明 細 書 微生物捕捉剤 技術分野
本発明は、 微生物捕捉剤に関する。 更に詳細には、 本発明 は、 少なく とも 2個のカルボキシル基を有する化合物、 ベン ゾト リアゾ一ル系化合物、 アミ ド系化合物、 非水溶性ァゾ化 合物、 特定の構造を有する第 4級アンモニゥム塩、 及び特定 の構造を有する第 4級アンモニゥム塩含有重合体からなる群 よ り選ばれる少なく とも 1種の化合物を含むこ とを特徴とす る微生物捕捉剤に関する。 本発明の微生物捕捉剤は、 優れた 微生物捕捉能を有するのみならず、 そのような優れた微生物 捕捉能を長時間維持できるので、 水処理における水中の微生 物の捕捉並びに気相中の微生物の捕捉に有効に用いる ことが できる。 さ らに、 本発明の微生物捕捉剤 、 有機溶媒及び Z 又は含水有機溶媒に可溶なため、 該微生物捕捉剤の溶液を用 いて、 該捕捉剤が担持されてなる担体を含む微生物捕捉用複 合体を容易に製造する こ とができる。 本発明の微生物捕捉剤 を用いた微生物捕捉用複合体は、 バイオリ アクタ一およびバ ィォセンサ一における微生物及び Z又は菌体の保持担体等と して有利に用いることができる。
従来技術
従来、 水処理用の微生物除去材ゃバイオリ アクターの微生 物捕及び Z又は菌体の保持担体に使用する微生物捕捉能を有 する物質 (以下、 「微生物捕捉剤」 と称す) に関して様々な 提案なされている。 微生物捕捉剤は、 主に水中での使用を目 的と しているので、 微生物捕捉剤の溶出による微生物除去効 果の経時的な減弱を防ぐために、 非水溶性でなければならな いと考え られていた。 例えば、 日本国特公昭 6 2 - 4 1 6 4 1 号公報は、 架橋ポリ ビニルピリ ジニゥムハライ ドからなる 不溶性の微生物捕捉剤を開示している。 しかし、 この公報に 記載の微生物捕捉剤の場合、 架橋によ り十分なポリマー強度 を得るためには、 ジビニル化合物の割合を高めねばならない そのためにビニルピリ ジニゥム単位の含有率が低下し、 その 結果として微生物吸着能が低下する という 問題があった。 更 に、 この微生物捕捉剤は、 水だけでなく 、 通常の有機溶媒に も不溶であるため、 溶液として担体に塗布する というような こ とはできず、 固体と してビーズのような形態でしか取り扱 う こ とができなかった。 同様に日本国特開平 3 — 8 4 4 2号 公報においては、 4級化ピリ ジニゥム重合体を架橋する こ と によって不溶化したものを微生物捕捉剤と して用いている。 この公報の微生物捕捉剤は、 不溶化のための架橋によって微 生物吸着量が低下する という問題があった。
このよう に、 微生物捕捉剤として、 優れた微生物捕捉能
を長時間にわたって発揮し、 且つ有機溶媒または含水有機溶 媒に溶解して担体に担持させる ことが可能な微生物捕捉剤ば 見出されていなかった。 発明の概要
本発明者は、 上記のような優れた微生物捕捉剤を開発すベ く鋭意検討を行った。 その結果、 意外にも、 少なく とも 2個 の力ルポキシル基を有する化合物、 ベンゾ ト リ アゾール系化 合物、 アミ ド系化合物、 非水溶性ァゾ化合物、 特定の構造を 有する第 4級アンモニゥム塩、 及び特定の構造を有する第 4 級アンモニゥム塩含有重合体からなる群よ り選ばれる少なく とも 1 種の化合物を含むことを特徴とする微生物捕捉剤が、 優れた微生物捕捉能を有するのみならず、 そのような優れた 微生物捕捉能を長時間維持できるので、 水処理における水中 の微生物の捕捉並びに気相中の微生物の捕捉に有効に用いる ことができる ことを見出した。 また、 上記の微生物捕捉剤は 有機溶媒及び Z又は含水有機溶媒に可溶なため、 該微生物捕 捉剤の溶液を用いて、 該捕捉剤が担持されてなる担体を含む 微生物捕捉用複合体を容易に製造する こ とができ、 得られた 微生物捕捉用複合体は、 バイオリ アクターおよびバイオセン サ一における微生物及び/菌体の保持担体等として有利に用 いる ことができる ことを見出した。 これらの知見に基づき本 発明を完成した。
従って本発明の目的の 1 つは、 優れた微生物捕捉能を有 するのみならず、 そのような優れた微生物捕捉能を長時間維 持できる、 有機溶媒または含水有機溶媒に可溶な微生物捕捉 改良剤を提供する ことにある。
本発明の他の 1 つの目的は、 該微生物捕捉剤を担持してな る微生物捕捉用複合体を提供する こ とにある。
本発明の更に他の 1 つの目的は、 該微生物捕捉剤を、 微生 物を含有する液体又は気体と接触させて、 微生物を捕捉する 方法を提供する ことにある。
本発明の更に他の 1 つの目的は、 該微生物捕捉用複合体を 微生物を含有する液体又は気体と接触させて、 微生物を捕捉 する方法を提供する ことにある。
本発明の上記及び他の諸目的、 諸特徴並びに諸利益は、 以 下の詳細な説明及び請求の範囲から明らかになる。 発明の詳細な説明
本発明の 1 つの態様によれば、
少なく とも 2個の力ルポキシル基を有する化合物、 ベンゾ ト リ アゾ一ル系化合物、
アミ ド系化合物、
' 非水溶性ァゾ化合物、
下記式 ( 1 ) で表される第 4級アンモニゥム塩、 及び 下記式 ( 2 ) 〜 ( 5 ) で表される重合体鎖をそれぞれ有す
る、 第 4級アンモニゥム塩含有重合体
からなる群よ り選ばれる少なく とも 1 種の化合物を含むこ と を特徴とする微生物捕捉剤が提供される。
(式中、
R 1 、 R 2及び R 3はそれぞれ独立して飽和又は不飽和
C i _ C 5 。脂肪族ヒ ドロカルビル基、 水酸基を含有する、 飽和又は不飽和 C i 一 C 5。脂肪族ヒ ドロカルビル基、 C 6— C 5。ァ リ ール基、 4 一ピリ ジル基、 2 —ジメチルアミ ノエ チル基、 2 ― ( N —ベンジル— N , N —ジメチルアンモニゥ ム) ェチル基、 ベンジル基、 飽和若しく は不飽和 C ェ _ C 5 。脂肪酸残基、 及び飽和又は不飽和脂肪酸エステル残基か ら なる群よ り選ばれる基を表し ;
X一は、 ノ、ロゲン化物イオン、 アルキルスルホン酸イオン 芳香族スルホン酸イオン、 硫酸イオン及び硝酸イオンからな る群よ り選ばれるイオンを表す。 ) 、
(式中、
R 4は、 該重合体鎖の側鎖の C H 2—基と結合してアンモ ニゥムイオンを形成する窒素含有化合物であって、 ピリ ジン 4 —ジメチルァミ ノ ピリ ジン、 2 , 4 ' 6 —コ リ ジン、 2 , 3 , 5 —コ リ ジン、 ト リ (飽和又は不飽和 C 3— C i 8脂肪 族ヒ ドロカルビル) ァミ ン、 及びキノ リ ンからなる群より選 ばれる窒素含有化合物を表し、
X -は、 ハロゲン化物イオンを表し、
k及び β は、 下記の条件を満足する整数である
1 0 ≤ k ≤ 1 0 0 , 0 0 0 、 及び
1 0 ≤β ≤ 1 0 0 , 0 0 0 。 ) 、
(式中
R 5は、 該重合体鎖の側鎖の C H 2—基と結合してアンモ ニゥムイオンを形成する窒素含有化合物であって、 ピリ ジン 4 ージメチルァミ ノ ピリ ジン、 2 , 4 , 6 —コ リ ジン、 2 , 3 , 5 —コ リ ジン、 ト リ (飽和又は不飽和 C 3— C 8脂肪 族ヒ ドロカルビル) ァミ ン、 及びキノ リ ンからなる群よ り選 ばれる窒素含有化合物を表し、
R 6は、 水素原子又は C 一 C 3アルキル基を表し、
X -は、 ハロゲン化物イオンを表し、
Yは、 水素原子、 飽和又は不飽和 C i 一 C 5。脂肪族ヒ ド 口カルビル基、 飽和又は不飽和 C i _ C 5。脂肪族ヒ ドロ力 ルビロキシ基、 (飽和又は不飽和 C ェ 一 C 5。脂肪族ヒ ドロ カルビ口キシ) カルポニル基、 飽和又は不飽和 C ェ一 C 5。 脂肪酸残基、 C 6— C 5 。ァ リール基、 ベンジル基、 及び力 ルポキシル基を表し、
m及び ; Qは、 下記の条件を満足する整数である。
1 0 ≤m≤ 1 0 0 , 0 0 0 、 及び
1 0 ≤ n 0 0 , 0 0 0 。 ) 、
(式中、 R
2及び R
3は、 式 ( 1 ) で定義した通りであ る。 ) 、 及び
(式中、 R 3は、 式 ( 1 ) で定義した通り である。 ) 。 次に本発明の理解を容易にするために、 まず本発明の基本 的特徴および好ましい諸態様を列挙する。
1 . 少なく とも 2個のカルボキシル基を有する化合物、 ベンゾ ト リ アゾ一ル系化合物、
アミ ド系化合物、
非水溶性ァゾ化合物、
下記式 ( 1 ) で表される第 4級アンモニゥム塩、 及び 下記式 ( 2 ) 〜 ( 5 ) で表される重合体鎖をそれぞれ有す る、 第 4級アンモニゥム塩含有重合体
からなる群より選ばれる少なく とも 1 種の化合物を含むこと を特徴とする微生物捕捉剤。
(式中
R 1 、 R 2及び R 3はそれぞれ独立して飽和又は不飽和 C 一 C 5 。脂肪族ヒ ド ロカルビル基、 水酸基を含有する、 飽和 又は不飽和 C i — C 5 。脂肪族ヒ ド ロカルビル基、 C 6 — C 5 。ァ リ ール基、 4 一 ピ リ ジル基、 2 —ジメチルアミ ノ エチル 基、 2 - ( N —べンジルー N , N —ジメチルアンモニゥム) ェチル基、 ベンジル基、 飽和若し く は不飽和 C i 一 C 5 。脂 肪酸残基、 及び飽和又は不飽和脂肪酸エステル残基か らなる 群よ り選ばれる基を表し ;
X -は、 ハ ロゲン化物イ オン、 アルキルスルホン酸イ オン 芳香族スルホン酸イ オン、 硫酸イオン及び硝酸イ オンか らな る群よ り選ばれるイ オンを表す。 ) 、
(式中、
R 4は、 該重合体鎖の側鎖の C H 2 —基と結合してアンモ ニゥムイ オンを形成する窒素含有化合物であって、 ピリ ジン
4 ジメチルァミ ノ ピリ ジン 2 4 6 —コ リ ジン
3 , 5 — コ リ ジン、 ト リ (飽和又は不飽和 C 3— C 8脂肪 族ヒ ド ロカルビル) ァミ ン、 及びキノ リ ンからなる群よ り選
ばれる窒素含有化合物を表し、
X -は、 ハロゲン化物イオンを表し、
k及び β は、 下記の条件を満足する整数である
1 0 ≤ k≤ 1 0 0 , 0 0 0 、 及び
1 0 ≤β ≤ 1 0 0 , 0 0 0 。 ) 、
(式中、
R 5は、 該重合体鎖の側鎖の C Η 2—基と結合してアンモ ニゥムイオンを形成する窒素含有化合物であって、 ピリ ジン
4 ジメチルァミ ノ ピリ ジン、 2 , 4 , 6 — コ リ ジン、 2 ,
3 , 5 — コ リ ジン、 ト リ (飽和又は不飽和 C 3 _ C j 8脂肪 族ヒ ドロカリレビル) ァミ ン、 及びキノ リ ンからなる群よ り選 ばれる窒素含有化合物を表し、
R 6は、 水素原子又は 一 C 3アルキル基を表し、
X—は、 ハロゲン化物イオンを表し、
Yは、 水素原子、 飽和又は不飽和 C ェ 一 C 5。脂肪族ヒ ド 口カルビル基、 飽和又は不飽和 C 一 C 5。脂肪族ヒ ドロ力 ルビロキシ基、 (飽和又は不飽和 C 1— C 5。脂肪族ヒ ドロ
カルビ口キシ) カルポニル基、 飽和又は不飽和 C C 5 0 脂肪酸残基、 C 6 — C 5。ァリ一ル基、 ベンジル基、 及 びカルボキシル基を表し、
m及び nは、 下記の条件を満足する整数である。
1 0 ≤ m≤ 1 0 0 , 0 0 0 、 及び
1 0 ≤ n 0 0 , 0 0 0 。 ) 、
(式中、 R 2及び R 3は、 式 ( 1 ) で定義した通りであ る。 ) 、 及び
(式中、 R 3は、 式 ( 1 ) で定義した通りである。 )
2 . 該式 ( 1 ) の第 4級アンモニゥム塩が、 下記式 ( 6 ) で 表される第 4級アンモニゥムク ロ ライ ド、 下記式 ( 7 ) で表 される第 4級アンモニゥムサルフエ一 ト、 及び下記式 ( 8 ) で表される第 4級アンモニゥムナイ ト レー トであり、
該式 ( 4 ) のポリマーが下記式 ( 9 ) で表されるポリ力
チオンであ り、 該式 ( 5 ) のポリマーが下記式 ( 1 0 ) で表されるポリ カチオンである、 こ とを特徴とする前項 1 に記載の微生物捕捉剤。
R、
R、 ,CH2CH2〇H
N+< CH3OSO3 (7)
、CH2CH2OH
(式中、
Rは、 飽和又は不飽和 C i一 C 5。脂肪族ヒ ドロカルビル
基、 水酸基を含有する、 飽和又は不飽和 一 C 5 Q脂肪族 ヒ ドロカルビル基、 C 6— C 5。ァリール基、 ベンジル基、 飽和又は不飽和 Cェ一 C 5 。脂肪酸残基、 又は飽和又は不飽 和脂肪酸エステル残基を表し
r 及び s は、 以下の関係を満足する整数である。
1 0 ≤ r ≤ 1 0 0 , 0 0 0 、 及び
1 0 ≤ s ≤ 1 0 0 , 0 0 0 。 )
3 . 該式 ( 2 ) の重合体を構成するモノ マ一の ( k : fi ) モ ル比が 5 : 9 5 〜 9 5 : 5 の範囲である ことを特徴とする前 項 1 に記載の微生物捕捉剤。
4 . 該式 ( 3 ) の重合体を構成するモノ マーの (m : n ) モ ル比が 5 : 9 5 〜 9 5 : 5 の範囲である ことを特徴とする前 項 1 に記載の微生物捕捉剤。
5 . 式 ( 2 ) のポリ マーの重量平均分子量が、 1 , 0 0 0〜 1 , 0 0 0 , 0 0 0 である ことを特徴とする前項 ;! 〜 3 のい ずれかに記載の微生物捕捉剤。
6 . 式 ( 3 ) のポリ マーの重量平均分子量が、 1 , 0 0 0〜 1 , 0 0 0 , 0 0 0である ことを特徴とする前項 1 、 2及び 4 のいずれかに記載の微生物捕捉剤。
7 . 少なく とも 2個のカルボキシル基を有する該化合物が、
エチレンジァミ ン四酢酸、 クェン酸、 ヒ ドロキシェチルェチ レンジアミ ン三酢酸、 ジヒ ドロキシェチルエチレンジアミ ン 二酢酸、 1 , 3 プロパンジァミ ン四酢酸、 ジエチレン ト リ ァ ミ ン五酢酸およびト リ エチレンテ ト ラミ ン六酢酸からなる群 よ り選ばれる少なく とも 1 種である前項 1 に記載の微生物捕 捉剤。
8 . 該ベンゾト リ アゾ一ル化合物が、 2 — ( 2 '—ヒ ドロキ シ— 5 '—メチルフエニル) ベンゾト リ アゾ一ル、 2 — ( 2 ' ーヒ ドロキシー 3 '— t ーブチルー 5 '—メチルフエニル) ― 5 —ク ロ 口べンゾト リ ァゾ一ル、 2 - ( 2 '—ヒ ドロキシー 5 ' _ t _ブチルフエニル) ベンゾト リ アゾ一ル、 2 - ( 2 ' ー ヒ ドロキシー 3 ', 5 '—ジ— t —ブチルフエニル) ベンゾ ト リ ァゾ一ル、 2 — ( 2 '—ヒ ドロキシ一 3 ' , 5 '—ジ一 t — ブチルフエニル) 一 5 —ク ロ口べンゾ ト リ アゾ一ル及び
( 2 '—ヒ ドロキシー 3 ' , 5 '—ジー t ーァミルフエニル) ベ ンゾ ト リ アゾ一ルからなる群よ り選ばれる少なく とも 1種の 化合物である こ とを特徴とする前項 1 に記載の微生物捕捉剤
9 . 該アミ ド化合物が、 式 ( 1 1 ) で表される N , N —ジ (ポリオキシエチレン) 置換アミ ド化合物である ことを特徴 とする前項 1 に記載の微生物捕捉剤。
(式中、
R 7は、 飽和又は不飽和 C ェ _ C 5。脂肪族ヒ ドロカルビル 基、 水酸基を含有する、 飽和又は不飽和 C i 一 C 5。脂肪族 ヒ ドロカルビル基、 C 6— C 5。ァリール基、 ベンジル基、 飽和又は不飽和 C 一 C 5。脂肪酸残基、 又は飽和又は不飽 和脂肪酸エステル残基を表し、
p及び qは、 以下の関係を満足する整数である。
1 0 ≤ p ≤ 1 0 , 0 0 0 、 及び
1 0 ≤ Q ≤ 1 0 , 0 0 0 。 )
1 0 . 前項 1 〜 9 のいずれかに記載の微生物捕捉剤を担持し てなる担体を含む微生物捕捉用複合体であって、 該微生物捕 捉剤の重量が該担体の重量に対して 0 . 0 0 1 〜 2 0重量% である こ とを特徴とする微生物捕捉用複合体。
1 1 . 該担体が、 繊維、 織物、 不織布、 膜、 中空糸および粒 子からなる群よ り選ばれる少なく とも一種である ことを特徴 とする前項 1 0 に記載の微生物捕捉用複合体。
1 2 . 該担体が、 ポリ エステル、 ポリ アク リル酸又はその誘 導体、 ポリ アミ ド、 ポリ塩化ビニリデン、 ポリ フッ化ビニリ デン、 ポリ ウ レタン、 多糖、 ポリ オキシアルキレン、 及びポ
リエチレンテレフ夕レー トからなる群よ り選ばれる少なく と も一種の化合物から製造されたものである こ とを特徴とする 前項 1 0 に記載の微生物捕捉用複合体。
1 3 . 該担体が、 微生物吸着能を有する担体である ことを特 徴とする前項 1 0 に記載の微生物捕捉用複合体。
1 4. 下記の工程 ( 1 ) 及び ( 2 ) を含むことを特徴とする 微生物の捕捉方法。
( 1 ) 前項 1 〜 9 のいずれかに記載の微生物捕捉剤を提 供する。
( 2 ) 該微生物捕捉剤を、 微生物を含有する液体又は気 体と接触させて、 該微生物を捕捉する。
1 5 . 下記の工程 ( 1 ) 及び ( 2 ) を含むこ とを特徴とする 微生物の捕捉方法。
( 1 ) 前項 1 0 〜 1 3 のいずれかに記載の微生物捕捉用 複合体を提供する。
( 2 ) 該微生物捕捉用複合体を、 微生物を含有する液体 又は気体と接触させて、 該微生物を捕捉する。
1 6 . 式 ( 1 2 ) で表される第 4級アンモニゥム塩。
CH3
7
7 . 式 ( 2 ) で表される第 4級アンモニゥム塩含有重合体
(式中、
R 4は、 該重合体鎖の側鎖の C H 2—基と結合してアンモ ニゥムイオンを形成する窒素含有化合物であって、 ピリ ジン
4 ジメチルァミ ノ ピリ ジン、 2 , 4 , 6 —コ リ ジン、 2
3 , 5 — コ リ ジン、 ト リ (飽和又は不飽和 C 3 _ C 8脂肪 族ヒ ドロカルビル) ァミ ン、 及びキノ リ ンからなる群よ り選 ばれる窒素含有化合物を表し、
X一は、 ハロゲン化物イオンを表し、
k及び β は、 下記の条件を満足する整数である。
1 0 ≤ k ≤ 1 0 0 , 0 0 0 、 及び
1 0 ≤ & ≤ 1 0 0 , 0 0 0 。 ) 。 以下本発明を詳細に説明する。 - 本発明において、 「ヒ ドロカルビル (hydrocarbyl) 基」 とは、 炭化水素に由来する 1価の基を表し、 この用語は
IUPAC (International Union of Pure and Applied
Chemistry (国際純正応用化学連合)) の命名法に従ったもの である。
本発明の微生物捕捉剤は、 少なく とも 2個のカルボキシル 基を有する化合物、 ベンゾ ト リ アゾ一ル系化合物、 アミ ド系 化合物、 非水溶性ァゾ化合物、 後述する特定の構造を有する 第 4級アンモニゥム塩、 及び後述する特定の構造を有する第 4級ア ンモニゥム塩含有重合体か らなる群よ り選ばれる少な く とも 1 種の化合物を含む。
本発明の微生物捕捉剤を用いる と、 微生物の活性状態を維 持したままで捕捉する こ とができる。 こ こで活性状態の微生 物とは、 例えば汚水浄化能力を有した状態の微生物 (即ち、 活性汚泥菌) の こ とをい う 。
少な く と も 2個の力ルポキシル基を有する化合物 (以後、 屡々 、 単に 「力ルポキシル基含有化合物」 と称す) と しては 例えば、 エチレンジァミ ン四酢酸、 クェン酸、 ヒ ド ロキシェ チルエチレンジァミ ン三酢酸、 ジヒ ド ロキシェチルエチレン ジァミ ン二酢酸、 1 , 3 プロパンジァミ ン四酢酸、 ジェチレ ン ト リ アミ ン五酢酸および ト リ エチレンテ ト ラ ミ ン六酢酸が 挙げられ、 好ま し く はクェン酸やエチレンジァミ ンである。
例えば、 クェン酸の場合、 クェン酸の微生物捕捉の機構は 必ずしも明 らかではないが、 排水や汚水中に存在する金属ィ オンに対してカルボキシル基が配位結合して金属イ オンを捕
捉し、 さ らにこの陽荷電を有する金属イオンを介し、 微生物 の細胞表面の負電荷と相互作用するものと推定される。 した がって、 金属イオンに対し、 力ルポキシル基が配位結合し得 る構造を有する化合物が優れた微生物捕捉効果を発揮する と 考えられる。
上記したよう に、 従来技術においては、 微生物捕捉剤は 非水溶性である ことが必要である と考えられていた。 本発明 者は、 本発明で用いる上記のカルボキシル基含有化合物は、 水溶性であるにもかかわらず、 上記のような化合物を担体に 担持してなる微生物捕捉用複合体は、 優れた微生物捕捉能を 発揮するのみならず、 そのような優れた微生物捕捉能を長時 間にわたって維持する ことが可能である こ とを見出した。 そ の理由は明らかではないが、 以下のようなことと考えられる 例えば、 上記のような微生物捕捉用複合体を用いて排水や汚 水中の微生物を捕捉する場合、 該複合体表面上に有機分子が 吸着し、 これによつて該複合体表面が変性される。 この変性 された複合体表面に微生物が吸着され、 担体上に吸着された 微生物に更に微生物が吸着する。 本発明の微生物捕捉剤を用 いた場合には、 微生物捕捉処理中に微生物捕捉剤が担体から 脱離しても、 処理開始後数日〜約一週間の微生物の吸着量
(初期吸着量) が多いため、 長時間にわた り優れた微生物捕 捉能を維持する こ とができる。
ベンゾ ト リ アゾール系化合物としては、 従来、 紫外線吸収
剤として使用されているものが挙げられる。 ベンゾト リ アゾ ール系化合物の具体例としては、 2 — ( 2 '— ヒ ドロキシ— 5 '—メチルフエニル) ベンゾト リ アゾ一ル , 2 ― ( 2 ' - ヒ ドロキシ一 3 ,一 t —ブチル一 5,ーメチルフエニル) 一 5 — ク ロ口べンゾ ト リ ァゾール, 2 — ( 2 '— ヒ ド ロキシー 5 '— t 一ブチルフエニル) ベンゾト リ アゾ一ル , 2 ― ( 2 ' ヒ ドロキシ一 3 ' , 5 '—ジー t 一ブチルフエニル) ベンゾト リ ァゾ一ル, 2 — ( 2 '— ヒ ドロキシー 3 ', 5 '—ジ一 t —プチ ルフエニル) 一 5 —ク ロ口べンゾ卜 リ アゾーリレおよび ( 2 ' — ヒ ドロキシー 3 ' , 5 '—ジ一 t —ァミルフエニル) ベンゾ ト リ ァゾールが挙げられ、 好ま しく は 2 — ( 2 ' —ヒ ドロキ シ一 3 ' — t 一プチルー 5 ' —メチルフエニル) — 5 —ク ロ 口べンゾト リ アゾ一ルなどが挙げられる。
ベンゾト リ アゾール系化合物は、 骨格分子であるベンゾ ト リ ァゾ一ルによる陽荷電部分と微生物の細胞表面の負電荷と が相互作用 しているものと推定される。
アミ ド系化合物の例と しては、 従来、 帯電防止剤と して使 用されているものが挙げられる。 アミ ド系化合物の好ましい 具体例としては、 式 ( 1 1 ) で示される N, N —ジ (ポリ オ キシエチレン) 置換アミ ドアミ ド化合物が挙げられる。
R¾ON^(CH2CH2°)pH (I D
、 <CH2CH2〇)qH
(式中、
R 7は、 飽和又は不飽和 C 一 C 5。脂肪族ヒ ドロカルビル 基、 水酸基を含有する、 飽和又は不飽和( ェ 一 C 5。脂肪族 ヒ ドロカルビル基、 C 6— C 5。ァリ一ル基、 ベンジル基、 飽和又は不飽和 C i 一 C 5。脂肪酸残基、 又は飽和又は不飽 和脂肪酸エステル残基を表し、
p及び Q は、 以下の関係を満足する整数である。
1 0 ≤ p≤ 1 0 , 0 0 0 、 及び
1 0 ≤ Q ≤ 1 0 , 0 0 0 。 ) 式 ( 1 1 ) で表される N, N —ジ (ポリオキシエチレン) 置換アミ ド化合物は、 構成成分中に R 7基における疎水性の 炭化水素部分と親水性のポリ オキシエチレン部分を有する こ とから界面活性効果を発揮する。 従って、 N, N —ジ (ポリ ォキシエチレン) 置換アミ ド化合物を担体表面に被覆した場 合、 疎水性担体表面における水との親和性を向上させる こと で微生物の初期吸着を促進し、 微生物を捕捉する ものと考え られる。
非水溶性 7ゾ化合物の例と しては、 従来、 ァゾ顔料と して 使用されているものが挙げられる。 ァゾ顔料に関しては、 ジ ァゾ成分やカ ップリ ング成分の組み合わせによ り黄、 橙、 赤 紫など幅広い色相の含量がある。 ァゾ顔料の具体例と しては フ ァス トエロー、 ジスァゾエロー、 ジスァゾオレンジ、 ナフ
トールレツ ドなどが挙げられる。
例えば、 非水溶性ァゾ化合物の一つであるジスァゾオレン ジはその分子中にジァゾ基およびィ ミダゾールを有する こ と から担体表面にジスァゾオレンジを被覆した場合、 捕捉材表 面は水中では正荷電を呈する。 その結果水中で負に帯電して いる微生物との間に静電相互作用が働き微生物を捕捉する と 考えられる。
本発明で用いることができる第 4級アンモニゥム塩は、 下 記式 ( 1 ) で表される化合物である。
R1 -N+ - -CH。 X" (1)
(式中、
R 1、 R 2及び R 3はそれぞれ独立して飽和又は不飽和 C , 一 C 5。脂肪族ヒ ドロカルビル基、 水酸基を含有する、 飽和 又は不飽和 C i— C 5。脂肪族ヒ ドロカルビル基、 C 6— C 5 。ァリール基、 4 — ピリ ジル基、 2 —ジメチルアミ ノエチル
、 2 ( N—ベンジルー N , N — ジメチルアンモニゥム) ェチル基、 ベンジル基、 飽和若しく は不飽和 C ェ— C 5。脂 肪酸残基、 及び飽和又は不飽和脂肪酸エステル残基からなる 群よ り選ばれる基を表し ; · X一は、 ハロゲン化物イオン、 アルキルスルホン酸イオン
芳香族スルホン酸イオン、 硫酸イオン及び硝酸イオンからな る群よ り選ばれるイオンを表す。 ) 。
式 ( 1 ) のアンモニゥム塩の R 1 R 2及び R 3はそれぞ . れ独立して飽和又は不飽和 C ェ一 C 2。脂肪族ヒ ドロカルビ ル基、 水酸基を含有する飽和又は不飽和 C ェ一 C 2。脂肪族 ヒ ド ロカルビル基、 C 6— C ェ 2ァリ一ル基、 4 — ピリ ジル 基、 2 —ジメチルアミ ノエチル基、 2 — ( N —ベンジルー N N —ジメチルアンモニゥム) ェチル基、 ベンジル基、 飽和又 は不飽和 C ェ一 C 2。脂肪酸残基、 若しく は飽和又は不飽和 脂肪酸エステル残基である ことが好まし く 、 飽和又は不飽和 C — C ェ 。脂肪族ヒ ドロカルビル基、 水酸基を含有する飽 和又は不飽和 C 一 C i 。脂肪族ヒ ドロカルビル基、 C 6— C i 2ァリール基、 4 一 ピリ ジル基、 2 —ジメチルアミ ノエチ ル基、 2 — ( N —ベンジル一 Ν , Ν —ジメチルアンモニゥ ム) ェチル基、 ベンジル基、 飽和又は不飽和 C 一 C i 。脂 肪酸残基、 若しく は飽和又は不飽和脂肪酸エステル残基であ る こ とがよ り好ましい。
式 ( 1 ) のアンモニゥム塩の X—は塩化物イオンであるこ とが好ましい。
また、 本発明で用いる こ とができる第 4級アンモニゥム 塩含有重合体は、 下記式 ( 2 ) 〜 ( 5 ) で表される重合体鎖 をそれぞれ有する重合体である。
(式中、
R 4は、 該重合体鎖の側鎖の C H 2 —基と結合してアンモ ニゥムイ オンを形成する窒素含有化合物であって、 ピ リ ジン 4 ージメ チルァミ ノ ピ リ ジン、 2, 4 , 6 — コ リ ジン、 2 , 3 , 5 — コ リ ジン、 ト リ (飽和又は不飽和 C 3— C ェ 8脂肪 族ヒ ドロカルビル) ァミ ン、 及びキノ リ ンか らなる群よ り選 ばれる窒素含有化合物を表し、
X一は、 ハロゲン化物イオンを表し、
k及び β は、 下記の条件を満足する整数である。
1 0 ≤ k≤ 1 0 0 , 0 0 0 、 及び
1 0≤ fl ≤ 1 0 0 , 0 0 0 。 ) 、
(式中、
R 5は、 該重合体鎖の側鎖の C H 2—基と結合してアンモ ゥムイオンを形成する窒素含有化合物であって、 ピリ ジン
4 ージメチルァミ ノ ピリ ジン、 2 , 4 , 6 —コ リ ジン、 2 ,
3 , 5 —コ リ ジン、 ト リ (飽和又は不飽和 C 3 — C ェ 8脂肪 族ヒ ドロカルビル) ァミ ン、 及びキノ リ ンからなる群よ り選 ばれる窒素含有化合物を表し、
R 6は、 水素原子又は C ェ 一 C 3アルキル基を表し、
X —は、 ハロゲン化物イオンを表し、
Yは、 水素原子、 飽和又は不飽和 C ェ — C 5。脂肪族ヒ ド 口カルビル基、 飽和又は不飽和 C ェ一 C 5。脂肪族ヒ ドロ力 ルビロキシ基、 (飽和又は不飽和 C ェ一 C 5 Q脂肪族ヒ ドロ カルビ口キシ) カルボ二ル基、 飽和又は不飽和 C 一 C 5。 脂肪酸残基、 C 6 —
C 5 。ァ リ ール基、 ベンジル基、 及び力ルポキシル基を表し m及び nは、 下記の条件を満足する整数である。
1 0 ≤ m≤ 1 0 0 , 0 0 0 、 及び
1 0 ≤ η≤ 1 0 0 , 0 0 0 。 ) 、
(式中、 R 2及び R 3は、 式 ( 1 ) で定義した通りであ る。 ) 、 及び
(5)
(式中、 R 3は、 式 ( 1 ) で定義した通 りである。 ) 。 式 ( 2 ) 中の R 4は、 ピ リ ジン、 4 ージメチルァミ ノ ピ リ ジン、 又は ト リ (飽和または不飽和 C 3— C 2脂肪族ヒ ド 口カルビル) ァミ ンである こ とが好ま しい。
式 ( 2 ) 中の X _は、 塩化物イ オンである こ とが好ま しい 式 ( 3 ) 中の R 5は、 ピ リ ジン、 4 ージメチルァミ ノ ピ リ ジン、 又は ト リ (飽和または不飽和 C 3— C ェ 2脂肪族ヒ ド 口カルビル) ァ ミ ンである こ とが好ま しい。
式 ( 3 ) 中の R 6は、 水素原子又はメチル基である こ とが 好ま しい。
式 ( 3 ) 中の X —は、 塩化物イ オンである こ とが好ま しい 式 ( 3 ) 中の Yは、 飽和又は不飽和 C i 一 C 2 。脂肪族ヒ ド ロカルビル基、 水酸基を含有する飽和又は不飽和 C ェ 一 C 2 。脂肪族ヒ ド ロカルビル基、 飽和又は不飽和 C 一 C 2 。脂 肪族ヒ ド ロカルビロキシ基、 (飽和又は不飽和 C ェ — C 2 0 脂肪族ヒ ド ロカルビ口キシ) カルボ二ル基、 飽和又は不飽和 C i 一 C 2 。脂肪酸残基、 C 6— C i 2ァ リ 一ル基、 ベンジル 基、 若し く は力ルポキシル基である こ とが好ま しい。
式 ( 4 ) 及び ( 5 ) における R 2及び R 3の好ま しい例と
しては、 式 ( 1 ) に関連して上記したものと同様である。 該式 ( 1 ) の第 4級アンモニゥム塩の好ましい例として は、 下記式 ( 6 ) で表される第 4級アンモニゥムク ロライ ド 下記式 ( 7 ) で表される第 4級アンモニゥムサルフェー ト、 及び下記式 ( 8 ) で表される第 4級アンモニゥムナイ ト レ一 トが挙げられ、
該式 ( 4 ) の重合体の好ましい例としては、 下記式
( 9 ) で表されるポリ カチオンが挙げられ、
該式 ( 5 ) の重合体の好ましい例としては、 下記式
( 1 0 ) で表されるポリカチオンが挙げられる。
R、 ,CH3
CI (6)
ゝ CH3
R\ /CH。CH2OH
〉N+ CH3OSO3 . (7)
CH( ぐ XCH2CH2OH
RCOOC3H6\ ,CH2CH2OH
NO (8)
CHc 、CH2CH2OH J
(式中、
Rは、 飽和又は不飽和 C 一 C 5 Q脂肪族ヒ ドロカルビル 基、 水酸基を含有する、 飽和又は不飽和 一 C 5。脂肪族 ヒ ドロカルビル基、 C 6— C 5。ァリ一ル基、 ベンジル基、 飽和又は不飽和 C ェ一 C 5 Q脂肪酸残基、 又は飽和又は不飽 和脂肪酸エステル残基を表し
r及び s は、 以下の関係を満足する整数である。
1 0 ≤ r ≤ 1 0 0 , 0 0 0 、 及び
1 0 ≤ s ≤ 1 0 0 , 0 0 0 。 ) 。 式 ( 6 ) ( 8 ) で表される第 4級アンモニゥム塩におい て、 好ま しい Rは飽和又は不飽和 C — C 5。脂肪族ヒ ドロ カルビル基、 水酸基を含有する、 飽和又は不飽和 C — C 5
0脂肪族ヒ ドロカルピル基、 C 6 C ^ 5; 0 nァリ ール基、 及びべ ンジル基であ り 、 更に好ま しい例は C i _ C 。脂肪族ヒ ド 口カルビル基、 水酸基を含有する、 飽和又は不飽和 一 C 0脂肪族ヒ ドロカルビル基、 C 6— C 2ァ リール基、 及び ベンジル基である。
式 ( 9 ) で表される第 4級アンモニゥム塩含有重合体とし
ては公知のものを用いる ことができ、 その具体例としては、
{ 2 - (メタク リ ロイルォキシ) ェチル } ト リ メチルアンモ ニゥムクロ リ ド (日本国、 三菱レイ ヨ ン (株) 製) が挙げら れる。 '
式 ( 1 0 ) で示される第 4級アンモニゥム塩含有重合体と しては公知のものを用いる ことができ、 その具体例としては ポリ塩化ジメチルメチレンピベリ ジ,ゥム (商品名 : PD- 5 0 ; 日本国、 旭電化工業 (株) 製) が挙げられる。
一般に、 第 4級アンモニゥム塩は、 官能基が正に帯電して いる。 一般に微生物の細胞表面は負に帯電している こ とから 考えて、 本発明で用いる第 4級アンモニゥム塩及び第 4級ァ ンモニゥム塩含有重合体は、 目的とする微生物表面と静電気 的な相互作用をしているものと推定される。 本発明で用いる 第 4級アンモニゥム塩及び第 4級アンモニゥム塩含有重合体 は、 ァミ ノ基の 4級化によ り次式で表せられる構造を有して いる ものが多い。
R 3 N + X - この 4級化ァミ ノ基の具体的な構造の例として以下の 3個 の構造が考えられる。
N
+X-
この 4級化ァミ ノ基が主体となって微生物の活性状態を維 持したままで捕捉する働きをしているものと考えられる。 し かし、 同様の 4級化アミ ノ基を含む化合物であっても、 本発 明の要件を満たさないもの、 例えば、 陽イオン型界面活性剤 である塩化べンゼトニゥム (Benzethonium Chloride) や、 塩化ベンザルコニゥム ( Benzalkonium Chloride) は、 通常 外皮用殺菌消毒剤と して用いられる ことからも、 4級化アミ ノ基は場合によっては殺菌作用を呈する ことが予想される。 このよう な殺菌作用を有する化合物は、 本発明の微生物捕捉 剤用途と して不適当である。 さ らに、 日本国特許 3 1 1 8 6 0 4号明細書に微生物吸着樹脂として記載されているポリ ビ ニルピリ ジニゥムハライ ド誘導体 (日本国特許 3 1 1 8 6 0 4号明細書) にも、 殺菌作用がある ことが報告されている ( J 0 e r g Ti l ler, Chun— Jen Liao, Kim Lewis, and Ale ander M. K 1 i b anov, Pr oc . Nat l . Acad. Sc i . U S A , 9 8 , 5 9 8 1 - 5 9 8 5 , 2 0 0 1 ) 。 一方、 本発明 で用いる第 4級アンモニゥム塩及び第 4級アンモニゥム塩含 有重合体は、 実施例に示すよう に微生物に対し殺菌作用が弱 く 、 且つ優れた捕捉作用を有する。
式 ( 2 ) 及び式 ( 3 ) で表される重合体鎖を有する第 4級 アンモニゥム塩含有重合体は、 重合開始剤存在下、 4 ー ビニ ルペンジルク ロ リ ド と、 塩化ビニリデン、 置換ビニル化合物
等、 例えば、 スチレン等とを加熱下で共重合させ、 その後、 これにピ リ ジン、 4 ー ジメチルァミ ノ ピ リ ジン、 3級有機ァ ミ ン等の塩基を作用させる こ とによ り 製造する こ とができる 式 ( 2 ) で表される重合体鎖を有する第 4級アンモニゥム 塩含有重合体は、 例えばモノマーと して 4 — ビニルベンジル ク ロ ライ ド ( 4 一 Vinyl benzyl chloride) および塩化ビニリ デン (Vinylidene chloride) を、 重合開始剤と して
AIBN (2, 2'-Azob i s isobu tyroni t r i le)ァゾビスイ ソプチロニ ト リ ルなどのラジカル開始剤を用いて共重合した後、 4 一 ビ 二ルペンジルク 口 ライ ドに対して約等モル量の上記の窒素含 有化合物 (例えば、 ピリ ジン) をエタ ノールなどの極性溶媒 中で反応させる こ とで得られる。 4 - ビエルベンジルク ロ ラ ィ ド と塩化ビニ リ デンとの共重合の際の反応条件と しては、 反応圧力が大気圧〜 2 0 気圧である こ とが好ま し く 、 大気圧 〜 1 0気圧である こ とが更に好ま し く 、 反応温度が一 8 0 〜 3 0 0 °Cである こ とが好まし く 、 一 2 0 〜 8 0 °Cである こ と が更に好ま しい。 上記の窒素含有化合物を反応させる際の反 応条件と しては、 反応圧力が大気圧〜 5気圧である こ とが好 ま し く 、 大気圧〜 2気圧である こ とが更に好ま しく 、 反応温 度が 0 〜 2 0 0 °Cである こ とが好ま し く 、 2 0 〜 1 0 0 °Cで ある こ とが更に好ま しい。
式 ( 3 ) で表される it合体鎖を有する第 4級アンモニゥム 塩含有重合体は、 例えばモノマ一と して 4 一 ビエルべンジル
ク ロ リ ドおよびスチレンを、 重合開始剤として A I などの ラジカル開始剤を用いて共重合した後、 4 一ビニルベンジル ク ロライ ドに対して約等モル量の上記の窒素含有化合物 (例 えば、 ピリ ジン) をエタノールなどの極性溶媒中で反応させ る ことで得られる。 4 一ビニルベンジルク ロライ ドとスチレ ンとの共重合の際の反応条件としては、 反応圧力が大気圧〜 1 0気,圧である ことが好ましく 、 大気圧〜 2気圧であるこ と が更に好ま しく 、 反応温度が 0 〜 2 0 0 °Cである ことが好ま しく 、 5 0 〜 1 5 0 °Cである ことが更に好ましい。 上記の窒 素含有化合物を反応させる際の反応条件としては、 反応圧力 が大気圧〜 5気圧である ことが好ましく 、 大気圧〜 2気圧で ある ことが更に好ましく 、 反応温度が 0 ~ 2 0 0 °Cである こ とが好まし く 、 2 0 〜 1 0 0 °Cである こ とが更に好ましい。 例えば、 式 ( 2 ) で表される重合体鎖を有する第 4級アン モニゥム塩含有重合体を構成するモノマー単位の数 kは、 1 0 ≤ k≤ 1 0 0 , 0 0 0 、 好ましく は 1 0 ≤ k≤ 1 0 , 0 0 0 、 よ り好ましく は 1 0 ≤ k≤ 5 , 0 0 0 、 β は、 1 0 ≤β ≤ 1 0 0 , 0 0 0 、 好ま しく は 1 0 ≤β ≤ 1 0 , 0 0 0 、 よ り好ましく は 1 0 ≤β ≤ 5 , 0 0 0 である。 4 一 ビニルベン ジルク ロ リ ドと塩化ピニリ デンとの比率、 すなわち、 k : β の割合は 5 : 9 5 〜 9 5 : 5 の範囲にあるのが好ましく 、 2 : 8 〜 9 : 1 がよ り好ま しい。 この範囲よ り も 4 — ビニル ベンジルク ロ リ ドの割合が少ないと十分に良好な微生物捕捉
性能が得られにく く 、 これよ り多いと得られる共重合体の水 溶性が高く なりすぎる傾向がある。
例えば、 式 ( 3 ) で示される本発明の重合体鎖を有する第 4級アンモニゥム塩含有重合体を構成するモノマ一単位の単 位の数 mは、 1 0 ≤m≤ 1 0 0 , 0 0 0 、 好ましく は 1 0 ≤ m≤ 1 0 , 0 0 0 、 よ り好ましく は 1 0 ≤m≤ 5 , 0 0 0 、 n は、 1 0 ≤ n≤ 1 0 0 , 0 0 0 、 好ましく は 1 0 ≤ n≤ l 0 , 0 0 0 、 よ り好ましく は 1 0 ≤ n≤ 5 , 0 0 0である。
4 — ビニルベンジルク ロ リ ド とスチレンとの比率、 すなわち m : nの割合は 5 : 9 5 〜 9 5 : 5 の範囲にあるのが好ま し く 、 2 : 8 〜 9 : 1 がよ り好ましい。 この範囲よ り も 4 ー ビ 二ルペンジルク ロ リ ドの割合が少ないと十分に良好な微生物 捕捉が得られにく く 、 これよ り多いと得られる共重合体が水 溶性の高いものとな りやすい。 '
式 ( 2 ) および ( 3 ) で表される第 4級アンモニゥム塩含 有重合体の重合度は、 好ましく は 1 0 0 以上 9 , 0 0 0 以下 である。 重合度が 1 0 0未満になると、 得られる重合体の水 溶性が増す傾向にあ り 、 9 , 0 0 0 を超える と有機溶媒に対 する溶解性が低下する。 この第 4級アンモニゥム塩含有重合 体の重量平均分子量は、 ポリスチレンを標準とする G P C分 析によれば、 1 , 0 0 0 〜 1 , 0 0 0, 0 0 0 が好ましく 、 有機溶媒に対する溶解性を考慮する と 1 , 0 0 0 〜 5 0 0 , 0 0 0 がよ り好ましい。 分子量が 5 0 0 , 0 0 0 を越えても
本発明の微生物捕捉効果は達成される。
式 ( 2 ) および ( 3 ) で示される第 4級アンモニゥム塩含 有重合体は、 そのポリマー骨格自体が化学的安定性に優れる ものの、 これだけでは微生物捕捉効果は十分に発揮されない ポリマー骨格に含まれるベンジルク ロ リ ドに対し、 種々の含 窒素化合物、 例えば、 ピリ ジン、 2 , 4 , 6 —コ リ ジン、 2 3 , 5 —コ リ ジン、 4 ージメチルァミ ノ ピリ ジン、 ト リ ェチ ルァミ ン、 ト リ プチルァミ ン等のアミ ン化合物を反応させて 第 4級アンモニゥム塩を構築する こ とによ り、 微生物捕捉効 果が十分に発揮きれる。
本発明の他の 1 つの態様によれば、 上記の微生物捕捉剤を 担持してなる担体を含む微生物捕捉用複合体であって、 該微 生物捕捉剤の重量が該担体の重量に対して 0 . 0 0 1 〜 2 0 重量%、 好ましく は 0 . 0 1 〜 1 0 重量%、 更に好ま しく は 0 . 0 1 〜 5 重量%である こ とを特徴とする微生物捕捉用複 合体が提供される。
上記式 ( 2 ) および ( 3 ) で表される第 4級アンモニゥム 塩含有重合体を、 添加または被覆して調製した微生物捕捉用 複合体表面は、 水相中においては、 陽荷電に帯電している も のと考え られる。 上記したよう に、 微生物の細胞表面は、 一 般的に負に帯電しており、 微生物ー微生物捕捉剤の間におけ る静電気的な相互作用を利用 し、 微生物を複合体表面に捕捉 する ことが可能となる (微生物細胞表面の状態については、
編集委員 : 森崎久雄、 大島広行および磯部賢治、 "バイオフ イルム"、 日本国 (株) サイエンスフォーラム発行 ( 1 9 9 8 ) 参照) 。 同様に細胞も複合体表面に捕捉する ことが可能 である。
本発明の微生物捕捉剤と して用いる こ とができる化合物は その大半が水分含量 2 0重量%以下の有機溶剤に可溶である この性質を利用 して、 上記化合物を、 エステル、 ェ一テル、 アルコール等の有機溶剤に溶解して溶液とする こ とができる このため、 本発明の微生物捕捉剤の溶液に各種の担体を含浸 させた り、 この溶液を担体に噴霧する こ となどによ り コーテ ィ ングを行う こ とによ り本発明の微生物捕捉用複合体を製造 する こ とができる。
また、 本発明の微生物捕捉剤が上記式 ( 2 ) 〜 ( 5 ) で現 される重合体を含む場合、 微生物捕捉剤自体を微生物捕捉用 担体製造のための素材あるいは基材と して用いることが可能 である。
上記の有機溶剤と しては T H F 、 D M F (ジメチルホルム アミ ド) 、 D M A (ジメチルァセ トアミ ド)などが好ま しく 、 その中でも沸点の低い T H Fが最も好ましい。
微生物捕捉用複合体の担体に用いる素材としては、 ポリ エ ステル系樹脂、 ポリ アミ ド系樹脂、 ポリ ウ レタン系樹脂、 ァ ク リル系樹脂、 ポリ塩化ビニリ デン、 ポリ フ ッ化ビ二リ デン ポリ オキシアルキレンポリ オキシアルキレン系化合物、 セル
ロース、 キチン等の天然多糖等が用い られる。 化合物の耐久 性や化学的安定性、 および水中に設置して使用する場合、 そ の化合物からなる繊維の比重が大きい方が速く沈むという点 からポリ塩化ビニリデンが好ましい。 しかし、 必ずしも これ らの素材にはと らわれる必要はなく 、 繊維、 織物、 編物、 不 織布、 膜、 中空糸、 粒子等、 微生物捕捉用複合体の形態を構 成できるものであればよい。
本発明の微生物捕捉剤を微生物捕捉用担体に付与する方法 としては、 微生物捕捉用担体を微生物捕捉剤溶液に含浸させ る方法、 微生物捕捉剤溶液を担体に噴霧などによ り コ一ティ ングする方法、 微生物捕捉剤を担体原料に混ぜて溶融し、 成 形する方法等が挙げられる。
本発明の微生物捕捉剤が付与された微生物捕捉用複合体の 形態としては、 繊維、 織物、 編物、 不織布、 膜、 中空糸、 粒 子、 およびそれらをもとにして構築された吸着担体があ り、 織物や編物の形態と して用いるのが好ましい。 上記の繊維は 通常、 繊維を単に纏めた集合体として用い、 例えば、 網目バ ッグ状やネッ ト状の容器に短繊維、 長繊維を詰めたり した形 態として用いる。
また、 本発明の微生物捕捉用複合体に用いる担体は、 微生 物吸着能を有する担体である ことが好ましい。 そのような担 体の例と してはポリ塩化ビニリデン、 及びポリ エチレンテレ フタ レー トなどが挙げられる。
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3 7 本発明の更に他の 1 つの態様によれば、 本発明の微生物捕 捉剤を、 微生物を含有する液体又は気体と接触させて、 微生 物を捕捉する方法が提供される。
上記の微生物を含む液体の例としては上水、 下水、 工業用 水、 廃水、 し尿などを挙げる こ とができ、 微生物を含む気体 の例としては無菌室、 ク リーンルーム、 病室、 手術室、 微生 物の育種栽培場、 医薬工場、 食品工場、 精密機械工場などに 使用する空気を挙げる こ とができる。
本発明の方法において用いる上記の微生物捕捉剤に関し ては、 既に説明した通りである。 具体的な微生物捕捉操作に 関しては、 公知の方法で行なう ことができる。 例えば、 本発 明の微生物捕捉剤が上記式 ( 2 ) 〜 ( 5 ) で表される重合体 の場合、 繊維状の重合体を用いて、 その繊維状の重合体を網 やボール状にして水中に沈めて微生物を捕捉する ことができ る。 詳細な捕捉操作に関しては 「水質浄化マニュアル一技術 と実例一」 ( 2 0 0 1 年、 日本国、 海文堂出版株式会社) な どの公知文献を参照する ことができる。
更に、 上記の本発明の微生物捕捉剤を担体に担持させて得 られる上記の微生物捕捉用複合体を、 微生物を含有する液体 又は気体と接触させて、 微生物を捕捉する こ ともできる。 この方法において用いる上記微生物捕捉用複合体に関しては 既に説明 した通りである。 具体的な微生物捕捉操作に関して は公知の方法で行う こ とができる。 該微生物捕捉用複合体の
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3 8 担体が繊維、 織物、 編物、 膜、 中空糸等の形態の場合には、 それらの繊維表面または膜表面に吸着させる方法、 不織布の 形態の場合には、 不織布表面または不織布内部において、 ろ 過によ り吸着する方法等がある。 この場合、 不織布内部にま で微生物が入り込み、 微生物を内部にまで吸着するので表面 積を有効に使う ことができる。 粒子形態の場合には、 粒子表 面または粒子内部に吸着する方法があ り、 カラム等に粒子を 充填して使用する こ とができる。 詳細な捕捉操作に関しては 「環境微生物工学研究法」 ( 1 9 9 3年、 日本国、 技報堂出 版株式会社) などの公知文献を参照する こ とができる。
上述したよう に、 本発明の微生物捕捉剤は、 それ単独で、 若しく は担体に担持させて微生物捕捉に用いる こ とができる さ らに、 担体として微生物吸着能を有するものを用いて、 該 担体の微生物吸着能を向上させるために用いる こ ともできる また、 上記の本発明の微生物捕捉用複合体は、 バイオリ アク 夕一やバイオセンサ一での使用を目的と して、 微生物、 菌体 の吸着担体等に利用する こ とができる。 またバイオリ アクタ 一用途と して、 細胞捕捉や細胞固定用に用いる こともできる 本発明の微生物捕捉剤を微生物捕捉用担体に付与するこ と によって得られる微生物捕捉用複合体は、 表面が、 水相およ び気相中において正に帯電する ことが可能となる。 したがつ て、 微生物の細胞表面が一般的に負に帯電している こ とを利 用 し、 微生物一材料表面の間における静電気的な相互作用を
利用して、 微生物を材料表面に捕捉する ことが可能となる。 微生物捕捉剤および微生物捕捉用複合体の捕捉対象である 微生物には、 細菌、 真菌、 藻類、 ウィルス、 活性汚泥菌、 脱 窒素菌等が含まれる。 さ らに細胞も捕捉対象と して含まれる 微生物については、 例えば日本国、 岩波書店 「岩波 生物 学事典 第 4版」 ( 2 0 0 2年 7 月 1 5 日第 4版 7刷発行) に収載されている生物分類表などの記載を参考にする。
細菌の例として、 通性嫌気性細菌群である
S t aohv 1 ococcus aureus (黄色ブドウ状球菌) 、 無胞子球菌 で通性嫌気性桿菌である腸内細菌科 (Enterobacteriaceae) の Bschericia Col i (大腸菌) 、 ビブリ オ科
(Vibrionaceae) の Vibrio c o 1 e r a e 、コ レラ菌) およひシ ユー ドモナス属 (Pseudomonas) 細菌の一種でグラム陰性好 気性である Pseudomonas aeruginosa (緑膿菌) などが挙げ られる。
真菌の例として、 不完全菌に属する Trichophytonや. Microsporumなどが挙げられる。 また一般にカ ビと呼ばれる ものも真菌であ り、 ク ラ ドスポリ ゥム属(Cladospori umu)の 黒カ ビ、 ァスペルギルス属(Aspergi 1 lus)、 ぺニシリ ウム属 (P e n i c i 1 i um)の青カビなどが挙げられる。
藻類の例として、 藍藻綱に属する Microcystis (ァォコ) や 0 s c i 11 a t 0 r i a (ュレモ) などが挙げられる。
ウィルスの例として、 細菌ウィルス (バクテリ オフ ァー
ジ) 、 Col i phage T4 (大腸菌フ ァージ T4) 、 Col i phage T7 (大腸菌フ ァージ T7) や Col i phage 1 amb d a (大腸菌フ ァー ジ lambda) および M 13大腸菌フ ァージなどが挙げられる。 活性汚泥菌の例として、 Zoogloeaおよび ramigeraなどが挙 げられる。
脱窒素細菌の例として、 Pseudomonas aeruginosa, L_ s t u t z e r i および Par acoccus deni tri f ic ns が挙けられる。
下水に代表される有機性の汚濁物質が含まれる廃水の処理 には活性汚泥法等が広く用い られるが、 微生物による これら の方法は、 有機性物質を効率よく 、 短時間に、 経済的に処理 できる方法として広く利用されている。 本発明の微生物捕捉 剤を用いる と、 水中の活性汚泥菌ゃ脱窒菌等の微生物を速や かに効率よく 吸着する ことができる。 そのために、 微生物に よる廃水の浄化をよ り高速に、 よ り効率よ く行う ことができ る。 特に、 活性汚泥菌ゃ脱窒菌等の微生物の初期吸着量増加 に著しい効果が期待される。 また、 本発明の微生物捕捉剤に よ り製造した微生物捕捉用複合体は、 時間が経過してもその 微生物捕捉能は低下しにく い。
本発明の微生物捕捉剤によ り製造した微生物捕捉用複合体 をバイオセンサーやバイオリ アクターと して用いた場合、 微 生物や細胞を生きたままの活性の高い状態で、 高い効率で捕 捉し固定化する こ とができる。 このため、 測定感度の向上、 さ らには、 これら菌体に含まれる酵素を働かせて反応生成物
を得たり 、 物質の選別を行ったりする こ とができ、 優れた生 体触媒機能を十分に活用するこ とができる。
本発明の更に他の 1 つの目的は、 上記式 ( 2 ) で表される 第 4級アンモン二ゥム塩含有重合体を提供する ことである。 この第 4級アンモン二ゥム塩含有重合体の具体的な構造及び その製造方法に関しては上記した通りである。 この第 4級ァ ンモン二ゥム塩含有重合体は、 微生物捕捉剤と して特に有用 な化合物である。
本発明の更に他の 1 つの目的は、 下記式 ( 1 2 ) で表さ れる第 4級アンモン二ゥム塩を提供する ことである。
上記式 ( 1 2 ) の第 4級アンモニゥム塩は、 上記式 ( 1 ) の 第 4級アンモニゥム塩の特に好ましい 1例であり、 微生物捕捉 剤として極めて有用である。 式 ( 1 2 ) で示される第 4級アン モニゥム塩は、 4ージメチルァミノ ピリジンと当モルあるいは 過剰量 (通常 1 〜 2当量) のべンジルクロライ ドを常圧下、 ェ 夕ノールなどの極性溶媒中で加熱下 (エタノール溶媒の場合 5 0 〜 8 0 °C ) で数時間〜数十時間反応させることで得られる。 反応点はピリジンの窒素原子ではなく、 ジメチルァミノ基の窒 素原子であることが NMR等により確認された。
発明を実施するための最良の形態
以下に挙げる参考例、 実施例及び比較例によ り本発明をよ り具体的に説明するが、 本発明はこれらによって何ら限定さ れるものではない。 次の実施例及び比較例における、 ファージ粒子数の測定及 び 6 6 0 n mの吸光係数の算出は以下のよう にして行った。
( 1 ) フ ァージ粒子数の測定方法
フ ァージ捕捉処理後の液を被検液とし、 その一部を取り リ ン酸緩衝液中にて希釈する。 被検液および希釈液各 5 0 β をそれぞれ L Β培地 (蒸留水に対して、 パク ト ト リプ ト ン 1 0 g /ΰ 、 酵母エキス 5 g Z£ 、 塩化ナ ト リ ウム 5 g Zfi を 加えて調製する) にて 3 7 °Cで一昼夜培養した大腸菌 J M 1 0 9 の培養液 2 0 0 a β に添加し、 得られた混合液を 3 7 °C にて 1 0分間静置する。 これら混合液を、 あ ら.かじめ溶解し 5 0 °Cに保温しておいた 3 m 1 の L B軟寒天培地 ( L B培地 中に 0. 7重量%になるよう に寒天を加えて調製する) に全 量移し、 L B寒天培地 (L B培地中に 1 . 5重量%になるよ う に寒天を加えて調製する) プレー トに重層する。 これらプ レー トを 3 7 °Cにて一昼夜培養し、 生じたプラークを計数す る。 被検液 1 m 1 中に残存するフ ァージ粒子数を求める。
( 2 ) 6 6 O n mにおける吸光係数 (PET不織布に捕捉され た菌体の量の評価)
菌体の付着した P E T不織布をメチレンブル一溶液に 2分 間浸漬して該菌体を染色し、 その後余分な色素を水洗によ り 除去し、 一定量の 1 0 % S D S (sodium dodecy 1 sulfate) 溶液を加えて色素を抽出し試料溶液とする。 吸光度測定にお ける対照液として上記 1 0 % S D S溶液を用いる。 U V— 1 6 0 A分光光度計 (日本国、 島津製作所製) を用い、 試料溶 液の 6 6 0 n mにおける吸光度を長さ 1 c mの石英セルを用 いて測定する。 下記の式に従い、 吸光度から 6 6 0 n mにお ける吸光係数を算出する。
1 og10 (Ι0/Ι) = ε cd
(式中、 I。 は入射光の強度であ り 、 I は透過光の強度であ り 、 ε は 6 6 0 n mにおける吸光係数であ り、 c は試料溶液の濃 度であ り 、 d は吸光度の測定に用いたセルの長さ ( c m) で ある。 ) 実施例 1
4 —ジメチルァミ ノ ピリ ジン ( 3 . 0 5 g、 2 5 mmol) とべ ンジルク ロ リ ド ( 3 . 1 6 g、 2 5 mmol) をェタノ一リレ 2 0 m 1 中、 常圧下 8 0 °Cで 1 5 時間反応させ、 その後反応液をエーテ ル中に加え生じた沈殿をェ一テルで洗浄し、 減圧下乾燥する こ とによ り化学式 ( 1 3 ) で示される第 4級アンモニゥム化合物
( 6 . 1 5 g、 2 4. 7 mmol) を得た。
C H 3
I
[ C 6 H 5 - C H 2 - N + - C 5 H 4 N ] C I
I
C H 3 ( 1 3 )
この化合物は、 テ ト ラメチルシランを標準とする D M S O (ジメチルスルフォキシ ド) 一 d 6溶媒による 1 H— N M R 分析によ り、 4 —ジメチルァミ ノ基の窒素原子がベンジル基
( C 6 H 5 - C H 2 - ) によ り 4級化されている こ とが確認 された。 また、 δ 3 . 1 9 にジメチルによる 2重線ピーク、 δ 5 . 4 8 にベンジルメチレンの単線ピークが観察された。 一方、 ポリエチレンテレフ夕 レー ト ( P E T ) (繊度 0 . 0 1 6 デシテッ クス) からなる不織布を 2 c m Φ に打抜いた 微生物捕捉用担体を得た。 この P E T不織布に、 上記第 4級 ア ンモニゥム化合物を溶解した T H F溶液 ( 1 O m g Z m 1 ) を 3 0秒含浸させた後、 室温で減圧下 1 時間乾燥して微 生物捕捉用複合体を得た。 また、 不織布に対する上記第 4級 アンモニゥム化合物の付着率 { (付着後の不織布の重量一付 着前の不織布の重量) / (付着前の不織布の重量) X 1 0 0 } は 1 . 0重量%であった。 この微生物捕捉用複合体を、 内径 2 c mのカラムに 3 2枚 積層充填した後、 ェシエリ キア コ リ (Escherichia Col Π を生理食塩水に 5 X I 0 8個/ m .1 の濃度に懸濁させた液を
4 5 m 1 Z h rの速度でカラムに通液した。 通液して得た濾 液中の生菌数を寒天平板混釈法 (第 1 4改正 日本薬局方
( The Japanese Pharmacopoeia Fourteenth Edition) 、 一 般試験法、 50. 微生物限度試験法に準拠して実施) によ り経 時的に測定し、 除菌率 { (除菌前溶液中の菌数ー除菌後溶液 中の菌数) Z除菌前溶液中の菌数) x l 0 0 } を求めた。 糸ポロ 果を表 1 に示す。 実施例 2
N, N, N', N'—テ ト ラメチルエチレンジァ ミ ン ( 2 . 3 2 g 2 0 mmol) とべンジルク ロ リ ド ( 7 . 5 9 g、 6 0 mmol) を エタノール 3 0 ml 中、 常圧下 8 0 °Cで 3 0 時間反応させ、 その後反応液をェ一テル中に加え生じた沈殿をエーテルで洗 浄し、 減圧下乾燥する ことによ り化学式 ( 1 4 ) で示される 第 4級アンモニゥム化合物 ( 6 . 8 0 g、 1 8 . 4 mmol) を 得た。
C H C H
[C 6H5- CH2-N + - CH CH?-N + - CH - C fiH ] 2 C 1
C H C H
( 1 4) の化合物は、 テ トラメチルシラ ンを標準とする D M S 〇
— d 6溶媒による 1 H— N M R分析によ り ジメチルァミ ノ基 がべンジル基によ り 4級化されている ことが確認された。 ま た、 δ 3 . 1 5 にジメチルによる 1 重線ピーク、 δ 4. 1 9 にエチレンによる 1 重線ピーク、 0 4. 7 6 にべンジルメチ レンによる 1 重線ピーク、 δ Ί . 5 3 〜 7 . 7 0 にフエニル による ピークが観察された。
一方、 P E T (繊度 0 . 0 1 6 デシテッ クス) からなる不 織布を 2 c m に打抜いた微生物捕捉用担体を得た。 この P E T不織布に、 上記第 4級アンモニゥム化合物を溶解した T H F溶液 ( 1 0 m g / m 1 ) を 3 0秒含浸させた後、 室温で 減圧下 1 時間乾燥して微生物捕捉用複合体を得た。 不織布に 対する第 4級アンモニゥム化合物 ( 1 4 ) の付着率は 1 . 0 重量%であった。
この微生物捕捉用複合体を、 内径 2 c mのカラムに 3 2枚 積層充填した後、 ェシエリ キア コ リ (Escherichia Col 0 を生理食塩水に 5 X I 0 8個 / m 1 の濃度に懸濁させた液を 4 5 m 1 Z h r の速度でカラムに通液した。 通液して得た濾 液中の生菌数を寒天平板混釈法によ り経時的に測定し、 除菌 率を求めた。 結果を表 1 に示す。 実施例 3
実施例 1 と同様の P E T不織布 (繊度 0 . 0 1 6デシテツ クス) に、 クェン酸を溶解した T H F溶液 ( 1 0 m g / m
1 ) を 3 0秒含浸させた後、 室温で減圧下 1 時間乾燥して微 生物捕捉材を得た。 不織布に対するクェン酸の付着率は 1 . 0重量%であった。
この微生物捕捉用複合体を、 内径 2 c mのカ ラムに 3 2枚 積層充填した後、 ェシエリキア コ リ (Escherichia Col i) を生理食塩水に 5 X I 0 8個 / m 1 の濃度に懸濁させた液を 4 5 m 1 Z h r の速度でカラムに通液した。 通液して得た濾 液中の生菌数を寒天平板混釈法によ り経時的に測定し、 除菌 率を求めた。 結果を表 1 に示す。 実施例 4
実施例 1 と同様の P E T不織布 (繊度 0 . 0 1 6デシテツ クス) に、 化学式 ( 1 5 ) で示される 2 — ( 2 '—ヒ ドロキ シ一 3 '— t —ブチル— 5 '—メチルフエニル) 一 5 —ク ロ口 ベンゾト リ アゾ一ル (商品名 : J F — 7 9 、 日本国、 城北化 学工業株式会社製) を溶解した T H F溶液 ( 1 O m g /m 1 ) を 3 0秒含浸させた後、 室温で減圧下 1 時間乾燥して、 微生物捕捉用複合体を得た。 不織布に対するベンゾ ト リ アゾ —ル誘導体 ( 1 5 ) の付着率は約 1 . 0重量%であった。
(15)
この微生物捕捉用複合体を内径 2 c mのカラムに 3 2枚積 層充填した後、 ェシエリ キア コ リ (Escherichia Col i) を 生理食塩水に 5 X 1 0
8個/ m 1 の濃度に懸濁させた液を、 4 5 m 1 / h r の速度でカラムに通液した。 通液して得た濾 液中の生菌数を寒天平板混釈法によ り経時的に測定し、 除菌 率を求めた。 結果を表 1 に示す。 実施例 5
実施例 1 と同様の P E T不織布 (繊度 0 . 0 1 6 デシテツ クス) に、 化学式 ( 9 ) で示されるポリ カチオン [ { 2 —
(メタク リ ロイルォキシ) ェチル } ト リ メチルアンモニゥム ク ロ リ ド (日本国、 三菱レイ ヨ ン (株) 製) ]を溶解した T H F溶液 ( l O m g Zm l ) を 3 0秒含浸させた後、 室温で 減圧下 1 時間乾燥して微生物捕捉用複合体を得た。 不織布に 対するポリ カチオン ( 9 ) の付着率は約 1 . 0 重量%であつ た。
この微生物捕捉用複合体を、 内径 2 c mのカ ラムに 3 2枚 積層充填した後、 ェシエリ キア コ リ (Escherichia Col i) を生理食塩水に 5 X I 0 8個/ m 1 の濃度に懸濁させた液を 4 5 m 1 / h r の速度でカ ラムに通液した。 通液して得た濾
液中の生菌数を寒天平板混釈法によ り経時的に測定し除菌率 を求めた。 結果を表 1 に示す。 実施例 6
4 ビニルベンジルク ロ リ ド ( 3 . 8 2 g、 2 5 mmol) と 塩化ピニリ デン ( 9 . 6 9 g、 1 0 0 mrao 1 ) を トルエン 2 0 m 1 に溶解 し、 AIBN ( 2, 2'-azobisisobutyroni trile) ( 4 l m g、 0 . 2 5 mmol) 存在下、 常圧 4 0 °Cで 1 5時間反応 し、 その後常圧 8 0 °Cで 1 5時間反応した。 反応液をェ夕ノ ールに加え生じた沈殿を減圧下乾燥し、 (塩化ビニリ デン Z 4 -ピニルベンジルク ロ リ ド) モル比が 3 Z 2 の割合で共重 合した化合物 ( 2 . 9 6 g ) を得た。 上記モル比は NMR によ り確認した。 次に、 4 -ビニルベンジルク ロ リ ドに対し等モ ル量のピリ ジン ( 1 . 9 8 g、 2 5 mmo 1) を加え、 ェタノ一 ル溶媒中、 常圧下 8 0 °Cで 1 5 時間反応し、 反応液をエーテ ルに加え生じた沈殿を減圧下乾燥し、 目的とする第 4級アン モニゥム塩含有重合体 ( 2 . 4 9 g ) を得た。
一方、 P E T (繊度 0 . 0 1 6 デシテックス) からなる不 織布を 2 c m φ に打抜いた微生物捕捉用担体を得た。 この P E T不織布に、 上記第 4級アンモニゥム塩含有重合体を溶解 した T H F溶液 ( 1 0 m g / m 1 ) を 3 0秒含浸させた後、 室温で減圧下 1 時間乾燥して、 微生物捕捉用複合体を得た。 不織布に対する ビニル系共重合体の付着率は 1 . 0重量%で
あった。
この微生物捕捉用複合体を、 内径 2 c mのカラムに 3 2枚 積層充填した後、 ェシエリ キア コ リ (Escherichia Col i) を生理食塩水に 5 X I 0 8個 Z m 1 の濃度に懸濁させた液を 4 5 m l / h r の速度でカ ラムに通液した。 通液して得た濾 液中の生菌数を寒天平板混釈法によ り経時的に測定し、 除菌 率を求めた。 結果を表 1 に示す。 実施例 7
4 -ビニルベンジリレク ロ リ ド ( 4 . 1 9 g、 2 7 . 5 mmo 1) とスチレン ( 2 . 6 0 g、 2 5画 1 ) を トルエン 2 0 m l に溶解し、 AIBN ( 4 1 m g、 0 . 2 5 mmo 1) 存在下、 常 圧 8 0 °Cで 1 5 時間反応した。 反応液をエタノールに加え生 じた沈殿を減圧下乾燥し、 ( 4 -ビニルベンジルク ロ リ ド Z スチレン) モル比が 3 Z 2 の割合で共重合した化合物 ( 1 . 6 5 g ) を得た。 上記モル比は NMRによ り確認した。 次に、 4 -ビニルベンジルク ロ リ ドに対し等モル量のピ リ ジン ( 2 1 8 g、 2 7 . 5 minol) を加え、 エタノール溶媒中、 常圧下 8 0 Cで 1 5 時間反応し、 反応液をエーテルに加え生じた沈 殿を減圧下乾燥し、 目的とする第 4級アンモニゥム塩含有重 合体 ( 2 . 6 6 g ) を得た。 これ以外は実施例 6 と同様にし て微生物捕捉用複合体を得た。
こ の微生物捕捉用複合体を実施例 1 と同様にしてカラムに
充填した後、 ェシエリキア コ リ (Escherichia Col i) を生 理食塩水に 5 X I 0 8個 Z m 1 の濃度に懸濁させた液を、 4 5 m 1 / h r の速度でカラムに通液した。 通液して得た濾液 中の生菌数を寒天平板混釈法によ り経時的に測定し、 除菌率 を求めた。 結果を表 1 に示す。 比較例 1
本発明の化合物を用いず、 実施例 1 で用いた微生物捕捉用 担体の P E T不織布のみをカラムに充填し、 これに、 ェシェ リ キア コ リ (Escherichia Coli) を生理食塩水に 5 X
1 0 8個 Zm l の濃度に懸濁させた液を、 4 5 m l Z h r の 速度でカラムに通液した。 通液して得た濾液中の生菌数を寒 天平板混釈法によ り経時的に測定し、 除菌率を求めた。 結果 を表 1 に示す。
表 1 力ゝら明 かなよう に、 実施例 1 、 2 、 3 、 4、 5 、 6 および 7 の微生物捕捉剤を付着させた Ρ Ε Τ不織布を用いた 微生物捕捉用複合体は、 菌の吸着力に優れ、 高い除菌率を示 した。 本発明の微生物捕捉剤を付着させていない比較例 1 の ものは、 菌の吸着力が弱く 、 しかも時間の経過と共に著しく 低下し、 わずか 1 0 %程度の除菌率しか示さなかった。
*VBC 4 一 ビニルベンジルク ロ リ ド VC 塩化ビニ リ デン S t スチレン
Col i Escherichia Co 1 i
実施例 8
実施例 1 〜 7 と同様の方法で得られた 2 c m d)の微生物捕 捉用複合体を、 それぞれ、 内径 2 c mのカラムに 3 2枚積層 充填した後、 スタフイ ロコッカス ァゥレウス
(Staphylococcus aureus) を生理食塩水に 3 X 1 0 8 M m 1 の濃度に懸濁させた液を、 6 0 m 1 / h r の速度でカラム に通液した。 通液して得た濾液中の生菌数を寒天平板混釈法 によ り経時的に測定し、 除菌率を求めた。 結果を表 2 に示す 比較例 2
本発明の微生物捕捉剤を用いず、 実施例 1 で用いた微生物 捕捉用担体の P E T不織布のみをカラムに充填し、 スタフィ ロコ ッカス ァゥレウス (Staphylococcus aureus) を生理 食塩水に 3 X 1 0 8個ノ m 1 の濃度に懸濁させた液を、 6 0 m 1 / h r の速度でカラムに通液した。 通液して得た濾液中 の生菌数を寒天平板混釈法によ り経時的に測定し、 除菌率を 求めた。 結果を表 2 に示す。
表 2から明らかなように、 実施例 1、 2、 3、 4、 5、 6お よび 7の微生物捕捉剤を付着させた P E T不織布を用いた微生 物捕捉用複合体は、 菌の吸着力に優れ、 良好な除菌率を示した が、 本発明の微生物捕捉剤を付着させていない比較例 2 のもの は、 菌の吸着力が弱く、 しかも時間の経過と共に著しく低下し わずか 1 0 %程度の除菌率しか示さなかった。
表 2
tn
fVBC 4 — ビニ レベ ンジルク ロ リ ド
VC 塩化 ビニ リ デン
S t スチレ ン
実施例 9
実施例 1 〜 7 と同様の方法で得られた 2 c m の微生物捕 捉用複合体を、 それぞれ、 内径 2 c mのカラムに 3 2枚積層 充填した後、 シユー ドモナス ァエルギノ一ザ ( P s e u d o m o n a s a e r u g i n o s a ) を生理食塩水に 6 X 1 0 8個/ m l の濃度に懸濁させた液を、 3 O m l / h r の 速度でカ ラムに通液した。 通液して得た濾液中の生菌数を寒 天平板混釈法によ り経時的に測定し、 除菌率を求めた。 結果 を表 3 に示す。 比較例 3
本発明の微生物捕捉剤を用いず、 実施例 1 で用いた微生物 捕捉用担体の P E T不織布のみをカラムに充填し、 シユー ド ' モナス ァエリレギノ一ザ J seudomonas aeruginosa) を生理 食塩水に 6 X I 0 8個 Z m 1 の濃度に懸濁させた液を、 3 0 m \ / r の速度でカ ラムに通液した。 通液して得た濾液中 の生菌数を寒天平板混釈法によ り経時的に測定し、 除菌率を 求めた。 結果を表 3 に示す。
表 3力、 ら明らかなよう に、 実施例 1 、 2 、 3 、 4、 5 、 6 および 7 の微生物捕捉剤を付着させた P E T不織布を用いた 微生物捕捉用複合体は、 菌の吸着力に優れ、 良好な除菌率を 示したが、 本発明の微生物捕捉剤を付着させていない比蛟例 3 のものは、 菌の吸着力が弱く 、 しかも時間の経過と共に著
しく低下し、 わずか 8 %程度の除菌率しか示さなかった。
表 3
fYBC 4 — ピニルベ ンジルク ロ リ ド
VC 塩化ビニ リ デン
S t スチ レ ン
実施例 1 0
実施例 1 、 2 、 3 、 5および 7 と同様の方法で製造した 2 πι φ の微生物捕捉用複合体を、 それぞれ、 内径 2 c mの力 ラムに 3 2 枚積層充填した後、 M 1 3バクテリ オフ ァージを 生理食塩水に 5 X 1 0 6粒子 Z m 1 の濃度に懸濁させた液を 4 0 m 1 / h r の速度でカラムに通液した。 通液して得た濾 液中のフ ァージ粒子数を上記の方法によ り経時的に測定し、 除去率を求めた。 結果を表 4 に示す。 比較例 4
本発明の微生物捕捉剤を用いず、 実施例 1 で用いた微生物 捕捉用担体の P E T不織布のみをカラムに充填し、 M l 3バ クテリオフ ァ一ジを生理食塩水に 5 X I 0 6粒子 Z m 1 の濃 度に懸濁させた液を、 4 0 m 1 / r の速度でカ ラムに通液 した。 通液して得た濾液中のフ ァージ粒子数を経時的に測定 し、 除去率を求めた。 結果を表 4 に示す。
表 4 .から明 らかなよう に、 実施例 1 、 2 、 3 、 5および 7 の微生物捕捉剤を付着させた P E T不織布を用いた微生物捕 捉用複合体は菌体に比べて微小なウィルスに対しても有効に 働く こ とが判つた。
表 4
CD
fVBC: 4 一 ビニルベンジルク ロ リ ド
St : スチ レン
実施例 1 1
実施例 1 〜 7 と同様の方法で得られた 2 c m ci) の微生物捕 捉用複合体を、 活性汚泥菌含有液に 1 4時間もしく は 4 8時 間浸漬し、 活性汚泥菌槽を 5 0 r p mの速度で往復振とう し た。 上記の微生物捕捉用複合体に付着した菌体をメチレンブ ルーで染色し、 吸光度 ( 6 6 0 n m ) を経時的に測定し、 付 '着量を求めた。 結果を表 5 に示す。 こ こで、 菌体付着量はメ チレンブルーの吸光度に比例し、 吸光度 ( 6 6 0 n m ) の数 値が高いほど菌体付着量が多いと判断する。 比較例 5
本発明の微生物捕捉剤を用いず、 実施例 1 で用いた P E T 不織布のみを、 活性汚泥菌含有液に 1 4時間もしく は 4 8時 間浸漬し、 活性汚泥菌槽を 5 0 r p mの速度で往復振とう し た。 上記の P E T不織布に付着した菌体をメチレンブルーで 染色し、 吸光度 ( 6 6 0 n m ) を経時的に測定し、 付着量を 求めた。 結果を表 5·に示す。
表 5 か ら明 らかなよう に、 実施例 1 〜 7 の微生物捕捉剤を 付着させて調製した P E T不織布を用いた微生物捕捉用複合 体は菌の捕捉力に優れるが、 本発明の微生物捕捉化合物を付 着させていない比較例 5 のものは菌の捕捉力が弱いこ とが分 かる。
表 5
fVBC 4 一 ビニルベ ンジルク ロ リ
VC 塩化 ビニ リ デン
S t スチ レ ン
実施例 1 2
微量ア ンモニアおよび硝酸含有廃液処理の検討のために、 実施例 1 〜 7 と同様の方法で製造した 2 ε πι φ の微生物捕捉 用複合体を、 脱窒素菌含有液に 1 4時間も しく は 4 8時間浸 漬し、 脱窒素菌槽を 5 0 r p mの速度で往復振とう した。 上 記の微生物捕捉用複合体に付着した菌体をメチレンブルーで 染色し、 吸光度 ( 6 6 0 n m ) を経時的に測定し、 付着量を 求めた。 結果を表 6 に示す。 こ こで、 菌体付着量はメチレン ブル一の吸光度に比例し、 吸光度 ( 6 6 0 n m ) の数値が高 いほど菌体付着量が多いと判断する。 比較例 6
本発明の微生物捕捉剤を用いず、 実施例 1 で用いた P E T 不織布のみを、 脱窒素菌含有液に 1 4時間もしく は 4 8 時間 浸漬し、 脱窒素菌槽を 5 0 r p mの速度で往復振とう した。 上記の P E T不織布に付着した菌体をメチレンブルーで染色 し、 吸光度 ( 6 6 0 n m ) を経時的に測定し、 付着量を求め た。 結果を表 6 に示す。
表 6か ら明らかなよう に、 実施例 1 〜 7 の微生物捕捉剤を 付着させて調製した P E T不織布 'を用いた微生物捕捉用複合 体は菌の捕捉力に優れるが、 本発明の微生物捕捉剤を付着さ せていない比較例 6 のものは菌の捕捉力が弱いことが分かる ,
表 6
CO
4 一 ビニルベンジルク ロ リ ド
VC 塩化ビニリ デン
S t スチレン
実施例 1 3
4 -ビニルベンジルク ロ リ ド ( 3 . 8 2 g、 2 5 mmol) と 塩化ビニリ デン ( 1 2 . 1 2 g、 1 2 5 mmo 1 ) および A I BN
( 4 1 m g、 0 . 2 5 mmol) を実施例 6 と同様の条件下で反 応させ、 4 -ビニルベンジルクロ リ ド と塩化ビニリデンとが モル比 1 Z 1 の割合で共重合した化合物を得た。 上記モル比 は NMRによ り確認した。 次に、 4 -ビニルベンジルク ロ リ ド に対し等モル量のピリ ジンで 4級化処理して第 4級アンモニ ゥム塩含有重合体を得た。
一方、 ポリエチレンテレフタ レ一 ト ( P E T ) (繊度 0 . 0 1 6 デシテッ クス) からなる不織布を 2 c m φ に打抜いた 微生物捕捉用担体を準備した。
P E T不織布に、 上記第 4級アンモニゥム塩含有重合体を 溶解した T H F溶液 ( 1 0 m g Z m 1 ) を 3 0秒含浸させた 後、 室温で減圧下 1 時間乾燥して、 不織布に対するビニル系 共重合体の付着率が約 1 . 0重量%の微生物捕捉用複合体を 作成した。
この微生物捕捉用複合体を、 内径 2 c mのカラムに 3 2枚 積層充填した後、 ェシエリキア コ リ (Escherichia Col i) を生理食塩水に 5 X I 0 8個/ m 1 の濃度に懸濁させた液を 4 5 m 1 / h r の速度でカラムに通液した。
通液して得た濾液中の生菌数を寒天平板混釈法を用いて経 時的に測定し、 除菌率を求めた。 結果を表 7 に示す。
比較例 Ί
本発明の第 4級アンモニゥム塩含有重合体を用いず、 実施 例 1 3 で用いた P E T不織布のみをカラムに充填し、 これに ェシエリ キア コ リ (Escherichia Col i) を生理食塩水に 5 X I 0 8個/ m l の濃度に懸濁させた液を、 4 5 m 1 / h r の速度でカラムに通液した。 通液して得た濾液中の生菌数を 経時的に測定し、 除菌率を求めた結果を表 7 に示す。 実施例 1 4
4 _ビニルベンジルク ロ リ ド ( 3 . 8 2 g、 2 5 mraol) と 塩化ビニリ デン ( 1 6 . 9 6 g、 1 7 5 mmol) および AIBN
( 4 1 m g、 0 . 2 5 mmol) を実施例 6 と同様の条件下で反 応させ ( 4 -ピニルベンジルク ロ リ ドノ塩化ビニリデン) モ ル比が 2 / 3 の割合で共重合した化合物を得た。 上記モル比 は NMRにより確認した。 次に、 4 -ビニルベンジルクロ リ ド に対し等モル量のピリ ジンで 4級化処理してなる第 4級アン モニゥム塩含有重合体を用いたこと以外は、 実施例 1 3 と同 様にして微生物捕捉用複合体を得た。
この微生物捕捉用複合体を実施例 1 3 と同様にしてカラム に充填した後、 ェシエリ キア コ リ (Escherichia Col i) を 生理食塩水に 5 X I 0 8個/ m 1 の濃度に懸濁させた液を、 4 5 m 1 / h r の速度でカラムに通液し、 濾液中の生菌数を
経時的に測定した結果を表 7 に示す。
表 7 から明らかなよう に、 実施例 1 3および 1 4の微生物 捕捉剤 (第 4級アンモニゥム塩含有重合体) を付着させた P E T不織布を用いた微生物捕捉用複合体は、 菌の捕捉力に優 れ、 高い除菌率を示したが、 本発明の微生物捕捉剤を付着さ せていない比較例 7 のものは、 菌の捕捉力が弱く 、 しかも時 間の経過と共に著しく低下し、 わずか 1 0 %程度の除菌率し か示さなかった。
0301322
67
表 7
*VBC 4 一 ビニルベ ンジルク ロ リ ド
VC 塩化 ビニ リ デン
Έ. Col i Escherichia Co 1 i
実施例 1 5
実施例 1 3 と同様の方法で得られた 2 c m φ の微生物捕捉 用複合体を、 内径 2 c mカラムに 3 2枚積層充填した後、 ス タフイ ロコ ッカス ァゥ レウス (Staphylococcus aureus) を生理食塩水に 3 X I 0 8個/ m 1 の濃度に懸濁させた液を 6 O m l Z h r の速度でカラムに通液した。 通液して得た濾 液中の生菌数を経時的に測定し、 除菌率を求めた。 結果を表 8 に示す。 実施例 1 6
実施例 1 3 と同様の方法で得られた 2 c m φの微生物捕捉 用複合体を、 内径 2 c mのカラムに 3 2 枚、 積層充填した後 シユー ドモナス ァエルギノーザ (Pseudomonas
aeruginosa) を生理食塩水に 6 X 1 0 8個 Zm 1 の濃度に懸 濁させた液を、 3 0 m 1 / h r の速度でカラムに通液した。 通液して得た濾液中の生菌数を経時的に測定し、 除菌率を求 めた。 結果を表 8 に示す。
表 8から明らかなよう に、 菌の種類にかかわらず、 本発明 の微生物捕捉剤を用いた微生物捕捉用複合体は良好な菌の捕 捉カを示した。 .
表 8
実施例 1 3 と同様の方法で得られた 2 c m φ の微生物捕捉 用複合体を、 内径 2 c mのカラムに 3 2枚、 積層充填した後 M l 3ノ クテリ オフ ァージを生理食塩水に 5 X I 0 6粒/ m 1 の濃度に懸濁させた液を、 4 0 m 1 / h r の速度でカラム に通液した。 通液して得た濾液中のファージ粒子数を経時的 に測定し、 除去率を求めた。 結果を表 9 に示す。 比較例 8
実施例 1 と同様の P E T不織布を用い、 これを実施例 1 7 と同じく 2 c m <i)の大きさに打抜き、 これを内径 2 c mの力 ラムに 3 2 枚、 積層充填した後、 M 1 3バクテリオファージ を生理食塩水に 5 X 1 0 6粒 Zm l の濃度に懸濁させた液を 4 0 m 1 / h r の速度でカラムに通液した。
通液して得た濾液中の粒子数を経時的に測定し、 除去率を 求めた。 結果を表 9 に示す。 ' 表 9から、 本発明の微生物捕捉剤を用いた微生物捕捉用複 合体が、 菌体に比べて微小なウィルスに対しても有効に働く こ とがわかる。
表 9
4一ビニルベンジリレク ロ リ ド ( 3 . 8 2 g、 2 5 mmol) と 塩化ビニリ デン ( 3 3 . 9 3 g、 3 5 0 mmol) および AIBN
( 4 1 m g 、 0 . 2 5 mmol) を実施例 6 と同様の条件下で反 応させ ( 4 -ビニルベンジルク ロ リ ド Z塩化ビニリデン) モ ル比 1 Z 4 の割合で共重合した化合物を得た。 上記モル比は NMR によ り確認した。 次に、 これを 4 -ビニルベンジルクロ リ ドに対し等モル量のピリ ジンで 4級化処理して第 4級アン モニゥム塩含有重合体を得た。 得られた第 4級アンモニゥム 塩含有重合体を用いたこと以外は、 実施例 1 3 と同様にして 微生物捕捉用複合体を得た。
この微生物捕捉用複合体を実施例 1 3 と同様にしてカラム に充填した後、 ェシエリキア コ リ (Escherichia Col i) を
生理食塩水に 5 X I 0 8個 / m 1 の濃度に懸濁させた液を、 4 5 m l Z h r の速度でカラムに通液し、 濾液中の生菌数を 経時的に測定し、 除菌率を求めた。 結果を表 1 0 に示す。
表 1 0から本発明の微生物捕捉剤の原料物質である 4 ー ビ 二ルペンジルク ロ リ ド と塩化ビニリ デンの割合によつて、 微 生物捕捉用複合体の微生物の捕捉力に差が生じることが判つ た。 表 1 0
fYBC : 4一ビニルベンジルク ロ リ ド
VC : 塩化ビニ リ デン
実施例 1 9
4ービニリレベンジゾレク ロ リ ド ( 3 . 8 2 g、 2 5 mmol) と 塩化ビニリデン ( 2 . 1 2 g、 1 2 5 mmol) および AIBN
( 4 1 m g、 0 . 2 5 mmol) を実施例 6 と同様の条件下で反 応させ、 4 -ビニルベンジルク ロ リ ドと塩化ビニリデンとが モル比 1 Z 1 の割合で共重合した化合物を得た。 組成比は NMR によ り確認した。 次に、 4 -ビニルベンジルク ロ リ ドに 対し等モル量のピリ ジンで 4級化処理して第 4級アンモニゥ ム塩含有重合体を得た。
一方、 ポリ エチレンテレフ夕 レー ト ( P E T ) (繊度 0 . 0 1 6 デシテックス) からなる不織布を 2 c m φ に打抜いた 微生物捕捉用担体を準備した。
P E T不織布に、 上記第 4級アンモニゥム塩含有重合体を 溶解した T H F溶液 ( l O m g Zm l ) を 3 0秒含浸させた 後、 室温で減圧下 1 時間乾燥して、 不織布に対するビニル系 共重合体の付着率が約 1 . 0重量%の微生物捕捉用複合体を 作成した。
この微生物捕捉用複合体を、 活性汚泥菌含有液に 1 4時間 もしく は 4 8時間浸漬し、 活性汚泥菌槽を 5 0 r p mの速度 で往復振と う した。 上記の微生物捕捉用複合体に付着した菌 体をメチレンブルーで染色し、 吸光度 ( 6 6 0 n m) を経時 的に測定し、 付着量を求めた。 結果を表 1 1 に示す。 比較例 9
本発明の微生物捕捉剤を用いず、 実施例 1 3 で用いた P E T不織布のみを、 活性汚泥菌を懸濁させた液に浸漬し、 活性 汚泥菌槽を 5 0 r p mの速度で往復振とう した。 上記の微生 物捕捉用複合体に付着した菌体をメチレンブルーで染色し、 吸光度 ( 6 6 0 n m ) を経時的に測定し、 付着量を求めた。 結果を表 1 1 に示す。 実施例 2 0
4一ビニルベンジルク ロ リ ド ( 3 . 8 2 g、 2 5 mmol) と 塩化ビニリデン ( 1 6 . 9 6 g、 1 7 5 ramol) および AIBN
( 4 1 m g、 0 . 2 5 mmo〖) を実施例 6 と同様の条件下で反 応させ ( 4 -ビニルベンジルク ロ リ ド /塩化ビニリデン) モ ル比が 2 Z 3 の割合で共重合した化合物を得た。 上記モル比 は NMR によ り確認した。 次に、 4 -ビニルベンジルク ロ リ ド に対し等モル量のピリ ジンで 4級化処理して、 第 4級アンモ 二ゥム塩含有重合体を得た。 得られた第 4級アンモニゥム塩 含有重合体を用いたこ と以外は、 実施例 1 9 と同様にして微 生物捕捉用複合体を得た。
この微生物捕捉用複合体を実施例 1 9 と同様にして活性汚 泥菌含有液に 1 4時間も しく は 4 8 時間浸漬し、 活性汚泥菌 槽を 5 0 r p mの速度で往復振と う した。 上記の微生物捕捉 用複合体に付着した菌体をメチレンブルーで染色し、 吸光度
( 6 6 0 n m ) を経時的に測定し、 付着量を求めた。 結果を
表 1 1 に示す。
表 1 1 から明 らかなよう に、 実施例 1 9 および 2 0 の微生 物捕捉剤を付着させた P E T不織布を用いた微生物捕捉用複 合体は、 菌の捕捉力に優れるが、 本発明の微生物捕捉剤を付 着させていない比較例 9 のものは、 菌の捕捉力が弱いことが 分かる。 表 1 1
*VBC : 4 一 ビニルベンジルク ロ リ ド
VC: 塩化ビニリ デン 実施例 2 1
4 -ビニルベンジルク ロ リ ド ( 7 . 0 4 g、 4 6 mmol) と スチレン ( 4. 8 0 g、 4 6 mmol) を トルエン 2 0 m l に溶 解し、 M BN ( 7 2 m g、 0 . 4 4 mmo 1 ) 存在下、 常圧 8 0 °C で 1 5時間反応した。 反応液をエタノールに加え生じた沈殿
を減圧下乾燥し、 4 -ビニルベンジルク ロ リ ドとスチレンと がモル比 1 Z 1 の割合で共重合した化合物 ( 5 . 9 8 g ) を 得た。 組成比は NMR によ り確認した。 次に、 4 -ビニルベン ジルク ロ リ ドに対し等モル量のピリ ジン ( 3 . 6 3 g '、 4 6 mmol) を加え、 エタノール溶媒中、 常圧下 8 0 °Cで 1 5 時間 反応し、 反応液をエーテルに加え生じた沈殿を減圧下乾燥し 目的とする第 4級アンモニゥム塩含有重合体 ( 7 . 3 0 g ) を得た。
一方、 ポリ エチレンテレフ夕 レー ト ( P E T ) (繊度 0 . 0 1 6デシテッ クス) からなる不織布を 2 c m φ に打抜いて 微生物吸着用担体を得た。
P E T不織布に、 上記第 4級アンモニゥム塩含有重合体を 溶解した T H F溶液 ( 1 0 m g m 1 ) を 3 0秒含浸させた 後、 室温で減圧下 1 時間乾燥して、 不織布に対する第 4級ァ ンモニゥム塩含有重合体の付着率が約 1 . 0質量%の微生物 捕捉用複合体を得た。
この微生物捕捉用複合体を、 内径 2 c mのカ ラムに 3 2 枚 積層充填した後、 ェシエリ キア コ リ (Escherichia Col i) を生理食塩水に 5 X 1 0 8個/ m 1 の濃度に懸濁させた液を 4 5 m 1 / r の速度でカラムに通液した。
通液して得た濾液中の生菌数を寒天平板混釈法を用いて経 時的に測定し、 除菌率を求めた。 結果を表 1 2 に示す。
比較例 1 0
本発明の第 4級アンモニゥム塩含有重合体を用いず、 実施 例 2 1 で用いた P E T不織布のみをカ ラムに充填し、 これに ェシエリキア コ リ (Escherichia Col i) を生理食塩水に 5 X I 0 8個 Z m 1 の濃度に懸濁させた液を、 .4 5 m 1 / h r の速度で力 ラムに通液した。 通液して得た濾液中の生菌数を 経時的に測定し、 除菌率を求めた。 結果を表 1 2 に示す。 実施例 2 2
4一ビニルベンジリレク ロ リ ド ( 6 . 1 0 g、 4 0 mmo 1 ) と スチレン ( 6 . 2 5 g、 6 0 mmol) を トルエン 6 0 ml に溶 解し AIBN ( 8 2 m g、 0 . 5 mmo 1 ) 存在下、 常圧 8 0 °Cで 1 5時間反応させ ( 4 -ビニルベンジルクロ リ ド /スチレ ン) モル比が 2 / 3 の割合で共重合した化合物 ( 7 . 2 3 g ) を得た。 上記モル比は NMR によ り確認した。 次に、 4 - ビニルベンジルク ロ リ ドに対し等モル量のピリ ジンで 4級化 処理して第 4級アンモニゥム塩含有重合体を得た。 得られた 第 4級アンモニゥム塩含有重合体を用いたこ と以外は、 実施 例 2 1 と同様にして微生物捕捉用複合体を得た。
この微生物捕捉用複合体を実施例 2 1 と同様にしてカラム に充填した後、 ェシエリキア コ リ (Escherichia Col i) を 生理食塩水に 5 X 1 0 8個/ m 1 の濃度に懸濁させた液を、 4 5 m 1 / r の速度でカラムに通液し、 濾液中の生菌数を
経時的に測定した。 結果を表 1 2 に示す。
表 1 2から明 らかなよう に、 実施例 2 1 および 2 2 の微生 物捕捉剤を付着させた P E T不織布を用いた微生物捕捉用複 合体は、 菌の吸着力に優れ、 高い除菌率を示したが、 本発明 の微生物捕捉樹脂を付着させていない比較例 1 0 のものは、 菌の捕捉力が弱く、 しかも時間の経過と共に著しく低下し、 わずか 1 0 %程度の除菌率しか示さなかった。 表 1 2
*VBC 4 — ビニルベ ンジルク ロ リ ド
S t スチ レ ン
Col i Escherichia Co 1 i
実施例 2 3
実施例 2 1 と同様の方法で得られた 2 c m φ の微生物捕捉 用複合体を、 内径 2 c mのカラムに 3 2枚積層充填した後、 スタフイ ロコ ッカス ァゥレウス (Staphylococcus aureus) を生理食塩水に 3 X 1 0 8個 Zm 1 の濃度に懸濁さ せた液を、 6 0 m 1 / h r の速度でカラムに通液した。 通液 して得た濾液中の生菌数を経時的に測定し、 除菌率を求めた 結果を表 1 3 に示す。 実施例 2 4
実施例 2 1 と同様の方法で得られた 2 c m φ の微生物捕捉 用複合体を、 内径 2 c mのカラムに 3 2枚積層充填した後、 シユー ドモナス ァエリレギノーサ ( Ps eudomonas
aeruginosa) を生理食塩水に 6 X 1 0 8個 / m 1 の濃度に懸 濁させた液を、 3 0 m l / h r の速度でカラムに通液した。 通液して得た濾液中の生菌数を経時的に測定し、 除菌率を求 めた。 結果を表 1 3 に示す。
表 1 3 から明 らかなよう に、 菌の種類にかかわらず、 本発 明の微生物捕捉剤を用いた微生物捕捉用複合体は良好な菌の 捕捉力を示した。
表 1 3
実施例 2 5
実施例 2 1 と同様の方法で得られた 2 c m φの微生物捕捉 用複合体を、 内径 2 c mのカラムに 3 2枚積層充填した後、
M l 3バクテリ オファ一ジを生理食塩水に 5 X 1 0 6粒子 Z m 1 の濃度に懸濁させた液を、 4 0 m 1 / h r の速度でカラ ムに通液した。 通液して得た濾液中のフ ァージ粒子数を経時 的に測定し、 除菌率を求めた。 結果を表 1 4 に示す。 比較例 1 1
T/JP03/01322
81
実施例 2 1で用いたものと同様の P E T不織布を用い、 こ れを実施例 2 5 と同じく 2 c m <i)の大きさに打抜き、 これを 内径 2 c mのカラムに 3 2枚積層充填した後、 M l 3パクテ リオフ ァ一ジを生理食塩水に 5 X 1 0 6粒子 Zm l の濃度に 懸濁させた液を、 4 0 m l / h r の速度でカラムに通液した 通液して得た濾液中の粒子数を経時的に測定し、 除菌率を 求めた。 結果を表 1 4に示す。
表 1 4から、 本発明の微生物捕捉剤を用いた微生物捕捉用 複合体が、 菌体に比べて微小なウィルスに対しても有効に働 く ことがわかる。
表 1 4 実施例 2 5 比較例 1 1 捕捉剤の含浸 有 り 無し
ウィルスの種類 Bacteriophage B a c t e r i oPh age
M 1 3 M 1 3
ウィルス 粒子数
(粒子/ m 1 ) 5 x 1 0 s 5 x 1 0 6
1 時間後の通液中の
ウィルス 粒子数
(粒子/ m 1 ) 1 . 1 1 0 4 2 . 9 x 1 0 6 除去率
( % ) 9 9 . 7 8 4 2 . 0 0
実施例 2 6
4ービニリレベンジリレク ロ リ ド ( 3 . 0 5 g、 2 0 mmol) と スチレン ( 8 . 3 3 g、 8 0 mmol) を トルエン 6 0 lid に溶 解し AIBN ( 8 2 m g、 0 . 5 mmol) 存在下、 常圧 8 0 °Cで 1 5 時間反応させ、 ( 4 -ビニルベンジルク ロ リ ド /スチレ ン) モル比が 1 Z 4 の割合で共重合した化合物 ( 6 . 2 8 g ) を得た。 上記のモル比は NMRによ り確認した。 次に、 4 -ビニルベンジルクロ リ ドに対し等モル量のピリ ジンで 4 級化処理して、 第 4級アンモニゥム塩含有重合体を得た。 得 られた第 4級アンモニゥム塩含有重合体を用いたこと以外は 実施例 2 1 と同様にして微生物捕捉用複合体を得た。
この微生物捕捉用複合体を実施例 2 1 と同様にしてカラム に充填した後、 ェシエリキア コ リ (Escherichia Col i) を 生理食塩水に 5 X 1 0 8個 Z m 1 の濃度に懸濁させた液を、 4 5 m l / h r の速度でカ ラムに通液し、 濾液中の生菌数を 経時的に測定し、 除菌率を求めた。 結果を表 1 5 に示す。 実施例 2 7
4ービニリレベンジルク ロ リ ド ( 6 . 8 7 g、 4 5 mmol) と メタク リル酸メチル ( 5 . 5 1 g、 5 5 fflmol) を トルエン 6 0 ml に溶解し AIBN ( 8 2 m g、 0 . 5 mmol) 存在下、 常圧 8 0 °Cで 1 5時間反応させ、 ( 4 -ビニルベンジルク ロ リ ド Zメタク リル酸メチル) モル比が 2 Z 3 の割合で共重合した
化合物 ( 6 . 4 3 g ) を得た。 上記のモル比は NMRによ り確 認した。 次に、 4 -ビニルベンジルク ロ リ ドに対し等モル量 のピリ ジンで 4級化処理して第 4級アンモニゥム塩含有重合 体を得た。 得られたを用いたこ と以外は、 実施例 2 1 と同様 にして微生物捕捉用複合体を得た。
この微生物捕捉用複合体を実施例 2 1 と同様に してカ ラム に充填した後、 ェシエリ キア コ リ (Escherichia Co 1 i) を 生理食塩水に 5 X I 0 8個/ m 1 の濃度に懸濁させた液を、 4 5 m l / h r の速度でカ ラムに通液し、 濾液中の生菌数を 経時的に測定し、 除菌率を求めた。 結果を表 1 5 に示す。
表 1 5 か ら、 本発明の微生物捕捉剤の原料物質である 4 — ビニルベンジルク ロ リ ド と ビニルモノ マーの割合によつ て、 微生物捕捉用複合体の微生物の捕捉力に差が生じる こ とが'判 つた。 尚、 表 1 5 か ら、 ビニルモノ マー成分を変更しても、 良好な捕捉力を持つ微生物捕捉剤が得られる こ とがわかる。
表 1 5
実施例 2 1 と同様の方法によ り 、 4 -ビニルベンジルク 口 リ ド とスチレンがモル比 1 : 1 の割合で共重合した化合物を 得た。 次に、 4 -ビニルベンジルク ロ リ ド に対し等モル量の ピ リ ジンで 4級化処理して、 目的とする第 4級アンモニゥム 塩含有重合体を得た。
一方、 ポリ エチレンテレフタ レー ト ( P E T) (繊度 0.
1322
85
0 1 6 デシテックス) からなる不織布を 2 c m φ に打抜いた 微生物吸着用担体を得た。
P E T不織布に、 上記第 4級アンモニゥム塩含有重合体を 溶解した T H F溶液 ( 1 0 m g /m l ) を 3 0秒含浸させた 後、 室温で減圧下 1 時間乾燥して、 不織布に対するビニル系 共重合体の付着率が約 1 . 0質量%の微生物捕捉用複合体を 得た。
この微生物捕捉用複合体を、 活性汚泥菌含有液に 1 4時間 もし く は 4 8 時間浸漬し、 活性汚泥菌槽を 5 0 r p mの速度 で往復振とう した。 上記の微生物捕捉用複合体に付着した菌 体をメチレンブル一で染色し、 吸光度 ( 6 6 0 n m) を経時 的に測定し、 付着量を求めた。 結果を表 1 6 に示す。 比較例 1 2
本発明の微生物捕捉剤 (第 4級アンモニゥム塩含有重合 体) を用いず、 実施例 2 1 で用いた P E T不織布のみを、 活 性汚泥菌含有液に 1 4時間もしく は 4 8時間浸漬し、 活性汚 泥菌槽を 5 0 r p mの速度で往復振とう した。 上記の微生物 捕捉用複合体に付着した菌体をメチレンブルーで染色し、 吸 光度 ( 6 6 0 n m ) を経時的に測定し、 付着量を求めた。 結 果を表 1 6 に示す。 実施例 2 9
実施例 2 2 と同様の方法によ り、 ( 4 -ビエルベンジルク ロ リ ド Zスチレン) モル比が 2 Z 3 の割合で共重合した化合 物を得た。 次に、 4 -ビニルベンジルク ロ リ ドに対し等モル 量のピリ ジンで 4級化処理して、 目的とする第 4級アンモニ ゥム塩含有重合体を得、 更に実施例 2 8 と同様にして微生物 捕捉用複合体を得た。
この微生物捕捉用複合体を実施例 2 8 と同様にして活性汚 泥菌含有液に 1 4時間もしく は 4 8 時間浸漬し、 活性汚泥菌 槽を 5 0 r p mの速度で往復振とう した。 上記の微生物捕捉 用複合体に付着した菌体をメチレンブルーで染色し、 吸光度 ( 6 6 0 n m ) を経時的に測定し、 付着量を求めた。 結果を 表 1 6 に示す。
表 1 6 から明 らかなよう に、 実施例 2 8 および 2 9 の微生 物捕捉剤を付着させた P E T不織布を用いた微生物捕捉用複 合体は、 菌の捕捉力に優れるが、 本発明の微生物捕捉樹脂を 付着させていない比較例 1 2 のものは、 菌の捕捉力が弱いこ とがわかる。
実施例 2 8 実施例 2 9 比較例 1 2 捕捉剤の含浸 有 り 有 り 共重合体組成比
( V B C / S t ) * 1 / 1 2 / 3
4時間後の不織布への
活性汚泥菌の付着量
( U V 6 6 0 n m ) 1 . 8 1 3 1 . 7 2 2 0 . 0 6 3
4 8 時間後の不織布へ
の活性汚泥菌の付着量
( U V 6 6 0 n m ) 1 . 8 9 5 1 . 8 0 3 0 . 0 7 5 fVBC: 4 一 ビニルベ ンジルク ロ リ ド
St : スチ レ ン
実施例 3 0
実施例 1 3および実施例 1 4 と同様の方法によ り、 それぞ れ ( 4 -ビニルベンジルク ロ リ ド /塩化ビニリデン) モル比 が 2ノ 3 の割合で共重合した化合物及び上記モル比が 1 / 1 の割合で共重合した化合物を得た。 次に、 4 -ビエルべンジ ルク ロ リ ドに対し等モル量のピリ ジンで 4級化処理して、 目 的とする第 4級アンモニゥム塩含有重合体として化合物 1 6 (上記モル比が 2 3での生成物) 及び化合物 1 7 (上記モ ル比が 1 Z 1での生成物) ) を得た。
一方、 ポリエチレンテレフ夕 レー ト ( P E T ) (繊度 0. 0 1 6デシテッ クス) からなる不織布を 2 c m Φに打抜いた
P T /舅超 22
88 微生物吸着用担体を得た。
P E T不織布に、 上記第 4級アンモニゥム塩含有重合体を 溶解した T H F溶液 ( l O m g /m l ) を 3 0秒含浸させた 後、 室温で減圧下 1 時間乾燥して、 不織布に対するビニル系 共重合体の付着率が約 1 . 0質量%の微生物捕捉用複合体を 得た。
この微生物捕捉用複合体を、 脱窒素菌含有液に 1 4時間も しく は 4 8 時間浸漬し、 脱窒素菌槽を 5 0 r p mの速度で往 復振とう した。 上記の微生物捕捉用複合体に付着した菌体を メチレンブルーで染色し、 吸光度 ( 6 6 0 n m) を経時的に 測定し、 付着量を求めた。 結果を表 1 7 に示す。 実施例 3 1
実施例 2 1 及び実施例 2 2 と同様の方法によ り、 それぞれ ( 4 -ビニルベンジルク ロ リ ド /スチレン) モル比 2 / 3及 び 1 / 1 の割合で共重合した化合物を得た。 次に、 4 -ビニ ルペンジルク ロ リ ドに対し等モル量のピリ ジンで 4級化処理 して、 目的とする第 4級アンモニゥム塩含有重合体と して化 合物 1 8 (上記モル比が 2 Z 3 での生成物) 及び化合物 1 9 (上記モル比が 1 Z 1 による生成物) を得、 その後、 実施例 3 0 と同様にして微生物捕捉用複合体を得た。
この微生物捕捉用複合体を実施例 3 0 と同様にして脱窒素 菌含有液に 1 4時間も しく は 4 8 時間浸漬し、 脱窒素菌槽を
5 0 r ; p mの速度で往復振とう した。 上記の微生物捕捉用複 合体に付着した菌体をメチレンブルーで染色し、 吸光度 ( 6
6 0 n m ) を経時的に測定し、 付着量を求めた。 結果を表 1 7 に示す。 比較例 1 3
本発明の微生物捕捉剤を用いず、 実施例 3 0で用いた P E T不織布のみを、 脱窒素菌含有液に 1 4時間もしく は 4 8時 間浸漬し、 脱窒素菌槽を 5 0 r p mの速度で往復振とう した 上記の微生物捕捉用複合体に付着した菌体をメチレンブルー で染色し、 吸光度 ( 6 6 0 n m ) を経時的に測定し、 付着量 を求めた。 結果を表 1 7 に示す。 こ こで、 菌体付着量はメチ レンブル一の吸光度に比例し、 吸光度 ( 6 6 0 n m ) の数値 が高いほど菌体付着量が多いと判断する。
表 1 7 から明 らかなよう に、 実施例 3 0および実施例 3 1 の微生物捕捉剤を付着させた P E T不織布を用いた微生物捕 捉用複合体は、 比較例 1 3 に比べ脱窒素菌の捕捉力に優れる が、 その中でも実施例 3 0 の本発明の微生物捕捉剤を付着さ せた微生物捕捉用複合体は実施例 3 1 の微生物捕捉剤を付着 させた微生物捕捉用複合体よ り も脱窒素菌の捕捉力に優れる こ とが分かる。 さ らに微生物捕捉剤を付着させていない比較 例 1 3 のものは、 菌の捕捉力が弱いことがわかる。
表 1 7
o
^BC 4 一 ビニルベンジルク ロ リ
VC 塩化ビニリ デン
VP 4 ー ビニルピ リ ジン
S t スチ レ ン
実施例 3 2
実施例 2 0 で得られた第 4級アンモニゥム塩含有重合体を 用い、 単軸押出機によ り押出温度 1 8 0 °Cで紡口よ り溶融紡 出し、 冷水機.で急冷した後、 温度差口一ラーで 4倍延伸して 断面円形の直径約 1 0 0 / mの単糸 1 0 本よ りなる繊維を得 た。 この繊維を長さ 5 0 c m、 5 0本の束にして微生物捕捉 用繊維束を得た。 得られた微生物捕捉用繊維束を活性汚泥菌 含有液に浸漬し、 活性汚泥菌槽を 5 0 r p mの速度で往復振 とう した。 6 8 時間経過後、 微生物捕捉用繊維束を常圧下、 1 0 5 °Cで 3時間乾燥させ、 微生物捕捉用繊維束に付着した 菌体量の乾燥重量を測定した。
微生物捕捉用繊維束への菌体付着量は、 微生物捕捉用繊維 束の単位繊維重量当たり の菌体付着量で計算した。 比較例に 対する菌体付着量を 1 0 0 %と した場合における菌体の吸着 量で評価した。 その結果を表 1 8 に示す。
菌体付着量の算出方法 :
{ (菌体付着後の繊維束乾燥重量 -菌体付着前の繊維束乾燥 重量) /菌体付着前の繊維束乾燥重量 } X 1 0 0 比較例 1 4
市販のポリ塩化ビニリデンよ り なる素材 (登録商標、 サラ ンラ ップ ; 日本国、 旭化成株式会社製) を用い、 上記実施例 3 2 と同様の手法で溶融紡出し、 断面円形の直径約 1 0 0
mの単糸 1 0本よ りなる繊維を得た。 この繊維を長さ 5 0 c m、 5 0本の朿にして実施例 3 2 と同様の手法で菌体付着量 を測定した。
微生物捕捉用繊維束への菌体付着量は、 微生物捕捉用繊維 束の単位繊維重量当たり の菌体付着量で計算した。 比較例に 対する菌体付着量を 1 0 0 %とした場合における菌体の吸着 量で評価した。 その結果を表 1 8 に示す。 実施例 3 3
実施例 3 2で得られた繊維を長さ 5 0 c m、 5 0本の束に して脱窒菌懸濁液に浸漬し、 脱窒菌槽を 5 0 r p mの速度で 往復振と う した。 6 8 時間経過後、 微生物捕捉用繊維束に付 着した菌体量の乾燥重量を常圧下、 1 0 5 °Cで 3 時間乾燥さ せ、 微生物捕捉用繊維束に付着した菌体量の乾燥重量を測定 した。
微生物捕捉用繊維束への菌体付着量は、 微生物捕捉用繊維 束の単位繊維重量当た り の菌体付着量で計算した。 比較例に 対する菌体付着量を 1 0 0 %と した場合における菌体の吸着 量で評価した。 その結果を表 1 8 に示す。
表 1 8 から明らかなよう に、 実施例 3 2 で示される微生物 捕捉繊維は活性汚泥菌および脱窒菌の捕捉に優れた効果を発 揮した。
比較例 1 5
市販のポ リ塩化ビニリデン (登録商標、 サラ ンラッ プ ; 日 本国、 旭化成株式会社製) を用い、 これを上記実施例 3 2 と 同様の手法で溶融紡出し、 断面円形の直径約 1 0 0 /i mの単 糸 1 0 本よ り なる繊維を得た。 この繊維を長さ 5 0 c m、 5 0 本の束に して実施例 3 3 と同様の手法で菌体付着量を測定 した。
微生物捕捉用繊維束への菌体付着量は、 微生物捕捉用繊維 束の単位繊維重量当た り の菌体付着量で計算した。 比較例に 対する菌体付着量を 1 0 0 % と した場合における菌体の吸着 量で評価した。 その結果を表 1 8 に示す。
表 1 8
* V B C : 4 —ビニルベンジルク ロ リ ド
V C : 塩化ビニリ デン
産業上の利用可能性
本発明の微生物捕捉剤は、 優れた微生物捕捉能を有する のみならず、 そのような優れた微生物捕捉能を長時間維持で きるので、 水処理における水中の微生物の捕捉並びに気相中 の微生物の捕捉に有効に用いる こ とができる。 さ らに、 本発 明の微生物捕捉剤は、 有機溶媒及び/又は含水有機溶媒に可 溶なため、 該微生物捕捉剤の溶液を用いて、 該捕捉剤が担持 されてなる担体を含む微生物捕捉用複合体を容易に製造する ことができる。 本発明の微生物捕捉剤を用いて微生物捕捉用 複合体を製造する と、 微生物捕捉用複合体の微生物捕捉能を 左右する微生物捕捉用複合体の単位重量当 り の表面積を、 担 体を適宜選択する こ とによ り、 自由に設定する ことができ、 所望の微生物捕捉能を備えた微生物捕捉用複合体を得る こ と ができる。 本発明の微生物捕捉剤を用いた微生物捕捉用複合 体は、 バイオリ アクターおよびバイオセンサーにおける微生 物及び 菌体の保持担体等として有利に用いる こ とができる