明 細
対象物質導入用組成物及び対象物質導入方法 技術分野
本発明は、 ペプチド、 ペプチドホルモン、 蛋白質、 核蛋白質、 核 酸、 核酸の誘導体、 必須アミノ酸、 必須脂肪酸、 ビタミン又は低分 子医薬品等の対象物質を導入するための対象物質導入用組成物及び それを用いる対象物質の導入方法に関する。 詳しくは、 全身性疾患 等の広範囲にわたり発症する疾患等の治療、 症状改善、 疾患の機構 の研究等に用いうる対象物質導入用組成物及び広範囲の導入対象部 位に対して、 効率よく対象物質を導入する対象物質導入方法に関す る。 背景技術
対象物質を導入する場合、 分子量の小さな物質であれば、 対象物 質そのものを溶解液に溶かす等の方法が採られている。 遺伝子の場 合、 付着培養細胞では、 エレク ト口ポレーシヨン、 リン酸カルシゥ ム法ゃ D E A Eデキス トラン法等により、 対象物質を導入すること が可能であるが、 浮遊細胞や / で個体に投与する場合には、 対象物質そのものを溶解液に溶かすだけでは細胞に対象物質を導入 するのが困難であるため、 導入遺伝子を効率よく導入する担体が必 要である。対象物質を導入するための担体として、ウィルスベクター と非ウィルスベクターが知られている。 ウィルスベクターは、 ウイ ルスゲノムの一部を発現させたい外来遺伝子に置換して細胞に導入 するため、 発癌の可能性がある、 免疫 ·炎症反応を惹起する可能性 がある、 細胞毒性がある等の指摘がなされている。 非ウィルスべク ターとしては、リボソーム、 H V J人工ウィルスが知られているが、 ウィルスベクターと比較して導入効率は低いものが多い。 H V J人
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2 ェウィルスは、 リボソームに比較して、 血清成分による活性低下が 無く安全性が高いものである。 また、 リボソームはサイズの大きい 蛋白質や DN Aの導入が困難であるのに対して、 HV J人工ウィル スはサイズの大きい蛋白質や DN Aの導入が可能であるという特徴 を有する。 また、 極微量であれば、 導入担体がなくても、 対象物質 を細胞内に導入することは可能であるが、 細胞内に導入された対象 物質が、 実際に機能を果たしうる量にまで導入効率を^めるために は、 化学的な脱毛を行う、 超音波をかける、 tape strippingを行う 等の非生理的処理を施すことが必要になり、 多くの場合、 生体の組 織や細胞に損傷を伴った。
ウィルスベクターによる経皮的遺伝子導入方法が、 例えば、 特 開 20 0 1— 1 1 24 7 5号公報ゃ特開 2 0 0 1— 2 8 6 2 8 2号 公報に記載されている。 また、 リボソームを担体として対象物質を 経皮的に導入する方法が、 例えば、 特表 2 0 0 2— 5 1 5 8 5 6号 公報に記載されている。 また、 HV J リボソームを経皮的に導入す ることについては、 例えば、 日本研究皮膚科学会第 2 6回年次学術 大会で発表されている。 しかしながら、 生体適合性組成物を使用す ることや HV Jエンベロープベクターを担体とする対象物質の経組 織導入については、 未だ知られていない。
本発明は、 対象物質と生体適合性組成物とからなる対象物質導入 用組成物及び対象物質導入方法に関するものである。 全身性疾患等 の広範囲にわたり発症する疾患等の治療、 症状改善、 疾患の機構の 研究等に用いうる対象物質導入用組成物及び広範囲の導入対象部位 に対して、 安全かつ簡便に対象物質を効率よく導入することが可能 な、 対象物質の導入方法に関するものである。
例えば、 全身性疾患に関して、 色素性乾皮症 (X P) は、 ヌク レ ォチド除去修復酵素の機能欠損等を特徴とする常染色体性劣性遺伝 性疾患であり、 日光過敏、 色素斑 ·脱色素斑の増加、 皮膚の萎縮、 多発性日光角化症等をもたらす。 また、 前記色素性乾皮症において は、 露光部位に高率に悪性腫瘍が発生する。
現在、 前記色素性乾皮症の治療として、 理論的には、 欠損遺伝子 を補充するのが最適であるが、 現在は、 かかる治療に適した方法の 開発は進んでおらず、 根本的な治療法といえるものはなく、 遮光、 生じた皮膚癌の切除等対症療法しか行われていないのが現状である t 本発明は、広範囲の領域にぺプチド、ぺプチドホルモン、蛋白質、 核蛋白質、 核酸、 核酸の誘導体、 必須アミノ酸、 必須脂肪酸、 ビタ ミン、 低分子医薬品等の導入対象物質を効率よく導入するための手 段を提供することを目的とする。 また、 本発明は、 全身性疾患等の 広範囲にわたり発症する疾患等の治療、 症状改善、 疾患の機構の研 究を可能にする手段を提供することを目的とする。 具体的には、 本 発明の第 1の目的は、 全身性疾患等の広範囲にわたり発症する疾患 等の治療、 症状改善、 疾患の機構の研究に用いうる対象物質導入用 組成物を提供することにある。 即ち、 広範囲の導入対象部位に対し て、 効率よく対象物質を導入することが可能な対象物質導入用組成 物、 具体的には、 遺伝子、 酵素、 抗体、 サイ トカイン (シグナル伝 達物質)、成長因子、低分子医薬品等を含有する導入用組成物である。 また、 本発明の第 2の目的は、 広範囲の導入対象部位に対して、 簡 便に、 効率よく対象物質を導入することができる対象物質導入方法 を提供することにある。 発明の開示
本発明の基本は、 対象物質と生体適合性組成物とからなる対象物 質導入用組成物であり、 対象物質の導入方法である。 ここで、 対象 物質は、 導入対象のペプチド、 ペプチドホルモン、 蛋白質、 核蛋白 質、 核酸、 核酸の誘導体、 必須アミノ酸、 必須脂肪酸、 ビタミ ン又 は低分子医薬品であり、 対象物質導入用組成物は、 前記対象物質及 ぴ生体適合性組成物からなるものである。 そして、 担体として H V jエンベロープベクターを含有するものであり、 更に、 前記対象物 質を封入した H V Jエンベロープべクターを含有するものである。 即ち、本発明の要旨は、導入対象のぺプチド、ぺプチドホルモン、
蛋白質、 核蛋白質、 核酸、 核酸の誘導体、 必須アミノ酸、 必須脂肪 酸、 ビタミン及び低分子医薬品からなる群から選択される少なく と も一種並びに前記べプチド、ぺプチドホルモン、蛋白質、核蛋白質、 核酸、 核酸の誘導体、 必須アミノ酸、 必須脂肪酸、 ビタ ミ ン及び低 分子医薬品からなる群から選択される少なく とも一種を組織に保持 し、 又は保持し更に導入し得る生体適合性組成物を含有する、 対象 物質導入用組成物であり、導入対象のぺプチド、ぺプチドホルモン、 蛋白質、 核蛋白質、 核酸、 核酸の誘導体、 必須アミノ酸、 必須脂肪 酸、 ビタミン及び低分子医薬品からなる群から選択される少なく と も一種、 H V Jエンベロープベクター並びに前記ペプチド、 ぺプチ ドホルモン、 蛋白質、 核蛋白質、 核酸、 核酸の誘導体、 必須アミノ 酸、 必須脂肪酸、 ビタ ミ ン、 低分子医薬品及ぴ H V J エンベロープ ベクターからなる群から選択される少なく とも一種を組織に保持し、 又は保持し更に導入し得る生体適合性組成物を含有する、 対象物質 導入用組成物であり、
導入対象のペプチド、 ペプチドホルモン、 蛋白質、 核蛋白質、 核 酸、 核酸の誘導体、 必須アミノ酸、 必須脂肪酸、 ビタ ミ ン及ぴ低分 子医薬品からなる群から選択される少なく とも一種を封入した H V Jエンベロープべクター並びに前記ぺプチド、 ぺプチドホノレモン、 蛋白質、 核蛋白質、 核酸、 核酸の誘導体、 必須アミノ酸、 必須脂肪 酸、 ビタ ミ ン、 低分子医薬品及び H V Jエンベロープベクターから なる群から選択される一種を組織に保持し、 又は保持し更に導入し 得る生体適合性組成物を含有する、 対象物質導入用組成物である。 尚、 「ペプチド、 ペプチドホルモン、 蛋白質、 核蛋白質、 核酸、 核酸 の誘導体、 必須アミノ酸、 必須脂肪酸、 ビタ ミ ン、 低分子医薬品」 等の対象物質を説明の都合上、 以下 (T ) と略称する。
生体適合性組成物には、 ムコ多糖又はその塩類を含有させること ができる。 ムコ多糖は、 具体的には、 ヒアルロン酸、 キチン、 コロ ミ ン酸、 コンドロイチン、 デルマタン硫酸、 コン ドロイチン 4 ー硫 酸やコン ドロイチン 6—硫酸等のコン ドロイチン硫酸、 へパリ ン、
ケラタン硫酸、 へパラン硫酸、 タイク ロン酸等を好適に使用するこ とができ、 ムコ多糖の塩は、 具体的には、 ヒアルロン酸、 キチン、 コロミン酸、 コンドロイチン、デ /レマタン硫酸、 コンドロイチン 4— 硫酸ゃコンドロイチン 6—硫酸等のコンドロイチン硫酸、へパリン、 ケラタン硫酸、 へパラン硫酸、 タイク ロン酸等の塩を好適に使用す ることができる。 また、 その p Hは、 p H 3〜 9 . 0であることが 好ましい。
核酸又は核酸の誘導体は、 D N A、 R N A、 ペプチド核酸、 ヌク レオチドアナログ含有核酸等及びこれら核酸を組み込むプラスミ ド ベクターからなる群より選択された少なく とも一種とすることがで きる。
更に、 以上述べた対象物質導入用組成物を投与することにより対 象物質を組織や細胞に導入する対象物質導入方法である。
本発明の対象物質導入用組成物は、 対象物質 (T ) の内少なく と も 1種及び生体適合性組成物を含有してなる対象物質導入用組成物 であり、 対象物質 (T ) の内少なく とも 1種、 H V Jエンベロープ ベクター等の担体及び生体適合性組成物を含有してなる対象物質導 入用組成物であり、 対象物質 (T ) の内少なく とも 1種を封入した H V Jエンベロープべクタ一等の担体及ぴ生体適合性組成物を含有 してなる対象物質導入用組成物である。
そして、 導入対象の 「核酸又は核酸の誘導体」 は、 D N A、 R N A、 ペプチド核酸、 ヌクレオチドアナログ含有核酸等及びこれら核 酸を組み込んだプラスミ ドベクター等であり、前記「導入対象のぺプ チド」 としては、長鎖べプチド、 非天然型ァミノ酸含有べプチド、 リ ン酸化ペプチド、 分子内 S— S結合型ペプチド、 多抗原性ペプチド
(MAP) , キャリアー蛋白結合ペプチド、 カリク レイン、 サブスタ ンス P、 ブラジキニン、 カリジン、 コ レシス トキニン、 ニューロぺ プタイ ド、 グラミジン、 コリスチン、 ポリ ミキシン、 ォキシトシン、 バソプレシン、セクレチン、糖の消化管べプチド、抗菌べプチド(ディ フェンシン: Defensin, hepcidin: Liver- Expressed Antimicrobial
