明細書 ジヒ ドロォロテートデヒ ドロゲナ一ゼ阻害剤 技術分野
本発明は、 ジヒドロォロテートデヒドロゲナ一ゼ阻害剤に関する。 背景技術
ジヒ ドロォロテートデヒ ドロゲナーゼは、 ピリ ミジン生合成の第 4番目に位置 する酸化還元ステップを触媒する酵素である (非特許文献 1参照)。 急速な細胞 増殖のためには、 DNAや MAの合成、 タンパク質のグリコシレーシヨン、 膜脂質 の生合成、 核酸鎖の修復のための新たなピリ ミジン生合成が必要である。 ジヒ ド 口ォロテ一トデヒドロゲナーゼが触媒するステップは、 ピリ ミジン生合成の律速 段階である。
ジヒ ドロォロテートデヒドロゲナーゼは、 慢性関節リウマチ、 全身性エリテマ トーデス、 多発性硬化症、 炎症性腸疾患、 ぶどう膜炎、 重症筋無力症、 気管支喘 息、 アトピー性皮膚炎、 乾癬、 ウィルス感染症、 細菌感染症、 バクテリア感染症、 寄生虫感染症、 癌、 移植における拒絶反応、 移植片対宿主病に関連していること が知られている。 従って、 ジヒ ドロォロテートデヒドロゲナーゼ阻害剤は、 上記 の疾患の治療または予防に有用である (非特許文献 2 ~ 6参照)。
ジヒ ドロォロテートデヒ ドロゲナ一ゼ阻害剤としては、 式 :
(式中、 Rは水素、 メチル、 tert -プチル、 ト リフルォロメチル等) で示されるィ匕 合物が開示されている (非特許文献 7参照)。
一方、 本発明に係る化合物が、 IgE抗体産生抑制作用、 Th2分化抑制作用を有し ていることが開示されている (特許文献 1および 2参照)。
また、 本発明に係る化合物と類似骨格を有し、 免疫抑制作用、 抗アレルギー作 用または抗癌作用を有する化合物が特許文献 3 ~ 2 8、 非特許文献 8および 9等 に開示されている。
特許文献 1 国際公開第 99/38829号パンフレッ ト
特許文献 2 国際公開第 01/07032号パンフレッ ト
特許文献 3 国際公開第 94/27980号パンフレッ ト
特許文献 4 国際公開第 95/ 13067号パンフレッ ト
特許文献 4 国際公開第 96/ 15123号パンフレッ ト
特許文献 5 国際公開第 95/ 15318号パンフレッ ト
特許文献 6 国際公開第 96/40659号パンフレッ ト
特許文献 7 国際公開第 96/40143号パンフレッ ト
特許文献 8 国際公開第 96/ 38412号パンフレッ ト
特許文献 9 国際公開第 96/ 10012号パンフレッ ト
特許文献 1 0 国際公開第 97/24356号パンフレッ ト
特許文献 1 1 国際公開第 97/27181号パンフレッ ト
特許文献 1 2 国際公開第 97/24324号パンフレッ ト
特許文献 1 3 国際公開第 97/39999号パンフレッ ト
特許文献 1 4 国際公開第 97/44333号パンフレッ ト
特許文献 1 5 国際公開第 97/46524号パンフレッ ト
特許文献 1 6 国際公開第 98/04508号パンフレッ ト
特許文献 1 7 国際公開第 98/24766号パンフレッ ト
特許文献 1 8 国際公開第 98/24782号パンフレッ ト
特許文献 1 9 国際公開第 98/56785号パンフレッ ト
特許文献 2 0 仏国特許出願公開第 2301250号明細書
特許文献 2 1 米国特許第 5593991号明細書
特許文献 2 2 特公昭 47-7368号公報
特許文献 2 3 特開昭 51-91259号公報
特許文献 2 4 特開平 8-3163号公報
特許文献 2 5 特開平 9-124571 号公報
特許文献 2 6 特開平 9-71564号公報
特許文献 2 7 特開平 9-124571号公報
特許文献 2 8 特開平 11-79993号公報 非特許文献 1 ス トラクチャー (Structure) 2000年、 第 8卷、 p.25-31 非特許文献 2 ィムノファーマコ Πジー (Immunopharmacology) 2000 年、 第 47卷、 p.63-83
非特許文献 3 ィムノファーマコロジー (Immtmopliarinacology) 2000 年、 第 47卷、 p.273-289
非特許文献 4 キャンサー リサ一チ (Cancer Research) 1986年、 第 46卷、 . 5014-5019
非特許文献 5 バイオケミス トリー (Biochemistry) 1994年、 第 33卷、 p.5268-5274
非特許文献 6 バイオケミカル ファーマコロジー (Biochemical
Pharmacology) 2000年、 第 60卷、 .339-342)
非特許文献 7 テトラへドロン レターズ (Tetrahedron Letters) 2001 年、 第 42卷、 p.547-551
非特許文献 8 バイオ オーガニック アンド メディシナル ケミスト リー レターズ (Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters) 1995年、 第 5卷、 第 18号、 p.2143-2146
非特許文献 9 ジャーナル オフ' メディシナル ケミストリー
(Journal of Medicinal Chemistry) 1974年、 第 17卷ヽ 第.11号、 p.1177-1181
0
発明の開示
