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JPWO2007072815A1 - 電気二重層キャパシタ - Google Patents

電気二重層キャパシタ Download PDF

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JPWO2007072815A1
JPWO2007072815A1 JP2007551093A JP2007551093A JPWO2007072815A1 JP WO2007072815 A1 JPWO2007072815 A1 JP WO2007072815A1 JP 2007551093 A JP2007551093 A JP 2007551093A JP 2007551093 A JP2007551093 A JP 2007551093A JP WO2007072815 A1 JPWO2007072815 A1 JP WO2007072815A1
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Abstract

一対の分極性電極を含む電極を、セパレータを介して対向させてなるキャパシタ素子と、電解液とを含有する電気二重層キャパシタであって、分極性電極の、少なくとも一方の密度が0.40〜0.59g/cmであり、電解液がイオン性液体を含有することを特徴とする電気二重層キャパシタ。ここで分極性電極は、電極活物質および導電材が結着剤により結着されてなる複合粒子が相互に結合されたものであることが好ましい。

Description

本発明は、電気二重層キャパシタに関する。より詳しくは、電解液であるイオン性液体の浸透性に優れ生産性が高く、内部抵抗の小さい電気二重層キャパシタに関する。
電気二重層キャパシタは、大電流で急速な充放電が可能で、充放電する時の損失が少ないうえサイクル寿命は際立って長く、省エネルギー化に適したデバイスである。最近では、大型の製品が開発され、電気自動車、ハイブリッド車、燃料電池自動車向けの二次電源としての応用が期待されている。
電気二重層キャパシタの電解液は、基本性能として、電気伝導率、分解電圧、および電気二重層容量が高いことに加え広い使用温度範囲が要求される。従来の固体のアンモニウム塩を溶質とした電解液は、低温および高温域での充放電効率が低くエネルギー密度が二次電池に比べて小さいなどの課題を有している。これに対し、イオン性液体を電解質として用いた場合、安全性が高く、電気化学的に安定で、耐熱性に優れ、電気二重層容量も大きいので、駆動電圧の向上が期待できる。しかしながらイオン性液体を含有する電解液では電解液の粘度が高く、電解液が電極に浸透し難いという問題点があった。
電極への電解液の浸透性を改善する目的で、電解液に対して親液性の官能基を有する活性炭繊維を含む電極を用いることが提案されている(日本国特許出願公開2005−268316号公報参照)。
しかしこの方法では、粘度が高いイオン性液体に対しては浸透性の改良効果が不十分であった。
本発明の発明者は、電解液であるイオン性液体の浸透性が高い電極を用いてなり、内部抵抗が低く、高い生産性で製造可能な電気二重層キャパシタを提供することを目的とする。
本発明者は、イオン性液体の浸透性を支配する要因について鋭意検討し、その結果、分極性電極の密度がイオン性液体の浸透性に大きく影響していることを見出した。そして、従来の分極性電極は密度が高く、その表面での親液性の改善にのみ着目していたため、内部まで十分にイオン性液体が浸透しない場合があり生産性が低く、その結果得られる電気二重層キャパシタの内部抵抗が高くなることを見出した。これに対し、密度が特定範囲にある分極性電極、かつ好ましくは電極活物質および導電材が結着剤により結着されてなる複合粒子が相互に結合された分極性電極を有する電気二重層キャパシタを用いると、上記課題を解決できることを見出し、これらの知見に基づき本発明を完成するに到った。
本発明によれば、一対の分極性電極を含む電極を、セパレータを介して対向させてなるキャパシタ素子と、電解液とを含有する電気二重層キャパシタであって、分極性電極の、少なくとも一方の密度が0.40〜0.59g/cmであり、電解液がイオン性液体を含有することを特徴とする電気二重層キャパシタが提供される。
本発明においては、分極性電極が、体積平均粒子径が2〜6μmの小径電極活物質と、体積平均粒子径が8〜20μmの大径電極活物質とを併用して製造されたものであることが好ましい。
また、本発明においては、分極性電極が、電極活物質としてヤシ殻炭を含むことが好ましい。
また、本発明においては、分極性電極が、電極活物質および導電材が結着剤により結着されてなる複合粒子が相互に結合されたものであることが好ましい。
また、本発明においては、複合粒子が、電極活物質、導電材および結着剤を含有するスラリーAを得る工程、ならびにこのスラリーAを噴霧乾燥する工程を有する噴霧乾燥造粒法で製造されたものであることが好ましい。
また、本発明においては、分極性電極が、複合粒子をロール加圧成形して製造されたものであることが好ましい。
また、本発明においては、電極が導電性接着剤の層を介して集電体と積層されているものであることが好ましい。
本発明に好適に用いられる複合粒子の一例を示す断面図である。 本発明に好適に用いられる電極の断面を示す図である。 本実施例で用いた噴霧乾燥装置の一例を示す図である。
本発明の電気二重層キャパシタは、一対の分極性電極を含む電極を、セパレータを介して対向させてなるキャパシタ素子と、電解液とを含有する電気二重層キャパシタであって、分極性電極の、少なくとも一方の密度が0.40〜0.59g/cmであり、電解液がイオン性液体を含有することを特徴とする。
(電極活物質)
分極性電極は、必須成分として電極活物質および結着剤を含有する。電極活物質としては、通常、炭素の同素体が用いられる。電極活物質は、同じ重量でもより広い面積の界面を形成することが可能な、比表面積の大きいものが好ましい。具体的には、比表面積が30m/g以上、好ましくは500〜5,000m/g、より好ましくは1,000〜3,000m/gであることが好ましい。用いる電極活物質の比表面積が大きいほど得られる分極性電極の密度は小さくなる傾向があるので、電極活物質を適宜選択することで、所望の密度を有する分極性電極を得ることができる。炭素の同素体の具体例としては、活性炭、ポリアセン、カーボンウィスカ及びグラファイト等が挙げられ、これらの粉末または繊維を使用することができる。好ましい電極活物質は活性炭であり、具体的にはフェノール樹脂、レーヨン、アクリロニトリル樹脂、ピッチ、およびヤシ殻等を原料とする活性炭を挙げることができる。
