WO1993019977A1 - Gear shifter for bicycle - Google Patents

Description

明 細 書

【発明の名称】

自転車用変速操作装置

【技術分野】

本願発明は自転車用変速操作装置に関する。 詳しくは、 段階係止機構の無用な 係合音の発生を防止し、 確実な変速操作を行うことのできる自転車用変速操作装 置に関する。

【背景技術】

たとえば、 後変速機は、 ガイドプーリとテンションプーリとを支持するチェン ガイドを、 パンタグラフリンク機構等の制御機構を介して多段フリ一ホイールの 軸方向に移動させるように構成されている。 チェンは、 テンションプーリおよび ガイドプーリを掛け回された後、 フリーホイールに掛かって行くので、 上記チェ ンガイドを移動させてガイドプーリをフリーホイールの軸方向に移動させると、 チェンはガイドプーリの直上にあるスプロケットに掛け換わる。 上記リャディレ ーラは、 操作ケーブルを介して連結された変速操作レバーを回動操作することに よって作動する。

上記変速操作レバ一は、 通常、 ケーブル巻取り溝をもったボス状基部と、 この ボス状基部からその半径方向外方に延びる指掛けアーム部とをもち、 フレームに 対して上記ボス状基部の中心において回動可能に支持される。 上記アーム部を押 動してボス状基部を回動させると、 操作ケーブルが巻取り溝に巻取られ、 または 繰り出されるので、 指掛けアーム部の回動量に応じた軸方向動がケーブルに対し て与えられる。 この操作ケ一ブルの軸方向移動量に応じて上記パンタグラフリン ク機構などの制御機構が変形させられるので、 リャディレ一ラのチェンガイドが、 変速操作レバーの回動量に応じたフリーホイールの軸方向の位置に誘導される。 上記変速操作レバーの操作にともなって、 チェンガイドは連続的に移動させら れるが、 このチェンガイドを、 各スプロケットに対する最適位置、 すなわち、 各 スプロケットの直下の位置に誘導するように変速操作レバ一を操作するのには、 きわめて高度な技術を有する。 たとえば、 チェンガイドを相隣合うスプロケット の中間位置に位置させた場合には、 ガイドプーリからフリーホイールに向かうチ ェンが傾斜し、 チェンがガイドプレート等に接触して不快なギヤ鳴りが発生する。 したがって、 乗者は、 ギヤ鳴りの発生具合やこれに伴うチェンの振動が消失する ように変速操作レバ一を微調整し、 チェンガイドを所望のスプロケットに対して 最適な位置に誘導しなければならない。

このような変速操作レバ一の操作性を改善するため、 操作レバーを、 各変速段 位と対応する回動位置に段階係止する、 クリック機構等の段階係止機構を組み込 んだ変速操作装置が提供されている。 これによると、 節度感をもって係止される 変逮操作レバ一の回動位置では、 必ずチェンガイドあるいはガイドプーリが所定 のスブロケットに対する最適位置、 すなわち、 そのスプロケットの直下位置に誘 導される。 このため、 誰にでも簡単に、 正確迅速な変速操作を行うことが可能と なる。

さらに、 変速性を向上させるため、 レ、わゆるオーバシフト機構を設けることが める。

上記オーバシフト機構は、変速操作を行う際に、 チェンガイドを多めに移動さ せてチェンを所定のスプロケットの直下の位置を越えて撓ませ、 このチェンをそ れまで掛かっていたスプロケットと隣合う所望の大径スプロケットに迅速に引つ 掛け、 かつ、 チェンが所望のスプロケットに嚙合した後は、 チェンの斜行による チェン鳴り等を防ぐためチェンガイドをやや戻すというものである。 上記オーバ —シフト機構により、 小径スプロケットから大径スプロケットへの変速性が大幅 に向上させられる。

たとえば、 レバー軸等の固定側に保持される係合体と、 変速操作レバーと共回 りするように設けられ、 かつ変速操作レバーの回動にともない上記係合体が順次 係合する複数の係合凹部を有するクリックプレートとからなるクリック機構にお いては、 クリックプレ一トとレバー本体との間にレバー軸周りに一定の遊びを設 けたり、 上記係合体をレバ一軸周りに一定の遊びをもつて誘導しうるように保持 することにより、上記オーバシフト機構を構成している。

上記クリック機構におレヽては、 係合体が係合凹部に係入するときに、 係合音が 発生する。 したがって、 上記クリック機構は、 変速操作レバ一を所定の回動角度 位置に節度感をもつて段階的に係止するのみではなく、 上記係合音の発生によつ て変速操作が行われたことを乗者に認識させるという機能も有する。

ところが、 上記オーバシフト機構を設けたクリック機構においては、 変速操作 レバ一をクリック音が発生した位置、 すなわち、 上記係合体と上言己係合凹部とが 係合した位置からさらに所定量回動させなければならない。 一方、 乗者は上記係 合音が発生することにより、 変速操作が完了したと思い込み、 変速操作レバ一の 回動操作を上記係合音が発せられたときに止めてしまうことが多い。 このため、 上記オーバシフト機能が十分発揮されず、 変速操作性を十分に向上させることが できなかった。 .

