明細書
TRAFファミリー分子、 その分子をコ一ドするポリヌクレオチドおよびその分 子に対する抗体 技術分野
本発明は、 TRAFファミリー分子、 その分子をコードするポリヌクレオチド、 その分子に対する抗体およびその分子をコードするポリヌクレオチドのアンチセ ンスポリヌクレオチドに関する。 背景技術
TNFレセプター (以下、 「TNF— R」 とする。 ) ファミリ一に属する分子 としては、 TNF— R 1や TNF— R 2、 または F a s、 CD40、 CD27お よびリンホトキシン一 /3レセプタ一 (以下 「LT— 3 Rまたは TNF— R r p J とする。 ) が知られている。 これらの分子は、 そのリガンドと結合することによ り最終的に細胞増殖、 分化や細胞死という現象を引き起こす作用や、 または他の 分子の第 2シグナル分子としての作用を有するものである。
また、 TNF— Rに会合する分子である TRAF 1 (TNF— R a s s o c i a t e d f a c t o r (TNF— R会合分子) の略) および TRAF 2がク ローニングされ (Go e d d e l等、 『C e l l v o l . 78 No. 4』 p. 681〜692、 1994) 、 これらは T N F— R 2の細胞質内ドメインに会合 することが知られている。
さらに、 新たな 2種類の TRAF分子が同定されており、 これらについては、
① TRAF 1は TNF— R 2および CD40と会合すること ( 『J. B i o l . Ch em. v o l . 269 No. 48』 p. 30069〜 30072 ) 、
② TRAF 2は、 TNF— R 2や CD40による NF— /c B (免疫グロブリン κ
L鎖遺伝子のェンハンサー領域内の/ c Bモチーフと呼ばれる 10塩基対からなる 塩基配列に結合する核蛋白質) の D N A結合活性化に重要な役割を演じているこ と、
③ TRAF 3 (CRAF 1、 C D 40 b pまたは C A P 1とも呼ばれている) は TNF— R2、 CD40および LT— /3 Rと会合することが知られているが (
『S c i e n c e v o l . 267 No. 5203』 p. 1494〜 1498、 『FEBS L e t t. v o l . 358 No. 2』 p. 1 1 3〜1 18、 『J . B i o l . Ch em. v o l . 269』 p. 30069〜30072、 『Ce I l v o l . 80 No. 3』 p. 389〜 399) 、
④ TRAF4 (C ART 1とも呼ばれている) については、 会合する分子はいま だ同定されていない ( 『 J . B i o l . Ch em. v o l . 270 No. 4 3』 p. 25715〜 25721、 1 995) 。
さらに、 TR AF 1および TRAF 3については、 NF— K Bの DNA結合活 性化を誘導しないことが報告されている ( 『C e 1 1 v o l . 81』 p. 49 5〜504、 『S c i e n c e v o l . 269』 p. 1424〜: 1427、 『P r o c. Na t l . Ac a d. S c i . USA v o l . 93』 p. 969 9〜9703) 。
TRAFファミリ一の分子は、 構造的には、 TRAFドメインを有することを 特徴とするものであり、 また、 そのファミリ一分子によっては、 N末端に R I N Gフィンガーモチーフ、 Z nフィンガーモチーフ、 ロイシンジッパーモチーフま たは中央にコイルドコイル構造を持っている。 これらの構造常の特徴から、 これ ら TRAFファミリー分子は、 ホモあるいはヘテロに複合体を形成し、 転写因子 として機能すると推測されている。 発明の開示
本発明は、 新規 TRAFファミリ一分子を提供することを課題とする。 また、
本発明は、 抗体やポリヌクレオチドプロ一ブ等、 該 TRAFファミリ一分子の機 能の解明、 すなわち TRAFフアミリ一分子間の相互作用および TNF— Rファ ミリ一のシグナル伝達系の解明に応用することが可能な物質を提供することを課 題とする。 さらに、 本発明は、 医薬品開発に応用可能なアンチセンスポリヌクレ ォチドを提供することを課題とする。
すなわち、 本発明に係る新規 TRAFフアミリー分子である TRAF 5分子の 検索、 単離、 及び構造上の同定、 さらにはその分子の有する種々の機能を提供す ることを課題とする。
すなわち、 本発明は、 TRAF 1および TRAF 2についてホモロジ一をコン ピュータ解析し、 最もよく保存されている領域を増幅することができるオリゴ D NAプライマーを種々合成し、 種々の細胞株や組織由来の RNAをもとに c DN Aを作製し、 c DNAを铸型としてオリゴ DNAプライマ一を用いた P CRを行 うことにより取得した、 TRAF 1遺伝子および TRAF 2遺伝子と高いホモ口 ジーを示す新規な遣伝子 (TRAF 5遣伝子) 、 及びその遺伝子がコードする T RAF 5分子のアミノ酸配列を提供することを課題とする。
なお、 本明細書においては、 以下、 蛋白質を TRAF 5分子または TRAF 5 と記載し、 TRAF 5遣伝子自体を TRAF 5遺伝子と記載する。
また、 TRAF 5分子が LT—/3Rおよび CD30と会合性であり、 さらに、 TRAF 5分子が DNA結合蛋白質である NF— / c Bの DNA結合活性の誘導性 を有する知見を提供することを課題とする。
また、 該 TRAF 5分子に対する抗体を作製し、 該抗体により、 TRAF 5分 子の機能の解明手段、 および、 TRAFファミリー分子が関与する TNF— Rフ ァミリ一のシグナル伝達系の解明手段を提供することを課題とする。
さらに、 TRAF 5遣伝子を用いて、 実験用プローブ、 該遗伝子またはアンチ センス遺伝子の診断用プローブ、 治療薬へ応用可能とする手段を提供することを 課題とする。
より詳しくは、 本発明により以下に記載の新規な TRAFファミリー分子 (T RAF 5分子を含む) が提供される。
1. 下記 (1) ないし (4) の性質を有する TRAFファミリー分子。
(1) リンホトキシン一)3レセプター (LT— )3R) および CD30との会合性 を有する。
(2) DNA結合性蛋白質の DNA結合活性を誘導性を有する。
(3) CD 40または TNF— R 2に対して非会合性を有する。
(4) ロイシンジッパーモチーフ、 またはコイルドコイル構造を分子内に有する。
2. 前記 DNA結合性蛋白質が NF— κ Bである前記の TRAFフアミリ一分子。
3. 配列表の配列番号 2に記載の塩基配列とス トリンジユントな条件でハイブリ ダイズする DN Aによりコードされる蛋白質である前記 TRAFファミ リ一分子。
4. 配列表の配列番号 1または 3に記載のァミノ酸配列の一部を少なくとも有す る前記 TRAFフアミリー分子。
5 , 配列表の配列番号 1に記載のァミノ酸配列からなる TRAF 5分子。
6. 配列表の配列番号 3に記載のァミノ酸配列からなる TRAF 5分子。
7. BB列表の配列番号 1または 3に記載のアミノ酸配列からなる TRAF 5分子 であって、 該 TRAFファミリー分子の機能を実質的に変化させずに、 該 TRA Fファミリー分子の前記アミノ酸配列の一部を、 アミノ酸置換、 欠失または付加 することにより改変した TRAFフアミリー分子。
8. 配列表の配列番号 1に記載のアミノ酸配列の 233位から 558位までのァ ミノ酸配列からなる TRAF 5分子。
9. 配列表の配列番号 1に記載のアミノ酸配列の 342位から 558位までのァ ミノ酸配列からなる TRAF 5分子。
10. 配列表の配列番号 3に記載のァミノ酸配列の 233位から 557位までの アミノ酸配列からなる TRAF 5分子。
11. 配列表の配列番号 3に記載のアミノ酸配列の 342位から 557位までの
アミノ酸配列からなる TR A F 5分子。
12. 前記記載の T RAFフアミリー分子をコードするポリヌクレオチド。 13. 配列表の配列番号 2に記載の塩基配列からなる TRAF 5遣伝子。
14. 配列表の配列番号 4に記載の塩基配列からなる TRAF 5遺伝子。
15. 上記 12ないし 14のいずれかに記載のポリヌクレオチドの連続する 1 2 塩基以上の一部であるポリヌクレオチド。
16. 上記 12ないし 14のいずれかに記載のポリヌクレオチドの連続する 16 塩基以上の一部であるポリヌクレオチド。
17. 上記 1ないし 1 1のいずれかの TRAFフアミ リー分子に対する抗体。
18. 上記 12の TRAFフアミリ一分子をコ一ドするポリヌクレオチドを含む ことを特徴とする発現ベクター。
19. 前記発現ベクターで形質転換されたことを特徴する形質転換体。
20. 前記形質転換体を用いることを特徴とする TRAFファミ リー分子の製造 方法。
21. 上記 12の TRAFフアミリ一分子をコードするポリヌクレオチドのアン チセンスポリヌクレオチド。
22. 前記アンチセンスポリヌクレオチドの連続する 1 2塩基以上の塩基からな る一部であるポリヌクレオチド。
23. 前記アンチセンスポリヌクレオチドの連続する 1 6塩基以上 30塩基以下 の塩基からなる一部であるポリヌクレオチド。
24. 前記 12ないし 16、 または 21ないし 23のいずれかに記載のポリヌク レオチドの誘導体。 図面の簡単な説明
図 1は、 マウス TRAF 5分子と他の TRAFファミ リ一分子のァミノ酸配列 のホモロジ一解析の結果を示す図である。 図中、 黒く塗りつぶした部分が TR A
Fドメイン(TRAF domain)であり、 縦線を付した部分がロイシンジッパーモチー フ(Leucine Zipper)であり、 斜線を付した部分が Z nフィンガーモチーフ(Zinc finger)であり、 横線を付した部分が R I N Gフィンガーモチーフ(Zinc ring fi nger)を表すものである。 T R A F 1ないし T R A F 4については、 TRAF 5 との全長(Overall)および TRAFドメイン(TRAF domain)におけるアミノ酸のホ モロジ一(Homology)を、 右横に示す。
図 2は、 マウス TRAF 5遺伝子の各組織におけるノーザンブロットハイプリ ダイゼ一ション解析の結果を表す写真である。 矢印はマウス TRAF 5遺伝子の バンドの位置を示す。
図 3は、 マウス TRAF 5分子と会合する TNF— Rファミ リ一分子の探索の SDS— PAGEの結果を表す写真である。 矢印はマウス TRAF 5分子のバン ドの位置を示す。
図 4は、 HAェピトープを用いたマウス TRAF 5分子と LT— β Rの会合物 質の免疫沈降ウェスタンプロッ 卜の結果を表す写真である。 矢印は ΗΑェピトー プを結合させたマウス TRAF 5分子の位置を示す。
図 5は、 マウス TRAF 5分子または L T一 j3 R分子による NF— κ Bの DN Α結合活性誘導を示す EMS Αの結果を表す写真である。 B→で示されたバンド が NF— κ Bの位置を、 バンドの濃さは NF— κ Βに結合した DNA量を示す。 図 6 Αは、 マウス TRAF 5遺伝子の同定に用いたプライマーを表す図である。 図 6 Bは、 マウス TRAF 5遣伝子の同定に用いたプライマーを表す図である。 図 7は、 マウス TRAF 5分子の 351位から 363位までの Ser Val Lsy Gl n Arg lie Thr Gin Leu Glu Ala Ser Asp (S VKQR I TQLEASD) の N 末端に Cys (C) を付けた 14 m e rのべプチド (配列 1のぺプチド) に対する ポリク口一ナル抗体の E L I S Aの結果を表すグラフである。
図 8は、 マウス TRAF 5分子の 401位から 4 1 4位までの Cys Tyr Ser Gl y Lys Leu lie Trp Lvs Val Thr Asp Tyr Arg (CYSGKL I WKVTDYR)
の 1 4me rのペプチド (配列 2のペプチド) に対するポリクローナル抗体の E L I S Aの結果を表すグラフである。
図 9は、 各細胞株におけるヒ ト TRAF 5分子の発現を表すウェスタンブロッ トの写真である。 矢印はヒ ト TRAF 5分子のバンドの位置を示す。
図 1 0は、 CD 30または LT— /3 Rとマウス TRAF 5分子、 マウス TRA F 2分子またはマウス TRAF 3分子とが会合することを表す写真である。 矢印 はマウス TRAF 2分子、 マウス TRAF 3分子またはマウス T R A F 5分子の バンドの位置を示す。
図 1 1は、 ヒ ト TRAF 5分子とマウス TRAF 5分子のァミノ酸配列の比較 を示す図である。 上段がヒ ト TRAF 5のアミノ酸配列を、 下段がマウス TRA F 5のアミノ酸配列を示す。 マウス TRAF 5配列中の一は当該位置のアミノ酸 がヒ ト TRAF 5の対応するアミノ酸 (すなわち上段に記載のアミノ酸) と同じ であることを示す。 ヒ ト TRAF 5の配列の 4 94番目の一は当該位置のアミノ 酸が欠けていることを示す。 発明を実施するための最良の形態
以下に本発明を詳細に説明する。
(新規 TRAFフアミ リ一分子の同定)
本発明に係る TRAFフアミリー分子および本発明の TRAFファミリ一分子 をコードするポリヌクレオチドの同定する方法について以下に具体的に説明する。 まず、 TRAFファミリ一分子の中でホモロジ一の高い領域を見出すため、 T RAF 1および TRAF 2の既知塩基 E列についてホモロジ一検索し、 両者間で ホモロジ一の高い領域を特定し選択する。
