケーシング (10)内の上部側に配設され、駆動機構 (20) はケーシング(10)内の下部側に配設されて 、る。
[0028] ケーシング(10)は、円筒状のケーシング本体(11)と、ケーシング本体(11)の上端 部に固定された上部鏡板(12)と、ケーシング本体(11)の下端部に固定された下部 鏡板(13)とを有している。また、ケーシング(10)には、冷媒の吸入管(14)が下部に、 吐出管(15)が上部に設けられている。これらの吸入管(14)及び吐出管(15)は、詳細 は図示していないが上記圧縮機構 (30)にケーシング(10)内の空間を介して連通し ている。また、吸入管(14)は上記冷媒回路の蒸発器に、吐出管(15)は凝縮器に接 続されている。
[0029] 上記ケーシング(10)内には、圧縮機構 (30)のすぐ下方に上部ハウジング(16)が固 定されている。また、該ケーシング(10)内には、駆動機構 (20)の下方に下部ハウジ ング(17)が固定されている。
[0030] 駆動機構 (20)は、電動機 (21)と、電動機 (21)に連結された駆動軸 (22)とから構成 されている。電動機 (21)は、上記上部ハウジング(16)及び下部ハウジング(17)を介 してケーシング本体(11)に固定された環状のステータ(23)と、このステータ(23)の内 周側に装着されたロータ (24)とを備え、ロータ (24)に上記駆動軸 (22)が連結されて いる。この駆動軸 (22)は、上部ハウジング(16)の転がり軸受(18)と、下部ハウジング (17)の転がり軸受(19)とによって、回転可能に支持されて 、る。
[0031] 上記駆動軸 (22)には、その軸方向に沿って主給油路 (22c)が形成されている。ま た、駆動軸 (22)の下端部には給油ポンプ (22d)が設けられていて、ケーシング(10) 内の下部に貯留する冷凍機油を該駆動軸 (22)の回転に伴って汲み上げるように構 成されている。主給油路 (22c)は、駆動軸 (22)の内部を上下方向に延びるとともに、 給油ポンプ (22d)が汲み上げた冷凍機油を各摺動部分へ供給するように、各部に設 けられた給油口(図示せず)と連通している。
[0032] 圧縮機構 (30)は、上部ハウジング(16)に固定された固定スクロール (31)と、この固
定スクロール (31)に対して可動に構成された可動スクロール (32)とを有している。固 定スクロール (31)は、上部ハウジング(16)にボルトなどの締結手段で固定された固 定側鏡板 (31a)と、この固定側鏡板 (31a)に一体的に形成された渦巻き状 (インボリュ ート状)のラップ (31b)とを有している。可動スクロール (32)は、可動側鏡板 (32a)と、 この可動側鏡板 (32a)に一体的に形成された渦巻き状 (インボリユート状)のラップ( 32b)とを有している。
[0033] 固定スクローノレ (31)のラップ(31b)と可動スクローノレ (32)のラップ(32b)とは互いに 嚙み合っている。固定側鏡板 (31a)と可動側鏡板 (32b)との間には、両ラップ (31b, 32b)の接触部の間が圧縮室 (33)として構成されている。この圧縮室 (33)は、可動ス クロール (32)が駆動軸(22)を中心として公転するのに伴って、両ラップ (31b, 32b)間 の容積が拡大する際に冷媒を吸入し、該容積が収縮する際に冷媒を圧縮するように 構成されている。
[0034] 圧縮室(33)の外周縁部には吸入口(33a)が形成され、該吸入口(33a)はケーシン グ(10)内における圧縮機構 (30)の下方の空間 (低圧空間)を介して吸入管(14)と連 通している。また、圧縮室 (33)の中心部には吐出口(33b)が形成され、該吐出口( 33b)はケーシング(10)内における圧縮機構 (30)の上方の空間(高圧空間)を介して 吐出管(15)と連通している。
