明細書 肝癌において顕著に発現される新規な蛋白質、 それをコードする遺伝子、 それ に対する抗体、 並びに該発現を検出する方法 技術分野
本発明は、 肝癌において発現が顕著な蛋白質、 該蛋白質をコードする遺伝子、 該蛋白質に対する抗体、 並びに該蛋白質又は該遺伝子の発現を検出する方法に関 する。 背景技術
癌の発症は遺伝子の何らかの異常によって起こることが知られており、 特に、 遺伝子の転写レベルでの変動異常が癌の発症の主たる原因と考えられている ( 『S c i e n c e』 Vo l . 222、 1 983年、 p p 765〜77 1) 。 癌の 発症機構の解明のため、 発癌過程で発現状態が変化する蛋白質およびそれをコー ドする遣伝子、 または、 組織間で発現状態が変化する蛋白質およびそれをコード する遣伝子の取得は 1 980年頃よりさかんに行われてきた。 例えば、 癌組織を 生化学的に分析し正常組織との違いを探し出すことで取得された癌特異的な蛋白 質である α- フエトプロテインや CE Αの存在が知られている。
これらの物質の同定には、 癌組織に対するモノクローナル抗体を作製し、 得ら れたモノクローナル抗体の中から、 癌組織にのみ反応する抗体を選別し、 次いで このモノクローナル抗体に反応する抗原となるべき物質を同定していく方法が用 いられてきた。
これらの方法により得られる情報は、 ほとんどが蛋白質に関するもので、 遗伝 子は直接には得られない。 そのため得られた蛋白質からの遺伝子の取得は、 遗伝 子工学的な手法を用いて、 遣伝子ライブラリーと呼ばれる遺伝子の集団から選択
する方法が用いられていた。
具体的には、 この選択方法は、 『Mo l e c u l a r C l o n i n g S e c o n d n d i t i o n』 (C o l d S p r i n g Ha r D O T L a b o r a t o r y P r e s s、 1 989年) c h a p t e r 8, 9, 1 2に示さ れるように、 得られた蛋白質の情報をもとに遺伝子プローブと呼ばれるものを作 製し、 この遺伝子プローブに対応する遺伝子を遺伝子ライブラリ一よりコロニー プラークハイブリダィゼーシヨンという方法により取得するものである。
また、 同書 c h a p t e r 8, 9, 1 1, 1 2にはモノクローナル抗体を用い て遺伝子ライブラリ一から目的とする遺伝子をスクリーニングする方法が示され ている。
しかしながらこれらの方法を用いることでは、 目的とする蛋白質が量的に多い こと、 あるいは、 モノクローナル抗体を用いる場合には抗原蛋白質が細胞表面の ものでありかつ抗原性の高いものであることが必要条件となっているため、 これ らに該当しない蛋白質は、 取得することが非常に困難であり、 従ってその蛋白質 をコードする遗伝子の取得も非常に困難であった。
本発明は、 以上説明した従来のいくつかの公知の方法ではなく、 全く異なる方 法を用いることで、 肝痛組織での発現が正常肝組織に比べて上昇している遺伝子 を単離するものである。
すなわち、 本発明は、 発癌過程で発現が増加する新規な蛋白質、 該蛋白質をコ ードする新規な遗伝子及び該蛋白質に対する抗体の提供を目的とするものである。 また、 本発明は、 該蛋白質、 該遗伝子の発現を検出することにより、 肝癌の発 症及び進行程度をモニターする方法を提供することを目的とするものである。 発明の開示
本発明者は、 前記の目的を達成するために、 鋭意検討を重ねた結果、 サブトラ クション法を用いてラット肝癌に特異的に発現している遺伝子を抽出し、 ドッ ト
スクリーニング法を用いて肝癌で発現が増加する遺伝子を単離した。 そして、 肝 癌 c DNAライブラリ一から該遺伝子の完全長の c DNAを得て、 該遺伝子の塩 基配列を決定した。 さらに、 該遺伝子がコードするアミノ酸配列を決定した。 また、 ノーザンブロットハイブリダィゼ一ション法により該 c DNAが肝癌特 異的な遺伝子であることを確認した。 さらに、 該 c DN Aがコードする蛋白質を 組み換え体大腸菌に発現させ、 該蛋白質が天然物と同じ機能を有することを確認 した。
上記の手段により、 肝癌に特異的な新規なラットの蛋白質 CRT I (又は HT Fと呼ぶ) 、 HR P I及び GAD I I (又は C SADと呼ぶ) 及びそれらの蛋白 質をコードする遺伝子を単離した。 また、 肝癌に特異的な新規なヒ トの蛋白質 G AD I I及びそれをコードする遺伝子を単離した。
さらに、 上記蛋白質を該蛋白質が由来する種以外のヒ トを除く哺乳動物に免疫 し、 該蛋白質に対する抗体を作製し、 該蛋白質の抗原性を確認した。
また、 上記の遺伝子、 CRT I遺伝子、 HR P I遺伝子及び GAD I I遺伝子 がラット及びヒ トの各組織からノーザンブロッ トハイブリダィゼ一シヨン法によ り検出されることを見いだした。
そして、 これらの知見より、 前記抗体を用いて前記蛋白質の発現を検出するこ とにより、 癌、 特に肝癌の発症及び進行程度のモニタが可能であることを明らか にした。 また、 前記蛋白質をコードする遺伝子を検出することで癌、 特に肝癌の 発症、 及び進行程度のモニタが可能であることを明らかにした。 図面の簡単な説明
図 1 A及び 1 Bは、 実施例 1で肝癌からサブトラク ト法により得た遺伝子ライ ブラリ一から抽出した DNAをメンブランに固定し、 ドッ トブロットスクリ一二 ングを行った結果を表す図である。 図 1 Aは、 肝癌 p o l yA RNAより作製 した c DN Aプローブでスク リーニングを行った結果を表す図であり、 図 1 Bは、
正常肝臓 p o 1 y A RNAより作製した c DNAプローブでスクリ一エングし た結果を表す図である。 矢印 1は、 肝癌で発現の増加する遣伝子のドットであり、 矢印 2は、 肝癌で発現の増加する遺伝子のドットである。
図 2 A及び 2 Bはそれぞれ、 実施例 3および 4において作製したプローブ (そ れぞれプローブ A及びプローブ B) を用いて、 ラッ ト正常肝臓と 7力月肝癌を用 いた系において、 ノーザンブロットハイブリダィゼーシヨン法による解析結果を 示す写真であり、 左が正常肝 (n o rma 1 ) を示し、 右欄が肝癌 (HCC) を 示す。
図 3は、 実施例 3、 実施例 14及び実施例 16で使用した p ET3 aベクター を表す図である。 で取得した CRT I—B遗伝子を導入するに用いたヒスチジン タグを導入した p ET 3 aベクタ一を示す図である。
図 4は、 ヒ ト肝臓癌組織及び同一患者の非癌部肝臓組織からそれぞれ全 RN A を調製し、 それらのゲル電気泳動を用いたノーザンブロッ トハイブリダィゼ一シ ヨン法による解析結果を示す写真である。 レーン' 1が、 ヒ ト肝癌 RNA、 レーン 2がヒ ト非癌部 RNA (同じ患者の正常部分) を泳動した結果である。 矢印で示 したバンドが目的のバンドである。
図 5は、 実施例 1で作製した各種肝癌組織のウェスタンプロッ ト (蛋白レベル 分析) の結果を示す写真である。 右より、 マ一カー (ラダーの分) 、 r e c (ポ ジチブコントロール、 実施例 4で作成した CRT I ) 、 N (ノーマル肝) 、 1
(発癌後 1月肝) 、 3 (発痛後 3月肝) 、 5 (発癌後 5月肝) 、 7 (発癌後 7月 肝) である。
図 6は、 ヒ ト各種瘙細胞を用いたウェスタンブロッ 卜の結果を示す写真である。 右からポジチブコントロール、 L i 21、 L i HM、 L i NM (以上ヒ ト肝癌細 胞) 、 RERF (ヒ ト肺癌細胞) 、 AZ (ヒ ト胃癌細胞) 、 He c 1 (ヒ ト子宮 癌細胞) 、 A l e x (ヒ ト肝癌細胞) 、 MEWO (ヒ トメラノーマ) 、 P a C a (ヒ トすい臓癌細胞) である。 図中矢印で示されたバンドが CRT Iである。
図 7は、 CRT I遺伝子のラット組織間分布の、 ノーザンプロットハイブリダ ィゼーション法による結果を示す写真である。 図中矢印で示されたバンドが CR T I遺伝子由来のバンドである。
図 8は、 CRT I遺伝子のヒ ト組織間分布のノーザンブロッ トハイブリダィゼ ーシヨ ン法による結果を示す写真である。 矢印で示されたバンドが CRT I遺伝 子由来のバン ドであり、 レーン番号 1は心臓 (Heart)、 2は脳(Brain)、 3は胎 盤(Placenta)、 4は肺(Lung)、 5は肝臓(Liver)、 6は骨格筋(Skeltal Muscle)、 7は臂臓(Kidney)、 8はすい臓(Pancreas)を示す。
図 9は、 正常肝臓及び肝癌の mRNAについて、 HRP I遺伝子をプローブと してノーザンプロットハイブリダィゼーシヨン法による解析を行った結果を表す 図である。 レーン 1は、 正常肝臓の mRNAのレーン、 レーン 2は、 DEN投与 12時間後の肝臓の mRNAのレーン、 レーン 3は、 DEN投与 24時間後の肝 臓の mRNAのレーン、 レーン 4は、 DEN投与 48時間後の肝臓の mRNAの レーン、 レーン 5は、 DEN投与 1力月後の肝癌の mRNAのレーン、 レーン 6 は、 D EN投与 3力月後の肝癌の mRNAの ン、 レーン 7は、 DEN投与 5 力月後の肝癌の mRNAのレーン、 レーン 9は、 DEN投与 7力月後の肝癌の m RNAのレーンであり、 矢印 9は、 HR P I mRNAのバンドの位置を表す。 図 10は、 正常肝臓及び肝癌の mRNAについて、 GAD I I遺伝子をプロ一 ブとしてノーザンブロットハイブリダィゼーション解析を行った結果を表す図で ある。 レーン 1は、 正常肝臓の mRNAのレーン、 レーン 2は、 DEN投与 12 時間後の肝臓の mRNAのレーン、 レーン 3は、 DEN投与 24時間後の肝臓の mRNAのレーン、 レーン 4は、 DEN投与 48時間後の肝臓の mRNAのレー ン、 レーン 5は、 DEN投与 1力月後の肝癌の mRNAのレーン、 レーン 6は、 DEN投与 3力月後の肝痛の mRNAのレーン、 レーン 7は、 DEN投与 5力月 後の肝癌の mRNAのレーン、 レーン 8は、 DEN投与 7力月後の肝癌の mRN Aのレーンであり、 矢印 9は、 GAD I I mRNAのバンドの位置を表している。
図 1 1は、 組み換え体 HRP I部分蛋白質について SDS— PAGE電気泳動 を行った結果を表す図である。 レーン 1は、 組み換え体大腸菌で作製された蛋白 質のレーン、 レーン 2は、 精製組み換え体 HR P I部分蛋白質のレーンであり、 矢印 3は、 HRP I部分蛋白質のバンドの位置を表している。
図 1 2は、 実施例 15で使用した pB 1 u e b a c I I Iベクターを表す図で ある。
図 1 3は、 組み換え体 HP R Iを SD S— PAGE電気泳動を行った結果を表 す図である。 レーン 1は、 野生の S f 9細胞が発現する蛋白質のレーン、 レーン 2は、 組み換え体 S f 9細胞が発現する蛋白質のレーンであり、 矢印 3は、 組み 換え体 HR P Iのバンドの位置を表している。
図 14は、 組み換え体 GAD I Iを 10%SDS— PAGE電気泳動を行った 結果を表す図である (レーン 1) 。 矢印は、 組み換え体 GAD I Iのバンドの位 置を表している。
図 1 5A及び 1 5Bは、 HRP I全長蛋白質を含む試料と抗 H R P I抗体とを 反応させウェスタンプロッ ト解析を行った結果を表す図である。 図 15Aは、 組 み換え体 HRP I全長蛋白質を含む試料と抗 HRP I抗体とを反応させウェスタ ンブロット解析を行った結果を表す図であり、 図 15 Bは、 ラット肝臓抽出液と 抗 HR P I抗体とを反応させウェスタンプロッ ト解析を行った結果を表す図であ る。 図 15 A中のレーン 1は、 組み換え体 HRP Iを泳動したレーンであり、 レ ーン 2は、 肝瘙組織抽出液を泳動したレーンであり、 矢印 3は組み換え体 HRP Iのバンドの位置を表す。 図 15B中の、 レーン 4は、 正常肝臓抽出液を泳動し たレーンであり、 レーン 5は、 DEN投与 7力月後の肝癌抽出液を泳動したレー ンであり、 矢印 6は HR P Iのバンドの位置を表す。
図 1 6は、 HR P I遺伝子の各臓器での発現を表す図である。 レーン 1は、 心 臓の mRNAを泳動したレーン、 レーン 2は、 脳の mRNAを泳動したレーン、 レーン 3は、 脾臓の mRNAを泳動したレーン、 レーン 4は、 肺の mRNAを泳
動したレーン、 レーン 5は、 肝臓の mRNAを泳動したレーン、 レーン 6は、 骨 格筋の mRNAを泳動したレーン、 レーン 7は、 腎臓の mRNAを泳動したレ一 ン、 レーン 8は、 精巣の mRNAを泳動したレーンであり、 矢印 9は、 HRP I mRNAのバンドの位置を表している。
図 1 7は、 GAD I I遣伝子の各臓器での発現を表す図である。 レーン 1は、 心臓の mRNAを泳動したレーン、 レーン 2は、 脳の mRNAを泳動したレーン、 レーン 3は、 脾臓の mRNAを泳動したレーン、 レーン 4は、 肺の mRNAを泳 動したレーン、 レーン 5は、 肝臓の mRNAを泳動したレーン、 レーン 6は、 骨 格筋の mRNAを泳動したレーン、 レーン 7は、 贅臓の mRNAを泳動したレ一 ン、 レーン 8は、 精巣の mRNAを泳動したレーンであり、 矢印 9は、 GAD I I mRNAのバン ドの位置を表している。 発明を実施するために最良の形態
本発明は、 肝癌組織での発現が正常肝組織に比べて上昇している蛋白質、 それ らをコードする遺伝子、 それらに特異的な抗体並びに、 それらの蛋白質及び遗伝 子を検出することによるガンのモニタ一方法である。
本発明の特徴は、 以下の通りである。
1. 配列表の配列番号 1に記載のアミノ酸配列で表される蛋白質である。
2. 配列表の配列番号 1に記載のアミノ酸配列において 1もしくは複数のアミ ノ酸が付加、 欠失もしくは置換されているアミノ酸であって、 かつ該蛋白質の肝 臓組織における発現が、 正常細胞に比べてガン細胞において增加していることを 特徴とする蛋白質である。
3. サブトラクシヨン法によって検出されうるレベルにて、 該蛋白質をコード する mRNAが正常細胞に比べてガン細胞において増加していることを特徴とす る前記 2に記載の蛋白質である。
4. 前記 1〜3のいずれか一つに記載の蛋白質をコードする塩基配列を含んで
なる DNAである。
5. 前記 1〜3のいずれか一つに記載の蛋白質の少なく とも一部をコードする 塩基配列を含んでなる DNAであって、 かつ該 DNAが該蛋白質の全部をコード する RNAとハイブリダイズすることを特徴とする DN Aである。
6. 配列表の配列番号 2で表される塩基配列を含む D N Aである。
7. 配列表の配列番号 2で表される塩基配列の 500番目の Aから 2520番 目の Aまでの塩基配列を含む DN Aである。
8. 配列表の配列番号 2で表される塩基配列の 51 5番目の Aから 131 5番 目の Cまでの塩基配列を含む D N Aである。
9. 配列表の配列番号 2で表される塩基配列の 1番目の Cから 499番目の T までの塩基配列を含む DN Aである。
10. 前記 1〜3のいずれか一つに記載の蛋白質をコ一ドする塩基配列のうち の連続する 12塩基以上から成り且つ GC含有率が 30〜 70%である DNAで ある。
1 1. 前記 1〜3のいずれか一つに記載の蛋白質をコードする塩基配列のうち の連続する 16塩基以上から成り且つ GC含有率が 30〜70%である DNAで ある。
12. 配列表の配列番号 2で表される塩基配列のうちの連続する 12塩基以上 から成り且つ GC含有率が 30〜 70%でぁる0 でぁる。
13. 配列表の配列番号 2で表される塩基配列のうちの連続する 16塩基以上 から成り且つ GC含有率が 30〜 70%でぁるDNAでぁる。
14. 化学修飾された 4〜13のいずれか一つに記載の DN Aである。
15. 前記 4〜13のいずれか一つに記載の DNAのアンチセンス DNAであ る。
16. 前記 1〜3のいずれか一つに記載の蛋白質をコードする塩基配列を含ん でなる RN Aである。
17. 前記 1〜3のいずれか一つに記載の蛋白質をコードする塩基配列のうち の連続する 1 2塩基以上から成り且つ GC含有率が 30〜 70%である RNAで ある。
18. 前記 1〜3のいずれか一つに記載の蛋白質をコードする塩基配列のうち の連続する 1 6塩基以上から成り且つ GC含有率が 30〜70%である RNAで ある。
19. 化学修飾された前記 16〜18のいずれか一つに記載の RNAである。
20. 前記 16〜 18のいずれか一つに記載の RN Aのアンチセンス RN Aで ある。
21. 前記 1〜 3のいずれか一つに記載の蛋白質に特異的に反応する抗体であ る。
22. ヒ ト CRT I及びラッ トの CRT Iに反応することを特徴とする前記 2 1に記載の抗体である。
23. 前記 1~3のいずれかに記載の蛋白質を検出する方法であって、 前記 2 1又は 22に記載の抗体を用いる方法である。
24. 哺乳動物の組織中に存在する前記 1〜 3のいずれか一つに記載の蛋白質 を前記 21又は 22に記載の抗体を用いて検出することを特徴とする、 ガンの検 出方法である。
25. 該哺乳動物の組織が肝臓組織であることを特徴とする前記 24に記載の ガンの検出方法である。
26. 前記 1〜3のいずれか一つに記載の蛋白質をコ一ドする RNAを検出す る方法であって、 前記 4〜 14のいずれかに記載の DNAをプローブとして用い ることを特徴とする検出方法である。
27. 哺乳動物の組織中に存在する前記 1〜 3のいずれか一つに記載の蛋白質 をコ一ドする RN Aを前記 4〜 14のいずれかに記載の DN Aをプローブとして 用いて検出することを特徴とする、 ガンの検出方法である。
28. 該哺乳動物の組織が肝臓組織であることを特徴とする前記 27に記載の ガンの検出方法である。
29. 配列表の配列番号 3に記載のアミノ酸配列で表される蛋白質である。
30. 配列表の配列番号 3に記載のァミノ酸配列において 1もしくは複数のァ ミノ酸が付加、 欠失もしくは置換されているアミノ酸であって、 かつ該蛋白質の 肝臓組織における発現が、 正常細胞に比べてガン細胞において増加していること を特徴とする蛋白質である。
31. サブトラクシヨン法によって検出されうるレベルにて、 該蛋白質をコ一 ドする mRNAが正常細胞に比べてガン細胞において増加していることを特徴と する前記 30に記載の蛋白質である。
32. 前記 29〜31のいずれか一つに記載の蛋白質をコードする塩基配列を 含んでなる DN Aである。
33. 前記 29〜31のいずれか一つに記載の蛋白質の少なくとも一部をコ一 ドする塩基配列を含んでなる DN Aであって、 かつ該 DN Aが該蛋白質の全部を コ一ドする RNAとハイプリダイズすることを特徴とする DNAである。
34. 配列表の配列番号 4で表される塩基配列を含む D N Aである。
35. 配列表の配列番号 4で表される塩基配列の 25番目の Aから 924番目 の Gまでの塩基配列を含む DN Aである。
36. 前記 29〜31のいずれか一つに記載の蛋白質をコ一ドする塩基配列の うちの連続する 12塩基以上から成り且つ GC含有率が 30〜 70%である DN Aである。
37. 前記 29〜31のいずれか一つに記載の蛋白質をコードする塩基配列の うちの連続する 16塩基以上から成り且つ GC含有率が 30〜 70%である DN Aである。
38. 配列表の配列番号 4で表される塩基配列のうちの連続する 12塩基以上
から成り且つ GC含有率が 30〜70%である DNAである。
39. 配列表の配列番号 4で表される塩基配列のうちの連続する 16塩基以上 から成り且つ GC含有率が 30〜 70%である DNAである。
40. 化学修飾された前記 32〜39のいずれか一つに記載の DN Aである。 41. 前記 32〜39のいずれか一つに記載の DN Aのアンチセンス DN Aで ある。
42. 前記 29〜31のいずれか一つに記載の蛋白質をコードする塩基配列を 含んでなる RN Aである。
43. 前記 29〜31のいずれか一つに記載の蛋白質をコードする塩基配列の うちの連続する 12塩基以上から成り且つ GC含有率が 30〜70%である RN Aである。
44. 前記 29〜31のいずれか一つに記載の蛋白質をコードする塩基配列の うちの連続する 16塩基以上から成り且つ GC含有率が 30〜70%である RN Aである。
45. 化学修飾された前記 42〜44のいずれか一つに記載の RNAである。 46. 前記 42〜44のいずれか一つに記載の RNAのアンチセンス RNAで ある。
47. 前記 29〜 31のいずれか一つに記載の蛋白質に特異的に反応する抗体 である。
