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JPH1199934A - 電動式ブレーキ - Google Patents

電動式ブレーキ

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Publication number
JPH1199934A
JPH1199934A JP10028239A JP2823998A JPH1199934A JP H1199934 A JPH1199934 A JP H1199934A JP 10028239 A JP10028239 A JP 10028239A JP 2823998 A JP2823998 A JP 2823998A JP H1199934 A JPH1199934 A JP H1199934A
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JP
Japan
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brake
electric
lever
force
motor
Prior art date
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Application number
JP10028239A
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English (en)
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JP4109741B2 (ja
Inventor
Kenji Shirai
健次 白井
Yasunari Yoshino
康徳 吉野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP02823998A priority Critical patent/JP4109741B2/ja
Publication of JPH1199934A publication Critical patent/JPH1199934A/ja
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  • Braking Systems And Boosters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】モータの駆動力が力伝達機構により、ブレーキ
シューをドラムに押し付けるために回動させられるレバ
ーに伝達されることによって作動させられる電動式ドラ
ムブレーキにおいて、力伝達機構における部材間の摩擦
による摩耗を防止する。 【解決手段】力伝達機構を、モータを駆動源とするシュ
ー拡張アクチュエータ250の駆動力をレバー230
に、フレキシブルな主ブレーキケーブル240を介して
伝達する構造を有するものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータを駆動源と
する電動式ブレーキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記電動式ブレーキは一般に、(a) 摩擦
面を有して車輪と共に回転する回転体と、(b) 摩擦面に
押し付けられて回転体の回転を抑制する摩擦材と、(c)
ブレーキペダル等、ブレーキ操作部材の操作に基づき、
電力によって駆動されるモータと、(d) 回動により摩擦
材を摩擦面に押し付ける回動部材と、(e) その回動部材
にモータの駆動力を伝達する力伝達機構とを含むように
構成される。
【0003】この電動式ブレーキの一従来例が欧州特許
出願公開公報EP0594233A1に記載されてい
る。この電動式ブレーキにおいては、力伝達機構が、モ
ータの駆動力を回動部材としてのレバーに、モータの駆
動力によって一直線に沿って駆動される剛体のシャフト
を介して伝達する構造を有するものとされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段,作用お
よび効果】この従来の電動式ブレーキにおいては、モー
タによる駆動時に、シャフト上の各点は一直線に沿って
移動するのに対して、レバー上の各点は一円周に沿って
移動する。このように、シャフト上の各点とレバー上の
各点との間では移動軌跡が互いに異なる。そのため、こ
の従来の電動式ブレーキにおいては、モータによる駆動
時に、シャフトとレバーとの間にシャフトの移動方向と
交差する方向に滑りすなわち摩擦が生じ、それにより、
それらシャフトとレバーとの接触部が摩耗し易いという
問題があった。
【0005】本発明は、以上の事情を背景としてなされ
たものであり、その課題は、力伝達機構における部材間
の摩耗を抑制し得る電動式ブレーキを提供することにあ
る。
【0006】この課題は下記態様の電動式ブレーキによ
って解決される。なお、以下の説明において、本発明の
各態様を、それぞれに項番号を付して請求項と同じ形式
で記載する。各項に記載の特徴を組み合わせて採用する
ことの可能性を明示するためである。
【0007】(1) 摩擦面を有して前記車輪と共に回転す
る回転体と、前記摩擦面に押し付けられて前記回転体の
回転を抑制する摩擦材と、ブレーキ操作部材の操作に基
づき、電力によって駆動されるモータと、回動により前
記摩擦材を前記摩擦面に押し付ける回動部材と、その回
動部材に前記モータの駆動力を伝達する力伝達機構とを
含む電動式ブレーキにおいて、前記力伝達機構を、前記
モータの駆動力を前記回動部材に、可撓性を有する中継
部材を介して伝達する構造を有するものとしたことを特
徴とする電動式ブレーキ〔請求項1〕。このブレーキに
おいては、モータの駆動力が回動部材に、可撓性を有す
る中継部材を介して伝達される。したがって、このブレ
ーキによれば、モータの駆動時に、中継部材と回動部材
との間にそれらの接触部において滑りすなわち摩擦が生
じなくなり、よって、力伝達機構における2部材の接触
部の摩耗が抑制される。このブレーキにおいて「可撓性
を有する中継部材」は、剛体の中継部材より変形し易い
ものであればよく、後述の、フレキシブルなワイヤで構
成したり、フレキシブルなロッドで構成したり、フレキ
シブルなリーフスプリングで構成することができる。 (2) 前記回動部材が、前記モータの駆動力を倍力するレ
バーである(1) 項に記載の電動式ブレーキ。 (3) 前記回動部材が、前記摩擦材に回動可能に取り付け
られている(1) または(2) 項に記載の電動式ブレーキ。 (4) 前記力伝達機構が、前記モータの駆動力を前記回動
部材に引張力として伝達するものである(1) ないし(3)
項のいずれかに記載の電動式ブレーキ。 (5) 前記力伝達機構が、前記モータの駆動力を前記回動
部材に引張力として伝達するものであり、前記中継部材
が、フレキシブルなワイヤで構成されている(1) ないし
(4) 項のいずれかに記載の電動式ブレーキ〔請求項
2〕。このブレーキによれば、可撓性を有する中継部材
を容易に構成し得る。このブレーキにおいて「中継部
材」は、1本のワイヤで構成したり、複数本のワイヤで
構成することができる。複数本のワイヤをより合わせた
ケーブルで構成することもできる。 (6) さらに、第2のブレーキ操作部材の操作に基づき、
第2の引張力を前記回動部材に、フレキシブルなワイヤ
で構成された第2の中継部材を介して付与する力付与機
構を含む(1) ないし(5) 項のいずれかに記載の電動式ブ
レーキ〔請求項3〕。このブレーキによれば、同じ回動
部材により2種類のブレーキ操作を行い得、よって、ブ
レーキ操作の種類毎に回動部材を設ける場合に比較して
当該ブレーキ装置の小形化,軽量化および低コスト化が
容易となる。このブレーキにおいては、ブレーキ操作の
種類を問わず、引張力が回動部材に付与されれば、回動
部材が同じ向きに回動させられる。そのため、引張力を
回動部材に付与する中継部材が可撓性を有しない場合に
は、あるブレーキ操作のために引張力を中継部材を介し
て回動部材に付与しようとしても、その付与が他方の中
継部材によって妨げられてしまう。これに対して、この
ブレーキにおいては、いずれの中継部材も可撓性を有し
ており、一方のブレーキ操作のために引張力を一方の中
継部材を介して回動部材に付与しようとすれば、それに
応じて他方の中継部材が撓むことになる。したがって、
このブレーキによれば、中継部材の可撓性を利用するこ
とにより、複雑な機構なしでも、一方のブレーキ操作が
他方のブレーキ操作のための中継部材によって阻害され
てしまうことが防止される。 (7) 前記ブレーキ操作部材が、主ブレーキ操作のために
運転者により操作される主ブレーキ操作部材であり、前
記第2のブレーキ操作部材が、パーキングブレーキ操作
