WO2002003751A1

WO2002003751A1 - Speaker system, and noise canceling device

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Publication number: WO2002003751A1
Application number: PCT/JP2001/005487
Authority: WO
Inventors: Junichi Isono; Masashi Hori
Original assignee: FPS Inc
Current assignee: FPS Inc
Priority date: 2000-06-30
Filing date: 2001-06-27
Publication date: 2002-01-10
Anticipated expiration: 2002-12-30
Also published as: US20020001392A1

Description

明細書スピーカシステム、及びノイズキャンセル装置技術分野本発明は、スピーカシステム、及びノイズキャンセル装置に係り、特に、小さなサウンドセルを縦横に複数並べた平面スピーカュニットをキャビネッ卜の長手方向に所定数連結配置したスピーカシステム、このスピーカシステムを利用して

'装置に関する。景技術営業用および民生用に一般に使用されているスピーカはコーン型である。そのようなスピーカは、適用する空間に合わせて所定個所に複数配置して使用するのが一般である。

このような従来の技術によると、スピーカの大きさや設置空間の状態によって設置場所を選ぶ問題があり、広い空間に大きな音を出そうとするとスピーカの大きさが大きくなつてしまうという問題がある。

また、音の発生源がその設置場所となるために点的音源となってしまい聞く場所によって音量、音質が異なって聞こえてしまうという問題がある。

さらに、空間の条件によっては音がわれたり歪んだりするという問題がある。発明の開示上記目的を達成するために本発明のスピーカシステムは、'キャビネットの側部に設けた細長い開口に、複数の平面スピーカュニットを開口の長手方向にライン状に配置させて固定して基本ュニットとしたことを特徴としている。本発明のスピーカシステムによると、キャビネッ卜の側部に設けた細長い開口に、複数の平面スピーカュニットを開口の長手方向にライン状に配置させて固定したことにより、連続した帯状の音源を得ることができる。

また、平面スピーカユニットを複数個ライン状に配置することによって、平面スピーカュニッ卜から出る音同士が合成されてエネルギーが増大する。本発明のスピーカシステムでは、キャビネットに沿ってどこでも同一条件の音を聞くことができ、また、コーンスピーカを用いたスピーカシステムとは異なり減衰の少ない平面波の音を出力するので、近い位置でうるさく感じることがなく、かつ離れた位置であっても近い位置とほぼ同様に鮮明な音を聞くことができる、という効果を有する。また、本発明のノイズキャンセル装置は、上記のスピーカシステムを利用し、マイクロフォンで拾った音と逆位相の音を平面スピーカュニッ卜から出力させることにより、騒音等を打ち消すことができる。本発明のノイズキャンセル装置では、マイクロフォンのダイヤフラムの位置と、平面スピーカュニッ卜のダイヤフラムの位置とが同一平面上に配置されているため、複雑な制御をすることなく、簡単な構成で騒音を打ち消すことができる。図面の簡単な説明図 1は、カバ一を外した状態の基本ュニットの部分正面説明図である。

図 2は、カバーを付けた状態の基本ュニットの部分側面説明図である。

図 3は、図 2の A— A線断面図である。

図 4は、仕切りと吸音材の状態を示す説明図である。

図 5 Aは、連結材の形状例を示す説明図である。

図 5 Bは、連結材の形状例を示す説明図である。

図 5 Cは、連結材の形状例を示す説明図である。図 5 Dは、連結材を用いて基本ュニットを連結したスピーカシステムの側面図である。

図 6は、第 2の実施形態に係る基本ュニットの分解図である。

図 7は、第 2の実施形態に係る基本ュニッ卜の断面図である。

図 8 Aは、突起側から見たバッフルボードの側面図である。

図 8 Bは、リブの側面側から見たバッフルポードの側面図である。

図 8 Cは、バッフルボードの裏面図である。

図 9は、バッフルボードを連結した状態を示す説明図である。

図 1 0は、ブラケットの正面図である。

図 1 1は、ブラケットの側面図である。

図 1 2は、スピーカグリルの取り付け部分を示す基本ユニットの断面図である図 1 3は、第 3の実施形態に係る基本ユニットの断面図である。

図 1 4は、騒音を低減する場合の基本ュニッ卜の配置を示す説明図である。図 1 5は、道路の防音壁に基本ユニットを取り付けた場合の説明図である。図 1 6は、第 4の実施形態に係る基本ユニットの断面図である。

