明 細 害 シロキサン系ランダム共重合体および
その製遑方法ならびにそれを含有する樹脂組成物 技 分 ¾·
本発明は、 新規なシロキサン系共重合体およびそれを含有する樹脂組成物に関 する。 さらに、本発明は、 シロキサン系共重合体の新規な製造方法に関する。 背景技術
熱可塑性樹脂は、 プラスチック成形品、 フィルム、 蛾維、 接着剤、 塗料、 押出 シートなどに用いられる有用な工業材料である。 このような熱可塑性樹脂は、一 般に、 軽量性、 耐衝 S性、 耐摩耗性、 気絶緣性および成形加工性に優れている。 さらに、 透明性を有する熱可塑性樹脂もある。 しかし、 このような熱可塑性樹脂 は、 樺械的強度、 耐熱性、 耐候性が不十分であり、 燃焼性が高く、 しかも燃焼時 に有害なガスを生じるなどの欠点を有している。
近年、従来の汎用プラスチックに対して、 大きな強度と剛性、 1 0 o ec以上の 高い耐熱性を有する各種の土ンジニァリングプラスチックが登場し、 金属に替わ る工業材料として広く使用されるようになった。 これらのエンジニアリングブラ スチックは、 一般に、 フエ二レン基を主鎖に持つ剛直な構造を有することにより Kい耐熱性を実現しているが、 プラスチックの特徴である成形加工性か損なわれ るという問題点を有している。
また、 ポリ塩化ビニルおよび一部のェンジニァ Γングプラスチックを除 t、て、 熱可塑性樹脂は燃えやすいため、 難燃性が要求される用途では、 通常、 ハロゲン 系化合物に代表される難燃剤を添加することにより難燃化させるのが一般的であ る。 しかし、 このようなハロゲン系難燃剤は、燃焼時に熱可塑性樹脂よりも有害
なガスを生じたり、 そして添加量によっては機械的強度を低下させるなどの問題 点を有している。
熱可塑性樹脂の成形加工性および難燃性を向上させる手段として、 熱可塑性樹 脂にシロキサン化合物を添加する方法が提案された。 しかし、 この方法では、 シ ロキサン化合物と熱可塑性樹脂との相溶性が低い場合には、 十分に成形加工性お および難燃性が向上しなかつたり、 シロキサン化合物が熱可塑性樹脂の成形品の 表面にプリ一ドするなどの問題点があつた。
上記問題点を解決する手段として、 シロキサン系共重合体に関する技術が提案 されている。 例えば、 特開平 5— 2 6 2 9 7 5号公報では、 難燃性ポリカーボネ 一トーシロキサンブロック共重合体が提案されている。 また、特開平 5— 2 2 2 1 7 3号公報、特開平 7— 2 9 Θ 9号公報では、 ポリエステル (またはポリエス テルカーボネート) 一シロキサンプロック共重合体が提案されている。 さらに、 特開平 5— 1 5 5 9 9 9号公報では、 ポリシロキサンを側鎖に有するポリカーボ ネートが提案されている。 しかし、 これらのシロキサン系共重合体は、 シロキサ ンュニッ卜がブロック型になっているので、 その導入量を增加させると、 相分離 による機械的強度などの低下が避けられない。 それゆえ、 シロ丰サンュニッ卜の 導入率に限界があり、 十分な難燃性および成形加工性が得られないという問題点 がある。
シ oキサンブロック共重合体の問題点を解決する手段として、 シロキサン交互 共重合体に関する技術が提案されている。 例えば、 Curryらは、 ジオールおよび ビス (ァニリノ) ジフ Xニルシランから得られるシロキサン系共重合体の合成法 を報告している (J. Appl. Polym. Sci. , vol. 9, pp. 295 (1965)) 。 また、 Carra her, Jr.らは、 ジオールとジクロロジオルガノシランとから得られるシロキサン 系共重合体の合成法を報告している (J. Polym. Sci. , part A- 1, vol. 8, pp. 97 3 (1970)) 。 これらの方法では、 生成するポリマーが交互共重合体となるため、 シロキサンの導入量を増加させることが可能である。 し力、し、 これらの方法では、
高価な特殊なゲイ素化合物を用いるために、 製造コストがかかり、 しかも反応に 長時間を有するなどの問題点がある。
本発明は、 上記従来の锞題を解決するためになされたものであり、 その目的と するところは、 上記従来のシロキサン系共重合体の欠点を克服し、 難燃性、透明 性、 成形加工性、 雜型性および表面滑性に優れたシロキサン系ランダム共重合体 およびそれを含有する樹脂組成物を提供することにある。 さらに、 本発明は、 上 記従来のシロキサン系共重合体の製逍方法の欠点を克服し、 簡便に、 かつ安価に これらの共重合体を得る商業的に有利な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、 鋭意研究を重ねた結果、 特定の構造単位を有するシロキサン系 ランダム共重合体が上記^題点を解决し得ることを見い出し、 本発明を完成した。 発明の開示
本発明は、 以下の一般式 (I )、 (II) および (III) で示される繰り返し単 位をランダムに有するシロキサン系ランダム共重合体に関する:
(式中、 aは 1または 2であり ; R 1および R 2は、 それぞれ独立して、 水素 原子または炭素数 1〜 2 0の炭化水素基 (ただし、 炭化水素基の水素原子の一部 または全部が、 それぞれ独立して、ハロゲ,ン原子で置換されていてもよい) を示 し; R 3は、 炭素数 1 2 0の 2価の炭化水素基 (ただし、 炭化水素基の一部ま たは全部の水素原子が、 それぞれ独立して、 ハロゲン原子で置換されていてもよ い) 、 または一 R s— X— R e—で表される基(ただし、 R 5および R eは 2価の 芳香族炭化水素基を示し、 芳香族環の水素原子は、 それぞれ独立して、 ハロゲン 原子、 炭化水素基、 アルコキシ基、 またはフ ノキシ基で 換されていてもよ
く : Xは単結合、 -0-、 - S -、 - S O-、 - S 02 -、 - C O-, 炭素数 1〜2 0の 2 価の炭化水素基を示す) を示す) ;
(式中、 bは 0または 1であり (ただし、 式(III) 中の cが 0のときは、 b は 1である) ; R3は上記で定義した通りである〉 ; :· 0 0
II II
■0— C一 R*-C— 0— R2 (III)
c
(式中、 cは 0または 1であり (ただし、 式 (II) 中の bが 0のときは、 cは 1である) ; R 3は上記で定義した通りであり ; R4は、 炭素数 1〜2 0の 2価 の炭化水素基 (ただし、 炭化水素基の一部または全部の水素原子が、 それぞれ独 立して、 ハロゲン原子で置換されていてもよい) 、 または一 R 5— X— R e—で 表される基 (ただし、 R 5および Reは、 上記で定義した通りであり : Xは上記 で定義した通りである) を示す) 。
好適な実施態様においては、 上記共重合体は、 以下の一般式 (IV) :
(式中、 aは上記で定義した通りであり ; dは 0または 1であり ; 〗は 1以上 の正の整数であり ; mは 1以上の正の整数であり ; nは 1以上の正の整数であ り ; R R2、 Rs、 および R4は上記で定義した通りである)
で示される構造単位を有し、 上記共重合体の各構造単位は同一であつても異なつ ていてもよい。
好適な実施態様においては、 上記共重合体の重量平均分子量は、 2 0 0 0〜3
0 0 0 0 0の範囲である。
好適な実施態様においては、 R 1および R2は、 それぞれ独立して、 メチル基 あるいはフエニル基である。
好適な実施想様においては、 R 3は、 2 , 2—ビス (4ーヒドロキシフエ二 ル) プロパンあるいは 1 , 1一ビス (4ーヒドロキシフエニル) 一 3, 3. 5— トリメチルシクロへキサンに由来する基である。
好逸な実施憨様においては、 R4は、 テレフタル酸、 イソフタル酸、 1, 4一 ナフタレンジカルボン酸、 1, 5—ナフタレンジカルボン酸、 2, 6—ナフタレ ンジカルボン酸、 2 , 7—ナフタレンジカルボン酸、 1, 4ーシクロへキサンジ カルボン酸、 1 , 3—シクロへキサンジカルボン酸、 1, 2—シクロへキサンジ カルボン酸、 1 , 4一デカヒドロナフタレンジカルボン酸、 1 , 5—デカヒドロ ナフタレンジカルボン酸、 2. 6—デカヒドロナフタレンジカルボン酸、 2 , 7 一デカヒドロナフタレンジカルボン酸からなる群から選ばれるジカルボン酸に由 来する基である。
