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JPH111554A - ポリヒドロキシエーテル樹脂およびその合成方法およびポリヒドロキシエーテル膜およびその製造方法 - Google Patents

ポリヒドロキシエーテル樹脂およびその合成方法およびポリヒドロキシエーテル膜およびその製造方法

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JPH111554A
JPH111554A JP9172834A JP17283497A JPH111554A JP H111554 A JPH111554 A JP H111554A JP 9172834 A JP9172834 A JP 9172834A JP 17283497 A JP17283497 A JP 17283497A JP H111554 A JPH111554 A JP H111554A
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polyhydroxyether
film
membrane
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JP9172834A
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Tetsuya Fukuoka
徹也 福岡
Hideki Tatehata
秀樹 建畠
Akira Mochizuki
明 望月
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Terumo Corp
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、還元粘度が0.6(dl/g)以上で、
機械的物性に優れ、表面張力が低く、また、水に対する
接触角よりも血漿あるいはタンパク水溶液に対する接触
角の方が大きく、かつ水に対する接触角が90゜以上で
あるという特異性を有するポリヒドロキシエーテル樹脂
とその合成方法を提供することを目的とする。また本発
明は、血漿リークを抑制し、しかも十分なガス透過性能
を有する開心術に用いるポリヒドロキシエーテル膜を提
供することを目的とする。 【解決手段】 ポリヒドロキシエーテル樹脂およびポリ
ヒドロキシエーテル膜であって、該ポリヒドロキシエー
テル樹脂0.5gにN,N−ジメチルアセトアミドを加
えて溶解し100mlとした溶液の25℃における還元
粘度が0.6(dl/g)以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリヒドロキシエ
ーテル樹脂およびその合成方法およびポリヒドロキシエ
ーテル膜およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の医療技術の進歩により重度の心臓
疾患の治療方法として、冠動脈のバイパス手術をはじめ
心臓移植などが可能となっているが、このような高度な
開心術には極めて長い手術時間を要する。また術後にお
いては、人工心肺装置から離脱するまで体外循環は長期
におよぶ。
【0003】現在開心術に用いる市販の人工肺には、シ
リコン均質膜または多孔質膜が用いられている。シリコ
ン均質膜は、ガス分子が膜に溶解、拡散することでガス
交換が行われるためガス透過量が極めて小さく、特に炭
酸ガス透過性能が不十分である。また、シリコン均質膜
よりガス透過能が高い、ポリトリメチルシリルプロピン
均質膜や、ガス分離膜に用いられているフッ素化ポリイ
ミドを用いた非多孔質膜も、人工肺膜としてはガス透過
量が不十分である。一方、多孔質人工肺膜では、数10
0Å〜2000Å程度の細孔を通してガス交換が行われ
るためガス透過量は大きい。
【0004】しかし、長期の体外循環の間に、人工肺膜
の細孔内への血漿蛋白の吸着が起こり、細孔壁の親水化
が起こる。そのため、血漿リークが生じ、ガス交換能が
低下したり人工肺膜の交換が必要となり、患者に対する
負担が増大し治癒が遅れ、人工心肺装置からの離脱が困
難となる。
【0005】前述のような血漿リークが生じる原因に
は、膜素材の血漿に対する接触角に深い関係がある。以
下に示すように細孔を毛細管に見立てると、血漿に対す
る接触角が90゜以上であれば、細孔壁との間に働く表
面張力Fは、血漿の侵入を抑制する方向に作用する。
【0006】
【数1】
【0007】そしてこれまで、血漿リークを抑制するた
め種々の膜材料が試みられてきた。
【0008】例えば、疎水性の高い材料としてポリプロ
ピレン(PP,特開昭54-160098号)、ポリテトラフロ
ロエチレン(PTFE,特開昭60-53153号)およびポリ
(4−メチルペンテン−1)(PMP,特開平1-10427
号)等の疎水性材料を用いた多孔質人工肺膜が検討され
たが、これらの素材を用いても、細孔径が数100Å以
上の多孔質膜では細孔より小さい血漿蛋白が細孔内へ侵
入してしまうため、長期間の体外循環においては血漿リ
ークの回避が不可能であった。
【0009】細孔径が数100Å以下の非対称非多孔質
膜(以下非対称膜)からなる、分画分子量が1万〜5万
程度の限外濾過膜は、血漿蛋白であるアルブミンやγ−
グロブリンを透過しないため、血漿リークを抑制するこ
とが可能であると考えられる。前記のPP、PTFE、
PMP、さらにシリコーン樹脂は、いずれも一般の有機
溶媒に溶解しないため、限外濾過膜と同じ構造を有する
非対称膜を得ることは困難である。
【0010】有機溶媒に溶解しかつ疎水性の高い材料と
してポリスルホンが挙げられる。ポリスルホンをN-メチ
ル-2-ピロリドン(NMP)やN,N-ジメチルアセトアミド
(DMAc)などの極性溶媒に溶解し、適当な添加剤を加
えて調製した溶液を、湿式製膜法あるいは乾湿式製膜法