[0035] そして、可動スクロール (32)の公転時には、上記蒸発器から吸入管(14)を介して 圧縮室 (33)に吸い込まれた冷媒が圧縮されて高圧になり、この高圧の冷媒が吐出管 (15)から吐出されて上記凝縮器へ供給される。
[0036] 上記駆動軸 (22)の上端部分には、径方向外方へ張り出した受け部 (22a)と、該駆 動軸 (22)の回転中心に対して可動スクロール (32)の最適公転半径に対応する寸法 で偏心した偏心部(22b)とが形成されて 、る。一方、可動スクロール (32)の可動側鏡 板 (32a)には、その下面に、上記偏心部(22b)と同一中心上に位置するように、円筒 状の軸受部 (嵌合部) (32c)が形成されている。この軸受部(32c)は、その内径寸法 が上記偏心部 (22b)の外径寸法よりも大きく形成されて!ヽる。
[0037] 上記偏心部(22b)と軸受部(32c)とは、スライドブッシュ(25)を介して連結されて!、 る。また、スライドブッシュ (25)と軸受部 (32c)の間には、滑り軸受 (29)が装着されて
いる。上記構成において、駆動軸 (22)が回転することにより偏心部(22b)が所定の周 回軌道上を旋回 (公転)すると、可動スクロール (32)が公転する。ここで、可動スクロ ール(32)と上部ハウジング(16)との間には、可動スクロール(32)の自転を阻止する 機構としてオルダム継手 (34)が設けられている。このオルダム継手 (34)により、駆動 軸 (22)が回転したときには、可動スクロール (32)は自転をせずに駆動軸 (22)を中心 として公転のみを行う。
[0038] 次に、上記スライドブッシュ (25)と駆動軸 (22)との連結構造について説明する。図 2 は上記連結構造を示す拡大図であり、図 2 (A)は図 2 (B)の A - A線断面図、図 2 (B) は上記連結構造の縦断面図である。
[0039] このスライドブッシュ(25)は、駆動軸 (22)の偏心部(22b)に遊嵌するように形成され たスリーブ(26)と、このスリーブ (26)の側方に位置するバランスウェイト(27)と、スリー ブ (26)とバランスウェイト (27)とをその下端側で連結する連接部 (28)とを有して ヽる。
[0040] スリーブ (26)の内周面にはスリーブ側平面部(P1)が設けられ、偏心部(22b)の外 周面には、駆動軸側平面部(P2)が設けられている。両平面部(PI, P2)は、スライド ブッシュ (25)のスライド動作を案内するガイド面として互いに接している。そして、上 記スリーブ (26)を駆動軸 (22)の偏心部 (22b)に装着した状態で駆動軸 (22)が回転 する際に、スライドブッシュ(26)が上記平面部(PI, P2)に沿ってスライドすることによ り、可動スクロール (32)の旋回半径が変化する。このように、上記スライドブッシュ(25 )は、駆動軸 (22)のクランク半径を自動的に調整するための可変クランク機構を構成 している。
[0041] 図 3 (A)に示すように、上記スリーブ側平面部(P1)は、スリーブ (26)の中心線を通 る平面と平行な平面に形成されている。一方、上記駆動軸側平面部 (P2)は、偏心部 (22b)の中心線から該駆動軸側平面部 (P2)までの径方向寸法が、該偏心部 (22b) の先端側寸法 (W1)よりも基端側寸法 (W2)の方が小さ 、寸法となる傾斜面になって おり、基端側 (受け部 (22a)側)と先端側の間で傾斜している。したがって、スライドブ ッシュ(26)を偏心部(22b)に装着した図 3 (A)の状態では、スリーブ側平面部(P1)と 駆動軸側平面部 (P2)との間には、上記偏心部 (22b)の先端側力 基端側に向力うほ ど大きくなる隙間が形成されている。
[0042] なお、図は駆動軸側平面部(P2)の傾斜を誇張して表して 、る。
[0043] 運転動作
次に、この実施形態 1のスクロール圧縮機(1)の運転動作について説明する。
