WO1999063010A1

WO1999063010A1 - Composition pour revetement reduisant la reflexion

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Publication number: WO1999063010A1
Application number: PCT/JP1999/002803
Authority: WO
Inventors: Yusuke Takano; Hatsuyuki Tanaka; Kiyofumi Takano; Yutaka Hashimoto
Original assignee: Clariant International Ltd; Clariant Japan KK; Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Current assignee: Clariant International Ltd; DIC Corp; Clariant Japan KK
Priority date: 1998-06-03
Filing date: 1999-05-27
Publication date: 1999-12-09
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Also published as: JPH11349857A; CN1169884C; DE69921603T2; EP1026208B1; JP3673399B2; US6309789B1; EP1026208A4; MY117818A; CN1272864A; KR20010022557A; KR100594708B1; TW556048B; DE69921603D1; EP1026208A1

Description

明細書反射防止コーティング用組成物技術分野

本発明は反射防止コーティング用組成物に関し、詳しくは、フオトレジスト膜上に設けられ、フォトリソグラフィー技術によりパターン形成を行う際に、入射光及びレジスト表面での反射光が基板からの反射光とフォトレジスト膜内において干渉することによりもたらされるパターン寸法精度の低下（パターン寸法幅の変動）を防止するための反射防止コ一ティング用組成物及びこの反射防止コーティング用組成物を用いたパターン形成方法に関する。背景技術

半導体素子の製造においては、シリコンウェハーなどの基板上にフォトレジスト膜を形成し、これに活性光線を選択的に照射した後、現像処理を行い、基板上にレジストパターンを形成するリソグラフィー技術が応用されている。

近年、 L S I においてより高い集積度を得るために、リソグラフィープロセスにおける加工線幅の微細化が急速に進められている。加工線幅の微細化を進めるに際し、露光装置、フォトレジスト、反射防止膜等あらゆるプロセスにおいて様々な提案がなされている。露光装置においては、高精細化に有効な低波長な光源を用いるプロセス、即ち、 K r Fェキシマレーザー（2 4 8 n m )、 A r Fエキシマーレーザー（ 1 9 3 η m ) 等の遠紫外線や、更には X線、電子線を露光光源として用いる方法が提案され、一部実用化されつつある。このような低波長の光源を用いるリソグラフィープロセスにおいては、低波長のエネルギー線に対応して高感度な化学増幅型レジストが提案されている。（例えば、特開平 2 - 2 0 9 9 7 7号公報、特開平 2 - 1 9 8 4 7号公報、特開平 3— 2 0 6 4 5 8号公報、特開平 4— 2 1 1 2 5 8号公報、特開平 5— 24 9 6 8 2号公報）

これら低波長な光源と化学増幅型レジストを用いるプロセスでは、雰囲気中に存在する酸性物質、塩基性物質及び水分の影響を敏感に受けることにより、露光から露光後べーク（ポスト · ェクスポージャー ·ベーク（P o s t E x p o s u r e B a k e)、以下「P E Bj とレ、う。）までの放置時間が長くなると、ポジ型レジストの場合にはレジストパターンの形状が τ字型形状（T トップ）になったり、放置時間の長さによりパターンの寸法変動が発生するボスト ' ェタスポージャー · ディレイ

(P o s t E x p o s u r e D e l a y、以下「P ED」とレ、う。）という問題がある。

また、低波長且つ単一波長の光源を用いると、入射光と、フォトレジスト/基板界面及びフォトレジスト Z空気界面での反射光がフォトレジスト膜内で互いに干渉することにより、結果として膜内における実質的な露光量が変化し、レジストパターンに悪影響を及ぼすという問題（定在波効果、多重反射効果）も発生する。

このような、 P E D及び/または定在波効果を解決するための方法の一つとして、フォトレジスト膜上に反射防止膜を形成する方法（ARC OR法）が提案されている。従来、 AR CO R法の反射防止膜形成材料として、ハロゲン系溶剤等の有機溶剤に可溶な組成物が提案されていた力最近では工程的に有利なレジスト用現像液（アルカリ水溶液）に可溶な組成物が数多く提案されている。しかし、これら従来提案されている組成物は、 P E D及び Zまたは定在波効果の解消が十分でないか、あるいはこれら問題点が解決されたとしても新たな別の問題点を有するものである。

