JPWO2018101434A1 - グリコシル化クロリンe6誘導体、または、その薬学的に許容される塩、医薬組成物、標的を破壊する方法、および、グリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、本発明は、優れた殺腫瘍細胞性(光毒性)、および、優れた腫瘍組織の成長抑制効果を有するグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩の提供を課題とする。
また本発明は、医薬組成物、標的を破壊する方法、および、グリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩の製造方法の提供も課題とする。
[1] 後述する一般式(1)で示されるグリコシル化クロリンe6誘導体、または、その薬学的に許容される塩。
[2] 後述する一般式(1)において、R1、R2およびR3が、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアセトキシアルキル基または炭素数1〜6の炭化水素基である、[1]に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
[3] 後述する一般式(1)において、R1、R2およびR3が、メチル基である、[1]または[2]に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
[4] 後述する一般式(1)において、−X−が−X3−O−であり、後述する一般式(2)で示される、[1]〜[3]のいずれかに記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
[5] 後述する一般式(2)において、X3が、Rのアノマー位炭素原子と結合した基、または、アノマー位炭素原子に隣接する炭素原子と結合した基である、[4]に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
[6] 後述する一般式(2)において、−X3−が−S−X4−であり、後述する一般式(3)で示される、[4]または[5]に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
[7] 後述する一般式(3)において、X4が、炭素数1〜16の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基である、[6]に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
[8] 後述する一般式(3)において、X4が−(CH2)n−で示されるアルキレン基であり、nが1〜16の整数である、[6]または[7]に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
[9] 後述する一般式(3)において、X4が−(CH2)n−で示されるアルキレン基であり、nが3〜10の整数である、[6]〜[8]のいずれかに記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
[10] 糖が、単糖類、オリゴ糖、多糖類、アミノ基を含む単糖類、アミノ基を含むオリゴ糖、またはアミノ基を含む多糖類である、[1]〜[9]のいずれかに記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
[11] 糖が、単糖類であり、SがRのアノマー位炭素原子と結合した、[1]〜[10]のいずれかに記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
[12] 糖が、グルコース、ガラクトースまたはマンノースである、[1]〜[11]のいずれかに記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
[13] 下記一般式(4)、(5)または(6)で示される、[1]〜[12]のいずれかに記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
[14] 腫瘍、皮膚疾患、眼疾患または加齢黄斑変性の光線力学治療用であり、[1]〜[13]のいずれかに記載のクロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む医薬組成物。
[15] ウイルス、微生物およびこれらのいずれかの感染細胞、腫瘍細胞、腫瘍状組織、ならびに、新生血管からなる群より選択される標的に、[1]〜[13]のいずれかに記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩を接触させた後に、標的に対して、クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩に吸収される波長の光を照射する工程を含む、標的を破壊する方法。
[16] [1]〜[13]のいずれかに記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、医薬組成物。
[17] 腫瘍、皮膚疾患、眼疾患または加齢黄斑変性の、治療、診断または検出のための、[16]に記載の医薬組成物。
[18] クロリンe6と糖とを連結基を介して結合させる工程を含む、[1]〜[13]のいずれか1項に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩の製造方法。
以下では、本クロリン誘導体等のうち、特に、グリコシル化クロリンe6誘導体を例に説明することがあるが、その説明は、特に記載した場合を除き、グリコシル化クロリンe6誘導体の薬学的に許容される塩にも当てはまる。
XはRを構成する炭素原子のいずれか1つと結合した2価の基であり、かつ、RはC(炭素原子)、N(窒素原子)、O(酸素原子)、H(水素原子)、およびS(硫黄原子)からなる群より選択される少なくとも1種の原子からなる直鎖状または分岐鎖状の2価の基である。Xとしては、例えば、−S−、−O−、−NRx−(Rxは水素原子、または、ヘテロ原子を有してもよい炭化水素基)、カルボニル基、アルキレン基、アルケニレン基、および、これらを組合せた基が挙げられ、O(酸素原子)および/またはS(硫黄原子)を含むことが好ましく、−S−、−O−、および、アルキレン基からなる群より選択される2種以上を組み合わせた基がより好ましく、−S−、−O−、および、アルキレン基とを組み合わせた基がさらに好ましい。
ショ糖、マルトース、ラクトース、マルトトリオース、ラフィノース、および、マルトテトラオース等のオリゴ糖、並びに、アミノ基を有するこれらの誘導体;
