明細書 細胞形質変換剤 技術分野
本発明は、 新規な細胞形質変換剤などに関する。 背景技術
分化能を保持している癌細胞の多くは理論的には終末分化した非増殖性の細胞 に誘導することによって脱腫瘍状態に変化させることが可能である。 この仮説を 基に血液系癌細胞に対しては、 古典的な分化誘導剤 (DMSO, フルポールエス テルなど) が適用されてきた。 一方、 固形腫瘍への分化誘導療法の適用は、 一般 的には neuroblastomaや teratocarcinomaを用いて検討されてきたのみであり、 新 しいモデルシステムが開発され出したのは極く最近のことである。
横紋筋肉腫 (RMS) は幼児期に最も高く発症する悪性腫瘍の一種であり、 未 成熟な間葉系細胞から発生した肉腫である。 RMSは正常な胎児骨格筋と形状が 似ており、 かつ筋特異的な遺伝子を発現することから(J. Clin. Oncol., 13, 21 23-2139 (1995), Semin. Diagn. Pathol, 11, 39-46 (1994))、 筋組織になるベ き未成熟細胞から発生したものと考えられている。 また R M Sはその形態的な違 いからいくつかのサブタイプに分類されている。 患者の生存率は肉腫の形態的な 相違によりかなり異なるものの、 RMSを患っている子供の生存率は概して 50 -70 。である。 特に重篤な場合は疾患部位の切除を伴う悪性の肉腫であること から、 早期発見と的確な治療、 および有効な薬剤の開発が望まれてきた。 しかし ながら、 これまで行われてきた RMSの分子生物学的な研究は、 染色体変異に関 するもの等に限られてきた感がある。 胎児性 RMSは染色体 11ρ15に LOH (loss of heterozygosity)が知られているが、 これはその近傍に位置する遺伝子の 1 つであり、 かつ RMSの増殖因子としても知られているインスリン様増殖因子の 発現に影響を及ぼすものと考えられている (Nature, 329, 645-647 (1987), Cel 1 Growth Differ., 1, 325-331 (1990))。
近年、 最もよく研究されている R M S細胞に胎児性横紋筋肉腫細胞株 R Dがあ る。 RD細胞には先ほど述べた染色体 11ρ15における LOHdoss of heterozygo sity) (Cancer Research, 57, 4493-4497 (1997))、 p 53の塩基置換による機能 変異 (Biochem. Biophys. Res. Co隨 un. , 202, 17 - 24 (1994))、 あるいは ρ 16 の欠失変異 (British J. Cancer, 79, 1032-1036 (1999) )等の遺伝子変異が知ら れている。 また他の RMS細胞と同様に、 RD細胞の骨格筋細胞への最終分化が 困難であり、 このことが腫瘍形成に必須の増殖性を獲得する上で有利に働いてい るものと推定されている。 事実すでにいくつかの研究報告があり、 RD細胞を分 化誘導培地で培養しても増殖抑制がおこらず、 また筋分化マ一カーの発現上昇 ( 誘導) もおこらないことが知られている(Cancer Research, 58, 2042-2049 (199 8))。 ところが一方で、 積極的に分化を誘導するような薬剤の開発も進められて おり、 特に抗癌剤としての活用を目指して、 この RD細胞を指標細胞に薬剤開発 が行われてきた。 例えば、 GR— 89 1は新規構造を有する 5- iluorouracil acy c 1 onuc 1 eos ideであるが、 これは R D細胞に対して細胞障害活性を及ぼすことな く形態変化を引き起こし、 また分化マーカーとしての vimentinや desmin等の細胞 骨格系夕ンパク質の発現を誘導することにより接着性を促進することが判明した (British J. Cancer, 79, 807-813 (1999))。 また卜 3- D- arabinoiuranosyl cyt osine (Ara-C)も細胞障害性を与えることなく濃度依存的に増殖を抑制し、 かつ 骨格筋特異的ァクチン、 骨格筋特異的ミオシン重鎖タンパク質等の発現上昇を伴 う多核細胞への分化を誘導することが知られている(Exp. Cell Res., 204, 210- 216 (1993) ) o さらにまた天然に存在が知られているリン酸化炭化水素物である I nosiol hexaphosphate (IP6)は RD細胞の分化を誘導し、 細胞質の肥大化と筋特 異的ァクチンの発現誘導を惹起することが報告された (Anticancer Research, 18 , 1377-1384 (1998) )0 従って、 積極的に癌細胞の分化誘導を促進する化合物な り夕ンパク質製剤があれば、 これらは細胞障害作用からくる炎症反応を惹起する ことなく、 細胞分化という手段によって抗癌効果を発揮できるものと期待されて いる。
斯かる状況に鑑み、 腫瘍、 特に横紋筋肉腫 (RMS) に対する分化誘導作用 を有する薬剤が開発できれば、 炎症反応等からくる副作用を回避しながら抗癌作
用を発揮できる薬剤への開発へ繋げることができると考えられる。 発明の開示
本発明者らは、 TNFファミリ一に属するリガンド分子である TL 4 (W09 8/03648号) が予想外にも横紋筋肉腫細胞株 RDの増殖を遅延し、 かつ細 胞質の肥大化を伴う顕著な形態変化能を保持する事実を突き止めた。 さらに研究 を進めることにより、 本発明を完成するに至った。 すなわち、 本発明は、
( 1 ) 配列番号: 1、 配列番号: 2、 配列番号: 3または配列番号: 31で表わ されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタン パク質またはその塩を含有してなる細胞形質変換剤、
(2) 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表わされるアミノ酸配 列と実質的に同一のアミノ酸配列が、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列の 第 8〜21番目、 第 54〜59番目、 第 93〜 102番目、 第 109〜; 1 16番 目、 第 118〜 126番目、 第 128〜: L 34番目、 第 144〜 149番目、 第 162〜170番目、 第 1 76〜182番目、 第 184〜189番目、 第 193 〜 213番目、 第 215〜 219番目および第 228〜 240番目のアミノ酸配 列を有するアミノ酸配列である上記 (1) 記載の剤、
(3) 上記 (1) 記載のタンパク質の部分ペプチドまたはその塩を含有してなる 細胞形質変換剤、
(4) 上記 (1) 記載のタンパク質の部分ペプチドが配列番号: 1で表されるァ ミノ酸配列の第 84〜240番目のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列からなる ペプチドである上記 (3) 記載の剤、
(5) 上記 (1) 記載のタンパク質または上記 (3) 記載の部分ペプチドをコ一 ドする D N Aを含有する D N Aを含有してなる細胞形質変換剤、
(6) DN Aが配列番号: 4〜配列番号: 10のいずれかの配列番号または配列 番号: 30で表わされる塩基配列を有する DNAである上記 (5) 記載の剤、
(7) 横紋筋肉腫、 平滑筋肉腫、 筋ジストロフィー症または子宮筋腫の予防 (及
び/又は) 治療剤である上記 (1 ) 、 上記 (3 ) または上記 (5 ) 記載の剤、 ( 8 ) 配列番号: 1、 配列番号: 2、 配列番号: 3または配列番号: 3 1で表わ されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタン パク質、 その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含有してなる横紋筋肉腫 、 平滑筋肉腫、 筋ジストロフィー症または子宮筋腫の診断剤、
( 9 ) 配列番号: 1、 配列番号: 2、 配列番号: 3または配列番号: 3 1で表わ されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタン パク質またはその部分ぺプチドをコードする D N Aを含有する D N Aを含有して なる横紋筋肉腫、 平滑筋肉腫、 筋ジストロフィー症または子宮筋腫の診断剤、 ( 1 0 ) 哺乳動物に対して、 配列番号: 1、 配列番号: 2、 配列番号: 3または 配列番号: 3 1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ 酸配列を含有するタンパク質、 その部分ペプチドまたはそれらの塩の有効量を投 与することを特徴とする細胞形質変換方法、
( 1 1 ) 哺乳動物に対して、 配列番号: 1、 配列番号: 2、 配列番号: 3または 配列番号: 3 1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ 酸配列を含有するタンパク質、 その部分ペプチドまたはその塩の有効量を投与す ることを特徴とする横紋筋肉腫、 平滑筋肉腫、 筋ジストロフィー症または子宮筋 腫の予防 (及び/又は) 治療方法、
( 1 2 ) 哺乳動物に対して、 配列番号: 1、 配列番号: 2、 配列番号: 3または 配列番号: 3 1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ 酸配列を含有するタンパク質またはその部分ペプチドをコードする D N Aを含有 する D N Aの有効量を投与することを特徴とする細胞形質変換方法、
( 1 3 ) 哺乳動物に対して、 配列番号: 1、 配列番号: 2、 配列番号: 3または 配列番号: 3 1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ 酸配列を含有するタンパク質またはその部分ペプチドをコードする D N Aを含有 する D N Aの有効量を投与することを特徴とする横紋筋肉腫、 平滑筋肉腫、 筋ジ ストロフィー症または子宮筋腫の予防 (及び/又は) 治療方法、 '
( 1 4 ) 細胞形質変換剤を製造するための配列番号: 1、 配列番号: 2、 配列番 号: 3または配列番号: 3 1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質、 その部分ペプチドまたはそれらの塩 の使用、
(15) 横紋筋肉腫、 平滑筋肉腫、 筋ジストロフィー症または子宮筋腫の予防 - 治療剤を製造するための配列番号: 1、 配列番号: 2、 配列番号: 3または配列 番号: 3 1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配 列を含有するタンパク質、 その部分ペプチドまたはそれらの塩の使用、
(16) 細胞形質変換剤を製造するための配列番号: 1、 配列番号: 2、 配列番 号: 3または配列番号: 3 1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に 同一のァミノ酸配列を含有する夕ンパク質またはその部分べプチドをコードする DNAを含有する DNAの使用、 および
(17) 横紋筋肉腫、 平滑筋肉腫、 筋ジストロフィー症または子宮筋腫の予防 - 治療剤を製造するための配列番号: 1、 配列番号: 2、 配列番号: 3または配列 番号: 3 1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配 列を含有するタンパク質またはその部分べプチドをコードする D N Aを含有する D N Aの使用などを提供する。 図面の簡単な説明
図 1は実施例 1で行われた R D細胞における T N Fレセプ夕一ファミリーの発 現解析の結果を示す。
図 2は実施例 2で行われた R D細胞の細胞増殖における T N Fファミリーリガ ンド分子の効果 (B r dU法) の結果を示す。 図中、 ー國—は TL4、 一園一 は TNF«、 一▲一は TNF 3、 ー秦一は LTo; 1 /32、 _*_は TNF/3+L T a 1 β 2を示す。
図 3は実施例 2で行われた R D細胞増殖における T N Fファミリーリガンド分 子 (50 n g/m l ) の効果 (生細胞数) を示す。 図中、 口は培養開始時の細胞 数、 騸は培養 6日目の細胞数を示す。
図 4は実施例 3で行われた TL 4処理した RD細胞における細胞周期解析の結果 を示す図を示す。 図中、 (A) はコントロール群、 (B) は TL 4添加群での解 析結果を示す。 また個々のピークは GO ZG 1期、 S期、 G2ZM期を表わす。
図 5実施例 4で行われた R D細胞の T N Fファミリーリガンドにおける N F— κ Bの活性化の結果を示す。 図中、 —♦一はコントロール、 ー騸—は TL4、 一 ▲—は TNF ]3 +LTひ 1 /32、 一 X—は TNFひ、 一 *—は TNF/3、 は LTひ 1 32を示す。
図 6は実施例 5で行われた RD細胞のケモカイン産生における TNFファミリ 一リガンド分子の効果を示す。
図 Ίは実施例 6で行われた TN Fファミリ一リガンド刺激時における RD細胞 の skeletal muscle myosin heavy chain認識抗体、 MY— 32を用いての細胞免 疫染色の結果図を示す。
図 8は実施例 7で行われた T N Fファミリーリガンド刺激時における R D細胞 粗抽出液の skeletal muscle myosin heavy chain認識抗体、 MY— 32を用いて の Western blot解析の結果図を示す。 図中、 Mは分子量マーカ一、 レーン 1はコ ントロール、 レーン 2は TL 4、 レーン 3は TNFひ、 レーン 4は TNF 3、 レ —ン 5は TNFi3+LTo! 1 ]32、 レーン 6は L T ct 1 /32、 レーン 7は TGF 31 /33、 レーン 8、 レーン 9は TP A、 レーン: ί 0は T G F /3 1 /33 + T P A を示す。
図 9は実施例 6で行われた T N Fファミリ一リガンド刺激時における RD細胞 の smooth and non muscle myosin heavy chain認識抗体、 F126.16D9を用いての 細胞免疫染色の結果図を示す。
図 1 0は実施例 7で行われた R D細胞における筋肉特異的な転写産物の発現解 析と細胞形態の結果図を示す。 図中、 レーン 1はコントロール、 レーン 2は TL 4、 レーン 3は TNF o;、 レーン 4は TNF/3、 レーン 5は TN F 3 + L Τ α 1 32、 レーン 6は LT α 1 ;32、 レーン 7は T G F /3 1 + T G F /33、 レーン 8 は TPA、 レーン 9は TGF 3 1 +TGF 33 +TPA、 レーン 10は TL4 ( 8日間培養) を示す。 発明を実施するため最良の形態
本発明の細胞形質変換剤に含有されるタンパク質 (以下、 本発明のタンパク質 と称する場合がある) は、 配列番号: 1、 配列番号: 2、 配列番号: 3または配
列番号: 3 1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸 配列を含有する。
本発明のタンパク質は、 例えば、 ヒトやひ非ヒト温血動物 (例えば、 モルモッ ト、 ラッ卜、 マウス、 ニヮトリ、 ゥサギ、 ブ夕、 ヒッジ、 ゥシ、 ゥマ、 サルなど ) のあらゆる細胞 (例えば、 脾細胞、 神経細胞、 グリア細胞、 膝臓) 8細胞、 骨髄 細胞、 メサンギゥム細胞、 ランゲルハンス細胞、 表皮細胞、 上皮細胞、 内皮細胞 、 繊維芽細胞、 繊維細胞、 筋細胞、 脂肪細胞、 免疫細胞 (例、 マクロファージ、 T細胞、 B細胞、 ナチュラルキラー細胞、 肥満細胞、 好中球、 好塩基球、 好酸球 、 単球) 、 巨核球、 滑膜細胞、 軟骨細胞、 骨細胞、 骨芽細胞、 破骨細胞、 乳腺細 胞、 肝細胞もしくは間質細胞、 またはこれら細胞の前駆細胞、 幹細胞もしくはガ ン細胞など) 、 またはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、 例えば、 脳、 脳の 各部位 (例、 嗅球、 扁桃核、 大脳基底核、 海馬、 視床、 視床下部、 大脳皮質、 延 髄、 小脳) 、 脊髄、 下垂体、 胃、 膝臓、 腎臓、 肝臓、 生殖腺、 甲状腺、 胆のう、 骨髄、 副腎、 皮膚、 筋肉、 肺、 消化管 (例、 大腸、 小腸、 十二指腸) 、 血管、 心 臓、 胸腺、 脾臓、 顎下腺、 末梢血、 前立腺、 睾丸、 卵巣、 胎盤、 子宮、 骨、 関節 、 骨格筋などに由来するタンパク質であってもよく、 また合成タンパク質であつ てもよい。
本発明のタンパク質としては、 例えば、 W〇 9 8 Z 0 3 6 4 8号公報および WO 9 7 / 3 4 9 1 1号公報に記載のタンパク質などがあげられる。
さらに本発明のタンパク質としては、 例えば、 J. C l in. Inves t. , 102, 1 142- 1 15 1 (1998)や米国特許第 5, 874, 240号に記載のレセプタ一タンパク質に対するリ ガンド活性を有するタンパク質 (ポリペプチド) なども含まれる。
配列番号: 1、 配列番号: 2、 配列番号: 3と実質的に同一のアミノ酸配列と しては、 例えば、 配列番号: 1、 配列番号: 2、 配列番号: 3で表わされるアミ ノ酸配列と約 4 0 %以上、 好ましくは 6 0 %以上、 より好ましくは約 8 0 ¾以上 、 さらに好ましくは約 9 0 %以上、 最も好ましくは約 9 5 %以上の相同性を有す るァミノ酸配列などが挙げられる。
特に、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列のうち第 8 4番目〜第 2 4 0番 目のアミノ酸配列、 配列番号: 2で表わされるアミノ酸配列のうち第 8 2番目〜
第 239番目のアミノ酸配列または配列番号: 3で表わされるアミノ酸配列のう ち第 82番目〜第 239番目のアミノ酸配列と約 40%以上、 好ましくは 60% 以上、 より好ましくは約 80 %以上、 さらに好ましくは約 90 %以上の相同性を 有する場合が好ましい。
また、 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3と実質的に同一のアミ ノ酸配列としては、 構成アミノ酸として、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配 列の第 8〜 2 1番目、 第 55〜 59番目、 第 93〜 1 02番目、 第 109〜; L 1 6番目、 第 1 1 8〜 126番目、 第 1 28〜 1 34番目、 第 144〜 149番目 、 第 162〜1 70番目、 第 1 76〜1 82番目、 第 1 84〜1 89番目、 第 1 93〜 2 13番目、 第 2 1 5〜 2 1 9番目および第 228〜 239番目のァミノ 酸配列を有するアミノ酸配列なども好ましい。 これらのアミノ酸配列は、 配列番 号: 1で表わされるアミノ酸配列、 配列番号: 2で表わされるアミノ酸配列およ び配列番号: 3で表わされるアミノ酸配列に共通するアミノ酸配列である。 また、 配列番号: 1または配列番号: 2と実質的に同一のアミノ酸配列として は、 構成アミノ酸として、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列の第 S〜2 1 番目、 第 54〜 59番目、 第 93〜; L 02番目、 第 109〜 1 16番目、 第 1 1 8〜 126番目、 第 1 28〜 1 34番目、 第 144〜 149番目、 第 1 62〜1 70番目、 第 1 76〜 1 82番目、 第 184〜 1 89番目、 第 1 93〜 2 13番 目、 第 2 1 5〜2 19番目および第 228〜 240番目のアミノ酸配列を有する アミノ酸配列なども好ましい。 これらのアミノ酸配列は、 配列番号: 2で表わさ れるアミノ酸配列の第 6〜20番目、 第 52〜57番目、 第 9 1〜100番目、 第 1 07〜 1 14番目、 第 1 1 6〜 124番目、 第 126〜 1 32番目、 第 14 2〜 147番目、 第 162〜 1 70番目、 第 1 76〜 1 82番目、 第 184~1 89番目、 第 192〜 2 1 2番目、 第 214〜 2 1 8番目および第 227〜23 9番目のアミノ酸配列に対応し、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と配列 番号: 2で表わされるアミノ酸配列に共通するアミノ酸配列である。
さらに、 配列番号: 3 1と実質的に同一のアミノ酸配列としては、 構成アミノ 酸として、 配列番号: 3 1で表わされるアミノ酸配列の第 8〜 2 1番目、 第 57 〜66番目、 第 73〜80番目、 第 82〜90番目、 第 92〜98番目、 第 10
S〜 l 1 1番目、 第 1 2 6〜 1 3 4番目、 第 1 4 0〜 1 4 6番目、 第 1 4 8〜1 5 3番目、 第 1 5 7〜 1 7 7番目、 第 1 7 9〜1 8 3番目および第 1 9 2〜2 0 4番目のァミノ酸配列を有するァミノ酸配列などがあげられる。
配列番号: 1、 配列番号: 2、 配列番号: 3または配列番号: 3 1で表わされ るアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有する本発明のタンパク質と しては、 上記のとおり配列番号: 1、 配列番号: 2、 配列番号: 3または配列番 号: 3 1で表わされる 7ミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、 配列 番号: 1、 配列番号: 2、 配列番号: 3または配列番号: 3 1で表わされるアミ ノ酸配列を含有するタンパク質と実質的に同質の活性を有するタンパク質などが 好ましい。
実質的に同質の活性としては、 例えば、 細胞形質変換作用などの活性があげら れる。
細胞形質変換作用としては、 細胞増殖を抑制し、 かつ細胞の形態変化を引き起 こす作用などのことをいい、 具体的には、 癌 ·腫瘍 (好ましくは、 (胎児性) 横 紋筋肉腫など) 細胞増殖を抑制し、 かつ癌,腫瘍 (好ましくは、 (胎児性) 横紋 筋肉腫など) 細胞を細胞質肥大を伴った筋細胞様への形質変化させる、 多核細胞 などへ分化誘導させる、 筋特異的マーカータンパク質、 例えば平滑筋あるいは骨 格筋特異的 α-ァクチンを誘導し、 形質変化せしめる作用のことなどをいう。 実質的に同質とは、 それらの活性が性質的 (例、 生理化学的または薬理学的) に同質であることを示す。 したがって、 細胞形質変換作用などの活性が同等 (例 、 約 0 . 0 1〜2 0倍、 好ましくは約 0 . 2〜5倍、 より好ましくは約 0. 5〜 2倍) であることが好ましいが、 これらの活性の程度やタンパク質の分子量など の量的要素は異なっていてもよい。
細胞形質変換作用などの活性は、 公知の方法あるいはそれに準じる方法 (例え ば、 Cancer Research, 50, 3377-3382 (1990)、 Bri t i sh J. Cancer, 79, 807-81 3 (1999)、 Exp. Cel l Res. , 204, 210-216 (1993)などに記載の方法) や例えば 、 後述する実施例になどに記載されている方法などを用いて測定することができ る。
また、 本発明のタンパク質には、 ①配列番号: 1、 配列番号: 2、 配列番号:
3または配列番号: 31で表わされるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (例え ば 1〜80個、 好ましくは 1〜20個程度、 より好ましくは 1〜9個程度、 さら に好ましくは数 (例、 1〜5) 個) のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、 ②配列 番号: 1、 配列番号: 2、 配列番号: 3または配列番号: 31で表わされるアミ ノ酸配列に 1または 2個以上 (例えば 1〜80個、 好ましくは 1〜20個程度、 より好ましくは 1〜9個程度、 さらに好ましくは数 (例、 1〜5) 個) のァミノ 酸が付加したアミノ酸配列、 ③配列番号: 1、 配列番号: 2、 配列番号: 3また は配列番号: 31で表わされるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (例えば 1〜 80個、 好ましくは 1〜20個程度、 より好ましくは 1〜9個程度、 さらに好ま しくは数 (例、 1〜5) 個) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配 列、 または④それらを組み合わせたアミノ酸配列を含有するタンパク質などのい わゆるムテインも含まれる。
上記のようにアミノ酸配列が欠失または置換されている場合、 その欠失または 置換の位置としては、 特に限定されないが、 例えば、 ①配列番号: 1で表わされ るアミノ酸配列の第 8〜21番目、 第 55〜59番目 (または第 54〜59番目 ) 、 第 93〜: 102番目、 第 109〜 1 16番目、 第 118〜 126番目、 第 1 28〜; I 34番目、 第 144〜149番目、 第 162〜170番目、 第 176〜 182番目、 第 184〜 189番目、 第 193〜 213番目、 第 215〜 219 番目または第 228〜239番目 (または第 228〜240番目) のアミノ酸配 列以外の位置、 好ましくは、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列の第 93〜 102番目、 第 109〜 1 16番目、 第 1 18〜 126番目、 第 128〜; L 34 番目、 第 144〜149番目、 第 162〜 170番目、 第 176〜 182番目、 第 184〜189番目、 第 193〜 213番目、 第 215〜 219番目または第 228〜240番目のアミノ酸配列以外の位置、 ②配列番号: 2で表わされるァ ミノ酸配列の第 6〜19番目、 第 53〜 57番目 (または第 52〜 57番目) 、 第 91〜; L 00番目、 第 107〜1 14番目、 第 1 16〜124番目、 第 126 〜 132番目、 第 142〜: 147番目、 第 162〜 170番目、 第 176〜 18 2番目、 第 184〜 189番目、 第 192〜 212番目、 第 214〜 218番目 または第 227〜238番目 (または第 227〜239番目) のアミノ酸配列以
外の位置、 好ましくは、 配列番号: 2で表わされるアミノ酸配列の第 9 1〜1 0 0番目、 第 1 0 7〜 1 14番目、 第 1 1 6〜 1 24番目、 第 1 2 6〜 1 3 2番目 、 第 1 42〜: 1 47番目、 第 1 6 2〜 1 7 0番目、 第 1 7 6〜; 1 8 2番目、 第 1 84〜; L 89番目、 第 1 9 2〜 2 1 2番目、 第 2 1 4〜 2 1 8番目または第 2 2 7〜 2 3 9番目のァミノ酸配列以外の位置、 ③配列番号: 3で表わされるァミノ 酸配列の第 6〜1 9番目、 5 3〜 5 7番目 (または第 5 2〜5 7番目) 、 第 9 1 〜: L 0 0番目、 第 1 0 7〜 1 1 4番目、 第 1 1 6〜 1 24番目、 第 1 2 6〜 1 3 2番目、 第 1 42〜 1 47番目、 第 1 6 2〜 1 7 0番目、 第 1 7 6〜 1 8 2番目 、 第 1 84〜 1 8 9番目、 第 1 9 2〜 2 1 2番目、 第 2 1 4〜 2 1 8番目または 第 2 2 7〜2 3 S番目 (または第 2 2 7〜2 3 9番目) のアミノ酸配列以外の位 置、 好ましくは、 配列番号: 3で表わされるアミノ酸配列の第 9 1〜1 0 0番目 、 第 1 0 7〜 1 1 4番目、 第 1 1 6〜 1 24番目、 第 1 2 6〜 1 3 2番目、 第 1 42〜: 1 47番目、 第 1 6 2〜 1 7 0番目、 第 1 7 6〜 1 8 2番目、 第 1 84〜 1 8 9番目、 第 1 9 2〜 2 1 2番目、 第 2 1 4〜 2 1 8番目または第 2 2 7〜2 3 9番目のアミノ酸配列以外の位置、 ④配列番号: 3 1で表わされるアミノ酸配 列の第 8〜2 1番目、 第 5 7〜6 6番目、 第 7 3〜8 0番目、 第 8 2〜9 0番目 、 第 9 2〜9 8番目、 第 1 0 8〜; L 1 1番目、 第 1 2 6〜1 34番目、 第 1 40 〜 1 46番目、 第 1 48〜: 1 5 3番目、 第 1 5 7〜: 1 7 7番目、 第 1 7 9〜; 1 S 3番目および第 1 9 2〜2 04番目のアミノ酸配列以外の位置などが挙げられる 。
さらには、 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるァミノ 酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質として具体的には、 一般式、
Met Glu Xaa Ser Val Val Xaa Pro Ser Val Phe Val Val ASP Gly Gin
1 5 10 15
Thr Asp lie Pro Phe Xaa Arg Leu Xaa Xaa Xaa His Arg Arg Xaa Xaa
20 25 30
Cys Xaa Xaa Xaa Xaa Val Xaa Leu Xaa Leu Xaa Leu Leu Leu Xaa Gly
35 40 45
Ala Gly Leu Ala Xaa Gin Gly Trp Phe Leu Leu Xaa Leu Hi s Xaa Arg
50 55 60
Leu Gly Xaa Xaa Via Xaa Xaa Leu Pro Asp Gly Xaa Xaa Gly Ser Trp
65 70 75 80
Glu Xaa Leu l ie Gin Xaa Xaa Arg Ser Hi s Xaa Xaa Asn Pro Ala Ala
85 90 95
His Leu Thr Gly Ala Asn Xaa Ser Leu Xaa Gly Xaa Gly Gly Pro Leu
100 105 110
Leu Trp Glu Thr Xaa Leu Gly Leu Ala Phe Leu Arg Gly Leu Xaa Tyr
115 120 125
Hi s Asp Gly Ala Leu Val Xaa Xaa Xaa Xaa Gly Tyr Tyr Tyr Xaa Tyr
130 135 140
Ser Lys Val Gin Leu Xaa Gly Val Gly Cys Pro Xaa Gly Leu Ala Xaa
145 150 155 160
Xaa Xaa Xaa l ie Thr His Gly Leu Tyr Lys Arg Thr Xaa Arg Tyr Pro
165 170 175
Glu Xaa Leu Glu Leu Leu Val Ser Xaa Xaa Ser Pro Cys Gly Arg Ala
180 185 190
