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JPWO2009044852A1 - 還元型補酵素q10の製造方法 - Google Patents

還元型補酵素q10の製造方法 Download PDF

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Abstract

従来、還元型補酵素Q10の製造で必要とされてきた製造設備や製造工程をことさらに必要とすることなく、簡便、安価かつ安全な、還元型補酵素Qの製造方法、及び還元型補酵素Q10を、容易に且つ効率良く補給することができる還元型補酵素Q10含有食品を提供すること。酸化型補酵素Q10を、肉類、魚介類及び/又は野菜類などの食材の共存下に加熱処理する還元型補酵素Q10の製造方法。および、該製造方法によって得られる、還元型補酵素Q10含有食品。

Description

本発明は、還元型補酵素Q10の製造方法に関する。
広く生物界に分布することが知られているベンゾキノン誘導体である酸化型補酵素Q10は、そのビタミン様の機能からビタミンQとも呼ばれており、弱った細胞活性を健康な状態に戻す栄養源として身体を若返らせる成分である。一方、還元型補酵素Q10は、酸化型補酵素Q10の2電子還元体であり、酸化型補酵素Q10が橙色結晶であるのに対し、還元型補酵素Q10は白色結晶である。還元型補酵素Q10及び酸化型補酵素Q10は、ミトコンドリア、リソゾーム、ゴルジ体、ミクロソーム、ペルオキシソーム、或いは細胞膜などに局在し、電子伝達系の構成成分としてATP産生賦活、生体内での抗酸化作用、膜安定化に関与している生体の機能維持に必要不可欠な物質として知られている。
そのような背景のもと、酸化型補酵素Q10は、合成、発酵、天然物からの抽出等の従来公知の方法により生産され、医薬品や健康食品として使用されてきた。一方、還元型補酵素Q10も同じく、合成、発酵、天然物からの抽出等の従来公知の方法により補酵素Q10を得た後、クロマトグラフィーにより流出液中の還元型補酵素Q10区分を濃縮する方法等により得られることが知られている(特許文献1)。しかしながら、このようにして得られる還元型補酵素Q10は、必ずしも純度が高い状態では取得できず、例えば、酸化型補酵素Q10をはじめとする不純物を含有する低純度結晶や油状物、半固体状として得られやすいという問題があった。さらに、還元型補酵素Q10は酸素存在下で不安定であり、製造後の還元型補酵素Q10や還元型補酵素Q10を含む商品は、取り扱いや、保存に特段の配慮を行う必要があるという問題があった。
本発明者らは、これらの問題を解決すべく検討した結果、高品質の還元型補酵素Q10を得るための製法及び還元型補酵素Q10を安定に保存する方法を確立し、特許出願を行っている(例えば特許文献2〜5)。これら出願に記載された製造方法は、工業的規模での製造に適した不純物の少ない高品質および/または効率的に精製された還元型補酵素Q10の製造を主な目的とした方法である。
一方、生体に必要であるにも関わらず、減少・不足しがちな還元型補酵素Q10を好適に供給することを目的として、還元型補酵素Q10を含有する油脂組成物を食品に添加して得られる、還元型補酵素Q10富化食品に関する特許出願を行っている(特許文献6)。
特開平10−109933号公報 WO03/006408 WO03/006409 WO03/032967 WO03/062182 WO03/061395
上記特許文献2〜5に記載の製造方法は、高品質および/または効率的に精製された還元型補酵素Q10を得ることを目的としており、特に工業的規模での製造に際しては、通常、製造設備の設計、製造工程の検討を詳細に行い、最適化する必要があるため、製造設備を新たに設立する必要があるなど、その工業化には手間と多額の費用がかかり、得られる還元型補酵素Q10は高価なものとなってしまうという課題があった。
上記特許文献6に記載の還元型補酵素Q10富化食品は、還元型補酵素Q10を食品に添加して得られるものであり、上述したようにわざわざ還元型補酵素Q10を別途製造するか、高価な還元型補酵素Q10を入手して利用する必要があり、手間やコストがかかるという問題がある。さらに、食品中の富化された還元型補酵素Q10はそのままでは酸化されやすく、その保存には別途何らかの工夫が必要な場合も多いという問題もあった。
