JPH11315507A - たわみ性舗装 - Google Patents
たわみ性舗装Info
- Publication number
- JPH11315507A JPH11315507A JP12257598A JP12257598A JPH11315507A JP H11315507 A JPH11315507 A JP H11315507A JP 12257598 A JP12257598 A JP 12257598A JP 12257598 A JP12257598 A JP 12257598A JP H11315507 A JPH11315507 A JP H11315507A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rubber chip
- rubber
- snow
- test
- road surface
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Road Paving Structures (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】積雪寒冷地の道路の圧雪及び氷膜等の生成防止
を目的とする。 【解決手段】 所定の大きさのゴムチップ5を基材とし
て、所定の密度となるように所定のバインダ6で結合し
てなるゴムチップマット1を路面に敷設する。
を目的とする。 【解決手段】 所定の大きさのゴムチップ5を基材とし
て、所定の密度となるように所定のバインダ6で結合し
てなるゴムチップマット1を路面に敷設する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両通行する路面
について、積雪寒冷地の圧雪、凍結を防止するためのた
わみ性舗装に関するものであり、特に、ゴムチップを基
材としてバインダで固めたゴムチップマットを路面に敷
設するものである。
について、積雪寒冷地の圧雪、凍結を防止するためのた
わみ性舗装に関するものであり、特に、ゴムチップを基
材としてバインダで固めたゴムチップマットを路面に敷
設するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に積雪寒冷地の道路では、通過交通
に踏み固められた圧雪が日中の暖気で融解し、その後の
気温低下で再び凍結するため、アイスバーンと呼ばれる
非常に滑りやすい路面となることが多い。特に、近年、
スタッドレスタイヤの普及とともに、特に交通量の多い
交差点付近では、スタッドレスタイヤにより、発進時又
は制動時に、路面の氷膜が研磨されて鏡面状となるミラ
ーバーンと呼ばれる完全な凍結路面が形成され重大なス
リップ事故を誘発する原因となっている。
に踏み固められた圧雪が日中の暖気で融解し、その後の
気温低下で再び凍結するため、アイスバーンと呼ばれる
非常に滑りやすい路面となることが多い。特に、近年、
スタッドレスタイヤの普及とともに、特に交通量の多い
交差点付近では、スタッドレスタイヤにより、発進時又
は制動時に、路面の氷膜が研磨されて鏡面状となるミラ
ーバーンと呼ばれる完全な凍結路面が形成され重大なス
リップ事故を誘発する原因となっている。
【0003】このような積雪寒冷地の道路の圧雪、凍結
路面の滑り止め対策として、従来から機械による除雪、
排雪による方法や、氷や雪を融解させる方法が採用され
てきた。しかし、前者の機械による方法では、除雪の後
にも多少の雪が残ったり、除雪機械の通過後に降った
雪、除雪を必要としない程度の雪、更に除雪した雪が強
風により道路に蒔き出された雪等が次第に圧雪となる
等、路面の圧雪を完全になくすことは困難である。
路面の滑り止め対策として、従来から機械による除雪、
排雪による方法や、氷や雪を融解させる方法が採用され
てきた。しかし、前者の機械による方法では、除雪の後
にも多少の雪が残ったり、除雪機械の通過後に降った
雪、除雪を必要としない程度の雪、更に除雪した雪が強
風により道路に蒔き出された雪等が次第に圧雪となる
等、路面の圧雪を完全になくすことは困難である。
【0004】後者の融解させる方法では、路面を加熱す
る方法と氷点を降下させる方法が代表的である。路面加
熱法には、電熱線を舗装体中に埋設し、発熱融雪させる
方法、赤外線の照射による融雪方法、更には地下熱を利
用したヒートパイプによる方法がある。地下水を路面に
流す方法も一般的に用いられている方法である。しか
し、これらの方法はいずれも施設や維持管理に多額の費
用を要するので交通量の少ない路線や降雪頻度の多い地
方、気温の低い地方では広く適用することが困難であ
る。また、氷点降下による方法は主として薬剤を散布し
て行うものであり、一般道路では塩化カルシウム等の塩
化物を用いるのが主流である。この方法も、不適切な散
布による再凍結の可能性や散布剤の環境への悪影響等の
問題がある。
る方法と氷点を降下させる方法が代表的である。路面加
熱法には、電熱線を舗装体中に埋設し、発熱融雪させる
方法、赤外線の照射による融雪方法、更には地下熱を利
用したヒートパイプによる方法がある。地下水を路面に
流す方法も一般的に用いられている方法である。しか
し、これらの方法はいずれも施設や維持管理に多額の費
用を要するので交通量の少ない路線や降雪頻度の多い地
方、気温の低い地方では広く適用することが困難であ
る。また、氷点降下による方法は主として薬剤を散布し
て行うものであり、一般道路では塩化カルシウム等の塩
化物を用いるのが主流である。この方法も、不適切な散
布による再凍結の可能性や散布剤の環境への悪影響等の
問題がある。
【0005】これらの方法の他にも、砂礫等の摩擦材散
布や、例えば、特開平7−259007号公報(以下、
単に、従来公報という)等のアスファルトに少量のゴム
チップを混入させることにより、ゴムの弾性変形によ
り、表面の氷板を破壊する目的のルビット舗装がある。
前者は効果が短時間しか維持できず、また、春先に回収
する必要がある等の問題がある。
布や、例えば、特開平7−259007号公報(以下、
単に、従来公報という)等のアスファルトに少量のゴム
チップを混入させることにより、ゴムの弾性変形によ
り、表面の氷板を破壊する目的のルビット舗装がある。
前者は効果が短時間しか維持できず、また、春先に回収
する必要がある等の問題がある。
【0006】後者のルビット舗装では、アスファルトを
基材としており、弾性変形の程度が僅かであるので、非
常に低温の積雪地域での厚い圧雪又は凍結による氷膜の
場合には、十分な圧雪防止効果、又は氷膜の破壊効果が
得られないという問題があり、十分な対策とは言えな
い。また、上記の従来公報ではポリウレタンから発生す
る二酸化炭素による気泡を抑制し、通水性を持たせいな