により膜表面に緻密層を持ち、内部が多孔質構造である
非対称膜が得られる。この膜は限外ろ過膜あるいは血液
透析膜、血漿濃縮膜などの医療用途で、既に実用化され
ている。
【0011】このポリスルホン非対称膜を用いた人工肺
として、高いガス透過性能を有するポリスルホン非対称
膜(特開昭61-119272号など)も提案された。しかしポ
リスルホン膜は水に対する接触角が90゜以下であるた
め水の侵入を抑制することができない。そのため限外濾
過によって血漿から高分子量の成分が除去された水が細
孔を閉塞し、人工肺のガス交換能が低下するおそれがあ
った。
【0012】このように、血漿リークの問題を解決する
ため、膜素材には疎水性が高く、接触角が血漿より大き
い材料が、そして細孔内に血漿蛋白が侵入出来ないレベ
ルの孔径を有する非対称膜が求められていた。また、人
工心肺装置に限らず、血液透析装置や輸血または採血装
置においても、治療効果を保つために血液凝固の防止や
補体の活性化を抑制した血液回路が必須となっている。
【0013】一方、ジフェノールとエピハロヒドリンか
ら得られるポリヒドロキシエーテル樹脂(フェノキシ樹
脂)は古くから数多くの研究され、熱可塑性樹脂として
実用化されてからすでに30年以上が経過している。
【0014】例えばビスフェノールAとエピクロロヒド
リンからフェノキシ樹脂を合成する方法として、Carpen
terがUSP2,602,075で提示した方法を始め、Wynstraが提
案したエタノール中での合成(USP3,305,528)およびD
MSO中での合成(USP3,277,051)、Roicki(例えばMaklo
mol. Chem. 179,1661(1978)、または181, 985(1980))の
文献などが挙げられる。
【0015】また機械物性等を改良するためにジフェノ
ールとしてメチレンビスフェノール、エチリデンビスフ
ェノール、ジヒドロキシフェニルスルホンなどのフェノ
キシ樹脂の合成方法も報告されている。
【0016】ジフェノールのうち、フッ素を含む2,2-(4
-ヒドロキシフェニル)ヘキサフロロイソプロピリデン
(以下ビスフェノールAF)は、ジグリシジルエーテル
(Polymer letters, 3, 1021(1965))の報告がある。この
ビスフェノールAFのジグリシジルエーテルからなるエ
ポキシ硬化体は、2つのトリフロロメチル基によってガ
ラス転移温度(Tg)の向上と表面張力の低下が報告され
ている(公開特許昭61-44969)。
【0017】しかし重合度が20以下の低分子量のポリ
ヒドロキシエーテル樹脂(例えばEP0212319A2)について
は報告されているが、高分子量のポリヒドロキシエーテ
ル樹脂は報告されていない。これは電子吸引性の高いト
リフロロメチル基によってフェノール水酸基の酸性度が
大きくなり、その結果エピクロロヒドリンへの求核反応
性が低下し、高分子量のポリマーが得られないためであ
る。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、還
元粘度が0.6(dl/g)以上で、機械的物性に優れ、表面
張力が低く、また、水に対する接触角よりも血漿あるい
はタンパク水溶液に対する接触角の方が大きく、かつ水
に対する接触角が90゜以上であるという特異性を有す
るポリヒドロキシエーテル樹脂およびその合成方法を提
供することを目的とする。
【0019】また本発明は、血漿リークを抑制し、しか
も十分なガス透過性能を有するポリヒドロキシエーテル
膜およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の手段によ
って解決される。
【0021】(1) 式(1)で表される不溶不融のゲ
ルを含まないポリヒドロキシエーテル樹脂であって、式
(1)
【化13】 前記ポリヒドロキシエーテル樹脂は、式(2)で表され
るR基が100mol%〜20mol%であり、式(2)
【化14】 残りのR基が式(3)で表されるR基の群のうちのいず
れかであり、式(3)
【化15】 かつ、前記ポリヒドロキシエーテル樹脂0.5gにN,N-
ジメチルアセトアミドを加えて溶解し100mlとした溶
液の25℃における還元粘度が0.6(dl/g)以上である
ことを特徴とするポリヒドロキシエーテル樹脂
【0022】(2) 前記ポリヒドロキシエーテル樹脂
の前記残りのR基が、式(4)で表されるR基の群のう
ちのいずれかであることを特徴とする(1)記載のポリ
ヒドロキシエーテル樹脂 式(4)
【化16】
【0023】(3) 水に対する接触角よりも血漿ある
いはタンパク水溶液に対する接触角の方が大きく、かつ
水に対する接触角が90゜以上であることを特徴とする
(1)および(2)記載のポリヒドロキシエーテル樹脂
【0024】(4) 非プロトン性極性溶媒に、式
(5)で表される群のうちのいずれかの構造を有するビ
スフェノール類を少なくとも1種類以上と、エピハロヒ
ドリンとを加え反応させることを特徴とするポリヒドロ
キシエーテル樹脂の合成方法 式(5)
【化17】
【0025】(5) 前記非プロトン性極性溶媒に、前
記式(5)で表される群のうちのいずれかの構造を有す
るビスフェノール類を少なくとも1種類以上と、前記ビ
スフェノール類に対するモル比が0.95〜1.05の
エピハロヒドリンと、前記ビスフェノール類に対して等
モル以上の水酸化ナトリウム水溶液とを加え、室温以上
かつ前記非プロトン性極性溶媒の沸点以下の反応温度で
均一に攪拌することを特徴とする(4)記載のポリヒド
ロキシエーテル樹脂の合成方法
【0026】(6) 前記非プロトン性極性溶媒がジメ
チルスルホキシド、N,N-ジメチルアセトアミド、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、N-メチルピロリドン、N,N-
ジメチルホルムアミド、スルホランのうちのいずれかま