例えば、特開平 5 - 1 8 8 5 9 8号公報には、フロ口カーボン化合物と水溶性ポリマーバインダー及びァミンとから成る水性現像可能な組成物が開示されているが、反射防止膜をレジスト膜上に形成すると、現像後のレジストパターン上層部に現像残り（不溶化層）が発生することがある。この現象は、反射防止膜の成分とレジスト成分であるノボラック榭脂ゃナフトキノンジアジド化合物が、現像液中の 4級アンモニゥム塩の存在によって相互作用をおこし、レジスト膜表面部分が現像液に対し不溶性にされるためと思われる。また、このフロロカーボン化合物と水溶性ポリマ一バインダー及びァミンとから成る水性現像可能な組成物からなる反射防止膜の屈折率は、理想的な屈折率には程遠いのが現状である。

特開平 6— 5 1 5 2 3号公報には、 N—プロピル一 N— ( 2 —ヒドロキシェチル）ペルフルォロオクタンスルホンアミド等の水に対する溶解度が 1重量％以上の各種水溶性フッ素系化合物からなる組成物が開示されているが、この組成物は低波長光源を用いた場合の寸法安定性と各種レジスト材料及び段差基板等の各種基板に対する塗布適性を両立させることが困難である。

特開平 6 - 1 1 8 6 3 0号公報には、水溶性膜形成成分とプロトン発生物質とを含有して成る化学増幅型レジスト用塗布液組成物が提案されているが、屈折率が高いため反射防止効果が不十分であり、またプロトン発生物質として例示されているアンモニゥム弱酸塩が化学増幅型レジスト中から発生されるレジスト表面の酸を失活させるため、 P E Dの問題を解決できないという問題がある。

特開平 6 - 1 4 8 8 9 6号公報には、水溶性膜形成成分とフッ素系界面活性剤とを含有して成る組成物が開示されており、水溶性膜形成成分としてビュルピロリドン単独重合体、フッ素系界面活性剤としてフッ素系有機アンモウニゥム塩が好ましいとされており、特開平 8— 2 9 2 5 6 2号公報にも、ポリ（ビニルピロリドン）系樹脂、フッ素系界面活性剤及び 2 —クロ口一 2， 2 —ジフルォロアセトアミド等のフッ素化脂肪族カルボン酸ァミド類の水溶性フッ素化合物を含有する組成物が開示されているが、これらの組成物では各種レジスト材料及び段差基板等の各種基板に対する塗布適性が悪いため、適用されるレジスト材料或いは塗布対象となる基板が限定されるか、或いは塗布するための反射防止膜液量が多量に必要とされるという問題点を有している。更にこれら組成物は、化学増幅型レジストにおける P E Dの問題を解決できない。

本発明者等は、先に、パーフルォロアルキルスルホン酸、モノエタノールァミン、ポリビニルピロリドン、水溶性アルキルシロキサン重合体及び水を含有する組成物（特開平 9 一 2 9 1 2 2 8号公報）により、また更にアルキル鎖長の異なる 2種類以上のフッ素系化合物とパーフルォ口アルキル基含有スルホニルアミド化合物を併用することにより（特開平 1 0— 3 0 0 1号公報）、低屈折率且つ皮膜安定性に優れた反射防止コ一ティング組成物を得ることができることを見出したが、これらの組成物は、ロジック I C等の段差基板に対しては筋状の塗布欠陥を発生するという欠点を有していた。

したがって、本発明の目的は、上記のごとき問題点を有さない反射防止コーティング用組成物及びこれを用いたパターン形成方法を提供すること、即ち、 P E D、定在波効果、多重反射効果を解決することができ、且つ各種レジスト材料及び各種基板に対する良好な塗布適性、具体的には各種レジスト材料に対して、少量の滴下量でコーティング可能であり、段差基板に対しても塗布欠陥を生じない反射防止コーティング用組成物及びこれを用いたパターン形成方法を提供することである。発明の開示

本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行なったところ、少なくとも下記（A) 〜 (E) を含有し、 p Hが 1. 3〜 3. 3の組成物を用いることにより上記課題が解決されること見出し、本発明を完成するに至った。

すなわち、本第一の発明は、少なくとも下記（A)、（B)、（C)、 (D) 及び（E) を含有し、且つ p Hが 1. 3〜 3. 3であることを特徴とする反射防止コーティング用組成物を提供するものである。

(A) 一般式

C„F_2n+1S 0₃H ( I )

(式中、 nは 4〜 8の整数を示す。）

で表されるパーフルォロアノレキルスルホン酸

(B) 有機ァミン

(C) 水溶性重合体

(D) 一般式

C_nF_2n+1S 0₂ΝΗ₂ (Π) (式中、 ηは 1〜 8の整数を示す。）

で表されるパ一フルォロアルキルスルホンアミド

(Ε) 水

また本第二の発明は、有機ァミンが、モノエタノールァミンである上記第一発明に記載の反射防止コーティング用組成物を提供するものである。

さらに本第三の発明は、水溶性重合体が、ポリビニルピロリドン及び ζまたはポリアタリル酸である上記第一または第二発明に記載の反射防止コーティング用組成物を提供するものである。