図 1 7は、騒音を低減する場合の基本ユニットの配置を示す説明図である。図 1 8は、平面スピーカユニットの分解斜視図である。

図 1 9は、平面スピーカユニットの断面図である。発明を実施するための最良の形態

[第 1の実施形態]

以下に本発明の第 1の実施形態を図面を用いて説明する。

図 1はパイプ 3内に平面スピーカュニット 1を配置した状態の基本ュニット 2 の部分正面説明図、図 2は基本ユニット 2の部分側面説明図、図 3は基本ュニッ卜 2の断面説明図である。

平面スピーカュニット 1は、例えば、 P C T / J P 0 0 Z 0 3 7 5 5号等に記載されているマルチセルフラットスピーカと呼ばれるものを使用することができ、大きさは各種あるが、それらすべてが使用の対象となる。本実施の形態では、平面スピーカュニット 1は、縦 4 0 mm、横 1 6 0 mm、厚さ 6 mmのもので説明する。

図 1 8及び図 1 9に示すように、平面スピーカユニット 1は、磁性体で形成された板状部材からなるヨーク 1 2 0を備えている。

ヨーク 1 2 0の磁石固定部 1 2 O Aには、偏平でかつ 4角形状に形成された複数の永久磁石 1 2 2が、異なる極性の磁極面が交互に位置し、磁極面を図の上方に向けて接着により所定の隙間を設けて固定配置されている。

ヨーク 1 2 0の上面側には、永久磁石 1 2 2の磁極面、従ってヨーク 1 2 0の上面に対して平行になるように、ダイヤフラム 1 Aが磁極面に対して近接して配置されている。

ヨーク 1 2 0のダイヤフラム取付部 1 2 0 Bには、紙等で構成されたスぺ一サ 1 2 5を介在させて、矩形枠状の枠体 1 2 4の外周縁が固定されている。

枠体 1 2 4には、断面半円弧状の弾性部分であるエッジ 1 2 7が、外周縁に沿つて連続して形成されている。

枠体 1 2 4の内周縁側には、ダイヤフラム 1 Aの外周縁が接着されている。ダイヤフラム 1 Aには、永久磁石 1 2 2の各々に対応させて、渦巻き状に形成されたコイル 1 2 6が配置されている。

各コイル 1 2 6は、永久磁石 1 2 2の外縁と略相似形になるように渦巻き状に巻回するように形成されている。

また、ダイヤフラム 1 Aとの間に、所定厚みの空気層を形成するために、複数の永久磁石 1 2 2の磁極面は貼着されたシート材 1 2 8により被覆されている。各コイル 1 2 6にはダイヤフラム 1 Aの膜面と略平行な方向を向いた磁束が鎖交するようになっている。

コイル 1 2 6に電流を流すと、ダイヤフラム 1 Aの膜面に垂直な方向のカを受け、ダイヤフラム 1 Aは膜面に垂直な方向に変位する。

従って、発生させたい音響を表す電気信号をコイル 1 2 6に通電することにより、ダイヤフラム 1 2 6がこの電気信号に応じて振動し、音響信号を発生させることができる。

本実施形態では、平面スピーカユニット 1を 1 2個連続させて配設してパイプ 3に固定して一つの基本ュニット 2としている。

なお、平面スピーカユニット 1は、例えば、 2個、 4個、 8個、または 2 4個連続させて配設してパイプ 3に固定しても良く、本発明では連続させて配設する平面スピーカュニット 1の個数に特に制限はない。

この基本ュニット 2は一本で使用することができるが、所望数連結して使用することもできる。

また、複数の平面スピーカユニット 1は、電気的に直列接続しても良く並列接続しても良く、直列接続と並列接続とを組み合わせても良い。

基本ユニット 2は、上記の平面スピーカユニット 1の寸法によると、全長を 1 7 0 c mにすることによって共鳴管として共振周波数が 4 9 H z、 1 4 7 H z、 2 4 5 H zの周波数帯域が増強される。これによつて低域の補強ができる。

