明 細 透明プラスチッ ク材料及び該材料から
なる光学物品及びその製造方法 技術分野
この発明は、 特定の波長の光のみを選択的に遮断若しく は低減す る性能を有し、 人間の眼にとつて有害な紫外線を遮断するとともに. 人間の眼にとって眩しく感じる波長の光を選択的に遮断若しく は低 減する性能を有する透明プラスチッ ク材料及び該材料からなる光学 物品に関し、 製造が容易であると共に従来より もより軽量化を図り . 且つ経時安定性の良好な透明プラスチッ ク材料に関する。 従来の技術
人間の眼は、 明順応状態の視覚 (明所視) では 5 5 5 n m付近
( 5 2 0 〜 5 9 0 n m ) の光を最も明る く感じ、 暗順応の視覚 (喑 所視) では 5 0 7 n m ( 4 7 2 〜 5 4 2 n m ) の光を最も明る く感 じる。 これが暗い場所から急に明るい場所へ出た時に眩しく感じた り、 逆に暗い場所から明るい場所へ入った時にしばらく何も見えな かったりなどの現象の起こる原因である。
また、 晴天の日中の屋外や夏の晴天の海岸や山などのように太陽 光線が強い状況の下で非常に眩しく感じるのも上記の理由による。
この眩しさを防ぐ方法として、 一般にはサングラスが使用されて いる。 ところが、 サングラスはレンズに色を着けているだけなので 視界が喑くなつてしまう。
さらに、 紫外線を適度に吸収しない (紫外線を遮断しない) もの は、 視界が暗くなることで瞳孔が拡大し、 眼球に入る紫外線の量を 増加させる結果となる。 この紫外線は眼にとって有害であり、 2 8 0 〜 3 1 5 n mの波長 (U V— B ) は角膜に吸収されて角膜炎をは じめとする角膜への障害を引き起こすと言われている。 また、 3 0 0 〜 4 0 0 n mの波長 (U V— A ) の紫外線は眼球の水晶体まで到 達し吸収されるため、 長期間の紫外線被爆は老人性白内障を引き起 こす原因の一つと考えられている。 従って、 紫外線を力ッ ト しない サングラスは、 実際には眼に対する生理的な負担が大きいと言える, また、 白内障の発症を防止するためには水晶体に有害な紫外線を力 ッ トする必要がある。
ところで、 希土類化合物であるネオジム化合物は 5 7 0 〜 5 9 0 n m付近に鋭い吸収をもち、 人間の眼に眩しく感じる波長の光のみ を選択的に吸収できる。 この特性を利用して、 ガラス中にネオジム 化合物を混入して眼鏡用レンズや自動車ミ ラ一等に防眩性能を付与 するこ とが行われている。
また、 透明プラスチッ クにネオジム化合物を導入して防眩性能を 有する透明性の高い光学用プラスチッ クを得る方法の検討もなされ ている。 この例を以下に示す。
( 1 ) 特公昭 4 2 — 3 9 4 9号公報の提案
同提案においては、 ネオジムまたはセリ ウム等の水溶性稀有金属 塩を含むポリエーテルの水溶性重合物の有機質薄膜を硝子あるいは 金属から成る型の内面に被着せしめた後、 メタク リル酸エステルま たはァク リル酸エステルとひ, 3—不飽和カルボン酸のプレボリマ 一を型内に注入し加熱重合して遮光器を得る製造法が開示されてい
る。
( 2 ) 特開昭 5 1 — 5 6 8 5 1 号公報の提案
同提案においては、 燐酸ネオジム, 炭酸ネオジム, 硫酸ネオジム, 酸化ネオジム, 硝酸ネオジム等の無機ネオジム化合物を合成樹脂に 混合してなる樹脂組成物が、 開示されている。
( 3 ) 特開昭 5 1 — 5 8 4 4 4号公報の提案
同提案においては、 エチレ ンジァ ミ ン四酢酸ネオジム, 酢酸ネオ ジム, ステア リ ン酸ネオジム等の有機ネオジム化合物をメチルメ タ ク リ レー ト樹脂, スチレ ン樹脂等の合成樹脂に配合してなる樹脂組 成物が、 開示されている。
( 4 ) 特開昭 5 8 — 2 2 5 1 4 8号公報の提案
同提案においては、 透明なプラスチッ ク基材中に平均粒径が 0. 2 mないし 2 0 mのネオジム化合物、 例えば、 酸化ネオジム, 水 酸化ネオジム,· 炭酸ネオジム, 燐酸ネオジム, 硫酸ネオジム, 塩化 ネオジム, 酢酸ネオジムを分散させて成る可視光線領域における光 選択吸収性樹脂組成物が開示されている。
しかしながら、 一般のネオジム化合物、 例えば、 酸化ネオジム, 炭酸ネオジム, 塩化ネオジム, 硝酸ネオジム, 硫酸ネオジム, 硫化 ネオジム, 蓚酸ネオジム, 酢酸ネオジム等は、 ジエチレングリ コ一 ルビスァ リ ルカーボネー ト, メ タ ク リ ル酸メチル及びスチレ ン等の 透明プラスチッ クを形成する代表的な重合性単量体との相溶性が悪 く、 難溶である。
したがって、 上記 ( 2 ) の無機ネオジム化合物を有機合成樹脂で あるメチルメ タク リ レー ト樹脂, スチレ ン樹脂等と混練り しても相 溶性が充分でないために均一な分散は困難であつた。
また、 ( 3 ) の有機ネオジム化合物においても、 メチルメタ ク リ レー ト樹脂と加熱溶融して混練り しても均一な分散は困難であり透 明な樹脂材料は得られなかった。
さ らに、 ( 4 ) においても、 同様に全光線透過率が低く、 透明性 の高い樹脂材料は得られなかった。
( 5 ) 特公昭 4 4一 5 0 9 1 号公報の提案
同提案にあっては、 例えば酢酸ネオジムがメチルメタ ク リ レー ト 樹脂に対して相溶性が低いこ とから、 このネオジム塩を無水塩化第 二錫を溶媒と してメチルメ タ ク リ レー トに相溶し、 これを加熱重合 によって注型する方法が開示されている。
しかしながら、 該方法は塩化第二錫を溶媒と して注型を行うため 高価となるばかりでなく、 得られる樹脂は分散微粒子による曇りの ために完全に透明にはならず、 また、 耐候性も低く、 容易に失透す るという欠点があった。
( 6 ) 特開平 1一 1 6 1 0 2 4号公報の提案
また、 酢酸ネオジム, 塩化ネオジム, 硝酸ネオジム, 硫酸ネオジ 厶, ステア リ ン酸ネオジム等の水溶性金属塩を、 2 — ヒ ドロキシェ チルメ タ ク リ レー ト, メタ ク リ ル酸, アク リ ル酸, 等の親水性モノ マーに溶解させ、 他の疎水性モノ マーと併用 して光学素子を得る方 法も提案されている。
同提案においては、 重合性単量体との相溶性が悪いとされている ネオジム化合物の硝酸ネオジムが 2 — ヒ ドロキシェチルメ タ ク リ レ ー トに溶解するこ とを用いて、 この溶液に単量体と してメチルメ タ ク リ レー トまたはァク リ ルジグリ コールカーボネー トを混合するか- あるいは重合体と してポリ ビュルアルコールを混合して加熱重合を
行ない防眩用板またはフ ィ ルムを成形する製法が開示されている。 しかしながら、 該方法においては、 常に 2 — ヒ ドロキシェチルメ タ ク リ レー トが共存しなければならないために目的とする重合体の 物性に悪影響を及ぼす可能性がある。
すなわち、 上記 2 — ヒ ドロキシェチルメ タ ク リ レー トを含む重合 体は、 吸水性が高く熱特性が悪いという欠点を有するこ とから、 吸 水や熱により変形し易いという問題を持っている。
特に、 光学素子においては、 変形が直接光学特性に影響を及ぼす こ とから、 できる限り変形を小さ くする必要がある。
さ らに、 多く の場合において光学素子に反射防止効果を付与する こ とが行われ、 透明プラスチッ ク材料の表面に無機蒸着膜が形成さ れるが、 吸水や熱によって基板に変形の生じた場合には、 それによ り発生する応力が蒸着膜にクラ ッ クを生じさせ光学性能の低下をも たらすという問題が発生する。
( 7 ) 特開平 2 — 1 5 3 3 0 1 号公報の提案
同提案においては、 ァク リ ル酸ネオジム及びメ 夕 ク リ ル酸ネオジ ムから選ばれる少な く とも一種以上のネオジム化合物と、 アク リ ル 酸及びメ タ ク リ ル酸から選ばれる少な く とも一種以上の不飽和カル ボン酸とスチレンまたはスチレ ン誘導体とを含む単量体混合物を重 合して成る重合体からなるこ とを特徴とするプラスチッ ク製光学素 子が開示されている。
該方法もまたァク リ ル酸またはメ タ ク リ ル酸が共存するため、 重 合体の吸水性が高く なり上記 ( 6 ) の提案の方法と同様の問題があ つた。
( 8 ) 特公平 5 — 6 4 1 7 9号公報の提案
同提案においては、 メタク リル酸エステルを主構成成分とする樹 脂に、 ラ ンタ ン、 セ リ ウム、 プラセオジム、 ジスプロシウム、 ッ リ ゥ厶、 ィッテルビウム及びルテチウムからなる希土元素の酸化物、 水酸化物、 錯化合物、 無機酸との塩からなる群から選ばれた少なく とも一種の希土類元素化合物と、 前記の両成分に対して溶解性を示 す一般式 R , — C O O H (式中、 R , は炭素数 1〜 2 0の飽和又は 不飽和の炭化水素残基である) ; R 2 - 0 C 0 - R 3 - C O O H (式中、 R 2 は水素又は炭素数 1 〜 9の炭化水素残基であり、 R 3 は炭素数 1 〜 4の飽和又は不飽和の炭化水素残基である) ; C H2 = C (R 4)~ C 00 - (一 A , —〇一) „ H (式中、 R 4 は水素又 はメチル基であり、 A , は炭素数 2〜 6のアルキレン基であり、 n は 0又は 1 〜 1 0の整数である) ; C H2 = C (R 5 ) )— C〇〇 - R 6 - O H (式中、 R 5 は水素又はメチル基であり、 R s は炭素 数 2〜 6のアルキレン基である); R 7 — O H (式中、 R 7 は炭素数 3〜 1 0の飽和又は不飽和の炭化水素残基である) ; 及び R 8 一
(一 A2 — 0 -) m H (式中、 R 8 は水酸基又は炭素数 1〜 1 0の 飽和又は不飽和の炭化水素残基であり、 A 2 は炭素数 2〜 4のアル キレン基であり、 mは 1 〜 1 0の整数である) の化合物から選ばれ た少なく とも一種の溶媒、 及び重合開始剤よりなる混合物を铸型中 で重合させることを特徴とする、 放射線及び電磁線の選択吸収性に 優れた希土類元素含有樹脂組成物の製造法が提案されている。
しかしながら、 該方法もまた希土類元素化合物を樹脂原料に均一 に溶解させるために、 共溶媒としてメタク リル酸, アタ リル酸等の 不飽和カルボン酸、 プロピオン酸, イ ソ酪酸, n—酪酸, カブロン 酸, 力プリ ル酸, 力プリ ン酸, 2 —ェチルへキサン酸, ステア リ ン
酸, ナフテン酸等の飽和又は不飽和の脂肪酸、 ー ヒ ドロキシェチ ルアタ リ レー ト, (2— ヒ ドロキシェチルメ タ ク リ レー ト等の不飽和 アルコール、 プロ ピレ ンアルコール, シクロへキシルアルコール等 の飽和脂肪族アルコール、 エチレ ングリ コール, ジエチレ ングリ コ —ル, プロ ピレ ングリ コール等の多価アルコールが用いられている ため、 樹脂の吸水性が高く なり上記 ( 6 ) の提案の方法と同様の問 題が生ずる。
( 9 ) 特公平 5 - 5 2 3 2 5号公報の提案
同提案においては、 アルキル基の炭素原子数. 1 〜 4 のアルキルメ 夕 ク リ レー ト及びスチレ ンよりなる群から選ばれた少な く と も 1 種 のモノマー、 アク リ ル酸及び/又はメ タ ク リ ル酸、 水酸基又はアル コキシカルボニル基で置換されていてもよい全炭素原子数 6〜 2 0 の飽和も しく は不飽和有機カルボン酸よりなる群から選ばれた少な く とも 1 種以上の化合物、 及び水からなる混合物中において、 水溶 性のネオジムの無機強酸塩と、 水溶性の無機塩とを 「特許請求の範 囲」 に示された条件を満足するような割合で反応させて得たモノマ 一組成物を、 そのまま重合させてネオジム含有透明樹脂を得る製造 方法が開示されている。
しかしながら、 該方法についても上記 ( 7 ) の提案の方法と同様 に、 アク リ ル酸及び 又はメタ ク リ ル酸が含有されており、 さ らに 水酸基又はアルコキシカルボニル基で置換されていてもよい全炭素 原子数 6〜 2 0 の飽和も しく は不飽和有機カルボン酸よ りなる群か ら選ばれた少な く とも 1 種以上の化合物と水溶性のネオジムの無機 強酸塩が用いられているために樹脂の吸水性が高く なり上記 ( 6 ) の提案の方法と同様の問題があった。
( 1 0 ) 特公平 5 - 7 9 6 8 4号公報の提案
同提案においては、 スチレ ン単独またはスチレ ンを主成分とする 炭素原子数 1〜 4のアルキルメ タ ク リ レー ト との混合物からなる単 量体およびアク リ ル酸, メ タ ク リ ル酸, アク リ ル酸ネオジムおよび メ タク リ ル酸ネオジムよりなる群から選ばれた少な く とも 1種の化 合物からなる共重合体および水酸基で置換または非置換の炭素原子 数 6〜 2 1の飽和も しく は不飽和有機カルボン酸およびそのネオジ 厶塩よりなる群から選ばれた少な く とも 1種の化合物よりなる反応 物であり、 該共重合体中のァク リ ル酸, メ タ ク リ ル酸およびそれら の塩と前記有機カルボン酸およびその塩の有する全カルボキシル基 の数に対し該有機力ルボン酸およびその塩の有するカルボキシル基 の数が比率 Xを占め、 該全カルボキシル基のうちネオジムを中和し て塩を形成しているカルボキシル基の比率が yであり かつ X と y とが次の式 I、 Iおよび IIIのいずれかを満足するこ とを特徴とする ネオジム含有透明樹脂が提案されている。
(式 1 ) 0. 0 5 ≤ y≤ ( 5 /2 ) x +0. 2, 0 ≤ x≤ 0. 3 (式 1) 0. 0 5 ≤ y ≤ - ( 2 / 5 )(X - 0. 3 ) +0. 9 5 ,
0. 3≤ x≤ 0. 0 5
(式 HO O. 0 5 ≤ y ≤ — ( 8 / 3 )(x - 0. 5 5 ) + 0. 8 5 ,
0. 5 5 ≤ x≤0. 8 5 しかしながら、 該方法についても メ 夕ク リ ル酸、 アク リ ル酸及び 水酸基で置換または非置換の炭素原子数 6〜 2 1の飽和も しく は不 飽和有機カルボン酸を共存するこ とから、 上記 ( 6 ) の提案の方法 と同様の問題があった。
このように、 従来のネオジム化合物等の希土類化合物は疎水性の 重合性単量体との相溶性が悪いという欠点を有している。
この欠点を克服するために前述した幾つかの方法が行われている カ^ これらの方法では樹脂の吸水性に問題があり、 光学素子として 使用する場合は寸法安定性に問題があつた。
一方、 眼鏡レンズゃコンタク ト レンズなどの透明プラスチッ ク材 料には紫外線の遮断の目的で紫外線吸収剤を添加するが、 この紫外 線吸収剤は重合性単量体との相溶性において問題となる場合もあり . また、 数種類の添加剤を用いる場合や添加量が多い場合においては 重合体の機械的特性が低下するという問題もあった。
さらに、 防眩性能を有する透明プラスチッ ク材料を眼鏡レンズや コンタク ト レンズとして使用する場合においても、 上記の目的のた めに一般的には重合性単量体に防眩性能を有する化合物を添加し、 さらに紫外線吸収剤を添加しなければならないこ とから、 相溶性, 機械的特性の面で問題が生じる可能性があった。
本発明者らはこのような問題を解決し、 しかも特定の波長の光の みを選択的に遮断若しく は低減する性能を有する透明プラスチッ ク 材料として特願平 5 — 5 0 2 1 0 9号 ( P C TZJ P 9 2 / 0 0 8 8 3 ; 国際公開 W 0 9 3 / 0 1 2 3 3 ; 米国特許 0 8 Z 0 2 7 1 7 3 ) の提案をした。
しかしながら、 次式で示される基本構造を有し且つァリ一ル基若 しく は複素環基の少なく とも一方を含む錯化合物 ( A) n M ( nは 3、 Mは S c , Y, L a , C e, P r , N d , P m, S m, E υ , G d, T b, D y , H o, E r , Tm, Y b又は L uを表す。 ) に おいては、 以下のような問題があることを、 その後判明した。 ①結
晶の状態において経時で徐々 に分解してゆき重合性単量体に溶解さ せた場合に沈澱物が生じるという問題と、 ②上記錯化合物を重合性 単量体に溶解させた状態で室温で蛍光灯等の光を照射した場合に初 期においては各々の希土類元素に特有の色を呈しているが、 経時と ともに変色し沈澱物が生成するという問題である。
したがって、 上記の錯化合物を用いた特願平 5— 5 0 2 1 0 9号 (P CTノ J P 9 2 / 0 0 8 3 ) に開示した透明プラスチッ ク材料 は、 上記錯化合物の化学的安定性の問題による色調のばらつきと析 出の発生の問題があつた。
本発明は、 このような事情に鑑み、 色調のばらつきがなく且つ析 出等の発生のない特定の波長の光のみを選択的に吸収する性能を有 し、 人間の眼にとって眩しく感じる波長の光を選択的に遮断若しく は低減し、 有害な紫外線をも遮断する透明プラスチッ ク材料及び該 材料からなる光学物品及びその製造方法を提供することを目的とす る。 発明の開示
前記の目的を達成する 「第 1 の本発明に係る透明プラスチッ ク材 料」 の構成は、 及び該材料からなる光学物品は、 1種またはそれ以 上の重合可能なモノマーを重合開始剤または重合触媒の存在下で重 合することによって得られる重合体からなり、 上記重合体が下記一 般式 ( I ) で示される錯化合物を含有することを特徴とする。
A2 M (OH) (H2 0) … ( I )
但し、 Mは S c, Y, L a, P t, N d , Pm, Sm, G d, D y, H o, E r , Tm, 又は L uを表す。
1 o
Aは次 で示される基本 ί誇造を有し、 且つァリール基若しく は複 素環基の少なく とも一方を含む午レー ト錯体をつ : る配 Γ·である
C一 0.
