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JPH11166004A - 塩素化塩化ビニル系樹脂及び塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩素化塩化ビニル系樹脂及び塩化ビニル系樹脂の製造方法

Info

Publication number
JPH11166004A
JPH11166004A JP33412997A JP33412997A JPH11166004A JP H11166004 A JPH11166004 A JP H11166004A JP 33412997 A JP33412997 A JP 33412997A JP 33412997 A JP33412997 A JP 33412997A JP H11166004 A JPH11166004 A JP H11166004A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymerization
vinyl chloride
resin
chloride resin
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33412997A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Asahina
研一 朝比奈
Yoshihiko Eguchi
吉彦 江口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP33412997A priority Critical patent/JPH11166004A/ja
Publication of JPH11166004A publication Critical patent/JPH11166004A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲル化性能と耐熱性に優れた塩素化塩化ビニ
ル系樹脂の製造方法を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂を塩素化してなる塩素
化塩化ビニル系樹脂の製造方法であって、上記塩化ビニ
ル系樹脂は、分散剤及び油溶性重合開始剤の存在下で、
単量体を懸濁重合することによって得られるものであ
り、上記懸濁重合は、下記式(1)により平均重合度A
から求められる重合温度B(℃)より5〜20℃低い温
度において重合開始し、重合転化率が3〜20%のとき
に、連鎖移動剤を添加することによって行うものであ
り、得られる塩化ビニル系樹脂の重合度は、上記平均重
合度A±100である塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方
法。 B=0.016A−41.44LN(A)+327.7 (1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素化塩化ビニル
系樹脂及び塩化ビニル系樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂(以下、PVC樹脂と
いう)は、機械的強度、耐候性、耐薬品性に優れた材料
として、多くの分野に用いられている。しかしながら、
耐熱性に劣るため、PVC樹脂を塩素化することにより
耐熱性を向上させた塩素化塩化ビニル系樹脂(以下、C
PVC樹脂という)が開発されている。
【0003】PVC樹脂は、熱変形温度が低く使用可能
な上限温度が60〜70℃付近であるため、熱水に対し
て使用できないのに対し、CPVC樹脂は熱変形温度が
PVC樹脂よりも20〜40℃も高いため、熱水に対し
ても使用可能であり、例えば、耐熱パイプ、耐熱継手、
耐熱バルブ等に好適に使用されている。
【0004】しかしながら、CPVC樹脂は熱変形温度
が高いため、成形加工性時にゲル化させるには高温と強
い剪断力とを必要とし、成形加工時に分解して着色しや
すいという傾向があった。従って、CPVC樹脂は成形
加工幅が狭く、不充分なゲル化状態で製品化されること
が多く、素材のもつ性能を充分発揮できているとはいえ
なかった。また、これらゲル化性能向上の要求に加え
て、より高い耐熱性も要求されるようになっている。
【0005】このような問題点を解決するため、例え
ば、特開昭49−6080号公報には、イオン性乳化
剤、水溶性金属塩及び水溶性高分子分散剤からなる懸濁
安定剤を使用し、約1μmの基本粒子からなる凝集体で
構成されたPVC樹脂を塩素化する方法が開示されてい
る(樹脂粒子の改良提案)。しかしながら、この方法で
は、成形加工時のゲル化性能は向上しているもののまだ
充分ではなく、また、重合の際に多量のスケールが発生
し、これが重合槽の壁面に付着して除熱効果を阻害する
ため、そのスケール除去作業を必要とするという問題点
があった。
【0006】特開平5−132602号公報には、CP
VC樹脂とPVC樹脂とを特定の粘度範囲内になるよう
にブレンドし、高耐熱性を得る方法が開示されている
(樹脂ブレンドによる改良提案)。しかしながら、この
方法では、ビカット値で3〜4℃程度の耐熱性の向上
と、溶融粘度の改善による若干のゲル化性能の向上が期
待できる程度で、我々が目指しているような高い耐熱性
とゲル化性能とを充分に達成するものではなかった。
【0007】特開平6−128320号公報には、PV
C樹脂の塩素化方法として、2段階の工程による塩素化
方法(2段階後塩素化法)が開示されている。この方法
は、塩素含有率を70〜75重量%と高くすることによ
り、高い耐熱性をもつCPVC系樹脂を得ようとするも
のである(高塩素化方法による改良提案)。しかしなが
ら、この方法では、塩素含有率に応じて高耐熱性を期待
