明細書
眼圧下降剤及びリン酸エステル誘導体 技術分野
本発明は、 緑内障及び高眼圧症の治療及びノ又は予防に適用するための眼圧 下降剤に関する。 本発明は、 更に、 新規なリン酸エステル誘導体に関する。 背景技術
緑内障は、 眼内圧 (眼圧) が正常範囲を越えて持続的又は繰り返し上昇するこ とが起因となり、 眼の器質的障害、 更には視野異常等の視覚機能的障害を惹起す る疾患である。 高眼圧症は、 正常値を超える高眼圧が認められるものの、 視覚機 能的障害は認められない疾患であり、 長期経過の後、 緑内障に発展する可能性が ある。 緑内障及び高眼圧症の薬物療法の目標は眼圧下降剤により視覚機能的障害 を起こさない健常人レベルに眼圧を下降させ、 それを維持することにある。 緑内障及び高眼圧症に対する適用剤として、 従来、 炭酸脱水酵素阻害剤 (内服 、 点眼剤) 、 高張浸透圧剤 (注射剤) 、 ピロカルピン (点眼剤) 、 ェピネフリン とそのプロドラッグであるジピべフリン (点眼剤) 、 )3受容体遮断剤 (点眼剤) 、 イソプロピルウノプロストン (点眼剤) が知られているが、 いずれも多くの欠 点を有している。 例えば炭酸脱水酵素阻害剤の内服は胃腸障害、 尿路結石、 電解 質異常を起こすことがある。 ェピネフリン、 ジピべフリン等の交感神経作動薬も 、 その適用が開放隅角緑内障に限定されるほか、 血管収縮による反動充血、 眼痛 、 徐脈散瞳、 眼脇炎、 全身的には心拍数の増加、 血圧上昇等を起こすことがある 。 )3受容体遮断剤を有効成分とする点眼剤は、 中枢神経系には頭痛及び抑鬱症状 等、 呼吸器系には喘息様症状等、 循環器系には徐脈、 低血圧等の副作用を起こす ことが報告されている (医薬ジャーナル、 2 8、 7 0 5、 1 9 9 2 ) 。 イソプロ ピルウノプロストンの点眼剤は、 副作用として角膜上皮障害の頻度が高い。 以上 のように現在、 多用されている眼圧下降剤にはそれぞれ問題点があり、 より効果 的に眼圧を下降させ、 かつ副作用の少ない薬物については未だ満足すべきものは ない。
これまで、 種々のバソプレシン受容体拮抗剤が、 心不全、 脳浮腫等の浮腫、 腹 水、 肺水腫、 アルギニンバソプレシン過剰分泌症候群、 腎不全、 肝炎、 高血圧、 肝硬変、 低ナトリウム血症、 低カリウム血症、 糖尿病、 循環不全の治療剤及び利 尿剤を目的に開発されてきた (特開平 7— 2800号公報、 特開平 3— 1738 70号公報、 特開平 4— 321669号公報、 特開平 4— 154765号公報、 特開平 6— 172317号公報、 特開平 5— 132466号公報、 国際公開 WO 95 03305号公報、 特開平 5— 320135号公報、 国際公開 WO 94/ 12476号公報、 特開平 6— 157480号公報、 特開平 6— 21 1800号 公報、 国際公開 W094 14796号公報、 国際公開 WO 94 20473号 公報、 特開平 6— 16643号公報、 特開平 7— 157486号公報、 特開平 7 - 179430号公報等) 。
眼圧に対するバソプレシンの作用については、 デスモプレシン (バソプレシン アナログ) の静脈内投与 (I nv e s t. Oph t h a lmo l . V i s. S c i . 、 29、 406 -410, 1988) による眼圧上昇及びバソプレシンの第 三脳室投与 (I nv e s t. Oph t h a lmo l . V i s. S c 、 25、 932 - 937, 1984) による眼圧上昇の報告のように、 眼圧上昇作用を有 することが報告されている。 しかし、 反対にバソプレシンの等張液の前房内持続 注入が眼圧上昇を抑制すること (Exp. Ey e Re s. 、 65、 517— 5 31、 1997) 及びバソプレシンの静脈内投与がラッ卜の眼圧を低下させるこ と (Ne u r o p e p t i d e、 29、 193— 203、 1995) 等のように 、 眼圧下降作用を有することも報告されている。
眼組織におけるバソプレシン受容体の分布に関して、 バソプレシン受容体拮抗 剤を用いた実験により、 バソプレシン V 1受容体が、 ヒト網膜色素上皮培養細胞 (Cu r r. Eye Re s. 、 10、 81 1 -816, 1991) ゃィヌ摘出 短後毛様動脈 (J. Va s e. Re s. 、 34、 464— 472、 1997) に 存在することが報告されている。
以上のように、 バソプレシン受容体が眼組織に分布することも報告されている が、 バソプレシンが眼圧に対し上昇又は下降の相反する作用を示すことが報告さ れており、 バソプレシンの眼圧に対する生理的意義は全く不明である。
発明の要約
本発明は、 上記現状に鑑み、 緑内障及び高眼圧症の治療及びノ又は予防に適用 するために、 優れた眼圧下降作用を有し、 かつ、 副作用が少ない新規な眼圧下降 剤を提供することを目的とするものである。
第 1の本発明は、 バソプレシン V 1受容体拮抗作用を有する化合物又はその薬 理学上許容される塩を有効成分とすることを特徴とする眼圧下降剤である。 第 2の本発明は、 下記一般式 (1 ) で表されることを特徴とするリン酸エステ ル誘導体である。
式中、 R 1 は、 水素又は炭素数 1〜4のアルキルを表し、 M 1 及び M2 は、 同じであっても異なっていてもよく、 水素又は 1価の薬理学的に許容されるアル カリ金属塩を表す。 発明の詳細な開示
第 1の本発明は、 バソプレシン V 1受容体拮抗作用を有する化合物又はその薬 理学上許容される塩を有効成分とすることを特徴とする眼圧下降剤である。 以下に、 本発明を詳述する。
バソプレシンは 9個のアミノ酸からなるペプチドホルモンで、 その受容体に結 合して抗利尿作用、 昇圧作用を発現する。
バソプレシンの受容体は、 サイクリック AM P非依存性の V 1受容体、 及び、 サイクリック AM P依存性の V 2受容体の、 2種類のタイプに大別される。 バソ プレシンの抗利尿作用の発現は腎集合管の V 2受容体を介し、 昇圧作用の発現は 血管平滑筋の V 1受容体を介することが明らかとなっている。
本明細書においてバソプレシン V 1受容体拮抗作用を有する化合物とは、 バソ プレシン V 1受容体に対して選択的拮抗作用を有する化合物のみならず、 バソプ レシン V 1、 V 2両受容体に対して拮抗作用を有する化合物をも意味する。 本発明に使用されるバソプレシン V 1受容体拮抗作用を有する化合物としては バソプレシン V 1受容体拮抗作用を有していれば特に限定されず、 例えば、 1— { 1 - [4— (3—ァセチルァミノプロボキシ) ベンゾィル] —4—ピペリジル } -3, 4—ジヒドロ一 2 (1H) —キノリノン (以下、 OPC— 21268と いう) 、 SR49059、
下記一般式 (1) で表される化合物 (以下、 化合物 (1) という) ;
(式中、 R1は、 水素又は炭素数 1〜4のアルキルを表し、 Μ1及び Μ2は、 同じ であっても異なっていてもよく、 水素又は 1価の薬理学的に許容されるアルカリ 金属塩を表す〉
下記式 (Α) で表される化合物 (ΥΜ087、 以下化合物 (Α) という) ;
下記一般式 (Β) で表される化合物 (以下、 化合物 (Β) という) ;
(R1 は、 水素又は炭素数 1〜4のアルキルを表す)
ぺプチドである [ β—me r c a p t o— /3, ]3— e ye 1 om e t h y 1 e n e p r o p i ony l 1 , 〇— Me— Ty r2 , A r g 8 ] — v a s o p r e s s i n等を挙げることができる。
上記化合物 (1) において、 R1 は、 水素又は炭素数 1〜4のアルキルを表 す。 上記炭素数 1〜4のアルキルとしては特に限定されず、 例えば、 メチル、 ェ チル、 プロピル、 ブチル等を挙げることができ、 これらは分岐状であっても直鎖 状であってもよい。 なかでも、 メチルが好ましい。 R1 は、 オルト位、 メタ位、 パラ位のいずれにあってもよい。
上記化合物 (1) において、 M1 及び M2 は、 同じであっても異なっていて もよく、 水素又は 1価の薬理学的に許容されるアルカリ金属塩を表す。 上記 1価 の薬理学的に許容されるアルカリ金属塩としては特に限定されず、 例えば、 ナト リウム塩、 カリウム塩、 リチウム塩等を挙げることができる。 このうち、 ナトリ ゥム塩、 カリウム塩等が好ましい。
上記化合物 (1) は、 一般に遊離型の化合物よりも塩の形の方が、 水溶性が高 い。 したがって、 医薬用途に使用する場合、 その用途に応じて塩の形の化合物を 選択することが好ましい。
上記化合物 (1) としては、 例えば、 下記の化合物等を挙げることができる。
(1) リン酸 (2R, 3 aR) 一 5— [4— [ [2- (パラートリル) ベンゾィ ル] ァミノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ口 [ 1, 2— a] キノキサリン一 2—ィル 2ナトリウム
(2) リン酸 (2R, 3 a S) 一 5— [4- [ [2— (パラ—トリル) ベンゾィ
] ァミノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5_へキサヒドロピロ口 [ 1, 2— a] キノキサリン— 2—ィル 2ナトリウム
(3) リン酸 (2 S, 3 aR) — 5— [4— [ [2 - (パラートリル) ベンゾィ ] ァミノ] ベンゾィル] 一 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ口 [ 1, 2 - a] キノキサリン— 2—ィル 2ナトリウム
(4) リン酸 (2 S, 3 aR) 一 5— [4— [ [2— (パラートリル) ベンゾィ ] ァミノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ口 [ 1, 2 - a] キノキサリン— 2—ィル 2カリウム
(5) リン酸 (2 S, 3 a S) — 5— [4— [ [2 - (パラートリル) ベンゾィ ] ァミノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ口 [
1, 2— a] キノキサリン— 2—ィル 2ナトリウム
(6) リン酸 (2R, 3 aR) — 5— [4- [ ( 2—フエ二ルペンゾィル) アミ ノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ口 [1, 2— a] キノキサリン— 2—ィル 2ナトリウム
(7) リン酸 (2 R, 3 a S) - 5 - [4- [ ( 2—フエ二ルペンゾィル) アミ ノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ口 [1, 2— a] キノキサリン一 2—ィル 2ナトリウム
(8) リン酸 (2 S, 3 aR) — 5— [4— [ ( 2—フエ二ルペンゾィル) アミ ノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ口 [1, 2— a] キノキサリン— 2—ィル 2ナトリウム
(9) リン酸 (2 S, 3 aR) — 5— [4— [ ( 2—フエ二ルペンゾィル) アミ ノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ口 [1, 2— a] キノキサリン—2—ィル 2カリウム
(1 0) リン酸 (2 S, 3 a S) — 5— [4— [ ( 2—フエ二ルペンゾィル) ァ ミノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ口 [ 1, 2 一 a] キノキサリン— 2—ィル 2ナトリウム
(1 1) リン酸 (2R, 3 aR) — 5— [4 - [ [2 - (オルト一トリル) ベン ゾィル] ァミノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ 口 [1, 2— a] キノキサリン— 2—ィル 2ナトリウム
(1 2) リン酸 (2 R, 3 a S) — 5— [4— [ [2— (オルトートリル) ベン ゾィル] ァミノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ 口 [1, 2— a] キノキサリン— 2—ィル 2ナトリウム
(1 3) リン酸 (2 S, 3 a R) — 5— [4- [ [2— (オルト一トリル) ベン ゾィル] ァミノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ 口 [ 1, 2— a] キノキサリン— 2—ィル 2ナトリウム