ノ /
C /
\ /
/
C = 0 第 2の発明に係る透明ブラスチッ ク材料の構成は、 上記第 1 の透 明プラスチッ ク材料において、 重合可能なモノマーがラジカル重合 性基を含むものであることを特徵とする。
第 3の発明に係る透明プラスチッ ク材料の構成は、 上記第 1 の透 明プラスチッ ク材料において、 重合可能なモノマーが重付加反応性 基を含むものであることを特徴とする。
第 4の発明に係る透明プラスチッ ク材料の構成は、 上記第 1 の透 明プラスチッ ク材料において、 重合可能なモノマーが重縮合反応性 基を含むものであることを特徴とする。
第 5の発明に係る光学物品は、 第 1 の発明に記載の透明プラスチ ッ ク材料からなることを特徴とする。
第 6の発明に係る光学物品は、 第 5の発明において、 光学物品が 眼鏡レンズであるこ とを特徵とする。
第 7の発明に係る光学物品は、 第 5の発明において、 光学物品が 老視用眼鏡レンズであることを特徴とする。
第 8の発明に係る光学物品は、 第 5の発明において、 光学物品が コンタク ト レンズであることを特徴とする。
第 9の発明に係る光学物品は、 第 5の発明において、 光学物品が ディスプレイ用フィルタ一であることを特徴とする。
第 1 0の発明に係る光学物品は、 第 5の発明において、 光学物品 が光学機器用レンズ又はフィ ルターであるこ とを特徴とする。
第 1 1 の発明に係る光学物品は、 第 5の発明の光学物品において- 透明プラスチッ ク材料からなる基材上に、 第 1 の発明に係る重合体 の薄膜層が形成されているこ とを特徴とする。
第 1 2の発明に係る光学物品は、 第 1 1 の発明の光学物品におい て、 透明プラスチッ ク材料からなる基材が、 眼鏡レンズ、 サングラ ス、 ディ スプレイ用フィルタ一カバー、 照明器用カバ一、 自動車用 ミ ラー、 カメラ等の光学機器用レンズ及びフ ィ ル夕一等であること を特徴とする。
第 1 3の発明に係る光学物品の製造方法は、 第 5の発明の光学物 品において、 第 1 の発明の 1種又は 2種以上の重合可能なモノマー 及び重合開始剤若しく は重合触媒と一般式 ( I ) で表される錯化合 物からなる組成物を铸型内に注入し、 铸型内で重合させることによ り光学物品を得ることを特徴とする。
第 1 4の発明に係る光学物品の製造方法は、 第 5の発明の光学物 品において、 第 1 の発明の 1種又は 2種以上の重合可能なモノマ一 及び重合開始剤若しく は重合触媒からなる組成物を重合し、 得られ た重合体を溶融させ、 該溶融状態の上記重合体に、 一般式 ( I ) の 錯化合物を添加し、 均一に溶解させた後に、 固化してペレツ トを形 成し、 該ペレツ トを射出成形機等の成形機を用いて再溶融し、 金型 内で再固化させることにより光学物品を得ることを特徴とする。
第 1 5の光学物品の製造方法は、 第 5の発明の光学物品において- 射出成形機等の成形機内で第 1 の発明の 1種又は 2種以上の重合可 能なモノ マー及び重合開始剤若しく は重合触媒からなる組成物を重
合して得られる重合体と一般式 ( I ) の錯化合物とを混合し、 金型 内で固化せしめるこ とにより光学物品を得るこ とを特徴とする。 第 1 6 の光学物品の製造方法は、 第 5 の発明の光学物品において. 1 種又はそれ以上の重合可能なモノ マーを一般式 ( I ) で表わされ る錯化合物からなる組成物を重合開始剤または重合触媒の存在下で 重合するこ とによって得られる重合体を射出成形機等の成形機を用 いて溶融し、 金型内で固化せしめるこ とにより光学物品を得るこ と を特徴とする。
第 1 7の透明プラスチッ ク材料は、 第 2の発明の重合体がスチレ ン若しく はノ及びスチレ ン誘導体を主成分とするスチレ ン系透明プ ラスチッ ク材料からなるこ とを特徵とする。
第 1 8 の透明プラスチッ ク材料は、 第 2の発明の重合体が分子中 に ト リアジン骨格とラジカル重合性基を有するィ ソシァヌ レー ト誘 導体を主成分とするィ ソシァ ヌ レー ト系透明プラスチッ ク材料から なるこ とを特徴とする。
第 1 9 の透明プラスチッ ク材料は、 第 2の発明の重合体がイ ソシ ァネー ト基含有化合物とヒ ドロキシ基含有化合物とを反応させ、 得 られるウ レタ ン (メ タ) ァク リ レー トを主成分とするウレタ ン (メ 夕) ァク リ レー ト系透明プラスチッ ク材料からなるこ とを特徴とす る。
第 2 0 の透明プラスチッ ク材料は、 第 2の発明の重合体が分子中 にポリエステル構造を有するポリエステル (メ タ) アタ リ レー トを 主成分とするポリ エステル (メ タ) 了ク リ レー ト系透明プラスチッ ク材料からなるこ とを特徴とする。
第 2 1 の透明プラスチッ ク材料は、 第 2の発明の重合体が分子中
に硫黄原子を含有する含硫黄 (メ タ) アタ リ レー トを主成分とする 含硫黄 (メタ) ァク リ レー ト系透明プラスチッ ク材料からなるこ と を特徴とする。
第 2 2の発明の光学物品は、 一般式 (E) で示される分子中に硫 黄原子を含有する (メ タ) ァク リ レー トを 4 0〜 6 0重量部、 芳香 族 (メ タ) ァク リ レー トを 1 0〜 3 0重量部、 脂肪族 (メ タ) ァク リ レー トを 1 0〜 3 0重量部、 ポリエチレ ングリ コールジメ 夕ク リ レー ト 1 0〜 3 0重量部からなるラジカル重合可能なモノ マーをラ ジカル重合開始剤の存在下で重合するこ とによって得られる重合体 からなり、 上記重合体が一般式 ( I ) で示される錯化合物を含有す る透明プラスチッ ク材料からなる光学物品が眼鏡レンズであるこ と を特徴とする。
式中、 Rは水素またはメチル基、 Xは硫 il子または ... (!)
原子、 nは OW±、 3以下 <«を示す。 第 2 3の発明の光学物品は、 第 2 2の発明の光学物品において、 一般式 ( I ) で示される錯化合物の Mが N d, E r又は H oの何れ かからなり、 その含有量が重合可能なモノ マーに対して、 2〜 1 5 P hmであるこ とを特徴とする。
第 2 4の発明の光学物品は、 第 2 3の発明の光学物品において、 —般式 ( I ) で示される錯化合物の Mが N d及び E rであり、 その
含有量が重合可能なモノマーに対して、 各々 2〜 1 5 p hmである こ とを特徴とする。
第 2 5の発明の光学物品は、 第 2 3の発明の光学物品において、 一般式 ( I ) で示される錯化合物の Mが N d , E r及び H 0であり. その含有量が重合可能なモノマーに対して、 各々 2〜 1 5 p hmで あることを特徴とする。
一般式以下、 本発明の内容を詳細に説明する。
すなわち、 包括的な概念を示す本発明のプラスチッ ク材料は、 下 記 i ) の組成物からなる重合体に、 下記 ) の二配位錯体化合物を 含有してなるものである。
i ) 少なく とも一種以上の重合可能なモノマ一を、 重合開始剤若 しく は重合触媒の存在下で重合することによって得られる 「重 合体」
ϋ) 一般式 ( I ) に示す 「二配位錯体化合物」
( Α) 2 M (OH) (Η2 0) · · · ( I )
M : S c, Y, L a, P t , N d , Pm, Sm, G d, D y ,
H o, E r , Tm又は L u
A : 次式で示される基本構造を有し、 且つァリール基若しく は複素環基の少なく とも一方を含むキレー ト錯体をつく る配位子
C 一 0.
C /
\ /
/
C = 0' で、 本発明は、 前述したように先に国際出願 (P CTZJ P
9 2 / 0 0 8 8 3 ) したプラスチッ ク材料が有する特有の問題を解 決するためになされたものであるが、 両出願の構成において、 上記 出願で用いる錯体化合物は、 下記式 (ΠΙ ) に示すような三配位の錯 体化合物 (以下本発明において 「三配位錯体」 という。 ) を添加し ているが、 本発明は上述したような上記式 ( I ) に示すような二配 位錯体化合物 (以下本発明において 「二配位錯体」 という。 ) を添 加している点で相違する。
( A ) s M · · · ( Π ) 次に、 先に出願した三配位錯体と本発明に係る二配位錯体との相 違点を説明する。
すなわち、 三配位錯体を添加したプラスチッ ク材料を用いて、 光 学物品を製造し、 長期間に亙っての経時変化等を確認している際に. ①モノマーに対する溶解性、 ②溶媒に溶かした後の安定性、 ③着色 の安定性について問題があるこ とが浮上した。
この原因を種々検討する過程において、 錯化合物の配位の立体構 造を解明するこ とに着目 した結果、 三配位錯体が有する上記問題に つき、 立体障害に原因があるこ とを知見し、 本発明を完成するに至 つ,こ。
しかし、 先の出願時点においては、 錯化合物の合成は、 先に開示 した三配位錯体を得る方法しかなく、 二配位錯体を合成することは 考えていなかつたし、 実際に合成するこ とは知られていなかった。
よって、 本発明者等は本発明のために新規に二配位錯体を合成す る方法を検討した (詳細は、 後述の合成例 1 〜 3に示す。 ) 。 以下に三配位錯体と二配位錯体との製造方法の相違点及びこれに
導かれる効果の相違点につき、 (1)〜(6)に説明する。
(1) 先の出願時において開示した合成方法では、 3価の金属 Mに対 して常に配位子 Aが 3 モル配位するこ ととなり、 二配位錯体は合 成できなかった。
X: CII3 COO -, Ci, NO,
このため、 三配位錯体を出願した際には、 二配位錯体の存在及 び合成方法が明らかとなつていなかつたので、 二配位錯体が三配 位錯体に比較して溶解性及び安定性において優れるという予想は 不可能であつた。
二配位錯体は三配位錯体の問題点 (溶解性及び安定性) の改良 のための検討の中で合成され、 以下に述べるように本発明により 初めて三配位錯体に対しての優位性が確認された。
(2) 二配位錯体の製造方法について
2 mo l のベンゾィルアセ トンと 1 mo 1 の硝酸ネオジムをメタノ ールに溶解させた溶液に 4 %ア ンモニア水溶液を滴下し、 2 0〜
1
2 5 °Cで 1時間反応させる。 青紫色の結晶が析出する。 これを水 で洗浄し乾燥する。
尚、 合成方法の詳細については、 後述する 「合成例 1」 に示す 通りである。
なお、 錯体の配位子、 例えば Aとして (ベンゾィルアセ ト ンを 用いた場合) の付加数、 つま り、 単量体, 二配位錯体, 三配位錯 体のいずれが合成されるかは、 下記 「表 1」 に示すように、 ベン ゾィルアセ ト ンと硝酸ネオジムの仕込み時のモル比 (仕込モル比) よ
[表 1 ] ベンゾィル了セトン: 硝酸ネオジム 合成される錯体
(二配位錯体) 2 アクアヒド πキシ(1-フエニル- 1, 3ブタン ジ才ナト)ネオジム 錯体
-(1)
(三配位錯体) 3 卜リスベンゾィル了セ卜ナトネオジム 錯体
… )
(単配位錯体) 1 ジ了ク了(1-フエニル- 1, 3-ブタンジォナト) ジヒド πキシネオジム錯体
… )
(1) (C6H5C0CHC0CH3)2Nd(0H)(H20)
(2) (C6H5C0CHC0CH3)3Nd'2H20
(3) (C6H5C0CHC0CH3)Nd(0H)2(H20)2
(3) 次に二配位錯体及び三配位錯体の分析方法について概説する。
ここで、 錯体一般的な分析方法としては、 元素分析, 金属分析
水分含量, 赤外吸収スペク トル及び D S C ( Differential scanning calorimeter) 等力 "^げりれる。 元素分析 (ultimate analysis または elementary analysis) 有機化合物あるいは有機物質の構成元素 (C, H, 0) を検 出し、 その含量を定める方法、 各成分元素の百分率を求めて、 その結果から分子式を導き、 その上で元の化合物を判別する。 金属分析 (metal analysis)
D S C (示差走査熱量測定)
試料及び基準物質を加熱または冷却によって調節しながら等 しい条件下におき、 この二つの間の温度差をゼロに保っために 必要なエネルギーを時間または温度に対して記録する方法であ ο 下記 「表 2」 に二配位錯体, 三配位錯体及び単配位錯体の分析結 果の一例を表示する。
[表 2 ]
(4) 次に、 二配位錯体が化学的に安定である根拠を以下に説明する, 金属原子に配位する配位子がベンゾィルァセ トンの うなかさ 高い構造のものである場合、 三配位錯体は構造的に立体的な障害 をうけるためにエネルギー的に不安定な状態にある。 この場合、 この錯体が溶媒やモノマーに溶解した状態では、 自由度が上がる
こととなり、 エン トロ ピーの低い状態へと変化する。
したがって、 三配位錯体の場合では、 エネルギー的に安定な状 態へ変化していく、 つまり分解していく こ とになる。
第 1 9図は二配位錯体 (アクアヒ ドロキシ ( 1 一フヱニルー 1 , 3 —ブタンジォナ ト) ネオジム) がエネルギー的に最も安定であ る構造をシミ ユ レーショ ンしたものである。
第 1 9図に示されるように、 二配位錯体は、 2個のかさ高いベ ンゾィルアセ トンがフヱ二ル基を外側にして対称に金属 M ( N d 原子) に配位し、 空いた残りの配座には〇 Hと H 2 0が配位した 構造である。 この二配位錯体の構造は、 三配位錯体に比べて構造 的にはるかに立体的な障害をうけにく く、 エネルギー的に安定し ている。
したがって、 二配位錯体は溶媒やモノマーに溶解された自由度 の上がった状態においても安定な状態をとることから、 分解は起 こ らず色調の変化がない。
(5) 安定性試験
次に重合性単量体 (モノマー) へ溶解した状態での化学的安定 性の向上について説明する。
尚、 詳細な試験例については後述 (試験例 1 〜 8 ) する。
こ こで、 本発明で重合可能なモノマーへ溶解した状態での化学 的安定性の向上とは、 以下の状態にあることである。
① 経時による色調の変化が起こ らない。
② 経時によって錯体の分解による沈澱物が生成しない。
この結果、 (1)二配位錯体のものは、 常に同じ色調のものを提供 できると共に、 (2)二配位錯体をモノマーに溶かした状態で長期保
管できる。
すなわち、 前もって原料を調合しておく こ とが可能であるため 成形工程上の時間的制約が短縮されること、 また、 成形に使用す る一週間分の原料をまとめて調合しておく ことができる等、 作業 上の効率化が図られ、 コス トダウンが可能となる。
尚、 本発明においては、 二配位錯体は純粋なものを用いるのが 好ま しいが、 後述するように、 多少の三配位錯体の含有において は、 溶解性及び安定性の点で使用に耐え得る。
(6) 二配位錯体によって得られる透明プラスチッ ク材料の色の安定 性
従来の三配位錯体においても、 錯化合物の組み合わせによって グレイ等の無彩色は得られる。
しかしながら、 三配位錯体においてはモノマーに溶解後の安定 性に問題、 つまり、 経時での色の変化が有るため安定した無彩色 の色調が得られないという問題があつたが、 本発明による二配位 錯体によって得られる材料は、 上述した安定性が良好であるので. この問題が解決された。
二配位錯化合物の組み合わせ及び得られた色について下記 「表 3」 に示す。
[表 3 ] 錯化合物の比率 成形物 (レンズ) 成形物の
BANd BAEr BAHo の吸収波長 色
50 50 ― 510〜530 グレ一
570〜590
65 35 ― 〃 青紫
35 65 ― 〃 紫紺
65 —一— 35 440〜460 冃
570〜590
35 ― 65 〃
― 50 50 〃 緑
― 50 50 440〜460 ブラウン
510〜530
(7) 以上説明したように、 上述した本発明に係る二配位錯体を用い た場合と従来の三配位錯体を用いた場合の差異をま とめると、 以 下のようになる。
① 溶解性試験
二配位錯体ものがモノマーに溶解性が良く、 三配位錯体のもの は溶解性の点で劣る。
この結果、 二配位錯体の配合量を大幅に上昇することができる ( ② 安定性試験
i ) 各々溶媒に溶かした場合に、 経時変化に差異がある。
この結果、 二配位錯体の取り扱い面での優位性があり (例えば 溶媒に溶かした状態で長期保存できる。 また、 機械が緊急に停止 した場合にも対処できる。 ) 、 三配位錯体と較べて有利である。 ϋ ) 「着色」 についても変化がある。
この結果、 二配位錯体のものは常に同じ色調の材料を提供でき
^ ο
iii ) 二配位錯体と三配位錯体との配合について、 例えば二配位錯 体に多少の三配位錯体が混在していても経時変化に顕著な差異は なかったが、 好ましく は全量が二配位錯体であるのがよい。
よって、 多少三配位錯体が添加されていても、 上記溶解性及び 安定性の点で、 使用に耐えられる。 以下、 本発明の構成要件である下記一般式 ( I ) で示される錯化 合物をさらに具体的に例示する。
A 2 M ( O H ) ( H 2 0 ) ( I )
( < (2O> )--COCHCO-CH3) 2 M (OH) (H20) (1-1)
( (O^ -COCHCO- (O^ 2 M (0H) (H20) (1 ■2)
O) -COC (CH3) CO-CH3) 2 M (OH) (H20) (1-3)
( <C -COCHCO-CHg) 2 M (OH) (H20) (1-4)
COCHCO- <Q)) 2 M (OH) (H20) (1-5)
ISO CD en en D
〇
〇
〇 〇
(OH
o
本発明の一般式 ( I ) で示される錯化合物の構造を、 上記 ( 1 一 1 ) 式で示される錯化合物の化学構造の一例を、 以下に示す。
尚、 下記化学構造において Mを N d としたものの立体構造は、 前 述した第 1 9図に示すものである。
/ o ί 上記の一般式 ( I ) で表される錯化合物は、 特定波長光に対する 選択吸収能を透明プラスチッ ク材料に付与するための必須成分であ り、 その含有量としては、 0. 1 〜 2 0重量%含有されることが好ま しい。 これは、 この錯化合物の含有量が 0. 1重量%未満であると上 記効果が小さ く、 また、 2 0重量%を超えた場合は重合して得られ るプラスチッ ク材料の物理的な特性の低下が生じる傾向にあるため 共に好ま しくないからである。
また、 係る錯化合物は、 上述した希土類元素 Mの種類によって鋭 い吸収の現れる波長が異なり、 該錯化合物を含有した透明プラスチ ッ ク材料及び該材料からなる光学物品は特定の波長の光のみを選択 的に遮断若しく は低減する性能を有する。
該錯化合物を含有した透明プラスチッ ク材料及び該材料からなる 光学物品は、 人間の眼にとつて影響の大きい波長の光のみを選択的 に遮断若しく は低減する性能を有し、 また、 人間の眼にとって眩し く感じる波長の光のみを選択的に遮断若しく は低減する性能を有す る 0
例えば、 Mが N d (ネオジム) の場合は 5 7 0〜 5 9 0 n m付近
に、 P m (プロメチウム) の場合は 5 6 0— 5 8 O n m付近にそれ ぞれ鋭い吸収があり、 明所視における比視感度の高い波長範囲と一 致するため透明プラスチッ ク材料に防眩性能を付与することができ る
また、 E r (エルビウム) の場合には、 5 1 0〜 5 3 0 n m付近 に、 H o (ホロ二ゥム) の場合には、 4 4 0〜 4 6 0 n m付近に鋭 い吸収があり、 喑所視における防眩性能を付与するこ とができる。 したがって、 錯化合物中の希土類元素の種類によって選択的に吸収 される波長域が異なるので、 用途によって使い分けることが可能で ある。
また、 吸収する波長域の異なる錯化合物を複数用いることにより . 防眩効果を高めることが可能である。
また、 本発明の錯化合物は、 前記式 ( 1 一 1 ) 〜 ( 1 一 7 ) に示 すように配位子に芳香環又は複素環を含むため、 4 0 0 n m以下の 紫外線を吸収することができる。
したがって、 該錯化合物を含有した透明プラスチッ ク材料及び該 材料からなる光学物品は、 人間の眼にとつて有害な紫外線を遮断す る性能を有する。 これは、 白内障の発症の防止, 溶接光やスキー場 での強い紫外線暴露によって発症する電気性眼炎の予防や春先のス ギ花粉症 (アレルギー性結膜炎) への紫外線の増悪作用の防止に有 効であり、 特に、 眼鏡レンズやコンタク ト レンズ等の視力矯正用途 の光学物品に用いて最適である。
よって、 本発明の透明プラスチッ ク材料は、 眼鏡レンズやコン夕 ク ト レンズ等の用途において、 一般に行われているような紫外線吸 収剤を配合する必要が無く、 又はその配合量を減少せしめるこ とが
できる。
本発明で用いる上記一般式 ( I ) の錯化合物は、 疎水性 (親油性) であるため、 一般の希土類化合物に比べて、 透明プラスチッ ク材料 を形成する代表的な重合性単量体との相溶性が良好である。 特に、 疎水性の重合性単量体との相溶性に優れる。
また、 係る錯化合物を重合性単量体に溶解せしめた場合、 各々の 希土類元素に由来する特有の色に着色され、 室温で蛍光灯等の光の 照射下においても経時とともに変色することはなく、 また沈澱物が 生成することもなく、 化学的に良好な安定性を示す。
また、 上記錯化合物を配合した重合体は、 色調のばらつきがなく 且つ析出等の発生もなく、 高い透明性と優れた希土類元素に由来す る特定の波長光の選択吸収能を有するとともに有害な紫外線を吸収 する。
また、 係る錯化合物を配合した重合体は、 一般式 ( I ) で示され る錯化合物が疎水性の重合性単量体に対して優れた相溶性を有する こ とから、 水溶性の金属塩と親水性の重合性単量体を使用する必要 がなく、 耐水性が向上でき、 吸水性の増加という問題もないことか ら寸法安定性が向上され、 例えば該重合体の表面に蒸着膜を設けた 場合にクラッ クが生じるという ような問題が生じる虞れがない。
さ らに、 係る重合体は、 一般式 ( I ) で示される錯化合物が紫外 線吸収能を有することから、 別途に紫外線吸収剤を添加する必要が なく、 また、 添加するにしても添加量を著しく低減するこ とができ るため、 紫外線吸収剤の析出等の相溶性に関する問題が解決される と共に、 重合体の機械的特性の低下を防止することも可能である。 以上説明した一般式 ( I ) に示す錯化合物のうち、 特に重合性単
量体との相溶性が良好なものの代表例と しては、 下記式 ( 1 — 1 a ) 〜式 ( 1 — 4一 d ) に示す化合物などを挙げるこ とができる
(0) -COCHCO-CHg) 2 d (OH) (H20) (1— 1一 a) 〈〇〉 -COCHCO - CH3) 2 Er (OH) (H20) (1-1-b) 〈〇 > -COCHCO-CH3) 2 Ho (OH) (H20) ( 1一 1一 c) <^0 > -COCHCO-CH3) 2 Pr (OH) (H20) (1-1-d) 〈0〉 - COCHCO -〈〇〉) 2 Nd (OH) (H20) (1-2-a) ぐ O〉一 COCHCO—ぐ O〉) 2 Er (OH) (H20) (1-2-b) 〈 0〉一 COCHCO—ぐ 0 ) 2 Ho (〇H) (H20) (1-2-c) ぐ 0〉一 COCHCO—ぐ 0〉) 2 Pr (OH) (H20) (1-2-d) 〈〇> - COC (CH3) CO-CH3) 2 d (OH) (H20) (1-3-a) < O) -COC (CH3) CO-CH3) 2 Er (OH) (H20) (1-3-b) 〈 O^)一 COC (CH3) CO-CH3) 2 Ho (OH) (H20) (1-3-c) (O) -COC (CH3) CO-CH3) 2 Pr (OH) (H20) (1-3-d) ~~ ¾ - COCHCO - CH3) 2 Nd (OH) (Hつ O) (1—4一 a) ゝ sノ
~~ ¾ - COCHCO- CH3) 2 Er (OH) (H20) (1-4-b) ~ ¾- COCHCO - CH3) 2 Ho (OH) (H20) (1-4-c) Sノ
/ ー COCHCO— CH3) 2 Pr (OH) (H20) (1-4-d) ぶノ
上記錯化合物において、 特に下記に示すものを用いるのが好ま し い。
アクアヒドロキシ (1—フエ二ルー 1, 3—ブタンジォナト) ネオジム
(〈〇 COCHCO— CH3)2 Nd(OH)(H20) · . . (1十 a)式
アクアヒドロキシ (1—フヱニルー 1, 3—ブタンジォナト) エルビウム
