明 細 書
酸化 LDL受容体 LOX— 1の酸化 LDL認識ドメインの結晶およびその立 体構造ならびにその利用
技術分野
[0001] 本発明は、医薬品および立体構造の分野に関する。より詳細には、本発明は、酸 化 LDL (Low Density Lipoprotein)受容体 LOX— 1の新規結晶および医薬探 索におけるその利用に関する。
[0002] より詳細には、本発明は、動脈硬化の予防または治療のための医薬開発に有用な 酸化 LDL受容体タンパク質の酸化 LDL認識ドメインの結晶およびこの結晶を用いて X線結晶構造解析により得られた酸化 LDL認識ドメインの立体構造に関する。
[0003] 以下に本発明の詳細な説明を記載する。
背景技術
[0004] 動脈硬化は、狭心症、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症、脳血管障害、腎不全を引き 起こし、生命を危機にさらす血管病である。血管の動脈硬化性変化は年齢と共に漸 次進行する血管の「老化」と言われるが、これは上記の様々な疾病の原因となるため に老齢の人の生活の質を脅かす元凶であり、動脈硬化症の予防 *治療法の開発は 高齢化社会にある現代にぉ ヽては重要な課題である。動脈硬化発症には血液中の 酸化 LDL (低密度リポタンパク質)が主要な原因物質であることが分力つている。血 液中の酸化 LDL含量は動脈硬化罹患者では健常者よりも明らかに高いことが知られ ており、血液中の酸化 LDL含量は動脈硬化診断の際のリスクマーカーとされている( 非特許文献 4 : Suzuki, T. et al., Clinical Biochemistry 35, 347-353 (2002)) 0血液中 の酸化 LDLは血管内皮細胞上にある酸化 LDL受容体である LOX-1に結合するこ とで血管内皮細胞中には ROS (reactive oxygen species)が増加し酸化ストレス 応答反応が誘導される(非特許文献 5 : Cominacini,し et al., J. Biol. Chem. 275, 12633-12638 (2000))。 ROSによる酸化ストレス応答の結果、血管内皮細胞上にある 細胞接着タンパク質 (ICAM-1など)の発現量の増加が誘導される。細胞表層上に 細胞接着タンパク質が増えることにより血液中の単球 (monocyte)の血管内皮細胞
上への滞留が増加することになる(非特許文献 6 : Am J Physiol Cell Physiol. 280, C719-C741 (2001)) o酸化ストレス応答は同時に血管壁を形成する血管内皮細胞間 に介在する cadherinを内在化させるために血管内皮細胞間のつながりが弱まり血管 壁に間隙が生じることになる。細胞接着タンパク質の増産により血管壁上に大量に滞 留している単球は、 cadherin内在化によって顕在化した血管壁の間隙を通して血管 内皮組織に容易に侵入できるようになり血管内皮組織中での単球の滞留が増えるこ とになる(非特許文献 7 : Khan BV et al., J Clin Invest, 95, 1262-1270 (1995))。同時 に、この血管壁の間隙をとおして血液中の LDLも血管内皮組織中に大量に侵入す ることになる。抗酸ィ匕物質が多く存在する血液中とは異なり、血管内皮組織に入り込 んだ LDLは容易に酸ィ匕され酸化 LDLが大量に血管内皮組織中に形成される。酸ィ匕 LDLは血管内皮組織に進入した単球をマクロファージに分ィ匕させると同時に、マクロ ファージをさらに増殖させる働きを持つ (非特許文献 8 : Martens, JS et al. J. Biol. Chem. 274, 10903- 10910 (1999))。マクロファージ表層にあるスカベンジャー受容体 (CD36, LOX— 1など)との結合を通してマクロファージは血管内皮組織中で形成さ れた酸化 LDLを再現なく取り込み、最終的にマクロファージは細胞中にコレステロ一 ルを大量に溜め込んだ泡沫ィ匕細胞となり、最終的には破裂して血管内皮組織中に 炎症反応を誘導することになる(非特許文献 9 : Krieger, M. J. Biol. Chem. 268, 4569-4572 (1993))。血管内皮細胞上にある LOX— 1は酸化 LDLとの結合により同様 の酸化ストレス応答を介して、血管内皮細胞上の LOX— 1の発現も増加させることが 知られており、酸化 LDLの LOX— 1への結合に始まる上記の血管内皮細胞応答は 自励的に進行する可能性があると考えられる。また LOX— 1には細胞接着活性もある ことが知られているので、血管内皮細胞上に LOX— 1が多く提示されることで血液中 の単球を血管壁への滞留をも促すことになり、血管内皮組織中への単球の侵入を促 進することにもつながる。この点でも LOX— 1は動脈硬化発症を自励的に促進する作 用をもっということができる。
LOX— 1は上記のように血管内皮細胞上およびマクロファージ上に大量に存在する だけではなぐ血管平滑筋細胞上にも多く存在しており、血管内皮組織中で生じた酸 化 LDLは血管平滑筋上の LOX - 1と結合することで血管平滑筋細胞に対してアポト
一シスを誘導することが明らかにされている(非特許文献 10 : Kataoka, H. et al, Arteriosclear Thromb Vase Biol. 21, 955—960 (2001))。すなわち動脈硬化発症の初 期過程の誘導力 マクロファージの泡沫化、平滑筋細胞アポトーシス誘導までの全 ての発症過程に LOX— 1は関わって!/、る。
[0006] 上記のような動脈硬化発症過程における LOX— 1の役割を考えるに酸ィ匕 LDLの L OX-1に対する結合阻害剤は動脈硬化発症の予防ある!/、は動脈硬化初期症状に 対する予防あるいは治療薬になることが期待される。酸化 LDL受容体 LOX - 1の阻 害剤開発には LOX-1がどのように酸化 LDLを認識するかを原子座標レベルで解析 する必要がある力 現在までのところ LOX— 1を含む酸化 LDL受容体の立体構造は 明らかにされていない。
[0007] そのような立体構造を明らかにするために、所望のタンパク質を大量に調製し、結 晶を生成するための方法として、タンパク質の組換え発現法が周知である。組換え発 現によつて、天然の供給源力もの大量調製が困難であるタンパク質についても、大量 に調製することが可能となった。
[0008] 例えば、細胞表面に存在する受容体は、その受容体に対応するリガンドと特異的 に結合し、種々のシグナルを細胞内に伝達するタンパク質であり、細胞あたりの発現 量が少ないため、天然の供給源から大量に調製することが困難である力 組換え発 現法を用いれば大量に調製することが可能である。
[0009] 細胞表面に存在する受容体は多様であり、その対応するリガンドも異なることから、 特定のリガンドの検出および Zまたは定量を行うために、そのリガンドに特異的に結 合する受容体を大量に調製して用いることは有用である。大量に調製した受容体ま たは受容体フラグメントを固相に固定ィ匕して、異常細胞または疾患の診断マーカーを リガンドとする受容体チップを作製することにより、細胞集団中の異常細胞の存在の 検出、または、疾患の診断のための有用なツールを提供できることが、予想される。 例えば、生体内に蓄積した変性 LDLやアポトーシス細胞や老化赤血球などの異常 細胞、並びに生体内に侵入した細菌等を認識して結合する能力のある複数の受容 体の存在が発見されている。このような受容体の中には、認識する対象(リガンド)の 認識に必要な領域が予想されているものも多い。これらの受容体そのもの、あるいは
認識に必要な領域のみを利用すれば、リガンドである変性 LDL、アポトーシス細胞な どの異常な細胞、細菌を簡便に検出できる可能性がある。
[0010] また、受容体とその対応するリガンドとの結合が特異的であることから、大量発現し た受容体またはそのリガンド結合性フラグメントを固相に固定ィ匕し、リガンドを除去す る材料を提供することが可能である。例えば、変性 LDLに対する受容体を用いて、 血中の変性 LDLを除去することにより、変性 LDL動態異常に起因する動脈硬化症、 高脂血症などの疾患を治療することが可能である。
[0011] タンパク質を組換え発現するために用いる種々の宿主細胞およびベクターが周知 である。組換え発現の宿主細胞としては、細菌細胞、動物細胞、植物細胞、真菌細 胞などが挙げられる。なかでも、大腸菌のような細菌細胞は、その増殖速度が速ぐ かつ操作が比較的簡便であり、かつ調製コストが安いため、宿主細胞として広く利用 されており、特に工業的規模での生産に適している。しかし、大腸菌において外来遺 伝子を高発現した場合には、産物タンパク質が不溶性物質として細胞内に封入体と して蓄積される場合が多い。この封入体は、不溶性であり、かつ封入体タンパク質の 立体構造は天然の状態のタンパク質の立体構造とは異なるため、可溶ィ匕およびリフ オールデイングを必要とする。
[0012] ところが、従来のリフォールデイング方法は、例えば、受容体を榭脂に吸着させた後 、吸着させた榭脂を変性剤を含有する緩衝溶液と接触させ、次いで変性剤の濃度を 漸次低下させた緩衝溶液と接触させる(特許文献 1:特開 2003 - 169693号) t ヽぅ ように、いずれも煩雑な方法であった。さらに、固相に固定ィ匕された状態でリフォール デイングした場合は、リフォールデイング後に固相からの溶出や切り出しなどの工程を 経る必要があり、煩雑さを増すと共に収率が低下するなどの問題があった。さらに、 界面活性剤を用いる従来のリフォールデイング方法 (特許文献 2:特開 2002— 3061 63号)では、使用した界面活性剤をリフォールデイングしたタンパク質から除去するこ とが困難であるという問題も生じる。そのため、従来法では、可溶ィ匕およびリフォール デイング工程にぉ 、て使用する物質がリフォールデイングしたタンパク質中に混入す ることによる純度の低下、および不完全にリフォールデイングされたタンパク質の存在 による不均一さが問題となっている。
[0013] この純度の低下および不均一さは、天然のタンパク質と比較した場合のリフォール デイングしたタンパク質の比活性の低さとして検出することができる。実際に、従来法 では、リフォールデイングしたタンパク質が必ずしも 100%の比活性を示すことはない (非特許文献 1一 3 : Daugherty,D丄. et al.(1998)J.Biol.Chem.273、 3396Γ33971 ; Sundari.C.S. et al.(1999)FEBS,Lett.、 443、 215〜219 ;ぉょび\1&。1^(1&,3. et al.(2000)FEBS,Lett.、 486、 131〜135)。
[0014] 例えば、受容体のリガンド結合フラグメントをリフォールデイングし、リガンド検出のた めの受容体チップとして利用する場合、従来のリフォールデイング方法を用いると高 純度かつ均質なリフォールデイングタンパク質の調製ができな 、ため、定性的検出お よび定量的検出における感度の低下を生じる。また、受容体のリガンド結合フラグメン トをリフォールデイングし、例えば、血中に存在するリガンドの除去のための材料とし て利用する際に、リフォールデイングしたタンパク質の純度および均質性が低 、場合 には、血中の他の因子との相互作用によって、 目的とするリガンド以外の物質を除去 することとなる。
[0015] 従って、従来法と比較して、より高純度かつ均質なタンパク質を得るためのリフォー ルディング方法、特に、封入体からリフォールデイングしたタンパク質を調製し、それ によって、 LOX— 1の結晶構造を解析する技術およびそれによつて得られた LOX— 1 の結晶構造に対する需要が高まって 、る。
特許文献 1:特開 2003— 169693号
特許文献 2 :特開 2002-306163号
非特許文献 l : Daugherty,D丄. et al.(1998)J.Biol.Chem.273、 3396Γ33971 非特許文献 2 : Sundari,C.S. et al.(1999)FEBS,Lett.、 443、 215〜219
非特許文献 3 : Machida,S. et al.(2000)FEBS,Lett.、 486、 131〜135
非特許文献 4 : Suzuki, T. et al, Clinical Biochemistry 35, 347-353 (2002) 非特許文献 5 : Cominacini,し et al" J. Biol. Chem. 275, 12633-12638 (2000) 非特許文献 6 : Am J Physiol Cell Physiol. 280, C719-C741 (2001)
非特許文献 7 : Khan BV et al., J Clin Invest, 95, 1262-1270 (1995)
非特許文献 8 : Martens, JS et al. J. Biol. Chem. 274, 10903—10910 (1999)
非特許文献 9 : Krieger, M. J. Biol. Chem. 268, 4569-4572 (1993)
非特許文献 10 : Kataoka, H. et al, Arteriosclear Thromb Vase Biol. 21, 955-960
(2001)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0016] (発明の要旨)
本発明は、酸化 LDL受容体 LOX— 1の酸化 LDLへの結合様式の詳細を解明する ためには LOX— 1が持つ酸化 LDL結合ドメインの立体構造を解明することを課題と する。特に細胞表層上に存在するのと同じ形態を保つ二量体構造として CTLD結合 ドメインの立体構造の解明が最終的な課題となる。結晶化に用いた LOX-1の酸化 L DL結合ドメイン(CTLD: C— type lectin— like domain)、および二量体として存 在する LOX— 1酸ィ匕 LDL結合ドメインと NECKドメイン (膜貫通部と CTLDをつなぐ 領域)を含むタンパク質は、本明細書において開示される方法 (特に、酸性 pHにお V、て緩衝領域を有する緩衝液を該溶液に加える工程、および該溶液にカルシウムま たは亜鉛のイオンをカ卩える工程を含むことが好まし ヽ、あるいは二量体 LOX— 1に対 しては中性 pHにお 、て緩衝領域を有する緩衝液を該溶液に加える工程を含むこと が好まし!/、)に従って大腸菌で大量発現させたタンパク質を巻き戻して得た試料を用 いることによって得られた結晶を得、種々得られた結晶を解析することによって解決さ れる。
[0017] 本発明の課題は、酸ィ匕 LDL受容体 LOX— 1の酸ィ匕 LDLへの結合様式の詳細を解 明するためには LOX— 1がもつ酸化 LDL結合ドメインの立体構造を解明することにあ る。そのためには X線結晶構造解析法の適用が必須である。この目的のために LOX -1酸化 LDL結合ドメインの高分解能回折像を与える結晶の作成が必要である。そこ で本発明者らは、 LOX— 1の LDL結合ドメインの大量調製を行 、高分解能 X線回折 像を与える結晶形をもつ LOX— 1の酸ィ匕 LDL結合ドメインの結晶化し原子レベルで の LOX-1酸化 LDL結合ドメインの立体構造を明らかにすることを課題とする。さらに 、本発明は、 LOX— 1に結合し、その活性を阻害または活性ィ匕することができる化合 物をスクリーニングする方法を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
[0018] 本発明は、結晶化に用いた LOX— 1の酸化 LDL結合ドメイン(CTLD: C Type L ectin like Domain)は、本発明者らの特願 2003— 342645において開示され本 明細書において開示される方法に従って大腸菌で大量発現させたタンパク質をまき 戻して得た試料を用いることによって得られた結晶を得、種々得られた結晶を解析す ることによって上記課題を解決した。本発明者らは、この方法を用いて、メチォニンが セレノメチォニンに置換されている LOX— 1 CTLDフラグメントの a= 62. 8A, b = 6 9. lA, c = 79. 3 Aの単位格子をもつ P2 2 2斜方晶形をもつ LOX— 1酸化 LDL 結合ドメイン (CTLD)がこのタンパク質巻き戻し技術により得られた LOX-1 CTLD の純度を示す実例として報告し、さらに、異なる結晶条件から得られた、天然のァミノ 酸カゝらなる LOX— 1 CTLDの結晶およびその立体構造を提供する。
[0019] 例示であり、限定されな!、形態として、 a) LOX— 1リガンド結合フラグメントを発現し て得られたタンパク質を巻き戻して得られたタンパク質を含む溶液を提供する工程; b)酸性 pHにお 、て緩衝領域を有する緩衝液を該溶液に加える工程; c)該溶液に力 ルシゥムまたは亜鉛のイオンの供給源を加える工程;および d)蒸気拡散法により結 晶を得る工程によって上記課題は解決される。
[0020] さらに、細胞表層上に存在するのと同じ形態である disulfide結合による二量体構造 を保持した LOX-1のリガンド結合ドメインの結晶および構造を提供することによって、 上記課題を解決する。加えて、天然の二量体構造を保持する LOX-1結晶構造中の 二量体界面に存在するキヤビティー構造と、キヤビティー近傍に存在するアミノ酸置 換体が劇的な LOX-1の修飾 LDLに対して結合能を失わせたと 、う発見。このことから 、二量体界面部に存在するキヤビティーが LOX-1特異的阻害剤の標的部位になる 可能性が示唆される。
[0021] 従って、本発明は以下を提供する。
[0022] (l) LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体の結晶を生成 するための方法であって、
a) LOX-1リガンド結合フラグメントを発現して得られたタンパク質を巻き戻して得ら れたタンパク質を含む溶液を提供する工程;
b)酸性 pHにお 、て緩衝領域を有する緩衝液を該溶液に加える工程; c)該溶液にカルシウムまたは亜鉛のイオンをカ卩える工程;および
d)蒸気拡散法により結晶を得る工程、
を包含する、方法。
(2)前記緩衝液は、クェン酸緩衝液である、請求項 1に記載の方法。
(3)前記イオンの供給源は、塩ィ匕カルシウムまたは塩ィ匕亜鉛である、請求項 1に記載 の方法。
(4) LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体の原子座標を 含むデータアレイであって、ここで該データアレイは、三次元分子モデリングアルゴリ ズムを使用することにより三次元構造を提示し得る、データアレイ。
(5)前記原子座標は、図 7に記載の原子座標である力またはその相同体もしくは改 変体である、請求項 4に記載のデータアレイ。
(6)前記原子座標はァセチル化 LDLの原子座標を含み、かつ、図 7に記載のァセチ ル化 LDL複合体化 LOX-1リガンド結合フラグメント原子座標またはその相同体もし くは改変体である、請求項 4に記載のデータアレイ。
(7) LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体の原子座標を コードした、コンピューター読み取り可能な記録媒体。
(8)前記原子座標は、図 7に記載の原子座標である力またはその相同体もしくは改 変体である、請求項 7に記載のコンピューター読み取り可能な記録媒体。
(9)前記原子座標はァセチル化 LDLの原子座標を含み、かつ、図 7に記載のァセチ ル化 LDL複合体化 LOX-1リガンド結合フラグメント原子座標またはその相同体もし くは改変体である、請求項 7に記載のコンピューター読み取り可能な記録媒体。
(10) LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体の立体構造 解析方法を提供するためのプログラムであって、
A) LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体の原子座標を コードしたデータ;および
B)三次元立体構造の解析をコンピュータに実行させるアプリケーションのコード、 を含む、プログラム。
(11)前記原子座標は、図 7に記載の原子座標である力またはその相同体もしくは改 変体である、請求項 10に記載のプログラム。
(12)前記原子座標はァセチル化 LDLの原子座標を含み、かつ、図 7に記載のァセ チル化 LDL複合体化 LOX-1リガンド結合フラグメント原子座標またはその相同体も しくは改変体である、請求項 10に記載のプログラム。
(13)前記アプリケーションは、
A)前記原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三次元分子モ デルを得る工程;および
B)候補化合物の三次元分子モデルを、該三次元分子モデルと比較する工程をコ ンピュータに実行させる、請求項 10に記載のプログラム。
(14)図 7に記載の原子座標によって定義される構造を有する、単離および精製され た、タンパク質またはその相同体もしくは改変体。
(15)前記タンパク質は、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの活性を含む、請求項 14 に記載のタンパク質またはその相同体もしくは改変体。
(16)前記タンパク質は、ァセチル化 LDL複合体化 LOX-1リガンド結合フラグメント の LDL結合活性を有する、請求項 14に記載のタンパク質またはその相同体もしくは 改変体。
(17) P2 2 2斜方晶形、および配列番号 2に示されるアミノ酸配列、または該ァミノ 酸配列に 1以上の置換、付加もしくは欠失を含む配列、もしくは該アミノ酸配列と少な くとも約 30%以上の相同性を有する、 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相 同体もしくは改変体の結晶。
(18)前記結晶は、ァセチル化 LDLと複合体ィ匕されている、請求項 17に記載の結晶
(19)前記結晶は、 a = 62. 8±0. 2A、 b = 69. 1±0. 2A、c = 79. 3±0. 2Aの 単位格子定数を有する、請求項 17に記載の結晶。
(20)前記結晶は、非対称単位中に 2分子を有し、カルシウムイオンまたは亜鉛ィォ ンを有する、請求項 17に記載の結晶。
(21) P4 2 2正方晶形、および配列番号 2に示されるアミノ酸配列、または該ァミノ
酸配列に 1以上の置換、付加もしくは欠失を含む配列、もしくは該アミノ酸配列と少な くとも約 30%以上の相同性を有する、 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相 同体もしくは改変体の結晶。
(22)前記結晶は、ァセチル化 LDLと複合体ィ匕されている、請求項 21に記載の結晶
(23)前記結晶は、 a = 64. 4±0. 2A、 b = 64. 4±0. 2A、 c = 79. 8±0. 2Aの 単位格子定数を有する、請求項 21に記載の結晶。
(24)前記結晶は、非対称単位中に 1分子を有し、白金を含む、請求項 21に記載の 結曰曰 o
(25) P2 2 2斜方晶形、および配列番号 2に示されるアミノ酸配列、または該ァミノ 酸配列に 1以上の置換、付加もしくは欠失を含む配列、もしくは該アミノ酸配列と少な くとも約 30%以上の相同性を有する、 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相 同体もしくは改変体の結晶。
(26)前記結晶は、ァセチル化 LDLと複合体ィ匕されている、請求項 25に記載の結晶
(27)前記結晶は、 a = 56. 8±0. 2A、 b = 67. 6±0. 2A、c = 79. 0±0. 2Aの 単位格子定数を有する、請求項 25に記載の結晶。
(28)前記結晶は、非対称単位中に 2分子を有する、請求項 25に記載の結晶。
(29) LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体の活性ポケッ トを含む、タンパク質。
(30)前記活性ポケットは、ァセチル化 LDLと複合体ィ匕されたものである、請求項 29 に記載のタンパク質。
(31)前記活性ポケットは、図 8においてァセチルイ匕 LDLの有無の前後での変化に 対応する配列番号 18におけるアミノ酸残基またはそれに対応するアミノ酸残基の原 子座標によって定義される、請求項 29に記載のタンパク質。
(32)前記活性ポケットは、配列番号 4の 208位一 231位またはそれに対応するァミノ 酸残基の原子座標によって定義される、請求項 29に記載のタンパク質。
(33)前記活性部位ポケットは、結合リガンドを含む、請求項 29に記載のタンパク質。
(34)前記タンパク質は、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの LDL結合活性を有する、 請求項 29に記載のタンパク質。
(35) LOX— 1リガンド結合フラグメントの相同体を得る方法であって、該方法は、候補 化合物の原子座標と、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標とを比較する工程 を包含する、方法。
(36)前記 LOX-1リガンド結合フラグメントは、ァセチル化 LDLと複合体ィ匕されて ヽ る、請求項 35に記載の方法。
(37)前記原子座標は、図 7に記載の原子座標を含む、請求項 35に記載の方法。
(38) LOX— 1リガンド結合フラグメントの相同体を得る方法であって、該方法は、以下 の工程:
A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標に三次元分子モデリングァルゴリズ ムを適用して、三次元分子モデルを得る工程;および
B)候補化合物の三次元分子モデルを、該 LOX— 1リガンド結合フラグメントの三次 元分子モデルと比較する工程
を包含する、方法。
(39)前記 LOX-1リガンド結合フラグメントは、ァセチル化 LDLと複合体ィ匕されて ヽ る、請求項 38に記載の方法。
(40)前記原子座標は、図 7に記載の原子座標を含む、請求項 38に記載の方法。
(41)請求項 35または 38に記載の方法によって同定される、 LOX— 1リガンド結合フ ラグメント相同体。
(42) LOX— 1リガンド結合フラグメントの改変体を得る方法であって、該方法は、以下 の工程:
A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標に三次元分子モデリングァルゴリズ ムを適用して、三次元分子モデルを得る工程;および
B)候補化合物の三次元分子モデルを、該 LOX— 1リガンド結合フラグメントの三次 元分子モデルと比較し、所定のパラメータに基づき変異を導入する工程、 を包含する、方法。
(43)前記 LOX-1リガンド結合フラグメントは、ァセチル化 LDLと複合体ィ匕されて ヽ
る、請求項 42に記載の方法。
(44)前記原子座標は、図 7に記載の原子座標を含む、請求項 42に記載の方法。
(45)前記改変体は、 LOX— 1活性が亢進されている、請求項 42に記載の方法。
(46)前記改変体は、 LOX— 1活性が低減されている、請求項 42に記載の方法。
(47)請求項 42に記載の方法によって同定された、 LOX— 1リガンド結合フラグメント 改変体。
(48)請求項 35もしくは 38に記載の方法によって同定された LOX-1リガンド結合フ ラグメント相同体のアミノ酸配列、または請求項 42に記載の方法によって同定された LOX— 1リガンド結合フラグメント改変体のアミノ酸配列をコードする核酸分子。
(49) LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体に結合し得る 化合物を同定する方法であって、該方法は、以下の工程:
A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同体もしくは改変体の 原子座標に対して三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、 LOX-1リガンド結 合フラグメントの活性部位ポケットの空間座標を決定する工程;および
B)該 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体の活性部位 ポケットの空間座標に対して、電子的に候補ィ匕合物のセットの空間座標をスクリー- ングして、該 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体に結 合し得る化合物を同定する工程、
を包含する、方法。
(50)前記 LOX-1リガンド結合フラグメントは、ァセチル化 LDLと複合体ィ匕されて ヽ る、請求項 49に記載の方法。
(51)前記原子座標は、図 7に記載の原子座標を含む、請求項 49に記載の方法。
(52)前記相同体または改変体は、請求項 35、 38または 42に記載の方法によって 得られたものである、請求項 49に記載の方法。
(53)前記 LOX— 1リガンド結合フラグメントは、ヒトの LOX— 1リガンド結合フラグメント を含む、請求項 49に記載の方法。
(54)前記工程 a)において決定された空間座標は、配列番号 18に示されるアミノ酸 残基またはそれに対応するアミノ酸残基の原子座標によって定義される、請求項 49
に記載の方法。
(55)前記工程 a)において決定された空間座標は、ァセチル LDLの座標を含む、請 求項 49に記載の方法。
(56)前記工程 a)において決定された空間座標は、図 7に記載される結合リガンドの 原子座標を含む、請求項 49に記載の方法。
(57)候補化合物の三次元分子モデルを、 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはそ の相同体の三次元分子モデルと比較することによって、 LOX— 1リガンド結合フラグメ ントまたはその相同体もしくは改変体に結合し得る化合物を同定する方法であって、 該方法は、以下の工程:
A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同体もしくは改変体の 原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三次元分子モデルを得 る工程;
B)該三次元分子モデルの座標データをデータ構造に入力して、 LOX— 1リガンド 結合フラグメントの原子間の距離を検索する工程;および
C)候補ィ匕合物において水素結合を形成するへテロ原子と、該三次元分子モデル にお 、て活性部位ポケットを形成するへテロ原子との間の距離を比較して、 2つの構 造の間での最適な水素結合に基づいて、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの三次元 分子モデルの活性部位ポケットと安定な複合体を理論上形成する候補化合物種を 同定する工程、
を包含する、方法。
(58)前記 LOX-1リガンド結合フラグメントは、ァセチル化 LDLと複合体ィ匕されて ヽ る、請求項 57に記載の方法。
(59)前記原子座標は、図 7に記載の原子座標を含む、請求項 57に記載の方法。
(60)前記相同体または改変体は、請求項 35、 38または 42に記載の方法によって 得られたものである、請求項 57に記載の方法。
(61)前記 LOX— 1リガンド結合フラグメントは、ヒトの LOX— 1リガンド結合フラグメント を含む、請求項 57に記載の方法。
(62)前記候補化合物は、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの LDL結合活性を阻害
する活性を有する、請求項 57に記載の方法。
(63)前記候補化合物は、 LOX— 1の LDL結合活性を活性化する活性を有する、請 求項 57に記載の方法。
(64)請求項 57に記載の方法により同定された、化合物。
(65)請求項 57に記載の方法により同定された化合物を有効成分として含む、医薬 組成物。
(66)請求項 57に記載の方法により同定された化合物を有効成分として含む、 LOX 1リガンド結合フラグメントに関連する疾患または障害を処置または予防するための 医薬組成物。
(67)請求項 57に記載の方法により同定された化合物の名称および構造を含むデ ータをコードした、データベース。
(68)請求項 57に記載の方法により同定された化合物の名称および構造を含むデ ータをコードした、データベースを含む記録媒体。
(69)請求項 57に記載の方法により同定された化合物の名称および構造を含むデ ータをコードした、データベースを含む伝送媒体。
(70) LOX— 1リガンド結合フラグメントのリガンドのフアルマコフォアモデルの作成方 法であって、
a) LOX— 1リガンド結合フラグメントおよび該 LOX— 1リガンド結合フラグメントとァセ チル化 LDLとの複合体を提供する工程;
b)該 LOX— 1リガンド結合フラグメントの NMRと該複合体の NMRとを比較するェ 程;
c)変化がある原子を帰属する工程、
を包含する、方法。
(71)請求項 70に記載の方法によって同定される、フアルマコフォアモデル。
(72)請求項 71に記載のフアルマコフォアモデルの、医薬候補分子のスクリーニング における使用。
(73)請求項 71に記載のフアルマコフォアモデルを使用したスクリーニングによって 同定される化合物またはその塩。
(74) LOX— 1リガンド結合フラグメントの LDL結合活性を阻害する活性を有する、請 求項 73に記載の医薬候補分子。
(75)請求項 73または 74に記載の化合物を含む、医薬組成物。
(76) LOX-1に関連する疾患または障害を処置または予防するための医薬糸且成物 を調製する方法であって、
A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同体もしくは改変体の 原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三次元分子モデルを得 る工程;
B)該三次元分子モデルと、該医薬組成物に含まれるべき候補化合物のライブラリ 一との相互作用を評価する工程;
C)該候補ィ匕合物のうち、該 LOX— 1の活性を調節する作用を有する化合物種を選 択する工程;および
D)該化合物種と、薬学的に受容可能なキャリアとを混合する工程、
を包含する、方法。
(77)前記 LOX-1リガンド結合フラグメントは、ァセチル化 LDLと複合体ィ匕されて ヽ る、請求項 76に記載の方法。
(78)前記原子座標は、図 7に記載の原子座標を含む、請求項 76に記載の方法。
(79)前記相同体または改変体は、請求項 35、 38または 42に記載の方法によって 得られたものである、請求項 76に記載の方法。
(80)前記 LOX— 1リガンド結合フラグメントは、ヒトの LOX— 1リガンド結合フラグメント を含む、請求項 76に記載の方法。
(81)前記化合物種を合成して該化合物種を製造する工程、をさらに包含する、請求 項 76に記載の方法。
(82)前記化合物種について、 LOX— 1活性に関する生物学的試験を行う工程をさら に包含する、請求項 76に記載の方法。
(83) LOX-1に関連する疾患または障害を処置または予防するための方法であって
A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同体もしくは改変体の
原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三次元分子モデルを得 る工程;
B)該三次元分子モデルに基づ!/、て、 LOX— 1の活性を調節する手段を同定する 工程;および
C)該調節手段を該疾患または障害に罹患する力またはその可能性のある被検体 に投与する工程、
を包含する、方法。
(84)前記 LOX-1リガンド結合フラグメントは、ァセチル化 LDLと複合体ィ匕されて ヽ る、請求項 83に記載の方法。
(85)前記原子座標は、図 7に記載の原子座標を含む、請求項 83に記載の方法。
(86)前記相同体または改変体は、請求項 32、 35または 42に記載の方法によって 得られたものである、請求項 83に記載の方法。
(87)前記 LOX— 1リガンド結合フラグメントは、ヒトの LOX— 1リガンド結合フラグメント を含む、請求項 83に記載の方法。
(88) LOX— 1リガンド結合フラグメントの相同体を得る方法をコンピュータに実行させ るためのプログラムであって、該方法は、
A)候補化合物の原子座標と、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標とを比 較する工程、
を包含する、
プログラム。
(89) LOX— 1リガンド結合フラグメントの相同体を得る方法をコンピュータに実行させ るためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、該方 法は、
A)候補化合物の原子座標と、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標とを比 較する工程、
を包含する、記録媒体。
(90) LOX— 1リガンド結合フラグメントの相同体を得る方法を実行するコンピュータで あって、該方法は、
A)候補化合物の原子座標と、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標とを比 較する手段、
を包含する、
コンピュータ。
(91) LOX— 1リガンド結合フラグメントの相同体を得る方法をコンピュータに実行させ るためのプログラムであって、該方法は、
A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標に三次元分子モデリングァルゴリズ ムを適用して、三次元分子モデルを得る工程;および
B)候補化合物の三次元分子モデルを、該 LOX— 1リガンド結合フラグメントの三次 元分子モデルと比較する工程、
を包含する、プログラム。
(92) LOX— 1リガンド結合フラグメントの相同体を得る方法をコンピュータに実行させ るためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、該方 法は、
A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標に三次元分子モデリングァルゴリズ ムを適用して、三次元分子モデルを得る工程;および
B)候補化合物の三次元分子モデルを、該 LOX— 1リガンド結合フラグメントの三次 元分子モデルと比較する工程、
を包含する、記録媒体。
(93) LOX— 1リガンド結合フラグメントの相同体を得る方法を実行するコンピュータで あって、該方法は、
A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標に三次元分子モデリングァルゴリズ ムを適用して、三次元分子モデルを得る工程;および
B)候補化合物の三次元分子モデルを、該 LOX— 1リガンド結合フラグメントの三次 元分子モデルと比較する工程、
を包含する、コンピュータ。
(94) LOX— 1リガンド結合フラグメントの改変体を得る方法をコンピュータに実行させ るためのプログラムであって、該方法は、
A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標に三次元分子モデリングァルゴリズ ムを適用して、三次元分子モデルを得る工程;および
B)候補化合物の三次元分子モデルを、該 LOX— 1リガンド結合フラグメントの三次 元分子モデルと比較し、所定のパラメータに基づき変異を導入する工程、 を包含する、プログラム。
(95) LOX— 1リガンド結合フラグメントの改変体を得る方法をコンピュータに実行させ るためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、該方 法は、
A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標に三次元分子モデリングァルゴリズ ムを適用して、三次元分子モデルを得る工程;および
B)候補化合物の三次元分子モデルを、該 LOX— 1リガンド結合フラグメントの三次 元分子モデルと比較し、所定のパラメータに基づき変異を導入する工程、 を包含する、
記録媒体。
(96) LOX— 1リガンド結合フラグメントの改変体を得る方法を実行するコンピュータで あって、該方法は、
A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標に三次元分子モデリングァルゴリズ ムを適用して、三次元分子モデルを得る工程;および
B)候補化合物の三次元分子モデルを、該 LOX— 1リガンド結合フラグメントの三次 元分子モデルと比較し、所定のパラメータに基づき変異を導入する工程、 を包含する、コンピュータ。
(97) LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体に結合し得る 化合物を同定する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、該方 法は、
A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同体もしくは改変体の 原子座標に対して三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、 LOX-1リガンド結 合フラグメントの活性部位ポケットの空間座標を決定する工程;および
B)該 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体の活性部位
ポケットの空間座標に対して、電子的に候補ィ匕合物のセットの空間座標をスクリー- ングして、該 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体に結 合し得る化合物を同定する工程、
を包含する、プログラム。
(98) LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体に結合し得る 化合物を同定する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコン ピュータ読み取り可能な記録媒体であって、該方法は、
A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同体もしくは改変体の 原子座標に対して三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、 LOX-1リガンド結 合フラグメントの活性部位ポケットの空間座標を決定する工程;および
B)該 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体の活性部位 ポケットの空間座標に対して、電子的に候補ィ匕合物のセットの空間座標をスクリー- ングして、該 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体に結 合し得る化合物を同定する工程、
を包含する、記録媒体。
(99) LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体に結合し得る 化合物を同定する方法を実行するコンピュータであって、該方法は、
A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同体もしくは改変体の 原子座標に対して三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、 LOX-1リガンド結 合フラグメントの活性部位ポケットの空間座標を決定する工程;および
B)該 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体の活性部位 ポケットの空間座標に対して、電子的に候補ィ匕合物のセットの空間座標をスクリー- ングして、該 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体に結 合し得る化合物を同定する工程、
を包含する、コンピュータ。
(100)候補化合物の三次元分子モデルを、 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたは その相同体の三次元分子モデルと比較することによって、 LOX— 1リガンド結合フラ グメントまたはその相同体もしくは改変体に結合し得る化合物を同定する方法をコン
ピュータに実行させるためのプログラムであって、該方法は、
A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同体もしくは改変体の 原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三次元分子モデルを得 る工程;
B)該三次元分子モデルの座標データをデータ構造に入力して、 LOX— 1リガンド 結合フラグメントの原子間の距離を検索する工程;および
C)候補ィ匕合物において水素結合を形成するへテロ原子と、該三次元分子モデル にお 、て活性部位ポケットを形成するへテロ原子との間の距離を比較して、 2つの構 造の間での最適な水素結合に基づいて、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの三次元 分子モデルの活性部位ポケットと安定な複合体を理論上形成する候補化合物種を 同定する工程、
を包含する、プログラム。
(101) LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体に結合し得 る化合物を同定する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコ ンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、該方法は、
A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同体もしくは改変体の 原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三次元分子モデルを得 る工程;
B)該三次元分子モデルの座標データをデータ構造に入力して、 LOX— 1リガンド 結合フラグメントの原子間の距離を検索する工程;および
C)候補ィ匕合物において水素結合を形成するへテロ原子と、該三次元分子モデル にお 、て活性部位ポケットを形成するへテロ原子との間の距離を比較して、 2つの構 造の間での最適な水素結合に基づいて、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの三次元 分子モデルの活性部位ポケットと安定な複合体を理論上形成する候補化合物種を 同定する工程、
を包含する、記録媒体。
( 102) LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体に結合し得 る化合物を同定する方法を実行するコンピュータであって、該方法は、
A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同体もしくは改変体の 原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三次元分子モデルを得 る工程;
B)該三次元分子モデルの座標データをデータ構造に入力して、 LOX— 1リガンド 結合フラグメントの原子間の距離を検索する工程;および
C)候補ィ匕合物において水素結合を形成するへテロ原子と、該三次元分子モデル にお 、て活性部位ポケットを形成するへテロ原子との間の距離を比較して、 2つの構 造の間での最適な水素結合に基づいて、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの三次元 分子モデルの活性部位ポケットと安定な複合体を理論上形成する候補化合物種を 同定する工程、
を包含する、コンピュータ。
(103) LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体またはその相同体もしくは改変体 の結晶を生成するための方法であって、
a) LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体を発現して得ら れたタンパク質を巻き戻して得られたタンパク質を含む溶液を提供する工程であって 、上記 LOX— 1は、ジスルフイド結合に必要なシスティン残基を含む、工程および b)蒸気拡散法により結晶を得る工程、
を包含する、方法。
(104) 上記 LOX— 1リガンド結合フラグメントは、 NECK領域部を含む、項目 103に 記載の方法。
(105) 上記 LOX— 1リガンド結合フラグメントは、 CTLDと、 NECK領域部 14残基と を含む、項目 103に記載の方法。
(106) 上記タンパク質を含む溶液は、巻き戻し条件に供される、項目 103に記載の 方法。
(107) 二量体形態での LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは 改変体の原子座標を含むデータアレイであって、ここで上記データアレイは、三次元 分子モデリングアルゴリズムを使用することにより三次元構造を提示し得る、データァ レイ。
(108) 上記原子座標は、図 17に記載の原子座標である力またはその相同体もしく は改変体である、項目 107に記載のデータアレイ。
(109) 二量体形態での LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは 改変体の原子座標をコードした、コンピューター読み取り可能な記録媒体。
(110) 二量体形態での LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは 改変体の立体構造解析方法を提供するためのプログラムであって、
A)二量体形態での LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変 体の原子座標をコードしたデータ;および
B)三次元立体構造の解析をコンピュータに実行させるアプリケーションのコード、 を含む、プログラム。
(111) 二量体形態での、図 17に記載の原子座標によって定義される構造を有する 、単離および精製された、タンパク質またはその相同体もしくは改変体。
(112) C2単斜晶形、および配列番号 36に示されるアミノ酸配列、または上記アミノ 酸配列に 1以上の置換、付加もしくは欠失を含む配列、もしくは上記アミノ酸配列と少 なくとも約 30%以上の相同性を有する、二量体形態での LOX— 1リガンド結合フラグ メントまたはその相同体もしくは改変体の結晶。
(113) 上記結晶は、 a = 70. 86±0. 20A、 b=49. 54±0. 2θΑ、 c = 76. 73士 0. 20Aを有する、項目 17に記載の結晶。
