JPH1180906A - 降伏応力を高めた高強度ステンレス鋼帯およびその製造方法 - Google Patents
降伏応力を高めた高強度ステンレス鋼帯およびその製造方法Info
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- JPH1180906A JPH1180906A JP25266997A JP25266997A JPH1180906A JP H1180906 A JPH1180906 A JP H1180906A JP 25266997 A JP25266997 A JP 25266997A JP 25266997 A JP25266997 A JP 25266997A JP H1180906 A JPH1180906 A JP H1180906A
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Landscapes
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 スチールベルトやばね材に適した降伏応力の
高い高強度ステンレス鋼帯を提供する。 【解決手段】 質量%で、C:0.15%以下,Si:3.0%以
下,Mn:4.0%以下,Ni:4.0〜7.0%,Cr:12.0〜20.0%,
N:0.15%以下,Mo:0〜5.0%,Cu:0〜5.0%,C+N≧0.1
0、かつ、次式、X=1305−41.7(Cr+Mo+Cu)−61.1Ni
−33.3Mn−27.8Si−1667(C+N)、におけるXの値が−10
0〜200であり、平均粒径2μm以下のオーステナイト母
相から変態した微細なマルテンサイトを主体とした金属
組織を有するステンレス鋼帯。この鋼帯は、80容量%以
上のマルテンサイトを含む鋼帯を600〜850℃で0.1〜60
分間加熱してそのマルテンサイトの全量を平均粒径2μ
m以下の微細なオーステナイトに逆変態させる処理によ
って得られる。
高い高強度ステンレス鋼帯を提供する。 【解決手段】 質量%で、C:0.15%以下,Si:3.0%以
下,Mn:4.0%以下,Ni:4.0〜7.0%,Cr:12.0〜20.0%,
N:0.15%以下,Mo:0〜5.0%,Cu:0〜5.0%,C+N≧0.1
0、かつ、次式、X=1305−41.7(Cr+Mo+Cu)−61.1Ni
−33.3Mn−27.8Si−1667(C+N)、におけるXの値が−10
0〜200であり、平均粒径2μm以下のオーステナイト母
相から変態した微細なマルテンサイトを主体とした金属
組織を有するステンレス鋼帯。この鋼帯は、80容量%以
上のマルテンサイトを含む鋼帯を600〜850℃で0.1〜60
分間加熱してそのマルテンサイトの全量を平均粒径2μ
m以下の微細なオーステナイトに逆変態させる処理によ
って得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い塑性変形開始
応力が要求されるスチールベルトやばね材等に適した、
降伏応力の高い高強度ステンレス鋼帯、およびその製造
方法に関するものである。
応力が要求されるスチールベルトやばね材等に適した、
降伏応力の高い高強度ステンレス鋼帯、およびその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ステンレス鋼をスチールベルトや
ばね材等に適用する場合、SUS301に代表される加工硬
化型オーステナイト系ステンレス鋼や、SUS630,SUS6
31等の析出硬化型ステンレス鋼が使用されてきた。
ばね材等に適用する場合、SUS301に代表される加工硬
化型オーステナイト系ステンレス鋼や、SUS630,SUS6
31等の析出硬化型ステンレス鋼が使用されてきた。
【0003】加工硬化型オーステナイト系ステンレス鋼
は、溶体化処理された状態でオーステナイト相を呈し、
その後の冷間圧延で加工誘起マルテンサイトを生成させ
て高強度を得ようとするものである。その強度は冷間加
工量やマルテンサイト量に依存するが、冷間加工のみで
所望の強度に精度良く調整するのは難しく、また冷間加
工率を大きくするほど材料の異方性が増すとともに靭性
も低下する。
は、溶体化処理された状態でオーステナイト相を呈し、
その後の冷間圧延で加工誘起マルテンサイトを生成させ
て高強度を得ようとするものである。その強度は冷間加
工量やマルテンサイト量に依存するが、冷間加工のみで
所望の強度に精度良く調整するのは難しく、また冷間加
工率を大きくするほど材料の異方性が増すとともに靭性
も低下する。
【0004】析出硬化型ステンレス鋼は、析出硬化に寄
与する元素を添加し、時効処理により硬化させるもので
あり、Cuを添加したSUS630、Alを添加したSUS631が
代表的である。前者は溶体化処理後の時効処理により硬
化を図るものである。一方、後者は溶体化処理後に準安
定オーステナイト相を冷間圧延などの前処理でマルテン
サイト相に変化させ、その後に時効処理することにより
金属間化合物Ni3Alを析出させて硬化を図るもので
あり、かなり高強度のものが得られる。
与する元素を添加し、時効処理により硬化させるもので
あり、Cuを添加したSUS630、Alを添加したSUS631が
代表的である。前者は溶体化処理後の時効処理により硬
化を図るものである。一方、後者は溶体化処理後に準安
定オーステナイト相を冷間圧延などの前処理でマルテン
サイト相に変化させ、その後に時効処理することにより
金属間化合物Ni3Alを析出させて硬化を図るもので
あり、かなり高強度のものが得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】スチールベルトやばね