基本ュニット 2を構成するために各平面スピーカュニット 1を連結するに際して、各平面スピーカュニッ卜 1同士の間隔が短いほど高域の合成がうまくゆくために本実施の形態例では、図 1に示すようにパイプ 3の長手方向に沿って各平面スピーカユニット 1を連結しており（なお、ダイヤフラム 1 Aとダイヤフラム 1 Aの間隔は 1 4 mm。）、これにより、高域の合成周波数は 2 4 0 0 0 H zまでスムースに合成することができる。

なお、大音量にも耐えられるように、平面スピーカユニット 1のダイヤフラム 1 Aと永久磁石 1 2 2の間の距離を大きくし（本実施の形態例では 0 . 2 mm)、それに伴い永久磁石 1 2 2の磁束密度も上げ、ダイヤフラム 1 Aの材質の性能も向上させた。

基本ユニット 2の具体的な構造は、パイプ 3の材質は例えば金属、木材、紙、合成樹脂等どのような材質でもよく、所望の径（本実施の形態例では内径が 5 0 mm) のパイプ 3の長手方向の側部に開口 4を設け、その開口 4の内側周囲に固定部 5を形成する。

なお、パイプ 3の断面形状は円形、楕円形、多角形等どのような形状でもよい _c この固定部 5に平面スピーカュニット 1を連続して配置させて固定するもので、その固定手段はどのような手段でもよく、例えば直接ねじ止めしたり係止金具を介してねじで止める等によって固定し、固定部 5との間にゴム板、合成樹脂板、コルク板等の弾性材製の共振防止材 6を介在させて固定する。

なお、パイプの肉厚の具合によっては固定部 5を形成することなく開口の端面に直接固定してもよい。

また、場合によってはねじ止め等でなく接着剤により固定することも可能である。

パイプ 3内には、各平面スピーカュニット 1毎に音響的共振を抑える目的で連結個所に仕切り 7を形成しておくとよく、その仕切り 7はパイプ 3の内周全部を閉じて仕切ってもよいが、平面スピーカュニッ卜 1の裏面との間に間隔を形成するようにしていてもよい。

また、パイプ 3内に低域の内部共振を軽減させるために吸音材 8を設けるとよい。

その状態は内部空間を充填させる状態でもよく、また、平面スピーカユニット 1の裏面に空間を形成するような状態でもよく、いずれにせよ配線は通さなければならない。

基本ュニット 2や小ュニッ卜のパイプ 3の両端は閉止板 9で閉じられており、その閉止板 9には配線用の小孔（図示せず）があけてある。

このような基本ュニット 2や小ュニットを連結するには、ポルトとナツト等によって強固に固定連結する。

基本ュニット 2を連結するに際して、基本ュニット 2と基本ュニット 2との間に図 5 A〜Cに示すような連結材 1 0を介在させてもよく、この連結材 1 0の長さを調節することによってスピ一カシステムの全長を調節することができる。基本ュニット 2は全長を 1 8 0 c mにすると建築上取り付け現場での配置に有利となる。なお、基本ユニット 2は、その目的に応じて適宜長さを決めれば良く、全長は 1 8 0 c mに限定されない。

また、連結材 1 0は、図 5 A〜Cに示すように、その形状を直線ばかりでなく所望の角度を付けて曲げたり湾曲させたりして変形することにより、連結部で所望の角度に曲げて連結することができ、図 5 Dに示すように、設置場所に合わせてスピ一カシステムを基本ュニット 2や小ュニッ卜毎に曲げることができる。上記パイプ 3の所望個所には、スピーカケーブルを接続するためのコネクタ 1 1が内蔵してある。

なお、連結材 1 0には、一方の基本ユニット 2の平面スピーカユニット 1と、他方の基本ュニット 2の平面スピーカュニット 1とを配線で接続する際に、その配線を通すための貫通孔 1 O Aが形成されている。

