WO1999009920A1 - Glasses equipped with heating means - Google Patents

Description

明 細 書 温熱付眼鏡 技術分野

この発明は、 眼瞼及び目の温度を上昇させ、 目を開けたままで治療が 出来る目の機能を改善させるための温熱付眼鏡に関する。 背景技術

近年、 ディスプレイ装置の普及からパソコン等はビジネスを進める上 での必需品となっている。 また、 オフィスではもとより家庭でも冷暖房 の完備により、 年間を通じて湿度の低い環境での生活が定着している。 このような生活環境の変化による目の病気や眼精疲労を感じる人が増加 している。 特に企業でのパソコン等の長時間の使用によって、 眼精疲労 を訴えるケースが増加しており、 疲労の緩和 ·予防のための治療の需要 が高まっている。

特に涙の量が減少して目の表面が正常に保てなくなるドライアイの增 加が著しいが、 このドライアイの治療として目の表面の油分を産出する マイボーム腺の詰まりを防ぐための蒸し夕オルによる温熱療法が行われ てきている。

従来からの蒸しタオルによる温熱治療は、 眼瞼を温めることによって 、 皮膚表面から熱が徐徐に皮膚の内部に伝わっていくことで、 固形化さ れたマイボーム腺の分泌物を溶かし、 涙液層を正常な状態に保つことが できるようにする。

また、 あん法器と言われる温熱治療器も眼科で使用されていた。 これ は、 出力の高い赤外線電球を用いたドライヤー型のものであり、 使用時 に手で支えながら片方ずつ目に当てて近赤外線を照射する。 あん法器は 、 ものもらいなどのこう塞病変に使われたが、 抗生物質点眼薬の普及に より減少した。 また、 あん法器は温度上昇効果が少なく、 その効果が心 理的に過ぎなし、との指摘もあった。

一方で、 主に肩 ·腰などの生体に対する赤外線治療は現在でも一般的 に用いられており、 主な種類として、 電球タイプの赤外線温熱器、 セラ ミ ックタイプの赤外線温熱器と、 発光ダイオード （L E D ) 温熱器があ る。 従来より眼科で用いられてきたものは、 電球タイプの赤外線温熱器 であった。

さらに、 近赤外線を用いた出願番号 ·特願平 8 _ 2 4 2 8 4 3号 「眼 機能改善用温熱器」 があるが、 発光ダイォード （L E D ) を用いている ため目を閉じた状態での治療には適している。 また、 目を開けた状態で の使用を考えているが、 発光グイォードの基盤の形状から目の周りの皮 膚への密着が難しく、 温熱のコントロールが困難である。

従来の蒸し夕オルや温熱を用いた治療器は目を閉じて用いるもので、 目を開けた状態での治療を目的としていない。

そこで、 本発明は、 温熱のコントロールが容易で、 目を開けたままで 手軽に治療が出来る温熱付眼鏡を提供しょうとするものである。 発明の開示

上記の目的を達成するために、 本発明の温熱付眼鏡は、 内側面のクッ ションの溝の中に眼瞼及び目の温度を上昇可能なリング状のワイヤーヒ —夕一を保持した覆いと、 この覆いを取り付けた眼鏡用カラーレンズか ら構成され、 目の位置に合わせて皮膚との密着を可能にする装着手段と を有するものとする。 また、 眼鏡を必要とする患者には、 この覆いを取 り付けた眼鏡用カラ—レンズの上から常用 （通常使用している） の眼鏡 を掛けることが出来る機構とする。 これにより、 目を開けた状態で目の 温熱治療を効率的に行い、 温度調節が容易で安全に目の機能を改善する ことが可能な温熱付眼鏡とすることができる。

また、 前期覆いの中の湿度を保っために、 吸湿性のある繊維片を覆い の溝に装着することができる。 これにより、 覆いの中は適度な温熱と湿 度に保たれ、 効率的に治療を行うことができる。

