明細書 体外循環用材料、 糖尿病合併症因子吸着体、 糖尿病合併症因子除去容器および糖 尿病合併症因子除去方法 技術分野
本発明は、 特定の受容体アミノ酸配列の全配列または部分配列を有するぺプチ ドまたは力ルポニルストレス産物をェピト一プとする抗体を水不溶性担体に固定 した体外循環用材料、 及び、 被処理液に含有される糖尿病合併症因子を除去する ための吸着体及び容器、 それらを用いた糖尿病合併症因子除去方法に関する。 背景技術
近年、 生活習慣病と言われる病気が顕著に増加して問題視されている。 生活習 慣病の中には、 糖尿病や高脂血症などが原因で動脈硬化に代表される様々な血管 病変を引き起こす疾患が含まれ、 患者の予後を大きく左右する場合が少なくない ( 特に糖尿病に至っては、 罹患期間に依存して腎糸球体に病理学的変化が出現し、 さらに悪化すると腎不全を伴い、 透析を施行しなければならなくなる。 透析導入 患者の原疾患を見ると、 1 9 9 8年末にはこれまで主原因であった慢性糸球体腎 炎を追い抜き、 糖尿病性腎症が主原因となり、 今後も増加する透析患者の数を後 押しするのは確実である。 しかし、 その詳細な発症機序については不明で、 現在 も医学の大きな問題である。
近年、 これらの血管病変を発症する原因として、 A G E (advanced g l yc a t i on endpr oduc t s)に代表される各種変性物質に注目が集まっている。 A G Eとは、 主 に糖尿病性合併症の原因物質と考えられているものであり、 血液中に存在するブ ドウ糖に代表される還元糖、 その代謝産物や反応産物とタンパク質や脂質などの 低分子が酵素の関与なしに結合する前進性糖化反応(advanc ed g l yc a t i on)の産物 である。 化学反応の面で見ると、 反応側のカルボニル基と非反応側のアミノ酸の 塩基性官能基などに代表される求核性反応基との反応といえる。 そのために、 こ れら前進性糖化反応をはじめとする各種変性反応を総じて力ルポニルストレスと
も呼ぶようになり(腎と透析、 4 7巻別冊、 1 96頁、 1 9 9 9年)、 また、 その 変性反応物を力ルポニルストレス産物とも呼ぶようになった。 また最近では、 こ の力ルポニルストレスに活性酸素ゃヒドロキシラジカルに代表されるラジカル体 などによる生体中で生成される酸化反応が複雑に影響して力ルポニルストレス産 物が形成されることがわかってきた(臨床透析、 1 4巻、 4号、 4 1 3頁、 1 9 9 8年)。
AGEに代表される力ルポニルストレス産物が主に糖尿病性合併症の原因物質 と考えられている説は、 (Annals of Internal Medicine, 1 0 1巻、 5 2 7頁、 1 984年)や(The New England Journal of Medicine, 3 2 5卷、 8 3 6頁、 1 9 9 1年)などに記述されている。 また、 透析患者など排泄機能に障害のある 場合にも力ルポニルストレス産物が蓄積する傾向にあることが知られている。 当時は、 還元糖等とタンパク質等の非酵素的反応体である力ルポニルストレス 産物について、 蛍光性、 褐色性、 架橋性、 脱水、 酸化、 縮合、 転移など様々な特 徴が発見されたが、 どれも力ルポニルストレス産物が持つ病因性を直接説明でき るものではなかった。 カルボニルストレス産物の一つである A G Eの評価方法に ついても、 以前はその特徴の一つである蛍光特性で血液中の測定を試みている例 がよくあり、 特開平 6— 3 1 2 1 34号公報では、 ヒト血漿中の AGEを(The N ew England Journal of Medicine, 3 2 5巻、 8 36頁、 1 9 9 1年)の 8 3 8 頁に従い、 励起波長 3 9 0 nm、 蛍光波長 4 5 0 n mで測定を試みている。 しか し、 蛍光測定は試験管内の前進性糖化反応の確認には用いられるが、 血液中では 夾雑物や薬剤の非特異蛍光の影響も多くあることと、 また、 ペントシジンなど励 起波長 3 3 5 nm、 蛍光波長 3 8 5 n mといった異なる蛍光特性のものも発見さ れるなと (Journal of the American Society of Nephrology^ 7巻、 8号、 1 1 9 8頁、 1 9 9 6年)、 上記蛍光特性を持つ AGEはほんの一部に過ぎないこと が分かりだした。 現在、 ヒト血漿中の AGEを励起波長 3 90 nm、 蛍光波長 4 5 0 nmで単純に測定することは、 信頼性のある測定法ではないと認識されてい る。 以来、 蛍光特性による評価も測定手順に分子篩や化学処理を施したり、 蛍光 がどの AGE構造の蛍光を反映するかを考慮して評価するようになった。 また、 特異的な免疫学的測定方法で測定を試みる動きもある。 これまで同定された AG
E構造は C M L (カルポキシメチルリジン)、 C E L (カルポキシェチルリジン)、 ペントシジン、 ピラリン、 クロスリン、 フルォロリンク、 イミダゾロン、 X I 、 アルグピリミジンなど 1 0種類程度あるが、 これら全ての A G E構造がカルボ二 ルストレス産物として病因性を持っているわけではないとも言われている(Ki dne y I n t erna t i ona l , 5 1巻、 1 1 7 0頁、 1 9 9 7年)。 このため A G Eに始まる 力ルポニルス卜レス原因説がより一層複雑になっている問題があり、 糖尿病性合 併症に代表される各種血管病変を引き起こす力ルポニルストレス産物を選択的、 且つ、 有効的に吸着できる材料は存在しなかった。
従って、 現在このような糖尿病性合併症をはじめとする動脈硬化などの各種血 管病変についての治療は有効なものが乏しい。 さらに腎症を併発すれば進行程度 を弱める治療はあっても、 有効な根治的治療手段は皆無に等しく、 患者の予後の 悪化は加速するために多くの問題を抱えている。 現在でも、 A G E形成などの力 ルポニルストレス産物が原因と思われる動脈硬化などの血管病変を罹患した患者 の有効な治療手段は希求されている。
本発明は、 特定の受容体アミノ酸配列の全配列または部分配列を含むぺプチド, 或いは、 力ルポニルストレス産物をェピトープとする抗体を水不溶性担体に固定 した体外循環用材料の提供と、 糖尿病や人工透析など排泄 ·代謝機能が低下した 結果などで力ルポニルストレスが病的に亢進した状態で、 動脈硬化などの各種血 管病変の原因となる力ルポニルストレス産物などの糖尿病合併症因子を吸着除去 しうる供給可能な吸着体及び方法を提供することを目的とするものである。 発明の開示
本発明は、 上記目的を達成するために以下の構成を有する。
「(1 )配列番号 1で表される受容体アミノ酸配列の全配列または部分配列を有す るペプチドを水不溶性担体に固定した体外循環用材料。
「(2)力ルポニルストレス産物をェピト一プとする抗体を固定した水不溶性担体 であることを特徴とする体外循環用材料」
「(3)上記(1 )項に記載のぺプチド若しくは(2)項に記載の抗体のうちで、 少なく とも何れかと結合できる糖尿病合併症因子を特異的に除去できる物質を水不溶性
担体に固定してなる糖尿病合併症因子吸着体」 .