[0044] まず、電動機 (21)を起動すると、ロータ (24)の回転に伴って駆動軸 (22)が回転す る。駆動軸 (22)の回転力は、上記スライドブッシュ(25)を介して可動スクロール (32) に伝達される。可動スクロール (32)は、オルダム継手 (34)により自転が禁止されてい るため、駆動軸 (22)の回転中心の周りで自転せずに公転だけを行う。そして、可動ス クロール (32)のこの公転動作により、固定スクロール (31)と可動スクロール (32)の間 の圧縮室 (33)の容積が変化する。
[0045] このことにより、圧縮室 (33)では、その容積変化に伴って、吸入管(14)から低圧の 冷媒が吸引されるとともに該冷媒が圧縮される。冷媒は高圧になり、吐出管(15)から 吐出された後、冷媒回路において凝縮、膨張、蒸発の各行程を経て、再度吸入管( 14)から吸入されて圧縮される作用が繰り返される。
[0046] ここで、上記可変クランク機構にぉ 、て、スライドブッシュ(25)は、駆動軸 (22)の偏 心部(22b)に遊嵌しているため、上記平面部(PI, P2)に沿って偏心部(22b)の径方 向へスライド可能である。したがって、駆動軸 (22)の回転時には、圧縮室 (33)内で圧 縮される冷媒ガスの反力の径方向成分により、スライドブッシュ (25)がガイド面 (P1, P2)に沿ってスライドし、両スクロール (31, 32)のラップ (31b,2b)同士が密接した状態 に保持される。このことにより、圧縮室 (33)内において高圧側力 低圧側への冷媒の 漏れが発生せず、効率のよい圧縮動作が行われる。
[0047] 次に、駆動軸 (22)の回転時のスライドブッシュ (25)の動作にっ 、て具体的に説明 する。
[0048] まず、圧縮機(1)の運転時に駆動軸 (22)が回転すると、圧縮室 (33)内で圧縮され ている冷媒ガスの反力の径方向成分が上記スライドブッシュ(25)に作用して、スリー ブ側平面部 (P1)が駆動軸側平面部 (P2)に圧接する。そして、これらの平面部 (P1, P2)と直交する方向に作用するガス力の分力により、駆動軸 (22)の偏心部(22b)に僅 力なたわみが発生する(図 3 (B) )。このとき、駆動軸 (22)の偏心部(22b)とスライドブ ッシュ(25)とは、スリーブ側平面部(P1)と駆動軸側平面部(P2)とが全面で均一に接
触する。したがって、スリーブ (26)の中心線は駆動軸 (22)の中心線と平行となる。こ のため、スリーブ (26)と滑り軸受(29)に片当たりが生じていた従来の構造とは違って 、可変クランク機構の動作の安定性が向上する。
[0049] 一実施形態 1の効果
この実施形態 1によれば、運転時にスライドブッシュ(25)が傾かず、滑り軸受(29)に 対するスライドブッシュ (25)の片当たりが防止できる。このため、滑り軸受 (29)の偏摩 耗ゃ焼き付き等の不具合が発生するのを防止できる。特に、過負荷運転等の軸受負 荷荷重が大きい条件であっても、滑り軸受 (29)に対しスライドブッシュ (25)の傾きが ほとんど生じないので、軸受負荷容量が低下せず、軸受信頼性を高められる。
[0050] この点について、図 4から図 6を参照して具体的に説明する。図 4は、滑り軸受(29) に対するスライドブッシュ (25)の傾斜角度が変化したときに、軸受負荷容量がどのよ うに変化するかを表すグラフである。この図から明らかなように、滑り軸受 (29)に対す るスライドブッシュ (25)の傾斜角度が小さいほど軸受負荷容量が大きぐ逆に傾斜角 度が大きくなると軸受負荷容量が小さくなることが分力る。
[0051] 図 5及び図 6は、それぞれ、 (A)図が滑り軸受に対するスライドブッシュ (25)の傾斜 角度と軸受負荷との関係を示すグラフ、 (B)図が軸受負荷と軸受負荷容量との関係 を示すグラフである。また、図 5は本実施形態における特性を示し、図 6は比較例とし てガイド面を傾斜させて 、ない図 13のものの特性を示して!/、る。