(14) リン酸 (2 S, 3 aR) — 5— [4— [ [2 - (オルトートリル) ベン ゾィル] ァミノ] ベンゾィル] ー 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ 口 [1, 2— a] キノキサリン一 2 Γル 2カリウム
(1 5) リン酸 (2 S, 3 a S) 一 5— [4— [ [2- (オルト一トリル) ベン ゾィル] ァミノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ 口 [1, 2— a] キノキサリン— 2—ィル 2ナトリウム
(1 6) リン酸 (2R, 3 aR) —5— [4— [ [2 - (メタ一トリル) ベンゾ ィル] ァミノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ口 [1, 2 - a] キノキサリン— 2—ィル 2ナトリウム
(1 7) リン酸 (2 R, 3 a S) 一 5— [4— [ [2— (メタ一トリル) ベンゾ ィル] ァミノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ口
[1, 2 - a] キノキサリン— 2—ィル 2ナトリウム
(1 8) リン酸 (2 S, 3 aR) - 5 - [4一 [ [2 - (メタ—トリル) ベンゾ ィル] ァミノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ口
[1, 2— a] キノキサリン— 2—ィル 2ナトリウム
(19) リン酸 (2 S, 3 aR) — 5— [4— [ [2 - (メタ一トリル) ベンゾ ィル] ァミノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ口
[1, 2- a] キノキサリン— 2—ィル 2カリウム
( 20) リン酸 (2 S, 3 a S) — 5— [4— [ [2— (メタ一トリル) ベンゾ ィル] ァミノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ口 [1, 2 - a] キノキサリン— 2—ィル 2ナトリウム
上記化合物 (A) 、 即ち、 4' 一 [ (2—メチルー 1, 4, 5, 6—テトラヒ ドロイミダゾ [4, 5— d] [1] ベンズァゼピン— 6—ィル) カルボニル] -
2—フエ二ルペンズァニリド塩酸塩は、 うつ血性心不全治療剤、 腎疾患治療剤及 び利尿剤として用いられている ( J o u r n a 1 o f Ph a rmac o l o g y and Exp e r ime n t a l Th e r ap e u t i c s, 282 (1) 、 301— 308、 1997 ; Eu r . J . Ph a rma c o l . , 3_2 丄 (2) 、 225— 230、 1997) 。 本発明の発明者らは、 上記化合物 (A ) が上記公知の薬効からは予測できない眼圧下降作用を発揮し、 緑内障、 高眼圧 症、 更に、 正常眼圧緑内障等の期待される眼科疾患の治療剤に好適であることを 見出した。
上記化合物 (A) は、 例えば、 国際公開 W〇95/03305号公報の実施例 18に記載の方法を用いて、 製造することができる。
上記化合物 (B) は、 上記一般式 (B) で表されるビフエ二ル誘導体である。 上記化合物 (B) において、 R1 は、 水素又は炭素数 1〜4のアルキルを表 す。 上記炭素数 1〜4のアルキルとしては特に限定されず、 例えば、 メチル、 ェ チル、 プロピル、 ブチル等を挙げることができ、 これらは分岐状であっても直鎖 状であってもよい。 なかでも、 メチルが好ましい。 R1 は、 オルト位、 メタ位、 パラ位のいずれにあってもよい。
上記化合物 (B) としては特に制限されないが、 なかでも、 R1 がパラ位に あり、 メチルである (2 S, 3 a R) _2—ヒドロキシ一 5_ [4— [ [2— ( パラ—トリル) ベンゾィル] ァミノ] ベンゾィル] 一 1, 2, 3, 3 a, 4, 5 —へキサヒドロピロ口 [1, 2— a] キノキサリン (以下、 VP— 343という ) や、 R1 がオルト位にあり、 メチルである (2 S, 3 aR) — 2—ヒドロキ シ一 5— [4— [ [2 - (オルトートリル) ベンゾィル] ァミノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ口 [ 1, 2— a〕 キノキサリン (以下、 VP— 386という) が好ましい。
VP— 343は利尿作用を有することが知られているが、 本発明の発明者らは 、 VP— 343が上記公知の薬効からは予測できない眼圧下降作用を発揮し、 緑 内障、 高眼圧症、 更に、 正常眼圧緑内障等の期待される眼科疾患の治療剤に好適 であることを見出した。
VP— 386は新規化合物であり、 R1 がオルト位にあり、 メチルであると
いう構造上の特徴を有する。 VP— 3 8 6は、 バソプレシン V 1受容体への結合 能を示し、 バソプレシン V 1受容体拮抗作用を有する。 VP— 3 8 6は、 これら の性質に基づき、 優れた眼圧下降作用を示し、 緑内障、 高眼圧症、 更に、 正常眼 圧緑内障等の期待される眼科疾患の治療剤に好適である。
なお、 OPC— 2 1 2 6 8 (Hy p e r t e n t i o n, 2 3、 2 1 7 - 2 2 2、 1 9 94) は選択的バソプレシン V 1受容体拮抗剤であり、 S R49 0 5 9 は選択的バソプレシン V I受容体拮抗剤であり、 上記化合物 (A) (YM0 8 7 ; J . P h a rma c o l . Ex p. Th e r . 、 2 8 2、 3 0 1— 3 0 8、 1 9 9 7) はバソプレシン V I、 V 2両受容体拮抗剤であり、 VP— 343はバソ プレシン V 1、 V 2両受容体拮抗剤であり、 []3 _me r c a p t o— ) 3, β— e y e l ome t h y l e n e p r o p i o n y l 1 , O— Me— Ty r 2 , A r g 8 ] — v a s o p r e s s i n (V 2 2 5 5 ; J . Me d. C h e m. 、 2 3、 3 64、 1 9 80) はペプチド性選択的バソプレシン V 1受容体拮抗剤 である。
本発明の眼圧下降剤に使用されるバソプレシン V 1受容体拮抗作用を有する化 合物が塩基性の化合物である場合、 その薬理学上許容される塩としては、 例えば 、 塩酸塩、 硫酸塩、 硝酸塩、 リン酸塩、 臭化水素酸塩、 酒石酸塩、 酢酸塩、 クェ ン酸塩、 フマル酸塩、 マレイン酸塩及び修酸塩等の無機塩又は有機酸塩等を挙げ ることができる。 また、 本発明の眼圧下降剤に使用されるバソプレシン V 1受容 体拮抗作用を有する化合物が酸性の化合物である場合、 その薬理学上許容される 塩としては、 例えば、 ナトリウム塩、 カリウム塩、 カルシウム塩、 リチウム塩、 及び、 マグネシウム塩等を挙げることができる。
上述のように、 バソプレシン受容体が眼組織に分布することも報告されている が、 バソプレシンは眼圧に対し上昇又は下降の相反する作用を示すことが報告さ れており、 バソプレシンの眼圧に対する生理的意義は全く不明であり、 上記のよ うなバソプレシン V 1受容体拮抗作用を有する化合物が優れた眼圧下降作用を有 することを、 公知の薬効から予想することは非常に困難である。
本発明により、 はじめてバソプレシン受容体のうちバソプレシン V 1受容体に 対して拮抗作用を有する化合物が眼圧の下降作用を有することが明らかになった
。 本発明はこの知見に基づき完成されたものである。
本発明において、 バソプレシン V I受容体拮抗作用を有する化合物は、 優れた 眼圧下降作用を発揮し、 副作用が極めて少ない。 このため、 バソプレシン V I受 容体拮抗作用を有する化合物を有効成分として、 眼圧下降剤を得ることができ、 これは、 緑内障、 及び、 高眼圧症の治療薬及び 又は予防薬として好適である。 したがって、 本発明のバソプレシン V 1受容体拮抗作用を有する化合物を有効 成分とする眼圧下降剤は緑内障治療剤、 緑内障予防剤、 高眼圧症治療剤、 高眼圧 症予防剤として用いることもでき、 本発明の眼圧下降剤には、 緑内障治療剤、 緑 内障予防剤、 高眼圧症治療剤、 高眼圧症予防剤も含まれる。
また、 本発明の眼圧下降剤は眼圧が上昇しない病態を呈する正常眼圧緑内障に 対しても、 治療剤又は予防剤として用いることができる。
本発明の眼圧下降剤に用いられるバソプレシン V 1受容体拮抗作用を有する化 合物の用量は、 年齢、 体重等の患者の状態、 投与経路、 病気の症状と重篤度等を 考慮した上で適宜設定することができる。 例えば、 静脈内投与の場合、 成人に対 する本発明の眼圧下降剤の有効成分量は、 1日あたり、 0 . l〜1 0 0 0 m g Z ヒトであるのが好ましく、 より好ましくは 1〜6 0 O mg Zヒトである。 更に局 所投与の場合、 例えば点眼投与であれば、 成人に対する本発明の眼圧下降剤の有 効成分濃度は、 0 . 0 0 1〜1 0 % (V/W) であるのが好ましく、 より好まし くは 0 . 0 1〜2 % (V/W) である。 また、 経口投与の場合、 成人に対する本 発明の眼圧下降剤の有効成分量は、 1日あたり、 5〜1 5 0 O m g Zヒトである のが好ましく、 より好ましくは 1 0〜3 0 0 m g Zヒトである。
しかしながら、 被投与者の状態によっては、 これ以下で充分な場合もあり、 ま た、 逆にこれ以上の用量を必要とすることもある。 また、 1日 2〜4回に分割し て投与してもよい。
本発明の眼圧下降剤は、 バソプレシン V 1受容体拮抗作用を有する化合物又は その薬理学上許容される塩を、 慣用の製剤担体と混合し、 適当な投与形態に調製 することにより製造することができる。
本発明の眼圧下降剤を医薬組成物として、 ヒトを含む動物に投与する場合、 バ ソプレシン V 1受容体拮抗作用を有する化合物は、 医薬組成物中に、 そのまま、
又は、 医薬的に許容される無毒性かつ不活性の担体に担持されて含有されるのが 好ましく、 その含有量は、 0 . 1〜9 9 . 5重量%であるのが好ましく、 より好 ましくは 0 . 5〜9 0重量%でぁる。
上記担体としては、 固形、 半固形、 又は、 液状の希釈剤、 充填剤及びその他の 処方用の助剤等を挙げることができ、 これらは単独で用いても、 2種以上を併用 してもよい。
本発明の眼圧下降剤は、 投与単位形態で投与することが好ましい。 本発明の眼 圧下降剤の投与方法としては特に限定されず、 例えば、 組織内投与、 静脈内投与 、 点眼投与、 点鼻投与等の局所投与、 経口投与又は経直腸的に投与すること等を 挙げることができる。
本発明の眼圧下降剤の剤型としては特に限定されず、 例えば、 上記投与方法に 適した剤型を適宜選択することができる。
本発明の眼圧下降剤は、 皮下 ·筋肉又は静脈内注射用として、 液剤や懸濁剤等 の液状用量単位形態を用いて組織内投与や静脈内投与してもよい。 この場合、 注 射液を等張にするために非毒性の塩や塩溶液を添加してもよい。 上記液剤又は懸 濁剤は、 バソプレシン V I受容体拮抗作用を有する化合物の一定量を、 注射の目 的に適合する水性や油性の媒体等の非毒性の液状担体に懸濁又は溶解し、 次いで その懸濁液又は溶液を滅菌することにより製造することができる。
上記液剤又は懸濁剤は、 バソプレシン V 1受容体拮抗作用を有する化合物の一 定量をバイアルにとり、 その後上記バイアルとその内容物を滅菌し密閉すること により製造してもよい。
本発明の眼圧下降剤を投与直前に溶解又は混合するためには、 粉末又は凍結乾 燥したバソプレシン V 1受容体拮抗作用を有する化合物に加えて、 予備的なバイ アルや担体を準備してもよい。
本発明の眼圧下降剤を点眼投与する場合は、 点眼剤、 眼軟膏剤等の形態を用い ることができる。 上記点眼剤は、 安定化剤、 防腐剤等を含有してもよい。 上記点 眼剤の p Hは眼科製剤に許容される範囲内にあれば特に限定されず、 例えば、 p H 4〜 8であるのが好ましい。
本発明の眼圧下降剤を点眼剤や眼軟膏剤として用いる場合、 その用法、 用量は
、 患者の症状、 年令等により適宜選択されるが、 点眼剤の場合には、 通常、 1日 2〜4回、 一回当たり 1〜5滴を点眼するのが好ましく、 眼軟膏剤の場合には、 通常、 1日 1〜3回、 結膜のう内に適量を塗布するのが好ましい。
本発明の眼圧下降剤を経口投与する場合、 その剤型としては、 例えば、 末剤、 散剤、 錠剤、 糖衣剤、 カプセル剤、 顆粒剤、 懸濁剤、 液剤、 シロップ剤、 ドロッ プ剤、 舌下錠、 その他の剤型等の、 固形又は液状の用量単位を挙げることができ る。
