明 細 害
光 散乱 導 光 体 と そ の 製 造 方 法 及 び 応 用 光 学 装 置
技 術 分 野
本 発 明 は、 光 を 導 光 し つ つ 散 乱 光 を 周 囲 に 向 け て 照 射 し 得 る 光 散 乱 導 光 体 と そ の 製 造 方 法、 な ら び に 該 光 散 乱 導 光 体 を 用 い た 応 用 光 学 装 置 に 関 す る。
更 に 詳 し く 言 え ば、 本 発 明 は、 有 機 材 料 の 重 合 過 程 で 生 じ る 不 均 一 構 造 を 利 用 し て、 相 対 的 に 小 断 面 積 の 入 射 光 束 を 高 い 効 率 と 均 一 度 を 以 て 相 対 的 に 大 面 積 の 出 射 光 束 に 変 換 す る こ と の 出 来 る 光 散 乱 導 光 体 と そ の 製 造 方 法、 な ら び に 該 光 散 乱 導 光 体 の 特 性 を 有 効 に 利 用 し た 光 源 装 置、 照 明 装 g、 光 分 岐 装 置 等 の 応 用 光 学 装 置 に 関 す る も の で あ る。
背 景 技 術
従 来 よ り、 入 射 光 を 導 光 し つ つ 散 乱 さ せ て 多 方 向 に 向 け 出 射 さ せ る 為 の 光 学 要 素 あ る い は 装 g と し て 種 々 の も の が 公 知 と な っ て い る。
こ れ ら 公 知 の 光 学 要 素 あ る い は 装 雷 の 1 つ の 類 型 は、 延 在 し た 板 状 の 透 明 材 料 の 側 方 よ り 光 を 入 射 さ せ、 一 方 の 面側 に 反 射要 素 を 配 し、 他 方 の 表 面 付近 に 光 拡 散 性 を 与 え て 光 出 射 面 と す る 面 状 光 源 を 構 成 し、 液 晶 表 示装 釁 の ノ ヅ ク ラ イ ト 光 源 等 と し て 使 用 す る も の で あ る。
例 え ば、 特 開 昭 6 2 — 2 3 5 9 0 5 号 公 報、 特 開 昭 6 3 — 6 3 0 8 3 号 公 報、 特 開 平 2 — 1 3 9 2 5 号 公 報 及 び 特 開 平 2 — 2 4 5 7 8 7 号 公 報 に 記 載 さ れ た も の が こ
れ に 当 る。
こ れ ら 光散乱導光装 S を用 い た 面状光源 に お い て は、 光散乱が透明体の 内部 で体積的 に生起 さ れ て お ら ず、 透 明体の表面付近あ る い は反射要素 に お け る 乱反射や鏡 面 反射 を 利用 し て光出 射方向 に 拡が り を持た せて い る の み な の で、 光散乱導光装 Sが高 い光拡散性 を 発揮 し て い る と は言 い難 い。
ま た、 側方か ら 光 を入射さ せて均一 な 照度 を有す る 面 状光源 を得 よ う と し た場合、 上記各公知文献 に 示 さ れ た 例か ら も 容易 に理解 さ れ る よ う に、 反射要素 の 反射能 等 に な ん ら か の勾配 を 持た せな ければな ら ず、 光散乱導光 体装《部分の構造を 複雑で大型 ( 特 に、 厚み に つ い て ) な も の と す る こ と が避 け ら れ な い。
従っ て、 こ の型の 光散乱導光体 を均一 で高 い 照度 と 薄 型 の 構造が要求 さ れ る 液晶表示装 の パ ッ ク ラ イ ト 光源 等 の用 途 に用 い る 場合 に は、 光散乱性 を 補強 し 面状光源 と し て 照度の均一性 を確保す る 為 に種々 の 付加 的構成 が 必要で あ る が、 それ ら の 光散乱能補強手段 を 加 え る と 薄 型構造 の要求 に は応 え ら れ な く な る と い う 問題が あ っ た。
公知 の光学要素 あ る い は装置の も う 1 つ の 類型 は、 延 在 し た板状 の透明材料の 丙部 に該透明材料 と 屈折率の 異 な る 粒状物質 を分散 さ せて光抵散板 を構成 す る も の で あ る。
例 えば、 特開平 1 — 1 7 2 8 0 1 号公報、 特 開平 1 一 2 3 6 2 5 7 号公報、 特開平 1 一 2 6 9 9 0 1 号公報、
特 開 平 1 一 2 6 9 9 0 2 号 公 報 及 び 特 開 平 2 — 2 2 1 9 2 5 号 公 報 に 開 示 さ れ た も の が こ の 類 型 に 属 す る。
上 記 特 開 平 2 — 2 2 1 9 2 5 号 公 報 に は、 光 拡 散 板 の 側 方 よ り 光 を 入 射 さ せ、 一 方 の 面 側 に 反 射 要 素 を 配 し 他 方 の 面 を 光 出 射 面 と し て、 液 晶 表 示 装 镢 の ノ ッ ク ラ イ ト 光 源 等 を 構 成 す る こ と が 開 示 さ れ て い る。
こ れ ら の 光 拡 散 板 に お い て は、 透 明 体 の 内 部 に 分 散 混 入 さ れ た 粒 状 物 質 に よ っ て 生 じ る 屈 折 率 の 不均 一 に よ つ て 光散 乱 が 体 積 的 に 生 起 さ れ て い る。 そ の 意 味 に お い て、 上 記 第 1 の 類 型 の も の に 比 し て、 光 拡 散 効 率 を 改 善 し 得 る も の と い う こ と は 出 来 る が、 次 の よ う な 問 題 点 が あ る。
す な わ ち、 基 体 材 料 中 に 別 の 物 質 か ら な る 粒 状 物 質 を 均 一 に 分 散 さ せ る こ と は、 実 際上 極 め て 難 し く、 そ の 結 果、 不 均 一 構 造 の 分 布 に む ら が で き、 均 一 な 光 拡 散 が 得 ら れ な い と い う 欠 点 が あ る。
例 え ば、 数 ミ ク ロ ン の 粒 子 を メ チ ル メ タ ク リ レ ー ト ( M M A ) モ ノ マ ー に 混 入 さ せ て 重 合 さ せ る 場 合 に は、 密 度 や 相 溶 性 の 違 い に よ り、 粒 子 の 分 布 に 偏 り を 生 じ て 均 — な 光 散 乱 能 を 得 る こ と が 出 来 な い。 ポ リ メ チ ル メ タ ク リ レ ー ト ( P M M A ) な ど の ポ リ マ ー に 粒 子 を 高 温 で 練 り 込 む 場 合 に も 同 様 の 理 由 で 高 度 に 均 一 な 粒 子 分 散構 造 を 得 る こ と は 困 難 で あ る。
ま た、 光 散 乱 を 与 え る 屈 折 率 不 均 一 構 造 の 基 本 単 位 が 粒 状 に 限 ら れ る の で、 光 散 乱 導 光 体 の 体 積 全 体 を 均 一 か つ 有効 に 使 っ て 光 散 乱 を 生 じ さ せ る と い う 観 点 か ら 見 る
と 好 ま し い と は言 え な い。 特 に、 液晶表示装置の バ ッ ク ラ イ ト 光源 の よ う に、 比較的 広面積の 均一 照度面光源 を 得 よ う と し た場合 に は、 粒子分散密度が小 さ く な る か ら、 光散乱導光体全体 を 均一 に光 散乱 に 寄与 さ せ て い る こ と に な ら な い。 こ の こ と は高度 に均 一 な拡散光 を 得 る 上 で 望 ま し い こ と で はな レ、。
光散乱導光体全体 の光散乱能 を 変 え ず に屈 折率不均一 構造 を光散乱導光体全体 に分布 さ せ る に は、 分散 さ せ る 粒子の 径 を 小 さ く し て、 粒子数密度 を 上 げ れば良 い と も 考 え ら れ る が、 特定 さ れ た材料で粒子径 を 任意 の微小サ ィ ズ に 定め る こ と は、 微小粒子の 製造技術上の 制約 も あ つ て必ず し も 容易で な い。 ま た、 過度 に 粒子径 を小 さ く す る と 散乱 に波長依存性が生 じ、 無用 な 着色現象 を招 く 恐 れが あ る。