(114) LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体の二量体 界面に存在するキヤビティー構造を含む、タンパク質。
(115) 上記タンパク質は、配列番号 36に示す配列を含む、項目 114に記載のタン パク質。
(116) LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体の相同体を得る方法であって、上 記方法は、候補化合物の原子座標と、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体界 面の原子座標とを比較する工程を包含する、方法。
(117) 上記二量体は、図 17に記載の原子座標によって定義される構造を有する、 項目 116に記載の方法。
(118) LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体の相同体を得る方法であって、上
記方法は、以下の工程:
A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体の原子座標に三次元分子モデリング アルゴリズムを適用して、三次元分子モデルを得る工程;および
B)候補化合物の三次元分子モデルを、上記 LOX— 1リガンド結合フラグメントの二 量体の三次元分子モデルと比較する工程
を包含する、方法。
(119) 上記二量体は、図 17に記載の原子座標によって定義される構造を有する、 項目 118に記載の方法。
(120) 項目 116または 118に記載の方法によって同定される、二量体を形成する L OX— 1リガンド結合フラグメント相同体。
(121) LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体の改変体を得る方法であって、上 記方法は、以下の工程:
A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体の原子座標に三次元分子モデリング アルゴリズムを適用して、三次元分子モデルを得る工程;および
B)候補化合物の三次元分子モデルを、上記 LOX— 1リガンド結合フラグメントの二 量体の三次元分子モデルと比較し、所定のパラメータに基づき変異を導入する工程 を包含する、方法。
(122) 上記二量体は、図 17に記載の原子座標によって定義される構造を有する、 項目 121に記載の方法。
(123) 項目 121に記載の方法によって同定された、二量体を形成する LOX— 1リガ ンド結合フラグメント改変体。
(124) 項目 116もしくは 118に記載の方法によって同定された、二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメント相同体のアミノ酸配列、または項目 121に記載の方 法によって同定された二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメント改変体のァ ミノ酸配列をコードする核酸分子。
(125) LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体に結合し 得る化合物を同定する方法であって、上記方法は、以下の工程:
A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体の原子座標またはその相同体もしくは 改変体の原子座標に対して三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、 LOX-1 リガンド結合フラグメントの二量体を形成する二量体界面の空間座標を決定する工程 ;および
B)上記 LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体を形成する二量体界面の空間座 標に対して、電子的に候補ィ匕合物のセットの空間座標をスクリーニングして、上記 LO X— 1の二量体を形成する二量体界面に結合し得る化合物を同定する工程、 を包含する、方法。
(126) 上記原子座標は、図 17に記載の原子座標を含む、項目 125に記載の方法
(127) 上記化合物は LOX— 1活性を、亢進または低減させるものである、項目 125 に記載の方法。
(128) 上記 LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体を形成するポリペプチドは、 配列番号 36に示す配列を含む、項目 125に記載の方法。
(129) 上記 LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体を形成するポリペプチドは、 配列番号 4に示す配列のうち、 150位のトリプトファン (W)が保存される、項目 125に 記載の方法。
(130) 上記 LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体を形成するポリペプチドは、 配列番号 4に示す配列のうち、 150位のトリブトファン (W)を含むキヤビティー形成部 分が保存される、項目 125に記載の方法。
(131) 候補化合物の三次元分子モデルを、二量体を形成する LOX - 1リガンド結 合フラグメントまたはその相同体の三次元分子モデルと比較することによって、 LOX —1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体の二量体を形成する二 量体界面に結合し得る化合物を同定する方法であって、上記方法は、以下の工程:
A)二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同 体もしくは改変体の原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三次 元分子モデルを得る工程;
B)上記三次元分子モデルの座標データをデータ構造に入力して、 LOX - 1リガン
ド結合フラグメントの原子間の距離を検索する工程;および
C)候補化合物において水素結合を形成するへテロ原子と、上記三次元分子モデ ルにお 、て活性部位ポケットを形成するへテロ原子との間の距離を比較して、 2つの 構造の間での最適な水素結合に基づ 、て、二量体を形成する LOX— 1リガンド結合 フラグメントの三次元分子モデルの二量体を形成する二量体界面と安定な複合体を 理論上形成する候補化合物種を同定する工程、
を包含する、方法。
(132) 上記原子座標は、図 17に記載の原子座標を含む、項目 131に記載の方法
(133) 項目 125または 131に記載の方法によって同定されたィ匕合物。
(134) 項目 125または 131に記載の方法によって同定されたィ匕合物を有効成分と して含む、 LOX-1に関連する疾患を処置または予防するための医薬組成物。
(135) 項目 125または 131に記載の方法により同定されたィ匕合物の名称および構 造を含むデータをコードした、データベース。
(136) 項目 125または 131に記載の方法により同定されたィ匕合物の名称および構 造を含むデータをコードした、データベースを含む記録媒体。
(137) 項目 125または 131に記載の方法により同定されたィ匕合物の名称および構 造を含むデータをコードした、データベースを含む伝送媒体。
(138) LOX— 1リガンド結合フラグメントのリガンドのフアルマコフォアモデルの作 成方法であって、
a)二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその改変体、および二 量体を形成しない LOX— 1リガンド結合フラグメントの改変体を提供する工程; b)上記二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその改変体の N MRと上記二量体を形成しない LOX— 1リガンド結合フラグメントの改変体の NMRと を比較する工程;
c)変化がある原子を帰属する工程、
を包含する、方法。
(139) LOX— 1に関連する疾患または障害を処置または予防するための医薬糸且
成物を調製する方法であって、
A)二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同 体もしくは改変体の原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三次 元分子モデルを得る工程;
B)上記三次元分子モデルと、上記医薬組成物に含まれるべき候補化合物のライブ ラリーとの相互作用を評価する工程;
C)上記候補化合物のうち、上記 LOX - 1の活性を調節する作用を有する化合物種 を選択する工程;および
D)上記化合物種と、薬学的に受容可能なキャリアとを混合する工程、
を包含する、方法。
(140) 上記原子座標は、図 17に記載の原子座標を含む、項目 139に記載の方 法。
(141) LOX— 1に関連する疾患または障害を処置または予防するための方法で あって、
A)二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同 体もしくは改変体の原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三次 元分子モデルを得る工程;
B)上記三次元分子モデルに基づいて、 LOX - 1の活性を調節する手段を同定す る工程;および
C)上記調節手段を上記疾患または障害に罹患する力またはその可能性のある被 検体に投与する工程、
を包含する、方法。
(142) 上記原子座標は、図 17に記載の原子座標を含む、項目 141に記載の方 法。
(143) LOX— 1に結合し得る化合物を同定する方法をコンピュータに実行させる ためのプログラムであって、上記方法は、
A)二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同 体もしくは改変体の原子座標に対して三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して
、LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体を形成する二量体界面の空間座標を決 定する工程;および
B)上記 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体の二量体 を形成する二量体界面の空間座標に対して、電子的に候補ィ匕合物のセットの空間 座標をスクリーニングして、上記 LOX— 1に結合し得る化合物を同定する工程、 を包含する、
プログラム。
(144) LOX— 1に結合し得る化合物を同定する方法をコンピュータに実行させる ためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、上記方 法は、
A)二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同 体もしくは改変体の原子座標に対して三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して 、LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体を形成する二量体界面の空間座標を決 定する工程;および
B)上記 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体の二量体 を形成する二量体界面の空間座標に対して、電子的に候補ィ匕合物のセットの空間 座標をスクリーニングして、上記 LOX— 1に結合し得る化合物を同定する工程、 を包含する、
記録媒体。
(145) LOX— 1に結合し得る化合物を同定する方法を実行するコンピュータであ つて、上記方法は、
A)二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同 体もしくは改変体の原子座標に対して三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して 、LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体を形成する二量体界面の空間座標を決 定する工程;および
B)上記 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体の二量体 を形成する二量体界面の空間座標に対して、電子的に候補ィ匕合物のセットの空間 座標をスクリーニングして、上記 LOX— 1に結合し得る化合物を同定する工程、
を包含する、
コンピュータ。
(146) 候補化合物の三次元分子モデルを、二量体を形成する LOX - 1リガンド結 合フラグメントまたはその相同体の三次元分子モデルと比較することによって、 LOX 1に結合し得る化合物を同定する方法をコンピュータに実行させるためのプログラム であって、上記方法は、
A)二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同 体もしくは改変体の原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三次 元分子モデルを得る工程;
B)上記三次元分子モデルの座標データをデータ構造に入力して、 LOX - 1リガン ド結合フラグメントの原子間の距離を検索する工程;および
C)候補化合物において水素結合を形成するへテロ原子と、上記三次元分子モデ ルにお 、て活性部位ポケットを形成するへテロ原子との間の距離を比較して、 2つの 構造の間での最適な水素結合に基づいて、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの三次 元分子モデルの二量体を形成する二量体界面と理論上結合する候補化合物種を同 定する工程、
を包含する、
プログラム。
(147) 候補化合物の三次元分子モデルを、二量体を形成する LOX - 1リガンド結 合フラグメントまたはその相同体の三次元分子モデルと比較することによって、 LOX 1に結合し得る化合物を同定する方法をコンピュータに実行させるためのプログラム を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、上記方法は、
A)二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同 体もしくは改変体の原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三次 元分子モデルを得る工程;
B)上記三次元分子モデルの座標データをデータ構造に入力して、 LOX - 1リガン ド結合フラグメントの原子間の距離を検索する工程;および
C)候補化合物において水素結合を形成するへテロ原子と、上記三次元分子モデ
ルにお 、て活性部位ポケットを形成するへテロ原子との間の距離を比較して、 2つの 構造の間での最適な水素結合に基づいて、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの三次 元分子モデルの二量体を形成する二量体界面と理論上結合する候補化合物種を同 定する工程、
を包含する、
記録媒体。
(148) 候補化合物の三次元分子モデルを、二量体を形成する LOX - 1リガンド結 合フラグメントまたはその相同体の三次元分子モデルと比較することによって、 LOX 1に結合し得る化合物を同定する方法を実行するコンピュータであって、上記方法 は、
A)二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同 体もしくは改変体の原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三次 元分子モデルを得る工程;
B)上記三次元分子モデルの座標データをデータ構造に入力して、 LOX - 1リガン ド結合フラグメントの原子間の距離を検索する工程;および
C)候補化合物において水素結合を形成するへテロ原子と、上記三次元分子モデ ルにお 、て活性部位ポケットを形成するへテロ原子との間の距離を比較して、 2つの 構造の間での最適な水素結合に基づいて、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの三次 元分子モデルの二量体を形成する二量体界面と理論上結合する候補化合物種を同 定する工程、
を包含する、
コンピュータ。
[0023] 従って、本発明のこれらおよび他の利点は、添付の図面を参照して、以下の詳細な 説明を読みかつ理解すれば、当業者には明白〖こなることが理解される。
発明の効果
[0024] 本発明によって、特定のリフォールデイング方法を使用したことによって、高解像度 の LOX— 1の結晶情報が得られ、その情報を医薬品開発に応用することにより循環 器系の疾患が治療および予防ができるという効果が奏される。
図面の簡単な説明
[図 1]図 1は、本発明のリフォールデイング方法で得たタンパク質が、従来法の環状糖 質サイクロアミロースによるリフォールデイング方法よりも分子量の幅が狭ぐ従ってよ り高 、純度で精製されて 、ることを示す。
[図 2]図 2は、本発明のリフォールデイング方法によって得たタンパク質が従来法の環 状糖質サイクロアミロースによりリフォールデイング方法よりも夾雑物が少なく高純度 に精製されていることを示す。
[図 3]図 3は、本発明のリフォールデイング方法によって得たタンパク質が単一の分子 種としてリフォールデイングしているのに対して、従来法で得たタンパク質は、不完全 なリフォールデイングタンパク質が混在していることが示される。
[図 4]図 4は、本発明のリフォールデイング方法によって得たタンパク質には不完全な リフォールデイングタンパク質の混在が無いことを示す。
[図 5]図 5は、本発明のリフォールデイング方法を用いてリフォールデイングされた LO X— 1 CTLDが酸化 LDLおよびァセチル化 LDLに対して天然の LOX— 1と同程度 の親和性を有することが示す。
[図 6]図 6は、 LOX— 1の細胞外ドメイン全長を本発明のリフォールデイング方法でリフ オールデイングした結果得られたタンパク質力 細胞表層にある LOX— 1の存在様式 と同様に 2量体であることを示す。図中、 |8 Me ( + )は、 |8メルカプトエタノールを添 加したことを示す。 β Me (一)は、 βメルカプトエタノールを添カ卩しなかったことを示す
[図 7- - 1]図 7は、 LOX- -1の原子座標を示す。
[図 7- -2]図 7は、 LOX- -1の原子座標を示す (つづき) ο
[図 7- -3]図 7は、 LOX- -Iの原子座標を示す (つづき) ο
[図 7- -4]図 7は、 LOX- -Iの原子座標を示す (つづき) ο
[図 7- -5]図 7は、 LOX- -Iの原子座標を示す (つづき) ο
[図 7- -6]図 7は、 LOX- -Iの原子座標を示す (つづき) ο
[図 7- -7]図 7は、 LOX- -Iの原子座標を示す (つづき) ο
[図 7- -8]図 7は、 LOX- -Iの原子座標を示す (つづき) ο
[図 7-9]図 7は、 LOX— 1の原子座標を示す(つづき)。
[図 7-10]図 7は、 LOX— 1の原子座標を示す(つづき)。
[図 7-11]図 7は、 LOX— 1の原子座標を示す(つづき)。
[図 7-12]図 7は、 LOX— 1の原子座標を示す(つづき)。
[図 7-13]図 7は、 LOX— 1の原子座標を示す(つづき)。
[図 7-14]図 7は、 LOX— 1の原子座標を示す(つづき)。
[図 7-15]図 7は、 LOX— 1の原子座標を示す(つづき)。
[図 7-16]図 7は、 LOX— 1の原子座標を示す(つづき)。
[図 7-17]図 7は、 LOX— 1の原子座標を示す(つづき)。
[図 7-18]図 7は、 LOX— 1の原子座標を示す(つづき)。
[図 7-19]図 7は、 LOX— 1の原子座標を示す(つづき)。
[図 7-20]図 7は、 LOX— 1の原子座標を示す(つづき)。
[図 7- 21]図 7は、 LOX— 1の原子座標を示す(つづき)。
[図 8]図 8は、ァセチル化 LDLの有無での LOX— 1の NMRチャートを示す。
[図 9]図 9は、結晶化の最適化例を示す。
[図 10]図 10は、結晶化の結果えられた結果を示す。
[図 11]図 11は、 LOX— 1の LDL結合ドメインを示す。
[図 12]図 12は、本発明のシステム構成例である。
[図 13]図 13は、本発明の記録媒体例である。
[図 14]図 14は、本発明の光学式記録媒体例である。
[図 15]図 15は、種々の由来の LOX— 1のアラインメントを示す。
[図 16]図 16は、本発明の二量体を形成する CTLD— NECKを用 、た場合のモデル 図である。二量体界面において、小さなキヤビティが存在し、これが、二量体結合お よび活性ィ匕に重大な役割を果たしているようである。従って、この部位が、薬物の相 互作用部位の従来な部位として使用されることが明らかになった。図 16a, bでは LO
X— 1 CTLD— NECKの二量体構造の界面部に観測されたキヤビティーの存在を示 す。このキヤビティーを囲む主要なアミノ酸残基である W150の変異体が顕著な LOX
—1の酸化 LDLに対する結合活性の低下を誘導したことから、このキヤビティーに対
して選択的に結合し、なおかつ二量体界面部の構造を乱すィ匕合物は LOX— 1選択 的な酸化 LDL結合阻害剤になると考えられる。図下にはそのイメージ図を示す。な お、この際の結合阻害作用機作としては、二量体界面部の構造が乱れることにより、 酸化 LDL認識面である LOX— 1の表面部にある塩基性スパイン構造 (basic spine) (右図)が乱され、 LOX-1と酸化 LDLとの十分な結合を妨げると考えられる。
[図 17- 1]図 17— 1は、 CTLD-NECKを用いた場合 LOX-1の原子座標を pdb形式 で示す。
[図 17- 2]図 17- _2は、図 17- -1の続きである。
[図 17-3]図 17- _3は、図 17- -2の続きである。
[図 17- 4]図 17- _4は、図 17- -3の続きである。
[図 17-5]図 17- _5は、図 17- -4の続きである。
[図 17- 6]図 17- _6は、図 17- -5の続きである。
[図 17-7]図 17- _7は、図 17- -6の続きである。
[図 17-8]図 17- _8は、図 17- -7の続きである。
[図 17- 9]図 17- _9は、図 17- -8の続きである。
[図 17- - 10]図 17- -10は、図 17- -9の続きである。
[図 17- - 11]図 17- -11は、図 17- -10の続きである。
[図 17- -12]図 17- -12は、図 17- -11の続きである。
[図 17- -13]図 17- -13は、図 17- -12の続きである。
[図 17- - 14]図 17- -14は、図 17- -13の続きである。
[図 17- -15]図 17- -15は、図 17- -14の続きである。
[図 17- - 16]図 17- -16は、図 17- -15の続きである。
[図 17- - 17]図 17- -17は、図 17- -16の続きである。
[図 17- -18]図 17- -18は、図 17- -17の続きである。
[図 17- - 19]図 17- -19は、図 17- -18の続きである。
[図 17- - 20]図 17- -20は、図 17- -19の続きである。
[図 17- - 21]図 17- -21は、図 17- -20の続きである。
[図 17- -22]図 17- -22は、図 17- -21の続きである。
[図 17- -23]図 17- -23は、図 17- -22の続きである。
[図 17- -24]図 17- -24は、図 17- -23の続きである。
[図 17- -25]図 17- -25は、図 17- -24の続きである。
[図 17- -26;図 17- -26は、図 17- -25の続きである。
[図 17- -27;図 17- -27は、図 17- -26の続きである。
[図 17- -28;図 17- -28は、図 17- -27の続きである。
[図 17- -29;図 17- -29は、図 17- -28の続きである。
[図 17- -30;図 17- -30は、図 17- -29の続きである。
[図 17- -31;図 17- -31は、図 17- -30の続きである。
[図 17- -32;図 17- -32は、図 17- -31の続きである。
[図 17- -33;図 17- -33は、図 17- -32の続きである。
[図 17- -34;図 17- -34は、図 17- -33の続きである。
[図 17- -35;図 17- -35は、図 17- -34の続きである。
[図 17- -36;図 17- -36は、図 17- -35の続きである。
[図 17- -37;図 17- -37は、図 17- -36の続きである。
[図 17- -38;図 17- -38は、図 17- -37の続きである。
[図 17- -39;固 17- -39は、図 17- -38の続きである。
[図 17- -40;固 17- -40は、図 17- -39の続きである。
[図 17- -41;画 17- -41は、図 17- -40の続きである。
[図 17- -42;画 17- -42は、図 17- -41の続きである。
[図 17- -43;画 17- -43は、図 17- -42の続きである。
[図 17- -44;固 17- -44は、図 17- -43の続きである。
配列表フリーテキスト
(配列表の説明)
配列番号 1は、ヒト LOX— 1のリガンド結合フラグメント(CTLD)の核酸配列を示す。 配列番号 2は、ヒト LOX— 1のリガンド結合フラグメントのアミノ酸配列を示す。
配列番号 3は、ヒト LOX— 1の核酸配列を示す。
配列番号 4は、ヒト LOX— 1のアミノ酸配列を示す。
配列番号 5は、ヒト LOX - 1の細胞外領域の核酸配列を示す。
配列番号 6は、ヒト LOX— 1の細胞外領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号 7は、ピオチンィ匕モチーフのアミノ酸配列を示す。
配列番号 8は、ピオチンィ匕モチーフのアミノ酸配列の別の例である。
配列番号 9は、ピオチンィ匕モチーフのアミノ酸配列の別の例である。
配列番号 10は、ピオチンィ匕モチーフのアミノ酸配列の別の例である。
配列番番号号 1111はは、 FactorXaの認識配列のアミノ酸配列の例である。
配列番号 12は ェンテロキナーゼの認識配列のアミノ酸配列の例である。
配列番号 13は セルロース結合ドメインタグの例である。
配列番号 14は カルモジュリン結合ペプチドタグの例である。
配列番号 15は Sタンパク質結合ペプチドタグの例である。
配列番号 16は T7タグの例である。
配列番号 17は hLOX— 1の活性ポケットの核酸配列を示す。
配列番号 18は hLOX— 1の活性ポケット(配列番号 4の 191—240位)のアミノ酸配 列を示す。
配列番号 19は ゥサギ (ラビット)の LOX— 1のリガンド結合フラグメントの核酸配列 を示す。
配列番号 20は ゥサギ(ラビット)の LOX— 1のリガンド結合フラグメントのアミノ酸配 列を示す。
配列番号 21は ゥサギ(ラビット)の LOX— 1の核酸配列を示す。
配列番号 22は ゥサギ(ラビット)の LOX-1のアミノ酸配列を示す。
配列番号 23は ブタの LOX— 1のリガンド結合フラグメントの核酸配列を示す。 配列番号 24は ブタの LOX— 1のリガンド結合フラグメントのアミノ酸配列を示す。 配列番号 25は ブタの LOX— 1の核酸配列を示す。
配列番号 26は ブタの LOX— 1のアミノ酸配列を示す。
配列番号 27は マウスの LOX— 1のリガンド結合フラグメントの核酸配列を示す。 配列番号 28は マウスの LOX— 1のリガンド結合フラグメントのアミノ酸配列を示す。 配列番号 29は、マウスの LOX— 1の核酸配列を示す。
配列番号 30は、マウスの LOX— 1のアミノ酸配列を示す。
配列番号 31は、ラットの LOX— 1のリガンド結合フラグメントの核酸配列を示す。 配列番号 32は、ラットの LOX— 1のリガンド結合フラグメントのアミノ酸配列を示す。 配列番号 33は、ラットの LOX— 1の核酸配列を示す。
配列番号 34は、ラットの LOX— 1のアミノ酸配列を示す。
配列番号 35は、 CTLD - NECKの核酸配列を示す。
配列番号 36は、 CTLD— NECKのアミノ酸配列(配列番号 4のアミノ酸番号 129— 2 73に該当する)を示す。
発明を実施するための最良の形態
[0027] 以下、本発明を説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及 しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書 において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味 で用いられることが理解されるべきである。
[0028] 以下に本明細書において特に使用される用語の定義を列挙する。
[0029] 本明細書において、「LOX— 1」とは、レクチン様酸ィ匕 LDL受容体 1の略称をさし、 スカベンジャー受容体の一種である LDL受容体関連タンパク質ファミリーの受容体 を指す。 LOX - 1は、非常に誘導のかかりやすい遺伝子であり、動脈硬化を促進する ような高血圧、高脂血症、糖尿病などの条件下で発現が誘導される。また、酸化 LD Lが LOX— 1を介して血管内皮細胞に働くと、活性酸素の産生や、それに伴う NO活 性の低下が引き起こされる。また細胞接着分子ゃケモカインの発現も誘導され、いわ ゆる内皮機能不全の状態が弓 Iき起こされると 、われて 、る。 LDLは血管内皮細胞や 血管平滑筋細胞において酸ィ匕的変性をうける。酸化 LDLは血管内皮細胞において レクチン様酸化 LDL受容体 LOX— 1により細胞内に取り込まれ分解される。また、酸 化 LDLシカベンジャー受容体によりマクロファージにとりこまれ、マクロファージを泡 沫ィ匕させる。代表的な、 LOX-1の配列は、配列番号 3および 4 (それぞれ、核酸配列 およびアミノ酸配列;ヒト大動脈内皮細胞由来)に示されている。 LOX— 1の代表的な 他の動物由来のものとしては、例えば、配列番号 21および 22 (それぞれ、ゥサギ(ラ ビット)の核酸およびアミノ酸配列)、配列番号 25および 26 (それぞれ、ブタの核酸お
よびアミノ酸配列)、配列番号 29および 30 (それぞれ、マウスの核酸およびアミノ酸配 列)、ならびに配列番号 33および 34 (それぞれ、ラットの核酸およびアミノ酸配列)が 挙げられるがそれらに限定されない。
[0030] 本明細書において「二量体」とは、同じ種または類似の分子が相互作用して複合体 化してできる分子をいう。そのような相互作用としては、例えば、共有結合、水素結合 などを挙げることができる力 本発明の LOX— 1につ ヽてはジスルフイド結合を介した 共有結合であることが好ましい。 LOX-1は、天然に存在するとき、細胞表層上に存 在するときは、ジスルフイド結合により二量体構造をし、上記活性を発揮するとされて いる。従って、二量体を解析することは、 LOX— 1の活性阻害または活性ィ匕において 重要な役割を果たす。本発明において、 LOX— 1の二量体ィ匕には、 NECK領域部( 配列番号 4のアミノ酸番号 60— 142) 14残基(配列番号 4のうち 129— 142)を含む ことが好ま ヽことが見出された。 NECK領域に含まれるシスティン残基を介して分 子間のジスルフイド結合を形成して、安定な二量体を形成することが本発明にお 、て 見出された。
[0031] 本明細書において「二量体界面」とは、 LOX-1が二量体を形成する際に、他方の モノマーに対して相互作用する領域をいう。代表的には、 NECK領域を挙げることが できるがそれらに限定されない。
[0032] 本明細書にぉ 、て「NECK領域」とは、配列番号 4 (ヒト LOX— 1のアミノ酸配列)の うち、二量体形成に必要なジスルフイド結合をになう領域であって、代表的にはァミノ 酸番号 60— 142の領域をいう。本発明においては、特に、 14残基(配列番号 4のう ち 129— 142)を含むを含むことが好ましぐこの上に、 CTLD領域のうち配列番号 4 のアミノ酸番号 150のトリプトファンならびに 144位および 155位のシスティンが保存 されていることが望ましい。本発明において、天然の二量体構造を保持する LOX— 1 結晶構造中の二量体界面に存在するキヤビティー構造と、キヤビティー近傍に存在 するアミノ酸置換体が劇的に LOX— 1の修飾 LDLに対する結合能を失わせたことが 見出された。従って、 LOX— 1の二量体界面部に存在するキヤビティーが LOX— 1特 異的阻害剤の標的部位になり得ることが明らかになった。
[0033] 本明細書にぉ 、て、「LDL」とは、低密度リポタンパク質を 、 、、動脈硬化の促進因
子である血清タンパク質の一種をいう。血清中に約 300mgZdl含まれ、コレステロ一 ルを約 50%含み、アポ Bとよばれるタンパク質を 20%含む。
[0034] 本明細書において、「LOX— 1に関連する疾患または障害」とは、 LOX— 1が要因と なって LDLの異常なレベルまたは性質、あるいは別の異常状態によって引き起こさ れる疾患または障害をいう。そのような疾患または障害としては、例えば、循環器系 一般の疾患、例えば、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの動脈硬化が原因 となる循環器系疾患などが挙げられるがそれらに限定されない。したがって、本発明 では、 LOX— 1自体の活性が通常であっても、 LDLのレベルが異常である場合は、 L OX— 1に関連する疾患または障害の範囲内にある。
[0035] 本明細書において「LOX— 1の活性を調節する」とは、ある LOX— 1について使用さ れるとき、通常そのタンパク質が有する活性を通常有しな 、活性に変更することを ヽ う。従って、調節には、 LOX— 1活性 (例えば、 LDLの結合能など)の増力 !!(亢進)また は減少が含まれる。
[0036] 本明細書にぉ 、て「予防」(prophylaxisまたは prevention)とは、ある疾患または 障害について、そのような状態が引き起こされる前に、そのような状態が起こらないよ うに処置することをいう。
[0037] 本明細書において「治療」とは、ある疾患または障害について、そのような状態にな つた場合に、そのような疾患または障害の悪ィ匕を防止、好ましくは、現状維持、より好 ましくは、軽減、さらに好ましくは消長させることをいう。
[0038] 本明細書にぉ 、て「候補化合物」とは、目的とする疾患または障害を処置するため に使用され得る化合物の候補をいう。したがって、ある化合物は、目的とする疾患ま たは障害について効果があると予測される場合は、候補ィ匕合物と呼ばれ得る。
[0039] 本明細書にぉ 、て「化合物種」とは、ある化合物の集合にぉ 、て、特定の目的とす る活性を有するなど、所望の性質を有する 1種の化合物についていう。例えば、 LOX 1の活性を調節する化合物の集合において、 LOX— 1の活性を調節する化合物が 特定される場合、そのような化合物は、化合物種と称され得る。本明細書では、単に 化合物とも称される。
[0040] 本明細書において「ライブラリー」とは、スクリーニングをするための化合物などの一
定の集合をいう。ライブラリ一は、同様の性質を有する化合物の集合であっても、ラン ダムな化合物の集合であってもよい。好ましくは、同様の性質を有すると予測される 化合物の集合が使用されるが、それに限定されない。
[0041] 本明細書において「相互作用」とは、 2以上の分子が存在する場合、ある分子と別 の分子との間の作用をいう。そのような相互作用としては、水素結合、ファンデルヮー ルスカ、イオン性相互作用、非イオン性相互作用、受容体リガンド相互作用、静電的 相互作用およびホスト ゲスト相互作用が挙げられるがそれらに限定されない。本発 明のスクリーニングにおいては、特に水素結合が用いられ得る。
[0042] 本明細書において「評価」とは、スクリーニングにおいて用いられるとき、ある指標( 例えば、医薬としての活性)に関して、候補ィ匕合物がそのような指標の要件を満たす 力どうか決定することをいう。そのような評価は、当該分野において公知の方法を用 いて行うことができ、例えば、 LOX— 1の場合は、そのリガンドとなる酸ィ匕 LDLなどを 用いて、その LOX-1活性が変化した力どうかを見ることによって行うことができる。
[0043] 本明細書においてタンパク質の「立体構造 (コンピュータ)モデル」とは、コンビユー タを用いて表現された、ある化合物の立体構造のモデルをいう。そのようなモデルは 、当該分野において公知のコンピュータプログラムを用いて表示することができ、その ようなプログラムとしては、例えば、 CCP4でサポートされるプログラム、 DENZO (HK L2000)、 MolScript (Avatar Software AB)、 Raster3D、 PyMOL (DeLano Scientific)、 TURBO— FRODO(AFMB—CNRS)、 O (A. Jonesゝ Uppsala U niversitet、 Sweden)、 ImageMagic (John Chrysty)、 RasMol (University of Massachusetts, Amherst MA USA)などがあるがそれらに限定されない。そ のようなプログラムは、例えば、図 7に示されるような原子座標のデータを用いてモデ ルを生成することができる。
[0044] 本明細書にぉ 、て「データアレイ」とは、原子座標を示す数列のような一連のデータ を示す。
[0045] 本明細書において「記録媒体」は、データを記録することができる限り、どのような媒 体でも用いることができる。そのような媒体としては、例えば、ハードディスク、 MO、 C D— Rゝ CD-RW, CD-ROM, DVD-RAM, DVD-R, DVD— RWゝ DVD+RW、
DVD-ROM,メモリーカードなどが挙げられるがそれらに限定されない。
[0046] 本明細書において「伝送媒体」は、データを伝送することができる限り、どのような媒 体でも用いることができる。そのような媒体としては、例えば、インターネット、イントラ ネット、 LAN、 WANなどが挙げられるがそれらに限定されない。
[0047] 本明細書において「アプリケーション」とは、コンピュータを利用するための,個々の 使用目的に応じたプログラムをいう。
[0048] 本明細書にぉ 、て「フアルマコフォア」とは、原子と官能基との組み合わせ (および それらの三次元的な位置)を 、 、、これを用いることによって薬物が特定の方式で標 的タンパク質と相互作用できるようにし、その薬理学的活性を示す。薬物分子の立体 (物理的)および電場によって形成される三次元の「機能的形態」であり、これにより 分子の薬理学的活性が生じる。医薬のリードィ匕合物、および特定の標的に対するリ 一ドィ匕合物の測定可能な活性を研究する様々なアプローチ法が開発され、一連の 構造活性の関係力 フアルマコフォアが設計され得る。
[0049] 本明細書にぉ 、て「生物学的試験」とは、実際の生体反応を用いてある化合物が ある活性を有するかどうかを判定することをいう。生物学的試験は、インビトロおよび i n vivoでの試験を包含する。したがって、生物学的試験は、 in silicoとは対立する 概念である。
[0050] 本明細書において「アンタゴニスト」とは、ある生体作用物質ほたはァゴ-スト)の受 容体への結合に拮抗的に働き,それ自身はその受容体を介した生理作用を現わさ ない物質をいう。アンタゴ-ストは、インヒビターの範疇に入る。
[0051] 本明細書において「インヒビター」とは、ある生体作用物質の作用を阻害する分子を いう。
[0052] 本明細書において「ァゴ二スト」とは、ある生体作用物質の受容体に結合し、その物 質のもつ作用と同じまたは類似の作用を現わす物質をいう。
[0053] 本明細書にぉ 、て「結合ポケット」とは、その形状の結果として、他の化学物質また は化合物と会合する、分子または分子複合体の領域を 、う。
[0054] 本明細書にぉ 、て「活性ポケット」とは、あるタンパク質につ 、て言及されるとき、そ の基質または補酵素と相互作用することができる部位を含む、分子または分子複合
体の領域をいう。
[0055] 本明細書にお!、て「ァセチル化 LDL複合体化 LOX-1活性部位結合ポケット」は、 その形状が、一般的なリガンドと結合するために、ァセチル化 LDL複合体化 LOX-1 の活性部位結合ポケットの全てまたは任意の部分と類似する、分子もしくは分子複合 体の一部を意味する。この形状の共通性は、ァセチル化 LDL複合体化 LOX-1にお ける結合ポケットを構成するアミノ酸の骨格原子の構造座標(図 7中に記載される)か らの例えば 3. OA以下、好ましくは 2. 5A未満の根二乗平均偏差により定義される。 この計算を得る方法は、本明細書の別の場所に記載されるとおりである。
[0056] ァセチル化 LDL複合体化 LOX-1の「活性部位結合ポケット」または「活性部位」は 、ァセチルイ匕 LDLの結合領域を担う LOX— 1の領域を意味する。ァセチル化 LDL複 合体化 LOX— 1の結晶構造の解明において、例えば、図 8のデータ力も結合部位ァ ミノ酸残基を同定することができる。これらの各アミノ酸は、図 7に示されるような構造 座標のセットにより定義されることができる。
[0057] 本明細書において「構造座標」は、 LOX— 1またはその複合体の原子 (散乱中心) により X線の単色ビームの回折上で得られるパターンに関する数式に由来する直交 座標をいう。回折データを使用して結晶の反復単位の電子密度マップを計算する。 次いで、電子密度マップを使用して、 LOX - 1の個々の原子の位置を確定する。
[0058] LOX— 1などの酵素または酵素複合体またはその一部にっ 、ての構造座標のセッ トが、 3次元における形状を定義する相対的な点のセットであることを当業者は容易 に理解する。従って、座標の全体の異なるセットが類似のまたは同一の形状を定義 することが可能である、さらに、個々の座標におけるわずかな変化は、全体の形状に おいてはほとんど影響はない。結合ポケットに関しては、これらの変化は、これらのポ ケットに会合し得るリガンドの性質を顕著に変化させるとは予測されない。
[0059] 本明細書にぉ 、て「会合する」は、化学物質または化合物、もしくはその一部と、 L OX— 1分子またはその一部との間の近接の条件をいう。会合は、非共有結合であり 得る(ここで、結合点は、エネルギー的に水素結合またはファンデルワールスもしくは 静電気的相互作用により好都合である)か、または共有結合であり得る。
[0060] 上記の座標における変化は、ァセチル化 LDL複合体化 LOX-1構造座標の数学
的操作によって生成され得る。例えば、図 7に示される構造座標は、構造座標の結晶 学的な置換、構造座標の分割、構造座標のセットへの整数的加算または減算、もしく は任意の上記の組合せにより操作され得る。
[0061] (遺伝子工学の一般的説明)
遺伝子工学、分子生物学および組換え DNA技術は、例えば、 Maniatis, T. et al. (1982). Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harborならびにその 第二版 (1987)およびその第三版 (2001); Ausubel, F. M. (1987). Current Protocols in Molecular Biology, Greene Pub. Associates ana Wiley-Interscience; Ausuoel, F. M . (1989). Short Protocols in Molecular Biology: A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology, Greene Pub. Associates and
Wiley- Interscience; Sambrook, J. et al. (1989). Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor; Innis, M. A. (1990). PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications, Academic Press; Ausubel, F. M. (1992). Short Protocols in Molecular Biology: A Compendium of Methods from Current Protocols in
Molecular Biology, Greene Pub. Associates; Ausubel, F. M. (1995). Short Protocols in Molecular Biology: A Compendium of Methods from Current Protocols in
Molecular Biology, Greene Pub. Associates; Innis, M. A. et al. (1995). PCR Strategies, Academic Press; Ausubel, F. M. (1999). Short Protocols in Molecular Biology: A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology, Wiley, and annual updates; bninsky, J. J. et al. (1999). PCR Applications: Protocols for Functional Genomics, Academic Pressなどに記載されており、これらは本明細書 において関連する部分が参考として援用される。
[0062] 本明細書において使用される用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」および「 核酸」は、本明細書において同じ意味で使用され、任意の長さのヌクレオチドのポリ マーをいう。この用語はまた、「誘導体オリゴヌクレオチド」または「誘導体ポリヌクレオ チド」を含む。「誘導体オリゴヌクレオチド」または「誘導体ポリヌクレオチド」とは、ヌク レオチドの誘導体を含む力、またはヌクレオチド間の結合が通常とは異なるオリゴヌク レオチドまたはポリヌクレオチドをいい、互換的に使用される。そのようなオリゴヌタレ
ォチドとして具体的には、例えば、 2,一 O—メチルーリボヌクレオチド、オリゴヌクレオチ ド中のリン酸ジエステル結合がホスホロチォエート結合に変換された誘導体オリゴヌ クレオチド、オリゴヌクレオチド中のリン酸ジエステル結合が N3, -P5,ホスホロアミデ ート結合に変換された誘導体オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のリボースとリ ン酸ジエステル結合とがペプチド核酸結合に変換された誘導体オリゴヌクレオチド、 オリゴヌクレオチド中のゥラシルが C 5プロピニルゥラシルで置換された誘導体オリゴ ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のゥラシルが C— 5チアゾールゥラシルで置換され た誘導体オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のシトシンが C 5プロピ-ルシトシ ンで置換された誘導体オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のシトシンがフエノキ サジン修飾シトシン(phenoxazine— modified cytosine)で置換された誘導体オリ ゴヌクレオチド、 DNA中のリボースが 2,一 O プロピルリボースで置換された誘導体ォ リゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド中のリボースが 2'—メトキシエトキシリボース で置換された誘導体オリゴヌクレオチドなどが例示される。オリゴヌクレオチドは、一本 鎖であっても二本鎖であってもよいが、好ましくは一本鎖が使用されるが、本発明で は一本鎖に限定されるわけではない。従って、本明細書においてオリゴヌクレオチド の「誘導体」とは、上述のようなヌクレオチドの誘導体を含むオリゴヌクレオチドを 、う。 他にそうではないと示されなければ、特定の核酸配列はまた、明示的に示された配 列と同様に、その保存的に改変された改変体 (例えば、縮重コドン置換体)および相 補配列を包含することが企図される。具体的には、縮重コドン置換体は、 1またはそ れ以上の選択された (または、すべての)コドンの 3番目の位置が混合塩基および Z またはデォキシイノシン残基で置換された配列を作成することにより達成され得る( Batzerら、 Nucleic Acid Res. 19; 5081(1991);Ohtsukaら、 J. Biol. Chem. 260; 2605- 2608(1985);Rossoliniら、 Mol. Cell. Probes 8; 91-98(1994))。
本明細書において用いられる用語「核酸」はまた、本明細書において、遺伝子、 cD NA、 mRN Aの概念を包含する。特定の核酸配列はまた、「スプライス改変体」を包 含する。同様に、核酸によりコードされた特定のタンパク質は、その核酸のスプライス 改変体によりコードされる任意のタンパク質を包含する。その名が示唆するように「ス プライス改変体」は、遺伝子のオルタナティブスプライシングの産物である。転写後、
最初の核酸転写物は、異なる核酸スプライス産物が異なるポリペプチドをコードする ようにスプライスされ得る。スプライス改変体の産生機構は変化するが、ェキソンのォ ルタナティブスプライシングを含む。読み過し転写により同じ核酸に由来する別のポリ ペプチドもまた、この定義に包含される。スプライシング反応の任意の産物 (組換え形 態のスプライス産物を含む)がこの定義に含まれる。