デンプン、アミロース、および、グリコーゲン等の多糖類、並びに、アミノ基を有するこれらの誘導体;等が挙げられる。なかでも、単糖類が好ましく、ヘキソースまたはヘキソサミンがより好ましく、ヘキソースがさらに好ましく、グルコースが特に好ましい。
単糖類は、D体であってもよいし、L体であってもよいが、D体が好ましい。
ここで、炭素数1〜6のアセトキシアルキルとしては、アセトキシメチル、アセトキシエチル、アセトキシプロピル、およびアセトキシブチル等が挙げられる。また、炭素数1〜6の炭化水素としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、およびシクロヘキシル等の炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状または環状アルキルが挙げられる。なかでも、より優れた本発明の効果を有するグリコシル化クロリンe6誘導体が得られる点で、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアセトキシアルキル基または炭素数1〜6の炭化水素基であることが好ましい。癌細胞に対する取り込み性が向上するからである。
なかでも、より優れた本発明の効果を有するグリコシド化クロリンe6誘導体が得られる点で、R−X−*で表される基としては、R−X3−O−*で表される基が好ましい。ここで、X3は、C、N、O、H、およびSからなる群より選択される少なくとも1種からなる直鎖状または分岐鎖状の2価の基であり、かつ、Rを構成する炭素原子のいずれか1個と結合している。X3の2価の基としては特に制限されないが、すでに説明したXの2価の基と同様の形態である。
すなわち、グリコシド化クロリンe6誘導体は、以下の式(2)で表されることが好ましい。なお、式(2)中、糖残基Rの形態としては、式(1)中のRとして既に説明したとおりである。
なかでも、より優れた本発明の効果を有するグリコシド化クロリンe6誘導体が得られる点で、R−L−S−X4−O−*で表される基のLが単結合であることが好ましい。すなわち、R−X−*で表される基は、R−S−X4−O−*で表される基、言い換えれば、糖残基Rが−S−X4−O−に直接連結された基が好ましい。ここで直接連結とは、例えば糖のアノマー位のC(炭素原子)と−S−X4−O−が連結している構造(−C−S−X4−O−)を指す。
また、塩は、無水物、または溶媒和物であってよく、溶媒和物としては、水和物、メタノール和物、エタノール和物、プロパノール和物、および2−プロパノール和物等が挙げられる。
まず、チオール糖(R−SH)に対し、チオール糖と連結できる官能基、例えばハロゲン、トシル基、およびメシル基等の脱離基(E)を有し、かつヒドロキシル基(−OH)を有する連結基(E−X4−OH)を導入する。
なお、この反応で得られる最終生成物は、濃縮、溶媒抽出、分溜、結晶化、再結晶、および、クロマトグラフィー等の公知の手段によって反応混合物から単離、精製できる。
この反応において用いられる溶媒としては、反応が進行する限り特に制限されないが、ギ酸、酢酸、およびプロピオン酸等が挙げられる。
この反応において用いられる溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、ピリジン、ルチジン、および、キノリン等の芳香族アミン類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、および、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、ペンタン、および、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、および、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、および、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、および、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類またはこれら二種以上の混合物等が挙げられる。上記反応で特に好ましい溶媒は、反応性の観点からジクロロメタン、クロロホルムおよびこれらの混合物である。
この反応において用いられる溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、ギ酸、酢酸、および、プロピオン酸等が挙げられる。
連結基(E−X4−OH)としては、クロロアルコール、ブロモアルコール、ヨードアルコール、トシルアルコール、およびメシルアルコール等が挙げられる。上記反応で加える、連結基(E−X4−OH)は、クロリンe6トリメチルエステルハロゲン化水素付加体に対し、10等量以上加えることが好ましい。連結基結合クロリンe6トリメチルエステルの収率が向上するためである。
この反応において用いられる溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、ピリジン、ルチジン、および、キノリン等の芳香族アミン類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、および、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、ペンタン、および、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、および、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、および、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、および、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;これら二種以上の混合物等が挙げられる。上記反応で特に好ましい溶媒は、反応性の観点からジクロロメタン、クロロホルムおよびこれらの混合物である。
次に、連結基結合クロリンe6トリメチルエステルに対し、チオール糖(R−SH)を導入する。
なお、この反応で得られる最終生成物は、濃縮、溶媒抽出、分溜、結晶化、再結晶、および、クロマトグラフィー等の公知の手段によって反応混合物から単離、精製できる。
本クロリン誘導体等は、暗所下では細胞毒性を示さないが、光線照射下で強い細胞毒性を示すことを利用して、標的となる生物材料と、暗所下でインビトロまたはインビボで接触させて細胞内に取り込ませた後、本クロリン誘導体等の吸収波長の光を照射することにより、標的を破壊する用途に用いることができる。