のために運転者により操作されるパーキングブレーキ操
作部材である(6) 項に記載の電動式ブレーキ。ここに
「主ブレーキ操作」とは、車両を減速および停止させる
ために、通常行われる主要なブレーキ操作をいう。ま
た、「パーキングブレーキ操作」とは、車両を停止状態
に保持するために行われるブレーキ操作をいう。 (8) 前記第力付与機構が、前記パーキングブレーキ操作
部材の操作に基づいて機械的に前記第2の引張力を発生
させる機械的力発生機構を含む(7) 項に記載の電動式ブ
レーキ。 (9) 前記力付与機構が、前記パーキングブレーキ操作部
材の操作に基づいて電気的に前記第2の引張力を発生さ
せる電気的力発生機構を含む(7) 項に記載の電動式ブレ
ーキ。 (10)前記ブレーキ操作部材が、主ブレーキ操作のために
運転者により操作される主ブレーキ操作部材であり、前
記第2のブレーキ操作部材が、非常ブレーキ操作のため
に運転者により操作される非常ブレーキ操作部材であ
り、前記力付与機構が、その非常ブレーキ操作部材の操
作に基づいて機械的に前記第2の引張力を発生させる機
械的力発生機構を含む(6) 項に記載の電動式ブレーキ。
ここに「非常ブレーキ操作」とは、電動式ブレーキのう
ち主ブレーキ操作に関連する部分が故障した非常状態
で、車両を減速および停止させるために行われるブレー
キ操作をいう。 (11)前記回転体がドラムであり、前記摩擦材がブレーキ
ライニングであり、当該電動式ブレーキが電動式ドラム
ブレーキである(1) ないし(10)項のいずれかに記載の電
動式ブレーキ。 (12)前記回転体がディスクであり、前記摩擦材がブレー
キパッドであり、当該電動式ブレーキが電動式ディスク
ブレーキである(1) ないし(10)項のいずれかに記載の電
動式ブレーキ。 (13)当該電動式ブレーキが、前記回転体および摩擦材を
それぞれドラムおよびブレーキライニングとして有する
とともに、そのブレーキライニングがブレーキシューに
固着されているドラム式であり、さらに、前記回動部材
の回動により前記ブレーキシューを駆動する駆動機構で
あって、回動部材の回動ストロークを拡大してブレーキ
シューに伝達するものを含む(1) ないし(10)項のいずれ
かに記載の電動式ブレーキ〔請求項4〕。この電動式ブ
レーキによれば、ブレーキシューに同じストロークを生
じさせるのに必要な回動部材の回動ストロークが回動部
材の回動ストロークを拡大しないでブレーキシューに伝
達する場合におけるより減少し、その結果、電動式ブレ
ーキの作動応答性を容易に向上させ得る。 (14)前記駆動機構が、(a) 前記回動部材と連動する入力
部材と、(b) 前記ブレーキシューと連動する出力部材
と、(c) 前記入力部材の作動力を前記出力部材に、入力
部材の作動ストロークを拡大した作動ストロークが出力
部材に生じるように伝達するてことを含む(13)項に記載
の電動式ブレーキ〔請求項5〕。 (15)前記入力部材および出力部材が、前記ドラムの回転
軸線とほぼ直角な一平面内に実質的に含まれるかまたは
その平面と実質的に平行に配置され、前記てこが、前記
平面とほぼ直角な回動軸線のまわりに回動可能に連結さ
れている(14)項に記載の電動式ブレーキ。 (16)前記回動部材が、前記平面とほぼ直角な回動軸線の
まわりに回動可能に連結されたレバーである(15)項に記
載の電動式ブレーキ。 (17)前記レバーとてことブレーキシューとが前記平面上
を作動させられる(16)項に記載の電動式ブレーキ。この
電動式ブレーキによれば、レバーの回動により入力部材
にも出力部材にもモーメントが発生せずに済み、駆動機
構の構造が複雑化せずに済む。 (18)摩擦面を有して前記車輪と共に回転するドラムと、
前記摩擦面に押し付けられて前記回転体の回転を抑制す
るブレーキライニングと、そのブレーキライニングが固
着されたブレーキシューと、ブレーキ操作部材の操作に
基づき、電力によって駆動されるモータと、そのモータ
により回動させられる主レバーと、その主レバーの回動
により前記ブレーキシューを駆動する駆動機構であっ
て、レバーの回動ストロークを拡大してブレーキシュー
に伝達すのものとを含むことを特徴とする電動式ドラム
ブレーキ。この電動式ドラムブレーキによれば、前記(1
4)項に記載の電動式ブレーキと同様な原理により、電動
式ドラムブレーキの作動応答性を容易に向上させ得る。 (19)前記駆動機構が、(a) 前記主レバーと連動する入力
部材と、(b) 前記ブレーキシューと連動する出力部材
と、(c) 前記入力部材の作動力を前記出力部材に、入力
部材の作動ストロークを拡大した作動ストロークが出力
部材に生じるように伝達する中間レバーとを含む(16)項
に記載の電動式ドラムブレーキ。 (20)前記入力部材および出力部材が、前記ドラムの回転
軸線とほぼ直角な一平面内に実質的に含まれるかまたは
その平面と実質的に平行に配置され、前記中間レバー
が、前記平面とほぼ直角な回動軸線のまわりに回動可能
に連結されている(19)項に記載の電動式ドラムブレー
キ。 (21)前記主レバーが、前記平面とほぼ直角な回動軸線の
まわりに回動可能に連結されている(20)項に記載の電動
式ドラムブレーキ。 (22)前記主レバーと中間レバーとブレーキシューとが前
記平面上を作動させられる(21)項に記載の電動式ドラム
ブレーキ。この電動式ドラムブレーキによれば、主レバ
ーの回動により入力部材にも出力部材にもモーメントが
発生せずに済み、駆動機構の構造が複雑化せずに済む。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明のさらに具体的な実
施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】図1には、本発明の第1実施形態である電
動式ドラムブレーキを含む電動式ブレーキ装置の全体構
成が示されている。この電動式ブレーキ装置は、左右前
輪FL,FRと左右後輪RL,RRとを備えた4輪車両
に設けられている。この車両は、原動機としてのエンジ
ン10(内燃機関)と、駆動力伝達装置としてのオート
マチックトランスミッション12(以下、「A/T」と
略称する。)とを備えており、それらエンジン10とA
/T12とにより左右前輪と左右後輪との少なくとも一
方が駆動されることにより、車両が駆動される。
【0010】左右前輪FL,FRにはモータ20を駆動
源とする電動式ディスクブレーキ22が設けられてい
る。一方、左右後輪RL,RRにはモータ30を駆動源
とする電動式ドラムブレーキ32が設けられている。本
実施形態においては、それらモータ20,30が共にD
Cモータとされているが、共に超音波モータとしたり、
前輪側は超音波モータ、後輪側はDCモータとしたり、
前輪側はDCモータ、後輪側は超音波モータとすること
ができる。
【0011】この車両には、運転者により操作される部
材がいくつか設けられている。そのいくつかの操作部材
には、主ブレーキ操作部材(ブレーキ操作部材の一例)
としてのブレーキペダル40と、パーキングブレーキ操
作部材(第2のブレーキ操作部材の一例)としてのパー
キングペダル42と、加速操作部材としてのアクセルペ
ダル44と、ステアリングホイール46とがある。ブレ
ーキペダル40が操作されれば、4輪の電動式ブレーキ
22,32が作動させられ、それにより、車両が制動さ
れる。パーキングペダル42が操作されれば、左右後輪
の電動式ドラムブレーキ32が作動させられ、それによ
り、車両が駐車される。アクセルペダル44が操作され
れば、エンジン10の駆動力が増加させられ、それによ
り、車両が駆動される。ステアリングホイール46が回
転操作されれば、それに応じて操舵車輪が図示しない操
舵装置によって操舵される。
【0012】この電動式ブレーキ装置においては、ブレ
ーキペダル40の操作時(主ブレーキ操作時)には、コ
ントローラ50により4輪の電動式ブレーキ22,32
がモータ20,30の駆動力により作動させられること
によって車両が制動される。したがって、この電動式ブ
レーキ装置においては、ブレーキペダル40の操作時に
運転者がブレーキペダル40に力を付与することは不可
欠ではない。しかし、運転者のペダル操作フィーリング
を従来の液圧式ブレーキ装置と同等のものにするために
は、運転者がブレーキペダル40に操作力を付与すれば
それに応じてブレーキペダル40の操作ストロークが変
化することが必要である。そのため、本実施形態におい
ては、操作力に応じた操作ストロークをブレーキペダル
40に発生させるため、ブレーキペダル40にストロー
クシミュレータ52が設けられている。このストローク
シミュレータ52は、(a) ブレーキペダル40と連動す
る連動部材54と、(b) その連動部材54をガイドする
ガイド部材56と、(c) 連動部材54の移動によって伸
縮させられて弾性力が増減させられる弾性部材としての
スプリング58とを備え、そのスプリング58の弾性に
より、操作力に応じた長さの操作ストロークをブレーキ