特に、 前変速機は、 スプロケットの回転速度が後変速機の場合に比べて遅く、 オーバシフト機能を発揮させるためには、 上記変速操作レバーをオーバシフト位 置にかなりの時間保持しなければならない。 このため、 前変速機においては、 上 記オーバシフト機構を十分に活用することが困難であった。

また、 上記クリック機構の係合音が大き過ぎたり、 音質が悪いと、 変速操作装 置に高級感をもたすことが困難になるばかりでなく、 変速操作によつて乗者に不 快感を与えることも考えられる。

【発明の開示】

したがって、 本願発明の目的は、 段階係止機構における無用な係合音の発生を 防止しあるいは係合音の大きさ、 音質等を調節することによって、 乗者に確実か つ快適な変速操作を行わせることのできる自転車用変速操作装置を提供すること である。

本願発明は、 自転車フレーム適部に回動可能に支持される変速操作体と、 上記 変速操作体を所定の回動位置で段階係止する段階係止機構とを備え、 上記変速操 作体を回動操作することにより変速操作ケーブルを牽弓 Iしあるいは繰り出すよう に構成された自転車用変速操作装置であつて、

上記段階係止機構は、 複数の係合凹部を有する係止体と、 上記変速操作体の回 動操作にともなって上記係合凹部に順次弾性的に係合させられる係合体とを備え、 上記係止体の所定の係合凹部に、 上記係合体がこの係合凹部に係合するときの 係合音の発生を防止しあるいは抑制する緩衝部材を設けている。

本願発明のその他の目的、 特徴および利点は、 添付図面を参照して説明する後 記の好まし 、実施例から明確となろう。

[図面の簡単な説明】

図 1は、 本願発明に係る第一の実施例の変速操作装置を採用した変速機構の全 体構成を示す図である。

図 2は、 図 1に示す変速操作装置の平面図である。

図 3は、 図 2の変速操作装置の軸線に沿う断面図である。

図 4は、 図 3における IV-IV線に沿う断面図である。

図 5は、 第一の実施例の変速操作装置の要部を示す一部断面図である。

図 6は、 第一の実施例の変速操作装置の作用を説明するための図である。

図 7は、 図 4における VII -VII線に沿う断面図である。

図 8は、 段階係止機構を説明するための作用説明図である。

図 9は、 段階係止機構を説明するための作用説明図である。

図 1 0は、 本願発明に係る第二の実施例の要部を示す分解斜視図である。

図 1 1は、 本願発明に係る第二の実施例の要部を示す断面図である。

【発明を実施するための最良の形態】

以下、 本願発明に係る実施例を図に基づいて具体的に説明する。

図 1に示すように、 自転車は後変速機 1 aおよび前変速機 1 bを備えており、 ¾ &のブレーキレバ一装置 2 a, 2 bからノヽンドルバー 3の左右握持部 4 a, 4 bにかけて設けられる変速操作装置 6 a, 6 bに本願発明が適用されている。 なお、 以下の説明は、 前変速機 l bを作動させる右側の変速操作装置⁶ bの例 について行う。 ただし、 後変速機 1 aを作動させる左側の変速操作装置 6 aにつ いてもほぼ同様の構成が採られる。

本実施例に係る上記ブレーキレバ一装置 2 bは、 図 2および図 3に示すように、 ハンドルバー 3の前面から車体前方に向けて突出するように設けられたブレ一キ ブラケット 8と、 上記ブレーキブラケット 8に設けたレバー軸 1 2に基端部が回 動可能に連結され、 上記握持部 4 bの前方に延出させられたブレーキレバ一 1 3 とを備える。 インナケーブル w lとこれに套揷されるァウタケーブル w 2とから なるブレーキケーブル Wは、 そのァゥ夕ケーブル w2が、 上記ブレーキブラケッ ト 8の車幅方向内端部に螺合されたァウタ受けボルト 8 aに止着される一方、 ィ ンナケーブル w 1がブレーキブラケット 8の内部空間に導入され、 その端部に設 けたニップル 1 3 aが上記ブレーキレバー 1 3の基端部に止着されている。