具体的には、食道癌、肺癌、胃癌、子宮頸癌、子宮体癌等の子宮癌、皮膚癌、前立腺癌、および、腎臓癌等が挙げられる。皮膚癌には、原発性(扁平上皮癌、基底細胞癌、および、表皮付属機癌)の他、内臓癌の皮膚転移も含まれる。
既に説明したとおり、本クロリン誘導体等は、上記の標的を破壊する方法に適用できる。本発明の実施形態に係る標的を破壊する方法は、標的に、本クロリン誘導体等を接触させた後に、標的に対して、本クロリン誘導体等に吸収される波長の光を照射する工程を含む。
なお、上記方法は、ヒト個体、及び、ヒト個体以外で実施できる。すなわち、上記標的を破壊する方法は、ヒト個体での実施が可能であり、及び、ヒト個体での実施を除く形態での実施も可能である。
本発明の実施形態に係る医薬組成物は、腫瘍、皮膚疾患、眼疾患または加齢黄斑変性の光線力学治療用であり、上記グリコシル化クロリンe6誘導体を有効成分として含有する。なかでも腫瘍の光線力学治療用としてより優れた効果を有する。
また、クリーム状の薬剤組成物としてもよく、これにより経皮的にも投与できる。その他、体内の深部の腫瘍組織へ直接に局所注入できる。
有効成分である本クロリン誘導体等は、その細胞毒性が高いことから、従来品(フォトフリンやレザフィリン)よりも投与量を少なくして、同等以上の効果を得ることを期待できる。このことは、代謝、および、排泄に要する時間が短くて済むことを意味し、光線力学的療法の活用利便性を高める。
光毒性評価にはIC50(Half maximal(50%)inhibitory concentration)を用いることとし、以下の手順で測定した。
ヒト胃癌由来細胞であるMKN45(JCRB細胞バンクより入手して6か月間継代培養したもの)およびMKN28(株式会社免疫生物研究所より入手して6か月間継代培養したもの)を、それぞれ96穴プレートの所定数量のwellに5×103個/well播種し(FBSを10%含むRPMI1640培地、100μL)、5%CO2存在下、37℃で24時間培養した。次にそれぞれのwellに、薬剤を異なる濃度で含む同培地溶液を100μL加え、各wellを所定の薬剤濃度に調整し、4時間培養した後、100μLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS:Phosphate-Buffered Saline)で1回洗浄し、再度100μLのPBSを加えた。その後、660nmのLED光源(30.8mW/cm2、LEDR-660DL, OptoCode)を用いて8分40秒、光線照射した(16J/cm2)。照射後、PBSを取り除き、2%FBSを含むRPMI1640培地を100μL加え、24時間培養した。
ヌードマウス(各群各々4〜6匹ずつ、雌4〜5週齢、体重20±2g、BioLASCO社より入手)の右臀部に、5%CO2下、37℃で10%ウシ胎児血清(Gibco BRL製)および1%抗生物質を添加した1mmol/lピルビン酸ナトリウム含有ダルベッコ変法イーグル培地(Gibco BRL製)にて増殖させたヒト大腸癌細胞株HT29を2×107個皮下注射(0日目)し、腫瘍の大きさを2日ごとに測定した。腫瘍体積は、1/2(4π/3)(L/2)(W/2)Hで計算した(L:腫瘍の長さ、W:幅、H:高さ)。腫瘍体積が50〜100mm3に達したところ(10日目)で、ヌードマウスの側部尾静脈からそれぞれ生理食塩水(コントロール群)を0.1ml、生理食塩水または20%PEG水溶液に薬剤濃度1.25mMで溶解させた薬剤溶液0.1mlを投与した。投与4時間後または24時間後に、腫瘍に660nm(15Jcm−2)、直径2cmのスポットのダイオードレーザー(100mW/cm2、CrystaLaser CL660)を照射した。
腫瘍の大きさを2日ごとに測定し、腫瘍成長抑制率(TGI%)を24日目の腫瘍体積から次式で計算を行い、TGI%が65%未満のものはD、65%以上70%未満のものはC、70%以上75%未満のものはB、75%以上のものはAと評価した。
1−(3−ヒドロキシ−プロパンチオ)−β−D−グルコース連結クロリンe6トリメチ
ルエステルの製造と評価
(1−1)1−(3−ヒドロキシ−プロパンチオ)−β−D−グルコーステトラアセテートの合成
窒素雰囲気下、1−チオ−β−D−グルコーステトラアセテート(2.73g、7.50mmol)をクロロホルム(5.0ml)に溶解し、トリエチルアミン(2.08ml、15.00mmol)を加えた。得られた溶液を0℃に冷却し、3−ブロモ−1−プロパノール(0.85ml、9.75mmol)をゆっくり滴下しながら撹拌した。滴下終了後、溶液の温度を25℃に上げて3時間撹拌した。撹拌後の溶液に水(50ml)、クロロホルム(30ml)を入れて分液操作を行い、クロロホルム層を分取した。得られたクロロホルム層を飽和食塩水(50ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水させた。
次に、得られたクロロホルム溶液を吸引ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラム(ハイフラッシュカラム、山善株式会社製)に充填し、酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒にて溶離した。溶離液を減圧濃縮することにより、1−(3−ヒドロキシ−プロパンチオ)−β−D−グルコーステトラアセテートを得た(収量2.68g、収率85%)。
窒素雰囲気下、クロリンe6(11.93g、20.00mmol)を脱水ジクロロメタン(500ml)と脱水メタノール(250ml)の混合溶媒に溶解した。得られた溶液にトリメチルシリルジアゾメタン(2.0mol/lヘキサン溶液、34.0ml)を滴下し、25℃で2時間撹拌した。得られた反応液から溶媒を減圧留去し、得られた残渣をジクロロメタン/ヘキサンから再結晶することにより、クロリンe6トリメチルエステルを得た(収量11.64g、収率91%)。
上記(1−2)で合成したクロリンe6トリメチルエステル(0.95g、1.48mmol)を窒素雰囲気下、25%臭化水素−酢酸溶液(18.0ml)に溶解し、30℃で2時間撹拌した。得られた反応液から臭化水素−酢酸溶液を減圧留去し、反応液を乾固させた。得られた残渣を脱水ジクロロメタン(50ml)に溶解し、炭酸カリウム(2.05g、14.80mmol)を入れて、30℃で30分撹拌した。得られた溶液に、上記(1−1)で合成した1−(3−ヒドロキシ−プロパンチオ)−β−D−グルコーステトラアセテート(1.88g、4.45mmol)を脱水ジクロロメタン(50ml)に溶解して滴下し、30℃で5時間撹拌した。得られた反応液に水(100ml)とジクロロメタン(200ml)を加えて分液操作を行い、ジクロロメタン層を分取した。得られたジクロロメタン層を水(200ml)および飽和食塩水(200ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水させた。得られたジクロロメタン溶液を吸引ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラム(ハイフラッシュカラム,山善株式会社製)に充填し、酢酸エチルとジクロロメタンの混合溶媒にて溶離した。溶離液を減圧濃縮することにより、1−(3−ヒドロキシ−プロパンチオ)−β−D−グルコーステトラアセテート連結クロリンe6トリメチルエステルを得た(収量0.42g、収率27%)。