ペダル40に発生させる構成とされている。
【0013】図2には、左右前輪用の電動式ディスクブ
レーキ22の詳細が示されている。ただし、図には、右
前輪FR用の電動式ディスクブレーキ22のみが代表的
に示されている。
【0014】この電動式ディスクブレーキ22は、図示
しない車体に取り付けられた固定部材としてのマウンテ
ィングブラケット100と、両側に摩擦面102a,1
02bを備えて車輪と共に回転するディスク104とを
備えている。マウンティングブラケット100は、(a)
一対のブレーキパッド106a,106bをディスク1
04を両側から挟む位置においてディスク104の回転
軸線に沿って移動可能に支持する部分と、(b) ディスク
104との接触時に各ブレーキパッド106a,106
bに発生する摩擦力を受ける部分(受け部材)とを備え
ている。図において矢印Xは、車体前進時にディスク1
04が回転する方向を示している。
【0015】一対のブレーキパッド106a,106b
のうち車体外側(図において右側)のアウタパッド10
6aは、ディスク104との接触時にディスク104と
の連れ回りが実質的に阻止される状態でマウンティング
ブラケット100に支持されている。これに対して、車
体内側(図において左側)のインナパッド106bは、
アウタパッド106aとは異なり、ディスク104との
接触時にディスク104との連れ回りが積極的に許容さ
れる状態でマウンティングブラケット100に支持され
ている。図において矢印Yは、インナパッド106bの
連れ回り方向を示している。
【0016】ただし、インナパッド106bの連れ回り
は、常に許容されるのではなく、ディスク104との間
に発生した摩擦力が設定値より小さい状態では阻止さ
れ、設定値以上になった状態ではじめて許容されるよう
になっている。このような連れ回り制御を実現するた
め、本実施形態においては、インナパッド106bの前
端部110が、弾性部材としてのスプリング112を介
してマウンティングブラケット100に係合させられて
いる。インナパッド106bの摩擦力が設定値より小さ
い状態では、スプリング112が弾性変形せずにインナ
パッド106bの連れ回りが阻止され、設定値以上とな
った状態ではじめてスプリング112が弾性変形してイ
ンナパッド106bの連れ回りが許容されるのである。
また、本実施形態においては、インナパッド106bの
連れ回り量が設定値となったときにマウンティングブラ
ケット100に当接するストッパ114が設けられてい
る。これにより、インナパッド106bの連れ回り限度
が規制され、ひいては、後述のセルフサーボ効果の過大
化が防止される。
【0017】電動式ディスクブレーキ22はさらに、デ
ィスク104の回転軸線方向には移動可能、ディスク1
04の回転方向には移動不能なボデー120を備えてい
る。ボデー120は、ディスク104の回転軸線に平行
に延びる姿勢で車体に取り付けられた図示しない複数本
のピンに摺動可能に嵌合されている。ボデー120は、
ディスク104を跨き、一対のブレーキパッド106
a,106bを背後から挟む姿勢で車体に取り付けられ
ている。ボデー120は、(a) アウタパッド106aに
背後から係合するリアクション部126と、(b) インナ
パッド106bに背後において近接する押圧部128
と、(c) それらリアクション部126と押圧部128と
を互いに連結する連結部130とを含むように構成され
ている。
【0018】押圧部128においては、モータ20が運
動変換機構としてのボールねじ機構132を介して押圧
部材134に同軸に連結されている。押圧部材134は
押圧部128により、押圧部材134の軸線回りに回転
不能かつその軸線方向に移動可能に支持されている。し
たがって、モータ20の回転軸136が回転すればその
回転運動がボールねじ機構132によって押圧部材13
4の直線運動に変換される。それにより、押圧部材13
4がそれの軸線に沿って前後に移動させられ、その移動
によってインナパッド106b、ひいてはアウタパッド
106aに押圧力が付与され、それにより、一対のブレ
ーキパッド106a,106bがディスク104に押圧
される。
【0019】アウタパッド106aにおいては、裏板1
40の板厚がディスク回転方向Xにおいて均一とされて
いるが、インナパッド106bにおいては、それの連れ
回り方向Yにおいて後側(車体において後側)から前側
(車体において前側)に進むにつれて板厚が漸減するよ
うにされている。インナパッド106bの裏板140の
背面が、ディスク104の摩擦面102に対する斜面1
42とされ、押圧部材134の前端面がその斜面142
においてインナパッド106bと接触させられているの
である。さらに、その斜面142と押圧部材134の前
端面とはそれらの面に沿って相対移動可能とされてい
る。したがって、インナパッド106bの連れ回りが行
われる状態では、インナパッド106bがディスク10
4と押圧部材134との間においてくさびとして機能
し、電動式ディスクブレーキ22のセルフサーボ効果が
実現される。なお、本実施形態においては、押圧部材1
34の軸線が斜面142と直角とされている。
【0020】本実施形態においては、押圧部材134の
前端面において複数のボール144(ローラ等でも
可。)が押圧部材134の軸線回りの一円周に沿ってほ
ぼ等間隔で保持されるとともに、各ボール144が転動
可能に保持されている。インナパッド106bの裏板1
40と押圧部材134とがスラストベアリング146に
より互いに接触させられているのであり、それらインナ
パッド106bと押圧部材134との間の摩擦が低減さ
れている。
【0021】次にこの電動式ディスクブレーキ22の作
動を説明する。
【0022】運転者によりブレーキペダル40が操作さ
れ、それに伴ってモータ20が回転させられて押圧部材
134が非作動位置から前進させられれば、一対のブレ
ーキパッド106a,106bが一緒にディスク104
に押圧され、それにより、各ブレーキパッド106a,
106bとディスク104との間に摩擦力が発生し、車
輪が制動される。
【0023】インナパッド106bの摩擦力が設定値よ
り低く、スプリング112の設定荷重に打ち勝つことが
できない状態では、スプリング112によってインナパ
ッド106bの連れ回りが阻止され、それにより、セル
フサーボ効果の発生が阻止される。したがって、電動式
ディスクブレーキ22の効き当初,弱いブレーキ操作時
等であるためにインナパッド106bの摩擦力が小さい
状態では、モータ20の駆動のみにより車輪が制動され
る。
【0024】これに対して、インナパッド106bの摩
擦力が設定値以上となり、スプリング112の設定荷重
に打ち勝つことができる状態となれば、スプリング11
2によってインナパッド106bの連れ回りが許容され
る。インナパッド106bが連れ回れば、それに伴って
斜面142が一体的に移動し、その結果、ディスク10
4の摩擦面102と斜面142との距離が増加する。そ
れにより、インナパッド106bがディスク104と押
圧部材134とにより板厚方向に強く圧縮され、その結
果、インナパッド106bが大きな力でディスク104
に押圧される。したがって、ブレーキペダル40が強く
(例えば、車体に0.3ないし0.6G程度の減速度が
発生する程度に)操作されたためにインナパッド106
bの摩擦力が大きくなった状態では、インナパッド10
6bがくさびとして機能し、その結果、モータ20の駆
動とセルフサーボ効果との双方により車輪が制動され
る。
【0025】インナパッド106bの摩擦力がさらに増
加してストッパ114がマウンティングブラケット10
0と当接すれば、インナパッド106bの更なる連れ回
りが阻止され、それにより、セルフサーボ効果の過大化
が阻止される。
【0026】図3には、左右後輪用の電動式ドラムブレ
ーキ32の詳細が示されている。ただし、図には、右後
輪用の電動式ドラムブレーキ32のみが代表的に示され
ている。
【0027】この電動式ドラムブレーキ32は、図示し
ない車体に取り付けられた非回転部材としての、ほぼ円
板状を成すバッキングプレート200と、内周面に摩擦
面202を備えて車輪と共に回転するドラム204とを
備えている。バッキングプレート200の一直径方向に
隔たった2箇所には、それぞれアンカ部材としてのアン
カピン206と中継リンクとしてのアジャスタ208と
が設けられている。アンカピン206はバッキングプレ
ート200に位置固定に取り付けられている。アンカピ
ン206はドラム204の回転軸線に平行に延びてい
る。一方、アジャスタ208はフローティング式とされ
ている。それらアンカピン206とアジャスタ208と
の間には、各々円弧状を成す一対のブレーキシュー21
0a,210bがドラム204の内周面に対面するよう
に取り付けられている。一対のブレーキシュー210
a,210bは、シューホールドダウン装置212a,