[0064] 本明細書において使用される用語「タンパク質」、「ポリペプチド」、「オリゴペプチド」 および「ペプチド」は、本明細書において同じ意味で使用され、任意の長さのアミノ酸 のポリマーをいう。このポリマーは、直鎖であっても分岐していてもよぐ環状であって もよい。アミノ酸は、天然のものであっても非天然のものであってもよぐ改変されたァ ミノ酸であってもよい。この用語はまた、複数のポリペプチド鎖の複合体へとァセンブ ルされ得る。この用語はまた、天然または人工的に改変されたアミノ酸ポリマーも包含 する。そのような改変としては、例えば、ジスルフイド結合形成、グリコシル化、脂質ィ匕 、ァセチル化、リン酸ィ匕または任意の他の操作もしくは改変(例えば、標識成分との 結合体化)。この定義にはまた、例えば、アミノ酸の 1または 2以上のアナログを含む ポリペプチド (例えば、非天然のアミノ酸などを含む)、ペプチド様ィ匕合物(例えば、ぺ ブトイド)および当該分野において公知の他の改変が包含される。
[0065] 本明細書において「遺伝子」とは、遺伝形質を規定する因子をいう。通常染色体上 に一定の順序に配列して 、る。タンパク質の一次構造を規定する構造遺伝子と 、 ヽ 、その発現を左右する調節遺伝子という。本明細書では、特定の状況において、「遺 伝子」は、「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」および「核酸」ならびに Zあるいは 「タンパク質」、「ポリペプチド」、「オリゴペプチド」および「ペプチド」をさすことがある。
[0066] 本明細書において遺伝子 (例えば、ポリペプチド、ポリヌクレオチドなど)の「相同性 」とは、 2以上の遺伝子配列の、互いに対する同一性の程度をいう。従って、ある 2つ の遺伝子の相同性が高いほど、それらの配列の同一性または類似性は高い。 2種類 の遺伝子が相同性を有する力否かは、配列の直接の比較、または核酸の場合ストリ ンジェントな条件下でのハイブリダィゼーシヨン法によって調べられ得る。 2つの遺伝 子配列を直接比較する場合、その遺伝子配列間で DNA配列が、代表的には少なく とも 50%同一である場合、好ましくは少なくとも 70%同一である場合、より好ましくは
少なくとも 80%、 90%、 95%、 96%、 97%、 98%または 99%同一である場合、それ らの遺伝子は相同性を有する。
[0067] 本明細書では配列の同一性、相同性および類似性の比較は、配列分析用ツール である BLASTを用いてデフォルトパラメータを用いて算出される。同一性の検索は 例えば、 NCBIの BLAST 2.2.9 (2004.5.12発行)を用いて行うことができる。本明細書 における同一性の値は通常は上記 BLASTを用い、デフォルトの条件でァラインした 際の値をいう。ただし、パラメーターの変更により、より高い値が出る場合は、最も高 い値を同一性の値とする。複数の領域で同一性が評価される場合はそのうちの最も 高い値を同一性の値とする。
[0068] 本発明のポリペプチドまたは核酸はまた、本明細書において具体的に野生型のァ ミノ酸配列または核酸配列が記載された配列(例えば、配列番号 3および 4など)に対 して同一ではないが相同性のあるものものまた使用され得る。そのような野生型のポ リペプチドまたは核酸に対して相同性を有する本発明のポリペプチドまたは核酸分 子としては、核酸の場合、例えば、 BLASTのデフォルトパラメータを用いて比較した 場合に、比較対象の配列に対して、少なくとも約 30%、約 35%、約 40%、約 45%、 約 50%、約 55%、約 60%、約 65%、約 70%、約 75%、約 80%、約 85%、約 90% 、約 95%、約 99%の同一性または類似性を有する核酸配列を含む核酸分子、また はポリペプチドの場合少なくとも約 30%、約 35%、約 40%、約 45%、約 50%、約 55 %、約 60%、約 65%、約 70%、約 75%、約 80%、約 85%、約 90%、約 95%、約 9 9%の同一性または類似性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドが挙げられる がそれらに限定されない。
[0069] 本明細書にぉ 、て遺伝子、ポリヌクレオチド、ポリペプチドなどの「発現」とは、その 遺伝子などが in vivoで一定の作用を受けて、別の形態になることをいう。好ましくは 、遺伝子、ポリヌクレオチドなど力 転写および翻訳されて、ポリペプチドの形態にな ることをいうが、転写されて mRNAが作製されることもまた発現の一形態であり得る。 より好ましくは、そのようなポリペプチドの形態は、翻訳後プロセシングを受けたもので あり得る。
[0070] 本明細書にぉ 、て、「アミノ酸」は、天然のものでも非天然のものでもよ 、。「誘導体
アミノ酸」または「アミノ酸アナログ」とは、天然に存在するアミノ酸とは異なるがもとの アミノ酸と同様の機能を有するものをいう。そのような誘導体アミノ酸およびアミノ酸ァ ナログは、当該分野において周知である。
[0071] 本明細書において用いられる用語「天然のアミノ酸」とは、天然のアミノ酸の L 異性 体を意味する。天然のアミノ酸は、グリシン、ァラニン、パリン、ロイシン、イソロイシン、 セリン、メチォニン、トレオニン、フエ二ルァラニン、チロシン、トリプトファン、システィン 、プロリン、ヒスチジン、ァスパラギン酸、ァスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、 γ— カルボキシグルタミン酸、アルギニン、オル-チン、およびリジンである。特に示されな い限り、本明細書でいう全てのアミノ酸は L体である力 D体のアミノ酸を用いた形態 もまた本発明の範囲内にある。
[0072] 本明細書において用いられる用語「非天然アミノ酸」とは、タンパク質中で通常は天 然に見出されないアミノ酸を意味する。非天然アミノ酸の例として、ノルロイシン、パラ 一二トロフエニノレアラニン、ホモフエニノレアラニン、パラーフノレオロフェニノレアラニン、 3— ァミノ— 2—べンジルプロピオン酸、ホモアルギニンの D体または L体および D フエ- ルァラニンが挙げられる。
[0073] 本明細書において用いられる「アミノ酸アナログ」とは、アミノ酸ではないが、アミノ酸 の物性および Ζまたは機能に類似する分子をいう。アミノ酸アナログとしては、例えば 、ェチォニン、力ナパニン、 2—メチルグルタミンなどが挙げられる。アミノ酸模倣物と は、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するァミノ 酸と同様な様式で機能する化合物をいう。
[0074] 本明細書にぉ 、て「ヌクレオチド」は、天然のものでも非天然のものでもよ 、。「誘導 体ヌクレオチド」または「ヌクレオチドアナログ」とは、天然に存在するヌクレオチドとは 異なるがもとのヌクレオチドと同様の機能を有するものをいう。そのような誘導体ヌクレ ォチドおよびヌクレオチドアナログは、当該分野において周知である。そのような誘導 体ヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログの例としては、ホスホロチォエート、ホスホ ルアミデート、メチルホスホネート、キラルメチルホスホネート、 2— Ο—メチルリボヌタレ ォチド、ペプチド 核酸 (ΡΝΑ)が含まれる力 これらに限定されない。
[0075] アミノ酸は、その一般に公知の 3文字記号力、または IUPAC— IUB Biochemical
Nomenclature Commissionにより推奨される 1文字記号のいずれかにより、本 明細書中で言及され得る。そのような略号は、以下のとおりである。
[0076] 以下の略号は、本出願を通して用いられる:
A=Ala =ァラニン T=Thr= レオニン
V=Val =バリン C = Cys =システィン
L = Leu =ロイシン 丫=丁5^=チ口シン
I = Ile=イソロイシン N=Asn=ァスノ ラギン
P = Pro =プロリン <3 = 01!1 =グノレタミン
F = Phe =フエニノレアラニ D = Asp =ァスパラギン酸
W=Trp =トリブトファン E = Glu=グルタミン酸
M = Met =メチォニン K=Lys =リジン
G = Gly=グリシン R=Arg = 7ノレギニン
3 = 36 =セリン H=His =ヒスチジン
B=Asx ァスパラギンまたはァスパラギン酸
Z = Glx グルタミンまたはグルタミン酸
X=Xaa 不明または他のアミノ酸。
[0077] ヌクレオチドも同様に、一般に受け入れられた 1文字コードにより言及され得る [0078]
S号 意味
a アデニン
g グァニン
c シトシン
t チミン
u ゥラシノレ
r グァニンまたはアデニンプリン
y チミン/ゥラシルまたはシトシンピリミジン
m アデニンまたはシトシンアミノ基
k グァニンまたはチミン zゥラシルケト基
s グァニンまたはシトシン
w アデニンまたはチミン Zゥラシル
b グァニンまたはシトシンまたはチミン Zゥラシノレ
d アデニンまたはグァニンまたはチミン Zゥラシル
h アデニンまたはシトシンまたはチミン Zゥラシル
V アデニンまたはグァニンまたはシトシン
n アデニンまたはグァニンまたはシトシンまたはチミン Zゥラシル、不明、または他 の塩基。
[0079] 本明細書において、「対応する」アミノ酸または核酸とは、それぞれあるポリペプチド 分子またはポリヌクレオチド分子にぉ 、て、比較の基準となるポリペプチドまたはポリ ヌクレオチドにおける所定のアミノ酸あるいはそれらのドメインと同様の作用を有する 力 ある 、は有することが予測されるアミノ酸または核酸あるいはそれらのドメインを ヽ い、特に酵素分子にあっては、活性部位中の同様の位置に存在し触媒活性に同様 の寄与をするアミノ酸あるいはそれらのドメインまたはそれをコードする核酸をいう。例 えば、配列番号 1および 2に示されるヒト由来の LOX— 1リガンド結合フラグメントの配 列に対応する核酸配列およびアミノ酸配列は、当業者に明らかである。また、そのよう な対応するアミノ酸は、立体構造解析をすることによって決定することもできる。その ような立体構造解析の技術は当業者に周知である。また、そのような対応するァミノ 酸は、基質などの対象のポリペプチドと相互作用する物質との複合体を解析すること によっても同定することができる。そのような同定方法もまた、当業者には周知であり 、そのような方法の例示は Laube, H. et al. (1992)Biochemistry 31,2735- 2748にも記 載されている。
[0080] 本明細書において、「対応する」遺伝子 (例えば、 LOX— 1遺伝子)とは、ある種に おいて、比較の基準となる種における所定の遺伝子と同様の作用を有するか、また は有することが予測される遺伝子をいい、そのような作用を有する遺伝子が複数存在 する場合、進化学的に同じ起源を有するものをいう。従って、ある遺伝子の対応する 遺伝子は、その遺伝子のオルソログあるいは種相同体であり得る。したがって、ヒト L OX— 1などに対応する遺伝子は、他の動物においても見出すことができる。そのよう
な対応する遺伝子は、当該分野において周知の技術を用いて同定することができる 。したがって、例えば、ある動物における対応する遺伝子は、対応する遺伝子の基準 となる遺伝子 (例えば、ヒト LOX-1など)の配列をクエリ配列として用いてその動物( 例えばマウス、ラット、ィヌ、ネコ)の配列データベースを検索することによって見出す ことができる。このような対応する遺伝子は、ゲノムデータベースを利用すれば、当業 者は容易に得ることができる。そのようなゲノム配列の入手方法は、当該分野におい て周知であり、本明細書において他の場所に記載される。本発明では、このような検 索によって得られた配列も利用可能である。
[0081] 本明細書にぉ 、て、「フラグメント」とは、全長のポリペプチドまたはポリヌクレオチド( 長さが n)に対して、それぞれ 1一 n— 1までの配列長さを有するポリペプチドまたはポ リヌクレオチドをいう。フラグメントの長さは、その目的に応じて、適宜変更することがで き、例えば、その長さの下限としては、ポリペプチドの場合、 3、 4、 5、 6、 7、 8、 9、 10 、 15、 20、 25、 30、 40、 50およびそれ以上のアミノ酸力 ^挙げ、られ、ここの具体的に 列挙していない整数で表される長さ(例えば、 11など)もまた、下限として適切であり 得る。また、ポリヌクレオチドの場合、 5、 6、 7、 8、 9、 10、 15, 20、 25、 30、 40、 50、 75、 100およびそれ以上のヌクレオチドが挙げられ、ここの具体的に列挙していない 整数で表される長さ(例えば、 11など)もまた、下限として適切であり得る。本明細書 において、ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの長さは、上述のようにそれぞれァミノ 酸または核酸の個数で表すことができるが、上述の個数は絶対的なものではなぐ同 じ機能を有する限り、上限または加減としての上述の個数は、その個数の上下数個( または例えば上下 10%)のものも含むことが意図される。そのような意図を表現する ために、本明細書では、個数の前に「約」を付けて表現することがある。しかし、本明 細書では、「約」のあるなしはその数値の解釈に影響を与えないことが理解されるべき である。本明細書において使用する場合、好ましくは、受容体「フラグメント」は、全長 受容体が特異的に結合し得るリガンドに特異的に結合する。レクチン様酸化 LDL受 容体の好ま ヽフラグメントは、 C-タイプレクチン様領域 (CTLD)を含むフラグメント である。
[0082] 本明細書において「生物学的活性」とは、ある因子 (例えば、ポリペプチドまたはタ
ンパク質)力 生体内において有し得る活性のことをいい、種々の機能を発揮する活 性が包含される。例えば、ある因子が受容体 (例えば、 LOX— 1)である場合、その生 物学的活性は、そのリガンド結合活性 (例えば、 LOX— 1活性)を包含する。別の例で は、ある因子がリガンドである場合、そのリガンドが対応する受容体への結合を包含 する。そのような生物学的活性は、当該分野において周知の技術によって測定する ことができる。また、 LOX— 1活性が生物学的活性である場合は、そのような活性は、 本明細書の記載にしたがって測定することができる。
[0083] 本発明のポリペプチドを製造する方法としては、例えば、そのポリペプチドを産生す る原核生物である細菌を培養し、細菌中に組換え受容体タンパク質を封入体として 蓄積させ、その宿主細菌を破壊することによって、そのポリペプチドを得る方法が挙 げられる。
[0084] 大腸菌内でタンパク質をピオチンィ匕するためのピオチンィ匕モチーフのアミノ酸配列 としては:
TEINAPTDGKVEKVLVKERDAVQGGQGLIKIGDLELJ (配列番号 7)が挙 げられる。アミノ酸配列「GLNDIFEAQKIEWHE」(配列番号 8)もまたピオチン化 モチーフとして利用可能である。これら配列において、実際にピオチンィ匕を受ける K ( リジン)残基以外に変異を導入しても、ピオチン化活性に大きな影響はないので、リジ ン残基以外を置換した配列もまた、ピオチンィ匕モチーフとして使用することができる。 また、実際にピオチンィ匕を受ける Κを含んだ「KIG, KI, KIA, KIE, KIGDP (配列 番号 9) , KLWSI (配列番号 10) , KLG, KVG」などを C末側に付加することによるビ ォチン化も可能である。
[0085] また、エンドプロティナーゼである FactorXaの認識配列「IEGR」(配列番号 11)や ェンテロキナーゼの認識配列「DDDDK」(配列番号 12)などをこれらピオチンィ匕モ チーフと発現される外来タンパク質との間に挿入し、 FactorXaまたはェンテロキナー ゼによる切断により外来タンパク質を精製することも可能である。例えば、 CTLDを発 現する場合、これらピオチン化モチーフと CTLDとの間にアミノ酸配列「IEGR」を揷
入し、 CTLDのみの精製をすることも可能である。
[0086] 本明細書において「形質転換体」とは、宿主細胞を形質転換することによって作製 された細胞などの生命体の全部または一部をいう。形質転換体としては、原核細胞 が例示される。形質転換体は、その対象に依存して、形質転換細胞、形質転換組織 、形質転換宿主などともいわれ、本明細書においてそれらの形態をすベて包含する 力 特定の文脈において特定の形態を指し得る。
[0087] 形質転換体を得るための宿主細菌細胞は、生理活性を保持するポリペプチドを発 現するものであれば、特に限定されず、従来カゝら遺伝子操作において利用される各 種の宿主細菌細胞を用いることができる。原核細胞としては、ェシエリヒア属、セラチ ァ属、バチノレス属、ブレビバクテリウム属、コリネバクテリウム属、ミクロバクテリウム属、 シユードモナス属等に属する原核細胞、例えば、 Escherichia coli XL1— Blue、 E scherichia coll XL 2— Blue ^ Escherichia coll DHl、 Escherichia con M C1000、 Escherichia coli KY3276、 Escherichia coli W1485、 Escherichi a coli JM109、 Escherichia coli HB101、 Escherichia coli No. 49、 Esc herichia coli W3110、 Escherichia coli NY49、 Escherichia coli BL21 ( DE3)、 Escherichia coli BL21 (DE3) pLysSゝ Escherichia coli HMS 174 ( DE3)、 Escherichia coli HMS l74 (DE3) pLysS、 Serratia ficaria、 Serrati a fonticola、 Serratia liquefaciens、 Serratia marcescens、 Bacillus subtili s、 Bacillus amyloliquef aciens ^ Brevibacterium ammmoniagenes、 Breviba cterium immariophilum ATCC14068、 Brevibacterium saccharolyticum ATCC14066、 Corynebacterium glutamicum ATCCl 3032, Corynebacte rium glutamicum ATCC14067、 Corynebacterium glutamicum ATCCl 3869、 Corynebacterium acetoacidophilum ATCC13870、 Microbacteriu m ammoniaphilum ATCC15354、 Pseudomonas sp. D— 0110などが例示さ れる。
[0088] あるタンパク質におけるあるアミノ酸は、本発明にお!/、て目的とする改変を導入する こと (例えば、ァセチル化 LDLとの相互作用領域における置換)に加え、相互作用結 合能力の明らかな低下または消失なしに、例えば、カチオン性領域またはェピトープ
部位のようなタンパク質構造にぉ 、て他のアミノ酸に置換され得る。あるタンパク質の 生物学的機能を規定するのは、タンパク質の相互作用能力および性質である。従つ て、特定のアミノ酸の置換がアミノ酸配列において、またはその DNAコード配列のレ ベルにおいて行われ得、置換後もなお、もとの性質を維持するタンパク質が生じ得る 。従って、生物学的有用性の明らかな損失なしに、種々の改変が、本明細書におい て開示されたペプチドまたはこのペプチドをコードする対応する DNAにおいて行わ れ得る。
[0089] 上記のような改変を設計する際に、アミノ酸の疎水性指数が考慮され得る。タンパク 質における相互作用的な生物学的機能を与える際の疎水性アミノ酸指数の重要性 は、一般に当該分野で認められている(Kyte. Jおよび Doolittle, R. F. J. Mol. Bi ol. 157 (1) : 105-132, 1982)。アミノ酸の疎水的性質は、生成したタンパク質の 二次構造に寄与し、次いでそのタンパク質と他の分子 (例えば、酵素、基質、受容体 、 DNA、抗体、抗原など)との相互作用を規定する。各アミノ酸は、それらの疎水性 および電荷の性質に基づく疎水性指数を割り当てられる。それらは:イソロイシン(+ 4. 5);バリン(+4. 2);ロイシン( + 3. 8);フエ-ルァラニン( + 2. 8);システィン Z シスチン( + 2. 5);メチォニン( + 1. 9);ァラニン( + 1. 8);グリシン (一 0. 4);スレオ ニン (一 0. 7) ;セリン (一 0. 8);トリプトファン (一 0. 9) ;チロシン (一 1. 3) ;プロリン(—1. 6);ヒスチジン (一 3. 2);グルタミン酸 (一 3. 5);グルタミン (一 3. 5);ァスパラギン酸 (一 3. 5);ァスパラギン (一 3. 5) ;リジン (一 3. 9);およびアルギニン (一 4. 5) )である。
[0090] あるアミノ酸を、同様の疎水性指数を有する他のアミノ酸により置換して、そして依 然として同様の生物学的機能を有するタンパク質 (例えば、酵素活性において等価 なタンパク質)を生じさせ得ることは、当該分野で周知である。このようなアミノ酸置換 において、疎水性指数が ± 2以内であることが好ましぐ ± 1以内であることがより好ま しぐおよび ±0. 5以内であることがさらにより好ましい。疎水性に基づくこのようなァ ミノ酸の置換は効率的であることが当該分野において理解される。
[0091] 親水性指数もまた、改変を行う際に考慮され得る。米国特許第 4, 554, 101号に 記載されるように、以下の親水性指数がアミノ酸残基に割り当てられて 、る:アルギ- ン( + 3. 0);リジン( + 3. 0);ァスパラギン酸( + 3. 0± 1);グルタミン酸( + 3. 0± 1)
;セリン( + 0. 3);ァスパラギン( + 0. 2);グルタミン( + 0. 2);グリシン(0);スレオ- ン(一 0. 4);プロリン (一 0. 5 ± 1);ァラニン (一 0. 5);ヒスチジン (一 0. 5);システィン( —1. 0);メチォニン (一 1. 3);バリン (一 1. 5);ロイシン (一 1. 8);ィソロイシン (一 1. 8); チロシン (一 2. 3);フエ-ルァラニン (一 2. 5);およびトリプトファン (一 3. 4)。アミノ酸 が同様の親水性指数を有しかつ依然として生物学的等価体を与え得る別のものに 置換され得ることが理解される。このようなアミノ酸置換において、親水性指数が ± 2 以内であることが好ましぐ ± 1以内であることがより好ましぐおよび ±0. 5以内であ ることがさらにより好ましい。
[0092] 本発明にお 、て、「保存的置換」とは、アミノ酸置換にぉ 、て、元のアミノ酸と置換さ れるアミノ酸との親水性指数または Zおよび疎水性指数が上記のように類似して 、る 置換をいう。保存的置換の例は、当業者に周知であり、例えば、次の各グループ内 での置換:アルギニンおよびリジン;グルタミン酸およびァスパラギン酸;セリンおよび スレオニン;グルタミンおよびァスパラギン;ならびにパリン、ロイシン、およびイソロイ シン、などが挙げられるがこれらに限定されない。
[0093] 本明細書において、「改変体」とは、もとのポリペプチドまたはポリヌクレオチドなどの 物質に対して、一部が変更されているものまたはその立体構造データ (または原子座 標)をいう。そのような改変体としては、置換改変体、付加改変体、欠失改変体、短縮 (truncated)改変体、対立遺伝子変異体などが挙げられる。原子座標の改変体の 場合、一次配列が同じであっても、異なる原子座標を採る場合、このような改変体と 呼ばれ得る。対立遺伝子 (allele)とは、同一遺伝子座に属し、互いに区別される遺 伝的改変体のことをいう。従って、「対立遺伝子変異体」とは、ある遺伝子に対して、 対立遺伝子の関係にある改変体をいう。「種相同体または相同体 (homolog)」とは、 ある種の中で、ある遺伝子とアミノ酸レベルまたはヌクレオチドレベルで、相同性 (好 ましくは、 60%以上の相同性、より好ましくは、 80%以上、 85%以上、 90%以上、 9 5%以上の相同性)を有するものをいう。そのような種相同体を取得する方法は、本 明細書の記載から明らかであり、当該分野において公知のものを DDBJなどのデー タベース力も情報を取得することもできる。本明細書では、ヒト LOX-1が特に開示さ れているが、本発明ではこのような配列には限定されず、マウスなどの哺乳動物の同
様の受容体もまた本発明の範囲内にある。
[0094] 本明細書にぉ 、て、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの「置換、付加または欠失」 とは、もとのポリペプチドまたはポリヌクレオチドに対して、それぞれアミノ酸もしくはそ の代替物、またはヌクレオチドもしくはその代替物力 置き換わること、付け加わること または取り除かれることをいう。このような置換、付加または欠失の技術は、当該分野 において周知であり、そのような技術の例としては、部位特異的変異誘発技術などが 挙げられる。置換、付加または欠失は、 1つ以上であれば任意の数でよぐそのような 数は、その置換、付加または欠失を有する改変体において目的とする機能 (例えば、 癌マーカー、神経疾患マーカーなど)が保持される限り、多くすることができる。例え ば、そのような数は、 1または数個であり得、そして好ましくは、全体の長さの 20%以 内、 10%以内、または 100個以下、 50個以下、 25個以下などであり得る。
[0095] 本明細書にぉ 、て「オルソログ(ortholog)」とは、オルソロガス遺伝子(orthologo us gene)ともいい、二つの遺伝子がある共通祖先からの種分化に由来する遺伝子 をいう。例えば、多重遺伝子構造をもつヘモグロビン遺伝子ファミリーを例にとると、ヒ ト aヘモグロビン遺伝子とマウスの aヘモグロビン遺伝子とはオルソログである力 ヒト の αヘモグロビン遺伝子と 13ヘモグロビン遺伝子の αヘモグロビン遺伝子とはパラ口 グ (遺伝子重複で生じた遺伝子)である。オルソログは、分子系統樹の推定に有用で あること力ら、本発明のヒト LOX— 1のオルソログもまた、本発明において有用であり得 る。
[0096] 本明細書において LOX— 1の「野生型」とは、天然に存在する LOX— 1のうち、由来 となる生物種においてもっとも広汎に存在するものをいう。通常、ある種において最初 に同定される LOX-1は野生型といえる。野生型はまた、「天然標準型」ともいう。その ような野生型 LOX— 1は、配列番号 3および 4に示す配列を有するものである。
[0097] 本発明の LOX— 1改変体は、本発明の目的とする改変が導入されていることが 1つ の特徴である。本明細書では、そのような「目的とする改変」とは、例えば、 LOX-1の アミノ酸配列において、 LOX— 1のリガンドまたは基質 (LDLなど)との相互作用をす る部位またはアミノ酸残基における改変またはそのような相互作用する部位が変動す るような改変をいう。
[0098] したがって、そのような目的とする改変は、例えば、配列番号 2に示される LOX— 1 の図 8に示される図において変化に起因するアミノ酸位力もなる群より選択される少 なくとも 1つの残基に対応する、該野生型 LOX— 1ポリペプチドの残基において、配 列番号 2において示されるそれぞれの位置におけるアミノ酸以外のアミノ酸を有する ことを包含する。
[0099] 基質または補酵素などとの相互作用を担うドメインはまた、当該分野において周知 の X線結晶構造解析の手法(例えば、 BW7bビームライン(DESYZEMBL、 Hamb urg, Germany)を用いた X線解析、 MarReseachイメージングプレート検出器を用 V、たデータ測定、 DENZOおよび SCLAEPACKなどのプログラムを用いたデータ 処理)、およびコンピュータモデリングの手法(例えば、 CNSプログラム、 XPL02Dプ ログラム、プログラム 0、 PROCHECK, WHATCHECK, WHATIFなどを用いた 精密化など)を用いて同定することができる。したがって、任意の LOX-1は、上述の 方法を用いて同定された基質または補酵素などとの相互作用ドメインにおいて改変 を導入することによって本発明の目的の改変を導入することができる。そのような改変 は、好ましくは、野生型におけるアミノ酸を他のアミノ酸に置換することを包含する。本 発明の LOX— 1は、リガンドとの相互作用ドメインにあるアミノ酸残基を改変することに よって、酵素活性が高まり、副反応が減少し得る。このような相互作用ドメインは従来 では不明であったことから、本発明は、従来の技術では予想不可能な効果を奏する といえる。
[0100] 本明細書にぉ 、て「保存的(に改変された)改変体」は、アミノ酸配列および核酸配 列の両方に適用される。特定の核酸配列に関して、保存的に改変された改変体とは 、同一のまたは本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸をいい、核酸がァミノ 酸配列をコードしない場合には、本質的に同一な配列をいう。遺伝コードの縮重のた め、多数の機能的に同一な核酸が任意の所定のタンパク質をコードする。例えば、コ ドン GCA、 GCC、 GCG、および GCUはすべて、アミノ酸ァラニンをコードする。した がって、ァラニンがコドンにより特定される全ての位置で、そのコドンは、コードされた ポリペプチドを変更することなぐ記載された対応するコドンの任意のものに変更され 得る。このような核酸の変動は、保存的に改変された変異の 1つの種である「サイレン
ト改変(変異)」である。ポリペプチドをコードする本明細書中のすべての核酸配列は また、その核酸の可能なすべてのサイレント改変を包含する。サイレント改変には、コ ードする核酸が変化しな 、「サイレント置換」と、そもそも核酸がアミノ酸をコードしな ヽ 場合を包含する。ある核酸がアミノ酸をコードする場合、サイレント改変は、サイレント 置換と同義である。本明細書において「サイレント置換」とは、核酸配列において、あ るアミノ酸をコードする核酸配列を、同じアミノ酸をコードする別の核酸配列に置換す ることをいう。遺伝コード上の縮重という現象に基づき、あるアミノ酸をコードする核酸 配列が複数ある場合 (例えば、グリシンなど)、このようなサイレンと置換が可能である 。したがって、サイレント置換により生成した核酸配列によってコードされるアミノ酸配 列を有するポリペプチドは、もとのポリペプチドと同じアミノ酸配列を有する。したがつ て、本発明の LOX— 1において、本発明の目的とする改変(LOX— 1ポリペプチドの 基質 (たとえば、 LDL)と相互作用するアミノ酸残基の、野生型のアミノ酸残基以外の アミノ酸残基への置換 (例えば、配列番号 2に示される LOX— 1のリガンド結合部位の 少なくとも 1つの残基に対応する、該野生型 LOX— 1ポリペプチドの残基において、 配列番号 2において示されるそれぞれの位置におけるアミノ酸以外のアミノ酸を有す ること))にカ卩えて、核酸配列レベルでは、サイレント置換を含ませることも可能である 。当該分野において、核酸中の各コドン (通常メチォニンをコードする唯一のコドンで ある AUG、および通常トリプトファンをコードする唯一のコドンである TGGを除く)が、 機能的に同一な分子を産生するために改変され得ることが理解される。したがって、 ポリペプチドをコードする核酸の各サイレント変異は、記載された各配列にぉ 、て暗 黙に含まれる。好ましくは、そのような改変は、ポリペプチドの高次構造に多大な影響 を与えるアミノ酸であるシスティンの置換を回避するようになされ得る。
本明細書において、本発明の LOX— 1改変体と機能的に等価なポリペプチドを作 製するために、本発明の目的の改変にカ卩えて、アミノ酸の置換のほかに、アミノ酸の 付加、欠失、または修飾もまた行うことができる。アミノ酸の置換とは、もとのペプチド を 1つ以上、例えば、 1一 10個、好ましくは 1一 5個、より好ましくは 1一 3個のアミノ酸 で置換することをいう。アミノ酸の付加とは、もとのペプチド鎖に 1つ以上、例えば、 1 一 10個、好ましくは 1一 5個、より好ましくは 1一 3個のアミノ酸を付加することをいう。
アミノ酸の欠失とは、もとのペプチドから 1つ以上、例えば、 1一 10個、好ましくは 1一 5個、より好ましくは 1一 3個のアミノ酸を欠失させることをいう。アミノ酸修飾は、アミド ィ匕、カルボキシル化、硫酸化、ハロゲン化、アルキル化、グリコシル化、リン酸化、水 酸化、ァシル化 (例えば、ァセチル化)などを含むが、これらに限定されない。置換、 または付加されるアミノ酸は、天然のアミノ酸であってもよぐ非天然のアミノ酸、また はアミノ酸アナログでもよ 、。天然のアミノ酸が好ま U、。
[0102] 本明細書において使用される用語「ペプチドアナログ」または「ポリペプチドアナ口 グ」は互換可能に使用され、ペプチドまたはポリペプチドとは異なる化合物である力 ペプチドまたはポリペプチドと少なくとも 1つの化学的機能または生物学的機能が等 価であるものをいう。したがって、ペプチドアナログには、もとのペプチドに対して、 1 つ以上のアミノ酸アナログが付加または置換されて 、るものが含まれる。ペプチドァ ナログは、その機能が、もとのペプチドの機能 (例えば、 pKa値が類似していること、 官能基が類似していること、他の分子との結合様式が類似していること、水溶性が類 似していることなど)と実質的に同様であるように、このような付加または置換がされて いる。そのようなペプチドアナログは、当該分野において周知の技術を用いて作製す ることができる。したがって、ペプチドアナログは、アミノ酸アナログを含むポリマーで あり得る。本明細書において「ポリペプチド」は、特に言及しない限り、このペプチドァ ナログを包含する。
[0103] 本明細書において遺伝子について言及する場合、「ベクター」とは、 目的のポリヌク レオチド配列を目的の細胞へと移入させることができるものをいう。そのようなベクター としては、動物個体などの宿主細胞において自律複製が可能である力、または染色 体中への糸且込みが可能で、本発明のポリヌクレオチドの転写に適した位置にプロモ 一ターを含有しているものが例示される。本明細書において、ベクターはプラスミドで あり得る。
[0104] 本明細書にお!、て「発現ベクター」は、構造遺伝子およびその発現を調節するプロ モーターにカ卩えて種々の調節エレメントが宿主の細胞中で作動し得る状態で連結さ れている核酸配列をいう。調節エレメントは、好ましくは、ターミネータ一、薬剤耐性遺 伝子のような選択マーカーおよび、ェンハンサーを含み得る。生物(例えば、動物)の
発現ベクターのタイプおよび使用される調節エレメントの種類力 S、宿主細胞に応じて 変わり得ることは、当業者に周知の事項である。
[0105] 本明細書において「組換えベクター」とは、 目的のポリヌクレオチド配列を目的の細 胞へと移入させることができるベクターをいう。そのようなベクターとしては、動物個体 などの宿主細胞にぉ 、て自律複製が可能、または染色体中への組込みが可能で、 本発明のポリヌクレオチドの転写に適した位置にプロモーターを含有しているものが 例示される。
[0106] 原核細胞に対する「組換えベクター」としては、 pBTrp2、 pBTacl、 pBTac2 (いず れも Roche Molecular Biochemicalsより巿販)、 pKK233— 2 (Pharmacia)、 pS E280 (Invitrogen)、 pGEMEX— 1 (Promega)、 pQE— 8 (QIAGEN)、 pKYPIO ( 特開昭 58— 110600)、 pKYP200 (Agric. Biol. Chem. , 48, 669 (1984) )、 pL SAl (Agric. Biol. Chem. , 53, 277 (1989) )、 pGELl (Proc. Natl. Acad. Sc i. USA, 82, 4306 (1985) )、 pBluescript II SK+ (Stratagene)、 pBluescrip t II SK (-) (Stratagene) , pTrs30 (FERM BP— 5407)、 pTrs32 (FERM B P-5408)、 pGHA2 (FERM BP— 400)、 pGKA2 (FERM B-6798)、 pTerm2 ( ^¥3-22979, US4686191, US4939094, US5160735) , pEG400Qi. B acteriol. , 172, 2392 (1990) ]、 pGEX (Pharmacia)、 pETシステム(Novagen) 、 pSupex、 pUB110、 pTP5、 pC194、 pTrxFus (Invitrogen)、 pMAL—c 2 (New England Biolabs)、 pUC19 [Gene, 33, 103 (1985) ]、 pSTV28 (宝酒造)、 p UC118 (宝酒造)、 pPAl (特開昭 63— 233798)、 Pinpoint Xa (Promega社製)、 PAN, PAC (avidity社製)などが例示される。
[0107] 本明細書において「ターミネータ一」は、遺伝子のタンパク質をコードする領域の下 流に位置し、 DNAが mRNAに転写される際の転写の終結、ポリ A配列の付加に関 与する配列である。ターミネータ一は、 mRNAの安定性に関与して遺伝子の発現量 に影響を及ぼすことが知られて 、る。
[0108] 本明細書において用いられる「プロモーター」とは、遺伝子の転写の開始部位を決 定し、またその頻度を直接的に調節する DNA上の領域をいい、 RNAポリメラーゼが 結合して転写を始める塩基配列である。プロモーターの領域は、通常、推定タンパク
質コード領域の第 1ェキソンの上流約 2kbp以内の領域であることが多い(がそれに 限定されない)ので、 DNA解析用ソフトウェアを用いてゲノム塩基配列中のタンパク 質コード領域を予測すれば、プロモータ領域を推定することはできる。推定プロモー ター領域は、構造遺伝子ごとに変動するが、通常構造遺伝子の上流にあるが、これ らに限定されず、構造遺伝子の下流にもあり得る。好ましくは、推定プロモーター領 域は、第一ェキソン翻訳開始点から上流約 2kbp以内に存在する。
[0109] 本明細書にぉ 、て「ェンノヽンサ一」は、目的遺伝子の発現効率を高めるために用 いられ得る。そのようなェンハンサ一は当該分野において周知である。ェンハンサー は複数個用いられ得るが 1個用いられてもよ 、し、用いなくともよ 、。
[0110] 本明細書において「作動可能に連結された (る)」とは、所望の配列の発現 (作動) がある転写翻訳調節配列(例えば、プロモーター、ェンノ、ンサ一など)または翻訳調 節配列の制御下に配置されることをいう。プロモーターが遺伝子に作動可能に連結 されるためには、通常、その遺伝子のすぐ上流にプロモーターが配置される力 必ず しも隣接して配置される必要はな 、。
[0111] 本明細書において、核酸分子を細胞に導入する技術は、どのような技術でもよぐ 例えば、形質転換、形質導入、トランスフエクシヨンなどが挙げられる。 そのような核 酸分子の導入技術は、当該分野において周知であり、かつ、慣用されるものであり、 例えば、 Ausubel F. A.ら編(1988)、 Current Protocols in Molecular Bi ology、 Wiley、 New York;、 NY; Sambrook Jら (1987) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed. , Cold Spring Harbor Laboratory Pr ess, Cold Spring Harbor, NY、別冊実験医学「遺伝子導入 &発現解析実験法 」羊土社、 1997などに記載される。遺伝子の導入は、ノーザンプロット、ウェスタンブ ロット分析のような本明細書に記載される方法または他の周知慣用技術を用いて確 認することができる。
[0112] 従って、本発明において同定されたタンパク質は、上述のような方法を用いて生産 することができる。
[0113] (免疫化学)
本発明のポリペプチドを認識する抗体の作製もまた当該分野において周知である。
例えば、ポリクローナル抗体の作製は、取得したポリペプチドの全長または部分断片 精製標品、あるいは本発明のタンパク質の一部のアミノ酸配列を有するペプチドを抗 原として用い、動物に投与することにより行うことができる。
[0114] 本発明では、立体構造が明らかになったことから、図 7に示される原子座標を参考 にしてェピトープとして適切な部位を選択することにより効率的な抗体の作製を行うこ とがでさる。
[0115] 抗体を生産する場合、投与する動物として、ゥサギ、ャギ、ラット、マウス、ハムスタ 一等を用 、ることができる。その抗原の投与量は動物 1匹当たり 50— 100 μ gが好ま しい。ペプチドを用いる場合は、ペプチドをスカシガイへモシァニン(keyhole limpe t haemocyanin)またはゥシチログロブリン等のキャリアタンパク質に共有結合させ たものを抗原とするのが望ましい。抗原とするペプチドは、ペプチド合成機で合成す ることができる。その抗原の投与は、 1回目の投与の後 1一 2週間おきに 3— 10回行う 。各投与後、 3— 7日目に眼底静脈叢より採血し、その血清が免疫に用いた抗原と反 応することを酵素免疫測定法 [酵素免疫測定法 (ELIS A法):医学書院刊 1976年 、 Antibodies— A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Lavoratory ( 1988) ]等で確認する。
[0116] 免疫に用いた抗原に対し、その血清が充分な抗体価を示した非ヒト哺乳動物より血 清を取得し、その血清より、周知技術を用いてポリクローナル抗体を分離、精製する ことができる。モノクローナル抗体の作製もまた当該分野において周知である。抗体 産性細胞の調製のために、まず、免疫に用いた本発明のポリペプチドの部分断片ポ リペプチドに対し、その血清が十分な抗体価を示したラットを抗体産生細胞の供給源 として使用し、骨髄腫細胞との融合により、ハイプリドーマの作製を行う。その後、酵 素免疫測定法になどより、本発明のポリペプチドの部分断片ポリペプチドに特異的に 反応するハイブリドーマを選択する。このようにして得たノヽイブリドーマ力 産生され たモノクローナル抗体は種々の目的に使用することができる。
[0117] このような抗体は、例えば、本発明のポリペプチドの免疫学的検出方法に使用する ことができ、本発明の抗体を用いる本発明のポリペプチドの免疫学的検出法としては 、マイクロタイタープレートを用いる ELISA法'蛍光抗体法、ウェスタンブロット法、免
疫組織染色法等を挙げることができる。
[0118] また、本発明ポリペプチドの免疫学的定量方法にも使用することができる。本発明 ポリペプチドの定量方法としては、液相中で本発明のポリペプチドと反応する抗体の うちェピトープが異なる 2種類のモノクローナル抗体を用いたサンドイッチ ELISA法、 1261等の放射性同位体で標識した本発明のタンパク質と本発明のタンパク質を認識 する抗体とを用いるラジオィムノアツセィ法等を挙げることができる。
[0119] 本発明ポリペプチドの mRNAの定量方法もまた、当該分野において周知である。
例えば、本発明のポリヌクレオチドあるいは DNAより調製した上記オリゴヌクレオチド を用い、ノーザンハイブリダィゼーシヨン法または PCR法により、本発明のポリべプチ ドをコードする DNAの発現量を mRNAレベルで定量することができる。このような技 術は、当該分野において周知であり、本明細書において列挙した文献にも記載され ている。
[0120] (アレイ技術)
本明細書において、アレイ技術を用いて、本発明において作製されたモデルと候 補ィ匕合物のライブラリーとの相互作用をスクリーニングすることができる。以下に使用 され得るアレイ技術を説明する。
[0121] 本明細書において使用される「固相」とは、抗体のような分子が固定され得る支持 体をいう。固相の形状は、平面状、球状、またはその他の形状であってもよい。また、 本発明の固相は、ゲル状であってもよい。本発明において表面プラズモン共鳴の原 理を用いて検出する場合、固相は、金、銀またはアルミニウムを含む金属薄膜を片面 に持つガラス基板の基材であることが好まし 、。本発明にお 、て水晶発振子マイクロ バランスの原理を用いて検出する場合は、周波数変換素子 (例えば水晶発振子、表 面弾性波素子)を固相として用い、直接受容体を結合させる。水晶板の片面はシリコ ーンで被覆し、もう一方の面は金電極を施したものを固相として用いる。
[0122] 本明細書において使用される「基板」とは平面状の固相であって、本発明のチップ またはアレイが構築される材料 (好ましくは固体)をいう。したがって、基板は固相の概 念に包含される。基板の材料としては、共有結合かまたは非共有結合のいずれかで 、本発明において使用される生体分子に結合する特性を有する力またはそのような
特性を有するように誘導体化され得る、任意の固体材料が挙げられる。
[0123] 固相および基板として使用するためのそのような材料としては、固体表面を形成し 得る任意の材料が使用され得るが、例えば、ガラス、シリカ、シリコーン、セラミック、二 酸化珪素、プラスチック、金属 (合金も含まれる)、天然および合成のポリマー(例えば 、ポリスチレン、セルロース、キトサン、デキストラン、およびナイロン)以下が挙げられ るがそれらに限定されない。基板は、複数の異なる材料の層から形成されていてもよ い。例えば、ガラス、石英ガラス、アルミナ、サファイア、フォルステライト、炭化珪素、 酸化珪素、窒化珪素などの無機絶縁材料を使用できる。また、ポリエチレン、ェチレ ン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンテレフタレート、不飽和ポリエステ ル、含フッ素榭脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩ィ匕ビユリデン、ポリ酢酸ビュル、ポリビュル アルコール、ポリビュルァセタール、アクリル榭脂、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、 ァセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、フエノール樹脂、ユリア榭脂、エポキシ 榭脂、メラミン榭脂、スチレン'アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリルブタジエンス チレン共重合体、シリコーン榭脂、ポリフエ-レンオキサイド、ポリスルホン等の有機材 料を用いることができる。本発明においてはまた、ナイロン膜、ニトロセルロース膜、 P VDF膜など、ブロッテイングに使用される膜を用いることもできる。高密度のものを解 析する場合は、ガラスなど硬度のあるものを材料として使用することが好ましい。基板 として好ましい材質は、測定機器などの種々のパラメータによって変動し、当業者は 、上述のような種々の材料力 適切なものを適宜選択することができる。
[0124] 本明細書において「チップ」または「マイクロチップ」は、互換可能に用いられ、多様 の機能をもち、システムの一部となる超小型集積回路をいう。本明細書において、ビ ォチンィ匕受容体を固定ィ匕した固相を、受容体チップおよび Zまたは受容体マイクロ チップと呼ぶ。
[0125] 本明細書において「アレイ」とは、 1以上(例えば、 1000以上)の受容体が整列され て配置されたパターンまたはパターンを有する基板 (例えば、チップ)そのものを 、う 。アレイの中で、小さな基板(例えば、 10 X 10mm上など)上にパターン化されている ものはマイクロアレイという力 本明細書では、マイクロアレイとアレイとは互換可能に 使用される。従って、上述の基板より大きなものにパターンィ匕されたものでもマイクロ
アレイと呼ぶことがある。例えば、アレイはそれ自身固相表面または膜に固定されて いる所望の受容体のセットで構成される。アレイは好ましくは同一のまたは異なる受 容体を少なくとも 102個、より好ましくは少なくとも 103個、およびさらに好ましくは少な くとも 104個、さらにより好ましくは少なくとも 105個を含む。これらの受容体は、好ましく は表面が 125 X 80mm、より好ましくは 10 X 10mm上に配置される。形式としては、 96ウエノレマイクロタイタープレート、 384ウエノレマイクロタイタープレートなどのマイクロ タイタープレートの大きさのものから、スライドグラス程度の大きさのものが企図される 。固定される受容体は、 1種類であっても複数種類であってもよい。そのような種類の 数は、 1個一スポット数までの任意の数であり得る。例えば、約 10種類、約 100種類、 約 500種類、約 1000種類の受容体が固定され得る。
[0126] 基板のような固相表面または膜には、上述のように任意の数の生体分子 (例えば、 受容体)が配置され得るが、通常、基板 1つあたり、 108個の生体分子まで、他の実施 形態において 107個の生体分子まで、 106個の生体分子まで、 105個の生体分子ま で、 104個の生体分子まで、 103個の生体分子まで、または 102個の生体分子までの 個の生体分子が配置され得るが、 108個の生体分子を超える生体分子が配置されて いてもよい。これらの場合において、基板の大きさはより小さいことが好ましい。特に、 生体分子である受容体のスポットの大きさは、単一の生体分子のサイズと同じ小さく あり得る(これは、 l—2nmの桁であり得る)。最小限の基板の面積は、いくつかの場 合において基板上の生体分子の数によって決定される。本発明では、細胞と特異的 に結合する因子は、通常、 0. 01mm— 10mmのスポット状に共有結合あるいは物理 的相互作用によって配列固定されている。
[0127] アレイ上には、生体分子の「スポット」が配置され得る。本明細書において「スポット」 とは、生体分子の一定の集合をいう。本明細書において「スポッティング」とは、ある生 体分子のスポットをある基板または固相に作製することをいう。スポッティングはどのよ うな方法でも行うことができ、例えば、ピペッティングなどによって達成され得、あるい は自動装置で行うこともでき、そのような方法は当該分野において周知である。本明 細書において、生体分子は、受容体、受容体のフラグメント、または受容体の改変体 である。
[0128] 本明細書において使用される用語「アドレス」とは、基板上のユニークな位置をいい 、他のユニークな位置から弁別可能であり得るものをいう。アドレスは、そのアドレスを 伴うスポットとの関連づけに適切であり、そしてすベての各々のアドレスにおける存在 物が他のアドレスにおける存在物力も識別され得る(例えば、光学的)、任意の形状 を採り得る。アドレスを定める形は、例えば、円状、楕円状、正方形、長方形であり得 る力、または不規則な形であり得る。したがって、「アドレス」は、抽象的な概念を示し 、 「スポット」は具体的な概念を示すために使用され得るが、両者を区別する必要がな い場合、本明細書においては、「アドレス」と「スポット」とは互換的に使用され得る。