また、黒鉛類似の微結晶炭素を有し、その微結晶炭素の層間距離が拡大された非多孔性炭素を電極活物質として用いることができる。このような非多孔性炭素は、多層グラファイト構造の微結晶が発達した易黒鉛化炭を700〜850℃で乾留し、次いで苛性アルカリと共に800〜900℃で熱処理し、さらに必要に応じ加熱水蒸気等により残存アルカリ成分を除くことで得られる。
電極活物質の体積平均粒子径は、通常0.1〜100μm、好ましくは1〜50μm、更に好ましくは5〜20μmである。用いる電極活物質の体積平均粒子径が大きいほど得られる分極性電極の密度は低くなるので、電極活物質を適宜選択することで、所望の密度を有する分極性電極を得ることができる。
これら電極活物質は、単独でまたは二種類以上を組み合わせて使用することができる。炭素の同素体を組み合わせて使用する場合は、体積平均粒子径の異なる二種類以上の炭素の同素体を組み合わせて使用することが好ましく、体積平均粒子径が2〜6μmの小径電極活物質と、体積平均粒子径が8〜20μmの大径電極活物質とを併用することが特に好ましい。小径電極活物質と大径電極活物質とを併用すると、その混合比により得られる分極性電極の密度を調整することができる。小径電極活物質と大径電極活物質とを併用する場合の量比は、重量比で、好ましくは90:10〜10:90、より好ましくは20:80〜80:20である。また、小径電極活物質または大径電極活物質の少なくとも一方が、ヤシ殻を原料とする活性炭(ヤシ殻炭)であると、イオン性液体の浸透性に優れるので特に好ましい。
(結着剤)
結着剤は、電極活物質を相互に結着させることができる化合物であれば特に制限はない。好適な結着剤は、溶媒に分散する性質のある分散型結着剤である。分散型結着剤として、例えば、フッ素系重合体、ジエン系重合体、アクリレート系重合体、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン系重合体等の高分子化合物が挙げられ、より好ましくはフッ素系重合体、ジエン系重合体、及びアクリレート系重合体が挙げられる。これら結着剤は単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
フッ素系重合体はフッ素原子を含む単量体単位を含有する重合体である。フッ素系重合体中のフッ素を含有する単量体単位の割合は通常50重量%以上である。フッ素系重合体の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂が挙げられ、ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
ジエン系重合体は、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン由来の単量体単位を含む重合体及びその水素添加物である。ジエン系重合体中の共役ジエン由来の単量体単位の割合は通常40重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上である。具体的には、ポリブタジエンやポリイソプレンなどの共役ジエン単独重合体;カルボキシ変性されていてもよいスチレン・ブタジエン共重合体(SBR)などの芳香族ビニル・共役ジエン共重合体;アクリロニトリル・ブタジエン共重合体(NBR)などのシアン化ビニル・共役ジエン共重合体;水素化SBR、水素化NBRなどが挙げられる。
アクリレート系重合体は、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル由来の単量体単位を含む重合体である。アクリレート系重合体中のアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル由来の単量体単位の割合は通常40重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上である。アクリレート系重合体の具体例としては、アクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸・アクリロニトリル・エチレングリコールジメタクリレート共重合体、アクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸・メタクリロニトリル・ジエチレングリコールジメタクリレート共重合体、アクリル酸2−エチルヘキシル・スチレン・メタクリル酸・エチレングリコールジメタクリレート共重合体、アクリル酸ブチル・アクリロニトリル・ジエチレングリコールジメタクリレート共重合体、およびアクリル酸ブチル・アクリル酸・トリメチロールプロパントリメタクリレート共重合体などの架橋型アクリレート系重合体;エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、およびエチレン・メタクリル酸エチル共重合体などのエチレンとアクリル酸(またはメタクリル酸)エステルとの共重合体;上記エチレンとアクリル酸(またはメタクリル酸)エステルとの共重合体にラジカル重合性単量体をグラフトさせたグラフト重合体;などが挙げられる。なお、上記グラフト重合体に用いられるラジカル重合性単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、メタクリル酸などが挙げられる。その他に、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体などが結着剤として使用できる。
これらの中で、集電体との結着性や表面平滑性に優れた分極性電極が得られ、また、高容量で且つ低内部抵抗の電気二重層キャパシタが製造できるという観点から、ジエン系重合体および架橋型アクリレート系重合体が好ましく、架橋型アクリレート系重合体が特に好ましい。
本発明に用いる結着剤は、その形状によって特に制限はないが、結着性が良く、また、作成した電極の容量の低下や充放電の繰り返しによる劣化を抑えることができるため、粒子状であることが好ましい。粒子状の結着剤としては、例えば、ラテックスのごとき結着剤の粒子が水に分散した状態のものや、このような分散液を乾燥して得られる粉末状のものが挙げられる。
また、本発明に用いる結着剤は、2種以上の単量体混合物を段階的に重合することにより得られるコアシェル構造を有する粒子であっても良い。コアシェル構造を有する結着剤は、第一段目の重合体を与える単量体をまず重合しシード粒子を得、このシード粒子の存在下に、第二段目となる重合体を与える単量体を重合することにより製造することが好ましい。
上記コアシェル構造を有する結着剤のコアとシェルの割合は、特に限定されないが、重量比でコア部:シェル部が通常50:50〜99:1、好ましくは60:40〜99:1、より好ましくは70:30〜99:1である。コア部及びシェル部を構成する高分子化合物は上記の高分子化合物の中から選択できる。コア部とシェル部は、その一方が0℃未満のガラス転移温度を有し、他方が0℃以上のガラス転移温度を有するものであることが好ましい。また、コア部とシェル部とのガラス転移温度の差は、通常20℃以上、好ましくは50℃以上である。