することはできるものの、高塩素化により予測されるゲ
ル化性能の悪化を食い止めるための手段が示されていな
いため、高耐熱性とゲル化性能とを実用レベルで達成す
るものではなかった。
【0008】特開平1−217008号公報には、断続
照射による光塩素化反応方法において、PVC樹脂の平
均粒子径と空隙率の範囲限定を行っている。この提案
は、非照射工程における塩素の拡散促進により、樹脂粒
子内での塩素化反応の均一化を図ったものである。しか
しながら、樹脂粒子の表面性(スキン層)を考慮してい
ないため、得られるCPVC樹脂の耐熱性を向上する
が、ゲル化性能の向上は図れていなかった。
【0009】特開平9−118713号公報、及び、特
開平9−132612号公報は、樹脂粒子表面性や比表
面積に着目した提案がなされている。特開平9−118
713号公報では、比表面積をBET法による数値で
1.3〜8m2 /gという表面積の大きな粒子表面性を
有する塩化ビニル系樹脂による塩素化が提案されてい
る。これにより、耐熱性とゲル化という拮抗する両特性
の向上が認められるが、更に高耐熱性を必要とする耐熱
成形製品には満足できるものではなかった。特開平9−
132612号公報では、樹脂粒子表面性(スキン層)
に着目し、スキン層が実質的に存在しないか、スキン層
が薄い塩化ビニル系樹脂の塩素化方法を提示している。
上述した特開平9−118713号公報と同様に、耐熱
性とゲル化という拮抗する両特性の向上が認められる
が、更に高耐熱性を必要とする耐熱成形製品には満足で
きるものではなかった。
【0010】成形性改良の目的で重合時に連鎖移動剤を
使用する提案は、例えば、特開平57−192411号
公報、特開平57−195107号公報のほか、特開平
7−188315号公報に開示されている。特開平57
−192411号公報、及び、特開平57−19510
7号公報については、成形性の向上を目的として、特定
の重合度の樹脂を製造(第1段重合)し、次いで、重合
度を第1段より高く、又は、低くする(第2段重合)こ
とからなる多段重合による塩化ビニル系樹脂の製造方法
が開示されている。この方法による塩化ビニル系樹脂
を、塩素化に供する塩化ビニル系樹脂として使用する場
合、成形性の向上は認められるものの、塩化ビニル系樹
脂粒子内に相対的に重合度の高い部分と低い部分が存在
し、公知の塩素化方法で塩素化しても高い耐熱性が得ら
れないという問題があった。
【0011】特開平7−188315号公報には、加工
時のゲル化性の向上を目的として、重合温度を上昇させ
るとともに連鎖移動剤の添加を行う塩化ビニル系樹脂の
製造方法が開示されている。この方法は、最終的に目的
とする重合度の塩化ビニル系樹脂になるように連鎖移動
剤を添加するが、重合温度が連続的に変化するのに対
し、連鎖移動剤は重合転化率が特定の時期に一括して添
加されている。塩素化に供する塩化ビニル系樹脂として
この方法による塩化ビニル系樹脂を使用する場合、成形
性の向上は認められるものの、前述の特開平57−19
2411号公報、及び、特開平57−195107号公
報における理由と同様に、公知の塩素化方法で塩素化し
ても高い耐熱性が得られないという問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、塩化ビニル系樹脂の表面及び内部における分子量分
布と結晶性に着目し、これにより、塩素化の分布状態を
制御することによって、ゲル化性能と耐熱性に優れた塩
素化塩化ビニル系樹脂の製造方法を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩化ビニル系
樹脂を塩素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方
法であって、上記塩化ビニル系樹脂は、分散剤及び油溶
性重合開始剤の存在下で、単量体を懸濁重合することに
よって得られるものであり、上記懸濁重合は、下記式
(1)により平均重合度Aから求められる重合温度B
(℃)より5〜20℃低い温度において重合開始し、重
合転化率が3〜20%のときに、連鎖移動剤を添加する
ことによって行うものであり、得られる塩化ビニル系樹
脂の重合度は、上記平均重合度A±100である塩素化
塩化ビニル系樹脂の製造方法である。 B=0.016A−41.44LN(A)+327.7 (1) (式中、Aは平均重合度を表し、Bは重合温度(℃)を
表し、LN(A)はeを底とする自然対数を表す。) 以下に本発明を詳述する。
【0014】本発明は、塩化ビニル系樹脂を塩素化して
なる塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法である。本発明
において、塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニル単量体の
単独重合体、並びに、50重量%以上の塩化ビニル単量
体及びこれと共重合しうる単量体との共重合体を意味す
る。
【0015】上記塩化ビニル単量体と共重合しうる単量
体としては特に限定されず、例えば、酢酸ビニル等のア
ルキルビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のα
−モノオレフィン類;メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、オクチルアクリレート等の
アルキル(メタ)アクリレート類;アルキルビニルエー
テル;マレイミド類、塩化ビニリデン、スチレン等が挙
げられ、これらの少なくとも1種が使用できる。
【0016】一般的に、塩化ビニル系樹脂の製造におい
ては、塩化ビニル系樹脂の重合度又は分子量は、塩化ビ
ニル等の単量体の重合時の重合温度で概ね決定されるこ
とが知られている。これは、塩化ビニル等の単量体のラ
ジカル重合においては、ラジカルが単量体へ連鎖移動す