「(4) 上記(1 )〜(3)項に記載の糖尿病合併症因子吸着体或いは充填される容器、 及び、 その吸着体或いは容器内に被処理液を接触させることを特徴とする糖尿病 合併症因子除去方法。 」 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明について詳細に説明する。
本発明で言う糖尿病合併症因子吸着体は、 水不溶性担体に糖尿病合併症因子と 特異的に結合できる物質を固定したものならなんでも良く、 特に限定されるもの ではない。
ここで言う糖尿病合併症因子の病因性とは、 糖尿病合併症因子と細胞が接触す ることで、 各種サイ ト力インの誘導、 細胞遊走化促進、 D N A合成の亢進、 接着 分子発現亢進、 N F— κ Bの活性化による酸化ストレスの誘導などの何れかもし くは複数の現象を引き起こし、 結果として、 動脈硬化、 腎症、 網膜症、 神経症な どの血管病変を引き起こすことを言う。 また、 糖尿病合併症因子は糖尿病に限定 されて見られる増悪因子ではなく、 人工透析など排泄 ·代謝機能の低下の場合に も見られることがある。 特に糖尿病患者に多く見られる、 血管病変に関わる合併 症因子の総称である。
糖尿病合併症因子に代表される力ルポニルストレス産物とは、 力ルポニルスト レスを受ける側が必ずしもタンパク質だけではなく、 リポタンパク質に代表され る脂質関連タンパク質や脂質そのものに由来していても良く、 また、 タンパク質 のような大分子量のものだけではなく、 分子量 1万以下のぺプチド成分やホルモ ン、 核酸などの多糖体由来成分ゃビタミンなど各種低分子の代謝産物由来であつ ても良く、 場合によっては、 アミノ酸そのものや、 アミノ酸関連物質、 糖関連物 質、 脂質関連物質等の代謝産物由来であってもよく、 糖尿病合併症因子として力 ルポニルストレス反応を受けるのであれば、 由来はこれらに限定されるものでは ない。
糖尿病合併症因子のうちで、 力ルポニルストレスなどの非酵素的変性反応を生 み出す反応性物質は、 生体中で起こり得るものなら特に限定を受けない。 詳しく
は、 マロンジアルデヒドやダリオキサール、 メチルダリオキサール、 3—デォキ シダルコゾン等の反応性の高い化合物だけではなく、 グルコース、 フルクト一ス、 リポースなどの還元糖由来であっても良い。 またこれら還元糖が、 リン酸エステ ル化した代謝産物であっても良く、 一般的にこれら非酵素的な変性誘導をカルボ ニルストレスと言うこともある。
力ルポニルストレスなどの生体中の変性反応を引き起こすものは上記の反応性 のあるカルポニル化合物だけではなく、 活性酸素、 ヒドロキシラジカル、 一酸化 窒素及びそれら代謝産物などの酸化性能を有するラジカルなどの化合物であって も良く、 化合物種はこれ以外であっても良い。 特に酸化反応は脂質関連の変性に は注目されたが、 最近では、 糖尿病性合併症で原因といわれる前進性糖化反応に も酸化反応が深く関わっていることが分かってきた。 つまり、 力ルポニルストレ ス産物に代表される非酵素的変性物質の生成は非常に複雑な反応形態を有してい る。
先にも述べたように、 糖尿病合併症因子としての力ルポニルス卜レス産物など の非酵素的変性物質の検出方法については、 生体内で生成する非酵素的変性物質 がすべて病因性を示すわけではないので、 糖尿病合併症の原因となる糖尿病合併 症因子の直接的な評価は困難とされてきた。 そのため、 糖尿病合併症因子として 生理活性を持つ非酵素的変性物質を選択的に除去できることが好ましい。
最近、 糖尿病合併症因子のうちで非酵素的変性物質の病因性は、 主に細胞上の ある特殊な受容体と結合することで引き起こされることが分かってきた。 その多 くは一般的にスカベンジャー受容体と呼ばれるものだが、 本来別の機能を有する 受容体に力ルポニルストレス産物などの非酵素的変性物質が相互作用することで 病因性を引き起こす場合も報告されている。 ガレクチン— 3 、 RAGE (Rec ep t or f o r AGE)などである。 特に RAGEは糖尿病の 3大合併症である腎症、 網膜症、 神経症 の発症を引き起こすだけではなく、 動脈硬化も助長することがわかってきた。 最 近になり、 動物レベルで RAGEと糖尿病状態で亢進するある特定の物質との相互作 用で糖尿病性合併症などの血管障害が引き起こされることが証明されつつある (第 4 2回日本糖尿病学会)。 現在、 糖尿病合併症因子の病因性を引き出す経路は RAGEが最も重要であると考えられているが、 本発明の受容体は特にこれらに限定
されるものではない。
ごく最近になって、 RAGEと相互作用しうる糖尿病合併症因子は、 力ルポニルス トレス産物などの非酵素的変性物質だけではないことが指摘されるようになった。 つまり、 糖尿病など力ルポニルストレスが病的に亢進する状態でも、 RAGEと相互 作用しうる糖尿病合併症因子は非酵素的変性物質だけではなく、 ある種の炎症マ —力一の一群である HMG— 1、 血清アミロイ ド A、 S I 0 0/カルグラニユリ ンスーパ一ファミリ一と呼ばれる物質も関わっていることがわかってきた。 これ らを総称して、 EN-RAGE(extracellular newly identified RAGE - binding protei n)とも定義される(Cell、 9 7巻、 8 8 9頁、 1 9 9 9年)。 S I 0 0/カルダラ ニュリンスーパーファミリーと呼ばれる物質は血管内皮細胞、 単球由来マクロフ ァ一ジやリンパ球などから産生されることが知られている。 糖尿病など力ルポ二 ルストレスが病的に亢進する状態でも免疫系が亢進していることは指摘されてお り、 その一端に非酵素的変性物質が関与していることが考えられる。
また近年になって、 糖尿病などの動脈硬化の患者の血液中には A G Eの一群で もある CMLなどの力ルポニルストレス産物に対する抗体価が上昇しているとい う報告や、 透析患者では過酸化脂質などの変性脂質に対する抗体価も亢進してい ることが知られており、 力ルポニルストレス産物などの非酵素的変性物質が抗原 提示性を有して、 慢性的な炎症を引き起こし、 血管障害を助長している可能性も 出てきた。 その可能性ある経路の一つに、 抗原性を有する非酵素的変性物質が血 管内皮細胞、 単球由来マクロファージゃリンパ球などを直接若しくは間接的に剌 激して産生される S 1 0 0/カルダラニュリンス一パ一ファミリーと呼ばれる物 質が関与していることが挙げられる。 また、 抗原性を持つ AGEは上記以外にも 多く報告されており、 特に限定を受けない。
つまり、 糖尿病合併症因子は、 RAGEなどの病因性を引き起こす受容体に直接相 互作用できるものか、 抗原性を有するなどして免疫系を刺激し、 その結果、 EN - R AGEと定義される一群の物質の産生を亢進するなどして間接的に RAGEなどの病因 性を引き起こす受容体と相互作用するものである。 これら糖尿病合併症因子を特 異的に除去するには、 病因性を引き起こす受容体の糖尿病合併症因子結合活性部 分を少なくとも有するものか、 抗原性を示す力ルポニルストレス産物などの非酵
素的変性物質のェピト一プ部分を認識する抗体を結合リガンドとして利用すれば よい。