材には高強度・高靭性が要求されるが、さらに降伏応力
が高いことも重要である。スチールベルトやばね材はそ
の性質上、弾性限度内において高い応力が負荷された状
態で使用される。この負荷される応力が弾性域を少しで
も超える恐れのあるような使い方は許されない。したが
って、降伏応力の高い材料、すなわち耐力の高い材料
は、スチールベルトやばね用途においてより高い信頼性
を発揮し得る材料であると言える。
材には高強度・高靭性が要求されるが、さらに降伏応力
が高いことも重要である。スチールベルトやばね材はそ
の性質上、弾性限度内において高い応力が負荷された状
態で使用される。この負荷される応力が弾性域を少しで
も超える恐れのあるような使い方は許されない。したが
って、降伏応力の高い材料、すなわち耐力の高い材料
は、スチールベルトやばね用途においてより高い信頼性
を発揮し得る材料であると言える。
【0006】これらの用途に使用されている前述の高強
度ステンレス鋼のうち析出硬化型ステンレス鋼では、加
工硬化型ステンレス鋼の欠点である強度調整の困難性,
特性の異方性,靭性低下といった問題点は回避され、特
にSUS631のように金属間化合物析出による強化機構を取
り入れている合金系ではかなり高い強度が得られてい
る。しかしながらこのような合金系のものであっても、
スチールベルトやばね用途において、その降伏応力レベ
ルは未だ十分満足できるものとは言えない。本発明は、
かかる現状に鑑み、スチールベルトやばね用途に適し
た、降伏応力の高いステンレス鋼を提供することを目的
とする。
度ステンレス鋼のうち析出硬化型ステンレス鋼では、加
工硬化型ステンレス鋼の欠点である強度調整の困難性,
特性の異方性,靭性低下といった問題点は回避され、特
にSUS631のように金属間化合物析出による強化機構を取
り入れている合金系ではかなり高い強度が得られてい
る。しかしながらこのような合金系のものであっても、
スチールベルトやばね用途において、その降伏応力レベ
ルは未だ十分満足できるものとは言えない。本発明は、
かかる現状に鑑み、スチールベルトやばね用途に適し
た、降伏応力の高いステンレス鋼を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、質量%において、C:0.15%以
下,Si:3.0%以下,Mn:4.0%以下,Ni:4.0〜
7.0%,Cr:12.0〜20.0%,N:0.15%以下,Mo:0
〜5.0%(無添加を含む),Cu:0〜5.0%(無添加を
含む)を含有し、C+N≧0.10、かつ、次式、 X=1305−41.7(Cr+Mo+Cu)−61.1Ni−33.3Mn−27.8Si
−1667(C+N) におけるXの値が−100〜200となるようにこれらの元素
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼
帯であって、平均粒径2μm以下のオーステナイト母相
から変態した微細なマルテンサイトから実質的になる金
属組織を有する降伏応力を高めた高強度ステンレス鋼帯
である。
に、請求項1の発明は、質量%において、C:0.15%以
下,Si:3.0%以下,Mn:4.0%以下,Ni:4.0〜
7.0%,Cr:12.0〜20.0%,N:0.15%以下,Mo:0
〜5.0%(無添加を含む),Cu:0〜5.0%(無添加を
含む)を含有し、C+N≧0.10、かつ、次式、 X=1305−41.7(Cr+Mo+Cu)−61.1Ni−33.3Mn−27.8Si
−1667(C+N) におけるXの値が−100〜200となるようにこれらの元素
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼
帯であって、平均粒径2μm以下のオーステナイト母相
から変態した微細なマルテンサイトから実質的になる金
属組織を有する降伏応力を高めた高強度ステンレス鋼帯
である。
【0008】ここで、Mo,Cu含有量の下限の0%
は、その元素が無添加の場合を意味する。したがって例
えばMoとCuはいずれも含有しない鋼や、Moまたは
Cuのうちいずれか一方のみ0.5%以下の範囲で含有す
る鋼も含まれる。式、X=1305−41.7(Cr+Mo+Cu)−6
1.1Ni−33.3Mn−27.8Si−1667(C+N)、におけるCr,M
o,Cu,Ni,Mn,Si,CおよびNは、それぞれの元素の含
有量を質量%で表した値を意味する。「・・から実質的
になる金属組織」における「実質的に」とは、析出物や
製造上不可避的に含有される介在物、さらには少量(大
略5容量%以下)のδフェライトが存在していてもよい
ことを意味する。
は、その元素が無添加の場合を意味する。したがって例
えばMoとCuはいずれも含有しない鋼や、Moまたは
Cuのうちいずれか一方のみ0.5%以下の範囲で含有す
る鋼も含まれる。式、X=1305−41.7(Cr+Mo+Cu)−6
1.1Ni−33.3Mn−27.8Si−1667(C+N)、におけるCr,M
o,Cu,Ni,Mn,Si,CおよびNは、それぞれの元素の含
有量を質量%で表した値を意味する。「・・から実質的
になる金属組織」における「実質的に」とは、析出物や
製造上不可避的に含有される介在物、さらには少量(大
略5容量%以下)のδフェライトが存在していてもよい
ことを意味する。
【0009】請求項2の発明は、上記鋼において特に、
Mo:0.5〜5.0%,Cu:0.5〜5.0%のうち1種または
2種を含有するものである。
Mo:0.5〜5.0%,Cu:0.5〜5.0%のうち1種または
2種を含有するものである。
【0010】請求項3の発明は、請求項1または2の鋼
帯における金属組織を、平均粒径2μm以下のオーステ