いようにしている。しかし、一般に、氷膜上にタイヤが
載ると、その圧力により境界面に水分が発生して、摩擦
係数が非常に小さくなることが知られており、境界面の
水分を除去すること、即ち、路面に通水性や透水性があ
ることが滑り止め効果を発揮させる有効な方法であるこ
とが知られている。このため、最近では、冬期間用のス
タッドレスタイヤにサイプと呼ばれる細い溝を無数に加
工し、水分を十分に吸収させるようにしていることから
も既知となっている。このため、従来公報の方法では、
通水性がないため、摩擦係数が非常に低くなり、滑りや
すいという問題点がある。
基材としており、弾性変形の程度が僅かであるので、非
常に低温の積雪地域での厚い圧雪又は凍結による氷膜の
場合には、十分な圧雪防止効果、又は氷膜の破壊効果が
得られないという問題があり、十分な対策とは言えな
い。また、上記の従来公報ではポリウレタンから発生す
る二酸化炭素による気泡を抑制し、通水性を持たせいな
いようにしている。しかし、一般に、氷膜上にタイヤが
載ると、その圧力により境界面に水分が発生して、摩擦
係数が非常に小さくなることが知られており、境界面の
水分を除去すること、即ち、路面に通水性や透水性があ
ることが滑り止め効果を発揮させる有効な方法であるこ
とが知られている。このため、最近では、冬期間用のス
タッドレスタイヤにサイプと呼ばれる細い溝を無数に加
工し、水分を十分に吸収させるようにしていることから
も既知となっている。このため、従来公報の方法では、
通水性がないため、摩擦係数が非常に低くなり、滑りや
すいという問題点がある。
【0007】更に、従来公報では通過車輌の重量で氷膜
を割ることにより滑り難くするとあるが、路面の氷板の
厚さが一定厚さ(約4mm以上)になると普通乗用車の
通過では、氷膜は割れないことが、実験により判明し
た。この時のすべり摩擦係数は、0.25以下である。
従って、非常に大重量の車輌でなければ氷膜を割ること
はできず、大重量車輌が頻繁に通過する道路は一部の幹
線道路に限定されるため、冬期間の交通量が少ない北海
道等の寒冷積雪地の道路では、その効果を発揮すること
は困難である。
を割ることにより滑り難くするとあるが、路面の氷板の
厚さが一定厚さ(約4mm以上)になると普通乗用車の
通過では、氷膜は割れないことが、実験により判明し
た。この時のすべり摩擦係数は、0.25以下である。
従って、非常に大重量の車輌でなければ氷膜を割ること
はできず、大重量車輌が頻繁に通過する道路は一部の幹
線道路に限定されるため、冬期間の交通量が少ない北海
道等の寒冷積雪地の道路では、その効果を発揮すること
は困難である。
【0008】以上のように積雪寒冷地の道路における滑
り止め対策は、経済的な課題、技術的な課題、環境保全
的な課題が、完全に解決できる方法が未だ提案されてい
ないのが実情である。
り止め対策は、経済的な課題、技術的な課題、環境保全
的な課題が、完全に解決できる方法が未だ提案されてい
ないのが実情である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
課題を解決することを目的としている。すなわち、本発
明は、積雪寒冷地の道路における圧雪及び凍結による氷
膜の形成を防止し、路面の滑り止め効果を発揮するたわ
み性舗装を提供することを目的とする。
課題を解決することを目的としている。すなわち、本発
明は、積雪寒冷地の道路における圧雪及び凍結による氷
膜の形成を防止し、路面の滑り止め効果を発揮するたわ
み性舗装を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ゴムチップを
バインダで固めたものを路面に敷設することにより、上
記課題を解決する。すなわち、本発明のうち、請求項1
記載の発明は、所定の大きさのゴムチップ(5)を基材
として、所定の密度となるように所定のバインダ(6)
で結合してなる。
バインダで固めたものを路面に敷設することにより、上
記課題を解決する。すなわち、本発明のうち、請求項1
記載の発明は、所定の大きさのゴムチップ(5)を基材
として、所定の密度となるように所定のバインダ(6)
で結合してなる。
【0011】バインダ(6)としては、例えば、主成分
にウレタンプレポリマーにジフェニルメタンジイソシア
ネートを添加したものが好適である。バインダ(6)
は、これに限定されず、接着強度が高く、経時劣化が少
ないものであれば良い。請求項2記載の発明は、請求項
1記載のたわみ性舗装において、バインダ(6)は、重
量比で約10%程度混入されているものである。
にウレタンプレポリマーにジフェニルメタンジイソシア
ネートを添加したものが好適である。バインダ(6)
は、これに限定されず、接着強度が高く、経時劣化が少
ないものであれば良い。請求項2記載の発明は、請求項
1記載のたわみ性舗装において、バインダ(6)は、重
量比で約10%程度混入されているものである。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載のたわみ性舗装において、ゴムチップ(5)は、約2
〜4mm程度の大きさとし、バインダ(6)により約
0.7〜0.95g/cm3の密度となるように前記ゴ
ムチップ(5)を結合してなるものである。請求項4記
載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のたわみ性
舗装において、ゴムチップ(5)は、廃タイヤを冷凍粉
砕したものである。
載のたわみ性舗装において、ゴムチップ(5)は、約2
〜4mm程度の大きさとし、バインダ(6)により約
0.7〜0.95g/cm3の密度となるように前記ゴ
ムチップ(5)を結合してなるものである。請求項4記
載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のたわみ性
舗装において、ゴムチップ(5)は、廃タイヤを冷凍粉
砕したものである。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項1〜4のい
ずれかに記載のたわみ性舗装において、大きさの異なる
ゴムチップ(5)により各々成形したゴムチップマット
(1a,1b)を複数積層して路面に敷設するようにし
たものである。かかる構成により、本発明のたわみ性舗
装は、ゴムチップ(5)を基材として、バインダ(6)
により結合させるようにしているので、通過車輌の重量
負荷による弾性変形をある程度大きく発生させることに
より、路面上の降雪が通過車輌により圧雪状態になるこ
とを防止し、路面の滑り止め効果を発揮するものであ
る。また、降雪が日中の暖気で融解し、その後の気温低
下により路面に凍結による氷膜が形成された場合でも、
十分な弾性変形により、車輌通過の際に氷膜が簡単に破