ところで最近になって、 RAGEは糖尿病合併症の発症ばかりでなく、 血清アミ口 イ ド A、 アミリン、 )3アミロイ ドなどと相互作用することで、 アミロイ ド形成を 促すことも知られるようになった(Na t u r e Me d i c i ne、 6巻、 6 4 3頁、 2 0 0 0 年)。 また一方で、 RAGE結合性物質である H M G— 1は神経細胞の突起伸張促進 作用ばかりでなく、 敗血症の致死効果の強いレイ トメディエー夕一や癌細胞の転 移や増殖を促す物質としても再評価されており、 RAGEは様々な病態に関与してい ることが示唆されている。 つまり、 RAGE固定化材料を提供することは、 これまで 医薬では治療が困難であった糖尿病合併症の治療だけではなく、 透析合併症ゃァ ルツハイマーなどのアミロイ ド関連病の治療や敗血症、 ガン治療の可能性も提供 することになり、 極めて意義深いことがわかってきた。
ところで、 RAGE或いは抗体固定化体外循環材料を提供しょうとした場合は、 水 不溶性担体に固定するリガンドはタンパク質由来であるために、 安価に提供でき なければ供給は困難である。 現在は、 目的とするタンパク質由来のリガンドを遺 伝子組み換え或いは細胞工学的な手法を用いて得られることが可能となった。 以 前は、 哺乳動物由来のタンパク質も大腸菌などの細菌を宿主として発現を試みて いたが、 成功率は必ずしも高くない。 特に膜タンパク質や抗体などの大分子量の タンパク質は細菌での産生が特に困難である。 特に、 膜タンパク質など不溶化等 が原因で、 一般的に安定大量発現が困難とされるものの場合は、 必ずしも膜タン パク質の全配列を発現しなくても必要な活性が得られる手段をとる場合がある。 つまり、 究極的には糖尿病合併症因子との結合活性を有するドメインだけを選択 的に発現すれば良く、 場合にもよるが一般論として、 このような活性ドメインを 構成する最小アミノ酸数は 3 0 (ヒト RAGE全配列の 7 %に相当)から 5 0アミノ酸 (ヒト RAGE全配列の 1 2 %に相当)とされている。 また、 糖尿病合併症因子の吸着 リガンドとして選んだ RAGEについては、 ヒト、 ゥシ、 ラット、 マウスなどからの クローニングが報告されているが、 動物間変異が多少見られる。 もともと RAGEは マルチリガンド受容体として同定されており、 動物間変異を考慮した受容体アミ ノ酸配列でも、 糖尿病合併症因子との結合活性が維持されるのであれば、 吸着リ
ガンドに使用しても良い。 この場合の動物間変異は、 RAGEと糖尿病合併症因子と の結合は細胞外ドメインで行われていることを考慮し、 また、 リガンドは生体適 合性を考慮して、 抗原性が極力低いものを考えてヒト由来ものを選んだので、 ヒ トを基準にして 7 4 %以上のアミノ酸配列があっても利用できる。 また、 発現宿 主が大腸菌などの細菌類にするのであれば、 発現安定性を考慮して分子量 2万程 度まで落とす必要も要求される場合があり、 この場合は糖尿病合併症因子との結 合に必要なドメインをもう少し絞り込むことが好ましい。 従って、 好ましくは、 ヒトを基準に 4 0 %以上のアミノ酸配列を有していれば、 細菌を宿主にして比較 的安定発現が行える糖尿病合併症因子結合活性リガンドが得られる。 吸着リガン ドを全血処理など抗原提示性を持つと問題がある用途に用いるのであれば、 やは りヒト由来のリガンドが無難であるが、 RAGEにはこれまで細胞外ドメインのアミ ノ酸変異にして 4箇所の報告がある遺伝子多型を持つ受容体であることを考慮し なければならない。 この場合、 結合活性に必要な細胞外ドメインの全配列を用い たとしてヒトを基準に受容体全配列の 8 4 % (ヒト RAGEの細胞外ドメイン全配列 と遺伝子多型の 4アミノ酸残基を考慮した場合)から 8 5 % (ヒト RAGEの細胞外ド メイン全配列を用いた場合)以上が維持されていればより好適である。 この場合 は、 発現リガンドの分子量が 2万を大きく越えてくるのでリガンド発現が困難に なってくることがあるが、 昆虫細胞を使った遺伝子組み替えで発現が可能となつ た。
RAGEの全配列かその一部配列が、 組み換え体として簡単に単離、 精製するため に人工配列を遺伝子上に挿入することができる。 精製法には他に、 RAGEに対する 抗体カラムで精製する方法がある。 天然アミノ酸で構成される人工配列を挿入す れば精製は簡便である。 天然アミノ酸で構成される人工配列には H i s - Tagや GSTや Fc、 プロテイン A、 プロテイン Gなどが多く用いられる。 また特異なケースでは, あるアミノ酸配列の抗体を利用できる場合には、 坊原提示性を有したアミノ酸配 列を人工配列として用いる場合もできる。 組み換え体に新規の抗原提示性を持た せる場合には、 最低 1アミノ酸を変換すれば良い。 この利点としては、 天然アミ ノ酸で構成される人工配列挿入時に注意すべきホスト側組み換え体 © f o l d i ngの 影響を最小限に抑えることができ、 同時に、 溶解度などの組み換え体の物理化学
的特性の変化も最小限にできる。 天然アミノ酸で構成される人工配列の挿入箇所 は、 膜タンパク質の場合は一般的に C末側が良いとされるが、 効率的発現や非 i n s i tu下での正常な f o l d i ngのためや目的 ·用途に応じて、 N末側やドメイン内へ 天然アミノ酸で構成される人工配列を挿入することもある。 上記以外にも効率の 良い天然アミノ酸で構成される人工配列は存在し、 目的に応じて有用と思われる 天然アミノ酸で構成される人工配列を挿入すれば良く、 記載された方法に限定さ れるものではない。 また、 挿入されるアミノ酸は各種天然アミノ酸誘導体のよう な非天然アミノ酸でも問題はなく使用できる。
抗体については、 ミエ口一マを使った細胞融合でモノクローナル抗体が得られ るようになった。 抗血清ゃポリクロ一ナル抗体をリガンドに用いる場合はロット 間差があるので、 できればモノクローナル抗体を用いる方がよい。 ただし、 糖尿 病合併症因子のなかでも非酵素的変性物質は RAGE結合関与や抗原提示に様々な未 知な構造も含まれることが予想されるので、 検出 ·評価には抗血清やポリクロ一 ナル抗体を用いると精度は落ちるが比較的もれなく検出することが可能となり好 ましいと言える。 現在、 C M Lゃピラリン、 ペントシジン、 アルグピリミジンに 対するモノクローナル抗体が購入可能であり、 リガンドに利用可能であるが、 こ の他の非酵素的変性物質に対する抗体はあるので上述した抗体以外でもリガンド に利用できる。 また、 タンパク質やペプチドなど生体物質で構成されたリガンド 以外にも、 化学合成された糖尿病合併症因子吸着リガンドを利用しても良く、 特 に限定を受けるものではない。
今回用いたリガンドは、 抗体についてはポリクローナル抗体と細胞融合技術を 使ったモノクローナル抗体であり、 膜夕ンパク質由来成分は昆虫細胞を使った遺 伝子組み換え技術を利用して得られたものである。 膜夕ンパク質や発現困難な夕 ンパク質についてもタンパク質の発現方法には現在多くの経済的に有望な方法が あるので、 特にこれらに限定されなくても良い。
上記の概念は、 カルボニルストレス産物などの生体由来物質と結合可能な受容 体そのもの若しくはその一部や抗体をリガンドに用いる場合であるが、 生産コス トゃ安定供給を考慮すると、 一般的に化学合成のリガンドを用いた場合が有利な 場合が多い。 しかし、 請求項 1や 5に記載の受容体や抗体と結合可能な生体由来
物質と親和性を有する化学合成のリガンドを見いだすには、 多くの試行錯誤が必 要である。
そこで鋭意検討の結果、 請求項 1や 5に記載の受容体や抗体と結合可能な生体 由来物質と親和性を有する化学合成のリガンドに必要な性質には、 少なくとも次 の何れかを満足すればよいことがわかった。 また、 2つ以上の性質を満足しても 良い。
「性質(1)カチオン化した原子を含むこと」
「性質(2)反応性アミンを含むこと」
「性質(3)次式 [ I ] で表されること。
(水不溶性担体)一(Y ) a— Z [ I ]
Y : アミ ド、 または、 ケトンのうちで何れかの官能基
Z : 一(環式化合物 1 ) 1一(鎖状化合物) m—(環式化合物 2 ) n— N H 2であり、 且つ、 炭素原子を 1つ以上持つ官能基 a、 1、 m、 n : 0、 または、 1以上の整数。
性質(1 )において、 カチオン化原子は 4級ァミンであると、 力ルポニルストレ ス産物と最も親和性が高くなるが、 生理的 p H付近において、 必ずしもカチオン 性構造でなくても良いことも見いだした。 生理的 P H付近においてカチオン性構 造を形成する場合には、 少なくとも一つ以上の N原子が必要であり、 構造上 N原 子が正電荷を有している場合について見いだしたが、 正電荷性原子は必ずしも N 原子だけとは限らず、 正電荷を有する可能性として C原子、 S i原子、 P原子で も良いし、 無機化合物を含む有機金属であっても良く、 正電荷性であるのならば 特に限定を受けない。 そして、 生理的 p H付近において非力チオン性構造を形成 する場合には、 性質(2)に示されるように、 微少正電荷性官能基の近傍即ち α位 若しくは 3位に水酸基やアミノ基のような電子吸引性官能基が存在すると、 例え
ば反応性ァミンのように、 より好ましい親和性を有することが多い。 非イオン性 の正電荷性官能基の中には、 近傍に電子吸引性官能基が存在することでイオン性 構造になる場合もあるが、 特に問題を有しない。 具体的な正電荷性官能基の一般 例としては、 2、 3級ァミン即ちィミン、 4級ァミン即ちアンモニゥム塩といつ た脂肪族性の N含有官能基があり、 また、 ピロリジン、 ピラロリジン、 ピベリジ ン、 ピぺラジン等の N含有環化脂肪族性官能基であっても良く、 さらに、 環化構 造中に 2重結合を有するピロール、 ピロリン、 ピラゾール、 イミダゾール、 トリ ァゾール、 ピリジン、 ピリダジン、 ピリミジン、 ピラジン、 トリァジン、 インド ール、 ベンジイミダゾ一ル、 プリン、 キノリン、 カルバゾ一ル、 ァクリジン、 フ ェナント口リン等の芳香族系複素環化合物や、 また、 ォキサゾール、 チアプール、 モルフォリン、 フエノチアジン等の環化脂肪族系若しくは芳香族性官能基中に〇、 S等の電気陰性度の高い原子を含有するトルイジン環のような構造であっても良 く、 特にこれに限定されるわけではない。 また、 正電荷性官能基の近傍に存在す る電子吸引性官能基の例としては、 水酸基、 力ルポキシル基、 カルポニル基、 ァ セチル基、 ニトロ基、 エステル基、 ハロゲン基、 スルホン酸基、 リン酸基、 フエ ニル基に代表される芳香族官能基等があるがこれだけとは限らず、 特に限定を受 けるわけではない。
特に好ましくは、 全血接触に対して生体適合性がよいとされる非イオン性の正 電荷性構造が良いが、 処理対象が全血ではない場合や前処理に血漿分離等を行え ば問題は解決されるので、 イオン性の有無については特に実施上の制約を受けな い。
より良い血液適合性を求めるならば、 一般的に性質(3)に記載したリガンドが よい。 このリガンドで最も好適な構造は、 化学式 [ I ] 中の Z基の中に 4—アミ ノジフエニルメタン基のような芳香族アミンが含まれることであるが、 ここで用 いられる芳香族は必ずしも 6員環である必要はなく、 環構造の大きさは 5員環以 上 1 0員環以下であれば特に問題はないが特に限定を受けるものではない。 また, Z基中の環式化合物 1及び 2と鎖状化合物については、 特に限定を受けることは なく、 また、 炭化水素系化合物に限定される必要もない。
より詳しくは、 Z基中の環式化合物 1及び 2は、 シクロへキサン、 シクロペン
タンの様な脂環式化合物や、 さらにメチル基、 ェチル基、 イソブチル基などが結 合した脂環式化合物誘導体でもよい。 好ましくは、 フエニル基、 ジフエ二ルメチ ル基、 ナフチル基等の芳香族化合物が挙げられるが、 さらにハロゲン基、 アルキ ル基、 水酸基、 ニトロ基、 スルホン酸基、 力ルポキシル基の芳香族誘導体でも用 いることが出来る。 より好ましくは、 芳香族ァミン誘導体が用いられるが、 特に 限定を受けない。 また、 炭化水素系化合物に限定する必要はなく、 ピロリジン、 ピラロリジン、 ピぺリジン、 ピぺラジン等の N含有環化脂肪族性官能基であって も良く、 さらに、 環化構造中に 2重結合を有するピロ一ル、 ピロリン、 ピラゾー ル、 ィミダゾ一ル、 トリァゾ一ル、 ピリジン、 ピリダジン、 ピリミジン、 ビラジ ン、 トリアジン、 インド一ル、 ベンジイミダゾ一ル、 プリン、 キノリン、 力ルバ ゾール、 ァクリジン、 フエナント口リン等の芳香族系複素環化合物や、 また、 ォ キサゾール、 チアゾ一ル、 モルフォリン、 フエノチアジン等の環化脂肪族系若し くは芳香族性官能基中に 0、 S等の電気陰性度の高い原子を含有するトルイジン 環のような構造であっても良く、 特にこれに記載された構造に限定されるわけで はない。 同様に Z基中の鎖状化合物も限定を受けるものではなく、 ェチル基、 へ キシル基、 ォクチル基、 ドデシル基の直鎖状の構造やイソプロピル基、 ジェチル メチレン基のような分岐状の構造でもよく、 また、 直鎖或いは分岐ポリエチレン ィミンのような含窒素鎖状構造でもよく、 特に限定を受けない。 好ましくはメチ レン基が挙げられるが、 特にこれに記載の構造に限定されることはない。
また、 糖尿病合併症因子除去を目的とした吸着体設計を行う際に、 より好まし い性能がある。 力ルポニルストレス産物以外の RAGE結合物質との親和性が高い場 合、 糖尿病合併症治療効果の向上だけではなく、 アルツハイマーや透析アミロイ ドゃ若年性 Π型糖尿病などに代表されるアミロイ ド関連病治療、 免疫疾患治療、 敗血症、 ガン治療など RAGEが関与する疾病への適応が期待でき、 より好適である t 力ルポニルストレス産物以外の RAGE結合性物質として挙げられるのは、 例えば、 H M G— 1 、 S 1 0 0スーパ一ファミリ一、 血清アミロイ ド A、 3アミロイ ド、 アミリンなどが挙げられるが、 RAGE結合物質は今後も新たに発見されることが予 想されるため、 特にこれらに限定されるものではなく、 RAGE結合性物質であれば 除去対象となる。 除去率の目安としては、 実施例に記載された吸着実験方法で 3
0 %以上あれば良い。
さらに、 RAGE結合物質以外でも非処理液から RAGE結合物質と同時に除去された 方が好適な物質がある。 例えば、 糖尿病性合併症が悪化した場合には、 腎不全を 経由して人工透析の施行を余儀なくされる。 長期の人工透析患者は、 透析アミ口 イ ドを併発して予後の悪化を引き起こす例がある。 また、 RAGEは体内中のアミ口 ィ ド形成を助長することからも、 主な透析アミロイ ドの構成成分である /3 2ミク ログロブリンを同時に除去できることが望ましい。 除去率は 3 0 %以上あること が好ましい。 また、 肝不全になった場合には、 体内の糖代謝バランスが崩れ、 糖 尿病症状を引き起こすことが知られている。 この場合、 血液中のピリルビンが上 昇して神経障害を引き起こすことが知られているために、 RAGE結合物質と同時に ピリルビンが除去できることが望ましい。 ビリルビン除去性能がある構造として は、 上記の性質(1 )のようなカチオン性材料を用いる場合が良い。 RAGE結合物質 と同時に除去した方が好ましい物質は、 特にこれらに限定される物ではない。 適 応対象に応じて、 リガンドを選択すればよい。
リガンド固定化材料は体外循環も可能でグラフト反応可能な水不溶性担体であ り、 より好ましくは表面積が多く取れる多孔質体形成可能な材料であり、 さらに より好ましくは人工透析などのァフェレ一シス時の簡便な同時使用を考えて、 中 空糸加工可能な素材で構成されていればよく、 さらに、 白血球の刺激を低く抑え られる素材であれば最適であるが、 これに限定されるものではない。 また、 担体 は有機一有機、 有機一無機の複合担体でも良く、 無機担体としてはガラスビーズ、 シリカゲル、 金属ビーズなどがあり、 有機担体には架橋ポリビニルアルコール、 架橋ポリアクリレート、 架橋ポリアクリルアミド、 架橋ポリスチレン、 架橋ポリ スルホン等の合成高分子や結晶性セルロース、 架橋ァガロース、 架橋デキストラ ンなどの多糖類からなる有機担体との組み合わせでも良い。
担体の形状は、 粒状、 繊維状またはそれらの高次加工品、 中空糸状と任意に形 状を選ぶことができ、 その大きさも特に限定されない。
リガンドは担体表面上に必ずしも固定化される必要はない場合がある。 つまり、 体内に溶出することがあっても免疫寛容性のあるリガンドを使えば、 体内の変性 物質をマスキングして病因性を和らげることが可能となり、 体液処理効果も上が
ることが期待される。
また、 ここでいう体液由来とは、 血液、 血漿、 血清、 腹水、 リンパ液、 関節内 液、 及びこれらから得られた分画成分、 並びにその他の生体由来の液性成分をい Ό。
リガンドを固定化する場合には、 化学的な結合を用いる場合と物理的な結合を 用いる場合の二つがある。 化学的な結合を用いる場合には、 担体表面上に水酸基、 アミノ基、 アルデヒド基、 力ルポキシル基、 チオール基、 シラノール基、 アミ ド 基、 エポキシ基、 ハロゲン基、 サクシ二ルイミ ド基、 酸無水物基などがあげられ るが、 必ずしもこれらに限定されるわけではない。 また、 リガンドは、 これら官 能基修飾を受けた担体に直接結合してもよいし、 何らかのスぺ一サ一分子を介し て結合することも可能である。 物理的な結合を用いる場合には、 リガンド側の酸 もしくは塩基性側鎖と正電的結合力で結合する場合と、 遷移金属などを介した配 位結合を利用する場合がある。 リガンドの活性が維持されるのであれば、 固定化 法は特に限定を受けないし、 これらに限定されるものではない。
もし、 滅菌時や治療などの使用時にリガンドの脱落が問題になる場合には、 共 有結合法により固定化することが好ましい。
本発明の吸着体を治療に用いる場合には種々の方法がある。 最も簡便な方法と しては患者の血液等の体液を体外に導出して血液バッグに貯め、 これに本発明の 吸着体を混合して変性タンパク質を除去後、 フィルタ一を通して吸着体を除去し, 体液を患者に戻す方法がある。
次の方法は吸着体をカラムに充填し、 体外循環回路に組み込み、 オンラインで 吸着除去をするものである。 処理法法には全血を直接還流する方法と血液から血 漿を分離してから血漿をカラムに通す方法がある。 本発明の吸着体はいずれの方 法にも用いることができるが、 前述のごとくオンライン処理に最も適している。 ここでいう体外循環回路では本発明の吸着体を単独で用いることもできるが、 他のァフェレ一シス治療にも併用可能である。 併用例には、 人工透析回路などが 挙げられ、 透析療法との組み合わせに用いることもできる。 実施例 1 : ヒト RAGE細胞外ドメインのクローニング
ヒト肺 c DN Aライブラリーを铸型に P C R (polymerase chain reaction) を行い、 細胞外領域上流及び下流の 2つの断片を増幅した。 P C Rプライマーは ヒト RAGEのデ一夕ベース配列(Genebank accession No. M91211)を基に 4種類設計 し、 各々 2種類ずつを上流及び下流増幅プライマ一として用いた。
•上流増幅プライマ一:(プライマーの RAGE中の位置 or 塩基番号 (RAGEの開始コ ドン ATGの Aを 1とした) )
S(l〜29)及び AS(730〜749)
•下流増幅プライマー:(プライマーの RAGE中の位置)
5(462〜481)及び 5(1007〜1032)
(上流には制限酵素 EcoRI、 下流には Bglllの切断部位を付加した。 ) また、 ブラ ィマーの安定性と遺伝子発現効率を上げるためにいくつかの塩基は適宜置換した。 さらに、 RAGEを可溶型とするため、 細胞外ドメインの下流末端に終止コドン(TGA) を付加した。
2種類の反応産物をァガロースゲル電気泳動した。 さらに得られた各 P C R増 幅断片を電気泳動のゲルから回収した後、 PUC18ベクターにクロ一ニングし、 PCR 産物の塩基配列確認を行った。
実施例 2 :バキュロウィルストランスファ一ベクタ一への遺伝子挿入
バキュロウィルスべクタ一へのクローニングを以下のように行った。 ベクター は pVL1393 (pharmingen)を用いた。 まず、 ベクタ一を制限酵素 EcoRIと Bgl IIで切 断し、 アルカリフォスファタ一ゼで脱リン酸化した後精製した。 実施例 1で得た RAGE細胞外領域上流及び下流の 2つの断片は以下に示す制限酵素で切断後、 目的 断片を精製した(目的断片の塩基数)。
•上流: EcoRI/FspI (666bp)
•下流: Fspl/Bglll (384bp)
精製した 2断片を PVL1393ベクタ一のポリへドリンプロモータ一の下流に挿入し た。 得られたクローンについて電気泳動による挿入断片のサイズ確認と塩基配列 決定により、 目的 DNAを持つクローンが構築できたことを確認した。
実施例 3 : His- Tag導入
実施例 2で得られた RAGEプラスミ ド DNAを铸型に P C Rを行い、 細胞外領域下
流末端に His- Tagを付加した断片を増幅した。 P C Rプライマ一は実施例 1で用 いた下流増幅用プライマ一の終止コドンの前に Hisをコードするコドン (CAT) の 6回繰り返し配列を挿入したものを作製した。
'増幅プライマ一:(プライマ一の RAGE中の位置 or 塩基番号 (RAGEの開始コドン A TGの Aを 1とした) )
S(462〜481)及び AS(1007〜 1032 + (CAT) 6 + (TGA) 2 + Bglll site )
プライマ一の安定性と遺伝子発現効率を上げるためにいくつかの塩基は適宜置換 した。 確認の結果、 ヒト RAGE細胞外ドメイン(請求項 1記載の受容体アミノ酸配 列の N末端側から 3 44アミノ酸残基までの配列;但し最初のアミノ酸を Gから M に変更した。 )の〇末端側に His-Tagを融合した遺伝子配列を得た。
実施例 4 :昆虫細胞への感染とヒト RAGE細胞外ドメインの発現
バキュロウィルスを感染させる昆虫細胞は S f — 9を用いた。 昆虫細胞の培養、 ウィルス感染、 組み替えタンパク質の発現等については、 次の文献を参考に操作 を行った(バイオ 'インダストリ一: BIO INDUSTRY, 4 0頁、 1 0巻、 1号、 1 9 9 3年)。
実施例 5 : ヒ卜 RAGEの精製
実施例 4で得られたヒト RAGE細胞外ドメインを含む培養液から目的夕ンパク質 を精製した。 精製には、 HisTrap(amersham Pharmacia)を用いた。 一部の精製し たヒト RAGE細胞外ドメインを再度 HisTrapに結合させて、 溶出バッファーで溶出 を行わずにそのままカラムを解体してヒト RAGE結合担体として得た。 ヒト RAGE結 合担体の結合量は、 溶出量を B C Aプロティンアツセィキット(pierce)で測定し た結果、 約 2. 2 SmgZg-ゲルであった(吸着体 1 )。
実施例 6 : AGEの作成方法
標品の作成には、 次の文献(Journal of Biological Chemistry, 1 5巻、 2 6
7 ( 8 ) 号、 5 1 3 3頁、 1 9 9 2年)を参考にした。 抗原用にゥシ由来リポヌ クレアーゼ A (シグマ)を使い、 評価用には牛血清アルブミン(B S A)をダルコ一 スを使って 3 7 °C、 6ヶ月間反応させた。 途中、 p Hを 7以下にならないように
7〜 7. 4の範囲になるように N a OHで滴定した。 反応終了後、 P B Sで透析 して標品を得た。
実施例 7 : AGE抗体の作成
実施例 6を参考に N ZW (ニュージ一ランド · ホワイ ト · ラビット)に対して免 疫した。 免疫手法は、 細胞工学 別冊 抗ペプチド抗体実験プロトコール、 4 8 頁を参考に行った。 免疫終了後は、 頸部動脈から脱血して、 抗血清を得た。 得ら れた抗血清を HiTrap ProteinGカラム(amersham pharmaci a)で精製した。 得られ た抗体は、 B S Aとはほとんど反応しないが、 AGE化 B S Aとは反応した。 従 つて、 この抗体は抗原性のある AG Eを認識することが示された。
得られた抗血清を使って臨床検体中(血漿)の A G E量を測定した。 測定方法は競 合法を用いた。 固層化抗原を実施例 6で得られた AG E化 B S Aを 1 0 t g/m 1 、 1 0 0 1 、 2時間インキュベートで用意した。 検量線用の標品も同じく実 施例 6で得られた AG E化 B S Aを用いて、 AG E化 B S A 1 0 g/m 1の所 を 1 U/m 1 とした。 測定には、 緩衝液 2 5 1、 測定サンプル 2 5 1、 希釈 抗体を 5 0 t 1で反応後、 固層化抗原を認識した抗体を抗ゥサギ I g Gペルォキ シダーゼ標識抗体(カッペル)で反応後、 発色させ評価した。 測定結果を以下に示 す。
•健常者(n=6) :3.92±1.27UZm 1
•糖尿病性腎症患者(n=10:透析前採血): S.TZiO.SZUZm 1
上記結果は、 t検定で有意差があり、 得られた抗体は患者血漿中に多く存在する A G E抗原を認識していることが分かった。
実施例 8 :抗体及びヒト RAGEの固定化
N-ヒドロキシスクシンイミ ドエステル基を 1 0原子の長さのスぺ一サ一を介し て導入したァガロースゲル: ァフィゲル 1 0 (Bio- Rad) 1 m 1 に実施例 7で得ら れたポリクロ一ナル抗体 1. 4 2mgを 0. 1 MHE P E S— N a OH緩衝液 ( p H 7. 5 ) 1 m 1 に溶解した溶液を加え、 4 °Cで一夜ゆっくりと撹拌した。 1 Mエタノールアミンー塩酸 (p H 8. 0 ) 0. 1 m 1 を加えて、 室温で 1. 5 時間反応させ、 未反応の N—ヒドロキシスクシンィミ ドエステル基を不活化した 後、 それぞれ 0. 5 Mの N a C l を含む 0. 1 M酢酸— N a〇 H ( p H 4. 0) 1 m l及び 0. 1 M炭酸一 N a OH (p H 9. 0 ) 1 m 1で交互に 3回洗浄し、 最後 にリン酸緩衝液にて平衡化を行った。 固定化量は残存している量から逆算して、
約 1. 3 1 mgZg-ゲルの抗体が固定化された(吸着体 2)。
また、 抗体固定化法と同様の手法を使って、 ヒト RAGEをァフィゲル 1 0に固定 化した。 固定化量比は、 N—ヒドロキシスクシンイミ ドエステル基を 1 0原子の 長さのスぺ一サ一を介して導入したァフィゲル 1 0を 1 m 1当たりの量に対して、 実施例 5で得られた精製ヒト RAGEを 1. 7 1 mg用いた。 固定化量は固定化溶液 に残存している量から逆算して、 約 1. 42mg/g-ゲルのヒト RAGEが固定化 された(吸着体 3)。
実施例 9 : アミドメチル化繊維の生成
50重量比の海成分 (46重量比のポリスチレンと 4重量比のポリプロピレン の混合物) と 50重量比の島成分 (ポリプロピレン) とからなる米国特許 46 6 1 2 6 0記載の海島型複合繊維 (太さ : 2. 6デニール、 島の数: 1 6 ) を、 5 0 gの N—メチ口一ルー α—クロロアセトアミ ド、 400 gのニトロベンゼン、 40 O gの 9 8 %硫酸、 0. 8 5 gのパラホルムアルデヒドの混合溶液と 2 0*C で 1時間反応させた。 その後、 繊維をニトロベンゼンで洗浄し、 その後、 水によ り反応を停止させた後、 メタノールで再び洗浄することにより αクロロアセトァ ミ ドメチル化架橋ポリスチレン繊維 (以下 AMP S t繊維と略す。 ) を得た。 実施例 1 0 : アミ ドメチル化繊維への抗体及びヒト RAGEの固定化
実施例 9で得られた AMP S t繊維をさらに水でよく洗浄し、 AMP S t繊維 (乾燥重量相当で) 0. 5 gを得た。 実施例 5で得られたヒト RAGEあるいは実施例 7で得られた抗 AG E抗体を脱塩カラムで 0. 1 M重曹水溶液に置換した抗体溶 液 1. 2 8mg/ 5m 1あるいはヒト RAGE溶液 1. 0 8mg/8m l について、 各々 AMP S t繊維 0. 5 gを試験管内で 3 7でで 2時間ゆつくり振とうしなが ら反応させた。 反応前後の固定化量は吸光度で測定して、 抗体固定化繊維では 0. 8 2mgZg-繊維の抗体が固定化できた(吸着体 4)。 ヒト RAGE固定化繊維では 1. 1 8 mgZg-繊維のヒト RAGEが固定化できた(吸着体 5)。 各々の固定化繊 維を 0. 1 Mエタノールァミン—塩酸 (pH 8. 0) 5m lに交換して、 室温で 1. 5時間反応させ、 未反応の αクロロアセトアミ ドメチル基を不活化した後、 それぞれ 0. 5Μの N a C l を含む 0. 1 M酢酸— N a 0 H ( ρ H 4. 0 ) 1 m 1 及び 0. 1 M炭酸一 N a OH (p H 9. 0 ) 1 m 1で交互に 3回洗浄し、 最後にリ
ン酸緩衝液にて平衡化を行い、 吸着実験に使用した。
実施例 1 1 : 非生体分子固定化ビーズの作製
粒径 0 . 1 mmのキトサンビーズ(富士紡㈱製、 "キトパール" A L— 0 1 ) 1 2 m 1 (沈降時体積、 乾燥時重量は 1 . 0 g )をジメチルホルムアミ ド中で攪拌する t この操作を 1回 2 0分間、 4回繰り返し、 含水水分をジメチルホルムアミドと完 全に置換させた。
このビーズを 1 0 gのへキサメチレンジィソシァネートを溶解させた 1リット ルのジメチルホルムアミ ドに徐々に添加し、 攪拌しながら室温で 1時間反応させ た後、 これらを取り出し、 別々に準備しておいた 1 リットルのジメチルホルムァ ミ ド中に入れて 2 0分間洗浄操作を行い、 この洗浄操作を 3回繰り返し未反応へ キサメチレンジイソシァネートを完全に除去した。 ついで、 水洗を 4回行い、 ジ メチルホルムアミ ドを水と置換し、 さらに 0 . 1 Mの水酸化ナトリウム溶液と攪 拌しながら室温で 2 0分間反応させィソシァネ一ト基を 1級ァミノ基に加水分解 し、 さらに水洗を 4回行い、 最後に 8 0 の水中で 2 0分間浸せきし、 次の構造 式を有するキトサンビーズを得た(吸着体 6 )。
(キトサンビーズ)一 C O N H— ( C H 2 ) 6— N H 2 [ Π ] また、 実施例 1 1記載の A L— 0 1 (乾燥重量 1 . 0 g )に対して、 同じく、 ジ メチルホルムアミ ド中での攪拌操作を 1回 2 0分間、 4回繰り返し、 含水水分を ジメチルホルムアミ ドと完全に置換させたビーズを 1 5 gの 4 、 4 ' —ジフエ二 ルメタンジィソシァネ一トを溶解させた 1 リットルのジメチルホルムアミ ドに徐 々に添加し、 攪拌しながら室温で 1時間反応させた後、 これらを取り出し、 別々 に準備しておいた 1 リットルのジメチルホルムアミ ド中に入れて 2 0分間洗浄操 作を行い、 この洗浄を 3回繰り返し未反応 4 、 4 ' ージフエニルメタンジィソシ ァネ一トを完全に除去した。 ついで、 水洗を 4回行い、 ジメチルホルムアミ ドを 水と置換し、 さらに 0 . 1 Mの水酸化ナトリウム溶液と攪拌しながら室温で 2 0 分間反応させィソシァネート基を 1級アミノ基に加水分解し、 さらに水洗を 4回 行い、 最後に 8 0での水中で 2 0分間浸せきし、 次の構造式を有するキトサンビ
ーズを得た(吸着体 7)。
(キトサンビーズ)— CONH— C 6 H4— CH2— C 6 H4— NH 2
[m] さらに、 セルロースビーズ(セル口ファイン GCL— 2 00 c c ;乾燥重量 1. 0 g)に対して、 同じく、 ジメチルホルムアミ ド中での攪拌操作を 1回 2 0分間、 4回繰り返し、 含水水分をジメチルホルムアミ ドと完全に置換させた。
このビーズを 1 5 gの 4、 4 ' ージフエニルメタンジイソシァネートを溶解さ せた 1 リットルのジメチルホルムアミ ドに徐々に添加し、 攪拌しながら室温で 1 時間反応させた後、 これらを取り出し、 別々に準備しておいた 1リットルのジメ チルホルムアミ ド中に入れて 2 0分間洗浄操作を行い、 この洗浄を 3回繰り返し 未反応 4、 4 ' —ジフエニルメタンジイソシァネートを完全に除去した。 ついで, 水洗を 4回行い、 、 ジメチルホルムアミ ドを水と置換し、 さらに 0. 1 Mの水酸 化ナトリゥム溶液と攪拌しながら室温で 2 0分間反応させィソシァネ一ト基を 1 級ァミノ基に加水分解し、 さらに水洗を 4回行い、 最後に 8 Ot:の水中で 2 0分 間浸せきし、 次の構造式を有するセルロースビーズを得た(吸着体 8 )。
(セルロースビーズ)一 CONH— C 6 H4— CH 2— C 6 H4— NH 2
[IV] 他にも、 実施例 1 1記載の AL— 0 1 (乾燥重量 1. 0 g)に対して、 同じく、 ジメチルホルムアミ ド中での攪拌操作を 1回 2 0分間、 4回繰り返し、 含水水分 をジメチルホルムアミ ドと完全に置換させたビーズを 1 5 gの 4、 4 ' —ビフエ ニルジカルポニルクロライ ドを溶解させた 1 リッ トルのジメチルホルムアミ ドに 徐々に添加し、 攪拌しながら室温で 1時間反応させた後、 これらを取り出し、 別 々に準備しておいた 1 リットルのジメチルホルムアミ ド中に入れて 2 0分間洗浄 操作を行い、 この洗浄を 3回繰り返し未反応 4、 4 ' —ビフエニルジカルボニル
クロライ ドを完全に除去した。 ついで、 水洗を 4回行い、 ジメチルホルムアミ ド を水と置換し、 さらに 0. 1 Mの水酸化ナトリウム溶液と攪拌しながら室温で 2 0分間反応させィソシァネ一ト基を 1級アミノ基に加水分解し、 さらに水洗を 4 回行い、 最後に 8 0での水中で 20分間浸せきし、 次の構造式を有するキトサン ビーズを得た(吸着体 9)。
(キトサンビーズ)— CO— C 6 H4— C 6 H4— NH 2 [V] 実施例 1 2 : 吸着体の AGE吸着試験
実施例 5、 8、 1 0、 1 1で得られた吸着体、 及び、 市販の吸着体を使って、 AGE吸着実験を行った。 形状がゲルの場合は沈降体積で吸着体 1 0 0 1あた り、 サンプル(実施例 6で得られた AGE化 B S A量を 1 O n g/m 1含む 0. 5 % B S A—リン酸緩衝液)を 9 00 t 1加えた。 形状が繊維の場合は、 AMP S t繊維の乾燥重量で 5 0 t gあたり、 サンプルを 1 m 1加えた。 3 7での孵卵 器中で 2時間ゆつく り振とうした。 この反応液を 3 0 0 0 r pmで 5分間遠心分 離して吸着体を沈降させ、 上清中の AGE量を実施例 7に記載した免疫学的測定 法で測定した。
その他、 市販の吸着体として、 カチオン性担体には、 TSK-gel QAE- T0Y0PEARL 650M (東ソ一製: 吸着体 1 0)を使用し、 また、 反応性ァミン固定化担体には、 7 ミノセルロフアイン(チッソ製: 吸着体 1 1 )を用いた。 AGEに親和性を持つ力 チオン性担体は、 記載したものに限定されることはなく、 生理的 pH条件でカチ オン性を示すものならば特に限定を受けない。 反応性アミン固定化担体について も、 生理的条件で同様の反応性を示すのであれば、 同じく特に限定を受けない。
AGE吸着体 AG E吸着率 )
RAGE固定化ビーズ(吸着体 1) 54. 2
抗体固定化ビーズ(吸着体 2) 6 8. 3
RAGE固定化ビーズ(吸着体 3) 5 2. 1
抗体固定化繊維(吸着体 4) : 6 5. 3
RAGE固定化繊維(吸着体 5) : 5 1. 8
改質キトサンビーズ(吸着体 6) : 4 5. 5
改質キトサンビーズ(吸着体 7) : 6 5
改質セルロースビーズ(吸着体 8) : 5 1
改質キトサンビーズ(吸着体 9) : 50
カチオン性ビーズ(吸着体 1 0) : 90
反応性ァミン固定化ビーズ(吸着体 70
AGEに対して良好な選択性を見せた。 RAGE若しくは抗体を固定化した担体で は AGEと良好な親和性を有していたと言える。 また、 各種改質ビーズについて も良好な親和性を示した。 特に、 AGEに対する親和性については、 カチオン性 ビーズと反応性アミン固定化ビーズについて、 良好であった。
比較例 1 : 吸着体の AGE結合試験 2
実施例 8で使用したァフィゲル 1 0を 1 Mェタノールアミンー塩酸 ( p H 8. 0 ) 0. 1 m l を加えて、 室温で 1. 5時間反応させ、 N—ヒドロキシスクシン イミ ドエステル基を不活化した担体(吸着体 1 2)と実施例 9で作成した AMP S t繊維(吸着体 1 3)を用いて実施例 1 1と同様の操作で AGEに対する吸着実験 を行った。 また、 実施例 1 2に記載される吸着実験が、 AGEのキャリアーであ る B SAに対する親和性で吸着率が左右されないことを確認するために、 TSK-ge 1 AF-BIue TOYOPEARL 650M (東ソ一 : 吸着体 1 4 )を用いた場合の A G E吸着性能 も調べた。 吸着体 AGE吸着率 )
不活化処理ビーズ(吸着体 1 2) 3. 2
AMP S t繊維(実施例 1 3) : 5. 3
B S A親和性担体(実施例 1 4 ) 2 0. 5
結果は、 AGEに対する顕著な親和性を示さなかった。 糖尿病合併症因子に対 して特異的な親和性を持つリガンドを固定化することにより、 A G Eに対して特
異的な親和性が生じることが示された。
比較例 2 : 吸着体の AGE吸着試験 3
実施例 5、 8、 1 0、 1 1で得られた吸着体、 及び、 市販の吸着体を使って、 AGE吸着実験を行った。 ここでは、 実施例 6で得られた AG E化 B S Aに対し て、 更に RAGE結合ァフィ二ティ一カラムを使って RAGE結合性 AGEのみに精製し たものを使用した。 RAGE結合ァフィ二ティ一ゲルは、 実施例 8で得られた吸着体 3を使用した。 オープンカラムに RAGE結合ゲルを 3 m 1充填し、 1 01111の? 8 Sで洗浄した。 次に実施例 6で得られた AGE化 B SAを 30mgZ lm l添加 し、 5 0 m 1の P B Sで RAGE非結合性 AG E化 B S Aを除去した。 次に、 0. 1 M グリシン塩酸緩衝液(p H 2. 0)を加えて結合した AGE化 B S Aを回収し た。 回収した AGE化 B S Aを 1 M トリス塩酸緩衝液( p H 9. 0)を加えて中 和後、 P B Sにて充分透析して目的とする RAGE結合性 AGEを得た。 B CAプロ ティンアツセィキット(pierce)で測定した結果、 濃度は約 4. 7 1 mgZm lで あった。
吸着実験については、 実施例 1 2と同様に、 形状がゲルの場合は沈降体積で吸 着体 1 0 0 1 あたり、 サンプル(RAGE結合性 AG E量を 1 0 g/m 1含む 0. 5 %B S A—リン酸緩衝液)を 9 00 1加えた。 形状が繊維の場合は、 AMP S t繊維の乾燥重量で 5 0 gあたり、 サンプルを 1 m 1加えた。 3 7 °Cの孵卵 器中で 2時間ゆつく り振とうした。 この反応液を 3 0 00 r pmで 5分間遠心分 離して吸着体を沈降させ、 上清中の AGE量を実施例 7に記載した免疫学的測定 法で測定した。
市販の吸着体としては、 カチオン性担体には、 TSK- gel QAE-T0Y0PEARL 650M (東ソ一製: 吸着体 1 0)を使用し、 また、 反応性ァミン固定化担体には、 ァミノ セル口ファイン(チッソ製: 吸着体 1 1)を用いた。 AGEに親和性を持つカチォ ン性担体は、 記載したものに限定されることはなく、 生理的 pH条件でカチオン 性を示すものならば特に限定を受けない。 反応性ァミン固定化担体についても、 生理的条件で同様の反応性を示すのであれば、 同じく特に限定を受けない。
AG E吸着体 AGE吸着率 «)
RAGE固定化ビーズ(吸着体 1 ) 7 1. 7
抗体固定化ビーズ(吸着体 2) 7 8. 3
RAGE固定化ビーズ(吸着体 3) 74. 7
抗体固定化繊維(吸着体 4) : 6 7. 9
RAGE固定化繊維(吸着体 5) : 6 1. 0
改質キトサンビーズ(吸着体 6) : 47. 4
改質キトサンビーズ(吸着体 7) : 6 5 9
改質セルロースビーズ(吸着体 8) : 5 3 3
改質キトサンビーズ(吸着体 9) : 5 1 8
カチオン性ビーズ(吸着体 1 0) : 99 2
反応性アミン固定化ビーズ(吸着体 7 1 2
RAGE結合性 AGEに対しても良好な選択性を見せた。 RAGE若しくは抗体を固定 化した担体でも RAGE結合性 A G Eと良好な親和性を有していたと言える。 また、 各種改質ビーズについても良好な親和性を示した。 吸着体 1〜 1 1は RAGE結合性 AGEについてより良好な親和性であったと言える。
比較例 3 : 吸着体の AGE結合試験 4
比較例 1で得られた吸着体 1 2〜 1 4を用いて比較例 2と同様の操作で RAGE結 合性 AGEに対する吸着実験を行った。 また、 比較例 2に記載される吸着実験が. AGEのキヤリア一である B S Aに対する親和性で吸着率が左右されないことを 確認するために、 TSK- gel AF-Blue T0Y0PEARL 650M (東ソ一 : 吸着体 1 4)を用い た場合の RAGE結合性 A G E吸着性能も調べた。
吸着体 AGE吸着率(
•不活化処理ビーズ(吸着体 1 2) : 3. 1
• AMP S t繊維(実施例 1 3) : 4. 9
• B S A親和性担体(実施例 14) : 1 8. 9
結果は、 比較例 1同様に RAGE結合性 AGEに対する顕著な親和性を示さなかつ た。 吸着体 1〜 1 1は、 糖尿病合併症因子に対して特異的な親和性を持つリガン
ドを固定化することにより、 RAGE結合性 A G Eに対して特異的な親和性が生じる ことが示された。
実施例 1 3 : 吸着体のヒト血清成分吸着試験
実施例 1 1記載の吸着体 7について、 ヒト血清成分吸着試験を行った。 ヒト新 鮮血清 1 0m l について吸着体 7を 1 g添加し、 3 7 °Cで 2時間振とうした。 振 とう前後の上清中のヒト血液成分を測定した結果を示す。 /32ミクログロプリン は EL I S A法で、 血清アミロイ ド Aはラテックス凝集免疫法にて測定した。
吸着対象物 吸着率 (%)
• ^ 2ミクログロブリン 8 1. 3
•血清アミロイ ド A 42. 3
測定の結果、 吸着体 7は AG Eの他に i32ミクログロブリン及び血清アミロイ ド Aと親和性を有することが示された。
次に、 実施例 1 2記載の吸着体 1 0について、 同じくヒト血清成分吸着試験を 行った。 ヒト新鮮血清 1 0m 1 について吸着体 1 0を 1 g添加し、 3 7でで 2時 間振とうした。 振とう前後の血清中のピリルビン量について、 アルカリアゾビリ ルビン法で測定し吸着率を算出した。
吸着対象物 吸着率 (%)
• ビリルビン 7 0. 2
測定の結果、 吸着体 1 0は AGEの他にピリルビンとも親和性を示すことが示 された。
実施例 1 4 : 吸着体の HMG— 1吸着試験
実施例 1 1記載の吸着体 7及び実施例 1 2記載の吸着体 1 0について、 HMG 一 1吸着試験を行った。 吸着体 1 0 0 1 あたり、 ヒ卜 HMG— 1が 1 0 0 n g ノ m 1の濃度になるよう添加した 0. 5 % B S A—リン酸緩衝液(p H 7. 2)を lm l加えた。 3 7 °Cで 2時間振とうし、 反応前後の上清の H M G— 1を E L I S A法にて測定した。
吸着体 吸着率 (%)
•吸着体 7 45. 8
•吸着体 1 0 6 7. 9
測定の結果、 吸着体 7及び 1 0は、 AGEの他に HMG— 1 との親和性も持つ ことが示された。
実施例 1 5 : 吸着体充填容器による AGE吸着試験
実施例 1 1記載の吸着体 7を一つの入口と一つの出口を持つ円筒状のカラムに 充填した。 カラム内容量は 1 m 1である。 吸着体の流失を防ぐ目的で、 カラムの 入口と出口にそれぞれフィルターを装填している。 吸着体 7を充填したカラムを 使って、 AGEが最終濃度で 1 0 i gZm 1 になるよう添加された 0. 5 %B S A—リン酸緩衝液 (pH 7. 2) 1 0m 1 中の AGE除去率を調べた。 流速はべ リス夕ポンプにて 0. 5 m 1 /m i nで実施した。 各時間の A G E濃度を E L I S A法にて測定した。
時間 (分) 吸着率 (%)
0 0
3 0 2 3 4
6 0 43 9
9 0 5 1
1 2 0 6 2
測定の結果、 吸着体 7を充填したカラムは AGEを除去する性能を有している ことが示された。 また、 吸着処理中のカラムに充填された吸着体は、 圧損による 吸着体の変形もなかった。 産業上の利用可能性
本発明の吸着体は、 水不溶性担体に糖尿病合併症因子と特異的に結合できる物 質を固定してなる糖尿病合併症因子吸着体であり、 その糖尿病合併症因子と特異 的に結合できる物質の固定方法が、 共有結合或いは非共有結合を含む化学結合、 または、 物理結合を介して水不溶性担体に結合していることを特徴としている。 使用した担体の基本構造体は、 体外循環療法に使用実績があり、 さらに、 その糖 尿病合併症因子吸着体と被処理液を接触させることを特徴とする糖尿病合併症因 子除去方法に関するものであり、 糖尿病合併症など非酵素的反応が原因で起こり 得る血管障害の治療に極めて有用である。