本発明に用いる粒子状の結着剤は、その数平均粒子径によって格別な限定はないが、通常は0.0001〜100μm、好ましくは0.001〜10μm、より好ましくは0.01〜1μmの数平均粒子径を有するものである。結着剤の数平均粒子径がこの範囲であるときは、少量の結着剤の使用でも優れた結着力を分極性電極に与えることができる。ここで、数平均粒子径は、透過型電子顕微鏡写真で無作為に選んだ結着剤粒子100個の径を測定し、その算術平均値として算出される個数平均粒子径である。粒子の形状は球形、異形、どちらでもかまわない。
本発明における結着剤の使用量は、電極活物質100重量部に対して、通常は0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部の範囲である。
分極性電極は、任意成分として導電材、分散剤およびその他の添加剤を含有していてもよい。導電材は、導電性を有し、電気二重層を形成し得る細孔を有さない粒子状の炭素の同素体からなり、分極性電極の導電性を向上させるものである。導電材の体積平均粒子径は、電極活物質の体積平均粒子径よりも小さいものが好ましく、その範囲は通常0.001〜10μm、好ましくは0.05〜5μm、より好ましくは0.01〜1μmである。導電材の体積平均粒子径がこの範囲にあると、より少ない使用量で高い導電性が得られる。具体的には、ファーネスブラック、アセチレンブラック、及びケッチェンブラック(アクゾノーベル ケミカルズ ベスローテン フェンノートシャップ社の登録商標)などの導電性カーボンブラック;天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛;が挙げられる。これらの中でも、導電性カーボンブラックが好ましく、アセチレンブラックおよびファーネスブラックがより好ましい。これらの導電材は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
導電材の量は、電極活物質100重量部に対して通常0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜15重量部、より好ましくは1〜10重量部の範囲である。導電材の量がこの範囲にあると、得られる分極性電極を使用した電気二重層キャパシタの容量を高く且つ内部抵抗を低くすることができる。また、導電材の量が多いほど得られる分極性電極の密度は低くなるので、導電材の量により得られる分極性電極の密度を調整することができる。
分散剤は、溶媒に溶解する樹脂であり、好適には後述するスラリーA,BまたはCの調製時に溶媒に溶解させて用いられて、電極活物質、導電材等を溶媒に均一に分散させる作用を有するものである。分散剤の具体例としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ならびにこれらのアンモニウム塩またはアルカリ金属塩;ポリアクリル酸(またはポリメタクリル酸)ナトリウムなどのポリアクリル酸(またはポリメタクリル酸)塩;ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド;ポリビニルピロリドン、ポリカルボン酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、各種変性デンプン、キチン、キトサン誘導体などが挙げられる。これらの分散剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。中でも、セルロース系ポリマーが好ましく、カルボキシメチルセルロースまたはそのアンモニウム塩もしくはアルカリ金属塩が特に好ましい。
分散剤の使用量は、格別な限定はないが、電極活物質100重量部に対して、通常は0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは0.8〜2重量部の範囲である。分散剤を用いることで、スラリーA,BまたはC中の固形分の沈降や凝集を抑制できる。さらに、分散剤の使用量が多いほどスラリーA,BまたはCの粘度は高くなる。スラリーA,BまたはCの粘度が高いほど得られる分極性電極の密度は高くなるので、分散剤の使用量により得られる分極性電極の密度を調整することができる。
その他の添加剤としては、例えば、界面活性剤がある。界面活性剤は、上記複合粒子に含まれていることが好ましい。界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、ノニオニックアニオンなどの両性の界面活性剤が挙げられるが、中でもアニオン性またはノニオン性界面活性剤で熱分解しやすいものが好ましい。界面活性剤の量は、格別な限定はないが、電極活物質100重量部に対して0〜50重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。
分極性電極の密度(以下、「電極密度」ということがある。)は、0.40〜0.59g/cm、好ましくは0.45〜0.57g/cm、より好ましくは0.50〜0.55g/cmである。電極密度がこの範囲であると、電解液の浸透時間が短く、かつ得られる電気二重層キャパシタの高い静電容量を両立することができる。電極密度が低すぎると、電気二重層キャパシタの体積当たりの容量が低くなる。一方、電極密度が高すぎると、電解液の浸透性が低く、電気二重層キャパシタの製造に要する時間が長くなり生産性が低下する。
分極性電極の厚さは、電気二重層キャパシタの形状や用途によっても異なるが、通常50〜2,000μm程度である。単位体積あたりの容量を大きくするとの観点からは、厚い方が好ましく、大電流を得るとの観点からは、薄い方が好ましい。電気二重層キャパシタがコイン型または角型である場合の分極性電極の厚さは、好ましくは200〜1,000μm、より好ましくは300〜700μmである。また、電気二重層キャパシタが円筒型である場合の分極性電極の厚さは、好ましくは30〜400μm、より好ましくは150〜300μmである。分極性電極が厚すぎると、電気二重層キャパシタの形状に合わせて切断、捲回等をするときに、分極性電極が割れたり、剥がれたりするおそれがある。一方、分極性電極が薄すぎると、電気二重層キャパシタの単位体積あたりの容量が低いものとなる。
(乾式成形)
分極性電極は、上記の電極活物質、結着剤および必要に応じ用いられる導電材等の他の成分、ならびに/または後述する複合粒子(以上を総合して「電極材料」という。)を、シート状に成形して得られる。成形方法としては、電極密度が上記範囲となる方法であれば限定されず、例えば加圧成形法などの乾式成形法、および塗布方法などの湿式成形法があるが、乾燥工程が不要で製造コストを抑えることが可能な乾式成形法が好ましい。