48. 前記 29〜31のいずれかに記載の蛋白質を検出する方法であって、 前 記 47に記載の抗体を用いる方法である。
49. 哺乳動物の組織中に存在する前記 29〜31のいずれか一つに記載の蛋 白質を前記 47に記載の抗体を用いて検出することを特徴とする、 ガンの検出方 法である。
50. 該哺乳動物の組織が肝臓組織であることを特徴とする前記 49に記載の ガンの検出方法である。
51. 前記 29〜31のいずれか一つに記載の蛋白質をコ一ドする RNAを検 出する方法であって、 前記 32〜40のいずれかに記載の DNAをプローブとし て用いることを特徴とする検出方法である。
52. 哺乳動物の組織中に存在する前記 29〜31のいずれか一つに記載の蛋 白質をコードする RN Aを前記 32〜40のいずれか一つに記載の DN Aをプロ —ブとして用いて検出することを特徴とする、 ガンの検出方法である。
53. 該哺乳動物の組織が肝臓組織であることを特徴とする前記 52に記載の ガンの検出方法である。
54. 配列表の配列番号 5に記載のアミノ酸配列で表される蛋白質である。 55. 配列表の配列番号 5に記載のアミノ酸配列において 1もしくは複数のァ ミノ酸が付加、 欠失もしくは置換されているアミノ酸であって、 かつ該蛋白質の 肝臓組織における発現が、 正常細胞に比べてガン細胞において增加していること を特徴とする蛋白質である。
56. サブトラクシヨン法によって検出されうるレベルにて、 該蛋白質をコ一 ドする mRNAが正常細胞に比べてガン細胞において増加していることを特徴と する前記 55に記載の蛋白質である。
57. 前記 54〜56のいずれか一つに記載の蛋白質をコ一ドする塩基配列を 含んでなる DNAである。
58. 前記 54〜56のいずれか一つに記載の蛋白質の少なくとも一部をコー ドする塩基配列を含んでなる DN Aであって、 かつ該 DN Aが該蛋白質の全部を コ一ドする RNAとハイブリダイズすることを特徴とする DNAである。
59. 配列表の配列番号 6で表される塩基配列を含む DNAである。
60. 配列表の配列番号 6に記載の塩基配列の 65番目の Aから 1582番目 の Aまでの塩基配列を含む DNAである。
61. 前記 54〜56のいずれか一つに記載の蛋白質をコ一ドする塩基配列の
うちの連続する 1 2埴基以上から成り且つ GC含有率が 30〜70%である DN Aである。
62. 前記 54〜56のいずれか一つに記載の蛋白質をコ一ドする塩基配列の うちの連続する 16塩基以上から成り且つ GC含有率が 30〜 70%である DN Aである。
63. 配列表の配列番号 6で表される塩基配列のうちの連続する 12塩基以上 から成り且つ GC含有率が 30〜70%でぁるDNAでぁる。
64. 配列表の配列番号 6で表される塩基配列のうちの連続する 16塩基以上 から成り且つ GC含有率が 30〜70%でぁる0 八でぁる。
65. 化学修飾された前記 57〜64のいずれか一つに記載の DN Aである。
66. 前記 57〜64のいずれか一つに記載の DN Aのアンチセンス DNAで ある。
67. 前記 54〜 56のいずれか一つに記載の蛋白質をコードする塩基配列を 含んでなる RNAである。
68. 前記 54〜56のいずれか一つに記載の蛋白質をコ一ドする塩基配列の うちの連続する 1 2塩基以上から成り且つ GC含有率が 30〜 70%である RN Aである。
69. 前記 54〜56のいずれか一つに記載の蛋白質をコードする塩基配列の うちの連続する 16塩基以上から成り且つ GC含有率が 30〜70%である RN Aである。
70. 化学修飾された前記 67〜69のいずれか一つに記載の RNAである。
71. 前記 67〜69のいずれか一つに記載の RN Aのアンチセンス RN Aで ある。
72. 前記 54〜 56のいずれか一つに記載の蛋白質に特異的に反応する抗体 である。
73. ラッ ト GAD I Iに反応することを特徴とする前記 72に記載の抗体で
ある。
7 4 . 前記 5 4〜5 6のいずれかに記載の蛋白質を検出する方法であって、 前 記 7 2又は 7 3に記載の抗体を用いる方法である。
7 5 . 哺乳動物の組織中に存在する前記 5 4〜5 6のいずれか一つに記載の蛋 白質を前記 7 2又は 7 3に記載の抗体を用いて検出することを特徴とする、 ガン の検出方法である。
7 6 . 該哺乳動物の組織が肝臓組織であることを特徴とする前記 7 5に記載の ガンの検出方法である。
7 7 . 前記 5 4〜 5 6のいずれか一つに記載の蛋白質をコ一ドする R N Aを検 出する方法であって、 前記 5 7〜6 5のいずれかに記載の D N Aをプローブとし て用いることを特徵とする検出方法である。
7 8 . 哺乳動物の組織中に存在する前記 5 4〜 5 6のいずれか一つに記載の蛋 白質をコ一ドする R N Aを前記 5 7〜6 5のいずれかに記載の D N Aをプローブ として用いて検出することを特徴とする、 ガンの検出方法である。
7 9 . 該哺乳動物の組織が肝臓組織であることを特徴とする前記 7 8に記載の ガンの検出方法である。
8 0 . 配列表の配列番号 7に記載のアミノ酸配列で表される蛋白質である。
8 1 . 配列表の配列番号 7に記載のアミノ酸配列において 1 もしくは複数のァ ミノ酸が付加、 欠失もしくは置換されているアミノ酸であって、 かつ該蛋白質の 肝臓組織における発現が、 正常細胞に比べてガン細胞において增加していること を特徴とする蛋白質である。
8 2 . サブトラクシヨン法によって検出されうるレベルにて、 該蛋白質をコ一 ドする mR N Aが正常細胞に比べてガン細胞において增加していることを特徴と する前記 8 1に記載の蛋白質である。
8 3 . 前記 8 0 ~ 8 2のいずれか一つに記載の蛋白質をコ一ドする塩基配列を 含んでなる D N Aである。
84. 前記 80〜82のいずれか一つに記載の蛋白質の少なく とも一部をコー ドする塩基配列を含んでなる DN Aであって、 かつ該 DN Aが該蛋白質の全部を コードする RNAとハイブリダイズすることを特徴とする DN Aである。
85. 配列表の配列番号 8で表される塩基配列を含む DNAである。
86. 配列表の配列番号 8に記載の塩基配列の 72番目の Aから 1550番目 の Gまで塩基配列を含む D N Aである。
87. 前記 80〜82のいずれか一つに記載の蛋白質をコ一ドする塩基配列の うちの連続する 12塩基以上から成り且つ GC含有率が 30〜70%である DN Aである。
88. 前記 80〜82のいずれか一つに記載の蛋白質をコ一ドする塩基配列の うちの連続する 16塩基以上から成り且つ GC含有率が 30〜 70%である DN Aである。
89. 配列表の配列番号 8で表される塩基配列のうちの連続する 12塩基以上 から成り且つ GC含有率が 30〜70%である DNAである。
90. 配列表の配列番号 8で表される塩基配列のうちの連続する 16塩基以上 から成り且つ GC含有率が 30〜 70%でぁるDNAでぁる。
91. 化学修飾された前記 83〜90のいずれか一つに記載の DNAである。 92. 前記 83〜90のいずれか一つに記載の DN Aのアンチセンス DN Aで ある。
93. 前記 80〜82のいずれか一つに記載の蛋白質をコードする塩基配列を 含んでなる RNAである。
94. 前記 80〜82のいずれか一つに記載の蛋白質をコードする塩基配列の うちの連続する 12塩基以上から成り且つ GC含有率が 30〜 70%である RN Aである。
95. 前記 80〜82のいずれか一つに記載の蛋白質をコードする塩基配列の うちの連続する 16塩基以上から成り且つ GC含有率が 30〜70%である RN
Aである。
96. 化学修飾された前記 93〜95のいずれか一つに記載の RN Aである。 97. 前記 93〜95のいずれか一つに記載の RN Aのアンチセンス RN Aで ある。
98. 前記 80〜 82のいずれか一つに記載の蛋白質に特異的に反応する抗体 である。
99. ヒ ト GAD I Iに反応することを特徴とする前記 98に記載の抗体であ る。
100. 前記 80〜82のいずれかに記載の蛋白質を検出する方法であって、 前記 98又は 99に記載の抗体を用いる方法である。
101. 哺乳動物の組織中に存在する前記 80〜82のいずれか一つに記載の 蛋白質を前記 98又は 99に記載の抗体を用いて検出することを特徴とする、 ガ ンの検出方法である。
102. 該哺乳動物の組織が肝臓組織であることを特徴とする前記 102に記 載のガンの検出方法である。
103. 前記 80〜82のいずれか一つに記載の蛋白質をコードする RNAを 検出する方法であって、 前記 83〜91のいずれかに記載の DN Aをプローブと して用いることを特徴とする検出方法である。
104. 哺乳動物の組織中に存在する前記 80〜82のいずれか一つに記載の 蛋白質をコードする RN Aを前記 83〜91のいずれかに記載の DN Aをプロ一 ブとして用いて検出することを特徴とする、 ガンの検出方法である。
105. 該哺乳動物の組織が肝臓組織であることを特徴とする前記 104に記 載のガンの検出方法である。 本発明は、 肝癌において特異的に発現される蛋白質及びそれをコードする遺伝 子である。 それらは、 後述の実施例中で開示しているように、 ラットの肝臓から、
サブトラクション法により肝癌に特異的に存在する遺伝子を単離し、 塩基配列を 決定することより取得された。 そして、 前記遺伝子より、 肝癌において特異的に 発現される蛋白質が確認及び単離された。
このようにして、 本願発明者らは、 新たに 4種類の蛋白質及び遺伝子を同定及 び単離した。 これらの肝癌に特異的な蛋白質は、 それぞれ、 ラット CRT I、 ラ ット HRP I、 ラット GAD I I及びヒ ト GAD I I と命名した。 それらの蛋白 質のアミノ酸配列及びそれをコードする遺伝子配列を、 それぞれ、 配列表の配列 番号 1及び 2、 3及び 4、 5及び 6、 7及び 8に示す。
異種間の同一機能の蛋白質については、 種によってそのアミノ酸配列にいく ら かの相違はあるが、 30%〜40%以上のホモロジ一があることが一般的に知ら れている。 従って、 本発明において単離した蛋白質 (CRT I又は HRP I ) に ついても、 該蛋白質と同じ機能を有し、 かつ該蛋白質とのホモロジ一が 30%以 上 (好ましくは 40%以上) である蛋白質をラット以外の哺乳動物も有している ことは充分考えられる。 なお、 ここで意味するホモロジ一があるということは、 一般的に、 同族アミノ酸をポジティブとカウントする算出法によるものであり、 アミノ酸鎖の長さが異なる場合は、 アミノ酸鎖が短い方の蛋白質の長さに対して、 ホモロジ一がある部分の割合がいく らかを表すものである。
したがって、 本発明に係る蛋白質は以下の 2点の特徴を有するものを意味する。
①肝臓組織において、 肝癌における発現が正常細胞における発現に比べて顕著に 増加していること。
②配列表に記載の塩基配列と 30%以上、 好ましくは 40%以上のホモロジ一を 有すること。 さらに、 この特徴は、 由来する動物の種によらないものである。 ここで、 肝癌で特異的にみられる (発現する) かどうかについては、 種々の公 知の方法が使用可能であるが、 例えば後で記載する実施例に示した方法を用レ、て 確認することも好ましい方法である。
自然の変異により又は人工の変異 (例えば、 『Mo l e c u l a r C〗 o n
i n g 2 n d E d i t i o n』 (C o l d S p r i n g Ha r b o r L a b o r a t o r y P r e s s、 1 989年) 1 5. 1〜: 1 5. 1 13頁を 参照) によりポリヌクレオチドの構造の一部を変化させることが可能であり、 こ れにより該ポリヌクレオチドがコ一ドする蛋白質を変異させることが可能である。 本発明の蛋白質についても、 配列表の配列番号 1、 3、 5又は 7に記載のァミノ 酸配列の 1又は 2以上のアミノ酸が置換、 欠失又は付加された変異体蛋白質を作 製することが可能である。 本発明の蛋白質は、 該蛋白質に対する抗体により特異 的に認識されるものであるので、 本発明の変異体蛋白質は、 該抗体により認識さ れること (該抗体により認識される程度に変異させたものであること) を特徴と する。
本発明にかかる、 CRT I、 HRP I、 GAD I Iをコードする遺伝子は、 そ れぞれ上で定義した CRT I、 HRP I、 GAD I Iをコードする遣伝子である。 本発明は、 前記の蛋白質、 即ち CRT I、 HRP I及び GAD I Iの抗原性に ついて、 実施例に例示するように、 該蛋白質が由来する種以外でありかつヒ ト以 外の哺乳動物に免疫することで容易に抗体が得られるものであることを明らかに するものである。 したがって、 本発明の CRT I、 HRP I , GAD I Iに対す る抗体はそれぞれ、 同様の方法、 すなわち該蛋白質が由来する種以外の動物に免 疫感作することにより得られる抗血淸及びポリクロ一ナル抗体をその範囲内に含 む。 また、 免疫原として、 蛋白質の一部であっても該蛋白質の一部をゥシ血淸ァ ルブミンなどの他のキヤリァ一蛋白質に結合させたものを用いることも当業者に とってはよく用いられる方法である。 該蛋白質の一部は、 例えばペプチド合成機 を用いて合成してもよい。 なお、 蛋白質の一部としては、 免疫原として充分作用 させるために、 8アミノ酸残基以上であることが好ましい。
また、 抗原性が明らかとなった物質については、 免疫感作によってポリクロ一 ナル抗体が得られるならば、 該免疫した動物のリンパ球を用いたハイプリ ドーマ によりモノクローナル抗体を産生可能である (例えば、 『An t i b o d i e s
A L a b o r a t o r y Ma n u a l』 (C o l d S p r i n g H a r b o r L a b o r a t o r y P r e s s、 1 988) Ch a p t e r 6を 参照) 。 したがって本発明の CRT I、 HR P I、 GAD I Iに対する抗体とは ポリク口一ナル抗体及びモノクローナル抗体をその範囲内に含むものである。
CRT HR P I又は GAD I Iの検出については、 抗体を用いる方法、 さ らに酵素反応を利用した酵素反応を用いる方法、 それぞれの遺伝子を検出する方 法が挙げられる。
抗体を用いる方法としては具体的には、 ①前記各蛋白質に対する抗体を用いて 該蛋白質を検出する方法、 ②前記各蛋白質に対する抗体および該抗体の標識二次 抗体を用いて、 該蛋白質を検出する方法が挙げられる。 標識としては、 例えば放 射性同位元素 (R I ) 、 酵素、 アビジン又はピオチン、 もしくは蛍光物質 (F I TCやローダミン等) が利用される。
酵素反応を利用した抗体を用いる方法としては、 例えば、 E L I S Aが挙げら れる。
また、 遺伝子を検出する方法としては具体的には、 ノーザンブロットハイブリ ダイゼ一ション法ゃ RT— P C R法 ( 『Cu r r e n t P r o t o c o l s i n Mo l e c u l a r B i o l o g y』 (G r e e n e Pu b l i s h i n g A s s o c i a t e s a n d Wi l e y— I n t e r s c i e n c e) C h a p t e r 1 5) 又はィンサイチュハイプリダイゼーション法 (同書 C h a p t e r 14) が挙げられる。
なお、 ハイブリダィズの条件は、 プローブの長さや使用するメンブランにより 最適な条件が異なることが知られており、 該条件の設定については、 当業者にと つて容易に選択可能である。
本発明の実施例では、 使用したメンブランの性質と、 得ようとしたプローブの 長さにおける最適な条件を開示するものであり、 メンブランやプローブの長さが 異なれば当然異なるハイブリダィズ条件でもハイブリダィズし得る。 例えば、 ピ
口リン酸ナ卜リゥムがなくてもハイブリダィズする場合もある。 1つの好適な実 施の態様は以下のごとくである。
ハイブリダィズ条件:
①プレハイブリダイゼーション条件
5〜 1 0 x S S C (S S C溶液の各成分の濃度が 5〜 1 0倍である) 〜 l O x D e n h a i d t s
1 M以下のピロリン酸ナトリウム (p H 6. 8)
3 0〜 5 0%のホルムァミ ド
0. 1〜: 1 %の S D S
約 1 0 0 μ g/m 1酵母 t RNA
約 1 0 0 μ g/m 1熱変性 DNA
反応温度 3 5ないし 4 2 :
反応時間 5 0分以上 1時間 1 0分以下
②ハイブリダイゼ一ション条件
5〜: L O x S S C
5〜 1 0 x D e n h a l d t s
1 M以下のピロリン酸ナトリウム (p H 6. 8)
3 0な〜 5 0 %ホルムァミ ド
1 %以下の S D S
約 1 0 0 μ g/m 1酵母 t RNA
約 1 0 0 μ g/m 1熱変性 DNA
1 x 1 05 ないし 2 x l 06 c p m/m 1 c DNAプローブ
反応温度 3 5ないし 4 2で
反応時間 1 2時間以上 2 0時間以下
なお、 上記の条件のうち、 ピロリン酸ナトリウム (p H 6. 8) 、 又は S D S は特にバックグラウンドに基づく改良のために主に使用している。 また、 これら
の遣伝子の検出のために用いるプローブは D N Aでも R N Aでもどちらでも用い ることができる。
さて、 ヒ 卜のゲノムの塩基数は 3 X 1 0 9 個といわれている。 1 6塩基の D N Aは 4 1 6種類存在するので、 この長さの D NAがあればヒ 卜の蛋白質を全て識別 できることになる。
すなわち、 プローブとして必要な長さは理論的には 1 6塩基である。 実用上も この長さ以上であることが望ましいことは言うまでもないが、 実用的には、 合成 効率、 操作性その他の点より 1 2塩基以上のものが用いられることが多い。 また、 プローブとして用いる箇所は非コ一ド領域、 コード領域のいずれも使用可能であ る。
また、 プローブとして用いる箇所は、 G C含有率が 3 0〜7 0 %であれば、 非 コード領域、 コード領域のいずれも使用可能である。
本発明のアンチセンス D N A又はアンチセンス R N A (以下両者を合わせてァ ンチセンスポリヌクレオチドということがある。 ) には、 塩基、 リン酸、 糖から なるヌクレオチドが複数結合したものが、 天然には存在しないものを含めて全て 含まれる。
また、 本発明のアンチセンスポリヌクレオチド誘導体には、 その立体構造や機 能がポリヌクレオチドと類似するものが全て含まれる。 例えば、 ポリヌクレオチ ドの 3 ' 末端もしくは 5 ' 末端に他の物質が結合したものやポリヌクレオチドの 塩基、 糖、 リン酸の少なくともいずれか一部において、 置換や欠失や付加の修飾 が生じた物質、 天然に存在しないような塩基、 糖、 リン酸を有するものや、 糖— リン酸骨格以外の骨格を有するものである。
該アンチセンスポリヌクレオチド及びその誘導体は、 本発明の肝癌において発 現が増加する蛋白質をコードするポリヌクレオチドのいかなる部分にハイブリダ ィズするものであってもよい。 なお、 該蛋白質の全部又は一部をコードする m R N Aの一部に対して相補的な塩基配列を有し、 該 m R N Aにハイブリダィズする
ものが好ましレ、。 特に好ましくは、 少なく とも CRT I、 HRP I又は GAD I Iをコードする mRNAにハイブリダィズするものである。
また、 該アンチセンスポリヌクレオチド及びその誘導体は、 組織や細胞におけ る本発明の肝癌において発現が増加する蛋白質をコードするポリヌクレオチドの 存在やその発現状況を調べるための研究用ポリヌクレオチドプローブとして、 直 ちに使用可能である。 また、 診断用ポリヌクレオチドプローブとしても使用可能 である。 なお、 プローブとしては、 12塩基以上且つ GC含有率が 30ないし 7 0%であるものが好ましく、 16塩基以上且つ GC含有率が 30ないし 70%で あるものが、 特に好ましい。
また、 該アンチセンスポリヌクレオチド及びその誘導体を使用して、 本発明の 肝癌において発現が増加する蛋白質の発現を調節することが可能である。 これら は該蛋白質をコ一ドする遣伝子もしくは mRN Aにハイブリダィズして該蛋白質 の発現を抑制することが期待されるので、 該蛋白質が関与する機能の異常に基づ く疾患の治療薬として使用可能である。 すなわち、 該アンチセンスポリヌクレオ チドやその誘導体よりアンチセンス医薬品を開発することが可能である。
現在一般に、 アンチセンスポリヌクレオチド誘導体の例は、 ヌクレア一ゼ耐性、 組織選択性、 細胞透過性、 結合力の少なく とも 1つが高められた誘導体であるこ とが好ましいことが知られている。 特に好ましくは、 当該ポリヌクレオチド誘導 体は、 フォスフォロチォェ一ト結合を骨格構造として有する誘導体であることが 知られている。 本発明のポリヌクレオチド及びその誘導体についても、 これらの 機能又は構造を有する誘導体が含まれる。