(〈〇 COCHCO— CH3)2 Er(〇H)(H2〇) , . · (卜 l_b)式
アクアヒドロキシ (1一フヱニルー 1, 3—ブタンジォナト) ホロニゥム
(< oV COCHCO-CH3)2 Ho(OH)(H20) . · · (卜 1- c)式
こ こで、 上記二配位錯化合物の重合可能なモノ マーに対する含有 量は、 l 〜 2 0 p hm、 より好ま しく は、 2〜 1 5 p hmが好ま し い。
これは、 その含有量が 1 p h m未満であると得られた光学物品の 防眩効果が発揮されず、 また、 2 0 p h mを超えて含有しても特定 の波長を 1 0 0 %カ ツ ト しており、 更なる添加が必要ないからであ る 0
また、 上記含有比率であれば、 希土類元素 Mとして例えば N d, E r , H 0を適宜配合した二配位錯化合物を用いて、 所望の色を成
形物に付すようにするこ と もできる。
一般式 ( I ) の二配位錯化合物は、 以下の方法で合成される。
すなわち、 l mo i の希土類金属の硝酸塩と 2 mo l の 1, 3 —ジケ ト ンをメ タノールに溶解させ、 4 %ア ンモニア水溶液を滴下し、 滴 下後 2 0〜 2 5でにて反応させて、 析出した結晶を濾過し、 さ らに 水で洗浄するこ とによって一般式 ( I ) の錯化合物が得られる。
本発明における重合可能なモノマー (重合性単量体) とは、 重合 体を生成するこ とが可能な化合物をいい、 該重合体の生成反応とし ては、 例えばラジカル重合、 イオン重合、 配位重合、 開環重合、 重 付加、 重縮合、 付加縮合等を挙げるこ とができる。
本発明における 「重合可能なモノ マー」 としては、 一般的に用い られるラジカル重合可能な化合物が使用できる。 このラジカル重合 性基としては、 例えばビニル基、 ァ リ ル基、 ァク リ ル基又はメ 夕 ク リ ル基、 ビニリ デン基、 ビニレ ン基等の不飽和炭化水素基を分子中 に 1 個以上含む化合物を挙げるこ とができる。
具体的なラジカル重合性基と しては、 スチ レ ン及びメチルスチレ ン、 ジメ チルスチ レ ン、 ク ロルスチ レ ン、 ジク ロルスチ レ ン、 ブロ ムスチ レ ン、 P — ク ロルメ チルスチ レ ン、 ジビニルベンゼン等のス チレ ン誘導体、 アク リ ル酸、 アク リ ル酸メチル、 アク リ ル酸ェチル. ア ク リ ル酸 n —ブチル、 ブ トキシェチルァ ク リ レー ト、 ア ク リ ル酸 ベンジル、 ア ク リ ル酸フ エニル、 フ エ ノ キシェチルァ ク リ レー ト、 ア ク リ ル酸シク ロへキシル、 ジシク ロペン夕ニルァ ク リ レー ト、 ジ シク ロペンテ二ルァ ク リ レー ト、 ジシ ク ロペンテニルォキシェチル アタ リ レー ト、 アク リ ル酸テ トラ ヒ ドロフルフ リ ル、 イ ソボルニル ア タ リ レー ト、 2 — ヒ ドロキシェチルァク リ レー ト、 2 — ヒ ドロキ
シプロ ピルァク リ レー ト、 2 —ァク リ ロイルォキシェチルコ ヽク酸、 2 —ァク リ ロイルォキシェチルフタル酸、 力プロラ ク ト ンァク リ レ — ト、 グリ シジルァク リ レー ト等の単官能アク リ ル酸エステル類、 メ タ ク リ ル酸、 メ タ ク リ ル酸メチル、 メ タ ク リ ル酸ェチル、 メ タク 'リ ル酸 n—プチル、 2 —ェチルへキシルメ タ ク リ レー ト、 ブ トキシ メチルメタ ク リ レー ト、 メタク リ ル酸ベンジル、 メ タ ク リ ル酸フエ ニル、 フヱノキシェチルメタク リ レー ト、 メ タ ク リ ル酸シクロへキ シル、 ジシクロペン夕ニルメタ ク リ レー ト、 ジシクロペンテニルメ タク リ レー ト、 ジシクロペンテニルォキシェチルメ タ ク リ レー ト、 メ 夕ク リ ル酸テ トラ ヒ ドロフルフ リ ノレ、 イ ソボルニルメタ ク リ レー ト、 2 — ヒ ドロキシェチルメ 夕 ク リ レー ト、 2 — ヒ ドロキシプロ ピ ルメ タク リ レー ト、 2 — ヒ ドロキシブチルメ 夕ク リ レー ト、 グリ セ π—ルメ タク リ レー ト、 2 —メ 夕 ク リ ロイルォキシェチルコノヽク酸. 2 —メ タ ク リ ロイルォキシェチルフタル酸、 力プロラ ク ト ンメ タク リ レー ト、 グリ シジルメ タ ク リ レー ト等の単官能メ タ ク リ ル酸エス テル類、 ァ リ ルベンゼン、 ァ リ ノレー 3 —シクロへキサンプロ ビオネ ー ト、 1 ーァ リ ル一 3 , 4 —ジメ トキシベンゼン、 ァ リ ルフ エノキ シアセテー ト、 ァ リルフエニルアセテー ト、 ァ リルシクロへキサン. 多価カルボン酸ァ リ ル等のァ リ ル化合物、 フマル酸、 マレイ ン酸、 ィタコ ン酸及びそれらのエステル類、 アク リ ロニ ト リ ル、 メ タ ク リ ロニ ト リ ル、 無水マレィ ン酸、 N -置換マレイ ミ ド、 環状ォレフ ィ ンなどが挙げられる。
さ らに、 架橋度を高めるために多官能単量体を添加するこ とがで きる。 この多官能単量体と しては、 例えばエチレ ングリ コールジァ ク リ レー ト、 ジエチレングリ コールジァク リ レー ト、 ト リエチレン
グリ コ一ルジァ ク リ レー ト 、 テ ト ラエチ レ ン グリ コ ールジァ ク リ レ ー ト、 ポ リ エチ レ ン グ リ コールジァ ク リ レー ト、 ァ リ ルア タ リ レー ト、 ビス (ァ ク リ ロキシェチル) ヒ ドロキシェチルイ ソ シァ ヌ レー ト、 ビス (ァ ク リ ロキシネオペンチルグリ コール) アジペー ト、 1 3 —ブチ レ ングリ コールジァ ク リ レー ト、 1 , 6 —へキサンジォー ルジァ ク リ レー ト、 ネオペンチルグリ コールジァ ク リ レー ト、 プロ ピレ ングリ コールジァク リ レー ト、 ポ リ プロ ピレ ング リ コールジァ ク リ レー ト 、 2 — ヒ ド ロキシー 1 , 3 —ジァ ク リ ロキシプロ ノ、。ン、 2 , 2 — ビス 〔 4 — (ァ ク リ ロキシ) フ エニル〕 プ ン、 2 , 2 一ビス 〔 4 一 (ァ ク リ ロキシエ トキシ) フ エニル〕 プロ ノ、。ン、 2 , 2 — ビス 〔 4 一 (ァ ク リ ロキシェ トキシ ' ジエ トキシ) フ エニル〕 プロパン、 2 , 2— ビス 〔 4 — (ァ ク リ ロキシエ トキシ . ポリ エ ト キシ) フ エニル〕 プロ ノ、0ン、 ヒ ドロキシ ピノく リ ン酸ネオペンチルグ リ コールジァ ク リ レー ト、 1 , 4 一ブタ ンジオールジァ ク リ レー ト ジシク ロペン夕ニルジァ ク リ レー ト、 ジペン夕エ リ ス リ トールへキ サァ ク リ レー ト、 ジペン夕エ リ ス リ トールモノ ヒ ドロキシペンタァ ク リ レー ト、 ジ ト リ メ チロールプロ ノ、0ンテ ト ラァ ク リ レー ト、 ペン 夕エ リ ス リ ト ール ト リ ァ ク リ レー ト、 テ ト ラブロモ ビスフ エ ノ ール Aジァ ク リ レー ト、 ト リ グリ セロールジァ ク リ レー ト、 ト リ メ チロ —ルプ ン ァ ク リ レ ス (ァ ク キシェチル) ソ シァ ヌ レー ト、 エチ レ ングリ コールジメ タ ク リ レー ト、 ジェチ レ ング リ コールジメ タ ク リ レー ト、 ト リ エチ レ ングリ コールジメ タ ク リ レー ト、 テ ト ラエチ レ ン グリ コールジメ 夕 ク リ レー ト、 ポ リ ェチ レ ング リ コールジメ 夕 ク リ レー ト、 プロ ピレ ングリ コールジメ タ ク リ レー ト、 ポ リ プロ ピレ ングリ コールジメ 夕 ク リ レー ト、 1 , 3 —
ブチ レ ン グ リ コールジメ タ ク リ レー ト、 1 , 4 —ブタ ンジオールジ メ タ ク リ レー ト、 し 6 —へキサン ジオールジメ タ ク リ レー ト、 ネ ォペンチルグ リ コールジメ タ ク リ レー ト、 2 — ヒ ドロキシー 1 , 3 ー ジメ タ ク リ ロキンプロパン、 2 , 2 — ビス 〔 4 — (メ タ ク リ ロキ シ) フ エニル〕 プロパ.ン、 2 , 2 — ビス 〔 4 一 (メ タ ク リ ロキシェ トキシ) フ エニル〕 プロパン、 2 , 2 — ビス 〔 4 一 (メ タ ク リ ロキ シエ トキシ ' ジエ トキシ) フ ヱニル〕 プロパン、 2, 2 — ビス 〔 4 一 (メ タ ク リ ロキシエ トキシ ' ポ リ エ トキシ) フ エニル〕 プロパン テ ト ラブロモ ビスフ エ ノ ール A ジメ タ ク リ レー ト、 ジシク ロペン夕 ニルジメ タ ク リ レー ト、 ジペン夕エ リ ス リ トールへキサメ タ ク リ レ ー ト、 グ リ セロールジメ 夕 ク リ レー ト、 ヒ ドロキシ ピノくリ ン酸ネオ ペンチルグリ コールジメ タ ク リ レー ト、 ジペン夕エ リ ス リ トールモ ノ ヒ ドロキシペンタ メ タ ク リ レー ト、 ジ ト リ メチロールプロノ ンテ ト ラ メ タ ク リ レー ト、 ペン夕エ リ ス リ トール ト リ メ タ ク リ レー ト、 ペン夕エ リ ス リ トールテ ト ラ メ 夕 ク リ レー ト、 ト リ グ リ セ一ロール ジメ タ ク リ レー ト、 ト リ メ チロールプロノ、。ン ト リ メ タ ク リ レー ト、 ト リ ス (メ タ ク リ ロキシェチル) イ ソ シァ ヌ レー ト、 ァ リ ルメ タ ク リ レー ト、 ジ ビニルベンゼン、 ジァ リ ルフ タ レー ト、 ジァ リ ルテ レ フ タ レー ト、 ジァ リ ルイ ソ フタ レー ト、 ジエチ レ ングリ コールビス ァ リ ルカーボネー ト等を用いる こ と もでき る。
ただし、 眼鏡レ ンズ、 ディ スプレイ用フ ィ ルタ一、 光学機器用 レ ンズおよびフ ィ ルター等の用途においては、 ラ ジカル重合性基と し て、 例えばメ 夕 ク リ ル酸、 ア ク リ ル酸、 2 — ヒ ドロキシェチルメ 夕 ク リ レー ト、 2 — ヒ ドロキシェチル了 ク リ レー ト、 2 — ヒ ドロキシ プロ ピルメ タ ク リ レー ト、 2 — ヒ ドロキシプロ ピルァ ク リ レー ト、
2 ーァク ロイルォキシェチルコ ヽク酸、 2 — メ 夕 ク リ ロイルォキ シェチルコ ヽク酸、 2 —ァク リ ロイルォキシェチルフタル酸、 2 — メ 夕 ク リ ロイルォキシェチルフタル酸、 グリ シジルアタ リ レー ト、 グリ シジルメ タ ク リ レー ト、 グリ セ π—ルメ 夕 ク リ レー ト、 フマル 酸, マレイ ン酸, ィタコ ン酸等の不飽和カルボン酸、 ジエチレ ング リ コールジァク リ レー ト、 ジエチレ ングリ コールジメ タク リ レー ト. ト リエチレングリ コールジアタ リ レー ト、 ト リエチレングリ コール ジメタク リ レー ト、 ポリエチレ ングリ コールジァク リ レー ト、 ポリ エチレ ングリ コールジメ 夕 ク リ レー ト、 ポリ プロ ピレ ングリ コール ジァク リ レー ト、 ポリ プロ ピレ ングリ コールジメ夕ク リ レー ト、 グ リセロールジメタク リ レー ト等の親水性の重合可能なモノマ一を使 用する場合は、 得られる重合体の吸水性に影響を与えない範囲で用 いる必要がある。
これらの重合.可能なモノマーへの上記一般式 ( I ) の錯化合物の 溶解量は一様でない。 従って、 該錯化合物の添加量は、 重合して得 られるプラスチッ ク材料の機械的強度の低下が極微で、 しかも透明 性を維持し、 かつ、 特定波長光に対する選択吸収能による特定波長 光の遮断若しく は低減する性能を発現せしめる範囲で適宜決定する 必要がある。
これらの重合可能なモノマーは、 単独、 若しく は、 2種以上を組 み合わせて使用される。
また、 これらの重合可能なモノマーは、 例えばポリエステル (メ 夕) ァク リ レー ト、 ウ レタ ン (メ タ) ァク リ レー ト、 エポキシ (メ 夕) ァク リ レー ト等のオ リ ゴマーやマク ロマーと組み合わせて使用 するこ ともできる。
これらの重合可能なモノ マーからなる本発明の重合体は、 熱重合 及び紫外線による光重合、 電子線による電磁波重合、 放射線による 放射線重合によって得るこ とができる。 上記熱重合の開始剤と して は、 t 一ブチルパーォキシネオデカノエー ト、 t ーブチルバ一ォキ シピノくレー ト、 t 一ブチルパーォキシイ ソブチレー ト、 t 一ブチル パーォキシアセテー ト、 ク ミ ルパーォキシネオデカノエー ト、 t — ブチルパーォキシォク トエー ト、 t 一ブチルパーォキシイ ソプロ ピ ルカルボネー ト、 ク ミ ルパ一ォキシォク トエー ト、 t —へキシルパ 一ォキシネオデカノエー ト、 t —へキシルバーォキシピバレー ト、 t —ブチルバ一ォキシネオへキサノエ一 ト等のパーォキシエステル. 1 , 1 一 ビス ( 1; 一ブチルパーォキシ) 3, 3 , 5 — ト リ メチルシ クロへキサン、 1 , 1 — ビス ( t ーブチルバ一ォキシ) シクロへキ サン、 2, 2 — ビス ( t 一ブチルパーォキシ) オクタ ン、 2 , 2 — ビス ( t 一ブチルパーォキシ) ブタ ン等のパ一ォキシケタール、 ァ セチルバ一オキサイ ド、 イ ソプチ リ ルパーオキサイ ド、 ォクタノィ ルパ一ォキサイ ド、 ラウロイルパーォキサイ ド、 ベンゾィルパ一ォ キサイ ド、 m— トルオイルパーォキサイ ド等のジァシルパ一ォキサ イ ド、 ジイ ソプロ ピルパ一ォキシジカーボネー ト、 ジー n —プロ ピ ルバーオキシジカーボネー ト等のバーオキシジカーボネー ト等の有 機過酸化物系開始剤、 あるいは 2, 2 ' ーァゾビスイ ソブチロル二 ト リ ル、 1 , 1 ' —ァゾビス (シク πへキサン一 1 —カルボ二 ト リ ル) 、 2, 2 ' —ァゾビス ( 2 — メチルプチロニ ト リ ル) 、 2 , 2 ーァゾビス ( 2 , 4 —ジメチルノく レロニ ト リ ル) 、 ジメチル 2 , 2 —アブビスイ ソプチレー ト、 2 , 2 ' —ァゾビス ( 2 , 4 , 4 ー ト リ メチルペンタ ン) 等のァゾ化合物系開始剤、 あるいはレ ドッ クス
系開始剤等が使用可能であり、 添加量は 0 . 0 0 1 〜 5重量%の範 囲が好ま しい。
光重合の開始剤と しては、 ジエ トキシァセ トフ エノ ン、 2 — ヒ ド 口キシ一 2 — メチルー 1 一フエニルプロ ノ、。ンー 1 一オン、 1 一 ( 4 一イ ソプロ ピルフエニル) 一 2 — ヒ ドロキシー 2 —メチルプロノ ン — 1 一オン、 1 — ( 4 — ドデシルフェニル) 一 2 — ヒ ドロキシー 2 一メチルプロパン一 1 —オン、 4 一 ( 2 — ヒ ドロキシエ トキシ) 一 フエニル ( 2 — ヒ ドロキシー 2 —プロ ピル) ケ ト ン、 1 — ヒ ドロキ シシクロへキシルフェニルケ ト ン等のァセ トフエノ ン系、 ベンゾィ ン、 ベンゾイ ンメチルエーテル、 ベンゾイ ンェチルエーテル、 ベン ブイ ンイ ソプロ ピルエーテル、 ベンゾイ ンイ ソブチルエーテル、 ベ ンジルジメチルケタール等のベンゾイ ン系、 ベンゾフエノ ン、 ベン ゾィル安息香酸、 ベンゾィル安息香酸メチル、 4 ーフヱニルベンゾ フエノ ン、 ヒ ドロキシベンゾフエノ ン等のベンゾフエノ ン系、 2 , 4 , 6 — ト リ メチルベンゾィルジフエニルホスフィ ンオキサイ ド、 2 , 6 —ジメチルベンゾィルジフエニルホスフィ ンオキサイ ド、 ベ ンゾィルジェ トキシホスフィ ンォキサイ ド等のァシルホスフィ ンォ キサイ ド系、 等が使用可能であり、 添加量は 0 . 0 0 1 〜 5重量% の範囲が好ま しい。
さ らに、 ベンジル、 カ ンフ ァーキノ ン、 アンスラキノ ン、 ァセナ フセン等のジカルボニル系、 2 — メチルチオキサンソ ン、 2 , 4 一 ジェチルチオキサンソ ン等のチォキサンソ ン系、 2 , 4 , 6 — ト リ メチルベンゾィルジフ エニルホスフ ィ ンオキサイ ド、 2 , 6 —ジメ チルベンゾィルジフエニルホスフィ ンォキサイ ド、 ベンゾィルジェ トキシホスフ ィ ンォキサイ ド等のァシルホスフィ ンォキサイ ド系等
の可視光硬化用光重合開始剤も使用可能であり、 添加量は 0. 0 0 1
〜 5重量%の範囲が好ま しい。
尚、 熱重合開始剤と光重合開始剤を併用するこ とも可能である。 また、 添加剤と して、 一般式 ( I ) で示される錯化合物と上述し た重合可能なモノ マー及び重合開始剤とからなる混合物中に、 必要 に応じて熱安定剤、 酸化防止剤、 光安定剤、 離型剤、 連鎖移動剤、 重合調節剤等を少量添加するこ と もできる。
こ こで、 本発明で一般式 ( I ) で表される錯化合物との相溶性が 良く 、 透明性の高い透明プラスチッ ク材料を得るこ とができるもの と しては、 例えばスチ レ ン系透明プラスチッ ク材料、 イ ソシァヌ レ 一ト系透明プラスチッ ク材料、 ウ レタ ン (メ タ) ァク リ レー ト系透 明プラスチッ ク材料、 ポリエステル (メ タ) ァク リ レー ト系透明プ ラスチッ ク材料、 含硫黄 (メタ) ァク リ レー ト系透明プラスチッ ク 材料等が挙げられる。
こ こで本発明で 「スチ レ ン系透明プラスチッ ク材料」 とは、 スチ レ ン若しく は/及びスチレ ン誘導体を主成分と してなる重合体を示 し、 例えば、 下記一般式 ( 2 — 1 ) に示されるスチ レ ン若しく はス チ レ ン誘導体の一種以上の重合性単量体 (モノ マ一) と、 下記一般 式 ( 2 — 2 ) に示される一種以上の重合性単量体 (モノ マー) と、 必要に応じてラジカル重合可能な一種以上の重合性単量体 (モノマ
―) との混合物を重合して得られるスチレ ンも し く はスチレ ン誘導 体を主成分とする重合体が挙げられる。
また、 「イ ソシァヌ レー ト系透明プラスチッ ク材料」 とは、 分子 中に ト リ アジン骨格とラジカル重合性基を有するィ ソシァヌ レー ト 誘導体を主成分と してなる重合体を示し、 例えば、 下記一般式 ( 2
一 3 ) で示される分子中に ト リ アジン骨格とラジカル重合性基を有 する三官能性の重合可能なモノマーと、 この成分と共重合可能なモ ノマーとの混合物を重合して得られるィ ソシァヌ レー ト誘導体を主 成分とする重合体が挙げられる。
また、 「ウ レタ ン (メ タ) ァク リ レー ト系透明プラスチッ ク材料」 とは、 イ ソシァネー ト基含有化合物とヒ ドロキシ基含有化合物とを 反応せしめ得られるウ レタ ン (メタ) ァク リ レー トを主成分として なる重合体を示し、 例えば、 下記一般式 ( 2 — 4 ) で示される化合 物とヒ ドロキシ基含有の化合物とを反応させて得られるウ レタ ン (メ タ) ァク リ レー ト とラジカル重合可能なモノマ一も しく はオリ ゴマーとの混合物を重合して得られるウ レタ ン (メタ) ァク リ レー トを主成分とする重合体が挙げられる。
また、 「ボリエステル (メタ) ァク リ レー ト系透明プラスチッ ク 材料」 とは、 分子中にポリエステル構造を有するポリエステル (メ 夕) ァク リ レー トを主成分と してなる重合体を示し、 例えば、 下記 一般式 ( 2 — 5 ) で示される一種以上の重合性単量体 (モノ マー) とラジカル重合可能なモノ マーも しく はオリ ゴマーとの混合物を重 合して得られるポリエステル (メ タ) ァク リ レー トを主成分とする 重合体が、 また、 下記一般式 ( 2 — 6 ) で示される化合物と下記一 般式 ( 2 — 7 ) で示されるエチレ ングリ コールジメ 夕 ク リ レー ト化 合物及び芳香族系ビニル化合物から成る混合物を重合して得られる 下記一般式 ( 2 — 6 ) で示されるポリエステル (メタ) ァク リ レー トを主成分とする重合体が挙げられる。
また、 「含硫黄 (メ タ) ァク リ レー ト系透明プラスチッ ク材料」 とは、 分子中に硫黄原子を含有する (メ タ) ァク リ レー トを主成分
と してなる重合体を示し、 例えば、 下記一般式 ( 2 — 8 ) で示され るチオール (メタ) ァク リ レー ト とラジカル重合可能な重合性単量 体とからなる混合物を重合して得られる含硫黄 (メ タ) ァク リ レー トを主成分とする重合体が挙げられる。
Ym
Yはフッ素を除ぐハロゲンまた (iT素
mは 1または 2を表す
CHo =
CH2 =
Zはフッ素を除くハロゲン、 R1()は水素またはメチル基
N I N
/ \
o=c c o = c=o
/ (2-3)
R N I
R
H CHク^ ·Ν - C一 R2
II
〇 または、 _r—
0 を表す。
(ただし、 nは 2〜 8の整数であり、
R2は、
-0— fCHgCHgO-^ CH
2CH = CH
2、 一 CH
2、
O
-O— CH2CH20-)li-C-C-CH2>
O CH3
(111は0~2の^¾)で表されるラジカル重合 ffi 官縫である。
R
(2-4)
CH2 = CCOOCH2CH2 CO
(Rは、 Hまたは CH3)
(2-5; ここで、 R1 (お または ^^。2のアルキル基、
X1は水素、 フッ素を除くハロゲン原子、 mは q
4から選ばれた 。それ^ i« ¾Eする R
X1及び mは、 同一でも異なっても わない。
R1〇
I II
CH2 = C-CO- CH2CH20-C' .C一 O+n
O R2
II I
CH2CH2-0-C-C = CH2 (2-6)
(式中、 nは 1~6であり、 R1および R2はそれ 水素原子
またはメチル基を表わす。 )
o =
CH, 〈
〇 =
(2-7)
(式中、 mは 1〜8である。 )
R
CH = CCOSCH
2CH
2SC CH
2 (SCH
2CH
2) nXCOC = CH
2
R
(2-8) 式中、 Rは水素またはメチル基、 Xは硫¾ ^子または
隨原子、 nは OW±、 3以下 0¾Cを示す。
また、 本発明における重合可能なモノマーとして、 「重付加可能 な化合物」 を、 使用することができる。 ここで、 重付加反応性基と は、 付加反応が可能な基を示し、 代表的なものとしてイソシァネー
ト基 (— NC O) 、 イ ッチオシァネー ト基 (一 NC S) 、 及び該反 応性基と反応する ものと して水酸基、 ア ミ ノ基、 メルカプ ト基、 力 ルポキシル基等を挙げるこ とができる。
すなわち、 本発明における重合体を生成するこ とが可能な重合可 能なモノマーとは、 下記一般式 ( 4一 a ) 〜 ( 4 一 b) で示される ように、 分子中に少な く とも 2個以上のイ ソシァネー ト基、 又はィ ソチオシァネー ト基を有する化合物と、 一般式 ( 4一 c ) 〜 ( 4一 f ) で示されるように分子中に少な く とも 2個以上の水酸基、 ァ ミ ノ基、 メルカプト基及びカルボキシル基の何れかを有する化合物と からなる。
なお、 式中の m, m ' は 2以上の整数を示す。
R - (NC O) m ( 4— a)
R - (NC S) m ( 4 - b )
R ' - ( 0 H) m ' ( 4一 c )
R ' — (NH2)m ' ( 4 - d )
R ' - (S H) m' ( 4 - e )
R ' - ( C 00 H) m ' ( 4 - f ) ここで、 一般的なイ ソシァネー ト基の反応を式 ( 5— 1 ) , ( 5 一 2 ) , ( 6— 1 ) 〜 ( 6— 6 ) に例示する。
R-NCO + R' -OH R-N-C-O-R' (5-1) H II O
R-NCO + R' -OH ~~ > R-N-C -N-R-C-O-R' (5-2)
H II II
0 O
R-NCO + R' -NH2 ~~ > R- -C-N-R' (6-1)
H II H O
R-NCO + R' NH2 ~ > R-N-C-N"-C- -Ry (6-2)
H II R II H
〇 O
R-NCO + R'一 SH ~ > R-N-C-S-R' (6-3)
H II O
R-NCO + R'一 SH R-N-C -N-R-C-S-R' (6-4)
H II II O O
R-NCO + R' COOH R-N-C-R' +C09 (6-5)
H II O
R-NCO + R' COOH ~ > R-N-C-N-R-C-R' +C〇2 (6-6)
H II I!
