明 細 書 環状フェノール硫化物金属会合体の蛍光材料及びその組成物 技術分野
本発明は、 光学材料、 染料、 発光デバイス用原料等として有用な蛍光材料に関する。 背景技術
蛍光材料は、 光学製品原科、 染料、 発光デバイス用原料等として有用であるが、 そ の発光波長や励起波長の領域が材料によって限られており、 幅広い励起波長に対応で きる新規の素材、 材料開発が求められていた。
また、 最近では微細反応場で微小量の紫外光を可視光に変換する必要のあるブラズ マディスプレイのような表示素子の開発が進んでおり、 分子単位で配置や発光を制御 できる有機蛍光材料の開発が求められている。
従来、 蛍光材科としては、 無機組成物である希土類酸化物が利用されている。
しかしながら、 従来の蛍光材料は、 安価かつ安定で、 利用しやすい反面、 分子レべ ルの微粉化が困難であり、 物理的粉砕で一定の微細素子に適用することに困難があつ た。 発明の開示
本発明は、 微細反応場での微小量の紫外光を蛍光に変換することができ、 分子単位 で配置や蛍光の発光を制御できる蛍光材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、 環状フエノール硫化物の化学構造と、 金属との親和性、 金属種、 分 光学的挙動を鋭意検討した結果、 特定の化学構造を有する環状フヱノール硫化物と希 土類金属イオンの会合体が顕著な蛍光 光を示すことを突き止め、 本発明を完成する に至った。
本発明は、 以下の (1) 〜 (3) に関する。
(1) 式 (1)
(式中、 Xは S、 SOまたは S02であり、 nは 4〜6の整数であり、 Yは水素原子、 炭化水素基、 ハロゲン化炭化水素基、 一 COR1, -OR2, — COOR3、 — CN、 一 CONH2、 一N02、 一 NR4R5、 ハロゲン原子、 一S04R6または、 一 S03R 7であり、 !^〜尺 5は水素原子または炭化水素基であり、 R 6および R 7は水素原子、 炭化水素基または金属であり、 複数の Yは同一であっても異なっていてもよい。 ) で 表されるチアカリックスァレーン、 スルフィニル化チアカリックスァレーンおょぴス ルホニル化チア力リックスァレーンから選ばれる少なくとも 1種の環状フエノール硫 化物と希土類金属ィオンとの会合体からなることを特徴とする蛍光材料。
(2) (1) 記載の蛍光材料を媒体中に分散または溶解させてなる蛍光材; W且成物。
(3) 媒体が水である (2) に記載の組成物。 図面の簡単な説明
第 1図は、 チア力リックス [4]アレーンスルホン酸 N a塩/ Tbの水溶液の紫外線 吸収スぺクトルを示したものである。
第 2図は、 チアカリックス [4]アレーンスルホン酸 N a塩/ Tbの水溶液の蛍光ス ぺクトルを示したものである。
第 3図は、 スルホニル化チアカリックス [4]アレーンスルホン酸 N a塩/ Tbの水 溶液の紫外線吸収スぺクトルを示したものである。
第 4図は、 スルホニル化チアカリックス [4]アレーンスルホン酸 Na塩 ZTbの水 の蛍光スぺクトルを示したものである。
発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明を詳細に説明する。
特開平 11— 179104号公報には、 フエノール硫ィ匕物群の系統的な合成研究に より、 かご型骨格を有する環状フエノール硫化物が、 金属イオンと強い親和性を示す ことが開示されている。
本発明の蛍光材料は、 光エネルギー捕集部位としての式 (1) の環状フエノール硫 化物と希土類金属ィォンの会合体である。
Yは、 水素原子、 炭化水素基、 ハロゲン化炭化水素基、 —COR1, -OR2, — C OOR3、 一CN、 一 CONH2、 一 N02、 一 NR4R5、 ハロゲン原子、 一 S04R6 または一 S03R7であり、 複数の Yは同一であっても異なっていてもよい。
