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JPWO1998056731A1 - 炭の建材およびその製造方法 - Google Patents

炭の建材およびその製造方法

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JPWO1998056731A1
JPWO1998056731A1 JP11-502025A JP50202599A JPWO1998056731A1 JP WO1998056731 A1 JPWO1998056731 A1 JP WO1998056731A1 JP 50202599 A JP50202599 A JP 50202599A JP WO1998056731 A1 JPWO1998056731 A1 JP WO1998056731A1
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charcoal
mixture
raw material
building
granular
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JP11-502025A
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圭子 近藤
恵 宮川
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、炭を用いた建材およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、木炭、竹炭、活性炭等の炭、貝殼および/またはセラミック、および結合剤を原料とし、必要に応じて補強材を加えて、それらを板状に成形した建材およびその製造方法に関する。この建材は、パーテーションや壁材、天井材、床材等として好適に用いることができる。本発明の技術的課題は、従来の石膏ボード、ベニヤ板や合板材、コルク材、木材等の建材の欠点が解決され、かつ、これらの建材と同等に、壁材、天井材、床材等の建材として用いることができて容易に壁、天井、床等の施工を行い得る、炭を含有する建材を提供することにある。

Description

【発明の詳細な説明】 炭の建材およびその製造方法 「技術分野」 本発明は、炭を用いた建材およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、木 炭、竹炭、活性炭等の炭、貝殼および/またはセラミック、および結合剤を原料 とし、必要に応じて補強材を加えて、それらを板状に成形した建材およびその製 造方法に関する。この建材は、パーテーションや壁材、天井材、床材等として好 適に用いることができる。
「背景技術」 従来の建材は、石膏を板状に固めた石膏ボード、ベニヤ板や合板材、コルク材 を基礎としたもの、木材等の建材が主流であり、これらの建材は、つなぎ合わせ て壁材、天井材、床材等として使用され、室内の仕切りまたは、外部と内部とを 区別するための仕切り等として使用されている。
しかし、上記従来の建材には次のような欠点があった。
(a)上記の合板材、木材などの床は、固く、また冬は冷たくなるので足に負 担がかかる。
(b)上記の建材は総じて、タバコの煙等の臭いが室内にこもる。
(c)上記の建材は総じて、使用済後は再利用されることなく廃棄処分されて いる。特に、石膏ボードはその廃棄処分が問題となっている。
(d)上記のベニヤ板や合板材、コルク材、木材などは、吸い込んだ水分によ ってカビが発生する原因となっている。
(e)上記のコルク材は磨り減りやすいため、外壁や遊歩道に使用するには適 していない。
(f)上記の建材は総じて、最近問題視されている電磁波を遮断することがで きない。
また、従来、室内の湿気を除去すると共に、陰イオン濃度を高めることによっ て住み心地を快適にすることを目的として、建築物またはその周辺に炭層を存在 させる建築物の施工法が提案されている(特開昭62−253837号公報)。