ることにより重合体が生成する確率が高く、かつ、ラジ
カルの単量体への連鎖移動定数が温度の関数になってい
るためである。(「ポリ塩化ビニル樹脂−その基礎と応
用」65頁(社団法人 近畿化学協会ビニル部会編、日
刊工業新聞社、1988年発行))。
【0017】例えば、目的とする平均重合度Aが約10
00の塩化ビニル系樹脂を製造する際には、約57℃の
重合温度で行うことになる。同様に、平均重合度Aが約
1400のものは約50℃、平均重合度Aが800のも
のは約64℃、平均重合度Aが500のものは約78℃
の重合温度で行うこととなる。
【0018】上記の場合、重合温度と平均重合度の関係
式は、下記式(1)で表すことができる。 B=0.016A−41.44LN(A)+327.7 (1) (式中、Aは平均重合度を表し、Bは重合温度(℃)を
表し、LN(A)はeを底とする自然対数を表す。)
【0019】本発明においては、上記式(1)により平
均重合度Aから求められる重合温度B(℃)より5〜2
0℃低い温度において重合開始し、重合転化率が3〜2
0%のときに、連鎖移動剤を添加することによって懸濁
重合を行うものである。本発明においては、重合度は、
JIS K 6721に準拠し、比粘度から算出される
平均重合度をいう。
【0020】一方、塩化ビニル系樹脂の結晶度は、重合
温度が約57℃では約8%であり、重合温度が10℃高
くなると1.5%低下することが報告されている(「ポ
リ塩化ビニル樹脂−その基礎と応用」70頁(社団法人
近畿化学協会ビニル部会編、日刊工業新聞社、198
8年発行))。
【0021】本発明は、上記平均重合度と重合温度との
関係及び結晶度と重合温度との関係に鑑み、通常実施さ
れる重合温度B(℃)より5〜20℃低い重合温度で重
合を実施すれば、得られる塩化ビニル系樹脂の重合度が
高くなるが、連鎖移動剤を添加することによって、平均
重合度A付近の塩化ビニル系樹脂が得られるようにする
ものである。
【0022】上記のように低温で重合反応を行うことに
よって、結晶性の増加が期待できる。重合度及び分子量
は、上記重合操作を行わない場合と本質的に同一のもの
が得られ、かつ、結晶性を増加させることが、上記重合
操作の目的である。この結晶性の増加は、塩素化の際に
重要な役割を果たす。即ち、結晶部分には塩素が拡散さ
れにくい。従って、塩素化反応は結晶部分以外の非晶部
分に集中して進行する。これにより、塩素化分布はフィ
ラー効果として熱変形温度を向上させることができる。
【0023】上記重合温度が、(B℃−5℃)を超える
と、製造された塩化ビニル系樹脂の結晶性の増加に乏し
く、塩素化反応の際に、フィラー効果としての熱変形温
度の向上がみられない。(B℃−20℃)未満であれ
ば、結晶性による熱変形温度の増加は認められるが、結
晶領域が過大になりゲル化性が低下するので好ましくな
い。本発明においては、上記重合温度は、具体的には約
35〜約85℃の範囲が好ましい。
【0024】上記連鎖移動剤を添加する前の重合温度に
ついては、連鎖移動剤添加後の重合温度より0〜5℃高
い温度の範囲に調整することが好ましい。本来ならば、
添加前は重合温度が高くなるので、連鎖移動剤の添加前
後において完全に同一の分子量になるように重合温度を
調整すべきであるが、重合器内容物の熱容量が大きいた
め、上記範囲に調整することが好ましい。連鎖移動剤の
添加前後において重合度を一致させるためには、この重
合初期、即ち、連鎖移動剤添加前における重合度上昇を
勘案して温度設定しておくことが望ましい。
【0025】本発明においては、上記連鎖移動剤の添加
操作は、重合転化率が3〜20%のときに行う。それに
よって、塩素化反応の際に、実質的に大部分の樹脂粒子
領域に対して、フィラー効果として熱変形温度の向上を
得ることができる。
【0026】上記重合転化率が3%未満のときに添加す
れば、重合初期の微小粒子径をもつ1次粒子が凝集し、
成長する過程を阻害するので、粒子径分布が広くなり好
ましくない。重合転化率が20%を超えると、連鎖移動
による結晶性の効果が薄れるために、塩素化塩化ビニル
系樹脂の耐熱性が向上しないので好ましくない。好まし
くは、重合転化率が5〜15%のときである。
【0027】上記連鎖移動剤としては、公知の物質が使
用でき、例えば、ペンタン、ヘプタン等の飽和炭化水素
化合物;2−ペンテン等の不飽和炭化水素化合物;四塩
化炭素、トリクロルエチレン等の塩素化炭化水素化合
物;プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド等のアル
デヒド類;2−メルカプトエタノール、ドデシルメルカ
プタン、オクチルメルカプタン、α−チオグリセロー
ル、エタンジオール、プロパンジオール、チオグリコー
ル酸、チオ乳酸、チオグリコール酸−n−ブチルエステ
ル等の有機メルカプタンが挙げられる。なかでも、2−
メルカプトエタノール、ドデシルメルカプタン、オクチ
ルメルカプタン、チオグリコール酸等の有機メルカプタ
ンが好ましい。
【0028】上記連鎖移動剤の添加量は、重合度の調整
が目的であるから、重合度を勘案して添加量が決定され
る。単量体重量部に対して、10〜20000ppmが
好ましい。より好ましくは30〜3000ppmであ
る。上記連鎖移動剤の添加方法としては、上記添加時期
の範囲内であれば特に制限はないが、一括で添加しても
よく、連続、又は、間欠滴下方式を採用することもでき
る。
【0029】得られる塩化ビニル系樹脂の重合度は、
(平均重合度A±100)である。(平均重合度A+1
00)を超えると、耐熱性は満足できるが、ゲル化性は
低下する。(平均重合度A−100)未満では、ゲル化
性は満足できるが、耐熱性は低下するので好ましくな
い。
【0030】平均重合度Aは、塩化ビニル系樹脂の使用
用途において要求される物性や性能により決定される