炭化水素基の具体例としては、 例えばメチル、 ェチル、 η—プロピル、 イソプロピ ル、 η—プチル、 イソプチル、 t e r ί—ブチル、 η—ペンチル、 イソペンチル、 ネ オペンチノレ、 t e r t—ペンチル、 2—メチノレブチノレ、 n—へキシノレ、 イソへキシノレ、 3—メチルペンチル、 ェチルプチル、 n—ヘプチル、 2_メチルへキシル、 n—ォクチ ル、 ィソォクチノレ、 t e r —ォクチノレ、 2—ェチルへキシル、 3—メチルヘプチル、 η—ノニル、 イソノニル、 1ーメチルォクチル、 ェチルヘプチル、 η—デシル、 1—メ チルノニル、 η—ゥンデシル、 1, 1—ジメチルノニル、 η—ドデシル、 η—テトラデ シル、 η—へブタデシル、 η—ォクタデシル基などのアルキル基、 及びエチレンゃプ ロピレン、 プチレンの重合物あるいはそれらの共重合物より成る炭化水素基が挙げら れる。
不飽和脂肪族炭化水素基の適当な具体例としては、 例えばビュル、 ァリル、 イソプ ロぺニル、 2_プテニノレ、 2—メチルァリル、 1, 1—ジメチルァリル、 3—メチルー 2— プテュル、 3—メチルー 3—ブテュル、 4一ペンテュル、 へキセニル、 オタテュル、 ノネ ニル、 デセニル基などのアルケニル、 アルキ-ル基、 及ぴアセチレンやブタジエン、 イソプロピレンの重合物あるいはそれらの共重合物より成る基などが挙げられる。
脂環式炭ィ匕水素基の過当な具体例としては、 例えばシクロプロビル、 シクロブチル、 シクロペンチノレ、 シクロへキシル、 シクロへプチノレ、 シクロオタチノレ、 3—メチノレシク 口へキシノレ、 4—メチノレシク口へキシノレ、 4—ェチノレシク口へキシノレ、 2—メチノレシク口 ォクチノレ、 シクロプロぺェノレ、 シクロプテニノレ、 シクロペンテ二ノレ、 シクロへキセニ ノレ、 シクロオタテ-ノレ、 4—メチノレシクロへキセニノレ、 4—ェチノレシクロへキセニル基 などのシク口アルキル、 シク口アルケニル、 シク口アルキニル基などが挙げられる。 脂環式一脂肪族炭化水素基の適当な具体例としては、 例えばシクロブ口ピルェチル、 シクロプチノレェチノレ、 シクロペンチノレエチノレ、 シクロへキシノレメチノレ、 シクロへキシ ノレェチノレ、 シクロへプチノレメチノレ、 シクロオタチルェチノレ、 3—メチノレシクロへキシノレ プロピノレ、 4ーメチノレシクロへキシノレエチノレ、 4—ェチノレシクロへキシノレェチノレ、 2—メ チノレシクロオタチノレエチノレ、 シクロプロぺニノレプチゾレ、 シクロプテニノレエチノレ、 シク 口ペンテニノレエチノレ、 シクロへキセニノレメチノレ、 シクロへプテニノレメチノレ、 シクロォ クテニノレエチノレ、 4ーメチルシクロへキセ-ノレプロピノレ、 4ーェチノレシクロへキセニ ルペンチル基などのシクロアルキル、 シクロアルケニル、 シクロアルキニル基などで 置換されたアルキル、 ァルケニル、 アルキエル基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基の適当な具体例としては、 例えばフエニル、 ナフチル基などのァ リール基、 4—メチルフエニル、 3, 4—ジメチルフエニル、 3, 4, 5—トリメチルフエ 二ノレ、 2—ェチノレフエニノレ、 n—プチノレフエ二ノレ、 t e r —ブチノレフエ二ノレ、 アミノレ フエ二ノレ、 へキシノレフエ二ノレ、 ノニノレフエニノレ、 2- t e r ί _プチノレ _ 5—メチノレフ ェニノレ、 シクロへキシノレフエ二ノレ、 クレジノレ、 ォキシェチノレクレジノレ、 2—メトキシ一 4- t e r ί—ブチルフエニル、 ドデシルフヱニル基などのアルキルァリール、 ァルケ ニルァリール、 アルキニルァリール基などが挙げられる。 アルキルァリ—ル基のアル キル部分、 ァノレケニルァリール基のァルケ-ル部分、 アルキニルァリール基のアルキ ニル部分は環状構造をとってもよい。
