明細書
5— 0—デソサミニルェリスロノライ ド誘導体 技術分野
本発明は抗生物質エリス口マイシンの新規な誘導体に関するものであ り、 更に詳しくは、 5— 0—デソサミニルエリスロノライ ドの新規誘導 体およびその医薬上許容される酸付加塩に関する。 背景技術
エリスロマイシンはグラム陽性菌、 ある種のグラム陰性菌、 マイコプ ラズマ等により生ずる感染症の治療剤として臨床上広く用いられている 抗生物質であり、 エリスロマイシンの多くの誘導体が、 その生物学的お よび または薬効学的特性を改良するために製造されてきた。 5—0— デソサミニルエリスロノライ ド誘導体としては、 たとえば、 3— 0—ァ シル— 5— 0—デソサミニルエリスロノライ ド誘導体が米国特許 3 , 9 2 3 , 7 8 4号公報に記載されている。 しかしながら、 5— 0—デソサ ミニルエリスロノライ ド誘導体は一般に抗菌活性が劣るものとされ、 上 記誘導体の抗菌活性も極めて弱かった。 本発明の目的は、 強い抗菌力を 有する新たな抗生物質を提供することである。 発明の開示
本発明者らは、 5— 0—デソサミニルエリスロノライド誘導体の抗菌 力について種々検討した結果、 5— 0 デソサミニルエリスロノライ ド 誘導体の 3位に力ルバモイル基を導入した化合物が意外にも極めて強い 抗菌活性を有することを見出し、 本発明を完成した。
本発明は式
[式中、 R1および R 2はそれぞれ水素原子、 フヱニル基、 「ハロゲン原 子、ニトロ基またはアミノ基」 の中から選ばれる 1〜5個で置換された フェニル基、 C1〜C15のアルキル基、 「窒素原子、 酸素原子または 硫黄原子」を含む C2〜C15のアルキル基ヽ C7〜C15のァラルキ ル基または 「窒素原子、酸素原子または硫黄原子」 を含む C 7〜C 15 のァラルキル基を示すか、 または R 1と R 2は隣接する窒素原子と一緒に 環を形成する基を示し、
Zは酸素原子または式 =N— 0— R3 (式中、 R3は水素原子、 C 1 〜C 8のアルキル基、 「窒素原子、酸素原子または硫黄原子」 を含んだ C2〜C18のアルキル基、ベンジル基または 「ハロゲン原子または C 1〜 C 4のァルキル基」から選ばれる 1〜 5個で置換されたベンジル 基) で表される基を示し、
Vは水酸基を示し、 Wは水素原子または水酸基を示すか、 または Vと W は 11, 12位の炭素原子とともに式
で表される基、 または式
Rは水素原子、 C 2〜C I 5のアルコキシカルボニル基、 アルキル部分 に酸素原子を含む C 2〜C I 5アルコキシカルボニル基、 C 2〜(: I 5 のァシル基、 酸素原子を含む C 2〜C l 5のァシル基またはピリジルカ ルポ二ル基を示す。 ] で表される 5— 0—デソサ二ミルエリスロノライ ド誘導体およびその医薬上許容される酸付加塩である。
本発明においてハロゲン原子とはフッ素、 塩素、 臭素およびヨウ素原 子である。 アルキル基とは直鎖状または分枝鎖状のものを意味する。
「窒素原子、 酸素原子または硫黄原子」 を含む C 2〜C l 5のアルキル 基とは、 たとえばアミノエチル基、'ジメチルアミノエチル基、 ベンジル アミノエチル基、 N—ベンジルー N—メチルアミノエチル基、 ジベンジ ルアミノエチル基、 2 , 3 —ジヒ ドロキシプロピル基、 3—ァミノプロ ビル基、 2 —ヒ ドロキシー 3—ァミノプロビル基などを挙げることがで きる。 C 7〜C I 5のァラルキル基とは、 たとえばベンジル基、 フエネ チル基、 ジフエニルメチル基などを挙げることができる。 「窒素原子、 酸素原子または硫黄原子」 を含む C 7〜C I 5のァラルキル基とは、 二 トロべンジル基、 メ トキシベンジル基、 メチルチオべンジル基、 ァミノ ベンジル基、 ジメチルァミノベンジル基などを挙げることができる。 C 2〜C I 5のアルコキシカルボニル基とは、 アルコキシ基で置換され たカルボ二ル基を意味し、 たとえばメ 卜キシカルボニル基、 ベンジルォ キシカルボニル基などを挙げることができる。 アルキル部分に酸素原子