上記特開平 2 — 2 2 1 9 2 5 号公報 に は、 P M M A を
M M A と M A ( ア ク リ ル酸メ チル ) の 混合単量体 に溶解 し て メ タ ク リ ル樹脂 シ ラ ヅ プ を調製 し、 こ の シ ラ ヅ ブ に 比重が 2 以上で メ 夕 ク リ ル樹脂 と 屈折率の 異 な る 無機充 填材 ( フ イ ラ一; 例 えば、 ガ ラ ス ビ ー ズ、 石英粉等 ) を 分散混合 し、 重合開始剤 を加 え て 重合反応 ( 共重合反応 ) を 起 こ さ せ て 光散乱導光体 を 得て い る が、 こ の 場合 で も 光散乱 は実質的 に無機充填剤 の み に よ っ て も た ら さ れ て お り、 重合反応過程 に お い て 屈折率不均 一構造 を 生成 さ せ る こ と は全 く 企図 さ れ て い な い。 特開 平 2 — 2 2 1 9 2 5 号公報 に記載 さ れて い る よ う な共重合 の 組合せ ( 例
え ば、 メ タ ク リ ル 酸 メ チ ル 5 0 重 量 % と メ 夕 ク リ ル 酸 ェ チ ル 5 0 重 量 %、 あ る い は メ タ ク リ ル 酸 メ チ ル 5 0 重 量 % と ア ク リ ル 酸 メ チ ル 5 0 重 量 % ) で は、 相 溶 性 が 極 め て 良 い 為 に 屈 折 率 不 均 一 構 造 は 生 ぜ ず、 従 っ て、 重 合 反 応 に よ っ て 形 成 さ れ た 樹 脂 は あ く ま で 透 明 な 基 材 と し て 機 能 す る の み で、 光 散 乱 に は 寄 与 し て い な い。
従 来 よ り、 光 散 乱 導光 体 の 形 状 と し て は、 板 状 の も の の 他 に 種 々 の も の が 知 ら れ て い る。 例 え ば、 海 洋 牧 場 や ク ロ レ ラ 培 養 の 為 の 光 照 射 装 置 に お い て は、 棒 状 あ る い は 線 状 の 導 光 体 の 表 面 に 傷 を 付 け、 該傷 部 分 で 生 じ る 光 散 乱 を 利 用 し て、 広 い 角 度範 囲 を 指 向 す る 出 射 光 を 得 て い る。 し か し な が ら、 こ の よ う な 方 法 で は、 散 乱 光 が 傷 の 付 い た 部 分 に 集 中 し て し ま い、 十 分 な 均 一 度 を 以 て 大 き な 断 面穣 を 持 っ た 光 束 を 得 る こ と が 難 し い。
ま た、 太 陽 光 を 建 造 物 内 に 取 り 入 れ て 室 内 照 明 な ど に 利 用 す る 場 合 に も フ ァ イ ノ ー 状 の 導 光 手 段 を 用 い て い る が、 大 き な 照 明 空 間 を 効 率 良 く 均 一 に 照 明 す る 出 射 光 束 を 得 る 為 に は 高 価 で 大 型 の 付 加 的 設 備 を 要 し て い る の が 現 状 で あ る。
こ の よ う に、 公 知 の 光 散 乱 導 光 体 に お い て は 上 記 し た よ う な 種 々 の 問 題 が あ り、 こ れ ら 問 題 点 を 克 服 し た 光 散 乱 導 光 体 が、 液 晶 表 示 装 置 の バ ッ ク ラ イ ト 光 源 等 の 明 る く 均 一 性 が 高 い 面 状 光 源 を 必 要 と す る 分 野 を 始 め と し て、 幅 広 い 光 学 関 係 分 野 で 待 ち 望 ま れ て い た。
発 明 の 開 示
本凳明 の 目 的 は、 相対的 に 小 断面積の光束 を 高 い 効率 と 均一度 を 以 て 相対 的 に 大面稹の 光束 に 変換 す る こ と の 出来 る 光散乱導光体 と そ の製造方法、 な ら び に 該光散乱 導光体の特性を 有効 に利用 し た パ ッ ク ラ イ ト 光源装 s、 光分岐装置等の 応用 光学装 S を提供す る こ と に あ る。
本発明 は、 有機材料の重合過程で生 じ た屈 折率不均一 構造 を有す る 光散乱導光体 と そ の 製造方法、 並 び に 有機 材料の重合過程で生 じ た屈折率不均一構造 を 有 す る 該光 散乱導光体 を 利用 し た応用 光学装置を提供 す る も の で あ る。
ま た、 本発明 は有機材料の 重合適程で生 じ た屈折率不 均一構造 を有 し、 実用上極め て意義の あ る 散乱能 の定量 値 を 持っ た 光散乱導光体 を提供す る も の で あ る。
先ず、 有機材料の 重合過程 に よ っ て屈 折率不均 一構造 を 形成 さ せ て 本発明 の光散乱導光体 を 得 る 原理 の 概要 を 説 明 す る。
本発明 は重合過程 に お い て 種々 の メ カ ニズム に よ っ て 生成 さ れ る 不均一構造 を 稜極 的 に利用 し て光散乱導光体 を 構成 す る も の で あ る。 こ の 不均 一搆造 を生 む メ カ ニ ズ ム の い く つ か を 例示 すれ ば次の よ う に な る。
( 1 ) 第 1 材料 と し て の モ ノ マ ー に第 2 材料 と し て の ポ リ マ ー ( オ リ ゴマ ー で あ っ て も 良 い。 以 下、 本明細害 に お い て は特 に こ と わ り の無 い 限 り、 ポ リ マ ー と 言 え ば オ リ ゴ マ ー を含 む も の と す る。 ) を少量溶解 さ せ る。 こ の 状態で は、 ポ リ マ ーの 個々 の 分子が完全 に 溶解 し て い
る。 従 っ て、 均 一 に 混 ざ り 合 っ た 透 明 な 混 合 溶 液 の 形 態 を と つ て お り、 光 散 乱 性 は 生 じ て い な い。 こ の 混 合 溶 液 に 重 合 開始 剤 等 を 添 加 し て 加 熱 す る な ど の 手 段 に よ り 重 合 反 応 を 開 始 さ せ る。 重 合 反 応 が 進 行 し、 . 高 転 化 率 に な つ て き た 時、 そ れ ま で に 生 成 さ れ て き た 第 1 材 料 の ポ リ マ ー と 第 2 材 料 の ポ リ マ ー と の 相 溶 性 が、 該 第 2 材 料 の ポ リ マ ー と 第 1 材 料 の モ ノ マ ー と の 相 溶 性 に 比 べ て 小 さ い 場 合 に は、 第 2 材 料 の ポ リ マ ー は 徐 々 に 凝 集 構造 を 形 成 す る。 第 1 材 料 の ポ リ マ ー と 第 2 材料 の ポ リ マ ー の 屈 折 率 が 実 質 的 に 相 異 す る よ う に 有 機 材 料 を 組 み 合 わ せ れ ば、 屈 折 率 が ゆ ら い だ 構 造、 す な わ ち 屈 折 率 不 均 一 構 造 が 生 成 さ れ る。
こ の 場 合、 粒 子 状 の 物 質 を モ ノ マ ー に 混 入 分 散 さ せ て 重 合 を 行 わ せ た り、 ポ リ マ ー に 粒 子 を 高 温 条 件 下 で 練 り 込 ま せ た り す る 従 来 技 術 と は 違 っ て、 重 合 前 に ポ リ マ ー 分 子 1 つ 1 つ の レ ベ ル で 均 一 に 溶 解 し た 状 態 が 実 現 し て お り、 そ の 状 態 か ら ス タ ー ト し て 不 均 一 構造 を 徐 々 に 形 成 し て い る の で、 極 め て 高 い 均 一 度 で 不 均 一 構 造 が 分 布 し た 光 散 乱 導 光 体 を 得 る こ と が 出 来 る。
後 記 す る 実 施 例 の う ち 実 施 例 1、 3 、 5、 6 、 7、 8 及 び 9 に お け る 光 散 乱 導 光 体 は、 こ の 類 型 に 属 す る も の で あ る。
