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JPH1175692A - 安定な鉄強化食用油脂類 - Google Patents

安定な鉄強化食用油脂類

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Publication number
JPH1175692A
JPH1175692A JP9249755A JP24975597A JPH1175692A JP H1175692 A JPH1175692 A JP H1175692A JP 9249755 A JP9249755 A JP 9249755A JP 24975597 A JP24975597 A JP 24975597A JP H1175692 A JPH1175692 A JP H1175692A
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JP
Japan
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iron
fats
casein
oil
edible
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JP9249755A
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Makoto Shioda
誠 塩田
Toshiaki Uchida
俊昭 内田
Toshio Sakurai
稔夫 桜井
Masayuki Azuma
雅幸 東
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化安定性の高い鉄強化食用油脂類及び鉄強
化食用油脂類含有食品の提供。 【解決手段】 カゼイン1分子当り、鉄を1〜1000原
子、炭酸及び/又は重炭酸を1分子以上含有する炭酸及
び/又は重炭酸−鉄−カゼイン類複合体を配合した鉄強
化食用油脂類及び鉄強化食用油脂類含有食品類。鉄強化
食用油脂類含有食品としてマーガリン、バター、育児用
粉乳等が挙げられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄を保持した鉄−
カゼイン類複合体を配合しており、鉄による劣化の少な
い安定な鉄強化食用油脂類及び鉄強化食用油脂類含有食
品に関する。本発明の鉄強化食用油脂類及び鉄強化食用
油脂類含有食品は、鉄による保存中の食用油脂類の劣化
が殆ど見られず安定であるので、鉄を強化した食材とし
て有用である。
【0002】
【従来の技術】日本人の鉄摂取量は、昭和50年以降所要
量の充足率 100%前後を横這いで推移しており、鉄分は
食事の中で気をつけて摂取しなければならない栄養素の
一つであって、性別や年齢により不足する場合もあると
いわれている (平成6年、国民栄養の現状) 。鉄は難吸
収性であるため、高頻度に鉄欠乏症を引き起こす要因と
なる傾向にあるが、一方で鉄は難排泄性であるため、往
々にして鉄過剰症を引き起こす要因ともなり、種々の生
体障害の原因となる。したがって、鉄の摂取に当たって
は、毎日、毎食、あらゆる機会に適当量の鉄を摂取する
ことが望まれている。
【0003】鉄の摂取に関しては、このような状況にあ
り、鉄を強化した種々の食品や基本的な食材の提供が望
まれるところである。特に、食用油脂類や食用油脂類を
含有する食品に鉄を強化することは現在までに殆どなさ
れておらず、実現が期待される分野である。なぜなら
ば、一般に食用油脂類は、食品中で口当たりを滑らかに
する等の食感を決定し、風味の面でも食品の美味しさを
引き出す最も重要な要因の一つとなっている点からも重
要である。
【0004】ところが、食用油脂類には劣化という大き
な問題がある。すなわち、食用油脂類は保存中や加熱処
理中に劣化し、風味の悪化や異臭の原因となったり、多
くの疾病を引き起こす原因となる。したがって、劣化し
た食用油脂類には商品価値が無く、食用油脂類の劣化を
防止するための対策は、食用油脂類を利用する上で不可
欠なものとなっている。食用油脂類を劣化させる要因と
しては、光、空気、ミネラルの存在等を挙げることがで
きるが、その中でも特に、銅、鉄、マンガン、ニッケル
等の重金属が食用油脂類の劣化を促進する。そのため、