本発明は、 新規なジヒ ドロォロテートデヒ ドロゲナーゼ阻害剤を提供する。 本発明者らは、 式 ( I ):
(式中、 R 1および R4はそれそれ独立してアルキルまたはアルコキシ ; R2およ び R 3はそれぞれ独立して水素またはアルキル ; R 5は水素またはハロゲン ; R6 は水素またはヒ ドロキシ; X 1および X 2はそれそれ独立してー0—または一 NH 一である) で示される化合物が、 ジヒドロォロテートデヒドロゲナーゼ阻害作用 を有することを見出し、 以下の発明を完成した。 発明を実施するための最良の形態
本発明は、
( 1 ) 式 (I ):
(式中、 R 1および R4はそれぞれ独立してアルキルまたはアルコキシ ; R 2およ び R 3はそれぞれ独立して水素またはアルキル ; R 5は水素また.はハロゲン ; R 6 は水素またはヒ ドロキシ; X 1および X 2はそれぞれ独立して一 0—または一 N H 一である) で示される化合物、 そのプロ ドラッグ、 その製薬上許容される塩また はその溶媒和物を含有するジヒドロォロテートデヒドロゲナーゼ阻害剤、
(2) R 1および R4がそれそれ独立してアルキルであり ; R2および R3 が水素であり ; R 5がハロゲンであり ; R 6が水素であり ; X 1は一 N H—であり ;
および、 X2が一 0—である上記 ( 1 ) 記載のジヒドロォロテ一トデヒ ドロゲナ ーゼ阻害剤、
( 3 ) アルキルがメチルであり ; アルコキシがメ トキシであり ; および、 ハロゲンがフヅ素である上記 ( 1 ) 記載のジヒ ドロォロテ一トデヒ ドロゲナーゼ 阻害剤、
(4) 式 ( I ) :
(式中、 R 1および R4はそれそれ独立してアルキルまたはアルコキシ ; R2およ び R 3はそれぞれ独立して水素またはアルキル; R 5は水素またはハロゲン ; R 6 はヒ ドロキシ ; X 1および X 2はそれぞれ独立して一〇一または一 NH—である) で示される化合物、 そのプロ ドラッグ、 その製薬上許容される塩またはその溶媒 和物、
( 5 ) R 1がアルコキシであり ; R 2がアルキルであり ; R 3がアルキルで あり ; R 5が水素であり ;および、 X1がー 0—である上記 (4) 記載の化合物、 そのプロ ドラッグ、 その製薬上許容される塩またはその溶媒和物、
( 6 ) アルキルがメチルであり ; アルコキシがメ トキシであり ; および、 ハロゲンがフ ヅ素である上記 ( 4) または ( 5 ) 記載の化合物、 そのプロ ドラヅ グ、 その製薬上許容される塩またはその溶媒和物、
( 7 ) 上記 ( 4) 〜 ( 6 ) のいずれかに記載の化合物を含有する医薬組成 物、
( 8 ) 上記 ( 4) 〜 ( 6 ) のいずれかに記載の化合物を含有するジヒ ドロ ォロテートデヒドロゲナーゼ阻害剤、
( 9 ) 癌の治療または予防剤である上記 ( 1 ) 〜 ( 3 ) および (8 ) のい ずれかに記載のジヒ ドロォロテートデヒ ドロゲナーゼ阻害剤、
( 1 0 ) ウィルス感染症の治療または予防剤である上記 ( 1 ) 〜 ( 3 ) お よび (8) のいずれかに記載のジヒ ドロォロテートデヒ ドロゲナーゼ阻害剤、
( 1 1 ) 慢性関節リウマチの治療または予防剤である上記 ( 1 ) ~ ( 3 ) および (8) のいずれかに記載のジヒ ドロォロテ一トデヒ ドロゲナーゼ阻害剤、 ( 1 2 ) 移植における拒絶反応の抑制剤である上記 ( 1 ) 〜 (3) および
(8) のいずれかに記載のジヒドロォロテートデヒドロゲナーゼ阻害剤、 に関する。
また、 本発明は、
( 1 3 ) 上記 ( 1 ) 〜 ( 3 ) および ( 8 ) のいずれかに記載の化合物、 そ のプロ ドラッグ、 その製薬上許容される塩またはその溶媒和物を投与するジヒ ド 口ォロテ一トデヒ ドロゲナーゼの作用に関連する疾患の治療または予防方法、
( 1 4) 上記 ( 1 ) 〜 ( 3 ) および ( 8 ) のいずれかに記載の化合物、 そ のプロ ドラッグ、 その製薬上許容される塩またはその溶媒和物を投与する癌の治 療または予防方法、
( 1 5 ) 上記 ( 1 ) 〜 (3 ) および (8) のいずれかに記載の化合物、 そ のプロ ドラッグ、 その製薬上許容される塩またはその溶媒和物を投与するウィル ス感染症の治療または予防方法、
( 1 6) 上記 ( 1 ) 〜 ( 3 ) および ( 8 ) のいずれかに記載の化合物、 そ のプロ ドラッグ、 その製薬上許容される塩またはその溶媒和物を投与する慢性関 節リウマチの治療または予防方法、
( 1 7) 上記 ( 1 ) 〜 (3) および (8) のいずれかに記載の化合物、 その プロ ドラッグ、 その製薬上許容される塩またはその溶媒和物を投与する移植にお ける拒絶反応の抑制方法、
( 1 8) ジヒ ドロォロテ一トデヒ ドロゲナーゼの作用に関連する疾患の治 療または予防剤を製造するための上記 ( 1 ) 〜 ( 3) および ( 8) のいずれかに 記載の化合物、 そのプロ ドラッグ、 その製薬上許容される塩またはその溶媒和物 の使用、
( 1 9 ) 癌の治療または予防剤を製造するための上記 ( 1 ) ~ ( 3 ) およ び ( 8 ) のいずれかに記載の化合物、 そのプロ ドラッグ、 その製薬上許容される 塩またはその溶媒和物の使用、
