WO2001096065A1 - Method for polishing work - Google Patents

Description

明 細 書 ワ ー ク の研磨方法 技術分野

本発明は、 ワ ー ク の研磨方法に関 し、 具体的には半導体 ゥエ ーハ 等の高い平坦度が要求 される 円形状ワー ク の研磨技術に関する。 背景技術

従来、 半導体 ゥエーハ等の円形状 ワー ク の表面を研磨布で研磨す る場合、 例 えば図 3 で示 さ れる よ う に、 回転 自 在のホルダ 1 1 に取 り 付け られる保持板 1 6 に真空吸着等に よ り ワー ク Wを保持 し、 研 磨剤供給装置 1 4 か ら回転 自在な定盤 1 2 に貼 り 付けた研磨布 1 3 上に研磨剤 1 5 を供給する と と も に、 ワ ー ク Wの表面 （被研磨面） を回転する研磨布 1 3 に対 して荷重を掛けなが ら摺接させる こ と に よ り 表面研磨が行われる。

なお、 ワー ク Wを保持す る方法と しては、 金属等の保持板の保持 面にパ ッ キ ングパ ッ ト を設 けて ワー ク を固定する方法、 あ る いはセ ラ ミ ッ ク スやガラ ス等の保持板に接着剤ゃヮ ッ ク ス等を介 して ヮ ー ク を貼 り 付け る方法な ども ある。

例えば半導体 ゥエーハは前記 した よ う に研磨する こ と で鏡面 ゥェ ーハ と される が、 鏡面 ゥエ ーハの表面に回路 を形成 させて半導体デ パイ ス を作製する場合、 1 枚の ゥエーハか ら極力多 く のデバイ ス を 得る こ と が望 し く 、 その ため には ゥエ ーハ全面、 特に外周端部近 く ま で極力 フ ラ ッ ト な形状 とする こ と が要求 される。 具体的に言え ば、 現状の規格では ゥエーハ外周端部か ら一定の領域 （例えば外周 3 m m ) を除いた領域で高平坦化がな さ れていればよいが、 近年、 外周端部か ら 2 m m、 更には 1 m mま での領域で高平坦度であ る ゥ エーハが要望されつつあ る。

しか しなが ら 、 前記したよ う な保持板を用いてゥエーハを研磨した場 合、 ゥエーハ周辺部分が過剰に研磨されて、 いわゆる周辺ダレが生じる問 題があった。

図 4 は、 研磨後の ゥエーハ周辺部分の断面を模式的に示 してい る 。 研磨の際、 ゥエーハ 2 1 の周辺部分が中央部分に比べて過剰に研 磨され、 被研磨面 2 2 側の面取 り 部 2 3 近く の周辺部分に周辺ダ レ 2 4 が生じている。

こ の周辺ダ レ 2 4 は、 ゥ エーノヽの径に よ らずゥエーハ外周端部力 ら約 5 m m以内の領域で発生する場合が多い。

周辺ダ レは、 ゥエーハの 中央部分よ り も 、 周辺部分の方が よ り 新 しい研磨剤に触れる こ と等種々 の要因に よ り ゥエーハの 中央部分 よ り 周辺部分が過剰に研磨さ れて発生する が、 その発生要因の 1 つ と して、 研磨中 に ゥエーハの周辺部分に発生す る局圧があ る。 半導体 ゥエーハの研磨に用い られ る研磨布の多 く は人工皮革ゃ不織布等の 粘弾性材料か ら な り 、 ゥエーハに荷重を掛けて研磨する場合、 研磨 布が沈み込む。 その影響で ゥエーハの周辺部分に局圧が発生 し、 周 辺部分が過研磨 と なっ て平坦度が損なわれ、 周辺ダ レが発生する。

研磨布を硬質化 して沈み込み を抑 えて周辺部分の過研磨を抑制す る方法も提案 されてい るが、 硬質な研磨布を用い る と ワーク表面 （ 被研磨面） に機械的な損傷を起こすおそれがある。

ま た、 鏡面 ゥエーハの平坦度の規格は、 ゥエーハ全面、 あ る いは 局所的な 区分で評価 される も のな ど様々 であ る が、 測定値の う ち の 最悪値で平坦度を評価する場合、 その測定領域に周辺ダ レが生 じて いる と ゥエーハ全体が欠陥品 と されて しま う と い う 問題も あっ た。 発明の開示