さらに本第四の発明は、組成物中のパーフルォロアルキルスルホン酸 (A)、有機アミン（B)、水溶性重合体（C)、及びパーフルォロアルキルスルホンアミド（D) の重量割合が、水溶性重合体（C) を 1 とした場合、（A) / (B) / (D) = 2. 0〜 7. 0 / 0. ；!〜 1. 0 0. 0 ：！〜 2. 0である上記第一、第二及び第三発明のいずれかに記載の反射防止コーティング用組成物を提供するものである。

さらに本第五の発明は、フォトレジスト膜上に上記第一から第四発明のいずれかに記載される反射防止コーティング用組成物を塗布し、必要に応じて加熱する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法を提供するものである。

なお、 ARC OR法によりレジストパターンを形成する一般的な方法は、例えば、半導体基材上にフォトレジスト組成物を塗布する工程、形成されたフォトレジスト膜を必要に応じてベーキング処理する工程、該フォトレジスト膜上に反射防止コーティング用組成物を塗布する工程、必要に応じて該フォトレジスト膜及び該反射防止コーティング膜をべ一キング処理する工程、該フォトレジスト及び反射防止コーティング膜にマスクを介して所定のパターンを露光する工程、露光後必要に応じてべ一キング処理を行う（P E B) 工程、及ぴ該フォトレジスト及び反射防止コーティング膜をアルカリ水溶液を用いて現像する工程を含む。発明の詳細な開示

まず、本発明の反射防止コーティング用組成物において、成分（A) として用いられるパーフルォロアルキルスルホン酸であるが、これは反射防止皮膜の屈折率を低減させるための成分として用いられるものである。ところで、一般に、 ARCOR法により優れた反射防止性を得るためには、次式 1及ぴ 2のような条件を満たすことが必要であるとされている。

式 1

(式中、 n_tareは反射防止膜の屈折率、 n_resistはレジストの屈折率を示す。）且つ、

式 2 (式中、 d _tareは反射防止膜の膜厚、えはエネルギー線の波長、 Xは奇数の整数を示す。）

これらの式から明らかなように、反射防止性能は、目的とする光源の波長における反射防止膜の屈折率及びレジストの屈折率と膜厚により決定されることになるが、反射防止膜の屈折率は上記条件を満たす範囲内でレジストの屈折率に比較し低屈折率であることが必要である。

一方、フッ素原子を含有する化合物は、フッ素原子の大きな分子容と小さな原子屈折とを有するという特徴により低屈折率を示し、その屈折率の値は、化合物中のフッ素含有量にほぼ正比例することが知られている。上記一般式 C„F_2n+1S〇₃Hで示される化合物は、低屈折率を有し且つ水性現像可能なフッ素系化合物として有効な化合物であり、反射防止性能を発揮させる上で好ましい化合物である。上記一般式 C_nF_2n+1S〇₃ Hで表されるパーフルォロアルキルスルホン酸化合物が欠如すると、皮膜の屈折率が増大することになり、定在波効果、多重反射効果を十分に抑制することができず、結果としてレジストの寸法精度は低下する。

ところで、本発明者等の知見によれば、パーフルォロアルキルスルホン酸（C_nF_2n+1S 0₃H) は、分子中のパーフルォロアルキル（C_nF_2n+1 = R _f ) 基の鎖長により皮膜の経時安定性が異なっている。このため、パーフルォロアルキルスルホン酸の分子中のフッ素含有量を上げるために R _f 基として長鎖 R _f基を用いると、経時的に R _f基の結晶化が進み、これにより皮膜の濁り、割れを生ずるという致命的問題が発生する。逆に短鎖 R _f 基を用いると屈折率が増大し、目的とする反射防止性能が得られない。この様な観点から、 R _f基鎖長としては、 C_nF_2n+1S〇₃H中の nが 4〜 8のものを用いることが必要であり、 n = 7及びまたは 8 の化合物と n = 4〜 6から選ばれる少なくとも一^ 3の化合物を同時に用いることが好ましく、更に好ましくは、 n = 7及び/または 8の化合物と n = 6の化合物と n = 4及び/または 5の化合物を同時に用いることである。また、 R _f 基は直鎖状であっても分岐状であっても構わない。 R _f 基鎖長の異なる化合物を同時に使用する場合、その混合比率は、目的とする反射防止性能、使用するレジスト材料、光源の波長等により異なるが、一般的には重量比で（n = 7及び Zまたは 8の化合物） / (n = 4〜 6から選ばれる少なくとも 1つの化合物） = 9 9Z l〜： 1 9 9 で、好ましくは 8 0 2 0〜 2 0ノ 8 0であり、（ n = 7及びノまたは 8の化合物） / (n = 6の化合物） / ( n = 4及び Zまたは 5の化合物） = 1 0〜 9 5/4〜8 0/ 1〜 7 0で、好ましくは 2 0〜8 0Z20〜 6 0 / 5〜 5 0、更に好ましくは 4 0〜 6 5/ 2 0〜 4 5/5〜 3 0である。