が、本発明で実施する平均重合度Aとしては、400〜
2500が好ましい。
【0031】本発明においては、分散剤及び油溶性重合
開始剤の存在下で、塩化ビニル等の単量体を懸濁重合す
る。上記分散剤としては特に限定されず、一般にPVC
樹脂の重合に用いられている公知の分散剤が使用でき
る。例えば、部分鹸化ポリ酢酸ビニルの他、ポリエチレ
ンオキサイド、アクリル酸、ゼラチン等の水溶性高分子
化合物;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性セ
ルロース誘導体;ソルビタンモノラウレート、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノラウレート等の水溶性乳化剤
等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよく、2種
以上が併用されてもよい。
【0032】なかでも、部分鹸化ポリ酢酸ビニル(a)
及びセルロース誘導体(b)からなる群より選択される
少なくとも1種であることが好ましい。上記部分鹸化ポ
リ酢酸ビニル(a)又は上記セルロース誘導体(b)の
それぞれのなかから選ばれた各種の分散剤を単独で使用
しても良いし、これらの2種以上を併用することもでき
る。
【0033】上記部分鹸化ポリ酢酸ビニル(a)は、鹸
化度が60〜90モル%のものが好ましい。鹸化度が6
0モル%未満であると、油溶性が強くなり、塩化ビニル
等の単量体を分散する能力が不足するため、得られるP
VC樹脂は粗大粒子が多くなる。90モル%を超える
と、保護コロイド性が強くなるため、粒子表面に強い硬
い外殻(スキン層)が形成され、同時にPVC樹脂粒子
内の微細孔面積(BET比表面積)が上昇しない。従っ
て、後のゲル塩素化時の反応速度が充分に上がらず、得
られる塩素化塩化ビニル系樹脂のゲル化特性が向上しな
い。より好ましくは、70〜85モル%である。
【0034】上記部分鹸化ポリ酢酸ビニル(a)の平均
重合度は、500〜3000が好ましく、より好ましく
は700〜1500である。平均重合度が500未満で
あると、単量体の分散能力に欠け、PVC樹脂が粗大粒
子やブロック状になり易い。3000を超えると、スキ
ン層が厚くなるとともに多孔性(微細孔面積)が不足し
て、後の塩素化特性が充分に発揮できないので、成形加
工性の向上が望めない。
【0035】上記分散剤の添加量は、単量体重量部に対
して100〜30000ppmが好ましい。上記部分鹸
化ポリ酢酸ビニル(a)を用いる場合、より好ましく
は、単量体重量部に対して、150〜2000ppm添
加する。150ppm未満であると、単量体の油滴が不
安定になるため、PVC樹脂はブロック状になり易い。
2000ppmを超えると、PVC樹脂粒子表面のスキ
ン層が厚くなって、後の塩素化特性の向上が望めず、成
形加工性も向上しない。
【0036】上記セルロース誘導体(b)を用いる場合
には、より好ましくは、単量体重量部に対して、150
〜2000ppm添加する。150ppm未満である
と、単量体の油滴が不安定になるため、PVC樹脂はブ
ロック状になり易く、2000ppmを超えると、PV
C樹脂粒子表面のスキン層が厚くなって、後の塩素化特
性の向上が望めず、成形加工性も向上しない。
【0037】上記油溶性重合開始剤としては特に限定さ
れず、一般にPVC樹脂の重合に用いられている公知の
ラジカル開始剤が使用できる。例えば、t−ブチルパー
オキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオ
デカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、α
−クミルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルネ
オヘキサノエート、2,4,4−トリメチルペンチル−
2−パーオキシ−2−ネオデカノエート等のパーエステ
ル化合物;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、
ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ
−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメ
トキシイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパー
カーボネート化合物;デカノイルパーオキシド、ラウロ
イルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、クメンハ
イドロパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、
2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、p−メンタ
ンハイドロパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘ
キサノイルパーオキシド、イソブチルパーオキシド等の
パーオキシド化合物;α,α′−アゾビスイソブチロニ
トリル、α,α′−アゾビス(ジメチルバレロニトリ
ル)、α,α′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられ、こ
れらのなかで少なくとも1種が使用できる。
【0038】本発明においては、懸濁重合は、水性媒体
中で行うことができる。上記水性媒体としては特に限定
されず、例えば、水のみでもよく、水に有機溶媒を添加
したものでもよい。上記有機溶媒としては、メチルアル
コール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等