芳香族一脂肪族炭化水素基の具体的な例としては、 例えばベンジル、 1一フエ-ノレェ チノレ、 2—フエニノレエチノレ、 2—フエ二ノレプロピノレ、 3—フエニルプロピル、 4一フエ二
ルプチル、 5—フエ-ルペンチル、 6—フエ二ルへキシル、 1一 (4—メチルフエニル) ェチノレ、 2— (4—メチルフエニル) ェチル、 2—メチルべンジル、 1, 1—ジメチル _2 —フエニルェチル基などのァラルキル、 ァラルケニル、 ァラルキニル基などが挙げら れる。 ァラルキル基のアルキル部分、 ァラルケニル基のアルケニル部分、 ァラルキニ ル基のアルキニル部分は環状構造をとってもよい。
ハ口ゲン化炭化水素は、 上記炭化水素基がハ口ゲン置換されたものが好ましくハロ ゲンの種類としては、 フッ素化物、 塩素化物、 臭素化物、 ヨウ素化物のいずれでも良 い。
ハロゲン原子としてはフッ素化物、 塩素化物、 臭素化物、 ヨウ素化物のいずれでも 良い。
!^〜尺 5は水素原子または炭化水素基であり、 R 6および R 7は水素原子、 炭化水素 基または金属である。 炭化水素基としては上記炭化水素基が適用できる。
式 (1 ) において、 R 6および R 7の金属、 すなわち、 Yの硫酸金属塩またはスルホ ン酸金属塩の金属としては、 特に制限ないが、 アルカリ金属が好ましい。 アルカリ金 属は、 ナトリウム、 カリウム、 ルビジウム、 セシウム、 フランジゥムなどがあるが、 ナトリウムが好ましい。 また、 式 (1 ) において、 nは、 4〜 6の整数であるが、 好 ましくは 4である。
式 (1 ) の環状フエノール硫化物は、 式 (1 ) の Xが Sであるチアカリックスァレ ーン、 式 (1 ) の Xが S Oであるスルフィエル化チアカリックスァレーン、 または、 式 (1 ) の Xが s o 2であるスルホニル化チアカリックスァレーンである。 それらは、 その製造法に特段の制約はなく、 例えば特開平 9一 2 2 7 5 5 3号明細書に記載され ているチアカリックスァレーンおよびその脱炭化水素法並びにスルホン化法を基本と して、 WO 9 8 / 0 9 9 5 9号に記載のスルフィニル化もしくはスルホニル化方法を 適宜組み合わせることによって製造することができる。 また、 脱アルキルとスルホン 化を 1段階で行う反応方法も開発されており (W0 9 9 / 2 9 6 8 3号) 、 この方法 を適用することで、 さらに簡便な製造が可能である。
本発明においては、 式 (1 ) の環状フエノール硫化物は、 1種のみで使用してもよ いし、 2種以上を組合せて使用してもよい。
会合体の他の成分である金属イオンは、 希土類金属イオンである。 希土類金属ィォ ンは、 スカンジウム、 イットリウム、 ランタン、 セリウム、 プラセオジム、 ネオジム、 プロメチウム、 サマリウム、 ユーロピウム、 ガドリニウム、 テノレビゥム、 ジスプロシ ゥム、 ホルミウム、 エルビウム、 ツリウム、 イッテルビウム、 ルテチウムなどのィォ ンである。
希土類金属イオンの原料は、 例えば金属陽イオンと対陰イオンの塩であり、 市販の 塩酸塩、 スルホン酸塩、 硝酸塩等が適宜利用できる。