乾式成形法は、特に制限はなく、具体的には、電極材料に圧力を加えることで電極材料の再配列、変形により緻密化を行い分極性電極を成形する加圧成形;成形機から押し出されるとき電極材料がペースト状になることからペースト押出しとも呼ばれる、フィルム、シートなどのようなエンドレスの長尺物として分極性電極を連続成形する押出し成形;等が挙げられる。これらの中でも、簡略な設備で行えることから、加圧成形を使用することが好ましい。
加圧成形としては、例えば、電極材料をスクリューフィーダー等の供給装置でロール式加圧成形装置に供給し、分極性電極を成形するロール加圧成形法や、電極材料を集電体上に散布し、電極材料をブレード等でならして厚みを調整し、次いで加圧装置で成形する方法、電極材料を金型に充填し、金型を加圧して成形する方法などがある。これら加圧成形のうち、ロール加圧成形が好適である。
成形時の温度は、通常0〜200℃であり、結着剤の融点またはガラス転移温度より高いことが好ましく、融点またはガラス転移温度より20℃以上高いことがより好ましい。ロール加圧成形においては、成形速度を通常0.1〜20m/分、好ましくは1〜10m/分にして行う。成形速度が速いほど得られる分極性電極の密度は低くなるので、成形速度を調節することにより得られる分極性電極の密度を調整することができる。またロール間のプレス線圧を通常0.2〜30kN/cm、好ましくは0.5〜10kN/cmにして行う。プレス線圧が高いほど得られる分極性電極の密度は高くなるので、プレス線圧を調節することにより得られる分極性電極の密度を調整することができる。
成形した分極性電極の厚みのばらつきを無くし、かつ分極性電極の密度を調整するために、必要に応じて更に後加圧を行っても良い。後加圧の方法は、ロールによるプレス工程が一般的である。ロールプレス工程では、2本の円柱状のロールをせまい間隔で平行に上下にならべ、それぞれを反対方向に回転させて、その間に分極性電極をかみこませ加圧する。ロールは加熱又は冷却等、温度調節しても良い。
(複合粒子とその製法)
乾式成形で分極性電極を製造する場合は、電極活物質および導電材が結着剤により結着されてなる複合粒子を用いて成形することが好ましい。複合粒子は、電極活物質、結着剤、導電材および必要に応じ添加される他の成分を用いて造粒することにより製造される。
複合粒子の形状は、実質的に球形であることが好ましい。すなわち、複合粒子の短軸径をL、長軸径をL、L=(L+L)/2とし、(1−(L−L)/L)×100の値を球形度(%)としたとき、球形度が80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。ここで、短軸径Lおよび長軸径Lは、透過型電子顕微鏡写真像より測定される値である。
複合粒子の体積平均粒子径は、通常10〜100μm、好ましくは20〜80μm、より好ましくは30〜60μmの範囲である。体積平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。複合粒子の体積平均粒子径が大きいほど得られる分極性電極の密度は小さくなるので、用いる複合粒子の粒子径を適宜調節することで、所望の密度を有する分極性電極を得ることができる。
図1は、本発明に好適な複合粒子の断面の概念図である。複合粒子3は、外層部と内層部とからなり、外層部及び内層部が電極活物質及び導電材を分散型結着剤によって結着してなるもので構成され、外層部を形成する電極活物質11a及び導電材11bの体積平均粒子径が、内層部を形成する電極活物質12a及び導電材12bの体積平均粒子径よりも小さくなっている。
複合粒子外層部は平均粒子径の比較的小さい電極活物質及び/又は導電材が結着したもので形成されている。そのため緻密で、空隙の少ない層になっている。一方、複合粒子内層部は平均粒子径の比較的大きい電極活物質及び/又は導電材が結着したもので形成されている。平均粒子径の比較的大きいもので形成されているので、電極活物質及び/又は導電材間の空隙が多くある層になっている。
このように外層部が緻密で内層部に空隙の多い複合粒子3を用いると、加圧成形などにより分極性電極を形成する時に複合粒子が圧壊しないので、図2に示すような複合粒子3の形状が維持された分極性電極30が得られる。なお、図2は、集電体32の表面に後述の導電性接着剤34の層を形成しその上に分極性電極30を形成した電極36の構成を示すものである。
複合粒子の形状が維持されていると、粒子間に電解液の流路が確保されるので、分極性電極の内部まで電解液が速く浸透し、かつ得られる電気二重層キャパシタの内部抵抗が低くなる。ここで、小径電極活物質と大径電極活物質とを併用すると、その混合比により複合粒子の外層部と内層部の割合および密度を調節でき、得られる分極性電極の密度を調整することができる。
さらに、前記したように、導電材として、電極活物質よりも体積平均粒子径の小さいものを使用すると、導電材は複合粒子外層部に多く分布し、電極活物質は複合粒子内層部に多く分布するようになる。導電材が外層部に多く分布することで複合粒子の表面は導電性が高くなると考えられる。分極性電極を形成したときに複合粒子同士が表面で接するので、電気が通りやすくなり、抵抗が低くなると考えられる。また、内層部に多く分布する電極活物質に通ずる空隙が多くあるので電解液の浸透性が良好となると考えられ、そのために容量が高くなると推測される。
本発明に用いる複合粒子は、その製造方法によって特に制限を受けないが、次に述べる二つの製造方法によって、圧壊しにくい複合粒子を容易に得ることができる。
第一の製造方法は、電極活物質、導電材、結着剤及び分散剤を含有するスラリーAを得る工程、前記スラリーAを噴霧乾燥して、噴霧造粒する工程、及び必要に応じて熱処理する工程を有するものである。
この方法では、前記各成分を溶媒に分散又は溶解して、電極活物質、導電材、結着剤ならびに必要に応じて分散剤およびその他の添加剤が分散又は溶解されてなるスラリーAを得る。
スラリーAを得るために用いる溶媒としては、特に限定されないが、上記の分散剤を用いる場合には、分散剤を溶解可能な溶媒が好適に用いられる。具体的には、通常水が用いられるが、有機溶媒を用いることもできる。有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどのアルキルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのアルキルケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム等のエーテル類;ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPということがある。)、ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類;ジメチルスルホキサイド、スルホラン等のイオウ系溶剤;などが挙げられるが、アルコール類が好ましい。水と、水よりも沸点の低い有機溶媒とを併用すると、噴霧乾燥時に、乾燥速度を速くすることができる。また、結着剤の分散性又は分散剤の溶解性が変わるので、スラリーAの粘度や流動性を溶媒の量又は種類によって調整でき、分極性電極の密度を調整することができる。スラリーAの粘度が高いほど得られる複合粒子の密度は高くなり、そのため得られる分極性電極の密度も高くなる。