( 2 ) 第 1 材 料 と し て の モ ノ マ ー に 第 2 材 料 と し て の モ ノ マ ー を 適 量 混 合 し て 重 合 反 応 を 起 こ さ せ る。 こ の 時 例 え ば、 第 1 材 料 の モ ノ マ ー の 反 応 性 比 r , と 第 2 材 料 の
モ ノ マ ー の 反応性比 Γ 2に つ い て、 r ! > l 且つ r sく 1 が 成立す る よ う に材料 を選択 し て お けば、 重合反応の過程 で第 1 材料 の モ ノ マ ー は優先 的 に重合 し、 未反応モ ノ マ — 中 の第 2 材料の モ ノ マ ー の 割合 は次第 に増大 す る。 第 1 材料の モ ノ マ ー の 大半が重合 す る と、 今度 は第 2 材料 の モ ノ マ ー の重合す る 割合が増加 し 始め、 最終段階 に お い て は、 第 2 材料の ポ リ マ ー と の みが生成 さ れ る こ と に な る。
第 1 材料 の ポ リ マ ー と 第 2 材料の ポ リ マ ー の 相溶性が 比較的小 さ けれ ば、 組成 の 似 た も の 同士、 す な わ ち、 第 1 材料の ボ リ マ ー と 第 2 材料の ボ リ マ ー と が そ れぞれ凝 集構造 を形成 す る こ と に な る。 両 ポ リ マ ー の 屈折率が実 質的 に異な れば、 屈 折率がゆ ら い だ屈折率不均一構造が 生成 さ れ る。 こ の場合 も 重合前 に モ ノ マ ー 同士 を 均一 に 混ぜ る こ と は容易 な の で、 ま んべ ん な く 屈折率不均一構 造が形成 さ れ る。
後記 す る 実施例の う ち 実施例 2 にお け る光散乱導光体 は、 こ の類型 に属 す る も の で あ る。
( 3 ) 単独材料の モ ノ マ ー の み を重合 さ せて も、 屈折 率不均一搆造 を形成 す る こ と が 出 来 る。
すな わ ち、 モ ノ マ ー と ポ リ マー の 比重 が十分 に異な れ ば、 重合が進 んでポ リ マ ーが あ る 程度固 く な っ て く る と、 残存モ ノ マ ーが ポ リ マ ー に な っ た 時の 体稹収縮部分 は、 い わ ゆ る マ イ ク ロ ボ イ ド と な る。 こ の マ イ ク ロ ボイ ド は 極 め て多数形成 さ れ、 重合反応の 結果得 ら れ る ポ リ マ ー
内 に 3 次 元 的 に 均 一 分 布 し た 光 散 乱 中 心 と し て 機 能 す る の で、 従 来 の 物 質 粒 子 を 分 散 混 入 さ せ た 光 散 乱 導 光 体 に 比 し て 特 性 の 良 い 光 散 乱 導 光 体 が 得 ら れ る。
後 記 す る 実 施 例 の う ち 実 施 例 1 0 に お け る 光 散 乱 導 光 体 は、 こ の 類 型 に 属 す る も の で あ る。
( 4 ) 上 記 ( 1 ) の 類 型 の 変 形 と し て、 上 記 第 2 の 材 料 に 低 分 子 量 で あ っ て、 第 1 材 料 の モ ノ マ ー と の 相 溶 性 は 良 好 で あ る が 第 1 材 料 ポ リ マ ー と の 相 溶 性 は 劣 る も の を 選 択 す る こ と も 可 能 で あ る。 こ の 場 合 に も、 上 記 ( 1 ) で 述 べ た の と 同 様 の メ カ ニ ズ ム に よ っ て、 第 2 材 料 ( 低 分 子 量 物 質 ) が 凝 集 し て 不 均 一 構 造 が 生 ま れ る。 第 2 材 料 の 屈 折 率 が 第 1 材 料 ポ リ マ ー と 実 質 的 に 異 な る よ う な 組 合 せ を 採 用 す れ ば 光 散 乱 導 光 体 を 製 造 さ れ る。
こ の よ う な 低 分 子 材料 と し て 用 い 得 る 物 質 は 数 多 く 存 在 す る が、 例 を 挙 げ れ ば、 フ タ ル 酸 ジ フ エ ニ ル、 へ キ サ フ ロ ロ イ ソ プ ロ ピ ル テ レ フ タ レ ー ト、 ビ フ エ 二 ル、 安 息 香 酸 フ エ ニ ル 等 が あ る。
本 発 明 は 上 記 ( 1 ) 〜 ( 4 ) に 説 明 し た メ カ ニ ズ ム、 あ る い は こ れ ら に 類 似 し た メ カ ニ ズ ム 乃 至 原 理 に 基 礎 を g く も の で あ る。 屈 折 率 不 均 一 構 造 の 生 成 メ カ ニ ズ ム の 細 部 に は 多 様 性 が あ る が、 い ず れ の ケ ー ス に お い て も 有 機 材 料 の 重 合 過 程 を 通 し て 屈 折 率 不 均 一 構造 を 意 図 的 に 形 成 し、 そ れ を 光 散 乱 導 光 体 と し て 具 現 化 す る こ と に 本 発 明 の 基 本 的 特 徴 が あ る。 従 っ て、 上 記 説 明 し た メ カ 二 ズ ム は あ く ま で 典 型 例 を 示 し た 例 示 で あ っ て、 本 発 明 の
技術的範囲 を 限定す る 趣 旨の も の で は な い。
本発明 に お い て は、 極 めて 多様な有機材料 を 色 々 な 組 合 せで用 い て、 上記 説明 し た よ う な メ カ ニ ズ ム を 通 し て 屈 折率不均 一構造 を 形成 さ せ る こ と が出 来 る。
こ れ ら 有機材料の 具体例を 表 1 及び表 2 に 記 す。 各表 に お い て、 各材料名 はモ ノ マ ー の 形で示 し て あ る が、 最 終 的 に屈折率不均一 構造 を構成 す る の は ポ リ マ ー で あ る か ら、 ポ リ マ ー 形態 に お け る 屈折率の値 を 付記 し た。
例え ば、 M A、 A 等は比較 的低屈折率の も の を 示 し、 X M A、 X A 等 は比較的高屈 折率の も の を 示 し て い る か ら、 各 グル ープか ら 材料 を選択 し て、 相溶性 あ る い は反 応性の相異等 に基づ い た屈折率不均—構造 を 得 る こ と が 出来 る。 2 種の ポ リ マ ー 閭の 屈折率差 I η '— n s | は、 I n t - n a I > 0. 0 0 1 で あ る こ と が一般的 に は好 ま し い。
こ こ で用 い る 有機材料 は 2 種類 と は限 ら ず、 3 種類以 上 の有機材料 ( モ ノ マ ー、 ポ リ マ 一 あ る い は オ リ ゴ マ ー ) を 適宜組み合わ せて、 複合的 に重合反応 を進行 さ せて 屈 折率不均一構造 を得 て も 全 く 差 し 支 え な い。 言 い 替 え れ ば、 3 種以上の 有機材料 の組合せ は、 2 種類の 組合せ を 複数組含む と い う の が本発明 の立場で あ り、 従 っ て、 屈 折率不均一構造形成 に使甩 さ れ る 有機材料が何種類で あ つ て も 本発明 の 範躊 か ら の逸脱 を 意味 す る も の で な い こ と は言 う ま で も な い。
a b 区 分 モ ノ マ ー ポリマー n 0 A 1. MM A (メチルメ夕クリレート) 1. 49
2. EMA (ェチルメ夕クリレート) 1. 483
3. n PMA (n—プロビルメタクリレート) 1. 484
4. n BMA (n—ブチルメタクリレート) 1. 483
5 n HMA (n—へ *シルメ々クリレート) Λ 81
6. i PMA (イソプロビルメタクリレート) 1. 473
7. i BMA (イソブチルメタクリレート) 1. 477