上記ブレーキレバ一装置 2 bおよび変速操作装置 6 bを取付けるハンドルバ一 3の外周には、 後に説明する筒状操作体 1 4を回動可能に支持する円筒状の樹脂 製スリーブ体 1 7が套嵌されている。 一方、 上記ブレーキブラケット 8の基端部 には、 周壁の一部を切り欠いて内外周を貫通させたスリット 9を備える円筒状取 付け部 1 0が設けられている。 そして、 この円筒状取付け部 1 ひを、 上記樹脂製 スリーブ体 1 7の外周部に套嵌するとともに、 上記スリット 9を横切って螺合さ れる取付けねじ 1 1によって上記円筒状取付け部 1 0の内径を強制的に縮径させ、 上記樹脂製スリーブ体 1 7と共締め状に上記ブレーキブラケット 8がハンドルバ 3に対して取付けられる。

本実施例に係る変速操作装置 6 bは、 図 2および図 3に示すように、 ブレーキ ブラケット 8から上記握持部 4 bの外周部にかけて、 上記ブレーキレバ一装置 2 bと一体的に形成されている。

本実施例に係る変速操作装置 6 bは、 上記ハンドルバー 3の右側握持部 4 bの 軸方向内側部外周に回動可能に套嵌される筒状操作体 1 4と、 上記筒状操作体 1 4の軸方向内側において上記ブレーキブラケット 8の円筒状取付け部 1 0の内周 部に設けられる段階係止機構 1 5と、 上記ブレーキブラケット 8の基端部上面に 設けた支軸 2 3に回転可能に支持されるケーブル巻取りリール 1 6とを備えて大 略構成される。

上記筒状操作体 1 4は上記ハンドルバー 3の握持部 4 bに套嵌される円筒状の スリーブ体 1 7の外周に回動可能に套嵌支持されており、 乗者が握持して回動操 作する握持操作部 1 8と、 この握持操作部' 1 8の車幅方向内側に一体形成され、 上記ケーブル巻取りリール 1 6に対して駆動ケーブル Kを牽引しあるいは繰り出 す駆動リール部 1 9と、 上記係止機構 1 5に連結されてこれを作動させる連結部 2 0とを備えて大略構成されている。 上記握持操作部 1 8の外周には、 乗者が握 持しやすいようにゴム製の外套体 2 1が套嵌されており、 上記ノヽンドルグリップ 5とその外周がほぼ連続するように形成されている。

上記連結部 2 0は、 図 7に示すように、 筒状操作体 1 4の内端部に凹凸状の係 合歯 2 0 aを形成して構成されている。 筒状操作体 1 4の上記連結部 2 0が上記 係止機構の連結部 3 6に相対回転不可能に係合することにより、 上記段階係止機 構 1 5が上記筒状操作体 1 4の回動操作に連動して作動させられる。

図 2は、 本実施例に係る変速操作装置 1の平面図であり、 図 3は、 上記変速操 作装置 1の中心軸に沿う断面図である。

本実施例においては、 変速操作ケーブル Tは、 インナケーブル t 1とこれに套 挿されるァゥタケ一ブル t 2とから構成されており、 上記ァウタケーブル t 2が ブレーキブラケット 8の基端部内側に螺合された止着ポルト 2 2に止着されると ともに、 インナケーブル t 1は、 上記ブレーキブラケット 8の基端部上面に設け られたケーブル巻取りリ一ル 1 6に掛け回されている。

上記ケーブル巻取りリール 1 6は、 図 4および図 5に示すように、 略円維台形 状をしており、上記ブレーキブラケット 8の上面に形成された支軸 2 3に回転可 能に支持されている。 なお、 図 4において符号 8 aを付した部材は、 上記ケープ ル巻取りリ一ルを覆うカバーである。

上記ケーブル巻取りリール 1 6の外周部には、 上記変速操作ケーブル Tのイン ナケーブル t 1を掛け回す第一のリール部 2 4と、 上記筒状操作体 1 4の駆動リ ' ール部 1 9から延出する駆動ケーブル Kを掛け回す第二のリール部 2 5とが設け られてレゝる。