ナイト母相から変態した微細なマルテンサイトを80容量
%以上含み残部がオーステナイトから実質的になる金属
組織に変えたものである。
帯における金属組織を、平均粒径2μm以下のオーステ
ナイト母相から変態した微細なマルテンサイトを80容量
%以上含み残部がオーステナイトから実質的になる金属
組織に変えたものである。
【0011】請求項4の発明は、請求項1,2または3
の鋼帯において特に、0.01%耐力:850N/mm2以上、か
つ0.2%耐力:950N/mm2以上に規定したものである。
の鋼帯において特に、0.01%耐力:850N/mm2以上、か
つ0.2%耐力:950N/mm2以上に規定したものである。
【0012】請求項5の発明は、これらの鋼帯の製造方
法を規定したものであり、上記規定範囲の化学組成を有
する鋼の鋼帯であって、80容量%以上のマルテンサイト
が存在している溶体化処理鋼帯または溶体化処理後に冷
間圧延された鋼帯を600〜850℃で0.1〜60分間加熱して
そのマルテンサイトの全量を平均粒径2μm以下の微細
なオーステナイトに逆変態させ、次いで室温までの冷却
過程でその微細なオーステナイトからマルテンサイトを
生成させて微細なマルテンサイトを有する金属組織を得
ることに特徴を有する製造方法である。
法を規定したものであり、上記規定範囲の化学組成を有
する鋼の鋼帯であって、80容量%以上のマルテンサイト
が存在している溶体化処理鋼帯または溶体化処理後に冷
間圧延された鋼帯を600〜850℃で0.1〜60分間加熱して
そのマルテンサイトの全量を平均粒径2μm以下の微細
なオーステナイトに逆変態させ、次いで室温までの冷却
過程でその微細なオーステナイトからマルテンサイトを
生成させて微細なマルテンサイトを有する金属組織を得
ることに特徴を有する製造方法である。
【0013】請求項6の発明は、請求項1,2,3また
は4の鋼帯をスチールベルト用に規定したものである。
は4の鋼帯をスチールベルト用に規定したものである。
【0014】請求項7の発明は、請求項5の鋼帯の製造
方法をスチールベルト用鋼帯の製造方法に規定したもの
である。
方法をスチールベルト用鋼帯の製造方法に規定したもの
である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明では、特定形態の微細化し
たマルテンサイト生成させ、さらに析出物の効果も併せ
ることによって高強度ステンレス鋼帯の降伏応力(耐
力)を高めた。以下、本発明の鋼帯を特定するための事
項について説明する。
たマルテンサイト生成させ、さらに析出物の効果も併せ
ることによって高強度ステンレス鋼帯の降伏応力(耐
力)を高めた。以下、本発明の鋼帯を特定するための事
項について説明する。
【0016】Cは、マルテンサイトの強化に極めて有効
であり、マルテンサイトからオーステナイトへの逆変態
温度域で析出物を生成して降伏応力を上昇させる役割を
果たす。また、オーステナイト形成元素として高温での
δフェライト生成を抑制する。このような作用を十分発
揮させるためにはC含有量は0.05質量%以上とすること
が望ましい。一方、過剰なCの含有は粗大なCr炭化物
の生成を促して粒界腐食や疲労特性劣化の原因となるの
で、C含有量の上限は0.15質量%以下とする必要がある
が、0.12質量%以下とすることがより好ましい。
であり、マルテンサイトからオーステナイトへの逆変態
温度域で析出物を生成して降伏応力を上昇させる役割を
果たす。また、オーステナイト形成元素として高温での
δフェライト生成を抑制する。このような作用を十分発
揮させるためにはC含有量は0.05質量%以上とすること
が望ましい。一方、過剰なCの含有は粗大なCr炭化物
の生成を促して粒界腐食や疲労特性劣化の原因となるの
で、C含有量の上限は0.15質量%以下とする必要がある
が、0.12質量%以下とすることがより好ましい。
【0017】Siは、通常脱酸の目的で使用されるが、
マルテンサイトの固溶強化にも有効に作用するので、本
発明では積極的に添加することが望ましく、特に0.50質
量%以上のSiを含有させることが望ましい。ただし、
Si含有量が3.0質量%を超えると高温割れを誘発し易
くなり、また製造上種々の問題も生じる。
マルテンサイトの固溶強化にも有効に作用するので、本
発明では積極的に添加することが望ましく、特に0.50質
量%以上のSiを含有させることが望ましい。ただし、
Si含有量が3.0質量%を超えると高温割れを誘発し易
くなり、また製造上種々の問題も生じる。
【0018】Mnは、主としてオーステナイト相の安定
度をコントロールする目的で、他の元素とのバランスに
よって決定される適正量を含有させる。本発明の成分系
では0.50質量%以上のMnを含有させてオーステナイト
安定度を確保することが望ましい。ただし、Mn含有量
が多くなるとマルテンサイトが生成しにくくなり、4.0
質量%を超えるMn含有量になると冷間圧延によっても
十分な量のマルテンサイトを誘起させるのが難しくな
る。
度をコントロールする目的で、他の元素とのバランスに
よって決定される適正量を含有させる。本発明の成分系
では0.50質量%以上のMnを含有させてオーステナイト
安定度を確保することが望ましい。ただし、Mn含有量
が多くなるとマルテンサイトが生成しにくくなり、4.0
質量%を超えるMn含有量になると冷間圧延によっても
十分な量のマルテンサイトを誘起させるのが難しくな
る。
【0019】Niは、高温でオーステナイト相を得るた
めに必要な元素である。本発明ではオーステナイトの母
相を微細化させることによって、そのオーステナイトか
ら生じるマルテンサイトを微細化させる。そのために
は、比較的低温でマルテンサイトの全量がオーステナイ