食用油脂類の精製技術においては、金属を除去する工程
が重要であると考えられている。また、食品中に含まれ
ている金属では銅が最も食用油脂類の酸化を促進し、鉄
がこれに次ぐといわれており、食品への鉄強化に通常用
いられる硫酸第一鉄やクエン酸鉄等の無機鉄は、食品中
に含まれる食用油脂類の劣化を促進する。
【0005】このように、鉄による食用油脂類の劣化を
防止することができない現状にあり、現在のところ、食
用油脂類やこれを含有する食品に鉄を強化することは、
実用化するに至っていない。なお、縮合リン酸塩とトコ
フェロールとの相乗効果による抗酸化剤も提案されてい
る (油化学, vol.38, p.72, 1989) 。しかし、この方法
も必ずしも満足できるものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、鉄の油脂類に対
する劣化促進作用は、ヒドロペルオキシドの分解と分子
状酸素の活性化によるラジカル生成に起因することが知
られている。すなわち、鉄は自動酸化の第一段階のラジ
カル生成反応に関与し、その後、油脂類の自動酸化の連
鎖反応が進む。
【0007】本発明者らは、上記のような劣化という問
題がある食用油脂類を素材として、鉄強化食用油脂類や
鉄強化食用油脂類含有食品を提供するべく、鉄強化食用
油脂類の劣化を阻止する方法について、鋭意研究を進め
てきた。
【0008】一方、従来より、乳素材にミネラルを結合
させることで、鉄をはじめとするミネラルの酸化促進作
用を低下、消失させることができることが知られてい
る。そして、乳素材として、ホエータンパク濃縮物 (W
PC) やカゼイン等が用いられている。しかしながら、
鉄結合乳素材は鉄独特の収斂味を呈するので、この鉄結
合乳素材を油脂含有食品に配合した場合、得られる製品
は鉄の収斂味を呈し、品質の面で問題となる。このよう
なことから、鉄結合乳素材を食品に配合して利用するこ
とは難しい現状にある。
【0009】また、ミネラルを不活性化するために、ク
エン酸、リンゴ酸等の有機酸を使用し、キレート作用を
利用することが一般的に行われている。しかしながら、
このキレート作用によるミネラル酸化抑制効果は不充分
であり、単独使用で充分な効果をあげることは期待でき
ない。
【0010】そこで、本発明者らは、鉄による酸化促進
作用を低減する方法を検討した結果、炭酸及び/又は重
炭酸−鉄−カゼイン類複合体を食用油脂類に配合するこ
とで、食用油脂類の劣化促進作用を抑制し、鉄を配合し
ない食用油脂類と同等の酸化安定性を確保できることを
見出した。そして、同様にして安定な鉄強化食用油脂類
食品を得ることができることを見出し、本発明を完成す
るに至った。したがって、本発明は、鉄が強化されてお
り、保存中に鉄による劣化の少ない安定な食用油脂類を
提供することを課題とする。また、本発明は、鉄が強化
されており、保存中に鉄による劣化の少ない安定な鉄強
化食用油脂類含有食品を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では、鉄強化のた
めの鉄化合物として、炭酸及び/又は重炭酸−鉄−カゼ
イン類複合体を使用する。この炭酸及び/又は重炭酸−
鉄カゼイン類複合体は、カゼイン類1分子当り、鉄を1
〜1,000 原子、炭酸及び/又は重炭酸を1分子以上含有
するもので例えば、炭酸イオン及び/又は重炭酸イオン
を含む溶液と、カゼイン類及び鉄イオンを含む溶液とを
混合することにより得ることができる。そして、鉄を高
い割合で含有するが、鉄独特の収斂味がないという特徴
を有しているので、食用油脂類や食用油脂類含有食品に
配合しても風味や食感を損なうことが無い。また、この
炭酸及び/又は重炭酸−鉄−カゼイン類複合体は、耐熱
性を有しているので、殺菌や溶解等の加熱処理を施して
も変性せず、さらに、酸化促進作用も抑制されていると
いう特徴を有する。この炭酸及び/又は重炭酸−鉄−カ
ゼイン類複合体は、炭酸もしくは重炭酸を介して鉄がカ
ゼイン類と結合しているものであって、カゼイン類1分
子当り、鉄を1〜 1,000原子、かつ炭酸及び/又は重炭
酸を1分子以上含有する炭酸及び/又は重炭酸−鉄−カ
ゼイン類複合体である (特開平9- 77793号公報、特願平
9- 87377号、特願平9- 87378号) 。
【0012】本発明におけるカゼイン類とは、ヒトやウ