たはこれらの混合溶媒であることを特徴とする(4)お
よび(5)記載のポリヒドロキシエーテル樹脂の合成方
【0027】(7) 式(1)で表されるポリヒドロキ
シエーテル膜であって、式(1)
【化18】 前記ポリヒドロキシエーテル膜は、式(2)で表される
R基が100mol%〜20mol%であり、式(2)
【化19】 残りのR基が式(3)で表されるR基の群のうちのいず
れかであり、式(3)
【化20】 かつ、前記ポリヒドロキシエーテル膜0.5gにN,N-ジ
メチルアセトアミドを加えて溶解し100mlとした溶液
の25℃における還元粘度が0.6(dl/g)以上であるこ
とを特徴とするポリヒドロキシエーテル膜
【0028】(8) 前記ポリヒドロキシエーテル膜の
前記残りのR基が、式(4)で表されるR基の群のうち
のいずれかであることを特徴とする(1)記載のポリヒ
ドロキシエーテル膜 式(4)
【化21】
【0029】(9)式(1)で表される不溶不融のゲル
を含まないポリヒドロキシエーテル樹脂と、ジメチルス
ルホキシド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-
ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、THF、アセ
トン、スルホランのうちのいずれかまたはこれらの混合
溶媒と、第3成分としての水、塩、低分子量化合物もし
くは高分子量化合物を加えて溶解し調製した溶液を用い
て、乾湿式または湿式製膜法により製造することを特徴
とするポリヒドロキシエーテル膜の製造方法 式(1)
【化22】 但し、式(2)で表されるR基が100mol%〜20mol
%であり、式(2)
【化23】 残りのR基が式(3)で表されるR基の群のうちのいず
れか式(3)
【化24】
【0030】(10)前記塩、低分子量化合物もしくは
高分子量化合物が、NaCl、LiCl、CaCl2、MgCl2、Mg(ClO
4)2、LiClO4、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、グリセリン、尿素、ポリプロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロ
リドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドのうちの
いずれかまたはこれらの混合物であり、これらの第3成
分が製膜溶液中の5wt%〜50wt%であることを特徴と
する(9)記載のポリヒドロキシエーテル膜の製造方法
【0031】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳しく説明する。
【0032】本発明における還元粘度は、ポリヒドロキ
シエーテル樹脂0.5gにN,N-ジメチルアセトアミドを
加えて溶解し100mlとした溶液を、25℃の恒温装置
(クールニクスサーキュレーターCTR-22WSおよびCTE-22
WS、ヤマト科学(株)社製)を付した水槽中に入れ、ウ
ベローデ粘度計(柴田科学器械工業(株)社製、1〜5c
St測定用)を用いて測定し、次式よりηとして求めた。
【0033】
【数2】
【0034】まず、本発明のポリヒドロキシエーテル樹
脂について説明する。
【0035】本発明のポリヒドロキシエーテル樹脂の還
元粘度は0.6(dl/g)以上であることが好ましく、還元
粘度が0.6以上のポリマーは強度も大きく強靱であ
る。還元粘度が0.6に満たないポリマーは、硬くて脆
く形状を維持することが困難である。
【0036】また式(2)の構造を導入することによっ
て、従来のビスフェノールAからなるポリヒドロキシエ
ーテル樹脂に比べ、Tgを向上させることと、表面張力
を低くすることが可能である。低い表面張力を有しつ
つ、機械的物性、熱的性質、有機溶媒に対する溶解性等
の改良、あるいは経済的理由により式(2)をR基とし
て有する2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフロ
ロプロパン(以下ビスフェノールAF)以外に、式(3)
の群のビスフェノール類のうちいずれかを用いても良
い。好ましくは工業的に安定して供給される式(4)の
群の廉価なビスフェノールAあるいは2,2-ビス(4-ヒド
ロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン、テトラブロ
モビスフェノールA、4,4-ビフェノール、1,1-ビス(4-
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4-ヒドロキ
シフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチ
ルフェニル)スルホンのうちいずれかを用いるのが良
い。
【0037】またこれらのポリヒドロキシエーテル樹脂
は血漿あるいはタンパク水溶液に対する接触角が水より
も大きいという特異性を有する。ここで接触角が大きい
ということは、材料の表面張力が低いことを示してい
る。さらに表面張力を低くし、水に対する接触角も90
゜以上にするには式(2)の成分を少なくとも20mol%
以上導入する必要がある。
【0038】還元粘度の高いポリヒドロキシエーテル樹
脂を合成するために用いる溶媒は、出発物質および生成
するポリマーを溶解ししかも極性が高くフェノール性水
酸基の求核反応を促進することが望ましい。そのような
溶媒として、非プロトン性極性溶媒である、ジメチルス
ルホキシド(DMSO)、DMAc、N,N-ジメチルホルム
アミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ス
ルホラン、ジオキサン、THFあるいはそれらのうち2
つ以上から選ばれる混合溶媒が挙げられる。そのうちD
MSO、DMAcは安価で沸点が高く水溶性で反応溶液