Peptide 1等)、 細胞死拮抗因子 (ヒユーマニン: Hmnanin等)、 血管 収縮べプチ ド(ェ ン ドセ リ ン : Endothelin-I, ゥ ロ テ ン シ ン: Urotensin-Π等)、 内因性成長ホルモン分泌促進ぺプチド(活性型 ダレリ ン: Active Ghrelin等)等であり、 導入対象の 「蛋白質」 は、 X P A遺伝子産物、 種々の D N A損傷修復酵素、 スーパーォキシド デイスムターゼ、 カタラーゼ、 グルタチオン、 ペルォキシダーゼ、 ペルォキシレドキシン等の酵素、 b 1 2等の抗体、 I FN— a、 I FN— γ、 I F N— ] 3、 I L一 2等のサイ ト力イン及びその抗体、 E G F、 NGF等の成長因子、 トリ ョー ドサイロニン (T 3)、 サイ ロキシン (Τ 4) 等であり、 導入対象の 「必須アミノ酸」 は、 メチ ォニン、 スレオニン、バリン、 トリプトファン、 フエ二ルァラニン、 ロイシン、 イソロイシン、 リジン、 ヒスチジン等であり、 導入対象 の 「必須脂肪酸」 は、 αリノ レン酸、 エイコサペンタエン酸 (Ε Ρ Α)、 ドコサへキサェン酸 (DHA)、 リ ノール酸、 γ リノ レン酸 (G LA)、 ァラキ ドン酸等であり、 導入対象の 「ビタミン」 と しては、 ビタミン A 1 (レチノール)、 ビタミン A 2 (3 -デヒ ドロレチノ一 ノレ)、 ビタミン A 3、 ビタミン D2 (ェルゴカルシフエロール)、 ビ タミン D3 (コレカルシフエロール)、ビタミン£ (トコフェローノレ)、 ビタミン F (リ ノール酸、 リ ノ レン酸)、 ビタミン K 1 (フイロキノ ン)、 ビタミン K 2 (フアルノキノン)、 ビタミン U等の脂溶性ビタ ミン及びその誘導体、 ビタミン B 1 (チアミン)、 ビタミン B 2 (リ ボフラビン)、 ビタミン B 6 (ピリ ドキシン)、 ニコチン酸、 ニコチ ン酸ァミ ド、 パントテン酸、 ビタミン H (ビォチン)、 葉酸、 ビタミ ン B 1 2 (シァノコパラミン)、コリ ン、イノシッ ト、 ビタミン L 1、 ビタミン L 2、 ビタミン B 1 3、 ビタミン B T (カルニチン)、 リポ 酸 (チォク ト酸)、 ビタミン B 1 4、 ビタミン B 1 5、 パラアミノ安 息香酸、 ビタミン C (ァスコルビン酸)、 ビタミン P等の水溶性ビタ ミン及びその誘導体、 ]3カロテン、 エルゴステロール、 7—デヒ ド ロコレステロール等のプロビタミン及ぴそれらの誘導体、ビタミン、 プロビタミンの誘導体としては、メチルアルコール、ェチルアルコー
ル、 リン酸、 酢酸、 塩酸、 パルミチン酸、 ロダン酸等のエステル類、 ナト リ ウム、 カリ ウム、 力 シゥム、 マグネシウム、 アルギニン、 リジン、 塩酸、 リ ン酸、 硝酸、 セチル硫酸、 ナフタレンジスルホン 酸等の塩類等、 ァスコルビン酸 2—ダルコシド等の安定型ビタミン C等が挙げられる。
生体適合性組成物は、 対象物質を組織に保持し、 更には、 細胞に 導入しうるヒアノレロン酸、 キチン、 コロミン酸、 コンドロイチン、 デルマタン硫酸、 コンドロイチン硫酸 (コンドロイチン 4一硫酸、 コンドロイチン 6—硫酸等)、 へパリ ン、 ケラタン硫酸、 へパラン硫 酸、 タイクロン酸等のムコ多糖、 これらのムコ多糖の塩等を含有す るものである。
本発明は、 X Ρ Α遺伝子を含むプラスミ ドベクターや X P A遺伝 子を含むプラスミ ドベクターを封入した H V J エンベロープべク ターを含有したヒアルロン酸ナトリ ゥム溶液を、 X P Aマウスの皮 膚に塗布することにより、 前記 X P A遺伝子がマウスの細胞に導入 され、 該遺伝子のもつ機能が発現する、 即ち、 U V B照射下におい ても、 サンバーン細胞の発生が抑制され、 かつ D N A修復能を回復 し、 更には紫外線誘発皮膚腫瘍の形成を抑えるという本発明者らの 驚くべき知見に基づく。 更に、 X P A遺伝子及ぴ H V Jェンベロー プべクターを含有したヒアルロン酸ナトリ ゥム溶液についても同様 の効果を得たという知見に基づく。
本発明の対象物質導入用組成物の中心物質である対象物質は、 導 入対象のペプチド、 ペプチドホルモン、 蛋白質、 核蛋白質、 核酸、 核酸の誘導体、 必須アミノ酸、 必須脂肪酸、 ビタミン又は低分子医 薬品等である。 この対象物質は、 ペプチド、 ペプチドホルモン、 蛋 白質、核蛋白質、核酸、 核酸の誘導体、 必須ァミノ酸、 必須脂肪酸、 ビタミン又は低分子医薬品そのものの形態で使用することができる し、 ペプチド、 ペプチドホルモン、 蛋白質、 核蛋白質、 核酸、 核酸 の誘導体、 必須アミノ酸、 必須脂肪酸、 ビタミン又は低分子医薬品 等と H V Jエンベロープベクターと混合使用することもできるし、
更には、 ペプチド、 ペプチドホルモン、 蛋白質、 核蛋白質、 核酸、 核酸の誘導体、 必須アミノ酸、 必須脂肪酸、 ビタミン又は低分子医 薬品等を H V Jエンベロープべクターに封入したものを使用するこ ともできる。 これらの対象物質は、 適切な緩衝液等の溶液に溶解さ れていてもよレ、。
本発明の対象物質導入用組成物の導入対象部位としては、例えば、 皮膚、 粘膜、 肝臓、 腎臓、 肺、 膝臓、 脳、 消化管、 血管、 膀胱、 子 宫、 卵巣、 脾臓、 胸腺、 副甲状腺、 甲状腺、 唾液腺、 耳下腺、 顎下 腺、 リンパ節等が挙げられる。 適用方法としては、 皮膚、 粘膜 (口 腔、 眼、 消化管、 鼻、 気道、 肛門) 等への外用、 内服、 静脈注射、 筋肉注射、 皮下注射、 カテーテル等の補助器具を用いて組織への局 所投与、 手術部位への適用等が挙げられる。 図面の簡単な説明
第 1図は、 対象物質を含むが担体及び生体適合性組成物を含まな い組成物をマウスに皮膚塗布により投与した場合の低線量の紫外線 誘発皮膚腫瘍の状況を示す図である。 第 2図は、 対象物質、 生体適 合性組成物としてヒアルロン酸ナトリ ゥム及び担体として H V Jェ ンべロープべクターを含む組成物をマウスに皮膚塗布により投与し た場合の低線量の紫外線誘発皮膚腫瘍の状況を示す図である。 第
3図は、 対象物質及び生体適合性組成物としてヒアル口ン酸ナトリ ゥムを含むが担体を含まない組成物をマウスに皮膚塗布により投与 した場合の低線量の紫外線誘発皮膚腫瘍の状況を示す図である。 第 4図は、 対象物質、 生体適合性組成物としてヒアルロン酸ナトリ ウ ム及び担体として H V Jエンベロープべクターを含む組成物をマゥ スに皮下注射により投与した場合の低線量の紫外線誘発皮膚腫瘍の 状況を示す図である。 第 5図は、 対象物質及び生体適合性組成物と してヒアルロン酸ナトリ ゥムを含むが担体を含まない組成物をマゥ スに皮膚塗布により投与した場合の中等量の紫外線誘発皮膚腫瘍の 状況を示す図である。 第 6図は、 対象物質を含むが生体適合性組成
物及び担体を含まない組成物をマウスに皮膚塗布により投与した場 合の中等量の紫外線誘発皮膚腫瘍の状況を示す図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。但し、本発明はか かる実施形態に限定されるものではない。
前記 「導入対象の核酸」 としては、 特に限定されないが、 前記「導 入対象の蛋白質」 をコードする核酸、 リボザィム、 p 5 3、 R b、 P T C H等の癌抑制遺伝子、 遺伝子欠損性疾患若しくは遺伝子変異 を原因とする疾患の原因遺伝子、 I F N— α、 I F Ν - , I F Ν 一 β、 I L _ 2等のサイ ト力イン遺伝子等が挙げられる。
前記 「遺伝子欠損性疾患若しくは遺伝子変異を原因とする疾患」 及ぴ原因遺伝子として、 例えば、
栄養障害型表皮水疱症(Dystrophic EB): COL7A1等、
接合部型表皮水疱症(Junctional EB): LAMA3、 LAMB 3, LAMC2 等、
全身性萎縮性良性表皮水疱症(GABEB): COL17A1等、
表皮水疱症—幽門閉鎖症 (EB-PA) : ITGA6、 ITGB4等、
先天性幽門閉鎖症—接合部型 E B症候群 (PA-JEA) : ITG a 6、 ITG j3 4等
表皮水疱症一筋ジス ト口フィー(EB-MD): PLEC1等、
単純型表皮水疱症(EB-simplex): KRT5、 KRT14等、
外胚葉性形成異常 皮膚脆弱症 (EDA/skin fragility): PLP1等、 表皮剥離性角質増加症(Epidermolytic hyperkeratosis) : KRT1、 KRTIO等、
表皮剥離性掌躕角皮症 (Epidermolytic PPK) : KRT9等、
非表皮剥離性掌躕角皮症(Nonepidermolytic PPK) : KRT16等、 ボーヴィンケル症候群(Vohwinkel's syndrome) : LOR, GJB2等、 魚鱗癬中毒水疱症(Ichthyosis bullosa Siemens): KRT2e等、
1型及び 2型先天性硬爪症(Pachonychia congenita type 1 and 2):
KRT 6 a , 16、 17等、
伴性魚鱗癬 (X-linked ichthyosis) : STS等、
葉状魚鱗癬 (Lamellar ichthyosis) : TGM1等、
難聴併発掌躕角皮症 (PPK with deaf ness) : GJB2等、
変異性紅斑角皮症(Erythrokeratoderma variabilis) : GJB3等、 ダリエー病(Darier's disease) : ATP2A2等、
横紋掌摭角皮症 (Striate PPK) : DSP等、
横紋角皮症(Striate keratoderma) : DSG1等、
先天性無毛症(Congenital atrichia) : HR等、
連珠毛(Monilethrix) : hHBl、 hHB6等、
ヮーノレデンブノレグ症候群(Waardenburg syndrome) : PAX 3等、 白皮症 [Albinism (different forms)] : TYR、 TYRP- 1、 O CA2、 OA1 等、
ティーッヱ症候群(Tierz syndrome) : MITE等、
へノレ マ ン ス キ一一 /く ド ラ ッ ク 症候群 (Hermansky-Pudlak syndrome) : HPS等、
赏髓' teプロ ト ノレフィ リ ン症 (Erythropoietic protoporphyria) : FECH等、
先 天性骨髄性 ポ ル フ ィ リ ン 症 (Congenital erythropoietic porphyria) : UR0S等、
家族性晚発性皮膚ポルフィ リ ン症(Familial porphyria cutanea tarda) : URO -D 等、
異型ポルフィ リン症 (Variegate porphyria) : PPO等、
色素性乾皮症(Xeroderma pigmentosum) : XPA、 XPB、 XPC、 XPD、 XPE、 XPG、 XPF、 XPV等、
コケィン症候群: CSA、 CSB 等
母 斑 性 基底 細 胞 癌 症 候群 (Nevoid basal cell carcinoma syndrome) : PTCH等、
ポィ ッ ― ィ エ ーガーズ症候群 (Peutz-Jeghers syndrome) : STK11/LKB1等、
コーデン症候群(Cowden syndrome): PTEN等、
ノ、ンナヤン一ゾ一ナ一ナ症 群 (Bannayan-Zonana svndrome) : PTEN等、
硫黄欠乏性毛髪発育異常症 (Trichothiodystrophy): XPB、 XPD等、 フアプリ一病(Fabry's disease): GLA等、
毛細血 拡張性運動失調(Ataxia telangiectasia): ATM等、 遺 伝 性 出 血 性 毛 細 血 管 拡 張 症 (Hereditary hemorrhagic telangiectasia): ENG、AL Κ·1等
が挙げられ、 また、 これらの遺伝子を組み込むプラスミ ドベクター が挙げられる。
前記 「導入対象の核酸又は核酸誘導体」 は、 DNA、 RNA、 ぺ プチド核酸、 ヌクレオチドアナログ含有核酸等及ぴこれら核酸を組 み込むプラスミ ドベクターから選択される少なく とも一種である。 前記核酸を組み込むプラスミ ドベクターとしては、 導入対象の部 位等に応じて適宜選択することができ、例えば、 p CAGG S、 p c DNA 3、大腸菌用プラスミ ド〔例えば、 p UC 1 8、 PUC 1 9、 p B R 3 2 2 , p B l u e s c r i p t I I (登録商標 ; ス トラ タジーン社製)、 p ET、 p CAL、 p B l u e s c r i p t Am P (登録商標 ; ス トラタジーン社製)〕、 真核細胞用ベクター (P C MV- S c r i p t (登録商標; ス トラタジーン社製)、 p CMV— T a g、 p B K— CMV、 p BK— R S V、 p i— R ED 1、 p E S P、 p E S C)、 コス ミ ド (p AT 5、 p WE 1 5 ) 等が挙げられ る。