上記第一のリ一ル部 2 は、 上記ケーブル巻取りリ一ル 1 6の縮径側に設けら れており、 上記円錐台形の斜面を周方向に切り欠いて形成したケーブル巻取り溝 2 4 aと、 上記ケーブル巻取り溝 2 4 aの接線方向に連続形成されたニップル係 止孔 2 7とを備える。 そして、 変速操作ケーブル Tのインナケ一ブル t 1が、 上 記ケーブル巻取り溝 2 4 aに掛け回されるとともに、 その端部に設けたニップル 2 6が上記二ップル係止孔 2 7に揷入止着されている。

上記第二のリ一ル部 2 5は、 上記ケーブル巻取りリール 1 6のブレーキブラケ ット 8の上面に沿う拡径側に設けられており、 ほぼ上記ケーブル巻取りリール 1 6の最大外径に沿うようにしてケーブル巻取り溝 2 5 aが形成されている。 上記 ケーブル巻取溝 2 5 aの端部は半径方向内方へ向かって湾曲させられており、 こ のケーブル巻取り溝 2 5 aの端部に連続するように、 ニップル係止孔 3 0が形成 されている。

第二のリール部 2 5のケーブル巻取り溝 2 5 aに掛け回される上記駆動ケープ ル Kの端部に設けたニップル 2 9 a力 ニップル係止孔 3 0に係入されることに より、 駆動ケーブル Kの一端が上記ケーブル巻取りリール 1 6に対して連結され ている。

上記変速操作ケーブル Tは、 上記ハンドルバ一 3に沿うようにして配索される とともに、 インナケーブル t 1力^ 上記止着ボルト 2 2から上記ハンドルバ一に 略平行な方向に延出させられて、 上記第一のリール部 2 4に掛け回される。 一方、 上記駆動リール ま、 上記筒状操作体 1 4の駆動リール部 1 9からハンドルバー 3と直交する方向に延出させられ、 上記ケーブル巻取りリール 1 6の第二のリ一 ル部 2 5に掛け回されている。

上記変速操作ケーブル Tと上記駆動ケーブル Kとは、 互いに略直角方向に牽引 し、 あるいは繰り出されるように構成されているため、 駆動ケーブル Kをハンド ルバ一 3に套嵌される筒状操作体 1 4の外周方向へ巻取って牽引することにより、 上記変速操作ケーブル t 1をハンドルバー 3に沿った方向に牽引することができ 。

また、 上記第二のリール部 2 5に掛け回される駆動ケーブル Kの先端部に設け られた二ップル 2 9 bは、 上記筒状操作体 1 4の駆動リール部 1 9のリ一ル巻取 り溝 1 9 aに沿って設けられたニップル係止孔 3 1に収容されることにより、 駆 動ケーブル Kの他端が上記筒状操作体 1 4に対して止着されている。

図 4および図 5に示すように、 本実施例においては、 筒状操作体 1 4をその上 面が後方 （矢印 P方向） へ移動するように回動操作すると、 上記駆動ケーブル K が、 上記筒状操作体の駆動リール部 1 9に巻取られて牽引される。 これによつて、 上記ケーブル巻取りリール 1 6が図 5において時計回り方向に回動させられ、 こ のケーブル巻取りリ一ル 1 6の回動によって上記変速操作ケーブル Tのィンナケ —ブル t 1が牽引される。

一方、 上記筒状操作体 1 4をその上面が前方 （矢印 Q方向） へ移動するように 回動操作すると、 上記駆動ケーブル Kが上記駆動リール部 1 9カヽら繰り出される。 そして、 変速機側の図示しないリターンバネによって与えられるインナケーブル t 1の張力によって上記ケーブル巻取りリール 1 6が反時計回り方向へ回動させ られるとともに、 上記ケーブル巻取りリール 1 6の第一のリール部 2 4からイン ナケ一ブル t 1が操り出される。

このインナケーブル t 1の牽引あるいは緩り出し操作によって、 変速操作ケー ブルのインナケーブル t 1とァウタケーブル t 2に軸方向の相対動が与えられ、 前変速機 1 bが作動させられる。

本実施例においては、 上述したように、 上記ケーブル巻取りリール 1 6に、 変 速操作ケーブル Tのィンナケ一ブル t 1を掛け回す第一のリ一ル部 2 4と、 上記 駆動ケーブル Kを掛け回す第二のリール部 2 5とを設け、 図 6に模式的に示すよ うに、 上記第一のリール部 2 4のケーブル巻取り半径 D ! を、 上記第二のリール 1 2 5のケーブル巻取り半径 D ₂ より小さく設定している。