( 2 0 ) ウィルス感染症の治療または予防剤を製造するための上記 ( 1 ) ~ ( 3 ) および ( 8 ) のいずれかに記載の化合物、 そのプロ ドラッグ、 その製薬 上許容される塩またはその溶媒和物の使用、
( 2 1 ) 慢性関節リゥマチの治療または予防剤を製造するための上記( 1 ) ~ ( 3 ) および ( 8 ) のいずれかに記載の化合物、 そのプロ ドラッグ、 その製薬 上許容される塩またはその溶媒和物の使用、
( 2 2 ) 移植における拒絶反応の抑制剤を製造するための上記( 1 )〜( 3 ) および ( 8 ) のいずれかに記載の化合物、 そのプロ ドラッグ、 その製薬上許容さ れる塩またはその溶媒和物の使用、
( 2 3 ) 上記 ( 1 ) ~ ( 3 ) および ( 8 ) のいずれかに記載の化合物、 そ のプロ ドラヅグ、 その製薬上許容される塩またはその溶媒和物とジヒ ドロォロテ 一トデヒ ドロゲナーゼを接触させることによるジヒド口ォロテ一トデヒドロゲナ ーゼの阻害方法、
に関する。
本明細書中で使用する各用語を、 以下に定義する。
「アルキル」 とは、 炭素数 1〜 1 0、 好ましくは炭素数 1 ~ 8、 さらに好まし くは炭素数 1 ~ 6、 最も好ましくは炭素数 1 ~ 3の直鎖または分枝状のアルキル を包含し、 例えぱメチル、 ェチル、 n -プロピル、 イソプロピル、 n-プチル、 イソ ブチル、 sec-プチル、 tert -プチル、 n-ペンチル、 イソペンチル、 ネオペンチル、 へキシル、 イソへキシル、 n -へプチル、 イソへプチル、 n-ォクチル、 イソ才クチ ル、 n-ノニルおよび n-デシル等が挙げられる。 特にメチルが好ましい。
「アルコキシ」 のアルキル部分は、 上記 「アルキル」 と同様である。 「アルコキ シ」 としては、 炭素数 1〜1 0、 好ましくは炭素数 1〜 8、 さらに好ましくは炭 素数 1〜6、 最も好ましくは炭素数 1〜 3の直鎖または分枝状のアルコキシを包
含し、 例えばメ トキシ、 ェトキシ、 n -プロボキシ、 ィソプロボキシ、 n-ブトキシ、 イソブトキシ、 sec-ブトキシ、 tert-ブトキシ、 n-ペンチルォキシ、 イソペンチル ォキシ、 ネオペンチルォキシ、 へキシルォキシ、 イソへキシルォキシ、 n-へプチ ルォキシ、 イソへプチルォキシ、 n-ォクチルォキシ、 イソォクチルォキシ、 n -ノ ニルォキシおよび n-デシルォキシ等が挙げられる。 特に、 メ トキシが好ましい。
「ハロゲン」 とは、 フッ素、 塩素、 臭素およびヨウ素を包含する。 特にフッ素 および塩素が好ましく、 さらにはフッ素が好ましい。
本発明に係る化合物は、 上述の特許文献 1および 2に記載の方法に準じて製造 することができる。 以下に本発明に係る化合物の製造方法を記載する。
Ι-Α
(I)
(式中、 R 1および R4はそれぞれ独立してアルキルまたはアルコキシ ; R2およ び R 3はそれそれ独立して水素またはアルキル; R 5は水素またはハロゲン ; R6 は水素またはヒ ドロキシ; X 1および X 2はそれぞれ独立して— 0—または一 N H 一 ; Y1および Y 2はそれぞれ独立してハロゲン ; Rxは式 : —Χ1— CH2— CH = C (CH3) 2で示される基または該基を誘導する基; および、 RYは式 : 一 X 2— CH2— CH = C (CH3) 2で示される基または該基を誘導する基である) 第 1工程
式 ( I一 A) で示される化合物を式 ( I一 B) で示される化合物と反応させて、 式 ( I— C) で示される化合物を得る工程である。
式 (I— A) で示される化合物および式 (I一: B) で示される化合物を、 適当 な溶媒 (例えばベンゼン、 トルエン、 N—ジメチルホルムアミ ド、 ジメ トキ シェタン、 テトラヒ ドロフラン、 ジォキサン、 エタノールまたはメタノール等) と氷との混合系または無水系で、 パラジウム触媒 (例えば P d (P P h3) P d C 12 (P P h 3) 2、 P d C l 2、 P d (0 A c ) 2または P d C l 2 (CH3 CN) 2等、 好ましくは P d (P P h3) 4) の存在下、 塩基性条件 (塩基として は例えば K3P 04、 NaH C03、 Na〇 C2H5、 Na2 C 03、 (C2H5) 3N、 B a (OH) 2、 C s 2 C03、 C s F、 NaOHまたは Ag2 C03等) で、 室温 〜加熱下、 数十分〜数十時間反応させて式 ( I一 C) で示される化合物を得るェ 程である。
第 2工程
式 ( I— C) で示される化合物を式 ( I— D )で示される化合物と反応させて、 式 (I— E) で示される化合物を得る工程である。
本工程は、 上記第 1 工程と 同様に行う こ とができる。
第 3工程
式 ( I—E) で示される化合物から式 ( I ) で示される化合物を製造する工程 である。
本工程は、 Rxを式: — X1— CH2— CH二 C ( C H 3) 2で示される基に誘導 する工程、 および RYを式: — X2— CH2— CH= C (CH3) 2で示される基に 誘導する工程からなる工程である。