が均一に攪拌でき、しかも塩基によって分解されない溶
媒として好ましい。さらに好ましくはDMSOとDMA
cの混合溶媒であり、DMAc単独で用いるよりも求核
反応を促進し高粘度のポリヒドロキシエーテル樹脂が得
られる。またこの混合溶媒はDMSO単独で用いるより
も反応溶液の粘度が低いために均一に攪拌することが容
易である。
【0039】ここで均一に撹拌するということは、容器
内で反応のバラツキ、溶液の滞留、ポリマーの付着によ
る固化、一部過熱によるゲル化などがない状態を指す。
【0040】重合反応は、所定量のビスフェノール類と
エピハロヒドリンおよびNaOH水溶液を加え加熱攪拌
することが挙げられる。エピハロヒドリンの中でも廉価
なエピクロロヒドリン(EPC)が好ましい。
【0041】この時還元粘度が0.6以上であるポリマ
ーを得るためには、ビスフェノール類とエピクロロヒド
リンのモル比は、0.95〜1.05が好ましく、より
好ましくは0.98〜1.02さらに好ましくは1.0
0である。
【0042】水酸化ナトリウムの量はビスフェノール類
に対して、等モル以上であれば重合は進行するが、より
好ましくは水酸化ナトリウムとビスフェノール類の比が
1.02〜1.10が好ましく、より好ましくは1.0
4〜1.08である。NaOHとビスフェノールAFの
モル比がこれ以下では高い還元粘度を有するポリヒドロ
キシエーテル樹脂が得られず、またそれ以上では副反応
がおこり架橋が生じたり逆に還元粘度が低下する。
【0043】また、反応温度は、常圧下で溶媒の沸点以
下、室温以上であれば任意に設定することが可能である
が、実用上溶液が均一に攪拌可能で、かつ副反応や着色
を抑制し短時間で重合を完結するためには、好ましくは
50℃〜150℃より好ましくは70℃から130℃で
ある。これ以下の温度では反応の進行が遅く重合が進行
すると還元粘度が高くなり攪拌が困難となる。また温度
が150℃以上では副反応が起こりやすく反応の進行の
障害となったり、ポリマーが着色したりする。
【0044】次に、本発明のポリヒドロキシエーテル膜
について説明する。
【0045】限外濾過膜型の非対称膜を得るためには、
ポリマーを有機溶媒に溶解し該ポリマー溶液を賦形化し
たのち非溶媒からなる凝固液に浸せきする、いわゆる湿
式または乾湿式製膜が必須である。式(1)で表される
ポリヒドロキシエーテル樹脂を、DMSO、DMAcな
どの極性有機溶媒に溶解し、湿式または乾湿式製膜法に
より非対称膜が得られる。ここで述べる非対称膜とは、
膜面に垂直な方向にわたって緻密な層と多孔性の層に分
かれている膜を指し、限外ろ過膜や逆浸透膜などはこの
タイプのものが多い。一方対称膜は膜面に垂直な方向に
わたって構造的異方性が認められない膜であり、シリコ
ーン樹脂からなる均質膜やポリオレフィンからなる多孔
性膜などを指す。
【0046】本発明の接触角の測定方法は以下の通りで
ある。乾燥した湿式平膜をスライドガラスに貼り付け、
接触角測定装置(エルマ社製)の水平な試料台に載せ
て、その凝固溶媒と接触した側の膜表面にシリンジで液
約3μlを静かに滴下し30秒以内に液滴の両端の値を
読みとる。この操作を5回行い測定した平均値を接触角
とした。
【0047】この材料からなる限外ろ過膜タイプの非対
称膜は、血漿あるいは血漿から蛋白を除いた水が細孔内
部への侵入を抑制することが可能である。また機械的物
性、熱的性質、有機溶媒に対する溶解性等の改良、ある
いは経済的理由、ビスフェノールAF以外の式(3)で
表される構造を有する各種ビスフェノール類のうち1種
類以上と共重合するのもよい 。好ましくは、工業的に
安定して供給される廉価なビスフェノールAあるいは2,
2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパ
ン、テトラブロモビスフェノールA、4,4-ビフェノー
ル、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロ
キシ-3,5-ジメチルフェニル)スルホンのうち少なくとも
1つ以上から選ばれる。
【0048】この時ビスフェノールAFは、20mol%以
上含有することが必須であり、20mol%含まれれば水に
対する接触角が90°以上でしかも血漿に対する接触角
が水よりも大きく血漿リークを抑制することが可能であ
る。
【0049】本発明の材料から非対称膜を製造する方法
としては、蒸発法、浸漬法など湿式製膜法であればいず
れの方法も用いることができる。製膜に用いるポリマー
溶液は、ポリヒドロキシエーテル樹脂と溶媒および第3
成分である添加剤を撹拌し均一に溶解したところで濾過
と脱泡操作を行う。この時溶媒として、ポリマーを溶解
しかつ工業的に供給される、ジメチルスルホキシド、N,
N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N,N
-ジメチルホルムアミド、THF、アセトン、スルホラ
ンまたはそれらのうち1つ以上の混合溶媒が好ましい。
【0050】また、第3成分として用いられる化合物と
して任意量の水、塩、低分子量有機化合物もしくは高分
子量化合物から選ばれ、好ましくはNaCl、LiCl、CaC
l2、MgCl2、Mg(ClO4)2、LiClO4、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、プロピレングリコール、グリセリン、尿素、
ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル
アミドまたはそれらのうち1つ以上の混合物、より好ま
しくは洗浄が容易で廉価で毒性の低く水溶性であるプロ
ピレングリコールが挙げられる。
【0051】また、添加剤の量は任意であるが、紡糸性
やガス透過性能あるいは経済性などから5wt%〜50wt%
が好ましい。これ以下だと膜構造の制御が困難であり、
またこれ以上だとポリマーが析出し製膜が困難である。