前記「導入対象のペプチ ド」 としては、特に限定されないが、 例え ば、長鎖ぺプチド、 非天然型ァミノ酸含有べプチド、 リン酸化べプチ ド、 分子内 S― S結合型ぺプチド、 多抗原性ぺプチド (MAP)、 キヤ リア一蛋白結合ペプチド、 カリク レイン、 サブスタンス P、 ブラジ キニン、 カ リ ジン、 コ レシス トキニン、 ニューロぺプタイ ド、 グラ ミジン、 コ リ スチン、 ポリ ミキシン、 ォキシ トシン、 ノ ソプレシン、 セク レチン、 等の消化管ペプチド、 抗菌ペプチ ド(ディフェ ンシ
ン: Defensin, hepcidin: Liver- Expressed Antimicrobial Peptide 1 等)、 細胞死拮抗因子 (ヒユーマニン: Humanin等)、 血管収縮ぺプ チド(エン ドセリ ン: Endothelin-I, ゥロテンシン: Urotensin-Π等)、 内因性成長ホルモン分泌促進ぺプチ ド(活性型グレリ ン: Active Ghrelin等)等が挙げられる。
前記「導入対象の蛋白質」としては、特に限定されないが、 例えば、 X P A遺伝子産物、 種々の D N A損傷修復酵素、 スーパーォキシド ジスムターゼ( S O D )、カタラーゼ、グルタチオン、ペルォキシダー ゼ、 ペルォキシレ ドキシン、 b 1 2等の抗体、 I F N— a、 I F N 一 y、 I F N— j3、 I L一 2等のサイ トカイン及ぴその抗体、 E G F、 N G F等の成長因子が挙げられる。 低分子医薬品としては、 力 テキン、 タンニン、 アントシァニン、 ケルセチン、 イソフラボン、 ルチン等のポリフエノール、 ルティン等の抗酸化剤、 グリチルレチ ン酸、 グルチルレチン酸等の消炎剤、 カイニン酸等の駆虫薬、 タン ニン酸等の収れん薬、 ァセトアミノフヱノン等の鎮痛剤、 カフヱイ ン等の強心利尿剤、 リ ドカイン等の局所麻酔薬、 パルピタール等の 睡眠剤、 アスピリ ン、 アンチピリ ン等の解熱、 鎮痛剤、 バンコマイ シン、 S—ガラク トシダーゼ (ぺニシリ ウム)、 メチシリ ン等の抗生 物質、ヒノキチオール等の抗菌剤、ラタッロース等の代謝性医薬品、 シギトキシン等の強心配糖体、 吉草酸べタメサゾン、 酪酸ヒ ドロコ ルチゾン、 酢酸コルチゾン、 酢酸プレドニゾロン等の抗炎症剤、 ァ 口プリノール等の抗痛風薬、 カルビドパ等の抗パーキンソン病用配 合剤、 金チオリンゴ酸ナトリ ウム、 糖質コルチコィ ド等の抗リ ゥマ チ薬、 P G E 1、 P G E 2 α等のプロスタグランジン、 ェピネフィ リン等の交感神経興奮薬、 硫酸キニーネ等の抗マラリャ薬、 クロ口 フィル等の葉緑素、 ト リ ョードサイロニン(Τ 3 )、サイロキシン(Τ
4 ) 等の低分子ホルモン、 y —オリザノール等のホルモン様作用物 質等が挙げられる。
また、 前記「導入対象の核蛋白質」としては、特に限定されないが、 例えば、 R N A核蛋白、酸性核蛋白、 可溶性核蛋白、 F o s蛋白 (癌
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13 遺伝子)、 P Q B P— 1 (ポリグルタミン配列に結合する)、 N P 9 5、 P CNA、 トポイソメラーゼ I、 R N Aポリイソメラーゼ I、 UB F (upstream binding factor), フイブラリ ン、 ヌクレオン、 ヌク レオホスミン等が挙げられる。
ペプチ ドホルモンと しては、 色素細胞刺激ホルモン a M S H
(melanocyte stimulating hormon、メラノ トロピン)力 S挙けられ、 必須アミノ酸と しては、 メチォニン、 スレオニン、 パリン、 トリプ トフアン、 フエ二/レアラニン、 ロイシン、 イソロイシン、 リジン、 ヒスチジン等が挙げられ、 必須脂肪酸としては、 ひリ ノ レン酸、 ェ ィコサペンタエン酸 (E PA)、 ドコサへキサェン酸 (DHA)、 リ ノール酸、 V リ ノ レン酸(G LA)、ァラキ ドン酸等が挙げられ、 「ビ タミン」 としては、 ビタミン A 1 (レチノール)、 ビタミン A 2 (3 - デヒ ドロレチノ一ル)、 ビタミン A 3、 ビタミン D2 (ェルゴカルシ フェローノレ)、 ビタミン D 3 (コレカノレシフェ口一ル)、 ビタミン E (トコフエロール)、 ビタミン F (リ ノール酸、 リ ノ レン酸)、 ビタ ミン K 1 (フイロキノン)、 ビタミン K 2 (フアルノキノン)、 ビタ ミン U等の脂溶性ビタミン及びその誘導体、 ビタミン B 1 (チアミ ン)、 ビタミン B 2 (リボフラビン)、 ビタミン B 6 (ピリ ドキシン)、 ニコチン酸、 ニコチン酸ァミ ド、 パントテン酸、 ビタミン H (ビォ チン)、 葉酸、 ビタミン B 1 2 (シァノコパラミン)、 コ リン、 イノ シッ ト、 ビタミン: L 1、 ビタミン L 2、 ビタミン B 1 3、 ビタミン B T (カルニチン)、 リポ酸 (チォク ト酸)、 ビタミン B 1 4、 ビタ ミン B 1 5、 パラアミノ安息香酸、 ビタミン C (ァスコルビン酸)、 ビタミン P等の水溶性ビタミン及びその誘導体、 βカロテン、 エル ゴステロール、 7—デヒ ドロコレステロール等のプロビタミン及ぴ それらの誘導体、 ビタミン、 プロビタミンの誘導体としては、 メチ ルアルコール、 エチルアルコール、 リ ン酸、 酢酸、 塩酸、 パルミチ ン酸、 ロダン酸等のエステル類、 ナト リ ウム、 カリ ウム、 カルシゥ ム、 マグネシウム、 アルギニン、 リジン、 塩酸、 リ ン酸、 硝酸、 セ チル硫酸、ナフタレンジスルホン酸等の塩類等、ァスコルビン酸 2―
ダルコシド等の安定型ビタミン C等が挙げられる。
本発明の対象物質導入用組成物における前記対象物質の含有量は, 導入部位において、 該対象物質の機能を発揮しうる範囲であればよ く、 例えば、 対象物質が、 核酸又は核酸の誘導体又は核酸又は核酸 の誘導体を封入した HV Jエンベロープベクターである場合、 例え ば、 前記含有量と しては、 使用時の濃度としては、 本発明の対象物 質導入用組成物中に、 1. 0 X 1 0— 9重量%〜 9 9. 9重量%、 好 ましくは、 1 . 0 X 1 0— 6重量%〜 9 9重量%、 より好ましくは、 1 . 0 X 1 0— 5重量%〜 9 5重量%配合するのがよい。 また、 対象 物質が、 ペプチド又はペプチドを封入した HV Jエンベロープべク ターである場合は、 本発明の対象物質導入用組成物中に、 1 . 0 X 1 0— 9重量%〜 9 9. 9重量%、好ましくは、 1. 0 X 1 0— 6重量% 〜 9 9重量0 /0、より好ましくは、 1 . 0 X 1 0— 5重量%〜 9 5重量% 配合するのがよい。 また、 対象物質が、 蛋白質又は核蛋白質又は蛋 白質又は核蛋白質を封入した HV Jエンベロープベクターである場 合は、 本発明の対象物質導入用組成物中に、 1 . 0 X 1 0—8重量% 〜 9 9. 9重量%、好ましくは、 1. 0 X 1 0— 5重量%〜 9 9重量%、 より好ましくは、 1. 0 X 1 0 _5重量%〜 9 0重量%配合するのが よい。 また、 対象物質が、 低分子医薬品、 蛋白質又は核蛋白質を封 入した HV Jエンベロープベクターである場合、 前記含有量として は、 全組成物量中、 1 . 0 X 1 0— 8重量%〜 9 9. 9重量%、 好ま しくは、 1 . 0 X 1 0— 5重量0/)〜 9 9重量0 /0、 より好ましくは、 1 · 0 X 1 0— 5重量。/。〜 9 0重量%配合するのがよい。 また、 対象物質 、 上記以外の対象物質又は上記以外の対象物質を封入した HV J エンベロープベクターである場合、 前記含有量としては、 全組成物 量中、 1. 0 X 1 0— 9重量0/。〜 9 9 · 9重量0 /0、 好ましくは、 1. 0 X 1 0— 6重量0/。〜 9 9重量0 /0、 より好ましくは、 1. 0 X 1 0一 5重量%〜 9 5重量%配合するのがよい。 また、 対象物質の含有量 は、 前記対象物質の機能を発揮する場合、 上記に例示された範囲に 限定されるものではない。なお、本発明の対象物質導入用組成物は、
使用時に希釈して用いてもよい。
本発明の対象物質導入用組成物に用いられる生体適合性組成物と しては、 前記導入対象の. ( T ) 等の対象物質を組織に保持し、 又は 保持し更には細胞に導入しうる生体適合性組成物であればよく、 例 えば、 ヒアノレロン酸、 キチン、 コロミン酸、 コンドロイチン、 コン ドロイチン 4一硫酸、 デルマタン硫酸、 コンドロイチン 6—硫酸、 へパリン、 ケラタン硫酸、 へパラン硫酸、 タイクロン酸等のムコ多 糖及ぴその塩類が挙げられる。 また、 ムコ多糖の塩としては、 ナト リ ウム塩、 カリ ウム塩等のアルカリ金属塩、 マグネシウム塩等のァ ルカリ土類金属塩、 銅塩、 亜鉛塩等の金属塩類等の無機塩、 ジエタ ノールァミン塩、 2 —アミノー 2—ェチル一 1、 3 —プロパンジォー ル塩、 トリエタノールアミン塩等のアルカノーノレアミン塩、 モルホ リン塩、 ピぺリジン塩等のへテロ環塩、 アルギニン塩、 リジン塩、 ヒスチジン塩等の塩基性アミノ酸塩等の有機酸塩類、 硫酸、 塩酸、 酢酸、 クェン酸、 乳酸等の無機酸又は有機酸塩類等が挙げられる。 生体適合性組成物において、 塩を形成するムコ多糖と塩の割合は特 に限定するものではなく、 前記生体適合性組成物の p Hの範囲であ ればどのようなものであってもよレ、。
また、 前記 「生体適合性」 とは、 長期間にわたって生体に悪影響 も強い刺激も与えず、 前記対象物質の本来の機能及ぴ該対象物質を 組織に保持し、 又は保持し更に導入して貯留性を発揮しながら、 生 体と共存できる材料の属性を意味する。
前記 「対象物質を組織に保持し、 又は保持し更に導入して発揮さ れる貯留性」 は、 組織に本発明の対象物質導入用組成物を投与した 場合に、 該対象物質が組織に留まるような性質を意味し、 例えば、 対象物質を皮膚上に保持し、 又は保持し更に導入し得ることを意味 する。
前記生体適合性組成物において、 p Hは、 特に限定されるもので はない。 対象物質を安定に保持できる、 即ち、 対象物質の生理機能 を発揮しうる範囲であればよく、 かかる観点から、 例えば、 3以上
であり、 好ましくは、 4 . 0以上であり、 より好ましくは、 4 . 5以 上であり、 9 . 0以下であり、 好ましくは 8 . 5以下であり、 より 好ましくは、 8 . 0以下であることが望ましい。 更に、 前記生体適 合性組成物の p Hは、 生体に適した範囲であってもよい。
前記生体適合性組成物は、 用途、 使用時の条件等に応じて、 選択 してもよい。 例えば、 本発明の対象物質導入用組成物は、 疾患等の 治療における治療剤としても用いられうるが、 この場合、 投与対象 の個体における使用感等の観点から、 前記生体適合性組成物を選択 してもよい。