キシカルボニル基などを挙げることができる。 アルキル部分に酸素原子 を含む C 2〜C 1 5のアルコシキカルボニル基とは、 たとえばメ トキシ カルボニル基, 2—メ トキシェトキシカルボニル基、 2— [ 2 - ( 2 - メ トキシェ卜キシ) エトキシ] エトキシカルボニル基、 ベンジルォキシ カルボニル基、 2— [ 2— ( 2—エトキシエトキシ) エトキシ] ェ卜キ シカルボニル基などを挙げることができる。 C 2〜C 1 5のァシル基と は、 ァセチル基、 プロピオニル基、 ベンゾィル基などを挙げることがで きる。 酸素原子を含む C 2〜C 1 5のァシル基とは、 たとえばアルコキ シカルボニル基で置換されたァシル基を意味し、 たとえばェチルサクシ ニル基などを挙げることができる。 医薬上許容される酸化付加塩として は、 たとえば酢酸塩、 プロピオン酸塩、 酪酸塩、 ギ酸塩、 トリフルォロ 酢酸塩、 マレイン酸塩、 酒石酸塩、 クェン酸塩、 ステアリン酸塩、 コハ ク酸塩、 ェチルコハク酸塩、 ラクトビオン酸塩、 グルコン酸塩、 ダルコ ヘプ卜ン酸塩、 安息香酸塩、 メタンスルホン酸塩、 エタンスルホン酸塩、 2—ヒドロキシエタンスルホン酸塩、 ベンゼンスルホン酸塩、 パラトル エンスルホン酸塩、 ラウリル硫酸塩、 リンゴ酸塩、 ァスパラギン酸塩、 グルタミン酸塩、 アジピン酸塩、 システィ ン塩、 塩酸塩、 臭化水素酸塩、 リン酸塩、 硫酸塩、 ヨウ化水素酸塩、 ニコチン酸塩、 シユウ酸塩、 ピク リン酸塩、 チォシアン酸塩、 ゥンデカン酸塩、 アクリル酸ポリマー塩、 カルボキシビニルポリマ一塩などを挙げることができる。
本発明の化合物は、 3位の配位が天然型 (3 S体) と非天然型 (3 R 体) の両方を含む。
本発明の化合物は、 たとえば次のようにして製造することができる。
[製造方法 1 ] 5— 0—デソサミ二ルー 6— 0—メチルェリス口ノラ ィド Aを出 ¾原料とする方法。
工程 (1 ) ; 5— 0—デソサミニルー 6— 0—メチルエリスロノライ
ド Aを不活性溶媒中、 式 R 2 0 (式中、 Rは前記と同じである。 た だし、 水素原子を除く。 ) で表される酸無水物または式 R— X (式 '中、 Rは前記と同じであり (ただし、 水素原子を除く。 ) 、 Xは任意の ハロゲン原子を示す。 ) で表されるハロゲン化物と塩基を 0 °C〜3 0 °C で反応させ、 式 (a )
(a)
(式中、 Rは前記と同じである。 ) で表される化合物を得ることができ る。 ここで適当な不活性溶媒としては、 ジクロルメタン、 ジクロルエタ ン、 アセトン、 ピリジン、 酢酸ェチル、 テトラヒ ドロフランなどが用い られる。 酸無水物またはハロゲン化物としては、 酢酸、 プロビオン酸、 安息香酸、 ビリジンカルボン酸の無水物およびハライ ド、 また、
2 - [ 2— (2—メ トキシエトキシ) エトキシ〕 ェチルクロロホルメー トなどの炭酸エステルハラィ ドが用いられる。 塩基としては、 炭酸水素 ナトリウム、 炭酸ナトリウム、 炭酸カリウム、 トリエチルァミ ン、 ピリ ジン、 トリブチルァミンなどが用いられる。
工程 (2 ) ;工程 (1 ) で得た化合物を不活性溶媒中、 0 eC〜8 0 °C で 1 , 一カルボ二ルジィミダゾールと反応させた後、 式
P JP9
(式中 R R2 は前記と同じである。 ) で表されるアミンを加え、 0°C〜30°Cで反応させて式 (b)
(式中、 Rは前記と同じである。 ) で表される本発明の化合物を製造す ることができる。 また、 適当なイソシァネートと塩基を用いても式 (b) の化合物を得ることができる。
工程 (3) ;工程 (2) で得た化合物を低級アルコール中、 室温〜 100°Cで反応させることにより、 式 (c)
で表される本 明の化合物を製造することができる。 ここで低級アルコ —ルとしては、 メタノール、 エタノール、 プロビルアルコール、 ブチル アルコールなどが用いられる。