スラリーAを調製するときに使用する溶媒の量は、スラリーAの固形分濃度が、通常は1〜50重量%、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%の範囲となるような量である。固形分濃度を調整することにより、スラリーAの粘度を調節することができるので、得られる複合粒子の密度および分極性電極の密度を調整することができる。
前記電極活物質、導電材、結着剤、分散剤およびその他の添加剤を溶媒に分散又は溶解する方法又は手順は特に限定されず、例えば、溶媒に電極活物質、導電材、結着剤及び分散剤を添加し混合する方法、溶媒に分散剤を溶解した後、溶媒に分散させた結着剤(例えば、ラテックス)を添加して混合し、最後に電極活物質及び導電材を添加して混合する方法、電極活物質及び導電材を溶媒に分散させた結着剤に添加して混合し、それに溶媒に溶解させた分散剤を添加して混合する方法などが挙げられる。混合の手段としては、例えば、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、らい潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサーなどの混合機器が挙げられる。混合は、通常、室温〜80℃の範囲で、10分〜数時間行う。
次に、前記スラリーAを噴霧乾燥法により造粒する。噴霧乾燥法は、熱風中にスラリーAを噴霧して乾燥する方法である。噴霧乾燥に用いる装置の代表例としてアトマイザーが挙げられる。アトマイザーは、回転円盤方式と加圧方式との二種類の装置がある。回転円盤方式は、高速回転する円盤のほぼ中央にスラリーを導入、円盤の遠心力によってスラリーが円盤の外に放たれ、その際に霧状にして乾燥する方式である。円盤の回転速度は円盤の大きさに依存するが、通常は5,000〜30,000rpm、好ましくは15,000〜30,000rpmである。円盤の回転速度により複合粒子の粒子径および分極性電極の密度を調整することができる。すなわち、回転速度が大きいほど得られる複合粒子の粒子径が小さくなるので、該複合粒子を用いて得られる分極性電極の密度は大きくなる。一方、加圧方式は、スラリーAを加圧してノズルから霧状にして乾燥する方式である。
噴霧されるスラリーAの温度は、通常は室温であるが、加温して室温以上にしたものであってもよい。噴霧乾燥時の熱風温度は、通常80〜250℃、好ましくは100〜200℃である。噴霧乾燥法において、熱風の吹き込み方法は特に制限されず、例えば、熱風と噴霧方向が横方向に並流する方式、乾燥塔頂部で噴霧され熱風と共に下降する方式、噴霧した滴と熱風が向流接触する方式、噴霧した滴が最初熱風と並流し次いで重力落下して向流接触する方式などが挙げられる。
以上の方法によって複合粒子が得られるが、さらに、複合粒子の表面を硬化させるために加熱処理してもよい。熱処理温度は、通常80〜300℃である。
第二の製造方法は、導電材、結着剤、分散剤及びその他添加剤を含有するスラリーBを得る工程、電極活物質を槽内で流動させ、そこに前記スラリーBを噴霧して、流動造粒する工程、前記流動造粒工程で得られた粒子を転動造粒する工程、及び必要に応じて熱処理する工程を有するものである。
この方法では、先ず導電材、結着剤、分散剤及びその他添加剤を含有するスラリーBを得る。スラリーBを得るために用いる溶媒としては、前記第一の製造方法で挙げたものと同じものを挙げることができる。
スラリーBを調製するときに使用する溶媒の量は、スラリーBの固形分濃度が、通常は1〜50重量%、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%の範囲となるような量である。溶媒の量がこの範囲にあるときに、結着剤が均一に分散するため好適である。また、前記第一の製造方法と同様に、固形分濃度を調整することにより、得られる複合粒子の密度および分極性電極の密度を調整することができる。
次に電極活物質を槽内で流動させ、そこに前記スラリーBを噴霧して、流動造粒する。槽内で流動造粒する方法としては、流動層によるもの、変形流動層によるもの、噴流層によるものなどが挙げられる。流動層によるものは、熱風で電極活物質を流動させ、これにスプレー等から前記スラリーBを噴霧して凝集造粒を行う方法である。変形流動層によるものは、前記流動層と同様であるが、層内に循環流を与え、かつ分級効果を利用して比較的大きく成長した造粒物を排出させる方法である。また、噴流層によるものは、噴流層の特徴を利用して粗い電極活物質にスプレー等からのスラリーBを付着させ、同時に乾燥させながら造粒する方法である。本発明の製法としては、この3つ方式のうち流動層又は変形流動層によるものが好ましい。噴霧されるスラリーBの温度は、通常は室温であるが、加温して室温以上にしたものであってもよい。流動化に用いる熱風の温度は、通常80〜300℃、好ましくは100〜200℃である。
次いで前記流動造粒工程で得られた粒子を転動造粒する。転動造粒には、回転ざら方式、回転円筒方式、回転頭切り円錐方式などの方式がある。回転ざら方式は、傾斜した回転ざら内に供給した粒子に必要に応じて分散型結着剤又は前記スラリーを噴霧して凝集造粒物を生成させ、かつ回転ざらの分級効果を利用して比較的大きく成長した造粒物をリムより排出させる方式である。回転円筒方式は、傾斜した回転円筒に湿潤した粒子を供給し、これを円筒内で転動運動させ、必要に応じて結着剤又は前記スラリーBを噴霧して凝集造粒物を得る方式である。回転頭切り円錐方式は、回転円筒の操作方式と同様であるが、頭切円錐形により凝集造粒物の分級効果を利用しつつ比較的大きく成長した造粒物を排出させる方式である。転動造粒時の温度は特に制限されないが、スラリーを構成している溶媒を除去するために、通常は80〜300℃、好ましくは100〜200℃で行う。さらに、必要に応じ、複合粒子の表面を硬化させるために加熱処理する。熱処理温度は通常80〜300℃である。
以上の製法によって、電極活物質、導電材、結着剤及び分散剤を含む複合粒子が得られる。この複合粒子は、電極活物質および導電材が結着剤によって結着されており、複合粒子外層部が体積平均粒子径の比較的小さい電極活物質及び/又は導電材が結着したもので形成され、複合粒子内層部が体積平均粒子径の比較的大きい電極活物質及び/又は導電材が結着したもので形成されている。