本発明の対象物質導入用組成物中における前記生体適合性組成物 の含有量は、 用いる生体適合性組成物により異なるが、 対象物質を 組織に保持し更に導入して貯留性を発揮しうる範囲であればよい。 例えば、 本発明の対象物質導入用組成物中における前記生体適合性 組成物の含有量としては、 0 . 0 0 0 1重量%以上であり、 好まし くは、 0 . 0 0 1重量%以上であり、 より好ましくは、 0 . 1重量% 以上であり、 9 9 . 9 9 9重量%以下であり、 好ましくは、 9 9 . 9 9重量%以下であり、 より好ましくは、 9 9 . 9重量%である範 囲で含有量等が挙げられる。 尚、 本発明の生体適合性組成物は、 使 用時に希釈して用いてもよく、 使用時に凍結乾燥粉末等の 1 0 0 % 純度のものを適宜緩衝液等で希釈して、 前記の濃度で使用してもよ い。
本発明の対象物質導入用組成物には、 前記対象物質を安定に保持 するための殺菌剤、 金属封鎖剤、 防腐剤、 抗酸化剤、 保湿剤、 油性 成分、 安定化剤、 慣用の緩衝剤、 水等を適宜含有してもよい。 例え ば、 前記対象物質が、 (T )、 ( Τ ) と H V Jエンベロープベクター、 ( T ) を封入した H V Jエンベロープベクターである場合、 本発明 の対象物質導入用組成物には、 (T )の分解を抑制するための薬学的 に許容されうる物質を含有してもよい。 本発明の対象物質導入用組 成物において、 前記対象物質と生体適合性組成物以外の成分は、 前 記殺菌剤、 金属封鎖剤、 防腐剤、 抗酸化剤、 保湿剤、 油性成分、 安
定化剤、 慣用の緩衝剤、 水等であればよい。
本発明の対象物質導入用組成物において、 p Hは、 特に限定され るものではなく、 用途によって異なるが、 例えば、 対象物質導入用 組成物が外用に用いられる場合には、 下限は 3以上であり、 好まし くは、 4 . 0以上であり、 より好ましくは、 4 . 5以上であり、 上 限は 9 . 0以下であり、 好ましくは 8 . 5以下であり、 より好まし くは、 8 . 0以下である。 また、 対象物質導入用組成物が内服等に 用いられる場合には、 下限は 5以上であり、 好ましくは、 6 . 0以 上であり、 より好ましくは、 6 . 5以上であり、 上限は 9 . 0以下 であり、 好ましくは 8 . 5以下であり、 より好ましくは、 8 . 0以 下である。 また、 対象物質導入用組成物が注射、 点滴等に用いられ る場合には、下限は 3以上であり、好ましくは、 4 . 0以上であり、 より好ましくは、 4 . 5以上であり、 上限は 9 . 0以下であり、 好 ましくは 8 . 5以下であり、 より好ましくは、 8 . 0以下である。 また、 対象物質導入用組成物が点眼液として用いられる場合には、 下限は 4以上であり、 好ましくは、 4 . 3以上であり、 より好まし くは、 4 . 5以上であり、 上限は 9 . 0以下であり、 好ましくは 8 . 0以下であり、 より好ましくは、 7 . 0以下である。 また、 対象物 質導入用組成物が前記以外の用途で用いられる場合には、 下限は 3以上であり、 好ましくは、 4 . 0以上であり、 より好ましくは、 4 . 5以上であり、 上限は 9 . 0以下であり、 好ましくは 8 . 5以 下であり、 より好ましくは、 8 . 0以下である。 また、 対象物質の 含有量は、 前記対象物質の機能を発揮する場合、 上記に例示された 範囲に限定されるものではない。
この対象物質導入用組成物の適用部位としては、 組織全般を対象 とすることができる。 例えば、 皮膚、 粘膜、 肝臓、 腎臓、 肺、 鸱臓、 脳、 消化管、 膀胱、 子宮、 卵巣、 脾臓、 胸腺、 副甲状腺、 甲状腺、 唾液腺、 耳下腺、 顎下腺、 リンパ節、 血管、 関節、 胸腔、 腹腔等で ある。 適用方法と しては、 皮膚、 粘膜 (口腔、 眼、 消化管、 鼻、 気 道、 肛門) 等への外用、 內服、 静脈注射、 筋肉注射、 皮下注射、 力
テーテル等の補助器具を用いて組織への局所投与、 手術部位への適 用等が拳げられる。 本発明の対象物質導入用組成物の投与により、 遺伝子や対象物質を広範囲の部位に、 簡便、 かつ効率よく導入する ことができる。
本 ¾明の対象物質導入用組成物の用途としては、 例えば、 広範囲
• にわたり発症する疾患等の治療又は症状改善、 該疾患の機構の研究 (例えば、 疾患モデル動物等の作製及ぴ治療効果の検討等) 等が挙 げられる。
本発明の対象物質導入用組成物を適用しうる疾患としては、 例え ば、 栄養障害型表皮水疱症(Dystrophic EB)、 接合部型表皮水疱症 (Junctional EB)、 全身性萎縮性良性表皮水疱症(GABEB)、 先天性 幽門閉鎖症一接合部型 E B症候群 (PA-JEB)、筋ジス トロフィーを伴 う単純型表皮水疱症(EBS/MD)、 単純型表皮水疱症(EB-simplex)、 外胚葉性形成異常/皮膚脆弱症 (EDA/skin fragility), 表皮剥離性角 質増加症(Epidermolytic hyperkeratosis) , 表皮剥離性掌躕角皮症 (Epidermolytic PPK)、 非表皮剥離性掌摭角皮症(Nonepidermolytic PPK)、 ボーヴインケル症候群 (Vohwinkel's syndrome), 魚鱗癬中毒 水疱症(Ichthyosis bullosa Siemens) , 1型及ぴ 2型先天性硬爪症 (Pachonychia congenita type 1 and 2)、 伴十玍魚鱗癬 (X-linked ichthyosis), 葉状魚鱗癬 (Lamellar ichthyosis), 難聴併発掌摭角皮 症(PPK with deafness )、 変異性紅斑角皮症(Erythrokeratoderma variabilis),ダリエー病(Darier's disease)ヽ横紋掌躕角皮症(Striate PPK),横紋角皮症(Striate keratoderma )先天性無毛症(Congenital atrichia)、 連珠毛(Monilethrix)、 ワ ールデンプルグ症候群 (Waardenburg syndrome八 白皮 ¾E [Albinism (different forms)]、 ティ一ツエ症候群(Tierz syndrome) N ヘルマンスキー-パドラック症 候群(Hermansky-Pudlak syndrome)、骨髄性プロ トポルフィ リン症 (Erythropoietic protoporphyria) 、 先天性骨髄性ポルブイ リ ン症 (Congenital erythropoietic porphyria )、 家族性晚発 te皮膚ポル フイ リ ン症(Familial porphyria cutanea tarda)、異型ポノレフィ リ ン
症 (Variegate porphyria) 、 色 素 性 乾 皮 症 (Xeroderma pigmentosum) 、 コーデン症候群、 母斑性基底細胞癌症候群(Basal cell nevus syndrome) 、 ポ イ ツ ー イ エ ー ガ ー ズ症 候 群 (Peutz-Jeghers syndrome)、 コーデン症候群 (Cowden syndrome) ノヽン "Tン―ゾーナーナ症 群 (Bannayan-Zonana syndromeノ 、 硫黄欠乏症毛髪発育異常症(Trichothiodystrophy)、 ブアブリ一病 (Fabry's disease)、 毛細血管拡張性運動失調(Ataxia telang iectasia)、 遺伝性出血性毛細血管拡張症(Hereditary hemorrhagic telangiectasia)等の遺伝子疾患と悪性黒色腫、 悪性血管内皮細胞腫 等の悪性腫瘍等が挙げられる。
本発明の対象物質導入用組成物は、 皮膚、 粘膜 (口腔、 眼、 消化 管、 鼻、 気道、 肛門) 等への外用、 内服、 静脈注射、 筋肉注射、 皮 下注射、 カテーテル等の補助器具を用いてた組織への局所投与、 手 術部位への適用等により使用されうる。 使用時の簡便性、 効率等の 観点から、 特に、 塗布による使用が好適である。 容器や製剤の形態 は特に限定するものではなく、液剤、 ゲル剤、 ク リーム剤、軟膏剤、 眼軟膏、 バッカル錠、 トローチ (舌下錠) 剤、 点眼剤、 点鼻剤、 含 嗽剤、 吸入剤、 湿布、 パップ剤、 坐剤、 膣坐薬、 浣腸剤、 噴霧剤、 パック剤、 泡状エアゾール剤等が挙げられる。
本発明の対象物質導入用組成物は、 例えば、 以下のように製造さ れうる。 即ち、 対象物質が核酸の場合、 慣用の方法により導入対象 の核酸を慣用のプラスミ ドベクターに組み込み組換えプラスミ ドべ クタ一を得る。 得られた組換えプラスミ ドベクターはそのままの形 で n a k e d— D N Aとして又は憤用の手法により、 例えば、 H V Jエンベロープベクターに封入して、 組換えプラスミ ドベクター含 有 H V Jエンベロープベクターとしてもよい。 また、 生体適合性組 成物として、 例えば、 ヒアルロン酸ナトリ ウムを、 ダルベッコ P B S (一) 溶液 1 0 0 m lに 5重量%濃度となるように膨潤させるこ とにより、 5重量%ヒアルロン酸ナトリ ウム溶液 (p H 7 . 4 ) を 得る。 なお、 前記ダルベッコ P B S (—) 溶液は、 例えば、 市販の
ダルベッコ P B S (―) 粉末 9. 6 gを蒸留水に溶解させて容量を 1 リ ッ トルに調製し、 得られた溶液を 1 2 1。(:で 1 5分間高圧蒸気 滅菌することにより得られる。 得られた組換えプラスミ ドベクター 含有 HV Jエンベロープベクター又は組換えプラスミ ドベクター n a k e d — D N Aからなる群より選ばれた一種と、 前記ヒアルロン 酸ナトリ ウム溶液とを、 混合し、 対象物質導入用組成物を得る。 本発明の遺伝子導入方法は、 導入対象の (T)、 (Τ) と HV Jェ ンべロープベクター又は (τ) を封入した HV Jエンベロープべク ター及び (T)、 (Τ) と HV Jエンベロープベクター又は (T) を 封入した HV J エンベロープベクターを組織に保持し、 又は保持し 更に導入し得る生体適合性組成物を含有した対象物質導入用組成物 を組織に投与し、 それにより、 対象物質 (T)、 (Τ) と HV Jェン ベロープべクター又は(T)を封入した H V Jエンベロープべクター を組織に保持し、 更に、 対象物質を細胞に導入するものである。 前記遺伝子導入用組成物の皮膚への塗布面積は、 (T)、 (Τ)と Η
V J エンベロープべクター又は (T) を封入した HV Jェンベロー プベクターがその効果を発現するに要する部位を含む面積であれば よい。 また、 導入用組成物の皮膚への塗布回数、 タイミング等は、 用途に応じて適宜選択されうる。
例えば、 前記対象物質導入用組成物を皮膚上に塗布する場合、 そ の塗布量は、 特に限定されないが、 例えば、 対象物質として、 単位 面積、 例えば、 1 c m 2あたり、 l n g〜 l m g、 好ましくは、 1 μ g〜 l 0 0 μ gであればよい。
前記遺伝子導入用組成物の血液中への投与は、 (T)、 (Τ)と H V Jエンベロープベクター又は (T) を封入した HV Jエンベロープ ベクターがその効果を発現しうる部位であればよい。 また、 導入用 組成物の血液中への投与回数、 タイミング等は、 用途に応じて適宜 選択されうる。
例えば、 前記対象物質導入用組成物を血液中に投与する場合、 そ の投与量は、 特に限定されないが、 例えば、 対象物質として、 1回
投与量、 例えば、 1 m Lあたり、 l p g〜: L m g、 好ましくは、 1 n g〜 1 0 0 μ gであればよい。
前記遺伝子導入用組成物の経口摂取方法は、 (T)、 (Τ)と HV J エンベロープベクター又は (τ) を封入した HV Jエンベロープべ クタ一がその効果を発現する方法であればよい。 また、 導入用組成 物の経口摂取の回数、 タイミング等は、 用途に応じて適宜選択され うる。