本発明 は上記問題点に鑑みてな さ れた も ので、 半導体ゥエーハ等 の非常に精密な平坦度が要求される 円形状ワ ー ク を研磨する際、 周 辺ダレの発生を抑制する研磨方法を提供する こ と を 目 的 とする。

前記 目 的を達成する ため、 本発明 に よ れば、 円形状ワ ー ク の背面 をワー ク保持板で保持 し、 該ワ ーク の表面を研磨布に摺接させて研 磨する方法において、 前記 ワー ク背面に、 ワ ーク 中央部分よ り 周辺 部分で薄いかま たは周辺部分で ワー ク背面が露出 した背面 コー ト 膜 を形成 させ、 該背面コ ー ト 膜を介:しでワ ー ク 背面を保持板で保持 し てワー ク表面の研磨を行 う こ と を特徴 と する ワー ク の研磨方法が提 供される。

こ の よ う に ワー ク 中央部分よ り 周辺部分で薄いかま たは周辺部分 ノでワー ク 背面が露出する よ う に背面 コー ト 膜を形成 し、 該背面 コ ー ト膜を介 して ワー ク背面を保持板で保持する こ と で、 研磨布に対す る ワー ク の研磨圧力 （押圧力） がワ ーク 中央部分よ り 周辺部分で相 対的に小 さ く 又は面内でほぼ均一にな る。 それに よ り 、 周辺部分で の研磨布の沈み込みも小 さ く な るの でワ ーク 周辺部分の過剰な研磨 を防 ぐ こ と ができ る。

こ の場合、 前記ワ ー ク の背面 コー ト膜を、 ワー ク 外周端部カゝ ら 5 m m以内の領域で薄 く してまた はワーク 背面を露出 させて形成 さ せ る こ と が好ま しい。

ゥエーハを研磨する場合、 前記した よ う に ゥエーハの外周端部か • ら 5 m m以内の領域で周辺ダ レが発生 し易いので、 その領域で背面 コ ー ト 膜の厚 さ を変えれば、 周辺ダ レの発生を効果的に防 ぐ こ と が でき る。

ま た、 背面 コー ト膜の形成は、 前記ワ ーク 背面全体に均一な コ ー ト膜を形成 させた後、 該コ ー ト 膜の周辺部分を薄膜化ま たは除去す る こ と に よ り 行 う こ と ができ 、 よ り 具体的には、 ワー ク 背面全体に 均一な コー ト 膜は、 ス ピ ンコーティ ングに よ っ て形成し、 該コ ー ト 膜の周辺部分の薄膜化または除去は、 ワ ーク を回転させなが ら周辺 部分に コ ー ト 膜を溶解する溶剤 を供給す る こ と に よ り 行 う こ と がで さ る。

こ の よ う に背面 コ ー ト膜を形成す る こ と で、 所望の背面 コ ー ト 膜 を容易 に形成 させる こ と ができ 、 該背面 コー ト膜を介 して ワー ク 背 面を保持板で保持 して研磨を行 う こ と に よ っ て、 周辺ダ レの発生を 確実に抑制する こ と ができ る。

以上説明 した よ う に、 .半導体 ゥエ ーハ等の非常に高い平坦度が要 求される 円形状ワー ク を研磨す る際、 ワ ー ク の中央部分よ り 周辺部 分で薄いかま たは周辺部分でワ ーク 背面が露出 した背面コ ー ト 膜を 形成 させ、 該背面 コー ト膜を介 して ワー ク背面を保持板で保持 して ワー ク表面の研磨を行 う こ と に よ り 、 ワー ク の周辺部分の過研磨を 抑制する こ と カ でき る。

特に、 半導体ゥエ ーハの よ う な非常に高い平坦度が要求 される研 磨に本発明 を適用する こ と で、 周辺ダ レを防 ぐ と と も に、 研磨剤等 によ る ゥエ ーハ背面の汚染を防止す る こ と ができ る ので、 ゥエ ーハ 外周端部近 く ま で表面全体にわたっ て非常に高い平坦度が達成 さ れ る上、 表面特性に優れた鏡面 ゥエ ーハ と する こ と ができ る。 こ の よ う な鏡面 ゥエーハは、 表面全体に回路を形成 させる こ と ができ 、 半 導体デバイ ス の生産性及ぴ歩留 り を向上 させる こ と ができ る。 図面の簡単な説明