8. t BMA (t一ブチルメタクリレート) 1. 463 g CHMA (シクロへキシルメタク レー卜、 1. 507
XMA 10. Bz MA (ベンジルメタクリレート) 1. 568
11. PhMA (フエニルメタクリレート) 1. 57
12. 1 -P h EMA (1一フエニルェチル 1. 549
メタクリレート)
13. 2-P h EMA (2—フエニルェチル 1. 559
メタクリレート)
H. F F A (フルフリルメ夕クリレー卜) 1. 538
A 15. MA (メチルァクリレート) 1. 4725
16. EA (ェチルァクリレート) 1. 4685
1?. n BA (n—ブチルァクリレート) 1. 4634
XA 18. Bz MA (ベンジルァクリレート) 1. 5584
19. 2— C I E A (2—クロルェチル 1. 52
ァクリレート)
a b e 2 区 分 モ ノ マ ー ポリマ一 n o
AC 20. VA c (ビニルアセテート) 1. 7
XA 21. VB (ビニルペンゾエート)
22. VPAc (ビニルフエニルアセテート)
23. VC 1 Ac (ビニルクロルアセテート)
C 24. AN (ァク yn二トリ) 1. 52 o一 * A k薩
Z5. MA ta一メテ'レ zクリ O—トリゾレ) 1. 52 σ— A 26. MA (2 C I ) (メチルー α— 1. 5172 ク αルァクリレート) トD »~
S t 27. ο— C I S t (o—ク αルスチレン) 1. 609 CMトO O 8
2Β. p-FS t (p—フルォ oスチレン) 1. 566
29. o, p-F S t (0. p—ジフルォロ 1. 475 スチレン)
30. p— i PS t (p—イソプ。ピル 1. 554 スチレン)
a b e 3
E PM · エチレンとプロピレンの ¾Χ·&«3
E PD エチレン、 プロピレンと ϋ?»の非 ¾aジェンとの 3成分? at合体 S BR · ブタジエンとスチレンとの ft»¾H|¾
NBR · ブタジエンとアクリロニトリルとの
M R ' のイソプレンとイソブテンとの
CR · * ク anプレンの重
BR · · ブタジエンの霣^ ¾
I R · · イソプレンの重
ノ、ィパロン ポリエチレンに: 1M化 8¾と¾»を させた物
ウレタンゴム ジオールとジイソシアナ一卜との璽付加による重^
多琉化ゴム · ジク□ルェタンと四硫ィヒナトリウムなどとの »g合による重^ シリコンゴム 環状シロキサンの開管重合などで得られる重^
フツ *ゴム · フッ化ビニリデンとトリフルォロクロルエチレンの ftM^S等
本発明 に お い て 屈 折率不均一構造 を 生成 す る 重合反応 と し て、 表 1 及び表 2 に 挙げ た よ う な材料 を 関与 さ せ る 場合の 他 に、 い わ ゆ る ゴ ム 系 の 高分子材料 を形成 す る 重 合反応 を利用 す る こ と も 可能 で あ る。 そ の 例 を、 重合物 あ る い は共重合物 の 形で表 3 に示 し た。 こ れ ら ゴ ム 系 の 材料 を重合反応 に 関与 さ せた 場合 に は、 特 に 柔軟性乃至 弾力 性 の あ る 光散乱 導光体 を 得 る こ と が 出来 る。
ま た、 従.来の 粒子 を添加 す る 方法で得 ら れ る 屈折率不 均 一構造 と 違っ て、 本発明 で実現 さ れ る 屈 折率不均一構 造 の 形態 は、 例え ば単位形状や 寸法が共 に ラ ン ダム な 島 状 あ る い は縞状 に高低屈折率 の相が入 り 組ん だ形態、 そ れ ら 2 相の 界面領域の屈折率プ ロ フ ァ イ ル に あ る 程度の 連続性が生 じ る 形態 等 を 取 り 得 る も の で あ る。
そ れ故、 材料の選択乃至重合反応 にお け る 屈折率不均 —構造生成態様の 自 由 度 に基づ い て、 種 々 の 特性 を持つ た 光散乱導光体 を得 る こ と が可能 と な る。 すな わ ち、 次 に 述べ る 有効散乱照 射パ ラ メ ー タ E、 相 関距離 a 及び誘 電率ゆ ら ぎ 2 乗平均 < 77 2 > を適宜選択制御 す る こ と に よ っ て、 散乱能 の 強 さ、 散乱 角度特性等 を所望の も の と す る 自 fi度が大 き く な る。
以下、 散乱特性 を 定量的 に記述 し、 光散乱導光体の 散 乱特性 を選択制御 す る 際 に有用 な 量 あ る い は 関数で あ る 有効散乱照射パ ラ メ ー タ E、 相関 関数 ァ ( r ) 、 相閬距 難 a お よ び誘電率 ゆ ら ぎ 2 乗平均 < ?7 2 > につ い て ; D e b y e の理論 を 引 用 し て 簡単 に説明 す る。
強 度 1 0の 光 が 媒 体 中 を y ( cm)透 過 し、 そ の 間 の 散 乱 に よ り 強 度 が I に 減 衰 し た 場 合 に、 有 効 散 乱 照 射 パ ラ メ 一 夕 E を次 式 ( 1 ) ま た は ( 2 ) で 定 義 す る。
E [ cm- ' ] = - [ 1 n ( I / I 0 ) ] / γ ' · ( 1 ) E [ cm- 1 ] = - ( I / I O) - d l / d y · ' ( 2 ) 式 ( 1 ) 、 ( 2 ) は 各 々 い わ ゆ る 積 分 形 及 び 微 分 形 の 表 現 で あ っ て、 物 理 的 な 意 味 は 等 価 で あ る。 な お、 こ の Ε は 濁 度 ( ) と 呼 ば れ る こ と も あ る。
一 方、 媒 体 内 に 分 布 し た 不 均 一 構 造 に よ っ て 光 散 乱 が 起 こ る 場 合 の 散 乱 光 強 度 は、 縦 偏 光 の 入 射 光 に 対 し て 出 射 光 の 大 半 が縦 偏 光 で あ る 通 常 の 場 合 ( V v散乱 ) に は、 次 式 ( 3 ) で 表 さ れ る。
V ( 4 < 77 2 > 7Γ 3 ) / λ ^ ] X C r ( r ) d r
· · · · · · ( 3 ) 但 し、 C = [ r 2 sin ( レ s r ) ] レ s r
· · . · · · ( ) 自 然 光 を 入 射 さ せ た 場 合 に は、 H h散 乱 を 考 慮 し て、 式 ( 3 ) の 右 辺 に ( l + cos 0 2 ) を 乗 じ た、
I = V ( 1 + cos Θ 2 ) ( 5 ) を 考 え れ ば 良 い こ と が 知 ら れ て い る。
こ こ で、 え は 入 射 光 の 波 長、 レ - ( S Tr n ) / え 、 s = 2 sin ( 0 / 2 ) , n は 媒 体 の 屈 折 率、 0 は 散 乱 角、 く 77 2 > は 媒 体 中 の 誘 電 率 ゆ ら ぎ 2 乗 平 均 で あ り、 ァ ( r : 柑 関 関 数 と 呼 ば れ る も の で あ る。
D e b y e に よ る と、 媒 体 の 屈 折 率 不 均 一 構 造 が 界 面
を持っ て A 相 と B 相 に 分 か れ て 分散 し て い る 場合 に は、 誘電率の ゆ ら ぎ に 関 し て 相 関 関数 y ( r )、 相 関距離 a、 誘電率 ゆ ら ぎ 2 乗平均 < " ≥ > 等が次の よ う な 関係式 で表 さ れ る。
r ( r ) = e x p ( a / r ) v. o ) a [ cm] = ( 4 V / S ) · ø « ø B ( 7 )
< 77 2 > = 0 « 0 S ( II B 2― n s 2 ) ] 2 ( 8 ) 但 し、 V ; 全体稷、 S ; 界 面の全面積、 ø 。、 ø B ; A、 B 各相 の 体稹分率、 n 。、 n B ; A、 B 各相 の 屈折率 で あ る。