上記末剤はバソプレシン V 1受容体拮抗作用を有する化合物を適当な細かさに することにより製造される。
上記散剤は、 バソプレシン V 1受容体拮抗作用を有する化合物を適当な細かさ とし、 次いで、 同様に細かくした澱粉、 マンニトールのような可食性炭水化物等 の医薬用担体、 その他の添加剤と混合することにより製造することができる。 上記錠剤は、 粉末混合物を作り、 顆粒化又はスラグ化し、 次いで崩壊剤又は滑 沢剤を加えた後打錠することにより製造することができる。 上記粉末混合物は、 粉末化されたバソプレシン V I受容体拮抗作用を有する化合物を、 上記希釈剤や ベースと混合することにより得られ、 必要に応じ、 結合剤、 溶解遅延化剤、 再吸 収剤、 吸着剤等を併用してもよい。
上記粉末混合物は、 まず結合剤で湿らせ、 次いで篩を強制通過させることによ り、 顆粒化することができる。 また、 上記粉末混合物は、 打錠機にかけた後、 得 られる不完全な形態のスラグを破砕することにより顆粒にしてもよい。
このようにして作られる顆粒は、 滑沢剤を添加することにより、 互いに付着す ることを防ぐことができる。 このように滑沢化された混合物を、 次いで打錠し、 得られた素錠にフィルムコーティングや糖衣を施してもよい。 また、 本発明の眼 圧下降剤は、 上述のように顆粒化ゃスラグ化の工程を経ることなく、 流動性の不 活性担体と混合した後に直接打錠してもよい。 本発明の眼圧下降剤には、 シエラ ックの密閉被膜からなる透明又は半透明の保護被覆、 糖や高分子材料の被覆、 及 び、 ワックスよりなる磨上被覆等が施されてもよい。
上記カプセル剤は、 粉末状にした末剤及び散剤、 又は、 顆粒化した末剤及び散 剤を、 ゼラチン力プセル等の力プセル外皮の中へ充填することにより製造するこ
とができる。 上記カプセル剤に崩壊剤や可溶化剤を添加すれば、 カプセル剤が摂 取されたときの医薬の有効性を改善することができる。
また、 バソプレシン V I受容体拮抗作用を有する化合物の微粉末を、 植物油、 ポリエチレングリコール、 グリセリン、 界面活性剤等の中に懸濁分散し、 これを ゼラチンシートで包んで軟カプセル剤にしてもよい。
本発明の眼圧下降剤は、 液剤、 シロップ剤、 エリキシル、 懸濁剤等のような他 の経口投与剤型をとることもでき、 その一定量が薬物の一定量を含有するような 用量単位形態にすることができる。 上記シロップ剤は、 バソプレシン V I受容体 拮抗作用を有する化合物を適当な香味水溶液に溶解して製造することができ、 ま た、 上記エリキシルは非毒性のアルコール性担体を用いることにより製造するこ とができる。 上記懸濁剤は、 バソプレシン V 1受容体拮抗作用を有する化合物を 非毒性担体中に分散させることにより処方することができる。
本発明の眼圧下降剤を経口投与するための用量単位処方は、 必要に応じて、 マ イク口カプセル化したり、 高分子、 ワックス等中にうめこんだりしてもよい。 こ れにより本発明の眼圧下降剤の作用時間の延長や持続放出をもたらすことができ る。
本発明の眼圧下降剤を直腸投与する場合は、 バソプレシン V 1受容体拮抗作用 を有する化合物を、 水に可溶又は不溶な低融点の固体状の担体及びそれらの混合 物と混合した坐剤を用いることができる。
上記滑沢剤及び流動化剤としては特に限定されず、 例えば、 コロイド状のシリ 力、 タルク、 ステアリン酸、 ステアリン酸マグネシウム、 ステアリン酸カルシゥ ム等のステアリン酸塩、 固形のポリエチレングリコール、 ミネラルオイル等を挙 げることができる。 これらは単独で用いても、 2種以上を併用してもよい。 上記崩壊剤及び可溶化剤としては特に限定されず、 例えば、 カルボキシメチル セルロース、 カルボキシメチルセルロースカルシウム、 低置換度ヒドロキシプロ ピルセルロース、 クロスカルメロースナトリウム、 カルボキシスターチナトリウ ム、 炭酸カルシウム、 炭酸ナトリウム、 エトキシ化されたイソステアリルアルコ ール類、 ポリオキシエチレンソルビトールエステル類等を挙げることができる。 これらは単独で用いても、 2種以上を併用してもよい。
上記結合剤としては特に限定されず、 例えば、 シロップ、 澱粉糊、 アラビアゴ ム、 カルボキシメチルセルロースナトリウム、 ヒドロキシプロピルセルロース、 メチルセルロース、 ヒドロキシプロピルメチルセルロース、 ゼラチン、 ポリビニ ルピロリドン、 ポリビニルアルコール等を挙げることができる。 これらは単独で 用いても、 2種以上を併用してもよい。
上記溶解遅延化剤としては特に限定されず、 例えば、 パラフィン、 ワックス、 硬化ヒマシ油等を挙げることができる。 これらは単独で用いても、 2種以上を併 用してもよい。
上記再吸収剤としては特に限定されず、 例えば、 四級塩等を挙げることができ る。 これらは単独で用いても、 2種以上を併用してもよい。
上記吸着剤としては特に限定されず、 例えば、 ベントナイト、 カオリン、 リン 酸ジカルシウム等を挙げることができる。 これらは単独で用いても、 2種以上を 併用してもよい。
上記乳化剤としては特に限定されず、 例えば、 ポリオキシエチレンソルビトー ルエステル類等を挙げることができる。 これらは単独で用いても、 2種以上を併 用してもよい。
上記風味賦与剤としては特に限定されず、 例えば、 ぺパミント油、 サッカリン 等を挙げることができる。 これらは単独で用いても、 2種以上を併用してもよい 上記安定化剤としては、 例えば、 塩化ナトリウム、 濃グリセリン等の等張化剤 、 リン酸ナトリウム、 酢酸ナトリウム等の緩衝化剤、 ポリオキシエチレンソルビ タンモノォレート、 ステアリン酸ポリオキシル 4 0、 ポリオキシエチレン硬化ヒ マシ油等の非イオン性界面活性剤、 クェン酸ナトリウム、 ェデト酸ナトリウム等 を挙げることができる。 これらは単独で用いても、 2種以上を併用してもよい。 上記防腐剤としては、 例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 パラベン等を挙げるこ とができる。 これらは単独で用いても、 2種以上を併用してもよい。
上記担体としては特に限定されず、 例えば、 ポリエチレングリコール、 カカオ 脂、 パルミチン酸ミリスチルエステル等の高級エステル類を挙げることができる 。 これらは単独で用いても、 2種以上を併用してもよい。
上記本発明の眼圧下降剤を、 治療及び 又は予防の目的のためにヒトを含む動 物に適用し、 処理 (T r e a t i ng) する方法もまた、 本発明の一つである。 上記本発明の眼圧下降剤を工業的生産 (Manu f a c t u r i ng) するた めに上記バソプレシン V 1受容体拮抗作用を有する化合物を使用することもまた
、 本発明の一つである。
本発明の眼圧下降剤、 緑内障治療剤、 高眼圧症治療剤は、 いずれもバソプレシ ン V 1受容体拮抗作用を有する化合物を有効成分として含有する薬剤であるが、 上述したとおり、 バソプレシン V 1受容体拮抗作用を有する化合物を含有してい る限り、 その他の成分を含有するとしないとにかかわらず、 本発明の範囲に入る ものである。
本発明の眼圧下降剤、 緑内障治療剤、 高眼圧症治療剤は、 医薬組成物としてヒ トを含む動物に投与することができるものであるので、 それぞれ、 眼圧下降医薬 組成物、 緑内障治療医薬組成物、 高眼圧症治療医薬組成物ということができるも のである。
第 2の本発明は、 下記一般式 (1) で表されることを特徴とするリン酸エステ ル誘導体である。
式中、 Rlは、 水素又は炭素数 I〜4のアルキルを表し、 M1及び M2は、 同じ であっても異なっていてもよく、 水素又は 1価の薬理学的に許容されるアルカリ 金属塩を表す。
本発明の化合物 (1) において、 R1, M1及び M2は、 第 1の本発明において 説明したとおりであり、 本発明の化合物 (1) としては、 第 1の本発明において 例示した化合物を挙げることができる。
本発明の化合物 (1) は、 上記化合物 (B) であるビフエニル誘導体の水酸基
がリン酸エステル化されているという特徴を有する。 即ち、 リン酸エステル化さ れた本発明の化合物 (1) は、 上記化合物 (B) に比べ、 水溶性が向上し、 特に 点眼剤及び静脈内投与剤等の液剤に好適に用いることができる。
上記化合物 (B) は、 水に対する溶解度 (25°C) が 4/z gZmL程度であり 、 極めて難水溶性化合物である。 このような難水溶性化合物を用いて、 点眼剤及 び静脈内投与剤等の液剤を調製するには、 twe e n 80、 HCO60又はステ ァリン酸ポリオキシル 40等の一般的に使用される界面活性剤を用いて、 可溶化 させる必要がある。 例えば、 上記化合物 (B) のうち、 R1がパラ位にあり、 メ チルである VP— 343を用いて液剤を調製する場合、 可溶化を目的に使用する 種々の界面活性剤の中で、 0. 5 %HC〇 60溶液が VP— 343の溶解性を最 も高めることができる界面活性剤であるが、 0. 5 %HC〇60溶液を用いても 、 0. 036 %濃度に調製することが限界である。
一方、 本発明の化合物 (1) は、 生理食塩液に 10%以上の溶解性を有するた め、 VP— 343と比べて、 極めて高濃度域で使用することが可能である。 また 、 本発明の化合物 (1) によれば、 本来作用発現とは無関係な界面活性剤等の余 分な成分を用いずに液剤を調製することができるため、 生体に対する悪影響が少 ない液剤を得ることができる。
本発明の化合物 (1) を生理食塩液に溶解して調製した液剤 (濃度 3. 7 %) を用いた場合の眼圧下降作用の程度又は持続性は、 極めて優れており、 本発明の 化合物 (1) を用いた液剤は緑内障及び高眼圧症の治療剤としての有用性が極め て高い。
本発明の化合物 (1) は種々の方法により合成することができる。 以下にその 代表的製法を例示する。
[反応式 1]
式中、 R
1 、 M
1 及び M
2 は、 上記のとおりであり、 Bnは、 ベンジルを表 す。
[反応式 1] は上記合成中間体 (2) のリン酸化と脱保護による本発明のリン 酸エステル体 (1) の製造法である。 クオ一一ロング ュ (Kuo— Lon g Yu) らの方法 [テトラへドロン レターズ (T e t r a h e d r o n L e t t e r s) , 979-982 (1988) ] に従い、 上記合成中間体 ( 2 ) を、 1 H—テトラゾ一ルの存在下、 ジクロロメタン溶液中、 N, N—ジイソプロピル ジベンジルホスホラミジトと反応させた後、 メタクロ口過安息香酸で酸化し、 上 記リン酸トリエステル体 (3) を得ることができる。 N, N—ジイソプロピルジ ベンジルホスホラミジトは、 公知の方法、 即ち E, ウールマン (E, Uh 1 ma n n) らの方法 [テトラへドロン レ夕一ズ (T e t r a h e d r o n L e t t e r s) 、 1023- 1026 (1986) ] 及び田中らの方法 [テトラへド ロン レ夕一ズ (T e t r a h e d r o n L e t t e r s) , 199— 202 (1986) ] により製造できる。 次いで、 上記リン酸トリエステル体 (3) を 加水素分解によって脱保護することにより本発明のリン酸エステル体 (1) を製 造することができる。 また、 他のホスファイト化剤、 例えば、 ホスフエパン [渡 辺ら、 テトラへドロン レターズ (T e t r a h e d r o n L e t t e r s) 、 255— 256 (1990) ] 、 N, N—ジェチルジベンジルホスホラミジト [ J . W. パーリッヒら、 テトラへドロン レターズ (Te t r ah e d r on L e t t e r s) 、 101 - 102 (1987) ] 、 N, N—ジメチルジベン ジルホスホラミジト [J. W. パーリツヒら、 テトラへドロン レタ一ズ (Te t r ah e d r on Le t t e r s) 、 101 - 102 (1987) ] でホス ファイト化した後、 酸化する方法を用いてもよい。 また、 上記合成中間体 (2) から直接リン酸エステル化する公知の方法を用いて本発明の化合物 (1) を製造 することもできる。 上記直接リン酸エステル化する公知の方法としては、 例えば 、 リン酸化剤として酸クロリド型リン酸化剤を用いる方法、 リン酸化剤として酸 無水物型リン酸化剤を用いる方法、 イミドイルリン酸を中間体とする方法、 三塩 ィ匕リン、 トリス (8—キノリル) リン酸、 2— (N, N—ジメチルァミノ) 一4 一二トロフエ二ルリン酸、 ホスフォニゥムョージド等のその他のリン酸化剤を用
いる方法等を挙げることができる。