212bによってバッキングプレート200にそれの面
に沿って移動可能に取り付けられている。なお、バッキ
ングプレート200の中央に設けられた貫通穴には、図
示しないアクスルシャフトが回転可能に突出して設けら
れるようになっている。
【0028】一対のブレーキシュー210a,210b
は、一端部同士がアジャスタ208により作動的に連結
される一方、各他端部がアンカピン206と当接するこ
とによって回動可能に支持されている。一対のブレーキ
シュー210a,210bの一端部同士は、アジャスタ
スプリング214によりアジャスタ208を介して互い
に接近する向きに付勢されている。一方、一対のブレー
キシュー210a,210bの各他端部は各シューリタ
ーンスプリング215a,215bによりアンカピン2
06に向かって付勢されている。各ブレーキシュー21
0a,210bの外周面にブレーキライニング216
a,216bが保持され、それら一対のブレーキライニ
ング216a,216bがドラム204の内周面に接触
させられることにより、それらブレーキライニング21
6a,216bとドラム204との間に摩擦力が発生す
る。アジャスタ208は、一対のブレーキシュー210
a,210bの摩耗に応じて一対のブレーキライニング
216a,216bとドラム204との隙間を調整す
る。
【0029】各ブレーキシュー210a,210bはリ
ム220とウェブ222とから構成されており、一対の
ブレーキシュー210a,210bの一方のウェブ22
2には、レバー230(主レバー)が回動可能に取り付
けられている。そのウェブ222にレバー支持部材とし
てのピン232が位置固定に取り付けられ、そのピン2
32にレバー230の一端部が回動可能に連結されてい
る。このレバー230と他方のブレーキシュー210b
との互いに対向する部分の切欠きには、力伝達部材とし
てのストラット236の両端が係合させられている。す
なわち、この電動式ドラムブレーキ32は、車体の前進
時にも後退時にも、いずれのブレーキシュー210a,
210bにもセルフサーボ効果が発生するデュオサーボ
型なのである。なお、本実施形態においては、レバー2
30が、一対のブレーキシュー210a,210bのう
ち車体前進時にセカンダリシューとして作用するブレー
キシュー210aに取り付けられているが、プライマリ
シューとして作用するブレーキシュー210bに取り付
けることが可能である。
【0030】この電動式ドラムブレーキ32は、ブレー
キペダル40の操作時であるかパーキングペダル42の
操作時(パーキングブレーキ操作時)であるかを問わ
ず、同じレバー230の回動によって作動させられる。
そのため、レバー230の他端部に主ブレーキケーブル
240の一端部とパーキングブレーキケーブル242の
一端部とが連結されている。各ケーブル240,242
は、複数本のワイヤをより合わせて構成されており、フ
レキシブルである。なお、レバー230の他端部とバッ
キングプレート200との間には、従来の液圧式ブレー
キ装置におけると同様に、圧縮型のスプリング244が
パーキングブレーキケーブル242と同軸に配設されて
いる。
【0031】主ブレーキケーブル240は、バッキング
プレート200に取り付けられたシュー拡張アクチュエ
ータ250により駆動される。シュー拡張アクチュエー
タ250は、図4に拡大して示すように、モータ30の
回転軸に減速機252の入力軸が連結され、その減速機
252の出力軸に運動変換機構としてのボールねじ機構
254の入力部材が連結されて構成されており、そのボ
ールねじ機構254の出力部材に主ブレーキケーブル2
40の他端部が連結されている。ボールねじ機構254
は、モータ30の回転運動を直線運動に変換する機構で
ある。図において符号256および258は共にブラケ
ットを示し、また、符号260および262は共に、各
ブラケット256,258をバッキングプレート200
へ取り付けるための取付けボルトを示している。
【0032】ボールねじ機構254は、入力部材として
のおねじ264に出力部材としてのナット266が図示
しない複数個のボールを介して螺合されて構成されてい
る。ナット266は固定部材としてのハウジング267
に回転不能かつ軸方向移動可能に嵌合されている。それ
により、おねじ264の回転運動がナット266の直線
運動に変換される。ナット266の両端部のうちおねじ
264の側とは反対側の端部に出力シャフト268が同
軸に取り付けられている。それらおねじ264,ナット
266および出力シャフト268の相互の摺動部へのダ
ストの侵入が、ハウジング267および伸縮可能なダス
トブーツ270により阻止されている。
【0033】出力シャフト268と主ブレーキケーブル
240の他端部との結合は次のような構成により行われ
る。すなわち、出力シャフト268の両端部のうちボー
ルねじ機構254の側とは反対側の端部にケーブル取付
け用おねじ272が形成される一方、主ブレーキケーブ
ル240の他端部にケーブル取付け用ナット274が結
合されている。そのケーブル取付け用ナット274がケ
ーブル取付け用おねじ272に螺合され、そのケーブル
取付け用おねじ272に回り止め用ナット276が螺合
されるとともに、その回り止め用ナット276がケーブ
ル取付け用ナット274に押し付けられることにより、
ケーブル取付け用ナット274の緩みが防止されてい
る。
【0034】以上のように構成されたシュー拡張アクチ
ュエータ250は、ブレーキペダル40の操作時に主ブ
レーキケーブル240に引張力を付与し、それにより、
レバー230の他端部がブレーキシュー210bから離
間する向きに回動させられ、その結果、ストラット23
6により一対のブレーキシュー210a,210bが拡
張される。
【0035】この電動式ドラムブレーキ32は、一対の
ブレーキシュー210a,210bをそれに発生するセ
ルフサーボ効果に打ち勝って収縮させるのに効果的なシ
ュー収縮機構を備えている。シュー収縮機構は、本実施
形態においては、レバー230とバッキングプレート2
00との間に張り渡された主ブレーキリターンスプリン
グ280とされている。この主ブレーキリターンスプリ
ング280は、主ブレーキケーブル240と同軸に張り
渡されるとともに、一端部がレバー230の他端部に、
他端部がシュー拡張アクチュエータ250のうちの固定
部分(例えば、ハウジング,ブラケット等)にそれぞれ
係合させられている。したがって、ブレーキペダル40
の操作の解除時に、シュー拡張アクチュエータ250が
初期位置に向かって戻されれば、レバー230は主ブレ
ーキリターンスプリング280の圧縮力によって初期位
置に向かって回動させられる。ただし、この電動式ドラ
ムブレーキ32にそのようなシュー収縮機構を追加する
ことは不可欠なことではなく、例えば、既存のスプリン
グであるアジャスタスプリング214やシューリターン
スプリング215a,215bの弾性力を増加させるこ
とによって同じ目的を達成することは可能である。
【0036】パーキングブレーキケーブル242の他端
部は、図1に示すように、よく知られているパーキング
コントロール284に連結されている。そのパーキング
コントロール284は、パーキングペダル42の操作力
により機械的に作動し、パーキングコントロール284
に引張力を、一対のブレーキシュー210a,210b
が拡張する向き(以下、単に「シュー拡張方向」とい
う。)にレバー230が回動する向きに付与する。
【0037】図3に示すように、ブレーキペダル40の
操作時には、シュー拡張アクチュエータ250により、
主ブレーキケーブル240のみに引張力が付与されてレ
バー230がシュー拡張方向に回動させられ、このと
き、パーキングブレーキケーブル242は撓ませられ
る。また、パーキングペダル42の操作時には、パーキ
ングコントロール284により、パーキングブレーキケ
ーブル242のみに引張力が付与されてレバー230が
シュー拡張方向に回動させられ、このとき、主ブレーキ
ケーブル240は撓ませられる。このように、同じレバ
ー230に連結されて互いに異なる時期に作用させられ
る2つのケーブル240,242が共に変形可能なた
め、一方のケーブルの作用が他方のケーブルによって阻
害されることがない。
【0038】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、モータ30の駆動力がレバー230に、
変形可能な主ブレーキケーブル240を介して伝達され
るため、モータ30の駆動時に、主ブレーキケーブル2
40とレバー230との間にそれらの接触部において滑
りすなわち摩擦が生じなくなり、その結果、それら主ブ
レーキケーブル240とレバー230との接触部の摩耗
が抑制される。
【0039】さらに、本実施形態によれば、モータ30
の駆動時に、主ブレーキケーブル240とレバー230
との間にそれらの接触部において滑りが生じなくなるた