例えば、 前記対象物質導入用組成物を食品や内服薬として経口で 摂取する場合、 その摂取量は、 特に限定されないが、 例えば、 対象 物質として、 1 日の摂取量、 例えば、 体重 (k g ) あたり、 l n g 〜 1 0 Om g、 好ましくは、 1 n g〜 l O m gであればよレヽ。
前記遺伝子導入用組成物のカテーテルを用いて又は手術等による 組織への局所投与の方法は、 (T)、 (Τ)と HV Jエンベロープべク ター又は (T) を封入した HV Jエンベロープベクターがその効果 を発現する方法であればよい。 また、 導入用組成物の挿入の回数、 タイミング等は、 用途に応じて適宜選択されうる。
例えば、 前記対象物質導入用組成物をカテーテルを用いて又は手 術等による組織への局所投与する場合、 その摂取量は、 特に限定さ れないが、 例えば、 対象物質として、 1 日の摂取量、 例えば、 体重 (k g) あたり、 l p g〜 l m g、 好ましくは、 l n g〜 1 00 gであればよい。
以下、 疾患の治療剤としての利用に関して、 色素性乾皮症への適 用について、 説明する。 色素性乾皮症 (xeroderma pigmentosum: XP)には、 A群、 B群、 C群、 D群、 E群、 F群、 G群、 V群と 8つ のサブグループがあるが、 ここでは、 色素性乾皮症 A群 (XPA) マ ウスに A群原因遺伝子 (X PA遺伝子) を導入することについて例 示的に説明する。 前記核酸として、 例えば、 X PA遺伝子が用いら れうる。 かかる核酸は、 例えば、 p CAGG S、 p c DNA 3等の 慣用のプラスミ ドべクターに組み込んだ n a k e d— DNAとして そのまま生体適合性組成物、 例えば、 ヒアルロン酸ナトリ ウムと混
合してもよい。また、 X P A遺伝子を p CAGG S、 p c DNA 3等 の慣用のプラスミ ドベクターに組み込んだ組み換えプラスミ ドべク ターを HV Jエンベロープべクターに封入して得られた X P A遺伝 子含有 HV Jエンベロープベクターを、 ヒアルロン酸ナトリ ウムと 混合してもよい。
対象物質導入用組成物として、 例えば、 終濃度 1重量%のヒアル 口ン酸ナトリ ウム、 X P A遺伝子 (核酸量として 5 0 g ) 含有 H V Jエンベロープべクターの組成物が用いられうる。 前記遺伝子導 入用組成物を、 前記核酸が生体内に導入され、 発現するに十分な時 間、 例えば、 外出により 日光を浴びる 4 8時間前等に皮膚全体に投 与する。 これにより、 DNA修復能の回復、 表皮の傷害の抑制、 サ ンバーン細胞の形成の抑制が期待されうる。 実施例 1
遺伝子導入用組成物の調製
( 1 ) X P A遺伝子導入用 HV Jエンベロープベクターの調製 サイ トメガロウイ/レスのェンハンサ一と β —了クチンのプロモー ターとを有する p CAGG Sに、 ヒ ト X P A遺伝子 (ジーンバンク ァクセッション番号: 1 4 5 3 3 ; 田中亀代次博士より供与) を組 込み、 p CAGG S— X PA (田中亀代次博士 (大阪大学細胞生体 工学センター) より供与された) を得た。 また、 p c DNA 3 ( I n V i t r o g e n社製) の E c o R I認識部位に、 前記ヒ ト X P A遺伝子を組み込み、 標識として、 へマグルチニンのェピトープを コードする D N Aを付加した、 p c HA— X PAを得た。 得られた じ八003— ? 及び じ 11 ー P Aのそれぞれを HV Jェ ンべロープベクターに封入した。 これにより、 X PA遺伝子導入用 H V Jエンベロープべクターを得た。
(2) ヒアルロン酸ナトリウム溶液の調製
ヒアルロン酸ナトリウムを、ダルべッコ P B S (—)溶液 1 00 m 1 に 5重量%濃度となるように膨潤させることにより、 5重量%ヒ
2816
23 アルロン酸ナトリ ウム溶液 (p H 7. 4 ) を得た。 なお、 前記ダル べッコ P B S (―) 溶液は、 例えば、 和光純薬工業株式会社製のダ ルべッコ P B S (―) 粉末 9 . 6 gを蒸留水に溶解させて容量を 1 リ ッ トルに調製し、 得られた溶液を 1 2 1 °Cで 1 5分間高圧蒸気 滅菌することにより得た。
( 3 ) 遺伝子導入用組成物の調製
前記 ( 1 ) で得られた X P A遺伝子導入用 H V Jエンベロープべ クタ一 3 0 0 μ 1 と前記 (2 ) で得られた 5重量0 /0ヒアルロン酸ナ トリ ゥム溶液 7 5 μ 1 とを混合して遺伝子導入用組成物を得た。 な お、 前記遺伝子導入用組成物におけるヒアルロン酸ナ トリ ウムの濃 度は、 1重量%である。 試験例 1 X Ρ Αマウスへの X Ρ Α遺伝子の導入による効果 ( 1 ) 遺伝子導入用組成物の皮膚塗布群
前記実施例 1で得られた遺伝子導入用組成物 (E 1 ) を、 D NA 量として、 5 0 μ § /マウス (全量 3 7 5 μ 1 : 5重量0 /0ヒアルロ ン酸ナ ト リ ゥム 7 5 μ 1 + H V J エンベロープベク ター溶液 3 0 0 μ 1 ) となるように、 Χ Ρ Αモデルマウスの背部(約 4. 5 c m 2) に塗布した。 2 4時間後又は 4 8時間後、 N e m b u t a 1 R を用いて腹腔内注射で麻酔し、 X P Aモデルマウスの背部に、 T O S H I B A f l u o r e s c e n t S u n l a m p F L 2 0 S E (ピーク波長 3 0 5 n m、 2 8 0〜 3 6 0 n m) を用い て、 UV Bを 4 k J Zm2照射した。 なお、 紫外線量は、 U V R— 3 0 5ノ 3 6 5 D紫外線線量計で測定した。 対照として、 X P A遺 伝子導入用 HV Jエンベロープベクターの代わりに、 X P A遺伝子 を含有しない p C A G G S又は p c D N A 3を封入した H V Jェン ベロープベクターを保持した対照遺伝子導入用組成物 (C一 1 ) 又 はヒアル口ン酸ナトリ ゥムを含有しない対照遺伝子導入用組成物 ( C一 2 ) を塗布して、 以下、 同様の操作を行なった。
( 2 )不定期 D NA合成 (unscheduled DNA synthesis: UDS) の検
出
紫外線 DN A損傷を修復する X PA遺伝子を導入することで、 修 復能が改善されるかを UD Sを目安として検討した。 前記 ( 1 ) の 3群のマウスにおける U V B照射部位を舌紺子ではさみ、 メチル 3H- d T h d ( 1 0 0 C i /m 1 ) 含有生理的食塩水溶液 0. 5 m l を、 該照射部位に皮下注射した。 マウスを 3 5°C、 6 0分間 インキュベータに入れた後、 舌紺子をはずした。 更に、 3時間経過 後、 マウスを屠殺した。
UVB照射部の皮膚 (4. 5 c m2) を切除し、 切除された皮膚 を 1 0 %中性ホルマリ ン溶液で一晩固定した。 固定後の皮膚をパラ フィン包埋し、 ノ、。ラフィン包埋試料を 4〜 5 μ πιの厚さに薄切し、 得られた試料を脱パラフィン処理し 5 %冷却 T C Αで洗浄した。 つ いで、 得られた試料を、 銀粒子を含むェマルジヨ ン (写真乳剤) に 浸漬し、 暗室中 4°Cで保存した。
1週間後、 前記試料について、 現像、 定着、 水洗を行ない、 ギム ザ染色した。 染色後の試料について、 顕微鏡下、 細胞上の黒化粒子 数を数えた。
その結果、 表皮細胞での UD Sを測定したところ、 X PA遺伝子 を含有しない対照遺伝子導入用組成物 (C 1— 1 ) 又はヒアルロン 酸ナトリ ウムを含有しない対照遺伝子導入用組成物 (C 1一 2) の 皮膚塗布群では、ほとんどの細胞の黒化粒子数(グレイン数)は 0〜 5であったのに対し、 遺伝子導入用組成物 (E 1 ) の皮膚塗布群で は、 皮膚全体にわたって、 核当たりのグレイン数が 1 5〜 20の細 胞が多く見られ、 修復能が回復していることがわかった。 即ち、 驚 くべきことに、 導入対象の核酸が、 皮膚から細胞に導入されている こと、 更に、 皮膚の広範囲にわたって、 導入対象の核酸中の遺伝子 が発現することがわかった。
( 3) UVB照射部の形態学的変化
前記 ( 1 ) のそれぞれマウスにおける皮膚を切除し、 各皮膚片を 得た。 得られた各皮膚片を 1 0 %中性ホルマリ ン溶液で固定した。
T脑謹 2816
25 得られた試料をへマトキシリン 'ェォシン (HE) 染色し、 HE染 色標本を得た。 前記 HE染色標本について、 形態を観察し、 表皮細 胞障害の指標としてサンバーン細胞 (核濃縮、 表皮壊死を起こした 表皮細胞) について、 前記 ( 1 ) の 3群のマウス間における差異を 求めた。 なお、 前記サンバーン細胞の観察は、 切片中の全表皮細胞 数におけるサンバーン細胞数の比を指標とした。 また、 p c HA— X PAを導入した前記 ( 1 ) の 3群のマウスの皮膚片を凍結し、 H A— t a gを染色し、 染色強度により、 導入された遺伝子の局在を 観察した。
HE染色標本の観察結果より、 遺 子導入用組成物 (E 1 ) を塗 布したマ ウスでは、 U V照射 2 4 時間後のサンバーン細胞 は 20個/ 1 0 0個細胞であつたのに対し、 対照のヒアル口ン酸ナ トリ ウムを含有しない対照遺伝子導入用組成物 (C 1一 2) を塗布 したマウスでは 3 5個/ 1 00個細胞であり、 対照の X P遺伝子を コードする核酸を含有しない対照遺伝子導入用組成物 (C 1— 1 ) を塗布したマウスでは 5 5個/ 1 0 0個細胞であった。 遺伝子導入 用組成物の塗布群は、 対象 2群に比べ、 表皮の傷害、 サンバーン細 胞の形成が抑制されていることが明らかになつた。
これは、 本発明の遺伝子を封入した HV Jエンベロープべクター により遺伝子が効率よく導入され、 生理的な条件下でその機能が発 現した結果である。 これらの効果は、 遺伝子を封入した HV Jェン ベロープベクターは、 例えば、 ムコ多糖類の存在下で HV Jが角層 のパリァを通過して、 表皮細胞又は毛包の細胞の細胞膜と融合し、 その内容物が細胞内に取り込まれた結果発現したと考えられる。 実施例 2
遺伝子導入用組成物の調製
( 1 ) 導入用核酸の調製
実施例 1 と同様にして、 p CAGG S— X PAを得た。 また、 実 施例 1 と同様にして、 p c HA— X PAを得た。 ここで、 n a k e
2004/002816
26 d— DNAである p CAGG S— X PA又は p c HA— XPAの D NA量は、 それぞれ 50 μ gノマウスとした。
(2) ヒアルロン酸ナトリウム溶液の調製
前記実施例 1の( 2) と同様にして、 ヒアルロン酸ナトリ ウムを、 ダルベッコ P B S (—) 溶液 1 0 0 m 1 に 2重量0 /0濃度となるよう に膨潤させ、 2重量0 /0ヒアルロン酸ナトリ ウム溶液 ( p H 7. 4) を得た。 なお、 前記ダルベッコ P B S (—) 溶液は、 例えば、 和光 純薬工業株式会社製のダルベッコ P B S (—) 粉末 9. 6 gを蒸留 水に溶解させて容量を 1 リ ッ トルに調製し、 得られた溶液を 1 2 1 °Cで 1 5分間高圧蒸気滅菌することにより得た。
( 3) 遺伝子導入用組成物の調製
前記 ( 1 ) で得られた導入用核酸 Ι Ο Ο μ Ι (50 μ g DNA) と前記 ( 2 ) で得られた 2重量%ヒ アルロ ン酸ナ ト リ ウム溶液 1 0 0 ^ 1 とを混合して遺伝子導入用組成物を得た。 なお、 前記遺 伝子導入用組成物におけるヒアル口ン酸の濃度は、 1重量%である。 試験例 2 X Pマウスへの X P A遺伝子の導入による効果