上記会合体は、 通常均一媒体中において、 式 (1 ) の環状フエノール硫化物、 また は、 これらのイオンと希土類金属イオンを混合することで得ることができる。 例えば、 環状フェノ一ル硫ィ匕物を溶解させた溶液に、 希土類金属ィオンが溶解した液を接触さ せることで、 希土類金属イオンは環状フエノ一ル硫ィ匕物の溶液に移行させることが可 能である。 具体的には、 式 (1 ) の環状フエノール硫ィ匕物をクロ口ホルム等の有機溶 媒に溶解させ、 これに金属イオンを含む水溶液を混合、 撹拌すれば良い。 このときの 溶液濃度は任意であるが、 効率の面から式 (1 ) の環状フエノール硫化物の濃度は、 飽和濃度〜 1 0 - 1 GMの範囲が好適である。 金属イオン濃度も同様の範囲で実施可能 であるが、 反応効率の面から、 式 (1 ) の環状フエノール硫ィヒ物の濃度の 1 1 0以 上の初期濃度を有することが好ましく、 さらに好ましくは 1 Z 5以上である。 また、 混合する各々の物質の総量は、 1 : 1 (モル比) が標準であり、 過剰の成分は本発明 の蛍光材料としては機能しないが、 共存することに支障はない。 効率的な製造のため には、 金属イオン過剰の条件で調整した後、 水層に残留する過剰量の金属を回収する 方法が好ましく、 この方法において、 好ましいモル比は、 式 (1 ) の環状フエノール 硫ィ匕物 1モルあたり 1〜 1 0 0モル、 さらに好ましくは 1〜 5 0モルである。
また、 この方法に限らず、 均一水溶液系において、 これらを混合する方法も可能で ある。 均一溶液系で混合する場合、 その濃度や温度に特段の制限は無いが、 希土類金
属イオンが環状フエノール硫化物に対して過剰量存在する条件での混合が好ましく、 具体的には 1 0一9 M以上の濃度であれば実施可能である。 また、 このとき水溶性有機 溶媒を共存させることも可能であり、 具体的には、 N, N'—ジメチルホルムアミド、 ジメチノレスノレホキシド、 ァセトニトリノレの他、 メタノーノレ、 エタノーノレ、 プロパノー ル等のアルコール類、 アセトン、 メチルェチルケトン等のケトン類を共存させること が可能である。
混合する順序についても制約はなく、 希土類金属イオン と環状フエノール硫ィ匕 物の溶液を単純に混合すればよい。 この混合は一度に行っても、 数回に分割して行つ てもよい。
また、 この場合は、 希土類金属イオンと環状フエノール硫化物のモル比は 1 : 1が 理論配合比であり、 一方が過剰に存在する場合は、 過剰量の成分は発光に寄与しない。 実質的には、 1 . 0 : 0 . 3 ~ 0 . 3 : 1 . 0のモル比であれば使用に支障は無く、 成分のロス等を鑑みると 1 . 0 : 0 . 5〜0 . 5 : 1 . 0の範囲が好適である。
本発明の蛍光材料組成物には、 金属ィオンと環状フェノール硫化物の会合体の他に、 媒体が含まれる。 媒体としては、 水、 有機溶媒等が挙げられ、 水が好ましい。 また、 水には有機溶媒を共存させてもよい。 有機溶媒としては、 メタノール、 エタノーノレ、 n —プロパノール、 イソプロノ ノール、 等のアルコール類、 アセトン、 メチルェチルケ トン等のケトン類、 ジメチルスルホキシド、 N, N'—ジメチルホルムアミ ド、 テトラ ヒドロフラン、 ァセトニトリル、 1 , 4一ジォキサン等の非プロトン性極性有機溶媒、 ジクロロメタン、 クロロホノレム、 1 , 2—ジクロロェタン、 クロ口ベンゼン等のノヽロ ゲン系溶媒、 酢酸ェチル、 酢酸メチル等のエステル系溶媒、 ベンゼン、 トルエン等の 芳香族溶媒が挙げられる。 有機溶媒は、 1種単独または 2種以上混合されて用いても よい。
本発明の蛍光材料組成物において、 会合体の濃度は、 1 0 _ 9M以上が好ましく、 実 用的には 1 0一5 M以上が好ましい。 好ましい濃度に上限はなく、 飽和濃度でも利用可 能であり、 過飽和状態、 析出物をろ別回収して固体として利用しても差し支えない。
本発明の蛍光材料組成物としては、 上記の製造方法により得られる会合体溶液をそ のまま利用することができる。
また、 本発明の蛍光材料組成物には、 緩衝液など他の添加剤を含有することができ る。