の低級アルコール類;n−ペンタン、iso−ペンタ
ン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水
素;ジクロルエチレン、トリクロルエチレン、四塩化炭
素等の塩素含有溶媒が挙げられる。
【0039】上記懸濁重合は、更に、HLB値が3〜1
0のソルビタン高級脂肪酸エステル(c)及びアニオン
系乳化剤(d)からなる群より選択される少なくとも1
種の乳化剤、炭素数が8〜25の高級脂肪酸(e)、及
び、常温常圧における0.1重量%の水溶液が10〜2
00cpsのブルックフィールズ粘度を有する増粘剤
(f)の存在下で行うことが好ましい。
【0040】上記ソルビタン高級脂肪酸エステル(c)
のHLB値は、3〜10である。3未満であると、親油
性が強いため単量体の水中での乳化分散能力が低くな
り、得られるPVC樹脂の粒度分布は、粗大粒子を含む
幅広いものとなる。10を超えると、親水性が大きいた
め重合中の単量体の油滴が不安定となり、単量体の粒子
の凝集が起こり易く、PVC樹脂がブロック状、粗大粒
子の集合体になる。好ましくは、4〜9である。
【0041】上記HLB値が3〜10のソルビタン高級
脂肪酸エステル(c)としては、例えば、ソルビタンモ
ノラウレート、ソルビタンモノミリステート、ソルビタ
ンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソ
ルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート
等のソルビタン飽和高級脂肪酸エステル、及び、不飽和
高級脂肪酸エステル等が挙げられ、これらの少なくとも
1種が使用できる。
【0042】上記ソルビタン高級脂肪酸エステル(c)
の添加量としては、単量体重量部に対して、500〜5
000ppmが好ましく、更に好ましくは800〜25
00ppmである。500ppm未満であると、スキン
層が厚く形成されて、多孔性に欠け、成形加工性が劣悪
となる。5000ppmを超えると、粒度分布が広く、
重合器の内壁に樹脂スケールが付着する。
【0043】上記アニオン系乳化剤(d)としては、例
えば、ステアリン酸ソーダ石鹸等の脂肪酸塩;ラウリル
硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンス
ルホン酸塩;オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム
等のアルキルナフタレンスルホン酸塩;ジドデシルスル
ホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩;
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩;アルキル
燐酸塩;ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩;
ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;特殊ポリカル
ボン酸型高分子界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキ
ル燐酸エステル;反応性界面活性剤等が挙げられ、これ
らの少なくとも1種が使用される。
【0044】上記アニオン系乳化剤(d)の添加量は、
単量体重量部に対して、1〜3000ppmが好まし
く、より好ましくは3〜2000ppmである。1pp
m未満の場合は、PVC樹脂粒子のスキン層が厚く形成
されるとともに多孔性が不足し、BET比表面積が小さ
くなるため成形加工性の向上効果が小さくなる。300
0ppmを超えると、粒度分布が広くなり、重合器の内
壁に樹脂スケールが多く付着し、時にはPVC樹脂粒子
がブロック化し、塩化ビニル系樹脂が得られなくなる。
【0045】本発明においては、上記HLB値が3〜1
0のソルビタン高級脂肪酸エステル(c)及び上記アニ
オン系乳化剤(d)のそれぞれの中から選択した各種の
乳化剤を使用しても良いし、これらの2種以上を併用す
ることもできる。上記HLB値が3〜10のソルビタン
高級脂肪酸エステル(c)及び上記アニオン系乳化剤
(d)を併用する場合の添加量としては、10〜400
0ppmが好ましく、より好ましくは、15〜2000
ppmである。
【0046】上記炭素数が8〜25の高級脂肪酸(e)
としては、主鎖の不飽和度及び分岐により効果が低下す
ることはなく、炭素数が8〜25のものであればよい
が、直鎖型の飽和脂肪酸が好ましい。より好ましくは、
炭素数が11〜22のものである。炭素数が8未満であ
ると、親水性を帯びるため重合中に上記高級脂肪酸が塩
化ビニル等の単量体の油層に分配されず、ゲル化促進効
果を発揮しない。炭素数が25を超えると、高級脂肪酸
の融点が高くなるため、PVC樹脂の成形加工の温度に
なってもゲル化促進効果を発揮し難い。
【0047】上記炭素数が8〜25の高級脂肪酸(e)
としては、イソステアリン酸、ステアリン酸、n−ヘプ
タデカン酸、パルミチン酸、n−ペンタデカン酸、ミリ
スチン酸、アラギン酸、ノナデカン酸、n−トリデカン
酸、ラウリン酸、ウンデシル酸等が挙げられ、これらの
少なくとも1種が使用できる。上記炭素数が8〜25の
高級脂肪酸(e)の添加量は、単量体重量部に対して、
300〜20000ppmが好ましい。
【0048】上記常温常圧における0.1重量%の水溶
液が10〜200cpsのブルックフィールズ粘度を有
する増粘剤(f)としては、例えば、ポリエチレンオキ
サイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、
ポリアクリルアミド共重合体、架橋型(メタ)アクリル
酸系樹脂、メチルセルロースカルシウム、澱粉グリコー