(湿式成形)
湿式成形法としては、塗布法が好ましく適用できる。塗布法は電極活物質、結着剤、及びその他の任意成分を溶媒に溶解または分散させてスラリーCを得、これを後述する集電体に塗布し、乾燥して集電体上に分極性電極を形成する方法である。スラリーCを得るために用いる溶媒としては、前記スラリーAの調製に使用できる溶媒として例示したものと同じものを挙げることができる。溶媒としては水が最も好ましい。また、有機溶媒の中ではN−メチル−2−ピロリドンが好ましい。
スラリーCの集電体への塗布方法は特に制限されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法などの方法が挙げられる。スラリーCの粘度は、塗工機の種類や塗工ラインの形状によっても異なるが、通常100〜100,000mPa・s、好ましくは、1,000〜50,000mPa・s、より好ましくは5,000〜20,000mPa・sである。スラリーCの粘度が高いほど得られる分極性電極の密度が高くなる傾向があるので、スラリーCの粘度により分極性電極の密度を調整することができる。
塗布するスラリーCの量も特に制限されないが、得られる分極性電極の厚さが、通常、5〜5,000μm、好ましくは10〜2,000μmになる量が一般的である。乾燥方法としては例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法が挙げられる。乾燥温度は、通常150〜250℃である。乾燥速度が速いほど分極性電極の密度が低くなるので、乾燥時の温度や減圧度を調節することで、所望の密度を有する分極性電極を得ることができる。更に、乾燥後にプレスすることにより分極性電極の密度を調整することができる。プレス方法は、金型プレスやロールプレスなどの方法が挙げられる。
(電極)
分極性電極は、通常、集電体と積層されて用いられ、電極とされる。上記塗布法によれば、集電体上に分極性電極が形成され、一体化された電極が得られる。また、分極性電極をロール加圧成形で形成する場合は、集電体を電極材料の供給と同時にロールに送り込むことによって、集電体上に分極性電極を積層してもよい。
集電体用材料としては、例えば、金属、炭素、導電性高分子などを用いることができ、好適には金属が用いられる。集電体用金属としては、通常、アルミニウム、白金、ニッケル、タンタル、チタン、ステンレス鋼、その他の合金等が使用される。これらの中で導電性、耐電圧性の面からアルミニウムまたはアルミニウム合金を使用するのが好ましい。また、高い耐電圧性が要求される場合には日本国特許出願公開2001−176757号公報等で開示される高純度のアルミニウムを好適に用いることができる。具体的には、アルミニウムの純度は99.99%以上であることが好ましい。また、その銅の含有量は150ppm以下であることが好ましい。集電体は、フィルムまたはシート状であり、その厚みは、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常1〜200μm、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜50μmである。シート状集電体は、空孔を有していてもよい。すなわち、シート状集電体は、エキスパンドメタル、パンチングメタル、網状などの形状を有していてもよい。空孔を有するシート状集電体を用いると、得られる電極の体積あたりの容量を高くすることができる。シート状集電体が空孔を有する場合の空孔の割合は、好ましくは10〜79面積%、より好ましくは20〜60面積%である。
(導電性接着剤)
集電体は、その表面に導電性接着剤の層を形成したものを用いてもよい。導電性接着剤は、少なくとも導電材と結着剤とを有するものであり、導電材と、結着剤と、必要に応じ添加される分散剤とを水または有機溶媒中で混練することにより製造することができる。得られた導電性接着剤を、集電体に塗布、乾燥して導電性接着剤の層が形成される。分極性電極が導電性接着剤の層を介して集電体と積層されることで、分極性電極と集電体との間の結着性を向上させるとともに内部抵抗の低下に寄与する。
導電性接着剤に用いられる導電材、結着剤および分散剤としては、前記分極性電極に用いられる成分として例示したものをいずれも用いることができる。各成分の量は、導電材100質量部に対して結着剤が乾燥重量基準で5〜20重量部、分散剤が乾燥重量基準で1〜5重量部であることが好ましい。上記結着剤の量が少なすぎると分極性電極と集電体との接着が不十分になる場合がある。一方、結着剤の量が多すぎると導電材の分散が不十分になり、内部抵抗が大きくなる場合がある。また、上記分散剤の量が少なすぎても導電材の分散が不十分になる場合がある。一方、分散剤の量が多すぎると該導電材が分散剤によって被覆され、内部抵抗が大きくなる場合がある。
導電材の集電体への塗布方法は特に制限されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗りなどによって塗布される。塗布する量も特に制限されないが、乾燥した後に形成される導電性接着剤層の厚さが通常0.5〜10μm、好ましくは2〜7μmとなるように調整される。
(セパレータ)
本発明におけるキャパシタ素子は、上記電極を二つ有し、これらをセパレータを介して対向させてなるものである。本発明の電気二重層キャパシタに用いるセパレータは、分極性電極の間を絶縁でき、かつイオン性液体の陽イオンおよび陰イオンを通過させることができるものであれば特に限定されない。具体的には、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、レーヨンもしくはガラス繊維製の微孔膜または不織布、一般に電解コンデンサ紙と呼ばれるパルプを主原料とする多孔質膜などを用いることができる。セパレータは、上記一対の分極性電極が対向するように、電極の間に配置され、キャパシタ素子が得られる。
(電解液)
本発明の電気二重層キャパシタは、電解液としてイオン性液体を含有する。イオン性液体は、常温で陽イオンと陰イオンがイオン結合状態で存在する液体である。陽イオンとしては、ジメチルイミダゾリウムイオン、エチルメチルイミダゾリウムイオンおよびジエチルイミダゾリウムイオンなどのアルキルイミダゾリウムイオン;プロピルピリジニウムイオン、イソプロピルピリジニウムイオンおよびブチルピリジニウムイオンなどのアルキルピリジニウムイオン;テトラエチルアンモニウムイオン、トリブチルメチルアンモニウムイオン、ヘキシルトリメチルアンモニウムイオンおよびジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウムイオンなどのアルキルアンモニウムイオン;テトラメチルホスフォニウムイオンおよびテトラブチルホスフォニウムイオンなどのアルキルホスフォニウムイオン;等が挙げられる。中でも、アルキルイミダゾリウムイオンが好ましく、エチルメチルイミダゾリウムが集電体や封口部の腐食を防止できるのでより好ましい。