さらに、 本発明は、 上記'シロキサン系共重合体を含有する難燃性樹脂組成物に 関する。
さらに、 本発明は、 上記シロキサン系共重合体を含有する成形用樹脂組成物に 関する。 ,
さらに、 本発明は、 エステル化またはエステル交換触媒の存在下、 少なくとも 1種のポリカーボネートおよび/またはジオールのジカーボネートと、 少なくと も 1種のゲイ素化合物とを反応させる、 シロキサン系共重合体の製造方法であつ て、 上記ゲイ素化合物が、 以下の一般式 (V) および/または (VI) :
(式中、 gは 10000以下の正の整数を示し; Raは上記で定義した通りで ある)
で示される。
好適な実施態様においては、 上記ジオールのジカーボネートは、 以下の一般式 (而) :
0 0
Rn-0— C一 0— R3 - 0-0— 0— R11 (VIII)
(式中、 R 3は上記で定義した通りであり ; R11は炭素数 1~20の炭化水素 基を示す)
で示される。
好適な実施憨様においては、 少なくとも 1種のジカルボン酸のジエステルをさ
らに反応させ、 上記ジカルボン酸のジエステルは、 以下の一般式 (IX)
(IX) (式中、 R
4は上記で定義した通りであり ; R
1 1は上記で定義した通りであ る)
で示される。
好適な実施想様においては、 上記ゲイ素化合物は、 ポリジメチルシロキサン、 ポリメチルフエニルシロキサン、 ジメトキシジメチルシラン、 ジメトキシジフエ ニルシラン、 ォクタメチルシクロテトラシロキサン、 ォクタフユニルシクロテト ラシロキサンからなる群から選ばれる。
好適な実施想様においては、 上記ポリカーボネートは、 2 , 2—ビス (4ーヒ ドロキシフエニル) プロパンのポリカーボネートである。
好適な実施態様においては、 上記ジオールのジカーボネートは、 2 , 2—ビス ( 4—ヒドロキシフエニル) プロパンのビス (メチ /レカーボネート) および 2, 2—ビス (4ーヒドロキシフエニル) プロハ8ンのビス (フエニルカーボネート) からなる群から選ばれる。
好適な実施態様においてほ、 上記ジカルボン酸のジエステルは、 テレフタル酸 ジメチル、 イソフタル酸ジメチル、 ナフタレン一 2 , 6—ジカルボン酸ジメチル からなる群から選ばれる。
好適な実施態様においては、 上記エステル化またはエステル交換触媒は、 スズ 系化合物である。
好適な実施態様においては、 上記エステル化またはエステル交換触媒は、 リチ ゥム、 ナトリウム、 カリウム、 マグネシウム、 カルシウム、ハ *リウム、 ストロン チウム、 亜鉛、 カドミウム、 チタン、 ジルコニウム、 スズ、 アンチモン、 鉛、 マ ンガン、 コバルトからなる群から選ばれる金属の酢酸塩、 炭酸塩、 ホウ酸塩、 酸
化物、 水酸化物、 水素化物、 アルコラ一卜、 およびフヱノラートからなる群から 選ばれる少なくとも 1つである。
好適な実施旗様においては、 上記エステル化またはエステル交換触媒は、 上記 生成するシロキサン系共重合体 1 0 0重量部に対して、 0. 0 0 0 1〜: L重量部 使用される。 図面の簡単な説明
図 1は、 実施例 1により得られたポリエステル一シ口キサン共重合体の N MR スぺクトル図である。
図 2は、 実施例 1により得られたボリエステル一シロキサン共重合体の I Rス ぺクトル図である。
図 3は、 実施例 5により得られたポリエステル力ーボネートーシロキサン共重 合体の N MRスぺクトル図である。
図 4は、 実施例 5により得られたポリエステルカーボネート一シロキサン共重 合体の I Rスぺクトル図である。
図 5は、 実施例.1 1により得られたポリカーボネート一シロキサン共重合体の I Rスぺクトル図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本究明について詳細に説明する。
本明細書中では、 上記一般式 ( I )、 (II) および (III) で示される化学構 造を繰り返し単位と称し、 上記一般式 (IV)で示される n - 1である化学構造を 構造単位と称する。
本発明のシロキサン系ランダム共重合体は、 上記一般式( I )、 (II) および (III) で示される操り返し単位をランダムに有する。
本発明のシロキサン系ランダム共重合体は、 さらに詳しくは、一般式 (IV) :
CIV)
で示され、 その構造単位を 1種または 2種以上含むものであってもよく、 さらに、 一般式(IV) で示される構造単位における a、 m、 nは各構造単位において 同一であっても、異なっていてもよい。 各構造単位における dは 0であっても 1 であってもよい。 すなわち、共重合体分子中での各操り返し単位はランダムに存 在している。
上記一般式 (I ) で示される操り返し単位における R 1および R2は、 それぞ れ独立して、 水索原子または炭素数 1〜2 0の炭化水素基(ただし、 これらの炭 化水素基の水素原子の一部または全部が、 それぞれ独立して、 ハロゲン原子で置 換されていてもよい) であり、 共重合体分子中の R 1および R2は、 同一であつ ても異なっていてもよい。 その具体例としては、 メチル基、 ェチル基、 n—プロ ピル基、 イソプロピル基、 n—プチル基、 tert—プチル基、 n—ペンチル基、 n 一へキシル基、 フエニル基、 ナフチル基、 ァリル基、 ビニル基、 クロ.ロメチル基、 3. 3 , 3—トリフルォロブ口ピル基、 パーフルォロブチル基、 パーフルォロォ クチル基などが举げられる。 これらのうち、 メチル基、 ェチル基、 フ Xニル基、 ナフチル基が好ましく、 メチル基、 フ Xニル基が特に好ましい。
上記一般式 (1 )、 (II) または (III) で示される繰り返し単位における R 3は、 炭素数 1〜 2 0の 2価の炭化水素基 (ただし、 炭化水素基の一部または全 部の水素原子が、 それぞれ独立して、 ハロゲン原子で置換されていてもよい) 、 または一 R5— X— R 6—で表される基 (ただし、 R5および Reは 2価の芳香族 炭化水素基を示し、 芳香族環の水素原子は、 それぞれ独立して、 ハロゲン原子、 炭化水素基、 アルコキシ基、 またはフエノキシ基で置換されていてもよく、 Xは 単結合、 -0 -、 - S -、 - S O-、 - S 02-、 - C O-. 炭素数 1〜2 0の 2価の炭ィ匕
水素基を示す) であり、 共重合体分子中の R3は、 同一であっても異なっていて もよい。 その具体例としては、 2, 2—ビス (4ーヒドロキシフエニル) プロパ ン (別名: ビスフエノール A)、 ビス (4ーヒドロキシフヱニル) メタン、 1, 1一ビス (4ーヒドロキシフエニル)一 3, 3, 5—卜リメチルシクロへキサン (別名: ビスフエノール TMC)、 ビス (4ーヒドロキシー 3, 5—ジメチルフ ェニル) メタン、 ビス (4ーヒドロキシー 3, 5—ジクロ口フエニル) メタン、 1, 1一ビス (4ーヒドロキシフエニル) シクロへキシルメタン、 1, 1一ビス (4ーヒド αキシフ iニル) ェタン、 1, 1一ビス (4ーヒドロキシフ Xニル) 一 1一フエニルェタン、 4, 4' ージヒドロキシジフ Xニルエーテル、 ビス (4 —ヒドロキシー 3, 5—ジメチルフエニル) エーテル、 ビス (4ーヒドロキシフ ェニル) スルホン、 ビス (4ーヒドロキシー 3, 5—ジメチルフ Iニル) スルホ ン、 . 4' ージヒドロキシベンゾフ τノン、 2. 2—ビス (4ート ドロキ'ン一
3, 5—ジメチルフエニル) プロパン、 テトラブロモビスフ ノール A、 テトラ クロ口ビスフエノール A、 ジヒドロキシジフエニル、 ハイドロキノン、 レゾルシ ノール、 ジヒドロキシナフタレン、 ジヒドロキシアントラセン、 フ iノールフタ レイン、 フルォレセイン、 2, 2' —ジヒドロキシー 1, 1ージナフチルメタン、
4, 4' ージヒドロキシジナフチルなどの芳香族ジオール、 エチレングリコール、 プロビレングリコール、 ブ レングリコール、 へキシレングリコールなどの脂肪 族ジオール、 シクロへキサンジメタノールなどの脂環式ジオールに由来する基が 举げられる。 これらのうち、 ビスフエノール A、 ビスフエノール TMC、 2, 2 一ビス (4ーヒドロキシー 3, 5—ジメチルフエニル) プロパン、 ビス (4ーヒ ドロキシフヱニル) スルホンに由来する基が好ましく、 ビスフエノール A、 ビス フエノール TMCに由来する基が特に好ましい。