この施工法は、炭層を従来建材と組み合わせて複合層を形成させるか、あるいは 、炭を0.1〜30重量%コンクリート、モルタル、壁土等の建築材料に均一に 混合し、この炭の混合されたコンクリート、モルタル、壁土等の建築材料を用い て建築を行うか、あるいは、炭を各種塗料中に混合し、壁、天井、床等に塗布す るか、あるいは、炭そのものまたは、炭とコンクリート、モルタル、壁土等の建 築材料の混合物を建築物周辺の土中に埋め込むかする建築物の施工法である。
しかし、上記従来の建築物の施工法では、上記従来の石膏ボード、ベニヤ板や 合板材、コルク材、木材等の建材と同等に容易に壁、天井、床等の施工を行うこ とができる炭層を有する建材は提供されず、かつ、上記した従来の建材の欠点を 十分に解消し得ないことがあるという問題があった。
さらにまた、壁材あるいは床材等の建材の調湿、断熱および防虫機能を高める ために用いられていた粒状の炭を入れた紙製袋、あるいは粒状の炭を中空部に充 填したハニカム材などの炭入り芯材の欠点を改良することを目的として、粒状の 炭をパルプ繊維に保持させて板状に成形した炭入り芯材も提案されている(特開 平9−41298号公報)。
しかし、上記従来の炭入り芯材は、その名のとおり芯材であって、上 記従来の石膏ボード、ベニヤ板や合板材、コルク材、木材等の建材との組み合わ せにおいて初めて壁、天井、床等の施工を行い得るものであって、それ自身では 、強度的に弱く、独立して壁材、天井材、床材等の建材として用いることができ ないという問題があった。
「発明の開示」 したがって、本発明の技術的課題は、上記従来の石膏ボード、ベニヤ板や合板 材、コルク材、木材等の建材の上記した欠点が十分に解決され、かつ、これらの 建材と同等に、壁材、天井材、床材等の建材として用いることができて容易に壁 、天井、床等の施工を行い得る炭を含有する建材を提供することにある。
本発明の技術的課題の解決方法の第一の方法は、請求の範囲1に記載のように 、粉末状ないし粒状の炭、粉末状ないし粒状の貝殻および/またはセラミック、 および結合剤からなる流動性原料混合物を、板状に成形し、圧締圧縮、固化させ てなる炭の建材として構成される。本発明において、板状とは壁材、天井材、床 材等の建材として用いることができる形状を示し、柱や根太等の角板状も含む概 念である。
この第一の方法の炭の建材は、粉末状ないし粒状の炭が粉末状ないし粒状の貝 殻および/またはセラミックと均一に混合された状態で結合剤により強固に固化 された構造の板状物であって、強度的に問題はなく、壁材、天井材、床材等の建 材として好適に用いることができる。また、この第一の方法の炭の建材は、炭を 含有しているので、従来の石膏ボード、ベニヤ板や合板材、コルク材、木材等の 建材の欠点が十分に改良されており、すなわち冬は冷たくなり難く、保温効果が あり、室内にこもった臭いを吸着除去し、湿度調整をなし、外壁等への使用も可 能であり、廃棄処分が容易であり、用いられた炭が高温で焼かれた炭である場合 は 電磁波を遮断し得る等の優れた特性を有している。また、貝殻および/またはセ ラミックを含有しているので、耐火性が付与されている。さらには、上記のよう な従来の建材に比べて、軽量であり、安価である。
解決方法の第二の方法は、請求の範囲2に記載のように、粉末状ないし粒状の 炭、粉末状ないし粒状の貝殻および/またはセラミック、および結合剤からなる 流動性原料混合物を、該混合物中に綿状またはメッシュ状の補強材を挿入して板 状に成形し、圧締圧縮、固化させてなる炭の建材として構成される。
この第二の方法の炭の建材は、固化した原料混合物中に綿状またはメッシュ状 の補強材が挿入されている点以外、請求の範囲1の炭の建材と同様の構造を有し ている。また、この第二の方法の炭の建材は、請求の範囲1の炭の建材の有する 特性を備えている他、綿状またはメッシュ状の補強材が挿入されているので、そ の分一層強度的に優れている。
上記第一の方法および第二の方法の炭の建材はいずれも、それらをベースとし た下記A〜Eのようなバリエイションがある。
バリエイションAは、請求の範囲3に記載のように、請求の範囲1または2の 炭の建材において、流動性原料混合物に、粉末状ないし粒状の炭、粉末状ないし 粒状の貝殻および/またはセラミック、および結合剤に加えて、流動可能な補強 材が混合されている炭の建材として構成される。このバリエイションAの炭の建 材は、請求の範囲1または2の炭の建材の有する特性を備えている他、流動可能 な補強材が用いられているので、その分一層強度的に優れている。
