JPH11140204A - 防汚性薄膜の形成方法 - Google Patents
防汚性薄膜の形成方法Info
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- JPH11140204A JPH11140204A JP9310261A JP31026197A JPH11140204A JP H11140204 A JPH11140204 A JP H11140204A JP 9310261 A JP9310261 A JP 9310261A JP 31026197 A JP31026197 A JP 31026197A JP H11140204 A JPH11140204 A JP H11140204A
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Abstract
て、優れた防汚性薄膜を安定的にムラがなく、連続的に
形成でき、その薄膜形成の制御性および蒸発源の調整や
セット等の作業性に優れた簡便な防汚性薄膜の形成方法
の提供にある。 【解決手段】真空蒸着法による被処理基材10の表面に
防汚性薄膜1を形成する方法で、織物状含浸担体20に
浸したフルオロアルキルシラン等の防汚性材料をランプ
ヒ−タ−30加熱又はヒートローラー接触加熱により蒸
発させるもので、前記織物状の含浸担体がロ−ル状含浸
担体20aで、それを連続巻き取り式送り装置110に
より送り、連続的に蒸発させる方法である。またセラミ
ックス多孔性形成体の含浸担体に浸した防汚性材料を、
ランプヒ−タ−加熱により蒸発させるもので、前記セラ
ミックス多孔性形成体の含浸担体が、板状、ペレット
状、粉状含浸担体で、それらの表面又は裏面から照射加
熱してなる形成方法である。
Description
で防汚性を必要とする各種基材の表面に、防汚性薄膜を
形成する方法に関するものであり、特に連続成膜可能な
防汚性薄膜の形成方法に関する。
膜付き光学部材において、汗や指紋等による汚れが付着
し易く、一旦付着したこのような汚れを除去するため
に、特殊な布等で拭き取るなどの操作が知られている
が、完全に除去するには困難なものであった。
汚性あるいは撥水性のあるフルオロアルキルシランの薄
膜を光学部材の表面に形成する方法が提案されている。
例えば、特開平5−215905号公報では、フルオロ
アルキルシラザン等を金属粉末の焼結フィルターに含浸
させた蒸発源を用いる真空蒸着方法としたものであり、
また、特開平8−143332号公報では、フルオロア
ルメキルシラザンをスチールウールに含浸させた蒸発源
を用いる真空蒸着方法としたものが開示されている。
は、プラズマCVD(Chemical Vapor
Deposition)法を用いてフルオロアルキルシ
ランの撥水性薄膜を形成する方法としたものが開示され
ている。
開平5−215905号公報、特開平8−143332
号公報に開示されている方法では、メガネレンズ等の被
処理基材にバッチ処理で防汚性薄膜を形成するために開
発された方法であって、被処理基材としてポリエステル
フィルムやポリアセチルセルロースフィルム等のロール
状のフィルムを用いた巻き取り方式で連続処理を行った
としても、蒸着源のセットや調整に煩雑さがあるため、
蒸発量の安定性、制御性および処理の作業性が悪いとい
う問題があった。特に、被処理基材が反射防止膜付きの
光学部材である場合、薄膜の厚みムラは光学特性ムラの
原因となるため、致命的問題であった。
に開示されている方法では、巻き取り方式で連続処理も
可能であるが、メガネレンズ等の水やけ防止を目的に提
案された撥水性薄膜であるため、防汚性が不十分なもの
であった。すなわち、防汚性の優れた材料は概して、分
子量が大きく、蒸気圧が低く、反応性が高くなる傾向に
あるが、上記のCVD法ではこのような材料の薄膜化は
不向きであって、上記提案の材料にも防汚性の点で問題