( 1 ) 遺伝子導入用組成物の皮膚塗布群
前記実施例 2で得られた遺伝子導入用組成物 (E 2) を、 前記試 験例 1の ( 1 ) と同様に、 それぞれ 3匹の X P Aモデルマウスの背 部に塗布し、 該背部に U V Bを 0. 5 k J m 2照射した。 対照と して、 遺伝子導入用組成物の代わりに、 X P A遺伝子を含有しない p C AG G S又は p c DNA 3を用いた対照遺伝子導入用組成物 (C 2 - 1 ) 又はヒアルロン酸ナトリ ゥムを含有しない対照遺伝子 導入用組成物 (C 2— 2) をそれぞれ 3匹のマウスの背部に塗布し て、 以下、 同様の操作を行なった。
(2) UVB照射部の皮膚症状の観察
UVB照射部位について、 UVB照射直後、 24時間後、 1週間 後に、 紅斑、 浮腫等の程度を、 軽度、 中等度、 高度の 3段階に分類 し、 対照群と比較し、 評価した。 長期照射試験は、 1回/週の照射
を 1 5回続け、 観察した。
その結果、 遺伝子導入用組成物 (E 2 ) の皮膚塗布群のマウスに おいては、 UVB照射直後、 2 4時間後は軽度の紅斑、 1週間後で はそれぞれ 1匹のマウスに軽度の紅斑、 2匹のマウスに中等度の紅 斑を認めるのみであった。 対照の X P遺伝子をコードする核酸を含 有しないプラスミ ドベクター (p CAGG S又は p c DNA 3) を 含有する対照遺伝子導入用組成物 (C 2— 1 ) の皮膚塗布群では、 いずれも 3匹中、 3匹に高度の紅斑、 浮腫を認めた。 又、 ヒアルロ ン酸ナトリ ゥムを含有しない対照遺伝子導入用組成物 (C 2— 2) の皮膚塗布群では、 3匹中、 1匹に中等度、 2匹に高度の紅斑、 浮 腫を認めた。 長期照射試験においては、 紫外線照射終了 4ヶ月後の 観察では、 遺伝子導入用組成物 (E 2) の皮膚塗布群では、 紫外線 照射部位に皮膚の肥厚と紅色丘疹を認めるのみであつたが、 対照の X P遺伝子をコー ドする核酸を含有しないプラスミ ドベクター
(p CAGG S又は p c DN A 3 ) を含有する対照遺伝子導入用組 成物 (C 2— 1 ) 又はヒアルロン酸ナトリ ウムを含有しない対照遺 伝子導入用組成物 (C 2— 2) の皮膚塗布群では、 紫外線誘発皮膚 腫瘍が認められた。 これらの結果より、 修復能が回復していること がわかった。 即ち、 驚くべきことに、 導入対象の核酸が、 皮膚から 細胞に導入されていることが示された。また、皮膚の広範囲にわたつ て、 導入対象の核酸中の遺伝子が発現することがわかった。
(3) UVB照射部の形態学的変化 ' 前記試験例 2の ( 1 ) の 3群のマウスにおける皮膚を切除し、 各 皮膚片を得、 該皮膚片より HE染色標本を得た。 試験例 1の (3) と同様に、 HE染色標本について、 形態を観察し、 表皮の傷害の形 成、 サンバーン細胞の形成の抑制を評価した。
その結果、 HE染色標本の観察結果より、 遺伝子導入用組成物の 塗布群は、 対象 2群に比べ、 表皮の傷害、 サンバーン細胞の形成が 抑制されていることが明らかになった。
実施例 3
遺伝子導入用組成物の調製
( 1 ) X P A遺伝子導入用 HV Jエンベロープベクターの調製 実施例 1 と同様にして p c HA— X P Aを構築した。 得られた p c HA— X P Aを HV Jエンベロープベクターに封入した。 これ により、 X P A遺伝子導入用 HV Jエンベロープベクターを得た。 ここで、 各 X P A遺伝子導入用 H V Jエンベロープベクターにおけ る D NA量は、 5 0 8ノマウスとした。
( 2 ) コンドロイチン硫酸ナトリ ウム溶液の調製
前記実施例 1の ( 2 ) と同様にして、 コンドロイチン硫酸ナトリ ゥムを、 ダルベッコ P B S (―) 溶液 1 m 1 に 2重量0 /0濃度となる ように膨潤させ、 2重量%コンドロイチン硫酸ナトリ ウム( p H 7 . 4 ) を得た。 なお、 前記ダルベッコ P B S (—) 溶液は、 例えば、 和光純薬工業株式会社製のダルべッコ P B S (一) 粉末 9. 6 gを 蒸留水に溶解させて容量を 1 リ ッ トルに調製し、 得られた溶液を 1 2 1 °Cで 1 5分間高圧蒸気滅菌することにより得た。
( 3 ) 遺伝子導入用組成物の調製
前記 ( 1 ) で得られた導入用核酸 2 0 0 μ I ( 5 0 μ g D NA) と前記 (2 ) で得られた 2重量%コンドロイチン硫酸ナトリ ウム溶 液 5 0 μ 1 とを混合して遺伝子導入用組成物(Ε 3 )を得た。なお、 前記遺伝子導入用組成物におけるコンドロイチン硫酸ナトリ ウムの 濃度は、 0. 4重量%である。 対照として、 Χ Ρ Α遺伝子導入用 Η V Jエンベロープべクタ^"の代わりに、 X P A遺伝子をコードする 核酸を含有しない p c D NA 3を封入した HV Jエンベロープべク ターを用いた対照遺伝子導入用組成物 (C 3 — 1 ) 又はコンドロイ チン硫酸ナ ト リ ウムを含有しない対照遺伝子導入用組成物 ( C 3 — 2 ) を塗布して、 同様の操作を行なった。 試験例 3 X Pマウスへの X P A遺伝子の導入による効果
( 1 ) 遺伝子導入用組成物の皮膚塗布群
前記実施例 3で得られた遺伝子導入用組成物 (E 3 ) を、 前記試 験例 1の( 1 ) と同様に、 X P Aモデルマウス 5匹の背部に塗布し、 該背部に UVBを 4 k J Zm 2照射した。 対照と して、 遺伝子導入 用組成物の代わりに、 X P A遺伝子をコードする核酸を含有しない p c DNA 3を用いた対照遺伝子導入用組成物 (C 3— 1 ) 又はコ ンドロイチン硫酸ナトリゥムを含有しない対照遺伝子導入用組成物 (C 3— 2) をそれぞれの 5匹のマウスに塗布して、 以下、 同様の 操作を行なった。
(2) 皮膚症状の観察
UVB照射部位について、 UVB照射直後、 24時間後、 1週間 後に、 紅斑、 浮腫等の程度を、 軽度、 中等度、 高度の 3段階に分類 し、 対照群と比較し、 評価した。
その結果、 前記 ( 1 ) の遺伝子導入用組成物 (E 3) 塗布のマウ スにおいては、 UVB照射直後、 24時間後、 1週間後のいずれの 時点でも、 軽度の紅斑を認めるのみであつたが、 対照遺伝子導入用 組成物 (C 3— 1 ) の皮膚塗布群では、 5匹中、 5匹に高度の紅斑、 浮腫を認め、 対照遺伝子導入用組成物 (C 3— 2) の皮膚塗布群で は、 5匹中、 1匹が中等度、 4匹が高度の紅斑、 浮腫を認めた。 遺 伝子導入用組成物 (E 3 ) 塗布のマウスにおいては、 修復能が回復 していることがわかった。
(3) UVB照射部の形態学的変化
前記 ( 1 ) のマウスにおける皮膚を切除し、 各皮膚片を得、 該皮 膚片より HE染色標本を得た。 前記試験例 1の ( 3) と同様に、 H E染色標本について、 形態を観察し、 表皮の傷害の形成、 サンバ一 ン細胞の形成の抑制を評価した。
その結果、 HE染色標本の観察結果より、 前記 ( 1 ) の遺伝子導 入用組成物 (E 3) 塗布のマウスでは、 UV照射 24時間後、 対照 の 2群に比べ、 表皮の傷害、 サンバーン細胞の形成が抑制されてい ることが明らかになった。
実施例 4
蛋白質導入用組成物の調製
( 1 ) human EGFの調製
human EGF は例えば、 和光純薬工業株式会社製の Epidermal Growt Facter, Human, recombinantを購入し使用した。 これをタ ルべッコ PBS (—) 溶液に S m gZm 1 に調製した。 human EGF は 1マウスに 0. 9 m gを使用した。
( 2) ヒアルロン酸ナトリ ウム溶液の調製
ヒアルロン酸ナトリ ウムを、ダルべッコ P B S (―)溶液 1 0 0 m 1 に 5重量%濃度となるように膨潤させることにより、 5重量%ヒ アルロン酸ナトリ ウム溶液 (p H 7. 4) を得た。 なお、 前記ダル べッコ PBS (—) 溶液は、 例えば、 和光純薬工業株式会社製のダル べッコ P B S (―)粉末 9. 6 gを蒸留水に溶解させて容量を 1 リ ッ トルに調製し、 得られた溶液を 1 2 1 で 1 5分間高圧蒸気滅菌す ることにより得た。
( 3) 蛋白質導入用組成物の調製
前記 ( 1 ) で得られた human EGF溶液 0. 3 m 1 と前記 ( 2 ) で得られた 5重量0 /0ヒアルロン酸ナトリ ゥム溶液 0. 0 7 5 m 1 と を混合して蛋白質導入用組成物を得た。 なお、 前記蛋白質導入用組 成物におけるヒアルロン酸ナトリ ウムの濃度は、 1重量%である。 試験例 4 C 5 7マウスへの human EGFの導入による効果
( 1 ) 蛋白質導入用組成物の皮膚塗布群
前記実施例 4で得られた蛋白質導入用組成物 (E 4 ) を、 蛋白質 量と して、 0. S m gZマウス (全量 0. 3 7 5 m l : ヒアルロン 酸ナトリ ウム 0. 0 7 5 m 1 +蛋白質溶液 0. 3 m l ) となるよ うに、 C 5 7マウスの背部 (約 4. 5 c m2) に塗布した。 対照と して、 human EGFを含有しない蛋白質導入用組成物 (C 4 - 1 ) 又 はヒアルロン酸ナトリ ゥムを含有しない蛋白質導入用組成物 (C 4 - 2 ) を塗布して、 以下の操作を行った。
( 2 ) human EGFの検出
6時間後、 前記 ( 1 ) のマウスの皮膚 (4. 5 c m2) を切除し、 切除された皮膚を OT Cに包埋後凍結固定した。 凍結切片を 4〜 5 μ mの厚さに薄切し、得られた切片を F I T C標識した抗 human EGF抗体で染色した。
その結果、 前記実施例 4で作成したものを塗布した群のマウスに おいてのみ、表皮組織中に蛍光が見られた。即ち、驚くべきことに、 導入対象の蛋白質が、 皮膚から細胞に導入されていることが示され た。 比較例 1
遺伝子導入用組成物の調製
( 1 ) X P A遺伝子導入用 HV Jエンベロープベクターの調製 実施例 1 と同様にして p c H A- X P Aを得た。 得られた c H
A— X P Aを H V Jエンベロープべクターに封入した。これにより、 X P A遺伝子導入用 HV Jエンベロープベクターを得た。 ここで、 X P A遺伝子導入用 HV Jエンベロープべクターにおける DNA量 は、 5 0 /i g /マウスとした。
(2) X P A遺伝子導入用 HV J リボソームの調製
実施例 1 と同様にして p c HA— X P Aを構築した。 得られた p c HA— XP Aを HV J リボソームに封入した。 これにより、 X P A遺伝子導入用 HV J リボソームを得た。 ここで、 X PA遺伝子 導入用 HV J リボソームにおける DNA量は、 5 0 μ g/マウスと した。
( 3) ヒアルロン酸ナトリ ウム溶液の調製
前記実施例 1の( 2) と同様にして、 ヒアルロン酸ナトリ ウムを、 ダルべッコ p B S (—) 溶液 1 0 0 m 1 に 2重量0 /0濃度となるよう に膨潤させ、 2重量%ヒアルロン酸ナトリ ウム溶液 (P H 7. 4) を得た。 なお、 前記ダルベッコ P B S (—) 溶液は、 例えば、 和光 純薬工業株式会社製のダルベッコ P B S (—) 粉末 9. 6 gを蒸留
水に溶解させて容量を 1 リ ッ トルに調製し、 得られた溶液を 1 2 1°Cで 1 5分間高圧蒸気滅菌することにより得た。
(4) X P A遺伝子導入用 HV Jエンベロープベクターを含有する 遺伝子導入用組成物の調製