[0052] 図 6に示すように、従来の構造では、軸受負荷荷重が大きくなると、滑り軸受(29)に 対するスライドブッシュ (25)の傾斜角度が大きくなり、軸受負荷容量が低下して軸受 信頼性が低下するが、本実施形態の構造では、軸受負荷荷重が大きくなると、駆動 軸側平面部(P2)を傾斜させているので、図 5に示すように、滑り軸受(29)に対するス ライドブッシュ) 25)の傾斜角度が小さくなる。また、軸受負荷荷重が大きくなると軸受 負荷容量も大きくなるので、軸受の信頼性が向上する。
[0053] 一実施形態 1の変形例
スライドブッシュ(25)は、図 7に示すように、ノランスウェイトが設けられていない構 成であってもよい。具体的に、このスライドブッシュ(25)は、駆動軸 (22)の偏心部( 22b)に遊嵌するように形成されたスリーブ (26)のみ力も構成されて 、る。
[0054] スリーブ (26)の内周面は、図 2及び図 3に示したものと同じ構造である。具体的には 、スリーブ (26)の内周面にはスリーブ側平面部(P1)が設けられ、偏心部(22b)の外 周面の駆動軸側平面部 (P2)とともに、スライドブッシュ (25)のスライド動作を案内する ガイド面を構成している。そして、上記スリーブ (26)を駆動軸 (22)の偏心部(22b)に 装着した状態で駆動軸 (22)が回転する際に、スライドブッシュ (26)が上記平面部 (P1 , P2)に沿ってスライドすることにより、可動スクロール (32)の旋回半径が変化する。
[0055] 図 7 (A)に示すように、上記スリーブ側平面部(P1)は、スリーブ (26)の中心線を通 る平面と平行な平面に形成されている。一方、上記駆動軸側平面部 (P2)は、偏心部 (22b)の中心線から該駆動軸側平面部 (P2)までの径方向寸法が、該偏心部 (22b) の先端側寸法 (W1)よりも基端側寸法 (W2)の方が小さ 、寸法となる傾斜面になって おり、基端側 (受け部 (22a)側)と先端側の間で傾斜している。したがって、スライドブ ッシュ(26)を偏心部(22b)に装着した図 7 (A)の状態では、スリーブ側平面部(P1)と 駆動軸側平面部 (P2)との間には、上記偏心部 (22b)の先端側力 基端側に向力うほ ど大きくなる隙間が形成されている。
[0056] なお、図が駆動軸側平面部(P2)の傾斜を誇張して表して 、る点は、図 3の例と同 様である。
[0057] スライドブッシュ(25)をこのように構成しても、運転時にスライドブッシュ (25)が傾か ず、滑り軸受 (29)に対するスライドブッシュ (25)の片当たりを防止できる。このため、 滑り軸受 (29)の偏摩耗や焼き付き等の不具合が発生するのを防止できる。そして、 過負荷運転等の軸受負荷荷重が大きい条件であっても、滑り軸受 (29)に対しスライ ドブッシュ(25)の傾きがほとんど生じないので、軸受負荷容量が低下せず、軸受信 頼性を高められる。
[0058] 《発明の実施形態 2》
本発明の実施形態 2は、駆動軸 (22)の偏心部 (22b)及びスライドブッシュ (25)を実 施形態 1とは異なる構造にした例である。
[0059] 図 8に示すように、このスライドブッシュ(25)は、駆動軸(22)の偏心部(22b)に遊嵌 するように形成されたスリーブ (26)と、このスリーブ (26)の側方に位置するバランスゥ エイト (27)と、スリーブ (26)とバランスウェイト (27)とをその下端側で連結する連接部(
28)とを有している。
[0060] スリーブ (26)の内周面にはスリーブ側平面部(P1)が設けられ、偏心部(22b)の外 周面には、駆動軸側平面部(P2)が設けられている。両平面部(PI, P2)は、スライド ブッシュ (25)のスライド動作を案内するガイド面として互いに接している。そして、上 記スリーブ (26)を駆動軸 (22)の偏心部 (22b)に装着した状態で駆動軸 (22)が回転 する際に、スライドブッシュ(26)が上記平面部(PI, P2)に沿ってスライドすることによ り、可動スクロール (32)の旋回半径が変化する。
