明 細 書 新規な二卜口キシル化合物並びにこれを有効成分とする 医薬および試薬 技 術 分 野 本発明は、 新規な二トロキシル化合物並びにこれを利用する医薬もし くは試薬に関し、 更に詳細には、 生体内において加水分解を受ける新規 なニトロキシル化合物および生体組織に存在する活性酸素ゃフリーラジ カルに起因する虚血性疾患、 消化器疾患、 癌、 神経変性を伴う脳神経疾 患、 炎症、 白内障、 薬物による臓器障害の疾患を治療する医薬や、 脳、 心臓あるいはそれ以外の生体組織中の活性酸素ゃフリ一ラジカルに関す る情報を、 磁気情報として得ることにより、 腫瘍や虚血性疾患等の活性 酸素もしくはフリ一ラジカルに関連する疾患を診断する試薬に関する。 背 景 技 術 活性酸素とは、 短寿命ながら反応性に富み、 さまざまな生体内酸化反 応に関与する酸素種と定義できる。 その範囲は定義により違ってくる が、 狭義の意味では、 ヒドロキシルラジカル (. O H ) 、 スーパ一才キ サイ ド (02— ) 、 一重項酸素 (10 、 過酸化水素 ( H 202 ) を指す c 広義の意味では、 上記の活性種と生体成分 (例えば不飽和脂肪酸 L ) との反応に由来するペル才キシラジカル ( L OO. ) やアルコキシラジ カル ( L O . ;) および H2〇2と C 1—からミエ口ペル才キシダ一ゼなど との反応で生成する次亜塩素酸イオン (C 1 0-) なども活性酸素であ
る。
ヒ ドロキシルラジカル、 スーパ一才キサイ ド、 ペル才キシラジカルお よびアルコキシラジカルはラジカルであるが、 ラジカルとは、 1個又は それ以上の不対電子を有する原子あるいは分子と定義される。 一方、 —重項酸素や過酸化水素はそれ自身ラジカルではないが、 ある種のラジ カル反応から生じたり、 他のラジカル反応を起したりするものである。 生体内でさまざまな生理活性を示す活性酸素やフリーラジカルが近年、 生物学、 医学及び薬学の分野で注目され、 研究が進められている。 こ の活性酸素や、 フリーラジカルが生体内で生成する原因としては、 紫外 線、 放射線、 大気汚染、 酸素、 金属イオン、 虚血 ·再灌流などが挙げら れ o
これらの原因により発生した活性酸素や生体内フリーラジカルは、 月旨 質を過酸化し、 蛋白を変性し、 核酸を分解するなど各種の生体内反応を 起こす。 そして、 このような現象にともなう疾患としては、 虚血性疾 患、 消化器疾患、 癌、 神経変性を伴う脳神経疾患、 炎症、 白内障、 薬物 による臓器障害などが知られている。 このように活性酸素や生体内フ リーラジカルは、 数々の疾患と関係しているので、 これを体外より非侵 襲的に検出できれば、 数々の疾患の原因究明ができ、 医学上有用な情報 となりうる。
従来より知られているフリ一ラジカルの検出法としては、 反応系に反 応試薬をいれ、 その結果起こる反応系の吸光度の変化や発光を検出する 間接法とフリーラジカルの不対電子を直接検出する電子スピン共鳴 (E1 ectoron Spi n Resonance ; E S R ) 法とがある Q E S R法は溶液、 固 体の何れの試料でも測定でき、 不透明のものゃ不均一系試料でも測定対 象になるため、 採取された生体試料中や生体中の活性酸素の検出にはき わめて有利となる。
一 -
しかし、 これまで一般的に使用されてきた E S R装置は、 x _バンド (約 9 . 5 G H z ) のマイク口波が用いられていたため、 水による誘電 損失が大きく、 大容量の生体試料の計測は不可能であった。 最近、 低 周波のマイク口波を用いる E S R装置 ( 3 0 0〜2 0 0 0 M H z ) が開 発され、 水分の多い大容量試料、 特に生物個体中のフリーラジカルのィ ン · ビボ (i n vi vo) 測定が可能になりつつある。
この二卜口キシル化合物をプローブとする生体計測 E S R法の原理は、 生体内に投与された安定なラジカルが生体内で活性酸素ゃフリーラジカ ルなどと反応して還元を受け常磁性を失なうので、 このシグナル変化を 測定、 解析することにより、 非侵襲的に生体内活性酸素やフリーラジカ ル反応を画像化するというものである。 従って、 E S R法を実施する ためには、 E S R造影剤とでもいうべき安定なラジカル化合物を含有す る診断剤の提供が必須であった。
—方、 核磁気共鳴 (Nucl ear Magneti c Resonance; N M R ) 法の原理 は、 1 9 4 5年に発見されたが、 それを医療用の画像化装置 (Magneti c Resonance Imagi ng; M R I ) に応用したのは、 1 9 7 3年の Lauterbur が最初である。 その後のこの診断法の進歩はめざましく、 現在では、 もっとも汎用される診断法の一つとなった。
M R Iは当初、 造影剤の必要としない診断方法として登場したが、 陰 影のつきにく い病変部位の検出能を高めるのために、 現在、 造影剤の使 用の有用性が認識され、 一般化している。 それに伴いより検出能の高 い造影剤の出現が望まれている。
また、 脳には多数の神経細胞があり、 その活動に伴なう起電力の変化 は脳電図 (el ectroencephal ogram、 E E G ;脳波) として広く用いられ ている。 一方、 このような起電力に伴なう神経を流れる電流はその周 囲に磁場を作り、 これにより作られる磁界の記録を脳磁図 (magnetoene
一 一
phal ogram, M E G ) と呼ばれる。 磁場の強さ及び方向は、 電流の位置、 強さ及び方向で決まるため、 脳磁場の測定は、 脳波の測定と基本的に等 価である。 脳電図は、 生体の電気伝導度が一定でなく組織や骨などで 大き〈変わること、 電位の強度情報しか得られないことから、 正確に活 動部位を推定することは困難である。
これに対し、 生体磁気に起因する磁場変化を計測する脳磁図は、 生体 組織中の磁場の透過率が空気中とほぼ等しく一定で磁場が歪まないので、 正確に活動部位を推定することが可能である。 しかしながら、 脳から の磁界は地磁気の 1億分の 1 と極めて微弱なため、 その計測には高感度 な磁気センサ一が必要であり、 困難であった。 ところが、 2 0年ほど 目リ、 超電導量子干渉素子 ( Superconducti ng Quantum Interference Devi ce, S Q U I D ) を用いた磁束計が開発され、 初めて安定した脳な どの生体磁気記録が可能となった。 現在では、 この磁束計を利用して、 脳内神経細胞の活動部位を非侵襲的に外部より画像化できる医療用機器 が開発されている。
この診断法は、 てんかん発作の焦点発見に利用され、 てんかんの外科 的治療の適用判定に有用な検査法となりつつある。 将来は、 アルッハ ィマ一病の初期症状診断に応用されると期待されているが、 上述したよ うに、 脳からの磁界が極めて弱いので、 これを補う有用な脳磁図用造影 剤の登場が望まれている。
非侵襲的測定法である磁気共鳴法により、 生体組織内の活性酸素ゃフ リーラジカルに関する情報が生体画像として得られれば、 虚血性疾患、 消化器疾患、 癌、 神経変性を伴う脳神経疾患、 炎症、 白内障、 薬物によ る臓器障害などのような活性酸素やフリーラジカルが関与していると考 えられる病態 (以下、 「活性酸素等関連疾患」 という) の研究及びこれ らの疾患又は症状の診断に有用である。
一 一
ところで、 最近、 M R I用造影剤、 E S R用造影剤としての二卜ロキ シル化合物の有用性や、 その抗酸化作用が注目されている。 例えば、 医療における M R I診断において、 病変部のコントラス 卜をつけるため に、 通常ガドリニゥム等の常磁性無機化合物を造影剤として投与されて いるが、 その毒性が問題となっており、 ガドリニウムに代わる新しい M R I造影剤としてニトロキシル化合物が有望視されている。 また、 E S Rイメージングが開発され、 その有用性が注目されるにつれて、 二卜 口キシル化合物の画像化剤としての利用価値が高まりつつある。 更に、 二卜口キシル化合物の活性酸素消去剤としての可能性も示唆されている [例えば」 . Biol . Chem. 263: 17921; 1988 参照] 。