不均一構造が半径 E の 球状界面で構成 さ れ て い る と 見 な せば、 相関距雜 a は次式で表 さ れ る。
a [ em] = ( 4 / 3 ) R ( 1 — ) ( 9 ) 相関 関数 ァ ( r ) につ い て の 式 ( 6 ) を 用 い、 式 ( 5 ) に 基づ い て 自然光 を 媒体 に入射 さ せた 時の有効散乱照射 ノ、' ラ メ 一 夕 E を 計算 す る と 結果 は次 の よ う に な る。
E = [ ( 3 2 a 3 く 77 2 > っ / Λ B 4 ] · f ( b )
• • • • ( 1 0 ) 但 し、 f ( b ) = [ { ( b + 2 ) 2 / b 2 ( b + 1 ) } ― { 2 ( b + 2 ) / b 3 } · I n ( b + 1 ) 〕
• • • • ( 1 1 ) b = 1 2 a 2 · · · · ( 1 2 ) 以上述べ た 関係か ら、 相 閧距雜 a 及び誘電率 ゆ ら ぎ 2 乗平均 < ?? 2 > を変化 さ せ る こ と に よ り、 散乱光強度、 散 乱光強度の 角度依存性及び有効散乱照射パ ラ メ ー タ E を
制 御 す る こ と が 可 能 で あ る こ と が 判 る。
散 乱 光 強 度 の 角 度 依 存 性 は、 本 発 明 の 光 散 乱 導 光 体 を 実 際 の 照 明 装 置 等 に 適 用 す る 場 合 に 考慮 さ れ 得 る 事 項 で あ る こ と は 言 う ま で も な い。
図 1 5 は、 横 軸 に 相 関 距 離 a、 縦 軸 に 誘 電 率 ゆ ら ぎ 2 乗 平 均 < 77 2 > を と っ て 有 効 散 乱 照 射 パ ラ メ 一 夕 E の 曲 線 を E = 5 0 [ cm- 1 ] 及 び E = 1 0 0 [ cm— 1 ] の 場 合 に つ い て 例 示 し た も の で あ る。
一 般 に、 E が 大 き け れ ば 散 乱 能 が 大 き く、 E が 小 さ け れ ば 散 乱 能 が 小 さ い、 換 言 す れ ば 透 明 に 近 く な る。 E =
0 は 全 く 散 乱 の 無 い こ と に 対 応 す る。
従 っ て、 大 面 積 の 面 状 光 源 や 長 尺 の フ ァ イ バ ー 状 乃 至 棒 状 の 均 一 照 明 光 源 等 に 本 発 明 の 光 散 乱 導 光 体 を 適 用 す る 場 合 に は E を 小 さ く 選 べ ば 良 い。
— 応 の 目 安 と し て は、 例 え ば、 E = 0. 0 0 1 [ cm" 1 ] 程 度 と す れ ば、 数 十 m の 寸 法 の フ ァ イ バ ー 状 の 光 散 乱 導 光 体 を 均 一 に 光 ら せ る こ と が 出 来 る。 図 1 に 示 し た E =
1 0 0 [ cm- ' ] の 程 度 に と れ ば、 数 m m の 範 囲 を 集 中 的 且 つ 均 一 に 照 明 す る の に 適 し て い る。
ま た、 図 1 の E - S O E CD) - 1 ] の ケ ー ス で は、 そ れ ら の 中 間 的 な サ イ ズ ( 例 え ば、 数 c m 〜 数 + c m ) の 光 散 乱 導 光 体 を 均 一 に 光 ら せ る の に 好 適 で あ る。
但 し、 こ れ ら 有 効 散 乱 照 射 パ ラ メ ー タ E の 値 は 具 体 的 な 適 用 装 置 の 使 用 条 件、 例 え ば 1 次 光 源 の 強 さ、 周 辺 に 配 置 さ れ た 光 学 要 素 に 依 存 す る 散 乱 光 補 強 あ る い は 減 衰
フ ァ ク タ 一 等 も 考 慮 し て 定 め ら れ る こ と が 好 ま し い。 相 M距離 a に つ い て は、 一応 0. 0 0 5 〜 5 0 ^ 程 度が実際的 と考 え ら れ る が、 個 々 の ケ ー ス に つ い て は、 要求 さ れ る 角度特性 等 を考慮 し て 定 め ら れ る こ と が好 ま し い。
図 面 の 簡 単 な 説 明 図 1 は、 棒状の光散乱 導光体の斜視 図、
図 2 は、 図 1 に 示 し た 棒状 の 光散乱導光体の 散乱光強 度の長 さ 方 向分布 の 一例 を 示 す図、
図 3 は、 棒状の 光散乱導光体の 斜視 図、
図 4 は、 散乱光強度の測定装 gの 一例 を示す概略図、 図 5 ( a )、 ( b ) は、 散乱及び 散乱 の 散乱光 強度の角度依存性の 一例 を 表 す図、
図 6 は、 V v散乱 の 散乱光強度の 角度依存性 を表す別の 例 を示す図、
図 7 は、 ディ ス ク 状の 光散乱導光体 を 示す 図、
図 8 は、 図 7 に 示 し た デ ィ ス ク 状の 光散乱導光体の 光 り 散乱特性 を調 べ る 為の光分岐 * 混合装 型の 配置を 示 す図、
図 9 は、 く さ び型光散乱導光体の張 り 合わ せ状態 と そ の 試験方法 を示 し た 図、
図 1 0、 図 1 1、 図 1 2 及 び図 1 3 は、 本発明 の 板状 光散乱導光体 を 用 い て 面状光源 を 構成 し た場合 の 面発光 の 様子 と 光強度の分布 を 示 し た 図、
図 1 4 は ( a )、 ( b ) は く さ び型の 光散乱導光体 の
製 造 方 法 を 例 示 し た 図、
図 1 5 は、 横 軸 に 相 関 距 離 a、 縦 軸 に 誘 電 率 ゆ ら ぎ 2 乗 平 均 < 77 2 > を と っ て 有 効 散 乱 照 射 パ ラ メ 一 夕 E の 曲 線 を E = 5 0 [ cm" 1 ] 及 び E = 1 0 0 [ c m " 1 ] の 場 合 に つ い て 描 い た 図 で あ る。
発 明 を 実 施 す る 為 の 最 良 の 形 態
[ 実 施 例 1 ]
M M A に,ト リ フ ル ォ ロ ェ チ ル メ タ ク リ レ ー 卜 ( 3 F M A ) の ポ リ マ ー を 0. l w t % ^解 し、 ラ ジ カ ル 重 合 開 始 剤 と し て t — ブ チ ル ノ、' 一 ォ キ シ イ ソ プ ロ ピ ル カ ー ボ ネ — ト 0. 2 w t %、 連 鎖 移 動 剤 と し て、 n — ブ チ ル メ ル カ プ タ ン を 0. 2 w t % 加 え、 7 0 ° C で 9 6 時 間 重 合 し た 後、 熱 処 理 を 行 い、 棒 状、 板 状 等 各 種 形 状 の 光 散 乱 導 光 体 を 得 た。 板 状 体 の 厚 さ や 3 F M A ポ リ マ ー の 組 成 を 場 所 的 に 徐 々 に 変 化 さ せ る こ と に よ り、 有 効 散 乱 照 射 パ ラ メ ー タ E を 平 面 内 で 徐 々 に 変 化 さ せ る こ と が 出 来 た。
棒 状 の 光 散 乱 導 光 体 1 ( 図 1 参 照 ) に、 軸 方 向 よ り 光 を 入 射 さ せ た と こ ろ、 散 乱 角 9 0 ° に お け る V v散 乱 強 度 は 2 x 1 0 - 4〜 1. 5 X 1 0 - 3 [ cm " 1 ] , 散 乱 強 度 は は、 5 x 1 0 - 5〜 : I. l x l 0 — 2 [ c in -, ] で あ っ た。
長 さ 方 向 に つ い て の 散 乱 強 度 の 変 化 は、 図 2 に 示 さ れ た 形 を し て お り、 比 較 的 フ ラ ッ ト な 特 性 を 示 し た。