次に、本発明の反射防止コーティング用組成物の成分（Β) の有機ァミンは、コーティング用組成物中の ρ Ηを最適な範囲に調整し、様々なレジスト或いは基板上に均一な皮膜をコーティングする上で、必要不可欠な成分である。有機ァミンとしては、公知公用の有機アミン化合物であれば特に制限はなく、例えば、モノメチルァミン、ジメチルァミン、トリメチルァミン、モノェチルァミン、ジェチルァミン、トリェチルァミン、 n—プロピルァミン、 i s o—プロピルァミン、 n—ブチルアミン、 t e r t —ブチルァミン、ジ（n—プチル）ァミン、エチレンジァミン、ジエチレンジァミン、テトラエチレントリァミン、シクロへキシルァミン、モノエタノールァミン、ジエタノールァミン、トリエタノールァミン、プロパノールァミン等が挙げられる。また、テトラメチルァンモニゥムハイドロォキサイド、テトラエチノレアンモニゥムハイドロォキサイドなどの有機アンモニゥム化合物も有機ァミンに包含される。なお、これら具体例によって本発明が何等限定されるものでないことは勿論である。

有機ァミンとしては、 P E Dの解消、低屈折率性の維持、他の組成物成分との相溶性、皮膜の経時安定性等の観点から、モノエタノールアミン、ジエタノールァミン、トリエタノールァミン、プロパノールァミン等のアル力ノールアミン類が好ましく、中でもモノエタノールァミンが好ましいものである。

また、反射防止コ一ティング用組成物は、有機アミンを用いて p Hを 1 . 3〜 3 . 3の範囲に調整することが、 P E Dの解消、各種形状或いは種類を異にするレジスト表面への塗布適性、皮膜の経時安定性を発現させる上で好ましいことが判明した。何故なら、反射防止コーティング用組成物の p Hがこの範囲にないと前記の特性の少なくとも何れかを達成することが困難になるからである。

次に、本発明の反射防止コーティング用組成物の成分（C ) の水溶性重合体は、レジスト膜の表面上に該組成物が均一にコーティングされた後、経時的に安定な皮膜をレジスト膜上に形成させるための成分である。水溶性重合体としては、水への溶解度が 0 . 1重量％以上の重合体であれば公知公用のいずれのものをも用いることができる。水溶性重合体の具体例としては、構成モノマー単位中にビニルアルコール、（メタ）アタリル酸、 2—ヒドロキシェチル（メタ）ァクリレート、 4—ヒドロキシブチル（メタ）アタリレート、グリコシロキシェチル（メタ）ァクリレート、ビニノレメチノレエーテ Λ^、ビニノレピロリドン、エチレングリコ —ル、グルコース等の親水性単位を含む単独重合体若しくは共重合体、更に特開平 6— 1 1 0 1 9 9号公報、特開平 7— 2 3 4 5 1 4号公報、特開平 9一 5 0 1 2 9号公報、特開平 9一 9 0 6 1 5号公報、特開平 1 0 - 1 7 6 2 3号公報等にて開示されている反射防止コーティング剤用に使用される水溶性フッ素系ポリマーが挙げられる。なお、これら具体例によって本発明が限定されるものでないことは勿論である。

成分（C ) の水溶性重合体は、どのような方法によって製造されたものでもよく、重合体の製造方法にも制限はない。水溶性重合体中への親水性単位の導入の方法としては、親水性モノマー単位そのものを、ラジカル重合、ァニオン重合、カチオン重合等の重合機構に基づき、塊状重合、乳化重合、懸濁重合、溶液重合等の重合方法によって行ってもよいし、親水性単位を含まない重合体を製造した後に、親水性単位に置換するような反応による方法によって行ってもよいし、これらの組み合わせによる方法でも構わない。

水溶性重合体としては、形状或いは種類を異にするレジスト表面への塗布適性、皮膜の経時安定性、レジスト寸法安定性、低屈折率性、 1 5 0 〜 1 6 0 °Cの高温べーク処理後の水に対する溶解性等の観点から、ポリビニルピロリドン及び/またはポリアタリル酸が好ましいものであるまた、水溶性重合体の分子量は重量平均分子量で 1 ， 0 0 0 〜 1 0 ， 0 0 0が好ましく、 2 ， 0 0 0 〜 5 ， 0 0 0がより好ましい。分子量が 1 ， 0 0 0に満たないと、均質な皮膜が得られ難くなると共に皮膜の経時安定性が低下し、逆に 1 0 ， 0 0 0を越えると、コーティング時に糸引き現象が起こったり、レジスト表面への広がりが悪く、少量の滴下量で均一な塗布をすることができなくなる。