MS:m/z([M+H]+);calcd.1061.45 for C54H68N4O16S、found.1061.41。
上記(1−2)で合成したクロリンe6トリメチルエステル(0.96g、1.50mmol)を窒素雰囲気下、25%臭化水素−酢酸溶液(18.0ml)に溶解し、30℃で2時間撹拌した。得られた反応液から臭化水素−酢酸溶液を減圧留去し、反応液を乾固させた。得られた残渣を脱水ジクロロメタン(50ml)に溶解し、炭酸カリウム(2.07g、15.00mmol)を入れて、30℃で30分撹拌した。得られた溶液に、3−ブロモ−1−プロパノール(2.60ml、30.00mmol)を滴下し、30℃で5時間撹拌した。得られた反応液に水(100ml)とジクロロメタン(200ml)を加えて分液操作を行い、ジクロロメタン層を分取した。得られたジクロロメタン層を水(200ml)、飽和食塩水(200ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水させた。得られたジクロロメタン溶液を吸引ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラム(ハイフラッシュカラム,山善株式会社製)に充填し、酢酸エチルとジクロロメタンの混合溶媒にて溶離した。溶離液を減圧濃縮することにより、3−ブロモ−1−プロパノール連結クロリンe6トリメチルエステルを得た(収量0.91g、収率78%)。
窒素雰囲気下、1−チオ−β−D−グルコーステトラアセテート(131mg、0.36mmol)をクロロホルム(1.0ml)に溶解し、トリエチルアミン(90μl、0.65mmol)を加えた。得られた溶液を0℃に冷却し、3−ブロモ−1−プロパノール連結クロリンe6トリメチルエステル(86mg、0.11mmol)をゆっくり滴下しながら撹拌した。滴下終了後、溶液の温度を20℃に上げて14時間撹拌した。撹拌後の溶液に水(10ml)、クロロホルム(10ml)を入れて分液操作を行い、クロロホルム層を分取した。得られたクロロホルム層を飽和食塩水(10ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水させた。得られたクロロホルム溶液を吸引ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラム(ハイフラッシュカラム,山善株式会社製)に充填し、酢酸エチルとジクロロメタンの混合溶媒にて溶離した。溶離液を減圧濃縮することにより、1−(3−ヒドロキシ−プロパンチオ)−β−D−グルコーステトラアセテート連結クロリンe6トリメチルエステル(収量52mg、収率45%)。
得られた化合物は、1H−NMR(400MHz、重クロロホルム溶媒)にて1−チオ−β−D−グルコーステトラアセテートが結合していることを確認した。またESI+MS法による解析にて分子量が一致することを確認した。
上記(1−3)および(1−2′)で合成した1−(3−ヒドロキシ−プロパンチオ)−β−D−グルコーステトラアセテート連結クロリンe6(107mg、0.10mmol)を窒素雰囲気下、脱水メタノール(8.0ml)に溶解し、ナトリウムメトキシド(54mg、1.00mmol)を入れて25℃で30分撹拌した。得られた反応溶液に酢酸(58μl、1.00mmol)を加えて反応を停止させた。得られた溶液から溶媒を減圧留去し、残渣をPLCガラスプレート(シリカゲル60 F254、メルク株式会社製)に充填し、ジクロロメタンとメタノールの混合溶媒にて溶離した。溶離液を減圧濃縮後、逆相シリカゲルクロマト(Sep−Pak C18、Waters社製)に充填し、イオン交換水で塩を溶離させた後、メタノールにて溶離した。得られたメタノール溶液を減圧濃縮し、1−(3−ヒドロキシ−プロパンチオ)−β−D−グルコース連結クロリンe6トリメチルエステルを得た(収量64mg、収率72%)。
得られた化合物は、1H−NMR(400MHz,重クロロホルム溶媒)にて1−(3−ヒドロキシ−プロパンチオ)−β−D−グルコーステトラアセテート連結クロリンe6トリメチルエステルのアセチル基由来のピークが消失していることを確認した。またESI+MS法による解析にて分子量が一致することを確認した。
上記製造方法に基づいて得られた1−(3−ヒドロキシ−プロパンチオ)−β−D−グルコース連結クロリンe6トリメチルエステルについて、光毒性の評価方法および腫瘍成長抑制率の評価方法に基づいて評価を実施した。結果を表1、表2および表3に示す。また腫瘍成長抑制率の評価期間内において、全てのヌードマウスが体重減少することなく生存していることを確認し、薬剤投与およびレーザー照射によるヌードマウスへの悪影響は見られなかった。
1−(6−ヒドロキシ−ヘキサンチオ)−β−D−グルコース連結クロリンe6トリメチルエステルの製造と評価
(2−1)1−(6−ヒドロキシ−ヘキサンチオ)−β−D−グルコーステトラアセテートの合成
窒素雰囲気下、1−チオ−β−D−グルコーステトラアセテート(1.37g、3.75mmol)をクロロホルム(2.5ml)に溶解し、トリエチルアミン(1.04ml、7.50mmol)を加えた。得られた溶液を0℃に冷却し、6−ブロモ−1−ヘキサノール(0.66ml、4.88mmol)をゆっくり滴下しながら撹拌した。滴下終了後、溶液の温度を25℃に上げて3時間撹拌した。撹拌後の溶液に水(25ml)、クロロホルム(15ml)を入れて分液操作を行い、クロロホルム層を分取した。得られたクロロホルム層を飽和食塩水(25ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水させた。得られたクロロホルム溶液を吸引ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラム(ハイフラッシュカラム,山善株式会社製)に充填し、酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒にて溶離した。溶離液を減圧濃縮することにより、1−(6−ヒドロキシ−ヘキサンチオ)−β−D−グルコーステトラアセテートを得た(収量1.39g、収率80%)。