本発明の蛍光材料を、 溶液のまま液体材料として利用する場合は、 発光特性の安定 化のため、 緩衝液を加えて p Hを調製することが好ましく、 使用できる p H領域は、 チア力リックスァレーンを用いた場合は pH 5以上 14以下、 スルフィニルイ匕チア力 リックスァレーンあるいはスルホ -ル化チアカリックスァレーンを用いた場合には p H8以上 14以下である。
本発明の材料を固体として利用する場合は、 上記混合液を分離することが可能であ り、 最も簡便には濃縮乾固すれば良い。
次に、 本発明を製造例、 実施例によりさらに詳細に説明するが、 本発明はこれらの 例示によってなんら制約されるものではない。 製造例 1
5, 11, 17, 23—テトラー ί e r ί—ブチル一25, 26, 27, 28—テト ラヒドロキシー 2, 8, 14, 20—テトラチア [1. 9. 3. 1. 13- 719' 1311 5' 19]ォクタコサー 1 (25) , 3, 5, 7 (28) , 9, 11, 13 (27) , 1
5, 17, 19 (26) , 21, 23—ドデカェンの合成
4一 ί e r ί—プチルフエノール 45. 2 gに、 単体硫黄 14. 4 g及び水酸化ナ トリウム 3. 0 gとてトラエチレングリコー^/ジメチ^/レエーテノレ 7. 608をカ[1ぇ、 窒素雰囲気下攪拌しながら、 4時間かけて徐々に 230 °Cに加熱し、 さらに 2時間攪 拌した。 この間、 反応で生成する水及び硫化水素は除去した。 この反応混合物を室温 まで冷却し、 エーテル 500mlを加え溶解させた後、 1規定の硫酸水溶液で加水分 解した。 分液したエーテル層を水洗し硫酸マグネシウムで乾燥した。 エーテルを留去 した後に得られる反応混合物を、 さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー (へキ
サン / /クロ口ホルム) により分割し、 粗生成物を得、 これをクロ口ホルム アセトン から再結晶することにより、 無色透明の結晶である 5, 1 1, 1 7, 23—テトラー ί e r ί—プチノレ一 25, 26, 27, 28—テトラヒドロキシ一 2 , 8, 14, 2 0—テトラチア [1. 9. 3. 1. I3' 719' 13115' 19]ォクタコサ一 1 (25) , 3, 5, 7 (28) , 9, 1 1, 1 3 (27) , 1 5, 1 7, 1 9 (26) , 21, 23-ドデカェン 26. 5gを得た。 収率は 45 %であった。 製造例 2
25, 26, 27, 28—テトラヒドロキシ一 2, 8, 14, 20—テトラチア [1. 9. 3. 1. I 3' 719' 13115' 19]ォクタコサー 1 (25) , 3, 5, 7 (28) , 9, 1 1, 13 (27) , 15, 17, 19 (26) , 21, 23-ドデカェン一5, 1 1, 17, 23—テトラスルホン酸ナトリウムの合成
還流冷却器を備えた 3 Om 1ナス型フラスコに、 5, 1 1, 1 7, 23—テトラー ί e r ί—プチルー 25, 26, 27, 28—テトラヒ ドロキシ _ 2 , 8, 14, 2 0—テトラチア [1. 9. 3. 1. 13' 719' 13115' 19]ォクタコサ一 1 (25) , 3, 5, 7 (28) , 9, 1 1, 1 3 (27) , 1 5, 1 7, 1 9 (26) , 21, 23—ドデカェン 10. O g (1 3. 9 mm o 1 ) と 95 %濃硫酸 100 m 1を加え て懸濁させ、 90 に加熱し 24時間反応させた。 この反応液を水冷後、 ガラスフィ ルターを用いてろ過し、 ろ液を精製水 5 Omlに希釈し、 未反応原料をろ過した。 次 いで、 このろ液に塩化ナトリウム 20 gを加え塩析を行い、 淡黄色粉末 (9. 7 g、 収率 77. 3%) を得た。 