ル酸ナトリウム、澱粉燐酸エステルナトリウム、アルギ
ン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエス
テル、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボ
キシメチルセルロースカルシウム等が挙げられ、これら
の水溶性増粘剤の少なくとも1種が使用できる。
【0049】上記増粘剤(f)として例示されたものの
なかでも、上記ポリエチレンオキサイドは平均分子量が
170万〜550万のものが好ましい。平均分子量43
0万〜480万のポリエチレンオキサイドを0.1重量
%水溶液にすると、ブルックフィールズ粘度が12cp
sになる。上記ポリアクリルアミドは、平均分子量が8
00万〜1400万のものが好ましい。平均分子量が1
200万〜1400万のポリアクリルアミドを0.1重
量%水溶液にすると、ブルックフィールズ粘度が51c
psになる。
【0050】上記増粘剤(f)のブルックフィールズ粘
度は、0.1重量%水溶液で、10〜200cpsであ
り、より好ましくは、11〜140cpsである。水溶
液の粘度が10cps未満であるか、又は、200cp
sを超えると、得られるPVC樹脂の粒度分布が悪くな
る。
【0051】上記増粘剤(f)の添加量は、単量体重量
部に対して、5〜2000ppmが好ましく、より好ま
しくは25〜900ppmである。5ppm未満の場合
は、粘度が低いためPVC樹脂の粒度分布の改善効果が
低く、2000ppmを超えると、PVC樹脂の表面に
強いスキン層が形成されるため、後の塩素化特性が悪く
なり、また、ゲル化特性も向上しない。
【0052】本発明において、使用される重合器(耐圧
オートクレーブ)の形状、構造については、特に制限は
なく、従来公知の重合器が使用される。攪拌翼は、ファ
ウドラー翼、パドル翼、タービン翼、ファンタービン
翼、ブルマージン翼等が挙げられ、これらの中でファウ
ドラー翼が好ましい。上記攪拌翼と邪魔板(バッフル)
との組合せにも特に制限はない。
【0053】本発明の懸濁重合方法においては、懸濁分
散剤、乳化剤、連鎖移動剤、水溶性増粘剤、塩化ビニル
等の単量体等を投入する方法は、従来公知の方法で行わ
れ、重合条件により、重合調整剤、帯電防止剤、架橋
剤、安定剤、充填剤、スケール防止剤、pH調整剤等が
適宜添加されても何ら構わない。また、添加は一括添加
でも、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で使用でき、間欠
滴下又は連続添加でも構わない。
【0054】本発明の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方
法においては、上記製造方法によって得られる塩化ビニ
ル系樹脂を塩素化する。上記塩化ビニル系樹脂を塩素化
する方法としては特に限定されず、従来公知の各種方法
により行うことができる。例えば、上記塩化ビニル系樹
脂を懸濁した状態、溶剤に溶解させた状態又は固体状態
で、塩素と接触させることにより行うことができる。上
記方法のうち、特に、懸濁した状態で塩素化する場合
は、懸濁重合により得られた塩化ビニル系樹脂を水性媒
体から分離せずに、懸濁物そのものの中へ直接塩素を吹
き込むことにより塩素化することができる。
【0055】上記懸濁した状態で塩素化する場合は、例
えば、反応生成物に光を照射して光反応的に塩素化を促
進する方法、熱により樹脂の結合や塩素を励起させて塩
素化を促進する方法等により行うことができる。光エネ
ルギーにより塩素化する場合に用いられる光源としては
特に限定されず、例えば、紫外光線;水銀灯、アーク
灯、白熱電球、蛍光灯、カーポンアーク灯等の可視光線
等が挙げられ、特に、紫外光線が効果的である。熱エネ
ルギーにより塩素化する場合の加熟方法としては特に限
定されず、例えば、反応器壁からの外部ジャケット方式
の他、内部ジャケット方式、スチーム吹き込み方式等が
挙げられ、通常は、外部ジャケット方式又は内部ジャケ
ット方式が効果的である。
【0056】上記塩素化反応促進方法としては、より好
ましくは、熱エネルギーにより樹脂の結合や塩素を励起
させて塩素化を促進する方法等が適している。均一塩素
化を図るためには、塩素拡散の均一化と同時に塩素化反
応の均一化を図る必要がある。熱エネルギーは粒子内部
まで均一に作用するが、光照射エネルギー作用は樹脂粒
子表面に限られるため、塩素化反応は表面の樹脂粒子表
面の方が必然的に多くなる。従って、均一塩素化を拡散
と反応において具現するには熱塩素化の方が好ましい。
【0057】上記懸濁した状態で塩素化する際に用いら
れる水性媒体中には、アセトン、メチルエチルケトン等
の少量のケトン類を加えてもよく、更に必要に応じて、
塩酸、トリクロロエチレン、四塩化炭素等の少量の塩素
系溶剤を添加してもよい。上記塩素化の工程において
は、得られる塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率が、
60〜72重量%となるように調整することが好まし
い。より好ましくは、63〜70重量%である。
【0058】本発明2は、本発明1の塩素化塩化ビニル
系樹脂に用いられる塩化ビニル系樹脂の製造方法であ
る。本発明2の塩化ビニル系樹脂の製造方法について
は、すでに上で説明を終えている。
【0059】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0060】実施例1PVC樹脂の調製 内容積100リットルの重合器(耐圧オートクレーブ)
に脱イオン水40kg、塩化ビニル単量体重量部に対し
て、部分ケン化ポリ酢酸ビニル(以下、PVAともい
う;平均ケン化度72モル%及び重合度700)500
ppm、ソルビタンモノラウレート1200ppm、ラ