上記一般式 (III)で示される繰り返し単位における R4は、 炭素数 1〜20 の 2価の炭化水素基 (ただし、 炭化水紫基の一部または全部の水素原子が、 それ ぞれ独立して、 ハロゲン原子で置換されていてもよい) 、 または一 RS— X— R
9
β—で表される基 (ただし、 R5および R6は 2価の芳香族炭化水素基を示し、 芳 香族環の水素原子は、 それぞれ独立して、 ハロゲン原子、 炭化水素基、 アルコキ シ基、 またはフエノキシ基で髭換されていてもよく、 Xは単結合、 -0-、 -S -、 -SO-、 一 S02-、 -CO-, 炭素数 1〜20の 2価の炭化水素基を示す) であ り、共重合体分子中の R 4は、 同一であっても異なっていてもよい。 その具体例 としては、 テレフタル酸、 イソフタ レ酸、 フタル酸、 ジフエ二ルエーテル一 4, 4' ージカルボン酸、 ベンゾフエノン一 4, 4' ージカルボン酸、 1, 4一ナフ タレンジカルボン酸、 1, 5—ナフタレンジカルボン酸、 2, 6—ナフタレンジ カルボン酸、 2, 7—ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、 シュ ゥ酸、 マロン酸、 コハク酸、 グノレタノレ酸などの脂肪族ジカルボン酸、 1, 4ーシ クロへキサンジカルボン酸、 1, 3—シクロへキサンジカルボン酸、 1, 2—シ クロへキサンジカルボン酸、 1, 4一デカヒドロナフタレンジカルボン酸、 1, 5—デカヒドロナフタレンジカルボン酸、 2, 6—デカヒドロナフタレンジカル ボン酸、 2, 7—デカヒドロナフタレンジカルボン酸などの脂 ¾式ジカルボン酸 に由来する基が挙げられる。 これらのうち、 テレフタル酸、 イソフタル酸、 1, 4ーシクロへキサンジカルボン酸、 2, 6—ナフタレンジカルボン酸に由来する 基が好ましく、 テレフタル酸、 イソフタル酸に由来する基が特に好ましい。
本発明のシロキサン系ラシダム共重合体は、 その製造方法は特に限定されない が、 公知の重合法、 例えば、 溶融重縮合法、窑液重縮合法、 界面重縮合法により 製造可能である。 具体的には、 ポリカーボネート (および/またはジオールのジ カーボネート) 、 ジカルボン酸のジエステルおよびシロキサン化合物を出発物質 とするエステル交换皮応による方法;ジオール、 ジカルボン酸およびシロキサン 化合物を出発物質とする直接重縮合反応による方法;ジオール、 ジカルボン酸、 無水醉酸おおよびシロキサン化合物を出発物質とする醉酸法;ジオール、 ジカル ボン酸のジフ: Lニルエステルおよびシロキサン化合物を出発物質とするフ ノー ル法などにより製造可能である。 この場合、 各反応原料の仕込み量の割合、 反応
条件などを適: £調節して、 カーボネート部分を完全に反応させることによってポ リエステル一シロキサン系ランダム共重合体が製造され得、 そしてカーボネート 部分を完全には SJ^させないことによってポリエステルカーボネートーシロキサ ン系ランダム共重合体が製造され得る。
本発明のシロキサン系ランダム共重合体は、上記重合法のうち、 好ましくは、 上記エステル交換反応による方法によって製造され得、 より好ましくは、 後述の 本発明のシロキサン系共重合体の製造方法によつて製造され得る。
本発明のシロキサン系ランダム共重合体において、 重量平均分子量としては、 2000〜 300000が好ましい。 このうち高分子量のものは、 難燃性樹脂組 成物または成形用樹脂組成物の主成分として有用であり、 そして低分子量のもの は、 公知の他の樹脂の難燃性を向上させるための難燃剤として有用である。
難燃性樹脂材料または成形用樹脂材料としての良好な特性を得るために、 本発 明のシロキサン系ランダム共重合体を難燃性樹脂組成物または成形用樹脂組成物 の主成分として用いる場合、 その重量平均分子量は、 好ましくは 10000〜3 00000であり、 より好ましくは 20000〜: I 00000であり、 最も好ま しくは 40000〜80000である。 10000未満の場合には、 機械的特性 が不十分である場合が多く、 300000を超える場合には、 成形加工性が不十 分である場合が多い。 この 合、 「主成分」 とは、 組成物中の主要含有成分を示 し、 すなわち組成物中に本発明のシロキサン系ランダム共重合体を少なくとも 3 0重量 κ、 好ましくは少なくとも 50重量 κ含有することを意味する。
一方、 他の樹脂の難燃性を向上させるために、 本発明のシロキサン系ランダム 共重合体を樹脂組成 に対する難燃剤として用いる場合には、 本発明のシロキサ ン系ランダム共重合体は、 組成物中に添加剤としての適切な量、 具体的には、 1 重量 κから 30重量 ½未満、 好ましくは 10重量%から 20重量 ½含有される。 この場合の本発明のシロキサン系ランダム共重合体の重量平均分子量は、 好まし くは 2000〜 100000であり、 より好ましくは 2000~60000であ
り、 最も好ましくは 5 0 0 0〜4 0 0 0 0である。 2 0 0 0未満の場合には、 樹 脂組成物の機械的特性がより不十分になり、 1 0 0 0 0 0を超える場合には、 樹 脂組成物の成形加工性がより不十分になる。
本発明の難燃性樹脂組成物および成形用樹脂組成物は、 本発明のシロキサン系 ランダム共重合体を含有する。 本発明の難燃性樹脂組成物は、 シロキサン系ラン ダム共重合体を主成分として含有してもよく、 難燃剤として含有してもよい。 本 発明の難燃性樹脂組成物および成形用樹脂組成物におけるシロキサン系ランダム 共 S合体の好ましい含有量は、 上記の通りである。本発明の難燃性樹脂組成物お よび成形用樹脂組成物は、 公知の樹脂および添加剤などを含有し得る。
上記公知の樹脂としては、 公知の熱可塑性樹脂、 熱硬化性樹脂、 エラス卜マー などが挙げられ、 例えば、 ポリブタジエン、 ポリイソプレンなどのポリジェン類、 ポリエチレン、 ポリプロピレン、 ポリイソプチレンなどのポリアルケン類、 ポリ ァクリル酸、 ポリメチルメタタリレート、 ポリプチルァクリレートなどのポリ (メタ) ァクリレート類、 (メタ) アクリル酸 (エステル) モノマーとスチレン 系モノマーとアクリル二トリル系モノマーとの共重合体、 ポリアクリルアミ ドな どのポリァクリルァミ ド類、 ボリビニルエーテル類、 ポリビュルアルコール類、 ポリ塩化ビニルなどのポリビュルハライド、 ポリビニルエステル類、 ポリスチレ ンなどのポリスチレン類、 リオキシメチレン、 ポリオキシプロピレンなどのポ リオキシド類、 ナイロン 6、 ナイ oン 6 - 6などのポリアミ ド類、 ポリイミン類、 ポリアセタール類、 ポリアラミ ド類、 ポリカーボネート類、 ポリエチレンテレフ タレート、 ポリブチレンチレフタレート、 ポリアリレート、 ポリエステル系液晶 ポリマーなどのポリエステル類、 ポリウレタン類、 ポリフエ二レンォキシド、 ポ リフエ二レンスルフィ ド、 ポリスルホン、 ポリエーテルスルホン、 ポリエーテル ィミ ド、.ポリアミ ドィミ ド、 ポリイミ ド、 ポリエーテルエーテルケトン、 ポリシ ロキサン、 エチレン一プロピレン共重合体、 エチレン一プロピレンージェン系モ ノマ一共重合体、 無水マレイン酸ゃグリシジルメタクリレー卜などで極性基をグ
ラフトした変性ポリオレフイン類、 アクリル系エラストマ一、 ブタジエン系ゴム 変性スチレン一アタリロニトリル共重合体、 無水マレイン酸ゃグリシジルメタク リレートなどで極性基をグラフトした変性スチレン系熱可塑性エラス卜マー、 フ ェノール樹脂類、 エポキシ樹脂類、 不飽和ポリエステル樹脂類が挙げられる。 こ れらのうち、 好ましくは (メタ) アクリル酸(エステル) モノマーとスチレン系 モノマーとアクリル二トリル系モノマーとの共重合体、 ポリアミ ド類、 ポリカー ボネート類、 ポリエチレンテレフタレート、 ポリブチレンテレフタレートであり、 より好ましくは (メタ) アクリル酸 (エステル)モノマーとスチレン系モノマー とアクリルニトリル系モノマーとの共重合体、 ポリカーボネート類、 ポリプチレ ンテレフタレートである。 これらは、 単独で、 あるいは組み合わせて組成物中に 含有され得る。