さらに、反射防止コーティング用組成物の成分（D ) の、一般式 C„ F _{2n+ 1} S 0 ₂ N H ₂ (但し nは：！〜 8の整数を示す。）で表されるパーフルォロアルキルスルホンアミドは、本発明における最も特徴的な成分であり、本化合物の導入により形状或いは種類を異にするレジスト表面への塗布適性、具体的には少量滴下量での均一塗布性、段差基板での塗布適性等が飛躍的に向上する。

上記一般式で表されるパーフルォロアルキルスルホンアミドは、水に対し溶解度が 0 . 0 5 %以下と極めて水に対する溶解性が低い化合物であるが、上記パーフルォロアルキルスルホン酸等を含む組成物において p Hを 1 . 3 〜 3 . 3の範囲に調整することにより、該化合物の反射防止コーティング用組成物に対する溶解度は 1 . 5 %程度にまで引き上げられ、添加時均一なコーティング液を調整することが可能となる。そして、 ^1が 1 . 3 〜 3 . 3に調整された反射防止コーティング用組成物に成分（D ) のパーフルォロアルキルスルホンアミドが加えられると、該組成物の動的表面張力並びに静的表面張力が低下されると共に各種レジスト表面に対するコーティング液の濡れ性が向上し、その結果、段差基板上での塗布適性が飛躍的に向上して、滴下量が少量であっても均質且つ経時的に安定な皮膜を形成させることが可能となる。更に、リソグラフィープロセス後には、公知公用の水性現像により容易に皮膜を除去することが可能となる。

パ一フルォロアルキルスルホンァミドを用いて反射防止コーティング用組成物の動的及び静的表面張力を低下させ、レジスト表面に対する濡れ性を効率的に向上させるためには、 R f鎖中の nが 1 〜 8のパーフルォロアルキルスルホンアミドを用いることが必要であるが、その中でも nが 6、 7または 8である C₆F₁₃S 0₂NH₂、 C₇F₁₅S〇₂NH₂、 C₈F₁₇ S 0₂NH₂が好ましく、 C₆F₁₃S 0₂NH₂が特に好ましい。また、パーフルォロアルキルスルホンアミドは、 1種類だけを用いても 2種類以上を同時に用いても構わない。

本発明の反射防止コーティング用組成物において用いられる成分 (E) の水は、水であれば特に制限はないが、蒸留、イオン交換処理、フィルター処理、各種吸着処理等により有機不純物、金属イオン等を除去したものが好ましい。

なお、塗布性等の向上を目的として、水に可溶な有機溶媒を水とともに用いることも可能である。水に可溶な有機溶媒としては、水に対して

0. 1重量％以上溶解する溶媒であれば特に制限はなく、例えば、メチルァノレコーノレ、ェチルアルコーノレ、イソプロピルアルコ一ノレ等のアルコール類、アセトン、メチルェチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸ェチノレ等のエステノレ類、ジメチノレホノレムアミド、ジメチノレスノレホキシド、メチノレセロソノレブ、セロソノレブ、ブチノレセロソノレブ、セロソノレプアセテート、ブチルカルビトール、カルビトールアセテート等の極性溶剤が挙げられる。これら具体例は、単に有機溶媒の例として挙げたにすぎないもので、本発明で使用される有機溶媒がこれらの溶剤に限られるものではない。

以上述べてきたように、反射防止コーティング用組成物中に（A)、 (B)、（C)、 (D) 及び（E) の各成分を同時に含有せしめることにより、初めて多種多様な基板上に少量の滴下量で均質にコーティングできるとともに、反射防止効果にも優れた反射防止コーティング用組成物を得ることができ、優れたレジスト寸法安定性を実現できるのである。すなわち、本発明においては、（A) 〜（E) の各成分を必須のものとして含有することにより、各成分が奏する効果は勿論、それぞれの成分の相乗効果により本発明の課題解決がなされるのである。

本発明における成分（A)、（B)、（C)、 (D) の各配合割合については、反射防止コーティング用組成物の P Hが 1 . 3〜 3. 3の範囲内に調整されていれば特に制限はないが、好ましい範囲としては目的とするレジスト材料、露光装置、反射防止性能、基材の形状等により異なるものの、重量比で、水溶性重合体（C) を 1 とした場合、パーフルォロアルキルスルホン酸（A) Z有機アミン（B) Zパーフルォロアルキルスノレホンアミド（D) = 2. 0〜 7. 0 / 0. 1〜： 1 . 0/ 0. 0 1〜 2. 0が好ましく、より好ましい範囲としては（C) を 1 とした場合、（A) Z (B) Z (D) = 3. 0〜 5. 0/ 0. 1 5〜 0. 5 /0. 1 2〜： 1 . 3 (重量比）である。