実施例1で合成したクロリンe6トリメチルエステル(664mg、1.04mmol)を窒素雰囲気下、25%臭化水素−酢酸溶液(12.0ml)に溶解し、30℃で2時間撹拌した。得られた反応液から臭化水素−酢酸溶液を減圧留去し、反応液を乾固させた。得られた残渣を脱水ジクロロメタン(35ml)に溶解し、炭酸カリウム(1437mg、10.40mmol)を入れて、30℃で30分撹拌した。得られた溶液に、上記(1−1)で合成した1−(6−ヒドロキシ−ヘキサンチオ)−β−D−グルコーステトラアセテート(1450mg、3.12mmol)を脱水ジクロロメタン(35ml)に溶解して滴下し、30℃で5時間撹拌した。得られた反応液に水(70ml)とジクロロメタン(140ml)を加えて分液操作を行い、ジクロロメタン層を分取した。得られたジクロロメタン層を水(140ml)、飽和食塩水(140ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水させた。得られたジクロロメタン溶液を吸引ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラム(ハイフラッシュカラム,山善株式会社製)に充填し、酢酸エチルとジクロロメタンの混合溶媒にて溶離した。溶離液を減圧濃縮することにより、1−(6−ヒドロキシ−ヘキサンチオ)−β−D−グルコーステトラアセテート連結クロリンe6トリメチルエステルを得た(収量145mg、収率13%)。
上記(2−2)で合成した1−(6−ヒドロキシ−ヘキサンチオ)−β−D−グルコーステトラアセテート連結クロリンe6トリメチルエステル(134mg、0.12mmol)を窒素雰囲気下、脱水メタノール(10.0ml)に溶解し、ナトリウムメトキシド(65mg、1.21mmol)を入れて25℃で30分撹拌した。得られた溶液に酢酸(69μl、1.21mmol)を加えて反応を停止させた。得られた溶液から溶媒を減圧留去し、残渣をPLCガラスプレート(シリカゲル60 F254、メルク株式会社製)に充填し、ジクロロメタンとメタノールの混合溶媒にて溶離した。溶離液を減圧濃縮後、逆相シリカゲルクロマト(Sep−Pak C18、Waters社製)に充填し、イオン交換水で塩を溶離させた後、メタノールにて溶離した。得られたメタノール溶液を減圧濃縮し、1−(6−ヒドロキシ−ヘキサンチオ)−β−D−グルコース連結クロリンe6トリメチルエステルを得た(収量75mg、収率67%)。
上記製造方法に基づいて得られた1−(6−ヒドロキシ−ヘキサンチオ)−β−D−グルコース連結クロリンe6トリメチルエステルについて、光毒性の評価方法および腫瘍成長抑制率の評価方法に基づいて評価を実施した。結果を表1、表2および表3に示す。また腫瘍成長抑制率の評価期間内において、全てのヌードマウスが体重減少することなく生存していることを確認し、薬剤投与およびレーザー照射によるヌードマウスへの悪影響は見られなかった。
1−(10−ヒドロキシ−デカンチオ)−β−D−グルコース連結クロリンe6トリメチルエステルの製造と評価
(3−1)1−(10−ヒドロキシ−デカンチオ)−β−D−グルコーステトラアセテートの合成
窒素雰囲気下、1−チオ−β−D−グルコーステトラアセテート(1.37g、3.75mmol)をクロロホルム(2.5ml)に溶解し、トリエチルアミン(1.04ml、7.50mmol)を加えた。得られた溶液を0℃に冷却し、10−ブロモ−1−デカノール(1.00ml、4.88mmol)をゆっくり滴下しながら撹拌した。滴下終了後、溶液の温度を25℃に上げて3時間撹拌した。撹拌後の溶液に水(25ml)、クロロホルム(15ml)を入れて分液操作を行い、クロロホルム層を分取した。得られたクロロホルム層を飽和食塩水(25ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水させた。得られたクロロホルム溶液を吸引ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラム(ハイフラッシュカラム,山善株式会社製)に充填し、酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒にて溶離した。溶離液を減圧濃縮することにより、1−(10−ヒドロキシ−デカンチオ)−β−D−グルコーステトラアセテートを得た(収量1.60g、収率82%)。
実施例1で合成したクロリンe6トリメチルエステル(715mg、1.12mmol)を窒素雰囲気下、25%臭化水素−酢酸溶液(13.0ml)に溶解し、30℃で2時間撹拌した。得られた反応液から臭化水素−酢酸溶液を減圧留去し、反応液を乾固させた。得られた残渣を脱水ジクロロメタン(40ml)に溶解し、炭酸カリウム(1549mg、11.20mmol)を入れて、30℃で30分撹拌した。得られた溶液に、上記(3−1)で合成した1−(10−ヒドロキシ−デカンチオ)−β−D−グルコーステトラアセテート(1750mg、3.36mmol)を脱水ジクロロメタン(40ml)に溶解して滴下し、30℃で5時間撹拌した。得られた反応液に水(80ml)とジクロロメタン(160ml)を加えて分液操作を行い、ジクロロメタン層を分取した。得られたジクロロメタン層を水(160ml)、飽和食塩水(160ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水させた。得られたジクロロメタン溶液を吸引ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラム(ハイフラッシュカラム,山善株式会社製)に充填し、酢酸エチルとジクロロメタンの混合溶媒にて溶離した。溶離液を減圧濃縮することにより、1−(10−ヒドロキシ−デカンチオ)−β−D−グルコーステトラアセテート連結クロリンe6トリメチルエステルを得た(収量285mg、収率22%)。
上記(3−2)で合成した1−(10−ヒドロキシ−デカンチオ)−β−D−グルコーステトラアセテート連結クロリンe6トリメチルエステル(268mg、0.23mmol)を窒素雰囲気下、脱水メタノール(20.0ml)に溶解し、ナトリウムメトキシド(125mg、2.31mmol)を入れて20℃で1時間撹拌した。得られた溶液に酢酸(132μl、2.31mmol)を加えて反応を停止させた。得られた溶液から溶媒を減圧留去し、残渣をPLCガラスプレート(シリカゲル60 F254、メルク株式会社製)に充填し、ジクロロメタンとメタノールの混合溶媒にて溶離した。溶離液を減圧濃縮後、逆相シリカゲルクロマト(Sep−Pak C18、Waters社製)に充填し、イオン交換水で塩を溶離させた後、メタノールにて溶離した。得られたメタノール溶液を減圧濃縮し、1−(10−ヒドロキシ−デカンチオ)−β−D−グルコース連結クロリンe6トリメチルエステルを得た(収量149mg、収率65%)。