上記添加剤としては、酸化防止剤、 紫外線吸収剤、 滑剤、 可塑剤、 染料、 顔料、 他の難燃剤、 充填剤、 補強材 (例えば、 ガラス蛾維、 炭素繊維) 、 あるいは他の 助剤が挙げられる。 その添加量は、 目的とする用途に応じて適宜決定される。 添 加のタイミングもまた、 重合前、 重合時、 および重合後のいずれでもよい。
本発明のシ口キサン系ランダム共重合体、 難燃性樹脂組成物および成形用樹脂 組成物は、 プラスチック成形品、 フィゾレム、 繊維、 接着剤、 塗料、 押出シートな どの製造のために使用され得る。
本発明のシロキサン系ランダ厶共重合体、 難燃性樹脂組成物および成形用樹脂 組成物は、 公知の方法により任意の物品に成形することができる。 成形方法に関 しては、特に制限はないが、 例えば、 射出成形法、圧縮成形法、 押出成形法、 ブ ロー成形法が挙げられる。
本発明のシロキサン系ランダム共重合体、難燃性樹脂組成物および成形用樹脂 組成物は、 共重合体自身に起因する便れた難燃性、 透明性、 成形加工性、 雜型性 および表面滑性を有し、 かつ高い耐熱性、 強靭性、 耐加水分解性、 機械的特性を 有する。 従って、 本発明のシロキサン系ランダム共重合体、 難燃性樹脂組成物お
よび成形用樹脂組成物は、 例えば、 電気分野、 照明分野、 および自動車分野にお ける物品に特に好適である。 具体的には、 本発明のシロキサン系ランダム共重合 体、 難燃性樹脂組成物および成形用樹脂組成物は、 リレーケース、 スィッチ、 コ ネクタ、 カバ一、 ハウジング材などの 気'電子部品材料、 ランプシェード、 レ ンズなどの照明部品材料、 へッドライトレンズ、 インナーキャップ、 リフレクタ 一などの自動車部品材料に利用され得るが、 これらに限定されるものではない。 さらに、 後述の本発明のシ口キサン系共重合体の製造方法により得られたシロキ サン系共重合体の用途も上記と同様である。
本発明のシロキサン系共重合体は、 上記一般式(IV) で表される構造単位にお ける各操り返し単位のランダム型構造により、 高いシロキサン導入率を実現する ことが可能であり、 機械的特性および耐熱性を維持したまま高い難燃性と優れた 成形加工性を実現できる。 それに対して、 ブロック型シロキサン系共重合体は、 シロキサン導入率に限界があり、 前述のように相分離による機械的強度の低下が 避けられないため、 難燃性がそれほど向上しないという難点を有する。 従って、 難燃性の点で、 本発明のシロキサン系ランダム共重合体は、 ブロック型シロキサ ン系共重合体に比べて使れている。
次に、 本発明のシロキサン系共重合体の製造方法の好ましい一例について锐明 する。
本発明のシロキサン系共重合体の製造方法は、 エステル化またはエステル交換 触媒の存在下、 少なくとも 1種のポリカーボネートおよび Zまたはジオールのジ カーボネートと、 少なくとも 1種の特定のゲイ素化合物とを反応させる。
ゲイ素化合物は、 上記一般式 (V ) および/または (VI) で表される。 一般式 (V) および (VI) において、 R7、 R 8、 R 9、 および R 1 0は、 それぞれ独立し て、 水素原子、 または、 置換または非置換の有機基である。 Yおよび Zは、 それ ぞれ独立して、 7j素原子、 または、 置換または非置換の有機基である。 eは 0〜 5 0 0 0、 好ましくは 0 ~ 1 0 0の整数を示し、 Πま 3 ~ 2 0、 好ましくは 3〜
4の整数を示す。 ここで、 置換または非置換の有機基としては、 炭素数 1〜2 0 の炭化水素基 (ただし、 炭化水素基の水素原子の一部または全部が、 それぞれ独 立して、 水酸基、 ハロゲン原子、 アルコキシ基、 フ Λノキシ基、 アミノ基、 アン モニゥム塩を含む基、 アルキルアミノ基、 カルボキシル基、 エステル基、 ポリエ —テル基、 エポキシ基、 ビニル基、 ビニルエーテル基、 ビニルエステル基、 ァリ ル基、 アクリル基、 メタクリル基、 メルカプト基、 イソシァネート基からなる群 から選ばれる少なくとも 1つの基で置換されていてもよい) 、 水酸基、 ハロゲン 原子、 アルコキシ基、 フヱノキシ基、 アミノ基、 アンモニゥム塩を含む基、 アル キルアミノ基、 カルボキシル基、 エステル基、 ポリエーテル基、 エポキシ基、 ビ ニル基、 ビュルエーテル基、 ビニルエステル基、 ァリル基、 アクリル基。 メタク リル基、 メルカプト基、 イソシァネート基などが挙げられる。 これらのうち、 メ チル基、 フ Xニル基などの炭化水素基、 メ トキシ基、 エトキジ基などのアルコキ シ基、 フ Xノキシ基が好ましく、 メチル基、 メ トキシ基が特に好ましい。
上記ゲイ素化合物の具体例としては、 以下に示すものが挙げられる。 例えば、 ジメ トキシジメチルシラン、 ジェトキシジメチルシラン、 ォクタデシルトリメ ト キシシラン、 ォク夕デシルトリエ卜キシシラン、 ォクタデシルメチルジメ トキシ シラン、 ビニルメチルジェトキシシラン、 ビニルトリメ トキシシラン、 ビエルト リエトキシシラン、 5—へキセニルトリメ トキシシラン、 メチルフ t二ルジメ ト キシ'ンラン、 メチルフ; r二ルジェトキシシラン、 ジフ 二ルジメ トキシシラン、 ジフエ二ルジェトキシシラン、 フエニルトリメ トキシシラン、 フエニルトリエト キシシラン、 シクロへキシルメチルジメ トキシシラン、 N— (2—アミノエチ ル) 一 3—ァミノプロ'ピルメチルジメ トキシシラン、 3—ァミノプロビルトリエ トキシシラン、 3—クロロブ口ピルメチルジメ トキシシラン、 (3—グリシドキ シプロピル) メチルジェトキシシラン、 3—メタクリ口キシブ口ピルメチルジメ 卜キシシランなどのアルコキシシラン類、 ジフエエルシラン、 ジフエニルシラン ジオールなどのフ Xニルシラン類、 へキサメチルシクロトリシロキサン、 へキサ
フ iニルシクロトリシロキサン、 オタタメチルシク 13テトラシロキサン、 ォクタ フエニルシクロテトラシロキサン、 1 , 3 , 5 , 7—テトラメチルシクロテトラ シロキサン、 1, 3, 5 , 7—テトラビ二ルテトラメチルシクロテトラシ口 サ ン、 デカメチルシクロペンタシロキサンなどの環状シロキサン類、 へキサメチル ジシロキサン、 ォクタメチルトリシロキサン、 デカメチ^テトラシロキサン、 ド デカメチルペンタシ口キサン、 テトラデカメチルへキサシロキサン、 へキサデ力 メチルヘプタシロキサン、 ォクタデカメチルォクタシロキサン、 エイコサメチル ェニァシロキサン、 ドコサメチルデカシロキサン、 3 , 3—ジフ ニルへキサメ チルトリシロキサン、 シロキサンオリゴマー類、 ポリジメチルシロキサン、 ポリ メチルフ Xニルシロキサン、 ポリジフ Λニルシロキサン、 アルキル変性ポリシ口 キサン、 メタクリル変性ポリシロキサン、 クロ口アルキル変性ポリシロキサン、 フッ素変性ポリシロキサン、 ボリエーテゾレ変性ポリシロキサン、 アルコール変性 ポリシロキサン、 ァミノ変性ポリシロキサン、 エポキシ変性ポリシロキサン、 フ エノーノレ変性ポリシロキサン、 カルボキシ変性ポリシロキサン、 メルカプト変性 ポリシロキサンなどのポリシロキサン類が挙げられる。 これらのゲイ素化合物は 単独で用いても良く、 また混合して用いても良い。
これらのうち、 ポリジメチルシロキサン、 ポリメチルフエニルシロキサン、 ジ メトキシジメチルシラン、 メトキシジフヱニルシラン、 オタタメチルシクロテ トラシロキサン、 ォクタフ 1エルシクロテトラシロキサンが好ましく、 ポリジメ チルシロキサン、 ジメ トキシジメチルシラン、 オタタメチルシクロテトラシロキ サンが特に好ましい。
ポリカーボネート 、 好ましくは、 上記一般式 (VI I) で表される。 一般式 (V II) において、 R 3は、 炭素数 1〜 2 0の 2価の炭化水素基 (ただし、 炭化水素 基の一部または全部の水素原子が、 それぞれ独立して、 ハロゲン原子で置換され ていてもよい) または一 R 6— X— R e—で表される基 (ただし、 R 5および R 6 は 2価の芳香族炭化水素基を示し、 芳香族環の水素原子は、 それぞれ独立して、
ハロゲン原子、 炭化水素基、 アルコキシ基、 またはフエノキシ基で置換されてい てもよい。 また、 Xは単結合、 -o-、 -s -、 -so-、 -so2-、 -co-,炭素数
1〜20の 2価の炭化水素基を示す) を示す。 gは 10000以下、 好ましくは 10〜 1000の正の整数を示す。