第 1工程、 第 2工程、 第 3工程を行うに際し、 反応に影響を与えるような置換 基が存在する場合は、 保護基等で保護した後、 上記工程'を行い、 次いで脱保護す ればよい。
本明細書中、 「プロ ドラッグ」 とは、 生体内において、 活性を有する本発明に係 る化合物へと容易に変換され得る化合物群であり、 プロ ドラッグ化は、 通常用い られる方法であればいずれの方法でも行うことができる。 適当なプロ ドラッグ誘 導体を選択する方法および製造する方法は、例えば Design of Prodrugs, Elsevier,
0030
Amsterdam 1985に記載されている。 これに従って、 本発明化合物のいずれかの位 置に結合しているヒ ドロキシまたはァミノ等に、 一般的にプロ ドラッグ化に用い られる基を導入すればよい。
例えば、 置換基としてヒ ド口キシがある場合、 一 C O CH2 CH2 C O〇H、 一 CO CH二 CH COOH、 一 C〇 CH2 S 03H、一 P 03H2、 一 C O CH2N (C H 3) 2、 - C 0 - P y r (P y rはピリジルを示す) 等を導入することができる c また、 置換基としてァミノがある場合には、 例えば一 C〇 0 C R hR i 0 C 0 C H 2 R J [R hおよび R 1は各々独立して氷素または低級アルキルであり、 R jは H、 - O H, 一 C O NHR K、 - O C O NH R K、 - (N H C O C R ! R111) uNHCO CH3、 一 (NH C O C ! 111) U NH C O C 2 H 5、 - C SNH2、 一 (0 CH2 CH2) t OH、 一 O CH3、 - (0 CH2 CH2) t O CH3、 - C O CH3、 一 C〇 C2H5、 一〇 CO CH3、 一 O C〇 C2H5、 一 NHOH、 一 N H C ONH2、 一 NH C S NH2、 -NHS 02 CH3 - N (S〇 2 CH3) 2、 — S 02NH2、 — S 0 CH3、 - S 0 a C 2 H 5, 一 O CH2 CONH2、 一 O CH 2 C O N (CH3) 2、 - S O 2 N (CH3) 2、 一 P O (O CH3) 2、 一 NH C S NH C2HS、 — CH = NNH C ONH2、 一 C H二 N N H C S N H 2、 一 CH = N N H S〇 2 C H 3、 ト リァゾリルおよびテトラゾリル等であり、 R k、 R 1およ び Rmは水素または低級アルキルであり、 tは 1または 2であり、 uは 0〜2の 整数である]、 - C 00 C H ( C H 3) 〇 C〇 C ( C H 3) 3、 一 C OO CH2〇 C 0 ( C H 2) 14 CH3、 - CO O CH2O C O-P y rs - CH2NH C 0- C6 H4— o— O CH2OAc等 (ここで P yrはピリジル、 A cはァセチル) を導入 すればよい。
本発明化合物のいずれかの位置に存在するァミノに上述の置換ァシルォキシ力 ルボニル (一 C〇O CR hR i〇 CO CH2R j ) を導入してプロ ドラッグ化す る場合、 例えば本発明化合物のいずれかの位置に存在するァミノを α—ハロアル コキシカルボニル化し、 次いで適当なカルボン酸を適当な条件下で反応させるこ とによってプロ ドラヅグ化合物が得られる。
このようなァシルォキシアルキルカルバメートの合成法は WO96/18605等に 記載の公知の方法に従って行うことができる。
具体的には、まずァミノを有する本発明化合物とクロロギ酸 α —ハロアルキル エステルを不活性溶媒 (ジェチルエーテル、 テトラヒ ドロフラン、 1, 4ージォ キサン、 酢酸ェチルまたはトルエン等) 中で、 塩基 (ピリジン、 ト リェチルアミ ンまたは Ν—メチルモルホリン等) 存在下に 0 °C〜室温で反応させ、 ハロアルコ キシカルバメート化合物を得る。 次いで、 得られた化合物を溶媒 (N , N —ジメ チルホルムアミ ド、 N , N—ジメチルァセ トアミ ド、 ジメチルスルホキシド、 ス ルホラン等) 中で、 置換カルボン酸化合物の塩 (例えばアルカリ金属塩、 アル力 リ土類金属塩、 銀塩、 水銀塩等) と室温〜加熱下で数時間〜数日間反応させるこ とによってプロ ドラッグ化合物が得られる。
プロ ドラッグ化を実施する際に支障となる置換基がある場合には、 その基をあ らかじめ適当な保護基で保護しておき、 適当な段階で通常の方法により脱離させ れぱよい。
本明細書中、 「製薬上許容される塩」 とは、 式 ( I ) で示される化合物またはそ のプロ ドラッグの製薬上許容される塩を包含する。製薬上許容される塩としては、 例えば塩酸、 硫酸、 硝酸、 リン酸、 フッ化水素酸、 臭化水素酸等の鉱酸の塩; ギ 酸、 酢酸、 酒石酸、 乳酸、 クェン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コハク酸等の有機 酸の塩 ; アンモニゥム、 ト リメチルアンモニゥム、 ト リエチルアンモニゥム等の 有機塩基の塩; ナト リウム、 カリウム等のアルカリ金属の塩またはカルシウム、 マグネシウム等のアル力リ土類金属の塩等を挙げることができる。