工程 (4) ;工程 (2) で得た化合物を、 氷冷下、 適当な不活性溶媒 中、 ホスゲンダイマ一あるいはホスゲントリマーなどの試薬とピリジン
などの塩基を用い式 (d)
(式中、 Rは前記と同じである。 ) で表される化合物を得ることができ る。 ここで適当な不活性溶媒とは、 工程 (1) で用いられるものと同じ である。
工程 (5) ;工程 (1) で得た化合物を工程 (4) と同様に反応させ た後、 同一反応容器内に、 式
R1
HNヽ
R2
(式中、 R R2は前記と同じである。 ) で表されるアミンを加え、 0。C〜室温で反応させることによつても式 (d) の化合物を製造するこ とができる。 続いて、 この化合物 (d) を工程 (3) と同様の方法で反 応させて、 式 (e)
で表される本究明の化合物を製造することができる。
[製造方法 2] 6— 0—メチルエリスロマイシン A 9—ォキシムを 出究原料とする方法。
工程 (6) ; 6— 0—メチルエリスロマイシン A 9—ォキシムを低 級アルコール中、 0°C〜30°Cで酸と反応させて式 (f)
で表される化合物を得る。 ここで、 低級アルコールとは、 工程 (3) で 用いるものと同じである。 また、 酸としては、 塩酸、 臭化水素酸、 硫酸 などが用いられる。
工程 (7) ;工程 (6) で得た化合物を不活性溶媒中、 式 R3D (式 中 R3は前記と同様であり、 Dは任意のハロゲン原子を示す。 ) で表さ れる試薬と塩基を 0°C〜3 (TCで反応させ、 式 (g)
(式中、 R3は前記と同じである。 ) で表される化合物を得る。 続いて、 工程 (1) 、 (2) 、 (3) と同様に反応させることにより式 (h)
(式中、 R3は前記と同じである。 ) で表される本発明の化合物を製造 することができる。 ここで不活性溶媒としては、 ジメチルホルムアミ ド、 N—メチルピロリ ドン、 テトラヒ ドロフラン、 ァセトニトリルまたはそ れらの混合溶媒などが用いられる。 塩基としては、 水素化ナトリウム、 水酸化力リゥム、 ナトリウムビス一卜リメチルシリルァミ ドなどが用い られる。
工程 (8) ;式 (g) の化合物を工程 (1) 、 (2) と同様に反応さ せた後、 工程 (4) と同様に反応させて 11, 12—サイクリックカー ボネート化し、 工程 (3) と同様に反応させることにより、 式 ( i )
(i)
OCNヽ
II R2
〇
(式中、 R3は前記と同じである。 ) で表される本発明の化合物を製造 することができる。
工程 (9) ;工程 (6) で得た化合物を工程 (1) と同様に反応させ て、 2' 位および 9位のォキシムの水酸基を保護した後、工程 (2) 、
(3) の順で反応させることにより式 (j)
で表される本発明の化合物を製造することができる。
工程 (10) ;工程 (6) で得た化合物を工程 (1) と同様に反応さ せて、 2' 位および 9位のォキシムの水酸基を保護した後、工程 (2)、 (4) 、 C3) の順で反応させることにより式(k)
(k)
〇CN
R2 で表される本発明の化合物を製造することができる。
本発明の化合物は経口または非経口的に投与することができる。 その 投与剤型は錠剤、 カプセル剤、 粉剤、 トローチ剤、 軟膏、 懸濁液、 坐剤、 注射剤などであり、 それらは慣用の製剤技術によつて製造することがで る。 産業上の利用可能性
本発明の化合物は、 エリス口マイシン感受性菌および耐性菌に対し強 い抗菌活性を有する。 従って本発明の化合物はヒ トおよび動物 (農園動 物を含む) における細菌感染症の治療のための抗菌剤として有用である。 発明を実施するための最良の形態
次に、 実施例にて本発明をさらに詳細に説明する。 実施例 1
3— 0— ( 2 , 3, 4 , 5 , 6 —ベン夕フルオロフェニル) アミノカ ルボニルー 5— 0—デソサミ二ルー 6'— 0—メチルェリスロノライ ド A 1 1 , 1 2—サイクリックカーボネー卜の製造