[0129] 各々のアドレスを定める大きさは、とりわけ、その基板の大きさ、特定の基板上のァ ドレスの数、分析物の量および Zまたは利用可能な試薬、微粒子の大きさおよびそ のアレイが使用される任意の方法のために必要な解像度の程度に依存する。大きさ は、例えば、 1— 2nm力も数 cmの範囲であり得る力 そのアレイの適用に一致した任 意の大きさが可能である。
[0130] アドレスを定める空間配置および形状は、そのマイクロアレイが使用される特定の 適用に適合するように設計される。アドレスは、密に配置され得、広汎に分散され得 る力、または特定の型の分析物に適切な所望のパターンへとサブグループィ匕され得 る。
[0131] マイクロアレイについては、秀潤社編、細胞工学別冊「DNAマイクロアレイと最新 P CR法」、 M. F. Templin, et al. , Protein micro array technology, Drug D iscovery Today, 7 (15) , 815— 822 (2002)【こ広く概説されて! /、る。
[0132] マイクロアレイ力 得られるデータは膨大であることから、クローンとスポットとの対応 の管理、データ解析などを行うためのデータ解析ソフトウェアが重要である。そのよう なソフトウェアとしては、各種検出システムに付属のソフトウェアが利用可能である(Er molaeva Oら(1998) Nat. Genet. 20 : 19— 23)。また、データベースのフォーマ ットとしては、例えば、 Affymetrixが提唱している GATC (genetic analysis tech nology consortium)と呼ばれる形式が挙げられる。
[0133] 微細加工については、例えば、 Campbell, S. A. (1996) . The Science and
Engineering of Microelectronic Fabrication, Oxford University Pres
s ;Zaut, P. V. (1996) . Micromicroarray Fabrication: a Practical Guide to Semiconductor Processing, Semiconductor Services ;Madou, M. J. ( 1997) . Fundamentals of Microfabrication, CRC1 5 Press ;Rai—Choud hury, P. (1997) . Handbook of Microlithography, Micromachining , & Microfabrication: Microlithographyなどに記載されており、これらは本明細書に おいて関連する部分が参考として援用される。
[0134] マイクロアレイの作製には、マイクロコンタクトプリンティング法、光リソグラフィ一法な どの種々の方法を用いることが可能である力 望ましくは、アルカンチオール単分子 膜のマイクロパターンィ匕表面を利用する方法である。この場合、まず、片面に金薄膜 を蒸着したガラス基板に、メチル基、フルォロメチル基のような疎水性官能基をもつァ ルカンチオールの単分子膜を形成させる。この単分子膜に、直径数/ z mから lmm程 度の多数の光透過性スポットを配列させたフォトマスクを重ね、紫外線を照射する。こ れによって、照射部のアルカンチオールをスポット状に分解除去することができる。ス ポット内に導入された反応性官能基を使ってストレプトアビジン、アビジンなどのピオ チンと特異的に結合するタンパク質を固定ィ匕するか、またはタグと特異的に結合する 因子を固定ィ匕する。最後に受容体タンパク質のピオチン化部位またはタグ部分を介 して受容体タンパク質を固定化することにより、化学的処理を経ずに穏やかな条件下 で方向性を保った状態での、受容体タンパク質の固定ィ匕が完了する。例えば、カル ボキシル基含有スポットの場合には、カルボキシル基を N—ヒドロキシスクシンイミドを 用いて活性エステルに変換し、アビジンやストレプトアビジンなどを固定ィ匕させた後、 微量の生体分子含有溶液を各スポットに滴下することで、固定ィ匕を行うことができる。 スポット周囲に形成させた疎水性の単分子膜は、溶液の拡散を抑えるために有効で ある。スポット周囲のバックグラウンド領域と分析物との非特異的な相互作用を抑える ため、ゥシ血清アルブミンのような不活性タンパク質、ポリエチレングリコールのような 親水性高分子でブロッキングを行う。
[0135] DNAマイクロアレイ、プロテインチップなどを使った分析技術の進歩を見ても明ら かなように、マイクロアレイは、一枚の基板上で多数の検体に対してハイスループット 分析が可能であるため、きわめて有効な分析手段である。本発明は、このようなマイク
ロアレイの考え方を、多種類の生体分子 細胞間相互作用を迅速に計測するために 応用する。この場合、きわめて多くの検体を同時に分析したり、分析に必要な生体分 子および細胞の量をできる限り少なくするためには、マイクロアレイの集積ィ匕が重要 である。しかし一方で、マイクロアレイ上の細胞に関する情報を取得する場合、ある程 度以上の細胞数力 なる集団を対象とした測定を行わない限り、誤差の大きいデー タし力得ることができない。このような観点から、マイクロアレイを構成する各スポットの 大きさは、少なくとも数十一数千個程度の細胞が相互作用することのできる大きさで あることが望ましぐ例えば、円形のスポットの場合、その直径はおおよそ数/ z mから 1 mmfe度で
[0136] マイクロアレイの作製には、マイクロコンタクトプリンティング法、光リソグラフィ一法な どの種々の方法を用いることが可能である力 望ましくは、アルカンチオール単分子 膜のマイクロパターンィ匕表面を利用する方法である。
[0137] (生体分子、結晶化方法および測定技術)
本明細書において使用される用語「生体分子」とは、生体に関連する分子をいう。 本明細書において「生体」とは、生物学的な有機体をいい、動物、植物、菌類、ウイ ルスなどを含むがそれらに限定されない。生体分子は、生体力 抽出される分子を包 含するが、それに限定されず、生体に影響を与え得る分子であれば生体分子の定義 に入る。そのような生体分子には、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド、ぺプチ ド、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、核酸(例えば、 cDNA、ゲノム DNAのような DNA、 mRNAのような RNAを含む)、ポリサッカリド、オリゴサッカリド、 脂質、低分子 (例えば、ホルモン、リガンド、情報伝達物質、有機低分子、コンビナトリ アルライブラリイ匕合物など)、これらの複合分子などが包含されるがそれらに限定され ない。本明細書において好ましい生体分子は、受容体および受容体フラグメント、な らびにそれらのリガンドである。
[0138] 本明細書において使用される用語「受容体」とは、 1個以上のリガンドと可逆的、か つ特異的に複合体ィヒする 1個以上の結合ドメインを備える生物学的な構造であって 、ここで、この複合体化は生物学的な構造を有する。受容体は、完全に細胞の外部( 細胞外の受容体)、細胞膜の中(しかし、受容体の部分を細胞外部の環境および細
胞質ゾルに向けている)、または完全に細胞の中(細胞内の受容体)に存在し得る。 これらはまた、細胞と独立的に機能し得る。細胞膜中の受容体は、細胞を、その境界 の外部の空間と連絡 (例えば、シグナル伝達)させ、そして細胞の内側および外側へ の分子およびイオンの輸送にぉ 、て機能させることを可能とする。本明細書にぉ 、て 使用する場合、受容体は、受容体全長であっても、受容体のフラグメントであってもよ い。
[0139] 受容体フラグメントを用いる場合には、受容体タンパク質のリガンド認識に関係する 部位を用いる。受容体タンパク質のリガンド認識に関係する部位は、以下のように同 定することができる。ホモロジ一やドメイン検索により相同性や機能上の類似点の高 いタンパク質の構造からリガンド認識領域を推定することができる。例えば、同一のリ ガンドに特異的に結合する、異なる受容体分子のアミノ酸配列を BLASTのデフオル トパラメータを用いて算出した場合、 50%以上、好ましくは 55%以上、より好ましくは 60%以上、さらに好ましくは 65%以上の相同性を示す領域力 リガンド認識領域とし て推定される。さらに欠損変異やアミノ酸置換などを導入した変異受容体をコードす る遺伝子を動物細胞などに一過性発現させ、その機能に必須の領域を決定すること も、当業者は容易になし得る。
[0140] 本明細書において使用される用語「リガンド」とは、特異的な受容体または受容体 のファミリーに対する結合パートナーである。リガンドは、受容体に対する内因性のリ ガンドであるか、またはその代わりに、薬剤、薬剤候補、もしくは薬理学的手段のよう な受容体に対する合成リガンドであり得る。
[0141] 本明細書において使用される場合、「ピオチンと特異的に結合する因子」とは、ピオ チンと特異的に結合し得る任意の因子をいう。ピオチンと特異的に結合する因子とビ ォチンとの結合は、可逆的であっても、不可逆的であってもよい。ピオチンと特異的 に結合する因子としては、アビジン、およびストレプトアビジン、ならびにこれらの改変 体が挙げられる力 これらに限定されない。
[0142] 本明細書において使用される場合、「タグと特異的に結合する因子」とは、タグと特 異的に結合し得る任意の因子を 、う。タグと特異的に結合する因子とタグとの結合は 、可逆的であっても、不可逆的であってもよい。タグと特異的に結合する因子は、タグ
の種類に応じて異なり、当該分野において周知である。例えば、ダルタチオン S-トラ ンスフェラーゼをタグとする場合、タグと特異的に結合する因子は、例えば、ダルタチ オンである; mycタンパク質をタグとする場合、タグと特異的に結合する因子は、例え ば、抗 myc抗体である; 6残基の連続するヒスチジン残基をタグとする場合、タグと特 異的に結合する因子は、例えば、ニッケルキレートカラムである;配列番号 13のような 、セルロース結合ドメインタグを用いる場合、タグと特異的に結合する因子は、例えば 、セルロースである;配列番号 14のような、カルモジュリン結合ペプチドタグを用いる 場合、タグと特異的に結合する因子は、例えば、カルモジュリンである;配列番号 15 のような、 Sタンパク質結合ペプチドタグを用いる場合、タグと特異的に結合する因子 は、例えば、 Sタンパク質である;配列番号 16のような、 T7タグを用いる場合、タグと 特異的に結合する因子は、例えば、抗 T7抗体である。
[0143] 表面プラズモン共鳴 (SPR)は、金属表面に生じた表面プラズモン (弾性波)と、全 反射した電磁波によって発生するエバネッセント波(光波)との間で起こる相互作用 である。プラズモン波とエバネッセント波の波数と波動ベクトルが近似的に一致する 条件を与える光の入射角 Θにおいて共鳴が起こり、エバネッセント波が表面ブラズモ ンの励起に使われるため反射光強度が低下する。表面プラズモン共鳴を得るために は、高屈折率媒体からなるプリズムを配置し (Kretschmann配置)、レーザー光およ び LED光を入射する方法がとられる。ここで、プリズムとは反対側の金属表面に接触 する媒体の誘電率の変化によって、プラズモン波の波数が変化する。すなわち、金 属表面上に物質が接近することによって、表面プラズモン共鳴を与える光の入射角 がシフトする。このことを利用して、金属表面の物質による被覆をセンシングすること が可能となる。この測定法は、表面鉛直方向の分解能に優れており(0. lnmのォー ダー)、表面に存在する物質量を ng— pgZcm2のオーダーでリアルタイムに観測す ることが可能である。また、水媒体中で測定できることもタンパク質のような生体分子 の挙動を調べる上で大きな利点である。これを利用した測定装置が生体分子間相互 作用測定装置として開発され、タンパク質および DNAなどの相互作用の分析に応 用されている。
[0144] 水晶発振子マイクロバランスは、周波数変換素子の電極上に化学的に結合対の一
方を結合'固定化し、その周波数変換素子を水中に浸漬し、その結合対と対応する 結合対との特異的に結合により生じる質量変化に伴う周波数変換素子の周波数変 化を測定して、結合の有無を検出するものである(例えば、特開平 6— 94591号公報 )。この周波数変換素子としては、例えば水晶発振子、表面弾性波素子 (SAW)など が挙げられる。
[0145] 本発明の受容体チップはまた、質量分析計のための質量分析チップとしても使用さ れ得る。一般的に、質量分光測定による分析は、レーザービームを含む、レーザーな どの高エネルギー源を用いた少量のサンプルの気化およびイオン化を伴って 、る。 物質はレーザービームによって、質量分析チップ先端の表面力 ガスあるいは気相 に気化され、このプロセス中に、個々の分子の一部は陽子を取り込んで、イオン化さ れる。これら正の電荷にイオン化された分子は、次に、短い高圧電界で加速され、高 真空度チェンバーに導かれ (ドリフト)、その先で、感度の高い検出装置の表面に衝 突する。飛行時間はイオン化された分子の質量の関数であるから、イオン化と衝突と の間に経過する時間は、その分子の質量の判定に用いることができ、その分子質量 は、次に特定の質量の既知の分子が存在して 、るかどうかの判定に用いることができ る (飛行時間質量分光測定 (TOF) )。また、イオン化されたサンプルに含まれる特定 の質量 Z電荷数 (mZZ)のイオンだけが安定な振動状態になることを利用して、直 流成分と高周波の交流成分の電圧を加えることにより、特定の質量 Z電荷数 (mZZ )を有するイオンのみを通過させる質量フィルターを用いて(必要であれば、フラグメ ントイオンを生成させて)、サンプル (またはサンプルのフラグメントイオン)の質量 Z 電荷数 (m/Z)を検出することもできる (タンデム質量分析法)。
[0146] 気相イオンの生成方法としては、粒子のサンプルへの衝撃力 得られる脱着 Zィォ ン化法などがある。この方法には、高速原子衝撃法 (FAB—揮発性マトリクスに懸濁 したサンプルに中性粒子 (neutral)を衝撃する)、二次イオン質量分析法 (SIMS— k eV—次イオンが表面に衝撃して二次イオンを発生する)、液体 SIMS (LSIMS一一 次種力 オンであることを除いて FABと同様)、プラズマ脱着質量分析法 (MeV—次 イオンを用いることを除 、て SIMSと同様)、大量クラスタ衝撃法 (MCI—大き 、クラス タの一次イオンを用いて SIMSと同様)、レーザ脱着 Zイオン化法 (LDI—レーザ光を
用いて、表面力も種を脱着 zイオンィ匕する)、マトリクス補助型レーザ脱着 zイオンィ匕 法 (MALDI-脱着およびイオンィ匕の事象を補助することができるマトリクス力 種を 脱着 Zイオン化することを除いて LDIと同様)などがある。代表的な質量分析法として は、レーザー脱着 Zイオン化、飛行時間質量分光測定 (TOF)を用いる方法が挙げ られる。
[0147] 質量分析計にお!、て、受容体のような親和性結合を行う分子を結合した質量分析 チップを用いる測定方法は、例えば以下のように、特表平 9— 501489に開示される: 受容体を固定ィ匕した質量分析チップ面を、前記分析対象物分子 (例えば、リガンドを 含む混合物)の源にさらし、前記分析対象物分子が結合するようにするステップと;前 記分析対象物分子が結合して!/、る質量分析チップ先端を、飛行時間質量分光測定 器の一方の端に置き、真空および電場を与えて分光測定器内に加速電位を作るス テツプと;前記先端より前記分析対象物分子のイオンを脱着させるために、分光測定 器内の、誘導された質量分析チップ先端面に結合している分析対象物の少なくとも 一部分を、 1つあるいはそれ以上のレーザーパルスを用いて、打つステップと;前記 質量分光測定器内で、飛行時間によってイオンの質量を検出するステップと;このよ うに検出された質量を表示するステップとから成る、方法。この方法において、質量分 析チップに結合した分子 (例えば、受容体に特異的に結合するリガンド)のイオンの 質量を検出することができる。
[0148] 上記の方法にぉ 、て、レーザー脱着 Zイオン化、飛行時間質量分光測定法により 、分析対象物分子の質量を測定することが可能であり、この方法においては、分析対 象物の脱着およびイオンィ匕を容易にするために、前記分析対象物と一緒にエネルギ 一吸収物質 (例えば、シナピン酸、シンナムアミド、シンナミル臭化物、 2, 5—ジヒドロ キシ安息香酸、および aーシァノー 4ーヒドロキシケィ皮酸)を用いることができる。
[0149] 質量分析計にお!、て、受容体のような親和性結合を行う分子を固定化した質量分 析チップを用いるさらなる測定方法は、特表平 11— 512518に開示される。この開示 される方法においては、一般にヒドロゲル、およびさらに詳細には、カルボキシメチル 化デキストランなどの多糖のヒドロゲルを有する支持体表面に受容体のような親和性 結合分子をチップに固定化し、その分析物 (例えば、リガンド)をその支持体と接触さ
せた後、親和性結合分子に結合した分析物の有無およびその質量等について解析 する。
[0150] 本明細書において使用する受容体としては、レクチン様酸化 LDL受容体 (LOX-1 )を含むスカベンジャー受容体、インスリン受容体ファミリーに属する受容体、 EGF受 容体ファミリーに属する受容体、 PDGF受容体ファミリーに属する受容体、 VEGF受 容体ファミリーに属する受容体、 FGF受容体ファミリーに属する受容体、 NGF受容体 ファミリーなどの増殖因子受容体、ならびに、 TGF- |8スーパーファミリー受容体、 To 11 - like 受容体ファミリーの受容体、 LDL受容体関連タンパク質ファミリーの受容体 、および Gタンパク質共役型受容体ファミリーの受容体が挙げられるが、これらに限定 されない。好ましい受容体は、 LDL受容体関連タンパク質ファミリーの受容体に属す る LOX— 1である。ヒト LOX— 1 (hLOX— 1)の細胞外領域の塩基配列およびアミノ酸 配列を配列表の配列番号 5および 6に、 hLOX— 1の CTLDの塩基配列およびアミノ 酸配列を配列表の配列番号 1および 2に、それぞれ示す。 hLOX— 1の全長配列を配 列番号 3および 4に、それぞれ示す。
[0151] 本明細書において、封入体として発現された受容体タンパク質のリフォールディン グは、アルギニン、還元型ダルタチオン、酸化型ダルタチオンを含有するリフォール デイング緩衝液中に、変性したタンパク質を滴下することによって、行われる。好まし くは、変性タンパク質およびリフオールデイング緩衝液のいずれも力 界面活性剤を 含有しない。
[0152] 本明細書においてタンパク質に関して使用する場合、用語「変性」とは、タンパク質 の一次構造は変化せずに、高次構造のみが破壊され、天然での状態と物性が変化 することをいう。
[0153] 本明細書において使用する場合、用語「変性剤」とは、タンパク質の変性を起こす 薬剤をいう。変性剤としては、グァ-ジン塩酸塩、尿素、ジォキサン、アルコール、ェ チレングリコールなどが挙げられる力 これらに限定されない。グァ-ジン塩酸塩を用 いる濃度は、好ましくは、約 4一 8M、より好ましくは、約 6Mである。
[0154] 本明細書において使用する場合、用語「リフォールデイング」とは、変性したタンパ ク質から、もとの立体構造、生物活性などを回復したタンパク質を得ることをいう。受
容体タンパク質のリガンド結合フラグメントの場合、その生物活性とは、例えば、リガン ド結合活性である。
[0155] 本明細書において使用する場合、用語「封入体」とは、大腸菌のような細菌におい て外来遺伝子を大量に組換え発現する場合に生成される、タンパク質が不溶性物質 として細胞内に蓄積した構造体をいう。
[0156] 本明細書において使用する場合、封入体の「可溶化」とは、変性剤を用いて、不溶 性の封入体を変性して、水溶液に溶解した形態を生じさせることを ヽぅ。
[0157] 本明細書において使用する場合、用語「SH保護試薬」とは、タンパク質内のチォ ール基 (SH基)が、 SH基と反応性の物質と反応することを妨げる試薬をいう。 SH保 護試薬としては、ジチオトレイトール、 j8—メルカプトエタノール、ダルタチオンが挙げ られる力 これらに限定されない。
[0158] 本明細書において、封入体として発現された受容体タンパク質のリフォールディン グを、アルギニン、還元型ダルタチオン、酸化型ダルタチオンを含有するリフォール デイング緩衝液中に、変性したタンパク質を滴下することによって行う場合、好ましく は、この滴下速度は、 10— 300 1Z分の速度であり、より好ましくは、 20-30 ^ 1/ 分の速度である。リフォールデイング緩衝液の pHは、好ましくは、 7. 5-9. 5の範囲 であり、より好ましくは、 8. 0-8. 5の範囲であるが、リフォールデイングするタンパク 質の性質に応じて、適切な pHを変化させることは、当該分野において周知である。 1 つの実施形態において、このリフォールデイング緩衝液は、 Tris— HC1を含有し、好 ましくは、この Tris— HC1の濃度は 5— 20mMである。
[0159] リフォールデイング緩衝液中に含まれるアルギニンの濃度は、好ましくは lOOmM— 600mMであり、より好ましくは、 300mM— 400mMである。
[0160] 本発明のリフォールデイング方法にぉ 、て、好ましくは、還元型ダルタチオンと酸化 型ダルタチオンとの比は、 1 : 8— 1 : 12、より好ましくは、 1 : 9一 1 : 11、最も好ましくは 、 1 : 10である。さらに好ましくは、還元型ダルタチオンの濃度は 8— 10mMであり、酸 化型ダルタチオンの濃度は 0. 3-1. OmMである。
[0161] 本発明のリフォールデイング方法において、滴下する変性タンパク質溶液とリフォー ルディング緩衝液との容量の比は、好ましくは、 1: 50— 1: 100である。また、好ましく
は、滴下される変性タンパク質の濃度は、 5— 80 /z gZmLであり、より好ましくは、 10 一 80 μ g/mLであり、なお好ましくは、 20— 80 μ g/mLである。
[0162] 本発明のリフォールデイング方法に用いられる変性タンパク質は、変性剤、熱、また は紫外線照射、放射線照射のいずれかによつて変性されたタンパク質であるが、好 ましくは、変性剤によって変性されたタンパク質である。
[0163] 本発明のリフォールデイング方法に用いられる変性タンパク質は、好ましくは、細菌 で発現した封入体タンパク質を、 SH保護試薬および変性剤を含有する可溶ィ匕緩衝 液を用いて可溶ィ匕することによって得られる変性タンパク質である。好ましくは、変性 タンパク質を得るための可溶ィ匕は、 1一 5mgZmLの濃度のタンパク質を用いて行わ れる。より好ましくは、変性タンパク質を得るための可溶化は、 2. 0-3. OmgZmLの 濃度のタンパク質を用いて行われる。また、好ましくは、可溶ィ匕緩衝液の pHは 7. 0— 9. 0であり、 1つの局面において、可溶化緩衝液は、 lOOmMの Tris— HC1緩衝液で ある。
[0164] 本発明において、好ましくは、 SH保護試薬はジチオトレイトールであり、さらに好ま しくは、ジチオトレイトールの濃度は 5— 200mMであり、なおより好ましくは、ジチオト レイトールの濃度は 50— lOOmMである。
[0165] 本発明のリフォールデイング方法においては、好ましくは、変性タンパク質溶液をリ フォールデイング緩衝液に滴下した後に、溶液を攪拌する工程が行われる。より好ま しくは、この攪拌工程は、 10— 48時間行われ、なおより好ましくは、この攪拌工程は 、 10— 14時間行われる。この攪拌は、 4°C一室温で行うことができる力 好ましくは、 4°Cで行われる。
[0166] 本発明のリフォールデイング方法を用いることによって、従来のリフォールデイング 方法を用いて調製されたタンパク質よりも高純度かつ均質なタンパク質を得ることが できる。例えば、本発明のリフォールデイング方法を用いることによって、 90%以上、 91%以上、 92%以上、 93%以上、 94%以上、 95%以上、 96%以上、 97%以上、 98%以上、 99%以上の純度のタンパク質が得られる。また、本発明のリフォールディ ング方法を用いることによって得られたタンパク質を質量分析法によって分析した場 合、 MSスペクトルによる mZzの幅力 70以下、 60以下、 50以下、 40以下、 30以下
、 20以下の純度のタンパク質を得ることができる。
[0167] また、本発明のリフォールデイング方法を用いることによって得られたタンパク質を 用いて、 4. 0オングストロームの分解能を与える X線回折像を与える単結晶、 3. 5ォ ングストロームの分解能を与える X線回折像を与える単結晶、 3. 2オングストロームの 分解能を与える X線回折像を与える単結晶、 3. 0オングストロームの分解能を与える X線回折像を与える単結晶、 2. 8オングストロームの分解能を与える X線回折像を与 える単結晶、 2. 5オングストロームの分解能を与える X線回折像を与える単結晶、が 得られる。
[0168] さらに、本発明は、所望のリガンドに特異的に結合する受容体タンパク質のリガンド 結合フラグメントを高純度かつ均質な状態で調製し、そのフラグメントを固相に結合 することによって、その所望のリガンドを高感度で検出する受容体チップを提供する。 本発明はまた、そのような受容体チップを用いて、その所望のリガンドを検出する方 法を提供する。
[0169] 本発明は、所望のリガンドに特異的に結合する受容体タンパク質のリガンド結合フ ラグメントを高純度かつ均質な状態で調製し、そのフラグメントを固相に結合すること によって、その所望のリガンドを特異的に除去するためのリガンド除去材料を提供す る。本発明はまた、その所望のリガンドを血中から除去する方法であって、以下のェ 程を包含する方法を提供する:
( 1)被検体の血液を得る工程;および
(2)該血液を、血中の所望のリガンドとリガンド除去材料が特異的に結合する条件下 で、リガンド除去材料と接触させる工程。
[0170] 1つの局面において、上記方法で処理された血液は、被検体に戻される。
[0171] さらに、本発明においては、試料中の細菌および Zまたはウィルスなどの病原体を 除去するための方法であって、以下の工程を包含する方法が提供される:
( 1)病原体を除去するための試料を得る工程;および
(2)該試料を、試料中の病原体とリガンド除去材料が特異的に結合する条件下で、リ ガンド除去材料と接触させる工程。
[0172] 1つの局面において、上記方法で処理された試料は、被検体に注入される。
[0173] さらに本発明は、受容体のリガンド認識に関係する領域を細胞内で発現させて得た 組換えタンパク質を用いることを特徴とする分子間相互作用解析法による変性 LDL 、異常細胞または細菌の検出方法を提供する。
[0174] また本発明は、受容体のリガンド認識に関係する領域をピオチンィ匕タンパク質とし て細胞内で発現させた後、発現させたピオチンィ匕タンパク質をアビジンまたはストレ ブトアビジンを介して方向性を保って固相上に固定ィ匕し、当該固定ィ匕タンパク質を用 いることを特徴とする分子間相互作用解析法によるリガンドの検出方法を提供する。
[0175] また本発明は、受容体のリガンド認識に関係する領域をタグイ匕タンパク質として細 胞内で発現させた後、発現させたタグ化タンパク質をそのタグと特異的に結合する因 子を介して方向性を保って固相上に固定ィ匕し、当該固定ィ匕タンパク質を用いることを 特徴とする分子間相互作用解析法によるリガンドの検出方法を提供する。
[0176] 本発明はさらに、大腸菌内に蓄積した受容体の細胞外領域またはリガンド認識領 域を正しい立体構造にリフォールデイングして再構成して得た再構成タンパク質を用 V、ることを特徴とする分子間相互作用解析法による変性 LDL、異常細胞または細菌 の検出方法を提供する。
[0177] また本発明は、大腸菌内に蓄積した受容体のピオチンィ匕細胞外領域またはビォチ ン化リガンド認識領域を正し 、立体構造にリフォールデイングして再構成した後、再 構成したピオチンィ匕タンパク質をアビジンまたはストレプトアビジンを介して方向性を 保って固相上に固定ィ匕し、当該固定ィ匕タンパク質を用いることを特徴とする分子間相 互作用解析法による変性 LDL、異常細胞または細菌の検出方法を提供する。
[0178] また本発明は、大腸菌内に蓄積した受容体のタグィ匕細胞外領域またはタグ化リガ ンド認識領域を正 、立体構造にリフォールデイングして再構成した後、再構成した タグィ匕タンパク質をタグと特異的に結合する因子を介して方向性を保って固相上に 固定ィ匕し、当該固定ィ匕タンパク質を用いることを特徴とする分子間相互作用解析法 による変性 LDL、異常細胞または細菌の検出方法を提供する。
[0179] 本発明はまた、大腸菌内に凝集体として蓄積した受容体の細胞外領域またはリガ ンド認識領域を変性剤により構造を解きほぐした後、正しい立体構造にリフォールデ イングしたタンパク質を含む変性 LDL、異常細胞または細菌の検出用キットを提供す
る。
[0180] (NMR構造解析)
本明細書において「NMR」とは、核磁気共鳴を意味する。磁気モーメントを持つ核 の集団を静磁場 Bの中に置くと、核ゼーマン効果によって、磁気モーメントの大きさと
0
磁場の強さに従った不連続なエネルギー準位に分布する。この準位の間隔に相当 する周波数をもつ電磁波を照射すると共鳴吸収が観測される現象を核磁気共鳴とい
[0181] 本明細書において「二次元 NMR」とは、核磁気共鳴スペクトルを 2つの周波数軸に 展開する方法をいう。この測定には複数のパルスを用い、その時間間隔と観測パル ス後の時間とを二つの時間軸としてフーリエ変換を行う。シグナル強度は、通常、等 高線によって表される。二次元 NMRとしては、代表的には、 TROSY (transverse relaxation-optimized spectroscopy)、 COSY (二次元シフト相関 NMR法)、 S ECSY (二次元スピンエコー相関分光法)、 FOCSY (二次元折り返し補正分光法)、 HOHAHA (二次元同核ハートマン法)、 NOESY (二次元 NOE法)、 2D— J法(二次 ¾ [分解分光法)、リレー COSY (リレーコヒーレンス移動分光法)が挙げられるが、こ れらに限定されない。好ましい NMRは TROSYである。 TROSYとは、 Wuthrichら によって開発された、超高磁場 NMRに適した方法である(Proc. Natl. Acad. Sci . USA vol. 94、 12366— 12371頁(1997) )。分子量の大きな分子の NMRにお いては、核磁気緩和を支配するのは、 (1)磁気双極子相互作用と、(2)化学シフト異 方性であるが、超高磁場では、化学シフト異方性が非常に大きくなるために、緩和時 間が短くなり、線幅が広くなる。 TROSYは、これら 2つの相互作用を相殺することに よって、緩和時間を長くし、線幅を狭くする方法である。 TROSYによって高分子量の タンパク質(例えば、 900kDa以上)について、二次元 NMRスペクトルを得ることが可 會 こなった。
[0182] 本明細書において二次元 NMRを行う場合、タンパク質を標識するために使用され る安定同位体の核種としては、 15N, 13C, 2Hまたはこれらの組み合わせが挙げられる 力 これらに限定されない。好ましい標識に用いられる安定同位体核の種類としては 15N単標識、 13C単標識、 15NZ2H二重標識、 13CZ2H二重標識、 15NZ13CZ2H三
重標識である。
[0183] 本発明で NMRを使用する場合、 NMRシグナルの軸方向の変化量を用いることが できる。このような変化量は、安定同位体元素について展開された二次元 NMRの周 波数軸について、軸方向での分子配向依存的な変化量として定義され、例えば、 ¾ を用いる場合、 軸方向での分子配向依存的な変化量であり、また、例えば、 13cを 用いる場合、13 C軸方向での分子配向依存的な変化量などを挙げることができる。
[0184] 本明細書にぉ 、て用いられる NMRによる高次構造解析に用いられるタンパク質試 料は、通常、生合成により安定同位体標識することによって構造解析される。一般に は、まず遺伝子操作した大腸菌等によって標的タンパク質の発現系を確立し、安定 同位体標識した炭素源や窒素源 (すべての炭素を13 Cラベルしたグルコース、窒素を 15Nラベルした塩ィ匕アンモ-ゥムなど)を加えた培地で発現させることにより、すべて の炭素および窒素を安定同位体標識したタンパク質を得ることができる。得られた標 識タンパク質は、クロマトグラフィーなどで精製した後、限外濾過などで濃縮すること によって NMR測定に供することができる。この際、以下のような条件に留意すること が望ましい。
[0185] 使用する容器にっ 、ては、タンパク質の粘度が高 、ことを考慮してガラス壁面に付 着、分散を抑えるために、 NMR試料管を含めて、使用する器具にはシリコンなどで コーティング処理を施すことが好ましい。また、試料の扱いには、パスツールピペット などを用いることが望ましい。
[0186] 溶媒としては、通常、水溶液が用いられる。ただし、タンパク質は多くの交換性アミド プロトンを有しており、重水溶液にしてしまうと、スペクトルの解析で鍵となるアミドプロ トンが重水素置換されることにより、多くの情報が失われることから、通常、軽水溶液 で試料調製し、その後 NMRロック用として 10%程度の重水を添加することが行われて いる。必要に応じて、界面活性剤、還元剤などを加えていてもよい。
[0187] 試料濃度は、通常、 ImM程度 (例えば、 0.4mM— 2mM)にする。試料の量に余裕が あり、溶解度が高いのであれば、 5mM— 10mMでも測定可能である力 濃度を高くす ると溶液中で会合が起こる危険性があるので留意する。会合による予期しない解析 結果を防ぐためにも、低濃度と高濃度の試料で線形を比較して会合の有無を確認す
ることが好ましい。
[0188] 使用する pHとしては、通常、 5— 7程度が好ましい。 pHを下げることにより、アミドプ 口トンなどの交換可能プロトンの交換速度を遅くなるからである。ただし、 pHが低いと 高次構造に影響を与える懸念があるため、円二色性 (CD)スペクトル等で確認してお くことが好ましい。
[0189] 緩衝剤としては、スペクトル解析の障害となることを防ぐため、プロトンを持たな!、も のを使用することが望ましい。そのようなものとしては、リン酸緩衝液、重水素化酢酸 緩衝液などが挙げられるがそれらに限定されない。
[0190] 使用する温度としては、 生体内の温度に近付けるため、 30— 40 °C程度にすること が望ましい。温度を高めに設定して溶液の粘性を下げることにより、タンパク質分子 の T2が長くなることから、一般には温度が高い方が良好なスペクトルが得られる。
[0191] 試料溶液に溶存酸素が含まれていると、常磁性緩和のために緩和時間が短くなり、 感度の損失を招き、 NOE相関の検出の障害となる場合もあることから、このことを防 ぐために脱気をおこない、溶存酸素を取り除くことが好ましい。脱気操作は減圧によ る脱気、不活性ガスのパブリングなどがあり、好ましくは減圧脱気が使用される。また 、気泡を立てないことが望ましい。
[0192] 溶液の保存のために、アジドをカ卩えることが望まし!/、。
[0193] 試料調製ののち、 NMRのシム調整を行う。まず、 NMRロックをかけて分解能調整 を行う。タンパク質溶液 NMRの測定は、原則として軽水溶液での測定であるため、 巨大な水信号 (標的タンパク質の数万倍一数百万倍の 1H 濃度)を消去することが 好ましいからである。これは、分解能調整が目的であり、好ましくは、良質のスペクトル を得るため、測定試料ごとに充分な分解能調整を行うことが望ましい。タンパク質溶 液 NMRの測定で試料管は、通常回転させないことから、 Z 軸だけでなぐ X、 Y軸 および高次の項の調整も含めて分解能をしつ力りと上げておくことが、良いスペクトル を得るために必要である。
[0194] 次に、パルス幅の測定を行う。水溶液で測定するタンパク質溶液 NMRは、塩強度 の違いにより試料によってパルス幅が変化する場合があることから、原則として測定 試料ごとにパルス幅の測定をおこなうことが必要である。
[0195] タンパク質溶液 NMRで用いられるパルス ·シーケンスは、数多くの RF パルスが配 列されていることから、パルス幅のズレが全体ではかなり大きく影響してくるとされてい る。したがって、多次元 NMR測定を実行する前に、標的タンパク質の信号でパルス 幅を測定し、その値を用いて多次元 NMR測定をおこなうことが望まし 、。
[0196] 次に、 NMRによるサンプルの確認を行う。試料調整してからしばらく保管した後な ど、タンパク質が劣化している可能性があるときなどには NMRによる確認をおこなう ことが望ましい。タンパク質の 1次元 NMR ^ベクトルでは数千におよぶ 1H 由来の 信号が重なり合って現れることから、構造解析はおろか測定試料の確認に使用する ことすらできな 、場合が多 、からである。
[0197] そこで、通常15 N—1 H HSQC測定をおこない、 2次元 NMR ^ベクトルで確認する 。信号のパターンがおかしいとき、位相が合わないようなときなどの不具合があるとき は、標的タンパク質が壊れてしまっている可能性があることから、再度実験条件の調 整が必要である。
[0198] 次に、スペクトル解析(信号の帰属)を行う。 NMRによって得られた NOE 由来の 距離情報をもとに 1H 信号の帰属を行い、高次構造を導き出すことができる。幾重 にも重なり合った信号を、 3次元 ·4次元といった測定を用いてことごとく分離し、既知 のアミノ酸配列に割り当てていく。その原理には、スペクトルがアミノ酸ごとに特定の パターンを持っていること、化学シフトおよびスピン結合定数などに極めて特徴的な 法則があることを利用する。このような特徴的な性質から、現在では帰属の自動化も 行われている。以下に、タンパク質 NMR ^ベクトルの特徴的な化学シフトを示す。
[0199] タンパク質の 1Hの化学シフトはその環境ごとにおおよそ限定されている。すなわち 、アミドプロトン由来の信号 (8ppm付近)、側鎖の芳香環由来の信号(7ppm付近)、 α位のプロトン由来の信号 (4ppm付近)、 j8位のプロトン由来の信号(2— 3ppm付 近)、メチル基由来の信号(lppm付近)が、それぞれ観測される。
[0200] 13C の化学シフトにも同様の相関があり、 13Cではそれぞれの領域を選択的に励起 することで、 a位や j8位の炭素、カルボニル炭素などをあた力も別核種のように取り 扱うことにより、帰属のための様々な測定法のなかで活用される。
[0201] アミノ酸配列の帰属に加えて、高次構造に由来する化学シフトの変化が見られる。
たとえば、 α位のプロトン由来の信号は αヘリックス構造の中では高磁場シフトし、 β シート構造の中では低磁場シフトする。その他にも、側鎖の芳香環との位置関係によ り ± lppm 程度シフトすることがある。また金属結合タンパク質などでは、金属と結合 した部位でかなり大きなシフトが見られる。
[0202] 次に、同種核スピン結合も考慮すべきである。タンパク質を構成するアミノ酸は、ぺ プチド結合 (アミド結合)で連結されて 、ることから、カルボニル基によって1 H-1!!間 のスピン結合が分断され、 —1 H間のスピン結合は同一アミノ酸残基内に限定され る。したがって、 'Η- Η間のスピン結合のパターンは、アミノ酸の種類ごとに特徴的 であり、この事実を利用して、アミノ酸の同定をおこなう。また、 α位のプロトンとアミド プロトンの3 JH Η スピン結合定数力 導かれる二面角 φは主鎖の 2次構造の決定 α Ν
に役立つ。
[0203] また、異種核間スピン結合も考慮すべきである。主鎖に関連する1 Η- Η以外のスピ ン結合定数としては、例えば、 H—N (90— 100Hz)、 N—C a (l lHz)、 C a—H (140 Hz)、 C a— C j8 (30— 40Hz)、 C a— C ( = 0) (55Hz)、 C α— X— N (7Hz)、 13C— 15 N (15Hz)などが挙げられる。
[0204] また、 NOE相関も考慮されるべきである。 NOE相関は、高次構造解析に用いられ る力 アミドプロトンと α位のプロトンとのカルボ-ル基をはさんだ1 H同種核 NOEは、 その二つのプロトンが、アミド結合を介して隣り合ったアミノ酸残基に由来することを 示しており、 同種核実験によるアミノ酸配列の帰属で用いられる。この手法を、スピ ン結合やィ匕学シフトをもとに決定したアミノ酸の種別情報とあわせて、配列特異的連 鎖帰属法という。
[0205] 帰属作業が終わったら、必要に応じて、高次構造解析を行う。タンパク質の高次構 造には、アミノ酸配列が立体的な規則性を持って形作る aヘリックス構造、 β シート 構造のような 2次構造、いくつかの 2次構造が空間的に配置された 3次構造、 3次構造 で構築されたドメインが空間的に配置された 4次構造があり、これらを明らかにするこ とがタンパク質溶液 NMR測定において構造解析において重要であり、 目的に応じて 種々行われる。
[0206] 一次配列が既知のアミノ酸配列の場合、既知のポリペプチド鎖がどのように絡み合
つてタンパク質を構築しているのかを、 NMRカゝら得られる情報を利用して解像する。 この際利用されるのが、ディスタンス ·ジオメトリー法、束縛条件付き分子動力学法と 呼ばれる構造最適化計算アルゴリズムである。いずれの場合にも、 NMRから得られ る距離情報としての NOE信号を集められる限り集めに集め、それをパラメータとして 計算プログラムに与えることによって高次構造を導き出す手法である。
[0207] 本明細書において、「ディスタンス ·ジオメトリー法」とは、距離情報と結合角 (2面角) の集合とを空間的な位置情報としてみて、それをもとに構造を導き出す手法をいう。 通常は、共有結合の結合長および結合角を一般的なタンパク質の標準値に固定し、 2面角を変数として構造計算を進める。 NOE由来の距離の束縛条件を満たす方向に 収束した構造をいくつか取り出し、最も適切と思われる構造を最終構造とする。この 手法は、変数が少ないために計算も速ぐコンピュータに対する負荷も小さいが、原 子の接触によって構造変化が制限される(共有結合同士のすり抜けができない)ため 、真の構造に収束することが難しぐ次に述べる束縛条件付き分子動力学法などの 初期構造を求めるために利用される。
[0208] 本明細書において、「束縛条件付き分子動力学法」とは、分子運動をシミュレートす るために一般的に用いられている手法として知られる分子動力学法 (仮想的に分子 を振動させ、構造を最適化する方法)の一つであり、 NOE由来の距離の束縛条件を ポテンシャルとして加え、構造を最適化していく手法をいう。この手法は位置情報とし てデカルト (Cartesian)座標を使用しており、また変数も多いために膨大な計算量が 必要とされ、コンピュータに対する負荷も大きいが、現在ではコンピュータの計算能 力の飛躍的な進歩により計算時間が短縮され、頻繁に利用されている。
[0209] 本明細書において「シミュレ一テッド 'アニーリング法」とは、分子動力学計算の 1手 法であり、一般的な分子動力学計算と異なり、計算の初期段階で共有結合に寄与す るパラメータを弱く設定し、系の温度を急激に上げることにより分子運動を激化させ、 その後徐々に系の温度を下げて分子運動を遅くしつつ、それぞれのパラメータを強 めて構造を収束させる手法をいう。これにより、原子の接触によって構造変化が妨げ られることによる見かけの収束に構造が落ち着くことを防ぐことができる。
[0210] 以上、本明細書において使用可能な NMR手法を説明した力 このような手法は、
当該分野において公知であり、例えば、 Kurt Wuthrich 著,京極好正'小林祐次 訳,タンパク質と核酸の NMR:二次元 NMRによる構造解析,東京化学同人. (199 1); M. Sattler, J. Schleucher, C. Griesinger, Progr. NMR Spectrosc. 34 , 93-158. (1999); J. Cavanagh, W. J. Fairbrother, A. G. Palmer III, N. J . Skelton, Protein NMR Spectroscopy: Principles and Practice, Acade mic Press. (1995); T. L. James and N. J. Oppenheimer (eds. ) , Method s in Enzymology, Vol. 239, Academic Press. (1994);荒田洋治,タンノ ク 質の NMR:構造データの解釈と評価,共立出版. (1996) ; 荒田洋治, NMRの書 ,丸善. (2000); 根本暢明,吉田卓也,小林祐次,科学と工業, 69 (10) , 419-4 25. (1995) ;根本暢明,吉田卓也,小林祐次,科学と工業, 70 (2) , 48—55. (199 6)などに記載されており、本明細書においてその内容を参考として援用する。
[0211] (結晶構造解析)
高分子構造 (例えば、ポリペプチド構造)は種々のレベルの構成に関して記述され 得る。この構成の一般的な議論については、例えば、 Albertsら、 Molecular Biolo gy of the Cell (第 3版、 1994)、ならびに、 Cantorおよび Schimmel、 Biophysi cal Chemistry Part I : The Conformation of Biological Macromolecul es (1980)を参照。「一次構造」とは、特定のペプチドのアミノ酸配列をいう。「二次構 造」とは、ポリペプチド内の局所的に配置された三次元構造をいう。これらの構造はド メインとして一般に公知である。ドメインは、ポリペプチドの緻密単位を形成し、そして 代表的には 50— 350アミノ酸長であるそのポリペプチドの部分である。代表的なドメ インは、 13シート( 13ストランドなど)および a一へリックスのストレッチ(stretch)のよう な、部分から作られる。「三次構造」とは、ポリペプチドモノマーの完全な三次元構造 をいう。「四次構造」とは、独立した三次単位の非共有的会合により形成される三次元 構造をいう。異方性に関する用語は、エネルギー分野において知られる用語と同様 に使用される。
[0212] 本明細書において「結晶構造解析」とは、 X線、電子線または中性子線の結晶によ る回折を利用した結晶構造の解析を 、う。ほぼ単色で平行な線束を単結晶に当てな がら、結晶の方位を系統的に変えて、多くの結晶網平面からのブラッグ反射強度を,
ワイセンベルク.カメラやプリセッションカメラでフィルムまたはイメージングプレートに 記録して強度測定するか (回転結晶法)、計数管を備えた 4軸回折計で反射強度を 系統的に測定する方法などがある。こうして得た反射の消滅則から、それが属する空 間群をきめることができる。対称中心の有無もまた、積分反射強度の統計から決定さ れ得る。これらの空間群、対称中心などの情報を得た後、結晶の分子式および単位 胞の大きさから、単位胞中に含まれる化学単位数 (原子数または分子数)を決定する ことができる。重原子法では、次にパターソン関数を使って重原子 (存在する場合)の 位置を求め、その寄与を手掛りにして解析する。重原子が含まれていない場合でも、 外因的に重原子を入れてそれを手掛りに同形置換法で構造を解くことができる。複 雑なタンパク質分子などでは水銀のような重原子をある位置に入れ、特に別種の重 原子を別の位置に入れることにより、反射の位相を力なりの数決定することができ、そ のような情報をもとに構造を解析する。
[0213] このようなタンパク質の結晶構造解析は、当該分野において周知の方法を用いて 行うことができる。そのような方法は、例えば、タンパク質の X線結晶構造解析 (シュプ リンガー 'フエアラーク東京社)、生命科学のための結晶解析入門(丸善)などに記載 されており、本明細書ではそのような方法を任意に用いることができる。
[0214] 一般に、タンパク質の結晶は、 X線によりかなり損傷を受けることが知られているの で、 X線結晶構造解析を成功させるためには、損傷を受け難い結晶を取得することが 重要である。近年では、結晶を凍結させ、凍結状態のままで回折データを測定するこ とで高品質、高分解能の回折データを取得することがよく行われている(Methods i n ENZYMOLOGY 第 276卷、 Macromolecular Crystallography, Part A 、 C. W. Carter, Jr.および R. M. Sweet編、 Practical Cryocrystallography ( D. W. Rodgers) ) 0一般に、タンパク質結晶の凍結には、凍結による結晶の崩壊を 防ぐ目的で、グリセロールなどの凍結安定化剤を含む溶液で処理するなどの工夫が なされる。本発明においては、 LOX— 1のネイティブ結晶(必要に応じて補酵素である ァセチル化 LDLと複合体化させる)および重原子誘導体の凍結結晶は、凍結安定 ィ匕剤を添加することなぐ結晶化小滴あるいは浸漬溶液中の結晶を取り出し、液体窒 素に直接浸漬して瞬時に凍結させることで調製し得る。凍結結晶はまた、凍結安定
ィ匕剤を添加した保存液に浸漬した結晶に対して上記瞬時に凍結させる操作を行うこ とによっても調製し得る。
[0215] 本明細書において、重原子同型置換法(Methods in ENZYMOLOGY 第 11 5卷、 Diffractipn Metnoas for Biological Macromolecules、 Part B、 H . W. Wyckoff, C. H. W. Hirs、および S. N. Timasheff編、ならびに Methods in ENZYMOLOGY 第 276卷、 Macromolecular Crystallography, Part A、 C. W. Carter, Jr.および R. M. Sweet編)または多波長異常分散法(S. N. T imasheff編、ならびに Methods in ENZYMOLOGY 第 276卷、 Macromole cular Crystallography, Part A、 C. W. Carter, Jr.および R. M. Sweet編)も また利用して立体構造解析を行うことも可能である。ここでは、ネイティブ結晶および 重原子誘導体結晶の回折データ間の回折強度差、あるいは異なる波長で測定した 回折データ間の回折強度差から、電子密度を計算するための初期位相を求めること により立体構造を決定し得る。重原子同型置換法または多波長異常分散法を適用 する LOX— 1の立体構造決定においては、重金属原子として例えば水銀、金、白金 、ウラン、セレン原子などを含有した重原子誘導体結晶を用い得る。例えば、水銀ィ匕 合物 EMTSまたはカリウムジシァノ金 (I)を利用した浸漬法により得られる重原子誘 導体結晶が用いられる。
[0216] ネイティブ結晶および重原子誘導体結晶の回折データは、例えば、 R— AXIS lie