本明細書中、 「溶媒和物」 とは、 式 ( I ) で示される化合物、 そのプロ ドラヅグ またはその製薬上許容される塩の溶媒和物 (好ましくは氷和物) を包含する。 溶 媒和物としては有機溶媒および/または水との溶媒和物が挙げられる。 水和物を 形成するときは、 任意の数の水分子と配位していてもよい。
本発明に係る化合物は、 全ての立体異性体 (例えばアトロブ異性体等) を含有 する。
本明細書中、 「ジヒ ドロォロテ一トデヒドロゲナーゼ阻害剤」 とは、 ジヒ ドロォ ロテートデヒ ドロゲナ一ゼ阻害作用を有する医薬組成物、 すなわちジヒ ドロォロ テートデヒドロゲナーゼの作用に関連する疾患の治療または予防するための医薬 組成物を意味する。
ジヒ ドロォロテートデヒ ドロゲナーゼの作用に関連する疾患とは、 ジヒ ドロォ ロテートデヒ ドロゲナーゼの作用を阻害することにより治療または予防可能な疾 患を意味する。 例えば、 慢性関節リウマチ、 全身性エリテマトーデス、 多発性硬 化症、 炎症性腸疾患、 ぶどう膜炎、 重症筋無力症、 気管支喘息、 アトピー性皮膚 炎、 乾癬、 ウィルス感染症、 細菌感染症、 バクテリア感染症、 寄生虫感染症、 癌、 移植における拒絶反応、 移植片対宿主病が挙げられるが、 ここに例示した疾患以 外にも、 ジヒ ドロォロテ一トデヒ ドロゲナ一ゼの作用に関連することが明らかに なった疾患も含まれる。
例えば、 上述の非特許文献 2および 3には、 ジヒドロォロテートデヒ ドロゲナ ーゼ阻害剤の、 自己免疫疾患、 アレルギー性疾患、 移植拒絶等に対する有用性が 記載されている。
また、 上記非特許文献 3には、 ジヒ ドロォロテートデヒドロゲナーゼ阻害剤の 抗癌剤としての適応についても記述されており、さらに上述の非特許文献 4では、 その有用性が記載されている。
また、 上述の非特許文献 5および 6には、 ジヒ ドロォロテートデヒドロゲナー ゼ阻害剤の、 細菌感染症、 バクテリア感染症、 寄生虫感染症等に対する有用性が 記載されている。
本発明には、 本発明に係る化合物を投与することにより、 ジヒ ドロォロテート デヒ ドロゲナーゼの作用に関連する疾患の治療または予防する方法も包含される また、 ジヒ ドロォロテ一トデヒ ドロゲナーゼの作用に関連する疾患の治療または 予防剤を製造するための式 (I ) で示される化合物の使用も包含される。
また、 本発明には、 本発明に係る化合物とジヒドロォロテートデヒ ドロゲナー ゼを接触させることによりジヒ ドロォロテ一トデヒ ドロゲナーゼを阻害する方法
も包含される。
ジヒ ドロォロテートデヒ ドロゲナーゼ阻害剤としては、 特に、 癌の治療または 予防剤、 ウィルス感染症の治療または予防剤、 慢性関節リウマチの治療または予 防剤、 移植における拒絶反応の抑制剤が好ましい。
ジヒ ドロォロテートデヒ ドロゲナーゼ阻害剤は、 ジヒドロォロテートデヒ ドロ ゲナーゼを阻害することにより、 ピリミジンの生合成を阻害することができるた め、 一種の核酸代謝酵素阻害剤として機能することができる。 従って、 ジヒ ドロ ォロテートデヒ ドロゲナーゼ阻害剤は、 ピリ ミジン生合成を機序とする病原体の 增殖を阻害することができ、 それらの病原体に起因する疾患を治療することがで きる。 特に、 癌の治療または予防剤、 ウィルス感染症、 細菌感染症、 バクテリア 感染症、 寄生虫感染症、 の治療または予防剤としては有用である。 すなわち、 ジ ヒ ドロォロテートデヒドロゲナーゼ阻害剤は、 de novo合成の活発な細胞(癌細胞、 胎児期の細胞) の核酸合成を阻害することができ、 ミエローマ (骨髄腫、 例えば 多発性骨髄腫)、 リ ンフォーマ (リンパ腫)、 リューケミア (白血病) の治療剤と しても使用することができる。
これらの疾患の治療または予防は、 本発明に係る化合物が有している IgE抗体 産生抑制作用や Th2分化抑制作用では治療または予防することは困難であり、 ジ ヒ ドロォロテ一トデヒドロゲナーゼを阻害することにより、 これらの疾患を治療 または予防することができる。
本発明のジヒ ドロォロテートデヒドロゲナーゼ阻害剤を投与する場合、経口的、 非経口的のいずれの方法でも投与することができる。 経口投与は常法に従って錠 剤、 顆粒剤、 散剤、 カプセル剤、 丸剤、 液剤、 シロップ剤、 バッカル剤または舌 下剤等の通常用いられる剤型に調製して投与すればよい。 非経口投与は、 例えば 筋肉内投与、 静脈内投与等の注射剤、 坐剤、 経皮吸収剤、 吸入剤等、 通常用いら れるいずれの剤型でも好適に投与することができる。 特に経口投与が好ましい。 本発明に係る化合物の有効量にその剤型に適した賦形剤、 結合剤、 湿潤剤、 崩 壊剤、 滑沢剤、 希釈剤等の各種医薬用添加剤とを必要に応じて混合し医薬製剤と
することができる。 注射剤の場合には適当な担体と共に滅菌処理を行なって製剤 とすればよい。
具体的には、 賦形剤としては乳糖、 白糖、 プドウ糖、 デンプン、 炭酸カルシゥ ムもしくは結晶セルロース等、 結合剤としてはメチルセルロース、 カルボキシメ チルセルロース、 ヒ ドロキシプロピルセルロース、 ゼラチンもしくはポリビニル ピロリ ドン等、 崩壊剤としてはカルボキシメチルセルロース、 カルボキシメチル セルロースナト リウム、 デンプン、 アルギン酸ナトリ ウム、 カンテン末もしくは ラウリル硫酸ナト リウム等、 滑沢剤としてはタルク、 ステアリン酸マグネシウム もしくはマクロゴール等が挙げられる。 坐剤の基剤としてはカカオ脂、 マクロゴ ールもしくはメチルセルロース等を用いることができる。 また、 液剤もしくは乳 濁性、 懸濁性の注射剤として調製する場合には通常使用されている溶解補助剤、 懸濁化剤、 乳化剤、 安定化剤、 保存剤、 等張剤等を適宜添加しても良く、 経口投 与の場合には嬌味剤、 芳香剤等を加えても良い。