0 0
また、 一般的なィ ソチオシァネー ト基の反応を式 ( 7 — 1 ) 7 - 8 ) に例示する。
R - NCS + R' -OH ~~ > R-N-C-O-R' (7-
H II S
R— NCS + R' — OH R-N-C-N-R-C-O-R' (7-2)
H II II S S
R— NCS + R' -NH2 R-N-C-N-R' (7-3)
H II H S
R - NCS + R' -NH2— > R-N-C-N-C-N-R' (7-4)
H II R II H
S 〇
R— NCS + R' - SH ~ > R-N-C-S-R' (7-5)
H II S
R - NCS + R' — SH ~ > R-N-C-N-R-C-S-R' (7-6)
H II II S S
R— NCS + R' — COOH R- -C-R' +CO (7-7)
H II S
R-NCS + R' COOH ~ > R- -C- -R-C-R' +CO, (7— 8)
H II II S S
なお、 上記一般式 ( 4 — a ) で示される化合物としては、 具体的 には、 例えば、 へキサメ チ レ ンジイ ソ シァネー ト、 2 , 4, 4 — ト リ メ チルへキサメ チ レ ンジイ ソ シァネー ト、 1, 3, 6 —へキサメ チ レ ン ト リ イ ソ シァネー ト、 キシ リ レ ンジイ ソ シァネー ト、 イ ソホ ロ ンジイ ソ シァネー ト、 ジシク ロへキシルメ タ ンジイ ソ シァネー ト シク ロへキサンジイ ソ シァネー ト、 ト リ レ ンジイ ソ シァネー ト、 ト
ルイ ジンジイ ソ シァネー ト、 4, 4 ' — ジフ エニルメ タ ンジイ ソ シ ァネー ト、 チオジェチルジイ ソシァネー ト、 チォジプロ ピルジイ ソ シァネー ト、 ジフ エニルスルフ ィ ドー 2, 4 ' — ジイ ソ シァネー ト . 2 , 2 ' — ジメチルジフ エニルジスルフ ィ ド一 5 , 5 ' — ジイ ソ シ ァネー ト、 等が挙げられる。
また、 上記一般式 ( 4 一 b ) で示される化合物としては、 具体的 には、 例えば、 1 , 2 —ジイ ソチオシァネー トェタ ン、 し 3 —ジ イ ソチオシァネー トプロハ0ン、 1 , 2 —ジイ ソチオシァネー トベン ゼン、 1 , 1 ' ーメチレンビス ( 4 —イ ソチオシァネー ト一 3 —メ チルベンゼン) 等を挙げるこ とができる。
また、 上記一般式 ( 4 — c ) 〜 ( 4 — f ) で示される化合物と し ては、 ポリエーテルポリオール、 ポリ テ トラメチレ ンエーテルグリ コール、 アルキレンオキサイ ド共重合ポリオール、 エポキシ樹脂変 性ポリ オール、 ラ ク ト ン系ポリエステルポリ オール、 縮合系ポリエ ステルポリオール、 ポリ カーボネー ト ジオール、 アク リルポリ オ一 ル、 ポリ ブタジエンポリ オール、 含リ ンポリ オール、 ハロゲン含有 ポリ オール、 ポリエーテルポリ ア ミ ン、 ポリ テ トラメチレンエーテ ルジァ ミ ン、 アルキレ ンオキサイ ド共重合ポリア ミ ン、 エポキシ樹 脂変性ポリア ミ ン、 縮合系ポリエステルポリア ミ ン、 ポリ カーボネ — トジァ ミ ン、 アク リ ルポリ ア ミ ン、 ポリ ブタジエンポリア ミ ン、 含リ ンポリア ミ ン、 ノヽロゲン含有ポリ ア ミ ン、 ポリエーテルポリチ オール、 ポリ テ トラメチレ ンエーテルジチオール、 アルキレ ンォキ サイ ド共重合ポリ チオール、 エポキシ樹脂変性ポリ チオール、 ラ ク ト ン系ポリエステルポリ チオール、 縮合系ポリエステルボリ チォー ル、 ポリ カーボネー トジチオール、 アク リ ルポリ チオール、 ポリ ブ
夕ジエンポリ チオール、 含リ ンポリチオール、 ハロゲン含有ポリ チ オール等が例示される。 これらの化合物は、 得られる重合体の用途 に応じた物性を得るために基本骨格の分子構造を決定するこ とが好 ま しい。
本発明の重合体は重付加反応によって得るこ とができる。 すなわ ち、 一般的には重合触媒の存在下において、 一般式 ( 4— a ) 〜 ( 4— b ) で示される重合可能なモノマーと、 一般式 ( 4— c ) 〜 ( 4一 f ) で示される重合可能なモノマーとを混合し、 熱を加え反 応せしめるこ とによって得るこ とができる。 ここで、 重合触媒と し ては、 ト リェチルァ ミ ン、 N , N—ジメチルシクロへキシルァ ミ ン 等のモノア ミ ン類、 N , N , N ' , N ' —テ トラメチルエチレンジ ァ ミ ン、 N , N , Ν ' , Ν ' ーテ トラ メチルプロパン一 1 , 3 -ジ ァ ミ ン等のジァ ミ ン類、 Ν, Ν , Ν ' , Ν ' —ペンタメチルジェチ レ ン ト リア ミ ン、 Ν , Ν , Ν ' , Ν ' —ペンタメチルジプロ ピレン ト リァ ミ ン、 テ トラメチルグァニジン等の ト リア ミ ン類、 ト リェチ レ ンジァ ミ ン、 Ν , Ν ' 一ジメチルビペラジン、 Ν—メチル一 N ' 一 ( 2 —ジメチルァ ミ ノ) ェチルビペラジン、 Ν—メチルモノ ホ リ ン、 Ν— ( Ν 7 , Ν ' ージメチルア ミ ノエチル) モルホ リ ン、 1, 2 —ジメチルイ ミ ダゾール等の環状ァ ミ ン類、 ジメチルア ミ ノエ夕 ノ ール、 ジメチルア ミ ノエ トキシエタノ ール、 Ν , Ν , Ν ' 一 ト リ メチルア ミ ノエチルエタノ ールァ ミ ン、 Ν—メチルー N ' — ( 2— ヒ ドロキシェチル) ピぺラジン、 Ν— ( 2 — ヒ ドロキシェチル) モ ノ ホリ ン等のアルコールア ミ ン類、 ビス ( 2 —ジメチルア ミ ノエチ ル) エーテル、 エチレ ングリ コールビス ( 3 —ジメチル) ア ミ ノ プ 口 ピルエーテル等のエーテルァ ミ ン等のア ミ ン触媒と、 ジブチルチ
ンジラウ レー ト、 ジブチルチンジアセテー ト、 ジブチルチンマカブ チ ト、 ジブチルチンチォカルボキシレー ト、 ジブチルチンジマレエ ― ト、 ジォクチルチンマー力プチ ドジォクチルチンチォカルボキシ レー ト、 フ ヱニル水銀ピロ ピオン酸塩、 ォクテン酸鉛等の有機金属 触媒等が例示される。 これらの重合触媒は、 一種で使用するのみな らず、 2種以上を混合して使用するこ ともできる。
これらの重合可能なモノマーへの一般式 ( I ) の錯化合物の溶解 量は一様でなく、 該錯化合物の添加量は、 透明性を維持し、 且つ特 定波長光に対する選択吸収能により特定波長光を遮断若しく は低減 する性能を発現せしめる範囲で適宜決定する必要がある。
また、 一般式 ( I ) の錯化合物と上述した重付加反応可能なモノ マー及び重合触媒とからなる混合物中には、 必要に応じて光安定剤, 紫外線吸収剤、 酸化防止剤、 内部離型剤等の物質を添加するこ とも できる。
ここで、 上述した重付加反応可能なモノマーのうち、 一般式 ( I ) で表される錯化合物との相溶性が良く、 透明性が高く、 比較的屈折 率の高い (屈折率が 1 . 6 0〜 1 . 7 5である) 透明プラスチッ ク 材料を得るこ とができるものとしては、 特開平 2— 2 7 0 8 5 9号 公報で開示された下記式 ( 8 ) で表されるメルカプ ト化合物とポリ イ ソシァネー ト化合物、 ポリ イ ソチオシァネー ト化合物及びイ ソシ ァネー ト基を有するイ ソチオシァネー ト化合物から選ばれた少な く と も一種のエステル化合物を重合触媒存在下で反応せしめるこ とに より得るこ とができ'る含硫ウ レタ ン樹脂系の透明プラスチッ ク材料 を挙げるこ とができる。
HS-CH2CH2SCH2CH-CH2SH (8)
また、 本発明における重合性単量体と して、 重縮合可能な化合物 を使用するこ とができる。 ここで、 重縮合反応性基とは、 縮合反応 が可能な官能基で、 カルボキシル基 (一 C O OH) 、 水酸基 (一〇 H) 、 ア ミ ノ基 (― NH3 ) 、 アルコキシ基 (一〇R ; Rはアルキ ル基) 等を挙げるこ とができる。 すなわち、 重合体を生成するこ と が可能なモノマーとは、 下記一般式 ( 9 一 a ) で示されるように、 分子中に少なく とも 2個以上のカルボキシル基を有する化合物と、 一般式 ( 9一 b ) , ( 9— c ) , ( 9一 d ) 等で示されるように分 子中に少なく とも 2個以上の水酸基, ア ミ ノ基, アルコキシ基等の 何れかを有する化合物とからなる。 なお、 式中、 m, m' は 2以上 の整数を示す。
R ' - ( C〇 0 H) m ( 9 a )
R' - (〇H) m' ( 9 b)
R ' - (NH2 ) m ' ( 9 c )
R ' 一 (OR) m ' ( 9 d)
R ' 一 ( C〇〇 R) m ( 9 e) ここで、 一般的な重縮合反応性基の反応を ( 1 0— a ) 〜 ( 1 0 d ) に例示する。
(-COOH) + (-OH) ~~ > (一 C一〇一) +H20 (10— a)
II
〇
(-COOH) + (一 NH2) ~ > (-C-N-) +H20 (10-b)
II I
0 H
(-OR) + (一 OH) (一 O—) +ROH (10— c)
(一 C〇OR) + (一 OH) ~ > (-C-0-) +ROH (10— d)
It
O なお、 上記一般式 ( 9 一 a ) で示される化合物としては、 具体的 にはテレ フタル酸、 アジピン酸等のジカルボン酸が挙げられる。 上 記一般式 ( 9 — b ) で示される化合物としては、 具体的にはェチレ ングリ コール、 プロ ピレングリ コール等のジォールが挙げられる。 上記 ( 9 一 c)で示される化合物と しては、 具体的にはへキサメチレ ンジァ ミ ン等のジア ミ ンが挙げられる。 上記 ( 9 一 d ) で示される 化合物と しては、 具体的には 3 —グリ シ ドキシプロ ビル ト リ メ トキ シシラ ン、 3 — メタク リ ロキシプロ ビル ト リ メ トキシシラ ン等のシ ラ ン化合物が挙げられる。 上記 ( 9 一 e ) で示される化合物として は、 具体的にはテレフタル酸ジメチル等のジカルボン酸ジエステル が挙げられる。 本発明の重合体は一般的には熱を加えるか、 若し'く は触媒の存在下で熱を加えるこ とによって得るこ とができる。
これらの重合可能なモノマーへの一般式 ( I ) の錯化合物の溶解
量は一様でな く、 該錯化合物の添加量は、 透明性を維持し、 且つ特 定波長光に対する選択吸収能により特定波長光を遮断若しく は低減 する性能を発現せしめる範囲で適宜決定する必要がある。 また、 一 般式 ( I ) の錯化合物と上述した重縮合反応可能なモノマー及び重 合触媒とからなる混合物中には、 必要に応じて光安定剤, 紫外線吸 収剤、 酸化防止剤、 内部離型剤等の物質を添加するこ ともできる。 以上説明したように各種重合体の生成反応 (ラジカル重合、 ィォ ン重合、 配位重合、 開環重合、 重付加、 重縮合等の重合反応) によ り生成された化合物を本発明の重合体という。
本発明で用いる上記一般式 ( I ) の二配位錯化合物は親油性であ るこ とから、 一般の希土類化合物に比べ、 熱可塑性を有する重合体 への相溶性に優れる。 透明性を有し、 且つ熱可塑性を有する重合体 である熱可塑性樹脂と しては、 ポリ メチルメ タク リ レー ト、 ポリ 力 ーボネー ト、 ポリ スチレン、 ポリ ビニルクロライ ド、 M S樹脂 (ス チレ ン一 メチルメ夕 ク リ レー ト共重合体) 、 A S樹脂 (ァク リ ロ二 ト リ ルースチレン共重合体) 、 ポリ シク口へキシルメタク リ レー ト. ポリ 一 4 ーメチルペンテン— 1 、 非晶質ポリ ァ ミ ド、 非晶質ポリ ォ レ フイ ン、 透明フ ッ素樹脂、 フ ッ素化ポリ ィ ミ ド、 透明ポリ プチレ ンテレフ夕 レー ト、 ポリア リ レー ト、 ポリサルホン、 ポリエーテル サルホン等が挙げられる。 上記重合体からなる本発明の透明プラス チッ ク材料は、 溶融した上記重合体に本発明で用いる上記一般式 ( I ) の二配位錯化合物を添加し混合分散し溶解させた後に固化せ しめるこ とにより得るこ とができる。
本発明の透明プラスチッ ク材料の用途と しては、 眼鏡レンズ、 コ ンタ ク ト レ ンズ、 眼内レ ンズ、 サングラス、 ディ スプレイ用フィ ル
夕一力バー、 照明器用カバー、 自動車用 ミ ラー、 カメラ等の光学機 器用レンズ及びフィ ルター等の光学物品として使用できる。 さらに は眼鏡レンズゃ光学機器用レンズのハー ドコー ト としても有用であ る
本発明の透明プラスチッ ク材料からなる光学物品は、 1種または 2種以上の重合可能なモノマー及び重合開始剤若しく は重合触媒と 本発明で用いる上記一般式 ( I ) の錯化合物からなる組成物をキヤ ス ト成形することによって得ることができる。 具体的には、 眼鏡レ ンズにおいては、 1種または 2種以上の重合可能なモノマ一及び重 合開始剤若しく は重合触媒と本発明で用いる上記一般式 ( I ) の錯 化合物からなる混合物を、 ガラス製モールドとエチレン—酢酸ビニ ル共重合体等の軟質の樹脂からなるガスケッ 卜で構成された铸型の 中へ注入しキャス ト成形 (注型重合) することによって本発明の透 明プラスチッ ク材料からなる眼鏡レンズを得るこ とができる。 同様 に、 本発明のコ ンタク ト レ ンズ、 眼内レ ンズ、 サングラス、 デイ ス プレイ用フィルター、 光学機器用レンズ等の光学物品についてもキ ヤス ト成形によって得ることができる。
また、 本発明の透明プラスチッ ク材料からなる光学物品は、 1種 または 2種以上の重合可能なモノマー及び重合開始剤若しく は重合 触媒からなる組成物を重合して得られる重合体を溶融せしめ、 本発 明で用いる上記一般式 ( I ) の錯化合物を添加して均一に溶解させ た後に、 固化せしめたペレツ トを射出成形機等の成形機を用いて再 溶融し金型内で固化せしめることによって得るこ とができる。
また、 本発明の透明プラスチッ ク材料からなる光学物品は、 射出 成形機等の成形機内で 1種または 2種以上の重合可能なモノマー及
び重合開始剤若しく は重合触媒からなる組成物を重合して得られる 重合体と本発明で用いる上記一般式 ( I ) の錯化合物とを混合し金 型内で固化せしめるこ とによつても得るこ とができる。
また、 本発明の透明プラスチッ ク材料からなる光学物品は、 1 種 または 2種以上の重合可能なモノ マー及び重合開始剤若しく は重合 触媒と本発明で用いる上記一般式 ( I ) の錯化合物からなる混合物 を重合して得られる重合体を射出成形機等の成形機を用いて溶融し 金型内で固化せしめるこ とによつても得るこ とができる。 具体的に は、 ディ スプレイ用フィ ルタ一カバー、 照明器用カバー、 自動車用 ミ ラー、 サングラス、 カメ ラ等の光学機器用 レンズ及びフィ ル夕一 等の光学物品において、 上記の方法によって得るこ とができる。
本発明の透明プラスチッ ク材料からなる光学物品は、 透明プラス チッ ク材料からなる基材上に、 本発明の 1 種または 2種以上の重合 可能なモノ マー及び重合開始剤若しく は重合触媒と本発明で用いる 上記一般式 ( I ) の錯化合物からなる組成物を重合して得られる重 合体の薄膜層を形成するこ とにより得るこ とができる。 具体的には. 眼鏡レンズ、 サングラス、 ディ スプレイ用フ ィ ルターカバー、 照明 器用カバー、 自動車用 ミ ラー、 カ メ ラ等の光学機器用レンズ及びフ ィ ルター等の光学物品において、 上記の方法によって得るこ とがで さる。
こ こで、 老視用眼鏡レ ンズとは、 単焦点凸 レ ンズ、 二重焦点レ ン ズ、 累進多重焦点レ ンズ等を示す。
本発明の老視用眼鏡レンズは、 単焦点凸レ ンズについては上記の キャス ト成形によって得るこ とができる。 また、 累進多重焦点レ ン ズについては、 2枚の累進多重焦点レ ンズ用のガラスモール ドとェ
チレ ン—酢酸ビニル共重合体等の軟質の樹脂からなるガスケッ 卜 と で構成された铸型の中に 1 種又は 2種以上の重合可能なモノ マー及 び重合開始剤若しく は重合触媒と本発明で用いる上記一般式 ( I ) の錯化合物からなる混合物を注入しキャス ト成形 (注型重合) する こ とによって得るこ とができる。
コ ンタク ト レ ンズは、 角膜に直接接触する医療用具であるので、 本発明に用いる錯化合物の如く 重合可能なモノマーに対して溶解性 の良好な物質を用いるこ とが好ま しい。 また、 重合可能なモノ マー としては、 アク リ ル酸エステル又はメ タ ク リ ル酸エステルを用いる こ とが特に好ま しい。 なお、 コ ンタ ク ト レ ンズの場合は、 重合可能 なモノマーをガラス管あるいはポリ プロ ピレン製管やポリ テ トラフ ルォロエチレ ン製管あるいはシー ト状の空隙中に注入し加熱により 熱重合するか、 あるいは、 紫外線を照射して光重合するこ とが適し ている。 また、 '重合後に重合収縮、 重合熱によりポリ マー中に歪が 生じた場合には、 加熱ァニール処理を行う こ とによって解消できる c 作 用
本発明の透明プラスチッ ク材料からなる眼鏡レンズは、 人間の眼 にとつて影響の大きい波長の光のみを選択的に遮断若しく は低減す る性能を有し、 また、 人間の眼にとって眩しく感じる波長の光のみ を選択的に遮断若しく は低減する性能を有する。 例えば、 本発明に 用いられる上記一般式 ( I ) で示される錯化合物の Mが N d (ネオ ジム) の場合は 5 7 0〜 5 9 0 n m付近に、 P m (プロ メチウム) の場合は 5 6 0〜 5 8 O n m付近にそれぞれ鋭い吸収があり、 明所 視における比視感度の高い波長範囲と一致するため本発明の眼鏡レ
ンズに防眩性能を付与するこ とができる。 E r (エルビウム) の場 合には 5 1 0〜5 3 0 n m付近に、 H o (ホロ二ゥム) の場合には 4 4 0〜 4 6 0 n m付近に鋭い吸収があり、 暗所視における防眩性 能を付与することができる。 したがって、 錯化合物中の希土類元素 の種類によって、 選択的に吸収される波長域が異なるので、 用途に よって使い分けることが可能である。
また、 吸収する波長域の異なる複数の錯化合物を用いることによ り防眩効果を高めることが可能である。
また、 本発明に用いられる錯化合物は、 配位子が芳香環又は複素 環を含むため 4 0 0 n m以下の紫外線を吸収するこ とができる。 し たがって、 人間の眼にとって有害な紫外線を遮断する性能を有する ことから白内障の発症の防止, 溶接光やスキー場での強い紫外線暴 露により発症する電気性眼炎の予防, 春先のスギ花粉症 (アレルギ 一性結膜炎) への紫外線の増悪作用の防止に有効である。 さらに、 一般に眼の疲労の環境因子としてテレビやディスプレィ等の光線、 その他の強い光線、 特に視感度の高い波長域の強い光線及び紫外線 が挙げられているが、 本発明の透明プラスチッ ク材料からなる眼鏡 レンズによって、 これらの強い光線を遮断若しく は低減することが できると共に紫外線をも遮断することができることから、 眼の疲労 を緩和あるいは防止することができる。 なお、 本発明の透明プラス チッ ク材料からなるコン夕ク.ト レンズゃディスプレイ用フィルター についても同様の作用がある。
また、 本発明の透明プラスチッ ク材料を老視用眼鏡レンズに用い ると、 眼精疲労を防止できるという効果を奏する。 人間の眼の調整 能力は年齢と共に衰えてゆき、 手元が見えにく くなり疲れも感じ易
くなる。 一般に老視といわれるこの現象は、 加齢により眼の水晶体 の弾力性が失われて調整機能が低下するこ とで起こると言われてい る。 この老視による不便さを解消するために老視用眼鏡レンズが使 用されている。 従来より単焦点の凸レンズが老視用レンズとして使 用されてきたが、 掛け外しの煩わしさのためから最近では二重焦点、 あるいは累進多重焦点のレンズが広く用いられている。 これらの老 視用レンズを使用することで眼の調整能力が補助されると共に眼の 疲労も軽減される傾向にある。
しかしながら、 上記の眼の調整機能の補助のみに主眼をおいた老 視用レ ンズでは解消できない眼の疲労がある。 すなわち、 眼は加齢 と共に縮瞳化、 浅前房化、 水晶体の黄色化及び硬化、 網膜後極部の 萎縮が起こる。 水晶体の黄色化は短波長光の吸収増加をきたし、 水 晶体の硬化は光を散乱し網膜面照度を上昇させコン トラス トビジョ ンを低下させる。 加齢による縮瞳化と水晶体の加齢による光学的濃 度の増加 (水晶体の加齢による黄色化が進行し可視光のうち短波長 光の吸収量が増加する) が光覚の絶対閾 (眼に入る光の量と瞳孔の 大きさの積で示される) 値を上昇させる。 これらの眼内組織の老化 は、 明るい場所で飛蚊症が起こる, 光幕がかかる, 光源や反射が眩 しいなどの現象を引き起こす。 これらは、 夜間の ドライブで特に対 向車のライ トが眩しい, 物の表面の正反射や光源の輝きが視野に入 ると特に見にく い, 読書の時に紙面の白い輝き (光沢) が文字にか ぶって文字が薄く見える等の現象として現れる。
本発明の透明プラスチッ ク材料からなる老視用眼鏡レンズは、 日 常生活において常時装用することができ、 さらに、 視感度の高い波 長域の強い光線を遮断若しく は低減すると共に紫外線も遮断するこ
とができるこ とから、 上記の現象が緩和されて眼の疲労を緩和ある いは防止することができる。
