WO1996035511A1 - Reprocessing method for salvaged metallic materials - Google Patents

Description

明 細 書

回収 金属材 の 再生処理法

技 術 分 野

本発明は、 回収金属材の再生処理方法、 特に、 再生処 理の剪断および Z又は粉砕工程において発生する粉塵に よる着火爆発事故を未然に防止するこ とを考慮した再生 処理方法に関する。

背 景 技 術

空気中に浮遊する径 1 〜 1 00 m ぐ らいの浮遊性固体 微粒子が適当な濃度に達したとき、 そこに火花、 火炎、 閃光などの着火源からエネルギーが与えられる と、 燃焼 から しばしば激しい爆発にいたるこ とは、 いわゆる粉塵 爆発と してよ く知られている。

さ らに、 着火源と しては、 摩擦衝撃、 静電気、 自然発 火などがあげられ、 特に切断や粉砕のように摩擦と衝撃 を利用する工程においては、 加工材料あるいは他の異物 によって火花を発し得るこ と も衆知のこ とである。

こ こ に、 浮遊性固体微粒子とは一般に粉塵といわれる もので、 粉塵爆発の対象と しては、 金属、 非金属を問わ ず無機質類、 豆、 穀類からプラスチッ クにいたる有機質 類を含め、 多種多様とされている。

また、 これら粉塵による爆発を防止する対策と しては、 発塵の抑制からその飛散防止、着火源に対する処置を含め てきわめて広範囲にわたっているが、 直接的な防爆法と して注水、 散水あるいは消火剤の使用などがあげられる。 たとえば、 特公平 3 — 45320号公報はその一例である。 近年、 資源有限の見地から廃棄材の再資源化が推進さ れている。 本発明の関与する回収金属材の再生処理もそ の一環である。

ところで、 回収金属材を再生処理する とき、 回収金属 材の形態に応じた切断、 粉砕の工程とそれぞれ経るこ と が必然的となる。

これら切断、 粉砕工程は前項で述べたように摩擦 · 衝 撃を伴う ものであるから、 本来の発塵源であるこ とに加 えて着火源の要素をも有する ものである。

したがって、 回収金属材の再生処理を行う とき、 粉塵 爆発の防止対策は安全対策と して最も重要な課題となる。

特に、 回収金属材がアル ミ ニウム材のように易酸化金 属であるときは、 酸化の急速な進行から容易に爆発にい たるため、 十分な防爆対策が必要である。

ところが、 回収金属材の切断、 粉砕のように摩擦 * 衝 擊を伴なう機構において、 極微小の水霧をもって防爆対 策と して再生処理する方法は見当らないのが現状である。

これに対して、 本発明は防爆対策と して噴霧される水 霧の噴霧条件を新規に設定する ものである。

発明の開示

本発明は前述の現状に対応する ものである。

すなわち第 1 の発明は、 少な く と も切断機、 粉砕機の いずれかによる回収金属材の再生処理の剪断および 又 は粉砕工程において、 A 該機器を収納する屋内の高所に設けた少な く と も 1 個の二流体式噴霧器により、 平均粒子径 以 下の水霧を屋内空間容積に対して 4〜^ h /m³ 噴霧する。

B 該機器それぞれに二流体式噴霧器を粉塵発生箇所 に向けて設置し、 平均粒子径 10〜 200 mの水霧を 粉塵発生量の 1 〜 100重量％噴霧する。

の中のいずれか、 あるいは双方の条件下で処理するこ と を特徴とする回収金属材の再生処理方法であり、 第二の 発明は回収金属材が易酸化金属よ り成る とする ものであ 発明を実施するための最良の形態

本発明において回収金属材とは、 再資源化のために回 収される金属材の総称であって、 金属屑、 使用済加工製 品、 半成品などであり、 板状の缶から積層箔にいたるま で、 その形態を問わない。

また、 本発明において、 二流体式噴霧器とは水と圧縮 空気を二流体とする噴霧器であり、 平均粒子径 10/z m以 下の水霧を得る仕様のものは市販品で求められる。

水霧の平均粒子径を 10 cz m以下と したのは、 径 1 〜 100 / mの粉塵を捕捉、 沈降せしめるに好適である との 知見による。

また、 噴霧量については前記浮遊粉塵を沈降せしめる とき 4 cc/ h Z m未満では不足であり、 lOccZ h Z m³を 超える ときは過剰となって過湿と酸化促進を伴うから不 都合である。

次いで B工程においては、 切断機、 粉砕機の発塵箇所 において粉塵を沈降せしめるのに、 水霧の平均粒子径 10 m未満では不足であり、 200 mを超える ものは過大 で好ま しく ない。