め、その接触部に異物が侵入し難くなる。
【0040】さらにまた、本実施形態によれば、レバー
230とシュー拡張アクチュエータ250とを互いに連
結する主ブレーキケーブル240がフレキシブルである
ため、シュー拡張アクチュエータ250のレバー230
に対する相対位置を比較的自由に変更し得、よって、シ
ュー拡張アクチュエータ250の配設位置の自由度が向
上する。
【0041】さらにまた、本実施形態によれば、同じレ
バー230により2種類のブレーキ操作、すなわち、主
ブレーキ操作とパーキングブレーキ操作とを行い得るた
め、ブレーキ操作の種類毎にレバーを設ける場合に比較
して電動式ドラムブレーキ32の小形化,軽量化および
低コスト化が容易となる。
【0042】さらにまた、本実施形態においては、同じ
レバー230と連結された主ブレーキケーブル240と
パーキングブレーキケーブル240とがいずれもフレキ
シブルであるため、主ブレーキ操作時にはパーキングブ
レーキケーブル242が撓んでレバー230の回動を阻
害せず、また、パーキングブレーキ操作時には主ブレー
キケーブル240が撓んでレバー230の回動を阻害せ
ず、よって、特別な機構なしで、いずれのブレーキ操作
も支障なく行い得る。
【0043】ところで、レバー230とシュー拡張アク
チュエータ250とを剛体のリンクにより、シュー拡張
アクチュエータ250からレバー230へ向かう力もそ
の逆向きの力も伝達可能に互いに連結した場合を想定す
れば、この場合には、パーキングブレーキ操作時にレバ
ー230からシュー拡張アクチュエータ250に力が作
用してしまう。一方、シュー拡張アクチュエータ250
においては、減速機252およびボールねじ機構254
が、モータ30(入力側)から出力シャフト268(出
力側)へ向かう力に対しては倍力作用を果たす一方、逆
に出力側から入力側へ向かう力に対しては力伝達抑制作
用を果たすことになる。そのため、シュー拡張アクチュ
エータ250が連結されたレバー230を作用位置に向
かって作動させるためには、レバー230が、力伝達抑
制作用の下にシュー拡張アクチュエータ250にそれを
作用位置に向かって作動させるための力を付与しなけれ
ばならず、その分、パーキングブレーキペダル42の操
作力が増加してしまうことになる。これに対して、本実
施形態においては、パーキングブレーキ操作時には、主
ブレーキケーブル240が撓むため、レバー230の作
用位置への作動が力伝達抑制作用によって妨げられるこ
とがなく、よって、同じレバー230を主ブレーキとパ
ーキングブレーキとに共用することに起因するパーキン
グペダル42の操作力増加が防止される。
【0044】すなわち、本実施形態においては、ブレー
キペダル40が「ブレーキ操作部材」の一例を構成し、
また、レバー230が「回動部材」の一例を構成し、ボ
ールねじ機構254および主ブレーキケーブル240が
互いに共同して「力伝達機構」の一例を構成し、また、
主ブレーキケーブル240が「中継部材」の一例を構成
しているのである。また、パーキングペダル42が「第
2のブレーキ操作部材」の一例を構成し、また、パーキ
ングコントロール284およびパーキングブレーキケー
ブル242が互いに共同して「力付与機構」の一例を構
成し、また、パーキングブレーキケーブル242が「第
2の中継部材」の一例を構成しているのである。
【0045】以上、この電動式ブレーキ装置のハードウ
ェア構成を説明したが、次にソフトウェア構成を説明す
る。
【0046】図1に示すように、コントローラ50は、
CPU,ROMおよびRAMを含むコンピュータ300
を主体として構成されている。このコントローラ50の
入力側にはいくつかのセンサおよびスイッチが接続され
ている。そのいくつかのセンサおよびスイッチには、操
作力センサ302,ブレーキペダルスイッチ304,ア
クセルペダルスイッチ306,舵角センサ308,車体
減速度センサ310,車速センサ312,4個の車輪速
センサ314およびモータ電流センサ316がある。
【0047】操作力センサ302は、ブレーキペダル4
0の操作力Fを検出し、その大きさを規定する信号を出
力する。ブレーキペダルスイッチ304は、ブレーキ操
作センサの一例であり、ブレーキペダル40の非操作時
にはOFF信号(第1信号)、操作時にはON信号(第
2信号)を出力する。アクセルペダルスイッチ306
は、加速操作センサの一例であり、アクセルペダル44
の非操作時にはOFF信号(第1信号)、操作時にはO
N信号(第2信号)を出力する。舵角センサ308は、
旋回センサの一例であり、ステアリングホイール46の
回転操作角θを検出し、その大きさを規定する信号を出
力する。車体減速度センサ310は、車体の前後方向に
おける減速度Gを検出し、その高さを規定する信号を出
力する。車速センサ312は、車速Vを検出し、その大
きさを規定する信号を出力する。4個の車輪速センサ3
14は4輪にそれぞれ設けられ、各輪の車輪速VW を検
出し、その大きさを規定する信号を出力する。モータ電
流センサ316は、4輪の電動式ブレーキ22,32の
各々のモータ20,30のコイルに接続され、電源とし
てのバッテリ320からドライバ322を経てそのモー
タ20,30に実際に供給された電流を検出し、その実
供給電流値Iを規定する信号を出力する。その出力信号
は、電圧により表されるものであり、結局、モータ電流
センサ316は、実供給電流値Iを電圧の高さとしてコ
ントローラ50に出力することになる。
【0048】一方、コントローラ50の出力側には、上
記ドライバ322が接続されている。ブレーキペダル4
0の操作時には、コントローラ50からそのドライバ3
22に指令が供給され、その指令に応じてドライバ32
2が電流をバッテリ320から各電動式ブレーキ22,
32のモータ20,30に供給する。コントローラ50
の出力側にはさらに、エンジン10の図示しないエンジ
ン出力制御装置(スロットル制御装置,燃料供給制御装
置,点火時期制御装置等)と、A/T12の図示しない
変速制御装置(変速ソレノイド等を含む)とが接続され
ている。コントローラ50は、車両駆動時に、駆動車輪
のスピンを抑制すべく、それらエンジン出力制御装置お
よび変速制御装置に駆動力を抑制する信号を出力する。
すなわち、コントローラ50は、トラクション制御も実
行するようになっているのである。
【0049】コンピュータ300のROMには、ブレー
キ制御ルーチンおよび摩擦材μ推定ルーチンを含むいく
つかのルーチンが記憶されている。ブレーキ制御ルーチ
ンは図5、摩擦材μ推定ルーチンは図6にそれぞれフロ
ーチャートで表されている。さらに、ROMには、F−
T特性をテーブル,関数式等で表すデータ、およびI−
T特性をテーブル,関数式等で表すデータを含むいくつ
かのデータも記憶されている。
【0050】F−T特性は、ブレーキペダル40の操作
力Fとブレーキ22,32が各輪に付与する制動トルク
値Tとの関係を表すものであり、図7にグラフで示され
ている。これに対して、I−T特性は、モータ20,3
0への供給電流値Iとブレーキ22,32が各輪に付与
する制動トルク値Tとの関係(実験的にまたは計算によ
り取得される)を表すものであり、図8にグラフで示さ
れている。それらF−T特性およびI−T特性はそれぞ
れ、前後間で共通しないのが普通であることを考慮し、
前輪と後輪とに関連付けてROMに記憶されている。
【0051】I−T特性は、同図に示すように、供給電
流値Iに応じて制動トルク値Tが変化するパターンで定
義されており、そのパターンが複数種類、摩擦材の摩擦
係数μ(以下、単に「摩擦材μ」で表す。)の複数個の
離散値に関連付けて設けられている。ここに、「摩擦
材」は、前輪用の電動式ディスクブレーキ22の一対の
ブレーキパッド106a,106bと後輪用の電動式ド
ラムブレーキ32の一対のブレーキライニング216
a,216bとを総称するものであり、以下、同様であ
る。
【0052】以下、コントローラ50によるブレーキ制
御および摩擦材μ推定を説明するが、まず、概略的に説
明する。
【0053】図9には、この電動式ブレーキ装置におけ
るコントローラ50とモータ20,30と摩擦材300
と車輪302との関係が概念的に示されている。コント
ローラ50には運転者からの操作情報としてブレーキペ
ダル40の操作力Fが供給され、コントローラ50はそ
の操作力Fに応じてモータ20,30に電流値Iを供給
する。モータ20,30は、供給された電流値Iに応じ
て駆動力Dを摩擦材300に供給する。摩擦材300
は、それの実際の摩擦係数μの下に、供給された駆動力
Dにより車輪302に制動トルクTを付与する。車輪3
02に制動トルクTが付与されることにより、車体に減
速度Gが発生するとともに、車輪302に減速度GW
発生する。
【0054】このブレーキ制御においては、ブレーキペ
ダル40の操作力Fに基づいてモータ20,30への供
給電流値Iが決定されるが、操作力Fに基づき、F−T