があった。
するものであり、その課題とするところは、偏光板等の
光学部材の防汚性薄膜の形成において、より優れた防汚
性薄膜を安定的にムラがなく、連続的に形成でき、その
薄膜形成の制御性および蒸発源の調整やセット等の作業
性に優れた簡便な防汚性薄膜の形成方法を提供すること
にある。
を達成するために、まず請求項1の発明では、真空蒸着
法によって被処理基材の表面に防汚性薄膜を形成する方
法であって、織物状の含浸担体に浸したフルオロアルキ
ルシラン等の防汚性材料をランプヒ−タ−による放射加
熱もしくはヒートローラーによる接触加熱により蒸発さ
せることを特徴とする防汚性薄膜の形成方法としたもの
である。
含浸担体がロ−ル状であって、そのロール状含浸担体を
連続巻き取り式送り装置により送り、連続的に蒸発させ
ることを特徴とする防汚性薄膜の形成方法としたもので
ある。
含浸担体がグラスファイバ−からなることを特徴とする
防汚性薄膜の形成方法としたものである。
含浸担体がカ−ボンファイバ−からなることを特徴とす
る防汚性薄膜の形成方法としたものである。
含浸担体がアルミナファイバ−からなることを特徴とす
る防汚性薄膜の形成方法としたものである。
よって被処理基材の表面に防汚性薄膜を形成する方法で
あって、セラミックス多孔性形成体からなる含浸担体に
浸したフルオロアルキルシラン等の防汚性材料を、ラン
プヒ−タ−による照射加熱により蒸発させることを特徴
とする防汚性薄膜の形成方法。
クス多孔性形成体からなる含浸担体が、板状含浸担体、
または裏面に金属製板を備えた板状含浸担体であって、
該板状含浸担体の表面から照射加熱してなることを特徴
とする防汚性薄膜の形成方法としたものである。
ラミックス多孔性形成体からなる含浸担体が、ペレット
状含浸担体もしくは塊状含浸担体もしくは粉状含浸担
体、または裏面に多数個穿設された金属製板を備えたペ
レット状もしくは塊状含浸担体であって、該ペレット状
もしくは塊状もしくは粉状含浸担体の裏面から照射加熱
してなることを特徴とする防汚性薄膜の形成方法とした
ものである。
防汚性材料とは、真空蒸着法に適用できる材料で、分子
量が大きく、蒸気圧が低く、反応性が高い材料あるいは
多元系の材料との混合物であり、発明者らの鋭意検討を
重ねた結果、非常に防汚性の優れた材料であることを見
いだしたもので、具体的には、フルオロアルキルシラ
ン、フルオロアルキルシラザンあるいはこれらの混合系
材料である。
る。本発明の防汚性薄膜の形成方法は、図1に示すよう
に、巻き取り式真空蒸着装置(100)によって被処理
基材(10)の表面に防汚性薄膜を形成する方法であっ
て、織物状の含浸担体(20)に浸したフルオロアルキ
ルシラン等の防汚性材料をランプヒ−タ−(30)によ
る放射加熱もしくは図2に示すヒートローラー(40)
による接触加熱により蒸発させるものであり、前記織物
状の含浸担体(20)がロ−ル状であって、そのロール
状含浸担体(20a)を連続巻き取り式送り装置(11
0)により、連続的に蒸発させることを特徴とする防汚
性薄膜の形成方法としたものである。
グラスファイバー、カーボンファイバーまたはアルミナ
ファイバーからなるものである。
法によれば、巻き取り式真空蒸着装置(100)内の被
処理基材(10)であるフィルムの走行速度とロール状
含浸担体(20a)の送り速度の調整だけで、単分子あ
るいは数分子層程度の防汚性薄膜(1)を安定してムラ
なく形成することができ、織物状の含浸担体(20)を
ロール状含浸担体(20a)とし、連続巻き取り式送り
装置(110)で連続的に蒸発させることによって、1
万m以上の被処理基材(10)であるロールフィルムの
連続処理が容易に可能となり、かつロール状含浸担体
(20a)の調整やセットを簡単にすることができるも
のである。
成方法は、図3に示すように、巻き取り式真空蒸着装置
(100)によって被処理基材(10)の表面に防汚性