図 1 は、 本発明に係る背面コ ー ト 膜が形成 された ゥエ ーハを保持 した状態を示す概略図であ る。

図 2 は、 本発明に係る背面コ ー ト 膜を形成する 工程の一部を示す 概略説明図であ る。

図 3 は、 ゥエ ーハの片面研磨装置の一例を示す概略側面図であ る 図 4 は、 従来の方法によ る研磨後の ゥエ ーハ周辺部分を示す部分 断面略図であ る。

図 5 は、 実施例、 比較例の研磨後 に測定した ゥエーノ、の周辺部分 の厚さ の変位量を示すグラ フである。

発明を実施するための最良の形態

以下、 本発明 の実施の形態について図面を参照 しなが ら さ ら に具 体的に説明する が、 本発明 はこれ ら に限定さ れる も の ではない。

なお、 本発明 に係る研磨方法は、 高い平坦度が要求 される薄板の 円形状 ワー ク を研磨する場合に適用 でき るが、 好適な具体例 と して 半導体 ゥエーハを研磨する場合について説明する。

まず、 研磨 される ま での半導体ゥエーハの製造工程を説明する と 、 チ ヨ ク ラ ルス キー法 （ C Z 法）、 浮遊帯域溶融法 （ F Z 法） 等に よ り シ リ コ ン等の原料融液か ら成長 させた半導体ィ ンゴ ッ ト をス ラ イ ス し て ゥエーハ と する。 次いで、 得 られた ゥエーハ の粗面取 り と ラ ッ ピ ングを行っ た後、 ゥエーハ表面の加工歪等を除去する ため、 エ ッ チ ングが行われる。 なお、 ラ ッ ピングに代えて平面研削 を行 う 場合も ある。

こ の よ う な工程を経た ゥ エーハは、 表面を よ り 平坦化及ぴ鏡面化 する ために表面研磨が施さ れる が、 本発明では、 まず、 研磨前の ゥ エーハ の背面に、 ゥエーハ中央部分よ り 周辺部分で薄いかま た は周 辺部分でゥエーハ背面が露出 した背面コ ー ト 膜を形成 させ、 こ の背 面コー ト膜を介 して ゥエーハ背面を保持板で保持 して ゥエーハ表面 の研磨を行 う 。

ゥエーハを研磨する際の ゥエーハの保持方法に関 しては、 前記 し た よ う に様々 な方法がある が、 本発明ではいずれの態様に も適用 で さ る 。

例えば、 貫通孔を通 じて吸着保持する保持板を用いる場合には、 従来の方法では ゥエーハ背面全体を直接保持板の保持面に当接 さ せ て ゥエ ーハを保持 し、 研磨を行っ ている が、 本発明ではこ の よ う な 保持板で ゥエ ーハを保持す る前に、 ゥエ ーハ背面に ゥエ ー ハ中央部 分よ り 周辺部分で薄いかま たは周辺部分で ゥエ ーハ背面が露出 した 樹脂等か ら な る背面 コ ー ト 膜を形成 させる。

背面コー ト膜の材質と しては、 適度な硬度を有 し、 研磨剤成分で あ る アル力 リ に対する耐性があ り 、 かつ ゥエ ーハ と の接着性が良 く 、 さ ら に研磨後は容易 に除去でき る材料であれば特に限定さ れず、 フォ ト レジ ス ト やその他合成樹脂等が用い られる が、 特にポ リ ビニ ルブチラール （ P V B ) 樹脂を好適に使用でき る。

また、 背面 コ ー ト 膜の形成方法も 特に限定 されないが、 ゥエ ーハ 背面全体に均一な コ ー ト膜を形成 させた後、 該コ ー ト膜の周辺部分 を薄膜化ま たは除去する こ と に よ り 所望の形状の背面 コ ー ト 膜を容 易に形成させる こ と ができ る。

例えば、 P V B 樹脂 をイ ソ プロ ピ ル ア ル コ ー ル （ I P A ) に溶か した溶液を ゥエ ーハの背面 （被保持面） にス ピ ンコーテ ィ ングに よ つ て塗布する。 ゥエ ーハ背面全体に P V B樹脂を均一に塗布 した後 、 ゥエ ーハを回転 させなが ら周辺部分に コー ト膜を溶解する溶剤 （ 例えば I P A ) を供給 して コー ト 膜の周辺部分の薄膜化ま たは除去 を行 う こ と ができ る。