トへ逆変態すること、すなわち逆変態温度を低下させる
ことが極めて有利となる。Niはオーステナイト形成元
素であり、その含有により逆変態温度を低下させること
ができる。本発明でその効果を十分得るためには4.0質
量%以上のNi含有量を確保する必要がある。ただし、
Ni含有量が7.0質量%を超えると、逆変態後の冷却過
程で十分な量のマルテンサイトが生成しにくくなる。し
たがって、Ni含有量は4.0〜7.0質量%の範囲とした。
めに必要な元素である。本発明ではオーステナイトの母
相を微細化させることによって、そのオーステナイトか
ら生じるマルテンサイトを微細化させる。そのために
は、比較的低温でマルテンサイトの全量がオーステナイ
トへ逆変態すること、すなわち逆変態温度を低下させる
ことが極めて有利となる。Niはオーステナイト形成元
素であり、その含有により逆変態温度を低下させること
ができる。本発明でその効果を十分得るためには4.0質
量%以上のNi含有量を確保する必要がある。ただし、
Ni含有量が7.0質量%を超えると、逆変態後の冷却過
程で十分な量のマルテンサイトが生成しにくくなる。し
たがって、Ni含有量は4.0〜7.0質量%の範囲とした。
【0020】Crは、耐食性を付与するために必須の元
素である。ステンレス鋼としての耐食性を付与するため
には12.0質量%以上のCr含有量が必要である。しかし
Crはフェライト形成元素でもあるので、多く添加しす
ぎると高温でδフェライトが多量に生成してしまう。こ
のδフェライトの生成を抑制するためにはオーステナイ
ト形成元素(C,N,Ni,Mn,Cuなど)を添加し
なければならないが、これらの元素の多量添加は室温で
のオーステナイトの安定化をもたらし、冷間加工の助け
を借りても逆変態処理前に必要なマルテンサイト量(後
述)を確保することが難しくなり、ひいては高い降伏応
力を得ることが不可能になる。このため、本発明ではC
r含有量の上限を20.0質量%に規定した。
素である。ステンレス鋼としての耐食性を付与するため
には12.0質量%以上のCr含有量が必要である。しかし
Crはフェライト形成元素でもあるので、多く添加しす
ぎると高温でδフェライトが多量に生成してしまう。こ
のδフェライトの生成を抑制するためにはオーステナイ
ト形成元素(C,N,Ni,Mn,Cuなど)を添加し
なければならないが、これらの元素の多量添加は室温で
のオーステナイトの安定化をもたらし、冷間加工の助け
を借りても逆変態処理前に必要なマルテンサイト量(後
述)を確保することが難しくなり、ひいては高い降伏応
力を得ることが不可能になる。このため、本発明ではC
r含有量の上限を20.0質量%に規定した。
【0021】Nは、Cと同様にオーステナイト形成元素
であるとともに、マルテンサイトを硬化させて鋼帯の高
強度化を図るうえで極めて有用な元素である。また析出
物の形成にも寄与する。しかし、多量の添加は鋳造時に
ブローホールの原因となるのでN含有量は0.15質量%以
下とした。
であるとともに、マルテンサイトを硬化させて鋼帯の高
強度化を図るうえで極めて有用な元素である。また析出
物の形成にも寄与する。しかし、多量の添加は鋳造時に
ブローホールの原因となるのでN含有量は0.15質量%以
下とした。
【0022】Moは、逆変態オーステナイトの粒成長抑
制、および析出物の微細分散に有効な元素である。した
がって、本発明の効果を最大限に引き出すためにはMo
を積極的に添加することが好ましく、その含有量は0.5
質量%以上とすることが望ましい。ただし、Moを多量
に添加すると高温でδフェライトが生成してしまう。ま
た、熱間変形抵抗が高まり熱間加工性を阻害することに
もなる。このためMo含有量の上限は5.0質量%以下に
抑える必要がある。
制、および析出物の微細分散に有効な元素である。した
がって、本発明の効果を最大限に引き出すためにはMo
を積極的に添加することが好ましく、その含有量は0.5
質量%以上とすることが望ましい。ただし、Moを多量
に添加すると高温でδフェライトが生成してしまう。ま
た、熱間変形抵抗が高まり熱間加工性を阻害することに
もなる。このためMo含有量の上限は5.0質量%以下に
抑える必要がある。
【0023】Cuは、Niと同様にマルテンサイトから
オーステナイトへの逆変態温度を低下させる元素であ
る。したがって、本発明ではCuを積極的に添加するこ
とが有効であり、その含有量は0.5質量%以上とするこ
とが望ましい。ただし、多量のCu添加は熱間加工性の
劣化を招き、鋼帯に割れを発生させる原因となる。この
ためCu含有量の上限は5.0質量%以下に抑える必要が
ある。
オーステナイトへの逆変態温度を低下させる元素であ
る。したがって、本発明ではCuを積極的に添加するこ
とが有効であり、その含有量は0.5質量%以上とするこ
とが望ましい。ただし、多量のCu添加は熱間加工性の
劣化を招き、鋼帯に割れを発生させる原因となる。この
ためCu含有量の上限は5.0質量%以下に抑える必要が
ある。
【0024】なお、本発明の目的を阻害しない範囲であ
れば、その他の元素として、例えば熱間加工性向上の目
的で0.01質量%以下のBや100ppm以下のCaを、また時
効硬化性向上の目的で1.0質量%以下のNb,1.0質量%
以下のV,1.0質量%以下のZrを添加してもよい。た
だし、本発明ではTiは添加しない。Tiの添加は溶解
時に粗大なTi系の介在物を生成させ、疲労特性を著し
く低減させる原因になることに加え、本発明で規定する
構成によればTiに頼らずとも十分な時効硬化性を得る
ことができるからである。
れば、その他の元素として、例えば熱間加工性向上の目
的で0.01質量%以下のBや100ppm以下のCaを、また時