また、 前期覆いを取り付けた眼鏡用カラ—レンズは 2つに分離されて おり、 目の位置により左右への調節、 及び上下の角度の調節を調節ベル トにより出来る機構とする。 これにより、 目の周りの皮膚への密着度合 いや圧迫度合いについて、 最適な状態に調整することが容易となる。 また、 前記覆いを目に密着できるようにリング状のクッシヨン材とす ることにより、 目の周囲の皮膚に密着させることができる。 さらに、 前 記覆いを取り付けた眼鏡用カラーレンズを目に固定させるため、 長さ調 節の可能なゴム紐を頭に巻いて使用する。 これにより、 眼瞼及び目への 温熱を直接的に伝えることができる。 さらに目の周りの皮膚への圧迫度 合いを最適に調節することができ、 治療効果を高めることができる。 また、 前記覆いを取り付けた眼鏡用カラ—レンズのプリ ッジの代わり をする前記調節ベルトの取り付け位置をレンズの上端に近い位置とする 。 これにより、 近眼や老眼さらに乱視用などの眼鏡のパッ ドが邪魔にな らず、 常用の眼鏡を前記眼鏡用カラーレンズの上から掛けて使用するこ とができる。

さらに、 前記覆いが目の周囲の皮膚に密着しているため温熱を直接伝 えることができる。 また、 温度のコントロールが容易であるため、 目の 不快感がある間は比較的長い時間治療することができる。 さらに、 消費 電力が小さいため、 オフィスでも家庭でも使用することができる。 図面の簡単な説明

図 1は本発明の温熱付眼鏡の概念図を、 図 2は温熱付眼鏡の正面図の いずれも一実施例を示す。 図 3は温熱付眼鏡の前面に眼鏡を掛けた側面 図を、 図 4に温熱付眼鏡の覆いの断面図のいずれも一実施例を示す。 発明を実施するための最良の形態

本発明をより詳細に説述するために、 図面に従ってこれを説明する。 図 1は本発明の温熱付眼鏡の概念図を、 図 2は温熱付眼鏡の正面図のい ずれも一実施例を示す。 温熱付眼鏡 1は、 覆い 2と眼鏡用カラーレンズ 3から構成され、 この覆い 2は眼鏡用カラーレンズ 3に取り付けられて いる。 ワイヤーヒー夕— 4を組み込まれた 2つの前記覆い 2からそれぞ リー ド線 2を引き出し、 コン トロールボックス 6を介して電源アダプタ - (図示せず） につながっている。 前記覆い 2は、 ここでは水泳用のゴ -グルのクッションの溝にワイヤーヒ—夕— 4を組み込んでいる。 前記 覆い 2のクッションは水泳用ゴ—グル以外での製作も可能であるが、 目 の周囲の皮膚に密着できる寸法形状で、 軟質系の材料の使用が適してい る。 また、 前記ワイヤ—ヒー夕— 4は、 消費電力や使用する長さによつ て温度が変化するため、 目に使用するために柔らかくまた絶緣性のある 適度な材質特性が必要である。

前記覆い 2が取り付けられた眼鏡用カラ—レンズ 3はマジックテープ 部 7で調節ベルト 8に着脱できるようになつている。 前記覆い 2の中心 に目の位置がく るように調節して、 眼鏡用カラ—レンズ 3のマジックテ ープ部 7で調節ベルト 8を付着させる。 調節ベルト 8で接続されること により温熱付眼鏡 1 として使用できることになる。 また、 調節用ベルト 8は左右方向の長さ調節及びマジックテープ部 7への付着位置により上 下方向の調節ができる。 このため、 鼻の形状に合わせて調節ベルト 8の 付着位置を調節して、 前記覆い 2と目の周りの皮膚との密着状態を最適 にすることができる。 前記ワイヤ—ヒー夕— 4は、 柔らか〈て絶縁性の あるものが適しているが実施例では、 耐熱シリ コンゴムで絶縁被覆した ワイヤーヒー夕—を 1 6 αη (接続部を含む） を前記覆い 2に組み込んで 用いている。 さらに、 眼鏡用カラーレンズ 3を目に保持させるために、 頭に巻いて使用するゴム紐 9は弾性のあるゴム紐が適しているが、 金属 の細いバネ材を使用することもできる。