【0052】次に、本発明における製膜方法を簡単に説
明する。
【0053】湿式平膜は、図1に示すようにガラス板上
に製膜溶液を垂らし、ガラス棒でキャストし直ちに凝固
溶媒に浸せきして凝固させる。凝固が完了したら十分洗
浄して乾燥させて膜を得た。
【0054】中空糸膜は、図2に示す装置を用いて二重
管ノズルからポリマー溶液と内部液を同時に押し出して
凝固溶媒中で凝固させて巻き取り装置で巻き上げ、洗浄
乾燥後中空糸膜を得た。
【0055】また膜の構造は緻密層を有する非対称膜で
あることが好ましく、ポリオレフィン多孔質膜よりも細
孔を小さくでき、血漿リークの耐久性と十分なガス透過
性能を得ることが可能と考えられる。膜の構造を確認す
るために凍結乾燥法により試料を作製し、白金蒸着後走
査型電子顕微鏡JSM840(日本電子(株)製で膜の断面と
表面を観察した。
【0056】また人工肺膜として十分なガス透過性能
は、実用上60ml/min・m2・mmHg以上であれば良い。こ
こで述べるガス透過性能は以下の方法で測定した。湿式
平膜は乾燥した膜を円形の打ち抜き刃で切り取り図3に
示すような限外濾過膜の透過性能測定装置(ADVANTEC社
製、UHP-43)に取り付け、気体を流してそのときの圧力
と透過量からガス透過性能を求めた。また中空糸膜は、
図4に示す装置に取り付け、同様にして気体の流量とそ
のときのからガス透過性能を求めた。
【0057】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに具体的に
説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されな
い。
【0058】(ポリヒドロキシエーテル樹脂の合成方
法)
【0059】(1)モーター、テフロン製攪拌翼を付し
た100ml三つ口フラスコに、ビスフェノール類50mm
ol、エピクロロヒドリン50mmolおよび所定量の溶媒を
加え、窒素気流下で攪拌し均一に溶解した。次に計算量
のNaOH溶液をシリンジで正確に滴下し、そのまま7
0℃のオイルバスに移し20時間攪拌を続けた。
【0060】(2)加熱を止めて、所定量の溶媒と1N
HCl水溶液を加え残余のNaOHを中和した。その
まま室温まで冷却すると、透明で粘度の低い上澄みと不
透明で粘度の高い下層に分離した。デカンテーションし
て上澄みを除去し、さらに溶媒を加えて水浴中で加熱し
溶解させた。
【0061】(3)この溶液を熱いうちにガラス繊維ろ
紙 (ADVANTEC GB 100R、100μm)を付したステンレス製
加圧ろ過器(ADVANTEC社製KST-47)にいれ窒素で2kgf/cm
2に加圧ろ過し、NaClを除去した。ろ液はそのまま
水中に滴下すると直ちに白色のポリマーが析出した。
【0062】(4)1Lビーカーに析出したポリマーと
RO水1Lを加え、80℃水浴中で1時間攪拌した。水
を入れ替えて3回繰り返し、吸引ろ過しポリマーを回収
した。一晩風乾してから80℃で一晩真空乾燥し、白色
のポリマーを得た。
【0063】(5)このポリマーについて、還元粘度の
測定、DSC法によるガラス転移温度(Tg) 、成型物
の引張破断強度、および接触角の測定を行った。また還
元粘度の小さいポリマーは、1H NMRスペクトルか
ら重合度(n)が求めることが可能である。この場合の
重合度(n)は、ポリマー1分子中の主鎖のフェニル基
と末端のフェニル基ピークの積分強度比から算出した。
【0064】(6)なお、還元粘度が0.7(dl/g)以上
のポリマーは末端ピークが小さすぎて定量できなかっ
た。
【0065】(実施例1)三つ口フラスコに、ビスフェ
ノールAF16.81g(50mmol)、DMSO17.3
5g、DMAc17.35g、エピクロロヒドリン4.
63gを加えて溶解した。NaOH/AF=1.06の
NaOH溶液を滴下すると溶液は透明な黄色からピンク
色に変化した。以下HClによる中和、ろ過によるNa
Clの除去、再沈操作および洗浄と乾燥を行い白色繊維
状のポリマーを得た。その還元粘度は0.6(dl/g)であ
り、DSC法により測定したガラス転移温度(Tg)
は、124℃であった。このポリマーの成型物の引張破
断強度は450kg/cm2であった。このポリマーの1H
NMRから求めた重合度は40であった。湿式法で膜を
作製し乾燥後測定した水の接触角は100°牛血漿に対
する接触角は105°であった。
【0066】(実施例2)NaOH/AF=1.07と
なるNaOH溶液を加える以外は実施例1と同様にして
白色繊維状のポリマーを得た。その還元粘度は0.7(d
l/g)であった。
【0067】(実施例3)溶媒がDMSO34.7gで
ある以外は実施例1と同様にして白色繊維状のポリマー
を得た。その還元粘度は0.9(dl/g)であった。
【0068】(実施例4)ビスフェノールAF10.0
9g(30mmol)、ビスフェノールA4.57g(20mmo
l)、NaOH/(AF+A)=1.04である以外は実
施例1と同様にして重合した得られたポリマーの還元粘
度は0.7(dl/g)、ポリマーの成型物の引張破断強度は
600kg/cm2であった。また水の接触角は96°、牛血
漿に対する接触角は100°であった。
【0069】(実施例5)ビスフェノールAF3.36
g(10mmol)、ビスフェノールA9.13g(40mmo
l)、NaOH/(AF+A)=1.04である以外は実
施例1と同様にして重合した得られたポリマーの還元粘
度は0.9(dl/g)、ポリマーの成型物の引張破断強度は
600kg/cm2であった。またこのポリマーから湿式法で
膜を作製し乾燥後測定した水の接触角は91°、牛血漿
に対する接触角は96°であった。
【0070】(比較例1)USP3,277,051記載の方法に従
い、溶媒がDMSO17.35g NaOH/AF=
1.04、となるNaOH溶液を加える以外は実施例1