陰イオンとしては、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、三フッ化メタンスルホン酸イオン、六フッ化ヒ素イオン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、およびビストリフルオロメタンスルホンイミドイオン等が挙げられる。これらのイオン性液体は、単独で用いてもよいし、二種類以上を混合して用いることも可能である。
電解液は、イオン性液体と他の有機溶媒との混合溶液であってもよい。有機溶媒としては、一般に電解液の溶媒として用いられるものであれば特に限定されない。具体的には、プロピレンカーボート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどのカーボネート類;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;スルホラン類;アセトニトリルなどのニトリル類;が挙げられる。これらは単独または二種以上の混合溶媒として使用することができる。中でも、カーボネート類が好ましい。イオン性液体と他の有機溶媒との混合溶液を用いると、電解液の粘度を低くできるので、電解液の電極への浸透性を高くすることが可能である。電解液の粘度は、好ましくは5〜50mPa・s、より好ましくは10〜40mPa・sである。一方、イオン性液体の量が少なすぎると電気二重層キャパシタの容量が低下するので、全電解液中のイオン性液体の量は、通常5重量%以上、好ましくは20重量%以上である。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、常温で固体の電解質を電解液に溶解させて用いてもよい。かかる常温で固体の電解質としては、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリエチルモノメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェートなどが挙げられる。
上記のキャパシタ素子に電解液を含浸させて、本発明の電気二重層キャパシタが得られる。具体的には、キャパシタ素子を必要に応じ捲回、積層または折るなどして容器に入れ、容器に電解液を注入して封口して製造できる。また、キャパシタ素子に予め電解液を含浸させたものを容器に収納してもよい。容器としては、コイン型、円筒型、角型などの公知のものをいずれも用いることができる。本発明で用いる分極性電極は電解液の浸透性が高いので、電解液の含浸を常圧下で行っても十分に電解液を浸透させることができるが、減圧下で電解液を含浸させて浸透に要する時間を短縮させてもよい。
本発明の電気二重層キャパシタは、イオン性液体を電解質として用いているので容量が大きく、また分極性電極の電解液浸透性が高いので内部抵抗が小さく、かつ生産性に優れる。
なお、本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて発明を実施するための最良の形態で引用した日本国特許出願公開2001−176757号公報の開示を援用して本明細書の記載の一部とする。また、本発明は、2005年12月20日に提出された日本国特許出願2005-366840号に含まれた主題に関連し、その開示のすべては、ここに参照事項として明白に組み込まれる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における部および%は、特に断りのない限り重量基準である。実施例および比較例における各特性は、下記の方法に従い測定した。
(1)粒子径
電極活物質および複合粒子の体積平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(SALD−2000;島津製作所社製)で測定した。
(2)電解液浸透性
電極の電解液浸透性の評価は、2cm×2cmに切り出した電極へ20μLの電解液を滴下し、電極表面から電解液の液滴が見えなくなるまでの時間を測定して行った。この時間が短いほど電極が電解液浸透性に優れることを表す。ここで電解液としては、イオン液体であるエチルメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMIBF)単独、およびEMIBFとプロピレンカーボネート(PC)との混合溶液(混合比は体積比でEMIBF:PC=1:1)を用いた。これらの電解液の25℃での粘度は、B型粘度計を用いてローター番号1、回転数60rpmで測定した値で、それぞれ42mPa・sおよび13mPa・sである。
(3)電気特性
実施例および比較例で製造したコインセル形状の電気二重層キャパシタの静電容量及び内部抵抗は、作製したコインセルを24時間静置させた後に充放電の操作を行い測定した。ここで、充電は10mAの定電流で開始し、電圧が2.7Vに達したらその電圧を保って定電圧充電とし、充電電流が0.5mAまで低下した時点で充電を完了した。また、放電は充電終了直後に定電流10mAで0Vに達するまで行った。静電容量は放電時のエネルギー換算法を用い、電気二重層キャパシタに使用している活物質の重量当たりの静電容量として算出した。内部抵抗は放電直後の電圧降下から算出した。
(実施例1)
電極活物質として体積平均粒子径が15μmのフェノール樹脂を原料とする水蒸気賦活炭である活性炭粉末(RP−20;クラレケミカル社製)50部および体積平均粒子径が15μmのヤシ殻炭を原料とする水蒸気賦活炭である活性炭粉末(YP−17;クラレケミカル社製)50部、分散剤としてカルボキシメチルセルロースの1.5%水溶液(DN−800H;ダイセル化学工業社製)を固形分で1.4部、導電材としてアセチレンブラック(デンカブラック粉状;電気化学工業社製)5部、結着剤として数平均粒子径が0.12μmでガラス転移温度が−5℃である架橋型アクリレート重合体の40%水分散体を固形分で5.6部、及びイオン交換水を全固形分濃度20%となるように混合し、スラリーを調製した。
次いで、このスラリーを図3に示すようなスプレードライヤー(大川原化工機社製)のホッパー51に供給し、ポンプ52で塔頂部のノズル57へ送り、ノズルから乾燥塔58内に噴霧した。同時にポンプ54から熱交換器55を経て150℃の熱風をノズル57の脇から乾燥塔58に送り、乾燥塔58から吸引機59により複合粒子を取り出した。これにより体積平均粒子径32μm、球形度93%の球状の複合粒子を得た。
得られた複合粒子を、ロールプレス機(押し切り粗面熱ロール;ヒラノ技研社製)のロール(ロール温度100℃、プレス線圧3.9kN/cm)に供給して、成形速度5m/分でシート状に成形し、厚さ500μmの分極性電極を得た。この分極性電極の密度(電極密度)は、0.55g/cmであった。