本発明の反射防止コ一ティング用組成物が塗工されるレジスト材料については従来公知のものであればいずれものでもよく特に制限はなく、例えば、アルカリ水溶液可溶のノボラック樹脂とナフトキノンジアジド誘導体化合物を主成分とするポジ型フォトレジスト、アル力リ現像液への溶解を阻害し、酸の存在により脱離するような保護基で部分置換されたポリヒドロキシスチレンと光照射により酸を発生する光酸発生剤等から構成される化学増幅型ポジ型レジスト、あるいはノボラック樹脂等のバインダーポリマーとビスアジド等の光架橋剤を配合したネガ型レジスト、ポリヒドロキシスチレンあるレ、はノボラック樹脂などのアル力リ水溶液可溶樹脂をバインダーポリマ一とし、メラミン誘導体などの酸の存在により架橋する架橋剤と光照射により酸を発生するトリアジン系光酸発生剤などを含有する化学増幅型ネガ型レジスト等が挙げられる。

上記反射防止コーティング用組成物を半導体製造工程のリソグラフィ

—工程で使用してレジストパターンを形成する方法について、以下例を挙げて説明する。

まず、半導体基板上にフォトレジストをスピンコート法により所定の膜厚に塗布する。その後の工程はいくつかの条件によって使用者が選択することになるが、一般的には、次工程としてホットプレートを使用したレジストベータ工程が行われる。使用されるレジストによっては、あるいは塗布装置の配置などによっては、レジストのベータを省く場合もある。続いて反射防止コーティング用組成物をフォトレジストを塗布したのと同様にスピンコート法により所定の膜厚に塗布する。この時、一般的に疎水性の高いレジスト膜上に水溶性の塗布膜材料をスピンコート法を用いて塗布しょうとすると、レジスト表面でハジキ現象や放射状の塗布ムラが現れたり、下地基板に段差パターンが形成されている場合には、そのパターンの端部からスジ状の塗布ムラが発生することがあるが、本発明の反射防止コーティング用組成物を使用することによりそのような塗布不良の発生を防止することができる。

更に、その後、レジスト及びレジスト上の反射防止コーティング膜をベータする工程があるが、この工程も条件によっては省略する場合もある。反射防止コーティング膜形成後にベータを行う場合はレジストのみのベータ条件と同等か、その温度よりも低い温度でベータすることがー般的である。

続いて、露光装置を用いて、該フォトレジスト及び反射防止コーティング膜にマスクを介して所定のパターンを露光する。露光装置としては _g線、 i線、エキシマレーザー光源を用いた露光装置が使用されるが、露光装置がこれらに限られるわけではない。

露光工程に続いて、レジストのパターン形状を改善するため、あるいは化学増幅型レジストを使用した場合には反応を進めるための、一般にホットプレートを用いたベーク処理が行われる。もちろん、使用されるレジスト組成物によってはこのベータ処理も省くことがある。特に化学増幅型レジストにおいては、露光後の引き置きにより放置環境中の塩基性成分の影響を受けて、現像後のレジストパターン形状の変形が起こることがある。この引き置きによる影響（P ED) をレジスト上に形成する該反射防止コーティング膜により防止することができる。

露光処理されたレジスト及び反射防止コーティング膜は、アル力リ水溶液（2. 3 8 %のテトラメチルアンモニゥムハイド口オキサイドの水溶液が良く使用される）を使用する現像工程において現像されて、レジストパターンが形成される。

なお、上記具体的記載によって本発明が何等限定されるものでないことは勿論である。

本発明の反射防止コーティング用組成物は、汎用レジスト、化学増幅型等レジストの種類を問わず、少量の滴下量で均一にコーティングすることができ、形成された膜は、定在波効果、多重干渉効果、 P EDを効率的に抑制し、レジストの優れた寸法安定性を実現する。発明を実施するための最良の形態

次に本発明をより具体的に説明するために実施例及び比較例を掲げる力これらの説明によって本発明が何等限定されるものでないことは勿論である。文中の「部」は、断わりのない限り重量基準である。