薄膜(1)を形成する方法であって、セラミックス多孔
性形成体からなる含浸担体(24)に浸したフルオロア
ルキルシラン等の防汚性材料を、ランプヒ−タ−(3
0)による照射加熱により蒸発させるものであり、前記
セラミックス多孔性形成体からなる含浸担体(24)
が、図4(a)に示すように、板状含浸担体(24a)
であって、または、図4(b)に示すように、裏面に金
属板(24c)を備えた板状含浸担体(24a)であっ
て、これら板状含浸担体(24a)の表面からランプヒ
−タ−(30)による照射加熱してなることを特徴とす
る防汚性薄膜の形成方法としたものである。
なる含浸担体(24)が、図5(a)に示すように、ペ
レット状含浸担体(24b)もしくは図6(a)に示す
ように、塊状含浸担体(24e)もしくは図7に示すよ
うに、粉状含浸担体(24f)であって、または図5
(b)に示すように、裏面に多数個穿設された金属板
(24d)を備えたペレット状含浸担体(24b)もし
くは図6(b)に示すように、塊状含浸担体(24e)
であって、それらペレット状含浸担体(24b)もしく
は塊状含浸担体(24e)もしくは粉状含浸担体(24
f)の裏面からランプヒ−タ−(30)による照射加熱
してなることを特徴とする防汚性薄膜(1)の形成方法
としたものである。
膜の形成方法によれば、巻き取り式真空蒸着装置(10
0)内の被処理基材(10)であるフィルムの走行速度
の調整だけで、単分子あるいは数分子層程度の防汚性薄
膜を安定してムラなく形成することができ、セラミック
ス多孔性形成体からなる含浸担体(24)の上記形状と
長さを調整することによって、500mから数千mの被
処理基材(10)であるロールフィルムの連続処理が容
易に可能となり、かつセラミックス多孔性形成体からな
る含浸担体(24)の調整やセットを簡単にすることが
できるものである。
した非常に防汚性に優れた防汚性材料として、上述のよ
うに、真空蒸着法に適用できる材料で、分子量が大き
く、蒸気圧が低く、反応性が高い材料あるいは多元系の
材料との混合物であり、具体的には、フルオロアルキル
シラン、フルオロアルキルシラザンあるいはこれらの混
合系材料である。
ッ素を有する置換基を表す)で表されるフッ素系材料あ
るいは、一般式
な置換基を表す。)で表されるフルオロアルキルシラザ
ンあるいは上記材料との混合物である。
ロライドなどのフッ素系溶媒で0.1から30重量%に
希釈し、グラスファイバ−、カ−ボンファイバ−、アル
ミナファイバ−等からなる織物状の含浸担体(20)ま
たは硫酸カルシウム、カルシア、シリカ、マグネシア、
アルミナあるいはそれら材料との混合物等のセラミック
ス粉末を焼成した多孔性形成体からなる含浸担体(2
4)に含浸後乾燥させ、それぞれの蒸着用含浸担体とす
る。
なる含浸担体(24)について詳述する。セラミックス
の焼成形状には、板状、ペレット状、塊状、粉状等が考
えられる。照射加熱方法によらず材料の蒸発方向には指
向性がないので、被処理基材(10)側に蒸発する効率
をよくするためには、形状と加熱方法のマッチングが必
要である。本発明のランプヒ−タ−(30)による照射
加熱では、図4(a)に示すマクロ的隙間の無い板状含
浸担体(24a)の場合は、表面(被処理基材(10)
側)からのランプヒ−タ−(30)による照射加熱が適
している。また図4(b)に示すこの板状含浸担体(2
4a)の下面に金属製板(24c)を設けることで一旦
裏面に蒸発した材料を表面に再蒸発させることができる
ので、より材料使用効率がよくなるものである。また、
ペレット状含浸担体(24b)や塊状含浸担体(24
e)や粉状含浸担体(24f)の場合、表面照射でもよ
いが、図5(a)および図6(a)および図7に示すよ
うに、裏面(被処理基材(10)と反対側)照射がより
良い成膜を可能にする。また、図5(b)および図6
(b)に示すように、このペレット状含浸担体(24