[0061] 図 8 (A)に示すように、上記駆動軸側平面部(P2)は、偏心部(22b)の中心線を通る 平面と平行な平面に形成されている。一方、スリーブ側平面部(P1)は、スリーブ (26) の中心線力 該スリーブ側平面部(P1)までの径方向寸法が、該スリーブ (26)の先端 側寸法 (XI)よりも基端側寸法 (X2)の方が大きい寸法となる傾斜面になっており、基 端側 (受け部 (22a)側)と先端側の間で傾斜して!/、る。したがって、スライドブッシュ( 26)を偏心部 (22b)に装着した図 8 (A)の状態では、スリーブ側平面部 (P1)と駆動軸 側平面部(P2)との間には、上記偏心部(22b)の先端側力 基端側に向力うほど大き くなる隙間が形成されている。
[0062] なお、図はスリーブ側平面部(P1)の傾斜を誇張して表して 、る。
[0063] この実施形態 2においても、圧縮機(1)の運転時に駆動軸 (22)が回転すると、圧縮 室 (33)内で圧縮されて 、る冷媒ガスの反力の径方向成分が上記スライドブッシュ(25 )に作用して、スリーブ側平面部 (P1)が駆動軸側平面部 (P2)に圧接する。そして、こ れらの平面部(PI, P2)と直交する方向に作用するガス力の分力により、駆動軸 (22) の偏心部 (22b)に僅かなたわみが発生する(図 3 (B) )。このとき、駆動軸 (22)の偏心 部(22b)とスライドブッシュ(25)とは、スリーブ側平面部(P1)と駆動軸側平面部(P2)と が全面で均一に接触する。したがって、スリーブ (26)の中心線は駆動軸(22)の中心 線と平行となる。このため、スリーブ (26)と滑り軸受(29)に片当たりが生じていた従来 の構造とは違って、可変クランク機構の動作の安定性が向上する。
[0064] このように、実施形態 2によれば、実施形態 1と同様に、運転時にスライドブッシュ( 25)が傾かず、滑り軸受 (29)に対するスライドブッシュ (25)の片当たりが防止できる。 このため、滑り軸受 (29)の偏摩耗や焼き付き等の不具合が発生するのを防止できる
。特に、過負荷運転等の軸受負荷荷重が大きい条件であっても、滑り軸受 (29)に対 しスライドブッシュ(25)の傾きがほとんど生じな 、ので、軸受負荷容量が低下せず、 軸受信頼性を高められる。
[0065] 一実施形態 2の変形例
スライドブッシュ(25)は、図 9に示すように、ノ ランスウェイトが設けられていない構 成であってもよい。具体的に、このスライドブッシュ(25)は、駆動軸 (22)の偏心部( 22b)に遊嵌するように形成されたスリーブ (26)のみ力も構成されて 、る。
[0066] スリーブ (26)の内周面は、図 8に示したものと同じ構造である。具体的には、スリー ブ (26)の内周面にはスリーブ側平面部(P1)が設けられ、偏心部(22b)の外周面の駆 動軸側平面部 (P2)とともに、スライドブッシュ (25)のスライド動作を案内するガイド面 を構成して!/、る。そして、上記スリーブ (26)を駆動軸 (22)の偏心部(22b)に装着した 状態で駆動軸 (22)が回転する際に、スライドブッシュ (26)が上記平面部 (PI, P2)に 沿ってスライドすることにより、可動スクロール (32)の旋回半径が変化する。
[0067] 図 9 (A)に示すように、上記駆動軸側平面部(P2)は、偏心部(22b)の中心線を通る 平面と平行な平面に形成されている。一方、スリーブ側平面部(P1)は、スリーブ (26) の中心線力 該スリーブ側平面部(P1)までの径方向寸法が、該スリーブ (26)の先端 側寸法 (XI)よりも基端側寸法 (X2)の方が大きい寸法となる傾斜面になっており、基 端側 (受け部 (22a)側)と先端側の間で傾斜して!/、る。したがって、スライドブッシュ( 26)を偏心部 (22b)に装着した図 9 (A)の状態では、スリーブ側平面部 (P1)と駆動軸 側平面部(P2)との間には、上記偏心部(22b)の先端側力 基端側に向力うほど大き くなる隙間が形成されている。