シ等の哺乳類の乳等の分泌液から分離されるカゼイン、
酸カゼイン、カゼインナトリウム、乳酸カゼイン、α−
カゼイン、β−カゼイン、κ−カゼイン等であり、これ
らの分解物をも含む。このカゼイン類については、既に
大量に分離する方法が多数知られているが、どのような
方法で分離されたものであっても良い。また、遺伝子操
作によって微生物、動物細胞あるいはトランスジェニッ
ク動物から生産されたものであっても良い。また、分解
物は、カゼイン類にタンパク質分解酵素等を作用させる
ことにより、得ることができる。
【0013】これらのカゼイン類に、炭酸もしくは重炭
酸を介して、硫酸第一鉄、グルコン酸第一鉄、乳酸鉄、
クエン酸鉄、クエン酸第一鉄ナトリウム、クエン酸鉄ア
ンモニウム、ピロリン酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄、塩
化第二鉄、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄等の鉄化合物を結合
させた炭酸及び/又は重炭酸−鉄−カゼイン類複合体を
食用油脂類に配合することにより、安定な食用油脂類を
得ることができる。また、マーガリン、バター、育児用
粉乳等の食品製造の際、この鉄強化食用油脂類を使用し
たり、炭酸及び/又は重炭酸−鉄−カゼイン類複合体を
原料の食用油脂類含有食品に添加して含有せしめること
により、鉄が強化されており、保存中鉄による油脂の劣
化の少ない安定な鉄強化食用油脂類含有食品を得ること
ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明では、食用油脂類に炭酸及
び/又は重炭酸−鉄−カゼイン類複合体(以下、鉄−カ
ゼイン複合体という)を配合し、安定な鉄強化食用油脂
類を得る。本発明で鉄−カゼイン複合体を配合すること
のできる食用油脂類としては、特に制限はなく、大豆
油、菜種油、綿実油、ゴマ油、サフラワー油、オリーブ
油、トウモロコシ油、シソ油、月見草油等の植物油や魚
油、乳脂、豚脂等の動物油脂に鉄−カゼイン複合体を配
合することにより、安定な鉄強化食用油脂類とすること
ができる。
【0015】また、本発明では、食用油脂類含有食品に
鉄−カゼイン複合体を配合し、鉄強化食用油脂類含有食
品を得る。本発明の安定な鉄強化食用油脂類含有食品
は、油脂を含むあらゆる食品に適用できるが、特に、マ
ーガリン、バター、ドレッシング、クリーム、育児用粉
乳等に適用され、これらの食品を製造するに際しては、
予め鉄−カゼイン複合体を配合した安定な鉄強化食用油
脂類を原料とし、この安定な鉄強化食用油脂類を食品に
配合して鉄強化食用油脂類含有食品を得ることもできる
し、食用油脂類を含む食品に鉄−カゼイン複合体を配合
して鉄強化食用油脂類含有食品を得ることもできる。
【0016】なお、本発明は、ビタミンA、ビタミン
E、ビタミンD等の脂溶性ビタミンに鉄を強化した鉄強
化ビタミンを製造する際にも使用することができ、この
鉄強化ビタミンを配合した栄養剤や健康食品等を提供す
ることもできる。
【0017】本発明においては、食用油脂類や食用油脂
類含有食品に配合する鉄−カゼイン複合体の配合量につ
いては、特に制限はなく、物理的に可能な量だけ鉄−カ
ゼイン複合体を配合することができ、例えば、食用油脂
類1kgに対して 100〜500gの鉄−カゼイン複合体を配合
することも可能であるが、鉄−カゼイン複合体の食用油
脂類中での分散性を考慮すると、食用油脂類1kgに対し
て鉄−カゼイン複合体の配合量を100g以下とすることが
好ましい。勿論、鉄の過剰摂取は避けなければならない
ということも考慮し、これらの鉄−カゼイン複合体の食
用油脂類への配合量を決定する必要がある。
【0018】以下に実施例等を示し、本発明をさらに詳
しく説明する。
【参考例1】1.2モル重炭酸ナトリウム及び10マイクロ
モルα−カゼイン(シグマ社製)を含む溶液 1 l(A溶
液)と、鉄イオンとして 1.0ミリモルの硫酸鉄を含む溶
液 1l(B溶液)を調製した後、A溶液にB溶液を加え
て鉄−カゼイン複合体を調製した。そして、この鉄−カ
ゼイン複合体の溶液を分子量 5,000カットの限外濾過膜
で脱塩及び濃縮した後、凍結乾燥して鉄−カゼイン複合
体 150mgを得た。
【0019】
【参考例2】1.5モル炭酸ナトリウムを含み塩酸でpH 8.
0に調整した溶液 50 l (A溶液)、鉄イオンとして50.
0ミリモルクエン酸鉄を含む溶液 10 l (B1溶液)、
0.5ミリモルカゼインナトリウムを含む溶液 40 l (B
2溶液)を調製した後、B1溶液とB2溶液を混合し、
さらに、この混合溶液にA溶液を加えて鉄−カゼイン複
合体を調製した。そして、この鉄−カゼイン複合体の溶
液を分子量 5,000カットの限外濾過膜で脱塩及び濃縮し
た後、凍結乾燥をして鉄−カゼイン複合体9.8gを得た。
【0020】
【試験例1】魚油に参考例1で調製した鉄−カゼイン複
合体をウルトラディスパーサーで分散させて配合した魚
油を調製し(試料2)、この魚油の油強制劣化試験を行
った。また、鉄−カゼイン複合体無添加の魚油を対照品
とし(試料1)、さらに鉄化合物として塩化第二鉄・6
水和物をウルトラディスパーサーで分散させて配合した
魚油を比較品として(試料3)、同様の油強制劣化試験
を行った。調製油脂の自動酸化に対する安定性の評価
は、CDM試験 (日本油化学協会基準油脂分析試験法 C
d2.4.28.2-93) に従い、ランシマット装置 (メトロノー
ム社製) でCDM試験により定義されている酸化誘導期
の長さを測定し、酸化安定性を評価した。すなわち、酸
化誘導期が長ければ酸化安定性が高いことを示す。
【0021】本試験例では、以下に示した試料を調製
し、80℃の測定温度で試験を行った。その結果を表1に
示す。 試料1:魚油 6,000mg 試料2:魚油 6,000mg+鉄−カゼイン複合体 60mg 試料3:魚油 6,000mg+塩化第二鉄・6水和物 14.6mg
(試料2の鉄量相当)
【0022】
【表1】 ────────────────── 試料 酸化誘導期の長さ(時間) ────────────────── 1 5.4 2 5.5 3 <0.1 ──────────────────
【0023】これによると、塩化第二鉄・6水和物を配
合した魚油では、試験開始直後から激しい劣化が認めら
れた。しかし、鉄−カゼイン複合体を配合した魚油で
は、鉄化合物無添加の試料と劣化の程度は変わらなかっ
た。また、油強制劣化試験に供した試料と同様の試料に
ついて、40℃のオーブンに保存し、経時的にサンプリン
グして過酸化物価(POV)を測定したが、油強制劣化
試験と同様の傾向が見られた。したがって、鉄−カゼイ
ン複合体を配合した魚油は、広い温度範囲で劣化が抑制
される。
【0024】
【試験例2】大豆油に参考例2で調製した鉄−カゼイン
複合体をウルトラディスパーサーで分散させて配合した
大豆油を調製し(試料2)、この大豆油の油強制劣化試
験を行った。また、鉄−カゼイン複合体無添加の大豆油
を対照品とし(試料1)、さらに鉄化合物として塩化第
二鉄・6水和物をウルトラディスパーサーで分散させて
配合した大豆油を比較品として(試料3)、同様の油強
制劣化試験を行った。本試験例では、以下に示した試料
を調製し、 120℃の測定温度で試験例1と同様の試験を
行った。その結果を表2に示す。 試料1:大豆油 6,000mg 試料2:大豆油 6,000mg+鉄−カゼイン複合体 60mg 試料3:大豆油 6,000mg+塩化第二鉄・6水和物 14.6m
g(試料2の鉄量相当)
【0025】
【表2】 ────────────────── 試料 酸化誘導期の長さ(時間) ────────────────── 1 3.8 2 3.6 3 <0.1 ──────────────────
【0026】これによると、塩化第二鉄・6水和物を配
合した大豆油では、試験開始直後から激しい劣化が認め
られた。しかし、鉄−カゼイン複合体を配合した大豆油
では、鉄化合物無添加の試料と劣化の程度は変わらなか
った。また、油強制劣化試験に供した試料と同様の試料
について、40℃のオーブンに保存し、経時的にサンプリ
ングしてPOVを測定したが、油強制劣化試験と同様の
傾向が見られた。したがって、鉄−カゼイン複合体を配