( 1 ) 5— 0—デソサミニルー 6— 0—メチルエリスロノライ ド A
無水酢酸 2. 27m 1 (0. 024モル) を加え、 室温で 6時間攪拌し た。 減圧下、 アセトンを留去し、 残渣をジクロルメタンで抽出した。 ジ クロルメタン層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、 ついで飽和食塩水で順 次洗浄し、 無水硫酸マグネシウム上で乾燥後、 減圧下、 溶媒留去した。 残渣をェ一テル一 n—へキサンから再結晶することにより、 白色粉末の 2' 一 0—ァセチルー 5— 0—デソサミ二ルー 6— 0—メチルェリス口 ノライド A12. 17 gを得た。
mp ; 158〜160。C
Ma s s (FAB) / z ; 632 [MH] +
^-NMR (20 OMH z, CDC ") 6 (p pm) ; 2. 07 (3H, s) , 2. 26 (6H, s) , 2. 95 (3H, s) , 3. 2 6 (1H, s) F 3. 96 (1H, s)
I R (KB r, cm""1) ; 3469, 1750, 1733, 1693 (2) 上記 (1) で得た化合物 1. 90 g (3. 0 ミ リモル) をジ クロルメタン 25m 1に溶解し、 水冷下、 ピリジン 3. 63m l (45 ミ リモル) とトリクロロメチルクロ口ホルメート 0. 90m l (7. 5 ミ リモル) を加え、 3時間攪拌した。 2, 3, 4, 5, 6—ペンタフル ォロア二リン 2. 75 (15ミリモル) を加え、 室温で: I 5時間攪拌 した。 水片と炭酸水素ナトリウム 0. 5 gを加えた後、 醉酸ェチルで抽 出した。 シリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出溶媒;へキサン: アセトン: トリエチルァミン =10 : 6 : 0. 2) で精製し、 2' — 0 一ァセチルー 3— 0— (2, 3, 4, 5, 6—ペンタフルオロフェニル) ァミノカルボ二ルー 5— 0—デソサミ二ルー 6— 0—メチルェリスロノ ライド A 11, 12—サイクリックカーボネート 1. 29 gを得た。
' (3) 上記 (2) で得た化合物 45 Omg (0. 52ミ リモル) を メタノール 3 Om 1に溶解し、 24時間攪拌した後溶媒を留去すること により標題化合物 3.75 m gを得た。
mp ; 227〜229°C (メタノールより結晶化)
Ma s s (FAB) m/z ; 825 [MH] +
'H-NMR (30 OMH z, CDC 13) δ (p pm) ; 2. 30 (6 H, s) , 2. 99 (3H, s)
I R (KB r, cm-つ ; 3420, 1813, 1747, 1721 実施例 2
3— 0—イミダゾリルカルボ二ルー 5— 0—デソサミ二ルー 6— 0 _ メチルエリスロノライ ド A 9- 10- (2, 4, 6—トリメチルベン ジル) ォキシム] の製造
(1) 6—0—メチルエリスロマイシン A 9—ォキシム 500 g (0. 655モル) を 1 N塩酸 1 1に溶解し、 室温で 24時間放置した。 次に水酸化ナトリウム水溶液を加えて p H 10にし、 析出した結晶をろ 取した。 結晶をジクロルメタンに溶解し、 飽和食塩水で洗浄後、 無水硫 酸マグネシウム上で乾燥した。 次に減圧下、 ジクロルメタンを留去し、 残渣をメタノ一ルから結晶化させることにより、 白色粉末の 5— 0—デ ソサミ二ルー 6— 0—メチルエリスロノライ ド A 9ーォキシム 259. 8 gを得た。
mp ; 257〜260oC
Ma s s (FAB) m/z ; 605 [MH] +
- NMR (300MHz, CDC ") δ (p pm) ; 1. 42 (3H, s) , 2. 34 (6H, s) , 2. 99 (3H, s) , 3. 2 6 (1 H, s) , 3. -57 (1 H, s) , 4. 37 (1H, s) , 4.