上記ボリカーボネートの具体例としては、 以下に示すジオールに由来するポリ カーボネートが举げられる。 例えば、 2, 2—ビス (4ーヒドロキシフエニル) プロパン (別名: ビスフエノール A) 、 ビス (4ーヒドロキシフエニル) メタン、 ビス (4ーヒドロキシー 3, 5—ジメチルフエニル) メタン、 ビス (4ーヒドロ キシー 3, 5—ジクロ口フエニル) メタン、 1, 1一ビス (4ーヒドロキシフエ ニル) シクロへキシルメタン、 1, 1一ビス (4ーヒドロキシフエニル) ェタン、 1, 1一ビス (4ーヒドロキシフエニル)一 1一フエニルェタン、 1, 1一ビス (4ーヒドロキシフエ二ル) 一 3, 3, 5—トリメチルシクロへキサン (別名: ビスフエノール丁 MC〉、· 4, 4' ージヒドロキシジフエニルエーテル、 ビス (4ーヒド πキシー 3, 5—ジメチルフヱニル) エーテル、 ビス '(4ーヒドロキ シフ ニル) スルホン、 ビス (4ーヒドロキシー 3, 5—ジメチルフ ニル) ス ルホン、 4, 4' ージヒドロキシベンゾフエノン、 2, 2—ビス (4ーヒド oキ シー 3, 5—ジメチルフエニル) プロハ'ン、 テトラプロモビスフ ! ノール A、 テ トラクロ口ビスフエノール A、 ジヒドロキシジフヱニル、 ハイドロキノン、 レゾ ルシノール、 ジヒドロキシナフタレン、 ジヒドロキシアントラセン、 フ Λノール フタレイン、 フル才レセイン、 2, 2' ージヒドロキシ一1, 1ージナフチルメ タン、 4, 4' ージヒドロキシジナフチルなどの芳香族ジオールに由来するポリ カーボネート、 そしてエチレングリコール、 プロピレングリコール、 テトラメチ レングリコール、 ジエチレングリコール、 トリエチレングリコール、 ポリエチレ ングリコール、 1, 3—プロパンジオール、 1, 2—プロパンジオール、 1, 4 一ブタンジオール、 1, 3—ブタンジオール、 1, 2—ブタンジオール、 1, 6 一へキサンジオール、 1, 10—デカンジオールなどの脂肪族ジオールに由来す
るポリカーボネー卜が挙げられる。 これらのポリカーボネートは単独で用いても 良く、 また混合して用いても良い。
本発明に用いられるポリカーボネートのうち、 ビスフエノール Aに由来するポ リカーボネ一ト、 ビスフエノール TMCに由来するポリカーボネー卜が好ましく、 ビスフエノール Aに由来するポリカーボネートが特に好ましい。
ジオールのジカーボネートは、 好ましくは、 上記一般式 (VIII) で表される。 —般式 (VIII) において、 R 3は、 一般式 (VII) の場合と同様である。 R 1 1は 炭素数 1〜 2 0の炭化水素基を示す。 R 1 1は同一であっても異なっていてもよ い。
上記ジオールのジカーボネートの具体例としては、 以下に示すものが挙げられ る。 例えば、 2 , 2—ビス (4ーヒドロキシフエニル) プロパン (別名 : ビスフ エノーノレ A) 、 ビス (4ーヒドロキシフエニル) メタン、 ビス (4ーヒドロキシ 一 3 , 5—ジメチルフエニル) メタン、 ビス (4ーヒドロキシー 3 , 5—ジクロ 口フ ニル) メタン、 1 , 1一ビス (4ーヒドロキシフ Λニル) シクロへキシル メタン、 1, 1一ビス (4ーヒドロキシフ tニル) ェタン、 1 , 1一ビス (4一 ヒドロキシフヱニル) 一 1一フエニルェタン、 1, 1一ビス (4ーヒドロキシフ ェニル) 一 3 , 3, 5—トリメチルシクロへキサン (別名: ビスフエノール TM C )、 4, 4 ' ージヒドロ丰シジフエニルエーテル、 ビス (4ーヒドロキシー 3 , 5—ジメチルフヱニル) エーテル、 ビス (4ーヒドロキシフエニル) スルホン、 ビス (4ーヒドロキシー 3, 5—ジメチルフエニル) スルホン、 4 , 4 ' ージヒ ドロキシベンゾフエノン、 2 , 2—ビス (4ーヒドロキシー 3 , 5—ジメチルフ ェニル) プロパン、 チトラブロモビスフエノール八、 テトラクロロビスフヱノー ル八、 ジヒドロキシジフ iニル、 ハイドロキノン、 レゾルシノール、 ジヒドロキ シナフタレン、 ジヒドロキシアントラセン、 フエノールフタレイン、 フルォレセ イン、 2, 2 ' -ジヒドロキシー 1, 1ージナフチルメタン、 4 , 4 ' 一ジヒド 口キシジナフチルなどの芳香族ジオール、 そしてエチレングリコール、 プロピレ
ングリコール、 テトラメチレングリコール、 ジエチレングリコール、 トリェチレ ングリコール、 ポリエチレングリコール、 1 , 3—プロパンジオール、 1 , 2— プロパンジオール、 1 , 4一ブタンジオール、 1 , 3—ブタンジオール、 1 , 2 一ブタンジオール、 1 , 6—へキサンジオール、 1 , 1 0—デカンジオールなど の脂肪族ジオールの、 ビス (メチルカーボネート〉 、 ビス (ェチルカーボネ一 ト) 、 ビス (プロピルカーボネート) 、 ビス (プチルカーボネート) 、 ビス (シ クロへキシルカーボネート)、 ビス (フ X二ルカーボネート) 、 ビス (メチルフ Xニルカーボネート)が挙げられる。 これらのジオールのジカーボネートは単独 で用いても良く、 また混合して用いても良い。
本発明に用いられるジオールのジカーボネートのうち、 ビスフエノール Aのビ ス (メチルカーボネート) 、 ビスフ iノール Aのビス (フエニルカーボネート) 、 ビスフエノール TMCのビス (メチノレカーボネート) 、 ビスフエノール TMCの ビス (フエ二ルカーボネート)が好ましく、 ビスフエノール Aのビス (メチルカ ーボネート) およびビスブ ノール Aのビス (フヱニルカーボネート) が特に好 ましい。
本発明の製造方法は、好ましくは、 少なくとも 1種のジカルボン酸のジエステ ルをさらに反応させ得る。 ごのジカルボン酸のジエステルは、 好ましくは、 上記 一般式(IX) で表される。 一般式(IX) において、 R 4は炭素数 1〜2 0の 2価 の炭ィ J素基(ただし、 炭化水素基の水素原子の一部または全部が、 ハロゲン原 子、 炭化水素基、 アルコキシ基またはフヱノキシ基などで笸换されていてもよ い) を示す。 R 1 1は、 一般式 (VIII) の場合と同様である。
上記ジカルボン酸のジエステルの具体例としては、 以下に示すものが挙げられ る。 例えば、 テレフタル酸、 メトキシテレフタル酸、 エトキシテレフタル酸、 フ ルォロテレフタル酸、 クロロテレフタル酸、 メチルテレフタル酸、 イソフタル酸、 フタル酸、 メ トキシイソフタル酸、 ジフヱニルメタン一 4, 4 ' ージカルボン酸、 ジフエ二ルメタン一 3 , 3 · —ジカルボン酸、 ジフエニルエーテル一 4 , 4 ' 一
ジカルボン酸、 ジフヱ二ルー 4, 4 ' ージカルボン酸、 ナフタレン一 1, 4ージ カルボン酸、 ナフタレン一 1 , 5—ジカルボン酸、 ナフタレンー2, 6—ジカル ボン酸などの芳香族ジカルボン酸、 シユウ酸、 マロン酸、 コハク酸、 グルタノレ'酸、 アジピン酸、 スベリン酸、 ァゼライン酸、 セバシン酸、 ドデカンジカルボン酸、 3—メチルァゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸、 1 , 4ーシクロへキサンジ カルボン酸、 1 , 3—シクロへキサンジカルボン酸、 1 , . 2—シクロへキサンジ カルボン酸、 1, 3—シクロペンタンジカルボン酸、 1 , 5—デカヒドロナフタ レンジカルボン酸、 2 , 6 -デカヒドロナフタレンジカルボン酸、 2, 7—デカ ヒドロナフタレンジカルボン酸などの脂琛式ジカルボン酸などの、 ジメチルエス テル、 ジェチルエステル、 ジプロピルエステル、 ジブチルエステル、 ジシクロへ キシルエステル、 ジフヱニルエステルが挙げられる。 これらのジカルボン酸のジ エステルは単独で用いても良く、 また混合して用いても良い。