ウリン酸1200ppm、ポリアクリルアミド(20
℃、1atmで0.1重量%水溶液のブルックフィール
ズ粘度が51cpsのもの)100ppm、並びに、α
−クルミパーオキシネオデカノエート500ppmを投
入した。次いで、重合器内を45mmHgまで脱気した
後、塩化ビニル単量体40kgを仕込み攪拌を開始し
た。
【0061】目的とするPVC樹脂の平均重合度Aが1
000の場合、上記式(1)においては重合温度Bは5
7.5℃となり、この温度より12℃低い温度、即ち、
45.5℃の重合温度で実施することとした。重合器を
45.5℃に昇温して重合を開始し、重合反応終了まで
この温度を保った。反応開始後、重合転化率が10%に
なった時点で、連鎖移動剤としてドデシルメルカプタン
340ppmを約10分間かけて間欠滴下しつつ添加し
た。重合転化率が90%になった時点で反応を終了し、
重合器内の未反応単量体を回収した後、重合体をスラリ
ー状で系外へ取り出し、脱水乾燥してPVC樹脂を得
た。この樹脂のBET表面積は3.5m2 /gであっ
た。また、SEM写真観察でスキンフリー率を測定した
ところ、殆どスキン層が観察されず、99%であった。
重合度は、1040であった。なお、BET比表面積の
測定、スキンフリー率の測定、及び、重合度の測定は、
下記方法により実施した。
【0062】CPVC樹脂の調製 内容積250リットルのグラスライニング製反応槽に脱
イオン水140kgと上記で得たPVC樹脂35kgと
を入れ、攪拌してPVC樹脂を水中に分散させ、その後
反応槽を昇温して110℃に保った。次いで、反応槽内
に窒素ガスを吹き込み、槽内を窒素ガスで置換した後、
反応槽内に塩素ガスを吹き込みPVC樹脂の塩素化を行
った。槽内の塩酸濃度を測定して塩素化反応の進行状況
を検討しながら塩素化反応を続け、生成したCPVC樹
脂の塩素含有率が69.0重量%に達した時点で塩素ガ
スの供給を停止し、塩素化反応を終了した。更に、槽内
に窒素ガスを吹き込んで未反応塩素を除去し、得られた
樹脂を水酸化ナトリウムで中和した後、水で洗浄し脱
水、乾燥して粉末状のCPVC樹脂を得た。得られたC
PVC樹脂の塩素含有率は、69.0重量%であった。
【0063】実施例2 PVC樹脂の調製は、表1に示した物質と添加量以外
は、実施例1と同様に実施した。CPVC樹脂の調製
は、実施例1と同様に熱エネルギー励起にて塩素化反応
を実施した。
【0064】実施例3 PVC樹脂の調製は、表1に示した物質と添加量以外
は、実施例1と同様に実施した。CPVC樹脂調製は、
下記の通り実施した。
【0065】CPVC樹脂の調製 内容積250リットルのグラスライニング製反応槽に脱
イオン水140kgと上記で得たPVC樹脂35kgを
入れ、攪拌してPVC樹脂を水中に分散させ、その後反
応槽を加熱して槽内を70℃に保った。次いで、反応槽
内に窒素ガスを吹き込み、槽内を窒素ガスで置換した。
次に、反応槽内に塩素ガスを吹き込み、水銀ランプによ
り槽内を紫外線で照射しながらPVC樹脂の塩素化を行
った。槽内の塩酸濃度を測定して塩素化反応の進行状況
を検討しながら塩素化反応を続け、生成したCPVC樹
脂の塩素含有率が69.0重量%に達した時点で塩素化
ガスの供給を停止し、塩素化反応を終了した。更に、槽
内に窒素ガスを吹き込んで未反応塩素を除去し、得られ
た樹脂を水酸化ナトリウムで中和した後、水で洗浄し脱
水、乾燥して粉末状のCPVC樹脂を得た。得られたC
PVC樹脂の塩素含有率は69.0重量%であった。
【0066】実施例4 PVC樹脂の調製は、乳化剤、脂肪酸、及び、増粘剤を
使用せずに重合を行い、連鎖移動剤を添加した。表1に
示した物質と添加量以外は、実施例1と同様に実施し
た。実施例4のCPVC樹脂調製は、表1に示した以外
は、実施例3と同様に実施した。
【0067】実施例5 PVC樹脂の調製は、乳化剤、脂肪酸、及び、増粘剤を
使用せずに重合を行い、連鎖移動剤を添加した。表1に
示した物質と添加量以外は、実施例1と同様に実施し
た。CPVC樹脂の調製は、実施例1と同様に熱エネル
ギー励起にて塩素化反応を実施した。
【0068】比較例1 PVC樹脂の調製は、乳化剤、脂肪酸、及び、増粘剤を
使用せずに重合を行い、連鎖移動剤を添加した。表2に
示した物質と添加量以外は、実施例1と同様に実施し
た。CPVC樹脂調製は、表2に示した以外は、実施例
3と同様に実施した。
【0069】比較例2〜4 PVC樹脂の調製は、乳化剤、脂肪酸、及び、増粘剤を
使用せずに重合を行い、それぞれの条件で連鎖移動剤を
添加した。表2に示した物質と添加量以外は、実施例1
と同様に実施した。CPVC樹脂の調製は、実施例1と
同様に熱エネルギー励起にて塩素化反応を実施した。
【0070】比較例5及び6 PVC樹脂の調製は、表2に示した物質と添加量以外
は、実施例1と同様に実施した。CPVC樹脂の調製
は、実施例1と同様に熱エネルギー励起にて塩素化反応
を実施した。
【0071】比較例7 PVC樹脂の調製は、乳化剤、脂肪酸、及び、増粘剤を
使用せずに重合を行い、連鎖移動剤を添加した。表2に
示した物質と添加量以外は、実施例1と同様に実施し
た。CPVC樹脂調製は、表2に示した以外は、実施例
3と同様に実施した。
【0072】上記実施例及び比較例で得られたPVC樹
脂及びCPVC樹脂について、下記の方法によって、測
定及び性能評価を行い、その結果を表1及び表2に示し
た。なお、表中において、連鎖移動剤Iとしてドデシル
メルカプタン、連鎖移動剤IIとして2−メルカプトエ
タノール、重合開始剤IIIとしてα−クルミパーオキ
シネオデカノエート、重合開始剤IVとしてt−ブチル
パーオキシネオデカノエート、重合開始剤Vとしてアゾ
ビス(4−メトキシ−ジメチルバレロニトリル)を使用
した。
【0073】粒子径分布は、42メッシュON品の比率
で表し、比較例2では7.7重量%、比較例5では2.