42 (1H, d, J = 7H z) , 5. 23 (1H, d d, J =l 1 H z, 2H z) r 7. 43 (1H, b r o a d— s)
I R (KB r, cm"1) ; 3523, 3370, 1712, 1 1 88, 1169, 1085
(2) 上記 (1) で得た化合物 73 g (2. 87ミリモル) と 2, 4, 6—卜リメチルベンジルクロライ ド 7. 26mg (4. 30ミ リモル) を N, N—ジメチルホルムアミ ド 20 m 1に溶解し、 60 %水 素化ナトリウム 138mg (344ミリモル) を加えて室温で 6時間反 応させ、 5— 0—デソサミニル一 6— 0—メチルエリスロノライ ド A 9— [0- (2, 4, 6—トリメチルベンジル) ォキシム] 2. 34 g 白色泡状物質として得た。
(3) 上記 (2) で得た化合物 2. 34 g (3. 18ミリモル) を アセトン 20m 1中、無水酢酸 0. 39m l (4. 13 ミ リモル) と反 応させ、 2' —0—ァセチルー 5— 0—デソサミニルー 6— 0—メチル エリスロノライ ド A 9— [0— (2, 4, 6—トリメチルベンジル) ォキシ厶] 1. 74 gを白色泡状物質として得た。
(4) 上記 (3) で得た化合物 90 Omg (1. 16ミリモル) を ジクロルメタン 12 m 1に溶解し、 1 , 1 ' —力ルポニルジイミダゾ一 ル 4 Omg (5. 8 ミリモル) と 4—ジメチルァミノピリジン 156m g (1. 28ミリモル) を加え、 7. 5時間加熱還流した。 シリカゲル カラムクロマトグラフィ一 (溶出溶媒; クロ口ホルム: メタノール: ァ ンモニァ =20 : 1 : 0. 3) で精製し、標題化合物 117mgと 2' 一 0—ァセチルー 3— 0—ィミダゾリルカルボ二ルー 5—0—デソサミ 二ルー 6— 0—メチルエリスロノライ ド A 9— [0- (2, 4, 6— トリメチルベンジル) ォキシム] 29 Omgを白色泡状物質をして得た。 標題化合物
^-NMR (200MHz, CD C 13) δ (p pm) ; 2. 26 (3H, s) , 2. 37 (9H, s) , 2. 41 (3H, s) , 2. 9 9 (3H, s) , 4. 06 (1H, s) , 5. 70 (2H, s) , 6. 85 (2H, s) , 7. 11 (1 H)
2' - 0—ァセチルー 3— 0—ィ ミダゾリルカルボ二ルー 5— 0—デソ サミニルー 6— 0—メチルエリスロノライ ド A 9— [0— (2, 4, 6—トリメチルベンジル) ォキシム]
^-NMR (200 MHz, CDC 13) δ (ppm) ; 2. 20 (3H, b r o a d - s) , 2. 26 (3H, s) , 2. 36 (12 H, s) , 2. 98 (3H, s) , 3. 29 (1H, s) , 4. 60 ( 1 H, s) , 5. 70 (2H, s) , 6. 84 (2H, s) , 7. 19 ( 1 H) , 7. 49 (1 H) , 8. 20 (1 H) 実施例 3
3-0- (2, 4—ジフルオロフェニル) ァミノカルボニル一 5—0 —デソサミニルー 6— 0—メチルエリスロノライ ド A 11, 12—サ イクリックカーボネ一卜の製造
(1) 実施例 1の (1) で得た化合物 50 g (84. 8ミ リモル) をジクロルメタン 500 m 1に溶解し、 氷冷下、 ピリジン 102. 6 m 1 (1. 27モル) を加えた。 同温度でトリクロロメチルクロ口ホルメ —ト 25. 4 m 1 (212ミ リモル) のジクロルメタン溶液 40m 1を 滴下し、 5. 5時間攪拌した。 反応液に冷水と飽和炭酸水素ナトリウム 溶液を少量ずつ加え、 ジクロルメタンで抽出した。 ジクロルメタン層を 飽和炭酸水素ナトリウム溶液、 飽和食塩水で順次洗浄し、 無水硫酸マグ ネシゥム上で乾燥後、 減圧下、 溶媒留去した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出溶媒;アセトン : n
P
16
一へキサン: トリエチルァミン =6〜 10 : 10 : 0. 2) で精製する ことにより、 白色泡状物質の 2' — 0—ァセチルー 5— 0—デソサミニ ル一6— 0—メチルエリスロノライド A 11, 12—サイクリック力 —ボネート 41. 93gを得た。