上記製造方法に基づいて得られた1−(10−ヒドロキシ−デカンチオ)−β−D−グルコース連結クロリンe6トリメチルエステルについて、光毒性の評価方法および腫瘍成長抑制率の評価方法に基づいて評価を実施した。結果を表1、表2および表3に示す。また腫瘍成長抑制率の評価期間内において、全てのヌードマウスが体重減少することなく生存していることを確認し、薬剤投与およびレーザー照射によるヌードマウスへの悪影響は見られなかった。
1−(3−ヒドロキシ−プロパンチオ)−β−D−ガラクト―ス連結クロリンe6トリメチルエステルの製造と評価
(4−1)1−チオ−β−D−ガラクトーステトラアセテートの合成
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−D−ガラクトピラノース(348mg、1.0mmol)をジクロロメタン(5.0ml)に溶解し、テトラブロモメタン(663mg、2.0mmol)とトリフェニルホスフィン(525mg、2.0mmol)を入れて25℃で4時間撹拌した。得られた反応溶液に対し、ジメチルホルムアミド(2.0ml)に溶解させた二硫化炭素(114mg、1.5mmol)と硫化ナトリウム9水和物(480mg、2.0mmol)の混合溶液を加え、25℃で5分撹拌した。得られた反応溶液に水(30ml)、ジクロロメタン(50ml)を入れて分液操作を行い、ジクロロメタン層を分取した。得られたジクロロメタン層を水(30ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水させた。得られたジクロロメタン層を吸引ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物を得られた粗生成物をシリカゲルカラム(ハイフラッシュカラム、山善株式会社製)に充填し、酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒にて溶離した。溶離液を減圧濃縮することにより、1−チオ−β−D−ガラクトーステトラアセテートを得た(収量291mg、収率80%)。
1−チオ−β−D−グルコーステトラアセテートの代わりに(4−1)で合成した1−チオ−β−D−ガラクトーステトラアセテートを用いて、実施例1と同様の製造方法を実施し、1−(3−ヒドロキシ−プロパンチオ)−β−D−ガラクト―ス連結クロリンe6トリメチルエステルを得た。
1−(6−ヒドロキシ−ヘキサンチオ)−β−D−ガラクト―ス連結クロリンe6トリメチルエステルの製造と評価
1−チオ−β−D−グルコーステトラアセテートの代わりに(4−1)で合成した1−チオ−β−D−ガラクトーステトラアセテートを用いて、実施例2と同様の製造方法を実施し、1−(6−ヒドロキシ−ヘキサンチオ)−β−D−ガラクト―ス連結クロリンe6トリメチルエステルを得た。
1−(10−ヒドロキシ−デカンチオ)−β−D−ガラクト―ス連結クロリンe6トリメチルエステルの製造と評価
1−チオ−β−D−グルコーステトラアセテートの代わりに(4−1)で合成した1−チオ−β−D−ガラクトーステトラアセテートを用いて、実施例3と同様の製造方法を実施し、1−(10−ヒドロキシ−デカンチオ)−β−D−ガラクト―ス連結クロリンe6トリメチルエステルを得た。
1−(3−ヒドロキシ−プロパンチオ)−β−D−マンノ―ス連結クロリンe6トリメチルエステルの製造と評価
(7−1)1−チオ−β−D−マンノーステトラアセテートの合成
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−D−マンノピラノース(348mg、1.0mmol)をジクロロメタン(5.0ml)に溶解し、テトラブロモメタン(663mg、2.0mmol)とトリフェニルホスフィン(525mg、2.0mmol)を入れて25℃で4時間撹拌した。得られた反応溶液に対し、ジメチルホルムアミド(2.0ml)に溶解させた二硫化炭素(114mg、1.5mmol)と硫化ナトリウム9水和物(480mg、2.0mmol)の混合溶液を加え、25℃で5分撹拌した。得られた反応溶液に水(30ml)、ジクロロメタン(50ml)を入れて分液操作を行い、ジクロロメタン層を分取した。得られたジクロロメタン層を水(30ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水させた。得られたジクロロメタン層を吸引ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物を得られた粗生成物をシリカゲルカラム(ハイフラッシュカラム、山善株式会社製)に充填し、酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒にて溶離した。溶離液を減圧濃縮することにより、1−チオ−β−D−マンノーステトラアセテートを得た(収量255mg、収率70%)。
1−チオ−β−D−グルコーステトラアセテートの代わりに(7−1)で合成した1−チオ−β−D−マンノ―ステトラアセテートを用いて、実施例1と同様の製造方法を実施し、1−(3−ヒドロキシ−プロパンチオ)−β−D−マンノ―ス連結クロリンe6トリメチルエステルを得た。
1−(6−ヒドロキシ−ヘキサンチオ)−β−D−マンノース連結クロリンe6トリメチルエステルの製造と評価
1−チオ−β−D−グルコーステトラアセテートの代わりに(4−1)で合成した1−チオ−β−D−マンノ―ステトラアセテートを用いて、実施例2と同様の製造方法を実施し、1−(6−ヒドロキシ−ヘキサンチオ)−β−D−マンノ―ス連結クロリンe6トリメチルエステルを得た。
1−(10−ヒドロキシ−デカンチオ)−β−D−マンノース連結クロリンe6トリメチルエステルの製造と評価
1−チオ−β−D−グルコーステトラアセテートの代わりに(4−1)で合成した1−チオ−β−D−マンノ―ステトラアセテートを用いて、実施例3と同様の製造方法を実施し、1−(10−ヒドロキシ−デカンチオ)−β−D−マンノ―ス連結クロリンe6トリメチルエステルを得た。
タラポルフィンナトリウムの評価
市販品のタラポルフィンナトリウム(モノ−L−アスパルチルクロリンe6、Medkoo Biosciences社製)を用いて、前記光毒性の評価方法および腫瘍成長抑制率の評価方法に基づいて評価を実施した。結果を表1、表2および表3に示す。また腫瘍成長抑制率の評価期間内において、全てのヌードマウスが体重減少することなく生存していることを確認し、薬剤投与およびレーザー照射によるヌードマウスへの悪影響は見られなかった。
光毒性の評価結果を以下の表1および表2に示した。なお、表中、「IC50」とあるのは、「IC50」を表す。