噴霧量を粉塵発生量の 1 〜 100重量％と したもの同様 の理由による。

また、 水霧の平均粒子径および噴霧量の調整は市販品 である二流体式噴霧器の仕様、 水量、 空気圧を選択肢と して実施し得る。

易酸化金属は酸素との親和力の強い金属の総称であり、 代表例と して、 k SL 、 M g , T i などがあげられる。

作 用

上記したように、 本発明の構成において屋内空間に 4 〜10 c cZ h Z m³の割合で噴霧された平均粒子径 1 0 /z m以 下の水霧は、 浮遊する粉塵を捕捉して沈降させるので粉 塵濃度を減じる とともに適度の加湿によって静電気の発 生および自然発火を防止するからこれのみによっても粉 塵爆発の防止対策となる ものである。

また、 平均粒子径 10 m以下の水霧は物体を濡らさな いとする特性を有する ものである。

次いで発塵量の 1 〜 1 00重量％に相当する平均粒子径 10〜 200〃 mの水霧は発塵部位に向けて噴霧されるため、 粉塵の拡散を防止するほか、 摩擦、 衝擊による着火をも 防止するこ ととなる。 この場合、 平均粒子径 10〜 200 x mの水霧は被処理物 を濡らすこ ととなるが、 回収金属材の再生処理工程にお いては、 切断、 粉砕後、 直ちに有機物あるいは可燃物を 除去するために焼却工程を経るため支障はない。

実 施 例

剪断式力 ッ ター ミ ルおよびハンマーク ラ ッ シ ャ 一を備 える回収アルミニウム材の再生処理工場において 10m X 10m X 5 m (高さ） の工場建屋内天井部に噴霧能力 2 ^ Z hの二流体式噴霧器を 2個設置し、 これよ り平均粒子 径 8 mの水霧を合計 4 Z h噴霧させながら再生処理 を行う ものと した。

このとき噴霧総量は 8 ccZ h Zm³に相当する。

さ らに、 前言己力 ッター ミ ノレおよびノヽンマークラ ッ シ ャ 一の各ホッパー部に、 それぞれ二流体式噴霧器を 1 個づ つ設置し、 これより平均粒子径 100 z mの水霧をそれぞ れ l. OOOccZ hづっ、 機器内部に向けて噴霧させながら 再生処理を行う ものと した。

このときの噴霧量は粉塵発生量の約 25重量％に相当す

Ό

次いで、 こ の再生処理工程において、 水霧により捕捉、 沈降した回収アル ミ ニウム材の粉塵 （ A ^ 90重量

C 10重量 は適宜乾燥後、 発熱剤、 鉄鋼の押湯保温 材、 鉄鋼の脱酸材、 鉄鋼スラ グの改質剤などの原料と し て再利用 している。

以上詳述したように本発明による回収金属材の再生処 理方法によれば、 処理工程中の切断機、 粉砕機などの金 属粉塵発生源において、 発生粉塵を直ちに水霧により捕 捉、 沈降して回収し、 さ らに屋内に浮遊する粉塵も別途 装備による水霧によって捕捉、 沈降し得る ものであり、 かつ適度の加湿により静電気、 自然発火など着火源とな る ものを阻止し得るから、 粉塵爆発の恐れな く再生処理 を行う こ とができる。

さ らに、 平均粒子径 1 0〃 m以下の水霧においては他の 物体を濡らさないから、 禁水とされる金属粉に対しても 過湿による障害をおよぼすこ とはな く 、 易酸化金属材の 粉塵に対しても有効に適用 し得る ものである。

さ らに、 回収金属材がアル ミ ニウム材の場合は、 本発 明の再生処理における回収粉塵は発熱剤、 鉄鋼の押湯保 温材、 鉄鋼の脱酸剤、 鉄鐧スラ グの改質剤の原料に加え て再利用できる。

産業上の利用可能性

本発明は、 回収金属の再生処理の剪断および Z又は粉 砕工程において発生する粉塵による着火、 爆発を未然に 防止する再生処理方法と して特に有用である。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 切断機及び 又は粉砕機による回収金属材の剪断 および 又は粉砕工程にあたり、

A 該機器を収納する屋内の高所に設けた少な く と も 1 個の二流体式噴霧器により、 平均粒子径 以 下の水霧を屋内空間容積に対して 4 〜10ccZ h /m³ 噴霧する。

B 該機器それぞれに二流体式噴霧器を粉塵発生箇所 に向けて設置し、 平均粒子径 10〜 200 mの水霧を 粉塵発生量の 1 〜 100重量％噴霧する。

の中のいずれか、 あるいは双方の条件下で処理するこ と を特徴とする回収金属材の再生処理方法。

2 . 回収金属材が易酸化金属よ り成るこ とを特徴とす る請求項 1 に記載の回収金属材の再生処理方法。