^-NMR (200MHz, CDC 13) δ (ρ ρ m) ; 2. 05 (3Η, s) , 2. 25 (6H, s) , 2. 92 (3 H, s) , 4. 5 7 (1H, d, J =9Hz) , 4. 74 (1H, s) , 4. 75 ( 1 H, dd, J =10Hz, 9Hz) , 5. 13 (1H, d d, J =12Hz, 2H z)
(2) 上記 (1) で得た化合物 45 Omg (0. 685ミ リモル) をテトラヒドロフラン 1 Om 1に溶解し、 2, 4ージフルオロフェニル イソシァネート 0. 41ml (3. 425ミリモル) とピリジン 0. 0 8m I (1. 028ミリモル) を加え、 室温で 18時間攪拌した。 反応 液を酢酸ェチルで抽出し、 飽和食塩水で洗浄後、 シリ力ゲル力ロムクロ マトグラフィ一 (溶出溶媒;クロロホルム:メタノール: 25 %アンモ ニァ水: 20 : 1 : 0. 1) で精製した。
(3) (2) で得た化合物 4 Omgをメタノール中、 3時間加熱還 流し、 ァセチル基を除去し、 標題化合物 4 Omgを白色泡状物質として
T?/こ o
XH-NMR (200MHz, CDC ") δ (ppm) ; 1. 30 (3H, s) , 2. 22 (6Η, s) , 3. 03 (3Η, s) , 4. 0 3 (1Η, d, J = 7Hz) , 4. 76 (1Η, s) , 5. 02 (1H, d, J=9Hz) , 6. 82-6. 95 (2H) , 7. 18 (1H, b ro ad-s) , 8. 02〜8. 15 (1 H) 実施例 4
3— 0— (3—二トロフエニル) ァミノカルボニル一 5— 0—デソサ ミニル一 6— 0—メチルエリスロノライ ド A 1 1, 1 2—サイクリ ツ クカーボネートの製造
実施例 1の (1) で得た化合物 1. 90 g (3. 0 ミ リモル) とピリ ジン 3. 63m l (45 ミ リモル) と トリクロロメチルクロロホルメー ト 0. 90m l (7. 5 ミ リモル) 、 次いで 3—二トロア二リン 2. 0 7 g (1 5ミ リモル) を用い、 実施例 1と同様に反応させて、 標題化合 物 1. 65 gを得た。
Ma s s (FAB) m/z ; 780 [MH] +
2H-NMR (30 OMH z, CDC 13) 6 (p pm) ; 2. 1 8 (6H, s) , 3. 04 (3H, s) , 7. 79 (1 H, b r o a d- s) , 7. 5 1 (1 H, m) , 7. 88 (1 H, m) , 7. 93 ( 1 H, m) , 8. 38 (1 H, m)
I R (KB r , cm-つ ; 3346, 1 8 1 8, 1 742, 1 706 実施例 5
3 -0- [2— (ジメチルァミノ) ェチル] ァミノカルボ二ルー 5— 0—デソサミニルー 6— 0—メチルエリスロノライ ド A .1 1, 1 2— サイクリックカーボネ一卜の製造
実施例 1の (1) で得た化合物 1. 90 g (3. 0 ミ リモル) とピリ ジン 3. 63m l (45 ミ リモル) とトリクロロメチルクロ口ホルメ一 ト 0. 90m l (7. 5 ミ リモル) 、 次いで N, N—ジメチルエチレン ジァミ ン 1. 63 g (15ミ リモル) を用い、 実施例 1と同様に反応さ せて、 標題化合物 0. 86 gを得た。
Ma s s (FAB) m/z ; 730 [MH] +
^-NMR (300MH z, CDC 13) δ (p pm) ; 2. 26
(6H, s) , 2. 30 (6H, s) , 3. 02 (3H, s) , 5. 4 3 (1H, t)
I R (KB r, cm-つ ; 3387, 1 815, 1738, 1 71 3 実施例 6
3—0— [2— (ジメチルァミノ) ェチル] ァミノカルボニル 5— 0 一デソサミニルー 6— 0—メチルエリスロノライド Aの製造
5— 0—デソサミニル一 6— 0—メチルエリスロノライ ド A 2. 95 g (5. 0ミリモル) をテトラヒドロフラン 25m 1に溶解し、 N, N' 一カルボ二ルジィミダゾ一ル 2. 43 g (15ミリモル) を加え、 5時 間還流した。 酢酸ェチルで抽出し、 溶媒を留去し、 シリカゲルカラムク ロマトグラフィ一 (溶出溶媒;アセトン:クロ口ホルム) で過剰の N, N' —カルボニルジイミダゾールを除去した。 得られた無色カラメル 2. 96 gを酢酸ェチル 2 Om lに溶解し.、 N, N—ジメチルェチルジアミ ン 1. 09 g (10. 0ミ リモル) を加え、 室温で 3日間攪拌した。 酢 酸ェチルで抽出に後、 シリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出溶媒 ; 8〜15%メタノール一クロ口ホルム) で精製し、 無色結晶性粉末の 標題化合物 0. 53 gを得た。