前記 ( 1 ) で得られた X P A遺伝子導入用 HV Jエンベロープべ クタ一 1 0-0 1 (50 μ g D Ν Α) と前記 ( 3 ) で得られた 2重 量%ヒアルロン酸ナトリ ゥム溶液 1 00 μ 1 とをそれぞれ混合して X Ρ Α遺伝子導入用 HV Jエンベロープべクター含有の遺伝子導入 用組成物 (E 4) を得た。 なお、 前記遺伝子導入用組成物における ヒアルロン酸ナトリ ウムの濃度は、 1重量%である。
(5) X P A遺伝子導入用 HV J リポソームを含有する対照組成物 の調製
前記 ( 2 ) で得られた X P A遺伝子導入用 HV J リ ボソーム 1 0 0 μ 1 (50 μ g DNA) と前記 ( 3 ) で得られた 2重量0 /0ヒ アル口ン酸ナトリ ゥム溶液 1 0 0 /i 1 とをそれぞれ混合して X P A 遺伝子導入用 HV J リボソーム含有の対照組成物 (C 4) を得た。 なお、 前記遺伝子導入用組成物におけるヒアルロン酸ナトリ ウムの 濃度は、 1重量%である。 比較試験例 1 X Pマウスへの XP A遺伝子の導入による効果
( 1 ) 遺伝子導入用組成物の皮膚塗布群
前記 (4) で得られた HV Jエンベロープベクター含有の遺伝子 導入用組成物 (E 4) を、 前記試験例 1の (1 ) と同様に、 X PA モデルマウス 5匹の背部に塗布し、 該背部に UVBを 0. 5 k j / m 2照射した。 対照として、 前記 (4) で得られた HV Jェンベロー プベクター含有の遺伝子導入用組成物の代わりに、 前記 ( 5) で得 られた HV J リボソーム含有の対照遺伝子導入用組成物 (C 4) を X P Aモデルマウス 5匹の背部に塗布して、 以下、 同様の操作を行 なった。
( 2) UVB照射部の皮膚症状の観察
UVB照射部位について、 UVB照射直後、 24時間後、 1週間 後に、 紅斑、 浮腫等の程度を、 軽度、 中等度、 .高度の 3段階に分類 し、 対照群と比較し、 評価した。
その結果、 遺伝子導入用組成物の (E 4) の皮膚塗布群のマウス においては、 UVB照射直後、 24時間後、 1週間後のいずれの時 点でも、 軽度の紅斑を認めるのみであつたが、 対照の XPA遺伝子 導入用 HV J リボソーム含有の対照組成物 (C 4) の皮膚塗布群で は 5匹中、 3匹が軽度、 2匹が中程度の紅斑を認めた。 即ち、 HV Jエンベロープベクターを含有する遺伝子導入用組成物の方が、 H V J リボソームを含有する遺伝子導入用組成物に比べ、 効果が高い ことがわかった。
(3) UVB照射部の形態学的変化
前記試験例 4の ( 1 ) の 2群のマウスにおける皮膚を切除し、 各 皮膚片を得、 該皮膚片より HE染色標本を得た。 試験例 1の (3) と同様に、 HE染色標本について、 形態を観察し、 表皮の傷害の形 成、 サンバーン細胞の形成の抑制を評価した。
その結果、 HE染色標本の観察結果より、 HV Jエンベロープべ クタ一を含有する遺伝子導入用組成物 (E 4) を塗布したマウスで は、 U V照射 24時間後のサンバーン細胞は 2 0個/ 1 0 0個細胞 であったのに対し、 HV J リボソーム含有する対照組成物を塗布し たマウスでは 30個 Z 1 00個細胞であった。 遺伝子導入用組成物 の塗布群は、 対照に比べ、 表皮の傷害の形成、 サンバーン細胞の形 成が抑制されていることが明らかになった。
実施例 5
遺伝子導入用組成物の調製
( 1 ) X P A遺伝子導入用 HV Jエンベロープベクターの調製 実施例 1 と同様にして p c HA— X P Aを構築した。 得られた p c HA— X PAを HV Jェンべロープべクターに封入した。 これ
により、 X PA遺伝子導入用 HV Jエンベロープべクターを得た。 ここで、 X P A遺伝子導入用 HV Jェンベロ^"プべクターにおける DNA量は、 5 0 gZマウスとした。
(2) ヒアルロン酸ナトリ ウム溶液の調製
前記実施例 1の(2) と同様にして、 ヒアルロン酸ナトリ ウムを、 ダルベッコ P B S (―) 溶液 l m l に 2. 5重量%濃度となるよう に膨潤させ、 2. 5重量0 /0ヒアルロン酸ナトリ ウム (p H 7. 4) を得た。 なお、 前記ダルベッコ P B S (—) 溶液は、 例えば、 和光 純薬工業株式会社製のダルベッコ P B S (—) 粉末 9. 6 gを蒸留 水に溶解させて容量を 1 リ ッ トルに調製し、 得られた溶液を 1 2 1 °Cで 1 5分間高圧蒸気滅菌することにより得た。
(3) 遺伝子導入用組成物の調製
前記 ( 1 ) で得られた X P A遺伝子導入用 HV Jエンベロープべ クタ一 2 2 5 μ 1 と前記 ( 2) で得られた 2. 5重量%ヒアルロン 酸ナトリ ゥム溶液 1 5 Ομ 1 とを混合して遺伝子導入用組成物を得 た。 なお、 前記遺伝子導入用組成物におけるヒアルロン酸ナトリウ ムめ濃度は、 1重量0 /0である。 試験例 5 X Ρ Αマウスへの X Ρ Α遺伝子の導入による効果 ( 1 ) 遺伝子導入用組成物の皮膚塗布群
前記実施例 5で得られた遺伝子導入用組成物 (E 5) を、 前記試 験例 1の ( 1 ) と同様に、 XP Aモデルマウスの背部に塗布した。 4 8時間後、 N e m b u t a 1 ®を用いて腹腔内注射で麻酔し、 X P Aモデルマウスの背部に、 TO SH I BA f l u o r e s c e n t S u n l a m F L 2 0 S E (ピーク波長 3 0 5 n m、 2 8 0〜 3 6 0 nm) を用いて、 U V Bを 40 0 J Z m 2ノ回 を週 1回で、 2 0週照射した。 なお、紫外線量は、 UVR— 3 0 5Z 3 6 5 D紫外線線量計で測定した。 対照と して、 X PA遺伝子導入 用 H V Jエンベロープべクターの代わりに、 X P A遺伝子のみを含 有し、 HV Jエンベロープベクター及びヒアルロン酸ナトリ ウムを
含有しない対照組成物を同様に塗布して、以下、同様の操作を行なつ た。
(2) 皮膚症状の観察
紫外線照射終了 5ヶ月後に、 紫外線誘発皮膚腫瘍について肉眼で 観察した。その結果、 X P A遺伝子のみを含有し、 HV Jェンベロー プべクター及びヒアルロン酸ナトリ ゥムを含有しない対照組成物の 皮膚塗布群では、 第 1図に示したように、 紫外線照射部位に一致し て、 増殖の速い腫瘍を認めたのに対して、 実施例 5の遺伝子導入用 組成物 (E 5) の皮膚塗布群では、 第 2図に示したように、 紫外線 照射部位に皮膚の肥厚と紅色丘疹を認めるのみで、 明らかな悪性腫 瘍は認めなかった。 即ち、 驚くべきことに、 導入対象の核酸が、 皮 膚から細胞に導入されていることが示された。 また、 皮膚の広範囲 にわたつて、導入対象の核酸中の遺伝子が発現することがわかった。 実施例 6
遺伝子導入用組成物の調製
(1 ) 遺伝子導入用核酸の調製
実施例 2と同様にして p c H A— X P Aを構築した。 ここで、 X P A遺伝子導入用核酸における DNA量は、 5 0 g /マウスとし た。
(2) ヒアルロン酸ナトリ ウム溶液の調製
前記実施例 1の( 2) と同様にして、 ヒアルロン酸ナトリ ウムを、 ダルべッコ p B S (—) 溶液 1 m 1 に 5重量%濃度となるように膨 潤させ、 5重量0 /0ヒアルロン酸ナトリ ウム (p H 7. 4) を得た。 なお、 前記ダルベッコ P B S (—) 溶液は、 例えば、 和光純薬工業 株式会社製のダルベッコ P B S (—) 粉末 9. 6 gを蒸留水に溶解 させて容量を 1 リ ッ トルに調製し、 得られた溶液を 1 2 1 °Cで 1 5分間高圧蒸気滅菌することにより得た。
(3) 遺伝子導入用組成物の調製
前記 ( 1 ) で得られた X P A遺伝子導入用核酸 2 2 5 μ 1 と前記
( 2 ) で得られた 5重量0 /oヒアルロン酸ナトリ ゥム溶液 1 5 0 μ 1 とを混合して遺伝子導入用組成物を得た。 なお、 前記遺伝子導入用 組成物におけるヒアル口ン酸ナトリ ゥムの濃度は、 2重量0 /0である。 試験例 6 X Ρ Αマウスへの X Ρ Α遺伝子の導入による効果
( 1 ) 遺伝子導入用組成物の皮膚塗布群
前記実施例 6で得られた遺伝子導入用組成物 (E 6 ) を、 前記試 験例 1の ( 1 ) と同様に、 X P Aモデルマウスの背部に塗布した。 4 8時間後、 N e m b u t a 1 ®を用いて腹腔内注射で麻酔し、 X P Aモデルマウスの背部に、 T O S H I B A f l u o r e s c e n t S u n l a m p F L 2 0 S E (ピーク波長 3 0 5 n m、 2 8 0〜 3 6 0 n m) を用いて、 U V Bを 4 0 0 J / m 2ノ回 を週 1回で、 2 0週照射した。 なお、紫外線量は、 U V R— 3 0 5 / 3 6 5 D紫外線線量計で測定した。 対照として、 遺伝子導入用組成 物の代わりに、 X P A遺伝子を含有しない p c D N A 3を用いた対 照遺伝子導入用組成物 (C 6 — 1 ) 又はヒアルロン酸ナトリ ウムを 含有しない対照遺伝子導入用組成物(C 6 — 2 )を塗布して、以下、 同様の操作を行なった。
( 2 ) 皮膚症状の観察
紫外線照射終了 5ヶ月後に、 紫外線誘発皮膚腫瘍について肉眼で 観察した。 その結果、 遺伝子導入用組成物 (E 6 ) の皮膚塗布群で は、 第 3図に示したように、 紫外線照射部位に皮膚の肥厚と紅色丘 疹を認めるのみで、 明らかな悪性腫瘍は認めなかったのに対して、 X P A遺伝子を含有しない対照遺伝子導入用組成物 (C 6 — 1 ) 又 はヒアル口ン酸ナトリ ゥムを含有しない対照遺伝子導入用組成物
( C 6 - 2 ) の皮膚塗布群では、 紫外線照射部位に一致して、 増殖 の速い腫瘍を認めた。 即ち、 驚くべきことに、 導入対象の核酸が、 皮膚から細胞に導入されていることが示された。 また、 皮膚の広範 囲にわたって、 導入対象の核酸中の遺伝子が発現することがわかつ た。
実施例 7
遺伝子導入用組成物の調製
( 1 ) X P A遺伝子導入用 HV Jエンベロープベクターの調製 実施例 1 と同様にして p CAGG S— X PAを構築した。 得られ た CAGG S— X PAを HV Jェンべロープべクターに封入した c これにより、 X P A遺伝子導入用 H V Jエンベロープベクターを得 た。 ここで、 X P A遺伝子導入用 HV Jエンベロープベクターにお ける DNA量は、 5 0 μ g Zマウスとした。
(2) ヒアルロン酸ナトリ ウム溶液の調製
前記実施例 1の( 2) と同様にして、 ヒアルロン酸ナトリ ウムを、 ダルベッコ P B S (—) 溶液 1 m l に 0. 3重量%濃度となるよう に膨潤させ、 0. 3重量0 /0ヒアルロン酸ナトリ ウム (p H 7. 4) を得た。 なお、 前記ダルベッコ P B S (—) 溶液は、 例えば、 和光 純薬工業株式会社製のダルベッコ P B S (—) 粉末 9. 6 gを蒸留 水に溶解させて容量を 1 リ ッ トルに調製し、 得られた溶液を 1 2 1 °Cで 1 5分間高圧蒸気滅菌することにより得た。
(3) 遺伝子導入用組成物の調製
前記 ( 1 ) で得られた X P A遺伝子導入用 HV Jエンベロープべ クタ一 2 5 0 μ 1 と前記 ( 2) で得られた 0. 3重量0 /0ヒアルロン 酸ナトリ ゥム溶液 5 0 μ 1 とを混合して遺伝子導入用組成物を得た。 なお、 前記遺伝子導入用組成物におけるヒアル口ン酸ナトリ ウムの 濃度は、 0. 0 5重量%である。 試験例 7 Χ ΡΑマウスへの Χ ΡΑ遺伝子の導入による効果