壊されるため、滑り止め効果が発揮できる。(請求項
1) また、ゴムチップ(5)が約90%程度の混入比率とな
るので、ほとんどがゴムであるため、十分な弾性変形効
果を有し、厚い圧雪、凍結による氷膜の場合にも、圧
雪、氷膜形成を防止し、滑り止め効果を発揮できる。
(請求項2) ゴムチップ(5)をかかる程度の大きさで密度とするこ
とにより、ラベリング試験の結果、図7に示すように、
アスファルトを基材とする舗装と比較して、すり減り量
も少なく好適であることが実証された。(請求項3) 廃タイヤを冷凍粉砕することにより、所定の大きさのゴ
ムチップに形成できる。また、年々大量に発生する廃タ
イヤを有効に活用できる。(請求項4) ゴムチップマットを複数積層することにより、ゴムチッ
プを形成するときに生じる径の小さなゴムチップを有効
利用することが可能となる。(請求項5)
ずれかに記載のたわみ性舗装において、大きさの異なる
ゴムチップ(5)により各々成形したゴムチップマット
(1a,1b)を複数積層して路面に敷設するようにし
たものである。かかる構成により、本発明のたわみ性舗
装は、ゴムチップ(5)を基材として、バインダ(6)
により結合させるようにしているので、通過車輌の重量
負荷による弾性変形をある程度大きく発生させることに
より、路面上の降雪が通過車輌により圧雪状態になるこ
とを防止し、路面の滑り止め効果を発揮するものであ
る。また、降雪が日中の暖気で融解し、その後の気温低
下により路面に凍結による氷膜が形成された場合でも、
十分な弾性変形により、車輌通過の際に氷膜が簡単に破
壊されるため、滑り止め効果が発揮できる。(請求項
1) また、ゴムチップ(5)が約90%程度の混入比率とな
るので、ほとんどがゴムであるため、十分な弾性変形効
果を有し、厚い圧雪、凍結による氷膜の場合にも、圧
雪、氷膜形成を防止し、滑り止め効果を発揮できる。
(請求項2) ゴムチップ(5)をかかる程度の大きさで密度とするこ
とにより、ラベリング試験の結果、図7に示すように、
アスファルトを基材とする舗装と比較して、すり減り量
も少なく好適であることが実証された。(請求項3) 廃タイヤを冷凍粉砕することにより、所定の大きさのゴ
ムチップに形成できる。また、年々大量に発生する廃タ
イヤを有効に活用できる。(請求項4) ゴムチップマットを複数積層することにより、ゴムチッ
プを形成するときに生じる径の小さなゴムチップを有効
利用することが可能となる。(請求項5)
【0014】
【発明の実施の形態】図により本発明の実施の形態につ
いて説明する。図1は、本発明の実施の形態を示すたわ
み性舗装の概要構成図、図2は、他の実施の形態を示す
概要構成図である。本発明は、基本的に、所定大きさの
粒状のゴムチップ5をバインダ6で固めたゴムチップマ
ット1を路面に敷設したものである。なお、ゴムチップ
マット1とせずに、直接、路面に形成された型枠内に成
形するようにしても良いことはもちろんである。
いて説明する。図1は、本発明の実施の形態を示すたわ
み性舗装の概要構成図、図2は、他の実施の形態を示す
概要構成図である。本発明は、基本的に、所定大きさの
粒状のゴムチップ5をバインダ6で固めたゴムチップマ
ット1を路面に敷設したものである。なお、ゴムチップ
マット1とせずに、直接、路面に形成された型枠内に成
形するようにしても良いことはもちろんである。
【0015】図1に示すように、所定の大きさのゴムチ
ップ5を基材として、所定の密度となるように所定のバ
インダ6で結合してなるゴムチップマット1を路面に敷
設する。ゴムチップマット1は、図のように、方形とし
ており、例えば、1x1m,1x2m等と路面の大きさ
に合わせて成形する。なお、ゴムチップマット1の形状
は、使用する路面により正方形、多角形等適宜変更とし
ても良い。ゴムチップマット1の厚さtは、用途により
変更可能であるが、例えば、厚みt=40mm〜50m
m程度が好適である。
ップ5を基材として、所定の密度となるように所定のバ
インダ6で結合してなるゴムチップマット1を路面に敷
設する。ゴムチップマット1は、図のように、方形とし
ており、例えば、1x1m,1x2m等と路面の大きさ
に合わせて成形する。なお、ゴムチップマット1の形状
は、使用する路面により正方形、多角形等適宜変更とし
ても良い。ゴムチップマット1の厚さtは、用途により
変更可能であるが、例えば、厚みt=40mm〜50m
m程度が好適である。
【0016】ゴムチップマット1は、図に示すように4
隅をビス8止めにより路面に固定する。本実施の形態で
は、ビス8を使用しているが、路面に固定できるもので
あれば何でも良く、例えば、接着剤でも良い。製造方法
は、所定の大きさの方形又は他の形状の型枠に所定の大
きさのゴムチップを、所定の重量比で熱硬化性のバイン
ダにより、熱硬化する程度の高温で、所定時間、所定の
圧力を負荷させて固化し、所定の密度のゴムチップマッ
ト1を成形する。
隅をビス8止めにより路面に固定する。本実施の形態で
は、ビス8を使用しているが、路面に固定できるもので
あれば何でも良く、例えば、接着剤でも良い。製造方法
は、所定の大きさの方形又は他の形状の型枠に所定の大
きさのゴムチップを、所定の重量比で熱硬化性のバイン
ダにより、熱硬化する程度の高温で、所定時間、所定の
圧力を負荷させて固化し、所定の密度のゴムチップマッ
ト1を成形する。
【0017】バインダー6は、重量比約10%程度の混
入が好適である。バインダ6としては、例えば、主成分
にウレタンプレポリマー(約40〜95%程度)にジフ
ェニルメタンジイソシアネート(約1%以上)を添加し
たものが好適である。バインダ6は、これに限定され
ず、接着強度が高く、経時劣化が少ないものであれば良
い。
入が好適である。バインダ6としては、例えば、主成分
にウレタンプレポリマー(約40〜95%程度)にジフ
ェニルメタンジイソシアネート(約1%以上)を添加し
たものが好適である。バインダ6は、これに限定され
ず、接着強度が高く、経時劣化が少ないものであれば良
い。
【0018】ゴムチップ5の大きさは、1〜2mm程度
と2〜4mm程度の大きさの2種類程度が好適である。
また、ゴムチップマット1の密度は、約0.9〜0.9
5g/cm3程度が好適である。これは、密度が約0.
9g/cm3以下だと、含有する気泡の割合が大きくな
るので、後述するラベリング試験の結果によれば、すり
減り量が大きくなるためである。ゴムは、天然ゴム、合
成ゴムのいずれでも良く、廃タイヤを冷凍して粉砕した
ものを使用することもできる。廃タイヤを使用すること
により、コストも安価であり、更に、資源を有効活用で
きる。
と2〜4mm程度の大きさの2種類程度が好適である。
また、ゴムチップマット1の密度は、約0.9〜0.9
5g/cm3程度が好適である。これは、密度が約0.