Ma s s (FAB) m/ z ; 704 [MH] +
'H-NMR (300 MHz, CDC ") δ (p pm) ; 2. 23 (6H, s) , 2. 28 (6H, s) , 3. 06 (3H, s)
I R (KB r, cm-1) ; 3455, 3327, 1738, 1723, 1697 実施例 7
3-0- (3—アミノブ口ピル) ァミノカルボ二ルー 5— 0—デソサ
ミニル一 6—0—メチルエリスロノライ ド Aの製造
(1) 実施例 1の (1) で得た化合物 1. 26 g (2. 0ミ リモル) をジクロルェタン 15m lとテトラヒ ドロフラン 10m lの混合液に溶 解し、 Ν, Ν' 一カルボニルジイミダゾール 1. 30 g (8ミ リモル) を加え 8時間加熱還流した。 溶媒を留去し、 シリカゲルカラムクロマト グラフィ一 (溶出溶媒; アセトン:へキサン: 卜リエチルァミ ン =5 : 10 : 0. 1) を行い、 2, 一 0—ァセチル— 3— 0—イミダゾリルカ ルポ二ルー 5— 0—デソサミ二ルー 6— 0—メチルェリスロノライ ド A 1. 14 gを得た。
(2) 上記 (1) で得た化合物 1 gをテトラヒ ドロフラン 1 Om 1 に溶解し、 1, 3—ジァミノプロパン 0. 22m l (2. 5ミ リモル) を加え、 16時間室温で攪拌した。 溶媒を減圧留去し、 塩化メチレンで 抽出した後、 シリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出溶媒; クロ口 ホルム: メタノール:アンモニア水 = 100 : 20 : 0. 5) で精製し、 無色泡状の標題化合物 0. 74 gを得た。
Ma s s (FAB) m/z ; 690 [MH] +
'H-NMR (30 OMH z, CDC 13) δ (p pm) ; 2. 28 (6 H, s) , 3. 05 (3 H, s)
I R ( K B r , cm-1) ; 3414, 1724 実施例 8
3-0- (2, 3—ジハイ ドロキシプロピル) ァミノカルボニル一 5 一 0—デソサミニル一 6— 0—メチルエリスロノライ ド Aの製造
実施例 7の (1) と同様の方法で得た化合物 1. 81 g (2. 5ミ リ モル) をテトラヒドロフラン 15πί 1と N, N—ジメチルホルムァミ ド 1 Om 1の混合液に溶解し、 3—アミノー 1, 2—プロパンジオール 6
83mg (7. 5ミリモル) を加え、 室温で 20時間攪拌した。 溶媒を 減圧留去し、 酢酸ェチルで抽出した。 溶媒を留去して得た無色泡状の化 合物を 1. 72 gをメタノール 1 Om 1に溶解し、 15時間攪拌した。 溶媒を留去し、 シリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出溶媒; クロ 口ホルム: メタノール: ァンモニァ水 = 100 : 10 : 0. 1 ) で精製 し、 無色泡状の標題化合物 1. 17 gを得た。
Ma s s (FAB) m/z ; 707 [MH] +
一 NMR (300 MHz, CDC 13) δ (p pm) ; 2. 48 (6H, s) , 3. 04 (3H, s)
I R (KB r, cm"1) ; 3436, 1735 実施例 9
3-0- [ (3—アミノー 2—ハイ ドロキシ) プロビル] ァミノカル ボニル一 5— 0—デソサミ二ルー 6— 0—メチルェリスロノライ ド Aの 実施例 7の (1) と同様の方法で得た化合物 1. 5 g (2. 07ミ リ モル) と 1, 3—ジアミノー 2—プロパノール 372m g (4. 13 ミ リモル) を用い、 実施例 8と同様に反応させて無色泡状の標題化合物 0, 82 gを得た。
Ma s s (FAB) m/z ; 706 [MH] +
— NMR (30 OMHz, CDC ") δ (p pm) ; 2. 30 (6Hr s) , 3. 04 (3 H, s) , 5. 71 (1H, b r o a d- s)
I R (KB r, cm"1) ; 3437, 1808, 1736 実施例 10
3-0- (1ーメチルビペラジン一 4一ィル) カルボ二ルー 5— 0— デソサミニルー 6— 0—メチルエリスロノライ ド Aの製造