したがって、 図 6に示すように、 第二のリール部 2 5に掛け回される駆動ケー ブフレ Kの牽引力を増幅させて第一のリーノレ部 2 4に掛け回される変速操作ケープ ル t Iを牽引することができる。

このため、 変速操作に必要な、 上記筒状操作体 1 4の回動操作力が大幅に低減 させられ、 変速操作性が格段に向上する。

し力、も、 上記第一のリール部 2 4のケーブル巻取り半径 を、 上記第二のリ ール部 2 5のケーブル巻取り半径 D₂ より小さく設定しているため、 上記駆動リ —ル部 1 9に巻き取られる駆動ケ一ブル Kの長さに対して、 上記第一のリール部

2 4に巻き取られる変速操作ケ一ブル t 1の長さが短くなる。

したがって、 上記筒状操作体 1 4の回動操作量に対して、 上記インナケ一ブル t 1の牽引量を小さく設定できる。 このため、 変速段数が多い場合においても、 隣り合う変速段位に上記筒状操作体 1 4を回動操作するための回動角度を大きく 設定することが可能となる。

上記筒状操作体 1 4の車幅方向内側における上記円筒状取付け部 1 0の内周部 には、 上記筒状操作体 1 4の回動を段階的に係止する段階係止機構 1 5が設けら れている。 本実施例に係る上記段階係止機構 1 5として、 いわゆるクリック機構

3 2が探用されている。

上記クリック機構 3 2は、上記筒状操作体 1 4の軸方向内側において上記筒状 操作体 1 4と一体的に回動させられる係止体としてのクリックリング 3 3と、 上 記クリックリング 3 3の外周部に弾性当接させられる係合体 3 4と、 上記係合体 3 4を弾力付勢するコイルパネ 3 5とを備えて大略構成されている。

上記クリックリング 3 3は、 図 7および図 8に示すように、 略円筒状をしてお り、 上記円筒状取付け部 1 0の内周部において上記スリーブ体 1 7に回動可能に 套嵌されている。

上記クリックリング 3 3の軸方向外端部には、 上記筒状操作体 1 4の内端部に 形成された連結部 2 0に連結される連結部 3 6が形成されている。 図 7に示すよ うに、 上記連結部 3 6に形成された複数の係合歯 3 6 aが上記連結部 2 0に形成 された複数の係合歯 2 0 aと嚙み合うことにより、 上記クリックリング 3 3と上 記筒状操作体 1 4とが一体的に回動するように構成されている。

上記クリックリング 3 3の外周部には、 図 7および図 8に示すように、 軸方向 に平行に延びる複数の係合凹部 3 7 a , 3 7 b…が形成されており、 上記係合体 3 4の爪部 3 8が、 上記係合凹部 3 7 a , 3 7 b…に弾性的に順次係入すること により、 上記筒状操作体 1 4が、 所定の回動位置で段階的に係止されるように構 成されている。 なお、 本実施例に係る上記クリックリング 3 3は、 三枚のスプロ ケットを有する前ギヤに対応するように形成されている。

本実施例に係るクリックリング 3 3は、 3枚のスプロケットをもつ前ギヤに対 応するように構成されており、 大径スプロケットに対応する係合凹部 3 7 d , 3 7 e， 3 7 f、 中間径スプロケットに対応する係合凹部 3 7 b、 および小径スプ ロケットに対応する係合凹部 3 7 aを備えて構成されている。 なお、 大径スプロ ケットに対応する三箇所の係合凹部を連続して形成したのは、 変速操作ケーブル がのびてインデックス調節が狂った場合等に、 乗者が筒状操作体 1 4を微量回動 させて容易に調整を行うことができるようするためである。

上記係合体 3 4は、 図 7に示すように、 上記ブレーキブラケット 8の基端部に 設けた収容孔 3 9に上記コイルパネ 3 5とともに収容きれている。

上記収容孔 3 9は、 上記ブレーキブラケット 8の円筒状取付け部 1 0の内周に 連通する開口 4 0を有し、 この開口 4 0から上記係合体 3 4の爪部 3 8を円筒状 取付け部 1 0の内側に突出させて、 上記クリックリング 3 3の外周部に当接させ るように構成している。