本発明に用いられるジカルボン酸のジエステルのうち、 テレフタル酸ジメチル、 イソフタル酸ジメチル、 ナフタレン一 2 , 6—ジカルボン酸ジメチル、 1 , 4一 シクロへキサンジカルボン酸ジメチルが好ましく、 テレフタル酸ジメチル、 イソ フタル酸ジメチル、 ナフタレン一 2 , 6—ジカルボン酸ジメチルが特に好ましい。 本発明に用いられる触媒としては、 公知のエステル化またはエステル交換触媒 が使用され得る。 これらの 媒としては、 リチウム、 ナトリウム、 カリウムなど のアルカリ金属、 マグネシウム、 カノレシゥム、 ノ、'リウム、 ストロンチウムなどの アルカリ土類金属、 亜鉛、 カドミウム、 チタン、 ジルコニウム、 スズ、 アンチモ ン、 鉛、 マンガン、 コバルトなどの金厲の酌酸塩、 炭酸塩、 ホウ酸塩、 酸化物、 水酸化物、 水素化物、 アルコラート、 フエノラートなどが挙げられる。 これらの エステル化またはエステル交換触媒は、 単独で用いてもよく、 また混合して用い てもよい。
これらのうち、 スズ系化合物が好ましく、 例えば、 ァシル第一スズ、 テトラァ シル第二スズ、 ジブチルスズォキサイド、 ジプチルスズジァセテート、 ジブチル
スズラウレート、 ジメチルスズマレート、 スズジォク夕ノエート、 スズテトラァ セテート、 塩ィ匕第一スズ、 塩化第二スズ、酢酸第一スズ、 トリク Πロブチルスズ、 ジクロロジブチルスズ、 酸化第一スズ、 酸化第二スズカ《挙げられる。
これらの触媒の使用量は、特に制限されないか、 生成される共重合体 1 0 0重 量部に対して、 好ましくは 0 . 0 0 0 1〜1 . 0重量部、 より好ましくは 0. 0 0 0 5 - 0. 1重量部が使用される。 使用する触媒が、 0. 0 0 0 1重量部未満では、 反応が十分に進行せず、 そして 1 . 0重量部より多ければ、 生成するポリマーの 着色が激しくなり、 耐加水分解性などの特性が不十分になる。
本発明においては、 異なる温度での 2段階の工程により反応を行うことが好ま しい。 第 1工程では、 好ましくは 1 5 0〜3 0 0 eC、 より好ましくは 2 0 0〜3 0 0てで反応を行う。 第 2工程では、 好ましくは 2 0 0 - 4 0 0て、 より好まし くは 2 5 0〜3 5 0 "Cで加熱し、 かつ減圧下 (減圧度に関しては、 徐々に減圧に していくのが好ましく、 最終的に 6〜1 3 3 P aとするのが好ましい) で反応を 行う。 しかし、 本発明は、 上記 2段階工程での反応に限定されるものではなく、 多段階の温度および減圧度で反応させてもよいし、 あるいは反応を通して同一温 度条件で反応させてもよい。
本発明においては、 ポリカーボネートを出発原料として用いる場合、 第 1工程 では、 ポリカーボネートと ィ素化合物 (あるいは、 ゲイ素化合物およびジカル ボン酸ジエステル) との解重合およびエステル交換反応が生起し、 シロキサン系 オリゴマーか生成する。 第 2工程では、 滅圧下で、 さらにエステル交換反応が進 行し、 高分子量のシロキサン系共重合体か得られる。
ポリカーボネートの代わりにジオールのジカーボネートを出発原料として用い た場合は、 第 1工程でジオールのジカーボネートとゲイ素ィ匕合物 (あるいは、 ケ ィ素化合物およびジカルボン酸ジエステル) とのエステル交換反応が生起し、 第 2工程で減圧下にすることにより、 高分子量のン口キサン系共重合体が得られる。 本発明の製造方法においては、 各反応成分の使用量および反応条件を適宜調節
することによって、 種々のシロキサン系共重合体を製造することができる。 すな わち、 本発明の製造方法において、 ジカルボン酸のジエステルを使用した場合、 ポリカーボネートおよび またはジオールのジカーボネートの (操り返し単位)
1モルに対して、 ジカルボン酸のジエステルおよびケィ素化合物を合計で 1モル 以上の割合で使用すると、 カーボネート部分は完全に反応し、 その結果カーボネ ート部分は消失し、 ポリエステル一シロキサン系共重合体が生成する。 それに対 して、 ポリカーボネートおよび Zまたはジオールのジカーボネートの (操り返し 単位) 1モルに対して、 ジカルボン酸のジエステルおよびゲイ素化合物を合計で 1モル未満の割合で使用すると、 カーボネート部分は完全には反応せず、 その結 果カーボネート部分が残存するために、 ポリエステルカーボネート一シロキサン 系共重合体が生成する。 さらに、 ジカルボン酸のジエステルを使用しない場合に は、 ポリカーボネートおよび/またはジオールのジカーボネートの (操り返し単 位) 1モルに対してゲイ素化合物を 1モル以上の割合で使用すると、 カーボネー 卜部分は完全に反応し、 その結果カーボネート部分は消失し、 ポリオールーシロ キサン系共重合体が生成する。 それに対して、 ポリカーボネートおよび/または ジオールのジカーボネートの (繰り返し単位) 1モルに対してゲイ素化合物を 1 モル未満の割合で使用すると、 カーボネート部分は完全に反応せず、 その結果力 ーボネート部分が残存する めに、 ポリカーボネート一シロキサン系共重合体が 生成する。
本発明において、 適当な捕助溶媒、 例えば、 ジフユ二ルエーテル、 ビフヱニル、 置換されたシクロへキサン、 デカヒドロナフタレン、 1 , 2, 4 , 5—テトラメ チルベンゼンを用いてもよい。 あるいは、 生成するポリマーと相溶化しない非溶 剤、 例えば、 ポリ (フッ化アルキレンォキシド) を用いてもよい。
本発明において、 ポリカーボネートとポリシロキサン系の化合物とを反応させ る場合には、 ポリカーボネートの解重合反応を促進するために、 カーボネート類 を共存させてもよい。 このようなカーボネート類としては、 ジメチルカーボネー
ト、 ジェチルカ一ボネート、 ジフヱニルカーボネートなどが挙げられる。
本発明の製造方法により得られるシロキサン系共重合体は、 ペレツ卜化 (ヂッ ブ化) してから成形してもよく、 あるいは押出槻などを用いて所望の形状に直接 成形することもできる。 実施例
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、 本発明は下記実施例に 限定されるものではなく、 その要旨を ¾Hしない範囲において、適宜変更実施可 能なものである。
なお、 ポリマーの特性は以下に示す方法に従って測定した。
(1) ポリマーの重量平均分子量 (Mw)
ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィー (GPC)法により測定した。 Wa ters社製 510型 G P Cシステムを用いて、 クロ口ホルムを移動相とし、 ポリマ 一澄度 2mg/mlでカラム温度 35°Cにて測定した。 ポリスチレンを標準試料とし て用いて、 重量平均分子量を算出した。
(2) ポリマーのガラス転移温度 (Tg)
Perkin-Elner社製 D S C— 7を用いて、 窒素気流下、 昇温速度 20 *CZ分の 条件にて示差走査熱量分析 行つた。
( 3,) ポリマーのゲイ素(S i)原子含有量
ポリマーを硫酸で加熱処理後、 炭酸ナトリゥムおよび炭酸カルシウムを加え、 そして電気炉で加熱処理した後、 I CP (Inductively Coupled Plasma)発光分 光分析法により定量した。
(4) ポリマーの溶融粘度 (MV)
東洋楕機製作所 (株)製キヤピログラフ PD— Cを用いて、 300て、 剪断速 度 1216 s— 1の条件にて測定した。
(5) ポリマーの難燃性 一
ポリマーをペレツト化した後、 120°Cで 15時間減圧 したものを、 射 出成形により試験片を作成し、 UL— 94 V規格に従って評価した。
(6) ポリマーの透明性
日本電 fe 業 (株)製 N D Η-Σ80を用 t、て、 射出成形により作成した 1 / 8ィンチ厚の試験片の全光線透過率 ( T ) を測定した。
(実施例 1 )
携拌翼、 窒素導入口、 冷却管、 および留出口を備えた内容種 14 Lの反応容器 に、 1271 g (操り返し単位 5モル) の乾燥したポリカーボネート (帝人化成 (株)製パンライト L一 1250W)、 486 g (2.5モル) のテレフタル酸ジ メチル、 486 g (2.5モル) のイソフタル酸ジメチル、 444 g (繰り返し 単位 6モル) のポリジメチルシロキサン (信越化学工業 (株)製シリコーンオイル KF968) 、 585mg (1.7ミリモル) のジブチルスズジァセテートを仕 込み、 超高純度窒素にて脱気 (60 Pa) -窒素バージを 3回行った後、 超高純 度窒素棼囲気下で、 加熱を開始した。 内温 280eCで 1時間撹摔後、 内温を 30 0てまで上昇させ、 副生するジメチルカーボネートの留去を開始した。 2時間後、 内温を 320 に上昇させ、诚圧 (26 Pa)下、 2時間拨拌を続けた。 得られ たポリマーを塩化メチレンに溶解し、 大量のへキサン中に投入してポリマーを再 沈させることにより精製し^。