この粉末をエタノールで洗浄し、 水から再結晶することで 白色粉末状の 25, 26, 27, 28—テトラヒドロキシー 2, 8, 14, 20—テ トラチア [1. 9. 3. 1. I3' 719' 13115' 19]ォクタコサ一 1 (25) , 3, 5, 7 (28) , 9, 1 1, 1 3 (27) , 15, 1 7, 1 9 (26) , 21, 23—ド デカェンー 5, 1 1, 17, 23—テトラスルホン酸ナトリウム 8. 68 gを得た。 収率は 69. 2%であった。 生成物の NMR分析結果を以下に示す。
— NMR (D20, 400MHz) : δ p p m (f r om DDS) 7. 97 (s, 8H, Ar H)
13C-NMR (D20, 400MHz) : δ p pm (f r om CH3CN) 1 17. 06, 132. 69, 133. 24, 155. 68 (A r ) 製造例 3
5, 11, 17, 23—テトラー ί e r f—プチル— 25, 26, 27, 28—テト ラヒドロキシー 2, 8, 14, 20—テトラスルホニル [1. 9. 3. 1. 13' 719' is 1 is, 19]ォクタコサー 1 ( 2 5) , 3, 5, 7 (28) , 9, 1 1, 1 3 (2 7) , 15, 17, 19 (26) , 21, 23—ドデカェンの合成
還流冷却器を備えた 1 Om Iナス型フラスコに、 5, 1 1, 1 7, 23—テトラ一 i e r i—ブチル一 25, 26, 27, 28—テトラヒドロキシ一 2 , 8, 14, 2 0—テトラチア [1. 9. 3. 1. 13' 719' 13115' 19]ォクタコサ一 1 (25) , 3, 5, 7 (28) , 9, 1 1, 1 3 (27) , 1 5, 1 7, 1 9 (26) , 21, 23-ドデカェン 1. Og (1. 38mmo 1 ) をクロ口ホルム 30 m 1に溶解し、 酢 酸 5 Om l、 過ホウ素酸ナトリゥム 2. 0 g (1 3. Om l ) を加え 50°Cで 18時 間撹拌した。 放冷後、 得られた反応溶液からクロ口ホルム (50m I X 3) で生成物 の抽出を行つた。 クロ口ホルム相を 2 N塩酸で洗浄後、 無水硫酸マグネシゥムで乾燥 させ、 クロ口ホルムを留去することにより、 白色の粉末を得た。 これをベンゼンーメ タノールから再結晶して、 5, 11, 17, 23—テトラー ί e r ί—ブチル一25, 26, 27, 28—テトラヒドロキシ一 2, 8, 14, 20—テトラスルホニル [ 1. 9. 3. 1. 13' 719' 13115' 19]ォクタコサ一 1 (25) , 3, 5, 7 (28) , 9, 1 1, 1 3 (27) , 15, 17, 19 (26) , 21, 23—ドデカェン 1. 06 gを得た。 収率は 90. 0%であった。 生成物の NMR分析結果を以下に示す。 ^- MR (D20, 400MHz) : δ p p m (f r om DDS) 8. 05 (s, 8H, ArH) , 1. 28 (s, 36 H, t e r i-Bu t y l)
13C— NMR (D20, 400MHz) : δ p p m (f r om CH3CN) 155. 8, 143. 3, 133. 6, 128. 9 (Ar) , 34. 9 (C.- (CH3) 3) , 31. 2 (C- (CH3) 3) 製造例 4
25, 26, 27, 28—テトラヒ ドロキシー 2, 8, 14, 20—テトラスノレホニ ル [1. 9. 3. 1. 13' 719' 13115' 19]ォクタコサ一 1 (25) , 3, 5, 7 (28) , 9, 1 1, 13 (27) , 15, 17, 19 (26) , 21, 23—ドデ 力ェンー 5, 1 1, 17, 23—テトラスルホン酸ナトリウムの合成