ま た、 図 3 に 示 し た よ う に、 板 状 体 の 光 散 乱 導 光 体 2 の 場 合 に は、 背 後 に ミ ラ 一 3 を 置 き、 縦 方 向 に つ い て 均 — な 光 を 光 源 4 か ら 入 射 さ せ て、 散 乱 光 強 度 を 測 定 し た。
散乱光強度の 測定 は、 シ リ コ ン フ ォ ト セ ル で光散乱導 光体 2 の 前面側 を ス キ ャ ン す る こ と に よ っ て 行 っ た。
X 方向 に 3 F M A ¾度 を変 化 さ せ て有効散乱照射 パ ラ メ ー タ E に 勾配 を つ け る こ と に よ っ て、 前面側全域 に つ い て 均一 な 散乱光強度分布 を 実現 さ せ る こ と に成功 し た。
ま た、 X 方向 に厚 さ を 変化 さ せ る こ と に よ つ て も 同様 の 散乱光強度均一分布 を 得 る こ と が出来 た。
図 3 に示 し た例で は、 光散乱導光体の 背後 に ミ ラ ー を 配置 し た が、 適当 な サイ ズ ( 例 え ば、 数 c m 〜 数 1 0 c m ) の 板状 の 光散乱導光体 に 光 を 雨側側面か ら 入射 さ せ る 配置 と す れば、 ミ ラ ー あ る い は粒子状 の 反射要素 を分 布 さ せた反射体等の 反射補強 手段 を 用 い な く と も、 均 一 性 の あ る 照度分布 を 有す る 面状光源が得 ら れ る こ と が判 つ た。 こ の 種の 配置 を液晶表示装置の パ ッ ク ラ イ 卜 光源 等 に適用 す れば、 装置 を 小型化 す る上で極 め て有利 で あ る。 ま た、 背後 を光学的 に 開放す れば、 雨面発光光源 と し て も 有用 で あ る。
[実施例 2 ]
M M A と ビニルベ ン ゾエ ー 卜 ( V B ) を 4 対 1 の割合 で共重合 さ せた。 重合開始剤 と し て デ ィ ' 夕 ー シ ャ リ ー • プチル パ 一 ォ キサ イ ド ( D B P O ) を 0. 2 w t %、 連鎖移動剤 と し て n —ブチル メ ル カ ブタ ン を 0. 2 w t % 用 い、 1 3 0 ° C で 9 6 時 間重合 さ せた。
得 ら れ た光散乱導光体 につ い て、 実施例 1 と 同 じ条件 で散乱光測定 を行っ た と こ ろ、 実施例 1 で得 ら れ た光散
乱 導 光 体 と ほ ぼ 同 じ 特 性 を 有 し て い る こ と が 判 っ た。
[ 実 施例 3 ]
M M A に 3 F M A の ポ リ マ ー を 0. 1 5 w t % 溶 解 し た も の と、 0 . 1 ^ 七 % 溶 解 し た も の を 調 製 し、 各 々 に ラ ジ カ ル 重 合 開 始 剤 と し て t 一ブ チ ル パ ー ォ キ シ イ ソ ブ 口 ピ ル 力 一 ポ ネ ー ト 0. 2 w t %、 連 鎖 移 動 剤 と し て、 n —ブ チ ル メ ル カ プ タ ン を 0. 2 w t % 加 え、 7 0 ° C で 7 2 時 間 重 合 し た 後、 1 3 0 ° C で 2 4 時 間 熱 処 理 を 行 い、 棒 状 ( 直 径 2 O m m ) の 光 散 乱 導 光 体 を 製 造 し た。
こ の 光 散 乱 導 光 体 を 図 4 に 示 し た 測 定 装 置 の ゴ ニ オ メ 一 夕 の 中 心 に 試 料 と し て セ ヅ 卜 し、 側 面 か ら 縦 方 向 に 偏 光 し た H e — N e レ ー ザ 光 ( V 偏 光 ) を 入 射 さ せ、 入 射 方 向 に 対 し て 角 度 0 を 有 す る 方 向 へ の 散 乱 光 強 度 を 測 定 し た。 こ の 散 乱 光 の 縦 偏 波 成 分 及 び 横 偏 波 成 分 H v に つ い て、 測 定 し た 結 果 を 示 し た の が 図 5 ( a ) 、 ( b ) で あ る。 図 中、 A , B は 各 々 ポ リ 一 3 F M A の 濃 度 が 0. 1 5 w t % の も の と、 0 . l w t % の も の を 表 し て い る。 縦 偏 波 成 分 V vは 等 方 性 散 乱 に 対 応 し、 横 偏 波 成 分 H v は 異 方 性 散 乱 に 対 応 し て い る。
こ の 光 散 乱 導 光 体 に お い て は 縦 偏 波 成 分 V v と、 横 偏 波 成 分 H に 大 き な 差 が 認 め ら れ な い。 こ れ は、 入 射 光 の 偏 光 方 向 に 関 わ ら ず、 散 乱 光 が 偏 光 性 を 殆 ど 持 た な い こ と を 意 味 し て い る。 従 っ て、 こ の よ う な 光 散 乱 導 光 体 は 偏 光 性 を 消 去 す る 光 学 素 子 ( 一 種 の ス ク ラ ン ブ ラ 一 ) と し て 使 用 す る こ と が 出 来 る。
ま た、 縦偏波成分 ( V '散乱光強度 ) の 角度依存性 に基 づ い て、 前述の D e b y e の 関係式 を 使 っ て 相 関距離 を 計算 し た と こ ろ、 ほ ぽ 1 0 0 0 オ ン グ ス ト ロ ー ム の大 き さ の屈折率不均一構造 に よ っ て、 V '散乱光強度 に角度依 存性が生 じ て い る こ と が判 っ た。
[実施例 4 ]
M M A と ビニ ルペ ン ゾェ一 ト ( V B ) を 4 対 1 の割合 で共重合 さ せた。 重合開始剤 と し て デ ィ ' タ ー シ ャ リ ー • ブチル バ 一 ォ キ サ イ ド ( D B P O ) を 0. 2 w t %、 連鎖移動剤 と し て n —ブチル メ ル カ ブタ ン を 0. 2 w t % 用 い、 7 0 ° C で 9 6 時間重合 さ せた。
得 ら れ た光散乱導光体 に つ い て、 D e b y e の 関係式 を 使 っ て相 関距雜 a と 誘電率 ゆ ら ぎ 2 乗平均 < 77 2 > を計 算 し た 結果、 相 関距離 a = 7 2 0 オ ン グ ス ト ロ ー ム、 誘 電率ゆ ら ぎ 2 乗平均 く ?? 2 > = 1. 2 2 X 1 0 - 6と い う 値 を 得た。
[実施例 5 ]
M M A に 分子量 4 7 5 0 0 の ポ リ ス チ レ ン ポ リ マ ー を 0. 2 w t % 溶解 し、 ラ ジ カ ル重合開始剤 と し て t ーブ チ ル ノ — ォ キ シ イ ソ プ ロ ビ ル カ ー ボ ネ ー 卜 0. 2 w t %、 連鎖移動剤 と し て、 n —ブチ ル メ ル カ ブ タ ン を 0. 2 w t % 加 え、 7 0 ° C で 9 6 時間重合 さ せ て 棒状 の 光散乱 導光体 ( 直径 5 m ni ) を製造 し た。
こ の光散乱導光体 の 等方性光散乱 ( V v ) の角度依存性 を 図 6 に示す。
ま た、 こ の 光 散 乱 導 光 体 を 図 7 に 示 さ れ た よ う な デ ィ ス ク 状 に 加 工 し、 上 下 を 反 射 板 で 挟 ん で 図 8 に 示 し た よ う に 入 射 側 と 出 射 側 に 各 々 光 フ ァ イ バ一を 接 続 し た。 入 射 側 の 光 フ ァ イ ノ、 * 一 は 1 本 と し、 出 射 側 の 光 フ ァ イ ノ、'一 は 5 本 と し て、 光 分 岐 装 置 ( あ る い は、 光 混 合 装 置 ) を 構 成 し た。 入 射 側 か ら 光 信 号 を 入 力 し た と こ ろ、 出 射 側 の 5 本 の 光 フ ァ イ ノ ー に つ い て、 ほ ぼ 等 し い 強 度 の 光 信 号 出 力 が 得 ら れ た。
[ 実 施 例 6 ]