上記筒状操 ί乍体 1 4を回動操作することにより上記クリックリング 3 3を回動 させると、 上記係合体 3 4の爪部 3 8が上記クリックリング 3 3の上記係合凹部 3 7 a, 3 7 b…に順次係合し、 上記クリックリング 3 3ないし上記筒状操作体 1 4が、 上記ノヽンドルパー 3に対して所定の回動位置において段階係止される。 本実施例に係る上記クリック機構 3 2においては、 係合凹部 3 7 a , 3 7 b - を形成したクリックリング 3 3を上記筒状操作体 1 4と別途に形成するとともに、 このクリックリング 3 3を上記筒状操作体 1 4の内側部に回動可能に套嵌して上 記筒状操作体 1 4と一体的に回動させるように構成している。

したがって、 上記筒状操作体 1 4が回動操作にともなって歪んだとしても、 上 記クリックリング 3 3に上記筒状操作体 1 4の歪みが及ぶといったことはない。 このため、 上記クリックリング 3 3の係合凹部 3 7 a , 3 7 b…が変形するとい つたこともなく、 確実な係止機能を発揮させることができる。 この結果、 上記筒 状操作体を所定の回動位置に確実に係止して保持することができ、 変速操作に支 障が生じることはなくなる。

さらに、 本実施例においては、 チェンガイドを中間ギヤの直下に位置させる上 記クリックリング 3 3の所定の回動位置において、 上記係合体 3 4が係合する係 合凹部 3 7 bの底部に、 ゴムで形成された緩衝部材 4 2を設けている。

上記緩衝部材 4 2は、 上記クリックリング 3 3の係合凹部 3 7 bの底部に軸方 向に形成した取付け溝 4 3に埋め込み状に取付けられており、 その一部が係合凹 部 3 7 bの底部から露出するように設けられている。

また、 上記緩衝部材 4 2は、 図 9に示すように、 上記係合凹部 3 7 bの中央よ り右側に偏位させられて設けられている。

さらに、 本実施例においては、 上記クリックリング 3 3の中間径スプロケット に対応する上記係合凹部 3 7 bに隣接して、 チェンガイドをオーバシフト位置に 保持しうる係合凹部 3 7 cが設けられている。 上記係合凹部 3 7 cは、 上記緩衝 部材 4 2が偏位して設けられる側と、 反対側に設けられている。

以下、本願発明に係るクリック機構 3 2の作用を、 図 9に基づいて詳細に説明 する。 なお、 図 9に いては、 クリックリング 3 3が静止しており、 係合体 3 4 が移動するように描かれているが、 実際には、 係合体 3 4が静止しており、 クリ ックリング 3 3が回動させられる。

係合体 3 4が、 実線で描かれた位置から X方向に移動する場合、 すなわち、 チ ェンが小径スプロケットから中間径スプロケットに掛け換えられる場合を考える。 上記係合体 3 4の爪部 3 8は、 クリックリング 3 3の外周部を相対摺動させら れ、 係合凹部 3 7 bに係入する。 上記係合凹部 3 7 bの底部には、 ゴム製の緩衝 部材 4 2が、 係合凹部 3 7の中央から右側に偏位させて設けられている。 このた め、 上記係合凹部 3 7 bに係入する爪部 3 8は、 上記緩衝部材 4 2の露出部分 4 5に乗りかかるようにして上記係合凹部 3 7に係入する。 したがって、 上記爪部 3 8が、 図 9における矢印 X方向に相対摺動して上記係合凹部 3 7 bに係入する 場合、 上記爪部 3 8がクリックリング 3 3の底面に直接当接することはない。 し たがって、 この場合、 上記爪部 3 8が上記係合凹部 3 7 bに係入する際の係合音 は発生しないかあるいは非常に小さくなる。

図 8および図 9に示すように、 上記係合凹部 3 7 bの左側には、 これに隣接し て上記クリックリング 3 3をオーバシフト位置に保持するための係合凹部 3 7 c が設けられている。 したがって、 上記筒状操作体をさらに回動させて上記爪部 3 8を上記係合凹部 3 7 cに係入させると、 係合音が発生する。 これにより、 乗者 に筒状操作体 1 4を変速操作位置まで回動させたことを認識させるとともに、 上 記筒状操作体をオーバシフト位置に係止することができる。

これにより、 このオーバシフト位置で、 チェンが小径スプロケットから中間径 スプロケットにスムーズに掛け換えられ、 変速が円滑に行われる。 また、 上記ォ —バシフトに起因して、 チェンがチェンガイドに接触してチェン鳴りが発生した 場合には、 乗者は、 筒状操作体を戻し回動させ、 係合体 3 4を正規の係合凹部 3 7 bに係合させればよい。