一方、還元型補酵素Q10を含有する食品を購入する消費者の立場から考えた場合、摂取する還元型補酵素Q10が医薬品で要求されるような純度の高い、あるいは還元型の比率の高い、還元型補酵素Q10である必要は必ずしもなく、還元型補酵素Q10を含有する食品が安全で、かつ更に安価であり、日常的に無理なくかつ経済的に摂取できる食品であることが望まれている。しかし、現在、これらの消費者の要望に十分答えることは出来ていない。
即ち、これらの課題を総合的に解決し得る簡便、安価、安全な還元型補酵素Q10、及び還元型補酵素Q10を高含有する食品の製造方法は知られていなかった。
本発明者らは上記課題を解決すべく研究した結果、酸化型補酵素Q10を、肉類、魚介類や野菜類などの食材の共存下に加熱処理することで、簡便に、還元型補酵素Q10が得られることを見出して本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1] 酸化型補酵素Q10(下記式1)を肉類、魚介類及び/又は野菜類共存下に加熱処理する、還元型補酵素Q10(下記式2)の製造方法
Figure 2009044852
Figure 2009044852
[2] 酸化型補酵素Q10が外部添加されたものである[1]に記載の製造方法
[3] 加熱処理の温度条件が、100℃以上である[1]又は[2]に記載の製造方法
[4] 加熱処理の時間が、5分以上である[1]〜[3]いずれかに記載の製造方法
[5] 酸素遮断下及び/又は密閉下に加熱処理する、[1]〜[4]いずれかに記載の製造方法
[6] [1]〜[5]いずれかに記載の製造方法によって得られる、還元型補酵素Q10含有食品
[7] 食品中の補酵素Q10総量に対する還元型補酵素Q10の割合が60重量%以上である[6]に記載の食品
本発明によれば、従来、還元型補酵素Q10の製造で必要とされてきた製造設備や製造工程をことさらに必要とすることなく、酸化型補酵素Q10を、肉類、魚介類や野菜類などの食材の共存下で加熱処理を行うだけで、簡便、安価、安全、迅速に還元型補酵素Q10を製造できる。
さらに、本発明においては、製造された還元型補酵素Q10は、精製などの操作を行う必要もなくそのまま、製造時に共存させた肉類、魚介類や野菜類などの食材と共に、還元型補酵素Q10含有食品として摂取することが可能であり、生体に必要不可欠であるにも関わらず、減少・不足しがちな還元型補酵素Q10を、容易に且つ効率良く補給することができる還元型補酵素Q10含有食品も提供できる。
また、本発明によれば、従来、還元型補酵素Q10の安定化や保存に際して必要とされてきた複数の成分をことさらに添加することなく、安定性および保存性に優れた還元型補酵素Q10含有食品を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、単に補酵素Q10とのみ記載した場合は、酸化型、還元型を問わず、両者が混在する場合には混合物全体を表すものである。
本発明の製造方法は、酸化型補酵素Q10を肉類、魚介類や野菜類などの食材の共存下に加熱処理する還元型補酵素Q10の製造方法である。
本発明の製造方法において原料として使用される酸化型補酵素Q10は、肉類、魚介類や野菜類などの食材由来のものであっても良いが、外部添加されたものであるのが好ましい。酸化型補酵素Q10が外部添加されたものである場合、その由来や製造法は特に限定されないが、生体に対する安全性の観点から、天然に存在し、一般食品などに含まれるものと同じ(all-E)−異性体であるのが好ましく、酸化型補酵素Q10の製造法が発酵法に由来するものが好ましい。ここで、「発酵法に由来する」とは、好ましい上記立体異性体が発酵法に基づき得られることを意味している。本発明の製造方法においては、例えば、発酵法により得られた(all-E)−異性体の酸化型補酵素Q10を、その立体構造を保持したまま、還元型補酵素Q10を製造することができる。尚、立体異性体は常法によりHPLCにて分析される。