b)や塊状含浸担体(24e)の下面に多数穿設された
金属製板(24d)を設けることで前記板状含浸担体
(24a)同様に一旦裏面に蒸発した材料を表面に再蒸
発させることができるので、より材料使用効率よくなる
ものである。
は、例えば、液晶ディスプレー用の偏光板あるいは偏光
板貼り付け用反射防止フィルムやテレビモニタ−貼り付
け用反射防止フィルムがあり、いずれの場合でも真空蒸
着やスパッタリング法などのドライコ−トあるいはディ
ップコ−トやスピンコ−トなどのウェットコ−トなどに
よって、ハ−ドコ−ト付きのポリエステルフィルムやト
リアセチルセルロ−スフィルム等のロ−ルフィルム上
に、反射防止膜を積層したものを用いる。この反射防止
膜はMgF2、LiF2、ThF4、SiO、SiO2、Z
rO2、CeO2、Al2O3、TiO2、Ta2O5などの
フッ化物、酸化物を単層で、あるいは積層したものを用
いる。
含浸担体(20、24)を巻き取り式真空蒸着装置(1
00)にセットし、1E−4Torr以下に真空排気し
て後、この蒸着用含浸担体(織物状の含浸担体(20)
の場合)を適当な速度で送り込みながら、特定の一部分
を150℃〜500℃、好ましくは200℃から400
℃に加熱し含浸された材料を蒸発させる。加熱方法とし
て、両者の蒸着用含浸担体(20、24)ではランプヒ
−タ−(30)加熱が適用され、織物状の含浸担体(2
0)には、図2に示すようにヒートローラー(40)に
よる接触加熱を用いることもできる。
説明する。 〈実施例1〉前記化2で表されるフルオロアルキルシラ
ザンをメタキシレンヘキサフロライドで3重量%に希釈
した溶液(信越化学工業製:KP801M)を、幅50
mm・厚さ1mm・長さ1mのグラスファイバ−からな
る織物(日東紡製スライバ−クロスWS850S10
0)に含浸、乾燥させて蒸着用ロール状含浸担体(20
a)を得た。
0mm・厚さ80ミクロン・長さ500mのトリアセチ
ルセルロ−スフィルム上にハ−ドコ−ト層と反射防止膜
を積層したものを用いて、図1に示すように、巻き取り
式真空蒸着装置(100)内の巻き出しロール(1
2)、蒸着ロール(16)および巻き取りロール(1
4)に装填した。
空蒸着装置(100)内に上記で得られた蒸着用ロール
状含浸担体(20a)をセットし、1E−4Torr以
下に真空排気して後、このロール状含浸担体(20a)
を巻き取り式送り装置(110)を介して5mm/mi
nで送り込みながら、蒸着用織物状の含浸担体(20)
にスポット状に集光できるランプヒ−タ−(30)(ウ
シオ電機製IHU-A03-01500W)で照射加熱し、蒸発させ
た。この時の蒸着用含浸担体(20)の表面温度は35
0℃で、被処理基材(10)であるフィルムの走行速度
は5m/minであった。
1度の均一な防汚性薄膜(1)が形成された。また防汚
性薄膜(1)の形成前後における分光特性の変化は無
く、幅方向・長さ方向の色ムラはみられず良好であっ
た。
用ロール状含浸担体(20a)と被処理基材(10)を
用いて、図2に示すように、巻き取り式真空蒸着装置
(100)内にセットし、1E−4Torr以下に真空
排気して後、この織物状の含浸担体(20)を350℃
に温度制御されたヒートローラー(40)上を接触させ
ながら5mm/minで通過させ、蒸発させた。被処理
基材(10)であるフィルムの走行速度は5m/min
であった。
1度の均一な防汚性薄膜が形成された。また防汚性薄膜
(1)の形成前後における分光特性の変化は無く、幅方
向・長さ方向の色ムラはみられず良好であった。
ルオロアルキルシラザンを1:1の比率で混合し、メタ
キシレンヘキサフロライドで6重量%に希釈した混合溶
液を用いて、実施例1と同様の蒸着用ロール状含浸担体
(20a)を用意した。
置(100)内に、実施例1で用意された被処理基材
(10)と上記で得られた蒸着用ロール状含浸担体(2
0a)をセットし、1E−4Torr以下に真空排気し