本発明の透明プラスチッ ク材料からなるディ スプレイ用フィ ル夕 一、 カメラ等の光学機器用レ ンズ及びフィルタ一は、 特定の波長の 光のみを選択的に遮断若しく は低減する性能を有する。
( 1 ) 本発明に係る透明プラスチッ ク材料は、 重合性単量体または 熱可塑性樹脂に対して優れた相溶性を有し且つ特定の波長光に対す る選択吸収能と紫外線吸収能を有する化学的に安定な一般式 ( I ) で示される錯化合物を含有していることから、 色調のばらつきがな く且つ析出等の発生がなく、 高い透明性と優れた特定の波長光の選 択吸収能を有するとともに有害な紫外線を遮断することができる。
( 2 ) 本発明に係る透明プラスチッ ク材料は、 疎水性の重合性単量 体に対して優れた相溶性を有する一般式 ( I ) で示される錯化合物 を用いるため、 水溶性の金属塩と親水性の重合性単量体を使用する 必要がなく、 耐水性が向上できると共に寸法安定性を向上できる。
( 3 ) 本発明に係る透明プラスチッ ク材料は紫外線吸収能をも有す る一般式 ( I ) で示される錯化合物を含有しているこ とから、 別途 紫外線吸収剤を添加する必要がなく、 また、 添加するにしても添加 量を著しく低減することができるため、 紫外線吸収剤の析出等の相 溶性に関する問題が解決されると共に重合体の機械的特性の低下を 防止することができる。
( 4 ) 本発明に係る透明プラスチッ ク材料及び該材料からなる光学 物品は、 人間の眼にとって眩しく感じる波長の光のみを選択的に遮 断若しく は低減することができると共に有害な紫外線を遮断するこ とができる。
( 5 ) 本発明の透明プラスチッ ク材料からなる眼鏡レンズは、 人間 の眼にとって眩しく感じる波長の光のみを選択的に遮断若しく は低 減する性能を有すると共に、 有害な紫外線を遮断するこ とができるな
( 6 ) 本発明の透明プラスチッ ク材料からなる眼鏡レンズは、 視感 度の高い波長域の強い光線を遮断若しく は低減することができるた め防眩効果を有すると共に有害な紫外線も遮断できることから、 眼 を紫外線から保護すると共に眼の疲労を緩和あるいは防止すること ができる。
( 7 ) 本発明の透明プラスチッ ク材料からなる老視用眼鏡レンズ、 コンタク ト レンズゃディスプレイ用フィ ルターについても ( 5 ) 及 び ( 6 ) と同様の効果を奏する。
( 8 ) 本発明の透明プラスチッ ク材料からなる光学機器用レンズ及 びフィルターは、 高い透明性と優れた特定の波長光の選択吸収能を 有するとともに有害な紫外線を遮断することができる。
( 9 ) 本発明で用いる一般式 ( I ) で示される錯化合物は重合可能 なモノマーに対して優れた相溶性を有し且つ化学的に安定であるこ とから、 キャス ト成形において析出等の発生がなく且つ色調のばら つきもない高い透明性と高い光学的均一性を有する本発明に係る透 明プラスチッ ク材料及び光学物品を得ることができる。
( 10) 本発明で用いる一般式 ( I ) で示される錯化合物は熱可塑性 樹脂に対して優れた相溶性を有し且つ化学的に安定であるこ とから. 溶融状態の熱可塑性樹脂へ均一に混合溶解することができるため、 射出成形において析出等の発生がなく且つ色調のばらつきもない高 い透明性と高い光学的均一性を有する本発明に係る透明プラスチッ ク材料及び光学物品を得ることができる。
( 1 1 ) 透明プラスチッ ク材料からなる基材上に本発明の 1 種または 2種以上の重合可能なモノマ一及び重合開始剤も し く は重合触媒と 本発明で用いる一般式 ( I ) で示される錯化合物からなる組成物を 重合して薄膜層を形成する製造方法は、 厚みによる色の濃度差がな く、 しかも成形後の処理によって本発明に係る透明プラスチッ ク材 料及び光学物品得るこ とができるこ とから、 あらゆる透明プラスチ ッ ク材料に適用できる。
図面の簡単な説明
第 1 図は、 実施例一 1 のレンズの分光特性を示す図である。
第 2図は、 実施例— 2のレンズの分光特性を示す図である。
第 3図は、 実施例一 3のレンズの分光特性を示す図である。
第 4図は、 実施例一 4 のレンズの分光特性を示す図である。
第 5図は、 試験例 - 4の成形物の分光特性を示す図である。
第 6図は、 試験例一 4 のアクアヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ルー 1 , 3 一ブタンジォナト) ネオジムの添加量とネオジム原子の特性吸収 波長での吸光度とを示す図である。
第 7図は、 実施例— 1 8の成形物における成形物の厚みと 5 8 0 n mにおける吸光度を示す図である。
第 8図は、 実施例一 2 4の成形物における成形物のァクァヒ ドロ キシ ( 1 —フエ二ルー 1 , 3 —ブタンジォナ ト) ネオジムの添加量 と疲労度との関係を示す図である。
第 9図は、 実施例— 2 4の成形物におけるァクァヒ ドロキシ ( 1 一フヱニルー 1 , 3 —ブタンジォナ ト) ネオジムを添加した成形物 の厚みと疲労度との関係を示す図である。
第 1 0図は、 試験例一 5の成形物における成形物のァクァヒ ドロ キジ ( 1 一フエ二ルー 1 , 3 —ブタンジォナト) ネオジムの蛍光灯 照射下の経時変化を示す図である。
第 1 1 図は、 試験例— 6の成形物における成形物のアクアヒ ドロ キシ ( 1 一フエ二ルー 1 , 3 —ブタ ンジォナ ト) エルビウムの蛍光 灯照射下の経時変化を示す図である。
第 1 2図は、 試験例— 8のアクアヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ルー 1 3 —ブタンジォナ ト) ネオジム—スチレン溶液の蛍光灯照射下の経
時変化を示す図である。
第 1 3図は、 試験例一 8のアクアヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ルー 1 , 3 —ブタンジォナ ト) ネオジム ( 9 8 % ) Zト リスべンゾィルァセ トナ トネオジム ( 2 %) —スチ レ ン溶液の蛍光灯照射下の経時変化 を示す図である。
第 1 4図は、 試験例一 8の ト リスべンゾィルァセ トナトネオジム における蛍光灯照射下の経時変化を示す図である。
第 1 5図は、 アクアヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ルー し 3 —ブタン ジォナ ト) ネオジム錯体の赤外線吸収スぺク トルを示す図である。 第 1 6図は、 アクアヒ ドロキシ ( 1 一フエニル一 1, 3 —ブタン ジォナ ト) ネオジム錯体の 2 % トルエン溶液の可視 ' 紫外線吸収ス ぺク トルを示す図である。
第 1 7図は、 ト リ スべンゾィルァセ トナトネオジム錯体の赤外線 吸収スぺク トルを示す図である。
第 1 8図は、 ト リスべンゾィルァセ トナ トネオジム錯体の 2 % ト ルェン溶液の可視 · 紫外線吸収スぺク トルを示す図である。
第 1 9図は、 アクアヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ルー し 3 —ブタン ジォナ ト) ネオジム錯体の立体構造の概略を示す図である。
1 種またはそれ以上の重合可能なモノ マーを重合開始剤または重 合触媒の存在下で重合するこ とによって得られる重合体からなり、 上記重合体が下記一般式 ( I ) で示される錯化合物を含有すること を特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
以下、 実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、 本発 明はこれに限られるものではない。
[二配位錯化合物の合成例]
(合成例 1 )
アクアヒ ドロキシ ( 1 —フエ二ルー 1 , 3 —ブタ ンジォナ ト) ネ オジムの合成
ベンゾィルアセ ト ン 3 2. 4 g ( 0. 2 0 mol ) と硝酸ネオジム 4 3. 8 g ( 0. 1 0 mol ) を 1 2 5 mlのメタノールに溶解させた 溶液に、 4 %アンモニア水溶液 1 2 O mlを滴下した。 滴下後 2 0〜 2 5 °Cにて 1 時間反応させ、 析出した青紫色の結晶を濾過し、 水で 洗浄して得られた化合物を、 元素分析、 金属分析 (N d含量) 、 水 分含量、 赤外吸収スペク トルの測定を行ったところ、 下記の結果が 得られた。
元素分析 : C 2。H2106 N d 5 0 1 . 6 3
実測値 計算値
C 47. 9 4 47. 8 8
H 3. 9 0 4. 2 2
N d含量 : 実測値 30. 0 % (計算値 28. 8 %)
水分含量 : 実測値 4. 1 % (計算値 3. 6 %)
赤外吸収スペク トル : 3 3 5 5 , 3 0 6 3 , 1 5 9 7 1 5 2 , ( K B r , c m"1) 1 4 8 5 , 1 3 8 2 , 1 2 3 7 7 1 4 以上の結果により、 得られた物質は、
( C 6 H 5 C〇 C H C〇 C H3)2 N d ( O H)(H2 〇)
であるこ とが確認された (式 ( 1 一 1 一 a )
(合成例 2 )
アクアヒ ドロキシ ( 1 一フエ ルー し 3 —ブタ ンジォナ ト) ェ ルビゥムの合成
ベンゾィルアセ ト ン 3 2. 4 g ( 0. 2 0 mol ) と硝酸エルピウ ム 4 6. 1 ( 0.. 1 011101 ) を 1 2 51111のメ夕ノ 一ルに溶解させ た溶液に、 4 %ァンモニァ水溶液 1 2 0 mlを滴下した。 滴下後 2 0 〜 2 5 °Cにて 1 時間反応させ、 析出した桃色の結晶を濾過し、 水で 洗浄して得られた化合物を、 元素分析、 金属分析 ( E r含量) 、 水 分含量、 赤外吸収スぺク トルの測定を行ったところ、 下記の結果が 得られた。 元素分析 : C 2。H21〇 6 E r = 5 24. 6 5
実測値 計算値
C 45. 7 9 45. 7 8
H 3. 8 7 4. 0 3
N d含量 : 実測値 32. 5 % (計算値 31. 9 %)
水分含量 : 実測値 4. 4 % (計算値 3. 4 %)
赤外吸収スペク トル : 3 6 2 0 , 1 6 0 0 , 1 5 2 5 , 1 4 8 6 (K B r, c m-】) 1 3 9 4 , 1 2 8 3 , 7 1 1
以上の結果により、 得られた物質は、
( C 6 H5 C〇 C H C O C H3)2 E r (〇 H)(H20)
であるこ とが確認された (式 ( 1 一 1 一 b ) ) 。
(合成例 3 )
アクアヒ ドロキシ (フエナシルフエ二ルケ トナ ト) ネオジム, ァ クァヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ルー 2 —メチルー し 3 —ブタ ンジォ ナ ト) ネオジム, アクアヒ ドロキシ ( 1 ーチォフ エ二ルー 1, 3 — ブタ ンジォナ ト) ネオジムの合成
「合成例 1 」 および 「合成例 2」 においてベンゾィルアセ ト ンを フエナシルフエ二ルケ ト ンあるレ、は 1 一フエニル一 2 —メチルー 1 : 3 —ブタ ンジオンあるレ、は 1 ーチォフエ二ルー 1 , 3 —ブタ ンジォ ンに置き換えた他は、 同様の方法によってそれぞれ合成した。
得られた物質は、 それぞれ
( 1 - 2 - a ) 式で示されるアクアヒ ドロキシ (フヱナシルフエ 二ルケ トナ ト) ネオジム,
( 1 一 3 — a ) 式で示されるアクアヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ル— 2 — メチルー 1 · , 3 —ブタ ンジォナ ト) ネオジム,
( 1 - - a ) 式で示されるァクァヒ ドロキシ ( 1 ーチォフエ二 ルー 1, 3 —ブタ ンジォナ ト) ネオジム,
であることが確認された。
[試験例]
以下、 本発明の効果を示す試験例を説明する。
(試験例 1 )
<重合可能なモノマーへの溶解性試験 >
「合成例 1 」 のアクアヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ルー 1 , 3 —ブ夕 ンジォナ ト) ネオジム、 「合成例 2」 のアクアヒ ドロキシ ( 1 —フ ェニル— 1 , 3 —ブタ ンジォナ ト) エルビウム、 「合成例 3 」 のァ
クァ ヒ ドロキン (フ エナシルフ エ二ルケ トナ ト) ネオジム、 アクア ヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ルー 2 — メチル一 1 , 3 —ブタ ンジォナ ト) ネオジム、 アクアヒ ドロキシ ( 1 ーチォフ エ二ルー 1 , 3 —ブタ ン ジォナ ト) ネオジムは、 スチレ ン、 ジビニルベンゼン、 メ タ ク リ ル 酸フ エニル、 テ トラ ヒ ドロフルフ リ ルメ タク リ レー ト、 メ 夕 ク リ ル 酸メチル、 メタク リル酸ベンジル、 ジァ リ ルフタ レー ト、 ジェチレ ングリ コールビスァ リ ルカーボネ一 ト、 〇一 クロルスチレンに溶解 した。
尚、 三配位錯体についても上記の実施例のモノマーには、 溶解す る o
(試験例 2 )
<二配位錯体の重合可能なモノマー (モノマー) への溶解性の向 上〉
「合成例 1 」 で合成された二配位錯体のアクアヒ ドロキシ ( 1 — フエ二ルー 1, 3 —ブタ ンジォナ ト) ネオジムを、 2 0 °Cの各モノ マーに溶解した結果を 「表 4 」 に示す。
比較として、 特願平 5 — 5 0 2 1 0 9号 ( P C TZJ P 9 2 Z 0 0 8 8 3 ; 国際公開W 0 9 3 Z 0 1 2 3 3 ; 米国特許 0 8 / 0 2 7 1 7 3 ) の三配位錯体の ト リスべンゾィルァセ トナ トネオジムの溶 解性を 「表 4 」 に示した。
上記 ト リスベンゾィルァセ トナ トネオジムは、 特願平 5 — 5 0 2 1 0 9号 ( P C T/J P 9 2 / 0 0 8 8 3 ; 国際公開 W 0 9 3 / 0 1 2 3 3 ; 米国特許 0 8 0 2 7 1 7 3 ) に開示した方法により合 成した。
[表 4 ]
表に示すように、 二配位錯体の溶解性が三配位錯体に比べて極め て高い (約 1 5倍程度) こ とが確認された。
上記の実施例の結果から以下の優位性が主張できる。
① 二配位錯体の配合量を大幅に上昇させるこ とが可能である。
② 二配位錯体の配合量を成形物 (レ ンズ) の用途, 目的に応じて
自由に決められる。
その一例としては、 成形物の厚みを薄く したい場合 (レ ンズの中 心厚を薄く したい場合) 、 二配位錯体の配合量を増すことによって 十分な目的効果 (防眩効果, 眼の疲労防止効果等) が得られる。 こ れに関しては後述する (試験例に示す) 。
(試験例 3 )
「合成例 2」 で合成されたアクアヒ ドロキシ ( 1 —フエ二ルー 1 : 3 —ブタンジォナト) エルビウムを 2 0 °Cの各モノマーに溶解した 結果を 「表 7」 に示す。 比較として特願平 5 — 5 0 2 1 0 9号 ( P C T/J P 9 2 / 0 0 8 8 3 ; 国際公開 W 0 9 3 Z 0 1 2 3 3 ; 米 国特許 0 8 0 2 7 1 7 3 ) の ト リ スベンゾィルァセ トナ トェルビ ゥムの結果を 「表 5」 に示した。
ト リスべンゾィルァセ トナ トエルビウムは特願平 5 — 5 0 2 1 0 9号 ( P C TZJ P 9 2 / 0 0 8 8 3 ; 国際公開 W 0 9 3 / 0 1 2 3 3 ; 米国特許 0 8 / 0 2 7 1 7 3 ) に開示した 「製造例 2」 の方 法により合成した。
[表 5 ]
(試験例 4 )
く二配位錯体の添加量の変化〉
スチレン 3 6重量部、 2, 2 — ビス ( 4 一メ タク ロィルォキシェ トキシー 3 , 5 —ジブロモフエニル) プロノ、'ン 6 0重量部、 ジェチ レ ングリ コールビスァ リ ルカーボネー ト 4重量部に、 「合成例 2」
のアクア ヒ ドロキシ ( 1 一フ エ二ルー 1, 3 —ブタ ンジォナ ト) ネ オジム 1 p h mを混合し攪拌した後に、 開始剤である t —プチルぺ ルォキジネオデカノエー 卜 1 p h mを添加して、 さらに攪拌してか らフィ ルターで濾過した。 濾液を間隙が 2 mmとなるように 2枚の 硝子製平板とエチレン一酢酸ビニル共重合体からなるガスケッ トで 構成された铸型の中へ注入した。
次いで、 これを 3 0 で 4時間、 3 0でから 5 0 °Cまでは直線的 に 1 0時間かけて昇温し、 さらに 5 0 から 8 0 °Cまで直線的に 2 時間かけて昇温した後、 8 0でで 1 時間保持してから 7 0 °Cまで 2 時間かけて降温した。
次いで、 ガスケッ トを取り除き、 さらに得られた成形物と硝子製 平板を分離した。 得られた成形物は、 1 0 0 °Cで 2時間のァニール 処理を施した。
同様にして、 アクアヒ ドロキシ ( 1 一フエニル一 1, 3 —ブタン ジォナ ト) ネオジムの添加量が 2 p hm, 5 p h m, l O p h mの フラ ッ ト形状の成形物を得た。
得られた成形物は何れも透明性の高いものであった。
得られた成形物の分光特性を第 5図に示した。 第 5図に示すよう に、 アクアヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ルー 1 , 3 —ブタンジォナ ト) ネオジムの添加量が 1 p hmの場合のネオジム原子の特性吸収波長 である 5 8 O n mの透過率は 6 8 %であり、 5 p h mでは 1 8 %、 さらに 1 0 p h mでは 2 %であった。
得られた成形物のアクアヒ ドロキシ ( 1 一フエニル— 1 , 3 —ブ タンジォナ ト) ネオジムの添加量と 5 8 O n mの吸光度の関係を第 6図に示した。
第 6図に示すように、 得られた透明な成形物のアクアヒ ドロキシ ( 1 —フエ二ルー 1 , 3 —ブタンジォナ ト) ネオジムの含有量が増 すにしたがって防眩効果が増すこ とを確認した。
これらの結果は二配位錯体の溶解性が、 三配位錯体に比べて飛躍 的に向上したことによって透明な成形物を成形するための配合量の 範囲が大幅に広がり、 目的, 用途に応じて自由に二配位錯体の配合 量を選択できることを示している。
(試験例 5 )
ぐ経時変化の差異及び着色の差異 >
アクアヒ ドロキシ ( 1 —フエ二ルー し 3 —ブタンジォナ ト) ネ オジム 4 gを、 スチレン 1 0 0 gに溶解し、 2 0 °Cで蛍光灯の照射 下 ( 7 0 0 ^ X ) 及び喑所での経時変化を調べた。 その結果を 1 0 図に示した。 蛍光灯の照射下及び喑所いずれの条件下においても、 初期に青紫色を呈していたスチレ ン溶液は 2週間経過後も変化は認 められず、 青紫色を呈していた。
本実施例の比較として、 ト リスべンゾィルァセ トナ トネオジム 4 gを、 スチレン 1 0 0 gに溶解し、 2 0でで蛍光灯照射下 ( 7 0 0 £ X ) 及び喑所での経時変化を調べた。 その結果を第 1 0図に示し た。 蛍光灯照射下においては、 初期に青紫色であった溶液が経時と ともに緑色となり、 2週間経過後には黄褐色となつて黄褐色の沈澱 物が生成した。 また、 喑所においては蛍光灯照射下に比較して変化 は小さかったが、 2週間経過後には黄緑色に変化した。 (試験例 6 )
アクアヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ルー 1 , 3 —ブタ ンジォナ ト) ェ ルビゥム 4 gを、 スチレ ン 1 0 0 gに溶解し、 2 0 で蛍光灯の照 射下 ( 7 0 0 X ) 及び喑所での経時変化を調べた。 その結果を第 1 1 図に示した。 蛍光灯の照射下及び暗所いずれの条件下において も、 初期に桃色を呈していたスチレン溶液は、 2週間経過後も変化 は認められず、 桃色を呈した。
本実施例の比較として ト リスべンゾィルァセ トナ トエルビウム 4 gを、 スチレ ン 1 0 0 gに溶解し、 2 0てで蛍光灯照射下での経時 変化を調べた。 その結果を第 1 1 図に示した。 蛍光灯照射下におい ては、 初期に桃色であった溶液が経時とともに茶色となり、 2週間 経過後には黄褐色となって黄褐色の沈澱物が生成した。 また、 喑所 においては蛍光灯照射下に比較して変化は小さかったが、 2週間後 には茶色に変化した。
(試験例 7 )
アクアヒ ドロキシ ( 1 —フエ二ルー 1 , 3 —ブタ ンジォナ ト) ネ オジム 1 0 gを、 メチルメタク リ レー ト 1 0 0 gに溶解し、 2 0 °C, 蛍光灯照射下 ( 7 0 0 ^ X ) 及び暗所での経時変化を調べた。 比較 として ト リスべンゾィルァセ トナ トネオジム 1 O gをメチルメタク リ レー ト 1 0 0 gに溶解し、 同上の条件にて経時変化を調べた。 そ の結果を 「表 6」 に示した。
[表 6 ]
(試験例 8 )
<二配位錯体と三配位錯体との配合についての経時変化の有無〉 (1) 合成例 1 で合成されたアクアヒ ドロキン ( 1 一フ エニル— 1 ,
3 —ブタ ンジォナ ト) ネオジム 2 gをスチレン 1 0 0 gに溶解し.