上記クリックリング 3 3を上記オーバシフト位置から戻し回動させると、 上記 係合体 3 4の爪部 3 8は、 図 9に示すように、 クリックリング 3 3に対して Y方 向に相対移動させられ、 上記係合凹部 3 7 cから上記係合凹部 3 7 bに再び係合 させられることになる。

上記係合凹部 3 7 bは、 上記爪部 3 8の幅よりその周方向幅が大きく設定され てるとともに、 上記緩衝部材 4 2が、 中央からオーバシフト位置に対応する係合 凹部 3 7 cと反対側に偏位させて設けられている。 したがって、 上記爪部 3 8が 上記係合凹部 3 7 c側から上記係合凹部 3 7 bに係入させられると、 上記爪部 3 8が上記係合凹部 3 7 bの緩衝部材 4 2を設けていない部分 4 4に当接すること になり、 このとき係合音が発生させられる。 したがって、 乗者は、 正規の掛け換 え位置に筒状操作体を位置させたことを認識することができる。 このため、 上記 筒状操作体 1 4の戻し回動を確実に行うことができる。

さらに、 本実施例においては、 図 8および図 9に示すように、 上記オーバシフ ト位置に対応する係合凹部 3 7 cの左側の斜面をなだらかなテ一パ状に形成して レ、る。 このため、 大径スプロケットに対応する係合凹部 3 7 dから上記係合凹部 3 7 cに爪部 3 8が係合するとき、 すなわち、 係合体 3 4が図 9における Y方向 に移動して上記係合凹部 3 7 cに係合するときには係合音は発生しない。

上記構成においては、 チェンを小径スプロケットから中間径スプロケットへ掛 け換える際には、 乗者は、 上記係合凹部 3 7 bと係合体 3 4とが係合する筒状操 作体 1 4の所定の回動位置を越えて、 さらに変速操作体 1 4を回動操作しょうと し、 あるいは、 変逮操作体 1 4に加える力をそのまま保持しょうとする。 したが つて、 チェンガイドを大径スプロケットの直下の位置を越える位置、 すなわち、 オーバシフト位置まで確実に移動させて保持させることができる。

一方、 大径スプロケットから中間径スプロケットにチェンを掛け換える際には、 チェンガイドを中間径スプロケットの直下の位置に確実に導き、 このときに係合 音を発生させることができる。

上述したように、 本願発明に係るクリック機構 3 2によって、 無用な係合音の 発生を防止しあるいは抑制することができるとともに、 筒状操作体 1 4の所定の 変速段位に対応する回動位置におレヽて確実に係合音を発生させることができる。 したがって、 変速操作が完了したと誤解させるような係合音は発生せず、 乗者が 上記係合音に惑わされて変速操作を中断することを防止できるとともに、 確実な 変速操作を行うことが可能となる。

図 1 0および図 1 1に本願発明に係る第二の実施例を示す。

この実施例は、 自転車フレーム適部に突設されるレバー軸に、 半径方向外方に のびるアーム部を備えたレバー本体を回動可能に套嵌して構成される従来の変速 操作装置に本願発明を適用したものである。

この実施例においては、 係合体として鋼球 3 4 a力、 '採用されるとともに、 係止 体として中心孔を有する円板状のクリックプレ一ト 3 3 aが採用されている。 本実施例に係るクリックプレ一ト 3 3 aは、 周方向に所定間隔で配置された係 合孔 5 0 a , 5 O b……を有する係合プレート 5 0と、 上記係合プレート 5 0に 対して上記鐧球 3 4 aと反対側に添着されるべ一スプレート 5 2と、 上記係合プ レート 5 0と上記べ一スプレート 5 2との間に介装されるゴムプレート 5 1とを 備えて構成されている。 上記ゴムプレート 5 1は、 上記ベースプレート 5 2によ つてバックアップされた状態で、 上記鋼球 3 4 aが係合する各係合凹部 5 3の底 部を構成している。

上記係合プレート 5 0および上記べ一スプレート 5 2の外周部には、 レバー本 体の図示しないボス部基部の内周部に係合させられる耳片 5 4 a , 5 4 bがー体 的に形成されており、 クリックプレ一ト全体がレバー本体と共回りさせられる。 一方、 上記鋼球 3 4 aは、 レバー軸に対して相対回転不可能に嵌合される係合体 保持プレート 5 5の保持孔 5 5 aに遊動可能に保持されるとともに、 弾力付与機 構 5 6によって上記クリックプレート 3 3 aに弾性当接するように構成されてい る。