しかしながら、 現在提供されているニトロキシル化合物は、 生体内で の分布状況等その挙動について未だ満足できるものではなく、 薬剤とし てより性質の優れた二卜口キシル化合物の提供が求められていた。 発 明 の 開 示 本発明者らは、 生体内の活性酸素ゃフリ一ラジカルに関する情報を磁 気共鳴法ゃ脳磁図による生体画像として得るために利用しうる安定なラ ジカル化合物を検索していたところ、 特定な二卜口キシル化合物は、 容 易に活性酸素ゃフリ一ラジカルと反応することができ、 しかも従来造影 が困難であつた脳組織をも造影することができるため、 活性酸素ゃフリ —ラジカルに関する情報を磁気共鳴法ゃ脳磁図による生体画像として得 るのに有用であることを見いだし、 本発明を完成した。
すなわち本発明は、 次の式 ( I )
-
ひ
(式中、 Aは水素原子または次の基
を、 Lは基 一 C O O— または基 一アルキレン一 C O O— を示し、 R、 R ,、 R 2 R 3および R 4はそれぞれ炭素数 1 から 4までのアルキル基を 示し、 mは 0または 1 の数を、 nは 1 から 4までの数を示す)
で表される二卜口キシル化合物を提供するものである。
また本発明は、 上記ニトロキシル化合物 ( I ) を有効成分として含有 する医薬もし〈は試薬を提供するものである。 図面の簡単な説明 図 1は、 3 —カルボキシ一プロキシルを用いた場合のマウス脳しバン ド E S R— C T像を示す図面である。
図 2は、 3 —カルボキシ—プロキシル メチルエステルを用いた場合 のマウス脳 Lバンド E S R— C T像を示す図面である。
図 3は、 ァセ 卜キシメチル 2 , 2 , 5, 5 —テ 卜ラメチルピロリジニル 才キシ一 3—カルボキシレー 卜を用いた場合のマウス脳 Lバンド E S R ― C T像を示す図面である。
発明を実施するための最良の態様 本発明で用いる二卜口キシル化合物において、 基しにおける—アルキ レン一 C 0 0—の例としては、 メチレンカルボニル才キシ基、 エチレン カルボニル才キシ基、 テ卜ラメチレンカルボニル才キジ基、 メチルェチ レンカルボニル才キシ基等が挙げられる。 また、 基 Rとしては、 メチ ル基、 ェチル基、 ブチル基、 n—プロピル基、 i —プロピル基等が、 R ,ないし R 4の例としては、 メチル基、 ェチル基等がそれぞれ挙げられ o
本発明のニトロキシル化合物 ( I ) は、 下記式に従い、 含窒素璟才キ シルカルボン酸 ( I I ) のカルボキシル基にハロゲン化エステル化合物 ( III ) を反応せしめることにより製造される。
L CH2}]TOCOR
(式中、 xはハロゲン原子を、 A' は水素原子または— L Hを示し、 A、 L、 R、 R ι , R 2、 R 3、 R4、 mおよび nは前記した意味を有する) 上記反応の原料化合物である、 含窒素環才キシルカルボン酸 ( II ) お よびハロゲン化エステル化合物 ( III ) は共に公知であるか、 公知化合物 の製法に準じて容易に製造できる化合物である。
具体的な含窒素環才キシルカルボン酸 ( II ) の例としては、 下式で示 される 3—カルボキジ一 2 , 2, 5 , 5—テ卜ラメチルピロリジニル才キ シ、 3 _ ( 2 _カルボキシ一 1 —メチルェチル) 一 2, 2 , 5 , 5—テ 卜 ラメチルピロリジニル才キシ、 4—カルボキシー 2, 2 , 6, 6—テトラ メチルビベリジニル才キシ、 4一 (カルボキシメチル) 一 2, 2, 6 , 6 ーテ卜ラメチルピベリジニル才キシ、 4— ( 2—カルボキシェチル) 一
-
2 , 2, 6, 6—テ卜ラメチルピぺリジニル才キシ、 3 , 4—ジカルボキシ — 2 , 2 , 5 , 5—テ卜ラメチルピロリジニル才キシ等が挙げられる。
一方、 ハロゲン化エステル化合物 (III ) の例としては、 ァセ 卜キシメ チルプロミ ド、 プロピオニル才キシメチルプロミ ド、 n—ブチリル才キ シメチルプロミ ド、 i —ブチリル才キシメチルプロミ ド、 ァセ 卜キシェ チルプロミ ド、 プロピオニル才キシェチルプロミ ド、 n—プチリル才キ
- -
シェチルプロミ ド等が挙げられる。
また、 上記反応は、 カルボキシル基のアルキル化反応であり、 一般的 なハロゲン化物のアルキル化の条件に従って実施することができる。 斯く して得られる本発明の二卜口キシル化合物 ( I ) を用いて、 医薬 や試薬を調製するには、 当該化合物を適当な薬学的および化学的に許容 される溶媒、 例えば、 生理食塩水、 等張リン酸緩衝液等に溶解し、 必要 によりプロピレングリコール、 ベンジルアルコール等の任意成分を添加 して製剤化すれば良い。
本発明のニトロキシル化合物 ( I ) を用いた医薬あるいは試薬の好ま しい剤形としては、 注射剤、 点滴用剤、 塗布剤、 点眼剤等が挙げられる c 本発明二卜口キシル化合物 ( I ) の医薬としての使用の例としては、 診断用薬剤が挙げられる。 この診断用薬剤は、 脈管内投与により活性 酸素ゃフリーラジカルの存在を検出する活性酸素等関連疾患診断剤とし て利用することができ、 例えば、 脳、 心臓などの疾患の M R I用造影や 脳磁図用あるいは E S R用造影のために用いることができる。
上記薬剤におけるニトロキシル化合物 ( I ) の使用量は、 その目的や 対象となる臓器、 疾患によっても異なるが、 一般には 0 . 1〜5 0 0 m g / k gとなる程度の量を投与すれば良い。
—方、 別の医薬の使用例としては、 活性酸素や生体内ラジカルに起因 する疾患の予防もしくは治療剤が挙げられる。 この予防もし〈は治療剤 は、 活性酸素やフリーラジカルと反応し、 これを消去するので、 前記の 活性酸素等関連疾患の予防や治療に有効である。
また、 上記薬剤は、 正常実験動物や疾患モデル実験動物に投与し、 正 常または疾患時における組織や臓器より発生する活性酸素ゃフリーラジ カルを外部より検出し、 画像化できる。 この結果により、 活性酸素ゃフ リーラジカルがどの疾患に関与するかを調べるための検出試薬として用
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いることができ、 医学上有用な情報が得られる。
更に、 採取された生体試料を均質化し、 適当な緩衝溶液と上記薬剤を 加え、 適当な時間反応させた後、 E S Rを測定することにより、 生体組 織中の活性酸素ゃフリ一ラジカルの有無や量を測定することができる検 出用試薬として用いることができる。 実 施 例 以下、 合成例および実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、 本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。 実 施 例 1
ァセ トキシメチル 2, 2, 5, 5—テ卜ラメチルピロリジニル才キ シー 3—カルボキシレ一 卜の合成:
( 1 ) ァセ 卜キシメチルブ口ミ ドの合成
ァセチルブロミ ド 6.0 m l ( 8 1 .2 m m o 1 ) に室温でパラホル ムアルデヒ ド 2.44 g (顆粒状、 8 1 .2 mm o 1 ) を加え、 80 °C で 30分攪拌した。 パラホルムアルデヒ ドの顆粒が消失したのを確認し た後、 常圧蒸留 ( 1 30— 1 38°C、 750 mm H g ) により精製を行 い淡黄色油状物としてァセチルメチルブロミ ド 4.54 g (収率 3 7 %) を得た。
' H - N R : 6
5.77 ( 2H,s ) , 2.1 2 ( 3H, s ) .
