明 細 書
SH3ドメイン結合阻害剤
S H 3 ドメイン結合阻害剤
本発明は、 非べプチド性化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分 として含有する SH3ドメイン結合阻害剤に関する。また本発明は、 SH3ドメイン結 合阻害剤として有用な化合物に関する。 細胞膜上には様々な受容体が存在し、 細胞外刺激に応じて活性化されて細胞内 にそのシグナルを伝達する。受容体の細胞質側には各種のシグナル分子が集まり、 複合体を形成する。 刺激の種類により、 各シグナル分子は異なった生理作用を誘 発する。 シグナル分子の複合体の形成には、 ドメイン構造が重要な役割を果たし ている。 その中でも、 Srcホモロジ一ドメイン 3 (SH3ドメイン) は、 Srcファミリ —間の相同性の高い領域として発見され、 およそ 60アミノ酸から成るドメインで 様々な蛋白質中に位置し、 プロリンを含む配列 (プロリンリッチ配列) を認識し て結合することが知られている [サイエンス(Science)、 252卷、 668頁(1991年)、 同 257巻、 803頁(1992年)、 ファセブ'ジャーナル(FASEB J.)、 14卷、 231頁(2000 年) ]。これらプロリンリツチ配列を有する蛋白質としては HIV-lNef、 p22-phox、 p47-phox、 Sam68、 Sosl、 Zol、 Dynamic c-Cbl等が知られている [例えばェムボ . ジャーナル(EMBO J.) 、 14卷、 484頁(1995年)、 プロシ一ディング ·ォブ ·ザ · ナショナル 'アカデミー'ォブ'サイエンス 'ォブ 'ザ 'ュ一 'エス 'エー(proc. Natl. Acad. Sci. USA) 、 91卷、 10650頁 (1994年) 、 ジャーナル ·ォブ 'ィムノロ ジ一 (J. Immunol.) 、 157卷、 1226頁 (1996年) 、 ジャーナル 'ォブ 'バイオロジ カル ·ケミス卜リ一 (J. Biol. Chem.) 、 270卷、 9115頁 (1995年) 等] 。 SH3ドメ インを有する蛋白質は、 例えばすベての真核生物、 HIV等のウィルス等において 見い出されており、 普遍的な機能が考えられている。例えば、 Srcフアミリーキナ —ゼである Fynを始めとして、 Ras-GAP、 PLCァ、 PI3K、 Abl、 Btk、 Lyn、 Hck、 Fgr、
Yes等酵素活性をもつものや、 酵素活性をもたないアダプター蛋白質である Grb2、 Neks Vav等、 NADPHォキシダーゼ複合体の構成蛋白質である p40-phox、 p47-phox、 p67-phox等 [プロシ一ディング ·ォプ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サ ィエンス 'ォブ'ザ'ュ一 ·エス ·ェ一(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、 91卷、 10650 頁 (1994年) ]、 その他 Txk、 Tec、 Tsk、 Crk、 Cortactin等が SH3ドメインを有する ことが知られている。 SH3ドメインを介した蛋白質一蛋白質結合は、 適度の親和 性による相互作用を通して、 蛋白質複合体を形成する役割を果たしていると考え られている。
SH3ドメインを介した蛋白質—蛋白質結合は、例えば癌や AIDS (acquired immune deficiency syndrome) 、 アレルギー等様々な疾患において原因と考えられるシグナ ル分子間に存在する [バイオポリマ一 (Biopoly.) 、 43卷、 383頁 (1997年) ] 。 このことから、 SH3ドメインを介した蛋白質一蛋白質結合を阻害する(SH3ドメイ ン結合阻害活性) SH3ドメイン結合阻害剤は、 これら疾患の治療薬として有効と 考えられ、 生体内における発癌等 SH3ドメイン結合の関与する疾患原因蛋白質の 調節を含む多くの用途に利用され得る。
ぺプチドでは、 SH3ドメイン結合配列に変異を加えたもの [セル(Cell)、 76卷、 933頁 (1994年)、 ケミカル 'バイオロジー (Chem. Biol.)、 7卷、 R3-R8頁 (2000 年) ] や、 コンビナトリアル ·ファージライブラリ一から Src、 PI3Kヽ Abl等様々 な SH3ドメインを有する蛋白質の SH3ドメインに結合するぺプチドをスクリー二 ングする方法 (W095/24419、 特表 2000-506522号) や、 c-Crkの SH3ドメインに特 異的に結合するペプチド (WO96/21011)が報告されている。ペプチドに修飾を施 したべプチド性化合物では、 SH3ドメイン結合を阻害するスピロラク夕ム化合物 (WO98/54208)や、 プロリン骨格を有するアミノ酸配列をその構造に含む合成ぺ プチドが固定化されている偏りのあるコンビナトリアル ·ライブラリーより単離 されたもの [ジャーナル'ォプ 'ァメリカン ·ケミカル 'ソサエティ (J. Am. Chem. Soc. ) 、 118巻、 287頁 (1996年) ] がある。 これらに記載の化合物のうち最小の 化合物は、 分子量 790であるが、 値は 220 /mol/Lと、 その SH3ドメインに対する
結合力は弱かった [ジャーナル 'ォプ 'アメリカン 'ケミカル'ソサエティ (J. Am. Chem. Soc.) 、 118卷、 287頁 (1996年) ] 。
これまで報告のあった SH3ドメイン結合阻害剤は、分子量 750以上のプロリンを 始めとする疎水性アミノ酸を基本とするぺプチドまたはぺプチド性の化合物であ つた。 ペプチドまたはペプチド性の化合物は、 例えば、 一般的に血中安定性が低 い、経口吸収性が悪い、分子量が大きいために細胞内への取り込みが容易でない、 構造が複雑なために製造が容易でなくコストがかかる等、 SH3ドメイン結合が関 与する疾患の治療薬として用いるには、 困難な点を多く含んでいた。
UCS15A (Luminacin C2/SP4228A) は、 ザ ·ジャーナル ·ォブ ·アンチバイオテ イツクス (The Journal of Antibiotics) 、 53卷、 579頁 (2000年) 、 特閧昭 58-116686 号、 同昭 63-22583号、 同昭 61-293920号、 同昭 62-294619号、 同昭 63-48213号、 同平 8-268888号に、 骨吸収抑制作用、 殺菌作用、 免疫抑制作用、 抗白癬菌作用、 抗腫 瘍活性を有する化合物として記載されている。
また、 サイトカラシン類 [サイ トカラシン (cytochalasin) 、 口セリカラシン (Rosellichalasiii) 、 エポキシサイトカラシン (epoxycytochalasii^ 、 力エトグロボ シン (chaetoglobosin)、ぺノカフンン (penochalasin)、ァスホ力フシノ aspochalasin) 等]には、例えば血管新生阻害作用( WO98/41205)等の生物活性が知られている。
昍の ϋ示
本発明の目的は、 非ぺプチド性化合物またはその薬理学的に許容される塩を有 効成分として含有する SH3ドメイン結合阻害剤を提供することにある。 また、 本 発明のもう 1つの目的は、 SH3ドメイン結合阻害剤として有用な化合物またはそ の薬理学的に許容される塩を提供することにある。
本発明は、 以下の [1] 〜 [51] に関する。
[1] SH3ドメイン結合阻害活性を有する非べプチド性化合物またはその薬理学 的に許容される塩を有効成分として含有する SH3ドメイン結合阻害剤。
[2]非ぺプチド性化合物が、 分子量 750未満の低分子化合物である上記 [1]記 載の SH3ドメイン結合阻害剤。
[3] SH3ドメイン結合阻害活性を有する非ペプチド性化合物が、 一般式 (I)
(式中、 、 R3\ R3bおよび R4は、 同一または異なって、 水素原子、 ヒドロキシ、 カルボキシ、 置換もしくは非置換の低級アルキル、 置換もしくは非置換の低級ァ ルコキシまたは置換もしくは非置換の低級アル力ノィルォキシを表すか、 または R3aと R3bが一緒になつて酸素原子を表し、 R23および R2bは、 同一または異なって、 水素原子、 置換もしくは非置換の低級アルキルまたは置換もしくは非置換の低級 アルケニルを表し、 R5aおよび は、同一または異なって、水素原子、ヒドロキシ、 カルボキシ、 置換もしくは非置換の低級アルキル、 置換もしくは非置換の低級ァ ルコキシ、 置換もしくは非置換の低級アルケニル、 置換もしくは非置換の低級ァ ルカノィルォキシ、 置換もしくは非置換の低級アルケノィルォキシまたは置換も しくは非置換の低級アル力ノィルァミノカルボニルォキシを表すか、 または R5aと が一緒になつて酸素原子を表し、 Xは酸素原子または— CH2—を表す)で表され る化合物である上記 [1] または [2]記載の SH3ドメイン結合阻害剤。
[4] SH3ドメイン結合阻害活性を有する非ペプチド性化合物が、 一般式 (II)
(Π)
(式中、 R6は水素原子、 置換もしくは非置換の低級アルキルまたは置換もしくは 非置換の低級アルケニルを表し、 R7および R9は、同一または異なって、水素原子、 ホルミル、 置換もしくは非置換の低級アルキル、 置換もしくは非置換の低級アル カノィルまたは置換もしくは非置換のァラルキルを表し、 、 および R11は、 同
一または異なって、 水素原子、 ハロゲン、 ヒド Dキシ、 カルボキシ、 置換もしく は非置換の低級アルキル、 置換もしくは非置換の低級アルコキシ、 置換もしくは 非置換の低級アルカノィル、 ホルミル、 シァノ、 ニトロ、 ァミノ、 モノもしくは ジ低級アルキルァミノ、 置換もしくは非置換の低級アル力ノィルァミノまたは置 換もしくは非置換の低級アルコキシカルボニルを表す) で表される化合物である 上記 [1] または [2] 記載の SH3ドメイン結合阻害剤。
[5] SH3ドメイン結合阻害活性を有する非ペプチド性化合物が、 サイトカラシ ン類である上記 [1] または [2] 記載の SH3ドメイン結合阻害剤。
[6] SH3ドメイン結合阻害活性を有する非ペプチド性化合物が、 一般式 (Ilia)
(Ilia)
(式中、 R12aは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のァリ一 ルまたは置換もしくは非置換のへテロアリールを表し、 Q1は単結合または酸素原 子を表し、 =は単結合または二重結合を表し、 Q2と隣接する炭素原子の間の二 が二重結合を表すとき二 Q2—は = C(CH3)—を表し、 Q2と隣接する炭素原子の間の 二が単結合を表すとき— Q2—は— C(OH)(CH3)—を表す)で表される化合物である 上記 [1] または [2]記載の SIBドメイン結合阻害剤。
[7] SH3ドメイン結合阻害活性を有する非ペプチド性化合物が、 一般式 (Illb)
(Illb)
[式中、 R12bは前記 R12aと同義であり、 Q3および Q5は、 同一または異なって、 単結 合または酸素原子を表し、二は単結合または二重結合を表し、二 Q4二は = C(CH3) 一、 一 C(=CH2)—、 一 CH(CH3)—または一 C(CH3)=を表し、 R12cおよび R12hは、 同 一または異なって、 水素原子またはヒドロキシを表し、 R12dおよび R12ま、 同一ま たは異なって、水素原子またはメチルを表し、 R12¾よび R12gはホルミルを表すか、 または R12fと R12gが一緒になつて、 ---- CR12hR12gと一 CHR12eR12fの部分が、 ™CR12h- C(OH)(CH3) - C(= O) - CHR12e-または二 CR12h— A— B— CHR12e— (式中、 Aおよび Bは、 同一または異なって、 —CH(OH)―、 一 CH2—または— C( = 0)—を表 す) を表す] で表される化合物である上記 [1] または [2]記載の SHBドメイン 結合阻害剤。
[8] Xが酸素原子であり、 、 R R4および 1 ¾が水素原子であり、 R1および R3bが同一または異なって、 ヒドロキシ、 カルボキシ、 置換もしくは非置換の低級 アルコキシまたは置換もしくは非置換の低級アルカノィルォキシであり、 R2bが置 換もしくは非置換の低級アルキルであり、 R5aが一般式 (IV)
[式中、 R5ま置換もしくは非置換の低級アルキルを表し、 R5dおよび R5ま、 同一ま たは異なって、 水素原子、 ヒドロキシまたは置換もしくは非置換の低級アルコキ シを表すか、 または R5dと R5eが一緒になつて酸素原子を表し、 R5¾3よび R は、 水 素原子、 ホルミル、 置換もしくは非置換の低級アルキルまたは置換もしくは非置 換の低級アルカノィルを表し、 R¾はホルミル、 — CH=NQ (式中、 Qは置換もし くは非置換の低級アルコキシ、 置換もしくは非置換のァリールォキシ、 置換もし くは非置換のァラルキルォキシ、 置換もしくは非置換の低級アルキルァミノ、 置 換もしくは非置換のァリ一ルァミノまたは置換もしくは非置換のァリ一ルスルホ
ニルァミノを表す) 、 置換もしくは非置換の低級アルキルまたは置換もしくは非 置換の低級アル力ノィルを表し、 および R5jは、同一または異なつて、水素原子、 ヒドロキシまたは置換もしくは非置換の低級アルコキシを表すか、 または R5iと が一緒になつて酸素原子を表す]である上記 [3]記載の SIBドメイン結合阻害剤。
[9] 一般式 (Va)
(Va)
(式中、 は単結合または二重結合を表し、 R12a、 Q1および Q2は、 それぞれ前記 と同義である) で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩。
[10] 一般式 (Vb)
(Vb)
[式中、 ニニは単結合または二重結合を表し、 R12b、 Ri2\ R12d、 R12 R12hヽ Q5 および—— 0 -は、 それそれ前記と同義であり、 ニニ CR12h— D— CHR12e—は 二 CR12h— C(OH)(CH3)_C(=0)— CHR12e—または CR12h—A— B— CHR12e—(式中、 Aおよび Bは、 それそれ前記と同義である) を表す]で表される化合物またはその 薬理学的に許容される塩。
[式中、 R3Aおよび R3Bは、 同一または異なって、 水素原子、 ヒドロキシ、 力 ルポキシ、 置換もしくは非置換の低級アルコキシまたは置換もしくは非置換の低 級アルカノィルォキシを表すか、 または R3Aと R3Bが一緒になつて酸素原子を表し、 は置換もしくは非置換の低級アルキルを表し、 R5e、 R5d、 R5e、 R5f、 R R5iおよ び R5jは、 それそれ前記と同義であり、 R5Gはホルミル、 ヒドロキシメチル、 置換も しくは非置換の低級アルコキシメチル、 置換もしくは非置換の低級アル力ノィル ォキシメチル、 置換もしくは非置換の低級アル力ノィルメチルまたは— CH = NQA
(式中、 QAは置換もしくは非置換の低級アルコキシ、 置換もしくは非置換のァリ ールォキシまたは置換もしくは非置換のァラルキルォキシを表す) を表すが、 た だし R5Gがホルミルであり、 R3Aまたは R3Bの一方が水素原子であるとき、 R3Aまたは R3Bの他方はヒドロキシとはならない]で表される化合物またはその薬理学的に許 容される塩。
[12]上記 [9] または [10]記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩 を有効成分として含有する医薬。
[13] 上記 [11] 記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分 として含有する医薬。
[14]上記 [9] または [10]記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩 を有効成分として含有する SH3ドメイン結合阻害剤。
[15] 上記 [11] 記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分 として含有する SH3ドメイン結合阻害剤。 -
[16] SH3ドメイン結合が、 SH3ドメインを有する蛋白質とプロリンリヅチ配列 を有する蛋白質の結合である上記 [1]〜 [S]、 [14] および [I5] のいずれか
に記載の SH3ドメイン結合阻害剤。
[17] SIB .ドメインを有する蛋白質および/またはプロリンリヅチ配列を有す る蛋白質が、 ウィルスに由来する蛋白質である上記 [16] 記載の SH3ドメイン結 合阻害剤。
[18] ウィルスに由来する蛋白質が、 レトロウイルス、 肝炎ウィルスまたはへ ルぺスウィルスに由来する蛋白質である上記 [17] 記載の SH3ドメイン結合阻害 剤。
[19] SH3ドメインを有する蛋白質が、 Src、 Yes、 Fg Hck、 Lckヽ Abl、 Fyn、 Lyn、 Blks Yrk、 Ras-GAP、 PLC 7 s PI3K:、 Tec、 Txk/Rlkヽ Tsk/Emt/Itk、 Btk、 Crk、 Grb2、 Neks Vav、 STAT、 Cortactin、 p40-phox、 p67-phox、 p47-phoxヽ TCRのシグ ナル分子 (TCRsm) または Iレ 2Rの ?鎖もしくはァ鎖である上記 [16]記載の SH3 ドメイン結合阻害剤。
[20] プロリンリツチ配列を有する蛋白質力5、 HIV-lNef、 p22-phoxN p47-phox、 Sam68、 Sosl、 Dynamin, c-Cblヽ Z01、 pX ORF Iヽ LHDAgヽ NS5Aヽ pORF3、 ICP10、 LMP2A、 Tipまたは Tioである上記 [16] または [19] 記載の $H3ドメイン結合阻 害剤。
[21] SH3ドメインを有する蛋白質とプロリンリツチ配列を有する蛋白質の結 合が、 Grb2と Sosl、 Fynと Sam68、 Srcと Sam68、 PLCァと Sam68、 Grb2と Sam68、 Lynと HIV-lNefヽ Hckと HIV-lNefヽ TCRsmと HIV-lNefヽ p47-phoxと p22-phoxヽ 67-phox と p47-phox、 Lynと Dynamii Cortactinと Z01、 Lynと c-Cbl、 IL-2Rの/?鎖もしくはァ 鎖と pX ORF I、 Grb2と NS5Aヽ Srcと pORF3、 Hckと pORF3、 Fynと pORF3、 PI3Kと p〇RF3、 PLCァと pORF3、 Grb2と pORF3、 Grb2と ICP10、 Lynと LMP2Aヽ Lckと Tip、 Lynと Tio、 Hckと Tio、 Lckと Tio、 Srcと Tio、 Fynと Tioまたは Yesと Tioの結合である 上記 [16] 記載の SH3ドメイン結合阻害剤。