バリエイションBは、請求の範囲4に記載のように、請求の範囲1〜3のいず れかの炭の建材において、一方の面または両方の面に表皮材を有する炭の建材と して構成される。表皮材としては紙またはメッシュ布不織布等が適宜用いられる 。このバリエイションBの炭の建材は、請求 の範囲1〜3のいずれかの炭の建材の有する特性を備えている他、一方の面ある いは両方の面に表皮材を有するので、例えば壁紙等を貼付するに便利である。
バリエイションCは、請求の範囲5に記載のように、請求の範囲1〜3のいず れかの炭の建材において、一方の面に表皮材を有し、他方の面に綿状またはメッ シュ状の補強材を有する炭の建材として構成される。このバリエイションCの炭 の建材は、請求の範囲1〜3のいずれかの炭の建材の有する特性を備えている他 、一方の面に表皮材を有するので、例えば壁紙等を貼付するに便利であると共に 、他方の面に綿状またはメッシュ状の補強材を有するので、その分一層強度的に 優れている。
バリエイションDは、請求の範囲6に記載のように、請求の範囲1〜3のいず れかの炭の建材において、一方の面に無数の穴を設けた基板を有し、他方の面に 表皮材を有する炭の建材として構成される。このバリエイションDの炭の建材は 、請求の範囲1〜3のいずれかの炭の建材の有する特性を備えている他、一方の 面に無数の穴を設けた基板を有するので、その分一層強度的に優れていると共に 、他方の面に表皮材を有するので、例えば壁紙等を貼付するに便利である。
バリエイションEは、請求の範囲7に記載のように、請求の範囲1〜3のいず れかの炭の建材において、一方の面に無数の穴を設けた基板を有し、他方の面に 綿状またはメッシュ状の補強材を有する炭の建材として構成される。このバリエ イションEの炭の建材は、請求の範囲1〜3のいずれかの炭の建材の有する特性 を備えている他、一方の面に無数の穴を設けた基板を有し、他方の面に綿状また はメッシュ状の補強材を有するので、その分なお一層強度的に優れている。
解決方法の第三の方法は、請求の範囲8に記載のように、粉末状ないし粒状の 炭、粉末状ないし粒状の貝殻および/またはセラミック、およ び結合剤からなる流動性原料混合物、またはそれらにさらに流動可能な補強材が 加えられてなる流動性原料混合物を、底部に表皮材が敷かれた、または無数の穴 を設けた基板が敷かれた、またはそのいずれも敷かれてない型枠に流し込み、流 し込まれた流動性原料混合物の上に、表皮材を敷き、または綿状またはメッシュ 状の補強材を敷き、またはそのいずれも敷かずして、板状に成形して圧締圧縮、 固化させる炭の建材の製造方法として構成される。圧締圧縮、固化された板状の 炭の建材は型枠から取り出され、必要に応じて乾燥される。
この第三の方法の炭の建材の製造方法によれば、第一の方法の炭の建材および その各バリエイションの炭の建材を製造することができる。
解決方法の第四の方法は、請求の範囲9に記載のように、粉末状ないし粒状の 炭、粉末状ないし粒状の貝殻および/またはセラミック、および結合剤からなる 流動性原料混合物、またはそれらにさらに流動可能な補強材が加えられてなる流 動性原料混合物を、底部に表皮材が敷かれた、または無数の穴を設けた基板が敷 かれた、またはそのいずれも敷かれてない型枠に流し込み、流し込まれた流動性 原料混合物の上に綿状またはメッシュ状の補強材を敷き、さらにその上に上記と 同様の流動性原料混合物を流し込み、この綿状またはメッシュ状の補強材の上に 流し込まれた流動性原料混合物の上に、表皮材を敷き、または綿状またはメッシ ュ状の補強材を敷き、またはそのいずれも敷かずして、板状に成形して圧締圧縮 、固化させる炭の建材の製造方法として構成される。圧締圧縮、固化された板状 の炭の建材は型枠から取り出され、必要に応じて乾燥される。
この第四の方法の炭の建材の製造方法によれば、第二の方法の炭の建材および その各バリエイションの炭の建材を製造することができる。