得ら'れたポリマーの1 H— NMRスぺクトルを図 1に示す。 原料であるポリジ メチルシロキサンのゲイ素原子に結合するメチル基のプロトンは、 S 0.0 Opp π付近にピークを有するが、 得られたポリマーには、 原料に基づくピークは見ら れなかった。 これに わり、 δ 0.18ppmおよび《5 0.33ppmに 2本のピーク が確認できた。 これらのピークは、 それぞれ、 上記一般式 (IV)で示される構造 単位において、 a = 2め場合および a =lの場合のシロキサンュニットにおける ゲイ素原子に結合するメチル基のプロトンに相当するものである。 すなわち、 こ のことは、 シロキサンユニットがポリマー鎖においてブロックを形成せず、 ラン
ダムに存在することを示している。 また、 iH— NMRスペクトルから算出され るゲイ素(S i)原子含有量は 3.5重量%であるが、 ポリマーをアルカリ狯融 したものを I CP発光分光分析法により分析すると、 ゲイ素原子含有量は 3.4 重量 ¾であり、 ほぼ同一の値を示した。
次に、 得られたポリマーの I Rスペクトル 図 2に示す。 原料であるポリジメ チルシロキサンの S ί一 0結合は 1110— 1000 cm"1に大きな吸収を示 すが、得られたポリマーにはそのような 収はほとんど見られなかった。 これに 代わり、 940 cm に 0— S i一 R (芳香族) 結合に由来する S i一 0伸縮 振動の吸収が確認できた。 また、 原料であるポリカーボネートは 1775 cm- 1にカルボニル (C-0) に由来する吸収を示すが、 得られたポリマーにはこの ような吸収は存在せず、 1740 cm—1にエステル結合のカルボニル (C = 0)に由来する C = 0伸縮搌動の吸収が確認できた。 以上の亊実は、 いずれも、 得られたポリマーが、 ポリエステル一シロキサン共重合体であり、 上記一般式 (IV)で示される構造単位を有することを支持するものである。
得られたポリマーの特性を轷価した結果を表 1に示す。
(実施例 2 )
ポリカーボネートの代わりに、 1720 g (5モル) のビスフエノール Aのビ ス (メチルカーボネート) ^用いた以外は、 実施例 1と同様に行った。 実施例 1 と同様の分析方法による結果により、 得られたポリマーはポリエステル一シロキ サン共重合体であることが示された。
得られたポリマーの特性を評価した結果を表 1に示す。
(実施例 3)
ポリジメチルシロキサンの代わりに、 180g (1.5モル) のジメ トキシジ メチルシラン (東京化成工業 (株)製) を用いた以外は、 実施例 1と同様に行った。 実施例 1と同様の分析方法による結果により、 得られたポリマーはポリエステル ーシロキサン共重合体であることが示された。
得られたポリマーの特性を評価した結果を表 1に示す。
(実施例 4 )
ポリジメチルシロキサンの仕込量を 7 4 0 g (操り返し単位 1 0モル) 、 テレ フタル酸ジメチルの仕込量を 9 7 1 ( 5モル) とし、 イソフタル酸ジメチルを 使用しなかった以外は、 実施例 1と同様に行った。実施例 1と同様の分析方法に よる結果により、 得られたポリマーはポリエステル一シロキサン共重合体である ことが示された。
得られたポリマーの特性を評価した結果を表 1に示す。
(実施例 5 )
ポリジメチルシロキサンの代わりに、 6 5 4 gのポリメチルフ ニルシロキサ ン (信越化学工業 (株)製シリコーンオイル K F 5 4 ) を用いた以外は、 実施例 1 と同様に行った。 実施例 1と同様の分析方法による結果により、 得られたポリマ 一はポリエステル一シロキサン共重合体であることが示された。
得られたポリマーの特性を評価した結果を表 1に示す。
(実施例 6 )
テレフタル酸ジメチルの使用量を 5 8 2 g ( 3. 0モル) とし、 イソフタル酸 ジメチルを使用せず、 そしてポリジメチルシロキサンの使用量を 1 1 1 g (操り 返し単位 1 . 5モル) とした 外は、 実施例 1と同様に行った。
得られたポリマーの1 Η— NMRスペクトルを図 3に示す。 実施例 1と同様に、 原料のポリジメチルシロキサンに基づくピークは見られず、 S O . l S ppmおよ び δ 0. 3 3 ppraに 2本のピークが確認できた。 これらのピークは、 それぞれ、 上記一般式 (IV) で^される構造単位において、 a = 2の場合および a = 1の場 合のシロキサンュニットにおけるゲイ紫原子に結合するメチル基のプロトンに相 当するものである。 すなわち、 このことは、 シロキサンュニッ卜がポリマー鎖に おいてプロックを形成せず、 ランダムに存在することを示している。 また、 ュ1¾ 一 N MRスぺクトルから算出されるケィ素 (S i ) 原子含有量は 2, 5 ½である
が、 ポリマーをアルカリ溶融したものを I CP発光分光分析法により分析すると、 ゲイ素原子含有量は 2.5重量 ¾であり、 同一の値を示した。
次に、 得られたポリマーの I Rスぺクトルを図 4に示す。 得られたポリマーに は、 実施例 1と同様に、 ポリジメチルシロキサンの S i一 0結合の吸収はほとん ど見られなかった。 これに代わり、 得られたポリマーには 940 cm— 1に 0— S i -R (芳香族)結合に由来する S i一 0伸縮振動の吸収が確認できた。 また、 原料であるポリカーボネートは 1775 cnT1にカルボニル (C-0) に由来 する吸収を示すが、 得られたポリマーにはこの吸収に加えて、 1740 cm一1 にエステル結合のカルボニル(C-0) に由来する C = 0伸縮振動の吸収が確認 できた。 以上の事実は、 いずれも、 得られたポリマーが、 ポリエステルカーボネ 一トーシロキサン共重合体であり、 上記一般式 (IV)で示される構造単位を有す ることを支持するものである。
得られたポリマーの特性を抨価した結果を表 1に示す。
(実施例 7 )
ポリジメチルシロキサンの仕込 iを 59 g (操り返し単位 0.8モル) とした 以外は、実施例 6と同様に行った。 実施例 6と同様の分析方法による結果により、 得られたポリマーはポリエステルカーボネートーシロキサン共重合体であること が示された。
得られたポリマーの特性を評価した結果を表 1に示す。
(実施例 8)
ポリジメチルシロキサンの代わりに、 180g (1.5モル) のジメ トキシジ メチルシランを用い 以外は、 実施例 6と同様に行った。 実施例 6と同様の分析 方法による結果により、 得られたポリマーはポリエステルカーボネート一シロキ サン共重合体であることが示された。
得られたポリマーの特性を評価した結果を表 1に示す。
(実施例 9)
ポリジメチルシロキサンの代わりに、 1 6 4 gのポリメチルフエニルシロキサ ンを用いた以外は、 実施例 6と同様に行った。 実施例 6と同様の分析方法による 結果により、 得られたポリマーはポリエステルカーボネートーシロキサン共重合 体であることが示された。
得られたポリマーの特性を評価した結果を表 1に示す。
(実施例 1 0 )
テレフタノレ酸ジメチルの代わりに、 2 9 l g ( 1 . 5モノレ) のテレフタル酸ジ メチルおよび 2 9 1 s ( 1 . 5モル) のイソフタル酸ジメチルを用いた以外は、 実施例 6と同様に行った。 実施例 6と同様の分析方法による結果により、 得られ たポリマーはポリエステルカーボネート一シロキサン共重合体であることが示さ れた。
得られたポリマーの特性を評価した結果を表 1に示す。
(実施例 1 1 )
ポリジメチルシ Πキサンの代わりに、 3 6 7 g ( 1 . 5モル) のジメ トキシジ フ ニルシラン (東京化成工業 (株)製) を用いた以外は、 実施例 6と同様に行つ た。 実施例 6と同様の分析方法による結果により、 得られたポリマーはポリエス テルカーボネート一シロキサン共重合体であることが示された。
得られたポリマーの特性も評価した結果を表 1に示す。
(実施例 1 2 )
テレフタル酸ジメチルを使用せず、 そしてジメチルカーボネート 4 5 0 g ( 5.