効硬化性向上の目的で1.0質量%以下のNb,1.0質量%
以下のV,1.0質量%以下のZrを添加してもよい。た
だし、本発明ではTiは添加しない。Tiの添加は溶解
時に粗大なTi系の介在物を生成させ、疲労特性を著し
く低減させる原因になることに加え、本発明で規定する
構成によればTiに頼らずとも十分な時効硬化性を得る
ことができるからである。
【0025】CとNは前記のように、逆変態処理の加熱
時に析出物を形成して降伏応力の上昇に寄与する。本発
明ではその効果を十分に発揮させるために、C+Nの合
計量を0.10質量%以上とする必要がある。
時に析出物を形成して降伏応力の上昇に寄与する。本発
明ではその効果を十分に発揮させるために、C+Nの合
計量を0.10質量%以上とする必要がある。
【0026】次式、X=1305−41.7(Cr+Mo+Cu)−61.1
Ni−33.3Mn−27.8Si−1667(C+N)、はマルテンサイトの
生成のし易さを表す指標であり、本発明で規定する成分
系の合金に適用できるものである。本発明で目的とする
降伏応力の高い高強度鋼帯を得るためにはX値が−100
〜200の範囲にある化学組成とすることが極めて重要で
ある。X値が−100より低い鋼では逆変態処理前にたと
え冷間圧延を施したとしても十分な量のマルテンサイト
を生成させることが困難であるため、逆変態処理での微
細なオーステナイト母相の生成は不十分となる。加え
て、逆変態処理後の冷却過程においてもマルテンサイト
の生成量が不十分となる。したがってそのような鋼では
降伏応力の向上は望めない。一方、X値が200を超えて
高くなるとマルテンサイトは十分に生成するが、逆変態
処理の冷却過程においてかなり高温でマルテンサイトが
生成するので、冷却中に焼戻しの現象が起きて降伏応力
は著しく低下してしまう。
Ni−33.3Mn−27.8Si−1667(C+N)、はマルテンサイトの
生成のし易さを表す指標であり、本発明で規定する成分
系の合金に適用できるものである。本発明で目的とする
降伏応力の高い高強度鋼帯を得るためにはX値が−100
〜200の範囲にある化学組成とすることが極めて重要で
ある。X値が−100より低い鋼では逆変態処理前にたと
え冷間圧延を施したとしても十分な量のマルテンサイト
を生成させることが困難であるため、逆変態処理での微
細なオーステナイト母相の生成は不十分となる。加え
て、逆変態処理後の冷却過程においてもマルテンサイト
の生成量が不十分となる。したがってそのような鋼では
降伏応力の向上は望めない。一方、X値が200を超えて
高くなるとマルテンサイトは十分に生成するが、逆変態
処理の冷却過程においてかなり高温でマルテンサイトが
生成するので、冷却中に焼戻しの現象が起きて降伏応力
は著しく低下してしまう。
【0027】本発明の鋼帯は、平均粒径2μm以下のオ
ーステナイト母相から生成した微細なマルテンサイトを
主体とする金属組織を有している点に特徴がある。金属
組織のうちほぼ100容積%がこのような微細なマルテン
サイトで占められていてもよいし、また80容量%以上の
微細マルテンサイトを含み残部がオーステナイトから実
質的になる複相組織であってもよい。後述の実施例で実
証するとおり、このような微細なマルテンサイト主体の
組織を実現することによって降伏応力は顕著に高められ
ることが本発明者らの詳細な研究によって明らかになっ
た。従来、このような金属組織を特定して高強度ステン
レス鋼の降伏応力向上を図った例はない。なお、マルテ
ンサイトが平均粒径2μm以下のオーステナイト母相に
由来するものであるか否かは、金属組織の電子顕微鏡観
察あるいは光学顕微鏡観察によって判定することができ
る。母相のオーステナイト粒界はマルテンサイト変態後
も金属組織中に形跡を残しているからである。
ーステナイト母相から生成した微細なマルテンサイトを
主体とする金属組織を有している点に特徴がある。金属
組織のうちほぼ100容積%がこのような微細なマルテン
サイトで占められていてもよいし、また80容量%以上の
微細マルテンサイトを含み残部がオーステナイトから実
質的になる複相組織であってもよい。後述の実施例で実
証するとおり、このような微細なマルテンサイト主体の
組織を実現することによって降伏応力は顕著に高められ
ることが本発明者らの詳細な研究によって明らかになっ
た。従来、このような金属組織を特定して高強度ステン
レス鋼の降伏応力向上を図った例はない。なお、マルテ
ンサイトが平均粒径2μm以下のオーステナイト母相に
由来するものであるか否かは、金属組織の電子顕微鏡観
察あるいは光学顕微鏡観察によって判定することができ
る。母相のオーステナイト粒界はマルテンサイト変態後
も金属組織中に形跡を残しているからである。
【0028】上記のような微細マルテンサイトの他、析
出物の存在も降伏強度の向上に寄与する。例えば、Cr
23C6,FeMo等の析出物が挙げられ、これらがマル
テンサイト中に析出間隔0.5μm以下で存在しているこ
とが望ましい。これらの析出物は、本発明で規定する化
学組成の鋼を比較的低温で逆変態処理することによって
生成させることができる。
出物の存在も降伏強度の向上に寄与する。例えば、Cr
23C6,FeMo等の析出物が挙げられ、これらがマル
テンサイト中に析出間隔0.5μm以下で存在しているこ
とが望ましい。これらの析出物は、本発明で規定する化
学組成の鋼を比較的低温で逆変態処理することによって
生成させることができる。
【0029】降伏応力は、具体的には「耐力」の値によ
って評価することができる。通常、0.2%耐力(=0.2%
の塑性歪が履歴として残る公称応力)がよく用いられる
が、スチールベルトやばね材では弾性限界の応力値が重
要になるため0.2%耐力だけで降伏応力を判断すること