本発明のアンチセンスポリヌクレオチド誘導体の製造方法については、 例えば、 U 1 n An t i s e n s e R e s e a r c h a n d A p 1 i c a t i o n s』 (CRC出版、 フロリダ、 1 993年) に記載の方法を用いることが可 能である。
例えば、 天然型の DNAや RNAであれば、 化学合成機を使用して合成したり、
本発明の肝癌において発現が増加する蛋白質をコードする遺伝子を铸型とする P CR法により本発明のアンチセンスポリヌクレオチドを得ることができる。 また、 メチルフォスフォネート型やフォスフォロチォェ一ト型等、 誘導体の中には、 化 学合成機 (例えば、 パーキンエルマ一ジャパン社製 394型) を使用して合成で きるものもある。 この場合には、 化学合成機に添付されている説明書にしたがつ て操作を行い、 得られた合成産物を逆相クロマトグラフィ一等を用いた HP LC 法により精製することによつても、 目的のポリヌクレオチド又はポリヌクレオチ ド誘導体を得ることができる。
DNA又はRNAを化学合成 ·酵素合成するときに、 側鎖をメチル化すること、 あるいはピオチン化すること、 もしくはリン酸基部分の Oを S置換すること等の 化学的に修飾することはよく知られている。
化学合成時に導入できる修飾として、 例えば、 1 ) ピオチン化、 2 ) メチル化、 3 ) ジコクシゲニン化、 4 ) 脱リン酸化、 5 ) 蛍光標識化 (フルォレセイン、 口 —ダミン、 テキサスレッドおよびその誘導体) 、 6 ) アミノ化、 7 ) リン酸基の Sを Oに置換した DNA、 RNAの合成が主として挙げられる。
また、 酵素的に導入できる化学修飾としては、 例えば、 1 ) ピオチン化、 2 ) メチル化、 3 ) ジコクシゲニン化、 4 ) 脱リン酸化、 5 ) 蛍光標識化 (フルォレ セイン、 ローダミン、 テキサスレッドおよびその誘導体) 、 6 ) 酵素標識化 (ァ ルカリフォスファタ一ゼ) が主に挙げられる。
例えば、 配列表の配列番号 2、 4、 6又は 8に記載の DN Aを化学合成すると きに、 上記の化学修飾を行い、 配列表に示された DNAそのものと異なるものを 合成することが可能である。 したがって、 本発明の DNA及び RNAは、 該化学 修飾された DN A及び RN Aをその範囲に含むものである。
CRT I、 HRP I又は GAD I Iの検出による癌の進行程度のモニターにつ いては、 被験者から採取した組織又は細胞中に該蛋白質が存するかを調べること により行える。 また、 CRT I、 HRP I又は GAD I Iが細胞外に分泌又は放
出される場合には、 被験者の血液中の CRT I、 HRP I又は GAD I Iの有無 を調べることにより癌の進行程度のモニタ一が可能である。 具体的には、 前記の CRT I、 HRP I又は GAD I Iの検出方法 (抗体を用いる方法、 酵素反応を 利用した抗体を用いる方法、 それぞれの遺伝子を検出する方法) と同様に行えば よい。
また、 遺伝子による癌の進行程度のモニターについては、 被験者から採取した 組織又は細胞中に該遺伝子が存するかを調べることにより行える。 遺伝子の検出 方法は、 前記のようにノーザンブロットハイプリダイゼ一ション法ゃ RT— P C R法、 インサイチュハイプリダイゼーション法が挙げられる。 実施例
以下に実施例を示し、 本発明をさらに詳述するが、 本発明はこの例に限定され るものではない。
(実施例 1) 肝癌で発現が増加する蛋白質及びその遺伝子
I . 肝癌で発現の増加する蛋白質をコードする遺伝子の単離
1. 肝癌ラットの作製
肝癌ラッ トは、 ソルト一ファーバ一法 ( 『Na t u r e』 V o l . 263、 1 976年、 p p 701〜703) を基として作製した。 実際には、 5週齢のウイ スター系ラッ 卜 (船橘麇場製) にジェチルニトロサミン (DEN) を腹腔內投与 し、 二週間後 2—アミノアセチルフルオレン (AAF) を 0. 02%含む M飼料 (オリエンタル酵母製) の経口投与を開始し、 さらにその一週間後再生肝手術を 施した。 DEN投与後 12, 24, 48時間及び 1, 3, 5, 7力月後に肝臓を 摘出し、 後の RN A調製に使用した。
また比較対照として、 正常な増殖を示す再生肝臓を、 再生肝手術後 1 2, 24, 48時間後に肝臓を摘出することで用意し、 のちの解析に使用した。
2. RNAの調製
全 RNAは、 『M e t h o d s i n e n z y m o 1 o g y』 V o 1 · 1 5 4 ( a c a d e m i c P r e s s 1 1 、 1 9 8 7年) 3〜2 8に記 載の方法を基として調製した。 実際には、
( 1 ) 各肝臓を 3 gずつ液体窒素中で粉砕し、 1 0 0 m lの 5. 5M GT C 溶液 (グァ二ジンチオシァネート 5. 5 mM、 N—ラウロニルサルコシン 0. 5 %、 2 5mMクェン酸ナトリウム、 p H 7. 0) に加え、 ポッター型ホモジナイ ザ一でホモジネートした。
( 2 ) 溶液を、 3 0 0 0 r p m、 1 0分間遠心分離した後、 上清液を SW2 8 スイングローター用遠心管 (ベックマン製) に加えておいた比重 1. 6 g/m l のセシウム トリフルォロ酢酸溶液 (セシウムトリフルォロ酢酸 (フアルマシア製) 5 0 %、 1 0 OmMエチレンジァミン四齚酸ニナトリ ウム (EDTA) (p H 7. 0) ) 1 2 m lに重層し、 SW2 8スイング口一ターを用いて 2 50 0 0 r p m、 24時間、 1 5°Cで分離を行った。
( 3 ) 沈殿物を、 6 0 0 1の 4M GTC溶液に溶かし、 1 50 0 0 r p m で遠心分離し、 溶液部分を回収した。 1 M酢酸を 1 5 i l、 エタノール 4 5 0 /2 1を加え、 1 5 00 0 r p m、 1 0分間遠心分離し、 沈殿を回収した。
(4 ) この沈殿を、 適当量 (約 3 m 1 ) の T E溶液 ( 1 mM T r i s — C 1 (p H 7. 5) , 1 mM EDTA) に溶かし (溶けるまで T E溶液を加えた) 、
1 5 0 00 r p mで遠心分離し、 溶液部分を回収した。
( 5 ) 溶液と同量のフエノール クロロホルムを混合し、 1 5 00 0 r p m、 1 0分間遠心分離し、 溶液部分を回収した。
(6 ) 溶液に 1 1 0容量の 3 M齚酸ナトリウム (p H 5. 2) を加え、 2. 5倍量のエタノールを加え、 _ 2 0 で 2 0分間放置後、 1 5 0 0 0 r p mで遠 心分離し、 沈殿を 7 0%エタノールで洗浄後、 乾燥させ、 適当量の T E溶液に溶 かし、 — 8 0 で保存した。 各肝臓から 5〜7 m gの全 RNAが得られた。
( 7) p 0 1 y A RNAは、 o l i g o t e x d T 3 0 s u p e r™
(日本ロッシュ製) を用いて、 取扱い説明書の通りに行った。 用いた全 RNAの 量は一回当たり l mgで、 o l i g o t e x d T 30 s u p e r TMを 750 1 を用ぃて 0 1 八 RNAの精製を行った。 各肝臓において、 lmgの 全 RNAから約 20 μ gの p o 1 y A RNAが得られた。
3. c DNAサブトラクシヨン
これは、 原らの方法 ( 『An a l y t i c a l B i o c h em i s t r y』 Vo l . 2 14、 1 993年、 p p 58~64) に準じて行った (この文献は引 用することにより本明細書の一部である) 。 実際には、
(1 ) 用いた材料となる p o 1 y A RNAは、 7力月肝癌、 及び正常肝臓の もので、 各 1 5 μ gを用いた。
①該 p o l yA RNAは、 それぞれ o l i g o t e x d T 30 s u p e rTMに吸着させた後、 その状態で c DNAの合成反応を行った。 合成反応の条件 は文献の通りに行った。
②肝癌の cDNA— o l i g o t e x d T 30 s u p e r TMには、 タ一ミ ナルデォキシトランスフェラ一ゼ (宝酒造製) で p o 1 y d C t a i 1を付 加し、 E c o R I— (dG) 15プライマーと T a qポリメラーゼ (パーキンエル マー製) でセンス鎖の c DNAを合成した。
このセンス鎖 c DNAと正常肝臓の c DNA— o l i g o t e x d T30 s u p e r TMの間で該 c DNAサブトラクション反応を行った。
③反応後得られた c DNA溶液は E c o R I— (dG) 15及び Xo h l— (d T) 30の両プライマーを用いて PCR反応 ( 『Cu r r e n t P r o t o c o 1 s i n Mo l e c u l a r B i o l o g y』 ( 1 987年、 G r e e n e Pu b l i s h i n g A s s o c i a t e s a n d W i l e y— I n t e r s c i e n c e社) Ch a p t e r l 5に記載の方法に準じて增幅した。 PCRの条件は、 以下の組成の溶液で、 1サイクルを 94°Cで 90秒、 次に 55 でで 2分、 次に 72 °Cで 3分反応させることとして、 25サイクル行った。
c DNA溶液 6 9 / I
1 0 x T a q緩衝液 (パーキンエルマ一製) Ι Ο μ Ι 1. 2 5 mM d NT P 1 6 ^ 1
E C O R I — (d G) 15プライマ一 (2 μ I ) 2 μ 1
X h o I — ( d T) 3。プライマー (2 g/^ 1 ) 2 μ 1
T a qポリメラ一ゼ (パーキンエルマ一製) (δ ιιΖμ Ι ) 1 1
計 1 0 0 μ 1
(2) ①サブトラクシヨン処理後、 得られた遺伝子ライブラリ一を E c o R I (宝酒造製) で切断した。 反応系は次の条件とした。
遺伝子溶液 1 0 μ 1
1 0 xH b u f f e 1 0 μ \ (宝酒造製)
E c o R I 5 μ 1 (宝酒造製)
滅菌水 7 5 μ ]
計 1 00 i 1
反応温度 3 7°
反応時間 一晩
② E c o R I切断後、 1 0 0 μ 1のフエノール/クロロフオルムを混合し、 1 5 0 0 0 r pmで遠心分離し、 水溶液部分を回収した。 この溶液に 1 0 1 の 3 M酢酸ナトリウム (p H 5. 2) を加え、 2 5 0 μ 1 のエタノールを加えた後、 1 5 0 00 r pmで遠心分離し沈殿を回収した。
③回収した沈殿を 7 0 %エタノール 1 m 1で洗浄し、 乾燥させた後、 7 5 μ 1 の滅菌水に溶解させた。 これを下記組成の液として 3 7ででー晚反応させ、 X h o Iで切断した。
遺伝子溶液 7 5 ju 1
1 % B S A 1 0 μ \ (宝酒造製)
1 0 xH b u f f e r \ 0 μ \ (宝酒造製)
X h o I 5 μ 1 (宝酒造製)
計 1 0 0 μ 1
反応温度 3 7°
反応時間 一晩
( 3 ) 1 0 0 μ 1 のフエノール クロ口ホルムを混合し、 1 5 0 0 0 r p mで 遠心分離し、 水溶液部分を回収した。 この溶液に 1 0 μ 1 の 3Μ齚酸ナトリウム (ρ Η 5. 2 ) を加え、 2 5 0 1のエタノールを加えた後、 1 5 0 0 0 r p m で遠心分離し沈殿を回収し、 7 0 %エタノール 1 m 1で沈殿を洗浄し乾燥した後、 1 0 0 μ 1の滅菌水に溶解させ、 遣伝子ライブラリー溶液を調製した。
4. サブトラクシヨン後の遗伝子のベクタ ■の導入
( 1 ) p B l u e s c r i p t I Iベクタ一 (ストラタジーン製) を E c o R I , X h o I (宝酒造製) で切断した。 切断条件は、 3. (2) で示した条件を 用いた。
( 2 ) 切断された p B 1 u e s c r i p t I Iベクターの切断端の脱リン酸化 を b a c t e r i a l a l k a l i n e p h o s p h a t a s e (宝酒造製 ) を用いて、 6 5でで 1時間反応させて行った後、 1 0 0 μ 1のフエノールノク ロロホルムを混合し、 1 5 0 00 r pmで遠心分離し、 水溶液部分を回収した。
(3 ) この溶液に 1 0 μ 1 の 3 Μ齚酸ナトリ ウム (ρ Η 5. 2) を加え、 2 5 0 μ 1 のエタノールを加えた後、 1 5 0 0 0 r p mで遠心分離し沈殿を回収し、 7 0 %エタノール 1 m 1で沈殿を洗浄し乾燥した後、 1 0 0 n gZ 1になるよ うに滅菌水に溶解させた。
(4 ) 3. で得られた遣伝子ライブラリ一溶液と、 切断、 脱リン酸化を行った B l u e s c r i p t I Iベクターを I i g a t i o n p a c k™ (日本シ ーン製) の使用要領に従い、 混合、 反応させることでライブラリーの各遺伝子を
ベクターに挿入した。
5. サブトラクシヨン後の遺伝子の大腸菌への導入
常法に従い、 4. (4) で反応させた反応液を全て、 E. c 0 1 i JM1 09 のコンビテントセル (宝酒造製) に混合し、 氷上で 30分間、 42でで 45秒間、 氷上で 3分間反応させた後、 SOC培地 900 1を加え、 3 7で、 1時間置き、 ベクターを E. c o l i J Ml 09に導入した。 その後、 E. c o l i J M 1 0 9を回収した。
6. 遺伝子の抽出
(1 ) この大腸菌を、 下記の組成の L B寒天培地に撒き、 一晩培養することで コロニーを形成させた。
LB寒天培地の組成
アンピシリン (和光純薬製) 1 00 / gZm l
I P TG (宝酒造製) 0. 1 mM
X— g a 1 (宝酒造製) 0. 004 %
形成されたコロニーのうち、 白色のコロニーを選択して後の遺伝子のスクリ一二 ングに用いる種菌とした。
(2) 種菌を 2000種類選択し、 各々をアンピシリ ンを 100 μ g/m 1含む 2m 1の L B液体培地で培養した後、 『Mo l e c u l a r C l o n i n g S e c o n d E d i t i o n』 (Co l d S p r i n g Ha r b o r L a b o r a t o r y P r e s s l 989年) Ch a p t e r lに記載のアル力 リ法で遺伝子を抽出した。
7. ドッ トブロッ トスクリーニング
(1) 抽出した遺伝子は、 B i o D o t (バイオラッ ド製) を用いて各々 2 枚のナイロンメンブラン (ミリポア製) に結合させ、 水酸化ナトリウム水溶液で 遣伝子を変性させた後、 UVクロスリンカ一 (ス トラタジーン製) により固定を 行った。 遺伝子の変性は以下の条件で行った。
① 0. 1 M水酸化ナトリウム、 0. 1 5塩化ナトリウム溶液に 20秒反応させ
②その後、 0. 2M T r i s— C I (pH 7. 5) 、 0. 1 5 M水酸化ナト リゥム溶液と 2分間反応させた。
③その後、 2 X S S Cで 2分間反応させた。
(2) 2. で作製した肝癌 p o l yA R N A及び正常肝臓 p o 1 y A RN Aより、 放射性 CT P (α— "P— d CT P) (アマシャム製) を用いて AMV 逆転写酵素 (生化学工業社製) により逆転写反応を行うことで、 それぞれの p o 1 yA RNAから c DNAプロ一ブを作製した。
(3) ( 1 ) でナイロンメンブランに固定した遺伝子と (2) で作製した c D NAとを以下の条件でハイプリダイゼ一ションさせた。
①プレハイブリダイゼ一ション条件
5 X S S C
5 x D e n h a l d t s
0. 1Mピロリン酸ナトリウム (pH6. 8)
50%ホルムァミ ド
0. 5 % S D S
1 0 0 μ g/m 1酵母 t RNA
1 00 μ g/m 1変性サケ精子 DNA
反応温度 4 2で
反応時間 1時間
②ハイプリダイゼーション条件
5 X S S C
5 x D e n h a 1 d t s
0. 1Mピロリン酸ナトリウム (p H 6. 8)
50%ホルムァミ ド
0. 5%SDS
1 0 0 μ g/m 1酵母 t RNA
1 0 0 μ g/m 1変性サケ精子 DNA
( 2) で作製した c DNAプローブ (5 X 1 05 c p m/m 1 )
反応温度 4 2°C
反応時間 1 6時間
( 5) その後、 ナイロンメンブランを各々 5 0 0m Iの 2 X S S C (0. 1 % SD Sを含む) 、 0. 2 x S S C、 0. 1 X S S Cの溶液の順番でそれぞれ 3 0 分間ずつ 6 0°Cで洗浄した後、 オートラジオグラフィーを行った。 結果を図 1に 示す。 得られたオートラジオグラフィ一より、 正常肝臓の c DN Aプローブとの 結合量に比べ肝癌の c DN Aプローブとの結合の多い遺伝子を選択した。 全部で 少なくとも 3 1確認した。 このうちの 3つを選択し、 以下の実験に用いた。
8. 塩基配列の決定
塩基配列の決定は、 『Mo l e c u l a r C l o n i n g S e c o n d E d i t i o n』 c h a p t e r l 3に記載の方法に準じて行った。 実際には、 得られた肝癌の c DNAプローブとの結合量の多い遺伝子の塩基配列の決定は、 T 7 s e q u e n c e k i t™ (フアルマシア製) を用いてジデォキシタ一ミ ネイタ一法で p B 1 u e s c r i p t I I上に挿入した遣伝子部分の配列を読み 取つた。
9. ホモロジ一解析
決定された遺伝子の塩基配列を DDB J (DNA D a t a B a s e o f J a p a n) のデータバンクに照会することで、 ホモロジ一解析を行った。 そ の結果、 上記の 3つの遺伝子は、 ホモロジ一の見つからない新規遺伝子であるこ とが判明した。 これらの遺伝子をそれぞれ、 C RT I遺伝子、 HR P I遺伝子及 び GAD I I遺伝子と命名した。 それぞれの遺伝子について、 該遗伝子が完全長 であるかどうか確認するために以下の解析を行った。
1 0. c DN Aライブラリーの作製
DEN投与後 7力月の肝癌組織より抽出した p o 1 y A RNA 4 / gから フアルマシア製タイムセィバ一c DNAシンセシスキッ TMを用いて、 取扱い説 明書にしたがって c DNA合成を行った。 以下にその概要を説明する。
(1 ) ランダムプライマ一を使用し、 逆転写反応、 DNAポリメラーゼによる DNA合成反応により二本鎖 c DNAを合成し、 この c DNAの両端に No t I /E c o R Iアダプタ一を付加するため T 4 DNAライゲース処理及びポリヌク レオチドキナーゼ処理を行った。 これにより両端に E c o R I制限酵素切断部位 を有する c DNAを得た。
(2) この cDNAを、 g t l lクローニングベクター (フアルマシア製) に T4 DN Aリガーゼを用いて挿入し、 G I GAPACK Go I d TM (ストラ タジーン製) を用いてパッケージングを行い、 えファージの中に c DNAを導入 し、 遺伝子の単離に用いた。
1 1. 遺伝子の単離
遺伝子の単離は 『Mo l e c u l a r C l o n i n g S e c o n d E d i t i o n』 Ch a p t e r 2に記載の方法に準じて行った。 以下にその概要を 示す。
(1) 10. で作製した c DNAを含むライブラリーを Y1090 r—大腸菌 に接触させた後、 0. 7 %寒天を含む NZY培地に混合し、 1. 5%寒天を含む NZY培地プレートに撒いた。 42X:で 6時間培養を行うことで c DNAを大量 に含むプラークを形成させた後、 このプレート上に二トロセルロースフィルター
(ィモビロン (ミ リポア社の登録商標) 、 ミリポア製) をのせプラークを転写し た。
(2) このフィルターを水酸化ナトリゥムでプラーク中の c DN Aを変性させ た。 変性の条件は 7. (1) に記載の条件と同じで行った。
(3) 変性させた c DNAを 75でで 2時間熱処理して固定し、 ハイブリダィ ゼーシヨンに用いた。 ハイブリダィゼ一シヨンに用いたプローブには、 8. で塩