上記酸クロリド型リン酸化剤としては、 例えば、 ォキシ塩化リン、 フエ二ルリ ン酸ジクロリド、 ジフエニルリン酸クロリド、 ジベンジルリン酸クロリド、 p — ニトロフエニルリン酸ジクロリド、 ジモルフォリノリン酸クロリド、 ビス (/3, β , )3—トリクロ口エヂル) リン酸クロリド、 ρ—ジフエニル— ρ, 一モルホリ ノピロリン酸クロリ ド等を挙げることができる。
上記酸無水物型リン酸化剤としては、 例えば、 〇一べンジル亜リン酸、 〇—ジ フエニルリン酸無水物、 テトラ (パラニトロフエニル) ピロリン酸、 テトラクロ 口ピロリン酸、 ジフエ二ルリン酸無水物等を挙げることができる。
上記イミドイルリン酸としては、 例えば、 /3—シァノエチルリン酸とジシクロ へキシルカルポジイミドとから得られる化合物等を挙げることができる。
これらの方法でリン酸エステル化した後、 本発明の化合物 (1 ) を得るために は、 使用したリン酸化剤に応じて、 保護基を脱離すればよい。 これも、 酸又はァ ルカリによる加水分解、 接触還元等の公知の方法を行うことができる。
[反応式 2 ]
( 4 ) ( 2 )
式中 R 1 は、 上記のとおりである。
[反応式 2 ] で示される方法は、 上記アミン体 (4 ) と上記カルボン酸 (5 ) とから、 通常のアミド結合生成反応を用いて上記合成中間体 (2 ) を製造する方 法である。
上記アミド結合生成反応は、 公知のアミド結合生成反応の条件を用いて容易に 行うことができる。 公知のアミド結合生成反応としては、 例えば、 (ィ) 酸クロ リ ド法、 (口) カルポジイミド法、 (八) 活性化エステル法、 (二) その他の方 法等を挙げることができる。
(ィ) 酸クロリ ド法は、 上記カルボン酸 (5 ) にハロゲン化剤を反応させて酸 クロリドとし、 これに上記アミン体 (4 ) を反応させる方法である。 上記ハロゲ ン化剤としては、 例えば、 塩化チォニル、 塩化ォキザリル、 五塩化リン等を挙げ ることができる。
(口) カルポジイミド法は、 縮合剤の存在下、 上記カルボン酸 (5 ) と上記ァ ミン体 (4 ) とを反応させる方法である。 上記縮合剤としては、 例えば、 ジシク 口へキシルカルポジイミド、 N—ェチル— N' - ( 3—ジメチルァミノプロピル ) カルポジイミド、 カルボニルジイミダゾール等を挙げることができる。
(八) 活性化エステル法は、 上記カルボン酸 (5 ) を活性化エステルとし、 こ れに上記アミン体 (4 ) を反応させる方法である。 上記活性化エステルとしては 、 例えば、 ニトロ又はハロゲン置換フエニルエステル、 芳香族チォエステル、 N ーヒドロキシコハク酸エステル、 1—ヒドロキシベンゾトリアゾ一ルエステル、 ェノールエステル等を挙げることができる。
(二) その他の方法としては、 例えば、 上記カルボン酸 (5 ) を無水酢酸等の 脱水剤によりカルボン酸無水物とし、 これに上記アミン体 (4 ) を反応させる方 法、 上記カルボン酸 (5 ) と低級アルコールとのエステルに上記アミン体 (4 ) を高圧高温下反応させる方法、 上記カルボン酸 (5 ) と上記アミン体 (4 ) とを 、 リン化合物の縮合剤の存在下に反応させる方法等を挙げることができる。 上記 リン化合物の縮合剤としては、 例えば、 トリフエニルホスフィン、 ジフエ二ルホ スフインク口リド、 フエニル一 N—フエニルホスホラミドクロリデ一ト、 ジェチ ルクロロホスフエ一ト、 シァノリン酸ジェチル、 ジフエニルリン酸アジド、 ビス ( 2 —ォキソ— 3 —ォキサゾリジニル) ホスフィニッククロリド等を挙げること ができる。
このうち、 酸クロリ ド法を用いて上記アミン体 (4 ) と上記カルボン酸 (5 ) とを反応させる方法が簡便かつ容易に本発明の化合物 (1 ) を得ることができる 点で、 好ましい。
上記アミド結合生成反応に用いられる溶媒としては、 選択する方法により異な るが、 例えば、 ジクロロメタン、 ジクロロェタン、 クロ口ホルム等のハロゲン化 炭化水素類;ベンゼン、 トルエン、 キシレン等の芳香族炭化水素類; ジェチルェ
一テル、 テトラヒドロフラン、 ジォキサン、 ジメトキシェタン等のエーテル類; 酢酸ェチル等のエステル類; N, N' ージメチルホルムアミド、 ジメチルスルホ キシド、 へキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒等の単独溶媒 か又はそれらの混合溶媒等を挙げることができる。
上記アミド結合生成反応に際して、 上記カルボン酸 (5) を過剰に用いたり、 有機塩基の存在下で反応を行うと、 反応を円滑に進行させる上で有利な場合があ る。 上記有機塩基としては、 例えば、 N—メチルモルホリン、 トリメチルァミン 、 トリェチルァミン、 Ν, Ν' —ジメチルァミン、 ピリジン、 1, 5—ジァザビ シクロ [4, 3, 0] ノネン一 5 (DBN) 、 1, 8—ジァザビシクロ [5, 4 , 0] ゥンデセン一 7 (DBU) 、 1, 4—ジァザビシクロ [2, 2, 2] ォク タン (DABCO) 等を挙げることができる。
上記アミド結合生成反応の反応温度は一 20〜150°C程度であるのが好まし く、 より好ましくは一 5〜50 程度である。 上記アミド結合生成反応の反応時 間は 5分〜 18時間程度であるのが好ましく、 より好ましくは 5分〜 2時間程度 である。
上記アミン体 (4) のヒドロキシ基に保護基を導入した後、 上記アミド結合生 成反応を行い、 次いで、 保護基を除去することによって上記合成中間体 (2) を 得ることができる。 上記保護基としては、 例えばグリーン (Gr e e n e) 及び ウッツ (Wu t s) 奢、 ^P r o t e c t i v e Gr ou p s i n Or an i c Syn t h e s i s (第 2版) 」 に記載の保護基を挙げることができ 、 これらを反応条件に応じて適宜用いることができる。
[反応式 3]
(2 a) (6) (2 b) 式中 R1 は上記のとおりである。
上記化合物 (2 a) から、 光延反応 (O. M i t s uno bu、 Syn t h e
s i s、 1— 28、 1981) を用い、 立体配置を反転した上記化合物 (2 b) を製造することができる。 即ち、 非プロトン性極性溶媒中、 トリフエニルホスフ インとァゾジ力ルポン酸ジエステル類の存在下、 上記化合物 (2 a) に、 酢酸を 反応させて、 立体配置が反転した上記ァセトキシ体 (6) を得て、 次いで、 水、 又は、 メタノール、 エタノール等のアルコール類等を溶媒として用いて、 酸又は 塩基性条件下、 上記ァセトキシ体 (6) を加溶媒分解することにより、 上記化合 物 (2 b) を製造することができる。
上記非プロトン性極性溶媒としては、 例えば、 N、 N—ジメチルホルムアミド 、 ジメチルスルホキシド、 へキサメチルリン酸トリアミド等を挙げることができ る。
上記ァゾジ力ルポン酸ジエステル類としては、 例えば、 ァゾジカルボン酸ジェ チル、 ァゾジ力ルポン酸ジイソプロピル、 ァゾジカルボン酸ジベンジル等を挙げ ることができる。
上記 [反応式 2] の出発物質である上記アミン体 (4) は、 Mag i d Ab ou— Gh a r b i a, Me i e r E. F r e e d e t a 1. , J . Me d. Ch em. 、 2_7_, 1743 (1984) 及び米国特許第 4446323号 に従い、 出発原料として 1—フルオロー 2—ニトロベンゼン及びトランス一 4— ヒドロキシ— L—プロリン、 シス— 4-ヒドロキシ— D—プロリン、 又は、 それ らのアルキルエステル及びそれらの塩酸塩等の塩を用いることにより、 (2 R, 3 a S) — 2—ヒドロキシ一 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ口 [ 1, 2— a] キノキサリン (4 a) 、 (2R, 3 aR) —2—ヒドロキシ一 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ口 [1, 2— a ] キノキサリン ( 4 b ) にすることができる。
上記各製法により得られた反応生成物は、 遊離化合物、 その塩、 水和物又は各 種の溶媒和物として単離、 精製される。 上記塩は通常の造塩反応に付すことによ り製造することができる。
単離、 精製は、 抽出、 濃縮、 蒸留、 結晶化、 濾過、 再結晶、 各種クロマトグラ フィ一等の通常の化学操作を用いて行うことができる。
なお、 本発明の化合物 (1) には、 ラセミ体、 光学活性体、 ジァステレオマー
の異性体が単独で又は混合物として存在する場合がある。 ラセミ体は、 例えば、 一般的な光学活性酸 (酒石酸等) とのジァステレオマー塩にして光学分割する方 法等の一般的なラセミ分割法により、 光学的に純粋な異性体とすることができる 。 また、 ジァステレオマーの混合物は、 例えば、 分別結晶化又はクロマトグラフ ィ一等の常法により分離することができる。
本発明の化合物 (1) は新規化合物であり、 本発明の化合物 (1) を有効成分 とする医薬組成物の適用症としては特に限定されず、 例えば、 高眼圧症や緑内障 等を挙げることができる。 また、 本発明の化合物 (1) は、 利尿作用も有し、 本 発明の化合物 (1) を有効成分とする医薬組成物は、 利尿剤として用いることも できる。 したがって、 本発明の化合物 (1) 又はその薬理学的に許容される塩及 び医薬上許容される担体からなる医薬組成物も、 また、 本発明の一つである。 最近、 正常眼圧緑内障患者が増加していることから、 緑内障の薬物療法におい て、 これまでの眼圧下降薬に加えて、 緑内障性視神経障害を防ぐ薬剤、 即ち視神 経乳頭部の血液循環改善薬や視神経保護薬が求められている。 視神経乳頭部に栄 養を補給している主要な血管は短後毛様動脈である。 バソプレシン VI受容体拮 抗作用を有する化合物は、 短後毛様動脈のバソプレシン惹起収縮に対する抑制作 用を有する (J. Va s e. Re s. 、 34、 464— 472、 1997) ので 、 視神経乳頭部の循環改善作用を有することとなる。 従って、 本発明のバソプレ シン V 1受容体拮抗作用を有する化合物又はその薬理学上許容される塩を有効成 分とすることを特徴とする眼圧下降剤は、 視神経乳頭部の循環改善作用を併せ持 つた、 新規な緑内障の治療薬及びノ又は予防薬として極めて有用である。 発明を実施するための最良の形態
以下に、 試験例、 参考例、 実施例及び製剤例を掲げて本発明を更に詳しく説明 するが、 本発明はこれらのみに限定されるものではない。 試験例 1 :眼圧下降作用
ゥサギを用いて点眼投与での眼圧下降作用を検討した。
実施例 1で得られた化合物リン酸 (2 S, 3 a R) — 5— [4— [ [2— (
パラ—トリル) ベンゾィル] ァミノ] ベンゾィル] _ 1, 2, 3, 3 a, 4, 5 —へキサヒドロピロ口 [ 1 , 2— a] キノキサリン— 2 Γル 2ナトリウム ( 以下、 VP— 382とする) を生理食塩液に溶解し、 3. 7%濃度の被験点眼液 を調製した。 正常眼圧の雄性白色家兎 (体重 2. 7〜3. 4 kg) 6羽を 1群と し、 被験点眼液又は対照液 (生理食塩液) を左眼にそれぞれ 50 Lずつ点眼し た。 0. 4%塩酸ォキシブプロ力イン 20 L点眼による角膜表面麻酔後、 A 1 c on Pn e uma t i c App l an a t i on Tonog r a ph ( A l e on社製) を用い、 点眼前及び点眼後 1〜6時間までの眼圧を測定した。 試験結果 (投与前眼圧値との差) は表 1に示した。 また、 *及び * *はそれ ぞれ pく 0. 05及び く0. 01 (対対照群) を示し、 スチュ一デントの t検 定 (S t ud e n t; ' s t t e s t ) 又はアスピン—ウエルチ検定 (A s p i n— We l c h' s t t e s t) により分析した。 被験点眼液投与群は、 点眼後 1〜 6時間まで対照群に比して有意な眼圧下降作用を示した。
表 1 実施例 1の化合物 (VP-382) の点眼による眼圧下降作用
眼圧差 (AmmHg)
化合物 VP-382
投与後時間 濃度 (%)
(時間) 生理食塩液 3.7
1 3.2 ±3.2 - - 1.7 ±1.2**
2 2.8土 2.5 - - 1.3土 1.6**
3 2.2土 3.5 - - 3.5±2.1**
4 0.8±3.6 — 3.5士 1.6*
5 1.7±2.6 一 2.0土 2.7*
6 0.0±3.0 一 0.2士 3.8 数値は n=6例の平均土標準偏差
生理食塩液群の眼圧に対する有意差
*p<0.05、 **p<0.01
(Student s t test or Asp in-Welch s t test) 試験例 2〜4 :眼圧下降作用
ゥサギを用いて静脈内投与での眼圧下降作用を検討した。