次いで、 特定された領域を PC R増幅 (ポリメラーゼ鎖反応) するためのブラ イマ一を設計する。 係る目的のプライマ一の塩基配列には特に制限はないが、 本 発明においては、 例えば図 6 A及び Bに示すように 1 7me rの塩基に E c o R
Iサイ トを付加したプライマーの混合物か好ましく使用可能である。 さらに係る プライマ一は通常の DN A合成機を使用してで合成可能である。
図 6 Aにおいて、 Aはアデニン、 Tはチミン、 Gはグァニン、 Cはシトシン、 Yはシトシンまたはチミン、 Nはアデニン、 チミン、 グァニンまたはシトシン、 Rはアデニンまたはグァニン、 Dはアデニン、 チミンまたはグァニンのいずれか の塩基を表し、 したがって、 図 6Aの (1) は 256種のプライマ一を表し、 図 6Bの (2) は 768種のプライマ一を表すものである。
さらに、 铸型とする DNAの選択についても、 本発明においては特に制限はな いが、 具体的には、 マウス B細胞リンホーマ、 マウス単球系細胞株およびマウス 肝臓から mRNAを調製し、 オリゴ d Tまたはランダムへキサマ一をプライマ一 として用いて c DNAを調製することが好ましい。
なお、 本発明においては、 前記 mRNAを調整する目的の細胞は上記細胞に制 限されない。
mRNAの調整は、 例えば、 チォシアン酸グァニジン法 ( 『B i o c h em i s t r y v o l . 13』 p. 2633, 1974年) 等により ト一タル RN A 画分を得た後、 オリゴ (dT) セルロースカラムなどを用いて好適用意に行うこ とが可能である。
上記得られた c DNAプ一ルを铸型とし、 上記プライマーを用いて P CRを行 い、 増幅したフラグメントを回収し、 マルチクローニングサイ トを有するクロー ユングベクター (例えば p B l u e s c r i p t SK ( + )が好ましく使用可 能である) にサブクローニングする。 このサブクローユングしたものについてダ イデォキシ法により、 DN Aシーケンサ一を用いて、 DN Aシーケンスを行い、 新規な遣伝子であることが見出される。 係る方法にて、 新規な TRAFファミ リ —の遺伝子断片を取得する。 この新規 TRAFフアミリ一の遺伝子を32 Pでラベ ルして32 P— TRAFフラグメントとする。 なお、 ダイデォキシ法を行うにおい ては、 蛍光色素を付けたプライマ一を用いるプライマ一法、 蛍光色素を付けた d
d NT Pを用いるダイターミネータ一法のいずれも好ましく使用可能である。 一方、 単球系細胞株あるいは肝臓組織等の組織から、 新たに P o 1 y (A) R NAを調整し、 これより c DNAライブラリーを調整する。 この cDNAライブ ラリーには、 A g t l O、 λ g t 1 1 , λ ZAP 1 1などのファージベクターの 他、 p BR、 pUCなどのプラスミ ドベクターがいずれも使用可能である。
こうして作製した c DNAライブラリ一に対し、 前記の32 P— TRAFフラグ メントをプローブとしてスクリーニングを行い、 TRAF 5の全翻訳領域をカバ —する c DNAを含むクローンを得ることが可能である。 次いで、 DNAシーケ ンサ一を用いてその塩基配列を決定する。
なお、 如何説明する本明細書の実施例においては、 マウス TRAF 5遺伝子の 取得方法の具体例を示すが、 ヒ トを含む他の動物の TRAF 5遺伝子についても、 目的とする動物種の細胞から調製した c DNAライブラリ一を用いて上記と同様 の方法で探索取得可能である。
TRAF 5遣伝子の構造は、 例えばマウスの場合、 配列表の配列番号 2に示す 通りである。 マウス TRAF 5は 1674残基のヌクレオチド (配列表の配列番 号の 323位から 1999位までの部分) のオープンリーディングフレームから なり、 558残基のアミノ酸から構成されている。 その mRNAのサイズは 2. 2 k bとされる。
上記塩基配列がコードするマウス TRAF 5分子のアミノ酸配列を配列表の配 列番号 1に示す。 図 1を参照して、 該アミノ酸配列を既知の TRAFファミリー 分子と対比させる。 構造的には、 TRAF 5分子は、 TRAF 3分子と類似して いる。 TRAF 5分子は、 ロイシンジッパーモチーフまたはコイルドコイル構造 を有する点で TRAF 1、 TRAF 2および T R A F 4分子と相違する。
また、 図 1 1に示したように、 マウス TRAF 5分子とヒ ト TRAF 5分子と のアミノ酸配列は非常にホモロジ一が高く、 異種間でその機能がよく保存されて いる。
従って、 TRAF 5遺伝子はマウスとヒ 卜で高いホモロジ一を示し、 後述の実 施例 7の方法、 すなわち既に得られている TR A F 5遺伝子の全部または一部を プローブとして用い、 プラークハイプリダイゼーション法等の通常用いられる c DN Aクロ一ユング法により目的とする動物由来の c DN Aライブラリ一から該 動物の TR A F 5遺伝子を単離する方法、 によっても目的とする動物種の TR A F 5遣伝子を取得することができる。
(本発明の TRAFフアミリ一分子の機能解析)
本発明に係る TRAF 5分子が会合性を有する TNF— Rファミリ一の分子は、 例えば以下の方法で探索可能である。
まず、 融合蛋白質の発現系を用いて融合蛋白質を作製する。 具体的には、 ダル タチオン一 S—トランスフェラーゼ (GST) の下流に TNF—Rファミリ一分 子の細胞質内ドメインの部分をそれぞれ挿入することで融合蛋白質を作製する方 法が好ましく使用可能である。 本発明においては、 G S T以外にも TNF— Rフ アミリー分子との融合蛋白質を合成することができるものであれば、 使用可能で ある。 具体的には、 Th i o Fu s i o n (登録商標、 インヴィ トロゲン社製) のチォレドキシン融合蛋白質や T 7の遺伝子 10に由来するリーダペプチドとの 融合蛋白質の発現系も使用可能である。
なお、 TRAF 5分子の検出が容易に行うべく、 例えば、 TRAF 5遺伝子を i n V i t r oで翻訳し、 35S—メチォニン等でラベルされた TRAF 5分子 を作製し、 TRAF 5分子の検出が容易に行えようにすることが可能である。 次に、 融合蛋白質と TRAF 5分子とを混合して、 該 TRAF 5分子と会合し た融合蛋白質を選択する。 選択の方法としては、 例えば、 GSH—ァガロース力 ラムに会合物質を吸着させる方法が使用可能であり、 他にァフィ二ティ一クロマ トグラフィ一等のクロマトグラフィーも好ましく使用可能である。
会合性を確認するには、 例えば、 前記会合物質を分離し、 熱を加えて TRAF 5分子を解離させた後、 SDS— PAGEを行い、 ゲルをオートラジオグラフィ
—し、 TRAF 5分子のバンドの有無を検出することにより、 TRAF 5分子が LT- β Rおよび CD 30との会合性を有することを確認可能となる。
また、 TRAF 5分子と LT一 J3 Rを同一の動物細胞内で強制発現させた後、 細胞内の会合物質を免疫沈降ウェスタンプロットする方法により、 TRAF 5分 子と LT一) 3 Rとの会合性を確認することも可能である。 この目的で、 具体的に は、 用いる TRAF 5分子は、 インフルエンザウイルスのへマグルチニンェピト —プ (HAェピト一プ) をタグとして結合させることが好ましい。 他に、 既述の T7の遺伝子 1 0に由来するリーダべプチドを結合させる方法も好ましく使用可 能である。 さらに、 前記タグの結合方法には種々の公知の方法が使用可能である 本発明においては遺伝子工学的な方法が好ましく、 特に、 E c o R I等の制 限酵素で処理を行い、 HAェプト一プをコードする DNAと P CRで增幅させた TRAF 5分子を発現べクタ一に組み込むことが好ましい。
また、 遣伝子工学的な方法により TRAF 5分子を作製する場合には、 TRA F 5分子の発現ベクターと LT一 /3 Rを導入したベクタ一を細胞に導入すること が好ましい。 細胞にベクタ一を導入する方法は、 リポソ一ム法、 エレク ト口ポー レーシヨン法等を用いることが可能であるが、 特に、 DEAE—デキス トラン法 (フアルマシア社製) を用いることが好ましい。
さらに、 細胞の生成物にタグとして結合させたェピトープに対する抗体 (HA ェピトープを結合させた場合、 抗 HA抗体) を加えて反応させることで TRAF 5分子と該 TRAF 5分子への会合物質を精度よく分離採取することが可能であ る。
既述のように、 本発明の TRAF 5分子は、 TNF— Rファミリ一分子である LT— 3 Rおよび CD 30と会合性を有するものであり、 係る性質は TNF— R フアミ リーの分子の機能の解明に使用可能である。 TNF— Rフアミリーの分子 および TNFファミリ一分子は細胞内の分化、 増殖、 死を引き起こす引き金とな る重要な分子群であることから、 TRAF 5分子およびその遺伝子それに対する
抗体等を使用し、 係る機能を解明し、 癌やアポト一シスのメカニズムを解明する ことが可能となる。
また、 LT一 /3Rは LT一 αと同様に、 免疫システムの分化に重要な働きを持 つていることが推定されている。 これまでに、 LT一 αの遺伝子を欠くマウスで は抹消のリンパ節の分化が未成熟であることが知られており、 LT— )3 Rでも同 様であると考えられる。 CD 30の機能としては、 欠損マウスでは T細胞が胸腺 内で正常に分化できないことや、 T細胞レセプターを介したシグナルがうまく伝 わらない場合があることが知られている。 したがって、 TRAF 5分子と LT— j3 Rまたは CD 30との会合は、 TRAF 5分子が L T一 /3 Rのシグナル伝達の キーとなるべき物質であることが示唆するものであり、 TRAF 5分子を欠くマ ウスでは免疫系の未成熟、 例えば抹消リンパ節の分化の未熟が引き起こされるも のと推定される。
次に、 本発明に係る TRAF 5分子を用いて、 細胞のシグナル伝達作用を検 討することで、 TRAF 5分子の発現により、 DNA結合蛋白質である NF— κ Bの DNAの結合活性化が誘導されることを確認可能となる。 すなわち、 TRA F 5分子は、 DN A結合蛋白質の DN A結合活性化の誘導に使用可能であること が確認される。
また、 本発明においては、 本発明に係る TRAF 5分子を用いて、 LT— 3 R の発現のみでも NF— κ Bの発現は引き起こされるが、 欠失蛋白質であるマウス TRAF 5分子の 233位〜 558位のみを過剰に加えるとこの活性化は抑えら れることが確認可能となる。 すなわち、 TRAF 5分子の 233位〜 558位を 利用することで、 LT一 )3 Rと拮抗する作用を研究可能とする。 また、 本発明に 係る TRAF 5分子または TRAF 5遺伝子の調整により NF— κ Βが関与する シグナル伝達をコントロールする系の研究又は薬剤の開発を可能とする。
この確認のためには、 例えば、 NF— κ Βの結合サイ トを含むポリヌクレオチ ドプロ一ブを用いて、 同プローブに結合する NF— κ Βを、 TRAF 5分子を発
現させた細胞から検出する方法が使用可能である。 用いる TRAF 5分子は、 全 部でも一部でもよい。 また、 NF— κ Bの結合サイ トを含むポリヌクレオチドプ ローブは NF— /C Βの遺伝子そのものでも、 その一部でもよく、 天然のものでも、 合成したものでもよい。 検出方法には、 例えば、 電気ゲルシフト法 (Ε 1 e c t r o p h o r e t i c Mo b i l i t y S h i f t As s a y (EMS A) ) が用いられる。 この他にも、 ゲルシフト法であれば使用可能である。
上述したように、 本発明の TRAFファミリ一分子は、 LT一 Rおよび CD 30と会合し且つ DNA結合性蛋白質の DNA結合活性を誘導することができる 性質を有するものである。 DNA結合活性の誘導を確認するための DN A結合性 蛋白質としては NF— κ Bが好ましい。
なお、 既知の TR AFファミリ一分子について、 L T— /3 Rおよび CD 30と の会合や NF— κ Βの活性化についての本発明において得られる知見により、 Τ RAF 5分子と構造的には類似している TRAF 3分子は、 TNF— R2と会合 しないこと、 CD40と会合しないこと、 また NF— κ Βを活性化できることを 確認し、 本発明に係る TRAF 5分子とは相違する。
(本発明の TRAFフアミリ一分子)
本発明の TRAFファミリ一分子の特徴である性質をまとめると、 以下の 4点 となる。
(1) リンホトキシン一 )3レセプター (LT— 3R) および CD30との会合性 を有する。
(2) DNA結合性蛋白質の DNA結合活性の誘導性を有する。
(3) CD40または TNF— R 2との非会合性を有する。
(4) ロイシンジッパーモチーフまたはコイルドコィル構造を分子内に有する。 本発明の TRAFファミリー分子は上記の性質を有している限り、 配列表の配 列番号 1または配列番号 3に記載のアミノ酸配列の一部を少なく とも有している ものも含まれる。 上記のアミノ酸配列の一部とは、 特に制限がないが、 配列表の
配列番号 1のアミノ酸配列の 233位から 558位であることが好ましい。 特に、 TRAFドメイン (配列表の配列番号 1のアミノ酸配列の 342位から 558位) を有していることが好ましい。
また、 本発明の TRAFファミリー分子は上記の性質を有している限り、 実施 例 7に示すように、 配列表の配列番号 2に記載の塩基配列の一部にハイブリダィ ズする DN Aによってコ一ドされる蛋白質も含まれる。