[0068] なお、図がスリーブ側平面部(P1)の傾斜を誇張して表している点は、図 8の例と同 様である。
[0069] スライドブッシュ(25)をこのように構成しても、運転時にスライドブッシュ (25)が傾か ず、滑り軸受 (29)に対するスライドブッシュ (25)の片当たりを防止できる。このため、 滑り軸受 (29)の偏摩耗や焼き付き等の不具合が発生するのを防止できる。そして、 過負荷運転等の軸受負荷荷重が大きい条件であっても、滑り軸受 (29)に対しスライ ドブッシュ(25)の傾きがほとんど生じないので、軸受負荷容量が低下せず、軸受信
頼性を高められる。
[0070] 《発明の実施形態 3》
本発明の実施形態 3は、駆動軸 (22)の偏心部 (22b)及びスライドブッシュ (25)を実 施形態 1, 2とは異なる構造にした例である。
[0071] 図 10に示すように、このスライドブッシュ(25)は、駆動軸(22)の偏心部(22b)に遊 嵌するように形成されたスリーブ (26)と、このスリーブ (26)の側方に位置するバランス ウェイト (27)と、スリーブ (26)とバランスウェイト (27)とをその下端側で連結する連接 部(28)とを有している。
[0072] スリーブ (26)の内周面にはスリーブ側平面部(P1)が設けられ、偏心部(22b)の外 周面には、駆動軸側平面部(P2)が設けられている。両平面部(PI, P2)は、スライド ブッシュ (25)のスライド動作を案内するガイド面として互いに接している。そして、上 記スリーブ (26)を駆動軸 (22)の偏心部 (22b)に装着した状態で駆動軸 (22)が回転 する際に、スライドブッシュ(26)が上記平面部(PI, P2)に沿ってスライドすることによ り、可動スクロール (32)の旋回半径が変化する。
[0073] 図 10 (A)に示すように、上記駆動軸側平面部(P2)は、偏心部(22b)の中心線から 該駆動軸側平面部 (P2)までの径方向寸法が、該偏心部 (22b)の先端側寸法 (W1) よりも基端側寸法 (W2)の方が小さい寸法となる傾斜面になっており、基端側 (受け部 (22a)側)と先端側の間で傾斜して 、る。一方、スリーブ側平面部(P1)は、スリーブ( 26)の中心線力 該スリーブ側平面部(P1)までの径方向寸法が、該スリーブ (26)の 先端側寸法 (XI)よりも基端側寸法 (X2)の方が大きい寸法となる傾斜面になっており 、基端側 (受け部 (22a)側)と先端側の間で傾斜している。したがって、スライドブッシ ュ (26)を偏心部 (22b)に装着した図 10 (A)の状態では、スリーブ側平面部 (P1)と駆 動軸側平面部 (P2)との間には、上記偏心部 (22b)の先端側力 基端側に向力うほど 大きくなる隙間が形成されている。
[0074] なお、図は駆動軸側平面部(P2)及びスリーブ側平面部(P1)の傾斜を誇張して表し ている。
[0075] この実施形態 2においても、圧縮機(1)の運転時に駆動軸 (22)が回転すると、圧縮 室 (33)内で圧縮されて 、る冷媒ガスの反力の径方向成分が上記スライドブッシュ(25
)に作用して、スリーブ側平面部 (P1)が駆動軸側平面部 (P2)に圧接する。そして、こ れらの平面部(PI, P2)と直交する方向に作用するガス力の分力により、駆動軸 (22) の偏心部 (22b)に僅かなたわみが発生する(図 3 (B) )。このとき、駆動軸 (22)の偏心 部(22b)とスライドブッシュ(25)とは、スリーブ側平面部(P1)と駆動軸側平面部(P2)と が全面で均一に接触する。したがって、スリーブ (26)の中心線は駆動軸(22)の中心 線と平行となる。このため、スリーブ (26)と滑り軸受(29)に片当たりが生じていた従来 の構造とは違って、可変クランク機構の動作の安定性が向上する。