9g/cm3以下だと、含有する気泡の割合が大きくな
るので、後述するラベリング試験の結果によれば、すり
減り量が大きくなるためである。ゴムは、天然ゴム、合
成ゴムのいずれでも良く、廃タイヤを冷凍して粉砕した
ものを使用することもできる。廃タイヤを使用すること
により、コストも安価であり、更に、資源を有効活用で
きる。
【0019】また、本発明の他の実施の形態としては、
図2に示すように、ゴムチップ5の大きさの異なるゴム
チップマットを2層積層するようにしても良い。この場
合、上層のゴムチップマット1aは、2〜4mmの径の
ゴムチップ5aを混入させており、下層のゴムチップマ
ット1bは、1〜2mmの径のゴムチップ5bを混入さ
せるようにしている。上層のゴムチップマット1aの厚
みt1は、下層のゴムチップマット1bの厚みt2より
小さい方が好適である。例えば、t1=10mm、t2
=30mmとする。適宜、この厚みは変更が可能であ
る。なお、2層としているのは、ゴムの粉砕時に2〜4
mmに粉砕しようとしても、2mm以下の大きさのゴム
チップが生じてしまうため、本実施の形態のように2層
とすることにより、径の小さなゴムチップを有効利用す
ることが可能となる。
図2に示すように、ゴムチップ5の大きさの異なるゴム
チップマットを2層積層するようにしても良い。この場
合、上層のゴムチップマット1aは、2〜4mmの径の
ゴムチップ5aを混入させており、下層のゴムチップマ
ット1bは、1〜2mmの径のゴムチップ5bを混入さ
せるようにしている。上層のゴムチップマット1aの厚
みt1は、下層のゴムチップマット1bの厚みt2より
小さい方が好適である。例えば、t1=10mm、t2
=30mmとする。適宜、この厚みは変更が可能であ
る。なお、2層としているのは、ゴムの粉砕時に2〜4
mmに粉砕しようとしても、2mm以下の大きさのゴム
チップが生じてしまうため、本実施の形態のように2層
とすることにより、径の小さなゴムチップを有効利用す
ることが可能となる。
【0020】本実施の形態では、2層のゴムチップマッ
ト1a,1bのものを示したが、1〜2mm及び2〜4
mmのゴムチップ5を混合させたものを使用することも
可能である。また、ゴムチップマット1を径の異なるゴ
ムチップにより各々成形して、3層以上に積層とするこ
とももちろん可能である。上述のように、本発明は、通
常のアスファルト舗装路面に敷設した厚さ約40〜50
mmのゴムチップマットの弾性変形特性を利用して圧
雪、凍結を防止するものである。
ト1a,1bのものを示したが、1〜2mm及び2〜4
mmのゴムチップ5を混合させたものを使用することも
可能である。また、ゴムチップマット1を径の異なるゴ
ムチップにより各々成形して、3層以上に積層とするこ
とももちろん可能である。上述のように、本発明は、通
常のアスファルト舗装路面に敷設した厚さ約40〜50
mmのゴムチップマットの弾性変形特性を利用して圧
雪、凍結を防止するものである。
【0021】かかる構成により、ゴムチップ5を基材と
して、バインダ6により結合させるようにしているの
で、通過車輌の重量負荷による弾性変形をある程度大き
く発生させることにより、路面上の降雪が通過車輌によ
り圧雪状態になることを防止し、路面の滑り止め効果を
発揮する。また、凍結による氷膜が形成された場合で
も、十分な弾性変形により、車輌通過の際に氷膜が簡単
に破壊されるため、滑り止め効果が発揮できる。なお、
本発明ではゴムチップ材の有する大きな弾性回復力によ
り塑性変形を回避するものであり、耐荷重性も良く、ま
た、後述する実施例に示すように耐久性についても全く
問題ないことが判明している。
して、バインダ6により結合させるようにしているの
で、通過車輌の重量負荷による弾性変形をある程度大き
く発生させることにより、路面上の降雪が通過車輌によ
り圧雪状態になることを防止し、路面の滑り止め効果を
発揮する。また、凍結による氷膜が形成された場合で
も、十分な弾性変形により、車輌通過の際に氷膜が簡単
に破壊されるため、滑り止め効果が発揮できる。なお、
本発明ではゴムチップ材の有する大きな弾性回復力によ
り塑性変形を回避するものであり、耐荷重性も良く、ま
た、後述する実施例に示すように耐久性についても全く
問題ないことが判明している。
【0022】また、本発明のゴムチップによるたわみ性
舗装は、通常のアスファルト舗装路面上に、単に、接着
剤やボルトで固定するだけで良く、施工が非常に簡単で
あり、低コストである。本発明のたわみ性舗装を、特
に、交通量の多い交差点付近に施工すれば、冬期間に頻
繁に発生するミラーバーンが解消されるため、多くの歩
行者や車輌のスリップ事故が防止され、更に、一般道路
のアイスバーン、ミラーバーン、ブラックアイスバーン
(薄い氷膜のため、路面が透けて見える状態)等のいか
なる凍結路面においても、スリップ事故防止のための安
全対策としても非常に有効である。
舗装は、通常のアスファルト舗装路面上に、単に、接着
剤やボルトで固定するだけで良く、施工が非常に簡単で
あり、低コストである。本発明のたわみ性舗装を、特
に、交通量の多い交差点付近に施工すれば、冬期間に頻
繁に発生するミラーバーンが解消されるため、多くの歩
行者や車輌のスリップ事故が防止され、更に、一般道路
のアイスバーン、ミラーバーン、ブラックアイスバーン
(薄い氷膜のため、路面が透けて見える状態)等のいか
なる凍結路面においても、スリップ事故防止のための安
全対策としても非常に有効である。
【0023】更に、本発明のたわみ性舗装では、良好な
透水性があるため、タイヤとの境界に発生する水分が吸
収され、有効接地面積が増大し、十分なすべり抵抗が確
保される。かかる水分吸収作用は弾性変形による氷膜破
壊により常に維持されるため、安定した滑り止め効果を
発揮することが可能である。また、本発明のたわみ性舗
装では、アスファルト舗装と比較して、軽量となるの
で、例えば、橋に使用した場合に、地震の耐震性も向上
し、また、強度も従来のものより小さくて済むため、低
コストで構造設計ができるという効果もある。
透水性があるため、タイヤとの境界に発生する水分が吸
収され、有効接地面積が増大し、十分なすべり抵抗が確
保される。かかる水分吸収作用は弾性変形による氷膜破
壊により常に維持されるため、安定した滑り止め効果を
発揮することが可能である。また、本発明のたわみ性舗