また、 本発明の TRAFファミリー分子は上記の性質を有している限り、 上記 の TRAFファミリ一分子の一部を、 アミノ酸を置換、 欠失または付加させて構 造的に改変したものも含まれる。 アミノ酸を置換、 欠失または付加させる方法は、 公知の方法が使用可能であり、 例えば、 『Mo l e c u l a r C l o n i n g
2 n d e d i t i o n』 p. 15. 1— 1 5. 1 1 3に記載の方法がある。 (本発明の TRAFファミ リ一分子をコ一ドするポリヌクレオチド)
本発明の TRAFファミリ一分子をコ一ドするポリヌクレオチドは、 例えば、 配列表の配列番号 2の塩基配列の 323位から 1 999位までの塩基配列より成 る DNAおよび該 DNAに对応する RNAがあり、 これらは配列表の配列番号 1 のアミノ酸配列より成るマウス TRAF 5分子をコードするポリヌクレオチドで あり、 その蛋白質のコ一ド領域の全部または一部を適当な形質転換体に発現させ て、 組み換え TRAFファミリ一分子を製造するのに用いることができる。
その他に、 該ポリヌクレオチドはその一部を、 組織や細胞における TRAFフ ァミリ一分子をコードする遣伝子の存在やその発現状況を調べるための研究用ポ リヌクレオチドプローブとして、 直ちに使用可能である。 プローブとして使用す る部分は 12塩基以上であり且つ GC含有率が 30ないし 70%のものが好まし い。 1 6塩基以上であれば特に好ましい。 プローブとして用いるポリヌクレオチ ドは誘導体であってもよい。 また、 プローブとして使用するには、 TRAFファ ミリ一分子をコードする遺伝子の非コ一ド領域の塩基配列またはそれに相補的な 塩基配列であってもよい。
(本発明の TRAFフアミリー分子抗体)
本発明の TRAFフアミ リー分子抗体は、 本発明の TRAFフアミ リ一分子を 認識する限り、 ポリクローナル抗体、 モノクローナル抗体いずれも含まれる。 ま た、 その活性フラグメントおよび活性フラグメントを含むキメラ抗体も含まれる。 抗体、 すなわち免疫グロブリンは、 H鎖と L鎖を持ち、 物理化学的性質や免疫 学的性質から 5つのクラス ( I gA、 I gD、 I gE、 I gG、 I gM、 ) に分 けられる。 このうち、 I gA、 I g Gは H鎖のタイプによってさらにサブクラス に分けられる。 本発明の新規抗体は、 これらの全てのクラス、 サブクラスに属す るものを含む。
さらに、 本発明の抗体は、 必ずしも抗体分子全体を用いる必要はなく、 活性を 有する限り、 分子の一部 (活性フラクメント) を用いることができる。 活性フラ グメントとしては、 具体的には F (a b ' ) 2 、 F a b、 F vおよび組換え F v 体などを挙げることができる。 例えば、 ペプシンで分解すると F (a b ' ) 2 が 得られ、 パパインで分解すると F a bが得られる。
これらの活性フラグメントは、 単独でも用いられるが、 必要に応じて、 アルブ ミン、 ポリエチレングリコール等の物質と結合させ、 新たな複合物として用いる ことができる。 このような複合物は、 一般に、 生体内では、 長時間分解されずに その効果を最大限まで発揮することが多い。 活性フラグメントに、 アルブミン、 ポリエチレングリコール等の物質を付加する方法は、 例えば、 『An t i b o d l e s A La b o r a t o r y Ma n u a l』 (C o l d s p r i n g
Ha r b o r L a b o r a t o r y, 1988) p. 77— 81、 p 1 29 — 137に記載されている。 一般的には、 SPDP (フアルマシア社製) 、 SM PB (ピアス社製) 、 EMCS (ドータイ ト社製) 等の 2価反応性試薬を用いれ ば、 活性フラグメントをアルブミン等と容易に結合させることができる。
また、 活性フラグメントを用いて、 H鎖と L鎖における TRAFファミリ一分 子と反応するのに必要な領域 (例えば、 超可変領域) 以外の一次構造、 例えば F
cを他の動物種由来の抗体の対応する一次構造に置き換えるなどの方法により、 キメラ抗体を得ることもできる。
本発明の新規抗体は、 ポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であ つても、 公知の方法によって得ることが可能である。 例えば、 『免疫実験操作法』
(日本免疫学会編、 日本免疫学会発行) を参考にして得ることができる。 免疫抗 原として用いる本発明の TRAFフアミリ一分子は、 それが抗体の作製に使用し うる精製度のものであれば、 該 TRAFフアミリー分子が得られた方法は問わな い。
免疫抗原として使用する TRAFファミ リ一分子が、 低分子の TRAFファミ リ一分子またはその一部、 すなわち約 10ないし 20アミノ酸残基からなる TR AFファミリ一分子またはその一部である場合には、 それをキーホールリンぺッ トへモシァニン (KLH) 等のキャリアと結合させて抗原として使用すればよい。 該 TRAFファミリー分子またはその一部で免疫する動物はヒ ト以外のいずれ でもよく、 通常当業者で使用される動物から目的の抗体を産生し得る動物種を選 択して使用することが好ましい。
ポリクローナル抗体は、 得られた抗血淸を精製することによって得られる。 精 製は、 塩析、 イオン交換クロマトグラフィー、 ァフィ二ティ一クロマトグラフィ —等の方法を組み合わせることができる。
モノクローナル抗体は、 ハイブリ ド一マを作製する方法によって得られる。 細 胞融合には、 ポリエチレングリコール、 、 センダイウィルス、 電気パルス等を用 いる手法が使用可能である。
また、 上記以外に、 遺伝子工学的な方法を用いても該抗体が得られる。 例えば、 本発明の TRAFフアミリー分子またはその一部で免疫した動物の脾細胞、 リン パ球または該 TRAFファミリ一分子またはその一部に対するモノク口一ナル抗 体を産生するハイプリ ドーマから mRNAを採取し、 これをもとに cDNAライ ブラリーを作製する。 該 c DNAライブラリ一により抗体を発現させる。 抗原と
反応する抗体を産生するクローンをスクリ一ユングにより c DNAライブラリ一 から得、 得られたクローンを培養し、 培養混合物から目的をする抗体を、 塩析、 イオン交換クロマトグラフィ一、 ァフィ二ティ一クロマトグラフィ一等の方法を 組み合わせて精製することができる。
本発明の抗体は、 体液中や組織中に存在する本発明の TRAFフアミリー分子 またはその一部の検出に用いることができる。 また、 該抗体は、 本発明の TRA Fファミリ一分子またはその一部を精製するために使用する抗体カラムの作製、 各分画中の該 TR AFファミリ一分子またはその一部の検出のために用いること ができる。
(組み換えベクターおよび形質転換体)
本発明の組み換えベクターおよび形質転換体は、 TRAFフアミリ一分子をコ 一ドする遺伝子の全部または一部を含むことを特徴とするものである。 これらは、 実施例 1、 4、 5または 7に示されるように種々の方法により作製可能である。 形質転換体の宿主としては、 大腸菌等の細菌、 酵母、 動物細胞のいずれも使用可 能である。
また、 これらの用途は、 例えば、 実施例 4、 5に示すように TRAF 5分子の 全部または一部を産生させること、 すなわち本発明の TRAFフアミリー分子の 製造方法であってもよく、 実施例 1、 7に示すように TRAF 5遺伝子の全部ま たは一部を大量に得るために用いられるものであってもよい。
(本発明の TRAFフアミリ一分子の製造方法)
本発明の TRAFファミリー分子の製造方法では、 まず、 本発明の形質転換体 を培養し、 遺伝子の增幅、 発現を行う。 次に培養物を回収し、 必要に応じて濃縮、 可溶化、 透析、 各種クロマトグラフィー等の操作を行い、 本発明の TRAFファ ミリー分子を精製する。
形質転換体の培養については、 各種の成書があり、 例えば、 『微生物実験法』 (社団法人日本生化学会編、 東京化学同人、 1 992年) に記載の方法で行うこ
とが可能である。
精製方法には、 塩析法、 限外濂過法、 等電点沈錄法、 ゲル濂過法、 電気泳動法、 イオン交換クロマトグラフィー、 疎水性クロマトグラフィ一や抗体クロマトグラ フィ一等の各種ァフィ二ティ一クロマトグラフィ—、 クロマトフォ—カシング法、 吸着クロマトグラフィ一法および逆相クロマトグラフィー等があり、 適宜選択し て行えばよい。 実施例に詳しく示すように、 LT一 ]3 Rおよび CD 30を使用し たァフイエティーク口マトグラフィーまたは本発明の抗体を用いたァフィ二ティ —クロマトグラフィ一による精製は好適である。
また、 該製造方法において、 製造する TRAFファミリ一分子は、 他のポリべ プチドとの融合ペプチドとして形質転換体に生産させてもよい。 この場合は、 必 要であれば精製工程において、 ブロムシアン等の化学物質やプロテアーゼ等の酵 素で処理して、 該 TRAFフアミリー分子を切り出す操作を加える。
(本発明のアンチセンスポリヌクレオチド)
本発明のアンチセンスポリヌクレオチドには、 塩基、 リン酸、 糖からなるヌク レオチドが複数結合したものが、 天然には存在しないものを含めて全て含まれる。 その代表的なものは、 DNAと mRNAである。
本発明のアンチセンスポリヌクレオチドの用途の一つは、 TRAFファミリー 分子をコードする遺伝子の存在やその発現状況を調べるための研究用ポリヌクレ ォチドプロ一ブである。
また、 本発明のアンチセンスポリヌクレオチドの他の用途は、 TRAFフアミ リ一分子の発現を調節することである。 アンチセンスポリヌクレオチドは TR A Fファミリ一分子をコードする DNAまたは TRAFファミリ一分子をコードす る mRNAにハイブリダィズして TRAFファミリー分子の発現を促進ないし抑 制することが期待されるので、 TRAFフアミ リー分子が関与するシグナル伝達 系の疾患や LT一 )3 Rを介したシグナルが関与する疾患の治療薬として使用可能 である。 すなわち、 該ポリヌクレオチドやその誘導体よりアンチセンス医薬品を
開発することが可能である。
蛋白質をコードする DNAや mRNAの相補的な塩基配列を含むポリヌクレオ チドを使用して、 該蛋白質の発現を調節する方法は、 アンチセンス法と呼ばれて おり、 現在多くの研究者によって研究が進められている技術である。 相補的な配 列を有するポリヌクレオチドは、
①遺伝子から p r e— mRNAへの転写段階、
©p r e—mRNAから成熟 mRNAへのプロセッシング段階、
③核膜通過段階、
④蛋白への翻訳段階
のいずれかで、 遺伝情報を担う DNAまたは mRNAに結合し、 遣伝情報の伝達 の正常な流れに影響を与えて蛋白質の発現を調節すると考えられている。
ハイブリダィズのし易さの点では、 一般的には、 ステムループを形成している 領域の塩基配列に相補的な塩基配列を持つポリヌクレオチドまたはポリヌクレオ チド誘導体を設計するとよいとされている (『臨床免疫 25卷』 1200〜1 206頁、 1 993年) 。
また、 翻訳開始コドン付近、 リボソーム結合部位、 キヤッビング部位、 スプラ イス部位の配列に相補的な配列を有するようなポリヌクレオチドは、 一般に高い 発現抑制効果が期待できる ( 『癌と化学療法 20卷 13号』 1899〜1 90 7頁) 。 したがって、 本発明のアンチセンスポリヌクレオチドであって、 TRA Fフアミリー分子をコードする遣伝子または該遣伝子に対する mRNAの翻訳開 始コドン付近、 リボソーム結合部位、 キヤッビング部位、 スプライス部位の相捕 的な配列を含むものは、 高い発現調節効果が期待される。
また、 アンチセンスポリヌクレオチドは、 発現調節の用途には、 16ないし 3 0塩基程度の長さのものが好ましい。
(本発明のポリヌクレオチド誘導体)
本発明のポリヌクレオチドおよびアンチセンスポリヌクレオチドは、 センスポ
リヌクレオチドについては、 本発明の T R A Fフアミリー分子を発現することが できるもの、 アンチセンスポリヌクレオチドについてはその相補ポリヌクレオチ ド (センスポリヌクレオチド) にハイブリダィズすることができるものである限 り、 その立体構造や機能が天然に存在するポリヌクレオチドと類似するものが全 て含まれる。 例えば、 ポリヌクレオチドの 3 ' 末端もしくは 5, 末端に他の物質 が結合したものやポリヌクレオチドの塩基、 糖、 リン酸の少なくともいずれか一 部において、 置換や欠失や付加の修飾が生じた物質、 天然に存在しないような塩 基、 糖、 リン酸を有するものや、 糖一リン酸骨格以外の骨格を有するものである。 また、 誘導体には、 ヌクレア一ゼ耐性、 組織選択性、 細胞透過性、 結合力の少 なくとも 1つが高められた誘導体であることが好ましく、 特に好ましいポリヌク レオチド誘導体は、 フォスフォロチォエート結合を骨格構造として有する誘導体 であることが知られている。 本発明のポリヌクレオチドおよびその誘導体につい ても、 これらの機能または構造を有する誘導体が含まれる。
例えば、 メチルフォスフォネート型やフォスフォロチォエート型等、 誘導体の 中には、 化学合成機 (例えば、 パーキンエルマ一ジャパン社製 3 9 4型) を使用 して合成できるものもある。 この場合には、 化学合成機に添付されている説明書 にしたがって操作を行い、 得られた合成産物を逆相クロマトグラフィ一等を用い た H P L C法により精製することによつても、 目的のポリヌクレオチド誘導体を 得ることができる。
(実施例)
以下に実施例を示し、 本発明をさらに詳述するが、 本発明はこの例に限定され るものではなレ、。