4重量%、その他は全て0.01重量%であった。
【0074】(1)重合度測定 JIS K 6721(塩化ビニル樹脂試験方法)に準
拠して、比粘度から平均重合度を測定した。
【0075】(2)表面状態の評価(スキンフリー率) 実施例及び比較例で得られたPVC樹脂粒子を走査型電
子顕微鏡(日立製作所社製、FE―SEM S―420
0)により、加速電圧:2kV、倍率130倍で撮影
し、粒子の輪郭、スキン部分、スキンが存在しない部分
(1次粒子が露出している部分で、以下、スキンフリー
部分と呼ぶ)をトレーシングペーパー(又は、OHPシ
ート)に写す。次に、トレーシングペーパー(又は、O
HPシート)を画像解析装置(ピアス社製、PIAS―
III)に導入して、画像解析を行い、粒子面積、スキ
ンフリー面積を算出し、スキンフリー率を下記の式に従
って求めた。 スキンフリー率=(スキンフリー面積/粒子面積)×1
00
【0076】(3)BET比表面積の測定 試料管に測定サンプル約2gを投入し、前処理として7
0℃で3時間サンプルを真空脱気した後、サンプル重量
を正確に測定した。前処理の終了したサンプルを測定部
(40℃恒温槽)に取り付けて測定を開始した。測定終
了後、吸着等温線の吸着側のデータからBETプロット
を行い、比表面積を算出した。尚、測定装置として比表
面測定装置「BELSORP 28SA」(日本ベル社
製)を使用し、測定ガスとして窒素ガスを使用した。
【0077】(4)加工性(ゲル化温度の測定) Haake社製「レオコード90」を使用して、下記樹
脂組成物55gを、回転数40rpmで、温度を150
℃から毎分5℃の昇温速度で上昇させながら混練し、混
練トルクが最大になる時の温度を測定した。尚、樹脂組
成物としては、CPVC樹脂100重量部に対して、三
塩基性硫酸鉛3重量部、二塩基性ステアリン酸鉛1重量
部及びMBS樹脂10重量部からなるものを使用した。
【0078】(5)熱安定性試験 上記樹脂組成物を、8インチロール2本からなる混練機
に供給してロール表面温度205℃で混練し、混練物を
ロールに巻き付けてから30秒毎に巻き付いたCPVC
樹脂シートを切り返しながら、3分毎に少量のシートを
切り出して、シートの着色度を比較し、黒褐色に変わる
時間で熱安定性を判定した。
【0079】(6)ビカット軟化温度 上記熱安定性試験で作製した5mm厚のCPVC樹脂シ
ートを、15mm角に切り出して測定用サンプルとし、
JIS K 7206(重り1.0kgf)に準拠して
測定した。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【発明の効果】本発明の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造
方法は、上述の構成からなるので、ゲル化性能及び耐熱
性に優れた塩素化塩化ビニル系樹脂を提供することがで
きる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂を塩素化してなる塩素
    化塩化ビニル系樹脂の製造方法であって、前記塩化ビニ
    ル系樹脂は、分散剤及び油溶性重合開始剤の存在下で、
    単量体を懸濁重合することによって得られるものであ
    り、前記懸濁重合は、下記式(1)により平均重合度A
    から求められる重合温度B(℃)より5〜20℃低い温
    度において重合開始し、重合転化率が3〜20%のとき
    に、連鎖移動剤を添加することによって行うものであ
    り、得られる塩化ビニル系樹脂の重合度は、前記平均重
    合度A±100であることを特徴とする塩素化塩化ビニ
    ル系樹脂の製造方法。 B=0.016A−41.44LN(A)+327.7 (1) (式中、Aは平均重合度を表し、Bは重合温度(℃)を
    表し、LN(A)はeを底とする自然対数を表す。)
  2. 【請求項2】 分散剤は、部分鹸化ポリ酢酸ビニル
    (a)及びセルロース誘導体(b)からなる群より選択
    される少なくとも1種であり、懸濁重合は、水性媒体中
    において、更に、HLB値が3〜10のソルビタン高級
    脂肪酸エステル(c)及びアニオン系乳化剤(d)から
    なる群より選択される少なくとも1種の乳化剤、炭素数
    が8〜25の高級脂肪酸(e)、及び、常温常圧におけ
    る0.1重量%の水溶液が10〜200cpsのブルッ
    クフィールズ粘度を有する増粘剤(f)の存在下で行う
    ものである請求項1記載の塩素化塩化ビニル系樹脂の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 分散剤及び油溶性重合開始剤の存在下
    で、単量体を懸濁重合してなる塩化ビニル系樹脂の製造
    方法であって、前記懸濁重合は、下記式(1)により平
    均重合度Aから求められる重合温度B(℃)より5〜2
    0℃低い温度において重合開始し、重合転化率が3〜2
    0%のときに、連鎖移動剤を添加することによって行う
    ものであり、得られる塩化ビニル系樹脂の重合度は、前
    記平均重合度A±100であることを特徴とする塩化ビ
    ニル系樹脂の製造方法。 B=0.016A−41.44LN(A)+327.7 (1) (式中、Aは平均重合度を表し、Bは重合温度(℃)を
    表し、LN(A)はeを底とする自然対数を表す。)
  4. 【請求項4】 分散剤は、部分鹸化ポリ酢酸ビニル
    (a)及びセルロース誘導体(b)からなる群より選択
    される少なくとも1種であり、懸濁重合は、水性媒体中
    において、更に、HLB値が3〜10のソルビタン高級
    脂肪酸エステル(c)及びアニオン系乳化剤(d)から
    なる群より選択される少なくとも1種の乳化剤、炭素数
    が8〜25の高級脂肪酸(e)、及び、常温常圧におけ
    る0.1重量%の水溶液が10〜200cpsのブルッ
    クフィールズ粘度を有する増粘剤(f)の存在下で行う
    ものである請求項3記載の塩化ビニル系樹脂の製造方
    法。
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