前記眼鏡用カラ—レンズ 3には、 調光、 偏光、 反射防止レンズなどの 保護用メガネレンズが含まれる。 眼鏡用カラ—レンズはガラスでも良い が、 実施例ではブラチスチックのカラ一レンズを使用している。 また、 眼鏡用カラ一レンズの代わりに、 目に安全であればプラスチックのフィ ルムを使用することもできる。

前記調節ベルト 8は、 人の鼻の高さの違いにより止める位置が異なる ため、 調度良い位置を上下左右に選んで任意に止めることができる。 ま た、 調節ベルト 8は常用の眼鏡を掛けるとき、 眼鏡のパッ ドと重ならな いように眼鏡用カラ—レンズ 3のマジックテープ部 7の上端に止めるよ うにすれば、 前記温熱付眼鏡 1の上から常用の眼鏡を掛けることができ る。 また、 調節ベルト 8は、 補強材としてアルミ板のように容易に曲げ られる板材にマジックテープを張り合わせて使用することができる。 こ れにより、 調節ベルトの形状を鼻の形状に合わせて変形させ、 温熱付眼 鏡 1の皮膚への密着を高めることができる。 さらに、 調節ベルトを眼鏡 のプリ ッジのように固定式にすることもできる。 固定式にした場合には 、 覆い 2を左右にスライ ド調整できる機構にすれば、 目の周りの皮膚に 密着させることができる。 また、 調節ベルト 8は、 マジックテープ部 7 から外しておけば、 温熱付眼鏡 1を左右別々に収納できる。 さらに、 調 節ベルト 8を長く してマジックテープ部 7に止めることにより、 重ねて 収納できることから荷姿を小さくコンパク 卜にすることができる。

図 3は、 温熱付眼鏡の前面に常用の眼鏡を掛けた側面の一実施例を示 したもので、 温熱付眼鏡 1をゴム紐 9で保持し、 温熱付眼鏡 1の前面に 常用の眼鏡を掛けた実施例である。 ゴム紐 9は、 眼鏡用カラ—レンズ 3 の端にとめ、 長さの調節ができるようにすれば、 目の周りの皮膚を圧迫 し過ぎない位置に、 前記温熱付眼鏡 1を手で移動調整して安定させるこ とができる。 このため、 ゴム紐 9に、 長さを任意に調節できる止め具を 使用することができる。

図 4は、 温熱付眼鏡の覆いの断面図の一実施例を示したもので、 前記 覆い 2のクッシヨンの溝に吸水性のある繊維片 1 0をを収納することが できる。 吸水性のある繊維片 1 0は、 覆い 2内の湿度を保持するため高 I、吸水性のある材料が適している。

前記温熱付眼鏡 1の使用時には、 前記覆い 2を取り付けた眼鏡用カラ —レンズ 3のマジックテープ部 7に調節ベルト 8を仮止めして、 ゴム紐 9を頭に巻いて目の位置に合わせながら調節し、 調節ベルト 8を仮止め から所定の位置に付着させる。 また、 前記ゴム紐 9は頭に巻くのではな 〈耳に掛けて使用することもできる。 前記温熱付眼鏡 1の装着後は、 電 源アダプタ—を家庭用電源に差し込み、 2 0分乃至 3 0分使用するのが 効果的である。 温度のコントロールが容易であるため、 3 0分以上の使 用も可能であるが、 目の不快感がなくなった時点で治療を中止するのが 望ましい。 このとき電源の O N / O F Fは、 コントロールボックス 6の スィッチで行い、 その他、 夕イマ—及び温度の強弱のスィッチ切替えを コントロールボックス 6で行うことができる。 タイマ一は、 3 0分タイ マーで 3 0分以上使用するときには再度電源スィツチを O Nにすると、 さらに、 3 0分使用できる。 温度の強弱は、 使用後すぐに温度を上げた い時に強として、 温度が上がった後は弱として使用する。 また、 終了を 知らせるブザーを設けて、 使用者に知らせることもできる。 このコント ロールボックス 6に、 クリップを取り付けて衣服に保持させることがで きる。 これにより、 温熱付眼鏡 1にかかるコントロールボックス 6とリ —ド線 5の重量を軽減することができる。 また、 本発明による温熱付眼 鏡は、 赤外線電球と比較して消費電力が小さ〈できるため電源を電池と して携帯型とすることもできる。 電池を使用する場合にはテープ状のヒ —夕—を用いて、 覆い 2のクッションの皮膚に接する面か、 クッション の内側面に取り付けて、 ヒ—夕—効率を上げることができる。