装では、アスファルト舗装と比較して、軽量となるの
で、例えば、橋に使用した場合に、地震の耐震性も向上
し、また、強度も従来のものより小さくて済むため、低
コストで構造設計ができるという効果もある。
【0024】また、本発明のたわみ性舗装に用いるゴム
チップは、廃タイヤを冷凍粉砕したリサイクルゴムチッ
プの利用に適しているため、原材料が安価であること
や、全国で年間9000万本とも言われる大量の廃タイ
ヤを有効に活用でき、産業廃棄物の不法投棄問題、及び
資源の有効活用等環境保護の観点からも、特に、本発明
の活用は期待されるものである。
チップは、廃タイヤを冷凍粉砕したリサイクルゴムチッ
プの利用に適しているため、原材料が安価であること
や、全国で年間9000万本とも言われる大量の廃タイ
ヤを有効に活用でき、産業廃棄物の不法投棄問題、及び
資源の有効活用等環境保護の観点からも、特に、本発明
の活用は期待されるものである。
【0025】本発明により、従来のような道路の完全な
除雪は不要となるため、降雪のたびに頻繁に除雪するこ
とから開放されるのみでなく、降雪後に長時間が経過
し、多数の車輌が通過した後でも、積雪層が圧雪や氷結
状態にならないため、雪がサラサラした状態であるた
め、非常に、除雪作業が非常に容易となる。また、雪や
氷を融解するための熱源や設備を一切必要としないた
め、設備費や運用費が不要となり非常に経済的である。
除雪は不要となるため、降雪のたびに頻繁に除雪するこ
とから開放されるのみでなく、降雪後に長時間が経過
し、多数の車輌が通過した後でも、積雪層が圧雪や氷結
状態にならないため、雪がサラサラした状態であるた
め、非常に、除雪作業が非常に容易となる。また、雪や
氷を融解するための熱源や設備を一切必要としないた
め、設備費や運用費が不要となり非常に経済的である。
【0026】更に、氷点降下用の薬剤や砂礫等の摩擦剤
の散布も不必要となるので、薬剤による環境汚染等の問
題も解消できる。また、ルビット舗装はゴムチップの弾
性を利用して氷膜を破壊する点では本発明と類似の技術
であるが、本発明のたわみ性舗装に用いるゴムチップマ
ットは、全体の基材がゴムチップ材であり、アスファル
トを基材として用いるルビット舗装とは、本質的に異な
るものである。すなわち、アスファルトを基材とするル
ビット舗装では、多少の弾性変形があるので、薄い圧雪
又は氷膜には対応できるが、アスファルトを基材として
おり、十分な弾性変形を生じないため、厚い圧雪又は氷
膜では、圧雪しない程度又は厚い氷膜が割れる程度にま
で、路面を撓むようにすることは不可能である。これに
対し、本発明は、圧雪防止及び氷膜形成防止に十分な程
度に弾性変形するため、後述する実施例に示すように、
厚い圧雪又は氷膜等の凍結のようないかなる路面条件で
も非常に優れた効果を有する。特に、耐荷重性について
は、従来公報に示された弾性舗装では、石材・砂を含有
することにより重過重に耐えるようにしているが、本発
明ではゴムチップ材の有する大きな弾性回復力により塑
性変形を回避するものであり、本質的に作用効果を異に
するものである。
の散布も不必要となるので、薬剤による環境汚染等の問
題も解消できる。また、ルビット舗装はゴムチップの弾
性を利用して氷膜を破壊する点では本発明と類似の技術
であるが、本発明のたわみ性舗装に用いるゴムチップマ
ットは、全体の基材がゴムチップ材であり、アスファル
トを基材として用いるルビット舗装とは、本質的に異な
るものである。すなわち、アスファルトを基材とするル
ビット舗装では、多少の弾性変形があるので、薄い圧雪
又は氷膜には対応できるが、アスファルトを基材として
おり、十分な弾性変形を生じないため、厚い圧雪又は氷
膜では、圧雪しない程度又は厚い氷膜が割れる程度にま
で、路面を撓むようにすることは不可能である。これに
対し、本発明は、圧雪防止及び氷膜形成防止に十分な程
度に弾性変形するため、後述する実施例に示すように、
厚い圧雪又は氷膜等の凍結のようないかなる路面条件で
も非常に優れた効果を有する。特に、耐荷重性について
は、従来公報に示された弾性舗装では、石材・砂を含有
することにより重過重に耐えるようにしているが、本発
明ではゴムチップ材の有する大きな弾性回復力により塑
性変形を回避するものであり、本質的に作用効果を異に
するものである。
【0027】
【実施例】(ラベリング試験)本発明のゴムチップマッ
トの舗装材としての耐摩耗性は、スパイクチェーン装着
タイヤ、スパイクタイヤによるラべリング試験により評
価された。実際にラベリング試験をした結果について以
下に詳細に説明する。なお、ラベリング試験は、社団法
人日本道路協会発行の舗装試験法便覧別冊(暫定試験
法)3−1−3T「ラベリング試験法」による。
トの舗装材としての耐摩耗性は、スパイクチェーン装着
タイヤ、スパイクタイヤによるラべリング試験により評
価された。実際にラベリング試験をした結果について以
下に詳細に説明する。なお、ラベリング試験は、社団法
人日本道路協会発行の舗装試験法便覧別冊(暫定試験
法)3−1−3T「ラベリング試験法」による。
【0028】図3は、本発明の実施の形態のたわみ性舗
装の供試体を成形するための型枠を示す図である。図に
示すように、所定の大きさの型枠2に所定の大きさのゴ
ムチップを所定の重量比で所定のバインダにより、約1
20℃で約30分固化させて約130トン程度の圧力を
負荷させて、所定の密度の供試体7を成形する。本実施
の形態では、ゴムチップをバインダーに重量比で約10
%混入した。ゴムチップの大きさは、1〜2mm程度と
2〜4mm程度の大きさの2種類とする。また、供試体
7の密度は、表1に示すように、各大きさのゴムチップ
について、0.6,0.7,0.8,0.85,0.
9,0.95g/cm3の6種類とする。ゴムは、廃タ
イヤを冷凍して粉砕したものを使用した。
装の供試体を成形するための型枠を示す図である。図に
示すように、所定の大きさの型枠2に所定の大きさのゴ
ムチップを所定の重量比で所定のバインダにより、約1
20℃で約30分固化させて約130トン程度の圧力を
負荷させて、所定の密度の供試体7を成形する。本実施
の形態では、ゴムチップをバインダーに重量比で約10
%混入した。ゴムチップの大きさは、1〜2mm程度と
2〜4mm程度の大きさの2種類とする。また、供試体
7の密度は、表1に示すように、各大きさのゴムチップ
について、0.6,0.7,0.8,0.85,0.