て後、このロール状含浸担体(20a)を巻き取り式送
り装置(110)を介して5mm/minで送り込みな
がら、実施例1と同様のランプヒ−タ−(30)で照射
加熱し、蒸発させた。この時の蒸着用織物状の含浸担体
(20)の表面温度は350℃で、被処理基材(10)
であるフィルムの走行速度は5m/minであった。
0度の均一な防汚性薄膜(1)が形成された。また防汚
性薄膜(1)の形成前後における分光特性の変化は無
く、幅方向・長さ方向の色ムラはみられず良好であっ
た。
を、幅50mm・厚さ1mm・長さ1mのカ−ボンファ
イバ−からなる織物状の含浸担体(20)に含浸、乾燥
させて蒸着用ロール状含浸担体(20a)を得た。
置(100)内に、この蒸着用ロール状含浸担体(20
a)と実施例1同様の被処理基材(10)をセットし、
1E−4Torr以下に真空排気して後、この含浸担体
(20a)を巻き取り式送り装置を介して5mm/mi
nで送り込みながら、実施例1と同様のランプヒ−タ−
(30)で照射加熱し、蒸発させた。この時の蒸着用含
浸担体(20)の表面温度は350℃で、被処理基材
(10)であるフィルムの走行速度は5m/minであ
った。
0度の均一な防汚性薄膜(1)が形成された。また防汚
性薄膜(1)の形成前後における分光特性の変化は無
く、幅方向・長さ方向の色ムラはみられず良好であっ
た。
を、幅50mm・厚さ1mm・長さ1mのアルミナファ
イバ−からなる織物状の含浸担体(20)に含浸、乾燥
させて蒸着用ロール状含浸担体(20a)を得た。
ル状含浸担体(20a)と実施例1と同様の被処理基材
(10)を巻き取り式真空蒸着装置(100)内にセッ
トし、1E−4Torr以下に真空排気して後、この蒸
着用ロール状含浸担体(20a)を巻き取り式送り装置
(110)を介して5mm/minで送り込みながら、
実施例1と同様のランプヒ−タ−(30)で照射加熱
し、蒸発させた。この時の蒸着用織物状の含浸担体(2
0)の表面温度は350℃で、被処理基材(10)であ
るフィルムの走行速度は5m/minであった。
0度の均一な防汚性薄膜(1)が形成された。また防汚
性薄膜(1)の形成前後における分光特性の変化は無
く、幅方向・長さ方向の色ムラはみられず良好であっ
た。
を、幅50mm・厚さ1mm・長さ30mのグラスファ
イバ−からなるロ−ル状の織物(日東紡製スライバ−ク
ロスWS850S100)に含浸、乾燥させて蒸着用ロ
ール状含浸担体(20a)を得た。
着用ロール状含浸担体(20a)と実施例1同様の被処
理基材(10)を巻き取り式真空蒸着装置(100)に
セットし、10E−4Torr以下に真空排気して後、
この蒸着用ロール状含浸担体(20a)を巻き取り式送
り装置(110)を用いて5mm/minで送り込みな
がら、実施例1と同様のランプヒ−タ−(30)で照射
加熱し、蒸発させた。この時の蒸着用織物状の含浸担体
(20)の表面温度は350℃で、被処理基材(10)
であるフィルムの走行速度は5m/minであった。
0度の均一な防汚性薄膜(1)が形成された。また防汚
性薄膜(1)の形成前後における分光特性の変化は無
く、幅方向・長さ方向の色ムラはみられず良好であっ
た。また、この長尺(30m)のロ−ル状の織物からな
る蒸着用ロール状含浸担体(20a)であるため、交換
なしで、1本500mの前記被処理基材(10)を50
本分すなわち25000m分の処理ができた。
アルキルシラザンをメタキシレンヘキサフロライドで3
重量%に希釈した溶液(信越化学工業製:KP801
M)を、幅50mm・厚さ3mm・長さ1mの硫酸カル
シウムの成形体に1200ccを含浸、乾燥させて蒸着
用セラミックス多孔性形成体からなる含浸担体(24)
で図6に示すような板状含浸担体(24a)を得た。
用セラミックス多孔性形成体からなる板状含浸担体(2
4a)と実施例1と同様の被処理基材(10)を巻き取
り式真空蒸着装置(100)内にセットし、1E−4T