基配列を決定した C RT I遺伝子の一部分をランダムラベリング (ベ一リンガー マンハイム製のランダムラベリングキッ トを使用した) で32 P— d C T P標識し たものを用いた。 ハイプリダイゼ一ションの条件及び洗浄の条件は文献に記載の 条件にしたがった。
(4 ) ハイブリダィゼ一シヨンの結果、 フィルタ一に固定した c DNAから得 られたポジティブシグナルに対応するプラークからプロ一ブ配列より長レ、配列を 有する遺伝子を得た。
上記の操作を、 3つの遺伝子、 即ち C R T I、 ^11¾ ? 1及び0 0 1 〖遺伝子 のそれぞれについて行い、 それぞれの完全長の遺伝子を得た。
(実施例 2 ) 肝癌特異的な蛋白質のアミノ酸配列及び該蛋白質をコ一ドする遺伝 子の決定
1. 遺伝子の大量調製
C RT I遺伝子について以下の操作を行い、 遣伝子を大量調整した。
( 1 ) 実施例 1の 1 1. (4) 又は (5 ) で N Z Y寒天培地上に形成させたプ ラークから回収した λファージを SM溶液に懸濁した。
( 2 ) ( 1 ) の懸濁液 5 0 μ 1 と Υ 1 0 9 0 r—大腸菌 20 μ 1を混合し、 3 7 :、 1 5分間放置した。
(3 ) その後、 1 0 0 /X g/m 1アンピシリンを含む 1 0m l NZY培地に (2) で混合した溶液を移し、 3 7でで 6時間培養した。
(4 ) 8 0 00 r pm, 5分間遠心分離し、 上淸を回収した。
( 5 ) 該上淸に、 5M N a C lを l m l、 ポリエチレンダリコール 6 0 0 0 を 1 · 1 gを加え、 溶かした。
(6) 該溶液を氷上に 1時間置き、 その後 1 0 0 0 0 r p m、 4でで 2 0分間 遠心分離を行った。
( 7) 沈殿を回収し、 7 0 0 μ 1の SM溶液に懸濁した。
(8) クロ口ホルムを 5 0 Ο μ 1加えて撹拌し、 残った大腸菌を溶かした。
( 9) 5 0 0 0 r pm、 1 0分間遠心分離し、 水層を回収した。
( 1 0) これに、 l mgZm l RN a s e A、 5 m g /m 1 DN a s e l (共にシグマ製) を各 ずつ加え、 3 7ΐ:で 1時間放置したのち、 2 0%ポ リエチレンダリコール 6 0 0 0 (0. 8Μ N a C 1 ) を 6 0 0 /i l加え、 氷上 に 3 0分間放置した。
( 1 1 ) 4°Cで、 1 5 0 0 0 r p m、 2 0分間遠心分離した後、 沈殿を回収し た。
( 1 2) この沈殿に 5 0 0 μ 1 の SM溶液、 5 0 μ 1 の 5Μ N a C 5 0 μ 1 の 0. 5Μ E DTAを加え、 更に、 4 0 0 / 1 のフエノールを加えて撹拌 し、 ファージを溶かして c DNAを遊離させた。
( 1 3) 該溶液を室温で 1 5 0 0 0 r p m、 5分間遠心分離した後、 水層を回 収した。 該液に 1 m 1のエタノールを加え、 1 5 00 0 r pm、 2 0分間遠心分 離し、 液層を捨てた。
( 1 4) 7 0%エタノール 1 m 1で沈殿を洗浄し、 1 0 0 /^ 1の丁£溶液 (丁 r i s -C 1 p H 8. 0 1 0 mM、 1 mM EDTA) に沈殿を溶かし、 D N A溶液を得た。
2. C RT I遣伝子のベクターへの挿入
C R T I遺伝子について以下の操作を行い、 ベクターに挿入した。
( 1 ) DNA切断の系を以下のようにし、 制限酵素 N o t I (宝酒造製) によ る DN A切断を行った。
DNA溶液 (1. で調製したもの) 20 1
0. 1 % B S A 1 0 μ I
0. l %T r i t o n X 1 0 0 1 0 μ I
N o t I (宝酒造製) 2 μ 1
RN a s e A (日本ジーン製) 1 μ 1
10 χΗ b u f f e r (Ta k a r a製) Ι Ο μ Ι
滅菌水 47 μ 1
合計 100 μ 1
反応温度 37
反応時間 4時間
(2) その後、 0. 7%Nu S i e V e TMGTGァガロース (宝酒造製) 電気 泳動を行い、 2.0 k b p付近の DNAを切り出し、 この DNAを GENE C L EAN I I™ (ブナコシ製) を用いて取扱説明書の通りに DNAを回収した。
(3) DNAを組み込む p B l u e s c r i p t l l (ストラタジーン製) を No t Iで切断後脱リン酸化を行った。
① No t Iでの切断は、 以下の系で行った。
pB l u e s c r i p t l l { \ μ g/ μ 1 ) 3 μ 1
10 xH b u f f e r 2 μ 1
0. 1 % Β S A 2 μ 1
0. 1 % T r i t ο η X 100 2 μ 1
Ν ο t I 2 μ 1
滅菌水 1 0 μ \
合計 20 μ 1
反応温度 37V
反応時間一晩
②その後、 2 /ζ 1 1Μ Τ r i s ρΗ8. 0を加え、 Ι μ ΐ B a c t e i a 1 A l k a l i n e Ph o s p h a t a s e (宝酒造製) を加え、 6
5でで 1時間放置した。
③その後、 フエノール ZCHC 1 3 抽出を常法に従い 2回行い酵素を失活させ た後、 エタノール沈殿により精製した後、 TE溶液にて 1 00 n g/μ 1に溶か した。
(4) (2) で得られた DN Aと、 (3) で得られた p B 1 u e s c r i p t I Iを、 以下の系で反応させ、 DNAをベクターに挿入した。
DNA ( (2) で調製したもの) 5 μ 1 p B l u e s c r i p t l l N o t I切断物 (③で調製したもの) Ι ΐ 1 0倍ライゲ一シヨンバッファ一 (日本ジーン製) 2 μ 1
Τ 4リガーゼ (日本ジーン製) Ι μ ΐ 滅菌水 I I μ \ 合計 2 0 μ 1 反応温度 1 6°C
反応 2時間
3. CRT I , HR P I又は GAD I I遺伝子の大腸菌への導入
2. で作製した CRT I、 HR P I又は GAD I I遺伝子を挿入したベクター を、 それぞれ常法に従い反応液を全て、 E. c o l i HB 1 0 1 コンビテントセ ル (宝酒造製) に混合し、 氷上で 3 0分間、 4 2 で 4 5秒間、 氷上で 3分間反 応させた後、 SOC培地 9 00 1を加え、 3 7で、 1時間置き、 ベクターを E. c o l i HB 1 0 1に導入した
。 なお、 この CRT I遺伝子 (CRT I — A) を導入した組み換え体大腸菌を通 商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所 (日本国茨城県つくば市東 1丁目 1 番 3号) に平成 7年 1 1月 2 1 日に寄託 (受託番号 F ERM P— 1 5 30 2) し、 その後、 平成 8年 9月 9日に国際寄託に移管した (受託番号 FE RM B P
- 5658) 。
4. 遺伝子の塩基配列の決定
(1) 3. で回収した E. c o l i HB 101を LB寒天培地 ( 100 μ g m 1アンピシリン、 0. 1 mM I PTG、 0. 004 % X - g a 1含有) に撒き、 37°Cで 1 6時間培養した。
(2) 形成されたコロニーのうち、 白色のコロニーを 2m l LB培地 (10 0 μ g/m 1アンピシリン含有) に植え、 37 で 16時間培養した
(3) その後、 12000 r pm、 1分間遠心分離して集菌し、 M a g i c M i n i p r e p™ (プロメガ製) に従いプラスミ ド DNA溶液を回収した。
(4) 回収した DNAを T 7シークェンシングキット (フアルマシア製) に従 い、 シークェンスし、 全塩基配列を決定した。 その結果、 CRT I— Aは全長遺 伝子を含まないことが判明し、 再度実施例 1の 8. で塩基配列を決定した CRT
I遺伝子の一部分のかわりに配列表の配列番号 2の 524位から 141 5位まで をプローブとしてランダムラベリング (ベーリンガーマンハイム製のランダムラ ベリングキッ トを使用した) で32 P— d C TP標識したものを用い CRT I全長 遣伝子の取得を実施例 1の 1 1. に記載の方法で行った。 ハイブリダィゼ一ショ ンの条件及び洗浄の条件は文献に記載の条件にしたがった。 その結果得られた遺 伝子断片を実施例 2の 1. , 2. , 3. , に記載と同様の方法で大腸菌に導入し た。 この遺伝子断片をこの項目に記載の方法で塩基配列を決定した。 その結果、 配列番号 2の 500位から 1415位までを含む CRT I遺伝子断片が得られた。 この遺伝子 (CRT I— B) を導入した組み換え体大腸菌 (E. c o l i HB 1 01) を平成 7年 1 1月 21日に通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所 (日本国茨城県つくば市東 1丁目 1番 3号) に寄託 (受託番号 FERM P— 1 5303) し、 平成 8年 9月 9日に国際寄託の移管した (受託番号 FERM BP— 5659) 。 先に得られた CRT I—Aと併せてコード領域全てを含む 2 021 b pの CRT I遺伝子が得られた。 CRT I— Aは、 配列表の配列番号 2
の 525位から 2520位までを含む。
5. アミノ酸配列の決定
4. で決定した塩基配列から、 CRT Iのアミノ酸配列を決定した。 CRT I のアミノ酸配列を配列表の配列番号 1に示す。
(実施例 3) 肝癌の遺伝子発現レベルでの検出 (診断) の可能性の確認
1. CRT I遣伝子のノーザンブロットハイブリダィゼ一ション法による解析 CRT I遺伝子のノーザンブロットハイプリダイゼ一シヨン法による解析を、
II C u r r e n t P r o t o c o l s i n Mo l e c u l a r B i o l o g y』 (1987年、 G r e e n e P u b l i s h i n g A s s o c i a t e s a n d W i l e y— I n t e r s c i e n c e it) Ch a p t e r 4 に記載されているホルムアルデヒ ド変性ゲル電気泳動を用いる方法に従い行つた。 用いた p o 1 y A RNAの量は、 各サンプルにっき 500 n gで、 ラット正常 肝臓及び実施例 1で作製した DEN投与後 7力月の肝癌の p o 1 yA RNAを 用いたものについて行った。
(1 ) 実施例 2で p B 1 u e s c r i p t I I上にのせた CRT I遺伝子の配 列番号 2の 525番目から 141 5番目の部分を制限酵素処理にて、 ベクタ一か ら切り出した。
(2) その後、 制限酵素処理液をァガロースゲル電気泳動にかけて、 目的とす る CRT I遗伝子 (525位から 1415位まで) を分離した。
(3) (2) で分離した CRT I遺伝子を GENE C LENE I I τΜ (フ ナコシ製) を用いて精製した。
(4) 精製した CRT I遺伝子をランダムプライムド DNAラベリングキット (ベーリンガーマンハイム製) を用いて製品取扱説明書に従い、 α— P32d CT
P (アマシャム製) を用いて32 P— d CTP標識した CRT I遺伝子プローブを 作製した。
(5) (4) で作製したプローブを用いて、 正常肝臓と 7力月肝癌を用いた系 において、 ノーザンブロッ トハイブリダィゼ一シヨン法による解析を行った。 こ の結果、 肝癌で有意に増加する遺伝子として CRT I遺伝子が検出された。 これ より C R T I遺伝子を用レ、ることで、 肝癌と正常肝臓の識別が可能となること、 すなわち、 肝癌の診断が可能であることが判明した。 結果を図 2 (プローブ A) に示す。 オートラジオグラフィ一では、 フィルムにはコダック社の XARフィル ム、 スクリ一ンにはデュポン社のライ トニングプラスを用いて一 80でで 24時 間感光させた。 図 2中 HCCは肝癌を表す。
(実施例 4) 2. 5 k bの CRT I遺伝子の塩基配列の決定
図 2 (プローブ A) に明らかなように、 CRT I遺伝子の実施例 3のプローブを 用いた肝癌由来の p o l y A RN Aについてのノーザンブロットハイブリダィ ゼ一シヨン法による解析を行った結果、 バンドが 2本検出される。 約 2. 0 k b に見られるバンドは配列表の配列番号 2の 500番目から 2520番目の塩基配 列の遺伝子に対応するものである。 もう 1つの約 2. 5 k bに見られるバンドに 対応する遺伝子を実施例 1の 1 1. に記載されている方法で取得した。
得られた遺伝子について、 実施例 2の 1. 〜4. に記載されている方法で塩基 配列を決定した。 約 2. 0 k bの遺伝子の 5 ' 側にさらに 499 b p伸びたもの であることが示された。 得られた約 2. 5 k b部分の CRT I遺伝子塩基配列を 配列表の配列番号 2に示す。
また、 上記 499 b p部分を含む CRT I遣伝子 (R3) を導入した組替え体 大腸菌 (JM109) を平成 8年 6月 12日に通商産業省工業技術院生命工学ェ 業技術研究所 (日本国茨城県つくば市東 1丁目 1番 3号) に寄託 (受託番号 FE RM P— 15685) し、 平成 8年 9月 9日に国際寄託に移管した (受託番号
FERM BP_5660) 。
また、 上記得られた 499 b pのうち 1位から 372位までの DN Aをプロ一
ブとして用いて実施例 3に記載されている方法に従い、 ノーザンプロットハイブ リダィゼーシヨンを行った。 オートラジオグラフィ一では、 フィルムにはコダッ ク社の XARフィルム、 スクリーンにはデュポン社のライ トニングプラス (+ ) を用いて一 80°Cで 24時間感光させた。 ラッ ト正常肝臓と肝癌の p o 1 y A RNAを用いた系で、 ラット肝臓癌に特異的な 2. 5 b pのバンドの存在を確認 した (図 2 (プローブ B) ) 。 この結果は、 上記得られた 499 b pの DNAに 基づいて、 肝臓癌の検出が可能であることが示された。
また得られた CRT Iについて、 データベースを用いてホモロジ一検索をした ところ、 ホモロジ一がある配列として TR EB 5 (又は XBP) が検索され、 本 願発明の CRT I と約 79%のホモロジ一を有していた。 TREB 5は、 The EM BO Journal vol.9, No.8, pp2537- 2542 (1990)にて報告されており、 XB Pは、 S cience vol.247, ppl58卜 1584(1990)にて報告されている。
( 実施例 5) CRT I蛋白質の発現
1. 組み換え大腸菌の作製
実施例 2で取得した CRT I一 B遗伝子をヒスチジンタグを導入した p ET 3 aベクター (図 3) に組み込んだ後、 大腸菌 B L 2 1 (DE 3) p L y s Sに導 入した。
2. CRT Iの作製
(1) 1. で作製した大腸菌をアンピシリン 1 00 μ gZm 1を含む LB培地 で培養し、 分光光度計 (ベックマン製) で測定した濁度が 600 nmの波長で 0. 5になった時点で、 0. 5mMになるように I PTGを加え CRT I蛋白質の発 現誘導を行った。
(2) 2時間後、 大腸菌を回収し、 L y s i s B u f f e rに懸濁した後、 ソニケ一ションし、 B e c kma n Op t i ma XL— 80を使用し、 50. 2 T i ローターで 1 8000 r pm、 4で。 1 5分間遠心分離した。
(3) この後、 沈殿物を 6M塩酸グアジニンに溶解し、 N i—ァガロース (キ ァゲン製) を用いて、 取扱い説明書の通りに精製した。
3. SDS— PAGE電気泳動
精製された標品の SD S—ポリアクリルアミ ド電気泳動にかけ、 クマシ一プリ リアントブル一で染色し、 精製がうまく行われたことを確認した。
(実施例 6) ヒ ト肝臓癌診断への可能性の検討
(1) ヒ ト肝臓癌組織及び同一患者の非癌部肝臓組織からそれぞれ全 RN Aを、 『し u r r e n t P r o t o c o l s i n Mo l e c u l a r B i o l o g y』 の C h a p t e r 4に記載の Single-step RNA isolation 法に従い調製 した。 試薬、 操作環境等は同様に上述の文献に記載の条件に従った。
(2) (1) の肝臓癌および非癌部の全 RNAを各々 1 0 / gずつを用いて 『し u r r e n t P r o t o c o l s i n Mo l e c u l a r B i o l o g y』 (1 987年、 G r e e n e P u b l i s h i n g A s s o c i a t e s a n d W i l e y— I n t e r s c i e n c e社) Ch a p t e r 4に 記載されているホルムアルデヒ ド変性ゲル電気泳動を用いる方法に従いノーザン ブロッ トハイブリダィゼーシヨン法による解析を行った。 使用したプローブ DN Aは、 実施例 3で作製したものと同じものを用いた。 オートラジオグラフィ一で は、 フィルムにはコダック社の XARフィルム、 スクリーンにはデュポン社のラ イ トエングプラス (+ ) を用いて一 80でで 24時間感光させた。
結果を図 4に示す。 検討の結果、 ヒ ト肝臓癌においても癌部では非癌部に比べ 有意な発現量の上昇がみられた。 このことは、 本 CRT I遣伝子を用いることで ヒ ト肝臓癌のモニタが可能であることを示している。
(実施例 7) 抗 CRT I抗体の作製
実施例 5で作製した CRT I蛋白質を 『An t i b o d i e s A L a b o
r a t o r y Ma nu a l』 (Co l d S p r o n g Ha r b o r L a b o r a t o r y , 1988) c h a p t e r 5に記載の方法にしたがってゥサ ギに免疫し、 抗 CRT I抗体を作製した。
2. ウェスタンブロッ ト
『し u r r e n t p r o t o c o l s i n mo l e c u l a r b i o 1 o g y』 に記載の方法にしたがって行った。
(1 ) 実施例 5で作製した CRT I蛋白質をウェスタンプロットを行った。
(2) その後、 抗 CRT I抗体を該 CRT I蛋白質と反応させた。 二次抗体と してアルカリフォスファターゼで標識された抗ゥサギ I gG抗体を反応させ、 さ らに該アル力リフォスファタ一ゼを基質 (NBT、 BC I D (共にプロメガ製) ) と反応させ呈色させた。 これより抗 CRT I抗体が CRT Iと反応することが確 認された。
(実施例 8) CRT Iの肝癌の検出 (診断) への利用の検討
( 1 ) 実施例 1で作製した各種肝癌組織 l gを 5m lの 2 x SDS s amp 1 e b u f f e rでホモジナイズした後、 3分間ボイルすることで肝癌組織抽出 液を得た。
(2) 該抽出液を 12. 5%SDS— PAGE電気泳動にかけた後、 ゥエスタ ンブロットを行った。 なお、 蛋白質量は、 別に同様の電気泳動を行ったゲルをク マシープリリアントブルーで染色したのち、 比色することで揃えた。
(3) その後、 実施例 7で作製した抗 CRT I抗体を該抽出液と反応させた。 二次抗体としてアル力リフォスファタ一ゼで標識された抗ゥサギ I gG抗体を反 応させ、 さらに該アルカリフォスファタ一ゼを基質 (NBT、 BC I D (共にプ 口メガ製) ) と反応させ呈色させた (図 5) 。 この結果、 ノーザンプロットハイ プリダイゼーシヨン法の結果と同様に、 肝癌及び肝癌発現過程で有意な CRT I 蛋白質の増加が確認された。 すなわち、 該抗体は、 肝癌と正常肝臓の識別および
発現過程の肝臓と正常肝臓の識別が可能であり、 肝癌の早期診断等に使用できる ことが確認された。
(実施例 9) CRT Iのヒ トの癌の検出 (診断) への利用の検討
(1) 次の 9種のヒ トの各種癌細胞株を以下の培地で培養した。
① L i 21 (ヒ ト肝癌細胞株) ② L i HM (ヒ ト肝癌細胞株) ③ L i NM (ヒ ト肝癌細胞株) ④ RERF (ヒ ト肺癌細胞株) ⑤ AZ (ヒ 卜胃癌細胞株) ⑥ He c 1 (ヒ ト子宮癌細胞株) ⑦ A l e x (ヒ ト肝癌細胞株) ⑧ ME WO (ヒ トメラ ノーマ) ⑨ P a C a (ヒ ト膝臓癌細胞株) ④、 ⑤、 ⑥、 ⑧及び⑨については J C RB (J a p a n e s e C a n c e r Re s e a r c h R e s o u r c e
B a n k) から分譲を受けた。 これらの①ないし⑨の株については他の株でも よい。
