明 細 書
5—HT7受容体結合能を有し、 かつ代謝的に安定な テトラヒドロべンズィンドール誘導体 発明の背景
発明の分野
本発明は生体内のセロトニン受容体に対して選択的結合能を有し、 かつ代謝に 対する安定性の高いテトラヒドロペンズインドール誘導体、 およびそれを含んで なる医薬品組成物に関する。
背:
現代社会において、 我々を取り巻く環境は激しく変化しており、 適応していく ことがますます困難となっている。 そして社会環境へ対応しきれない部分はスト レスとなって我々の身体に蓄積され、 それがやがて身体機能のみならず、 精神機 能にまで異常を来すことがある。 精神的な機能の異常に対する治療において、 心 理学的療法とともに薬物療法の重要性はますます高まっており、 有用な薬物の開 発が進められてきた。
中枢神経系におけるセロトニン (5—HT) の作用が示唆されて以来、 セロト ニン受容体の分類、 分布が徐々に明らかとなってきた。 そして近年の分子生物学 的手法を用いたセロトニン受容体の詳細な解析により、 5— HT!およびそのサ ブタイプ、 5—HT2およびそのサブタイプ、 5—HT3、 5— HT4、 5— HT6、 5—HT7などの特定がなされ、 14種類のセロトニン受容体が提唱されている [R. D. Wardら euroscience, 64, 1105-1111, 1995]。
クロザピンをはじめとする数種の精神分裂病薬が 5—HT6、 5一 HT7の両受 容体に対し高親和性を示すことより、 これら受容体は精神分裂病薬の有効性に密 接に関連していると推測された [B. L. Rothら J. Pharmacorol. Exp. Ther., 26 8, 1403-1410, 1994]。
また、 5— HT 7受容体はヒトにおいて概日リズムの制御に重要な機能を担つ ていると推定され、 睡眠障害、 生体リズム障害への関与が示唆されている [T. W.
Lovenbergら Neuron, 11, 449-458, 1993]。 さらに、 数種のうつ病薬の連続投 与によりラット視交叉上核の 5— H T 7受容体密度が減少したことより、 5— H T 7受容体が抗うつ作用の発現ゃ概日リズムの制御に対して関与していることが 示唆されている [U. L. Mullinsら Neurosychopharmacology, 21, 352-367, 199 9]。 .
また、 ヒトおよび動物の脳内ばかりでなく、 平滑筋組織、 すなわち脾臓、 胃、 回腸、 小腸、 心臓冠状血管などに広く存在し [A. J. Sleight, DN&P, 214-223, 1 997]、 様々な生理機能を果たしているものとされている。 したがって、 5— HT 7受容体に作用する物質の創製は、 これらの器官における生理機能の研究および それら器官における機能の異常によって引き起こされる疾病の治療、 予防に極め て有益なものである。
本発明者らは既に、 生体内の 5— HT 7受容体に対して強い結合能を有する物 質を見出している。 すなわち本発明者らに関わる発明 (W098/00400、 EP97928490, WO 99/33804、 EP1057814, WO 99 Z54303、 EP 1081136) によれば、 生体内の 5— H T 7受容体に対 して強く結合する新規なテトラヒドロべンズインドール誘導体、 およびそれらの 化合物を含むことを特徴とする医薬品組成物が提供される。
以上のように、 生体内の 5— H T 7受容体に対して強く結合する新規なテトラ ヒドロべンズィンドール誘導体が提供されたが、 その代謝に対する安定性につい て必ずしも満足のいくものではない。 発明の概要
本発明者らは今般、 テトラヒドロべンズィンドール誘導体の芳香環部分にハロ ゲン原子や水酸基を導入することにより代謝に対する安定性が著しく高まること を見出し、 本発明を完成するに到った。
すなわち、 本発明は、 生体内のセロトニン受容体に対して選択的結合能を有し、 かつ代謝に対する安定性の高いテトラヒドロべンズィンドール誘導体およびそれ らの化合物を含んでなる医薬の提供をその目的とする。
本発明による化合物は、 式 (I) の化合物または薬理学的に許容しうるその塩
である。
(上記式中、
R 1は水素原子またはハ口ゲン原子を表し、
R 2は水酸基またはハロゲン原子を表し、
R 3は水素原子またはハロゲン原子を表し、
但し、 R 1および R 3が共に水素原子である場合は除く。 )
本発明による化合物は、 クローナル細胞系に発現したヒト 'セロトニン 5— H ΊΝ受容体サブタイプに結合する [3 H ] — 5 C Tを強く、 かつ選択的に阻害し、 また後記試験例から明らかなように公知化合物と比較して代謝に対して著しく安 定である。従って本発明による化合物は、 中枢、 および末梢のセロトニン制御機 能の異常によって生ずる疾患、 例えば、 精神疾患 (躁鬱、 不安、 精神分裂、 てん かん、 睡眠障害、 生体リズム障害、 偏頭痛など) 、 循環系疾患 (高血圧など) 、 および消化管機能異常の予防または治療に有用である。
本発明による医薬組成物は、 本発明による化合物または薬理学的に許容しうる その塩と、 場合によっては製剤用添加物とを含んでなるものである。
本発明によればまた、 精神疾患の予防または治療に用 、られる医薬の製造のた めの、 本発明による化合物の使用が提供される。
本発明によれば更に、 本発明による化合物の治療上有効量を、 ヒトを含む哺乳 動物に投与する工程を含んでなる精神疾患の予防または治療法が提供される。 発明の具体的説明 '
「ハロゲン原子」 とはフッ素、 塩素、 臭素、 およびヨウ素の各原子を意味する, また触媒として用いられる 「塩基」 とは水酸化ナトリウム、 炭酸カリウム、 ト リエチルアミンなどを意味する。
R1は、 好ましくは、 水素原子、 フッ素原子、 塩素原子、 または臭素原子であ り、 より好ましくは、 フッ素原子、 塩素原子、 または臭素原子である。
R2は、 好ましくは、 水酸基、 フッ素原子、 塩素原子、 または臭素原子であり、 より好ましくは、 フッ素原子、 塩素原子、 または臭素原子であり、 特に好ましく は、 塩素原子である。
R3は、 好ましくは、 水素原子、 フッ素原子、 塩素原子、 または臭素原子であ り、 より好ましくは、 水素原子である。
式 (I) の化合物のうち好ましい化合物としては、 R1および R2が同一または 異なっていてもよく、 フッ素原子、 塩素原子、 または臭素原子である化合物が挙 げられる。
別の好ましい化合物群としては、 R1がフッ素原子、 塩素原子、 または臭素原 子であり、 R2が水酸基である化合物が挙げられる。
より好ましい化合物群としては、 R1がフッ素原子、 塩素原子、 または臭素原 子であり、 R2が塩素原子である化合物が挙げられる。