9,0.95g/cm3の6種類とする。ゴムは、廃タ
イヤを冷凍して粉砕したものを使用した。
【0029】
【表1】
【0030】ラベリング試験用型枠2は、図3に示すよ
うに、上辺241x下辺402x高さ300x厚み50
mmの台形枠となっている。これは、ラベリング試験用
のための形状である。次に、図3の供試体7について、
前述のラベリング試験法により試験を行った。ラベリン
グ試験では、供試体7をその台形の下辺を外側としてほ
ぼ円状となるように回転盤上に敷設する。供試体7上に
乗用車用タイヤが油圧シリンダ等によりその輪荷重を負
荷した状態で、回転盤を回転させることにより試験を行
った。実際のラベリング試験の試験条件を、表2及び表
3に示す。
うに、上辺241x下辺402x高さ300x厚み50
mmの台形枠となっている。これは、ラベリング試験用
のための形状である。次に、図3の供試体7について、
前述のラベリング試験法により試験を行った。ラベリン
グ試験では、供試体7をその台形の下辺を外側としてほ
ぼ円状となるように回転盤上に敷設する。供試体7上に
乗用車用タイヤが油圧シリンダ等によりその輪荷重を負
荷した状態で、回転盤を回転させることにより試験を行
った。実際のラベリング試験の試験条件を、表2及び表
3に示す。
【0031】
【表2】
【0032】ここで、プレロード走行試験とは、ノーマ
ルラジアルタイヤによるなじみ運転試験のことであり、
スパイク走行試験とは、スパイクチェーン又はスパイク
タイヤによる試験である。両試験で異なるのは、運転回
数と、スパイク走行では、散水しながら試験を行う点で
ある。
ルラジアルタイヤによるなじみ運転試験のことであり、
スパイク走行試験とは、スパイクチェーン又はスパイク
タイヤによる試験である。両試験で異なるのは、運転回
数と、スパイク走行では、散水しながら試験を行う点で
ある。
【0033】
【表3】
【0034】表3では、タイヤの種類によって、試験温
度が異なることを示しており、寒冷地で使用するタイヤ
は、0℃とし、平均気温で使用するタイヤは、20℃と
して試験を行った。表4及び表5にスパイクチェーン装
着タイヤの試験結果を示す。表4は、ゴムチップの大き
さが1〜2mmのもの、表5は、2〜4mmのものであ
る。試験結果は、表に示されるように、ゴムチップが2
〜4mmの方がすり減り量が小さく、また、密度が大き
い程、すり減り量が小さい。なお、ノーマルラジアルタ
イヤでのラベリング試験では、供試体の表面にも全く変
化がなく、タイヤの走行の軌跡さえも認められなかった
ため、表4又は表5に相当する摩耗プロフィルの測定は
できなかった。
度が異なることを示しており、寒冷地で使用するタイヤ
は、0℃とし、平均気温で使用するタイヤは、20℃と
して試験を行った。表4及び表5にスパイクチェーン装
着タイヤの試験結果を示す。表4は、ゴムチップの大き
さが1〜2mmのもの、表5は、2〜4mmのものであ
る。試験結果は、表に示されるように、ゴムチップが2
〜4mmの方がすり減り量が小さく、また、密度が大き
い程、すり減り量が小さい。なお、ノーマルラジアルタ
イヤでのラベリング試験では、供試体の表面にも全く変
化がなく、タイヤの走行の軌跡さえも認められなかった
ため、表4又は表5に相当する摩耗プロフィルの測定は
できなかった。
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】表6に、スパイクタイヤの試験結果を示
す。この場合には、密度が0.85,0.9,0.95
g/cm3の3種類の供試体7について、試験した。比
較のために、アスファルトの供試体による結果も示し
た。ここで、ストレートアスファルトとは、通常のアス
ファルト舗装であり、砂利をアスファルトで固化したも
のであり、ゴム入りアスファルトとは、いわゆるルビッ
ト舗装であり、数%程度ゴムを混合させたアスファルト
である。表6及び図7に示されるように、本発明の実施
例のゴムチップマットでは、ほとんどすり減りがないの
に対して、アスファルトの方は、すり減りが大きいこと
が判明した。
す。この場合には、密度が0.85,0.9,0.95
g/cm3の3種類の供試体7について、試験した。比
較のために、アスファルトの供試体による結果も示し
た。ここで、ストレートアスファルトとは、通常のアス
ファルト舗装であり、砂利をアスファルトで固化したも
のであり、ゴム入りアスファルトとは、いわゆるルビッ
ト舗装であり、数%程度ゴムを混合させたアスファルト
である。表6及び図7に示されるように、本発明の実施
例のゴムチップマットでは、ほとんどすり減りがないの
に対して、アスファルトの方は、すり減りが大きいこと
が判明した。
【0038】
【表6】
【0039】また、スパイクチェーン装着タイヤで、密
度0.6,0.7,0.8g/cm3の供試体7のすり
減り量と測定距離についての関係図を図4−6に示す。
ここで、A,B,C断面というのは、図9に示すよう
に、供試体7についての各断面をいう。図に示すよう
に、A断面は、所定の端部より50mmの位置、B断面
は、A断面より120mmの位置、更に、C断面はB断
面より120mmの位置である。また、測定距離とは、
測定開始点から,その測定点までの長さを言う。
度0.6,0.7,0.8g/cm3の供試体7のすり
減り量と測定距離についての関係図を図4−6に示す。
ここで、A,B,C断面というのは、図9に示すよう
に、供試体7についての各断面をいう。図に示すよう
に、A断面は、所定の端部より50mmの位置、B断面
は、A断面より120mmの位置、更に、C断面はB断
面より120mmの位置である。また、測定距離とは、
測定開始点から,その測定点までの長さを言う。
【0040】図7は、本願発明の実施例とアスファルト
について、平均すり減り深さの関係図を示したものであ
る。ゴムチップマットのゴムチップの密度が高い程
(0.9g/cm3以上)、すり減り量が小さい結果と
なった。その結果、図7に示すように適切な密度を選定
したゴムチップマットの耐摩耗性はアスファルト材より
優れていることが判明した。このことから本発明による
ゴムチップによる弾性舗装は実際の道路に適用できるこ
とが証明された。
について、平均すり減り深さの関係図を示したものであ
る。ゴムチップマットのゴムチップの密度が高い程
(0.9g/cm3以上)、すり減り量が小さい結果と
なった。その結果、図7に示すように適切な密度を選定
したゴムチップマットの耐摩耗性はアスファルト材より
優れていることが判明した。このことから本発明による
ゴムチップによる弾性舗装は実際の道路に適用できるこ
とが証明された。
【0041】また、本ゴムチップマットは重量物が負荷
されても,弾性回復力に富むため,実際の車輌の重量で
は変形は生じないことが、実験で判明している。また、
耐久性の点では、実際の摩耗損傷の加速試験であるラベ
リング試験により実証された。ルビット舗装と比較して
も、耐荷重性、耐久性の点においても、実用上全く問題
ないことが判明した。 (実車輌による制動試験)本発明のゴムチップによる弾
性舗装の滑り止め効果を実証するために、実車輌による
制動試験を行い、滑り摩擦係数を評価した。
されても,弾性回復力に富むため,実際の車輌の重量で
は変形は生じないことが、実験で判明している。また、
耐久性の点では、実際の摩耗損傷の加速試験であるラベ
リング試験により実証された。ルビット舗装と比較して
も、耐荷重性、耐久性の点においても、実用上全く問題
ないことが判明した。 (実車輌による制動試験)本発明のゴムチップによる弾
性舗装の滑り止め効果を実証するために、実車輌による
制動試験を行い、滑り摩擦係数を評価した。
【0042】制動試験の結果を図10に示す。この制動
試験はスタッドレスタイヤを装着した普通乗用車を用
い、走行速度30km/hrから急ブレーキをかける方
法により行った。すべり摩擦係数はタプレー減速度計に
より測定した。縦軸に滑り摩擦係数f、横軸に、アスフ
ァルト舗装の場合、たわみ性舗装の場合について、各種
の路面状態をとった。アスファルトの場合には、湿潤、