図 2 は、 ゥエ ーハ背面全体に形成 した コー ト膜の周辺部分を除去 する方法の一例 を示 した概略説明図であ る。 ス ピ ン コ ーテ ィ ング等 に よ り 背面全体に コ ー ト膜 6 を形成 した ゥエ ーハ Wを、 その中心が 回転テーブル 2 の回転軸 3 上に位置する よ う に回転テーブル 2 上に 載置す る。 次いで、 ゥエーハ Wを回転させなが ら 、 溶剤供給ノ ズ ル 4 を通 じて I P A等の溶剤 5 を ゥエ ーハ周辺部分に供給する こ と で コ ー ト 膜 6 の周辺部分が溶解されて薄膜化ま たは除去 され る。 なお 、 ス ピ ンコ ーテ ィ ングに よ る背面全体の コ ーテ ィ ング及ぴ周辺部分 の薄膜化処理は連続して行 う こ と ができ る。 こ の よ う にコ ー ト 膜の周辺部分を薄膜化ま たは除去 した後、 熱処 理する こ と に よ り 乾燥 （ I P A を蒸発） させ、 適度な硬度を有 し、 ゥエ ーハ と の接着性が良 く 、 かつ研磨剤成分であ る アル力 リ に対す る耐性も有する背面 コ ー ト 膜を形成 させる こ と ができ る。

なお、 P V B 樹脂膜の形成に関 しては、 例 えば、 I P A中 の P V B樹脂の濃度を 0 . 2 ~ 5 . 0 重量％程度 と すればス ピ ン コ ーテ ィ ングに よ り 容易 に塗布する こ と ができ 、 次いで周辺部分を I P Aで 除去 した後 5 0 °C〜 2 0 0 °Cの温度で 3 0 秒〜 7 2 0 秒の熱処理を 行 う こ と に よ り 、 研磨剤成分であ る アル力 リ に対する耐性に優れ、 適度な硬度を有する P V B 樹脂膜を形成 させる こ と ができ る。

本発明 にかかる背面 コー ト膜を形成 さ せる方法は上記の例に限定 されず、 例えば、 ス ピ ンコ ーテ ィ ング等に よ っ て ゥエ ーハ背面全体 に樹脂 を塗布 した後、 乾燥する前に周辺部分の樹脂を拭き 取っ て も よ い。

あ る いは、 当初か ら ゥエ ーハ周辺部分で ゥエ ーハ背面が露出する よ う に中央部分にだけ樹脂 を塗布 して背面 コ ー ト 膜を形成 させて も よ い。

他に も 、 ゥエ ーハ周辺部分を溶剤に浸漬し、 ゥエ ーハを回転 さ せ 周辺部分のみ背面 コ ー ト膜を除去する方法や、 背面コ ー ト膜の 中央 部をフ ィ ル ム等で保護 し周辺部のみを除去 した後、 フ ィ ル ム を取 り 除く な どの方法があ る。

なお、 背面 コ ー ト 膜は、 ゥエ ーハ外周端部か ら 1 0 m m以内、 特 に 5 m m以内の領域で薄 く してまたは ゥエ ーハ背面を露出 させて形 成させる こ と が好ま しい。 前記 した よ う に、 片面研磨においては、 ゥエ ーハ径に よ らず周辺部 5 m m前後か ら研磨圧力が上昇 して周辺 ダレが生 じ易い。 したがっ て、 背面 コー ト 膜を ゥエ ーハ外周端部か ら 1 O m m以内、 特に 5 m ni以内の領域で薄 く してま たは ゥエ ーハ 背面を露出 させて形成 し、 該背面コ ー ト 膜を介 して ゥエ ーハ背面 を 保持板で保持 して ゥエーハ表面の研磨を行 う こ と で、 保持板 と ゥェ ーハ周辺部分 と の間に間隙を設 けて ゥエーハ表面の研磨を行 う こ と ができ 、 周辺ダ レを よ り 効果的に防 ぐこ と ができ る。

なお、 背面 コ ー ト 膜は、 特に ゥ エーハ周辺部 5 m m以内の領域に おいて完全に除去 して しま う か、 周辺部分においてほぼ均一な厚 さ と な る よ う に薄 く して も よ い し、 ゥ エーハ周辺部 5 m m力 ら ゥ エー ハ端部に向かっ て徐々 に、 ある いは段階的に厚さ が薄 く な る よ う に 形成しても よい。