<実施例 1〉T R A F 5分子の同定
1 . プライマ一の設計
T R A F 1および T R A F 2の塩基配列でホモロジ一の高い領域を検索し、 T R A F 1のアミノ酸配列のうちの T V rから G 1 yまでの部分、 すなわち Tyr Le
u Asn Gly Asp Gly (YLNGDG) をセンス側とし、 アミノ酸配列、 Asp Asp (Thr / Ala) (lie / Met) Phe (lie / Leu) (DD (T/A) ( I /M) F ( I /L) ) をアンチセンス側として、 センス側についてはそのアミノ酸配列をコ— ドする遺伝子のセンス鎖を、 アンチセンス側についてはそのァミノ酸配列をコー ドする遺伝子のアンチセンス鎖をそれぞれプライマーとして合成した。 ここで上 記配列で記載される ( I ZM) とは Iまたは Mのいずれか一方を意味する。 アミ ノ酸をコードする塩基配列は、 縮重により 1通りには決まらない (例えば Ala だ と GCA、 GCG、 GCC、 GCTの 4つの場合が考えられる。 ) 力 このような場合は、 D N A自動合成のときの合成モードを、 GCX (X は A 、 G 、 (: 、 T いずれも含む) と選択し、 選択されたアミノ酸配列に相当するオリゴ DN Aプライマ一混合物を 調整した。 このプライマ一を図 6に示す。 ここで図 6 ( 1 ) はセンス側のプライ マー 2 56種を表し、 図 6 (2) はアンチセンス側 7 6 8種のプライマーを表す。 上記のオリゴ DNAプライマー混合物は、 これらを全て含むものである。 さらに、 図 6に示すように、 各プライマーには E c oR Iサイ トを含ませた。
2. c DNA混合物の調整
1 ) マウスの B細胞リンホ一マである A 20. 2 5 (ATC C T I B 20 8) を 25 cm2 フラスコ中で培養した。
2) 培養細胞を回収して、 PB Sで洗浄した後、 11111 の? 83に懸濁し、 細 胞数を数えた。
3) 細胞 1 X 1 06 個を無菌のエツペンドルフチューブに入れ、 5, 000 r pmで 3分間遠心分離して上清を除去し、 ペレツトをタッピングした。
4) RNAZ 0 1 B (登録商標、 コスモバイオ社製) を 200 μ 1加え、 ピ ぺットマンのチップでよく撹拌して細胞を溶かした。
5) クロ口ホルムを 20 μ 1添カ卩し、 振盪後、 氷中に 5分間放置した後、 4で で 1 5, 000 r pm、 1 5分間遠心分離し、 上層の無色透明の部分を回収し、 新しいチューブに移した。
6) 次いで、 4でで 1 5, 0 0 0 r p m、 1 5分間遠心分離した後、 上淸を捨 てて、 ペレツトに 7 5%エタノールを 8 0 0 μ \加え、 一 2 で 3 0分間放置 した。
7) 次いで、 4でで 1 5, 0 0 0 r p m、 1 5分間遠心分離した後、 ペレッ ト に蒸留水 1 1. 5 μ 1を添加した。
8) 次いで、 オリゴ d Τ (0. 5 m g/m 1 ) を 0. 5 1添加して、 7 0で で 1 0分間、 氷上で 5分間放置した。
9) 次いで、 下記組成の液を加え、 4 2でで 5 0分間、 9 0でで 5分間、 氷上 で 5分間放置した。
5 X RT b u f f e r 4 μ 1
1 0 mM d NT Pm i x 1 μ 1
S u p e r s c r i p t R T a s e 1 μ 1
(登録商標、 ギブコ B R L社製)
1 0) RN a s e H (登録商標、 ギブコ BR L社製) を 1 μ 1添加し、 3 7 で 2 0分間放置し、 c DNA混合物を得た。
3. P C R
1 ) 2. で得られた c DNA混合物と 1. で得られたオリゴ DNAプライマ一 を用い、 下記の条件で P C Rを行った。
c DNA 2 μ 1
d NTPm i 1 β 1
プライマ一 (センス側) (Ι Ο Ο ρ ιη ο ΐ Ζμ Ι ) 1 μ 1
プライマー (アンチセンス側) (Ι Ο Ο ρπι ο ΐ Ζμ Ι ) 1 1
1 0 X P CR b u f f e r 4 μ 1
DDW 3 0. 5 μ 1
Am ρ 1 Τ a q 0. 5 μ 1
合計 4 0 μ 1
上記組成の液にミネラルオイル 4 0 ;/ 1を重層し、 9 4 で 5分間放置した後、
「4 5 :で 2分間、 続いて 7 2 で 1分間、 続いて 9 4 で 1分間」 のサイクル で 4 0回繰り返し反応させた。 この反応での注意点は、 アニーリングの温度を 4 5 と低く設定し、 できるだけホモ口ジ一が低いものでもピックアップできるよ うに工夫したことである。
2) 反応後、 P CR生成物についてミニゲル電気泳動 (1. 5 %ァガロースゲ ル) を行った。
3) 約 0. 5 k bの TRAFドメイン (配列表の配列番号 1で示されるァミノ 酸配列のうちの 34 2位から 5 5 8位までの部分) をコ一ドする遺伝子と考えら れるバンドをゲルから切り出した。 これについて、 G e n e C l e a n I I
(登録商標、 B I O 1 0 1社製) で P C R生成物を回収した。
4) さらに該回収物の一部について上記のミニゲル電気泳動を再度行い、 約 0. 6 5 k bにバンドが現れることを確認した。
4. DNA連結反応
B 1 u e s c r i p tのベクター (ストラタジーン社製) を用い、 下記組成の 反応液で DNAの連結反応 (ライゲーシヨン) を行った。
ADDW 5 μ 1
l O X L i g a t i o n b u f f e r 1 μ 1
P CRベクター 2 μ 1
P CR生成物 1 μ 1
Τ 4 DNA L i g a s e 1 μ 1
合計 1 0 1
1 4 で一晩反応を行い、 ライゲーシヨン混合物を得た。
5. 形質転換
Β 1 u e s c r i p tのクローニング用キットを用いて形質転換 (トランスフ ォ一メ一シヨン) を行った。
1 ) 氷上で細胞懸濁液 5 μ 1に、 0. 5Μの /3メルカプトエタノール 2 μ 1お よび、 4) で調整したライゲーシヨン混合物を添加し、 30分間放置した。 その 後、 4 2での湯浴中に 30秒間、 次いで、 氷上に 20分間放置した。 450 1 の SO C培地を加え、 37でで 1時間、 225 r pmでインキュベートした。
2) 次いで、 LB a g a rプレート (+アンピシリン、 X— G a 1、 I PT G) 各プレートに 50 μ 1、 1 00 ^ 1 , 200 z lで拡散した。
3) 37でで 1 8時間インキュベートした後、 4でで 2時間放置したところ、 白と青のコロニーが発現した。
6. ミニ培養
1) 5. の各プレートから白いコロニーを 96個拾った。
2) 3m 1の LB培地 ( + Amp) に前記のうちの 1個のコロニーを加え、 3 7 :で一晚振盪した。
I . 二調整
『M o l e c u l a r C l o n i n 2 n d E d i t i o n』 (C o l d S p r i n g Ha r b o r L a b o r a t o r y, 1 989) p. 1. 25 - 1. 28に記載の方法にしたがって下記の操作を行った。
1) 培養液 1 , 5m 1をエツペンドルフチューブに取り (残りの液は LBブレ ートに拡散して 37°Cで培養し、 保存した。 ) 、 4でで 6, 000 r pm、 2分 間遠心分離した。
2) ペレツトに 1 00 μ 1溶液 1 (リゾチーム 5mgZni 1 ) を加え、 室温で 5分間放置した後、 氷上で穏やかに 5分間混合した溶液 2を 200 μ 1添カ卩し、 氷上で 15分間混合した溶液 3を 1 50 μ 1添加し、 次いで、 4Τ:で 1 2, 00 0 r pm、 5分間遠心分離した。 各溶液の組成は、 上記『Mo 1 e c u 1 a r C l o n i n g 2 n d E d i t i o n』 にしたがった。
3) 新しいエツペンドルフチューブに上清を取った。 これに、 等容量のフエノ —ルを添加し、 次いで、 室温で 1 2, 000 r pm、 1分間遠心分離した。
4) 新しいエツペンドルフチューブに上清を取った。 これに、 等容量の CHC 1 a : i AA (99 : 1 ) 混合物を加え、 室温で 12, 000 r p m、 1分間遠 心分離した。
5) 新しいエツペンドルフチューブに上清を取った。 これに、 1 μ 1の Mu s s e 1ダリコーゲンと 900 μ 1のエタノールを添加し、 一 80でで 30分間放 置した後、 4°Cで 15, 000 r pm、 5分間遠心分離した。
6) 沈殿物を乾燥した。 20/ lの TEおよび 1 /iの RNa s e A ( 5 m g Zm l ) を加え、 65°Cで 20分間放置し、 プラスミ ド DNAを得た。
7) 下記の条件でミニゲル電気泳動を行い、 バンドをチェックした。
H Bu f f e r 1 μ 】
E c o R I 1 1
DNA 1 u 1
ADDW 7 μ 1
合計 10 μ 1
上記溶液中でプラスミ ド DNAを 37°Cで 1時間インキュベートした後、 0. 75%ァガロースゲルに加えて電気泳動を行った。
8. DNAシーケンス
1 ) プラスミ ド DN Aを 1 1取り、 99 μ 1の ΤΕにて希釈した。
2) 260 nmでの吸光度 (A260) を吸光度計で測定し、 DNA値を測定 した ( 260が1. 0となるとき希釈液の DNA濃度 (DNA値) が 50 g /m 1である。 ) 。
3) A260値より、 DNAが 1 μ 1 となるように Τ Εにて希釈した。
4) ダイターミネータ一法により、 ΑΒ I社製 DNAシーケンサモデル 373 Αを用いて、 DNAシーケンスを行った。
5) 上記の方法により、 6. でスクリーニングした 96個のクローンについて ホモロジ一を調べた結果、 TRAFファミリーに属する新規遺伝子が 10クロー
ン (全て同じシーケンス) 得られた。
上記のように、 PCR時のアニーリング温度を 45でと低下させることにより TRAFフアミリーに属する新規遺伝子の一部が得られた。
9. cDNAライブラリーの構築
cDNAライブラリーは、 Un i— ZAP (登録商標、 ス トラタジーン社製) c DNAライブラリーキッ ト (ス トラタジーン社製) および P o 1 y (A) クイ ック mRN Aアイソレーションキット (ス トラタジーン社製) を用いて、 それぞ れの取り扱い説明書にしたがって構築した。
1 ) マウスの単球系細胞株 J 774 A. 1細胞 (ATCC T I B— 67) 1 X I 08 個から Un i— ZAPキットでトータル RN Aにした。
2) これを P o l y (A) クイック mRNAアイソレーションキット (ストラ タジーン社製) を用いて最終的に 10 μ gの P o 1 y (A) RNAを得た。
3) この P o l y (A) RNAについて先述の Un i—ZAPキットを用い、 c DNAライブラリーを構築した。
なお、 本実施例の他、 P o l y (A) RNAおよび c DNAライブラリーの作 製は以下に挙げる成書に記載されているプロトコールを参考にして作製可能であ る。 『Mo l e c u l a r C l o n i n g 2 n d E d i t i o n』 第 8章、 『バイオマニュアルシリーズ 2 遺伝子ライブラリーの作製法』 33〜40頁お よび 95〜106頁 (羊土社) 。
10. c DNAのスクリーニング
1. 〜8. の過程で得た TRAFファミ リーに属すると考えられる PCR生成 物 (クローン) に相当する c DNAを得るために、 該 PCR生成物と 9. で構築 した c DNAライブラリーとのハイブリダイゼ一ションを行い、 新規の TRAF フアミリーの新 c DN Aを以下のようにしてスクリ一エングした。 ハイブリダィ ゼーシヨンの条件は 『細胞工学実験プロ トコ一ル』 57〜65頁 (秀潤社、 1 9 91年) に記載の条件とした。
1 ) 7. で得られた P CR生成物をランダムプライマー標識キッ ト (宝酒造社 製) および [ァ一32 P] ATP (アマシャム社製) を用い、 32Pでラベルを行い、 これを DN Aプローブとした。
2) 次いで、 9. で得た c DNAライブラリーについてプラークハイブリダィ ゼ一シヨン法 ( 『細胞工学実験プロ 卜コール』 57〜65頁 (秀潤社、 199 1 年) を参照) を用いてスクリーニングし、 16種の cDNAクローンを得た。
3) この 16種のクローンについて、 DNAシーケンスを行い、 部分長のもの や重複するものを除き、 最終的に 1個のクローンを選択した。 このクローンの塩 基配列を配列表の配列番号 2に示す。 また、 この cDNAを導入した形質転換体 大腸菌を工業技術院生命工学工業技術研究所 (〒305 日本国茨城県つくば巿 東一丁目 1番 3号) に平成 8年 2月 9日に寄託した (受託番号: : FERM BP - 5384) 。
4) このクローンの全長 2224 b pの塩基配列を基にしてコンビュ一夕解析 を行った。 その結果、 該 cDNAは、 1674 bpのオーブンリーディングフレ ームを含むことが分かった。 すなわち、 該 c DNAによってコードされる蛋白質 は 558個のアミノ酸配列から構成されていることが分かった。 該アミノ酸配列 を配列表の配列番号 1に示す。