また、連結材 1 0の内部にはハイインピーダンス伝送のためのトランスを装着することもできる。

このようにしたパイプ 3の平面スピーカュニット 1を取り付けた側部の開口 4 は、パンチングメタルや網状体等の無数の小孔を有するカバー 1 2を取り付けて出力面 4を形成する。

この出力面 4の形状はパイプ 3が円筒であればその曲面と一致させ、その外の形状であればその形状に合ったように一致させておいてもよいが、必ずしもその必要はなく曲面、平面等自由な形状にすることができる。

以上の構成によるスピーカシステムによると、複数の平面スピーカュニット 1 をパイプに直列に配置したことにより、平面スピーカュニット 1から出る音同士が合成されてエネルギーが増大する。

したがって、本実施形態のスピーカシステムは、一般的な音響設備としてのスピ一力としては勿論のこと、その形状および平面波を出力する帯状の音源としての性質、つまりスピーカシステムに沿って聞ぐことにより、常にそばの音として大音響ではない同一条件の音が聞こえる性質を利用して、エス力レー夕、駅のホ —ム、空港等の広い空間の放送設備として使用することができる。

さらに、基本ユニット 2が筒体であることを利用して、例えば手すりを兼ねたスピーカシステムとして長い距離にわたって使用することができる。

また、材質や色を工夫することによってカモフラージュ的なスピーカシステムとして配置することも可能である。

[第 2の実施形態]

次に、本発明の第 2の実施形態を説明する。なお、第 1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。

図 6に示すように、本実施形態の基本ユニット 2 0では、バッフルボード 2 2、平面スピーカユニット 1、スピーカグリル 2 4、共振防止材 2 6、及びブラケット 2 8からなるパッフルポードアッシィ 3 0が、アルミニューム合金製の押出材

3 2にねじ 3 4を用いて着脱可能に取り付けられている。

なお、図 6は、バッフルポ一ドアッシィ 3 0を押出材 3 2に取り付ける前の状態を示し、図 7はバッフルポードアッシィ 3 0を押出材 3 2に取り付けた状態を示している。

押出材 3 2は略 C字形状断面であり、開口付近の内面に一対のねじ止め部 3 6 が突出している。

ねじ止め部 3 6の先端には、断面略円形の溝 3 8が形成されている。

押出材 3 2の長手方向両端部は、図示しない円形の閉止板が配置されている。この閉止板は、閉止板に形成した孔を揷通させたねじを、溝 3 8にねじ込むことにより取り付けられている。

ねじ止め部 3 6の基部には、段部 4 0が形成されている。

図 8に示すように、バッフルボード 2 2は合成樹脂の成型品であり、枠状に形成されている。

図 8 Cに示すように、バッフルボード 2 2の裏面には、スピーカ取付面 4 2が 2個形成されており、スピーカ取付面 4 2の中央部分が長方形に開口している。スピーカ取付面 4 2の幅方向両側にはリブ 4 4が形成されている。

図 8 A, Cに示すように、リブ 4 4には、スピーカ取付面 4 2と平行にブラケット取付面 4 6が形成されている。

図 8 Cに示すように、ブラケット取付面 4 6には、ねじ孔 4 8が複数形成されている。

図 8 Bに示すように、リブ 4 4の側面には、後述するスピーカグリル 2 4をねじ止めするためのねじ孔 5 0が複数形成されている。

バッフルボード 2 2の長手方向一方側には、一対の突起 5 2が形成されている。パッフルボード 2 2の長手方向他方側には、前記突起 5 2と嵌合する凹部 5 4 が形成されている。

バッフルボード 2 2を長手方向に複数連結する際には、図 9に示すように、.一方のバッフルボード 2 2の突起 5 2と、他方のバッフルボード 2 2の凹部 5 4とを嵌合させる。ブラケット 2 8は金属板のプレス成型品である。

図 1 0に示すように、ブラケット 2 8は、パッフルボード 2 2のブラケット取付面 4 6に接触するボード取付部 5 6を備え、ボード取付部 5 6には、複数の取付孔 5 8が形成されている。

図 6， 1 0 , 1 1に示すように、ポ一ド取付部 5 6には、直角に屈曲したスピ一力押え片 6 0と、押出材 3 2の背面側に向けて傾斜して延びる延長部 6 2がー体的に形成されている。

一方の延長部 6 2の先端と他方の延長部 6 2の先端とは、連結部 6 4を介して互いに連結されている。

連結部 6 4の中央には、雌ねじ 6 6が形成されている。

平面スピーカュニット 1をバッフルポ一ド 2 2のスピーカ取付面 4 2にシ一ト状に形成された弾性材製の共振防止材 2 6を介して密着させ、ブラケット 2 8のボード取付部 5 6の取付孔 5 8を揷通させたねじ 6 8をバッフルポ一ド 2 2のプラケット取付面 4 6に形成されたねじ穴 4 8にねじ込むことにより、平面スピ一力ュニット 1は、スピーカ押え片 6 0とスピーカ取付面 4 2との間に固定されるまた、バッフルボード 2 2にはねじ孔 4 8が複数形成されているので、バッフルポ一ド 2 2の所望の位置にブラケット 2 8を取り付けることができる。例えば、図 9に示すように、バッフルポ一ド 2 2を長手方向に複数連結した場合に、連結部分に最も近いねじ孔 4 8を用いてブラケット 2 8を取り付けることでバッフルボード 2 2同士を固定することができる。

図 6に示すように、バッフルボード 2 2の表面側には、スピーカグリル 2 4が配設されている。

このスピーカグリル 2 4は、パンチングメタルを湾曲させて形成されている。図 1 2に示すように、スピーカグリル 2 4は、リブ 4 4の側面に皿ねじ 7 2で固定されている。

図 8に示すように、バッフルポード 2 2の長手方向両端部と長手方向中央部には、スピーカグリル 2 4を裏面側より支持する円弧状の支持部 7 4が形成されている。

図 6に示すように、押出材 3 2の背面には、取付孔 7 6が形成されている。バッフルポ一ドアッシィ 3 0は、取付孔 7 6を挿通させたねじ 3 4をブラケット 2 8のねじ穴 6 6にねじ込んで締め付けることによって押出材 3 2の背面側へ引っ張られており、リブ 4 4の角部が押出材 3 2の段部 4 0にシート状に形成された弾性材製の共振防止材 7 8を介して密着している。

また、押出材 3 2の内面には、第 1の実施形態と同様に吸音材 8を貼り付けても良い。

本実施形態では、バッフルポ一ドアッシィ 3 0を、押出材 3 2にねじ 3 4で簡単に取り付けることができる。

一般的に、スピーカは、キャビネット正面側からねじ止め固定しているため、スピーカのフレームにフランジが形成されており、そのフランジにねじを挿入する取付孔が複数形成されている。

スピーカは、フランジ部分でキャビネットに固定するため、フランジにある程度の面積を必要としている。

このため、複数のスピーカを隣接して配置する場合に、フランジ同士が干渉するため、ダイヤフラム同士を接近させることができなかった。

ここで、複数のスピーカを用いて広い空間に大きな音を出そうとするとき、互いのダイヤフラムを接近させないと、高域が減衰する問題がある。

しかしながら、本実施形態では、平面スピ力ユニット 1をねじで正面側から取り付けていないので、平面スピーカュニット 1のフレームの面積は最小限で済み、従来のスピーカの取付方法に比較して互いのダイヤフラム同士を接近させることができ、平面スピーカュニッ卜 1を多数連続配置した場合の高域の減衰が抑えられる。

[第 3の実施形態]

次に、本発明の第 3の実施形態を説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。

図 1 3に示すように、本実施形態の基本ュニット 2のバッフルポード 2 2には、表裏を貫通する孔 8 2が形成されている。

この孔 8 2には、マイクロフォン 8 4が揷入されて接着剤等で固定されている _c マイクロフォン 8 4は、受音面がスピーカグリル側に向けられている。マイクロフォン 8 4は平面状のダイヤフラム 8 4 Aを備えており、平面スピー力ュニット 1のダイヤフラム 1 Aと、このマイクロフォン 8 4のダイヤフラム 8 4 Aとは同一平面上に位置している。

なお、マイクロフォン 8 4は、コンデンサー型、ダイナミック型等の周知の構造のものを用いることができる。

本実施形態の基本ユニット 2では、平面スピーカユニット 1から音を出し、マイク口フォン 8 4で周囲の音を拾うことができる。

また、この基本ユニット 2を用いて、特定の音、例えば騒音を低減させるノィズキャンセル装置を構成することができる。

この基本ュニット 2をノイズキャンセル装置として用いる場合には、例えば、図 1 4に示すように、騒音源 8 6に基本！ニット 2の正面を向け、騒音源 8 6から出る騒音 Nをマイクロフォン 8 4で拾う。そして、マイクロフォン 8 4からの信号を制御回路 8 7で位相反転し、位相反転した信号を増幅して平面スピーカュニット 1へ出力し、拾った騒音 Nと逆位相の打消音 U Nを平面スピーカュニッ卜 1から出して騒音 Nを打ち消す。

従来より、騒音をマイクロフォンで拾い、騒音と逆位相の音をスピーカから出して騒音を打ち消すシステムが種々実用化されているが、コーン型のスピーカとマイクロフォンとの組み合わせであり、かつ、スピーカのダイヤフラムとマイク口フォンのダイヤフラムとが同一平面上に配置されていないものであった。従来システムの第 1の欠点としては、騒音を拾う位置（マイクロフォンのダイャフラムの位置）と、騒音を打ち消すための打消音を出す位置（スピーカのダイャフラムの位置）とが騒音源を基準として異なるため、音を出す前に複雑な演算を行う必要があり、制御回路が複雑化すると共に、複雑な雑音（周波数やレベルの異なる複数の音が混ざったもの）を効果的に低減できない問題があった。しかしながら、本実施形態の基本ュニット 2を用いたノイズキャンセル装置では、マイクロフォン 8 4のダイヤフラム 8 4 Aの位置と、平面スピーカユニット 1のダイヤフラム 1 Aの位置とが同一平面上に配置されているため、制御回路 8 7は位相の反転（なお、平面スピーカユニット 1との結線を逆にすれば、位相は自動的に反転する。）とレベル調整だけで済み、簡単な構成で騒音 Nを打ち消すことが可能となる。

また、従来システムの第 2の欠点としては、コーン型のスピーカを用いていたために、騒音を打ち消すための打消音が平面波ではなかった。

このため、スピーカを複数用いると、騒音を打ち消すための打消音の波の形状が乱れてしてしまい、騒音を打ち消す効果が不十分となる。

しかしながら、本実施形態の基本ユニット 2では、複数の平面スピーカュニット 1のダイヤフラム 1 Aを同一平面上に配置しているため、平面スピーカュニット 1の数に関らず平面波を出すことができ、確実に騒音 Nを打ち消すことができる。

また、図 1 5に示すように、基本ユニット 2を用いたノイズキャンセル装置を道路 8 8の防音壁 9 0の上端に沿って複数連結しても良い。

この場合、自動車 9 2の騒音 Nをマイクロフォン 8 4で拾い、拾った騒音 Nと逆位相の打消音 U Nを平面スピーカュニット 1から出すことにより自動車 9 2の騒音 Nを打ち消すことができ、防音壁 9 0の外側へ漏れる騒音 Nを低減することができる。

なお、一つの基本ユニット 2において、マイクロフォン 8 4の数は一つでも良く、複数でも良い。

例えば、一つの基本ユニット 2に複数のマイクロフォン 8 4を設ける場合、複数のマイクロフォン 8 4を所定（例えば、一定）の間隔で配置すると共に、一つのマイクロフォン 8 4とそのマイクロフォン 8 4に最も近い 1乃至複数の平面スピー力ュニット 1とを対にし、マイクロフォン 8 4で拾った騒音 Nと逆位相の打消音 U Nを、マイクロフォン 8 4と対となる 1乃至複数の平面スピーカュニット 1から出すようにする。