orr以下に真空排気して後、この板状含浸担体(24
a)を5mm/minで送り込みながら、図6に示すよ
うに、スポット上に集光できるランプヒ−タ−(30)
(ウシオ電機製IHU-A03-01 500W)で表面から照射加熱
し、蒸発させた。この時の蒸着用板状含浸担体(24
a)の表面温度は350℃で、被処理基材(10)であ
るフィルムの走行速度は5m/minであった。
1度の均一な防汚性薄膜(1)が形成された。また防汚
性薄膜(1)の形成前後における分光特性の変化は無
く、幅方向・長さ方向の色ムラはみられず良好であっ
た。
φ4mm長さ6mmのペレット状の成形体に含浸、乾燥
させて図5(a)に示すような蒸着用ペレット状含浸担
体(24b)を得た。
に実施例7同様の被処理基材(10)と上記で得た蒸着
用ペレット状含浸担体(24b)をセットし、1E−4
Torr以下に真空排気して後、このペレット状含浸担
体(24b)を5mm/minで送り込みながら、図5
(a)に示すように、実施例7と同様のランプヒ−タ−
(30)で裏面から照射加熱し、蒸発させた。この時の
蒸着用ペレット状含浸担体(24b)の表面温度は35
0℃で、被処理基材(10)であるフィルムの走行速度
は5m/minであった。
1度の均一な防汚性薄膜(1)が形成された。また防汚
性薄膜(1)の形成前後における分光特性の変化は無
く、幅方向・長さ方向の色ムラはみられず良好であっ
た。また、実施例6と同様の材料使用効率を得た。
さ3〜15mm、厚さ1〜5mmの不定形の成形体に含
浸、乾燥させて図6(a)に示すような、蒸着用塊状含
浸担体(24e)を得た。
に実施例7同様の被処理基材と上記で得た蒸着用塊状含
浸担体(24e)をセットし、1E−4Torr以下に
真空排気して後、この塊状含浸担体(24e)を5mm
/minで送り込みながら、図6(a)に示すように、
実施例6と同様のランプヒ−タ−(30)で裏面から加
熱し、蒸発させた。この時の蒸着用塊状含浸担体(24
e)の表面温度は350℃で、被処理基材(10)であ
るフィルムの走行速度は5m/minであった。
1度の均一な防汚性薄膜(1)が形成された。また防汚
性薄膜(1)の形成前後における分光特性の変化は無
く、幅方向・長さ方向の色ムラはみられず良好であっ
た。また、実施例6と同様の材料使用効率を得た。
均粒径100μmの成形体に含浸、乾燥させて、図7に
示すような蒸着用粉状含浸担体(24f)を得た。続い
て巻き取り式真空蒸着装置(100)に実施例7同様の
被処理基材(10)と上記で得た蒸着用粉状含浸担体
(24f)をセットし、1E−4Torr以下に真空排
気して後、この粉状含浸担体(24f)を5mm/mi
nで送り込みながら、図7に示すように、実施例6と同
様のランプヒ−タ−(30)で裏面から加熱し、蒸発さ
せた。この時の蒸着用粉状含浸担体(24f)の表面温
度は350℃で、被処理基材(10)であるフィルムの
走行速度は5m/minであった。
1度の均一な防汚性薄膜(1)が形成された。また防汚
性薄膜(1)の形成前後における分光特性の変化は無
く、幅方向・長さ方向の色ムラはみられず良好であっ
た。また、実施例6と同様の材料使用効率を得た。
(100)に実施例7同様の被処理基材(10)と蒸着
用板状含浸担体(24a)をセットし、図4(b)に示
すように、板状含浸担体(24a)の下面に厚さ1mm
のステンレス製金属板(24c)を挿入した。1E−4
Torr以下に真空排気して後、この板状含浸担体(2
4a)を5mm/minで送り込みながら、図4に示す
ように、実施例7と同様のランプヒ−タ−(30)で表
面から照射加熱し、蒸発させた。この時の蒸着用板状含
浸担体(24a)の表面温度は350℃で、被処理基材
(10)であるフィルムの走行速度は7m/minであ
った。
1度の均一な防汚性薄膜(1)が形成された。また防汚
性薄膜(1)の形成前後における分光特性の変化は無