本発明の製造方法において、原料として使用される酸化型補酵素Q10は、酸化型補酵素Q10単独でも良く、又、還元型補酵素Q10との混合物である補酵素Q10を使用しても良い。上記酸化型補酵素Q10と還元型補酵素Q10の混合物である補酵素Q10を使用する場合、補酵素Q10の総量(すなわち、酸化型補酵素Q10及び還元型補酵素Q10の合計量)に占める酸化型補酵素Q10の割合は、添加量、形態、添加時期等、製造条件や製造方法等により異なり、一概に設定することはできないが、入手しやすく安価な酸化型補酵素Q10を利用して還元型補酵素Q10を製造するという観点からは、原料となる補酵素Q10中の酸化型補酵素Q10の割合が高いほど好ましく、例えば20重量%以上、普通40重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは80重量%以上、とりわけ90重量%以上、なかんずく96重量%以上である。上限は100重量%であり、特に限定されないが、普通99.9重量%以下である。一方、最終的に還元型補酵素Q10比率の高い補酵素Q10、または、還元型補酵素Q10高含有食品を得るという観点では、原料となる酸化型補酵素Q10として、還元型補酵素Q10がある程度以上含まれる補酵素Q10を利用するのが好ましく、その場合の補酵素Q10の総量に占める還元型補酵素Q10の割合は、例えば20重量%以上、普通40重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは80重量%以上、とりわけ90重量%以上、なかんずく96重量%以上である。上限は通常99.9重量%以下である。
本発明に記載の酸化型補酵素Q10を外部添加する際の酸化型補酵素Q10の形態については、特に限定されず、酸化型補酵素Q10原末(粉末)の他、既知の技術を利用した加工品、例えば、エマルジョンやリポソームやシクロデキストリン包摂などの水溶液、顆粒製剤粉末、油などに溶解又は分散させたものが挙げられる。また、添加する酸化型補酵素Q10として、酸化型補酵素Q10を高含有する天然品や加工品を利用することもでき、例えば、酸化型補酵素Q10含有酵母などの酸化型補酵素Q10含有菌体やその加工物も利用できる。
本発明の製造方法において使用される肉類としては、食用可能な肉類であれば特に限定されず、具体的には、牛肉、豚肉、鶏肉、イノシシ肉、馬肉、羊肉、ヤギ肉、ウサギ肉、鯨肉などが挙げられ、さらに、それぞれの部位別にモモ、肩、ムネ、ハラミ、肝臓、心臓などが挙げられる。本発明における肉類としては、肉類由来の動物性タンパク質も含む。本発明の製造方法において使用される魚介類としては、食用可能な魚介類であれば特に限定されず、具体的には、さば、いわし、アジ、サケ、タラ、カレイ、マグロ、ブリ、ハマチ、タイ、サンマ、ホタテ、カキ、イカ、タコ、エビ、シジミ、タニシ類、ハマグリ・アサリ類、アワビ類、サザエ類、カニ、ウニ、ナマコなどが挙げられ、さらには、スケトウダラ、シシャモの卵巣及び卵、キャビア、イクラなどの魚卵類も含まれる。また、本発明における魚介類には、魚肉を始めとした動物性タンパク質も含まれる。本発明の製造において使用される野菜類としては、食用可能な野菜類であれば特に限定されないが、例えば、茎菜類(具体的には、アスパラガス、タケノコ、ジャガイモ、サトイモなど)、果菜類(具体的には、コーン、豆類(例えば、グリンピース、大豆、小豆)、カボチャ、トマトなど)、根菜類(具体的には、人参、ゴボウ、サツマイモなど)、葉菜類(具体的には、タマネギ、キャベツ、ホウレンソウ、パセリなど)、及びキノコ類(具体的には、マッシュルーム、エリンギ、ブナシメジ、シイタケ、キクラゲ、ナメコなど)が挙げられる。また、本発明においては、上記肉類、魚介類及び/又は野菜類を適宜組み合わせて使用することもでき、また、これら食材を複数用いたシチュー、カレー等の加工食品の形態も本発明の肉類、魚介類及び/又は野菜類の食材に含まれる。
本発明での製造方法において使用される上記肉類、魚介類及び野菜類は、熱加工等を行っていない生鮮食材の状態で使用するのが好ましいが、その食品的性格を著しく変更させることなく物理的、あるいは微生物学的な処理を行った一次加工品であっても構わない。
本発明の製造方法においては、酸化型補酵素Q10を肉類、魚介類及び/又は野菜類と、共存下に加熱処理することによって、還元型補酵素Q10とすることを特徴とする。ここでいう「共存下」とは、加熱処理時、または加熱処理前後において、還元型補酵素Q10を生成し得る範囲で酸化型補酵素Q10と肉類、魚介類及び/又は野菜類が同一空間内に存在する状態を意味する。従って、本発明における共存下とは、酸化型補酵素Q10と肉類、魚介類及び/又は野菜類が必ずしも完全に接触または混合している必要はなく、同一空間内で共有された雰囲気を介して還元型補酵素Q10が生成可能な範囲に存在した状態をも含むものである。即ち、例えば加熱処理する際に、酸化型補酵素Q10と肉類、魚介類及び/又は野菜類を別の容器に入れた状態のものを同一の空間を共有できるように外側から包装した状態で還元型補酵素Q10を生成し得る場合も共存下であると定義できる。なお、本発明の還元型補酵素Q10の製造に際して、酸化型補酵素Q10と肉類、魚介類及び/又は野菜類の共存下状態の作出と加熱処理の実施の順序は特に限定されない。なお、本発明における、好ましい共存下条件は、加熱処理時に、酸化型補酵素Q10と肉類、魚介類及び/又は野菜類が接触または十分均一に混合している状態である。