基本ュニット 2が長くなる場合には、長手方向の部位毎に騒音のレベルや周波数等が異なる場合が考えられるが、上記のように複数のマイクロフオン 8 4を設けることにより、部位毎に異なる騒音 Nを確実に低減することが可能となる。また、本実施形態では、平面スピーカユニット 1とは別部品であるマイクロフオン 8 4を用いたが、例えば、上記のマイクロフォン 8 4を用いず、複数の平面スピーカュニット 1の内の何れかの平面スピーカュニット 1、または平面スピ一力ユニット 1と同様の構造のものをマイクロフォン 8 4の代わりとして使用することもできる。

また、上記のマイクロフォン 8 4を用いず、平面スピーカユニット 1の一部分をマイクロフォンとして使用することもできる。

例えば、平面スピーカュニット 1の内の 1又は複数個のコイル 1 2 6を他のコィル 1 2 6 (スピーカとして用いるもの）と電気的に分離し、電気的に分離したコイル 1 2 6をマイクロフォンのコイル、ダイヤフラム 1 Aの内の電気的に分離したコイル 1 2 6の形成されている部分をマイクロフォンのダイヤフラムとして使用することもできる。

このようにマイクロフォン 8 4を使用しなければ部品点数の低減になる。

[第 4の実施形態]

次に、本発明の第 4の実施形態を説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。

図 1 6に示すように、本実施形態の基本ユニット 2では、バッフルボード 2 2 に取付板 9 4がねじ等で固定されている。

取付板 9 4の中央には孔 9 6が形成されている。

この孔 9 6には、マイクロフォン 8 4が挿入されており、接着剤等で固定されている。

このマイクロフォン 8 4は、平面スピーカュニット 1と平面スピーカュニット 1との間に配置されている。

図 1 7に示すように、本実施形態の基本ユニット 2では、 3個のマイクロフォン 8 4が等間隔に配置されており、一つのマイクロフォン 8 4に対して基本ュニット 2の長手方向両側に各 2個ずつ、合計 4個の平面スピーカュニット 1が対をなしている。

なお、マイクロフォン 8 4は、平面スピーカユニット 1と平面スピーカュニット 1との間隔が広がらないように、出来る限り小さい径のものが使用されている。図 1 6に示すように、マイクロフォン 8 4の受音面は、押出材 3 2の背面に向けられている。

平面スピーカュニット 1のダイヤフラム 1 Aと、このマイクロフォン 8 4のダィャフラム 8 4 Aとは同一平面上に位置している。

押出材 3 2の背面には、孔 9 8が形成されており、この孔 9 8には、カップ状の閉塞部材 1 0 0が挿入されている。

閉塞部材 1 0 0の開口付近の外周部分と、押出材 3 2の孔 9 8の内周部分とは密着している。

閉塞部材 1 0 0の底部 1 0 O Aと取付板 9 4とは、スぺーサー 1 0 2、ねじ 1 0 4及びナツト 1 0 6を用いて連結されている。

本実施形態の基本ュニット 2では、例えば、図 1 7に示すように、騒音源 8 6 にマイクロフォン 8 4を向け、騒音源 8 6から出る騒音 Nをマイクロフォン 8 4 で拾い、拾った騒音 Nと逆位相の打消音 U Nを平面スピーカュニット 1から出せば、基本ュニット 2の正面側にて騒音を打ち消すことができる。産業上の利用可能性以上のように、本発明にかかるスピーカシステムは、広い場所に設置するのに好適であり、例えば、聞く位置にかかわらず音量、音質を一定としたい、エス力レー夕、駅のホーム、空港等の広い空間の放送設備として使用することが適している。また、本発明にかかるノイズキャンセル装置は、騒音を低減させたい場所に設置するのに好適であり、例えば、道路の防音壁等に取り付けて自動車の騒音を低減するのに適している。

Claims

i請求の範囲

1 . キャビネットの側部に設けた細長い開口に、平面状のダイヤフラムを有する複数の平面スピーカュニットを開口の長手方向にライン状に配置させて固定して基本ユニットとしたことを特徵とするスピーカシステム。