本発明のジヒドロォロテートデヒ ドロゲナーゼ阻害剤は単独で投与してもよく、 必要に応じて他の薬剤等と併用することも可能である。
本発明のジヒドロォロテートデヒ ドロゲナーゼ阻害剤の投与量は、患者の年齢、 体重、 疾病の種類や程度、投与経路等を考慮した上で設定することが望ましいが、 成人に経口投与する場合、 通常 0. 0 5~ 1 0 0 mgZk g/日であり、 好まし くは 0. l ~ 1 0 mg/k g/日の範囲内である。 非経口投与の場合には投与経 路により大きく異なるが、 通常 0. 0 0 0 l l Omg/k gZ日であり、 好ま しくは 0. 0 0 1〜 1 m g/k g/日の範囲内である。 これを 1日 1回〜数回に 分けて投与すれば良い。 実施例
以下に本発明に係る化合物の製造法を例示するが、 本発明に係る化合物を以下 の実施例の化合物に限定する意味ではない。
(第 1工程)
化合物 ( 1 ) (2 3. 7 g 0. l mo l) のジメ トキシェタン (3 0 0 ml) —エタノール ( 1 5 0 ml) 溶液に、 ボロン酸 (2) (22. 88 g、 0. 1 m 0 1 ) および炭酸ナト リウム (3 1. 8 g、 0. 3 m 0 1 ) の水溶液 ( 1 5 0 ml) を加え、反応液を脱気した。 テトラキス ( 1、 リフエニルホスフィ ン) パラジウム ( 3. 47 g、 3 mm 01 ) を加え、 窒素雰囲気下で 2時間加熱還流した後、 反 応混合物を水で希釈し、 酢酸ェチルで抽出した。 抽出液を飽和食塩水で洗浄、 乾 燥、濃縮後、得られる残渣をへキサンから結晶化し、化合物( 3 ) ( 24. 9 2 g ; 収率 84%) を得た。
(第 2工程)
第 1工程と同様にして、 化合物 ( 3 ) (2 0. 0 g、 68. 0 mm 01 )、 ポロ ン酸 (4) ( 1 4. 94 g、 88. 3mmo l) を 1 8時間反応後、 抽出残渣をシ リ力ゲルクロマトグラフィー (へキサン :酢酸ェチル 2 : 1 ) で精製し、 化合物 (5) ( 19. 24 g ;収率 84%) を得た。
(第 3工程)
化合物 (5 ) (2 1. 1 5 g、 62. 5 mmo l) のジクロロメタン (2 00 m 1 ) 溶液に、 氷冷下でピリジン ( 6. 6ml、 8 1. 2mmo l)、 続いて無水ト
リフルォロ酢酸 ( 1 0. 6 ml、 7 5. 0 mm o 1 ) を加え、 室温で 1時間撹拌 した。 反応液を酢酸ェチルで希釈した後、 水、 l mo l/L塩酸、 5 %炭酸水素 ナトリゥム水溶液、 飽和食塩水で順次洗浄後、 乾燥、 濃縮し、 化合物 ( 6 ) (22. 8 0 g ; 収率 84 %) を得た。
(第 4工程)
化合物 (6) ( 14. 0 g、 3 2. 2111]110 1 ) のジクロロメ夕ン ( 30 0 111 1 ) 溶液に氷冷下メタク口口過安息香酸 ( 1 4. 46 g、 8 3. 8 mm 0 1 ) を加え、 室温で 3時間攪拌した。 反応液にチォ硫酸ナト リウム水溶液を加え、 酢酸ェチル で抽出し、 飽和炭酸水素ナト リウム水溶液で 2回洗浄後、 乾燥、 濃縮した。 残渣 をへキサンで洗浄し、 化合物 (7) ( 1 2. 9 7 g ;収率 86 %) を得た。
(第 5工程)
化合物 ( 7 ) ( 1 5. 0 g、 3 2. 2 mmo l) の N, N—ジメチルホルムァミ ド (6 5 ml) 溶液に、 炭酸力リウム ( 6. 6 7 g、 48. 2 mm o 1 )、 続いて 臭化プレニル (4. 8 1 m l, 4 1. 8mmo l) を加え、 室温で 1 8時間撹拌 した。 反応液を酢酸ェチルで希釈した後、 水、 飽和食塩水で順次洗浄、 乾燥、 濃 縮し、 残渣をテトラヒ ド Πフラン ( 1 5 0 m l) に溶解した。 プレノール ( 9. 8ml、 9 6. 5 mm o 1 ) のテトラヒ ドロフラン ( 1 5 0 m l) 溶液に水素化 ナト リウム (6 0 % ミネラルオイル、 3. 85 :、 96. 5 mm o 1 ) を加え調 製した反応液を氷冷下加え、 同温度でさらに 2時間攪拌した。 反応液を酢酸ェチ ルで希釈し、 水、 飽和食塩水で順次洗浄後、 乾燥、 濃縮した。 残渣をシリカゲル クロマトグラフィー (へキサン :酢酸ェチル 7 : 1 ) で精製し、 化合物 ( I— 1 ) ( 1 2. 5 g ; 収率 8 7 %) を得た。
mp 87-88 °C
1H NMR (CDC13) δ HI.74 (s, 3H), 1.78 (s, 3H), 1.79 (s, 3H), 1.80 (s, 3H), 2.22 (s, 3H), 2.26 (s, 3H), 3.71 (d, J = 6.9Hz, 2H), 4.87 (d, J = 7.2Hz, 2H), 5.32-5.37 (m, 1H), 5.55-5.60 (m, 1H), 6.35-6.47 (m, 2H), 6.81 (dd, J二 0.6, 8.4Hz, 1H), 7.02-7.13 (m, 3H), 7.59 (dd, J = 2.4, 8.4Hz, 1H), 8.16 (dd, J
= 0,9, 5.7Hz, 1H) ppm.
IR (Nujol): 3330, 2923, 2853, 1627, 1606, 1564, 1527, 1481, 1471, 1395, 1376: 1357, 1337, 1284, 1240, 1178, 1116, 990 cm- 1
以下の化合物も同様に合成した。
表
R 1 R 2 R 3 R4 R5 R6 X1 X2 化合物 ( I一 2 ) MeO Me Me MeO H OH - 0- - 0 - 化合物 ( I一 3 ) Meo Me Me Me H OH - 0- - 0 - 化合物 ( I一 4) Meo Me Me Me H OH - 0- -NH-
(表中、 Meはメチルを示す)
上記の化合物について、 以下に物性データを示す。
化合物 ( I一 2 )
Ή-NMR δ 1.57 (s, 3H), 1.77 (s, 3H), 1.80 (s, 3H), 1.83 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 3.34 (s, 3H), 3.37 (s, 3H), 4.63 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 4.88 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 5.51-5.63 (m, 2H), 5.72 (s, 1H), 6.76 (dd, J = 2.1, 8.1 Hz, 1H), 6.84 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 6.94 (d, J 8.1 Hz, 1H), 7.56 (dd, J = 2.1, 8.7 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 2.1 Hz, 1H) 化合物 ( I一 3 )
Ή-NMR δ 1.77 (s, 3H), 1.80 (s, 3H), 1.83 (s, 6H), 1.98 (s, 6H), 2.05 (s, 3H), 3.33 (s, 3H), 4.63 (d, J= 6.6 Hz, 2H), 4.89 (d, J = 6.9Hz, 2H), 5.52-5.61 (m, 2H), 5.73 (s, 1H), 6.61 (br d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.75 (br s, 1H), 6.83 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.56 (dd, J = 2.1, 8.4 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 2.1 Hz, 1H)
化合物 ( I一 4 )
mp 163.5-164.5 °C; Ή-NMR δ 1.75 (s, 3H), 1.78 (s, 6H), 1.83 (s, 3H), 1.98 (s, 6H), 2.08 (s, 3H), 3.35 (s, 3H), 4.45 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 4.45 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.62 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 5.38 ( , 1H), 5.55 (m, 1H), 5.78 (br s, 1H), 6.48 (d, J = 8.4, 1H), 6.61 (br d, J = 7.8, 1H), 6.75 (br s, 1H),
6.93 (d, J = 7.8, 1H), 7.43 (dd, J = 2.4, 8.4, 1H), 8.06 (d, J = 2.4, 1H) 以下に本発明に係る化合物のプロ ドラッグの製造法を例示する。
化合物 ( I一 1 ) のプロ ドラッグの製造例
8
(第 1工程) 化合物 ( 8 ) の合成
実施例 1で得た化合物(I— 1 ) (444mg, l mmo 1)を無水エーテル(4 OmL) に溶解して氷冷し、 窒素気流中で攪拌下、 クロロギ酸クロロメチル ( 1 94 m g , l mmo l)、 ト リェチルァミン (2 1 0 mL, l mmo l) を順次加 え、 氷浴を離して 4時間攪拌を続けた。 反応物中の析出物をろ去し、 水洗し、 無 水硫酸ナト リウムで乾燥し、 溶媒を減圧留去して化合物 (8 ) 540 mgを油状 物として得た。
Anal Calcd for C31H34N203FC1: C, 69.33; H, 6.38; N, 5.22; F, 3.54; CI, 6.60. Found: C, 68.85; H, 6.42; N, 5.21; F, 3.58; CI, 7.06.
(第 2工程) 化合物 (I— 1 ) のプロ ドラッグの合成
グリコール酸 ( 3 8mg, 0. 5 mmo l)、 炭酸力リウム ( 3 5 mg, 0. 2 5 mm o 1 )、 N, N—ジメチルホルムアミ ド ( 1 mL) の混合物を減圧下に室温 で 1 0分間攪袢し、 次いで化合物 (8) (54mg, 0. l mmo l) の N, N— ジメチルホルムアミ ド ( 0. 5 mL) 溶液を加え、 臭化カリウム ( 1 2 m g, 0. l mmo l) を添加してアルゴン雰囲気中で 2 0時間激しく攪拌した。 反応混合
物をエーテル ( 5 mL) で希釈し、 固体をろ去し、 水洗し、 無水硫酸ナト リウム で乾燥後溶媒を減圧留去し、 残った粗製物をシリ力ゲルカラムクロマトグラフィ 一 (溶出溶媒; へキサン : 酢酸ェチル 2 : 1 ) で精製して化合物 ( I一 1 ) のプ ロ ドラッグ 27 mgを油状物として得た。
1H匪 R (CDC13): δ 1.58 (3Η, s), 1.73 (3H, s), 1.80 (3H, s), 1.82 (3H, s), 2.20 (3H, s), 2.28 (3H, s), 2.33 (1H, bs), 4.25 (2H, bs), 4.30 (2H, d, J = 6.9Hz), 4.88 (2H, d, J = 6.9Hz), 5.30 (1H, bt, J = 6.9Hz), 5.58 (2H, bt, J = 6.9Hz), 5.90 (2H, bs), 6.83 (1H, d, J二 8.4Hz), 6.95-7.30 (3H), 7.13 (2H, bs), 7.60 (1H, dd, J = 8.4Hz, 2.4Hz), 8.18 (1H, d, J = 2.4Hz) ppm.
Anal Calcd for C33H37N206F: C, 68.73; H, 6.47; N, 4.86; F, 3.29.
Found: C, 68.59; H, 6.68; N, 4.98; F, 3.25.
本発明に係る化合物が、 ジヒ ドロォロテ一トデヒドロゲナーゼ阻害作用を有し ていることを、 以下の試験により、 確認した。
試験例
ジヒ ドロォロテートデヒロロゲナーゼ阻害試験方法
ヒ 卜 ϋ - 937細胞 (human histiocytic lymphoma cell line) ¾ homogenizing buffer (20 mM Tris-HCl, pH 7.4, containing 2 mM EDTA and protease inhibitor cocktail)中にて超音波で破砕した後、 1,200 x gで 15分間遠心して cell debris を除去した。 さらに 120,000 X gで 60分間超遠心を 2回行い、 mitochondrial / microsomal画分を調製した。 得られた画分はタンパク定量を行った後、 10 mg/inl に調製し測定時まで- 40°C庫で冷凍保存した。 反応液 (50 mM Tris- HC1, pH 7.4, containing 0.1 ¾ Triton X-100, 1 mM KCN, 100 μ, coenzyme Q10, 200 ^MDCIP) 150 j lに化合物の希釈列 10〃1および mitochondrial / microsomal画分 0.2 mg を添加して、 37°Cで 30分間プレインキュペート した。 次に基質である 5 mM DH0 溶液 20 〃1 (終濃度 500 〃M) を添加して 37°Cで 90分間インキュベート した後、 測定波長 620 nmにおける吸光度を測定した。酵素反応による吸光度の変化に対す る各濃度の化合物の抑制率を求め、 50 %阻害を示す濃度 (ICse値) を算出して、
化合物の阻害活性を評価した。
以下に化合物の活性を示す。
表 2
化合物 ICeo iik (ng/mL)
I 一 1 45
1 - 2 51
I 一 3 45
1 - 4 17 以下に本発明化合物の製剤例を記載するが、 以下の製剤例に限定する意味では ない。
製剤例 1 錠剤
化合物 ( I 一 1 ) 1 5 m g
1 5 m g
乳 fe 1 a m g
結晶性セルロース 1 9 m g
ポリビニルアルコール 3 m g
蒸留水 3 0 m l
ステアリン酸カルシウム 3 m g
ステアリン酸カルシウム以外の成分を均一に混合し、 破砕造粒して乾燥し、 適 当な大きさの顆粒剤とした。 次にステアリン酸カルシウムを添加して圧縮成形し て錠剤とした。
製剤例 2 顆粒剤
化合物 ( I 一 2 ) 3 0 g
乳糖 2 6 5 g
ステアリン酸マグネシウム 5 g
よく混合し、 圧縮成型した後、 粉砕、 整粒し、 篩別して適当な大きさの顆粒剤 とした。
製剤例 3 カプセル剤
化合物 ( I 一 3 ) 1 0 g
重質酸化マグネシウム 2 0 g
乳糖 7 0 g
を均一に混合して粉末状または細粒状の散剤とし、 カプセル容器に充填して力 プセル剤とした。 産業上の利用可能性
式 ( I ) で示される化合物は、 ジヒ ドロォロテートデヒ ドロゲナーゼ阻害作用 を有しており、 慢性関節リウマチ、 全身性エリテマトーデス、 多発性硬化症、 炎 症性腸疾患、 ぶどう膜炎、 重症筋無力症、 気管支喘息、 アトピー性皮膚炎、 乾癬、 ウィルス感染症、 細菌感染症、 バクテリア感染症、 寄生虫感染症、 癌、 移植にお ける拒絶反応、 移植片対宿主病の治療または予防に使用することができる。