[0076] このように、実施形態 3によれば、実施形態 1, 2と同様に、運転時にスライドブッシ ュ (25)が傾かず、滑り軸受 (29)に対するスライドブッシュ (25)の片当たりが防止でき る。このため、滑り軸受 (29)の偏摩耗や焼き付き等の不具合が発生するのを防止で きる。特に、過負荷運転等の軸受負荷荷重が大きい条件であっても、滑り軸受 (29) に対しスライドブッシュ(25)の傾きがほとんど生じないので、軸受負荷容量が低下せ ず、軸受信頼性を高められる。
[0077] 一実施形態 3の変形例
スライドブッシュ(25)は、図 11に示すように、バランスウェイトが設けられて 、な ヽ構 成であってもよい。具体的に、このスライドブッシュ(25)は、駆動軸 (22)の偏心部( 22b)に遊嵌するように形成されたスリーブ (26)のみ力も構成されて 、る。
[0078] スリーブ (26)の内周面は、図 8に示したものと同じ構造である。具体的には、スリー ブ (26)の内周面にはスリーブ側平面部(P1)が設けられ、偏心部(22b)の外周面の駆 動軸側平面部 (P2)とともに、スライドブッシュ (25)のスライド動作を案内するガイド面 を構成して!/、る。そして、上記スリーブ (26)を駆動軸 (22)の偏心部(22b)に装着した 状態で駆動軸 (22)が回転する際に、スライドブッシュ (26)が上記平面部 (PI, P2)に 沿ってスライドすることにより、可動スクロール (32)の旋回半径が変化する。
[0079] 図 11 (A)に示すように、上記駆動軸側平面部(P2)は、偏心部(22b)の中心線から 該駆動軸側平面部 (P2)までの径方向寸法が、該偏心部 (22b)の先端側寸法 (W1) よりも基端側寸法 (W2)の方が小さい寸法となる傾斜面になっており、基端側 (受け部 (22a)側)と先端側の間で傾斜して 、る。一方、スリーブ側平面部(P1)は、スリーブ( 26)の中心線力 該スリーブ側平面部(P1)までの径方向寸法が、該スリーブ (26)の
先端側寸法 (XI)よりも基端側寸法 (X2)の方が大きい寸法となる傾斜面になっており 、基端側 (受け部 (22a)側)と先端側の間で傾斜している。したがって、スライドブッシ ュ (26)を偏心部 (22b)に装着した図 11 (A)の状態では、スリーブ側平面部 (P1)と駆 動軸側平面部 (P2)との間には、上記偏心部 (22b)の先端側力 基端側に向力うほど 大きくなる隙間が形成されている。
[0080] なお、図がスリーブ側平面部(P1)及び駆動軸側平面部(P2)の傾斜を誇張して表し ている点は、図 10の例と同様である。
[0081] スライドブッシュ(25)をこのように構成しても、運転時にスライドブッシュ (25)が傾か ず、滑り軸受 (29)に対するスライドブッシュ (25)の片当たりを防止できる。このため、 滑り軸受 (29)の偏摩耗や焼き付き等の不具合が発生するのを防止できる。そして、 過負荷運転等の軸受負荷荷重が大きい条件であっても、滑り軸受 (29)に対しスライ ドブッシュ(25)の傾きがほとんど生じないので、軸受負荷容量が低下せず、軸受信 頼性を高められる。
[0082] 《その他の実施形態》
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
[0083] 例えば、上記各実施形態では、スライドブッシュ(25)のスリーブ (26)を外周面の直 径が一定の真っ直ぐな円筒形状として説明したが、外周面の直径が両端部よりも中 央部にお 、て若干大きくなるクラウユング形状としてもよ!、。
[0084] また、上記各実施形態ではスクロール圧縮機につ!、て説明したが、本発明はスクロ ール膨張機にも適用可能である。
産業上の利用可能性
[0085] 以上説明したように、本発明は、駆動軸と可動スクロールとの連結部にスライドブッ シュを備えたスクロール流体機械について有用である。