さらに好ましい化合物群としては、 : R1がフッ素原子、 塩素原子、 または臭素 原子であり、 R2が塩素原子であり、 R3が水素原子である化合物が挙げられる。 本発明において、 式 (I) の化合物のうち、 好ましい化合物群の具体例は下記 のとおりである。
2 a- (4- (4一 (4一フルオロフェニル) 一 1, 2, 3, 6—テトラヒド 口ピリジン一 1一ィル) プチル) 一 6—クロ口一 2 a, 3, 4, 5—テトラヒド 口べンズ [c d] インドール一 2 ( 1 H) オン、
2 a- (4— (4— (4—クロ口フエニル) 一 1, 2, 3, 6—テトラヒドロ ピリジン一 1一ィル) プチル) 一 6—クロ口一 2 a, 3, 4, 5—テトラヒドロ ベンズ [cd] インドール一 2 ( 1 H) オン、
2 a- (4一 (4— (4—ブロモフエニル) 一 1, 2, 3, 6—テトラヒドロ ピリジン一 1—ィル) プチル) 一 6—クロロー 2 a, 3, 4, 5—テトラヒドロ ベンズ [cd] インドール一 2 ( 1 H) オン、
2 a- (4一 (4— (4一フルオロフェニル) 一 1, 2, 3, 6—テトラヒド 口ピリジン一 1—ィル) プチル) 一 6, 8—ジクロロ一 2 a, 3, 4, 5—テ
トラヒドロべンズ [c d] インドニル一 2 ( 1 H) オン、
2 a- (4一 (4一フエニル一 1, 2, 3, 6—テトラヒドロピリジン一 1— ィル) プチル) 一 6, 8—ジクロロー 2 a, 3, 4, 5—テトラヒドロべンズ [c d] インドール一 2 ( 1 H) オン、
2 a— (4一 (4一フエ二ルー 1, 2, 3, 6—テトラヒドロピリジン一 1一 ィル) プチル) 一 6, 8—ジフルオロー 2 a, 3, 4, 5—テトラヒドロベン ズ [c d] インド一ルー 2 ( 1 H) オン、 および
2 a- (4— (4— (4一フルオロフェニルー 1, 2, 3, 6—テトラヒドロ ピリジン一 1一ィル) プチル) 一6—ヒドロキシ一 2 a, 3, 4, 5—テトラヒ ドロべンズ [c d] インドール一 2 ( 1 H) オン。
式 (I) で表される化合物は一力所に不斉炭素を有しており、.その不斉炭素に 基づく光学異性体が存在する。 純粋な形態の光学異性体の他、 光学異性体の任意 の混合物、 ラセミ体などはいずれも本発明の範囲に包含され、 それらの任意の物 質を本発明の医薬の有効成分として用いてもよい。
本発明による化合物は、 セロトニン 5—HT7受容体に対して親和性を有する という特徴がある。 従って、 本発明による化合物は、 セロトニン 5— HT?受容 体が関与する躁鬱、 不安、 精神分裂、 てんかん、 睡眠障害、 生体リズム障害、 ま たは偏頭痛をはじめとする精神疾患などの予防または治療に有用である。
本発明による式 (I) の化合物は式 (I I) の化合物を出発原料として製造す ることができる。
まず、 式 (I I) の化合物を従来公知の芳香族求核置換反応に付することによ つて式 (I I I) [式中、 R R3は前記式 (I) で定義されたものと同義であ る。 ] の化合物に変換する。
(II) (III)
ハロゲン化の好ましい例としては適切な触媒の存在下、 また非存在下で二硫化
炭素、 四塩化炭素、 クロ口ホルム、 ジクロロメタン、 1 , 2—ジクロロェタン、 酢酸等の溶媒中、 0 °C〜加熱還流下で行われる。 ハロゲン化剤としてフッ素、 塩 素、 臭素、 ヨウ素の他に、 1一フルォロピリジニゥムトリフラ一ト、 1—フルォ ロー 2, 6—ジクロ口ピリジニゥムテトラフルォロボラートなどの非置換の、 ま たは置換された N—フルォロピリジニゥム塩類、 N—フルオロー N—プロピル一 p—トルエンスルホンアミドなどの N—フルオロー N—アルキルスルホンアミド 類、 N—フルォロベンゼンスルホンィミドなどの N—フルォロスルホンィミド類、 次亜塩素酸ナトリウム N—プロモスクシイミド、 塩化スルフリルなどが用いられ o
水酸基の導入は芳香族求核置換反応であるフリーデル ·クラフツ反応によって 導入されたァシル基を化学反応によって変換することにより行われる。 フリーデ ル 'クラフツ反応は、 触媒の存在下、 二硫化炭素、 クロ口ホルム、 ジクロロメ夕 ン、 1, 2—ジクロロェタン、 ニトロベンゼンなどの溶媒中、 0 °C〜加熱還流下 で行われる。 ァシル化剤としては塩化ァセチル、 塩化プロピルなどのァシルハラ ィドの他に無水酢酸などの酸無水物や酢酸、 プロピオン酸などのカルボン酸が使 用される。 好ましい触媒として塩化アルミニウム、 塩化鉄、 三フヅ化ホウ素、 塩 化スズ、 塩ィ匕亜鉛などのルイス酸の他にフヅ化水素、 硫酸、 ポリリン酸などのプ 口トン酸が使用される。
フリ一デル ·クラフヅ反応によって導入されたァシル基は、 m—クロ口過安息 香酸、 過トリフルォロ酢酸などの過酸化物と、 必要ならばトリフルォロ酢酸など の酸触媒の存在下に反応させて芳香環とカルボニル基の間に酸素原子を挿入して ァシルォキシ基に変換され、 さらに、 加水分解されることによって水酸基に変換 される。
式 (I I ) の化合物は WO 9 8 / 0 0 4 0 0記載の方法によって製造すること ができる。
次いで、 式 (I I I ) の化合物を、 式 (I V) [式中、 R 1は式 (I ) で定義 されたものと同義である。 ] で示される二級アミン類と塩基の存在下で反応させ、 式 (I ) の化合物に変換する。
この反応は無溶媒下、 もしくは不活性溶媒で希釈された上で行われ、 酸吸収剤 の存在もしくは非存在下、 常温〜加熱の範囲で進行する。 用いる不活性溶媒の例 としては、 ジォキサン、 テトラヒドロフラン、 ァセトニトリル、 ジメチルホルム アミ ドなどがあり、 酸吸収剤の例としてはアルカリ金属の塩類、 炭酸塩類 (例え ば炭酸ナトリウム、 炭酸カリウムなど) 、 重炭酸塩類 (重炭酸ナトリウム、 重炭 酸カリウムなど) 、 トリアルキルアミン類、 ピリジン塩基類などが使用されるほ か、 原料物質として用いられる二級アミン自身を過剰に用い酸吸収剤とすること もできる。
式 (IV) の化合物は市販品を用いるか、 あるいは対応する市販のピペリジノー ル体を酸によって脱水させることによって製造できる。
式 (I I I) の化合物のうち、 好ましい化合物の具体例は下記のとおりである c
2 a— (4—プロモプチル) 一6—ヒドロキシー 2 a, 3, 4, 5—テトラヒ ドロべンズ [cd] インドール一 2 ( 1 H) オン、
2 a- (4—プロモプチル) 一 6-クロ口一 2 a, 3, 4, 5—テトラヒドロ ベンズ [cd] インドール一 2 ( 1 H) オン、 .