還流冷却器を備えたナス型フラスコに、 25, 26, 27, 28—テトラヒドロキ シー 2, 8, 14, 20—テトラチア [1. 9. 3. 1. 3,?丄 9, 13 i 15, i ォク タコサ一 1 (25) , 3, 5, 7 (28) , 9, 1 1, 1 3 (27) , 15, 1 7, 19 (26) , 21, 23—ドデカェン一 5, 1 1, 1 7, 23—テトラスノレホン酸 ナトリウム 200mg (0. 22 lmm ol) 、 過酸化水素水 lm 1を加え、 ここにト リフルォロ酢酸 2 m 1を 1時間かけて滴下した。 滴下後、 室温で 8時間撹拌した。 得 られた反応液にアセトンを加えて析出する固形物をろ過により回収し、 この固体をァ セトン一水から再結晶して白色の 25, 26, 27, 28—テトラヒドロキシー 2, 8, 14, 20—テトラスノレホニノレ [1. 9. 3. 1. I a, 7 i 9, i 3 i is, i ォクタ コサ— 1 (25) , 3, 5, 7 (28) , 9, 1 1, 13 (27) , 1 5, 17, 1 9 (26) , 21, 23—ドデカェンー 5, 1 1, 1 7, 23—テトラスルホン酸ナ トリウム 187. 7mgを得た。 収率は 80. 5%であった。 生成物の NMR分析結 果を以下に示す。
^- MR (D20, 40 OMH z) : S p p m (f r om DDS) 8. 32 (s, 8H, Ar H)
13C— NMR (D20, 40 OMH z) : δ p pm (f r om CH3CN) 128. 89, 134. 29 (Ar )
製造例 5
5, 1 1, 17, 23—テトラ _ ί e /· —ブチル一 25, 26, 27, 28—テト ラヒドロキシー 2, 8, 14, 20—テトラスノレフィニノレ [1. 9. 3. 1. 13' 71 9, 13115, 19]ォクタコサ _ 1 ( 2 5) , 3, 5, 7 (28) , 9, 11, 1 3 (2
7) , 15, 17, 19 (26) , 21, 23-ドデカェンの合成。
5, 1 1, 17, 23—テトラー ί e r ί—ブチル一 25, 26, 27, 28—テ トラヒドロキシー 2, 8, 14, 20—テトラチア [1. 9. 3. 1. 13· 719' 13 115' 19]ォクタコサー 1 (25) , 3, 5, 7 (28) , 9, 1 1, 13 (27) , 15, 17, 1 9 (26) , 21, 23—ドデカェン 1. 8 g をクロ口ホルム 30 m 1に溶解した溶液に、 30 %過酸化水素水 5. 7 gをあらかじめ 100 m 1の氷酢酸 に溶解させた溶液を 30分かけて室温で滴下し、 更に 24時間室温で撹拌した。 得ら れた反応液にイオン交換水 1 5 Om 1を加え、 クロ口ホルム (50m I X 3) で生成 物を抽出し、 さらにこのクロ口ホルム層をイオン交換水で 3回水洗した。 このクロ口 ホルム溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後ろ過し、 ロータリ一エバポレータ を用いてろ液を濃縮乾固した。 得られた白色粉末 522 mgをメタノールで洗浄する ことにより、 白色の 5, 1 1, 1 7, 23—テトラー e r ί_プチノレ一 25, 26, 27, 28—テトラヒドロキシ一 2, 8, 14, 20—テトラスノレフィニル [ 1. 9. 3. 1. I3' 719' 13115' 19]ォクタコサ一 1 (25) , 3, 5, 7 (28) , 9, 11, 1 3 (27) , 15, 17, 19 (26) , 21, 23—ドデカェン 485 m gを得た。 収率は 25%であった。 生成物の分析結果を以下に示す。