5) また、 該蛋白質について他の TRAFファミ リーの分子とホモロジ一を比 較した結果、 図 1に示すように全長では 29 %〜42 %のホモロジ一を持つこと が判明した。 特に TRAFドメイン (配列表の配列悉号 1で示されるアミノ酸配 列のうちの 342位から 558位までの部分) は 40-55 %のホモロジ一があ つた。 これらの結 とを図 1に示す蛋白質構造から、 該 ¾白^が、 叫らかに新し い TRAFファミリ一に屈する分子であることが判 Π刀した。 よって、 該¾ ! 5を 新しい TRAFファミリーの分子と同定し、 TRAF 5分子と名付けた。 なお、 図 1で、 ^く塗りつぶされている部分が TRAFドメイン (TRAF 5のァミノ 酸配列の 342位から 558位の部分) 、 縦線の付されている部分がロイシンジ ッパーモチーフ ( T R A F 5分子のアミノ酸配列の 26 1位から 303位の部分)
、 斜線の付されている部分が Z nフィンガーモチーフ (TRAF 5分子のァミノ 酸配列の 1 1 1位から 250位の部分) 、 横線の付されている部分が R I NGフ インガ一モチーフ (TRAF 5のアミノ酸配列の 45位から 85位の部分) であ る。
<実施例 2> TR A F 5分子の組織での発現の調査
TRAF 5がどのような組織で発現しているのかを下記のようにして調べた。
1) マウスの脳、 胸腺、 肺、 肝臓、 脾臓、 心臓、 胃および副腎の組織を摘出後、 それぞれのトータル RNAを RNAZ 01 Bを用いて抽出した。
2) その後、 P o l y (A) クイック mRNAァイソレーションキッ ト (ス ト ラタジーン社製) を用い、 実施例 1の 9. と同じプロ トコールで P o 1 y (A) RNAを調整した。
3) これらについて、 50%ホルムアミ ド中で 65°Cで 5分間加熱し RNAを 変性させ、 6. 6%のホルムアルデヒ ドを含む 1. 5%ァガロースゲルで電気泳 動を行い、 ニトロセルロース膜 (またはナイロン膜も使用可能) に転写させた。
4) 32 P—プローブとして実施例 1の 10. 1) で作製した DNAプローブを 用いた。 ハイプリダイゼーシヨン操作はハイス トリンジエンシーの条件下で 『M o l e c u a r C l o n i n g A L a b o r a t o r y iVI a n u a 1 2 n d E d i t i o n』 p. 7. 39— 7. 52にしたがい行った。 結果を図 2に示す。 28 Sは 4. 9 k bの位置を、 183は1. 9 k bの位置を示す。 全 ての組織で、 2. 2 k bの位置 (矢印で示している) に mRNAのバンドが認め られ、 TRAF 5遺伝子の発現が確認された。
<実施例 3〉 TRAF 5会合物質の探索 1
TRAF 5と TNF— Rフアミリ一の分子との会合物質について探索を行った。 1) TNF— Rファミ リ一の分子中で TNF— R 1、 TNF— R2、 CD40、 LT一 ]3Rについて、 グルタチオン一 S— トランスフェラ一ゼ (GST) の下流 に上記各 TNF— Rフアミリー分子の細胞質内ドメインの部分をそれぞれ挿入す
ることで G S Tとの融合蛋白質を作製した。
2) TRAF5を、 i n v i t r oで、 I n v i t r o t r a n s c r i p t i o n a n d t r a n s l a t i o n s y s t em (TNT、 ァロ メガ社製) を用いて、 添付の説明書にしたがって翻訳した。 生成された TRAF 5 i n V i t r o翻訳物について、 35 S—メチォニンがラベルされているこ とを電気泳動で確認した。
3) 次に、 TRAF 5 i n v i t r o翻訳物を G S Tおよび 1 ) で作製し た各種融合蛋白質と混合した。
4) その後、 混合液を G SH—ァガロースカラムに加え、 GST、 GST— T NF— Rファミリ一分子 (TRAF 5分子との会合物質を含む) を該カラムに吸 着させた。
5) その後、 GSH—ァガロースカラム中のビーズを SDSのサンプルバッフ ァーに加え、 95¾で 5分間沸騰させて、 GS T— TNF— Rファミ リー分子と 会合している TRAF 5分子を解離させた。 。
6) その後、 遠心分離してビーズを沈殿させた後、 上清液について SDS— P AGEを行った。 ゲルは 10%ゲルを使い、 電気泳動後、 ゲルを Amp 1 i f y
(登録商標、 アマシャム社製) で 30分間インキュベートした。
7) その後、 ゲルを乾燥し、 X線フィルムで露光させた。 結果を図 3に示す。 図 3で I n v i t r o p r oのレーンは i n v i t r o翻訳物のレーン である。 他は、 用いた各種融合蛋白質名を各レーンに記入している。 図 3から明 らかなように、 約 50 kDの TRAF 5分子に相当するバンドが LT— Rの G ST融合蛋白質と反応させた場合に検出できた。 すなわち、 TRAF 5分子は L T— Rと会合することが分かった。
<実施例 4〉免疫沈降ウェスタンプロッ ト
免疫沈降ウェスタンブロットにより、 TRAF 5分子と LT— /9 Rとの会合を 確認した。
1) まず、 以下のようにして TRAF 5分子にインフルエンザウイルスのへマ グルチニンェピトープ (H Aェピトープ) をタグとして結合させた。
① HAェピトープの 9アミノ酸に相当するオリゴヌクレオチドを合成した。 す なわち、 センスポリヌクレオチドとして下記式 (1) を、 アンチセンスポリヌク レオチドとして下記式 (2) を、 DN A合成機を用いて合成した。
式 ( 1 ) 5' -AAT TGA TGT ACC CAT AGG ATG TTC CAG ATT ACG CTG AAT TCC_3' 式 ( 2 ) 5* - TCG AGG AAT TCA GCG TAA TCT GGA ACA TCG TAT GGG TAC ATC-3'
②これらのポリヌクレオチド混合し、 50°Cで 10分間ァ二一リングさせた。
③次いで、 T 4ポリヌクレオチドキナーゼ (プロメガ社製) を用いてリン酸化 させた。
④これを E c o R I と X h o Iで制限酵素処理したべクタ一プラスミ ド pMK I Tneo にサブクロ一エングし、 生成したクロ一ンを pHAK I Tneo と名付け た。
⑤ pHAK I Tneo に対し、 E c o R Iで処理を行い、 PCRで增幅させた T RAF 5遣伝子をサブクローニングした。 E c o R Iの処理により、 pMK I T neo に直接 TRAF 5遗伝子を導入するのに比し、 pHAK I Tneo に TRAF 5を導入するとうまくィンフレームで読み取られる。
2) 次いで、 COS 7細胞 (ATCC CR L- 1 6 5 1 ) 2 X 1 06 個に対 し、 2. 5 μ gの pHAK I Tneo — TRAF 5遺伝子と p c DNA 1— LT— )3R (LT— /3 Rを導入したベクタ一) を DE AE—デキストラン法 (フアルマ シァ社製) を用いてそれぞれ一過的に導入した。
3) 該 COS 7細胞の形質転換体を 48時間培養し、 導入した遣伝子がコード する蛋白質を生産させた後、 細胞を回収し、 細胞溶解液を用いて細胞を溶解させ た。 細胞溶解液には、 0. 1 %NP— 40、 5 OmM HEPES (pH7. 4) 、 25 OmM Na C l、 1 0%グリセロール、 2 mM EDTA、 1 mM P MS F、 2 /i gZm 1ァプロチニン、 2 μ gZm 1ぺプスタチン Aおよび 2 μ g
/m 1 ロイぺプチンを含む液を用いた。
4) この細胞を溶解させた液に抗 LT— )3 R抗体を用いて、 TRAF 5— L T 一 β R複合体を免疫沈降させた。
①該細胞が溶解した液の上清液 1 m 1 に対して、 ャギの I g Gを結合させたセ ファロ一スビーズでプレクリアを行った。 すなわち、 ャギ I g Gセファロ一スビ —ズ 1 00 / l (ビーズ 5 0 z l分) を上清液 l m lに加え、 4 tで 1 6時間反 応させた後、 6 , 0 0 0 r p mで 2分間遠心分離してビーズを除去することでャ ギ I g Gに非特異的に結合する物質を除去した。
②次いで、 上清液に抗 L T— )3 R抗体を結合させたセファロ一スビーズ 1 0 0 μ g (ビーズ 5 0 μ 1分) を加え、 4 °Cで 1 6時間反応させた。 その後、 遠心分 離によりビーズに非吸着の部分を除去し、 さらにこのビーズを 3) で用いた細胞 溶解液で 2回遠心分離した。
5) このビーズを、 2 0 μ 1の S D S— PAG E用の還元用サンプルバッファ 一に入れ、 5分間煮沸した。
6) その後、 S D S _ P AGE用の濃度勾配ゲル (アク リルアミ ドのゲル濃度 : 1 0%から 20%) を用いて電気泳動を行った。
7) 電気泳動後、 ゲルをニトロセルロースのメンブランに 1 0 V、 4 でー晚 トランスファ一した。
8) このメンブランに、 ブロックエース (大日本製薬社製) を加え、 室温で 1 時間プロッキングを行った。
9) 次いで、 0. 0 5%Tw e e n 2 0が入った P B S (p H 7. 4) で 1 0 分間メンブランを洗浄した後、 ャギ抗 H A抗体 (ベ一リンガー社製) を 1 0 g ΤΆ 1で加え、 室温で 1時間反応させた後、 Tw e e n P B Sで 1 0分間洗浄 することを 3回繰り返した。
1 0) 次いで、 ペルォキシダ一ゼ標識ャギ I g G (カルタグ社製) を 1 0 0 0 倍希釈した液を加え、 室温で 1時間反応させた。 反応後、 Tw e e n P B Sで
3回メンブランを洗浄し、 ECLキット (アマシャム社製) の発色液を 5m lメ ンブランに加え、 1分間反応させた。
1 1) このメンブランを X線フィルムに 20秒間露光し、 現像した。 結果を図 4に示す。 図 4で N. G. Sはャギの血清のレーン、 An t i— LT— ]3 Rは免 疫沈降物を S D S— P A G E還元用サンプルバッファ一で処理したサンプルのレ ーンである。 図 4より明らかなように、 抗 LT一 ;3 R抗体で免疫沈降したものに ついて約 60 k Dの位置に HA— TRAF 5分子のバンド (矢印で示されている) が認められる。
<実施例 5〉TRAF 5分子の特性化 (NF— κ Bの D N A結合の活性化の検 討)
TRAF 5分子がどのようなシグナルを細胞の核内に伝えるのか、 NF— κ B の DN A結合の活性化を調べることにより検討した。
1) 293細胞 2 X 106 個に対し、 下記の 3つのべクタ一をそれぞれ下記の 5つの発現パターンになるように 7. 5 μ gずつ導入した。 導入は、 C a PO4 を用い、 一過的に該細胞に TRAF 5分子発現させた。
用いたべクター:
① pMK I Tneoベクターに TRAF 5遺伝子の全長の c DNAを揷入したベ クタ一
② pMK I Tneoベクターに TRAF 5遺伝子の 233位〜 558位のフラグ メントの c DNAを挿入したベクター
③ pMK I Tneoベクタ一に LT— ;3 Rを挿入したベクター
発現パターン :
① pMK I Tneoベクタ一のみ
② p MK I Tneoベクタ一一 TRAF 5遺伝子全長
③ pMK I Tneoベクタ TRAF 5遺伝子の 233位〜 558位
④ pMK I Tneoベクタ—— LT一 β Ι
⑤ pMK I Tneo ベクタ一一 TRAF 5遺伝子の 233位〜 558位と pMK I Tneo ベクタ一— LT一 /3 R (前者 1 0に対して後者 1の割合)
2) 導入 48時間後、 核內抽出液をそれぞれ 4 μ gずつ抽出した ( 『バイオマ ニュアルシリーズ 5 転写因子研究法』 1 7〜26頁 (羊土社、 1 993年) 参 照) 。
3) NF- /c Bの結合サイ トである下記式 (3) および式 (4) のポリヌクレ ォチドをそれぞれ合成し、 これらを二本鎖にし、 5 ' 末端を Me g a r a b e 1
(登録商標、 宝酒造社製) を用いて32 Pでラベルすることで NF— κ B検出 DN Aプローブを作製した。
式 (3) 5' ATCAGGGACTTTCCGCTGGGGACTT 3'
式 (4) 5' CGGAAAGTCCCCAGCGGAAAAGTCCC 3'
4) 2) の抽出液と 3) で作製したプローブとを 3 7でで 30分間反応させた。
5 ) 反 J心後、 E l e c t r o p h o r e t i c mo b i l i t y s h i f t a s s a y (EM S A) で電気泳動を行い、 N F— K Bの D N A結合能を調 ベた。 結果を図 5に示す。 図 5で、 レーン 1ないし 5は、 上記の発現パターン① ないし⑤に対応している。 「B→」 で示されるバンドが検出用 DNAプローブが 結合した NF— κ Bを示す。 図 5に明らかなように、 TRAF 5分子を発現させ ると、 NF— κ Bが DNAプローブと結合して検出される。 これより、 TRAF 5分子の発現が NF— κ Bの DN A結合の活性化を誘導することが分かる。 また、 LT一 Rの発現のみでも NF— K Bの発現は引き起こされるが、 これに欠失蛋 白質である TRAF 5分子のアミノ酸配列の 233位〜 5 58位を約 1 0倍量加 えるとこの活性化は抑えられることが判明した。 すなわち、 NF— / c Bの DNA 結合活性は TRAF 5分子のアミノ酸 SB列の 233位〜 558位の部分の過剰な 投与により抑えられる。 このことは、 TRAF 5分子の調整によりシグナル伝達 をコント口一ルすることが可能であることを示す。