これとは別に、厚さ20μmのアルミニウム箔に集電体用塗料(バニーハイト#523−3;日本黒鉛社製)を塗布し、乾燥して導電性接着剤層を形成し、集電体とした。上記で得られた分極性電極を集電体と貼り合せ、直径12mmの円形に打ち抜いて、電極を得た。
この電極及びセパレータとして用いるレーヨン不織布を室温で2時間電解液に含浸させ、次いで2枚の電極がセパレータを介して分極性電極が内側になるように対向させ、それぞれの電極が電気的に接触しないように配置して、コインセル形状の電気二重層キャパシタを作製した。電解液にはエチルメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートとプロピレンカーボネートとを容積比1:1で混合したものを用いた。この電極および電気二重層キャパシタの各特性を測定した結果を表1に示す。
(実施例2,3)
電極活物質として表1に示すものを用いた他は、実施例1と同様にして分極性電極、電極および電気二重層キャパシタを作製した。得られた分極性電極、電極および電気二重層キャパシタの各特性を測定した結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例3で得られた分極性電極を更にカレンダーロールで加圧し、厚さ475μmの分極性電極を得た。この分極性電極を用いて実施例1と同様にして電極および電気二重層キャパシタを作製した。得られた分極性電極、電極および電気二重層キャパシタの各特性を測定した結果を表1に示す。
Figure 2007072815
(実施例4〜6)
ロール加圧成形の条件を表2に示す条件とした他は、実施例1と同様にして分極性電極、電極および電気二重層キャパシタを作製した。得られた分極性電極、電極および電気二重層キャパシタの各特性を測定した結果を表2に示す。
(実施例7〜10)
ロール加圧成形の条件を表2に示す条件とした他は、実施例2と同様にして分極性電極、電極および電気二重層キャパシタを作製した。得られた分極性電極、電極および電気二重層キャパシタの各特性を測定した結果を表2に示す。
(実施例11〜13)
ロール加圧成形の条件を表2に示す条件とした他は、実施例3と同様にして分極性電極、電極および電気二重層キャパシタを作製した。得られた分極性電極、電極および電気二重層キャパシタの各特性を測定した結果を表2に示す。
Figure 2007072815
(実施例14)
導電材としてアセチレンブラック(デンカブラック粉状;電気化学工業製)50部、分散剤として5%カルボキシメチルセルロース水溶液(セロゲン7A;第一工業製薬社製)200部、および水50部をプラネタリーミキサーを用いて混合分散し、固形分濃度20%の導電材分散液を得た。該導電材分散液30部、5%カルボキシメチルセルロース水溶液(セロゲン7A;第一工業製薬製)20部、電極活物質として体積平均粒子径が15μmのフェノール樹脂を原料とする水蒸気賦活炭である活性炭粉末(RP−20;クラレケミカル社製)50部および体積平均粒子径が15μmのヤシ殻を原料とする水蒸気賦活炭である活性炭粉末(YP−17;クラレケミカル社製)50部、実施例1で用いたものと同種の結着剤を固形分で2部、および水を加えてプラネタリーミキサーで混合して全固形分濃度36%のスラリーを得た。
この電極組成物を集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔にドクターブレードを用いて塗布し、次いで塗膜を乾燥して集電体上に厚さ100μmの分極性電極を形成し、電極を得た。この電極を用いて実施例1と同様にして電気二重層キャパシタを作製した。得られた分極性電極、電極および電気二重層キャパシタの各特性を測定した結果を表3に示す。なお、電極密度は、電極を5cm×5cmに切り出してその重量および厚さを測定し、集電体の重量および厚さをそれぞれ差し引いて算出される分極性電極の密度として求めた。
(実施例15,比較例2)
電極活物質として表3に示すものを用いた他は、実施例14と同様にして電極および電気二重層キャパシタを作製した。得られた分極性電極、電極および電気二重層キャパシタの各特性を測定した結果を表3に示す。
(比較例3)
実施例15で得られた電極を更にカレンダーロールで加圧し、分極性電極の厚さ97μmの電極を得た。この電極を用いて実施例1と同様にして電気二重層キャパシタを作製した。得られた分極性電極、電極および電気二重層キャパシタの各特性を測定した結果を表3に示す。
Figure 2007072815
以上の実施例および比較例より明らかなように、本発明の電気二重層キャパシタは、用いられている電極が電解液の浸透性に優れているので、内部抵抗が小さく、かつ高い生産性で製造することが可能である。
本発明の電気二重層キャパシタは、厚い分極性電極を必要とする用途に特に好適であり、パソコンや携帯端末等のメモリのバックアップ電源、パソコン等の瞬時停電対策用電源、電気自動車又はハイブリッド自動車への応用、太陽電池と併用したソーラー発電エネルギー貯蔵システム、電池と組み合わせたロードレベリング電源等の様々な用途に好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 一対の分極性電極を含む電極を、セパレータを介して対向させてなるキャパシタ素子と、電解液とを含有する電気二重層キャパシタであって、
    前記分極性電極の、少なくとも一方の密度が0.40〜0.59g/cmであり、前記電解液がイオン性液体を含有する電気二重層キャパシタ。
  2. 前記分極性電極は、体積平均粒子径が2〜6μmの小径電極活物質と、体積平均粒子径が8〜20μmの大径電極活物質とを併用して製造されたものである請求項1記載の電気二重層キャパシタ。
  3. 前記分極性電極が、電極活物質としてヤシ殻炭を含む請求項1記載の電気二重層キャパシタ。
  4. 前記分極性電極は、電極活物質および導電材が結着剤により結着されてなる複合粒子が、相互に結合されたものである請求項1〜3の何れか一項に記載の電気二重層キャパシタ。
  5. 前記複合粒子は、電極活物質、導電材および結着剤を含有するスラリーAを得る工程、ならびにこのスラリーAを噴霧乾燥する工程、を有する噴霧乾燥造粒法で製造されたものである請求項4に記載の電気二重層キャパシタ。
  6. 前記分極性電極は、前記複合粒子をロール加圧成形して製造されたものである請求項4または5に記載の電気二重層キャパシタ。
  7. 前記電極は、前記分極性電極が導電性接着剤の層を介して集電体と積層されているものである請求項4〜6の何れか一項に記載の電気二重層キャパシタ。
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