2 0 °Cで蛍光灯の照射下 ( 7 0 0 ^ X ) で経時変化 ( 0 , 7, 1 5 , 2 3 日) を吸光度で追跡した (第 1 2図) 。
(2) 同様にして、 アクアヒ ドロキシ ( 1 一フエニル一 し 3 -ブ夕 ンジォナ ト) ネオジム中に不純物として ト リスべンゾィルァセ ト ナ トネオジムが 2 %含有した試料 2 gをスチ レ ン 1 0 O gに溶解 し、 経時変化 ( 0 , 7 , 1 5 , 2 3 日) を調べた (第 1 3図) 。 (補足 : この試料は二配位錯体の合成検討の初期に合成で得られ たものである。 )
(3) ト リスべンゾィルァセ トナ トネオジムについても同様にして経 時変化 ( 0, 3, 7 , 1 5 日) を調べた (第 1 4図) 。
各々の試験結果を図に示した。
第 1 2図に示す ( 1 ) の結果によれば、 全く経時変化は認めら れなかった。
第 1 3図に示す ( 2 ) の結果によれば、 やや経時変化が認めら れた。 ただし三配位錯体単独の ( 3 ) に比べて経時変化の進行速 度は遅くなっている。
第 1 4図に示す ( 3 ) の結果によれば、 経時変化が顕著に認め られた。 [実施例]
次に、 本発明の好適な実施例について説明するが、 本発明はこれ らに限定されるものでばない。
(実施例 1 )
下記式 (11) で示される 2官能ゥレタンメタク リ レー ト
5 0重量部 下記式 (12) で示されるポリエチレ ングリ コールジメ 夕 ク リ レー ト
1 0重量部 メ 夕ク リ ル酸フヱニル 4 0重量部
2 — ヒ ドロキシ一 2 —メチル一 1 一フエニルプロノ、。ン一 1 —オン (メルク製ダロキュア一 1 1 7 3 ) 1 p hm t 一ブチルパーォキシイ ソプロ ピルカーボネー ト 0. 5 ρ h m からなる光重合性組成物に、 合成例 1 で得られたアクアヒ ドロキシ ( 1 —フエ二ルー 1 , 3 — ブタ ンジォナ ト) ネオジム 3重量部を添加し、 混合溶解した。 尚、 上 gci 「 p h m」 は parts per handred parts of monomer (モ ノマー 1 0 0部に対する部数) をいう。
〇
CH 3 CH 3
I
CH2=CCO (CH2CH2〇) gCC = CH2 (12)
〇 O 得られた混合液は、 青紫色を呈し透明であった。 該混合液を、 鏡 面仕上げした外径 8 0 mm, 曲率 3 8 6 mmのガラス型と外径 8 0
m m , 曲率 6 5 m mガラス型とエチレン一酢酸ビニル共重合体から なるガスケッ 卜で構成された中心厚 1 . 5 m mの凹レンズとなるよ うに組み合わせた铸型の中へ注入した。 この成形型の両面より 2 k Wの高圧水銀灯を用いて照度 4 0 0 m W / c m 2 で 3分間連続照射 し硬化させた。 モールドの温度が 6 0 °Cまで低下したところでガラ ス型より レンズを脱型した。 レンズを洗浄した後、 1 0 0 °C, 2時 間のァニールを行った。
得られたレンズは青緑色を呈し、 波長 5 8 0 n mでの光透過率が 3 0 %と低く、 さらに 4 0 0 n m以下の紫外線を遮断し、 しかも他 の波長域の透過率が 9 0 %以上と優れたものであった。 なお、 本実 施例のレンズの分光特性を第 1 図に示す。
このレンズの表面処理として、 市販の紫外線硬化型の有機ハー ド コー トを施した。
「比較」 として、 アクアヒ ドロキシ ( 1 —フエ二ルー 1 , 3 —ブ タンジォナ ト) ネオジムを添加しないレンズを作製し、 染料で上記 レンズと同色に染色加工し該実施例のレンズと同様の表面処理を施 した。 該実施例のレンズと比較のレンズの各々を携帯着用して眩し さの評価を行った。
その結果、 直射日光の眩しさや夜間の対向車のへッ ドライ ト光の 眩しさなどは比較レンズに比べ著しく緩和された。
本実施例のレンズ上に反射防止膜を施したものは、 さらに光のち らつきがなく なった。 また、 このレンズを 6 0 °C Cかつ湿度 9 0 % の高温多湿の環境下で 1 週間放置したときの吸収率は 1 . 0 %であ り、 蒸着膜にクラッ クの発生は見られなかった。
(実施例 2 )
アクア ヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ルー 1 , 3 —ブタ ンジォナ ト) ネ オジム 2重量部、 スチレ ン 3 6重量部、 2 , 2 — ビス ( 4 一メ夕ク ロイルォキシエ トキシ一 3 , 5 —ジブ口モフヱニル) プロノ、0ン 6 0 重量部、 ジエチレングリ コールビスァリルカーボネー ト 4重量部、 及び t —ブチルペルォキシネオデカノエー ト 1重量部を混合撹拌し た後、 フィルターでろ過した。 ろ液を 2枚のガラス製型とエチレン 一酢酸ビニル共重合体からなるガスケッ トで構成された中心の厚さ を 2 m mに設定した铸型の中へ注入した。 次に 3 0 °Cで 4時間加熱 し、 3 0 °Cから 5 0 °Cまで直線的に 1 0時間で昇温し、 5 0 から 8 0 まで直線的に 2時間で昇温し、 8 0てで 1 時間保持した後、 8 0 °Cから 7 0 °Cまで 2時間で降温してから、 成形型より レンズを 脱型した。 さらに、 得られたレンズを 1 0 0 °Cで 2時間のァニール 処理を行った。
この得られたレンズ.の屈折率は 1 . 5 9であり、 分光特性は光透 過率が 5 8 0 n mで 4 0 %と低く、 さらに 4 0 0 n m以下の紫外線 を遮断し、 しかも他の波長域の光透過率は 8 5 %以上であった。 従 つて、 得られたレンズは特定の波長の光のみを選択的に遮断若しく は低減するものの他の可視光の光量を落とさずに明所視において優 れた防眩性能を有し、 且つ紫外線の遮断がなされたものであった。 また、 このレンズは 6 0 °C且つ湿度 9 0 %の高温多湿の環境下に 1 週間放置した時の吸水率が 1 . 0 %であった。 この値は水溶性のネ オジム塩である酢酸ネオジムを用いた系である比較例 5 と比べてか なり良好であった。 このレンズ表面に反射防止膜として無機蒸着膜 を付けたものを上記の高温多湿の環境下に 1週間放置したところ蒸
着膜にクラ ッ クの発生は見られなかった。
なお、 本実施例のレンズの分光特性を第 2図に示す。
本実施例のレンズを眼鏡フ レームに装着し携帯試験を行った。 該 試験について以下に述べる。
用いた本実施例のレンズは反射防止膜を施したものを用い、 比較 としてアクアヒ ドロキシ ( 1 一フエニル一 1 , 3 —ブタンジォナ ト) ネオジムを除いた他は本実施例のレンズと同一の組成のレンズを作 成し、 本実施例のレンズと同じ色調に染色し反射防止膜を施したも のを用いた。 試験は無作為に抽出した男女各 5 0名 (年齢層は、 2 0代 : 2 0 %, 3 0代 : 3 0 %, 4 0代 : 3 0 %, 5 0代 : 2 0 %) で行った。 設問に対する回答は 「はい (そのように感じる) 」 : 2 点, 「そんな感じがする : 1 点, いいえ (変わらない) : 0点 : 3 点の 3段階で行い、 定量化した。
結果を下記 「表 7」 に示す。
[表 7 ]
設 問 回 答
錢例 2 比 較
1.晴天の屋外でまぶしくなかった。 1 Q o 0
2.車 (7¾^の時、 まぶしくなかった。 1
0 Q 0
3. でスポーツをする時、 まぶしくなかった。 1
o Q 0
4.夜間の対向車のへッドライ卜がまぶしくなかった。 1 n
( 0
5. 読書 60δ IE®がまぶしくなかつた。 1 Q 0
6. テレビを ίΕ¾した時、 まぶしくなかった。 1 Q 0
7. ワープロ 等てザイスブレイを使用した時、 X 1 Q 〇
まぶしくなかった。
8. 大の屋外で物を見た^"、 はっきりと見えた。 1 o
o 0
9.車 C¾¾gCDB 、 周囲がはっきりと見えた。 1
O Q 0
10. 読書 CDB 、画の: 等がはっきりと見えた。 1 6 0
1 1 ■=?·し fTil由 1*1カ 十つ h *目 1 8 0
12. ワープロ 等てザイスブレイを見たとき、 幽 ώ 1 . 8 0
がはっきりと見えた。
13. 暗い所から明るい所 ( ¾を見た ϋ^、 はっきりと 1 8 0
X* ^ 。
14. 晴大の で C7X¾fflで跟カ娘れなかった。 1 . 9 0
15. 車 て "¾艮£ ^れがなかった。 1 . 7 0
16. ¾f¾の車 転て (7)¾れがなかった。 1 . 7 0
17.読書や:^を書く ^に眼 σ ^れを感じなかった。 1 . 7 0
18. テレビを長時 した^に眼 れを感じな 1 . 8 0
かった。
1 . 0 0
19. 映画 (¾£¾で眼 れを感じなかった。
20. ワープロ作業等でディスブレイを長時 f けた 1 . 8 0
に眼 れを感じなかつた。
治験者の 8 0 %が眩しさの軽減の効果を、 また、 治験者の 7 0 % が疲労の防止が軽減の効果を認めた。
(実施例 3 )
ア クア ヒ ドロキシ ( 1 一 フ エ二ルー 1 , 3 —ブタ ン ジォナ ト) ェ
ルビゥ厶 4重量部、 スチレ ン 3 6重量部、 2, 2 — ビス ( 4 一 メ タ クロィルォキシエ トキシ一 3, 5 — ジブロモフエニル) プロノ、。ン 6 0重量部、 ジエチレングリ コールビスァ リルカーボネー ト 4重量部. 及び t 一ブチルペルォキシネオデカノエー ト 1 重量部を混合撹拌し た後、 フィルターでろ過した。 ろ液を 2枚のガラス製型とエチレン 一酢酸ビニル共重合体からなるガスケッ トで構成された中心の厚み を 2 m mに設定した铸型の中へ注入した。 次に 3 0 °Cで 4時間加熱 し、 3 0 °Cから 5 0 °Cまで直線的に 1 0時間で昇温し、 5 0 から 8 0 °Cまで直線的に 2時間で昇温し、 8 0でで 1 時間保持した後、 8 0 °Cから 7 0 °Cまで 2時間で降温してから、 成形型より レンズを 脱型した。 さらに、 得られたレンズを 1 0 0 °Cで 2時間のァニール 処理を行った。
この得られたレンズの屈折率は 1 . 5 9であり、 分光特性は光透 過率が 5 2 0 n mで 4 0 と低く、 さらに 4 0 0 n m以下の紫外線 を遮断し、 しかも他の波長域の光透過率は 8 5 %以上であった。 従 つて、 得られたレンズは特定の波長の光のみを選択的に遮断若しく は低減するものの他の可視光の光量を落とさずに喑所視において優 れた防眩性能を有し、 且つ紫外線の遮断がなされたものであった。 また、 このレンズは 6 0 °C且つ湿度 9 0 %の高温多湿の環境下に 1 週間放置した時の吸水率が 1 . 0 %であった。 この値は水溶性のェ ルビゥム塩である酢酸エルビウムを用いた系である比較例 6 と比べ てかなり良好であった。 このレンズ表面に反射防止膜として無機蒸 着膜を付けたものを上記の高温多湿の環境下に 1週間放置したとこ ろ蒸着膜にクラ ッ クの発生は見られなかった。
なお、 本実施例の分光特性を第 3図に示す。
(実施例 4 )
アクアヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ルー 1 , 3 —ブタンジォナ ト) ネ オジム 5重量部とアクアヒ ドロキジ ( 1 一フエニル一 1 , 3 —ブ夕 ンジォナ ト) エルビウム 5重量部、 スチレン 3 6重量部、 2 , 2 - ビス ( 4 一メタクロィルォキシエトキシー 3 , 5 —ジブロモフエ二 ル) プロパン 6 0重量部、 ジェチレングリ コールビスァリルカ一ボ ネー ト 4重量部、 及び t 一プチルペルォキシネオデカノエー ト 1 重 量部を混合撹拌した後、 フィルターでろ過した。 ろ液を 2枚のガラ ス製型とエチレン—酢酸ビニル共重合体からなるガスケッ 卜で構成 された中心の厚みを 1 . 5 mmに設定した鐯型の中へ注入した。 次 に 3 0 で 4時間加熱し、 3 0でから 5 0でまで直線的に 1 0時間 で昇温し、 5 0 °Cから 8 0 °Cまで直線的に 2時間で昇温し、 8 0 °C で 1 時間保持した後、 8 0でから 7 0 °Cまで 2時間で降温してから. 成形型より レンズを脱型した。 さらに、 得られたレンズを 1 0 0 °C で 2時間のァニール処理を行った。
この得られたレンズの屈折率は 1 . 5 9であり、 分光特性は光透 過率が 5 2 0 n mで 3 0 %、 5 8 0 n mで 3 0 %と低く、 さらに 4 0 0 n m以下の紫外線を遮断し、 しかも他の波長域の光透過率は 8 5 %以上であった。 従って、 得られたレンズは特定の波長の光の みを選択的に遮断若しく は低減するものの他の可視光の光量を落と さずに明所視及び喑所視において優れた防眩性能を有し、 且つ紫外 線の遮断がなされたものであった。 また、 このレンズは 6 0 °C且つ 湿度 9 0 %の高温多湿の環境下に 1週間放置した時の吸水率が 1. 0 %であった。 このレンズ表面に反射防止膜として無機蒸着膜を付け たものを上記の高温多湿の環境下に 1週間放置したところ蒸着膜に
クラ ッ クの発生は見られなかった。
なお、 本実施例の分光特性を第 4図に示す。
本実施例のレ ンズを眼鏡フ レームに装着し携帯試験を行った。 該 試験について以下に述べる。
用いた本実施例のレンズは反射防止膜を施したものを用い、 比較 としてアクアヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ルー 1 , 3 —ブタ ンジォナ ト) ネオジム及びアクアヒ ドロキシ ( 1 —フエニル一 1, 3 —ブタ ンジ ォナ ト) エルビウムを除いた他は本実施例のレンズと同一の組成の レンズを本実施例のレンズと同じ色調に染色し反射防止膜を施した ものを用いた。
試験は無作為に抽出した各男女 5 0名 (年齢層は、 2 0代 : 2 0 %, 3 0代 : 3 0 %, 4 0代 : 3 0 %, 5 0代 : 2 0 %) で行った。 設問に対する回答は 「はい (そのように感じる) 」 : 2点, 「そん な感じがする : 1 点, いいえ (変わらない) : 0点 : 3点の 3段階 で行い、 定量化した。
結果を下記 「表 8」 に示す。
[表 8 ]
(実施例 5 )
実施例 2 と同様にアクア ヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ルー 1 3 —ブ 夕 ンジォナ ト) ネオジム 4重量部、 スチレン 3 6重量部、 2 2 - ビス ( 4 一 メ タ ク ロィルォキシエ トキシ一 3 , 5 —ジブロモフエ二 ル) プロパン 6 0重量部、 ジエチレングリ コールビスァ リ ルカーボ
ネー ト 4重量部、 及び t 一ブチルペルォキシネオデカノエー ト 1 重 量部を混合撹拌した後、 フィルターでろ過した。 ろ液を 2枚の老視 用眼鏡レ ンズである累進多重焦点レ ンズ用ガラス製型 (セイコーェ ブソン製セイコーハイロー ド M X P— 1 マイル ド用) とエチレン一 酢酸ビニル共重合体からなるガスケッ 卜で構成された注型成形型の 中へ注入した。 次に 3 0 °Cで 4時間加熱し、 3 0 °Cから 5 0 まで 直線的に 1 0時間で昇温し、 5 0 °Cから 8 0 °Cまで直線的に 2時間 で昇温し、 8 0 °Cで 1 時間保持した後、 8 0 °Cから 7 0 °Cまで 2時 間で降温した。 次いで、 成形型より樹脂製累進多重焦点レ ンズを脱 型した。 さらに、 得られたレンズを 1 0 0でで 2時間のァニール処 理を行った。
本実施例のレンズを眼鏡フレームに装着し携帯試験を行った。 該 試験について以下に述べる。
用いた本実施例のレンズは反射防止膜を施したものを用い、 比較 としてアクアヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ルー 1 , 3 —ブタンジォナ ト) ネオジムを除いた他は本実施例のレンズと同一の組成のレンズを本 実施例のレンズと同じ色調に染色し反射防止膜を施したものを用い た。
試験は無作為に抽出した 4 0歳代から 6 0歳代までの各男女 1 0 0名で行った。 眩しさの軽減、 疲れの防止、 視野の明るさ、 コ ン ト ラス ト、 等の項目についての複数の設問に対して、 回答はとても良 い : 5点, 良い : 4点, 普通 : 3点, 悪い : 2点, とても悪い : 1 点の 5段階で行い、 各項目ごとに得点の平均を求めた。
結果を下記 「表 9」 に示す。
[表 9 ]
(実施例 6 )
アクアヒ ドロキシ (フエナシルフエ二ルケ トナ ト) ネオジム 4重 量部、 スチレン 3 6重量部、 2 , 2 —ビス ( 4 一メタクロィルォキ シエ トキジ一 3 , 5 —ジブロモフエニル) プロパン 6 0重量部、 ジ エチレングリ コールビスァリルカーボネー ト 4重量部、 及び t ーブ チルペルォキシネオデカノエー ト 1 重量部を混合撹拌した後、 フィ ルターでろ過した。 ろ液を 2枚のガラス製型とェチレン—酢酸ビニ ル共重合体からなるガスケッ トで構成された注型成形型の中へ注入 した。 次に 3 0 °Cで 4時間加熱し、 3 0でから 5 0 °Cまで直線的に 1 0時間で昇温し、 5 0 から 8 0てまで直線的に 2時間で昇温し- 8 0 °Cで 1 時間保持した後、 8 0 °Cから 7 0 °Cまで 2時間で降温し てから、 成形型より レンズを脱型した。 さらに、 得られたレンズを 1 0 0 °Cで 2時間のァニール処理を行った。
この得られたレ ンズの屈折率は 1 . 5 9であり、 分光特性は光透 過率が 5 8 0 n mで 4 0 %と低く、 さらに 4 0 0 n m以下の紫外線 を遮断し、 しかも他の波長域の光透過率は 8 5 %以上であった。 従
つて、 得られたレンズは特定の波長の光のみを選択的に遮断若しく は低減するものの他の可視光の光量を落とさずに明所視において優 れた防眩性能を有し、 且つ紫外線の遮断がなされたものであった。
また、 このレンズは 6 0 °C且つ湿度 9 0 %の高温多湿の環境下に 1週間放置した時の吸水率が、 1 . 0 %であった。 この値は水溶性 のネオジム塩である酢酸ネオジムを用いた系である比較例 .5 と比べ てかなり良好であった。
このレンズ表面に反射防止膜として無機蒸着膜を付けたものを上 記の高温多湿の環境下に 1週間放置したところ蒸着膜にクラ ッ クの 発生は見られなかった。
(実施例 7 )