ぐ実施例 6 >抗体の作製
1. 抗原の作製
TRAF 5分子の一部の配列である下記の二つのぺプチドをぺプチド合成機を 用いて合成した。
配列 1 T R A F 5分子の 351位から 363位までの Ser Val Lsy Gin Arg II e Thr Gin Leu Glu Ala Ser Asp (S VKQR I TQLEASD) の N末端に Cys
(C) を付けた 14 m e rのぺプチド。
配列 2 TRAF 5分子の 401位から 414位までの Cys Tyr Ser Gly Lys Le u lie Trp Lys Val Thr Asp Tyr Arg (CYSGKL I WKVTDYR) の 14 m e rのぺプチド。
2. ポリクローナル抗体の作製
1. で作製したペプチドについて、 それぞれ独立に以下の手順で抗体を作製し た。
1) 合成したペプチド 5 m gを m—マレイミ ドベンゾィルー N—ヒ ドロキシス クシユミ ドエステル (ピアス社製) により 10mgの KLH (和光純薬社製) に 結合させ、 フロインド完全アジュバンド (ディフコ社製) と 1 : 1の割合で混合 してェマルジョンとした。
2) 上記のェマルジヨンを、 ゥサギに 1羽当たりその 6分の 1量を筋肉注射す ることにより免疫した。
3) 同じ操作を 2週間おきに 2回行い、 ゥサギのポリクローナル抗体を調整す る場合には最終免疫より 7日後、 採血して血淸を分離した。
4) 更に血清を 40%飽和硫安により塩析を行い、 プロテイン Aセファロ一ス (フアルマシア社製) を用いたァフィ二ティ一クロマトグラフィにより I gG画 分 (ポリクロ一ナル抗体) を得た。 血清 5 Om lより、 270mgのポリクロー ナル抗体が得られた。
5) ポリク口一ナル抗体の力価の測定を E L I S Aにより以下の方法で行った。 ①抗原液 (配列 1のぺプチドおよび配列 2のぺプチド) それぞれ 25 g Zm
1を 96ウエノレ E L I S Aプレート (Xe n o b i n d、 キセノポア社製) の各 ゥエルに、 50 μ 1 ウエルずつ分注し、 4 でー晚放置した。
②抗原液を捨て、 蒸留水で 4倍に希釈したブロックエース (大日本製薬社製) を各ゥヱルに 200 μ 1ノウエルずつ分注し、 ブロッキングを行い、 室温で 2時 間放置した。
③ブロッキング液を捨て、 160、 320、 640、 1 280、 2560、 5 120、 10240倍希釈ポリクローナル抗体および免疫していない正常ゥサギ 血清それぞれを 8ゥエルへ 100 1 /ゥエルずつ分注し、 室温で 1時間放置し た。
④培養上淸を捨て、 0. 05%ツイ一ン 2 OZPB Sで、 プレートを 4回洗い、 ピオチン化抗ゥサギ I g G抗体 (ベクター社製) を各ゥエルに 50 μ Ι Ζゥヱル ずつ分注し、 室温で 1時間放置した。
⑤ 0. 05%ツイーン 2 OZPB Sでプレートを 4回洗い、 ABC溶液 (アビ ジン—ピオチン化ペルォキシダ一ゼ混合液、 ベクタ一社製) を各ゥエルに 50 μ 1/ゥュルずつ分注し、 30分間反応させた。
©0. 05%ツイ一ン 2 OZP B Sでプレートを 4回洗い、 Η2 02 — OPD ZP CBを各ゥエルに 100 μ 1 ウュルずつ分注して発色させ、 Α490値を 測定した。
この結果を図 7および図 8に示す。 図 7が Κ列 1のぺプチドに対するポリク口 ーナル抗体の EL I S Αの結果を表すグラフであり、 図 8が配列 2のペプチドに 対するポリクローナル抗体の EL I S Aの結果を表すグラフである。 図中、 横軸 は加えたポリクローナル抗体の濃度を、 縦軸は A490値を示す。 配列 1のぺプ チドは二匹のゥサギに免疫して得られたポリクロ一ナル抗体の E L I SAの結果 を表す。 抗体を加えることにより、 A490値が上昇していることより、 該ポリ クロ一ナル抗体が、 抗原と反応していることが分かる。
<実施例 7〉ヒ ト TRAF 5遺伝子のクローニング
1. cDN Aライブラリ一の作製
cDNAライブラリ一の作製は実施例 1の 9. と同様の方法で行った。 ただし、 マウスの単球系細胞株 J 774 A. 1細胞、 Uni— ZAP (登録商標) cDN Aライブラリーキッ ト (ストラタジーン社製) の代わりに、 それぞれ、 ヒ トの H LTV- 1を遺伝子導入した HAT 109細胞 (東京大学医科学研究所の吉田博 士から入手) 、 人 gt 1 1の cDNAライブラリ一キッ ト (ストラタジーン社製) を用いた。
2. cDNAのスクリーニング
配列表の配列番号 2で示される塩基配列のうちの 1646位から 1996位ま での部分の cDNAを、 [ひ32 P]の d CTPを Re d i p r ime ki t アマシャム社製) でラベルした。 この cDNAをプローブとして、 1で作製し た cDN Aライブラリーに、 プラークハイブリダィゼ一シヨン法 ( 『細胞工学実 験プロ 卜コール』 57— 65頁を参照。 ) を用いてスクリ一ニングしこの結果 1 9個の陽性クローンが得られた。 このクローンは全てについて DN Aシーケンス を行い、 各クローンの塩基配列を決定した。 この結果、 該 19種のクローンは 1 つの全長遺伝子の断片であることがわかった。 これらの断片よりヒ ト TRAF5 遺伝子の塩基配列を決定した。 該塩基配列を配列表の配列番号 4に示す。 また、 ヒ卜 TRAF5のアミノ酸配列を配列表の配列番号 3に示す。
また、 19種のクローンのうち、 最長のもの (配列表の配列番号 4の 421位 から 1860位までを含む) を導入した形質転換体大腸菌を工業技術院生命工学 工業技術研究所 (〒305 曰本国茨城県つくば巿朿一丁目 1*3号) に平成 9 年 2月 14曰に寄託した (受託^号 F ERM BP- 582 1 ) 。 なお、 完全長 に満たない部分は他のクローンより情報を得た。
また、 マウス TRAF 5分子の構造 (図 1) と比較して、 各ドメインの位^は、 TRAFドメインが 342〜 557位ロイシンジッパーモチーフ力; 261位〜 3 03位、 Z nフィンガーモチーフが 1 1 1位〜 250位、 RINGフィ ンガーモ チーフが 45位〜 85位であることが分かる。
<実施例 8〉抗体のクロスリアクション
実施例 6で作製した抗マウス T R A F 5抗体の反応性を調べた。
1. 細胞の溶解
まず、 B J AB (バ一キット · リンフォ一マ) 、 HEK 293 (ヒ ト胎児由来 の細胞株) 、 ME 1 80 (c e r v i c a l c a r c i n oma) および F D C一 1 (f o l l i c u l a r d e n d r i t i c細胞) について、 以下のよ うにして細胞を回収後溶解させた。 細胞は各々 1 X 106 個用いた。 細胞溶解液 は、 50 mM T r i s— HC 1、 1 50 mM Na C l、 1 % NP— 40、 5 OmMョ一ドアセトアミ ド、 2mM Mg C 12 、 2 mM C a C 12 、 0. 1 % N a N3 、 1 mM EGTA、 1 mM EDTA、 1 mM N a 3 V04 、 1 mM N a F である。 この細胞溶解液 1 00 μ 1 をそれぞれの細胞のペレツ トに加え、 よく撹拌して該細胞を溶解した。
氷上に 60分間放置した後、 1 5, 000 r pm、 1 0分間の遠心分離を行い、 上清液を回収した。
2. 非特異的結合蛋白質の除去
回収した上淸液に免疫していないゥサギの I gG l mgを CNB r活性化セ ファロース . ビーズ (フアルマシア社製) に結合したビーズ 50 μ 1 を添加した。 4¾で一晚反応後、 1, 500 r pmで 5分間遠心分離を行い非特異的結合蛋白 質を除去した。
3. 電気泳動
2. で得られた液 10 /z 1を、 等量の SDS— PAGEサンプルバッファーお よび 1 μ 1の 2—メルカプトエタノールと混和し、 95^の熱処理を 5分間行つ た後、 5— 20%のグラディエント 'ゲルで電気泳動した。
4. 膜転写
電気泳動後、 トランスブロットシステム (マリソル社製) を用い、 ニトロセル ロース膜に転写した。
5. ブロッキング
ニトロセルロース膜をブロックエース (大日本製薬社製) に浸し、 1時間放置 し、 ブロッキングした。 その後、 0. 05% Twe e n 20ノ PB Sで 5分間、 2回洗浄した。
6. 抗原抗体反応
抗マウス TRAF 5抗体を 1 μ gZm 1 に P B Sで希釈後、 メンブレンに加え、 室温で 2時間反応させた。 その後、 0. 0 5% Twe e n 2 OZPB Sで 5分 間、 3回洗浄した。
7. 発色反応
次いで、 ペルォキシダ一ゼ標識抗ゥサギ I g G (カルタグ社製) を PB Sで 1 000倍希釈した液を、 ニトロセルロース膜に加え、 さらに 1時間反応させた。 その後、 0. 05% Tw e e n 20/P B Sで 5分間、 3回洗浄した。
次いで、 ECLキット (アマシャム社製) の発色液を 5m 1 メンブレンに加え、 さらに 1分間反応させた。 その後、 このニ トロセルロース膜を X線フィルムに 2 0秒間露光し、 現像した後、 写真撮影した。 その結果を図 9に示す。 図 9では、 FDC- 1細胞に約 65 k dの位置にヒ ト TRAF 5分子のパンドが見られる。 このことより、 実施例 4で得られた抗マウス T R A F 5抗体はヒ ト TRAF 5分 子にもクロスリアク トすることが明らかとなった。
<実施例 9 > TRAF会合物質の探索 2
実施例 3の方法と同様にして、 TRAF 5と CD 30との会合を調べた。 また、 TRAF 2 , TRAF 3についても、 同様にして CD 30、 LT—j3Rとの会合 を調べた。 結果を図 10に示す。 図より明らかなように、 TRAF 5は CD 30 と会合すること、 TRAF 2、 TRAF 3とも CD30、 LT一 3Rいずれとも 会合することが分かった。 なお、 図 1 0中 mo c kは何も挿入していないべクタ —プラスミ ドを導入した細胞を示す。
TRAF 1 , TRAF 2、 TRAF 3、 T R A F 4および T R A F 5について、
既知の知見と実施例 3および実施例 5の結果とを合わせて得られるそれらの機能 および構造の特徴を表 1にまとめる。 表中 +は当該特徴を有することを示し、 一 は当該特徴を有さないことを示し、 N. D.はいずれか不明であることを示す。
表 1
産業上の利用の可能性
本発明の TRAFファミ リ一分子は、 TNF— Rフアミ リーの分子の機能の解 明に有用である。 TNF— Rファミリーの分子および TNFは細胞内の分化、 增 羝、 死を引き起こす引き金となる重要な分子群であることから、 TRAFフアミ リー分子を使用し、 その解明を行うことにより、 免疫システムの分化、 癌やアポ トーシスのメカ-ズムの解明に結びつくことと考えられる。
また、 本発明の TRAFファミリー分子は、 LT一 /3 Rからのシグナル伝達の 解明および LT一 /3のシグナルの免疫反応調節剤として有用である。
本発明の抗体により、 体液中や組織中に存在する本発明の TRAFファミリー 分子の検出が可能である。 また、 該抗体により、 本発明の TRAFファミリ一分 子を精製するために使用する抗体カラムの作製、 各分画中の胲 TRAFフアミリ 一分子の検出が可能である。
本発明の抗体の活性フラグメントにより、 キメラ抗体の作製が可能である。 本発明の TRAFフアミリー分子をコ一ドする遺伝子および該遺伝子のアンチ センス鎖の塩基配列を含むことを特徴とするポリヌクレオチド、 その一部および それらの誘導体により、 組織や細胞における TRAFフアミリ一分子をコ一ドす る遣伝子の存在やその発現状況を調べるための研究用および診断用ポリヌクレオ チドプローブが提供される。
また、 本発明の TRAFフアミリ一分子をコ一ドする遺伝子のアンチセンス鎖 の塩基配列を含むことを特徴とするポリヌクレオチド、 その一部およびそれらの 誘導体により、 TRAFファミリ一分子の発現を調節することが可能である。 す なわち、 該 TRAFフアミリ一分子およびその誘導体により、 TRAFファミリ 一分子が関与するシグナル伝達系の疾患や LT— i3 Rや CD 30を介したシグナ ルが関与する疾患の治療薬が提供される。 すなわち、 該ポリヌクレオチドやその 誘導体よりァンチセンス医薬品を開発することが可能である。
配列表
配列番号: 1
配列の長さ : 558
配列の型: アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:蛋白質
配列
Met Ala His Ser Glu Glu Gin Ala Ala Val Pro Cys Ala Phe lie Arg
5 10 15
Gin Asn Ser Gly Asn Ser lie Ser Leu Asp Phe Glu Pro Asp Thr Glu
20 25 30
Tyr Gin Phe Val Glu Gin Leu Glu Glu Arg Tyr Lys Cys Ala Phe Cys
35 40 45
His Ser Val Leu His Asn Pro His Gin Thr Gly Cys Gly His Arg Phe
50 55 60
Cys Gin Gin Cys lie Arg Ser Leu Arg Glu Leu Asn Ser Val Pro lie 65 70 75 80
Cys Pro Val Asp Lys Glu Val lie Lys Pro Gin Glu Val Phe Lys Asp
85 90 95