合した大豆油は、広い温度範囲で劣化が抑制される。
【0027】
【実施例1】食用大豆白絞油1kgに参考例2に示した方
法により得られた鉄−カゼイン複合体10g を配合し、T
Kホモミキサーで撹拌して分散化処理を行って鉄強化食
用大豆白絞油を製造した。なお、この鉄強化食用大豆白
絞油においては、25℃で1ヶ月保存した後も大豆の戻
り臭は認められなかった。
【0028】
【参考例3】従来法に従い、鉄−カゼイン結合体を調製
した。すなわち、カゼインナトリウム1kgを水 20 l に
溶解した溶液に、塩化第二鉄・6水和物200gを加えて溶
解した後、水酸化ナトリウムでこの溶液のpHを 6.5に調
整し、75℃、20分間の加熱処理を行って鉄−カゼイン結
合体を調製した。そして、この鉄−カゼイン結合体の溶
液を濃縮し、噴霧乾燥して鉄−カゼイン結合体740gを得
た。
【0029】
【実施例2】表3に示した配合表に従って、参考例2に
示した方法により得られた鉄−カゼイン複合体を配合し
た鉄強化マーガリンを製造した。
【0030】
【表3】 ─────────────────────────── 食用大豆硬化油(融点34℃) 28(%) 食用綿実硬化油(融点34℃) 14 サフラワー油 14 大豆サラダ油 14 水 26 食塩 1 脱脂粉乳 0.8 モノグリセリド 0.2 レシチン 0.1 ソルビタン脂肪酸エステル 0.2 βカロチン 0.0013 鉄−カゼイン複合体 0.01(鉄含量として) ───────────────────────────
【0031】また、鉄−カゼイン複合体に代えて、参考
例3に示した方法により得られた鉄−カゼイン結合体を
配合したマーガリン(比較品1)及び塩化第二鉄・6水
和物を配合したマーガリン(比較品2)を製造し、さら
に、鉄化合物無添加のマーガリンも製造して、これらマ
ーガリンの油強制劣化試験を行った。なお、マーガリン
の自動酸化に対する安定性の評価は、AOM試験 (日本
油化学協会基準油脂分析試験法 Cd2.4.28.1-81) に従
い、POVが 100に到達するまでの時間を測定し、酸化
安定性を評価した。その結果を表4に示す。
【0032】
【表4】 ───────────── 本発明品 20 (時間) 比較品1 10 比較品2 3 対照品 20 ─────────────
【0033】これによると、塩化第二鉄・6水和物を配
合した比較品2のマーガリンでは、酸化安定性が著しく
低下していることが判る。また、カゼインに鉄を結合さ
せた鉄−カゼイン結合体を配合した比較品1のマーガリ
ンでも、酸化安定性が低下していることが判る。しか
し、鉄−カゼイン複合体を配合した本発明品のマーガリ
ンでは、対照品である鉄化合物無添加のマーガリンと劣
化の程度は変わらなかった。なお、鉄−カゼイン複合体
を配合した本発明品のマーガリンにおいては、油の戻り
臭の生成が少ないことを確認しており、風味も良好な鉄
強化マーガリンを製造することができた。
【0034】
【実施例3】表5に示した配合表に従って、参考例2に
示した方法により得られた鉄−カゼイン複合体を配合し
た育児用粉乳(本発明品)を製造した。
【0035】
【表5】 ────────────────────── 脱塩ホエー 52(%) 全脂粉乳 12 乳糖 9 酸カゼイン 2.4 大豆油 20 魚油 4 塩化ナトリウム 0.2 塩化カリウム 0.4 鉄−カゼイン複合体 0.006(鉄として) ──────────────────────
【0036】また、鉄−カゼイン複合体に代えて、参考
例3に示した方法により得られた鉄−カゼイン結合体を
配合した育児用粉乳(比較品1)及び塩化第二鉄・6水
和物を配合した育児用粉乳(比較品2)を製造し、さら
に、鉄化合物無添加の育児用粉乳も製造して、これら育
児用粉乳の保存試験を行った。なお、育児用粉乳の保存
試験においては、POVが5に到達する日数を測定する