( 2 ) ァセ トキシメチル 2, 2 , 5 , 5—テ卜ラメチルピロリジニル才 キシ一 3 _カルボキシレー 卜の合成
3—カルボキシー 2 , 2, 5 , 5—テ トラメチルピロ リジニル才キシ
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(以下、 「3—カルボキシプロキシル」 と略すことがある) 1 gを ( 5 · 3 7 mm o 1 ) をジメチルホルムアミ ド 8 m 1 に溶解した。 これに室 温で 卜リェチルァミン 0.74 m l ( 5.3 7 m m o 1 ) を加えた後、 0°Cでァセ トキシメチルブロミ ド 1 .3 1 g ( 8.1 8 mm o l ) を加 え、 室温で 1 7時間攪拌した。
反応混合物をジクロロメタン 40 m 1で希釈した後水洗し、 水層を ジク□□メタン 20 m lで抽出した。 有機層を合し、 水洗、 乾燥 (M g S 04) し、 溶媒留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマ 卜 (へキ サン—酢酸ェチル、 2 : 1 ) で精製した後、 再結晶 (エーテル—へキサ ン) を行い、 黄色格子状結晶としてァセ 卜キシメチル 2 , 2 , 5 , 5— テ卜ラメチルピロリジニル才キシ一 3—カルボキシレー卜 ( 3—カルボ キシ—プロキシル ァセ 卜キシメチルエステル) 900m g (収率 6 5 %) を得た。
融 点: 74 ~ 7 5 °C
I R ( K B r ) :
3000, 2950, 2880, 1 760 , 1 460 , 1 390, 1 240, 1 1 59, 1 040 , 840 ( c m -1;)
F A B— MA S S (m/z ; (相対強度) )
258 (Μ+, 1 00 ) , 244 (M+-CH2j 28 ) , 1 86 ( 1 7 ) 】 1 72 ( 1 4 ) , 1 54 ( 2 5 ) , 1 36 ( 1 9 ) , 1 1 1 ( 9 ) 実 施 例 2
ァセチルブロミ ドを、 他のァシルハライ ドに代える以外は実施例 1 ( 1 ) と同様にして表 1に示すァシル才キシアルキルハラィ ドを得た。 このハライ ドを原料とし、 実施例 1 ( 2 ) に準じて表 1 に示すニトロ キシル誘導体を合成した。
1
表
ハ ラ イ ド ニトロキシル誘導体 プロピオニルォキシメ プロピオニルォキシメチル 2,2,5, チルブ口ミ ド 5—亍トラメチルピロリジニル才キ シー 3—カルボキシレ一卜 n—ブチリルォキシメ n—プチリルォキシメチル 2,2,5, チルブ口ミ ド 5—テトラメチルピロリジニルォキ シ一 3—カルボキシレ一ト i —ブチリルォキシメ i一プチリルォキシメチル 2,2,5, チルブ口ミ ド 5—亍トラメチルピロリジニルォキ シ一 3—カルポキシレート ァセトキシェチルブロ ァセ卜キシェチル 2,2,5,5—亍卜 5 ラメチルピ口リジニルォキシ一 3—
カルボキシレ一ト プロピオニルォキシェ プロピオニルォキシェチル 2,2,5, チルブ口ミ ド 5—テ卜ラメチルピロリジニルォキ シー 3—カルボキシレート n—ブチリルォキシェ n—プチリルォキシェチル 2,2,5, チルブ口ミ ド 5—テトラメチルピロリジニルォキ シー 3—カルボキシレ一ト
- -
実 施 例 3
実施例 1 ( 1 ) およびこれに準じて製造される実施例 2のアジル才キ シアルキルハラィ ドを用い、 3 —カルボキシ一 2, 2 , 5 , 5 —テ卜ラメ チルピロリジニル才キシに代えて、 3— ( 2 —カルボキシ— 1 —メチル ェチル) 一 2 , 2, 5, 5 —テ卜ラメチルピロリジニル才キシを用いる以 外は、 実施例 1 ( 2 ) に準じて表 2に示すニトロキシル誘導体を合成し た。
2
ハ ラ イ ド ニトロキシル誘導体 セトキンメナノレジ口 ァセ卜キンメチ レ 2— (2,2,5,
5 ド、 5—テトラメチルピロリジニルォキ シ一3—ィル) ブチレ一卜 プロヒォ一リレオキンメ プロヒ才一ル才キンメチル 2— (2, チルブ口ミ ド 2,5,5—亍トラメチルピロリジニル ォキシ一3—ィル) ブチレ一ト nーブチリルォキシメ n—ブチリルォキシメチル 2— (2, チルブ口ミ ド 2, 5, 5—亍トラメチルピロリジニル ォキシ一3—ィル) ブチレ一ト i —ブチリルォキシメ ίーブチリルォキシメチル 2— (2, チルブ口ミド 2,5,5—亍トラメチルピロリジニル ォキシ一3—^ rル) ブチレ一ト ァセトキシェチルブロ ァセトキシェチル 2— (2,2,5,5 5 ド、 亍トラメチルピロリジニルォキシ一 3
一ィル) ブチレ一ト プロピオニルォキシェ プロピオニルォキシメチル 2— (2, ナソレブ口: i 卜 2, 5,b一丁トフメナルヒ口リン一ル ォキシ _ 3—ィル) ブチレ一ト n—プチリルォキシェ n—プチリルォキシメチル 2— (2, チルブロミド 2,5,5—亍卜ラメチルピロリジニル ォキシ一3—ィル) プチレート
- -
実 施 例 4
実施例 1 ( 1 ) およびこれに準じて製造される実施例 2のァシル才キ シアルキルハラィ ドを用い、 3—カルボキシー 2, 2, 5 , 5—テ トラメ チルピロリジニル才キシに代えて、 4—カルボキシ一 2, 2 , 6, 6—テ 卜ラメチルピペリジニル才キシを用いる以外は、 実施例 1 ( 2 ) に準じ て表 3に示す二卜口キシル誘導体を合成した。
3
ハ ラ イ ド ニトロキシル誘導体 ァセトキシメチルブロ ァセトキシメチル 2, 2, 6, 6—亍ト 5ド' ラメチルピペリジニルォキシ一4—
カルボキシレ一ト プロピオニルォキシメ プロピオニルォキシメチル 2,2,6, チルブ口ミ ド 6—テ卜ラメチルピペリジニルォキ シー 4—カルボキシレート n—プチリルォキシメ n—プチリルォキシメチル 2,2,6, チルブ口ミ ド 6—テトラメチルビペリジニルォキ シー 4一カルボキシレ一ト i 一プチリルォキシメ i 一プチリルォキシメチル 2,2,6, チルブ口ミ ド 6—亍トラメチルビペリジニルォキ シ一 4一カルボキシレ一ト ァセトキシェチルブロ ァセトキシェチル 2,2,6,6—亍ト 5 ラメチルピペリジニルォキシ一 4一
カルボキシレー卜 プロピオニルォキシェ プロピオニルォキシェチル 2,2,6, チルブ口ミ ド 6—亍トラメチルビペリジニルォキ シー 4一力ルポキシレート n—プチリルォキシェ n—ブチリルォキシェチル 2,2,6, チルブ口ミ ド 6—テトラメチルビペリジニル才キ シー 4一力ルポキシレー卜
- -
実 施 例 5