く、幅方向・長さ方向の色ムラはみられず良好であっ
た。また、実施例7より良い材料使用効率を得た。
(100)内に実施例7同様の被処理基材(10)と図
5(b)に示すように、実施例8と同様の蒸着用ペレッ
ト状含浸担体(24b)をセットし、このペレット状含
浸担体(24b)の下面にはφ3mm、開口率70%に
多数穿設したステンレス製金属板(24d)を挿入し
た。1E−4Torr以下に真空排気して後、このペレ
ット状含浸担体(24b)を5mm/minで送り込み
ながら、図5(b)に示すように、実施例7と同様のラ
ンプヒ−タ−(30)で裏面から照射加熱し、蒸発させ
た。この時の蒸着用ペレット状含浸担体(24b)の表
面温度は350℃で、被処理基材(10)であるフィル
ムの走行速度は7m/minであった。
1度の均一な防汚性薄膜(1)が形成された。また防汚
性薄膜(1)の形成前後における分光特性の変化は無
く、幅方向・長さ方向の色ムラはみられず良好であっ
た。また、実施例7より良い材料使用効率を得た。
スチ−ルウ−ルに含浸させた直径φ18mmの銅製カッ
プに圧入した総計450ケの蒸発源をリング状に二列に
並べ、送り角度1.5度/minで回転させながら、電
子ビームガンを用いて、加速電圧10KV、エミッショ
ン電流15mAの条件で加熱蒸着した。被処理基材(1
0)は上記実施例と同じものを用い、被処理基材(1
0)であるフィルムの走行速度は2m/minであっ
た。
1度の防汚性薄膜(1)が形成されたが、30cm程度
の長さで接触角90度前後の部分が周期的に発生した。
この部分ではた防汚性薄膜(1)の形成前後における分
光特性の変化は無く、幅方向・長さ方向の色ムラはみら
れなかったものの、防汚性能ムラが発生した。また、蒸
発源を並べる作業が煩雑であった。
00)に実施例6と同様の被処理基材(10)と蒸着用
含浸担体をセットし、1E−4Torr以下に真空排気
して後、この含浸担体を5mm/minで送り込みなが
ら、実施例6と同様のランプヒ−タ−(30)で裏面か
ら加熱し、蒸発させた。
速度は5m/minでは適性な成膜レ−トが得られず、
この結果、水の接触角で70度から90度の不均一な防
汚性薄膜しか形成できなかった。また、幅方向・長さ方
向の色ムラがあった。また、フィルムの走行速度を0.
5m/minに落としたところ、水の接触角で110度
から111度の均一な防汚性薄膜(1)が形成された。
したがって、上記各実施例に比べ著しく材料利用効率が
悪かった。
示す如き効果がある。即ち、真空蒸着法によって被処理
基材の表面に防汚性薄膜を形成する方法において、織物
状の含浸担体に浸したフルオロアルキルシラン等の防汚
性材料をランプヒ−タ−による放射加熱もしくはヒート
ローラーによる接触加熱により蒸発させ、前記織物状の
含浸担体がロ−ル状であって、そのロール状含浸担体を
連続巻き取り式送り装置により送り、連続的に蒸発させ
る防汚性薄膜の形成方法としたので、防汚性の優れた分
子量が大きく、蒸気圧が低く、反応性が高い材料あるい
は多元系の材料混合物を被処理基材であるロールフィル
ム上に連続処理が長時間でき、かつ速く、安定して、制
御性よく、簡便な防汚性薄膜の形成を可能にする。
含浸担体に浸したフルオロアルキルシラン等の防汚性材
料を、ランプヒ−タ−による照射加熱により蒸発させ、
前記セラミックス多孔性形成体からなる含浸担体が、裏
面に金属製板を備えた板状含浸担体であって、該板状含
浸担体の表面から照射加熱してなるもしくは前記セラミ
ックス多孔性形成体からなる含浸担体が、裏面に多数個
穿設された金属製板を備えたペレット状もしくは塊状含
浸担体であって、該ペレット状もしくは塊状もしくは粉
状含浸担体の裏面から照射加熱してなる防汚性薄膜の形
成方法としたので、防汚性の優れた分子量が大きく、蒸
気圧が低く、反応性が高い材料あるいは多元系の材料混
合物を被処理基材であるロールフィルム上に連続処理が