ま た、 周辺ダ レの発生を よ り 効果的に防 ぐか低減する ためには、 背面コ ー ト 膜の ゥ ユーハ周辺部、 特に最外周部におけ る厚 さ と ゥ ーハ中心部にお け る厚 さ と の差は、 少な く と も 、 背面コ ー ト膜無 し あ る いは背面 コ ー ト 膜を ゥ エーハ面内で均一な厚 さ で形成して研磨 した時に生 じ る周辺ダ レの値よ り も 大き く す る こ と が好ま しい。 特 には、 こ の厚 さ の差は周辺ダレの値の 2 倍以上 と する こ と が好ま し い。 しか しな力 ら、 厚 さ の差が大き 過ぎて も背面 コ ー ト 膜を厚 く 形 成する必要が生 じた り 、 研磨の際に周辺ダ レではな く 、 ゥ エーハの 周辺がはねあがっ た形状 と なっ て しま う おそれがあ る ので、 厚 さ の 差の実用的な上限は、 周辺ダレの値の 5 倍程度 と する こ と が好ま し い

本発明では、 以上の よ う にゥエーハ中央部分よ り 周辺部分で薄い かま たは周辺部分で ゥエーハ背面が露出 した背面 コ ー ト 膜を形成 さ せた後、 該背面 コー ト膜を介 して ゥエーハ背面を保持板で保持 して 研磨を行 う 。 図 1 は、 本発明に係る方法に よ り ゥエーハを保持板に .保持 した状態を示 している 。 ゥエーハ Wは、 背面 コー ト 膜 6 が薄 く なっ ている ゥエーハ周辺部分が保持板 1 の保持面 7 と め間に隙間 を 設けて保持板 1 に吸着保持 されてい る。

こ の よ う に保持 された ゥエーハ Wは、 従来 と 同様の方法で研磨布 に対 して荷重を掛けて研磨する こ と で、 研磨布に対する ゥエーハの 研磨圧力が ゥエーハ中央部分よ り 周辺部分で相対的に小 さ く 又は面 内でほぼ均一 と な り 、 研磨布か ら受 け る 局圧が緩和 される。 その結 果、 ゥエーハ周辺部分の研磨布の沈み込みも 小 さ く な る の で、 周辺 部分が過剰に研磨されず、 周辺ダレの発生を防 ぐ こ と ができ る。

なお、 本発明 にかかる背面コ ー ト 膜は、 上記の よ う に周辺ダ レの 発生を防 ぐ と と も に、 研磨剤等によ る ゥエーハの背面の汚れを防止 する保護膜 と して も機能す る。 ゥエ ーハ背面 を直接保持板で保持す る と 、 研磨剤や研磨中に生 じる研磨カ ス が保持板 と ゥエーハ と の間 に入 り 込み、 ゥエーハ背面が汚染さ れる場合があ る が、 本発明 の よ う に、 背面 コー ト 膜を介 して ゥ エーハを保持する こ と で、 研磨剤等 によ る背面の汚染を防止す る こ と ができ る。 特に ワー ク 中央部分 よ り 周辺部分で薄い背面 コ ー ト膜を形成 さ せる場合は、 ゥエーハ背面 全体にわたっ て上記の よ う な コ ー ト 膜が存在する こ と にな る の で 、 研磨剤等に よ る 汚染を完全に防止する こ と ができ る。

研磨後は、 ゥエーハ背面全体から コー ト膜を除去する が、 前記周 辺部分の背面 コ ー ト 膜を薄膜化ある いは除去する と き に用いた溶剤 中に ゥエーハを浸漬して背面コ ー ト 膜全体を除去すればよ い。 例 え ば、 P V B 樹脂膜であ る場合は I P Aを用い る こ と ができ る。 ま た 、 I P Aで処理する以外ま たは I P Aで処理する 以前に、 オゾン添 加水で洗浄 し、 コー ト膜を分解 し、 その後ア ンモ ニ ア と過酸化水素 水の混合溶液 （いわゆ る S C — 1 溶液） や N a O H Z H ₂ 0 ₂等 の アル力 リ 溶液を用いて処理する こ と に よ つ て も容易に除去する こ と カ でさ る。

上記説明では、 貫通孔を通 じて吸着保持す る保持板を用い る場合 について説明 したが、 本発明は こ の よ う な保持方法のみに適用 され る のではな く 、 例 えばパ ッ キングパ ッ ト を設けた保持板を用い る場 合にも 同様に適用 して円形状ワーク を研磨する こ と ができ る。