実施例 1 ( 1 ) およびこれに準じて製造される実施例 2のアジル才キ シアルキルハラィ ドを用い、 3—カルボキシー 2 , 2, 5 , 5—テ 卜ラメ チルピロリジニル才キシに代えて、 4一 (カルボキシメチル) — 2 , 2 , 6 , 6—テ 卜ラメチルピペリジニル才キシを用いる以外は、 実施例 1 ( 2 ) に準じて表 4に示す二卜口キシル誘導体を合成した。
4
ハ ラ イ ド トロキシル誘導体 ァセトキシメチルブロ ァセトキシメチル 2,2,6,6—亍ト 5ド、 ラメチルピペリジニルォキシ一 4一
ァセテ一卜 プロピオニル才キシメ プロピオニルォキシメチル 2,2,6, チルブ口ミ ド 6—テトラメチルピペリジニルォキ シ一 4—ァセ亍一卜 n—ブチリルォキシメ n—プチリルォキシメチル 2,2,6, チルブ口ミ ド 6—亍トラメチルビペリジニルォキ シ一 4—ァセテ一ト i 一プチリルォキシメ i —ブチリルォキシメチル 2,2,6, チルブ口ミ ド 6—テトラメチルビベリジ二ルォキ シ一 4—ァセ亍一ト ァセトキシェチルブロ ァセトキシェチル 2,2,6,6—テト ラメチルピぺリジニルォキシ一 4 - ァセ亍一ト
プロピオニルォキシェ プロピオニルォキシェチル 2,2,6, チルブ口ミ ド 6—テ卜ラメチルピペリジニルォキ シ一 4一ァセテ一ト n—ブチリルォキシェ n—ブチリルォキシェチル 2,2,6, チルブ口ミ ド 6—テトラメチルビペリジニルォキ シー 4ーァセテ一卜
- -
実 施 例 6
実施例 1 ( 1 ) およびこれに準じて製造される実施例 2のァシル才キ シアルキルハラィ ドを用い、 3—カルボキシ一 2 , 2, 5 , 5—テ 卜ラメ チルピロリジニル才キシに代えて、 4— ( 2—カルボキシェチル) 一 2 , 2, 6, 6—テ卜ラメチルピペリジニル才キシを用いる以外は、 実施例 1 ( 2 ) に準じて表 5に示す二卜口キシル誘導体を合成した。
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ハ ラ イ ド ニトロキシル誘導体 ァセトキシメチルブ口 ァセトキシメチル 2— (2,2,6,
6—亍トラメチルビベリジ二ルォキ シー 4一ィル) プロピオネート
B
フロヒォニルォキシメ プロピオニルォキシメチル 2— (2, チルブロミ ド 2, 6,6—亍卜ラメチルピペリジニル ォキシ一4一ィル) プロピオネート n—プチリル才キシメ n—プチリルォキシメチル 2— (2, チルブ口ミ ド 2,6,6—テトラメチルビペリジニル 才キシ一 4一ィル) プロピオネート i 一プチリルォキシメ i 一プチリルォキシメチル 2— (2, チルブ口ミド 2,6,6—テトラメチルピペリジニル ォキシ一 4一ィル) プロピオネート ァセトキシェチルブロ ァセトキシェチル 2— (2,2,6, ミ ド、 6—テトラメチルビベリジ二ル才キ シ一 4一ィル) プロピオネート プロピオニルォキシェ プロピオニルォキシェチル 2— (2, チルブ口ミ ド 2,6,6—亍トラメチルピぺリジニル ォキシ一 4—ィル) プロピオネート π—プチリルォキシェ π—プチリル才キシェチル 2— (2, チルブロミ ド 2, 6,6—テトラメチルピペリジニル ォキシ一 4—ィル) プロピオネート
- -
実 施 例 7
実施例 1 ( 1 ) およびこれに準じて製造される実施例 2のァシル才キ シアルキルハラィ ドを用い、 3—カルボキシ一 2 , 2 , 5 , 5—テ 卜ラメ チルピロリジニル才キシに代えて、 3, 4—ジカルボキシ— 2, 2 , 5, 5 ーテ卜ラメチルピロリジニル才キシを用いる以外は、 実施例 1 ( 2 ) に 準じて表 6に示す二トロキシル誘導体を合成した。
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ハ ラ ィ ド 二トロキシル誘導体 ァセトキシメチルブロ 3,4—ビス (ァセトキシメチル) 5 ド、 2,2,5,5—亍トラメチルピロリジ ニルォキシー 3, 4ージカルボキシ レー卜 プロピ才ニル才キシメ 3,4—ビス (プロピオニルォキシメ チルブロミ ド チル) 2,2,5,5—テトラメチルピ 口リジニルォキシ一 3,4—ジカルボ キシレート n—プチリル才キシメ 3,4—ビス (n—プチリルォキシメ チルブロミ ド チル) 2, 2, 5,5—テトラメチリレビ 口リジニルォキシー 3,4—ジカルボ キシレート i 一プチリルォキシメ 3, 4—ビス ( i 一プチリルォキシメ チルブロミ ド チル) 2, 2, 5, 5—テトラメチルピ 口リジニルォキシ一 3,4—ジカルボ キシレート ァセトキシェチルブロ 3, 4—ビス (ァセトキシェチル) 5 2,2,5,5 - 'テトラメチルピロリジ 二ル才キシ- -3,4—ジカルボキシ レー卜 プロピ才ニル才キシェ 3,4—ビス (プロピオニルォキシェ チルブロミ ド チル) 2,2,5,5—亍卜ラメチルピ 口リジニルォキシ一 3,4—ジカルボ キシレ一ト
3,4—ビス (n—ブチリルォキシェ n—プチリルォキシェ チル) 2,2,5,5—テトラメチルピ チルブロミ ド 口リジニルォキシー 3, 4—ジカルボ キシレー卜
- -
実 施 例 8
トランス一 3,4—ビス (ァセ 卜キシメチル) 2, 2, 5, 5—テ 卜ラメチルピロリジニル才キシ一 3 , 4ージカルボキシレー 卜の 合成:
( 1 ) 3—シァノ一 2, 2, 5, 5—テ卜ラメチルー 3—ピロリン一 1 一 ィル才キジの合成
3—力ルバモイル一 2, 2, 5, 5—テ卜ラメチル一 3—ピロリ ン一 1 —ィル才キシ (AL D R I CH 1 5, 568— 3) をピリジン 6m l に溶解した。 これに室温でパラ トルエンスルホニルクロリ ド 3.26 g ( 1 7.1 mm o 1 ) を加え、 室温で 20時間攪拌した後、 4% 水酸化 ナトリウム水溶液 3 Omlを加え、 80°C で 1 0分攪拌した。 反応混 合物をエーテル 20m lで希釈し、 1 0 %塩酸水溶液 ( 1 0 m 1 X 1 ) で洗浄した。 水層をエーテル ( 1 0 m 1 X 1 ) で抽出した後、 有機 層を合し、 飽和重曹水 ( 1 0m 1 X 1 ) で洗浄、 水洗、 乾燥
(M g S 04) 、 溶媒留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマ 卜グラ フィー (へキサン—酢酸ェチル、 1 : 1 ) 、 次いで再結晶 (へキサン) により精製し、 黄色針状結晶として 3—シァノー 2 , 2, 5, 5—テトラ メチル一 3—ピロリン一 1—ィル才キシ 1 .469 (収率 89%) を 得た。
融 点: 52〜 5 3°C
I R
3080, 2990, 2240, 1 460, 1 440, 1 370, 1 340, 1 280, 1 1 60 cm-1.