実施例 1

重量平均分子量 3 , 0 00のポリビニルピロリドン； 1. 0部、 C₈ F_I7S 0₃H ； 4. 0部、モノエタノールァミン； 0. 3 5部及び C₆F₁₃ S O₂NH₂ ； 0. 1部を、純水 9 4. 5 5部に、 7 0°Cまで加温することにより均一溶解させた。溶解させた溶液を室温（2 3°C) に戻し溶液が均一であることを確認した後、 0. 0 5 mのフィルターを通して濾過したものを反射防止コーティング用組成物とした。本反射防止コーティング用組成物の 2 3 °Cにおける p Hは 1 . 6 3であった。表 1に、得られた反射防止コーティング用組成物の静的表面張力、動的表面張力及び該組成物をレジスト表面に滴下したときの接触角の値を示す。

なお、静的表面張力、動的表面張力及び接触角は、次の測定法によつた。

静的表面張力：

白金プレートを用いたウィルヘルミ一法により、協和科学株式会社製自動平衡式エレクトロ表面張力計 E s B — _IV 型を用いて 2 3 °Cで測定した値を採用した。

動的表面張力：

協和界面科学株式会社製自動動的表面張力計 D S T— A 1型を用いて、 2 3。Cで溶液面積を 1 0 sec. /サイクルの速度で 2 0から 8 0 cm²まで 1 0回連続で変化させたときに形成する表面張力のヒシステリシスを評価した。具体的には、 1 0回目に形成したヒステリシスを表面損失エネルギー（ 1 0—⁵m J ) として採用した。

接触角：

協和界面科学株式会社製自動接触角計 C A— Z型を用いて、 2 3 °Cで反射防止コーティング用組成物をレジスト表面に滴下したときの滴下直後（約 2〜 3秒後）の接触角の値を採用した。

実施例 2〜： L 5

表 1及び表 2に記載される化合物及び量（部）を用いて実施例 1を繰り返し、実施例 2〜 1 5の反射防止コーティング用組成物を得た。得られた反射防止コ一ティング用組成物の P Hは各々表 1及び表 2に示すとおりであった。

また、実施例 1 と同様にして、各実施例の反射防止コーティング用組成物の静的表面張力、動的表面張力及び接触角を測定した。結果を表及び表 2に示す。

表 2

比較例 1 〜 7

表 3に記載される化合物及び量（部）を用いて実施例 1 を繰り返し、比較例 1 〜 7の反射防止コ一ティング用組成物を得た。得られた反射防止コーティング用組成物の ρ Ηは表 3に示すとおりであった。

また、実施例 1 と同様にして、形成された反射防止コーティング用組成物の静的表面張力、動的表面張力及び接触角を測定した。結果を、表 3に示す。

表 3

実施例 1 6

下記に記載の評価方法にしたがって、上記実施例 1 〜 1 5で得られた反射防止コーティング用組成物の塗布性評価、皮膜安定性評価、屈折率評価及びリソグラフィー評価を行った。結果を表 4及び 5に示す。なお、表中屈折率については、 24 8 n mについての値を示した。

塗布性評価：

HMD S処理をした 8インチシリコンウェハー上に、化学増幅型のポジレジストである A Z®D X 1 1 0 0 (クラリアントジャパン社製）を膜厚が 0. 7 5 ミクロンになるように塗布した後、ホットプレートを使用して 1 1 0°C ' 6 0秒間のベーキング処理を行い、評価用の基板を用意した。次に、レジストコ一ター L ARC— UL T I MA 1 0 00 (リソテック社製）を用いて上記の基板に反射防止コーティング用組成物サンプルを滴下し、 8ィンチウェハー全面に均一な膜を形成するのに必要な最低滴下量を比較評価した。

また、 5 0 0 0 Aのシリコン酸化膜の段差をつけた 6ィンチの基板上に上記試験と同様にレジスト AZ®DX 1 1 0 0を塗布、ベータしたものを用意し、この基板に、レジストコータ一 L A R C— U L T I MA 1 0 00 (リソテック社製）を用いて反射防止コーティング用組成物サンプルを滴下し、スピンコートした後の塗膜状態を顕微鏡を用いて観察した。

途膜安定性評価：

塗布性評価にて作成した塗布膜をクリーンルーム内に保管し、時間とともに塗膜の状態を観察した。塗膜安定性の評価は、次の基準に基づいて行った。

A ：問題なし

B ：微小針状結晶が認められるが、使用上問題なし

C ：微小結晶の析出が認められるが、使用上問題なし

D ：結晶析出有り、使用不可

屈折率評価：

6インチシリコンウェハー上にレジストコ一ター LAR C— U L T I MA 1 000 (リソテック社製）を用いて、反射防止コーティング用組成物サンプルを、その膜厚がおよそ 4 5 0 Aになるように塗布し、 9 0°C . 6 0秒間ホットプレート上でベータ処理を行った後、分光エリプソメータ一 E S 5 G (ソプラ社製）を用いて、 1 9 3 nmから 9 30 η mの間で屈折率を測定した。