Xaa Xaa Ser Ser Arg Val Trp Trp Asp Ser Ser Phe Leu Gly Gly Val
195 200 205
Val Hi s Leu Glu Ala Gly Glu Xaa Val Val Val Arg Val Xaa Xaa Xaa
210 215 220
Arg Leu Val Arg Xaa Arg Asp Gly Thr Arg Ser Tyr Phe Gly Ala Phe
225 230 235 240
Met Val ( I )
〔式中、 X a aは任意のアミノ酸残基または結合手を示す〕 で表わされるァミノ 酸配列 〔配列番号: 2 5で表わされるアミノ酸配列〕 を有するタンパク質なども 好ましく用いられる。
また、 上記の一般式 (I ) において、 1個または 2個以上 (例えば 1〜5 6、
好ましくは 1~40個、 より好ましくは 1〜20個、 さらに好ましくは 1〜9個 、 最も好ましくは数 (1〜5) 個) の位置で X a aが欠失していてもよい。
Xa aで示されるアミノ酸としては、 親水性アミノ酸、 疎水性アミノ酸のいず れでもよく、 また、 酸性アミノ酸、 塩基性アミノ酸、 中性アミノ酸のいずれでも よい。 具体的には、 G 1 y、 A 1 a、 Va K Le u, I 1 e、 S e r、 Th r 、 Cy s、 Me t, G l u、 As p、 Ly s、 Ar g、 H i s、 Ph e、 T y r 、 T r p、 P r o, As n、 G i nなどが用いられる。
一般式 (I) 中、 第 3番目の X a aとしては、 G l uが好ましく、 あるいは欠 失していてもよい。
第 7番目の Xa aとしては、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的には、 Ar g または G 1 nが好適である。
第 22番目の Xa aとしては、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的には、 Th rまたは A r gが好適である。
第 25番目の X a aとしては、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的には、 G 1 yまたは G 1 uが好適である。
第 26番目の Xa aとしては、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的には、 Ar gまたは G 1 nが好適である。
第 27番目の X a aとしては、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的には、 S e rまたは A s nが好適である。
第 31番目の Xa aとしては、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的には、 G 1 nまたは A r gが好適である。
第 32番目の Xa aとしては、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的には、 S e rまたは A r gが好適である。
第 34番目の X a aとしては、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的には、 S e rまたは G 1 yが好適である。
第 35番目の Xa aとしては、 例えば、 V a 1または T h rが好適である。 第 36番目の Xa aとしては、 例えば、 疎水性アミノ酸が好ましく、 具体的に は、 A l aまたは V a 1が好適である。
第 37番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的に
は、 A r gまたは G 1 nが好適である。
第 39番目の X a aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的に は、 G 1 yまたは S e rが好適である。
第 41番目の X a aとしては、 例えば、 01 または八 1 aが好適である。 第 43番目の Xa aとしては、 例えば、 疎水性アミノ酸が好ましく、 具体的に は、 Le uまたは V a 1が好適である。
第 47番目の X a aとしては、 Me tが好ましく、 あるいは欠失していてもよ い。
第 53番目の X a aとしては、 例えば、 Va 1または Th rが好適である。 第 60番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的に は、 G 1 nまたは A r gが好適である。
第 63番目の X a aとしては、 例えば、 T r pまたは G 1 nが好適である。 第 67番目の Xa aとしては、 例えば、 酸性アミノ酸が好ましく、 具体的には 、 G 1 uまたは As pが好適である。
第 68番目の Xa aとしては、 例えば、 疎水性アミノ酸が好ましく、 具体的に は、 Me tまたは I 1 eが好適である。
第 70番目の X a aとしては、 例えば、 T h rまたは A 1 aが好適である。 第 71番目の Xa aとしては、 例えば、 塩基性アミノ酸が好ましく、 具体的に は、 A r gまたは H i sが好適である。
第 76番目の Xa aとしては、 例えば、 P r oまたは G 1 yが好適である。 第 77番目の X a aとしては、 例えば、 A l aまたは L y sが好適である。 第 82番目の X a aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的に は、 G i nまたは L y sが好適である。
第 86番目の Xa aとしては、 例えば、 酸性アミノ酸が好ましく、 具体的には 、 G 1 uまたは As pが好適である。
第 87番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的に は、 Ar gまたは G 1 nが好適である。
第 91番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的に は、 G 1 uまたは G 1 nが好適である。
第 92番目の Xa aとしては、 例えば、 疎水性アミノ酸が好ましく、 具体的に は、 Va 1または A 1 aが好適である。
第 103番目の X a aとしては、 例えば、 S e rまたは A 1 aが好適である。 第 106番目の X a aとしては、 例えば、 Th rまたは I l eが好適である。 第 108番目の X a aとしては、 例えば、 S e rまたは I l eが好適である。 第 117番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 G 1 nまたは A r gが好適である。
第 127番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 S e rまたは T h rが好適である。
第 135番目の X a aとしては、 例えば、 Va 1または Th rが好適である。 第 136番目の X a aとしては、 例えば、 T h rまたは M e tが好適である。 第 137番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 L y sまたは G 1 uが好適である。
第 138番目の Xa aとしては、 例えば、 疎水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 A 1 aまたは P r oが好適である。
第 143番目の Xa aとしては、 例えば、 疎水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 I 1 eまたは Va 1が好適である。
第 150番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 G 1 yまたは S e rが好適である。
第 156番目の X a aとしては、 例えば、 L e uまたは G 1 nが好適である。 第 160番目の X a aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 S e rまたは A s nが好適である。
第 161番目の X a aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 Th rまたは G 1 yが好適である。
第 162番目の X a aとしては、 Le uが好ましく、 あるいは欠失していても よい。
第 163番目の X a aとしては、 P r oが好ましく、 あるいは欠失していても よい。
第 173番目の X a aとしては、 例えば、 P r oまたは S e rが好適である。
第 1 78番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 G 1 uまたは L y sが好適である。
第 1 8 5番目および 1 86番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が 好ましく、 具体的には、 G 1 nまたは Ai- gが好適である。
第 1 93番目の X a aとしては、 Th rが好ましく、 あるいは欠失していても よい。
第 1 94番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 S e rまたは A s nが好適である。
第 2 1 6番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 L y sまたは G 1 uが好適である。
第 222番目の Xa aとしては、 例えば、 疎水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 L e uまたは P r oが好適である。
第 223番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 A s pまたは G 1 yが好適である。
第 224番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 G 1 uまたは As nが好適である。
第 229番目の Xa aとしては、 例えば、 疎水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 L e uまたは P r oが好適である。
また、 配列番号: 31で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列 を含有するタンパク質として具体的には、 一般式、
Met Glu Xaa Ser Val Val Xaa Pro Ser Val P e Val Val Asp Gly Gin
1 5 10 15
Thr Asp lie Pro Phe Xaa Arg Leu Xaa Xaa Xaa His Arg Arg Xaa Xaa
20 25 30
Cys Xaa Xaa Xaa Xaa Asp Gly Xaa Xaa Gly Ser Trp Glu Xaa Leu lie
35 40 45
Gin Xaa Xaa Arg Ser His Xaa Xaa Asn Pro Ala Ala His Leu Thr Gly
50 55 60
Ala Asn Xaa Ser Leu Xaa Gly Xaa Gly Gly Pro Leu Leu Trp Glu Thr
65 70 75 80
Xaa Leu Gly Leu Ala Plie Leu Arg Gly Leu Xaa Tyr His Asp Gly Ala
85 90 95
Leu Val Xaa Xaa Xaa Xaa Gly Tyr Tyr Tyr Xaa Tyr Ser Lys Val Gin
100 105 110
Leu Xaa Gly Val Gly Cys Pro Xaa Gly Leu Ala Xaa Xaa lie Thr His
115 120 125
Gly Leu Tyr Lys Arg Thr Xaa Arg Tyr Pro Glu Xaa Leu Glu Leu Leu
130 135 140
Val Ser Xaa Xaa Ser Pro Cys Gly Arg Ala Xaa Xaa Ser Ser Arg Val
145 150 155 160
Trp Trp Asp Ser Ser Phe Leu Gly Gly Val Val His Leu Glu Ala Gly
165 170 175
Glu Xaa Val Val Val Arg Val Xaa Xaa Xaa Arg Leu Val Arg Xaa Arg
180 185 190
Asp Gly Thr Arg Ser Tyr Phe Gly Ala Phe Met Val (II)
195 200 204
〔式中、 Xa aは任意のアミノ酸残基または結合手を示す〕 で表わされるァミノ 酸配列 〔配列番号: 32で表わされるアミノ酸配列〕 を有するタンパク質なども 好ましく用いられる。
また、 上記の一般式 (II) において、 1個または 2個以上 (例えば 1〜40個 、 好ましくは 1〜20個、 より好ましくは 1〜9個、 最も好ましくは数 (1〜5 ) 個) の位置で X a aが欠失していてもよい。
Xa aで示されるアミノ酸としては、 親水性アミノ酸、 疎水性アミノ酸のいず れでもよく、 また、 酸性アミノ酸、 塩基性アミノ酸、 中性アミノ酸のいずれでも よい。 具体的には、 G l y、 A l a、 V a L e u, I l e、 S e r, Th r 、 Cy s、 Me t, G l u、 As p、 Ly s, Ar g、 H i s, Phe, T y r 、 T r , P r o, As n、 G i nなどが用いられる。
一般式 (II) 中、 第 3番目の Xa aとしては、 G l uが好ましく、 あるいは欠
失していてもよい。
第 7番目の Xa aとしては、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的には、 Ar g または G 1 ηが好適である。
第 22番目の Xa aとしては、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的には、 Th rまたは A r gが好適である。
第 25番目の X a aとしては、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的には、 G 1 yまたは G 1 uが好適である。
第 26番目の Xa aとしては、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的には、 A r gまたは G 1 nが好適である。
第 27番目の X a aとしては、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的には、 S e rまたは A s nが好適である。
第 31番目の Xa aとしては、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的には、 G 1 nまたは A r gが好適である。
第 32番目の Xa aとしては、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的には、 S e rまたは A r gが好適である。
第 34番目の Xa aとしては、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的には、 S e rまたは G 1 yが好適である。
第 35番目の X a aとしては、 例えば、 V a 1または T h rが好適である。 第 36番目の Xa aとしては、 例えば、 疎水性アミノ酸が好ましく、 具体的に は、 A l aまたは V a 1が好適である。
第 37番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的に は、 Ai- gまたは G 1 nが好適である。
第 40番目の X a aとしては、 例えば、 P r oまたは G 1 yが好適である。 第 41番目の Xa aとしては、 例えば、 A l aまたは L y sが好適である。 第 46番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的に は、 G 1 nまたは L y sが好適である。
第 50番目の Xa aとしては、 例えば、 酸性アミノ酸が好ましく、 具体的には 、 G 1 uまたは As pが好適である。
第 51番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的に
は、 A r gまたは G 1 nが好適である。
第 55番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的に は、 G 1 uまたは G 1 nが好適である。
第 56番目の Xa aとしては、 例えば、 疎水性アミノ酸が好ましく、 具体的に は、 V a 1または A 1 aが好適である。
第 67番目の X a aとしては、 例えば、 S e rまたは A 1 aが好適である。 第 70番目の X a aとしては、 例えば、 Th rまたは I 1 eが好適である。 第 72番目の X a aとしては、 例えば、 36 1'または1 1 eが好適である。 第 81番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的に は、 G 1 nまたは Ar gが好適である。
第 91番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的に は、 S e rまたは Th rが好適である。
第 99番目の X a aとしては、 例えば、 a 1または T h rが好適である。 第 100番目の Xa aとしては、 例えば、 T h rまたは M e tが好適である。 第 101番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 L y sまたは G 1 uが好適である。
第 102番目の X a aとしては、 例えば、 疎水性ァミノ酸が好ましく、 具体的 には、 A 1 aまたは P r oが好適である。
第 107番目の Xa aとしては、 例えば、 疎水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 I 1 eまたは Va 1が好適である。
第 1 14番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 G 1 yまたは S e rが好適である。
第 120番目の Xa aとしては、 例えば、 L e uまたは G 1 nが好適である。 第 124番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 S e rまたは A s nが好適である。
第 125番目の X a aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 Th rまたは G 1 yが好適である。
第 135番目の Xa aとしては、 P r oが好ましく、 あるいは欠失していても よい。
第 140番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 G 1 uまたは Ly sが好適である。
第 147番目および 148番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が 好ましく、 具体的には、 G 1 nまたは Ar gが好適である。
第 1 55番目の X a aとしては、 Th rが好ましく、 あるいは欠失していても よい。
第 156番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 S e rまたは A s nが好適である。
第 178番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 L y sまたは G 1 uが好適である。
第 1 84番目の X a aとしては、 例えば、 疎水性ァミノ酸が好ましく、 具体的 には、 L e uまたは P r oが好適である。
第 185番目の Xa aとしては、 例えば、 親水性アミノ酸が好ましく、 具体的 には、 As pまたは G 1 yが好適である。
第 186番目の X a aとしては、 例えば、 親水性ァミノ酸が好ましく、 具体的 には、 G 1 uまたは A s nが好適である。
第 191番目の X a aとしては、 例えば、 疎水性ァミノ酸が好ましく、 具体的 には、 L e uまたは P r oが好適である。
本明細書におけるタンパク質は、 ペプチド標記の慣例に従って左端が N末端 ( ァミノ末端) 、 右端が C末端 (カルボキシル末端) である。 配列番号: 1で表わ されるアミノ酸配列を含有するタンパク質をはじめとする、 本発明のタンパク質 は、 C末端が通常カルボキシル基 (― COOH) 、 カルボキシレート(一 COO 一)、 アミド (― CONH2) またはエステル (—COOR) であってもよい。
ここでエステル基の Rとしては、 例えば、 メチル、 ェチル、 η—プロピル、 ィ ソプロピルもしくは n—ブチルなどの d_6アルキル基、 例えば、 シクロペンチ 儿'、 シクロへキシルなどの C3_sシクロアルキル基、 例えば、 フエニル、 —ナ フチルなどの C6_12ァリール基、 例えば、 ベンジル、 フエネチルなどのフエ二 リレー C 一 2アルキル基もしくは α―ナフチルメチルなどのひ—ナフチル—C^s アルキル基などの C7_14ァラルキル基のほか、 経口用エステルとして汎用され
るビバロイルォキシメチル基などが用いられる。
本発明のタンパク質が C末端以外にカルボキシル基 (またはカルボキシレート ) を有している場合、 力ルポキシル基がアミド化またはエステル化されているも のも本発明のタンパク質に含まれる。 この場合のエステルとしては、 例えば上記 した C末端のエステルなどが用いられる。
さらに、 本発明のタンパク質には、 上記したタンパク質において、 N末端のァ ミノ酸残基のァミノ基が保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチル基などの アルカノィルなどの Cト6ァシル基など) で保護されているもの、 N端側が生体 内で切断され生成したダルタミル基がピ口ダル夕ミン酸化したもの、 分子内のァ ミノ酸の側鎖上の置換基 (例えば、 _OH、 一 SH、 アミノ基、 イミダゾール基 、 インドール基、 グァニジノ基など) が適当な保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァ セチル基などの Cュ— 6アル力ノィルなどの C i— 6ァシル基など) で保護されてい るもの、 あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質などの複合タンパク質な ども含まれる。
より具体的には、 本発明のタンパク質としては、 例えば、 配列番号: 1で表わ されるアミノ酸配列を有するヒト肝臓由来のタンパク質、 配列番号: 2で表わさ れるアミノ酸配列を有するマウス胚由来のタンパク質、 配列番号: 3で表わされ るアミノ酸配列を有するラット肝臓由来のタンパク質、 配列番号: 31で表され るヒト肝臓由来のタンパク質などが好適である。
本発明のタンパク質の部分ペプチドとしては、 前記した本発明のタンパク質と 同質の活性、 例えば、 細胞形質変換作用などの活性を有するペプチドであれば何 れのものであってもよい。 例えば、 本発明のタンパク質のアミノ酸配列のうち、 少なくとも約 20個以上、 好ましくは約 50個以上、 より好ましくは約 70個以 上、 さらに好ましくは約 100個以上、 最も好ましくは約 200個以上のァミノ 酸残基を有するペプチドなどが好ましく用いられる。
例えば、 (1) 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列の第 8〜21番目、 第 55〜 59番目、 第 93〜: L 02番目、 第 109〜 1 16番目、 第 118~1 2 6番目、 第 128〜: L 34番目、 第 144〜149番目、 第 162〜170番目 、 第 176〜; 182番目、 第 184〜: L 89番目、 第 193〜213番目、 第 2
15〜219番目および第 228〜239番目のアミノ酸配列から選ばれる少な くとも 1つ以上のアミノ酸配列を有する部分ペプチド (すなわち、 配列番号: 2 または配列番号: 3で表わされるアミノ酸配列の第 6〜20番目、 第 53〜57 番目、 第 91〜100番目、 第 107〜1 14番目、 第 116〜124番目、 第 126〜132番目、 第 142〜 147番目、 第 162〜 170番目、 第 176 〜: L 82番目、 第 184〜 189番目、 第 192〜 212番目、 第 214~21 8番目および第 227〜238番目のアミノ酸配列から選ばれる少なくとも 1つ 以上のアミノ酸配列を有する部分ペプチド) 、 (2) 配列番号: 1で表わされる アミノ酸配列の第 8〜 21番目、 第 54〜 59番目、 第 93〜 102番目、 第 1 09〜: 1 1 6番目、 第 1 18〜 126番目、 第 128〜 134番目、 第 144〜 149番目、 第 162〜170番目、 第 176〜 182番目、 第 184〜 189 番目、 第 193〜 213番目、 第 215〜 219番目および第 228〜240番 目のアミノ酸配列から選ばれる少なくとも 1つ以上のアミノ酸配列を有する部分 ペプチド (すなわち、 配列番号: 2または配列番号: 3で表わされるアミノ酸配 列の第 6〜20番目、 第 52〜 57番目、 第 91〜: L 00番目、 第 107〜1 1 4番目、 第 1 16〜 124番目、 第 126〜 132番目、 第 142〜: L 47番目 、 第 162〜 1 70番目、 第 176〜 182番目、 第 184〜189番目、 第 1 92〜 212番目、 第 214〜 218番目および第 227〜 239番目のァミノ 酸配列から選ばれる少なくとも 1つ以上のアミノ酸配列を有する部分ペプチド) 、 (3) 配列番号: 31で表わされるアミノ酸配列の第 8〜21番目、 第 57〜 66番目、 第 73〜80番目、 第 82〜90番目、 第 92〜98番目、 第 108 〜 1 13番目、 第 126〜 134番目、 第 140〜: L 46番目、 第 148〜 15 3番目、 第 157〜 177番目、 第 179〜 183番目および第 192〜203 番目のアミノ酸配列から選ばれる少なくとも 1つ以上のアミノ酸配列を有する部 分ペプチドなどが用いられる。
より具体的には、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列の第 84番目〜第 2 40番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチド、 配列番号: 2で表わされるアミ ノ酸配列の第 82番目〜第 239番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチド、 配 列番号: 3で表わされるアミノ酸配列の第 82番目〜第 239番目のアミノ酸配
列を有する部分ペプチド、 配列番号: 3 1で表わされるアミノ酸配列の第 4 S番 目〜第 2 0 4番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチドなどが好ましく用いられ る。
さらに、 本発明の部分ペプチドとしては、 ①配列番号: 1で表わされるァミノ 酸配列の第 8 4番目〜第 2 4 0番目のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配 列を有し、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列の第 8 4番目〜第 2 4 0番目 のアミノ酸配列を含有するペプチドと実質的に同質の活性を有するペプチド、 ② 配列番号: 2で表わされるアミノ酸配列の第 8 2番目〜第 2 3 9番目のアミノ酸 配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、 配列番号: 2で表わされるアミノ酸 配列の第 8 2番目〜第 2 3 9番目のアミノ酸配列を含有するペプチドと実質的に 同質の活性を有するペプチド、 ③配列番号: 3で表わされるアミノ酸配列の第 8 2番目〜第 2 3 9番目のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、 配 列番号: 2で表わされるアミノ酸配列の第 8 2番目〜第 2 3 9番目のアミノ酸配 列を含有するペプチドと実質的に同質の活性を有するペプチド、 ④配列番号: 3 1で表わされるアミノ酸配列の第 4 8番目〜第 2 0 4番目のアミノ酸配列と実質 的に同一のアミノ酸配列を有し、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列の第 4 8番目〜第 2 0 4番目のアミノ酸配列を含有するペプチドと実質的に同質の活性 を有するぺプチドなどが好ましい。
配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列の第 8 4番目〜第 2 4 0番目のァミノ 酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、 例えば、 配列番号: 1で表わさ れるアミノ酸配列の第 8 4番目〜第 2 4 0番目のアミノ酸配列と約 4 0 %以上、 好ましくは 6 0 %以上、 より好ましくは約 8 0 %以上、 さらに好ましくは約 9 0 %以上、 最も好ましくは約 9 5 %以上の相同性を有するアミノ酸配列などが用い られる。
配列番号: 2で表わされるアミノ酸配列の第 8 2番目〜第 2 3 9番目のァミノ 酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、 例えば、 配列番号: 2で表わさ れるアミノ酸配列の第 8 2番目〜第 2 3 9番目のアミノ酸配列と約 4 0 .° 以上、 好ましくは 6 0 %以上、 より好ましくは約 8 0 %以上、 さらに好ましくは約 9 0 %以上、 最も好ましくは約 9 5 %以上の相同性を有するアミノ酸配列などが用い
られる。
配列番号: 3で表わされるアミノ酸配列の第 8 2番目〜第 2 3 9番目のァミノ 酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、 例えば、 配列番号: 3で表わさ れるアミノ酸配列の第 8 2番目〜第 2 3 9番目のアミノ酸配列と約 4 0 %以上、 好ましくは 6 0 ¾»以上、 より好ましくは約 8 0。/。以上、 さらに好ましくは約 9 0 %'以上、 最も好ましくは約 9 5 %以上の相同性を有するアミノ酸配列などが用い られる。
配列番号: 3 1で表わされるアミノ酸配列の第 4 8番目〜第 2 0 4番目のアミ ノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、 例えば、 配列番号: 3 1で表 わされるアミノ酸配列の第 4 8番目〜第 2 0 4番目のアミノ酸配列と約 4 0 %以 上、 好ましくは 6 0 %以上、 より好ましくは約 8 0 ?S以上、 さらに好ましくは約 9 0 ?以上、 最も好ましくは約 9 5 ¾以上の相同性を有するアミノ酸配列などが 用いられる。
「実質的に同質の活性」 とは、 前記と同意義を示す。
また、 本発明の部分ペプチドには、 ①配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列 の第 8 4番目〜第 2 4 0番目のアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (例えば 1〜 8 0個、 好ましくは 1〜2 0個程度、 より好ましくは 1〜9個程度、 さらに好ま しくは数 (例、 1〜5 ) 個) のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、 配列番号: 1 で表わされるアミノ酸配列の第 8 4番目〜第 2 4 0番目のアミノ酸配列に 1また は 2個以上 (例えば 1〜 8 0個、 好ましくは 1 ~ 2 0個程度、 より好ましくは 1 〜9個程度、 さらに好ましくは数 (例、 1〜5 ) 個) のアミノ酸が付加したアミ ノ酸配列、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列の第 8 4番目〜第 2 4 0番目 のアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (例えば 1〜 8 0個、 好ましくは 1〜2 0 個程度、 より好ましくは 1〜9個程度、 さらに好ましくは数 (例、 1〜5 ) 個) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、 またはそれらを組み合わ せたアミノ酸配配列を含有する部分ペプチド、 ②配列番号: 2で表わされるアミ ノ酸配列の第 8 2番目〜第 2 3 9番目のアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (例 えば 1〜8 0個、 好ましくは 1〜2 0個程度、 より好ましくは 1〜9個程度、 さ らに好ましくは数 (例、 1〜5 ) 個) のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、 配列
番号: 2で表わされるアミノ酸配列の第 8 2番目〜第 2 3 9番目のアミノ酸配列 に 1または 2個以上 (例えば 1〜 8 0個、 好ましくは 1〜2 0個程度、 より好ま しくは 1〜9個程度、 さらに好ましくは数 (例、 1〜5 ) 個) のアミノ酸が付加 したアミノ酸配列、 配列番号: 2で表わされるアミノ酸配列の第 8 2番目〜第 2 3 9番目のアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (例えば 1〜8 0個、 好ましくは 1〜2 0個程度、 より好ましくは 1〜9個程度、 さらに好ましくは数 (例、 1〜 5 ) 個) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、 またはそれらを 組み合わせたアミノ酸配配列を含有する部分ペプチド、 ③配列番号: 3で表わさ れるアミノ酸配列の第 8 2番目〜第 2 3 9番目のアミノ酸配列中の 1または 2個 以上 (例えば 1〜 8 0個、 好ましくは 1〜2 0個程度、 より好ましくは 1〜9個 程度、 さらに好ましくは数 (例、 1〜5 ) 個) のアミノ酸が欠失したアミノ酸配 列、 配列番号: 3で表わされるアミノ酸配列の第 8 2番目〜第 2 3 9番目のアミ ノ酸配列に 1または 2個以上 (例えば 1〜8 0個、 好ましくは 1〜2 0個程度、 より好ましくは 1〜9個程度、 さらに好ましくは数 (例、 1〜5 ) 個) のァミノ 酸が付加したアミノ酸配列、 配列番号: 3で表わされるアミノ酸配列の第 8 2番 目〜第 2 3 9番目のアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (例えば 1〜8 0個、 好 ましぐは 1〜2 0個程度、 より好ましくは 1〜9個程度、 さらに好ましくは数 ( 例、 1〜5 ) 個) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、 または それらを組み合わせたアミノ酸配配列を含有する部分ペプチド、 ④配列番号: 3 1で表わされるアミノ酸配列の第 4 8番目〜第 2 0 4番目のアミノ酸配列中の 1 または 2個以上 (例えば 1〜 8 0個、 好ましくは 1〜 2 0個程度、 より好ましく は 1〜9個程度、 さらに好ましくは数 (例、 1〜5 ) 個) のアミノ酸が欠失した アミノ酸配列、 配列番号: 3 1で表わされるアミノ酸配列の第 4 8番目〜第 2 0 4番目のアミノ酸配列に 1または 2個以上 (例えば 1〜8 0個、 好ましくは 1〜 2 0個程度、 より好ましくは 1 ~ 9個程度、 さらに好ましくは数 (例、 1〜5 ) 個) のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、 配列番号: 3 1で表わされるアミノ酸 配列の第 4 8番目〜第 2 0 4番目のアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (例えば 1〜8 0個、 好ましくは 1〜2 0個程度、 より好ましくは 1〜' 9個程度、 さらに 好ましくは数 (例、 1〜5 ) 個) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたァミノ
酸配列、 またはそれらを組み合わせたアミノ酸配配列を含有する部分べプチドな ども含まれる。
上記のように欠失または置換されている場合、 具体的には、 一般式 (I ) で表 わされるアミノ酸配列から第 1〜8 3番目のアミノ酸を取り除いたアミノ酸配列 を有するペプチドなどが好ましく用いられる。
また、 本発明の部分ペプチドの C末端は通常カルボキシル基 (一 C O O H) 、 カルボキシレート(—C 00— )、 アミド (一 C〇N H 2) またはエステル (一 C O O R ) (Rは前記と同意義を示す) のいずれであってもよい。
さらに、 本発明の部分ペプチドには、 前記した本発明のタンパク質と同様に、 上記した部分べプチドにおいて、 N末端のァミノ酸残基のアミノ基が保護基で保 護されているもの、 N端側が生体内で切断され生成したグルタミン残基がピログ ル夕ミン酸化したもの、 分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保 護されているもの、 あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ぺプ チドなども含まれる。
本発明の部分ペプチドとしては、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列の第 8 4番目〜第 2 4 0番目のアミノ酸配列、 配列番号: 2で表わされるアミノ酸配 列の第 8 2番目〜第 2 3 9番目のアミノ酸配列を有するペプチド、 配列番号: 3 で表わされるァミノ酸配列の第 8 2番目〜第 2 3 9番目のァミノ酸配列、 配列番 号: 3 1で表わされるアミノ酸配列の第 4 8番目〜第 2 0 4番目のアミノ酸配列 を有するペプチドが好適である。
本発明のタンパク質またはその部分ペプチドの塩としては、 生理学的に許容さ れる酸 (例、 無機酸、 有機酸) または塩基 (例、 アルカリ金属) などとの塩が用 いられ、 とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。 この様な塩として は、 例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸) との塩、 ある いは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コハ ク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベン ゼンスルホン酸) との塩などが用いられる。
本発明のタンパク質またはその塩は、 前述したヒトゃ非ヒト温 ώι動物の細胞ま たは組織から公知のタンパク質の精製方法によって製造することもできるし、 後
述するタンパク質をコードする D N Aを含有する形質転換体を培養することによ つても製造することができる。 また、 後述のタンパク質合成法またはこれに準じ て製造することもできる。 具体的には、 WO 9 8 Z 0 3 6 4 8号公報または W 0 9 7 / 3 4 9 1 1号公報に記載の方法によって製造することができる。
ヒトゃ非ヒト温血動物の組織または細胞から製造する場合、 ヒトゃ非ヒト温血 動物の組織または細胞をホモジナイズした後、 酸などで抽出を行い、 該抽出液を 逆相クロマトグラフィ一、 イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマ卜グラフ ィーを組み合わせることにより精製単離することができる。
本発明の夕ンパク質、 その部分べプチドもしくはそれらの塩またはそれらのァ ミド体の合成には、 通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることができる。 そ のような樹脂としては、 例えば、 クロロメチル樹脂、 ヒドロキシメチル樹脂、 ベ ンズヒドリルアミン樹脂、 アミノメチル樹脂、 4一べンジルォキシベンジルアル コール樹脂、 4—メチルベンズヒドリルァミン樹脂、 PAM樹脂、 4ーヒドロキシ メチルメチルフエニルァセトアミドメチル樹脂、 ポリアクリルアミド樹脂、 4一 (2' , 4' -ジメトキシフエ二ル―ヒドロキシメチル) フエノキシ樹脂、 4一 (2' , 4 ' -ジメトキシフエ二ルー Fmocアミノエチル) フエノキシ樹脂などを挙げることが できる。 このような樹脂を用い、 ひ—アミノ基と側鎖官能基を適当に保護したァ ミノ酸を、 目的とするタンパク質の配列通りに、 公知の各種縮合方法に従い、 樹 脂上で縮合させる。 反応の最後に樹脂からタンパク質を切り出すと同時に各種保 護基を除去し、 さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し 、 目的のタンパク質、 その部分ペプチドまたはそれらのアミド体を取得する。 上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、 タンパク質合成に使用できる各種活 性化試薬を用いることができるが、 特に、 カルポジイミド類がよい。 カルポジィ ミド類としては、 DCC、 N, Ν' -ジイソプロピルカルポジイミド、 Ν -ェチル - Ν' - (3 - ジメチルァミノプロリル) カルポジイミドなどが用いられる。 これらによる活性 化にはラセミ化抑制添加剤 (例えば、 HOBt, HOOB t)とともに保護アミノ酸を直接 樹脂に添加するかまたは、 対称酸無水物または HOB tエステルあるいは HOOB tエス テルとしてあらかじめ保護ァミノ酸の活性化を行なったのちに ¾|脂に添加するこ とができる。 保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、
タンパク質縮合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる 。 例えば、 N, N—ジメチルホルムアミド、 N—メチルピロリドン、 クロ口ホル ム、 トリフルォロエタノール、 ジメチルスルホキシド、 DMF、 ジメチルスルホキ シド、 ピリジン'、 クロ口ホルム、 ジォキサン、 塩化メチレン、 テトラヒドロフラ ン、 ァセトニトリル、 酢酸ェチル、 N-メチルピロリ ドンあるいはこれらの適宜 の混合物などが用いられる。 反応温度はタンパク質結合形成反応に使用され得る ことがしられている範囲から適宜選択され、 通常約一 2 0 °C〜5 (TCの範囲から 適宜選択される。 活性化されたアミノ酸誘導体は通常 1 . 5〜4倍過剰で用いら れる。 ニンヒドリン反応を用いたテストの結果、 縮合が不十分な場合には保護基 の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行なうことが できる。 反応を繰り返しても十分な縮合が得られないときには、 無水酢酸または ァセチルイミダゾ一ルを用いて未反応アミノ酸をァセチル化することによって、 後の反応に影響を与えないようにすることができる。
原料のァミノ基の保護基としては、 例えば、 Z、 Boc、 夕ーシャリーアミルォ キシカルボニル、 イソボルニルォキシカルボニル、 4—メトキシベンジルォキシ カルボニル、 C卜 Z、 Br- Z、 ァダマンチルォキシカルボニル、 トリフルォロアセチ ル、 フタリル、 ホルミル、 2—二トロフエニルスルフエニル、 ジフエニルホスフ イノチオイル、 Fmocなどが用いられる。
カルボキシル基は、 例えば、 アルキルエステル (例えば、 メチル、 ェチル、 プ 口ピル、 ブチル、 ターシャリーブチル、 シクロペンチル、 シクロへキシル、 シク 口へプチル、 シクロォクチル、 2—ァダマンチルなどのエステル基) 、 ベンジル エステル、 4一二トロべンジルエステル、 4—メ卜キシベンジルエステル、 4一 クロ口べンジルエステル、 ベンズヒドリルエステル、 フエナシンエステル、 ベン ジルォキシカルボニルヒドラジド、 夕一シャリーブトキシカルボニルヒドラジド 、 トリチルヒドラジドなどに導くことによって保護することができる。
セリンの水酸基は、 例えば、 エステル化またはエーテル化によって保護するこ とができる。 このエステル化に適 ·τる基としては、 例えば、 ァセチル基などの低 級アル力ノィル基、 ベンゾィル基などのァロイル基、 ベンジルォキシカルボニル 基、 エトキシカルボニル基などの炭素から誘導される基などが用いられる。 また
、 エーテル化に適する基としては、 例えば、 ベンジル基、 テトラヒドロビラニル 基、 t-ブチル基などである。
チロシンのフエノール性水酸基の保護基としては、 例えば、 Bzl、 Cl 2-Bzl、 2—ニトロベンジル、 Br-Z、 ターシャリーブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、 例えば、 Tos、 4 -メトキシ -2, 3 , 6-トリメチルベンゼンスルホニル、 DNP、 ベンジルォキシメチル、 Bum, Boc、 Tr t、 Fmocなどが用いられる。
原料のカルボキシル基の活性化されたものとしては、 例えば、 対応する酸無水 物、 アジド、 活性エステル 〔アルコール (例えば、 ペンタクロロフエノ一ル、 2, 4, 5_トリクロ口フエノール、 2, 4-ジニトロフエノール、 シァノメチルアルコール 、 パラニトロフエノール、 H0NB、 N-ヒドロキシスクシミド、 N -ヒドロキシフタル イミド、 HOBt) とのエステル〕 などが用いられる。 原料のァミノ基の活性化され たものとしては、 例えば、 対応するリン酸アミドが用いられる。
保護基の除去 (脱離) 方法としては、 例えば、 Pd-黒あるいは Pd-炭素などの触 媒の存在下での水素気流中での接触還元や、 また、 無水フッ化水素、 メタンスル ホン酸、 トリフルォロメ夕ンスルホン酸、 トリフルォロ酢酸あるいはこれらの混 合液などによる酸処理や、 ジイソプロピルェチルァミン、 トリェチルァミン、 ピ ペリジン、 ピぺラジンなどによる塩基処理、 また液体アンモニア中ナトリウムに よる還元なども用いられる。 上記酸処理による脱離反応は、 一般に約一 2 0 °C〜 4 0 °Cの温度で行なわれるが、 酸処理においては、 例えば、. ァニソール、 フエノ —ル、 チオア二ツール、 メタクレゾール、 パラクレゾール、 ジメチルスルフイ ド 、 1, 4 -ブタンジチオール、 1, 2-ェ夕ンジチオールのようなカチオン捕捉剤の添加 が有効である。 また、 ヒスチジンのイミダゾール保護基として用いられる 2, 4 -ジ ニトロフエニル基はチォフエノ一ル処理により除去され、 トリブトファンのイン ドール保護基として用いられるホルミル基は上記の 1, 2 -エタンジチオール、 1, 4- ブ夕ンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外に、 希水酸化ナトリウ ム溶液、 希アンモニアなどによるアルカリ処理によっても除去される。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護および保護基、 ならびにその保護 基の脱離、 反応に関与する官能基の活性化などは公知の基あるいは公知の手段か
ら適宜選択しうる。
タンパク質のアミド体を得る別の方法としては、 まず、 カルボキシ末端アミノ 酸のひ—カルボキシル基をアミド化して保護した後、 アミノ基側にペプチド (夕 ンパク質) 鎖を所望の鎖長まで延ばした後、 該ペプチド鎖の N末端の α—ァミノ 基の保護基のみを除いたタンパク質と C末端のカルボキシル基の保護基のみを除 去したタンパク質とを製造し、 この両タンパク質を上記したような混合溶媒中で 縮合させる。 縮合反応の詳細については上記と同様である。 縮合により得られた 保護タンパク質を精製した後、 上記方法によりすベての保護基を除去し、 所望の 粗タンパク質を得ることができる。 この粗タンパク質は既知の各種精製手段を駆 使して精製し、 主要画分を凍結乾燥することで所望のタンパク質のアミド体を得 ることができる。
タンパク質のエステル体を得るには、 カルボキシ末端アミノ酸の α—カルボキ シル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、 タンパク質の アミド体と同様にして、 所望のタンパク質のエステル体を得ることができる。 本発明の部分ペプチドまたはその塩は、 公知のペプチドの合成法に従って、 あ るいは本発明のタンパク質を適当なぺプチダ一ゼで切断することによって製造す ることができる。 ペプチドの合成法としては、 例えば、 固相合成法、 液相合成法 のいずれによっても良い。 すなわち、 本発明のタンパク質を構成し得る部分ぺプ チドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、 生成物が保護基を有する場合は 保護基を脱離することにより目的のぺプチドを製造することができる。 公知の縮 合方法や保護基の脱離としては、 例えば、 以下の①〜⑤に記載された方法が挙げ られる。
. Bodanszkyおよび M. A. Ondet t i、 ペプチド ·シンセシス (Pept ide Synthe s is) , Interscience Publ ishers, New York (1966年)
② Schroederおよび Luebke、 ザ ·ペプチド(The Pept ide) , Academic Press, New York (1965年)
③泉屋信夫他、 ペプチド合成の基礎と実験、 丸善 (株) (1975年)
④矢島治明'および榊原俊平、 生化学実験講座 1、 蛋白質の化学 IV、 205、 (1977 年)
⑤矢島治明監修、 続医薬品の開発 第 14巻 ペプチド合成 広川書店 また、 反応後は通常の精製法、 例えば、 溶媒抽出 ·蒸留 'カラムクロマトダラ フィー ·液体クロマトグラフィー ·再結晶などを組み合わせて本発明のタンパク 質を精製単離することができる。 上記方法で得られるタンパク質が遊離体である 場合は、 公知の方法あるいはそれに準じる方法によって適当な塩に変換すること ができるし、 逆に塩で得られた場合は、 公知の方法あるいはそれに準じる方法に よって遊離体または他の塩に変換することができる。
本発明のタンパク質をコ一ドする DNAとしては、 前述した本発明のタンパク 質をコードする DNAを含有するものであればいかなるものであってもよい。 ま た、 ゲノム DNA、 ゲノム DNAライブラリー、 前記した細胞 ·組織由来の c D NA、 前記した細胞 '組織由来の c DNAライブラリ一、 合成 DNAのいずれで もよい。 ライブラリ一に使用するベクターは、 バクテリオファージ、 プラスミド 、 コスミド、 ファージミドなどいずれであってもよい。 また、 前記した細胞 '組 織より mRNA画分を調製したものを用いて直接 Reverse Transcriptase Polyme rase Chain Reaction (以下、 R T- P C R法と略称する) によって増幅すること もできる。
また、 WO 98/03648号公報または WO 97/3491 1号公報に記 載の本発明のタンパク質をコ一ドする塩基配列を含有する DN Aも本発明の DN Aとしてあげられる。
具体的には、 本発明の配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列を有するタンパ ク質をコードする DNAとしては、 例えば、 ①配列番号: 4で表わされる塩基配 列を有する DNA、 ②配列番号: 4で表わされる塩基配列を有する DNAにハイ ストリンジェン卜な条件下でハイブリダィズし、 配列番号: 1で表わされるアミ ノ酸配列を有するタンパク質と同質の活性 (例、 細胞形質変換作用など) を有す るタンパク質をコードする DNAなどが用いられる。
配列番号: 4で表わされる塩基配列を有する DNAとハイス卜リンジェントな 条件下でハイブリダィズできる DNAとしては、 例えば、 '配列番号: 4で表わさ れる塩基配列と約 40%以上、 好ましくは約 60%以上、 より好ましくは 80% 以上、 さらに好ましくは約 90%'以上、 最も好ましくは約 95% '以上の相同性を
有する塩基配列を含有する D N Aなどが用いられる。
本発明の配列番号: 2で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質をコード する DNAとしては、 例えば、 ①配列番号: 7で表わされる塩基配列を有する D NA、 ②配列番号: 7で表わされる塩基配列を有する DNAにハイストリンジェ ントな条件下でハイブリダィズし、 配列番号: 2で表わされるアミノ酸配列を有 するタンパク質と同質の活性を有するタンパク質をコードする DN Aなどが用い られる。
配列番号: 7で表わされる塩基配列とハイストリンジェン卜な条件下でハイブ リダィズできる DNAとしては、 例えば、 配列番号: 7で表わされる塩基配列と 約 40?ύ'以上、 好ましくは約 60%以上、 より好ましくは 80 %以上、 さらに好 ましくは約 90%以上、 最も好ましくは約 95%以上の相同性を有する塩基配列 を含有する DN Αなどが用いられる。
本発明の配列番号: 3で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質をコード する DNAとしては、 例えば、 ①配列番号: 10で表わされる塩基配列を有する DNA、 ②配列番号: 10で表わされる塩基配列を有する DNAにハイストリン ジェン卜な条件下でハイブリダィズし、 配列番号: 3で表わされるアミノ酸配列 を有するタンパク質と同質の活性を有するタンパク質をコ一ドする DN Aなどが 用いられる。
配列番号: 10で表わされる塩基配列とハイストリンジェン卜な条件下でハイ ブリダィズできる DNAとしては、 例えば、 配列番号: 10で表わされる塩基配 列と約 40 ¾以上、 好ましくは約 60 %以上、 より好ましくは 80 '以上、 さら に好ましくは約 90%以上、 最も好ましくは約 95 ¾以上の相同性を有する塩基 配列を含有する DN Aなどが用いられる。
本発明の配列番号: 31で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質をコー ドする DNAとしては、 例えば、 ①配列番号: 30で表わされる塩基配列を有す る DNA、 ②配列番号: 30で表わされる塩基配列を有する DNAにハイストリ ンジェントな条件下でハイブリダィズし、 配列番号: 2で表わされるアミノ酸配 列を有するタンパク質と同質の活性を有するタンパク質をコードする DN Aなど が用いられる。
配列番号: 3 0で表わされる塩基配列とハイストリンジェン卜な条件下でハイ ブリダィズできる D NAとしては、 例えば、 配列番号: 3 0で表わされる塩基配 列と約 4 0 %以上、 好ましくは約 6 0 %以上、 より好ましくは 8 0 %以上、 さら に好ましくは約 9 0 %以上、 最も好ましくは約 9 5 %以上の相同性を有する塩基 配列を含有する D N Aなどが用いられる。
ハイブリダィゼーシヨンは、 公知の方法あるいはそれに準じる方法、 例えば、 モレキュラー ·クロ一ニング (Molecular Cloning) 2 nd (J. Sambrook e〖 al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法などに従って行なうこと ができる。 また、 市販のライブラリ一を使用する場合、 添付の使用説明書に記載 の方法に従って行なうことができる。 より好ましくは、 ハイストリンジェン卜な 条件に従つて行なうことができる。
ハイストリンジェン卜な条件とは、 例えば、 ナトリウム濃度が約 1 9〜4 0 m M、 好ましくは約 1 9〜 2 0 mMで、 温度が約 5 0〜 7 0 °C、 好ましくは約 6 0 〜 6 5での条件を示す。 特に、 ナトリゥム濃度が約 1 9 mMで温度が約 6 5 の 場合が最も好ましい。
より具体的には、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク 質をコードする D N Aとしては、 配列番号: 4で表わされる塩基配列を有する D NAなどが用いられる。 また、 本発明の配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列 を含有するタンパク質をコ一ドする D NAを含有する D NA しては、 例えば、 配列番号: 5または配列番号: 6で表わされる塩基配列を有する D NAなどが用 いられる。
配列番号: 2で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をコードする D N Aとしては、 配列番号: 7で表わされる塩基配列を有する D NAなどが用いら れる。 また、 本発明の配列番号: 2で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパ ク質をコードする D NAを含有する D NAとしては、 例えば、 配列番号: 8また は配列番号: 9で表わされる塩基配列を有する D NAなどが用いられる。
配列番号: 3で表わされるァミノ酸配列を含有するタンパク質をコードする D NAとしては、 配列番号: 1 0で表わされる塩基配列を有する D NAなどが用い られる。
配列番号: 31で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をコードする DNAとしては、 配列番号: 30で表わされる塩基配列を有する DNAなどが用 いら: る。
本発明の部分ペプチドをコードする D N Aとしては、 前述した本発明の部分べ プチドをコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよ レ^ また、 ゲノム DNA、 ゲノム DNAライブラリ一、 前記した細胞 ·組織由来 の c DNA、 前記した細胞 ·組織由来の c DNAライブラリ一、 合成 DNAのい ずれでもよい。 ライブラリーに使用するべク夕一は、 バクテリオファージ、 ブラ スミド、 コスミド、 ファージミドなどいずれであってもよい。 また、 前記した細 胞 ·組織より mRNA画分を調製したものを用いて直接 RT-PCR法によって 増幅することもできる。
具体的には、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列の第 8〜2 1番目、 第 5 5〜59番目 (または第 54〜 59番目) 、 第 93〜: L 02番目、 第 109〜1 16番目、 第 1 1 8〜 1 26番目、 第 128〜 1 34番目、 第 1 44〜149番 目、 第 1 62〜1 70番目、 第 1 76〜182番目、 第 184〜 1 89番目、 第 193〜213番目、 第 2 1 5〜21 9番目および第 228〜239番目 (また は第 2 28〜 240番目) のアミノ酸配列から選ばれる少なくとも 1つのアミノ 酸配列を有する部分ペプチドをコードする D N Aとしては、 例えば、 配列番号: 4で表わされる塩基配列の第 22〜63番目、 第 163〜1 77番目 (または第 160〜: L 77番目) 、 第 277〜 306番目、 第 325〜 348番目、 第 35 2〜3 78番目、 第 382〜402番目、 第 430〜447番目、 第 484〜5 10番目、 第 526〜 546番目、 第 550〜 567番目、 第 577〜 639番 目、 第 643〜657番目および第 682〜7 1 7番目 (または第 682〜72 0番目) の塩基配列から選ばれる少なくとも 1つの塩基配列を有する DNAなど が用いられる。
配列番号: 2で表わされるアミノ酸配列の第 6〜20番目、 第 53〜57番目 (または第 52〜57番目) 、 第 9 1〜: 100番目、 第 107〜1 14番目、 第 1 1 6〜 124番目、 第 1 26〜 1 32番目、 第 142〜147番目、 第 1 62 〜1 7 0番目、 第 1 76〜; 1 82番目、 第 184〜 1 89番目、 第 192〜 2 1
2番目、 第 2 14〜218番目および第 227〜238番目 (または第 227〜 23 9番目) のアミノ酸配列から選ばれる少なくとも 1つのアミノ酸配列を有す る部分ペプチドをコードする DN Aとしては、 例えば、 配列番号: 7で表わされ る塩基配列の第 16〜60番目、 第 1 57〜1 7 1番目 (または第 154〜1 7 1番目) 、 第 27 1〜 300番目、 第 3 19〜 342番目、 第 346〜 372番 目、 第 376〜396番目、 第 424〜441番目、 第 484〜510番目、 第 526〜546番目、 第 550〜567番目、 第 574〜636番目、 第 640 〜6 54番目および第 678〜7 14番目 (または第 678〜 7 1 7番目) の塩 基配列から選ばれる少なくとも 1つの塩基配列を有する DNAなどが用いられる 配列番号: 3で表わされるァミノ酸配列の第 6〜 20番目、 第 53〜 57番目 (または第 52〜57番目) 、 第 9 1〜; 1 00番目、 第 107〜1 14番目、 第 1 1 6〜: L 24番目、 第 126〜 1 32番目、 第 142〜 147番目、 第 162 〜 1 70番目、 第 1 76〜 1 82番目、 第 1 84〜 1 89番目、 第 192〜2 1 2番目、 第 2 14〜21 8番目および第 227〜238番目 (または第 22 Ί〜 239番目) のアミノ酸配列から選ばれる少なくとも 1つのアミノ酸配列を有す る部分ペプチドをコードする DNAとしては、 例えば、 配列番号: 10で表わさ れる塩基配列の第 16〜60番目、 第 1 57〜 1 7 1番目 (または第 1 54〜1 7 1番目) 、 第 27 1〜 300番目、 第 3 1 9〜 342番目、 第 346〜 372 番目、 第 376〜396番目、 第 424〜441番目、 第 484〜51 0番目、 第 526〜 546番目、 第 550〜 567番目、 第 574〜 636番目、 第 64 0〜654番目および第 678〜7 14番目 (または第 678〜 7 17番目) の 塩基配列から選ばれる少なくとも 1つの塩基配列を有する DNAなどが用いられ る。
配列番号: 31で表わされるアミノ酸配列の第 8〜21番目、 第 57〜66番 目、 第 7 3〜 80番目、 第 82〜 90番目、 第 92〜98番目、 第 108〜1 1 3番目、 第 126〜 134番目、 第 140〜; 146番目、 第 148〜 1 53番目 、 第 1 57〜 1 77番目、 第 1 79〜1 83番目および第 192〜 203番目の アミノ酸配列から選ばれる少なくとも 1つ以上のアミノ酸配列を有する部分ぺプ
チドをコードする DNAとしては、 例えば、 配列番号: 30で表わされる塩基配 列の第 22〜 63番目、 第 169〜: L 98番目、 第 217〜 240番目、 第 24 4〜270番目、 第 274〜294番目、 第 322〜339番目、 第 376〜4 02番目、 第 418〜 438番目、 第 442〜 459番目、 第 469〜 531番 目、 第 535〜549番目および第 574〜607番目の塩基配列から選ばれる 少なくとも 1つの塩基配列を有する DN Aなどが用いられる。
また、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列の第 84番目〜 240番目のァ ミノ酸配列を有する部分ペプチドをコードする DNAとしては、 例えば、 ①配列 番号: 4で表わされる塩基配列の第 250番目〜第 720番目の塩基配列を有す る DNA、 ②配列番号: 4で表わされる塩基配列の第 250番目〜第 720番目 の塩基配列を有する DNAにハイストリンジェン卜な条件下でハイブリダィズし 、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列の第 84番目〜 240番目のアミノ酸 配列を有する部分ペプチドと同質の活性 (例、 細胞形質変換作用など) を有する 部分べプチドをコードする D N Aなども用いられる。
配列番号: 4で表わされる塩基配列の第 250番目〜第 720番目の塩基配列 とハイストリンジェントな条件下でハイブリダィズできる DNAとしては、 例え ば、 配列番号: 4で表わされる塩基配列の第 250番目〜第 720番目の塩基配 列と約 40%以上、 好ましくは約 60%以上、 より好ましくは 80%以上、 さら に好ましくは約 90%以上、 最も好ましくは約 95%'以上の相同性を有する塩基 配列を含有する D N Aなどが用いられる。
配列番号: 2で表わされるアミノ酸配列の第 82番目〜 239番目のアミノ酸 配列を有する部分ペプチドをコードする DNAとしては、 例えば、 ①配列番号: 7で表わされる塩基配列の第 244番目〜第 717番目の塩基配列を有する DN A、 ②配列番号: 7で表わされる塩基配列の第 244番目〜第 717番目の塩基 配列を有する DNAにハイブリダィズし、 配列番号: 2で表わされるアミノ酸配 列の第 82番目〜 239番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチドと同質の活性 (例、 細胞形質変換作用など) を有する部分ペプチドをコードする DNAなども 用いられる。
配列番号: 7で表わされる塩基配列の第 244番目〜第 717番目の塩基配列
とノ、イストリンジェントな条件下でハイブリダィズできる D N Aとしては、 例え ば、 配列番号: 7で表わされる塩基配列の第 2 4 4番目〜第 7 1 7番目の塩基配 列と約 4 0 %以上、 好ましくは約 6 0 %'以上、 より好ましくは 8 0 '以上、 さら に好ましくは約 9 0 %以上、 最も好ましくは約 9 5 %以上の相同性を有する塩基 配列を含有する D N Aなどが用いられる。
配列番号: 3で表わされるアミノ酸配列の第 8 2番目〜 2 3 9番目のアミノ酸 配列を有する部分ペプチドをコードする D N Aとしては、 例えば、 ①配列番号: 1 0で表わされる塩基配列の第 2 4 4番目〜第 7 1 7番目の塩基配列を有する D NA、 ②配列番号: 1 0で表わされる塩基配列の第 2 4 4番目〜第 7 1 7番目の 塩基配列を有する D NAにハイブリダィズし、 配列番号: 3で表わされるァミノ 酸配列の第 8 2番目〜 2 3 9番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチドと同質の 活性 (例、 細胞形質変換作用など) を有する部分ペプチドをコードする D NAな ども用いられる。
また、 配列番号: 3 1で表わされるアミノ酸配列の第 4 8番目〜 2 0 4番目の アミノ酸配列を有する部分ペプチドをコードする D N Aとしては、 例えば、 ①配 列番号: 3 0で表わされる塩基配列の第 1 4 2番目〜第 6 1 2番目の塩基配列を 有する D NA、 ②配列番号: 3 0で表わされる塩基配列の第 1 4 2番目〜第 6 1 2番目の塩基配列を有する D N Aにハイストリンジェントな条件下でハイブリダ ィズし、 配列番号: 3 1で表わされるアミノ酸配列の第 4 8番目〜 2 0 4番目の アミノ酸配列を有する部分ペプチドと同質の活性 (例、 細胞形質変換作用など) を有する部分べプチドをコードする D N Aなども用いられる。
配列番号: 1 0で表わされる塩基配列の第 2 4 4番目〜第 7 1 7番目の塩基配 列とハイス卜リンジェン卜な条件下でハイブリダイズできる D N Aとしては、 例 えば、 配列番号: 1 0で表わされる塩基配列の第 2 4 4番目〜第 7 1 7番目の塩 基配列と約 4 0 %以上、 好ましくは約 6 0 %以上、 より好ましくは 8 0 %以上、 さらに好ましくは約 9 0 ¾以上、 最も好ましくは約 9 5 ¾以上の相同性を有する 塩基配列を含有する D N Aなどが用いられる。
八イブリダィゼ一ションの方法およびハイストリンジェン卜な条件は、 前記と 同様である。
より具体的には、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列の第 84番目〜 24 0番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチドをコードする DNAとしては、 配列 番号: 4で表わされる塩基配列の第 250番目〜第 720番目の塩基配列を有す る DNAなどが用いられる。 配列番号: 2で表わされるアミノ酸配列の第 82番 目〜 239番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチドをコードする DNAとして は、 配列番号: 7で表わされる塩基配列の第 244番目〜第 7 1 7番目の塩基配 列を有する DNAなどが用いられる。 配列番号: 3で表わされるアミノ酸配列の 第 82番目〜 239番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチドをコードする DN Aとしては、 配列番号: 1 0で表わされる塩基配列の第 244番目〜第 7 1 7番 目の塩基配列を有する DNAなどが用いられる。 配列番号: 3 1で表わされるァ ミノ酸配列の第 48番目〜 204番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチドをコ —ドする DNAとしては、 配列番号: 30で表わされる塩基配列の第 142番目 〜第 6 1 2番目の塩基配列を有する DN Aなどが用いられる。
本発明の夕ンパク質またはその部分べプチドをコードする D N Aのクローニン グの手段としては、 本発明のタンパク質をコードする DNAの部分塩基配列を有 する合成 DNAプライマ一を用いて、 PCR法によって前記 DNAライブラリー 等から目的とする D N Aを増幅するか、 または適当なベクタ一に組み込んだ D N Aを本発明のタンパク質の一部あるいは全領域を有する DN A断片もしくは合成 D N Aを用いて標識したものとのハイブリダィゼ一シヨンによつて選別すること ができる。 ハイブリダィゼーシヨンの方法は、 例えば、 モレキュラー ·クロ一二 ング (Molecular Cloning) 2nd (J. Sanibrook et al. , Cold Spring Harbor La b. Press, 1989) に記載の方法などに従って行なうことができる。 また、 市販の ライブラリーを使用する場合、 添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうこ とができる。
DN Aの塩基配列の変換は、 公知のキッ卜、 例えば、 Mutan™- super Express Km (宝酒造 (株) ) 、 Mutan™-K (宝酒造 (株) ) 等を用いて、 ODA-LA PCR法や G apped du 1 ex法や Kimke 1法等の公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従つて 行なうことができる。
クローン化された本発明のタンパク質またはその部分ペプチドをコードする D
NAは、 目的によりそのまま、 または所望により制限酵素で消化したり、 リンカ —を付加したりして使用することができる。 該 D N Aはその 5 '末端側に翻訳開 始コドンとしての AT Gを有し、 また 3'末端側には翻訳終止コドンとしての T AA、 TGAまたは TAGを有していてもよい。 これらの翻訳開始コドンや翻訳 終止コドンは、 適当な合成 DNAアダプタ一を用いて付加することもできる。 本発明のタンパク質またはその部分ペプチドをコードする D N Aの発現べクタ —は、 例えば、 (ィ) 本発明のタンパク質をコードする DNAから目的とする D NA断片を切り出し、 (口) 該 DNA断片を適当な発現ベクター中のプロモ一夕 一の下流に連結することにより製造することができる。
ベクタ一としては、 例えば、 大腸菌由来のプラスミド (例、 pBR 322, p BR 325, pUC12, p U C 1 3 ) 、 枯草菌由来のプラスミド (例、 pUB 1 10, p TP 5, p C 194 ) 、 酵母由来プラスミド (例、 p SH19, p S HI 5) 、 ファージなどのバクテリオファージ、 レトロウイルス, ワクシニア ウィルス, パキュロウィルスなどの動物ウィルスなどの他、 pAl— 11、 pX T l、 p R c/CMV, pRc/RSV, p c D N A I /N e oなどが用いられ る。
本発明で用いられるプロモーターとしては、 遺伝子の発現に用いる宿主に対応 して適切なプロモー夕一であればいかなるものでもよい。 例えば、 動物細胞を宿 主として用いる場合は、 SRaプロモーター、 SV40プロモータ一、 LTRプ 口モーター、 CMV (サイトメガロウィルス) プロモーター、 HSV-TKプロ モーターなどが挙げられる。 これらのうち、 CMVプロモーター、 SRaプロモ 一ターなどを用いるのが好ましい。 宿主がェシエリヒア属菌である場合は、 t r pプロモーター、 l a cプロモーター、 r e cAプロモーター、 λ PLプロモー 夕一、 1 p pプロモーターなどが、 宿主がバチルス属菌である場合は、 SP〇 1 プロモーター、 SP02プロモーター、 p e n Pプロモーターなど、 宿主が酵母 である場合は、 AOX1プロモーター、 PHO 5プロモーター、 PGKプロモー 夕一、 GAPプロモ一夕一、 ADHプロモーターなどが好ましい。 宿主が昆虫細 胞である場合は、 ポリヘドリンプロモータ一、 P 10プロモー夕一などが好まし い。
発現べクタ一には、 以上の他に、 所望によりェンハンサ一、 スプライシングシ ダナル、 ポリ A付加シグナル、 選択マーカー、 SV40複製オリジン (以下、 S V 40 o 1- iと略称する場合がある) などを含有しているものを用いることがで きる。 選択マ一カーとしては、 例えば、 ジヒドロ葉酸還元酵素 (以下、 dh f 1- と略称する場合がある) 遺伝子、 アンピシリン耐性遺伝子 (以下、 Amp rと略 称する場合がある) 、 ネオマイシン耐性遺伝子 (以下、 Ne oと略称する場合が ある、 G4 18耐性) 等が用いられる。 dh f r遺伝子はメソトレキセー卜 (M TX) 耐性を、 Ne oは G41 8耐性を付与する。 特に、 dh f r遺伝子欠損チ ャィ二一ズハムスター細胞 CHOを用いて d h f r遺伝子を選択マーカーとして 使用する場合、 チミジンを含まない培地によっても目的とする遺伝子を選択する ことができる。
また、 必要に応じて、 宿主に合ったシグナル配列を、 タンパク質の N端末側に 付加する。 宿主がェシエリヒア属菌である場合は、 PhoA ·シグナル配列、 OmpA •シグナル配列などが、 宿主がバチルス属菌である場合は、 ひ一アミラーゼ…ン グナル配列、 サブチリシン ·シグナル配列など力 宿主が酵母である場合は、 M F a · シグナル配列、 SUC 2 ·シグナル配列など、 宿主が動物細胞である場合 には、 例えばィンシュリン ·シグナル配列、 α—インターフェロン ·シグナル配 列、 抗体分子,シグナル配列などがそれぞれ利用できる。
このようにして構築された本発明のタンパク質をコ一ドする DNAを含有する ベクターを細胞に導入することによって形質転換体を製造することができる。 宿主としては、 例えば、 ェシエリヒア属菌、 バチルス属菌、 酵母、 昆虫細胞、 昆虫、 動物細胞などが用いられる。
ェシエリヒア属菌としては、 例えば、 ェシエリヒア 'コリ (Escherichia coli ) K 1 2 · D H 1 〔プロシージングズ ·ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォ ブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ュ一エスエー (Proc. Natl. Acad. Sci. US A) , 60巻, 160 (1 968)〕 , JM103 〔ヌクイレック 'ァシッズ ' リ サーチ, (Nucleic Acids Research) , 9巻, 309 (1 98 1)〕 , J A22 1 〔ジャーナル 'ォブ'モレキュラー 'バイオロジー (Journal of Molecular Bio logy) 〕 , 120巻, 5 1 7 (1 978)〕 , HB 10 1 〔ジャーナル'ォブ'モ
レキユラ一 ·バイオロジー, 41巻, 459 (1969)〕 , C 600 〔ジエネテ イツクス (Genetics) , 39巻, 440 (1 954)〕 などが用いられる。
バチルス属菌としては、 例えば、 バチルス ·サチルス (Bacillus subtilis) M I 1 1 〔ジーン, 24巻, 255 (1983)〕 , 207— 21 〔ジャーナル ·ォブ.バイオケミストリ一 (Journal οί Biochemistry) , 95巻, 87 (19 84) 〕 などが用いられる。
酵母としては、 例えば、 サッカロマイセス セレピシェ (Saccharomyces cere visiae) AH 22, AH22R , NA87 - 1 1 A, DKD- 5 D, 20B 12、 シゾサッカロマイセス ボンべ (Sctiizosaccharomyces pombe) NCYC 1913, NCYC 2036, ピキア パストリス (Pichia pastoris) KM 7 1などが用いられる。
昆虫細胞としては、 例えば、 ウィルスが Ac NPVの場合は、 ョトウガの幼虫 由来株化細胞 (Spodoptera irugiperda cell; S f細胞) 、 Trichoplusia niの 中腸由来の MG1細胞、 Trichoplusia niの卵由来の High FiveTM細胞、 amestr a brass icae由来の細胞または Est igmena acrea由来の細胞などが用いられる。 ゥ ィルスが BmNP Vの場合は、 カイコ由来株化細胞 (Bombyx mori N; BmN細 胞) などが用いられる。 該 S f細胞としては、 例えば、 S f 9細胞 (ATCC CRL17 11) 、 S f 21細胞 (以上、 Vaughn, J.L.ら、 イン ·ヴィ ト口 (in Vitro) , 13, 213-217, (1977)) などが用いられる。
昆虫としては、 例えば、 カイコの幼虫などが用いられる 〔前田ら、 ネイチヤー (Nature) , 315巻, 592 (1985)〕 。
動物細胞としては、 例えば、 サル細胞 COS— 7, Vero, チャイニーズハム スター細胞 CHO (以下、 CHO細胞と略記) , d h f r遺伝子欠損チヤィニー ズハムス夕一細胞 CHO (以下、 CHO (dh f r— ) 細胞と略記) , マウス L 細胞, マウス At T— 20, マウスミエローマ細胞, ラット GH3, ヒト FL細 胞、 293細胞、 C 127細胞、 BALB 3T3細胞、 Sp— 2細胞などが用い られる。 これらの中でも、 CH〇細胞、 CHO (d h f I- ") 細胞、 293細胞 などが好ましい。
ェシエリヒア属菌を形質転換するには、 例えば、 プロシージングズ'ォブ .ザ
•ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンジィズ ·ォブ ·ザ ·ュ一エスエー ( Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 69巻, 21 1 0 ( 1 972 )やジーン (Gen e) , 1 7巻, 1 07 (1 982)などに記載の方法に従って行なうことができる バチルス属菌を形質転換するには、 例えば、 モレキュラー ·アンド ·ジエネラ ル ·ジエネティックス (Molecular & General Genetics) , 1 68巻, 1 1 1 ( 1979)などに記載の方法に従って行なうことができる。
酵母を形質転換するには、 例えば、 メソッズ 'イン 'ェンザィモロジ一 (Meth ods in Enzymology) , 1 94巻, 182 _ 1 87 ( 1 99 1 ) 、 プロシ一ジン グズ ·ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ · ュ一エスエー (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 75巻, 1 929 (1 978 ) などに記載の方法に従って行なうことができる。
昆虫細胞や昆虫を形質転換するには、 例えば、 バイオ/テクノロジ一 (Bio/Te chnology) , 6, 47-55(1988)) などに記載の方法に従って行なうことができる。 動物細胞を形質転換するには、 例えば、 細胞工学別冊 8 新細胞工学実験プロ トコ一ル. 263— 267 ( 1995) (秀潤社発行) 、 ヴィロロジ一 (Virolo gy) , 52巻, 456 (1 973)に記載の方法に従って行なうことができる。 発現ベクターの細胞への導入方法としては、 例えば、 リン酸カルシウム法 〔Gr aham, F. L. and van der Eb, A. J.ヴイロロジー (Virology) 52, 456-467 (1 973) 〕 、 電気穿孔法 〔Nueniann, E. et al. ェンボ ·ジャーナル (EMBO J.) 1, 841-845 (1982) 〕 等が用いられる。
このようにして、 本発明のタンパク質をコードする DNAを含有する発現べク ターで形質転換された形質転換体を得ることができる。
なお、 動物細胞を用いて、 本発明のタンパク質を安定に発現させる方法として は、 上記の動物細胞に導入された発現べクタ一が染色体に組み込まれた細胞をク ローン選択によって選択する方法がある。 具体的には、 上記の選択マ一カーを指 標にして形質転換体を選択することができる。 さらに、 このように選択マーカ一 を用いて得られた動物細胞に対して、 繰り返しクローン選択を行なうことにより 本発明のタンパク質の高発現能を有する安定な動物細胞株を得ることができる。
また、 d h f r遺伝子を選択マーカ一として用いた場合、 M T X濃度を徐々に上 げて培養し、 耐性株を選択することにより、 d h f r遺伝子とともに、 本発明の タンパク質をコードする D NAを細胞内で増幅させて、 さらに高発現の動物細胞 株を得ることもできる。
上記の形質転換体を本発明のタンパク質またはその部分ペプチドをコードする D NAが発現可能な条件下で培養し、 本発明のタンパク質またはその部分べプチ ドを生成、 蓄積せしめることによって、 本発明のタンパク質、 その部分ペプチド またはそれらの塩を製造することができる。
宿主がェシエリヒア属菌、 バチルス属菌である形質転換体を培養する際、 培養 に使用される培地としては液体培地が適当であり、 その中には該形質転換体の生 育に必要な炭素源、 窒素源、 無機物その他が含有せしめられる。 炭素源としては 、 例えば、 グルコース、 デキストリン、 可溶性澱粉、 ショ糖など、 窒素源として は、 例えば、 アンモニゥム塩類、 硝酸塩類、 コーンスチープ · リカー、 ペプトン 、 カゼイン、 肉エキス、 大豆粕、 バレイショ抽出液などの無機または有機物質、 無機物としては、 例えば、 塩化カルシウム、 リン酸二水素ナトリウム、 塩化マグ ネシゥムなどがそれぞれ用いられる。 また、 酵母エキス、 ビタミン類、 生長促進 因子などを添加してもよい。 培地の p Hは約 5〜 8が望ましい。
ェシエリヒア属菌を培養する際の培地としては、 例えば、 グルコース、 カザミ ノ酸を含む M 9培地 〔ミラー (Mi l ler) , ジャーナル ·ォブ ·ェクスペリメンッ ·イン 'モレキュラー ' ジェネティックス (Journal of Experiments in Mo 1 ecu lar Gene t ics) , 4 3 1 - 4 3 3 , Cold Spr ing Harbor Laboratory, New York 1 9 7 2〕 が好ましい。 ここに必要によりプロモータ一を効率よく働かせるため に、 例えば 3 /3—インドリル アクリル酸のような薬剤を加えることができる。 宿主がェシェリヒァ属菌の場合、 培養は通常約 1 5〜 4 3 °Cで約 3〜 2 4時間 行ない、 必要により、 通気や撹拌を加えることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、 培養は通常約 3 0〜 4 0 °Cで約 6〜 2 4時間行な レ 必要により通気や撹拌を加えることもできる。 '
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 バークホ 一ルダー (Burkholder) 最小培地 CBos t ian, K. L. ら、 プロシージングズ 'ォ
ブ ·ザ ·ナショナル ·ァカデミ一 ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ユーエス エー (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 77巻, 4505 (1980)〕 や 0. 5%カザミノ酸を含有する SD培地 〔Bitter, G. A. ら、 プロシ一ジングズ *ォ ブ ·ザ ·ナショナル ·ァカデミ一 ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ュ一エス エー (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , S 1巻, 5330 ( 1 984) 〕 力 挙げられる。 培地の pHは約 5〜8に調整するのが好ましい。 培養は通常約 20 〜 35°Cで約 24〜72時間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が昆虫細胞である形質転換体を培養する際、 培地としては、 Grace's Inse ct Medium (Grace, T. C. ,ネイチヤー (Nature) , 195, 788 (1962) ) に非動化し た 10 %'ゥシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。 培地の pHは 約 6. 2〜6. 4に調整するのが好ましい。 培養は通常約 27°Cで約 3〜5日間 行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 約 5 〜20 ¾の胎児牛血清を含む MEM培地 〔サイエンス (Science) , 122巻, 501 (1952)〕 , DMEM培地 〔ヴィロロジー (Virology) , 8巻, 396 (1959)〕 , RPM I 1640培地 〔ジャーナル ·ォブ ·ザ ·アメリカン · メティカル ·アソシエーション (The Journal of the American Medical Associ at ion) 199卷, 519 (1967)〕 , 199培地 〔プロシージング ·ォブ' ザ ·ソサイエティ ·フォー ·ザ ·バイオロジカル ·メディスン (Proceeding of the Society for the Biological Medicine) , 73巻, 1 (1950)〕 などが 用いられる。 pHは約 6〜 8であるのが好ましい。 培養は通常約 30° (〜 40°C で約 15〜72時間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
特に、 CHO (dh f r— ) 細胞および d h f r遺伝子を選択マ一カーとして 用いる場合、 チミジンをほとんど含まない透析ゥシ胎児血清を含む DMEM培地 を用いるのが好ましい。
上記培養物から本発明のタンパク質を分離精製するには、 例えば、 下記の方法 により行なうことができる。
本発明のタンパク質を培養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、 培養後 、 公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、 これを適当な緩衝液に懸濁し、 超音波
、 リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊した のち、 遠心分離やろ過により本発明のタンパク質の粗抽出液を得る方法などが適 宜用い得る。 緩衝液の中に尿素や塩酸グァニジンなどのタンパク変性剤や、 トリ トン X— 1 0 0 TMなどの界面活性剤が含まれていてもよい。
培養液中にタンパク質が分泌される場合には、 培養終了後、 それ公知の方法で 菌体あるいは細胞と上清とを分離し、 上清を集める。 このようにして得られた培 養上清、 あるいは抽出液中に含まれる本発明のタンパク質の精製は、 公知の分離 •精製法を適切に組み合わせて行なうことができる。 これらの公知の分離、 精製 法としては、 塩析ゃ溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、 透析法、 限外ろ過 法、 ゲルろ過法、 および S D S—ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主と して分子量の差を利用する方法、 イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差 を利用する方法、 ァフィ二ティーク口マトグラフィーなどの特異的親和性を利用 する方法、 逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、 等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用いられる。
かくして得られる本発明のタンパク質が遊離体で得られた場合には、 公知の方 法あるいはそれに準じる方法によって塩に変換することができ、 逆に塩で得られ た場合には公知の方法あるいはそれに準じる方法により、 遊離体または他の塩に 変換することができる。
なお、 組換え体が産生する本発明のタンパク質を、 精製前または精製後に適当 な蛋白修飾酵素を作用させることにより、 任意に修飾を加えたり、 ポリペプチド を部分的に除去することもできる。 蛋白修飾酵素としては、 例えば、 トリプシン 、 キモトリブシン、 アルギニルエンドべプチダ一ゼ、 プロテインキナーゼ、 ダリ コシダーゼなどが用いられる。
かくして生成する本発明のタンパク質の存在は、 特異抗体を用いたェンザィム ィムノアッセィなどにより測定することができる。
本発明のタンパク質、 その部分ペプチドまたはそれらの塩に対する抗体は、 本 発明のタンパク質、 その部分ペプチドまたはそれらの塩 (以下、 本発明のタンパ ク質と略記することもある) を認識し得る抗体であれば、 ポリクローナル抗体、 モノクローナル抗体の何れであってもよい。
本発明のタンパク質に対する抗体 (以下、 本発明の抗体と略記することもある ) は、 本発明のタンパク質を抗原として用い、 公知の抗体または抗血清の製造法 に従つて製造することができる。
〔モノクローナル抗体の作製〕
(a) モノクロナール抗体産生細胞の作製
本発明のタンパク質は、 ヒ卜又は、 非ヒト温血動物に対して投与により抗体産 生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、 希釈剤とともに投与される。 投与に際 して抗体産生能を高めるため、 完全フロイントァジュバントや不完全フロイント アジュバントを投与してもよい。 投与は通常 2〜6週毎に 1回ずつ、 計 2〜10 回程度行なうことができる。 ヒト又は、 非ヒト温血動物としては、 例えば、 サル
、 ゥサギ、 ィヌ、 モルモット、 マウス、 ラット、 ヒッジ、 ャギ、 ニヮトリが用い られるが、 マウスおよびラッ卜が好ましく用いられる。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、 抗原を免疫された非ヒト温血 動物、 例えば、 マウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の 2〜 5日 後に脾臓またはリンパ節を採取し、 それらに含まれる抗体産生細胞を同種または 異種の骨髄腫細胞と融合させることにより、 モノクローナル抗体産生ハイプリ ド 一マを調製することができる。 抗血清中の抗体価の測定は、 例えば、 後記の標識 化タンパク質等と抗血清とを反応させたのち、 抗体に結合した標識剤の活性を測 定することにより行なうことができる。 融合操作は既知の方法、 例えば、 ケーラ 一とミルスタインの方法 〔ネイチヤー (Nature)、 256、 495 (1975)〕 に従い実施 できる。 融合促進剤としては、 例えば、 ポリエチレングリコール (PEG) ゃセ ンダイウイルスなどが挙げられるが、 好ましくは P E Gが用いられる。
骨髄腫細胞としては、 例えば、 NS— 1、 P 3U1、 S P 2/0, AP— 1な どの非ヒト温血動物由来の骨髄腫細胞が用いられるが、 P 3 U 1が好ましく用い られる。 用いられる抗体産生細胞 (脾臓細胞) 数と骨髄腫細胞数との好ましい比 率は 1 : 1〜20 : 1程度であり、 PEG (好ましくは PEG 1000〜PEG 6000) が 10〜 80 %程度の濃度で添加され、 20〜 40° (:、 好ましくは 3 0〜 37 X:で 1〜 10分間ィンキュベ一卜することにより効率よく細胞融合を実 施することができる。
モノクローナル抗体産生八ィプリド一マのスクリ一ニングには種々の方法が使 用できるが、 例えば、 タンパク質抗原を直接あるいは担体とともに吸着させた固 相 (例、 マイクロプレー卜) にハイプリドーマ培養上清を添加し、 次に放射性物 質や酵素などで標識した抗免疫グロプリン抗体 (細胞融合に用いられる細胞がマ ウスの場合、 抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる) またはプロテイン Aを 加え、 固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法、 抗免疫グロブリン抗 体またはプロテイン Aを吸着させた固相にハイプリ ドーマ培養上清を添加し、 放 射性物質や酵素などで標識したタンパク質を加え、 固相に結合したモノクロ一ナ ル抗体を検出する方法などが用いられる。
モノクローナル抗体の選別は、 公知あるいはそれに準じる方法に従って行なう ことができる。 通常 HA T (ヒポキサンチン、 アミノプテリン、 チミジン) を添 加した動物細胞用培地で行なうことができる。 選別および育種用培地としては、 ハイプリドーマが生育できるものならばどのような培地を用いても良い。 例えば 、 :!〜 2 0 .%、 好ましくは 1 0〜 2 0。もの牛胎児血清を含む R P M I 1 6 4 0 培地、 1〜 1 0 %の牛胎児血清を含む G I T培地 (和光純薬工業 (株) ) あるい はハイプリ ドーマ培養用無血清培地 (S F M— 1 0 1、 日水製薬 (株) ) などを 用いることができる。 培養温度は、 通常 2 0〜4 0 ° (:、 好ましくは約 3 7 °Cであ る。 培養時間は、 通常 5日〜 3週間、 好ましくは 1週間〜 2週間である。 培養は 、 通常 5 %炭酸ガス下で行なうことができる。 ハイブリド一マ培養上清の抗体価 は、 上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
( b ) モノクロナ一ル抗体の精製
モノクローナル抗体の分離精製は、 公知の方法、 例えば、 免疫グロブリンの分 離精製法 〔例、 塩析法、 アルコール沈殿法、 等電点沈殿法、 電気泳動法、 イオン 交換体 (例、 D E A E ) による吸脱着法、 超遠心法、 ゲルろ過法、 抗原結合固相 あるいはプロティン Aあるいはプロティン Gなどの活性吸着剤により抗体のみを 採取し、 結合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕 に従って行なうことができ る。
〔ポリクローナル抗体の作製〕
本発明のポリクローナル抗体は、 それ公知あるいはそれに準じる方法にしたが
つて製造することができる。 例えば、 免疫抗原 (タンパク質抗原) とキャリアー タンパク質との複合体をつくり、 上記のモノクロ一ナル抗体の製造法と同様に非 ヒト温血動物に免疫を行ない、 該免疫動物から本発明のポリクローナル抗体含有 物を採取して、 抗体の分離精製を行なうことにより製造することができる。 非ヒト温血動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキヤリア一タンパク質 との複合体に関し、 キヤリァ一夕ンパク質の種類およびキヤリァ一とハプテンと の混合比は、 キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良く できれば、 どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、 例えば、 ゥシ血 清アルブミンゃゥシサイログロプリン、 へモシァニン等を重量比でハプテン 1に 対し、 約 0 . 1〜 2 0、 好ましくは約 1〜 5の割合で力プルさせる方法が用いら れる。
また、 ハプテンとキャリア一の力プリングには、 種々の縮合剤を用いることが できるが、 ダルタルアルデヒドやカルポジイミド、 マレイミド活性エステル、 チ オール基、 ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。 縮合生成物は、 非ヒト温血動物に対して、 抗体産生が可能な部位にそれ自体あ るいは担体、 希釈剤とともに投与される。 投与に際して抗体産生能を高めるため 、 完全フロイン卜アジュバントゃ不完全フロイントアジュバントを投与してもよ レ^ 投与は、 通常約 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計約 3〜1 0回程度行なうことがで さる。
ポリクローナル抗体は、 上記の方法で免疫された非ヒト温血動物の血液、 腹水 など、 好ましくは血液から採取することができる。
抗血清中のポリクロ一ナル抗体価の測定は、 上記の血清中の抗体価の測定と同 様にして測定できる。 抗体の分離精製は、 上記のモノクローナル抗体の分離精製 と同様の免疫グロプリンの分離精製法に従って行なうことができる。
本発明のタンパク質または部分べプチドをコードする D N Aまたは m R N Aに 実質的に相補的な塩基配列を有するアンチセンス D NAとしては、 本発明のタン パク質または部分ペプチドをコードする D N Aまたは m R N Aの塩基配列または その一部の塩基配列に実質的に相補的な塩基配列を有し、 該タンパク質または部 分べプチドの発現を抑制し得る作用を有するオリゴヌクレオチドまたはその誘導
体であれば、 いずれのアンチセンス DN Aであってもよい。
該 DNAまたは mRNAに実質的に相補的な塩基配列とは、 例えば、 該 DNA または mRNAに相補的な塩基配列 (すなわち、 該 DNAまたは mRNAの相補 鎖) の全塩基配列または部分塩基配列と約 40%以上、 好ましくは約 60%以上 、 より好ましくは約 80 以上、 さらに好ましくは約 90¾'以上の相同性を有す る塩基配列などが挙げられる。 特に、 本発明の DNAまたは mRNAの相補鎖の 全塩基配列うち、 本発明のタンパク質の N末端部位をコードする部分の塩基配列 (例えば、 開始コドン付近の塩基配列など) の相補鎖と約 40%以上、 好ましく は約 60%以上、 より好ましくは約 80?。'以上、 さらに好ましくは約 90%以上 の相同性を有するアンチセンス DNAが好適である。 これらのアンチセンス DN Aは、 公知の DN A合成装置などを用いて製造することができる。
本発明のタンパク質、 その部分ペプチドまたはそれらの塩は、 例えば、 細胞形 質変換作用などの作用を有している。 したがって、 本発明のタンパク質、 その部 分ペプチドまたはそれらの塩は上記作用に基づくさまざまな用途に用いることが できる。
以下に、 本発明のタンパク質、 その部分ペプチドまたはそれらの塩 (以下、 本 発明のタンパク質と略記する場合がある) 、 本発明のタンパク質等をコードする DNA (以下、 本発明の DNAと略記する場合がある) 、 本発明のタンパク質等 に対する抗体 (本発明の抗体と略記する場合がある) およびアンチセンス DNA の用途を説明する。
( 1 ) 細胞形質変換作用に基づく各種疾病の治療 ·予防剤などの医薬
細胞形質変換作用としては、 細胞増殖を抑制し、 かつ細胞の形態変化を引き起 こす作用などのことをいい、 具体的には、 癌 '腫瘍 (好ましくは、 (胎児性) 横 紋筋肉腫など) 細胞増殖を抑制し、 かつ癌 ·腫瘍 (好ましくは、 (胎児性) 横紋 筋肉腫など) 細胞を細胞質肥大を伴った筋細胞様への形質変化させる、 多核細胞 などへ分化誘導させる、 筋特異的マーカータンパク質、 例えば平滑筋あるいは骨 格筋特異的ひ-ァクチンを誘導し、 形質変化せしめる作用のことなどをいう。 例えば、 生体内において本発明のタンパク質が減少あるいは欠損しているため に、 細胞形質変換作用などが十分に、 あるいは正常に発揮されない患者がいる場
合に、 (ィ) 本発明の D N Aを該患者に投与し、 生体内で本発明のタンパク質を 発現させることによって、 (口) 細胞に本発明の D NAを挿入し、 本発明のタン パク質を発現させた後に、 該細胞を患者に移植することによって、 (八) 本発明 のタンパク質を該患者に投与することなどによって、 該患者における本発明の夕 ンパク質の役割を十分に、 あるいは正常に発揮させることができる。
また、 本発明のタンパク質は癌 ·腫瘍 (好ましくは、 (胎児性) 横紋筋肉腫な ど) 細胞増殖を抑制し、 かつ癌,腫瘍 (好ましくは、 (胎児性) 横紋筋肉腫など ) 細胞を多核細胞などへ分化誘導等することにより形質変化せしめる性質を有し ている。
したがって、 本発明のタンパク質および本発明の D NAは、 例えば、 (胎児性 ) 横紋筋肉腫 (胞巣状横紋筋肉腫、 横紋筋原発性肝臓肉腫など) 、 平滑筋肉腫、 筋ジストロフィー症 (筋強直政ジストロフィー症) または子宮筋腫などの疾病の 治療 ·予防剤などの医薬として有用である。
本発明の D N Aを上記の治療 ·予防剤などとして使用する場合は、 該 D NAを 単独あるいはレトロウイルスベクター、 アデノウイルスベクター、 アデノウィル スァソシエーテツドウィルスべク夕一などの適当なベクタ一に挿入した後、 常套 手段に従ってヒトまたは非ヒト温血動物に投与することができる。 本発明の D N Aは、 そのままで、 あるいは摂取促進のために補助剤などの生理学的に認められ る担体とともに製剤化し、 遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのような力テ一テ ルによって投与できる。
本発明のタンパク質を上記の治療 ·予防剤として使用する場合は、 少なくとも 9 0 %、 好ましくは 9 5 ? 以上、 より好ましく 9 8 %以上、 さらに好ましくは 9 9 %以上に精製されたものを使用するのが好ましい。
本発明のタンパク質を上記の医薬として使用する場合は、 例えば、 必要に応じ て糖衣を施した錠剤、 カプセル剤、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤などとし て経口的に、 あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶 液、 または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。 例えば、 本発明 のタンパク質を生理学的に認められる担体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤 、 安定剤、 結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量
形態で混和することによって製造することができる。 これら製剤における有効成 分量は指示された範囲の適当な用量が得られるようにするものである。 本発明の D NAを用いる場合は、 該 D NAを単独あるいはレトロウイルスベクタ一、 アデ ノウィルスベクター、 アデノウイルスァソシェ一テッドウィルスベクターなどの 適当なベクタ一に挿入した後、 常套手段に従って投与することができる。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼラ チン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セル ロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのような膨 化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリ ンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリ一のような香味剤な どが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 前記タイプの材料に さらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のための無菌組成物 は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油などのような天然産 出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方するこ とができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他 の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D—マンニトール、 塩化ナ トリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例え ば、 エタノールなど) 、 ポリアルコール (例えば、 プロピレングリコール、 ポリ エチレングリコールなど) 、 非イオン性界面活性剤 (例えば、 ポリソルべ一ト 8 0 TM、 H C O— 5 0など) などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが用いられ、 溶解補助剤として安息香酸ベンジル、 ベンジル アルコールなどと併用してもよい。 また、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢 酸ナトリウム緩衝液など) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プ ロカインなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコー ルなど) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防止 剤などと配合してもよい。 調整された注射液は、 通常、 適当なアンプルに充填さ れる。
本発明の D NAが挿入されたべクタ一も上記と同様に製剤化され、 通常、 非経 口的に使用される。
このようにして得られる製剤は、 安全で低毒性であるので、 例えば、 哺乳動物 (例えば、 ヒト、 ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ゥマ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
本発明のタンパク質の投与量は、 対象疾患、 投与対象、 投与ルートなどにより ' 差異はあるが、 例えば、 (胎児性) 横紋筋肉腫治療剤として本発明のタンパク質 を経口投与する場合、 一般的に成人 (6 O k gとして) においては、 一日につぎ ' 該タンパク質を約 0. 1 mg〜: L 0 Omg、 好ましくは約 1. 0〜50mg、 よ り好ましくは約 1. 0〜20mg投与する。 非経口的に投与する場合は、 該タン パク質の 1回投与量は投与対象、 対象疾患などによっても異なるが、 例えば、 ( 胎児性) 横紋筋肉腫治療剤として本発明のタンパク質を注射剤の形で成人 (体重 6 O k gとして) に投与する場合、 一日につき該タンパク質を約 0. 01〜30 mg程度、 好ましくは約 0. 1〜2 Omg程度、 より好ましくは約 0. 1〜10 m g程度を患部に注射することにより投与するのが好都合である。 他の動物の場 合も、 60 k g当たりに換算した量を投与することができる。
本発明のタンパク質および本発明の DNAは、 RD細胞の各 TNFファミリー リガンド分子 (例、 TNFa'、 TNF/3、 L To; 1 /32など) による NF—/ cB の活性化作用、 RD細胞におけるケモカインの発現誘導作用または産生促進作用 、 RD細胞の分化誘導作用を有している。
(2) 遺伝子診断剤
本発明の DN Aは、 プローブとして使用することにより、 哺乳動物 (例えば、 ヒト、 ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ゥマ、 ネコ 、 ィヌ、 サルなど) における本発明のタンパク質をコードする DNAの異常 (遺 伝子異常) を検出することができる。 したがって、 本発明の DN Aは、 本発明の タンパク質が関与する各種疾病の遺伝子診断剤として有用である。
例えば、 本発明のタンパク質をコードする DNAまたは mRNAが損傷し、 欠 損し、 あるいはタンパク質の発現が減少していることが検出された場合は、 (胎 児性) 横紋筋肉腫 (胞巣状横紋筋肉腫、 横紋筋原発性肝臓肉腫など) 、 平滑筋肉 腫、 筋ジストロフィー症 (筋強直政ジストロフィー症) または子宮筋腫などの疾 病であると診断することができる。
本発明の DNAを用いる上記の遺伝子診断は、 例えば、 公知のノーザンハイブ リダィゼ一シヨンや PC R— SS CP法 (ゲノミックス (Genomics) , 第 5巻, 874〜 879頁 ( 1989年) 、 プロシ一ジングズ ·ォブ ·ザ ·ナショナル · アカデミー 'ォブ 'サイェンシィズ 'ォブ ·ュ一エスエー (Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America) , ¾ 86 巻, 2766〜 2770頁 (1989年) ) などにより実施することができる。 例えば、 ノーザンハイブリダィゼ一シヨンにより該 mRNAの発現低下が検出 された場合は、 例えば、 (胎児性) 横紋筋肉腫 (胞巣状横紋筋肉腫、 横紋筋原発 性肝臓肉腫など) 、 平滑筋肉腫、 筋ジストロフィー症 (筋強直政ジストロフィー 症) または子宮筋腫などの疾病である、 または将来罹患する可能性が高いと診断 することができる。
(3) 本発明のタンパク質、 その部分ペプチドまたはそれらの塩の定量による本 発明のタンパク質の細胞形質変換作用に基づく各種疾病の診断
本発明の抗体は、 本発明のタンパク質を特異的に認識することができるので、 被検液中の本発明のタンパク質の定量、 特にサンドイッチ免疫測定法による定量 をすることによって、 本発明の夕ンパク質の細胞形質変換作用に基づく各種疾病 の診断などに使用することができる。
本発明のタンパク質の定量法としては、
( i) 本発明の抗体と、 被検液および標識化された本発明のタンパク質とを競合 的に反応させ、 該抗体に結合した標識化された本発明のタンパク質の割合を測定 することを特徴とする被検液中の本発明のタンパク質を定量する方法、 および ( ii) 被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体および標識化された本発明の別の 抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、 不溶化担体上の標識剤の活性を 測定することを特徴とする被検液中の本発明のタンパク質を定量する方法などが あげられる。
上記 (ii) の定量法においては、 一方の抗体が本発明のタンパク質の N端部を 認識する抗体で、 他方の抗体が本発明の夕ンパク質の C端部に反応する抗体であ ることが望ましい。
また、 本発明のタンパク質に対するモノクローナル抗体 (以下、 単にモノクロ
ーナル抗体と称する場合がある) を用いて本発明のタンパク質の定量を行なえる ほか、 組織染色等による検出を行なうこともできる。 これらの目的には、 抗体分 子そのものを用いてもよく、 また、 抗体分子の F ( a b ' ) 2 、 F a b '、 あるい は F a b画分を用いてもよい。
本発明の抗体を用いる本発明のタンパク質の定量法は、 特に制限されるべき ものではなく、 被測定液中の抗原量 (例えば、 タンパク質量) に対応した抗体、 抗原もしくは抗体一抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、 こ れを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法で あれば、.いずれの測定法を用いてもよい。 例えば、 ネフロメトリー、 競合法、 ィ ムノメトリック法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、 感度、 特異性の 点で、 後述するサンドイツチ法を用いるのが特に好ましい。
標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、 例えば、 放射性同位元 素、 酵素、 蛍光物質、 発光物質などが用いられる。 放射性同位元素としては、 例 えば、 〔1 2 5 I〕 、 〔1 3 1 I〕 、 〔3 H〕 、 〔1 4 C〕 などが、 上記酵素としては 、 安定で比活性の大きなものが好ましく、 例えば、 /3—ガラクトシダ一ゼ、 13— ダルコシダ一ゼ、 アル力リフォスファタ一ゼ、 パーォキシダ一ゼ、 リンゴ酸脱水 素酵素などが、 蛍光物質としては、 例えば、 フルォレスカミン、 フルォレツセン イソチオシァネートなどが、 発光物質としては、 例えば、 ルミノール、 ルミノ一 ル誘導体、 ルシフェリン、 ルシゲニンなどがそれぞれ用いられる。 さらに、 抗体 あるいは抗原と標識剤との結合にピオチン一アビジン系を用いることもできる。 抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、 物理吸着を用いてもよく、 また通常夕 ンパク質あるいは酵素等を不溶化、 固定化するのに用いられる化学結合を用いる 方法でもよい。 担体としては、 例えば、 ァガロース、 デキストラン、 セルロース などの不溶性多糖類、 ポリスチレン、 ポリアクリルアミド、 シリコン等の合成樹 脂、 あるいはガラスなどが用いられる。
サンドィツチ法においては不溶化したモノクローナル抗体に被検液を反応させ ( 1次反応) 、 さらに標識化したモノクローナル抗体を反応させ (2次反応) た のち、 不溶化担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中の本発明の夕 ンパク質量を定量することができる。 1次反応と 2次反応は逆の順序に行っても
、 また、 同時に行なってもよいし時間をずらして行なってもよい。 標識化剤およ び不溶化の方法は前記のそれらに準じることができる。 また、 サンドイッチ法に よる免疫測定法において、 固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必 ずしも 1種類である必要はなく、 測定感度を向上させる等の目的で 2種類以上の 抗体の混合物を用いてもよい。
本発明のサンドイッチ法による本発明のタンパク質の測定法においては、 1次 反応と 2次反応に用いられる本発明のモノクローナル抗体は、 本発明のタンパク 質の結合する部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。 すなわち、 1次反応お よび 2次反応に用いられる抗体は、 例えば、 2次反応で用いられる抗体が、 本発 明のタンパク質の C端部を認識する場合、 1次反応で用いられる抗体は、 好まし くは C端部以外、 例えば N端部を認識する抗体が用いられる。
本発明のモノクローナル抗体をサンドィツチ法以外の測定システム、 例えば、 競合法、 ィムノメトリック法あるいはネフロメトリ一などに用いることができる 競合法では、 被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応させた のち、 未反応の標識抗原 (F ) と抗体と結合した標識抗原 (B ) とを分離し (B Z' F分離) 、 B, Fいずれかの標識量を測定し、 被検液中の抗原量を定量する。 本反応法には、 抗体として可溶性抗体を用い、 B Z F分離をポリエチレングリコ ール、 前記抗体に対する第 2抗体などを用いる液相法、 および、 第 1抗体として 固相化抗体を用いるか、 あるいは、 第 1抗体は可溶性のものを用い第 2抗体とし て固相化抗体を用いる固相化法とが用いられる。
ィムノメトリック法では、 被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化抗 体に対して競合反応させた後固相と液相を分離するか、 あるいは、 被検液中の抗 原と過剰量の標識化抗体とを反応させ、 次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗 体を固相に結合させたのち、 固相と液相を分離する。 次に、 いずれかの相の標識 量を測定し被検液中の抗原量を定量する。
また、 ネフロメトリ一では、 ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果生じ た不溶性の沈降物の量を測定する。 被検液中の抗原量僅かであり、 少量の沈降物 しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザ一ネフ口メトリ一など
が好適に用いられる。
これら個々の免疫学的測定法を本発明の定量方法に適用するにあたっては、 特 別の条件、 操作等の設定は必要とされない。 それぞれの方法における通常の条件 、 操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発明のタンパク質の測定系を構 築すればよい。 これらの一般的な技術手段の詳細については、 総説、 成書などを 参照することができる。
例えば、 入江 寛編 「ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 4 9年発行) 、 入江 寛編 「続ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 5 4年発行) 、 石川栄治 ら編 「酵素免疫測定法」 (医学書院、 昭和 5 3年発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免 疫測定法」 (第 2版) (医学書院、 昭和 5 7年発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免疫 測定法」 (第 3版) (医学書院、 昭和 6 2年発行) 、 「Methods in ENZYMOLOGY 」 Vol. 70 (I画 nochemical Tedini dues (Part A) )、 同書 Vol. 73 (Immunochemi cal TechniQues (Part B) )、 同書 Vol. 74 (Immunochemical Techniques (Part 0 )、 同書 Vol. 84 (Immunochemical Techniques (Part D : Selected Immunoassays ) )、 同書 Vol. 92 (Immunochemical Techniques (Part E: Monoc lonal Ant ibod ie s and General I画 unoassay Methods) )、 同書 Vol. 121 (Immunochemical Tec n iQues (Part I: Hybridoma Technology and Monoclonal Ant ibod ies) ) (以上、 ァ 力デミックプレス社発行)などを参照することができる。
以上のようにして、 本発明の抗体を用いることによって、 本発明のタンパク質 を感度良く定量することができる。
上述の定量法によって、 本発明のタンパク質が関与する各種疾病の診断を行な うことができる。
例えば、 本発明のタンパク質の濃度の減少が検出された場合は、 例えば、 (胎 児性) 横紋筋肉腫 (胞巣状横紋筋肉腫、 横紋筋原発性肝臓肉腫など) 、 平滑筋肉 腫、 筋ジストロフィー症 (筋強直政ジストロフィー症) または子宮筋腫などの疾 病である、 または将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
( 4 ) アンチセンス D NAを含有する医薬
本発明の D NAに相補的に結合し、 該 D NAの発現を抑制することができるァ ンチセンス D N Aは、 生体内における本発明のタンパク質または本発明の D N A
の機能を抑制することができるので、 例えば、 本発明のタンパク質などの発現過 多に起因する疾患の治療 ·予防剤として使用することができる。
上記アンチセンス DNAを上記の治療 ·予防剤として使用する場合、 前記した 本発明の DNAを含有する各種疾病の治療 ·予防剤と同様にして使用することが でさる。
例えば、 該アンチセンス DNAを用いる場合、 該アンチセンス DNAを単独あ るいはレトロウイルスベクタ一、 アデノウイルスベクタ一、 アデノウイルスァソ シェ一テツドウィルスベクターなどの適当なベクタ一に揷入した後、 常套手段に 従って投与することができる。 該アンチセンス DNAは、 そのままで、 あるいは 摂取促進のために補助剤などの生理学的に認められる担体とともに製剤化し、 遺 伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与できる。 さらに、 該アンチセンス DN Aは、 組織や細胞における本発明の DN Aの存在 やその発現状況を調べるための診断用オリゴヌクレオチドプローブとして使用す ることもできる。 本明細書および図面において、 塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、 I UP AC - I UB Commission on Biochemical Nomenclature による略号ある いは当該分野における慣用略号に基づくものであり、 その例を下記する。 またァ ミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、 特に明示しなければ L体を示すもの とする。
DNA :デォキシリボ核酸
cDNA :相補的デォキシリボ核酸
A : アデニン
T :チミン
G :グァニン
C : シ卜シン
RNA : リポ核酸
mRNA : メッセンジャーリポ核酸
d ATP :デォキシアデノシン三リン酸
dTTP デォキシチミジン三リン酸
dGTP デォキシグアノシン三リン酸
dCTP デォキシシチジン三リン酸
ATP アデノシン三リン酸
EDTA エチレンジァミン四酢酸
SD S ドデシル硫酸ナトリウム
G 1 y ダリシン
A 1 a ァラニン
V a 1 バリン
L e u ロイ
I 1 e
S e r セリン
Th r スレ': ¾ーノ.
C y s システィン
Me t メチ才ニン
G 1 u グルタミン酸
As p
L y s リジン
A r g アルギニン
H i s ヒスチジン
P h e フエ二ルァラニン
T3^ r チロシン
T r p トリブトファン
P r o プロリン
A s n
G i n : グルタミン
pG 1 u : ピログルタミン酸
また、 本明細書中で繁用される置換基、 保護基および試薬を下記の記号で表記 する。
Me メチル基
E t ェチル基
B u ブチル基
P h フエニル基
TC チアゾリジン一 4 (R) 一カルボキサミド基 T o s P-トルエンスルフォニル
CHO ホルミル
ヽ、、
B z 1
CUBzl 2, 6—ジクロ口べンジル
Bom ベンジルォキシメチル
Z ベンジルォキシカルポニル
C 1 - z 2—クロ口べンジルォキシカルボニル
B r - Z 2—ブロモベンジルォキシカルボニル
B o c t—ブトキシカルボニル
DNP ジニトロフエノ一ル
T r t 卜リチル
Bum t一ブトキシメチル
Fm o c N— 9—フルォレニルメトキシカルボニル
HOB t 1—ヒドロキシベンズ卜リアゾール
HOOB t 3, 4ージヒドロー 3—ヒドロキシー 4—ォキソ一
1, 2, 3—ベンゾ卜リアジン
HONB 卜ヒドロキシ- 5-ノルボルネン -2, 3 -ジカルボキシィ DCC N、 N' —ジシクロへキシルカルポジイミド 本明細書の配列表の配列番号は、 以下の配列を示す。
〔配列番号: 1〕
本発明のヒト由来夕ンパク質のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 2〕
本発明のマウス由来タンパク質のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 3〕
本発明のラッ卜由来タンパク質のァミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 4〕
本発明の配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列を有するヒト由来タンパク質 をコードする c DNAの塩基配列を示す。
〔配列番号: 5〕
プラスミ ド pTB 1939に挿入されている、 本発明の配列番号: 1で表わさ れるアミノ酸配列を有するヒト由来タンパク質をコ一ドする c DNAを含有する DN Aの塩基配列を示す。
〔配列番号: 6〕
プラスミ ド pTB 1940に挿入されている、 本発明の配列番号: 1で表わさ れるアミノ酸配列を有するヒト由来タンパク質をコードする cDNAを含有する DN Aの塩基配列を示す。
〔配列番号: 7〕
本発明の配列番号: 2で表わされるアミノ酸配列を有するマウス由来タンパク 質をコードする c DNAの塩基配列を示す。
〔配列番号: 8〕
プラスミ ド pTB 1958に揷入されている、 本発明の配列番号: 2で表わさ れるアミノ酸配列を有するマウス由来タンパク質をコードする c DNAを含有す る DN Aの塩基配列を示す。
〔配列番号: 9〕
本発明の配列番号: 2で表わされるアミノ酸配列を有するマウス由来タンパク 質をコードするゲノム DNAの塩基配列を示す。
〔配列番号: 10〕
本発明の配列番号: 3で表わされるアミノ酸配列を有するラッ卜由来タンパク 質をコ一ドする c DNAの塩基配列を示す。
〔配列番号: 1 1〕
本発明のヒト由来夕ンパク質をコードする D N Aをクローニングするために使 用した合成オリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。
〔配列番号: 12〕
本発明のヒト由来タンパク質をコードする DNAをクロ一ニングするために使 用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 13〕
本発明のヒ卜由来タンパク質をコードする DNAをクローニングするために使 用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 14〕
本発明のマウス由来タンパク質をコードする DN Aをクロ一ニングするために 使用したォリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。
〔配列番号: 15〕
本発明のマウス由来タンパク質をコードする DNAをクローニングするために 使用したオリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。
〔配列番号: 16〕
本発明のマウス由来タンパク質をコードする DNAの開始コドン付近の塩基配 列の解析に使用した合成ォリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。
〔配列番号: 17〕
本発明のマウス由来夕ンパク質をコードする D N Aの開始コドン付近の塩基配 列の解析に使用した合成オリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。
〔配列番号: 18〕
本発明のマウス由来タンパク質をコードする DNAの開始コドン付近の塩基配 列の解析に使用したマウス染色体 D N A断片の両末端結合しているアダプターの 塩基配列を示す。
〔配列番号: 19〕
本発明のマウス由来タンパク質をコードする DNAの開始コドン付近の塩基配 列の解析に使用した合成オリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。
〔配列番号: 20〕
本発明のマウス由来タンパク質をコードする DNAの開始コドン付近の塩基配 列の解析に使用した合成オリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。
〔配列番号: 21〕
本発明のヒト由来タンパク質の細胞外領域をコードする DNAをクローニング するために使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 22〕
本発明のヒト由来タンパク質の細胞外領域をコードする DNAをクローニング するために使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 23〕
本発明のラット由来タンパク質をコードする DNAをクローニングするために 使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 24〕
本発明のラット由来タンパク質をコードする DNAをクローニングするために 使用したプライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 25〕
本発明のタンパク質のアミノ酸配列の一般式 (I) を示す。
〔配列番号: 26〕
後述の参考例 6で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 27〕
後述の参考例 6で使用したプライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 28〕
後述の参考例 7で使用したプライマー 1の塩基配列を示す。
〔配列番号: 29〕
後述の参考例 7で使用したプライマ一 2の塩基配列を示す。
〔配列番号: 30〕
後述の参考例 7で取得した 612塩基からなる cDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号: 31〕
後述の参考例 7で取得した hTL4— 2のァミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 32〕
本発明のタンパク質のアミノ酸配列の一般式 (I I) を示す。 '
〔配列番号: 33〕
後述の参考例 8で用いられたプライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 34〕
後述の参考例 8で用いられたプライマ一の塩基配列を示す。 〔配列番号: 35〕
後述の実施例 1で用いられたプローブの塩基配列を示す。 〔配列番号: 36〕
後述の実施例 1で用いられたプライマ一の塩基配列を示す。 〔配列番号: 37〕
後述の実施例 1で用いられたプライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号: 38〕
後述の実施例 1で用いられたプローブの塩基配列を示す。 〔配列番号: 39〕
後述の実施例 1で用いられたプライマ一の塩基配列を示す。 〔配列番号: 40〕
後述の実施例 1で用いられたプライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号: 41〕
後述の実施例 1で用いられたプローブの塩基配列を示す。 〔配列番号: 42〕
後述の実施例 1で用いられたプライマ一の塩基配列を示す。 〔配列番号: 43〕
後述の実施例 1で用いられたプライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号: 44〕
後述の実施例 1で用いられたプローブの塩基配列を示す。 〔配列番号: 45〕
後述の実施例 1で用いられたプライマ一の塩基配列を示す。 〔配列番号: 46〕
後述の実施例 1で用いられたプライマ一の塩基配列を示す。 〔配列番号: 47〕
後述の実施例 7で用いられたプライマ一の塩基配列を示す。 〔配列番号: 48〕
後述の実施例 7で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 49〕
後述の実施例 7で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 50〕
後述の実施例 7で用いられたプライマ一の塩基配列を示す。
〔配列番号: 5 1〕
後述の実施例 7で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 52〕
後述の実施例 7で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 53〕
後述の実施例 7で用いられたプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号: 54〕
後述の実施例 7で用いられたプライマーの塩基配列を示す。 後述の参考例 1で得られた形質転換体ェシエリヒア コリ (Escherichia col i ) DH 1 0 ΒΖρ TB 1 939およびェシエリヒア コリ (Escherichia col i) DH 10 B 'pTB 1 940は、 それぞれ 1996年 7月 17日から茨城県つく ば巿東 1丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305— 8566) 独立行政法 人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター (旧 通商産業省工業技術院生命 工学工業技術研究所 (N I BH) ) に寄託番号 FERM BP— 5595および FERM BP— 5 596として、 また 1 996年 7月 1 1日から財団法人 '発 酵研究所 ( I FO) に寄託番号 I FO 1 5997ぉょび1 〇 15998と して寄託されている。
後述の参考例 2で得られた形質転換体ェシェリヒア コリ (Escherichia col i ) DH5 α/ρΤΒ 1 958は、 1 997年 1月 30日から茨城県つくば市東 1 丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305— 8566) 独立行政法人産業技 術総合研究所 特許生物寄託セン夕一 (旧 通商産業省工業技術院生命工学工業 技術研究所 (N I BH) ) に寄託番号 FERM BP— 5805として、 また 1 997年 1月 31日から財団法人 ·発酵研究所 (I F〇) に寄託番号 I F〇 1
6054として寄託されている。 なお、 N I BHによる寄託証中の微生物の識別 のための表示欄に 「ェシエリヒア ' コリ (Escherichia coli) DH 10B/pT B 1958J と記載されているが、 正しくは 「ェシエリヒア ·コリ (Esc erichi a coli) DH5 Qi/pTB 1 958」 であり、 本件については 1 997年 2月 5 日付で記載事項変更届を提出済みである。
後述の参考例 3で得られた形質転換体ェシエリヒア コリ (Escherichia coli ) DH5 / pTB 201 1は、 1 997年 7月 8日から茨城県つくば巿東 1丁 目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305— 8566) 独立行政法人産業技術 総合研究所 特許生物寄託センター (旧 通商産業省工業技術院生命工学工業技 術研究所 (N I BH) ) に寄託番号 FERM BP— 60 1 2として、 また 1 9 97年 7月 7日から財団法人 ·発酵研究所 (I F〇) に寄託番号 I FO 16 1 09として寄託されている。
後述の参考例 5で得られた形質転換体ェシェリヒア コリ (Escherichia coli ) DH 5 α ΤΒ 201 2は、 1 997年 7月 S日から茨城県つくば巿東 1丁 目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305— 8566) 独立行政法人産業技術 総合研究所 特許生物寄託センタ一 (旧 通商産業省工業技術院生命工学工業技 術研究所 (Ν Ι ΒΗ) ) に寄託番号 FERM BP— 60 1 3として、 また 19 97年 7月 7日から財団法人 ·発酵研究所 ( I F 0) に寄託番号 I F 0 16 1 10として寄託されている。
後述の参考例 7で得られた h T L 4— 2をコードする塩基配列を保持する形質 転換体ェシエリヒア コリ (Escherichia coli) DH5 az'hTL 4— pCR 2 . 1は、 1 999年 1 2月 6日から茨城県つくば巿東 1丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305— 8566) 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物 寄託センター (旧 通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所 (N I BH) ) に寄託番号 FERM BP— 6958として、 また 1 999年 1 0月 27日か ら財団法人 ·発酵研究所 ( I F〇) に寄託番号 I FO 1 6329として寄託さ れている。 実施例
以下に、 実施例および参考例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、 本 発明はそれに限定されるものではない。 なお、 大腸菌を用いての遺伝子操作法は 、 モレキュラー .クローニング (Molecular cloning) に記載されている方法に 従った。 参考例 1 ヒ ト由来 TL 4タンパク質をコードする c DNAのクローニング
cDNAのクローニングは、 ジーントラッパー (GENETRAPPERTM) c D N Aポ ジティブ選択システム (ギブコビーアールエル社) を用いて行なった。 スーパ 一スクリプト TMヒ ト肝臓 c DNAライブラリー (ギブコピーアールエル社) の 大腸菌 DH1 2 S株を、 100 g/ml アンピシ'リン含有 Terrific Broth (1 2g /1 Bacto- tryptone (ディフコ社) 、 24 g/1 Bacto-yeast extract (ディフコ社 ) 、 2. 3 g/1 リン酸一カリウム、 12. 5g/l リン酸二カリウム、 0. 4% グ リセロール) で 30°Cで 16時間培養し、 集菌後、 キアジエンプラスミ ドキッ ト (キアジェン ¾h) を用いて、 プラスミ ド cDNAライブラリーを調製した。 精製 したプラスミ ド c DNAライブラリーを Ge n ell, E x o III (いずれもギブ コピーアールエル社) によって消化し、 一本鎖 c DNAライブラリ一を作成した 一方、 プローブとして、 合成オリゴヌクレオチド (配列番号: 1 1) を c DN Aライブラリーのスクリーニングに用いた。 プローブは、 TdT, ピオチン一 1 4一 d CTP (ギブコピーアールエル社) を用いて、 3'末端をピオチン化する ことで標識した。 一本鎖 cDNAライブラリーを 95°Cで 1分間処理した後、 氷 中で急冷し、 ビォチン化したプローブを加えて 37でで 1時間、 室温でハイブリ ダイゼーションを行なった。 ハイブリダイゼーション後、 ジーントラッパ一 c D N Aポジティブ選択システム 'ストレプトアビジンビーズ (ギブコビーァールェ ル社) を加えて、 室温で 2分ごとに撹拌しながら 30分間放置した。 その後、 ジ ーントラッパー c DNAポジティブ選択システム ·マグネットラック (ギブコビ 一アールエル社) 中に入れ、 2分間放置した。 上清を捨て、 マグネットビーズを ジーントラッパ一 c DNAポジティブ選択システム . ゥォッシュバッファーで洗 浄した。 このゥォッシュバッファーによる洗浄を 3回行なった。 その後、 マグネ
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ットラックに入れて放置し、 上清を捨て、 ジーン卜ラッパ一 cDNAポジティブ 選択システム ·溶出バッファーを加え、 5分間室温で放置した。 マグネットラッ クに入れて 5分間放置した後、 その上清の DN A溶液を回収した。
取得した DNA溶液にプライマ一として合成オリゴヌクレオチド (配列番号: 1 1) を入れ、 95°Cで 1分間処理した。 ジーントラッパ一 cDNAポジティブ 選択システム '修復酵素を加え、 70°Cで 1 5分間放置して二本鎖 DNAを合成 した。 合成した二本鎖 DNAをエレクト口ポレーシヨン装置 (バイオ · ラッド社 ) により、 大腸菌 DH10B株に導入した。
得られた形質転換株を用いて 2種のオリゴヌクレオチド (配列番号: 12、 配 列番号: 13) をプライマ一としてコロニー PCRによるスクリーニングを行な つた。 PCRにより 434 b pの増幅断片が形成されたコロニ一を陽性クローン として 3株 (# 9、 .# 33、 #81) 選択した。
選択した大腸菌を培養後、 DNAを抽出し、 T a qダイデォキシ夕一ミネ一夕 一サイクルシーケンシングキット (パーキンエルマ一社) を用いて反応を行ない 、 ABI PRISM™ 377 DNAシーケンサー (パーキンエルマ一社) により、 c DNA断片の塩基配列を決定した。 取得した 3クローンのうち、 クローン # 9と クローン #33は同一の DNA断片を含んでおり、 poly (A) +鎖を含む配列番号 : 5で表される 1491個の塩基配列を有していた。 また、 クローン # 81は p oly(A)+鎖、 並びに poly (A)+付加シグナル (AATAA) を含む配列番号: 6で表される 1353個の塩基配列を有していた。 これら 3クローンの c DN A 断片には同一遺伝子が含まれており、 配列番号: 1で表される 240個のアミノ 酸からなる TL 4タンパク質がコードされていた。 また Kyte— Doolittle解析か ら、 35番バリン (Va 1) から 63番トリブトファン (T r p) にかけての疎 水性領域が本タンパク質の膜貫通領域と予想された。 本タンパク質はヒ卜リンホ トキシン 3と最も相同性が高かったが、 アミノ酸レベルで 33? の相同性が見ら れた。 また、 ヒト F a sリガンドとはアミノ酸レベルで 31 %の相同性が見られ たが、 J. Hein法 (PAM250 residue weight table に基づく) による系統樹解析 では、 ヒ卜リンホトキシン /3よりもヒ卜 F a sリガンドとのより高い相同性が見 られた。
本発明のタンパク質をコードする DNAのうちクローン # 9を保持するプラス ミ ド P TB 1 939並びにクローン # 8 1を含むプラスミ ド pTB 1940を大 腸菌 (Escherichia coli) DH10Bに導入して、 形質転換体:'大腸菌 (Escher ichia coli) DH 10 B p TB 1 939並びに大腸菌 (Escherichia coli) D H 10 B./ p TB 1940を得た。 参考例 2 マウス由来 TL 4タンパク質をコードする c DNAのクローニング c DNAのクローニングは、 P CR法によって行なった。 スーパースクリプト TMマウス 8. 5日胚由来 c DNAライブラリー (ギブコピーアールエル社) の大 腸菌 DH 1 2 S株を、 100 Aig/ml アンピシリン含有 Super Broth ( 32 g/1 B acto-tryptone (ディフコ社) 、 20 g/1 Bacto-yeast extract (ディフコ社 ) 、 0. 2 g/1 NaCl) で 30。C、 1 6時間培養した後、 キアジェンプラスミ ドキッ ト (キアジェン社) を用いてプラスミ ド c DNAライブラリーを調製し、 铸型と して用いた。
プライマーとして、 次の 2つの合成オリゴヌクレオチドを用いた。
(配列番号: 14) (配列番号: 15) PCR反応は、 TaKa R a Ex T a q (宝酒造 (株) ) を含む系で、 サー マルサークラ一 (GeneAmpR PCR System 2400, パーキンエルマ一社) を用いて 94°C, 1分を 1サイクル、 94°C, 20秒→55°C, 30秒→72 , 2分を 30サイクル、 4 °C放置の条件で行なった。
得られた増幅断片を pT7Blue T-vector (ノバジェン社) に DNAライゲ一ショ ンキッ トバージョン 2 (宝酒造 (株) ) を用いて挿入し、 大腸菌 DH5ひ.株に導 入した。
得られた形質転換菌からプラスミ ド DNAを抽出し、 ダイターミネータ一サイ クルシークェンス FSレディリアクションキット (パーキンエルマ一社) を用い て反応を行ない、 373A DNAシーケンサー (パーキンエルマ一社) により
c DNA断片の塩基配列を決定した。
取得したクローンは、 配列番号: 7で表わされる 717個の塩基配列を含む配 列番号: 8で表される 795個の塩基配列を有しており、 配列番号: 2で表わさ れる 239個のアミノ酸からなるマウス由来 TL 4タンパク質をコードしていた 。 このマウス由来 TL 4タンパク質と参考例 1で得られた配列番号: 1で表わさ れるアミノ酸配列を有するヒト由来 TL 4タンパク質とは、 アミノ酸レベルで 7 8%の相同性を有しており、 また、 それをコードする DNAは、 塩基レベルで 7 7 %の相同性を有していた。 得られたマウス由来 TL 4タンパク質をコ一ドす る DN Aを保持するプラスミド pTB 1958を大腸菌 (Escherichia coli) D H5ひに導入して、 形質転換体:大腸菌 (Escherichia coli) DH5 α ΤΒ 1958を得た。
次に、 プロモーターファインダ一 DNAウォーキングキット (クローンテック 社) を用いて、 本発明のマウス由来タンパク質をコードする DNAの開始コドン 付近の配列の解析を行なった。
使用したマウスゲノム DNAは、 予め S c a Iの制限酵素で消化され、 その 5 'および 3 '末端に、 プライマ一 API (クローンテック社) やプライマ一 AP 2
(クローンテック社) が結合可能なァダプダー配列が連結されている。
①プライマー API : (配列番号: 16) ②プライマー AP2 : (配列番号: 17)
5' - ACTATAGGGCACGCGTGGT— 3'
③アダプター配列: (配列番号: 1 S)
GACGGCCCGGGCTGGT-3'
第 1 PCR反応は、 このマウスゲノム DNA溶液と TaKaR a LA PCR キットバージョン 2 (宝酒造 (株) ) 、 AP1、 合成オリゴヌクレオチド GSP 1を用い、 サーマルサイクラ一 (GeneAmpR PCR System 2400, パーキンエルマ 一社) で、 94°C, 2秒、 72。C, 3分を 7サイクル、 94。C, 2秒、 68°C, 3分を 37サイクル、 68°C, 4分、 4°C放置の条件で行なった。
④合成ォリゴヌクレオチド G S P 1 : (配列番号: 19) 次に、 この反応液を滅菌水で 50倍希釈し、 第 2 PCR反応に用いた。 第 2 P CR反応は、 この第 1 PCR反応液、 TaKaRa LA PCRキットバージョ ン 2 (宝酒造 (株) ) 、 前記プライマ一 AP 2、 合成オリゴヌクレオチド GSP 2を用い、 サ一マルサイクラ一 (GeneAmpR PCR System 2400, パーキンエルマ 一社) で、 94°C, 2秒、 72°C, 3分を 5サイクル、 94°C, 2秒、 68°C, 3分を 25サイクル、 68°C, 4分、 4 °C放置の条件で行なった。
⑤合成ォリゴヌクレオチド G S P 2 : (配列番号: 20)
S e a lで消化したゲノム D N A溶液から得られた約 1. 1 k b pの増幅断片 を p T 7ブル一 T一ベクター (ノバジェン社) に DNAライゲ一シヨンキットバ —ジョン 2 (宝酒造 (株) ) を用いて挿入し、 大腸菌 DH 5ひ株に導入し、 形質 転換株を得た。
得られた形質転換株から、 プラスミド DNAを抽出し、 ダイタ一ミネ一ターサ ィクルシークェンス F Sレディリアクションキット (パーキンエルマ一社) を用 いて反応を行ない、 373A DNAシークェンサ一 (パーキンエルマ一社) に より増幅断片の塩基配列の一部を決定した。 取得したクローンには、 配列番号: 2で表わされるアミノ酸配列を有する本発明のマウス由来タンパク質の 1番 Me t (開始コドン) から 13番 As pをコードする塩基配列 (配列番号: 7で表わ される塩基配列の第 1〜39番目の塩基配列) と完全に一致する配列が存在した ことから、 本発明のマウス由来タンパク質をコ一ドする c DNAのクローニング に用いた合成オリゴヌクレオチド (配列番号: 14) の配列は、 実際の本発明の マウス由来タンパク質をコードする DNAの配列の一部であることが確認された
参考例 3 マウス由来 TL 4タンパク質遺伝子のコード領域を含む染色体遺伝子 のクロ一ニング '
'質遺伝子のオープンリーディングフレーム部分を含
む領域をコードする染色体 DNA断片の取得は、 129 SVJマゥス染色体DN A S au3AI部分消化断片を組み込んだラムダ F I XRIIライブラリー (ス トラ夕ジーン社) を用いて、 標識したマウス由来 TL4タンパク質 cDNAをプ ローブとしたプラークハイブリダィゼーシヨン法により単離した。 まず、 1一 1 Q X 10 pfu (plaaue-forming unit) /mlになるように希釈したファージ溶液に 、 0.2%マルトース, 1 OmM Mg S04を添加した LB培地で 30°C—晩培養 した大腸菌 XL 1 -B 1 u e MR Aの培養液を同量混ぜ、 37°C、 10分間ィ ンキュベ一卜した。 該混合液 200 1に対して、 あらかじめ 50°Cに温めてお いた 5mlのトップァガロース (0.7 %になるようァガロースを添加した NZY 培地 〔5g/l NaC l、 2 g/I M g S 04 · 7 H20、 5g/l yeast extract, 1 Og/1 NZァミン (pH7.5に調整) 〕 を加え、 NZYプレート (1.5% ァ ガロース、 9cmディッシュ) に均一になるように重曹した後、 9時間、 37°Cで 静置した。 あらかじめプレートの位置がわかるように印をつけたナイロン卜ラン スフアーメンプレン HybondTM— N+ (アマシャム社) を該プレー卜上に 1分 間密着させることにより、 出現したファージ粒子をメンブレン上に移した。 該メ ンブレンを変性溶液 (1. 5M NaC l、 0.5M N aOH) を染み込ませたヮ ットマン 3MMペーパー濾紙 (ワットマンインタ一ナショナル社) 上に、 ファー ジのついた面を上にして 7分間置いた後、 中和溶液 (1.5M NaC K 0.5 M 卜リス塩酸 (pH7.2) 、 lmM EDTA) を染み込ませた濾紙上に、 ファ —ジのついた面を上にして 3分間放置した。 再度この中和処理を繰り返した後、 2 X S S C溶液 (0.3M NaC l、 0.03M クェン酸ナトリゥム) で洗浄し た。 該メンプレンを自然乾燥させた後、 0.4M Na〇Hを染み込ませた濾紙上 に、 ファージのついた面を上にして 20分間置き、 5 X S S C溶液 (0.75M NaC 1、 75mMクェン酸ナトリウム) で洗浄し、 ハイブリダィゼーシヨンパ ックにつめた。 このパックに EC L遺伝子検出システム (アマシャム社) のハイ プリダイゼーションバッファーを 5πιί加えて 1時間、 42°Cでプレハイプリダイ ゼーションを行なった。
一方、 マウス由来 TL 4タンパク質 c DNAのオープンリーディングフレーム 部分 (720 bp) を PCR反応により増幅させた DNA断片を熱変性後に、 E
CL遺伝子検出システムのラベリング試薬とダル夕ルアルデヒドを同量ずつ添加 して 5分間 37 °Cでインキュベートし標識した後、 これを 10 / 1ずつプレハイ ブリダィゼーシヨンパックに添加し、 42 °Cで 1時間インキュベートした。 その 後パックよりメンブレンを取り出し、 あらかじめ 42 °Cに保温させた一次洗浄バ ッファー (6M 尿素、 4g/l SDS、 25ml/l 20 XSSC) で 20分間洗浄 した。 これを再度繰り返した後、 室温で二次洗浄バッファ一 (2XS SC) で 5 分間洗浄した。 これを再度繰り返した後、 ECL遺伝子検出システムの検出試薬 に 1分間浸した後、 メンブレンを X線フィルムに重ね、 感光させた。 1時間後に 該メンプレンを取り出して現像を行ない、 ポジティブクローンを選択した。 ここ で選択したクローンをさらに先と同様の方法により二次スクリーニングに供し、 最終的に 5つの候補クローン (#2, 3, 4, 5, 6) を得ることができた。 P CR反応を行なった結果から、 これら 5つの候補クローンのうち、 マウス由来 T L 4タンパク質をコードする遺伝子の全領域を包含しているクローンは # 1クロ ーン及び # 6クローンであることがわかった。
次に、 マウス由来 TL 4タンパク質遺伝子のコード領域を含む染色体 DNAの 塩基配列を明らかにする目的でサブクロ一ニングを行なった。 まず得られた # 6 クローンを制限酵素 Xb a Iで消化した後、 0. 7 %ァガロースゲルを用いて電 気泳動を行ない、 マウス由来 TL 4タンパク質遺伝子のコード領域を含むことが 考えられた約 9kbの DNA断片を切り出し、 キアクイックゲル抽出キット (キア ジェン社) を用いて回収 '精製を行なった。 一方、 クロ一ニングベクター pUC 1 9は制限酵素 X b a Iで消化した後、 1 · 0 %ァガロースゲルを用いて電気泳 動を行ない、 2. 71ώに相当する DNA断片を切り出し、 キアクイックゲル抽出 キット (キアジェン社) を用いて回収 ·精製を行なった後、 ゥシ小腸由来アル力 リフォスファタ一ゼ C I ΑΡ (宝酒造) を用いて末端の脱リン酸化を行なった。 この C I ΑΡ処理 pUC 19に、 先に調製した # 6クローン由来の DN A断片を DNA Ligation Kit Ver.2 (宝酒造) を用いて連結し、 大腸菌 DH5 aに導入 して得られたァンピシリン耐性株より目的の DNA断片が挿入されたプラスミド DNAを選択 '単離した。 クローン化された #6クローン由来の Xb a I DN A断片の塩基配列については、 種々の合成オリゴ DNAをプライマ一とし、 ダイ
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ターミネ一夕一サイクルシークェンス FSレディリアクションキッ卜 (パーキン エルマ一社) を用いたシークェンス反応を、 添付資料の条件に従って GeneAmpR PCR System 2400で行なった後、 該試料を DNAシーケンサ一 373A (パ一キンェ ルマ一社) で決定した。 得られた塩基配列は遺伝子解析ソフトレーザ一ジーン ( Lasergene, ディ一ェヌエース夕一 (DNASTAR) 社) で確認した。 その結果、 マウ ス由来 T L 4タンパク質をコードする染色体遺伝子は 4つのェクソンから成るこ とが分かった。
以上のようにして取得した、 マウス由来 TL4タンパク質のコード領域を含む # 6クローン由来の Xb a I DNA断片を保持するプラスミドは pTB 201 1と命名し、 大腸菌 (Escherichia coli) DH 5 に導入して得た形質転換体は 、 大腸菌 (Escherichia coli) DH5 α ρ TB 2011とした。 参考例 4 Pichia酵母を宿主としたヒト由来 TL 4タンパク質の細嗨外領域の発 現とウエスタンブロット解析
本発明のヒト由来 TL 4タンパク質の細胞外領域を酵母 Pichia pastorisで発 現させるためのベクターとしては p P I C Z αΑ (インビトロジェン社) を用い た。 本べクタ一には該酵母のアルコールォキシダーゼ遺伝子 (AOX1) のプロ モー夕一の下流に Pichia酵母でも機能的な出芽酵母 Saccharomyces cerevisiaeの 分泌シグナル 一因子をコ一ドする遺伝子とそれに続くマルチクロ一ニングサイ 卜が含まれており、 組換えタンパク質を培地中に分泌させることが可能である。 まず本発明のヒト由来 TL 4タンパク質の細胞外領域をコードする DN A断片 は PCR法により調製するが、 その際用いる次の 2種のプライマ一を DNA合成 機 (01igol000M、 ベックマン社) で合成した。
① 5'—プライマ一 : (配列番号: 21)
3'
(このプライマ一は、 E c o R I認識配列とその 3'側にヒト由来 TL 4タンパ ク質の細胞外領域のうち、 N末端側の 85番 G 1 nから 8アミノ酸をコードする 24塩基を有する)
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② 3'—プライマー: (配列番号: 22) C C一 3 '
(このプライマ一は、 Xb a I認識配列とその 3'側に終止コドン (TGA) と ヒ卜由来 TL4夕ンパク質の細胞外領域 C末端 5アミノ酸をコードする 15塩基 に相補的な配列を有する)
得られたプライマーをそれぞれ 5 O moK 参考例 1で得られたプラスミド pT B 1939を 100ng、 dATP、 dCTP、 dGTP、 dTTPを各 l Ornnol 、 2. 5ユニットのネイティブ P f u DNAポリメラ一ゼ (ストラタジーン社) とネイティブ P f uバッファー (ストラタジーン社) 5 / 1を含む 50 1の溶 液を調製し、 サーマルサイクラ一 (GeneAmpR PCR System 2400、 パーキンエル マー社) を用いて、 94°C、 1分、 続いて 98°C、 20秒→55 、 30秒→ 6 8°C, 2分を 1サイクルとする反応を 30サイクル、 最後に 72°C、 5分の条件 で PCR反応を行なった。 反応終了液から PCR産物を回収し、 Ec oR I、 X b a Iで消化後、 予め E c o R I、 Xb a Iで消化 ·線状化した p P I C Z α A に連結し、 環状化プラスミドを得た。 該プラスミド DNAを再び AOX 1座位の S a c Iユニーク切断部位で切断し、 線状化後、 エレクトロポレーション法によ り Pichia pastoris KM 71株に導入した。 そこで得られた 100 g/ml Zeoci n™ (インビトロジェン社) 含有 YPD寒天培地 (1 ? yeast extract (ディフ コ (Difco) 社) 、 2% Bactopeptone (ディフコ (Diico) 社) 、 2 ?6' glucose (和光純薬) 、 2%' 寒天末 (和光純薬) ) 上で生育可能な ZeocinTM耐性株の中 から数クローンを選択し、 各染色体 DNAを調製後、 それを踌型に用いた、 導入 プラスミド D N Aの染色体への組み込みを確認するための P C R反応を行ない、 組み込みが確認されたクローンを目的とする組換えタンパク質発現用形質転換株 として選択した。
組換えタンパク質の発現は以下の手順で行なった。 まず、 1白金耳のヒト由来 TL 4タンパク質の発現用形質転換株のコロニーを BMGY培地 (1% 酵母ェ キス、 2% ペプトン、 10 OmM リン酸カリウム (pH6.0) 、 1.34.¾' yea st nitrogen base with ammonium sulfate without amino acids (ディフコ (Di
fco) 社) 、 4X 10— 5% ピオチン、 1 % グリセロール) 25mlに接種し、 3 0°C、 20時間培養した。 菌体を遠心で集め、 次に OD 600 = 1.0になるよ うに BMMY (1 ?o 酵母エキス、 2% ペプトン、 l O On リン酸カリウム ( Η 6. 0) 、 1. 34% yeast nitrogen base wit ammonium sulfate without amino acids (ディフコ (Diico) 社) 、 4 X 10— 5 % ピオチン、 0.5% メ 夕ノール) 培地に再懸濁後、 30°Cで培養し、 1日、 または 2日後に該培養液を サンプリングし、 遠心して培養上清を得た。
本培養上清を用いたウエスタンプロッティングは以下の通りに行なった。 まず 、 ヒト由来 TL 4タンパク質の細胞外領域のアミノ酸配列の一部 (配列番号: 1 で表わされるアミノ酸配列の第 166番目〜第 180番目までのアミノ酸配列) を含むペプチドを合成し、 該合成ペプチドを認識するゥサギ抗血清を公知の方法 に従って作製した。 次に上述の培養上清 5 1をサンプル処理液 (0.25M T l' i s— HC 1、 2 % SDS、 30 % glyceroK 10 β -merca toethanol , 0.01% bromophenol blue, pH6. 8) 5 / 1と混合し 95°Cで 5分処理 した後、 S D S—ポリアクリルアミドゲル電気泳動 ( 10— 20 %グラジェント ゲル) を用い、 泳動終了後タンパク質ブロッテイング装置 (SemiPhorTM、 ホー ファ ·フアルマシア ·バイオテック (Hoeier Pharmacia BioTech) 社) を用いて ニトロセルロース膜 (フアルマシア社) に泳動タンパク質を転写した。 3% ゼ ラチン含有 TBS ( 20 mM T r i s , 50 OmM Na C 1 , pH7. 5) で膜を ブロッキングして、 次に TTBS (0.05% Twe e n_ 20含有 TBS) で 洗浄後、 1. 0% ゼラチン含有 TTB Sで 2000倍に希釈された上述のゥサギ 抗血清と室温で 2時間反応させた。 反応終了後、 膜を TTBSで 2回洗浄して、 次に 1. 0 ?0'ゼラチン含有 TTB Sで 3000倍に希釈されたアルカリフォスフ ァタ一ゼ (AP) 標識ャギ抗ゥサギ I gG抗体と室温で 1時間反応させた。 膜を TTBSで 2回洗浄してさらに TBSで 1回洗浄後、 AP発色キット (バイオラ ッド社) を用いて検出した。
発現ベクターを導入した株の培養上清では約 20 kD付近に主たるバンドが認 められ、 そのシグナルの強さは経時的に増加していたが、 対照の pP I CZ aA 導入株の培養上清では全くシグナルが認められなかった。
参考例 5 ラット由来 TL 4タンパク質をコードする cDNAのクローニング ラット由来 T L 4タンパク質をコードする c DN Aのクローニングは、 P CR 法によって行なった。
スーパースクリプト
TMラット肝臓 c DNAライブラリー (ギブコピーアール エル社) の大腸菌 DH 1 2 S株を、 100
アンピシリン含有 Terrific Bro th (12g/l Bacto-tryptone (ディフコ社) ' 24 g/1 Bacto - yeast extract ( ディフコ社) , 2. 3 g/1 リン酸一カリウム, 12. 5 g/1 リン酸二カリウム, 0 .4 % グリセ口ール) で 30 °Cで 1 6時間培養し、 集菌後、 キアジエンプラスミ ドキット (キアジェン社) を用いてプラスミ ド c DNAライブラリーを調製した 該 DN Aを铸型として、 また、 下記の 2つの合成オリゴヌクレオチドをプライマ 一 DNAとして、 また TaKaRa LA Taq (宝酒造 (株) ) を DNAポリメラーゼと して用いた反応系で P C R反応を行なった。
(配列番号: 23) (配列番号: 24) 反応はサーマル'サイクラ一 (GeneAmpR PCR System 2400, パーキンエルマ一 社) を用いて、 94°C · 1分を 1サイクル、 98°C · 20秒→ 55°C · 30秒→ 72°C · 3分を 35サイクル、 72°C · 2分を 1サイクル、 4°C ·放置のプログ ラムで行なった。 反応終了液の一部を 1.0 %ァガ口ースゲル電気泳動し、 P C R反応で増幅された単一の DN A断片に対応するバンドを確認の後、 キアクイッ クゲルエキストラクシヨンキット (キアジェン社) を用いて該 DNA断片を回収 し、 その塩基配列を決定するために pT7Blue T - vector (ノバジェン社) の Tクロ 一ユングサイ トに DNAライゲーシヨンキットバージョン 2 (宝酒造 (株) ) を 用いて揷入 '連結した。 該ライゲ一シヨン液を大腸菌 DH 5 α株に導入後、 アン ピシリン含有 L Β寒天培地上で出現してきたアンピシリン耐性形質転換株のコ口 ニー群の中から 2クロ^ "ンを選択し、 各々からプラスミ ド DNAを調製した。 両
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クローンの各挿入 DNAの塩基配列を決定するため、 各プラスミ ド DNAを錄型 に、 2種 (PRM—007、 PRM-008) の市販プライマー DNA (東洋紡 績 (株) ) の他、 DNA合成装置 (OligolOOOM, ベックマン社) で合成したオリ ゴ DNAをプライマー DNAとして用い、 Thermo Sequenase™ dye terminator cycle sequencing pre—mix kit (アマシャム'社) を用いたサイク.ルシークェン ス反応を添付資料の条件に従って GeneArapR PCR System 2400で行なった後、 該 試料を DNAシーケンサー 37 3 A (パーキンエルマ一社) で分析した。
得られた塩基配列は遺伝子解析ソフトレーザージーン (LaSergene、 ディーェ ヌエースター (DNASTAR) 社) で解析した。 その結果、 両クローンとも、 Tクロ 一ユングサイ トには、 配列番号: 3で表される 239個のアミノ酸からなるラッ ト由来 TL 4タンパク質をコ一ドする配列番号: 10で表され,る 71 7個の塩基 配列からなるオープンリーディングフレーム (Open reading frame) を含む 78 4塩基対の塩基配列の DNA断片が含まれていた。 このラット由来 TL 4タンパ ク質と参考例 1で得られた配列番号: 1で表されるアミノ酸配列を有するヒ ト由 来 TL4タンパク質とはアミノ酸レベルで 75%の相同性を有しており、 それら をコードする DNAは塩基レベルで 74%の相同性を有していた。 また、 このラ ット由来 T L 4タンパク質と参考例 2で得られた配列番号: 2で表されるァミノ 酸配列を有するマウス由来 TL 4タンパク質とはアミノ酸レベルで 96%の相同 性を有しており、 それらをコードする D N Aは塩基レベルで 94 %の相同性を有 していた。
得られたラット由来 T L 4タンパク質をコードする D N Aを保持するプラスミ ド PTB 2012を大腸菌 (Escherichia coli) DH 5 αに導入して形質転換体 :大腸菌 (Escherichia coli) DH 5 α/ρ TB 2012を得た。 参考例 6 昆虫細胞発現系を用いた可溶型ヒ ト TL4の生産
ヒ ト TL 4タンパク質をコードする DN Aを挿入したプラスミ ド p TB 1 94 0を錄型にして、 5 ' 末端部分に制限酵素 EcoRIの切断部位を付加した合成ォリ
ACGAGGTC 3' (配列番号: 26) ) と 3' 末端部に Xbalの制限酵素部位
を付加した合成オリゴヌクレオチド (5' AAATCTAGATCCTTCCT TCACACCATGAAAGCCCC 3 ' (配列番号: 27) ) をプライマー として用いて PCR反応を行い、 TL 4の細胞外領域に相当する 84残基目のィ ソロイシンから 240残基目のバリンをコ一ドする可溶型 TL 4の増幅 DNA断 片を得た。 PCR反応は DNAサ一マルサイクラ一 9600を使用し、 94でで 1分間処理した後、 ExTaqDNAポリメラ一ゼを用いて 98°Cで 10秒間、 55°Cで 5秒間、 72°Cで 1分間のサイクルを 25回繰り返した。 このようにし て得られた増幅断片は制限酵素 EcoRI及び Xbalで処理した。 また pCM — FL A Gプラスミドを同じく制限酵素 EcoRI及び Xba Iで処理して、 プレブ口卜リプシ ンのシグナル配列並びにタグとして精製 ·検出を容易にする目的で付加された F LAGタンパク質を各々コードする DNA断片を取得した。 該プレプロトリプシ ン- F L A Gタンパク質をコードする D N A断片の 3 ' 末端側に制限酵素処理を 行った可溶型 TL 4の増幅 DNA断片を連結した。 得られた該プレプロトリプシ ン- FLAGタンパク質-可溶型ヒト TL 4タンパク質をコードする DNA断片を 制限酵素 Sac I及び X b a Iで処理し、 同じく制限酵素 Sac I及び X b a Iで処理 した昆虫細胞発現用べクタ一 pFAST Bacl (G I BCO BRLライフテック社 ) に挿入した。 得られた TL4発現プラスミド pFAST Bacl/shTL4は、 昆虫細胞 においてプレブ口トリプシンを利用して細胞培養上清中に分泌され、 かつ FLA Gタグが付加された融合タンパク質として産生されることが期待された。
以後の操作については、 Bac-to- Bac Baculovirus Expression Systems (G I BCO BRLライフテック社) を用い、 実験方法については添付のプロトコ ールに従った。 すなわち、 得られたヒ卜 TL4タンパク質をコードする DNAを 挿入した組換えプラスミド pFAST Bacl/shTL4を添付の大腸菌 DH 10 B a cに 導入し形質転換菌を得た後、 その菌体より組換えバックミドを回収した。 得られ た組換えバックミドは添付のセルフエクチン試薬を用いて S f 9昆虫細胞へ形質 導入し、 組換えパキュロウィルスを得た。 これを S f 9昆虫細胞へ再度感染させ た後、 4日ないし 5日間培養を行い、 培養上清中に分泌された FLAGヒト TL 4融合タンパク質を抗 FLAG抗体カラムを用いて精製し、 shTL4と名づけた。
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参考例 7 ヒト肝臓由来の新規 Fasリガンド様可溶型タンパク質をコードする cDN Aのクローニングと塩基配列の決定
ヒト肝臓 cMAを銬型とし、 2個のプライマ一、 プライマー 1 (配列番号: 28) 及びプライマ一 2 (配列番号: 29)を用いて PCR反応を行った。 該反応における 反応液の組成は上記 cDNA、 33.5ngを鎵型として使用し、 Advantage 2 Polymerase Mix(CLONTECH社) 1/50量、 プライマ一 1 (配列番号: 28)及びプライマ一 2 (配 列番号: 29)を各々20/ 1 dNTPs 2.5mM、 及び酵素に添付のバッファーを 1/10 を加え、 総 50 1の液量とした。 PCR反応は① 95°C · 30秒の後② 95°C · 10秒、 58°C • 10秒、 72°C · 45秒のサイクルを 30回③最後に 72°C · 2分の伸長反応を行った。 該 PCR反応後の反応産物は、 723塩基と 615塩基の二つの産物を有するが、 615塩基 対の反応産物をゲルから回収し、 QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN社)の方 法に従い、 精製を行った。 精製産物を TAクローニングキット(Invitrogen社)の処 方に従い、 プラスミドベクター pCR2.1-T0P0 vectorへサブクローニングした。 こ れを大腸菌 DH5 に導入し、 目的の cDNAを持つクローンをアンピシリンを含む LB 寒天培地中で選択した後、 個々のクローンの配列を解析した結果、 新規 Fasリガ ンド様可溶型タンパク質をコードする 612塩基対の cDNA配列(配列番号: 30)を 得た。 この cDNAより導き出されるアミノ酸配列(配列番号: 31)を有する新規 Fa sリガンド様可溶型タンパク質を hTL4- 2と命名した。 参考例 8 昆虫細胞発現系を用いた可溶型マウス TL4の生産
マウス TL4タンパク質 (配列番号: 2) をコードする DNAを挿入したプラスミド PTB1958を铸型にして、 5' 末端部分に制限酵素 EcoRIの切断部位を付加した合成 オリゴヌクレオチド (5, -GTAGAATTCGGCCAACCCAGCAGCACATCTTAC-3' (配列番号: 33) ) と 3' 末端部に Xbalの制限酵素部位を付加した合成オリゴヌクレオチド (5' -AAATCTAGATATTGCTGGGTTTGAGGTGAGTCC-3' (配列番号: 34) ) をプライマ —として用いて PC R反応を行い、 TL 4の細胞外領域に相当する 90残基目のァ ラニンから 239残基目のバリンをコードする可溶型 TL 4の増幅 DN A断片を得 ■ た。 PCR反応は DNAサーマルサイクラ一 9600を使用し、 94°Cで 1分間 処理した後、 ExTa qDNAポリメラーゼを用いて 98 °Cで 10秒間、 6(TCで
5秒間、 72°Cで 1.5分間のサイクルを 25回繰り返した。 このようにして得ら れた増幅断片は制限酵素 EcoRI及び Xba Iで処理した。 また p C M V— F L A Gプ ラスミドを同じく制限酵素 EcoRL及び ba Iで処理して、 プレブ口トリプシンのシ グナル配列並びにタグとして精製 ·検出を容易にする目的で付加された FLAG タンパク質を各々コードする DNA断片を取得した。 該プレプロトリプシン- F LAGタンパク質をコードする DNA断片の 3 ' 末端側に制限酵素処理を行った 可溶型 TL4の増幅 DNA断片を連結した。 得られた該プレプロトリプシン- F LAGタンパク質-可溶型マウス TL 4タンパク質をコ一ドする DNA断片を制 限酵素 Sac I及び X b a Iで処理し、 同じく制限酵素 Sac I及び X b a Iで処理し た昆虫細胞発現用べクタ一 pFAST Bacl (G I BCO BRLライフテック社) に揷入した。 得られた TL4発現プラスミド pFAST Bacl/smTL4は、 昆虫細胞に おいてプレブロトリブシンを利用して細胞培養上清中に分泌され、 かつ FLAG 夕グが付加された融合夕ンパク質として産生されることが期待された。
以後の操作については、 Bac-to-Bac Baculovirus Expression Systems (G I BCO BRLライフテック社) を用い、 実験方法については添付のプロトコ —ルに ΐつた。 すなわち、 得られたマウス TL 4タンパク質をコードする DNA を挿入した組換えプラスミド pFAST Bacl/smTL4を添付の大腸菌 DH 10 B a c に導入し形質転換菌を得た後、 その菌体より組換えバックミドを回収した。 得ら れた組換えバックミドは添付のセルフエクチン試薬を用いて S f 9昆虫細胞へ形 質導入し、 組換えバキュロウィルスを得た。 これを 1.5xl06/mlに調製した S f 9 昆虫細胞へ総体積の 1/20量を再度感染させた後、 2日間培養を行い、 培養上清中 に分泌された F L A Gマウス T L 4融合タンパク質を回収した。 これを UF膜續 C 0 3000 0.1平方メートル)で濃縮し、 TBS (50mM Tris-HCl, 150mM NaCl pH7.4)に置 換した。 抗 FLAG M2抗体カラムを用いて精製し、 溶出液を Sephadex G- 25カラ ムで精製後、 再度抗 FLAG M2抗体カラムを用いて精製し、 各画分を SDS- PAGE で確認後、 純度の高い画分をまとめて回収した。 これを Centriplus 10Kで濃縮し 、 Sephadex G- 25カラムで精製後 PBSに置換した。 得られた
4融合タンパク質を smTL4と名づけた。
実施例 1 RD細胞における TNFレセプ夕ーファミリ一分子の発現解析
ヒ卜横紋筋肉腫細胞株 RDにおける各 TNFレセプターファミリ一分子すなわち Lym photoxin/3 receptor 、 TR2/HVEM 、 TNF receptor I および TNF receptor II の 発現量を定量的に調べた。 RD細胞は ATCCより購入した (ATCC No. CCL一 136)。 細胞 は 10%fetal bovine serum (FBS)と最終濃度 ImMのピルピン酸ナトリウムを含む DME M(GIBCOBRL社)中で培養した。 卜一タル RNA (tRNA)調製は培養中の RD細胞から RNe asy Mini Kit (QIAGEN社)のプロ卜コールに従って調製した。 すなわち T75フラス コ中でコンフルェントになった RD細胞をトリプシン- EDTAを用いて回収し、 PBS (- )で洗浄後、 600 1の RLTバッファー(1% 3メルカプトエタノールを含む)で懸濁し 、 20- Gの二一ドルを用いてホモジナイズ後、 QIAshredderカラム(QIAGEN社)で再 度ホモジナイズを行った。 このセルライセー卜に 600 1の 70%エタノールを加え ピペッティング後、 RNeasy mini spin columnにとおし、 フロースル'一画分を除 去後、 カラムを 700 /1の RLTバッファーで 1回洗浄し、 続いて 500 1の RPEバッフ ァ一で 2回洗浄した。 最後にメンブラン上の tRNAを R ase- freeの滅菌水で溶出さ せ、 濃度測定を行った。 次に該 tRNAを MessageCleanKit (Gen Hunter Corporation 社)を用いて DNasel処理した。 該反応における反応組成は tRNAを 25 、 添付バ ッファーを 5.7 1、 Dnaselを を加え、 総 56.7 1の液量とした。 37°C · 30分 の反応を行った後、 RNeasy Mini Kit (QIAGEN社)の RNA cleanupのプロトコールに 従い、 RNAを精製した。 該精製 RNAを TaqMan Gold RT-PCR Kit (PE Applied Biosys /^)のプロ卜コールに従い、 リバ一ストランスクリプション(RT)反応を行った 該反応における反応組成は tRNAを l g 、 lOxTadMan RT Bufferを 5 xl、 5.5mM MgCl2、 0.5mM dNTPs、 2.5/iM Random Hexamer, RNase Inhibitor 0.4U/ l 、 M ultiScribe Reverse Transcriptase 1.25 U// lを加え、 総 50 lの液量とした。 25°C · 10分、 48°C · 30分、 95。C · 5分の PCR反応を行った後、 cDNA溶液として- 20 °C保存を行った。
RD細胞における各レセプ夕一の発現量はリアルタイムモニタリングによる定量 的 PCR法 (TadMan法)によって行った。 TaqMan法は PCR増幅された特異的 PCR鎖を Tad Manプロ一ブと呼ばれる蛍光プロ一ブの蛍光強度によってリアルタイムに SDS7700 によって検出、 定量する原理に基付いている。
各レセプタ一に対する TaQManプローブとプライマーは Primer Express (PE Appl ied ^り w ■?社製ソフトウェアー)を用いて設計し合成した。 以下にそれらの 配列を記述する。
(1) TR2/HVEM
プローブ:
5, -Fam-AACCCTGCCCTCCAGGCACCTACAT-Tamra-3' (配列番号: 35)
プライマー : 5' -GCTGACGGGCACAGTGTGT-3' (配列番号: 36)
プライマ一 : 5, -TGCTTAGGCCATTGAGGTGG-3' (配列番号: 37) 「Fam」 は 6-carboxyiluoresceinを示し、 「TAMRA」 ¾6-carboxy-N, Ν, Ν', N'-tetr amethylrhodamineを示す。
(2) L卿 hotoxin eceptor (LTj3R)
プローブ:
5, -Fam-TGCCAGCCGGGAATGTTCTGTG-Tamra-3' (配列番号: 38)
プライマ一 : 5' -ACAAGCAAACGGAAGACCCA-3' (配列番号: 39) プライマ一 : 5' - GTACACTCGAGGGCCCAGG-3' (配列番号: 40)
(3) TNF receptor I (TNFRI)
プローブ:
5' -Fam-CCTCAATGGGACCGTGCACCTCTC-Tamra-3' (配列番号: 41 )
プライマー : 5, -CAGTGCTTCAATTGCAGCCTC-3' (配列番号: 42) プライマ一 : 5' - GGTGTTCTGTTTCTCCTGGCA- 3' (配列番号: 43)
(4) TNF receptor II (TNFRI I)
プローブ:
5' -Fam-AAGGAGGAATGTGCCTTTCGGTCACA-Tamra-3' (配列番号: 44)
プライマー : 5, -GACGAGCAGGTCCCCTTCTC-3' (配列番号: 45) プライマー : 5' - GGGTCTCTGGCGKTCCAG- 3' (配列番号: 46)
TaQMan PCR反応における反応組成は既に調製した cMAを鎢型として使用し、 2x Ta Man Universal PCR Master Mix(PE Applied Biosystems) 12.5 K 200nM T aaManプローブ、 TaQManプライマー各々 ΙΟΟηΜになるように加え、 総 25 1の液量 とした。 PCR反応は 5(TC · 2分、 95°C · 10分の後、 95°C · 15秒、 62°C · 1分のサイ
クルを 40回行い、 反応終了と同時に PCRの定量的自動解析を行った。
その結果、 これら 4種のレセプ夕一は全て恒常的に発現していることがわかつ たが、 それらの発現レベルには大きな差があった。 TR2の発現が 40コピー/ ng tot alRNAと一番低く、 この発現を 1とすると TNFRIは 215倍、 LT/3Rは 125倍、 そして TN FRIIは 45倍発現していることが解つた酒 1 )。 実施例 2 RD細胞の細胞増殖、 細胞形態に及ぼす TNFフアミリーリガンド分子の 効果
RD細胞の細胞増殖に及ぼす TL4の効果は Cell Proliferation ELISAJrdU (color imetric) (ロシュ社)のキットを用いて行った。 すなわち RD細胞(2500個 / well) と TL4(hTL4, lot99c、 昆虫細胞を宿主とし、 分泌蛋白として FLAGカラムで精製: (配列番号: 3 1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質) を始めとする、 TNFct, TNF/3, LT α 1 /32 (いずれも R&D社)の各 TNFファミリーリガンド蛋白溶液 を各々濃度をふって 96穴プレートに添加し、 総 IOO Iの液量とし、 4日間培養し た。 4日後、 IO Iの BrdU標識溶液を加え、 1.5時間培養後、 培養液を除き PBS (-) で 2回洗浄し、 200 1の1^ 061^を加ぇ、 室温で 30分反応させた。 その後 FixDena tを除いて抗 BrdU-POD反応液を 100 l加え、 室温で 90分反応させた後、 PBS (-)で 3 回洗浄し、 100 lの基質液を加え、 室温で反応させた。 次に 1Mの 504を25//1カロ え、 反応を停止させ、 450nm (対照 690nm)で測定した。 また同時に RD細胞の細胞増 殖における TL4(hTL4, lotc)の作用は、 実際に増殖している細胞数をカウントする 方法でも測定した。 すなわち RD細胞(7X 10, / フラスコ)と TL4(hTL4, lotc)を 始めとする各 TNFファミリーリガンド 分子、 TNFa'、 TNF/3、 LT a 1 /32および TGF βΐ, TGF/33 (いずれも MD社)蛋白溶液を各々最終濃度 50ng/nilになるように Τ25フ ラスコに添加し、 総 10mlの液量とし、 6日間培養した。 6日後にトリプシンで細胞 を回収し、 トリパンブルーに細胞液を懸濁して細胞数をカウントした。
その結果、 TL4(hTW, lotc)添加 4, 6日後では、 未添加群と比べて明らかに BrdU の取り込み量は抑制され、 総細胞数も 3分の 1程度に減少したが、 培養開始時の細 胞数と比較すると TL4 (liTL4, lotc)添加群でも約 25倍増加していることがわかった 。 しかし顕微鏡観察より、 TL4(hTL4, lotc)添加により細胞の密度は明らかに疎に
なり、 長くのびた細胞が多く形態も顕著に変化していた。 また同様に他の TNFフ アミリーリガンド分子の RD細胞増殖における作用を調べた結果、 TNF /3と LT 1 3 2の両方で刺激したときのみ、 TL4 (hTL4, lotc)よりも強い増殖抑制が見られたが 、 細胞数は開始時の 10倍程度増加していた。 LT d 3 2単独でも BrdUの取り込みは 未添加時と比較して抑制されていたが、 TNFひ、 TNF /3では TL4 (hTL4, lotc)ほどの 作用はなく、 これは BrdU法、 細胞数カウント法の両方で同様の結果が得られた。 顕微鏡観察では、 LT a 1 /3 2単独添加時にあるいは TNF /3と LT a 1 3 2の両方で刺激 した時 TL4 (hTL4, lotc)と同様な形態変化が見られたが、 TNF a'、 TNF /3による刺激 では未添加群に近い細胞形態が観察された。 一方 RD細胞は TGF /3により細胞増殖 抑制が誘導されるという報告 (The FASEB Jornal : vol. 14, 1147-1158, 2000)と TPA により骨格筋細胞へ分化するという報告 (EXPERIMENTAL CELL RESEARCH, 208, 209 - 217, 1993)があるが、 我々のデータでも TGF 1と TGF /3 3の同時添加により、 増殖 抑制効果が観察された。 細胞形態は、 長く伸び、 表面が針状になったような像が 得られたが、 TL4 (hTL4, lotc)添加時とは異なった形態であった。 (図 2、 図 3 ) 実施例 3 TL4 ( TL4, lotc)処理した RD細胞における細胞周期解析
細胞周期の解析はフローサイトメトリ一(Beckton Dikinson社製)によって行つ た。 T75フラスコに RD細胞を 1 X 106個と、 TL4 (hTL4, lotc)を最終濃度 50ng/naにな るように加えて総 20mlの反応溶液とし、 3日間培養した。 またコントロール群に は TL4 (hTL4, lotc)の代わりに同量の培地を加えた。 3日培養後、 上清を除去し、 卜リブシン処理によって細胞を回収し、 PBS (- )で 2回洗浄後、 5mlの 70 エタノー ルに細胞が凝集しないよう慎重に懸濁し、 - 20 .で一晩以上固定した。 固定後ェ 夕ノールを除去し、 PBS (-)で 1回洗浄後、 細胞を 0. 5mlの PBS Hで懸濁し、 最終濃 度 2mg/mlの RNaseA溶液を加えて、 37°Cで 20分間インキュベートした。 細胞を遠心 で回収後、 最終濃度 0. 05mg/mlのプロビジゥムィオタイド(PI)溶液 lmlを加え、 室 温で 30分以上染色し、 測定まで 4°Cで遮光保存した。 染色後の細胞をナイロンメ ッシュで濾過し、 測定用試験管に移して FACSで測定 (488nm励起波長、 610nm蛍光 波長)した。
その結果、 TL4 (hTL4, lotc)添加 3日培養後の細胞において測定したところ、 未
添加群と比較して、 2N (G0/G1)の DNA含量を保持した細胞集団の割合が 10%程度増 加する傾向がみられたが、 G0/G1停止した細胞集団が顕著に増加することはなか つた(図 4-A)。 しかしながら TL4(hTL4, lotc)添加により細胞質量、 DNA含量が増 加した細胞集団数が増加した(図 4-B)。 この結果は細胞形態変化と相関するデ 一夕となった。 実施例 4 RD細胞の各 TNFフアミリーリガンド分子による NF- z Bの活性化
RD細胞において TL4(hTL4, lotc)と各 TNFファミリーリガンド分子(TNF α'、 TNF ]3 、 Π \β2, TNF/3+LTal/32)からの刺激により影響される転写因子の活性化を 調べる目的で、 Mercury Pathway Profiling System (CLONTECH社)を用いてシグナ ルアツセィを行った。 まず RD細胞を 8X 104個 / wellで 12穴プレートに蒔き、 10 %FBS含有頭 培地中で一晩培養した後、 培地交換した。 一方、 トランスフエク シヨンするための準備として、 FuGENE6 Transfection 試薬(ロシュ社) 98.5 1と 0ΡΠ - MEMI培養液 (GIBC0BRL社) 1.5^1を混合し、 更にレポ一ター遺伝子 (SEAP)の 上流にシスエレメントを組み込んだベクタ一プラスミド溶液を 0.5/xg分混合して 、 室温で 15分間放置した。 15分後、 RD細胞を蒔いたプレートに / wellず つ滴下し、 く撹拌した後、 インキュベート中で一晩放置し、 トランスフエクシ ヨンを行った。 その後、 上清を除去し、 DMEM培地 (血清無添加)で 2回洗浄後、 同 培養液に置き換えた。 一方 TL4(hTL4, lotc)と各 TNFファミリ一リガンド (TNFa、 TNFj8、 Π \β2, TNF /3 +LT α 1 /32)蛋白溶液を DMEM培地(血清無添加)を用いて調 製し、 各試薬を最終濃度 50ng/nilとなるように、 各ゥエルに添加した。 試薬添加 3 , 4, 5, 6, 7時間後に 40 ilずつ上清を採取し、 即座に- 20°Cで保存した。 一方、 SEAP 活性測定は Great EscAPe Chemi luminescence Detection Kit (CLONTECH社)を用い て行った。 方法はキットのプロトコールに従い、 検出は化学発光アツセィで行つ た。
その結果、 TL4(hTL4, lotc)と各 TNFファミリ一リガンド分子はいずれも NF-KB を活性化することがわかった。 NF- κ Bの活性化は試薬添加後 3時間目から少なく とも 7時間目まで検出され、 その強さは TNFひや TNF/3などの TNFRを介したシグナ ルが最も強く、 次いで Πο:1/32( /3レセプターを介する)からのシグナル、 これ
は TNFRの約 1/3程度であった。 一方、 TL4(hTL4, lotc) (TR2および LT|3レセプター を介する)からのシグナルは LT \β2(Πβ Rを介する)の 1/2程度であつた(図 5 )
実施例 5 RD細胞のケモカイン産生における TNFファミリ一リガンド分子の効果 RD細胞を 5X10,と TL4(hT lotc)もしくは他の TNFファミリ一リガンド (TN Fa、 TNF i3, LTal 32、 TNF/3と LTo; 132)蛋白溶液をそれぞれ 10あるいは 50ng/m 1になるように 12wellプレー卜に入れ (総 lmlの反応系)、 37°Cで培養した。 培養開 始後 2日目と 3日目に 200 lずつ上清を採取し、 即座に- 20°Cに保存した。 上清中 の IL - 8、 RANTES量は ELISAの系で測定した。 方法は Quantikine human IL - 8 Color imetric Sandwich ELISAと Quantikine human R ANTES Colorimetric Sandwich EL ISA (いずれも R&D社)のプロ卜コールに従った。
その結果、 TL4 (hTL4, lotc)や各 TNFファミリーリガンド分子いずれにおいても R ANTESと IL- 8の発現誘導がみられた。 IL- 8は培養開始後 2日目と 3日目で産生量に 差がなかったが、 用いた分子間で産生量に差があり、 TL4(hTL4, lotc)、 LTal 32 では約 2000pg/nil、 TNFひ、 TNF/3あるいは TNF 3と LTo; 1 j32の同時添加では約 7000 pg/mlであった。 RANTESは TL4(hTL4, lotc)や TNF/3と LTcd /32の同時添加で若干産 生量が高く、 かつ全てのサイトカインで IL-8とは異なり培養時間依存的にその産 生量は増加した。 また TL4 (hTL4, lotc)では RANTESの方が IL- 8よりも 3倍程度高く 誘導されることがわかった(図 6)。 実施例 6 RD細胞の分化誘導に及ぼす TNFフアミリーリガンド分子の作用
RD細胞の分化誘導に及ぼす各 TNFフアミリーリガンド分子の作用を解析する手 段の一つとして Western blot 解析を行った。 RD細胞(7X104個 I フラスコ)と TL 4(hTL4, lotc)を始めとする各 TNFファミリーリガンド分子 (TNFひ、 TNF/3, LTal /32)また TGF/HTGF/33蛋白溶液を各々最終濃度 50ng/mlになるよう、 また TPA(1 2-0-tetradecanoylphorbol-13-acetate) (和光純薬')は最終濃度 0. lmg/mlになるよ う T25フラスコに添加し、 総 10mlの液量とし、 6日間培養した。 6日後、 培養上清 を除去し、 PBS (-)で洗浄後、 細胞をスクレーパーで剥がし、 PBS (-)に懸濁後、 遠
心操作で細胞を回収した。 細胞は High Salt Buffer (0.6M KC1, lOm Tris-HCl pH 7.5,プロテアーゼインヒビ夕一) 100 / 1中に再懸濁し、 10秒間のボルテックス後 、 15000rpm, 25分間の遠心を行い、 その上清を蛋白粗抽出液とした。 還元条件下 で 2〜15%ダラ一ジェントゲル(第一化学薬品、 マルチゲル 2/15)を用いて SDS- PAGE を行い、 タンパク質をニトロセルロースメンブレンにトランスファーした後、 BSAを含む TBST(20mM Tris- HC1, pH7.5、 150ni NaCK 0.05% Tween20)中に 30分間 、 室温で放置しブロッキングを行った。 このように調製したメンブレンは各々 10 0倍希釈した Mouse Anti-Skeletal Myosin, Clone :MY-32, mouselgGl (ZYMED社)で一 次抗体反応を室温、 一時間行い、 TBST中で 3回洗浄した。 次に ProtoBlotll APSys tem(Promega社)に添付の Anti- Mouse IgG (H+L) AP Conjugateを TBSTで 5000倍希釈 し、 室温 1時間、 二次抗体反応を行った。 TBST中で 2回、 TBS中で 1回洗浄後、 シス テムに添'付の West ren Blue Stabilized Substrate for Alkaline Phosphatase 中にメンブレンを浸し、 染色反応を行った。
また別の方法として細胞免疫染色法を行った。 RD細胞(6X103個 I well)と TL4 (hTL4, lotc)を始めとする各 TNFファミリーリガンド分子 (TNFo;、 TNF/3、 LTal β2)または TGF/31と TGF 33蛋白液を各々最終濃度 50ng/mlになるよう、 あるいは T PA(12-0-tetradecanoylphorbol-13-acetate) (和光純薬)を最終濃度 0. lmg/mlにな るように Lab- Tek Chamber Slide (Swell) (NUNC社)の各ゥエルに添加し、 総 0.4ml の液量とし、 6日間培養した。 6日後、 培養上清を除去し、 冷 PBS(+)で細胞を剥が さないよう注意深く洗浄し、 冷エタノールとアセトンを 1:1の割合で混合した溶 液中で- 20°C、 20分間固定を行った。 さらに PBS (-)で洗浄後、 1%BSAを含む PBS (+) 中で室温、 30分放置し、 ブロッキングを行った。 Myosin, Clone :MY - 32, mouselgGl (ZYMED社)または Anti - Myosin Mouse monoclonal antibody, Clone :F126.16D9, mou se IgM (BI0CYTEX社)で一次抗体反応を室温、 一時間行い、 1¾BSAを含む PBS (+)で 3回洗浄した。 Myosin, Clone:MY- 32, mouselgGl (ZYMED社)に対しては、 HRP-mouse IgGF (ab' ) 2 (Cappel社)を Ant i-Myosin Mouse monoclonal antibody, Clone:F126 .16D9, mouse IgM (BI0CYTEX社)に対しては HRP- mouse IgM chain) F (ab' )2 (Ca ppel社)を二次抗体として用いて、 室温、 一時間反応を行い、 l° SAを含む PBS(+ )で 3回洗浄した。 洗浄後 DABを基質として発色を行い、 へマトキシリン、 ェォジ
ン (HE)染色操作の後、 顕微鏡観察を行った。
TPAにおける分化誘導能を陽性対照として、 Skeletal muscle myosinを特異的 に認識できる抗体( SkMmAb)と Smoothあるいは non- muscle myosinを広く認識す る抗体 'SmMmAb)を用いて Western blot 解析(aSkMrnAbのみ)と細胞免疫染色を 行った。 一次抗体として aSkMmAbを用いた Western blot 解析では、 TPAで刺激し た RD細胞のみに約 210K相当の Myosinのバンドが現れたが、 TL4 (hTL4, lotc)あるい は他の分子で刺激した RD細胞の粗抽出液では Skeletal muscle特有の myosinのバ ンドは現れなかった(図 8)。 免疫細胞染色での結果は、 aSDiMmAbで染色した場合 にはコントロールの RD細胞、 TL4 (hTL4, lotc)などで形態変化を起こした RD細胞、 TPAによって完全に分化しなかった RD細胞の全ての細胞が myosinに対して陽性と なった(図 9)。 SkMmAbで染色した場合には Western blot 解析の結果を良く反映 しており、 TPAにより、 形態変化を引き起こした RD細胞のみが myosinに対して陽 性であり、 コントロールの RD細胞や TL4(hTL4, lotc)、 TGF/3などで形態変化を起 こした RD細胞は殆どが陰性であった(図 7)。 実施例 7 RD細胞における筋肉特異的な転写産物の発現解析
RD細胞における筋肉特異的な遺伝子の発現確認は RT-PCR法によって行った。 各 遺伝子のプライマ一情報を以下に示す。
(1) 平滑筋特異的 a- actin:
ひ- actin Primer Set for RT - PCR (STMTAGENE社)
forward primer : 5, -GCTCACGGAGGCACCCCTGAA-3' (配列番号: 47)
reverse primer : 5' -CTGATAGGACATTGTTAGCAT-3' (配列番号: 48)
(2) 3 -actin:
/3 -actin Primer Set for RT-PCR (STRATAGENE¾:)
forward primer : 5 ' -TGACGGGGTCACCCACACTGTGCCCATCTA-3 ' (配列番号: 49 reverse primer : 5, -CTAGAAGCATTTGCGGTGGACGATGGA GGG-3 ' (配列番号: 50)
(3) myogenin:
forward primer : 5' -CCGTGGGCGTGTAAGGTGTG-3' (配列番号: 51)
reverse primer 5, -ACGATGGAGGTGAGGGAGTGC-3' (配列番号: 52)
(4) Id- 1 :
forward primer 5, -CGAGGTGGTGCGCTGTCTGTCT-3' (配列番号 : 53) reverse primer : 5, -TCGCCGTTGAGGGTGCTGAG-3' (配列番号 : 54)
RT-PCR反応における反応組成は既に実施例 1で調製した cDNAの 25分の 1量を銬型 として使用し、 Advantage 2 Polymerase Mix (CL0NTECH社) 25分の 1量、 フォヮ一 ドプライマ一及びリバースプライマ一を各 1 M、 dNTPsを 200 M、 及び酵素に添 付のバッファーを加え、 総 とし、 PCR反応は、 プライマ一依存的に下記の条 件で行った。 α-actinは 94°C · 3分の後、 94°C · 15秒、 60°C15秒、 68で · 45秒の サイクルを 35回繰り返し、 最後に 68°C · 5分の伸長反応を行った。 /3- actinは 94 °C · 3分の後、 94°C · 15秒、 60°C15秒、 68°C · 45秒のサイクルを 18回繰り返し、 最後に 68°C · 5分の伸長反応を行った。 Myogeninは 94°C · 3分の後、 94°C · 15秒、 61.9°C15秒、 68°C · 45秒のサイクルを 28回繰り返し、 最後に 68°C · 5分の伸長反 応を行った。 Id- 1は 94°C · 3分の後、 94°C · 15秒、 62.5°C15秒、 68°C · 45秒のサ イクルを 25回繰り返し、 最後に 68°C · 5分の伸長反応を行った。 PCR反応終了後、 3/ 1を 1.5%ァガロースゲル電気泳動で解析した。
その結果、 平滑筋特異的 α-actinは RD細胞では殆ど発現していなかつたが、 TL 4 (hTL4, lotc)を作用させた RD細胞ではその発現は顕著に増加した。 また TL4様の 形態変化を示す LTo; 1/32 、 もしくは TNF 3と LT α 1 /32の同時添加でも発現は上 昇した。 TNFa:、 TNF/3は RD細胞の BrdU取り込みや形態変化に影響を及ぼさないこ とは上述したが、 平滑筋特異的 a- actinも未処理の RD細胞と同様、 殆ど発現しな かった。 一方 RD細胞に増殖抑制効果のある TGF/3や分化誘導能のある TPAでは a-a ctinの発現は若干上昇したが、 これらの薬剤で観察される形態変化は TL4(hTL4, 1 otc)のそれとは若干異なっていた。 また /3- actin、 myogeninの発現は未処理群と 種々の処理群で発現の差は見られなかったが、 Id- 1は TPA処理した時のみ、 その 発現が未処理の RD細胞と比較して低下した(図 1 0)。 産業上の利用の可能性
本発明のタンパク質、 その部分ペプチドまたはそれらの塩は、 細胞形質変換作
用、 より具体的には、 (胎児性) 横紋筋肉腫 (胞巣状横紋筋肉腫、 横紋筋原発性 肝臓肉腫など) 、 平滑筋肉腫、 筋ジストロフィー症 (筋強直政ジストロフィー症 ) または子宮筋腫などの予防 ·治療作用を有しており、 例えば、 (胎児性) 横紋 筋肉腫 (胞巣状横紋筋肉腫、 横紋筋原発性肝臓肉腫など) 、 平滑筋肉腫、 筋ジス トロフィー症 (筋強直政ジストロフィー症) または子宮筋腫などの予防 ·治療剤 などの医薬として有用である。