(なお、 上記の I R値は、 サンプルのジクロロメ夕ン溶液をディ スポーザブル I Rシ一 卜に滴下した後、 ジクロロメタンを揮散 除去して測定した)
- -
( 2 ) 3 , 4—ジシァノ一 2 , 2, 5, 5—テ卜ラメチルピロリジニル才キ シの合成
3—シァノ一 2, 2, 5, 5—テ卜ラメチル一 3—ピロリン一 1 ーィル 才キシ 7.1 0 g ( 43.0 mm o 1 ) にジメチルホルムァミ ド 1 4 m 1 と水 1 40 m 1 を加えて均一な溶液とした。 これに室温でシアン 化カリウム 5.60 g ( 86.0 m m o 1 ) 及び塩化アンモニゥ厶 4. 60 g ( 86.0 mm o 1 ) を加えて 70°Cで 3時間攪拌した後、 室温 で 3日間攪拌した。
反応混合物をエーテル ( 200 m l ) で希釈した後、 飽和重曹水 ( 2 X 50 m 1 ) で洗浄、 水洗、 乾燥 (M g S 04) した後、 溶媒留去した c 残渣をシリカゲルカラムクロマ卜グラフィ一 (へキサン一酢酸ェチル、 2 : 1 ) で精製した。 第一画分より得られた黄色板状結晶をさらに再結 晶 (ジクロ口メタン一へキサン) により精製して卜ランス一 3, 4—ジ シァノ 一 2 , 2 , 5 , 5—テ トラメチルピロリジニル才キシ 2.9 5 g (収率 36%) を得た。
融 点: 1 42〜"! 43°C
I R ( K B r ) :
3000, 2950, 29 1 0, 22 50, 1 470, 1 440, 1 395 , 1 390, 1 305, 1 280, 1 250, 1 1 90, 1 1 40, 1 060 c m_1.
さらに、 第二画分より黄色格子状結晶としてシス一 3 , 4—ジシァノ — 2 , 2 , 5 , 5—テ卜ラメチルピロリジニル才キシ 1 .64 g (収率 20 %) を得た。 本品は結晶化が遅いため、 さらに再結晶による精製を行う ことは困難であった。
融 点 : 8 1〜 82 °C
I R ( K B r ) :
- -
3000 - 2960, 2260, 1 470, 1 460, 1 400, 1 395 , 1 390, 1 330, 1 2 95 , 1 2 50, 1 1 9 5 , 1 1 80, 1 1 60, 1 1 35 , 1 080, 1 060 cm-1. ( 3 ) トランス一 3 , 4—ビス (ァセ トキシメチル) 2 , 2 , 5 , 5—テ 卜ラメチルピロリジニル才キシ一 3, 4ージカルボキシレ一 卜の合 成
トランス一 3 , 4—ジシァノ一 2, 2, 5, 5—テ卜ラメチルピロリジニ ル才キシ 2.95 g ( 1 5.3 mm o 1 ) をメタノール 30m l に溶解 した後、 2 N—水酸化ナト リウム水溶液 30 m 1 を加えて 80°Cで 6 時間攪拌した。
反応混合物に 1 N—塩酸水溶液を加えて p H 1 とした後、 溶媒留去し た。 残渣にジクロロメタン一メタノール ( 2 : 1 ) 混合溶媒を加え、 可 溶性成分をシリカゲルカラ厶クロマトグラフィ一 (ジクロ口メタン一メ タノ一ル、 2 : 1 ) で精製し、 黄色油状物として卜ランス一 3,4—ジ カルボキシ一 2, 2 , 5 , 5—テ卜ラメチルピロリジニル才キシ 4.50 9を得た。 本品は水溶性が高く、 さらに精製を行うことが困難であった ため、 このままァセ 卜キシメチル化を行った。
粗製のトランス一 3 , 4—ジカルボキシ一 2, 2 , 5, 5—テ卜ラメチル ピロリジニルォキシ 4.509をジメチルホル厶ァミ ド 80 m 1 に溶解 し、 室温で卜リェチルアミン 5.4 1 m l ( 3 9.0 mm o 1 ) を加え た後、 0°Cでァセ 卜キシメチルブロミ ド 1 0.7 9 ( 70.2 mm o 1 ) を加え、 室温で 7日間攪拌した。
反応混合物をジクロロメタン 200 m lで希釈し、 水洗した。 水層を ジクロ口メタン 50 m 1 で抽出した後、 有機層を合して水洗、 乾燥 (M g S 0 、 溶媒留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマ 卜グラ フィ— (へキサン—酢酸ェチル、 1 : 1 ) 、 次いで再結晶 (ジク口ロメ
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タン一ジイソプロピルエーテル) による精製を行い、 黄色針状結晶とし て 卜ランス一 3 , 4—ビス (ァセ 卜キシメチル) 2 , 2 , 5 , 5—テトラ メチルピロリジニル才キシ一 3, 4—ジカルボキシレ一 卜 1 .1 6 gを 融 点: 1 27〜 1 29 °C
I R ( K B r ) :
3450 , 3 1 70, 2 980, 2940 1 760, 1 7 1 0,
1 700, 1 630, 1 460 - 1 405 1 380 - 1 360,
1 300 , 1 240, 1 1 90 - 1 1 40 1 1 00 , 1 050,
1 005 - 960 cm- 1.