ま た、 セ ラ ミ ッ ク スやガラ ス等のプレー ト に接着剤やワ ッ ク ス等 を介 して ゥエーハを貼 り 付けて研磨を行 う 場合には、 これ ら の接着 剤ゃヮ ッ ク ス を ゥエーハ中央部分よ り 周辺部分で薄いかま たは周辺 部分で ゥエーハ背面が露出する よ う に ゥ エーハ背面に塗布 してプ レ 一 ト に貼着 させる よ う にすればよい。

すなわち、 本発明でい う 背面 コー ト膜 と は、 こ の よ う なセ ラ ミ ツ ク スゃガラ ス等のプ レー ト に ゥエーノヽを貼 り 付け るために ゥエーハ 背面に付着 される接着剤やワ ッ ク ス等も含むも の で あ る 。

これ ら の塗布方法に関 して も 特に限定 されないが、 こ の場合も 、 ス ピ ンコ ーテ ィ ング等に よ り ゥエーハの背面全体に接着剤ゃヮ ッ ク ス を均一に塗布 し、 ゥエーハを回転 させなが ら周辺部分に溶剤 を供 給して周辺部分を薄膜化ま たは除去する こ と ができ る。 ヮ ッ ク ス の 溶剤 と しては、 I P A、 苛性ソ ーダ水を使用 でき 、 容易 に周辺部分 の ワ ッ ク ス の薄膜化ま たは除去を行 う こ と ができ る。 なお、 こ の場 合も ゥエーハ外周端部か ら 1 O m m以内、 特に 5 m m以内の領域で 薄 く してま たは ゥエーハ背面を露出 させる こ と が好ま しい。

本発明 に従っ て背面 コー ト膜を形成 さ せて研磨 された ゥエーハは 、 周辺ダ レの発生が抑制 さ れ、 ゥエ ーハ表面全体にわたっ て平坦度 に優れた鏡面 ゥエーハ と な り 、 ゥエーハ の良品率を著 し く 向上 さ せ る こ と ができ る。 ま た、 こ の よ う な ゥエーノヽを用 いる こ と で表面全 体に回路を形成 させる こ と が で き 、 半導体デバイ ス の生産性及び歩 留 り を著し く 向上 させる こ と ができ る。

さ ら に、 本発明ではワー ク の背面に所望形状の背面コ ー ト膜を形 成 させて過研磨を抑制する も のであ る の で、 従来使用 さ れてい る一 般的な ワーク保持板をそのま ま使用 でき る と い う 利点があ る。

以下、 実施例及ぴ比較例 を示 して本発明 を よ り 具体的に説明す る が、 本発明 はこれ ら に限定される も の ではない。

(実施例） イ ン ゴ ッ ト を ス ラ イ ス し て得たシ リ コ ンゥエーハ （径 ： 2 0 0 m m、 厚 さ ： 7 3 5 /i in ) の背面 （被保持面） 全体にス ピ ンコ ーテ ィ ングに よ り P V B 樹脂 （ I P A溶媒） を塗布 し、 その後周辺カゝ ら 5 m m以内の領域を図 2 に示 され る よ う に I P A溶液を周辺部分に供 給して薄膜化 した。 その後熱処理 して中央部分の膜厚 1 . Ο μ πι、 周辺部分の膜厚 0 . 2 μ πιの背面コ ー ト膜を形成 した。

こ の よ う に形成 した背面 コ ー ト膜を介 して ウェ ^ ^ハを図 1 で示 さ れる よ う に保持板に吸着保持 して、 以下の研磨条件で ゥエーハ の ー 次研磨を行っ た。

研磨装置 ： 真空吸着タイ プ牧葉研磨装置

研磨布 ： S U B A 6 0 0 (口 デール社製商品名）

研磨剤 ： コ ロ イ ダルシ リ カ研磨剤 （粒径 ： 数十 n m、 シ リ カ 濃 度 ： 2 . 5 w t %、 p H = 1 0 . 5 )

研磨荷重 ： 3 0 0 g f / c m ²

相対速度 ： 5 0 m / m i n

研磨時間 ： 1 5 分

研磨代 ： 1 0 μ m

研磨終了後、 オゾ ン添加水で処理 した後 I P A溶液中 に ゥエーハ を浸漬し、 背面コー ト膜を除去 した。

(比較例）

実施例で用いた ゥエーハ と 同 じサイ ズのシ リ コ ンゥエーハの背面 (被保持面） 全体にス ピ ンコ ーテ ィ ングに よ り 均一な厚 さ の P V B 樹脂 （ I P A溶媒） を塗布 した後、 熱処理 して ゥエーハ背面全体に 膜厚 1 . Ο μ πιの背面コー ト膜を形成した。