特性に従って目標制動トルク値T* が各輪毎に決定さ
れ、各輪の目標制動トルク値T * に基づき、I−T特性
に従って供給電流値Iが各輪毎に決定される。
【0055】これに対して、摩擦材μ推定においては、
非ブレーキ操作時であり、かつ、加速操作時でなく、か
つ、車両直進時であり、かつ、悪路走行時でなく、か
つ、低速走行時でなく、かつ、A/T12の変速時でな
い時に、モータ20,30が駆動されることによってブ
レーキ22,32が作動させられる。さらに、その間に
おけるモータ20,30の供給電流値Iと車体減速度G
とがそれぞれ取得されるとともに、車体減速度Gに基づ
いて各輪の実制動トルク値Tが取得される。さらに、前
記複数種類のI−T特性パターンのうち、取得された実
制動トルク値Tと供給電流値Iとの組合せが対応するも
のが今回のI−T特性パターンとして選択され、その選
択されたI−T特性パターンに対応する摩擦材μが実際
の摩擦材μとして推定される。この摩擦材μ推定値はR
AMに格納される。
【0056】摩擦材μは本来、各輪毎に推定すべきであ
るが、本実施形態においては、摩擦材μが前後輪間では
異なるが、左右輪間ではほぼ等しいという前提に基づ
き、摩擦材μが前後輪については独立に推定されるが、
左右輪については共通に推定される。
【0057】また、上記ブレーキ制御においては、摩擦
材μの今回推定値がRAMに存在する期間には、その摩
擦材μの今回推定値に応じてI−T特性パターンが選択
され、その選択されたI−T特性パターンに従って供給
電流値Iが決定される。一方、摩擦材μの今回推定値が
RAMに存在しない期間には、前回推定値がRAMに存
在する場合には、前回推定値に対応するI−T特性パタ
ーンが今回推定値が取得されるまで暫定的に使用される
一方、前回推定値がRAMに存在しない場合には、摩擦
材μの標準値(ROMに記憶されている)に対応するI
−T特性パターンが今回推定値が取得されるまで暫定的
に使用される。
【0058】次に、ブレーキ制御および摩擦材μ推定を
図5および図6のフローチャートに基づいて具体的に説
明する。
【0059】図5のブレーキ制御ルーチンは、車両のイ
グニションスイッチがONに操作されると実行を開始さ
れ、まず、ステップS1(以下、単に「S1」で表す。
他のステップについても同じとする。)において、操作
力センサ302により操作力Fが検出される。次に、S
2において、摩擦材μの今回推定値がRAMに存在する
か否かが判定される。存在すれば判定がYESとなり、
S3において、摩擦材μの今回推定値がRAMから読み
込まれ、それが摩擦材μの今回使用値とされ、これに対
して、存在しなければ判定がNOとなり、S4におい
て、摩擦材μの前回推定値がRAMに存在するか否かが
判定される。存在すれば判定がYESとなり、S5にお
いて、摩擦材μの前回推定値がRAMから読み出され、
それが摩擦材μの今回使用値とされ、一方、存在しなけ
れば判定がNOとなり、S6において、摩擦材μの標準
値がROMから読み出され、それが摩擦材μの今回使用
値とされる。
【0060】いずれの場合にも、その後、S7におい
て、今回のI−T特性パターンが選択される。前記複数
種類のI−T特性パターンの中から、摩擦材μの今回使
用値に対応するものが今回のI−T特性パターンとして
選択されるのである。続いて、S8において、検出され
た操作力Fに基づき、前記F−T特性に従って、各輪の
目標制動トルク値T* が決定される。その後、S9にお
いて、決定された各輪の目標制動トルク値T* に基づ
き、選択された今回のI−T特性パターンに従って、モ
ータ20,30へ供給する電流値の目標値I* が各輪毎
に決定される。続いて、S10において、決定された各
目標供給電流値I* で電流がモータ20,30へ供給さ
れる。以上で本ルーチンの一回の実行が終了し、再びS
1に戻る。
【0061】これに対して、図6の摩擦材μ推定ルーチ
ンも、車両のイグニションスイッチがONに操作される
と実行を開始され、まずS11において、初期設定が行
われ、それにより、RAMのμ推定フラグが0とされ
る。μ推定フラグは、0で一回の車両走行中に摩擦材μ
が一度も推定されていないことを示し、1で一回の車両
走行中に摩擦材μが一度推定されたことを示す。
【0062】次に、S12〜S18において、各種条件
の成否が判定される。具体的には、S12においては、
μ推定フラグが0であるか否かが判定される。S13に
おいては、ブレーキペダルスイッチ304がOFFであ
るか否かにより、非ブレーキ操作時であるか否かが判定
される。S14においては、アクセルペダルスイッチ3
06がONであるか否かにより、加速操作時であるか否
かが判定される。S15においては、舵角センサ308
により検出されたステアリングホイール46の回転操作
角θが実質的に0でないか否かにより、車両旋回時であ
るか否かが判定される。S16においては、車輪減速度
W の符号の変化頻度が基準値以上である車輪302が
存在するか否かにより、車両の悪路走行時であるか否か
が判定される。車輪減速度GW は、車輪速センサ314
により検出された車輪速VW を実質的に時間微分するこ
とによって取得される。S17においては、車速センサ
312により検出された車速Vが基準値V0 より低いか
否かにより、車両の低速走行時であるか否かが判定され
る。S18においては、A/T12からコントローラ5
0に供給された信号に基づき、A/T12の変速時であ
るか(過渡状態にあるか)否かが判定される。S12お
よびS13の判定は共にYES、S14〜S18の判定
はいずれもNOであれば、S19以下のステップに移行
するが、そうでなければ直ちにS12に戻る。
【0063】S19においては、左右前輪のブレーキ2
2のモータ20に同時に電流が設定電流値I0 で設定時
間Δtの間供給されることにより、左右前輪のブレーキ
22が作動させられる。S20においては、その作動
中、モータ電流センサ316によりモータ20への実供
給電流値Iが検出される。S21においては、その作動
中、車体減速度センサ310により車体減速度Gが検出
される。その後、S22において、実供給電流値Iと車
体減速度Gとから、左右前輪のブレーキ22の摩擦材μ
が推定される。具体的には、車体減速度Gから左右前輪
のブレーキ22の実制動トルク値Tが計算により取得さ
れ、前記複数種類のI−T特性パターンのうち、実制動
トルク値Tと実供給電流値Iとの組合せに対応するI−
T特性パターンに対応する摩擦材μが、左右前輪のブレ
ーキ22の摩擦材μの今回推定値とされる。S23〜S
26においては、S19〜S22におけると同じ内容が
左右後輪のブレーキ32について実行される。左右前輪
のブレーキ22についても左右後輪のブレーキ32につ
いても摩擦材μ推定が終了したならば、S27におい
て、μ推定フラグが1とされる。その後、S12に戻
る。その後、S12が実行されれば、μ推定フラグが1
であるため、以後、今回の車両走行が終了するまで、S
12の判定がNOとし続けられることにより、S19〜
S26による摩擦材μ推定が省略される。
【0064】すなわち、本実施形態においては、一回の
車両走行中の最初の非ブレーキ操作時に一回限り、摩擦
材μ推定が行われ、その車両走行が終了するまでの間、
摩擦材μの推定値が更新されないようになっているので
ある。ただし、更新されるようにして本発明を実施する
ことはもちろん可能である。
【0065】図10には、非ブレーキ操作時にブレーキ
22,32が作動させられ、それにより、車速Vが時間
的に低下させられる様子がグラフで示されている。
【0066】時期t1 に前述の摩擦材μ推定開始条件が
成立すれば、左右前輪のブレーキ22のモータ20に電
流が設定電流値I0 で供給され、それにより、左右前輪
のブレーキ22の作動が開始される。その結果、車速V
が低下するが、このときの勾配すなわち車体減速度Gは
左右前輪のブレーキ22の摩擦材μに依存し、摩擦材μ
が高い場合には高い車体減速度G1 、摩擦材μが低い場
合には低い車体減速度G2 が発生することになる。時期
1 から設定時間Δtが経過して時期t2 になれば、モ
ータ20への電流供給が中止させられるとともにモータ
20が初期状態に復元される。
【0067】その後、わずかな時間が経過した時期t3
には、左右後輪のブレーキ32のモータ30に電流が設
定電流値I0 で供給され、それにより、左右後輪のブレ
ーキ32の作動が開始される。その結果、上記の場合と
同様に、車速Vが低下するが、このときの勾配すなわち
車体減速度Gは左右後輪のブレーキ32の摩擦材μに依
存し、上記の場合と同様に、摩擦材μが高い場合には高
い車体減速度G3 、摩擦材μが低い場合には低い車体減
速度G4 が発生することになる。時期t3 から設定時間
Δtが経過して時期t4 になれば、モータ30への電流
供給が中止させられるとともにモータ30が初期状態に
復元される。