F A B— ma s s (m/z ; (相対強度) )
375 (M H+, 50 ) , 345 ( 29 ) , 301 ( 1 00 ) ,
2 1 2 ( 56 ) , 1 39 ( 83 ) . 実 施 例 9
シス一 3 , 4—ビス (ァセ 卜キシメチル) 2, 2 , 5 , 5—テ卜 ラメチルピロリジニル才キシ一 3, 4—ジカルボキシレー 卜の 合成:
実施例 8の中間体として合成したシス一 3 , 4—ジシァノ— 2 , 2, 5, 5—テ卜ラメチルピロリジニル才キシ 1 .64 g ( 8.5 3 mm o 1 ) をメタノール 1 6 m l に溶解した後、 2 N—水酸化ナトリウム水溶液 1 6 m l を加えて 80°Cで 6時間攪拌した。
反応混合物に 1 N—塩酸水溶液を加えて p H 1 とした後、 溶媒留去し た。 残渣にジクロロメタン一メタノール ( 2 : 1 ) 混合溶媒を加え、 可 溶性成分をシリカゲルカラムクロマ 卜グラフィ一 (ジクロロメタン一メ タノ一ル、 2 : 1 ) で精製し、 黄色油状物としてシス一 3 , 4—ジカル
- -
ボキシ一 2 , 2, 5, 5—テ卜ラメチルピロリジニル才キシ 2.27 gを 得た。 本品は水溶性が高く、 さらに精製を行うことが困難であったため、 このままァセ 卜キシメチル化を行った。
粗製のシス一 3, 4—ジカルボキシ一 2 , 2 , 5, 5—テ卜ラメチルピロ リジニル才キシ 2.27 gをジメチルホルムアミ ド 1 8 m l に溶解し、 室温で 卜リェチルアミン 2.36 m l ( 1 7.1 m m o 1 ) を加えた後、 0°Cでァセ 卜キシメチルブロミ ド 4.7 0 g ( 30.7 mm o l ) をカロ え、 室温で 7日間攪拌した。
反応混合物をジクロロメタン 5 O m 1で希釈し、 水洗した。 水層を ジク□□メタン 2 0 m Ί で抽出した後、 有機層を合して水洗、 乾燥 (M g S 04) 、 溶媒留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマ 卜グラ フィ— (へキサン—酢酸ェチル、 1 : 1 ) で精製し、 黄色油状物として シス一 3,4—ビス (ァセ 卜キシメチル) 2 , 2, 5, 5—テ卜ラメチル ピロリジニル才キシ一 3, 4—ジカルボキシレ一 卜 264 m gを得た。 実 施 例 1 0
3 , 4—ビス (ァセ 卜キシメチル) 2 , 2, 5 , 5—テトラメチル ピロリジニル才キシ一 3, 4—ジカルボキシレー 卜の合成: ( 1 ) 3 , 4—ジシァノ一 2, 2 , 5, 5—テ卜ラメチルピロリジニル才キ シの合成
3—シァノ一 2 , 2, 5, 5—テ卜ラメチル一 3—ピロリン一 1 —ィル 才キシ 1 1 .9 1 g ( 72.1 mm o l ) 、 ジメチルホルムアミ ド 20 m 1 と水 2 1 0 m 1 を加えて均一な溶液とした。 これに室温でシアン 化カリウム 9.3 9 g ( 1 44 m m 01 ) と塩化ァンモニゥ厶 7.7 1 g ( 1 44mm o 1 ) を加えて 70 °Cで 3時間攪拌した後、 室温で 3日 間攪拌した。
- -
反応混合物をエーテル 300 m lで希釈した後飽和重曹水 ( 2 x 5 0 m l ) で洗浄、 水洗、 乾燥 (M g S 04) 、 溶媒留去した。 残渣をシ リカゲルカラムクロマトグラフィー (へキサン一酢酸ェチル、 2 : 1 ) で精製して 3, 4—ジシァノ一 2, 2, 5 , 5—テ卜ラメチルピロリジニル 才キシ 1 0.5 29 (収率 76%) を得た。 なおこの精製を行う際、 卜ランス体とシス体は分離せず、 反応で生じたジァステレオマ—比を保 つたままの状態で精製品を得た ( 卜ランス体: シス体 = 1 .8 : 1 ) 。 ( 2 ) 3 , 4—ビス (ァセ トキシメチル) 2, 2, 5, 5—テ卜ラメチル ピロリジニル才キシ一 3 , 4—ジカルボキシレ一 卜の合成:
3, 4—ジシァノー 2 , 2 , 5 , 5—テ卜ラメチルピロリジニル才キシ 1
0.5 2 g ( 54.7 mmo ) をメタノール 1 00 m l に溶解し、 4 %水酸化ナト リウム水溶液 1 00 m l を加えて、 80°Cで 6時間攪拌 した。
反応混合物に 1 N—塩酸水溶液を加えて p H 1 とし、 溶媒留去した。 残渣にジクロロメタン一メタノール ( 2 : 1 ) で精製し、 黄色油状物と して 3 , 4—ジカルボキシ一 2 , 2, 5 , 5—テトラメチルピロリジニル才 キシ 1 1 .629を得た。 本品は水溶性が高く、 さらに精製を行うこと が困難であったため、 このままァセ 卜キシメチル化を行った。
粗製の 3, 4—ジカルボキシ一 2, 2, 5 , 5—テ卜ラメチルピロリジニ ル才キシ 1 1 .6 2 gをジメチルホルムアミ ド 1 8 m l に溶解し、 室 温で卜リエチルァミン 2.36 m l ( 1 7.1 m m o 1 ) を加えた後、 0 °Cでァセ トキシメチルブロミ ド 4.709 ( 30.7 mm o 1 ) を加 え、 室温で 7日間攪拌した。
反応混合物をジクロロメタン 50 m lで希釈し、 水洗した。 水層をジ クロロメタン 20 m 1で抽出した後、 有機層を合して水洗、 乾燥 (M g S 04) し、 溶媒留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマ 卜グラフ
0 -
ィ一 (ジクロロメタン一メタノール、 2 : 1 ) で精製し、 黄色油状物と して 3 , 4—ビス (ァセ トキシメチル) 2 , 2 , 5 , 5—テトラメチルピ ロリジニル才キシ一 3, 4ージカルボキシレー 卜 2.42 g ( 3, 4—ジ シァノ一 2, 2, 5 , 5—テ卜ラメチルピロリジニル才キシからの収率 1 2%) を得た。
I R ( I Rシ— 卜) :
3480 - 3 200,3000, 2940 , 2880, 1 780 - 1 6 20, 1 480 - 1 360 , 1 240, 1 1 60, 840, 740 cm— 1. 実 施 例 1 1
ァセ トキシメチル 2 , 2, 6, 6—テトラメチルビペリジニル才キ シ一 4—カルボキシレー 卜の合成:
4—カルボキシ一 2, 2, 6, 6—テ トラメチルピペリジニル才キシ ( A L D R I C H 38 , 2 00 - 0 ) 1 00 m g ( 0.49 9 m m o Ί ) をジメチルホルムアミ ド 1 m Ί に溶解し、 室溫で卜 リェチルアミ ン 0.06 9 m l ( 0.49 9 m m o 1 ) を加えた後、 0°Cでァセ 卜キ シメチルブロミ ド 1 37 m g (0.898mm o 1 ) を加え、 室温で 7 日間攪拌した。
反応混合物をジクロロメタン ( 5 m l ) で希釈し、 水洗、 乾燥 (M g S 04) 、 溶媒留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマ トグラフィー (へキサン—酢酸ェチル、 2 : 1 ) で精製して、 淡赤色微細針状結晶と してァセ トキシメチル 2 , 2 , 6, 6—テ卜ラメチルピペリジニル才キシ 一 4—カルボキシレ— 卜 43.2 m g (収率 32%) を得た。
融点 : 67〜 68 °C
I R ( K B r ) :
-
2 9 8 0 , 2 9 5 0, 1 7 6 0 , 1 7 4 0 , 1 3 8 0 , 1 3 7 5 , 1 3 8 0 , 1 3 7 5 , 1 3 1 0 , 1 3 0 0 , 1 2 4 0 , 1 2 0 0 , 1 1 7 0 , 1 0 7 0 , 1 0 1 0 , 9 9 5 , 9 8 0 c m-1.