( 1 ) 遺伝子導入用組成物の皮下注射群群
前記実施例 7で得られた遺伝子導入用組成物 (Ε 7) を Χ ΡΑモ デルマウスの背部に、 4一 5ケ所に分けて皮下注射した。 24時間 後、 N e m b u t a 1 ®を用いて腹腔内注射で麻酔し、 X P Aモデ ルマウスの背部に、 TO SH I BA f l u o r e s c e n t S
u n 1 a m p F L 2 0 S E (ピーク波長 3 0 5 n m、 2 8 0〜 3 6 0 n m) を用いて、 U V Bを 4 0 0 Jノ m 2ノ回を週 1回 で、 2 0週照射した。 なお、紫外線量は、 UVR— 3 0 5/ 3 6 5 D 紫外線線量計で測定した。 対照として、 卩 遺伝子導入用:《¥】 エンベロープベクターの代わりに、 X P A遺伝子を含有しない p C AGG Sを封入した HV Jエンベロープべクターを保持した対照遺 伝子導入用組成物 (C 7— 1 ) 又はヒアルロン酸ナトリウムを含有 しない対照遺伝子導入用組成物 (C 7— 2) を塗布して、 以下、 同 様の操作を行なった。
(2) 皮膚症状の観察
紫外線照射終了 5ヶ月後に、 紫外線誘発皮膚腫瘍について肉眼で 観察した。 その結果、 X P A遺伝子を含有しない対照遺伝子導入用 組成物 (C 5— 1 ) 又はヒアルロン酸ナト リ ゥムを含有しない対照 遺伝子導入用組成物 (C 5— 2) の皮膚塗布群では、 紫外線照射部 位に一致して、 増殖の速い腫瘍を認めたのに対して、 遺伝子導入用 組成物 (E 7) の皮下注射群では、 第 4図に示したように、 紫外線 照射部位の皮膚に肥厚と紅色丘疹を認めるのみで、 明らかな悪性腫 瘍は認めなかった。 即ち、 驚くべきことに、 導入対象の核酸が、 皮 膚から細胞に導入されていることが示された。 また、 皮膚の広範囲 にわたつて、導入対象の核酸中の遺伝子が発現することがわかった。 実施例 8
遺伝子導入用組成物の調製
( 1 ) 遺伝子導入用核酸の調製
実施例 2と同様にして p CAGG S— X P Aを構築した。ここで、
X P A遺伝子導入用核酸における D N A量は、 5 0μ § _ マウスと した。
(2) コンドロイチン硫酸ナトリ ウム溶液の調製
前記実施例 1の (2) と同様にして、 コン ドロイチン硫酸ナトリ ゥムを、 ダルベッコ P B S (—) 溶液 l m l に 0. 5重量%濃度と
なるように膨潤させ、 0. 5重量%コンドロイチン硫酸酸ナトリ ウ ム (p H 7. 4) を得た。 なお、 前記ダルベッコ P B S (—) 溶液 は、 例えば、 和光純薬工業株式会社製のダルベッコ P B S (—) 粉 末 9. 6 gを蒸留水に溶解させて容量を 1 リ ッ トルに調製し、 得ら れた溶液を 1 2 1でで 1 5分間高圧蒸気滅菌することにより得た。
(3) 遺伝子導入用組成物の調製
前記 ( 1 ) で得られた X P A遺伝子導入用核酸 2 5 Ομ 1 と前記 (2) で得られた 0. 5重量%コンドロイチン硫酸ナトリ ウム溶液 5 0μ 1 とを混合して遺伝子導入用組成物を得た。 なお、 前記遺伝 子導入用組成物におけるコンドロイチン硫酸ナトリ ゥムの濃度は、 0. 0 8 3重量%である。 試験例 8 X Ρ Αマウスへの X Ρ Α遺伝子の導入による効果
( 1 ) 遺伝子導入用組成物の皮下注射群
前記実施例 6で得られた遺伝子導入用組成物 (E 8 ) を、 前記試 験例 7の( 1 ) と同様に、 X P Aモデルマウスの背部に皮下注射し、 背部に UV Bを 4 0 0 j Zm2/回を週 1回で、 2 0週照射した。 対照として、 遺伝子導入用組成物の代わりに、 X P A遺伝子を含有 しない p CAGG Sを用いた対照遺伝子導入用組成物 (C 8— 1 ) 又はコンドロイチン硫酸ナトリゥムを含有しない対照遺伝子導入用 組成物 (C 8— 2) を塗布して、 以下、 同様の操作を行なった。
(2) 皮膚症状の観察
紫外線照射終了 5ヶ月後に、 紫外線誘発皮膚腫瘍について肉眼で 観察した。 その結果、 遺伝子導入用組成物 (E 8 ) の皮膚塗布群で は、 紫外線照射部位に皮膚の肥厚と紅色丘疹を認めるのみで、 明ら かな悪性腫瘍は認めなかったのに対して、 X P A遺伝子を含有しな い対照遺伝子導入用組成物 (C 8— 1 ) 又はコンドロイチン硫酸ナ トリ ウムを含有しない対照遺伝子導入用組成物 (C 8— 2 ) の皮膚 塗布群では、紫外線照射部位に一致して、増殖の速い腫瘍を認めた。 即ち、 驚くべきことに、 導入対象の核酸が、 皮膚から細胞に導入さ
れていることが示された。 また、 皮膚の広範囲にわたって、 導入対 象の核酸中の遺伝子が発現することがわかった。 実施例 9
遺伝子導入用組成物の調製
( 1 ) 遺伝子導入用核酸の調製
実施例 2と同様にして p c HA— X P Aを構築した。 ここで、 X P A遺伝子導入用核酸における DN A量は、 S O g/マウスとし た。
(2) ヒアルロン酸ナトリウム溶液の調製
前記実施例 1の( 2) と同様にして、 ヒアルロン酸ナトリ ウムを、 ダルべッコ p B S (—) 溶液 1 m 1 に 5重量0 /。濃度となるように膨 潤させ、 5重量0 /0ヒアルロン酸ナトリ ウム (p H 7. 4) を得た。 なお、 前記ダルベッコ P B S (—) 溶液は、 例えば、 和光純薬工業 株式会社製のダルベッコ P B S (—) 粉末 9. 6 gを蒸留水に溶解 させて容量を 1 リ ッ トルに調製し、 得られた溶液を 1 2 1でで 1 5分間高圧蒸気滅菌することにより得た。
( 3) 遺伝子導入用組成物の調製
前記 ( 1 ) で得られた X P A遺伝子導入用核酸 3 0 0 μ 1 と前記 ( 2 ) で得られた 5重量%ヒアル口ン酸ナトリ ゥム溶液 7 5μ 1 と を混合して遺伝子導入用組成物を得た。 なお、 前記遺伝子導入用組 成物におけるヒアル口ン酸ナトリ ゥムの濃度は、 1重量%である。 試験例 9 X Ρ Αマウスへの X Ρ Α遺伝子の導入による効果 ( 1 ) 遺伝子導入用組成物の皮膚塗布群
前記実施例 6で得られた遺伝子導入用組成物 (E 9 ) を、 前記試 験例 1の ( 1 ) と同様に、 X P Aモデルマウスの背部に塗布した。 4 8時間後、 N e m b u t a 1 ®を用いて腹腔内注射で麻酔し、 X P Aモデルマウスの背部に、 TO S H I BA f l u o r e s c e n t S u n l a m p F L 2 0 S E (ピーク波長 3 0 5 n
m、 2 8 0〜 3 6 0 nm) を用いて、 UVBを 1 5 0 0 m 回を週 3回で、 5週照射した。 なお、紫外線量は、 UVR— 3 0 5/ 3 6 5 D紫外線線量計で測定した。 対照と して、 遺伝子導入用組成 物の代わりに、 X P A遺伝子を含有しない p C DNA 3を用いた対 照遺伝子導入用組成物 (C 9— 1 ) 又はヒアルロン酸ナトリ ウムを 含有しない対照遺伝子導入用組成物(C 9— 2)を塗布して、以下、 同様の操作を行なった。
( 2) 皮膚症状の観察
紫外線照射終了 1 2週後に、 紫外線誘発皮膚腫瘍について肉眼で 観察した。 その結果、 遺伝子導入用組成物 (E 9) の皮膚塗布群で は、 第 5図に示したように、 紫外線照射部位に皮膚の肥厚と紅色丘 疹を認めるのみで、 紫外線照射部位の皮膚に肥厚と紅色丘疹を認め るのみで、 紫外線誘発皮膚腫瘍は認めなかったのに対して、 X PA 遺伝子を含有しない対照遺伝子導入用組成物 (C 9— 1 ) 又はヒア ルロ ン酸ナト リ ウムを含有しない対照遺伝子導入用組成物 (C 9— 2) の皮膚塗布群では、 第 6図に示したように、 紫外線照射部 位に一致して、 増殖の速い腫瘍を認めた。 即ち、 驚くべきことに、 導入対象の核酸が、皮膚から細胞に導入されていることが示された。 また、 皮膚の広範囲にわたって、 導入対象の核酸中の遺伝子が発現 することがわかった。 実施例 1 0
蛋白質導入用組成物の調製
( 1 ) human EGF導入用 HV Jエンベロープベクターの調製 human EGF は例えば、 和光純薬工業株式会社製の Epidermal
Growth Facter, Human, recombinantを購入し使用した。 これを H V Jエンベロープベクターに封入し、 human EGF遺伝子導入用 H V Jエンベロープベクターを得た。
( 2) ヒアルロン酸ナトリ ウム溶液の調製
ヒアルロン酸ナトリ ゥムを、ダルべッコ P B S (- )溶液 1 0 0 m
1 に 5重量%濃度となるように膨潤させることにより、 5重量%ヒ アルロン酸ナトリ ゥム溶液 (p H 7. 4) を得た。 なお、 前記ダル べッコ P B S (- ) 溶液は、 例えば、 和光純薬工業株式会社製のダ ルべッコ P B S (- ) 粉末 9. 6 gを蒸留水に溶解させて容量を 1 リ ツ トルに調製し、 得られた溶液を 1 2 1でで 1 5分間高圧蒸気 滅菌することにより得た。
( 3) 蛋白質導入用組成物の調製
前記 ( 1 ) で得られた human EGF溶液 3 0 0 μ 1 ( 5 0 0 g human EGF) と前記 ( 2 ) で得られた 5重量%ヒアルロン酸ナト リ ウム溶液 7 5 μ 1 とを混合して蛋白質導入用組成物を得た。なお、 前記蛋白質導入用組成物におけるヒアル口ン酸ナトリ ゥムの濃度は、 1重量%である。 試験例 1 0 C 5 7マウスへの human EGFの導入による効果 ( 1 ) 蛋白質導入用組成物の皮膚塗布群
前記実施例 1 0で得られた蛋白質導入用組成物 (E 1 0) を、 蛋 白質量として、 5 0 0 μ g /マウスとなるように、 C 5 7マウスの 背部 (約 4. 5 c m2) に塗布した。 対照として、 human EGFを含 有しない蛋白質導入用組成物 (C 1 0 -1 ) 又はヒアルロン酸ナトリ ゥムを含有しない蛋白質導入用組成物 (C 1 0 -2) を塗布して、 以 下の操作を行った。
( 2 ) human EGFの検出
6時間後、 前記 ( 1 ) のマウスの皮膚 (4. 5 c m2) を切除し、 切除された皮膚を O T Cに包埋後凍結固定した。 凍結切片を 4〜 5 μ mの厚さに薄切し、得られた切片を F I T C標識した抗 human EGF抗体で染色した。
その結果、 前記実施例 1 0で作成したものを塗布した群のマウス においてのみ、 表皮組織中に蛍光が見られた。 即ち、 驚くべきこと に、 導入対象の蛋白質が、 皮膚から細胞に導入されていることが示 された。
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本発明の対象物質導入用組成物は、 全身性疾患等の広範囲にわた り発症する疾患等の治療、 症状改善、 疾患の機構の研究に際し、 効 率よく、 対象物質を導入することができるという優れた効果を奏す る。 また、 本発明の広範囲の遺伝子導入手段は、 広範囲の導入対象 部位に対して、 簡便に、 効率よく遺伝子を導入することができると いう優れた効果を奏する。 即ち、 本発明は、 対象物質を効果的に、 しかも生理的条件下で導入することができ、 導入された物質が確実 に機能するという効果を奏する。 産業上の利用可能性
本発明の対象物質導入用組成物は、 対象物質を効果的に、 しかも 生理的条件下で導入することができ、 導入された物質が確実に機能 するという優れた効果を奏するので、 組織疾患等の広範囲にわたり 発症する疾患等の治療、症状改善、疾患の機構の研究に有用である。