比較的長くでき、かつ速く、安定して、制御性よく、簡
便な防汚性薄膜の形成を可能にする。また、蒸発用含浸
担体の調整やセットが非常に簡単にできる。
を、ペレット状もしくは塊状含浸担体の裏面に多数個穿
設された金属製板を設けることによって、金属製板を設
けない場合に比べ、より材料使用効率をよくすることが
できる。
着装置にロール状含浸担体とランプヒ−タ−を配した概
略を断面で表した説明図である。
空蒸着装置にロール状含浸担体とヒートローラーを配し
た概略を断面で表した説明図である。
着装置にセラミックス多孔性形成体からなる含浸担体と
ランプヒ−タ−を配した概略を断面で表した説明図であ
る。
射加熱部を説明する図で、(a)は、板状含浸担体に対
する照射状態を断面で表した説明図である。(b)は、
金属製板を裏面に配した板状含浸担体に対する照射状態
を断面で表した説明図である。
−照射加熱部を説明する図で、(a)は、ペレット状含
浸担体に対する照射状態を断面で表した説明図である。
(b)は、多数穿設したステンレス製金属板を裏面に配
したペレット状含浸担体に対する照射状態を断面で表し
た説明図である。
−照射加熱部を説明する図で、(a)は、塊状含浸担体
に対する照射状態を断面で表した説明図である。(b)
は、多数穿設したステンレス製金属板を裏面に配した塊
状含浸担体に対する照射状態を断面で表した説明図であ
る。
−照射加熱部を説明する図で、粉状含浸担体に対する照
射状態を断面で表した説明図である。
Claims (8)
- 【請求項1】真空蒸着法によって被処理基材の表面に防
汚性薄膜を形成する方法であって、織物状の含浸担体に
浸したフルオロアルキルシラン等の防汚性材料をランプ
ヒ−タ−による放射加熱もしくはヒートローラーによる
接触加熱により蒸発させることを特徴とする防汚性薄膜
の形成方法。 - 【請求項2】前記織物状の含浸担体がロ−ル状であっ
て、そのロール状含浸担体を連続巻き取り式送り装置に
より送り、連続的に蒸発させることを特徴とする請求項
1記載の防汚性薄膜の形成方法。 - 【請求項3】前記織物状の含浸担体がグラスファイバ−
からなることを特徴とする請求項1または2記載の防汚
性薄膜の形成方法。 - 【請求項4】前記織物状の含浸担体がカ−ボンファイバ
−からなることを特徴とする請求項1または2記載の防
汚性薄膜の形成方法。 - 【請求項5】前記織物状の含浸担体がアルミナファイバ
−からなることを特徴とする請求項1または2記載の防
汚性薄膜の形成方法。 - 【請求項6】真空蒸着法によって被処理基材の表面に防
汚性薄膜を形成する方法であって、セラミックス多孔性
形成体からなる含浸担体に浸したフルオロアルキルシラ
ン等の防汚性材料を、ランプヒ−タ−による照射加熱に
より蒸発させることを特徴とする防汚性薄膜の形成方
法。 - 【請求項7】前記セラミックス多孔性形成体からなる含
浸担体が、板状含浸担体、または裏面に金属製板を備え
た板状含浸担体であって、該板状含浸担体の表面から照
射加熱してなることを特徴とする請求項6記載の防汚性
薄膜の形成方法。 - 【請求項8】前記セラミックス多孔性形成体からなる含
浸担体が、ペレット状含浸担体もしくは塊状含浸担体も
しくは粉状含浸担体、または裏面に多数個穿設された金
属製板を備えたペレット状もしくは塊状含浸担体であっ
て、該ペレット状もしくは塊状もしくは粉状含浸担体の
裏面から照射加熱してなることを特徴とする請求項6記
載の防汚性薄膜の形成方法。
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-
1997
- 1997-11-12 JP JP31026197A patent/JP3870516B2/ja not_active Expired - Fee Related
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