F A B - m a s s (m/z; (相対強度) )
2 7 2 (M + ' 1 0 0 ) , 2 5 8 (M +— C H 2, 5 6 ) , 2 5 6 ( 1 4 ) , 2 4 2 ( 7 ) , 2 0 0 ( 3 9 ) , 1 8 4 ( 1 8 ) , ύ 1 5 4 ( 1 1 ) , 1 3 6 ( 1 2 ) , 1 2 3 ( 1 1 ) , 1 1 4 ( 1 0 ) . 実 施 例 1 2
加 水 分 解 試 験 :
3—カルボキシ一プロキシル メチルエステルおよび 3—カルボキシ —プロキシル ァセ トキシメチルエステルのエステラーゼによる加水分 解率の時間変化を調べた。
5マイクロュニッ 卜のエスラーゼ (Carboxy esterase, Carboxyl ic ester hydrolase; E C 3 . 1 . 1 . 1 シグマ社 力夕口グ番号 E 3 1 2 8 ) 8 0 0 1 に、 1 0 m Μの被験試料溶液 2 0 0 1 を混ぜ、 1 0 秒、 1分、 3分、 5分、 1 0分および 3 0分間、 3 7 °Cでインキュベー 卜した。 その後、 高速液体クロマ卜グラフィ一により分析を行い、 未変 化体とその加水分解物である 3—カルボキシ—プロキシルとの量比から 加水分解率を算出した。
高速液体クロマ卜グラフィ一は東ソー製紫外可視検出器 ( U V — 8 0 2 0 ) 、 東ソ一製デュアルポンプ (C C P S ) 、 東ソー製カラム (0 D S - 8 0 T s ) および東ソ一製 T S Kプレカラム ( B S A— 0 D S ) を 用いた。
[ 高速液体クロマ トグラフィーの測定条件 ]
紫外波長 : 245 n m
移 動 相 : 20 mM燐酸緩衝液 ( p H 2.2 ) /メタノール =
60/40
流 量 : 0.5 m 1 /分
温 度 : 20— 2 5 °C
注 入 量 : 20 1
[ 結 果 ]
表 7に被験試料のエステラーゼによる加水分解率の経時変化を示す,
o o
7 力 Π 水 分 角 ¾ 率 f % )
被 験 試' 料
1 0秒 1分 3分 5分 1 0分 30分
3一カルボキシー 0.0 5 0.40 0.80 1 .3 5 2.54 8.25 プロキシル メチル ± 0.43 ±0.34 ± 0.4 9 ± 0. 49 ± 0. 0 8 土 1 . 5 1 エステル
3—カルボキシー 30.1 7 0.8 93.9 96.7 1 00. 0 1 00. 0 プロキシル ァセ卜 ± 1 1 .9 ± 3.4 ± 1 .1 ± 2. 2 ± 0. 0 ± 0. 0 ル 平均土標準偏差 (n = 3)
- -
表 7から 3—カルボキシ一プロキシル ァセ トキシメチルエステルは 1 0秒後からわずかに分解されはじめ、 3分後には約 9 0 %、 1 0分後 にはほぼ 1 0 0 %が加水分解を受けていた。 一方、 3—カルボキシ—プ 口キシル メチルエステルは 3 0分経過しても加水分解率は 1 0 %以下 であった。
この結果から、 3—カルボキジ—プロキシル ァセ 卜キシメチルエス テルは 3—カルボキシ—プロキシル メチルエステルに比べ、 エステラ -ゼで短時間に加水分解を受けることが判明した。 実 施 例 1 3
生 体 内 分 布 :
被験試料として、 3—カルボキシープロキシル、 3—カルボキシ—プ 口キシル メチルエステル、 3—カルボキシ一プロキシル ェチルエステ ル、 2 —ェチルー 2 , 5, 5 — トリメチル才キサゾリジニル才キシおよび 3—カルボキシ一プロキシル ァセ トキシメチルエステルを用い、 E S Rによる生体内分布の試験を行った。
実験は、 実験動物として、 1群 3匹のマウス ( d d丫、 雌性) 4 8匹 を用い、 次の如く して行った。 すなわち、 マウスの尾静脈内に、 ェ一テ ル麻酔下被験試料を 7 . 5 m o 1 ( 3 —カルボキシ—プロキシル ァセ 卜キシメチルエステルのみ 2 . 5 m o 1 ) 投与し、 3、 1 0、 3 0分 間放置した。 次いで、 すばや〈脱血をおこない、 脳を摘出した。 続いて、 摘出した脳の 9倍量の燐酸緩衝液を加え、 ホモジナイズした。 血液は、 9倍量の燐酸緩衝液で希釈した。 これらの処理した組織の一部を取り、 これにフェリシアン化力リゥム溶液を最終濃度 1 m Mとなるように加え、 生体内の活性酸素等によりヒ ドロキシルァミン体となった被験試料を二 トロキシドラジカルに再変換し (一電子酸化) 、 E S R用試料を得た。
一電子酸化後の被験試料の濃度を x—バンド E S Rで測定し、 生体試 料中の濃度とした。 一方、 マウスへ投与した量と同じ量の被験試料溶液 を調製し、 9倍量のリン酸緩衝液を加える以降と同様の条件で処理し、 被験試料の濃度を X—バンド E S Rで測定し、 全投与量とした。 各試料 は 1 00 1のキヤビラリ一 (長さ 1 1 6.5 mm) に 1 5 mm取り、 これを石英セルに入れ E S Rスぺク トルを下記の条件で測定した。
( 測 定 条 件 )
測 定 装 置 電子スピン共鳴装置 [ J E S— R E 1 X (日本電 子 (株) ) ]
外 部 磁 場 : 33 1 .5 ± 5 m T
磁 場 変 調 : 1 00 k H z
磁場変調幅 : 0.1 m T
時 定 数 : 0.03秒
マイク口波出力 : 5 mW
掃 引 時 間 : 2分
測 定 温 度 :
[ 結 果 ]
E S Rスぺク トルから、 全投与量に対する脳および血液中の被験試料 の割合 (%d o s e ) 、 この%d o s eを脳および血液の重さで割った 値 (%d o s e/g ) 、 標的臓器である脳の%d o s e/gと血液の% d o s e/gとの比を求めた。 この結果をそれぞれ表 8から表 1 0に示 す。
o
表 8
被 検 試 料
3分 1 0分 30分 3分 1 0分 30分
3一カルボキシープロキシル 0 .05 0.30 0.1 6 1 4 .06 6.1 4 3.89
3—カルボキシ一プロキシル 1 .31 0.67 0.21 4 .62 2.68 2.1 8 メチルエステル
3—カルボキシープロキシル 0 .79 0.74 0.1 2 3 .46 2.92 3.38
0
一 || m
ナノレ _£Λτノレ
2—ェチルー 2,5,5—トリ
メチルォキサゾリジニルォ 1 .63 1.64 0.52 4 .52 3.69 0.81 キシ
3—カルボキシープロキシル 2 .26 2.77 1.98 6 28 4.41 4.21 ァセトキシメチルエステル
0
ro
o o
9
D凶
(% d o s e
被 検 試 料
3分 1 0分 30分 3分 1 0分 30分
3—カルボキシープロキシル 0 .1 3 0.69 0.4 1 フ .89 4.43 2.58
3—カルボキシ一プロキシル 3 .1 4 1.82 0.48 2 .48 1 . / 4 1.36 メチルエステル
3—カルボキシープロキシル 1 .8 9 1.84 0.28 2 .02 2.20 2.1 1
I 1し 1 T ÷ Jし
2—ェチルー 2, 5,5—トリ
メチル才キサゾリジニルォ 3 .8 1 4.1 2 1 .21 2 .55 2.32 1 .30 キシ
3—カルボキシープロキシル 5 80 フ.1 7 5.82 3 26 2.2 1 2.02 ァセ卜キシメチルエステル
a.