「図面の簡単な説明」 第1図は、本発明の技術的課題の解決方法の第一の方法のバリエイションBの 炭の建材の一例の製造手順を概念的に示す斜視図であり、第2図は、当該炭の建 材の一例の構成を概念的に示す斜視図である。第3図は、解決方法の第二の方法 のバリエイションEの炭の建材の一例の製造手順を概念的に示す斜視図であり、 第4図は、当該炭の建材の一例の構成を概念的に示す斜視図である。第5図〜第 8図は、解決方法の第一の方法の炭の建材の製造工程の一例を示す図であり、第 9図は、その付帯工程を示す図である。第10図〜第14図は、解決方法の第一 の方法の炭の建材の製造工程の別例を示す図であり、第15図は、その付帯工程 を示す図である。
「発明を実施するための最良の形態」 以下、本発明に係る炭の建材の最良の形態を示すために、まず、それに用いら れる各種原料等、次いで図面によりその製造手順およびその構成を順次詳細に説 明する。
炭としては、木材、竹材、ヤシの実等の果実ないしその皮、もみ殻、麦殻等の 殻皮、サトウキビ粕等の植物残渣等の植物質の炭化物、骨等の動物質の炭化物、 石炭、褐炭、コークス、石油ピッチ等の鉱物質の炭化物、フェノール樹脂、アク リロニトリル樹脂等の合成樹脂の炭化物、合成ゴム、天然ゴム等のゴム質の炭化 物、さらにはこれらの炭化物の比表面積を大きくした活性炭等の各種の炭化物を 用いることができる。これらの炭は、粉状ないし粒状にして用いられる。ここで 、本発明でいう粉状ないし粒状とは、要は流動可能な形状、大きさという意であ って、形状が砕片状等であっても差し支えなく、その大きさも流動可能の大きさ であれば良い。また、炭は、必要に応じて、木酢液あるいは竹酢液等を含浸させ た後、乾燥させて用いることができる。そのようにすると、防 虫、防腐効果が期待できる。
貝殻としては、特に貝の種類を制限する必要はなく、ホタテ貝、カキ貝、アコ ヤ貝等の種々の貝の貝殻を用いることができる。貝殻は、粉状ないし粒状にして 用いられる。また、貝殻は、乾燥させたものが好ましく用いられ、700℃以上 の温度で焼いたものがさらに好ましく用いられる。
貝殻に代えて、粉状ないし粒状のセラミックを用いることができる。セラミッ クには珪藻土やしらす砂を原料として焼成されたものを含む。また、貝殻とセラ ミックとを併用することもできる。その併用割合は任意である。
結合剤としては、アクリル系、ビニル系、合成ゴム系等の各種合成樹脂系ない し合成ゴム系接着剤、ニカワ、アルギン酸あるいはキトサンを原料とした糊料等 の各種天然系接着剤等を用いることができる。なかでも、酢酸ビニル樹脂エマル ジョン系接着剤、でんぷん系糊、アルギンサン系接着剤、キトサンを原料とした 糊料等が好ましく用いられる。また、結合剤としては、溶かしたゴム、セメント 等の硬化剤等を用いることもできる。結合剤には、必要に応じて、木酢液あるい は竹酢液等を加えることができる。そのようにすると、防虫、防腐効果が期待で きる。
表皮材としては紙やメッシュ布等が用いられ、不燃性のものを適宜用いること ができる。紙としては、シリコン樹脂製紙、クラフト紙(さとうきび繊維紙を含 む)、和紙等を用いることができる。また、メッシュ布としては、ポリプロピレ ン製不織布、綿等を用いることができる。メッシュの大きさは任意で差し支えな いが、一般に0.1mm〜数mm程度が適当である。
流動可能な補強材としては、木屑、竹屑、短く切ったい草の繊維、短く切った サトウキビの繊維等の植物質補強材、短く切ったガラス繊維等 の鉱物質補強材、あるいは金属質補強材を用いることができる。これらの補強材 の大きさは、粉末状ないし粒状の炭、貝殻等と共に流動し得る大きさであれば良 いが、一般に最大寸法が約5mm以下が適当である。また、上記補強材の内、植 物質補強材には、必要に応じて、木酢液あるいは竹酢液等を含浸させた後、乾燥 させて、あるいはいぶして(燻製化して)、あるいは乾燥させかついぶして用い ることができる。そのようにすると、防虫、防腐効果が期待できる。金属質補強 材としては、ステンレス、アルミニュウム等の金属製の糸、繊維または布状体を 用いることができる。
原料混合物中に挿入するあるいは原料混合物の上に敷く綿状またはメッシュ状 の補強材としては、い草、サトウキビの繊維、竹等の各種植物質を綿状またはメ ッシュ状にしたもの、鉄、アルミ、スチール、合成樹脂、ガラス等の各種鉱物質 を綿状またはメッシュ状にしたもの等を用いることができる。植物質の補強材に は、必要に応じて、木酢液あるいは竹酢液等を含浸させた後、乾燥させて、ある いはいぶして、あるいは乾燥させかついぶして用いることができる。メッシュの 網目の大きさは任意で差し支えないが、一般に2mm〜10mm程度が適当であ る。