実施例 7の (1) と同様の方法で得た化合物 3. 2 g (4. 41ミ リ モル) と 1ーメチルビペラジン 1. 94m l (17. 6ミ リモル) を用 い、 実施例 8と同様に反応させで標題化合物 1. 43 gを得た。
Ma s s (FAB) m/z ; 716 [MH] +
^-NMR (300 MHz, CDC ") δ (p pm) ; 2. 33 (9H, s) , 3. 06 (3H, s)
I R (KB r, cm"1) ; 3459, 1814, 1737, 1703 実施例 11
3— 0— (1—メチルビペラジン一 4—ィル) カルボ二ルー 5—0— デソサミニルー 6— 0—メチルエリスロソライ ド A 11, 12—サイ クリックカーボネートの製造
(1) 実施例 10で得た化合物 1. 26 gをアセトン 15m lに溶 解し、 無水酢酸 0. 25m l (2. 64ミ リモル) を加え、 室温で 20 時間攪拌した。 酢酸ェチルで抽出し、 無水泡状の 2, 一 0—ァセチルー 3— 0— (1ーメチルビペラジン一 4一ィル) カルボ二ルー 5— 0—デ ソサミニルー 6— 0—メチルエリスロノライ ド A1. 31 gを得た。
(2) 上記 (1) で得た化合物 1. 31 gをジクロルメタン 2 Om 1に溶解し、 氷冷下、 ピリジン 2. 13m l (26. 4ミ リモル) とト リクロロメチルクロ口ホルメート 0. 53m l (4. 4ミ リモル) を加 え、 3時間攪拌した。 氷片と炭酸水素ナトリウム粉末を加え、 水層の P Hを 7とした後、 溶媒を減圧留去した。 酢酸ェチルで抽出後、 溶媒を再 び減圧留去した。 シリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出溶媒; 5 〜10%メタノールークロロホルム) で精製し、 2' — 0—ァセチルー
3-0- (1—メチルビペラジン一 4—ィル) カルボ二ルー 5—0—デ ソサミニルー 6— 0—メチルエリスロノライ ド A 1 1, 12—サイク リックカーボネート 0. 81 gを得た。
(3) 上記 (2) で得た化合物 0. 81 gをメタノール 2 Om 1に 溶解し、 1日攪拌することにより標題化合物 0. 54 gを得た。
Ma s s (FAB) / z ; 742 [MH] +
^-NMR (30 OMH z, CDC ") δ (p pm) ; 2. 30 (6H, s) , 2. 32 (3H, s) , 3. 02 (3H, s)
I R (KB r, cm"1) ; 3459, 1814, 1742, 1 704 実施例 12
3-0- (2—シァノイミノー 1, 3—ォキサゾリジン一 4一ィル) メチルァミノ力ルポ二ルー 5— 0—デソサミ二ルー 6— 0—メチルェリ スロノライド Aの製造
実施例 9で得た化合物 353 mg (0. 5ミリモル) をエタノール 1 Om lに溶解し, S, S' —ジメチル一 N—シァノジチオイミノカーボ ネート 146mg (1. 0ミリモル) を加え、 7時間攪拌した。 溶媒を 減圧留去し、 醉酸ェチルで抽出した。 シリカゲルカラムクロマトグラフ ィ一 (溶出溶媒;クロ口ホルム: メタノール:アンモニア水 =) 20 : 1 : 0. 1) で標題化合物 318mgを得た。
Ma s s (FAB) / z ; 757 [MH] +
^-NMR (300MHz, CDC ") δ (p p m) ; 2. 30 (6H, s) , 3. 05 C3H, s) , 5. 55 (1H, b r o a d- s)
I R (KB r, cm"1) ; 3424, 2195, 1 738, 1656
試験例 (試験管内抗菌活性)
感受性ディスク用培地 (栄研化学製) を用い、 本発明化合物の各種試 験菌に対する試験管内抗菌力を日本化学療法学会 M I C測定法に準じて 測定した。 比較薬剤として 6— 0—メチルエリス口マイシン Aを用いた。 その結果を M I C値 (微生物生育最小阻止濃度 m c g/m 1 ) で表し 表 1 試験管内抗菌活性 M.I C値 (mc gノ m l )
匕合物
実施例 1 比較薬剤
S. aureus 209P-JC 0.0 5 0. 1 0
S. aureus Smi th 4 0. 1 0 0. 1 0
S. epidermides I ID 866 0. 1 0 0. 1 0
E. faecalis CSJ 1212 0.39 0.7 8
S. aureus J - 109 1 00 > 1 00
S. aureus Bl 0.78 > 1 00
S. aureus CI 0.78 > 1 0 0