2 a- (4—ブロモプチル) —6—ブロモ—2 a, 3, 4, 5—テトラヒドロ ベンズ [cd] インドール一2 ( 1 H) オン、
2 a— (4—プロモプチル) 一6—フルオロー 2 a, 3, 4, 5—テトラヒド 口べンズ [c d] インド一ルー 2. ( 1H) オン、
2 a- (4—プロモプチル) —6, 8—ジクロロー 2 a ύ , 4 , 5—テ卜ラ ヒドロべンズ [c d] インド一ル一 2 (1H) オン、
2 a- (4—ブロモプチル) —6, 8—ジブロモ一 2 a, 3 4, 5—テトラ ヒドロべンズ [cd] インドール一 2 ( 1 H) オン、 および
2 a— (4—ブロモプチル) —6, 8—ジフルオロー 2 a, 3, 4, 5—テト
ラヒドロべンズ [ c d ] インドール一 2 ( 1 H) オン。
式 (I V) の化合物のうち、 好ましい化合物の具体例は下記のとおりである。 4一フエ二ルー 1 , 2 , 3 , 6—テトラヒドロ一ピリジン、
4 - ( 4一フルオロフェニル) 一 1 , 2 , 3, 6—テトラヒドローピリジン、 4一 (4—クロ口フエ二ル) 一 1, 2 , 3, 6—テトラヒドロ一ピリジン、 お よび
4 - ( 4—プロモフエニル) 一 1 , 2, 3 , 6—テトラヒドロ一ピリジン。 本発明による化合物の合成において反応混合物からの目的物の精製は、 合成化 学においてよく用いられている方法、 すなわち反応物を氷と、 水に任意に混和し ない有機溶媒、 例えばベンゼン、 トルエン、 酢酸ェチル、 酢酸プチル、 メチルイ ソブチルケトン、 クロ口ホルム、 ジクロロメタンなどに分配抽出し、 濃縮、 結晶 化などでおこなわれる。 また、 必要に応じて例えばアルミナ、 シリカゲルを用い たカラムクロマトグラフィーによる分画精製も実施される。
本発明の代表的な化合物が、 本発明の明細書の実施例に具体的かつ詳細に説明 されている。 従って、 上記の一般的な製造方法および後述の実施例の説明を基に して、 原料化合物、 反応試薬、 反応条件などを適宜選択することにより、 また必 要に応じて実施例に開示された方法に適宜の修飾ないし改変を加えることにより、 当業者は上記一般式 (I ) に包含される化合物をいずれも製造することができる 本発明による化合物はァミン類であり、 塩基として存在する。 従って多くの無 機酸、 および有機酸と塩を形成し、 この性質は純物質製造並びに医薬品としての 提供形態に利用される。 すなわち製造時にあっては酸性とすることで例えば水な どの極性溶媒に可溶化、 抽出精製がされ、 好ましい物理化学的性状を示す塩の形 態として単離され、 医薬の用途においては、 薬理学的に許容される塩の形態をと ることができる。
とりうる塩の形態としては、 塩酸、 硝酸、 臭化水素酸、 硫酸などの無機酸との 酸付加塩、 もしくは脂肪族のモノカルボン酸、 ジカルボン酸、 ヒドロキシアル力 ン酸、 ヒドロキシアルカン二酸、 アミノ酸などと、 また芳香族の酸、 脂肪族、 芳 香族のスルホン酸などの無毒な有機酸から誘導される塩がある。 このような酸付 加塩の例としては、 塩酸塩、 臭化水素酸塩、 硝酸塩、 硫酸塩、 硫酸水素塩、 リン
酸一水素塩、 リン酸二水素塩、 酢酸塩、 プロピオン酸塩、 酒石酸塩、 シユウ酸塩、 マロン酸塩、 コハク酸塩、 フマル酸塩、 マレイン酸塩、 マンデル酸塩、 安息香酸 塩、 フ夕ル酸塩、 メタンスルホン酸塩、 ベンゼンスルホン酸塩、 トルエンスルホ ン酸塩、 クェン酸塩、 乳酸塩、 リンゴ酸塩、 グリコール酸塩などがあげられる。 上記にあげた酸付加塩は、 薬理学的に許容される医薬としての好ましい。 すな わち、 水に対する溶解速度の点から製剤の際に有利であり、 更に人体に投与され る場合、 分散性、 吸収性などの点からも有利である。
本発明により提供される医薬は、 式 (I ) で表わされる化合物の少なくとも一 種、 又は薬理学的に許容しうるその塩を有効成分とすることを特徴としている。 本発明による医薬は、 経口および非経口 (例えば、 静注、 筋注、 皮下投与、 直 腸投与、 経皮投与) のいずれかの投与経路で、 ヒトおよびヒト以外の動物に投与 することができる。 本発明の医薬としては、 有効成分である上記の物質をそのま ま投与してもよいが、 一般的には 1又は 2以上の製剤用添加物を用いて医薬組成 物を製造して投与することが好ましく、 投与経路に応じた適当な剤型とされる。 具体的には、 経口剤としては、 錠剤、 カプセル剤、 散剤、 顆粒剤、 シロップ剤 などが挙げられ、 非経口剤としては、 静注、 筋注などの注射剤、 直腸投与剤、 油 脂性座剤、 水性座剤などが挙げられる。
これらの各種製剤は、 通常用いられている製剤用添加物、 例えば、 賦形剤、 崩 壊剤、 結合剤、 滑沢剤、 着色剤などを用いて常法により製造することができる。 賦形剤としては例えば乳糖、 プドウ糖、 コーンスターチ、 ソルビット、 結晶セ ルロースなどが、 崩壊剤としては例えばデンプン、 アルギン酸ナトリウム、 ゼラ チン末、 炭酸カルシウム、 クェン酸カルシウム、 デキストリンなどが、 結合剤と しては例えばジメチルセルロース、 ポリビニルアルコール、 ポリビニルエーテル、 メチルセルロース、 ェチルセルロース、 アラビアゴム、 ゼラチン、 ヒドロキシプ 口ピルセルロース、 ポリビニルピロリ ドンなどが、 滑沢剤としては例えばタルク、 ステアリン酸マグネシウム、 ポリエチレングリコール、 硬化植物油などがそれそ れ挙げられる。 また、 上記注射剤は、 必要により緩衝剤、 p H調整剤、 安定化剤 などを添加して製造することができる。
医薬組成物中の本発明による化合物の含有量は、 その剤型に応じて異なるが、
通常全組成物中 0. 1〜50重量%、 好ましくは 0. 1〜20重量%程度である。 投与量は患者の年齢、 体重、 性別、 疾患の相違、 症状の程度などを考慮して、 個 々の場合に応じて適宜決定されるが、 通常成人 1日当り 0. 1〜; L 00mg、 好 ましくは 0. l〜30mgであり、 これを 1日 1回または数回に分けて投与する。 実 施 例
本発明を以下の実施例、 試験例などにより更に詳細に説明するが、 本発明はこ れらに限定されるものではない。
実施例 1 : 2a- (4-プロモブチル) - 6-クロ口- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロべンズ Ccd] ィンドール- 2 (1H) オン
WO 98/00400の実施例 1に従って製造した 2a- (4-プロモプチル) -2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロべンズ [cd] インドール- 2 (1H) オン (1.5g, 5.0mmo 1) を塩化メチレン (30ml) に溶解し、 さらに塩化スルフリル (420ml, 5.3mmo 1) を加え、 0°Cで 1.5時間攪拌した。 反応液に水を加え、 クロ口ホルムによって 反応生成物を抽出した。 有機層を飽和食塩水で洗浄、 硫酸マグネシウムで乾燥し た後、 溶媒を減圧留去することによって得られた物質をシリカゲルカラムクロマ トグラフィ一によつて分離精製することによって上記目的物を 1.5g (4.4腿 ol, 収率 87%) 得た。
Ή-NMR (CDCla) δ 1.19 - 1.54 (3Η, m), 1.69 - 1.90 (4H, m), 1.90 - 2.00 (1H, m), 2.08 - 2.20 (2H, m), 2.70一 2.84 (2H, m), 3.32 (2H, t, J=7.1Hz), 6.64 (1H, d, J=8.0Hz), 7.61 (1H, d), 7.31 (1H, br s) ; MW 342.66 (CuHnN OBrCl) ; マススペクトル EI m / z 341, 343, 345 (M)+
実施例 2 : 2a- (4- (4-(4-フルオロフェニル)- 1, 2, 3, 6-テトラヒドロピリジ ン- 1-ィル) プチル) -6-クロ口- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロべンズ [cd] インド ール- 2 (1H) オン
2a- (4-ブロモプチル) - 6-クロ口- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロべンズ [cd] ィ ンドール- 2 (1H) オン (340mg, l.Ommol) 、 4- (4-フルオロフェ二ル)- 1, 2, 3, 6 -テトラヒドロピリジン塩酸塩 (240fflg, 1.1扁 ol) 、 および炭酸カリウム (350 mg, 2.5mmol) を無水 N, N-ジメチルホルムアミド (4ml) 中、 60°Cで 3時間攪拌し
た。 反応液に酢酸ェチルを加え、 それを水、 および飽和食塩水で洗浄、 無水硫酸 マグネシゥムで乾燥した後、 溶媒を減圧留去することによって得られた物質をシ リカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することにより、 上記目的物を 27 Omg (0.60薦 ol, 収率 60%) 得た。
Ή -腿 (CDCL) δ 1.06 - 1.19 (1H, m), 1.23 - 1.53 (4H, m), 1.71 - 2.00 (3H, m), 2.07 - 2.20 (2H, m), 2.30 - 2.42 (2H, m), 2.46 - 2.53 (2H, m),2. 59 - 2.67 (2H, m), 2.71 - 2.81 (2H, m), 3.04 - 3.11 (2H, m), 5.96 (1H, b r s), 6.62 (1H, d, J=8.0Hz), 6.95 一 7.00 (2H, m), 7.15 (1H, d), 7.25 - 7. 34 (3H, m) ; 層 38.97 (C26H2 0C1F) ; マススぺクトル EI m / z 438 : 44 0 (強度比 = 3 : 1) (M)+
得られたフリー体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、 溶媒を減圧留去す ることによって塩酸塩を得た。
MW 475.44 (C26H29N2OCLF) ; マススペクトル TSP m / z 439,441 (M-C1)+ 実施例 3 : 2a- (4- (4- (4-クロ口フエ二ル)- 1, 2, 3, 6-テトラヒドロピリジン- 卜ィル) ブチル) -6-クロ口- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロべンズ [cd] インド一 ル- 2 (1H) オン
4- (4-フルオロフェニル)-1, , 3, 6-テトラヒドロピリジン塩酸塩に代えて 4 - (4-クロ口フエ二ル)- 1, 2, 3, 6-テトラヒドロピリジン塩酸塩を用いた他は実 施例 2と同様の方法で合成した (収率 64%) 。
Ή-NMR (CDCL) δ 1.06 - 1.18 (1H, m), 1.30一 1.53 (4H, m), 1.71一 2.00 (3H, m), 2.08 - 2.20 (2H, m), 2.30 ― 2.42 (2H, m), 2.47一 2.53 (2H, m),2. 59 - 2.66 (2H, m), 2.73 - 2.85 (2H, m), 3.04 - 3.11 (2H, m), 6.02 (1H, b r s), 6.62 (1H, d, J=8.0Hz), 7.15 (1H, d), 7.26 (1H, br s), 7.26 - 7.28 (4H, m) ; MW 455.43
; マススぺクトル EI m / z
454, 456, 458 (M)+
得られたフリー体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、 溶媒を減圧留去す ることによって塩酸塩を得た。
MW 491.89 (C26H2 0C13) ; マススペクトル TSP m / z 455, 457, 459(M-C1)+ 実施例 4 : 2a- (4- (4-(4-プロモフェニル) _-1,_ 2,_ 3,_ 6-テトラヒドロピリジン-
卜ィル) プチル) -6-クロ口- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロべンズ [cd] インド一 ル -2 (1H) オン
( 1) 4- (4-プロモフエニル) -4-ピペリジノール (2.0g, 7.8mmol) をトリフル ォロ酢酸 (20ml) に溶解し、 17.5時間加熱還流した。 溶媒を減圧留去することに よって得られた残渣をクロ口ホルムに溶解し、 1N.水酸化ナトリウム水溶液、 お よび飽和食塩水で洗浄した。 硫酸マグネシウムで乾燥した後、 溶媒を減圧留去す ることによって 4- (4-プロモフエニル) -1, 2, 3, 6-テトラヒドロピリジンを 1.8 g (7.6誦 1, 収率 97%) 得た。
Ή-NM (CDC1 δ 2.42 (2H, br s), 3.10 (2H, t, J=5.8Hz), 3.50一 3.54 (2 H, m), 6.13 (1H, br s), 7.25 (2H, d, J=8.8Hz), 7.44 (2H, m) ; MW 238.13 (CnHnNBr) ; マススペクトル EI m / z 237 : 239 (強度比 = 1 :1) (Μ)÷
(2) 4- (4-フルオロフェニル)-1, 2, 3, 6-テトラヒドロピリジン塩酸塩に代 えて、 ( 1) で得た 4- (4-ブロモフエ二ル)- 1, 2, 3, 6-テトラヒドロピリジン を用いた他は実施例 2と同様の方法で合成した (収率 70%) 。
'H-NMR (CDCL) δ 1.06 - 1.18 (1H, m), 1.29 - 1.64 (4H, m), 1.72 - 1.99 (3H3 m), 2.08 - 2.20 (2H, m), 2.30 - 2.40 (2H, m), 2.46 - 2.52 (2H, m), 2.60 - 2.66 (2H, m), 2.71 - 2.82 (2H, m), 3.04 ― 3.10 (2H, m), 6.03 (1H, br s), 6.62 (1H, d, J=8.3Hz), 7.15 (1H, d), 7.22 - 7.26 (3H, m) 7.42 (2 H, d, J=8.5Hz) ; MW 499.88 (C26H2 OBrCl) ; マススぺクトル EI m / z 49 8, 500, 502 (M)+
得られたフリ一体をメ夕ノ一ルに溶解し塩酸を滴下した後、 溶媒を減圧留去す ることによつて塩酸塩を得た。
MW 536.34 (C2SH23NzOBrCl2) ; マススぺクトル TSP m / z 499, 501, 503 (M-C ιγ
実施例 5 : 2a- (4- (4-フエニル- 1, 2, 3, 6-テトラヒドロピリジン-; 1-ィル) ブ チル) -6-クロ口- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロべンズ [cd] インドール- 2 (1H) オン
4- (4-フルオロフェニル)-1, 2, 3, 6-テトラヒドロピリジン塩酸塩に代えて 4 -フエニル- 1, , 3, 6-テトラヒドロピリジン塩酸塩を用いた他は実施例 2と同
様の方法で合成した (収率 64%) 。
Ή-NMR (CDC13) δ 1.06 - 1.19 (1H, m), 1.30 - 1.41 (2H, m), 1.41 - 1.55 (2H, m), 1.72 - 2.00 (3H, in), 2.09 - 2.20 ( H, m), 2.32 - 2.43 (2H, m), 2. 51 - 2.59 (2H, m), 2.61 - 2,69 (2H, m), 2.72一 2.82 (2H, m), 3.06 - 3.15 (2H, m), 6.03 (1H, br s), 6.63 (1H, d, J=8.0Hz), 7.14 - 7.41 (7H5 m); M W 420.98 (C2M2OCI) ; マススぺクトル FAB m / z 421 : 423 (強度比: 3
: 1) (M+n
得られたフリー体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、 溶媒を減圧留去す ることによって塩酸塩を得た。
MW 457.45 (C26H3oN20CL) ; マススペクトル TSP m / z 421 : 423 (強度比: 3 : 1) (M-C1)+
実施例 6 : 2a- (4-ブロモブチル) -6, 8-ジクロロ- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロ ベンズ [cd] ィンドール- 2 (1H) オン
WO 98/00400の実施例 1に従って製造した 2a- (4-プロモブチル) -2a,
3, 4, 5 -テトラヒドロべンズ [cd] インドール- 2 (1H) オン (3.1g, lOmmol) を塩化メチレン (30ml) に溶解し、 さらに塩化スルフリル (3ml) を加え、 室温 で 2.5時間攪拌した。 反応液に水を加え、 クロ口ホルムによって反応生成物を抽 出した。 有機層を飽和食塩水で洗浄、 硫酸マグネシウムで乾燥した後、 溶媒を減 圧留去することによって得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに よって分離精製することによって上記目的物を 3. (9.9雇 ol, 収率 99%) 得た。 Ή-醒 (CDCls) δ 1.22 ― 1.40 (2Η, m), 1.41 - 1.55 (1H, m), 1.68 - 2.00 (5H, m)5 2.05 - 2.19 (2H, m), 2.66 - 2.81 (2H, m), 3.33 (2H, t, J=6.8Hz),
7.19 (1H, s), 7.44 (1H5 br s) ; MW 377.11 (CuHuNOBrCL) ; マススぺクト ル EI m / z 375, 377, 379, 381 (Μ)÷
実施例 7 : 2a- (4- (4-(4-フルオロフェニル)-1, 2, 3, 6-テトラヒドロピリジ ン- 1-ィル) プチル) -6, 8-ジクロロ- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロべンズ [cd] ィンドール- 2 (1H) オン
2a- (4 -プロモブチル) -6-クロ口- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロべンズ [cd] ィ ンドール- 2 (1H) オンに代えて 2a- (4-プロモブチル) -6, 8-ジクロロ- 2a, 3, 4,
5 -テトラヒドロベンズ [cd] インドール- 2 (1H) オンを用いた他は実施例 2と 同様の方法で合成した (収率 58%) 。
Ή-NMR (CDCL) δ 1.10 - 1.21 (1H, m), 1.29 - 1.61 (4H, m), 1.71 - 2.00 (3H, m), 2.08 - 2.18 (2H, m), 2.32 - 2.43 (2H, m), 2.47 - 2.54 (2H, m),2. 60一 2.69 (2H, m), 2.70一 2.78 (2H, ι)3 3.06 - 3.12 (2H, m), 5.97 (1H, b r s), 6.99 (2H, t, J=8.8Hz), 7.18 (1H, s), 7.26 - 7.34 (3H, m) ; MW473.4 2 (C26HnN2OFCl2) ; マススペクトル EI m / z 472 : 474 : 476
(強度比: 9 : 6 : 1) (M)+
得られたフリ一体をメ夕ノ一ルに溶解し塩酸を滴下した後、 溶媒を減圧留去す ることによつて塩酸塩を得た。
MW 509.88 (C26H28N2OFCl3) ; マススペクトル TSP m / z 473 : 475 : 477 (強 度比: 9 : 6 : 1) (M~C1)+
実施例 8 : 2a- (4- (4-フエニル- 1, 2, 3, 6-テトラヒドロピリジン-; 1-ィル) ブ チル) -6, 8-ジクロロ- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロペンズ [cd] インドール -2 (1H) オン
2a- (4-プロモブチル) - 6-クロ口- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロべンズ [cd] ィ ンドール- 2 (1H) オンに代えて 2a- (4-プロモプチル) -6, 8-ジクロロ- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロペンズ [cd] インドール- 2 (1H) オンを、 4- (4-フルオロフェ ニル) -1, 2, 3, 6-テトラヒドロピリジン塩酸塩に代えて 4-フエニル -1, 2, 3,6- テトラヒドロピリジン塩酸塩を用いた他は実施例 2と同様の方法で合成した (収 率 7750 。
Ή-NMR (CDCL) δ 1.08 - 1.21 (1H, m), 1.29 - 1.64 (4H, m), 1.72 - 2.00 (3H, m), 2.08 - 2.20 (2H, m), 2.32 - 2.45 (2H, m), 2.52 - 2.60 (2H, m),2. 62 - 2.80 (4H, m), 3.08 - 3.14 (2H, m), 6.03 (1H, br s), 7.19 - 7.38 (7H, m) ; MW 455.43 (C26¾8N2OCL) ; マススペクトル EI m / z 454 : 456 : 458
(強度比: 9 : 6 : 1) (M)+
得られたフリ一体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、 溶媒を減圧留去す ることによって塩酸塩を得た。
MW 491.89 (C IM2OC13) ; マススぺクトル TSP m / z 455 : 457 : 459 (強
度比: 9 : 6 : 1) (M-C1)+
実施例 9 : 2a- (4-ブロモプチル) -6-フルォロ- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロベン ズ [cd] インドール- 2 (1H) オン、 および 2a- (4-ブロモブチル) -6, 8-ジフル ォロ- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロべンズ [cd] インドール- 2 (1H) オン
WO 9 8 / 0 0 4 0 0の実施例 1に従って製造した 2a- (4-ブロモプチル) -2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロべンズ [cd] インド一ル- 2 (1H) オン (3.1g, lOmmol) 、 および 1-フルォロ -2, 6-ジクロロピリジニゥムテトラフルォロボラート (7.6g, 30腿 ol) をクロ口ホルム (60ml) に溶解し、 14時間加熱還流した。 反応液にクロ 口ホルムを加え、 水、 および飽和食塩水で洗浄、 硫酸マグネシウムで乾燥した後、 溶媒を減圧留去することによって得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラ フィ一によって分離精製することによって 2a- (4-プロモブチル) -6-フルオロ- 2 a, 3, 4, 5 -テトラヒドロべンズ [cd] インドール- 2 (1H) オンを 530mg (1.7mm ol, 収率 17%) 、 2a- (4-ブロモプチル) -6, 8-ジフルォ口- 2a, 3, 4, 5 -テトラ ヒドロべンズ [cd] インドール- 2 (1H) オンを 770mg (2.2mol, 収率 2 ) 得た。
2a-(4-プロモブチル) -6-フルォ口- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロベンズ 「cdl ィ ンドール- 2 (1H) オン
Ή-NMR (CDC13) ό· 1.18 ― 1.52 (3Η, m), 1.70 - 1.96 (5H5 m), 2.06 - 2.18
(2H, m), 2.64 - 2.75 ( 1H, m), 2.77 - 2.88 (1H, m), 3.32 (2H, t, J=6.8Hz) , 6.61 一 6.71 ( 1H, m), 6.80 一 6.88 ( 1H, m), 7.67 ( 1H, br s) ; MW 326.21 (CuHnNOBrF) ; マススぺクトル EI m / z 325 : 327 (強度比: 1 : 1) (M)+
2a-(4-ブ Pモブチル) -6, 8-ジフルォ口- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロベンズ 「c d] インドール- 2 (1H) オン
Ή-NMR (CDCL) δ 1.17一 1.53 (3Η, m), 1.70 一 1.96 (5H, m) , 2.02― 2.18 (2H5 m), 2.59 - 2.69 ( 1H, m), 2.76 - 2.86 (1H, m), 3.33 (2H, t, J=6.8Hz) , 6.71 ( 1H, t, J=10.0Hz ) , 7.46 ( 1H, br s ) ; MW 344.20 (C"HuN0BrF2) ; マ ススぺクトル EI m / z 343 : 345 (強度比: 1 : 1) (M)+
実施例 1 0 : 2a- (4- (4-フエニル- 1, 2, 3, 6-テトラヒドロピリジン -卜ィル) ブチル) -6-フルォ口- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロべンズ [cd] インドール- 2 (1 H)_オン
2a- (4-ブロモプチル) - 6-クロ口- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロベンズ [cd] ィ ンドール- 2 (1H) オンに代えて 2a- (4-ブロモブチル) -6-フルォ口- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロべンズ [cd] インドール- 2 (1H) オンを、 4- (4-フルオロフェニ ル) -1, 2, 3, 6-テトラヒドロピリジン塩酸塩に代えて 4-フエニル -1, 2, 3, 6- テトラヒドロピリジン塩酸塩を用いた他は実施例 2と同様の方法で合成した (収 率 60%)。
Ή-NMR (CDCL) δ 1.06 一 1.18 (1H, m)5 1.28 - 1.55 (4H, m), 1.73 - 1.95 (3H, in), 2.07 - 2.17 (2H, m), 2.31 - 2.42 (2H, m), 2.50 - 2.58 (2H, m),2. 60 - 2.74 (3H5 m), 2.77 - 2.87 (1H, m), 3.06 - 3.13 (2H, m), 6.03 (1H, b r s), 6.60 (1H, dd, J=3.4Hz, 8.3Hz), 6.82 (1H, dd, J=10.0Hz), 7.20 ― 7.3 8 (6H, m) ; MW 404.53 (C26 9N2OF) ; マススペクトル EI m / z
404 (M)+
得られたフリ一体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、 溶媒を減圧留去す ることによって塩酸塩を得た。
MW 440.99 (CHHSONZOCIF) ; マススぺクトル TSP m / z 405 (M-C1)+
実施例 1 1 : 2a- (4- (4-フエニル -1, 2, 3, 6-テトラヒドロピリジン-; [-ィル) ブチル) -6, 8-ジフルォ口- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロべンズ [cd] インドニル -2 (1H) オン
2a- (4-ブロモブチル) -6-クロ口- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロべンズ [cd] ィ ンドール- 2 (1H) オンに代えて 2a- (4-ブロモブチル) -6, 8-ジフルォ口- 2a,3,4, 5 -テトラヒドロべンズ [cd] インドール- 2 (1H) オンを、 4- (4-フルオロフェ 二ル)- 1, 2, 3, 6-テトラヒドロピリジン塩酸塩に代えて 4-フエニル -1, 2, 3, 6 -テトラヒドロピリジン塩酸塩を用いた他は実施例 2と同様の方法で合成した (収率 58%)。
Ή-NMR (CDC13) δ 1.05 - 1.19 (1H, m), 1.28 - 1.40 (2H, m), 1.43 - 1.56 (2H, m), 1.74 - 1.94 (3H, m), 2.07 - 2.17 (2H, m), 2.32 - 2.43 (2H, m),2. 51 - 2.58 (2H, in), 2.58 - 2.69 (3H, ), 2.74 - 2.84 (1H, m), 3.07 - 3.13 (2H, m), 6.03 (1H, br s), 6.69 (1H, t, J=9.9Hz), 7.20 - 7.40 (6H, m); M W 422.52 (C26¾ 0F2) ; マススペクトル EI m / z 422 (M)+
得られたフリ一体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、 溶媒を減圧留去す ることによつて塩酸塩を得た。
MW 458.98 (C26IM20C1F ; マススペクトル TSP m / z 423 (M-C1)+
実施例 12 : 2a- (4-ブロモプチル) -6-ヒドロキシ- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロ ベンズ [cd] インドール- 2 (1H) オン
WO 98/00400の実施例 70に従って製造した 6-ァセトキシ- 2a- (4-ブ ロモプチル) -2a, 3, 4,5 -テトラヒドロべンズ [cd] インドール- 2 (1H) オン (160mg, 0.44藤 ol) をメタノール (5ml) に溶解した後、 ナトリウムメトキシド (270ml, 13誦 ol) を加え、 0°Cで 0.5時間攪拌した。 反応液に 5N.塩酸 (0.25ml) を加え、 溶媒を減圧留去することによって得られた残渣をクロ口ホルムに溶解し、 0.1N.塩酸、 および飽和食塩水で洗浄、 溶媒を減圧留去して得られた物質をシリ 力ゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製することによって上記目的物 を 90mg (0.28腿 ol, 収率 635 得た。
Ή-NMR (CDC ) δ 1.30 - 1.52 (3H, m), 1.70 - 1.98 (5H, m), 2.07一 2.19 (2H5 m), 2.60 - 2.80 (2H, m), 3.31 (2H, t, J=6.8Hz), 4.66 (1H3 s), 6.52- 6.62 (2H, m), 7.23 (1H, br s) ; MW 324.22 (CuH18N02Br) ; マススぺクトル
FAB m / z 324 : 326 (強度比 1 : 1) (M+H)+
実施例 1 3 : 2a- (4- (4- (4-フルオロフェニル -1, 2, 3, 6-テトラヒドロピリジ ン -1-ィル) プチル) -6-ヒドロキシ- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロべンズ [cd, ィ ンドール- 2 (1H) オン
2a- (4-プロモブチル) -6-クロ口- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロべンズ [cd] ィ ンドール- 2 (1H) オンに代えて 2a- (4-ブロモプチル) -6-ヒドロキシ- 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロべンズ [cd] インドール- 2 (1H) オンを用いた他は実施例 2と 同様の方法で合成した (収率 71%) 。
Ή -讓 (CDC13) δ 1.06 一 1.19 (1H, ), 1.28 - 1.54 (4H, m), 1.70 一 1.96 (3H, m), 2.05 - 2.18 (2H, m), 2.30 - 2.41 (2H, m), 2.46 一 2.54 (2H, m),2. 57一 2.78 (4H, m), 3.05 - 3.12 (2H, m), 5.96 (1H, br s), 6.52 (1H3 t,J=8. 3Hz), 6.57 (1H, d) 6.98 (2H, t, J=8.8Hz), 7.21 - 7.33 (3H, m) ; MW420.53
(C26HZ9N202F) ; マススペクトル EI m / z 420 (M)+
得られたフリ一体をメタノールに溶解し塩酸を滴下した後、 溶媒を減圧留去す ることによって塩酸塩を得た。
MW 456.99 (C26H3。N202C1F) ; マススぺクトル TSP m / z 421 (M-C1)÷
以下に本発明化合物の代表例について、 その有用性を示す試験結果を示す。 試験例 1 : 5- HT7受容体との結合親和性試験
ヒトセ口トニン 5-HT,受容体サブタイプを発現する培養細胞をアツセィ緩衝液 (lOmM MgCL, および 0.5mM EDTAを含む 50mM Tris-HCl pH7.4) 中で収穫し、 ポ ヅ夕一型ホモジナイザーでホモジナイズした後に、 膜画分を 4°Cで 39000gで 20分 間遠心分離した。 得られたペレットに、 直径 10cmの培養シャーレ 1枚分の細胞当 たり lmlのアツセィ緩衝液を加えて再懸濁させ、 再度ホモジナイズした。
結合実験は、 最終濃度 1 ηΜ[Ή]- 5CT (カルボキサミドトリプタミン) および 1〜: ΙΟΟΟηΜの被験物質 (実施例のうち、 本発明の一般式 (I) で表される化合 物) で行い、 膜画分懸濁液 100〃1を加えて最終アツセィ容量を 300 /1にし、 37°C で 30分間インキュベーションした。 GF/Bフィルタ一上で迅速濾過させることによ りインキュベーションを停止させ、 6mlの冷却 50iM Tris-HCl (pH7.4) で洗浄し た。 放射活性は液体シンチレーシヨンカウン夕一で計測した。 非特異的結合は 10 zMメテルゴリンにより決定し、 これとの差から特異的結合を算出した。 各化合 物の阻害曲線より ICseを求め、 これから結合阻害定数 Kiを計算した。
試験例 2 : 5- 受容体との結合親和性試験
ラヅト脳大脳皮質を 10倍量の 0.32Mシュクロース液中でホモジナイズし、 900xg で 10分間の遠心分離により得た上清を、 さらに; ll,500xgで 20分間遠心分離した。 得られた沈査に 50mM Tris-HCl (pH7.4) 緩衝液を加えて再懸濁後、 39, 900xgで 20 分間遠心分離し、 得られた沈査を P2画分とした。
P2画分を、 I nMの [Ή]ケ夕ンセリンおよび本発明による化合物を含む 50mM Tr is-HCl (pH7.4) 緩衝液中 37°Cで 15分間インキュベーションし、 反応後、 ワット マン GF/Bグラスフィル夕一で濾過した。 フィル夕一の放射活性を液体シンチレ一 シヨンカウン夕一で計測した。 非特異的結合は 10 zMケ夕ンセリンにより決定し、 これとの差から特異的結合を算出した。 各化合物の阻害曲線より IC5»を求め、 こ れから結合阻害定数 Kiを計算した。
5- HT2の Kiと、 試験例 1より得られた 5- HT7の Kiとその比を表 1に示した。 表 1か らわかるように、 本願発明の化合物は 5-11 受容体に対して強く、 かつ選択的に 結合することが明らかになった。
表 1
試験化合物
( n M)
実施例 2 2 1 6 9 8 4 . 5
実施例 3 7 > 1 0 0 0 > 1 4 2
実施例 4 1 1 . 6 > 1 0 0 0 > 8 6
化合物 A 9 . 0 9 2 1 0
化合物 B 3 . 7 6 4 1 7 . 3
化合物 C 9 . 0 5 5 6 . 1
表中の化合物 A、 化合物 Bおよび化合物 Cは W O 9 8ノ0 0 4 0 0、 E P 9 7 9 2 8 4 9 0に記載されている次の化合物であり、 化合物 Aはテトラヒドロペン ズィンドール誘導体の芳香環部分に置換基が導入されていない化合物である。 化合物 A: 2a- (4- (4-フエニル- 1, 2, 3, 6-テトラヒドロピリジン- 1-ィ ル) プチル) -2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロべンズ [cd] インドール- 2 (1H) -ォ ン
化合物: B : 2a- (4- (4- (4-フルオロフェニル) -1, 2, 3, 6-テトラヒドロ ピリジン- 1-ィル) プチル) - 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロベンズ [cd] インド一 ル- 2 (1H) -オン
化合物 C: 6—ヒドロキシ- 2a- (4- (4-フエニル- 1, 2, 3, 6-テトラヒドロ ピリジン- 1-ィル) プチル) -2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロベンズ [cd] インド一 ル- 2 (1H) -オン 試験例 3 代謝速度試験
ヒト肝 9,000 xg上清(S9)画分は Human Biologies International [HBI] (AZ, U SA)より購入した Pooled HepatoSNine1M(Pooled human liver S9 fraction; HBI v er. 1.0)を用いた。
37°Cで 5分間ィンキュベ一トしたニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元 型発生系 (lOmMグルコース 6リン酸 (G-6-P) 、 lm ?ニコチンアミ ドアデニンジ ヌクレオチド酸化型 ( ?- NADP+) 、 0.7U/ml G-6-Pデヒドロゲナーゼ 6mM塩化マグ ネシゥム 6水和物、 6mM塩化マグネシウム 6水和物) を含む反応液 (lOOniMリン酸力 リゥム緩衝液 (pH7.4)、 Imエチレンジァミン 4酢酸 (EDTA) · 2ナトリゥム、 4mg/mL 肝臓 S9画分) に、 被験物質を最終濃度で 25mM添加し、 反応を開始させた。 37°Cに て所定の時間 (0、 10、 30または 60分) 反応させた後、 Ν,Ν-ジメチルホルムアミ ドを添加し、 反応を停止させた。 反応液を遠心分離処理して徐蛋白を行い、 得ら れた上清の被験物質残存量を高速液体クロマトグラフィ一によつて測定した。 また、 上記条件下、 Ν,Ν-ジメチルホルムアミ ドを加えた後に被験物質を添加し た反応液の測定を行い、 最初の被験物質量とした。
これらの測定値から、 代謝反応の初速度 (最大速度) を代謝速度として算出し た。
本発明による化合物、 化合物 Α: 2a- (4- (4-フエニル- 1, 2, 3, 6-テトラ ヒドロピリジン- 1-ィル) プチル) - 2a, 3, 4, 5 -テトラヒドロペンズ [cd] ィ ンドール - 2 (1H) -オンおよび化合物 B : 2a- (4- .(4- (4-フルオロフヱニル) -1, 2, 3, 6-テトラヒドロピリジン- 1-ィル) プチル) -2a, 3, 4, 5 -テトラヒ ドロべンズ [cd] インドール- 2 ( 1H) -オンの代謝速度は表 2に示される通りで あった。 本発明による化合物は、 化合物 Aまたは Bと比較して著しく代謝に対す る安定性が高いことが明らかとなった。
2
代謝速度 代謝速度比
/化合物 A
試験化合物 Z化合物 B
(pmol/min/mg/protein) (%) 実施例 2 92.5 52.8 70.8 実施例 3 51 29.1
実施例 4 23.1 13.2
実施例 13 80.6 61.7 化合物 A 175.2*
化合物 B 130.6
(*: 5回測定を行い、 その平均値を示した)