無数の穴を設けた基板としては、木の板、ゴムの板、塩化ビニール系樹脂等の 合成樹脂の板等の各種の板を用いることができる。板の厚さ、穴の径とその分布 密度は必要に応じて適宜決定することができる。この基板を用いる場合は、基板 との接着性が良い結合剤を選択することが好ましい。
本発明に係る炭の建材は、解決方法の第三の方法あるいは第四の方法の炭の建 材の製造方法によって製造することができる。以下、製造手順を順次説明する。
必要に応じて予め、炭、貝殻、セラミック、結合剤を粉末状ないし粒 状に粉砕し、補強材を流動可能に粉砕あるいは切断して原料を調製する。
この粉砕あるいは切断は、公知の粉砕、切断手段によって行うことができる。
しかして、まず、粉末状ないし粒状の炭、粉末状ないし粒状の貝殻および/ま たはセラミック、結合剤、および必要に応じて流動可能な補強材を加えた各原料 を均一に混合して流動性原料混合物を調製する。この際、各原料の混合割合は、 必要に応じて適宜決定することができる。流動可能な補強材が用いられるか否か 、炭の種類とその大きさ、結合剤の種類等により一概にはいえないが、一般に、 原料混合物に対して炭が30〜80重量部の範囲、貝殻ないしセラミックが20 〜70重量部の範囲、結合剤が4〜8重量部の範囲で合計100重量部となる割 合が適当である。補強材が用いられる場合は、補強材は原料混合物に対して10 重量部以下が適当である。また、各原料の混合は、公知の混合手段を適宜選択し て行うことができる。
次いで、調製された流動性原料混合物を型枠に流し込み板状に成形する。この 際、型枠としては、流動性原料を板状に成形できる機能を有する公知の装置を適 宜選択して用いることができる。また、この際、必要に応じて、型枠の底部に、 表皮材として不燃紙または布のメッシュを敷き、その上に流動性原料混合物が流 し込まれる。また、必要に応じて、所定量の流動性原料混合物の一部を型枠に流 し込み、流し込まれた流動性原料混合物の上に綿状またはメッシュ状の補強材を 敷き、その上に流動性原料混合物の残部が流し込まれる。さらにまた、必要に応 じて、型枠に流し込まれた流動性原料混合物の上に表皮材として不燃紙または布 のメッシュあるいは綿状またはメッシュ状の補強材が敷かれる。
次いで、型枠に流し込まれた流動性原料混合物を、表皮材として不燃 紙または布のメッシュ、無数の穴を設けた基板、あるいは綿状またはメッシュ状 の補強材が用いられている場合はそれらと共に、圧締圧縮、固化させる。
この圧締圧縮、固化は、圧縮機、ローラー等の圧締圧縮装置を必要に応じて適 宜選択して用いて行うことができる。圧縮機、ローラー等の圧締圧縮装置は、原 料混合物と接する面が原料混合物の付着し難い素材であるもの、例えばテフロン 加工等がしてあるものが好ましい。圧締圧縮する圧力は、用いる原料の種類等に 応じて適宜選択することができるが、一般に0.5〜6Kg/cm2が適当であ る。また、この際、用いた結合剤の種類等必要に応じて加熱され、その加熱温度 は結合剤の種類等必要に応じて適宜決定することができる。例えば、でんぷんの りの場合は一般に90〜160℃、酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤の場合 は一般に100〜170℃、キトサンを原料とする天然系接着剤の場合は一般に 120〜190℃が適当である。この必要に応じて加熱下になされる圧締圧縮過 程で流動性原料混合物は結合剤により強固に固化される。
上記のようにして圧締圧縮、固化させた板状物、すなわち炭の建材は、型枠か ら取り出され、必要に応じて乾燥される。かくして得られた炭の建材は、例えば 、表面に穴を設けることで防響効果を高めたり、あるいは、表面に不燃性の紙ま たは布のメッシュ、綿状またはメッシュ状の補強材あるいは無数の穴を設けた基 板のいずれも設けられてない面の表面を研磨することで光沢をだす等の二次加工 をすることによりその用途を一層拡いものにすることができる。さらには、表面 に、例えばセラミック塗装のように通気性のある塗料を塗装したり、あるいは漆 を塗ったりすることもできる。さらにまた、所謂光半導体塗料を塗布することも 可能である。