本発明の製造方法における加熱処理とは、酸化型補酵素Q10と、肉類、魚介類及び/又は野菜類を、共存下に、何らかの手段で加温処理することを意味し、その方法は限定されない。本発明の製造方法における加熱処理には、湿熱処理と乾熱処理の何れを選択することも可能である。加熱処理の具体的な方法としては、例えば、温水、水蒸気、ドライエアー、直火、加熱ロールに酸化型補酵素Q10と、肉類、魚介類及び/又は野菜類を接触させる方法や、マイクロ波加熱処理、通電加熱処理などがある。本発明の加熱処理に際しては、何れの方法を単独、または組み合わせて用いても良い。
なお、加温処理方法として湿熱処理を選択する場合は、熱伝導効率の点から水蒸気による加熱であることが好ましく、熱容量が大きい気流式過熱水蒸気や、さらに低酸素状態となる過熱飽和水蒸気による加温処理方法が好ましい。また、加温処理方法として乾熱処理を選択する場合は、効率よくしかもより均一に処理する事が可能な、回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置を用いるのが好ましい。
本発明の製造方法によって得られた、還元型補酵素Q10を、その製造に使用した肉類、魚介類及び/又は野菜類とともに食品等として摂取する場合は、その製造過程における加熱処理において、食品としての風味だけでなく品質の劣化や物性に与える影響も考慮した加熱処理条件の選択が必要である。また、還元型補酵素Q10の製造のための加熱処理と、食品の製造工程としての殺菌処理をあわせて実施しても良い。この場合、各温度で微生物の死滅する速度と組成物中の成分の分解や劣化等の品質の低下する速度を比較し、温度と処理時間を設定する等の最適化を行っても良い。例えば、湿熱処理の場合、通常、50〜120℃前後で数秒〜数十分での加熱処理で十分な殺菌効果を得ることが出来る。一方、乾熱処理の場合、殺菌処理のためには180℃で数時間の加熱処理が必要な場合もある。
本発明の製造方法において、還元型補酵素Q10を高効率に製造するためには、上記加温処理は、酸素遮断雰囲気下または密閉下で実施するのが好ましい。酸素遮断雰囲気は、不活性ガスによる置換、減圧、沸騰やこれらを組み合わせることにより達成でき、上述した過熱飽和水蒸気下での処理によっても達成しうる。少なくとも、不活性ガスによる置換、即ち、不活性ガス雰囲気を用いるのが好適である。上記不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、水蒸気、ヘリウムガス、アルゴンガス、水素ガス、炭酸ガス等を挙げることができ、好ましくは窒素ガス又は水蒸気である。なお、本発明における酸素遮断雰囲気下とは、加熱処理時に厳密に酸素を非存在とする必要はなく、通常の大気条件よりは酸素濃度が低い場合や、加熱処理時に酸化型補酵素Q10や肉類、魚介類及び/又は野菜類に自由に酸素が供給されない状態も含む。そのような観点から、不活性ガスにより置換を行わず、単に密閉条件下で加熱処理を行うのもまた、本発明の製造方法の好ましい態様である。この場合の密閉条件下とは、例えば、酸化型補酵素Q10と肉類、魚介類及び/又は野菜類を、缶や瓶などの密閉容器にいれて封入した瓶詰めや缶詰の状態、レトルトパウチされた状態などが挙げられる。また、酸素遮断雰囲気下、例えば不活性ガスに置換し更に密閉した条件で加熱処理するのもまた、本発明の好ましい態様である。
本発明の製造方法における加熱処理工程において昇温過程を有する場合、その昇温速度は、特に制限されないが、一般的に、加温処理にかかる時間および経済性も考慮して、少なくとも0.1℃/分以上、普通1℃/分以上、好ましくは3℃/分以上、より好ましくは5℃/分以上、さらに好ましくは10℃/分以上の条件で実施される。昇温速度の上限は、特に制限されないが、普通600℃/分以内である。
本発明の製造方法における加熱処理時の温度条件は、加熱処理方法および加熱処理時間等にもよるが、例えば、室温以上〜200℃の範囲内、普通、室温以上〜180℃の範囲内、好ましくは80〜160℃の範囲内である。その中でも、より好ましくは100℃以上、さらには110℃以上、特に120℃以上の条件で加熱処理するのが好ましい。加熱処理時の温度の上限としては150℃以下がより好ましく、さらに130℃以下が好ましい。