実施例 2〜 4で得られた化合物 (VP— 383、 VP— 384、 VP- 385 ) を生理食塩液に 15mgZmLの濃度になるように溶解し静脈内投与剤を調製 した。
正常眼圧の雄性白色家兎 (体重 2. 7〜3. 4 kg) 6羽を 1群とし、 実施例 2〜 4で得られた化合物を SmgZkgとなるように静脈内投与して、 本発明の 静脈内投与剤の眼圧下降作用を検討した。 実施例 1と同様にして、 静脈内投与前 及び静脈内投与後 4時間までの眼圧を測定した。 なお、 陰性対照は溶媒を用いて 本発明の静注剤と比較検討した。
試験結果 (投与前眼圧値との差) は表 2〜4に示した。 また、 *、 * *及び * * *はそれぞれ p<0. 05、 p<0. 01及び <0. 001 (対対照群) を 示し、 これらは実施例 1と同様にして分析した。 実施例 2〜4で得られた化合物 投与群は、 対照群に比して有意な眼圧下降作用を示した。
表 2 実施例 2の化合物 (VP- 383) の静脈内投与による眼圧下降作用
眼圧差 (AmniHg)
化合物 VP-383
投与後時間 濃度 (mg/kg)
(時間) 生理食塩液 3
0.5 3.0±2.0 一 2.7±4.9*
1 3.0土 1.8 一 1.5土 2.8**
2 3.2土 2.2 一 2.3 ±3.8**
3 4.3士 1.5 一 1.3土 2.1***
4 8.2土 2.2 2.5土 3.9**
数値は n=6例の平均土標準偏差
生理食塩液群の眼圧に対する有意差
*p<0.05、 **p<0. OK ***p<0.001
(Student' s t test or Aspin - Welch s t test)
表 3 実施例 3の化合物 (VP- 384) の静脈内投与による眼圧下降作用
眼圧差 (AmmHg)
化合物 VP-384
投与後時間 濃度 (mg/kg)
(時間) 生理食塩液 3
0.5 2.8土 3.0 — 0.8±2.3*
1 1.2土 3.1 — 2.2±3.4
2 一 1.0±2.3 — 1.5±2.1
3 1.7土 1.5 0.7±3.7
4 1.7土 2.7 1.7土 2.0 数値は n=6例の平均士標準偏差
生理食塩液群の眼圧に対する有意差
*p<0.05 (Student s / test) 表 4 実施例 4の化合物 (VP-385) の静脈内投与に
眼圧差 (AmmHg)
化合物 VP-385
投与後時間 濃度 (mg/kg)
(時間) 生理食塩液 3
0.5 0.2土 2.1 — 2.3±2.7
1 一 1.0土 4.6 — 3.3±2.3
2 — 2.7±3.3 — 6.3±3.2*
3 一 2.3土 3.1 — 3.5±2.6
4 2.8土 5.4 1.8±2.8 数値は n=6例の平均土標準偏差
生理食塩液群の眼圧に対する有意差
*p<0.05 (Student' s t test) 試験例 5 :眼圧下降作用
ゥサギを用いて点眼投与での眼圧下降作用を検討した。
上記化合物 (A) を 0. 5%11< 060溶液に0. 3%の濃度になるように溶 解し、 被験点眼液を調製した。
正常眼圧の雄性白色家兎 (体重 2〜3 kg) 6〜12羽を1群とし、 被験点眼 液又は対照液 (化合物 (A) を含まない点眼剤) を左眼にそれぞれ 50 Lずつ 点眼し、 本発明の点眼剤の眼圧下降作用を検討した。 実施例 1と同様にして、 点
眼前及び点眼後 4時間までの眼圧を測定した。 なお、 陰性対照としては溶媒を用 いて本発明の点眼剤と比較検討した。
試験結果 (投与前眼圧値との差) は表 5に示した。 また、 *は ρ<0. 05 ( 対対照群) を示し、 これらはスチューデントの t検定 (S t u d e η s t t e s t) により分析した。 被験点眼液投与群は点眼後 3時間に対照群に比し て有意な眼圧下降作用を示した。 表 5 化合物 (A) の点眼による眼圧下降作用
眼圧差 (AmmHg)
化合物 化合物 (A)
投与後時間 濃度 (%)
(時間) 生理食塩液 0.3
1 0.8士 1.8 一 0.2土 2.4
2 3.9 ±3.6 1.8±2.0
3 4.4±3.1 2.6土 1.8*
4 9.0±3.1 8.8±2.3
数値は n= 12例の平均土標準偏差
生理食塩液群の眼圧に対する有意差
*p<0.05 (Student' s t test) 試験例 6 :眼圧下降作用
ゥサギを用いて静脈内投与での眼圧下降作用を検討した。
化合物 (A) を N, N—ジメチルホルムアミドに 15mgZmLの濃度になる ように溶解し、 静脈内投与剤を調製した。
正常眼圧の雄性白色家兎 (体重 2. 7〜3. 4kg) 5〜 6羽を 1群とし、 上 記化合物 (A) を用いて、 実施例 2と同様にして、 静脈内投与前及び静脈内投与 後 6時間までの眼圧を測定した。 なお、 陰性対照としては溶媒を用いて本発明の 静注剤と比較検討した。
試験結果 (投与前眼圧値との差) を表 6に示した。 また、 * *及び * * *はそ れぞれ Pく 0. 01及び <0. 001 (対溶媒群) を示し、 これらは実施例 1 と同様にして分析した。 化合物 (A) 投与群では静脈内投与後 1〜4時間に対照 群に比して有意な眼圧下降作用を示した。
表 6 化合物 (A) の静脈内投与による眼圧下降作用
眼圧差 (AmmHg)
化合物 化合物 (A)
投与後時間 濃度 (mg/kg
(時間) 生理食塩液 3
0.5 0.8士 2.9 一 1.0±1.0
1 1.3±0.8 — 1.8 ±1.3***
2 2.3土 2.5 一 3.6土 1.1***
3 2.8 ±3.1 — 3.0±0.7**
4 3.7士 1.9 一 1.2土 1.6***
5 4.7士 2.1 2.6士 2.1
6 6.2土 2.3 4.4士 1.5 数値は n=6 (生理食塩液) 、 5 (化合物 (A) ) 例の平均土標準偏差
生理食塩液群の眼圧に対する有意差
**p<0.01、 ***p<0.001
(Student s t test or Aspin-Welch' s t test) 試験例 7 :眼圧下降作用
ゥサギを用いて静脈内投与での眼圧下降作用を検討した。
1. 使用化合物
使用化合物としては、 バソプレシン V I受容体拮抗作用を有する OPC— 21 268、 及び、 VP— 343、 選択的バソプレシン V 2受容体拮抗剤である O P C— 31260、 及び、 S R— 121463 Aを用いた。
2. 使用化合物の合成
使用化合物の合成は、 それぞれ、 〇 PC— 21268は J. Me d. Ch em . , 3_6, 201 1 - 2017, 1993に記載の方法、 V P— 343は国際公 開 W〇 98/43976号公報に記載の方法、 S R— 121463 Aは P CTZ FR 96 01666号に記載の方法、 OPC— 31260は J. Me d. Ch em. , 3_9. 3547- 3555, 1996に記載の方法に準じて行った。
3. 投与試料の調製
OPC— 21268、 VP— 343及び SR_ 121463 Αは、 100%ジ メチルホルムアミドにて、 それぞれ 50mgZmL、 15mgZmL及び 15m
gZmL濃度に調整し、 〇PC— 31260は生理食塩液にて 3. lmg/mL 濃度に調整した。
4. 試験内容
正常眼圧の雄性白色家兎 (体重 2. 2〜3. 4 k ) 5〜 9羽を 1群とし、 O PC- 21268及び OP C— 31260は l OmgZkg, SR— 12146 3 A及び VP— 343は 3mg/k gの投与量で、 それぞれ静脈内投与し、 実施 例 1と同様にして、 眼圧を測定した。 なお、 陰性対照は各化合物ごとに設定し、 それぞれの溶媒を用いて本発明の静注剤と比較検討した。
5. 結果
OPC-21268 (1 Omg/k g) 、 VP- 343 (3mg/k g) 、 O PC— 31260 (1 Omg/k g) 、 SR- 121463 A (3mgZkg) の静脈内投与による試験結果 (投与前眼圧値との差) は表 7、 8、 9及び 10に 示した。 また、 *及び * *はそれぞれ p<0. 05及び p<0. 01 (対対照群 ) を示し、 これらは実施例 1と同様にして分析した。
結果は、 バソプレシン VI受容体拮抗作用を有する O PC— 21268及び V P- 343は静脈内投与後、 対照群に比して有意な眼圧下降作用を示した。 一方 、 選択的バソプレシン V 2受容体拮抗剤である O PC— 31260及び SR— 1 2 1463 Aでは静脈内投与後いずれの時点においても対照群と有意差は認めら れなかった。
表 7 OPC- 21268の静脈内投与による眼圧下降作用 眼圧差 (ΔηιπιΗε)
化合物 OPC-21268
投与後時間 用量 (mskg)
(時間) 溶媒 10
0.5 1.3土 1.2 -1.8土 1.3* *
1 1.3士 1.9 -1.8±1.9*
2 2.0±2.3 -1.2±2.3*
3 0.5±1.9 -0.4 ±1.1
4 2.5士 2.7 2.0±1.6
数値は n==5〜6例の平均土標準偏差
溶媒群の眼圧に対する有意差
*ρ〈0· 05、 * *ρ<0.01
(Student s t test or Aspin-Welch s t test) 表 8 VP- 343の静脈内投与による眼圧下降作用 眼圧差 (厶 mmHg)
化合物 VP-343
投与後時間 用量 (mg/ks:)
(時間) 溶媒 3
0.5 -0.5土 2.3 -1.4±1.7
1 0.7土 2.2 -1.4±2.1
2 1.5±2.8 -1.6±2.7*
3 2.5±2.0 0.2 ±1.9*
4 2.8士 2.0 3.0±1.0
5 4.3±3.1 4.8±0.4
6 5.7士 2.2 4.0±2.5 数値は n =5〜6例の平均土標準偏差
溶媒群の眼圧に対する有意差 *pく 0.05
(Student s t test or Aspin-Welch s t test)
表 9 0PC-31260の静脈内投与による眼圧下降作用
眼圧差 (ΔηιπιΗε)
化合物 OPC-31260
投与後時間 用量 (mg/kg)
(時間) 溶媒 10
0.5 0.4士 2.1 2.0士 1.0
1 1.3土 2.4 -0.4士 2.4
2 -0.4土 1.9 -1.3土 1.0
3 0.6±2.1 0.1±1.5
4 0.9±2.5 1.6±3.0
数値は η = 9例の平均土標準偏差 表 1 0 SR-12 63Aの静脈内投与による ¾
眼圧差 (ΔιηπιΗε)
化合物 SR-121463A
投与後時間 用重 (mg/kg)
(時間) 溶媒 3
1 0.0±2.9 -0.4±2.5
2 -1.2土 6.8 -1.4士 4.6
3 -0.6土 3.0 3.4土 6.0
4 8.6±2.9 7.4±5.1
数値は η = 5例の平均土標準偏差 試験例 8 :眼圧下降作用
ゥサギを用いて静脈内投与での眼圧下降作用を検討した。
ペプチド性選択的バソプレシン V 1受容体拮抗剤である [ 一 me r c a p t o— β , ]3— e y e l ome t hy l e n e p r o p i o ny l 1 , 〇一 Me -Ty r 2 , A r g8 ] -v a s o p r e s s i n (以下ペプチド性選択的バ ソプレシン V 1受容体拮抗剤、 シグマ社製、 V2255、 J . Me d. Ch em . , 2_3, 364, 1 980) を生理食塩液に 1 g/mLの濃度になるように 溶解し、 静脈内投与剤を調整した。
正常眼圧の雄性白色家兎 (体重 2. 2〜3. 4 k g) 5〜9羽を 1群とし、 ぺ プチド性選択的バソプレシン V 1受容体拮抗剤を l /^ gZk gとなるように静脈
内投与し、 実施例 1と同様にして、 眼圧を測定した。 なお、 陰性対照としては溶 媒を用いて本発明の静注剤と比較検討した。
試験結果 (投与前眼圧値との差) は表 1 1に示した。 また、 *及び * *はそれ ぞれ p<0. 05及び p<0. 01 (対対照群) を示し、 これらは実施例 1と同 様にして分析した。 バソプレシン V 1受容体拮抗作用を有するペプチド性選択的 バソプレシン V 1受容体拮抗剤投与群は静脈内投与後、 対照群に比して有意な眼 圧下降作用を示した。 表 1 1 ぺプチド性選択的バソプレシン VI受容体
拮抗剤の静脈内投与による眼圧下降作用
眼圧差 (AmmHg)
化合物 ペプチド性選択的バソプレシン VI
一 —受容体拮抗剤
投与後時間 用量
(時間) 溶媒 1
0.25 3.6±2.1 一 1.0土 4.9 *
0.5 3.4土 4.4 0.8 ±4.8
1 2.4±3.8 一 2.2 ±3.2*
2 2.8 ±3.1 一 1.7土 6.9
3 0.6±4.5 一 4.2士 6.6
4 4.8士 4.0 一 4.3±6.3*
5 3.8 ±3.5 一 6.3土 6.0**
6 4.6±6.0 一 7.0±6.3**
24 3.0土 4.2 1.7士 6.2 数値は n = 5〜6例の平均土標準偏差
溶媒群の眼圧に対する有意差
*p<0.05, * *p<0.01
(Student's t test or Asp in-Welch s t test) 試験例 9 :バソプレシン受容体結合性試験
S p r a gu e-Daw l e y雌性ラッ卜より摘出した腎臓を細切りにして、 5 OmMトリス—塩酸 pH7. 4でホモジナイズした後、 4で、 50000 X g
で 20分間遠心分離した。 得られた沈渣に 10倍量の緩衝液を加え、 再び同一条 件にて遠心分離し洗浄した。 更に得られた沈渣に緩衝液を加え蛋白量として 10 mg/mLになるようにラット腎臓粗膜画分を調製した。 この調製したラット腎 臓粗膜画分を用いて [3 H] — A r g—バソプレシン VIアンタゴニスト ( [3 H] バソプレシン V 1アン夕ゴニスト : 2 nM) と粗膜画分 5000 g及び 被験化合物 (10— 8M) とを、 ImM塩化マグネシウム、 2mM塩化カリウム 及び 0. 1 %ゥシ血清アルブミンを含む総量 1000 Lの緩衝液の中で 60分 間、 25ででインキュベーションした。 その後、 セルハベスターを用いてインキ ュべ一ション液を吸引し、 濾紙に通すことによって遊離リガンドと余分な緩衝液 を取り除いて、 濾紙に受容体と結合した標識リガンドをトラップした。 この濾紙 を取り出し、 充分乾燥させた後、 液体シンチレ一夕一と混合し、 液体シンチレ一 シヨンカウン夕一にて膜と結合した [3 H] バソプレシン V 1アンタゴニスト 量を測定し、 結合阻害率を下記式より算出した。 被験化合物としては VP— 38 6を用いた。 結果は以下の表 12に示した。 阻害率 (%) =100— (B-N) / (B。一 N) X 100
B :既知量の被験化合物と [3 H] バソプレシン V 1アン夕ゴニストの共存下 での [3 H] バソプレシン V 1アン夕ゴニストの膜に対する結合量
B。:被験化合物を除いたときの [3 H] バソプレシン V 1アンタゴニストの膜 に対する結合量
N :過剰のバソプレシン (10—
6) 存在下での [
3 H] バソプレシン V Iアン 夕ゴニス卜の膜に対する結合量 表 12
試験例 10 :利尿作用
S p r a gu e-Dawl e y系雄性 S P Fラット (体重 240〜320 g
8週齢) を一群 6匹以上で実験に供した。 16〜20時間絶食させた後、 代謝ケ ージ内にて 1時間馴化した後、 被験化合物を生理食塩液に溶解した液を 3mgZ kgの用量で静脈内投与した。 被験化合物の投与直後に生理食塩液 25mL/k gを経口負荷した。 その後、 ラットを代謝ケージに戻し、 被験化合物の投与直後 から 4時間までの蓄尿を採取し、 尿量を測定した。 コントロールとしては生理食 塩液を用いた。 被験化合物としては、 実施例 1で得られた化合物である VP— 3 82、 実施例 2で得られた化合物である VP— 383、 実施例 3で得られた化合 物である VP— 384、 実施例 4で得られた化合物である VP— 385、 及び、 実施例 5で得られた化合物 VP— 387を用いた。
結果は以下の表 13に示した。 いずれの化合物も有意な利尿作用を示した。 表 13
数値は n =6又は 8例の平均土標準誤差
コントロール(生理食塩液投与)群の眼圧に対する有意差
*ρ<0.05 (As in-Welch' s t test)
製剤例 注射剤
組成
VP- 382 1. Omg
クェン酸 0. 2mg
クェン酸ナトリウム 0. 4mg
塩化ナトリウム 18. Omg
注射用水 適当量
全量 2. OmL クェン酸 0. 1 gを注射用水 40 OmLに溶解した溶液に、 実施例 1で製造し た VP— 382 0. 5 g、 クェン酸ナトリウム 0. 2 g、 及び、 塩化ナトリウ ム 9 gを加えた。 この溶液を 6 Otで攪拌し、 添加した化合物を溶解させた。 得 られた溶液を室温で冷却後、 全量を 100 OmLとした。 上記溶液をメンブラン フィルター (孔径 0. 2 で濾過した後、 2 mLのアンプルに充填し、 加 熱滅菌処理して注射剤を調製した。 製剤例 2 錠剤
組成
[錠剤]
VP— 382 5. Omg
71. 5mg コーンスターチ 20. Omg ヒドロキシプロピルセルロース 3. Omg ステアりン酸マグネシウム 0. 5mg 小 計 100 mg
[コーティング]
ヒドロキシプロピルメチルセル口一ス 2910 4. Omg ポリエチレンダリコール 6000 0. 5mg 酸化チタン 0. 5mg 小 計 5 mg α n「 1 0 5 mg 実施例 1で製造した VP— 382 25 gと乳糖 357. 5 gとを混合した後 、 バンタムミル (東京アトマイザ一社製) で粉砕した。 この粉砕物にコーンスタ ーチ 100 gを流動造粒コーティング装置 (大川原製作所社製) 中で均一に混合 した後、 10 %ヒドロキシプロピルセルロース水溶液 15 O gを噴霧して造粒し た。 得られた顆粒を乾燥後、 24メッシュの篩を通し、 次いでステアリン酸マグ ネシゥム 2. 5 gを加え、 ロータリー打錠機 (菊水製作所社製) で 6. δπιιη
X 5 Rの臼杵を使用して 1錠当たり 10 Omgの錠剤とした。 この錠剤にコーテ イング装置 (フロイント産業社製) を用いてヒドロキシプロピルメチルセルロー ス 2910 20 g、 ポリエチレングリコール 6000 2. 5 g及び酸化チタ ン 2. 5 gを含む水系のコーティング液 300 gを噴霧し、 1錠当たり 5mgコ 一卜し、 フィルムコート錠とした。 製剤例 3 カプセル剤
組成
VP- 382 5. Omg
結晶セルロース 195. Omg
乳糖 58. Omg
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 25. Omg
ポリビニルピロリドン 15. Omg
ステアリン酸マグネシウム 2. Omg
合 計 300 mg 実施例 1で製造した VP— 382を粉末とし、 その 10 gに結晶セルロース 3 90 g、 乳糖 1 16 g、 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 50 g及びポリ ビニルピロリドン 30 gを加え、 更に、 エタノール 12 OmLを添加して均一に 混合し、 粒状化した。 粒状化した混合物を 50^で 12〜16時間乾燥し、 25 メッシュの篩を通過させた後、 これにステアリン酸マグネシウム 4 gを加えて均 一に混合し、 この混合粉末を 1号カプセルに 30 Omg宛充填して、 1カプセル 中 5 mgを含む硬カプセル剤とした。 製剤例 4 点眼剤
組成
VP- 382 5 Omg
ホウ酸 55 Omg
ホウ砂 10 5mg
塩化ナトリウム 12 Omg
塩化ベンザルコニゥム 0 2mg
注射用蒸留水
全量 5. OmL 塩化ベンザルコニゥム 0. 04 gを滅菌精製水約 80 OmLに溶解した溶液に
、 実施例 1で製造した VP— 382 1 g、 ホウ酸 1 1 g、 ホウ砂 2· 1 g及び 塩化ナトリウム 2. 4 gを加え攪拌溶解した後、 全量を l O O OmLとし、 メン ブランフィルター (孔径 0. 22^m) で無菌的に濾過した。 得られた溶液を 5 mLの点眼ボトルに充填し、 点眼剤を製造した。 製剤例 5 注射剤
組成
化合物 (A) 3.
濃グリセリン 5.
ポリエチレングリコール 4000 20.
1 0 %乳酸 2,
注射用水
全量 2, 約 1. 5 Lの注射用蒸留水を約 60°Cに加温し、 濃グリセリン 5. 2 g、 ポリ エチレングリコール 4000 20 g及び 10%乳酸 2適 o 2 o o o. 0 gを添加し、 充分溶
m m m m m当
解させた後、 最後に化合物 (A) 3. 0 gを攪拌溶解させ量、 L g g g g pHが 3. 5である ことを確認した。 最後に注射用蒸留水を加えて全量を 2 Lとし、 除菌フィルター で濾過した後、 ガラスアンプルに 2mLずつ充填熔閉し、 続いて 1 15でで 30 分間滅菌処理を施し、 その後水で速やかに室温まで冷却し注射剤を調製した。 製剤例 6 錠剤
組成
[錠剤]
化合物 (A) 5. Omg
7 1. 5mg
コーンスターチ 20. Omg ヒドロキシプロピルセルロース 3. Omg
ステアリン酸マグネシウム 0. 5mg 小 計 1 00 mg
[コーティング]
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 29 1 0 4. Omg ポリエチレングリコール 6000 0. 5mg 酸化チタン 0. 5mg 小 計 5 mg a et「 1 05 mg
化合物 (Α) を用いて、 製剤例 2と同様にして、 フィルムコート錠を得た。 製剤例 7 カプセル剤
組成
化合物 (A) 5 0 mg
結晶セルロース 95 Omg
58 Omg
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 25 Omg
ポリビニルピロリドン 15 Omg
ステアリン酸マグネシウム 2 Omg
合 計 300 mg 化合物 (A) を用いて、 製剤例 3と同様にして、 硬カプセル剤を得た c 製剤例 8 点眼剤
組成 適 2 o
m m m当
化合物 (A) Omg
量し g g
水酸化ナトリウム 適当量
塩酸
塩化ベンザルコニゥム 0.
HC060 25
注射用蒸留水
全量 5, 塩化ベンザルコニゥム 0. 048を0. 5 %HCO 60約 80 OmLに溶解し た溶液に、 化合物 (A) 3 gを加え攪拌溶解した後、 水酸化ナトリウムと塩酸で PH4とした後、 全量を 100 OmLとし、 メンブランフィルター (孔径 0. 2 2 im) で無菌的に濾過した。 5mLの点眼ボトルに充填し、 点眼剤を製造した
製剤例 9 注射剤
組成
OPC-21268 3. Omg 濃グリセリン 5. 2mg ポリエチレングリコール 4000 20. Omg 10%乳酸 2. Omg 注射用水
全量 2. OmL
OPC— 21268を用いて、 製剤例 5と同様にして、 注射剤を調製した。 製剤例 10 錠剤
組成
m
OPC— 21268 5. Omg 乳糖 71. 5mg コーンスターチ 20. Omg ヒドロキシプロピルセルロース 3. Omg ステァリン酸マグネシウム 0. 5mg
小 計 100 mg
[コーティング]
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2910 4. Omg ポリエチレングリコール 6000 0. 5mg 酸化チタン 0. 5mg 小 計 5 mg
□ υΓ 105 mg
OPC— 21268を用いて、 製剤例 2と同様にして、 フィルムコート錠を得 た, 製剤例 カプセル剤
組成
OPC-21268 5. Omg 結晶セルロース 195. Omg 乳糖 58. Omg 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 25. Omg ポリビニルピロリドン 15. Omg ステアリン酸マグネシウム 2. Omg
合 計 300 mg
OPC— 21268を用いて、 製剤例 3と同様にして、 硬カプセル剤を得た。
製剤例 12 点眼剤
組成
塩化ベンザルコニゥム 0. 048を0. 5 %HCO 60約 80 OmLに溶解し た溶液に、 〇 PC— 2 1268 3 gを加え攪拌溶解した後、 水酸化ナトリゥム と塩酸で pH 7とした後、 全量を 100 OmLとし、 メンブランフィルター (孔 径 0. 22 m) で無菌的に濾過した。 5mLの点眼ボトルに充填し、 点眼剤を 製造した。 参考例 1
(2 S, 4 R) 4—ヒドロキシ— 1一 (2—ニトロフエニル) プロリン
OH
COOH トランス一 4—ヒドロキシー L一プロリン 5 g、 1一フルオロー 2—二トロべ ンゼン 5. 6 gをジメチルスルホキシド 3 OmLに溶解し、 トリェチルァミン 7 . 5mLを加えた後、 60 で 16時間加熱攪拌した。 反応液を室温に戻した後 氷水に注ぎ、 エーテルで洗浄した。 水層を塩酸酸性とし、 エーテルで抽出した。 有機層を水洗後、 無水硫酸マグネシウムで乾燥し、 濃縮した。 得られた残渣をシ リカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、 クロ口ホルム/メタノール (98ノ 2) で溶出し表題化合物 7. 1 8 g (収率 7 1. 1 %) を油状物として得た。 収率 7 1. 1 %
1 H-N. M. R. (CDC 13 ) δ : 2. 2 1— 2. 25 (lH, m) , 2 . 45 - 2. 53 (1H, m) , 2. 70 ( 1 H, d d, J = 1 1. 0, 1. 5 Hz) , 3. 7 9 ( 1 H, d d, J = 1 1. 0, 3. 6Hz) , 4. 20— 5.
55 (3H, m) , 6. 72 - 6. 82 (lH, m) , 6. 91— 6. 97 (1
H, m) , 7. 32 - 7. 40 ( 1 H, m) , 7. 73 ( 1 H, d d, J = 8. 1, 1. 5Hz)
I . R. (n e a t) レ cm- 3440, 1 750, 1605, 1560, 1505, 1480, 1440, 1270, 1 175 参考例 2
シス— 4ーヒドロキシ— D—プロリンメチルエステル塩酸塩
HQ,
ヽ N ·■"' COOCH3
h · HC1
シス— 4—ヒドロキシ— D—プロリン塩酸塩 (J. Or g. Ch em. , §_ , 2954, 1981) 15. 53 gをメタノール 180 mLに懸濁し、 一 20 に冷却下、 塩化チォニル 21. 7mLを 1時間で滴下し、 次いで、 室温で 1. 5時間攪拌した。 反応液を濃縮後、 得られた残渣にエーテルを加え、 析出した結 晶を濾取し、 エーテルで洗浄後、 乾燥し表題化合物 15. 35 g (収率 91. 3 %) を得た。
1 H-N. M. R. (DMSO-d6) δ : 2. 13— 2. 23 ( 1 Η, m) , 2. 26 - 2. 38 (lH, m) , 3. 14— 3. 30 (3H, m) , 3. 75 (3H, s ) , 4. 35 -4. 43 ( 1 H, m) , 4. 45 -4. 56 ( 1 H, m) , 8. 80 - 9. 32 (lH, m) , 10. 35— 10. 87 (1 H, m) I . R. (KB r ) v cm-1 : 3400, 3000, 1725, 1 580, 1 380, 1250, 1095 参考例 3
(2 R,—4 R) 4ーヒドロキシ— 1一 (2—ニトロフエニル) プロリンメチル エステル
参考例 2で得たシス— 4—ヒドロキシ— D—プロリンメチルエステル塩酸塩と 1一フルオロー 2—ニトロベンゼンを用い、 参考例 1と同様にして表題化合物を 得た。
収率 97. 2 %
1 H-N. M. R. (CDC 13) (5 : 2. 16-2. 26 ( 1 H, m) , 2. 50 - 2. 62 ( 1H, m) , 2. 91 (1H, d, J = 9. OHz) , 3. 4 1 -3. 48 (1H, m) , 3. 57 ( 1 H, dd, J = 10. 5, 5. 4Hz ) , 3. 75 (3H, s) , 4. 40 -4. 55 (2H, m) , 6. 81— 6. 89 (2H, m) , 7. 35 - 7. 43 (lH, m) , 7. 64 - 7. 79 (1 H, m)
I . R. (n e a t) v cm-1 : 3450, 1740, 1 605, 1510, 1350, 1280, 1210, 1 180 参考例 4
(2R, 3 a S) 一 2—ヒドロキシ一 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロ ピロ口 [1, 2— a] キノキサリン一 4—オン
参考例 1で得た (2 S, 4R) — 4—ヒドロキシ— 1— (2—ニトロフエニル ) プロリン 7. 17 gをメタノール 15 OmL中、 10 %パラジウム一炭素触媒 1 g存在下常温で接触還元した。 反応終了後、 触媒を除去し、 反応液を濃縮乾固 し表題化合物 5. 24 g (収率 90. 7%) を淡褐色固体として得た。
1 H-N. M. R. (DMSO-d6) <5 : 1. 96— 2. 14 (2H, m) , 3. 00 ( 1 H, d d, J = 10. 3, 2. 4Hz) , 3. 65 ( 1 H, dd, J = 10. 3, 5. 6Hz) , 3. 85 (1 H, d d, J = 9. 8, 6. 6Hz ) , 4. 39 -4. 48 ( 1 H, m) , 6. 53 ( 1 H, d, J = 7. 8Hz) , 6. 61 -6. 69 (1H, m) , 6. 80 ( 1 H, d d, J = 7. 8, 1. 5Hz) , 6. 86 ( 1 H, t d, J = 7. 8, 1. 5Hz) , 10. 30 ( 1
H, b r s )
I . R. (KB r ) v cm—1 3400 680 5 20, 1440, 420, 1 380 1 320 参考例 5
(2R 3 aR) 2—ヒドロキシ' 2 3 3 a 4 5—へキサヒドロ ピロ口 「1 „2 &]—キノキサリンー4—ォン
参考例 3で得た (2R 4R) —4 ヒドロキシー 1一 (2—ニトロフエニル ) プロリンメチルエステルを用い、 参考例 4と同様にして表題化合物を得た。 収率 8 1. 9 %
1 H-N. M. R. (CDC 13) δ : 2. 03 (1H, b r s) , 2. 3 1— 2. 42 (lH m) , 2. 55— 2. 68 (lH m) , 3. 30 (1 H, d d J = 10. 3 5. 1Hz) , 3. 48— 3. 54 (lH m) , 3. 62 (1H, t J = 8. 1Hz) 4. 55— 4. 62 ( 1 H m) 6. 6 1 ( 1H d, J = 7. 1Hz) 6. 72 - 6. 82 (2H, m) , 6. 93-7 . 0 1 (lH m) , 8. 20 (lH b r s)
I . R. (KB r ) v cm-1 : 3440, 3200, 1 6 9 5, 1 6 1 0, 1 505, 1430, 1400, 1 350, 1320, 1005 参考例 6
_(2 R, 3 a S) — 2—ヒドロキシ- ^ 2, 3,_3 a, 4 ― 5——へキサヒドロ ピロ口 [1 2— a] キノキサリン
水素化アルミニウムリチウム 0. 57 gの無水テトラヒドロフラン懸濁液 30
mLに、 参考例 4で得た (2R, 3 a S) —2—ヒドロキシ— 1, 2, 3, 3 a , 4, 5—へキサヒドロピロ口 [ 1, 2— a] キノキサリン—4—オン 2. 05 gの無水テトラヒドロフラン溶液 2 OmLを、 氷冷下、 30分間で滴下、 次いで 、 3時間加熱還流した。 反応液を氷冷し、 酢酸ェチル 10 OmLを徐々に加え、 更に室温で 15時間攪拌した。 反応液に水を加え析出した不溶物をセライト上で 濾別した。 得られた有機層を水洗し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮し、 表題化合物 1. 63 g (収率 85. 0%) を得た。
H-N. M. R. (CDC ) δ : 58 - 1. 69 ( 1 Η, m) , 2.
06-2. 15 (lH, m) , 2. 76 - 2. 86 (lH, m) , 3. 33 (1 H, d, = 10. 6Hz) , 3. 51 -3. 59 (2H, m) , 3. 78- 3. 90 (1H, m) , 4. 59 ( 1 H, t , J =4. 6Hz) , 6. 43 ( 1 H, d, J = 7. 3Hz) , 6. 52 - 6. 60 (2H, m) , 6. 67-6. 75 (1H, m)
I . R. (KB r) v cm"1 : 3520, 3350, 2850, 1600, 1 520, 1460, 1440, 1360, 1320, 1260 参考例 7
(2 R,—3 a R) 2—ヒドロキシ— 1,_2, _3,— 3 a,— 4,—5—へキサヒドロ ピロ口 _「1,— 2— a] キノキサリン
、OH
参考例 5で得た (2R, 3 aR) — 2—ヒドロキシ— 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ口 [1, 2— a] キノキサリン— 4—オンを用い、 参考例 6と同様にして表題化合物を得た。
収率 63. 6 %
1 H-N. M. R. (CDC 13) δ : 1. 55 ( 1 Η, ddd, J = 13. 9 , 9. 2, 6. 2Hz) , 2. 39-2. 51 (lH, m) , 3. 1 1 (1H, t, J = 9. 2Hz) , 3. 25 - 3. 54 (5H, m) , 4. 55— 4. 65
(1H, m) , 6. 43 (1H, dd, J = 7. 7, . 5Hz) , 6. 5 1 - 6. 72 (3H, m)
I . R. (KB r ) v cm-1 : 3330, 2840 1600, 15 1 5, 1 505, 1360, 1315 参考例 8
(2 R, 3 a S) 2—ヒドロキシー 5— [4— [ [2 _ (パラートリル) ベン ァミノ] ベ - 1 , 2,— 3, — 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ
Π [ 2 - a] キノキサリン
4— [ [2 - ひヽ°ラ—トリル) ベンゾィル) ァミノ] 安息香酸 1. 4 gを塩 化チォニル 2 mLに加え、 1時間加熱還流した。 反応液を冷却後、 過剰の塩化チ ォニルを濃縮除去した。 得られた酸クロリドをジクロロメタン 1 OmLに溶解し た溶液を、 参考例 6で得た (2R, 3 a S) —2—ヒドロキシ— 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ口 [ 1, 2— a] キノキサリン 0. 8 g、 トリエ チルァミン 0. 64 gのジクロロメタン溶液 3 OmLに、 氷冷下、 徐々に滴下し た。 室温で 3時間攪拌後、 反応液を水、 1N—炭酸ナトリウム水溶液、 1N—塩 酸、 及び、 水で順次洗浄し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 反応液を濃縮後 、 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、 メタノール Zクロ口ホル ム (1 99) で溶出した。 溶出液を濃縮し、 残渣を酢酸ェチルーへキサンから 再結晶し表題化合物 1. 17 g (収率 55. 0%) を得た。
m. p. : 163 - 164. 5。C
1 H-N. M. R. (CDC 13) δ : 1. 60 - 1. 72 ( 1 H, m) , 1. 85- 1. 91 (1H, m) , 2. 21 ( 1 H, dd, J = 12. 8, 5. 1 H z) , 2. 36 (3H, s) , 2. 43 - 2. 53 (lH, m) , 3. 45 ( 1 H, dd, J = 1 1. 0, 4. 0Hz) , 3. 56 (1H, d, J = 1 1. OH
z ) , 3. 98-4. 16 (1H, m) , 4. 65—4. 72 ( 1 H, m) , 4 . 98-5. 10 (lH, m) , 6. 35 (1H, t, J = 7. 3Hz) , 6.
46 - 6. 54 (2H, m) , 6. 91— 7. 00 (2H, m) , 7. 05 (2 H, d, J = 8. 8Hz) , 7. 22 (2H, d, J = 8. 1 Hz) , 7. 29 — 7. 37 (4H, m) , 7. 38— 7. 57 (3 H, m) , 7. 85-7. 9 0 ( 1 H, m)
I . R. (KB r ) v cm-1 : 3390, 29 10, 1620, 1 600, 1
520, 1405, 1320, 1270, 1250, 1 180 参考例 9
(2 R, —3 aR) 2—ヒドロキシ一 5— [4— [—[2— (パラ一トリル) ベン ゾィル] ァミノ] ベンゾィル] —— 1, 2, _3, 3 a, 4,—5—へキサヒドロピロ
参考例 7で得た (2R, 3 aR) — 2—ヒドロキシ— 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ口 [1, 2— a] キノキサリン、 及び、 4— [ [2 - (パ ラートリル) ベンゾィル] ァミノ] 安息香酸を用い、 参考例 8と同様にして、 酢 酸ェチルーへキサンから再結晶し表題化合物を得た。
収率 53. 5 %
m. p. : 163 - 164 :
H-N. M. R. (CDC 1 6 58 - 1. 73 ( 1 H, m) ,
95 (1H, d, J = 5. 1Hz) , 2. 36 (3H, s ) , 2. 44 ( 1 H, qu i n t. , J = 6. 2Hz) , 2. 67 (1 H, t, J = 10. 7Hz) , 3. 12-3. 19 (1H, m) , 3. 17— 3. 82 (2H, m) , 4. 64 一 4. 78 (1H, m) , 4. 83 -4. 97 (lH, m) , 6. 36 (1H, t, J =8. 1Hz) , 6. 47 - 6. 58 (2H, m) , 6. 91— 7. 08
(4H, m) , 7. 21 (2H, d, J = 8. 1Hz) , 7. 27 - 7. 34 ( 4H, m), 7. 36 - 7. 56 (3H, m), 7. 81— 7. 88 (lH, m )
I . R. (KB r ) レ cm- 。, 1630, 1605, 1 51 5, 1 505, 1410, 1320 参考例 10
(2 S, 3 a S) —2—ァセトキシー 5— [4— C [2— (パラ—トリル) ベン ゾィル] ァミノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ 口 [1, 2二 a] キノキサリン
参考例 8で得た (2R, 3 a S) —2—ヒドロキシ— 5— [4— [ [2— (パ ラ—トリル) ベンゾィル] ァミノ] ベンゾィル] 一 1, 2, 3, 3 a, 4, 5 - へキサヒドロピロ口 [1, 2— a] キノキサリン 0. 8 g、 酢酸 0. 15 g及び トリフエニルホスフィン 0. 64 gの無水テトラヒドロフラン溶液 5mLに氷冷 下、 ァゾジ力ルポン酸ジイソプロピル 0. 49 gの無水テトラヒドロフラン溶液 2 mLを徐々に滴下した。 室温で 2時間攪拌後、 反応液を濃縮した。 得られた残 渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、 へキサン 酢酸ェチル (1Z 1) で溶出し、 表題化合物 0. 55 g (収率 63. 2%) を不定形粉末として得 た。
1 H-N. M. R. (CDC 13) δ : 1. 58— 1. 71 (1H, m) , 1. 95 ( 1 H, d, J = 5. 13Hz) , 2. 36 (3H, s ) , 2. 44 (3H , s) , 2. 67 ( 1 H, t , J = 10. 7Hz) , 3. 12— 3. 19 ( 1 H , m) , 3. 17-3. 82 (2H, m) , 4. 64-4. 78 (lH, m) , 4. 83— 4. 97 ( 1 H, m) , 6. 36 ( 1 H, t, J = 8. 1Hz) , 6
. 47 - 6. 58 (2H, m) , 6. 91— 7. 08 (4H, m) , 7. 21 ( 2H, d, J = 8. 1 Hz) , 7. 27 - 7. 34 (4H, m) , 7. 36— 7 . 56 (3H, m) , 7. 81 -7. 88 ( 1 H, m)
I . R. (KB r ) レ cm- 3400, 1630, 1605, 1 51 5, 1 505, 1410, 1320 参考例 1 1
(2 S, — 3 a S ) 2—ヒドロキシ一 5二 [4— [ [2—— (パラ一トリル) ベン ァミノ] ベ 2, — 3, — 3 a,—4, 5—へキサヒドロピロ
参考例 10で得た (2 S, 3 a S) 一 2—ァセトキシ— 5— [4— [ [2 - ( パラ—トリル) ベンゾィル] ァミノ] ベンゾィル] 一 1, 2, 3, 3 a, 4, 5 —へキサヒドロピロ口 [1, 2— a] キノキサリン 0. 57 g、 無水炭酸力リウ ム 0. 2 gをメタノール 2 OmLに加え、 室温で 1 5時間攪拌した。 反応液を濃 縮後、 得られた残渣を水で希釈し、 酢酸ェチルで抽出した。 有機層を水洗し、 無 水硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮した。 得られた残渣を酢酸エヂルーへキサン から再結晶し表題化合物 0. 33 g (収率 63. 2%) を得た。
m. p. : 163— 164で
1 H-N. M. R. (CDC 13) δ : 1. 58— 1. 73 ( 1 Η, m) , 1. 95 ( 1 H, d, J = 5. 1Hz) , 2. 36 (3H, s) , 2. 44 ( 1 H, qu i n t. , J = 6. 2Hz) , 2. 67 ( 1 H, t, J = 10. 7Hz) , 3. 12— 3. 19 (1H, m) , 3. 17- 3. 82 (2H, m) , 4. 64 —4. 78 ( 1 H, m) , 4. 83 -4. 97 ( 1 H, m) , 6. 36 ( 1 H, t, J = 8. 1Hz) , 6. 47 -6. 58 (2H, m) , 6. 91 -7. 08 (4H, m) , 7. 21 (2H, d, J = 8. 1 Hz) , 7. 27 - 7. 34 (
4H, m) , 7. 36 - 7. 56 (3 H, m) , 7. 81 - 7. 88 ( 1 H, m )
I . R. (KB r ) v cm'1 : 3400, 1630, 1 605, 1 5 1 5, 1 505, 141 0, 1 320 参考例 12
— (2 S, — 3 aR)_— 2—ァセトキシー - [ 4 - _[ [2—— (パラ一トリル) ベン ゾィル] ァミノ] ベンゾィル ] 一 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ
参考例 9で得た (2R, 3 aR) —2—ヒドロキシ— 5— [4— [ [2 - ひ、。 ラートリル) ベンゾィル] ァミノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5— へキサヒドロピロ口 [1, 2— a] キノキサリンを用い、 参考例 10と同様にし て、 表題化合物を不定形粉末として得た。
収率 96. 3 %
1 H-N. M. R. (CDC 13) (5 : 1. 67— 1. 80 ( 1 H, m) , 2. 1 1 (3H, s) , 2. 3 1 (1H, d d, J = 5. 1, 2. 5Hz) , 2. 3 6 (3H, s) , 2. 43— 2. 55 (lH, m) , 3. 50— 3. 65 (2H , m) , 3. 9 1 -4. 06 ( 1 H, m) , 4. 99— 5. 12 ( 1 H, m) , 5. 48 - 6. 04 (lH, m) , 6. 37 (1H, t , J = 7. 3Hz) , 6 . 48 - 6. 55 (2H, m) , 6. 94- 7. 09 (4H, m) , 7. 2 1 ( 2H, d, J = 7. 7Hz) , 7. 28 - 7. 58 (5H, m) , 7. 6 1— 7 . 7 1 (2H, m) , 7. 87 ( 1 H, d, J = 7. 7Hz)
I . R. (KB r ) レ cm- 3 27 0, 1 740, 1 640, 1 600, 1 5 1 0, 1400, 1320, 1 245
参考例 13
(2 S, 3 aR) —2—ヒドロキシ一 5— [4— [ [2— (パラートリル) ベン ゾィル] ァミノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ 口 [1, 2— a] キノキサリン (VP— 343)
参考例 12で得た (2 S, 3 aR) —2—ァセトキシ— 5— [4— [ [2— ( パラートリル) ベンゾィル] ァミノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5 一へキサヒドロピロ口 [1, 2— a] キノキサリンを用い、 参考例 1 1と同様に して、 酢酸ェチルーへキサンから再結晶し表題化合物を得た。
収率 88. 6 %
m. p. : 163 - 164. 5
1 H-N. M. R. (CDC 13 ) 60— 1. 72 (1H, m) , 1
. 85- 1. 91 (1H, m) , 2. 21 (1H, d d, J = 12. 8, 5. 1 Hz) , 2. 36 (3H, s) , 2. 43— 2. 53 (lH, m) , 3. 45 ( 1 H, dd, J = 1 1. 0, 4. 0Hz) , 3. 56 (1 H, d, J = 1 1. 0 Hz) , 3. 98-4. 16 ( 1 H, m) , 4. 65 -4. 72 ( 1 H, m) , 4. 98-5. 10 (lH, m) , 6. 35 ( 1 H, t, J = 7. 3Hz) , 6 . 46 -6. 54 (2H, m) , 6. 91— 7. 00 (2H, m) , 7. 05 ( 2H, d, J = 8. 8Hz) , 7. 22 (2H, d, J = 8. 1Hz) , 7. 2 9-7. 37 (4H, m) , 7. 38 - 7. 57 (3H, m) , 7. 85— 7. 90 ( 1H, m)
I . R. (KB r ) v cm-1 : 3390, 29 10, 1620, 1600, 1 520, 1405, 1320, 1270, 1250, 1 180
参考例 14〜: I 6
適当な出発物質を用い、 参考例 1〜13と同様にして以下の化合物を製造した
参考例番号 2位の配置 3 a位の配置 Rl 物性
14 R R H mp 164- 165で
15 R S H mp 243- 244で
16 S R 2 -Me m 178- 180^
(V P— 386 ) スぺクトルデ- -夕 1)
1) 1 H-N. M. R. (CDC 1 ) δ : 62- 7 6 (m, 1H) ,
2. 10 (s, 3Η) , 2. 17-2. 28 (m, 1H) , 2. 46- 2. 64 (m, 1H) , 3. 41 -3. 50 (m, 1 H) , 3. 53— 3. 61 (m, 1 H) , 3. 99-4. 15 (m, 1 H) , 4. 66-4. 71 (m, 1 H) , 4 . 97 - 5. 05 (m, 1 H) , 6. 31— 6. 41 (m, 1 H) , 6. 47- 6. 57 (m, 2H) , 6. 92 - 6. 99 (m, 3 H) , 7. 22- 7. 39 (m, 7H) , 7. 48— 7. 58 (m, 2H) , 7. 99— 8. 16 (m, 1 H)
I . R. (KB r) v cm-1 : 3432, 2924, 603, 1508, 408, 1321, 1 180, 849, 739
. S. (FAB) : 504 (M+ 1) 参考例 1 Ί
ジベンジル (2 S, 3 aR) — 5— [4 - C [2— (パラ—トリル) ベンゾィル ] ァミノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ口 [1 ,—2— a] キノキサリン一 2—ィルホスフェート
参考例 13で得た (2 S, 3 a R) — 2—ヒドロキシー 5— [4— [ [2— ( パラートリル) ベンゾィル] ァミノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5 —へキサヒドロピロ口 [1, 2— a] キノキサリン 1. 006 g、 1H—テトラ ゾール 0. 414 gのジクロロメタン溶液 3 OmLに N, N—ジイソプロピルジ ベンジルホスホラミジト 1. 035 gを加え、 室温で 2時間攪拌した。 続いて、 反応液を— 40 に冷却後、 0でを越えないようにメタクロ口過安息香酸 (0. 646 g, 3. 75mM) のジクロロメタン溶液 6mLを加え、 0でで 45分間 攪拌した。 10%チォ硫酸ナトリウム (20mLX 2) 、 飽和重炭酸ナトリウム 水溶液、 水で順次洗浄後乾燥した。 減圧乾固後、 シリカゲルカラムクロマトダラ フィ一に付し、 ベンゼン 酢酸ェチル (6ノ4) で溶出し表題化合物 1. l g ( 収率 72%) を淡黄色泡状物として得た。
I . R. (KB r) v cm-1 : 1680, 1640, 1600, 1 505, 1 320, 1000
M. S. (FAB) : 764 (M + H) + 実施例 1
リン酸 (2 S, — 3 aR) 5 -_ [ 4 - [ [2—— (パラ—トリル) ベンゾィル] ァ ノ] ベンゾィル] 一 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキサヒドロピロ口 [1, 2 a] キノキサリン一 2—ィル —2ナトリウム (VP——382)—
参考例 14で得たジベンジル (2 S, 3 a R) — 5— [4— [ [2— (パラ— トリル) ベンゾィル] ァミノ] ベンゾィル] — 1, 2, 3, 3 a, 4, 5—へキ サヒドロピロ口 [1, 2— a] キノキサリン— 2—ィルホスフエ一ト 0. 85 g のメタノール溶液 2 OmLを室温、 大気圧下、 10%パラジウム—炭素触媒 0. 1 7 g存在下、 加水素分解した。 反応終了後、 触媒を除去し、 10%NaOH ( 0. 89 g) を加え 40で以下で減圧濃縮した。 残渣を ODSカラム (メタノー ル Z水 = 1ノ1) で精製することで表題化合物 0. 55 g (収率 79%) を黄色 泡状物として得た。
m. p. : 2 16 - 22 O : (分解)
1 H-N. M. R. (D20) δ : 1. 5 - 1. 7 ( 1 H, m) , 1. 96 (3 H, s) , 2. 1 5- 2. 45 (2H, m) , 3. 2— 3. 35 ( 1 H, m) , 3. 65- 3. 8 (lH, m) , 3. 85— 4. 05 (1H, m) , 4. 8— 4 . 95 (lH, m) , 5. 8— 6. 1 (lH, m) , 6. 6— 7. 4 ( 16H, m)
I . R. (KB r ) v cm-1: 1 660, 1630, 1600, 1 500, 1 410, 1 100, 975
M. S. (FAB) : 629 (M+2H) + 実施例 2〜 5
実施例 1と同様に以下の化合物を製造した t
OPO(ONa)
2
実施例番号 2位の配置 3 a位の配置 R
1 物性
2 R R H 黄色粉末、 mp293 -295^ (分解)
(VP— 383) スぺクトルデー '夕 1)
3 R S H 黄色粉末、 mpl50 -160*C (分解)
(VP- 384) スぺク卜ルデ一 '夕 2)
4 R R 4-Me 黄色粉末、 mpl91- - 199で (分解)
(VP - 385) スぺクトルデ一 '夕 3)
5 S R 2-Me 黄色粉末、 mp214- -216 (分解)
(VP - 387) スぺクトルデ— -夕 4)
1) 1 H-N. M. R. (DzO) δ : 1. 86— 2. 02 ( 1 H, m) , 2. 62 - 2. 76 (lH, m) , 3. 01— 3. 17 (1Η, m) , 3. 37-3 . 46 (1 H, m) , 3. 82— 3. 98 ( 1 H, m) , 3. 98 -4. 08 ( 1H, m) , 4. 67-4. 81 ( 1 H, m) , 5. 01— 5. 12 (1H, m ) , 6. 63 - 6. 75 (lH, m) , 6. 94— 7. 02 (lH, m) , 7.
27 - 7. 37 (lH, m) , 7. 42 - 7. 49 (2H, m) , 7. 53— 7 . 68 (8H, m) , 7. 69— 7. 77 (2H, m) , 7. 79 - 7. 89 ( 2H, m)
I . R. (KB r ) レ cm- Β Β Θ β, 1605, 1508, 1412, 1
323, 1 100, 982, 847, 745, 584, 408
M. S. (FAB) : 614 (M + H) +
2) 1 H-N. M. R. (D2〇) δ : 1. 59— 1. 70 ( 1 H, m) , 2. 43 - 2. 58 (2H, m) , 3. 38— 3. 44 (1H, m) , 3. 49 (1
H, d, J = 10. 3 Hz ) , 3. 98 -4. 08 ( 1 H, m) , 4. 86— 4 . 93 (1H, m) , 5. 00 ( 1 H, qu i n t, J = 3. 7Hz) , 6. 2 9-6. 34 (1H, m) , 6. 57 (2H, d, J = 8. 1Hz) , 6. 93 -6. 98 (lH, m) , 7. 28 - 7. 62 ( 13 H, m)
I . R. (KB r ) レ cm -1 : 3444, 1603, 1508, 1412, 1 321, 1087, 745
M. S. (FAB) : 614 (M + H) +
3) 1 H-N. M. R. (CD3OD) δ : 1. 76 (1H, d t, J = 1 1. 7, 9. 3Hz) , 2. 30 (3H, s) , 2. 53 ( 1 H, qu i n t, J =
5. 9Hz) , 2. 70 - 2. 78 ( 1 H, m) , 3. 25 ( 1 H, d d, J = 9. 8, 6. 8Hz) , 3. 63— 3. 74 (lH, m) , 3. 88 (1 H, d , J = 9. 8, 6. 8Hz) , 4. 76 ( 1 H, b r) , 4. 93— 5. 03 ( 1H, m) , 6. 32 (1H, t , J = 7. 3Hz) , 6. 59— 6. 62 (2 H, m) , 6. 9 1 -6. 97 (1H, m) , 7. 1 5 (2H, d, J = 7. 8 Hz) , 7. 28— 7. 59 (10 H, m)
1. R. (KB r ) v cm-1 : 3396, 1605, 1 508, 141 0, 1 32 1, 1 274, 1094, 982, 90 1, 822, 746, 567
M. S. (FAB) : 628 (M + H) +
4) 1 H-N. M. R. (CD3OD) δ : 1. 62 - 1. 70 ( 1 H, m) ,
2. 24 (3H, s) , 2. 48 - 2. 73 (2H, m) , 3. 28— 3. 57 (lH, m) , 3. 84- 3. 97 (lH, m) , 4. 04-4. 23 (1H, m) , 4. 74- 5. 22 (2H, m) , 6. 3 1— 6. 46 ( 1 H, m) , 6 . 60 -6. 73 (2H, m) , 6. 95— 7. 09 (1 H, m) , 7. 24— 7. 88 ( 12H, m)
I . R. (KB r ) v cm"1 : 3424, 1 632, 1 522, 141 0, 1 323, 1 085, 980, 837, 750, 68 1
M. S. (FAB) : 629 (M+2H) + 産業上の利用可能性
本発明の眼圧下降剤は、 上述の構成よりなり、 バソプレシン V 1受容体拮抗作 用を有する化合物又はその薬理学上許容される塩を有効成分とすることを特徴と し、 副作用がなく、 優れた眼圧下降作用を有しており、 緑内障及び高眼圧症の治 牵及び Z又は予防に適用する緑内障適用剤及び高眼圧 ¾適用剤として用いること ができる。 また、 本発明の化合物 (1) は、 上述の新規化学構造を有しており、 文献未記載の新規化合物である。