0モル〉 を使用した以外は、 実施例 6と同様に行った。
次に、 得られたポリマーの I Rスペクトルを図 5に示す。 得られたポリマーに は、 9 4 0 c m- 1に 0— S ί一 R (芳香族)結合に由来する S i一 0伸縮振動 の吸収が確認された。 さらに、 1 7 7 5 c m—1にカーボネート結合に由来する C = 0伸縮振動の吸収が認められた。 また、 ポリマーをアルカリ溶融したものを I C P発光分光分析法により分析すると、 ゲイ素原子含有量は 3. 1重量%であ
つた。 これらの結果により、 得られたポリマーはポリカーボネート一シロキサン 共重合体であることが示された。
得られたポリマーの特性を評価した結果を表 1に示す。
(実施例 1 3 )
ジメチルカーボネートを使用しなかった以外は、 実施例 1 2と同様に行った。 実施例 1 2と同様の分析方法による結果により、得られたポリマーはボリカーボ ネー卜一シロキサン共重合体であることが示された。
得られたポリマーの特性を評価した結果を表 1に示す。 一
(実施例 1 4 )
ポリジメチルシロキサンの代わりに、 1 8 0 g ( 1 . 5モル) のジメ 卜キシジ メチルシランを用いた以外は、 実施例 1 2と同様に行った。 実施例 1 2と同様の 分析方法による結果により、 得られたポリマーはポリカーボネート一シロキサン 共重合体であることが示された。
得られたポリマーの特性を評価した結果を表 1に示す。
(実施例 1 5 )
ジメチルカーボネートを使用せず、 そしてポリジメチルシロキサンの代わりに、 1 6 3 gのポリメチルフエニルシロキサンを用いた以外は、 実施例 1 2と同様に 行った。 実施例 1 2と同様 0分析方法による結果により、 得られたポリマーはポ リカ」ボネート一シロキサン共重合体であることが示された。
得られたポリマーの特性を評価した結果を表 1に示す。
(実施例 1 6 )
ジメチルカーボネー卜を使用せず、 そしてポリジメチルシロキサンの代わりに、 3 6 7 g ( 1. 5モル) のジメ トキシジフヱニルシランを用いた以外は、 実施例 1 2と同様に行った。 実施例 1 2と同様の分析方法による結果により、 得られた ポリマーはポリカーボネート一シロキサン共重合体であることが示された。
得られたポリマーの特性を評価した結果を表 1に示す。
(実施例 17 )
ジメチルカーポネートを使用せず、 そしてポリジメチルシロキサンの代わりに、 720 g (6.0モル) のジメ トキシジメチルシランを用いた以外は、 実施例 1 2と同様に行った。
得られたポリマーの I Rスペクトルには、 1775 cm—1のカーボネート結 合に由来する C-0伸縮振動の吸収が認められなかったことから、 得られたポリ マーはポリオ一ルーシロキサン共重合体であることが示された。
得られたポリマーの特性を評価した結果を表 1に示す。
(比較例 1 )
市販のポリカーボネート樹脂 (帝人化成 (株)製パンライト L一 1250)の特 性を評価した結果を比較例として表 1に示す。
以上の結果より、本発明のシロキサン系共重合体は、 ポリカーボネート樹脂と 同等の優れた透明性を有し、 そしてポリカーボネー卜樹脂に比べて難燃性が顕著 に向上していることがわかる。 なお、 上記実施例 1〜17で得られたポリマーの 各原料成分比をまとめたものを表 2に示す。
(実施例 18)
実施例 1および 6で得られたポリマーを、 市販のポリカーボネート樹脂 (帝人 化成 (株)製パンライト L一 i 250) 100重量部に対して 30重量部添加し、 そしで二軸押出機 (日本製鋼所 (株)製 LABOTEX)を用いて溶融混練して、 それぞれペレツト状の樹脂組成物を得た。 これらの樹脂組成物を射出成形するこ とにより 1Z8インチ試験片を作成し、 そしてその難燃性をそれぞれ評価した。
UL-94 V規格による評価を行うと、 市販のポリカーボネート樹脂単独では、 V— 2評価であつたのに対して、 実施例 1および 6で得られた樹脂組成物の評価 は共に V— 0であった。
以上の結果より、 本発明のシロキサン系共重合体は難燃剤としても優れた性能 を有していることが確認された。
產業上の利用の可能性
本発明のシロキサン系ランダム共重合体は、 難燃性、 透明性、 成形加工性、 雔 型性および表面滑性に優れており、 さらに他の便れた特性を維持しつつ難燃性に 特に使れる。 従って、 本発明のシロキサン系ランダム共重合体は、 耐熱性が要求 される物品に特に有効である。本発明のシロキサン系ランダム共重合体は、 難燃 性樹脂組成物または成形用樹脂組成物の主成分として有用であり、 そして他の樹 脂の難燃性を向上させるための難燃剤としても有用である。
従って、 本発明のシロキサン系ランダム共重合体、 難燃性樹脂組成物および成 形用樹脂組成物は、 例えば、 電気分野、 照明分野、 および自動車分野における物 品に特に好適: Γある
さらに、 本発明の製造方法により、 シロキサン系共重合体を簡便かつ安価に製 造し得る。
表 1 各実施例のシロキサン系共重合体の特性
M w S I 量 Τ g M V 離《S性' T
C ) (ボイズ) ( % ) 実旄例 1 5 8 0 0 0 3. 4 1 2 3 5 0 0 V一 0 8 9 実旌 2 6 2 0 0 0 3. 3 1 2 5 2 0 0 0 V― 0 9 0 実旌例 3 6 0 0 0 σ 2. 1 1 3 7 5 0 0 0 V ― 0 8 8 実埯例 4 7 3 0 0 0 4. 9 1 5 1 9 0 0 0 V一 0 8 8 荬施树 5 6 4 0 0 0 3. 0 1 4 8 7 0 0 0 V一 0 8 7 実鉋 W 6 5 9 0 0 0 2. 5 1 A 1 7 0 0 0 V ― 0 8 7 実 »例 7 7 5 0 0 0 1. 1 1 6 0 1 3 0 0 0 V一 0 8 9 実施 098 β 2 0 0 0 2. 4 1 4 2 7 0 0 0 V ― 0 8 8 実 9 β 4 0 0 0 2. 3 1 5 0 9 0 0 0 V一 0 B 7 m i 0 7 A 0 0 0 2. β 1 2 3 3 0 0 0 V一 0 a a 実施例 1 1 5 4 0 0 0 2. β 1 5 5 1 0 0 0 0 V一 0 8 6 実 £例 1 2 5 0 0 0 0 3. 1 9 2 9 0 実施例 1 3 4 β 0 0 0 0. 9 1 3 0 8 7 実旌例 1 4 5 8 0 0 0 3. 1 9 2 8 9 実尨树 1 5 5 8 0 0 0 2. 5 1 1 7 8 a m i e 5 2 0 0 0 2. 7 I 2 0 8 9 実麾 1 7 5 4 0 0 0 9. 8 7 0 8 9 比校 W 1 6 2 0 0 0 1 4 7 6 0 0 0 V - 2以 T 9 0
* U L — 9 4 V規格によ る ff ffi ( 1 / 1 6 イ ンチ W»片使用)
表 2 各実施例のシロキサン系共重合体の原料成分の割合
(A) (B) (C)
ポリカーポネ一卜まだ ジカルボン酸の
はジォ一ルのジカーボ ジエステル ケィ素化合物 仕込み比 生成重合体 実施例 ネート B/A C/A
ポリ力一ポネー卜 テレフタ *酸 **リシ' mシ トキシシ'
綠返単位 ·>· v m 'ン η«ン キ ,ン モル モル モル モル モル モル モル
1 5 2, 5 2. 5 6 1 1. 2
2 5 2. 5 2. 5 6 1 1. 2 ポリエステル
3 5 2. 5 2. 5 1. 5 1 0. 3 シロキサン
4 5 5 1 0 1 2
3 5 5 2. 5 2. 5 6 1 1. 2
6 5 3 1. 5 0. 6 0. 3
7 . 5 3 0. 8 0. 6 0. 1 5ポリエステル
8 5 3 1. 5 0. 6 0. 3 力一ポネ一トー
9 5 3 1. 5 0. 6 0. 3 シロキサン
1 0 5 1. 5 1. 5 1. 5 0. 6 0. 3
1 1 5 3 1. 5 0. 6 0. 3
1 2 5 1. 5 0. 3
1 3 5 1. 5 0. 3 ポリカーボネ
1 4 5 1. 5 0. 3 ト一シロキサン
1 5 5 1. 5 0. 3
1 6 5 1. 5 0. 3
1 7 5 6. 0 1. 2 ポリオ一ルー シロキサン
, * 実施例 2のみジオールのジカーボネート