M M A に 3 F M A の ポ リ マ ー を 0. l w t % 溶 解 し、 ラ ジ カ ル 重 合 開 始 剤 と し て t 一ブ チ ル ノ、'一ォ キ シ イ ソ ブ 口 ピ ル カ ー ボ ネ ー ト 0. 2 w t %、 連 鎖 移 動 剤 と し て、 n—ブ チ ル メ ル 力 プ 夕 ン を 0. 2 w t % 加 え、 7 0 ° C で 7 2 時 間 重 合 し た 後、 1 3 0 ° C で 2 4 時 間 熱 処 理 を 行 い、 棒 状 の 光 散 乱 導 光 体 ( 直 径 1 0 m m ) を 製 造 し た。
こ の 光 散 乱 導 光 体 を 約 2 0 0 ° C に 加 熱 し て 柔 軟 に し た 状 態 で 延 伸 す る こ と に よ り、 外 径 l m m の フ ァ イ ノ ー 状 乃 至 糸 状 の 光 散 乱 導 光 体 を 製 造 し た。 こ の 光 散 乱 導 光 体 に H e — N e レ ー ザ 光 を 入 射 し た と こ ろ、 約 l m に わ た っ て 光 を 伝 達 し な が ら 均 一 な 散 乱 光 を 放 射 す る こ と が 確 か め ら れ た。
こ の 延 伸 さ れ た フ ア イ バ ー 状 光 散 乱 導 光 体 の 屈 折 率 は 1. 4 9 1 で あ つ た が、 こ れ と は 異 な る 屈 折 率 1. 5 0 2 を 有 す る M M A と ベ ン ジ ル メ タ ク リ レ 一 ト の 共 重 合 体 を 用 い て 周 囲 に 被 覆 を 施 し て 光 散 乱 導 光 体 か ら な る 光 フ
ア イ バ一素子 を 作 る こ と が出 来た。
こ の 光 フ ァ イ ノ、 *— に H e — N e レ ーザ光 を入射 し た と こ ろ、 約 8 O c m に わ た つ て 光 を伝達 し な が ら 均一 な 散 乱光 を 放射 す る こ と が確か め ら れ た。
ま た、 被覆材料 を 屈折率 1.. 4 8 0 を 有す る M M A と
3 F M A の 共重合体 と し た場合 に は、 こ の均 一 散乱導光 長 さ は約 2 m に伸びた。
[実施例 7 ]
M M A に 3 F M A の ポ リ マ ー を 0. l w t % 溶解 し、 ラ ジ カ ル重合開始剤 と し て t —ブ チルパ ー ォ キ シ イ ソ プ 口 ビル 力 一 ボ ネ ー ト 0. 2 w t %、 連鎖移動剤 と し て、 n —ブチル メ ル カ ブ タ ン を 0. 2 w t % 加 え、 7 0 ° C で 7 2 時間重合 し た 後、 1 3 0 ° C で 2 4 時間熱処理 を 行 い、 棒状 の光散乱導光体 ( 直径 1 0 m m ) を 製造 し た。
こ の 光散乱導光体 をペ レ ッ ト 状 に し て、 更 に細か く 粉 碎 し た後、 底面の 直径が 1 ひ m m、 高 さ が 3 0 m m の 円 錐状の 型容器及び直径 6 m m の球形の 型容器 に 各々 入 れ て 約 2 0 0 ° C で加熱 す る こ と に よ り、 各容器形状 に 対 応 し た形状の光散乱導光体 を 製造 す る こ と が出来た。
こ の こ と か ら、 型容器の形状 と 寸法 を 選べ ば任意形状 と 任意サイ ズを 有す る 光散乱導光体 を製造 し 得 る こ と が 判 つ た。
[実施例 8 ]
M M A に 3 F M A の ポ リ マ ー を 0. 4 0 w t %、 0 . 3 0 w t %、 0 . 0 5 w t % 及び 0. 0 1 \^ 七 % 溶解 し
た も の を 各 々 調 製 し ( 得 ら れ る 光 散 乱 導 光 体 も 含 め て、 順 に、 記 号 W l、 W 2、 W 3 及 び W 4 で 表 す。 ) 、 ラ ジ カ ル 重 合 開 始 剤 と し て t ー ブ チ ル ノ ー ォ キ シ ィ ソ プ ロ ピ ル カ ー ボ ネ ー ト 0. 2 w t %、 連 鎖 移 動 剤 と し て、 n — プ チ ル メ ル 力 プ 夕 ン を 0. 2 w t % 加 え、 7 0 ° C で マ 2 時 間 重 合 し た 後、 1 3 0 ° C で 2 4 時 間 熱 処 理 を 行 い、 4 種 類 の く さ び 状 光 散 乱 導 光 体 を 作 っ た。 各 要 素 の サ イ ズ は 縦 8 0 m m、 横 1 0 0 m m、 最 厚 部 厚 さ 4 m m と し た。
こ れ ら の 光 散 乱 導 光 体 要 素 の う ち 2 個 ( サ ン プ ル A 及 び B ) を 任 意 に 組 合 わ せ て 図 9 に 示 し た よ う な 板 状 の 光 散 乱 導 光 体 を 作 り、 側 方 よ り 蛍 光 灯 の 光 を 入 射 さ せ た。
そ し て、 一 方 の 面 側 に ビ デ オ カ メ ラ を 配 g し、 イ ン テ ン シ テ ィ デ ィ ス プ レ イ を 使 っ て 散 乱 光 強 度 を 測 定 し た。
サ ン プ ル A、 B の い ろ い ろ の 組 合 せ に つ い て そ の 結 果 を 示 し た の が 図 1 0 〜 図 1 3 で あ る。
I ( x ) 、 I ( y ) は そ れ ぞ れ 横方 向、 縦 方 向 に つ い て の 散 乱 光 強 度 を 表 し て お り、 中 央 部 の 白 黒 港 淡 は 光 照 度 に 対 応 し て い る。
図 1 0 は、 サ ン プ ル A と し て W 2 を 選 び、 サ ン プ ル B と し て W 3 を 選 ん だ も の で あ る ( A = W 2、 B = W 3 ) 。 以 下、 図 1 1 で は A = W 1、 B = W 3、 図 1 2 で は A = W 2、 B = W 4、 図 1 3 で は A = W 1、 B = W 4 と い う 組 合 せ が 選 択 さ れ て い る。
図 1 0 及 び 図 1 1 の ケ ー ス で は 散 乱 光 強 度 に 比 較 的 大
き な勾配が認 め ら れ る が、 図 1 2 及 び図 1 3 の い ケ ー ス で は極 め て フ ラ ッ ト な散乱光強度分布が実現 し て い る こ と が明瞭 に判 る。
図 1 2 や 図 1 3 に 示 し た よ う な 均一散乱光が得 ら れ る 光散乱導光体が、 液晶表示装 Sの バ ッ ク ラ イ 卜 光源 と し て 非常 に W値 あ る も の で あ る こ と は明 ら か で あ る。
[実施例 9 ]
M M A に 3 F M A の ポ リ マ 一 を 0. l w t % 溶解 し、 ラ ジ カ ル重合開始剤 と し て t 一ブチル パ ー ォ キ シ ィ ソ ブ 口 ピル カ ー ボ ネ ー ト 2 w t %、 連鎮移勖剤 と し て、 n —ブ チル メ ル カ ブ タ ン を 0. 2 w t % 加 え、 7 0 ° C で 7 2 時間重合 し た 後、 1 3 0 ° C で 2 4 時間熱処理を 行 い、 く さ び状光散乱導光体 を作 っ た。
こ れ を、 図 1 4 ( a ) に示 し た よ う に、 重合反応容器 に 収容 し、 そ の 上か ら 重合開始剤 を 含む モ ノ マ ー を注入 し、 6 0 ° C で拡散重合 さ せた。
そ の 結果、 図 1 4 ( b ) に 示 し た よ う な板状の光散乱 導光体 を得た。 こ の 板状光散乱導光体 は そ の 厚み方向 に つ い て は有効散乱照 射パ ラ メ ー タ が一定で あ る が、 図 中 X軸方向 に つ い て は有効散乱照射パ ラ メ ー タ E に勾配が 付 け ら れ て い る も の で あ る。 こ の よ う に 特定方 向 に だ け 散乱能が変化す る も の が得 ら れ た の は、 前 も っ て 作成 さ れ た く さ び状の 光散乱導光体重合 す る 時 に M M A モ ノ マ 一側 に蟛澗 し、 あ る 程度上下方向 に組成 が均 一化 さ れ た 為 あ 。