(理学電機)あるいは SPring-8 (西播磨大型放射光施設)のタンパク質結晶構造解 析用ビームラインを用いて測定し得る。多波長異常分散法を適用するための複数波 長での回折データ測定は、例えば、 SPring— 8のタンパク質結晶構造解析用ビーム ラインを用いて実施し得る。測定した回折画像データは、例えば、 R— AXIS lie付属 のデータ処理プログラムまたはプログラム DENZO (マックサイエンス)または同様な 画像処理プログラム(または単結晶解析用ソフトウェア)を用いて、反射強度データに 処理される。ネイティブ結晶の反射強度データ、複数波長での重原子誘導体結晶の 反射強度データ波長の測定により得られた反射強度データから、差 Patterson図を 利用して結晶中のタンパク質に結合した重金属原子の位置を求めた後、例えば、プ ログラム PHASES (W. Fureyゝ University of Pennsylvaniaあるいは CCP4 (B
ritish Biotechnology & Biological Science Research Counsil、 SERC) または同様の回折データ解析プログラムを用いて重原子位置パラメータを精密化す ることにより初期位相が決定される。決定された初期位相は、例えば、プログラム DM (CCP4パッケージ)または同様な位相改良プログラム(電子密度改良プログラム)を 用いた溶媒平滑ィ匕法およびヒストグラムマッチング法に従って、 LOX— 1リガンド結合 フラグメント結晶中の溶媒領域を例えば 30— 50%として、低分解能から高分解能ま で徐々〖こ位相拡張計算を行うことにより信頼性の高い位相へと改良される。タンパク 質の結晶は、その体積の 30— 60%がタンパク質以外の溶媒分子(主として水分子) で占有されている。本明細書において、溶液中の溶媒分子の占める体積を「溶媒領 域」とする。一般に、得られたタンパク質結晶が非結晶学的な対称を有する場合には 、非結晶学的対称 (NCS)平均化と呼ばれる電子密度の平均化を行うことにより、さら に位相の信頼性を高めることが可能である。特定の LOX— 1リガンド結合フラグメント の結晶は、結晶の密度測定の結果力も非対称単位中に 2分子が含まれることが観察 される。溶媒平滑化法を適用した後の位相を用いて計算した電子密度図および精密 化した重原子座標から、並進および回転を含む非結晶学的対称マトリックスが算出さ れる。同時に溶媒平滑ィ匕法で得られた電子密度図から、マスクと呼ばれるタンパク質 の分子が存在する領域を同定し得る。非結晶学的対称マトリックスおよびマスクを用 いて、プログラム DMなどにより NCS平均化計算を行うことにより、信頼性の高い位相 に改良され、立体構造モデルの構築に用いる電子密度図が得られる。
LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの立体構造モデルは、例えば、プロ グラム 0 (ォー)(A. Jones, Uppsala Universitet、 Sweden)などにより 3次元グラ フィックス上に表示した電子密度図から、以下の手順で構築し得る。まず、特徴的な アミノ酸配列を有する複数の領域 (例えば、トリブトファン残基を含む部分配列など) を電子密度図上で探し出す。次に、見出した領域を起点にしてアミノ酸配列を参照し ながら、電子密度に適合するアミノ酸残基の部分構造をプログラム Oを用いて 3次元 グラフィックス上で構築する。、順次この作業を繰り返すことにより、 LOX— 1または LO X— 1リガンド結合フラグメントのすべてのアミノ酸残基を相当する電子密度に適合さ せ、分子全体の初期立体構造モデルを構築する。構築された立体構造モデルは、
それを出発モデル構造として、構造精密化プログラムである XPLOR(A. T. Brung er、 Yale University)の精密化プロトコルに従って、立体構造を記述する三次元 座標が精密化される。また、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメント (例えば 、配列番号 1に示されるアミノ酸配列を含む LOX— 1リガンド結合フラグメント)のネィ ティブ結晶の立体構造および LOX— 1リガンド結合フラグメント改変体 (例えば、配列 番号 1に示される配列を有する LOX— 1リガンド結合フラグメントの改変体)ネイティブ 結晶の立体構造は、得られた EMTS誘導体結晶の立体構造を用いた分子置換法 により初期位相を求め、前記の電子密度改良、モデル構築、構造精密化手順に従う ことにより各々の立体構造を決定し得る。このこと〖こより、本発明の LOX-1リガンド結 合フラグメントの立体構造の決定が完成される。決定した LOX— 1の立体構造につい て、トポロジーなどの観点から、タンパク質立体構造の公的データバンクであるプロテ インデータバンク(PDB)に登録されて!、る種々のタンパク質 (LOX— 1と機能にお!ヽ て類似するタンパク質のフラグメントを含む)の立体構造との比較を行 、得る。
[0218] 本明細書において、「トポロジー」とは、本明細書中において、タンパク質の二次構 造単位の並びまたは空間配置のことを 、う。
[0219] 本明細書において、「 (Xヘリックス」とは、タンパク質またはポリペプチドの二次構造 の一つであり、アミノ酸が 3. 6残基ごとに 1回転したピッチが 5. 4Aの螺旋構造を有す るエネルギー的に最も安定な構造の 1つをいう。 aヘリックスを形成しやすいアミノ酸 としては、グルタミン酸、リジン、ァラニン、およびロイシンなどが挙げられる。逆に、 OL ヘリックスを形成しにくいアミノ酸としては、パリン、イソロイシン、プロリン、およびダリ シンなどが挙げられる。また、本明細書において、「j8シート」とは、タンパク質または ポリペプチドの二次構造の一つであり、ジグザグに伸びたコンフオメーシヨンを有する 二本以上のポリペプチド鎖が平行に並び、ペプチドのアミド基およびカルボ-ル基が 、それぞれ隣接するペプチド鎖のカルボ-ル基およびアミド基との間に水素結合を 形成することによりエネルギー的に安定なシート状により合わさった構造をいう。なお 、「平行 j8シート」とは、 j8シートのうち、隣接するポリペプチド鎖のアミノ酸配列の並 び方が同じ方向のものをいい、「逆平行 j8シート」とは、 βシートのうち、隣接するポリ ペプチド鎖のアミノ酸の並び方が逆方向のものをいう。さらに、本明細書において、「
βストランド」とは、 βシートを形成するジグザグに伸びたコンフオメーシヨンを有する 1 本のペプチド鎖をいう。
[0220] 従って、本発明の LOX— 1改変体を作製する際には、上述のようなトポロジーを考 慮してちょい。
[0221] タンパク質の「立体構造データ」または「原子座標データ」とは、そのタンパク質の三 次元構造に関するデータをいう。タンパク質の立体構造データには、代表的に、原子 座標データ、トポロジー、分子力場定数が挙げられる。原子座標データは、代表的に 、 X線結晶構造解析または NMR構造解析カゝら得られたデータであり、このような原子 座標データは、新規に X線結晶構造解析または NMR構造解析を行って得られ得る 力 または公知のデータベース(例えば、プロテイン ·データ'バンク(PDB) )から入 手し得る。原子座標データはまた、モデリングまたは計算によって作成されたデータ であり得る。
[0222] トポロジーは、巿販もしくはフリーウェアのツールプログラムを用いて算出し得るが、 自作プログラムを用いてもよい。また、市販の分子力場計算プログラム (例えば、 PRE STO、タンパク質工学研究所株式会社、に付属の preparプログラム)に付属の分子 トポロジー計算プログラムを使用し得る。分子力場定数 (または分子カ場ポテンシャ ル)もまた、巿販もしくはフリーウェアのツールプログラムを用いて算出し得る力 自作 データを用いてもよい。また、市販の分子力場計算プログラム(例えば、 AMBER, O xford Molecular)に付属の分子力場定数データを使用し得る。
[0223] 本発明の LOX— 1リガンド結合フラグメントの立体構造決定が完成することによって 、酵素の触媒活性に関与する残基を推定し得、さらに酵素単独の立体構造だけでな ぐ酵素に補酵素、インヒビター、ァゴニストまたは基質などを結合させた複合体の立 体構造モデルを分子モデリングの手法(Swiss— PDBViewer (前出)、 Autodock ( Oxford Molecular)ゝ Guex、 N.および Peitsch, M. C. (1997) SWISS— MOD EL and the Swiss— PDBViewer: An environment for comparative pr otein modeling, Electrophoresis 18、 2714-2723 ; Morris, G. Mら、 J. Co mputational Chemistry, 19 : 1639—1662、 1998 ;Morris, G. M.ら、 Com putaer-Aided Molecular Design, 10、 294—304、 1996 ;Goodsell、 D. S.ら
、J. Mol. Recognition, 9 : 1—5、 1996)により容易に構築し得る。本立体構造およ び立体構造モデルから、活性部位に存在し、触媒反応群のアミノ酸残基に関する構 造および活性部位における反応機構に関する知見を入手し得る。
[0224] LOX— 1リガンド結合フラグメントの活性部位は、例えば、配列番号 4に示される LO X— 1リガンド結合フラグメントのアミノ酸残基 191位一 240位などを包含する。配列番 号 4の 208位アルギニン、 209位アルギニン、 226位ヒスチジン、 229位アルギニン、 および 231位アルギニンは、リガンドと密接に相互作用することが知られていることか ら、ある実施形態では、酵素活性を変更するために、本発明の目的とする改変は、こ の 208位アルギニン、 209位アルギニン、 226位ヒスチジン、 229位アルギニン、およ び 231位アルギニンに対応する残基が他のアミノ酸に改変されて 、ることが好ま ヽ
[0225] これら立体構造より得られた知見に基づいて、 LOX— 1の安定性向上または受容体 活性の向上を目的とした改変設計を行い得る。本明細書において、酵素の「熱安定 性」とは、通常の生体環境よりも高 、温度 (例えば 60°C)でタンパク質を変性させた後 でも、タンパク質活性 (例えば、酵素活性、受容体活性など)が熱変性前と比較して、 少なくとも 10%、好ましくは少なくとも 50%、最も好ましくは少なくとも 90%残存して 、 ることをいう。安定性の向上は、例えば、 ΔΤπι (変性温度の差分)で測定し得る。本 明細書において「受容体活性」とは、特に言及しない場合「LOX-l活性」と同義で用 いられ、活性測定法としては、 LOX— 1の N—末端部に導入した His— tagあるいは同 じく LOX— 1の末端部に導入した biotinィ匕配列部を biotin化することで得られる bioti n— tag化された LOX— 1試料を用いて SPRセンサーチップ上に His— tagある!/、は bio tin— tagを介して向きをそろえて固定ィ匕したセンサーをもちいて酸ィ匕 LDLとの結合能 を SPRセンサーグラムの変化力も検出することによって測定することができる。
[0226] 本明細書にぉ 、て、改変体分子の設計は、変異前のタンパク質またはポリペプチド 分子 (例えば、野生型分子)のアミノ酸配列および立体構造を解析することによって、 各アミノ酸がどのような特性 (例えば、触媒活性、他の分子との相互作用など)を担う かを予測し、所望の特性の改変 (例えば、触媒活性の向上、タンパク質の安定性の 向上など)をもたらすために適切なアミノ酸変異を算出することにより行われる。設計
の方法は、好ましくはコンピューターを用いて行われる。このような設計方法で用いら れるコンピュータープログラムの例としては、本明細書において言及されるように、以 下が挙げられる:構造を解析するプログラムとして、 X線回折データの処理プログラム である DENZO (マックサイエンス);位相を決定するための処理プログラムとして、 P HASES (Univ. of Pennsylvania, PA、 USA);初期位相の改良のためのプログ ラムとして、プログラム DM (CCP4パッケージ、 SERC); 3次元グラフィックスを得るた めのプログラムとしてプログラム O (Uppsala Universitet、 Uppsala,スウェーデン) ;立体構造精密化プログラムとして、 XPLOR (Yale University, CT、 USA);そし て、変異導入モデリングのためのプログラムとして、 Swiss— PDBViewer (前出)。
[0227] 本発明では、本発明の開示をもとに、コンピュータモデリングによる薬物(例えば、ィ ンヒビター、活性化剤など)力提供されることも企図される。
[0228] (質量分析)
本発明にお 、て共有結合などの結合を測定するのに質量分析を利用することがで きる。
[0229] 本明細書にぉ 、て「質量分析」とは、電磁気的相互作用を利用して原子 ·分子のィ オンを質量の違いによって分析する任意の方法をいう。代表的には、質量分析は、 2 つの方法大別され、第 1のものは、同時にイオンの軌道を分けて分析する方法であり 、その装置を質量分析器 (mass spectrograph)という。第 2のものは、軌道は同じ である力 イオン運動の時間的相異または共鳴条件の相異によつて質量の違いを測 る方法であり、その装置を質量分析計(mass spectrometer)という。
[0230] 質量分析の方法は、当該分野において周知であり、例えば、 MALDI— TOFなど が挙げられるがそれらに限定されない。当業者はそのような方法を適宜改変して本 発明に用いることができる。
[0231] 本明細書において、質量分析により得られるような、タンパク質などの物質の構造 の量的変化の情報を利用して結合を算出することができる。このようなタンパク質など の物質の構造の量的変化の情報は、その糖鎖自体の存否に関する情報として表示 することもできるし、その糖鎖が含まれる分子 (例えば、タンパク質)全体を情報として 表示することもできる。量的変化の情報はまた、注目すべきタンパク質とリガンドとの
割合の比として表現することができるがそれに限定されない。そのような量的変化の 情報を構成するおのおのの糖鎖または糖鎖を含む分子の量 (またはレベル)を示す 単位としては、例えば、 ng、 μ mol、質量分析における信号強度、分光分析における 信号強度、または mgZ試料 g、 mmolZ試料 g、あるいは相対蛍光強度などが挙げら れるがそれらに限定されない。本発明では、そのようなタンパク質構造の量的変化量 の変化を分析(区間微分などによる)することも重要であり得る。
[0232] 代表的な質量分析である MALDI— TOF (MS)は、 Matrix Assisted Laser D e sorption Ionization ― Time— of— Flight (Mass spectrometer)の略語で &) る。 MALDIとは、田中らによって見いだされ、 Hillenkampらによって開発された技 法である(Karas M. , Hillenkamp, F. , Anal. Chem. 1988, 60, 2299—230 D oこの方法では、試料とマトリクス溶液をモル比で(10— 2— 5 X 10— 4): 1に混合し た後、混合溶液を標的上で乾固し、結晶状態にする。パルスレーザー照射により、大 きなエネルギーがマトリクス上に与えられ、(M + H) +、(M + Na) +などの試料由来 イオンとマトリクス由来イオンとが脱離する。微量のリン酸緩衝液、 Tris緩衝液、グァ 二ジンなどで汚染されていても分析可能である。 MALDI— TOF (MS)は、 MALDI を利用して飛行時間を元に質量を測定するものである。イオンが一定の加速電圧 V で加速される場合、イオンの質量を m、イオンの速度を v、イオンの電荷数を z、電気 素量を e、イオンの飛行時間を tとしたとき、イオンの mZzは、
m/z = 2eVt2/L2
で表すことができる。このような MALDI— TOF測定には、島津 ZKratosの KOMPA CT MALDI ΠΖΠΐΖΐνなどを使用することができる。その測定の際には、製造業 者が作成したパンフレットを参照することができる。 MALDI— TOFの測定時に使用さ れるレーザー照射の照射エネルギーを解離エネルギーと!/、1/、、解離エネルギーを用 V、て共有結合などの解析を行うことができる。
[0233] このような質量分析計は、製造業者が提供するマニュアルなどを参照して使用する ことができる。具体的には、試料をマトリクス (例えば、固体または液体)とともに質量 分析計に付属のターゲットプローブ上に滴下し乾燥させ、分析器で質量を測定する 。マトリクスは製造業者が提供するものを使用することができ、例えば、ジスラノール、
HABA、 DHBA、 IAAなどが挙げられるがそれらに限定されない。
[0234] 質量分析では、必要に応じて、プロトン付加体イオンを生じ易くするために、イオン 化助剤(カチオン助剤)として、 NaCl、 KC1、 NaTFA (トリフルォロアセテート)、 AgT
FAなどの塩類を加えてイオンィ匕効率を上げることも可能である。当業者は、各糖鎖 における構造解析に際し、マトリクスおよびイオンィ匕助剤の選択などの諸条件の選択 を行うことができる。
[0235] (コンピュータモデリング)
本発明は、分子設計技術の使用により、 LOX-1 (例えば、結合ポケット)に結合可 能な化学物質 (活性化剤、阻害化合物を含む)を同定、選択、および設計することを 初めて可能にする。
[0236] 本発明はまた、 1つの局面において、本発明において決定された結合ポケットを含 むポリペプチドも提供する。
[0237] LOX— 1上のァセチル化 LDLの結合部位に関する本発明者らの解明は、 LOX— 1 結合ポケットのいずれかまたはその両方と相互作用し得る新規な化学物質およびィ匕 合物を設計するために必要な情報を、全部または一部について提供する。この解明 はまた、 LOX— 1様結合ポケットまたは二量体界面に結合する他の化合物のアナログ につ 1、ての構造活性データの評価を可能にする。
[0238] モデリングでは、物質が、 LOX— 1様結合ポケットまたは二量体界面に結合する力、 これと会合するか、またはこれを阻害する能力に関する議論は、物質の特徴のみを 議論する。化合物が LOX— 1に結合するかどうかを決定するためのアツセィは、当該 分野で周知であり、例えば、本明細書において記載され、 Chen, M., Marumiya, S., Masaki, T., and Sawamura, T. Biochem. J. (2001) 355, 289-296 ; Chen., M., Inoue, K., Narumiya, S" Masaki, T" and Sawamura, T. FEBS Lett. (2001) 499, 215—219 ; および Shi, X., Niimi, S., Ohtani, T. and Machida, S. J.Cell.Sci. (2001) 114, 1273-1282などに記載されており、これらの内容は、本明細書において関連部分が 参考として援用される。
[0239] 本発明による、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメント (例えば、結合ポケッ ト)に結合する力またはこれを阻害する化合物の設計は、一般的に 2つの要件の考慮
を伴う。第 1に、この物質は、 LOX— 1の一部または全部と物理的および構造的に会 合し得なければならな 、。この会合にぉ 、て重要な非共有結合的分子相互作用は、 水素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水的相互作用、および静電的相互作用 を含む。
[0240] 第 2に、この物質は、それを LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントと直接 会合可能にするコンフオメーシヨンをとり得なければならない。この物質の特定の部分 はこれらの会合に直接関与しないが、この物質のこれらの部分はなお、分子の全体 のコンフオメーシヨンに影響を及ぼし得る。次いで、これが効力に重大な影響を有し 得る。このようなコンフオメーシヨン要件は、結合ポケットの全部または一部に関連する 化学物質の 3次元構造全体および配向、あるいは LOX— 1または LOX— 1リガンド結 合フラグメントあるいはその相同体と直接相互作用するいくつかの化学物質を包含す る物質の官能基間の空間的配置を含む。
[0241] LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントに対する化学物質の阻害効果また は結合効果の可能性は、その実際の合成および試験の前にコンピューターモデリン グ技術の使用により分析され得る。所与の物質の理論的構造が、その物質と LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントとの間での不十分な相互作用および会合を 示唆するのであれば、物質の試験は除外される。しかし、コンピューターモデリングが 強い相互作用を示すのであれば、次いで、この分子が合成され、 LOX— 1または LO X-1リガンド結合フラグメントへの結合能力につ 、て試験され得る。
[0242] LOX— 1の調節因子の候補ィ匕合物は、その化学物質またはフラグメントを LOX— 1 とのそれらの会合能力についてスクリーニングする工程、およびポジティブ因子を選 択する工程により計算的に評価され得る。
[0243] 当業者は、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントと会合する能力につい て化学物質またはフラグメントをスクリーニングするためのいくつかの方法のうちの 1 つを使用し得る。このプロセスは、例えば、図 7の LOX— 1リガンド結合フラグメントの 構造座標もしくはその改変体もしくは相同体またはコンピューター読み取り可能記録 媒体から生じる同様の形状を定義する他の座標に基づく、コンピューター画面上で の LOX— 1様結合ポケットの視覚的検査により開始され得る。次いで、選択されたフラ
グメントまたは化学物質を、上記に定義される結合ポケット内に、種々の配向で配置 させ得るか、またはドッキングさせ得る。ドッキングは、 Quantaおよび Sybylのようなソ フトウエア、続いて、 CHARMMおよび AMBERのような標準的な分子力学的力場 によるエネルギー最小化および分子動力学を用いて達成され得る。
[0244] コンピュータモデリングを行うためのコンピュータープログラムもまた、フラグメントま たは化学物質を選択するプロセスにおいて使用され得る。このようなプログラムとして は、以下が挙げられる。
[0245] 1. GRID (P. J. Goodford, 「A Computational Procedure for Determini ng Energetically Favoraole Binding Sites on Biologically Important MacromoleculesJ , J. Med. Chem. , 28, 849— 857頁(1985) )。 GRIDは、 O xford University, Oxford, UKから入手可能である。
[0246] 2. MCSS (A. Mirankerら, 「Functionality Maps of Binding Sites : A
Multiple Copy Simultaneous Search MethodJ Proteins : Structure, F unction and Genetics, 11, 29— 34頁(1991) )。 MCSSは、 Molecular Sim ulations, San Diego, CAから入手可能である。
[0247] 3. AUTODOCK(D. S. Goodsellら, 「Automated Docking of Substrate s to Proteins by Simulated AnnealingJ , Proteins : Structure, Function , and Genetics, 8, 195— 202頁(1990) )。 AUTODOCKは、 Scripps Resear ch Institute, La Jolla, CAから入手可能である。
[0248] 4. DOCK (I. D. Kuntzら, 「A Geometric Approach to Macromolecule -Ligand InteractionsJ , J. Mol. Biol. , 161, 269— 288頁(1982) )。 DOCK は、 University of California, San Francisco, CA力ら入手可會である。
[0249] 一旦、適切な化合物質またはフラグメント (化合物種)が選択されると、それらは、単 一化合物または複合体にアセンブリすることができる。構築に先だって、 LOX— 1また は LOX— 1リガンド結合フラグメントの構造座標に関連してコンピューター画面上に表 示される 3次元イメージ上で、互いのフラグメントの関連性の視覚的検査が行われ得 る。これに続き、 Quantaまたは Sybyl [Tripos Associates, St. Louis, MO]のよ うなソフトウェアを用いるマニュアルでのモデル構築が行われる。
[0250] 個々の化学物質またはフラグメントを連結させる際に使用され得る有用なプログラム は、以下を含む。
[0251] 1. CAVEAT (P. A. Bartlettら、「CAVEAT:A Program to Facilitate th e Structure— Derived Design of Biologically Active MoleculesJ (Mole cular Recognition in Chemical and Biological Problems, Special Pub . , Royal Chem. Soc. , 78, 182— 196頁(1989) ); G, Lauriおよび P. A. Bart lett, 「CAVEAT: a Program to Facilitate the Design of Organic Mol eculesj , J. Comput. Aided Mol. Des. , 8, 51— 66頁(1994) )。 CAVEATは 、 University of California, Berkeley, CA力ら入手可會である。
[0252] 2. ISIS (MDL Information Systems, San Leandro, CA)のような 3Dデー タベースシステム。この分野は、 Y. C. Martin, 「3D Database Searching in Drug Designj , J. Med. Chem. , 35, 2145— 2154頁(1992)【こお!/、て概説さ れる。
[0253] 3. HOOK(M. B. Eisenら, 「HOOK:A Program for Finding Novel Mo lecular Architectures that Satisfy the Chemical and Steric Require ments of a Macromolecule Binding Site」, Proteins : Struct. , Funct. , Genet. , 19, 199— 221頁(1994) )。 HOOKは、 Molecular Simulations, San Diego, CAから入手可能である。
[0254] 上記のように一度に 1つのフラグメントまたは化学物質を段階的様式で LOX— 1のィ ンヒビターなどとして構築することを進める代わりに、阻害性または他の LOX— 1また は LOX— 1リガンド結合フラグメントの結合ィ匕合物は、空の結合部位を使用する力、ま たは必要に応じていくつかの既知のインヒビターの部分を含めるかのいずれかで、全 体的にまたはデノボで設計され得る。以下を含む、多くの新規リガンド設計方法が存 在する。
[0255] 1. LUDI (H. -J. Bohm, 「The Computer Program LUDI :A New Met hod for the De Novo Design of Enzyme InhibitorsJ , J. Comp. Aid. Molec. Design, 6 61— 78頁(1992) )。 LUDIは、 Molecular Simulations In corporated, San Diego, CA力ら入手可會である。
[0256] 2. LEGEND (Y. Nishibataら, Tetrahedron, 47, 8985頁(1991) )。 LEGEN Dは、 Molecular Simulations Incorporated, San Diego, CA力ら入手可會 である。
[0257] 3. LeapFrog (Tripos Associates, St. Louis, MOから入手可能である)。
[0258] 4. SPROUT (V. Gilletら, 「SPROUT:A Program for Structure Genera tion」, J. Comput. Aided Mol. Design, 7, 127— 153頁(1993) )。 SPROUT は、 University of Leeds, UKから入手可能である。
[0259] 他の分子モデリング技術もまた、本発明に従って使用され得る [例えば、 N. C. Co henら, 「Molecular Modeling Software and Metnods for Medicinal C hemistryj , J. Med. Chem. , 33, 883— 894頁(1990)を参照のこと; M. A. Nav iaおよび M. A. Murcko, 「The Use of Structural Information in Drug Design」, Current Opinions in Structural Biology, 2, 202— 210頁(1992 )もまた参照のこと; L. M. Balbesら, 「A Perspective of Modern Methods i n Computer— Aided Drug Design」, (Reviews in Computational Chem istry, vol. 5, K. B. Lipkowitzおよび D. B. Boyd編, VCH, New York, 337— 380頁(1994) ) ;W. C. Guida, 「Software For Structure-Based Drug De sign」, Curr. Opin. Struct. Biology. , 4, 777— 781頁(1994) ]。
[0260] ー且上記の方法により化合物が設計されるかまたは選択されると、その物質が LO X-1結合ポケットまたは二量体界面に結合し得る効率力 計算による評価により試験 され、そして最適化され得る。例えば、有効な LOX— 1結合ポケットインヒビターは、好 ましくは、その結合状態と遊離状態との間に相対的に小さなエネルギー差 (すなわち 、結合の小さな変形エネルギー)を示さなければならない。従って、最も効率的な LO X-1ンヒビターは、好ましくは、約 lOkcalZモル以下(より好ましくは、 7kcalZモル 以下)結合の変形エネルギーを用いて設計されるべきである。 LOX— 1インヒビターは 、全結合エネルギーにお 、て類似する 2つ以上のコンフオメーシヨンで結合ポケットと 相互作用し得る。これらの場合、結合の変形エネルギーは、遊離物質のエネルギー とインヒビターがタンパク質に結合するとき観察されるこれらのコンフオメーシヨンの平 均エネルギーとの間の差であると考えられる。
[0261] LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントに結合するとして設計または選択さ れる物質は、その結合状態において、好ましくは、標的酵素および周囲の水分子と の静電的斥力相互作用がないように、計算によりさらに最適化され得る。このような非 相補的静電的相互作用は、電荷 -電荷斥力相互作用、双極子 -双極子斥力相互作 用および電荷 -双極子斥力相互作用を含む。
[0262] 特定のコンピューターソフトウェアは、化合物変形エネルギーおよび静電的相互作 用を評価する分野において入手可能である。このような使用のために設計されたプロ グラムの例として、以下が挙げられる: Gaussian 94, revision C (M. J. Frisch, Gaussian, Inc. , Pittsburgh, PA 1995); AMBER, version 4. 1 (P. A. Kol lman, University of California at San Francisco, 1995); QUANTA/ CHARMM (Molecular Simulations, Inc. , San Diego, C A 1995) ;Insigh t Il/Discover, (Molecular Simulations, Inc. , San Diego, CA 1995); DelPhi (Molecular Simulations, Inc. , San Diego, CA 1995) ;および AM SOL (Quantum Chemistry Program Exchange, Indiana University)。こ れらのプログラムは、例えば、 Silicon Graphicsワークステーション(例えば、「IMP ACT」グラフィクスを備える Indigo2)を用いて実行され得る。他のハードウェアシステ ムおよびソフトウェアパッケージもまた、当業者に公知である。
[0263] 本発明により可能な別のアプローチは、 LOX— 1に全体または部分的に結合し得る 化学物質または化合物についての低分子データベースの計算的なスクリーニングで ある。このスクリーニングにおいて、結合部位へのこのような物質の適合の質は、形状 的相補性または見積もられた相互作用エネルギーの ヽずれかにより判定され得る [E . C. Mengら, J. Comp. Chem. , 16, 505— 524頁(1992) ]。
[0264] (コンビナトリアルケミストリ)
本発明で使用する化合物ライブラリは、例えば、コンビナトリアルケミストリー技術、 醱酵方法、植物および細胞抽出手順などが挙げられるがこれらに限定されない、い ずれかの手段により、作製することができる力または入手することができる。コンビナト リアルライブラリを作成する方法は、当該技術分野で周知である。例えば、 E. R. Fel der, Chimia 1994, 48, 512— 541; Gallopら、 Med. Chem. 1994, 37, 123
3-1251 ;R. A. Houghten, Trends Genet. 1993, 9, 235-239 ;Houghten ら、 Nature 1991, 354, 84— 86 ; Lamら、 Nature 1991, 354, 82-84 ;Carell ら、 Chem. Biol. 1995, 3, 171— 183 ;Maddenら、 Perspectives in Drug Dis covery and Design2, 269— 282 ; Cwirlaら、 Biochemistry 1990, 87, 6378 —6382 ; Brennerら、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1992, 89, 5381— 5383 ;G ordonら、 Med. Chem. 1994, 37, 1385— 1401 ;Leblら、 Biopolymers 199 5, 37 177— 198 ;およびそれらで引用された参考文献を参照のこと。これらの参考 文献は、その全体を、本明細書中で参考として援用する。
[0265] (好ま 、実施形態の説明)
以下に好ましい実施形態の説明を記載するが、この実施形態は本発明の例示であ り、本発明の範囲はそのような好ましい実施形態に限定されないことが理解されるべ きである。
[0266] 本発明において、 LOX— 1リガンド結合フラグメントと LDLとの結合機構に関して研 究するために、本発明者らは、ァセチル化 LDLと複合体ィ匕したヒト LOX-1 (LOX-1 )リガンド結合フラグメントの三次元(3— D)結晶構造を決定した。本明細書では、この LOX— 1リガンド結合フラグメントーァセチル化 LDL二成分複合体の結晶構造を開示 する。本明細書ではまた、この構造データから推測可能な他の構造データも開示す る。このような結晶構造に関する情報は、従来達成不可能であった改造レベルのもの であり、し力も、ネイティブレベルでのものであり、その上、従来達成できなかったレべ ルでのスクリ一ユングを可能にするものあると 、う点で優れた効果を奏する。
[0267] 本発明ではさらに、細胞表層上に存在するのと同じ形態であるジスルフイド結合に よる二量体構造を保持した LOX-1のリガンド結合ドメインの結晶および構造が解明さ れた。
[0268] 本発明ではまた、天然の二量体構造を保持する LOX-1結晶構造中の二量体界面 に存在するキヤビティー構造と、キヤビティー近傍に存在するアミノ酸置換体が劇的 な LOX-1の修飾 LDLに対して結合能を失わせたことが見出された。このことから、二 量体界面部に存在するキヤビティーが LOX-1特異的阻害剤の標的部位になり、この ことを利用して阻害剤などの調節剤のスクリーニングを行うことができる。
[0269] 1つの局面において、本発明は、 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同 体もしくは改変体の結晶を生成するための方法であって、 a) LOX— 1リガンド結合フ ラグメントを発現して得られたタンパク質を巻き戻して得られたタンパク質を含む溶液 を提供する工程; b)酸性 pHにお 、て緩衝領域を有する緩衝液を該溶液に加えるェ 程; c)該溶液にカルシウムまたは亜鉛のイオンの供給源をカ卩える工程;および d)蒸 気拡散法により結晶を得る工程、を包含する方法を提供する。
[0270] 本発明はまた、別の局面において、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体また はその相同体もしくは改変体の結晶を生成するための方法であって、 a) LOX— 1リガ ンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体を発現して得られたタンパク質 を巻き戻して得られたタンパク質を含む溶液を提供する工程であって、該 LOX— 1は 、ジスルフイド結合に必要なシスティン残基を含む、工程および b)蒸気拡散法により 結晶を得る工程、を包含する方法を提供する。
[0271] この方法において、タンパク質の溶液の提供は、本明細書において開示されるとお りであり、当該分野において周知の技術を用いることも可能である。緩衝領域として 酸性 pHを有する緩衝液は、当該分野において公知であり、例えば、クェン酸、酢酸 などが挙げられるがそれらに限定されない。好ましくはクェン酸が用いられる。カルシ ゥムまたは亜鉛のイオンの供給源もまた、当該分野において公知であり、例えば、塩 化カルシウムまたは塩ィ匕亜鉛が用いられるがそれらに限定されない。蒸気拡散法も また、当該分野において公知である。蒸気拡散法には 1 10 1のタンパク質を含ん だ溶液の液滴をその 100倍程度の容量の沈殿剤外液に対して平衡ィ匕させ、タンパク 質溶液の液滴をカバーグラスに吊り下げる形にする方法をノヽンギングドロップ法およ び窪んだところに静置させる方法をシッティングドロップ法が汎用される。どちらの場 合にぉ 、てもタンパク質溶液と外液をある割合で混ぜた液滴を密閉系で外液に対し て蒸気平衡させることによって、拡散される。これにより結晶化する。
[0272] 二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメントを用いる本発明にお 、て、 LOX —1リガンド結合フラグメントは、 NECK領域部を含むことが好ましぐより好ましくは C TLDと、 NECK領域部 14残基とを含む(配列番号 4の 129— 273位)。
[0273] 1つの局面において、本発明では、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標の
データで生成される、立体構造コンピュータモデルが提供される。好ましくは、この原 子座標は、図 7に記載の LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその改変 体であり得る。より好ましくは、前記原子座標はァセチル化 LDLの原子座標を含み、 かつ、図 7に記載のァセチル化 LDL複合体化 LOX-1リガンド結合フラグメント原子 座標またはその改変体であってもよ 、。
[0274] このような立体構造コンピュータモデル生成は、本明細書において上述されるような 当該分野において周知の技術によって生成することができる。したがって、例えば、 当業者は、図 7に記載されるデータを入力することにより、本発明のモデルを容易に 提供することができる。
[0275] 別の局面において、本発明では、二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメン トの原子座標のデータで生成される、立体構造コンピュータモデルが提供される。好 ましくは、この原子座標は、図 17に記載の LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座 標またはその改変体であり得る。より好ましくは、前記原子座標は二量体化をになう 部分の原子座標を含み、かつ、図 17に記載の二量体ィ匕された LOX— 1リガンド結合 フラグメント原子座標またはその改変体であってもよい。
[0276] このような立体構造コンピュータモデル生成は、本明細書において上述されるような 当該分野において周知の技術によって生成することができる。したがって、例えば、 当業者は、図 17に記載されるデータを入力することにより、本発明のモデルを容易に 提供することができる。
[0277] 別の局面において、本発明は、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標を含む データアレイであって、ここで該データアレイは、三次元分子モデリングアルゴリズム を使用することにより三次元構造を提示し得る、データアレイを提供する。
[0278] 好ましくは、この原子座標は、図 7に記載の原子座標である力またはその改変体で ある。別の実施形態において、この原子座標はァセチル化 LDLの原子座標を含み、 かつ、図 7に記載のァセチル化 LDL複合体化 LOX-1リガンド結合フラグメント原子 座標またはその改変体である。
[0279] 別の局面において、本発明はまた、二量体形態での LOX— 1リガンド結合フラグメ ントまたはその相同体もしくは改変体の原子座標を含むデータアレイであって、ここで
該データアレイは、三次元分子モデリングアルゴリズムを使用することにより三次元構 造を提示し得る、データアレイを提供する。
[0280] 好ましくは、この原子座標は、図 17に記載の原子座標である力またはその相同体も しくは改変体である
別の局面において、本発明は、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標をコー ドした、コンピューター読み取り可能な記録媒体を提供する。好ましくは、この原子座 標は、図 7に記載の原子座標である力またはその改変体である。別の実施形態にお いて、この原子座標はァセチルイ匕 LDLの原子座標を含み、かつ、図 7に記載のァセ チル化 LDL複合体化 LOX-1リガンド結合フラグメント原子座標またはその改変体で ある。
[0281] 別の局面において、本発明はまた、二量体形態での LOX— 1リガンド結合フラグメ ントまたはその相同体もしくは改変体の原子座標をコードした、コンピューター読み取 り可能な記録媒体を提供する。
[0282] 別の局面において、本発明は、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの立体構造解析方 法を提供するためのプログラムであって、 A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子 座標をコードしたデータ;および B)三次元立体構造の解析をコンピュータに実行させ るアプリケーションのコード、を含む、プログラムを提供する。このようなプログラムは、 本明細書にぉ 、て上述したような、立体構造の精密化またはモデリングのような技法 を実行させるものであり得る。好ましくは、上記原子座標は、図 7に記載の原子座標 であるかまたはその改変体である。上記原子座標は、ァセチル化 LDLの原子座標を 含み、かつ、図 7に記載のァセチル化 LDL複合体化 LOX-1原子座標またはその改 変体である。
[0283] 別の局面において、本発明は、二量体形態での LOX— 1リガンド結合フラグメントま たはその相同体もしくは改変体の立体構造解析方法を提供するためのプログラムで あって、
A)二量体形態での LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変 体の原子座標をコードしたデータ;および B)三次元立体構造の解析をコンピュータ に実行させるアプリケーションのコード、を含む、プログラムを提供する。好ましくは、
上記原子座標は、図 17に記載の原子座標である力またはその改変体である。
[0284] 1つの好ま 、実施形態にぉ 、て、上記アプリケーションは、 A)前記原子座標に三 次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三次元分子モデルを得る工程;および B)候補化合物の三次元分子モデルを、該三次元分子モデルと比較する工程をコン ピュータに実行させるものであり得る。そのようなモデルを比較するようなアプリケーシ ヨンは、当該分野において周知であり、本明細書において上述された説明により当業 者は容易に実施することができる。
[0285] 別の局面において、本発明は、図 7に記載の原子座標によって定義される構造を 有する、単離および精製された、タンパク質を提供する。高分解能 X線結晶解析を用 V、て、ァセチル化 LDL複合体化 LOX-1リガンド結合フラグメントの 3次元構造を解 明したのは、本発明者らは初めてである。 LOX— 1リガンド結合フラグメントは従来結 晶化されておらず、構造解析も行われていなカゝつた。したがって、図 7に記載されるよ うな結晶構造を保持したタンパク質は、従来にな力つた構造を有するものといえる。 好ましくは、このようなタンパク質は、 LOX— 1の活性を含む。このような活性は、当該 分野において周知の技法を用いて測定することができる。そのような活性は、例えば 、 LDL結合活性であり得る。
[0286] 従って、本発明の 1つの実施形態では、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの結晶が 提供される。この結晶は好ましくはァセチル化 LDLと複合体ィ匕されたものであり得る 。好ましくは、結晶は、 P2 2 2斜方晶形を有する。より好ましくは、本発明の結晶は 、配列番号 2に示されるアミノ酸配列、または該アミノ酸配列に 1以上の置換、付加も しくは欠失を含む配列、もしくは該アミノ酸配列と少なくとも約 30%以上の相同性を 有する。ここで、好ましくは、この結晶は、ァセチル化 LDLと複合体ィ匕されている。こ の結晶は、好ましくは、 a = 62. 8±0. 2A、b = 69. 1 ±0. 2A、 c = 79. 3±0. 2k の単位格子定数を有する。
[0287] より好ましくは、この結晶系の場合、本発明の結晶は、非対称単位中にカルシウム イオンまたは亜鉛イオンを有する。この結晶系の場合、本発明の結晶は、非対称単 位中に、 1分子含まれる。
[0288] 別の実施形態において、本発明の結晶は、 P4 2 2正方晶形である。この P4 2 2
正方晶形の好ま 、実施形態では、結晶がァセチル化 LDLと複合体ィ匕されて 、る。 この結晶は、好ましくは、 a = 64. 4±0. 2A、 b = 64. 4±0. 2A、 c = 79. 8±0. 2 Aの単位格子定数を有する。より好ましくは、この結晶は、非対称単位中に 2分子を 有し、好ましくは、白金を含む。
[0289] 別の実施形態において、本発明の結晶系は、 P2 2 2斜方晶形であり得る。この結 晶もまた、好ましい実施形態において、結晶がァセチル化 LDLと複合体ィ匕されてい る。より好まし ヽ実施形態で ίま、この結晶 ίま、 a= 56. 8±0. 2A、 b = 67. 6±0. 2 A、 c = 79. 0±0. 2 Aの単位格子定数を有する。より好ましい実施形態では、この 結晶は、非対称単位中に 2分子を有する。
[0290] 既知の類似受容体との比較によって、この酵素とァセチル化 LDLとの結合に影響 を及ぼすと考えられるいくつかの固有の特徴が示された。 C型レクチン様ドメインをも ちリガンド結合部位が明らかにされている CD69, Ly49A, MBP— Aの立体構造 とそのリガンド結合部位の位置力 LOX— 1のリガンド結合部位(明細書の中で活性 ポケットとしている部位)が存在する部位が推定されることから、本発明において同定 された構造は、リガンドに結合する部分を少なくとも一部担うと考えてよいといえる。
[0291] 従って、本発明は、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの結合ポケットまたはその一部 、あるいは類似の 3次元形状を有するこれらの結合ポケットの相同体もしくは改変体 を含む分子もしくは分子複合体を提供する。
[0292] 本発明はまた、 LOX-1 (例えば、ヒト LOX— 1)リガンド結合フラグメントの構造座標 または二量体を形成する LOX— 1リガンド結語ゥフラグメントの構造座標を含む、コン ピューター読み取り可能な記録媒体 (これは、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの結 合ポケットの全部または一部を含んでいる)を提供する。これらのデータでコードィ匕さ れるこのような記録媒体は、コンピューター画面または同様の視覚装置上で、分子も しくは分子複合体 (これは、このような結合ポケットまたは同様の形状である相同体性 結合ポケットを含む)の 3次元グラフィック表示を表示し得る。