アクアヒ ドロキシ ( 1 一フエニル一 2 —メチルー 1, 3 —ブタン ジォナ ト) ネオジム 4重量部、 スチレン 3 6重量部、 2 , 2 —ビス ( 4 一メタクロィルォキシエトキシー 3, 5 —ジブロモフエニル) プロパン 6 0重量部、 ジエチレングリ コールビスァリルカーボネー ト 4重量部、 及び t 一ブチルペルォキシネオデカノエー ト 1 重量部 を混合撹拌した後、 フィ ルターでろ過した。 ろ液を 2枚のガラス製 型とエチレン一酢酸ビニル共重合体からなるガスケッ トで構成され た注型成形型の中へ注入した。 次に 3 0 °Cで 4時間加熱し、 3 0 °C から 5 0 °Cまで直線的に 1 0時間で昇温し、 5 0 °Cから 8 0 °Cまで 直線的に 2時間で昇温し、 8 0 °Cで 1 時間保持した後、 8 0でから 70°Cまで 2時間で降温してから、 成形型より レンズを脱型した。 さ らに、 得られたレンズを 1 0 0 °Cで 2時間のァニール処理を行った, この得られたレンズの屈折率は 1 . 5 9であり、 分光特性は光透
過率が 5 8 O n mで 4 0 %と低く、 さらに 4 0 O n m以下の紫外線 を遮断し、 しかも他の波長域の光透過率は 8 5 %以上であった。 従 つて、 得られたレンズは特定の波長の光のみを選択的に遮断若しく は低減するものの他の可視光の光量を落とさずに明所視において優 れた防眩性能を有し、 且つ紫外線の遮断がなされたものであった。
また、 このレンズは 6 0 °C且つ湿度 9 0 %の高温多湿の環境下に 1週間放置した時の吸水率が、 1 . 0 %であった。 この値は水溶性 のネオジム塩である酢酸ネオジムを用いた系である比較例 5 と比べ てかなり良好であつた。
このレンズ表面に反射防止膜として無機蒸着膜を付けたものを上 記の高温多湿の環境下に 1週間放置したところ蒸着膜にクラ ッ クの 発生は見られなかった。
(実施例 8 )
アクアヒ ドロキシ ( 1 ーチオフヱニル一 1 , 3 —ブタンジォナ ト) ネオジム 4重量部、 スチレン 3 6重量部、 2 , 2 —ビス ( 4 —メタ クロィルォキシエトキシー 3 , 5 —ジブロモフエニル) プロノ、0ン 6 0重量部、 ジエチレングリ コールビスァリルカーボネー ト 4重量部、 及び t —プチルベルォキシネオデカノエー ト 1 重量部を混合撹拌し た後、 フィル夕一でろ過した。 ろ液を 2枚のガラス製型とエチレン 一酢酸ビニル共重合体からなるガスケッ トで構成された注型成形型 の中へ注入した。 次に 3 0 °Cで 4時間加熱し、 3 0 °Cから 5 0 °Cま で直線的に 1 0時間で昇温し、 5 0 から 8 0でまで直線的に 2時 間で昇温し、 8 0 °Cで 1 時間保持した後、 8 0 °Cから 7 0 °Cまで 2 時間で降温してから、 成形型より レンズを脱型した。 さらに、 得ら
れたレンズを 1 0 0 °Cで 2時間のァニール処理を行った。
この得られたレンズの屈折率は 1 . 5 9であり、 分光特性は光透 過率が 5 8 O n mで 4 0 %と低く、 さらに 4 0 O n m以下の紫外線 を遮断し、 しかも他の波長域の光透過率は 8 5 %以上であった。 従 つて、 得られたレンズは特定の波長の光のみを選択的に遮断若しく は低減するものの他の可視光の光量を落とさずに明所視において優 れた防眩性能を有し、 且つ紫外線の遮断がなされたものであった。
また、 このレンズは 6 0 °C且つ湿度 9 0 %の高温多湿の環境下に 1週間放置した時の吸水率が、 1 . 0 %であった。 この値は水溶性 のネオジム塩である酢酸ネオジムを用いた系である比較例 5 と比べ てかなり良好であった。 このレンズ表面に反射防止膜として無機蒸 着膜を付けたものを上記の高温多湿の環境下に 1週間放置したとこ ろ蒸着膜にクラッ クの発生は見られなかった。 (実施例 9 )
アクアヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ルー 1, 3 —ブタンジォナ ト) ネ オジム 4重量部を、 キシリ レンジイ ソシァネー ト 5 2重量部、 4 - メルカプトメチルー 3, 6 —ジチア一 し 8 —オクタンジチオール 4 8重量部、 触媒としてジブチルチンジラウレー ト 0 . 5重量部、 及び離型剤として微量のアルキル酸性燐酸エステルからなる反応性 混合物に添加し、 混合撹拌しながら 2 0分間脱気した。 該反応性混 合物を 2枚のガラス製型とェチレンー酢酸ビニル共重合体からなる ガスケッ トで構成された注型成形型の中へ注入し、 熱風循環式加熱 炉内で 4 0 °Cから徐々に 9 0 °Cまで昇温し、 9 0 °Cで 1 時間保持し た後に 6 0てまで 1 時間で降温した。 成形型より脱型して得られた
レ ンズをさ らに 1 0 0 °Cで 2時間ァニール処理をしてレ ンズ内の内 部歪を除去した。 得られたレンズは屈折率 1 . 6 6 の青緑色の透明 なものであった。 該レ ンズの分光特性は、 光透過率が 5 8 0 n mで 4 0 %と低く、 さ らに 4 0 0 n m以下の紫外線を遮断する と共に、 しかも他の波長域の光透過率は 8 5 %以上であった。 従って、 得ら れたレ ンズは特定の波長の光のみを選択的に遮断若しく は低減する ものの他の可視光の光量を落とさずに明所視において優れた防眩性 能を有し、 且つ紫外線の遮断がなされたものであった。
また、 このレンズは 6 0 °C且つ湿度 9 5 %の高温多湿の環境下に 1 週間放置した時の吸水率が 1 . 3 %であった。 このレンズ表面に 反射防止膜として無機蒸着膜を付けたものを上記の高温多湿の環境 下に 1 週間放置したところ蒸着膜にクラ ッ クの発生は見られなかつ た。
(実施例 1 0 )
3 一グリ シ ドキシプロ ビル ト リ メ トキシシラ ン加水分解物 2 8重 量部、 コロイダルシリ カ ( S i 〇 2 ) 2 7 . 5重量部、 グリセ口一 ルポリ グリ シジルエーテル 4 1 . 9重量部、 過塩素酸マグネシウム 2 . 1 重量部、 4 , 4 ーチォビス一 ( 3 —メチルー 6 — t —ブチル フエノ ール) 0 . 5重量部、 ジメチルシロキサン一メチル (ポリ オ キシエチレン) 一メチル (ポリ オキシエチレン) 一メチル (ポリ オ キンプロ ピレン) 一シロキサン共重合体 0 . 1 重量部及び溶剤から なるシリ コーン系ハー ドコー ト液にアクアヒ ドロキシ ( 1 一フエ二 ルー 1 , 3 —ブタ ンジォナ ト) ネオジム 3 0重量部を添加し混合溶 解させた。 この液をボリエチレングリ コールビスァ リ ルカーボネー
トからなる レ ンズに塗布し、 1 0 0 °Cで 1 時間加熱処理した後に、 さ らに 1 3 0 °Cで 2時間加熱処理した。 その結果、 表面硬度が高く . しかも波長 5 8 0 n mでの光透過率が 6 0 %であり他の波長域の光 透過率が 8 5 %以上である防眩性能を有する眼鏡レ ンズが得られた,
(実施例 1 1 )
メチルメ タク リ レー ト 9 5重量部、 ト リエチレングリ コールジメ タ ク リ レー ト 4重量部、 アクアヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ルー 1 , 3 一ブタ ンジォナ ト) ネオジム 2重量部、 重合開始剤と してァゾビス ( 2, 4 ージメチルバレロニ ト リ ル) 0 . 2重量部を良く混合し、 この混合物をガラス製封管に入れ、 内部を窒素置換しながら脱気を 繰り返し、 真空下で溶封した。 温水中で、 この封管を 3 0 °Cで 1 0 時間、 4 0 °Cで 5時間、 6 0 °Cで 3時間、 7 0 °Cで 3時間加熱した 後に、 さ らに熱風循環式加熱炉中で 1 0 0 °Cで 2時間加熱し丸棒を 得た。 得られた丸棒を切削加工してコ ンタ ク ト レ ンズを作製した。
このコ ンタ ク ト レ ンズの光透過率を測定したところ、 波長 5 8 0 n mでの光透過率が 7 0 %と低く、 さ らに 4 0 0 n m以下の紫外 線を遮断する と共に、 しかも他の波長域の光透過率は 8 5 以上で あった
(実施例 1 2 )
2 — ヒ ドロキシェチルメ 夕 ク リ レー ト 9 3重量部、 エチレングリ コールジメ タ ク リ レー ト 2重量部、 アクアヒ ドロキン ( 1 —フエ二 ルー 1 , 3 —ブタ ンジォナ ト) エルビウム 5重量部、 重合開始剤と してァゾビス ( 2, 4 —ジメチルバレロニ ト リ ル) 0 . 0 5重量部
を良く 混合した。 この混合物をガラス製封管に入れ、 内部を窒素置 換しながら脱気を繰り返し、 真空下で溶封した。 温水中で、 この封 管を 3 0 °Cで 1 0時間、 4 0 °Cで 5 時間、 6 0 °Cで 3時間、 7 0 °C で 3時間加熱した後に、 さ らに熱風循環式加熱炉中で 1 0 0 で 2 時間加熱し丸棒を得た。 得られた丸棒を切削加工してコ ンタ ク ト レ ンズを作製した。 このレンズを純水中で膨潤させ洗浄した後、 生理 食塩水に浸潰して所定量の吸水をさせる と同時に溶出物の溶出を完 結させた。 溶出物中にはアクア ヒ ドロキシ ( 1 一フ エ二ルー 1 , 3 一ブタ ンジォナ ト) エルビウムは確認されなかった。
このコ ンタク ト レ ンズの光透過率を測定したところ、 波長 5 2 0 n mでの光透過率が 5 5 %と低く、 さ らに 4 0 0 n m以下の紫外線 を遮断すると共に、 しかも他の波長域の光透過率は 8 5 %以上であ つた。 (実施例 1 3 )
2 , 2, 2 — ト リ フルォロェチルメ 夕 ク リ レー ト 4 5重量部、 ト リ ス ( ト リ メチルシロキシ) シリ ルプロ ピルメタ ク リ レー ト 4 0重 量部、 2 — ヒ ドロキシェチルメ 夕ク リ レー ト 1 0重量部、 エチレ ン グリ コ一ルジメタク リ レー ト 3重量部、 アクアヒ ドロキシ ( 1 ーフ ェニルー 1, 3 —ブタ ンジォナ ト) ネオジム 2重量部、 アクア ヒ ド ロキシ ( 1 一フエ二ルー 1 , 3 —ブタ ンジォナ ト) エルビウム 2重 量部、 重合開始剤と してアブビス ( 2 , 4 —ジメチルバレロニ ト リ ル) 0 . 2重量部を良く混合し、 この混合物をガラス製封管に入れ. 内部を窒素置換しながら脱気を繰り返し、 真空下で溶封した。 温水 中で、 この封管を 3 0でで 1 0時間、 4 0でで 5時間、 6 0でで 3
時間、 7 0 °Cで 3時間加熱した後に、 さ らに熱風循環式加熱炉中で 1 0 0 °Cで 2時間加熱し丸棒を得た。 得られた丸棒を切削加工して コ ンタ ク ト レ ンズを作製した。 このコ ンタ ク ト レ ンズの光透過率を 測定したところ、 波長 5 2 0 n m及び波長 5 8 0 n mでの光透過率 が 7 0 %と低く、 さ らに 4 0 0 n m以下の紫外線を遮断すると共に しかも他の波長域の光透過率は 8 5 %以上であった。
また、 溶出試験の結果、 アクアヒ ドロキシ ( 1 —フヱニル— 1 , 3 —ブタ ンジォナ ト) ネオジムならびにアクアヒ ドロキシ ( 1 ーフ ェニル— 1 , 3 —ブタ ンジォナ ト) エルビウムの溶出は認められな かった。
(実施例 1 4 )
上記式 ( 1 1 ) で示される 2官能ウ レタ ンァク リ レー ト
2 0重量部 ジペン夕エリ スリ トールへキサァク リ レー ト 3 0重量部 次式 ( 2 2 ) で示されるエチレンォキサイ ド変性コハク酸ァク リ レー ト 5重量部
2 — ヒ ドロキシプロ ピルメ タク リ レー ト 2 0重量部 イ ソボルニルァク リ レー ト 3 0重量部
2 — ヒ ドロキシー 2 —メチルー 1 一フエニルプロ ノ ン一 1 一オン
2重量部 からなるハ一 ドコー ト液にアクア ヒ ドロキシ ( 1 —フエニル一 1 , 3 —ブタ ンジォナ ト) ネオジム 1 0重量部を添加し混合溶解した。 このハー ドコー ト液を表面を脱脂洗浄した 2 0 0 m m X 2 0 0 m m x 2 m mの透明なポリ メ タ ク リ ル酸メチル板に塗布した後、 8 0 W
/ c mの高圧水銀灯を用いて 3 0秒照射したところ、 鉛筆硬度で 8 Hのハ ー ドコー ト膜が得られた。
この複合体は、 波長 5 8 O n mの光透過率が 6 0 %と低く、 さら に 4 0 0 n m以下の紫外線を遮断し、 しかも他の波長域の光透過率 は 8 5 %以上であった。
従って、 得られた複合体は特定の波長の光のみを選択的に遮断若 しく は低減するものの他の可視光の光量を落とさず、 且つ紫外線の 遮断がなされたものであった。
C H 3
I C H 2 = C C 0 0 C 2 H 4〇 C 0 C 2 H 4 C〇〇 H 〜 (22)
(実施例 1 5 )
メチルメタク リ レー ト 1 0 0重量部に 5重量部のァクァヒ ドロキ シ (フエナシルフエ二ルケ トナ ト) ネオジムと 5重量部のアクアヒ ドロキシ (フヱナシルフエ二ルケ トナ ト) エルビウムとを溶解し、 さらに重合開始剤として過酸化べンゾィルを 2重量部を添加し混合 した。 この混合液を封管用耐圧容器に入れ真空ライ ンに接続して ド ライアイスーメタノール浴で冷却しながら充分窒素置換を行った後. 真空下で封管し 8 5 °Cで塊状重合を行った。 この生成物を射出成形 機を用いてディ スプレイフィルタ一形状に成形した。 この成形物は グレー色の透明体であり、 5 2 0 n mと 5 8 0 n mに吸収が認めら れた。 また、 両波長における光透過率は各々 2 0 %であった。 さら に、 4 0 0 n m以下の紫外線をも遮断するものであった。 この成形物をディ スプレイフィルタ一として用いたところ、 画面 上の眩しさが解消され、 画面が喑く なること無く コン トラス トが向
上した。 さ らに、 長時間ディ スプレイを見続けていても眼の疲れを 感じなかった。
同様の方法で光学機器用レ ンズ及びフ ィ ルター, 照明機器用カバ —を作製したところ、 同様の効果を得るこ とができた。
(実施例 1 6 )
ポリ メチルメタク リ レー ト 1 0 0重量部に対して 5重量部のァク ァヒ ドロキン ( 1 一フエ二ルー 1 , 3 —ブタ ンジォナ ト) ネオジム と 5重量部のアクアヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ルー 1 , 3 —ブタ ンジ ォナ ト) エルビウムを射出成形機内で混合し、 ディ スプレイフ ィ ル 夕一形状に成形した。 この成形物はグレー色の透明体であり、 5 2 0 n mと 5 8 0 n mに吸収が認められた。 また、 両波長における光 透過率は各々 2 0 %であった。 さ らに、 4 0 0 n m以下の紫外線を も遮断する ものであった。
この成形物をディ スプレイフィ ルタ一として用いたところ、 画面 上の眩しさが解消され、 画面が喑く なるこ と無く コ ン トラス トが向 上した。 さ らに、 長時間ディ スプレイを見続けていても眼の疲れを 感じなかった。
同様の方法で光学機器用レンズ及びフィ ルター, 照明機器用カバ 一を作成したところ、 同様の効果を得るこ とができた。
(実施例 1 7 )
ポリ メチルメ タク リ レー ト 1 0 0重量部を 2 0 0でで溶融させ、 1 0重量部のアクアヒ ドロキシ ( 1 ーチォフエ二ルー 1 , 3 —ブ夕 ンジォナ ト) エルビウムを添加し均一に混合した。 該混合物を室温
に戻した後フ レーク状に粉砕した。 これを射出成形機を用いてディ スプレイフィ ルター形状に成形した。 この成形物は、 透明で僅かに 桃色を呈しており、 5 2 0 n mでの光透過率が 5 %であり、 さ らに 4 0 0 n m以下の紫外線を遮断し、 しかも他の波長域は約 8 5 %の 透過率であった。
この成形物をディ スプレイフ ィ ルタ一として用いたところ、 画面 上の眩しさが解消され、 画面が暗く なるこ と無く コ ン トラス トが向 上した。 さ らに、 長時間ディ スプレイを見続けていても眼の疲れを 感じなかった。
同様の方法で光学機器用レ ンズ及びフ ィ ルター, 照明機器用カバ 一を作成したところ、 同様の効果を得るこ とができた。
[比較例] (比較例 1 )
酸化ネオジム、 炭酸ネオジム、 塩化ネオジム、 硝酸ネオジム、 硫 酸ネオジム、 硫化ネオジム、 蓚酸ネオジム、 酢酸ネオジム、 メ 夕 ク リ ル酸ネオジムは、 スチレン、 ジビニルベンゼン、 メ タ ク リ ル酸フ ェニル、 テ トラ ヒ ドロフゾレフ リゾレメ タク リ レー ト、 メタク リ ル酸メ チル、 メ 夕ク リ ル酸ベンジル、 ジァ リ ルフタ レー ト、 ジエチレ ング リ コ一ルビスァ リ ルカーボネー ト、 〇一クロルスチレ ン、 などのモ ノマーに溶解しなかった。
(比較例 2 )
下記の方法で製造した ト リ スベンゾィルァセ トナ トネオジム 4 g
を、 トルエン 1 0 0 gに溶解し、 蛍光灯照射下での経時変化を調べ た。 その結果、 初期に青紫色であった溶液が経時とともに緑色とな り、 2週間経過後には黄色となつて黄色の沈澱物が生成した。
ト リスベンブイルァセ トナ トネオジムの製造方法を以下に示す。 2 . 4 3 gのベンゾィルアセ ト ンを 5 %の了ンモニァ水溶液に溶解 し、 該ベンゾィルァセ トン一アンモニア水溶液を酢酸ネオジム一水 和物 1 . 7 0 gを 5 0 mlの水に溶解させた酢酸ネオジム水溶液中に 加えて青紫色の ト リスべンゾィルァセ トナ トネオジムの結晶を得た, (比較例 3 )
実施例 1で用いた光重合組成物を 2枚のガラス製型とプラスチッ ク製ガスケッ 卜からなる注入成形型に注入し、 この成形型の両面か ら 2 K Wの高 E水銀灯を用いて照度 4 0 0 m W / c m 2 の紫外線を 3分間連続照射して厚さ 2隨の透明性の高い板状の重合体を得た。 この板状重合体を 6 0 °Cかつ湿度 9 0 の高温多湿の環境下に 1週 間放置した結果、 吸水率が 1 . 0 %であつた。 これは、 アクアヒ ド ロキシ ( 1 一フヱニルー 1, 3 —ブタンジォナ ト) ネオジムを添加 した実施例 1 のレンズと同じ値であった。 なお、 この板状重合体の 表面に反射防止膜をつけたものを上記の高温多湿の環境下に 1週間 放置したところ蒸着膜にクラッ クの発生は見られなかった。
(比較例 4 )
酢酸ネオジム 3重量部をメタク リル酸 2 0重量部に溶解し、 これ を実施例 1 の光重合性組成物 8 0重量部に溶解混合した。 この混合 液を 2枚のガラス製型とプラスチッ ク製ガスケッ 卜からなる注入成
