明細書 半導体記憶装置 技術分野 本発明は、 電流を流すことにより記憶素子に情報を書き込む半導体記憶装置に 関し、 特に、 電流を流すことにより発生した磁界によりトンネル磁気抵抗素子に 情報を書き込む半導体記憶装置に関する。
背景技術 近年、 携帯電話等の急速な普及により、 不揮発、 大記憶容量、 低電圧動作、 低 消費電力特性を持つメモリの需要が高まっている。 MRAM (磁気ランダムァク セスメモリー) は、 これらの特性を備えたメモリとして期待されている。 MRA Mの記憶素子は TMR (トンネル磁気抵抗) 素子で構成され、 各 TMR素子は、 例えば第 1 6図に示すような構成となっている。 TMR素子は、 順次に固定強磁 性層 (ピン層) 9 0 1、 トンネル絶縁層 9 0 2、 および自由強磁性層 (フリー層) 9 0 3を積層することにより構成されている。上記ピン層 9 0 1の磁化の向きは、 製造時に固定されている。 これに対して、 フリー層 9 0 3の磁化方向は配線電流 の生成する磁場により反転可能になっており、 例えば、 TMR素子の上下に配置 されているビット線 B Lとヮード線 WLに流れる電流の生成する磁場により反転 することができる。 その磁化の向きによって 「1」 または 「0」 が割り当てられ ている。 ピン層 9 0 1とフリー層 9 0 3の磁化の相対方向が平行な時 (第 1 6図 での 「0」) は電気抵抗が小さく、 反平行な時 (第 1 6図での 「1」) は電気抵抗 が大きいため、 この電気抵抗の差を検出することにより、 記憶素子の状態を読み 出すことが可能である。
このような構成の TMR素子をメモリセルとして使用する半導体記憶装置は、
第 1 7図 (A) のように、 複数個のメモリセル 9 0 4がマトリックス状に配置さ れた構成を持ち、 各メモリセルの上方において、 横方向に延びる複数本のビット 線 B L 9 0 5と、 各メモリセルの下方において、 縦方向に延びる複数本のワード 線 WL 9 0 6と、 を構成要素としている。 各メモリセル 9 0 4は、 上記 TMR素 子により構成されており、 選択セルの上下に存在するビット線 B Lとワード線 W Lに電流が流れた時、 それぞれの電流が生成する磁場 Ηγ, Hxの組み合わせが所 定の条件を満たした時、 フリ一層の磁化方向が反転され得るようになっている。 この磁化反転に必要な最低磁場の組み合わせは、 第 1 7図 (B) に示すような、 ァステロイドカーブと呼ばれる曲線を成す(第 1 7図(B)では、 「0」から「1」 への反転を考えている)。ァステロイド曲線の外側("Reversal"領域及び "Multiple Write"領域)の磁場を加えれば、選択セル Sに対して書込みが行われる。例えば、 第 1 7図 (B) において、 X方向磁場 HDX、 Y方向磁場 HDYを加えると、 選択セ ル Sにおける磁場ベクトル (Hx, HY) = (HDX, HDY) は反転領域にあるため、 磁化反転がおきる。つまり、 その磁化の向きを反転させることにより、 「0」また は 「1」 のデータ書込を行なうことができるようになつている。 またこのとき、 選択ビット線上、 選択ワード線上の非選択メモリセル Ux, UYにおいては、 ァス テロイドカーブの内側 ("Retention"領域) に収まるような磁場 HDXのみ、 また は HDYのみが存在するため、 磁化反転は起きない。 つまり、 選択的書込みが行わ れる。
第 1 7図 (B) における磁場 (Hx, Ηγ) は、 Ampereの法則 (Ι =ΗΖ2 ?τ r、 rは配線中心と磁性体中心間の距離) により、 ワード線電流 I DY、 ビット線 電流 I DXについて書き直すことが出来る。 書き直した結果を第 1 7図 (C) に示 す。 ワード線電流 I DY、 ビット線電流 I DX電流を流すと、 選択セル Sにおける電 流の組み合わせ (I BL, I wi) = ( I DX, I DY) は反転領域にあるため、 磁化反転 がおきる。 つまり、 その磁化の向きを反転させることにより、 「0」 または 「1」 のデータ書込を行なうことができるようになっている。 またこのとき、 選択ビッ ト線上、 選択ワード線上の非選択メモリセル Ux, UYにおいては、 ァステロイド カーブの内側 (「保持」 領域) に収まるような電流 I DX, I DYのみが流れるため、 磁化反転は起きない。 つまり、 選択的書込みが行われる。
ところが MR AMの場合は、 第 17図 (A) が示すように、 選択ビット線 BL 905と選択ヮード線 WL 906には非選択セルが多数接続されているため、 配 線に電流が流れるとこれらの非選択セルが擾乱磁場を受けることになる。例えば、 第 17図 (C) における格子模様の領域 ("Multiple Write"領域) にある書込電 流を流すと、 非選択メモリセル Uxでの電流 IBL, 非選択メモリセル UYでの電流
IWLはァステロイドカーブの外側に出るため、 非選択メモリセル Ux, UYに対し ても書込みが行われる。 つまり、 誤書込みが起こる。 従って、 選択的書込みを行 なうためには、 第 17図 (C) における白抜き部分 "Reversal"領域内の電流を 流す必要があり、 書込電流値の正確な調整が必要である。
なお、 本発明に関連する先行技術文献として以下のものがある。
特開 2001—195878号公報
特開 2001-325791号公報
特開 2002-008367号公報
特開 2002-074974号公報
特開 2002— 170374号公報
特開 2002-170375号公報
特開 2002-170376号公報
特開 2002-197852号公報
特開 2002-156184号公報 発明の開示 磁性体の磁化反転時間は 1ナノ秒以下と高速であることから、 MR AMは高速 書込みが原理的に可能であることが、 その長所の一つとなっている。 しかし、 上 記従来の技術で説明したように、 MRAMの書込電流は正確である必要があるた め、 書込電流源としては、 定電流源を使う必要がある。 ところが、 上記のような 従来の定電流書込回路では、 書込電流源がオンされた直後では、 配線およびセレ クタに存在する寄生キャパシタに電荷が蓄積されるために、 実際に選択ビット線 BL905及び選択ヮード線 WL 906の選択セルの位置に定電流が流れるまで
に一定の時間が必要であった。 このため、 書込み時の消費電力が増大する問題を 有していた。 この問題を、 第 1 8〜2 1図を用いて説明する。 第 1 8図はメモリ セルアレイ (図では 4 X 4のセルを表示) であり、 X側、 Y側にそれぞれ定電流 源回路が用意されている。 理想的には第 1 9図 (A) で示すように、 この定電流 源が出力する定電流 I CX, I CYはアレイ内でもそのまま定電流 I AX, I A Yとして流れる。 このため、 瞬時に書込電流が立ち上げることが期待される。 し かし、 実際の回路には、 第 1 8図に示すような寄生キャパシタ C LX, C LY, CX 1 , …, CXm, CY 1 , …, CYmが存在する (m行 m列アレイの場合)。 そのため定電流源が、 アレイ外においては定電流 I CX, I C Yを流しても、 ァ レイ内での電流は、 特に電流を流した直後において上記の寄生キャパシタを充電 するために費やされるため、 電流波形は第 1 9図 (B) のように鈍る。 特に MR AMの場合は、 特定の値以下の電流は書込能力を有さないため、 電流値が必要な 値になるまで待たなくてはならない。 このため、 高速な書込みが難しくなるばか りでなく、 第 1 9図 (B) 斜線部のように無駄な電流が生じる。 このため、 特に MR AMの場合は書込電流値が大きい (数 mA) ことを反映して、 消費電力が増 大してしまうという難点があつた。
この問題は、 メモリの容量が大きくなるに従って顕著になる。 第 2 0図は、 大 記憶容量ァレイに従来型の定電流源回路を用いて電流を流す時の構成を示すプロ ック図である。 大記憶容量アレイは、 N XM個の小アレイで構成されているとす る。 メモリ占有面積を大きくするために、 X側の電流源は同一行の小アレイ M個 に対して書込みを行い、 Y側の電流源は同一列の小ァレイ N個に対して書込みを 行なう構成になっている。 このため、 例えば X側の書込電流に関しては、 小ァレ ィ (1, 1 ) に電流を流 合の電流経路 Iと、 小アレイ (1, M) に電流を流 す場合の電流経路 Mは、 電流経路の長さが異なる。 これらの電流経路には配線抵 抗 R!)、 寄生キャパシ夕 Cpが付随するため、 定電流を流 «合でも、 大体時定 数 A t = Cp Rpで与えられる遅延時間が生じる。 電流経路が異なると、 配線抵 杭と寄生キャパシタが異なるのはもちろん、 配線電位が異なることによって、 寄 生キャパシ夕に充電するのに必要な電荷量も異なってくる。 この違いを、 第 2 1 図を用いて説明する。 終端電位を V。、 小アレイ 9 2 1とセレクタ 9 2 2の合成
抵抗を r、 小アレイ 9 2 1とセレクタ 9 2 2の合成寄生キャパシタの容量を CA とし、 小アレイ k ( K k <M) を選択したとすると、 電流 Iを流す時に寄生キ ャパシタに蓄積される電荷量は、
Qk = CV0 + ^C(V0 + Rjl)
j=i
+ CA(V0 + Rkl)+ V C(V0 + RkI + rI + Rjl)
= ak~ + bk + c
但し
a = 2CRI
b = C(R + r)I + CARI + 2CV。 c = (C + CA )V0
( 1 ) となり、 アレイ位置 kに関して 2次式、 電流値 Iに関して 1次式となる。
しかしながら、 従来型の定電流源を用いただけでは、 選択アレイの場所に依存 する寄生キャパシタの影響を最小化し、 短時間で書込電流を流すことは困難であ つた。 また、 寄生キャパシタの容量の大きさは書込電流値にも依存するため、 実 際に流す電流値に従って寄生キャパシタの影響を最小化し、 短時間で書込電流を 流すことは困難であった。 さらに、 実際に付随する寄生キャパシタはチップによ つて異なる可能性があるため、 寄生キャパシタの影響を最小化して短時間で書込 電流を流すことは困難であった。
本発明は、 寄生キャパシタにより書込電流が所定値に達するまでの時間が長引 くことを防止することにより、 書込み速度を速め、 消費電力を削減することを目 的とする。
上記の課題を解決するために、 本発明の半導体記憶装置は、 書込電流源路が、 書込スタンバイ時に電荷を蓄積し、 書込動作時に前記電荷が瞬間的に開放される
回路 (以下、 ブースト回路と呼ぶ) を有する構成とする。 本ブースト回路を用い ることで、 配線やセレクタゲートに存在する寄生キャパシタを瞬間的に充電する ことができ、 その結果、 ブースト回路と別個に存在する定電流源回路から流れる 電流が寄生キャパシタに对して充電する量を小さくすることができるため、 書込 電流は短時間で立ち上がることが可能になる。 結果的に短時間で書き込むことが でき、 電力消費量の増大を防ぐことができる。
また、 本半導体記憶装置のブースト回路は、 複数個のブースト用キャパシタと キャパシタセレクタから成り、 セルァレイの場所や電流値によつて容量を選択可 能な構成となっているため、 任意のセル、 任意の電流についての書込みにおいて 効果を持たせることができる構成となっている。
さらに本半導体記憶装置のブースト回路は、 上記のブースト用キャパシタを選 択パターンに従って等比級数的に分割しているため、 最大ブースト時 (最遠方ァ レイ書込み、 最大電 にブ一スト用キャパシタキャパシタが全て使用される構 成となっている。 このため、 ブースト用キャパシタの占有面積に無駄が生じるこ とがないため、 アレイ占有面積を高めることが出来る。
本発明によれば、 情報を記憶する記憶素子と、 電流を流すことにより前記記憶 素子に情報を書き込むために設けられた定電流源と、 前記記憶素子に関連した所 定位置において、 前記定電流源により流された電流の量が前記記憶素子に情報を 書き込むために必要な電流の量に達するまでの間に、 寄生キャパシタを充電する ためのブースト回路と、を備えることを特徴とする半導体記憶装置が提供される。 上記の半導体記憶装置において、 前記記憶素子は、 トンネル磁気抵抗素子であ つてもよく、 前記所定位置は、 前記トンネル磁気抵抗素子に電流による磁界を与 える位置であってもよい。
上記の半導体記憶装置において、 前記ブースト回路は、 前記寄生キャパシ夕を 充電するための電荷を蓄積するコンデンサを備えていてもよい。
上記の半導体記憶装置は、 前記コンデンサの両極間電圧を電源電圧以上にする ための回路を更に備えていてもよい。
上記の半導体記憶装置において、 前記コンデンサは複数有ってもよく、 前記ブ ースト回路は、 前記寄生キャパシタを充電するために必要な電荷の量に応じて、
充電に用いるコンデンサを切り替える切替手段を備えていてもよい。
上記の半導体記憶装置において、 前記切替手段は、 前記寄生キャパシ夕を充電 するために必要な電荷の量に応じて、 充電に用いるコンデンサの組み合わせを切 り替えてもよい。
上記の半導体記憶装置において、 前記複数のコンデンサのうちの少なくとも一 部のものの容量は、 相互に等比級数の関係にあつてもよい。
上記の半導体記憶装置において、 前記複数のコンデンサのうちの少なくとも一 部のものの容量は、 前記記憶素子に情報を書き込むために必要な電流の量に依存 した前記寄生キャパシタの容量に従って決定されていてもよい。
上記の半導体記憶装置において、 前記複数のコンデンサのうちの少なくとも一 部のものの容量は、 前記記憶素子の位置に依存した前記寄生キャパシタの容量に 従って決定されていてもよい。
上記の半導体記憶装置において、 前記複数のコンデンサのうちの少なくとも一 部のものの容量は、 プロセス条件に依存した前記寄生キャパシ夕の容量に従つて 決定されていてもよい。
本発明の半導体記憶装置は、 電流経路に存在する寄生容量の電荷をブースト回 路の電荷を蓄積する節点に還流させる環流手段を有するので消費電流の少ない M RAMを得ることができている。
本発明の半導体記憶装置は、 前記ブースト回路に電荷を蓄積する時刻を前記電 流源の活性化期間終了後に設定しているので、 定電流源回路を安定的に動作させ ることができ、 ひいては歩留まりの高い MR AMを得ることができている。 本発明の半導体記憶装置は、 動作モードの履歴に依存して、 前記電流経路に存 在する寄生容量の電荷の一部を保持し、 ブースト回路の放電を抑える電荷保持手 段を有するので消費電流の少ない MR AMを得ることができている。
本発明によれば、 スタンバイ時は電源からキャパシタに対する充電、 動作時は キャパシタに蓄積された電荷の放電が行われることによって、 寄生キャパシタに 対する充電が短時間で行われ、 書込時間を短縮することができる。 また、 一般に これらの寄生キャパシタの大きさは、 書込セルの位置や電流値に依存するが、 複 数のキャパシタアレイ、 および適正なキャパシタを選択するキャパシタセレクタ
を書込定電流源回路に付加することで、 寄生キャパシタを適切な速度で充電する ことができる。 つまり、 高速書込みが実現できるため、 特に MRAMの大記憶容 量化に対して効果が大きい。 図面の簡単な説明 第 1図は、 本発明の第 1の実施の形態による半導体記憶装置の構成を示すプロ ック図である。
第 2図は、 本発明の第 1の実施の形態による半導体記憶装置で用いる定電流源 回路の構成を示す回路図である。
第 3図 (A) は、 本発明の第 1の実施の形態による半導体記憶装置の書き込み 時の動作を示すタイミングチャートである。
第 3図 (B) は、 本発明の第 1の実施の形態による半導体記憶装置の書き込み 時の動作を示すもう一つのタイミングチャートである。
第 4図は、 本発明の第 2の実施の形態による半導体記憶装置で用いる昇圧回路 およびレベルシフト回路の例を示す回路図である。
第 5図は、 本発明の第 2の実施の形態による半導体記憶装置の構成を示すプロ ック図である。
第 6図 (A) は、 本発明の第 2の実施の形態による半導体記憶装置の書き込み 時の動作を示すタイミングチャートである。
第 6図 (B) は、 本発明の第 2の実施の形態による半導体記憶装置の書き込み 時の動作を示すもう一つのタイミングチャートである。
第 7図は、 本発明の第 3の実施の形態による半導体記憶装置の構成を示すプロ ック図である。
第 8図は、 本発明の第 3の実施の形態による半導体記憶装置で用いるブースト 回路の構成を示すプロック図である。
第 9図は、 図 8に示すブースト回路内のキャパシ夕セレクタの構成を示す回路 図である。
第 1 0図は、 本発明の第 3の実施の形態における電流ブースト容量の分割方法
を示す容量構成図である。
第 1 1図は、 本発明の第 3の実施の形態における電流ブースト容量の選択方法 を示す表である。
第 1 2図は、本発明の効果を示す電流のシミュレーション波形の比較図である。 第 1 3図は、 本発明の第 4の実施の形態による半導体記憶装置の構成を示すブ ロック図である。
第 1 4図は、 本発明の第 4の実施の形態による半導体記憶装置の書き込み時の 動作を示すタイミングチヤ一トである。
第 1 5図は、 本発明の第 5の実施の形態による半導体記憶装置の構成を示すブ ロック図である。
第 1 6図は、 TMRメモリセルの構造を示す図である。
第 1 7図 (A) は、 メモリセルアレイを示す平面図である。
第 1 7図 (B) は、 磁場表示によるァステロイド曲線を示すグラフである。 第 1 7図 (C) は電流表示によるァステロイド曲線を示すグラフである。
第 1 8図は、 従来例による半導体記憶装置の構成を示すプロック図である。 第 1 9図は、 従来例による半導体記憶装置における書込電流波形を示すグラフ である。
第 2 0図は、 従来例による半導体記憶装置の構成を示すブロック図である。 第 2 1図は、 大記憶容量アレイにおける寄生キャパシ夕の影響を示す回路図で ある。
発明を実施するための最良の形態 本発明の上記および他の目的、 特徴及び利点を明確にすべく、 添付した図面を 参照しながら、 本発明の形態を以下に詳述する。
[第 1の実施の形態]
本発明の第 1の実施の形態の半導体記憶装置を説明する。
第 1図は、第 1の実施の形態の半導体記憶装置の構成を示すプロック図である。
第 1図の X側ブースト回路 101において、 ブースト用キャパシ夕 CBXは一端 が接地され、もう一端は端子 VBXを介して PMOSトランジスタ MSXおよび PMOSトランジスタ MBXに接続されている。 PMOSトランジスタ MBX のもう一端は電源電圧 Vddに接続されている。ブーストスタンバイ時(VBST X = Lレベル (GND)) では、 PMOSトランジスタ MSXはオフ、 PMOS トランジスタ MB Xはオンになっているため、ブースト用キャパシタ CBXには、 電荷 QB = CB XX Vddが蓄積されている。 Y側ブースト回路 102においても 同様である。 X側書込定電流回路 103、 Y側書込定電流回路 104は出力イン ピーダンスの大きな電流源であり、 配線抵抗等の影響を受けずに、 定電流を流す ことができるものとする (この設定電流値が、 最終的にセルアレイに流したい電 流値となる)。 この書込定電流回路 103、 104の構成は、例えば第 2図のよう なトランジスタのカスコード接続を作ることで実現出来る。 PMOSトランジス 夕のゲートへの入力電圧 V b 1, V b 2は、 全てのトランジスタを飽和領域で動 作可能な電圧となっており、バイアス回路で生成する。選択スィッチ SW1,…, SWn (書込開始信号 WENXと電流選択信号の論理積) の切り替えにより、 電 流値を設定できる。 第 2図では nビット、 バイナリの電流源から成るので、 2n 通り (i、 2 i、 3 i、 ···、 (2n-l) i) の電流値を設定できることになる。 定電流制御回路の動作および効果を、第 3図(A) (B)に示したタイミングチ ヤートを用いて説明する。 主に X側の動作について説明するが、 Y側においても 同様であることは、 明らかである。
定電流源回路が動作状態となり、 信号 WENXと信号 VB S TXが Lレベルか ら Hレベル (Vdd) に切り替わると、 PMOSトランジスタ MBXがオフ、 P MOSトランジスタ MS Xがオンとなる。ノード VBXの電位は、ほぼ電源電圧 Vddであり、 配線 NLXの電位はこれ J¾下の電位、例えば GNDであるため、 ブ 一スト用キャパシタ CBXに蓄積された電荷が急激に選択配線に流れる。 この電 流は放電現象を反映して瞬間的なオーバーシユート電流であり、 寄生キャパシタ CLX, CX1, …, CXmを充電しながら、 数ナノ秒の間電流が流れる。 やが て、 ノード VBXの電位と配線電位 NLXが等しくなると、 ブースト電流の流れ が止まる。 この様子を第 3図 (B) 内の電流波形 IBXで示す。 信号 VBSTX
が Hレベルの間、 ノード VBXは AVBXの電位降下が起こり、 それとは逆に、 選択された配線の電位 NLXは GND電位から Vdd— AVBXまで上昇する。 このブースト回路 101が仮にオフであるとすると、 X側書込定電流源回路 1 03からの電流は、 寄生キャパシタに流入してしまうため、 配線終端での電流 I ΑΧは立ち上がりが鈍ってしまう (第 3図(Β)内 ΙΑΧ参照)。 しかし、 ブース ト回路 101がオンである場合、 上記のようにブースト電流 I ΒΧで寄生キャパ シタを充電することができるため、 電流波形の鈍りは減少する。 ブースト用キヤ パシ夕 CBXの容量を適正に設計すれば、 実際にセルアレイに流れる電流 I ΑΧ = ICX+IBXは、 第 3図 (B) の最下行の信号のように短時間 (2ナノ秒程 度) で立ち上げることができる。 そのため、 書込みは短時間で完了し、 消費電力 の増大を防ぐことが出来る。
[第 2の実施の形態]
発明の第 2の実施の形態の半導体記憶装置を説明する。 第 2の実施の形態は、 第 1の実施の形態に記載のブースト用キャパシタ CBX, C BYに印加する電圧 を昇圧することで、 蓄積できる電荷量を増大させ、 書込時間の一層の短時間化を 目的としている。 また、 本回路構成によると、 ブースト用キャパシタ CBX, C B Yに蓄積されるキャパシ夕単位面積当たりの電荷量が大きくなるため、 ブース ト用キャパシタ C B X, CB Yの面積を小さく出来ると言う利点がある。
まず昇圧回路の動作を、 第 4図 (A) を用いて説明する。 ダイオードの閾値電 圧を Vtとすると、 スタンバイ時、 入力端子 A1の電位は V (A1) =0、 出力 端子 VBTの電位は V (VBT) =Vdd— 2Vt、 ノード A 2の電位は V (A2) = Vdd— Vtである。 この状態で V (A1) 二 Vddとすると、 キャパシタ CBの カップリングにより、 ノード A2の電位 V (A2) は一瞬 2 Vdd— Vtに上昇し ようとする (ただし、 同時にダイオード D 2を通じて放電されるため、 実際の電 位は 2 Vdd— Vt以下である)。 このため、 ダイオード D1はオフ、 D 2はオン し、 安定化容量 CLは対充電される。 このため、 出力電圧 VBTは上昇する。 次 に、 V (A1) =GNDになると、 ノード A2の電位は一瞬 GND近くまで降下 するため、 ダイオード D1はオン、 D2はオフとなり、 V (A2) =Vdd-Vt になるまで、 キャパシタ CBに対して充電が行われる。 以下同様にして、 ノード
A 1に周期的なパルス電圧が入力されると、 安定化容量 CBは V (AD =GN D時は充電され、 V (A1) =Vdd時は放電される。 結局、 V (A2) -Vt = VBTとなるまで A2から出力端子 V B Tに対して電流が流れ、 安定化容量 C L を充電する。 このときの出力電位 VBT=2Vdd— 2Vtとなる。
次に、 レベルシフト回路の動作を、第 4図(B)を用いて説明する。第 4図(B) のレベルシフト回路において、 入力端子 INが Lレベルである時、 NMOSトラ ンジス夕 MN1と PMOSトランジスタ MP 2はオン、 NMOSトランジスタ MN2と PMOSトランジスタ MP 1はオフとなるため、出力電位 OUTは Lレ ベルとなる。一方、入力端子 INが Hレベルである時、 NMOSトランジスタ M N2と PMOSトランジスタ MP 1はオン、 NMO Sトランジスタ MN 1と P MOSトランジスタ MP2はオフとなるため、 出力電位 OUTは VBTとなる。 つまり、 Vddから VBTへのレベル変換が行われる。
第 5図は、 本実施の形態 2の半導体記憶装置の構成を示すプロック図である。 第 5図の X側ブースト回路 101 Bにおいて、 ブースト用キャパシタ CBXは一 端が接地され、 もう一端は端子 VBXを介してトランジスタ MSXおよび MBX に接続されている。 トランジスタ MBXのもう一端は、 前記昇圧回路 101B— 1によって電源電圧 Vddが昇圧された昇圧電圧 VBTに接続されている。 また、 オフ時に電流がリークしないようにするために、 PMOSトランジスタ MSX、 MBXのゲート電圧は、 VBTにする必要がある。 このため、 PMOSトランジ スタ MS Xのゲート電圧を制御するインバータ 101 B— 2の電源電圧は VBT とし、 PMOSトランジスタ MB Xのゲートの入力電圧は、 前記レベルシフト回 路 101B— 3によって Vddが変換された VBTとしてある。ブーストスタンパ ィ時 (VBSTX = Lレベル)においては、 PMOSトランジスタ MSXはオフ、 MBXはオンとなっているため、 ブースト用キャパシ夕 CBXには、 電荷 QB = CBXXVBTが蓄積されている。 Y側ブースト回路 102 Bにおいても同様で ある。 X側書込定電流回路 103、 Y側書込定電流回路 104は出力インピーダ ンスの大きな電流源であり、 配線抵抗等の影響を受けずに、 定電流を流すことが できるものとする (この設定電流値が、 最終的にセルアレイに流したい電流値と なる)。この構成は、例えば第 2図のようなトランジスタのカスコード接続を作る
ことで実現出来る。
本回路の動作を、第 6図(A) (B)に示したタイミングチャートを用いて説明 する。 主に X側の動作について説明するが、 Y側においても同様であることは、 明らかである。
定電流源回路 103が動作状態となり、 書込開始信号 WE N Xとブースト開始 信号 VBSTXが Lレベルから Hレベルに切り替わると、 PMOSトランジスタ MBXがオフとなり、 PMOSトランジスタ MSXがオンとなる。この切り替わ り直前でのノード VBXの電位は、 ほぼ昇圧電圧 VBTであり、 配線 NLXの電 位はこれ以下の電圧、 例えばグランド電位であるため、 MS Xがオンとなった瞬 間に、ブースト用キャパシタ C B Xに蓄積された電荷が急激に選択配線に流れる。 この電流は瞬間的なオーバーシュート電流であり、 寄生キャパシタ CLX, CX 1, …, CXmを充電しながら、 数ナノ秒の間電流が流れる。 ノード VBXの電 位と配線電位 NLXが等しくなると、 ブースト電流の流れが止まる。 この様子を 第 6図 (B) 内の電流波形で示す。 信号 VBSTXがオンの間、 ノード VBXは AVBXの電位降下が起こり、 それとは逆に、 選択された配線の電位 NLXは G NDから VBT—AVBXまで上昇する。
このブースト回路 101 Βが仮にオフであるとすると、 X側書込定電流源回路 103からの電流は、 寄生キャパシ夕に流入するために、 アレイ内電流 ΙΑΧは 立ち上がりが鈍ってしまう (第 6図(Β)内参照)。 しかし、 ブースト回路 101 Βがオンした場合、 上記のようにブースト電流 ΙΒΧで寄生キャパシタを充電す ることができるため、 電流波形の鈍りは減少する。 ブースト用キャパシタ CBX の容量を適正に設計すれば、 実際にセルアレイに流れる電流 I AX= ICX+I ΒΧは、 第 6図 (Β) の最下行に示すように短時間 (2ナノ秒程度) で立ち上げ ることができる。 そのため、 書込みは短時間で完了し、 消費電力の増大を防ぐこ とが出来る。
[第 3の実施の形態]
本発明の第 3の実施の形態の半導体記憶装置を説明する。
第 3の実施の形態は、 第 20図の大記憶容量アレイに対して電流ブースト回路 を適用する方法について述べたものである。 本実施の形態で用いる書込回路図を
第 7図で示す。 X側電流ブースト用キャパシ夕アレイ 1 1 1および X側キャパシ タセレクタ 1 1 2が、 X側のメイン配線 1 1 3に対して接続され、 Y側電流ブー スト用キャパシタアレイ 1 1 4およびキャパシタセレクタ 1 1 5が、 Y側のメイ ン配線 1 1 6に対して接続されていることが、 第 3の実施の形態の特徴である。 また、 「0」 「1」 の書込みの切替えは Y側の書込電流方向の切替えにより行う、 双方向の書込電流に対してブースト電流を加えられるように、 Y側については、 2系統 (L, Rと表記) のキャパシタアレイ及びキャパシ夕セレクタが用意され ている。 X側書込みと Y側書込みの動作は、 基本的に同様であるので、 以下では X側書込みに関してのみ説明する。
第 7図で示した X側書込定電流源 1 0 3は、 1 X 1, 1 X 2、 ···, I X nの n 通りの電流値を出力することができるとする。 これは、 MR AMの磁化反転電流 はプロセス条件等によりばらつきがあり、 かならずしも設計した電流値が最適な 電流値ではない可能性があるため、 製造出荷時に電流値を調整する必要があるた めである。 この n通りの書込電流値によって、 寄生キャパシ夕 Q kは式 (1 ) に 従って変化するため、 電流ブースト用キャパシタも n通り用意する必要がある。 また、 X方向には M個の小アレイ XA 1 , …, XAMが並ぶが、 X方向書込ァレ ィ位置 k (k = l、 2、 ···、 M) によっても寄生キャパシタ Q kは式 ( 1 ) に従 つて変化するため、 M通りの電流ブースト用キャパシタを用意する必要がある。 さらに、 プロセス条件等により、 実際の寄生キャパシタは設計値と異なる可能性 があるため、 電流ブースト量を補正する必要があり、 この目的で s通りのブース ト用キャパシタを用意する必要がある。 以上の要請から、 第 7図の各行における X側キャパシタアレイ 1 1 1を MX n x s個のキャパシ夕で構成したとすると、 電流ブースト用キャパシタの占有面積が巨大になる恐れがある。
しかし、 最大ブースト時 (電流値最大、 方のアレイ選択時、 補正ブースト 量最大時) に全てのブースト用キャパシタに充電した電荷を用いる構成にし、 浮 遊キャパシ夕の式 (1 ) を近似できるようにキャパシタ間の関係を等比級数的に すれば、 ブースト用キャパシタの数を減らせ、 従ってブースト用キャパシタの占 有面積を小さくすることが出来る。 例えば、 本実施の形態では、 X側キャパシタ アレイ、 X側キャパシタセレクタのブロックとして、 第 8図に示すものを用いる
(Y側についても同様の構成が可能である)。第 8図に示すプロックはアレイの行 毎に用意される。ここでは、 X方向書込みアレイ位置数 Μ= 4、電流値数 η = 4、 補正値数 s = 4としている。
そして、 X方向書込みアレイ位置数 Μ= 4としたことに伴い、 端子 ΧΑ 2〜Χ A 4でブースト用キャパシ夕の容量を調整する。 第 8図の端子" ARRAY〃を制 御する論理ゲートの構成から明らかなように、 X方向位置が 1、 Y方向位置が j のアレイを選択し、 書込開始信号 WE NXが Hレベルとなったときには、 キャパ シタセレクタ (A) に接続されるキャパシタ # 1〜# 6が使用候補のキャパシ夕 となり、 X方向位置が 2、 Y方向位置が jのアレイを選択し、 書込開始信号 WE NXが Hレベルとなったときには、 キャパシタセレクタ (A) に接続されるキヤ パシタ # 1〜# 6及びキャパシタセレクタ (B) に接続されるキャパシタ # 7〜 # 1 4が使用候補のキャパシ夕となり、 X方向位置が 3、 Y方向位置が jのァレ ィを選択し、 書込開始信号 WENXが Hレベルとなったときには、 キャパシ夕セ レクタ (A) に接続されるキャパシタ # 1〜# 6、 キャパシ夕セレクタ (B) に 接続されるキャパシタ # 7〜# 1 4及びキャパシタセレクタ (C) に接続される キャパシ夕 # 1 3〜# 1 8が使用候補のキャパシタとなり、 X方向位置が 4、 Y 方向位置が jのアレイを選択し、 書込開始信号 WE N Xが Hレベルとなったとき には、 キャパシ夕セレクタ (A) に接続されるキャパシタ # 1〜# 6、 キャパシ タセレクタ(B)に接続されるキャパシタ # 7〜# 1 4、キャパシ夕セレクタ(C) に接続されるキャパシタ # 1 3〜# 1 8及びキャパシタセレクタ (D) に接続さ れるキャパシタ # 1 9〜# 2 4が使用候捕のキャパシタとなる。
電流値数 n = 4としたことに伴い、 端子 I I、 I 2で各キャパシタセレクタに 接続されるキャパシ夕のうち実際に使用するキャパシ夕を選択する。 また、 補正 値数 s = 4としたことに伴い、 端子 S l、 S 2で各キャパシタセレクタに接続さ れるキャパシタのうち実際に使用するキャパシタを選択する。 これらを合わせて 端子 I 1、 1 2、 S l、 S 2で各キャパシタセレクタに接続されるキャパシ夕の うち実際に使用するキャパシタを選択する。 ブースト用キャパシ夕は # 1〜# 2 4まであるので、 ブースト用キャパシ夕の数は、 合計で 2 4個である。 MX n X S = 4 X 4 X 4 = 6 4であるので、 これと比較するとブースト用キャパシタの数
が削減されていることがわかる。 各キャパシタセレクタのブースト電流出力端子 は、 IB 1, IB2, IB3であり、 これらは X側メイン配線 113 (配線 NL Xに相当) に接続される。 従って、 X側定電流源 103が出力する調整された定 電流に端子 IB 1、 IB2、 IB 3から出力される電流が加わる。 第 8図では、 キャパシ夕セレクタ (A) 〜 (D) 内のトランジスタサイズは特に規定していな いが、 電流ブースト用キャパシタの大きさに従って、 MBXj, MSX j (j = 1, …, 6) (第 9図参照) のゲート幅等を調整することは容易である。
各キャパシ夕セレクタ 121を第 9図に、キャパシタアレイを第 10図に示す。 第 9図内の "ARRAY"端子は、第 8図に示す "ARRAY"端子に対応する。 第 9図内の " 1 1"、 "12 "端子は、 第 8図に示す " 1 1"、 "12 "端子に対 応し、 調整された書込定電流の値に応じて式 (1) に従ってブースト量を調整す るために用いられる。 例えば、 I 1=L、 I 2=Lの時は、 第 9図内の出力端子 C 1に接続されたブースト用キャパシ夕 (# 1、 #7、 #13又は # 19) 及び 出力端子 C 2に接続されたブースト用キャパシタ (#2、 #8、 # 14又は #2 0) が選択候捕 Tなる。 I 1=H、 I 2=Lの時は、 第 9図内の出力端子 C1に 接続されたブースト用キャパシタ (#1、 #7、 #13又は # 19)、 出力端子 C 2に接続されたブースト用キャパシタ (#2、 #8、 #14又は #20)、 出力端 子 C 3に接続されたブースト用キャパシ夕 (#3、 #9、 # 15又は #21) 及 び出力端子 C 4に接続されたブースト用キャパシタ (#4、 # 10、 #16又は #22) が選択候補となる。 I 1=L、 I 2 =Hの時は、 第 9図内の出力端子 C 1に接続されたブースト用キャパシ夕 (# 1、 #7、 # 13又は # 19)、 出力端 子 C 2に接続されたブースト用キャパシ夕 (#2、 #8、 # 14又は #20)、 出 力端子 C 5に接続されたブースト用キャパシタ (#5、 #11、 # 17又は #2 3) 及び出力端子 C 4に接続されたブースト用キャパシ夕 (#6、 # 12、 # 1 8又は #24) が選択候補となる。 I 1=H、 I 2 =Hの時は、 第 9図内の出力 端子 C 1に接続されたブースト用キャパシタ (# 1、 #7、 # 13又は # 19)、 出力端子 C 2に接続されたブースト用キャパシタ (#2、 #8、 # 14又は #2 0)、 出力端子 C 3に接続されたブースト用キャパシ夕 (#3、 #9、 #15又は #21) 及び出力端子 C 4に接続されたブースト用キャパシ夕 (#4、 # 10、
# 16又は #22)、 出力端子 C 5に接続されたブースト用キャパシタ(#5、 # 1 1、 # 17又は #23) 及び出力端子 C 4に接続されたブースト用キャパシ夕 (#6、 # 12、 # 18又は #24) が選択候捕となる。
第 9図内の "S 1"、 "S2"端子は、 第 8図に示す "S 1"、 "S2"端子に対 応し、 寄生キャパシタ Qkのプロセス条件依存性を補償するために用いられる。 例えば、 S 1=L、 S2=Lの時は、 ブースト用キャパシ夕は選ばれない。 S 1 =H、 S2=Lの時は、 第 9図内の出力端子 C 1に接続されたブースト用キャパ シタ (# 1、 #7、 # 13又は # 19)、 出力端子 C 3に接続されたブースト用キ ャパシ夕 (#3、 #9、 #15又は #21) 及び出力端子 C 5に接続されたブー スト用キャパシタ (#5、 # 11、 # 17又は #23) が選択候補となる。 S 1 =L、 S2=Hの時は、 第 9図内の出力端子 C 2に接続されたブースト用キャパ シ夕 (#2、 #8、 # 14又は #20), 出力端子 C 4に接続されたブースト用キ ャパシタ (#4、 # 10、 # 16又は #22) 及び出力端子 C 6に接続されたブ 一スト用キャパシタ (#6、 #12、 # 18又は #24) が選択候補となる。 I 1 =H、 I 2 =Hの時は、 第 9図内の出力端子 C 1に接続されたブースト用キヤ パシ夕 (#1、 #7、 # 13又は # 19), 出力端子 C 2に接続されたブースト用 キャパシタ (#2、 #8、 # 14又は #20) 及び出力端子 C 3に接続されたブ 一スト用キャパシタ (#3、 #9、 # 15又は #21)、 出力端子 C 4に接続され たブースト用キャパシ夕 (#4、 # 10、 # 16又は #22)、 出力端子 C 5 (# 5、 # 11、 # 17又は #23) に接続されたブースト用キャパシタ及び出力端 子 C 6に接続されたブースト用キャパシ夕 (#6、 # 12、 # 18又は #24) が選択候補となる。
上記の三種類の選択候補の論理積をとつたブースト用キャパシ夕が実際に用い られる。すなわち、 以上の XA j (j = (1), 2, ···, 4), I 1, I 2, S 1, S 2の組み合わせにより、 最適なブースト用キャパシ夕が選ばれる。 全ての組み 合わせを、 第 1 1図に示す。 第 1 1図中では、 I (j)= I (1 1 +2 X 12)、 A (j) =XAj、 S (j) =S (S 1+2 XS2) である (ただし、 数値化の ために L=0、 H= 1とした)。 例えば、 1 1 = 1、 12 = 0のときには I (j) = 1 (1 + 2 X 0) = 1 (1) となり、 XA1のときには、 A (j) =A (1)
となり、 S l = l、 S2 = 0のときには S (j) =S (1 + 2 X0) =S (1) となる。
容量は #1〜# 24の 24個が存在し、 第 10図のように分割してある。 容量 の合計は 20. 4pFであり、 最大ブースト時 (上述) にすベてのブースト用キ ャパシタが使われる。 (小アレイ数 M) X (電流値 n通り) X (ブースト調整 4 通り) =4 X4 X4 = 64通りについて各々ブースト用キャパシ夕を用意した場 合は、 第 11図の容量の合計 306. 8 pFが必要となる。 つまり、 本実施例で は、 使用面積を 6. 6 %程度に削減できている。
第 10図を参照すると、 #1+#2の幅: #3+#4の幅: #5+#6の幅 = 1 : 1 : 2であり、 #3 +#4の幅と #5 +#6の幅は等比級数の関係にある。 # 1の幅: # 2の幅 = 1 : 2であり、 # 1の幅と # 2の幅は等比級数の関係にあ る。 #3の幅: #4の幅 =1 : 2であり、 #3の幅と #4の幅は等比級数の関係 にある。 # 5の幅: #6の幅 =1 : 2であり、 #5の幅と #6の幅は等比級数の 関係にある。 #1の高さ: #7の高さ: #13の高さ: #19の高さ =4 : 1 : 2 : 4であり、 #7の高さ、 # 13の高さ及び # 19の高さは等比級数の関係に ある。
第 12図は、 容量 1Mビットの MR AMセルアレイに対して、 設定値 8mAの 書込電流を流した時のシミュレーション結果である。 8 m Aの書込み電流が 6ナ ノ秒維続したときに書込みセルに対して書込みが行われるが、 書込み電流が 8 m A未満である時には書込みセルに対して書込みができない。 電流値が 8mAにな つてからの書込時間が 5ナノ秒として、 ブ一スト回路を用いない場合 (A) は、 書込電流を流す時間として 80ナノ秒程度の時間を要している。ここでは、 70% 程度(斜線部)が無駄な電流である。一方、適正なブースト電流を用いた場合 (B) は、 書込時間は 15ナノ秒程度に短縮できており、 無駄な電流も 40%程度 (斜 線部) である。 ただし、 ブースト量が多いと所望の電流 (ここでは 8mA) 以上 の電流が流れ、 誤書込みの要因となるので、 容量の正確な設計が必要である。 本 発明の場合、 第 9図の容量調整端子を用いて、 ブースト量を調整することが出来 る。
[第 4の実施の形態]
本発明の第4の実施の形態の半導体記憶装置を説明する。
本発明の第 4の実施の形態 101の回路図を第 13図に示す。 この図は、 説明 を容易にするために X側の回路のみを取り出している。 S 1〜S 6は信号を表し、 /S5、 ZS6はそれぞれ S5、 S 6の反転信号を表す。 Nl、 N2は節点の電 位を表す。
第 14図を参照すると、 時刻 t 100でブースト容量からの電流供給は終了す るが、 第 1の実施形態とは異なり、 すぐにはブースト容量を充電しない。 したが つて、 実施形態 1とは異なり、 信号 S 1は信号 VBSTXから分離されている。 ブースト回路の節点 (VBX) を充電すると電源 Vddから電流が流れ出し、 こ れにより電源ノイズが発生する。 この電源ノイズは同じ電源 Vddを使用する X 側書込み定電流源回路の定電流の精度を下げる。 本実施形態では、 定電流源回路 の動作中にはブースト容量を充電しないためこの弊害は起きない。
時刻 t 101で定電流源回路が停止するとき、 節点 NLXはリセットされずに 電位 (電荷) を保持する。 次に時刻 t 102に信号 S3が "Low" となり、 節点 N1がフローティング状態となる。 次に時刻 t 103に信号 S5により、 節点 N LXと節点 N 1が電気的に接続され、 節点 NLXから N 1へ電荷が転送される。 時刻 t 104に N1が再びフローティング状態になった後、 時刻 t 105に節点 N 2をフローティング状態とする。 次に時刻 t 106に節点 N2と節点 NLXが 電気的に接続される。 このとき、 節点 N1はフローティングであるため、 容量素 子 CRXのカップリングによって、 ほぼ節点 NLXの電位分上昇する。 次に時刻 t 107に信号 S 2が活性化され節点 N 1から節点 NLXに電荷が転送される。 このとき、 節点 NLXの電位は容量素子 CRXのカップリングにより、 減少する ので、実質的に節点 NLXの電荷がブースト回路の節点 VBXに転送されている。 時刻 t 108〜t 110の間に各信号をリセットする。 最後に時刻 t 111に節 点 VBXを電源 Vddの電位まで充電するが、 実施形態 1の場合と比べて、 充電 に必要な電力は小さい。
[第 5の実施の形態]
本発明の第 5の実施の形態の半導体記憶装置を説明する。
本発明の第 5の実施形態の回路図を第 15図に示す。 本実施形態では、 書込
みモードが終了しても、 信号 S 1 0を活性化しないため、 節点 NL Xはリセット されず、 節点 NL Xの電位は接地電位とならない。 なお、 このリセットトランジ スタ M l 0 3は第 1〜4の実施形態の図では省略されていたが、 動作波形より、 このような作用を持つ回路が存在していることは明らかである。 リセットをしな ければ、 NLXの寄生容量には電荷が保持される。 書込みモードの後、 続けて書 込みモードだった場合、 動作モード判定回路 1 0 5が連続書込みを検知し、 連続 検知信号 S 1 1を " L o w" として、 ブースト容量を活性化しない。 これは既に NLXは充電されており、 充電する必要がないためである。 この場合、 ブースト 容量を充電するための電力が節約される。 動作モード判定回路 1 0 5が読み出し モードを判定した場合、 信号 S 1 0が活性化され節点 NLXはリセットされる。
産業上の利用可能性 本発明は、 電流を流すことにより記憶素子に情報を書き込む半導体記憶装置に 利用でき、 特に、 電流を流すことにより発生した磁界によりトンネル磁気抵抗素 子に情報を書き込む半導体記憶装置に利用することができる。