[0293] 本発明はまた、上記結合ポケットまたは二量体形成構造を含む全部または一部に 結合する化合物を設計、評価、および同定するための方法を提供する。このような化 合物は、 LOX— 1またはその相同体のインヒビターの候補であり得る。
[0294] 本発明はまた、 LOX— 1またはその相同体あるいはその二量体形成のインヒビター として有用な、新規なクラスの化合物およびそれらの医薬組成物を提供する。
[0295] 本発明はまた、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントに少なくとも ヽくらか 構造的に類似する特徴を含む分子もしくは分子複合体の 3次元構造体の少なくとも 一部を決定するための方法を提供する。これは、本発明により LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントについて得られた構造座標の少なくともいくらかを用いるこ とにより達成される。
[0296] 本発明はまた、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントおよび関連する複 合体を結晶化させるための方法を提供する。
[0297] そのような結晶は、従来の技術では全く提供することができな力つた。本発明では、 例えば、実施例に提供されるような条件を用いることによって初めて、 LOX— 1リガン ド結合フラグメントの結晶化に成功し、その構造解析を行うことに成功した。従って、 本発明のこのような結晶は、従来技術によっては得ることができな力つたものであり、 本発明は顕著な効果を奏するものといえる。なお、実施例に提供されるような条件を 用いても、純度の問題力もすべてが結晶化するとはいえな力つた。本発明は、そのよ うな条件を適宜改変することにより用いて、鋭意検討することにより、結晶化に成功し たものである。
[0298] 本発明者らは、 X線結晶解析に適切な、ァセチル化 LDLと複合体化 LOX-1リガン ド結合フラグメントを含む結晶を提供した。
[0299] 本発明者は、ァセチル化 LDL複合体化 LOX-1リガンド結合フラグメントの活性部 位結合ポケットの形状および構造についての情報を初めて提供した。
[0300] 結合ポケットは、薬物の発見などの分野において重要な用途を有する。天然のリガ ンドまたは基質と、それらの対応する受容体または酵素の結合ポケットとの会合は、 多くの生物学的作用機構の基礎である。同様に、多くの薬物は、受容体または酵素 の結合ポケットとの会合を通じてそれらの生物学的効果を発揮する。このような会合 は、結合ポケットの全てまたは任意の部分で起こり得る。このような会合を理解するこ とは、標的受容体または酵素とより好適に会合する薬物を設計し、それにより生物学 的効果を改良することを導くための助けとなる。従って、この情報は、ァセチル化 LD
L複合体化 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体の結合ポケットのインヒ ビター候補を設計するのに有用である。
[0301] 従って、 1つの局面において、本発明は、 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはそ の相同体もしくは改変体の活性ポケットを含む、タンパク質を提供する。ここで、この 活性ポケットは、ァセチル化 LDLと複合体ィ匕されたものであってもょ 、。
[0302] 好ましくは、上記活性ポケットは、図 7に記載されるアミノ酸残基または配列番号 4の
191位一 240位またはそれに対応するアミノ酸残基の原子座標によって定義される。
[0303] より好ましくは、上記活性ポケットは、図 7に記載されるアミノ酸残基または配列番号
4の 200位一 235位またはそれに対応するアミノ酸残基の原子座標によって定義さ れる。
[0304] より好ましくは、上記活性ポケットは、図 7に記載されるアミノ酸残基または配列番号 4の 208位一 231位またはそれに対応するアミノ酸残基の原子座標によって定義さ れる。
[0305] 好ましくは、上記活性部位ポケットは、結合リガンド (例えば、 LDLまたはその改変 体 (例えばァセチル LDL)を含む。
[0306] 好ましくは、上記タンパク質は、酸化 LDL、ァセチル化 LDL、ポリイノシン酸、ホスフ ァチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、アポトーシス細胞、バクテリアおよび血 小板力 なる群より選択される少なくとも 1つまたは 2以上の分子に対する結合活性を 有する。
[0307] 別の局面において、本発明は、二量体形態での、図 17記載の原子座標によって定 義される構造を有する、単離および精製された、タンパク質またはその相同体もしく は改変体を提供する。
[0308] 本発明は、さらに別の局面において、 C2単斜晶形であり、および配列番号 36 (配 列番号 4のアミノ酸番号 129— 273)に示されるアミノ酸配列、または該アミノ酸配列 に 1以上の置換、付加もしくは欠失を含む配列、もしくは該アミノ酸配列と少なくとも約 30%以上の相同性を有する、二量体形態での LOX— 1リガンド結合フラグメントまた はその相同体もしくは改変体の結晶を提供する。好ましくは、この結晶は、結晶は、 a = 70. 86±0. 20A、b=49. 54±0. 20A、c = 76. 73±0. 20Aの単位格子定
数を有する。
[0309] 本発明はまた、 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体の 二量体界面に存在するキヤビティー構造を含む、タンパク質を提供する。このタンパ ク質は、配列番号 35および 36に示す配列を含む。
[0310] 別の局面において、本発明は、 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体 もしくは改変体の活性ポケットまたは二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメ ントまたはその相同体もしくは改変体を含む、タンパク質のアミノ酸配列をコードする 核酸分子、およびその情報を記録した記録媒体を提供する。当業者であれば、いつ たんタンパク質のアミノ酸配列を知ったならば、そのような配列をコードする核酸配列 を有する核酸分子を得ることは容易に行うことができる。
[0311] 1つの局面において、本発明は、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの相同体を得る 方法であって、該方法は、候補化合物の原子座標と、 LOX— 1リガンド結合フラグメン トの原子座標とを比較する工程を包含する、方法を提供する。好ましくは、この LOX — 1は、ァセチル化 LDLと複合体ィ匕されているものであり得る。より好ましくは、この原 子座標は、図 7に記載の原子座標を含むが、図 7に記載の原子座標から合理的にモ デリング可能なものであればどのような原子座標であっても使用可能である。
[0312] 別の局面において、本発明は、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体の相同体 を得る方法であって、該方法は、候補化合物の原子座標と、 LOX— 1リガンド結合フ ラグメントの二量体界面の原子座標とを比較する工程を包含する、方法を提供する。 好ましくは、この二量体は、図 17に記載の原子座標によって定義される構造を有す る。
[0313] 別の局面において、本発明は、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの 相同体を得る方法を提供する。この方法は、以下の工程: A) LOX— 1または LOX— 1 リガンド結合フラグメントの原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して 、三次元分子モデルを得る工程;および B)候補化合物の三次元分子モデルを、該 L OX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの三次元分子モデルと比較する工程 を包含する。三次元分子モデルを得る方法は、本明細書において上述されるような 技術を用いることができる。上記比較工程もまた、当該分野において周知であり、そ
のような技術もまた、本明細書において上述されるような技術を用いることができる。 好ましくは、この LOX-1リガンド結合フラグメントは、ァセチル化 LDLと複合体ィ匕され たものである。別の実施形態において、上記原子座標は、図 7に記載の原子座標を 含む。
[0314] 別の局面において、本発明は、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体の相同体 を得る方法であって、該方法は、以下の工程: A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの 二量体の原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三次元分子モ デルを得る工程;および B)候補ィ匕合物の三次元分子モデルを、該 LOX— 1リガンド 結合フラグメントの二量体の三次元分子モデルと比較する工程を包含する、方法を 提供する。好ましくは、この二量体は、図 17に記載の原子座標によって定義される構 造を有する。
[0315] 1つの実施形態において、本発明は、上記本発明の方法によって同定された、 LO X— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメント相同体、あるいは二量体を形成するか形 成しな ヽ LOX— 1リガンド結合フラグメント相同体を提供する。
[0316] 別の実施形態において、本発明は、上記本発明の方法によって同定された、 LOX —1または LOX— 1リガンド結合フラグメント相同体、あるいは二量体を形成するか形 成しな 、LOX— 1リガンド結合フラグメント相同体のアミノ酸配列をコードする核酸分 子を提供する。
[0317] 別の局面において、本発明は、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの 改変体を得る方法を提供する。この方法は、以下の工程: A) LOX— 1または LOX— 1 リガンド結合フラグメントの原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して 、三次元分子モデルを得る工程;および B)候補化合物の三次元分子モデルを、該 L OX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの三次元分子モデルと比較し、所定の ノ メータに基づき変異を導入する工程、を包含する。三次元分子モデルを得る方 法は、本明細書において上述されるような技術を用いることができる。上記比較工程 もまた、当該分野において周知であり、そのような技術もまた、本明細書において上 述されるような技術を用いることができる。ここで、所定のパラメータとしては、タンパク 質の物性に関連するパラメータを挙げることができ、例えば、水素結合、ファンデルヮ
一ルスカ、イオン性相互作用、非イオン性相互作用、静電的相互作用などの相互作 用が挙げられるがそれらに限定されない。好ましくは、この LOX— 1または LOX— 1リ ガンド結合フラグメントは、ァセチル化 LDLと複合体ィ匕されたものである。別の実施形 態において、上記原子座標は、図 7に記載の原子座標を含む。
[0318] 他の局面において、本発明は、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体の改変体 を得る方法であって、該方法は、以下の工程: A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの 二量体の原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三次元分子モ デルを得る工程;および B)候補化合物の三次元分子モデルを、該 LOX— 1リガンド 結合フラグメントの二量体の三次元分子モデルと比較し、所定のパラメータに基づき 変異を導入する工程、を包含する、方法を提供する。好ましくは、この二量体は、図 1 7に記載の原子座標によって定義される構造を有する。
[0319] 1つの好ましい実施形態において、上記改変体は、 LOX— 1活性が亢進されている 。ここで、 LOX— 1活性が亢進されているかどうかは、例えば、 LDLをリガンドとしてそ のような改変体が結合活性を野生型の LOX— 1よりも有意に上昇させるかどうかを見 ることによって判定することができる。本明細書では、そのような判定の際には、 LOX — 1活性は、野生型 LOX-1と同様のアツセィ条件を用いることができる。
[0320] 1つの好ま 、実施形態にぉ 、て、上記改変体は、 LOX— 1活性が低減されて 、る 。ここで、 LOX— 1活性が低減されているかどうかは、例えば、ァセチル LDLをリガン ドとしてそのような改変体力LDLの結合を野生型の LOX— 1よりも有意に減少させる 力どうかを見ることによって判定することができる。
[0321] 別の実施形態において、本発明は、本発明の方法によって同定された、 LOX— 1ま たは LOX— 1リガンド結合フラグメントの改変体あるいは二量体を形成する LOX— 1リ ガンド結合フラグメント改変体を提供する。
[0322] 別の実施形態において、本発明は、上記本発明の方法によって同定された、 LOX —1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの改変体あるいは二量体を形成する LOX 1リガンド結合フラグメント改変体のアミノ酸配列をコードする核酸分子を提供する。
[0323] 上記のような相同体または改変体において、アミノ酸の変異、付加、置換および Z または欠損に起因する結晶構造における改変、あるいは結晶を構成する任意の成分
における他の変化はまた、構造座標における変化の原因であり得る。このような変化 力 元の座標に比較して受容可能な標準誤差の範囲内である場合、得られる 3次元 形状は同じであるとみなされる。従って、例えば、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結 合フラグメントの活性部位結合ポケットまたは二量体界面に結合するリガンドはまた、 別の結合ポケットまたは二量体界面に結合すると予測される。この結合ポケットの結 合座標は、受容可能な誤差の範囲内におちつくような形状で定義した。このような改 変複合体またはその結合ポケットはまた、本発明の範囲内である。
[0324] このようなことを確認するために、分子またはその結合ポケット部分力 上記の LOX —1結合ポケットのすべてまたは一部に十分に類似しているかどうかを決定するコンビ ユーター分析が必要となり得る。このような分析は、現在のソフトウェアアプリケーショ ン(例えば、 QUANTAバージョン 4. 1 (Molecular Simulations Inc. , San Di ego, CA)の Molecular Similarity アプリケーション)において、添付のユーザー ズガイドに記載されるように実施され得る。
[0325] Molecular Similarityアプリケーションは、異なる構造、同じ構造の異なるコンフ オメーシヨン、および同じ構造の異なる部分の間の比較を可能にする。構造を比較す るために Molecular Similarityにおいて使用される手順は、 4つの工程に分割され る: 1)比較される構造をロードする; 2)これらの構造における原子当量を定義する; 3 )適合操作を実施する;および 4)結果を分析する。
[0326] 各構造は、名称で特定される。 1つの構造は、標的として特定される(すなわち、固 定構造);すべての残りの構造は、作業構造である (すなわち、可変構造)。原子当量 は、 QUANTA内でユーザーインプットにより定義されるので、本発明の目的のため に、比較される 2つの構造間の保存残基のすべてについて等価な原子を、タンパク 質骨格原子 (N、 Cひ、 C,および O)として本発明者らは定義する。本発明者らはま た、強固な適合操作のみを考慮する。
[0327] 強固な適合操作が使用される場合、作業構造は翻訳され、そして回転されて、標 的構造との最適適合を得る。適合作業は、可変構造に適用される最適な翻訳および 回転を計算するアルゴリズムを使用し、その結果、等価な原子の特定の対について の適合の根二乗平均差は絶対最低である。この数は、オングストロームで与えられ、
QUANTAによって報告される。
[0328] 本発明の目的のために、図 7などにリストされる構造座標により記載される関連する 骨格原子に重ね合わせた場合に 3. OA未満の保存された残基骨格原子 (N、 Cひ、 c, o)の根二乗平均偏差を有する任意の分子もしくは分子複合体、もしくはそれらの 結合ポケットは、同一であるとみなされる。より好ましくは、根二乗平均偏差は、 2. 5 A未満である。
[0329] 用語「根二乗平均偏差」は、平均力 の偏差の二乗の算術的平均の二乗根を意味 する。これは、傾向または目的からの偏差(deviation)または偏差 (variation)を表 現する方法である。本発明の目的のために、「根二乗平均偏差」は、 LOX— 1または その結合ポケット部分の骨格力ものタンパク質の骨格における偏差を、本明細書に 記載の LOX— 1の構造座標により定義されるように、定義する。
[0330] 1つの実施形態において、本発明は、図 7に記載されるアミノ酸残基または配列番 号 4の 191位一 240位の結合ポケットのすべてまたは一部を含む、分子もしくは分子 複合体、または 3. OA以下、好ましくは 2. 5 A以下の該アミノ酸の骨格原子からの根 二乗平均偏差を有する結合ポケットを含む該分子もしくは分子複合体の相同体を提 供する。代替のより好ましい本発明の実施形態は、ァセチル化 LDL複合体化 LOX- 1分子である。
[0331] ァセチル化 LDL複合体化 LOX-1リガンド結合フラグメントまたはその結合ポケット もしくはその相同体につ ヽて生成された構造座標を使用するために、それらを 3次元 形状に変換することがときに必要である。これは、市販のソフトウェアの使用により達 成される。このソフトウェアは、構造座標のセットから分子またはその一部の 3次元ダラ フィック表示をし得る。
[0332] それゆえ、本発明の別の実施形態によれば、前記のデータを使用するための命令 がプログラムされた機械を使用する場合、上記の本発明の分子もしくは分子複合体 のいずれかのグラフィック 3次元表示を表し得る、コンピューター読み取り可能なデー タでコードされるデータ記憶物質を含むコンピューター読み取り可能記録媒体が提 供される。
[0333] 別の実施形態によれば、本発明は、コンピューター読み取り可能データを用いてコ
ードされたデータ記録材料を含むコンピューター読み取り可能データ記録媒体を提 供し、該データを使用するための命令を用いてプログラムされた機械を使用する場合 、該コンピューター読み取り可能データ記録媒体は、分子もしくは分子複合体のダラ フィック 3次元表示を表示し得、該分子もしくは分子複合体は、図 7に記載されるアミ ノ酸残基または配列番号 4の 191位一 240位の、または該分子もしくは分子複合体 の相同体の構造座標により定義される結合ポケットの全てのもしくは任意の部分を含 み、ここで、該相同体は、 2. 5 A以下の該アミノ酸の骨格原子からの根二乗平均偏 差を有する結合ポケットを含む。
[0334] 別の実施形態によれば、コンピューター読み取り可能データ記録媒体は、図 7に記 載の構造座標のフーリエ変換を含むコンピューター読み取り可能データの第一のセ ットを用いてコードされるデータ記憶物質を含み、該データを使用するための命令を 用いてプログラムされた機械を使用する場合、該第一のセットは、コンピュータ一読み 取り可能データの第二のセットと対応する構造座標の少なくとも一部を決定するため に、分子もしくは分子複合体の X線回折パターンを含むコンピューター読み取り可能 データの第二のセットと組み合わせられ得る。
[0335] ここで、図 12を用いて、本発明のひとつの実施形態を示す。システム 10は、中央演 算処理装置(「CPU」) 20を含むコンピューター 11、作業メモリ 22 (例えば、 RAM (ラ ンダムアクセスメモリ)または「コア」メモリであり得る)、大容量記憶メモリ 24 (例えば、 1 つ以上のディスクドライブまたは CD— ROMドライブ)、 1つ以上の陰極線管(「CRT」 )ディスプレイ端末 26、 1つ以上のキーボード 28、 1つ以上の入力ライン 30、 1つ以上 の出力ライン 40を含み、これらの全ては従来の双方向システムバス 50により相互に 接続される。
[0336] 入力ライン 30によりコンピューター 11に接続された入力ハードウェア 36は、種々の 方法で実行され得る。本発明のコンピューター読み取り可能データは、電話回線また は専用データ回線 34により接続されたモデム 32の使用を介して入力され得る。ある いはまたはさらに、入力ハードウェア 36は、 CD— ROMドライブまたはディスクドライブ 24を含み得る。ディスプレイ端末 26と共に、キーボード 28もまた、入力装置として使 用され得る。
[0337] 出力ライン 40によりコンピューター 11に接続された出力ハードウェア 46は、通常の 装置により同様に実行され得る。例として、出力ハードウェア 46は、本明細書中で記 載される QUANTAのようなプログラムを使用して本発明の結合ポケットのグラフイツ ク表示を表示するために、 CRTディスプレイ端末 26を含み得る。出力ハードウェアは また、後の使用のためにシステム出力を保存するために、ハードコピー出力を行い得 るようにプリンター 42を、またはディスクドライブ 24を含み得る。
[0338] 操作において、 CPU 20は、種々の入力および出力装置 36、 46と連係し、大容 量記憶装置 24力 データアクセスならびに作業メモリ 22へのおよびここからのァクセ スと連係し、そして配列のデータ処理ステップを決定する。多数のプログラム力 本発 明のコンピューター読み取り可能データを処理するために使用され得る。このような プログラムは、本明細書中に記載されるように薬物発見のコンピューター利用方法を 参照して設計される。データ記録媒体の以下の記載の全体にわたって適切であるよ うな、ハードウェアシステム 10の構成装置もまた本発明の範囲内にある。
[0339] 図 13は、図 12のシステム 10のようなシステムにより実行され得るコンピュータ一読 み取り可能データを用いてコードされ得た、磁気データ記録媒体 100の横断面を示 す。媒体 100は、片面または両面に、従来のものであり得る適切な基材 101および従 来のものであり得る適切なコーティング 102を有する、従来のフロッピー(登録商標) ディスケットまたはハードディスクであり得る。これは、その極性または配向が磁気的 に変化され得る磁区(目に見えな!/ヽ)を含む。媒体 100はまた、ディスクドライブまた は他のデータ記憶装置 24の軸を受けるための開口部 (示さな 、)を有し得る。
[0340] 媒体 100のコーティング 102の磁区は、図 12のシステム 10のようなシステムによる 実行のために、従来の様式で、本明細書中に記載されるようなコンピューター読み取 り可能データをコードするように、極性ィ匕されるかまたは配向化される。
[0341] 図 14は、図 12のシステム 11のようなシステムにより実行され得る、このようなコンビ ユーター読み取り可能データまたは命令のセットを用いてまたコードされ得る光学的 読み取り可能データ記録媒体 110の横断面を示す。媒体 110は、従来のコンパクト ディスク読み取り専用メモリ(CD— ROM)、または光学的に読み取り可能でありそして 光磁気的に書き込み可能である光磁気ディスクのような再書き込み可能媒体であり
得る。媒体 100は、好ましくは、従来のものであり得る適切な基材 111、および通常は 基材 111の片面に従来のものであり得る適切なコーティング 112を有する。
[0342] 周知であるような CD— ROMの場合において、コーティング 112は、反射的でありそ してコンピューター読み取り可能データをコードするために複数のピット 113で押印さ れる(impress)。ピットの配列は、レーザー光をコーティング 112の表面に反射させる (reflect off)ことにより読まれる。好ましくは実質的に透明である保護コーティング 1 14力 コーティング 112の表面上に提供される。
[0343] 周知であるような光磁気ディスクの場合において、コーティング 112は、ピット 113を 有さないが、レーザ(図示しない)により一定の温度を超えて加熱された場合にその 極性または配向が磁気的に変化され得る、複数の磁区を有する。この区の配向は、 コーティング 112から反射されたレーザー光の偏光を測定することにより読み取られ 得る。この区の配列は、上記のようにデータをコードする。
[0344] 本発明に従って、 LOX— 1の全部またはその一部(例えば、 LOX— 1リガンド結合フ ラグメント)ならびにそれらの構造的に類似の相同体の 3次元構造を表示し得るデー タは、構造のグラフィック 3次元表示を表示し得る機械読み取り記録媒体中に保存さ れる。このようなデータは、薬物発見のような種々の目的のために使用され得る。
[0345] 例えば、データによりコードされる構造は、化学物質と会合するその能力について、 計算的に評価され得る。 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントと会合する 化学物質は、 LOX-1を阻害し得る。このような物質は候補薬物である。あるいは、デ ータによりコードされる構造は、コンピューター画面上にグラフィック 3次元表示で表 示され得る。このことは、構造の視覚的検査、ならびに化学物質との構造の会合の視 覚的検査を可能にする。
[0346] 従って、別の実施形態によれば、本発明は、化学物質が上記の任意の分子もしく は分子複合体と会合する能力を評価するための方法に関する。本方法は以下のェ 程を包含する: a)計算手段を用いて、化学物質と分子もしくは分子複合体の結合ポ ケットとの間の適合操作を行う工程:および b)この適合操作の結果を分析して、化学 物質と結合ポケットとの間の会合を定量ィ匕する工程。本明細書中で使用される用語「 化学物質」は、化合物、少なくとも 2つの化合物の複合体、およびこのような化合物ま
たは複合体のフラグメントを意味する。
[0347] (医薬および治療 ·予防)
本発明は、本発明の方法によって同定された医薬ならびにそれを用いた治療およ び予防法を提供する。
[0348] 本明細書にぉ 、て「予防」(prophylaxisまたは prevention)とは、ある疾患または 障害について、そのような状態が引き起こされる前に、そのような状態が起こらないよ うに処置することをいう。
[0349] 本明細書において「治療」とは、ある疾患または障害について、そのような状態にな つた場合に、そのような疾患または障害の悪ィ匕を防止、好ましくは、現状維持、より好 ましくは、軽減、さらに好ましくは消長させることをいう。
[0350] 本発明の医薬組成物は、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントおよび Z または本発明のスクリーニング方法により得られる相同体および Zまたはインヒビター ;ならびに必要に応じて、任意の薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたはビ ヒクルを含有する。このような組成物は、必要に応じて、他の追加薬剤を含有できる。
[0351] 医薬組成物を作製する場合には、好ましくは、当該分野において公知の Lipinski 因子(「Lipinskiの 5原則」としても公知)を考慮する。 Lipinski因子とは、良好な生体 内吸収プロフィールを有する化合物を識別するための指標である。良好な生体内吸 収プロフィールを有する化合物を選択するためには、 Lipinskiの 5原則に従い、例え ば、水素供与原子数 5以下、水素結合許容原子数 10以下、分子量 500以下、およ び logPの計算値が 5以下の化合物が選択される(詳細には、 Lipinski, CAら、 Adv . Drug Deliv. Rev. 2001 Mar 1 ;46 (1—3) : 3— 26を参照のこと)。
[0352] 本明細書において「薬学的に受容可能なキャリア」は、医薬または動物薬を製造す るときに使用される物質であり、有効成分に有害な影響を与えないものをいう。そのよ うな薬学的に受容可能なキャリアとしては、例えば、抗酸化剤、保存剤、着色料、風 味料、および希釈剤、乳化剤、懸濁化剤、溶媒、フィラー、増量剤、緩衝剤、送達ビヒ クル、希釈剤、賦形剤および Zまたは薬学的アジュバントが挙げられるがそれらに限 定されない。
[0353] 本発明の医薬組成物は、生物への移入に適した形態であれば、任意の製剤形態
で提供され得る。そのような製剤形態としては、例えば、液剤、注射剤、徐放剤が挙 げられる。投与方法は、経口投与、非経口投与 (例えば、静脈内投与、筋肉内投与、 皮下投与、皮内投与、粘膜投与、直腸内投与、膣内投与、幹部への局所投与、皮膚 投与、動脈内投与、滑膜内投与、胸骨内投与、胞膜内投与、病変内局注投与、およ び頭蓋内注射投与または注入技術など)、患部への直接投与などが挙げられる。そ のような投与のための処方物は、任意の製剤形態で提供され得る。そのような製剤形 態としては、例えば、液剤、注射剤、徐放剤が挙げられる。本発明の医薬組成物は、 全身投与されるとき、発熱物質を含ない、経口的に受容可能な水溶液の形態であり 得る。そのような薬学的に受容可能なタンパク質溶液の調製は、 pH、等張性、安定 性などに相当な注意を払う限り、当業者の技術範囲内にある。
[0354] 本発明において医薬の処方のために使用される溶媒は、水性または非水性のいず れかの性質を有し得る。さらに、そのビヒクルは、処方物の、 pH、容量ォスモル濃度、 粘性、明澄性、色、滅菌性、安定性、等張性、崩壊速度、または臭いを改変または維 持するための他の処方物材料を含み得る。同様に、本発明の組成物は、有効成分 の放出速度を改変または維持するため、または有効成分の吸収もしくは透過を促進 するための他の処方物材料を含み得る。
[0355] 本発明は、医薬組成物として処方される場合、必要に応じて生理学的に受容可能 なキャリア、賦型剤または安定化剤(Remington' s Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, A. R. Gennaro, ed. , Mack Publishing Company, 1990)と 、所望の程度の純度を有する選択された組成物とを混合することによって、凍結乾燥 されたケーキまたは水溶液の形態で、保存のために調製され得る。
[0356] そのような適切な薬学的に受容可能な薬剤としては、以下が挙げられるがそれらに 限定されない:抗酸化剤、保存剤、着色料、風味料、および希釈剤、乳化剤、懸濁化 剤、溶媒、フィラー、増量剤、緩衝剤、送達ビヒクル、希釈剤、賦形剤および Zまたは 農学的もしくは薬学的アジュバント。代表的には、本発明の医薬は、本発明の活性成 分を、 1つ以上の生理的に受容可能なキャリア、賦形剤または希釈剤とともに組成物 の形態で投与され得る。例えば、適切なビヒクルは、注射用水、生理的溶液、または 人工脳脊髄液であり得、これらには、非経口送達のための組成物に一般的な他の物
質を補充することが可能である。そのような受容可能なキャリア、賦形剤または安定化 剤は、レシピエントに対して非毒性であり、そして好ましくは、使用される投薬量およ び濃度において不活性であり、そして以下が挙げられる:リン酸塩、クェン酸塩、また は他の有機酸;抗酸化剤(例えば、ァスコルビン酸);低分子量ポリペプチド;タンパク 質 (例えば、血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリン);親水性ポリマー(例え ば、ポリビュルピロリドン);アミノ酸(例えば、グリシン、グルタミン、ァスパラギン、アル ギニンまたはリジン);モノサッカリド、ジサッカリドおよび他の炭水化物(グルコース、 マンノース、またはデキストリンを含む);キレート剤(例えば、 EDTA);糖アルコール( 例えば、マン-トールまたはソルビトール);塩形成対イオン (例えば、ナトリウム);なら びに Zあるいは非イオン性表面活性化剤(例えば、 Tween、プル口ニック(pluronic )またはポリエチレングリコール(PEG) )。
[0357] 注射剤は当該分野において周知の方法により調製することができる。例えば、適切 な溶剤(生理食塩水、 PBSのような緩衝液、滅菌水など)に溶解した後、フィルターな どで濾過滅菌し、次いで無菌容器 (例えば、アンプルなど)に充填することにより注射 剤を調製することができる。この注射剤には、必要に応じて、慣用の薬学的キャリアを 含めてもよい。非侵襲的なカテーテルを用いる投与方法も使用され得る。例示の適 切なキャリアとしては、中性緩衝化生理食塩水、または血清アルブミンと混合された 生理食塩水が挙げられる。好ましくは、本発明の医薬は、適切な賦形剤 (例えば、ス クロース)を用いて凍結乾燥剤として処方される。他の標準的なキャリア、希釈剤およ び賦形剤は所望に応じて含まれ得る。他の例示的な組成物は、 pH7. 0-8. 5の Tri s緩衝剤または pH4. 0-5. 5の酢酸緩衝剤を含み、これらは、さらに、ソルビトールま たはその適切な代替物を含み得る。その溶液の pHはまた、種々の pHにおいて、本 発明の活性成分の相対的溶解度に基づいて選択されるべきである。
[0358] 本発明の製剤の処方手順は、当該分野において公知であり、例えば、日本薬局方 、米国薬局方、他の国の薬局方などに記載されている。従って、当業者は、本明細 書の記載があれば、過度な実験を行うことなぐ投与すべきポリペプチド量および細 胞量を決定することができる。
[0359] 1つの実施形態において、本発明において同定される化合物は、徐放性形態で提
供され得る。徐放性形態の剤型は、本発明において使用され得る限り、当該分野で 公知の任意の形態であり得る。そのような形態としては、例えば、ロッド状 (ペレット状 、シリンダー状、針状など)、錠剤形態、ディスク状、球状、シート状のような製剤であり 得る。徐放性形態を調製する方法は、当該分野において公知であり、例えば、日本 薬局方、米国薬局方および他の国の薬局方などに記載されている。徐放剤 (持続性 投与剤)を製造する方法としては、例えば、複合体から薬物の解離を利用する方法、 水性懸濁注射液とする方法、油性注射液または油性懸濁注射液とする方法、乳濁 製注射液 (oZw型、 wZo型の乳濁製注射液など)とする方法などが挙げられる。
[0360] 本発明の医薬を被検体に投与する場合、そのような医薬の有効成分は、例えば 1 日当たり約 0. OlmgZkg体重と約 lOOmgZkg体重との間、好ましくは 1日当たり約 0. 5mgZkg体重と約 75mgZkg体重との間で投与され得る。そのような投与量は、 対象とする LOX— 1に関連する疾患または障害、予防または治療の別、被検体の年 齢、サイズ、性別、病歴、併用する医薬などによって変動するが、当業者はそのような 変動因子を考慮して適宜適切な投与量を決定することができる。代表的には、本発 明の医薬組成物を投与する頻度もまた、使用目的、対象疾患 (種類、重篤度など)、 患者の年齢、体重、性別、既往歴、および治療経過などを考慮して、当業者が容易 に決定することができる。例えば、 1日当たり約 1回一約 5回投与される力、あるいは 連続的な注入方法により投与され得る。このような投与は、慢性治療または急性治療 で用いられ得る。単一の投与形態を与えるためにキャリア物質と組み合わせられ得る 活性成分量は、治療される宿主および特定の投与方法に応じて変化する。代表的な 調製物は、約 5%—約 95% (wZw)の活性ィ匕合物を含有する。好ましくは、このよう な調製物は、約 20%—約 80%の活性ィ匕合物を含有する。
[0361] 本発明の組成物力 医薬の有効成分として 1種以上の追加の医薬組成物または予 防剤の組合せを含有する場合、本発明にお 、て同定された化合物種および追加薬 剤の両方は、単一療法レジメンで通常投与される投薬量の約 10— 100%の間、さら に好ましくは、約 10— 80%の間の投薬量レベルで、与えられるべきである。
[0362] (別の分子への応用)
図 7または図 17(二量体形態)で示した構造座標はまた、特に同じサブファミリーに
属する他の結晶化分子 (例えば、 NK細胞受容体、リンパ球 IGE受容体、榭状細胞 受容体 CLEC— 1および CLEC— 2など)もしくは分子複合体についての構造的な情 報を得る際に、補助するのに使用することができる。これは、任意の多くの分子置換 を含む周知技術により、達成できる。
[0363] 従って、他の実施形態では、本発明は、構造が未知の分子もしくは分子複合体に ついての構造的な情報を得るために、分子置換を利用する方法を提供する。該方法 は、以下の工程を包含する: a)未知の構造の上記分子もしくは分子複合体を結晶化 する工程; b)上記結晶化分子もしくは分子複合体から、 X線回折パターンを得る工程 ;および c) 図 7で示した構造座標の少なくとも一部を、上記 X線回折パターンに適 用して、構造が未知の上記分子もしくは分子複合体の 3次元電子密度マップを得る 工程。
[0364] 分子置換を使用することにより、本発明で提供される (そして図 7で示す)ような LO X— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの複合体の構造座標の全部または一部 は、このような情報を ab initio法で決定する試みよりも迅速かつ効率的に、構造が 未知の結晶化分子もしくは分子複合体の構造を決定するのに使用され得る。
[0365] 分子置換は、未知の構造の位相の正確な見積もりを提供する。位相は、直接決定 できない結晶構造を解明するのに使用する式の因子である。分子置換以外の方法 によって、位相の正確な値を得ることは、概算および洗練 (refinement)の反復サイ クルを含む多くの時間を要するプロセスであり、そして結晶構造の解明を非常に妨げ る。しかしながら、少なくとも相同部分を含むタンパク質の結晶構造が解明されたとき 、既知構造の位相は、未知構造の位相の予測の基礎を提供する。
[0366] この方法は、構造が未知の分子もしくは分子複合体の結晶の観察された X線回折 ノターンを最もよく説明するよう、未知の分子もしくは分子複合体の結晶の単位格子 内に、図 7に記載の LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの関連部分を配 向し位置を決めることによって、構造座標が未知の分子もしくは分子複合体の予備モ デルを作成することを包含する。次いで、位相がこのモデルカゝら計算され、そして観 察された X線回折パターン振幅と組み合わせて、座標が未知の構造の電子密度マツ プを作成し得る。今度は、これは、任意の周知のモデル構築および構造洗練技術に
供され、未知の結晶化分子もしくは分子複合体の最終的で正確な構造を提供し得る
[E. Lattman、「Use of the Rotation and Translation FunctionsJ、 in Meth. Enzymol.、 115、 55— 77頁(1985); M. G. Rossmann編、「The Mole cular Replacement Method」、Int. Sci. Rev. Ser.、 No. 13、 Gordon & Breach, New York(1972) ]。
[0367] LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントあるいは二量体を形成する LOX— 1 リガンド結合フラグメントの任意の部分と充分に相同である任意の結晶化分子もしく は分子複合体の任意の部分の構造は、この方法により解明され得る。
[0368] 好ま 、実施形態では、分子置換方法は、分子もしくは分子複合体につ!、ての構 造的な情報を得るのに使用され、ここで、この複合体は、少なくとも 1個の LOX— 1ま たは LOX— 1リガンド結合フラグメントあるいは相同体を含有する。
[0369] 本発明により提供される LOX-1の構造座標は、 LOX-1または LOX-1リガンド結 合フラグメントあるいは LOX— 1複合体の他の結晶形態の構造および Zまたは二量 体の形成機構を解明するのに、特に有用である。
[0370] さらに、本発明により提供される LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの 構造座標は、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの変異体の構造 (これ は、必要に応じて、化学物質との複合体として結晶化されていてもよい)を解明する のに有用である。次いで、一連のこのような複合体の結晶構造は、分子置換により解 明され、そして野生型 LOX— 1の結晶構造と比較され得る。この酵素の種々の結合 部位内での修飾部位の候補力 このよう〖こ同定され得る。この情報は、 LOX— 1また は LOX— 1リガンド結合フラグメントと化学物質または化合物との間の最も効率的な結 合相互作用(例えば、増大した疎水性相互作用)を決定するさらなる手段を提供する
[0371] この構造座標はまた、種々の化学物質と共複合体ィ匕した LOX— 1または LOX— 1相 同体の結晶構造を解明するのに、特に有用である。このアプローチは、 LOX— 1のィ ンヒビター候補を含む化学物質と LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントとの 間の相互作用のための最適部位の決定を可能とする。例えば、異なるタイプの溶媒 に曝露した結晶から回収した高分解能 X線回折データは、各タイプの溶媒分子が存
在する場所の決定を可能とする。次いで、これらの部位に堅く結合する小分子が設 計および合成され、そしてそれらの LOX-1阻害活性にっ ヽて試験され得る。
[0372] 上で述べた全ての複合体は、周知の X線回折技術を用いて研究され得、そしてコ ンピューターソフトウェア(例えば、 X— PLOR[Yale University, 1992、 Molecula r Simulations、 Inc.により酉己布;例えば、 Blundell および Johnson、上記; Me th. Enzymol.、 114 および 115^, H. W. Wyckoff¾^, Academic Press ( 1985)を参照のこと])を用いて、 R値約 0. 20以下までの分解能 1. 5— 3Aの X線デ ータと対比して、洗練 (精密化)され得る。それゆえ、この情報は、既知の LOX— 1イン ヒビターを最適化するのに、そしてより重要には、新規の LOX— 1インヒビターを設計 するのに、使用され得る。
[0373] したがって、 1つの局面において、本発明は、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合 フラグメントあるいはその相同体に結合し得る化合物を同定する方法を提供する。こ のような方法は、以下の工程: a) LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの原 子座標またはその相同体もしくは改変体の原子座標に対して三次元分子モデリング アルゴリズムを適用して、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの活性部位 ポケットの空間座標を決定する工程;および b)上記 LOX— 1または LOX— 1リガンド結 合フラグメントあるいはその相同体もしくは改変体の活性部位ポケットの空間座標に 対して、電子的に候補ィ匕合物のセットの空間座標をスクリーニングして、上記 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントあるいはその相同体もしくは改変体に結合し 得る化合物を同定する工程、を包含する。活性部位ポケットは、本発明に記載の方 法によって同定することができる。そのような活性ポケットの例は、本明細書において 上述したとおりである。上述の結合し得る化合物の同定もまた、当該分野において周 知の技術を用いて行うことができる。そのような方法は、本明細書において上述され ている。結合は、タンパク質の一部であれば、どこでもよいが、好ましくは活性部位ポ ケットであり得る。あるタンパク質に結合し得るかどうかは、相互作用(例えば、水素結 合、ファンデルワールス力、イオン性相互作用、非イオン性相互作用、静電的相互作 用など)を計算することによって行うことができる。
[0374] 上記結合し得る化合物を同定する方法において、好ましくは、上記 LOX— 1または
LOX— 1リガンド結合フラグメントは、ァセチル化 LDLと複合体ィ匕されたものであり得 る。より好ましくは、上記原子座標は、図 7に記載の原子座標を含む。
[0375] 別の局面において、本発明は、 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体 もしくは改変体に結合し得る化合物を同定する方法であって、該方法は、以下のェ 程: A) LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体の原子座標またはその相同体もしく は改変体の原子座標に対して三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、 LOX 1リガンド結合フラグメントの二量体を形成する二量体界面の空間座標を決定する 工程;および B)該 LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体を形成する二量体界面 の空間座標に対して、電子的に候補ィ匕合物のセットの空間座標をスクリーニングして 、該 LOX— 1の二量体を形成する二量体界面に結合し得る化合物を同定する工程、 を包含する、方法を提供する。好ましくは、この原子座標は、図 17に記載の原子座 標を含む。ここで提示される化合物は LOX— 1活性を、亢進または低減させるもので あり得る。好ましくは、この LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体を形成するポリべ プチドは、配列番号 35に記載の核酸配列によってコードされるアミノ酸配列および Z または配列番号 36に示すアミノ酸配列を含む。より好ましくは、 LOX— 1リガンド結合 フラグメントの二量体を形成するポリペプチドは、配列番号 4に示す配列のうち、 150 位のトリブトファン (W)が保存されることが有利である。このトリブトファンが変異を受け ると、二量体形成能が著しく低下することが示された力 であるが、それに限定されな い。より好ましくは、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの二量体を形成するポリペプチド は、配列番号 4に示す配列のうち、 150位のトリプトファン (W)を含むキヤビティー形 成部分が保存されることが有利である。理論に束縛されることを望まないが、このよう なキヤビティ形成部分は二量体形成のために必要であるようであるからである。
[0376] 別の実施形態において、上記相同体または改変体は、本発明の方法によって得ら れたものであり得る。
[0377] より好ましくは、上述の LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントは、ヒト、ゥシ 、ヒッジなどの哺乳動物、またはヒトの LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメント を含む。
[0378] 上記結合し得る化合物を同定する方法の 1つの実施形態において、上記工程 a)に
おいて決定された空間座標は、図 7に記載されるアミノ酸残基または配列番号 4の 19 1位一 240位のまたはそれに対応するアミノ酸残基の原子座標によって定義される。 別の実施形態において、この空間座標は、図 7に記載される塩ィ匕物イオン (C1—)、リ ン酸イオン、結合リガンド (LDLまたはその改変体など)の原子座標を含む。
[0379] 別の局面において、本発明は、候補化合物の三次元分子モデルを、 LOX— 1また は LOX— 1リガンド結合フラグメントあるいはその相同体の三次元分子モデルと比較 することによって、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントあるいはその相同 体もしくは改変体に結合し得る化合物を同定する方法を提供する。この方法は、以下 の工程: A) LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相 同体もしくは改変体の原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三 次元分子モデルを得る工程; B)上記三次元分子モデルの座標データをデータ構造 に入力して、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子間の距離を検索 する工程;および C)候補化合物にお 、て水素結合を形成するへテロ原子と、上記三 次元分子モデルにおいて活性部位ポケットを形成するへテロ原子との間の距離を比 較して、 2つの構造の間での最適な水素結合に基づいて、 LOX— 1または LOX— 1リ ガンド結合フラグメントの三次元分子モデルの活性部位ポケットと安定な複合体を理 論上形成する候補化合物種を同定する工程、を包含する。このようなモデルを得る 工程および原子間の距離を検索する工程、および候補ィ匕合物種を同定する工程は 、当該分野において周知であり、本明細書において上述のコンピュータによる解析を 適宜用いて行うことができる。
[0380] 別の局面において、本発明は、候補化合物の三次元分子モデルを、二量体を形成 する LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体の三次元分子モデルと比較 することによって、 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体 の二量体を形成する二量体界面に結合し得る化合物を同定する方法であって、該 方法は、以下の工程:
A)二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同 体もしくは改変体の原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三次 元分子モデルを得る工程; B)該三次元分子モデルの座標データをデータ構造に入