本発明の加温処理時の圧力としては、加温処理条件、工程、方法により大きく異なるが、例えば、0〜20Mpaの範囲内、普通、100hpa〜10Mpaの範囲内で実施できる。本発明においては、加圧条件下で加熱処理するのが好ましく、その場合、好ましい圧力条件は1015hpa以上、更に好ましくは1800hpa以上である。加圧方法としては特に限定されないが、例えば、高圧蒸気滅菌装置や圧力釜などが使用できる。なかでも高圧蒸気滅菌装置を使用した場合、上述したように過熱飽和水蒸気雰囲気で加熱処理が行えるという点で特に好ましい。
本発明の加温処理時の酸化型補酵素Q10と肉類、魚介類及び/又は野菜類およびその周辺の雰囲気下のpHは、使用する食材の種類、加温処理条件、工程、方法により大きく異なり限定されないが、例えば、1〜13の範囲内、普通、2〜12の範囲内、好ましくは3〜11、より好ましくは4〜10の範囲内、さらに好ましくは5〜9の範囲内であることが望ましい。
本発明の製造方法における加熱処理時間としては、加熱処理温度、加熱処理方法等にもよるが、例えば、1秒〜24時間の範囲内、普通、20秒〜12時間の範囲内、好ましくは30秒〜5時間の範囲内、より好ましくは1分〜3時間の範囲内、さらに好ましくは5分〜2時間の範囲内であることが望ましい。すなわち、加熱処理時間としては、例えば1秒以上、普通20秒以上、好ましくは30秒以上、より好ましくは1分以上、さらに好ましくは5分以上であり、その上限としては、例えば24時間以内、普通12時間以内、好ましくは5時間以内、より好ましくは3時間以内、さらに好ましくは2時間以内である。その中でも、過熱飽和水蒸気下での加熱処理を行った場合、30分以上の加熱処理を行うのが最も好ましい。
なお、上記の種々の加熱処理条件は、本発明の効果を損なわない範囲で、多段階加熱法など加熱処理工程や加熱方法など適宜最適な条件を選択しても良い。また、必要であれば、冷却処理を加熱処理の前後に実施しても良い。
本発明の製造方法における、還元型補酵素Q10の収率は特に限定されず、原料として使用した酸化型補酵素Q10の全量ではなくその一部が還元型補酵素Q10への変換された態様も、本発明の製造方法の範囲内である。すなわち、本発明の製造方法は、酸化型補酵素Q10を含有する補酵素Q10を、肉類、魚介類及び/又は野菜類共存下に加熱処理することを特徴とする、還元型補酵素Q10の比率を高める方法でもある。その場合の、補酵素Q10の総量に占める還元型補酵素Q10の割合は高いほど好ましく、例えば20重量%以上、普通40重量%以上、好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、とりわけ90重量%以上、なかんずく96重量%以上である。上限はいうまでもなく100重量%であるが、99.9重量%程度でも差し支えない。
上述したように、本発明の製造方法によって得られる、還元型補酵素Q10と、その製造に利用した肉類、魚介類及び/又は野菜類は、そのまま、還元型補酵素Q10含有食品、好ましくは還元型補酵素Q10含有加工食品として利用できる。
このようにして得られる還元型補酵素Q10含有食品中の還元型補酵素Q10の含有濃度は、製造時に使用した酸化型補酵素Q10の量にもよるが還元型補酵素Q10の含有量がある程度高いほど好ましく、例えば20μg/g以上、普通30μg/g以上、好ましくは50μg/g以上、さらに好ましくは100μg/g以上、より好ましくは500μg/g以上、とりわけ1mg/g以上、なかんずく3mg/g以上である。上限は特に限定されないが、コスト等の点から例えば500mg/gであり、好ましくは300mg/gである。また、還元型補酵素Q10含有食品中の補酵素Q10の総量に占める還元型補酵素Q10の割合も高いほど好ましく、例えば20重量%以上、普通40重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは80重量%以上、とりわけ90重量%以上、なかんずく96重量%以上である。上限はいうまでもなく100重量%であるが、99.9重量%程度でも差し支えない。