【0068】次に、本発明の第2実施形態である電動式
ドラムブレーキを説明する。ただし、本実施形態は先の
第1実施形態と共通する要素が多いため、共通する要素
については同一の符号を使用することによって詳細な説
明を省略し、異なる要素についてのみ詳細に説明する。
【0069】図11には、本実施形態である電動式ドラ
ムブレーキを含む電動式ブレーキ装置の全体構成が示さ
れている。本実施形態においては、センサおよびスイッ
チとして、操作力センサ302と、ブレーキペダルスイ
ッチ304と、パーキングペダルスイッチ400(パー
キングブレーキ操作センサの一例)とが設けられてい
る。パーキングペダルスイッチ400は、非操作時には
OFF(第1信号)、操作時にはON(第2信号)とな
るパーキングブレーキ操作信号を出力する。それらセン
サおよびスイッチはコントローラ402の入力側に接続
されている。コントローラ402はコンピュータ404
を主体として構成されている。このコントローラ402
の出力側には、バッテリ320が接続されたドライバ3
22を介して、左右前輪の電動式ディスクブレーキ22
の超音波モータ408と、左右後輪の電動式ドラムブレ
ーキ32のDCモータ410とが接続されている。コン
トローラ402は、超音波モータ408はOFF状態で
十分に大きな自己保持トルクを発生するという事実を利
用し、パーキングブレーキ操作時には、超音波モータ4
08をONして電動式ディスクブレーキブレーキ22を
作動させた後にその作動状態で超音波モータ408をO
FFにし、車両を停止状態に保持する。本実施形態に
は、操作部材として、非常ブレーキペダル412(非常
ブレーキ操作部材の一例)が設けられている。モータ4
08,410による車両制動が不良となった非常時に、
非常ブレーキペダル412の操作力によって機械的に電
動式ドラムブレーキ32が作動させられるようになって
いる。非常ブレーキペダル412は非常ブレーキコント
ロール414および非常ブレーキケーブル416を介し
てレバー230に連結されている。それら非常ブレーキ
コントローラ414および非常ブレーキケーブル416
の構成は先の実施形態におけるパーキングコントロール
284およびパーキングブレーキケーブル242と同じ
である。
【0070】コンピュータ404のROMには、図12
にフローチャートで表されているブレーキ制御ルーチン
が記憶されている。本ルーチンは、車両のイグニション
スイッチがONに操作されたときに実行を開始され、ま
ず、S401において、ブレーキペダルスイッチ304
がONであるか否かにより、主ブレーキ操作時であるか
否かが判定される。今回は主ブレーキ操作中ではないと
仮定すれば、判定がNOとなり、S402において、パ
ーキングペダルスイッチ400の出力信号がOFFから
ONに変化した時であるか否かにより、パーキングブレ
ーキ操作開始時であるか否かが判定される。今回は開始
時ではないと仮定すれば、判定がNOとなり、S403
において、パーキングペダルスイッチ400の出力信号
がONからOFFに変化した時であるか否かにより、パ
ーキングブレーキ操作終了時であるか否かが判定され
る。今回は終了時でもないと仮定すれば、判定がNOと
なり、S401に戻る。
【0071】今回は、主ブレーキ操作時であると仮定す
れば、S401の判定がYESとなり、S404におい
て、操作力センサ302によりブレーキペダル40の操
作力Fが検出され、次に、S405において、検出され
た操作力Fに基づき、超音波モータ408およびDCモ
ータ410に電流が供給されることにより、電動式ディ
スクブレーキ22および電動式ドラムブレーキ32が作
動させられる。その結果、車両が制動される。その後、
S401に戻る。
【0072】これに対して、今回は、パーキングブレー
キ操作開始時であって主ブレーキ操作時ではないと仮定
すれば、S401の判定はNO、S402の判定はYE
Sとなり、S406において、超音波モータ408がO
Nされて電動式ディスクブレーキ22が作動状態とさ
れ、一定時間後、S407において、超音波モータ40
8がその位置でOFFされる。それにより、超音波モー
タ408に自己保持トルクが発生し、その自己保持トル
クにより電動式ディスクブレーキ22が作動状態に保持
され、その結果、車両が停止状態に保持される。その
後、S401に戻る。
【0073】また、今回は、パーキングブレーキ操作終
了時であって主ブレーキ操作時ではないと仮定すれば、
S401の判定はNO、S402の判定もNO、S40
3の判定はYESとなり、S408において、超音波モ
ータ408にそれを原位置に戻すための信号が出力さ
れ、続いて、S409において、超音波モータ408が
OFFされる。その後、S401に戻る。
【0074】次に、本発明の第3実施形態である電動式
ドラムブレーキを説明する。この電動式ドラムブレーキ
は電動式ブレーキ装置に設けられており、その電動式ブ
レーキ装置のソフトウェア構成は最先の第1実施形態と
共通する。また、電動式ドラムブレーキの基本的構成は
第1実施形態における電動式ドラムブレーキ32と共通
するため、共通する要素については同一の符号を使用す
ることによって詳細な説明を省略し、異なる要素につい
てのみ詳細に説明する。
【0075】図13に示すように、本実施形態における
電動式ドラムブレーキ450は、電動式ドラムブレーキ
32に対して、ストラット236が駆動機構452に変
更された構成とされている。
【0076】駆動機構452は、ストラット236と同
様に、回動部材としてのレバー230(主レバー)によ
りブレーキシュー210b(プライマリシュー)を駆動
する。しかし、駆動機構452は、レバー230の回動
ストロークをそのままブレーキシュー210bに伝達す
るストラット236とは異なり、レバー230の回動ス
トロークを拡大してブレーキシュー210bに伝達す
る。
【0077】駆動機構452は、レバー230と連動す
る入力部材460をストラット236に対応する位置に
備えている。入力部材460は、棒状を成していて、ド
ラム204の回転軸線に直角な一平面である設計基準平
面内に配置されている。入力部材460は、その両端部
においてレバー230とブレーキシュー210bのウェ
ブ222とにそれぞれ支持されている。ただし、入力部
材460は、ストラット236とは異なり、図14(図
13におけるA−A断面図)に拡大して示すように、ブ
レーキシュー210bとの間に大きな軸方向隙間が残る
ようにブレーキシュー210bに支持されている。電動
式ドラムブレーキ450の作動時に入力部材460がブ
レーキシュー210bに接触することがないようにされ
ているのである。
【0078】駆動機構452はまた、図13に示すよう
に、アンカピン206に回動可能に連結されたてこ46
2(中間レバー)を備えている。てこ462も、棒状を
成していて、前記設計基準平面内に配置されている。て
こ462は、図14に示すように、入力部材460の軸
方向中央部に形成された貫通穴464を貫通させられて
おり、入力部材460のブレーキシュー210bに接近
する向きの軸方向運動がてこ462に、それの自由端部
(先端部)がブレーキシュー210bに接近する向きの
回動として伝達されるようになっている。
【0079】駆動機構452はさらに、図13に示すよ
うに、ブレーキシュー210bと連動する出力部材46
8を、入力部材460とほぼ平行に、かつ、入力部材4
60に関しててこ462の回動中心点とは反対側の位置
に備えている。出力部材468も、棒状を成していて、
前記設計基準平面内に配置されている。結局、入力部材
460とてこ462と出力部材468とが同じ設計基準
平面内に配置されているのである。出力部材468は、
それの両端部においててこ462の先端部とブレーキシ
ュー210bのウェブ222とにそれぞれ支持されてい
る。出力部材468とてこ462とはピン470により
回動可能に連結されている。図15(図13におけるB
−B断面図)には出力部材468が拡大して示されてい
る。
【0080】駆動機構452はさらにまた、図13に示
すように、てこ462をそれの先端部がブレーキシュー
210bから離間する向きに回動させる向きに常時付勢
するリターンスプリング472を備えている。このリタ
ーンスプリング472はてこ462とレバー230とに
かけられている。
【0081】以上のように構成された駆動機構452に
おいては、モータ30を駆動源とするシュー拡張アクチ
ュエータ250が作動させられることによってレバー2
30がブレーキシュー210bに接近する向きに回動さ
せられると、それに応じて入力部材460がブレーキシ
ュー210bに接近する向きに(図において右方に)直
線運動させられる。この直線運動によりてこ462がブ
レーキシュー210bに接近する向きに回動させられ、
この回動により出力部材468がブレーキシュー210
bを押圧する向きに回動させられ、その結果、ブレーキ
シュー210bに固着されたブレーキライニング216
bがドラム204の摩擦面に押圧される。てこ462と
出力部材468との連結点は、てこ462と入力部材4
60との連結点より、てこ462の回動支持点から遠ざ
かる位置に位置させられている。したがって、レバー2
30の回動ストロークすなわち入力部材460の作動ス
トロークがてこ462のレバー比に応じて拡大されて出
力部材468に伝達されることになる。
【0082】このようなストローク拡大機構により次の
ような効果が得られる。
【0083】非ブレーキ操作時には、ブレーキライニン
グ216bとドラム204との間に比較的大きな初期ク
リアランスが存在する。本実施形態においては、レバー
230の回動ストロークが拡大されてブレーキシュー2
10bに伝達される。したがって、本実施形態によれ
ば、比較的大きな初期クリアランスを比較的小さな回動
ストロークにより早期に消滅可能となり、電動式ドラム
ブレーキ450の作動応答性が向上する。
【0084】初期クリアランスの消滅後、すなわち、ブ
レーキシュー210bの作動時のみかけの剛性が高い領
域においても、レバー230の回動ストロークが拡大さ
れてブレーキシュー210bに伝達される。したがっ
て、本実施形態によれば、ブレーキシュー210bに同
じストロークを生じさせるのに必要なレバー230の回
動ストロークが減少し、ブレーキライニング216bに
同じ摩擦力を生じさせるのに必要なレバー230の回動
ストロークも減少し、その結果、電動式ドラムブレーキ
450の作動応答性が向上する。
【0085】ブレーキライニング216a,216bの
摩耗につれて、ブレーキシュー210bを作動させるの
に必要なレバー230の回動ストロークが増加し、それ
によりモータ30の最大回転角度も増加する。本実施形
態においては、レバー230の回動ストロークが拡大さ
れてブレーキシュー210bに伝達される。したがっ
て、本実施形態によれば、ブレーキライニング216
a,216bが摩耗してもモータ30の最大回転角度が
それほど大きくならずに済み、モータ30の駆動力をモ
ータ30の回転角度の変化範囲全体において安定した精
度で制御することが容易となる。
【0086】次に、本発明の第4実施形態である電動式
ドラムブレーキを説明する。ただし、本実施形態は先の
第3実施形態と駆動機構の構成のみが異なり、他の要素
については共通であるため、共通の要素については同一
の符号を使用することによって詳細な説明を省略し、駆
動機構の構成のみを詳細に説明する。
【0087】第3実施形態における駆動機構452にお
いては、図14に示すように、てこ462の回動平面
(てこ462が回動により描く軌跡)とブレーキシュー
210bのウェブ222の回動平面とが正確に互いに一
致するのに対して、レバー230の回動平面とてこ46
4の回動平面とが正確には互いに一致しない。そのた
め、電動式ドラムブレーキ450の作動時に入力部材4
60にモーメントが発生してしまう。これに対して、本
実施形態においては、電動式ドラムブレーキにおけるレ
バー500が、図16に示すように、ブレーキシュー2
10aのウェブ222を含む一平面に関して対称な形状
を有するものとされ、また、駆動機構502が、入力部
材504の両端部がそのようなレバー500と前記てこ
462およびブレーキシュー210bとに連携させられ
た構成とされている。それにより、本実施形態において
は、てこ462の回動平面とブレーキシュー210bの
ウェブ222の回動平面とが正確に互いに一致するのみ
ならず、レバー500の回動平面とてこ462の回動平
面とが正確に互いに一致している。したがって、本実施
形態によれば、電動式ドラムブレーキの作動時に入力部
材504にモーメントが発生せずに済む。
【0088】以上、本発明のいくつかの実施形態を図面
に基づいて詳細に説明したが、それらの他にも、特許請
求の範囲を逸脱することなく当業者の知識に基づいて種
々の変形,改良を施した形態で本発明を実施することが
できるのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である電動式ドラムブレ
ーキを含む電動式ブレーキ装置の全体構成を示す系統図
である。
【図2】図1における電動式ディスクブレーキを拡大し
て示す平面断面図である。
【図3】図1における電動式ドラムブレーキを拡大して
示す側面断面図である。
【図4】図3におけるシュー拡張アクチュエータを拡大
して示す部分断面側面図である。
【図5】図1のコンピュータのROMに記憶されている
ブレーキ制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】上記ROMに記憶されている摩擦材μ推定ルー
チンを示すフローチャートである。
【図7】上記実施形態におけるF−T特性を示すグラフ
である。
【図8】上記実施形態におけるI−T特性を示すグラフ
である。
【図9】上記実施形態の構成を概念的に示す系統図であ
る。
【図10】上記実施形態において非ブレーキ操作時に車
速Vがブレーキの作動によって低下させられる様子を示
すグラフである。
【図11】本発明の第2実施形態である電動式ドラムブ
レーキを含む電動式ブレーキ装置の全体構成を示す系統
図である。
【図12】図11におけるコントローラのコンピュータ
のROMに記憶されているブレーキ制御ルーチンを示す
フローチャートである。
【図13】本発明の第3実施形態である電動式ドラムブ
レーキを示す側面図である。
【図14】図13におけるA−A断面図である。
【図15】図13におけるB−B断面図である。
【図16】本発明の第4実施形態である電動式ドラムブ
レーキの駆動機構を示す断面図である。
【符号の説明】
30 モータ 32,504 電動式ドラムブレーキ 40 ブレーキペダル 42 パーキングペダル 50,402 コントローラ 204 ドラム 210a,210b ブレーキシュー 216a,216b ブレーキライニング 230,500 レバー 284 パーキングコントロール 320 バッテリ 240 主ブレーキケーブル 242 パーキングブレーキケーブル 408 超音波モータ 410 DCモータ 412 非常ブレーキペダル 414 非常ブレーキコントロール 416 非常ブレーキケーブル 452,502 駆動機構 460,504 入力部材 462 てこ 468 出力部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】摩擦面を有して車輪と共に回転する回転体
    と、 前記摩擦面に押し付けられて前記回転体の回転を抑制す
    る摩擦材と、 ブレーキ操作部材の操作に基づき、電力によって駆動さ
    れるモータと、 回動により前記摩擦材を前記摩擦面に押し付ける回動部
    材と、 その回動部材に前記モータの駆動力を伝達する力伝達機
    構とを含む電動式ブレーキにおいて、 前記力伝達機構を、前記モータの駆動力を前記回動部材
    に、可撓性を有する中継部材を介して伝達する構造を有
    するものとしたことを特徴とする電動式ブレーキ。
  2. 【請求項2】前記力伝達機構が、前記モータの駆動力を
    前記回動部材に引張力として伝達するものであり、前記
    中継部材が、フレキシブルなワイヤで構成されている請
    求項1に記載の電動式ブレーキ。
  3. 【請求項3】さらに、第2のブレーキ操作部材の操作に
    基づき、第2の引張力を前記回動部材に、フレキシブル
    なワイヤで構成された第2の中継部材を介して付与する
    力付与機構を含む請求項1または2に記載の電動式ブレ
    ーキ。
  4. 【請求項4】当該電動式ブレーキが、前記回転体および
    摩擦材をそれぞれドラムおよびブレーキライニングとし
    て有するとともに、そのブレーキライニングがブレーキ
    シューに固着されているドラム式であり、さらに、前記
    回動部材の回動により前記ブレーキシューを駆動する駆
    動機構であって、回動部材の回動ストロークを拡大して
    ブレーキシューに伝達するものを含む請求項1ないし3
    のいずれかに記載の電動式ブレーキ。
  5. 【請求項5】前記駆動機構が、(a) 前記回動部材と連動
    する入力部材と、(b)前記ブレーキシューと連動する出
    力部材と、(c) 前記入力部材の作動力を前記出力部材
    に、入力部材の作動ストロークを拡大した作動ストロー
    クが出力部材に生じるように伝達するてことを含む請求
    項4に記載の電動式ブレーキ。
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JP2015172385A (ja) * 2014-03-11 2015-10-01 日信工業株式会社 車両用ブレーキ装置
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