以下、図面により本発明に係る炭の建材の実施態様の例を説明する。
第1図は、解決方法の第一の方法のバリエイションBの炭の建材の一例の製造手 順を概念的に示す斜視図であり、第2図は、当該炭の建材の一例の構成を概念的 に示す斜視図である。第1図の例では、型枠1の底部に表皮材として不燃紙また は布のメッシュ2を敷き、その上に流動性原料混合物3を流し込み、その上に表 皮材として不燃紙または布のメッシュ4を敷き、その上から圧縮機またはローラ ー(図示省略)で矢印の方向に圧力をかけ、流動性原料混合物3を圧締圧縮して 、固化させる。かくして、第2図に示すような表皮材2、固化された原料混合物 3および表皮材4で構成された炭の建材が得られる。
第3図は、解決方法の第二の方法のバリエイションEの炭の建材の一例の製造 手順を概念的に示す斜視図であり、第4図は、当該炭の建材の一例の構成を概念 的に示す斜視図である。第3図の例では、型枠1の底部に無数の穴を設けた基板 5を敷き、その上に流動性原料混合物3を流し込み、その上に綿状またはメッシ ュ状の補強材6を敷き、その上に流動性原料混合物7を流し込み、さらにその上 に綿状またはメッシュ状の補強材8を敷き、その上から圧縮機またはローラー( 図示省略)で矢印の方向に圧力をかけ、流動性原料混合物3,7を圧締圧縮して 、固化させる。かくして、第4図に示すような無数の穴を設けた基板5、固化さ れた原料混合物3、綿状またはメッシュ状の補強材6、固化された原料混合物7 および綿状またはメッシュ状の補強材8で構成された炭の建材が得られる。
第5図〜第8図は、解決方法の第一の方法の炭の建材の製造工程の一例を示す 図であり、第9図は、その付帯工程を示す図である。第5図の例では、炭を粉砕 機10で粉砕し、粉砕した炭と、粉末状ないし粒状の貝殼および/またはセラミ ックと、結合剤とを撹拌機11に入れ、均一に混合し、得られた原料混合物を、 ホッパー12に移送し、可動式パイ プ13を通して油圧式圧縮機14の下段プレス機15へ均平になるように流し込 む。しかして、油圧式圧縮機14の上段プレス機16を、第6図に示すように、 原料混合物3または7に接触するあたりまで下降させ、サーボバイブレーター( 電磁式または空気式)17で数十秒間振動させ、原料混合物3,7を平らにする 。次いで、第7図に示すように、下段プレス機15と上段プレス機16に熱を加 えながら、前者を上昇させ、後者を下降させてプレスする。プレス終了後、第8 図に示すように、上段プレス機16を上昇させ、下段プレス機15もその型枠の 上縁まで上昇させ、プレスされ固化された板状物、すなわち炭の建材9をシリン ダー18でローラーコンベア19へ移動させ、炭の建材9をローラーコンベア1 9にて次の付帯工程、例えば第9図に示す表皮材貼付工程に搬送する。第9図に 示す表皮材貼付工程では、ローラーコンベア19にて搬送された炭の建材9の両 面に不燃紙が貼付される。すなわち、炭の建材9の一方の面に、ローラー20で 誘導された片面に糊の付着された不燃紙2が、ローラー21を介して貼られ、熱 を加えたローラー22により固着され、また炭の建材9の他方の面に、ローラー 23で誘導された片面に糊の付着された不燃紙4が、ローラー24を介して貼ら れ、熱を加えたローラー25により固着され、両面に不燃紙の貼付された炭の建 材26となる。
第10図〜第14図は、解決方法の第一の方法の炭の建材の製造工程の別例と してローラ式を示す図であり、第15図は、その付帯工程を示す図である。第5 図〜第8図と同一符号は同一であるので、重複説明を省略する。第10図の例で は、粉砕した炭と、粉末状ないし粒状の貝殼および/またはセラミックと、結合 剤と、補強材とから成る原料混合物3または7をプレス台30へ流し込む。プレ ス台30の前後には原料混合物3,7が流出しないように可動式ストッパ31, 32が備えられて いる。第11図に示すように、油圧式圧縮機構である上段プレスローラ33を原 料混合物3,7の上まで下降させ、複数回往復動させ、掻き寄せ部34で余分な 原料混合物3,7を端部で寄せる。次いで、第12図に示すように、可動式スト ッパ31,32を後退させ、上段プレスローラ33を複数回往復動させ、原料混 合物3,7を圧締圧縮する。