は好ましくない。そこで、できるだけ弾性限界に近い応
力値を表すべく、ここでは0.01%耐力を測定することと
した。0.01%耐力:850N/mm2以上、かつ0.2%耐力:9
50N/mm2以上の高降伏応力を示す高強度ステンレス鋼
帯は、スチールベルトやばね材に非常に適した特性を有
するものである。
って評価することができる。通常、0.2%耐力(=0.2%
の塑性歪が履歴として残る公称応力)がよく用いられる
が、スチールベルトやばね材では弾性限界の応力値が重
要になるため0.2%耐力だけで降伏応力を判断すること
は好ましくない。そこで、できるだけ弾性限界に近い応
力値を表すべく、ここでは0.01%耐力を測定することと
した。0.01%耐力:850N/mm2以上、かつ0.2%耐力:9
50N/mm2以上の高降伏応力を示す高強度ステンレス鋼
帯は、スチールベルトやばね材に非常に適した特性を有
するものである。
【0030】次に、以上のような降伏応力の高い高強度
ステンレス鋼帯の製造方法について説明する。
ステンレス鋼帯の製造方法について説明する。
【0031】まず、逆変態処理の加熱を行う前の室温の
状態で、鋼帯中には80容量%以上のマルテンサイトが存
在していることを要する。マルテンサイト量がこれより
少ないと最終的に目的とする微細なマルテンサイトの生
成量が不足して降伏応力を十分に高めることができな
い。この逆変態処理前のマルテンサイトは冷却マルテン
サイトであるか加工誘起マルテンサイトであるかを問わ
ない。つまり、溶体化処理の冷却過程で生じたマルテン
サイトが80容量%以上存在している場合はそのまま逆変
態処理に供することができるし、溶体化処理後のマルテ
ンサイトが80容量%に満たない場合にはさらに冷間圧延
を施して加工誘起マルテンサイトを生成させ全マルテン
サイト量を80容量%以上にすればよい。
状態で、鋼帯中には80容量%以上のマルテンサイトが存
在していることを要する。マルテンサイト量がこれより
少ないと最終的に目的とする微細なマルテンサイトの生
成量が不足して降伏応力を十分に高めることができな
い。この逆変態処理前のマルテンサイトは冷却マルテン
サイトであるか加工誘起マルテンサイトであるかを問わ
ない。つまり、溶体化処理の冷却過程で生じたマルテン
サイトが80容量%以上存在している場合はそのまま逆変
態処理に供することができるし、溶体化処理後のマルテ
ンサイトが80容量%に満たない場合にはさらに冷間圧延
を施して加工誘起マルテンサイトを生成させ全マルテン
サイト量を80容量%以上にすればよい。
【0032】そして、鋼帯中のマルテンサイト全部を比
較的低温でオーステナイトに逆変態させる。このように
して生成させた逆変態オーステナイトは微細な結晶粒と
なる。本発明者らの研究によれば、600〜850℃,0.1〜6
0分間の加熱により、平均粒径が2μm以下の微細な逆変
態オーステナイトを生成させることが可能である。比較
的低温で完全に逆変態を起こすためには、前述の化学組
成に調整して逆変態温度を低下させた鋼を使用する必要
がある。
較的低温でオーステナイトに逆変態させる。このように
して生成させた逆変態オーステナイトは微細な結晶粒と
なる。本発明者らの研究によれば、600〜850℃,0.1〜6
0分間の加熱により、平均粒径が2μm以下の微細な逆変
態オーステナイトを生成させることが可能である。比較
的低温で完全に逆変態を起こすためには、前述の化学組
成に調整して逆変態温度を低下させた鋼を使用する必要
がある。
【0033】平均粒径2μm以下のオーステナイト母相
は前記のような比較的低温での逆変態処理によって得ら
れる。用いる鋼は化学組成の厳密な規定によって逆変態
温度を低下させたものであるから、逆変態処理温度を低
くしても完全にオーステナイトへ逆変態させることがで
きる。このオーステナイトは安定化したものではないた
め、逆変態処理後の冷却過程では十分にマルテンサイト
変態を起こすことができる。本発明ではこのようにして
平均粒径2μm以下のオーステナイト母相から微細なマ
ルテンサイトを十分に生成させ、降伏応力を高めた金属
組織を得るのである。
は前記のような比較的低温での逆変態処理によって得ら
れる。用いる鋼は化学組成の厳密な規定によって逆変態
温度を低下させたものであるから、逆変態処理温度を低
くしても完全にオーステナイトへ逆変態させることがで
きる。このオーステナイトは安定化したものではないた
め、逆変態処理後の冷却過程では十分にマルテンサイト
変態を起こすことができる。本発明ではこのようにして
平均粒径2μm以下のオーステナイト母相から微細なマ
ルテンサイトを十分に生成させ、降伏応力を高めた金属
組織を得るのである。
【0034】
【実施例】表1に、供試材の化学組成、および次式、X
=1305−41.7(Cr+Mo+Cu)−61.1Ni−33.3Mn−27.8Si−
1667(C+N)、によって定まるX値を示す。表1中、A〜
Iは化学組成が本発明で規定する範囲にある発明鋼、
〜はそれ以外の比較鋼である。いずれの鋼も溶製後、
熱間圧延→焼鈍→冷間圧延を経て2.0〜2.5mm厚の冷延鋼
帯とされ、次いで1050℃×1分間保持の溶体化処理を受
けて水冷された。その後さらに冷間圧延されて80容量%
以上のマルテンサイト(冷却マルテンサイトもしくは加
工誘起マルテンサイトまたはそれら両方)を含む板厚1m
mの鋼帯とされた。これらの鋼帯は500〜1050℃の範囲の
温度で逆変態処理を受けたのち室温まで空冷された。
=1305−41.7(Cr+Mo+Cu)−61.1Ni−33.3Mn−27.8Si−
1667(C+N)、によって定まるX値を示す。表1中、A〜
Iは化学組成が本発明で規定する範囲にある発明鋼、