力して、 LOX-1リガンド結合フラグメントの原子間の距離を検索する工程;および C) 候補化合物にぉ 、て水素結合を形成するへテロ原子と、該三次元分子モデルにお V、て活性部位ポケットを形成するへテロ原子との間の距離を比較して、 2つの構造の 間での最適な水素結合に基づ 、て、二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメ ントの三次元分子モデルの二量体を形成する二量体界面と安定な複合体を理論上 形成する候補化合物種を同定する工程を包含する、方法を提供する。
[0381] 別の実施形態において、この LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントは、ァ セチル化 LDLと複合体ィ匕されたものであり得る。好ましくは、上記原子座標は、図 7ま たは図 17 (二量体形成)に記載の原子座標を含む。
[0382] 別の実施形態において、上記相同体または改変体は、本発明の方法によって得ら れたものである。
[0383] 好ま 、実施形態にぉ 、て、使用される LOX-1または LOX-1リガンド結合フラグ メントは、ヒト、ゥシ、ヒッジ、マウスなどの哺乳動物またはヒトの LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントを含む。
[0384] 好ましくは、上記候補化合物は、 LOX— 1の LDL結合活性を阻害する活性を有す る。
[0385] ある実施形態にぉ ヽて、上記候補化合物は、 LOX— 1の LDL結合活性を活性化す る活性を有する。
[0386] 別の局面において、本発明は、本発明の方法によって同定されたィ匕合物に関する 。そのような化合物は、 LOX— 1のアンタゴ-ストまたはァゴ-スト、あるいはインヒビタ 一であり得る。そのような化合物は、いったん原子座標が決まったならば、当業者は 適宜、当該分野において公知の方法を応用して合成することができる。
[0387] 別の局面において、本発明は、本発明の方法により同定された化合物を有効成分 として含む医薬組成物に関する。医薬組成物の製造法は、当該分野において周知 であり、本明細書において上述されたとおりである。本発明の医薬組成物は、 LOX- 1に関連する疾患または障害を処置または予防するためのものであり得る。そのよう な疾患または障害は、当該分野において公知であり、例えば、動脈硬化、狭心症、 心筋梗塞、脳梗塞などの動脈硬化が原因となる循環器系疾患などに関する疾患など
が挙げられるがそれらに限定されな 、。
[0388] 別の局面において、本発明は、本発明の方法によって同定されたィ匕合物の名称お よび構造を含むデータをコードした、データベースを提供する。このようなデータをコ ードするデータベースの生成法は当該分野において周知であり、本明細書において 上述されるような方法を用いて実行され得る。
[0389] 別の局面において、本発明は、本発明の方法により同定された化合物の名称およ び構造を含むデータをコードした、データベースを含む記録媒体を提供する。このよ うな記録媒体は、どのような形態でもよぐ例えば、 MO、 CD-R, CD-RW, CD-R OM、 DVD-RAM, DVD-R, DVD— RWゝ DVD+RWゝ DVD— ROMゝメモリー力 ードであってもよい。
[0390] 別の局面において、本発明は、本発明の方法により同定された化合物の名称およ び構造を含むデータをコードした、データベースを含む伝送媒体を提供する。そのよ うな伝送媒体は、当該分野において周知のものが使用され得、例えば、インターネッ ト、イントラネット、 LAN、 WANなどが挙げられるがそれに限定されない。
[0391] 別の局面において、本発明は、 LOX— 1リガンド結合フラグメントのリガンドのフアル マコフォアモデルの作成方法であって、 a) LOX— 1リガンド結合フラグメントおよび該 LOX— 1リガンド結合フラグメントとァセチル化 LDLとの複合体を提供する工程; b) LOX— 1リガンド結合フラグメントの NMRと該複合体の NMRとを比較する工程; c)変 ィ匕がある原子 (好ましくはアミノ酸位)を帰属する工程、を包含する、方法を提供する 。単独の NMRおよび複合体の NMRを提供する技術は、当該分野において公知の 方法を利用することができ、本明細書の開示に従って行うことができる。 NMRの原子 帰属もまた、当該分野において周知であり、本明細書において概説されている方法 を用いることができる。
[0392] 別の局面において、本発明は、 LOX— 1リガンド結合フラグメントのリガンドのフアル マコフォアモデルの作成方法であって、 a)二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フ ラグメントまたはその改変体、および二量体を形成しな 、LOX— 1リガンド結合フラグ メントの改変体を提供する工程; b)該ニ量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメ ントまたはその改変体の NMRと該ニ量体を形成しない LOX— 1リガンド結合フラグメ
ントの改変体の NMRとを比較する工程; c)変化がある原子を帰属する工程を包含す る、方法を提供する。単独の NMRおよび複合体の NMRを提供する技術は、当該分 野において公知の方法を利用することができ、本明細書の開示に従って行うことがで きる。 NMRの原子帰属もまた、当該分野において周知であり、本明細書において概 説されて 、る方法を用いることができる。
[0393] 別の局面において、本発明は、本発明の方法によって同定される、フアルマコフォ ァモデルを提供する。このようなフアルマコフォアモデルは、本明細書において提示 される NMRの比較によって得られた原子帰属を用いて作成することができる。
[0394] 別の局面において、本発明は、本発明のフアルマコフォアモデルの、医薬候補分 子のスクリ一二ングにおける使用を提供する。
[0395] 別の局面において、本発明は、本発明のフアルマコフォアモデルを使用したスクリ 一-ングによって同定される化合物またはその塩を提供する。そのような化合物は、 いったんフアルマコフォアモデルが決まれば、当業者は、合成可能なものを適宜選択 して合成することができる。
[0396] 別の局面において、本発明は、本発明において同定されたフアルマコフォアで規定 された化合物を提供する。このような化合物は、本発明で同定されたフアルマコフォ ァのデータを当該分野において周知の技術に適用して用いて、同定することができ る。
[0397] 別の局面において、本発明は、本発明のフアルマコフォアモデルの、医薬候補分 子のスクリーニングにおける使用を提供する。このようなフアルマコフォアを上記スクリ 一-ングで使用する場合、本明細書において記載されるようなコンピュータ解析技術 を用いることができる。
[0398] 別の局面において、本発明は、本発明のフアルマコフォアモデルを使用したスクリ 一-ングによって同定された医薬候補分子を提供する。好ましくは、この分子は、 LO X-1の LOX-1活性を阻害する活性を有する。別の好ましい実施形態では、本発明 は、この医薬候補分子を含む、医薬組成物を提供する。
[0399] 別の局面において、本発明は、 LOX— 1に関連する疾患または障害を処置または 予防するための医薬組成物を調製する方法を提供する。この方法は、 A) LOX-lの
原子座標またはその相同体もしくは改変体の原子座標に三次元分子モデリングアル ゴリズムを適用して、三次元分子モデルを得る工程; B)上記三次元分子モデルと、 上記医薬組成物に含まれるべき候補化合物のライブラリーとの相互作用を評価する 工程; C)上記候補ィ匕合物のうち、上記 LOX - 1の活性を調節する作用を有する化合 物種を選択する工程;および D)上記化合物種と、薬学的に受容可能なキャリアとを 混合する工程、を包含する。ここで、上記 A)— C)までは、本明細書において別の箇 所において記載されるような技術を用いて行うことができる。 D)混合する工程もまた、 当該分野において周知の技術を用いて行うことができ、例えば、そのような方法は、 日本薬局方において記載されるような技術を用いて実施することができる。好ましくは 、上記 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントは、ァセチル化 LDLと複合体 化されたものであり得る。より好ましくは、上記原子座標は、図 7に記載の原子座標を 含む。別の実施形態において、上記相同体または改変体は、本発明の方法によって 得られたものを利用することができる。
別の局面において、本発明は、 LOX— 1に関連する疾患または障害を処置または 予防するための医薬組成物を調製する方法であって、 A)二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同体もしくは改変体の原子座標に 三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三次元分子モデルを得る工程; B)該 三次元分子モデルと、該医薬組成物に含まれるべき候補ィ匕合物のライブラリーとの 相互作用を評価する工程; C)該候補化合物のうち、該 LOX - 1の活性を調節する作 用を有する化合物種を選択する工程;および D)該化合物種と、薬学的に受容可能 なキャリアとを混合する工程、を包含する、方法を提供する。ここで、上記 A)— C)ま では、本明細書にお!、て別の箇所にお!、て記載されるような技術を用いて行うことが できる。 D)混合する工程もまた、当該分野において周知の技術を用いて行うことがで き、例えば、そのような方法は、日本薬局方において記載されるような技術を用いて 実施することができる。好ましくは、上記 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメ ントは、二量体ィ匕されたものかその能力を有するものであり得る。より好ましくは、上記 原子座標は、図 17に記載の原子座標を含む。別の実施形態において、上記相同体 または改変体は、本発明の方法によって得られたものを利用することができる。
[0401] 好ましい実施形態において、本発明において用いられる LOX— 1または LOX— 1リ ガンド結合フラグメントは、ヒト、ゥシ、ヒッジ、マウスなどの哺乳動物、またはヒトの LO X— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントを含む。
[0402] 好ましくは、化合物種を合成して大量に該化合物種を製造する工程、をさらに包含 する。そのような大量合成方法は、いったんその化合物種の合成方法が分かれば、 当業者は当該分野において周知の方法を用いて実施することができる。
[0403] より好ましい実施形態において、本発明の上記医薬組成物において含有されるィ匕 合物種について、 LOX— 1活性に関する生物学的試験を行う工程をさらに包含する 。そのような生物学的試験は、インビトロまたはインビボあるいは動物実験であっても よい。そのような生物学的試験を行う方法は、当該分野において周知である。
[0404] 別の局面において、本発明は、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントに 関連する疾患または障害を処置または予防するための方法を提供する。この方法は 、 A) LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同体も しくは改変体の原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三次元分 子モデルを得る工程; B)上記三次元分子モデルに基づいて、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの活性を調節する手段を同定する工程;および C)該調節 手段を該疾患または障害に罹患する力またはその可能性のある被検体に投与する 工程、を包含する。好ましくは、この LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメント は、ァセチル化 LDLと複合体ィ匕されたものであり得る。より好ましくは、この原子座標 は、図 7に記載の原子座標を含む。別の実施形態において、上記相同体または改変 体は、本発明の方法によって得られたものであってもよい。
[0405] 別の局面において、本発明は、 LOX— 1に関連する疾患または障害を処置または 予防するための方法であって、 A)二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメン トの原子座標またはその相同体もしくは改変体の原子座標に三次元分子モデリング アルゴリズムを適用して、三次元分子モデルを得る工程; B)該三次元分子モデルに 基づ 、て、 LOX— 1の活性を調節する手段を同定する工程;および C)該調節手段を 該疾患または障害に罹患する力またはその可能性のある被検体に投与する工程を 包含する、方法を提供する。好ましくは、この LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラ
グメントは、二量体ィ匕されているかその能力を有するものであり得る。より好ましくは、 この原子座標は、図 17に記載の原子座標を含む。別の実施形態において、上記相 同体または改変体は、本発明の方法によって得られたものであってもよ 、。
[0406] 好ましい実施形態において、上記 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメント は、ヒト、ゥシ、ヒッジ、マウス、ラットなどの哺乳動物、またはヒトの LOX— 1または LO X-1リガンド結合フラグメントを含む。ヒト、ゥシ、ヒッジ、マウス、ラットなどの哺乳動物 、であれば、自己に由来する LOX— 1の活性を調節することによって LOX— 1または L OX— 1リガンド結合フラグメントの異常に起因する疾患または障害を処置することがで きる力もである。また、ヒトの LOX-1または LOX-1リガンド結合フラグメントの場合も また、循環器系疾患 (例えば、動脈硬化)の病因であることが分力つていることから、 その活性を調節することは、そのような病因を抑制または除去するのに有用であるか らである。
[0407] 別の局面において、本発明は、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの 相同体を得る方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。他の実 施形態において、本発明は、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの相同 体を得る方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読 み取り可能な記録媒体を提供する。他の実施形態において、本発明は、 LOX - 1ま たは LOX— 1リガンド結合フラグメントの相同体を得る方法を実行するコンピュータを 提供する。 1つの実施形態において、このプログラムが実行させる方法は、 A)候補化 合物の原子座標と、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標とを 比較する工程、を包含する。別の実施形態において、このプログラムを実行させる方 法は、 A) LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標に三次元分子 モデリングアルゴリズムを適用して、三次元分子モデルを得る工程;および B)候補ィ匕 合物の三次元分子モデルを、該 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの三 次元分子モデルと比較する工程、を包含する。このような三次元分子モデルを得る 技術および比較工程をコンピュータに実行させる技術は、当該分野において周知で あり、本明細書において他の場所において引用したプログラムを利用することもでき る。
[0408] 別の局面において、本発明は、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの 改変体を得る方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。他の実 施形態において、本発明は、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの改変 体を得る方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読 み取り可能な記録媒体を提供する。他の実施形態において、本発明は、 LOX— 1の 改変体を得る方法を実行するコンピュータを提供する。 1つの実施形態において、こ のプログラムが実行させる方法は、 A) LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメン トの原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三次元分子モデルを 得る工程;および B)候補化合物の三次元分子モデルを、該 LOX— 1または LOX— 1 リガンド結合フラグメントの三次元分子モデルと比較し、所定のパラメータに基づき変 異を導入する工程を包含する。このような三次元分子モデルを得る技術および変異 導入工程をコンピュータに実行させる技術は、当該分野において周知であり、本明 細書において他の場所において引用したプログラムを利用することもできる。ここで、 所定のパラメータには、例えば、極性、疎水性、親水性、化学的性質、化学構造、分 子量、水素結合、ファンデルワールス力、イオン性相互作用、非イオン性相互作用、 錯体形成能、受容体リガンド相互作用、静電的相互作用などが挙げられるがそれら に限定されない。
[0409] 別の局面において、本発明は、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントある いはその相同体もしくは改変体に結合し得る化合物を同定する方法をコンピュータ に実行させるためのプログラムを提供する。他の実施形態において、本発明は、 LO X— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントあるいはその相同体もしくは改変体に結 合し得る化合物を同定する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録 したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。他の実施形態において、本 発明は、 LOX— 1またはその相同体もしくは改変体に結合し得る化合物を同定する 方法を実行するコンピュータを提供する。 1つの実施形態において、このプログラム が実行させる方法は、 A) LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標 またはその相同体もしくは改変体の原子座標に対して三次元分子モデリングアルゴリ ズムを適用して、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの活性部位ポケット
の空間座標を決定する工程;および B)該 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグ メントあるいはその相同体もしくは改変体の活性部位ポケットの空間座標に対して、 電子的に候補ィ匕合物のセットの空間座標をスクリーニングして、該 LOX— 1または LO X— 1リガンド結合フラグメントあるいはその相同体もしくは改変体に結合し得る化合物 を同定する工程を包含する。このような空間座標を決定する技術および電子的なスク リー-ング工程をコンピュータに実行させる技術は、当該分野において周知であり、 本明細書において他の場所において引用したプログラムを利用することもできる。
別の局面において、本発明は、 LOX— 1に結合し得る化合物を同定する方法をコ ンピュータに実行させるためのプログラムであって、該方法は、 A)二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同体もしくは改変体の原子 座標に対して三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、 LOX-1リガンド結合フ ラグメントの二量体を形成する二量体界面の空間座標を決定する工程;および B)該 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体の二量体を形成す る二量体界面の空間座標に対して、電子的に候補ィ匕合物のセットの空間座標をスク リー-ングして、該 LOX— 1に結合し得る化合物を同定する工程を包含する、プログ ラムを提供する。このような三次元分子モデルを得る技術および比較工程をコンビュ ータに実行させる技術は、当該分野において周知であり、本明細書において他の場 所において引用したプログラムを利用することもできる。あるいは、本発明は、 LOX— 1に結合し得る化合物を同定する方法をコンピュータに実行させるためのプログラム を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、該方法は、 A)二量体を 形成する LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同体もしくは改変 体の原子座標に対して三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、 LOX— 1リガ ンド結合フラグメントの二量体を形成する二量体界面の空間座標を決定する工程;お よび B)該 LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体の二量体 を形成する二量体界面の空間座標に対して、電子的に候補ィ匕合物のセットの空間 座標をスクリーニングして、該 LOX— 1に結合し得る化合物を同定する工程を包含す る、記録媒体を提供する。あるいは、本発明は、 LOX— 1に結合し得る化合物を同定 する方法を実行するコンピュータであって、該方法は、 A)二量体を形成する LOX— 1
リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同体もしくは改変体の原子座標に 対して三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、 LOX— 1リガンド結合フラグメン トのニ量体を形成する二量体界面の空間座標を決定する工程;および B)該 LOX— 1 リガンド結合フラグメントまたはその相同体もしくは改変体の二量体を形成する二量 体界面の空間座標に対して、電子的に候補ィ匕合物のセットの空間座標をスクリー- ングして、該 LOX— 1に結合し得る化合物を同定する工程を包含する、コンピュータ を提供する。このような三次元分子モデルを得る技術および変異導入工程をコンビュ ータに実行させる技術は、当該分野において周知であり、本明細書において他の場 所において引用したプログラムを利用することもできる。ここで、所定のパラメータには 、例えば、極性、疎水性、親水性、化学的性質、化学構造、分子量、水素結合、ファ ンデルワールスカ、イオン性相互作用、非イオン性相互作用、錯体形成能、受容体リ ガンド相互作用、静電的相互作用などが挙げられるがそれらに限定されない。
別の局面において、本発明は、候補化合物の三次元分子モデルを、 LOX— 1また は LOX— 1リガンド結合フラグメントあるいはその相同体の三次元分子モデルと比較 することによって、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントあるいはその相同 体もしくは改変体に結合し得る化合物を同定する方法をコンピュータに実行させるた めのプログラムを提供する。他の実施形態において、本発明は、候補化合物の三次 元分子モデルを、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントあるいはその相同 体の三次元分子モデルと比較することによって、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合 フラグメントあるいはその相同体もしくは改変体に結合し得る化合物を同定する方法 をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な 記録媒体を提供する。他の実施形態において、本発明は、候補化合物の三次元分 子モデルを、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントあるいはその相同体の 三次元分子モデルと比較することによって、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラ グメントあるいはその相同体もしくは改変体に結合し得る化合物を同定する方法を実 行するコンピュータを提供する。 1つの実施形態において、このプログラムが実行させ る方法は、 A) LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその 相同体もしくは改変体の原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、
三次元分子モデルを得る工程; B)該三次元分子モデルの座標データをデータ構造 に入力して、 LOX— 1または LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子間の距離を検索 する工程;および C)候補化合物にお 、て水素結合を形成するへテロ原子と、該三次 元分子モデルにおいて活性部位ポケットを形成するへテロ原子との間の距離を比較 して、 2つの構造の間での最適な水素結合に基づいて、 LOX— 1または LOX— 1リガ ンド結合フラグメントの三次元分子モデルの活性部位ポケットと安定な複合体を理論 上形成する候補化合物種を同定する工程を包含する。このような三次元分子モデル を得る技術、原子間の距離の検索、および活性部位ポケットと安定な複合体を理論 上形成する候補ィ匕合物種を同定する工程をコンピュータに実行させる技術は、当該 分野において周知であり、本明細書において他の場所において引用したプログラム を禾 IJ用することちできる。
別の局面において、本発明は、候補化合物の三次元分子モデルを、二量体を形成 する LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体の三次元分子モデルと比較 することによって、 LOX— 1に結合し得る化合物を同定する方法をコンピュータに実 行させるためのプログラムであって、該方法は、 A)二量体を形成する LOX— 1リガン ド結合フラグメントの原子座標またはその相同体もしくは改変体の原子座標に三次元 分子モデリングアルゴリズムを適用して、三次元分子モデルを得る工程; B)該三次元 分子モデルの座標データをデータ構造に入力して、 LOX— 1リガンド結合フラグメント の原子間の距離を検索する工程;および C)候補化合物にお!/ヽて水素結合を形成す るへテロ原子と、該三次元分子モデルにぉ 、て活性部位ポケットを形成するへテロ 原子との間の距離を比較して、 2つの構造の間での最適な水素結合に基づいて、 L OX— 1リガンド結合フラグメントの三次元分子モデルの二量体を形成する二量体界 面と理論上結合する候補化合物種を同定する工程を包含する、プログラムを提供す る。あるいは、本発明は、候補化合物の三次元分子モデルを、二量体を形成する LO X— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体の三次元分子モデルと比較すること によって、 LOX— 1に結合し得る化合物を同定する方法をコンピュータに実行させる ためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、該方法 は、 A)二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子座標またはその相
同体もしくは改変体の原子座標に三次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三 次元分子モデルを得る工程; B)該三次元分子モデルの座標データをデータ構造に 入力して、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの原子間の距離を検索する工程;およ C )候補化合物にぉ 、て水素結合を形成するへテロ原子と、該三次元分子モデルにお V、て活性部位ポケットを形成するへテロ原子との間の距離を比較して、 2つの構造の 間での最適な水素結合に基づ 、て、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの三次元分子 モデルの二量体を形成する二量体界面と理論上結合する候補化合物種を同定する 工程を包含する、記録媒体を提供する。あるいは、本発明は、候補化合物の三次元 分子モデルを、二量体を形成する LOX— 1リガンド結合フラグメントまたはその相同体 の三次元分子モデルと比較することによって、 LOX— 1に結合し得る化合物を同定す る方法を実行するコンピュータであって、該方法は、 A)二量体を形成する LOX— 1リ ガンド結合フラグメントの原子座標またはその相同体もしくは改変体の原子座標に三 次元分子モデリングアルゴリズムを適用して、三次元分子モデルを得る工程; B)該三 次元分子モデルの座標データをデータ構造に入力して、 LOX— 1リガンド結合フラグ メントの原子間の距離を検索する工程;および C)候補化合物にお 、て水素結合を形 成するへテロ原子と、該三次元分子モデルにお!、て活性部位ポケットを形成するへ テロ原子との間の距離を比較して、 2つの構造の間での最適な水素結合に基づいて 、 LOX— 1リガンド結合フラグメントの三次元分子モデルの二量体を形成する二量体 界面と理論上結合する候補化合物種を同定する工程を包含する、コンピュータを提 供する。このような空間座標を決定する技術および電子的なスクリーニング工程をコ ンピュータに実行させる技術は、当該分野において周知であり、本明細書において 他の場所において引用したプログラムを利用することもできる。
[0413] 上述の記録媒体は、上記プログラムを記録することができるものであれば、どのよう なものでもよく、例えば、そのような媒体としては、例えば、 MO、 CD-R, CD-RW, CD-ROM, DVD-RAM, DVD-R, DVD— RWゝ DVD+RWゝ DVD— ROMゝメ モリーカードなどが挙げられるがそれらに限定されない。
[0414] 使用されるコンピュータも、上記プログラムが実行され得る限り、どのようなものでも よぐ例えば、 Windows (登録商標)ベース、 UNIX (登録商標)ベース、 Mac OSベ
ース、 LINUXベースなどが挙げられるがそれらに限定されない。
[0415] 以上、本発明を、理解の容易のために好ましい実施形態を示して説明してきた。以 下に、実施例に基づいて本発明を説明するが、上述の説明および以下の実施例は 、例示の目的のみに提供され、本発明を限定する目的で提供したのではない。従つ て、本発明の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限 定されず、特許請求の範囲によってのみ限定されることが理解されるべきである。 実施例 1
[0416] (ヒスチジンタグ化 LOX— 1 CTLDタンパク質封入体の発現、可溶化、およびリフォ
(1) LOX-1 CTLDタンパク質を発現した大腸菌の培養
以下の配列を有するヒト LOX— 1 CTLD (143-273)を Novagen社製ヒスチジン タグ融合タンパク質発現ベクター pET28aのマルチクロー-ングサイト(Ndel— Xhol) に組み込んだものを大腸菌 BL21 (DE3)に導入し大量発現を行なった:
[0417] LOX— 1発現ベクターで形質転換を行った大腸菌は 50 μ gZmlのカナマイシンを 含む M9最小培地 8Lにて 37°Cで培養を行い、 660nmの OD値力 SO. 5になったとこ ろで IPTGを終濃度 ImMになるようにカ卩えてさらに 37°Cで 4時間培養を続け、 3, 50 0 X gで 30分間遠心を行なって菌体を回収した。
[0418] (2) LOX— 1CTLDタンパク質の不溶性封入体の回収
回収した菌体を、菌体 lgあたり 5mlの溶解緩衝液(50mM Tris/HCl (pH8. 0) , 400mM KC1, 0. l%TritonX— 100)で懸濁し、 CompleteMiniプロテアーゼィ ンヒビター(ロシュ社製、菌体 lgあたり 0. 5タブレット使用)を加えて、 4°Cにてァストラ ソン社製超音波破砕機を用いて菌体を破砕し、遠心(10, 000 X g, 30分, 4°C)に てペレットを回収した。得られたペレットを溶解緩衝液で再懸濁、超音波処理、遠心 操作を 2回繰り返してよく洗浄し、不溶性封入体として回収し、次の可溶化操作を行
なうまで 80°Cで保存した。
[0419] (3) LOX— 1CTLDタンパク質の可溶化、リフォールディング操作
不溶性封入体を、 30mg (LOX— 1 CTLDタンパク質量として)を 10mlの可溶化 緩衝液(lOOmM Tris/HCl (pH8. 0)、 6M グァ-ジン塩酸塩、 5mM DTT) に懸濁し (タンパク質終濃度 3mgZml)、遠心して沈殿を除去し、室温にて 4時間静 し 7こ。
[0420] その後、 DTTを終濃度 50mMになるよう加え、 1Lのリフォールデイング緩衝液(1 OmM Tris/HCl (pH8. 5)、400mM アルギニン、 5mM 還元型グルタチオン、 0. 5mM 酸化型ダルタチオン)に攪拌しながら FPLC送液ポンプを使用して 20— 30 lZminの速度で 4°Cでゆっくり滴下した。滴下終了後、終濃度 0. ImMになるよう PMSFをカ卩え、さらに 4°Cで 12時間攪拌し、タンパク質のリフォールデイングを行なつ た。
[0421] (4)リフォールデイングした LOX— 1CTLDタンパク質の回収、精製
リフォールディングしたタンパク質溶液 1Lについて、 0. 45 mメンブレンフィルタ 一で沈殿を除き、 10Lの透析緩衝液(25mM Tris/HCl (pH7. 5) , 50mM Na CI)に 4°Cで 24時間透析し、緩衝液を交換してさらに 24 時間透析し、変性剤、アル ギニン、ダルタチオンを除去した。透析した溶液は 0. 45 mメンブレンフィルターで 沈殿を除き、 Ni—キレーティングセファロースカラム(フアルマシア社製)に通し、タン ノ ク質をカラムに吸着させた。その後カラム平衡ィ匕緩衝液(50mM Tris/HCl (pH 7. 5) , lOOmM NaCl, lOmMイミダゾール)でカラムを洗浄し、イミダゾール濃度 を 500mMまで直線的勾配で上昇させてタンパク質を溶出させた。溶出させたタンパ ク質溶液はセントリコン- 10 (ミリポア社製)で 2mほで濃縮し、 lmgタンパク質あたり 1 0切断単位の牛スロンビンプロテアーゼをカ卩えて 4°Cで 5時間反応させてヒスチジンタ グを切断し、その後べンザミジンセファロースカラム(フアルマシア社製)に通してスロ ンビンを除去し、終濃度 0. ImM になるよう PMSFを加えてプロテアーゼ反応を停 止させた。タンパク質溶液は次にゲル濾過カラム平衡ィ匕緩衝液(10mM Tris/HC 1 (ρΗ7. 5) , NaCl 50mM)で平衡化した Superdex75ゲル濾過カラム(フアルマシ ァ社製)に供し、正しい分子量のフラクションを分取した。
実施例 2
[0422] (ヒスチジンタグィ匕 LOX— 1細胞外ドメイン封入体の発現、可溶化、およびリフォール デイング)
(l) LOX— 1細胞外ドメインタンパク質を発現した大腸菌の培養
ヒト LOX— 1細胞外ドメイン(61—273) (配列番号 6)を Novagen社製ヒスチジンタグ 融合タンパク質発現ベクター pET28aのマルチクロー-ングサイト(Ndel— Xhol)に 組み込んだものを大腸菌 BL21 (DE3)に導入し大量発現を行なった。以降の培養 に関しては LOX— 1 CTLDと同様に行なった。
[0423] (2) LOX— 1細胞外ドメインタンパク質の不溶性封入体の回収
不溶性封入体の回収に関しては LOX— 1 CTLDと同様に行なった。
[0424] (3) LOX— 1細胞外ドメインタンパク質の可溶化、リフォールデイング操作
可溶化、リフォールデイング操作に関しては LOX— 1 CTLDと同様に行なった。
[0425] (4)リフォールデイングした LOX— 1細胞外ドメインタンパク質の回収、精製
リフォールデイングした LOX— 1細胞外ドメインタンパク質の回収、精製に関しては、 透析緩衝液の組成を 25mM Tris/HCl (pH7. 5) , lOOmM NaClに、ゲル濾 過カラム平衡化緩衝液の組成を 10mM Tris/HCl (pH7. 5) , NaCl 400mMに 、さらに Ni—キレーティングセファロースカラム力も溶出させたタンパク質溶液を濃縮 する際に終濃度 400mMになるように NaClをカ卩えて力も行なうことを除いては、 LOX 1 CTLDと同様に行なった。
実施例 3
[0426] (hLOX— 1のピオチン化細胞外領域封入体、並びにピオチン化 CTLD封入体の 発現、可溶化、およびリフォールデイング)
(1)ピオチンィ匕ポリペプチドと hLOX— 1の細胞外領域、もしくは CTLDとの融合タン パク質発現系の構築
hLOX— 1の細胞外領域、もしくは CTLDをコードする DNA断片は PCR法による常 法により調製した。それらの両端には、 5'側に Nrul、 3'側に EcoRVの制限酵素サイ トを付加した。 PCR産物を抽出後、両制限酵素により処理した後、クロー-ング用べ クタ一である pBSに挿入し、遺伝子配列に誤りがな 、か DNAシーク一ェンサ一によ
り確認した。 hLOX - 1の細胞外領域の塩基配列およびアミノ酸配列を配列表の配列 番号 5および 6に、 hLOX— 1の CTLDの塩基配列およびアミノ酸配列を配列表の配 列番号 1および 2に、それぞれ示す。配列を確認した当該タンパク質をコードした遺 伝子を、制限酵素により切り出し、大腸菌内においてピオチン化を受けることが知ら れて 、るポリペプチドをコードして 、るプラスミドベクター PinPoint Xa (Promega社 製)の上記制限酵素サイトに挿入した。次いで、発現宿主である大腸菌 JM109に形 質転換した後、正しく目的遺伝子を取り込んだ形質転換体を選抜した。
[0427] (2)ピオチン化タンパク質の誘導方法
目的プラスミドにより形質転換された大腸菌 JM109のコロニーを最終濃度でで 100 /z g/mlのアンピシリン、並びに 2 Mのピオチンを含む LB培地 5mlに接種し、 37 °Cでー晚撹拝しながら培養した。続いて、この培養液を最終濃度で 100 gZmlの アンピシリン、並びに 2 μ Μのピオチンを含む 50mlの LB培地に 1: 100 (容量比)の 割合で接種し、 1時間培養した後、最終濃度で 100 Mになるように IPTGを添加し 、 目的融合タンパク質の発現を誘導し、さらに 4時間撹拝しながら培養した。
[0428] (3)ピオチンィ匕細胞外領域、ピオチン化 CTLDの検出と発現状態の確認
上記誘導処理後の培養液 100 1を 1. 5mlの遠心チューブに入れ、 15, 000rp mで数分間遠心し、菌体を回収した。回収した菌体を超音波処理にて破砕後、 20, 000gで 30分間遠心して得られた上清 (可溶性面分)と沈殿 (不溶性面分)をそれぞ れ SDSサンプルバッファーに懸濁し、 95°Cで 4分間処理した。次いで、 12%の SDS PAGEにてタンパク質を分離した後、ニトロセルロース膜に電気的に転写した。
[0429] 転写後の-トロセルロース膜は、ポンソ一 Sによる染色で、タンパク質バンドの位置 を確認した後、 TBS— Tween (20mMTris、 150mM NaCl、 pH7. 6、 0. l%Twe en20)中にて室温で穏やかに 60分間攪拌した。次に、ストレプトアビジン標識アル力 リフォスファターゼ中にて室温で 30分間反応させた。続いて、反応後のニトロセル口 一ス膜を TBS— Tweeenにて洗浄した後、アルカリフォスファタ一ゼの基質である NB TZBCIP溶液を添加し、ピオチンィ匕タンパク質のバンドが検出されるまで室温で反 応させた。その結果、不溶性画分には、ピオチン化細胞外領域、およびピオチンィ匕 C TLDの分子量に相当する位置にピオチンィ匕タンパク質の顕著なバンドが検出された
[0430] (4) LOX— 1CTLDタンパク質の可溶化、リフォールデイング操作
不溶性封入体を、 30mg (LOX— 1 CTLDタンパク質量として)を 10mlの可溶化 緩衝液(lOOmM Tris/HCl (pH8. 0) , 6M グァ-ジン塩酸塩, 5mM DTT) に懸濁し (タンパク質終濃度 3mgZml)、遠心して沈殿を除去し、室温にて 4時間静 し 7こ。
[0431] その後、 DTTを終濃度 50mMになるよう加え、 1Lのリフォールデイング緩衝液(1 OmM Tris/HCl (pH8. 5)、400mM アルギニン、 5mM 還元型グルタチオン、 0. 5mM 酸化型ダルタチオン)に攪拌しながら FPLC送液ポンプを使用して 20— 30 lZminの速度で 4°Cでゆっくり滴下した。滴下終了後、終濃度 0. ImMになるよう PMSFをカ卩え、さらに 4°Cで 12時間攪拌し、タンパク質のリフォールデイングを行なつ た。
[0432] (5)リフォールデイングしたピオチンィ匕タンパク質の回収、精製
リフォールディングしたタンパク質溶液 1Lについて、 0. 45 mメンブレンフィルタ 一で沈殿を除き、 10Lの透析緩衝液(25mM Tris/HCl (pH7. 5) , 50mM Na CI)に 4°Cで 24時間透析し、緩衝液を交換してさらに 24 時間透析し、変性剤、アル ギニン、ダルタチオンを除去した。透析した溶液は 0. 45 mメンブレンフィルターで 沈殿を除 、た。タンパク質溶液をセントリコン -10 (ミリポア社製)で 2mほで濃縮した 。タンパク質溶液は次にゲル濾過カラム平衡化緩衝液(10mM Tris/HCl (pH 7 . 5) , NaCl 50mM)で平衡化した Superdex75ゲル濾過カラム(フアルマシア社製 )に供し、正しい分子量のフラクションを分取した。
[0433] (参考例 1)
本発明と比較検討する対象として、従来法である、環状糖質サイクロアミロースと界 面活性剤を用いるリフォールデイング方法によってリフォールデイングしたタンパク質 を、以下のとおり調製した。
[0434] (1)ピオチンィ匕細胞外領域、ピオチンィ匕 CTLDの可溶性タンパク質への再構成 封入体を最終濃度 40mMの DTTを含む 6Mのグァ-ジン塩酸塩溶液で室温にて 1時間処理し、間違った構造を完全に解きほぐした。続いて、 70倍容量の界面活性
剤溶液(0. 1%CTABもしくは SB3—14、最終濃度で 2mMの DL— cystineを含む P BS (—)溶液)を添加し、室温で 1時間反応させた後、反応液 24mlを取り出し、 3%C A溶液 6mlを加えさらに 1時間室温で反応させた。
[0435] この溶液を 20, OOOgで 10分間遠心し、得られた上清(可溶性画分)をリフォールデ イング溶液とした。リフォールデイングされたタンパク質の存在を確認したところ、 80% 以上が可溶性面分に回収されていることが確認され、効率的にリフォールデイングさ れていることが示された。
[0436] リフォールドされたピオチン化細胞外領域、ピオチン化 CTLDをストレプトアビジン ビーズ上に固定化し、リガンドの一つであるァセチル化 LDLを蛍光標識した DilAcL DLの結合を確認したところ、リフォールデイングしたピオチン化細胞外領域、もしくは ピオチンィ匕 CTLD領域を固定ィ匕したビーズ上に蛍光が観察され、どちらもリガンド結 合能を回復して 、ることが示された。
実施例 4
[0437] (リフォールデイングしたタンパク質のゲルろ過による純度検定)
(1)ゲルろ過による純度検定
微量精製用 HPLC (SMARTシステム、 Pharmacia社製)を用いて、 Superosel2 (Pharmacia社製)ゲルろ過カラムにより分子量および純度の検定を行った。 20mM リン酸緩衝液(pH7. 5)、400mM NaClで平衡化した Superosel2カラムに同じ緩 衝液に溶解した LOX— 1細胞外ドメインをアプライし、流速 20 LZ分での溶出バタ ーンを 280nmの UV吸収によってモニターした。
[0438] 本発明のリフォールデイング方法を用い実施例 1で調製したヒスチジンタグ化 LOX -1 CTLDタンパク質から、実施例 1 (4)に記載した手順でタグを取り除いたタンパク 質の純度をゲルろ過によって確認したところ、従来法の環状糖質サイクロアミロースを 用いるリフォールデイング方法によって調製したタンパク質よりも分子量の幅が狭かつ た。この結果は、本発明のリフォールデイング方法が従来法よりも高い純度のタンパク 質を調製する方法であることを示している(図 1)。
[0439] ゲルろ過による純度検定の結果と SDS— PAGEでの純度検定の結果 (データ示さ ず)を考慮すると、本発明のリフォールデイング方法によって調製したタンパク質の純
度が約 99%以上であることを示す。
[0440] (2)質量分析法による純度検定
上記(1)と同様に、ヒスチジンタグィ匕 LOX— 1 CTLDタンパク質力もタグを取り除い たタンパク質を、 0. 1% TFA (トリフルォロ酢酸)溶液に溶解し、 0. 1TFAを含む 30 %ァセトニトリル溶液中に溶解させたシナピン酸溶液を添加して混合した。その溶解 した試料に対して、 MALDI— TOF質量分析装置(Voyager Elite, Perspective Biosystems社製)による分析を行った。
[0441] リフォールデイングした LOX— 1の CTLDの質量分析によるタンパク質純度の検定 結果。本発明のリフォールデイング方法によって得た、タグを除去したヒスチジンタグ 化 LOX— 1 CTLDタンパク質は、約 50の mZz比(質量 Z荷電) t 、う狭 、幅の質量 分析スペクトルを与えた。この狭い幅の結果は、従来法の環状糖質サイクロアミロー スを用いるリフォールデイング方法よりも夾雑物が少なく高純度に精製されていること を示す (図 2)。
[0442] (3) NMR分析法による純度検定
実施例 1で得られたタンパク質力もタグを除去し、 0. ImMの濃度になるように 20m Mの Tris HCl緩衝液(pH7. 0)、 50mM NaClに可溶ィ匕し、 600MHz NMR分 光器により Ή— N HSQC (Heteronuclear Single Quantum Coherence c orrelation spectroscopy) 2次元相関スペクトルの測定を、 25°Cで行った。
[0443] 本発明のリフォールデイング方法によって調製したタンパク質は、 15 N HSQC 2次元相関スペクトル上にてタンパク質の主鎖に由来する1 Hシグナルが 7ppmから 1 lppmの広 、範囲に分布して!/、るのに対し、シクロアミロースを利用してリフォールデ イングしたタンパク質では、 7ppm— 8. 5ppmの狭い範囲で、お互いのシグナルが重 なるように分布しており、かつ個々のシグナルの線幅が適正にリフォールデイングされ たタンパク質よりも広かった。
[0444] 主鎖1 Hシグナル分布の以上の結果から、本発明のリフォールデイング方法でリフォ 一ルディングしたタンパク質は、適切なタンパク質構造を形成して ヽることが理解でき る。これに対して、従来法 (シクロアミロース法)を用いたリフォールデイングでは、不 完全にリフォールデイングされた構造を有するタンパク質が混入していることが理解
できる。
実施例 5
[0445] (リフォールデイングしたタンパク質の結晶化)
タンパク質を結晶化するためには、非常に高純度のタンパク質を調製する必要があ ることは周知である。本発明のリフォールデイング方法を用いて調製されたタンパク質 力 結晶化が可能な程度の純度を有することを、実証した。
[0446] 試料として CTLDを用いた。 CTLDの結晶化は、 1 μ Lの 8mgZmLの CTLD溶液
(タンパク質を溶解する緩衝液として、 lOmM Tris— HC1、 pH7. 5、 50mM NaCl
、 lOmM酢酸亜鉛を用いた)に対して、 l /z L 0. 1Mクェン酸緩衝液(pH3. 0— 4
. 0)を添加し、この溶液を 0. 1M クェン酸緩衝液 (pH3. 0-4. 0)に対して、 2— 4 日間蒸気拡散することによって、得られた。
[0447] 得られた結晶は、 a = 6. 2nm、 b = 6. 9nm、および c = 7. 9nmの単位格子定数を 有する、 P2 2 2斜方晶形であった。また、この結晶から、約 2. 5オングストロームの 分解能を持つ X線回折像が得られた (図 4)。
[0448] 以上の結果が示すように、本発明のリフォールデイング方法で得られた LOX— 1 C
TLDは結晶化が可能な程度の高純度であった。
実施例 6
[0449] (リフォールデイングしたタンパク質の機能測定)
本発明のリフォールデイング方法によってリフォールデイングした、ヒスチジンタグ化 タンパク質およびピオチンタグィ匕タンパク質の各々について、リガンド結合能を確認 した。
[0450] (1)リフォールデイングしたヒスチジンタグィ匕タンパク質のリガンド結合能の確認
リフォールデイングに成功したヒスチジンタグィ匕細胞外領域、もしくはヒスチジンタグ 化 CTLDを変性 LDLなどを検出するセンサーとして使用する目的で、表面ブラズモ ン共鳴により検出が可能な機器のセンサー部位へ各ヒスチジンタグィ匕タンパク質を固 定化し、実際のリガンドの結合を検討した。表面プラズモン共鳴装置としては、 BIAc ore杜製の BIAcoreを使用した。
[0451] (1. 1)実施例 1で調製した、リフォールデイングしたヒスチジンィ匕細胞外領域を BIA
COREのセンサーチップ上に、リガンド認識に関わる部分が外側を向くように固定ィ匕 した。具体的には、 NTAセンサーチップ(BIAcore社製)表面を、 0. 35M EDTA を含む PBS (リン酸緩衝化生理食塩水)で洗浄後、 500 M NiClをインジェタトし
2
て、センサーチップ上にタンパク質を固定ィ匕した。このチップ上に、実施例 1で調製し たヒスチジンタグ化 CTLDを固定化した。なお、固定化量は、 1000RU以下になるよ うに、インジヱタトするタンパク質量を調整した。