Asn Cys Cys Lys Arg Glu Val Leu Asn Leu His Val Tyr Cys Lys Asn
100 105 110
Ala Pro Gly Cys Asn Ala Arg lie lie Leu Gly Arg Phe Gin Asp His
115 120 125
Leu Gin His Cys Ser Phe Gin Ala Val Pro Cys Pro Asn Glu Ser Cys
130 135 140
Arg Glu Ala Met Leu Arg Lys Asp Val Lys Glu His Leu Ser Ala Tyr 145 150 155 160
Cys Arg Phe Arg Glu Glu Lys Cys Leu Tyr Cys Lys Arg Asp lie Val
165 170 175
Val Thr Asn Leu Gin Asp His Glu Glu Asn Ser Cys Pro Ala Tyr Pro
180 185 190
Val Ser Cys Pro Asn Arg Cys Val Gin Thr lie Pro Arg Ala Arg Val
195 200 205
Asn Glu His Leu Thr Val Cys Pro Glu Ala Glu Gin Asp Cys Pro Phe
210 215 220
Lys His Tyr Gly Cys Thr Val Lys Gly Lys Arg Gly Asn Leu Leu Glu 225 230 235 240
His Glu Arg Ala Ala Leu Gin Asp His Met Leu Leu Val Leu Glu Lys
245 250 255
Asn Tyr Gin Leu Glu Gin Arg lie Ser Asp Leu Tyr Gin Ser Leu Glu
260 265 270
Gin Lys Glu Ser Lys lie Gin Gin Leu Ala Glu Thr Val Lys Lys Phe
275 280 285
Glu Lys Glu Leu Lys Gin Phe Thr Gin Met Phe Gly Arg Asn Gly Thr
290 295 300
Phe Leu Ser Asn Val Gin Ala Leu Thr Ser His Thr Asp Lys Ser Ala 305 310 315 320
Trp Leu Glu Ala Gin Val Arg His Leu Leu Gin lie Val Asn Gin Gin
325 330 335
Pro Ser Arg Leu Asp Leu Arg Ser Leu Val Asp Ala Val Asp Ser Val
340 345 350
Lys Gin Arg lie Thr Gin Leu Glu Ala Ser Asp Gin Arg Leu Val Leu
355 360 365
Leu Glu Gly Glu Thr Ser Lys His Asp Ala His lie Asn lie Hi s Lys
370 375 380
Ala Gin Leu Asn Lys Asn Glu Glu Arg Phe Lys Gin Leu Glu Gly Ala 385 390 395 400
Cys Tyr Ser Gly Lys Leu lie Trp Lys Val Thr Asp Tyr Arg Val Lys
405 410 415
Lys Arg Glu Ala Val Glu Gly His Thr Val Ser Val Phe Ser Gin Pro
420 425 430
Phe Tyr Thr Ser Arg Cys Gly Tyr Arg Leu Cys Ala Arg Ala Tyr Leu
435 440 445
Asn Gly Asp Gly Ser Gly Lys Gly Thr Hi s Leu Ser Leu Tyr Phe Val
450 455 460
Val Met Arg Gly Glu Phe Asp Ser Leu Leu Gin Trp Pro Phe Arg Gin
465 470 475 480
Arg Val Thr Leu Met Leu Leu Asp Gin Ser Gly Lys Lys Asn Hi s lie
485 490 495
Val Glu Thr Phe Lys Ala Asp Pro Asn Ser Ser Ser Phe Lys Arg Pro
500 505 510
Asp Gly Glu Met Asn lie Ala Ser Gly Cys Pro Arg Phe Val Ser His
515 520 525
Ser Thr Leu Glu Asn Ser Lys Asn Thr Tyr l ie Lys Asp Asp Thr Leu
530 535 540
Phe Leu Lys Val Ala Val Asp Leu Thr Asp Leu Glu Asp Leu
545 550 555 配列番号: 2
配列の長さ : 2 2 5 4
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類: c D N A t o m R NA
配列
GGAACGAGTG TCGAGGCGAA GCAGCCTAGT GCCCGCCGCC GTAGGGCGCC AGCGGAGCTC 60 CGCGAGCCCC GCAAGTGGCG AAGTCCGGGT GAGCTAACCG TCCCGGCTCC TCAGAAACCG 120 AAAGCAACTC AGGGTGGTGA GCCGGAGGCG TGTGTGGTAG CGGGCGAACT GAGGCGACGC 180 GGGACACCCG CGCCCGGCCG AGGGCACTTT TGCAAGACTT GTGAGCACAG CCCGTTAACG 240
TGAGCTTAAT GCCAGGGTCT CGAGCCTGCG CCGGTGCTAT AGCGCGTGCT CGATTGGAAA 300 CAGAACCCGA CTCTGCAGAA GA ATG GCT CAT TCG GAG GAG CAA GCG GCT GTC CCC 355
TGC GCC TTC ATC CGC CAG AAC TCT GGC AAC TCA ATT TCC TTG GAC TTT 403 GAG CCC GAC ACC GAG TAC CAG TTT GTG GAG CAG CTG GAA GAA CGC TAC 451 AAA TGT GCC TTC TGC CAC TCC GTG CTT CAC AAC CCC CAC CAG ACC GGC 499 TGC GGG CAC CGC TTC TGC CAG CAG TGC ATC CGG TCT CTG AGA GAA TTG 547 AAC TCG GTG CCG ATC TGC CCG GTA GAC AAG GAG GTC ATC AAG CCT CAG 595 GAG GTG TTC AAA GAC AAC TGC TGC AAA AGA GAA GTT CTC AAT TTA CAC 643 GTC TAC TGC AAA AAC GCC CCC GGG TGC AAT GCC AGG ATT ATT CTG GGA 691 CGA TTC CAG GAC CAC CTT CAG CAC TGT TCC TTC CAA GCC GTG CCC TGC 739 CCT AAC GAG AGC TGC CGG GAA GCC ATG CTC CGG AAA GAC GTG AAA GAG 787 CAC CTG AGC GCA TAC TGC CGG TTC CGA GAG GAG AAG TGC CTT TAC TGC 835 AAA AGG GAC ATA GTG GTG ACC AAC CTG CAG GAT CAT GAG GAA AAC TCG 883 TGT CCT GCG TAC CCA GTG TCT TGT CCC AAC AGG TGT GTG CAG ACT ATT 931 CCA AGA GCT AGG GTG AAT GAA CAC CTT ACT GTA TGT CCT GAG GCT GAG 979 CAA GAC TGT CCC TTT AAG CAC TAT GGC TGC ACT GTC AAG GGT AAG CGG 1027 GGG AAC TTG CTG GAG CAT GAG CGG GCA GCC CTG CAG GAC CAC ATG CTT 1075 CTG GTT TTA GAG AAG AAC TAC CAA CTA GAA CAG CGG ATC TCT GAT TTA 1123 TAT CAG AGT CTC GAA CAG AAG GAA AGC AAG ATC CAG CAG CTG GCA GAA 1171 ACC GTG AAG AAG TTC GAA AAG GAG CTT AAG CAG TTC ACA CAG ATG TTT 1219 GGC AGA AAT GGA ACT TTC CTC TCA AAT GTC CAG GCT CTC ACC AGT CAC 1267 ACG GAC AAG TCA GCT TGG CTG GAA GCG CAG GTG CGG CAT CTG CTA CAA 1315 ATA GTT AAC CAG CAG CCA AGT CGA CTT GAT CTG AGG TCT TTG GTG GAT 1363 GCG GTT GAC AGC GTG AAA CAG AGG ATC ACC CAG CTG GAA GCC AGT GAC 1411 CAG AGA TTA GTT CTT TTA GAG GGG GAG ACC AGC AAG CAC GAC GCA CAC 1459 ATT AAT ATC CAC AAA GCA CAG CTG AAT AAG AAC GAA GAG CGG TTT AAG 1507
CAG CTG GAG GGC GCC TGC TAC AGT GGC AAG CTC ATC TGG AAG GTG ACA 1555
GAT TAC AGG GTG AAG AAG AGG GAG GCC GTG GAG GGG CAC ACA GTG TCC 1603
GTC TTC AGC CAG CCT TTC TAC ACC AGC CGC TGC GGC TAC CGG CTC TGT 1651
GCC AGG GCG TAC CTG AAC GGG GAC GGG TCG GGG AAG GGA ACG CAC CTG 1699
TCC CTG TAC TTT GTG GTG ATG CGC GGT GAG TTT GAC TCG CTG CTG CAG 1747
TGG CCG TTC AGG CAG AGG GTG ACC CTG ATG CTT TTG GAC CAG AGC GGC 1795
AAG AAG AAC CAT ATT GTG GAG ACC TTC AAA GCT GAC CCC AAC AGC AGC 1843
AGC TTC AAA AGG CCA GAT GGC GAG ATG AAC ATT GCC TCT GGC TGT CCC 1891
CGC TTT GTG TCG CAC TCT ACT CTG GAG AAC TCC AAG AAC ACC TAC ATT 1939
AAA GAC GAC ACA CTG TTC TTG AAA GTG GCC GTG GAT TTA ACT GAC TTG 1987
GAG GAT CTG TAG TGTTACCTGA TAAGGAAACT TCTCAGCACA GGAAAAGGTG 2039
TGGCTGTCCC TTGGGCGCAG CCCTCTGGAC TGAGCAGGCT CTTGTTCTTG TCTTCCTGCC 2099
TCCGATGTCT GATGTGTCAT CTTTTTATCT TGGATCCTTC CCTGGTTTGA AACTTTAAAC 2159
TCTTGAAATA TTGCTGTTAT TTATATTTTT GTATCTTCCA AAAAATTATA ATAATTTGAC 2219
AACCCAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAA 2254 配列番号: 3
E列の長さ : 5 5 7
配列の型: アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:蛋白質
列
Met Ala Tyr Ser Glu Glu His Lys Gly Met Pro Cys Gly Phe lie Arg
5 10 15
Gin Asn Ser Gly Asn Ser lie Ser Leu Asp Phe Glu Pro Ser lie Glu
20 25 30
Tyr Gin Phe Val Glu Arg Leu Glu Glu Arg Tyr Lys Cys Ala Phe Cys
35 40 45
His Ser Val Leu His Asn Pro His Gin Thr Gly Cys Gly His Arg Phe
50 55 60
Cys Gin His Cys lie Leu Ser Leu Arg Glu Leu Asn Thr Val Pro lie 65 70 75 80
Cys Pro Val Asp Lys Glu Val lie Lys Ser Gin Glu Val Phe Lys Asp
85 90 95
Asn Cys Cys Lys Arg Glu Val Leu Asn Leu Tyr Val Tyr Cys Ser Asn
100 105 110
Ala Pro Gly Cys Asn Ala Lys Val lie Leu Gly Arg Tyr Gin Asp His
115 120 125
Leu Gin Gin Cys Leu Phe Gin Pro Val Gin Cys Ser Asn Glu Lys Cys