〜はそれ以外の比較鋼である。いずれの鋼も溶製後、
熱間圧延→焼鈍→冷間圧延を経て2.0〜2.5mm厚の冷延鋼
帯とされ、次いで1050℃×1分間保持の溶体化処理を受
けて水冷された。その後さらに冷間圧延されて80容量%
以上のマルテンサイト(冷却マルテンサイトもしくは加
工誘起マルテンサイトまたはそれら両方)を含む板厚1m
mの鋼帯とされた。これらの鋼帯は500〜1050℃の範囲の
温度で逆変態処理を受けたのち室温まで空冷された。
【0035】
【表1】
【0036】このようにして得られた各鋼帯からサンプ
ルを切り出し、断面の金属組織観察および室温における
引張試験を行った。金属組織観察は走査型電子顕微鏡ま
たは光学顕微鏡を用いて行った。そして、マルテンサイ
トについてその由来するオーステナイト母相の平均粒径
を切片法により測定した40〜50の粒径を平均することに
よって求めた。マルテンサイトの容量%も求めた。ま
た、引張試験の応力−歪曲線から0.01%耐力,0.2%耐
力,および引張強さを求めた。これらの結果をX値およ
び逆変態処理条件と併せて表2に示す。
ルを切り出し、断面の金属組織観察および室温における
引張試験を行った。金属組織観察は走査型電子顕微鏡ま
たは光学顕微鏡を用いて行った。そして、マルテンサイ
トについてその由来するオーステナイト母相の平均粒径
を切片法により測定した40〜50の粒径を平均することに
よって求めた。マルテンサイトの容量%も求めた。ま
た、引張試験の応力−歪曲線から0.01%耐力,0.2%耐
力,および引張強さを求めた。これらの結果をX値およ
び逆変態処理条件と併せて表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】表2の結果に見られるように、本発明に係
る鋼帯は0.01%耐力が850N/mm2以上,かつ0.2%耐力
が950N/mm2以上と降伏応力が非常に高く、スチールベ
ルトやばね材に特に適したものである。これに対し比較
例の鋼帯では、引張強さに関しては高い値も得られてい
るが、0.01%耐力,0.2%耐力とも低くなっている。こ
のように本発明鋼帯は、引張強さのレベルは比較鋼帯と
同等であっても、降伏応力のレベルが顕著に高くなって
いる点に特徴を有する。これら本発明鋼帯に存在するマ
ルテンサイトは全て逆変態処理後に生成したものであっ
た。
る鋼帯は0.01%耐力が850N/mm2以上,かつ0.2%耐力
が950N/mm2以上と降伏応力が非常に高く、スチールベ
ルトやばね材に特に適したものである。これに対し比較
例の鋼帯では、引張強さに関しては高い値も得られてい
るが、0.01%耐力,0.2%耐力とも低くなっている。こ
のように本発明鋼帯は、引張強さのレベルは比較鋼帯と
同等であっても、降伏応力のレベルが顕著に高くなって
いる点に特徴を有する。これら本発明鋼帯に存在するマ
ルテンサイトは全て逆変態処理後に生成したものであっ
た。
【0039】比較例の鋼帯で、No.14はX値が250と高す
ぎたため逆変態処理の冷却中にかなり高温からマルテン
サイトが生成し、冷却過程で焼戻しの現象が起きて降伏
応力が低下したものである。No.15,16はNi含有量が低
かったため十分にオーステナイトに逆変態しきれず、微
細マルテンサイトが生成するために必要な微細な逆変態
オーステナイトの生成量が少なかったものであり、最終
的にはほぼ100%マルテンサイト組織となったにもかか
わらず逆変態オーステナイトから生じた微細なマルテン
サイト量はNo.15で40%,No.16で70%と少なく、その結
果降伏応力が向上しなかったものである。なお、逆変態
処理前から存在していたマルテンサイトは粒径50μm程
度のオーステナイト相から変態したものであり、逆変態
処理後に生成した微細なマルテンサイトとはエッチング
のされかたが異なるため、これらは光学顕微鏡観察によ
って区別がつく。No.17,18はC+Nの合計量が0.10質量
%に満たなかったため逆変態処理時に析出物が十分に生
成せず降伏応力が向上しなかったもの、No.19,20はX値
が−100より低かったためマルテンサイトの生成が不十
分となって降伏応力が向上しなかったものである。ま
た、No.21〜25は逆変態処理を850℃より高温で行ったた
め、逆変態オーステナイトの粒径が粗大化して降伏応力
が向上しなかったものである。
ぎたため逆変態処理の冷却中にかなり高温からマルテン
サイトが生成し、冷却過程で焼戻しの現象が起きて降伏
応力が低下したものである。No.15,16はNi含有量が低
かったため十分にオーステナイトに逆変態しきれず、微
細マルテンサイトが生成するために必要な微細な逆変態
オーステナイトの生成量が少なかったものであり、最終
的にはほぼ100%マルテンサイト組織となったにもかか
わらず逆変態オーステナイトから生じた微細なマルテン
サイト量はNo.15で40%,No.16で70%と少なく、その結
果降伏応力が向上しなかったものである。なお、逆変態
処理前から存在していたマルテンサイトは粒径50μm程
度のオーステナイト相から変態したものであり、逆変態
処理後に生成した微細なマルテンサイトとはエッチング
のされかたが異なるため、これらは光学顕微鏡観察によ
って区別がつく。No.17,18はC+Nの合計量が0.10質量
%に満たなかったため逆変態処理時に析出物が十分に生
成せず降伏応力が向上しなかったもの、No.19,20はX値
が−100より低かったためマルテンサイトの生成が不十
分となって降伏応力が向上しなかったものである。ま
た、No.21〜25は逆変態処理を850℃より高温で行ったた
め、逆変態オーステナイトの粒径が粗大化して降伏応力
が向上しなかったものである。
【0040】参考のため、表2のデータを基にX値と0.