前記温熱付眼鏡による治療は、 目の周囲の皮膚に密着して温熱を伝え るため温熱効率が良く、 しかも温度コントロールが容易にできるため安 全である。 このため、 ドライアイの治療の場合においても、 マイボーム 腺のみならずマイボーム腺付近および目の周りの血流を良くすることが できるため、 目の機能が改善され目に爽快感を与え眼精疲労も和らぐ。 上記に説明した本発明の実施例である温熱付眼鏡を使用した場合の臨 床結果を示す。 ドライアイ症状のある 3人の被験者に本発明の温熱付眼 鏡を 1日 2回使用してもらい自覚症状の所見を観察した。

使用前の自覚症状はフ イススコアで 9点であつたものが、 使用後に は 2点と著しく改善された。 フヱススコアとは、 9点を最悪値、 1点を 最良値とする使用者の自覚症状によって判断される数値を意味する。 表 1に、 従来から用いられているあん法器及び発光ダイオードを使用 した眼機能改善用温熱器と、 本発明である温熱付眼鏡を同時使用した場 合の測定結果の表を示す。 表 1より、 本発明の温熱付眼鏡は、 あん法器 と比較して温度上昇や安全性さらに効果の持続も長いことがわかる。 ま た、 眼機能改善用温熱器との比較では、 温熱付眼鏡の形状がリング状で あるため眼瞼部分だけ温めるので、 角膜や眼球に影響を与えにくいとい う利点がある。 その他の温度上昇や効果持続については大きな差異はな 表 1

いが、 使用時の眼瞼に対する軽い圧迫がマイボーム腺の詰まった油を排 出する効果については、 リング状で常時眼瞼に接触している温熱付眼鏡 に圧迫効果が認められる。 産業上の利用可能性

本発明の温熱付眼鏡は、 以上説明したような構造であるため、 目を開 けたままで温熱治療を行い、 形状がリング状であるため眼瞼部分のみ温 めるので、 目に対しても安全であり、 仕事や勉強をしながら使用するこ とができる。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 内側面に眼瞼及び目の温度上昇可能な加温装置を保持した覆いと、 この覆いを取り付けた眼鏡用カラ—レンズから構成され、 目の位置に合 わせて皮膚と密着可能に保持する装着手段を有し、 且つ、 覆いを取り付 けた眼鏡用カラーレンズの上から常用の眼鏡を掛けることが出来る温熱 付眼鏡。

2 . 前記覆いの内側に湿度を保持する吸水性のある繊維片を装着出来る 請求項 1記載の温熱付眼鏡。

3 . 前記覆いを取り付けた眼鏡用カラーレンズは 2つに分離されており 、 目の位置により上下左右に調節出来る調節ベルトから構成される請求 項 1又は 2記載の温熱付眼鏡。

4 . 前記覆いは目の周囲の皮膚に密着出来るクッション材を使用し、 尚 且つクッション材と皮膚との密着調整が出来る機構を有する請求項 1又 は 2又は 3記載の温熱付眼鏡。

5 . 前記覆いを取り付けた眼鏡用カラ _レンズの上から常用の眼鏡を掛 けることが出来る機構を有する請求項 1又は 2又は 3又は 4記載の温熱 付眼鏡。