食道癌細胞株:KYSE30(No.11D028; ECACC)、OE21(No.11D028;ECACC)、胃癌細胞株:MKN45(No.0254;Japanese Cancer Research Bank)、および、大腸癌細胞株:HT29(No.HTB−38;ATCC)を使用し、以下の条件で培養した。
OE21:RPMI 1640とHam′s F12の半量ずつの混合液
MKN45: RPMI 1640
HT29: McCoy’s 5A
全ての培養液は10%牛胎児血清、100U/mlのペニシリンとストレプトマイシン、0.25mg/mlのアンホテリシンBを含有し、5%CO2濃度、37℃の条件下で培養した。
一方、比較例のTSは、癌細胞株の種類によらず、本発明の効果を有していなかった。
細胞株として、ヒト胃癌細胞株:MKN45(No.0254;Japanese Cancer Research Bank)、および、大腸癌細胞株:HT29(No.HTB−38;ATCC)を使用した。
培養液としてMKN45についてはRPMI 1640を使用し、HT29についてはMcCoy’s 5Aを使用した。全ての培養液は10%牛胎児血清、100U/mlのペニシリンとストレプトマイシン、0.25mg/mlのアンホテリシンBを含有し、5%CO2濃度、37℃の条件下で培養した。
Flow cytometryには、FACSCantoII(BD Biosicences)を使用した。
6cm培養プレートを用いて、2×105cell/wellの上記癌細胞株を、それぞれ上記条件で28時間培養した。
次に、培養液を除去し、(1)培養液のみ(コントロール)、(2)5μMの実施例1のグリコシル化クロリンe6誘導体を含有した培養液、(3)5μMのTalaporfin Sodium (TS; レザフィリン(登録商標)、Meiji Seikaファルマ)を含有した培養液に置換しさらに4時間培養した。
4時間の培養後、培養液を除去しphosphate−buffered saline(PBS)で3回洗浄し、TrypLE−Express(Invitrogen)を使用して培養プレートより細胞を回収した。
次に、上記FACSCantoIIを用いて、405nmで励起して、680nmの蛍光発光を測定した。各サンプルで少なくとも10,000イベントは測定を行った。測定は、TS、および、実施例1の化合物の蛍光波長帯である650nm近傍を評価するMean Amcyan area(MAA)を測定し、結果を表5に示した。
また、細胞株として、HT29を用いた場合、TS(比較例)のMAAは97、実施例1の化合物のMAAは18669であり、実施例1の化合物のMAAは、TSの約190倍高い値だった。
食道癌細胞株:OE21(No.11D028;ECACC)および不死化食道上皮細胞株:Het−1A(No. 3527836;ATCC)を使用し、細胞内取り込み性能を評価した。
OE21:RPMI 1640とHam′s F12の半量ずつの混合液
Het−1A:BEGM Bullet kitを培養液として使用した
全ての培養液は10%牛胎児血清、100U/mlのペニシリンとストレプトマイシン、25mg/mlのアンホテリシンBを含有し、5%CO2濃度、37℃の条件下で培養した。
96穴プレートを用いて5×103cell/wellの細胞を24時間培養した。その後、1μMのTalaporfin Sodium(TS;レザフィリン(登録商標)、Meiji Seikaファルマ)を含有した培養液、および、1μMの実施例1の化合物を含有した培養液でそれぞれ置換し、4時間培養した。次に、培養液を吸引除去後、phosphate−buffered saline(PBS)で細胞を洗浄し、各well 100μlのPBSを入れ、スペクトロメーター(Gemini EM、Molecular Device)を使用し、波長405nmの光で励起し、細胞からの波長650nmの蛍光発光の強度を測定した。各検体の蛍光強度はブランクで除した値とした。得られた結果はSoftMAX pro softwareで解析した。8回の独立した実験から結果を解析した。結果を図3に示した。なお、図3のグラフの縦軸が蛍光発光強度を示し、これが大きいほど細胞内に化合物が取り込まれていることを表している。
細胞株として、マウス大腸癌細胞株:CT26(No.CRL−2638;ATCC)を使用した。細胞培養の条件、使用した動物、および、マウス皮下腫瘍モデルの作製方法は以下のとおりである。
DMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium)に10%牛胎児血清、100U/mlのペニシリンとストレプトマイシン、0.25mg/mlのアンホテリシンBを含有し、5%CO2濃度、37℃の条件下で培養した。
マウスは8〜10週齢、雌、約20g体重マウス(BALB/c CrSlc)を使用した。マウスは2週間飼育し環境に順応させた。
マウス右大腿根部背側を中心として約10mm程度の円形に除毛し、皮下に27G針を使用して1×106個のCT26を接種した。接種7日後、腫瘍サイズが平均100mm3(長径(mm)×短径(mm)×短径(mm))の皮下腫瘍モデルが作製された。
作製されたマウス皮下腫瘍モデルを3群(未治療コントロール群、実施例1の化合物による治療群、Talaporfin Sodium(TS(比較例);レザフィリン(登録商標)、Meiji Seikaファルマ)治療群)に平均腫瘍サイズが均等になるように10匹ずつ割り付けた。マウス尾静脈より1.56μmol/Kgの濃度の実施例1の化合物またはTSを経静脈投与し、30分後に664nmの赤色半導体レーザー(KOYO−PDL664、OKファイバーテクノロジー)を使用し、計100J/cm2(150mW/cm2)の単回照射を施行した。治療後の腫瘍サイズは3日毎に電子ノギスを使用し計測した。計測結果はwelchのt検定を用いて2群間を比較した。結果を図4のグラフに示した。
上記の結果から、実施例1の化合物を用いた場合、投与後30分後に光線を照射しても、マウスの死亡率は0%であり、かつ、高い抗腫瘍効果を示した。これは、実施例1の化合物が、体外へより移出されやすく、投与後の早期に光線照射しても、安全性がより高いことを示している。一方、TSは、投与30分後に光線を照射すると、マウスが全例死亡してしまうことから、投与後の早期に光線照射した場合に、安全性が劣ることが示された。
実施例1の化合物をマウス(Crl:CD1(ICR)、雌雄各5匹/用量群)に、60、125、および、250mg/kgの用量で単回静脈内投与し、現れる毒性変化を確認した。
照明条件による毒性発現の差を確認するため、本試験では通常照明下(明条件下)と暗条件下の2飼育条件を設定した。投与液量は10ml/kgとした。投与液媒体として10%Cremophor+5%エタノール含有局方生理食塩液を用いた。