(0
\
O O
0 脳 と 血 液 の 比
被 検 試 料
3分 1 0分 30分
3一カルボキシ一プロキシル 0 .02 0.1 6 0.03
3一カルボキシープロキシル 1 .27 1.05 0.1 4 メチルエステル
3—カルボキシープロキシル 0 .94 0.84 0.05 ェチルエステル
2—ェチル _ 2,5,5—卜リ
メチルォキサゾリジニル才 1 50 1.78 1.フ 2 キシ
3一カルボキシープロキシル 1 78 3.1 4 2.88 ァセトキシメチルエステル
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この結果から明らかなように、 脳と血液の比は、 3—カルボキシ—プ 口キシルでは 1 0分後で 0 . 1 6であるのに対し、 他の 3種の化合物 ( 3—カルボキシ一プロキシル メチルエステル、 3—カルボキシ一プ 口キシル ェチルエステル、 2—ェチル— 2 , 5, 5 — 卜リメチル才キサ ゾリジニルォキシ) は 0 . 8 4〜1 . 7 8と高い値を示した。
一方、 本発明化合物である 3—カルボキシ—プロキシル ァセ 卜キシ メチルエステルはさらに高い 3 . 1 4を示した。 また、 他の 3種の化合 物が時間とともに脳への集積が急速に低下するのに比べ、 3—カルボキ シープロキシル ァセ 卜キシメチルエステルは 3 0分でも 2 . 8 8と高い 値を示した。
この高い脳集積率持続の理由については、 未だ明らかでない部分もあ るが、 本発明化合物の基 Lの中の一 C◦ 0—部分がエステラーゼによる 加水分解を受け易く、 この部分が脳内で— C O 0—となり、 化合物全体 としても電荷を有することになるため、 脳から血中への再分布が阻止さ れることが理由と推定される。 実 施 例 1 4
マウス脳 Lバンド E S R— C T像の測定:
ネンブタール麻酔 ( 7 5 m g / k g、 筋注) したマウスの尾静脈内に 3—カルボキシープロキシル、 3 _カルボキシ—プロキシル メチルェ ステル、 およびァセ トキシメチル 2, 2 , 5 , 5 —テ卜ラメチルピロリジ ニル才キシ一 3—カルボキシレー 卜を 2 . 5 At m o l 投与し、 頭部横断 面の Lバンド E S R— C T画像を下記条件で測定した。
( Lバンド E S R— C Tの測定条件)
測 定 装 置 : 電子スピン共鳴装置 [ J E S— R E 3 1 (日本電 子) ]
外 部 磁 場 3 8.5 m T
磁 場 勾 配 0.4 5 m T/ c m
掃 弓 I 幅 1 .4 9 m T
サンプリング · ポイント 5
積 算 回 数 : 5
射 影 数 1 8 ( 1 0° 毎)
磁 場 変 調 1 00 k Η ζ
磁場変調幅 0.2 m T
時 定 数 0.003秒
マイクロ波出力 : 5.0 mW
測 定 温 度 : 室 温
[ 結 果 ]
比較である 3—カルボキシ—プロキシルおよび 3—カルボキシ—プロ キシル メチルエステルについてのマウス脳 Lバンド E S R— C T像を 図 1 および図 2に、 本発明のァセ 卜キシメチル 2, 2 , 5 , 5—テ卜ラメ ' チルピロリジニル才キシ一 3—カルボキジレー 卜のマウス脳 Lバンド E S R— C T像を図 3に示す。
この結果から明らかなように、 3—カルボキシ—プロキシルは脳部位 外に高濃度に集まっており、 脳内にほとんど移行していなかった。 これ に対し、 3—カルボキシ—プロキシル メチルエステルは、 脳部位外に も集まっているが、 脳部位にも高濃度に集まっていた。 一方、 ァセ トキ シメチル 2, 2 , 5, 5—テ卜ラメチルピロリジニル才キシ一 3—カルボ キシレー 卜は、 脳部位外の集積が減少し、 脳部位には更に高濃度に集ま つており、 明瞭なマウス脳 Lバンド E S R— C T像が得られた。 産 業 上 の 利 用 性
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本発明の診断用薬剤の有効成分である二卜口キシル化合物は、 十分な 半減期を有し、 生体内の活性酸素ゃフリーラジカルと相互作用するので、 磁気共鳴法によるフリ一ラジカルの分布の生体画像を得るのに有用で、 虚血性疾患、 消化器疾患、 癌、 神経変性を伴う脳神経疾患、 炎症、 白内 障、 薬物による臓器障害のような活性酸素やフリーラジカルが関与して いると考えられる活性酸素等関連疾患又は症状の診断薬として使用する ことができる。
すなわち、 二卜口キシル化合物を含む本発明の診断用薬剤を生体に投 与した後、 当該化合物の生体内でのシグナル変化を E S R、 N M R等で 検出することにより、 上記の活性酸素等関連疾患を診断することができ る
特に、 本発明のニトロキシル化合物は、 脳血管関門を通過し、 かつ脳 内でフリ一ラジカルと相互作用するので、 従来磁気共鳴法による画像化 が困難であった、 脳虚血、 脳腫瘍について画像化が可能となる。
従って、 本発明の診断用薬剤は、 M R I、 脳磁図のために使用される 他、 ヒ卜頭部のような極めて大容量の生体試料の測定を可能にする E S R装置が開発された後は、 E S R法により脳内フリ—ラジカルの分布の 画像を得て、 活性酸素ゃフリーラジカルの関与する疾患又は症状の非侵 襲的診断を行うことが期待できる。
—方、 本発明のニトロキシル化合物は、 生体内の活性酸素ゃフリーラ ジカルと反応し、 これを消去するので、 虚血性疾患、 消化器疾患、 癌、 神経変性を伴う脳神経疾患、 炎症、 白内障、 薬物による臓器障害のよう な活性酸素ゃフリーラジカルが関与していると考えられる活性酸素等関 連疾患の予防もしくは治療薬剤として使用することができる。
また、 ニトロキシル化合物は、 正常実験動物や疾患モデル実験動物に
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投与し、 正常または疾患時における組織や臓器より発生する活性酸素や フリーラジカルを外部より検出し、 画像化できる。 この結果より、 活 性酸素ゃフリーラジカルがどの疾患に関与するかの検出用試薬として用 いることができ、 医学上有用な情報が得られる。
更に、 採取された生体試料を均質化し、 適当な緩衝溶液とニトロキシ ル化合物を加え、 適当な時間反応させた後、 シグナル強度を E S Rで測 定することにより、 生体組織中の活性酸素やフリーラジカルの有無、 そ の量を測定することができる。