レバー本体を回動操作すると、 上記鋼球 3 4 aが、 上記係合孔 5 0 a , 5 0 b ……と上記ベースプレート 5 2とから構成される係合凹部 5 3に順次弾性的に係 合し、 レバー本体が所定の回動位置に段階係止される。

本実施例においては、 図 1 1に示すように、 係合孔 5 0 a , 5 O b……と上記 ベースプレート 5 2によって各係合凹部 5 3が形成されるとともに、 この係合凹 部 5 3の底部全面にゴムプレート 5 1が配置される。 このため、 上記係合凹部 5 3に係合する鋼球 3 4 aがべ一スプレート 5 2の表面に直接衝突することはなく、 変速操作にともなう上記鋼球 3 4 aとクリックプレート 3 3 aの係合音の発生を 防止しあるいは係合音の大きさを低減することができる。 したがって、 上記第一 の実施例と同様の効果を発揮させることができる。

なお、 実施例においては、 すべての係合凹部 5 3の底部に緩衝部材としてのゴ ムプレート 5 1を配置するように構成したが、 上記ゴムブレート 5 1の一部を切 欠くことにより、 所定の係合凹部の底部にゴムプレート 5 2を配置して係合音の 発生を選択的に防止することもできる。

本願発明の範囲は上述の実施例に限定されることはない。

実施例においては、 本願発明を、 前変速機を操作する右 IJの操作装置 6 bに適 用したが、 後変速機 1 aを操作する左側の変速操作装置 6 aに適用することもで る。

また、 上記段階係止機構 1 5における段数も実施例に限定されることはなく、 二段あるいは、 四段以上のスブロケットを備える多段ギヤに対応することもでき る。

また、 実施例においては、 ゴム性の緩衝部材を設けたが、 樹脂製の緩衝部材を 探用することにより、 係合音の大きさあるいは音質を調節することもできる。 さらに、 第一の実施例においては、 中間径スプロケットに対応する筒状操作体 の回動位置においてオーバシフト機能を発揮させるように構成したが、 中間径ス プロケットから大径スプロケットに掛け換える場合にもォ一バシフト機能を発揮 させるように構成することもできる。 .

Claims

請求の範囲

(1) 自転車フレーム適部に回動可能に支持される変速操作体と、 上記変速操 作体を所定の回動位置で段階係止する段階係止機構とを備え、 上記変速操作体を 回動操作することにより変速操作ケーブルを牽引しあるいは繰り出すように構成 された自転車用変速操作装置であつて、

上記段階係止機構は、 複数の係合凹部を有する係止体と、 上記変速操作体の回 動操作にともなつて上記係合凹部に順次弾性的に係合させられる係合体とを備え、 上記係止体の所定の係合凹部に、 上記係合体がこの係合凹部に係合するときの 係合音の発生を防止しあるいは抑制する緩衝部材を設けた、 自転車用変速操作装

(2) 上記係合凹部の一部または全部に緩衝部材を設けた、 請求項 1の自転車 用変速操作装置。

(3) 上記緩衝部材は、 上記係合体が一方向から上記係合凹部に係合するとき の係合音の発生を防止しあるいは抑制するように偏位させて設けられている、 請 求項 1の自転車用変速操作装置。

(4) 変速操作ケーブルを牽引操作してチェンを小径スプロケットから中間径 スプロケットへ掛け換える場合において、 変速操作体の中間径スプロケットに対 応する上記変速操作体の正規の回動操作位置において係合音の発生を防止すると ともに、 上記正規の回動操作位置を越える位置に設定されたオーバシフト位置に おいて係合音を発生させる一方、

変速操作ケーブルを繰り出してチェンを大径スプロケットから中間径スプロケ ットに掛け換える場合において、 上記オーバシフト位置における係合音の発生を 防止するとともに、 上記変速操作体の正規の回動操作位置おいて係合音を発生さ せるように構成した、 請求項 3の自転車用変速操作装置。

(5) 上記変速操作体は筒状をしており、 ハンドルバーの外周部に回動可能に 套嵌支持される一方、

段階係止機構における上記係止体はリング状をしており、 ハンドルバーの外周 部に回動可能に套嵌支持されるとともに上記変速操作体と一体的に回動させられ る、 請求項 1の自転車用変速操作装置。

(6) 上記変速操作体は、 自転車フレーム適部に突設されるレバー軸に回動可 能に套嵌支持されるボス状基部と、 このボス状基部の外周部から半径方向外方に のびるアーム部とを備える一方、

上記係止体は、 上記レバ一軸に套嵌される軸孔を備える円板状をしている、 請 求項 1の自転車用変速操作装置。