端部に寄せられていた原料混合物3,7は掻き寄せ 部34で下方へ落下させられる。プレス終了後、第13図に示すように、上段プ レスローラ33を上昇させ、プレスされ固化された板状物、すなわち炭の建材3 5をシリンダー18でローラーコンベア19へ移動させ、炭の建材35をローラ ーコンベア19にて次の付帯工程、例えば第14図に示す表皮材貼付工程に搬送 する。第14図に示す表皮材貼付工程では、炭の建材35の両面にメッシュ布3 6,37が貼付され、側面がサイドカッタ38で切り落とされて幅が整えられる 。なお、第15図に示すように、例えば炭の建材35は奥側の固定ストッパ39 と手前の可動式ストッパ40で位置決めして上部からカッタ41,42で必要長 さ寸法に切断される。
実施例1 炭として粉砕機で粉砕した3mm以下[粒子サイズ]の竹炭75重量部、貝殻 として0.5mm[粒子サイズ]のホタテ貝の貝殻20重量部および結合剤とし て酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤5重量部を用い、これらを均一に混合し て原料混合物を調製した。この原料混合物を第5図に示した油圧式圧縮機の下段 プレス機に厚さ1.5〜2cmになるよう流し込み、上段プレス機を原料混合物 に接触するあたりまで下降させ、サーボバイブレーターを20秒間前後振動させ 、原料混合物を平らにした。次いで、下段プレス機と上段プレス機に熱を加えな がら、前者を上昇させ、後者を下降させて、約180℃で4kg/cm2の圧力 をかけて20秒間プレスし、厚さ1cmの成形板を得た。この成形板の 片面または両面には表皮材を貼っていない。この成形板は、石膏ボードよりも軽 く(約2/3)、石膏ボードよりも機械的強度が強かった。
この成形板について、引張強さ[評価項目]を測定したところ、3.6kgf /cm2[評価結果]であった。また、曲げ強さ[評価項目]を測定したところ 、5.6kgf/cm2[評価結果]であった。
実施例2 実施例1において、表皮材として不燃紙を敷いた上に、原料混合物を流し込み 、この上に不燃紙を敷いたこと以外、実施例1と同様に操作して成形板を得た。
この成形板について、引張強さ[評価項目]を測定したところ、4.7kgf /cm2[評価結果]であった。また、曲げ強さ[評価項目]を測定したところ 、7.3kgf/cm2[評価結果]であった。
実施例3 実施例1において、原料混合物の所定量の約半分を下段プレス機に流し込み、 その時点で流し込んだ原料混合物の上にステンレス製のメッシュ(0.5mm[ ステンレス線の直径]、5mm[網目サイズ])を敷き、その上に原料混合物の 残部を流し込んだこと以外、実施例1と同様に操作して成形板を得た。この成形 板について、引張強さ[評価項目]を測定したところ、6.1kgf/cm2[ 評価結果]であった。曲げ強さ[評価項目]を測定したところ、9.5kgf/ cm2[評価結果]であった。
実施例4 実施例1において、原料混合物に5mm[粒子サイズ]の木屑を20重量部加 えたこと以外、実施例1と同様に操作して成形板を得た。この成形板について、 引張強さ[評価項目]を測定したところ、3.6kgf/cm2[評価結果]で あった。また、曲げ強さ[評価項目]を測定 したところ、5.5kgf/cm2[評価結果]であった。
実施例5 実施例1において、貝殼に代えて0.5ミリ[粒子サイズ]のセラミック20 重量部を用いたこと以外、実施例1と同様に操作して成形板を得た。この成形板 について、引張強さ[評価項目]を測定したところ、3.8kgf/cm2[評 価結果]であった。曲げ強さ[評価項目]を測定したところ、5.9kgf/c m2[評価結果]であった。
実施例6 実施例1において、結合剤としてでんぶん糊[別の結合剤]を5重量部用い、 プレス時の温度を150℃、圧力を4kg/cm2としたこと以外、実施例1と 同様に操作して成形板を得た。この成形板について、引張強さ[評価項目]を測 定したところ、3.5kgf/cm2[評価結果]であった。また、曲げ強さ[ 評価項目]を測定したところ、5.4kgf/cm2[評価結果]であった。