[0452] (1. 2)変性 LDLとして、ァセチルイ匕 LDLおよび酸ィ匕 LDLを以下のように調製した
[0453] 酸化 LDLの調製:精製した LDLおよび硫酸銅の濃度がそれぞれ 3mgZmLおよ び 75 Mとなる様に調製した溶液を COインキュベーター内で 20時間インキュベー
2
トした。ついで EDTAを含有する 0. 15Mの塩化ナトリウム溶液にて透析し、酸化 LD Lを得た。
[0454] ァセチル化 LDLの調製:精製した LDLに対して最終濃度が 50%になるように酢酸 ナトリウム溶液を加え、 0°Cに冷却した。このとき全量を lmLにした。氷上で攪拌しな がら無水酢酸 1 μ Lを 10分間隔で 5回加えさらに 30分間冷却攪拌を続け反応を完結 させた。
[0455] (1. 3)受容体チップに対する各種 LDLの結合を、以下のとおりに検出した。流速 2 0 μ LZ分で、 LDLおよび変性 LDL (ァセチル化 LDLおよび酸化 LDL)を 2分間ィ ンジェタトして、センサーグラムの変化を記録した。表面プラズモン共鳴の原理を利用 した機器の場合、リガンドの結合をレゾナンスユニット: RUの増加を示すセンサーグ ラムの変化として検出することになる。その後、 1M NaCl PBS緩衝液 (pH7. 4)を 30秒間インジェタトし、結合した LDLを剥離することによって、センサーチップを再生 した。このサイクルを 5回繰り返し、センサーチップのベースラインおよびセンサーグラ ムの応答レベルが再現性よく安定していることを確認したうえで、センサーグラムの変 化から、結合定数および結合量を算出した。
[0456] その結果、本発明のリフォールデイング方法を用いてリフォールデイングされたヒス チジンタグ化 LOX— 1 CTLDは、酸化 LDLおよびァセチル化 LDLに対して、天然 の LOX— 1と同程度の親和性を有することが確認された(図 5)。なお、リフォールディ
ングされた LOX— 1 CTLDは、 LDLに対して、変性 LDLの場合よりも 2桁低い結合 能を示した (データ示さず)。
[0457] (2)リフォールデイングしたピオチンタグィ匕タンパク質のリガンド結合能の確認
リフォールデイングに成功したピオチンタグ化細胞外領域、もしくはピオチンタグ化 CTLDを変性 LDLなどを検出するセンサーとして使用する目的で、表面プラズモン 共鳴により検出が可能な機器のセンサー部位へ各ピオチンタグィ匕タンパク質を固定 化し、実際のリガンドの結合を検討した。表面プラズモン共鳴装置としては、 BIAcor e杜製の BIAcoreを使用した。
[0458] (2. 1)実施例 3で調製した、リフォールデイングしたピオチン化細胞外領域を BIAC OREのセンサーチップ上に、リガンド認識に関わる部分が外側を向くように固定ィ匕し た。具体的には、センサーチップ SA (BIAcore社製)表面を、固定ィ匕緩衝液(10m M Tris-HCl pH7. 5、 50mM NaCl)で平衡化した後、固定化緩衝液中に調製 した 70 μ gZmLのピオチン化 LOX— 1タンパク質を、 10 μ LZ分でインジェタトした。 50 μ Lのピオチン化 LOX— 1をインジェタトした時点で、約 3000RUを与える量のタ ンパク質が固定化されたことを確認して、タンパク質の固定ィ匕を終了した。その後、固 定ィ匕緩衝液を 20 LZ分で流して、チップに結合しな力つたタンパク質を洗浄して取 り除いた。 600分間の洗浄を行っても、 RU値の低下は、 5%以下であった。このセン サーチップを用いて、上記(1. 2)および(1. 3)と同様にして、 LDLおよび変性 LDL の結合にっ 、て試験した。
[0459] その結果、ピオチン化 CTLDの場合も、酸化 LDLおよびァセチル化 LDLに対して 、天然の LOX— 1と同程度の親和性を有することが確認された。
実施例 7
[0460] (リフォールデイングしたタンパク質は二量体を形成する)
天然の LOX— 1タンパク質は、二量体を形成する。そこで、本発明のリフォールディ ング方法によってリフォールデイングした LOX— 1が二量体を形成するか否かについ て、ゲルろ過、 PAGE,および質量分析を用いて確認した。この実施例では、実施例 2の方法に従って得た細胞外ドメイン全長 (61-273)にヒスチジンタグを付けて発現 した後リフォールデイングを行い、その後に、ヒスチジンタグを除いたタンパク質を使
用した。
[0461] (1)ゲルろ過による純度検定
微量精製用 HPLC (SMARTシステム、 Pharmacia社製)を用いて、 Superosel2 (Pharmacia社製)ゲルろ過カラムにより、分子量および純度の検定を行った。 20m Mリン酸緩衝液(pH7. 5)、400mM NaClで平衡化した Superosel2カラムに、平 衡化に使用した緩衝液と同一の緩衝液に溶解した、実施例2で調製したヒスチジンタ グ化 LOX— 1細胞外ドメインをアプライし、流速 20 LZ分での溶出パターンを 280η mの UV吸収によってモニターした。
[0462] (2)質量分析による純度検定
0. 1% TFA (トリフルォロ酢酸)溶液に溶解した実施例 1で調製したヒスチジンタグ 化 LOX— 1細胞外ドメインに、 0. 1TFAを含む 30%ァセトニトリル溶液中に溶解させ たシナピン酸溶液を混合した。その溶解した試料に対して、 MALDI— TOF質量分 析装置(Voyager Elite, Perspective Biosystems社製)による分析を行った。
[0463] (3)還元および非還元条件下での SDS— PAGE
本発明のリフォールデイング方法によって得られた LOX— 1タンパク質に 20% β - メルカプトエタノールを含む試料緩衝液(250mM Tris HC1、 pH6. 8、 8% SDS 、20% スクロース、 0. 02% ブロモフエノールブルー(BPB) )をカ卩え、 100°Cで 5 分間煮沸した試料を、還元状態の試料とした。一方、上記の試料緩衝液から j8 -メル カプトエタノールを除 ヽた試料緩衝液を加えて、 30分間室温にぉ ヽて反応させた試 料を、非還元状態の試料とした。各々の試料を、 15%ポリアクリルアミドゲル電気泳 動後、クマシ一ブリリアントブルー (CBB)を用いて染色した。
[0464] (化学架橋実験)
リフォールデイング方法によって得られた LOX— 1タンパク質溶液(300 μ g/m 50mM HEPES pH7. 5、 lOOmM NaCl、 3mM EDTA)に対して、化学架橋 剤 BS 3 (Pierce社製)を、 0. 2、 0. 4、 0. 8、 1. 6、 3. 2mMとなるように添カロし、室温 で 30分間架橋反応を行った。反応後すぐに、 SDS— PAGE用の試料緩衝液(250m M Tris HC1、 pH6. 8、 8% SDS、 20% スクロース、 0. 02% ブロモフエノール ブルー(BPB)、 20% β メルカプトエタノール)を添カ卩して、 100°Cで 5分間過熱し
、 15%ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った後、 CBB染色して、添加した化学架 橋の量に依存して増加する 2量体タンパク質の変化量を観測した。
[0465] (二量体実験のまとめ)
以上の実験の結果、 LOX— 1の細胞外ドメイン全長を本発明のリフォールデイング 方法でリフォールデイングした結果得られたタンパク質力 細胞表層にある LOX— 1 の存在様式と同様に 2量体であることが示された(図 6)。
実施例 8
[0466] (蛍光サンドイッチ法による変性 LDLの検出)
実施例 3で調製したピオチンィ匕タグを N末端に付けた LOX— 1を、ストレブトァビジ ンでコートされたマイクロプレート(バイオコート(登録商標)、 BD Biosciece社)上に 、ピオチンを介して固定ィ匕する。不要な血液凝固を避けるためにへノ^ンを含んだ試 験管に採血を行って (へパリン採血)得られたヒト血漿から遠心分離によって得られた LDL分画を分注して、 4°Cで 1時間放置する。その後、 0. 05%の Tween20— TBS ( NaCl 140mM、KCl 2. 7mM、 25mM TrisHCl、 pH 7. 5 pH7. 4)で 3回洗 浄した後、ピオチンィ匕した LOX— 1に対して、ストレプトアビジンィ匕された量子ドット(登 録商標)(Qdot (登録商標) 525、住商バイオサイエンス株式会社)で蛍光標識した L OX— 1をカ卩えて 1時間放置後、 0. 05%の Tween— 20 TBSで 3回洗浄する。その 後、ゥェルカもの 525nmの蛍光を観測して、蛍光強度に基づいて、血液中に存在す る結合した LDLの量を算出する。
実施例 9
[0467] (蛍光磁器トラップ法による変性 LDLの検出)
実施例 3で調製したピオチンィ匕タグを N末端に付けた LOX— 1を、ストレブトァビジ ンでコートされた磁器ビーズ(Dynabeads M— 280 ストレプトアビジン、株式会社 ベリタス)上に結合させる。へパリン採血で得られたヒト血漿力 遠心分離によって得 られた LDL分画を 100 μ Lに対して、磁器ビーズと結合した LOX— 1タンパク質を 10 L添加して、 1時間 4°Cで放置する。磁器ビーズを磁石で固定化し、 0. 05%の Tw een20-TBS (NaCl 140mM、 KCl 2. 7mM、 25mM TrisHCl、 pH 7. 5 p H7. 4)で 3回洗浄した後、ピオチン化した LOX— 1に対して、ストレプトアビジン化さ
れた量子ドット (登録商標)(Qdot (登録商標) 525、住商バイオサイエンス株式会社) で蛍光標識した LOX— 1をカ卩えて 1時間放置後、再度 0. 05%の Tween— 20 TBS で 3回洗浄する。洗浄後の磁器ビーズ力ゝらの 525nmの蛍光を観測して、蛍光強度に 基づ 、て、血液中に存在する結合した LDLの量を算出する。
実施例 10
[0468] (結晶化条件での最適化)
実施例 5で行った結晶化では、メチォニンがセレノメチォニンに置換されて 、る LOX-1 CTLDフラグメントを用いることによって、 a=62A, b=69A, c=79Aの単位格子 をもつ P2 2 2斜方晶形をもつ LOX-1酸化 LDL結合ドメイン (CTLD)が得られた力 本
1 1 1
実施例では、さらなる解像度アップを目指した。本発明では、異なる結晶条件から得 られた、天然のアミノ酸力もなる LOX-1 CTLDの結晶およびその立体構造を提供す る。結晶化の最適化例は図 9に示す。
[0469] 実施例 5の記載されるの巻き戻し法により大腸菌中で不溶性封入体として発現され たタンパク質をまき戻して得られた LOX-1 CTLDの 8mg/mL溶液(10mM TrisHCl, pH 7.5, 50mM NaCl) 1 μ Lに対して 1 μ Lの 0.1Mクェン酸緩衝液 (pH 3.0 - 4.0)溶液を 添加した。このとき塩ィ匕カルシウム、あるいは塩ィ匕亜鉛が最終濃度 ImMになるようにィ オン強度を調整した。 ImM塩化カルシウムあるいは ImM塩化亜鉛を含んだ 0.1Mク ェン酸緩衝溶液 (PH3.0 -4.0)に対して 2-4日間蒸気拡散法により結晶を得た。得ら れた結晶に対してプラチナ 2量体を浸潤させて結晶構造解析を行った。この調製法 により得られた結晶は P4 2 2の結晶型を与え、 2.4Aの分解能を示す X線回折像を与
1 1 1
えた。格子定数は a=64.4A, b=64.4A, c=79.8Aであった。原子座標結果は図 7に示す 。結果は、図 10にまとめる。
実施例 11
[0470] (他の LOX— 1のモデル)
次に、上述で得られた情報をもとに、配列番号 22、 26、 30および 34に記載される 、それぞれ、ヒト以外のラット、マウス、ブタおよびゥサギの配列を基にして、ホモロジ 一モデリングによる方法を行い、他の LOX— 1の構造をモデリングした。具体的には、 AutoDock 3. 0 (Morris, G. M. , Goodsell, D. S. , Halliday, R. S. , Huey
, R. , Hart, W. E. , Belew, R. K. and Olson, A. J. (1998) , J. Computatio nal Chemistry, 19 : 1639— 1662)と!ヽぅプログラムを使用した。
[0471] このプログラムにおいて、配列番号 22、 26、 30および 34に記載されるアミノ酸配列 の相同性を考慮し(図 15を参照)、他に類似する構造または本発明のヒトの構造のァ ミノ酸配列力も変更しながらモデリングした。その際、エネルギーの最小化により構造 を決定した。構造は、 LOX - 1に類似する。
実施例 12
[0472] (バーチャルスクリーニング)
市販の化合物のデータベース(FCD (Fine Chemical Directory)という商業ベースの 化学薬品データベース)より 1つずつ化合物を取り出し、コンピュータグラフィクス上 で活性部位の位置へ自動で近づけた。エネルギーの最小化により、最適な方位で化 合物を酵素に結合させた。このときの安定ィ匕エネルギー A Gを計算し、最も A Gのマ ィナス値が大きな化合物を選定すると、インヒビターとして好ま 、化合物を選定する ことができる。
実施例 13
[0473] (インビトロスクリーニング)
次に、実施例 12のバーチャルスクリーニングでインヒビターとして適切なものと判断 された化合物を実際にインビトロ系で実験することによってその活性を確認する。 LO X— 1アツセィは以下のとおり行う。
[0474] (LOX— 1アツセィ)
LOX— 1の活性を以下のようにアツセィする。
[0475] 実施例 8と同様にピオチンィ匕タグを N末端部分につけた LOX— 1をストレブトァビジ ンでコートされたマイクロタイタープレート上に固定ィ匕する。へノ リン採血により得られ た血漿力も得られた LDL分画をそれぞれのゥエルに分注して、阻害剤として適切な ものと判断されたィ匕合物を各ゥエルに添加した後に 4°Cで 1時間放置する。その後 0. 05%の Tween20— TBS (NaCl 140mM, KC1, 2. 7mM, 25mM TrisHCl, p H 7. 4)で 3回洗浄した後、ピオチン化した LOX— 1に対して量子ドット(Q— dot 52 5,住商バイオサイエンス株)で蛍光標識した LOX— 1をカ卩えて 1時間 4°Cで放置した
後に 0. 05% Tween20— TBSで 3回洗浄した後にゥエルからの 525nmの蛍光を観 測して蛍光強度の強さから、添加した化合物力 Sもつ酸化 LDLの LOX— 1への結合阻 害能をモニターする。
[0476] (結果)
上記のアツセィの結果、実際に特定の物質力 ンヒビターとしてより好まし 、ことが 判明する。
[0477] このように、本発明を用いて、実際に、 LOX— 1の活性を調節する分子を得ることが できる。従って、本発明は、 LOX— 1の活性調節剤のスクリーニングのほか、その実際 の調製にも使用することができることが実証される。
実施例 14
[0478] (動物モデルでの実証)
実施例 13において同定された LOX— 1の活性を調節する因子が動物モデルにお いて、有効であるかどうかを実証する。
[0479] 動脈硬化モデルマウスとして、(apoE— Z—)マウスを作製し、このモデルマウスにお いて、上記因子が有効であるかどうかを検証する。検証方法は、経口投与または静 脈投与によって、上記因子をマウスに量を振りながら投与し、その後動脈硬化が改善 したかどうかを、両手'両足の 4箇所の血圧を同時に測定し、四肢の動脈硬化 (血管 の硬さ、詰まり)の指標とすることによって確認する。
[0480] このような手法によって、本発明の因子によって動脈硬化が改善されるかどうかが 確認される。
実施例 15
[0481] (NMR解析)
ァセチル化 LDL (acLDL)は酸化 LDL同様に LOX— 1を介してマクロファージに取 り込まれるなど、酸化 LDLと同様の生理作用を持つことが知られている。酸化 LDLが 脂質部位のみならず LDL粒子の表面を取り囲む apoBlOOタンパク質も酸化され、か つ、多様な酸ィ匕状態にあるために物理ィ匕学的な測定に用いるには、その化学的な不 均一性のために問題が多 、。一方同様な生理活性を示すァセチルイ匕 LDLは LDL 粒子表面にある apoBlOOタンパク質の Lys残基のみを選択にァセチル化することが
知られているために、物理ィ匕学的な計測には酸ィ匕 LDLのモデルとして良く用いられ る。
[0482] そこで、 LOX— 1をさらに解析するために、 NMR解析を行った。 NMRの解析は以 下のとおりに行った。
[0483] 測定に用いた LOX— 1 CTLDは15 NH C1を窒素源とする M9最小培地で培養さ
4
れた LOX - 1 CTLDを発現する大腸菌から、上記実施例において記載した巻き戻 し法により得たものである。得られた15 N標識 LOX-1 CTLDタンパク質を 10mM Tris-HCl, pH 7. 5、 50mM NaClの組成を持つ緩衝液に透析後 0. ImMの 濃度になるように濃縮して NMR試料とした。 acLDLは巿販(Biomedical Technol ogies, Inc.;)の acLDLを lOmM TrisHCl, pH 7. 5, 50mM NaClに透析後タ ンパク質定量により acLDLの濃度検定を行 、LOX— 1 CTLD溶液に添カ卩して NM R測定を行なった。測定は、 750MHz NMR分光器を用いて、測定温度は 25oCで 行なった。
[0484] 結果を図 8に示す。図 8に示す一連の NMRデータは、 15Nで均一に標識した LOX —1のリガンド結合ドメイン(CTLD)に対してァセチル LDLを滴定した際の NMRシグ ナル変化の様子を示す。解析にもちいている 2次元スペクトルは1 H—15N HSQCス ヘクトノレ (HSwC、 Heteronuclear Single quantum Coherence spectrosco py)であり、 2次元スペクトル上に観測されるシグナルはタンパク質中の 1つ 1つのアミ ノ酸残基の主鎖アミド基に由来する。ここで観測されている個々の NMRシグナルは 全てタンパク質中のどのアミノ酸に由来するか帰属がついているので、例えば、タン パク質に結合する化合物を NMR試料溶液中に入れることで変化が誘導される NM Rシグナルから、どのアミノ酸残基が化合物と結合したかを同定することができる。ここ で示す実験では、 acLDLが巨大な粒子であるために LOX— 1が acLDLと結合するこ とにより、結合部位に存在する NMRシグナルには大きな強度の低下が観測された。 acLDL滴定に伴う HSQCスペクトル上の NMRシグナル変化から LOX— 1の acLDL への結合に関与する部位 (結合に関与して 、るアミノ酸残基)を同定することが可能 である。
実施例 16
[0485] (フアルマコフォアモデルの構築)
酸化 LDLの添カ卩により1 H—15N HSQCスペクトル上で変化が誘導される NMRシ ダナルカも LOX— 1のどのアミノ酸残基が酸ィ匕 LDLの結合に関与しているかを特定 することができる。 NMR解析の結果特定されたアミノ酸残基カゝらなる結合ポケットを 形成する化学的特定を図 7に示す LOX— 1の立体構造から抽出することができる。 L OX— 1のもつ活性ポケットが示す立体構造およびィ匕学的特性の空間的な配置に対 して相補的な相互作用をする表面を持つリガンド表面特性をフアルマコフォアという。 LOX— 1の活性ポケットの立体構造力も特定されるリガンドが持つべき表面特性 (ファ ルマコフォア)は例えば MOEの Alpha Site Finderというソフトウェアを利用してモ デルィ匕できる。 Alpha Site Finderにより立体構造上に特定された活性ポケット上 にダミー原子を配置して、各ダミー原子が受容体の活性ポケット全体からどのような 静電相互作用を受けるかを解析することで、各ダミー原子の位置が acceptorあるい は donorの 、ずれが存在するかを判定することができる。ここで算定されたポテンシ ヤノレをもとにして alpha siteを acceptorZdonorZhydrophobicの 3つの領域に分 けてそれぞれのダミー原子をクラスタリングする。それぞれの化学的特性を共通として 持つクラスターの中心に featureを定義する。この中心の位置からの排除体積を定義 しフアルマコフォアをモデル化する。
実施例 17
[0486] (フアルマコフォアモデルを利用した化合物のスクリーニング)
実施例 16で構築されたフアルマコフォアモデルで特定される化学的特定に一部で も合致する化合物をデータベース力 抽出する。抽出された化合物は例えば生物分 子工学研究所で開発された分子動力学プログラム PRESTを用いてマルチカノ-力 ル分子動力学計算 (MD)により LOX-1活性ポケット側の立体構造変化およびリガン ド側の立体構造変化も考慮した形で複合体構造を計算する。高温状態での分子動 力学計算に続いて徐冷法により 300Kにおける安定なリガンドタンパク質複合体構造 を計算する。ここで得られる複合体の安定構造エネルギーの大きさにより LOX— 1の 活性ポケットに強く結合する化合物の構造を決定する。同様なスクリーニングは MO E-Ph4 Dockなどのプログラムを用いても実行できる。
実施例 18
[0487] (フアルマコフォアモデルを利用した化合物を用いた疾患の処置)
実施例 16において得られたフアルマコフォアモデルによって構築された化合物を 用いて、実施例 14にお 、て示されるような実験モデルを用いて疾患を治療できるか どうかを実証する。動脈硬化モデルマウスとして、(apoE— Z—)マウスを作製し、この モデルマウスにおいて、上記因子が有効であるかどうかを検証する。検証方法は、経 口投与または静脈投与によって、上記因子をマウスに量を振りながら投与し、その後 動脈硬化が改善したかどうかを、両手 ·両足の 4箇所の血圧を同時に測定し、四肢の 動脈硬化 (血管の硬さ、詰まり)の指標とすることによって確認する。
[0488] このような手法によって、本発明の因子によって動脈硬化が改善されるかどうかが 確認される。
実施例 19
[0489] 次に LOX— 1の二量体ィ匕モデルを作製した。その詳細は以下の通りである。
[0490] (1)リガンド結合ドメインである CTLDに NECK領域部 14残基を含む LOX— 1フラ グメント(CTLD— NECK14)を調製した。
[0491] LOX-1 CTLD— NECK14タンパク質を発現した大腸菌の培養
以下の配列を有するヒト LOX— 1 CTLD— NECK14 (配列番号 4に示されるァミノ 酸番号 129— 142)を Novagen社製ヒスチジンタグ融合タンパク質発現ベクター pE
T28aのマルチクロー-ングサイト(Ndel— Xhol)に組み込んだものを大腸菌 BL21 (
DE3)に導入し大量発現を行なった:
核酸配列:
AGAAGGCAAACCTAAGAGCACAG (配列番号 35)
コードされるアミノ酸配列(下線部は NECK領域に由来する部位):
SGTCAYIQRGAVYAENCILAAFSICQKKANLRAQ (配列番号 36)
LOX— 1発現ベクターで形質転換を行った大腸菌は 50 μ gZmlのカナマイシンを 含む M9最小培地 8Lにて 37°Cで培養を行い、 660nmの OD値力 SO. 5になったとこ ろで IPTGを終濃度 ImMになるようにカ卩えてさらに 37°Cで 4時間培養を続け、 3, 50 0 X gで 30分間遠心を行なって菌体を回収した。
[0492] (2) LOX— 1CTLDタンパク質の不溶性封入体の回収
回収した菌体を、菌体 lgあたり 5mlの溶解緩衝液(50mM Tris/HCl (pH8. 0) , 400mM KC1, 0. l%TritonX— 100)で懸濁し、 CompleteMiniプロテアーゼィ ンヒビター(ロシュ社製、菌体 lgあたり 0. 5タブレット使用)を加えて、 4°Cにてァストラ ソン社製超音波破砕機を用いて菌体を破砕し、遠心(10, 000 X g, 30分, 4°C)に てペレットを回収した。得られたペレットを溶解緩衝液で再懸濁、超音波処理、遠心 操作を 2回繰り返してよく洗浄し、不溶性封入体として回収し、次の可溶化操作を行 なうまで 80°Cで保存した。
[0493] (3) LOX— 1CTLDタンパク質の可溶化、リフォールディング操作
不溶性封入体を、 30mg (LOX— 1 CTLDタンパク質量として)を 10mlの可溶化 緩衝液(lOOmM Tris/HCl (pH8. 0)、 6M グァ-ジン塩酸塩、 5mM DTT) に懸濁し (タンパク質終濃度 3mgZml)、遠心して沈殿を除去し、室温にて 4時間静 し 7こ。
[0494] その後、 DTTを終濃度 50mMになるよう加え、 1Lのリフォールデイング緩衝液(1 OmM Tris/HCl (pH8. 5)、400mM アルギニン、 5mM 還元型グルタチオン、 0. 5mM 酸化型ダルタチオン)に攪拌しながら FPLC送液ポンプを使用して 20— 30 lZminの速度で 4°Cでゆっくり滴下した。滴下終了後、終濃度 0. ImMになるよう PMSFをカ卩え、さらに 4°Cで 12時間攪拌し、タンパク質のリフォールデイングを行なつ
た。
[0495] (4)リフォールデイングした LOX— 1CTLDタンパク質の回収、精製
リフォールディングしたタンパク質溶液 1Lについて、 0. 45 mメンブレンフィルタ 一で沈殿を除き、 10Lの透析緩衝液(25mM Tris/HCl (pH7. 5) , 50mM Na CI)に 4°Cで 24時間透析し、緩衝液を交換してさらに 24 時間透析し、変性剤、アル ギニン、ダルタチオンを除去した。透析した溶液は 0. 45 mメンブレンフィルターで 沈殿を除き、 Ni—キレーティングセファロースカラム(フアルマシア社製)に通し、タン ノ ク質をカラムに吸着させた。その後カラム平衡ィ匕緩衝液(50mM Tris/HCl (pH 7. 5) , lOOmM NaCl, lOmMイミダゾール)でカラムを洗浄し、イミダゾール濃度 を 500mMまで直線的勾配で上昇させてタンパク質を溶出させた。溶出させたタンパ ク質溶液はセントリコン- 10 (ミリポア社製)で 2mほで濃縮し、 lmgタンパク質あたり 1 0切断単位の牛スロンビンプロテアーゼをカ卩えて 4°Cで 5時間反応させてヒスチジンタ グを切断し、その後べンザミジンセファロースカラム(フアルマシア社製)に通してスロ ンビンを除去し、終濃度 0. ImM になるよう PMSFを加えてプロテアーゼ反応を停 止させた。タンパク質溶液は次にゲル濾過カラム平衡ィ匕緩衝液(10mM Tris/HC 1 (ρΗ7. 5) , NaCl 50mM)で平衡化した Superdex75ゲル濾過カラム(フアルマシ ァ社製)に供し、正しい分子量のフラクションを分取した。
実施例 20
[0496] (リフォールデイングしたタンパク質のゲルろ過による純度検定)
(1)ゲルろ過による純度検定
微量精製用 HPLC (SMARTシステム、 Pharmacia社製)を用いて、 Superosel2 (Pharmacia社製)ゲルろ過カラムにより分子量および純度の検定を行った。 20mM リン酸緩衝液(pH7. 5)、400mM NaClで平衡化した Superosel2カラムに同じ緩 衝液に溶解した LOX— 1細胞外ドメインをアプライし、流速 20 LZ分での溶出バタ ーンを 280nmの UV吸収によってモニターした。
[0497] 本発明のリフォールデイング方法を用い実施例 19で調製したヒスチジンタグ化 LO X— 1 CTLDタンパク質から、実施例 19 (4)に記載した手順でタグを取り除 、たタン ノ ク質の純度をゲルろ過によって確認したところ、従来法の環状糖質サイクロアミロー
スを用いるリフォールデイング方法によって調製したタンパク質よりも分子量の幅が狭 かった。この結果は、本発明のリフォールデイング方法が従来法よりも高い純度のタ ンパク質を調製する方法であることを示して 、る。
[0498] ゲルろ過による純度検定の結果と SDS— PAGEでの純度検定の結果 (データ示さ ず)を考慮すると、本発明のリフォールデイング方法によって調製したタンパク質の純 度が約 99%以上であることを示す。
[0499] (2)質量分析法による純度検定
上記(1)と同様に、ヒスチジンタグィ匕 LOX— 1 CTLDタンパク質力もタグを取り除い たタンパク質を、 0. 1% TFA (トリフルォロ酢酸)溶液に溶解し、 0. 1TFAを含む 30 %ァセトニトリル溶液中に溶解させたシナピン酸溶液を添加して混合した。その溶解 した試料に対して、 MALDI— TOF質量分析装置(Voyager Elite, Perspective Biosystems社製)による分析を行った。
[0500] リフォールデイングした LOX— 1の CTLDの質量分析によるタンパク質純度の検定 結果。本発明のリフォールデイング方法によって得た、タグを除去したヒスチジンタグ 化 LOX— 1 CTLDタンパク質は、約 50の mZz比(質量 Z荷電) t 、う狭 、幅の質量 分析スペクトルを与えた。この狭い幅の結果は、従来法の環状糖質サイクロアミロー スを用いるリフォールデイング方法よりも夾雑物が少なく高純度に精製されていること を示す。
[0501] (3) NMR分析法による純度検定
実施例 1で得られたタンパク質力もタグを除去し、 0. ImMの濃度になるように 20m Mの Tris HCl緩衝液(pH7. 0)、 50mM NaClに可溶ィ匕し、 600MHz NMR分 光器により Ή— N HSQC (Heteronuclear Single Quantum Coherence c orrelation spectroscopy) 2次元相関スペクトルの測定を、 25°Cで行った。
[0502] 本発明のリフォールデイング方法によって調製したタンパク質は、 15 N HSQC 2次元相関スペクトル上にてタンパク質の主鎖に由来する1 Hシグナルが 7ppmから 1 lppmの広 、範囲に分布して!/、るのに対し、シクロアミロースを利用してリフォールデ イングしたタンパク質では、 7ppm— 8. 5ppmの狭い範囲で、お互いのシグナルが重 なるように分布しており、かつ個々のシグナルの線幅が適正にリフォールデイングされ
たタンパク質よりも広かった。
[0503] 主鎖1 Hシグナル分布の以上の結果から、本発明のリフォールデイング方法でリフォ 一ルディングしたタンパク質は、適切なタンパク質構造を形成して ヽることが理解でき る。これに対して、従来法 (シクロアミロース法)を用いたリフォールデイングでは、不 完全にリフォールデイングされた構造を有するタンパク質が混入していることが理解 できる。
実施例 21
[0504] (二量体ィ匕された LOX— 1フラグメントの調製)
実施例 19において調製された蛋白質は、 CTLDに付加した NECK領域に含まれ るシスティン残基を介して分子間のジスルフイド結合を形成して安定なホモ二量体を 形成した。以下に示す条件により当該蛋白質を結晶化した。
[0505] タンパク質を結晶化するためには、非常に高純度のタンパク質を調製する必要があ ることは周知である。本発明のリフォールデイング方法を用いて調製されたタンパク質 力 結晶化が可能な程度の純度を有することを、実証した。
[0506] 結晶化に用!、た CTLD— NEC 14は CTLDの場合と同様の巻き戻し条件を用 ヽて 調製された。 CTLD— NECK14の結晶化条件は以下の通りである: 4. 6mg/mL の蛋白質溶液(10mM TrisHCl, pH 7. 5, 400mM NaCl)を同じ容積の 10
OmM HEPES, pH 7. 5, 20% PEG 10K溶液と混ぜ、 277K(4oC)で蒸 気拡散法によって結晶化を行った。
実施例 22
[0507] (リフォールデイングしたタンパク質の機能測定)
実施例 19において調製し本発明のリフォールデイング方法によってリフォールディ ングした、ヒスチジンタグ化タンパク質およびピオチンタグ化タンパク質の各々につい て、リガンド結合能を確認した。
[0508] (1)リフォールデイングしたヒスチジンタグィ匕タンパク質のリガンド結合能の確認 リフォールデイングに成功したヒスチジンタグィ匕細胞外領域、もしくはヒスチジンタグ 化 CTLDを変性 LDLなどを検出するセンサーとして使用する目的で、表面ブラズモ ン共鳴により検出が可能な機器のセンサー部位へ各ヒスチジンタグィ匕タンパク質を固
定化し、実際のリガンドの結合を検討した。表面プラズモン共鳴装置としては、 BIAc ore杜製の BIAcoreを使用した。
[0509] (1. 1)実施例 19で調製した、リフォールデイングしたヒスチジンィ匕細胞外領域を BI ACOREのセンサーチップ上に、リガンド認識に関わる部分が外側を向くように固定 化した。具体的には、 NTAセンサーチップ(BIAcore社製)表面を、 0. 35M EDT Aを含む PBS (リン酸緩衝化生理食塩水)で洗浄後、 500 μ M NiClをインジェクト
2
して、センサーチップ上にタンパク質を固定ィ匕した。このチップ上に、実施例 1で調製 したヒスチジンタグ化 CTLDを固定化した。なお、固定化量は、 1000RU以下になる ように、インジェクトするタンパク質量を調整した。
[0510] (1. 2)変性 LDLとして、ァセチルイ匕 LDLおよび酸ィ匕 LDLを以下のように調製した
[0511] 酸化 LDLの調製:精製した LDLおよび硫酸銅の濃度がそれぞれ 3mgZmLおよ び 75 Mとなる様に調製した溶液を COインキュベーター内で 20時間インキュベー
2
トした。ついで EDTAを含有する 0. 15Mの塩化ナトリウム溶液にて透析し、酸化 LD Lを得た。
[0512] ァセチル化 LDLの調製:精製した LDLに対して最終濃度が 50%になるように酢酸 ナトリウム溶液を加え、 0°Cに冷却した。このとき全量を lmLにした。氷上で攪拌しな がら無水酢酸 1 μ Lを 10分間隔で 5回加えさらに 30分間冷却攪拌を続け反応を完結 させた。
[0513] (1. 3)受容体チップに対する各種 LDLの結合を、以下のとおりに検出した。流速 2 0 μ LZ分で、 LDLおよび変性 LDL (ァセチル化 LDLおよび酸化 LDL)を 2分間ィ ンジェタトして、センサーグラムの変化を記録した。表面プラズモン共鳴の原理を利用 した機器の場合、リガンドの結合をレゾナンスユニット: RUの増加を示すセンサーグ ラムの変化として検出することになる。その後、 1M NaCl PBS緩衝液 (pH7. 4)を 30秒間インジェタトし、結合した LDLを剥離することによって、センサーチップを再生 した。このサイクルを 5回繰り返し、センサーチップのベースラインおよびセンサーグラ ムの応答レベルが再現性よく安定していることを確認したうえで、センサーグラムの変 化から、結合定数および結合量を算出した。
[0514] その結果、本発明のリフォールデイング方法を用いてリフォールデイングされたヒス チジンタグ化 LOX— 1 CTLDは、酸化 LDLおよびァセチル化 LDLに対して、天然 の LOX— 1と同程度の親和性を有することが確認された。なお、リフォールデイングさ れた LOX— 1 CTLD二量体は、 LDLに対して、変性 LDLの場合よりも 2桁低い結 合能を示した。
実施例 23
[0515] (リフォールデイングしたタンパク質は二量体を形成する)
天然の LOX— 1タンパク質は、二量体を形成する。そこで、本発明のリフォールディ ング方法によってリフォールデイングした LOX— 1およびその改変体が二量体を形成 する力否かについて、ゲルろ過、 PAGE,および質量分析を用いて確認した。
[0516] (1)ゲルろ過による純度検定
微量精製用 HPLC (SMARTシステム、 Pharmacia社製)を用いて、 Superosel2 (Pharmacia社製)ゲルろ過カラムにより、分子量および純度の検定を行った。 20m Mリン酸緩衝液(pH7. 5)、400mM NaClで平衡化した Superosel2カラムに、平 衡化に使用した緩衝液と同一の緩衝液に溶解した、実施例2で調製したヒスチジンタ グ化 LOX— 1細胞外ドメインをアプライし、流速 20 LZ分での溶出パターンを 280η mの UV吸収によってモニターした。
[0517] (2)質量分析による純度検定
0. 1% TFA (トリフルォロ酢酸)溶液に溶解した実施例 1で調製したヒスチジンタグ 化 LOX— 1細胞外ドメインに、 0. 1TFAを含む 30%ァセトニトリル溶液中に溶解させ たシナピン酸溶液を混合した。その溶解した試料に対して、 MALDI— TOF質量分 析装置(Voyager Elite, Perspective Biosystems社製)による分析を行った。
[0518] (3)還元および非還元条件下での SDS— PAGE
本発明のリフォールデイング方法によって得られた LOX— 1タンパク質に 20% β - メルカプトエタノールを含む試料緩衝液(250mM Tris HC1、 pH6. 8、 8% SDS 、 20% スクロース、 0. 02% ブロモフエノールブルー(BPB) )をカ卩え、 100°Cで 5 分間煮沸した試料を、還元状態の試料とした。一方、上記の試料緩衝液から j8 -メル カプトエタノールを除 ヽた試料緩衝液を加えて、 30分間室温にぉ ヽて反応させた試
料を、非還元状態の試料とした。各々の試料を、 15%ポリアクリルアミドゲル電気泳 動後、クマシ一ブリリアントブルー (CBB)を用いて染色した。
[0519] (化学架橋実験)
リフォールデイング方法によって得られた LOX—1タンパク質溶液(300 μ g/m 50mM HEPES pH7. 5、 lOOmM NaCl、 3mM EDTA)に対して、化学架橋 剤 BS 3 (Pierce社製)を、 0. 2、 0. 4、 0. 8、 1. 6、 3. 2mMとなるように添カロし、室温 で 30分間架橋反応を行った。反応後すぐに、 SDS— PAGE用の試料緩衝液(250m M Tris HC1、 pH6. 8、 8% SDS、 20% スクロース、 0. 02% ブロモフエノール ブルー(BPB)、 20% β メルカプトエタノール)を添カ卩して、 100°Cで 5分間過熱し 、 15%ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った後、 CBB染色して、添加した化学架 橋の量に依存して増加する 2量体タンパク質の変化量を観測した。
[0520] この条件を、実施例 19に従って調製されたタンパク質において適用し、 CTLD-N ECK14の二量体界面部に存在するキヤビティー構造を明らかにした(図 16)。
[0521] 上記の条件で得られた結晶構造は、細胞表層上に存在する形を保持しているため に LOX— 1の二量体界面構造力もつ構造機能相関について詳細な議論が可能であ る。本発明者らは、細胞表層に発現された LOX - 1変異体の修飾 LDLに対する結合 活性を調べた結果、二量体界面部にある W150を Alaに置換した変異体力 修飾し DLに対する結合活性をほとんど失うことを見出した。 W150が二量体構造を規定す る分子間の水素結合ネットワークの中心に位置すること力も W150A変異体では二量 体界面構造が崩れ、その結果二量体中のサブユニット間の相対位置が変化し結合 活性の低下につながつたものと考えている。結晶構造中で、 W150の近傍にはァミノ 酸ひとつが入る程度の大きさをもつキヤビティーが存在して 、ることがわ力つた。 W1 50Aが修飾 LDLに対する活性を失ったことから、このキヤビティーに結合し、二量体 界面構造を崩すことを機作とする LOX— 1特異的な修飾 LDL結合阻害剤をデザイン することが可能と考えられる。すなわち、二量体界面部に存在するキヤビティーは LO X— 1阻害剤開発のための標的部位になると考えられる(図 16)。
実施例 24
[0522] (バーチャルスクリーニング)
市販の化合物のデータベース(FCD (Fine Chemical Directory)という商業ベースの 化学薬品データベース)より 1つずつ化合物を取り出し、コンピュータグラフィクス上 で実施例 19にお 、て調製した二量体 LOX— 1の活性部位の位置へ自動で近づけた 。エネルギーの最小化により、最適な方位で化合物を酵素に結合させた。このときの 安定ィ匕エネルギー Δ Gを計算し、最も Δ Gのマイナス値が大きな化合物を選定すると 、インヒビターとして好まし 、ィ匕合物を選定することができる。
実施例 25
[0523] (インビトロスクリーニング)
次に、実施例 13のバーチャルスクリーニングでインヒビターとして適切なものと判断 された化合物を実際にインビトロ系で実験することによってその活性を確認する。 LO X— 1アツセィは以下のとおり行う。
[0524] (LOX— 1アツセィ)
LOX— 1の活性を以下のようにアツセィする。
[0525] 実施例 8と同様にピオチンィ匕タグを N末端部分につけた実施例 19において示され る配列を有する LOX— 1をストレプトアビジンでコートされたマイクロタイタープレート 上に固定ィ匕する。へノ^ン採血により得られた血漿力 得られた LDL分画をそれぞ れのゥエルに分注して、阻害剤として適切なものと判断されたィ匕合物を各ゥエルに添 加した後に 4°Cで 1時間放置する。その後 0. 05%の Tween20-TBS (NaCl 140 mM, KCl, 2. 7mM, 25mM TrisHCl, pH 7. 4)で 3回洗浄した後、ビォチン化 した LOX— 1に対して量子ドット(Q— dot 525,住商バイオサイエンス株)で蛍光標 識した LOX— 1をカ卩えて 1時間 4°Cで放置した後に 0. 05% Tween20— TBSで 3回 洗浄した後にゥエルからの 525nmの蛍光を観測して蛍光強度の強さから、添加した 化合物がもつ酸ィ匕 LDLの LOX— 1への結合阻害能をモニターする。
[0526] (結果)
上記のアツセィの結果、実際に特定の物質力 ンヒビターとしてより好まし 、ことが 判明する。
[0527] このように、本発明を用いて、実際に、二量体を形成する LOX— 1の活性を調節す る分子を得ることができる。従って、本発明は、 LOX— 1の活性調節剤のスクリーニン
グのほか、その実際の調製にも使用することができることが実証される。 実施例 26
[0528] (動物モデルでの実証)
実施例 25において同定された LOX— 1の活性を調節する因子が動物モデルにお いて、有効であるかどうかを実証する。
[0529] 動脈硬化モデルマウスとして、(apoE— Z—)マウスを作製し、このモデルマウスにお いて、上記因子が有効であるかどうかを検証する。検証方法は、経口投与または静 脈投与によって、上記因子をマウスに量を振りながら投与し、その後動脈硬化が改善 したかどうかを、両手'両足の 4箇所の血圧を同時に測定し、四肢の動脈硬化 (血管 の硬さ、詰まり)の指標とすることによって確認する。
[0530] このような手法によって、二量体を形成するかしないモデルを用いて本発明の因子 によって動脈硬化が改善されるかどうかが確認される。
実施例 27
[0531] (NMR解析)
ァセチル化 LDL (acLDL)は酸化 LDL同様に LOX— 1を介してマクロファージに取 り込まれるなど、酸化 LDLと同様の生理作用を持つことが知られている。酸化 LDLが 脂質部位のみならず LDL粒子の表面を取り囲む apoBlOOタンパク質も酸化され、か つ、多様な酸ィ匕状態にあるために物理ィ匕学的な測定に用いるには、その化学的な不 均一性のために問題が多 、。一方同様な生理活性を示すァセチルイ匕 LDLは LDL 粒子表面にある apoBlOOタンパク質の Lys残基のみを選択にァセチル化することが 知られているために、物理ィ匕学的な計測には酸ィ匕 LDLのモデルとして良く用いられ る。
[0532] そこで、 LOX— 1をさらに解析するために、 NMR解析を行った。 NMRの解析は以 下のとおりに行った。
[0533] 測定に用いた LOX— 1 CTLDまたは CTLD— NECKは15 NH C1を窒素源とする
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M9最小培地で培養された LOX - 1 CTLDを発現する大腸菌から、上記実施例に おいて記載した巻き戻し法により得たものである。得られた15 N標識 LOX— 1 CTL Dタンパク質を 10mM Tris-HCl, pH 7. 5、 50mM NaClの組成を持つ緩衝液
に透析後 0. ImMの濃度になるように濃縮して NMR試料とした。 acLDLは巿販(Bi omedical Technologies, Inc.;)の acLDLを lOmM TrisHCl, pH 7. 5, 50m M NaClに透析後タンパク質定量により acLDLの濃度検定を行い LOX— 1 CTLD 溶液に添カ卩して NMR測定を行なった。測定は、 750MHz NMR分光器を用いて、 測定温度は 25°Cで行なった。
[0534] 15Nで均一に標識した LOX— 1のリガンド結合ドメイン(CTLD)に対してァセチル L DLを滴定した際の NMRシグナル変化の様子を示す。解析にもち 、て 、る 2次元ス ベクトルは1 H— 15N HSQCスペクトル(HSQC、 Heteronuclear Single Quantu m Coherence spectroscopy)であり、 2次元スペクトル上に観測されるシグナル はタンパク質中の 1つ 1つのアミノ酸残基の主鎖アミド基に由来する。ここで観測され ている個々の NMRシグナルは全てタンパク質中のどのアミノ酸に由来するか帰属が ついているので、例えば、タンパク質に結合する化合物を NMR試料溶液中に入れ ることで変化が誘導される NMRシグナルから、どのアミノ酸残基が化合物と結合した かを同定することができる。ここで示す実験では、 acLDLが巨大な粒子であるために LOX— 1が acLDLと結合することにより、結合部位に存在する NMRシグナルには大 きな強度の低下が観測された。 acLDL滴定に伴う HSQCスペクトル上の NMRシグ ナル変化力 LOX— 1の acLDLへの結合に関与する部位 (結合に関与して 、るアミ ノ酸残基)を同定することが可能である。
実施例 28
[0535] (フアルマコフォアモデルの構築)
酸化 LDLの添カ卩により1 H—15N HSQCスペクトル上で変化が誘導される NMRシ ダナルカも LOX— 1のどのアミノ酸残基が酸ィ匕 LDLの結合に関与しているかを特定 することができる。 NMR解析の結果特定されたアミノ酸残基カゝらなる結合ポケットを 形成する化学的特定を図 7に示す LOX— 1の立体構造から抽出することができる。 L OX— 1のもつ活性ポケットが示す立体構造およびィ匕学的特性の空間的な配置に対 して相補的な相互作用をする表面を持つリガンド表面特性をフアルマコフォアという。 LOX— 1の活性ポケットの立体構造力も特定されるリガンドが持つべき表面特性 (ファ ルマコフォア)は例えば MOEの Alpha Site Finderというソフトウェアを利用してモ
デルィ匕できる。 Alpha Site Finderにより立体構造上に特定された活性ポケット上 にダミー原子を配置して、各ダミー原子が受容体の活性ポケット全体からどのような 静電相互作用を受けるかを解析することで、各ダミー原子の位置が acceptorあるい は donorの 、ずれが存在するかを判定することができる。ここで算定されたポテンシ ヤノレをもとにして alpha siteを acceptorZdonorZhydrophobicの 3つの領域に分 けてそれぞれのダミー原子をクラスタリングする。それぞれの化学的特性を共通として 持つクラスターの中心に featureを定義する。この中心の位置からの排除体積を定義 しフアルマコフォアをモデル化する。
実施例 29
[0536] (フアルマコフォアモデルを利用した化合物のスクリーニング)
実施例 28で構築されたフアルマコフォアモデルで特定される化学的特定に一部で も合致する化合物をデータベース力 抽出する。抽出された化合物は例えば生物分 子工学研究所で開発された分子動力学プログラム PRESTを用いてマルチカノ-力 ル分子動力学計算 (MD)により LOX-1活性ポケット側の立体構造変化およびリガン ド側の立体構造変化も考慮した形で複合体構造を計算する。高温状態での分子動 力学計算に続いて徐冷法により 300Kにおける安定なリガンドタンパク質複合体構造 を計算する。ここで得られる複合体の安定構造エネルギーの大きさにより LOX— 1の 活性ポケットに強く結合する化合物の構造を決定する。同様なスクリーニングは MO E—Ph4— Dockなどのプログラムを用いても実行できる。
実施例 30
[0537] (フアルマコフォアモデルを利用した化合物を用いた疾患の処置)
実施例 28において得られたフアルマコフォアモデルによって構築された化合物を 用いて、実施例 26にお 、て示されるような実験モデルを用いて疾患を治療できるか どうかを実証する。動脈硬化モデルマウスとして、(apoE— Z—)マウスを作製し、この モデルマウスにおいて、上記因子が有効であるかどうかを検証する。検証方法は、経 口投与または静脈投与によって、上記因子をマウスに量を振りながら投与し、その後 動脈硬化が改善したかどうかを、両手 ·両足の 4箇所の血圧を同時に測定し、四肢の 動脈硬化 (血管の硬さ、詰まり)の指標とすることによって確認する。
[0538] このような手法によって、本発明の因子によって動脈硬化が改善されるかどうかが 確認される。
[0539] 以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきた力 本発 明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求 の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、 本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に 基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引 用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載さ れているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであるこ とが理解される。
産業上の利用可能性
[0540] 本発明の方法によって得られた高解像度の結晶を解析することによって、 LOX-1 の活性の調節を行うことができる化合物をスクリーニングすることができ、その結果、 循環器系疾患のための治療剤を設計することが可能になる。