形型に注入し、 この成形型の両面から 2 K Wの高圧水銀灯を用いて 照度 4 0 0 m W / c m 2 の紫外線を 3分間連続照射して厚さ 2 mmの 青紫色の透明性の高い板状の重合体を得た。 この得られた板状重合 体は、 波長 5 8 0 n mでの光透過率が 3 0 %と低く、 しかも他の波 長域の透過率が 9 0 %以上と優れたものであつたが、 4 0 0 n m以 下の紫外線は遮断されておらず、 さ らにこの板状重合体を 6 0でか つ湿度 9 0 %の高温多湿の環境下に 1 週間放置したときの吸水率は 5 . 0 %という高い値であった。 この板状重合体の表面に反射防止 膜として無機蒸着膜を付けたものを上記の高温多湿の環境下に 1週 間放置したところ蒸着膜にクラ ッ クが発生した。
(比較例 5 )
実施例 2で用いたアクアヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ルー 1 , 3 —ブ タ ンジォナ ト) ネオジムの代わりに酢酸ネオジム 2重量部をメ夕ク リル酸 1 5重量部に混合し加熱溶解したものを、 スチレン 3 0 . 6 重量部、 2, 2 —ビス ( 4 —メタクロィルォキシエ トキシー 3 , 5 一ジブロモフエニル) プロノ、'ン 5 1 重量部、 ジエチレングリ コール ビスァリルカーボネー ト 3 . 4重量部、 及び t 一ブチルペルォキシ ネオデカノエ一 ト 1 重量部を混合撹拌した後、 フィルターでろ過し た。 ろ液を 2枚のガラスモールドとエチレン—酢酸ビニル共重合体 からなるガスケッ 卜で構成された鐯型の中へ注入した。 その後、 実 施例 2 と同様に重合した。 重合後に成形型より レンズを脱型した。 さらに、 得られたレンズを 1 0 0 °Cで 2時間のァニール処理を行つ た。
この得られたレ ンズの分光特性は光透過率が 5 8 0 n mで 4 0 %
と低く、 しかも他の波長域の光透過率は 8 5 %以上であった。 ただ し、 4 0 0 n m以下の紫外線は遮断されていなかつた。 得られたレ ンズを実施例 2 と同時に 6 0 °Cかつ湿度 9 0 %の高温多湿の環境に 1週間放置した。 その結果、 吸水率は 3. 0 %で、 実施例 2の 3倍 であり、 マイナス強度のレンズは中心部にカーブ状の歪が発生した, また、 このレンズ表面に反射防止膜として無機蒸着膜を付けたもの を上記の高温多湿の環境下に 1週間放置したところ蒸着膜にクラッ クの発生が見られた。 (実施例 1 8 )
スチレン 3 6重量部、 2 , 2 — ビス ( 4 —メタクロィルォキシェ トキシ— 3 , 5 —ジブロモフエニル) プロノくン 6 0重量部、 ジェチ レ ングリ コールビスァ リルカーボネー ト 4重量部、 合成例 2のにァ クァヒ ドロキシ ( 1 —フエ二ルー 1 , 3 —ブタンジォナ ト) ネオジ ム 2 p h mを混合攪拌した後に、 開始剤である t 一ブチルペルォキ シネオデカノエー ト 1 p hmを添加して、 さらに攪拌してからフィ ルターで濾過した。 濾液を間隙が 2 mm, 3 mm, 4 mm, 5 mm, 1 0 mmとなるように 2枚の硝子製平板とェチレンー酢酸ビニル共 重合体からなるガスケッ トで構成された铸型の中へ注入した。
次いで、 これを 3 0 °Cで 4時間、 3 0 °Cから 5 0 °Cまでは直線的 に 1 0時間かけて昇温し、 さらに 5 0でから 8 0 °Cまで直線的に 2 時間かけて昇温した後、 8 0 で 1 時間保持してから 7 0 °Cまで 2 時間かけて降温した。
次いで、 ガスケッ トを取り除き、 さ らに得られた成形物と硝子製 平板を分離した。 得られた成形物は、 1 0 0 °Cで 2時間のァニール
処理を施した。
同様にして、 アクアヒ ドロキシ ( 1 一フエニル一 1 , 3 —ブタ ン ジォナ ト) ネオジムの添加量を 5 p h mと して厚みが 2 mm, 3 m m , 4 mm, 5 m mであるフラ ッ ト形状の成形物を得た。 また、 同 様に、 アクア ヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ルー 1 , 3 —ブタ ンジォナ ト) ネオジムの添加量を 1 0 p h mと して厚みが 1 mm, 2 mm, 3 m mであるフラ ッ ト形状の成形物を得た。
得られた成形物は何れも透明性の高いものであった。
得られた成形物の厚さ とネオジム原子の特性吸収波長である 5 8 0 n mにおける吸光度を第 7図に示した。
この結果は、 成形物の厚みを薄く したい場合、 例えば、 レ ンズの 中心厚を薄く したい場合において二配位錯体の配合量を増すこ とで、 十分な目的効果 (防眩効果, 眼の疲労防止効果) が得られるこ とを 示している。
(実施例 1 9 )
下記式 ( a ) で示される 2, 2 ' 一 ( p—キシレ ン— ひ, a ' - ジチォ) ジェチルジメタ ク リ レー ト と下記式 ( b ) で示される 2一
[ 4 一 ( 2 — ヒ ドロキシェチルチオメチレン) ベンジルチオ] ェチ ルメ タク リ レー トの混合物を 4 5重量部、 ベンジルメ タク リ レー ト を 1 0重量部、 メチルメ タ ク リ レー トを 1 0重量部、 ィ ソボルニル メ タク リ レー トを 1 0重量部、 テ トラエチレングリ コールジメ タ ク リ レー トを 2 5重量部からなる混合物に、 ラジカル重合調整剤と し て 2 , 4 —ジフエニル— 4 一メチル— 1 —ペンテン (日本油脂 (株) 製ノ フマー MS D) を 2 0 0 0 0 p p m、 光安定剤と してヒ
ンダ一 ドア ミ ン系光安定剤 L A 6 3 P (旭電化 (株) 製) を 2 0 0 O p p m、 酸化防止剤と して ト リ スイ ソデシルホスフ ァイ ト (旭電 化 (株) 製 M A R K 3 0 1 0 ) を 2 0 0 0 p p mを添加し混合撹拌 した。
この混合液に合成例のアクアヒ ドロキシ ( 1 —フヱニルー 1 , 3 一ブタンジォナ ト) ネオジムを 5 p h mとアクアヒ ドロキシ ( 1 一 フエニル— 1 , 3 —ブタンジォナ ト) エルビウムを 5 p h m添加し. さらにラジカル重合開始剤として t —プチルベルォキシネオデカノ エー ト 0. 2 p h mと t 一ブチルペルォキシイソブチレー ト 0. 6 p h mを添加し混合撹拌した。
得られた混合液をろ過し、 ろ液を中心の厚みが 2 mmとなるよう に 2枚の硝子製型とェチレ ン一酢酸ビニル共重合体からなるガスケ ッ 卜で構成された注型成形型中へ注入した。
次に 3 0でで 1 0時間加熱し、 3 0でから 4 0でまで 3時間で、 4 0 °Cから 4 5 °Cまで直線的に 2時間で、 4 5 °Cから 5 5 °Cまで 1 時間で、 5 5 °Cから 7 0 °Cまで 1 時間で、 7 0 °Cから 1 0 0 °Cまで 2時間で昇温し、 1 0 0 °Cで 2時間保持した後、 1 0 0 °Cから 7 0 °Cまで 2時間で降温した。
次いで、 ガスケッ トと硝子製型とから構成された注型成形型から ガスケッ トを取り除き、 さらに硝子型と樹脂製成形物を分離した。 得られた樹脂製成形物は、 1 0 0 °Cで 2時間のァニール処理を施し た。
この得られたレンズの屈折率は 1 . 5 5であり、 分光特性は光透 過率が波長 5 2 0 n m、 5 8 O n mでいずれも 1 8 %と低く、 さら に 4 0 0 n m以下の紫外線を遮断し、 しかも他の波長域の光透過率
は 8 5 %以上であった。 従って、 得られたレンズは特定の波長の光 のみを選択的に遮断若しく は低減するものの他の可視光の光量を落 とさずに明所視、 喑所視のいずれにおいても優れた防眩性能を有し. 且つ有害な紫外線の遮断もなされたものであった。 また、 このレン ズの色調は、 太陽光のもとでは無彩色のグレーを呈し、 蛍光灯のも とでは薄い緑色を呈し、 白熱灯のもとでは薄い桃色を呈した。
さらに、 このレンズは 6 0 °C且つ湿度 9 0 %の高温多湿の環境下 に 1 週間放置した時の吸水率が 1 . 0 %であり、 かなり良好であつ た。 このレンズ表面に反射防止膜として無機蒸着膜を付けたものを 上記の高温多湿の環境下に 1週間放置したが蒸着膜にクラ ッ クの発 生は見られなかった。 また、 5 2 0 n m及び 5 8 0 n m以外の波長 域の光透過率は 9 9 %であった。
なお、 このレンズを通して、 C R Tディスプレイの画面上の文字 や静止画、 動画を見たところ、 画面上の眩しさが解消され、 画面が 暗く なることなく コン トラス トが向上した。
2, 2' 一 (ρ—キシレン一 a' ージチォ) ジェチルジメタクリレー卜
CHa
CHZ =C一 C一 OCH2 CH2 SCH2-( O CH2SCH2CH20-C-C = CH2
II II
0 0
(a)
2— 〔4一 (2—ヒドロキシェチルチオメチレン) ベンジノレチォ〕 ェチルメタクリレート
CH2 =C-C-OCH2 CH2 SCH2<〇>~CH2SCH2CH2OH
II
0
0
メチルメタクリレ一ト
CH∑ =C-COCH3
II
0
l o 6
イソボルニルメタクリレート
テ卜ラエチレングリコールジメ夕クリレート
CH3
C-C-0 (OCH2CH2)40-C-C = CH2
II II
0 0
2, 4—ジフエ二ルー 4—メチルー 1一ペンテン
CH3 =C-CH2 -C = CH2
〇
(実施例 2 0 ) 上記式 ( a ) で示される 2 , 2 ' — ( p—キシレ ン一ひ, a ' ジチォ) ジェチルジメタ ク リ レー ト と上記式 ( b ) で示される 2
[ 4 一 ( 2 — ヒ ドロキシェチルチオメチ レ ン) ベン ジルチオ] ェチ ルメタ ク リ レー トの混合物を 4 5重量部、 ベンジルメ タ ク リ レー ト を 1 0重量部、 ィ ソボルニルメ タ ク リ レー トを 2 0重量部、 テ トラ エチレングリ コールジメタク リ レー トを 2 5重量部からなる混合物 に、 ラジカル重合調整剤と して 2 , 4 —ジフエニル一 4 ー メチル一 1 —ペンテン (日本油脂 (株) 製ノ フマ一 M S D) を 2 0 0 0 0 p P m、 光安定剤としてヒ ンダ一 ドア ミ ン系光安定剤 L A 6 3 P (旭 電化 (株) 製) を 2 0 0 0 p p m、 酸化防止剤と して ト リ スィ ソデ シルホスフ アイ ト (旭 化 (株) 製 MA R K 3 0 1 0 ) を 2 0 0 0 p p mを添加し混合撹拌した。
この混合液に合成例 1 のアクア ヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ルー 1 , 3 —ブタ ンジォナ ト) ネオジムを 3 p h mとアクアヒ ドロキシ ( 1 一フ エニル— 1 , 3 —ブタンジォナ ト) エルビウムを 3 p h m添加 し、 さ らにラジカル重合開始剤と して t 一ブチルペルォキシネオデ カノエー ト 0. 2 p h mと t —ブチルペルォキシイ ソプチレー ト 0. 6 p h mを添加し混合撹拌した。 得られた混合液をろ過し、 ろ 液を中心の厚みが 2 mmとなるように 2枚の硝子製型とェチレ ン一 酢酸ビニル共重合体からなるガスケッ トで構成された铸型の中へ注 入した。 次に 3 0でで 1 0時間加熱し、 3 0でから 4 0 °Cまで 3時 間で、 4 0 °Cから 4 5 °Cまで直接的に 2時間で、 4 5 °Cから 5 5 °C まで 1 時間で、 5 5でから 7 0 °Cまで 1 時間で、 7 0 から 1 0 0 てまで 2時間で昇温し、 1 0 0 °Cで 2時間保持した後、 1 0 0 °Cか ら 7 0 °Cまで 2時間で降温した。
次いで、 ガスケッ ト と硝子製型とから構成された注型成形型から ガスケッ トを取り除き、 さ らに硝子型と樹脂製成形物を分離した。
得られた樹脂製成形物は、 1 0 0 °Cで 2時間のァニール処理を施し た。
この得られたレンズの屈折率は 1 . 5 5であり、 分光特性は光透 過率が波長 5 2 0 n m、 5 8 0 n mでいずれも 3 6 %と低く、 さら に 4 0 0 n m以下の紫外線を遮断し、 しかも他の波長域の光透過率 は 8 5 %以上であった。 従って、 得られたレンズは特定の波長の光 のみを選択的に遮断若しく は低減するものの他の可視光の光量を落 とさずに明所視、 喑所視のいずれかにおいても優れた防眩性能を有 し、 且つ有害な紫外線の遮断もなされたものであった。 また、 この レ ンズの色調は、 太陽光のもとでは無彩色のグレーを呈し、 蛍光灯 のもとでは薄い緑色を呈し、 白熱灯のもとでは薄い桃色を呈した。
さらに、 このレンズは 6 0 °C且つ湿度 9 0 %の高温多湿の環境下 に 1週間放置した時の吸水率が 1 . 0 %であり、 かなり良好であつ た。 このレンズ表面に反射防止膜として無機蒸着膜を付けたものを 上記の高温多湿の環境下に 1週間放置したが蒸着膜にクラッ クの発 生は全く見られなかった。 また、 5 2 0 11 111及び 5 8 0 1 111以外の 波長域の光透過率は 9 9 %であった。
なお、 このレンズを通して、 C R Tディ スプレイの画面上の文字 や静止画、 動画を見たところ、 画面上の眩しさが解消され、 画面が 暗くなることなく コン トラス トが向上した。
(実施例 2 1 )
上記実施例 2 0で調製した混合液を、 老視用眼鏡レンズである累 進多重焦点レンズ用ガラス製型 (セイコープラ ッ クス ]! G X P— 1 S ) とエチレン—酢酸ビニル共重合体からなるガスケッ トで構成
された注型成形型の中へ注入した。 以下、 「実施例 2 0 」 と同様の 条件で操作し、 樹脂製累進多重焦点レ ンズを得た。 さ らに得られた レ ンズを 2時間のァニール処理を行った後、 このレ ンズ表面に反射 防止膜と して無機蒸着膜を施した。
上記のレンズを眼鏡フ レームに装着し携帯試験を行なつた。 該試 験は 「実施例 5」 と同様の方法で行なった。 ただし、 比較としては、 アクアヒ ドロキシ ( 1 一フヱニルー 1 , 3 —ブタ ンジォナ ト) ネオ ジムとアクアヒ ドロキシ ( 1 一フエ二ルー 1 , 3 —ブタ ンジォナ ト) エルビウムとを除いた他は、 「実施例 2 0 」 と同一の組成のレ ンズ に、 本実施例のレンズと同じ色調 (グレー) に染色し、 反射防止膜 を施したものを用いた。 以下に結果を下記 「表 1 0 」 に示す。
[表 1 0 ]
(実施例 2 2 )
下記式 (a)で示される分子中に ト リ ァジン骨格と
メ タク リ ル基を有するイ ソシァ ヌ レー ト誘導体 7 0重量部 メ タ ク リ ル酸べンジル 3 0重量部
t 一ブチルペレォキシネオデカノエ— ト 0. 5 p h m からなる組成物にアクアヒ ドロキシ ( 1 一フエニル— 1 , 3 —ブ夕 ンジォナ ト) ネオジム 5重量部を添加し、 混合溶解した後、 フィ ル 夕一でろ過した。 得られたろ液を 2枚のガラス型とエチレン—酢酸 ビニル共重合体からなるガスケッ トで中心の厚みが 2 m mとなるよ うに構成された铸型の中へ注入した。
次に、 3 0 °Cで 5時間加熱し、 3 0 °Cから 8 0 °Cまで 1 0時間か けて昇温し、 8 0 °Cで 2時間保持した後、 8 0 °Cから 7 0 °Cまで 2 時間で降温してから成形物を成形型より脱型した。 得られた成形物 は、 さらに 1 0 0 °Cで 2時間のァニール処理を施した。
得られた成形物の分光特性は、 光透過率が 5 8 0 n mで 2 0 %と 低く、 さ らに 4 0 0 n m以下の紫外線を遮断し、 しかも他の波長域 の光透過率は 8 5 %以上であった。
C H2
下記式 (b)で示されるポリエステルメタク レー ト 6 0重量部 " (c)で示されるエチレングリ コール
ジメタク リ レー ト 2 0重量部 メタク リル酸べンジル 1 0重量部 t 一ブチルペルォキシネオデカノエー ト 0. 5 ρ h n からなる組成物にアクアヒ ドロキシ ( 1 —フエニル一 1 , 3 —ブ夕 ンジォナ ト) ネオジム 5重量部を添加し、 混合溶解した後、 フィル ターでろ過した。
得られたろ液を 2枚のガラス型とェチレンー酢酸ビニル共重合体 からなるガスケッ トで中心の厚みが 2 m mとなるように構成された 铸型に注入した。
次に、 3 0 °Cで 5時間加熱し、 3 0 °Cから 8 0 °Cまで 1 0時間か けて昇温し、 8. 0 °Cで 2時間保持した後、 8 0 °Cから 7 0 °Cまで 2 時間で降温してから成形物を成形型より脱型した。 得られた成形物 は、 さらに 1 0 0 °Cで 2時間のァニール処理を行なった。
得られた成形物の分光特性は光透過率が 5 8 0 n mで 2 0 %と低 く、 さらに 4 0 0 n m以下の紫外線を遮断し、 しかも他の波長域の 光透過率は、 8 5 %以上であった。
CH3 0 0 0 0 CH3
I II II ,ヽ II II I
CH2 -C一 CC CH2 CH2 0-C O C-0)-F CH2CH20-C-C = CH2
(n=l〜6)
(b)
CH3 CH3
CH2 =C一 CCH0CH2 CH2-HS 0-C0-C = CH2
(m=l〜8)
(c)
(実施例 2 4 )
実施例 1 8で得られたフラ ッ ト形状の成形物を、 眼鏡フレームに 装着し、 VD T作業に従事している無作為に抽出した男性 5 0名, 女性 5 0名に各試料を無作為で装用させ、 5 0 0 0字のワープロ入 力作業 (VD T作業) を行った際の疲労度を、 各自の自覚症状をも とに 5段階で評価した。
結果を第 8図, 第 9図に示す。 なお、 評価のための設問は、 以下の様に設定した。
5点 : 非常に眼の疲れを感じた (例えば、 眼が痛い、 かすむな どの症状があつた)
4点 : 3 と 5の中間
3点 : 眼の疲れを感じた
2点 : 1 と 3の中間
1 点 : ほとんど眼の疲れを感じなかつた
0点 : 眼の疲れをまったく感じなかった。 産業上の利用可能性
本発明の透明プラスチッ ク材料は、 眼鏡レ ンズ、 コ ンタク ト レン ズ、 眼内レンズ、 サングラス、 ディ スプレイ用フィ ルターカバー、 照明機器用カバ一、 自動車用 ミ ラーのほか、 カメ ラ等の光学機器用 レンズ及びフィ ルタ一として有用であり、 さ らに、 眼鏡レンズや光 学機器用レンズのハー ドコー ト と しても有用である。