融点: 210°C (分解点) 、
XH-NMR: (δ, p pm, C 12CDCDC 12) 9. 20 (s, 4H, OH) ' 7. 61 (s, 8H, ArH) , 1. 26 (s, 36 H, C (CH3) 3) 、
13C-NMR : (δ, p pm, C 1 2CDCDC 1 2) 1 5 2. 7, 142. 4, 1 3 0. 2, 1 28. 0, 1 24. 2, 1 22. 8 (A r ) , 34. 8 (C_ (CH3) 3) , 31. 4 (C (_£H3) 3) 、
FT— I R : (cm一1, KB r ) : 3074 (b r , OH) , 2960 (s、 CH3) ,
1051, 998 (s, SO) 、
MS (m/z) : 78 5 (M++ 1 ) 、
元素分析値 (%) :
理論値 f o r C40H48S4O4: C, 61. 20 ; H, 6. 1 6 ; S, 1 6. 34 測定値: C, 61. 1 ; H, 6. 3 ; S, 1 5. 9 実施例 1
メスフラスコに 5 X 10-3Mのチア力リックス [4]アレーンスルホン酸 N a塩水溶 液 50 /z lと 5 X 1 0一3 Mの Tb C 1 3水溶液 1 00 1、 緩衝液 25 μ 1を加え、 イオン交換水で希釈して総量 25 m 1とした。 このときの水溶液の p Hは 9. 6であ つた。 この水溶液の紫外線吸収スぺクトルを第 1図に、 励起波長 26 1 nmにおける 蛍光スペクトルを第 2図に示す。 スペクトルから明らかなように、 543 nmを極大 とする顕著な蛍光発光が認められた。 実施例 2
丁13じ 13を丁ゎ (N03) 3とした以外、 実施例 1と同様に実施した。 励起波長 2 6 1 nmにおいて 543 nmを極大とする顕著な蛍光発光が認められた。 実施例 3
Tb C 13を Dy C 13とした以外、 実施例 1と同様に実施した。 励起波長 26 I n mにおいて 572 nmを極大とする顕著な蛍光発光が認められた。
実施例 4
Tb C 13を SmC 13とした以外、 実施例 1と同様に実施した。 励起波長 26 I n mにおいて 598 nmと 640 nmを極大とする顕著な蛍光発光が認められた。 実施例 5
チアカリックス [4]アレーンスルホン酸 N a塩に代えて、 スルホニル化チアカリッ クス [4]アレーンスルホン酸 N a塩を使用した以外、 実施例 1と同様に実施した。 こ の溶液の紫外線吸収スぺクトルを第 3図に、 励起波長 261 nmにおける蛍光スぺク トルを第 4図に示す。 励起波長 330 nmにおいて 543 nmを極大とする顕著な蛍 光発光が認められた。 実施例 6
チアカリックス [4]アレーンスルホン酸 N a塩に代えて、 スルフィエル化チアカリ ックス [4]アレーンスルホン酸 N a塩を使用した以外、 実施例 1と同様に実施した。 この溶液の励起波長 261 nmにおける蛍光スぺク トルを測定したところ、 543 η mを極大とする顕著な蛍光発光が認められた。 比較例 1
チアカリックス [4]アレーンスルホン酸 N a塩に代えて、 カリックス [4]ァレーン スルホン酸 N a塩を使用した以外、 実施例 1と同様に実施した。 蛍光発光は検出され なかった。 比較例 2
水溶液を p HI 3に調製した以外、 比較例 1と同様に実施した。 励起波長 261 n mにおいて 543 nmを極大とする蛍光発光が認められたが、 その強度は実施例 1の 1ノ2であった。
産業上の利用可能性
本発明の方法によれば、 分子単位で利用できる高効率の蛍光分子素子が得られ、 表 示素子等の材料として有効に利用できる。