と同様にして白色繊維状のポリマーを得た。その還元粘
度は0.5(dl/g)であった。
【0071】(比較例2)NaOH/AF=1.04と
なるNaOH溶液を加える以外は実施例1と同様にして
白色粉末状のポリマ−を得た。その還元粘度は 0.3
(dl/g)であった。このポリマーをTHFに溶解し乾式法
により作成したが、脆くて膜は得られなかった。このポ
リマーの重合度は30であった。
【0072】(比較例3)反応時間が3時間である以外
は実施例1と同様にして白色粉末状のポリマ−を得た。
その還元粘度は0.2(dl/g)であった。このポリマーは
脆くて膜は得られなかった。このポリマーの重合度は2
0であった。
【0073】(比較例4)ビスフェノールA11.4g
(50mmol)を用いて、NaOH/ビスフェノールA=
1.04となるNaOH溶液を加える以外は実施例1と
同様にして白色のフェノキシ樹脂を得た。その還元粘度
は1.1(dl/g)であり、Tgが100℃であった。この
ポリマーから作製した膜に対する水の接触角は80°、
血漿に対する接触角は90°であった。
【0074】(比較例5)USP3,277,051記載の実施例に
従い、ビスフェノールAを用いて、NaOH/ビスフェ
ノールA=1.04となるNaOH溶液を加える以外は
実施例1と同様にして白色繊維状のフェノキシ樹脂を得
た。その還元粘度は1.2(dl/g)であった。
【0075】(比較例6)USP3,277,051記載の実施例に
従い、ビスフェノールAFを用いて、溶媒量がDMSO
17.35g、NaOH/ビスフェノールAF=1.0
6となるNaOH溶液を加える以外は実施例1と同様に
して重合したところ、ゲル化した。
【0076】実施例1〜5および比較例1〜6の結果を
【表1】 に示す。
【表1】
【0077】(実施例6)還元粘度が0.7(dl/g)であ
る式(5)のポリヒドロキシエーテル樹脂10gを50
mlサンプル瓶にテフロン攪拌子とともにいれ、プロピ
レングリコール12g、DMSO9gおよびDMAc9
gを加えて攪拌して溶解後脱泡し製膜溶液を得た。溶液
温度を30℃に保ち、ガラス板上にキャストしそのまま
30℃の水中で凝固させて十分水洗し、乾燥して湿式平
膜を得た。一部は濡れたまま凍結乾燥しSEM観察を行
った。膜は非対称膜であり、緻密層が形成されておりわ
ずかにマクロボイドが存在した(図5)。膜が非溶媒と
接触した側の表面は平滑であった(図6)。酸素透過性
能を測定したところ、1380ml/min・m2・mmHgであっ
た。この膜に対する接触角は、水が100゜、牛血漿が
110゜であった。
【0078】
【化13】
【0079】(実施例7)還元粘度が0.7(dl/g)であ
る式(5)のポリヒドロキシエーテル樹脂10g、プロ
ピレングリコール14g、DMSO8gおよびDMAc
8gである以外は実施例1と同様にして湿式平膜を作製
した。膜は非対称膜であり、マクロボイドは認められな
かった(図7)が、表面は極めて小さい孔が見られた
(図8)。この膜の酸素透過性能は1680ml/min・m2
mmHgであった。この膜に対する接触角は、水が100
゜、牛血漿が110゜であった。
【0080】(実施例8)還元粘度が0.8(dl/g)であ
る式(6)のポリヒドロキシエーテル樹脂10g、プロ
ピレングリコール10g、DMSO10gおよびDMA
c10gである以外は実施例1と同様にして湿式平膜を
作製した。膜は非対称膜であり(図9)、膜表面は平滑
であった(図10)。この膜の酸素透過性能は1500
ml/min・m2・mmHgであった。この膜に対する接触角は、水
が95゜、牛血漿が100゜であった。
【0081】
【化14】
【0082】(実施例9)還元粘度が0.9(dl/g)であ
る式(7)のポリヒドロキシエーテル樹脂10g、プロ
ピレングリコール10g、DMSO10gおよびDMA
c10gを用いて調製した以外は実施例1と同様にして
湿式平膜を作製した。膜は非対称膜であり(図11)、
膜表面は平滑であった(図12)。この膜の酸素透過性
能は100ml/min・m2・mmHgであった。この膜に対する接
触角は、水が91゜、牛血漿が97゜であった。
【0083】
【化15】
【0084】(実施例10)還元粘度が0.9(dl/g)で
ある式(5)のポリヒドロキシエーテル樹脂100gを
500mlセパラブルフラスコに入れ、プロピレングリ
コール120g、DMSO90gおよびDMAc90g
を加えて攪拌する。溶解後脱泡し製膜溶液を得た。溶液
温度を40℃にして二重紡糸口金から押し出した。この
時内部凝固液として水も同時に供給した。口金から出た
溶液を直ちに10℃の水中(凝固槽)に入れて紡糸液を
凝固させ、引き続きこの中空糸膜繊維を十分に水洗した
あと、50℃で24時間乾燥した。この中空糸膜繊維は
内径200μm、膜厚50μmであった。膜は非対称膜
であり、スキン層は内面と外面にあり、平滑であった。
(図13,図14,図15)。この膜の酸素透過性能は
300ml/min・m2・mmHgであった。
【0085】(実施例11)還元粘度が0.9(dl/g)で
ある式(5)のポリヒドロキシエーテル樹脂100g、
プロピレングリコール140g、DMSO80gおよび
DMAc80gの溶液を調製し、溶液温度50℃、凝固
槽温度30℃である以外は実施例3と同様にして中空糸
膜繊維を得た。この膜は内径200μm、膜厚50μm
であった。膜は非対称膜で、スキン層は内面と外面にあ
り両面ともに平滑であった(図16,図17,図1
8)。この膜の酸素透過性能は1600ml/min・m2・mmHg
であった。
【0086】(実施例12)還元粘度が0.9(dl/g)で
式(5)のポリヒドロキシエーテル樹脂100g、プロ
ピレングリコール160g、DMSO70gおよびDM
Ac70gの溶液を調製し、溶液温度50℃、凝固槽温
度30℃である以外は実施例3と同様にして中空糸膜繊
維を得た。この膜は内径200μm、膜厚50μmであ
った。膜は非対称膜でスキン層は内面と外面にあり、外
表面側には走査型電子顕微鏡で10,000倍では小さ
な孔が認められた(図19,図20,図21)。この膜
の酸素透過性能は2000ml/min・m2・mmHgであった。
【0087】(実施例13)還元粘度が0.8(dl/g)で
式(6)のポリヒドロキシエーテル樹脂100g、プロ
ピレングリコール160g、DMSO70gおよびDM
Ac70gの溶液を調製し、溶液温度50℃、凝固槽温
度30℃である以外は実施例3と同様にして中空糸膜繊
維を得た。この膜は内径200μm、膜厚50μmであ
った。膜は非対称膜であり、スキン層は内面と外面にあ
り、外表面側は平滑であった(図22,図23,図2
4)。この膜の酸素透過性能は300ml/min・m2・mmHgで
あった。
【0088】(比較例7)還元粘度が0.3(dl/g)で式
(5)のポリヒドロキシエーテル樹脂10gを50ml
サンプル瓶にマグネテイクスターラーチップとともにい
れ、プロピレングリコール12g、DMSO9gおよび
DMAc9gを加えて攪拌する。溶解後脱泡し、溶液温
度を30℃に保ち、ガラス板上にキャストしそのまま3
0℃の水中に浸せきしたが凝固せず膜は得られなかっ
た。
【0089】(比較例8)還元粘度が0.5(dl/g)で式
(5)のポリヒドロキシエーテル樹脂10gを50ml
サンプル瓶にマグネテイクスターラーチップとともにい
れ、プロピレングリコール12g、DMSO9gおよび
DMAc9gを加えて攪拌する。溶解後脱泡し、溶液温
度を30℃に保ち、ガラス板上にキャストしそのまま30
℃の水中に浸せきして膜を得たが、脆くて形状を維持す
ることが困難であった。
【0090】(比較例9)特公昭63−25784に従
い、アモコ社製ポリスルホンP−3500 11g、プ
ロピレングリコール7g、N-メチルピロリドン32gか
ら溶液を調製し、実施例1と同様にして平膜を作製し
た。この膜は非対称膜(図25,図26)で酸素透過性
能は500ml/min・m2・mmHgであった。この膜に対する
接触角は、水が88゜、牛血漿が98゜であった。
【0091】(比較例10)還元粘度が0.9(dl/g)で
ある式(8)のポリヒドロキシエーテル樹脂10g、プ
ロピレングリコール10g、DMSO10gおよびDM
Ac10gである以外は実施例1と同様にして湿式平膜
を作製した。この膜は非対称膜で(図27,図28)、
酸素透過性能は30ml/min・m2・mmHgであった。この膜
に対する接触角は、水が80゜、牛血漿が89゜であっ
た。
【0092】
【化16】
【0093】(比較例11)市販のポリオレフィン製人
工肺膜は、酸素透過性能が1400ml/min・m2・mmHgで、
膜表面には孔が認められ、断面は同じ構造を有する多孔
性の対称膜であった(図29,図30)。
【0094】
【発明の効果】本発明のポリヒドロキシエーテル樹脂お
よびポリヒドロキシエーテル膜は、還元粘度が0.6以
上で重合度が大きく、しかも不溶不融の成分を含まない
ことを特徴とする。本発明の樹脂はこれまでに知られて
いる重合度20以下のポリヒドロキシエーテル樹脂に比
べ機械的強度にも優れており、水に対する接触角よりも
血漿あるいはタンパク水溶液に対する接触角の方が大き
く、かつ水に対する接触角が90゜以上であるという特
異性を有する。さらに従来のビスフェノールAからなる
ポリヒドロキシエーテル樹脂よりもガラス転移温度Tg
が高くその表面張力が小さい。
【0095】また、本発明のポリヒドロキシエーテル膜
は、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフロロプロ
パン、あるいはそれ以外のビスフェノール類とハロゲン
化エポキシ(エピクロロヒドリン等)との重縮合から得
られた樹脂を、DMSOやDMAc等の有機溶媒に溶解
し湿式法により得られる。
【0096】さらに、このポリヒドロキシエーテル膜は
非対称膜であり、 1)細孔径が小さいためPP多孔質膜よりも血漿の侵入
を防ぐ力が大きい 2)血漿蛋白が細孔内部へ侵入することを抑制すること
が可能である 3)水に対する接触角が90°以上であるため血漿ろ液
である水の透過も抑制する 4)人工肺膜として十分なガス透過性能を有する などの点において優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】湿式平膜の作成方法を示す図である。
【図2】紡糸装置の概略を示す図である。
【図3】湿式平膜のガス透過性能の測定方法を示す図で
ある。
【図4】中空糸膜のガス透過性能の測定方法を示す図で
ある。
【図5】平膜断面のSEM写真である。
【図6】平膜表面のSEM写真である。
【図7】平膜断面のSEM写真である。
【図8】平膜表面のSEM写真である。
【図9】平膜断面のSEM写真である。
【図10】平膜表面のSEM写真である。
【図11】平膜断面のSEM写真である。
【図12】平膜表面のSEM写真である。
【図13】中空糸膜断面のSEM写真である。
【図14】中空糸膜外表面のSEM写真である。
【図15】中空糸膜外表面のSEM写真である。
【図16】中空糸膜断面のSEM写真である。
【図17】中空糸膜外表面のSEM写真である。
【図18】中空糸膜外表面のSEM写真である。
【図19】中空糸膜断面のSEM写真である。
【図20】中空糸膜外表面のSEM写真である。
【図21】中空糸膜外表面のSEM写真である。
【図22】中空糸膜断面のSEM写真である。
【図23】中空糸膜外表面のSEM写真である。
【図24】中空糸膜外表面のSEM写真である。
【図25】平膜断面のSEM写真である。
【図26】平膜表面のSEM写真である。
【図27】平膜断面のSEM写真である。
【図28】平膜表面のSEM写真である。
【図29】ポリオレフィン中空糸膜断面のSEM写真で
ある。
【図30】ポリオレフィン中空糸膜表面のSEM写真で
ある。
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)で表される不溶不融のゲルを含
    まないポリヒドロキシエーテル樹脂であって、式(1) 【化1】 前記ポリヒドロキシエーテル樹脂は、式(2)で表され
    るR基が100mol%〜20mol%であり、式(2) 【化2】 残りのR基が式(3)で表されるR基の群のうちのいず
    れかであり、式(3) 【化3】 かつ、前記ポリヒドロキシエーテル樹脂0.5gにN,N-
    ジメチルアセトアミドを加えて溶解し100mlとした溶
    液の25℃における還元粘度が0.6(dl/g)以上である
    ことを特徴とするポリヒドロキシエーテル樹脂。
  2. 【請求項2】 前記ポリヒドロキシエーテル樹脂の前記
    残りのR基が、式(4)で表されるR基の群のうちのい
    ずれかであることを特徴とする請求項1記載のポリヒド
    ロキシエーテル樹脂。 式(4) 【化4】
  3. 【請求項3】 水に対する接触角よりも血漿あるいはタ
    ンパク水溶液に対する接触角の方が大きく、かつ水に対
    する接触角が90゜以上であることを特徴とする請求項
    1および2記載のポリヒドロキシエーテル樹脂
  4. 【請求項4】 非プロトン性極性溶媒に、式(5)で表
    される群のうちのいずれかの構造を有するビスフェノー
    ル類を少なくとも1種類以上と、エピハロヒドリンとを
    加え反応させることを特徴とするポリヒドロキシエーテ
    ル樹脂の合成方法。 式(5) 【化5】
  5. 【請求項5】 前記非プロトン性極性溶媒に、前記式
    (5)で表される群のうちのいずれかの構造を有するビ
    スフェノール類を少なくとも1種類以上と、前記ビスフ
    ェノール類に対するモル比が0.95〜1.05のエピ
    ハロヒドリンと、前記ビスフェノール類に対して等モル
    以上の水酸化ナトリウム水溶液とを加え、室温以上かつ
    前記非プロトン性極性溶媒の沸点以下の反応温度で均一
    に攪拌することを特徴とする請求項4記載のポリヒドロ
    キシエーテル樹脂の合成方法。
  6. 【請求項6】 前記非プロトン性極性溶媒がジメチルス
    ルホキシド、N,N-ジメチルアセトアミド、テトラヒドロ
    フラン、ジオキサン、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチ
    ルホルムアミド、スルホランのうちのいずれかまたはこ
    れらの混合溶媒であることを特徴とする請求項4および
    5記載のポリヒドロキシエーテル樹脂の合成方法。
  7. 【請求項7】 式(1)で表されるポリヒドロキシエー
    テル膜であって、式(1) 【化6】 前記ポリヒドロキシエーテル膜は、式(2)で表される
    R基が100mol%〜20mol%であり、式(2) 【化7】 残りのR基が式(3)で表されるR基の群のうちのいず
    れかであり、式(3) 【化8】 かつ、前記ポリヒドロキシエーテル膜0.5gにN,N-ジ
    メチルアセトアミドを加えて溶解し100mlとした溶液
    の25℃における還元粘度が0.6(dl/g)以上であるこ
    とを特徴とするポリヒドロキシエーテル膜。
  8. 【請求項8】 前記ポリヒドロキシエーテル膜の前記残
    りのR基が、式(4)で表されるR基の群のうちのいず
    れかであることを特徴とする請求項1記載のポリヒドロ
    キシエーテル膜。 式(4) 【化9】
  9. 【請求項9】式(1)で表される不溶不融のゲルを含ま
    ないポリヒドロキシエーテル樹脂と、ジメチルスルホキ
    シド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリ
    ドン、N,N-ジメチルホルムアミド、THF、アセトン、
    スルホランのうちのいずれかまたはこれらの混合溶媒
    と、第3成分としての水、塩、低分子量化合物もしくは
    高分子量化合物を加えて溶解し調製した溶液を用いて、
    乾湿式または湿式製膜法により製造することを特徴とす
    るポリヒドロキシエーテル膜の製造方法。 式(1) 【化10】 但し、式(2)で表されるR基が100mol%〜20mol
    %であり、式(2) 【化11】 残りのR基が式(3)で表されるR基の群のうちのいず
    れか式(3) 【化12】
  10. 【請求項10】前記塩、低分子量化合物もしくは高分子
    量化合物が、NaCl、LiCl、CaCl2、MgCl2、Mg(ClO4)2、L
    iClO4、メタノール、エタノール、プロパノール、エチ
    レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
    リコール、グリセリン、尿素、ポリプロピレングリコー
    ル、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、
    ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドのうちのいずれか
    またはこれらの混合物であり、これらの第3成分が製膜
    溶液中の5wt%〜50wt%であることを特徴とする請求
    項9記載のポリヒドロキシエーテル膜の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013032549A (ja) * 2007-03-13 2013-02-14 Osaka Gas Co Ltd フルオレン骨格を有するフェノキシ樹脂およびその製造方法
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