2 . 基本ュニットを複数連結したことを特徴とする請求項 1に記載のスピーカシステム。

3 . 基本ュニットを連結材を用いて連結したことを特徴とする請求項 2に記載のスピ一力システム。

4 . 平面スピーカュニットを複数個連結させたことを特徴とする請求項 1乃至請求項 3の何れか 1項に記載のスピーカシステム。

5 . 1または複数の平面スピーカュニットをバッフルポ一ドに取り付けてバッフルポ一ドアッシィとし、このバッフルポードアッシィを複数連結していることを特徴とする請求項 1乃至請求項 4の何れか 1項に記載のスピ一力システム。

6 . 各平面スピーカュニット毎の連結個所にパイプ内に仕切りを設けたことを特徴とする請求項 1乃至請求項 5の何れか 1項に記載のスピー力システム。

7 . キャビネットの内部に吸音材を設けたことを特徴とする請求項 1乃至請求項 6の何れか 1項に記載のスピーカシステム。

8 . 平面スピーカユニットを取り付けたバッフルボードを、キャビネットの背面と連結すると共にキヤビネットの開口部分に固定させる固定部材を備えていることを特徴とする請求項 1乃至請求項 7の何れか 1項に記載のスピー力システム 9 . 平面状のダイヤフラムを有する平面スピーカュニットと、

平面スピーカュニッ卜のダイヤフラムと同一平面内に位置するダイヤフラムを有するマイクロフォンと、

を有することを特徴とするスピーカシステム。

1 0 . 同一平面上に平面状のダイヤフラムを位置させた複数の平面スピーカュニットを備え、

複数の平面スピーカュニットの少なくとも一つをマイクロフォンとして使用することを特徵とするスピーカシステム。

1 1 . 同一平面上に配置された複数のマグネット、及び前記複数のマグネットと対になる複数のコイルを設けた平面状のダイヤフラムを備えた平面スピーカュニットを備え、

前記複数のコイルの内の 1または複数のコイルを他のコイルに対して電気的に分離し、前記電気的に分離したコイルをマイクロフォンのコイル、前記ダイヤフラムの内で前記電気的に分離したコイルが設けられている部分をマイクロフォンのダイヤフラムとして使用することを特徴とするスピーカシステム。

1 2 . マイクロフオンと、

マイクロフォンと接続されると共にマイクロフォンのダイヤフラムと同一平面内に位置する平面状のダイヤフラムを有し、マイクロフォンで拾った音と逆位相の音を出力する平面スピーカュニッ卜と、

を有することを特徴とするノイズキヤンセル装置。

1 3 . 平面状のダイヤフラムを有する平面スピーカュニットと、

平面スピーカュニットのダイヤフラムと同一平面内に位置するダイヤフラムを有するマイクロフオンと、

マイクロフォンで拾つた音と逆位相の音を平面スピーカュニットから出力させるスピーカ制御装置と、

を有することを特徴とするノイズキャンセル装置。

1 4 . 同一平面上に平面状のダイヤフラムを位置させた複数の平面スピーカュニットを備え、

複数の平面スピーカの少なくとも一つをマイクロフォンとして使用し、前記マイク口フォンとして使用した平面スピーカで拾った音と逆位相の音を、マイクロフォンとして使用していない他の平面スピーカュニットから出力させるスピーカ制御装置と、

を有することを特徴とするノィズキャンセル装置。

1 5 . 同一平面上に配置された複数のマグネット、及び前記複数のマグネットと対になる複数のコイルを設けた平面状のダイヤフラムを備えた平面スピーカュニットを備え、

前記複数のコイルの内の 1または複数のコイルを他のコイルに対して電気的に分離し、前記電気的に分離したコイルをマイクロフォンのコイル、前記ダイヤフラムの内で電気的に分離したコイルが設けられている部分をマイクロフォンのダィャフラムとして使用し、

前記マイクロフォンで拾った音と逆位相の音が、前記ダイヤフラムの内の前記他のコイルが設けられた部分から出力するように前記他のコイルに電気信号を流すスピーカ制御装置と、

を有することを特徴，