130 135 140
Arg Glu Pro Val Leu Arg Lys Asp Leu Lys Glu His Leu Ser Ala Ser 145 150 155 160
Cys Gin Phe Arg Lys Glu Lys Cys Leu Tyr Cys Lys Lys Asp Val Val
165 170 175
Val lie Asn Leu Gin Asn His Glu Glu Asn Leu Cys Pro Glu Tyr Pro
180 185 190
Val Phe Cys Pro Asn Asn Cys Ala Lys lie lie Leu Lys Thr Glu Val
195 200 205
Asp Glu His Leu Ala Val Cys Pro Glu Ala Glu Gin Asp Cys Pro Phe
210 215 220
Lys Hi s Tyr Gly Cys Ala Val Thr Asp Lys Arg Arg Asn Leu Gin Gin
225 230 235 240
His Glu His Ser Ala Leu Arg Glu His Met Arg Leu Val Leu Glu Lys
245 250 255
Asn Val Gin Leu Glu Glu Gin lie Ser Asp Leu His Lys Ser Leu Glu
260 265 270
Gin Lys Glu Ser Lys l ie Gin Gin Leu Ala Glu Thr l ie Lys Lys Leu
275 280 285
Glu Lys Glu Phe Lys Gin Phe Ala Gin Leu Phe Gly Lys Asn Gly Ser
290 295 300
Phe Leu Pro Asn lie Gin Val Phe Ala Ser Hi s lie Asp Lys Ser Ala 305 310 315 320
Trp Leu Glu Ala Gin Val Hi s Gin Leu Leu Gin Met Val Asn Gin Gin
325 330 335
Gin Asn Lys Phe Asp Leu Arg Pro Leu Met Glu Ala Val Asp Thr Val
340 345 350
Lys Gin Lys lie Thr Leu Leu Glu Asn Asn Asp Gin Arg Leu Ala Val
355 360 365
Leu Glu Glu Glu Thr Asn Lys His Asp Thr His lie Asn lie Hi s Lys
370 375 380
Ala Gin Leu Ser Lys Asn Glu Glu Arg Phe Lys Leu Leu Glu Gly Thr 385 390 395 400
Cys Tyr Asn Gly Lys Leu li e Trp Lys Val Thr Asp Tyr Lys Met Lys
405 410 415
Lys Arg Glu Ala Val Asp Gly His Thr Val Ser lie Phe Ser Gin Ser
420 425 430
Phe Tyr Thr Ser Arg Cys Gly Tyr Arg Leu Cys Ala Arg Ala Tyr Leu
435 440 445
Asn Gly Asp Gly Ser Gly Arg Gly Ser His Leu Ser Leu Tyr Phe Val
450 455 460
Val Met Arg Gly Glu Phe Asp Ser Leu Leu Gin Trp Pro Phe Arg Gin
465 470 475 480
Arg Val Thr Leu Met Leu Leu Asp Gin Ser Gly Lys Lys Asn lie Met
485 490 495
Glu Thr Phe Lys Pro Asp Pro Asn Ser Ser Ser Phe Lys Arg Pro Asp
500 505 510
Gly Glu Met Asn li e Ala Ser Gly Cys Pro Arg Phe Val Ala Hi s Ser
515 520 525
Val Leu Glu Asn Ala Lys Asn Ala Tyr lie Lys Asp Asp Thr Leu Phe
530 535 540
Leu Lys Val Ala Val Asp Leu Thr Asp Leu Glu Asp Leu
545 550 555 配列番号: 4
配列の長さ : 2 8 9 4
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類: c D NA t o m R N A
配列
CTTGTTGTGC CTGACGGAAG AGCAAGACGG CCACAATTCA GACGCACGTG AGGGAAATCA 60 GATGACTGGA CTTGTAGATA CTAACGGTTC TGAAGCGGA 99 ATG GCT TAT TCA GAA GAG CAT AAA GGT ATG CCC TGT GGT TTC ATC CGC 147
09
S6ET 001 0V3 3DV Dli OIV 331 Did VOV OVO 300 IVO 019 930 OVO VDV OW
Ln\ 3VV OIV OW DVI IVO V3V 010 OW 091 iiV 313 OW V90 IVV IVl 301 662T 13V 100 9VD 010 013 VW 111 VOO OVO VV9 IVV VW 10V 013 OVD V30
\SZ\ WV IVO IIV IVV IIV 3V3 33V IVO IVO VW OW 13V WO OVO VVO VLL Zl 110 333 ViX VOV W3 IVO IW DVV WO VIO 013 33V iiV VW 0V3 VW 9ST 1 910 VOV IVO 110 VOO WO OIV Oil 133 VOV 010 OVO 111 WV XW W3
LOU WD OVD OW 110 01V WD VII VII W3 IVD 010 VVO 130 VVO VIO 001
6S0T 100 VOX OW 3V0 XXV 3V3 XOV 333 ill 丄丄 3 0V3 OIV OW V33 3X3 311
ΠΟΐ 30V VOO IW WV 300 1X1 Oli 0V3 VDO 111 DVD OW Oil DVO 9W WO
E96 113 VW OW ViV 13V VV9 VOO VXD OVD 9VD DIV VW 10V VVO VW OVD
SI 6 W9 ViO 30V DVV 3V3 Vll 3V0 131 IiV OVO W9 VVO VII VVD 310 丄
L9S OW VVO Vll 110 Oil IDD OIV DVD 9V0 0ΰ3 VII 300 VOL IVD 9V0 IVD
618 WO OVD 0X3 DVV OOV 9D3 VW 1V9 03V VI9 130 131 300 IVI 3VD OW
IZZ 111 133 101 DVO VVO DVO 1D9 WO 133 101 VIO X09 913 DVD VVO XVO
VIO OVO IDV WV VI3 丄丄 V IXV OW 030 101 IVV DW 333 XOl 1X1 VXO
SZ,9 V33 DVI W9 133 101 Oil DVV WO 0V9 XV3 IVV OVD VI3 IVV DIV 310
LZ9 VIO 910 XVO DVV VW 301 IVI HO 30X VW OW VOO lil OVD 丄; XL
6 9 DDI 039 IOV 911 IVD OVO VW 013 OVO VW D93 VXD 3X9 VD3 9V9 D03
1£9 301 DW OVO 丄 VV 101 101 0V3 DID IDO VV3 111 VII DOX OVO OVD 丄丄 0 £8 DVO IV9 OVO DVI 003 300 013 IXV 119 9W 300 IW 101 VDO I3D 130
S IVV 3DV 301 IVI VXO IVl VXl DVV 313 319 W9 VOV VW 301 101 IW
Z8£ 3V0 VW ill 110 9V0 OVO XDI WV OXV 310 OVO VW IVO VIO 133 3丄
6£E DIV VOD OXO VOV OW Vll VVO VOV 9XD DDL 010 OIV DOI OVD 9V3 301
Ϊ6Ζ Oil 3D3 3V3 090 IOX VOO VOV 0V3 DVO 333 3VV DVD 113 910 031 3V3
301 311 030 101 VW OVX DOO OVO WO Oil OOD 3V3 019 XII 9 3 OVX
961 OVO VIV I9V ODD OVO 111 3V0 Oil DDI IIV 331 DW 093 DDI IW OVO
7IS00/Z.6dT/X3«[ 0lTie/£6 OAV
TTC TAC ACC AGC CGC TGT GGC TAC CGG CTC TGT GCT AGA GCA TAC CTG 1443
AAT GGG GAT GGG TCA GGG AGG GGG TCA CAC CTG TCC CTA TAC TTT GTG 1491
GTC ATG CGA 1500
GGAGAGTTTG ACTCACTGTT GCAGTGGCCA TTCAGGCAGA GGGTGACCCT GATGCTTCTG 1560
GACCAGAGTG GCAAAAAGAA CATTATGGAG ACCTTCAAAC CTGACCCCAA TAGCAGCAGC 1620
TTTAAAAGAC CTGATGGGGA GATGAACATT GCATCTGGCT GTCCCCGCTT TGTGGCTCAT 1680
TCTGTTTTGG AGAATGCCAA GAACGCCTAC ATTAAAGATG ACACTCTGTT CTTGAAAGTG 1740
GCCGTGGACT TAACTGACCT GGAGGATCTC TAGTCACTGT TATGGGGTGA TAAGAGGACT 1800
TCTTGGGGCC AGAACTGGAG GAGAGCACAT TTGATTATCA TATTGACCTG GATTTAGACT 1860
CAAAGCACAT TTGTATTTGC CTTTTTCCTT AACGTTTGAA GTCAGTTTAA AACTTCTGAA 1920
GTGCTGTCTT TTTACATTTT ACTCTGTCCC AGTTTGAAAC TTAAAACTCT TAGAATATTC 1980
TCTTATTATT TATATTTTTA TATTTCTTGA AAGATGGTAA GTTTCTTGAA GTTTTTGGGG 2040
CGTTTCTCTT TTACTGGTGC TTAGCGCAGT GTCTCGGGCA CTCTAAATAT TGAGTGTTAT 2100
GGAGGACACA GAGGTAGCAG AATCCCAGTT GAAAATGTTT TGATATTTTA TTGTTTGGCC 2160
TATTGATTCT AGACCTGGCC TTAAGTCTGC AAAAGCCATC TTTATAAGGT AGGCTGTTCC 2220
AGTTAAGTAG TGGGTGATGT AGTTACAAAG ATAATATGCT CAGTTTGGAC CTTTTTTTCA 2280
GHAAATGCT AAATATATGA AAATTACTAT ACCTCTAAGT ATTTTCATGA AATTCACCAG 2340
CAGTTTGCAA GCACAGTTTT GCAAGGCTGC ATAAGAACTG GTGAATGGGG TAAGCATTTT 2400
CATTCTTCCT GCTGAAGTAA AGCAGAAAGT ACTGCATAGT ATATGAGATA TAGCCAGCTA 2460
GCTAAAGTTC AGATTTTGTT AGGTTCAACC CTATGAAAAA AACTATTTTC ATAGGTCAAA 2520
AATGGTAAAA AATTAGCAGT TTCATAAGAT TCAACCAAAT AAATATATAT ATACACACAC 2580
ACATACATAT ACACCTATAT ATGTGTGTAT ACAAACAGTT CGAATGTATT TTGGTGACAG 2640
TAATAAATCA ATGTGAGGAT GGATAGAATT TAGTATATGA TAGAGAAAAT GTCATAAATG 2700
GATAAAAGGA ATTTACAACT TGAGGAGAAA ACCTTTACAA TTTCCTATGG GTGTCAGAAG 2760
TACTCTCAGC GAAAACTGAT GGCTAAAACA GTATCTACTA TTCTCTGATA ACTTTTTTTC 2820
TGAGACAGAG TTTCATTGTC ACCCAGGCTG GAGTACAGTG GCATGATCTC AGCTCACTGC 2880
AAACTCTGCC TCCC 2894
配列番号: 5
配列の長さ : 42
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類: cDNA t o mRNA
配列
AATTGATGTA CCCATAGGAT GTTCCAGATT ACGCTGAATT CC 42 配列番号: 6
配列の長さ : 42
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類: cDNA t o mRNA
配列
TCGAGGAATT CAGCGTAATC TGGAACATCG TATGGGTACA TC 42