上記還元型補酵素Q10含有加工食品の好ましい形態として、耐熱性、耐衝撃性、および既存の製造設備の使用および汎用性、流通性、コストの観点から、缶詰、瓶詰め、およびレトルトパック等が挙げられる。また、この際の還元型補酵素Q10含有食品は脱酸素雰囲気下条件となる加工によって得られるのが品質保持の観点から好ましい。さらに好ましくは、上記製造方法において、例えば、酸化型補酵素Q10と肉類、魚介類及び/又は野菜類を、酸素遮断雰囲気下、瓶詰めや缶詰、またはレトルトパウチされた状態で、密閉し、加熱処理して得られたものをそのまま、上記還元型補酵素Q10含有加工食品として利用したものである。
また、本発明の製造方法または本発明の製造方法により得られる還元型補酵素Q10含有食品中には、薬学的、製剤学的、各国の食品規制に許容される物質を、本発明の効果を損なわない範囲で自由に使用または添加することが出来る。その様な物質としては、ビタミン類、抗酸化剤、微量元素等が挙げられる。
本発明に記載の製造法により得られる還元型補酵素Q10含有食品は消費者にとって魅力的である。よって、本発明の方法に従い製造される還元型補酵素Q10含有食品の有用性に関して、商品のラベルに文言、還元型補酵素Q10比率、還元型補酵素Q10含量等を記載することは、ビジネス上有益な手段であり、本発明の還元型補酵素Q10含有食品と不可分の同一の属性を有するものである。また、本発明に記載の還元型補酵素Q10含有食品の有用性をパンプレットやインターネットを通じた発信、提供することも同様に本件特許の態様の一つであり、発明の一部である。さらに、医師、薬剤師、および栄養師などの社会的に信用される人物を介した、本発明の方法により製造される還元型補酵素Q10含有食品のあらゆる販売促進、啓蒙活動は、本発明により製造されて初めて成し得る事柄であることから、同様に本発明の製造方法および還元型補酵素Q10含有食品と不可分の同一の属性を有する本発明の一部である。
以下に製造例、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
<実験方法>
ハサミを用いてマグロの切り身を細切した。次に細切したマグロ肉(魚肉)の一部を量り取り、6つのサンプル(試料)に分け、各サンプルの魚肉に酸化型補酵素Q10粉末(株式会社 カネカ製)を50μg/g魚肉となるように添加し、ヘラを用いて酸化型補酵素Q10を魚肉に練りこみミンチ状の魚肉とした。その後、酸化型補酵素Q10を添加した魚肉を下記及び表1に示す条件で処理した。その後、各試料50mg当たり2-プロパノールを1.95mL加え、ポリトロン型ホモジナイザーを用いてサンプルのホモジナイズを行った。その後、ホモジナイズした試料を、日立工機株式会社製 卓上微量高速遠心機himac CT−13Rを用いて16,000×g、4℃の条件で遠心分離処理し、上清中の還元型補酵素Q10量および酸化型補酵素Q10量を、下記条件でHPLC−ECDを用いて分析した。
カラム:YMC−PACK ODS−A303(250mm×4.6mm、5-μm particle size)、還元触媒カラムRC-10(株式会社 資生堂製)、カラム温度:40℃、移動相:21.06g NaClO4・H2O in 2640mL CH3OH/360mL Hexane、流速:1mL/分、還元型補酵素Q10の保持時間;17.5分、酸化型補酵素Q10の保持時間;27.5分、電気化学検出器:Nanospace SI-2(株式会社 資生堂製、印加電圧:600mV)。
また、試料中の還元型補酵素Q10比率(%)は、以下の式より算出した。
還元型補酵素Q10比率(%)=還元型補酵素Q10量×100/総補酵素Q10量
総補酵素Q10量=還元型補酵素Q10量+酸化型補酵素Q10量
<処理方法>
・試料1:細切したマグロ肉に酸化型補酵素Q10を添加混合したもの(非加熱処理、非保存)
・試料2:酸化型補酵素Q10を添加した魚肉をアルミ製容器に入れ、容器内を窒素ガスにより置換後、密栓した。次に、サクラ精機株式会社製 ネオクレーブ ASV-3022を用いて121℃、30分、1961hpa(2kgf/cm)の条件で加熱処理し、その後、4℃で一晩保存
・試料3:酸化型補酵素Q10を添加した魚肉をアルミ製容器に入れ、容器内はガス置換を行わず、空気で満たした状態で密栓した。次に試料2と同条件で加熱処理をし、その後、4℃で一晩保存
・試料4:酸化型補酵素Q10を添加した魚肉をレトルト用フードパック(品名:R-1420H、明和産商株式会社製)に入れた。魚肉を入れたレトルト用フードパックをシャープ株式会社製 業務用卓上バキュームシーラー SQ-202にセットし脱気した後、ラミネート密栓した。次に試料2と同条件で加熱処理をし、その後、4℃で一晩保存
・試料5:酸化型補酵素Q10を添加した魚肉をアルミ製容器に入れ、容器内を窒素ガスにより置換後、密栓した。その後、加熱処理は行わず、4℃で一晩保存