圧雪、自然氷膜の3状態について実験し、たわみ性舗装
のゴムマットでは、湿潤、粒雪、自然氷膜、人工氷膜に
ついて実験した。なお、自然氷膜とは、自然状態で発生
した比較的薄いブラックアイスバーンをいう。人工氷膜
は、人工的に、噴霧回数を決定し、ブラックアイスバー
ンよりも厚い氷膜状態としたものである。粒雪は、降雪
後ある程度時間の経過した状態としたものである。アス
ファルトの場合に、人工氷膜で試験していないのは、既
に、摩擦係数が0.2以下という公知の実験値があるた
めである。図において、黒丸が本願発明の実施例のたわ
み性舗装の結果であり、黒四角がアスファルト舗装の結
果である。
試験はスタッドレスタイヤを装着した普通乗用車を用
い、走行速度30km/hrから急ブレーキをかける方
法により行った。すべり摩擦係数はタプレー減速度計に
より測定した。縦軸に滑り摩擦係数f、横軸に、アスフ
ァルト舗装の場合、たわみ性舗装の場合について、各種
の路面状態をとった。アスファルトの場合には、湿潤、
圧雪、自然氷膜の3状態について実験し、たわみ性舗装
のゴムマットでは、湿潤、粒雪、自然氷膜、人工氷膜に
ついて実験した。なお、自然氷膜とは、自然状態で発生
した比較的薄いブラックアイスバーンをいう。人工氷膜
は、人工的に、噴霧回数を決定し、ブラックアイスバー
ンよりも厚い氷膜状態としたものである。粒雪は、降雪
後ある程度時間の経過した状態としたものである。アス
ファルトの場合に、人工氷膜で試験していないのは、既
に、摩擦係数が0.2以下という公知の実験値があるた
めである。図において、黒丸が本願発明の実施例のたわ
み性舗装の結果であり、黒四角がアスファルト舗装の結
果である。
【0043】図に示すように、本発明のゴムチップマッ
トによるたわみ性舗装では、湿潤状態や積雪状態でもア
スファルト舗装と同様な滑り摩擦係数が得られた。更
に、自然氷膜の状態で、0.8以上の摩擦係数が得ら
れ、人工氷膜状態においても、0.4以上のすべり摩擦
係数が得られた。他方、比較として、一般のアスファル
ト路面に発生した自然氷膜での測定値は、0.2以下で
あり、冬期間用のスタッドレスタイヤを装着しているに
もかかわらず制動効果が極めて小さいことが明らかとな
った。
トによるたわみ性舗装では、湿潤状態や積雪状態でもア
スファルト舗装と同様な滑り摩擦係数が得られた。更
に、自然氷膜の状態で、0.8以上の摩擦係数が得ら
れ、人工氷膜状態においても、0.4以上のすべり摩擦
係数が得られた。他方、比較として、一般のアスファル
ト路面に発生した自然氷膜での測定値は、0.2以下で
あり、冬期間用のスタッドレスタイヤを装着しているに
もかかわらず制動効果が極めて小さいことが明らかとな
った。
【0044】また、実際の試験では、アスファルト路面
のアイスバーンでは制動中のブレーキによる摩擦音が全
く聞こえないのに対して、ゴムチップマット舗装路面の
アイスバーンでは明らかな摩擦音が十分に確認でき
た。.以上のように、この試験の結果から本発明のゴム
チップマット舗装では非常に大きな滑り止め効果がある
ことが実証された.。他の積雪条件でも、同様な滑り摩
擦係数が得られた。
のアイスバーンでは制動中のブレーキによる摩擦音が全
く聞こえないのに対して、ゴムチップマット舗装路面の
アイスバーンでは明らかな摩擦音が十分に確認でき
た。.以上のように、この試験の結果から本発明のゴム
チップマット舗装では非常に大きな滑り止め効果がある
ことが実証された.。他の積雪条件でも、同様な滑り摩
擦係数が得られた。
【0045】
【発明の効果】かかる構成により、本発明のたわみ性舗
装は、ゴムチップ(5)を基材として、バインダ(6)
により結合させるようにしているので、通過車輌の重量
負荷による弾性変形をある程度大きくすることにより、
路面をある程度撓ませることにより、圧雪状態になるこ
とを防止し、路面の滑り止めの効果を発揮する。また、
凍結による氷膜が形成された場合でも、十分な弾性変形
により、車輌通過の際に氷膜が簡単に破壊されるため、
滑り止め効果を発揮する。(請求項1) また、ゴムチップ(5)が約90%程度混入比率となる
ので、十分な弾性変形効果を有し、厚い圧雪、凍結によ
る氷膜の場合にも、十分に圧雪、氷膜形成を防止し、滑
り止め効果を発揮できる。(請求項2) ゴムチップ(5)を2〜4mm程度で、密度を0.7〜
0.95g/cm3程度とすることにより、ラベリング
試験の結果、アスファルトを基材とする舗装と比較し
て、すり減り量も少なく、最適なたわみ性舗装を提供で
きる。(請求項3) 廃タイヤを利用することにより、年々大量に発生する廃
タイヤを有効に活用できる。(請求項4) また、ゴムチップマット(1a,1b)を複数積層する
ことにより、ゴムチップを形成するときに生じる径の小
さなゴムチップを有効利用することができる。(請求項
5)
装は、ゴムチップ(5)を基材として、バインダ(6)
により結合させるようにしているので、通過車輌の重量
負荷による弾性変形をある程度大きくすることにより、
路面をある程度撓ませることにより、圧雪状態になるこ
とを防止し、路面の滑り止めの効果を発揮する。また、
凍結による氷膜が形成された場合でも、十分な弾性変形
により、車輌通過の際に氷膜が簡単に破壊されるため、
滑り止め効果を発揮する。(請求項1) また、ゴムチップ(5)が約90%程度混入比率となる
ので、十分な弾性変形効果を有し、厚い圧雪、凍結によ
る氷膜の場合にも、十分に圧雪、氷膜形成を防止し、滑
り止め効果を発揮できる。(請求項2) ゴムチップ(5)を2〜4mm程度で、密度を0.7〜
0.95g/cm3程度とすることにより、ラベリング
試験の結果、アスファルトを基材とする舗装と比較し
て、すり減り量も少なく、最適なたわみ性舗装を提供で
きる。(請求項3) 廃タイヤを利用することにより、年々大量に発生する廃
タイヤを有効に活用できる。(請求項4) また、ゴムチップマット(1a,1b)を複数積層する
ことにより、ゴムチップを形成するときに生じる径の小
さなゴムチップを有効利用することができる。(請求項
5)
【図1】本発明の実施の形態を示すたわみ性舗装の概要
構成図である。
構成図である。
【図2】本発明の他の実施の形態を示すたわみ性舗装の
概要構成図である。
概要構成図である。
【図3】本発明の実施の形態のたわみ性舗装の供試体を
成形するための型枠を示す図である。
成形するための型枠を示す図である。
【図4】供試体の密度が0.6g/cm3のものについ
て、ラベリング試験を行った場合のすり減り量及び測定
距離との関係を示す図である。
て、ラベリング試験を行った場合のすり減り量及び測定
距離との関係を示す図である。
【図5】供試体の密度が0.7g/cm3のものについ
て、ラベリング試験を行った場合のすり減り量及び測定
距離との関係を示す図である。
て、ラベリング試験を行った場合のすり減り量及び測定
距離との関係を示す図である。
【図6】供試体の密度が0.8g/cm3のものについ
て、ラベリング試験を行った場合のすり減り量及び測定
距離との関係を示す図である。
て、ラベリング試験を行った場合のすり減り量及び測定
距離との関係を示す図である。
【図7】供試体のすりへり量と密度の関係図である。
【図8】供試体の0℃における面圧及び変位の関係図で
ある。
ある。
【図9】供試体のA,B,C断面を説明する図である。
【図10】本発明の実施例による実際の制動試験の結果
を示す図である。
を示す図である。
1,1a,1b ゴムチップマット 2 ラベリング試験用型枠 5,5a,5b ゴムチップ 6 バインダ 7 供試体 8 ビス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 香西 健一 北海道滝川市有明町3丁目3−2−1011 (72)発明者 佐藤 昌志 北海道札幌市豊平区平岸1条3丁目 (72)発明者 佐々木 康博 北海道札幌市豊平区平岸1条3丁目 (72)発明者 谷本 俊充 北海道札幌市豊平区平岸1条3丁目 (72)発明者 中井 健司 北海道札幌市豊平区平岸1条3丁目 (72)発明者 今野 久志 北海道札幌市豊平区平岸1条3丁目 (72)発明者 島田 武 北海道札幌市豊平区平岸1条3丁目 (72)発明者 小林 将 北海道札幌市豊平区平岸1条3丁目