ことにより酸化安定性を評価した。すなわち、製造した
育児用粉乳を37℃のオーブン中に保存して経時的にサン
プリングを行い、このサンプリングした試料について、
溶媒で油分を抽出してPOVを測定した。その結果を表
6に示す。
【0037】
【表6】 ───────────── 本発明品 34 (時間) 比較品1 27 比較品2 14 対照品 35 ─────────────
【0038】これによると、塩化第二鉄・6水和物を配
合した比較品2の育児用粉乳では、酸化安定性が著しく
低下していることが判る。また、カゼインに鉄を結合さ
せた鉄−カゼイン結合体を配合した比較品1の育児用粉
乳でも、酸化安定性が低下していることが判る。しか
し、鉄−カゼイン複合体を配合した本発明品の育児用粉
乳では、対照品である鉄化合物無添加の育児用粉乳と劣
化の程度は変わらなかった。なお、鉄−カゼイン複合体
を配合した本発明品の育児用粉乳においては、油の戻り
臭の生成が少ないことを確認しており、風味も良好な鉄
強化育児用粉乳を製造することができた。
【0039】
【実施例4】1.5 モル炭酸ナトリウムを含み、塩酸でpH
8.0 に調整した溶液(A溶液)、鉄イオンとして50.0ミ
リモルクエン酸鉄を含む溶液40 l(B1溶液) 、0.5 ミ
リモルカゼインナトリウムを含む溶液40 l(B2溶液)
を調製した後、B1溶液とB2溶液を混合し、更に、こ
の混合溶液にA溶液を加えて鉄・カゼイン複合体を調製
した。そして、この鉄−カゼイン複合体の溶液を分子量
5000カットの限外濾過膜で脱塩および減圧濃縮を行っ
た。水を加え、固形として250mg/mlとなるよう調整し
た。食用大豆白絞油1kgに、上記の湿潤体鉄−カゼイン
複合体40mlを加え、TKホモミキサーで攪拌処理を行い
鉄強化大豆油を製造した。この鉄強化大豆油において
は、25℃で1カ月保存した後も大豆の戻り臭は認められ
なかった。
【0040】
【発明の効果】従来、鉄化合物を食用油脂類へ配合する
ことは、酸化安定性という点で困難であったが、本発明
の鉄−カゼイン複合体を配合した鉄強化食用油脂類や鉄
強化食用油脂類含有は、鉄化合物を含有しているにも拘
わらず酸化安定性に優れており、しかも、鉄独特の収斂
味もしないという特徴を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A23D 9/007 A23L 1/304 // A23L 1/304 A23D 9/00 516

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カゼイン類1分子当り、鉄を1〜 1,000
    原子、炭酸及び/又は重炭酸を1分子以上含有する炭酸
    及び/又は重炭酸−鉄−カゼイン類複合体を食用油脂類
    に配合した、鉄による劣化の少ない安定な鉄強化食用油
    脂類。
  2. 【請求項2】 カゼイン類1分子当り、鉄を1〜 1,000
    原子、炭酸及び/又は重炭酸を1分子以上含有する炭酸
    及び/又は重炭酸−鉄−カゼイン類複合体を食用油脂類
    含有食品に配合した、鉄による劣化の少ない安定な鉄強
    化食用油脂類含有食品。
  3. 【請求項3】 食品が、マーガリン、バター又は育児用
    粉乳である請求項2記載の鉄強化食用油脂類含有食品。
JP24975597A 1997-08-29 1997-08-29 安定な鉄強化食用油脂類 Expired - Fee Related JP4010608B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014038351A1 (ja) * 2012-09-06 2014-03-13 株式会社ヤクルト本社 鉄分およびトコフェロールを強化した発酵乳製品
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