①ないし③及び⑦は、 RPMI 1640に 10%FCSを添加したものを培地 に使用した。 ④ないし⑥、 ⑧及び⑨は、 分譲時に推奨されている培地で培養した。
(2) (1) で培養し、 シャーレ面積の 80%程度まで増殖した各培養細胞を それぞれ 5m lの lx PB Sで 2回洗浄した後、 10 c mシャーレ 1枚に対して lm 1の 2 X SDSサンプルバッファーを加え、 ラバ一ポリスマン (住友べーク ライ ト製) で攪拌することによりホモジネートしたものを、 エツペンドルフチュ ーブに移した後、 5分間ボイルし、 遠心分離にて不溶性のものを沈殿させた上清 部分をサンプルとして下記の要領でウェスタンプロット解析を行った。
①先に調製したサンプルの 5ないし 1 5 / 1を 10%S DS— PAGE電気泳 動にかけた。 蛋白質量は、 予め同様の電気泳動を行ったゲルをクマシーブリ リア ントブルーで染色したのち、 比色することにより量を求め、 量を揃えたものを電 気泳動に供した。
②その後、 実施例 7で作製した抗 CRT I抗体を該抽出液と反応させた。 二次 抗体としてアル力リフォスファターゼで標識された抗ゥサギ I g G抗体を反応さ
せ、 さらに該アルカリフォスファタ一ゼを基質 (NB丁、 BC I D (共にプロメ ガ製) ) と反応させ呈色させた (図 6) 。 この結果、 肝癌を含む全ての癌発現過 程で CRT I蛋白質の発現が確認された。 すなわち、 該抗体は、 ヒ トにおいて癌 細胞の CRT Iの検出が可能であり、 癌の診断等に使用できることが確認された。 また、 実施例 8の結果と合わせて、 本抗体は、 ヒ ト及びラッ トでクロスリアク ションすることが分かった。
(実施例 1 0) CRT I遺伝子のラット組織間分布の確認
組織間分布の確認には、 Ra t MTN B 1 o t TM (クローンテック製) を 用いた。 この製品は、 上述のノーザンブロットハイブリダィゼーシヨンを行うた めに市販されている、 ラット各組織の p o l yA RN Aをブロットしたメンブ ランである。 このメンブランを 『Mo 1 e c u 1 a r C l o n i n S e c o n d E d i t i o n』 (Co l d S p r i n g Ha r b o r L a b o r a t o r y P r e s s、 1989) p p 7. 3— 7. 84に記載の方法、 及 び製品取り扱い説明書に従い実施例 3で作製したものと同様の CRT I遺伝子プ ローブを用いてノーザンブロットハイプリダイゼ一ションを行った。 ォートラジ ォグラフィ一では、 フィルムにはコダック社の XARフィルム、 スクリーンには デュポン社のライ トニングプラス (+ ) を用いて一 80°Cで 24時間感光させた。 結果を図 7に示す。 結果から明らかなように、 CRT I遺伝子は調べた全臓器 で発現しており、 その中でも特に肝臓、 肺で強く発現している。
この結果と実施例 3の結果から、 各臓器においても該臓器が癌化すれば、 CR T I ¾伝子の発現が増加することが考えられ、 CRT I遺伝子により各臓器の癌 の発症及び進行程度のモニターが可能であると考えられる。
また、 これより、 各臓器からの CRT I蛋白質の検出により、 該臓器の癌の発 症及び進行程度のモニターが可能であると考えられる。
(実施例 1 1) C R T I遺伝子のヒ ト組織間分布の確認
組織間分布の確認には、 Hum a n MTN B 1 o t TM (クローンテック製) を用いた。 この製品は、 上述のノーザンブロッ トハイブリダィゼ一シヨンを行う ために市販されている、 ヒ ト各組織の p o l yA RN Aをブロットしたメンブ ランである。 このメンブランを 『Mo 1 e c u 1 a r C l o n i n g S e c o n d E d i t i o n』 (Co l d S p r i n g Ha r b o r L a b o r a t o r y P r e s s、 1989) p p 7. 3— 7. 84に記載の方法、 及 び製品取り极ぃ説明書に従い実施例 3で作製したものと同様の C R T I遗伝子プ ローブを用いてノーザンブロットハイプリダイゼ一ションを行った。 ォ一トラジ ォグラフィ一では、 フィルムにはコダック社の XARフィルム、 スクリーンには デュポン社のライ トニングプラス (+ ) を用いて— 80でで 24時間感光させた。 結果を図 8に示す。 結果から明らかなように、 CRT I遺伝子は調べた全臓器 で発現しており、 その中でも特に膝臓、 肝臓で強く発現している。
この結果と実施例 6の結果から、 ヒ 卜の各臓器においても該臓器が癌化すれば 、 CRT I遺伝子の発現が增加することが考えられ、 CRT I遺伝子によりヒ ト の各臓器の癌の発症及び進行程度のモニターが可能であると考えられる。
また、 これより、 ヒ トの各臓器からの CRT I蛋白質の検出により、 該臓器の 癌の発症及び進行程度のモニターが可能であると考えられる。
以上の実験結果より、 本発明の CRT I又は CRT I遺伝子を肝臓等の組織か ら検出することで肝癌等の該組織の癌の診断が可能となる。 また、 CRT I遺伝 子の一部又は全部を用いることで肝癌等の癌の発症を遺伝子の発現レベルで診断 することが可能となる。 また、 抗 CRT I抗体を用いることで、 肝痛等の癌の発 症を免疫組織学的に診断することが可能となる。 さらに、 将来的には該遺伝子や 該抗体を用いた癌の治療への応用が期待される。
(実施例 12) 肝癌特異的な蛋白質 HRP I及び GAD I Iのアミノ酸配列及
び該蛋白質をコ一ドする遺伝子の決定
I . H P R I 、 GAD I I
1. 遣伝子の大量調製
HR P I遺伝子、 GAD I I遺伝子についてそれぞれ以下の操作を行い、 遺伝 子を大量調整した。
( 1 ) 実施例 1の 1 1. (4) 又は (5 ) で N Z Y寒天培地上に形成させたプ ラークから回収した λファージを SM溶液に懸濁した。
(2 ) ( 1 ) の懸濁液 5 0 μ 1 と Υ 1 0 9 0 r —大腸菌 2 0 μ 1を混合し、 3 7で、 1 5分間放置した。
(3 ) その後、 1 0 0 μ g/m 1アンピシリンを含む 1 Om 1 Ν Ζ Υ培地に (2) で混合した溶液を移し、 3 7°Cで 6時間培養した。
(4 ) 8 0 0 0 r p m, 5分間遠心分離し、 上清を回収した。
( 5 ) 該上淸に、 5M N a C lを l m l 、 ポリエチレンダリコ一ル 6 0 0 0 を 1. 1 gを加え、 溶かした。
(6 ) 該溶液を氷上に 1時間置き、 その後 1 0 0 0 0 r pm、 4°Cで 2 0分間 遠心分離を行った。
( 7 ) 沈殿を回収し、 7 0 0 μ 1 の SM溶液に懸濁した。
(8 ) クロ口ホルムを 5 0 Ο μ 1加えて攪拌し、 残った大腸菌を溶かした。
( 9 ) 5 0 0 0 r pm、 1 0分間遠心分離し、 水層を回収した。
( 1 0) これに、 l m g/m l RN a s e A、 5 m g /m 1 DN a s e I (共にシグマ製) を各 l /z lずつ加え、 3 7でで 1時間放置したのち、 2 0%ポ リエチレングリコール 6 0 0 0 (0. 8 N a C 1 ) を 60 0 μ 1加え、 氷上 に 3 0分間放置した。
( 1 1 ) 4 で、 1 5 0 0 0 r p m、 2 0分間遠心分離した後、 沈殿を回収し た。
( 1 2) この沈殿に 5 0 0 μ 1 の SM溶液、 5 0 /i l の 5Μ N a C し 5 0
1の0. 5M EDTAを加え、 更に、 400 /X 1のフエノールを加えて擾拌 し、 ファージを溶かして c DNAを遊離させた。
( 1 3) 該溶液を室温で 1 5000 r pm、 5分間遠心分離した後、 水層を回 収した。 該液に 1 m 1のエタノールを加え、 1 5000 r pm、 20分間遠心分 離し、 液層を捨てた。
( 1 4) 7 0%エタノール 1 m 1 で沈殿を洗浄し、 1 0 0 1 の丁£溶液 (丁 r i s -C 1 pH8. 0 1 0mM、 1 mM EDTA) に沈殿を溶かし、 D N A溶液を得た。
2. HR P I遺伝子のベクターへの挿入
HR P I遺伝子を以下の操作により、 ベクターに挿入した。
( 1 ) DN A切断の系を以下のようにし、 制限酵素 N o t I (宝酒造製) によ る DN A切断を行った。
DNA溶液 (1. で調製したもの) 20 μ 1
0. 1 % B S A 1 0 μ I
0. l %T r i t o nX 1 00 1 0 μ I
N o t I (宝酒造製) 2 μ 1
RN a s e Α (日本ジーン製) Ι μ ΐ
1 0 χΗ b u f f e r (T a k a r a製)
滅菌水 4 7 μ 1
合計 1 00 μ 1
反応温度 3 7°C
反応時間 4時間
(2) その後、 0. 7%Nu S i e v e (登録商標) GTGァガロース (宝酒 造製) 電気泳動を行い、 1. 6 k b p付近の DNAを切り出し、 この DNAを G ENE C LEAN I I (登録商標、 フナコシ製) を用いて取扱説明書の通り
に DNAを回収した。
( 3 ) DNAを組み込む p B 1 u e s c r i p t I I (ストラタジーン製) に N o t Iで切断後脱リン酸化を行った。
① N o t Iでの切断は、 以下の系で行った。
p B l u e s c r i p t I I (丄 gZ/ l ) 3 μ 1
1 0 H b u f f e r 2 μ 1
0. 1 % B S A 2 μ 1
0. l %T r i t o n X l O O 2 μ 1
N o t I 2 μ 1
滅菌水 1 0 μ \
合計 2 0 μ 1
反応温度 3 7°C
反応時間ー晚
②その後、 2 μ 1 1 M T r i s p H 8. 0を加え、 1 1 B a c t e r i a 1 A l k a l i n e P h o s p h a t a s e (宝酒造製) を加え、 6 5 °Cで 1時間放置した。
③その後、 フヱノール ZCHC 1 抽出を常法に従い 2回行い酵素を失活させ た後、 エタノール沈殿により精製した後、 TE溶液にて 1 00 n 1に溶か した。
④ 2) で得られた DNAと、 ③で得られた p B l u e s c r i p t l lを、 以 下の系で反応させ、 DN Aをベクターに挿入した。
DNA ( ( 2) で調製したもの) 5 μ 1 p B l u e s c r i p t l l N o t I切断物 (③で調製したもの) 1 μ 1 1 0倍ライゲ一シヨンバッファー (日本ジーン製) 2 μ 1 Τ 4リガ一ゼ (日本ジーン製) 1 1 滅菌水 1 1 μ 1
合計 2 0 μ 1 反応温度 1 6で
反応 2時間
3. GAD I I遺伝子のベクターへの挿入
GAD I I遺伝子を以下の操作により、 ベクターに挿入した。
( 1 ) DN A切断の系を以下のようにし、 制限酵素 E c o R I (宝酒造製) に よる DNA切断を行った。
DNA溶液 (1. で調製したもの) 2 0 μ \
E c o R I (宝酒造製) 2 μ 1
RN a s e A (日本ジーン製) 1 1
1 0 x H b u f f e r (宝酒造製) 1 0 Μ 1
滅菌水 6 7 μ \
合計 1 0 0 μ 1
反応温度 3 7で
反応時間 4時間
( 2) その後、 0. 7%N u S i e v e (登録商標) G TGァガロース (宝酒 造製) 電気泳動を行い、 2. 1 k b p付近の DNAを切り出し、 この DNAを G ENE C L EAN I I (登録商標、 フナコシ製) を用いて取扱説明書の通り に DNAを回収した。
( 3) DNAを組み込む p B 1 u e s c r i p t I I (ストラタジーン製) に E c o R Iで切断後脱リン酸化を行った。
① E c o R Iでの切断は、 以下の系で行った。
p B l u e s c r i p t l l ( 1 g / i 1 ) 3 μ 1
1 0 xH b u f f e r 2 μ 1
E c o R I 2 μ 1 滅菌水 1 4 μ 1
合計 2 0 μ 1
反応温度 3 7°C
反応時間一晩
②その後、 2 μ 1 1 M T r i s p H 8. 0を加え、 1 μ 1 B a c t e r i a l A l k a l i n e P h o s p h a t a s e (宝酒造製) を加え、 6 5 tで 1時間放置した。
③その後、 フエノール ZCHC 1 a 抽出を常法に従い 2回行い酵素を失活させ た後、 エタノール沈殿により精製した後、 TE溶液にて 1 00 gZ/ 1に溶か した。
④ 2) で得られた DNAと、 ③で得られた p B l u e s c r i p t l lを、 以 下の系で反応させ、 DNAをべクタ一に挿入した。
DNA ( ( 2) で調製したもの) 5 μ 1 p B l u e s c r i p t l l E c o R I切断物 (③で調製したもの) 1 μ 1 1 0倍ライゲ一シヨ ンバッファー (日本ジーン製) 2 μ 1
Τ 4 リガ一ゼ (日本ジーン製) 1 μ 1 滅菌水 1 1 μ \
合計 2 0 1 反応温度 1 6で
反応 2時間
4. 遺伝子の大腸菌への導入
2. で作製した HR P Iを挿入したベクタ一及び 3. で作製した GAD I Iを 挿入したベクタ一を、 それぞれ常法に従い反応液を全て、 E. c o l i J M 1 0
9コンビテントセル (宝酒造製) に混合し、 氷上で 30分間、 42でで 45秒間、 氷上で 3分間反応させた後、 SOC培地 900 μ 1を加え、 37で、 1時間置き、 ベクタ一を E. c ο 1 i JM109に導入した。 その後、 E. c o 1 i JM10 9を回収した。
なお、 この HRP I遣伝子を導入した組み換え体大腸菌を通商産業省工業技術 院生命工学工業技術研究所 (日本国茨城県つくば市東 1丁目 1番 3号) に寄託
(受託番号 FERM P— 15164) 、 平成 8年 9月 1 1日国際寄託に移管し た (受託番号 FERM BP— 5663) 。 また、 GAD I I遺伝子を導入し た組み換え体大腸菌を通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所 (日本国茨 城県つくば巿東 1丁目 1番 3号) に寄託 (受託番号 F ERM P— 15165) し、 平成 8年 9月 1 1日国際寄託に移管した (受託番号 FERM B P— 56 64) 。
5. 遺伝子の塩基配列の決定
(1) 4. で回収した E. c o l i JM 109を LB寒天培地 (100 μ gZ m 1アンピシリン、 0. 1 mM I PTG、 0. 004 % X - g a 1含有) に撒き、 37tで 1 6時間培養した。
(2) 形成されたコロニーのうち、 白色のコロニーを 2m l LB培地 (10 0 μ gZm 1アンピシリン含有) に植え、 37でで 16時間培養した
(3) その後、 12000 r pm、 1分間遠心分離して集菌し、 M a g i c M i n i p r e p (登録商標、 プロメガ製) に従いプラスミ ド DN A溶液を回収 した。
(4) 回収した DNAを T 7シークェンシングキッ ト (フアルマシア製) に従 レ、、 シークェンスし、 全塩基配列を決定した。 HRP I遺伝子の塩基配列を配列 表の配列番号 4に、 GAD I I遺伝子の塩基配列を配列表の配列番号 6に示す。 得られた GAD I I遺伝子配列に関して、 データベースを用いてホモロジ一検索
をしたところ、 一部においてホモロジ一がある配列として C SAD遺伝子が検索 された。 C SAD遺伝子は、 Biochemica et Biophysica Acta vol.1262, pp79- 8 2Q995)に報告されている。
6. アミノ酸配列の決定
5. で決定した塩基配列から、 1¾1 ? 1及び0八01 Iそれぞれのアミノ酸配 列を決定した。 HRP Iのアミノ酸配列を配列表の配列番号 3に、 GAD I Iの ァミノ酸配列を配列表の配列番号 5に示す。
I I . ヒ 卜 GAD I I
1. 完全長遺伝子の単離
完全長遺伝子の単離は 『Mo l e c u l a r C l o n i n g S e c o n d E d i t i o n』 Ch a p t e r 2に記載の方法に準じて行った。 以下にその 概要を示す。
(1 ) c DNAライブラリ一は C LONTE CH社の H um a n L i v e r 5 ' -S t r e t c h l u s c D N Aライブラリーを使用した。 この c
DNAライブラリーを C 600—大腸菌に接触させた後、 0. 7%寒天を含む N ZY培地に混合し、 1. 5%寒天を含む N ZY培地プレートに撒いた。 42でで 6時間培養を行うことで c DNAを大量に含むプラークを形成させた後、 このプ レート上にニ トロセルロースフィルタ一 (ィモビロン (登録商標、 ミリポア製) ) を載せ、 形成されたプラークを転写した。
(2) このフィルターを水酸化ナトリゥムでプラーク中の c DN Aを変性させ た。 変性の条件は実施例 1の 7. (1) に記載の条件と同じで行った。
(3) 変性させた c DNAを 75°Cで 2時間熱処理して固定し、 ハイブリダ ィゼーシヨンに用いた。 ハイブリダィゼ一シヨンに用いたプローブには、 I に で塩基配列を決定したラッ ト GAD I I遣伝子のうち配列表の配列番号 4の 65
番目の Aから 61 1番目の Gまでをランダムラベリング (ベーリンガーマンハイ ム製のランダムラベリングキットを使用した) で32 P— d CT P標識したものを 用いた。 ハイプリダイゼ一シヨンの条件及び洗浄の条件は文献に記載の条件にし たがった。
(4) ハイブリダィゼーシヨンの結果、 フィルターに固定した c DNAから得 られたポジティブシグナルに対応するプラークから完全長のヒ ト GAD I I遺伝 子を得た。
2. ヒ ト GAD I I遺伝子の塩基配列及びヒ ト GAD I Iのアミノ酸配列の決定 ヒ ト GAD I I遺伝子の塩基配列の決定は I . と同様の方法で行った。 すなわ ち、 以下のようにして行った。
(1) 遺伝子の大量調製
1) 1. (1 ) で NZY寒天培地上に形成させたプラークから回収した; Lフ ァージを S M溶液に懸獨した。
2) 1 ) の懸濁液 50 1 と C 600—大腸菌 20 μ 1を混合し、 37 、 15分間放置した。
3) その後、 l Om l NZY培地に 2) で混合した溶液を移し、 37 で 6 時間培養した。
4) 8000 r pm, 5分間遠心分離し、 上清を回収した。
5) 該上淸に、 5M Na C lを lm l、 ポリエチレングリコール 6000 を 1. 1 gを加え、 溶かした。
6) 該溶液を氷上に 1時間置き、 その後 10000 r pm、 4でで 20分間 遠心分離を行った。
7) 沈殿を回収し、 700 μ 1の SM溶液に懸濁した。
8) クロ口ホルムを 50 Ο μ 1加えて擾拌し、 残った大腸菌を溶かした。
9) 5000 r pm、 10分間遠心分離し、 水層を回収した。
1 0) これに、 l mgZm l RN a s e A、 5 m g /m 1 DN a s e l (共にシグマ社製) を各 1 1ずつ加え、 3 7 で 1時間放置したのち、 2 0% ポリエチレンダリコール 6 0 0 0 (0. 8M N a C l ) を 6 0 0 μ 1加え、 氷 上に 3 0分間放置した。
1 1 ) 4¾で、 1 5 0 0 0 r p m、 2 0分間遠心分離した後、 沈殿を回収し た。
1 2) この沈殿に 5 0 0 1 の SM溶液、 5 0 μ 1 の 5M N a C 5 0 μ 、の 0. 5Μ E DTAを加え、 更に、 4 0 0 μ 1 のフエノールを加えて攪拌 し、 ファージを溶かして c DNAを遊離させた。
1 3) 該溶液を室温で 1 5 0 0 0 r p m、 5分間遠心分離した後、 水層を回 収した。 該液に 1 m 1のエタノールを加え、 1 5 00 0 r p m、 2 0分間遠心分 離し、 液層を捨てた。
1 4) 7 0%エタノール 1 m 1で沈殿を洗浄し、 1 0 0 1の丁5溶液 (丁 r i s — C I p H 8. 0 1 0 mM、 1 mM EDTA) に沈殿を溶かし、 D N A溶液を得た。
(2) ヒ ト GAD I I遺伝子のベクタ一への挿入
ヒ ト GAD I I遺伝子を以下の操作により、 ベクターに挿入した。
1 ) DN A切断の系を以下のようにし、 制限酵素 E c o R I (宝酒造社製) による DN A切断を行った。