[22] SH3ドメインを有する蛋白質とプロリンリヅチ配列を有する蛋白質の結 合が、 Grb2と Sosl、 Fynと Sam68、 Srcと Sam68、 PLCァと Sam68、 Grb2と Sam68、 Lynと HIV-lNefまたは Cortactinと ZOlの結合である上記 [16] 記載の SH3ドメイン
結合阻害剤。
[23]上記 [9] または [10]記載の化合物の製造に使用される^ dUZd^ ケ曰糸状菌類 (jylariaks filamentous fungus) MPC1005 (受託番号: FERM BP-7980)、 ァスペルギルス スぺシ一ズ(_A¾?e tos sp. ) MPC1006 (受託番号: FERM BP-7899) およびァスペルギルス スぺシ一ズ (Α " s sp. ) MPC1009 (受託番号: FERM BP-7900) からなる群から選ばれる微生物。
[24]上記 [9] または [10]記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩 を有効成分として含有する抗腫瘍剤。
[25] 上記 [11]記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分 として含有する抗腫瘍剤。
[26]上記 [9] または [10]記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩 を有効成分として含有するアレルギー性疾患治療剤。
[27] 上記 [11]記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分 として含有するアレルギ一性疾患治療剤。
[28]上記 [9] または [10]記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩 を有効成分として含有するウィルス性疾患治療剤。
[29] 上記 [11]記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分 として含有するウィルス性疾患治療剤。
[30]上記 [9] または [10]記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩 を有効成分として含有する AIDS治療剤。
[31] 上記 [11]記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分 として含有する AIDS治療剤。
[32] SH3ドメイン結合阻害剤の製造のための上記 [9] または [10]記載の化 合物またはその薬理学的に許容される塩の使用。
[33] SH3ドメイン結合阻害剤の製造のための上記 [11]記載の化合物または その薬理学的に許容される塩の使用。
[34]抗腫瘍剤の製造のための上記 [9] または [10]記載の化合物またほその
薬理学的に許容される塩の使用。
[35] 抗腫瘍剤の製造のための上記 [11] 記載の化合物またはその薬理学的に 許容される塩の使用。
[36] アレルギー性疾患治療剤の製造のための上記 [9] または [10]記載の化 合物またはその薬理学的に許容される塩の使用。
[37] アレルギー性疾患治療剤の製造のための上記 [11] 記載の化合物または その薬理学的に許容される塩の使用。
[38] ウィルス性疾患治療剤の製造のための上記 [9] または [10]記載の化合 物またはその薬理学的に許容される塩の使用。
[39] ウィルス性疾患治療剤の製造のための上記 [11]記載の化合物またはそ の薬理学的に許容される塩の使用。
[40] AIDS治療剤の製造のための上記 [9] または [10] 記載の化合物または その薬理学的に許容される塩の使用。
[41] AIDS治療剤の製造のための上記 [11]記載の化合物またはその薬理学的 に許容される塩の使用。
[42]上記 [9] または [10]記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩 の有効量を投与することを特徴とする SH3ドメイン結合が関与する各種疾患の治 療ぉよび Zまたは予防方法。
[43] 上記 [11] 記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩の有効量を 投与することを特徴とする SH3ドメイン結合が関与する各種疾患の治療および Z または予防方法。
[44]上記 [9] または [10]記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩 の有効量を投与することを特徴とする悪性腫瘍の治療方法。
[45] 上記 [11] 記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩の有効量を 投与することを特徴とする悪性腫瘍の治療方法。
[46]上記 [9] または [10]記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩 の有効量を投与することを特徴とするアレルギー性疾患の治療および/または予
防方法。
[47] 上記 [11]記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩の有効量を 投与することを特徴とするァレルギ一性疾患の治療および Zまたは予防方法。
[48]上記 [9] または [10]記載の化合物またはその桀理学的に許容される塩 の有効量を投与することを特徴とするウィルス性疾患の治療方法。
[49]上記 [11] 記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩の有効量を 投与することを特徴とするウィルス性疾患の治療方法。
[50]上記 [9] または [10]記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩 の有効量を投与することを特徴とする AIDSの治療方法。
[51] 上記 [11] 記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩の有効量を 投与することを特徴とする AIDSの治療方法。
[52] SH3ドメイン結合阻害活性を有する化合物またはその薬理学的に許容さ れる塩の有効量を投与することを特徴とする AIDSの治療方法。
[53] SH3ドメイン結合阻害活性を有する化合物またはその薬理学的に許容さ れる塩の有効量を投与することを特徴とするウィルス性疾患の治療方法。
[54] SH3ドメイン結合阻害活性を有する化合物またはその薬理学的に許容さ れる塩を有効成分として含有する AIDS治療剤。
[55] SH3ドメイン結合阻害活性を有する化合物またはその薬理学的に許容さ れる塩を有効成分として含有するウィルス性疾患治療剤。
[56] AIDS治療剤の製造のための SH3ドメイン結合阻害活性を有する化合物ま たはその薬理学的に許容される塩の使用。
[57] ウィルス性疾患治療剤の製造のための SH3ドメイン結合阻害活性を有す る化合物またはその薬理学的に許容される塩の使用。
以下、 一般式 (I)、 (Π)、 (Ilia)、 (lift)、 (Va)、 (Vb) および (VI) で表される化合物を、 それそれ化合物 (I)、 (II)、 (Ilia)、 (lift)、 (Va)、 (Vb) および (VI) という。
一般式(I)、 (Π)、 (Ilia)、 (Illb)、 (IV)、 (Va)、 (Vb)および(VI)
の各基の定義において、
( 1 ) 低級アルキル、 ならびに低級アルコキシ、 低級アルコキシカルボニル、 低級アルコキシメチル、 低級アルキルァミノおよびモノもしくはジ低級アルキル ァミノの低級アルキル部分としては、 例えば直鎖もしくは分枝状の炭素数 1〜 8 のアルキル、 具体的にはメチル、.ェチル、 プロピル、 イソプロピル、 プチル、 sec —プチル、 tert—プチル、 ペンチル、 イソペンチル、 ネオペンチル、 へキシル、 へ プチル、 ォクチル等、 または例えば環状の炭素数 3 ~ 8のアルキル、 具体的には シクロプロピル、 シクロプチル、 シクロペンチル、 シクロへキシル、 シクロヘプ チル、 シクロォクチル等があげられる。
( 2 ) 低級アルケニルとしては、 例えば直鎖または分枝状の炭素数 2〜 8のァ ルケニル、具体的にはビニル、 ァリル、 1—プロぺニル、 メ夕クリル、 クロチル、
1ーブテニル、 3—プテニル、 2—ペンテニル、 4—ペンテニル、 2—へキセニ ル、 5一へキセニル、 1, 5—ジメチルー 4一へキセニル等、 または二重結合を 2 〜 4個有するアルケニル、具体的には 1,3—プ夕ジェニル、 1, 3—ペン夕ジェニ ル、 2 , 4—ペン夕ジェニル、 1 , 5 —ジメチルー 1, 4—へキサジェニル、 1,3, 5—へキサトリエニル等があげられる。
( 3 ) 低級アルカノィル、 ならびに低級アルカノィルォキシ、 低級アルカノィ ルォキシメチル、 低級アルカノィルメチル、 低級アル力ノィルァミノおよび低級 アルカノィルァミノカルボニルォキシの低級アル力ノィル部分としては、 例えば 直鎖または分枝状の炭素数 2〜 8のアルカノィル、 具体的にはァセチル、 プロピ ォニル、 プチリル、 ィソプチリル、 バレリル、 イソパレリル、 ピパロィル、 へキ サノィル、 ヘプタノィル、 ォク夕ノィル等があげられる。
(.4 ) ァリール、 ならびにァリールァミノ、 ァリールスルホニルァミノおよび ァリールォキシのァリ一ル部分としては、 例えば炭素数 6〜 1 4のァリール、 具 体的にはフヱニル、 ナフチル、 アントリル等があげられる。
( 5 ) ァラルキル、 およびァラルキルォキシのァラルキル部分としては、 例え ば炭素数 7〜 1 5のァラルキル、 具体的にはベンジル、 フエネチル、 ベンズヒド
リル、 ナフチルメチル等があげられる。
( 6 ) ヘテロァリールとしては、 例えば窒素原子、 酸素原子および硫黄原子か らなる群から選ばれるヘテロ原子を少なくとも 1個以上含む、 5員または 6員の 単環性芳香族複素環基、 または窒素原子、 酸素原子および硫黄原子からなる群か ら選ばれるヘテロ原子を少なくとも 1個以上含む、 3〜8員の環が縮合した二環 もしくは三環性の縮環性芳香族複素璟基等があげられ、 より具体的には、 例えば ピリジル、 ピラジニル、 ピリミジニル、 ピリダジニル、 キノリニル、 イソキノリ ニル、 フタラジニル、 キナゾリニル、 キノキサリニル、 ナフチリジニル、 シンノ リニル、 ピ口リル、 ピラゾリル、 ィミダゾリル、 トリアゾリル、 テトラゾリル、 チェニル、 フリル、 チアゾリル、 ォキサゾリル、 インドリル、 ィンダゾリル、 ベ ンゾィミダゾリル、 ベンゾトリァゾリル、 ベンゾチアゾリル、 ベンゾォキサゾリ ル、 プリニル等があげられる。
( 7 ) ハロゲンは、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素の各原子を表す。
( 8 ) 低級アルケノィルォキシの低級アルケニル部分は、 前記低級アルケニル ( 2 ) と同義である。
( 9 ) 置換ァリール、 置換ァリールォキシ、 置換ァリ一ルァミノ、 置換ァリ一 ルスルホニルァミノ、 置換ァラルキルおよび置換ァラルキルォキシにおける置換 基としては、同一または異なって例えば置換数:!〜 5の、ヒドロキシ、ハロゲン、 ホルミル、 置換もしくは非置換の低級アルキル、 置換もしくは非置換の低級アル コキシ、 低級アルカノィル等があげられる。 置換位置は特に限定されない。 ここ で示したハロゲン、 低級アルキルおよび低級アルコキシの低級アルキル部分なら びに低級アルカノィルは、 それそれ前記ハロゲン ( 7 )ヽ 前記低級アルキル ( 1 ) および前記低級アルカノィル (3 ) と同義であり、 置換低級アルキルおよび置換 低級アルコキシの置換基としては、 置換数 1〜3の例えばヒドロキシ、 低級アル コキシ [該低級アルコキシの低級アルキル部分は前記低級アルキル (1 ) と同義 である] 、 ハロゲン [該ハロゲンは前記ハロゲン (7 ) と同義である] 等があげ られる。
( 1 0 ) 置換低級アルキル、 置換低級アルコキシ、 置換低級アルコキシカルボ ニル、 置換低級アルコキシメチル、 置換低級アルカノィル、 置換低級アルカノィ ルォキシ、 置換低級アルカノィルォキシメチル、 置換低級アルカノィルメチル、 置換低級アルケノィルォキシ、 置換低級アルカノィルァミノ、 置換低級アルカノ ィルァミノカルボニルォキシ、 置換低級アルキルァミノおよび置換低級アルケニ ルにおける置換基としては、 同一または異なって例えば置換数 1〜3の、 ヒドロ キシ、低級アルキル、低級アルコキシ、 カルボキシ、 ォキソ、 ァミノ、 エポキシ、 置換もしくは非置換の低級アル力ノィル、 置換もしくは非置換の低級アル力ノィ ルォキシ、 置換もしくは非置換のァリール、 置換もしくは非置換のァロイル等が あげられる。 置換位置は、 特に限定されない。 ここで示した低級アルカノィルぉ よび低級アル力ノィルォキシの低級アル力ノィル部分、 低級アルキルおよび低級 アルコキシの低級アルキル部分、 ならびにァリールおよびァ口ィルのァリ一ル部 分は、 それそれ前記低級アル力ノィル ( 3 ) 、 前記低級アルキル ( 1 ) 、 および 前記ァリール( 4 )と同義である。置換ァリ一ルぉよび置換ァ口ィルの置換基は、 前記置換ァリールの置換基 ( 9 ) と同義であり、 置換低級アルカノィルおよび置 換低級アル力ノィルォキシの置換基としては、置換数 1〜 3の例えばヒドロキシ、 低級アルコキシ [該低級アルコキシの低級アルキル部分は前記低級アルキル ( 1 ) と同義である] 、 ハロゲン [該ハロゲンは前記ハロゲン (7 ) と同義である] 等 があげられる。
( 1 1 ) サイ トカラシン類としては、 例えばサイ トカラシン (cytochalasin) 、 口セリカラシン (Rosdlichalasit^、エポキシサイトカラシン (epoxycytochalasin)、 力エトグロボシン (chaetoglobosin) 、 ぺノカラシン (penochalasin) 、 .ァスポカラ シン (aspochalasin) 等があげられる。
( 1 2 ) SH3ドメイン結合阻害とは、 SH3ドメインを介した蛋白質一蛋白質結合 の阻害のことである。
( 1 3 ) SH3ドメイン結合は、例えば SH3ドメインを有する蛋白質とプロリンリ ツチ配列を有する蛋白質等との結合であればいずれでもよいが、 例えば SH3ドメ
ィンを有する蛋白質および/またはプロリンリツチ配列を有する蛋白質が、 ウイ ルスに由来する蛋白質である結合等があげられる。
ウィルスに由来する蛋白質としては、例えばヒト免疫不全ウィルス— 1 (HIV-1)、 ヒト Tリンパ球ウィルス— 1 (HTLV-1) 等のレトロウイルスに由来する蛋白質、 デル夕型肝炎ウィルス (HDV) 、 C型肝炎ウィルス (HCV)、 E型肝炎ウィルス
(NEV)等の肝炎ウィルスに由来する蛋白質、単純へルぺスウィルス一 2 (HSV-2)、 E Bウィルス (EBV) 、 サイミ リヘルぺスウィルス (H. saimiri) 、 ァテレルヘル ^ウィルス(H. fltefe 等のへルぺスウィルスに由来する蛋白質等があげられる。 SH3ドメインを有する蛋白質としては、 例えば非受容体型チロシンキナーゼの Srcフアミリ一蛋白質である Src、 Yesヽ Fgrヽ Hckヽ Lckヽ Ablヽ Fyn (fgr/yes-related novel eene Lyn ( lgr/yes-related novel geneノ、 Blk(B-cell lymphocyte kinase) s Yrk , es-related kinase) 等、 酵素活性を有する Ras-GAP (ras-GTPase-activating protein) 、 PLCァ
(phospholipase C-gamma)ヽ PI3K ( phosphatidylinositol 3-kinase)等、 非受容体型チ 口シンキナ一ゼの Tecファミリ一蛋白質である Tec、 Txk/Rlk、 Tsk/Emt/Itks Btk
(Bruton's tyrosine kinase) 等、 アダプタ一蛋白質である Crk (CT-10bregulated) 、 Grb2 (growth factor receptor -bound protein 2)、 Nck、 Vav等、 転写因子である STAT
(signal transducers and activators of transcription) 等、 ァクチノ骨格形成に関わ Cortactin等、 NADPHォキシ夕一ゼ複合体の構成蛋白質である p40-phox、 p67-phox、 p47-phox等、 T細胞受容体のシグナル分子である TCRsm [カレント 'バイオロジ ― (Curr. Biol.) 、 11卷、 1294頁 (2001年) ]等、 IL-2R (interleukin-2 receptor) の ?鎖もしくはァ鎖 [ジャーナル ·ォブ ·バイロロジ一 (J. Virol.) 、 74卷、 9828頁
(2000年) ] 等があげられる。
プロリンリツチ配列を有する蛋白質としては、 例えばウィルスの感染および/ま たは増殖や、 HIV-1の複製等に関わる NefT'ある HIV-lNe傳、 NADPHォキシ夕一ゼ複 合体の構成蛋白質である p22-phox、 p47-phox等、 細胞周期に関わる Sam68
(src-associated mitotic substrate 68) 等、 アダプタ一蛋白質である Sosl (son of sevenless)、 Dynamic c-Cbl (casitas B-lineage lymphoma)等、細胞骨格に関わる ZOl
等、 ウィルス感染の持続等に関わる HTLV-1の pX ORF I (open reading frame I of the pX regione) [ジャーナル 'ォブ'バイロロジ一(J. Virol.)、 74卷、 9828頁 (2000 年) ]等、 ウィルスの RNA合成に関わる LHDAg (large hepatitis delta antigen) [ジ ヤーナル 'ォブ 'バイロロジ一 (J. Virol.)、 72卷、 2089頁 (1998年) ]、 NS5A
[プロシーディング .ォプ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイエンス · ォプ 'ザ'ユー ·エス ·ェ一 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、 961卷、 5533頁 (1999 年)]、 pORF3 [ジャーナル 'ォプ 'バイオロジカル 'ケミストリ一(J. Biol. Chem.)、 276巻、 42389頁 (2002年) ]ヽ ICP10 [ジャーナル ·ォブ ·バイオロジカル ·ケミ ストリ一 (J. Biol. Chem.)、 271卷、 17021頁 (1996年) ] 等、 ウィルスの宿主細 胞での潜伏および Zまたは透過に関わる LMP2A [エクスプレッション ·ォブ ·セ ル · リサーチ (Exp. Cell Res.)、 257卷ヽ 332頁 (2000年) 、 ジャーナル ·ォブ · バイロロジ一 (J. Virol.)、 69卷、 7814頁 (1995年) ] 、 T i p [ジャーナル -ォ ブ ·バイロロジー(J. Virol.)、 72卷、 2607頁(1998年):]、 T i o [ジャーナル - ォプ.バイロロジ一 (J. Virol.)、 73卷、 4631頁 (1999年) ] 等があげられる。
SH3ドメインを有する蛋白質とプロリンリツチ配列を有する蛋白質の結合とし ては、例えば Fynと Sam68 [ジャーナル■ォブ ·バイオロジカル 'ケミストリー(J. Biol. Chem.)、 272卷、 6214頁 (1997年) ]、 Srcと Sam68 [モレキュラー ·セル · バイオロジー (Mol. Cell Biol.)、 15卷、 186頁 (1995年) ]、 Grb2と Sosl [ネイチ ャ一( Nature )、 363卷、 83頁( 1993年)]、 PLC Jと Sam68 [オンコジーン( Oncogene)、 18卷、 4647頁 (1999年) ] 、 Grb2と Sam68 [モレキュラー ·アンド ·セルラー · バイオロジー (Mol. Cell. Biol)、 15巻、 186頁 (1995年) ] 、 Lynと HIV-lNefもし くは Hckと HIV-lNef [ェンボ ·ジャーナル(EMBO. J.)、 14卷、 484頁 (1995年)、 バイロロジ一 (Virology)、 262卷、 55頁 (1999年) ] 、 TCRsmと HIV-lNef [カレ ント ·バイオロジー (Curr. Biol.)、 11卷、 1294頁 (2001年) ]、 p47-phoxと p22-phox
[プロシ一ディング ·ォプ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイエンス · ォブ .ザ ·ュ一 ·エス ·ェ一 (proc. Natl. Acad. Sci. USA)、 91卷、 10650頁 (1994 年) ]、 p67-phoxと p47-phox [プロシーディング ·オフ、、 ·ザ ·ナショナル ·ァカデ
ミ一'ォブ'サイエンス'ォブ 'ザ'ュ一 ·エス ·ェ一(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)ヽ 91卷、 10650頁(1994年) ]、 Lynと Dynamin [ジャーナル ·ォプ ·ィムノロジー( Immunol.) 、 157卷、 1226頁 (1996年) ] 、 Lynと c-Cbl [ジャーナル 'ォブ'バイ ォロジカル 'ケミストリ一(J. Biol. Chem.)、 270卷ヽ 9115頁(1995年) ]、 Cortactin と Zol [ジャーナル ·ォブ ·バイ才ロジカル 'ケミストリー (J. Biol. Chem.)、 273 卷、 29672頁 (1998年) ] 、 IL-2Rの/?鎖もしくはァ鎖と pX ORF I [ジャーナル ' ォブ .バイロロジー (J. Virol.) 、 74卷、 9828頁 (2000年) ]、 Grb2と NS5A [プ 口シ一ディング ·ォプ ·ザ ·ナショナル 'アカデミー'ォブ'サイエンス 'ォブ · ザ-ュ一'エス 'エー(proc. Natl. Acad. Sci. USA)、 961卷、 5533頁(1999年) ]、 Srcと pORF3、 Hckと pORF3、 Fynと pORF3、 PI3Kと pORF3、 PLCSと pORF3もしくは Grb2と pORF3 [ジャーナル 'ォブ 'バイオロジカル 'ケミストリ一(J. Biol. Chem.)、 276卷、 42389頁(2002年) ]、 Grb2と ICP10 [ジャーナル 'ォブ 'バイオロジカル ' ケミストリ一(J. Biol. Chem.)、 271卷、 17021頁 (1996年) ]、 Lynと LMP2A [ェ クスプレヅシヨン 'ォプ■セル · リサーチ (Exp. Cell Res.)、 257卷、 332頁 (2000 年)、 ジャーナル ·ォブ ·バイロロジ一(J. Virol.)、 69卷、 7814頁(1995年) ]、 Lckと Tip [ジャーナル ·ォプ'バイ口口ジー(J. Virol.)、 72卷、 2607頁(1998年) ]、 Lynと Tio、 Hckと Tio、 Lckと Tio、 Srcと Tio、 Fynと Tioもしくは Yesと Tio [ジャ一ナ ル .ォブ.バイロロジー(J. Virol.)、 73卷、 4631頁(1999年) ]等があげられる。 非ぺプチド性化合物の薬理学的に許容される塩は、 例えば薬理学的に許容され る酸付加塩、 金属塩、 アンモニゥム塩、 有機アミン付加塩、 アミノ酸付加塩等を 包含する。
非ぺプチド性化合物の薬理学的に許容される酸付加塩としては、例えば塩酸塩、 硫酸塩、 硝酸塩、 リン酸塩等の無機酸塩、 酢酸塩、 マレイン酸塩、 フマル酸塩、 クェン酸塩等の有機酸塩等があげられ、 薬理学的に許容される金属塩としては、 例えばナトリウム塩、 カリウム塩等のアルカリ金属塩、 マグネシウム塩、 カルシ ゥム塩等のアルカリ土類金属塩、 アルミニウム塩、 亜鉛塩等があげられ、 薬理学 的に許容されるアンモニゥム塩としては、 アンモニゥム、 テトラメチルアンモニ
ゥム等の塩があげられ、 薬理学的に許容される有機アミン付加塩としては、 モル ホリン、 ピぺリジン等の付加塩があげられ、 薬理学的に許容されるアミノ酸付加 塩としては、 グリシン、 フエ二ルァラニン、 リジン、 ァスパラギン酸、 グルタミ ン酸等の付加塩があげられる。
次に、 本発明で使用される非べプチド性化合物の製造法について説明する。 なお、 以下に示した製造法において、 定義した基が反応条件下変化するか、 ま たは方法を実施するのに不適切な場合、 有機合成化学で常用される方法、 例えば 官能基の保護、 脱保護等 [例えば、 プロテクティブ · グループス 'イン 'オーガ ニック . シノセンス 5^二版 (.Protective Groups in Organic Synthesis third edition) グリーン (T. W. Greene) 著、 ジョン ·ワイリー 'アンド .サンズ ·ィンコ一ポレ ィテッド (John Wiley & Sons Inc.) (1999年) ] の手段に付すことにより容易に製 造を実施することができる。 また、 必要に応じて置換基導入等の反応工程の順序 を変えることもできる。
本発明で使用される非べプチド性化合物は、 例えば以下に示す一連の反応によ り製造することができる。
製造法 1 :
本発明で使用される非ペプチド性化合物のうち、 化合物 (VI) は、 次の一連の 反応工程により製造することができる。
工程 1 :
化合物 (VI) のうち、 R5Gがヒドロキシメチルである化合物 (Via) は、 化合物 (VII) から、 次の反応工程により製造することができる。
(式中、 R 、 R
3A、 R
3B、 R
5e、 R
5d、 R
5e、 R
5f、 R、 R
5iおよび R
5jは、 それぞれ前 記と同義である)
化合物 (Via) は、 化合物 (VII) を還元剤で、 不活性溶媒中で処理することに より、 得ることができる。
還元剤としては、 例えば水素化ホウ素ナトリウム、 水素化リチウムアルミニゥ ム、 水素化ジイソブチルアルミニウム、 ナトリウム水素化ビス (2—メトキシェ トキシ) アルミニウム等があげられ、 該還元剤は化合物 (VII) に対して 1〜: 10当 量用いられる。
不活性溶媒としては、 例えばメタノール、 エタノール、 クロ口ホルム、 ジクロ ロメタン、 テトラヒドロフラン (THF) 、 ジェチルエーテル、 トルエン、 ジメチ ルホルムアミド (DMF) 等があげられる。
反応は、 0°Cから用いる溶媒の沸点の間の温度で行われ、 通常 1分間〜 24時間で 終了する。
工程 2 :
化合物 (VI)のうち、 R5Gが置換もしくは非置換の低級アルコキシメチルまたは 置換もしくは非置換の低級アルカノィルォキシメチルである化合物 (VIb)は、 ェ 程 1で得られる化合物 (Via) から、 次の反応工程により製造することができる。
{式中、 R 、 R3A、 R3B、 R5cs R5d、 R5es R5f、 R、 R5iおよび R5jは、 それそれ前 記と同義であり、 Rは置換もしくは非置換の低級アルキル [該低級アルキルは前 記低級アルキル (1 ) と同義であり、 置換低級アルキルの置換基は前記置換低級 アルキルの置換基(1 0 ) と同義である] または置換もしくは非置換の低級アル
カノィル [該低級アルカノィルは前記低級アルカノィル (3 ) と同義であり、 置 換低級アル力ノィルの置換基は前記置換低級アル力ノィルの置換基 (1 0 ) と同 義である] を表す }
化合物 (VIb) は、 工程 1で得られる化合物 (Via) と:!〜 20当量の R—Z (式中、 Rは前記と同義であり、 Zは塩素、 臭素、 またはヨウ素の各原子を表す) を、 塩基 存在下、 不活性溶媒中で反応させることにより得ることができる。 また、 Rが置 換もしくは非置換の低級アルカノィルの場合には、 R2〇 (式中、 Rは前記と同義で ある) であるカルボン酸無水物を R—Zのかわりに用いることもできる。
塩基としては、 例えばピリジン、 トリェチルァミン、 炭酸カリウム、 炭酸セシ ゥム、 水素化ナトリウム等があげられ、 該塩基は化合物 (Via) に対して 1〜50当 量、 または溶媒としても用いられる。
不活性溶媒としては、 例えばクロ口ホルム、 ジクロロメタン、 アセトン、 ジェ チルエーテル、 ァセトニトリル、 THFヽ DMF^があげられる。
反応は、 0°Cから用いる溶媒の沸点の間の温度で行われ、 通常 5分間〜 24時間で 終了する。
工程 3 :
化合物 (VI) のうち、 R5Gが— CH = NQA (式中、 QAは前記と同義である) であ る化合物 (Vic) は、 化合物 (VII) から、 次の反応工程により製造することがで ぎる。
(式中、 R 、 R3A、 R3B、 R5e、 R5d、 R5e、 R5f、 Rs、 R5jおよび QAは、 それそ れ前記と同義である)
化合物 (Vic) は、 化合物 (VII) と 1〜: 10当量の QANH2 (式中、 QAは前記と同義 である) を、 必要に応じて塩基存在下、 不活性溶媒中で反応させることにより得 ることができる。
塩基としては、 例えばピリジン、 トリェチルァミン等があげられ、 該塩基は化 合物 (VII) に対して 1〜20当量用いられる。
不活性溶媒としては、 例えばクロ口ホルム、 ジクロロメタン、 アセトン、 ジェ チルエーテル、 ァセトニトリル、 THF、 DMF^があげられる。
反応は、 0°Cから用いる溶媒の沸点の間の温度で行われ、 通常 5分間〜 24時間で 終了する。
なお、本製造法 1における原料ィ匕合物 (VII)は、例えばザ ·ジャーナル ·ォブ · アンチバイオティヅクス (The Journal of Antibiotics)、 53卷、 579頁 (2000年) ま たは特開昭 58-116686号に記載の方法、 またはそれらに準じて得ることができる。 製造法 2 : ·
化合物 (II) は、 例えば化合物 (VIII) から以下の方法により製造することがで ぎる。
(lib)
(式中、 R6、 、 Rwおよび R11は、 それそれ前記と同義であり、 Rおよび R9まそ れそれ前記 R7および と同義であるが、 同時に水素原子となることはない) 工程 1 :
化合物 (Ha) は、 化合物 (VIII) と:!〜 10当量の R6C02H (式中、 は前記と同義 である) またはその誘導体を、 酸の存在下、 不活性溶媒中で反応させることによ り得ることができる。
酸としては、 例えばぎ酸、 酢酸、 トリフルォロ酢酸等の有機酸、 塩酸、 硫酸、 硝酸、 リン酸等の無機酸、 四塩化チタン、 三フヅ化ホウ素エーテル錯体等のルイ ス酸等があげられ、 中でも三フヅ化ホウ素エーテル錯体がより好ましく用いられ る。酸は、化合物 (VIII) に対して 1〜100当量、 または溶媒としても用いられる。 不活性溶媒としては、 例えばクロ口ホルム、 ジクロロメタン、 THF、 DMF^が あげられる。
反応は、 -30°Cから用いる溶媒の沸点の間の温度で行われ、 通常 1分間〜 24時間 で終了する。
なお、 原料化合物 (VIII) は、 市販品として、 またはジャーナル 'ォブ 'ァメ リカン ·ケミカル ·ソサエティ (J. Am. Chem. Soc.) 、 122卷、 3071頁 (2000年) に記載の方法もしくはそれに準じて得ることができる。
工程 2 :
化合物 (lib) は、 製造法 2の工程 1で得られる化合物 (Ila) を 1〜20当量の R Z (R および Zはそれそれ前記と同義である) と、 塩基存在下、 不活性溶媒中で反 応させることにより得ることができる。
塩基としては、 例えばピリジン、 トリェチルァミン、 炭酸カリウム、 炭酸セシ ゥム、 炭酸カルシウム、 水素化ナトリウム等があげられ、 該塩基は化合物 (Ila) に対して 1〜5当量用いられる。
不活性溶媒としては、 例えばクロ口ホルム、 ジクロロメ夕ン、 アセトン、 ジェ チルエーテル、 ァセトニトリル、 THFヽ DMF^があげられる。
反応は、 0°Cから用いる溶媒の沸点の間の温度で行われ、 通常 5分間〜 24時間で 終了する。
製造法 3 :
化合物 (Ilia)および化合物 (Illb)は、例えば特鬨平 10-114776号、 WO98/41205s
ヘルべチカ 'ヒミカ 'ァク夕 (Helv. Chem. Acta)、 62卷、 1501頁 (1979年) 等に 記載の方法、 またはそれらに準じて得ることができる。
製造法 4 :
化合物 (I) は、 例えば前記製造法 1に記載の方法、 ジャーナル ·ォブ ·ァメリ カン ·ケミカル ·ソサエティ ( Am.Chem.Soc.)、 107卷、 256頁 (1985年) 、 同 94卷、 2549頁 (1972年) 等に記載の方法、 ザ ·ジャーナル ·ォブ ·アンチバイオ ティックス (The Journal of Antibiotics)、 53卷、 579頁 (2000年)、 特開昭 58-116686 号等に記載の方法、 ま たはそれら に準じて得る こ とがで きる。 本発明で使用される非ぺプチド性化合物のうち、化合物 (Va)および化合物 (Vb) (サイ トカラシン誘導体) は、 次の培養法により製造することができる。 製造法 5 :
サイ トカラシン誘導体は、 サイ トカラシン誘導体生産能を有する微生物を培地 に培養し、 培養物中にサイ トカラシン誘導体を生成蓄積させ、 該培養物からサイ トカラシン誘導体を採取することによって製造される。
サイ トカラシン誘導体生産能を有する微生物としては、 サイ トカラシン誘導体 生産能を有する菌株であればいずれの菌株でも用いることができる。 またこれら の菌株を人工的変異方法、 例えば紫外線照射、' X線照射、 変異誘起剤処理等によ つて変異させた変異株または自然的に変異した変異株でも、 サイ トカラシン誘導 体生産能を有するものであれば本発明に用いることができる。
具体的には、 ァスペルギルス スぺシ一ズ (AspergiUus sp. ) MPC1006、 ァスペル ギルス スぺシ一ズ Axperg sp. ) MPC1009s クロサイワイタケ日糸状茼額 (Xylariales filamentous fungus) MPC1005等があげられる。
本発明のサイ トカラシン誘導体生産能を有する微生物の培養に際しては、 通常 の糸状菌の培養法が適用される。 培地としては、 微生物の資化し得る炭素源、 窒 素源、 無機物等を程よく含有する培地であれば合成培地、 天然培地いずれでも使 用できる。 - 炭素源としては、 グルコース、 澱粉、 デキストリン、 マンノース、 フルクトー
ス、 シュクロース、 ラクトース、 キシロース、 ァラビノ一ス、 マンニトール、 糖 蜜等が単独でまたは組合せて用いられる。 さらに、 菌の資化能によっては炭化水 素、 アルコール類、 有機酸等も用いられる。
窒素源としては、 塩化アンモニゥム、 硝酸アンモニゥム、 硫酸アンモニゥム、 硝酸ナトリウム、 尿素、 ペプトン、 肉エキス、 酵母エキス、 乾燥酵母、 コーン - スチープ · リカー、 大豆粉、' カザミノ酸等が単独でまたは組合せて用いられる。 そのほか、 必要に応じて塩化ナトリウム、 塩化カリウム、 硫酸マグネシウム、 炭酸カルシウム、 リン酸二水素カリウム、 リン酸マグネシウム · 8水塩、 硫酸第 一鉄、 塩化カルシウム、 硫酸マンガン、 硫酸亜鉛、 硫酸銅等の無機塩類を加える こともできる。 さらに、 使用菌の生育やサイ トカラシン誘導体の生産を促進する 微量成分を適当に添加することができる。
培養法としては、 液体培養法、 特に深部攪拌培養法が適している。 培養は、 16 〜37°C、好ましくは 25〜32°Cの温度で、 pH 4〜: 10、好ましくは pH 6〜8で行われ、 培地の pH調整にはアンモニア水や炭酸アンモニゥム溶液等が用いられる。培養は 通常 1〜10日で終了するが、サイトカラシン誘導体が培養液中および菌体中に生成 蓄積され、 培養物中の生成量が最大に達したときに培養を停止することが好まし い o 培養物中に蓄積したサイ トカラシン誘導体の培養物からの単離精製は、 通常の 微生物代謝産物を培養物から単離精製するために常用される方法に従って行われ る。 例えば、 培養物を濾過により培養濾液と菌体とに分け、 菌体からクロ口ホル ム、 アセトン、 メタノール等の溶剤で菌体成分を抽出する。 ついで、 抽出液と培 養濾液とを併せて、 ポリスチレン系吸着剤、 例えばダイヤイオン H P—2 0 (≡ 菱化学社製) 等に通塔して活性成分を吸着させ、 ついでメタノール、 アセトン等 で溶出する。 溶出液を濃縮し、 ォク夕デシル基結合型シリカゲル (ODS) による カラムクロマトグラフィー、 高速液体ク口マトグラフィ一、 シリカゲル等による カラムクロマトグラフィー等により、サイ ト力ラシン誘導体を得る。なお、培養、 単離精製操作中のサイ トカラシン誘導体の検出は、 薄層クロマトグラフィー、 つ
いでョード試薬を用いることにより行うことができる。
本発明者らは、 サイトカラシン誘導体生産能を有する菌株として、 土壌より新 に分離し ァスペルギルス スぺシース' C4¾?erg Zi« sp. ) に属する MPC1006、 MPC1009が、 SH3結合阻害作用を有するサイトカラシン誘導体を生産することを 見い出した。
本発明化合物を生産する代表菌株 MPC1006は、 土壌より分離したものであり、 その菌学的性質は次の通りである。
1 . 肉眼的観察
麦芽エキス寒天培地を用いて 25°Cで培養したとき、集落の直径は、培養 7日目で 38〜39mm、培養 11日目で 65〜68mmに達する。培養 11日目の集落の表面中央部は、 極めて薄い赤みをおびた黄色を呈し、その外側は極めて薄い黄色を呈する。また、 集落の裏面は、 中央部が薄い赤黄色、 外側は極めて薄い黄色を呈する。
バレイショ ·プドウ糖寒天培地を用いて、 25°Cで培養したとき、集落の直径は、 培養 7日目で 38〜40mm、培養 11日目で 46〜48mmに達する。培養 11日目の集落の表 面中央部は、 明るい灰黄色を呈し、 その外側は極めて薄い黄色を呈する。 また、 所々白色を呈する。集落の裏面中央部は、 くすんだ黄色を呈し、 その外側は薄い 黄色を呈する。
本菌の生育温度範囲は 11.5〜34°Cで、 28.5°C付近で最も良好に生育する。生育 pH 範囲は 3.5〜11.5で、 pH7.5前後で最も良好に生育する。
2 . 光学顕微鏡観察
麦芽エキス寒天培地を用いて、 25°Cで 7日間培養したときの本菌の光学顕微鏡に よる観察結果は以下の通りである。
菌糸ば、 隔壁を有し、 幅 1.0〜3.0〃m、 平滑、 無色で、 よく分岐する。分生子柄 は、 隔壁を持たず、 幅 3.5〜5.0 m、 長さ 420〜700^ιη、 平滑、 無色で、 分岐しな い。 分生子柄の先端は丸く膨らみ、 頂のうを形成する。 その直径は、 12.5〜25.0 Zmであり、 全面にメトレが形成され、 メトレの長さは 5.5〜8.0〃mである。 メト レの先に細いトツクリ形のフィアライド (分生子形成細胞) が複生し、 その長さ
は、 3.5〜6.0〃mである。 その先にフィアラィドから分生子が内生出芽型、 フィァ 口型に形成され連鎖する。 このフィァ口型分生子は、 単細胞、 薄黄緑、 球形〜亜 球形を呈し、 その表面は平滑で、 直径 1.5〜3.0 mである。 本菌株では、 上述した アナモルフのみ観察され、 テレオモルフは観察されない。
また、 本発明化合物を生産するもう 1つの代表菌株 MPC-1009も、 土壌より分 離したものであり、 その菌学的性質は次の通りである。
1 . 肉眼的観察
麦芽エキス寒天培地を用いて、 25°Cで培養したとき、集落の直径は、培養 4日目 で 18〜25mm、 培養 11日目で 37〜48mmに達する。 培養 11日目の集落の表面中央部 は、 極めて薄い黄色を呈し、 その外側は黄みの白色を呈する。 また、 集落の裏面 は、 明るい灰黄色を呈する。
バレイショ ·ブドウ糖寒天培地を用いて、 25°Cで培養したとき、集落の直径は、 培養 4日目で 17〜18mm、培養 11日目で 27〜31mmに達する。培養 11日目の集落の表 面中央部は、 明るい灰黄色を呈し、 その外側は黄みの白色を呈する。集落の裏面 中央部は、 明るい灰黄色を呈し、 その外側は極めて薄い黄色を呈する。
本菌の生育温度範囲は 13.0〜34.5°Cで、 27.5°C付近で最も良好に生育する。生育 pH範囲は 3.5〜11.2で、 pH7.3前後で最も良好に生育する。
2 . 光学顕微鏡観察
麦芽エキス寒天培地を用いて、 25°Cで 2週間培養したときの本菌の光学顕微鏡に よる観察結果は以下の通りである。
菌糸は、 隔壁を有し、 幅 1.5〜2.5 m、 平滑、 無色で、 よく分岐する。 分生子柄 は、 隔壁を持たず、 幅 3.0〜5.0 /m、 長さ 300〜350〃m、 平滑、 無色で、 分岐しな い。 分生子柄の先端は丸く膨らみ、 頂のうを形成する。 その直径は、 15.0〜: 17.5 mでありその全面に細いトツクリ形のフィアライド (分生子形成細胞) が複生 する。 フィアラィドの長さは、 10.0〜11.5 /mである。 メトレは形成されず、 分生 子は、 フィアライドから内生出芽型、 フィァ口型に形成され連鎖する。 このフィ ァロ型分生子は、 単細胞、 薄緑、 球形〜亜球形を呈し、 その表面は平滑で、 直径
2.0〜3.0〃mである。本菌株では、 上述したアナモルフのみ観察され、 テレオモル フは観察されない。
以上の菌学的性質から、 本菌の分類学的位置をザ ·ジエネラ ·ォブ 'ファンジ ャィ 'スポルレイティング 'イン 'ピュア'カルチヤ一、第 2版(The Genera of Fungi Sporulating in Pure Culture, 2nd ed., Cramer, Vanduz, J. A. von Arx, 197奔) に従つて 検索した結果、 太菌はいずれ Φ)糸状不 全菌ァスペルギルス スぺシ一ズ (Aspergillus sp. ) に属することが明らかとなった。 本発明者らは、 これらの菌株 をそれそれ 「ァスペルギルス スぺシ一ズ MPC1006 (Aspergillus sp. MPC1006) 」 および「ァスペルギルス スぺシーズ MPC1009 (Aspergillus sp. MPC1009) 」 と命 名し、 それそれ受託番号 FERM BP-7899号(原寄託日:平成 14年 2月 18日)および FERM BP-7900号 (原寄託日:平成 14年 2月 18日) として、 独立行政法人産業技術 総合研究所特許生物寄託セン夕ー (日本国茨城県つくば巿東 1丁目 1番地 1 中 央第 6 ) に寄託した。
また、 本発明化合物を生産するもう 1つの代表菌株 MPC1005も土壌より分離し たものであり、 その菌学的性質は次の通りである。
1 . 肉眼的観察
麦芽エキス寒天培地を用いて、 25°Cで培養したとき、集落の直径は、培養 7日目 で 36〜39mm、 培養 11日目で 73〜76mmに達する。 培養 11日目の集落の表面中央部 は、 白色を呈し、 その外側は黄みの白色を呈する。 また、 集落の裏面中央部は、 うすい黄色、 その外側は極薄い黄色を呈する。
バレイショ ·ブドゥ糖寒天培地を用いて、 25°Cで培養したとき、集落の直径は、 培養 7日目で 50〜55mm、培養 11日目で 75~78mmに達する。培養 11日目の集落の表 面中央部は、黄みの白色を呈し、その外側は白色を呈する。集落の裏面中央部は、 くすんだ赤みの黄色、 その外側は極薄い黄色を呈する。
本菌の生育温度範囲は 13.3〜38.6°Cで、 33.0°C付近で最も良好に生育する。生育 pH範囲は 3.7〜9.4で、 pH7.2前後で最も良好に生育する。
2 . 光学顕微鏡観察
麦芽エキス寒天培地を用いて、 25°Cで 4日間培養したときの本菌の光学顕微鏡に よる観察結果は以下の通りである。
菌糸は、 隔壁を有し、 幅 0.5〜3.0 m、 平滑、 無色で、 時に有色を呈し、 よく分 岐する。
上記 記載の両寒天培地を用いて、 25°Cで 2ヶ月以上培養したが、 その培養世 代において、 アナモルフもテレオモルフも観察されなかった。
3 . その他の' I'生質
本菌の 18Sリボソ一マル DNA ( 18S rDNA) の部分塩基配列 (1228bp)は配列番号 1で表される塩基配列を有していた。
上記塩基配列と、 既知の菌類の 18SrRNA、 もしくは 18SrDNA配列を用いて、 近 隣結合法により分子系統解析 [プログラム名: CLUSTAI W、 日本微生物生態学会 報、 10卷、 119頁 (1995年) ] を行った結果、 本菌は菌類界子嚢菌門核菌類 (Pyrenomycetes)に属し、核菌類の中においてはクロサイワイタケ日 {Xylariales) 近縁であった。
以上の結果より、本発明者らは本菌を「クロサイワイタケ日糸状蘭類 MPC1005 {Xylariales filamentous fungus MPC1005) 」 と命名し、 受託番号 FERM BP-7980号 (原寄託日:平成 14年 3月 26日) として、独立行政法人産業技術総合研究所特許生 物寄託セン夕ー (日本国茨城県つくば巿東 1丁目 1番地 1 中央第 6 ) に寄託し
7し o
さらに、 化合物 (I) 、 (II)、 (Ilia) 、 (Illb) 、 (Va) 、 (Vb) , (VI) お よび原料化合物における各官能基の変換および置換基に含まれる官能基の変換は、 上記工程以外にも有機合成化学で一般に用いられる酸化、 還元、 加水分角军、 公知 の他の方法 [例えば、 コンプリヘンシブ'オーガニック · トランスフォーメ一シ 3ンズ第二版 (Comprehensive Organic Transformations, second edition; 、 ラ ロック (R. C. Larock) 著、 ジョン 'ワイリー 'アンド 'サンズ ·インコーポレ ィテッド (John Wiley & Sons Inc. ) (1999年) に記載の方法等]等によっても 行うことができる。 また、 必要に応じて反応工程の順序を変えることもできる。
上記各製造法における中間体および目的化合物は、 有機合成化学で常用される 分離精製法、 例えば、 濾過、 抽出、 洗浄、 乾燥、 濃縮、 再結晶、 各種クロマトグ ラフィ一等に付して単離精製することができる。 また、 中間体においては特に精 製することなく次の反応に供することも可能である。
化合物 (I)、 (II)、 (Ilia)、 (Illb)、 (Va)、 (Vb) または (VI) の中に は、 幾何異性体、 光学異性体等の立体異性体が存在し得るものもあるが、 これら を含め、 全ての可能な異性体およびそれらの混合物もこれらの化合物に包含され 本発明で使用される非ペプチド性ィ匕合物、化合物(1)、 (11)、 (Ilia) , (IIIb)、 (Va)、 (Vb) または (VI) の塩を取得したいとき、 本発明で使用される非ぺプ チド性化合物、 化合物 (I)、 (Π)、 (Ilia)、 (Illb)、 (Va)、 (Vb) または (VI) が塩の形で得られるときはそのまま精製すればよく、 また遊離の形で得ら れるときは、本発明で使用される非ペプチド性化合物、化合物(1)、 (11)、 (Ilia) ,
(Illb)、 (Va) 、 (Vb) または (VI) を適当な溶媒に溶解または懸濁し、 酸ま たは塩基を加えて単離、 精製すればよい。
また、本発明で使用される非べプチド性化合物、化合物(I)、 (II)、 (Ilia)、 (Illb)、 (Va)、 (Vb) または(VI)ならびにその薬理学的に許容される塩は、 水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、 これらの付加物も上 記ィ匕合物またはその薬理学的に許容される塩に包含される。
本発明によって得られる化合物の具体例を、化合物 (Va)、 (Vb) または(VI) として第 1〜 3表に示す。
第 2表 化合物 (Va)
化合物 16 化合物 17
第 3表 化合物 (Vb)
本発明では上記第 1〜 3表にあげた化合物も使用されるが、 それらの他に本発 明で使用される化合物の具体例を、 化合物 (I) 、 (Π) 、 (Ilia) または (Illb) として第 4〜 7表に示す。
化合物 R1, R3a R5f, R5h R5g
1
- OH H =0 -CHO
(UCS15A)
5 - OH H =0 - GH=NNHGH
3
第 5表
化合物 R12a
12 (Me「WF1726) -OCH3
13 (Cytochalasin E) H
第 7表 化合物 (Illb)
次に、 代表的な化合物 (I) 、 (II) 、 (Ilia) 、 (Illb) 、 (Va) 、 (Vb) また は (VI) の薬理作用について試験例により具体的に説明する。
試験例 1 : SH3ドメイン結合阻害試験 1
( 1 ) プロリンリッチ配列を含む蛋白質と化合物の反応
プロリンリツチ配列を有する蛋白質 Sam68にある 5箇所のプロリンリツチ配列 のうち C末端側の 2箇所のプロリンリツチ配列を含むヒト組み換え Sam68 (以下 Sam68ACと記す) [Sam68 (331—433) ;サン夕クルズ(Santa Crutz)社製] 0.25 gを、 0.1%BSA (bovine serum albumiii) [牛血製アルブミン (F-V);ナカラィテ スク社製]を含む低張緩衝液である RSB (lOmmol/Lトリス一塩酸, pH7.6, 10mmol/L NaCl、 1.5mmol/L MgCl2) ImLに加え、 Sam68 Δ C溶液を調製した。 化合物をジメチ ルスルホキシド (DMSO) に溶解し、 10mmol/Lの濃度の DMSO溶液を調製した。 該 DMSO溶液を上記 Sam68 Δ C溶液にそれそれ終濃度が 20および 100 H mol/Lにな るように添加した。 なお、 添加する DMSOの量はどれも同じになるようにした。 化合物を添加した Sam68A C溶液を、回転培養機でゆるやかに回転させながら 37°C で 6時間保温して、 化合物を
Sam68△ Cに反応させた。
( 2 ) SH3ドメインを含む蛋白質と化合物添加後のプロリンリツチ配列を含む 蛋白質との反応
上記 (1 ) で化合物を反応させた Sam68AC溶液に、 SH3ドメインを有する蛋白 質 Fynのマウス組み換え SH3ドメインをァガロースビーズに結合させた Fyn— SH3 蛋白質—ァガロースビーズ(以下 Fyn— SH3ビーズと記す) [Fyn (85— 139) AC; サン夕クルス' (Santa Crutz) 社製] 5〃Lを加えた。化合物反応後の Sam68 Δ Cと、 SH3ドメインを含む Fyn— SH3ビーズの蛋白質一蛋白質結合反応は、 回転培養機で ゆるやかに回転させながら 4°Cで 16時間保温して行った。反応後の Sam68△ Cと Fyn -SH3ビーズの複合体を 4°C、 50ppmで 3分間回転遠心機により沈澱させたのちに、 界面活性剤を含む TritonX/Np40抽出緩衝液 [50mmol/Lトリス一塩酸 pH7.4、 150mmol/L NaCl lmmol/Lエチレンジァミン四酢酸塩(EDTA)、 1% トリトン X-100 (TritonX-100)、 0.5%ノニデヅト P-40 (NP-40) ] ImLを加えて 4°Cで 10分間回転 培養機でゆるやかに回転後、 同様に沈澱させ洗浄することを 2回行った。洗浄後の Sam68ACと Fyn— SH3ビーズの複合体に 30 Lのレムリのサンプルバッファー [夕 ンパク質の化学 I—分離精製、 東京化学同人、 211頁 (1976年)参照] を添加し、
よく混合させた後、 100°Cで 10分間加熱した。 回転遠心機により 25°Cで lOOOppmで 5分間ビーズを沈澱後、 上清を 10%ポリアクリドアミドゲル電気泳動に供した。
( 3 ) ウエスタンプロットによる Fyn— SH3に結合した Sam68ACの検出 以下のようにしてウエスタンブロヅトにより上清中の Sam68A Cを検出した。ま ず、上記( 2 )の電気泳動後のゲルを孔径 0.45〃mの二トロセルロース膜 [プロト ラン (Protran) ; シユライシヤー,アンド · シュエ レ (Schleicher and Schuel0 社 製] にプロヅ トした。 膜に 0.25%ゼラチンと 0.2%Tween-20を含むリン酸緩衝液 (PBS) (以下、 PBS-TGとよぶ) をのせて 4°Cで一晩置いて非特異的結合をプロ ヅクした後、 PBS-TGで 1 : 1000に希釈したホース ·ラディヅシュ ·パーォキシダ —ゼ(HRP)結合マゥス抗 GST抗体 [GST (B-14) HRP;サン夕'クルズ(Santa Crutz) 社製] を 2時間反応させた。 0.2%TWeen-20を含む PBS (以下 PBS-Tとよぶ) で洗 浄した後、 検出は ECL試薬 (アマシャム ·フアルマシア 'バイオテク社製) を用 いた化学発光により行った。
その結果、 第 1〜3図に示すように、 例えば化合物 (I)、 (11) 、 (Ilia) また は (VI) により、 濃度依存的に上清中の Fyn—SH3ビーズに結合した Sam68A Cの 量が減少していることが確認された。
試験例 2 : SH3ドメイン結合阻害試験 2
( 1 ) 細胞抽出液の調製
ヒト大腸癌由来細胞株 HCT116 (ATCC番号 CCL-247) を、 10%ゥ,シ胎児血清を 含むマコィ変法培地 [McCoy's 5A modified medium;ギブコ (GIBCO)社製] を用 いて、 37°C;、 5%C0
2条件下の CC Tンキュベ一夕一で細胞培養用 100mm径ディヅシ ュで培養した。ついで 2日目の HCT116細胞ディッシュ 2枚分に対し、化合物 1をそ れそれ終濃度が 0.5、 1、 2、 2.5、 5、 10、 20、 および 30〃mol/Lになるように添加し た。 なお、 添加する化合物 1はあらかじめ DMSOで希釈し、 添加する DMSOの量 はどれも同じになるようにした。 化合物 1を添加した HCT116細胞デイツシュを、 37°C!、 5%C0
2条件下の C0
2インキュべ一夕一で 2時間保温して、 化合物を作用さ せた。
化合物 1を反応させた HCT116細胞ディッシュ 2枚分を培地ごと回収し、 界面活
え、 よく混合させた後、 回転培養機 でゆるやかに回転させながら 4°Cで 45分間攪拌して、 細胞質内蛋白質を抽出した。 この細胞抽出液を 4°C、 15,000rpmで 30分間遠心し、 上清を回収した。
( 2 ) SH3ドメイン結合蛋白質複合体の抗体による免疫沈降
上記(1 )で得られた化合物添加後の細胞抽出液に、 それそれ抗 Src抗体 [サン 夕クルズ (Santa Crutz)社製] 3〃g、 抗 PLCァ抗体 [サン夕クルズ (Santa Crutz) 社製] 3〃g、抗 Grb2抗体 [サン夕クルズ(5& & 1^)社製] 3 ^、または抗 Cortactin 抗体 [サン夕クルズ (Santa Cmtz) 社製] 3〃gを加え、 回転培養機でゆるやかに 回転させながら 4°Cで 16時間反応させた。抗体反応後の各 SH3ドメイン結合蛋白質 複合体にプロティン A/G結合ァガロースビーズ 30 を加え、 回転培養機でゆる やかに回転させながら 4°Cで 1時間反応させた。 反応後の SH3ドメイン結合蛋白質 複合体を 4°C、 50ppmで 3分間回転遠心機により沈澱させた後、 界面活性剤を含む TritonX/Np40抽出緩衝液 lmLを加えて 4°Cで 10分間回転培養機でゆるやかに回転 後、 同様に沈澱させ洗浄することを 3回行った。洗浄後の SH3ドメイン結合蛋白質 ビーズ複合体それそれに 30〃 Lのレムリのサンプルバッファー [タンパク質の化学 I—分離精製、 東京化学同人、 211頁 (1976年)参照] を添加し、 よく混合させた 後、 10CTCで 10分間加熱した。 回転遠心機により 25° lOOOppmで 5分間ビーズを 沈澱させた後、 上清をそれそれ 7.5%ポリアクリドアミドゲル電気泳動に供した。
( 3 ) ウエスタンプロットによる SH3ドメインを含む蛋白質に結合したプロリ ンリツチ配列を含む蛋白質の検出
以下のようにしてウエスタンプロヅトにより、 上記上清中の各 SH3ドメイン結 合蛋白質複合体におけるプロリンリッチ配列を含む蛋白質を検出した。 まず、 上 記(2 )の電気泳動後のゲル中の蛋白質を 0.45〃mのニトロセルロース膜 [プロト ラン (Protran) ;シユライシヤー -アンド ·シユエル (Schleicher and SchuelO社 製] にプロット後、 膜に PBS-TGをのせて非特異的結合をプロヅクした。 Sam68の 検出にはゥサギ抗 Sam68抗体、 Sosの検出にはゥサギ抗 Sosl抗体, Z01の検出には
ゥサギ抗 ZOl抗体を PBS-TGで 1: 1000に希釈して 2時間反応させた。 PBS-Tで洗浄 した後、 PBS-TGで 1: 4000に希釈した HRP結合抗ゥサギ抗体 [アマシャム (Amersham)社製]を 1時間反応させた。 PBS-Tで洗浄した後、検出は ECL試薬(ァ マシャム ·フアルマシア ·バイオテク社製) を用いた化学発光により行った。 その結果、 第 4〜 7図に示すように、 SH3ドメインを含む蛋白質に結合したプ 口リンリツチ配列を含む蛋白質、 すなわち図 4では Srcに結合した Sam68の量、 図 5では PLCァに結合した Sam68および Grb2に結合した Sam68の量、図 6では Grb2に 結合した Soslの量、図 Ίでは Cortactinに結合した Z01の量が化合物の添カ卩によって、 濃度依存的に減少していることが確認された。
試験例 3 : SH3ドメイン結合阻害試験 3
( 1 ) プロリンリツチ配列を含む蛋白質 Nefおよび SH3ドメインを有する蛋白質 Lynと化合物の反応
プロリンリヅチ配列を有する HIV-1由来組み換え Nef [Nef (3— 190) ;コルテッ クス (CORTEX) 社製] 0.3〃 gおよびゥシ由来精製 Lyn [Lyn ;アップスティトバ ィォテクノロジ一 (Upstate Biotechnology)社製] 1 Zgを、 0,1%BSA (bovine serum albumin) を含む低張緩衝液である RSB (10mmol/Lトリス—塩酸 pH7.6、 10mmol/L NaCi .5mmol/L MgCl2) lmLに加え、 Nefおよび Lynの混合溶液を調製した。化合物 を DMSOに溶解し、 10mmol/Lの濃度の DMSO溶液を調製した。 該 DMSO溶液を上 記 Nefおよび Lynの混合溶液にそれそれ終濃度が 1、 2、 5および 10〃mol/Lになるよ うに添加した。 なお、 添加する化合物はあらかじめ DMSOで希釈し、 添加する DMSOの量はどれも同じになるようにした。 化合物を添加した Nefおよび Lynの混 合溶液を、回転培養機でゆるやかに回転させながら 4°Cで 16時間攪拌して、化合物 を Nefおよび Lyn蛋白質に反応させた。
( 2 ) SH3ドメイン結合蛋白質複合体の抗体による免疫沈降
上記(1 )で得られた化合物添カ卩後の Nefおよび Lynの混合溶液に抗 Lyni¾体 [サ ン夕クルズ (Santa Cmtz) 社製] l〃gを加え、 回転培養機でゆるやかに回転させ ながら 4°Cで 16時間反応させた。抗体反応後の Nef/Lvnの SH3ドメイン結合蛋白質
複合体にプロティン A/G結合ァガロースビーズ 10〃Lを加え、 回転培養機でゆる やかに回転させながら 4°Cで 1時間反応させた。 反応後の SH3ドメイン結合蛋白質 複合体を 4°C、 35ppmで 3分間回転遠心機により沈澱させた後、 界面活性剤を含む TritonX/NP40抽出緩衝液 ImLを加えて 4°Cで 10分間回転培養機でゆるやかに回転 後、 同様に沈澱させ洗浄することを 3回行った。洗浄後の Nef_ Lynの SH3ドメイン 結合蛋白質ビーズ複合体にそれそれ 30 Lのレムリのサンプルバッファ一 [夕ンパ ク質の化学 I—分離精製、 東京化学同人、 211頁 (1976年)参照] を添加し、 よく 混合させた後、 100°Cで 5分間加熱した。 回転遠心機により 25°C;、 lOOOrpmで 5分間 ビーズを沈澱させた後、 上清を 7%ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した。
( 3 )ウエスタンプロヅトによる SH3ドメインを含む Lyn蛋白質に結合したプロ リンリツチ配列を含む Nef蛋白質の検出
以下のようにしてウェスタンブロヅトにより、 上記上清中の Nef/Lynの SH3ド メイン結合蛋白質複合体におけるプロリンリツチ配列を含む Nef蛋白質を検出し た。 まず、 上記(2 )の電気泳動後のゲル中の蛋白質を 0.45〃mのニトロセルロー ス膜 [プロトラン (Protran) ;シユライシャ一'アンド 'シユエル (Schleicher aixi Schuell)社製]にプロヅト後、膜に PBS-TGをのせて非特異的結合をプロヅクした。 Nefの検出は、用いた組み換え Nef蛋白質に ガラクトシダーゼが融合しているた め、 抗 ?ガラクトシダ一ゼ抗体(抗^—gal抗体) を用いて行った。 すなわち、 ゥ サギ抗^ガラクトシダーゼ抗体を PBS-TGで 1: 1000に希釈して 2時間反応させた。 PBS-Tで洗浄した後、 PBS-TGで 1 : 4000に希釈した HRP結合抗ゥサギ抗体 [アマシ ャム (Amersham)社製] を 1時間反応させた。 PBS-Tで洗浄した後、 検出は ECL試 薬 (アマシャム ·フアルマシア■バイオテク社製) を用いた化学発光により行つ た。
その結果、 第 8図に示すように、 SH3ドメインを含む Lyn蛋白質に結合したプロ リンリツチ配列を含む Nef蛋白質の量が、化合物の添カ卩によって濃度依存的に減少 していることが確認された。
試験例 :化合物の SH3ドメイン結合阻害率の算出
試験例 1の方法に準じてプロットした結果をもとに、 以下のようにして化合物 の SH3ドメイン結合阻害率を算出した。化学発光によりフィルムに現像された Fyn 一 SH3と Sam68A Cのバンド強度をゲルスキャナ一 [東洋紡(TOYOBO)社製] を 用いて測定した。 次に Sam68ACのバンド強度を Fyn— SH3のバンド強度で除し、 Fyn— SH3のバンド強度に対する Sam68A Cのバンド強度を算出した。化合物無添 加の場合の Fyn— SH3のバンド強度に対する Sam68A Cのバンド強度の割合を 100% とし、 化合物添加後の Sam68ACのバンド強度減少の割合を化合物の SH3ドメイン 結合阻害率とした。 その結果を第 8表に示した。
化合物の SH3ドメイン結合阻害率(%) 試験化合物の濃度( μ mol/L)
化合物
0 20 60 100 150
1 0 0 46
2 0 34 95
3 0 75 100
4 0 47 85
5 0 77 100
6 0 28 37
フ 0 82
8 0 77
9 0 90
10 0 71
1 1 0 84
12 0 39 88
13 0 0 21
14 0 80
15 0 39
16 0 67 78
17 0 36
18 0 16 67
19 0 40
20 0 92 100
21 0 64 100
22 0 91 100
23 0 82
24 0 62 80
25 0 87 100
26 0 92 100
27 0 100 100
28 0 31 73
以上、 試験例 1〜4により、化合物 (I)、 (II)、 (Ilia)、 (Illb)、 (Va)、 (Vb) および (VI) は、 優れた SH3ドメイン結合阻害作用を示した。
試験例 5 : HIV-1増殖抑制試験
( 1 ) HIV-1感染および増殖抑制実験
MT2細胞(T細胞株) を 10%牛胎児血清 [ギブコ (GIBCO)社製, No.26140-079] を含む RPMI1640培地 [ギブコ (GIBCO) 社製, No.26140-076] を用いて 2 x 105細 胞 /mLに調整し、 24ゥヱルプレート [24 well plate:コ一ス夕一 (Coster) 社製, No.3526] に各ゥエルあたり lmLずつ分注した。 HIV-1 LAI株 {ゲノム全長を含む DNAクロ一ン pLAI [GenBank accession No.K02013,バイロロジー(Virology)、 185 卷、 661頁 (1991年) ] を、 FuGENE6 Transfection Reagent [口ヅシュ (Roche) 社 製, No.1814443] を用いて Hela ffl胞にトランスフエクト (transfect)後、 2日目の培 養上清を用いた } を、 上記各ゥヱルに最終濃度 500cpm/ iLとなるように接種し、 37°Cで一晚静置した(ウィルスの感染)。ここへ、化合物または PP2 (Alexs¾:製,プ ロティンホスホ夕ーゼ 2 : 4ーァミノ— 5— ( 4—クロ口フエニル) - 7 - (tert 一ブチル) ピラゾ口 [ 3 , 4— d ] ピリミジン, Srcのチ口シンリン酸化の阻害剤: コントロール) をそれそれ終濃度が 1、 5、 10、 25および 50〃mol/Lになるように添 加した(薬剤の添加)。以降、 ウィルスを感染させた後、 3、 5、 7および 9曰目に、 それそれ 50 /Lの培養上清を回収し、 測定まで- 80°Cで保存した。 このとき、 ウイ ルスを感染させ薬剤の添加を行わなかったゥヱルを positive control, ゥィルスの感 染も 剤の添加も行わなかったゥエルを negative controlとした。なお、該試験は同 様の内容で 3回実施した。
( 2 ) HIV-1量の測定
HIV-1の定量は、ジャーナル ·オフ、、 ·バイ口口ジ一 (J. Virol.)、 38卷、 239頁 (1981 年) に記載の方法に若干の改良を加え、 RT assay法 (Reverse Transcriptase assay) により行った。
上記( 1 )で得られた培養上清 5〃Lに、 RTカクテル {50mmol/Lトリス pH7.5、 50mmol/L EDTAヽ 75mmol/L KC1, 5mmol/L MgC、 5 jLL g/mL Poly (A) [フアルマシア
(Pharmacia) No.27-4110-01]、 1.6〃g/mL oligo(dT)12-18 [フアルマシア(Pharmacia) No.27-7858-01]ヽ 5mmol/L DTT (ジチォトレイト一ル)、 0.05% NP-40、 10 /Ci/mL [ひ -32P]dTTP } 25〃Lを添加し、 37°Cで 2時間インキュベーションした。反応後、 そ の反応液 6〃Lを DEAE filtermat [パーキン ·エルマ一 (PerMn Elmer) 社製, No.1450-522] にスポットし、 未反応の [ひ一32 P]dTTPを除去した後、 固形シンチ レ一夕 MeltiLex-A [パ一キン 'エルマ一 (Perkin Elmer)社製, No.1450-441] を しみこませ、 H I V— 1の量を、 RT活性のカウント(cpm/ L)として MICROBETA PLUS liquid scintillation counter [パーキン 'エルマ一 (Perkin Elmer)社製] を用い て測定した。
その結果、第 1 2〜 1 4図に示すようにコントロールである PP2を添加した系で は、 positive controlと同様に HIV-1の量は増カロし、 第 9〜 1 1図に示すように化合 物を添加した系では、 HIV-1の量の増加が濃度依存的に抑制されていることが確認 された。 つまり化合物の添加により HIV-1増殖抑制効果が認められた。
試験例 6 :細胞毒性試験
MT2細胞(T細胞株) を 10%牛胎児血清 [ギブコ (GIBCO)社製, No.26140-079] を含む RPMI1640培地 [ギブコ(GIBCO)社製, No.26140-076]を用いて 2 x 105個/ mL に調整し、 96ゥェルプレート [96 well plate:コースター (Coster)社製] に各ゥ エルあたり 100 Lずつ分注した。各ゥヱルに化合物を添加して培養し、 3日目に細 胞の状態を観察するとともに、 細胞を回収し、 0.4%トリパンブルー [シグマ (SIGMA) , Τ-8154] で細胞を染色した後、 生存細胞数を数えた。 その結果、 ィ匕 合物 1を 10〃mol/Lの濃度で添加した場合でも、生存細胞数の減少は見られなかつ た。
以上、 試験例 1〜 6により、 優れた SH3ドメイン結合阻害作用を有する化合物 を有効成分とする薬剤は SH3ドメインを介した蛋白質一蛋白質結合が関与する各 種疾患 {例えば、 AIDS, 悪性腫瘍、 アレルギー性疾患、 ウィルス性疾患等 [バイ ォポリマー (Biopolymer) 、 43卷、 383頁 (1997年) 等] } に有効であることが示 唆された。
化合物 (I) 、 (II) 、 (Ilia) 、 (Illb) 、 (Va) 、 (Vb) もしくは (VI) また はそれらの薬理学的に許容される塩は、 そのまま単独で投与することも可能であ るが、 通常各種の医薬製剤として提供するのが望ましい。 また、 それら医薬製剤 は、 動物および人に使用されるものである。
本発明に係わる医薬製剤は、活性成分として化合物 (1)、 (11)、 (Ilia) , (IIIb)、 (Va)、 (Vb)もしくは(VI)またはそれらの薬理学的に許容される塩を単独で、 あるいは任意の他の治療のための有効成分との混合物として含有することができ る。 また、 それら医薬製剤は、 活性成分を薬理学的に許容される一種もしくはそ れ以上の担体と一緒に混合し、 製剤学の技術分野においてよく知られている任意 の方法により製造される。
投与経路は、 治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、 例えば経 口または、 例えば静脈内等の非経口等をあげることができる。
投与形態としては、例えば錠剤、散剤、顆粒剤、 シロップ剤、注射剤等がある。 経口投与に適当な、例えばシロップ剤のような液体調製物は、例えば水、蔗糖、 ソルビット、 果糖等の糖類、 ポリエチレングリコール、 プロピレングリコール等 のグリコール類、 ごま油、 ォリーブ油、 大豆油等の油類、 p—ヒドロキシ安息香 酸エステル類等の防腐剤、 ストロベリーフレーバー、 ペパーミント等のフレーバ
—類等を使用して製造できる。また、錠剤、散剤および顆粒剤等は、例えば乳糖、 プドウ糖、 蔗糖、 マンニット等の賦形剤、 澱粉、 アルギン酸ソ一ダ等の崩壊剤、 ステアリン酸マグネシウム、 タルク等の滑沢剤、 ポリビニールアルコール、 ヒド ロキシプロピルセルロース、 ゼラチン等の結合剤、 脂肪酸エステル等の界面活性 剤、 グリセリン等の可塑剤等を用いて製造できる。
非経口投与に適当な製剤は、 好ましくは受容者の血液と等張である活性化合物 を含む滅菌水性剤からなる。 例えば、 注射剤の場合は、 例えば塩溶液、 ブドウ糖 溶液または塩水とブドゥ糖溶液の混合物等からなる担体等を用いて注射用の溶液 を調製する。
また、 これら非経口剤においても、 経口剤で例示した希釈剤、 防腐剤、 フレー
バー類、 賦形剤、 崩壊剤、 滑沢剤、 結合剤、 界面活性剤、 可塑剤等から選択され る 1種もしくはそれ以上の補助成分を添加することもできる。
化合物 (I) 、 (II)、 (Ilia) 、 (Illb) 、 (Va)、 (Vb) もしくは (VI) 、 ま たはそれらの薬理学的に許容される塩の投与量および投与回数は、 投与形態、 患 者の年齢、 体重、 治療すべき症状の性質もしくは重篤度等により異なるが、 通常 経口の場合、 成人一人当り 0.01mg〜lg、 好ましくは 0.05〜50mgを一日一回ないし 数回投与する。 静脈内投与等の非経口投与の場合、 成人一人当り 0.001〜100mg、 好ましくは 0.01〜10mgを一日一回ないし数回投与する。 しかしながら、 これら投 与量および投与回数に関しては、 前述の種々の条件により変動する。
i i而の簡 な謚昍
第 1図は、 化合物 (I) および(VI) を濃度を変えて添加した場合のイン ·ビト 口での Sam68 Cと Fyn— SH3の結合阻害アツセィの結果を示すものである。 各レ ―ン上部の数字は化合物番号および Sam68A C溶液に添加した各化合物の濃度(〃 mol/L) を示す。 左側の記載は、 各プロットの名称を示す。
第 2図は、 化合物 1および化合物(Ilia) を濃度を変えて添加した場合のイン · ビト口での Sam68ACと Fyn— SH3の結合阻害アツセィの結果を示る。 各レーン上 部の数字は化合物番号および Sam68 Δ C溶液に添加した各化合物の濃度(〃mol/L) を示す。 左側の記載は、 各プロットの名称を示す。
第 3図は、 化合物 化合物 (II) および (Ilia) を濃度を変えて添加した場合 のイン ·ビトロでの Sam68A Cと Fyn— SH3の結合阻害アツセィの結果を示すもの である。各レーン上部の数字は化合物番号および Sam68A C溶液に添加した各化合 物の濃度 ( ^mol/L) を示す。 左側の記載は、 各プロヅトの名称を示す。
第 4図は、 化合物 1を濃度を変えて添加した場合の細胞内の Srcと Sam68の結合 阻害ァヅセィの結果を示すものである。各レーン上部の数字は HCT116細胞に添カロ した化合物 1の濃度 ( /mol/L) を示す。 左側の記載は、 ブロヅトの名称を示す。 第 5図は、化合物 1を濃度を変えて添加した場合の細胞内の PLCァと Sam68の結 合阻害アツセィの結果を示すものである。各レーン上部の数字は HCT116細胞に添
加した化合物 1の濃度( md/L)を示す。左側の記載は、プロヅ卜の名称を示す。 第 6図は、 化合物 1を濃度を変えて添加した場合の細胞内の Grb2と Soslの結合 阻害アツセィの結果を示すものである。各レーン上部の数字は HCT116細胞に添カロ した化合物 1の濃度 ( Zmol/L) を示す。 左側の記載は、 ブロヅトの名称を示す。 第 7図は、ィ匕合物 1を濃度を変えて添加した場合の細胞内の Cortactinと ZOlの結 合阻害アツセィの結果を示すものである。各レーン上部の数字は HCT116細胞に添 加した化合物 1の濃度( mol/L)を示す。左側の記載は、プロットの名称を示す。 第 8図は、 化合物 1および 3を濃度を変えて添加した場合のイン ·ビトロでの Nefと Lynの結合阻害アツセィの結果を示すものである。 各レーン上部の数字は化 合物番号および Nefと Lynの混合溶液に添加した化合物の濃度 (〃mol/L) を示す。 左側の記載は、 プロットの名称を示す。
第 9〜; L 1図は、化合物 1を濃度を変えて添加した場合の HIV-1増殖抑制試験の 結果 (RT Assay) を示すものであり、 同条件で 3回の試験を実施した結果である。 グラフの縦軸左側は、 HIV-1の量を RT活性のカウント (cpmA L) として示したも のであり、グラフの横軸下側は、 HIV-1を感染させてからの経過日数(日)を示す。 グラフ上の各プロットの意味は、 以下の通りである。
U: positive contorol, X: negative contorol, ·:ィ匕合物 1 (50 Zmol/w, ▲:化合物 1 (25 Zmol/L), 國:化合物 1 (10 mol/L) , 〇:化合物 1 (5〃moI/L), △:化合物 1 (l /mol/L)
第 1 2〜1 4図は、 PP2を濃度を変えて添加した場合の HIV-1増殖抑制試験の結 果(RT Assay) を示すものであり、 同条件で 3回の試験を実施した結果である。 グ ラフの縦軸左側は、 HIV-1の量を RT活性のカウント (cpm/〃L) として示したもの であり、 グラフの横軸下側は、 HIV-1を感染させてからの経過日数 (日) を示す。 グラフ上の各プロッ卜の意味は、 以下の通りである。
U: positive contorol, X: negative contorol, 着: PP2 (,50 Zmol/L),
▲: PP2 (25〃mol/L), ■: PP2 (10〃mol/L) , 〇: PP2 (5 Zmol/L) ,
△: PP2 (l^mol/L)
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以下に、 本発明の態様を実施例および参考例で説明する。
実施例 1 :錠剤
常法により、 次の組成からなる錠剤を調製する。化合物 2 (40g)、 ラクトース (286.8g) および馬鈴薯澱粉 (60g) を混合し、 これにヒドロキシプロピルセル口 —スの 10%水溶液 (120g) を加える。 この混合物を常法により練合し、 造粒して 乾燥させた後、整粒し打錠用顆粒とする。これにステアリン酸マグネシゥム(1.2g) を加えて混合し、径 8mmの杵をもった打錠機 (菊水社製 RT-15型)で打錠を行って、 錠剤 (1錠あたり活性成分2 Omgを含有する) を得る。
処方 化合物 2 20 mg
ラクトース 143.4 mg
30 mg
ヒドロキシプロピルセルロース 6 mg
2^ァリン酸マグネシウム 0.6 mg
200 mg
実施例 2 :カプセル剤
常法により、 次の組成からなるカプセル剤を調製する。 化合物 1 2 (200g)、 アビセル(995g)およぴステアリン酸マグネシウム(5g)を常法により混合する。 この混合物をカプセル充填機 (Zanasi社製、 LZ-64型) により、 ハードカプセル 4 号 (1カプセルあたり 120mg容量) に充填し、 カプセル剤 (1カプセルあたり活性 成分 20mgを含有する) を得る。 .
処方 ィヒ合物 1 2 20 mg
アビセル 99.5 mg
ステァリン酸マグネシゥム 0.5 mg
120 mg
実施例 3 :注射剤
常法により、 次の組成からなる注射剤を調製する。 化合物 1 0 (lg) を精製大
豆油に溶解させ、 精製卵黄レシチン (12g) および注射用グリセリン (25g) を加 える。 この混合物を常法により注射用蒸留水で lOOOmLとして練合 '乳化する。得 られた分散液を 0.2 /mのディスポ一ザブル型メンブランフィル夕一を用いて無菌 濾過後、 ガラスバイアルに 2mLずつ無菌的に充填して、 注射剤 (1バイアルあたり 活性成分 2mgを含有する) を得る。
処方 化合物 1 0 2 mg
精製大豆油 200 mg
24 mg
注射用グリセリン 50 mg
用蒸留フ k 1.72 mL
2.00 mL
実施例 4 :化合物 2
参考例 1で得られた化合物 1 (20mg; 0.042mmol)を THF (2mL)に溶解し、 70% ナトリゥム水素化ビス (2—メトキシェトキシ) アルミニウム一トルエン溶液 (0.040mL) を氷冷しながら加えた。 0°Cにて 20分間撹拌した後、 反応液に lmol/L 酢酸- THF溶液 (ImL) および酢酸ェチル (10mL) を順次加えて抽出し、 有機層を 水および lmol/ g酸水で洗浄した。 無水硫酸ナトリゥムで有機層を乾燥した後、 濃縮し、 得られた残渣をジイソプロピルェ一テル (IPE) と n—へキサンの混合溶 媒から結晶化させ、 化合物 2を 12.3mg得た (収率 61%) 。
化合物 2 :
¾-NMR (CDC13) δ (ppm): 0.78 (3H, d, J = 6.6Hz), 0.86 (3H, t, J = 7.3Hz), 1.02 (3H, d, J = 6.6Hz), 1.07 (3H, t, J = 7.7Hz), 1.23 (2H, m), 1.52-1.61 (3H, m), 1.79 (2H, m), 1.96-2.01 (2H, m), 2.66 (IH, d, J = 2.9Hz), 3.27 (IH, t, J = 6.1Hz), 3.39 (3H, s), 3.54 (1H, m), 3.92 (1H, d, J = 7.7Hz), 4.16 (1H, m), 4.35 (1H, brt, J = 9.9Hz), 4.87 (2H, s), 4.97 (IH, d, J = 2.8Hz), 7.41 (IH, s), 9.24 (IH, s), 13.4 (IH, s); FAB -MS m/z 505 [M+Na]+.
実施例 5 :化合物 3
実施例 4で得られた化合物 2 (lOmg; 0.021mmol) をピリジン (0.5mL) に溶解 し、 無水酢酸 (0.5mL) を加え、 室温で 5時間撹拌した。 反応液を濃縮した後、 得 られた残渣を IPEと n—へキサンの混合溶媒から結晶化させ、 化合物 3を 4.6 mg得 た (収率 32%) 。
化合物 3 :
¾-NMR (CDC13) δ (ppm): 0.83 (3H, t, J = 7.2Hz), 0.84 (3H, d, J = 7.2Hz), 0.93 C3H, d, J = 6.8Hz), 0.99 (3H, t, J = 7.5Hz), 1.21 (2H, m), 1.56 (3H, m), 1.76 (3H, m), 1.95 (1H, m), 2.01 (3H, s), 2.04 (3H, s), 2.13 (3H, s), 2.35 (3H, s), 2.37 (3H, s), 2.99 (IH, t, J = 5.9Hz), 3.18 (3H, s), 3.57 (IH, m), 3.89 (IH, d, J = 6.2Hz), 4.29 (1H, m), 5.03 (2H, s), 5.50 (1H, dd, J = 4.8, 12.1Hz), 5.87 (IH, s), 7.91 (IH, s); FAB-MS m/z 693 [M+H]+. 実施例 6 ··化合物 4
参考例 1で得られた化合物 1 (llmg; 0.023mmol) をのメ夕ノ—ル(lmL) に溶 解し、 水素化ホウ素ナトリウム (4.9mg; 0.13mmol) を加え、 室温で 1.5時間撹拌 した。 反応液に少量の lmol/L塩酸水溶液を加え、 酢酸ェチル (10mLx2) で抽出 し、 有機層を飽和食塩水で洗浄した。 有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮し、 得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー (クロ口ホルム/メタノー ル = 10/1) で精製し、 化合物 4を 6.0mg得た (収率 54%) 。
化合物 4 :
-NMR (CDCI3) δ (ppm): 0.80 (3H, d, J = 6.8Hz), 0.89 (3H, t, J = 7.3Hz), 1.01 (3H, t, J = 7.5Hz), 1.02 (3H, d, J = 7.5Hz), 1.26 (2H, m), 1.54-1.64 (3H, m), 1.79 (3H, m), 2.00 (IH, m), 2.67 (IH, brs), 2.74 (IH, brs), 2.91 (1H, t, J = 6.4Hz), 2.98 (IH, d, J = 2.9Hz), 3.27 (IH, brs), 3.38 (3H, s), 3.47 (IH, m), 3.72 -3.89 (2H, m), 3.96 (1H, t, J = 7.5Hz), 4.18 (IH, brs), 4.88 (3H, brs), 7.41 (IH, s), 9.32 (IH, s), 13.29 (IH, s); FAB-MS m/z 507 [M+Na]+.
実施例 7 :化合物 6
参考例 1で得られた化合物 1 (lOmg; 0.021mmol) を THF (lmL) と水(0.5mL) の混合溶媒に溶かし、 塩酸 0—メチルヒドロキシルァミン (22mg; 0.27mmol) を
加え、 室温で 4時間撹拌した。 反応液を酢酸ェチル (10mL) で希釈後、 水を加え て抽出し、 有機層を lm0〗/Lii酸水溶液で洗浄した。 有機層を無水硫酸マグネシゥ ムで乾燥した後、 濃縮し得られた残渣を IPEと n—へキサンの混合溶媒から結晶化 させ、 化合物 6を 5.6mg得た (収率 52%) 。
化合物 6 :
¾-NMR (CDC13) δ (ppm): 0.84 (3H, t, J = 7.3Hz), 0.86 (3H, d, J = 6.8Hz), 0.96 (3H, d, J = 6.8Hz), 1.06 (3H, t, J = 7.5Hz), 1.20 (2H, m), 1.48 (IH, m), 1.58 (1H, s), 1.60 (2H, m), 1.81 (2H, m), 1.99 (2H, m), 2.98 (1H, brs), 3.22 (3H, s), 3.26 (IH, t, J = 6.1Hz), 3.70 (IH, dd, J = 7.3, 14.1Hz), 3.99 (3H, s), 4.17 (1H, td, J = 11.2, 5.1Hz), 4.34 (1H, d, J = 6.6Hz), 4.40 (IH, brt, J = 8.3Hz), 4.97 (1H, d, J = 3.5Hz), 7.83 (IH, s), 8.69 (1H, s), 11.45 (1H, s), 13.75 (IH, s); FAB-MS m/z 532 [M+Na]+, 510[M+H]+.
実施例 8 :化合物 1
参考例 1で得られた化合物 1 (33.5mg; 0.0698mmol) をメ夕ノール (2mL) に 溶解し、 2mol/Lトリメチルシリルジァゾメ夕ンの n—へキサン溶液 (lmL)を加え、 室温で 3.5時間撹拌した。 反応液に酢酸 (2滴) および酢酸ェチル (30mL) を加え た後、 水を加えて抽出した。 有機層を飽和食塩水で洗浄した後、 無水硫酸マグネ シゥムで乾燥した。 溶媒を留去した後、 得られた残渣 (45.6mg) をシリカゲル分 取薄層クロマトグラフィー (n—へキサン Z酢酸ェチル = lZl) により精製し、 化合物 1 4を 13.9mg得た (収率 38%) 。
化合物 1 4 :
¾-NMR (CDC13, 400 MHz) δ (ppm): 12.91 (IH, s), 7.81 (IH, s), 4.97 (1H, d, J = 2.4 Hz), 4.41 (IH, m), 4.18 (IH, m), 4.15 (IH, d, J = 6.8 Hz), 3.77 (2H, d, J = 5.6 Hz), 3.75 (3H, s), 3.72 (IH, m), 3.26 (IH, dd, J = 5.9, 7.1 Hz), 3.22 (3H, s), 2.93 (IH, brs), 2.26 (3H, s), 2.01 (IH, m), 1.92 (IH, m), 1.84 (2H, m), 1.58 (3H, m), 1.47 (IH, m), 1.20 (2H, m), 1.06 (3H, t, J = 7.6 Hz), 0.98 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.86 (3H, t, J = 7.3 Hz), 0.81 (3H, d, J = 6.8 Hz); 13C-NMR (CDC13, 100 MHz) 6 (ppm): 208.0, 206.3, 164.1, 162.0, 129.2, 125.3, 117.6, 117.4- 94.5, 82.8, 69.7, 62.7, 61.9, 61.8, 59.7, 57.0, 49.9, 39.0, 37.3, 34.6,
32.0, 29.7, 20.7, 20.6, 19.1, 18.3, 14.3, 10.6; FAB -MS m/z 523 [M+H]+. 実施例 9 :化合物 1 5
参考例 1で得られた化合物 1 (21.5mg; 0.0448mmol) のジクロロメ夕ン溶液 (2mL) に 4Aモレキュラーシ一ブス (30mg) を加え、 次に 4—メチルモルホリン — —ォキサイ ド (18.6mg; 0.159mmol) のジクロロメタン溶液 (0.5mL) および テトラ (n—プロピル) アンモニゥムパ一ルテネート (3.9mg; O.Olllmmol) のジ クロロメ夕ン溶液(0.5mL)を加え、室温で 24時間撹拌した。反応液をろ過した後、 シリ力ゲル力ラムクロマトグラフィー (1%メ夕ノ—ルのクロ口ホルム溶液) によ る精製を行い、 化合物 1 5を 1.8mg得た (収率 8.4%) 。
化合物 1 5 :
¾-NMR (CDC13, 500 MHz) (5 (ppm): 14.03 (IH, s), 13.01 (IH, s), 10.42 (1H, s), 8.03 (IH, s), 5.20 (IH, d, J = 3.2 Hz), 4.84 (IH, m), 4.34 (IH, d, J = 6.1 Hz), 3.77 (IH, m), 3.56 (1H, dd, J = 5.6, 7.2 Hz), 3.22 (3H, s), 3.01 (IH, d, J = 3.2 Hz), 2.68-2.63 (2H, m), 2.00-1.80 (2H, m), 1.79-1.60 (3H, m), 1.26 (2H, m), 1.08 (3H, t, J = 7.6 Hz), 0.94 (3H, d, J = 6.7 Hz), 0.90 (3H, d, J = 6.9 Hz), 0.89 (3H, t, J = 7.5 Hz); FAB-MS m/z 479 [M+H]+. 実施例 1 0 :化合物 1 7
参考例 9で得られた化合物 1 2 (67.3mg; 0.128mmol) を酢酸ェチル (3mL) に 溶解し、 10%パラジウム—炭素 (50mg) を加え、 水素雰囲気下、 室温で 4時間撹拌 した。反応液から触媒をろ別した後、 シリカゲル分取薄層クロマトグラフィー (n —へキサンと酢酸ェチルの混合溶媒) による精製を行い、 化合物 1 7を 30.3mg得 た (収率 63%) 。
化合物 1 7 :
¾-NMR (CDCI3, 300 MHz) d (ppm): 7.03 (2H, d, J = 8.6 Hz), 6.85 (2H, d, J = 8.6 Hz), 6.40 (IH, m), 6.07 (IH, brs), 5.31 (1H, m), 4.86 -4.28 (2H, m), 3.79 (3H, s), 3.61 (1H, m), 3.19 (IH, dd, J = 5.5, 10.5 Hz), 3.04 (IH, m), 2.80 (IH, d, J = 5.5 Hz), 2.76-2.49 (4H, m), 2.36 (1H, m), 2.19 (IH, brd, J =12.5 Hz), 1.71 (IH, brd, J = 15.8 Hz), 1.49 (3H, s), 1.23
(2H, m), 1.19 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.14 (3H, s), 1.00 (3H, d, J = 7.2 Hz); FAB-MS m/z 528 [M+H]+.
実施例 1 1 :化合物 1 8および 1 9
参考例 9で得られた化合物 1 2 (36.6mg; 0.0697mmol) をクロ口ホルム (2mL) に溶解し、 少量の p—トルエンスルホン酸一水和物を加え、 室温で 5時間撹拌し た。反応液を濃 した後、 シリ力ゲル分取薄層クロマトグラフィ一(n—へキサン と酢酸ェチルの混合溶媒) による精製を行い、 化合物 1 8 (26.8mg;収率 73%) と化合物 1 9 (4.8mg;収率 13%) をそれぞれ得た。
化合物 1 8 :
¾-NMR (CDC13, 300 MHz) 6 (ppm): 7.04 (2H, d, J = 8.6 Hz), 6.84 (2H, d, J = 8.6 Hz), 6.59 (IH, d, J = 11.7 Hz), 5.81 (IH, brs), 5.72 (IH, dd, J = 9.9, 14.9 Hz), 5.63 (IH, d, J = 11.7 Hz), 5.39 (IH, brs), 5.37 (1H, m), 5.17 (IH, brs), 3.80 (IH, m), 3.78 (3H, s), 3.35 (1H, m), 3.24 (IH, m), 2.98-2.92 (3H, m), 2.85 (IH, dd, J = 3.9, 13.8 Hz), 2.69 (IH, m), 2.57 (IH, dd, J = 9.5, 13.8 Hz), 2.15 (IH, brd, J = 13.4 Hz), 1.52 (3H, s), 1.16 (3H, d, J = 7.2 Hz), 1.14 (3H, d, J = 7.2 Hz); FAB-MS m/z 526 [M+H]+.
化合物 1 9 :
¾-NMR (CDCI3, 300 MHz) 6 (ppm): 7.00 (2H, d, J = 8.6 Hz), 6.79 (2H, d, J = 8.6. Hz), 6.57 (IH, d, J = 11.6 Hz), 6.13 (1H, m), 6.09 (1H, brs), 5.59 (1H, d, J = 11.6 Hz), 5.31 (IH, m), 3.81 (2H, m), 3.72 (3H, s), 3.36 (1H, brt, J = 6.8 Hz), 2.87 (IH, m), 2.76-2.60 (4H, m), 2.09 (1H, brd, J = 10.3 Hz), 1.61 (3H, s), 1.44 (6H, s), 1.10 (3H, d, J = 6.8 Hz); FAB-MS m/z 526 [M+H]+.
実施例 1 2 :化合物 2 0
MPC1006株糸状菌の斜面培地から、一白金耳ずつを 50mLの種培地(マッシュポ テト 3%、 グルコース 10%、酵母エキス 0.5%、 pH6.5) を入れた 300mL容の三角フラ スコ (2本) に接種し、 28°Cで 5日間回転撹拌機上で培養して種培養液を得た。 こ の種培養液 2.5mLを 50mLの生産培地(グルコース 2%、 マッシュポテト 2%、ぺプト ン 0.5%、 H2PO40.5%、 Mg3( O4)2'8H2O0.05%、 pH6.0) を含む 300mL^の三角フラ
スコ(40本)に接種して、 25°Cで 5日間回転撹拌機上で培養を行った。培養終了後、 培養液 (2L) を吸引ろ過により菌体と上清に分け、 培養上清をあらかじめ 20%メ 夕ノールで充填したダイヤイオン H P— 2 0 (30mL)のカラムクロマトグラフィ 一に付し、 40、 50、 60%メタノールで段階的に洗浄後、 90および 100%メタノール で溶出させた。 溶出液 (150mL) を濃縮後、 酢酸ェチルで抽出し、 抽出物を高速 液体ク口マトグラフィ一(Develosil HG-5 20x250mm; 40〜; L00%ァセトニトリル水 溶液で段階的に溶出) により分離精製し、 化合物 2 0を 2.2mg得た。
化合物 2 0 :
¾-NMR (CDC13, 400 MHz) δ (ppm): 7.15 (1H, dd, J = 2.2, 15.4 Hz), 6.25 (1H, brs), 6.19 (1H, brd, J = 11.0 Hz), 6.03 (1H, dd, J = 2.2, 15.4 Hz), 5.30 (1H, m), 4.55 (1H, m), 3.88 (1H, dd, J = 2.4, 7.6 Hz), 3.82 (1H, brd, J = 11.0 Hz), 3.17 (1H, dt, J =10.0, 3.4 Hz), 3.09 (1H, m), 2.93 (1H, dd, J = 3.2, 4.9 Hz), 2.39-2.34 (1H, m), 2.20-2.08 (2H, m), 1.73 (3H, s), 1.61 (1H, m), 1.50-1.46 (1H, m), 1.43-1.34 (1H, m), 1.39 (3H, s), 1.33 -1.25 (1H, m), 1.21 (3H, d, J = 7.3 Hz), 0.931 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.926 (3H, d, J = 6.6 Hz); 13C-NMR (CDCI3, 100 MHz) (5 (ppm): 173.6, 167.5, 150.4, 140.2, 139.5, 124.2, 122.8, 120.1, 88.3, 78.1, 73.9, 52.1, 51.7, 48.5, 39.39, 39.36, 34.2, 28.0, 25.2, 23.6, 21.4, 19.7, 15.2, 13.8; FAB-MS m/z 418 [M+H]+.
実施例 1 3 :化合物 2 1
MPC1009株糸状菌の斜面培地から、一白金耳ずつを 4本の 50mLの一次種培地(マ ヅシュポテト 3%、 グルコース 10%、酵母エキス 0.5%、 pH6.5) を入れた 300mL容の 三角フラスコに接種し、 28°Cで 4日間回転撹拌機上で培養して一次種培養液を得た。 この一次種培養液 75mLを 2.5Lの二次種培地(グルコース 2%、マヅシュポテト 1%、 ペプトン 0.5%、 KH2PO40.5%、 Mg PO4)2' 8H2O0.05%、 ρΗ6.θ) を含む 5L§のジャ一 フアーメン夕一に接種して、 25°Cで 24時間、 通気撹拌培養を行った。得られた二 次種培養液 450mLを 15Lの生産培地 (グルコース 2%、 マッシュポテト 2%、 ぺプト ン 0.5%、 KH2PO40.5%s Mg PO4)2' 8H2O0.05%、 pH6.0) を含む 30L容のジャーファ ーメン夕ー(2基)に接種して、 25°Cで 5日間通気撹拌培養を行った。培養終了後、
培養液 (30L) を吸引ろ過により菌体と上清に分け、 菌体に 20Lのメタノールを加 え、 撹拌して抽出した。 抽出液をあらかじめ 30%メタノール水溶液で充填したダ ィャイオン H P— 2 0 (1.5L) のカラムクロマトグラフィ一に付し、 50%メ夕ノ —ル水溶液で洗浄後、 100%メタノールで溶出させた。溶出液を濃縮後、 酢酸ェチ ルで抽出し、 濃縮乾固すると 23.7gの菌体抽出物が得られた。得られた菌体抽出物 をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロ口ホルムとメ夕ノ一ルの混合溶媒) に付し、 化合物 2 1を含むフラクションを集め、 濃縮乾固した。 得られた残渣を 90%メタノール水溶液と n—へキサンで分配し、 脂肪酸成分を除去した。 90%メタ ノール水溶液での抽出物 (5.44g) をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (n— へキサンと酢酸ェチルの混合溶媒) に付し、 化合物 2 1を含むフラクションを集 め、 濃縮した。 得られた残渣 (1.24g) を少量のェ一テルに溶解し、 n—へキサン を加えて粉末化を行い、 化合物 2 1 (343mg) を得た。
化合物 2 1 :
¾-NMR (CDC13, 500 MHz) δ (ppm): 7.33 (1H, dd, J = 2.5, 15.4 Hz), 6.94 (1H, brs), 6.22 (1H, d, J = 10.8 Hz), 5.91 (1H, dd, J = 2.1, 15.4 Hz), 5.29 (1H, brs), 4.51 (1H, m), 3.80 (1H, d, J = 10.8 Hz), 3.14 (1H, ddd, J = 3.0, 3.0, 10.3 Hz), 3.08 (1H, m), 2.89 (1H, dd, J = 3.3, 4.8 Hz), 2.23 (1H, dd, J = 9.6, 13.6 Hz), 2.11 (1H, m), 2.01 (1H, m), 1.88 (1H, brs), 1.75 (1H, m), 1.73 (3H, s), 1.68 (1H, m), 1.63 (1H, m), 1.53 (1H, m), 1.50 (1H, m), 1.44 (3H, s), 1.28 (1H, m), 1.20 (3H, d, J = 7.3 Hz), 0.92 (3H, d, J = 6.8 Hz), 0.91 (3H, d, J = 6.8 Hz); 13C-NMR (CDC13, 125 MHz) δ (ppm): 173.7, 167.7, 156.5, 140.1, 139.4, 124.4, 123.0, 118.8, 88.4, 69.2, 52.2, 51.9, 48.6, 42.2, 39.5, 38.1, 34.2, 25.0, 23.8, 21.3, 19.8, 17.8, 16.2, 13.9; FAB -MS m z 402 [M+H]+.
実施例 1 4 :化合物 1 6
MPC1005株糸状菌の斜面培地から、 一白金耳ずつを 4本の 50mLの種培地 (マツ シュポテト 3%、 グルコ一ス 10%、酵母エキス 0.5%、 pH6.5) を入れた 300mL容の三 角フラスコに接種し、 28°Cで 5日間回転撹拌機上で培養して種培養液を得た。この 種培養液 2.5mLずつを 50本の5 OmLの生産培地 (シュクロース 3%、 可溶性澱粉 2%、
乾燥酵母 0.5%、 麦芽エキス 1%、 コーンスティ一プリカ一(CSL) 0.5%、 野菜ジュ ース 20%、 CaCO30.5%、 pH6.0) を含む 300mL¾の三角フラスコに接種して、 25°C で 5日間回転撹拌機上で培養を行なつた。
培養終了後、 培養液 (2.5L) を吸引ろ過により菌体と上清に分け、 菌体に 6Lの メタノールを加え、 撹拌して抽出し、 抽出液を約 3Lになるまで減圧下濃縮した。 培養上清と濃縮した菌体抽出液を合わせ、 50%メ夕ノ一ルで充填したダイャィォ ン H P— 2 0 (l50mL) のカラムクロマトグラフィ一に付し、 50%メタノールで 洗浄した後、 100%メ夕ノ一ルで溶出した。 溶出液を約 200mLになるまで減圧下濃 縮後、 酢酸ェチル (250mLx2) で抽出し、 飽和食塩水で洗浄後、 無水硫酸ナトリ ゥムで乾燥した。 濃縮乾固して得られた残渣(1.58g) を少量のメタノールに溶解 し、 あらかじめクロ口ホルム一メタノール (1: 1) で充填したセフアデヅクス L H - 2 ◦のカラムクロマトグラフィー (内径 3.0cm,高さ 20cm) に付し、 クロロホ ルム—メタノール (1 : 1) の混合溶媒で展開し溶出液を約 20mLずつ分取した。ィ匕 合物 1 6を含むフラクションを集め、 減圧下に濃縮乾固した。 この乾固物をシリ 力ゲル力ラムクロマトグラフィー (50mレメ夕ノ一ルとクロ口ホルムの混合溶媒) に付し、 化合物 1 6 (I8mg) を得た。
化合物 1 6 :
¾-NMR (CDC13, 500MHz) d (ppm): 7.05 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.81 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.66 (IH, brs), 6.39 (1H, m), 5.79 (1H, ddd, J = 1.7, 10.0, 15.1 Hz), 5.44 (1H, ddd, J = 3.9, 11.2, 15.1 Hz), 3.62 (IH, t, J = 5.9 Hz), 3.33 (IH, m), 3.32 (IH, m), 3.02 (IH, dd, J = 6.8, 12.1 Hz), 2.89 (IH, dd, J = 5.4, 10.0 Hz), 2.75 (2H, m), 2.67 (1H, dd, J = 2.1, 5.9 Hz), 2.59 (IH, d, J = 5.4 Hz), 2.25 (IH, m), 2.24 (IH, m), 2.03 (IH, dt, J = 13.8, 11.6 Hz), 1.88 (3H, d, J = 0.7 Hz), 1.17 (3H, s), 1.15 (3H, d, J = 6.6 Hz), 1.11 (3H, d, J = 7.3 Hz); 13C-NMR (CDCI3, 125 MHz) ό" (ppm): 206.2, 171.9, 169.1, 155.1, 143.1, 135.1, 132.7, 130.8, 130.6, 128.7, 126.1, 115.8, 84.9, 60.4, 57.2, 54.4, 49.5, 47.0, 43.9, 39.9, 39.8, 36.8, 36.1, 19.7, 17.4, 13.0, 12.8; FAB -MS m/z 480 [M+H]+.
参考例 1 :化合物 1 (UCS15A/Luminacin C2/SP4228A)
化合物 1は、 ザ ·ジャーナル 'ォブ 'アンチバイォティクス (The Journal of Antibiotics)、 53卷、 579頁(2000年)および特開昭 58-116686号記載の方法により、 該化合物の生産能を有する Strepto y 属に属する放線菌を培養し、培養液中から 単離精製することにより得られた。
化合物 1 (UCS15A/Luminacin C2/SI-4228A) :
¾-NMR (CDC13, 300 MHz) δ (ppm): 14.16 (IH, s), 12.93 (IH, s), 10.35 (IH, s) , 8.01 (IH, s), 4.85 (1H, d, J = 3.2 Hz), 4.36 (IH, dd, J = 8.1, 9.6 Hz), 4.27 (IH, d, J = 7.0 Hz), 4.11 (1H, ddd, J = 4.6, 11.4, 11.4 Hz), 3.66 (IH, m), 3.53 (IH, d, J = 3.2 Hz), 3.19 (IH, t, J = 6.2 Hz), 3.14 (3H, s), 1.85 -1.98 (2H, m), 1.69-1.78 (2H, m), 1.40-1.58 (3H, m), 1.08-1.19 (2H, m), 0.98 (3H, t, J = 7.5 Hz), 0.91 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.79 (3H, t, / = 7.3 Hz), 0.77 (3H, d, J = 6.8 Hz); FAB-MS mlz 479 [M-H]".
参考例 2 :化合物 5
化合物 5は、 特開昭 62-294619号記載の方法に準じて得ることができるが、 以下 の方法によっても得ることができた。
参考例 1で得られた化合物 1 ( llmg; 0.023mmol)を T H F (lmL)と水 (0.5mL) とメタノ一ル(1滴)の混合溶媒に溶かし、硫酸メチルヒドラジン(30mg; 0.2lmmol) を加え、室温で 4時間撹拌した。反応液を酢酸ェチル(lOmL)で希釈後、抽出し、 有機層を水と lmol/L^酸水溶液で順次洗浄した。 有機層を無水硫酸マグネシゥム で乾燥した後、 濃縮し、 得られた残渣を IPEと n—へキサンの混合溶媒から結晶化 させ、 化合物 5を 5.9mg得た (収率 50%) 。
化合物 5 :
¾-NMR (CDCI3) (J (ppm): 0.84 (3H, t, J = 7.2Hz), 0.86 (3H, d, J = 6.8Hz), 0.96 (3H, d, J = 6.6Hz), 1.06 (3H, t, J = 7.5Hz), 1.21 (2H, m), 1.42-1.62 (3H, m), 1.82 (2H, m), 2.01 (2H, m), 3.00 (3H, s), 3.22 (3H, s), 3.26 (IH, t, J = 6.2Hz), 3.70 (IH, m), 4.16 (1H, m), 4.35 (IH, d, J = 6.6Hz), 4.40 (IH, m), 4.98 (IH, s), 6.72 (IH, s), 7.74 (IH, s), 8.21 (IH, s), 13.00 (1H, brs), 13.71 (IH, s) ; FAB-MS mlz 477 [M-CH3NH2]+, 507 [M-H]\ 化合物 7、 8、 9は、 ジャーナル 'ォブ'アメリカン 'ケミカル ·ソサエティ
(J. Am. Chem. Soc.)、 122卷、 3071頁 (2000年) に記載の方法に準じて得られた。 参考例 3 :化合物 7
レゾルシノール (600mg; 5.45mmol)およびソルビン酸 (600mg; 5.36mmol) を 三フッ化ホウ素エーテル錯体 (10mL) に溶かし、 120°Cにて 15分間撹拌した。 反 応液に氷冷しながら少量の水を加え、 酢酸ェチル (50mLx 2) で抽出した。 有機 層から溶媒を減圧下留去した後、残渣を THF (50mL)および水(50mL)の混合溶 媒に溶かし、 30分間加熱還流した。 反応液を濃縮し、 THFを留去した後、 酢酸ェ チル (50mLx 2) で抽出し、 有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 有機層 を濃縮し、得られた残渣(1.54g) をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(75g; n—へキサン/酢酸ェチル =3ダ1)で精製し、化合物 7を 566mg得た(収率 60%)。 化合物 7 :
¾-NMR (CDC13) 5 (ppm): 1.92 (3H, d, J = 5.1Hz), 5.57 (1H, brs), 6.32-6.40 (4H, m), 6.91 (1H, d, = 14.7Hz), 7.48 (1H, dd, J = 9.9, 14.7Hz), 7.71 (1H, d, J = 9.2Hz), 13.41 (1H, s); FAB-MS mlz 205 [M+H]+.
参考例 4 :化合物 8
2—メチルレゾルシノール (500mg; 4.03mmol) およびソルビン酸 (450mg; 4.01mmol) より、 参考例 3と同様にして化合物 8を 736mg得た (収率 84%) 。 化合物 8 :
¾-NMR (CDCl,) δ (ppm): 1.90 (3H, d, J = 5.5Hz), 2.14 (3H, s), 6.00 (1H, brs),
6.23- 6.35 (2H, m), 6.39 (1H, d, J = 9.0Hz), 6.92 (1H, d, J = 15.0Hz), 7.46 (1H, dd, J = 9.9, 15.0Hz), 7.58 (1H, d, J = 9.0Hz), 13.73 (1H, s); FAB-MS mlz 219 [M+H]+.
参考例 5 :化合物 9
2 , 4—ジメチルレゾルシノ一ル(1.08g; 7.83mmol)およびソルビン酸(950mg; 8.47mmol) より、 参考例 3と同様にして化合物 9を 971mg得た (収率 53%)。 化合物 9 :
¾-NMR (CDCI3) 51.91 (3H, d, J = 5.7Hz), 2.15 (3H, s), 2.22 (3H, s), 5.32 (1H, s),
6.24- 6.40 (2H, m), 6.95 (1H, d, J = 14.9Hz), 7.45 (1H, s), 7.46 (1H, dd, J = 10.1,
14.9Hz), 13.60 (1H, s); FAB-MS m/z 233 [M+H]+.
参考例 6 :化合物 1 0
化合物 1 0は、 テトラへドロン (Tetrahedron)、 31卷、 1593頁 (1975年) 記載 の方法によって得ることができるが、 化合物 7のメチル化によっても得ることが で き た 。 参考例 3で得られた化合物 7 (424mg; 2.08mmol)を 30mLのァセトンに溶解し、 炭酸カルシウム (650mg; 4.70mmol) およびヨウ化メチル (0.260mL; 4.18mmol) を加え、 1時間加熱還流した。 反応液を室温にて放冷後、 酢酸ェチル (50mL) で 希釈し、 lmol/L^酸水溶液を添加して抽出した。 有機層を飽和食塩水で洗浄し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮して得られた残渣 (410mg) をシリカゲル カラムクロマトグラフィー(30mL ; n—へキサン Z酢酸ェチル =4Zl)で精製し、 化合物 1 0を 113mg得た (収率 25%) 。
化合物 1 0 :
¾-NMR (CDC13) S (pp ): 1.91 (3Η, d, J = 5.0Hz), 3.85 (3H, s), 6.26-6.40 (2H, m), 6.43-6.47 (2H, m), 6.92 (1H, d, J = 14.9Hz), 7.48 (1H, dd, J = 9.9, 14.9Hz), 7.71 (1H, d, J = 9.5Hz), 13.50 (1H, s); FAB-MS m/z 219 [M+H]+
参考例 7 :化合物 1 1
参考例 3で得られた化合物 7 (I37mg;0.672mraol)を 25mLのァセトンに溶解し、 炭酸カルシウム (l.50g; 10.85mmol) およびヨウ化メチル (l.50mL; 24.1mmol) を加え、 3時間加熱還流した。参考例 6と同様の後処理を行い、化合物 1 1を 122mg 得た (収率 78%)。
化合物 1 1 :
-NMR (CDCI3) 6 (ppm): 1.85 (3H, d, J = 6.2Hz), 3.83 (3H, s), 3.84 (3H, s), 6. 12-6.32 (2H, m), 6.46 (1H, d, J = 2.2Hz), 6.51 (1H, dd, J = 2.2, 8.6Hz), 6.81 (1H, d, J = 15.2Hz), 7.25 (1H, dd, J = 11.0, 15.0Hz), 7.66 (1H, d, J = 8.6Hz); FAB-MS m/z 233 [M+H]+. 参考例 8 :化合物 1 3 (Cytochalasin E)
化合物 1 3は、 ジャーナル 'ォプ 'ケミカル ·ソサエティ,パーキン · トランサ
ύ
クシヨン 1 (J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1)、 541頁 (1982年)、 ァグリカルチユラ ル 'アンド 'バイオロジカル 'ケミストリ一 (Agric. Biol. Chem.)、 53卷、 1699 頁 (1989年) 等に記載の方法に準じて、 該化合物の生産能を有する糸状菌を培養 し、 培養液中から単離精製することにより得られた。
化合物 1 3 (Cytochalasin E) :
-NMR (CDC13, 300 MHz) d (ppm): 7.27-7.37 (3H, m), 7.15 (2H, d, J = 7.0 Hz), 6.53 (1H, d, / = 12.5 Hz), 6.00 (1H, brs), 5.89 (1H, dd, J = 8.1, 15.0 Hz), 5.63 (1H, d, J = 12.5 Hz), 5.23 (1H, m), 3.71 (1H, m), 3.02 (1H, m), 2.94 (1H, m), 2.89 (1H, dd, J = 4.2, 13.9 Hz), 2.50-2.70 (4H, m), 2.31 (1H, m), 2.15 (1H, brd, J = 15.0 Hz), 1.50 (3H, s), 1.25 (3H, s), 1.16 (3H, d, J = 6.1 Hz), 1.12 (3H, d, / = 6.8 Hz); FAB-MS m/z 496 [M+H]+ 参考例 9 :化合物 1 2 (Mer-WF1726)
化合物 1 2は、 特開平 10-114776号に記載の方法に準じて得られる。
化合物 1 2 (Mer-WF1726) :
¾-NMR (CDCI3, 500 MHz) δ (ppm): 7.06 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.86 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.51 (1H, d, J = 11.6 Hz), 6.16 (1H, brs), 5.90 (1H, dd, J = 9.3, 14.9 Hz), 5.61 (1H, d, J = 11.6 Hz), 5.23 (1H, ddd, J = 3.8, 10.9, 14.9 Hz), 3.79 (3H, s), 3.68 (1H, m), 3.00 (1H, dd. J = 2.6, 5.1 Hz), 2.94 (1H, m), 2.82 (1H, dd, J = 4.5, 13.7 Hz), 2.69-2.60 (4H, m), 2.29 (1H, dq, J = 12.5, 7.3 Hz), 2.15 (1H, brd, J = 13.8 Hz), 1.49 (3H, s), 1.25 (3H, s), 1.16 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.10 (3H, d, J = 7.3 Hz); 13C-NMR (CDC13, 125 MHz) 6 (ppm): 211.8, 170.0, 158.9, 149.4, 142.2, 131.6, 130.6, 128.5, 127.9, 120.5, 114.4, 87.1, 77.3, 60.7, 57.3, 55.3, 53.8, 48.0, 45.9, 44.1, 40.9, 39.1, 35.9, 24.4, 20.1, 19.7, 13.3; FAB-MS m/z 526 [M+H]+.
参考例 1 0 :化合物 2 6 (Aspochalasin C) 、 化合物 2 7 (Aspochalasin D)および 化合物 2 8 (Aspochalasin E)
化合物 2 6 (Aspochalasin C)、 化合物 2 7 (Aspochalasin D) および化合物 2 8 (Aspochalasin E) は実施例 1 3に記載の方法により、 MPC1009糸状菌の培養し、 培養液中から単離精製することにより得られた。
また、 ヘルべチカ 'ヒミカ 'ァク夕 (Helv. Chim. Acta)、 62卷、 1501頁 (1979 年)、 ジャーナル ·ォブ ·アンチバイオティクス(J. Antibiot.)、 46卷、 679頁(1993 年) 等に記載の方法に準じて、 該化合物の生産能を有する糸状菌を培養し、 培養 液中から単離精製することによつても得ることができる。
化合物 2 6 (Aspochalasin C) :
¾-NMR (CDC13, 400 MHz) δ (ρρτα): 7.32 (1Η, dd, J = 0.7, 16.3 Hz), 6.26 (1H, dd, J = 8.3, 16.3 Hz), 6.07 (1H, brs), 5.99 (1H, brd, J = 11.2 Hz), 5.41 (1H, m), 3.95 (1H, t, J = 8.3 Hz), 3.49 (1H, m), 3.10 (1H, m), 3.02 (1H, dd, J = 3.7, 5.4 Hz), 2.82 (1H, brd, J = 11.0 Hz), 2.46 (2H, m), 2.02 (1H, m), 1.93 (1H, m), 1.85 (1H, ddd, J = 2.7, 13.2, 13.2 Hz), 1.77 (3H, d, J = 1.5 Hz), 1.55 (1H, m), 1.41 (3H, d, J = 1.5 Hz), 1.24 (2H, m), 1.23 (3H, d, J = 7.3 Hz), 0.91 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.90 (3H, d, J = 6.6 Hz); 13C-NMR (CDC13, 100 MHz) d (ppm): 198.2, 174.4, 140.8, 138.3 (2C), 130.3, 125.8, 125.5, 77.3, 75.1, 68.0, 51.3, 49.7, 48.4, 43.5, 36.4, 36.3, 35.2, 25.2, 23.7, 21.4, 20.0, 19.9, 13.7; FAB -MS mlz Ql [M+H]+.
化合物 2 7 (Aspochalasin D) :
¾-NMR (CDC13, 300 MHz) d (ppm): 7.14 (1H, d, J = 16.7 Hz), 6.14 (1H, dd, J = 5.0, 16.5 Hz), 6.33 (1H, brs), 5.94 (1H, d, J = 10.8 Hz), 5.42 (1H, brs), 4.58 (1H, brs), 3.78 (1H, brs), 3.15 (1H, m), 3.00 (1H, dd, J = 2.8, 5.7 Hz), 2.90 (1H, d, J = 10.8 Hz), 2.48 (1H, m), 2.16 (2H, m), 2.07 (1H, m), 1.75 (3H, s), 1.50 (2H, m), 1.30 (3H, s), 1.22 (3H, d, J = 7.3 Hz), 1.21 (1H, m), 0.90 (3H, d, J = 6.4 Hz), 0.88 (3H, d, J = 6.4 Hz); 13C-NMR (CDCI3, 75 MHz) (5 (ppm): 197.6, 174.9, 141.5, 140.4, 137.4, 129.6, 125.7, 124.2, 79.2, 75.6, 68.0, 51.0, 49.6, 48.3, 43.6, 39.5, 35.1, 29.3, 25.1, 23.6, 21.5, 19.9, 15.6, 13.5; FAB-MS mlz 402 [M+H]+. 化合物 2 8 (Aspochalasin E) :
¾-画 R (DMSO-d6, 500 MHz) d (ppm): 8.10 (1H, s), 6.02 (1H, d, J = 10.9 Hz), 5.33 (1H, brs), 4.41 (1H, d, J = 5.9 Hz), 4.37 (1H, d, J = 4.0 Hz), 4.35 (1H, brs), 3.90 (1H, d, J = 17.6 Hz), 3.60 (1H, brs), 3.24 (1H, brs), 3.17 (1H, brs), 3.07 (2H, m), 2.48 -2.40 (2H,
m), 2.00-1.94 (2H, m), 1.76 (1H, dd, J = 5.2, 17.6 Hz), 1.70 (3H, s), 1.60-1.44 (2H, m), 1.38 (3H, d, J = 1.1 Hz), 1.31 (1H, m), 1.16 (3H, d, J = 6.9 Hz), 1.09-0.98 (2H, m), 0.84 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.83 (3H, d, J = 6.5 Hz); FAB-MS m/z 420 [M+H]+.
参考例 1 1 :化合物 2 2およびィ匕合物 2 5 (Aspochalasin B)
参考例 1 0で得られる化合物 2 7 (31.7mg; 0.0791mmol) をジクロロメタン (5mL) に溶解し、 二酸化マンガン (250mg; 2.44mmol) を加えて室温で 2時間撹 拌した。 反応液をセライ トを用いてろ過し、 ろ液を濃縮した後、 シリカゲル分取 薄層クロマトグラフィー (クロ口ホルムとメタノールの混合溶媒) による精製を 行い、 化合物 2 5 (13.6mg;収率 43%) および化合物 2 2 (5.1mg;収率 16%) を 得た。
また、 化合物 2 5 (Aspochalasin B) はヘルべチカ ·ヒミカ 'ァク夕 (Helv. Chim. Acta)、 62卷、 1501頁 (1979年) に記載の方法に準じて、 該化合物の生産能を有 する糸状菌を培養し、 培養液中から単離精製することによつても得ることができ る。 .
化合物 2 5 (Aspochalasin B) :
¾-NMR (CDC13, 300 MHz) δ (ppm): 8.28 (1H, d, J = 16.5 Hz), 6.52 ΠΗ, d, J = 16.5 Hz), 6.33 (1H, d, J = 11.2 Hz), 5.99 (1H, brs), 5.44 (1H, brs), 4.82 (1H, brd, J = 6.1 Hz), 3.59 (1H, brs), 3.19 (1H, t, J = 4.6 Hz), 3.11 (1H, m), 2.74 (1H, brd, J = 11.4 Hz), 2.62 (1H, m), 2.38 (2H, m), 1.86 (1H, m), 1.79 (3H, brs), 1.57 (3H, m), 1.24 (3H, d, J = 7.0 Hz), 1.22 (3H, s), 0.92 (3H, d, J = 5.9 Hz), 0.90 (3H, d, J = 6.2 Hz); 13C-NMR (CDC13, 75 MHz) (5 (ppm): 205.1, 195.5, 173.2, 141.6, 138.8, 136.4, 126.5 (2C), 124.7, 74.7, 68.9, 51.7, 48.2, 47.5, 41.6, 39.7, 34.8, 32.4, 25.2, 23.7, 21.1, 20.2, 15.5, 13.8; FAB -MS m/z 400 [M+H]+.
化合物 2 2 :
¾-NMR (CDCI3, 300 MHz) δ (ppm): 9.77 (1H, brs), 9.75 (1H, d, J = 7.7 Hz), 7.76 (1H, d, J = 15.8 Hz), 6.78 (1H, dd, J = 7.7, 15.8 Hz), 6.12 (1H, brs), 5.76 (1H, d, / =10.3 Hz), 5.34 (1H, brs), 3.23 (1H, d, J = 9.9 Hz), 3.16 (1H, m), 2.74 (1H, t, J = 4.8 Hz), 2.54 (3H,
m), 2.33 (2H, m), 1.76 (3H, brs), 1.54 (IH, m), 1.50 (3H, s), 1.34 (1H, m), 1.21 (3H, d, J = 7.3 Hz), 0.92 (6H, d, J = 6.6 Hz); FAB-MS mlz 400 [M+H]+.
参考例 1 2 :化合物 2 4 (Aspochalasin A)
参考例 1 1で得られる化合物 2 5 (28.9mg; 0.0724mmol) をピリジン (0.5mL) に溶かし、 トリェチルァミン (0.5mL) を加えて、 室温で 19時間撹拌した。反応液 を水に注ぎ込み、 クロ口ホルム (20mL) で抽出し、 0.5mol/Li 酸水で洗浄した。 シリ力ゲル分取薄層クロマトグラフィ一(クロ口ホルム一メ夕ノ一ル)で精製し、 化合物 2 4 (21.2mg;収率73%) を得た。
また、 化合物 2 4はヘルべチカ ·ヒミカ ·ァク夕 (Helv. Chim. Acta)、 62卷、 1501頁 (1979年) に記載の方法に準じて、 該化合物の生産能を有する糸状菌を培 養し、 培養液中から単離精製することによつても得ることができる。
化合物 2 4 :
¾-NMR (CDC13, 300 MHz) δ (ppm): 6.73 (IH, brs), 6.22 (IH, d, J = 11.0 Hz), 5.32 (IH, brs), 3.94 (IH, dd, J = 12.8, 19.4 Hz), 3.67 (1H, m), 3.14 -3.07 (2H, m), 2.94 (1H, brd, J = 9.5 Hz), 2.79 (IH, brt, J = 12.8 Hz), 2.55-2.40 (3H, m), 2.38-2.02 (2H, m), 1.99 (IH, m), 1.72 (3H, s), 1.56 (IH, m), 1.48 (3H, s), 1.19 (3H, J = 6.6 Hz), 1.16 (2H, m), 0.94 (6H, d, J = 6.6 Hz); 13C-NMR (CDC13, 75MHz) δ (ppm): 208.7, 202.6, 197.6, 175.5, 140.0, 135.7, 125.1, 124.8, 66.3, 52.1, 50.7, 48.7, 43.4, 38.8, 36.6, 35.3, 31.4, 31.2, 25.0, 23.5, 21.4, 19.9, 14.8, 13.4; FAB -MS m/z 400 [M+H]+.
参考例 1 3 :化合物 2 3
参考例 1 1で得られる化合物 2 5 (216mg; 0.541mmol) を酢酸ェチル (30mL) に溶解し 10%パラジウム一炭素 (150mg) を加えて、 水素雰囲気下、 室温で 4時間 撹拌した。 触媒をろ別した後、 シリカゲル分取薄層クロマトグラフィー (クロ口 ホルムとメタノールの混合溶媒)による精製を行い、化合物 2 3を 92.3mg得た(収 率 43%) 。
化合物 2 3 :
¾-NMR CCDC13, 300 MHz) (5 (ppm): 7.01 (IH, brs), 6.00 (IH, d, J = 10.6 Hz), 4.17 (IH,
brs), 3.40 (1H, m), 2.89-2.76 (3H, m), 2.42-1.76 (7H, m), 1.64-1.44 (2H, m), 1.32 (3H, d, J = 1.1 Hz), 1.25-1.03 (2H, m), 0.92-0.85 (15H, m); FAB-MS m/z 402 [M+H]+.
'産業卜の禾 II用 πτ能小牛
本発明により、 非べプチド性化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効 成分として含有する SH3ドメイン結合阻害剤が提供される。 また、 本発明により SH3ドメイン結合阻害剤として有用な化合物またはその薬理学的に許容される塩 が提供される。