・試料6:酸化型補酵素Q10を添加した魚肉をレトルト用フードパックに入れ、試料4と同様に、脱気した後、ラミネート密栓した。その後、加熱処理は行わず、4℃で一晩保存
<結果>
上記、試料1〜6の各処理条件および処理後の還元型補酵素Q10比率を表1に示す。
Figure 2009044852
上記結果より、酸化型補酵素Q10と魚肉を共存下に加熱処理をした試料2〜4の補酵素Q10総量に対する還元型補酵素Q10比率は、いずれも、酸化型補酵素Q10を魚肉に添加混合させただけの試料1や酸化型補酵素Q10を魚肉に添加混合させ加熱せず一晩保存した試料5及び6の還元型補酵素Q10比率と比較して、著しく高いことが示された。すなわち、酸化型補酵素Q10と魚肉を共存下に加熱処理することで、還元型補酵素Q10比率が高くなり、還元型補酵素Q10が富化された魚肉食品を製造できることが確認された。
(実施例2)
<実験方法>
ハサミを用いて豚肉の切り身を細切した後、さらにヘラを用いて豚肉をミンチ状にし、4つのサンプル(試料)にわけた。2mgの酸化型補酵素Q10(株式会社 カネカ製)に200mgの食用油(日清ライトブレンド油、日清オイリオ株式会社製)を添加し、約60℃の加温条件下で酸化型補酵素Q10を溶解、混合した。その後、得られた酸化型補酵素Q10/油溶液に蒸留水を加え、総量10mLとし、約60℃の加温条件下で超音波処理を行い、乳化溶液を調製した。この酸化型補酵素Q10を含む乳化液を、先のミンチ状にした豚肉のサンプルのうち2つのサンプルに加え、酸化型補酵素Q10の添加量が20μg/g豚肉となるようにした。その後、25℃以下の条件で、酸化型補酵素Q10を添加したミンチ状の豚肉を十分に混合し、ペースト状の豚肉試料とした。その後、酸化型補酵素Q10非添加、または添加した試料を下記及び表2に示す条件で処理した。その後、実施例1と同様に、豚肉中の補酵素Q10の抽出と、HPLC−ECD(電気化学検出器)を用いた含量分析を行い、試料中の還元型補酵素Q10比率を算出した。
<処理方法>
・試料7:細切した豚肉そのまま(酸化型補酵素Q10非添加、非加熱処理、非保存)。
・試料8:細切した豚肉に酸化型補酵素Q10を添加混合し、ペースト状にしたもの(非加熱処理、非保存)。
・試料9:酸化型補酵素Q10を添加していない豚肉を、レトルト用フードパック(品名:R−1420H、明和産商株式会社製)に入れ、試料4と同様に、脱気した後、ラミネート密栓し、サクラ精機株式会社製 ネオクレーブ ASV−3022を用いて121℃、30分、1961hpa(2kgf/cm)の条件で加熱処理した。その後、4℃で一晩保存(酸化型補酵素Q10非添加)
・試料10:酸化型補酵素Q10を添加した豚肉をレトルト用フードパックに入れ、試料9と同様に、脱気した後、ラミネート密栓した。次に試料9と同条件で加熱処理を行い、その後、4℃で一晩保存
<結果>
上記、試料7〜10の各処理条件および処理後の試料の還元型補酵素Q10比率を表2に示す。
また、試料8、9、および10中の処理後の還元型補酵素Q10濃度、酸化型補酵素Q10濃度、総補酵素Q10濃度を表3に示す。
Figure 2009044852
Figure 2009044852
上記結果より、酸化型補酵素Q10と豚肉を共存下に加熱処理することによって、補酵素Q10総量に対する還元型補酵素Q10比率を高められることが確認された。
また表3の結果より、単に酸化型補酵素Q10を豚肉に混合させただけでは得られる食品中の還元型補酵素Q10濃度は増加せず、酸化型補酵素Q10を添加した食品の還元型補酵素Q10濃度を増加させる、すなわち酸化型補酵素Q10を利用して還元型補酵素Q10が富化された食品を得る、ためには、加熱処理が必須であることが確認された。
(実施例3)
<実験方法>
ハサミを用いて約20gのミニアスパラガスを細切した。4mgの酸化型補酵素Q10(株式会社 カネカ製)に200mgの大豆油を添加し、約60℃の加温条件下で酸化型補酵素Q10を溶解、混合した。その後、得られた酸化型補酵素Q10/油溶液に蒸留水を加え、総量10mLとし、約60℃の加温条件下で超音波処理を行い、乳化液を調製した。この酸化型補酵素Q10を含む乳化液を、細切にしたミニアスパラガスに加え、十分に混合し、酸化型補酵素Q10添加ミニアスパラガス試料とした。この試料の一部(約200mg程度)を試料11とした。残り(約15g程度)をアルミ缶に入れて密栓し、サクラ精機株式会社製 ネオクレーブ ASV-3022を用いて121℃、30分、1961hpa(2kgf/cm)の条件で加熱処理し、得られた試料を試料12とした。試料11および12について、実施例1と同様に補酵素Qの抽出と、HPLC−ECD(電気化学検出器)を用いた含量分析を行い、試料中の還元型補酵素Q10濃度、酸化型補酵素Q10濃度、総補酵素Q10濃度および還元型補酵素Q10比率を算出した。