DNA溶液 (1. で調製したもの) 2 0 1
E c o R I (宝酒造社製) 2 μ 1
RN a s e Α (日本ジーン社製) 1 μ 1
1 0 xH b u f f e r (宝酒造社製) 1 0 μ 1
滅菌水 6 7 μ I
合計 1 0 0 μ 1
反応温度 3 7°
反応時間 4時間
2) その後、 0. 7 %N u S i e v e (登録商標) G TGァガロース (宝酒 造社製) 電気泳動を行い、 2. 1 k b p付近の DNAを切り出し、 この DNAを GENE C L EAN I I (登録商標、 フナコシ社製) を用いて取扱説明書の 通りに DNAを回収した。
3 ) DNAを組み込む p B 1 u e s c r i p t I I (ストラタジーン社製) に E c o R Iで切断後脱リン酸化を行った。
① E c o R Iでの切断は、 以下の系で行った。
p B i u e s c r i p t l l { 1 μ g / μ 1 ) 3 μ 1
E c o R I 2 μ 1
滅菌水 1 4 μ 1
合計 2 0 1
反応温度 3 7°C
反応時間一晩
②その後、 2 /z l 1 M T r i s p H 8. 0を加え、 1 1 B a c t e r i a l A l k a l i n e P h o s p h a t a s e (宝酒造社製) を加え、 6 5 でで 1時間放置した。
③その後、 フエノール ZCHC 1 3 抽出を常法に従い 2回行い酵素を失活させ た後、 エタノール沈殿により精製した後、 TE溶液にて 1 00 μ g/μ 1に溶か した。
④ 2) で得られた DNAと、 ③で得られた p B l u e s c r i p t l lを、 以 下の系で反応させ、 DNAをベクターに挿入した。
DNA ( ( 2) で調製したもの) 5 μ 1
p B l u e s c r i p t l l E c o R I切断物 (③で調製したもの) 1 μ 1 1 0倍ライゲーシヨンバッファ一 (日本ジーン社製) 2 /i 1
T 4 リガーゼ (日本ジーン社製) 1 μ 1 滅菌水 I I μ \
合計 2 0 μ 1 反応温度 1 6 °C
反応 2時間
( 3 ) 遺伝子の大腸菌への導入
( 2 ) で作製したヒ ト GAD I Iを挿入したベクタ一を、 それぞれ常法に従い 反応液を全て、 E. c o l i J M 1 0 9コンビテントセル (宝酒造社製) に混合 し、 氷上で 3 0分間、 4 2 で 4 5秒間、 氷上で 3分間反応させた後、 S OC培 地 9 0 0 μ 1を加え、 3 7 、 1時間置き、 ベクターを E. c o l i J M 1 0 9 に導入した。 その後、 E. c o I i J M 1 0 9を回収した。
なお、 このヒ ト GAD I I遺伝子を導入した組み換え体大腸菌を h C SAD 2 と名付け通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所 (日本国茨城県つくば市 東 1丁目 1番 3号) に寄託 (受託番号 F E RM P— 1 5 7 6 2) し、 平成 8年 9月 4日国際寄託に移管した (受託番号 F E RM B P _ 5 6 5 3) 。
(4 ) 遺伝子の塩基配列の決定
1 ) ( 3) で回収した E. c o 1 i J M1 0 9を L B寒天培地 (1 0 0 μ g /m 1 アンピシリン、 0. 1 mM I P TG、 0. 0 04 % X - g a 1含有) に撒 き、 3 7 で 1 6時間培養した。
2) 形成されたコロニーのうち、 白色のコロニーを 2 m l L B培地 (1 0 0 μ gZm 1アンピシリン含有) に植え、 3 7でで 1 6時間培養した
3 ) その後、 1 2 0 0 0 r p m、 1分間遠心分離して集菌し、 Ma g i c
M i n i p r e p (登録商標、 プロメガ製) に従いプラスミ ド DNA溶液を回収 した。
4 ) 回収した DNAを DNAシークェンシングキット (ダイターミネ一ター 法、 パーキンエルマ一社製) を用いてその取扱説明書に従い、 シークェンスし、 全塩基配列を決定した。 塩基配列を配列表の配列番号 8に示す。 なお、 ラッ ト G AD I I遺伝子とのホモロジ一 (ラットに対するヒ トのホモロジ一) は、 遺伝子 全長で 73%、 蛋白質コード部分で 83%である。 ホモロジ一計算は、 D I NA S I S V e r 3. 0 (日立ソフトウェアエンジニアリング社製) のマキシマム マッチングを用いて行った。
(5) アミノ酸配列の決定
(4) で決定した塩基配列から、 ヒ ト GAD I Iのアミノ酸配列を決定した。 アミノ酸配列を配列表の配列番号 7に示す。 ラット GAD I Iとのホモロジ一 (ラッ 卜に対するヒ トのホモロジ一) は 85%である。
(実施例 13) 肝癌の遺伝子発現レベルでの診断の可能性の確認
1. HR P I遺伝子のノーザンプロットハイブリダィゼーシヨン法による解析 HRP I遺伝子のノーザンプロットハイプリダイゼーシヨン法による解析を、 『 Cu r r e n t P r o t o c o l s i n Mo l e c u l a r B i o l o g y』 (1987年、 G r e e n e P u b l i s h i n g As s o c i a t e s a n d W i l e y— I n t e r s c i e n c e社) Ch a p t e r 4 に記載されているホルムアルデヒ ド変性ゲル電気泳動を用いる方法に従い行った。 用いた p o 1 y A RNAの量は、 各サンプルにっき 500 n gで、 ①正常肝臓 及び DEN投与後 7力月の肝癌の p o 1 y A R N Aを用いたもの、 ② 1. で調 製した肝癌飼料の全ての p o 1 y A RNAを用いたものの 2種類について行つ た。
(1) 実施例 12の I . 2. で p B l u e s c r i p t l l上にのせた HRP I遣伝子を制限酵素処理にて、 ベクタ一から切り出した。
(2) その後、 制限酵素処理液をァガロースゲル電気泳動にかけて、 目的とす る HRP I遺伝子を分離した。
(3) (2) で分離した HRP I遺伝子を GENE CLENE I I (登録 商標、 フナコシ製) を用いて精製した。
(4) 精製した HR P I遺伝子をランダムプライムド DN Aラベリングキット (ベーリンガーマンハイム製) を用いて製品取扱説明書に従い、 a_P 32 d
CTP (アマシャム製) を用いて32 P— d CTP標識した HRP I遣伝子プロ一 ブを作製した。
(5) (4) で作製したプローブを用いて、 まず正常肝臓と 7力月肝癌を用い た系において、 ノーザンブロットハイプリダイゼ一ション法による解析を行った。 この結果、 肝癌で有意に增加する遺伝子として HR P I遺伝子が検出された。 こ れより HR P I遺伝子を用いることで、 肝癌と正常肝臓の識別が可能となること、 すなわち、 肝癌の発症のモニタ一が可能となること、 さらには肝癌の診断が可能 であることが判明した。
(6) 次に、 同じプローブを用いて、 1. で調製した肝癌飼料全ての p o 1 y A RNAを用いたものを使用した系でノーザンブロッ卜ハイブリダィゼーショ ン法解析を行ったところ、 発癌誘導に伴い HRP I遗伝子の有意な增加が見られ ることが判明した (図 9) 。 このことから、 HR P I遺伝子を用いて発癌初期の 肝癌の識別も可能であること、 すなわち肝癌の進行程度のモニターが可能である こと、 さらには肝癌の早期診断が可能であることが判明した。
2. GAD I I遗伝子のノーザンブロッ トハイブリダィゼ一シヨン法による解 析
同様の方法で GAD I I遺伝子についてもノーザンブロットハイブリダィゼ一 シヨン法解析を行った。 結果を図 10に示す。 これより、 GAD I I遺伝子を用 いることで肝癌と正常肝臓の識別が可能となること、 及び発癌初期の肝癌の識別 も可能であること、 すなわち肝癌の進行程度のモニターが可能となること、 さら には肝癌の早期診断が可能であることが判明した。
(実施例 14) HRP I部分蛋白質の発現
1. 組み換え大腸菌の作製
実施例 1の 8で取得した HRP I遺伝子の部分長クローン (185— 299番 目のアミノ酸をコ一ドする部分) をヒスチジンタグを導入した p ET 3 aベクタ 一 (図 3) に組み込んだ後、 大腸菌 BL 21 (DE 3) p Ly s Sに導入した。
2. HR P Iの作製
(1) 1. で作製した大腸菌をアンピシリン 100 μ g "m 1を含む LB培地 で培養し、 分光光度計 (ベックマン製) で測定した濁度が 600 nmの波長で 0. 5になった時点で、 0. 5mMになるように I PTGを加え HRP I蛋白質の発 現誘導を行った。
(2) 2時間後、 大腸菌を回収し、 Ly s i s Bu f f e rに懸漲した後、 ソニケ一シヨンし、 B e c kma n O t i ma XL— 80を使用し、 50. 2T iロータ一で 18000 r pm、 4で。 15分間遠心分離した。
(3) この後、 沈殿物を 6M塩酸グアジニンに溶解し、 N i—ァガロース (キ ァゲン製) を用いて、 取扱い説明書の通りに精製した。
3. SDS— PAGE電気泳動
精製された標品の SDS _ポリアクリルアミ ド電気泳動にかけ、 クマシ一プリ リアントブルーで染色し、 精製がうまく行われたことを確認した。 結果を図 1 1 に示す。
(実施例 1 5) HR P I全長蛋白質の発現
1. HR P I遗伝子の大量調整
(1) 組み換えべクタ一の作製
HR P I遗伝子を図 12に示されるヒスチジンタグを導入した p B 1 u e B a c I I Iベクタ一 (インビトロゲン製) に組み込んだ。 以下にその詳細を記す。
1) まず、 実施例 1 2の 2. で作製した HR P I遺伝子を揷入した p B 1 u e s c r i p t I Iベクターを、 PCR法 ( 『Cu r r e n t r o t o c o l s i n mo l e c u l a r b i o l o g y』 (G r e e n e Pu b l i s h i n g A s s o c i a t e s a n d W i l e y— I n t e r s c i e n c e, 1 987) c h a p t e r 1 5に記載) により、 次の式 ( 1 ) 及び式
(2) の塩基配列のプライマ一を用いて、 HRP I遺伝子の第一メチォニン部分 をコードする塩基配列を N d e I認識部位として増幅した。
5 ' GAA TTC CAT ATG TTC TAT ATA C AG AG T TCT GAG GC 3 ' · . ·式 ( 1 )
5 ' TCC AGT TAG TG A CGT CTG ATG 3 '
• · ·式 (2)
2) 増幅された遺伝子を Nd e I及び B amH I (共に宝酒造製) でカタログ の条件通りに切断した。
3 ) 別に、 実施例 12の I . の 2. で作製した pB l u e s c r i p t l l上 の HR P I遣伝子を B a mH I及び S a c I (共に宝酒造製) でカタログの条件 通りに切断した。 各々の切断された遗伝子は、 ァガロース電気泳動及び GENE
CLEAN I I (登録商標、 フナコシ製) を用いて目的部分のみを精製した。
4) 2) 及び 3) でそれぞれ作製した遗伝子を L i g a t i o n P a c k (日本ジーン製) を用いてその取扱説明書に従い連結した。
5) E c o R I /N d e Iノ E c o R Iアダプタ一 (5' AATTC C AT A TGG 3 ' ) を DN A合成機で合成し、 T4ポリヌクレオチドキナーゼ (宝酒
造製) を用いて説明書にしたがいリン酸化した。
6) 8 1 11 6 5 。 1" 1 { 1 1を£じ 0 1で切断し、 5) で作製した E c o R I ZNd e I /E c o R Iアダプターを切断部位に組み込んだ。
7) 6) で作製したベクターの Nd e I、 S a c Iを切断し、 4) で作製した 遺伝子を該部位に組み込んだ。
8) 該ベクタ一を大腸菌 JM109に常法に従い導入し、 該ベクターが挿入さ れた大腸菌を、 LB培地 (アンピシリン 100 μ gZm 1含有) で培養した。
9) 培養した大腸菌から、 Ma g i c Mi n i p r e p (プロメガ製、 登録 商標) を製品説明書に従って用いて、 目的のベクタ一を精製した。
10) 該ベクターを N d e Iで切断後、 L i g a t i o n P a c kを使用し て Nd e l Nc o I リンカ一 (5, TATCCATGG 3' ) と連結し、 べク ターの両切端を N c o Iとした。
1 1 ) 該ベクタ一の HR P I遺伝子部分の N c 0 Iサイ トを制限酵素で切断し、 両端が N c o Iである HR P I遣伝子を作製した。
12) これを常法によりァガロース電気泳動後、 GENE CLEAN I I を用いて目的部分のみを精製した。
13) 図 1 2に示すヒスチジンタグを導入した p B 1 u e B a c I I Iベクタ 一 (インビトロゲン製) を常法によって N c o Iで切断した後、 脱リン酸化処理 を行った。
14) 10) で精製した HRP I遣伝子と 1 1 ) で作製したベクタ一とを、 L i g a t i o n P a c k (日本ジーン製) を用いてその取扱説明書に従い連結 した。
なお、 上記各過程でのベクター又は大腸菌に組み込まれた遺伝子の確認は、 挿 入断片の塩基配列を読み取って行つた。
(2) HRP I遺伝子の大量調整
HR P I遺伝子を組み込んだプラスミ ドを 『Mo 1 e c u 1 a r C 1 o n i n g s e c o n d E d i t i o n』 (Co l d s p r i n g Ha r b o r L a b o r a t o r y P r e s s、 1989) c h a p t e r lに gc載の 方法で大量調製した。 なお、 プラスミ ドの精製には同書記載の超遠心分離を用い たが、 その回数は 3回行った。
2. HR P I全長蛋白質の発現
(1) 大量調製したプラスミ ドをリポフエクシヨン法 (DO TAP (登録商 標、 ベーリンガーマンハイム製) ) によって S f 9細胞に導入した。
(2) 得られた組み換え体ウィルスを再び S f 9細胞に感染させ、 大量発現さ せた。 リボフヱクシヨン後の S f 9細胞の扱いや、 組み換え体ウィルスの作製、 蛋白質の大量発現等の方法は、 すべて MAXBAC (登録商標、 インビトロゲン 製) の製品説明書に従い行った。
(3) HR P Iを発現させた S f 9細胞は SD S s am l e b u f f e rに懸濁させ、 5分間ボイルした後、 SD S— PAGE電気泳動にかけた。 その 後、 クマシ一ブリ リアントブルーで染色した結果、 H P R Iのバンドが検出され た。 図 13に、 S D S— PAGE電気泳動の結果を示す。
(実施例 16) GAD I Iの発現
1. GAD I I遺伝子の大量調整
(1) 組み換えべクタ一の作製
ラット GAD I I遺伝子を図 3に示されるヒスチジンタグを導入した pET 3 aベクターに組み込んだ。 以下にその詳細を記す。
①まず、 実施例 12の I . の 3. で作製した GAD I I遺伝子を挿入した p B l u e s c r i p t I Iベクターを、 PCR法 ( 『Cu r r e n t p r o t o c o l s i n mo l e c u l a r b i o l o g y』 (G r e e n e P u
b l i s h i n g As s o c i a t e s a n d W i l e y— I n t e r s c i e n c e , 1 987) c h a p t e r 15に記載) により、 次の式 ( 3 ) 及 び式 (4) の塩基配列のプライマ一を用いて、 GAD I I遺伝子の第一メチォ二 ン部分をコ一ドする塩基配列の前に E c o R Iサイ トを導入して增幅した。
5 ' GAA TTC CCC ATG GCT GAC TC A AAA C C A CTC AGA A 3' · · ·式 (3)
5 ' GCA CTG AC C AGA AAT GGC AC 3 '
. . ·式 (4)
②增幅された遺伝子を E c o R I, S a c Iで切断して切り出した。
③別に、 GAD I I遺伝子を挿入した p B l u e s c r i p t l lの GAD I I遺伝子の C末端側に存在する残りの部分を B g 1 I Iで切断した。 その後、 ク レノーフラグメントで平滑化した後、 S a c Iで切断して遺伝子を切り出した。
④②で切り出した遺伝子と③で切り出した遺伝子とを L i g a t i 0 n P a c k (日本ジーン製) を用いてその取扱説明書に従い連結し、 GAD I I遺伝子 を作製した。
⑤図 3に示すヒスチジンタグを導入した pET3 aベクターを E c oR I、 S ma Iで切断した後、 脱リン酸化処理を行った。
⑥④で作製した GAD I I遺伝子と⑤で作製されたベクターとを、 L i g a t i o n P a c k (日本ジーン製) を用いてその取扱説明書に従い連結した。 なお、 上記過程でのベクターに挿入された遺伝子の確認は、 挿入断片の塩基配 列を読み取って行った。
(2) GAD I I遺伝子の大量調整
GAD I I遺伝子を組み込んだプラスミ ドを 『Mo 1 e c u 1 a r C 1 o n i n g s e c o n d E d i t i o n』 (C o l d S p r i n g Ha r b o r La b o r a t o r y P r e s s、 1 989) c h a p t e r lに記載 の方法で大量調製した。
2. GAD I Iの発現
( 1 ) 大量調製したプラスミ ドを大腸菌 B L 21 (DE 3) p Ly s Sに導入 した。
(2) 該大腸菌をアンピシリン 100 μ g/m 1を含む LB培地で培養し、 分 光光度計 (ベックマン製) で濁度が 600 nmの波長で 0. 5になった時点で I PTGを 0. 5 mMになるように加え、 GAD I Iの発現誘導を行った。
3. GAD I Iの精製
(1) 2時間後、 大腸菌を回収し、 Ly s i s Bu f f e rに懸濁した後 4 でソニュケ一ションし、 B e c kma n Op t i ma XL— 80を使用し、 50. 2T i ロータ一で 1800 r pm、 4 で 15分間遠心分離した。
(2) その後、 上清を取り、 1Mイミダゾール (pH7. 5) を終濃度 10m Mになるように加え、 N i—ァガロース (登録商標、 キアゲン製) を用いて非変 性条件で取扱い説明害の通りに精製した。
(3) 精製された標品を、 10b/0SDS— P AGE電気泳動にかけ、 クマシ一 ブリリアントブルーで染色したところ、 56 k D付近にバンドが現れ (図 14) 、 得られた蛋白質が GAD I I蛋白であることが確認された。
(4) 次に残った精製 GAD I I蛋白質を (3) と同様に 2 X SDSサンプル バッファーで処理し、 5 mmゲル厚の 10%SDS— PAGE電気泳動にかけ、 泳動終了後ゲルを 4 ¾にて 0. 251^の1:じ 1で 30分間染色を行った。
(5) 56 kD付近の白く染色された目的のバンドをカッターナイフで切り出 し、 そのバンドをカッターナイフでさらに細かく刻んだ。
(6) バイオラッド社製のモデル 422エレク ト口エリユエ一ターを用い、 取 り扱い説明書に従い 20 mAで 8時間、 蛋白質の溶出を行った。
(7) 溶出された蛋白質を該エレク トロエリユエ一ターの取扱説明書に従い回 収した。 蛋白質溶液の保存は一 80T:にて行った。
(実施例 1 7) 抗 HRP I抗体の作製
1. 抗 HRP I抗体の作製
実施例 1 4で作製した HRP I部分蛋白質を 『An t i b o d i e s A L a b o r a t o r y Ma n u a l』 (C o l d S p r o n g Ha r b o r
L a b o r a t o r y, 1 988) c h a p t e r 5』 に記載の方法にした力; つてゥサギに免疫し、 抗 HRP I抗体を作製した。
2. ウェスタンブロッ ト
II C u r r e n t p r o t o c o l s i n mo l e c u l a r b i o 1 o g y』 (G r e e n e P u b l i s h i n g A s s o c i a t e s a n d W i l e y— I n t e r s c i e n c e, 1 987) c h a p t e r lに 記載の方法にしたがって行った。
(1) 実施例 1 4で作製した HRP I部分蛋白質及び実施例 1 5で作製した H RP I完全長蛋白質をそれぞれウェスタンプロットを行った。
(2) その後、 抗 HRP I抗体を該 HRP I部分蛋白質又は HRP I完全長蛋 白質とそれぞれ反応させた。 二次抗体としてアル力リフォスファターゼで標識さ れた抗ゥサギ I gG抗体を反応させ、 さらに該アルカリフォスファタ一ゼを基質
(NBT、 BC I D (共にプロメガ製) ) と反応させ呈色させた (図 1 5 [A] ) 。 これより抗 HRP I抗体が HRP I と反応することが確認された。 なお、 図 1 5 [A] では、 組み換え体 HRP Iがヒスチジンタグ分だけ分子量が大きくなつ ていることが見られる。
(実施例 1 8) HRP Iの肝癌の診断への利用の検討
( 1 ) 実施例 1で作製した各種肝癌組織 l gを 5m lの 2 x SDS s amp 1 e b u f f e rでホモジナイズした後、 3分間ボイルすることで肝癌組織抽 出液を得た。
(2) 該抽出液を 1 2. 5%SDS— P AGE電気泳動にかけた後、 ゥエスタ ンブロットを行った。 なお、 蛋白質量は、 別に同様の電気泳動を行ったゲルをク マシ一プリ リアントブルーで染色したのち、 比色することで揃えた。
(3) その後、 実施例 1 7で作製した抗 HRP I抗体を該抽出液と反応させた。 二次抗体としてアル力リフォスファタ一ゼで標識された抗ゥサギ I gG抗体を反 応させ、 さらに該アルカリフォスファタ一ゼを基質 (NBT、 BC I D (共にプ 口メガ製) ) と反応させ呈色させた (図 1 5 [B] ) 。 この結果、 ノーザンプロ ッ トハイブリダィゼーション法の結果と同様に、 肝癌及び肝癌発現過程で有意な HRP I蛋白質の増加が確認された。 すなわち、 該抗体は、 肝癌と正常肝臓の識 別および発現過程の肝臓と正常肝臓の識別が可能であり、 肝癌の発症のモニター、 肝癌の早期診断等に使用できることが確認された。
(実施例 1 9) 抗 GAD I I抗体の作製
1. 抗 GAD I I抗体の作製
実施例 1 6で作製した GAD I I蛋白質を 『An t i b o d i e s A L a b o r a t o r y Ma n u a l』 (C o l d S p r o n g Ha r b o r L a b o r a t o r y, 1 988) c h a p t e r 5』 に記載の方法にしたがつ てゥサギに免疫し、 抗 HRP I抗体を作製した。
2. ウェスタンブロッ ト
『し u r r e n t p r o t o c o l s i n mo l e c u l a r b i o l o g y』 (G r e e n e Pu b l i s h i n g A s s o c i a t e s a n d W i l e y— I n t e r s c i e n c e, 1 98 7) c h a p t e r lに 記載の方法にしたがって行った。
(1) 実施例 1 6で作製、 精製した GAD I I蛋白質をナイロンメンブラン (ィモビロン P (ミリポア製) ) 上にウェスタンブロッ トを行った。
(2) その後、 抗 GAD I I抗体をメンブラン上の GAD I I蛋白質と反応さ
せた。 二次抗体としてアルカリフォスファタ一ゼで標識された抗ゥサギ I gG抗 体を反応させ、 さらに該アルカリフォスファタ一ゼを基質 (NBT、 BC I D
(共にプロメガ製) ) と反応させ、 呈色させた。 561^0に0八 1 I蛋白質の バンドが検出され、 これより抗 GAD I I抗体が GAD I I蛋白質と反応するこ とが確認された。
(実施例 20) GAD I I蛋白質の肝癌の診断への利用の検討
(1) 実施例 1で作製した肝癌組織 (DEN投与後 7ヶ月) 及び正常肝臓組織 をそれぞれ l gを 5m lの 2 x SDS s amp l e b u f f e rでホモジナ ィズした後、 3分間ボイルすることで肝癌組織抽出液を得た。
(2) 該抽出液、 実施例 16で作成した GAD I Iを 1 2. 5 % S D S - P A GE電気泳動にかけた後、 ウェスタンプロットを行った。 なお、 蛋白質量は、 別 に同様の電気泳動を行ったゲルをクマシ一ブリ リアントブル一で染色したのち、 比色することで揃えた。
(3) その後、 実施例 19で作製した抗 GAD I I抗体を該抽出液と反応させ た。 二次抗体としてアルカリフォスファタ一ゼで標識された抗ゥサギ I gG抗体 を反応させ、 さらに該アルカリフォスファタ一ゼを基質 (NBT、 BC I D (共 にプロメガ製) ) と反応させ呈色させた。 この結果、 ノーザンプロットハイプリ ダイゼ一シヨン法の結果と同様に、 肝癌及び肝癌発現過程で有意な GAD I I蛋 白質の増加が確認された。 すなわち、 該抗体は、 肝癌と正常肝臓の識別および発 現過程の肝臓と正常肝臓の識別が可能であり、 肝癌の発症のモニター、 肝癌の早 期診断等に使用できることが確認された。
(実施例 21) HRP I遺伝子、 GAD I I遺伝子の組織間分布の確認 組織間分布の確認には、 Ra t MTN B l o t (クローンテック製、 登録 商標) を用いた。 この製品は、 上述のノーザンプロットハイブリダィゼーシヨン
を行うために市販されている、 ラット各組織の p o l yA RN Aをブロットし たメンブランである。 このメンブランを 『Mo l e c u l a r C l o n i n g
S e c o n d E d i t i o n』 (C o l d S p r i n g Ha r b o r La b o r a t o r y P r e s s、 1989) p p 7. 3— 7. 84に記載の 方法、 及び製品取り扱い説明書に従い前述の HRP I遺伝子プローブ及び GAD I I遺伝子プローブを用いてそれぞれノーザンブロッ トハイブリダィゼ一シヨン を行った。
HR P I遺伝子プローブの結果を図 16に、 GAD I I遺伝子プローブの結果 を図 1 7に示す。 結果から明らかなように、 HRP I遺伝子は肝臓及び^臓で強 く発現していて、 他に肺でも発現している。 また、 GAD I I遺伝子は肝臓、 胥 臓で強く発現していて、 長さは異なるが肺でも発現している。
本発明の HR P I又は HR P I遗伝子もしくは GAD I I又は GAD I I遺伝 子を肝臓から検出することで肝癌の進行程度のモニタ一、 肝癌の診断、 特に早期 肝癌の診断が可能となる。
また、 HR P I遺伝子又は GAD I I遺伝子それぞれの一部又は全部を用いる ことで肝癌の発症を遣伝子の発現レベルで診断することが可能となる。
また、 抗 HR P I抗体又は抗 GAD I I抗体を用いることで、 肝癌の発症を免 疫組織学的に診断することが可能となる。
さらに、 将来的には該遗伝子、 該遗伝子のアンチセンス遣伝子ゃ該抗体を用い た肝臓癌治療への応用が期待される。
【配列表】
配列番号: 1
配列の長さ : 2 6 7
配列の型: アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:蛋白質
配列
Met Val Val Val Ala Ala Ala Pro Ser Ala Ala Ser Ala Ala Pro Lys
1 5 10 15
Val Leu Leu Leu Ser Gly Gin Pro Ala Ser Gly Gly Arg Ala Leu Pro
20 25 30
Leu Met Val Pro Gly Pro Arg Ala Ala Gly Ser Glu Ala Ser Gly Thr
35 40 45
Pro Gin Ala Arg Lys Arg Gin Arg Leu Thr His Leu Ser Pro Glu Glu
50 55 60
Lys Ala Leu Arg Arg Lys Leu Lys Asn Arg Val Ala Ala Gin Thr Ala 65 70 75 80
Arg Asp Arg Lys Lys Ala Arg Met Ser Glu Leu Glu Gin uln Val Val
85 90 95
Asp Leu Glu Glu Glu Asn Gin Lys Leu Gin Leu Glu Asn uln Leu Leu
100 105 110
Arg Glu Lys Thr Hi s Gly Leu Val lie Glu Asn Gin Glu Leu Arg Thr
115 120 125
Arg Leu Gly Met Asn Ala Leu Val Thr Glu Glu Val Ser Glu Ala Glu 130 135 140
Ser Lys Gly Asn Gly Val Arg Leu Val Ala Gly Ser Ala Glu Ser Ala 145 150 155 160
Ala Leu Arg Leu Arg Ala Pro Leu Gin Gin Val Gin Ala Gin Leu Ser
165 170 175
Pro Pro Gin Asn lie Phe Pro Trp lie Leu Thr Leu Leu Pro Leu Gin
180 185 190 lie Leu Ser Leu lie Ser Phe Trp Ala Phe Trp Thr Ser Trp Thr Leu
195 200 205
Ser Cys Phe Ser Asn Val Leu Pro Gin Ser Leu Leu lie Trp Arg Asn
210 215 220
Ser Gin Arg Ser Thr Gin Lys Asp Leu Val Pro Tyr Gin Pro Pro Phe 225 230 235 240
Leu Cys Gin Trp Gly Pro His Gin Pro Ser Trp Lys Pro Leu Met Asn
245 250 255
Ser Phe Val Leu Thr Met Tyr Thr Pro Ser Leu
260 265 配列番号: 2
配列の長さ : 2 5 2 0
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類: c D N A t o m R N A
配列
CTCATTTCCT AAACACTCAT TTTGTGAAAT TCCCCAGGTC TGTGTGTATG TGTTCGCTAA 60 CTCTAAACCG GATATGCCAC CAGTTTGATT TTCGGCTGTA CTAGGGACCG ATGTGGCGCC 120
9BJ31 SVV 0V3
CTTTGGATGA TGACTTCATT CCCGAGCTGG GCATCTCAAA CCTGCTTTCA TCCAGCCATT 1498
GTCTGAGACC ACCTTCCTGC CTGCTGGATG CTCACAGTGA CTGTGGATAT GAGGGCTCCC 1558
CTTCTCCCTT CAGCGACATG TCTTCTCCAC TTGGTACAGA CCACTCCTGG GAGGACACTT 1618
TTGCCAACGA ACTTTTCCCC CAGCTGATTA GTGTCTAAAG CCACCCACCA CTGGGCTCCT 1678
TCCCTGATCA TCACACTGCC TAGAGGATAG CATAGGCCTG TCTGCTTCAC TAAAAGCCAA 1738
AGTAGAGGCT ATCTGGCCTT ATAAGAATTC CTCTAAAGTA TTTCAAACCT CTTAGATGAC 1798
TTCCAAGTAT TGTCTTTTGA CACTCAGCTG TCTGAGGTCT TCAAAGGTAT TCCAATACTA 1858
CAGCTTTTGA GATTCTCATT ATCTTAAAGG TGGTAGCATG CTCTAAATCA TAGGGAAAGT 1918
CATCTGACAG TTATCGTTCA GCCTGGCTAT GTAGCCGAGG CTAAGCTGAA ACTTGTGACC 1978
CTCTTGACCC CACTCCCAAG TGCTGGACTT TACCAGGTGT GCAGCTCCAC ACCGGCCTCT 2038
TCACATGTCC TGAAGTAGAC ATGAGAGTCA CCAGTTCTTT CTCTCCTCCC CGCCCCACAG 2098
GTTTCTTTTG TTTCCTTCTA CAAGCAGAGA AACAGCAACC TGAGGGGCCT GTCCTTCCTT 2158
ATGTCCAGTT CAAGTGAAGA TCAAGAATCT TTGTAAAATT ATTGGAAATT TACTGTGTAA 2218
ATGCTTGATG GAATCTTCTT GCTAGTGTAG CTTCTAGAAG GTGCTTTCTC CATTTATTTA 2278
AAACTACCCA TGCAATTAAA AAAGCAACGC AGCATCCCCG TTGAATGATT TTAGGGCTGT 2338
TTATCTTTAT CGTTTGCTAG GGGAGTAATT TCTCATCTAA AGTGAGCACA CCACTTTTTT 2398
AAAAGTCAGA GAGCGGGCTG GGGATTTAGC TCAGTGGTAG AGCGCTTACC TAGGAAGCGC 2458
AAGGCCCTGG GTTCGGTCCC CAGCTCCGGA AAAAAAAGAA CCAAAAAAAA AAAAAAAAAA 2518
AA 2520 配列番号: 3
配列の長さ : 3 0 0
配列の型: アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:蛋白質
配列
Met Phe Tyr lie Gin Ser Ser Glu Ala Leu Gin lie Leu Lys Asn Ser
1 5 10 15
Leu Arg Lys His Leu Pro Glu Ser Leu Lys Val Tyr Gly Thr Val Phe
20 25 30
His Met Asn Gin Gly Asn Pro Phe Lys Leu Lys Ala Val Val Asp Lys
35 40 45
Trp Pro Asp Phe Asn Thr Val Val lie Arg Pro Gin Glu Gin Asp Met
50 55 60
Thr Asp Asp Leu Asp His Tyr Asn Asn Thr Tyr Leu l ie Tyr Ser Lys 65 70 75 80
Asp Pro Lys Hi s Cys Gin Glu Phe Leu Gly Ser Ser Asp Val Thr Asn
85 90 95
Trp Lys Gin His Leu Gin lie Gin Ser Ser Gin Ser Asp Leu Gly Lys
100 105 110
Val lie Glu Asn Leu Gly Ala Thr Ser Leu Gly Lys Val Lys Hi s Lys
115 120 125
Gin Cys Phe Leu Tyr Met Val Ser His Thr Ala Lys Lys Leu Thr Pro
130 135 140
Ser Leu Val Asp Ala Lys Hi s Leu Val Val Ser Ser Glu Lys Pro Thr 145 150 155 160
Pro Phe Asp His Gin Leu Phe Lys Phe Ala Arg Leu Asp Val Lys His
165 170 175
Ala Ala Leu Val Asn Ser lie Trp Tyr Phe Gly Gly Asn Glu Lys Ser
180 185 190
Gin Lys Phe lie Glu Arg Cys l ie Phe Thr Ser Pro Ser Val Cys lie
195 200 205
Met Gly Pro Glu Gly Thr Pro Val Ser Trp Ala Leu Met Asp Hi s Thr
210 215 220
Gly Glu Leu Arg Met Ala Gl y Thr Leu Pro Lys Tyr Arg His Gin Asn
225 230 235 240
Leu l ie Tyr Hi s Val Ala Phe Hi s Gin Val Hi s Thr Leu Glu Lys Leu
245 250 255
Gly Phe Pro Met Tyr Leu Hi s Val Asp Lys Val Asn Leu Thr lie Gin
260 265 270
Arg Met Ser Ala Val Leu Gl y Met Ser Pro Cys Pro Val Pro Gly Thr
275 280 285
Ser Gly Thr Gly Tyr Leu Ser Lys Ala Arg Lys Glu
290 295 300 配列番号: 4
配列の長さ : 1 6 3 4
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類: c D N A t o m R N A
配列
ACAGATTTAT AGGTATTAGA AGAG ATG TTC TAT ATA CAG AGT TCT GAG GCA CTG 54 CAG ATT CTG AAG AAT TCC CTA AGG AAG CAC CTC CCT GAG TCC TTA AAG 102 GTT TAT GGG ACT GTC TTC CAC ATG AAC CAG GGA AAC CCA TTC AAG CTC 150 AAG GCT GTG GTG GAC AAG TGG CCT GAT TTT AAT ACT GTT GTT ATT CGA 198 CCA CAG GAA CAG GAC ATG ACA GAT GAC CTT GAC CAC TAC AAC AAC ACT 246 TAC CTA ATT TAT TCC AAG GAT CCC AAG CAC TGT CAG GAA TTC CTT GGC 294
L
mi DLLL1LI 丄丄 UV丄 3丄丄丄 V9V1DV0V91 IIDIVOI OI 0W13V9WV VVI19VDVW
LL91 ίίΙΟΙΨίΙ ί WVXOWIW V3V3V3V301 01VD900090 XV190V33DD I3DVVX3I33
Αΐ9ΐ 10113V03XV D3IIVI3XW 0V9V00WW I9IIV3V33V V9001D31IV OlllVVOiOO ί Π VV10013D0V V3X0V39I33 0I91VVV10V V33VDI30V9 V13V0V0WV V9V1I0IIW
Ζ6£ΐ 0W19IDW3 V199I0I9XV 19V3V3V1V0 V3VDWV301 VDVIVIDVI3 VVWVIOIVX εετ VVliOllWV IIVDVOVDOV DIOVDIOIVO IDlXOlllOV VOVOOllOOO i niXDOII
LLZ\ 130VI013I1 130013X331 1DVXV309V3 VDV331D3DV V3V33333DV 01D3V9I91I l\Z\ X10I1199V1 0V3I0V11V1 309IV3D1V0 1IVDI309V3 9I111V3I1V I33I3I3J.3V Ζ9Π 19IIVWID0 01IIV3V3 IDI331IV00 V3IDI1V3V3 3313013310 IV33VD3D0V
Z60T V0V3VIV39V 3I311IV331 1VV113I30X V3I3911VDV 3I33303I1D XIiOV3V3V3
ΖΕΟΐ 0130V9I3V3 V3IV30I10D 0V3GV9V0V1 31II91910X 00I009V11V DI01DW9I0
LL6 W0V0V0V3V V910V01300 IVVV0V901V 9V10II3V30 13V9009DVD VOl 9V0 VW
816 V9V 330 VW 101 013 3VI 000 13V VOO 10V 3DV VOO 1DD V丄 f) 103 001 LS VDD 331 OIV 300 013 910 139 131 OIV VOV OVO 丄丄 V 33V 313 3VV 丄丄 3
ZZ^ OVV IVO 910 IVO VII XVX 9XV 333 III 390 913 OW OVO VIO V3V 1V3
VLL DID OVO DVD 111 130 110 IVO DVI 丄丄 V DID OVV OVD OVO 90D 3VI 9W
9ZL 103 Oil 33V DOO VDO OIV V9V V13 W9 V09 I3V 3V3 IVO OXV OID 339
8Z9 901 031 910 133 33V 000 0V9 133 330 3XV 丄丄 V 101 OID 39V D3D 131
0£9 33V 111 OXV 101 303 WO IIV Oil OVV OVD 30V VW OVO IVV 300 109 28S 111 IVl 901 OIV 30V IVV 0X0 Oil VOO 139 XV3 OW 丄丄 3 IVO 913 300 9 0D9 ill VW Oil VII OVO IVO 3V9 III 133 VOV 333 VW OVO IOV 30V
98^ 319 VIO VII 0V3 OW VOO 1V9 019 911 DDL 130 IOV 013 VVV OVV V30 i VDV IV3 131 VIO OIV IVl 313 111 391 OVO 9VV 1V3 OW 310 OVV 300
06ε 911 00V 13V 330 VOO 113 OVV WO VIV 910 WV 309 0X3 OVO V3I OVD m VDI 10V W3 OIV 9V3 Oil IVO WO WV 091 OVV IOV 010 OVO V3I VOL £££01 6 O
配列番号: 5
配列の長さ : 5 0 6
配列の型: アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:蛋白質
配列
Met Ala Asp Ser Lys Pro Leu Arg Thr Leu Asp Gly Asp Pro Val Pro
1 5 10 15
Val Glu Ala Leu Leu Arg Asp Val Phe Gly l ie Val Val Asp Glu Ala
20 25 30 lie Arg Lys Gly Thr Asn Ala Ser Glu Lys Val Cys Glu Trp Lys Glu
35 40 45
Pro Glu Glu Leu Lys Gin Leu Leu Asp Leu Glu Leu Gin Ser Gin Gly
50 55 60
blu Ser Arg Glu Arg lie Leu Glu Arg Cys Arg Ala Val lie Hi s Tyr 65 70 75 80
Ser Val Lys Thr Gly His Pro Arg Phe Phe Asn Gin Leu Phe Ser Gly
85 90 95
Leu Asp Pro His Ala Leu Ala Gly Arg lie l ie Thr Glu Ser Leu Asn
100 105 110
Thr Ser Gin Tyr Thr Tyr Glu lie Ala Pro Val Phe Val Leu Met Glu
115 120 125
Glu Glu Val Leu Lys Lys Leu Arg Ala Leu Val Gly Trp Asn Thr Gly
130 135 140
Asp Gly Val Phe Cys Pro Gly Gly Ser lie Ser Asn Met Tyr Ala l ie 145 150 155 160
Asn Leu Ala Arg Phe Gin Arg Tyr Pro Asp Cys Lys Gin Arg Gly Leu
165 170 175
Arg Ala Leu Pro Pro Leu Ala Leu Phe Thr Ser Lys Glu Cys Hi s Tyr
180 185 190
Ser lie Thr Lys Gly Ala Ala Phe Leu Gly Leu Gly Thr Asp Ser Val
195 200 205
Arg Val Val Lys Ala Asp Glu Arg Gly Lys Met lie Pro Glu Asp Leu
210 215 220
Glu Arg Gin lie Ser Leu Ala Glu Ala Glu Gly Ser Val Pro Phe Leu 225 230 235 240
Val Ser Ala Thr Ser Gly Thr Thr Val Leu Gly Ala Phe Asp Pro Leu
245 250 255
Asp Ala lie Ala Asp Val Cys Gin Arg His Gly Leu Trp Leu Hi s Val
260 265 270
Asp Ala Ala Trp Gly Gly Ser Val Leu Leu Ser Arg Thr His Arg His
275 280 285
Leu Leu Asp Gly lie Gin Arg Ala Asp Ser Val Ala Trp Asn Pro His
290 295 300
Lys Leu Leu Ala Ala Gly Leu Gin Cys Ser Ala Leu Leu Leu Arg Asp 305 310 315 320
Thr Ser Asn Leu Leu Lys Arg Cys His Gly Ser Gin Ala Ser Tyr Leu
325 330 335
Phe Gin Gin Asp Lys Phe Tyr Asn Val Ala Leu Asp Thr Gly Asp Lys
340 345 350
Val Val Gin Cys Gly Arg Arg Val Asp Cys Leu Lys Leu Trp Leu Met
355 360 365
Trp Lys Ala Gin Gly Gly Gin Gly Leu Glu Trp Arg lie Asp Gin Ala
370 375 380
Phe Ala Leu Thr Arg Tyr Leu Val Glu Glu lie Lys Lys Arg Glu Gly 385 390 395 400
Phe Glu Leu Val Met Glu Pro Glu Phe Val Asn Val Cys Phe Trp Phe
405 410 415
Val Pro Pro Ser Leu Arg Gly Lys Lys Glu Ser Pro Asp Tyr Ser Gin
420 425 430
Arg Leu Ser Gin Val Ala Pro Val Leu Lys Glu Arg Met Val Lys Lys
435 440 445
Gly Thr Met Met lie Gly Tyr Gin Pro His Gly Thr Arg Ala Asn Phe
450 455 460
Phe Arg Met Val Val Ala Asn Pro lie Leu Val Gin Ala Asp lie Asp 465 470 475 480
Phe Leu Leu Gly Glu Ala Gly Ala Ser Gly Pro Gly Pro Val Ser Cys
485 490 495
Phe leu Ser Leu Pro His Pro Ser Ser Ala
500 505 配列番号: 6
配列の長さ : 2121
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類: cDNA t o mRNA
配列
6L ΐ92ΐ W9 003 OW WV VIV OVO OVO 919 Oil OVI D03 IDV DID 130 III 330 \ 9V3 3V9 DIV 393 D9i OVO 013 999 WO 090 109 9V3 930 OVV 001 OIV
99Π 313 001 DID 9VV 913 101 3V0 910 303 393 309 101 OVO 910 010 9W
LI U 3V9 VOO D3V 3V9 013 139 DIO 3W 3VI 3X1 OVV 3V0 WD OVD 311 313
6901 3V1 30V 330 OVD DDI 900 3V3 391 303 OW DID 013 DW ODl 33V OVO
Ϊ20Ϊ ODD 313 113 113 139 101 391 OVO 013 000 930 339 DI 113 9W 3V3 £Z6 133 3W 001 330 010 331 3V0 130 OOV OVD 31V 009 IVO 913 DID IV3
9Z6 09V OVO VOV 003 331 010 010 319 09V 000 100 901 330 339 IV9 OiD 8 OVD VII 091 DID 090 DVD 103 9V3 301 110 IVO DD 丄丄 V VOO 1V9 013
628 330 DVD 111 000 000 VI3 DIO DDV 33V 100 131 33V 330 丄 3V DID 013
ISL ill V33 019 031 309 0V9 130 0V9 VD9 DID 19V 31V OVO 90V 0V9 913 εε ivo ovo ioo oiv oxv ovv ooo vov ovo xv ioo ow 310 DIO voo oio
989 10V 3V0 33V 300 113 V90 013 111 130 130 VOO OW 33V OIV 331:) VI
Z£9 OVO 091 OVO OVV V31 10V 311 313 000 Oil 003 VD3 013 330 003 DID
68S DOO OOV DVD OVV 391 3V9 Y30 OVI 303 OVO 1X1 303 330 9X3 OVV VIV m 330 3V1 OIV 3VV 131 3IV 331 100 100 103 191 311 319 009 1V9 090 εβί' IDV 3W 09i 309 010 113 339 103 DID VW OVV 913 019 OVO OVO W9 ^ OIV DID 010 111 010 333 DD IIV 0V9 IVl VOV 3VI OVO 30V 30V 丄 6£ 313 30V OVO OOV XIV OIV 09D 000 330 010 IDO XVD D03 XV9 V丄丄 VOO
VOX 311 313 OVO DW 311 311 03 333 OVO 109 IDV DW 3X9 XOV OVX
I0£ IVO IIV OXD I30 903 3DI 303 OVO OLD 31V 003 OVO 09V 131 OVO 300
2 2 OVD 30V 9V3 013 OVO 911 DVO 013 913 OVD OVV 313 OVO WO 103 OVO 0Z 9VV 001 WO DOI DIO 9VV OVO 131 330 IW 3DV ODD OW 903 丄丄 V ODD
191 0V9 IV9 V丄 9 3X9 丄丄 V 090 111 010 DV9 003 310 Oil I3D 9V9 019 丄: )
601 010 133 3V9 000 IVO 013 33V VOV 313 V33 VW V31 3V0 130 OIV 3103
09 DVD11XV0W OOiOOWOlO 3X133VV0I3 I3I333W0I 3100I9303V V0I0X30300 w9zo/96di7丄:) d eeeoi/ .6 OM
GGA TTT GAG TTG GTC ATG GAG CCC GAG TTC GTC AAC GTG TGC TTC TGG 1309
TTT GTG CCT CCC AGC CTG CGG GGG AAG AAG GAG AGC CCA GAT TAC AGC 1357
CAG AGG CTG TCT CAG GTG GCC CCT GTG CTC AAG GAG CGC ATG GTG AAG 1405
AAG GGA ACC ATG ATG ATC GGC TAC CAG CCC CAT GGG ACC CGG GCC AAC 1453
TTC TTC CGA ATG GTG GTG GCC AAC CCC ATA CTG GTC CAG GCC GAT ATA 1501
GAC TTC CTT CTG GGC GAG GCT GGA GCG TCT GGG CCA GGA CCT GTG AGC 1549
TGC TTC CTC TCT CTG CCC CAC CCA AGC TCT GCA TAA GCTCCTG GGTTCCCAAA 1602
AGCGACCTTT CTAGGAAACA GTGGCCTTGA CTGTGTGAGC CCCCACACAC TAACTCTCCT 1662
AGCTAAGTAT TGGCTGCCAG ACGGTGTCTA AGCACACTAC AGTCTGTTCT TACGAAATGT 1722
GCTTCTTTTA AGTCGGTCAT AGTGGTACAC ACCGTTAATA CCAGCACTGG GGAGGCAGAG 1782
GCAGACACAA GCAGATCTCT TGAGTTTGAG GCCAGCCTGG TCTACAGAGC TGGCCTACAC 1842
AGAAAAAAAA CCTGTCTCAA AAAAAAAGAA AGGAAGGAAG AAAGAAAGGA AAAGAAAGAA 1902
ATATTTTTCA TTAAGATTAT GTCTATAAAA AATTGTTATT AATATGAGAG ATATGGTACG 1962
ATGTATTAAG AAAGCTAGAT ATGGGGGTTG GGGATTTAGC TCAGTGGTAG AGCCCTTGCC 2022
TAGGAAGCGC AAGGCCCTGG GTTCGGTCCC CAGCTTCGAA AAAAAGGAAC CACAAAAAAA 2082
ACGGCCCGCT CTAGAACTAG TGGATCCCCC GGCCTGCAG 2121 配列番号: 7
配列の長さ : 4 9 3
配列の型: アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:蛋白質
配列
Met Ala Asp Ser Glu Ala Leu Pro Ser Leu Ala Gly Asp Pro Val Ala
1 5 10 15
Val Glu Ala Leu Leu Arg Ala Val Phe Gly Val Val Val Asp Glu Ala
20 25 30 lie Gin Lys Gly Thr Ser Val Ser Gin Lys Val Cys Glu Trp Lys Glu
35 40 45
Pro Glu Glu Leu Lys Gin Leu Leu Asp Leu Glu Leu Arg Ser Gin Gly
50 55 60
Glu Ser Gin Lys Gin l ie Leu Glu Arg Cys Arg Ala Val lie Arg Tyr 65 70 75 80
Ser Val Lys Thr Gly His Pro Arg Phe Phe Asn Gin Leu Phe Ser Gly
85 90 95
Leu Asp Pro His Ala Leu Ala Gly Arg lie lie Thr Glu Ser Leu Asn
100 105 110
Thr Ser Gin Tyr Thr Tyr Glu l ie Ala Pro Val Phe Val Leu Met Glu
115 120 125
Glu Glu Val Leu Arg Lys Leu Arg Ala Leu Val Gly Trp Ser Ser Gly
130 135 140
Asp Gly lie Phe Cys Pro Gly Gly Ser l ie Ser Asn Met Tyr Ala Val 145 150 155 160
Asn Leu Ala Arg Tyr Gin Arg Tyr Pro Asp Cys Lys Gin Arg Gly Leu
165 170 175
Arg Thr Leu Pro Pro Leu Ala Leu Phe Thr Ser Lys Glu Cys His Tyr
180 185 190
Ser lie Gin Lys Gly Ala Ala Phe Leu Gly Leu Gly Thr Asp Ser Val
195 200 205
Arg Val Val Lys Ala Asp Glu Arg Gly Lys Met Val Pro Glu Asp Leu
210 215 220
Glu Arg Gin lie Gly Met Ala Glu Ala Glu Gly Ala Val Pro Phe Leu
225 230 235 240
Val Ser Ala Thr Ser Gly Thr Thr Val Leu Gly Ala Phe Asp Pro Leu
245 250 255
Glu Ala l ie Ala Asp Val Cys Gin Arg Hi s Gly Leu Trp Leu His Val
260 265 270
Asp Ala Ala Trp Gly Gly Ser Val Leu Leu Ser Gin Thr His Arg His
275 280 285
Leu Leu Asp Gly lie Gin Arg Ala Asp Ser Val Ala Trp Asn Pro His
290 295 300
Lys Leu Leu Ala Ala Gly Leu Gin Cys Ser Ala Leu leu Leu Gin Asp 305 310 315 320
Thr Ser Asn Leu Leu Lys Arg Cys His Gly Ser Gin Ala Ser Tyr Leu
325 330 335
Phe Gin Gin Asp Lys Phe Tyr Asp Val Ala Leu Asp Thr Gly Asp Lys
340 345 350
Val Val Gin Cys Gly Arg Arg Val Asp Cys Leu Lys Leu Trp Leu Met
355 360 365
Trp Lys Ala Gin Gly Asp Gin Gly Leu Glu Arg Arg He Asp Gin Ala
370 375 380
Phe Val Leu Ala Arg Tyr Leu Val Glu Glu Met Lys Lys Arg Glu Gly 385 390 395 400
Phe Glu Leu Val Met Glu Pro Glu Phe Val Asn Val Cys Phe Trp Phe
405 410 415
Val Pro Pro Ser Leu Arg Gly Lys Gin Glu Ser Pro Asp Tyr Hi s Glu
420 425 430
Arg Leu Ser Lys Val Ala Pro Val Leu Lys Glu Arg Met Val Lys Glu
435 440 445
Gly Ser Met Met lie Gly Tyr Gin Pro His Gly Thr Arg Gly Asn Phe
450 455 460
Phe Arg Val Val Val Ala Asn Ser Ala Leu Thr Cys Ala Asp Met Asp
465 470 475 480
Phe Leu Leu Asn Glu Leu Glu Arg Leu Gly Gin Asp Leu
485 490 配列番号: 8
配列の長さ : 1 9 2 6
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類: c D N A t o m R N A
配列
CGGCGCGCCT GTAATCCCAG CACTCTGGGA GACCGAGATT CTTGGTTGAT GCAAATCAAA 60 TAGAGATCCT G ATG GCT GAC TCA GAA GCA CTC CCC TCC CTT GCT GGG GAC 110 CCA GTG GCT GTG GAA GCC TTG CTC CGG GCC GTG TTT GGG GTT GTT GTG 158 GAT GAG GCC ATT CAG AAA GGA ACC AGT GTC TCC CAG AAG GTC TGT GAG 206 TGG AAG GAG CCT GAG GAG CTG AAG CAG CTG CTG GAT TTG GAG CTG CGG 254 AGC CAG GGC GAG TCA CAG AAG CAG ATC CTG GAG CGG TGT CGG GCT GTG 302 ATT CGC TAC AGT GTC AAG ACT GGT CAC CCT CGG TTC TTC AAC CAG CTC 350 TTC TCT GGG TTG GAT CCC CAT GCT CTG GCC GGG CGC ATT ATC ACT GAG 398 AGC CTC AAC ACC AGC CAG TAC ACA TAT GAA ATC GCC CCC GTG TTT GTG 446 CTC ATG GAA GAG GAG GTG CTG AGG AAA CTG CGG GCC CTG GTG GGC TGG 494 AGC TCT GGG GAC GGA ATC TTC TGC CCT GGT GGC TCC ATC TCC AAC ATG 542
oo
en
96 G CCG 12 TCCAA AATAAAATAAAA
G CCC CCGGCCG903 GCCGGACC ATCCG CAAT GGCGGAATA iTT 1TTATA- -