Claims (5)
- 【請求項1】 所定の大きさのゴムチップ(5)を基材
として、所定の密度となるように所定のバインダ(6)
で結合してなるたわみ性舗装。 - 【請求項2】 請求項1記載のたわみ性舗装において、 バインダ(6)は、重量比で約10%程度混合されてい
るたわみ性舗装。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載のたわみ性舗装にお
いて、 ゴムチップ(5)は、約2〜4mm程度の大きさとし、
約0.7〜0.95g/cm3の密度となるようにバイ
ンダ(6)で結合してなるたわみ性舗装。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のたわみ
性舗装において、 ゴムチップ(5)は、冷凍粉砕した廃タイヤであるたわ
み性舗装。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のたわみ
性舗装において、 大きさの異なるゴムチップ(5a,5b)により各々成
形したゴムチップマット(1a,1b)を複数積層して
路面に敷設するようにしたたわみ性舗装。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12257598A JPH11315507A (ja) | 1998-05-01 | 1998-05-01 | たわみ性舗装 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12257598A JPH11315507A (ja) | 1998-05-01 | 1998-05-01 | たわみ性舗装 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11315507A true JPH11315507A (ja) | 1999-11-16 |
Family
ID=14839311
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12257598A Pending JPH11315507A (ja) | 1998-05-01 | 1998-05-01 | たわみ性舗装 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11315507A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000080636A (ja) * | 1998-09-05 | 2000-03-21 | Hokuriku Ritoreddo Kk | 補強土材及び地盤構造 |
| JP2007197959A (ja) * | 2006-01-25 | 2007-08-09 | Ryusuke Setsutsu | 保水ブロック |
-
1998
- 1998-05-01 JP JP12257598A patent/JPH11315507A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000080636A (ja) * | 1998-09-05 | 2000-03-21 | Hokuriku Ritoreddo Kk | 補強土材及び地盤構造 |
| JP2007197959A (ja) * | 2006-01-25 | 2007-08-09 | Ryusuke Setsutsu | 保水ブロック |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US20080260458A1 (en) | Portable Rumble Strip | |
| Balmer et al. | Pavement design and controls for minimizing automotive hydroplaning and increasing traction | |
| Mosher | 27. RESULTS FROM STUDIES OF HIGHWAY GROOVING AND TEXTURING BY SEVERAL STATE HIGHWAY DEPARTMENTS | |
| JPH11315507A (ja) | たわみ性舗装 | |
| JP2642843B2 (ja) | 弾性路面敷板と弾性路面敷板の敷設方法 | |
| KR20110002118A (ko) | 아스팔트 포장도로의 그루빙 구조체 및 그 시공 방법 | |
| JP2001003306A (ja) | 道路の舗装方法 | |
| JP3194038B2 (ja) | 凍結抑制機能を有する舗装道路の施工方法 | |
| US2348365A (en) | Protective coating for concrete pavements | |
| CN108999103B (zh) | 一次成型沥青混凝土减速带及其施工工艺 | |
| Takeichi et al. | Performance of various antifreezing pavements by field test | |
| WO2004067847A1 (en) | Method of repairing defects of a wearing course of road surface, particularly permanent deformations of its surface and roughness loss | |
| JPH08105006A (ja) | 路面表層材 | |
| JP7485306B2 (ja) | 防滑用レール状ブロック体及び道路構造 | |
| JP3078729B2 (ja) | 弾性路面敷板構造体およびそれの連結構造 | |
| JPH0412090Y2 (ja) | ||
| JP3020592B2 (ja) | 弾性路面敷板 | |
| JP3417940B1 (ja) | 路面凍結防止ブロックおよびこれを用いたブロック路面 | |
| JPH08333705A (ja) | 凍結防止用路面ブロックおよびその敷設工法 | |
| JP3076224B2 (ja) | 弾性路面敷板の取付構造 | |
| JP2799632B2 (ja) | 舗装方法 | |
| JPH0881906A (ja) | 弾性路面敷板 | |
| CA2431501C (en) | Friction increasing, absorptive agent and method for its application to snow or ice covered surfaces | |
| JP3706308B2 (ja) | すべり抵抗改善弾性舗装材 | |
| Saltan et al. | An Environmental Method against Icing for Road Pavements I-Development of Test Equipment and Procedure |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A521 | Written amendment |
Effective date: 20040210 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050119 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20050127 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20050609 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |