明細書 ヒト SGLT ホモログプロモ一夕一およびその用途 技術分野
本発明は遺伝子発現用新規プロモー夕一およびその用途に関する。具体的には、 ヒト SGLT ホモログ遺伝子のプロモータ一領域を含有する D N A、当該 D N Aで形 質転換された形質転換体、 ヒト SGLTホモログプロモータ一活性を促進または阻害 する化合物またはその塩のスクリーニング方法などに関する。 背景技術
グルコースが細胞内外を移行するには、 細胞膜上に糖輸送担体と呼ばれる膜夕 ンパクが必要である。
グルコースの輸送担体は、 受動輸送担体である促通拡散型グルコーストランス ポー夕一 (GLUT)と Na+イオン輸送と共役することでグルコースを濃度勾配に逆ら つて輸送する能動輸送担体である Na+/グルコーストランスポ一ター (SGLT)に大 別される。 GLUTは、 8種類のァイソフォームが存在し、 分子量約 5万の細胞膜を 12 回貫通する共通構造を有している。
SGLT は、 分子量 7. 5万の細胞膜を 14回貫通する共通構造を有している。
日本臨床 55, 1997、 増刊号、 糖尿病 I、 59-64には SGLT1および 2の機能や発現 部位が概説されている。
ヒト SGLT1 は、 小腸、 腎臓に特異的に発現しグルコースに対して高親和性で輸 送能は小さく、 ヒト SGLT2 は、 腎臓特異的に発現しグルコースに対して低親和性 で輸送能は大きい事が知られている。 SGLTは、 グルコースの小腸からの吸収と、 腎臓から一旦尿中に排出されたダルコ一スを再吸収する役割を担っている。
糖尿病モデルラットにおいて、 SGLTを阻害することで、 腎臓におけるダルコ一 スの再吸収を抑制し、 尿中にグルコースを排出することで血糖を降下する作用が 示されている。 (Di abetes 48 : 1794-1800, 1999)
これまで、 滕 ]3細胞、 肝細胞では、 受動輸送担体である GLUT2 が主に発現して
いると考えられてきた。 GLUT2 はグルコースに対する低い親和性と高い最大輸送 能を特徴とする。 滕 /3細胞では、 血糖値に応じてグルコースを取り込み、 ダルコ キナーゼと共にグルコース濃度依存性のィンスリン分泌作用を示すためのダルコ ースセンサーとして機能していると考えられている。 肝細胞では、 細胞内外のグ ルコース濃度勾配に従って、 食後高血糖時には血中グルコースを細胞内に取り込 み、 空腹時にはグリコーゲン分解、 あるいは糖新生によって細胞内で作られたグ ルコースを血中に放出する糖輸送担体として機能している。
ヒト SGLT1は、小腸細胞において消化管ホルモンである GLP- 2の作用で細胞内か ら膜表面に移行し、 糖取 り込み活性が 3倍に増加する とい う報告 (Am. J. Phys i o l . 273 R1965-R1 971 , 1997)がある。 発明の開示 .
現在使用されているインスリン分泌促進薬 (SU剤) は、 塍 細胞の KATPチャネル を閉鎖することにより、 血糖値に関わらず強制的にインスリンを分泌させる。 従 つて、 血糖コントロールが難しく低血糖を起こしたり、 過剰なインスリン分泌に より肥満を誘発したりする副作用があると考えられている。 また、 平均して 10年 で薬が効かなくなる SU剤の二次無効と呼ばれる現象が起きるが、 滕 0細胞に疲弊 を起こすのが原因とも考えられている。
SGLTホモログ機能を賦活化することにより、塍 /3細胞への糖取り込みを促進し、 血糖値依存性のインスリン分泌を亢進することが期待できる。 また、 SGLT機能の 賦活化薬には、 現在使用されているインスリン分泌促進薬 (SU剤) の前記副作用 は起きないものと期待される。
肝細胞においては、 GLUT2が空腹時は肝臓から血中へグルコースを放出するのに 対して、 SGLTホモログは細胞内外のグルコース濃度勾配に関わらず血中から肝臓 への糖取り込みを促進するものと考えられ、 肝臓から血中への糖放出を抑制する ことが期待でき、 糖尿病患者に認められる空腹時高血糖を低血糖などの副作用を 起こさずに抑制することが期待できる。
さらに、 SGLT阻害薬は、 腎臓からの糖の再吸収を抑制することで血糖を下げる ことができ、 肝臓への糖取り込みを抑制することで脂肪合成を抑制することが期
待できる。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ヒト SGLTホモログ遺伝子発現作用物質を 探索するスクリ一エング方法の確立を目指して、ヒト SGLTホモログゲノム遺伝子 を取得することに成功した。この遺伝子を PCR処理してヒト SGLTホモログをコ一ド している構造遺伝子の上流部分 2.3kb DNAを取得し、 下流にレポ一夕一遺伝子 としてルシフェラーゼ遺伝子を連結したプラスミド DNAを構築し、該 DNAで 形質転換された HepG2細胞でのルシフェラーゼ活性を測定することにより、ヒト SGLTホモログ構造遺伝子上流部分 2.3kb DNAに、ヒト SGLTホモログプロモータ —を見出すことが出来た。 さらに詳細な解析の結果、 ヒト SGLTホモログの発現を 制御していると思われるレギュレーター配列を見いだした。
本発明者らは、これらの知見に基づきさらに研究した結果、本発明を完成した。 すなわち本発明は、
(1) ヒト SGLT ホモログのプロモ一夕一領域を含有する DNA、
(2) ヒト SGLTホモログのレギユレ一夕一配列を含むプロモータ一領域を含有す る DNA、
(3) レギュレーター配列が PPRE (Peroxisome Prol iferator Response Element) を含有する配列である上記 (2) 記載の DNA、
(4) PPREを含有する配列が配列番号: 5で表される塩基配列の第 1334番目ない し第 1339番目の塩基配列を含有する配列である上記 (3) 記載の DNA、
(5) レギュレーター配列が HNF4 (Hepatocyte Nuclear Factor 4) 結合配列を含 有する配列である上記 (2) 記載の DNA、
(6) HNF4結合配列を含有する配列が配列番号: 5で表される塩基配列の第 1720 番目ないし第 1731番目の塩基配列を含有する配列である上記(5)記載の DNA、
(7) レギユレ一ター配列が IsllUslet 1)を含有する配列である上記 (2) 記載 の DNA、
(8) Isll (Islet 1) 結合配列を含有する配列が配列番号: 5で表される塩基配 列の第 687番目ないし第 692番目または第 2149番目ないし第 2154番目の塩基配列を 含有する配列である上記 (7) 記載の DNA、
(9) レギユレ一夕一配列が HNF5 (Hepatocyte Nuclear Factor 5) 結合配列を含
有する配列である上記 (2) 記載の DNA、
(10) HNF5結合配列を含有する配列が配列番号: 5で表される塩基配列の第 1123 番目ないし第 1128番目の塩基配列を含有する配列である上記(9)記載の DNA、
(1 1) プロモー夕一領域が配列番号: 5の第 1番目ないし第 2254番目で表され る塩基配列またはその一部を含有する塩基配列である上記 (1) または (2) 記 載の DNA、
(1 ) ヒト SGLTホモログが配列番号: 14で表わされるアミノ酸配列と同一も しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩である上 記 (1) または (2) 記載の DNA、
(13) 上記 (1) または (2) 記載の DNAを含有する組換えべクタ一、
(14) ヒト SGLTホモログのプロモーター領域の発現制御下に構造遺伝子を有す る DNAを含有する上記 (1 3) 記載の組換えべクタ一、
(1 5) 上記 (14) 記載の組換えベクターで形質転換された形質転換体、
(16) 上記 (1 5) 記載の形質転換体を用いることを特徴とするヒト SGLTホモ ログプロ ΐ—夕一活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリ一ニン グ方法、
(17) 上記 (1 5) 記載の形質転換体を用いることを特徴とする糖取り込みを 促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(18) 上記 (1 5) 記載の形質転換体を用いることを特徴とする坊糖尿病薬ま たは抗高脂血症薬のスクリーニング方法、
(19) 上記 (1 5) 記載の形質転換体を用いることを特徴とするヒト SGLTホモ ログプロモータ一活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニン グ用キッ卜、
(20) 上記 (16) 記載のスクリーニング方法または上記 (19) 記載のスク リーニング用キットを用いて得られるヒ卜 SGLT ホモログプロモーター活性を促 進または阻害する化合物またはその塩、
(21) 上記 (1 7) 記載のスクリーニング方法を用いて得られる糖取り込みを 促進または阻害する化合物またはその塩、
(22) 上記 (16) 記載のスクリーニング方法または上記 (19) 記載のスク
リ一ニング用キットを用いて得られるヒト SGLT ホモログプロモーター活性を促 進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬組成物、
( 2 3 ) 上記 (1 7 ) 記載のスクリーニング方法を用いて得られる糖取り込みを 促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬組成物、
( 2 4 ) ヒト SGLTホモログプロモーター活性の促進または阻害作用を有する化合 物またはその塩を含有してなる糖取り込みの促進または阻害剤、
( 2 5 ) ヒト SGLTホモログプロモータ一活性の促進または阻害作用を有する化合 物またはその塩を含有してなる抗糖尿病薬または抗高脂血症薬、
( 2 6 )糖取り込みの促進または阻害剤を製造するためのヒト SGLTホモログプロ モーター活性の促進または阻害作用を有する化合物またはその塩の使用、
( 2 7 )抗糖尿病薬または抗高脂血症薬を製造するためのヒト SGLTホモログプロ モーター活性の促進または阻害作用を有する化合物またはその塩の使用、
( 2 8 ) ヒ卜 SGLTホモログプロモーター活性の促進または阻害作用を有する化合 物またはその塩を投与することを特徴とする糖取り込みの促進または阻害方法、 ( 2 9 ) ヒト SGLTホモログプロモー夕一活性の促進または阻害作用を有する化合 物またはその塩を投与することを特徴とする糖尿病または高脂血症の予防 ·治療 方法、 などに関する。 図面の簡単な説明
図 1はヒト SGLTホモログの疎水性プロット図を示す図面である。
図 2はヒト SGLTホモログ遺伝子上流領域に存在する SNPを示す図面である。 図 3はヒト SGLTホモログ遺伝子上流領域の欠失変異体を示す図面である。' 図 4はシーパンジー ·ルシフェラーゼ活性を 1としたときのヒト SGLTホモログ 遺伝子上流領域におけるプロモーター活性の値のグラフを示す図面である。
図 5はヒト SGLTホモ口グ遺伝子上流領域 +レポ一夕一を導入した HepG2細胞およ び Huh- 7細胞において、デキサメタゾン 0〜3 Mの添加により促進される、ヒト SGLT ホモ口グ遺伝子上流領域におけるプロモーター活性の値 (ルシフェラーゼによる 発光量) のグラフを示す図面である。
発明を実施するための最良の形態
本発明で用いられる配列番号: 1 4で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実 質的に同一のアミノ酸配列を含有するヒト SGLTホモログ (以下、 ヒト SGLTホモ口 グと称することもある) は、 ヒトゃ温血動物 (例えば、 モルモット、 ラット、 マ ウス、 ニヮトリ、 ゥサギ、 ブタ、 ヒッジ、 ゥシ、 サルなど) の細胞 (例えば、 肝 細胞、 脾細胞、 神経細胞、 グリア細胞、 塍臓 細胞、 骨髄細胞、 メサンギゥム細 胞、 ランゲル八ンス細胞、 表皮細胞、 上皮細胞、杯細胞、 内皮細胞、平滑筋細胞、 繊維芽細胞、 繊維細胞、 筋細胞、 脂肪細胞、 免疫細胞 (例、 マクロファージ、 T 細胞、 B細胞、 ナチュラルキラー細胞、 肥満細胞、 好中球、 好塩基球、 好酸球、 単球) 、 巨核球、 滑膜細胞、 軟骨細胞、 骨細胞、 骨芽細胞、 破骨細胞、 乳腺細胞、 肝細胞もしくは間質細胞、 またはこれら細胞の前駆細胞、 幹細胞もしくはガン細 胞など) もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、 例えば、 脳、 脳の各部 位 (例、 嗅球、 扁桃核、 大脳基底球、 海馬、 視床、 視床下部、 大脳皮質、 延髄、 小脳) 、 脊髄、 下垂体、 胃、 塍臓、 腎臓、 肝臓、 生殖腺、 甲状腺、 胆のう、 骨髄、 副腎、 皮膚、 筋肉、 肺、 消化管 (例、 大腸、 小腸) 、 血管、 心臓、 胸腺、 脾臓、 顎下腺、 末梢血、 前立腺、 睾丸、 卵巣、 胎盤、 子宮、 骨、 関節、 骨格筋などに由 来するタンパク質であってもよく、 合成タンパク質であってもよい。
配列番号: 1 4で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列として は、 配列番号: 1 4で表わされるアミノ酸配列と約 6 0 %以上、 好ましくは約 7 0 %以上、 より好ましくは約 8 0 %以上、 特に好ましくは約 9 0 %以上、 最も好 ましくは約 9 5 %以上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。
配列番号: 1 4で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有 するヒト SGLTホモログとしては、 例えば、 前記の配列番号: 1 4で表されるアミ ノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、 配列番号: 1 4で表されるァ ミノ酸配列を含有するヒト SGLTホモログと実質的に同質の活性を有するタンパク 質などが好ましい。
実質的に同質の活性としては、 例えば、 グルコースの能動輸送活性などが挙げ られる。 実質的に同質とは、 それらの性質が性質的に (例、 生理学的に、 または 薬理学的に) 同質であることを示す。 したがって、 グルコースの能動輸送活性が
同等 (例、 約 0. 0 1〜100倍、 好ましくは約 0. 1〜 10倍、 より好ましく は 0. 5〜2倍) であることが好ましいが、 これらの活性の程度、 タンパク質の 分子量などの量的要素は異なっていてもよい。
グルコースの能動輸送活性などの活性の測定は、 公知の方法に準じて行うこと が出来るが、 例えば、 Cloning and functional expression of an SGLT-l-like protein from the Xenopus laevis intestine (Am. J. Phisiol. 76: G1251-G1259, 1999)に記載の方法またはそれに準じる方法に従って測定することができる。 また、 本発明で用いられるヒト SGLTホモログとしては、 例えば、 ①配列番号: 14で表されるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜30個程 度、 好ましくは 1〜10個程度、 さらに好ましくは数 (1〜5) 個) のアミノ酸 が欠失したアミノ酸配列、 ②配列番号: 14で表されるアミノ酸配列に 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜30個程度、 好ましくは 1〜10個程度、 さらに好 ましくは数 (1〜5) 個) のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、 ③配列番号: 1 4で表されるアミノ酸配列に 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜30個程度、 好ましくは 1〜10個程度、 さらに好ましくは数 (1〜5) 個) のアミノ酸が揷 入されたアミノ酸配列、 ④配列番号: 14で表されるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜30個程度、 好ましくは 1〜10個程度、 さらに好 ましくは数( 1〜 5 )個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、 または⑤それらを組み合わせたアミノ酸配列を含有するタンパク質などのいわゆ るムティンも含まれる。
前記のようにアミノ酸配列が挿入、欠失または置換されている場合、その挿入、 欠失または置換の位置は、 とくに限定されない。
本明細書におけるタンパク質は、ペプチド標記の慣例に従って左端が N末端(ァ ミノ末端) 、 右端が C末端 (力ルポキシル末端) である。 配列番号: 14で表わ されるアミノ酸配列を含有するヒト SGLTホモログをはじめとする、 本発明で用い られるヒト SGLTホモログは、 C末端が力ルポキシル基 (一 COOH) 、 カルポキ シレート(一 COO-) 、 アミド (一 C〇NH2) またはエステル (-COOR) の何れであってもよい。
ここでエステルにおける Rとしては、例えば、 メチル、ェチル、 n—プロピル、
イソプロピル、 n—ブチルなどの(^ _ 6アルキル基、 例えば、 シクロペンチル、 シクロへキシルなどの C 3 _ 8シクロアルキル基、 例えば、 フエニル、 α—ナフチ ルなどの C 6— 1 2ァリ一ル基、 例えば、 ベンジル、 フエネチルなどのフエ二ルー C ^ 2アルキル基もしくは α—ナフチルメチルなどの α—ナフチルー C 2アルキ ル基などの C 7— 1 4 7ラルキル基、 ピバロィルォキシメチル基などが用いられる。 本発明で用いられるヒト SGLTホモログが C末端以外にカルボキシル基 (または カルポキシレー卜) を有している場合、 力ルポキシル基がアミド化またはエステ ル化されているものも本発明で用いられるヒト SGLTホモログに含まれる。 この場 合のエステルとしては、 例えば前記した C末端のエステルなどが用いられる。 さらに、本発明で用いられるヒト SGLTホモログには、 N末端のアミノ酸残基(例、 メチォニン残基) のァミノ基が保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチル基などの アルカノィルなどの C^— 6ァシル基など) で保護されているもの、 生体内 で切断されて生成する N末端のグルタミン残基がピログルタミン酸化したもの、 分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基 (例えば— O H、 一 S H、 アミノ基、 イミダ ゾ一ル基、 インドール基、 グァニジノ基など) が適当な保護基 (例えば、 ホルミ ル基、 ァセチル基などの 6アルカノィル基などの ァシル基など) で保 護されているもの、 あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質などの複合夕 ンパク質なども含まれる。
本発明で用いられるヒト SGLTホモログの具体例としては、 例えば、 配列番号: 1 4で表されるアミノ酸配列を含有するヒト塍臓由来のヒト SGLTホモログなどが あげられる。
本発明で用いられるヒト SGLTホモログの塩としては、 生理学的に許容される酸 (例、 無機酸、 有機酸) や塩基 (例、 アルカリ金属) などとの塩が用いられ、 と りわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸) との塩、 あるいは有機酸 (例 えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コハク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸) との塩などが用いられる。
本発明で用いられるヒト SGLTホモログまたはその塩は、 前述したヒトゃ温血動
物の細胞または組織から公知のタンパク質の精製方法によって製造することもで きるし、 ヒト SGLTホモログをコ一ドする D N Aを含有する形質転換体を培養する ことによつても製造することができる。 また、 後述のペプチド合成法に準じて製 造することもできる。
ヒトゃ哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、 ヒトゃ哺乳動物の組織ま たは細胞をホモジナイズした後、 酸などで抽出を行ない、 該抽出液を逆相クロマ 卜グラフィー、 イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを組み 合わせることにより精製単離することができる。
本発明で用いられるヒト SGLTホモログまたはその塩、 またはそのアミド体の合 成には、 通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることができる。 そのような樹 脂としては、 例えば、 クロロメチル樹脂、 ヒドロキシメチル榭脂、 ベンズヒドリ ルァミン樹脂、アミノメチル榭脂、 4一べンジルォキシベンジルアルコール榭脂、 4 _メチルベンズヒドリルァミン樹脂、 PAM樹脂、 4—ヒドロキシメチルメチルフ ェニルァセトアミドメチル樹脂、 ポリアクリルアミド樹脂、 4— (2 ' , 4' -ジメト キシフエ二ル―ヒドロキシメチル) フエノキシ樹脂、 4 - (2 ' , 4' -ジメトキシフ ェニル— Fmocアミノエチル) フエノキシ樹脂などを挙げることができる。 このよ うな樹脂を用い、 α—ァミノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、 目的 とするタンパク質の配列通りに、 公知の各種縮合方法に従い、 樹脂上で縮合させ る。 反応の最後に樹脂からタンパク質を切り出すと同時に各種保護基を除去し、 さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフイ ド結合形成反応を実施し、 目的のタンパ ク質またはそれらのアミド体を取得する。
前記した保護アミノ酸の縮合に関しては、 タンパク質合成に使用できる各種活 性化試薬を用いることができるが、 特にカルポジイミド類がよい。 カルポジイミ ド類としては、 DCC、 Ν, Ν' -ジイソプロピルカルポジイミド、 Ν-ェチル - Ν' - (3-ジメ チルァミノプロリル)カルポジイミドなどが用いられる。これらによる活性化には ラセミ化抑制添加剤 (例えば、 HOB t , HOOB t ) と共に保護アミノ酸を直接樹脂に添 加するかまたは、対称酸無水物または HOB tエステルあるいは HOOB tエステルとして あらかじめ保護アミノ酸の活性化を行なつた後に樹脂に添加することができる。 保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、 タンパク質
縮合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる。 例えば、
N, N—ジメチルホルムアミド, N, N—ジメチルァセトアミド, N—メチルピ 口リドンなどの酸アミド類、 塩化メチレン, クロ口ホルムなどのハロゲン化炭化 水素類、 トリフルォロエタノールなどのアルコール類、 ジメチルスルホキシドな どのスルホキシド類、 ピリジン, ジォキサン, テトラヒドロフランなどのエーテ ル類、 ァセトニトリル, プロピオ二トリルなどの二トリル類、 酢酸メチル, 酢酸 ェチルなどのエステル類あるいはこれらの適宜の混合物などが用いられる。 反応 温度はタンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適宜 選択され、 通常約一 2 0 °C〜5 0 °Cの範囲から適宜選択される。 活性化されたァ ミノ酸誘導体は通常 1 . 5〜 4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテ ストの結果、 縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行なうことなく縮合反応を 繰り返すことにより十分な縮合を行なうことができる。 反応を繰り返しても十分 な縮合が得られないときには、 無水酢酸またはァセチルイミダゾールを用いて未 反応アミノ酸をァセチル化することによって、 後の反応に影響を与えないように することができる。
原料のァミノ基の保護基としては、 例えば、 Z、 Boc、 t一ペンチルォキシカル ポニル、 イソポルニルォキシカルポニル、 4ーメトキシベンジルォキシカルボ二 ル、 Π-Ζ、 Br_Z、 ァダマンチルォキシカルポニル、 トリフルォロアセチル、 フタ ロイル、 ホルミル、 2一二トロフエニルスルフエ二ル、 ジフエニルホスフィノチ オイル、 Fmocなどが用いられる。
力ルポキシル基は、 例えば、 アルキルエステル化 (例えば、 メチル、 ェチル、 プロピル、 プチル、 tーブチル、 シクロペンチル、 シク口へキシル、 シクロヘプ チル、 シクロォクチル、 2—ァダマンチルなどの直鎖状、 分枝状もしくは環状ァ ルキルエステル化) 、 ァラルキルエステル化 (例えば、 ベンジルエステル、 4一 ニトロべンジルエステル、 4ーメトキシベンジルエステル、 4一クロ口べンジル エステル、 ベンズヒドリルエステル化) 、 フエナシルエステル化、 ベンジルォキ シカルポニルヒドラジド化、 t 一ブトキシカルボニルヒドラジド化、 トリチルヒ ドラジド化などによって保護することができる。
セリンの水酸基は、 例えば、 エステル化またはエーテル化によって保護するこ
とができる。 このエステル化に適する基としては、 例えば、 ァセチル基などの低 級 — アルカノィル基、 ベンゾィル基などのァロイル基、 ベンジルォキシ カルポニル基、 エトキシカルポニル基などの炭酸から誘導される基などが用いら れる。 また、 エーテル化に適する基としては、 例えば、 ベンジル基、 テトラヒド ロビラ二ル基、 t _ブチル基などである。
チロシンのフエノール性水酸基の保護基としては、 例えば、 Bz l、 C l 2- Bz l、 2 —ニトロベンジル、 Br-Z、 t _ブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾ一ルの保護基としては、例えば、 Tos、 4 -メトキシ- 2, 3, 6 - トリメチルベンゼンスルホニル、 DNP、 ベンジルォキシメチル、 Bum、 Boc、 Tr t、 Fmocなどが用いられる。
原料の力ルポキシル基の活性化されたものとしては、 例えば、 対応する酸無水 物、アジド、活性エステル〔アルコール (例えば、ペンタクロロフエノール、 2, 4, 5- トリクロ口フエノール、 2, 4 -ジニトロフエノール、 シァノメチルアルコール、 パ ラニトロフエノール、 H0NB、 N-ヒドロキシスクシミド、 N-ヒドロキシフタルイミ ド、 HOB t ) とのエステル〕 などが用いられる。 原料のァミノ基の活性化されたも のとしては、 例えば、 対応するリン酸アミドが用いられる。
保護基の除去 (脱離) 方法としては、 例えば、 P d—黒あるいは P d -炭素など の触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、 また、 無水フッ化水素、 メタン スルホン酸、 トリフルォロメタンスルホン酸、 トリフルォロ酢酸あるいはこれら の混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルェチルァミン、トリェチルァミン、 ピぺリジン、 ピぺラジンなどによる塩基処理、 また液体アンモニア中ナトリウム による還元なども用いられる。 前記酸処理による脱離反応は、 一般に約一 2 0 °C 〜4 0 °Cの温度で行なわれるが、 酸処理においては、 例えば、 ァニソ一ル、 フエ ノール、 チオアニソール、 メタクレゾール、 パラクレゾ一ル、 ジメチルスルフィ ド、 1, 4-ブタンジチォ一ル、 1, 2-エタンジチオールなどのようなカチオン捕捉剤 の添加が有効である。 また、 ヒスチジンのイミダゾール保護基として用いられる 2, 4-ジニトロフエニル基はチオフエノ一ル処理により除去され、 トリブトファン のィンドール保護基として用いられるホルミル基は前記の 1, 2-エタンジチオール、 1 , 4 -ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外に、 希水酸化ナト
リウム溶液、 希アンモニアなどによるアルカリ処理によっても除去される。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、 およびその保護 基の脱離、 反応に関与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段から 適宜選択しうる。
タンパク質のアミド体を得る別の方法としては、 例えば、 まず、 カルボキシ末 端アミノ酸の a;—力ルポキシル基をアミド化して保護した後、 アミノ基側にぺプ チド (タンパク質) 鎖を所望の鎖長まで延ばした後、 該ペプチド鎖の N末端のひ ーァミノ基の保護基のみを除いたタンパク質または部分ペプチドと C末端のカル ポキシル基の保護基のみを除去したタンパク質または部分ペプチドとを製造し、 これらのタンパク質またはペプチドを前記したような混合溶媒中で縮合させる。 縮合反応の詳細については前記と同様である。 縮合により得られた保護タンパク 質を精製した後、 前記方法によりすベての保護基を除去し、 所望の粗タンパク質 を得ることができる。この粗タンパク質は既知の各種精製手段を駆使して精製し、 主要画分を凍結乾燥することで所望のタンパク質のアミド体を得ることができる タンパク質のエステル体を得るには、 例えばカルポキシ末端アミノ酸の a—力 ルポキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、 蛋白質 のアミド体と同様にして、 所望のタンパク質のエステル体を得ることができる。 本発明で用いられるヒト SGLTホモログまたはその塩は、 公知のタンパク質の合 成法に従って製造することができる。 タンパク質の合成法としては、 例えば、 固 相合成法、 液相合成法のいずれによっても良い。 すなわち、 本発明で用いられる タンパク質を構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、 生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより目的のタンパク質を 製造することができる。 公知の縮合方法や保護基の脱離としては、 例えば、 以下 の①〜⑤に記載された方法が挙げられる。
① M. Bodanszkyおよび M.A. Ondetti、ペプチド 'シンセシス (Peptide Synthesis), Interscience Publishers, New York (1966年)
② Schroederおよび Luebke、ザ'ぺプチド (The Peptide), Academic Press, New York (1965年)
③泉屋信夫他、 ペプチド合成の基礎と実験、 丸善 (株) (1975年)
④矢島治明 および榊原俊平、 生化学実験講座 1、 タンパク質の化学 IV、 205、 (1977年)
⑤矢島治明監修、 続医薬品の開発、 第 14巻、 ペプチド合成、 広川書店
また、 反応後は通常の精製法、 例えば、 溶媒抽出 ·蒸留 'カラムクロマトダラ フィー ·液体クロマトグラフィー ·再結晶などを組み合わせて本発明で用いられ るヒト SGLTホモログを精製単離することができる。 前記方法で得られるヒト SGLT ホモログが遊離体である場合は、 公知の方法あるいはそれに準じる方法によって 適当な塩に変換することができるし、 逆に塩で得られた場合は、 公知の方法ある いはそれに準じる方法によって遊離体または他の塩に変換することができる。 本発明で用いられるヒト SGLTホモログをコードする DNAとしては、 前述した 本発明で用いられるヒト SGLTホモログをコ一ドする塩基配列を含有するものであ ればいかなるものであってもよい。 また、 ゲノム DNA、 ゲノム DNAライブラ リー、 前記した細胞 ·組織由来の c DNA、 前記した細胞 '組織由来の c DNA ライブラリー、 合成 DNAのいずれでもよい。
ライブラリ一に使用するべクタ一は、 パクテリオファージ、 プラスミド、 コス ミド、 ファージミドなどいずれであってもよい。 また、 前記した細胞 '組織より total R N Aまたは mR N A画分を調製したものを用いて直接 Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction (以下、 R T_P C R法と略称する) によって増幅することもできる。
本発明で用いられるヒト SGLTホモログをコードする DNAとしては、 例えば、 配列番号: 1 5または配列番号: 1 6で表される塩基配列を含有する DNA、 ま たは配列番号: 1 5または配列番号: 16で表される塩基配列とハイストリンジ ェントな条件下でハイブリダィズする塩基配列を有し、 本発明で用いられるヒト SGLTホモログと実質的に同質の性質を有するタンパク質をコードする DN Aであ れば何れのものでもよい。
配列番号: 1 5で表される塩基配列とハイストリンジエンドな条件下でハイブ リダィズできる DNAとしては、 例えば、 配列番号: 1 5で表される塩基配列と 約 50 %以上、 好ましくは約 60%以上、 さらに好ましくは約 70 %以上、 より 好ましくは約 80 %以上、特に好ましくは約 90 %以上、最も好ましくは約 95 %
以上の相同性を有する塩基配列を含有する DNAなどが用いられる。 配列番号: 16で表される塩基配列とハイストリンジェントな条件下で八イブ リダィズできる DNAとしては、 例えば、 配列番号: 16で表される塩基配列と 約 50%以上、 好ましくは約 60 %以上、 さらに好ましくは約 70 %以上、 より 好ましくは約 80%以上、特に好ましくは約 90%以上、最も好ましくは約 95 % 以上の相同性を有する塩基配列を含有する DN Aなどが用いられる。
ハイブリダィゼ一シヨンは、 公知の方法あるいはそれに準じる方法、 例えば、 モレキュラー'クロ一ニング(Molecular Cloning) 2nd (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法などに従って行なうことができ る。 また、 市販のライブラリ一を使用する場合、 添付の使用説明書に記載の方法 に従って行なうことができる。 より好ましくは、 ハイストリンジェントな条件に 従って行なうことができる。
ハイストリンジェントな条件とは、 例えば、 ナトリウム濃度が約 1 9〜40m M、 好ましくは約 19〜 20 mMで、 温度が約 50〜 70 °C、 好ましくは約 60 〜65°Cの条件を示す。 特に、 ナトリウム濃度が約 19 mMで温度が約 65 °Cの 場合が最も好ましい。
より具体的には、 配列番号: 1 5で表されるアミノ酸配列を含有するヒト SGLT ホモログをコードする DNAとしては、 配列番号: 1 5または配列番号: 16で 表される塩基配列を含有する DN Aなどが用いられる。
本発明で用いられるヒト SGLTホモログを完全にコードする DN Aのクロ一ニン グの手段としては、 本発明のヒト SGLTホモログをコードする塩基配列の一部分を 有する合成 DNAプライマーを用いて P CR法によって増幅するか、 または適当 なべクタ一に組み込んだ DN Aを本発明のヒト SGLTホモログの一部あるいは全領 域をコードする DN A断片もしくは合成 DN Aを用いて標識したものとのハイブ リダイゼ一シヨンによつて選別することができる ハイブリダイゼーシヨンの方 法は、例えば、モレキュラー 'クロ一ニング(Molecular Cloning) 2nd(J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法などに従って行な うことができる。 また、 市販のライブラリ一を使用する場合、 添付の使用説明書 に記載の方法に従って行なうことができる。
DNAの塩基配列の変換は、 P CRや公知のキット、 例えば、 Mutan™- super Express Km (宝酒造 (株) ) 、 Mutan™- K (宝酒造 (株) ) 等を用いて、 ODA- LAPCR 法や Gapped duplex法や Kunkel法等の公知の方法あるいはそれらに準じる方法に 従って行なうことができる。
クローン化されたヒト SGLTホモログをコ一ドする DNAは目的によりそのまま、 または所望により制限酵素で消化したり、 リンカ一を付加したりして使用するこ とができる。該 DN Aはその 5 '末端側に翻訳開始コドンとしての AT Gを有し、 また 3 ' 末端側には翻訳終止コドンとしての TAA、 TGAまたは TAGを有し ていてもよい。 これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、 適当な合成 DNA アダプタ一を用いて付加することもできる。
本発明のヒト SGLTホモログのプロモ一夕一領域を含有する DNAは、後述のレギュ レーター配列を含んでいてもよく、 ヒト SGLTホモログのプロモーター活性を有す る MAであればいかなるものであってもよい。
具体的には、配列番号: 5の第 1番目ないし第 2254番目で表される塩基配列また はその一部を含有するものであればいかなるものであってもよい。
また、 ヒトまたは他の哺乳動物の細胞 (例えば、 肝細胞、 脾細胞、 神経細胞、 グリア細胞、 塍臓 細胞、 骨髄細胞、 メサンギゥム細胞、 ランゲルハンス細胞、 表皮細胞、 上皮細胞、 内皮細胞、 繊維芽細胞、 繊維細胞、 筋細胞、 脂肪細胞、 免 疫細胞 (例、 マクロファージ、 T細胞、 B細胞、 ナチュラルキラ一細胞、 肥満細 胞、 好中球、 好塩基球、 好酸球、 単球) 、 巨核球、 滑膜細胞、 軟骨細胞、 骨細胞、 骨芽細胞、 破骨細胞、 乳腺細胞、 もしくは間質細胞、 またはこれら細胞の前駆細 胞、 幹細胞もしくはガン細胞など) もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組 織、 例えば、 脳、 脳の各部位 (例、 嗅球、 扁桃核、 大脳基底球、 海馬、 視床、 視 床下部、 大脳皮質、 延髄、 小脳) 、 脊髄、 下垂体、 胃、 脬臓、 腎臓、 肝臓、 生殖 腺、 甲状腺、 胆のう、 骨髄、 副腎、 皮膚、 筋肉、 肺、 消化管 (例、 大腸、 小腸) 、 血管、 心臓、 胸腺、 脾臓、 唾液腺、 末梢血、 前立腺、 睾丸、 卵巣、 胎盤、 子宮、 骨、 軟骨、 関節、 骨格筋などに由来のゲノム DNA、 c DNA, 合成 DNAのい ずれでもよい。
本発明のヒト SGLTホモログのプロモーター領域を含有する組換え DNAは、具体的
には、 次のようにして得ることができる。
まず、ヒト SGLTホモログ cDNAのアミノ酸配列に対応する塩基配列をプローブと して例えば、 EMBL3べク夕一に組み込まれたヒト遺伝子ライブラリ一を公知の方法 でスクリーニングし、このプローブと反応する λファージのクローンを得る。この ファージクローンより DNAを抽出し、組みこまれているヒト遺伝子部分の制限酵素 地図を作成し、 cDNAの最上流域プローブと反応する制限酵素消化による DNA断片を、 特に限定されないが、 PCDベクタ一、 cDM8ベクタ一( Aruffo, A.と Seed, B. ( 1987 ) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84, 8573— 8577 )、レトロウイルスベクター ( Cone, R. D.と Mulligan, R. C. ( 1984 ) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81, 6349-6353 ) など動物細胞用のもの、 pUCベクタ一 ( Vieira, J.と Messing, J. ( 1987 ), Methods in Enzymology, 153, 3-11 )、 pCR- bluntベクタ一(Ausubel, F. M.ら ( 1994 ), Current Protocols in Molecular Biology )など大腸菌用のプラスミ ドなどに再クロ一ニングする。 クローニングした DNAの塩基配列を決定し、例えば cDNAの塩基配列と比較検討することにより遺伝子上の翻訳開始コドンの位置を知 ることができる。 また、既知の cDNAの 5' 末端と塩基配列を比較することにより該 遺伝子の転写開始点を知ることもできる。 また、 全シーケンスのモチーフ検索を 行うことで、 既知の転写制御因子の結合部位を知ることができる。
得られた DNAは目的によりそのまま、 または所望により制限酵素で消化した り、 リンカ一を付加したりして使用することができる。
さらにプロモータ一の活性を調べるためにはプロモータ一の下流に検出可能な 構造遺伝子を連結すればよい。 プロモータ一領域の下流に連結される構造遺伝子 としては、種々のレポ一ター遺伝子が用いられる。 レポ一夕一遺伝子としては、ル シフェラ一ゼ遺伝子、 CAT (ク 口ラムフエニコ一ルァセチル転移酵素 (Chloramphenicol acetyl transferase)遺伝子、アル力リフォスファターゼ遺伝子 の他に、 j8-ガラクトシダーゼ遺伝子が汎用されているが、他のいかなる構造遺伝 子であっても、その遺伝子産物の検出法があれば使用され得る。上記構造遺伝子を ベクターに組み込むには、プロモー夕一領域の下流に存在する適当な制限酵素切 断部位に、上記構造遺伝子が正しく転写される方向に連結すればよい。
上記組換えベクターにより形質転換する宿主としては、例えば、ェシエリヒア属
菌、 バチルス属菌、 酵母、 昆虫細胞、 昆虫、 動物細胞などが用いられる。
ェシエリヒア属菌の具体例としては、 ェシエリヒア 'コリ (Escherichia coli) K 1 2 · DH 1 〔プロシ一ジングズ ·ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ - サイェンシィズ 'ォブ ·ザ ·ユーエスェ一 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 60巻, 160 (1 968)〕 , J M 1 03 〔ヌクイレック ·ァシッズ . リサーチ (Nucleic Acids Research) , 9巻, 309 (198 1)〕 , J Μ 109 , J A 2 21 〔ジャーナル ·ォブ ·モレキュラー ·バイオロジー (Journal of Molecular Biology) , 120巻, 517 (1978)〕 , HB 10 1 〔ジャーナル ·ォブ ·モ レキユラ一 ·バイオロジー, 41巻, 459 (1969)〕 , C 600 〔ジエネテ イツクス (Genetics) , 39巻, 440 (1954)〕 などが用いられる。
バチルス属菌としては、 例えば、 バチルス 'サチルス (Bacillus subtilis) M 1 1 14 〔ジーン, 24巻, 255 (1 983)〕 , 207 - 2 1 〔ジャーナル · ォブ ·バイオケミストリ一 (Journal of Biochemistry) , 95巻, 87 (1 98' 4)〕 などが用いられる。
酵母としては、 例えば、 サッカロマイセス セレビシェ (Saccharomyces cerevisiae) AH 22, AH22 R—, NA 87 - 1 1 A, DKD- 5 D, 20 B - 12 , シゾサッ力,ロマイセス ボンべ (Schizosaccharomyces pombe) NCY C I 91 3, NC YC 2036, ピキア パストリス (Pichia pastoris) などが 用いられる。
昆虫細胞としては、 例えば、 ウィルスが A c NP Vの場合は、 夜盗蛾の幼虫由 来株化細胞 (Spodoptera frugiperda cell; S f細胞) 、 Trichoplusia niの中腸 由来の MG 1細胞、 Trichoplusia niの卵由来の High Five™ 細胞、 Mamestra brassicae由来の細胞または Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。 ウイ ルスが BmNP Vの場合は、 蚕由来株化細胞 (Bombyxmori N; BmN細胞) など が用いられる。 該 S f細胞としては、 例えば、 S f 9細胞 (ATCC CRL1711) 、 S f 21細胞(以上、 Vaughn, J.L.ら、イン ·ヴイボ (In Vivo) ,13, 213-217 (1977)) などが用いられる。
昆虫としては、 例えば、 カイコの幼虫などが用いられる 〔前田ら、 ネイチヤー (Nature) , 3 1 5巻, 592 (1 985)〕 。
動物細胞としては、 例えば、 サル細胞 COS— 7, Vero, チャイニーズハムス ター細胞 CHO (以下、 CHO細胞と略記) , dh f r遺伝子欠損チャイニーズ ハムスター細胞 CHO (以下、 CH〇 (d h f r-) 細胞と略記) , マウス L細 胞, マウス A t T— 20, マウスミエローマ細胞, ラット GH3, マウス繊維芽 細胞 3 T 3— L 1,ヒト肝臓ガン細胞 He pG2 (以下、 He p G 2細胞と略記)、 ヒト骨肉腫細胞 MG— 63 (以下、 MG— 63細胞と略記) 、 ヒト FL細胞、 白 色脂肪細胞、 卵細胞、 ES細胞 ( Evans, M. J。と Kaufman, K. Η. ( 1981 ) Nature, 292, 154 )、 また適当な分化条件により分化誘導された細胞などが用いられる。 なかでも、 動物細胞、特に白色脂肪細胞が用いられ得る。 また動物個体への DNA 移入への一過程としての卵細胞、あるいは ES細胞 (Evans, M. J.と Kaufman, K. Η. ( 1981 ) ature, 292, 154 )も使用される。
これらの細胞への形質転換の方法としては、リン酸カルシウム法( Grahamら (1973)Virology, 52, 456 )、エレクトロボレ一シヨン法(石崎ら ( 1986 ) 細胞ェ 学, 5, 577 )、マイクロインジェクション法などが用いられる。
より具体的には、 ェシエリヒア属菌を形質転換するには、 例えば、 プロシ一ジ ングズ ·ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ · ュ一エスェ一 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 69卷, 2 1 10 (1972) やジーン (Gene) , 1 7巻, 1 07 (1982 )などに記載の方法に従って行なう ことができる。
バチルス属菌を形質転換するには、 例えば、 モレキュラー ·アンド ·ジエネラ ル ·ジェネティックス (Molecular & General Genetics) , 168卷, 1 1 1 (1
979)などに記載の方法に従って行なうことができる。
酵母を形質転換するには、例えば、メッソズ 'イン'ェンザィモロジ一(Methods inEnzymology) , 1 94巻, 1 82— 187 (1 991) 、 プロシ一ジングズ ' ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ユーェ スェ一 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 75巻, 1929 (1978) など に記載の方法に従って行なうことができる。
昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、 例えば、 バイオ テクノロジー
(Bio/Technology), 6, 47-55 (1988))等に記載の方法に従って行なうことができる。
動物細胞を形質転換するには、 例えば、 細胞工学別冊 8新細胞工学実験プロト コール. 263— 267 ( 1 995) (秀潤社発行)、ヴィロロジ一(Virology) , 52巻, 456 (1 973 )に記載の方法に従って行なうことができる。
上記形質転換体は、特定の化合物の存在下に培養し、培養物中の遺伝子産物の量 を測定し比較することにより、該化合物のプロモ一夕一活性のコントロール能を 知ることができる。
該形質転換体の培養はそれ自体公知の方法で行なう。宿主がェシエリヒア属菌、 バチルス属菌である形質転換体を培養する際、 培養に使用される培地としては液 体培地が適当であり、 その中には該形質転換体の生育に必要な炭素源、 窒素源、 無機物その他が含有せしめられる。 炭素源としては、 例えば、 グルコース、 デキ ストリン、 可溶性澱粉、 ショ糖など、 窒素源としては、,例えば、 アンモニゥム塩 類、 硝酸塩類、 コーンスチープ ' リカ一、 ペプトン、 カゼイン、 肉エキス、 大豆 粕、 バレイショ抽出液などの無機または有機物質、 無機物としては、 例えば、 塩 化カルシウム、 リン酸二水素ナトリウム、 塩化マグネシウムなどが挙げられる。 また、 酵母エキス、 ビタミン類、 生長促進因子などを添加してもよい。 培地の p Hは約 5〜 8が望ましい。
ェシエリヒア属菌を培養する際の培地としては、 例えば、 グルコース、 カザミ ノ酸を含む M9培地 〔ミラー (Miller) , ジャーナル ·ォブ ·ェクスペリメンッ · イン ·モレキユラ一 ·ジェネティックス (Journal of Experiments in Molecular Genetics) , 431 -433, Cold Spring Harbor Laboratory, New York 19 72〕 が好ましい。 ここに必要によりプロモ一夕一を効率よく働かせるために、 例えば、 33—インドリル アクリル酸のような薬剤を加えることができる。 宿 主がェシエリヒア属菌の場合、 培養は通常約 15〜43°Cで約 3〜24時間行な レ 、 必要により、 通気や撹拌を加えることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、 培養は通常約 30〜4 で約 6〜24時間行な い、 必要により通気や撹拌を加えることもできる。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 バークホ 一ルダ一 (Burkholder) 最小培地 〔Bostian, K. L. ら、 プロシージングズ'ォブ ' ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 77巻, 4505 (1980)〕 や 0.5 % カザミノ酸を含有する SD培地 〔Bitter, G. A. ら、 プロシージングズ 'ォブ - ザ ·ナショナル。アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ユーエスェ一 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 8 1巻, 5330 (1984) 〕 が挙げら れる。 培地の pHは約 5〜8に調整するのが好ましい。 培養は通常約 20° (〜 3 5°Cで約 24〜72時間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養する際、 培地としては、 Grace's Insect Medium (Grace, T.C.C.,ネィチヤ一 (Nature) , 195, 788 (1962)) に非動化した 10 %ゥシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。 培 地の ρΗは約 6. 、2〜6. 4に調整するのが好ましい。 培養は通常約 27 °Cで約 3〜5日間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 約 5 〜 20 %の胎児牛血清を含む MEM培地 〔サイエンス (Seience) , 122巻, 5 0 1 (1 952)〕 , DMEM培地 〔ヴイロロジ一 (Virology) , 8巻, 396 (1 959)) , RPM I 1640培地 〔ジャーナル ·ォブ ·ザ ·アメリカン ·メデ イカ レ ·ァソシェ——ション (The Journal of the American Medical Associat ion) 1 99巻, 51 9 (1 967)〕 , 1 99培地 〔プロシ一ジング ·ォブ ·ザ ·ソサ イエティ ·フォー'ザ'バイオロジカル ·メディスン (Proceedingof the Society for the Biological Medicine) , 73巻, 1 ( 1950)〕 などが用いられる。 p Hは約 6〜 8であるのが好ましい。 培養は通常約 30 〜 40°Cで約 1 5〜60 時間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
, 本発明のプロモー夕一領域に含まれるレギュレーター配列としては、 例えば、 配列番号: 5で表される塩基配列の第 1番目ないし第 2254番目の塩基配列中、 ヒ ト SGLTホモログの転写制御因子が結合し得る配列であれば、 いかなるものであつ てもよいが、例えば、配列番号: 5で表される塩基配列の第 1334番目ないし第 1339 番目の塩基配列を有する PPRE (Peroxisome Proliferator Response Element)を含 有する配列、 配列番号: 5で表される塩基配列の第 1720番目ないし第 1731番目の 塩基配列を有する HNF4(Hepatocyte Nuclear Factor 4)結合配列を含有する配列、 配列番号: 5で表される塩基配列の第 687番目ないし第 692番目または第 2149番目
ないし第 2154番目の塩基配列を有する Isll (Islet 1) 結合配列を含有する配列、 配列番号: 5で表される塩基配列の第 1123番目ないし第 1128番目の塩基配列を有 する HNF5(Hepatocyte Nuclear Factor 5)結合配列を含有する配列等があげられる c 即ち、 本発明の DNAは該レギユレ一夕一配列を含んでいてもよく、 該レギュ レーター配列を複数個含有していてもよい。
配列番号: 5で表される塩基配列の第 1番目ないし第 2254番目の塩基配列の一部 を含有する塩基配列としては、 上記のレギユレ一夕一配列を含有する塩基配列で あれば、 いかなるものでもよいが、 具体的には、 配列番号: 5で表される塩基配 列の第 1806番目ないし第 2254番目の塩基配列、 配列番号: 5で表される塩基配列 の第 958番目ないし第 2254番目の塩基配列などがあげられる。
なお、配列番号: 5で表される塩基配列の第 1番目ないし第 2254番目の塩基配列 のうち、 (1) 第 698番目の Cが Tに変換した塩基配列、 (2) 第 824番目の Aが こ 変換した塩基配列、 (3) 第 698番目の Cが Tに、 第 824番目の Aが Tに変換した塩基 配列を有する塩基配列 (配列番号: 8、 9、 1 0で表される塩基配列) またはそ の一部も本発明のプロモー夕一領域として使用することができる。
本発明の DNAは、 ヒト SGLTホモログのプロモーター領域を含有する DNAで あるため、 上記の形質転換体を用いることによって、 ヒト SGLTホモログプロモ一 ターの活性を促進または阻害する化合物 (例えば、 糖取り込みを促進または阻害 する化合物) またはその塩をスクリーニングすることが可能となる。 以下に該ス クリーニング方法、 スクリーニング用キットおよびこれらスクリーニング方法、 スクリーニング用キットを用いて得られるヒト SGLTホモログプロモーター活性を 促進または阻害する化合物またはその塩について具体的に説明する。
(1) ヒ卜 SGLTホモログプロモータ一の活性を促進または阻害する化合物(例え ば糖取り込みを促進又は阻害する化合物) 又はその塩をスクリーニングする方法 上述の本発明の DNAで形質転換された形質転換体は、 本発明のヒト SGLTホモ ログプロモーターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩を探索し、 ま たは決定するために有用である。
本発明のヒト SGLTホモログプロモーターの活性を促進または阻害する化合物ま たはその塩の決定方法においては、 本発明の形質転換体を試験化合物と接触させ
た場合と本発明のヒト SGLTホモログプロモー夕一領域を含有しない形質転換体を 試験化合物と接触させた場合のポリペプチドの発現量を測定し比較することなど を特徴とする。
該試験化合物としては、 ペプチド、 タンパク質、 非ペプチド性化合物、 合成化 合物、 発酵生産物などが挙げられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよい し、 公知の化合物であってもよい。
発現されるポリペプチドとしては、 上記の構造遺伝子 (好ましくはレポ一夕一 遺伝子) がコードするポリペプチドなどが用いられる。
ポリペプチドの発現量の測定方法としては、 例えば、 Brasier, A.R.ら (1989) Biotechniques vol.7, 1116-1122の記載に準じた方法により、 ルシフェラ一ゼ活 性を測定することなどがあげられる。
(2) ヒト SGLTホモログプロモーターの活性を促進または阻害する化合物'(例え ば、 糖取り込みを促進または阻害する化合物) またはその塩をスクリーニングす るために用いるスクリーニング用キッ卜
本発明のヒト SGLTホモログプロモーターの活性を促進または阻害する化合物ま たはその塩の決定用キットは、 上述の形質転換体を用いることを特徴とするが、 本発明のヒト SGLTホモログプロモーターの活性を促進または阻害する化合物また はその塩の決定用キッ卜の例としては、 次のものが挙げられる。
①スクリーニング試薬
1.細胞培養用培地
Dulbbecco' s modified Eagle' s MEM (ギブコ社製)にゥシ胎仔血清(ギブコ社製) を 10%添加したもの。
2.細胞分化用培地
Dulbbecco' s modified Eagle' s MEM (ギブコ社製)にゥサギ血清(ギブコ社製)を 5%添加したもの。
3. ヒト SGLTホモログプロモータ一活性測定用プラスミド
本発明のヒト SGLTホモログプロモータ一配列およびヒト SGLTホモログプロモータ 一の下流に構造遺伝子 (例、 ルシフェラーゼ遺伝子) を挿入した pGV- B2(二ツホ。ンシ' -ン社製)プラスミド DNA
4. t主細胞株
HepG2細胞(ヒト肝癌細胞株: ATCC HB 8065), Huh- 7細胞(ヒト肝癌細胞株), ヒト初代培養肝細胞
5.試験化合物
水溶液の状態のものを 4°Cあるいは一 2 0°Cにて保存し、 用時に細胞分化培養用 培地にて 1 xMに希釈する。 水に難溶性を示す試験化合物については、 ジメチル ホルムアミド、 DMSO、 メタノール等に溶解する。
②スクリーニング法
宿主細胞株を 96穴マイクロプレートに lxlO5/穴ずつ播種し、 ー晚 37° (:、 5% C02孵 卵器で培養する。
本発明のヒト SGLTホモログプロモ一夕一活性測定用プラスミドを 1 g/穴ずつ、 細胞内に導入する。 導入後、 1時間で試験化合物を O.lml/穴ずつ添加し、 37°C、 5% C02孵卵器で 48時間培養する。
培養後、 ピツカジーン LT (東洋インキ社製)を O. lml/穴ずつ加え 5分撹拌後、 96穴プ レート測定装置(アマシャム-フアルマシア社製) で発光活性を測定する。
(3) 上記 (1) のスクリーニング方法または (2) のスクリーニング用キット を用いて得られるヒト SGLTホモログプロモーター活性を促進または阻害する化合 物 (例えば、 糖取り込みを促進または阻害する化合物) またはその塩。
上記 (1) のスクリーニング方法または (2) のスクリーニング用キットを用 いて得られるヒト SGLTホモログのプロモーター活性を上昇 .促進する化合物が見 いだせれば、該化合物は糖取り込みを上昇'促進させることからいわゆる生活習慣 病 (糖尿病など) などの予防 ·治療剤としても用いられる。 即ち、 抗糖尿病薬な どとして用いることができる。
また、該化合物がプロモーター活性を低下 '阻害させるものであれば、該化合物 は脂質産生を低下'阻害することから抗高脂血症薬等として用いることができる。 上記のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化 合物の塩としては、 例えば、 薬学的に許容可能な塩などが用いられる。 例えば、 無機塩基との塩、 有機塩基との塩、 無機酸との塩、 有機酸との塩、 塩基性または 酸性アミノ酸との塩などがあげられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、 例えばナトリウム塩、 カリウム塩などの アルカリ金属塩、 カルシウム塩、 マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、 な らびにアルミニウム塩、 アンモニゥム塩などがあげられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、 例えばトリメチルァミン、 トリェチルァ ミン、 ピリジン、 ピコリン、 2 , 6ールチジン、 エタノールァミン、 ジェ夕ノー ルァミン、 トリエタノ一ルァミン、 シク口へキシルァミン、 ジシクロへキシルァ ミン、 N , N, 一ジベンジルェチレンジァミンなどとの塩あげられる。
無機酸との塩の好適な例としては、 例えば塩酸、 臭化水素酸、 硫酸、 リン酸な どとの塩があげられる。
有機酸との塩の好適な例としては、 例えばギ酸、 酢酸、 プロピオン酸、 フマル 酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メタンス ルホン酸、 ベンゼンスルホン酸、 安息香酸などとの塩があげられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばアルギニン、 リジン、 オル チニンなどとの塩があげられ、 酸性アミノ酸との好適な例としては、 例えばァス パラギン酸、 グルタミン酸などとの塩があげられる。
該化合物またはその塩を上記の疾患の予防および Zまたは治療剤として使用す る場合は、 常套手段に従って製剤化することができる。
例えば、 該化合物またはその塩は、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル 剤、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水もしく はそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤などの注射 剤の形で非経口的に使用できる。 例えば、 該化合物を生理学的に認められる公知 の担体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般 に認められた製剤実埯に要求される単位用量形態で混和することによって製造す ることができる。 これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量 が得られるようにするものである。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えばゼラチ ン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セル口 —スのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのような膨化 剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリン
のような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリ一のような香味剤など が用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 前記タイプの材料にさ らに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のための無菌組成物は 注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油などのような天然産出 植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方すること ができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他の 補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D—マンニトール、 塩化ナト リウムなど) 等が用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタ ノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレングリコ一ル、 ポリエチレングリコー ル) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソルベート 80 (TM) 、 HCO- 50) 等と併用してもよい。油性液としては、例えば、 ゴマ油、大豆油などが用いられ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコール等と併用してもよい。 また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸 ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロカイ ンなど)、安定剤 (例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレンダリコールなど)、. 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防止剤などと配 合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填される。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトゃ哺乳 動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サ ルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に成人 (60 k gとして) におい ては、 一日につき約 0.1〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜50mg、 より好 ましくは約 1. 0〜20mgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与 量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが、 例えば、 注 射剤の形では通常成人 (60 k gとして) においては、 一日につき約 0. 0 1〜 3 Omg程度、 好ましくは約 0. 1〜2 Omg程度、 より好ましくは約 0. 1〜 1 Omg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 60 k g当たりに換算した量を投与することができる。
本明細書および図面において、 塩基やアミノ酸等を略号で表示する場合、 I U P A C - I U B Commission on Biochemical Nomenclature 【こよる田各号あるレ ま 当該分野における慣用略号に基づくものであり、 その例を下記する。 またアミノ 酸に関し光学異性体があり得る場合、特に明示しなければ L体を示すものとする。
DNA :デォキシリポ核酸
cDNA :相補的デォキシリポ核酸
A :アデニン
T :チミン
G : グァニン
C : シ卜シン
本願明細書の配列表の配列番号は、 以下の配列を示す。
〔配列番号: 1〕
実施例 1で用いられたプライマー 1の塩基配列を示す。
〔配列番号: 2〕
実施例 1で用いられたプライマ一 2の塩基配列を示す。
〔配列番号: 3〕
実施例 1で用いられたプライマ一 K1の塩基配列を示す。
〔配列番号: 4〕
実施例 1で用いられたプライマ一 XIの塩基配列を示す。
〔配列番号: 5〕
実施例 1で得られたヒト SGLTホモ口グ遺伝子翻訳開始点の 2261bp上流から 8bp上 流領域の DNAの塩基配列を示す。
〔配列番号: 6〕
実施例 2で用いられた P 1変異導入用プライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 7〕
実施例 2で用いられた P 2変異導入用プライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 8〕
実施例 2で得られた P 2の塩基置換の入った DNAの塩基配列を示す。
〔配列番号: 9〕
実施例 2で得られた P 1の塩基置換の入った DNAの塩基配列を示す。
〔配列番号: 10〕
実施例 2で得られた P 1および P 2の両方の塩基置換の入った DNAの塩基配 列を示す。
〔配列番号: 11〕
実施例 3で用いられたプライマ一 K2の塩基配列を示す。
〔配列番号: 12〕
実施例 3で用いられたプライマ一 K3の塩基配列を示す。
〔配列番号: 13〕
実施例 3で用いられたプライマ一 X2の塩基配列を示す。
〔配列番号: 14〕
ヒト SGLTホモログタンパク質のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 15〕
配列番号: 14で表されるアミノ酸配列を有するヒト SGLTホモログタンパク質を コードする DNAの塩基配列を示す。
〔配列番号: 16〕
3' 非翻訳領域(2026-3140)を含むヒト SGLTホモログタンパク質をコードする D N Aの塩基配列を示す。
〔配列番号: 17〕
参考例 1で用いられたプライマ一 3の塩基配列を示す。
〔配列番号: 18〕
参考例 1で用いられたプライマー 4の塩基配列を示す。
〔配列番号: 19〕
参考例 1で用いられたプライマー 5の塩基配列を示す。
〔配列番号: 20〕
参考例 1で用いられたプライマー 6の塩基配列を示す。
〔配列番号: 21〕
参考例 2で用いられたプライマー 7の塩基配列を示す。
〔配列番号: 22〕
参考例 2で用いられた 8の塩基配列を示す。
後述の参考例 1で得られた形質転換体ェシエリヒア コリ (Escherichia coli) DH5a/pTB2193は、 2000年(平成 12年) 12月 22日から日本国茨城県つく ば巿東 1丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305— 8566) の独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター (旧 通商産業省工業技術院生命ェ 学工業技術研究所: N I BH) に受託番号 F ERM BP— 7410として、 2 000年 (平成 12年) 12月 14日から大阪府大阪市淀川区十三本町 2— 1 7 - 85 (郵便番号 532— 8686) の財団法人 ·発酵研究所 ( I F O) に受託 番号 I FO 1 651 6として寄託されている。
後述の参考例 2で得られた形質転換体ェシエリヒア コリ (Escherichiacoli) DH5o!/TKD_lは、 200 1年(平成 13年) 6月 14日から日本国茨城県つくば巿 東 1丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305— 8566) の独立行政法人産業 技術総合研究所 特許生物寄託セン夕一に受託番号 FERM BP— 7629と して、 200 1年 (平成 13年) 6月 5日から大阪府大阪市淀川区十三本町 2— 17 - 85 (郵便番号 532 - 8686) の財団法人 ·発酵研究所 ( I FO) に 受託番号 I FO 16648として寄託されている。
後述の実施例 1で得られた形質転換体ェシエリヒア コリ (Escherichia coli) XL卜 Blue/pTB2254は、 2001年 (平成 1 3年) 12月 6日から茨城県つくば巿 東 1丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305— 8566) の独立行政法人産業 技術総合研究所 特許生物寄託センターに受託番号 FERM BP— 781 8と して、 200 1年 (平成 13年) 1 1月 20日から大阪府大阪市淀川区十三本町 2- 1 7-85 (郵便番号 532— 8686) の財団法人 ·発酵研究所 ( I F O) に受託番号 I FO 16729として寄託されている。
実施例 2で得られた形質転換体ェシエリヒア コリ (Escherichia coli) XL卜 BIue/pTB2255は、 2001年 (平成 1 3年) 12月 6日から茨城県つくば巿 東 1丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305— 8566) の独立行政法人産業 技術総合研究所 特許生物寄託センタ一に受託番号 FERM BP— 78 1 9と して、 200 1年 (平成 13年) 1 1月 20日から大阪府大阪市淀川区十三本町 2 - 1 7- 8 5 (郵便番号 532— 8686) の財団法人 ·発酵研究所 ( I F 0)
に受託番号 I F〇 1 6730として寄託されている。
実施例 2で得られた形質転換体ェシエリヒア コリ (Escherichia coli) XU- Blue/pTB2256は、 200 1年 (平成 13年) 12月 6日から茨城県つくば巿 東 1丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305— 8566) の独立行政法人産業 技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託番号 FERM BP— 7820と して、 2001年 (平成 13年) 1 1月 20日から大阪府大阪市淀川区十三本町 2- 1 7-85 (郵便番号 532— 8686) の財団法人 ·発酵研究所 ( I F〇) に受託番号 I F〇 1673 1として寄託されている。
実施例 2で得られた形質転換体ェシエリヒア コリ (Escherichia coli) DH5Q! /pTB2257は、 200 1年 (平成 13年) 12月 19日から茨城県つくば巿東 1丁 目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305— 8566) の独立行政法人産業技術総 合研究所 特許生物寄託センターに受託番号 FERM BP— 7832として、 200 1年 (平成 13年) 1 1月 20日から大阪府大阪市淀川区十三本町 2— 1 7 - 85 (郵便番号 532— 8686) の財団法人 ·発酵研究所 ( I F O) に受 託番号 I F〇 16732として寄託されている。 実施例
以下に、 参考例および実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、 本 発明はそれに限定されるものではない。 なお、 大腸菌を用いた遺伝子操作法は、 モレキュラー 'クローニング (Mo 1 e c u 1 a r c l o n i ng) に記載さ れている方法に従った。
参考例 1 ヒト塍臓由来 Na+/グルコーストランスポ一夕一タンパク質をコードす る cDNAのクローニングと塩基配列の決定
ヒト滕臓 cDNA (CL0NTECH社) を铸型とし、 2個のプライマ一、 プライマー 3 (配 列番号: 17)およびプライマー 4 (配列番号: 18)を用いて PCR反応を行った。 該反応における反応液の組成は前記 cDNA 1 ^ 1を铸型として使用し、 Pfu Turbo DNA Polymerase (STRATAGENE社) 1 1量、 プライマ一 3 (配列番号: 17) およびプ ライマ一 4 (配列番号: 18) を各 0.5 M、 dNTPsを 200 Μ、 および酵素に添付の バッファ一を 5 1加え、 50 1の液量とした。 PCR反応は、 94°C · 1分の後、 96°C ·
20秒、 60°C · 30秒、 72 · 2分のサイクルを 35回繰り返し、 最後に 72 · 7分の伸 長反応を行った。 さらに、 該 PCR反応産物を錶型とし、 2個のプライマ一、 プライ マー 5 (配列番号: 1 9) およびプライマー 6 (配列番号: 2 0) を用いて PCR 反応を行った。 該反応における反応液の組成は前記 PCR反応産物 1 zlを铸型とし て使用し、 Hu Turbo DNA Polymerase (STRATAGENE社) 1^1量、 プライマー 5 (配 列番号: 1 9) およびプライマ一 6 (配列番号: 20) を各 0.5 iM、 dNTPsを 200 M、および酵素に添付のバッファ一を 5^ 1加え、 50 1の液量とした。 PCR反応は、 94°C · 1分の後、 96°C · 20秒、 60 · 30秒、 72°C · 2分のサイクルを 35回繰り返し 最後に 72°C · 7分の伸長反応を行った。 該 PCR反応産物およびプラスミドベクター PME18Sを制限酵素 EcoRI, Spelで 37 、 一夜切断処理した。 1% ァガロースゲル電 気泳動し、 2 Kbp DNA断片(SGLTホモログ), 3Kbp DNA断片(pME18S)を切り出し、 ゲ ルェクストラクシヨンキット (Qiagen社) を用いて DNAを抽出し、 ライゲ一シヨン キット (宝酒造社) の処方に従い、 SGLTホモログを PME18Sへサブクローニングし た。 これを大腸菌 DH5Q!に導入し、 cDNAを持つクロ一ンをアンピシリンを含む LB 寒天培地中で選択した。 個々のクローンの配列を解析した結果、 新規 Na+ /ダルコ —ストランスポ一タ一タンパク質をコードする cDNA配列 (配列番号: 1 5) を得 た。 これらの,アミノ酸配列 (配列番号: 14) を含有する新規 NaVダルコ一スト ランスポ一夕一タンパク質をヒト SGLTホモログとした。 また形質転換体を大腸菌 (Escherichia coli) DH5 α/ρΤΒ2193と命名した。
ヒト SGLTホモログの疎水性プロット図を図 1に示す。
参考例 2 ヒト肝臓由来 Na+/グルコーストランスポ一夕一タンパク質をコ一ドす る cDNAのクロ一ニングと塩基配列の決定
ClonCapture cMA Select ion Ki t (CL0NTECH社)の処方に従い、 ヒト肝臓 cDNAラ イブラリー(CL0NTECH社)からクローニングした。 ピオチン化プローブは、 ヒト SGLT ホモログ cDNAを铸型として、 プライマ一 7 (5' -ggtctgcgggggctgatgattg - 3,) (配列番号: 2 1) , プライマ一 8 (5' -aggctggcgctgggtatgagaac-3' ) (配 列番号: 2 2) を用いて PCR反応で増幅した 403 b 断片を使用した。 SGLT ホモ ログ cDNA の入った大腸菌の選択は、 プライマ— 3, 4 を用いてコロニー PCR で 行った。得られたクローンの塩基配列を解析した結果、 3'非翻訳領域 (2026-31 0)
を含む SGLTホモログタンパク質をコードする cDNA配列(配列番号: 1 6 )を得た。 また形質転換体を大腸菌 (Escher ichi a col i) DH5ひ/TKD-lと命名した。
実施例 1 ヒト SGLTホモログ遺伝子上流領域のクローニングと塩基配列の決定 ヒトゲノム遺伝子 (CL0NTECH社) を铸型とし、 2個のプライマー 1 (配列番号: 1) およびプライマ一 2 (配列番号: 2) を用いて PCR反応を行った。 該反応におけ る反応液の組成は前記ゲノム DNA 1 1を铸型として使用し、 Pfu Turbo DNA Polymerase (STRATAGENE社) 1 1量、 プライマー 1 (配列番号: 1) を 0. 5 M、 プ ライマー 2 (配列番号: 2) を 0· 5 Μ、 dNTPsを 200 Μ、 および酵素に添付のバッフ ァ一を 加え、 50 1の液量とした。 PCR反応は、 94 · 1分の後、 96 · 20秒、 65Τ · 30秒、 72°C · 4分のサイクルを 40回繰り返し、 最後に 72°C · 7分の伸長反応 を行った。 さらに、 該 PCR反応産物を铸型とし、 2個のプライマー、 プライマ一 K1 (配列番号: 3) およびプライマ一 XI (配列番号: 4) を用いて PCR反応を行った。 該反応における反応液の組成は前記 PCR反応産物 1 1を铸型として使用し、 Pfu Turbo DNA Polymerase (STRATAGENE社) 1 1量、 プライマ一 K1 (配列番号: 3) お よびプライマー XI (配列番号: 4) を各 0. 5 M、 d Tsを 200 M、 および酵素に添 付のバッファーを 5 1加え、 50 1の液量とした。 PCR反応は、 94°C ' 1分の後、 96°C · 20秒、 65^ · 30秒、 72°C · 3分のサイクルを 40回繰り返し、 最後に 72°C · 7分の伸 長反応を行った。該 PCR反応産物およびホタルつレシフェラ一ゼ発現プラスミドべ クタ一 PGV-B2 (二ツボンジーン社) を制限酵素 KpnI (10U)、 Xhol (10U)で 37°C、一 夜切断処理した。 1%ァガロースゲル電気泳動し、 2. 3 Kbp DNA断片(ヒト SGLTホモ ログ遺伝子上流領域)、 4. 8Kbp DNA断片(pGV- B2)を切り出し、 ゲルェクストラクシ ヨンキット (Qiagen社)を用いて DNAを抽出し、 ライゲ一シヨンキット (宝酒造社) の処方に従い、 ヒト SGLTホモログ遺伝子上流領域を PGV-B2へサブクローニングし た。 これを大腸菌 DH5ひに導入し、 cDNAを持つクローンをアンピシリンを含む LB 寒天培地中で選択した。 個々のクローンの配列を解析した結果、 ヒト SGLTホモ口 グ遺伝子翻訳開始点の 2261bp上流から 8bp上流領域の DNA配列 (配列番号: 5) を得 た。 また形質転換体を大腸菌 (Escherich ia col i) XL1- BIue/pTB2254と命名した。 ヒト SGLTホモログ遺伝子上流領域 DNA配列には、 Is l l, HNF5, PPAR, HNF4 等の 転写因子の認識結合配列、 RNAポリメラ一ゼが結合する TATA boxが存在した(図 2)。
実施例 2 SNPを有するヒト SGLTホモログ遺伝子上流領域の作製
Celela社 SNPデータべ一スを検索すると、ヒト SGLTホモログ遺伝子上流領域に 2ケ所の SNPが見つかった (図 2) 。 C698 (翻訳開始点 1564bp上流) Tを SNP_P1、 A824(翻訳開始点 1438bp上流) Tを SNP-P2と命名した。
SNP PI, P2の塩基置換は、 PGV-B2-ヒト SGLTホモログ遺伝子上流領域(PTB2254) DNAに QuickChange XL Site-Directed Mutagenesis Kit (STRATAGENE社) を用い て導入した。 PTB2254 10ng、 反応 buf f er 5 1、 PI変異導入用プライマ一 (配列 番号: 6) あるいは P2 変異導入用プライマ一 (配列番号: 7) 125ng、 dNTP mix 1 β I、 QuickSolution 3 1に蒸留水を添加して 50 1とし、 Pfu Turbo DNA Polymerase (2.5U/ 1)を 1 1添加した。 PCR反応は、 95°C · 1分の後、 95°C · 50秒、 · 50秒、 68 · 12分のサイクルを 18回繰り返し、 最後に 68°C · 7分の伸長反応 を行った。 該 PCR反応産物に制限酵素 Dpnl(lOU)を添加し、 37°Cで 1時間反応し、 メ チル化された親鎖 DNAを切断した。 これを大腸菌 XL-1 Blueに導入し、 プラスミド を持つクローンを、 アンピシリンを含む LB寒天培地中で選択した。 個々のクロー ンの配列を解析し、 P2 の塩基置換の入った DNA配列 (配列番号: 8) を得た。 ま た形質転換体を大腸菌 (Escherichiacoli) XL1 - Blue /pTB2255と命名した。 P1の 塩基置換の入った DNA 配列 (配列番号: 9) を得た。 また形質転換体を大腸菌 (Escherichia coli) XLl_Blue /pTB2256と命名した。 PI ,P2両方の塩基置換の入 つた DNA配列(配列番号: 10)を得た。また形質転換体を大腸菌(Escherichiacoli) DH5o;/pTB2257と命名した。
実施例 3 ヒト SGLTホモログ遺伝子上流領域の欠失変異体の作製
ヒト SGLTホモログ遺伝子上流領域 (PTB2254) DNAを铸型とし、 2個のプライマ一 セット、 プライマー K2 (配列番号: 11) およびプライマー XI (配列番号: 4) 、 プ ライマー K3 (配列番号: 12) およびプライマ一 XI (配列番号: 4) 、 プライマー K1 (配列番号: 3)およびプライマ一 X2 (配列番号: 13) , プライマー K2 (配列番号: 11) およびプライマー X2 (配列番号: 13) を用いて PCR反応を行った。 該反応にお ける反応液の組成は前記 PTB2254 DNA lOngを铸型として使用し、 Pfu Turbo DNA Polymerase (STRATAGENE社) 1 1量、各プライマ一セットを各 0.5 M、 dNTPsを 200 M、および酵素に添付のバッファーを 5 1加え、 50^ 1の液量とした。 PCR反応は、
94°C · 1分の後、 96 .20秒、 65°C · 30秒、 72°C · 3分のサイクルを 40回繰り返し、 最後に 72°C · 7分の伸長反応を行った。 該 PCR反応産物およびホ夕ル ·ルシフェラ —ゼ発現プラスミドベクター pGV- B2 (二ツボンジーン社) を制限酵素 KpnI(10U)、 XhoI(lOU)で 37°C、一夜切断処理した。 1%ァガロースゲル電気泳動し、 1.3KbpDNA 断片(K2X1)、 450 bp DNA断片(K3X1)、 1.8 Kbp DNA断片(K1X2)、 0.8 Kbp DNA断片 (ΚΠ2)、 4.8 Kbp DNA断片(PGV-B2)を切り出し、 ゲルェクストラクシヨンキット (Qiagen社) を用いて DNAを抽出し、 ライゲーシヨンキット (宝酒造社) の処方に 従い、 ヒト SGLTホモログ遺伝子上流領域を pGV- B2へサブクロ一エングした。 これ を大腸菌 DH5aに導入し、 DNAを持つクローンを、 アンピシリンを含む LB寒天培地 中で選択した。 個々のクローンの配列を解析した結果、 ヒト SGLTホモログ遺伝子 上流領域 DNA配列 Xl, K3X1, K1X2, ΚΠ2を得た(図 3)。
実施例 4 ヒト SGLTホモログ遺伝子上流領域 +レポ一夕一プラスミド導入細胞の作 製
プロモーターを含まないホタル ·ルシフェラ一ゼ発現プラスミドベクター PGV-B2 (二ツボンジーン社) 、 SV40ウィルス初期ェンハンサ一/プロモー夕一 + ホタル ·ルシフェラ一ゼ発現プラスミドベクタ一 PGV-C2 (二ツボンジーン社) 、 ヒト SGLTホモログ遺伝子上流領域 +レポ一夕一プラスミド K1X1(CA), K1XKCT), KlXl(TA), KIXKTT), K2X1, 3X1, K1X2, K2X2 各 0. と内部標準化するため のコン卜ロールとして pRL-TK (単純へルぺスウィルスのチミジンキナーゼプロモ 一夕一下流にシーパンジー ·ルシフェラ一ゼを発現する、 二ツボンジーン社) 0.5 gと FuGENE 6 (Roche社) 3 1を Opt i-MEM (Gibco_BRL社) 1に添加し 15分間 室温で放置した後、 ヒト肝癌細胞株 HepG2細胞(1X105細胞 /0.2ml 10%FBS添加 DMEM 培地 /48 well plate) に各サンプル 4wel 1ずつ 10 I/wel 1添加することにより導入 処理し、 2日間培養した。
プロモータ一活性は、 ピツカジーンデュアル 'シーパンジー (二ツボンジーン 社) を用いて測定した。 HepG2 細胞を PBS(200^1)で 2回洗浄し、 添付の細胞溶解 剤を各ゥエルに ずつ添加し、室温で 15分間振とうした。細胞溶解液を各ゥェ ル 10 1ずつ 96ゥエルフルォロブラックプレート (大日本製薬) に移した。ルシフ エラーゼによる発光量の測定は、 LuminoskanRS (Labsystems社) を用いた。 ホ
タル'ルシフェラーゼ活性はピツカジ一ン発光試薬 11を各ゥエル 50 x lずつ添加し、 測定遅延時間 1秒後、 5秒間発光量を測定した。 その後シーパンジー ·ルシフェラ ーゼ活性は、 シーパンジー発光試薬を各ゥエル ずつ添加し、 測定遅延時間 1 秒後、 5秒間発光量を測定した。 プロモ一夕一活性は、 各ゥエルのホ夕ル ·ルシフ エラ一ゼ活性のシ一パンジー'ルシフェラ一ゼ活性に対する比率で示した(図 4)。 X1K3領域がヒト SGLTホモログのプロモータ一活性に必須であること、 K1K3領域が あればさらにプロモーター活性が高まることがわかった。 SNP は、 CA, CT, TA型 の間ではプロモーター活性に差はないが、 TT型は活性が低下することがわかった。 実施例 5 デキサメタゾンによるヒト SGLTホモログ遺伝子上流領域の活性促進
ヒト SGLTホモログ遺伝子上流領域 +レポ一夕一プラスミド pTB2254 0.5 gと FuGENE 6 (Roche社) 1.5 1を Opti-MEM (Gibco_BRL社) 50 1に添加し 15分間室温 で放置した後、 ヒト肝癌細胞株 HepG2細胞, Huh-7細胞 (1 X 105細胞 /0.2ml 10%FBS 添加 DMEM培地 /48 well plate) に各サンプル 4wel 1ずつ 10 z 1/wel 1添加すること により導入処理し、 デキサメタゾン(和光)を 0〜3 M 添加し、 3日間培養した。 プロモーター活性は、 ピツカジーン ルシフェラ一ゼアツセィシステム (ニッ ポンジ一ン社)を用いて測定した。 HepG2, Huh- 7細胞を PB S ( 200 1 )で 2回洗浄し、 添付の細胞溶解剤を各ゥエルに 30 1ずつ添加し、室温で 15分間振とうした。細胞 溶解液を各ゥエル 10 x lずつ 96ゥエルフルォロブラックプレート (大日本製薬) に 移した。 ルシフェラーゼによる発光量の測定は、 1420 ARVO SXマルチラベルカウ ン夕 (Wallac社)を用い、 ピツカジーン発光試薬を各ゥエル 50 1ずつ添加し、 10 秒間発光量を測定した (図 5) 。 デキサメタゾンによるヒト SGLTホモログ遺伝子上 流領域の活性促進作用が認められた。 産業上の利用可能性
本発明のヒト SGLTホモログプロモーターは、レギユレ一夕一配列を含むので、通 常それらを含まないものに比べ、 よりヒト生体内に近いヒト SGLTホモログの発現 様式を反映した活性を有する。 よって、 よりヒト生体内に近い条件でヒトの疾患 の治療、薬剤のスクリ一ニング系の設定などにおいて用いるベクターに組込むプ 口モータ—として使用できる。