「産業上の利用可能性」 本発明に係る炭の建材は、壁材、天井材、床材、畳床、パーテーション、外壁 材、歩道用床材、ブロック、家具材、電気製品の筐体部品等として有用である。
本発明に係る炭の建材は、以下のように優れた性能を有している。
(1)引張り、曲げに対して石膏ホードより強度がある。
(2)他の建材より軽い(石膏ボードの約2/3の重量)。
(3)炭を含有するので、調湿効果、保温効果、冷暖効果、脱臭効果防響効果 等があり、炭が高温(800〜1000℃以上)で焼かれたものである場合は電 磁波遮断効果がある。
(4)貝殻あるいはセラミックを含有するので、耐火性がある。
(5)歩道や体育館の床に使用すれば、足に負担がかからない。
(6)廃棄処分する場合、補強材の一部は再利用でき、また炭は焼却しても害は ない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 18/26 32/02 (注)この公表は、国際事務局(WIPO)により国際公開された公報を基に作 成したものである。 なおこの公表に係る日本語特許出願(日本語実用新案登録出願)の国際公開の 効果は、特許法第184条の10第1項(実用新案法第48条の13第2項)に より生ずるものであり、本掲載とは関係ありません。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.粉末状ないし粒状の炭、粉末状ないし粒状の貝殻および/またはセラミック 、および結合剤からなる流動性原料混合物を、板状に成形し、圧締圧縮、固化さ せてなる炭の建材。
  2. 2.粉末状ないし粒状の炭、粉末状ないし粒状の貝殻および/またはセラミック 、および結合剤からなる流動性原料混合物を、該混合物中に綿状またはメッシュ 状の補強材を挿入して板状に成形し、圧締圧縮、固化させてなる炭の建材。
  3. 3.請求の範囲1または2の炭の建材において、流動性原料混合物に、粉末状な いし粒状の炭、粉末状ないし粒状の貝殻および/またはセラミック、および結合 剤に加えて、流動可能な補強材が混合されている炭の建材。
  4. 4.請求の範囲1〜3のいずれかの炭の建材において、一方の面または両方の面 に表皮材を有する炭の建材。
  5. 5.請求の範囲1〜3のいずれかの炭の建材において、一方の面に表皮材を有し 、他方の面に綿状またはメッシュ状の補強材を有する炭の建材。
  6. 6.請求の範囲1〜3のいずれかの炭の建材において、一方の面に無数の穴を設 けた基板を有し、他方の面に表皮材を有する炭の建材。
  7. 7.請求の範囲1〜3のいずれかの炭の建材において、一方の面に無数の穴を設 けた基板を有し、他方の面に綿状またはメッシュ状の補強材を有する炭の建材。
  8. 8.粉末状ないし粒状の炭、粉末状ないし粒状の貝殻および/またはセラミック 、および結合剤からなる流動性原料混合物、またはそれらにさらに流動可能な補 強材が加えられてなる流動性原料混合物を、底部に表皮材が敷かれた、または無 数の穴を設けた基板が敷かれた、またはその いずれも敷かれてない型枠に流し込み、流し込まれた流動性原料混合物の上に、 表皮材を敷き、または綿状またはメッシュ状の補強材を敷き、またはそのいずれ も敷かずして、板状に成形して圧締圧縮、固化させる炭の建材の製造方法。
  9. 9.粉末状ないし粒状の炭、粉末状ないし粒状の貝殻および/またはセラミック 、および結合剤からなる流動性原料混合物、またはそれらにさらに流動可能な補 強材が加えられてなる流動性原料混合物を、底部に表皮材が敷かれた、または無 数の穴を設けた基板が敷かれた、またはそのいずれも敷かれてない型枠に流し込 み、流し込まれた流動性原料混合物の上に綿状またはメッシュ状の補強材を敷き 、さらにその上に上記と同様の流動性原料混合物を流し込み、この綿状またはメ ッシュ状の補強材の上に流し込まれた流動性原料混合物の上に、表皮材を敷き、 または綿状またはメッシュ状の補強材を敷き、またはそのいずれも敷かずして、 板状に成形して圧締圧縮、固化させる炭の建材の製造方法。
JP11-502025A 1997-06-09 1997-12-25 炭の建材およびその製造方法 Pending JPWO1998056731A1 (ja)

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