こ の よ う に形成 した背面 コ ー ト膜を介 して ゥエ ーハを吸着保持 し て、 実施例 と 同 じ研磨条件で ゥエーハの一次研磨を行っ た。

研磨終了後、 オゾン添加水で処理 した後 I Ρ Α溶液中に ゥエーハ を浸漬し、 背面 コー ト膜を除去 した。 静電容量式厚 さ測定器を用いて前記実施例及び比較例で研磨を行 つ た ゥエ ーハ周辺部分の ゥ エ ーハ厚 さ分布 （除外領域 ： 周辺 2 m m ) を測定し、 結果を図 5 に示 した。

こ の グラ フ カゝ ら読み取れ る よ う に、 比較例で研磨 した ゥエ ーハで は、 ゥエ ーハ外周端部力、 ら 1 8 m mの位置力 ら 5 〜 6 m mの位置ま での範囲にお け る厚 さ の変位はほ と ん ど無いが、 周辺約 5 m mの位 置カゝ ら急激に落ち込んで、 周辺ダ レが発生してい る こ と が分かる 。 一方、 実施例で研磨 した ゥエ ーハは、 ゥエ ーハ外周端部か ら 5 m m の位置か ら 2 m mの位置ま での範囲 にお け る厚さ の変位量は、 0 - 1 μ m程度であ り 、 ゥエ ー ハ全面にわたっ て非常に高い平坦度が達 成されてい る。

周辺部分で ゥエ ーハ背面が露出する よ う に接着剤を介 して複数枚 の ゥエ ーハをガラ スプ レー ト に貼着 してノ ツ チ式で研磨を行っ た場 合も 、 前記実施例の場合と 同様に ゥエ ーハ全体にわたっ て非常に高 い平坦度が達成 された。 なお、 本発明 は、 上記実施形態に限定 される も の ではない。 上記 実施形態は単な る例示であ り 、 本発明 の特許請求の範囲に記載 され た技術的思想 と 実質的に同一な構成を有 し、 同様な作用効果を奏す る も のは、 いかな る も の であっ ても 本発明の技術的範囲 に包含 さ れ る。

前記実施の形態では半導体ゥエ ーハを研磨する場合を例に説明 し たが、 本発明が適用 でき る被研磨物は半導体 ゥエ ーハに限定 されず 、 表面全体の高い平坦度が要求 され る 円形状ワー ク の研磨に適用 で き る。 また、 ワー ク の大き さ に関 して も 特に限定 される も の ではな い

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 円形状ワ ー ク の背面をワーク保持板で保持 し、 該ワー ク の表 面を研磨布に摺接 させて研磨す る方法において、 前記ワー ク 背面に 、 ワー ク 中央部分よ り 周辺部分で薄いかまたは周辺部分でワー ク 背 面が露出 した背面 コ ー ト膜を形成さ せ、 該背面コ ー ト 膜を介 して ヮ ーク背面を保持板で保持してワーク 表面の研磨を行 う こ と を特徴 と する ワ ー ク の研磨方法。

2 . 前記ワ ー ク の背面コ ー ト 膜を、 ワ ー ク 外周端部か ら 5 m m以 内の領域で薄 く してま たは ワー ク背面を露出 させて形成 させる こ と を特徴 とする請求項 1 に記載の ワー ク の研磨方法。

3 . 前記背面コ ー ト膜の形成を、 前記 ワー ク 背面全体に均一な コ 一ト 膜を形成 させた後、 該コー ト膜の周辺部分を薄膜化または除去 する こ と に よ り 行 う こ と を特徴 とする請求項 1 ま たは請求項 2 に記 載の ワ ー ク の研磨方法。

4 . 前記ワ ー ク 背面全体に均一な コー ト膜は、 ス ピ ン コ ー テ ィ ン グに よ っ て形成 し、 該コー ト膜の周辺部分の薄膜化または除去は、 ワー ク を回転 させなが ら周辺部分に コ ー ト膜を溶解する溶剤 を供給 して行 う こ と を特徴 と する請求項 3 に記載の ワー ク の研磨方法。