1%耐力・0.2%耐力の関係をプロットした結果を図1
に、またマルテンサイト相におけるオーステナイト母相
の平均粒径と0.1%耐力・0.2%耐力の関係をプロットし
た結果を図2に示しておく。
1%耐力・0.2%耐力の関係をプロットした結果を図1
に、またマルテンサイト相におけるオーステナイト母相
の平均粒径と0.1%耐力・0.2%耐力の関係をプロットし
た結果を図2に示しておく。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、化学組成の最適化と特
定条件での加工熱処理の組合せによって、降伏応力を従
来よりも飛躍的に向上させた高強度ステンレス鋼帯を提
供することができる。この鋼帯はスチールベルトやばね
材に非常に適した特性を有しており、この鋼帯を用いる
と従来にはない高性能かつ信頼度の高いスチールベルト
やばねを製造することができる。
定条件での加工熱処理の組合せによって、降伏応力を従
来よりも飛躍的に向上させた高強度ステンレス鋼帯を提
供することができる。この鋼帯はスチールベルトやばね
材に非常に適した特性を有しており、この鋼帯を用いる
と従来にはない高性能かつ信頼度の高いスチールベルト
やばねを製造することができる。
【図1】X値と耐力の関係を表すグラフである。
【図2】マルテンサイト相におけるオーステナイト母相
の平均粒径と耐力の関係を表すグラフである。
の平均粒径と耐力の関係を表すグラフである。
Claims (7)
- 【請求項1】 質量%において、C:0.15%以下,S
i:3.0%以下,Mn:4.0%以下,Ni:4.0〜7.0%,
Cr:12.0〜20.0%,N:0.15%以下,Mo:0〜5.0%
(無添加を含む),Cu:0〜5.0%(無添加を含む)を
含有し、C+N≧0.10、かつ、次式、 X=1305−41.7(Cr+Mo+Cu)−61.1Ni−33.3Mn−27.8Si
−1667(C+N) におけるXの値が−100〜200となるようにこれらの元素
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼
帯であって、平均粒径2μm以下のオーステナイト母相
から変態した微細なマルテンサイトから実質的になる金
属組織を有する降伏応力を高めた高強度ステンレス鋼
帯。 - 【請求項2】 質量%において、C:0.15%以下,S
i:3.0%以下,Mn:4.0%以下,Ni:4.0〜7.0%,
Cr:12.0〜20.0%,N:0.15%以下と、Mo:0.5〜
5.0%,Cu:0.5〜5.0%のうち1種または2種を含有
し、C+N≧0.10、かつ、次式、 X=1305−41.7(Cr+Mo+Cu)−61.1Ni−33.3Mn−27.8Si
−1667(C+N) におけるXの値が−100〜200となるようにこれらの元素
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼
帯であって、平均粒径2μm以下のオーステナイト母相
から変態した微細なマルテンサイトから実質的になる金
属組織を有する降伏応力を高めた高強度ステンレス鋼
帯。 - 【請求項3】 金属組織は平均粒径2μm以下のオース
テナイト母相から変態した微細なマルテンサイトを80容
量%以上含み残部はオーステナイトから実質的になる、
請求項1または2に記載の高強度ステンレス鋼帯。 - 【請求項4】 0.01%耐力:850N/mm2以上、かつ0.2
%耐力:950N/mm2以上の高降伏応力を有する請求項
1,2または3に記載の高強度ステンレス鋼帯。 - 【請求項5】 80容量%以上のマルテンサイトが存在し
ている溶体化処理鋼帯または溶体化処理後に冷間圧延さ
れた鋼帯を600〜850℃で0.1〜60分間加熱してそのマル
テンサイトの全量を平均粒径2μm以下の微細なオース
テナイトに逆変態させ、次いで室温までの冷却過程でそ
の微細なオーステナイトからマルテンサイトを生成させ
て微細なマルテンサイトを有する金属組織を得る、請求
項1,2,3または4に記載の高強度ステンレス鋼帯の
製造方法。 - 【請求項6】 鋼帯はスチールベルト用である請求項
1,2,3または4に記載の高強度ステンレス鋼帯。 - 【請求項7】 鋼帯はスチールベルト用である請求項5
に記載の高強度ステンレス鋼帯の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25266997A JPH1180906A (ja) | 1997-09-03 | 1997-09-03 | 降伏応力を高めた高強度ステンレス鋼帯およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25266997A JPH1180906A (ja) | 1997-09-03 | 1997-09-03 | 降伏応力を高めた高強度ステンレス鋼帯およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1180906A true JPH1180906A (ja) | 1999-03-26 |
Family
ID=17240594
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25266997A Withdrawn JPH1180906A (ja) | 1997-09-03 | 1997-09-03 | 降伏応力を高めた高強度ステンレス鋼帯およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1180906A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1739200A1 (fr) * | 2005-06-28 | 2007-01-03 | UGINE & ALZ FRANCE | Bande en acier inoxydable austenitique présentant un aspect de surface brillant et d'excellentes caractéristiques mécaniques |
| JP2010215953A (ja) * | 2009-03-16 | 2010-09-30 | Sumitomo Metal Ind Ltd | オーステナイト系ステンレス鋼およびオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 |
| JP2015086405A (ja) * | 2013-10-28 | 2015-05-07 | 日新製鋼株式会社 | 高強度複相組織ステンレス鋼板およびその製造法 |
| CN105190789A (zh) * | 2013-05-09 | 2015-12-23 | 国立大学法人名古屋大学 | Ptc热敏电阻构件 |
| EP2431097B1 (en) * | 2009-05-14 | 2016-11-09 | National Institute for Materials Science | Method for producing an orifice plate |
| JP2018145487A (ja) * | 2017-03-07 | 2018-09-20 | 日新製鋼株式会社 | 低磁性オーステナイト系ステンレス鋼および冷延鋼板 |
-
1997
- 1997-09-03 JP JP25266997A patent/JPH1180906A/ja not_active Withdrawn
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1739200A1 (fr) * | 2005-06-28 | 2007-01-03 | UGINE & ALZ FRANCE | Bande en acier inoxydable austenitique présentant un aspect de surface brillant et d'excellentes caractéristiques mécaniques |
| WO2007003725A1 (fr) * | 2005-06-28 | 2007-01-11 | Ugine & Alz France | Bande en acier inoxydable austenitique presentant un aspect de surface brillant et d'excellentes caracteristiques mecaniques. |
| JP2009503246A (ja) * | 2005-06-28 | 2009-01-29 | ユジンヌ・エ・アルツ・フランス | 光輝表面仕上げおよび優れた機械的特性を有するオーステナイトステンレス鋼ストリップ |
| US8268101B2 (en) | 2005-06-28 | 2012-09-18 | Aperam Stainless France | Austenitic stainless steel strip having a bright surface finish and excellent mechanical properties |
| JP2010215953A (ja) * | 2009-03-16 | 2010-09-30 | Sumitomo Metal Ind Ltd | オーステナイト系ステンレス鋼およびオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 |
| EP2431097B1 (en) * | 2009-05-14 | 2016-11-09 | National Institute for Materials Science | Method for producing an orifice plate |
| CN105190789A (zh) * | 2013-05-09 | 2015-12-23 | 国立大学法人名古屋大学 | Ptc热敏电阻构件 |
| JP2015086405A (ja) * | 2013-10-28 | 2015-05-07 | 日新製鋼株式会社 | 高強度複相組織ステンレス鋼板およびその製造法 |
| JP2018145487A (ja) * | 2017-03-07 | 2018-09-20 | 日新製鋼株式会社 | 低磁性オーステナイト系ステンレス鋼および冷延鋼板 |
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