上記の結果から、実施例1の化合物は、安全性が認められる用量で十分な本発明の効果が得られることが推測された。
14C標識された実施例1の化合物を、ラットに静脈内投与し、以下の結果を得た(dose:5mg/kg)。
最初の測定時間である投与後5分に血漿中放射能濃度23.30μg eq. of S実施例1化合物/mlを示した後、急速に減少した。投与後6〜8時間において、血漿中放射能濃度の再上昇が認められた後、消失半減期(t1/2)42.65hで消失した。投与直後の血漿中放射能濃度(C0)は51.52μg eq./ml、AUC0−lastは30.42μg eq h/ml、AUC0−∞は31.89μg eq.・h/mlであった。実施例1の化合物とTSの結果を表6に示した。
Claims (18)
- 下記一般式(1)で示されるグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
式中:
X1およびX2は、それぞれ独立にHまたはR−X−*で表される基であり、*は結合位置を表し、X1およびX2の少なくとも一方はR−X−*で表される基であり、Rは、糖の残基であり、Xは、C、N、O、H、およびSからなる群より選択される少なくとも1種の原子からなる直鎖状または分岐鎖状の2価の基であり、XはRを構成する炭素原子のいずれか1つと結合し、
R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、H、炭素数1〜6のアセトキシアルキル基、または、炭素数1〜6の炭化水素基であり、R1、R2およびR3の少なくとも1つは炭素数1〜6のアセトキシアルキル基または炭素数1〜6の炭化水素基である。 - 前記一般式(1)において、R1、R2およびR3が、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアセトキシアルキル基または炭素数1〜6の炭化水素基である、請求項1に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
- 前記一般式(1)において、R1、R2およびR3が、メチル基である、請求項1または2に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
- 前記一般式(1)において、−X−が−X3−O−であり、下記一般式(2)で示される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
式中:
Rは糖の残基であり、
X3は、C、N、O、H、およびSからなる群より選択される少なくとも1種からなる直鎖状または分岐鎖状の2価の基であり、かつ、Rを構成する炭素原子のいずれか1つと結合している。 - 前記一般式(2)において、X3が、Rのアノマー位炭素原子と結合した基、または、アノマー位炭素原子に隣接する炭素原子と結合した基である、請求項4に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
- 前記一般式(2)において、−X3−が−S−X4−であり、下記一般式(3)で示される、請求項4または5に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
式中:
X4はCおよびHを有する直鎖状または分岐鎖状の2価の基である。 - 前記一般式(3)において、X4が、炭素数1〜16の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基である、請求項6に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
- 前記一般式(3)において、X4が−(CH2)n−で示されるアルキレン基であり、nが1〜16の整数である、請求項6または7に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
- 前記一般式(3)において、X4が−(CH2)n−で示されるアルキレン基であり、nが3〜10の整数である、請求項6〜8のいずれか一項に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
- 前記糖が、単糖類、オリゴ糖、多糖類、アミノ基を含む単糖類、アミノ基を含むオリゴ糖、またはアミノ基を含む多糖類である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
- 前記糖が、単糖類であり、SがRのアノマー位炭素原子と結合した、請求項1〜10のいずれか一項に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
- 前記糖が、グルコース、ガラクトースまたはマンノースである、請求項1〜11のいずれか一項に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
- 下記一般式(4)、(5)または(6)で示される、請求項1〜12のいずれか一項に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
式(4)〜(6)中、nは3〜10の整数である。 - 腫瘍、皮膚疾患、眼疾患または加齢黄斑変性の光線力学治療用であり、請求項1〜13のいずれか一項に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む医薬組成物。
- ウイルス、微生物およびこれらのいずれかの感染細胞、腫瘍細胞、腫瘍状組織、ならびに、新生血管からなる群より選択される標的に、請求項1〜13のいずれか一項に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩を接触させた後に、前記標的に対して、前記グリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩に吸収される波長の光を照射する工程を含む、前記標的を破壊する方法。
- 請求項1〜13のいずれか一項に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、医薬組成物。
- 腫瘍、皮膚疾患、眼疾患または加齢黄斑変性の、治療、診断または検出のための、請求項16に記載の医薬組成物。
- クロリンe6と糖とを連結基を介して結合させる工程を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載のグリコシル化クロリンe6誘導体、またはその薬学的に許容される塩の製造方法。
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