散 乱 光 強 度 か ら 有 効 散 乱 照 射 パ ラ メ ー タ E を 計 算 し た と こ ろ、 X 軸 方 向 に 沿 っ て 2. 3 0 [ C DI- ' ] か ら 5 X 1 0 - 3 [ cm" 1 ] ま で 変 化 し て い る こ と が 判 っ た。
ま た、 こ の よ う な 方 法 に よ り、 く さ び 形 以 外 の 種 々 の 形 状 ( 球 面 状、 波 形 状 等 ) の 光 散 乱 導 光 体 を 作 製 し、 そ れ を も と に 所 望 方 向 に 所 望 の 散 乱 能 ( 有 効 散 乱 照 射 パ ラ メ ー タ E ) の 分 布 を 与 え た 板 状 乃 至 直方 体 状 の 光 散 乱 導 光 体 を 製 造 す る こ と が 可 能 で あ る こ と が 判 っ た。
[ 実 施 例 1 0 ]
M M A に、 ラ ジ カ ル 重 合 開 始 剤 と し て t —ブ チ ル ノ、'一 ォ キ シ イ ソ プ ロ ピ ル カ ー ボ ネ ー ト 0. 2 w t %、 連 鎖 移 動 剤 と し て、 II — ブ チ ル メ ル 力 プ 夕 ン を 0. 2 w t % 加 え、 6 0 ° C ( ガ ラ ス 転 移 温 度 以 下 ) で 2 4 0 時 間 に わ た っ て 重 合 反 応 を 行 わ せ た。 残 存 し て い る モ ノ マ ー は、 高 転 化 率 が 実 現 し た 段 階 で 固 化 し た P M M A マ リ ッ ク ス 中 に ト ラ ヅ プ さ れ て い る が、 こ の モ ノ マ ー は 長 時 間 の 加 熱 に よ り 重 合 す る。 こ こ で モ ノ マ ー か ら ポ リ マ ー へ 変 化 す る 際 に 生 じ る 体 積 変 化 ( 収 縮 ) に よ り、 無 数 の マ イ ク ロ ボ イ ド が 生 成 し、 こ れ が 光 散 乱 を も た ら す 屈 折 率 不 均 一 構 造 と し て の 機 能 を 果 た す。
こ の よ う な プ ロ セ ス で 得 ら れ た 光 散 乱 導 光 体 サ ン プ ル に つ い て、 V 散 乱 強 度 の 角 度 依 存 性 を 測 定 し、 D e b y e の 関 係 式 に 基 づ い て 相 関 距 離 a を 計 算 し た と こ ろ、 8 5 0 オ ン グ ス 卜 ロ ー ム と い う 値 が 得 ら れ た。
ま た、 誘 電 率 ゆ ら ぎ 2 乗 平 均 < 77 2 > の 値 は < ?7 2 > =
1. 1 x 1 0 —,、 有効散乱照 射パ ラ メ 一 夕 E に つ い て は E = 0. 1 7 [ cm" ! ] と レ、 う 値で あ っ た。
ま た、 0 = 4 0 ° に お け る V 散乱強度の 測定値 は、 3 x l O - aで あ り、 6* 9 0 ° で は 0. 8 X 1 0 - 4で あ っ た。 更 に、 0 = 1 0 0 ° に と る と、 O . 5 x l O —4 ( 0 = 4 0 0 の 場合の 6 分の 1 ) ま で 数値が低下 し た。
すな わ ち、 こ の 実施例の プ ロ セ ス に よ っ て も た ら さ れ た 屈 折率不均一構造 ( マ イ ク ロ ボ イ ド ) を 持つ 光散乱導 光体 は前方方 向への 散乱が後方へ の 散乱 に比べ て 強 く 起 こ る 傾向を 示 し た。
[実施例 1 1 ]
Μ Μ Α に 3 F M A の ポ リ マ ー を 0. 2 w t % 溶解 し、 ラ ジ カ ル重合開始剤 と し て t 一ブ チルパ 一 ォ キ シ ィ ソ ブ 口 ピ ル カ ー ボ ネ ー ト 0. 2 w t %、 連鎖移動剤 と し て、 n —ブチル メ ル カ ブ タ ン を 0. 2 w t % 加 え、 7 0 ° C で 7 2 時間重合 し た 後、 1 3 0 ° C で 2 4 時間熱処理 を 行 い、 板状 の光散乱導光体 ( 1 0 c m x l 0 c m、 厚 さ は 5 m ni均 一 ) を 製造 し た。
こ の 光散乱導光体 に 図 3 に 準 じ た配置で両側側面か ら 蛍光灯の 光 を入射 さ せた。 光散乱導光体の 背後 に は反射 フ ィ ル ム ( 鏡面でな く て も 良 い ) を 配置 し、 前面 に プ リ ズム 状の 光拡散板 を 置 い て、 散乱光強度 を 測定 し た ( 通 常用 い ら れ る こ と の 多 い ド ッ ト パ タ ー ン 状 に散乱要素 を 分布 さ せた ノ ッ ク ラ イ ト 用 散乱補強素子 は使用 し な い )。
光源 に通常の 光度 の 蛍光灯 を 使用 し て、 光散乱導光体
前 面 の 全 体 に わ た っ て 約 4 4 0 0 カ ン デ ラ の 明 る さ で 光 が 放 射 さ れ て い る こ と が 判 っ た。
従 来 市 販 さ れ て い る バ ッ ク ラ イ ト 用 光 散 乱 導 光 体 を 用 い て、 同 じ 条 件 で 測 定 を 行 っ た と こ ろ、 約 3 4 0 0 カ ン デ ラ と い う 値 を 得 た。
す な わ ち、 従 来 よ り 約 2 3 % の 照 度 の 向 上 が 達 成 さ れ て い る こ と が 確 か め ら れ た。
ま た、 M M A に B z M A の ポ リ マ ー を 0. 5 w t % 溶 解 し、 同 様 の 条 件 で 重 合 を 行 い、 同 形 同 サ イ ズ の 光 散 乱 導 光 体 を 製 造 し、 同 じ 測 定 を 行 っ た と こ ろ、 得 ら れ た 結 果 も 殆 ど 変 わ る と こ ろ が な か っ た。
産業 上 の 利 用 可 能 性
本 発 明 に 係 る 光 散 乱 導 光 体 に よ れ ば、 有 機 材 料 の 重 合 反 応 に よ る 屈 折 率 不 均 一 構 造 形 成 と い う 極 め て 自 由 度 ( 材 料、 有 効 散 乱 照 射 パ ラ メ 一 夕 E の 値、 相 関 距 離 a の 値、 光 散 乱 導光 体 形 状 等 の 選 択 の 幅 ) の 高 い プ ロ セ ス を 利 用 し て、 相 対 的 に 小 面 積 の 光 束 を 高 い 効 率 と 均 一 度 を 以 て 相 対 的 に 大 面 積 の 光 束 に 変 換 す る こ と が 出 来 る の で、 均 — 度 の 高 い 散 乱 光 を 必 要 と す る あ ら ゆ る 光 学 関 係 分 野 に お い て 高 い 産 業上 の 利 用 性 を 有 す る。
具 体 的 に は、 液 晶 表 示 装 置 等 各 種 デ ィ ス プ レ イ の バ ッ ク ラ イ 卜 光 源 装 置、 自 動 車 等 に お け る ノ、' ッ ク ラ イ ト 光 源、 1 次 光 源 と し て 太 陽 光 あ る い は 通 常 の 照 明 光 源 を 利 用 し た 各 種 の 照 明 シ ス テ ム に お け る 各 種 形 状 と 各 種 寸 法 の 照 明 光 源、 レ ー ザ や 発 光 ダ イ オ ー ド 等 の 光 源 を 1 次 光 源 に
用 い た 際の 光束拡張装置、 光信号伝送 シ ス テ ム に お け る 光分岐装 g * 混合、 顕微鏡等 に お い て 狭 い 範 囲 を集中 的 且つ 強力 に 照明 す る 装置等へ の 適用 が考 え ら れ る。