<結果>
上記、試料11、12中の還元型補酵素Q10濃度、酸化型補酵素Q10濃度、総補酵素Q10濃度および還元型補酵素Q10比率を表4に示す。
Figure 2009044852
上記結果より、酸化型補酵素Q10とミニアスパラガスを共存下に加熱処理することによって、補酵素Q10総量に対する還元型補酵素Q10比率を高められることが確認された。
(実施例4)
<実験方法>
ハサミを用いて約20gのマグロの切り身を細切した。40mgの補酵素Q10(還元型:酸化型=96:4)に400mgの大豆油を添加し、約60℃の加温条件下で溶解、混合した。その後、得られた油溶液に蒸留水を加え、総量10mLとし、約60℃の加温条件下で超音波処理を行い、補酵素Q10(還元型:酸化型=96:4)の乳化液を調製した。この補酵素Q10を含む乳化液を、細切にしたマグロ切り身に加え、十分に混合し、補酵素Q10(還元型:酸化型=96:4)添加マグロ切り身試料とした。この試料の一部(約200mg程度)を試料13とした。残り(約15g程度)をアルミ缶に入れて密栓し、サクラ精機株式会社製 ネオクレーブ ASV-3022を用いて121℃、30分、1961hpa(2kgf/cm)の条件で加熱処理し、得られた試料を試料14とした。試料13および14について、実施例1と同様に補酵素Q10の抽出と、HPLC−ECD(電気化学検出器)を用いた含量分析を行い、試料中の還元型補酵素Q10比率を算出した。
<結果>
上記、試料13、14中の還元型補酵素Q10比率を表5に示す。
Figure 2009044852
(実施例5)
<実験方法>
ハサミを用いて約20gの豚肉を細切した。40mgの補酵素Q10(還元型:酸化型=96:4)に400mgの大豆油を添加し、約60℃の加温条件下で溶解、混合した。その後、得られた油溶液に蒸留水を加え、総量10mLとし、約60℃の加温条件下で超音波処理を行い、補酵素Q10(還元型:酸化型=96:4)の乳化液を調製した。この補酵素Q10を含む乳化液を、細切にしたマグロ切り身に加え、十分に混合し、補酵素Q10(還元型:酸化型=96:4)添加豚肉試料とした。この試料の一部(約200mg程度)を試料15とした。残り(約15g程度)をアルミ缶に入れて密栓し、サクラ精機株式会社製 ネオクレーブ ASV−3022を用いて121℃、30分、1961hpa(2kgf/cm)の条件で加熱処理し、得られた試料を試料16とした。試料15および16について、実施例1と同様に補酵素Q10の抽出と、HPLC−ECD(電気化学検出器)を用いた含量分析を行い、試料中の還元型補酵素Q10比率を算出した。
<結果>
上記、試料15、16中の還元型補酵素Q10比率を表6に示す。
Figure 2009044852
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2007-262101号の明細書および/または図面に記載される内容を包含する。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。

Claims (7)

  1. 酸化型補酵素Q10(下記式1)を肉類、魚介類及び/又は野菜類共存下に加熱処理する、還元型補酵素Q10(下記式2)の製造方法
    Figure 2009044852
    Figure 2009044852
  2. 酸化型補酵素Q10が外部添加されたものである請求項1に記載の製造方法
  3. 加熱処理の温度条件が、100℃以上である請求項1、又は2に記載の製造方法
  4. 加熱処理の時間が、5分以上である請求項1〜3いずれか1項に記載の製造方法
  5. 酸素遮断下及び/又は密閉下に加熱処理する、請求項1〜4いずれか1項に記載の製造方法
  6. 請求項1〜5いずれか1項に記載の製造方法によって得られる、還元型補酵素Q10含有食品
  7. 食品中の補酵素Q10総量に対する還元型補酵素Q10の割合が60重量%以上である請求項6に記載の食品
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