リソグラフィ一特性評価：

HMD S処理をした 6ィンチシリコンウェハーに化学増幅型のポジレジストである AZ®DX 1 1 00 (クラリアントジャパン社製）を膜厚が 0. 7 5ミクロンになるように塗布し、ホットプレートを使用して 1 1 0°C · 6 0秒間のベーキング処理を行った後、反射防止コーティング用組成物サンプルを、前記式 1及び式 2に基づき、おおよそ所定の膜厚になるように塗布し、 9 0°C · 6 0秒間、ホットプレート上でベーク処理を行い、その後、 K r Fエキシマレーザーステッパー N S R— 200 5 E X 1 0 B (ニコン社製露光装置 ZN A : 0. 5 5、 σ ： 0. 5 5) を用いて露光し、ホットプレートにて 70°C · 90秒間 P E Bした後、有機アルカリ現像液 A Z®3 0 0 M I F (クラリアントジャパン社製現像液）を用いて 6 0秒間のパドル現像を行った。現像後、パターンの断面形状観察を走査型電子顕微鏡 S— 4000 (日立社製）を用いて行つた（表中の「レジストパターン形状」）。

一方、上記露光されたウェハ一を露光した後 P E Bまで 1 2時間引き置いた後同様に現像処理し、 P ED (露光後の引き置き）安定化効果を同様に評価した（表中の「P EDによる形状劣化」）。

レジストパターン形状及ぴ P EDによる形状劣化の評価は、次の基準に基づいて行った。

A ：全く問題なし

B ：膜減り傾向にあるが、使用上問題なし C ： T形状気味だが、使用上問題なし

D ：膜減り、使用不可

Ε ： Τ形状、使用不可

表 4

表 5

比較例 8

実施例 1 6と同様にして、比較例 7で得られた反射防止コーティング用組成物の塗布性評価、皮膜安定性評価、屈折率評価及ぴリソダラフィー評価を行った。結果を表 6に示す。

表 6

表 4、表 5及び表 6から、比較例のものは、塗布性、塗膜安定性、屈折率、リソグラフィー特性の少なくとも何れか一つに問題を有するものであるのに対し、本発明の反射防止コーティング用組成物は、塗布性、塗膜安定性、屈折率、リソグラフィー特性の何れの特性も優れたものであって、使用に当たり問題がない組成物を得ることができることが分かる。発明の効果

本発明の反射防止コーティング用組成物は、汎用レジスト、化学増幅型等のレジストの種類及び塗布対象基板の表面形状を問わず、少量の滴下量で均一にコーティングすることができ、形成された膜は多重反射効果、定在波効果、 P E Dを効率的に抑制し、これにより寸法安定性に優れ、断面形状の優れたレジストパターンを形成することができる。産業上の利用可能性

以上のように、本発明にかかる反射防止コーティング用組成物は、例えば、 L S Iなどの超微細集積回路素子の製造において、フォトレジスト層上に塗布され、反射防止膜を形成するための材料として利用される。

Claims

請求の範囲

1.少なくとも下記（A)、（B)、（C)、 (D) 及び（E) を含有し、且つ p Hが 1. 3〜 3. 3であることを特徴とする反射防止コーティング用組成物。

(A) 一般式

C_nF_2n+1S 0₃H ( I )

(式中、 nは 4〜 8の整数を示す。）

で表されるパーフルォロアルキルスルホン酸

(B) 有機ァミン

(C) 水溶性重合体

(D) —般式

C_nF_2n+1S 0₂ΝΗ₂ (Π)

(式中、 ηは 1〜 8の整数を示す。）

で表されるパーフルォロアルキルスルホンアミド

(Ε) 水

2.有機ァミンが、モノエタノールァミンであることを特徴とする請求項 1記載の反射防止コーティング用組成物。

3.水溶性重合体が、ポリビニルピロリドン及び Ζまたはポリアクリル酸であることを特徴とする請求項 1記載の反射防止コーティング用組成物。

4.組成物中のパーフルォロアルキルスルホン酸（Α)、有機アミン（Β)、水溶性重合体（C)、及びパーフルォロアルキルスルホンアミド（D) の重量割合が、水溶性重合体（C) を 1 とした場合、（A) Z (B) / (D) = 2. 0〜 7. 0/0. 1〜： 1. 0/ 0. 0 1〜 2. 0であることを特徴とする請求項 1記載の反射防止コーティング用組成物。

5 .フォトレジスト膜上に請求項 1 〜 4のいずれかに記載の反射防止コ

—ティング用組成物を塗布し、必要に応じて加熱する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。